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森の中の少女達
- 1 名前:どみそみど 投稿日:2001年09月13日(木)18時08分48秒
- こんにちは。
初めて小説書かせてもらいます。
文章はへたれですが大目にみてください(汗)
圭ちゃん主人公です。
- 2 名前:どみそみど 投稿日:2001年09月13日(木)18時21分09秒
- 深い森の中を女が走っている。
息は荒く体の所々に枝で引っ掻いた傷があり
今にも倒れそうになりながらも走り続けている。
最後の力を振り絞るように。
やがて森が開けたが―
「くっ!」
目の前は崖。
そして後ろか負う者も森を抜け、ゆっくりと女に歩み寄る。
「こ、来ないで!来ないでよっ!」
必死な声を無視しそれは近づく。
そして
「いゃあああああぁ・・・・・・・・・・・」
後に残ったのはいつもと同じ静かな深い森だった。
- 3 名前:どみそみど 投稿日:2001年09月13日(木)18時37分19秒
- 「暑っつ〜〜〜〜〜〜」
明るい山道を一人の女が登っている。
右肩には大きなボストンバック、左手にはギターをぶら下げている。
太陽の熱は少しは木に遮られているがそれでもまだ暑い。
おまけに荷物の重みが肩にのしかかり痛い。
「どこが『一時間もすれば着く』よ!あんのオヤジぃ・・・・」
文句をいいながらもなんとか登る女。名前は保田圭。
現在20歳で今は無職。
結婚した先輩の家に遊びに行く所だ。
「にしてもこんな山の中・・・先輩・・・よく結婚したなあ・・・・も・・・もう駄目・・・」
圭は丁度あった大きな木に倒れこむように寄りかかり荷物をおろし腰を下した。
「ふぃー・・・・・・」
その木は本当に大きかった。
上を見上げると沢山の葉っぱがさらさらゆれている。
「樹齢何年かな・・・あれ?」
ふと隣を見るとさっきまで隣に置いてあったはずのギターが消えていた。
- 4 名前:どみそみど 投稿日:2001年09月13日(木)19時37分22秒
- (ん?確かさっきこの木の横に置いたわよね?)
あわてて周りを見まわすが何処にもギターケースはない。
探そうと立ち上がるとガサッと森の奥で茂みが揺れるような音がした。
(何!?まさか熊とか・・・・・)
ここに来る前に先輩が電話で「出るで〜」と脅していたのを思い出す。
確かにこんな山奥なら出てもおかしくないかもしれない。
もし熊だったら・・・
でもあのギターは大切な物だった。
圭は恐る恐る1歩踏み出す。
森の中は土が湿っていて滑りやすそうだが歩けないことはなさそうだ。
1歩1歩足を踏みしめ音がした方に向かっていくとそこには―
ポロン・・・・・・・
タヌキがいた。
- 5 名前:どみそみど 投稿日:2001年09月13日(木)19時38分02秒
- タヌキがいる。
どうやって開けたのか。ギターケースのチャックが開いていてタヌキがギターをいじっている。
(こ、怖かった)
安心して力が抜けそうになったがギターが取られたままなのを思いだしあわてて声を掛ける。
「こら!」
タヌキはギターをいじるのをやめて圭の方を見た。
圭は調子に乗って話し掛けてみた。
「あのね、それ大切な物なの。返してくれないかな〜〜」
通じたのか通じなかったのか。
しばらく圭を見つづけると、ギターから降りて頭でギターを押し始めた。
山の斜面に向かって。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
圭が慌てて1歩踏み出すと―
ボキッ
「いいっ!?」
足元で枝が折れるような音がした。
そして景色が斜めになり逆さまになりぐるぐると回りだし―
圭は意識を手離した。
- 6 名前:どみそみど 投稿日:2001年09月13日(木)19時57分26秒
- 声がする。
しっとりした女の声と子供特有の高い声だ。
どこにだって咲く花だけど〜
さくはなだけど〜
風が吹いても〜
風邪がふいても〜
負けないのよ〜
まけないのろ〜
辻〜風邪じゃないよ。風。
風邪れすか?つじはこないだ風邪でくるしかったのれす。
ああ、あの時辻まっかで苦しそうだったもんねえ。かおりも見てて苦しくなっちゃった・・・
このまま辻が目を覚まさなくなったらどうしようかって・・・ほんとなおってよかった・・・
・・・いいらさん、ないてるのれすか?かなしいことあったのれすか?
・・・ちがうの。辻がいまここに元気にいることがうれしいの。
この人も早く目をさますといいよね。辻、ごはんつくってくるからこの人しばらく見ててね。
パタパタパタ・・・・・・
このひともくるしいのれすか?だったらつじはやくおきるようにかみさまにおいのりするのれす。
つじ、いいださんのなきがおはみたくないから・・・
声がだんだん近くなる。
目のすきまから光が入り込んできてまぶしい。開けたくない。
それでもなんとか目を開けるとそこにいたのは―
「あ、おめざめれすね」
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