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屈折した愛情

1 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月13日(木)20時49分33秒
初投稿です。
新参者ですが、よろしくお願いします!

カップリングはまきまりです。

すでに書きあがってるので、
毎日少しずつ更新して行きますので…
2 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月13日(木)21時11分43秒
「あーあ、暇だなあ…」

 一人の少女が何をする事もなく、ぶらぶら歩いている
 この少女の名は矢口真里。都内の高校に通っている

矢口「何か面白い事ないかなぁ」

「すみませーん」

 矢口は声を掛けられた為、振り向くと
 そこには帽子を深くかぶってサングラスをしている
 少女が立っていた

少女「○○にはどう行けばいいんですか?」
矢口「あ、そこはここの道をまっすぐ行って、
   二つ目の信号を右に曲がった先にあります」

 言い終えて、再び少女の顔を見て思わず固まってしまった
3 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月13日(木)21時12分33秒
少女「ありがとうございます、…ってどうかしました?」

 固まったままの矢口を見て不審そうに聞く

矢口「いや、別に…(ちょっと、タイプかも)」
少女「そう、それじゃあ」
矢口「あ、うん」
少女「ありがとうございました」

 そういうと少女は足早に去って行った
 矢口はそれを見えなくなるまで見ていた

矢口(かわいかったな、どこの子なんだろう)
4 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月13日(木)21時13分41秒
 一方、矢口に道を聞いてようやく待ち合わせ場所に着いた少女は…

少女「ごっめ〜ん」

 結局時間に間に合わず、30分ほど遅刻してしまった

少女「ごっちん、遅いよ。たまには遅刻しないで来てよね」

 ごっちんと呼ばれている少女の名は後藤真希。
 彼女も矢口と同じ高校に通っているが、
 全校生徒で3000人を超えるマンモス学校のため、
 同じ学校の人でも一度も顔を合わすことなく
 卒業を迎える事もある

 そして、後藤を待っていた少女、
 吉澤ひとみと石川梨華も同じ高校に通っている。
 後藤たちは高校二年生で、矢口は三年生であった為、
 お互いの事を知らないのも無理は無い
 三人は小学校から一緒で大の仲良しである
5 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月13日(木)21時14分18秒
後藤「本当にごめんね」

 そんな二人に手を合わせて謝る

石川「ちゃんとしてよ」

 そして、そのまま三人はカラオケに向かった

 夜になり、カラオケボックスから出ると、
 三人はファミレスに来ていた

後藤「今日さぁ、待ち合わせ場所に着く前に
   すごい可愛い子に会ったんだよね」
吉澤「へえ、どんな子だったの?」

 今まで、雑談をしていた三人だったが、急に後藤が
 昼間の事について話し出した
6 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月13日(木)21時15分31秒
後藤「なんかねえ、金髪で背がすごく小さいの。
   すっごいかわいいんだから…
   また会えないかなぁ」
石川「ふーん、私も会ってみたいな」

 この日の後藤は、口を開けば矢口の話しかしなかった
 しかも、わずか数分の出来事だったので、
 同じ話しを何十回も聞かされる羽目になってしまった
 きりが無いので、吉澤と石川は強引に話を止めると
 ファミレスを後にした

後藤「じゃあ、また明日ね」
吉澤「うん、バイバイ」
石川「バイバーイ」

 次の日は学校がある為、
 時間はまだ早かったが帰る事にした
 もっとも、吉澤と石川はこれ以上後藤といても、
 矢口の話しかしない為、いいかげん聞きたくない
 というのもあっただろうが…
7 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月13日(木)21時20分46秒
とりあえず、今日はここまで
毎日これぐらいの量の更新にするつもりです
あまり長い話ではないので、数日で完結まで
行けると思いますので…

読み辛い文章かもしれませんが、
最後までお付き合い願います

あと、感想など頂けると嬉しいです
それではまた明日!
8 名前:名無し 投稿日:2001年09月13日(木)21時49分02秒
ほのぼのしてイイカンジですね♪
でも…題名から見ると…痛め?でしょうか…

毎日楽しみにして待ちますんで頑張って下さい〜


9 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月14日(金)22時56分37秒
8さん>

おあ!
初スレだ〜!すごい嬉しいです!

まだ始まったばかりで、詳しい事はまだ言えませんが、
これだけ言っておきます。

はい、痛めになります
10 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月14日(金)22時57分31秒
 それから1週間後、後藤の願いが叶う事になる
 この日は日曜日、後藤は一人で街に出ていた

後藤(確か、この辺だったんだよね)

 前に矢口と会った場所でうろうろしていた

後藤(うーん、この辺に住んでいる子じゃあないのかな…)

 朝早くから探し回っていたが、なかなか見つからない
 さすがに探しつかれて、どこかで休む事にした

後藤(あそこにしよう)

 目に入ったのは1軒のレストラン
 おなかもすいていた為、とりあえず入る事にした
 適当に頼んで、それを食べながら外を見ていると
 一人の少女に目が止まった
11 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月14日(金)22時58分09秒
後藤(あの子だ!)

 どうやら一人でいるようだったので、
 あわてて店を出ると矢口の所へ向かう

後藤「こんにちは、また会いましたね!」

 後藤の声にビックリして振り向く矢口

矢口「あ!(どうして、こんな所に?)」

 驚きを隠せないでいる矢口に

後藤「今、一人ですか?」
矢口「え?…あ、うん」

 しどろもどろになって答える矢口に、
 クスクス笑いながら後藤は言う

後藤「これからどっか行きませんか?
   この間のお礼もしたいし…」

 矢口の返事はOKだった
12 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月14日(金)22時59分03秒
矢口「うん、いいよ!」
後藤「それとさあ、名前なんていうんですか?」
矢口「…えっと、矢口真里」
後藤「ふーん、じゃあやぐっつあんだね。
   私の事はごっちんって呼んでください」

矢口「…うん」

 この後二人は、買い物をしたりして楽しんだ
 そして、時間も遅くなり帰り際に

後藤「やぐっつあん、携帯の番号教えて」
矢口「あ、うん 090−××△△−□○○○」
後藤「私は090−□○××−△△△△。じゃあ、
   今日は楽しかったです。また遊んでください」

 バイバイと手を振ると後藤は人ごみの中に消えて行った
13 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月14日(金)22時59分43秒
矢口(やっぱ、可愛いな… あ、何処の学校か聞くの忘れた)

 携帯を手に取り、後藤の番号を眺める

矢口(うーん、今度会った時でいいか)

 そして、矢口も人ごみの中に消えて行った

矢口「ただいま!」

 矢口はそのまま、まっすぐ家に帰ってきた
 「おかえり」家の中から声がする。声の主は
 『亜依』矢口の妹だ。二人の両親は、
 父親が転勤で九州に行く事になり
 母親も一緒に行った為、二人で住んでいる

亜依「何処行ってたの?こんな時間まで」
矢口「どこでもいいでしょ」

 矢口は亜依の言葉を無視して部屋に入った
 しかし、部屋に入ってからさすがに悪い気がしてきた

矢口(亜依に悪い事したな〜、あいつ友達少ないって言ってたし…
   今度は亜依も誘ってあげようかな)
14 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月14日(金)23時01分16秒
今日は、ここまでです。
また、明日のこのくらいの時間に更新します
それではまた!
15 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月15日(土)05時15分12秒
まきまり大好き。
更新待ってます。
16 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時19分14秒
すみません、遅れました…(焦)
今から更新します
17 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時21分04秒
 数日後、矢口は後藤と連絡を取ろうとして
 電話を掛けようとするが、なかなか掛けれずにいる

矢口(今、電話しても大丈夫かな…)

 ディスプレイに後藤と表示させたまま携帯を眺めている

 ♪♪〜♪ 突然持っていた携帯が鳴る

矢口「誰だろう?」

 ディスプレイには後藤真希と表示されている
18 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時22分03秒
矢口「(ごっちんだ)もしもし」
後藤「もしもし、やぐっつあん?」
矢口「うん」
後藤「今度の日曜日、暇?」
矢口「え?あ、うん」

 突然の質問に戸惑いながら答える

後藤「じゃあさあ、学校の友達と遊ぶんだけど、
   やぐっつあんも来ない?」
矢口「…いいの?」
後藤「もちろんだよ!」
矢口「…あのさあ、妹も誘っていいかな?」

 申し訳なさそうに聞く

後藤「へえ、やぐっつあんに妹いたんだ。いいよ、誘いなよ
   いっぱいいた方が面白いじゃん」
矢口「ありがとう、妹も喜ぶよ」
後藤「じゃあ、日曜日に○○って所に11時で」
矢口「うん、わかった。じゃあね」
後藤「バイバイ」

 ピッ 携帯を切る。しばらくそのままボ〜っとしていたが
 携帯を置いて立ちあがると亜依の部屋へと向かった
19 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時22分38秒
矢口「亜依〜!」

 ガチャ 扉を開けて中に入る

亜依「なに、お姉ちゃん」
矢口「今度の日曜、なんか用事ある?」

 部屋に入ってベットに腰掛けると矢口が聞いた

亜依「え〜、なんもないけど… なんかあんの?」
矢口「最近出来た友達と遊ぶんだけど、亜依も来る?」

 矢口の言葉に「本当に?」と言う顔をする
 そしてコクっと頷いた

亜依「もちろん行く!」

 亜依は二つ返事でOKした
20 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時23分11秒
 そして、約束の日曜日…

吉澤「ごっちん、お待たせ!」

 待ち合わせ場所に一人待っていた後藤の所に吉澤と石川が来た

後藤「お〜っす、よっすぃー、梨華ちゃん」

吉澤「じゃあ、行こうか」

 三人揃ったので、歩き出そうとする吉澤

後藤「あ、ちょっと待って。あと二人来るんだ」
吉澤「二人?」

 きょとんとする吉澤と石川。当然である、二人は矢口達が来るのを
 知らないのだから…
21 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時23分47秒
石川「え、誰来るの?私達知ってる人?」
後藤「う〜ん、知ってると言えば知ってるかも…」
石川「もう、誰よ!」
吉澤「もしかして、矢口さんとかいう人?」

 後藤は吉澤の質問にニコっと笑うと

後藤「ピーンポーン! あとやぐっつあんの妹もね」

 石川と吉澤はお互い見詰め合うと、ハア…とため息をついた

後藤「あ、来た!」

 後藤の声に振りかえる二人
22 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時24分29秒
矢口「お待たせ!」
後藤「おはよ、やぐっつあん!」
矢口「はじめまして! 矢口真里です。
   でこっちが妹の亜依です」

 亜依は矢口の言葉に会わせるようにして、
 ペコリと頭を下げる

後藤「こんにちは、かわいいね」
吉澤、石川「よろしくお願いします」
後藤「じゃあ、行こう」
吉澤(矢口さんって、かわいいな)

 五人はとりあえずカラオケに行く事にした
23 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時24分54秒
亜依(後藤さんってすごい綺麗だ、
   でもお姉ちゃんの事が好きなんだろうな
   私なんてガキだし…)

 亜依がそんな事を考えていると石川が口を開いた

石川「そういえば、なんて呼べばいいですか?」

 石川は歩きながら矢口達を見て聞いた

矢口「えー、なんでもいいよ」
石川「じゃあ、矢口さんと亜依ちゃんということで。
   私は梨華って呼んでください」
吉澤「私はよっすぃーで」

 吉澤もそれに加わる

矢口「うん」
亜依「ほい!」

 亜依も笑顔で答える

 店に入ると、皆でプッチモニやミニモニの曲を熱唱した
24 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時25分26秒
 部屋に入ってしばらく経つと、
 後藤は亜依にべったりくっつかれ、矢口は吉澤や石川と
 仲良さそうに話している

 その途中…

後藤「やぐっつあん?」
矢口「どうしたの?」

 後藤は矢口を呼ぶと部屋を出て、トイレに向かう
 そして、トイレの個室に矢口を引っ張り込んだ
25 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時25分55秒
後藤「…やぐっつあんは私のことどう思う?」
矢口「え?」

 突然の質問に声が詰まる

矢口「…あの…その、好きだよ。もちろん、
   梨華ちゃんやよっすぃーも…」

 矢口が言うと、突然後藤が掴みかかる

後藤「ちがうの!そうじゃなくて、
   恋愛感情で好きかどうかって聞いてんの!」
矢口「それは…」

 後藤の迫力に、ただ驚くばかりの矢口
26 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時26分21秒
後藤「私は好きだよ、初めて会った時から…」
矢口「…私も」

後藤「本当? 両思いだったんだね」

 ぱあっと後藤の表情が明るくなる

後藤「キスしていい?」
矢口「…うん」

 二人はそっと唇を合わせた

 しばらく抱き合っていたが、体を離すと
 吉澤達の所へと戻った。二人が戻ると、
 三人は歌いつかれたのかぐったりしている
27 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時26分57秒
吉澤「何処行ってたの?」

 二人を見て吉澤が聞く

後藤「え?あ、トイレ」
矢口「…」

 そして、席に座ると後藤が歌い出す

吉澤(なんだろう、二人の様子がおかしい…)

 それから、さらに一時間ほど歌ってから、帰る事にした
28 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時27分26秒
後藤「そういえばさあ、
   やぐっつあんってどこの学校なの?」

 帰りの途中に後藤が聞く

矢口「え?…○女子校」
石川「あー、同じじゃないですか」
矢口「そうなの、全然知らなかった」

 全員が驚いた

後藤「じゃあ、明日学校で会おうね」
29 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)04時33分06秒
ちょっと多めに更新しました。

今日は、疲れたので、コメント無しです
では明日! …ってもう今日か
30 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)13時01分16秒
今日の更新も楽しみ♪
31 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)17時20分37秒
読んでますー。
おもしろいですね、これからも頑張ってください。
32 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時09分17秒
わあ〜
今日もレスが来てる。しかも2通も

30さん>
ありがとうございます。今から更新しますね

31さん>
はい、頑張ります!
面白いって言ってもらえて嬉しいッス!

昨日、更新が送れたので、今日は今から更新です
33 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時09分50秒
 次の日…

 後藤はお昼になると矢口のいる教室へと来ていた

後藤「矢口先輩いますか?」
生徒「え、真里?ちょっとまってね」

 そう言って女生徒は教室へ入っていく

矢口「あ、ごっちん」
後藤「一緒にご飯食べようよ」
矢口「うん」

 二人は教室を出ると屋上に向かった
 屋上に来ると、すでに吉澤と石川がきていた
34 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時10分22秒
石川「矢口さん、こんにちは」
吉澤「ごっちん、急にいなくなったと思ったら
   矢口さんの所に行ってたんだ」

 なかば呆れ顔で言う

後藤「へへへ」

 テレながら、笑顔で答える
 そして、四人はご飯を食べ始める
35 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時11分06秒
吉澤(やっぱり、矢口さんは可愛いな)

 うっとりした目で見つめる
 矢口は気付いていないようだが、
 後藤がその視線に気付いた

後藤(よっすいーの目が怪しい…もしかして、
   やぐっつあんの事を…)

 後藤は吉澤を睨む

石川(ん?なんで、ごっちんはよっすぃーを睨んで
   いるんだろう? おかずでも取られたのかな)

 まったく状況を理解していない石川であった
36 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時12分02秒
 帰りになり、後藤と吉澤の二人が歩いている

吉澤「でもさあ、ほんと矢口さんって可愛いよね」
後藤「え、…うん(やっぱり、よっすぃーは…)」

 後藤は吉澤が矢口を狙っていると思って、
 かなり不快な気分になる

吉澤「ん?どうしたの、ごっちん」

 吉澤を睨んでいた為に、後藤に聞く

後藤「…いや、なんでもないよ」

 突然、話し掛けられた為に少し焦る後藤

後藤「それじゃあ、また明日ね」
吉澤「う、うん」
37 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時12分50秒
 二人は別れてそれぞれの家に帰っていく

後藤(やばい、よっすぃーもやぐっつあんを狙ってる)

 一人で部屋にいる後藤はさっきの吉澤の言葉が
 気になっていた

後藤(絶対取られたくない!)

 そう言ってバックから携帯を取り出すと電話をかけだした
 プルルルル…「もしもし…」
38 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時13分37秒
後藤「もしもし、やぐっつあん?」
矢口「うん」
後藤「明日、学校終わったら、
   やぐっつあんの家に行ってもいい?」
矢口「え、うん。いいよ」
後藤「ほんと!よかったー。じゃあ、明日学校でね」
矢口「うん、じゃあね」

 プツ 電話を切ると、後藤はそのままベットへと倒れこみ
 寝てしまった
39 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)20時16分56秒
更新はここまでです。

明日の更新あたりから、
徐々にごっちんが暴走して行きます
40 名前:aki 投稿日:2001年09月17日(月)14時41分39秒
更新が楽しみです〜。^^
41 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時08分13秒
 そして、次の日の学校帰り…

後藤「やぐっつあん、帰ろ!」

 後藤は矢口のいる教室へと来ていた

矢口「うん、ちょっと待って」

 二人はまっすぐ矢口の家に向かった

矢口「ただいま!」
亜依「おかえり」

 奥から亜依が出てくる

亜依「あれ、後藤さんじゃないですか」
後藤「へへへ、遊びに来た」

 それだけ言うと、二人は部屋に入った
42 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時08分43秒
後藤「へえー、意外とシンプルな部屋だね」
矢口「ちょっと、意外って…」

 矢口はちょっとだけ怒り口調で言った

後藤「え、…いや てっきりぬいぐるみとか
   いっぱい置いてるのかな…って」
矢口「ま、いいや。 それよりお腹空かない?」
後藤「もうペコペコだよ」

 お腹をさすりながら答える

矢口「ちょっと待っててね。今なんか作ってくるから」

 そう言って台所へと向かう

後藤「ありがとね(チャンス)」
43 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時09分27秒
 矢口が部屋を出て行くと、後藤はドアを閉めてから、
 何かを自分のバックの中から取り出した。
 そしてベットの下へともぐってバックから
 取り出したものを置いた

後藤(よし、これでOK! ごめんね、やぐっつあん)

 奇妙な行動が終わると、ベットに座って雑誌を読み出した
 何事も無かったように…

 そこへ、矢口が食事を持って部屋に入ってきた
44 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時10分06秒
矢口「お待たせ」
後藤「おー、おいしそう」

 二人は、食べ終わると別々にお風呂に入ってから
 寝る事にした
 
 それから少し経って… 電気を消してから無言だったが、
 矢口が口を開く

矢口「そういえばさあ、明日学校行く時教科書はどうするの?」

 その言葉に後藤は眠そうな声で答える

後藤「ふぇ 私どうせ学校に教科書持ってってないから」
矢口「え?あんた何しに学校行ってるの?」
後藤「うーん、やぐっつあんに会いに行くため」

 言葉の後ろにハートマークをいっぱいつけて答えた
 それには矢口もさすがに照れてしまう

矢口「…ごっちん?」
後藤「スースースー…」

 どうやら後藤は寝てしまったようだ

矢口「…」
45 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時10分39秒
 翌日、二人とも寝過ごしてしまった為に
 慌てて学校へ向かう

後藤「もう、やぐっつあん起こしてくれないんだもん」
矢口「ごっちんもじゃん」

 走りながら話す二人。結局間に合わずに20分ほど
 遅刻してしまった

吉澤「ごっちん、また遅刻?」

 教室に入るなり、吉澤が後藤に聞いてきた

後藤「…または余計だよ」

 口ではそう言っているが顔は笑顔だ
46 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時11分13秒
吉澤「なに? なんかいい事あったの?」
後藤「アハ まーねー」
吉澤「なになに?」

 後藤は昨日の事を話す

吉澤「…へえー、…よかったね
   (そっか、そういえばごっちんも気になってたもんね)」

 吉澤の顔が少し引きつる

後藤(ふーんだ。よっすぃーにはやぐっつあんは渡さないもん!)
吉澤「…」

 そして、お昼になると後藤は走って矢口の所へと向かった
47 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時11分43秒
後藤「やぐっつあん、お昼食べよーよ」
矢口「うん」

 いつものように屋上に向かおうとする矢口
 しかし、それを後藤が止めた

矢口「ごっちん、どうしたの?」
後藤「…今日は中庭で食べない?」
矢口「え?いいけど、よっすぃー達は…」
後藤「大丈夫。言ってあるから…」

 もちろん後藤が言っているのは嘘だが
 矢口はそれに気付いていない

矢口「そう、じゃあ行こうか?」
後藤「うん」

 屋上にいた吉澤達は、二人が来るのを待っていたのだが
 チャイムが鳴るギリギリまで待っていても来ないので
 仕方なく教室へ戻る事にした
48 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時12分17秒
 教室に戻っても、後藤の姿は無い

吉澤「ごっちん、何処行ったんだろう…」

 すると、チャイムが鳴ると同時に後藤が戻ってきた

吉澤「ごっちん、何処行ってたのさ!待ってたんだよ!」

 少し睨みながら後藤に言う

後藤「ごめんね、やぐっつあんが中庭で
   食べたいって言うもんだから…」
吉澤「…今度は一言いってよね」

 そう言ってお互い席に着いた
49 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)22時13分35秒
ここまでです。

40さん>
レスありがとうございます
見てくれている人がいると思うと
すっごく嬉しいですよ
50 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)00時33分48秒
う〜ん 43は盗聴器?
って同じような小説前にあったけど・・・・??
盗作?(w
51 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時21分17秒
50さん>
私も、その作品を見ましたけど、
見たのはすでにこの小説を完成させてからです。

誤解があるかもしれませんが、
ネタを盗んではいないですので…。
52 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時22分14秒
 授業中、珍しく後藤が起きていた

吉澤(めずらしい、ごっちんが寝ないで授業受けるなんて…)

 そう思ったのもつかの間

吉澤(なんだ、メール送ってるだけじゃん)

 そう、後藤は矢口にメールを送っていた
 送り終わると満足したのか、眠り出した
53 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時22分47秒
 その頃…

 ブルブルブルブル 矢口の携帯が鳴る

矢口(ん、メールだ。誰からだろう)

 携帯を取りだしメールをチェックする

 《やぐっつあん、今日帰りにどっか寄ってかない? 後藤》

矢口(んー、今日はどうせ暇だしまあいいか)

 後藤に返事のメールを返す

 ブルブルブルブル

後藤(あ、やぐっつあんからだ。 どれどれ)

 《いいよ、マックでも寄ってく?》

後藤(へへへ、やったね)

 《じゃあ、帰りに教室に行くね!》

後藤(これでよしっと。送信)
54 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時23分20秒
 そして、帰りになり

吉澤「ねえ、今日梨華ちゃんと買い物に行くんだけど、
   ごっちんも一緒に行かない?」

 吉澤が後藤に声を掛ける

後藤「…ごめん、今日ちょっと用事があるんだよね」
吉澤「…そっか、じゃあ梨華ちゃんと二人で行くね」

 そう言って吉澤は石川と教室を出て行く
 それを見てから後藤も矢口の教室へ向かった
55 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時24分38秒
後藤「やぐっつあん、早く!」

 教室を覗くようにして矢口に声を掛ける

矢口「お待たせ」
後藤「もう、遅いんだから…」
矢口「ごめん、ごめん。行こうか」

 二人はそのまま学校を出て、マクドナルドに向かう

 そして、その後の帰り道で…
56 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時25分15秒
後藤「やぐっつあん?」
矢口「な…に…」

 後藤は矢口に話しかけると、
 矢口が振りかえるのと同時に唇にキスをした

矢口「んー…」

 突然の事にビックリする矢口。
 しかし、後藤はキスを止めようとしない
 それどころか、どんどん濃厚なキスになっていく

後藤「やぐっつあんは、後藤の事好き?」

 やっと唇が離れると、後藤が静かに聞いた

矢口「…好きだよ」

 そう言って静かに抱きしめる

後藤「…うれしい」

 しばらくそうしていたが、やがて身体が離れると

矢口「じゃあ、また明日ね」
後藤「うん!」
57 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時51分32秒
ふう…最近仕事が忙しくて、疲れが溜まってます
体調がいいうちに、出来るだけ更新しようかな…

という事で、今日の分の更新はもうちょっとだけします
58 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時52分02秒
 翌日の学校にて…

吉澤「ごっちん、今日帰りにカラオケに行かない?」

 授業が終わると同時に吉澤が後藤の所へとやってきた

後藤「んー、いいよ」

 吉澤の方を向いて頷く

吉澤「二人で行くのって久しぶりだよね」
後藤「そういえば、そうだね」

 教室を出て、カラオケボックスに向かう。その途中…

後藤「…よっすぃー」
吉澤「なに?」
後藤「実はね…、やぐっつあんと付き合ってるんだ」
吉澤「え?…あっ、そうなんだ。…よかったじゃん」
後藤「うん(あれ?よっすぃーもやぐっつあんの事
   好きだと思ってたのに…気のせいだったのかな)
吉澤(ハア… そうだったんだ…)

 無言になる二人…
59 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時52分33秒
後藤「ついたよ」
吉澤「…うん」

 二人は3時間ほど熱唱した。
 吉澤はやけ酒ならぬ、やけ歌だったが…

後藤「はあー、つかれたよ」
吉澤「かなり、歌ったもんね」
後藤「そろそろ、帰るね」
吉澤「うん、バイバイ」

 手を振りながら家へと帰った

 それから1ヶ月が経ったある日、
 矢口は後藤の事で吉澤に電話をしていた
60 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時53分08秒
矢口「よっすぃー?」
吉澤「どうしたんですか?」

 いままで雑談をしていたのだが、
 突然矢口が真剣な声で吉澤に聞く

矢口「ごっちんの事なんだけど…」
吉澤「…はい」
矢口「実は…」

 この1ヶ月、矢口は後藤以外の友達と遊んでいなかった。
 もちろん学校でも… というのも、前に一度遊んでいたのを
 後藤に見られたとき、突然怒り出して自分以外の人と
 会ったり遊んだりするのをやめてくれと言われたのだ
 さすがに、それには矢口も賛成出来なかったのだが、
 「私の事嫌いになったの?」とか、「他に好きな人が出来たんだ」
 と言って泣き出し、話を聞かないため、しぶしぶ承諾した
61 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)22時53分39秒
吉澤「…それで私達と、お昼にご飯食べなくなったり、
   遊んだりしなくなったんですか」
矢口「…うん」
吉澤(知らなかった、てっきり上手くいっていると
   思ってたのに…)
矢口「どうしたらいいのかな」
吉澤「…」

 ピーンポーン…
 どうやら、矢口の家に誰か来たようだ
62 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時36分30秒
矢口「ちょっとごめんね。誰か来たみたい」
吉澤「あ、はい」

 そう言って矢口は携帯を持ったまま玄関へと向かう
 ガチャ…

矢口「ごっちん!」

 そこには後藤が立っていた

後藤「やっほー、やぐっつあん」
矢口「どうしたの、急に」

 携帯を持っている事も忘れ、後藤に問い掛ける

後藤「暇だったから、来ちゃった」

 笑顔で答える

後藤「入ってもいい?」
矢口「…うん」

 靴を脱ぐと二人は矢口の部屋に入っていく
63 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時37分04秒
後藤「今日は亜依ちゃんいないんだ」
矢口「うん、部活だって」
後藤「…誰かと電話してたんじゃないの?」

 部屋に入ってベットに座った時に、
 矢口の持っている携帯を見ながら聞いた

矢口「あ!…うん。でももういいの」

 あわてて携帯を切ろうとする

後藤「貸して!」

 そう言うと後藤は矢口の手から携帯を奪った

矢口「ちょ…」

 制止する間もなく後藤は電話の相手に話しかける

後藤「もしもし」
吉澤「え?」
64 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時37分35秒
 突然の矢口以外の声に戸惑う吉澤

後藤「よっすぃーでしょ」
吉澤「あ、うん(ごっちん?)」

 それだけ言うと、後藤は耳から携帯を離すと
 今度は矢口の方を睨んだ
 鋭い後藤の視線に、ただ固まっている矢口

矢口「…」
65 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時38分06秒
 再び携帯を耳にあてる

後藤「よっすぃー、何話してたの?」
吉澤「え、…いや」

 本当の事はとてもじゃないが言えずに、
 しどろもどろになる吉澤

後藤「知ってるんだけどね」
吉澤「え? なに?」

 小さな声で言ったために吉澤には聞こえなかったようだ
 その言葉に矢口は後藤に視線を向ける

矢口「…どういう事? 知ってるって…」

 矢口が後藤に聞くと、
 後藤は突然ベットの下に手を突っ込んだ

後藤「これ、なんだと思う?」
66 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時38分36秒
 そして、ベットの下から取り出した物を矢口に見せる

矢口「…これって」
後藤「盗聴機! こんな事もあるかと仕掛けておいたんだ」
矢口「そんな…」

 その頃吉澤は電話の向こうで言い争っているのが
 聞こえてきたので不安になり、
 矢口の家へと向かっていた
67 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時39分06秒
後藤「後藤のこと好きでしょ」
矢口「…」
後藤「なんで、答えないの?」

 後藤は矢口に掴みかかると、そのまま押し倒した

矢口「…いや、止めて!」

 抵抗する矢口。しかし、小柄な矢口と後藤とでは
 力の差は歴然で、抵抗むなしく服を剥ぎ取られていく

矢口「お願い、止めて」
後藤「なんで、泣くのよ!私の事が好きだって言ったじゃん」
矢口「こんなごっちん、嫌いだよ」

 矢口の嫌いという言葉に激しく反応する後藤

後藤「好きだよ、やぐっつあんも好きだって言ってよ」

 そして矢口のパンツを剥ぎ取り手を入れる後藤

矢口「いやー!」
68 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時39分40秒
 バン 矢口の部屋のドアが突然開いた
 その突然の訪問者に二人は動けずにいる

吉澤「はあ、はあ、はあ」
後藤「…よっすぃー」

 視線を吉澤に向けて低い声で言った

吉澤「なにやってるの、ごっちん!」
後藤「なにって、見てわかんない?
   やぐっつあんと愛し合ってるの」

 再び矢口を見て抱きしめながら答える

吉澤「…矢口さん、泣いているじゃない」
後藤「そんな事無いよね、やぐっつあん」
矢口「…」

 下を見て何も言えずにいる矢口

後藤「そうでしょ!」

 肩を掴んでいる手に力が入る
69 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時40分18秒
吉澤「やめなよ!」

 二人に割ってはいり、後藤を矢口から遠ざける

後藤「なにすんのよ!」
吉澤「どうしてこんな事してるの?
   おかしいよ、ごっちん」

 吉澤も目に涙を浮かべていた

後藤(おかしい?)
吉澤「矢口さんだって迷惑してるんだよ!
   なんでそんな事もわかんないのよ!
   好きなんでしょ、矢口さんの事!」
後藤(めいわく?)
吉澤「どうして、好きな人にこんな事するの?
   盗聴機を置いたりして… 絶対おかしいよ!
   私だって… 私だって矢口さんの事好きだったけど
   ごっちんだったらいいかなって思ってたのに…
   だけど、矢口さんを悲しませるなんて、
   ごっちんでも許せないよ!」

 吉澤は、つい矢口への思いを言ってしまった。
 こうなってはもう後の祭り
70 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時40分51秒
矢口「!」

 さすがにこれには驚きを隠せない矢口
 そして、さらに吉澤は続けた

吉澤「…ごっちんに矢口さんを好きになる資格は無いよ!」
後藤(好きになる資格は無い?
   やぐっつあんを悲しませている?)

 下を向き、ただ吉澤の言葉を聞く後藤

 吉澤の言葉に今まで黙っていた矢口が口を開いた

矢口「わたしは… わたしは最近のごっちん、
   好きじゃない」
後藤(好きじゃない? …嫌いだって事?
   なんで?好きだって言ったじゃん)
吉澤「なにか言ってよ」

 吉澤が後藤に掴みかかる

後藤「…なんで? 好きだって言ってくれたじゃん」

 涙を浮かべながら矢口を見て聞く
71 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時41分32秒
矢口(ごっちんならきっとわかってくれるよね、今のごっちんが
    嫌いって言ったら前のようになってくれるよね)
後藤「ねえ?」
矢口「…今のごっちんは大嫌い盗聴機を置いたりして、
   ごっちんおかしいよ。前のごっちんに戻って!
   じゃないともっとごっちんの事が嫌いになっちゃうよ」
後藤(嫌い? そうなんだ、嫌いだったんだ。
   私だけ勘違いしてたんだ。もともと、私の事なんて
   好きじゃなかったんだ。よっすぃ−も好きだったみたいだし
   やぐっつあんの本当に好きな人はよっすぃーだったんだ)

 後藤はすっと立ちあがると二人に背を向けながら言った

後藤「…ごめん、もう二度と二人の前には現れないよ。
   よっすぃーと幸せになってね」

 そう言って部屋を後にする
72 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時42分53秒
矢口「! ちょっと待って(違うよ、好きだよごっちんの事が…
   なんでわかってくれないの?)」

 止めようとするが体が思うように動かない

矢口「ごっちん!」

 バタン 玄関のドアが締まる音が、家中に響いた

吉澤「…矢口さん」
矢口「うあーん、よっすぃー どうすれば良かったの?
   私はごっちんの事が好きなのに」
吉澤「…」

 吉澤はただ矢口の体を抱きしめ続けた
73 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時43分24秒
 「おかしい…」

 「めいわく…」

 「嫌い…」

 「好きになる資格は無い…」

 一人歩いている後藤の頭の中はこの四つの言葉が
 グルグルと回っていた。もう涙は止まる事を
 知らないかのように流れている

後藤(ごめん、ごめんね、やぐっつあん)

 フラフラと歩いている後藤。後ろから車が来ている事にも
 気付かずに… そして、次の瞬間  ドーン!
74 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)23時45分34秒
物語もそろそろ中盤から後半戦になります。
どうか飽きずに見てください
それでは今日はこの辺で…。
75 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時03分45秒
 気付いた時は、病院のベットの上だった

後藤「…(ここはどこ?)」

 ふと部屋を見渡すと見なれない少女が座っていた

後藤(誰?)

 少女も視線に気付いたのか後藤の方を見ている

少女「後藤さん! 大丈夫ですか?」
後藤「誰なの、あなたは?」
少女「なに言ってるんですか、私です亜依ですよ!」
後藤(亜依? 知らない、私はこの子の事なんて…)
亜依「本当にわかんないんですか?」

 その言葉に無言で頷く後藤

亜依「そんな…(まさか、記憶喪失?)」
76 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時04分22秒
 そこへ、連絡を聞いた後藤の親が病室に来た

母「真希!」
後藤「おばさん、誰?」
母「何言ってるの、あなたの母さんじゃない!」
後藤「お母さん?」

 母も記憶喪失らしい事がわかるとその場に泣き崩れてしまった

 どうやら後藤は、自分の名前こそ覚えているが、
 親はもちろん友達の事も覚えていなかった
 それは吉澤や矢口の事も…

 あの時、後藤は車に跳ねられた後、
 部活帰りの亜依がたまたま通りかかり、
 そのまま病院へ運び込まれたのだ。
 怪我はたいした事無かったが、
 頭部を打っており、その影響で記憶障害が
 起こったようだ
77 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時04分59秒
 亜依はとりあえず、その事を矢口に伝えに家に帰った

亜依「ただいま」

 玄関の靴を見ると見なれない靴があった

亜依「おねえちゃん、誰か来てるの?」

 そう言って矢口の部屋に入っていく

 ガチャ…

矢口「あ、亜依。おかえり」
吉澤「…おかえりなさい」

 二人の様子がおかしい事に気が付いたが、
 そんな事よりも後藤の事を
 伝えるのが先だと思い、二人に話した
78 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時05分31秒
矢口「え?」
吉澤「…ほんとうなの?」

 二人も突然の事に言葉を無くす

亜依「早く病院に行こうよ」
矢口「…私は行けない」

 どう言う事? というふうに矢口を見る亜依

矢口「私のせいだ…」
吉澤「そんな事無いですよ!私も言いすぎたですし…」
亜依「なにがあったの?」

 さっきまで部屋に後藤がいて、
 そして後藤と口論になっていた事を亜依に話した
79 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時06分04秒
亜依「なんで嫌いなんて言ったのよ! 
   確かに後藤さんの行動は間違っていたかもしれない
   けど、だけどそれは後藤さんがお姉ちゃんの事が
   それだけ好きだって事でしょ!
   もっと違う言い方できなかったの?」
矢口「…」
亜依「よっすぃーもだよ! 二人して後藤さんを責めて…
   後藤さんが可哀想だよ」

 なにも言えなくなっている矢口と吉澤

亜依「いいから、とにかく来て!」

 矢口の手を強引に引っ張り、立たせると病院へと向かった

 後藤の母は一度、着替えを取りに家に帰ったらしく、
 病室には後藤しかいなかった
 コンコン
80 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時06分37秒
後藤「はーい」
亜依「後藤さん」

 そう言って病室に入っていく

後藤「亜依ちゃんだっけ?」
亜依「はい」

 亜依に話しかけてから後ろにいる
 矢口と吉澤の方を見てから亜依に聞く

後藤「その人達は?」
亜依「私のお姉ちゃんと、よっすぃーだよ」

 はじめましてというふうに、二人に頭を下げる後藤

吉澤「…ごっちん」
矢口「…」

 とりあえず、この日は時間も遅かったので
 三人は帰る事にした
81 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時07分07秒
亜依「また来るね!」
後藤「うん、バイバイ」

 病室を後にする

亜依「私が後藤さんを助ける!」

 病院を出て家へと向かう途中で、亜依が突然言った

矢口、吉澤「!?」

 さすがにビックリして声が出ない二人

亜依「だって、お姉ちゃんがちゃんと後藤さんを
   つかまえていたら、こんな事には
   ならなかったでしょ! 私、絶対助けて見せる」
矢口「…」
吉澤「…亜依ちゃん」
亜依「もう後藤さんには会わないでね。
   もちろんよっすぃーも!」
82 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時01分33秒
 亜依はこの後、毎日のように病院へ見舞いに来ている
 今日も、後藤の所へと来ていた

亜依「後藤さん」

 ドアを開けて後藤の顔を見ると笑顔で言った

後藤「あー、亜依ちゃん」
亜依「へへー、また来ちゃった」

 後藤は何かの雑誌を見ていたが、
 亜依が来ると雑誌を引き出しにしまい
 起き上がって亜依を隣へと座らせた

後藤「座りなよ」
亜依「うん」

 亜依は隣に座ると後藤の肩に寄り添うようにした
83 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時02分04秒
亜依「へへへ、暖かい」
後藤「もう、甘えん坊だな。亜依ちゃんは」
亜依「どうせ、子供だもん」

 最初こそよそよそしかったが、1ヶ月も経つと
 お互いだいぶ慣れてきた。最近では、亜依はいつも
 後藤に甘えるようにしていた。運良く?一般病棟ではなく、
 個室だったので周りの目を気にすることなく
 べったりする事が出来る

 そして今日、やっと後藤が退院する事になった
 どうやら、病院にいるよりも家に戻って外の空気に触れたほうが
 記憶が戻るかもしれないと医者に言われたようだった
84 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時02分35秒
後藤「やっと退院できるよ!」

 後藤の顔には笑顔がこぼれている

亜依「よかったね」

 自分の名前以外、事故の前の記憶がないので
 学校にはしばらく行かずに
 家で療養することになっている

亜依「家まで送るね」
後藤「いいよ、別に… 家、反対方向でしょ」
亜依「いいの! いつも私ばかり甘えているから、たまには
   世話を焼きたいの」

 後藤の腕に自分の腕を絡ませながら言う

後藤「…じゃあ、お言葉に甘えて」

 病院を出て、後藤の家に向かう
 その途中で…
85 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時03分08秒
後藤「そういえば、お姉ちゃん元気?」

 後藤は手を繋いだまま亜依に聞いた

亜依「え?」
後藤「ほら、前に一度だけお見舞いに来てくれたじゃん。
   あと、なんて言ったっけ?もう一人来てたでしょ…
   二人にお礼を言いたいから…」
亜依「…」

 返事に困る亜依

後藤「あれ?どうしたの?」

 急に無口になる亜依に不思議に思う後藤

亜依「んーん、なんでもない。 二人に言っておくね」
後藤「うん。お願い」

 この後も、二人は話しをしながら歩いていく
 そして、後藤の家に着いた
86 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時03分40秒
後藤「…ここが私の家か」

 家に着いたら何か思い出すかと思っていたが、
 何も思い出せない

亜依「…今日はとりあえず帰るね」
後藤「え、寄っていきなよ」
亜依「ごめんね、今日ちょっと用事があるんだ」
後藤「そっか、また来てね」

 後藤が家に入るのを確認してから、
 亜依は自分の家へと向かった

亜依(お姉ちゃん、あの後ずっと元気ないんだよね…
   私のしている事は間違っているのかな。
   後藤さんも、今は記憶が無いからわからないけど
   もし記憶が戻った時、傍に居るのがお姉ちゃんじゃなく、
   私だったらなんて思うんだろう…
   二人を一緒にする事が、お姉ちゃんや後藤さんにとって
   一番の幸せなのかな)
87 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時04分32秒
 その頃…

吉澤「元気出してくださいよ」

 後藤の事故の後、ずっと元気の無い矢口。
 そんな矢口をいつも吉澤が励ましているのだが、
 いっこうに元気にならない。あの日の後しばらくして、
 吉澤は矢口に告白したが、断られていた

矢口「…ごっちん」
吉澤(矢口さんにはやっぱりごっちんが必要なんだ…)

 矢口達が家に着くと、すでに亜依が帰ってきていた

矢口「…ただいま」

 二人が矢口の部屋に入ってしばらくすると、
 ドアをノックする音が…
 コンコン
88 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時05分08秒
亜依「お姉ちゃん、入ってもいい?」
矢口「…うん」

 ガチャ ドアを開けて亜依が部屋に入ってきた

亜依「二人に話しがあるんだ」

 無言でそれに答える矢口と吉澤

亜依「今までごめんね」
矢口「なんで謝るの?」

 そして矢口が亜依を見ると亜依の目には涙が浮かんでいた
89 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時05分41秒
亜依「やっぱり後藤さんの傍にはお姉ちゃんや
   よっすぃーがいた方がいいんだよ」
矢口「だけど、私にはあの子の傍にいる資格なんて無いよ」
亜依「んーん、そんな事無いよ。 もし… もし後藤さんの記憶が
   戻った時、後藤さんの横にお姉ちゃんやよっすぃーが
   いないのがわかるとすごく悲しむと思うんだ」
吉澤「だけど…」
亜依「確かに私は、後藤さんのことが好き!
   でも私は、後藤さんの本当の笑顔が見たいんだ!
   そして、その笑顔が出せるのはお姉ちゃんしかいないと
   思うんだよね だから、後藤さんの所に行って」
矢口「…ありがとう。 私、一からごっちんとやり直して見るね
   そしてごっちんに謝る」
吉澤「私も」
亜依「…うん」

 三人の顔は、涙でくしゃくしゃになっていたが、今はその顔に
 笑顔がこぼれている

矢口「…亜依も大人になったんだね」
亜依「へへへ。でも、もしまた後藤さんを泣かせるような事をしたら
   ただじゃおかないからね」

 こうして三人の仲はもとに戻った。 問題はこれからなんだが…
90 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時06分12秒
 次の日、三人は後藤の家へと来ていた
 ピーンポーン 「はーい」

亜依「こんにちはー!」

 ガチャ 亜依の声に答えるかのように、ドアが開いた

後藤「いらっしゃい」

 それに会わせて矢口と吉澤が頭を下げる

後藤「あ! 来てくれたんだ」
矢口「…うん」
後藤「とりあえず上がって」

 そう言って後藤は、家の中に招き入れた
91 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)21時06分44秒
三人「おじゃまします」

 そして、後藤の部屋に入ると後藤が矢口に聞いた

後藤「あの、私記憶が無くてわからないんですけど、
   昨日家に戻って部屋に入ったら、あなたとの写真が
   いっぱいあったんですけど、その… 私とあなたは
   どういう関係だったんですか?」
矢口「…」

 一瞬、困った顔をしたが、すぐに笑顔に戻すと
 後藤に二人の関係を正直に話した

矢口「…付き合ってた」
後藤「…そうだったんですか」
矢口「…それでね、私ともう一度、最初からやり直せないかな…」
後藤「でも… 私あなたの事何も覚えていないよ」
矢口「今日が二人の出会いとして、今から始めていこうよ」
後藤「…うん」

 そんな二人の会話を亜依と吉澤は泣きながら見ていた

吉澤「よかったね矢口さん、ごっちん」
矢口「うん」

 二人の関係は、1週間も経つとかなり親密になっていった
 まるで後藤の事故が起こる前のように…
92 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)01時49分47秒
 そんなある日

矢口「じゃーん」

 矢口は何かを持って皆に見せている

吉澤「あー! 免許じゃないですか!」
矢口「うん、やっと取れたんだよね」

 そう言っている矢口の顔はかなりの笑顔だ

後藤「本当! 今度、どっかに皆で行こうよ」
矢口「へへへ、そう言うかと思って、
   すでにいい所見つけたんだよね」
亜依「私も行きたい!」
後藤「じゃあ、今度の連休に四人で行こうよ」

 皆の同意を求めるように後藤が言った
93 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)01時50分18秒
吉澤「でも、どこに行くんですか?」
矢口「それは、行ってからのお楽しみ!」
亜依「えー! 気になる」
後藤「あー! 早く行きたいよ!」

 結局、今から2週間後の連休に旅行に行く事になった
 そして、連休の予定を決めてから1週間後、
 矢口は一人で後藤の家に来ていた

後藤「どうしたの? 真里ちゃん?」

 後藤は記憶が無くなった後、
 矢口の事を真里ちゃんと呼んでいた
 そして矢口も、後藤のことを真希と呼んでいる。
 矢口のどこか心の奥底で後藤の過去の記憶が戻ってほしくない
 と思っているのかもしれない
 だから、過去についてほとんど話をしていない
94 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)01時50分48秒
矢口「私の事好き?」
後藤「…うん、好きだよ」

 そう後藤が返事をした後、後藤の頭の中にある言葉が蘇る

「好きになる資格は無い」

後藤(なに? だれなの?)

 頭がズキズキと痛み出す

「私の事好きじゃない」

後藤「いやー!」

 突然後藤は叫び出すと、
 その場にうずくまるようにして気を失ってしまった

矢口「真希! 真希!」
95 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)01時51分19秒
 あわてて後藤の名前を呼ぶが返事が無い
 今日は後藤の母親は帰ってこないと言っていた為に、
 吉澤を呼ぶ事にした

 吉澤が家に来て、しばらくすると後藤の意識は戻った

後藤「…うーん」
矢口「真希!」
吉澤「ごっちん」

 ずっと後藤の手を握っていた矢口もほっとする

後藤「あれ? 真里ちゃん。 …どうしたんだっけ」
矢口「もう、馬鹿! 急に気を失っちゃうから、ビックリしたじゃない」
後藤「…ごめん、なんかよくわかんないんだけど、何か頭の中に声が
   聞こえたと思ったら、急に頭が痛くなって…」

 どうやら頭の中に響いた声の内容までは覚えていないようだった
 後藤の様子も落ち着いていたので、とりあえず二人は帰る事にした
96 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)01時51分50秒
 一人残された後藤は、さっきの事を考えてみた

後藤(なんだったんだろう、あの声は… 思い出したいけど、
   思い出したくない気持ちもある。
   なんで? 私、事故の前に何処に行っていたんだろう?
   …あ、そういえば、亜依ちゃんが病院にまで
   一緒に来てくれたって行ってたっけ… 確か部活帰りに
   通りかかったって… と言う事は、真里ちゃんの家に
   行ってたのかな? でも、そんな事真里ちゃん
   言ってなかったし… いいや、とりあえず明日考えよう…)

 後藤は、元来深く物事を考えるのが苦手だ。
 それは記憶が無くなっても、一緒のようだ

後藤「おやすみ、真里ちゃん」

 そう言って5分も経たないうちに寝てしまった
97 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)23時05分47秒
 それから数日後、
 後藤は旅行に着て行く服を選びに街に来ていた

後藤(ふふーん、真里ちゃんどんな格好したら、喜ぶかな)

 いろいろな店に入り、服を選ぶ

後藤「お! あそこの店、カワイイ」

 そう言ってそのお店に近づく

後藤(あれ? なんかこの景色見たことある気がする…)

 あたりを見渡すが、いつここに来たのか思い出せない
 少なくても、記憶が無くなった後ではここに来ていない

後藤(んー、夢で見たのかな?)
98 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)23時06分20秒
 その時、後藤の頭の中にある映像が浮かんでくる

「すみませーん」

「○○にはどう行けばいいんですか?」

後藤(なに? なんなの?)

「あ、そこはここの道をまっすぐ行って、二つ目の信号を右に
   曲がった先にあります」

後藤(ん? この子は誰?)

 必死にその少女の顔を見ようとするが、
 顔の部分だけ影になっていて見えない

 はっと気が付くともとの景色に戻っていた

後藤(今のは何だったの?)
99 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)23時06分57秒
 落ち着くために、近くのレストランへ入った

店員「いらっしゃいませ」

 席に座り、軽い食事とジュースを頼んだ

後藤「はぁ〜(なんだったんだろう…)」

 先程見えた光景を、思い出しながら考える

後藤「ん〜」

 わけがわからないと、髪をかきあげながら外を見る

「あの子だ!」

 また、頭の中に声が聞こえてくる

「こんにちは、また会いましたね」

 ズキズキと頭が痛む

後藤(…気のせいなんかじゃない、確かにこの景色を見ている)

 さっきから聞こえてくる声が、頭の中で繰り返される
100 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)23時07分31秒
「すみませーん」

「○○にはどう行けばいいんですか?」

後藤(そうだ、誰かに道を聞いたような気がする)

「あ、そこはここの道をまっすぐ行って、二つ目の信号を右に
 曲がった先にあります」

後藤(やっぱり、この子の顔が見えない… でも、さっきより
   影が薄くなっている)

「あの子だ!」

後藤(思い出した、私は誰かを探していて
   この店にいる時に見つけたんだ)

「こんにちは、また会いましたね」

後藤(誰? あなたは誰なの?)

 何度も、何度もその顔を見てみる。 すると、影がゆっくりと
 消えて行く
101 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)23時08分14秒
後藤(!!! 真里ちゃん? …そうだ、私は真里ちゃん…いや
   やぐっつあんを探してた…)

 この時、後藤の記憶がすべて思い出された

後藤(そして私は、やぐっつあんの事が好きになって、
   …それで私は、やぐっつあんの部屋に盗聴機を…)

 ゆっくりと思い出した事を最初から考えてみる

後藤(…そしてあの日、やぐっつあんとよっすぃーが
   電話しているのを聞いて、それで、やぐっつあんの
   家に行って… それで二人と言い合って…)

 そこまで思い出した時には、後藤の目に涙が溢れていて、
 ポタポタとテーブルに落ちて行く…

後藤(そうだよ、私はやぐっつあんの傍には居れないんだよ)

 頼んでいたのも忘れ、レストランを出ると家には向かわず
 フラフラと街を歩いていた

 家に着いた時にはすでに夜中の2時をまわっていた
102 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)23時12分27秒
お、いつのまにやら100スレいってましたね
もうちょっと早めに終わらせるつもりだったのに…

まあ、あと何回かの更新で終了するので
それではまた明日
103 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)23時52分53秒
 そして、四人が約束をしていた連休になった

矢口「亜依ー! 早くして」
亜依「ちょっと待ってよ」

 矢口が全員の迎いに行かなきゃ行かない為、今日は早起きをして
 準備していた。 だが、張り切り過ぎて、弁当まで作っていたので
 吉澤の家に着かなきゃいけない時間になっても、まだ家にいた
 ようやく準備が終わって、吉澤の家に着いた時には、約束の時間を
 1時間も過ぎていた

吉澤「矢口さん、遅いですよ!」
矢口「ごめん、ごめん」
吉澤「たぶん、ごっちん待ってますよ」
矢口「大丈夫、大丈夫。 真希の事だからまだ寝ているかもよ」
吉澤「そうかもしれないですね」
104 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)23時53分41秒
 吉澤も荷物を積むと、後藤の家に向かった
 てっきり、後藤は家の前で待っていると思っていたのだが
 家の前に着いても、後藤の姿は無い

矢口「あれー、本当に寝てんのかな」

 携帯を取り出して、電話をかけてみるが繋がらない
 仕方ないので、家のチャイムを鳴らす ピーンポーン…

「はーい」

 ガチャ ドアが開くと、家の中から後藤の母が出てきた

母「あれ? 真里ちゃんじゃない 今日はどうしたの?」
矢口「え? 真希ちゃんに聞いてないですか?
   私達と旅行に行くって…」
母「でも、さっき何処かに行くって言って、出かけたわよ」

 急に嫌な予感のした矢口は、
 後藤の母に挨拶をすると急いで車に戻った

吉澤「どうしたんですか? ごっちんは?」
矢口「…」
亜依「どうしたのよ、お姉ちゃん」
矢口「真希が居なくなった…」
吉澤、亜依「…」
105 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)23時54分38秒
 思いも寄らぬ矢口の言葉に二人は声を無くす

吉澤「…もしかして」
矢口「なに? よっすぃー」
吉澤「もしかして、ごっちんに記憶が戻ったんじゃ…」
亜依「え? まさか…」
吉澤「でも、それ以外にごっちんが
   いなくなる理由が無いじゃない」

 あわてて車を出すと、手当りしだいに
 思い当たる場所を探す事にした

 その頃、後藤は…

後藤(ごめんね、やぐっつあん、よっすぃー、亜依ちゃん…
   それにお母さん… みんなに迷惑掛けてばかりだね…
   でも、もう最後にするから… だから許してね。
   バイバイやぐっつあん)
106 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)23時55分24秒
矢口「どこにいるの真希!」

 三人は思い当たる所すべてに行ったが、後藤の姿は無い
 諦めかけた時、矢口はとある事を思い出した

矢口「もしかして、あそこ?」
亜依「どこなの? お姉ちゃん」

 亜依の言葉には返事をせずに、車をある方向へ向かわせた

矢口「きっと、ここにいる!」
亜依「どうしてわかるの?」
矢口「…私が初めて真希に会った場所だから… もし、今でも
   私のことを思っていてくれるのなら、ここに居るはず」

 そう、ここは後藤と矢口が初めて会った、街の裏路地だ
 先に路地に入っていった吉澤が声をあげる

吉澤「矢口さん! 早く来てください!」
107 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)23時55分58秒
 あわてて吉澤の方へ駆け寄るとそこには後藤が倒れていた

矢口「真希!」

 矢口は後藤を抱きかかえると、
 肩を揺すって後藤に呼びかける

矢口「真希! 真希、起きてよ!」

 その時、矢口が握っていた手がピクっと動いた

矢口「真希」
後藤「…やぐっつあん、ごめんね」

 一言だけ言うと、再び後藤の意識は無くなった

矢口「真希ー!」
108 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)23時56分31秒
 もう何度呼びかけても返事を返してこない
 しばらく泣き崩れていたが、体を起こすと
 傍で泣いている吉澤と亜依に矢口が言った

矢口「…ごめん、わるいんだけど二人は
   電車で帰ってくれないかな…
   ごっちんは、私が連れて行くから…」
亜依「なん…」

 「なんで」と言おうとした亜依を吉澤が止めた

吉澤「わかりました」

 そう言って二人は矢口の傍を離れた

矢口「…バイバイ、亜依、よっすぃー」

 誰に言うでもなく、
 小さな声で誰にも聞こえないように言った

 そしてこの後、矢口は後藤とともに姿を消した
 吉澤達は、矢口の行きそうな所を探したが、
 ついに見つけられなかった
109 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)23時57分28秒
次回の更新でラストです

最近、レスがまったく来ない…
見ている人はいないんだろうか
110 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)11時29分11秒
読んでますよっ!
これからのどうなるのか気になります。
頑張ってください!
111 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時37分55秒
110さん>
見てくれてたんですね。嬉しいッス
誰一人見てないんじゃないかって思っちゃいましたよ

それでは、この作品最後の更新です
112 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時38分43秒
 1年後…

矢口「おはよう、真希」
後藤「…」

 矢口は後藤と二人、とある場所にある小屋で
 二人で住んでいる。あの日の後、
 後藤は目を覚まさない。
 そんな後藤を矢口は毎日看病していた

矢口「今日はいい天気だよ」
後藤「…」
113 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時39分19秒
 その頃…

亜依「よっすぃー!」

 今では、亜依も高校生。
 亜依は吉澤と同じ高校に進学していた

吉澤「どうしたの? 亜依ちゃん」
亜依「これ見て」

 そう言って、手に持っていた紙を吉澤に見せる

吉澤「これって…」
亜依「うん、多分お姉ちゃんが旅行に行く前に
   メモしていたんだと思う」

 それは、矢口が旅行に行こうとしていた
 旅館の住所が書かれているメモだった
114 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時40分00秒
亜依「多分、ここにいるんじゃないかな」
吉澤「…行ってみよう」

 吉澤も3年生になり、免許を取っていた。
 さっそく親に車を借りて出かける事にした

 その場所は、そんなに遠くないためにすぐに着いた。
 しかし、その旅館に行っても矢口は
 泊まってはいないという事だった

亜依「ここじゃなかったのかな」

 あきらめかけている亜依。 そんな亜依を吉澤が励ます

吉澤「きっと、このあたりにいるよ。
   考えてみれば、1年もの間同じ旅館に居る方が
   おかしいし…」
亜依「…うん」

 とりあえず、旅館を出ると近くの場所を探し回ることにした
 その途中…
115 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時40分33秒
吉澤「ちょっと、休もうか」

 そう言って、景色のいい場所で車を止める

亜依「わあー、いい景色」
吉澤「本当」

 吉澤達は5分ほど休んで、そろそろ行こうと腰を上げた
 その時

亜依「よっすぃー! あれ見て!」

 亜依が指差す方向を見ると、見覚えのある車が見えた

吉澤「あ! あれって矢口さんの車!」
亜依「行こう!」
116 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時41分11秒
 二人は急いで車に乗ると、矢口の車の止まっている
 場所へと向かった。そこには、ちいさなプレハブの
 小屋があった。 そして、ノックをしてからドアを開ける
 ガチャ…

吉澤「矢口さん?」

 小屋の中を覗くようにして、矢口の名前を呼ぶ。
 すると、中から矢口が出てきた

矢口「よっすぃー、亜依、久しぶりだね」
亜依「おね…」

 亜依が矢口に話しかけようとしたが、矢口がそれを遮る

矢口「ごめん、今忙しいんだ」

 そう言って奥の方へと入っていく…。
 吉澤達も矢口の後を追うようにして中へと入っていった
 吉澤達が中に入ると、矢口はどうやら何かを作っている
 ようだった。そして、それを作り終わると、
 さらに奥にある部屋のドアを開けて入っていった
117 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時41分57秒
吉澤「! なにこの臭い」
亜依「くさいよ」

 二人はあまりの強烈な臭いに吐き気を覚えながら、
 矢口が入っていった部屋に向かう
 そして、中の様子を見てみた

矢口「真希、ご飯できたよ!」
後藤「…」

 どうやら矢口が作っていたのは、後藤への食事のようだ
 しかし、さっきから矢口は後藤に話しかけているのだが、
 後藤からの返事は無い。そんな返事ひとつ返さない後藤に、
 嫌な顔をせずに矢口は話し続ける。その光景を見ていた二人は
 首を傾げていたが、後藤の姿を見て納得?した
 後藤はすでに骨だけになっていたのだ。
 この部屋にたちこめる臭いは、後藤の死体の臭いだった。
 しかし、吉澤達は不思議と後藤の白骨死体を見ても、冷静に見ていた
118 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時42分38秒
吉澤「ごっちんなの?」

 吉澤はベットに横たわる後藤の死体を見ながら矢口に聞いた

矢口「なに言ってるの! 当たり前じゃない。
   今は寝ているだけだよ」
吉澤「…(矢口さんは、ごっちんの死を
   受け止められずに今まで…)」
亜依「…」

 亜依は後藤の変わり果てた姿を見て驚きを隠せないでいる

吉澤「…亜依ちゃん、帰ろう」
亜依「でも…」
吉澤「やっと、二人は一緒になれたんだよ。
   そっとしておいてあげようよ」

 そっとドアを閉めると、小屋を後にした
119 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時43分33秒
 二人が去った後も、矢口は後藤に話しかけていた。
 これからもずっと…
 矢口が死ぬ時まで…
 一生…

矢口「真希、好きだよ」
後藤「…」
矢口「もう二度と、離さないから…」

 二度と目を覚まさない後藤に、
 今日も矢口は話しかけている…



  〜END〜
120 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時45分51秒
以上で、屈折した愛情は終わりです。
感想や苦情など、お待ちしております

もしかしたら、また小説をアップするかもしれません
その時まで読者に戻ることにしますので…
121 名前:aki (110 投稿日:2001年09月25日(火)23時51分27秒
今、ほぼリアルタイムで読ませてもらいましたが・・・・
なんかすごいですね。いろいろな意味で・・。
題名が最初から最後まで貫かれているような気がしました。
まるでホラー小説を読んでるみたいな感覚になりました。(読んだことないんですけど・・^^;
そして最後にお疲れ様でした。
122 名前:↑の者です・・。 投稿日:2001年09月25日(火)23時52分46秒
すいませんっ!!!
SAGEをチェックするの忘れちゃいましたっ。
本当にごめんなさい・・・。
123 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月26日(水)01時28分41秒
某ページで読んだことあります。
管理人さんですか?
124 名前:華守 投稿日:2001年09月26日(水)05時08分13秒
私も某ページで読んだことがありますな〜。
125 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月26日(水)21時44分57秒
121さん>
感想、ありがとうございます。
ホラーっすか?
確かに、そんな気もしますね、ちょっとだけ…(笑)

別に、無理してsageなくてもいいですよ
単に私が、他の名作品と肩を並べられないとの思いから
勝手にsageてただけなんで…。
気にしないで下さいね。

123,124さん>
そうです、私は某サイトの管理人です
この作品は、今後新作をここで発表する為に
試験的に載せたんですよ
126 名前:華守 投稿日:2001年09月30日(日)06時19分00秒
125様>
いや〜そうだったんですか。
私はあのサイトで見た中ではこの話が1番好きです。

>この作品は、今後新作をここで発表する為に
>試験的に載せたんですよ
期待してます。
頑張ってくだいね〜。

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