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春よ!恋…(来い)
- 1 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)16時21分20秒
「おっしゃ〜♪今日から晴れて一人暮しだぁ〜!」
―東京駅にて絶叫―
周りの目線が痛い…。でもそんなの関係ないね!
いきなりだけど、私は一昨日…高校を退学した。
イジメとか…勉強がイヤだとかじゃなく…
―夢があるから―(〜くぅ。カッコいい!!)
お姉ちゃんもお母さんも、自分の好きなコトやりなさいって言ってくれた。
って言うか、二人とも私の性格を知りつくしてるから。
でも、学校の先生達は大反対だったんだ。
そんなの卒業してからでも出来るだろ?…だと?
うるさい!今やりたいんだからやるんだよ!
…って叫んで、退学届けを突き出してやったんだ。へへ。
青い空に向かって、私は『う〜ん!』と背伸びし、
今日からお世話になるアパートに向かった。
- 2 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)16時33分35秒
―【モー荘】―
「…ヘンな名前…。妄想って…。ま♪いっか!」
妄想…じゃなかった!モー荘…。ここが私の新たな生活の場となる
都心から少し離れた所にあるアパート。周りには商店街や銭湯など
生活には困らない設備がたくさんある。
名前(?)のわりには築5年と新しく、
周りには管理人さんが趣味でやってる花が所狭しと咲いていた。
すぅーっと息を吸い込む。
甘い香が心地よい…。なんだかワクワクしてくる。
これから全部、自分で炊事洗濯やらないといけない。
…ちょっと不安もあるけど、大丈夫だろ♪
「いまからこんなんで、ど〜する!市井!」
ぱんぱんと頬を叩き、自分に渇をいれ
アパートのドアを開いた。
- 3 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)16時50分07秒
―1ヶ月後―
私はコンビニでのバイトも決まり、炊事洗濯も一通り出来る様になった。
コンビニのバイトにいたっては、すっかり慣れてサブまで昇格(?)したんだ!
最近、仕事が面白くってさ〜♪
あっ!もちろん夢のコト忘れてたわけじゃないよ?
(ちなみに私の夢はシンガーソングライターになること!…って
誰にいってんだよ!)
大好きなドリカムの歌を聴きながら頑張ってるんだ。
知り合いにライターの人がいて、ちゃんと教えてくれる人がいる。
私は今の生活に満足していた。楽しかった。嬉しかった。
―そう…何もかもが上手くいっていたんだ…。―
―アイツが来るまでは…。―
- 4 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)17時03分38秒
え〜っと…こんにちわ。前にここで書かせていただいた者です。
違う板にしようかと思ったのですが…。
戻ってきてしまいました。今回は、ある漫画をこの作品にしようかと
思っています。よろしくです…。
- 5 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)17時29分43秒
(ああ…今日も一日終わったぁ〜)
左手に廃棄の弁当、右手にはなっちゃんのグレープ。
コクコクと飲みながらチラっと袋の中の弁当を覗きこむ。
(今晩は何食おうかなっと♪)
廃棄の物は、本当は持ち出しちゃいけないんだけど…
こっそり店長が一人暮しの子達にはくれるんだよね。
…グ〜っとお腹がなった。
「そー、急ぐでない。」
私はお腹に手をあて、一人呟いた。
…疲労感はあるものの、私の足取りは軽い。
カンカンと階段を昇り、自分の部屋に戻ろうとした。
…ん?誰かいる?
私の部屋の前に…膝を抱え、うずくまってるヤツがいた。
誰?誰よ?
少し躊躇した&恐かった。…が、空腹感には勝てず…
そのまま進んだんだ。
- 6 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)17時39分32秒
私はそいつの前に仁王立ちし、腕を組んでちょっと強さをアピールした。
「ちょっと!ここ私の部屋なんです…けど?って…アレ?」
「姉貴!」
姉貴?私…?あれ?…何でいんの?ぅえ?私はビックリした。
言葉が出ない。ぅえ?って…何だか志村けんみたいだなって
思った、自分で。ううん!そんなコトはどうでもいい。
ガサっと弁当の落ちる音がした。カラ―ンっと缶の落ちる音がした。
「…ひとみ…。」
「…金魚みてぇ…。早く部屋、入れてよね?」
私の行動が金魚ってあんた…たしかに口、パクパクしてたからねぇ…。
は!余計なことばっか考えてた。人間…思ってもみなかった出来事に遭遇すると
余計なコト、考えるようになるんだね…。
今日…市井は一つ賢くなりましたよ…母上サマ…。
「早く!」
私はため息をひとつ吐き、ひとみと一緒に部屋に入った…。
- 7 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)17時51分23秒
「すげぇ!結構、しっかりやってんじゃん!」
ひとみはキョロキョロと部屋の中を見渡している。
台所で私は…自分の分と明日食べるはずだった弁当(2つもらったのだ)を
温めていた。本当は一つ温めて、もう一つは明日の朝に食べようと考えていたのだが
こいつのセイで!!
「なんで来たの?」
「転校させられた。今日から一緒に住むコトになるから。」
??話しがよくわかんねーんすけど?
温まったハンバーグ弁当をひとみに手渡し、
私は自分の唐揚げ弁当と、缶ビールを持ちながら
ベットに腰かけた。
「…よくわかんないんだけど…。」
「だからぁ〜転校させられたの!無理やり!言ってんじゃん。」
「…話しがわかんねぇって言ってるのわかんねぇの…?」
ひとみは流石にヤバイ!と感じたのか、あぐらから正座に変え、
私の顔を見た。
「すいませんしたぁ。あのね…。」
…ひとみ曰く…
(『姉貴がスゴんだらヤバイっす!自分、勝てないっす!』)
- 8 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)18時03分18秒
「…。」
「…姉貴?ねぇ…ってば」
ひとみ…あんた凄すぎるよ…。そんな理由なんて…。
前代未聞だよ。
「…ちょうど部屋、2つあるんだから私が一つ使っていいかな?」
「…好きにしたら?」
「…すみません。」
理由…私は絶句した。恥ずかしい妹だ…。
『あまりにも生徒に手を出すので辞めて頂きたい』とは…。
しかも…女の子だ…。女子高に多いとは聞いていたが…。
なんか…考えるコトが…考える力が…なくなってきた。
「…私が手を出したんじゃなく…相手の方が誘うんだよぅ…」
…肩をもつ訳でもないが、そーいえばひとみは…
優しすぎる。相手がお願いって言えば…断りきれないんだ…。
チラっとひとみの方を見た。さすがにバツが悪いと思ったのか…
さっきから下を向きっぱなしだ。
- 9 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)18時12分30秒
グイっと一気に残りのビールを飲み干す。
仕方ない…。私にとって可愛い妹だもんね。
「…そーなったんじゃ仕方ないよ。一緒に住むか…。そのかわり…
どんな事があっても、お互い干渉はしないっての条件だからね?」
ひとみは、やっと顔をあげた。…泣いてたのか?
鼻水やら、涙やら…顔はグシャグシャだった。
「ぞおじまずぅ!…ごめんよぉ。ワ〜ン!」
ひとみは立ちあがり、私に抱きついた。
「うわ!きったねぇな!鼻水ついたじゃん」
「うわ〜ん!」
…たく。強がっているけど、本当は不安で仕方ないんだろうな。
よしよし。
―ピンポーン―
助かった〜誰だかわかんないけど。するりとひとみから抜け出し
玄関に向かった。
「はぁ〜い。…ん?」
「…こんばんわ。」
「…誰っすか?」
「…よっすぃ〜いますか?」
- 10 名前:作者 投稿日:2001年09月16日(日)18時21分20秒
「…よっすぃ〜??誰?」
「えっと…ひとみちゃんです。」
「ひとみの…知り合い?」
ニっと笑うこの子は…誰だろう?ひとみの知り合いなんだろうけど…。
よっすぃ〜って何さ。…?
ああ!吉澤だからか…?
…いきなりだけど…話しは少し戻る。7年前に私のお母さんが再婚したんだ。
その時に一緒に連れてこられた子が…ひとみ。
私より1つ年下の子。
ひとみはお父さんの苗字を…。私はお母さんの苗字を…。
―市井沙耶香―
―吉澤ひとみ―…よっすぃ〜か…?
- 11 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)22時48分38秒
- 少女ってあの子かな?だったらいいな〜。
- 12 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)23時15分30秒
- 沙耶香×
紗耶香○
がんがってくれ。
- 13 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)05時33分32秒
「ごっちん!?何で…うわ!」
「後藤、会いたかったよぉ〜!そ〜とぉ〜探したんだから!!」
ごっちんと呼ばれた少女は、私をふっ飛ばしてひとみに抱きついた。
バランスを崩し、ペタンとしりもちをつきながら私は二人を見たまま…ボーゼンとしていた。
ひとみは私の方にチラリと目を運ぶと、ぺロっと舌を出し…
奥の部屋にイソイソと行ってしまった。
「…いったい何があったんだぁ…?」
どれくらいたったのだろうか?私はまだ座り込んでいた。
まだ状況が把握できていない…。何だか…だんだん腹が立ってきた…!
(ここは市井の部屋だぞ!何なんだよ!)
スクっと立ちあがり、奥の部屋へ向かった。
(怒鳴りつけてやる!)
ドアノブに手をかけ、開こうとした。が、隙間が開いていたので
中の様子をそっと覗いてから突撃しようと心に決めた。
だってねぇ?もし修羅場とかだったらヤじゃん…。
「ぎょ!!」
…再び腰を抜かした…。
- 14 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)05時42分22秒
「…ん。」
「…ごっちん…」
(ひえひえぇ〜!!)
二人は強く抱き合ったまま唇を貪り食っていた。
お互いの舌が…まるで生き物みたいに動いている。
「…あ」
後藤の方が先に小さく悲鳴を上げ、崩れ落ちて行くのを
ひとみがガッチリ包み込み…床に座らせる。
…ひとみは攻撃を休めないでいた。それどころか手は
胸の方へと…
(……。こんな状況でもしっかり観てる自分が情けない…)
ふるふると激しい怒りがこみ上げてきた。
頭にきた。さっきのひとみの涙は嘘だったのだろうか?
「お前等!!いいかげんにしろ!ひとみ!後藤!しっかり説明しろ!」
二人はパっと体を離すと、私の顔をみた。
- 15 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)05時59分08秒
「はい!後藤真希15歳、よっすぃ〜とは同級生でした!えへ」
後藤真希…この子にもうちのひとみが手を出しちゃったんだね…。
マジマジと見ると…サラサラの栗毛の髪からチラリと見える耳。
大きな目、何といっても…スタイルが良すぎだ。可愛いなァ…。
「…ごっちん、どうしたの?突然…。」
ひとみが思い出したように聞いている。私もそれが早く聞きたかったんだよな。
「うん!後藤も辞めてきちゃった!つーかね?コレ…。」
自分の手を首にあて、一直線に横に引いた。
一気に全身から血の気が引いていく…。
…私はひとみの頭を握りこぶしでゴンっと殴り、
頭を掴んで、2人して土下座した。
「ごめん…!ひとみのせいで…!後藤さんの人生、狂わしちゃって!!」
「そんな気にしないでよぉ。よっすぃ〜は何も悪くないよ?頭あげて?ね?」
「…とにかく後藤さんの家に電話しなきゃ…心配してるだろうし…」
私はフラリと力なく立ちあがり…電話の受話器を握り締め
後藤さんから番号を聞いた。
- 16 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)06時01分58秒
<名無し読者さん。適切なご指導&初レスありがとです♪
これからどんどん、人物を出していこうかと…。
今回はどろどろになる恐れアリです…。
- 17 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)06時33分32秒
- どろどろならば、梨華ちゃん登場希望
- 18 名前:今日も名無し 投稿日:2001年09月17日(月)06時45分43秒
- いちごまになるのかな?市井は後藤に惚れそうな予感。
ってことはやっぱ石川が…
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)09時25分09秒
- もしかして「忘れられない日々…」の作者さんですか?
間違ってたらごめんなさい。
おもしろいんでがんがって下さい!
- 20 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)17時32分19秒
「…ムリだよ…。」
ダイヤル中、か細い声が耳に入った。さっきまで元気いっぱいの
彼女だったが…?何がムリなんだろう。
ガチャ―『はい、後藤です。』
「あっ!後藤さんのお宅ですか…?私、市井と言いますが、真希さんの…」
『…うちには真希なんてコ、いません。』―ガチャ―
私が話し終わらないうちに…
は?切られた。こいつ…嘘教えたな!私はくるりと後藤の方を見て、
「…ちゃんとした番号は?」
「…今のであってるよ。はい、これ。」
学生証を渡された。パラパラとページをめくる音だけが部屋に響く。
…後藤の言ってる事は本当だった。何度も何度も照らし合わせた。
「…なんで…?」
「…親に勘当されちゃったの。あは。」
あはって…突然目眩がした。パチパチと目の前に火花が見える。
ひとみか?ひとみはそこまでしたのか?
…落ち着け。市井…。落ち着くんだ…。
落ち着ける訳ない!
- 21 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)17時41分08秒
私は無言のままひとみの目の前に立つ。
思いっきり手を上にあげ、そのまま振り下ろし左頬を叩いた。
パーン!とゆう大きな音とともに、ひとみは倒れこんだ。
いや。倒れこんだって言うより…フっ飛んだ。
「いってえな!何するんだよ!!」
「…情けない。情けなすぎんよ…。何やってんだよ…。」
「………。」
ひとみは無言だった。叩かれた頬を撫でている。
その様子を見て、後藤がすぐさまひとみに駆け寄る。
「ひどいよ!いちーちゃん!!あんまりだよぉ…。」
いちーちゃんて…。この子は今、自分の置かれている状況を
分かっているのだろうか…?
―もぉ…いい。―
私は…今日は何も考えられない…。考えたくもない。
そのまま私は自分の部屋に戻った…。
- 22 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)17時52分27秒
「…最悪だ…」
目が重い…。頭が痛い…。最悪の目覚めだ…。
カーテンの隙間からさす日の光は…私の気持ちとは裏腹で…。
「…バイト休みたいっす…。」
あれから私は、もう一本ビールをかっくらって寝た。(寝られなかったけど…)
しかし…!一睡もしていない!…理由?
昨日の事もだけど…
なんて言ったらいいのかなぁ…。
その…。
ひとみと後藤が寝ている隣の部屋から…
一晩中…聴こえてきたんだよね…。
喘ぎ声ってやつ…(悲&泣)。
ここは私の部屋なのに…。
何か悪いこと…市井はしましたか?
神様…。
バイト先の矢口の言う事をきかないから?
…そうだとしたら、今日から素直になります…。
だから…
「この状況をなんとかしてくれぇぇぇぇぇ〜!!!!」
市井、魂の叫びだった…。
- 23 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)18時08分55秒
私は最悪の状態でバイト先に向かった。
休みたかったが、そんな訳にはいかない。
目の下には凄いクマが出来ていた…。
髪はボサボサ…シャワーを浴び、そのままで家を後にしたんだ。
「…はぁ。」
暗い気持ちでバイト先のセブンイレブンに着いてしまった。
…中々、足が進まない。
(やっぱ…さぼろっと…。)
「おっはよ〜!!紗耶香!」
バンっと後ろからいきなり背中を叩かれた。
ペタンと地面に両手をつく。…なんだか切なくなってきた。
「ど、どぉしちゃったんだよぉ〜!!矢口、そんな強く叩いてないよ!」
「いや…市井が悪いんす…。」
「い、いや…悪いとかそんな事言ってんじゃなくて…立てる?」
(今日の紗耶香…どうしちゃったんだよ!)
ああ…なんだか今日の矢口がカッコ良く見える…。
小さいくせに手なんか差し出しちゃって。
私は矢口の手に捕まり、立とうとした。
- 24 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)18時14分00秒
あ…れ?フラっと立ちくらみ…。
私はそのまま矢口に持たれかかった。
「お、重い〜!紗耶香〜…いったいどーしちまったんだよ!」
どーしちまったんですかねぇ…?市井は…。
自分でも分からないんだよ…矢口。
頭がぼやけてきた…。
もーダメだ…。
今日は…休ませてください…。
- 25 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)18時23分06秒
―…あん…。よっ…すぃ〜…―
―ごっちん…―
―…いちー…ちゃ、んに…聞こえる…―
(聞こえすぎだ!!)
―…いいんだよ…干渉はしないって…最初に言われたから…―
(良くない!時と場合によってだ!!)
「……やめろぉ〜!!」
「お!気づいた?」
目の前に矢口の顔。…あれ?バイトに来たハズなのに…。
ここはどこだ…?しかし…ハデな部屋だな。
「…紗耶香さぁ〜気ぃ失ったんだよ。店の前で。店長がビックリしてたよ?」
「…ここは?」
「矢口の部屋。だって紗耶香…家には帰りたくな〜い!!って叫ぶんだもん。」
はい、っと冷たく冷えたポカリを渡され、私はコクリと飲んだ。
ズキっと喉の奥が痛い。私は無造作に喉を押さえた。
それを見た矢口がクスっと笑った。
- 26 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)19時12分57秒
<名無し読者さん。梨華ちゃん登場は…モー少し先になります。
気長に待っててください。
<今日も名無しさん。…ノーコメントです…。
ちょっと焦ってしまいました。梨華ちゃんは出ますよ♪
<名無し読者さん。…そーなんです。私です…。
ありがとうございますね♪頑張ります。
レスありがとうございます♪早い展開ですが、
許してください…(汗)
- 27 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)19時24分57秒
「うぢにがえりたぐない〜!!」
「…ぶ!誰、それ?」
「紗耶香だよ?マネしてやったんじゃん!」
マネっすか…。…恥ずかしい。この喉の痛みは
(矢口がマネしたように)叫びすぎたからかな…。
っつーか、マジで私は叫んだのか?
時間が戻るんだったら…素直にバイト休んで家で寝てたら良かった…。
ア…。家に帰ったらあいつ等いるんだろうな…
今日は帰りたくないや………
…ん?矢口…そーいや何でいんの?今日、ホントは市井と
シフト入ってたんじゃ…。
「矢口…今日、休ませちゃった…?」
「そーだよ。だってさぁ〜店長が、矢口さん、市井さんの事お願いしますよ?
って言われちゃったんだもん。ま、矢口も最近疲れてたから調度良かったよ♪」
ニコニコしながら矢口は私にそう告げた。
- 28 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)19時38分35秒
「それに、紗耶香の弱弱しい姿なんて、そー見れるもんじゃないしね♪」
なおも喋り続ける矢口―。
私はジっと矢口を見つめていた。いつもは何とも思わないヤツなのに…。
憎まれ口言ってるけど…
これは矢口の照れ隠し。
薄れていく記憶の中で…矢口が言った言葉。
―大丈夫だよ!矢口がついてる!―
あれで私は安心しきったんだろう。
何だか胸が痛い。
「…でさ、紗耶香ったら…」
「矢口…今日はありがと…。大好きだよ…」
私は矢口を抱きしめた。ギュって。マシンガンの様に喋っていた矢口が…
『ふぇ〜ん』って泣き出した。こうやって抱きしめると…
本当に矢口はちっちゃくて…
可愛くて…
一瞬、私はあの二人の事を忘れていた。
ただ、今は…
私の腕の中で泣いてる矢口のぬくもりだけが感じられていた。
こんな感じは初めてだった…。
- 29 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)19時51分15秒
- その頃、市井の部屋では…
「…ふぁあ〜」
眠い目を擦り、私はボーっとしていた。
ふと隣に寝ているごっちんに軽くキスをし、昨日の行為を振りかえる。
久しぶりのごっちんとのHに私は凄く燃えて…
「…姉貴に聞こえただろうな。」
ごっちんを起こさないように(と言っても中々起きないんだよね。)
カバンから、お気にのヒスTを出し袖を通す。
姉貴はすでにバイトに行ったようだった。
テーブルの上には2000円置かれていて、
『勝手に朝飯食って寝ろ!』…と殴り書きの手紙が添えられていた。
「…なんだかんだ言って優しいんだよなぁ…。」
私は口にこそ出さないが…姉貴の事、尊敬してる。
大好きだし。恋愛感情とかじゃなくて、
ホント頼りにしてるんだ。
「サンキュ…」
私は姉貴のと思われるベースボールキャップを目深にかぶり、
朝飯を買いに出かけた。
- 30 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)20時00分13秒
「いい天気だぁ〜♪」
すでに日は真上まできていた。チチチ…と鳥の囀る声に耳を傾ける。
姉貴には悪いけど…とっても清々しい気持ちだ。
「こんな日はいい事ありそーっすね♪」
辺りの風景を楽しみながら、うーんと背伸びした。
近くにあるコンビニで私はパンとレモンティーを買う。
「あとはどこで食うかだな。」
手に持った袋をグルグル回しながら座って食べれる所を探す。
以外にもそこはすぐに見つかった。
―公園のベンチに座り、ガサガサと袋からパンを取り出し一気に
ほお張る。普通のどこにでも売っているパンは予想以上の美味さだった。
あっとゆう間に食べてしまった。もう一つ買ってくれば良かったなと思った。
- 31 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)20時08分54秒
食べ終え、またボーっとする。その時、一軒の店が目に入った。
「…あれ?『フラワーズ・タンポポ』…?」
真正面に花屋がある。なんで気づかなかったんだろう?
食べる事に夢中だったからなぁ。
私はなぜか恥ずかしくなった。
ポケットに手を入れ、残金を確かめる。
1473円…
「…姉貴に花でも買ってやるか。」
ゆっくりと立ちあがり私は『フラワーズ・タンポポ』に向かった。
- 32 名前:作者 投稿日:2001年09月17日(月)20時16分14秒
「…結構デカイなぁ。」
近くまで来て見ると建物は新しく、大きかった。
店の外には色々な花達が私を出迎えてくれていた。
そんな風に見えたんだ。
まぁいいや。姉貴が好きそうな花をさっさと買って帰ろう。
ああ見えても、花が大好きなんだよね。
私は花より団子派だから、ここには二度と来ないだろう。
でも…どんな花がいいんだろ?店の人に見て選んでもらおうっと。
「すみません。」
「はーい。」
奥の方から…ちょっと変わった声がする。
私の聞き間違いだろうか?
- 33 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)20時26分29秒
- ちょっと変わった声・・・もしやっ!
- 34 名前:名無し氏 投稿日:2001年09月17日(月)21時06分33秒
- 作者様こんにちは。 前作スレの328などにカキコしていた名無し読者です。
言われた通り参りました。(実は偶然です(汗))
いきなり面白いです。 これからも更新頑張って下さい。
ちょっと変わった声…ま、まさか!(嬉)
- 35 名前:今日も名無し 投稿日:2001年09月18日(火)01時46分45秒
- 今度こそあの子かな?
- 36 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)04時13分02秒
「いらっしゃい。何をお探しかしら?」
「…えっと、花の事よくわかんないんだけど…」
(なんちゅー声なんだ?…まぁいいや。)
クルリと声のする方を向く。…私は絶句した。凄い衝撃だ。
身長は155ぐらいだろうか?
栗色なサラサラの長い髪。
黒い大きな瞳。
彼女のすべてが…目に焼き付いて離れない。
視線がそらせない。
「…どうしたの?」
か細い声の彼女の問いかけにハッと我に返り、肝心の用事を…
「…あ。いや、あのぅ…そのぅ…1400円ぐらいで花束を…
造ってほしいなぁ…と…。あの…造れます?」
私はやっと、これだけ言うのが精一杯だった。今までこんな事…
なかった。多分、顔は真っ赤だろう。もっと深く帽子をかぶりなおす。
「大丈夫!造れますよ?」
ニコっと微笑む彼女…どうかしちゃったのだろうか?
さっきから私の鼓動がどんどん早くなってるんだけど…?
- 37 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)04時22分52秒
せっせと花を選んでる…。まだ視線を外せない。
(うぅ…汗が…。)
ドキドキドキ…胸が苦しい。
何だ?この気持ちは…昨日、ヤリ過ぎたせいなのか?
だったら…今晩は止めよう。
「彼女に贈り物ですか?」
「は、はいぃ?」
ああ…声が裏返ってしまった。鬱だ…。
彼女はなおも花を選んでいる。
えっと…今、誰っつったよね?
「か、彼女じゃなく、姉貴…お姉ちゃんです。」
「あ、そーなんだ。優しいね。」
私が優しい?くぅ〜…胸がいてぇ…。
はぁ…名前、何て言うのかな?
胸んトコに名札とかついてんのかな?
「…こんな感じでいいかな?」
フーっと一つ息を吐き、ニコっとまた微笑んだ。
…目眩がする。やっぱ、ヤリ過ぎはよくないなぁ…。
- 38 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)04時31分08秒
「いいっす!最高っす!キレイっす!可愛いっす!」
「ホント?良かったぁ〜!喜んでもらえて♪1000円でいいよ♪」
「え?いいんですか?こんな凄い花束…」
「いいよ。そんなに喜んでもらえると嬉しいし。…だけど、内緒…ね?」
…ね?で彼女は私に向かってウィンクした。
ヤバイ…吉澤、マジで胸が痛い…。
―イソイソと私はポッケからお金を出し、それと交換に
はいって花束を渡された。すかさず胸元を見る。
ああ…!この子…胸でかい!こんな華奢なのに…。
おっと…名前、名前…。
「…ありがとう、石川さん…?」
- 39 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)04時40分07秒
「どーいたしまして♪また買いに来てね!」
「ま、まままた来ていいんすか?」
「うん。いつでも来ていいよ。」
はぁ。いつでも…毎日来ちゃおうかな…。
でも…はぁ…。何だかため息ばかり出てしまう。
「…お名前聞いていい?…あ…ウソ…何でもない。」
「吉澤ひとみです。あの…石川さんの下の名前…」
「…女の子なんだ。私、男の子かと…失礼だよね…ごめんね。」
石川さんは私を男だと思っていたらしかった。そりゃそうだ。
私って身長も高いし…今なんか帽子深くかぶってるから
わかんないよね。…って何で泣いてるんスカ?!
「…私っていつも失礼なコト…ばっか言っちゃって…ごめんね…ひとみちゃん。」
可愛い…可愛すぎだよ!!石川さん!
- 40 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)04時50分13秒
ってか…どうしよう…泣きやまないんだけど…(汗)
さっきから私は全然気にしてないって言っても…
石川さんが気にしちゃって…。
あたふたしてた、私…。
でも…泣いてる姿がこれまた可愛い…。
ホント女の子だ…。
こんな時に見惚れていてどーする?
「こらぁ〜石川〜!!また泣いちゃってるの?」
奥からズカズカとこっちに向かってくる人がいた。
…何か恐い…。凄い迫力だ。
「石川…ったく。ごめんね?こいつまた余計な事言って…。」
「いや…私は全然気にしてないんです。」
見た目と違って、いい人そうだ。…さっきはスミマセン…。
ちょっと待っててと言い残し、泣いてる石川さんの肩を優しく抱き、
奥の方へと入っていった。
- 41 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)04時59分45秒
<名無し読者さん。やっとお出ましです。出すまで頑張ってみました。
あと、保田さんも登場です…。波瀾かも…。
<名無し氏さん。前作読んでくれてありがとです♪
懲りずにまた書いてます〜…。またお付き合いください…。
頑張りますよ♪
<今日も名無しさん。ご期待(?)どうりに、梨華ちゃんです♪
これからの絡み、どーしようかと…(汗)
更新しました。パソコンの調子が最近良いのですよ!
出来るかぎり、更新一日2,3出来るように頑張ります。
では失礼します♪
- 42 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)06時20分06秒
- おお?いしよしでさやまりですか?(喜
- 43 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)07時11分47秒
- ぎゃ〜〜〜〜〜!!!!!やっす〜(たぶん)梨華ちゃんの肩を抱くな!!!
梨華ちゃんの体はよっすぃ〜の指定席なのだから
- 44 名前:R 投稿日:2001年09月18日(火)07時42分55秒
- 作者さんの更新は早くて嬉しいです。
まださわりですが、既に面白いっす。
- 45 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年09月18日(火)07時57分57秒
- よっすぃーは、やっぱり梨華ちゃんに一目惚れするよね♪
期待しています〜
- 46 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)18時22分30秒
「石川って、いつもああなんだ。飲む?」
ハイと缶コーヒーを渡され、私と保田さんは入り口の
花壇に腰かけた。コクリと一口飲み、フーっとため息を一つ吐く保田さん。
私もコーヒーを開け、口に運ぶ。
ふと…この人は石川さんの何なんだろう…?
と私の頭をよぎった。何か凄いモヤモヤしている。
…思いきって聞いてもいいのだろうか?
でも、初対面だし。…怒られたらイヤだし…。
「…どした?私の顔に何かついてる?」
「い、いや。何も…。あの、保田さんって、石川さんとどういった関係なんすか?」
あぁ!言葉にしちゃった!保田さん…ポカンとしてるよ。
気まずいなぁ…。
- 47 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)18時34分42秒
「私…?んん〜…どんな関係に見える?」
「へ…?全然予想がつきません。」
クスっと笑って缶コーヒーを飲み干し、保田さんは…
「私は石川の従姉妹だよ。君…になら話してもいいかなぁ…。」
「ぜひ!!」
(気になるよ!!)
「ハハ。君、何て名前?」
「ひとみ、吉澤ひとみって言います。すみません。遅れて…。」
「面白いコだね。…吉澤さん。実はあの子さぁ、両親が居ないんだよ。」
「居ない…?」
「ん。3年前にあの子だけ残して蒸発しちゃったんだ。
それでどこにも行く宛がなくてね…私とこうやって一緒に暮らしてる。
…今は明るく笑うようになったけど…あ、ここ最近かな?
当初は、全然笑顔なんて見せなかった。ただ…遠くを…一点を
じっと見つめるだけで。その目が…恐かったんだよね?
いまだにそのショックとして、何でもかんでも悪い方向に考えるように
なっちゃって…。ネガティブって言うのかな。」
「…………。」
- 48 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)18時42分27秒
「良かったらさ、石川と友達になってやってよ…って何?
なんで泣いてんのよ!!」
「…うう、ぐす。石川ざぁん。」
「フー。…使いなよ。」
保田さん…貴方って人は。顔に似合わず…そ〜と〜いい人っす。
しっかりプレスされたピンクのハンカチ(…似合わないけど。)を
差し出してくれた。それをあてがったまま…私は声を押し殺して泣いた。
「花束…早く持ってってやりなよ。枯れちゃうぞ?」
ポンと私の肩を優しく叩き、石川には内緒よって…。
私はコクコクと首を縦に振った。それが精一杯だった。
「あ!それ石川のハンカチだから…。洗って返しといて!…また来てよ。」
石川さんの…どーりで可愛いハンカチだと…。
その可愛いハンカチも…今は見る影すらなかった。
- 49 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)18時54分14秒
帰り道…私の頭の中は石川さんの事でいっぱいだった。
そんな複雑な人生を歩んでるなんて…。
私の今までって…なんだったんだろ?
片っ端から好きだって言ってくる子を抱く毎日…
…私はよくごっちんに、
『よっすぃ〜ってさぁ、本気で好きになったコって今までにいる?
後藤のことも本気で好き?…あとさぁ、学校じゃ何であんなにクールなの?』
って言われる。なんで今、こんな事を思いついたのかが分からない。
…真っ赤に腫れた目頭を押さえる。涙が溢れた。
どうして泣いてるの?あの子が可愛そうだから?
同情?…本気で好きになった?
「好き…?…訳わかんねぇよ…!」
人を好きになる気持ち…今はそんなんで悩んでるのか?
違う!石川さんが可愛そう…違う!人のせいにするな!
―ワタシハ、イッタイナニニナミダシテルノ?―
- 50 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)19時03分45秒
「あ!おかえり♪よっすぃ〜!」
「…姉貴は?」
「さっき電話があって、今日はねぇ…帰らないそーです。あは。
…よっすぃ〜?どーしたの?何で泣いてるの?」
「…ごっちん。」
私はごっちんの唇にキスをした。無我夢中でごっちんの
唇の形を確かめるかのように…舌を這わせた。
「…ん、ここじゃ…ヤだよぉ…。」
「…ん。」
私はごっちんを担ぎ上げ、ベットにそのまま倒れこむ。
乱暴に服をはぎ…ごっちんの豊満な体を手と舌で撫でまわした。
「…よっすぃ〜、どうしたの…アん。」
何も考えない。今はごっちんを抱く。
私は…ごっちんの事、好きだ!好きなんだ。
- 51 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)19時14分45秒
ハァハァと肩で息をしてるごっちん。
私はただ…ボーゼンとその姿を見ていた。
「…今日のよっすぃ〜、何かおかしいよぉ…」
潤んだ瞳で私に問い掛けるごっちん。
自分でもわかってるよ。おかしいって事。
何だかイライラする。ごっちんにじゃなく…
自分に。歯がゆい。暴れたい。抱きたい。
…今の私は欲望の塊だ。
ふとベットの脇に煙草がポツンと置かれてあった。
姉貴が吸ってるのだろうか?
知らず知らず、手が伸びる。
「よっすぃ〜ヤメなよぉ…」
緑色の箱には…英語で『Marlboro MENTHOL』と書いてあった。
一本ぐらいなら…
煙草を持つ手が震えていた。
カチっと火をつけ…スーっと吸ってみる。
ゴホゴホとむせ返る。涙が…。喉が…。
- 52 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)19時23分50秒
こんなのどこが美味くて大人は吸うんだろ?
隣でごっちんがケラケラ笑ってる。だから言ったじゃん!なんて言うな!
ムっとした私は、我慢し…二度目に挑戦。
あ…上手く肺に入っていったみたいだ。…さっきまでのモヤモヤした気分が
ウソのように晴れて行く。
よし、モー1度…。
―スパスパと吸っている私を見ているお姫サマは…ブーたれている。
上手く吸えているのが面白くないみたいだ。
「吸いますか?お姫サマ?」
「…吸わない。でも…よっすぃ〜の唇なら吸いたいな♪」
―再び唇を重ね合わせる。
「…よっすぃ〜の唇は、…煙草味だね?」
私達はこれを合図に…長い夜を楽しんだ。
- 53 名前:作者 投稿日:2001年09月18日(火)19時36分16秒
<名無し読者さん。今のところは…さやまりに、いしよし。
いやいやわかりませんよ?今回は…かなりドロドロしてくる
と思います…。
<名無し読者さん。本当は、梨華ちゃんの
恋人にしてしまおうかと思ったのですが…。これを読んでくれてる
読者さん達はいしよし派が多いのでやめました。
<Rさん。そー言ってもらえてうれすぃ〜っす♪
夜中の更新はキツイんで…。
頑張って更新は多くするつもりです。
<Charmy Blueさん。なんと偉大な人からのレス!
『トライアングルブルー&恋をしちゃいました』
読んでます!期待してるなんてそんな〜…
頑張ります!
更新しました。今回の作品は…私もどうなっていくのかが
わかりません。ただハッキリ言えるのが…(しつこくてスイマセン)
ドロドロです。はい。みなさん!レスありがとうです。
- 54 名前:バービー 投稿日:2001年09月19日(水)00時11分55秒
- 久々に青板に来てみたらいいのが始まってますね!
しかも、(現在の時点では)自分の好きなよしごま!
更に、既に自分の中で殿堂入りを果たしたさやまり!!!
最高じゃないですかぁ。めっちゃイイ!
ってゆうか、微妙な線までしか書いていないよしごまのエロシーン
に妙に萌えるんですが・・喘ぎ声とか(w しかも何か、
ここの後藤、可愛すぎです。
- 55 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)04時58分29秒
「おはよーございます。」
新聞配達の人に挨拶を交わす。市井は昨日、矢口の家に初めて
泊まった。時計を見ると、まだ朝の4時。けど外は明るい。
蝉の声や、鳥の囀りが、静まりかえってる街に響いていた。
本当にここは東京なのか?と思うくらい自然がイッパイだ。
「…矢口、可愛かったな…。」
私は自分の唇を指先で確かめるように触った。
(…あんな気持ち、初めてだ…。)
―「…紗耶香ぁ、好きなら…証拠見せてよ…?」
―「…矢口。」
小さな矢口は、私を下から覗きこむようにして見ている。
矢口の唇は、グロスでキレイに…そして怪しく光り輝いていた。
フルフルと震えてる矢口―。
―「…好き。好きだった…矢口のこと…。」
そう伝えると、矢口の震えはピタリとやんだ。
そして…私は軽いキスを交わした。
- 56 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)05時13分01秒
「…ムフフ。いやぁ…」
私は思い出しながら一人、ニタニタと笑っていた。
ああ…市井にもいいコトありましたよ…。
心の中でマジ感謝した。
…が、そんな楽しい気持ちも、自分のアパートの前に
立ってしまうと…はかなく散ってゆくものであって…。
(こいつらさえいなければ…(悲))
そーいえば今日は、ひとみの通う学校に
一緒に行かなければいけないのだった。
しっかり市井は手続きを済ましておいたのだ。
でも…ひとみの通う高校『朝霧』は…
またしても女子高なんだよ…。
(…今度の学校ではそんなコト、しないでおくれよ…。)
さっきまでのウキウキした気持ちはぶっ飛んで…
どっす〜んと重苦しい気持ちでいっぱいだった。
- 57 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)05時21分21秒
「うお…!キレイだなぁ。」
部屋に入った私は、テーブルの上に飾ってある花束に気づいた。
少しの間見惚れていた。
「あれ…?」
花束が包まれていただろうと思われる白い包装紙には、
何だか文章が書かれてあった。
『姉貴。お疲れ。この花を大好きな姉貴に
送ります。一昨日の事ごめん。これから、
お世話になります。出来の悪い妹でごめんね。
ひとみ。 』
「…ひとみ…。」
やっぱりこいつは優しいヤツだ。周りがさ、どー思おうが…
ひとみは優しいよ、うん。グスっと鼻を鳴らし、
そのボロボロの手紙(?)を私は大事に大事にしまった。
- 58 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)05時27分52秒
時計の針は…すでに6時を指していた。
あれから私はずっと…ひとみのプレゼントを
見つめていた。時がたつのって早いよね?
スクっと立ちあがり、ひとみと後藤が寝ている部屋に
入っていき、ひとみだけを起こす。
「おい、ひとみ…起きろ…。今日から学校だぞ?」
「…うう〜ん。お母さん…。ごめんよぉ…」
ははは…こいつなりに反省してんのかな?お母さんに…。
「おいってば…起きろっつってんだろ?」
「んあ?…あぁ…姉貴おはよう…。」
ひとみは眠い目を擦りながら立ちあがり、
うう〜んと背伸びした。
こうやってみると…デカイなぁ…。
「早くシャワー浴びてこいよ!」
- 59 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)05時32分33秒
あいつがシャワーを浴びてる間、トーストとゆで卵の用意を
する。今日はちよっと贅沢に、アロエヨーグルトもつけてみた。
「姉貴、次入れば?」
「おう、先に食ってな。んで、そこに制服かかってんだろ?
それに着替えて待ってな!」
ゴシゴシと頭を拭きながらひとみは出てきた。
そしてそのまま、テーブルの上にある焼きたてのトーストに
手をつけた。
「わかった?」
「わかったよ。」
「よし!」
- 60 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)05時39分22秒
―吉澤視点―
いつの間に姉貴は私の編入手続きを済ましてくれたのか?
しかも…制服まで。私はトースト片手に、じっくりと
制服を眺めていた。…もう、学校には通えないって思ってた。
最後の一口を口の中に投げ入れる。
パンパンと手についた粉を払った。
ジワリと涙が出てきて…視界がゆるむ。
嬉しい…心の底から思った。
半乾きになった髪をタオルでまた拭く。
床に落ちる雫は…刻み良く、ポタポタと落ちていた。
- 61 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)05時47分13秒
「お〜い!ひとみ着替えたか?」
私は風呂から上がり、ひとみがしっかり言付けを守ってるかどうかを
確認する。…何だか子供が出来たみたいだよ。
「…ジャ〜ン!どぉ?似合う?」
「ははは。似合う似合う。可愛いじゃん!待ってて。私も着替えるから。」
う〜ん。可愛いヤツめ。あいつ、しっかり私の言付け守ってた。
まぁ、ひとみの事だからダラダラと卵食いながら
着替えてないかと思ってたけど…。
「姉貴〜まだ?」
「今行くよ!」
スーツ着ていこうかと迷ったんだけど…
この歳でねぇ…なんかイヤミくさいし…。
でもなぁ…しょうがない。
黒のパンツスーツに身を包み、
ひとみと一緒に朝霧女子に向かった。
- 62 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)05時54分26秒
朝霧女子校…すげ〜…新しいし、お嬢サマ学園っぽい…。
私は隣にポカンと口を開けているひとみを見て…
「…ひとみにあいそうもないね。…プ…。」
「…うるせぇよ。」
「何か…用ですかな?」
「すみません。今日からこの学校にお世話になる者ですが…
職員室には、どー行ったら…。」
「あっ!吉澤ひとみさんですね。お待ちしてました。」
お待ちしてました?私とひとみは顔を見合わせ
何?って思った。私達を案内してくれてるこの叔父さんは…
用務員さんだろう。ほうき片手に中へどんどんどんどん…
進んでく。どこまで行く気だろう?
…ん?校長室?って…え〜…!!!
- 63 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)06時03分27秒
「校長の…山崎です。」
私達は…ハトが豆鉄砲くらったかのように…ただただ呆然としていた。
手拭でゴシゴシ顔を拭くと、フーっと息を吐く…用務員さん、
じゃなく…校長…。
「まぁ…お座り下され…。」
「「はい…。」」
「ええ〜っと…吉澤さん…ひとみさんは、前の学校では
かなりの問題児だったそうで…。」
書類に目を通してる。ってか何であんな書類があるのだろうか?
…私はここに来て…最悪の場面を考えていた。
「…吉澤さんは…この学園に通いたいですか?」
「はい。通いたいです。」
「…うんうん。そうですか。では、今日から勉学に…
部活に…恋に…何事にも一生懸命、頑張って下さい。」
「「…ありがとうございます!!」」
良かった!正直追い返されるかと思った!!ひとみも私も…
同じ事を考えていたのだった。
- 64 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)06時08分06秒
「吉澤さん…。」
「はい?」
「恋に…好きになった相手に男も女も関係ないと私は思います。
恋は素晴らしいです。自分も相手もキレイになれる。気持ちにゆとりが
出きる…。誰にでも優しく接しれる…。はは。この老い耄れは何を言ってるのか。」
そう言い伝える校長が…何だかカッコ良く見えた。
二人で深い礼をし、校長室を後にした。
- 65 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)06時13分20秒
<バービーさん。ありがとうございます!さやまり…
殿堂入り書いちゃいました。ここのごっちん、可愛いですか…。
うれすぃです♪あと…エロシーンは、こんな感じで最初もっていこうかと
思ってます。そして、しだいに…(汗)。
えっと…おはようです。更新しました。また今日も更新する
つもりなんでよろしくです。
- 66 名前:名無し氏 投稿日:2001年09月19日(水)10時12分53秒
- 優しいひとみ、いいですね。 学校でも波乱があるんでしょうか? 期待です。
- 67 名前:玲 投稿日:2001年09月19日(水)10時35分05秒
- 作者さんお帰りなさい!!
今回は凄いですね!盛りだくさんで(w
いしよしごま?。さやまり。
それによしこがちょっとヒネクレてて可愛い(w
の割には梨華ちゃんの話聞いて涙したり…
でもごまも可愛い!
おもしろいです♪
これからどうなるのか?
気になりますね〜
今回のも最後まで見守らせてもらいます!!
- 68 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)19時31分53秒
「じゃ!ひとみ、頑張ってね。私、そろそろバイト行くから。」
「ありがと…姉貴。」
「ん。」
私は姉貴が見えなくなるまで見送った。
職員室の前で一人立って、担任の先生を待っていた。
行き交う生徒達が私を見ては、ヒソヒソと話している。
(何だよ…。ジロジロ見やがって…。)
何だかムカついた。転入生がそんな珍しいのか?この学校は!
早く来ないかなと私は廊下でソワソワしていた。
「よ!アンタか?吉澤ひとみは!」
「…そーっすけど。誰?」
「ム!担任に向かって誰とは…!ええねん、ええねん。」
は?担任?こんなハデな先生っていんの?ってかアリなのか?
金髪に…カラコン…しかも、ポケットからは…
煙草が見えている。
「…ま。いいんけどな。教室行くで。」
…不思議な学校だ。幸先不安だが…。
私に言われたくないか…。はは…。
- 69 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)21時06分26秒
「…なんや、自分キンチョーしてるん?」
「してないって言ったらウソになるっすけど…。」
担任の中澤はニンマリ笑いかける。
それだけの仕草だったが…何だかやけに色気を感じさせた。
そして中澤の後をついていき、教室に入る。
「今日は転入生を紹介するで。ほれ。よっさん。」
「…吉澤ひとみです。よろしく。」
ざわめきだった教室が…歓声にと変わった。
そんな光景を見るのは慣れているので私は顔色一つ変えず
黙っていた。
「うっさい!また隣に怒鳴られるやろ!黙れ!!…よっさん。
席は一番後ろの…空いてる席に座ってや。」
私はコクリと頷き、スタスタと真中を通り自分の席へと着く。
クラスの子達は私から視線をはずさない。
「ハイハイハイ!授業始めるで!!」
- 70 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)21時15分38秒
「…はぁ。」
何だか今日は…疲れた。気疲れってヤツ?転校初日ともあって…
私なりに緊張していた。周りの子達も
話しかけてこないし。なぜだろう?
まぁいいや…。明日には慣れてくれるだろう。
―放課後。
学校の帰り道、私は昨日の花屋『フラワーズ・タンポポ』の事を
(ってか石川さん。)思い出していた。
ここから、そう遠くはない。
いや、近い。通り道だし。
…行ってみたいけど、行かない方がよいのだろうか?
どーしよ?…
―だが私の足は思いとは反対に…店に向かっていたのだった。
- 71 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)21時25分51秒
(…来ちゃったよ。)
はぁ…とため息を吐く。なぜだかドキドキしてきた。
ゴクリと唾を飲む。息も荒くなっていた。
なんだか自分が自分じゃないような感じがしていた。
(やっぱ帰ろう…)
私はゆっくりと店に背を向ける。後ろ髪が引かれるってよく聞くけど…
こんな感じなのだろう。…私は姉貴のアパートに
戻る事にした。ごっちんも待ってるしね。
「…吉、澤さん?」
「…!」
私はビックリして後ろを振り向く。間違いない!この変な声は…石川さん。
ああ、やっぱり!…と微笑む彼女。
全身の血が一気に頭へと集中しだした。
ドキドキ感が…いっそう激しさを増す。
- 72 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)21時37分36秒
「今帰りなの?」
「は、はい。今、帰りなんですよ。」
…沈黙。しかし突然、あっ!と思い出したように
「あの…昨日はホンット…ごめん。私…。」
ヤバ!!思い出したのか?石川さん泣きそうになってる!
話題を変えないと…。そうだ!
「あの!石川さんって、名前なんて言うんすか?あ!私、
吉澤ひとみって言います!」
「…え?私?梨華。石川梨華だよ。知ってるよ?吉澤さん。」
「梨、華…ちゃん?ああ!!梨華さん?」
可愛い名前だ…。ホントは『さん』じゃなくて…
『ちゃん』づけで呼びたい。
「…さんってヤだな。せめてちゃんづけで読んでよ。
ひとみちゃん…。」
テレながら…梨華ちゃんは私の事を『ひとみちゃん』と呼んでくれた。
しかもその上目使い…に私はやられた。昇天って感じ?
何だか私と梨華ちゃん…
一瞬だけ、心が通じ合った気がした。
- 73 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)21時53分58秒
「ひとみちゃん?何だか、お顔が真っ赤だよ?」
そー言って梨華ちゃんは私のおでこに手をあてようとした。
むろん手を伸ばそうとすれば、自然に体が寄ってくる。
ふと、ごっちんが頭に浮かんでは消え…今度は梨華ちゃんが…現れる。
何だか胸が張り裂けそうだった。今…梨華ちゃんに触れてしまえば…
―私は完璧におかしくなる―
どうする?ここで私が除けてしまっては…
梨華ちゃんがまたネガティブに考え込んでしまう。
誰か…誰か助けて…。私の中で…理性と欲望が絡み合う。
「お!吉澤じゃん!おっす!」
奥から保田さんの声。
(助かった!!)
まさに天の声だ。
「こ、こんにちわ。」
「ん。よくきたね!石川、少し早いけど、お店閉めて
お茶にでもしよっか?吉澤も飲んでってよ。」
私は迷ったが甘える事にした。
- 74 名前:作者 投稿日:2001年09月19日(水)21時57分59秒
<名無し氏さん。今回は簡単に済ませてしまったのですが
学校でも波瀾は…?今は言えません(汗)。
<玲さん。また書かせてもらってます…。今回はですね…
ちょっとヤバいかもしれないっす…。
また最後までお付き合いくださいね♪
- 75 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)22時04分40秒
- いしよし最高!
中澤の教師役ってかなり好きです
- 76 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年09月20日(木)00時10分37秒
- 「梨華ちゃん」「ひとみちゃん」
やっぱ、この呼び方が良いっすねぇ。
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)00時25分15秒
- いきなりですが・・・
作者さんサイコーです!!(笑)
毎回楽しみに読んでます。
いしよし、特にさやまり大好きなんですが、残るごまが最終的にはいったい誰と?って
勝手に一人でドキドキしながら更新待ってます(笑)
- 78 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)05時23分23秒
「紅茶…飲めるよね?」
コト…と私の前にピンクのカップに入ったレモンティーが
出された。成り行きで…こうして梨華ちゃんと保田さんと
仲良くなれた。だが、まだ私は緊張していた。だって…予想も
しなかった出来事に私はぶつかってしまっていた。
「どした?紅茶は嫌い?」「美味しいよ?ひとみちゃん。」
「い、いえ!いただきます!」
私が色々考え込んでいたら、保田さん・梨華ちゃんに勘違いされたらしい。
少しぬるくなったレモンティーを口に運ぶ。
「…うめぇ!」
しまった!あまりの美味さに…いつもの私が顔を出す。
だって…いつも飲んでるレモンティーとはまた違ってて…
なんて言うのかな?香りがいいんだよ、うん。
「ふふ。美味しいでしょ?これには秘密があるんだよ?」
「え?梨華ちゃん、何?何なの?」
「「秘密♪」」
保田さんと梨華ちゃんはハモって私に笑顔で、そー言った。
ずるいよ!って私が言ったら…保田さん…。
―そんな簡単になんか教えれないよ。知りたきゃ、毎日おいで―
- 79 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)05時36分04秒
『フラワーズ・タンポポ』を後にし、私は帰り道
スキップしながら歩いていた。何だかさっきまでの
曇ったような緊張感が…ウソのように心から消えていた。
(毎日おいで…か♪)
ふふふ。あの後、梨華ちゃんも追い討ちをかけるように
―『ひとみちゃんが毎日来てくれるなんて嬉しいな。あ…でも迷惑かな?』
―『全然迷惑じゃないよ!でも…マジで毎日来ていいの?』
―『私は…来てほしいな。何かひとみちゃんとお話してると…
ん〜ん。なんでもない!じゃあね、ひとみちゃん。』
私は、我に返ったかのように…梨華ちゃんの最後の言葉を
思い出した。ひとみちゃんと話してると…の続きだ。
(…もしかして…つまんないのかな?)
いや…。だったら毎日来てほしいなんて言うハズないじゃん。
でも…気になる。
ヤバイ!もしかして…言葉使いか…?
梨華ちゃんって…言葉使いが丁寧だ。
もしかしたら…
『ひとみちゃんとお話ししてると、口が悪くなっちゃう』
か…?学校でも家でもあんま話さないようにするか…。
- 80 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)05時48分11秒
「あれ?姉貴は?」
「まだ帰ってないよ?おかえりよっすぃ〜♪」
ごっちんとキスを交わす。あはって笑う顔が…
まるで子犬みたいだ。ご飯できてるよって…
有難いなぁ。テーブルの上には…作りたてだろう、
オムライスがポカポカと湯気をあげ私を待っていた。
…それにしても最近、姉貴は何だか楽しそうだ。
バイトに行くのがね。何か自分にとってプラスになる事が
出来たんだろう。でも、お互い干渉はしないってのが
暗黙の了解だから…って私何だか、カッケーぞ?
「ほら。温かいうちたべようよ。」
「うん。」
- 81 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)06時02分38秒
―市井・バイト中―
「有難うございます。…いらっしゃいませ!」
私は、ひとみを学校に置いてきて真っ直ぐバイト先に来た。
この前、迷惑かけちゃったしね。
それに…私がレジ打つ隣には、矢口が商品を袋詰めしてくれている。
好きな人が近くに居ると…頑張れちゃうもんなんだよねぇ〜!
市井パワー全開っすよ!
さて…ピーク時も過ぎ、フーと息をつく。
隣の矢口も息をついていた。
私の視線に気がつくと…ニっと笑い返す。
可愛すぎだ♪可愛すぎだぞ!矢口ィ〜!!
…その場で抱きしめたかったが…仕事場だし。
「市井さん、矢口さん上がってください。お疲れサマでした。」
夜勤の子達が来たので、私と矢口はバックに行き
さっさと着替えていた。
「紗耶香。この後、どーする?」
「ん〜…飯でも食ってかない?」
「いいねぇ〜♪やった!やった!紗耶香とご飯〜♪」
小さい体をピョンピョン跳ねらせ、喜びを表現する矢口。
服装はギャル系なのに…中身はお子様だ。
たまらず私は頬に軽くキスをした。
- 82 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)06時09分57秒
<名無し読者さん。いしよし最高ですよね♪
中澤センセーは…この後、貴重な存在となる予感…(?)
<Charmy Blueさん。『梨華ちゃん&ひとみちゃん』
私の中でもこのイメージしかありません。よっすぃ〜だと
ごっちんって気が…。
<名無し読者さん。最高ですか(笑)!うれすぃ〜です♪
次回は『さやまり』ではじまります。ってか始まってるけど…。
更新しました。次からは、ある人物をだす予定でございます。
毎回読んでいただいてるみなさん、ありがとうございます。
- 83 名前:玲 投稿日:2001年09月20日(木)15時07分12秒
- やっぱ梨華ちゃんには「ひとみちゃん」
よしこには「梨華ちゃん」って読んでもらわないと(w
作者さんの書くさやまりもいいですね!最高です♪萌え萌えです!!
でもごっちんはどうなるんだろう?
よしこは梨華ちゃんのものだし…(w紗耶香は矢口のものだし…(w
マジで気になるっす!期待っす!!サイコ−です!!!
- 84 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)01時05分50秒
- いい感じになってきたぞ。 ある人物、気になる〜。
- 85 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)18時17分51秒
「…な何だよぉ〜いきなり!」
はは。顔真っ赤だ。面白いんで、モー1度…。
「…うぅ。小さいからってバカにしてるだろ…。」
「してないしてない!」
矢口…どうやらてんぱってるようだ。
真っ赤な顔が更に赤くなっている。あたふたしてたから
小さな矢口の手を…私は繋いだ。
「行くよ。」
「…うん。」
グっっと力がこめられる。私もそれに返す。
何だか幸せな気持ちだ。
…いつまでこうやっていられるのだろう。
でも…市井の気持ちにウソはない。迷いもない。
きっと矢口も同じだろう。
それでいいんだ…。
そう、いいんだよ…。
- 86 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)18時29分07秒
「何食いたい?」
「ん〜…何でもいいよ♪お腹ペッコペコだぁ〜矢口。」
「市井もっす…。」
二人でお腹に手をあてがう。
今日は(自分で言うのもアレだけど…)
仕事頑張った!うん!ってか毎日か…?
なんちゃって。はは。
「一人で何笑ってんの?紗耶香〜?」
「笑ってた?今?」
大丈夫かよぉ〜って矢口…
それってフォローか…?
まぁいいや。とにかくご飯ご飯と…。
…ご飯もいいけど…市井、喉もカラカラでございます。
冷たく冷えたビールも飲みたいなぁ〜…
「ねね?矢口喉乾かない?」
「実に!!」
こいつ…間髪いれずに返してきやがった。
中々のやり手かも。(?)
と、意見も合意し、市井達は居酒屋目指して
進むのだった。
- 87 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)18時36分43秒
他愛もない話しをしながらテクテクと歩く。
ここはどこだろう?すっかり話しに夢中になり
自分達が今どこに居るのかが分からなくなっていた。
矢口に聞いてもここがどこだか分からないと言う。
ググ〜と腹がなる。もう限界だ。どこでもいい。辺りを見渡す。
路地裏の隅に…小さくもなく、大きくもない居酒屋があった。
お腹もペコペコだし、あそこに入って食べたらタクシーで
帰れるだろうとなったので、市井達は迷わず
居酒屋『ふるさと』に入る事にした。
- 88 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)18時49分21秒
「いらっしゃいませ。」
「いらっしゃいなのれす〜♪」
「まいど♪」
うお!何だ何だ?この不釣合いな三人は?
市井と矢口は…唖然とした。
「どないしたん?お客さん。はよ座ってや?」
「こちらにどうぞなのれす。」
「「はい。」」
思わずかしこまってしまった。
店内は2つ座敷があって…
後は、L型になってるカウンターが10席。
座敷がすでにうまっていたので、
矢口とカウンターに座る。カウンターも3席埋まっていた。
目の前に女主人がせっせと料理を作っていた。
よく一人でこなせるもんだなと、感心していたら
目があってしまった。
「メニュー、お手元にあるので…。」
ニコっと微笑まれてしまった。ムム!可愛い…。
「いて!!」
「…紗耶香〜?」
「すんません…。ホントすんません。ハイ…。」
うう…ケツ捻らないでよ…。
- 89 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)18時59分04秒
「ごちゅうもんは?」
「あ…まず中生2つもらえる?」
「らじゃー!」
プっと噴出してしまった。らじゃー!だって。
ニっと笑うと八重歯を出し、
「あいちゃん、なまふたつ!」
「がってん!のの!」
「あっははは!!」
「紗耶香?ど、どーしたの?」
私はこの二人のやり取りが、無償に可愛くて可愛くて仕方なかった。
周りにいたお客さんも、最初はビックリしていたが…
何もなかったかのように自分達の話題に戻って行った。
「どーかしたべか?お客さん?」
「いや…あまりにも仕草が可愛かったんで。つい…。」
ん?べか?この人…訛ってる?
「あ!なっちまた室蘭語出てしまったっしょ。へへ…。」
室蘭語って…。隣の矢口にコソっと耳打ちをした。
「…ここの店って変わってるかも…。」
「…うん。矢口も思ってた。」
- 90 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)19時06分31秒
「へい!なまふたつ、おまたせしましった〜」
「サンキュ♪」
お疲れサマって乾杯する。
喉はもう限界にきていた。
一気に私と矢口は飲み干した。
乾ききった喉が、それを全部吸収する。
ビリビリと喉の奥が心地良く痛い。
「「ぷは〜♪」」
「おお〜!お客さん達。やるんでないかい。あいぼん、もう一杯追加。」
手馴れた手つきでビールを酌んでもってくる。
「なっちからだよ。はい。」
おお♪嬉しい♪再び乾杯し、
今度はゆっくり味わって飲む事にした。
- 91 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)19時17分00秒
とても気持ちがいい。フワフワと浮いてる感じだ。
あれから矢口と私は、生5杯飲んでいる。
なっち(自分で言ってたし。)が造る田舎料理は最高だった。
優しさと愛情がたっぷりつまった感じがした。
さて。お客さん達も、私達を入れて座敷にいる5人だけとなっていたが…
「ごちそーさん。」
座敷にいた人達も帰ったので市井達だけになってしまった。
時間も時間なので…帰る事にした。
「お勘定お願いできます?」
「ふぇ?もう帰るの?なっち達ともう少しお話ししてほしいべ。」
「そうなのれす。」
「そうやで。」
…はい。なんか初めてあった気がしないね。…
再び市井達は席に座る。
「いやいや、座敷にいってるっしょ。」
てきぱきと料理を運ぶチビッコ二人。
この二人…こんな遅くまで働いていいのか?
って言うか、居酒屋OKなんスカ?
- 92 名前:作者 投稿日:2001年09月21日(金)19時20分18秒
<玲さん。お褒めの言葉ありがとうございます♪
…今日は早い時間から飲んできたので、頭がまわりません…。
<名無し読者さん。きっと『ふるさと』で、出てくる人物は
すぐ分かったと思います…。波瀾はこの後に…。
更新しました。私自身もてんぱっております…。
- 93 名前:玲 投稿日:2001年09月22日(土)00時09分32秒
- なっちとチビッコでしたか(w
しかしなっちよ…「室蘭語」って(笑)
でもチビッコ2人がお酒持ってきて、なっちが作る料理が食べれるなら
ベロンベロンに酔っ払いそうです(w
でもさやまりを誘って何を話すんだろう?
>波瀾はこの後に…。
って作者さん言ってるし…
気になるッス!!
更新がむばって下さい!!
- 94 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月22日(土)01時27分28秒
- テンポがいいですね。
にしても、もうちょっと早く、この作品を知ってたらなぁ…かなり後悔。
- 95 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)06時30分52秒
「ああ〜!今日も働いたなぁ。まずは乾杯!」
「かんぱいれす。」
「おう!」
「「…はぁ。」」
何回目の乾杯になるのだろう…?
すでに市井のお腹はタプタプしていた。
ちびっこ二人はジュースを。
なっちはビールを。
グビグビと飲む。さすがに市井達は
さっきまで飲んでいたんで、一気は到底ムリだった。
…さっきも気になっていたんだけど、この二人はどんな関係なのか?
思いきって聞いてみることにした。
「あの、この二人ってこうゆう店で働いてOKなんすか?」
「なっちの子供だべ。だからOKよ。」
「「こ、こども!?」」
「…ウソだべ。いるわけないっしょ?こんな大きな子供。」
だよね。ビックリしたよ…。なっちは…すでに出来あがっていた。
白い肌がほんのり赤くなっていて。
それがとてもキレイだ。
「あ!あいぼん、店閉めてきてくれる?」
「ええよ。」
スタスタと玄関を開け、看板の電気を消そうとした。
「なんや?終わりかい。」
「へい。今日は終わりなんです。」
さっきまでウトウト寝してた矢口が
いきなり目を見開き、ドアの向こうにいる人物に目をむけた。
「…裕ちゃん。」
「…や、ぐち?」
- 96 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)06時41分59秒
「ん?矢口の知り合いなの?」
「だったら、あいぼん中に居れてやるべ。」
なんだ?知り合いなのか?でも矢口のこの驚き具合は
なんなのか。知り合いだけの関係ならこんなにも驚かないハズだ。
「…久しぶりだね。裕ちゃん…。」
「…元気やった?」
コクンと頷く矢口。そして…矢口は市井に寄りそう形となった。
またウトウトとし始めた。…え?何?なんなのさ…。
…沈黙が続き、なっちが『裕ちゃん』にお絞りを
持ってきた。ちびっこ二人もチョコンとなっちの隣に
座りなおし、唐揚げに箸をつけた。
「ビールでいい?」
「ええよ。」
ビールだとすぐに出せるからさ、と言ってるなっちは…
フラフラしてる!はいぃ!って…なっちアンタ、エスパー伊藤みたいだよ。
…市井はなっちから、裕ちゃんの方を見て
「…矢口の知り合いなんすか?」
「…昔の友人やねん。まず飲もか。」
- 97 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)06時57分41秒
裕ちゃんとグラスを交わす。カチンといい音が響く。
ゴクゴクと飲んでいる裕ちゃん。
なっち・ちびっこ二人は…
「女の人で一気に飲む人なんて…。今日は凄いっしょ!三人も
現れたべさ!!はい!のの、ビール追加♪」
わーっとパチパチ拍手してる三人。…なっち、何か…
ホントの子供達じゃないの?
「…矢口、寝てるん?」
「…みたいですね。」
そうか…とセリフを吐き、またビールを飲む。
「…アンタ、あ、すまん。ウチ…中澤裕子や。裕ちゃんって呼んでって。」
「市井紗耶香です。紗耶香で結構です。」
「…敬語はええねん。」
クスっと笑った。なんか見下してるような…
でも変に色気があったりと…でもその笑いには
イヤミだとは感じられなかった。
「…紗耶香は…、矢口の事好きなんやろ?」
「…はい。裕ちゃん…矢口とはただの友人じゃないんでしょ?」
「ウチの口から言ってええんやろか…。矢口とは…付き合ってたんや。」
「…え?」
「今は違うで。今は…紗耶香やろ?…なんや今日は酔い回るの早いなぁ。
おかみ、勘定。」
- 98 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)07時05分56秒
「今日はいいべさ♪次からは払ってもらうっしょ!」
「ほうか♪そしてら…おかみ、紗耶香&ちびっこ。またな」
裕ちゃんの後姿は…なんだかとても寂しく見えた。
矢口と付き合ってたんだ…。ショックはでかかったが
裕ちゃんの事は…憎めなかった。ふと矢口を見る。
良かった…寝てるようだ。
「…紗耶香…。まだ裕ちゃんは好きなんだよ。」
「なっち聞いてたの?」
うんって頷くなっち…まぁいいか。それで?
「…なっちの感は当たるっしょ!なんちゃって!外れる事の方が多いけどさ。」
なんじゃそりゃ!ふふふとお互い顔を見合わせ笑う。
…その時、矢口が小さくこぼしたセリフなんか…
なっちには聞こえてないよね…。
―『…裕子のばかやろー…』―
- 99 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)07時11分32秒
<玲さん。なっち&ちびっこの関係は…もう少し後になります。
そうですね。こんな店があったら…私も酔うでしょう♪
まぁ、あったらメッチャ混んで入れないこと間違いなし。
<名無し読者さん。私、テンポ早過ぎかなって思ってたんですけど…(汗)。
そー言ってもらえると嬉しいです。
そんな…後悔なんて…。恥ずかしい作品ですぅ…(恥)。
更新でっす♪また今日中に更新する予定でございます。
- 100 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月22日(土)09時26分36秒
- 更新早いし、面白いし最高です。
前作同様朝早くの更新多いですね。
不思議な生活をしている作者さんに感謝!
- 101 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)15時30分33秒
矢口って体小さい割にけっこう…いや何でもない。
ベットに矢口を寝かし、私も横に腰掛けた。
「フー…。」
とりあえず、タクシーを使って矢口の家にと
連れてきたのはいいけど…。
―『裕子のばかやろー』―
…頭の中で回っていた。グルグルグルグル…
矢口もまた、裕ちゃんと同じく
忘れる事が出来ないんだろうか…?
いや、裕ちゃんが矢口の事…まだ好きだって事さえ分からない…。
…分からない?市井は…本当はあの時点で少しは気づいているハズなんじゃないか?
それを信じたくはない…?
「…ちくしょう…。」
スースー寝ている矢口にキスをした。
プニプニとした感触…。
そのまま身をまかせ、市井も矢口の隣に横になる。
矢口が真実を話してくれるまでは…
何も聞かない。
…それまで好きでいいよね…。
矢口…。
知らぬ間に…私は深い眠りへとついたのだった。
- 102 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)15時42分35秒
―市井のアパート・吉澤―
昨日はあれから、お風呂に入ってHなしでそのまま寝た。
私もごっちんも、最近疲れも溜まっていたからね…。
それにしても…昨日も姉貴は帰ってきていない。
少しばかり気になってしまう。
「よっすぃ〜、ご飯粒ついてるよ。」
「へ?どこ?」
口の横にポツンっと付いていたらしい。
ごっちんがそれを取ってくれて、自分の口に入れた。
「子供だねぇ〜よっすぃ〜は…。あは。」
「…うるさいよ。」
「あっ!後藤、今日からバイトに行くから。」
え!なんで!っつーかいつの間に?
黙って家に居るのがつまらないらしい。
ごっちんらしくないなぁって思った。
いつも寝てる&面度くさがり屋さんってイメージあるから。
「で?どこですんの?」
「ん〜とねぇ…秘密で〜す♪」
なんだよそれ!気になるじゃん。
まさか!…花屋じゃないよね…?
「食べ物さんとだけ教えておきますか。」
良かった…。なんで安心してんだ?
まぁいい。学校行かなきゃ。
急いでご飯をかきこむ。
私は学校へ…ごっちんはバイトへと向かった。
- 103 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)15時56分24秒
「…あ、吉澤さんおはよー…。」
「おはよー。」
登校中…何だか今日は昨日と違って、ヤケに知らない人達が
話しかけてくる。しかも私が挨拶を返すと…
『きゃー!話しちゃったよ。』
などと言っていた。やっとみんな私の存在に気がついてくれた
のかな?あとは…早く友達作らなくっちゃ…。
でもこの調子だとすぐに出来そうだな。
教室に入り、自分の机に座った。
…が、誰も話しかけてくれない。
もしかしてイジメっすか?まさかねぇ…。
…こんなんじゃダメだ。
自分から話しかけてみよう。うん!
私は隣にいたコに、
「1時間目って何だっけ…?」
「…あ。き、今日は集会があるんです。」
「あ…そうなんだ。何て名前なの?」
「私…ですか?」
「うん。友達になろうよ。」
彼女は顔が真っ赤だった…。
私は首をかしげる。
「…柴田あゆみです。」
「よろしくね。あゆみちゃん。」
「…はい。」
こうして私の学校での友達第1号が出来た。
- 104 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)16時05分06秒
あゆみちゃんは直ぐに仲良くなれた。
私はあゆみちゃんに、なんでみんなが話しかけてきてくれないのかを
聞いた。
「だって、ひとみちゃん…カッコイイから。みんな緊張してたんだよ。」
「はぁ?何それ。寂しいじゃん、そんなの。」
集会があるので、私とあゆみちゃんは体育館へと歩く。
「でも…ひとみちゃんてさ、思ってたより話しやすいね。」
「ひどいよぉ〜それは。」
二人で笑っていたら、中澤に怒られた。
なんだか今日の中澤は機嫌が悪いらしい。
ふられたのか?…なんちゃって。
集会が始まる。どこの学校にも集会ってあるんだね。
校長の話し聞いて…ま、ここの校長は好きだからしっかり聞こう。
でも、人の話聞くのって私は嫌いだ。
ファ〜ア…眠いっす…。横であゆみちゃんが肘でつっつく。
後ろから中澤の咳払い。眠い目をこすり私は壇上に目をやった。
- 105 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)16時13分52秒
『おはようございます。それでは朝の集会を始めます。』
(始めてくれ…勝手に。)
『それでは生徒会長の石川梨華さんの挨拶です。』
(石川梨華ぁ〜…どっかで聞いた名前だな。)
『みなさん、おはようございます。』
(なんちゅー声だ…。ん?)
「へ…!!梨華ちゃん!?」
ざわっと会場が私に注目してる。そりゃそうだ…。
シーンとしてる中で私は叫んだんだもん。
梨華ちゃんも壇上の上から私を見ていた。
やっぱり梨華ちゃんだ。あれは梨華ちゃんだよ。
あの声。あのアニメ声は!
私は凄く嬉しかった。心が舞いあがっていた。
『…今月の取り組みとして―』
あれ?冷たいぞ?そうだよね…私叫んじゃったもん。
恥ずかしいなぁ…。あゆみちゃん…?どした?そんなに驚いて?
- 106 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)16時20分23秒
集会が終わってから…私は中澤に呼ばれた。
怒られる覚悟はしていたけど。
しかし…職員室に入ったいなや…
「よっさん♪最高やで。めっちゃ最高や!笑わしてもらったわ!一応、周りには
吉澤怒らんと…私の面目ないからなぁ。しかし…プ!!」
さっきまでの機嫌はどこ吹く風か…。
ゲラゲラ笑っていた。
「失礼します。」
私はそのまま中澤を置いて職員室を出た。
廊下ではあゆみちゃんが体操着を持って待っててくれていた。
そうか、次は体育だっけね♪
「…ひとみちゃんて凄い…凄すぎるよ…」
「あぁ…叫んだこと?」
「…違うよ。そんな事じゃないんだ…。」
「へ?」
- 107 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)16時28分53秒
「…うそ…。うそでしょ?」
「ううん。」
何それ?そんな訳ないよ…。だって…だって梨華ちゃんは…
弱虫で…優しくて…可愛いし…それに…それに…。
「知らないのは…ひとみちゃんだけだよ?」
あゆみちゃんの話し…嘘だ。嘘に決まってる。
「ひとみちゃん…?顔…青いよ?大丈夫?」
…そう言えば、中澤が…
『石川にあんなアピールできんのはよっさんだけや!みんな恐がって
できへんもんなぁ。』
…恐い?梨華ちゃんが…?あんなイイ子なのに?
「…梨華ちゃんってどこに居るの?何組…?」
「まさか行く気なの?でも次の授業…体育だよ?先生…恐いんだよ?」
「…マジで…?」
コクンと頷くあゆみちゃんの顔には…油汗が!
そんなに恐いのか…。
渋々と私とあゆみちゃんは体育館にいったのでした。
- 108 名前:玲 投稿日:2001年09月22日(土)16時39分07秒
- 梨華ちゃんが恐い!?なして??
矢口と裕ちゃんは付き合ってたんか…
紗耶香は複雑だろうな。
ごっちんもバイト始めるし。
何かありそうですね(w
- 109 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)16時42分15秒
今日の授業はバレーだ。いきなり試合形式で始めるなんて。
でも私が転入してくる前までは基礎をやっていたらしい。
私…バレーは結構得意なんだよね。
けど部活には入ってなかったんだけど。
「お!勇気少女!吉澤ひとみさん♪今朝は笑わせてもらったわ。」
この人が体育の先生か…?なんでこの学校は関西人が多いのだろう。
平家先生って…恐いのか?恐そうには見えないけど。
「バレーできるか?まぁ、授業やからな♪」
(見てなさい。)
試合は始まった。隣のクラスと合同だったため、
クラス対抗試合となった。
私は早速出た。あゆみちゃんは2セットめにでるらしい。
相手チームのサーブで始まり、上手にそれをあげ
セッターの人に返った。
「吉澤さん!」
「あいよ♪」
―スパ―ン!!―
やった〜♪決まったよ!私はチームメートと
タッチしようと振り向いた…。が、みんな唖然としていた。
「…どしたの?」
「…よっさん、凄すぎやで…。」
周りのみんながコクリと頷いた。
少しの静寂が場を埋め尽くし…
そして歓声へと変わった。
- 110 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)16時53分04秒
―生徒会室―
あれはやっぱり…ひとみちゃんだった。
私は一人、机に向かって最後の書類に目を通していた。
「やっと終わった…。授業に戻らないと…。」
集会が終わって、生徒会のみんなで【今後の取り組みについて】
の案を纏め上げる。
「…ひとみちゃん…幻滅しちゃうだろうな…。」
…なんだか騒がしい。
私は椅子を立ち、体育館の方に目を運んだ。
生徒会室の窓からは、体育館が丸見えだ。
そこでは授業でバレーの試合が行われていた。
「…あれ?ひとみちゃん?」
そうだ。あれは…ひとみちゃんだ。
「…凄い。」
ひとみちゃんの打つスパイクは…誰にも止められないでいた。
ブロックに3枚ついていたようだが…。
バレーをしているひとみちゃんは…とても楽しそうだった。
「やっぱりカッコいいなぁ…。ひとみちゃん。」
私の胸が苦しくなっていた。
- 111 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)16時57分37秒
<名無し読者さん。最高ですか〜♪ま!(ポ)
不思議な生活してますよ…。実に…。
私も読んでくれてる名無し読者さんに感謝です♪
<玲さん。梨華ちゃんですか…?謎です(?)。
私も書いてから困ってます…(爆)。
紗耶香も、ごっちんも、矢口も、なっちも…
どうなるですか〜…てな具合っス…。
- 112 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月22日(土)17時04分58秒
- どんなに恐れられる恐い梨華ちゃんでもちゃんとよっすぃ〜に
気持ちが向いているようで良かった良かった。
- 113 名前:77 投稿日:2001年09月22日(土)21時43分06秒
- 更新の早い作者さんに感謝と感動です!!
裕ちゃんに矢口・・・紗耶香にホントの春は来るのかな??いい方向に行きますように(笑)
漫画が元?みたいですが作者さんの書く作品はまた違った感じでいいですね。
漫画の方も読んでますが(笑)
- 114 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)05時34分01秒
「いや〜♪それほどでも…あるよ。なんてね♪よっすぃ〜って呼んでよ。」
体育の授業が終わり、私の周りにはクラスメイト達が
集まってきていた。集会の事といい、体育の事といい、
私はみんなが思っていたほど、クールじゃないんだって
事がわかったようだ。口をそろえて、
「よっすぃ〜って思ってたより話しやすいんだね。」
2日目にして、やっとクラスのみんなと一緒になれた気がした。
私はそれが素直に嬉しかった。前の学校に居た時の過ちは…
2度と繰返しては行けないと私は心から今、思った。
今度こそ、楽しい生活をみんなで送りたいと。
…がそんな私の気持ちとは裏腹に…学校中には
すでに『今度の転入生ってカッコイイ!』って言うウワサが
流れていた。休み時間になると、全く知らない人達が私の
クラスの前をウロチョロしている。
そんな事はどうでも良かった。私は今、
梨華ちゃんのことで頭がイッパイだった…。
- 115 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)05時43分58秒
お昼休み。私はあゆみちゃんの誘いを断って、
梨華ちゃんに会いに行こうと決めていた。
クラスは2−Bらしい。
「…止めといた方がいいよ…?」
あゆみちゃんの問いかけに私が何で?って聞いても
何も答えなかった。あんな優しい梨華ちゃんにが、
みんなから恐れられてるなんて…ウソに決まってる。
みんな…知らないだけなんだ。私は走って梨華ちゃんのクラスに
向かった。
「…え?居ないんすか?」
やっと着いたと思ったら、梨華ちゃんは居なかった。
お昼休みになると消えてしまうらしい。
『そうっすか…すんませんでした。』と言い残し、
クラスを後にしようとしたら…握手を求められた。
変なの…。トボトボと私は自分のクラスに戻ろうとした。
「あれ…?」
どうやら道に迷ったらしい。2年生の階には来た事がなかったため、
今、自分がどこにいるのか…全く分からないのである。
誰か周りに人が居ないかと探してみたが、誰もいなかった。
「…ふぅ…。」
私は階段に腰を下ろした。頬に風を感じる。
どこも窓は開いていなかった。
いや…むしろ風は頭上から感じられた。
- 116 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)05時58分42秒
「…屋上…あるんだ。」
私はフラフラと階段を上った。少し戸が開いていて、
そこから隙間風が吹いていたのだと。
ガチャっと重い鉄のドアを開ける。
…サーっと風が吹く。髪がなびき、
自然に顔が空を向く…。少しの目眩を感じながら…
青い空に私は吸いこまれそうになった。
「…すげー気持ちイイ…。」
―『…気持ちいいでしょ?ここ…』―
…!私はゆっくりと振り向いた。梨華…ちゃん。
「梨華ちゃん…!会いたかったよ…!」
私は無我夢中で駆け寄り、梨華ちゃんを抱きしめていた。
温かい梨華ちゃんの腕…
ずっと会いたかった人…
「…探したんだから…。」
「…ひとみちゃん。」
ギュっと私を包み込む。
その目には…うっすらと涙が見えた。
- 117 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)06時11分44秒
…なんだろう。また胸がドキドキしてきた。
息も荒くなっている事に気づく。
こんな気持ち…初めてだった。
女のコ達を抱いた時だって…
こんな感じは全くなかった。
…ごっちんにもだ。
私は今まで…本気で人を好きになるって事…
なかったのかも知れない。いや、なかった。
じゃあ…梨華ちゃんの事、私は好きなのだろうか?
好きになった時、こんなにも胸が苦しくなるもの
だろうか…?よくは分からなかったけど…
今こうして梨華ちゃんと居るだけで
幸せな気持ちでいられる。
それだけでいいんじゃないか。
「…これから学校では…話しかけないでね…。」
私は耳を疑った。…風が強いせいだろう。
そうだ!風の音だよ。
「…聞いてる?ひとみちゃん?」
「…聞こえなかった。」
「…学校では話しかけないで…!」
「何で…?」
梨華ちゃんは私から逃れると…たしかにそう言った。
さっきまでの…優しい梨華ちゃんではなかった。
「…とにかく。私とは話さないで…!キライなの…ひとみちゃんなんて。」
- 118 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)06時15分28秒
<名無し読者さん。この先、どうしようか迷っております。
…が!(O^〜^O){頑張りますよ♪はっはっは!
<77さん。ありがとうございます!早い更新だけが
取り柄ですから…。漫画と一緒にしちゃうと
あれかなぁって思ったんで、少し取り入れて
あとはオリジナルで書こうかと…。
更新しました。次回も今日中には更新させていただきます。
- 119 名前:名無し者 投稿日:2001年09月23日(日)06時21分08秒
- こんな時間にリアルタ〜イム♪(w
早起きしてよかった。
漫画の方も知ってますけど、まんまだと先が読めてしまって
アレなんで、オリジナルでいってもらえるとドキドキできて
楽しいです。
それでは、次回更新(今日!?)お待ちしています。
- 120 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)08時02分30秒
- 何故だ!!!???!?!梨華ちゃん…
- 121 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)20時24分55秒
今…梨華ちゃんは何て言ったの?嫌い…?
ああ、そうだ。あの夜…私は初めて煙草を吸った。
もの凄く目眩…したっけ。
何でいまさらそんな事が浮かんだのだろう。
頭を鈍器で殴られたような痛みと…
激しい目眩が私を襲った。
「梨華ちゃん…。」
「…さよなら。」
梨華ちゃんは何事もなかったかのように
私の前から去って行った。
何が悪いのか。
何が起こったのか。
何が梨華ちゃんをそうさせたのか。
私には分からない。
ただ一つ確信できたこと…
私は梨華ちゃんに嫌われたってこと…。
どうしようもない胸の痛みと
どうしようもない切なさだけが
私とともに残された。
- 122 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)20時34分46秒
―石川視点―
私は何て酷い事をひとみちゃんに言ったのだろう。
屋上を出て、私は一人
静まりかえる生徒会室で泣いた。思いっきり泣いた。
でも…こうでもしなければひとみちゃんに迷惑が掛かってしまう。
「…うぅ。グス…ひとみちゃん…。」
ひとみちゃんとの仲は…もう元には戻れない。
初めてお店でひとみちゃんを見たときから…
私の中で異変は起こっていた。
会うたび会うたび、それは大きくなっていくのがわかってた。
どうしようもない気持ちだった…。
叶わぬ思い。
「…どうしようもないよね…。」
- 123 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)20時45分17秒
―再び吉澤―
私はあの後、どうやって自分のクラスに帰ったのかも
分からなかった。5時間目の授業に遅れて…
先生にどやされた事さえも気づかなかった。
「どーしたの?何か死んじゃってるよ?」
あゆみちゃんが話しかけてきた。
どうでもいいや…。
私は無視して机にうつ伏せたまま黙っていた。
「あ〜…ダメだね。無視は。ねぇ帰ろうよ?もう5時過ぎてるよ。」
は?もう5時過ぎ…?ガバっと飛び起き時計を見たら
針は5と6を刺していた。
そして…教室にはすでに誰も居なかったのだ。
…今がチャンスじゃん?梨華ちゃんの事聞くの?
誰も教えてくれないけど…あゆみちゃんならきっと。
教えてくれるハズ。
「あのさぁ、何で梨華ちゃんの事みんなかくしてんの?」
無言だ。さっきまで帰ろうと駄々をこねていた彼女が。
「あゆみちゃん!頼むよ!」
必死だった。この時点で気が狂いそうだった。
あゆみちゃんの腕を強くつかむ。
半ば強引だったかもしれない。
「…私が言ったって言わないでね。」
- 124 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)20時51分52秒
ここじゃなんだから…と言って、あゆみちゃんは
自分の部屋に連れてきてくれた。
帰り道…自販で買ってきた缶コーヒーを差し出し
私にくれた。
「この学校…変だと気づかない?」
「変…?」
「うん、3年生っていないよね?」
「いないけど…それがどうしたの?」
そんな話しはどうでも良かった。私は苛立っていた。
ただ…私は梨華ちゃんの存在について聞きたかっただけなのだ。
「落ち着いてよ…。いい………………?
あゆみちゃんは腹をわったようだ。缶コーヒーを
一気に飲み干した。
- 125 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)21時01分13秒
<名無し者さん。そう言っていただけて
最高にうれすぃ〜です!いつもレス同じでスミマセン…。
でも本当に嬉しいんですよ♪
<名無し読者さん。…何故でしょう…。
(oT〜To)<…うう。梨華ちゃん…。
ちょっぴり更新です。…ネタが…つきてきました…。
今日はゆっくり寝て、また明日の早朝に更新します。
すみません…。
- 126 名前:77 投稿日:2001年09月24日(月)00時36分14秒
- 気になるとこで終わってる〜!!早起きしよかな?(笑)
ネタつきてきましたか・・・でも今ここが一番気に入ってるんで
作者さんにいいネタ出来るまでゆっくり待ってます!!
頑張って下さい。
- 127 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)05時20分02秒
「…ほう(怒)。」
「こ、恐いよ…。」
あゆみちゃんの話しを私は…切れずに聞ける事が出来た。
…話しの内容はこうだった。
―この学校には、3年生がいない。私が転入してくる結構前に
後ろの校舎に移されたんだって。(そんなの知らなかった。)
それでその中に凄い問題児がいて…今は会長だけど
その当時は、書記だった梨華ちゃんを利用して
募金と言う形を使ってカツアゲしてるってことだった。
梨華ちゃんのバックにはそんなヤツ等がついてるため
誰も恐くて、何も言えないらしい。
…私は呆然とした。いったいいつの時代だろうと。
「…石川さんって、友達いないらしいよ。いつも一人だしさ。」
「…今日はありがと。絶対言わないよ。…帰るね。」
「ち、ちょっと!?」
私はソッコー姉貴がいる事を信じ、アパートに帰った。
- 128 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)05時25分16秒
「…姉貴!」
私の願いは届かなかった。鍵がかかってる。
ガクっとうなだれ、合鍵で部屋に入る。
…ごっちんもバイトから帰ってはいない。
私はベットに横になった。
「はぁ…。」
大きな溜め息をひとつ。
そして、今日の出来事を振り返り…
知らぬ間に私は眠りについたのだった。
- 129 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)05時36分32秒
ガチャ!―バン!
「なんだよ!!ったく!!」
…………―ん…?
(あれ…?私寝ちゃったのか。)
…今の怒鳴り声と激しいドアの開け閉めで私は目が覚めた。
ごっちんかな?まさかね…。
「お!ひとみ〜元気か?」
「姉貴!」
姉貴は、そ〜と〜酔っ払っていた。
顔も耳も真っ赤で…猿みたいだ。
「どうしたの?そんな酔っぱらっちゃって!?」
酔ってないって言ってるけど…
酔ってるっしょ。
…こんな状態で話ししても大丈夫かなぁ?
でも言うだけ言ってみよう。
「…大事な話しがあるんだ。」
「…何?私もアンタに聞いてもらいたい事があるんだ。」
ベットから起き、姉貴と向き合う。
姉貴は、ベットの脇にあったマルメンを一本取りだし
煙草に火をつけた。やっぱり姉貴のだったんだ。
…その仕草はまだ覚束無い。が…
私にとって、何だか素敵に見えた。
「…吸う?」
「うん。」
「バ〜カ!ダメだよ。」
…じゃあ言うなよ!
「…話しって何?」
- 130 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)05時52分58秒
私は姉貴に…友達がどうしようもないイジメにあってる事。
それを助けたいって事。もし、そうなれば…
学校、クビになるかもしれないって事。
全部話した。
「…。」
姉貴は短くなった煙草を消す。無言だった。
私は…どうして姉貴に迷惑ばかりかけるのだろうか?
せっかくこうやって学校にも行かせてもらい、
一緒に住ませてもらっている。しかもごっちんもだ。
情けなかった。自分が凄く情けなかった。
「…顔あげろよ。ひとみが決めた事なんでしょ?
だったら私は何も言わないよ。情けないなんて思ってもいないよ。
ただ…お前がまた生徒に手を出したかと思っちゃったじゃん。」
私は声を出し泣いた。姉貴は何でもわかってくれる。
血なんか繋がってないのに。
本当の姉妹のように私を可愛がってくれる。
胸が痛かった。
カチっと2本目の煙草に火をつける音がした。
- 131 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)06時05分04秒
「…腹へったな。遅いけど…飯でも買いに行こうか?
今日は奮発してやる!…おい!いつまで泣いてるんだよ!」
「な、何すんだよ!」
姉貴が私の頭をぺシっと叩いた。
「どうせコンビニ弁当だろ!ちくしょう!たくさん買ってやる♪」
「あ…ウソ!少しは遠慮してくれぇ〜…。」
姉貴の…こんな心使いが嬉しかった。
少し肌寒くなってきた夜の町に、私と姉貴は飛び出した。
…そういえば。姉貴が私に話しって何だったんだろう?
ま、後でいいや。
その時…ハイジの着メロがなった。姉貴にふさわしくないな。
ディスプレィを見つめる姉貴の顔が、一瞬曇ったようだった。
そしてそのまま電源を切った。
「いいの?」
「イ、イタ電だよ!最近多くてさ。」
…ならいいんだけど。だが、姉貴は何だか落ち着かない様子で…
コンビニに入っても、ボーっと携帯を見つめたままだったりと…
今は…そっとしておこうと思った。
- 132 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)06時09分47秒
<77さん。そんな!!…でも有難いです♪嬉しいです♪
次回…ちょっとハチャメチャになるかもしれません。
更新しました。…呼んでくださってるみなさんにですが、
場面が変わりすぎて読みにくいとかって、ありませんか?
もしよろしかったら教えていただきたいなと…。
- 133 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月24日(月)06時17分18秒
- 待ってました!起きてました!気になりますね〜
- 134 名前:名無し氏 投稿日:2001年09月24日(月)06時51分24秒
- り、梨華ちゃん…そんな事実が…。 ひとみは何とかできるのか、いや、してくれ。
今作は登場人物が多いですね〜。 しかもかなり更新がハイペース。
今まで読みにくいと感じたことはありませんよ、 むしろ作者様の文章は読みやすいです。
ネタが大変そうですが、更新焦らずに頑張って下さい。
- 135 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)07時21分00秒
―市井視点―
イタ電なんて言っちゃったけど…
電話の相手は、矢口からだった。
今は何も話したくない気分だ。
ひとみには…姉貴面して。
市井が矢口に対しての愛情はこんなもろいモノなんだろうか。
矢口の気持ちも考えずに、電源切っちゃったけど…。
何か大事な話し…打ち明けられそうで。
何だか恐かった。
(明日…明日話し合おう。)
今日は疲れた。矢口には…凄い悪いけど…
「姉貴…?何かあったの?」
「あ…何もないよ。」
コンビニの帰り道、ひとみが卵サンドをほお張りながら
私の顔を覗きこむ。
(…市井、カッコ悪いなぁ。)
私達は大きな買い物袋片手にアパートへと帰った。
- 136 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)07時32分15秒
「二人とも!どこ行ってたの?後藤、待ってたんだから!」
「「うわぁ!!」」
ごっちん!ドアの前で驚かさないでよ。
心臓に悪いよ…。
「まぁいいや♪早く入って入って。」
自分の部屋にでも案内してるかのように
ごっちんは私達の手を引っ張る。
―ん?なんか…部屋ん中、いい匂いがする。
「どうしたんだよ?そんな急いで。…ってスゲ〜!!」
テーブルの上には凄い数のお惣菜が並べてあった。
唐揚げ、天ぷら、肉団子…
「後藤が今日、バイト先で作ったモノで〜す♪」
ごっちんの話しなど私達姉妹には耳に入らず…
買ってきたビールのフタを開け、ガツガツと食い漁った。
「う、うまぁ〜い♪ってか、ひとみ!お前、唐揚げばっか食うんじゃねぇ!」
「うめー!すげー!カッケ〜♪」
「…よっすぃ〜、カッケ〜って何よ。後藤の話し聞いてる!?」
「聞いてる聞いてる♪バイト先で作ってきたんでしょ?…うグ!」
ひとみが喉に詰まらせたみたいだった。
バカなヤツだ。サザエさんだ。その隙に市井…唐揚げ狙います!!
涙目になっていたひとみだったが…唐揚げはよこさない!
と目で訴えたので…市井は大人しく天ぷらを食うのでした。
- 137 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)07時41分39秒
「「…満足〜♪ゲフ…。」」
「…だろうね。」
明日に備えて(?)私もひとみもお腹が破れるかって
ぐらい…食べた。何だか、心も満たされた気分だ。
人間、腹が減っては戦は出来ぬって言うけど…
ホントそうだね…。……………。
「ごっちん…惣菜屋さんでバイトしてんだ?」
「うん。みんな良い人達ばかりで楽しいよ♪」
「そっか…。」
「ああ!!」
ビックリした。何だ?ごっちん?私は起きあがり、
ごっちんの視線の先を見る。
…呆れた。マジで呆れた。
「姉貴…。」「いちーちゃん…。」
…姉貴はくわえ煙草のまま寝に入っていた。
「もう…いちーちゃんたら…。」
ごっちんは姉貴の口から煙草を取り…消した。
そしてタオルケットを掛けてやっていた。
私はその何気ないやり取りを見ていて…
胸がチクリと痛んだ。
- 138 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)07時53分32秒
「二人とも!起きなさい!!」
「「…ふぇ?」」
「朝だよ!朝ですよぉ〜!!後藤はバイトに行ってくるから。
朝ご飯は昨日の残りがあるから食べていってね。」
…ごっちん。お母さんみたいだよ。ってゆーか
朝あんな早く起きるコだっけ?しかもあんなマジメじゃなかったよな?
私達は、あのままここで寝てしまっていた。
「…決戦だよ。今日は…。」
私は眠い目をこすりながら、シャワーを浴びた。
キレイさっぱりに身も心も洗って、学校に向かう準備をする。
「…おはよ。ひとみ…。」
「姉貴、シャワー浴びたら?私、行ってくるから!
…何かよくわかんねーけど、姉貴も気張ってこいよ!じゃあ!」
ひとみは元気良く部屋を後にした。
私も早々とシャワーを浴び、バイトに行く前に矢口の家に行こうと
決めていた。身支度もし、鍵をしめ、いざ出発!
カンカンと階段を降りる足取りも軽やかだ。
花々も、今日も元気にキレイに咲いていた。
…が、いきなり私の前に現れた…
「…矢口…?」
「…おはよ。紗耶香…。」
私の中で時間が止まった。
- 139 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)07時56分46秒
「…どーしてここに…?」
「紗耶香に電話しても…繋がらなかったし…話したい事があったから…。」
出鼻をくじかれた。矢口から来るとは思ってもいなかった。
話したいことって…
「…中入っろか…。」
「…ん。」
- 140 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)08時03分48秒
「…話しって?」
私はゆっくり煙草に火をつけた。
こんな脅しに近いやり方はイヤだったが…
煙草でも吸わないと…落ち着かなくて。
「…矢口…、矢口ね…?グス…。」
あわわわ!泣いちゃったよ!ギュっと火をつけたばかりの
煙草を急いで消した。
「ど、どうしたんだよ?矢口?」
「…わかんない。けど…紗耶香に謝りたくて…。」
「…裕ちゃんのこと?」
コクンと頷く矢口…。とうとう来たか…。
いや!待ってましたと言うべきか。
心の準備は出来ている。
「話して…。市井、ちゃんと聞くから…。」
知らず知らず…私はまた、煙草に火をつけていた。
- 141 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)08時08分29秒
<名無し読者さん。早起きしてまで読んで
くれてるんですね〜♪感動でっす!
ホント、嬉しいです!
<名無し氏さん。私、ずっと読みにくいかなぁって思ってた
んです。でも、良かったです♪梨華ちゃんにとって、
よっすぃ〜はスーパーマンになれるのでしょうか?(続く。)
レスが嬉しかったため、仕事に行く前に少し更新してみました。
有難うございます。今日にでもまた更新します。
- 142 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)05時20分13秒
―吉澤視点―
威勢よくアパートを飛び出し、私は学園の後ろにある
3年の校舎へと向かっていた。もう、気持ちに迷いは
なかった。いや、むしろ張り切っていた。
昨夜姉貴と向き合い、話し合った事が…
今回、強気にでれる理由だった。
それに、もうひとつ。大事な事。
梨華ちゃんを助けたかった。
優しい人を利用して、生徒から金を巻き上げるなんて…
「許せないね!」
私の中で怒りのボルテージは最高潮にたっしていた。
- 143 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)05時30分59秒
「…ここか。」
真新しい校舎は…とてもキレイで。
ここには本当にそんな事をする生徒がいるとは
考えられなかった。緑色の木々や花達が…
何だか不気味なほど、静寂を強調している。
私は、ゴクリと唾を飲みこみ、校舎へと入った。
変な汗が背中を伝わる。どうしようもない緊張感…。
…が、来たのはいいが誰か分からないのに気づく。
やってしまった。私の中で先ほどまで張り詰めた緊張の糸は
プツリと切れた。…と、とにかくだ!周りの人に聞くんだ!
でも、3年の人に聞きこみはじめて
はたして教えてくれるだろうか?…いや、それは完璧ムリな話しだ。
しかしここまでやってきて、ノコノコ帰る訳にもいかなかった。
私は駄目もとで、思いきって聞く事にした。
- 144 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)05時41分42秒
ふと、一人の生徒と目があった。
…あったって訳じゃなさそうだ。
長いキレイな髪をかきあげ、私にゆっくり近づいてくる。
彼女の視線は、ずっと私の目を離さなかった。
「こんにちわ。見かけないコだね?」
…何かいい人っぽい。良かったぁ〜…。
「あ…私、1年の吉澤ひとみって言います。」
「1年生なの?どーしてここにいるの?あ!私は、圭織。
飯田圭織。ところで、吉澤…何の用なの?」
この飯田さんの上目使い…何だかイヤらしいなぁ。
「あの、ここではちょっと…。」
「…上行こうか?ゆっくり話せるトコ…あるから。」
飯田さん、やっぱ良い人みたいだ。何だか、この人も
かつあげされてたりして。
私は飯田さんに、上の階にある保健室へと案内された。
- 145 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)05時57分59秒
「「…あ!!」」
…私は目が点になった。なぜ…この場所に
梨華ちゃんがいるのだろう?梨華ちゃんも私を見て
凄い驚いた顔をしている。中には4人の生徒がいて…
私を不思議そうに…
珍しそうに…
ニタニタしながら見ていた。
4人の中にいた生徒が、
「おい、圭織。誰だよ、このノッポさんは?」
ノッポさん!?失敬な!じゃぁ、ゴンタ君はお前か!!
ってか…圭織って。まさか!!
「やっと気づいた?吉澤…。何?石川と知り合い?」
「…善人ぶって騙したな…?」
「圭織、騙してなんかない。ただ吉澤が着いてきただけでしょ?」
「…梨華ちゃんを使って、金を巻き上げてるのって…あんた等?」
「ピンポーン!正解でーす。よく分かったね!吉澤。」
私はバカだ。なんでもう少し…警戒できなかったのか?
頭にきた…。どうしようもなく…頭にきた!
私自身に…そして飯田圭織に!
しかし、ここまで来てしまったのだ。私は飯田さんに…
「梨華ちゃんを利用して…私達から金巻き上げてんじゃねーよ!!
ブン殴るぞ!!」
…私だけの声が響いた。声と言うより…絶叫に近い。
- 146 名前:玲 投稿日:2001年09月25日(火)05時59分23秒
- 世話焼きごま萌え〜(w
ちゃんと働いてるごまの裏にはなんかありそう…
やぐちゅーの過去も大いに気になります!
でも梨華ちゃんを利用してる人もきになる…
ここまで話に引き込まさせてくれる作者さん凄いです!
よしこは梨華ちゃんを救えるのか!?
マジ期待っス!
更新頑張って下さい!!
- 147 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)06時12分01秒
「…恐い…。圭織、頼まれただけなのに…。え〜ん…。」
「ごめんね?吉澤さん。」
「石川さん、疲れたでしょ?」
「…いいえ。大丈夫です。それより飯田さん。泣かないで下さい…。」
なに?何和んでんの?梨華ちゃん…この人達と知り合いなの?
ってコトは…梨華ちゃんも共犯だったの?!
「…吉澤。えぐ。これは…校長先生がね?今度の転校生は前の学校で悪さを
しすぎたって…ひぐ。全校生徒でドッキリしかけようってコトになって…
ってゆーか…吉澤恐すぎ…。」
飯田さんは、全てを語ってくれた。
みんなに慰めながら…やっと泣き止んだ。
ヘナヘナと…私は崩れ落ちた。全身から力が抜け…
今まで…何が起こったかさえ、分からなくなっていた。
ああ、そうか…。みんながなぜ話しかけてこなかった訳が…
先生達もどこか…ニタニタしていたし。(こんな理由だったからか)
普通…こんな問題があったら、もっとピリピリしてるハズだもんね。
いま…何もかも…理解した。
「…ドッキリねぇ…。まいった!まいりましたよ!!…大成功っすか!!」
- 148 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)06時24分25秒
私はその場にまだ座っていた。飯田さん達は校長に…
作戦、大成功と伝えにいった。…飯田さん、あの人には後で
謝ってこ…。あんなに怯えるなんて…。
「…ひとみちゃん。」
「…梨華ちゃん…。」
「「………」」
…沈黙。私はまだショックが抜けきれない状態だ。
…何が言いたかったんだろう。
私は…ずーっと梨華ちゃんを見つめていた。
モジモジしてる姿が可愛かった。
でもさぁ…梨華ちゃんがイジメにあってなくて…私は
心から『良かった』って思ったよ。
「ひとみちゃん…!ごめんね…ごめんね。私…」
「な!泣かないでよ!何さ!!」
いきなり声をあげて泣き出す梨華ちゃん。まるで子供の泣き方だ…。
シクシクと手を目にあて…
ごめんね、ごめんねって…。私、そんなに怒ってないんだけど。
私は立ちあがり…梨華ちゃんを優しく包み込んだ。
ビクっと華奢な体を震わせ…私に手を回してきた。
- 149 名前:名無し氏 投稿日:2001年09月25日(火)12時20分05秒
- ガ〜ン、ドッキリだったんですか…。 嬉しいような悲しいような。
でも裏の裏をかいてホントにイジメとかってのはないですよね?
- 150 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)17時37分25秒
ああ…やっぱり私は梨華ちゃんのコト…好きだ。
ホントにホントに好きなんだ。
抱きしめてると、胸がドキドキ…して。
何だか切なくて…。
無償にキスがしたくなってきた。
…私はこのまま抱き合ってたら…ヤバくなりそう
だったので、梨華ちゃんから体を離そうとした。
「…離さないでよぅ…このまま…、聞いてくれる?」
私は少し驚き、再び梨華ちゃんを包み込んだ。
ち、ちょっと梨華ちゃん!苦しいんですけど!
梨華ちゃんは私の(ない)胸に顔をうずめたまま。
「…ひとみちゃん、私ね…?もしかしたら、ひとみちゃんの事…
す、好きかもしれない。」
「ええ!!」
「…変でしょ?でも私…変でもいいの!ひとみちゃんの事…好きなの!!」
「う…」
梨華ちゃんって…結構大胆なのね…。
…梨華ちゃんのちょっと薄めな唇が触れる。
私はキスの経験は何度もあるが、こんなにキスって
しびれるモンだっただろうか?
「…ごめんね。ひとみちゃん…。今の事…忘れて。ムリだよね…。」
「…許さないよ。」
- 151 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)18時13分00秒
私は梨華ちゃんの細い顎を上へ向かせたまま、
今度は私から口付けた。その薄いピンク色の唇全体を
包み込み、十分形を味わう。それは微かに震えていた。
(…頭が…しびれる…。こんなの初めてだ…。)
…ん!っとうめき声を漏らす梨華ちゃん。
…静かに私は唇を離す。
「…私も梨華ちゃんの事…タンポポで初めて見た時から…
気になってたんだ。こんな私も…変でしょ?」
「…変、同士だね…?」
「…いいじゃん。こんな事言うの初めてなんだけど…梨華ちゃんの事が好き。」
「…私も…ひとみちゃんに負けないくらい好きだよ…?」
私と梨華ちゃんは…しばらくの間、その場で抱き合っていた。
今、思うんだ…私はこのドッキリに感謝する。マジでビックリしたけど…ね。
- 152 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)18時31分01秒
―市井視点―
矢口は黙ったままだった。重苦しい沈黙が今の私と矢口だけの空間―。
カチカチと…時計の針だけが正確に時を刻んでいた。
…煙草の吸いすぎからだろうか…。
胃が痛くなった。それとも…緊張からなのか…。
ちょっと汚いが…口の中が何だか酸っぱい…。失礼…。
矢口を見つめる。矢口は俯いたまま…
顔を上げる仕草をまったく見せない。
「…アチョー!!」
煙草の灰が指に落ちる。根元まで火が来てたんだ…。
「うぅ…あちぃ〜…。あ〜あ…」
「…プ。…紗耶香ったら…。アチョーってなんだよ!」
「…やっと笑ってくれたね…?矢口。」
矢口はニィ〜っと笑い、目元を手でスッと拭いた。
近くにあったハンドタオルを矢口に渡した。
「…矢口さ、見た目結構強そうに見えるじゃん?」
「そう?見えるんじゃなく、十分強いよ?」
「なんだよ、それ!そんな意味じゃないよ。」
「…わかってるよ。」
「…バカ紗耶香…。」
矢口はハンドタオルで顔を隠し、キャハハって笑った。
市井もつられて笑う。
- 153 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)18時45分23秒
「…あのね?紗耶香…矢口、紗耶香と付き合う前…裕子と付き合ってた。
…生活のすれ違いから矢口と裕子の気持ちはズレ始めた。
それで…別れて。でも…でも今は、紗耶香の事が好きなんだよぉ!!」
「…矢口…。市井も…矢口の事好きだよ。信じる。
市井は矢口がそう言うんなら…信じるよ。」
「…うわ〜ん。紗耶香ぁー!!」
信じる―…本当に市井は矢口を信じれるのか…。
矢口を抱きしめる腕に力が入る。
こみ上げてくるこの不安はなんなのか…。
- 154 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)18時49分14秒
<名無し氏さん。…すみません。こんなオチで…。
イジメはないです。これからは…あまり学校での
出来事は無しで行こうかと。…どうしましょう?
更新です。何かご意見とかありましたら(実際どうなのか?)
レス、お願いします。厳しくても凹みません。
- 155 名前:名無し氏 投稿日:2001年09月25日(火)19時29分23秒
- 続きが気になって来てみたらリアルタイムでマジ嬉しかったです。
いや〜、ドッキリには一本とられました。 まさか学校全体でとは。(笑)
でも2人が気持ちを伝えあったし、俺もこのドッキリと作者様に感謝する。(爆)
2人にはタンポポがあるし、学校に関わっている人のほうが少ないので
今後学校はあまり出番がなさそうですね。
こうなると他の登場人物(特に後藤)のことが気になります。
更新頑張って下さい。
- 156 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)04時50分38秒
市井達は無事(?)に仲直りし、バイトへと向かった。
今の時間帯は滅茶苦茶忙しい。市井は仕事に集中することによって
私情を忘れようと必死だった。矢口がああ言ってくれたのは
いいけど、どこか心の隅で市井はまだ矢口の事を信じてはいなかった。
「…うはぁ。死にそうっすよ…。」
「…矢口も…。」
今日はキツかった。めまぐるしく回る客達に少し苛立ちも覚えた。
市井と矢口はソソクサと着替えを済ませ、お互い今日は真っ直ぐ帰る事にした。
帰り道、煙草と缶ジュース・ビールを買い、
アパートへの道のりをたどる。
- 157 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)05時04分24秒
「…あいつ等、まだ帰ってないな。」
ドアノブに手を回し鍵がまだ掛かってた状態だった。
たまにはこうやって、ゆっくり自分の時間があってもいいとつくづく
実感する。ベットへダイブし、大の字になる。
天井には無数のシミがあった。
心身ともに…市井は疲れていた。
色々な事がありすぎた。楽しい事、ビックリした事…
東京での生活はどんな事でも新鮮に感じた。
それもこんな短時間でだ。
―最近、シンガーソングライターに向かっての勉強もおろそかに
なっていた。東京とはなんて大きな所だろうと。
自分でやりたいと言い出し、大きな希望を胸に家を飛び出したのに…
それは砂山のように、もろく崩れていくのであった。
母からの手紙も…そんな事がかかれてあった。
「…何やってんだよ。市井は…。」
ムクっと起きあがり、買ってきた煙草に火をつけ
ビールのフタを開け、ゆっくり味わいながら飲む。
体中に染み渡る爽快感がたまらない。うめぇよ…。
まぁ、暗い事は今は考えずに…ユックリしよーっと♪
「ただいま〜。よっすぃ〜、いちーちゃん。」
…後藤が帰ってきた。市井タイムは…悲しくも幕を閉じた。
- 158 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)05時15分25秒
「おう、おかえり。…また貰ってきたのか?」
「うん。後藤、若いのに頑張ってるって♪だからイッパイくれるんだ。あは!」
後藤と一緒にいると、何だか楽しい。なんつーの?心が休まるってゆーか。
気を使わなくてもいいんだよね。リラックス出きるし。
それに…ニぃーって笑われると、こっちも何だか…ニぃーって
返したくなる。こいつは和み系なんだなぁ。
「あ!ずるーい!!いちーちゃんだけビール飲んで。後藤にも。」
「分かったよ。今、新しいのを…ああ!!」
後藤は市井が飲みかけだったビールに口づけ、一気に飲みやがった!
「うまいねぇ!ん?あは。後藤、全部飲んじゃった。」
「べ、別にいいけど…。新しいのあったろ?」
「いちーちゃんのが飲みたかったの♪」
「わ、訳わかんない事言うな!!…たく。」
「わ〜い♪いちーちゃん照れてるよぉ〜!」
…不覚だ。後藤にドキっとしてしまった。
照れてると茶化す後藤を尻目に、自分の中の変化に
市井はまだ気づかないでいた。
- 159 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)05時30分18秒
すでに…二人でビール5本開けていた。
すきっ腹にビールを流し込んだおかげで…
酔いが十分に回っていた。
後藤が貰ってきた惣菜をつまみにしようと言ったら、
『よっすぃ〜が帰ってくるまでは駄目!』…といわれた。うう…。
「ひとみ…おっせぇなぁ…。もう7時だぞ。」
「まだ7時じゃん。」
「部活もやってないのにか?」
「…遊んでるんでしょ。もお少し待とうよ。ね?」
ゴロンとその場へ寝転んだ。後藤は黙って座っていた。
「…あのさぁ、後藤とひとみって付き合ってんでしょ?」
「…ん〜。わかんない。」
「はぁ?わかんないって…。」
ガバっと起きあがり、後藤の顔を見た。
キョトンとして、後藤は私の顔を見ていた。
市井は…てっきり付き合ってんだと思っていた。
それが…あっさり否定されてしまったんで…
その後なんて言っていいか分からなくなってしまった。
- 160 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)05時43分08秒
「ただいま…。お!凄いね♪ごっちん、また貰ってきたの?」
「そーだよ。よっすぃ〜来るの待ってたんだから。」
ひとみがアパートに帰ってきたのが…8時過ぎだった。
ああ、そうか。今日は市井とひとみの決戦の日だったっけ。
清々しい顔と無傷で帰ってきたトコをみると、ひとみの方も
解決したようだな。(良かった…。)
ふと、ひとみと目があった。コクンと傾く。
「さて。ひとみも帰ってきた事だし、食おうぜ♪」
今日は…市井が唐揚げを食う!と心に決め、
遅い晩飯が始まった。
- 161 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)05時47分34秒
<名無し氏さん。私も読んでくれてる名無し氏さんに感謝(笑)♪
今後は…動きはじめます。少々、痛くなりますが…。
しかし、登場人物が多いと書きづらいですね…。
更新しました。次回から少し、日がたちます。
ご了承下さい。
- 162 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月26日(水)15時04分07秒
- さやまり好きなんで期待してるんですが、雲行きが……。
コラ!市井、矢口のこと信じてやれよぉ!
- 163 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年09月26日(水)15時30分53秒
- こちらの小説を「小説紹介スレ@青板」に紹介します。
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=blue&thp=1001477095&ls=25
- 164 名前:バービー 投稿日:2001年09月26日(水)18時10分52秒
- 何となくこのままいちごまといしよしになってしまいそうな・・
さやまり&よしごまファンにはきついかも(w
でも、続きも期待してるんで頑張って下さいね!
- 165 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)19時18分01秒
矢口と和解してから、1週間がたった。
普通にバイトして…遊んで…。
市井も矢口も何も変わらなかった。
あの時…抱いていた市井の気持ちも今はなく…。
ただ…なぜ、あんなに不安だったのだろう。
…と、市井は今だにあの時の事が…夢に出てくるのだった。
―まぁ、今が楽しければいっか♪
今日もコンビニの仕事に精を出し、
市井は頑張った!(自分で言うなって…。)
でも…矢口と一緒のシフトではなかったため…
ちょっぴり寂しかったけど。仕事だから仕方ないのだが。
(今日はこのままアパートに帰ろう。)
さすがにここ何日も矢口の家に泊まりっぱなしじゃ
いけないと判断した。それに…一応、アイツ等の事も
心配だし。
土産に(…廃棄だけど。アイツ等にはこれで十分)
ゼリーや、ケーキ、パンを片手にルンルン気分で
我が『モー荘』に向かう。
- 166 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)19時43分48秒
「ただいまぁ〜♪愛しのマイフレンド達よ!」
「…おかえり、いちーちゃん。」
ん?暗い…、暗いぞ?後藤。いつもなら
『おかえり!いちーちゃん!』って抱き着いてくるのにな。
(ちょっと残念…)
…あ!そーか。そーか。うんうん…。ごめんな?後藤。
腹減ってんだろ?市井が、いぃ〜っぱい後藤の好きなデザート
貰ってきてやったから。
「後藤、腹減ってんだろ?先に食おうぜ。ホラ!後藤の好きな
ケーキがいっぱい…。」
「…お腹減ってない。」
何?!なんですと?熱でもあるのかなぁと思い、
後藤のサラサラした前髪をかきあげ、おでこに手をあてがってみる。
「熱は…ないみたいだけど。寒気とかする?」
「…後藤、いちーちゃんと…もと早く出会いたかったな。…あは。」
- 167 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)19時52分50秒
後藤は亀のように膝を抱え…丸まってしまった。
…いくら鈍感な市井でも、さすがに後藤と
ひとみの間に何かあったなと気づいた。
「…ひとみと、何かあった?いちーで良ければ相談にのるからさ。」
「…ふぇ。最近、よっすぃ〜帰りが遅いの…。グス。で、毎朝、
違う花が置いてあって…。これ、どーしたの?って聞いても
花屋で買ったに決まってんじゃんって…。よっすぃ〜、
前は花なんて…全然興味なかったくせにぃ〜。ふぁ〜ん。」
後藤は市井に抱きついたまま…胸の内に秘めていたモノを
全部吐き出した。苦しかったろう…。寂しかったよね…。
バカなひとみを追っかけて…一人で勘当当然で飛び出してきたんだもんね。
誰に相談していいかもわからずに…。ずっと後藤は悩んでたんだ。
- 168 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月26日(水)20時16分47秒
- 亀のように丸まる後藤・・・可愛過ぎ(w
- 169 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月26日(水)21時25分43秒
- 切ない・・切なすぎる・・・後藤、かわいそう!
吉澤は優柔不断だからなぁ・・個人的にはよしごま希望(w
っていうか、いちごまになる前に一度くらいマジな
よしごまのエロシーン希望かも(w ここの後藤と吉澤の空気が好き。
- 170 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月26日(水)22時05分08秒
- 毎日後藤が寝てるような時間まで帰ってきてないよっすぃ〜…
いったい梨華ちゃんと何をしてるのやら(妄
- 171 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)02時12分04秒
「…ごめんね、後藤…。気づいてやれなくてさ…。」
「ふぇ〜ん!いちーちゃん…」
尚も市井の胸の中で泣きじゃくる後藤…。
身長は後藤の方が多きいのだが、今日は何だか…
とても小さかった。
いつもマイペースな彼女だったが…
よっぽど一人で我慢してきたんだろう。
…そう思うと、市井の胸が苦しくなった。
「…いちーが、ひとみにガツンと言ってやるよ。」
「…ううん。いいの、いちーちゃんは…。これは…私とよっすぃ〜の
問題だから。心配してくれて、ありがとぉ。いちーちゃん…
ごめんね?…あは。」
そー言って後藤は涙を拭い去った。
そして、普段と変わらぬ態度で
後藤は…ひとみを待ったんだ…。
- 172 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)02時23分51秒
真っ赤な目をした後藤を市井はずっと見ていた。
どうして後藤は、ああも強いのだろうか?
市井は関心した。…が、心の中で
何か切なさも感じていた。
ひとみはまだ帰っていない。
…本当だ。
テーブルの上にキレイに咲いていた
ガーべラの花が、自分の存在を示すように…力強く。
市井の目には、そんな風に映った。
きっと市井、今日は…ここにいちゃ行けないと感じた。
私がいると…二人供、ゆっくり話し合えないはずだから。
「後藤…大丈夫?いちー…外出たほういいでしょ?」
「…ごめんね。いちーちゃん…ここはいちーちゃんの部屋なのに…。
でも…どこ行くの…?」
「…大丈夫。市井はしっかり明日の朝、帰ってくるから。
だから…今日は二人で話し合うべきだ。どうしても、ムリそうに
なったら…いちーに話してね。」
後藤はまた泣きそうになったが…ぐっと堪えたみたいだ。
市井の胸が…キュンとなった。
同情…?それとも…。
- 173 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)02時35分12秒
「…まだ、起き…てたの…?」
「…おかえり。よっすぃ〜…遅かったね。」
「…ちょっとお前…どぉゆうつもりだ?」
私はカっとなった。ひとみが帰って来る前に部屋を出るつもりだったが
ばったり会ってしまったのだ。沸沸と怒りがこみ上げる。
「ち、ちょっと。いちーちゃん…。」
「ひとみ…アンタって一体何を考えてんのか…わかんねぇよ。
どれほど、私達に迷惑かければ済むんだよ…!」
「…ごめん。姉貴…。」
ちっ!と舌打ちをし、私はアパートを飛び出した。
行き先は…矢口の家。そこしかなかった。
カチっと煙草に火をつける。最近…吸う本数が確実に
多くなってきた。
行き場のないこの怒りと不満は…
市井にとってこの煙草と酒しかなかった。
情けないと思っても…もはや止められなかった。
スーっと夜風が私の横をすり抜けていく。
「うう!ちょっと寒いかも!」
今ごろ、どうなってんのか…心配しつつ
愛しい矢口がいる部屋へと向かった。
- 174 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)02時46分35秒
―その頃…市井の部屋では…―
「よっすぃ〜…何で毎日、こうも遅いの?後藤…何かした?」
「…ごっちんは何も悪くないよ。…ただ。」
よっすぃ〜は何か言いにくそうだった。
「…ただ、なに?何なの?ねぇ…言ってよ!よっすぃ〜…」
後藤はひたすら、よっすぃ〜に食ってかかったんだ。
どうしてもよっすぃ〜の口から…それは聞きたかったから…。
ねぇ?よっすぃ〜…。後藤…本当は気づいてたんだよ?
好きな人が出来たんでしょ?
後藤…普段は自分で言うのもアレだけど…
ぼ〜っとしてて…。
でも。よっすぃ〜の事なら…
なんでもお見通しなんだよ…。あは。
「…好きな、人が…出来たんだ…。」
ほらね。後藤は何でも知ってるんだから。。。
こうなる事も…知ってた。ただ…
後藤もズルイよね?気づかないフリしてたんだよ?よっすぃ〜…。
「ごめん…!ごっちん…。」
「…仕方ないよ…。よっすぃ〜…。でも…もう、
元には…戻れないのかな…?」
よっすぃ〜は言葉を詰まらせた。
後藤は…なんてイジワルなのかぁ。
答えはわかってんのに。
- 175 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)02時57分38秒
「…ムリだよ…。ごっちんには…悪いと思ってる…」
「やめて!!」
よっすぃ〜はビックリした顔で私を見ていた。
そりゃそうだよね?後藤…叫んじゃったんだもん。
私が言い出したのに…いきなり止めてはないよね。
後藤の中で…何かが割れる音がした。パリンって。
ここまで…イジワルしたのなら
とことん…よっすぃ〜を困らせてやれって思っちゃった後藤は…。
「よっすぃ〜…最後に…抱いてよぉ…。」
「…ごっちん。」
後藤、さっきはイジワルとか言ってたけど…
ホントはね?ただの強がりなんだぁ。
いつまでも…よっすぃ〜と一緒にいたい!
けど…これが現実なんだよねぇ…。
- 176 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)03時02分00秒
―吉澤視点―
「…わかったよ。ごっちん…」
「ん…よっすぃ〜…。」
私は…本当にごっちんに引かれてたんだ。
でも…愛してはいなかった。私はズルイ女だ。
梨華ちゃんと出会ってからは…本気に人を好きになる
素晴らしさを知った。
今日は…梨華ちゃんの事は忘れよう…。
- 177 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)03時14分50秒
私はごっちんを抱きしめ軽いキスをする。
「…電気、消してよぉ。」
「いいよ…。」
私も、ごっちんも…すでに声がかすれていた。
こんな軽いキスだけで、二人は十分すぎるほど
感じていた。
3度目のキスから私は舌をゆっくりしのばせる。
ごっちんの小さな吐息交じりの声が漏れる。
それをごっちんは迎えてくれた。
口内を激しく舐めまわし、舌を吸い、
とうとう息が苦しくなったのか、ごっちんは
…ん、と私から口を離そうとした。
でも私は逃がさなかった。
ごっちんの柔らかい唇を、私は軽く唇で挟んだ。
「…もぉ、ヤ…だよぉ…」
ごっちんは嘆いた。本当はヤじゃないくせに。
ゆっくりとごっちんの髪を撫でながら、
上下、首筋にそって舌をはわせる。
「…よっすぃ〜」
彼女はトロンとした瞳で私を見つめる。
- 178 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)03時37分26秒
なおも激しくごっちんへの愛撫は続け、
私はごっちんの着ている服を手際よく
全部脱がせ、すっぽんぽんにした。
形の良い胸が姿をあらわし…手で軽く揉み合わせる。
「あ、ン…」
私の手の動きと、ごっちんの声が交差しながら
突起した部分をぺロっと舐める。
「…ひ、」
「可愛い…ごっちん。」
指で軽く摘まみながら、手の平全体を使って揉むのも
忘れない。まるで眠ってるかのように…
静かに瞳を閉じていた。
着々と私の手は下半身に向かっている。
ゆっくりごっちんの秘部をこじ開けた。
そこは…十分過ぎるほど湿っていた。
- 179 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)03時51分54秒
愛液で濡れているクリトリスを指で
撫でる。ビクっと体を震わせるごっちん。
「よっすぃ〜…我慢…できな、いよぉ…」
「…ダメだね…まだだよ。」
私はこうも意地悪だったのか。
そこを撫でるスピードを段々と早め、
ごっちんの顔色を見る。
(…そろそろかな。)
一旦、手を休めた。モノ欲しそうな顔で
ごっちんは私を見詰めた。
ニヤっと笑い、私は顔を埋め荒々しく音を出し、
舐め始めた。
「…ごっちんは淫乱だね。ふき取っても…流れ出してくるよ…」
手で顔を隠すが…私はそれをも許さない。
「ン…。や、だぁ…お願い…よっすぃ〜早く来てよぉ…。」
私は顔を上げ、かわりに指をゆっくり挿入させた。
ウニョウニョとごっちんの中を虫みたいに掻きまわした。
自然と腰が浮いてくるごっちん。ひょいと私は腰に手を回し、
中指と人指し指2本を使って上下に激しく動かす。
- 180 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)03時58分35秒
真っ暗い部屋の中で…私とごっちんの
激しい息使いだけが響く。
「…ン。ン。…あぁ…よっすぃ〜…ごとぉ…もぉ…ダメだよ…、あ!」
ガクンと一気にごっちんの体重を感じた。
私は優しく抱きしめた。
ハァハァ肩で息をしているごっちんに…
私は触れるだけのキスをする。
「…ありがとぉ…よっすぃ〜。後藤は…後藤は、よっすぃ〜と
めぐり合えて…良かった。大好きだったよ…?よっすぃ〜…。」
「…ごっちん…。」
私の胸が苦しくなった。涙ぐむごっちんが…。
何だか愛しい。
でも…後には引けない。私はやっぱり…
梨華ちゃんが好きなんだ…。
- 181 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)04時03分49秒
<名無し読者さん。市井は今のトコ、矢口を信じて
ます…。なんとも言いがたいですが…(汗)。
<バービーさん。白板の80%〜見てます!お互い頑張りましょう♪
何か、ここを読んで下さってる方は、さやまり&よしごまが好き
なんですね。
- 182 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)04時09分26秒
<名無しさん。亀のように丸まる後藤…
何か変ですね…。でも見てみたいかも。
<名無しさん。一応、書いてみました…。ヘタはヘタなりに
頑張ったつもりなんですが…。どうでしょう…。
<名無し読者さん。梨華ちゃんとよっすぃ〜はですね…
今後に出てきますよ…。
更新しました。何か知らないけど、上の方達にレスをしてたら
自然に投稿となってしまったのはなぜでしょう…。パソコン不調です…。
まだまだ波瀾は続く(かも…?)のです…。
- 183 名前:名無し氏 投稿日:2001年09月27日(木)10時41分32秒
- やはり、すんなりとは行かせてくれませんか。(ニヤリ) 後藤切ないです。
困難を乗り越えてこそって感じになるのか、それとも…。
登場人物が多いと何かと大変そうですが、焦らずじっくり頑張って下さい。
- 184 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月29日(土)14時21分57秒
- さやまりになるのか、いちごまになるのか…ドキドキ。
- 185 名前:作者 投稿日:2001年09月29日(土)17時53分21秒
「…後藤、大丈夫だったかなぁ…。」
私は矢口の家に泊まった。楽しいハズのお泊りも…
後藤とひとみの事が気になり、心ここにあらずといった
状態だった。矢口も市井の様子がいつもと違うのが分かったようで
しつこく何があったか聞いてくる。正直、言いたくなかった。
だから…妹と、その友達がケンカ中だったんで、とても部屋にいられなかった
とだけ話しておいた。それで納得した矢口。
嘘も方便って言うしね…。ゴメンね…。
自分のアパートに帰るのに、足取りは重い…。
まぁ…部屋が血で染まってないのを祈るだけだ。
なんちゃって〜!それはないよね…。ってあってほしくない!!
「はぁ…。鬱だ…。」
『市井』と書かれたドアの前で立ちすくむ。
中々、ドアノブを回す事が出来ないでいた。
「ナムサン…!」
…市井の心の中で…『ガッツだぜ!』が流れていた…。
- 186 名前:作者 投稿日:2001年09月29日(土)18時01分43秒
「…後藤?ひとみ…?」
シーンと静まり返ってる部屋。まだ寝ているのだろうか?
ひとみの部屋でドアをノックしてみる。
「…ひとみ?起きてるか?」
返答がない。市井の頭の中で最悪なシーンが走る。
まさか…!自分の顔から血の気が引いていくのがわかった。
「入るよ!!」
ガチャ―。
「………!!」
…私は絶句した。部屋は辺り一面、血の海とかし…
ってのは嘘である。失礼…。
素っ裸なひとみが一人…ベットの上で…
一枚の紙を握り締め、涙を流していた。
視線はどこを見ているか分からないが…真っ直ぐ何かを
見つめているようだった。
私はその姿と光景に…
見惚れてしまっていた。
とてもひとみが美しく見えてしまった。
「…ひ…とみ?」
「あ…姉貴…」
ゆっくりそれは…スローモーションのように…
ひとみの綺麗な瞳は…市井を映し出していた。
- 187 名前:作者 投稿日:2001年09月29日(土)18時10分35秒
「ど、どうしたんだよ!!後藤は!後藤と何があったんだよ!!」
私は、ひとみの肩をガシっと掴み大きく揺さぶった。
力なく揺れるひとみ…。
「…私、ごっちんに酷い事した…。私が朝、目…覚ましたら
ごっちんが居ないんだ…。」
市井の心には…なぜか計り知れないショックがおきる。
何でだよ!と、ひとみに聞いても何も答えない。いや…答える事が
出来ないのだ。とにかく後藤が心配だった。私はうろたえた。
もし、万が一の事があったら…どうしよう…。
市井も倒れそうになる。気を失うところであった。
(そういえば…!!)
私はひとみの手から…
一枚の紙切れを取った。
- 188 名前:作者 投稿日:2001年09月29日(土)18時18分27秒
『よっすぃ〜&いちーちゃんへ☆
今まで仲良くしてくれてありがとう。
後藤は、もうここには戻りません。
なんの関係もない後藤に、優しく
接してくれたいちーちゃん。
まるで、ほんとーのお姉ちゃんみたいだった。
そんないちーちゃんが好きだったよ。
それから、よっすぃ〜。
ほんとーに。ほんとーに大好きだったよ。
後藤はこれから一人で頑張ります!
いちーちゃんも、よっすぃ〜も。
後藤にとって大きな存在でした。
ケンカしないで、頑張ってください。
後藤真希より★ 』
- 189 名前:作者 投稿日:2001年09月29日(土)18時24分42秒
「…あぁ。」
私は膝からもろくも崩れ去った。
涙が溢れた…。脳裏で、初めて会った時のシーンが…
まるで走馬灯のようにそれは流れ行く。
あは。って言って笑う後藤…
すぐ、ブ〜たれる後藤…
甘ったれ後藤…
怒りんぼ後藤…
よく寝る後藤…
(…いちーちゃん…あは。)
「ご…とぉ…。何でなんでだよぉ…。」
力なく嘆く私は…
やり切れない気持ちに陥った………―
- 190 名前:作者改め、理科。 投稿日:2001年09月29日(土)18時28分37秒
<名無し氏さん。行きませんねぇ…(ニヤリ)
私も書いてて…ちょっぴり切なくなってきました…。
<名無し読者さん。それは…まだ秘密です…。
(ってか決まってないんです…。私の中で…)
更新しました。サーバーが込み合ってて、中々
投稿出来ませんでした…。私も鬱です…。
- 191 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月30日(日)10時38分57秒
- ショック! 後藤がいなくなると市井のアパートも寂しくなるよ〜。(涙)
- 192 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月02日(火)04時18分33秒
- 初レスっす!!
今日始めて読んだのですが、かなり面白いっすね。
自分的には後藤が可哀相なんで、ぜひ市井ちゃんに何とかしてもらいたいのですが、
さやまりも好きなんだよな〜(w
この先どうなるか非常に楽しみです。
- 193 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)05時01分37秒
相変わらず、ひとみの目線は…何もない空間をさ迷い
でいた。その大きなひとみには何も映らず。
耳の奥が痛くなりそうな、あまりにも静かすぎる部屋の中は…。
重苦しい静寂に包まれていた。
そんな中、市井は静かに目を瞑る。
(…落ち着け。落ち着くだ…。)
このまま黙っている訳も無い。いや、黙っていることなんて
できっこないのだ。…だからこそ私は…心を落ち着かせるのに
必死だった。
汗ばんだ手をグっと握り締める。クシャっと力なく、
後藤の手紙は潰される。
「…ひとみ!いつまでそうしてるんだよ!とにかく服着ろよ!」
ダランとしたひとみの腕を掴む。ユックリと振り向くひとみ―。
まだ乾ききってない頬へ伝う涙の後―。
- 194 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)05時11分31秒
「…ムリだよ。私にはごっちんを探す権利なんて…ない。」
市井の回路が音をたてて切れるのがわかった。
手足の指先、全身から一気に頭に血が掛け上る。
沸々と血が沸騰しているように…身体が熱い。
―パシーン!―
真上から振り落とされる市井の平手打ち。
ひとみは何も言わず…表情一つ変えないでいた。
じんわりと赤くなる頬。
それが…余計に苛立ちと悲しさをかきたてるのであった。
「お前バカじゃねぇーの!!そんなヤツだったのかよ!もーいいよ!
市井、一人でも探す!」
捨て台詞を吐気だし、部屋を後にする。
- 195 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)05時21分50秒
(…後藤。)
どれくらい走ったのだろう…。市井のでこに
前髪がつく。汗が流れ落ち、心臓に痛みが走る。
ハァハァと息を切らしながら懸命に走った。
道行く人や、商店街の人達に、後藤の事を聞いてみたが
誰も見てないし、知らないとしか…答えは返ってこなかった。
もちろん、後藤の通っていたバイト先にも足を運んだ。
昨日の時点で辞めていたのだった。口々に一緒に働いていた
おばちゃん達が口を揃えて、真希ちゃんに会ったらまた一緒に働こう、
待ってるから。と伝えておいておくれと言われた。
またそれが…後藤の人の良さを改めて思い知った。
自然に涙が溢れる。あいつは、いつもボーっとしてる事が多い。
それがかえって何をするにもヤル気がないだとか、
ムスっとしてるとか言われるって言ってたっけ。
実際、そんな事はひとつもないのだ。
屈託のない笑顔。それはまるで子犬のようで…。
ただ…あいつは不器用なだけなんだ。
- 196 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)05時29分47秒
「…もぉ、ダ、ハァハァ…めだ…。」
…ここはどこだろう。辺り一面、緑で敷き詰められた
公園に、市井は大の字で寝転んだ。
そこに人の影は見えなかった。
真っ赤な夕日が顔を出し、ブランコや、滑り台の影が
市井を包み込んだ。
サーっと心地よい風がそよぐ。
ハァハァと荒い息使いを整え、ユックリと乾ききった
口の中に微かな唾液が流し込む。ゴホゴホと咳き込んでしまった。
「…後藤。」
いまさらながら、市井は思った。こんなに後藤の事を
考えているのだろうか?ひとみの彼女だから?
可愛そうだから?前にも市井は…心の中で葛藤していたんだ。
- 197 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)05時38分13秒
私はまだ寝転んでいた。ゴソゴソとポッケからマルメンを
取りだし、口にくわえ…しばらくの間、火を付けずボーっとしていた。
雲一つ無い空。そんな空に赤トンボが行き交う。
いつの間に…秋空に変わっていたのか。
そんなささいな事に気づかず、時間だけは過ぎて行くのかと
何だか寂しくなった。―火をつける。
乾ききった唇に、煙草が張り付く。
ぺロっと舐めてから…再びそれを口に持っていった。
今日これが初めての煙草だった。
なんとも言えない目眩が市井を襲った。
それがなんとも心地良くて…一瞬だけでも後藤や、ひとみ、
そして矢口。…の事を忘れ、自分一人の世界に入れたのだった。
- 198 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)05時44分13秒
「なぁ〜にやってんの?うわ!紗耶香、タバコなんて吸うの?こぉ〜の不良め!」
「うわ!…―なっち!」
ニコニコ真上から覗きこまれ、ビックリして起きあがった。
ゴチっと鈍い音がしたと同時に額に痛みが走る。
「い、痛いべさ!なっち何もしてないべ…。」
「…つぅ。ご、ごめん…。」
ヘタリと座り込むなっち。市井もそれに釣られて
座り込む。額を押さえるなっちと市井。
「「プ!」」
あははははって笑い会った。大きな紅い空に私達の高々な
笑い声は吸いこまれていくのであった。
- 199 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)05時48分40秒
<名無し読者さん。後藤は…ここには戻ってこないかと…。
(ハラハラ…)
<名無し読者さん。ありがとうございます。嬉しいです。
この先は…どうしましょ?←(ヘナチョコ作者…)
遅い更新です。…すみません。私情で色々ありまして…(鬱)。
今日、モー1度更新予定です。
- 200 名前:名無し氏 投稿日:2001年10月02日(火)12時02分33秒
- なんかドロドロしてきたぞ。 この先どうなることやら。(笑)
作者様の更新は十分はやいと思うのでマイペースで頑張って下さい。
- 201 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)13時08分45秒
「なっち、今日は休みなの?」
「うん。今日は休みだよ。紗耶香は?」
市井?そりゃ…って、どわ!!今日はバイトだったんだ!
すっかり忘れていた…。しかも連絡もいれてないって…
矢口も店長も怒ってるだろうな…。
「…その顔は、サボったんだね。ま♪たまにはいいんでないかい?」
「…サボったんじゃないんだけど。色々あってさ…。」
ふぅっと溜め息を吐く。今の時間に電話しても、どうしようもないし。
「なっちの家、ここから近いんだけど。遊びに来ない?」
「へ?」
「いくべ♪チビッコ達も待ってるし。ね?いこ?」
なっちに腕を掴まれ、重たい腰をあげる。
なんだか、なっちの笑顔を見ているうちに
心の中のモヤモヤが…少しづつ晴れてきそうだった。
- 202 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)13時17分42秒
「なんや!なんや!いちーやないか♪ま、あがれや!」
「あがるのれすぅ〜♪」
いちーって…!まぁいいか。それにしてもなっちって…。
このコ達のいったい何なんだろう?
私はチビッコ2人に両手を引っ張られ、奥の部屋へと案内された。
「ゲームやろ♪ゲーム!ダンレボ!ダンレボ!」
「やるのれす♪」
市井…これ苦手なんだよ…。でも、こいつ等には負けないよね。
「紗耶香、ちょっとこのコ達の相手お願いしていいべか?いや!お願い♪」
「…え?ちょ…なっち。」
スタスタと台所の方へと行ってしまった。
人の話を聞かないなっち。
う〜ん…仕方ないか…。
チビ供は、すでにスタンバっていた。
「…よっしゃ!やるぞ!チビ供!吠え面かくなよ!!」
「なんや!いちー、えらい強気やな!?そっくりそのまま返したるわ!!」
「れす!!」
ふん。負けるもんか!!
- 203 名前:理科。 投稿日:2001年10月02日(火)13時27分14秒
「…ま、まいりましたぁ…。とほほ…。」
「なんやなんや!モー終いか?口だけやな♪いちーは!へタレや、へタレ♪」
「へタレなのれす。」
くそ〜!!悔しいけど…何も言えない。返せない…。
マジでこいつ等上手過ぎだ。なにより…何であんなスってプできんだぁ?
「あはは。紗耶香、この子達に勝とうなんてムリだべさ。」
「なっち…見てたの?」
腕を組んでへタレな市井をいつのまにか覗きこんでいた。
その顔は…なんだか嬉しそうだった。
「ご飯出来たから、食べよっか?お腹減ってるっしょ?」
「いや…今日はもう、帰るよ。(グゥ…)」
な、なんと!お前!(市井の腹)今はまだ鳴ってはいけないっしょ!!
「…紗耶香は正直だね?あ、紗耶香じゃなく…お腹か…。」
「…すみません。いただきます…。」
ニッコリ笑うなっち。黒目がちの大きな瞳が細くなる。
「人間、正直が一番やで!いちー!」「れす!!」
はい…。貴方サマの言う通りでございます…。
…っつーかいつの間にモー食べてんの?お前等?
- 204 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月03日(水)02時59分51秒
- え〜と市井ちゃん、何か重要なこと忘れてませんか?
チビッコ2人と遊んでる場合じゃないしょ!!(w
- 205 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)04時23分42秒
―そのころひとみは…―
「…痛ぇ…。」
姉貴に叩かれた頬がジンジンと熱をおび、痛みが加速する。
ツーと左端の口からは血が流れていた。私はそれを親指で
拭いさり舐める。口の中に鉄の味が広がった。
…こんなに酷いことをしでかしても、私の心の中は
梨華ちゃんで占められていた。
私は知らず知らずのまま服を着て、梨華ちゃんの元へ
掛けつけた。一種の逃げかもしれないが、今は何も
考えたくは無かった。
- 206 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)04時36分29秒
「あ!ひとみちゃん。来てくれたんだね♪」
梨華ちゃんは店先で、花の手入れをせっせとしていた。
私に気づき、ハンカチを取り出し額の汗を拭った。
私の顔を見るとニコニコしていた顔が…急に険しくなった。
「…あれ?ひとみちゃん、どうしたの?その頬…。真っ赤じゃない。」
私は苦笑いし、『ああ…これはね…』と口に出したその時、
フっと梨華ちゃんの手が近づいてきて、私に優しく触れた。
その手は…柔らかく温かい。ほのかな花のいい匂いが鼻をくすぐる。
「…大丈夫?痛くない?」
ハの字眉がよりいっそう下がり始め、今にも泣き出しそうだ。
その手を私は握り締めた。再び頬が熱を持ち、ドクドクと
脈を打つのだった。私達はしばらくその状態で見詰め合っていた。
「…お、奥行こうか。手当てしなくちゃ…。」
梨華ちゃんは耳まで真っ赤にし、奥へと消えて行った。
私も頬を押さえながら梨華ちゃんの後をつけた。
- 207 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)04時45分32秒
「うひゃ!つ、冷てぇ…!」
「我慢してよ、ひとみちゃん。」
何だか梨華ちゃん、その顔…嬉しそうだぞ…。
私の頬に四角く切った湿布薬が貼られ…ますます男前に磨きがかかった。
スーっと湿布に熱と痛みが吸い込まれて行くようで、とてもいい気持ちだ。
梨華ちゃん、次は紙テープを取りだし長さを調節して私に貼ってくれた。
「よし!これで大丈夫だよ!ひとみちゃん♪カッコイイね…」
「…ありがと。梨華ちゃん。あまり嬉しくないよ。」
「…まだ痛いのね?ひとみちゃん元気無いもん…。」
梨華ちゃんは湿布の上から再度優しく撫でてくれた。
またしても私はその手を掴む。その仕草にビックリしたのか
梨華ちゃんはバランスを崩し、私に飛び込む形となった。
- 208 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)04時57分50秒
「ご、ごめんね!ひとみちゃん」
「…。」
梨華ちゃんは私の顔をとても心配そうに覗きこむ。
「…梨華ちゃん、好き。」
「…え?」
私はユックリと梨華ちゃんの唇に自分を重ね合わせた。
薄い唇だが…それはとても柔らかく、待ち焦がれた瞬間と味だった。
初めての…梨華ちゃんとのキスだった。
そして…私から唇を離した。梨華ちゃんの顔は案の定、真っ赤になって
涙ぐんでいた。
「…初めてだったの…。キス…。」
「私が貰っちゃったんだね…。」
「ううん。嬉しいなぁ…って。でも…」
「…でも?」
梨華ちゃんがモジモジしている。その仕草を見ていて私までもが
モジモジしてきた。…初めてキスしたときみたいな、何だか甘酸っぱい
くすぐったい感じがした。多分私も顔は真っ赤だろう。
「フヮーストキスはレモン味って言うけど…鉄の味なんだね?」
「…あ。血…出てたんだ。」
私と梨華ちゃんはお互いに笑い会った。
幸せなのに…私の心は罪悪感がまだ勝っていたのだった。
- 209 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)05時05分42秒
<名無し氏さん。ふふ…どうしましょう…。ドロドロ
ですね。でも最後は…。はい♪マイペースで頑張ります!
<名無し読者さん。ダンレボしてる場合じゃないんですけど…。
後藤ははたして見つかるのでしょうか?ってか見つかんないと!
更新しました。明日から出張ですので更新できません…。
今日、もう一度更新する予定です。
- 210 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月03日(水)06時22分06秒
- おおおお!!!毎日夜遅くまで会っていながらキスもしていなかったんですね〜
イイナ〜カワイイナ〜
な、何!!出張?!?!…………お気を付けて…。
- 211 名前:名無し氏 投稿日:2001年10月03日(水)09時59分48秒
- 最後は…何だろ? 例のあれかな?(謎) ドッキドキです。
出張お気を付けて行ってらっしゃいませ。
- 212 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)14時36分24秒
「…入っていいんでしょうか?」
「「!!」」
保田さんがドアの前で腕を組み仁王立ちしていた。
い、いつからいたのか私は全然気づかなかった。
多分…梨華ちゃんもだろう。
「や、保田さん!い、いつからそこへ?」
私の声が上ずる。ササっと梨華ちゃんは私の後ろへ身を隠した。
キュっと袖を掴み下を向いたまま動かない梨華ちゃん。
(か、可愛すぎる!!)
「私?あんた等がチューするとこ、拝ませてもらいましたよ。
ってか石川…。アンタ吉澤の事好きだったんだねぇ。」
ウンウン頷き、保田さんは中に入ると何も無かったように
カップに紅茶を入れコクリと口に運んだ。
プハ〜っと充実した顔で、再度私達を見た。
「…若いって素晴らしいわ。私も若かりし頃はね…」
「「は?」」
この人…一体何様…違った!何歳なんだぁ?
思わず私は…プっと噴出してしまった。
- 213 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)14時48分14秒
あの後私は、保田さんに『吉澤!笑ったわね!』…と
ゲンコツをおひとつ頂き、ちょっと凹みぎみの私だったが…
梨華ちゃんが『痛いの痛いの飛んでけ〜♪』ってやってくれたので
すこぶる機嫌が良くなり、痛みも全然無くなった。(単純な私…。)
「…じゃ、私そろそろ帰るね。」
「え…、もぉ?…寂しいなぁ…。」
梨華ちゃんって、ホント子供みたい。
シュンとして下を向いたまま
ちょっと口を尖らせて拗ねてみせる。
私はクスリと笑い、梨華ちゃんの顎を
クイっと軽く持ち上げ…軽くキスした。
「…いきなりなんて、卑怯だよ…。」
「嬉しくない?私は嬉しいけど。今度からしてやんないぞっと♪」
梨華ちゃん…『え!』って…。マジでビックリした顔で私の顔をみてる。
そしてブンブンと首を振り、
「…やだよぉ。全然…卑怯じゃない。…です。私も嬉しいよ…。」
真っ赤な顔で答える梨華ちゃん。
はぁ…。梨華ちゃんって何でこんな可愛いの?
誰か教えて?
「また来るね、梨華ちゃん。」
「…今度、休みの日でも…お泊まりに来ない?」
今なんと…?
- 214 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)14時58分25秒
「ハイハイハイハイ!ちょっといいですかぁ?」
保田さん!!この人って…何でこうも邪魔すんのかなぁ(怒)!!
いきなり私の首根っこをロックし、保田さんは呟いた。
「…吉澤。私さぁ…、明後日居ないんだよねぇ〜…。2日間研修があってさ。
泊まりに来るのチャンスじゃない?学校も休みだし…。ね?」
「え!いいんすか…?ってか聞いてたんすか?」
保田さんって…何気にいい人?&耳いいよね。
「…あ〜あ、そー言えば最近、甘いモノが恋しくて…。」
…なるほど。ただとは行かないか…。分かっていた事だが…。
「わかりました!コージーコーナーのケーキ2コで手を打ちましょう?」
「…やっぱ家から通おうかしら…。」
「…5コで…(悲)」
(…高いんだよなぁ…あそこのケーキ…。)
「OK!!」
パっと腕を放し、私はゴホゴホ咳き込んだ。
この…鬼め。私は心の中で呟き、保田さんを睨んだ。
「なんか文句あんの?吉!!」
「い、いえ!ないっす!!」
…心が読めるのだろうか?しかも『吉』って…。
- 215 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)15時08分47秒
「だ、大丈夫?ひとみちゃん。」
「余裕♪」
何が余裕なのか分からなかったが…まぁいいや。
これで邪魔者は居なくなった。
…でも梨華ちゃんって保田さんにとって、ケーキ5個分の
価値しかないんだろうか…?う〜ん。複雑。
「じゃ、本当に帰るね。」
(お泊まりの事…聞けなかったなぁ。)
「うん。またね!ひとみちゃん。」
(…あ〜あ。ひとみちゃん、帰っちゃうのか…。お泊まりにきてほしかったのに。)
「吉!!」
「「ハイぃ!!」」
いつのまに間に入っていたんです?
何なんですかぁ…。保田さん。ビックリしますって!
2人の邪魔ばっかりするし…鬱だ。
「石川!アンタいつから吉になったの?まぁいいわ。
私、明後日から居ないんだよね。このコ一人で留守番させんの
心配だから…アンタ泊まりに来なさい!!いいわね!」
「あ!はい!」「ホント!?」
「じゃ!吉!頼むわよ!!」
ピっと片手を挙げ、早々とこの場から立ち去る保田さんが、何だかカッケ〜!
- 216 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)15時18分02秒
「…はは。明後日…来ていいかな?」
「うん♪嬉しいよ!ひとみちゃん。いっぱいお話ししようね!」
梨華ちゃんはなんて素直に喜びを表現出来るんだろう。
ホント楽しそうだ。私も凄い楽しみなんだけどね。
―ん?急に小指を突き出す梨華ちゃん。
「…約束。」
「…ん。」
私の小指と…梨華ちゃんの小指が交差する。
梨華ちゃんが嬉しそうに微笑んだ。
素直に私は可愛いと思った。
そして私も…梨華ちゃんに微笑み返した。
「…ふふ。何だか恥ずかしいね…。」
「…そうだね。ハハ…。」
(…保田さん。特別にケーキ7コにしてあげますよ…。)
誓いをたて、私は『タンポポ』を後にした。
秋風が私を突き刺す。
でも…心なしか何だか温かい感じがしたんだ。
- 217 名前:理科。 投稿日:2001年10月03日(水)15時23分28秒
<名無し読者さん。そうなんですよ。まだキスもしてなかったんですねぇ。
…はい。明朝、愛知に出張でございます…。
<名無し氏さん。最後ですか…?秘密です。楽しみは(?)最後と
言う事で…(?)。はい…。気をつけていってきます。
更新です。…かなり鬱です。私…飛行機乗れないんです。
お二人供、温かいお言葉ありがとです♪
- 218 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月03日(水)19時55分44秒
- ってか市も吉も後藤の事放置かよ!?後藤はどうしとるんや〜?
- 219 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月03日(水)23時57分09秒
- 理科。さん別に出張の途中で帰ってきてもいいですよ〜(w
- 220 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月04日(木)03時23分43秒
- 理科。さん、別に出張先で更新してくれてもいいんですよ〜(w
- 221 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)04時25分48秒
―再び市井―
たらふく夕食を食べたチビッコ達は…
口の周りに食べカスをつけたままその場に寝てしまっていた。
なっちが横から『いつものコトっしょ!』と…
隣の部屋に二人を起こし手際良く着替えさせ、歯を磨かせ寝かしつける。
二人はまだ意識もうろうとしていたせいか、しっかりなっちの言うコトを
聞いて…『おやすみ…いちー…』と告げスタスタといってしまった。
中々、可愛いとこもあるなぁと市井は感激していた。
「フー…さてと。紗耶香、飲もうか?」
手にはビールが握られていた。
おかわりあるからと、一本目を手渡すなっち。
…本当はこんなコトしてる場合じゃなかった。
自分ではわかっているけど…心も身体も疲れ果てていた。
「…何かあった?」
「え?」
(…なっち鋭いなぁ。)
コクリとビールを飲み、『顔に書いてる。』…とクスっと笑うなっち。
「…うん。今日…色々あってさ。人を探してたんだ。…だけど、
見付かん無くて…。」
市井はビールを口に運ぶ。途切れる話言葉。
ほろ苦い味が口一杯に広がった。
「…妹の友達なんだけど…。後藤…って言うんだ。」
『…ふ〜ん。』なっちがビールを飲みながら…
- 222 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)04時37分03秒
「…今日ね、なっち可愛いゴミを拾ったんだ。見る?」
はぁ?ゴミ?(しかも可愛いゴミって…)何で今、そんな話しを
するのか…と市井はムっとした顔でなっちを見た。
そんな私の顔色の変化を敏感に察知したなっちは
「とにかく見る価値あるかも。」
と、市井の手を強引に引っ張り隣の寝室(らしい)に連れていった。
チビッコ達が案の定寝ていた。…でも二人のハズなのに
寝ている影は…一人多かった。
「…ね?可愛いっしょ?」
「…後藤…!!」
なっちは驚く私の口をふさぎ、『寝かせてあげて…』と優しく言った。
『…そうだね。』市井は答えた。なっちには、たくさん聞きたい事があった。
そそくさと元居た場所へと戻る市井達。
ドカっと座り込み、ビールをグビグビ飲む。
ドっと安心感と疲労感が…市井の身体を包み込んだ。
なっちはニコニコして市井の顔を見ていた。
「そろそろ、友達探しに行ったほうがいいんでないかい?」
「…探し人は見つかりました。」
- 223 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)04時41分25秒
「今日さ?あの公園で辻加護と遊んでたの。」
うんうん頷く市井。テーブルの上にあった春巻きに
箸をつけ、口に入れた。
「したら…紗耶香みたいに寝て…はしてなかったけど。
体育座りしてたコがいて…」
なっちが2本目のビールのフタを開け、今度はゆっくり
喉に流し込んだ。
- 224 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)04時56分19秒
―回想―
「あんま遠くに行っちゃダメだからね〜!」
「わかっとるわ!」「れす!」
今日は仕事も休みで、息抜きを兼ねて近くの公園に
来ていた。はしゃぐ二人を見ながら、寝っころんで
なっちはお気に入りの音楽に耳を傾けていた。
そんな二人も、なっちの目には入らなくなり
私は空を見た。
「…気持ち良いべさ…。」
うーんと背伸びする。大好きなジュディマリの『小さな頃から』
が掛かり始める。これは…なっちの大好きな曲。何だか元気がでるんだ…。
―…べさん。…―
―あべさ〜ん…。―
「…安倍さん、なんや女のコ…いるんやけど、泣いてんねん。」
いつのまに…なっち寝てたんだろう?
『はよう!』辻と加護が、なっちの腕を引っ張り上げ
そのコの元へと連れて行った。
一人…ポツンと背中を丸め、えぐえぐ声を出して泣いていた。
- 225 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)05時07分59秒
「二人とも…あっちで遊んでて?」
「ん。」「わかりましたぁ〜。」
なっちは二人の頭を『いいこだねぇ〜』って撫でてあげたら…
嬉しそうに走って行った。そして泣いてるコの隣に座り込む。
「…どした?お母さんにでも叱られた?」
はいっとハンカチを渡す。顔をあげずに素直にハンカチを
受け取った。なっちも何も言わずに女の子の頭を撫でる。
「…小さな頃からぁ〜♪」
この歌…なっち大好きなんだ。元気もでるんだよ。ってさっきも言ったっけ。
きっと…このコにも伝わるはず…。泣かないで…元気だそうよ。
なっちはそう思い、歌い続けた。
えぐえぐと言う…泣き声が止んできたみたい。
「…歌…うまい…グス、ね…?」
「ありがと。」
やっと彼女は顔をあげてくれたんだぁ…。
- 226 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)05時15分39秒
「近くにさ、水飲み場があるから。顔でも洗いに行こうよ。」
「…うん。」
なっちね、その子の手を引いて…
ちょうど良く誰も居ない水飲み場へ来た。
ザブザブ音を上げ、顔を洗いだした彼女。
「…スッキリした?」
「そ〜と〜ね…。」
『そ!』なっちは何だか嬉しかった。
再びさっき居た場所へと戻り、なっちとその子は寝転んだ。
「…あたしさぁ…ゴミなんだよね…。」
「…え?」
彼女が口に出した言葉は以外だった。
タイミング良く風が吹き…地面に敷き詰められていた草が
大きく揺れる。
- 227 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)05時26分08秒
「あ。あたし後藤。後藤真希。」
「なっちはね、安倍なつみ。なっちって呼んで。」
力なく…フニャと笑う真希。可愛いっしょ。
「…なんでゴミとか言うの?そんな事ないよ?」
「ん〜ん。ゴミ。なんかね…そんな気がするんだぁ…。」
遠い目で空を眺める真希。その大きな瞳には…
何が映ってるんだろ?なっちは、その先は聞かない事にしたの。
ず〜っとなっちと真希で…空を見てた。ず〜っと…!
「…そろそろ帰ろっか?ってあれ?」
真希はス〜ス〜寝息をたて、眠りについていた。
「…しょうがないべ。」
なっちは真希をおんぶし、家に連れてかえる事にしたんだ。
…だって…
『…ゴミは帰るトコないよぉ〜…ムニャムニャ…』
って…。これって寝言なのかな?
「…可愛いゴミだべ…。」
チビッコ達と真希を連れ、家に帰った。
- 228 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)05時35分02秒
…………と、まぁ。こんな感じかな?」
「…なっち。ありがとう。ありがとう…。良かった。後藤が無事で…。」
市井は涙でグシャっとなっていた。顔がね?
なっちには…今までの事…話してもいいと直感した市井は…
なっちに全て話した。
「…そっか。真希は…辛いよ…。紗耶香は…連れて帰るつもりなの?」
「…うん。」
なっちは眉間にシワをよせ『ん〜…』と唸った。
「なっちと一緒に住むことにする。真希が起きたら…
話ししてみる。紗耶香のところには帰せない。」
市井は何も言えなかった。その方が後藤にとっていいのかも
しれない。静まり返る部屋―。
「…たまに市井だけ遊びにきていい?」
「…真希次第っしょ。」
「そっか…。」
そうだよね…。市井となっちは再び
飲み始め…その場で眠りこけてしまっていた。
- 229 名前:理科。 投稿日:2001年10月04日(木)05時39分03秒
<名無し読者さん。…内容は決まってたんですが、
レスで答えてしまえばアレかなと…。
<名無し読者さん。え!いいんですかぁ〜♪…行きたくない…。
<名無し読者さん。私のパソコン、ノートじゃないんですよ…。
今週最後の更新です。今から行かなくちゃ行けないんで
少ししか出来ませんでした。すみません。
- 230 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月04日(木)12時50分34秒
- なっちいいやつだな〜。 とにかく後藤が無事見つかってよかった。
- 231 名前:JAM 投稿日:2001年10月04日(木)16時47分41秒
- なっちのこの「小さな頃からぁ〜♪」は
もしかすると Judy And Maryの「小さな頃から」ですか?
勘違いかもしれませんが・・・この歌メッチャ好きなんで
「小さな頃からぁ〜」と聞くとこれしか思いつかないです。
- 232 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月05日(金)02時28分40秒
- >>231
>>224なのです
- 233 名前:77 投稿日:2001年10月05日(金)09時42分12秒
- これを見てる時は帰ってきてるんですかね??
まず、出張お疲れ様です。(笑)
やっぱ市井は後藤なのかな・・・。
楽しみに待ってます。頑張って下さい!!
- 234 名前:名無し氏 投稿日:2001年10月05日(金)14時38分23秒
- はぁ…。 梨華ちゃんって何でこんな可愛いの? 理科。さん教えて?(笑)
後藤が見つかって一安心です。 よかった、よかった。
- 235 名前:JAM 投稿日:2001年10月05日(金)16時33分08秒
- すみません〜。
よく読んでなかったッスね。見落としてた・・・。
>>232さんご指摘ありがとうございます。
それと作者さんすみませんでした。
- 236 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月05日(金)23時54分35秒
- よっすぃがちょっとヒドイ・・・(w
なちごまならなおうれしい!!でも基本はいちごま
- 237 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月07日(日)09時02分20秒
- 登場人物多いと何かと大変ですよね。
ここの保田のキャラいい感じ。思わず笑ってしまいました。
よっすぃーと梨華ちゃんのキャラも可愛いし。
- 238 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月09日(火)06時48分24秒
- 出張っていつまでなんだろう?
- 239 名前:理科。 投稿日:2001年10月10日(水)20時27分57秒
―……………「…ふぁ?ココ…どこ?」
カーテンの隙間から優しい光りが私の顔を照らす。
眠たい目を擦り、辺りを見渡したら…
ふと鏡が目に飛びこんできた。
重苦しい目眩を覚え、鏡の前に立っていた女は…
「ひぇ!!」
…自分だった。目の周りは真っ赤に腫れあがり、
サラサラの自慢の髪は…ボサボサで。
「…後藤だぁ。…あは。」
手ぐしで髪を整え、ニっと笑ってみた。けど…自分でムリに笑うのは嫌いなの。
嫌いってか…後藤はそんなに器用じゃないから。
ツーと伝わる生暖かい涙。
あれだけ泣いたのにまだ流れるんだと、自分でビックリしてしまう。
- 240 名前:理科。 投稿日:2001年10月10日(水)20時38分53秒
「…とにかくここの人…にお礼しなきゃね。」
フラフラと重たい腰を上げ、隣の部屋へと場所を移した。
ノブに手を掛けた。
目線の先に…
『なっち&辻加護★』
「…あ。そっか。」
昨日の出来事が脳裏を駆け巡った。
それはあたかも走馬灯のようで…。
「…なっちだっだっけ。」
ガチャリと開けた扉の向こうには…
モワっとビールとか焼酎の匂いが鼻を突っついた。
「くさ!」
思わず私は鼻をつまむ。そして目を閉じた。
ドカドカと部屋の中を突き進み、
窓をガラリと開け換気した。
心地よい風が部屋の中の匂いを追い出し…
んん〜っと背伸びし、くるっと部屋の中を見渡した。
- 241 名前:理科。 投稿日:2001年10月10日(水)20時51分01秒
「いちーちゃん…!」
缶が散乱してる部屋の中には…
手にはビールの缶を握ってるなっちと、
口に缶をくわえたままのいちーちゃんが死んでるかのように
眠りこけていた。…会いたくない相手だった。
(…缶なんかくわえたままじゃ危ないよぉ。)
クスっと自然に笑みがこぼれた。
スっと、いちーちゃんの口から缶をハズしてやった。
「…ん。ヒック…ごとー…どこにも行くなよ…うへ・・・。」
ハっとし、私は手をとっさに引っ込めた。
いちーちゃんはムニャムニャと口を鳴らし、身体の向きを変えた。
ほっと私は胸を押さえた。
「…じゃがいも食いたいべさ…。」
なっちが起きた!…違った。なっちも寝言だった…。
(しかも…なんでじゃがいも?)
後藤は不思議に思ったけど…
とにかく早くこの部屋から出ようと思い、
なっち宛に手紙を書いた。
- 242 名前:理科。 投稿日:2001年10月10日(水)21時00分48秒
「あ…。起きたんか?」「れすか?」
ドアの向こうには、チビッこい女の子が2人
たっていた。タタタと走り寄り、じっと後藤の顔を見ていた。
「…誰?なっちの子供…じゃないよね。」
するとその子達は、二人で顔を見合わせ、コクンと頷き…
「かっごちゃんです♪」「つっじちゃんれす♪」
(え…?何?加護と…辻…?ってゆーか自己紹介なの??後藤もやった
ほうがいいのかなぁ…?)
私はちょっとパニックに陥った。そんな私とは裏腹に
二人は、ニっと笑い後藤の手を握り締め…
「明日は明日の風が吹くんやで!」「のんびりなのれす。」
…?プっと噴出してしまった私は
二人を抱きしめた。最初は二人もキョトンとしていたんだけど、
後藤のコトも抱き返してくれた。
私はなぜか嬉しかった。さっきまでの重苦しさがなくなっていたんだ。
- 243 名前:理科。 投稿日:2001年10月11日(木)05時55分31秒
<名無し読者さん。ちょっとムリがありますが、強気で。
とにかく無事見つかって良かったですね。
<231・235JAMさん。そうなんです。大丈夫ですよ♪
間違いは誰にでもあります。
<名無し読者さん。ご親切に有難うです♪
<77さん。ありがとうございます♪疲れがピークでございます…。
後藤&市井(?)…。これからの展開で明らかになります。
- 244 名前:理科。 投稿日:2001年10月11日(木)06時03分30秒
<名無し氏さん。梨華ちゃんの可愛さですか?私は素直なトコロが
可愛いと思うんですけど♪もちろん顔も可愛いですけど。
<名無しさん。よっすぃ、ここではタラシにてっしてもらいましょう(?)。
なちごま(?)…。それは秘密です…。
<CharmyBlueさん。今回はムズかしいですねぇ…。
場面の移り変わりに四苦八苦です。
ありがとうございます♪そ〜言ってもらえて嬉しいです!!
<名無し読者サン。スミマセン…。出張は一昨日まででした…。
昨日、今日と爆睡してました。
更新です。みなさんレスありがとうです♪昨日はあまり
眠かったため更新少ししか出来ませんでした。
すみません…。
- 245 名前:理科。 投稿日:2001年10月12日(金)18時29分51秒
私情で悪いのですが、いろいろありまして
たいへん申し訳無いのですが、少しの間更新できません。
ごめんなさい…m(__)m
- 246 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月14日(日)08時32分35秒
- 理科。さんのペースでゆっくりやって下さい。
今までが速すぎたくらいですから。
- 247 名前:77 投稿日:2001年10月16日(火)10時31分34秒
- ↑同じく。ゆっくり待ってます!!
- 248 名前:yuuki 投稿日:2001年10月16日(火)20時12分49秒
- 理科さん おもしろいです がんばってください
- 249 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)05時18分24秒
「…なぁ。何書いてんねん?」
「ん?…お世話になったからねぇ…。」
心配そうに見ている2人を横目に、私はせっせと
なっち宛に手紙…とまではいかないけど、
なっち、ありがとって言う手紙を書いていた。
…ペンを走らす間、私はこの先どうしたらいいのか…
一体、どこへ行ったらいいのかと…
迷いと恐怖で一杯だったんだ。
「…うわ〜ん。」
「な、なんやねん!のの!」
「…!!」
辻がいきなり泣き出した。静寂をブチやぶるほどの
号泣。加護がオロオロしだし、私は何がどーしたのか
分からなかった。ペンを置き、辻に詰め寄る。
そして頭を撫でながら、私は『シ〜!』って口元に指をあてがった。
- 250 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)05時26分47秒
「な、ど〜したの?」
「…行かないでほしいのれす…。えぐ。」
「は?」「…のの。」
唖然とした。だってそんな言葉が出てくるなんて…
予想もしてなかったし。あは…。
でも…嬉しかった。少なくても辻は…
後藤のコトを、必要?…じゃないかなぁ…?
んっとねぇ…何て言うんだろ?
とにかく後藤は嬉しかったんだ。
「…ウチも泣くで。ごとーさん…。…うぅ〜」
加護もつられて…犬のようにうなりながら目に涙を
いっぱい溜め…とうとう泣き出してしまった。
こーゆーコトって…たしか…連鎖反応…?って言うんだよね?
あは…後藤、頭いいかも。
フワっと泣いてる2人を優しく包み込む。
一瞬だけど…泣き止む2人―。
- 251 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)05時37分25秒
「…ありがとぉ。後藤の為に泣いてくれてるの?」
「当たり前やん!」「そーなのれす!」
間髪入れずに答えを出す2人。
…私はまた嬉しくなった。胸がきゅんとなる。
私は泣き出しそうになったが、
下を向きキュっとくちびるをかみ締め、
弱さをしまい込んだ。そして、ゆっくり2人の顔を見上げた。
「…あは。そんな言ってくれんのって…なんか、照れるねぇ。
ホント、嬉しいよぉ。でもね?後藤がここに居座ったら、
なっちに迷惑かけちゃうんだ。それに…後藤、行くトコあるし…。」
「…じゃあ、何で泣いてんねん?」「…嘘はいけないのれす。」
え?泣いてる…?あぁ…本当だ。どーして後藤は泣いてるんだろ?
やっぱ…嘘つくのヘタなんだなぁ…。
泣き止んでいた2人の顔が…ふぇってなって…
また泣き出した。
「…そんな泣かないでよぉ〜…うぇ〜ん!」
「うお〜ん!」「うわ〜ん!」
- 252 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)05時45分41秒
「…うぇ〜んに、うお〜んに、うわ〜ん…ってうるさいなぁ…。
…って何!!!どーしたべさ!3人供!!」
眠い目を擦り擦り、泣き声のする方に目を向けたの。
したっけなっち、ビックリしたっしょ!!んだって、
じゃがいも美味い美味いって食べてたら…急に泣き声がして…って夢なんだけどね。
なっち、隣で泣き寝入りしてる紗耶香を起こして…
「…うへへ…矢口〜くすぐったいってば…」
「……………。(なぁ〜にが矢口だ…。)」
―ぺシ〜ン―。
(ほぉ〜…いい音だべさ♪さぞかし中身は…。)
「いってぇ〜!!何、何さ?あれ…なんで泣いてんの…?」
「「「ふぇ………!!??」」」
シーンと静まりかえる。5人とも何があったのか
わからない。
- 253 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)05時55分10秒
「…ぷ!後藤に、辻加護!何だ!その顔!!ぐちゃぐちゃじゃないか!ハハハ!!」
「ほ、ホントだべ!!ほら早く顔洗ってくるっしょ!!」
いちーちゃんが…なっちが…笑ってる。そんなに…可笑しいの?
私は辻加護の顔を…
「やだ!加護!鼻水垂れっぱなしだよぉ!あは!!」
「な、何言ってんねん!ごとーさんだって出てるがな!な!のの。…って
のの…凄すぎんねん!!あはは!!」
「う〜!!あいぼんだって凄いのれすよ〜!!鼻水口に入ってるのれす!」
「あほ!!これはヨダレや!!」
…うるさい。さっきまで号泣してたヤツらめ。
「「さっさと顔洗ってこい!!話しはそれから!!」」
「「「ハイ!!」」れす!!」
わぁ〜ってなっちからタオルを受け取ると
ダッシュで洗面所に駆け出してく3人。
市井は…なっちと顔を見合わせ再度笑った。
のはいいけど…市井もなっちも酷い顔だった!(マジ、ビックリした。)
顔を洗いに行ったのは言うまでもない…。
- 254 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)06時07分07秒
「…さてと!!」
スッキリ顔も洗って、シャキっとして席にみんな着く。
まだ…さっきの雰囲気が場を包んでいた。クスクスと
笑い声が漏れている。
「後藤は…この先ど〜するつもり?」
いきなりなっちは話しを持ってきた。
我に返る4人。…市井もいれてね…。
「…後藤は…行くトコ…あるから…。」
「どこ?一応、連絡先は教えてってね?」
後藤は『え?』って顔をして…下を向いてしまった。
そんあ後藤の手を…隣にいた辻加護がギュって握りしめていた。
「…そんな嘘、なっちが騙されるハズないっしょ!!
…真希?いろんなコト…あったの知ってる、なっちは。
紗耶香から聞いたっしょ。行くとこないなら、ここに
居たらいいべさ。なっちは全然いいよ?真希が居たら
もぉ〜っと辻も加護も…なっちも嬉しいべさ。人間、正直が
一番だべさ?ね?紗耶香?って…なぁ〜に泣いてるべさ?」
「…だってだってなっち…アンタ…イイやつだぁ…。」
「…で、真希はど〜したいべ?」
「私…は…」
- 255 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)06時12分55秒
「…後藤は…ここに居たい。辻と…加護と…そしてなっちと
ここで暮らしたい。だって…だってホントは行くトコないもん。
…それに、誰も後藤を必要としてくれないって…思ってて…。
恐かった。恐かったよぉ…!」
後藤はシクシク泣き出してしまった。ず〜っと胸に
しまっていた不安と…恐怖が開放されたんだね。後藤…。
何だか市井も…安心した。なっち…なっちって
凄いね。食べ物しかいつも頭にないんだなって
思ってたけど…凄い。…うん。なっちって凄い…。
グイっと涙をふき取り、なっちの顔を見た。
「何?」
…なんてニコニコしたなっちがいたんだ。
- 256 名前:理科。 投稿日:2001年10月18日(木)06時16分48秒
<名無し読者さん。本当にありがとうございます…。
そんなコト言ってもらって、なんだか軽くなりました。
<77さん。ゆっくり待ってて下さい(笑)。
…嬉しいなぁ。
<yuukiさん。ありがとうございます。頑張ります!!
ひさぶりです、更新。こうやって温かい言葉を
かけていただいて…本当に嬉しいです!!
色々あったけど…気持ちが軽くなりました。
頑張ります!!
- 257 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月18日(木)12時54分30秒
- 理科。さん無事復活して嬉しいです。 これからも更新頑張って下さい。
- 258 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月18日(木)19時07分02秒
- どうも、初レスです。森板で書いてる吉胡麻系と言います。
いや〜、いいですね〜!いい感じです!好きっす!
これからも頑張って下さい!応援してます!
- 259 名前:理科。 投稿日:2001年10月19日(金)15時22分00秒
―吉澤・アパートにて―
『…よっすぃ〜…行かないでよ…!後藤、離れたくないよぉ…。』
真っ暗い場所でごっちんが泣き叫ぶ。私は動くことが出来ない。
ごっちんからは私が見えてないようだ。
声をからし、私は叫ぶ―。
だが…声が出ないのだ。
どんどんごっちんの姿は見えなくなる―。
心の中で、私は思いっきり『ごめん』と叫んでいた。
「…ごっちん!!」
私はベットの上で一人もがいていた。
自分の声で目が覚める。
ロンTは汗でびっしょりだった。
それだけではなく、額…背中…体中が汗に
ダラダラとまみれていた。
「…夢。…何してんだろ…。ごっちん。」
喉に痛みが走る。夢を見ながら私は叫んでいたんだろう。
顔を手で覆う。昨日、梨華ちゃんが手当てしてくれた
湿布薬が汗でダラリと落ちた。
- 260 名前:理科。 投稿日:2001年10月19日(金)15時32分15秒
ゆっくりベットから這いあがり、
のそのそとシャワーを浴びに向かった。
熱い湯を冷めた体に―。
…何もかも
忘れたい。
逃げたい。
梨華ちゃんを連れて―。
誰も知らない場所へ―。
「…最低だ…私…。」
キュっと蛇口を閉め、バスタオルに身を包む。
再び、そのままベットに寝そべった。
姉貴は昨晩、帰ってこなかった。
電話もなかった。
…私が梨華ちゃんの家に行ってた時に、もしかしたら
連絡があったのかもしれない。
いや、なかった。…のか?
「ごっちん…。」
天井を仰ぐ。そして溜め息を一つ。
- 261 名前:理科。 投稿日:2001年10月19日(金)15時37分27秒
やり切れない想いと…今ごろになって、
自分のした事の重大さに気づく。
ツーっと頬に涙が流れる。
腕で目を伏せた。
最近…私はよく泣くようになった。
歳なのかな…。
「…はは。な訳ないじゃん…。」
情けない。自分が恥ずかしい。
「…う、うぅ…。」
声を押し殺し、私は一人部屋で泣きつづけたんだ…。
- 262 名前:理科。 投稿日:2001年10月19日(金)15時47分12秒
「…ただいま…。」
私はハっとし、涙をふき取った。
ノブが左に回り、ゆっくりと姉貴が部屋へ入って来た。
なんだか酒くさい。髪はボウボウ、よく見たら目が腫れていた。
「…なんちゅーカッコで寝てんだよ…。」
「…今、シャワー浴びたんだよ…。」
「…そ、っか…。」
重苦しい沈黙の中、姉貴は服を脱ぎ出し、
いつも着ている寝間着のヒスジャージに袖を通していた。
…ごっちんの事…聞きたい。けど…
その勇気が今の私にはなかった。
まるで朝の夢に似てるなって思った。
「…後藤、見つかったよ。」
「え!!」
着替え終わった姉貴は煙草を取り出し、ゆっくりと火をつけた。
それはとても美味しそうに…味わいながら
煙をフーっと吐き出す。
私はその仕草をただ黙って見ていた。
姉貴はなんだか勿体ぶっていたような感じだった。
- 263 名前:理科。 投稿日:2001年10月19日(金)15時55分11秒
「…知りたい?」
「…うん。」
再度、煙草を味わう姉貴―。
「…後藤、住む場所も…働くトコも…見つかった。でも…
ひとみには教えない。教える必要はない!」
「…良かった。無事で…。住む場所も決まって。ホント…良かっ…」
私はまた泣き出した。涙が止まらない。
そんな私の姿を見ていた姉貴は何を思ったのだろう?
「…いつまでも自分を責めんなよ。でも…こんな事、二度とすんなよな。」
姉貴はすくっと立ちあがり、自分のベットにねっころがった。
- 264 名前:理科。 投稿日:2001年10月19日(金)16時00分24秒
<名無し読者さん。はい!無事、復活しました。
みなさんのおかげです。また頑張って続けていきます。
<吉胡麻系さん。初レスありがとうございます。
…あまり誉めないで下さい(照)。
森板ですね?あとで見にいきます。お互い頑張りましょう♪
- 265 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月21日(日)17時32分52秒
- 吉澤辛いね…。 梨華ちゃんと頑張れよ!
- 266 名前:理科。 投稿日:2001年10月22日(月)21時30分00秒
私は何て甘いのだろうか?自分自身にも…
そしてひとみにも。
私―。最近、市井の行動は…
何だか自分が良いヤツに思われたいだけなのかもしれない。
と、よく思うんだ。
本当に後藤やひとみの事が心配で
このような行動をとっているのか?
何だかよくわからなくなっていた。
…マジでいっぱいいっぱいなんだよなぁ。
あ。バイトいかなくっちゃ。矢口も店長も怒ってんだろうな…
そーいえば発注もしてないや…最悪だぁ…。
―そんな事を考えてる内にいつしか私は深い眠りについていた―。
- 267 名前:理科。 投稿日:2001年10月22日(月)21時47分21秒
「くしゅん!…う〜寒い…かも。」
どれくらい私は泣いていたのか…。
さっきまで火照っていた体が…
気づいてみると完全に冷めていた。ブルっと身震いしながら
近くにあったパーカーを着て、ふと姉貴の方に
目をやった。すでに安らかな寝息をたてていた。
その顔からは疲労感が覗えたが、何だか幸せそうに
私には見えた。クスっと笑みがこぼれる。
そして…そっと私は大きいバスタオルを掛けてやった―。
ん?…ニヤっと笑いながら寝返りを打つ姉貴。
そんな姿を見て何だか私は無償に可笑しかった。
声を押し殺して私は姉貴のバイト先に電話を入れた。
「…すみません。昨日から母が具合悪くなっちゃって…。
姉貴と私とで実家に帰ってるんですよ。姉貴、ずっとつきっきりで…
電話出来ない状況だったんで…。本当はもっと早く電話するべき
だったんですが…。すみません。え?はい、もう大丈夫なんで。
明日からは…はい。よろしくお願いします。」
嘘も方便―。私もバタっとベットに倒れこみ、そのまま眠りについた。
- 268 名前:理科。 投稿日:2001年10月22日(月)21時55分29秒
広い草原―
澄み渡る青い空―
澄んだ空気―
市井と…矢口しかいない。
「紗耶香!早く…キスしてよ…。」
なんと…!大胆だなぁ矢口っつあんは!!にゃはは!!
スっと目蓋を静かに閉じ…唇を突き出してる矢口。
長いまつげ、ホンノリ紅く染まった頬、グロスで輝く形のいいそれは…
なんだか市井をものすごぉ〜く興奮させる―。
優しく肩に手を置き、準備はOK!
『…なんかドキドキするなぁ〜!』
- 269 名前:理科。 投稿日:2001年10月22日(月)22時04分16秒
………ねき!おい!!姉貴ったら!!止めろよ!!」
…なんだ?五月蝿いなぁ…!矢口…もっと近くに…。
「バカ姉貴!!ひとみだよ!!起きろよ!!ってか…うわぁ〜!!!」
ん?ひとみ?なんでいんの?
邪魔すんなよな!!
…ゆっくりと目を開けた。なぜだかひとみが
横たわっている。しかも市井が抱き着いていた。
「うわぁ!!何でひとみを抱いてんだよ!」
「何で姉貴が私を襲うんだよ!!止めてくれよ!!しかも…キスされたし。」
「は?私が?ひとみに?」
コクンと頷くひとみ。なぜか涙目―。
「「ぎぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」」
絶叫―。
「うるせぇぞ!!」
隣の人が壁を激しく叩く。そりゃそうだ。
二人して思いっきり叫んだんだもん。ふん!
- 270 名前:理科。 投稿日:2001年10月22日(月)22時18分09秒
ただただ呆然とする私達。重苦しい雰囲気―。
するとひとみがその空気に負け、水をさした。
「…近親相姦されるトコだった…。」
「だ、誰がお前なんか!!」
「「…プ。」」
二人して笑った。腹を抱えて。
そして…思いっきり、再度壁を叩く音が―。
顔を見合わせ、口に手をあてがっても笑いはこみ上げる。
こんなに笑ったのはひさぶりだった。
…って!そうだ!バイト!!血の気が引いていく。
私の百面相に気づいたひとみ―。
「昨日、バイト先にTEL入れといたよ。おかあさんが具合悪くして
実家に帰ってるって。で、今日から行きますって。つじつま合わせといてよ?」
なんかよく分からない説明だったが…(単にひとみの説明が足りないってコト)
まぁ大丈夫だろ。とにかく行かなくっちゃ。いそがなくっちゃ!
「姉貴…私、今日、家には帰らない。…から。」
「…分かったよ。あまり干渉はしないってのが約束だけど…分かってるよな?」
「…ん。」
「…なら。行ってこいよ。」
- 271 名前:理科。 投稿日:2001年10月22日(月)22時21分54秒
<名無し読者さん。よっすぃ〜…何だか悪者にしすぎた
でしょうか?この先どうしましょう…?
更新しました。次の更新は、ちょっと梨華ちゃんと、よっすぃ〜の
話しが続いてしまいます…。
- 272 名前:265 投稿日:2001年10月23日(火)13時02分01秒
- う〜ん、よっすぃ〜は仕方ないかと。
梨華ちゃんがかわいすぎたということで。(w
後藤も何か報われないとちょっとかわいそうな気も。
いしよし超期待してます。
- 273 名前:理科。 投稿日:2001年10月23日(火)16時46分49秒
「ありがとうございました!」
…はぁ。た、高い!なんでコージーコーナーのケーキって
こんな高いの?でも美味いんだよなぁ♪ここのケーキって。
保田さんに捧げる品、7コを買いこんで私は梨華ちゃんの家に向かう。
今日は…お泊まりの日。凄く楽しみみしてたハズだったんだけど…
何だか気が晴れない―。
そんな私の気持ちとは裏腹に…
今日はすこぶるイイ天気だ。暑くもなく、寒くもなく。
とっても清々しい秋空。
「…ん〜。」
…私はある決心をしていた。今夜…梨華ちゃんに全てを話そうと―。
全部話して…そんな私を受け止めてくれるのか?
最悪、もう2度と顔も見たくないって言われるかも。
…でも梨華ちゃんには隠し事はしたくない。
そうだ。全部言うんだ。
- 274 名前:理科。 投稿日:2001年10月23日(火)16時55分00秒
道路を挟んで私はお店で働いてる梨華ちゃんの姿を見つける。
お客さんが、ちょうど花束を受け取っていたところだった。
梨華ちゃんも、お客さんも、凄い嬉しそうな顔をして―。
そして笑顔で見送り…フーっと息を吐く梨華ちゃん。
その顔は最高の笑顔―。
つられて私もニッコリと笑みがこぼれる。
『…あ!気づかれちゃった。』
もう少し見つめていたかったのに。
梨華ちゃんが私に気づく。ブンブンと手を振りながら
特徴のある声で…
「ひとみちゃぁ〜ん!おはよぉ!」
…私も負けずに大きな声で叫ぶ。
「おはよ!梨華ちゃん!」
凄いね。梨華ちゃんは。さっきまで沈んでいた
私の気持ちを…ふっ飛ばしちゃうんだから。
- 275 名前:理科。 投稿日:2001年10月23日(火)17時06分04秒
信号が青に変わり、私は落ち着いて道路をわたる。
あくまでクールに―。なんちゃって。
ホントは、走って梨華ちゃんのトコに行きたいんだけど…。
なんか恥ずかしいから―。
って、うわぁ!いきなり抱きつくなんて…結構、大胆だ、ね?
「ねぇねぇ!聞いて!今ね?お客さんがね?凄い喜んで帰っていったんだよ?
あ!何でかって言うと…」
よっぽど嬉しい出来事だったんだろう。私の腕を掴んで離さない。
目をキラキラさせながら、まくし立てるように話す。
…少し興奮状態の梨華ちゃんもまた可愛いなぁ。
「はいはいはい!!石川!そこまでよ!吉が困ってんじゃん。って…
ニヤけすぎ!吉澤!!」
「あ!ごめんね?ひとみちゃん。」
保田さん。アナタって人は…なんてタイミングのいい。
それより…視線がケーキに集中してんですけど。
「はよっす!保田さん!」
「ん。はよ!吉澤。まぁ…中入りなよ。」
「入って♪ひとみちゃん!」
「うん。」
- 276 名前:理科。 投稿日:2001年10月23日(火)17時16分04秒
「私、お茶入れてくるね。」
梨華ちゃんが入れてくれるんだ、今日は♪嬉しいなぁ。
しかもピンクのエプロン可愛いし。よく見ると、ポッケの
とこに変な頭の犬が付いてた。なんだろ?
私がそんな梨華ちゃんを見てニコニコしてると保田さんが…
「…吉!エラいわね?ちゃんと5コ買ってきたじゃない?」
チッチッチ!私が舌打ちしながら指を揺らす。
甘い!甘いっすよ!保田さん。
「…5コじゃ足りないと思って…なんと7コ買ってきたっす♪」
ぱぁ〜っと不気味…失礼。笑う保田さん。その顔からして
よほどここのケーキが好きかわかるね。だって、メッチャ嬉しそうなんだもん。
「…吉澤♪アンタ最高だわ。」
「…わかってますね?保田さん?」
「…私を甘く見ないで!今すぐ家を出ればイイんでしょ?」
「…今すぐじゃなくても…。お茶ぐらい一緒にしましょうよ?」
「…優しいわね。」
「…惚れないで下さいね?」
「…。」
「…なんで何も言わないんですか!しかも頬を染めないで下さい。」
「何のお話ししてるんですか?2人して?」
「「何でもない!!」」
…私と保田さん。結構、気が合うかも。
- 277 名前:理科。 投稿日:2001年10月23日(火)17時19分42秒
<265さん。はい!梨華ちゃんかわいすぎってコトで♪
私、あまり痛め書けないんで(?)。ごっちんはあとから…(秘)。
いしよし頑張ります♪
こうすぃんしました。中々進まない話ですみません…。
- 278 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月24日(水)09時17分46秒
- いや〜ん!(爆)これから先楽しみです〜!
ってか、保田さん最高!(w
- 279 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月24日(水)15時13分18秒
- 男らしい吉、かっけ〜。
それでも梨華ちゃんは愛してくれるのか?(ドキドキ)
- 280 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月24日(水)18時52分20秒
- 保田面白すぎ(w。梨華ちゃん可愛すぎ〜!
いしよしシーンは、やはりニヤけますね〜。
- 281 名前:理科。 投稿日:2001年10月24日(水)19時08分04秒
「はい。レモンティーで良かったかな?」
「うん!うん!いいよ!私、大好き♪」
梨華ちゃんがいれてくれたのは何でも大好き♪
ってか梨華ちゃん大好き♪…なんちゃって…。
…気のせいか、さっきから保田さんと目が合うんだけど。
合うと言うより目線が私の方に刺さってるんですけど…(汗)
「保田さん?どーしたんすか?」
「な、何でもないわよ!」
グイっとレモンティーを一気飲み。
平然としながら、ふぅ…っと息を吐いた。
熱くないのだろうか?ちょっとカッケ―かも。
よし。私もマネして…
「ぅあっちぃ!!」
「ひとみちゃん!!大丈夫!?」
保田さん…信じられない…!こんな熱いの飲んでも平気なんて。
…ある意味、ソンケーですわ。
「…甘い。甘いわ!吉。ああ!こんな時間だわ。じゃあ石川。
店は今日はもう、終わっていいから。それから吉!しっかり留守番
頼むわよ!ホント、石川一人にしておくの心配だから。吉が来てくれて
安心だわ。…別の意味で心配だけど…。(ニヤリ)」
「「…!!」」
「あら?二人して顔が赤いわよ?じゃあね♪」
(…保田さん。最高の演技っす…。)
- 282 名前:理科。 投稿日:2001年10月24日(水)19時22分39秒
「…はは、保田さんって面白いね。って、梨華ちゃん?」
梨華ちゃん…口にカップを付けたまま硬直してる。
しかも顔が、タコみたいに赤いよ。…何、想像してんだろ?
「梨華ちゃん?」
「は、はい!っあぁ!あつ!!」
ビクっと体が揺れた瞬間、カップに入っていた紅茶が膝の上にこぼれた。
私は、すかさずテーブルの上にあった布巾を手に取る。
「大丈夫?梨華ちゃん。もぉ〜、敏感すぎだよ。」
スっとかがんでふき取る。
「い、いいよ!ひとみちゃん!私がやるよ!ひとみちゃん汚れちゃうよ?」
「汚れないよぉ〜、紅茶だもん。ってか、膝…大丈夫?熱くない?」
ニッコリ笑って梨華ちゃんを見上げた。
さらに加速をつけ、真っ赤っ赤になっていく。
(…面白いかも…。)
「…ん。膝は…大丈夫だよ。」
「そ。良かった♪」
火傷はしてないみたいだけど、熱かったろうな。
床に落ちたカップを持って私は立ちあがった。
「…ありがとね?ひとみちゃん…。」
「そんなたいした事してないよ。私。」
問いただす口調で私を上目使いで見上げる。
そんな彼女の仕草がたまらない。
今すぐ私は抱きしめたかったが。
まぁ、ここは我慢だ!よしこ!!
- 283 名前:理科。 投稿日:2001年10月24日(水)20時08分47秒
「…私、お店閉めてくるね?」
「うん。」
エプロンを外し、いそいそと店の入り口に向かう梨華ちゃん。
…って、あら?戻ってきた。どうしたんだろう?
「すぐ来るけど、もぅ一杯飲んでて。」
そう言って、私のカップに紅茶を注ぐ。
どれ1つ取っても梨華ちゃんの動作に私の心はくすぐられる。
…マジで私は梨華ちゃんの事が好きだ。本当に。
今までこんな気持ちになった事って…なかった。
ふと、ごっちんの顔が浮かんだ。
我に返るまで、そう時間はかからなかったけど…
ズキリと胸が病む―。
「どうしたの?ひとみちゃん…。」
「え!!何もしないよ!梨華ちゃん。」
「…なんか恐い顔してた…から。どこか痛いのかなって、…心配しちゃったよ。」
…もうダメだ。プツリと私の理性の糸が切れる。
- 284 名前:理科。 投稿日:2001年10月24日(水)20時19分33秒
「…きゃ!ひとみちゃん…」
私は梨華ちゃんを力いっぱい抱きしめた。
彼女の華奢な体の線が…感じ取れた。
私はこの時思ったんだ。今日、事実を話して
梨華ちゃんが私の事を嫌いになっても…悔いはないと。
自分が今までやってきた事…全部。
たとえ最後だとしても…本当の事、話しておきたい。
彼女にだけは本当の自分をさらけ出してしまおうと。
その前に今ここで、私は梨華ちゃんに伝えたい事があった。
なんとしてでも今、ここで―。
素直に…。
「…どぉしたの?ひとみちゃん…」
「…梨華ちゃん。好きなんだ!初めて…こんな気持ちになった…。」
クスって笑いながら私の腕を掴む梨華ちゃん―。
「…私も大好きだよ。初めて会った時から…ひとみちゃんのコト…」
あぁ…ダメだ。どうしようもない。
恥じらいもなく私は…
梨華ちゃんの腕の中で泣いてしまってたんだ。
- 285 名前:理科。 投稿日:2001年10月24日(水)20時29分12秒
<吉胡麻系さん。圭ちゃん、私の中でこんな人だったらな
って勝手に思いながら書いてみました。喜んでいただけて
嬉しいです♪
<名無し読者さん。よっすぃ〜カッケーっすか♪はたして
梨華ちゃんは、こんなヨシコを好きでいられるのでしょうか…?
(べベン♪)
<Charmy Blueさん。ヤッス〜のキャラはこれからも
存在ってコトで♪←(?)いしよしはやっぱ、いいですよねぇ〜♪
更新です。余談ですが、今日お昼に新メンが出てるポッキ―のCMで、
いしよしがあったんで嬉しかったです♪
- 286 名前:理科。 投稿日:2001年10月24日(水)20時34分08秒
…ミスってしまいました。思ったんじゃなく
最後の確認ってコトで…。
鬱です…。
- 287 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月25日(木)10時12分45秒
- 吉澤、梨華ちゃんを抱きしめたい気持ち、わかる、わかるぞぉ〜!(泣)
これから、どうなるんですか〜。
理科。さん、毎回とても楽しませてもらってます。
これからも更新頑張って下さい。
- 288 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月26日(金)15時41分44秒
- 他にもいろいろ読んでるんだけど、
「春よ!恋…(来い)」のいしよしが1番好きです。
期待してます。
- 289 名前:理科。 投稿日:2001年10月26日(金)18時50分06秒
「…どーしたの?何で泣いてるの?」
今の私はヘナチョコだ。顔を見る事も答えることも出来ない。
ただ泣くだけ。そんな私を梨華ちゃんは優しく
抱きしめる。そんな優しくされると余計に辛い。
「…梨華ちゃんに…言わなきゃいけない事…あるんだ。」
声を絞り出す。そうだ。伝えなきゃ…。
「…ん。何…?ゆっくりでいいよ。ひとみちゃん、ベットに座りなよ。」
そう言いながら私の手を引き、ベットに座らせる梨華ちゃん。
ヒクヒクと私は、泣くのを必死で堪えようとしたけど…
中々そうはいかなかった。堪えようとすればするほど…
涙は溢れてくるばかりだ。
グっと唇をかみ締め、私は梨華ちゃんの顔を見つめる。
梨華ちゃんも私の顔を見つめる。その目は優しく、
まるで子供を見守る母のようだった。
何だか私は安心したんだ。今しかない―。
- 290 名前:理科。 投稿日:2001年10月26日(金)19時02分46秒
ふと窓から外の景色を覗う。そんな余裕はどこからくるのだろう。
痺れるような感覚が、今まさにおちていく自分の姿に甘美な魅惑
を感じていた。ゴクリと唾を飲みこむ―。
「…何でこっちに来たかから話すね…。」
コクリと頷く梨華ちゃん―。
「…最後まで聞くから。」
吸いつくような場の静けさ―。
私は重い口を開く。
「…私、実は―
- 291 名前:理科。 投稿日:2001年10月26日(金)19時15分00秒
外は、もぅ真っ暗。街の灯がポツポツと輝きはじめる。
淡々とした口調で今までの経緯、ありのままの自分を
梨華ちゃんに話し終えた。さっきまで重苦しかった気持ちは…
事が終わった時点で開放されてた事に気づく。
私は梨華ちゃんに…最後こー言ったんだ。
『…本当に好きなんだ。梨華ちゃんのことが。』
―と。
回りくどい言い方は私は嫌いだ。だって本当に好きなんだもん。
好きなら好きの一言で伝えるのが一番だと私は思ってる。
…きっと呆れてるだろう。いや、絶対。
嫌われるのは最初から…分かってた。
でも…さ、隠す事、イヤだったから。
「…軽蔑してよ。梨華ちゃん…。私って最悪でしょ…?」
何言わず、俯いたまま黙り込む。
スっとベットから立ちあがり、
「…今まで楽しかったよ…。梨華ちゃんに出会えて…ホント嬉しかった…。」
ピクリともしない梨華ちゃん―。
「…サヨナラ―。」
- 292 名前:理科。 投稿日:2001年10月26日(金)19時21分23秒
<名無し読者さん。毎回そう思っていただけて
とっても嬉しいです♪本当に更新の量が少なくてすもません…。
頑張って、最後まで書きたいです!ありがとです。
<名無し読者さん。そ、そんな!!私の書くいしよしが一番なんて!!
恐れ多いです…。他にもたくさん良いのあるのに…。でも嬉しいです〜♪
頑張りますよぉ〜♪
更新しました。…更新が2日に一回になってしまいました…。
頑張って毎日したいのですが。。。ガンバリマス…。
- 293 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月26日(金)21時34分43秒
- またもや!イイとこで切れてる〜〜〜!!!
- 294 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月27日(土)01時15分43秒
- 目に涙たまってきたじゃねえか!
吉のバカヤロ〜〜〜!(逃)
- 295 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月27日(土)14時19分01秒
- 梨華ちゃんなら、きっと分かってくれるハズ!
ヨシコがんばれ〜〜!(/_;)
- 296 名前:理科。 投稿日:2001年10月27日(土)17時06分46秒
今、ここでひとみちゃんの言った事…私は理解出来ないでいた。
理解してって言う方がムリだと思う。別にひとみちゃんが私に
そう言ったんじゃないの。
サヨナラ―って…言われちゃった。
何か…よくわからないよ。でも、ひとみちゃんは私の事、
好き…?って言ってくれた。信じていいのかな?
―思考回路が回らない。―
どうしていいのかわからない。
頭がおかしくなりそうだった。
「…あ。」
ポタリと落ちた涙。私は泣いていた。
ジワリとお気に入りのエプロンに染み込んで行く。
どんどん大きくなっていく染み―。
- 297 名前:理科。 投稿日:2001年10月27日(土)17時31分41秒
「…どぉしたらいいの…。ひとみちゃん…私。」
溢れ出す涙は止まらなかった。ズキンズキンと胸が病んで苦しい。
行き場のないこの想いは…どこにしまったらいいの?
『ひとみちゃん…』
こんな不安な状態でいても、私はひとみちゃんを
頼っている事に気づく。頭に浮かんでくるのは…彼女なのだ。
やっぱり私は…ひとみちゃんの事が好き。大好き。
涙を拭いた。エプロンを外し、私はピンクのパーカーを羽織り
急いで家を飛び出した。
『…もぉ帰っちゃったよね…。』
周りを見渡しても見当たらない。もしかしたら、まだその辺を
ウロウロしてるかも知れないって思ったけど…。
携帯を取りだし、ひとみちゃんに電話した。
胸の鼓動が早くなる。左手を胸に当て、繋がる事を祈った―。
『…はい。』
「ひとみちゃん…?今どこ?」
声が裏返る。私の目には涙が止めど無く溢れていて…
何も見えない。
『…今?目の前…に居るよ…。』
「え…?」
- 298 名前:理科。 投稿日:2001年10月27日(土)17時51分53秒
「目の前ってどこに居るの?…ひとみちゃん…。」
『…泣いてるの?梨華ちゃん…?』
「…泣いてないよぉ!」
ウソ―。小さな抵抗?なのかな…。強がり言っても涙は止まらない。
公園の入り口で私は立ち止まり、必死に彼女の姿を探した。
「ねぇ…!どこ?どこに居るの?」
―プツリと切れた。
「ひとみちゃーん!!」
「…梨華ちゃん。」
後ろを振り返ると…ひとみちゃんが立っていた。
「…帰ろうと、思ったんだけど…私、どうしても梨華ちゃんと…
別れたくなくて…。情けないよ…ハハ。」
やっと会えた。私はひとみちゃんに抱き付く。
「!…梨華ちゃん?」
「…好きなの!私も…ひとみちゃんのことが!…信じてって言ってくれたのに
私…すぐに、ひとみちゃんの事、追ってってやれなかった…!
どうしたらいいか分からなかったの…!ごめんね?ごめんね…ひとみちゃん!」
「…そんな謝んないでよぉ〜!梨華ちゃん…。私が悪いのに…。」
私とひとみちゃんは、そのまま泣きつづけた。
とっても寒かったけど…こうしてひとみちゃんとまた、
ギュって…抱き合える事が出来て嬉しい。
- 299 名前:理科。 投稿日:2001年10月27日(土)17時57分18秒
<名無し読者さん。…すみません。ちょっと、どーしていいか
わからくなったんで…。
<名無し読者さん。
(^▽^)/{じゃあ、梨華が拭きとってあげます〜♪ホイ!
<Charmy Blueさん。少し、痛めにしようと思ったのですが
…出来ませんでした…。
更新しました。塚よっすぃ〜、カッケ〜ですね!
ビックリしました…。
- 300 名前:294 投稿日:2001年10月28日(日)13時42分43秒
- 梨華ちゃんありがとう、大好き。(笑)
全校ドッキリに続いてまたしてもハラハラさせられました。
吉が情けなくて感謝!
塚よっすぃ〜(この呼び方いいw)は男前過ぎますね〜。
- 301 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月29日(月)22時18分21秒
- とりあえず、ホッとした。
よかったよかった。
- 302 名前:理科。 投稿日:2001年10月30日(火)18時29分07秒
「へ…っくしょん!!」
「…とりあえず、お家戻ろっか?」
いきなりの私のくしゃみにビックリして、
キョトンとしてる…。そしてニッコリ微笑む。
優しく私の手を握り締めてくれる梨華ちゃん。
温かいぬくもりが嬉しかった。
また、こうして手を繋げる事に感謝して
私と梨華ちゃんは部屋に戻った。
「今、お湯わかしてくるね。座ってまっててね?」
「うん!」
…あらためて部屋の中を見渡すと
ピンクのベットカバーに、ピンクの服、
ほとんどピンクだらけ。しかも、さっきから気になってる
変な頭の犬の人形達。ズラ〜っと置かれてる。
(1,2,3…凄い!17個もあんの?…頭取れるのかな?)
私は、その1つを手に取り、頭が取れるもんかと
引っ張ってたら…
「ひ!ひとみちゃん!!何するのぉ〜!!」
「いや。これって取れるんでしょ?」
ブンブン横に頭を振る梨華ちゃん。
「取れないよ。そーゆーお人形さんなの…。」
さんって…。そっか。取れないのか…。って何で泣くの!?
「ご、ごめん!梨華ちゃん!」
「…私の圭ちゃんが…。」
- 303 名前:理科。 投稿日:2001年10月30日(火)18時41分13秒
はぁ?圭ちゃん?なんで保田さんなの?
せめて…ひとみちゃんとかさぁ…。
私は少し、頬を膨らませながら
「なんで圭ちゃんなの?」
「…だって保田さんに買ってもらったから…。」
じゃあ、私がこの犬を買ってあげたら『ひとみ』なのかな?
そしたら、梨華ちゃん可愛がってくれるかも。
って私ってば変態?
…でも、この犬ちょっと似てるかも。保田さんに。
このはねてる髪型なんて…。しかも、何で犬のくせに口元にホクロまで。
…でも。でもね?
(おもしろくない…かも!!)
「…ひとみちゃん?拗ねてるの?」
「…別に。」
クスクスっと笑う梨華ちゃん。さっきまで【ハ】の字眉になって
泣いてたくせに。なんだよ!
フイっとソッポを向く私。…そりゃ妬くよ!あぁ、妬いてますよ!
―「…!!な!!」
「えへ…。」
えへ。って梨華ちゃん?!
一瞬の出来事だった。柔らかいモノが私の口を塞いだのだった。
何?何なの?
「…仲直り。ね?」
- 304 名前:理科。 投稿日:2001年10月30日(火)18時54分08秒
可愛いなぁ〜?梨華ちゃん♪許しちゃう。
ってか私が悪かったのに。
「も、もー1回!」
「調子に乗らないの!…それに恥ずかしいよぉ。」
「…はい。すんませんした。」
怒られちゃった…。よしこ少しブルー入ったかも。
…ん?あは!梨華ちゃん顔真っ赤だぁ!そうだね?
そんな急がなくてもいいよね。
私は梨華ちゃんをギュ〜って抱きしめた。
その位はいいよね?
「…梨華ちゃん。」
「…な、何?ひとみちゃん?」
(やだ…。心臓が破裂しそうだよぉ…何か変な気分…。)
シーンと静まり返る部屋―。
「この犬って何て言うの?カツラ犬?」
「…アフロ犬だよ!」
(…もぉ!ひとみちゃんたら!…って何期待してたんだろ。)
パっと離れて私はその『アフロ犬』をマジマジと見た。
ふむ。中々可愛いなぁ。私も今度、梨華ちゃんに
買ってあげよっと♪そして名前はもちろん『ひとみ』
にしてもらって…。名前は恥ずかしいから
『よっすぃ〜』に…。
―よっすぃ〜。―
この呼び方は…ごっちんだけだった。
フラッシュバック―。
私の名前を呼ぶごっちん―。
答えられない私―。
- 305 名前:理科。 投稿日:2001年10月30日(火)19時02分40秒
「…ひとみちゃん?どーしたの? !ひとみちゃ…」
きっと私の顔色は真っ青だ。自分でも
血の気が引いていくのがわかったくらいだから。
…きっと私はこの過去から、離れられないんだ。
ちゃんと、ごっちんに会って謝りたいー。
どこ?どこに居るの?ごっちん…!
―「…気がついた?」
「…あれ?私…」
重い瞼を開けると、心配そうに私の顔を覗きこんでいる
涙目の梨華ちゃん。
「…いきなり倒れちゃったんだよ?ひとみちゃん。私…
ビックリしちゃった。」
…そっか。私、倒れちゃったんだ。
ごめんね。いつもいつも心配かけちゃって…。
―私は梨華ちゃんの髪を優しく撫でて、そのまま
キスをした。そんな長くはないキス。
フっと唇を離し、体を引き寄せ抱きしめた。
- 306 名前:理科。 投稿日:2001年10月30日(火)19時17分56秒
「…ごめん。いつもいつも心配かけてばかりで…。」
(…可愛いなぁ。ホント…。やば!ドキドキしてきた…。)
「そんな事ない…。心配なんかかけてないよぉ…。でも。」
(…やだ。こんな時に、また変な気分になってきちゃった…)
「…でも?」
(…梨華ちゃん?トロ〜ンって目がイヤらしいんだけど…!
このまま、いっちゃってOKなのかな…?って!!何?)
スっと立ちあがり来ていたパーカーを脱ぎ出す梨華ちゃん。
明かりを背にし…
「…胸が痛いの…。」
「…梨華ちゃん。」
震えてる梨華ちゃんの手が、私の手を取って、
桜の蕾のような乳房の先端にいざなってゆく。
私の指先を伝う、ふくよかな感触が…
電流のように全身を貫いた。
…私と梨華ちゃんは、あれからお互いの気持ちを確かめるように
愛し合った。その先を…私はあまり覚えてはいなかった。
―長い夜だった。―
- 307 名前:理科。 投稿日:2001年10月30日(火)19時20分49秒
<294さん。吉、この先少しづつカッケ〜にかわっていくかも?
今日、新曲買いました♪(カンケ〜ないし。)
<名無し読者さん。よかったですか。私もそー言っていただけて
よかったよかった。(?)
更新です。中々出来ずにすみません…。
- 308 名前:LINA 投稿日:2001年10月31日(水)00時43分54秒
- カツラ犬にワラタ!(w
積極的な梨華ちゃんもイイっすね〜!
続き期待してます♪
- 309 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月31日(水)15時24分18秒
- カツラ犬に大爆笑! 本当にこの名前だったら梨華ちゃんは買っていたのか。
306の「明かりを背にし…」って部分と吉が先を覚えていないってことから、
とても幻想的な印象を受けました。その夜の出来事がまるで夢のように思えるほど。
ホント巧いな〜って思いました。
俺の読ませていただいてる作品の中で理科。さんが一番更新はやいですよ。
続きとても楽しみです。
- 310 名前:理科。 投稿日:2001年10月31日(水)18時58分57秒
―…はっと気がつくと、もう朝日が昇っていた。
頭の芯がズシリと重く、激しい喉の乾き。
まるで睡眠薬でも飲んだように全身がけだるかった。
私はベットから乗り出すように腹ばいになって眠っていた。
隣には、静かに寝息をたてて眠っている梨華ちゃん―。
起こさないようにベットから抜け出し、トレーナーを羽織る。
テーブルの上にあった冷たくなっていたレモンティーに口をつける。
痛いくらいにそれは喉に染み渡った。
「…とみちゃん?起きてたの…?」
「おはよ。梨華ちゃん…。」
眠い目を擦り擦り梨華ちゃんはゆっくり起き上がった。
少しの間、ボーっとしていたんで、私もマネして、ボーっとしていた。
「…? きゃ!!」
梨華ちゃん、素っ裸だったのに気づいたらしく、慌てて
布団にもぐりこんだ。
「梨華ちゃん、今更恥ずかしいワケ?」
ニタニタして問いただす私―。
「…恥ずかしいよ!…いつの間にトレーナー着たの…?」
「へへ♪秘密だよぉ!」
私は梨華ちゃんの布団をはがそうとした。
- 311 名前:理科。 投稿日:2001年10月31日(水)19時09分47秒
「あはは!やめてよ!ひとみちゃん!」
「やぁ〜だよぉ〜!へへ♪」
私は布団の上から梨華ちゃんの体を立ち膝の状態で
挟んで布団をはがす。…が、中々、梨華ちゃん強く握ってて
はがれないんだよなァ…。よぉし!
私はピタっと手を止めてみた。「?」って思ったらしく
梨華ちゃんが、そーっと顔を布団からピョコっと顔を出す。
(釣れた!!…今だ!)
「よっしゃあー!!」
「きゃあ!!」
ガバっとはいだのはいいけど…どうしよう?
反対に梨華ちゃん。観念したのか、私の顔を見つめてる。
(うぅ…。どーしよ…?…キスしちゃえ。)
- 312 名前:理科。 投稿日:2001年10月31日(水)19時21分47秒
深ぶかと息を吸いこみ、大好きな梨華ちゃんの
しっとりと濡れた…薄く、冷たい唇に…
私の唇が重る。甘い体臭に包まれ、
私はうっとりと酔っていた。
…私は今まで、いろんな人達と何度もキスをしているが、
梨華ちゃんとのキスは―。
頭の芯が溶け出すような…
媚薬を飲んだようにとろりとしてしまう。
―静かに唇を離し、私達は無言で抱き合った。
そして、どっちからとも言えず交互に唇を何度も交わしては
笑い合った。抱き合った。
甘い時間だけが―
ゆっくりと流れる。
二人だけの空間だ。
誰にも邪魔はさせない。
私達はまた…眠りについていた。
- 313 名前:理科。 投稿日:2001年10月31日(水)19時28分10秒
<LINAさん。カツラ犬…私、最初あのアフロ犬を
友達に見せてもらったとき、カツラ犬?って言っちゃったんです…。
続きに添えれるように更新します♪
<名無し読者さん。…多分買ってると思います…(?)。
なんか…恥ずかしいです…。お褒めの言葉、有難く頂戴します♪
頑張りますよ〜♪
少し更新です。…すっかり、いしよしになってしまいました。
そろそろ、他の人達も出します。
- 314 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月01日(木)13時08分31秒
- 甘すぎて萌え尽きちゃった。
いしよし最高だよ。
- 315 名前:理科。 投稿日:2001年11月03日(土)05時57分43秒
「はい!3人供、起きるっしょ!!」
朝―。なっちの声で目が覚めた。
私はまだ眠い目を擦りながら、隣で一緒になって
眠ってる辻加護を見る。本当にこの二人は仲がいい。
「ほ〜ら〜!辻加護!お〜き〜るべ!!」
なっちが2人を転がすように揺さぶっても
ウンともスンともいわない2人。
何だか可笑しかった。そして嬉しかった。
「真希もビシっと言ってやって。」
「うん。お〜い、朝だよぉ〜。」
「そんなんじゃダメ!もっとこぉ…辻加護!!」
もっと激しく揺さぶるなっち。
「…気持ちワリ〜のれす…。」
「…ウチも。あまり揺らすなや…。」
明らかに不機嫌な様子に私は、笑いを隠せずにいた。
なんか、こんなふうに朝を迎えたのは久しぶり。
今日から新しい生活が始まるんだなって実感する。
「よし!3人供、顔洗ってからご飯食べよ?」
「「「は〜い。」」」
- 316 名前:理科。 投稿日:2001年11月03日(土)06時07分29秒
私達は、そそくさと言われた通りに顔を洗い、テーブルに付く。
…朝から何だ。この量は…!!
「いぃ〜っぱい食べるっしょ。真希。」
ニコニコ顔のなっちが、丼に山盛りのご飯を
私に渡す。
「…こんなに?」
隣の辻加護は平気な顔してガッツイていた。
仕方なく、私も箸をつけるが…明らかにこの量はムリだ。
「ああ〜!!あいぼんが、ののの卵焼き取ったぁ〜!!」
「ボサっとしてる自分が悪いねん♪って、のの!ウィンナーとんなや!!」
凄い…こーゆー事何て言うんだっけ…?
私の口は半開きになっていて…。
呆然と見ていた。
「…弱肉強食だべさ。」
そう、それ。まさにそれ。ってなっち、私の卵焼き取らないでよ。
―初めての安倍家の食事に面くらって、私はあまり食が
進まなかった事は言うまでもないよね…。
昼までもつのかなぁ…。
- 317 名前:理科。 投稿日:2001年11月03日(土)06時19分44秒
「さて。辻加護は学校!真希は今日から、なっちと一緒に働いてもらうべ。」
「うん。後藤、頑張るよ!」
「しっかり頼むよぉ♪真希」
なっちと私は、学生コンビを見送った後、
部屋の掃除をし、居間でコーヒーを飲む。
「…ねぇ、なっち。どーして後藤にここまで優しくしてくれるの?」
ず〜っと聞きたかったコト。いくら人柄がいいといっても
ここまでしてくれる人は…いないだろう。
「…ん〜。何でかな?」
何でかなって…。静かにコーヒーを口に運ぶなっち。
ふぅっと一息つく。私もマネしてコーヒーを飲む。
そして一息。
「でもね。嫌いな奴だったら一緒に住む…って言わない、よね?普通。」
「え?」
なんでもないっしょって言ってコーヒーを飲み干す。
口篭もったのは何でなの?
「さ!買出しいくよ。」
すっと立って台所に向かう。
なっち…ホンノリほっぺが紅いよ?
後藤は見たんだ。あは。
…でも期待させないでほしいよ。
また…あんな想いはしたくないから。
「待ってよ!なっち!」
- 318 名前:理科。 投稿日:2001年11月03日(土)06時46分33秒
「さぁ!ここからが戦争だべ!」
グイっと腕まくりし、ガッツポーズ!
人で埋め尽くされた昼下がりの商店街。
私はその人の多さに面くらってしまった。
「真希。まずは、なっちに付いてくる事が大事だよ?」
「うん。」
そー言って私の手を握る。なんだかドキドキした。
初めての買出しにだろうか?それとも―。
―私はまだこの時、自分の気持ちに気づかないフリをしていた―。
「おじさ〜ん!その秋刀魚!違うっしょ!その太いの!そう、それ!10本ね!」
「かなわねぇなぁ、なつみちゃんには。」
苦笑いのおじさん。でもその顔はやさしい。
なっちはすでにここでは顔見知りだった。
隣にいた私を紹介しながら買い物に精を出すなっち。
- 319 名前:理科。 投稿日:2001年11月03日(土)06時56分36秒
凄いなって感心しながらキョロキョロする事しか出来ない私。
人の波に流されそうになった時も決してその手を離さないでくれた。
必死で私もなっちに答えたくて―。
心の中で、ず〜っと思ってたんだよ?
(絶対、ついていくからね。) …って。
商店街の人達の温かさ。
お客さん達の優しさ。
何もかもが私にとって新鮮で。
そして何より楽しかった。
そんな楽しい時間はすぐに終わってしまう。
「ふぅ〜。よくついて来れたね?真希。偉いっしょ!」
「なっちが手を引っ張ってくれたおかげだよ!あは。」
「照れるっしょ!お昼食べよっか?」
「うん。」
私達は近場の食堂でお昼を済ませ、お店に向かった。
- 320 名前:理科。 投稿日:2001年11月03日(土)06時58分24秒
<名無し読者さん。それはそれは!ありがとうです♪
いしよしは、やっぱいいですね〜。
更新しました。最近あまり出来ないですみません。
- 321 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月04日(日)06時58分44秒
- な、なちごまっすか!
もえもえもえもえもえもえるぅーーーーーー!!!
ハァハァハァ・・・。
すいません、取り乱しました。
今後もがんばってください。
- 322 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月05日(月)15時40分07秒
- なっち、いい奥さんになれそうですね。
また新たな恋(来い)の予感。
- 323 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月05日(月)17時44分48秒
- なちごまっすか!いいっすね〜!
無理しない程度に頑張って下さいね!
いつまでも待ってますので!
- 324 名前:理科。 投稿日:2001年11月07日(水)19時02分04秒
「さぁ!また今日から頑張るっしょ!したらば真希。店の掃除して
もらうべ。」
元気よく、なっちにほうきとバケツ、雑巾が手渡された。
なっち曰く、三大神器なんだって。あは!
「うぃ〜っす!」
掃除なんてあまりやったことなかったけど、後藤なりに
精一杯拭いて、掃いて…そしてずっ転んだ。
芋の皮むきしながら、なっちはアハハって笑った。
なっちの笑顔って、なんだか見てると嬉しくなる。
そして元気になれる。こんな楽しい毎日が…
ず〜っと続けばいいな。
本当に神様っているんなら―
後藤のお願いを聞いてください―。
大好きなピスタチオも食べません(あまり。)―
ワガママ言いません―
だから…
この幸せを…ずぅ〜っと後藤に下さい―!
- 325 名前:理科。 投稿日:2001年11月07日(水)19時12分02秒
「真希?大丈夫?」
後藤がお祈りしてたら、なっちがカウンターから出てきて
手を差し伸べてくれていた。
「大丈夫!ごとーはこのくらい平気だよ。」
「そー思った。」
なんて言いながらしっかり後藤の手を引っ張ってくれた。
なんかドキドキする。
なっちには聞こえないのかな?後藤の…心音が。
「今、帰ったでぇ〜。今日もしんどかったなぁ。なぁ、のの?」
「そーなのれす。こんな日は熱燗で一杯きゅ〜っと…」
「親父みたいな事、言うなや!おぉ!なんやアツアツか?自分等?」
「「一体、何歳なんだ!チビッココンビ!!」」
辻のキュってお酒を飲む仕草があまりにもリアルで…。
加護のツッコミも微妙で…。
あははって大きい声でみんな笑った。
こんな些細な幸せもあるんだね…。
よし!後藤も頑張るぞぉ〜!!
見えないトコでガッツポ〜ズ!!
- 326 名前:理科。 投稿日:2001年11月07日(水)19時22分44秒
その日は凄く寒い日で。なっちのお店は大繁盛。
顔見知りの叔父さんや、仕事帰りの疲れた顔のサラリーマン、
OLさん達でごった返していた。初めての夜の仕事。
後藤にはまだ早いかな?って思ったけど…中々こなせるもんだなって
…自我自賛。辻も加護も、口先だけじゃなくて、淡々と仕事をこなしていた。
ちょっと見なおした。
そんなこんなで、ピーク時も過ぎて。
閉店の時間がやってきた。
「はぁ〜…今晩は忙しかったべ。さすがに疲れたっしょ。」
「うちもやぁ〜…お腹ペコペコやん。」
「…ののもれす…。」
「…ごとーもだよぉ。」
4人でへたれこむ。…3人の目線はなっちへ。
すると、なっちが立ちあがり
「仕方ない。またなっちがご飯作るのか。」
「「「よ!待ってました!!」」」
口ではああ言って、みじんも嫌な顔をしない。
―ガラ―
「…いいっすか?」
「あ…。」
後藤の目線は釘付けになった。
- 327 名前:理科。 投稿日:2001年11月07日(水)19時38分29秒
「…いちーちゃん。」
いちーちゃんと、小さい金髪の女のコ。
右手を上げて軽く挨拶をする。
「紗耶香。まぁ〜たお店閉めようと来るんだもんな。」
「そんな事言わないでくれよぉ。市井達も今終わったんだ。」
寒そうに身をすくめながら入って来た。
後藤がおしぼりを2人に渡した時、小さいコと目が合った。
(可愛いねぇ。いちーちゃんの…大好きな矢口ってコなんだろうな。)
客観的にしげしげと見つめてたら、
「矢口の顔に何かついてる?」
「あ!い、いえ何も…。顔ちっちゃいな〜って…。あは!」
「な!照れるじゃんかよぉ〜♪あ!あたし矢口真里。矢口でいいよ。えっと…」
「後藤真希です。後藤でイイです。」
「よろしくね。それから気なんか使わないでほしいな〜♪」
…何か話しやすそうな人だな。
「…なんだよ。2人して。楽しそうに紹介しやがって…。」
横からいちーちゃんが首を突っ込む。って…すでにホットウーロンハイ
飲んでるし。
- 328 名前:理科。 投稿日:2001年11月07日(水)19時48分54秒
「紗耶香!何自分だけ飲んでんだよ!なっち〜、矢口にもコレ。」
「はい。そー言うと思って作っておいたっしょ。」
あは。矢口っつあん、ホント嬉しそう。
何だかあの2人は…悔しいほどに息がピッタリだ。
後藤が今までに見たことのない、いちーちゃんの笑顔を
引き出す矢口っつあん。
ごとーも、なっちとあんな風になれたなら〜って思った。
ホント、羨ましいよ。
それはそうと…お腹減ったなぁ。
- 329 名前:理科。 投稿日:2001年11月07日(水)20時02分52秒
「はい。真希。これ夕御飯ね。」
コトリと後藤の目の前に置かれたアツアツのグラタン。
ニッコリ微笑むなっち。
なっち…ごとー今、何か嬉しかった。
いちーちゃん達みたいに、なっちと気持ちが繋がったような気がしたよ?
「お!美味そうだな。後藤、一緒にこっちで食おうよ!」
「そーだよ!ごっつあん!何でソンな離れてんだよ。」
…だって2人の邪魔かなって思ったから。後藤はいちーちゃん達から2つ
離れたとこに座ってたんだ。すると後ろで―、
「なんや!カウンターやからダメなんや!こっちこんかい!」
「れす!」
「お!そーだな。そっちで食うか。よし!唄うぞ!おー!飲むぞー!おー!
食うぞー!おー!…って矢口に後藤…のってくれよ!」
「…何で唄うんだよ。」
「…冷たいね。矢口…。いちー寂しいっす。」
…何だか今日は楽しい日だな。
みんなとこーして笑っていられるっていいよ。…うん。
―いつか―
いつかここに…よっすぃ〜もいたらな―。
- 330 名前:理科。 投稿日:2001年11月07日(水)20時08分14秒
<名無しさん。そんな興奮しないでください(w。
はい!頑張ります!
<名無し読者さん。お気づきのように…もう1つの
恋(?)誕生まで少しです。
<吉胡麻系さん。ムリせず頑張ってるんですが、中々進まなくて…。
少し、ムリに…(w。
更新しました。そろそろ完結に近づいてきてもいいんですが…。
中々進まなく…。ちょっとカゼで入院してました。
みなさんもお気をつけたほうがいいですよ。
- 331 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月08日(木)15時06分12秒
- 後藤の心の傷はまだ完全には癒えていないようですね。
理科。さん風邪ひいて入院してたんですか!
無理しないで下さいね。 早くよくなることを祈っています。
- 332 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)14時27分46秒
- なちごま、ファイト!
- 333 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月18日(日)23時34分45秒
- 理科。さん・・・体大丈夫なんかいな?
心配っす。
続き楽しみにしたます。
- 334 名前:77 投稿日:2001年11月18日(日)23時51分53秒
- 入院ですか?!(ビックリ
ゆっくり待ってますんであまり無理せず
頑張ってください!!
- 335 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)13時06分27秒
(ああ。爽やかな朝だわ♪昨日は大親友(自称)圭織とさしつさされつで
飲みすぎちゃったけど…。やっぱり飲んだ後のケーキは最高♪)
ホッペを紅くし、千鳥足でフラフラ…。ふ。私って罪な女…。
でも…道行く人々がなぜかこの私を避けてるのは…気のせいよね?
あぁ…私って…なんて女なのかしら。
―その頃、彩っぺの家では…―
「おい!彩!大丈夫か?」
「…吐きそう…し、しんちゃん…う!!」
「あ、彩ァ〜!!」
(…保田さんっていったい…)
―…
ちょっと早く帰ってきちゃったかしら?いいえ!ここは私の家なのよ!
行くのよ!圭!
ユックリとシャッターを開け、私は中に入り階段を昇っていく。
視界はユラユラ揺れてるけど。強気に前へゴー!よ。
(まだ寝てるかしら?…入っていいよね?)
「ただいまぁ〜!!」
- 336 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)13時12分40秒
-
はぁ!!何なの何よ何なのよぉ〜!!二人は素っ裸で抱き合いながら寝てるわ!
…しかもこの幸せそうな寝顔は!石川…アンタも大人の仲間入りなのね。
私の頬を伝う涙…あぁ。
―この時、写真家(自称)保田キャメラマンの血が騒ぐ―
(…ふ。また良いこと考え付いちゃったわ。)
マイカメラでカシャカシャカシャ―。
写真を撮りましょお♪カシャカシャカシャ♪
(…ふふふ。ごゆっくり♪)
静かにその部屋を後にした保田さん。
- 337 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)13時17分00秒
―その頃、またまた彩っぺ宅―。
しんちゃん(真矢)は彩っぺをトイレに連れて行き…
隣でグロッキーになってる圭織に冷たいタオルを渡していた。
「うぅ〜…彩っぺぇは…大丈夫…うう!」
「お、おい!圭織ちゃんまで!」
(保田さんは今度から出入り禁止にしよう…。)
―…
- 338 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)13時29分42秒
淡い日の光りが私の顔を指していた。
「…あ。また寝ちゃったんだ、っけ…。」
隣では今も、幸せ一杯の顔をした梨華ちゃんがスースー可愛い寝息を
たてて寝ていた。布団から細い腕を出し、ムニャムニャ何かを言ってるみたいだった。
私はひっそりとその顔に耳を近づけて見る。
「…とみちゃぁ〜ん…。えへへ。」
(梨華ちゃん…。)
起こさないように、静かに腕を布団の中にしまいこんであげた。
柔らかい頬にさっと触れるだけのキス―。
温かい感触に、私は嬉しくなった。
上着を羽織りズボンをはいて、洗面所に向かう。
ボサボサの髪をかきあげ、うーんと背伸び。
(そーいえば保田さん…まだ帰ってないよね。)
チラっと横目で保田さんの部屋の回るはずの無いドアのノブに手をかけた。
(あれ…?)
ガチャリ―。
ドアが開いた。帰ってるのかな?す、少し覗いてもいいよね…。
恐怖心と好奇心が入り混じっていた。
「お、おじゃましまぁ〜す…」
- 339 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)13時35分47秒
「吉!!私の部屋に入ろうなんて甘いわ!甘々だわ!」
ドアの影に隠れていた保田さんに、首根っこを腕で固めれた私。
こ、この人って…アーミーなのぉ〜…
「い、痛いっす!保田さん〜…」
「…その前に何か言う事ない?」
「てへ。…やっちゃいました♪」
「…誰もそんな事聞いてないわ。知ってるわよ。見たんだから。」
「…すんません。勝手に入って…。!って何で見たんすか!?」
「…ふ。」
「…だから頬を染めないで下さい!!しかもその含み笑いやめてください!」
やっと開放された私。何だか捕虜の人みたいな気分だよ。
ゴホゴホと咳き込む私を横目に、保田さんはニタニタ笑ってるだけだった。
- 340 名前:名無しどす。 投稿日:2001年11月20日(火)13時39分07秒
<名無し読者さん。(●´ー`●)<頑張るっしょ♪
<名無し読者さん。体のほうは、もう大丈夫です。心配かけて
すみませんでした。
<77さん。ゆっくり休めましたよ。はい♪ムリせず
頑張ります!
- 341 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)13時42分43秒
<331の名無し読者さん。すみません!ズレてしまいましたm(__)m!
ごっちんはこれから、私も救ってやりたいですね。
体の方は治りました。
更新しました。みなさん、心配かけてすみませんでした…。
体の方は元気になったんで、これからまた頑張って仕上げたいと思ってます。
またお付き合いくださいね♪
- 342 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)15時16分57秒
「や、保田さん…研修終わったんすか?早いお帰りでしたね。」
「…研修?なんてのは嘘よ。ちょっと遊びに行っただけ。」
「そうだったんすか?」
「そ!ま、入ってよ。」
改めて保田さんの部屋に入れてもらった。普通の部屋なんだけど、キレイに
掃除してある。よくよく見ると、カメラが何台もあって…それは丹念に
磨き上げられていた。この人雑誌記者かなんかなの?
「あ!そー言えばさっき、見たとか言ってましたけど!どーゆー意味なんすか?」
「…これ見てもらえる?」
スっと差し出された写真…わ、私と梨華ちゃんが仲良く眠ってる写真!!
いつの間に!!
「…何かアンタ達があまりにも幸せそうだったから…撮ってみたの。」
「…よく映ってますねぇ…。!って!どーする気なんすか?!」
- 343 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)15時24分54秒
「どーしよっか?」
「く、下さい!この写真!!初めての記念に!」
「いいわよ。」
「ホントっすか?」
保田さん、やっぱ貴方って人は…最高っす。ひとみ感動っす。
「美味しかったわ…。ケーキ…。」
「…わかってますよ。」
「…暗黙の了解ってヤツね?(ニヤリ)」
撤回…。前回撤回だ。
「…おはよぉ…。あれ?保田さん?おかえりなさい…。」
眠たそうな目を擦りながら、梨華ちゃんがやってきた。
まだボーっとしていて、夢から覚めてないらしい。
!!って梨華ちゃん!ヤらしすぎ!し、シーツなんか体に巻いて…!
「だ、ダメだよ!梨華ちゃん!フ、服着なきゃ!!」
私は梨華ちゃんに掛けより、抱きしめた。
キョトンとした顔で、何を思ったのか梨華ちゃん…
「ん〜♪ひとみちゃぁ〜ん♪」
「えへ♪梨華ちゃ〜ん」
私も思わず抱きしめた。
「いただき!」―カシャ―
- 344 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)15時27分30秒
「ちょ!いきなりなんなんですか!!」
「これも記念ね。石川のこんな甘い顔、今まで見た事なかったわ。」
「と、とにかくまた来ます!」
「着替えさせて下にきな!朝御飯、買ってきてるから。」
私は隣の部屋に梨華ちゃんを抱きかかえたまま戻った。
- 345 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)15時38分13秒
―居酒屋『ふるさと』―
「ほら!そんな落ち込まないの!紗耶香!飲みな。」
「矢口も飲めよぉ〜。グイっとな♪」
カウンターから座敷に移り、みんなでワイワイ呑みながら、食べながら騒ぐ。
いちーちゃんはすでに出来あがったいた。ううん。いちーちゃんだけじゃなく
矢口っつぁんも、なっちも…そして、ごとーも。あは。
もちろん、辻加護コンビはジュースだけどね?
あ〜…体が熱いなぁ…。壁にのっ掛かり、第三者としてみんなを見つめていた。
本当に楽しそうだった。いちーちゃんにしては、辻と唐揚げとりっこしてて、
矢口っつぁんに叱られていた。なっちはなっちで、お酒作りながら
おかずをパクパク。と、思ってたら今度は矢口っつぁんと、なっちが
何か語り始めていて…
「ごとぉ〜!飲んでっか?食ってっか?うひゃあ!」
「いちーちゃん、大丈夫?」
へろへろになった、いちーちゃんが、ごとーの側にやってきた。
「…ちょっといいかな?」
へろへろいちーちゃんが、真面目な顔になった。
顔は真っ赤だけど、目はしっかりしていた。
「ん。」
コクンと頷く私―。
- 346 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)15時50分08秒
「こんな事、言いたくないんだけど…後藤は、どうなの?」
「どうなの?う〜ん…どーだろうね?あは。」
わざと私は話しをズラした。いちーちゃんはウーロンハイを口に運んだ。
何か言いたそうだったのを、それで流し込んだようだった。
「…今は、怒ってない。よ…。」
「…。」
私はレモンハイの入ったコップを回した。氷が中でカラカラと鳴る。
そして一口。ゴクリと喉を伝わって行く。それの音が…私の耳に入ってきた。
「…あの頃は、ごとー...家にも帰れなくて、居場所がなくてさ。
なんでこんな風になっちゃったんだろうって…悔しさと、悲しさと…
いろんな想いでイッパイだったの。」
「…ん。」
いちーちゃんは静かに目を閉じたまま、煙草を口に咥えた。
「…でもね?なっちと…。辻、加護と出会って…そんな思いなんか
何時の間にかどっかいっちゃって…。」
カチっとジッポで火をつける、いちーちゃんが横目でチラっと私を見る。
- 347 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)16時00分22秒
「今は…本当にごとーを必要としてくれてる人達がいるから大丈夫だよ。」
「…本当に?」
ふーっと煙を吐き出し、再度煙草を吸う。
「うん。幸せ。今は…胸を張って言えるよぉ!ただ…」
短くなった煙草を消すいちーちゃん。
「ただ…何?」
「ん…。よっすぃ〜と、しっかりもぉ1度、お話したいな…。」
あ…!っとした顔をして下を向いてしまったいちーちゃん。
ごとーの言い方が悪かったかな。なんか誤解されたかも。
「いちーちゃん。ごとーが話したいってゆーのは、今はなっちと
ラブラブだよぉ!って事、自慢したいの♪」
「…ひとみもお前に謝りたいって言ってた…。後藤はイイやつだな。
優しすぎだよ…。」
そー言って目頭を押さえるいちーちゃんは小さく震えた。
周りに気づかれないように…ホントに小さく。
いつもより何だか弱く見えた。弱くって言うか…
寂しそうなのかな…?ごとー…酔ってるせいか
思考がなくなってきたみたいだよ…。
- 348 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)16時12分39秒
後藤は強い。弱いトコも持ってるけど…いちーより強いな。
涙が止まらなかった。なっちも…矢口も…多分、いちーが泣いてるって
気づいてるみたいだけど…。
そっとしておいてくれていた。
みんなの優しさに、胸がイッパイになった。
そっと後藤がおしぼりを差し出してくれて…
「…泣かないでよ。シラけちゃうよ?」
って…。いちーはゴシゴシと顔を拭いた。
そうだ。泣いてなんかいられない。
後藤が幸せなのか?…心の底から思ってるのか?強がって言ってないか?
今はまだ、いちーにはわからない。
複雑だった。いちーに気を使って言ってるんじゃないかって…。
また涙が溢れ出す。
「ほら…。」
コクンと頷き、いちーは顔を上げたんだ。
「ちくしょー!!今夜は飲んでやる!!」
「「っつーか飲んでるよ!!」」
矢口&なっちのつっこみで、第二部がスタートした。
- 349 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)16時20分39秒
あれから大分飲んだ。矢口も、なっちも…後藤も。
チビ達もいい気になって飲んでいたが…
やはりまだお子様だ。グレープハイ半分で酔いつぶれてしまった。
後藤は、なっちの隣に移りお茶漬けを食っていた。
ふと、後藤がホッペに御飯粒を付けていて、なっちが取ってやっていた。
そんな些細な仕草で、後藤の顔が最高の笑顔になっていたのだった。
「…本当だったんだ。」
「…紗耶香。ごっつぁんは幸せなんだよ。見守ってやろうよ。」
隣で静かにビールを飲んでいた矢口。
「…聞いてたの?」
「…見てればわかるよ。なんだよ!まるで矢口が盗み聞きしてたみたいじゃんかぁ!」
「ほらほら!そこ、ケンカしないの!ね?真希?」
「そぉ〜だよ、仲良くね。あは。」
- 350 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)16時27分18秒
日付がかわっていた。そろそろお開きにしようと
なっちが言った。泊まっていけば?って言ってくれたんだけど、
今日もお昼からバイトが入っていた。
それぞれのアパートに戻って、しっかり酒を抜いてから
仕事に出たいと矢口も、いちーも答えた。
「ふぁ〜…朝日が眩しいね。」
「はぁ〜…眠いなぁ…。」
4人(矢口、後藤、なっち、いちー。…チビ供はすでに寝ていた。)で外に出た。
う〜んっと背伸びして、朝の挨拶を交わす。
なんか変な感じがした。
「また一緒に飲むべさ。」
「「「うん!」」」
「じゃあね!バイト頑張るべさ!」
「頑張ってね。」
- 351 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)16時35分20秒
二人に手を振り、矢口と歩き出した。
(―あ。)
クルリと振り返り、まだ手を振ってるなっち達にいちーは叫んだ。
「ごとぉ!今、幸せか?」
ちょっとビックリしていたが…
「うん!最高に幸せだよぉ〜♪」
ニッコリ笑う後藤。ああ、本当だったんだ。いちーは確信できた。
朝日を背に、後藤となっちは笑いながら見つめ合っていた。
強く手は結ばれていて。本当にそれを示していたんだ。
「…良かったね?紗耶香。」
「…ん。ありがと。矢口っつぁん。」
朝日が完全に昇りきっていた。今日も頑張ろう―。
当たり前の事だったが…いちーは、そー思ったよ…。
- 352 名前:理科。 投稿日:2001年11月20日(火)16時35分50秒
出きるだけ更新しました!しすぎですかね…?
- 353 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月20日(火)18時16分59秒
- いやぁ…早い更新に越した事はないのですが…。
作者さんが大変でなければもう…、願ったり叶ったりですねぇ…。
ちょっと、脅しをかけてる圭ちゃんがツボです。
- 354 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)05時30分22秒
―再び吉澤―
保田さんの攻撃を受けた私は、大ダメージ(?)を受け、そのまま姉貴の
アパートへ帰ってきた。ゆっくり梨華ちゃんとバイバイ出来なかったのが
ゆういつの心残りだったなんて言うまでもないだろう。
チュンチュンと鳥の楽しげな鳴き声が心地よくて、足取りが軽やかになる。
一気に階段を駆け上がり、合鍵でドアを開ける。
「姉貴!?」
グデンと寝っ転んだうら若き乙女・市井紗耶香の姿があった。
ちょっと寒そうに丸まって寝ている姿が何とも言い様がない。
「えっくし!」
…姉貴の微妙なくしゃみ。
私は耐え切れなくなって…
「あははは!」
「…ん?おぉ〜ひとみ〜…おはよ。」
寝ぼけ眼の姉貴。何だかめっちゃ可笑しい。
- 355 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)05時40分15秒
やっと寝ぼすけさんも目が覚めたのか、ふぁ〜っと大きな欠伸をし
煙草に火をつけた。私は、最初に火を付けた時の煙の匂いが好きだ。
「…後藤がさぁ…。ひとみと、しっかり話したいって言ってた…。」
「え…?」
思いもよらない一言だった。私もごっちんには、ちゃんと謝りたいと
思っていたが…何だか気が重くなって行くのがわかる。
「…どーする?行くなら連絡先教えるけど。」
「教えてよ。」
イジワルな質問に、私は間髪入れずに答える。
とっさに出た言葉なのか?
ポケットから携帯を取り出し、私に見せる。
「…『なっち』って!ごっちんじゃないじゃん!」
「…一緒に住んでんだよ。新しい恋人…。」
軽いショックを覚えた。本当はこうなって欲しいと、強く願っていたハズだったが
心がモヤモヤしていた。
- 356 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)05時47分31秒
私は姉貴から、番号と場所を教えてもらい、早速梨華ちゃんに事情を
話し、『居酒屋・ふるさと』に向かった。
梨華ちゃんも私も手を強く握ったまま、無言のまま歩き出した。
「…ごめんね。梨華ちゃん…。」
「大丈夫だよ。ひとみちゃん…。」
優しい言葉に私は泣きたくなった。本当に、ごっちんに許してもらえるのだろうか?
許してもらえなくたっていい。ただ…しっかりと謝りたい。
- 357 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)05時55分46秒
「ここか…。」
知らず知らず私は梨華ちゃんの手を握る力が強くなっていた。
ジーっと見つめる梨華ちゃんが、不安そうにしていた。
「待ってて…。」
「ううん。私も行く。」
「なんや?自分等?店の前に突っ立って。何か用か?」
「朝からアツアツなのれす…。」
背後からいきなり声を掛けられ振り向くと…
子供が二人立っていた。あっけにとられ、私と梨華ちゃんはそのコ達を
見つめていた。
(まさか…このコらが話しかけたんじゃないだろうな?)
周りを見渡す。…が誰もいない…。
「なんやなんや!無視かいな!」
「ムシはいけないのれすよ…。」
「「はぁ!?」」
- 358 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)06時06分31秒
ガラガラとシャッターの開く音―。
「ふぁあ〜…眠いっしょ〜お!ん?君達、どしたの?」
大きく欠伸し、ゴミを片手に黒めがちな瞳をキョロキョロさせながら
私達の方に来た。う〜んと背伸びし、不思議そうな顔で見上げている。
「あ!安倍さん。今日はゴミの日ちゃうでぇ!明日や、明日!」
「れす!」
「あはは!まぁた、なっち勘違いした?まぁ、いいんでないかい。」
まるでコントを観ているようだった。んなこたぁ、どーでもいい。
この子達の母親…?にしちゃ、若すぎるし…。一体何がどーなってるのか
わからなかった。隣の梨華ちゃんも「?」って顔してる。
「んで、なした?二人とも?」
人懐っこい顔をした安倍さんと、チビ二人はその安倍さんの両腕に
絡まるようにして私達の答えを待っていた。
「あ、の…ごっち、後藤真希さんの事で…」
「真希の友達?今、起こしてくるから…店の中で待ってて。」
安倍さんは私達を店の中に入れてくれた。
- 359 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)06時12分30秒
フワっとお酒の匂いが私達を出迎えてくれた。キレイに掃除されてる店内。
「はい。コーヒーでいいかな?ここで座って待ってて。」
そういって安倍さんは、トンっとコーヒーを置いて
中に行ってしまった。ドキドキ私の心臓が高鳴る。
最初、何て言っていいのか。
会いたくない!って言われるかも…。
私はなんて臆病なのか?自分が情けなくなった。
「…きっと、後藤さんはわかってくれるよ。」
梨華ちゃんが呟いた。その声が、少し震えていたが…
目は真っ直ぐ私を見つめている。
「…ん。ありがと。梨華ちゃん。」
- 360 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)06時19分41秒
30分ぐらいたったが―。
一向にごっちんも、安倍さんも降りてくる気配はなかった。
(そー言えばごっちんって…寝起き悪いんだっけ…。)
ごっちんは、1度起こしても起きない。『ん〜…』とか唸って
微かに目を開けるんだけど、また寝ちゃうんだよなぁ…。
「お、お待たせ!今、真希来るから!」
…何だか安倍さん、髪が乱れてますけど。
一気に冷めたコーヒーを飲み干した。来る方を、じっと見据えたまま
私は黙っていた。
「…もぉ〜…誰よぉ…ごとーに何の用事…」
「…おはよ。ごっちん…。朝弱いのに起こしちゃってごめんね?」
ノレンをかき分けてピタっと立ち止まるごっちん。
さっきまで眠たそうだったけど…そんなのどっかいっちゃったみたいだね…。
「よ、よっすぃ〜!!な、なんで!?ちょっと待ってて!」
ダダダっと走り出していった。あぁ…あと何分待てばいいのでしょうか?
- 361 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)06時26分41秒
「お待たせ〜!どしたの?急に。元気だった?まぁ、よっすぃ〜
の事だから聞くまでもないか!あは。」
「なんだよ、ごっちん!酷いなぁ。」
いつものごっちんだ。さっきまでの胸の苦しさが無くなって行く。
あれから待つこと10分。ごっちんは急いで顔を洗ってきたみたいだった。
「あれ?隣の子は…?」
「あ…。石川梨華です…。初めまして。」
「可愛い〜!お人形さんみたいだね!よっすぃ〜…上玉見つけたね!」
「相変わらず親父くさいなぁ〜。」
他愛のない話で、その場は和んでいたが…今日はそんな話しをしに
来た訳じゃない。
「…しっかり話しにきたんだ。」
ピクっとするごっちん。
- 362 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)06時28分10秒
<名無しさん。保田さんがツボですか。本当にこんなキャラ
だったら面白いですね。
更新しました。次回で最終話です。
- 363 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月21日(水)16時48分23秒
- うお〜、久しぶりに来たら大量更新! うれすぃ〜、って次回で最終回かよ!(w
343のいしよし甘すぎ、もう見てらんない!(w
351の爽やか市井もカッケ〜!
保田は…。
とにかく最終話がとても楽しみです。
- 364 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)17時08分10秒
さっきまで盛り上がっていた場が…シーンと静まり返る。タラタラと汗が
流れ落ち、拳を握っていた手のひらが汗ばんできた。ゴクリとツバを飲みこみ
中々言葉が出てこないでいた。ドキドキと心臓が張り裂けそうなくらい痛くて
落ち着け!って思えば思うほど…胸の高まりは止まない。
(い、言わなきゃ…!)
唇をキュっとかみ締める。乾燥していたせいもあって、皮膚がピリリと
裂ける音がした。
「ごっちん。私がごっちんにしてきたことは…許してなんて言わない!
ただ…私が、ごっちんの生活を乱してしまった事…本当に申し訳ないって…
思ってる。自分が今までしてきたこと…後悔してる。本当に、ごめんなさい。」
深々と頭を下げる。ギュって目を閉じると…涙が零れ落ちた。
- 365 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)17時19分29秒
「…よっすぃ〜…。後悔してるってホント?ごとーとの事も…
後悔してた、んだ…。」
「ち、違う!!私は本当にごっちんの事…好きだった。それは本当だよ!
本当に…。遊びじゃなかったよ!…ごっちん!それだけは…わかって…。」
自分が何を言いたいのか…わからなかったが、ただ本当に私は
ごっちんの事が好きだったんだ…。それだけ伝わって欲しい…。
隣に居る梨華ちゃんには…悪いと思ったけど。今、こうして自分のしてきた
罪を受け止める事が出来たと思った。
「…あは。ごとーの事…本気で好きでいてくれたんだね。嬉しいよ。
…ごとーね?正直…あの時、悔しくて。寂しくて。どーしていいか
わからなかったの。」
- 366 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)17時26分53秒
「…ごとーの居場所ってのが無くなっちゃったんだよねぇ…。でも。
今は…なっちが居てくれるから。よっすぃ〜より…今はごとーは
なっちが大好きなんだ。寂しい時も、嬉しい時も、悲しい時も…
いつもなっちが居てくれて…何よりごとーを今一番、必要としてくれてるし
ごとーも、なっちの事を今一番必要としてる。…なんて買被りすぎかな?あは!」
「買被りじゃねぇべさ…。ごめんね?なっちが口出すとこじゃないって
わかってるんだ。でも、何か…今言いたくなっちゃってさ。なっちも
真希を必要としてるんだよ?なっちも真希の事、だぁ〜い好きだべ。」
スタスタと歩いてきた安倍さん。ほいっとおかわりのコーヒーを静かに
注いでくれた。ごっちんと微笑み返す。
- 367 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)17時35分35秒
「嬉しい!なっち!ごとーも大好きだよぉ〜♪あはぁ!!」
「やんだ!照れるっしょ!っと。…ゴホン!ほら真希…なっち行くから
話し続けて。」
「いや!居て…下さい…。安倍さんにも…聞いてほしいです。」
グっと力をこめて言い放った。
「う、うん…。」
「よっすぃ〜?」
「私は…今、この隣に座ってる梨華ちゃんが…大好きなんだ。今までにないんだよ…
こんな気持ち。自慢とか…惚気とかじゃなく…都合のいい話しかも
しれないけど…。これからもごっちんや、安倍さんとも…仲良く…
付き合って行きたいから!はっきり伝えたいんだ!」
スーっと心が軽くなって行くのがわかる。喉の奥にまるで食べ物が
詰まっていたような感覚が無くなって行った。
「…ありがとぉ。ごとーも…これからも、よっすぃ〜と…そして、梨華ちゃんとも
仲良くしたい。友達に戻りたい!」
- 368 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)17時42分23秒
「そ、そんな!ありがとなんて…うぅ。わ、グス!私の方だよぉ〜!!
うわ〜ん!!ごっちぃ〜ん!!えぐ。」
「よっすぃ〜…うえ。梨華ちゃ〜ん!!ヒック!!」
「…ひとみちゃん…うえ〜ん!ごどうさぁ〜ん…!うぅ…」
「…梨華ちゃぁーん,エグ。ご、ごっちんでいいよぉ…。」
「…うわ〜ん!!ごっちぃ〜ん…。ヒック」
テーブルを飛び越えて、私達は3人で抱き合った。そしてワンワン泣いた。
それぞれが抱え持った今までの気持ちを吹き飛ばすかのように…
鼻水も…涙も…お構いなしに。
いっぱいいっぱい泣いたんだ。
ごっちんや、梨華ちゃんは…私の倍苦しんだろう。
ごめんね。ごっちん。
ごめんね。梨華ちゃん。
そして…ありがとう。
- 369 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)17時50分35秒
あれから、安倍さんは私達3人を奥の部屋へと連れて行き
『なっち、買いだしあるから、テキトーにやってるっしょ!真希、
今晩は貸切の札付けといて!」
…なんて言い残し走り去っていった。私と、梨華ちゃん、ごっちん。
たくさんたくさん話し合った。時間はあっとゆーまに過ぎて行き、
チビッコ(お決りらしい挨拶?で、辻・加護と知る。)コンビが帰ってきた。
安倍さんも、両手イッパイに買い物袋を下げ、今夜は宴会で…ええんかい?
なんてメチャ寒いギャグで会場を…盛り上げた??…のだった。
「おおっす!なっち来たよぉ!」
「矢口、お昼何も食べてないんだ!腹減っちゃったよ。」
少し送れて…
「もぉ〜!参ったわよ!探しちゃったわ。ここ。お!吉!
朝なんで朝御飯食べていかなかったのよ!!」
この人を忘れちゃいけない…保田さん。
- 370 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)17時56分38秒
またまた送れて一人…
「寒いわぁ〜…なっち来たで。」
「「あああ〜!!!」」
「な、なんや!吉澤に石川!なんでここに…!」
みんながキョトンとしていた。
「「…先生なんです。」」
転地がひっくり返る…なんて大げさだけど、みんなそのくらい驚いていたんだ。
「はいはい!!積もる話しはいっぱいあるっしょ!まずは乾杯ね♪」
「「「「「「「「「かんぱ〜い!」」」」」」」」」
みんなそれぞれ楽しんでいた。今夜は無礼講って事でね。
唄って…騒いで…踊って…。
マジで楽しい!この時間がずっと続けばいいのに…。
- 371 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)18時02分47秒
「…あれ?ごっちんは?」
「…居ないみたいだよ?ひとみちゃん?」
ワイワイ盛り上がってるなか、ごっちんの姿が見当たらない。
何だか心配になった。
「ちょっと外見てくるよ。」
「…私も行く。」
梨華ちゃんの手を引っ張り、みんなに見つからないように
こっそり外へ抜け出した。
周りを見渡してもいなかった。
「…どこいっちゃったんだ。」
「…ひとみちゃん…。」
梨華ちゃんが私の裾を引っ張った。人差し指を口にあて、
「…シーね?」
コクンと頷く私。…って梨華ちゃん可愛すぎ♪(失礼)
店からほんの少し離れた小高い丘に…ごっちんと安倍さんはいた。
ボソボソと話し声が聞こえる。
何やら悪い気はしたけど…黙って聞いていた。
- 372 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)18時10分20秒
「あ〜…楽しいねぇ。なっち。ごとー酔っ払っちゃったっす!」
「なっちも気分いいべさ。…真希?さっき言ったこと…本当だよね…。」
「…ごとーは嘘が嫌いだから。本当に今は…心から良かったって思ってる。
なっちに嘘つくわけないじゃん!」
目頭が熱くなる。最近ホント、涙腺が弱いよ…。
私もごっちんと、またこうして仲良くなれて良かった。本当に!
「…ひとみちゃん、泣かないで?」
梨華ちゃんが優しく抱きしめてくれた。
私も梨華ちゃんを抱きしめる。
「「…えへ。」」
お互いの体温を感じ、体を離す。ふと、ごっちん達の方を見ると…
「…私たち、邪魔だね?」
「…そうだね?」
- 373 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)18時24分53秒
その場をこっそりと離れる。
ゆっくり歩き出す。
「梨華ちゃん。」
「なぁに?ひとみちゃん。」
「好き。大好き。」
クスっと笑う梨華ちゃん。
「知ってるよ?私もひとみちゃん大好き。」
月の光に照らされて、何だか恥ずかしかったけど…
私と梨華ちゃんの影が重なった。
みんな幸せだ。本当に良かった。
人生って素晴らしい。
出会ったり恋をしてみたり。
夢中で笑ったり泣いたりできる。
「…梨華ちゃん。みんなに…春が来て良かったね。」
「うん!みんな幸せになれて良かった…。」
大好きな温かい梨華ちゃんの手を…ギュっと握りしめた。
END
- 374 名前:理科。 投稿日:2001年11月21日(水)18時29分25秒
<名無し読者さん。更新がかなり送れていたので、頑張ってみました。
私的に、圭ちゃんかなりハマってます。
最後、ムリな終わり方ですみませんでした。
…しめもいしよし。
最後までこんな駄作を
読んで頂いた方々、レス頂いた方々、有難うございます。
放棄せずに書き上げられたのも、みなさんの励ましがあったからです。
本当に有難うございましたm(__)m。失礼します。
- 375 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月21日(水)19時39分47秒
- お疲れさまでした!
ひさぶりに来てみたら、大量更新で嬉しいと読み進んで
いったら、END(泣)。
でも、めでたくハッピーエンドになって良かったです。
ごっちんも、なっちと幸せになって良かったです。
理科。さん、お疲れさまでした!
- 376 名前:Laiz. 投稿日:2001年11月21日(水)21時06分25秒
- ハッピーエンド、良かったです。
理科。さんお疲れ様でした!
もとい、戻ってきてくれて良かったです!;
読み続けていた甲斐がありました・・・。
- 377 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月21日(水)21時49分09秒
- 理科。さん、お疲れ様でした!
めちゃめちゃ良かったっす!
ハッピーエンドで良かった〜!
みんなが幸せになって・・・、読んでる自分が、嬉しい気持ちになって。(w
なんか、自分の心の中に春が来たような、そんな気持ちになりました!
- 378 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月21日(水)22時09分54秒
- 連載お疲れ様でした。始めから読んでいたんですけど、
途中でレスするのに気がひけて今まで出来ませんでした。
ここのいしよしの甘々さにとろけてしまいました…
この物語にあって、格別異彩をはなっていた圭ちゃん。
できれば彼女を主役としたお話を見たいです。
こんなお願いしてもいいですか?
- 379 名前:闇の住人 投稿日:2001年11月21日(水)22時32分16秒
- 理科さんお疲れさまでした!最初から読ませて頂いておりました!途中、いちごまになるのかとも思ったりしたんですが。(w いしよし、さやまり、なちごまがそれぞれ幸せになってくれてよかったっす!ここの圭ちゃんいいですねぇー。本当に吉って呼んでほしいぐらいです。(w いやぁー春が来てよかった!
- 380 名前:理科。 投稿日:2001年11月22日(木)05時31分34秒
<Charmy Blueさん。
有難うございます。どーしても痛めが書けない私…。
みぃ〜んなハッピーになれて(して)良かったなって
私も思います。たくさん作品持ってますが、ムリせず
頑張ってください。
<Laiz.さん。
有難うございます。はい!戻ってきました。途中、
体を壊し、読んでてくださったみなさんに、ご迷惑を
かけてしまって…。最後まで読んで下さって本当にどうもでした。
<吉胡麻系さん。
そんな風に感じていただけて、とっても光栄です!
途中、モー無理かな…って思ったんですよ。実は…。
最後までお付き合い下さって本当に嬉しかったです。
- 381 名前:理科。 投稿日:2001年11月22日(木)05時39分37秒
<名無し読者さん。
初レス&最後までお付き合いしてくださって
有難うございます。圭ちゃん…ホントはこんなキャラに
しないつもりだったんですが…。圭ちゃん主役の、お話しですか?
それも面白いかもしれないですね?少し考えてみます。
<闇の住人さん。
有難うございました。最後まで書き上げましたぁ〜…。
私も圭ちゃん、そぅとぅお気に入りになっちゃって♪
…密かに、圭ちゃん…『吉!』って呼んでるかもしれませんよ?
たくさんのレス、有難うございます!嬉しいです!自分の
駄作に『あー!結構、読んでてくれてるんだな♪』って
嬉しく思いました。名無し読者さんの意見なんですが、
もしかしたら、圭ちゃん視点で続きモノを…と考えてます。
まだわかりませんが…。
- 382 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年11月22日(木)17時25分33秒
- お初です。(一足遅くなっちゃいました。)
最初から読ませていただいてました。
後藤さんがとても可愛らしく書かれていて、
なんとしても幸せになってもらいたかったので、
最後の結末にホットしました。
保田さんはすごいキャラで、なんだか番外編とか
書けそうですよね、期待してしまいます。
できれは保田さんに酒でつぶされてしまった2人も
この居酒屋に誘って来て欲しい気がするかも。
吉澤さんと石川さんの学校の先輩も、あの一件を契機に
良い関係になってくれてるとなおうれしいですね。
作者さん、お疲れ様でした。
そして素晴らしい作品をありがとうございました。
- 383 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月23日(金)02時37分30秒
- ほ、本当ですか!圭ちゃん視点…
圭ちゃんから見たこの世界、とても面白そうです。
まさか、一読者の意見を取り入れてくださるなんて…
「できれば」なので無理せず、できそうならお願いします。
- 384 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月26日(月)01時50分16秒
- 邪魔レスだとは思うんですけど…市井ちゃんの…色々と……揺れる想い?
…は…どうなったんでしょう?
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