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モー娘。日記

1 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時00分05秒
あくまでも日記なのでオチは特にありません。

2000年12月20日

番組収録の休憩中

次の収録まで二時間ある。
楽屋には、中澤・矢口・吉澤・石川・加護・辻の五人だけ。
そんな中、加護は楽屋の中央にあるテーブルに座って、お菓子の包み紙を弄んでいた。

゛うーん、暇だなー゛

゛私も後藤さん達に着いていけばよかったー゛

後藤と保田、飯田、安陪の四人は、買い物に行ってしまった。数分前に。
周りを見渡すと、みんなおもいおもいの事をしていた。

 中澤は、最近読書にハマッテいるらしく、暇さえあれば本を開いている。
メイクカウンターの前で脚を組んで椅子に座っている。
中澤の真剣な顔を見ていたら、構ってもらうのも気が引けた。

いつも、加護にくっついてくる辻が珍しく一人でいた。
一人掛けのソファに座って、ぶつぶつ言いながら何かやっていた。

゛ケータイか・・・゛

2 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時01分52秒
辻は、先日買ったケータイを説明書と格闘しながら操作していた。
その隣では、矢口が三人掛けのソファを独占している。
仰向けになって、MDウォークマンを聴いている。
大きめなヘッドフォンをつけて、頭を左右にゆっくり動かしながらリズムらしきものを取っている。
おそらく聴いているのは、浜崎あゆみだろう。
よく見たら微かに口を動かしている。歌っているのだろうか。
それを見て、加護は吹き出しそうになった。
矢口は、浜崎あゆみを崇拝しているといってもいいほどだ。
この間、矢口の前でアユのモノマネをしたら、プーッと膨れっ面になって
「似てない!!」と即答されてしまった。
加護がモノマネするたびに笑ってくれる矢口だったが・・・。

 吉澤と石川は、加護の前に座って二人で一冊のファッション雑誌をワイワイと楽しそうに読んでいた。
加護は、この二人を見ながら・・・
゛ヨッシィーは、パンダさんに似てるなー。りかちゃんは猪かなー。゛
と意味のない事を考えていた。
その時、ふとこの間、夏先生と一緒に食べたストロベリーパフェを思い出した。
3 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時07分06秒
゛うーん、また食べたくなってきたー。゛

思い出したら止まらなくなってきた。

゛そーだ!!食べに行こーっと。゛
でも、一人で行くのも心細かった。

゛よしっ!!。ののたんも連れていこー。゛
ぴょんと立ち上がって、辻のいる所までスキップで近づいて行った。
 辻は、相変わらず説明書を読むのに熱中していた。加護は、辻の横に立って

「ねぇねぇ」
と言いながら、辻の肩に手を置いて揺すった。

「ん?」
と答える辻。

「今から、パフェ食べにいこー」
「パフェー?」
と加護を見上げながら答える辻。
「うん。」
と笑顔で頷く。

辻「大丈夫かなー」

加護「ダイジョブだよ・・。だって圭ちゃんだってカオリさんだって外出してるし・・あと2時間もあきがあるんだよ?」

辻「そーだね・・」
と少し考え込んでから

辻「あっそうだ!!裕ちゃんに連れてってもらおーよ。」
4 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時10分47秒
加護「おっいいねーそれー。」
と両手をパンと叩きながら言った。
加護「連れてってもらおー!!」

辻「ちょっとまっててー。」
いいながらケータイと説明書をかたづける。
それから二人で手をつないでスキップで中澤の所まで近づき、
中澤の袖をくいくいと加護が引っ張る。

加護・辻「ねぇねぇ中澤さぁん」

中澤「はん?」
と気の抜けた返事をした。そして、本から目を離して加護と辻に顔を向けた。

中澤「どしたん?」
と優しく言った。
加護と辻は小声で説明した。

中澤「パフェ?」
コクンと頷く二人。
じーっと二人を見つめる中澤。
加護と辻は体をモゾモゾと動かしながら、口を尖らせて中澤を見つめ返した。

中澤「よっしゃっ、行くか!?」
と急に笑顔になって言った。
どうやら今日は、機嫌が良いみたいだ。
「やった〜!!」と飛び跳ねる辻・加護。
すると、ファッション雑誌を読んでいた吉澤と石川が、
チラッと辻・加護・中澤を見た。

5 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時15分58秒
中澤「って言ってもー、私は食べへんよ。」

加護「なんでですか〜?」

中澤「太るからに決まってるやん。・・・あっそうだ、矢口も連れていこーっと。」
 
 相変わらずソファに仰向けになって寝ている矢口の所まで近づいていった。
浜崎の歌を聴いて、ノリノリの状態になっている矢口に対して

中澤「おーい、矢口ー。」

辻・加護「やぐぢさぁ〜ん」
と呼んだ。三人の声に気づかない矢口。目を瞑って一人の世界に・・・・
中澤は、矢口の顔を覗き込む。まだ気がつかない。吹き出しそうになる三人。
今度は、中澤は、グロスでテラテラと濡れているような小さな唇に口を近づけた。
だんだんと唇と唇がくっつきそうになる様子を加護と辻は、
抱き合いながらじーっと笑いを堪えていた。

「チュッ」

とわざと音が出るようにキスをした。

矢口「んー!!」
と唸りながら、ガバッと上半身を起こした。
中澤は、「ムフフフフッ」と言いながら片手で
口を押さえていた。
6 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時19分40秒
矢口「もー!!ゆうちゃんっ!!」
と叫びながらヘッドフォンを外して首に掛けた。

矢口「チューするのやめてって言ったじゃん!!」
と口を尖らせてプーッと膨れっ面になった。目がちょっとマジだ。
この騒ぎを吉澤と石川は、苦笑いしながら見ていた。

中澤「ごめんなしゃーい。」
とかわいらしく、しょんぼりとした仕草をした。
矢口は、じーっと中澤を睨む。目をパチパチさせて、見つめ返す中澤。

中澤「だってさー、かわいいんだもーん」ともじもじしながら言った。
数秒間沈黙があって・・・

矢口「も〜〜!!」
と呆れた様に笑顔でまたソファにバタンと倒れこんだ。
中澤は、すかさず矢口に覆い被さった。

中澤「ねぇねぇ、私のこと嫌いになったん?」
「ねぇ」「ねぇ」といいなが矢口の体をくすぐり始めた。

矢口「だっははっー。ぎゃー。」
  「好きです、好きです。」
  「ゆうちゃんのこと大好きですー」
とくすぐり攻撃から逃れようと、暴れていた。
そして、いつもの矢口に戻ったのを見て中澤は、
「ってこんなことしてる場合じゃないのよ。矢口、パフェ食いに行こう、パフェ!!」

7 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時22分24秒
矢口「パフェ?」
と目に涙を浮かべながら聞いた。

中澤「そう、加護と辻に「連れてってー中澤おねーさーん」てたのまれたのよ」
と辻と加護を見ながらいった。

加護「いっしょにいきましょー矢口さーん。」
辻「いきましょー」と矢口が寝ているソファに近寄った。

矢口「パフェねぇ・・・ヤグチ他のにするわ」
中澤「あっそうか、クリームか・・・」「辻・加護は平気なん?」
辻「ハイッ!!ダイジョブですっ!!」
と敬礼しながら答えた。加護は「だいじょーぶだぴょーん」と答えた。
8 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時24分26秒
矢口「ほかのにするー!!」
と駄々を捏ねるように足をバタバタさせた。

中澤「ハイハイ、好きなの頼んでエエから、ほらいくよ!!」
矢口「ちょっち待ってー。」
と簡単に身支度する矢口。

中澤「お店すぐ近くやけど、外冷えるから何か着てったほうがええで。」
言われたとうりに辻は、白いダッフルコートを着た。
加護は吉澤にレザージャケットを借りた。(加護が着るとコートになってしまう)

中澤「ちょっと、出かけてくるわ」
と吉澤と石川に向かって告げた。
すると「はーい」と返ってきた。
 
9 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時28分08秒
外は、十二月だけあってさすがに寒い。北風が冷たい。

中澤「う〜、さ〜む〜い〜」
と腕を組んで前かがみになりながらいった。

矢口「っていうかさー、何でいきなりパフェなわけ?」
加護「う〜んとですね〜この前、夏先生といっしょに食べたんです、
それを〜思い出したらムショ〜に食べたくなっちゃったんですよ〜」
と奇妙な動きをしながら(照れ隠し)答えた。
加護はときどきミョーな振りを付けてしゃべる。

矢口「いつの間に〜・・・っていうかこの辺にあんの?食べるとこ」
中澤「あるんだなーファミレスか゛」
矢口「へー」
 先頭に矢口・中澤
その後ろを加護・辻がついていった。
四人は、ファミレスに向かった。
10 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)01時32分03秒
 *

加護「あ、あったパフェ」
メニューを見ながらいった。

矢口「何パフェにするの?」
加護「ストロベリ〜」
中澤「ちょ〜ストロベリーにしゅるの〜?」
と馬鹿にしたようにいった。
矢口が中澤の肩に片手を置いて、寄りかかりながら笑った。
それにつられて加護も
「フヘへへー」と笑う。

矢口「辻は?」

辻「チョコレートパフェにしまーす。」

中澤「は〜い」「で、矢口は?」

矢口「う〜んとねー矢口はねー」
と、メニューを睨みつけながら言う。

中澤「何?ホットミルク?」

矢口「まだ、何も言ってませんー。」
と中澤に顔を向けて、舌を「べーっ」と出した。
予想どうりの反応に「かぁわいいー」と口に出した。

矢口「も〜なんでそーなるの〜?矢口、ホットチョコにするっちゅーの!!」

中澤「ホットチョコでちゅかー」
ジロリと睨む矢口。そんな、二人のやり取りを見ながら笑う加護・辻。

中澤「よし、オレも決まった。!!」
 
11 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月17日(月)20時54分32秒
なんかほのぼのさがイイ!最高。
更新が楽しみだ(w
12 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時13分51秒


十数分後、ウェイトレスが来た。

ウェイトレス「お待たせしましたー。ストロベリーパフェです。」

と辻の前に置く。辻は、それを加護に回す。
加護は、うきうきした趣でパフェを受け取る。
次々と注文したものを受け取る四人。
中澤は、コーヒーを頼んだ。
「ごゆっくりどうぞ」と、一礼して四人に気づいた様子を見せずに、
去っていった。

矢口「でかっ!!」
とパフェを見ていった。

中澤「ちょっと、あんたたちそれ全部食べれるの?」

辻・加護「だいじょぶで〜す。」とスプーン片手に、声を揃えて答えた。
辻・加護「いただきま〜す。」

中澤「は〜い。どうぞー」
13 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時18分40秒
しばらくの間、辻と加護の食べている様子を眺める中澤。
二人は、夢中になって、ほじくりながらパクパクと食べている。
矢口に目を向けると、カップに両手を添えて顔を近づけて、
「ふーふー」とホットチョコを冷ましつつちびちびと飲んでいた。
中澤は、目を細めて微笑みながら様子を見ていた。
゛かわいいー゛と声を大にして言いたかったが、
いいかげん矢口も怒りだしそうなので、堪えた。

中澤「おいしい?」
矢口は、カップに口をつけたままコクリと小さく頷いた。

中澤「パフェはどうよ?」

加護「おいすぃー」
矢口がぼそっと「でた『おいすぃー』」と言った。

辻「おいしーですー」
と二人とも満面の笑みで答えた。

中澤「うわぁ、何かメッチャ甘そうやん。」

矢口「ヤグチ、食べないなーパフェ。」
中澤「オレもー」

矢口「どっちかっていうと、辛い物好きだからさー」

中澤「オレ酒好きだからー」

矢口「ハハハハッ」

二人ともしばらく無言で加護と辻の食べている様子を眺めていた。
見られているのを気にもせず、黙々とたべる辻・加護。

14 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時27分25秒
中澤「あっそうそう、矢口あれどーしたのあれ、ほらプーサンのぬいぐるみ。」
と急に切り出してきた。
矢口と改まって会話すること最近なかった。年末ということもあって、忙しさが増してきた。そんな中、昨日はメンバー全員が五日ぶりのOFFだった。

矢口「ん〜買ってないのよー。」
  「ちょっと昨日はねー・・」
とだんだんトーンダウンした。
カップを両手で包んだまま、苦笑いしながら俯いた。

中澤「な〜によー、どうしちゃったのよー。」
と言いながら、矢口の右肩を揺さ振った。

矢口「何かねー、昨日の矢口すごい変だった。」

中澤「何よ、変って。」
矢口「・・・昨日は・・・」 
 
15 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時30分59秒
昨日は、学校の友達と二人でショッピングに行く事になっていた。
お目当ては、プーサン(クリスマスヴァージョン)のぬいぐるみだった。
午前中に部屋の掃除や洗濯を済ませた後、少しベッドで昼寝をしていた。
が、突然ケータイの着メロが鳴り、起こされた。
(この時期の着メロはクリスマスソング)何か嫌な予感がした。
電話にでると親友からだった。

友達「ごめん真里・・・・今日の約束キャンセル」

矢口「えっ・・・」
と間を置いてから
「うっうん」

友達「本当にごめんね。直前になって・・・。
   今日ね、達也がね急に帰ってくる事になったの・・・それで・・・」

矢口「えっマジで?良かったジャン。一ヶ月ぶりじゃない。」
いつもの様に、明るく振舞う。

友達「うん・・ごめんね・・今度必ず埋め合わせするから」
と小さな声でしゃべる。

矢口「いいって、いいって、でも良かったじゃない。
   ちょうどクリスマスに会えるなんて」

友達「うん。大学は今日から冬休みらしくて・・さっき急に連絡があって・・」

矢口「そっか、そっかぁ。いいなぁー」
とあくまで明るく振舞う。内心は泣きそうだった。

16 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時33分43秒
友達「ごめんね・・せっかくの休日だったのに・・」

矢口「いいって、いいって気にしないで、ホント・・」
  「じゃっ、また今度ね・・バイバイ。」

友達「うん、バイバイ」
通話ボタンをOFFにすると同時に
「はぁ〜あ」
と長い溜め息をつく。
そして、ベッドに倒れこむ。
白い天井を見つめる。
なんだか急に孤独感に襲われた。
それに、胸も苦しい。
他の友人に電話しようとしたが、みんな、相手がいることに気づいてやめにした。
゛私だけか・・・゛
17 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時40分23秒
口を尖らせながら、身支度をし始める。
『一人で行くか・・・』
 外に出ると、意外に暖かかった。
矢口の気持ちとは、裏腹に今日は天気が良い。
しばらく駅の方に向かって歩いていたが、途中で引き返した。
『どうせカップルとかで溢れかえってるんだろうな・・・。』
そう思うと急に脚が重くなった。
結局その後、近所をブラブラと散歩するだけにとどまった。
 *

矢口「しかもさー公園で一人でブランコに乗ってさー、
   黄昏ちゃったりしてさぁー」
と顔を赤くしながら恥ずかしそうに言った。

中澤「ちょっとちょっとー大丈夫かぁー?何か矢口じゃないみたい。」
と泣きそうな顔をして言った。
話を聞いていて中澤は、矢口を愛しく思って、いきなり矢口を抱き寄せた。

矢口「うぐー!!なによーもー!!」

中澤「私で十分じゃない!!」
と芝居がかった感じで一人納得するように、矢口を抱きしめた。

矢口「はいはい、私には、裕ちゃんがいますーっ!!」
となげやりにいって、中澤の腕を振り解いた。
二人とも一笑いした。
18 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時44分11秒
中澤「でも、珍しくない?ネガティブ矢口君。」

矢口「うーん。っていうか今も?」

中澤「何、そんなに彼氏がほしいんか?」

矢口「うん、この時期だけ、なんちゃって・・・」

中澤「こいつー」
と言いながら、矢口のほっぺを突付いた。
そんな矢口と中澤を気にもせずに加護と辻は、
パフェをほぼ食べ終えていた。それに気づいた矢口は加護を見た。

矢口「ちょっとー、ハハハッー加護―っ口の周りすごいよー!!」
ケラケラと笑い続ける矢口。

中澤「ちょっとなんやのそれーハハッ。」
ピンクのクリームが口の周りにべっとりくっ付いている。
加護は、照れ笑いしながら、舌でとろうとしている。
加護の顔を見た辻は、「ムフフっ」と口にパフェを含んだまま笑った。
19 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時46分56秒
中澤「辻、あんたもやで。」
辻も同じように口の周りにチョコとクリームがべっとりくっ付いていた。
辻と加護は、お互いの顔をみて、腹を抱えて笑った。
つられて矢口と中澤も笑う。

矢口「加護、変なおじさんみたい・・」

加護「えっそうですかぁー。」
といいながら、モノマネをし始めようとする。

矢口「いいからやんなくてもー」
と即突っ込みを入れる。

中澤「ほら、早く拭きーやー。」
紙ナプキンを手にとって。

中澤「はい、きれいにちまちょーねー」
と加護の口の周りを拭い取った。
横で爆笑している矢口。

中澤「はーい、きれいになりまちたよー」
すると加護は、ケラケラと笑いながら手で口の周りをこすった。
20 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時49分28秒
矢口「ほらっ、辻も」
紙ナプキンを渡す。辻は、自分で口の周りを拭いた。
辻と加護は見つめ合って、クスクスと笑っている。

中澤「ほんット、あんたたちいると疲れるわー」
と溜め息をつきながらいう。
矢口は、頬杖をつきながら
『あんたたち・・なんかうらやましいよ・・・』と心の中でつぶやいた。
その後、加護のモノマネ新作披露があり、盛り上がった。
中澤は、矢口と二人っきりで話しをしたかったので、
加護と辻を帰らせる事にした。

21 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時52分32秒
中澤「まっすぐ帰るんやで」
辻・加護「は〜い。ごちそうさまでした。」
と、どたどたと店を出て行く二人。
最後まで賑やかな加護辻コンビ。
二人を見送った後、中澤と矢口は、休憩時間ぎりぎりまでおしゃべりしていた。

 *
辻と加護は、手を繋ぎながら、のろのろとスタジオに向かっていた。
加護「パフェちょーうまかったね。」
辻「うん、うまかった。」
加護「ねー、ののちゃん」
辻「ん?」
加護「昨日、おこづかいもらったんだー。だからさ、コンビニ寄って、ヨーグルト買っていこー?」
辻「うん、いいよー。」
加護「ののにも買ってあげるね。」
辻「えっほんとー?」
加護「うん」
辻「イェーイ」
と飛び跳ねる。
二人は、コンビニに入り、ナタデ・ココヨーグルトを買ってスタジオに戻った。
             
             おわり
22 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月17日(月)23時57分38秒
2001年1月11日(木)

 今日は、雑誌の取材と写真撮影が行われた。
都内の某撮影スタジオに、後藤、吉澤、加護、辻の現役学生メンバーと
矢口、石川が集まっている。

午後六時。
先に仕事が終わった吉澤と石川が控え室で矢口を待っていた。
この後、三人でラーメンを食べに行くことになっていた。

 吉澤は、テーブルの上に広げてあるお菓子の山の中から、
プリングルスを手にとって、パクパクと頬張りながら雑誌を読んでいた。
23 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時00分05秒
石川「はい、よっしぃー。」
と隣に座っていた石川が、ウーロン茶の入った紙コップを差し出してきた。

吉澤「あっありがほー。」
と口にものが入ったまましゃべったので、言葉になってなかった。

石川「えっ?」
と、いたずらっぽく耳に手のひらを添えて聞き返した。
吉澤は、ゴクンと飲み込んで「サンキュー、サンキュー」といった。
24 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時03分37秒
石川「フフフフッ」
と笑いながら、自分も紙コップにウーロン茶を注いだ。

石川「どれにしよーかなー。」
と小声で独り言をいいながらお菓子を選んでいた。
その後、しばらく会話がなかった・・・が、

石川「ねぇー、よっすぃー初夢ってみた?」
と突然話かけてきた。

吉澤「初夢ぇ〜?ん〜覚えてないな〜。っていうか見てないかも」

石川「ふ〜ん」

吉澤「何か見たの?」

石川「うん、見た、見た、すっごい変な夢〜」
と急に笑顔になって言う。

吉澤「どんなの?」

石川「うんとねー、私がすごい太ってるの、しかもそのまま、
  『娘。』やってるの、可笑しくない?」

吉澤「なんじゃそりゃ・・・でも笑えるー。
   今想像しちゃった、梨香ちゃんがまるまる太りながらダンスしてるとこ。・・ハハッ」

石川「そーダンスとかやってるシーンもでてきたのー」
と眉をひそめていう。
25 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時05分52秒
吉澤「なんでそんな夢みたんだろうね」

石川「きっと暗示してるのよ・・今年の石川を・・」
と腕を組んで考え込む。
そんな石川を見て、吉澤は、からかいたくなった。

吉澤「んなわけないじゃん・・・でも・・なんか最近・・・」
と石川の体をなめまわす様に見た。

石川「えっ!!太った!!?私っ!?」
と自分の顔を指差しながら、叫んだ。

吉澤「ハハハッもー嘘だってばー」
と手を叩いて笑う。

石川「もーやめてよーよっすぃ〜」
と吉澤に倒れこんだ。
26 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時08分56秒
吉澤「あー初夢で思い出したんだけどー、最近見たよ変な夢」

石川「えっどんなの?」

吉澤「知りたい?」

石川「うん、知りたい。」

吉澤「うんとねー、梨華ちゃんとキスする夢」

石川「えっ?」
と目をまるくしながら、片手で口を押さえた。
その時、吉澤は石川の視線が一瞬自分の唇にいったのを見逃さなかった。
吉澤は、笑顔のままだった。

吉澤「たしかねー場所は、梨華ちゃんの家でー二人で炬燵に入って、
   梨華ちゃんのアルバム?を見てるのよ。」
真剣な趣で聴いている石川。
27 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時11分28秒
吉澤「そんでね、突然梨華ちゃんが『ねぇ、ヨッシィー。キスしたことある?』
   って聞いてくるの」

石川「えっ私がー?」

吉澤「そう、んで『したことないけど・・・したいの?キス。』
   っていったら『別にそういう訳じゃなくて・・・』って」

石川「え〜なにそれー」

吉澤「それで、私が『じゃなーにー?』って聞いたら、梨華ちゃん黙っちゃって
   ・・・。で『したいんでしょ?私と』って言ったら、頷くのー梨香ちゃん。」

28 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時15分04秒
石川「やーもーやめてー」
と耳を両方とも手でふさいで、テーブルにふせる。

吉澤「でね、聞いて、聞いて」
といいながら石川の腕を掴む。顔を上げる石川。
すでに顔が真っ赤になっている。

吉澤「『してもいい?』ってきいてきて、
   私が『梨華ちゃんだったら、別にいいよ』って言っちゃうのー。」

石川「え〜っ!?」
顔を赤くしたまま、眉を寄せながら吉澤の顔を見つめる。

吉澤「それでー、私が目を瞑ったら梨香ちゃんが重なってきたのー。
   で、そこで目が覚めちゃったの。」

石川「や〜!!」
と、またテーブルに伏せた。それから、足をバタバタさせ、地団駄を踏んでいる。
そんな石川の様子を見て、

吉澤「ハハハハッ」
と脳天気に笑う。
29 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時18分40秒
“うわー、梨華ちゃんからかうのオモロー。”
テーブルに伏せていた石川が急にガバッと顔を上げて、真剣な顔で

石川「ねぇ、したとき気持ち悪かったでしょ?」
と聞く。吉澤は、またからかいたくなる気持ちが湧いてきた。

吉澤「ううん。」
ゆっくりと顔を左右に振る。
そして石川の方に体ごと向けて、笑いを堪えながら真剣な表情を作った。

吉澤「梨華ちゃんなら全然平気だよ・・・わたし」
と、優しい口調でいった。お互い座ったまま向き合っている。
石川は、微動だにせず、不安そうな表情をしながら、吉澤を見つめたままだ。
すっかりマジになっている石川を見て笑いがこみ上げてきた。
数秒間お互い見つめ合って、石川が何か言い出そうとしたとき、
吉澤は限界に達して・・

30 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時21分20秒
吉澤「ぷっ、ぷははははっ」
と吹き出してしまった。目を丸くして、ボーぜんとする石川。

吉澤「梨華ちゃんからかうとおもしろーい!!」
と腹を抱えて爆笑する。

石川「もーーーーっ!!」
ポカポカと吉澤を叩く。

吉澤「はははっイタイイタイ」

石川「ひどいよ、よっすぃ〜。」
なんとか聞き取れるぐらいの声で、ボソッと言った。
唇をキュッと結んで、下をむいたまま動かなかった。

吉澤“ヤバッ!!”
と思った瞬間・・・・ポタッポタッと涙がこぼれ落ちるのが見えた。

吉澤「ごめーん、ちょっと調子に乗りすぎた。」
と慌てて言う。石川の肩に手を置いて、少し揺すった。
顔を覗き込もうとしたが、そむけてしまった。
31 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時23分10秒
とその時突然、吉澤の後ろで勢いよくドアが開いた。

矢口「おまたせー!!」
と元気よく入ってきた。
すぐに吉澤と石川の様子に気づく矢口。

矢口「君たちなにしてんの?」

吉澤「ハハハッ」
と後頭部をポリポリと掻く。

 *

 吉澤は、矢口に今までのことを全部話した。

・・・。
32 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時24分51秒
矢口「なんだそれ〜」
呆れた表情をしながらテーブルにグタ〜ッと倒れた。

矢口「泣くことないじゃ〜ん。梨華ちゃ〜ん。」
と石川の肩に手を置いて、揺すった。
すでに泣き止んでいたが、鼻をグズグズさせていた。

石川「だって・・グスッ・・・ビックリしたんだもん・・・・」
とかすれた声でしゃべった。

矢口「っていうかさ〜梨香ちゃんからかうとおもしろいよねー。」

吉澤「うんうん」
石川は、「ぷーっ」と膨れっ面になって二人を睨んだ。
33 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時27分14秒
矢口「プハハハッ。うそ、うそー。もージョーダンだって・・・。
   今日のラーメン、ヤグチが奢ってあげるから、機嫌なおしてくれたまえ。」
と石川の肩をポンポンと叩く。

石川「えっ!ホントですか〜?」
と急に笑顔になる。

吉澤「さすが先輩。」

矢口「フハハハハッ」
と腰に手を当てて立ち上がった。

34 名前:三文文士参号 投稿日:2001年09月18日(火)00時30分30秒
石川「矢口さぁ〜ん、どこのラーメン屋さんに行くんですかー?」

矢口「この辺にあるんだなー。ちょー美味いラーメン屋がっ!!
   ってまだ食べたことないんだけどね・・・。ハハッ。
   なんか雑誌に載ってたのがさぁ〜メッチャうまそーなのよ・・」

石川「へ〜・・・早く食べたーい」

矢口「じゃっ、ボチボチ行きますか?」

吉澤「行きますか」

 みんな帰る支度を済ませて、雑誌に載っている地図を見ながら、
矢口の言う美味しいラーメン屋を捜し歩いた。ようやく店を見つけたと思ったら、
五分程並んで待った。
そして三人は、長葱のいっぱい入ったとんこつラーメンを夢中で食べた。
             
              おわり

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