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ぬかづけ

1 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月17日(月)23時50分32秒
某所で細々と小説書いてたんですけど、移住してきました。
やぐちゅー、みちごまメインで、いしよしとかアヤ圭とか、
いろいろ短編で行きたいと思います。
2 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月18日(火)00時09分20秒
「なんだよぉ、もぉ!」
矢口は苛立ちとも泣き声ともとれる声でタオルを洗面台に投げ付けた。
さっきから中澤がまともに目を合わせてくれない。思わず泣きそうになった所で
トイレに逃げてきたのだ。もう十数分ここにいる。
中澤がすねている理由は明白だ。歌番組での企画「もし自分が男だったら
メンバーの誰を彼女にしたい?」という質問で矢口が「吉澤」と答えたから。
自分だって「矢口」って書いてくれなかったくせに。

だって、「裕ちゃん」なんて、書けるわけないじゃんか…。
3 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月18日(火)00時09分44秒
おお!いしよし期待してます
4 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月18日(火)00時14分37秒
「大人げないよ、裕子…」
「スマンな、大人げなくて」
ポツリと呟いた独り言への思いがけない返事に、矢口ははじかれたように入り口を
振り返る。そこには腕組をしてえらそうに中澤が立っていた。しかし、その表情は
態度とは相反して、なんだか情けなかった。

「裕ちゃ…」
思わず涙が出そうになり、あわてて後ろを向いた矢口を、中澤は後ろから肩越しに
そっと抱きしめる。
「ゴメンなぁ、矢口。裕ちゃん、ホンマ大人げないわ。裕ちゃん大人やけど、
 アンタに関してはまるっきり子供やねん」
矢口の髪に顔をうずめて話す中澤の声は、くぐもっていたが矢口には一言一句
はっきりと伝わってきた。
「頭ではわかってるつもりでも、アンタの全部、アタシのもんじゃないと、気が
 すまへんのや」
「アタシ短気やから、頭で理解するまでどうしようもなかってん。ゴメンなぁ」
「………」
5 名前:瑞希 投稿日:2001年09月18日(火)01時19分54秒
同じ板で「みちごま」が読めるなんて……(感涙)。
期待してます〜〜〜♪
6 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)21時44分15秒
やぐちゅー発見!(w
なんかちょっとリアルでいい感じ!
某所って何処かヒントでもいいので教えてもらえませんか?
7 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月18日(火)23時43分35秒
しばらく抱きしめられたままじっとしていた矢口だが、優しく髪を漉く中澤の
手に促されるようにぽつりぽつりと言葉をつなぎだした。
「矢口は…つっこむのは得意だけど、ツッコまれるとあがっちゃうから
 「裕ちゃん」なんて書けなかったんだ」
「うん」
中澤は目を閉じて矢口の言葉に耳を傾けている。
「実際、よっすぃ〜ってちょっとカッコいい系じゃん? だから、よっすぃ〜なら
 うまくそれらしい事コメントできると思っ……!」
不意に中澤が髪を漉いていた手を止めたかと思うと、矢口の顔をちょっと傾け
させ、頬に唇を落とした。
「ありがとな。ホンマに悪いんはアタシやねんのに」
「ほっ、ホントだよ! 裕ちゃんが子供地味たことでスネるから、矢口が
 こんなっ!!」
頬へのキスなんてもう数え切れないほどされてるにもかかわらず、真っ赤に
なって慌てた矢口はせきを切ったようにまくし立てる。
「だいたい、裕ちゃんだって「矢口」って書いてくれなかったじゃんか〜!!」
8 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月18日(火)23時52分07秒
その言葉に中澤はきょとんとした顔で言った。
「だって「彼女にしたい」メンバーやろ? 矢口はもうアタシのもんやから、
「したい」には当てはまらんやん」
「はぁ!?」
思わず大口をあけてぽかんとする矢口。
「裕ちゃん、矢口以外に彼女にしたいメンバーなんておらへん。せやから
「?(なし)」って書いたんや」
「………」
中澤の言葉を意味を徐々に理解し、それに比例して矢口の顔がみるみるうちに
赤味を増していく。

この人はなんでこうゆうことをさらっと言えるんだ…。

真っ赤になって口をパクパクさせ、まだ何か言いたげな矢口の手を取り、
中澤は楽屋へと歩き出した。
矢口は中澤の少し後を歩きながら、なんとか楽屋につくまでに真っ赤になった顔を
なんとかしようと、無駄な努力をしてみるのだった。

END
9 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月19日(水)00時11分51秒
レスありがとうごじゃいます。

>>3 名無しさん
やぐちゅー話の中に、ちょこっといしよし風味的なのを入れてこうと
思ってたんです…。そのうち、いしよしメイン話も書いてみたいですが。

>>5 瑞希さん
この板にみちごまがあったんで、ここにしたんです。
お互いがんばりましょ〜。

>>6 名無し読者さん
某所とは、もう閉鎖しちゃった地下に潜ってたサイトです。
どこからもリンクしてなかったので知ってる人はごく少数(のはず)

ストックがあるうちは更新早いですが、尽きるとマターリになります(爆
10 名前:名無し者 投稿日:2001年09月19日(水)00時19分41秒
やぐちゅー、みちごま、いしよしとツボつきまくりです!
アヤ圭は未経験なんでどう反応していいのかわかりませんが(w
みちごま期待してますー。
11 名前:瑞希 投稿日:2001年09月19日(水)01時01分28秒
矢口カワイイ〜〜〜〜!!

まあっ、なんてウレシイ…(涙)
「やぐちゅー」も大好きな私とツボおんなじ…?
がむばりましょ〜ね〜
12 名前:瑞希 投稿日:2001年09月19日(水)01時05分56秒
まあっ、そうだったんですか?
ウレシイです〜〜〜!! がんばりましょ〜!!

今回の「やぐちゅー」、可愛くてイイです!
「みちごま」大期待!!
13 名前:瑞希 投稿日:2001年09月19日(水)01時07分55秒
↑ゴメンナサイ、二重投稿みたいになっちゃった(滝汗)
14 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月21日(金)23時46分36秒
入浴剤「ごっちんの湯」編  みちごま
15 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月21日(金)23時48分34秒
今回のコンサートグッズには入浴剤があるそうだ。事務所もいろいろ考えるなぁ。
なんでも10種類の入浴剤にそれぞれ「矢口の湯」とか「なっちの湯」とか
決まってるらしい。
珍しく1人1箱ずつもらえることになった。

「ごっちんの湯」はクールミント。

ごっちんの湯がなんでクールミントなんやろ? ごっちんのイメージでクールっ
ちゅーのはほど遠いで。ミントでさわやかっちゅー方のイメージなんやろか? 
それにしても合ってない気ぃするけどな。クールでさわやかっちゅーイメージなら、
よっすぃ〜の方が合ってるやろ。まあ、吉澤もさわやかはともかくクールなのは
ぱっと見だけやけどな。
16 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月21日(金)23時53分18秒
「平家さ―――んっ!」 
ぐぇっ。お、重い…。いつものごとく、後藤が背中に飛び乗ってきた。最初の内は
飛びかかれる度に支えきれなくて倒れてたけど、最近はなんとかふんばれるように
なった。
「重いわ! いきなり飛び付くのやめぇ言うたやろ!」
「あはっ♪ だって久しぶりに会えたからさぁ」
無邪気に笑いよって。理由になってないような、なってるような…。だいたい
久しぶりったって1週間前に会うたやないか。

なんでか後藤はアタシを慕ってくれてる。アタシも後藤の無邪気な笑顔とか
めっちゃ好きやから慕ってくれるのは正直うれしい。
17 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月22日(土)00時01分32秒
「ね、平家さん。ごっちんの湯、入りませんか?」
そう言って後藤は自分に割り当てられたであろう箱から「ごっちんの湯」と書かれた
袋を取り出した。アタシはモーニング娘。やないから、当然入浴剤はもらってない。
まあ、試しにちぃと入ってみたい気もするし…。
「……くれるん?」
アタシのその言葉に後藤は「うんっ♪」と満面の笑みを浮かべ、心底嬉しそうに
答えた。か〜、その笑顔は反則やで。かわいすぎや。
「なんだったらみんなの「ごっちんの湯」も全部もらってきますから、毎日入って
 くださいよぉ」
いや、そこまでせんでええけど…。
18 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)03時26分20秒
後藤から「ごっちんの湯」を受け取ろうとしたら、手に触れる瞬間引っ込められて
しまった。ん?くれるんちゃうんか? 後藤はかわらずニコニコ笑ってる。
「今日、アタシんちで入りませんかぁ?」
はぁ? なんやねん、いきなり。
「平家さんち、お風呂せまいでしょ? うちなら広いし、どうせならゆったり
入って欲しいじゃないですか〜」
ああ、なるほど。たしかにうちはユニットバスやし。
「せやけど、おうちの人、ビックリするやろ? いきなりお風呂入りに来ました〜
ゆうたら」
後藤の家族には印象悪くしたないねん。アタシがそう言うのをわかってた、という
風に後藤はさらっと言った。
「あはっ、大丈夫ですよ。今日、うち誰もいないんで」
「あ、そうなん?」
19 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)03時28分52秒
したら、おじゃまさせてもらおうかなあ。広いお風呂なんて、コンサートで地方
行った時の温泉とかしかないし。最近ゆっくり湯船につかることもなかったしな。
「…ホンマええんか?」
「もちろん!じゃ、一緒に帰りましょう。それにしても、アレですね」
後藤が子悪魔のような笑みを浮かべて、思い付いたように言う。
「なん?」
「親がいない時にお泊まりってなんだか、やらすぃ〜」
アタシは自分の顔がカーっと赤くなって行くのがわかった。
「あはっ、平家さんかわいー♪」
なんで仲間の家、泊まんのがやらしいねん! 全く、大人をからかいおってからに。
なんか後藤相手だと調子が狂う。いつもあの子のペースに乗せられてる気ぃするわ。
20 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)03時31分19秒


「さ、どーぞ、平家さん」
「おじゃましまーす」
なんや、ごっちんちに初めて来たけど、初めて来た気がせぇへんな。うちの実家
みたいやわ。まあ、つまり下町やな。
ここがお風呂です、とごっちんが引き戸を開く。自分のマンションのお風呂の3倍は
ありそうなゆったりとした空間が広がっている。
「なんかアタシの実家のに似てるわ」
「あはっ、そうですか? じゃ、実家のつもりでくつろいじゃってくださいね」
お風呂、すぐに用意しますから待っててください、とごっちんの部屋に通された。
やっぱりココは、タンスとかあさっとくべきやろか…って、なんでウケねらわな
アカンねん。万が一、彼氏の写真とか出てきてもヘコむしなあ。……ヘコむ? 
べつにごっちんに彼氏がおったかてええやないか。なんでうちがヘコむねん。はて?
21 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)03時35分22秒

一人悩みながら待っていると、風呂の用意ができたらしく、後藤が戻ってきた。
「へーけさーん、お待たせしましたぁ」
また、あのふにゃ〜っとした笑顔。アタシ、ホントこの笑顔めっちゃ好きやなぁ。
なんだか後藤は何がそんなに楽しいのか、ごっつニコニコしとる。こん時、アタシは
気付くべきやった。後藤のその笑顔は、悪巧みしとるときの中澤姉さんと一緒の
もんやったことに…。
22 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)23時30分21秒
後藤が用意してくれたタオルを受け取り、自分の着替えを持って風呂場に向かった。
手早く服を脱ぎ、風呂場に入る。湯船にはゆったりとした淡いグリーンの湯が
張られていた。これがごっちんの湯かいな。クールミントなのに、緑なんやなぁ。
アタシはゆったりと湯につかり、一息ついたいた。そこへ…、
「じゃーん! ごっちんでーす!」
と、いきなり後藤が風呂場の引き戸を開けた。
23 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)23時33分45秒
ぶはっ! なんやねん、アンタいきなりっ。てか、なんで脱いでんの!? まさか…
とにかく前、隠しなさい、みっともない! 
慌てるアタシを全く気にせず、後藤は湯船に入ってきた。アタシは思わず、後藤に
背を向けたため、後藤と同じ向きに並んで入っている事になる。ふと、自分の胸元を
見て、後藤とのあまりの違いに少々ヘコむ。
「な、なんやの? いったい…」
それにしてもごっちんの行動が全く読めない。なんでいきなり一緒に風呂に入って
くんねんな〜??
「えへへ、これがホントのごっちんの湯〜、なんちて」
……それがやりたかったんかい…。
24 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)23時41分21秒
「なんでそっち向いちゃうんですかぁ? せっかく、ごっちんの湯なのに〜」
すねとる…。後ろを向いているので顔は見えないけど、めっちゃすねとるのはわかる。
すねた顔もかわいいやんな。でも、なんでって、そらアンタ。
「いきなり風呂入ってきたら、ビックリするやろ! 恥ずかしいやろ〜!」
いきなり入ってきたからビックリした? なんや、こんだけ心臓がバクバクいってん
の、それだけの理由じゃない気ぃする。姐さんと温泉行った時はこんなドキドキ
せぇへんかった。姐さんは貧乳…いやいや、微乳やしな。
って、そりゃ関係ないか…。
「裕ちゃんとは入ったのに、アタシはだめなんですかぁ?」
なんで知ってんねん。どこでそんな情報仕入れたんや…。
「姐さんと入ったんわ、温泉や。家風呂とは違う」
ごっちんの方をチラリと振り向いてつぶやく。なんや段々頭がボーっとしてきた。
25 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)23時44分18秒
「ん〜、でも裕ちゃんはやぐっちゃんが泊まりにくると、一緒にお風呂入るって
 言ってたよ?」
そんなノロケ話、ごっちんにすなや姐さん…。
「あの二人は普通の友達と違うやろ…」
あはっ、そーですね。と、またごっちんは無邪気に笑う。そしてその笑顔のまま、
とんでもないことを口走った。
「アタシも、平家さんとそーなりたいです」
はぁぁ!? そーなりたいって…ええっ!? アタシは思わず振り返る。
「な、なん?」
「平家さん大好きだから。平家さんは? アタシ、ちょっと自信あるんですけど」
アタシは自分の顔が一気に真っ赤になるのがわかった。ごっちんがいつも言って
くれてた好きって、そっちの好きやったなんて。本当に後藤は自信満々の笑顔で
アタシの答えを待っている。どないしよ。実際、めっちゃ嬉しいと思ってる自分が
いる。せやけど、今、ここ、お風呂やで? 今、アタシも好きやなんて言ったら、
いつも積極的なごっちんのことだから…その…。
ぐるぐると思考が回り、思わず後藤の胸元に目が行ってしまう。ごっちん、やっぱ
胸おっき…。
26 名前:入浴剤「ごっちんの湯」編 投稿日:2001年09月24日(月)23時48分06秒


ぽた…

「きゃあ、へ、平家さん?」
「へ?」
……アタシは、みっともない事に鼻血を出してしまった…かっこわる…。



「大丈夫ですか〜?」
ウチワであおぎながら後藤が尋ねる。あわててお風呂をあがり、今は後藤の膝枕。
さっきの鼻血は興奮とのぼせが重なったものらしい。ウチワの風がとても心地よい。

かぁ〜、めっちゃカッコ悪い。なんでこんな情けないヤツ、ごっちんは好きやって
言うてくれるんやろ。アタシのそんな疑問を感じ取ったのか、ごっちんがふいに
言った。
「平家さんって、ホントかわいいですね」
へ? かわいい? アタシが? こんな情けないのに?
「情けないんじゃなくって、かわいいんですよぉ」
アタシの大好きな、はにゃ〜んな笑顔。だめだ、もうずいぶん前からこの笑顔に
捕まっていた。アタシは半身を起こして後藤の髪を引き、すばやく一瞬口付ける。
「アタシも、ごっちんが好きや」
後藤は、何が起こったからわからなかったのか、一瞬の間の後、最高の笑顔を
アタシに見せた。

この笑顔がアタシの最高の幸せ。


END
27 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年09月24日(月)23時55分17秒
なんだか1レスの幅がバラバラですね…。もうちょっと合わせよう。
次はメール欄で書いてるネタで(w
1つの話が完結したら、ageる方向で行きたいと思います。
28 名前:瑞希 投稿日:2001年09月25日(火)00時05分44秒
みっちゃん、超情けなくてよいです〜〜〜♪
かわうぅい(^^)

29 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)00時55分40秒
平家さん、かわいい。
んで、自分的にはアヤ圭めっちゃ期待してます!
30 名前:名無し者 投稿日:2001年09月28日(金)00時21分03秒
ごまの「ふにゃ〜」な雰囲気がいいですね。
でも、しっかり押さえるとこは押さえていると(w

次回作に期待してます。
ガンガッテ!!
31 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年10月05日(金)21時05分40秒
>瑞希さん
みっちゃんは情けなくてなんぼですから(w

>29名無し読者さん
アヤ圭の需要があったとは、うれしいです。

>30名無しさん
ありがとうございます。ガンガリます!


やぐちゅーを書こうと思っていたのですが、先にまとまりそうなので
みちごま第2弾を。
32 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年10月05日(金)21時06分57秒


前回までのあらすじ

博士の野望の為、すべての能力が10倍になる改造をされた
柴田が研究所から逃げてしまった。その柴田を捕まえる為に
博士の助手、ミス・ヘイケは全ての能力が100倍になる
改造手術を受けた。
33 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年10月05日(金)21時08分08秒
研究所というよりは、さびれた診療所のようなみすぼらしい
部屋。平家が目を覚ますと、見なれた天井と博士の顔がぼん
やりと霞んで見えた。
「おめでとう、ミス・ヘイケ。手術は成功したよ」
博士はむっさい顔に不精ひげをはやし、暑くもないのに汗を
ダラダラ流しながら、爽やかに笑った(つもり)

改造手術成功…平家はその言葉に、嬉しさのあまり飛び起きた。
「う…」
イキナリ起き上がったため、平家は一瞬気を失うかと思うほどの
目眩に襲われる。もちろん、立ちくらみも100倍なのである。

気を取りなおし、マジマジと自分の手を見つめる平家。ふと、
目の前のテーブルに置いてあった、金属製のコップを手に取り
握り締める。

コップは平家の握り締めた手の形にひしゃげた。

「おおっ、さすがだなミス・ヘイケ」
博士は自分の手術が成功していることを、さらに目の当たりにし、
身震いをした。あの子供にも腕相撲で惨敗するという非力な平家が
金属製のコップを握り潰したのだから。
34 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年10月05日(金)21時09分52秒
しかし、喜んでいる場合ではない。柴田を捕まえなければ自分の
野望は達成できない。100倍能力の平家ではだめなのか?とか
ツッコんではイケない。
「よっしゃ、これなら勝てるで!」
右手に金属製コップを握り締めたまま、平家が勢い良く立ち上がる。
博士もやる気十分な平家にハッパをかけるべく、命令を下す。
「よし、ではさっそく柴田を捕らえるのだ」
そして二人の声が重なった。
「行け! ミス・ヘイケ!」
「ごっちんに!」

博士に一瞬の沈黙が訪れた。
「博士、今までお世話になりましたっ!」
博士が正気に戻る前に、平家は意気揚々と研究所を出て行ってしまった。
しかも、残して行った言葉からすると戻る気はないらしい。博士の
野望達成はまた1歩遠のいたが、平家の野望が達成に1歩近づいた。

平家の野望…それは後藤に腕相撲で勝つこと。以前、ハンデ付きの上
惨敗したことを、未だに根に持っていたのだ。
腕相撲で後藤に勝てる、そう思うだけで平家はうれしくてしかたが
なかく、思わずスキップで後藤の元まで行きたくなる。たかが腕相撲に
勝てそうなだけで、この喜び様。もちろん、うれしさも100倍だから。
35 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月12日(金)23時07分36秒
勝てるかな?
36 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月15日(月)02時07分50秒
続き待ち。
37 名前:瑞希 投稿日:2001年10月20日(土)02時11分54秒
続き、待ってます〜!
38 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年10月21日(日)23時10分01秒
「ごっちん、勝負や!」
後藤の部屋につくなり、テーブルに肘を立て構える平家。きょとんと
していた後藤は、平家にじっと見つめられ、はにゃ〜っと笑いながらも、
腕相撲の構えを取る。後藤は惚れた弱みか、平家の頼みは断れない。
ただしベッドの上以外では。

いささか緊張気味で真剣な表情の平家と、対照的にニコニコと笑って
いる後藤。後藤はまだ平家が100倍の能力を身につけているなどと
知る由もないのだから、気楽に構えていて当然だ。
「ええか? 時報が鳴ったらスタートや」
「うん」

ピッピッピッポーン

勝負は、一瞬だった。
39 名前:瑞希 投稿日:2001年11月04日(日)01時00分07秒
さ、作者さん…、焦らさないで……
40 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年11月27日(火)23時20分59秒
床に両手をつき、ガックリと肩を落とす平家。落ち込み方も100倍
だからものすごく暗い雰囲気をあたりに撒き散らしている。
「平家さん、大丈夫?」
一瞬でついた勝負、もちろん後藤の圧勝だった。0を100倍しても
0、…つまりそーゆーことである。
「100倍でも勝てへんなんて…」
平家がぽつりとこぼした言葉を後藤は聞き逃がさなかった。
「100倍って何ですか?」
今更、隠しても意味がないと思われたので、平家は100倍の経緯を
話した。
「はぁ、すべての能力が100倍に…」
イマイチ理解したのかわからない風につぶやく後藤。
「なんでアンタ、そないに力あんねん」
「あはっ、もちろん愛の力ですよぉ」
「はぁ?」
理由になっているのか、いないのかよくわからない後藤の即答に平家は
ハテナマークを頭上に飛ばす。そんな平家はさておき、後藤は意気揚々と
続けて話す。
41 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年11月27日(火)23時22分41秒
「アタシのバカ力は平家さんを守る為にあるんです。そのアタシが平家さん
 より弱かったらダメじゃないですか。だから平家さんが100倍強く
 なったら、 アタシはそれよりもっと強くなる。そうゆうことです」
一気に言いきり、しゃがんだままの平家に後藤はふにゃっとした笑顔を
向ける。わかったような、よくわからないような平家だったが、後藤の
笑顔を見ていたら、まぁいっかという気になってきた。後藤が「さ、
平家さん」と差し出した手を素直に取り、立ち上がる。
起きあがった平家の頬にかかった髪をはらおうと、後藤が手を伸ばした時…
「んっ…」
後藤の手が平家の耳に少し触れた。思わず漏れた艶っぽい声にはっとなり、
平家は慌てて口元を押さえる。一瞬で真っ赤になった平家とは対照的に、
後藤の頬が徐々に赤味をおびてきた。
42 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年11月27日(火)23時24分24秒
「平家、さん…?」
「や、なんもあらへん! ちょぉ顔洗って…」
と、洗面台の方へ逃げるようにきびすを返した平家の腕をとっさにつかみ、
背中から抱き締める。
「ちょっ…あっ…」
抱き寄せる勢いのまま、ふっと耳に吹きかけられた息にも平家は過剰に
反応してしまう。
「ね、平家さん。もしかして感じやすさも100倍?」
「そ…ん……はぁ…」
そう尋ねながら、後藤の手はシャツの上から平家の脇腹あたりを撫でる。
平家の言葉は言葉にならなかったが、いつもよりもさらに敏感な反応。
後藤にはそれは十分な肯定となった。



43 名前:サイボーグしばた 特別編 投稿日:2001年11月27日(火)23時28分03秒
ふと目を覚ますと、目の前に自分の大好きな後藤の、幸せそうな笑顔が
ボーっと見えてきた。段々思考がはっきりしてくるにつれ、平家の頬も
また朱に染まってくる。100倍感じやすくなってしまった平家は、
あっさりイってしまったわけで…。
「平家さん、100倍かわいかった」
照れ笑いを浮かべながら、そう言う後藤に平家はあまりの恥ずかしさから、
思わず頭から布団をかぶる。
「……怒っちゃった?」
少々強引にしてしまったため、そんな平家の態度を勘違いした後藤が
不安げに尋ねる。
平家はゆっくりと布団から真っ赤になった顔を半分出し、後藤と目が
合うと照れくさそうにそらし、言いきった。

「100倍大好きに決まっとるやろ」

END
44 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年11月27日(火)23時36分01秒
1話完結したのであげ。
遅くなってすいません。もうちょっと更新ペースをあげたい
とこですが。
やはり、短編なのに話の途中で更新が止まるのはどうかと思う
ので、今後は話を完成させてから一気にあげたいと思います。
その為、更新したらあげます。上がってなかったら更新してないと
思ってください。
45 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年11月27日(火)23時39分12秒
そしてオチバレ防止のため、1回更新ごとに2つ分レス進めます。
46 名前:甲田ビリティス 投稿日:2001年11月27日(火)23時40分58秒
次回更新は、やぐちゅーメインでいしよし風味…かな。
アヤ圭は教育が終わってから、あまり見なくて筆が進まない…。
47 名前:瑞希 投稿日:2001年11月27日(火)23時51分29秒
更新されてるっ、う、うれすぃ〜〜〜!!

やっぱりごっちん強かったのですね・・・。
愛の力は強し・・・。

次のやぐちゅーも楽しみにしております!!
48 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時04分01秒
わーいわーい♪やぐちゅーだー♪
49 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月30日(金)20時51分24秒
筆が進まないんですか・・・。
アヤ圭はかなり萌えるんだけど、誰も書いてくれないからなぁ。
でも、やぐちゅー良い感じなのであせらず頑張ってください。
50 名前:ホテルの怪談 投稿日:2001年12月31日(月)00時36分13秒
「しっかし、ボッロいホテルやなぁ」
「でも、この前の福井よりはいいよ。ベットは広いもん」
明日のコンサートの為、前日入りしたホテルの余りの古さに愚痴る亜依に、
希美はのん気にベッドの上を弾みながら言った。

ホテルの格は地方によってまちまちだった。その地方の主催者側が用意して
くれる為、今回のように娘。を呼んだだけでいっぱいいっぱいの主催者の場合、
宿泊ホテルがちょっと悲惨な場合もある。

しかも今回のホテルはワンフロアーに15室しかなく、その階はすべて事務所関係者で
埋まっていた。部屋は、左端の部屋から
飯田、安倍、保田、石川、吉澤、後藤、矢口、中澤、辻、加護。

このホテルはシングルルームとしては狭めの広さに、不釣合いなセミダブルの
ベッドが入れられている為、狭い部屋をさらに狭く感じさせていた。
51 名前:ホテルの怪談 投稿日:2001年12月31日(月)00時38分41秒
「まあ、ベッドは広いわな…」
「うん、ベッドが広いから亜依ちゃんと一緒に寝れるんだもん。私はこの部屋
 気に入ったよ」
屈託のない笑顔で希美にそう言われては、亜依は「そやな」としか言えなくなって
しまった。

亜依だって広い部屋の普通のシングルベッドよりは、希美と一緒にいられるセミダブルの方が
何倍もうれしかったから。
希美が自分の荷物を亜依の部屋に持ち込んで、二人は明日に備え、そうそうに
寝ることにした。

「……ゃん、…依ちゃん、亜依ちゃん!」
亜依は自分を呼ぶ大好きな声に薄っすらと目を覚ました。
「ん〜、なんや?」
まだ、はっきりとしない頭でヘッドボードの時計を見ると、まだ0時だった。眠りに
ついてから2時間たっていない。

「良かった、起きてくれた。あ、あのね…」

52 名前:ホテルの怪談 投稿日:2001年12月31日(月)00時41分09秒
照明は全開につけられていた為、亜依の視界がだんだんとハッキリしてくると、
希美が真っ青になっているのがわかった。
「なんっ!? のの、どないしたん? トイレがまんしてんの?」
「ちっ違うよ。トイレは今行ったんだけど…、なんか…変な音が…する」
「へ?」

希美がトイレに立って、用を足したあと亜依の横に戻り再び眠りにつこうとした
ところ、どこからかうめき声のような音が聞こえてくると言うのである。亜依は
まさかと思いつつも、古いホテルと言う事もあり耳を済ましてみた。
「………!」
確かに、なにか低いうめき声のような音がたまに聞こえてくる。

「うっわ、ホンマや! なんやねん、この音」
「ね、ね? 聞こえるでしょ? 亜依ちゃん、どうしよう…」
希美はすでに半泣きになっている。さすがの亜依もお化けは怖い。しかし、希美の
手前かっこつけたいというのを支えにきわめて冷静を装いながら提案した。
53 名前:ホテルの怪談 投稿日:2001年12月31日(月)00時43分48秒
「こないな時はやっぱり中澤さんに相談しよ、な!」
「う、うん」
54 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時15分59秒
「で、なんやこんな時間に。もう寝たんと違ったんか?」
とりあえず、電話をして裕子を部屋に呼んだ2人は、事の成り
行きを説明した。

一部始終聞き終えた裕子は少し意外そうにしている。なんでも
今までも多少こうゆうことがあり、ただ、その時は圭織が必ず
ホテルに入る前に嫌な感じがすると言うらしい。しかし、この
ホテルに入る時は何も変わった事は言ってなかったので、そう
ゆうのは出ないと安心していたそうだ。

飯田さんて霊探知機なんだ…と2人は妙な関心をしてしまった。

それはさておき、変な音がするのは事実なので裕子は部屋を調べ
始めた。まず、耳を済まして音のする方向を探っているようだ。
「ホンマに、なんか聞こえるな…こっちか?」
ぶつぶつ呟いていた裕子が、ベッドがぴったりと寄せられている
壁の方へ近づいたかと思ったら、ふと何かを思い付いたように
亜依に尋ねた。
55 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時19分21秒
「なぁ、加護はうちらの中で1番端の部屋だったよな?」
「そうです」
「ははぁ。と、言うことは…」
裕子はおもむろにヘッドボードに取り付けられた電話を取り、
どこかに電話をかけ始めた。亜依と希美は裕子の行動をおとな
しく見守っている。
「………でえへんな。出るまでしつこくかけたろ」

たっぷり1分は待っただろうか、希美が「出ないんだからいな
いんじゃないんですか?」と声をかけようかと思った時、
「あ、みっちゃん?」
やっと電話が繋がったようで、その相手はみちよらしい。そう
いえば、さきほど裕子が様子を伺っていた壁の向こう…つまり
希美とは反対隣りの部屋は平家さんの部屋だったっけ、と亜依は
ようやく思い出した。
56 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時22分25秒
「ほな、部屋移動させるし。頑張るのもええけど、ほどほどにな」
裕子はなんだか、ニヤニヤ笑いをしつつ電話を切った。裕子が
話していることしか聞こえてなかったから、電話の会話の内容は
結局なんだったのか亜依達にはわからない。裕子は裕子で「若いっ
てええねぇ」と独り言のようにつぶやいてから、亜依達に事の
結末を教えてくれた。

「みっちゃんな、オカリナの練習しててん」
「「オカリナ?」」
亜依と希美の声がハモった。セリフだけでなく、前に乗り出す
仕草までも見事にハモった二人がなんだかおかしくて、裕子は
含み笑いを漏らす。
「そや。今度のみっちゃんのライブでファンの子らに聞かせた
 いんやって。それで時間を惜しんで練習してたんよ」
そう言いながら、裕子はまたニヤニヤ笑いを浮かべた。どうも
その表情が府に落ちない亜依だったが、
「そっかぁ、お化けじゃないんだ。良かったぁ」
という、希美の安心し切った様子に、水を差すのも嫌だった
ので気にしない事にした。
57 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時24分54秒
結局亜依と希美は、みっちゃんはまだ練習したいみたいやし、
どうせ二人一緒に寝るんなら隣りの辻の部屋で寝たらどうやと
いう裕子の提案通り、部屋を移動することになった。そして
二人は朝まで一緒に幸せな眠りについたのだった。


裕子は二人が辻の部屋に移動し、ベッドに入ったのを見守ると
電気を消し、隣りの自分の部屋に戻った。
「変な音ってなんだったの? 裕ちゃん」
丁度、お風呂から出てきた真里が、頭をワシャワシャと拭きな
がら尋ねる。本来なら真里は、裕子の反対隣りの部屋なのだが、
当たり前のように裕子の部屋に来ていた。裕子はその問いには
「たいしたことないねん」とおざなりに答え、浴衣姿の真里を
マジマジと見る。
58 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時27分49秒
「な、なんだよぉ」
じっと見つめられ、なんだか照れてしまう真里。しかし、目線を
ハズす事もできず、顔が段々と赤味を増してくる。裕子はそんな
真里の様子に、にやけそうになるのを我慢し冷静う。
「アンタ、それ合わせ逆なんとちゃう?」
「えっ!?」
真里が自分の胸元を見た瞬間、腰を引き寄せられ裕子に抱き締め
られる。裕子は左手で真里の腰をがっしりと支え、右手だけで
器用に浴衣の帯を解く。
途端にはだけてあらわになる真里の素肌。お風呂上りなのでほん
のりピンク色の胸元が覗く。
59 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時33分14秒
「わわっ! イキナリなにすんだよ裕子!」
慌てて浴衣の前をかきあわそうとする真里の手を、裕子の手が
上からやんわり包み込む。
真里の鼓動は痛いくらいに早まり、それとは対照的にゆっくりと
裕子を見上げた。すると裕子はにっこりと微笑み、真里の浴衣の
合わせを直し帯を締め直した。
「え…あれ…?」
予想していたのと違う裕子の行動に、思わず真里は締めなおさ
れた帯を確認するかのように自分の身なりを見た。
「なんやアンタ、なんか期待したん?」
「…っ…!」
ニヤニヤと笑いながら尋ねる裕子に、真里は思わず何も返せな
かった。それは裕子の言葉を肯定してしまったも同然で。
60 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時36分28秒
「ほなら、アンタの部屋行こか」
裕子は真里の頭をたしたしと撫でると移動の準備を始める。
真里はまだ真っ赤な顔の熱を冷まそうと、ぱたぱた手であおぎ
ながら、なんで?といいたげに首をかしげる。
「ここ、壁薄いみたいやねん。ここじゃ隣りの辻と加護に聞か
 れてまう」
裕子の言わんとしてる事を察し、真里はせっかく収まってきた
顔の熱がまた沸点に達してしまった。それでもなんとか反撃
しようと「で、でも、矢口の反対隣りにだってごっつぁんが…」
と言いかけたが「おらんよ」という裕子の言葉にさえぎられた。

「え、なんで?」
真里は素直に思ったことを尋ねる。それに裕子は何でもない事の
ようにさらっと
「みっちゃんとこにおったから」
さっき辻加護に呼ばれたのはそういうこっちゃね。みっちゃんの
部屋、加護の隣りだからと告げた。
61 名前:ホテルの怪談 投稿日:2002年01月03日(木)23時40分08秒
え?てことは、みっちゃんとごっつぁんって…と予想だにしな
かったことに困惑し、頭の整理をしようと考え込んだ真里を
裕子が背中から抱きしめる。ピクリと揺れた肩に顎を乗せ、
耳元にわざと息がかかるように囁いた。
「矢口の声、他のやつには聞かせたない」
さっきまでとうって変って真剣みをおびた声。そのまま裕子は
真里の耳に唇を寄せた。
「…っ…ゆぅちゃ…」
真里はたまらず、その唇から逃れるように体を反転させ、真っ赤に
なったまま全く元に戻りそうもない顔を隠すかのように裕子の
胸に額をつけた。
「矢口の部屋、行こ?」
俯いたまま、それだけ呟くと裕子の腰にぎゅっとしがみつく。
その言葉に裕子は満足そうに笑うと優しく抱きしめ返した。

END
62 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年01月03日(木)23時46分40秒
予告と違う物ですいません。どこがイシヨシ風味なのやら。
えらい前に書き始めて放置してあったものを手直ししたので、
設定的にはまだ裕ちゃんは娘。です。
63 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年01月03日(木)23時50分25秒
次回は今回の話のサイドストーリーを予定。予定は未定ですが(氏
みちごまとかイシヨシとか。
64 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年01月03日(木)23時52分36秒
1ヶ月以内には更新したいです。
65 名前:瑞希 投稿日:2002年01月04日(金)00時06分10秒
期待した矢口、可愛い…(萌
なるほど、みっちゃんはオカリナか…。

更新、お疲れ様です!
サイドストーリーも楽しみにしてます!!
66 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)12時55分41秒
オカリナの練習で年少組ビビらせたって話、ありましたね(w
もう一昨年か…懐かしー。ってか単独ライブ行きたかったなぁぁ。。
みっちゃん、今年こそは東名阪で…!<話ズレすぎや。

電話の向こうで真っ赤になってるだろう平家さん萌え。
みっちゃんがオカリナやったら、矢口はなんやろぉ?<氏ね。
次回更新も楽しみにしてます。特にみちごま♪
でも予定変更になってもそれはそれで良いですよー。
自分、作者さんとは好きなカップリングが近い気するし(藁
67 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年02月27日(水)00時51分20秒

今週末にホテルの怪談、みちごま編をうp予定です…。
68 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)22時02分21秒
それは、それは・・・。
非常に楽しみ。
ありがと。
69 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月03日(日)00時50分01秒
今回のツアーも平家さんと一緒♪ 
しかも今日のホテルはセミダブルベッドのシングルルーム。
これはもう、行くっきゃないでしょ?

と、いうことで即実行。
ちゃっちゃとシャワーを済ませて、平家さんの部屋へGO!
部屋のインターホンを鳴らしたらすぐにドアが開いてびっくり
した。

「いらっしゃい」
平家さんは綺麗な笑顔でそう言うと、スタスタと中に戻って
行く。

「どしたん? 入り」
あんまりびっくりしたんで、ドアの前で立ち尽くしたアタシに
平家さんが不思議そうに声をかけた。
我に返ったアタシは慌てて中に入る。後ろでバタンと自動的に
ドアの閉まる音がした。
70 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月03日(日)00時51分19秒
「あ、危ないじゃないですか」
「ん? 何が? 後藤はアクエリでええ?」
そう言って投げてきた缶をキャッチした。平家さんはコーラの
缶を手にしている。

「確認しないでドア開けたりしちゃ。危ない人だったら
 どーすんですか。平家さん非力なんだから、襲われちゃ
 いますよ?」
アタシの言葉に、平家さんはきょとんとしてた。と思ったら、
何か一人でうんうんうなづいている。
「あ、そっか。そやな。でも、なんでやろ? なんかな、
 今日はチャイムが鳴った瞬間にアンタやって気がしてん。
 これからは気ぃつけるわ」
その言葉に今度はアタシがきょとんとする番。そういえば
平家さん、ドアを開ける前からアタシだってわかってたっぽい
感じだった。なんで? もしかして平家さん…
「アタシが来るの、待っててくれたの?」
71 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月03日(日)00時55分02秒
平家さんがコーラを飲む手が止まる。徐々に顔に赤味が増して
きて、ゆっくり缶から口を離した。
「そう、かもしれん、な」
うつむき加減でアタシをチラッと見てそう言う平家さんに
アタシの心臓はもうドッキドキだった。

へ、平家さんかわいすぎる!!
アタシは嬉しさのあまり、思わず平家さんに抱きついた。
「わっ、バカ。コーラがこぼれ…んっ…」
半分押し倒しぎみにそのまま平家さんの綺麗な唇に口付ける。

軽く触れるだけのキスから段々深いものにしていく。上唇を甘噛みし
舌でノックすると難なく迎え入れられた。右手で平家さんの
体を支えて、左手で平家さんがもう少しで落としそうになってる
コーラの缶を受け取ると、手探りでその缶をベッドボードに置く。
「…ふ…ん…ごっち…」
そのままアタシは平家さんの首筋に唇を移動させ…ようとした
ところで
「あ、アカン!」
両手で顔を押し戻されてしまった。
72 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月03日(日)00時57分54秒
平家さんはまだシャワーを浴びてなかったとかで、そそくさと
支度を整え、バスルームに入ってしまった。

アタシは別に気にしないんだけどな。

でも、普通の日ならともかく、今日はライブがあった。平家さんの
気持ちもわからなくないから、おとなしく待ってることにする。

手持ちぶたさで部屋を見まわしてみると、さきほど手探りで
置いたコーラの横にオカリナが置いてあるのが目に止まった。

わざわざ遠征先にまで持ってくるなんて、そんなにオカリナ好き
なのかな?

なんとなく手に取って吹いてみる。なかなかこれが難しい。
そんなこんなでしばらく立つと、平家さんが浴衣に着替え
頭を拭きながら出てきた。湯上り浴衣姿の平家さんはいつも
以上に綺麗で、アタシは思わずしばらく見とれてしまった。
73 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月03日(日)01時00分58秒
平家さんはボーっとしているアタシの手元に気がつくと
ちょっと照れたように鼻の頭を掻いた。
「あー、それな。今度ライブでやるねん。練習する時間が
 足りんくてな」
その言葉にアタシの表情がちょっと曇る。だって…
「アタシ…今日、邪魔…だったかな…」
平家さん、本当はオカリナの練習したかったんじゃない
かなって思って。
そしたら平家さんはすごく慌てた感じで否定してくれた。
「そんなことあらへん! ごっちんが邪魔なことなんて
 いつだってない」
オカリナを持ったアタシの手を両手で包み込んで、あまりにも
真剣にアタシの目を見てくる平家さんにグッときた。
アタシはもう平家さんの言葉が嬉しくて嬉しくて、ゆっくりと
俯いた。そうしないと泣いちゃいそうだったから。
74 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月03日(日)01時07分58秒
前髪がかきあげられたかと思ったら、額に平家さんの
唇の感触。顔を上げると心配そうな平家さんの顔があった。
「平家さん…」
「ん?」
「アタシ、平家さんのオカリナ聞いてみたい」
平家さんは微笑を浮かべると「ええよ」とオカリナを手に取った。

綺麗な旋律。暖かい音色。
さっきアタシが適当に鳴らした音とは全く違う。
アタシは平家さんの奏でる「大きなのっぽの古時計」に
しばらく聞き惚れていた。
最後の1音が流れて、しばし余韻に浸った後、アタシは思わず
拍手をしていた。
「平家さん、すごい、すごいです。後藤感動しちゃいました」
心からの絶賛。平家さんはちょっと照れた感じでオカリナを
バックにしまった。

「結構上手いやろ?」
「はい! ジーンとしました」
アタシは素直な感想を口にする。アタシのその言葉に平家さんは
嬉しそうに笑ってくれた。その笑顔にアタシの心臓がまた跳ね
あがる。
75 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月03日(日)01時10分03秒
また平家さんを押し倒したい衝動にかられ、必死に押さえる。
あ〜、どうしてアタシって、こうケモノなんだろ〜って
ちょっと自己嫌悪してるところに、平家さんから思いがけない
言葉を聞かされた。
「したら、ご褒美くれん?」
「え? ご褒美?」
心なしか平家さんの顔が赤い気が。と、困惑していたら…

ちゅっ

てキスされた。触れるだけの軽いキスだったけど、アタシは
自分の顔がみるみる赤くなって行くのがわかった。
「最高のご褒美やね」
平家さんはたぶん、アタシと変らないくらい真っ赤な顔して
そう言った。そんなことされたら止まらなくなっちゃうじゃ
ないですかぁ〜!

アタシはそろそろと右手を伸ばすと平家さんの頬に触れる。
平家さんは目を閉じてアタシの右手に頬を摺り寄せたかと
思うと、そのまま手のひらにキスをした。そしてチラッと
アタシを見る。

もしかして、もしかしなくても平家さん、誘ってる?
76 名前:名無し読者で 投稿日:2002年03月03日(日)01時49分45秒
やぐちゅーが読みたいっ
77 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月04日(月)21時12分25秒
知らない間に更新されてる!!
やっぱりみちごまは・・・イイ!!!!
頑張ってください!もう〜、平家さんたら可愛すぎる!
78 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月04日(月)21時13分01秒
やっちまった〜〜〜!!あげてしましました・・・
本当にごめんなさい(必死
79 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)22時35分13秒
みちごまいいっすね!
その後のやぐちゅーも気になる。
甘いの大歓迎!
80 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年03月07日(木)13時19分05秒
その後のやぐちゅーで救済編っちゅーと、エロっすか!?(w
みちごま編の次はイシヨシ編の予定だったのですが。
がんがってみます。

>78さん
まあ、気にしないでください。レス頂けてうれしいですから。
81 名前:そこらへんの人 投稿日:2002年03月07日(木)13時50分46秒
みちごま(エロ)キボーン
82 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月16日(土)00時43分15秒
アタシは高鳴る心臓を押さえながら、左手を平家さんの
腰に回し、ゆっくりと顔を近づける。段々と近づくに連れ、
平家さんの綺麗な瞳が細められていく。アタシはなんだか
目を閉じるのがもったいなく感じて、唇が触れる直前に
そっと閉じた。


ベッドに並んで腰掛けたまま、何度も角度を変えながら
平家さんの唇を味わい尽くす。。差し入れた舌は難なく
迎え入れられ、含みきれなくなった唾液が平家さんの
顎を伝う。

それを舌で舐め取りつつ、そっと体重をかけて押し倒す。
そのまま唇を耳へ移動させると平家さんの体がビクリと
揺らいだ。
83 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月16日(土)00時46分37秒
「んっ…」
「平家さんって、耳、弱いよね」
甘噛みしながら、そう耳元で囁いてみる。
「そん…なこと…」
否定の言葉。でも、体は素直ってこうゆうこと言うんだ
ろうな。耳だけでこんなに言葉が途切れちゃってるのに、
説得力ありませんって。

浴衣の合わせ目から手を滑り込ませて、胸元をはだけさせると
その先端はすでに立ちあがり始めていた。
「平家さん…」
左手で右胸をそっと包みこむと、もう片方の胸に唇を寄せる。
優しく揉みしだきながら、舌で突つくようにするとさらに
平家さんの呼吸が短くなっていく。
84 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月16日(土)00時51分19秒
「あ…はぁっ…ぁっ……」
平家さんの手はアタシの頭を抱きしめてる。帯を解き、腰を
撫でていた右手を徐々に中心へと移す。
「んんっ!」
下着の上からなぞるとまた平家さんの体が大きく揺らいだ。
そこは下着の上からでもわかるほど、すでに十分に潤って
いて。

アタシはアバラを数えるようにして唇を段々と下に移動させる。
途中おへそに寄り道してから、秘部に舌を這わせた。
「あっ…あ…んっ…ご、ごっち…はぁっ」
平家さんがアタシの名前を呼んでくれる。うれしくて愛しくて
しかたがない。
85 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月16日(土)00時54分04秒
溢れ出る蜜を舌ですくい取り、吸い上げる。呼吸をしているかの
ように、ヒクヒクと痙攣しているそこに指をあてがった。
「…いい? 平家さん」
平家さんが小さくうなづいたのを確認して、指を押し進めようと
した時…

♪〜♪〜♪〜♪〜♪♪

思わず固まるアタシ。なんでこんな時間に電話がかかってくるん
だよぉ〜! いいや、シカトしちゃえ。

アタシは構わず、あてがったままだった指に力を入れる。
「あっ…アカン…電話出な…」
力の入ってない腕で肩を押し返されちゃった。部屋の電話だから
マネージャーかも知れないって。アタシはしぶしぶ平家さんの
上からどいた。
86 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年03月16日(土)00時57分18秒
平家さんは少し呼吸を整えると、受話器を取った。
「はい、平家です。は? 裕ちゃん?」
裕ちゃん!? 電話かけてきたの裕ちゃんなの? なんだよ、
裕ちゃんもやぐっちゃんと一緒なんじゃないのかよ〜! 

でも電話の相手は裕ちゃん。そうとわかったら、アタシの中に
いたずら心がムクムクと沸きあがってきた。
「え、何してんのって…その…あ、そう! オカリナの練習を…」
背中を向けて、受話器を両手で抱えて話している平家さんに静かに
近づき…
「ひぁっ!」
後ろから胸をわしづかみ♪ 平家さんは思わず出しちゃった声に
慌てて通話口を押さえた。でも、やっぱり電話の向こうにも
聞こえたみたい。
87 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年03月16日(土)01時05分18秒
ちょっと助平な展開になったら、行き詰まっちゃいまして…。
完結してからうpしようかと思ったんですが、あんまり間があくのも
なんですので、また途中までうpしちゃいました。3月中には完結させ
たいです。

レスくださる方、ありがとうございます。とても励みになります。

88 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月17日(日)22時32分50秒
おおおお・・・。助平ですね・・・。
獣なごま萌え(w
89 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月17日(日)23時33分37秒
は、はやく続きが読みたい(早)
90 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月20日(水)16時21分45秒
へーけさん…かわいい!
作者さんのみちごま1番好きかも(W
他に書いてる作品あったら教えてください!!
  
91 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月24日(日)16時56分17秒
続きが気になる〜〜〜!!!!
92 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月03日(水)08時00分50秒
あの・・・4月ですが
93 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年04月12日(金)00時02分12秒
「ははぁ、そうかい」
受話器ごしに聞こえた裕ちゃんの声は心なしかニヤけ気味。さすが
裕ちゃん、察しがいいね。
「ほな、部屋移動させるし。頑張るのもええけど、ほどほどにな」
そう言って電話は切れた。受話器を戻し、平家さんが真っ赤な顔で
振り返ったところを肩越しにキス。そのまま後ろに引くように
押し倒し、体中にキスの雨を降らす。

「んもぅ…ふ…電話中に…ん…なんてこと…すんねや」
キスの合間に平家さんが抗議する。でも、聞く耳持ちませーん。
だって、あんなとこでおあずけ食らったんだよ? いたずらの
ひとつもしてみたくなるじゃん。
94 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年04月12日(金)00時04分33秒
でも、あんなとこで止められて、平家さんの方が辛かったよね。
脇腹をさするだけでビクビクと過剰すぎるくらいの反応が返って
くる。さっきの余韻が残ってる証拠だよ。しばらくわざと1番
敏感な部分は避けて、平家さんの滑らかな肌を堪能する。
「う…ん…はぁっ…ごっちん…」
平家さんの腕が、またアタシの首へと伸びてくる。声を塞いで
しまうのがもったいなく感じられたけど、求められるまま唇を
重ねていく。

「も…いじわる…せんといて…」
そう懇願されて、ずっと内腿を撫でていたことに気付いた。
内腿を撫でていた手を徐々にずらし、そっとそこに触れる。
軽く擦るだけで耳に届く水音。先ほど以上に蜜を溢れさせている
そこは十分アタシを受け入れてくれそうだった。
95 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年04月12日(金)00時06分13秒
「くっ……んんっ……」
ゆっくりと指を平家さんの中にしずめる。切なげに歪められる
綺麗な顔にアタシの鼓動もドンドンと早まって行った。
もっと乱れる平家さんが見たくて、でも壊したくなくて
攻めたてる指の激しさを徐々に徐々に優しく強くしていく。
「はっ…あぅ…んっ…ぁ…――――っ」
平家さん、平家さん、平家さんっ!!



平家さん大好き…

96 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年04月12日(金)00時07分51秒



「…っちん朝やで。そろそろ起きぃや」
んぁ? もう朝? あはっ。何時に寝たのか覚えてないや。
アタシを揺り起こす腕をふいにつかみ抱き寄せる。
「わっ」
バランスをくずした華奢な体がアタシの上に倒れこんだ。
やっぱ朝はおはようのちゅーだよね♪ ん〜っと唇を寄せたところで
「ふがっ」っと手のひらで阻まれた。
「アカン、時間ないねん。はよ支度しぃ」
素っ気なく拒否されちゃった。んも〜時間ならまだ…8時45分。
今日の集合は? ロビーに9時。
97 名前:ホテルの怪談 みちごま編 投稿日:2002年04月12日(金)00時08分55秒
うわっホント時間ない! 平家さんもついさっき起きたばかり
なのか、慌てて支度してる。昨日はホントがんばりすぎちゃった
よぉ。ソッコー10分で支度を終えた。お化粧は移動のバスの
中でいいや。
「平家さん、忘れ物ない?」
部屋を出ようとしたところで振り返ったら、キスされた。
「今ので全部。ほな行くで」
一瞬ぼーぜんとしてしまったアタシの横をすり抜ける。その横顔は
朱に染まってた。あーもー! するいよ平家さん!

後藤、今日も1日がんばっちゃいます。


END
98 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年04月12日(金)00時18分50秒
遅くなって申し訳。
エロがね、ホント行き詰まりまして。エロは打ち止めっす。もう書けない…。

これからも有言不実行をモットーにやっていきたいと(氏

こんな拙い小説を好きと言ってもらえるなんて随喜の極みです。
ありがとうございます。ちなみに、この板以外で書いてる小説は
ないです。

有言不実行のくせに次回予告はしたがるタイプなので、次回予告を。
次回予告:ホテルの怪談 いしよし編
99 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月22日(月)17時43分34秒
サイコーでした!みちごま!!ここの小説かなりツボです(^^)
次回は「いしよし」ですか! めっちゃ期待して待ってまーす。
100 名前:ホテルの怪談 イシヨシ編 投稿日:2002年05月03日(金)00時03分30秒
今日のごっちんは、なんだかハイテンション。
いつもは結構ぼーっとしてるのに、ライブ中もかなり
気合入ってたな。
「んっふふふふ〜ん♪」
うわっなんか鼻歌歌ってるよ、こわっ!

「キショいよ、ごっちん」
正直にツッコむ。でも、ごっちんは全然怒んない。
なんでそんなに嬉しそうなの?
「あはっ、今日は平家さんの部屋行っちゃおうと思ってさぁ」
あー、今日のホテルはシングルだったっけ。
ツインだと平家さんはマネージャーさんとかと同室だから
行けないもんね。
101 名前:ホテルの怪談 イシヨシ編 投稿日:2002年05月03日(金)00時04分45秒
「でもさ、シングルなのにセミダブルベッドのせいで部屋狭いよね」
アタシ的にはツインの方がうれしいんだけどな。ツインなら
だいたい梨華ちゃんと同室になれるし。
「なに言ってんのよっすぃ〜。部屋が狭い方がくっつけていいじゃん」
あ! なるほど。ちょっと目から鱗が落ちる思いだよ、ごっちん。
そうかぁ。部屋が狭いと必然的に近くに寄っちゃうもんな。
「部屋が狭くても、ベッドが広いから落ちなくて済むしさ」
うんうん、ベッドが広ければ落ちない…ん? ベッドから落ちそう
になることってそうそうないじゃん。一人で寝る分には…って、
「えっ! ごっちんと平家さんって、そこまで行ってんの?」
思わず言っちゃってから慌てて口を押さえたけど、もう遅い。
「そこまで?」
うぅ、ごっちんがきょとんとして訊いてくる。誤魔化せそうも
ない。正直に言うしかないか。
「や…だから、その…エッチとか…してるのかなって…」
アタシと梨華ちゃんなんてまだキスしか。そりゃ平家さんは大人
だけど。でも付き合い始めたのはうちらのが先だったよね?
「やだぁ、よっすぃ〜! そんな事訊かないでよ。あははははは!」

ドフッ!
102 名前:ホテルの怪談 イシヨシ編 投稿日:2002年05月03日(金)00時06分06秒
ぐふぅ…ごっちんは照れ隠しに、アタシの腹にワンパン入れて、笑い
ながら去って行った。自分の怪力を考えてツッコんでよぉ。
でも、あうゆう反応するってことは「してる」ってことだよね。


アタシだって梨華ちゃんと…その…したいなって思ったことはあるよ。
あー、ごめんなさい。正直に言います…って誰に言い訳してんだ、
アタシは。実は最近は結構しょっちゅう考えちゃったりしてます。
実際そんな雰囲気になったこともあるし。
でも、でもさ! 確かに梨華ちゃんもアタシの事、好きだって言って
くれたよ? キスすると嬉しそうに笑ってくれるし。でも、それ以上の
コトもしたいって思ってるのはアタシだけだったら? やっぱ怖いよ…。

一人悶々と悩んでいたアタシは、一部始終を見ていた人物の存在には
全く気がついてなかった…。
103 名前:ホテルの怪談 イシヨシ編 投稿日:2002年05月03日(金)00時07分26秒




セミダブルベッドに横になってボーっとしてると、隣りのごっちんの
部屋からのシャワーの音が止まり、しばらくして出て行った。
あー、いいなぁごっちん。平家さんトコ行ったんだ。
アタシも梨華ちゃんのトコ行こうかな…でも、もう遅いしなぁ。

コンコン。

ふいにノックが聞こえた。
「はい?」
「梨華です」
アタシはベッドから飛び起き、急いでドアを開ける。
「どうしたの? こんな時間に」
「なんか出そうで…一緒に寝よ? だめ?」
なんですとぉ! そんな嬉しいコト、アタシが断るわけないじゃんか。
一つ返事でOKすると梨華ちゃんを部屋に招き入れた。
 
でも、アタシ我慢できるのかな…。
104 名前:ホテルの怪談 イシヨシ編 投稿日:2002年05月03日(金)00時08分15秒
なるべく自分を刺激しないように梨華ちゃんに背を向けてベッドに
入る。さっきあんな話題でごっちんと盛りあがっちゃったから、
いつも以上に鼓動が高まっちゃう。平常心、平常心。
「よっすぃ〜…」
! ふいに梨華ちゃんがアタシの背中にぴったりとくっついてきた。
うおぁあああぁ! 理性を総動員出撃! 平常心、平常心!
「アタシのコト、嫌いになった?」
ぅえ? 全然! 大好きです。
「ごっちんのが好き?」
はいぃぃ? なんで? わけわかんない。怖くて振り向けない。
「よっすぃ〜がごっちんに…その…エッチがしたいって
 言って殴られてたって聞いて…」
げ、さっきのごっちんとの会話、誰かに見られてたのか。
てゆーか、それ全然違うし!
105 名前:ホテルの怪談 イシヨシ編 投稿日:2002年05月03日(金)00時08分55秒

「ちっ違うよ! アタシがエッチしたいのは梨華ちゃんとだよ!」
思わず振り返って梨華ちゃんの肩を掴む。あ。言っちゃった。
梨華ちゃんの顔は泣きそうだった。でも、徐々に恥ずかしそうに
赤味を増して行く。
「ホント?」
言葉で返せず、何度もうなづいた。心臓はヤバイくらいに早く脈打って
いる。い、いいのかな? 我慢しなくていいのかな?
上半身を起こし、梨華ちゃんを見下ろす。するとアタシの首に
梨華ちゃんの腕が巻き付いて、そのかわいい唇が動く。
「アタシも、ひとみちゃんとなら…したい、な」
恥ずかしそうに、でもそうはっきりと。
神様、ありがとう! 理性さんさようなら!
106 名前:ホテルの怪談 イシヨシ編 投稿日:2002年05月03日(金)00時09分31秒
ふと、まぶしさに目が覚める。目の前には愛しい人の寝顔。
昨晩は下がりっぱなしだった眉毛も今は落ち付いている。

梨華ちゃんめっちゃかわいかった。

繋ぎっぱなしだった手に、幸せを噛みしめる。しばらく寝顔を
眺めていると梨華ちゃんが目を覚ました。
「おはよ」
額をコツンとつけてから、キスをする。なんだか恥ずかしい。
「またしようね」
ぶはっ! はにかんだ笑顔でそんな事言われて、断れますかっての!
ま、断る気なんかさらさらないけどね。アタシは答える代わりに
もう1度キスをした。

END
107 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年05月03日(金)00時13分00秒
イシヨシ編終了です。短いけど。
108 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年05月03日(金)00時16分48秒
最初に考えてたのとだいぶ違う話しになったような。
最初どんなの考えてたのか自分でも思い出せないけど(爆
109 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年05月03日(金)00時17分38秒
今回はエロじゃないのであげときます(w
110 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年05月03日(金)00時19分26秒
次回予告。ホテルの怪談最終回。アヤ圭編。ちょっとだけかおなち。
イシヨシ編より短い予定(氏
111 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月04日(土)19時18分27秒
っしゃあ!
楽しみにしてますよ。
112 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月06日(月)15時40分53秒
エロシーン省略はちょっと惜しい……
眉がどーして下がりっぱなしだったのか詳細は妄想は膨らむばかりです。

イシヨシ編より短いアヤ圭にも期待してます。
113 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月05日(水)23時40分18秒
待ってるよう。
114 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年06月05日(水)23時58分03秒
エロは難しすぎて。書きたい気は存分にあるんですけど(w

待っててくださってありがとうございます。
誕生日前には終わらせますので、もうしばらくお待ちを…
115 名前:ホテルの怪談 アヤ圭編 投稿日:2002年06月19日(水)23時55分14秒
なんなのよ、なによ、もう!
いつもは「んぁー」とか言ってやる気がないくせに、今日の
後藤のあの張り切りようは何!? 

「キショいよ、ごっちん」
あまりのハイテンションぶりに吉澤にまで突っ込まれてる
じゃない。

「なんなのよ。ねぇ?」
同意を求めるようにそばにいたなっちに振り返る。
「まぁ、やる気になってるんだからいいべさ」
なんだか訳知り顔の苦笑でなっちが答える。

そりゃ、やる気がないよりあった方がいいわよ?
でもなんか、今日に限ってのそのやる気の出すぎなとこが
なんだか怖いってゆーか…なんでそんなに今日はやる気満々
なのかしら。

「あはっ、今日は平家さんの部屋行っちゃおうと思ってさぁ」
なるほど…。普段は同じユニットにいるわけじゃないから、
たまに一緒の仕事の時には張り切ってたのね。わからないでも
ないけど…って、あっちのやる気も多分に含まれてる気がするわ。
116 名前:ホテルの怪談 アヤ圭編 投稿日:2002年06月19日(水)23時56分17秒
――――――――――
117 名前:ホテルの怪談 アヤ圭編 投稿日:2002年06月19日(水)23時57分42秒
ホテルへと戻る前に夕食を済ませて来た私達はロビーで挨拶を
交わすと各々の部屋へと帰る。当然のように、矢口は裕ちゃんの
部屋に入って行ったけどね。それにしてもホント、なんかが
出そうなくらいボロいわね、このホテル。辻が最初見たとき、
そーとービビってたのも無理ないわ。

アタシも自分の部屋に入ろうとした時、後ろから服を引っ張られた
ような感じがして振り返る。そこには石川がいつも下がりぎみな
眉をさらに下げて、申し訳なさそうにアタシの服の裾を持っていた。

「…ちょっといいですか?」
とりあえず部屋に招き入れる。
そういえば、後藤とは対照的に今日は石川がいつにも増して暗かった
ような。冷蔵庫からミネラルウォーターを2本取り出して1本を
石川に渡す。
「で?」
簡潔に促すと、一瞬の沈黙の後、ペットボトルを握り締めたまま
消え入るような声で石川が呟いた。
「あの…今日、一緒に寝てもいいですか?」
「はぁ?」
「このホテル、なんか一人でいると怖くて…」
いきなり何言ってんの、この子は。辻加護ならともかく、16にも
なって。大体そんなこと吉澤に頼みなさいよ。
118 名前:ホテルの怪談 アヤ圭編 投稿日:2002年06月19日(水)23時58分25秒
「よっすぃ〜はだめなんです」
なんでよ。アンタ達付き合ってるんだから、アタシなんかに
頼むよりよっぽど道理じゃない。
「最近のよっすぃ〜、なんか変なんです」
吉澤はいつも変だと思うけど。

「二人きりになると、妙にそわそわしたり、慌てて飛び離れたり、
 いきなり4桁以降が間違った円周率を呟き出したりするんですぅ」
…吉澤。アンタ…男子中学生じゃないんだからさぁ。
アタシはガックリと肩を落とした。石川も石川よ。なんでそんな
わかりやすいのにわかんないのよ。てゆーか、吉澤もあの子と一緒で
自信満々タイプだからとっくだと思ってたけどまだだったのね。
だからさっき、あんな話で後藤と盛り上がってた、と。
119 名前:ホテルの怪談 アヤ圭編 投稿日:2002年06月19日(水)23時59分03秒
「アタシといると楽しくないみたいだから…」
はぁ〜、そんなわけないでしょう。なんでこう、ネガティブに考える
のかね、この子は。逆よ、逆。もっとポジティブになんなさいよ。
「逆って?」
「吉澤、さっき後藤とエッチがしたいだかなんだかで盛り上がって
 たわよ、そういうこと」
石川が固まった。真っ赤になるかと思ったら、なんだか段々青白く
なって行くような? や、違う、青黒くだわね。んなことは
どっちでもいいか。
「ごっちんとエッチ…殴られ…」
ん? 固まったまま小声で呟いてるけど、なんか意味取り違えてる?
あーもう、石川のネガティブ思考に付き合ってたら夜が明けるわ。
とにかくアンタは吉澤の部屋行きなさい。絶対に大丈夫だから。
120 名前:ホテルの怪談 アヤ圭編 投稿日:2002年06月19日(水)23時59分34秒

「ふぅ、世話の焼ける」
石川を追い出し、吉澤の部屋に入るのを見届けると思わずため息が
出た。

カチャッ

ふいに背後でドアの開く音が聞こえ、振り返る。と、隣の部屋から
なっちが小荷物を持って出てきたところだった。
ふとアタシに気がつくとなっちはビクッと体を揺らした。何よ、
そんなに驚かなくてもいいじゃない。失礼ね…と、思ってたら、
なっちは耳まで一気に真っ赤になっちゃった。なんで真っ赤になる
のよ。なんだか落ち着きないし後ろをやけに気にして…

カチャッ

「なっち?」
再びドアの開く音が聞こえたと思ったら、なっちの部屋より
もうひとつ向こうのドアが開いて圭織が顔を出した。
あぁ、なるほど、そういうこと。
「おやすみ圭ちゃん」
なっちは真っ赤になったまま、はにかんでそう言うと、圭織と
一緒に部屋に入っていった。くぁ〜、かわいいねなっちは。
121 名前:ホテルの怪談 アヤ圭編 投稿日:2002年06月20日(木)00時01分01秒
いいな、なっち。幸せそうで。後藤も石川も…ん? ちょっと
待って。矢口は裕ちゃんの部屋、辻は加護と一緒、石川は吉澤の
とこに行かせたし、後藤はみっちゃんのとこ、なっちは圭織の
部屋に行った…と、いうことは一人なのアタシだけ!? 何よ〜!!

アタシは一人、部屋に戻るとベッドに倒れこむ。天井を仰ぎ見ると
なんだか狭いはずの部屋が広く感じる。ふと、枕元にほっておいた
携帯が目にとまった。

   
    「あ、アヤカ? 夜遅くゴメン。あのさ…」

END
122 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年06月20日(木)00時06分23秒
ホテルの怪談シリーズ終了です。
アヤ圭編はほんと申し訳。こうなっちゃいました。
アヤ圭好きなんだけどなあ。

このシリーズが終わったら、名作板から撤退する予定でしたが、
やはりやぐちゅーで始まり、やぐちゅーで終わりたいので(w
最後に裕子誕生日ネタやぐちゅーで締めたいと思います。
123 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年06月20日(木)00時07分59秒
更新はまたちょっとあきますが、誕生日ネタゆえに今回ほどは
あかない(はず)です。
124 名前:甲田ビリティス 投稿日:2002年06月20日(木)00時11分10秒
    「圭ちゃん焼肉行こ。特別おいしい店」
    「いいけど。唐突ね…って、ここいつもの店じゃない」
    「うん」
    「なんで特別おいしいのよ」
    「今日は圭ちゃんと一緒だから」
    「…何言ってんの、バカ」
125 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月20日(木)01時11分57秒
名作板から撤退?
そ、そんな。。。楽しみにしてたんだから
辞めないで続けてください。
126 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月23日(日)04時49分57秒
私も↑と同意見です!
かなり作者さんのファンになってしまった私は
どうしたらいいんですかー(^^)
127 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月27日(木)20時07分47秒
撤退は残念だけど転居先を頼むから教えてクダサイ。
軽い文章なのにこんなにセンス溢れる言い回しができる書き手はそうそういないんだよ。
こんなマジレス書かせるサクーシャはあんただけです。おながいします。

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