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『レズフレンド』〜PARTU

1 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)22時38分18秒
金板で書いていたスレです。
あっちがもうスレ作れないみたいなんで、こちらの方で書かせて頂きます。
ヨロシクお願いします〜

ここで初めて知った方も、もしよかったら↓から読んで下さい。
ちなみに、結構生々しいかもしれないですし、激しいHシーンもありますので…(汗)

 http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=gold&thp=992365558&ls=25

2 名前:〜〜〜〜〜〜 投稿日:2001年09月20日(木)22時46分23秒


 【第三部 後藤真希】


3 名前:01〜プロローグ 投稿日:2001年09月20日(木)22時48分58秒
01〜プロローグ〜

 「俺らって付き合えないんかな…?」
 
 「無理」
 その友達の問いにさらっと答えるわたし。
 
 わたしは決めたんだし…

 まさか断られるとは思ってなかったのか、
 ルックスのイイそのオトコの口からは何も言葉が出てこなかった。
 
 やっと出てきた言葉は…
 
 「………そうなん……?
  ……他に誰か好きな人でもおるん?」
 
 はぁ…これだからオトコって…うっとおしいなぁ…放っといてよ…
 
 面倒だなぁ…はっきり言うか…

 「そっ
  ごとーってさぁ〜カワイイ女のコの方がスキなんだ〜
  ゴメンね〜」

4 名前:01〜プロローグ 投稿日:2001年09月20日(木)22時49分56秒
 その友達の顔が一瞬醜く歪む。
 
 醜い…
 
 これで諦めてくれただろう。
 これを言って諦めないオトコはまずいなかった。
 
 あたしのまだ短い高校生生活でコクられた7人のオトコの中でも…
 あっ…これで8人目か…

 「…………………」
 その友達から言葉が消えた。

 何か言いたそうなのはその表情からも窺い知れたけど、
 どうでもよかったわたしは、その友達を置いてそこを出て行った。

 「バイバイ(もうわたしの前に表れないでね)」

 最後にわたしはその言葉だけを残して…

 わたしは決めたんだ…

5 名前:02〜揺れる決心−その1〜 投稿日:2001年09月20日(木)22時54分20秒
02〜揺れる決心−その1〜

 わたしは都内の普通の高校に通う高校1年で、名前は後藤真希。
 ごく普通の高校生生活を送ってるんだけどね…最近じゃちょっとつまんなくなって…
 サボりが入る時がある…あはっ…それも学校のせいってカンジかな。
 中学生の時まではホント真面目な生徒で、ほとんど休んだ事なかったもん。

 ホントは都内の進学校に行きたかったんだけどね、
 落ちてしまい仕方なくって感じで第二希望の学校に今は行ってる訳。
 まぁ…でも中学が中高一貫のトコだったから、そのまま高校に上がってもよかったんだけど、
 それはちょっと訳ありでね…今では後悔しか残ってない…

 んでもって、今は特に目標もなく、ダラダラと高校生をやってます。
 時々そんな自分がヤになるんだけどね…

 そのダラダラ感がイヤで、この5月から、お母さんの知り合いの人が経営している近所のケーキ屋さんで、
 バイトみたいなのをやらせてもらってるんだ。
 まぁ…他人から見たら普段のわたしはぼけぇ〜としてて、ダラダラ感爆発みたいなんだけどね…

 あはっ

6 名前:02〜揺れる決心−その1〜 投稿日:2001年09月20日(木)22時55分40秒
 そんなわたしもちょっと前までは結構中学生生活を楽しんでいたんだ。

 ホント楽しかったよ♪

 あの時は…楽しかった…

 でもね…

 その反面…楽しさが大きかった反面…その時に起こったショックな出来事は悲しさが大きかったんだ。

 どの出来事をショッキングかって言うと困っちゃうんだけどね…


 まっ…わたしのせいだって言ったら否定は出来ないんだけどね…

 
 はぁ…


7 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)22時58分50秒
ラヴリングも続き楽しみにしてます。
8 名前:02〜揺れる決心−その1〜 投稿日:2001年09月20日(木)22時58分52秒
〜〜〜〜〜〜

 今は夏休みって事もあり、わたしのバイトをしているケーキ屋さんでも、
 朝から小、中高生といったコが沢山ケーキを買いに来る。
 カップルなんかも結構多い。

 そんなイチャイチャして選んでるカップルの2人を見て、羨ましく思ったりもするけど…
 あっ…わたしって結構気が多い方なんだけどね。

 ある時なんて数人のコ(最初に言った女のコの方がスキって言ったのはマジ)
 を好きになった事もあるくらいだしね。
 
 でも…恋人は作りたいと思わない。

 いや…《作りたいと思わない》じゃなくって…
 《作ってはいけない》と思ってるのかもしれないね…

 《あのコ》たち…大切だった《あのコ》たちに深い深い傷を作ってしまったわたしの、
 せめてもの罪滅ぼしの為にも…

 「おはよぉ〜ごっちん♪」
 レジの前でぼぉ〜とした、わたしの頭の中に、スッと明るい可愛らしい声が聞こえてくる。

9 名前:02〜揺れる決心−その1〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時02分09秒
 「あっ…おはよ…」
 わたしが振り返ると、エプロンの紐を後ろ手に苦労してつけてるなっちの姿が目に入ってきた。
 その頭にはもうすでに、三角巾をシンプルにしたこの店独自の可愛らしい飾りがつけてあった。
 普段から綺麗に整えられたショートに、鮮やかな彩りを添える。

 ちょっと眩しそうになっちを見るわたし。

 カワイイんだっ♪
 このコはねっ♪

 ちなみに、このコ…このコって言っても年上です…

 このコは安倍なつみ…
 なっちっていって都内の某超有名女子大に通ってる北海道生まれの女のコ(ちなみに超憧れの大学です)。
 ときどき冗談で言ったり、興奮したりすると出てくる北海道弁が超カワイイカンジの女のコだ。
 自分の事を『なっち』って言うのもホントカワイイ。

 背も小さく、少し背の高いわたしに話し掛けてくる時になる上目づかい、
 パッチリした目、微笑みを浮かべた時のなっち、ショートのボブの髪、
 そのどれもがよく似合ってて、超カワイイ♪
 抱きしめたりすると超柔らかそうだし
 純粋って言葉がよく似合う女のコだ。
 ホントカワイイ

10 名前: 投稿日:2001年09月20日(木)23時03分34秒
第3部始まりましたね♪
最後の女の子だれなんだろ〜気になる〜
11 名前:02〜揺れる決心−その1〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時04分01秒
 わたし何回カワイイって言ってんだ…?
 ってまぁ…それ程カワイイって事よっ♪

 「ずっとレジの前で立ってて何してるべさ?」
 そんないつまでもぼーっとしているわたしを見て、
 なっちが後ろ手に笑いながら北海道弁の入った言葉で言ってきた。
 もういつもの事と苦笑いも半分入っているのだろうね…

 「あはっ…後ろ向いて
  着けたげるよ…」
 「あっ…ありがと…」
 
 そう言ってスッと後ろを向いたなっちのうなじが、わたしの目に入ってきた。
 ひもを手に取りつつも、その綺麗な肌に自然と目がいってしまう。
 肌が白くていつ見ても綺麗だと思う肌…雪のように白い綺麗な肌。
 北海道のコって雪があるから、みんなこんな白い肌のコばっかりなのかなぁ〜
 って思わせるくらい白い肌だ。
 きっと梨華ちゃんが見たら羨ましがるだろうなぁ…
 
 梨華ちゃんかぁ

 よしこかぁ

 …………………

 どうしてんだろ…

12 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)23時16分20秒
>>7:名無し読者さん

 はい…面目ないです…
 こっちより先に立てる予定だったんですけど、
 作った後に連続的にキチンと更新できるか不安だったんで…

 でも、ホントそろそろ進めないと…最終更新からもう一月はたってますもんね…

>>10:♪さん

 リアルタイムですね(w
 その女のコは(〇´ー`〇)でした(w
 これで第1部の《あの事》が出てきました。

 レスありがとうございます〜
 とりあえず結構ストック出来たので、満足がいったらそのつど出していきたいです。
 これからもヨロシクお願いします〜
13 名前:パスカル 投稿日:2001年09月21日(金)12時52分22秒
再開,待ってました!!
14 名前:コカライト 投稿日:2001年09月21日(金)20時07分18秒
はじまりました。
みてますよー。
がんばってください。
15 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)01時40分30秒
お待ちしてました。
過去が気になる!
16 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)02時39分40秒
続き楽しみにしてまっす。
頑張ってくださいね〜〜!
17 名前:03〜恋愛感情って?−過去−その1〜 投稿日:2001年09月23日(日)12時39分46秒
03〜恋愛感情って?―過去−その1〜

 もう季節も卒業式の季節。
 普通、わたしの通っている中高一貫の女子校では、
 みんなそのまま高校生に上がるから受験シーズンなんてものはない。
 みんな退屈そうに卒業式を受け、そのままみんな一緒に高校生になる。

 でも、わたしは違う…

 とりあえず、わたしは中学の時から憧れていた都内の女子進学校を受けるつもりだ。
 気合入れの為にも、それを受ける前に少しランクの落とした別の高校も受けるつもりだし。
 でも、まぁ…その高校って言ったら、今わたしの通ってる高校よりランクが下だから、
 ホントは行くつもりもないんだけどね…あはっ…
 だから、第一志望を落ちたら、今通っている中学からそのまま高校に上がろうと思ってるんだ。

 そんな事もあり、わたしが高校受験をするなんて事は人に話していない。
 もちろん親友にもね…先生にも『言わないで』って頼んであるし。
 『力試しの為です』って言い訳で…

 そんな最近よく勉強しているわたしに、友達から
 『あたしの後輩からマキに話しがあるんだって…昼にカフェにあたしと一緒に行ってくれない?』
 って…

18 名前:03〜恋愛感情って?−過去−その1〜 投稿日:2001年09月23日(日)12時40分57秒
 最初友達から聞いた時は、巷でよく言われている卒業シーズン特有のアレだと思い、
 行って速攻断ろうかと思っていた。

 よしこや梨華ちゃんには言ってなかったんだけど、1、2年のその同じシーズンに、
 高校に上がる先輩に3回ほどコクられた事があったんだ。
 だから、どっちかって言うと慣れっコだったしね。

 それにわたしにはそんな事より悩んでる事があるんだ。

 まぁこっちの方が断る理由としては正しいんだろうけどね…

 それは…今わたしにはスキな人がいる。
 いや…スキっていえるのかわからないのだけど…

 だって2人いるんだもん…これって恋愛感情っていうの?

 わからない…

 でも、卒業するまでにははっきりさせたいと思っているんだ…

 わたしとしては…

19 名前:03〜恋愛感情って?−過去−その1〜 投稿日:2001年09月23日(日)12時43分50秒
〜〜〜〜〜〜

 「あのぉ…あのぉ…加護亜依っていいますぅ…
  えっとぉ…そのぉ…」
 
 わたしの目の前には、髪を後ろで2つにくくり、黒目がちの目をパチパチさせ、
 小さな身長をさらに小さくさせ、モジモジしてる小学生みたいな可愛らしいコが立っていた。

 第一印象は、このコホント中学生?ってカンジだ。
 顔立ち、話し方、仕草、そのどれをとっても幼さ満開ってカンジだもん。
 可愛さよりもそっちの方にまず惹かれちゃった。
 ただ…胸はちょっと成長の勢いがそのまま出てきているってカンジがありありで…
 よしこが見たら羨ましがるだろなぁってカンジだ。

 「あのぉ…あのぉ…」
 何も言えなくなり、モジモジしっぱなしのこのコの代わり…保護者のようなカンジで友達が話し出す。
 
 「このコさぁ、ホントマキに憧れてて、こんなに緊張しちゃってんでやんの♪」
 そう言うと、その女のコを見てケラケラと笑い出した。
 それを見て、ますます小さくなってモジモジしだす女のコ。

20 名前:03〜恋愛感情って?−過去−その1〜 投稿日:2001年09月23日(日)12時45分55秒
 その女のコを見ながら、更に続けた。
 
 「ちょっとあたし、もう帰るから…この昼休みだけでも一緒に食べてあげてよ。
  ヨロシク〜♪」
 わたしは頷き、去って行った友達を眺めていた。

 「あのぉ…ごめんなさいぃ…」
 スッとその女のコの方を見ると、黒目がちな目に涙を溜め、
 今にも泣き出しそうなカンジでこっちを見て立っていた。
 その姿に慌てるわたし。
 
 「どうしたのさっ?」
 つとめて優しく言うわたし。
 わたしの精一杯の口調で…

 「あのぉ…かごぉ…中学生になってぇ…
  初めてぇ…ごとーさんをぉ…見てぇ…その時からぁ…
  あのぉ…あのぉ…そのぉ…何て言ったら言いんやろ…そのぉ…」
 
 「ぶっ!」
 いきなりスッと出てきた関西弁に、わたしは思わず吹出してしまった。
 さっきまではずっと標準語だったのに、
 急にこのコに超アンバランスな関西弁がボソッと出てきたんだもん♪

21 名前:03〜恋愛感情って?−過去−その1〜 投稿日:2001年09月23日(日)12時47分14秒
 あはははははは……

 ちょっと笑いのツボにハマったように笑ってるわたし。
 そんなわたしを加護ちゃんは、涙でいっぱいになった目で上目がちにジーッと見てくる。
 今にも泣き出しそうになってきた…

 やば…

 周りの目も痛いや…

 「ごめんごめん」

 わたしはさすがに反省し、加護ちゃんのスッと手を取って、
 カフェの開いてる席に座りに行った。
 加護ちゃんって呼び名…
 
 何となくかな…

 自分の事をかごぉとか言ってるのが超カワイイしぃ♪

22 名前:03〜恋愛感情って?−過去−その1〜 投稿日:2001年09月23日(日)12時49分05秒
〜〜〜〜〜〜

 「うっく…ありが…ひっく…とうござ…ぐす……いますぅ…」
 
 わたしが席に座り、加護ちゃんも席に座り、向かい合わせになると、
 加護ちゃんはいきなり泣き出してしまった。

 えぇっ!?

 ますます焦るわたし。
 
 思わず加護ちゃんの隣の席に座り、頭を抱き寄せヨシヨシと頭を撫ぜてしまっていた。
 
 そんなアタフタするわたしを、わたしの腕にすっぽり埋まっている加護ちゃんは、
 涙目になりながらも嬉しそうに上目づかいに見てきた。

 カワイ過ぎッス

 とろけそう

23 名前:03〜恋愛感情って?−過去−その1〜 投稿日:2001年09月23日(日)12時53分46秒
 超可愛く、鼻をくすぐる赤ちゃんのような匂いに、やけに胸がドキドキしてしまっていた。
 ぎゅうって心臓を鷲掴みにされてしまったように…

 そんな加護ちゃんにわたしは、赤ちゃんに近いカンジを覚えていたのだろう。
 何だか自分が母親になったような…時々梨華ちゃんに覚える…《あれ》だ…

 母性本能くすぐられまくりってカンジだぁ

 わたしの《あやし》?に加護ちゃんも喜んでくれたのか、いつのまにか涙も収まってくれたみたい。
 泣きやんだ加護ちゃんは、こっちの方を目を細めて嬉しそうに見ている。

 「あのぉ…めっちゃ嬉しいですぅ〜
  めっちゃ憧れててぇ…」
 「ありがとね♪」
 「へへへ…」

 結構いいコかも…
 
 わたしは、今まで梨華ちゃんやよしこ以外に感じた事のない感情を、このコに抱えつつあった。

24 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)13時10分05秒
今回の途中から、やぐち編でわからなかったなっちの気持ちも結構出てきます。
『現在』では、珍しいごまなちが多いかも…
後、新メンで1人だけテスト的?にチョイ出てきます。
まだキャラや、現メンの呼び方もよくわかってないんで、あってるのか…
とりあえず、キャラの強い一人を…(w

あと、最後に…引かないで下さいね(ぼそっ)

>>13:パスカルさん

 やっぱり先にこっちが再開…(汗
 それでも、ヨロシクお願いしますね〜

>>14:コカライトさん

 レスありがとうございます〜
 とりあえずはじまりました(^^)

>>15:名無し読者さん

 ありがとうございます♪
 早速過去を…
 これからもヨロシクおねがいしますね〜

>>16:名無し読者さん

 ありがとうございます〜
 今回はやぐち、よしざわ編合わせて一番長くなりそうな気がしますんで、
 ヨロシクお願いします〜
 
25 名前:空唄 投稿日:2001年09月23日(日)16時21分32秒
過去の話は二章のside後藤さんって感じになるんでしょうか?
後藤さんの気持ちはずっと気になっていたので、楽しみにしています。
26 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)21時18分30秒
新メン…Nだったら引くかも。
27 名前:04〜揺れる決心−その2〜 投稿日:2001年09月25日(火)12時55分52秒
04〜揺れる決心−その2〜

 「ひぃやぁ〜疲れた…
  ホント腰痛いべさっ
  店長さん、いないし…
  今日って朝からこんなにお客さん多かったの?」

 さっきまでひっきりなしに入ってきたお客さんが一段落した時、
 なっちが思いっきり伸びをしながら嘆きの言葉を投げかけてきた。

 とんとんと腰を叩く。
 
 「そうだよ〜
  なんでだろね…今日は…」

 「愛ちゃんもいないの?」

 なっちの言葉に、さっき『ちょっと出てきますから、ヨロシクね』って言い残して出て行った、
 店長さんと奥さんを思い出す。
 一緒に可愛くオシャレした愛ちゃんも出て行ってた。

 愛ちゃん…

 愛ちゃんは高橋愛って言って、わたしがバイトしているここの店長さんの娘さんなんだ。
 都内の中学校に通っている中学3年生。

28 名前:04〜揺れる決心−その2〜 投稿日:2001年09月25日(火)12時58分03秒
 とってもカワイイんだよ。
 ロングの真っ黒な綺麗な髪がいつも輝いていて、まぶしいくらいだ。
 パッチリした二重の目、出るトコの出て、
 引っ込むトコは引っ込んでいるかなりイイプロポーション、
 オドオドした表情…その全てが梨華ちゃんとかぶってしまうんだけどね…

 ただ違うのが独特の福井弁。
 言葉一つ一つは丁寧語なんだけど、イントネーションが完全に地方で、
 聞くたびに笑ってしまうくらい♪
 そんな愛ちゃんは忙しい時には時々ここを手伝ってくれるんだ。
 なっち位に小さな手を一生懸命動かして…

 「うん…今日は友達と遊んでいるんだってさ…」
 「そうなんだ…
  よく1人で外やってたね…」
 「へへへ…まぁね…体力ごとには自信ありです♪」
 そう言ってぐっと力こぶを作るわたしを見るなっちの目が細くなった。

 どうしたらあんなにイイ笑顔で笑えるんだろ…

 わたしなんていっつもテンション低いって言われるし…
 (本人としてはそのつもりはないんだけどね)

29 名前:04〜揺れる決心−その2〜 投稿日:2001年09月25日(火)12時59分09秒
 

 羨ましいなぁ…


 「どうした、ごっちん…そんなになっちの顔みて…
  はっはぁ〜ぁん…さてはごっちん…なっちに惚れたか!?」
 
 このやろうっ!!ってカンジのなっちの言葉が飛んできた。

 「あはっ
  かもね♪」

 そのわたしの言葉に顔を真っ赤にするなっち。
 自分で言ってて、そのリアクションはなんだよっ!ってカンジで、
 思わず笑ってしまったわたし。

 「もぉ…」
 なっちは、笑ってるわたしにほっぺをぷく〜っと膨らませて反論。

 いいなぁ…ホントカワイイ…

 まるで加護ちゃんみたいだ…

30 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月25日(火)13時00分46秒
05〜恋愛感情って?−過去−その2〜

 「あのぉ…あのぉ…
  今度渋谷にお買い物に付き合ってくれませんかぁ?」
 
 一息吸った加護ちゃんが、一気にわたしに言ってきた。
 今まで溜め込んでいた思いを吐き出すように。
 そう言ってから、会ったばっかりなのにいきなりはちょっと悪いかなぁと思ったのか、
 少し節目がちになった加護ちゃん。

 ホントカワイイなぁ〜

 「いいよ♪」

 そのわたしの言葉に、さっきまでの表情が一変、ぱぁっと顔を輝かせる加護ちゃん。
 これを見ると断らなくてよかったって思う。
 って言っても断ろうなんて思ってもいなかったんだけどね…あはっ

 「じゃぁじゃぁ…今度の日曜日とかはどうですかぁ?」
 「う〜ん…そだね…別に用事もないし…じゃその日にでもする?」
 「はいっ!!」

31 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月25日(火)13時03分23秒
 嬉しそうに教室に戻っていく加護ちゃん。
 何度も何度もこっちを振り返っては手を振って。

 それがあるから、なかなかその場を動けないわたし。

 と、そんなあたしの視線の先に、
 もう1人女のコが加護ちゃんの方をジッと見て立っているのが入ってきた。
 
 そのコは加護ちゃんによく似てて…
 タイプ的に似てるだけで、実際はそんなに似てるって訳じゃないんだけどね…
 加護ちゃんと同じく、後ろで髪を2つでくくり、身長から体格までよく似たコだった。
 ただ…胸の成長は感じられなかったけど…

 そのコは、加護ちゃんを待っていたらしく、一緒になると腕を組み教室の方に歩き出した。
 しばらく行くと、また加護ちゃんが振り返り手を振ってきた。
 わたしもそれにニッコリと手を振り返す。

 と、その時、そのもう1人のコも一緒に振り返りこっちを見てきた。

 ……………………………

 少しズキとココロにくる…
 あたしにはそのコに睨またような気がして仕方なかった。

32 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月25日(火)13時05分14秒
〜〜〜〜〜〜

 「ごっちぃ〜ん!」
 終学活も終わり、帰る準備をしているわたしの耳に、胸がドキッとする声が聞こえてきた。

 よしこ…

 声のした方を見ると、よしこがいつもの笑顔で教室の中に入ってくる。

 よしこ…

 吉澤ひとみって言ってわたしの幼馴染の内の1人。
 超カワイイコなんだけど、性格は超サバサバしてて、仕草とかしゃべり方がホントカッコイイんだ。
 背も高くて、バレーが超うまくてね…もし髪をショートなんかにしたら、
 モテモテになっちゃうんじゃないかってわたしが思ってるくらい。

 わたしが大スキなコの内の1人…

 昔からよしこに色々お世話になっちゃってね…あはっ…

 わたしって昔は色々とオトコのコに苛められててね…結構辛かった…
 でもそんな時にいっつも助けてくれたのがよしこだった。
 わたしの為にケンカをしてくれてるよしこの大きな背中を、
 わたしはいつもハラハラしながら涙目で見ていたもんだよ。
 追っ払ってくれるたびによしこに惹かれていったんだ。

33 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月25日(火)13時06分56秒
 
 その当時はそんな感情があったのかわからなかったんだけど…
 だって今でも《それ》…わたしが思ってる感情が恋愛感情なのかもわからないんだし…
 でも…たぶん《それ》は恋愛感情だと思う…

 「おっす♪よすこ。」
 「ちょっとさぁ〜ごっちん聞いてよぉ〜」
 入ってくるなりいきなりその言葉のよしこ。
 「あはは…なにさ?」
 思わず笑ってしまったわたし。
 
 「だからさぁ〜
  ……………………」
 
 何かを言おうと口を開いた瞬間、よしこは周りを見回し、ハッとした様に口を閉じてしまった。
 
 「あっ…まぁいいや…後で…」

 ……………………………
 何か言いにくいのかな…

 そのよしこの珍しいリアクションにあたしは一瞬不思議に感じたが、
 それほどよしこに思いつめたような様子がなかった事から気にも止めなかった。

34 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)13時26分58秒
>>25:空唄さん

 レスありがとうございます〜
 はい、そうです。
 完全にSIDEです。
 過去の話、始まりから終わりまで全く同じ期間にはまってます。
 もうおわかりだと思いますが、
 よっすぃーのトコでごっちんが告白された女のコは加護ちゃんだったのです。
 これからもヨロシクお願いします〜

35 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)13時30分25秒
>>26:名無し読者さん

 Nさんではなかったですね(w
 まぁ、出てくるっていってもホントテスト的で、セリフは2、3個しかないと思います(w
 この中ではごっちん、なっちは『愛ちゃん』って呼んでますけど、どうなるのかわからないですし…
 ただ、こう呼ぶ可能性が一番高いような気がしたので、こう呼ばせました。
 
 でも、ホントNさんは評判悪いですね…
 さすがにここまで悪いと可哀想に…

 小川さんは結構男前キャラになりそう…
 結構さばさばしてていいですね(w
 先週のMUSIX!の出雲コンでのあの帽子…似合ってる(w
 ああいうのかぶってるの娘。の中だと初めてじゃなないかなぁ…
 自分の中では小川さんと高橋さんが将来のいしよし並みになりそうな予感が(w
 今の小説だと、旧新メンがほとんどですから…それと同じように…どうかな…

 あ、後、この前の最後の『ひかないで下さいね』ってセリフは、
 新メンに対して言ったのではなくって、この話に対して言った事だったんです…

 引かずにこれからもヨロシクお願いしますね〜
36 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月26日(水)01時34分53秒
加護ちゃんとは現在でもつきあってるのかな?
う〜ん気になる。
37 名前: 投稿日:2001年09月26日(水)22時44分54秒
後藤編開始♪
新メンはまだ難しいですよねう〜ん現メンはどう呼んでるんだろう・・・」
これからも読んでいきますね〜


38 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月27日(木)21時52分12秒
愛ちゃんの一番の憧れは後藤さんだったようで。
愛ごまほのかに期待。
39 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時08分26秒
〜〜〜〜〜〜

 「ちょっとさぁ〜女のコにコクられちゃったんだ♪あはは…」
 それは突然の告白のように感じた。

 一瞬の事でわたしには何を言われたのか、とっさには判断できなかった。
 思わずぽかぁ〜んと口を開けた、情けない表情になっていたのかもしれない…

 「あはははは…まじッスか!?…」
 思わず出たわたしの情けない言葉。
 「ははは…マジ…」
 そんなわたしの情けない表情に、よしこの返事まで情けない言葉になっていた。
 思わず笑ってしまいそうになる表情で…

 でも、今のわたしはそれどころじゃないんだ…

 これはチャンス?

40 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時09分49秒
 今まで《女のコ同士の恋愛》についてよしこと話した事なかった。
 先輩にコクられても、それすら言えなかったんだ。
 もし言ってよしこに軽蔑でもされたら…
 そんな事なら死んだ方がマシってくらいって感じていたから…

 でも…これは…よしこから言ってきた事だ…
 よしこの顔を見るとそれほどイヤそうな雰囲気は感じられないし…
 もしかしたらよしこも《女のコ同士の恋愛》について、
 それほどイヤな感情は持ってないのかもしれない…
 どうなんだろう…?
 よく後輩とか梨華ちゃんとかわたしなんかの肩とか抱いてくるし…

 いいかな…

 よしっ

 わたしも言ってみようかな…

 「…っていうかぁ〜わたしもなんだ…あはっ…」

 ?

 わたしのその言葉に、よしこは言葉を失ったように呆然とした顔になってしまった。

41 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時10分33秒
 あれ?

 聞こえなかったのかな…?

 「だから…わたしもコクられたんだってば…へへへ…」

 わたしは、今度はしっかりと聞こえるようにはっきりと言葉にした。

 「女のコ…?」
 
 こく

 そのよしこの言葉にしっかりと頷くが、どうもよしこの様子がおかしい…

 「マジ…?」

 ちょっと目が泳いだようなカンジになってる…

 「マジ…」

 「……………………
  知ってるコ?」

42 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時12分26秒
 わたしのその答えにちょっと考えこんだような表情になったが、
 フト疑問に思ったのか聞いてきた。
 ちょっとよしこのテンションが低くなってきたから、
 なるべく高いテンションで答えようと思い、口を開いた。

 「えっ?…ううん…全然…後輩…。
  今日の朝、友達に後輩から話しがあるから昼休みにカフェに一緒に行ってあげてって言われて…
  行ったらコクられちゃった…あはっ…卒業式シーズン特有のアレだね♪」

 …………………………

 そのわたしの頑張ったハイテンションにも、よしこの表情に変わりはなかった。
 相変わらずさっきと変わらないローテンションで、また聞いてきた。

 「へぇ〜…………………どうするの…?」

43 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時14分00秒
 これってやっぱり失敗だったかなぁ…
 でも、あの時のよしこの表情だったら、
 《女のコ同士の恋愛》もイヤってカンジには思えなかったんだけどなぁ…

 なんでだろ…

 おっ

 もしかしてわたしがコクられた事にショックを受けてるとかぁ?

 んな訳ないな

 「どうするってねぇ…ん〜…まだ何も考えてないや…あははっ…
  それよりさぁ〜よしこの方は?」
 
 とりあえずよしこの質問には当り障りのない答えを返したわたしだが、
 よしこに同じ質問をした場合は何て答えが返ってくるのか…
 もしかしたらその答えから、よしこ自身が《女のコ同士の恋愛》について
 どう思っているのか解るかもしれないし…

44 名前:05〜恋愛感情って?−過去−その2〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時14分49秒
 「えっ…わたし…?
  …………………
  わたしも何にも考えてないや…
  とりあえず会うけど…」
 
 そんなわたしの期待した答えは、やっぱり当り障りのない答えだった。

 でも、落ちたよしこのテンションは変わらず、それどころか更に落ちてる模様…
 とうとう話題までも変えられてしまっていた…

 やっぱり失敗だったかなぁ…

 《女のコ同士の恋愛》ってイヤだったのかなぁ…

 わたしの見るよしこの顔は来た時の顔とは違って、明らかな動揺の色が溢れていた。

 これはどう取ったらいいんだろ…

45 名前:06〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時17分17秒
06〜揺れる決心−その3〜

 「すいませ〜ん」
 自動ドアの開く音と一緒に、妙なイントネーションの女性の声が聞こえてきた。
 「「いらしゃいませ〜」」
 
 わたしとなっちの言葉にコッチを見てペコリとお辞儀、
 その後、誰かを探すように店の中を見回した。

 その女性は、大人の女性といったカンジのお洒落な服を着て、目にブルーが入っていて…
 たぶんカラコンだろうけど…金髪のセミロングの髪を掻き揚げる癖があるのか、
 しきりに掻き揚げているのが印象のキレイな女性だった。
 でも、その髪を掻き揚げる仕草が妙に合っていて、綺麗な容姿にカッコよささえ感じさせていた。

 「あの…」

 周りを見回し、わたしたちだけだと分かったその女性は、コッチの方を振り向いた。

 「はい…」

46 名前:06〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時18分22秒
 「店長さんおられます?」
 「いえ…今ちょっと出かけてますけど…」
 
 これまた滑稽なイントネーションに、ちょっと笑ってしまいそうなっているわたしの隣で、
 なっちが代わりのように答えてくれた。
 
 「あっ…そうなんかぁ…」
 その女性の言葉にハッとなる…懐かしささえ感じさせる、その言葉。

 関西弁だ

 加護ちゃんと一緒…

 「あのぉ…なにか…」
 なっちの言葉に、その女性はちょっと考えこんだ後、1つ頷き、
 わたしたちの顔を見て話し出した。

 「いやぁ…ちょっと…
  今度隣に店ださせてもらうんやけど、その挨拶にきてんねん。
  店長さんいなかったらしゃぁないなぁ…」

 そう言ってからもう一度考えこんだような表情になり、周りを見始めた。

47 名前:06〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時24分37秒
 「どんな店ですか?」
 ちょっとした沈黙がイヤになったわたしがちょっと聞いてみた。
 そのわたしの質問に、指をチョキにして、髪を挟むような仕草をした。
 美容室か…

 「もし行き付けがなかったらまた来てなぁ
  一番最初は安いし〜
  自分らカワイイから安くしとくで〜」

 「「はぁ」」
 「ん〜じゃぁ…
  これだけ、店長さんに渡しといてくれん?
  『ヨロシクお願いします〜』って言って。
  また、ちゃんとした挨拶は今度させてもらうから」

 「「はぁ」」

 そう言ってさっさと出て行った金髪の女性。
 少し大またで歩き、堂々としたその後ろ姿だけど、
 態度や口調とは違ってどこか暗さを感じられるものだった。

48 名前:06〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年09月28日(金)00時25分56秒
 
 「キレイな人だったね…」
 「うん」
 
 「なっち行ってみようかなぁ…
  ごっちんも行く?」
 「……そうだね……」

 なっちはその女性の持ってきた、
 綺麗に包装されたものを奥に置きに行きながら聞いてきた。
 その言葉に頷くわたしだけど、
 さっきの女性のどこか陰を秘めたその雰囲気がどこか気になってしまっていた。
 それと同時に関西弁も…

49 名前:作者 投稿日:2001年09月28日(金)00時33分56秒
>>36:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 それは現実のごっちんのセリフを聞いていたら途中で分かると思います。
 はっきりした事は一番最後にわかると思いますけど…
 これからもヨロシクお願いしますね〜

>>37:♪さん

 レスありがとうございます〜
 今日のかおりのラジオで少し新メン話してましたね。
 ちょっとヒントに(w
 でも、やっぱりまだフルネームにちゃん付けでしたね(w
 最初から聞きたかったけど、ネットが繋がらなくて30分くらから…
 新メンの話聞きたかったのに…
 
 これからもヨロシクおねがいしますね〜

>>38:名無し読者さん

 フフフ…

 このごっちん編ではほのかな愛ごまも入ってます…フフフ…
 って言っても…(自粛)
 これからもヨロシクお願いしますね〜

50 名前:空唄 投稿日:2001年09月28日(金)00時46分55秒
そう来たかって感じです。
後藤さんの気持ちが意外でした。
現在の方は時間軸がわからないんですけど、少しずつ先に進んでるのかな?
51 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月28日(金)06時08分46秒
Nでなくてよかった〜。高橋なら大OKです。
N...んー。まあ、ジャイアンが映画ではすごくいいやつになるのと同じで、
なにかひとついい面を見せれば、評価はぐっと上がるかもしれないね。(と一応フォローを)

そうそう。姐さんが出てきてうれしい。だれと絡むのか…期待。ってだれでもうれしいけど。

>最初から聞きたかったけど、ネットが繋がらなくて30分くらから…
そういうときは mms://lf-wmt.stream.co.jp/lfstreambk.asf のほうも
ためしてみると幸せになれるかも。(それでもダメだったらごめんなさい)
今日みたいにナイターで遅れると込みますね。
52 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時03分12秒
07〜恋愛感情って?−過去−その3〜

 ♪♪♪〜〜♪〜♪♪
 
 机に座って勉強をしながらも、コクンコクンと頭が櫓を漕いでいる中、携帯のメールの、
 着信を知らせる短い着メロの音でハッと気がついたわたし。
 
 気がついていつもの後悔。
 最近よくある事だ。
 
 すぐ目の前にある参考書がやけに寂しくわたしの方を見てくる。
 机の上でしばらく考え込み、携帯に手を伸ばした。
 
 目に入る3件の未読メールのマーク…寝ていた間に入っていたのだろう…
 出会い系サイトからのメールを素通りし、【From:加護ちゃん】の最新メールを開ける。

 【お昼の2時からどうですか?】
 
 2.3日前に知り合った加護ちゃんの、今日だけで十数回目のメール交換。
 1日にしたメール交換では過去最高の数字を記録したかもしれない。
 
 わたしにしては珍しい。
 梨華ちゃんやよしこ以外のコだと、大抵途中で面倒臭くなり、すぐに返信しない事もあった。
 3、4回目の交換からは、数時間たってからの返信が普通だった。

53 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時04分43秒
 でも、このコは違う。
 メールを遅らせて送る事で、携帯を手に心配そうに泣きそうな表情をしている加護ちゃんが頭に浮かんで、
 可哀想って思ってしまう。
 
 自然とすぐに手が返信欄に伸びる。
 
 もう【Sub:】の中の【Re>】が携帯の画面に入り切っていない。
 ちょっと考えて、慣れた手つきで打ち込む。

 【そっちの方がいいっ!!(^^)ごとーって夜遅いから朝弱いんだよね(笑)】

 送信…

 送ってからもう一度ぼうっと考え込む。

 加護ちゃん…

 あれだけ幼いカンジのコも珍しいけど…
 初めて出会った日の抱きしめてあげた時の赤ちゃんの匂いが、今だわたしの頭の中を反芻していた。

 加護ちゃんは特別だ…
 今までこんなに気をつかったコはいなかったかもしれない…
 どうしてだろう…
 (よしこや梨華ちゃんは全然気を使ってないけどね)

54 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時08分45秒

 ♪♪♪〜〜♪〜♪♪
 
 送って1分もたっていないメール着信の着メロだ。

 早いなぁ…

 と、思って携帯のメール欄を開ける。
 どうせ出会い系サイトからかなぁって思っていたわたしの目に、ドキッとする名前があった。
 ドキッとする名前…
 よしこじゃないもう1つの名前…

 【From:リカちゃん】

 梨華ちゃん。

 さっき1回名前が出たけど、石川梨華って言って、高校1年生で、
 よしこと同じくわたしの幼馴染の内のもう1人のコ。
 
 梨華ちゃんは、よしことは全く正反対の性格、容姿で、
 『芯の底からの女のコですっ』って言っていいくらいの女のコだ。
 ひとつひとつの仕草、カッコ、バランス抜群のスタイル…そのどれをとっても可愛く、
 声までアニメ声でカワイイんだ。

 ただちょっと色黒なんだけど…
 でも、そんなトコをおちょくったりした時のリアクションが、ホント女のコで、
 おちょくるのを止めらんないってカンジ。
 
55 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時12分13秒
 おちょくられている時の梨華ちゃんは、マユをハチの字にしてこっちをすがる様な目で、
 『どうしてそんな事言うのぉ?』って今にも泣き出しそうな表情でジッと見てくる。

 そんな梨華ちゃんを見ると、変な話、ゾクッてきてしまうんだ。
 
 ぎゅうって抱きしめてあげたい…

 そのまま押し倒してしまいたい…

 って…ちょっとヤバイかも…

 まぁ、もう分かってると思うけど、このコにも、わたしは変な感情を持っている。
 よしこに対して持っているのと同じ、変な感情を…

 同じって言っても、1つだけ違う事があるんだけどね…

 それは、よしこの前だとわたしは完全に女のコになってしまい、
 梨華ちゃんの前だとオトコのコっぽくなってしまうって事なんだけど…

 まぁ、2人を知っている人から見ると、わたしのリアクションは当然って思われるかも…

56 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時13分39秒
 前も言ったけど、これを恋愛感情と言えるのかわからない。
 まず、《それ》に最初に気がついたのは、よしこに対してだった。

 《それ》は自分自身判っていたけど、恋愛感情だと思っていた。

 でも、ある時フト梨華ちゃんにも同じ感情を持っていた自分に気がついたんだ。
 
 2人に対してもつ…感情…
 
 もし、どちらか1人だけに持っている感情なら、《それ》を恋愛感情と認める事が出来るけど、
 2人にも持っていると、《それ》を恋愛感情と思っていいのかわからない…
 スキなのか分からない…

 【今からおウチに電話していい?】

 何かあったのかな…もう深夜も2時近くなっている。
 少しの不安がよぎる…

 わたしは返信欄を開いて、【今から梨華ちゃんちに掛けるから取って】と送信した後、
 コードレスの電話機を取りに行った。

 少しの不安を抱えながら…

57 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時17分43秒
〜〜〜〜〜〜

 「もしもし?」
 ワンコールとたたない内に、電話口から梨華ちゃんの心配そうな声が聞こえてきた。
 部屋に電話機があるはずだから、それほど声を小さくしなくても大丈夫なはず…
 それなのにこんなに低いアニメ声で話すなんて…

 「ごとーだよっ
  どしたの?(どうしたの)」
 「ごめんねっ!ホント…電話掛けさせちゃって…」
 「ううん…全然…」
 「あのね…あのね…」
 と、言い掛けてから、また沈黙…
 「あはっ
  どしたのさっ?」
 「えぇ〜っと…あっ…そうだっ
  今度の日曜日空いてるかなぁ?
  お買い物に行きたいなぁって思ってるんだけど…」
 
 わたしが聞いた後に、更に沈黙が続き、その後出てきた言葉がそれであった。
 ごく普通の事だけど、そんな事ならメールで聞いたらいいだけだし…
 わたしには、それが本題ではなく、とりあえずってカンジの話題に思えてならなかった。
 
 「今度の日曜日?」
 と、言って思い出す…加護ちゃんとの約束…

58 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時21分44秒
 「ちょっともう約束が入ってて…」
 「あっそうなの?」
 「うん…まぁね…」
 
 と言ってから、そう言えば加護ちゃんの事を、まだ梨華ちゃんに話してなかったって事を思い出す。

 前だったらそんな事話せなかったけど、よしこからコクられた話を聞いてから、
 それ程話せない事ではないかも?って気持ちがわたしを占めていた。

 それに《女のコ同士の恋愛》をどう思っているのか気になったし…

 梨華ちゃんなら、そんなに《女のコ同士の恋愛》って事を
 イヤと思ってないようなカンジがしていたから…
 普段の言動とかを見ると、よく女のコみてはカワイイカワイイって言ってる梨華ちゃん。
 たぶんイヤとは思ってないと思う…

 《女のコがスキ》なわたしの直感なんだけどね…
 
 「じゃぁ…仕方ないよね…」
 考え込んでる梨華ちゃん。

59 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時22分50秒
 「ねぇねぇ梨華ちゃんっ!
  聞いてよぉ〜」
 「ど、どうしたの?」

 わたしのいきなりのテンションアップに、ちょっとビックリしたような声の梨華ちゃん。
 電話機を握りながら、カワイイ目を丸くして、
 受話器を握る手の小指が半分立っているのが頭に浮かんできそうだ。

 ……………………

 実際頭に浮かんできてちょっと吹出す。

 「ちょっとさぁ〜
  ごとーさぁ〜女のコにコクられちゃったんだよねっ♪」
 「えぇ!?
  女のコにっ!?」
 
 いつものアニメ声が更にかん高くなった。

 驚いてる驚いてる♪

60 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時24分29秒
 「そっ!
  女のコなのよんっ♪」
 「ごっちん、すっごぉ〜いいぃっ!!」
 「でしょでしょ〜」
 やっぱり、そんなに《女のコ同士の恋愛》に拒否感はないかもしれない。
 イヤだったら露骨でなくても、カンジで《気持ち悪い》って事が自然と出てくるはずだし。
 
 今の梨華ちゃんは普段の梨華ちゃんと全く変わりなく、
 元気なアニメ声を電話口に響かせていた。

 いや、それどころか、さっきより元気な口調になっているのかもしれない…
 思ってた通りだ…

 でも、わたしは忘れていた…
 《女のコ同士の恋愛》を認めて貰おうって事に一生懸命になりすぎてて忘れていた…

 それは…

 梨華ちゃんが悲しんでくれていない…って事だ。

 ちょっとガックリと来るけど…

 でもいいやっ
 
 《女のコ同士の恋愛》に拒否感がなかったら、
 わたしに振り向いてくれるかもしれないんだしねっ♪

61 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時26分17秒
 「そうだよねぇ〜ごっちんって結構クールに見えてカッコいいもんっ」
 
 フト梨華ちゃんの言った一言に固まるわたし。

 どきどき

 心臓を流れる血液の速さが倍になってきた。
 コードレスの受話器を握るわたしの手にじわっと汗が浮かんでくる。

 「あ、ありがと…」

 そうは言ったものの、緊張の為か、この後何を言ったらいいのか何も浮かばなくなり、
 言葉に詰まってしまった。

 更に手に汗が浮かんでくる。

 「どんなコなのぉ?」

 何か話題は…

 話題…

 何言お…

 あっ、よしこの…

62 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時27分32秒
 「そうそうっ♪実はね…梨華ちゃん知ってるかな?」
 「って言うか、わたしの話聞いてなぁ〜いっ!」
 
 受話器からの梨華ちゃんのカワイイ、イジケタ声が聞こえてき、
 わたしは必死に出した言葉を言って後悔。

 何も聞いてなかったんだ…
 梨華ちゃんに言われた『カッコイイ』って言葉に結構浮かれてしまった。
 
 に、しても…何か言ってたかなぁ…

 「ごめんごめんっ
  で、何?」
 「ううん。別にごっちんからでいいよっ♪何何?」
 
 もう機嫌が戻ったのか、いつもの声に戻ってくれていた。
 そんなに気にしてなかったみたいだ…
 そう言えばさっきの『聞いてなぁ〜いっ!』って言葉も結構カワイイ言い方だったし…
 梨華ちゃん流の冗談だったんだね…

 「あっ、そうそう…
  実はね、よしこも女のコにコクられたんだってさっ♪」
 「えっ!?」
 
 …………………

63 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時28分51秒
 とてもビックリしたような声。
 ただ、さっきとは違い、わたしの言葉と同時に出た梨華ちゃんの言葉に、
 さっきまでの明るさは微塵も感じられなかった。

 その瞬間、何となくわたしは気づいたような気がする。
 わたしの中にも、さっきまでのドキドキ感が全て飛んでいってしまったような気持ちが出てきていた。

 「ホント…?」

 言ってから激しく後悔している自分がいた…

 今、わたしと梨華ちゃんは2人ともショックを受けているんだろうね。

 ……………………

 あっ…わたしってこんなにショック受けてる…

 これってやっぱり…

 2人の事を恋愛感情と思って見ていたのかもしれない…

 「ホント…」

 「そうなんだ…」

 そう言ったきり、梨華ちゃんは黙りきってしまった。
 わたしも何かを言いたかったけど、何も言葉が出てこず、
 ただただじっと受話器に耳を傾けるだけしか出来なかった。

64 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時31分15秒
〜〜〜〜〜〜

 「ねぇごっちん…気持ち悪いかもしれないけど…聞いてくれる?」
 普段だったら『そんな梨華ちゃんが気持ち悪いよっ!!』って冗談でも飛ばして、
 梨華ちゃんの『ひどぉ〜いっ!』ってリアクションを楽しんでいるんだけど、
 さすがに今は無理だね。

 だいぶんネガティブになっているし…
 もし今それを言ったらマジで泣き出され兼ねないかもしんないし…

 でも…でも…そんな事より、何だか梨華ちゃんがこれから言う事が、
 何となく分かるような気がする。

 もしかしたら、わたしはこれから暗にフラれたりするんだろうね…

 「いいよ…」
 わたしの言葉の後、梨華ちゃんのスッと息を吸い込む音がし、
 ゆっくりと話し出した。

 「今日電話しようって思ったのは、実は《これ》の相談だったの…
  ごっちんならしっかり理解してくれて、聞いてくれると思って…」

 その言葉に少し嬉しくなるわたしがいたけど、やっぱりココロの底では辛さが大きくなってきていた。
 じっと梨華ちゃんの言葉に耳を傾ける。

65 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時33分45秒
 「あのね…私さ…
  今ね…
  ひとみちゃんが告白されたって聞いて、すっごいショック受けちゃった…
  ……ごっちん、どうしてか分かる?」

 「…………………」

 やっぱり…

 これ以上聞きたくないような気がする。
 もし、これが《それ》…わたしが思った事だったら、
 わたしはマジでどうしたらいいんだろう…

 「ひとみちゃんがね、腕組んできたり…
  手を繋いできたり…
  肩に手を回してきたり…
  一緒にお風呂に入ったり…
  プリクラ撮ったりする時にホッペにチュウしてきたり…
  そうしてくるとね、すっごい胸がドキドキしてるのが分かるんだぁ。
  最初どうしてそうなるのか分からなかったけど…
  今だったらはっきり分かるような気がするの。」

 いやだ

 わたしは梨華ちゃんとよしこがスキなのに…

 梨華ちゃんがよしこをスキだったら、あたしは梨華ちゃんの為に、協力するのだろうか…?

 でも、よしこもスキだから辛い…

66 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時37分54秒
 でも、でも…
 もし、梨華ちゃんがわたしに頼ってきたら、たぶんわたしは断れないだろう…

 「分かるよ…もう…」

 梨華ちゃんの口から《スキ》って言葉を聞きたくない。

 「うん…分かる…」

 もう一度呟く。

 「ねぇ…どうしたらいいのかなぁ、私。」
 梨華ちゃんの声が今にも泣き出しそうなカンジになってきた。
 それ以上にわたしもココロの中で泣き出したい気持ちが溢れていた。

 「ひとみちゃん付き合っちゃうのかなぁ…」

 次の瞬間、わたしは自分でも全く根拠のない言葉を口にしていた。
 これ以上わたしの事以外で、梨華ちゃんの泣きそうな声を聞いていたくなかったからだ…

 「大丈夫だと思うよ…」
 「ホントッ!?」
 
 少し明るさを含んだ梨華ちゃんの声に、ズキっとしながら根拠のない言葉を続ける。

 「うん…大丈夫…」

67 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時40分33秒
 「ホントにぃ?」
 その言葉しか言わないわたしを不審に思ったのか、ちょっと梨華ちゃんの声が沈む。
 それに慌てるわたし。

 「うんっ!!大丈夫だよっ!!
  じゃぁ明日よしこに電話でもして、そのコと付き合うかどうか聞いてみたら?
  絶対に大丈夫だからさっ」
 
 「うぅ〜ん…そうだね…」

 しばらく考え込んだ後、梨華ちゃんは頷いてくれた。
 まだ納得してないようなカンジだけど…

 はぁ…

 「あっ、そうだ…私の事ばっかり話しちゃったけど、ごっちんはどうするの?」

 と、フト思い出したのか、少し明るくなった声が聞こえてきた。
 その明るい声も、今のわたしにはただただ痛いだけ。

 考える力もなくなってしまったような気がする…

 「ごとー?」
 「うんっ」

68 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時42分24秒
 「どうしよっかなぁ…」

 もう、梨華ちゃんはよしこの事がスキなんだから…

 「結構カワイイコなんだよっ」

 わざと付き合わないって言っても仕方ないし…

 「超話は合うし、超カワイイんだっ♪」

 ばれないように、なるべく明るく明るく…

 「それにねっ!ごとーにすっごい甘えてくる時があるんだよねぇ〜」

 梨華ちゃんを羨ましく思わせるんだ…

 「それが超カワイイんだっ♪」

 「へぇ〜いいなぁ〜」

 ……………………

 少し羨ましそうな梨華ちゃんの声…
 望んでいた言葉が返ってきたのに、わたしのココロの中には空しさしか残っていなかった。

 電話を切った後も、しばらく呆然と目の前の参考書を眺めていた。
 それを見ていると、普段の自分の頑張りがバカみたいに思えてきてしまった。
 何で自分はこんなに一生懸命になっているんだ…
 梨華ちゃんにフラれてまでも頑張る価値はあるのかな…

69 名前:07〜恋愛感情って?−過去−その3〜 投稿日:2001年09月29日(土)23時43分54秒
 電話を切った後も、しばらく呆然と目の前の参考書を眺めていた。
 それを見ていると、普段の自分の頑張りがバカみたいに思えてきてしまった。
 
 何で自分はこんなに一生懸命になっているんだ…
 梨華ちゃんにフラれてまでも頑張る価値はあるのかな…

 そう…その日、わたしは確実に梨華ちゃんにフラれてしまったんだろう…

 梨華ちゃんとよしこに対して持っている感情を、恋愛感情と理解する代償と共に…

 胸が締め付けられるように痛い…

 どうしていいのか分からない…

 よしこはスキ…
 梨華ちゃんもスキ…

 どうしていいのか分からない…

 目が痛い…

 そのまま机の上につっぷし、疲れるまで泣くわたし。
 机の上に置かれたノートに出来るシミが、妙に涙を誘っているきた…

 ……………………
 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

70 名前:作者 投稿日:2001年09月29日(土)23時59分30秒
結構筋は書けたので、ちょっと飛ばして頑張りました(w

>>50:空唄さん

 レスありがとうございます〜
 後藤さんの気持ち以外でしたか?
 そう言って頂けたら、ちょっと嬉しいです。

 時間軸は確実に進んでいます。
 矢口編は予備校が夏期講習に入る前にフラれました。
 (そんなに名言してないのですが…)これは大体6月下旬で、
 吉澤編は、内容通り夏期講習が始まる7月上旬から中旬くらいで、
 この後藤編も中に書いたとおり、高校が夏休みが入った頃です。
 最終的な本編の終了は夏休みが終わる前に終了の予定と…
 あくまで予定なんですが…(w

 これからもヨロシクお願いしますね〜

71 名前:作者 投稿日:2001年09月30日(日)00時00分56秒
>>51:名無し読者さん

 高橋さんでよかったですか?
 そう言って頂けると書いてる方も安心しました(w
 ねえさんの過去の絡みはある程度決定してるのですが、
 現在の絡みはまだ全然決まってないです…(汗
 めちゃめちゃ悩んでます…

 ネットの情報ありがとうございますね(^^)
 自分のトコは聞けないので、いっつもネットなんです…
 あぁ…東京に行きたい…(w

 これからもヨロシクお願いしますね〜

 
72 名前:作者 投稿日:2001年09月30日(日)01時02分19秒
>>68の最後4行と、>>69の最初の4行がかぶってしまってる…(汗
スミマセン…
73 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月30日(日)04時21分50秒
よしこをフったのはそういうわけだったのか〜。
ごっちんつらいね。
74 名前: 投稿日:2001年10月01日(月)00時11分40秒
やっぱり面白い!
続き楽しみにしてます!
これからも頑張って下さいね〜
75 名前:08〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年10月01日(月)18時40分47秒
08〜揺れる決心−その3〜

 「ねぇ〜ごっちん?もう家に帰っちゃう?」

 エプロンを取っていると、隣からなっちの声が聞こえてきた。

 「えぇ〜っ…もう帰っちゃうんですか?」

 寂しそうな愛ちゃんの妙なイントネーションの声。
 バイトの終わったわたしたち、さっきまで一緒におしゃべりに興じていたって訳。
 愛ちゃんも3時過ぎに帰ってきて、仕事場を手伝ってくれていたんだ。
 愛ちゃんの可愛らしい口調に笑みを浮かべるわたし。
 そんな笑っているわたしを見て、愛ちゃんの顔に紅がかかってしまう。
 真っ赤になって俯き、手でスカートの裾をいじり始めた。
 
 カワイイなぁ
 加護ちゃんみたいだぁ

 「まぁ…たぶんもう帰ると思うよ…」
 
 そんな愛くるしい愛ちゃんを見ながらちょっと考え込んだが、
 特に用事といった事が浮かんでこない…

 最近特にそうだ。

76 名前:08〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年10月01日(月)18時42分56秒
 あまり学校の友達とも遊んでいない。

 前まではよく学校の友達と渋谷とか色々と出かけたりしていたのだけど、
 どうもしっくりこないと言うか、楽しくないと言うか…

 今わたしの近くにいる友達はみんなノーマル。

 渋谷を歩いていても『超よくない?』とかをオトコを見て言う。
 それを見てノッタフリをして相槌を打ったりしているのだけど、
 どうも仮面を被っているようで、《それ》に自分がホント嫌になる。

 でも、友達を失ったりしたくないからホントの事は言えない。
 昔だったらそれでもよかったんでだけど、
 梨華ちゃんやよしことの《あんな事》があってからは、
 自分を隠すとストレスが溜まるようなカンジがしてならないんだ。

 まぁそれに、このままだと…
 梨華ちゃんやよしこと同じくらい大切に思える親友が現れそうにないんだし…

 ふぅ…
 
77 名前:08〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年10月01日(月)18時44分52秒
 「渋谷にでも寄って行かない?」
 
 エプロンをたたんでいるなっちの言葉にちょっとビックリするあたし。
 そう、なっちのカッコや性格から言うと、
 なっちって渋谷にはいかにも不釣り合いなカンジなんだよね。
 
 「なぁによぉ〜そんな不思議そうな顔してぇ〜」
 「えっ…いやぁ…なっちって渋谷ってカンジじゃないし…」
 「まぁ言われてみればそうだけど…」
 
 ちょっと悲しそうな表情になるなっちを見て、シマッタと思ったわたしは、
 慌てたように『いいよ』ってO.Kを出す。

 そんなわたしたちの後ろでは、お母さんに『もう出て行っちゃダメ』と言われ、
 悲しそうな声を出している愛ちゃんがいた。

 ちなみに、大げさかもしれないけど、このなっちへの返事があたしの人生をまた変えてくれるとは、
 この時は気づくはずもなかった。

78 名前:08〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年10月01日(月)18時47分34秒
〜〜〜〜〜〜

 日も落ちつつある中、夏休みの渋谷の街並みはこれから遊ぶ人の層が代わりつつあるのか、
 オネギャル系以上の人がやけに増えてきた。

 今日のわたしのカッコは、Tシャツにジーンズっていう至ってシンプルなカッコだったから、
 ちょっと恥ずかしいんだけどね…
 なっちも似たようなカンジだから、まぁいっかってカンジ。

 そんな渋谷に出て、色々と買い物とかゲームセンターでプリクラ撮ったりして楽しんだわたしたち。
 なっちとは色々と話をしたりしていたけど、こうやって一緒に渋谷に遊びに来たのは初めてだった。
 
 いつもバイトが終わると一直線に家に帰っちゃうなっちだからね…
 もちろん家にも遊びに行った事はなかった。

 どうしてそんなに早く帰るのか1回冗談を込めて、笑いながら
 『同棲でもしてるの?』って聞いたんだけど、
 その時は、はにかんだような笑みを浮かべ、はぐらかされてしまったんだよね。

 もしかしたらカレシでもいるんじゃないかなぁとか…
 同棲しているんじゃないかなぁとか…

 でも、そういえばなっちはシルバーリングをしているけど、
 それは左手の薬指じゃない…

 って事は…

79 名前:08〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年10月01日(月)18時48分59秒
 …………?…………

 うわぁぁ〜って髪を掻き毟りたいってカンジ…
 わかんないや…

 でも、今だったらなっちに恋話も聞けそう…

 あっ…他人の恋話を聞きたいと思ったのなんてホント久しぶりかもしんない…

 だってね、学校の友達の恋話を聞いても面白くないって感じていたから、
 最近だと全く聞かなくなっていたんだ…

 たまに友達の方から『どうしてカレシ作らないの?』って聞かれるけど、
 いつも笑ってごまかすだけ…

 言えない…

 いつも赤信号…いつになったら青信号になれるんだろう…

 いや、それ以上に青信号の友達って梨華ちゃんやよしこ以外に現れるのだろうか…

 梨華ちゃん…よしこ…

 会いたいなぁ…

80 名前:08〜揺れる決心−その3〜 投稿日:2001年10月01日(月)18時50分29秒
 「ちょっとさぁ、なっちイイカフェ知ってるんだぁ。入らない?」
 
 なっちが得意満面の笑みを浮かべこっちを見ていた。
 
 とても無邪気そうなカワイイ笑顔、ちょっとクラッと来たわたしは、
 顔の赤みがバレないように、もう一度前に目を持って行った。
 
 『いいよ』と言うわたしの目の前のスクランブル交差点の赤信号が青信号に変わり、
 止まっていた人の波がまた動き出した。

 スッと組んできたなっちの女のコらしいふくよかな腕がやけに気持ちいい。

 学校の友達とは腕を組みたいとは思わないわたし…
 久しぶりに組んだ腕は…やっぱりいいね…

 ドキッってきた…

81 名前:作者 投稿日:2001年10月01日(月)18時56分50秒
だんだんと双方とも本題に入ってきました…
これからはドンドン両方とも展開していきます。
思ってもいない展開がくるかもしれませんが、許してくださいね(w

>>73:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 ごっちんがフッタ理由はこれだけではないのですが…
 これからまだまだ色々とありますので、これからもヨロシクお願いしますね〜

>>74:♪さん

 いつもありがとうございます〜
 そう言っていただけますと、ホント励みになります(^^)
これからもヨロシクお願いします〜

82 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月01日(月)23時23分10秒
照れる愛ちゃん萌え
83 名前:09〜恋愛感情って?−過去−その4〜 投稿日:2001年10月03日(水)22時47分49秒
09〜恋愛感情って?−過去−その4〜

 真っ暗になった電車の窓の外を見ようとしても、わたしの目には、
 自分とその隣で幸せそうにわたしの肩に頭を傾けて眠っている加護ちゃんの姿しか見えなかった。
 ご飯を食べておなかがいっぱいになった事もあり、
 加護ちゃんの寝ている顔には自然と笑みが浮かんでいた。
 
 足元には、わたしと加護ちゃんが今日渋谷でたくさん買った服やらヌイグルミやらが、
 新しいご主人様に従うように、袋の口からこっちを見ていた。
 
 それを見ながらも、思わず出てきた溜息…

 はぁ…

 朝から何回目だろうか…
 無駄だと知りながら、携帯を出し【センター問い合わせ】をする。

 …………………

 やっぱり来ていない。

 わたしが待っているのは昨日の深夜に出したよしこからの返信メールだ。
 これだけよしこからの返信メールが遅いのは、初めてかもしれない。
 胸が締め付けられるような気持ちでいっぱいになる。

84 名前:09〜恋愛感情って?−過去−その4〜 投稿日:2001年10月03日(水)22時49分59秒
 携帯のメール欄を開くと、うっとうしい出会い系サイトからのメールと、
 たくさんある【From:加護ちゃん】となっているメールがある。
 その2つに混じって、一際大きく見える【From:よしこ】となっている2つのメールもあった。
 もう何回も開けたが、もう一度開けてみる。

 【そういえば…コクられたコとはどうしたの?】

 そう、昨日夜によしこからメールが来たんだ。
 その内容を見たとき、『もしかしたらよしこがわたしの事を心配しているのかも?』って、
 少し甘い気持ちが溢れ出てきた。
 結構嬉しかったんだ。

 そこでちょっとココロが上ずってしまったのかもしれない。
 思ってもいない事を返していた。

 思ってもいない事…

 いや、加護ちゃんの事は、ホントはどう思っているのかなんてまだ分からないんだけど…

 でも、でも…今日もホント超楽しかったんだ。
 ホントカワイイし…超甘えてくるのを見ると、全てを包んであげたいって思うし…
 ほっとけないとも思う。

 でも、よしこは…梨華ちゃんもそれ以上にスキなのかもしれない…
 加護ちゃんのは母性本能なだけなのかもしれない…

85 名前:09〜恋愛感情って?−過去−その4〜 投稿日:2001年10月03日(水)22時51分57秒
 とりあえず…『ゴメン加護ちゃん』…ってカンジで送ったのが…

 【可哀想だったんだけど、友達に言って断ってもらったよ…。
  よすこはどうしたの?】

 これを送る時にはもう加護ちゃんよりよしこの事が気になっていたんだ。
 わたしもコクられた加護ちゃんに結構惹かれてしまっている自分がいるから、
 もしかしたらよしこも、簡単にコクられた女のコに惹かれてしまうかもしれないって予感があった。
 
 梨華ちゃんには根拠のない事を言ってしまったし…
 自分でも知りたかったし…

 もしよしこがそのコと付き合ったら、わたしは梨華ちゃんにとんでもない事を言ってしまった事になる。

 でも、帰ってきた返信は…

 【とりあえず断ったけど…まぁ…わたしはまず友達からって言ってね(^^)
  さっそく2ショット写真せがまれちゃった(笑)】

 ホッとしたのもつかの間、またこの言葉の深い意味を探ってしまう。
 それは、当り障りのない言葉。
 
 いや、むしろ楽しんでいるかもしれない…
 結構コクってきたコに惹かれてるのかも…

 ……………………

 でも…【とりあえず断った】…か…

86 名前:09〜恋愛感情って?−過去−その4〜 投稿日:2001年10月03日(水)22時55分39秒
 しばらく目の前にある参考書より、壁に張られている、わたし、梨華ちゃん、
 よしこばっかりの写真を眺めていた。

 一番古いのは、3人で遊園地や動物園に行った時の、3歳位の写真。
 いつもよしこを真ん中にみんなで手を繋ぎつつ、
 その後ろではみんなのお母さんが心配そうな表情でわたしたちを見ていた。
 
 高い物に乗りたがるよしこ。
 色々な動物の石の像とかには、特に乗りたがるんだ。
 1回そこから落ちて大怪我をした事もあった。
 いつもそんな行動的なよしこを見て、
 ハラハラしながらもその行動を見守っていたのがわたしと梨華ちゃん。

 子供用だけど、ジェットコースターに乗ったのもよしこが一番最初。
 梨華ちゃんなんて最初は見るのもいやなくらい、怖い怖いって泣いていたけど…
 一回、よしこが、隣に座って手を繋いで一緒に乗ってあげてからは、もう大丈夫。
 今ではよしこよりもスキになってしまったくらいだ。

 それもいい思い出…

 4歳、5歳、6歳…入学式も3人一緒だった。
 ひとまず先に入学していた梨華ちゃんも何故か同じ服を着て、
 わたしとよしこと一緒に並んで写っていた。
 
87 名前:09〜恋愛感情って?−過去−その4〜 投稿日:2001年10月03日(水)22時58分20秒
 梨華ちゃんのお母さん曰く、その朝おもいっきり泣いちゃって…仕方なくってカンジで。
 苦笑いを浮かべながらも、満更でもないって表情だった。

 7歳、8歳、…11歳、12歳…わたしとよしこの卒業式と、中学の入学式…
 それにもきちんと梨華ちゃんがいる。

 そして15歳…全ての年齢で、ある写真。
 そのどれもが3人一緒に仲良く手を繋いで写っている。

 懐かしいなぁ…

 あっ、そうそう、ちなみに、途中大きく雰囲気が変わった人が1人いるんだよね…
 それは…梨華ちゃんなんだけど…中学入った頃から急に綺麗になったんだ。
 今から考えると、その中学って言う思春期の頃から、
 梨華ちゃんはよしこに惹かれていたのかもしれないね…
 今だとホントカワイイし…

 梨華ちゃん、よしこ…一生一緒にいたいと思う…

 よしこの事が気になる…
 よしこのココロが知りたい…

 わたしの事はどう思ってるの?
 梨華ちゃんの事はどう思っているの?
 そのコはどうして断ったの?
 わたしの事を気にしてるから?
 梨華ちゃんの事を気にしてるから?
 それとも他にわたしの知らないトコロでスキなコでも出来たの?
 どうして…?
88 名前:09〜恋愛感情って?−過去−その4〜 投稿日:2001年10月03日(水)23時01分00秒
 【何で断ったの?】

 それっきりだった…
 そのメールを深夜も遅くなってから送ったけど、
 朝起きてからもそのメールの返信はなかった。

 なんでよ…
 どうしたの…

 「ごとーさん?
  涙…」
 加護ちゃんの呟くような声と共に、わたしはハッと気がついた。
 そして自分に起こった事に気が付く。

 いつの間にか涙が出ていたんだ…

 覗き込むようにしてわたしの顔を見てくる加護ちゃんは、
 黒目がちの目をうるうるさせ心配そうな表情をしていた。
 今にも泣き出しそうなくらい…
 
 「どうしたのですかぁ?
  大丈夫ですぅ?」
 そんな加護ちゃんを見ていると、グッと何かココロの底の自分の《気持ち》を、
 優しく包み込まれるような感情が溢れ出てきていた。

 スッと加護ちゃんの頭を自分に抱き寄せる。

89 名前:09〜恋愛感情って?−過去−その4〜 投稿日:2001年10月03日(水)23時03分22秒
 素直に頭をわたしの肩にコツンと傾ける加護ちゃん。
 加護ちゃんの温もりをしばらく楽しんでいると、
 フト、小さく呟く声が聞こえてきた。
 心配そうで、不安を抱え、それでいて甘さを含んだ声で…

 「あのぉ…
  そのぉ…
  今日ぉ…」
 「どうしたの?」
 思わず笑みの浮かぶわたし。
 ゆっくりと加護ちゃんの言葉を待つ。

 …………………

 「ごとーさんの…ウチに泊っていいですかぁ?」

 顔をリンゴのように真っ赤にして、俯く加護ちゃん。

 カワイイなぁ…
 断る訳ないじゃん…

 「いいよ…でも、お母さんは大丈夫?」
 「はいっ」
 わたしの『いいよ』って言葉にパッと顔を輝かせ、とっても嬉しそうにこっちを見てきた。
 目にはかなりウルウルが入ってる。 
 
 「後で、ちゃんと電話しときなよ」
 「はいっ」
 
 その透き通るような瞳からは、加護ちゃんの、嬉しい、そしてわたしといられる幸せという、
 純粋な感情を全てぶつけられるようでちょっと辛くなった。
 思わず視線を外したくなる自分が少しイヤになる…

90 名前:作者 投稿日:2001年10月03日(水)23時12分20秒
これでやっと3分の1くらいきました…
順調かな…

>>82:名無しさん

 そうですか?
 喜んで頂いて嬉しいです(^^)
 でも、ごっちん編では登場は後一回だけなんです(w
 もし、他の編を書いてる間に、高橋愛ちゃんの人気が上がって、
 キャラがもっと確立して書きやすくなったら、高橋編でも書けたらいいかなぁって(w
 これからもヨロシクお願いしますね〜

91 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月05日(金)16時28分33秒
学年違うのに式の写真に一緒に写っている梨華ちゃん、おもしろい。
3人が仲がよかったのが伝わってきます。
後藤頑張れ。
92 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月06日(土)01時56分41秒
すごい気になる伏線がいっぱい…。
気になるよお〜。
93 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)13時48分36秒
10〜揺れる決心−その4〜

 「『カフェ・マ・メゾン』って言ってさぁ
  文化村通りにあってさ、マルキュウの近くなんだけど…知ってる?
  すっごい美味しいんだよっ」
 
 交差点を渡り切ったわたしたちは回りがギャルでいっぱいの深い雑踏の中を歩いていた。
 そんなギャルとは似ても似つかないけど、そこら辺にいるギャルなんかよりは断然カワイイなっちの、
 嬉しそうに笑みを浮かべ言ってくる姿に、またクラッとくるわたし。

 目の前からくる日差しに少し目を細めながらも、楽しそうにその店の事を話すなっちも超嬉しそうだ。

 いいなぁ…なっち…

 なっちをもう一度横目で見た後、わたしは視線を前に持って行ったが、
 黄金色のきつい日差しに、思わず視線を右に少しずらす。

 と、次の瞬間わたしの目にどこかで見た顔が入ってきた…

 交差する視線…

 あいつ…

 「マキじゃん…」
 無視しようと思っていたわたしの耳に、ちょっとビックリしたような、
 それで恨みがましいカンジの声が、すれ違いざまに横から聞こえてきた。
 もう二度と聞く事はないと思っていた声だ。

94 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)13時50分43秒
 わたしに最近コクってきたオトコ…

 うっとうしいから気づかないフリ…

 ちょっと困惑しているなっちの腕を引っ張り、そのまま歩く。
 無視して歩みを止めないわたしの後ろから、
 ちょっと怒気の入った声が聞こえてきた。

 「そいつ、おまえの彼女?」

 びくっとなるなっち。
 俯いてしまった。
 明らかに怒気の入った声はとてもじゃないけど冗談には聞こえなかった。

 たぶんなっちもそいつの言った《意味》が分かったんだろうね…
 組んでいる腕がかすかに震えているのが分かった。

 最悪…

 これでなっちのわたしを見る目が変わるよね…

 わたしが腕を組んだり、近付いたりするだけで、
 自分が狙われてるんじゃないかって思っちゃうよね…
 せっかく今日だけで結構深い友達になれそうって思ったのに…

 はぁ…

95 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)13時52分42秒
 なっちが可哀想に思ったあたしは、否定だけしようと立ち止り振り返った。
 そうだよね…なっちもレズだなんて思われたら可哀想だし…

 「違うよ…このコはノーマルなコ」
 「へぇ〜」

 納得したようなしてないような、探るような目。
 そしてなっちの方を見る。

 少し怯えたような表情のなっちに、
 わたしは思わず背中に隠すようにしてなっちの前に立った。

 「こいつ、カワイイ女のコが大スキなんだってさ。
  レズなんだってよ。
  カワイイのに勿体ねぇよな
  気を付けな、おまえ食われちゃうかもしれないからなっ
  あはははっ…」
 
 なっちを見ながら、『こいつ』と言ってわたしの方をアゴで示し、笑い始めた。

 「気持ち悪いったらありゃしねぇよ」

 そう吐き捨てるようにあたしに向かって言ってきた。
 まるであの時の恨みをはらすかのように…

 『気持ち悪い』…

96 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)13時55分26秒
 それを聞いて、ジワッと何か熱いものがこみ上げてくるようなカンジがした。

 悔しい…

 悔し涙が溢れ出てきそうだ。
 その浮かんできた涙をバラしたくなかったわたしは少し俯くが、
 それと共に、自分のなっちに組まれていた腕から、
 なっちの柔らかい腕の感触が消えるのを感じた。

 完全に嫌悪感を覚えさせちゃったんだろうな…
 組んでた腕まで放されちゃった…

 と、思った瞬間だった。

 パシンッ!!!

 小気味良い乾いて高い音が派手に聞こえてきた。

 ハッと俯いていた顔を上げる。
 歩いていた人たちも一斉に何事かと立ち止る。
 周りは時が止まったように静かになった。

 時折鳴る車のクラクションの音がやけに耳に響いてくるそんな中、
 わたしの少し涙で歪んでいた視界に、ホホに少し赤いアザを作り、
 呆然とした表情で目の前のなっちの顔を見ていたあいつが入ってきた。

97 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)13時57分35秒
 そう…なっちがあいつのホホをおもいっきり叩いた音だったんだ。
 
 なっちの表情は後姿だから何も見えない。
 ただ、あいつの顔を見上げているのはわかった。
 そのなっちの表情は、あいつの次の言葉でなんとなく想像がついた気がする。

 「ちぇっ!
  こいつもレズかよっ
  よかったなっ!!マキッ!!」

 ………………………

 そいつはさすがに女のコに手を上げる事は出来ないのか、
 ワザと周りに聞こえるくらい大きな声で捨て台詞を残して立ち去っていった。

 再び動き出す世界。

 立ち止っていた周りの人も、好奇な目でわたしたちを見つつも再び歩き出した。

 ありがとう…なっち…優しいんだね…

 ただ、これからなっちとどう接したらいいのか…
 今のわたしにはわからなかった。

98 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)13時59分21秒
〜〜〜〜〜〜

 「ごっちん…気にしなくていいんだよ。
  あんなヤツの言葉…」
 
 なっちが、まだ涙の浮かんでいるわたしの肩を抱くようにして、
 すぐ近くの店のショウウィンドウの端っこに座らせてくれた。
 その優しさが余計に辛い…

 また涙が浮かんできた。

 なっち、そんなに無理しなくてもいいのに…
 無理な優しさは余計に辛くなるだけだよ…

 「気持ち悪いでしょ…?」
 少し落ち着いたわたしの口から出てきた言葉…
 まだなっちと親友の域まで行っていない今の内に、
 それをはっきりさせようとして出てきた言葉だ。
 
 「そんな事ないよ…」
 
 わたしのそんな自暴自棄的…自虐的な言葉に、
 なっちはすぐに優しく答えてくれた。

 どうせ優しさだけの言葉だよね…

99 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時00分46秒
 「カワイイ女のコがスキなんだよ…ごとーは…」
 
 「なっちもカワイイ女のコ、スキだよ」
 
 ニッコリと目を細めて言うなっち。
 普通ならちょっと嬉しい言葉も、なっちが言った言葉だと、
 どうせ優しさから出てきた言葉だろうってカンジに思ってしまい、
 どうにもやるせない気持ちを感じてしまう。

 「ありがと…」
 
 わたしのうわべだけのお礼に、なっちの表情が少し曇った。
 なっちの瞳にジワッと涙が浮かび、そのまま俯いてしまった。
 激しい後悔の浮かぶわたし。

 こんなに優しくしてくれるなっちに対して取る態度じゃないよね…

 最低だ…
 
 「ホントだよ…なっちも…カワイイ女のコ、スキなのに…」
 
 少し涙声の入った言葉にちょっとココロを揺れ動かされるわたし。
 罪悪感と共にホントかもしれないって気持ち出てきた。
 でも、それを素直に受け取る事が出来ずに、なっちの愛らしさも重ね、
 わたしはイジワルな言葉を口にしていた。

100 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時02分24秒
 「じゃぁ…なっちは女のコとキス出来る?」
 
 こく

 「じゃぁ…なっちは女のコとH出来る?」

 こく

 2つの質問にも真剣な表情で答えてくれたなっち。
 その真剣な表情の中にある、透き通った瞳が余計に信頼してって訴えかけてくる。
 
 思わず吸い込まれるようにジッと見つめてしまうわたしがいた。

 「ホントに女のコとキス出来るべさっ」
 
 強がったような、真剣なような…
 そんな複雑な表情で…
 でも一生懸命訴えるようなカンジでなっちはこっちを見ていた。

 ホントカワイイなぁ…

 と、わたしが場違いな事を思った瞬間だった。

 スッと目の前が暗くなるやいなや、わたしの唇に何か柔らかい…
 それでいて甘い《もの》が一瞬だけだけどソッと触れた。

101 名前:10〜揺れる決心−その4〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時03分52秒
 久しぶりに感じるこの甘い気持ち。

 再び視界が開けると、わたしの目の前に顔を真っ赤にさせつつも『ホントだべぇ?』と、
 得意げな表情を浮かべているなっちがいた。

 ホントなの…?

 「ねぇ…なっちの家に来る?
  語ろうよっ♪聞いて欲しい事もあるしねっ♪」

 なっちの突然の行動にしばらく呆然としていたあたしだけど、
 なっちの明るくなった声にハッとした様にそっちの方をもう一度見た。

 そこには友達から親友になりそうななっちが、柔らかい笑みを浮かべ中腰に座っていた。
 そして、立ち上がるとわたしの前に手を差し伸べてくれる。

 わたしが取るとそっと立たせてくれた…
 今までの柔らかい手とはまた違うように感じられる《今》のなっちの手…

 黄金色も暗くなった道を、さっきとはまた違った《気持ち》で歩いているなっちとわたし…

102 名前:作者 投稿日:2001年10月06日(土)14時16分15秒
>>91:名無し読者

 レスありがとうございます〜
 3人の仲が良かったのが伝わったら嬉しいです(^^)
 吉澤編ではどうも入れられなくって…
 この3人の仲のよさも、この全体の物語の趣旨の内の1つなんで。
 他にも現実的にありそうな恋愛とか…
 まだ趣旨とかありますが、暇だったら探ってください(w
 これだけあったら趣旨にならないかな…(w
 これからもヨロシクお願いしますね〜

>>92:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 だらだらと長い物語なので、
 せめて伏線をたくさん入れて読者の方を楽しませられたらと思いまして(w
 これからもヨロシクお願いします〜

103 名前: 投稿日:2001年10月06日(土)20時47分07秒
なっちの家に行くってことは矢口もいるんだよね。
ど〜なるんだろう♪
104 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月07日(日)18時18分20秒
一部で分からなかったなっちと矢口の関係も
分かってくるのかな?
105 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月08日(月)22時44分30秒
11〜恋愛感情って?−過去−その5〜

 コンビニで買ってきた袋を部屋の机に置く。
 ペットボトルのお茶に、スナック菓子…
 加護ちゃんは同じようなお菓子をわたし以上に買い込んでいた。

 『ちょっとやせたいんですけどぉ』と苦笑いを浮かべながらも、ペットボトルのキャップや、
 スナック菓子の袋を開ける顔は幸せいっぱいの表情だった。

 着ていたコートも脱ぎ、ヒーターの電源と、テレビの電源を入れる。
 『好きなチャンネル掛けていいよ』と言い、押入れから柔らかいフワフワの毛布を取り出した。
 手に、心地よい感触が加わる。

 これに一緒に包まると、ホント気持ちいいんだ。
 特に冬場はね♪
 よしこや梨華ちゃんが来る時には、いっつも一緒に包まったりしたりしてるんだ。

 「加護ちゃん?
  はいっ
  柔かくて気持ちいいんだよっ♪」
 
 そっと加護ちゃんの背中からかぶせ、わたしもその中に入る。
 フワっと空気が揺れ、梨華ちゃんとよしこの甘い匂いが舞い上がった。
 もう、子供の頃から何度も感じている匂いが…

106 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月08日(月)22時46分08秒
 「うわぁ…柔らかいですねぇ〜」
 「あはっ
  そうでしょ〜」
 
 わたしの言葉と同時に、加護ちゃんが腕を絡めてき、頭を預けてきた。
 女のコ特有の柔らかくて甘くて、それでいてトキメクような感覚が襲ってくる。
 
 胸の奥がジーンときた。

 目の前では日曜夜のただ1つのワイドショーが、芸能スキャンダルを報道している。
 歩いている芸能人に必死にマイクを突きつけている姿は、滑稽って言葉がよく似合っていた。
 その姿にキャスターの男性も呆れ気味の表情。

 さっきからしきりにお菓子を口に運んでいた加護ちゃんも、
 もう大分落ち着いたのか、少しジュース専門に手を伸ばしていた。
 食べるばっかりでなく、トークの方の口もしっかり動いていた。
 わたしを飽きさせないようにか、一生懸命飴玉の入った口を動かしている。
 
 それを見て、また愛らしさを覚えてしまう。

107 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月08日(月)22時48分06秒
 「あのぉ…」
 少しウツラウツラと来たわたしの耳に、遠慮がちな可愛らしい声が聞こえてきた。
 
 「どうしたの?」
 わたしの覗き込むような視線にたじろいだのか、目が泳ぎ気味ながらも、
 スッと横を向き、目で訴えてきた。

 加護ちゃんの見た方を見ると、わたしの目にたくさんの写真が貼られているのが入ってきた。
 そう、梨華ちゃんとよしこのたくさんの写真だ。
 
 「キレイな人ですね…」
 梨華ちゃん、よしこどっちに対して言ったのかわからなかったけど、
 その口調には寂しさと、羨ましさと、悔しさが入り混じった不思議な気持ちが入っていた。

 「仲良さそう…羨ましいなぁ」
 しみじみと呟くように言う加護ちゃん。

 その姿を見たとたん、ぎゅうと胸が締め付けられるような気持ちでいっぱいになってしまった。
 思わず組まれていた腕を向こう側に回し、強く抱きしめる。

 小さな小さな身体の中に、たくさんの悲しみがあるのが分かる。
 スッと鼻にくすぐってきた赤ちゃんの匂いに、ジーンと胸の奥が締め付けられる。

108 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月08日(月)22時49分50秒
 加護ちゃんのほっぺにわたしのほっぺをくっつける。
 赤ちゃんみたいにツヤツヤで、マシュマロのように柔らかい感触に、
 とろけそうになるわたしのココロ。

 「幼馴染なんだぁ
  加護ちゃんにもいる?」
 

 「はい…
  1人なんで、羨ましいです…
  でも、いるとホント楽しいコなんですよっ
  いっつも食べ物の事とかを考えてるんですけどぉ」
 
 そう言って笑う加護ちゃんは、さっきの寂しさと羨ましさが少し減ったような笑みを浮かべていた。
 ホッとする反面、その女のコが羨ましくもなるわたし。
 
 そして、フト梨華ちゃんが頭に浮かんできた…
 あの電話の内容と共に…
 
 何か熱いものも一緒にこみ上げてくる…

 「大事にしなよっ」
 
 「はいっ
  ありがとうございますぅ」
 とても嬉しそうな加護ちゃんの声。
 たぶん大切な幼馴染なんだろう。
 わたしだって梨華ちゃんとよしこの事を友達に話す時はすっごい楽しい。

109 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月08日(月)22時51分47秒
 と、フト加護ちゃんがバランスを崩したように、そのまま後ろに倒れこんでしまった。
 あっ、と思う間もなく、わたしも一緒にそのまま倒れこむ。

 「あっ…」
 加護ちゃんの小さな悲鳴。
 いや、バランスを崩したではなく、わざとなんだろう…
 加護ちゃんの小さな悲鳴は明らかにわざとらしかった…
 覆い被さっていた体を起こすが、上の毛布の心地よい感触と、
 下の加護ちゃんの柔らかい感触…その2つに挟まれて、
 どうにかなってしまいそうな気持ちの昂ぶりを覚える。

 目の前にある瞳はウルウルして、口からはストロベリーの飴の甘い匂い…
 『いい匂い…』とそんな事を思った瞬間だった…
 突然わたしはぎゅうと抱きしめられた。

 「お願いします…」

 はい?

 ………………………

 お願いしますって…

 《あれ》だよね……

 ………………………
 
 いいの…?
 女のコはそう簡単に身体許しちゃったらダメだよ…

110 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月08日(月)22時52分47秒
 「ダメだよ…女のコはね、そう…」
 「いいんですっ!
  ごとーさんなら…いいです…ううん…ごとーさんがいいです…
  ……………………
  お願いします…」

 わたしが何か言おうとするのを遮るかのような加護ちゃんの声。
 そして、顔を真っ赤にさせながらの告白…

 わたしは梨華ちゃんやよしこの方がスキなはずなのに…
 それでいいの…ごとーは…

 あっ…そっか…梨華ちゃんにはフラれたんだ…

 …………………

 加護ちゃん…

 可哀想だし…

 柔らかいし…
 
 カワイイし…

 愛しいし…

 わたしの手には無意識の内に力が入っていた。
 そして、加護ちゃんの小さな小さな身体の温かさをかみ締めていた。

 『いいの?』と自分自身に聞くように…

111 名前:作者 投稿日:2001年10月08日(月)23時00分17秒
>>103:♪さん

 レスありがとうございます〜
 やぐちは…
 最近はいつも予備校で勉強してますんで、
 帰宅は吉澤編であったように七時半過ぎです(w
 ので、またちょっといないですね(w
 これからもヨロシクお願いしますね〜

>>104:名無し読者さん

 はい、そうです。
 今度はなっちの気持ちが…
 第1部は完全にやぐちのココロの中なので、
 結構違ったなっちのココロの中が分かると思います。
 それは、なっちに関しての伏線にヒントがあります…
 これからもヨロシクお願いします〜

112 名前: 投稿日:2001年10月09日(火)01時25分21秒
あぁ、続きが早く見たいです。
最高に大ヒットですこの小説。
113 名前:名無しの読者 投稿日:2001年10月09日(火)01時44分35秒
他の多くの作品がそれは当然のことという前提で書かかれている中、
レズが(良い悪いは別に)世の中でそういう風な位置にあることを無視しないで書いているのは
とても良い感じです。
もちろん、アリで書かれているやつも全然面白いんですけどね。
114 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月09日(火)02時41分21秒
過去も現在も見せ場ですね。
続き読みたい!
115 名前:さるさる 投稿日:2001年10月10日(水)22時14分53秒
まだかなまだかな。
116 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時02分25秒
〜〜〜〜〜〜

 自分のほっぺを加護ちゃんの赤ちゃんのように柔らかいほっぺにくっつける。
 ホントに柔らかくて癖になりそうってカンジだ。

 ホッペにキス

 「あっ…」

 恥ずかしそうな吐息と共に、ストロベリーの甘い匂いと、
 赤ちゃんの匂いが何ともいえない甘いシゲキをくれる。
 赤らめ少し体温の上がったホッペが、少し冷たい自分の唇に心地よい温かさもくれる。
 
 途中『お風呂に入った方がいいですかぁ?』の質問に、『そのままでもいいよ』と返すわたし。

 もう一度ホッペにキスを…
 加護ちゃんの柔らかい顔に…
 もちろん口にもね…

 キスをたくさんプレゼントする。

 それになすがままといったカンジでトロンとした瞳でわたしを見てくる。
 綺麗な純粋そうな瞳で…

 耳たぶ…首筋…鎖骨…
 少しずつ触れる唇。

117 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時05分03秒
 ノースリーブのタートルネックセーターの裾に手を当て、加護ちゃんに囁き、聞く。

 「いい?」

 こく

 真っ赤になって頷く加護ちゃんに、緊張させないように笑みを浮かべ、
 『大丈夫だよ』と自分にも言い聞かせるように言い、ゆっくりと捲り上げた。

 自分にも言い聞かせる…

 そう、もちろんわたしだって初めてだ…
 どうやっていいのかなんて想像もつかない…

 時々よしことはHなトークをしたりするんだけど、それでも2人ともHした事ないんだもん…
 想像の域を出る事はなかった。

 1回、そう言う話をしている時に、遊び半分でディープキスまでした事があったけど…
 不思議な感覚で甘くて、とろけそうな気持ちに、それ以上は…
 2人とも真っ赤になっちゃって、固まっちゃった…

 ただ、今だから言えるけど、わたしはその時、もしよしこに押し倒されでもしたら、
 そのままHをしてもよかったと思っていた。

 わたしはね…

 それっきり…気まずくならなかったのが幸いだったけど…

118 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時06分24秒
 梨華ちゃんなんかはそういうトークは全くダメで、そう関係の話になると、
 真っ赤になって俯いてしまうくらいだ。

 ただ、その姿が超可愛くって、わざとHな会話をしたりする時もあるんだけどね…
 自分の少ない知識をフル動員して…

 あっ…梨華ちゃん、よしこの事を考えてる…

 ゴメン…加護ちゃん…

 セーターを髪の毛が乱れないように、万歳をさせ、優しく取ってあげる。
 綺麗な脇と共に、真っ白な、いかにも下ろしたてってカンジのブラが見えてきた。

 スッと押し倒しながら、両手を背中に回して、ホックに手を掛ける。
 
 少し遠いために、身体を近づけると、加護ちゃんのブラの下辺りに右耳が当る。
 ドキドキと心臓がかなりの早さで打っているのが簡単にわかる。

 わたしだってドキドキしてるのに…

 早く触ってほしい…早くわたしだって緊張しているのを知って欲しい…

 パチンッ

119 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時07分45秒
 小さな聞こえるか聞こえないかくらいの音と共に、
 綺麗にかたちどられていた豊満な胸が両サイドに少し落ちる。
 幼顔とは不釣り合いなくらいの豊満な胸が…

 初めて出逢った時に思った通り、その大きさは結構あり、
 両サイドに落ち気味になる胸は、その質量を支えきれていないのがわかる。

 「ごとーさん…
  あんまり見ないでくださいぃ…」
 
 またまた胸がジーンと来てしまった。
 まるで梨華ちゃんをイジメている時のように…
 
 その加護ちゃんの口調、恥ずかしさいっぱいの真っ赤な顔。

 カワイイはあとはあと

 下を見る時はどうなっちゃうんだろう…

 大丈夫かなぁ…

 「恥ずかしがらなくてもいいんだよっ」
 わたしの諭すような口調にも、そのホホの赤みは全く解けず、
 更に赤くなってしまう模様。

 じゃぁ…もっと恥ずかしい事したげる…

120 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時09分52秒
 柔らかい胸の頂きの蕾に舌の先端を少し当てる。
 ホンの少し、触れるか触れないかくらいに…

 「あっ…」

 加護ちゃんの何とも言えない吐息に笑みの浮かぶわたし。
 
 スッと口に含む。
 意外なくらい硬く形作っている《それ》は、口に含むと更に硬さを増してきた。
 
 わたしの真上で聞こえる加護ちゃんの甘い吐息を聞きながら、
 自分のココロの奥底で何かが昂ぶってきているのがわかった。
 
 それと共におなかの底に快感の渦が溜まってきているのがわかる。
 たぶん自分のアソコもだいぶん濡れちゃっているんだろうな…

 はぁ…

 目の前のコリコリと硬く、自分のココロの高ぶりを誇示している加護ちゃんの
 《それ》を舌全体で持て遊ぶ。
 それに合わせて聞こえてくる加護ちゃんの声。
 
 左手をたわわになった胸に沿え、そっと、それでいてきちんと快感が伝わるように動かす。
 《自分が気持ちいいであろう》と思うように…
 
 そのまま、右手は加護ちゃんの下半身の方に持っていく。
 大事な部分をミニスカートの上からそっと触る。

121 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時11分11秒
 「やっ!」

 ぎゅっと閉じられる太もも。
 顔の方に向けると、真っ赤になりつつも目はぎゅっと瞑られていた。
 左手をホホに持っていき、ゆっくりと撫でる…



 「大丈夫だよ…かごぉ…」



 徐々に弱くなる太もも…スッと手が入った。



 「大丈夫だから…ねっ…かごぉ…」



 湿ったパンティーの上、そっとさする…
 わたしのひとつひとつの指の動きにそのつど反応のある加護ちゃんの口。
 もっと悦ばせてあげたくなる…

 ミニスカートを捲り上げ、パンティーの上の部分から優しく手を入れてあげる。
 少し量の少なめな、それでいて柔らかい手触りを感じる。
 少しその辺りを撫ぜてあげる。

122 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時13分08秒


 「はぁ…あのぉ…ごとーさぁん」


 「どうしたの?」


 「……優しくしてくださいねぇ」


 囁くように懇願する加護ちゃんの声。
 初めての場合、手が自分の大事な部分に近付けば近付く程、怖さが襲ってくるのだろう。
 なんとなくわかりそうな気がする。

 わたしだって、たとえ大スキな梨華ちゃんやよしこにされたとしても、
 怖さは拭えないだろう。
 身体は許す事はできても、自分の《初めて》となると、
 自然に身が強張ってしまいそうになるだろう。

 でも、大丈夫…優しくしてあげるから…


 「大丈夫だよぉ…」


 こく

 加護ちゃんのまだ開ききっていない、幼い割れ目にそっと指をそえる。

 「ひゃぁっ…」

 少し高い声が部屋に響く。

123 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時15分03秒
 「ダメだよ…弟が隣の部屋にいるから…」

 諭すような声に、首を2回上下にするが、その目は完全にトロンとなり、
 顔の赤みは余計にひどくなっていた。
 それどころか、身体全体に及ぶぐらいであった。

 加護ちゃんが頷いたのを確認したわたしは、もう一度指を割れ目に当て、ゆっくりと動かす。
 そして、加護ちゃんの快感の元…下の蕾を探す。

 「はぁ…」

 少し曇った加護ちゃんの声。
 必死に声を出すまいと我慢している加護ちゃんに、強い愛しさを感じる一方、
 もっと声を出させてあげたいと思っているわたしがいた。

 上の蕾をもてあそんでいた舌を、じょじょに下ろしていく。

 肋骨、おへそ…

 そして、パンティーを下げてあげる…

 その後に見える、恥骨…

 うっすらしていて、それでなおサワサワしているトコロに吐息を掛ける。
 もう少し下は、加護ちゃん自身になる。
 その大事な蕾の下の更に大事な部分からは、透明な液体が大量に流れでているのがわかる。

 そして、一番大切なトコロ…

 どうしたらいいのかわたしには分からない…
 やっぱり可哀想…
 ヴァージンは…

124 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時17分15秒
 ……………………

 キレイだなぁ…

 まだ触った事ないんじゃないかなぁ…

 思わず見とれてしまったわたし。

 「ご、ごとーさんっ
  そ、そんなに、じっと見ないでくださいよぉ」

 手や舌が動かなくなったのを、不思議に思ったのか、加護ちゃんの悲鳴があがった。
 わたしがスッと頭を上げた瞬間、加護ちゃんが自分の大事な部分を隠すように片手を持ってきた。


 カワイイなぁ…


 加護ちゃんの指に舌を…

 「あっ…」

 手の力が弱まった。
 ゆっくりとわたしの手で加護ちゃんの手を外してあげる。

 抵抗はゼロ。

 それを確認したわたしは、加護ちゃんの大事な蕾に舌をちょこっと当てた。
 上がった押し殺すような悲鳴には、少し涙声が入っている。
 下の乙女の大事な部分からは、もう止めどもなく透明な液体が溢れ出ていた。

125 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時19分43秒
 ゆっくりと舌を動かす。

 ゆっくりと、ゆっくりと、それでいてしっかりを蕾を捕らえるように…
 じょじょに大きくなる声に、もう一度口元に人差し指を持ってきて、加護ちゃんを諭す。

 わたしと目が合うと、加護ちゃんのホホにスッと一筋の涙が伝わったのがわかった。
 ライトに照らされ、目の前のモノと共々キラキラ輝いている。

 その涙を見た瞬間、またわたしのココロの底ではジーンと何かわからない感情が渦巻いた。

 指も沿え、舌の動きも速くする。
 それと共に、加護ちゃんの押し殺したような声も少しだけ大きくなった。


 もう、イッちゃうのかな…


 下の蕾は指だけに任せ、胸の蕾に舌を持っていった。

 胸の蕾に優しく刺激を与えながら、下の蕾に当てた指の動きを早くする。

 徐々に徐々に…

 「ご、ごとうさんっ!」


 「………どうしたのぉ?………」


 イタズラっぽく尋ねる…

 「へ、変に…なりそうですぅ…」

 顔を上げ、加護ちゃんを抱き起こす。
 もちろん指の動きは止めず、むしろ早めるくらいで…

 それに合わせて加護ちゃんの身体も揺れる。

126 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時20分58秒
 「あっ…あっ…」
 更に、身体の揺れに合わせて、快感の声も溢れ出てくる。

 スッと、わたしの激しく動いている腕に、手が掛かってきた。
 それは『止めてっ』ではなく、『わたしの身体を感じたい』って事だろう。

 そっと加護ちゃんのほっぺに自分のホホを沿え、
 柔らかくて、あったかいホッペの感触を楽しみ、望みに応える。


 もう、イッっていいよ…


 「あっあああぁぁぁ…」
 
 腕を掴む手に力が込められた。
 今までで一番強い力で…
 わたしもぎゅうっと抱き締める…

 「あああああぁぁぁぁぁ…」

 ………………………
 ……………………
 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

127 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時22分15秒
 


 キス…



 疲れ切ったような表情の加護ちゃんを抱きしめると、
 加護ちゃんから『ありがとうございますぅ』って囁く声が聞こえてきた。

 綺麗で今にも壊れそうな加護ちゃんを、改めてぎゅっと抱きしめる。

 とっても柔らかくて、繊細な加護ちゃん…

 なんともいえな満足感がわたしを占めていた。

 
 
 でも…



 これでいいの…?



 ごとーは…


128 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時26分27秒
〜〜〜〜〜〜

 暖かい日差しがわたしの目覚めを誘ってくれた。

 一晩中動いていたヒーターの音が、そんな日差しの良さを消してしまいそうになる。

 ゆっくりと身体を起こそうと思うが、その腕の中、天使のように幸せそうな微笑みで眠っている、
 その愛しい存在を改めて感じる。


 優しそうで…弱そうで…


 わたしたちは、あの後、少し動けない加護ちゃんを待ち、一緒にお風呂に入ったんだ。
 ホントは眠ってしまったけど、お母さんにユウキがいるから、
 別々の方がいいかもしれないって思ったんだけど、
 加護ちゃんの訴えるような瞳にやられて、ついつい頷いてしまった。

 
 でも、Hはしてないよ。

 
 お風呂の中じゃね…

 上がってからは、2人抱きしめあって、お互いの存在をかみ締めるように眠ったって訳。

129 名前:11〜恋愛感情って?−過去−その5〜 投稿日:2001年10月11日(木)00時27分35秒
 もう一度加護ちゃんを見る…



 ふぅ…



 ついつい勢いでHしちゃったけど…

 ホントに良かったの…?


 梨華ちゃんは…?


 よしこは…?


 なんでわたしってこんなに簡単にHしちゃったんだろう…

 もしかして、Hがスキなだけとか…?


 ううん…それは違うと思う…


 加護ちゃんだから出来たと思う…


 ………………………
 ………………………
 ………………………
 ………………………


 ホントによかったの…?


130 名前:作者 投稿日:2001年10月11日(木)00時47分19秒
>>112:☆さん

 そうですか?(^^)
 そういわれるとホント書いててよかったって思います(^^)
 これからもヨロシクお願いしますね〜

>>114:名無し読者さん

 見せ場です!!
 でも、これからまだまだ見せ場に…ホントの意味での…
 とりあえず次は現実に戻りますんで…
 これからもヨロシクお願いしますね〜

>>115:さるさるさん

 レスありがとうございます〜

 書きました(w
 待ってていただけると嬉しいです(^^)
 これからもヨロシクお願いします〜

   
131 名前:作者 投稿日:2001年10月11日(木)00時49分42秒
>>113:名無しの読者さん

 そう言って頂けるとよかったです(^^)
 題名からもわかるように、こう言う関係を現実的に書きたいと思いまして…
 なっちとごとーは会って2.3ヶ月、それほど深い友達関係じゃないので、
 どうやって2人がお互いが《女のコがスキって気持ち》を知るのか…苦労しました(w
 ちょっと強引かなぁって思いましたし(w

 ただ、こういうのはホント引かれる事が多いので…読んでいただけると凄い嬉しいです(^^)
 題名でも引かれる事ありますしね…
 これからどんどん現実でありそうな関係を書いていきたいと思いますんで…

132 名前:作者 投稿日:2001年10月11日(木)00時51分05秒
まさか次数制限に掛かるとは…(w

>>113:名無しの読者さんの続き

 あっ…ちなみに女子校は結構そういう関係
 (後輩から先輩、ボーイッシュなコに対する憧れも含め)が多いので楽ですが、
 裕ちゃんや他のメンバー…今のところ浮かんだ圭ちゃん…この2人には、
 ちょっと特別な職業を…(w
 この世の中10%の人が同性愛願望持ち…
 でも、アーティスト系(歌、デザイナー、それら全てを色々含めて)になると、
 その同性愛願望が何倍にも増えるので、ちょっとそっちの職業に…(w

 こんなこと書いたらまた引かれるかなぁ…

 でも、これからもヨロシクお願いしますね〜

133 名前:aki  投稿日:2001年10月11日(木)00時57分35秒
金板の最初からばばばっと読ませてもらいましたが
一言おもしろいです。
マッチさんの書かれる作品は「3月7日」にしてもストーリーの展開や
文章などに何かこう惹かれるものがあります。
続き楽しみにしてます。
これからも頑張ってください^^
134 名前:さるさる 投稿日:2001年10月12日(金)01時13分47秒
更新されてる♪やっぱりおもしろすぎです。
ほんとのレズものって感じで、切ない心情とか
すごく伝わりやすい、ほんとにありそうと錯覚
しちゃうくらいですもん。他にはないですよね。
続きもがんばってください、楽しみだぁ。
135 名前:12〜揺れる決心−その5〜 投稿日:2001年10月13日(土)14時38分09秒
12〜揺れる決心−その5〜

 夏の帰ってきた時特有のムッとした熱気のこもった部屋…
 
 その窓を少し開け、クーラーのリモコンに手を伸ばすなっち。
 ギュンという無機質な機械音と共に、冷たい風が一気に部屋の中になだれ込んできた。
 少し落ち着く…

 「ちょっと座ってて…」
 一通り帰ってきた時の儀式を終えたなっちは、
 わたしの緊張した表情をほぐすように笑みを浮かべた。
 
 「うん…」
 「飲み物、何がいい?」
 「紅茶かな…」
 「ホット?アイス?」
 どんどん冷えてくる部屋を感じる。
 
 「うぅ〜ん…ホットでいいよ…」
 「じゃぁちょっと待っててね」
 
 緊張した表情で頷くわたしを面白そうに眺め、
 なっちは入ってすぐのところにあったキッチンの方へと歩いていった。

136 名前:12〜揺れる決心−その5〜 投稿日:2001年10月13日(土)14時40分48秒
 なっちの家…マンションは、想像していた通り二人暮しだった。
 しかも相手は女のコ…

 まぁそれは何となく想像はしていたんだけどね。
 でも、その一方、そのコは彼女ではないと頭の中に入っていた。
 なっちの左手の薬指に輝いていないシルバーリングがあるから…
 もし相手のコが彼女ならシルバーリングを左手の薬指にしてあげないと失礼だよね…
 悲しむよね…

 いつの間にかなっちが《カワイイ女のコがスキ》って事を前提に考えている自分がいた。
 さっきまであれだけ疑っていたのに…

 単純なわたし…


 入ってすぐ右側にあった部屋が、たぶんもう1人のコの部屋なんだろう。
 少し開いたドアの隙間からホンの少し見えただけだったけど、
 綺麗に整頓された部屋の至る所にコーディネートされた写真が張られ、
 いかにも女のコってカンジの部屋だった。
 たくさんのヌイグルミが、部屋の可愛さに華を添えていた。

 そして、今わたしがいるのがなっちの部屋だろう。
 なっちの部屋にもたくさんの写真が貼られて、たくさんのヌイグルミが置かれていた。
 その写真が少し気になってその前に行く。

137 名前:12〜揺れる決心−その5〜 投稿日:2001年10月13日(土)14時43分28秒
 写真は、全部がなっちと、金髪のショートのギャルっぽい可愛らしい女のコの、
 ツーショット写真だった。
 
 2人で写ってる部屋は全部この部屋と、この部屋に入ってすぐの所にあった部屋って事から、
 たぶんこのコが同棲相手の女のコだろう。

 クリッとした目と、愛くるしい顔、可愛いって言葉がいかにも合うってカンジの女のコだ。
 なっちと並んで立っていると、どちらも美少女でとてもお似合いのカップルってカンジがする。
 更に、その可愛さをお互いが巧い具合に引き出しているようで、とても羨ましく思える。

 少しカッコイイ少年っぽさを感じさせられるトコロもあるけど…
 よしこと同じく…
 自分でも惚れてしまいそうな位…
 なっちもそうなんだけどね…


 なっちと並んで立っている写真を見ると、
 アツゾコを履いてるトコから逆算しても背がそぉ〜とぉ〜低いのが分かる。
 
 なっちも結構低い方だけど、そのなっちよりも更に低いのだ。
 
 もしかしたら加護ちゃんよりも低いのかも…

 愛くるしさを覚えさせるくらいに…

138 名前:12〜揺れる決心−その5〜 投稿日:2001年10月13日(土)14時48分21秒
 そんな写真に2人は、ホント幸せそうに写っていた。

 外で撮った物や、この部屋で撮った物…

 そのどっちでもホホを寄せ合って写っていたり、キスをして写っていたり、
 抱き合って写っていたりと…どれもラブラブ感に満ち溢れていた。

 ただ、これだけ多い写真も、
 《2人の幸せを確認する》為に…
 《相手のコに自分を訴える》為に…
 《わざと2人だけの写真だけ》を貼っているように感じてならないのは、
 わたしだけだろうか…

 
 と、フトわたしの目に、思わず真っ赤になって目を背けたくなるような写真が1枚入ってきた。
 まぁ恋人同士なら当然かもしれないけど…

 それは部屋の中で撮られたもので、2人が一緒に寝転がって、胸から下、
 毛布に包まっているものだった。
 相手のコの金髪となっちのブラウンの髪の毛が綺麗に交じり合い、不思議な色をかもし出している。

 そして、その露出したなっちの雪のように白いが、ホンの少し紅の掛かった肩は、
 余計にキレイな雰囲気を際立たせていた。
 なっちの、ストロボに反射して写っている、真っ白い羨ましいくらい綺麗な脇が見える事から、
 なっちが撮った事が分かる。

139 名前:12〜揺れる決心−その5〜 投稿日:2001年10月13日(土)14時50分50秒
 毛布の中では、もう1人の金髪のコがなっちに抱きついているのが明らかに分かった。
 もちろん下着はつけていないだろう…
 なっちに抱きついている金髪のコの腕の下、少し胸が覗いていたからだ。
 写真の中には入っていないが、足も絡めあっているのが想像できる。


 そう、これはたぶん…


 いや、明らかにHした後だと分かる…
 二人の紅潮した肌を見れば…


 他にはこの場面の写真は貼られていなかったけど、
 もしかしたらもっときわどい写真があるのだろうって事は確実に感じられた。

 これにはちょっとショックを受けてしまったわたし。
 何となく2人は付き合ってはいないって思っていたから…

 でも、この写真を見るだけだと明らかに付き合っているとしか見えなかった。

 ただ…毛布の上、なっちの胸辺りに持ってきている左手を見ると、
 相手の金髪のコもなっちと同じシルバーリングをつけていたけど、
 それは薬指ではなかったんだ…
 もちろんなっちと同じ指でもなかったんだよ…


 どうしてだろう…何か訳でもあるのかなぁ


 それとも…

 これってもしかして…

140 名前:12〜揺れる決心−その5〜 投稿日:2001年10月13日(土)14時53分54秒
 「カワイイコでしょ?
  二人暮しなんだけどね…」

 いきなりのなっちの声に、動揺していたわたしはビクッとなる。
 おそるおそる振り返ると、お盆にカップを2つと、
 今日バイト先のお店で貰って帰ってきたケーキを乗せたなっちが、
 そのお盆を手に複雑な表情で立っていた。


 「付き合って…ないよね…」


 わたしのその言葉に寂しそうに、そして小さく頷くなっち。
 ゆっくりとお盆をテーブルに置き、紅茶の入ったカップと、
 モンブランの乗ったお皿を差し出し、『食べて』とわたしに勧める。

 なっちの隣に座り、『ありがとう』って言ってホークに手を伸ばしたけど、
 その頭の中にはやっぱりさっきの写真の事が占めていた。
 彼女じゃないって事も気になったし…


 明らかに《Hはしてる》…


 これって…

 フト昔の自分の姿が頭に浮かんでしまった…


 もう一度なっちの顔を見る。

 窓を閉め終え、もう一度座るなっち…
 写真を遠目に見るなっちの瞳には、例えようのない悲しみが浮かんでいた。

141 名前:作者 投稿日:2001年10月13日(土)15時16分18秒
>>133:akiさん

 ありがとうございますm(__)m
 文章を褒めていただけるとホント嬉しいです(^^)
 最初の頃の文章は結構今見ても恥ずかしいくらいなんで…(w
 最近はちょっとは成長したかなぁって(w
 色々な方のを読ませて頂いて…
 その中でも、akiさんのはかなり勉強になります(^^)
 情景描写や人物とかも…
 色々と深いトコロを読ませて頂いてます(w(こう言ったら分かるかなぁ(w)
 ごっちんの性格も前の話と今回の月の話で結構変わってて凄いです(^^)
 自分はどこでもみんな同じようなカンジで(w
 いつも読ませて頂いてますんで、頑張って下さい〜

 それから、こっちもこれからもヨロシクお願いしますね〜

142 名前:作者 投稿日:2001年10月13日(土)15時17分08秒
>>134:さるさるさん

 レスありがとうございます〜
 伝わります?書いててよかったぁってカンジです(^^)
 加護ちゃんとのHシーンとかはどうしようかって…
 でも、やっぱりこんなにカワイイコがすぐそばにいて、『お願い』なんて言われたら…
 そんなにイヤとは思ってない人なら現実的にやってしまうっていう現実を書きたいし、
 これからもストーリーでも大事なトコロなんで…

 それと、これから現在の方でも出てくるのですが、なっちとごっちんの関係も…
 あと、よしこの純真な感情と…ごっちんの違い…

 やっと折り返しくらいですが、あと3回くらい現在と過去を折り返したら終わりです。
 これからもヨロシクお願いしますね〜

 
143 名前:作者 投稿日:2001年10月13日(土)15時24分11秒
>>142
上から8行目の『これからもストーリー…』ではなくて、『これからのストーリー…』です^^;

144 名前:作者 投稿日:2001年10月13日(土)15時29分32秒
>>142
下から3行目…かといってごっちんが純粋じゃないって事ではないですよ(w
感情がストレートって事で…

あぁ…なんかだんだんと自分で汚してる…

145 名前: 投稿日:2001年10月14日(日)00時36分11秒
このままなちごまがくっつくのかな?
それはそれで面白いからいいですよね。
これからも頑張って下さいね〜
146 名前:さるさる 投稿日:2001年10月14日(日)04時07分38秒
久しぶりに楽しみな小説ができた♪
かごちゃんとのシーン大好き笑
愛ごまも、もっと見たかったわ。
でも気になるのが矢口に出会うであろうごま。
147 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時08分23秒
13〜恋愛感情って?−過去−その6〜


 ふぅ…


 思わず出てしまう溜息。

 もう何度目だろうか…

 わたしの耳と目は完全に授業に参加していない。
 ぼぉっと外の冬独特の暖かそうな日差しを眺める。
 教室から見る冬の暖かそうな日差しはホントにいい。
 ココロが休まるというか、人肌で温まった教室と、外の視覚での温もり…


 ふぅ…


 改めて考え込んでしまう…

 わたしはなんて事をしてしまったんだと。
 ホントに加護ちゃんの事がスキだからHをしたのか…
 それとも雰囲気に惑わされてシテしまったのか…

 たぶん…

 たぶん、後者のような気がする。

 加護ちゃんには悪いけど…
 あの時の加護ちゃんのぬくもりと、柔らかさはわたしのHな気分を限りなく高めてしまった。
 おそらく、加護ちゃんの隣で一緒に包まった時点で、
 わたしの女のコはジュンってきてしまっていたのだろう。

148 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時10分11秒
 

 ジュンってくる…


 《それ》はやっぱり加護ちゃんの事をスキだからなってしまったって事なの…?


 はぁ…


 加護ちゃんとの別れ際、一生懸命背伸びをしての爪先立ちのキスが胸に痛い…


 ぶるぶるぶるぶる

 …!…

 携帯だ…

 慌ててボタンを押し、机の下に持ってくる。

 周りを見回すと誰もそれほど気に止めていない模様。

 少しホッとし、携帯のメール欄を開けると、わたしの目に【From:リカちゃん】の名前が…


 どうしたんだろう…


 【今日、ごっちんのおうちにお泊りしていい?相談したい事があるの】

149 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時11分25秒
 

 えっ…どうしたんだろう…

 もしかして…よしこ…?

 あっ…でも、よしこは断るって言ってたのに…

 【いいよっ(^^)どしたの?】

 送信っ…


 送ってから徐々に嫌な予感がわたしを占めてきた。


 なんでウチなんだろう…


 ぶるぶるぶるぶる

 【ごっちんちに行ってから話す…(涙)九時くらいにいきます】

 …………………………

 何で涙なの…?

 ホントによしこの事かな…

 そこからはもう完全に外の世界の事は上の空だった。
 何を考えようとしても、全部梨華ちゃんとよしこ。

150 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時15分54秒
〜〜〜〜〜〜

 「おねえちゃんっ!梨華ちゃんだよっ!」
 「あっ…部屋に来てって言ってっ」

 ドアの外のユウキの声に、わたしは慌てて目の前の参考書をしまい、
 漫画や雑誌を下のテーブルに置いた。
 そのまま勉強机の椅子を綺麗にしまい、毛布に包まろうと、テーブルの前に座る。
 
 毛布を手に取り、包まろうと思ったが、一瞬ためらいが出る…
 
 そう、昨日加護ちゃんと一緒に包まった毛布だ。
 Hした時にそばにあった《あの》毛布。
 さすがに、ためいらいが大きい。


 どうしよう…


 でも…

 そう、『梨華ちゃんが来る時にはいっつも出していたんだから』…と言い聞かせ、
 わたしは《その》毛布に包まった。


 コンコン…

 「いいよー」
 「ごっちん…」
 と、ドアを開けて入ってきた梨華ちゃん…
 梨華ちゃんを見てハッとなる。
 
 そう、その目は、真っ赤に泣きはらしたような跡があったから…
 それは一目でわかりそうなほど…
 
 「ど、どうしたのっ!
  大丈夫っ!?」
 
151 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時18分13秒
 思わず体を乗り出してしまうわたし。
 学校帰りなのか、制服を着たままの梨華ちゃんは、ドアを閉めた後、
 わたしの座っている机の前に、力が抜けたように座り込んでしまった。
 そのまま俯く。
 
 どうしたんだろう…

 やっぱりよしこ…?

 わたしはスッと立ち上がり、梨華ちゃんのそばに座り毛布に一緒に包まった。
 
 「大丈夫?」

 ゆっくりと背中をさすってあげ、わたしは梨華ちゃんの言葉を待った。

 「ごっちん…」

 覗き込んだわたしの顔を見たとたん、梨華ちゃんの目に涙がじわっと溢れ出てきた。
 
 こんな時に不謹慎だけど、梨華ちゃんのホホをつたう滴がやけに綺麗に見えてしまったわたし。
 ぼうっと見つめた後、もう一度聞く…

 「どうしたの?」

 にっこり微笑んで梨華ちゃんを安心させようとするように…


 と、次の瞬間、わたしの身体は一気に温かいモノに包まれた。
 梨華ちゃんが抱きついてきたんだ。
 少しビックリしたわたしだけど、わたしの胸で泣く梨華ちゃんを、
 赤ちゃんを諭すように諭すようにゆっくりと、
 つややかな髪の毛とほっそりした背中をさすってあげた。

 幸せをかみ締めながら…

152 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時22分34秒
〜〜〜〜〜〜

 目の前に梨華ちゃんをしてこんな事言ってはいけないのだけど、
 わたしは聞いて呆れてしまった。


 どんなひどい事をよしこに言われたのか…


 《女のコ同士の恋愛》を完全否定するような言葉を言われたのか、
 それともコクられた女のコと付き合う事になったからとか…
 色々と悪い方悪い方ばっかり考えていたのに…


 実際はなんて事ない…

 いや、梨華ちゃんにしたら大問題だったらしいんだけど…

 ただ、梨華ちゃんがかってに想像して悪い方に悪い方に考えているだけだったんだ。

 何もよしこから言われていないし、よしこが他のコとキスをしてる現場を見たとか、
 手を繋いでいる現場を見たとかそんな事は一切ない。

 梨華ちゃんの直感って事。


 「だってねぇ…ひっく…私がねぇ…ひっく…
  他にスキな…人…がいる…のぉ?…ってねぇ…
  ひっく…聞いたらね…何も答えてくれなくってねぇ…
  うっく…目を逸らされたんだよぉ…
  これって…ぜったいぃ…ひっく…他にぃ…うっ…うっく…」


153 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時24分29秒
 
 涙をこらえながら一生懸命話していた梨華ちゃんだったけど、
 我慢できなくなったのか、完全にわたしの胸にうずくまってしまった。

 わたしはただヨシヨシと頭を撫ぜてあげるしかできない。



 目の前の手が届きそうで届かない儚い存在の梨華ちゃんを…



 「他にスキな人がいるって、きちんと言われてないんでしょ?」

 わたしの胸の中で声にならない声でかすかに頷く梨華ちゃん。
 涙で少し震えている…

 その存在がまた愛しくなってくる…
 
 「じゃぁ…大丈夫だってっ」

 「…ひっく…ぐす…ごっちんはぁ…わかんないんだよぉ…
  あの時の…ひとみちゃんは…ひっく…ぜったいにぃ…
  ………うっく…いるよぉ…」


 ふぅ…


 1つ息を吐き、梨華ちゃんを抱きしめる手に少し力を入れた。

 こうやって頼ってきた…梨華ちゃん…

 よしこの方にいってしまったと思っていたこの愛しい存在が、
 また自分の方に戻って来てくれたように感じる。

154 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時26分50秒
 

 嬉しい…


 ホント嬉しい…


 離したくない…この存在…


 でも…

 でも、だから余計に何とかしてあげたい…


 梨華ちゃんの為に…


 わたしに頼ってきている梨華ちゃんの為に…


 「じゃぁ…ごとーが聞いてあげるから」
 そのわたしの言葉にスッと震えが止まる梨華ちゃん。
 「ホントぉ?」

 涙でいっぱいの梨華ちゃんの瞳に見られ、ドキッと胸の鼓動が高鳴る。
 ぎゅうっと抱きしめ『ホント』…囁く。

 左手の下の女のコらしいほっそりとした身体…
 右手の下のさらっとした綺麗な黒髪…
 数センチ先にある顔…
 涙でキラキラ光っている瞳と、艶やかな唇…


 そんな顔で見ないで…


 ドキドキしてくるじゃん…


 人差し指で、梨華ちゃんの綺麗で純粋な瞳から流れ出てくる滴をそっとぬぐってやり、
 梨華ちゃんを抱き寄せ、そしてわたしのホホを梨華ちゃんのそれに…
 加護ちゃんとはまた違った柔らかいほっぺの感触がわたしの気持ちを昂ぶらせる。

155 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月15日(月)03時28分32秒
 

 「ありがとう…」
 

 耳元で、梨華ちゃんの囁くような声を聞き、わたしの胸は熱くなってきてしまった。
 何故なのか分からないけど…

 梨華ちゃんが頼ってきてくれてるっていう安心感?…
 今こうやって抱きしめられる嬉しさ?…
 梨華ちゃんの『ありがとう』って言葉から?…



 離したくないよ…



 やっぱり、離したくないよ…



 離したくないけど…



 でも…



 梨華ちゃんの為に…

 

 いつの間にか、よしこより梨華ちゃんの方がわたしの中でのウェイトが大きくなっていたのに、
 徐々に気づきつつあったわたしであった。

 たぶんわたしは梨華ちゃんの方がスキだと思う…

 でも…よしこも…

156 名前:作者 投稿日:2001年10月15日(月)03時53分32秒
この辺り、これからもあわせ、ごっちん編の過去のクライマックスっていっていいくらいです。
結構さくさく行ってますが、ラブリングの方もさくさく行きそうな予感が…(w

>>145:♪さん

 いつもいつもレスありがとうございます!!
 ホント励みになります(^^)
 このままごっちんとなっちがくっつく…
 それは…

 くぅ〜言いたいっ!!
 言いたいけど…ネタばれになるので(w
 ごっちん編が終わるまでにはある程度はっきりするのでお楽しみに♪
 こんな事でスイマセン^^;

157 名前:作者 投稿日:2001年10月15日(月)03時55分15秒
>>146:さるさるさん

 レスありがとうございます♪
 なんだか嬉しいお言葉を…ありがとうございます!!

 加護ちゃんのシーン…
 よかったですか?(^^)
 ああいうHシーンはこのスレで久しぶりだったし(自分が書くのも…^^;)、
 吉澤編とのギャップを考えると、読者さんを引かせちゃうかもって心配してたのです…
 でもやっぱりこれしかないと思い、それになっちとごっちんを(色々な意味で)あわせる為に…

 愛ごま…
 もうちょっと見たかったですか?(^^)
 これも心配してたトコなんで安心しました(w
 じゃぁなんかネタでも浮かんだら(w
 高橋編か、他のところでも(w

158 名前:作者 投稿日:2001年10月15日(月)03時56分10秒
>>146:さるさるさんの続き

やぐちに出会うごま…
 ちょっとネタばれもあるので詳しい事をかけないのですが、
 さるさるさんの言いたい事はわかります…
 やぐちと出会うと言っても、やぐちではないですよね…
 これはまだまだ先の事になると思いますが、うまくいくようにちょっと考えています…
 心情変化も含め…
 これが最終的な本編の目的になりますから…『レズフレンド』という題名も含め…
 ごっちん編である程度、どう本編に繋がるか分かると思います…(心配ですけど)
 
 これからもヨロシクお願いしますね〜

159 名前:空唄 投稿日:2001年10月15日(月)10時07分51秒
現在の方はすごい複雑に絡まりあってきましたね。
まあ、これから何度この言葉を書くかは分かりませんが(w
やっぱり現在は矢口が軸になっていると思うので(自分の中では)、
一番近い存在のなっちの今後が気になります。
過去のほうは、何か凄い面白い展開です(w
ただ、後藤さんが告白を断ったのは、石川さんのせいだけではないって言ってたんで、
それがこれからどうなるのか楽しみですね。
なんか、久しぶりのレスだったので、随分長くなってしまいました(w
160 名前:ななしたん 投稿日:2001年10月15日(月)20時09分28秒
今日、初めてこのスレの存在を知りました。
ガーっと最後まで読んじゃいました。
個人的に、なちまりマンセーなので1部は手放しで喜んでました(笑)
あー、でもごまなちもええですね。

更新楽しみにしてます、頑張ってください。
161 名前:さるさる 投稿日:2001年10月15日(月)22時36分59秒
更新だ♪
いやぁ、ドキドキ。なんだか前のストーリーを
忘れそうだったので又読み返して見ちゃいました。
何度見てもおもしろいなぁ!
ラブリングってどこの板で書いてるんですか?
162 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時21分48秒
〜〜〜〜〜〜

 目の前に、横向きにコッチを向いて、静かな寝息を立てている梨華ちゃんがいる。
 その梨華ちゃんのほっぺに手を添えると、柔らかい感触に酔いしれそうになる。

 唇に沿って指をそっと触れる…

 
 目覚めない梨華ちゃん…

 
 こんなにすぐ近くにいる梨華ちゃんなのに、決して手の届かない存在だ。

 
 どうして、気づいてくれないのかなぁ…

 
 ごとーの気持ち…


 ゆっくりと抱きしめる。
 大事なものを抱きしめるように、ゆっくりと、大切に、そして、優しく…

 ほっそりしていて、それでいて女のコ特有の柔らかい感触に、
 じょじょに気持ちが昂ぶってきているのがわかった。
 そして、ココロの奥底に、昨日、加護ちゃんに感じた時と同じように、
 ジーンとした渦が溢れ出てきそうになる。


 ……………………


 でも…

 それを抑えようとは不思議と思わなかった。

163 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時23分41秒
 

 何故…?


 目の前の梨華ちゃんの、髪の毛を下ろし更に女のコらしくなった顔。
 枕で隙間のあいた首の下から左手を向こう側にまわして、抱きしめた時に感じる背中ごしのブラの線。
 腰の上から回した右手に感じる腰の細さ…

 少し強めに抱きしめる…

 「うっ…う〜ん…」

 カワイイ声をあげる梨華ちゃん…


 かわいいはあとはあと


 もう我慢できないかも…


 ちょっと笑みを浮かべ、わたしが貸してあげたパジャマを着ている梨華ちゃん…
 その前のボタンを外しに掛かった。
 少し指先が震えるのが分かったけど、昨日の加護ちゃんとの経験があったからなのか、
 その震えはすぐに収まってきた。

 一番上のボタンから順番に外すと、補助灯の小さな光の中に浮かぶ、
 梨華ちゃんの綺麗な肌がわたしの目に入ってきた。


 ドキドキ感が更に増してくる。

164 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時26分05秒
 上から4つくらい外すと、もう手を後ろに回せばブラのホックに完全に手が届くようになった。
 
 もう一度ほっそりした繊細で壊れそうな梨華ちゃんをぎゅうっと抱きしめ、
 そしてブラのホックを外す。

 今まで圧迫されていた胸が解放されるように現れた。
 重力に負けないようにキレイに形作られた双球と、その先端の桃色の蕾が…
 パジャマにほんの少し隠されているのが、すごいHだ。

 自分のアソコがジュンとなるのが明らかにわかった。

 昨日の加護ちゃんと同じくらいか、少し大きめの胸…
 ゆっくりと撫ぜるように触る。

 一瞬びくっと梨華ちゃんの身体が震える。
 起きたかなぁと思って、すぐ上にある梨華ちゃんのカワイイ顔に目をやるが、
 目は瞑ったままだった。


 まぁ、起きてもかまわないと思っていたんだけど…


 どうせよしこの事がスキなんだし、この際ごとーが梨華ちゃんの事を
 スキだった事を知ってもらってもいいような気がしていた。


 ホンの冗談で済まさられればいい…


 笑って済まされる、冗談で…

165 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時28分04秒
 梨華ちゃんの胸の頂きにある、キレイな蕾を指で摘む。
 程よい大きさを手でもてあそび、少しひっぱり、そして手を離すと、
 もう梨華ちゃんの蕾はその存在感をきつく表すようにツンとなっていた。


 かわいいはあとはあと


 そんな梨華ちゃんを見たわたしは、無意識の内に自分の大事な部分に手をやっていた。
 パジャマの上から自分の快感の渦の元を手でさするが、そんなので我慢出来るはずがない…
 パジャマの中に手を入れ、そのままパンティーの中にも手を入れた。
 さわっとした感触と共に、更にじわっと自分の女のコが濡れるのを感じた。


 ゆっくりと自分の蕾を触りながら、目の前の梨華ちゃんの胸の蕾に舌を添える。



 これが梨華ちゃん…



 手に入らない梨華ちゃん…



 わたしの大スキな梨華ちゃん…



 大スキな…


166 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時29分45秒
 


 大スキ?



 ………………



 あれ?



 こんな事するの…?



 大スキな人にこんな事するの…?



 ………………



 何だろう…胸が熱くなってきた…



 熱い…



 痛い…



 そっと舌を離し、自分のパンティーの中に入れていた手も出す…



 変…



 わたしって変…



 昨日加護ちゃんとHしたばっかりなのに…



 こんな女なの?



 わたしって…



 変…



 へん…



 ヘン…


167 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時31分59秒

 「…うっ………ひっく…」

 …!!………

 梨華ちゃんの嗚咽…

 あっ…起きた…?


 泣いてるの…?


 スッと顔を上げたわたしの目に、梨華ちゃんの綺麗な瞳から大粒の涙が零れ落ちているのが入ってきた。



 涙…?



 「梨華ちゃん…」

 さっき梨華ちゃんを感じている時のココロの内とは違って、
 その梨華ちゃんの涙を実際に見たわたしのココロの中には、
 罪悪感で溢れかえっていた。

 胸が締め付けられるというか…
 まさか涙を見るなんて…
 涙まで見るなんて思ってもいなかった…

 スッと上体を起こしたわたしは、何て声を出したらいいのか分からず、
 ただただ梨華ちゃんを見つめるしかできなかった。

168 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時34分29秒

 「ごめん…」

 「ひっく…ど…どうしてっ…こんな…こと…うっく…する…のぉ?…」
 梨華ちゃんは起き上がると、自分のパジャマの前を右手で強く押さえながら、
 涙を拭っていた。
 そして、怯える表情でわたしの目をジッと見つめ続ける。


 梨華ちゃんの目…怖い…


 ただ…その補助灯にはねて光った涙は、わたしが今まで見た中で一番綺麗に映って見えていた…
 そして、その涙を拭っている仕草は、今まで見た中で一番胸にドキッてきた…
 心臓をそのまま鷲掴みにされ、持っていかれそうな感覚…


 ホンキで押し倒したい…
 ホンキで梨華ちゃんをむちゃくちゃにしてやりたい…



 犯したい…



 ……………………


 えっ?


 何それ…


 こんな時に…どうしてそんなひどい事を思えるのかな…?


 おかしい…


 やっぱりおかしいよ…


 人としておかしいよ…

169 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時35分52秒
 「ごめんなさい…」
 「ひっく…ど、どうし…て…よぉ…」
 「ごめん…」

 梨華ちゃんの涙を見ていると、わたしもだんだんと熱いモノが込み上げてきそうになる…
 梨華ちゃんがわたしの方を涙目ながら、キッと睨むように見てきている。


 わたしはとんでもない事をしでかしたんだ…


 その時になって、《それ》は遊び…『冗談でした』では済まされないキズを、
 梨華ちゃんに付けてしまいそうになっているのに気が付いてしまった。

 それに気づいた時には、もう熱いモノが溢れ出てきた。


 「ご、ごめんね…うっ…」
 「どうして…泣くの…よぉ…」
 わたしが泣いている事に、少しビックリした表情になった梨華ちゃん。

 しばらく泣き続けるわたしを、涙目でジッと見つめる梨華ちゃん。
 その瞳にはいつもの優しさが全くなかった。


 怖い…


170 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時38分37秒
 梨華ちゃんに全部打ち明けよう…
 こんな形になるなんて思ってなかったけど…
 もうちょっと冗談っぽく笑っている梨華ちゃんに言いたかったけど…


 早く…


 ………………………


 こっちを涙目でキリっと見つめる梨華ちゃんの瞳を見つめる…
 涙で歪んでいるけど…


 はっきり自分の気持ちが伝わるように…


 真剣に…


 「ごめんね…ひっく…だって…ね…うっく…ごとーね…ごとーね…
  梨華ちゃんの事ね…スキだったのぉ…ホンキでスキだったんだよぉ…
  それなのに…それなのに…」

 それを言った瞬間、梨華ちゃんの顔に何ともいえない困ったような、
 罪悪感を感じたような、不思議な表情が浮かんでいた。
 少し涙が収まったのか、さっきまで涙を拭っていた手はもう自分の服を押さえる方に行っていた。

 わたしの目からは、まだ涙が止めどなく溢れ出てきている。
 これは止められそうになかった。

171 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時40分06秒
 「ごめんね…ひっく…ごめんね…」

 わたしがただただ俯いて謝っていると、目の前が暗くなるのと同時に、
 フトわたしは温かいモノに包み込まれるのを感じた。


 甘くて、大切な存在に…


 「ごっちんも女のコのコト、スキなの?」


 こく


 「私のコトも…
  ほんとぉ?」


 こく


 目の前で、まだボタンの止められていないパジャマの隙間から、
 梨華ちゃんの肌がHに覗いている。

 そう思ってから、ハッとなる。

 こんな時でも、そんな事を考えている自分に嫌気がさした。

172 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月16日(火)21時42分33秒
 長い沈黙の後、梨華ちゃんの複雑そうな声が聞こえてきた。

 「そうなんだ…
  それだったら、私…
  とってもひどい事をごっちんに頼んでいたんだね…」

 ぶるぶると横に首を振る。

 「梨華ちゃんがねぇ…ひっく…頼ってねぇ…来てくれてねぇ…
  すっごい…嬉しかったから…全然…大丈夫…だった…」

 「………………………」

 「私って、ひどい女だね…
  ごめんね…」

 更に強く、ぎゅうって抱きしめられる。

 「ごとーを…嫌いにねぇ…ぐす…ならないでねぇ…
  梨華ちゃんにぃ…嫌われたら…ごとー…生きていけないよぉ…
  嫌いに…ならないでねぇ…」

 「そんなことないっ!」

 『大丈夫だから…大丈夫だから』そう言って梨華ちゃんは、わたしの頭をゆっくりと撫ぜてくれた。

 梨華ちゃんのぬくもりは、今までで一番甘くて、温かくて、
 そしてココロの中まで覆ってくれていたけれど…
 前みたいに、梨華ちゃんにくっつく事は出来ないような予感が、
 頭の中を激しく渦巻いていた。

173 名前:さるさる 投稿日:2001年10月16日(火)21時43分40秒
なんだかあたしまで胸が痛い・・苦笑
ごとーの気持ちもわかるしりかちゃんの気持ちもわかるし。
でもごとーの行動はちょっと意外だった。
それでだんだんと分かってきたなぁ、いろいろ。
あぁ、どうなってしまうのーーー!
174 名前:作者 投稿日:2001年10月16日(火)22時05分53秒
>>159:空唄さん

 レスありがとうございます〜
 長くても全然かまわないです。嬉しいです(^^)

 >軸は矢口…
 そうですね…やっぱり矢口が軸に…
 女同士って事をなんとも思っていないおおっぴらな性格からも軸にしやすいと(w
 まぁ、自分も一番スキなんで(w
 なっちの今度はこのごっちん編でだいぶん分かるようになると思います。
 ただ、深いトコロまでは…出し切れないと…

 >過去…
 こんな事になってしまいました…^^;
 でも、最初から考えていた事なので…

 >後藤さんが断った理由…
 もう8割がた出てきましたが、残り2割も結構デカイです(w
 あんまりいえないのですが…

 こんな小説ですが、これからもヨロシクお願いしますね〜

>>160:ななしたんさん

 ありがとうございます(^^)
 自分もなちまりは結構スキなんで(w
 上に書いたとおり、このごっちん編でだいぶんなっちの気持ちも分かるので、
 次の次くらいの現実のなっちの告白をどうぞ(w
 これからもヨロシクお願いしますね〜

175 名前:作者 投稿日:2001年10月16日(火)22時06分48秒
>>161:さるさるさん

 レスいつもありがとうございますm(__)m
 ホント励みになりますんで(^^)
 >もう一度読み返し…
 そうですか(^^)
 読み返していただけたら、過去にあったいろいろな伏線が改めて分かって頂けたかと…(w
 でも、2回も読んでいただけるなんでありがたいです(^^)
 これからも、ヨロシクお願いしますね

 PS.『ラブリング』は緑板の下の方に沈みきっている『3月7日』のスレの途中からはじまってます。
 ただ、全然こっちとは違って…(w
 どうなのか…(w
 もしよかったら読んで下さいね
 少し読んでから自然と『戻る』にマウスが行くかもしれませんが(w
 あと、文章的にもだいぶん恥ずかしいような気が…

176 名前:作者 投稿日:2001年10月16日(火)22時17分26秒
>>173:さるさるさん

 早速のレスありがとうございます^^
 
 >胸が痛い…
 読者の方にキチンと気持ちが伝わったら、書いてる方も嬉しいです。
 やっぱりスキなよしこにあんな言葉を言ったとなると、それなりの事があったって事で…
 ごとーも加護ちゃんと前の日にHをしてなかったら、こんな事してないと思います…
 いや絶対(w
 でも、前の日にHをして、更に目の前に大スキな梨華ちゃんがいて、
 一緒の布団に包まっているとなると…やっぱりね…
 だいぶん色々と追い込まれたごとーの気持ち…

 あっ、後まだ過去は続きますので…まだ…(自粛)
 
 次もヨロシクお願いしますね〜
177 名前:nishi 投稿日:2001年10月17日(水)21時22分15秒
初めてレスしますが…

切ないなぁ〜。なんだかもう、つかまれてしまいました。
読後、ほんとに切ない…
でも、私も(「も」?)今好きな人に自分の気持ちを伝えたくなってしまいました。
も〜う、どうしてくれるんですか!!!(苦笑)

それぞれのストーリーが交わっていくところとかも、素敵ですね。
応援しています。続き、頑張ってください。
178 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月18日(木)13時08分09秒
後藤の気持ちを考えるとちょっと複雑ですね。
何故か俺が辛くなってしまいました。

『ラブリング』とても楽しく読ませていただいてましたが、
『3月7日』のスレの続きはどこかで書いているのでしょうか?
続き非常に気になってるんで、もしよかったら教えて下さい。
179 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時39分57秒
〜〜〜〜〜〜

 「ごとー、下で寝てくるね…」
 だいぶん落ち着いたわたしの頭の中には、そんな事を考えていた。
 たぶん梨華ちゃんはわたしとさっきのように寝るのは嫌がるだろう。
 
 梨華ちゃんに今から自分の家に帰られたらショックで立ち直れないかもしれない…
 こんな夜遅くになってまで、わたしの家で寝る事を避けて家に帰ってしまうという事実に…

 でも、それは当然って言ったら当然なんだけどね…

 「えっ…」
 梨華ちゃんの不思議そうな声が聞こえてきた。
 電気がついた中、梨華ちゃんとわたしの真っ赤に泣きはらした視線がぶつかる。
 それでもキレイな梨華ちゃんの…瞳…

 たぶん今のわたしってひどい顔をしているんだろうなぁ…


 見られたくないや…


 わたしは押入れにあった掛け布団を取り出すと、部屋を出ようとした。
 
 逃げるように…

 早く出ないと梨華ちゃんが帰っちゃうかもしれないし…

 でも、そんな中、わたしのココロの中では、わたしを梨華ちゃんが
 引き止めてくれないかなぁっと甘い期待を持っていた。

180 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時42分16秒
 もちろん、そんな事起こるとは思ってもいなかったんだけどね…
 もし、わたしが梨華ちゃんと反対の立場だったら絶対にイヤだし…

 ドアのとってに手を掛ける…

 「待ってっ…」

 と、梨華ちゃんのカワイイ声と共に、ぐいっと腕を掴まれるを感じた。


 あっ…


 ホント…?


 一瞬、胸の中に光が差し込んだような気持ちが溢れる。

 「ど、どうして?」
 梨華ちゃんの今にも泣き出しそうな声と、少し震えてる手。
 小さな小さな手…わたしの大スキな梨華ちゃんの手…

 「だ、だって…ごとー、梨華ちゃんにヒドイ事したし…
  もう、ごとーと一緒に寝るのイヤだと思って…」
 自分の気持ちを素直に言ったその次の瞬間には、アッと思う間もなく、
 わたしはそのまま梨華ちゃんに背中から抱きしめられていた。


 ぎゅうって…


181 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時43分45秒

 激しく揺れるココロ…

 「えっ…?」

 どうしたの…?

 「一緒に…寝ても…いいよ…」
 
 しばらく続いた沈黙の後に、梨華ちゃんの恥ずかしそうな声が聞こえてきた。
 精一杯頑張って、やっと出せたと思える声で…


 どうして…


 「でも…」


 あっ…そうか…寝るだけだね…


 わたしって何考えてるんだろう…Hな事ばっかりだ…


 「いいよぉ
  一緒に寝よぉ
  私、ヒドイ事ごっちんにしてたし…
  ただ、さっきはビックリして…
  ごっちんに遊ばれてると思ったし…
  でも、嬉しい…ごっちんが私の事、スキだなんて…」

182 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時46分01秒

 わたしの首筋に梨華ちゃんの甘い吐息がかかる。

 それに足ががくっと崩れ落ちそうになるのを、必死で我慢して、ゆっくりと振り向いた。
 梨華ちゃんの一端弱くなった腕に、もう一度力が加わる。
 振り向いたわたしは、もう一度梨華ちゃんの細い腕に抱きしめられた。
 梨華ちゃんの胸の高鳴った鼓動が、わたしの胸に届いてくる。

 激しく混乱するわたしの頭の中…

 梨華ちゃんの柔らかい胸…
 自分の胸…
 どうしようもなく高ぶってきたココロ…

 でも…
 今度は絶対に我慢しなきゃ…
 ホントに梨華ちゃんをなくしちゃう…

 必死で我慢し、梨華ちゃんを抱きしめようとしないわたし。

 でも…

 そんなわたしのココロを見透かしてか、自分のほっぺに梨華ちゃんの柔らかいほっぺがあたる。
 そして、スッとそのぷにぷにした感触が消えたかと思ったら、次の瞬間には、
 わたしのほっぺに両手を添え、そして目の前には梨華ちゃんの顔があった。


 そぉーっと近付いてくる梨華ちゃん…

183 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時48分16秒
 
 キス

 柔らかくて、甘くて、とろけそうになるキス。
 それも触れるだけのキスでなく、深い深いキス…
 昨日わたしが加護ちゃんにしたディープキスよりさらに深い…

 キス


 梨華ちゃんの入ってきた艶かしい舌の感触を、ただただじぃーっと感じる。

 その行為は嬉しいはずなのに、わたしの頭の中はやっぱり混乱しきっていた。

 どうして…?
 なんでキス…?
 よしこは…?

 わたしの背中に回った腕がパジャマ越しにホックに触れる。
 あっと思った時には、もうそれはパチンとホックが弾ける感触と共に外れていた。

 えっ…と思い、梨華ちゃんを見るけど、その目はわたしの舌を堪能するかのように、瞑られていた。
 激しく混乱するわたし。


 でも、大スキな梨華ちゃんの舌…
 そして布越しだけど、指先…


 どうしてよ…


 どうして…?


 でも…

184 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時50分05秒

 
 でも…


 このままでいいや…


 あっ…今更ってカンジだけど…


 ごめんね…


 加護ちゃん…


 そっとしゃがもうとする梨華ちゃんに合わせて、
 わたしもさっき出した掛け布団の上に崩れるようにしゃがんだ。

 わたしが下になり、梨華ちゃんが上。

 普段わたしが想像していたのと違う《これ》。
 普段の梨華ちゃんと接する時は、いつもわたしがイジメるようにして楽しんでいたからだ。
 いつもわたしが攻めて、梨華ちゃんが受ける…それなのに…

 ゆっくりとわたしのパジャマのボタンに指を掛け、外していく梨華ちゃん。
 その顔はひどく赤くて、熱でもあるんじゃないかって…
 ただ、その赤さが梨華ちゃんの可愛さを助長させて、わたしの胸の鼓動をより高めさせていた。

185 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時52分04秒
 もう外れているブラ。

 「ごっちんの胸…大きくってキレイ…」
 「そんな…
  梨華ちゃんの方が…」

 梨華ちゃんの恥ずかしい言葉に、少し顔が赤くなるのが自分でもわかった。
 ジッと自分の胸を見る梨華ちゃんに思わずその恥ずかしい部分を手で隠す。
 それでもわたしの顔と胸辺りを交互に見てくる梨華ちゃん。
 
 梨華ちゃんの胸にも自分の手を当ててあげよう一瞬思ったけど、
 
 さっきの梨華ちゃんの涙…
 もうさっきとは状況が全然違うのに…
 グッと押さえる…

 そっと胸を押さえたわたしの手を取り、梨華ちゃんはニッコリ、
 ホックの外れていたブラの下からゆっくりと手を入れ、
 わたしのもうかなり固くなってしまっていた蕾をもてあそぶ。
 優しく触れるか触れないかギリギリのタッチで、
 それでいてキチンと感じるように…

 「やっ…」

 思わず漏れてしまった声で、更に恥ずかしくなる。
 それでも、梨華ちゃんを感じれるって事に、激しい興奮を押さえる事は出来なかった。
 わたしの声に、梨華ちゃんの顔にも笑みが浮かぶ。

 スッと下ろした顔と共に、わたしの胸に柔らかくて艶かしい感触が触れた。

186 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時53分43秒
 「はぁ…」
 「ごっちん…ダメだよ…隣でユウキくんが寝てるんでしょぉ?」

 梨華ちゃんのイジメるような声…
 わたしはその声でさえも感じる事が出来そうだった。

 少し、『昨日わたしが加護ちゃんに言った言葉なのに』って笑いそうになるが、
 愛しい梨華ちゃんの全てに、そんな笑みは消えていた。

 胸の先端に感じる梨華ちゃんの柔らかい感触…
 目の前の梨華ちゃんの愛しい頭を優しく抱き締める…


 梨華ちゃんを感じる…


 ただそれだけ…


 そっと、梨華ちゃんの柔らかいほっぺに手を添える。
 そのわたしの指を舐めてくれる梨華ちゃん。
 指を舐めている間にも、梨華ちゃんの手は、わたしのパジャマを下ろし、
 パンティーに掛かっていた。

 その手つきに、今までで感じたことのない快感の渦が、
 わたしのもうグショグショになってしまった女のコを襲ってくる。


 「はぁ…はぁ…」

187 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時56分53秒
 指に感じていた刺激が収まると、次の瞬間にはわたしの茂みに梨華ちゃんの吐息があたるのを感じた。

 強烈なシゲキ。

 思わず高くなる声に、梨華ちゃんは笑い、『ダメだよぉ』。


 イジワル


 今日の梨華ちゃんって…変…らしくない…いつものハチの字マユで、
 今にも泣き出しそうな表情でわたしを見てくるってのがウソみたいだ。
 わたしは《それ》を想像…ううん、妄想…していたのに…

 じょじょに昂ぶってくる全ての感情…
 感情だけでなく昂ぶってくる身体…
 もうわたしの女のコからは昂ぶりの象徴の液体が大量に出てしまっているのだろう…

 「ごっちん…キレイだよ…」

 梨華ちゃんの舌がわたしの下の蕾に触れる。
 サッとこすった舌に、愛液…なんだか恥ずかしいなぁ…
 愛液が一気に溢れ出るのを感じた。
 ラブジュースって言うほうがいいや…

 わたしってイクのかなぁ…
 そういえば、イッた事なかった…
 わたしって…どうなっちゃうんだろう…

188 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時58分59秒
 止まらない梨華ちゃんの舌の攻撃。
 それに指も加わり、わたしの胸の蕾をもてあそぶ。
 わたしも自分でいつの間にか、梨華ちゃんがもてあそんでいる胸の蕾と反対の蕾に指を這わせていた。

 さらに昂ぶる快感。
 それと共に押さえられない声…

 その声と、ラブジュースの量で梨華ちゃんは感じ取ったのか、
 指と舌の動きがだんだんと速くなってきた。

 特に指の動きはきつく、今にも全てがおかしくなりそうだった。
 梨華ちゃんの指の動きに合わせて漏れて来るイヤらしい音が、
 わたしの快感を助長する。

 「ああっ…はぁ…はぁ…」

 「マキちゃん…イキそうなのぉ?」

 激しく首を縦に振るわたし。

 イキそうになるわたし。
 気持ちが昂ぶり過ぎて、普段は『ごっちん』って呼んでくれていたのに、
 さっきは『マキちゃん』って呼んでくれていた事にさえ気づかなかった。

 梨華ちゃんの顔を見ていたいと、ココロの底では思っているものの、
 余りの快感にそれさえままならない。
 おなかの底の快感の渦が爆発しそうになる。

189 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)23時00分31秒
 「ああああぁぁぁぁ…」

 自分の女のコ、胸の蕾…全てに電気が走ったような快感が走る。
 その波は止まる事を知らないのか、どんどん激しくなる。
 それと同時に本能から全てを閉めようと身体が動く。

 と、その次の瞬間だった…

 「ああああぁぁぁぁ…」

 ………………………
 ……………………
 …………梨華ち
 ゃん…………
 ……………
 …………
 …スキ
 ……
 …

 イッちゃった…
 これがたぶん《イク》って事なんだろなぁ


 イケた…


 梨華ちゃんを感じながら…


 ホント嬉しい…


 嬉しい…


 夢かな…

190 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)23時02分20秒
〜〜〜〜〜〜

 「ひっく…ねぇ…どうしよぉ…ごっちん…」
 わたしの目の前には、泣きじゃくっている梨華ちゃんがいる…
 それを複雑な表情で見ているわたし。

 はぁ…

 わたしが泣きたいくらいだ…ホント…

 朝起きると梨華ちゃんが泣いていたのだ…
 ビックリしたわたしが聞いてみると、
 『ごめん…なさい…ひっく…わたしねぇ…ぐす…ひとみちゃんとぉ…
  ひっく…どうやって…顔…あわせたらいいのか…ひっく…
  ごっちんの事は…うっく…スキだよぉ…でも…でも…』
 …わたしの方が泣きたくなってきた。
 Hした後のほんのわずかな時間の喜び…

 すべてが幻だったんだ…


 愛されたと思えたわずかな時間…


 愛された…


 その瞬間はホントに嬉しい…


191 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)23時04分08秒
 梨華ちゃんもそう思ったんだろう…

 わたしが加護ちゃんに告白された時に感じた事を…

 だから哀れなわたしを抱いてくれた…

 わたしが可哀想って思って加護ちゃんを抱いてしまったように…


 はぁ


 Hしてる間もよしこの事を考えていたんだ…梨華ちゃんは…


 梨華ちゃんは純粋だ…Hをしちゃったらよしこに合わせる顔がないなんて…

 「ごめんねぇ…ひっく…ごっちん…うっく…の事はスキ…なんだけど…
  昨日はぁ…ごっちんが…ひっく…ホントにね…可哀想でさぁ…グス…」

 梨華ちゃんの優しさは嬉しい…

 でも、同情でしてくれたH…辛い…


 はぁ


 でも…きちんと正直に話してくれた梨華ちゃん…ありがとう…

 わたしと違ってエライよ…

 辛いけど、それでも愛しい梨華ちゃん…

 梨華ちゃんの為なら…

192 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)23時05分53秒
 「大丈夫だよ…ごとー…黙っててあげる…黙っててあげるから…心配しないで…」

 そのわたしの言葉に『ホントにぃ?』と、カワイイ涙目を向けてくる梨華ちゃん。

 ズキと痛む…

 やっぱり辛い…

 でも…

 自分が悪いんだから…

 「昨日の約束はキチンと守るから…聞いてあげるよ…」

 泣きたい…

 …………………

 バチが当ったんだろなぁ…加護ちゃんを同情とはいえ簡単に抱いちゃった事の…

 でも…わたしって…どうしてこんなにHばっかり…

 もしかして、女のコを恋愛対象で見てるんじゃなくって…
 性欲対象で見てるんじゃないの…

 変だよ…わたしって…

193 名前:13〜恋愛感情って?−過去−その6〜 投稿日:2001年10月18日(木)23時06分44秒
 
 変…

 気持ち悪い…

 おかしいよ…

 もうやめよう《こんな事》…

 資格ないよわたしには…

 ………………

 ありがとう…梨華ちゃん…

 今度はごとーがね…梨華ちゃんの為に…

 大スキな梨華ちゃんの為に…

 ………………………………
 ……………………………
 …………………………
 …………大スキな梨
 華ちゃんの為に…
 …………………
 …大スキな…
 ………梨華
 ちゃん…
 ………
 ……
 …

194 名前:作者 投稿日:2001年10月18日(木)23時30分19秒
>>177:nishiさん

 レスありがとうございますm(__)m
 それと、ありがたいお言葉を(^^)
 切ないです…?
 書いてる方としては嬉しい言葉ですけど…^^;
 >「も!?」
 (深い事を聞いてはいけないですよね…考えてしまいますけど…)
 伝えちゃって下さい!^^
 人に気持ちを伝えると、それだけで気持ちいいものですから♪
 >それぞれのストーリーが交わる…
 最初からこういうのを一回書きたくって…(w
 ただ、ホント長くなっちゃいますけど…(w

 これからもヨロシクお願いしますね〜

195 名前:作者 投稿日:2001年10月18日(木)23時31分04秒
>>178:名無し読者さん

 ありがとうございますね〜
 >後藤の気持ち…
 そうですね…でも、やっぱりこうやらないと…
 そして、今回の梨華ちゃんとのHシーン…
 その為に、加護ちゃんとのHシーンも入れることに…
 賛否両論あると思いますけど…
 ちょっと心配ですけど…
 
 >「ラブリング」
 もしかして、だいぶん前に書いたレスで勘違いさせちゃったみたいですね…
 さるさるさんもそれを見て勘違いしてでしょうか…
 ややこしい事書いてスミマセンでしたm(__)m
 まだスレはたててないのです…
 ただ、自分のストックの中でサクサク書けそうってカンジで…^^;
 ホントすみませんでした…

 でも、最近さらにこっちの方のネタがどんどん浮かんできてしまい…
 またまた詰まってて…
 はぁ…
 でも、やっぱり立てても更新が滞るよりはマシかなぁって…
 申し訳ないですm(__)m
196 名前:作者 投稿日:2001年10月18日(木)23時37分42秒

ANNききながらアップしていたのですが…
高橋愛ちゃんのキャラが?(ハテナ)に…
「〜っす」…
どうしよ…キャラが読めない…
メールもそんなカンジなのでしょうか…^^;
どうして梨華ちゃんとかぶってしまうのに…
もしかしたら一番分かりにくいコをチョイキャラで出してしまったのかもしれないですね^^;
197 名前:178 投稿日:2001年10月19日(金)17時23分26秒
後藤…、辛いな…。 何とも言い様のない気持ちです。
自分が他人にしたことを好きな人にやられて、その辛さを理解するとは…。
でも、後藤は強いね…。

俺もANN聞きました。 あれ絶対小川だと思ったんですが。(w
4人ともある程度キャラが固まってこないと、小説では使いづらそうですね。

ラブリングのこと、こちらも早とちりしてすみませんでした。
同時進行とても大変だと思いますが、これからも更新頑張って下さい。
198 名前:さるさる 投稿日:2001年10月20日(土)11時22分50秒
はぁ・・・・(後藤系ため息)
つらいねぇ、ごっちん。
でもやっぱりいしごまのHシーンはいいですね(爆)
これでやっと後藤がどういう思いをしたかって
いうのが分かりました。もっと苦しむのかなぁ、ごっちんは。
私もANN聞きましたよ、ほんとに『っス』は小川だと
思ったら・・・愛チャン。なぞ。でも楽しみ笑
これでものすごい男っぽかったらどうなるのかな。
それでも私は愛ごまは大好きです。
199 名前:LVR 投稿日:2001年10月20日(土)21時24分05秒
ずっと読ませていただいています。
何より先の展開が読めないところが面白いです。
実際に、もう何回読みを外されたことか(w
レス短くて申し訳ないですが、これからも応援しています。
200 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時01分55秒
14〜揺れる決心−その6〜

 「やぐちと初めて出逢ったのは、なっちが東京に家探しに来た時だったんだ。」
 
 なっちがぽつりぽつりと話し出した。
 モンブランに伸ばしていた手を引っ込めると、なっちが笑みを浮かべながら『食べてていいよ』と…
 そして…『聞いて欲しいだけだから…』

 「最初やぐちから声を掛けられた時はビックリしたよ…
  だってなっちとは全然カンジが違ってて、
  ちょっとギャルっぽかったから怖いってカンジもあったし…

  でも、話してる内にずっと昔からの親友って言っていいくらいに、
  やぐちの事を思っていたなっちがいたんだね。
  やぐちってさぁ…すっごい笑うの…
  ほんのちょとした面白くない事を話すだけでも笑ってくれるし…
  ホント楽しかった…

  その日の内になっちは北海道の方に帰ったんだけど、電話とかはほとんど毎日くらいしたよ。
  それも何時間もね。それでも飽きずに、出てくる話題は尽きなかったんだぁ。
  まぁやぐちとなっちは受験って言う共通の話題があったからかもしれないね…」
 
 「やぐち…さんから声掛けてきたの?」
 
201 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時05分22秒
 「うん…後から聞いたら、なっちの事カワイイって思ったから、
  ナンパみたいなカンジで声を掛けてきたんだって」

 ちょっとはにかんような笑みのなっち。
 その当時を思い出したのか、目を細めた。

 「で、話してる内にね、2人ともディズニーランドが大スキって話になってね、
  一緒に行くって事になったんだ。
  休みでこの際だから一緒にホテルに泊まろうって事にもなってね…」

 それを聞いてちょっと顔に赤みが掛かったわたし。
 さっきのHの後であろう写真が頭に浮かんでくる。

 「その時に…やったの…?」

 みるみるなっちの顔が真っ赤になってきた。
 今まで見た中では一番赤く…

 わたしははっきり『H』って言葉を使っていないのに、なっちは《それ》を…
 わたしの《やったの…?》って意味を分かっていた。
 
 そんななっちを目の前にして、ココロのどこかでショックを受けているわたしがいた。
 もしかしたら、なっちが《女のコをスキ》って事を知ってから、
 なっちの事を気にし始めていたのかもしれない…

 わたしって単純かも…

202 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時06分41秒
 そして、ゆっくりコクと頷くなっち…

 「ビックリした…いきなりだったから…全然想像してなかったし…」

 そう聞いてから何故か胸がドキドキしてきた。
 《あの》ドキドキ感だ。
 もうちょっと詳しくなっちから聞きたくなってくる。

 そりゃ誰だってそうでしょ?
 誰だってHな事は気になるんだし…

 「ねぇねぇ…どうやって迫ってきたの?」

 少し身を乗り出すわたしにビックリしたのか、ちょっと目を丸くしたなっち。
 そのままわたしのギラギラしてるであろう目を、恥ずかしそうに見てきた。

 「そ、そんな事…話せないべさっ!」
 「えぇ〜いいじゃんっ」

 わたしの抗議の声にも聞く耳もたずってカンジで、ぷいっと写真の方に顔をやった。


 よし


 久しぶりに疼く《この気持ち》。

203 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時09分13秒
 「じゃぁ…こうやって?」

 そう言うとわたしはなっちのそばに寄り、そっと後ろから抱きしめた。
 
 そのままなっちの首筋に顔を埋める。
 わたしの鼻になっちの甘い匂いがくすぐってきた。
 
 久しぶりに感じる女のコの匂いと温もりだ。
 胸の奥がじーんとくる。
 
 なっちが女のコと付き合う事に抵抗を持っていない…
 女のコとHをするって事に抵抗を持っていないって事を聞いてから、
 わたしはだんだんとなっちに対して、冗談を交えて大胆な行動を取れるようになってきていた。
 
 学校の友達には絶対に取れそうにない冗談的な行動を…

 わたしの腕の中に、想像していたよりもはるかに柔らかく、そして甘いなっちがいた。


 やばいなぁ


 超マジになりそう…


 「ちょ、ちょっとごっちんっ…冗談はやめるべっ…」

 そう言うなっちの声には甘い吐息が入っているように感じ、
 わたしのココロには余計にドキドキ感が広がってしまった。

 少し前に回した腕に力を込める。


 ぎゅうっと…


 ………………………

204 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時11分21秒


 あれ?


 どうしたんだろう…わたしって…《また》やってる…


 あれだけの失敗をしちゃったのに…


 あれだけ人を傷つけちゃったのに…


 あれだけ…後悔してたのに…


 あれだけ…


 ………………………
 ………………………
 ………………………

 「冗談だよっ♪冗談…
  続き続きっ♪」

 パッと離し、笑顔を繕いさっきのトコロに戻った。

 ホッとしたのか、残念に思ったのか、なっちの顔には複雑な表情が浮かんでいたが、
 ソッとカップを口元に持っていき、まだ湯気の立っている紅茶を少し口に入れ、
 気を取り直したようにもう一度話し始めた。

205 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時17分26秒

 「結構嬉しかったんだ…
  やぐちにHされてる間、ホント満足感でいっぱいだった。
  こんな事言ったら恥ずかしいけど、ホント気持ち良かったんだぁ」

 聞いてるこっちの方が恥ずかしくなるよ…

 「…波長が合うっていうのかな…それぐらいよかったんだ。
  でも、《それ》は2人の波長が合うってのじゃなくって、
  Hの波長が合うって事だけだったのかもしれない…
  今から考えるとね…」

 そこでなっちはもう一度俯く。
 やっぱり恥ずかしいのか、なっちの雪のように真っ白な首筋も、
 紅が掛かったように赤くなっていた。

 「次の日、ドキドキしてやぐちの起きるのを待っていたんだ。
  やぐちから昨日の事をどう言われるのか…
  告白もあるんだべか…?って…事も思っていた。

  あっ、やぐちって初めての人だったけど、
  《女のコ同士》って事に不思議と拒否感はなかったんだよ。
  なっちって昔から女のコとベタベタするのスキだったから…
  ベタベタって《精神的》ってカンジじゃない方ね…

206 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時22分02秒
  手を繋いだり…
  腕組んだり… 
  抱きついたり…
  ほっぺにチュウしたり…

  だから、やぐちのも《それ》の延長みたいなカンジに思えたし…」

 「それ、ちょっと羨ましい…」

 なっちの少し幸せそうな表情に、思わず呟くように出てきた言葉。
 それを見て、なっちはちょっと苦笑いを浮かべて、続けた。

 「でもね、その日は何も言われなかったんだ…
  ううん、その日だけじゃなくって今までだけどね…

  その日に、気分が高まってたから、思わずお揃いのシルバーリングを買ってプレゼントしたんだよね。
  その日はそれでお別れ…結局何もなしに…

  あっ、でも帰る時に…別れ際にやぐちからメールが入ってきたんだぁ。
  【あんな事してごめん。もうしないから】ってカンジの事だったんだけどね…
  結構ショックだったよ…
  もしかしたら遊びでされたんじゃないかって…
  思わず返したのが、【責任とって(笑)】ってカンジの事だったの…」

 そう言ってまた恥ずかしそうに俯いてしまったなっち。

207 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時24分13秒
 でも、なっちって以外と大胆だったんだね…
 わたしだったらそんな事返せなかったかもしれない…
 わたしって、我が道を行くってカンジだからね…

 「でも、告白はなしって事?」

 ゆっくりと頷き、続けた。

 「『次に会った時にでも』って思っていたんだ、なっちはね…
  ううん、もうなっちのココロの中ではなっちはやぐちと付き合ってるつもりだったのかも…
  だってね、Hしたら普通そうだよね?
  田舎もののなっちはよく分からないけど…
  都会だと、そうじゃないの?」

 そのなっちの言葉にわたしは何も返せなかった。
 昔の事が浮かび、ココロに針が刺さったように痛みが走る。
 『そんな事ないよっ』…
 『付き合ってなくってもHをする人はいるんだよっ』…
 って現実を言いたかったけど、純粋ななっちの瞳を見てると、ただ弱く頷くだけ…
 それしか出来なかった…

 「でも、その次に会った時にね…
  あっ、その時にはもう一緒に暮らそうって話にはなってたんだけどね…」

 そこでちょっとはにかんだような表情になるなっち。

208 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時27分10秒
 「その家探しの時に上京してきて、会ってからカフェで色々話している時に、
  フトやぐちの指が目に入ってきてさぁ…
  見た瞬間ちょっとショックを受けちゃった…
 
  やぐちってさぁ、左手の薬指になっちのあげたシルバーリングしてないんだもん…
  なっち、当然してくれてるものだと思い込んでた。
 
  これってやっぱりショック大きいよ…
  思わず自分でしていた指輪を左手の薬指から場所変えちゃったくらいだもん…
  何だか1人で浮かれていたみたいでさ…」

 それは結構ショックだね…わたしだってそれは結構ダメージ食らう…

 「それきついね…」
 「ホントきつかったよ、それ…一瞬どうしようかって思ったくらいだもん…」

 目にはうっすらと涙が浮かんでみえた…

 「だから左手の薬指にしてないんだ…《それ》…」
 「うん…」
 悲しそうななっちの表情…わたしまでじーんときてしまう…
 「同じ指にも…」
 「うん…」
 「逆の手の指にも…」
 「うん…
  一緒にやぐちと外出する時とか、同じ指にしたら悪いような気がして…
  ワザと代える時もあるよ…」

209 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時28分43秒
 はぁ…

 そこまで…

 可哀想だ…なっち…

 「でも…」
 なっちが小さく息を吸った…
 その次に出てくるであろうなっちの言葉は何となく予想がつく…

 「でも…?」

 《スキ》

 「でも、スキだからね…」
 今度は少し悲しそうな表情をして、カップに手を持っていった。

 「じゃぁやっぱり付き合ってないんだ…」
 「うん…」
 「告白もしてないんだ…」
 「うん…
  だってね、だってね…」

 そう何かを言い出そうとするなっちの目に、少しづつ涙が滲んできていた。
 少しカップを持つ手が震えるのが分かる…

210 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時31分46秒
 「やぐちってホント、女のコにもモテルんだよね…
  写真見ても分からないと思うけど、身長が145cmでホント小さいんだよ。
  
  それがまた可愛くってさ…
 
  それでいてちょこまかちょこまか動いたり、面白い事言ってきたり、
  いっぱいいっぱい笑ったりして…

  ぎゅうって抱きしめたらホント柔らかいんだぁ…
  赤ちゃんみたいで…
  その上、顔も超カワイイし、カッコイイし、ギャル系でオシャレってトコから、
  どんな女のコからも好かれるんだ…
  年下から年上まで…

  子供っぽい…少年っぽいトコはお姉さま系の人には大人気なんだよね…
  そういう人から痴漢にあったりするってのも言ってた。」

 「ち、痴漢!?」
 わたしの悲鳴に近い声に、苦笑いのなっちが頷く。

 「そ、痴漢…うぅ〜ん…痴漢って言うのかな…女の人からだから…どうだろ…それは。
  まぁ、やっぱりモテルからね…
  男の人より女のコの方にモテルくらいで、街中でも女のコからナンパされたりね…
  まぁそれはやぐちも、じーって女のコを見てるからなのかもしれないけど…

  たぶん、ごっちんも会ったら惚れちゃうかも…

211 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時34分02秒
  そんな事もあってさぁ、いっつもやぐちの周りにはね、
  なっちよりカワイイ女のコが多いんだ。

  ただね、なっちは同棲してるって事で、優越感に浸れるだけいいかなぁって…

  最近思っちゃって…」
 
 小さい女のコって事で、少し、加護ちゃんの姿が頭に浮かんで納得してしまったわたし。
 腕の中に埋まっている加護ちゃんの柔らかさと愛らしさ、今でも忘れられないってカンジだ。
 そして、少年っぽいってトコからよしこの事が頭に浮かんでくる…
 少し胸に針がささったようなカンジも覚えてしまった。


 はぁ…


 それにしても、なっちよりカワイイコってそうそういないと思うのに…
 やっぱりスキな人の事になると、かなりネガティブになるんだろうなぁ…
 梨華ちゃんと一緒だね…

 少し話の筋がずれてしまったなっちを見つつ、もう一度写真のやぐちってコに目をやる。

 「カワイイカンジのコだもんね…」
 スキな人が褒められて嬉しいのか、涙の浮かんでいる顔にも笑みが浮かんでいた。

212 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時39分39秒
 「会って話でもしたらもっとスキになるよ…
  でね、そんな事もね、やぐちがなっちだけ見てくれてたら…
  やぐちが他のコに興味を持ってなかったら全然気にする事ないんだけど…

  でも、やぐちってさぁ…カワイイ女のコが大スキなんだよね…
  いっつも女のコを見たりしてさ…

  予備校の通学中の電車なんて女のコをウォチングしまくりってカンジ。
  
  つい最近なんて、

  『今日、超超超可愛くってカッコイイコが電車でいたんだよぉ〜
   しかもさっ、同じ予備校っ!!これって運命的じゃんっ!!
   相手のコも結構やぐちをチラチラ見てたし…へへへ…ホントカッコ良かったんだよっ!!
   あのコの制服女子校だけど、絶対女のコにモテモテってくらいにカッコイイだってばっ!!
   たぶんバイ以上は確実っ♪』

  って言ったきり、ウットリと天井見てるし…

213 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時42分12秒
  その後、急に暗くなったかと思えば、

  『そのコと一緒にいたコもホントかわいいコだったんだよねぇ…
   そのコはホント芯からの女のコってカンジでさぁ…
   一緒に2人が並んでると結構お似合いだったんだよね…
   バリタチ、バリネコってカンジでさぁ…
   はぁ…もしそうだったら…はぁ…』

  って激しく落ち込んでるし…
  
  その後また目を輝かせては

  『でも、2人とも超可愛かったなぁ〜せめて友達にでもっ…
   2人は贅沢だから、どちらか1人でもなぁ…』

  って…

  はぁ…

  それどころか一緒にいても

  『ねぇねぇっ!!今、こっちじーっと見てたよっ!!気あるのかなぁはあとはあと

  って言った後、視線送ってるし…

  『ああいう可愛いコを彼女に欲しいっ!』

  とか言って、目をウルウルさせてるし…
 
  あっ、そうそうっ!やぐってさっ、実際付き合ったりもしてるんだべさっ!!
  その事もなっちの気も知らずに平気で言うしっ!

214 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時46分02秒
  他にも、写真見ながら、

  『このコHが超巧いんだよっ』

  って事も平気で言うし、

  『あのコくらいのおっぱいがなっちにあったらなぁ』

  って、街を一緒に歩いてる時にもしみじみと言うし…

  プリクラ見ながら

  『このコおっぱいが超大きくってさぁ〜
   触らしてもらった超柔らかかったんだよっ♪最高っはあとはあと

  なんてオヤジ発言なんてのもしょっちゅうだよっ!
  一番ひどいのなんて…」
 
 これ以上あるの…?

 さっきまでのうっすら浮かんだ涙はどこへやら、今度は一気に捲くし立てるなっち。
 わたしの相槌なんてそっちのけ。
 少し内容がら恥ずかしいのか、ほっぺを紅潮させつつもぷくーって膨らませ、
 一生懸命写真の愛しの人を睨んでいた。

 もう話の繋がりなんて関係なしってカンジで、自分の想いの全てを吐き捨てるように…

215 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時48分07秒
 「嬉しそうに帰ってきたかと思えば、

  『今日、痴漢にあったんだよねー』
  『えぇっ!?』
  『でも、超綺麗でナイスボディーなお姉さまってカンジの人だったから…
   色々身体触られたり、押し付けられたりしてもね…へへへ…
   抵抗しなかったんだよね…きゃはははは〜♪Hしたかったなぁ』

  これ聞いた時は胸がホント締め付けられるように辛かったよ。
  
  何て事言うんだべさっ!
  冗談で済まされないべさっ!
  言っていい事と悪い事があるよっ!

  って…ホントに…もうなっちなんて必要ないんじゃないかって…思ったくらい…

  でも…その後抱きしめられて…『したいっ』って囁かれたら…簡単に許しちゃった…
  わたしとHしたいってさ…なっちもだけどさ…

  あっ、これでもさ、彼女がいる時には、さすがに悪いから断ろうと思ったんだけど…
  やぐち見てると…

  無理だよ…

  なっちもね…アレだから…
  やぐちとのHは相性抜群で大スキだし…
  もちろんやぐち自身が一番大スキなんだけどねっ」

216 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時50分43秒
 それでもやっぱりその瞳にはうっすらとだけど、はっきりと涙が浮かんでいた。


 ホントにそんな事を…


 やぐちってコ…ヒドイね…


 その愛らしさに、わたしは無意識の内にもう一度なっちのそばに寄った。
 そして、ゆっくりともう一度抱きしめ、なっちの柔らかい髪の毛を撫ぜながら、
 
 そっと囁いた。

 「可哀想だね、なっち…
  この関係を崩したくないんだね…
  そんなにやぐちってコがスキなんだ…」

 そんなわたしの行動にとうとう涙腺が緩みきってしまったのか、
 なっちのホホには粒となって涙が出ていた。
 今まで我慢していた事を全て流し出すように…

 「ひっく…だから…なっちはねっ…ひっく…うっ…やぐちに女のコ紹介してあげたり…ね…
  ひっく…話にのってあげたりねぇ…うっく…してるんだよぉ…
  辛いけどぉ…ぐす…」

 わたしの胸の中で泣いていた。

 そんな泣いているなっちを見て、わたしにはまたさっきの感情が湧き出てきていた。

217 名前:14〜揺れる決心−その6〜 投稿日:2001年10月20日(土)23時52分19秒
 そして、平気でH、Hって口に出るなっち、Hフレンドみたいな関係の2人に、
 共感みたいな物を感じるわたし。

 たぶんなっちと自分が、立場は違えどどこか似た事を経験していると感じたからだろう…

 そして、だいぶん前に感じたHによる後悔が、なっちの告白を聞いた今では完全に消えていた。
 目の前に感じるなっちの可愛くって、柔らかくって甘い感触…

 それも相まって思わず口に出る言葉。

 こんなにカワイイなっち…
 
 「なっちも浮気しちゃったら?
  浮気って言わないか…他の女のコとHしちゃったら?」
 
 わたしのイタズラっぽい口調のその言葉に、驚いたようにこっちを見上げるなっち。
 まだ目には涙が滲んでいたけど、その表情には少しはにかんだような笑みが浮かんでいた。

 「ごとーが相手したげる。(してあげる)
  黙っててあげるから…」

 「へへへ…いいかも…
  ごっちんホントカワイイしカッコイイもん…
  ごっちんなら…」

 そう言うとなっちは、わたしの胸に顔を埋めてきた。

 そして…

 「お願い…」

218 名前:作者 投稿日:2001年10月21日(日)00時24分39秒
>>197:178さん

 レスありがとうございます〜
 >後藤は強い…
 はい…ここの後藤はかなり強いんです。
 後、石川もどちらかといえば強く…(かな…)
 >ANN
 自分も小川と…(w
 ホントキャラが固まるまでは辛いですね…
 自分の中では一番わかりやすいかなぁって思っていたんですけど…^^;
 >ラブリング
 いえいえ^^;
 ホントありがとうございますm(__)m
 最初は好調だったんですけど、一端止まったら、後はもう(w
 てこでも動かないほど(w
 そっちの方も復活したらヨロシクお願いしますね〜
 (小説投票の方にエントリーされてて、票も頂いてるのがホント嬉しく思います^^
  頑張らなければって^^票いただけた方、ありがとうございます!!)

219 名前:作者 投稿日:2001年10月21日(日)00時25分17秒
>>198:ふるふるさん

 レスありがとうございます〜
 ごっちん辛いですけど、いしごまはよかったですか?
 それ聞けたら、書いてよかった!って思います(w
 >後藤の思い
 出てくるまでホントながかったです…
 読者さんをイライラさせちゃって(w
 まさか自分でもここまでかかるとは思ってなかったんですけど(w
 >後藤の苦しみ…
 後、ほんの少しで終わります。後藤の苦しみが終われば、この後藤編も…
 >ANN
 >愛ちゃんは男っぽい!?
 なんか以外とそれっぽいような気が(w
 三回前くらいのANNでも、やぐちはおとなしいコかなぁって思ったけど、
 実際は結構面白い事をいうコって言ってましたから、以外と外見とは…
 >愛ごま
 スキですか?
 じゃぁ、ちょっと書いてみようかなぁって(w
 高橋編として、結構ネタ浮かんだのですが、過去のネタがなかなか浮かばないです^^;
 もし、浮かんだら、次の次か、その次にでも…(長いなぁ…)
 
 これからもヨロシクお願いしますね〜

220 名前:作者 投稿日:2001年10月21日(日)00時30分07秒
>>199;LVRさん

 レスありがとうございます!!
 どれだけ読者の方のよみを外すのかが、自分のサダメみたいなカンジです(wおおげさな…^^;
 このような事を聞いたら、してやったりと(w
 レスが短いなんて全然気にしてませんよ^^
 レスいただけるだけでも嬉しいんで^^
 これからもヨロシクお願いしますね〜

 PS.LVRさんの小説、いつも楽しく読ませて頂いてます。
 呼んでる内に、いしやぐも大スキに(w
 ただ、ちょっとせつなそうですね…
 こんなところからですが、頑張って下さいね〜

221 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月21日(日)00時58分11秒
ようやく各人物が繋がってきました〜。
壮大なドラマですね。
222 名前:ななしたん 投稿日:2001年10月21日(日)01時07分13秒
ぎゃー!
なっち・・・辛いつーか、でもその気持ち分かるつうか・・・。
できれば矢口と幸せになって欲しいなぁ。( *´ー`(´◇`* ) 
あー、でも、ごっつぁんも捨てがたい。

ファイトです、作者さん。
223 名前:nishi 投稿日:2001年10月21日(日)19時41分42秒
なっちも切ない…でもさらにごっちんも切ない。
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。泣けてくるよ。
オイラ、感情移入しすぎ?
いやいや、それはもう、(良い意味で^^)作者さんのせいってことで。
224 名前:読んでる人 投稿日:2001年10月22日(月)16時09分48秒
最終的になちまりの関係はどーなってしまうんだろう・・・。
なちまりヲタとしては凄く気になる。
出来ればなちまりで幸せになって欲しいけど・・・。

次回更新を楽しみに待ってます!
225 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時08分42秒
15〜恋愛感情って?−過去−その7〜

 「ごとーさんっはあとはあと
 
 昼休み…
 教室の自分の机でぼうっと考え込んでいたわたし…
 フト可愛らしい声で現実に戻されてしまった。

 そして、背中から柔らかい感触に包まれるのを感じる。
 甘くて、純粋で、幸せいっぱいで、愛し合った…感触…
 自然と笑みの浮かんでくるわたし。

 加護ちゃん…

 「おはよ♪」
 「えへへへへ…会いたかったんで、会いにきちゃいましたぁはあとはあと
 
 そう言ってはにかんだような笑み。
 ちょっと恥ずかしいのか、出会った時のようにモジモジしている加護ちゃん。
 そう言えば初めてわたしとHをした日以来だもんね…

 スッとわたしの膝の上に座り、黒目がちの目をウルウルさせ、
 こっちを見上げるように振り返り囁く。

 胸にジンとくるこの加護ちゃんの仕草…
 ある意味反則技のような気が…

226 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時09分33秒
 「ごとーさんっ
  またおうちに行っていいですかぁ?」

 えっ?

 ………………

 ズキ…

 はぁ

 「う、うん」
 
 ぎこちないわたしの返事。
 何か変だって事は普通はバレバレのような気がするけど、
 そのわたしの返事に『やったぁ〜♪』と素直に喜びを表す加護ちゃん。
 またまた胸に針が刺さったような辛さが襲ってくる。

 どうしよう…

 なんてヒドイ女なんだろう…わたしって…

 やっぱりヒドイよ…

 このままじゃ…

227 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時11分08秒
 しばらく楽しそうに話している加護ちゃんだけど、
 わたしの中では何ともいえない罪悪感だけが渦巻いていた…

 ただただ、ぎこちない笑みを浮かべ、楽しそうに話してる加護ちゃんの言葉に相槌を打つ…
 そして、罪悪感の謝罪の為、せめて優しく抱き締める…

 ごめんね…

 そして、楽しそうに手を振りながら帰っていく加護ちゃん…

 ふぅ…

 「まぁ〜きっ!!」
 
 まだまだ罪悪感でいっぱいなわたしの耳に、琴美の声が聞こえてきた。
 クラスメイトだけど、その声を聞いた瞬間、さっきまでの罪悪感が
 一気に増えてしまったようなカンジを覚える。

 そう…加護ちゃんを紹介してくれた友達…

 「よかったよぉ〜あたし結構心配してたんだよねぇ〜
  あんたってこういうのってダメってカンジがしてたしー
  あぁ〜よかったなぁ〜♪」

 そう言って《花*花》を歌い出す琴美…

228 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時13分00秒
 オイオイ…

 激しくツッコミたかったけど…
 今自分が置かれている状況を考えると、とてもそんな事をしてる余裕はなかった。
 ただただ考え込む…

 ふぅ…

 「ん?…どうしたの…」

 わたしの思わず出てしまった溜息を目ざとく発見する琴美。
 そして、目から笑みが少しずつ消えるのを感じた。
 わたしは思わず視線を外し、窓の外に持っていってしまう。

 このコって結構こういう事に勘が働くんだよね…
 もしかしたら…感づいたのかも…

 あっ…でも、そっちの方がいいかも…

 「別にー」
 
 わたしのそっけなく返す返事に、またまた考え込む。
 
 「…………………」
 
 じっとわたしの顔を見つめる。

229 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時14分49秒
 「はぁ
  そう言う事ね…
  ……………………
  何だか深いトコはよくわかんないけど…
  これだけは聞いててね…」
 
 そう言ってわたしに目線を合わせるように机の前に膝をつき、
 机の上に両肘を立て、その手の上に顔を覗かせた。
 わたしを下から覗き込む…

 「もし他にスキなコがいるとか、付き合う気がないとかだったら、
  あのコにキチンと言ってあげて…
  中途半端な優しさでアイをその気にさせて、後で傷つける事だけはしないでね…
  あたしの大切な後輩なんだから…
  それだけは約束して…
  お願いね…」

 ……………………………

 その友達の目をまともに見れないわたし…
 そして、『わたしにとっても、大切な後輩…』…どうしてだろう…
 この言葉が出てこなかった…ううん…出したらいけないように感じたから…

 わたしには資格がないって…

 授業開始を知らせるチャイムの音を方耳に聞きながら、
 『後は、あんたの自由だから…変な優しさで傷つける事だけはやめてよ…』
 と言い、自分の席に戻っていく琴美の言葉がやけに耳に残ってしまった。

230 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時16分00秒
 ふぅ…

 加護ちゃんはホントいいコ…

 わたしだって大スキだと思う…

 いいコだ…

 可哀想だから…


 この際付き合ってあげても…

 あっ、これが中途半端な優しさか…


 はぁ…



 そうだ、わたしって…


 ……………………


 ヒドイ女だから、もうやめようって…


 ……………………


 どうしたらいいの…?

231 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時19分05秒
〜〜〜〜〜〜

 よしこからのこのメールが入って来た時には丁度よかったと思った。
 梨華ちゃんの事をどうやってよしこに聞こうか…
 どうやって雰囲気をもっていこうか…
 ずっと悩んでいたから…

 だから、よしこから、
 【今日の放課後大事な話があるから…残ってくんない?】
 ってメールが入った時には、もう梨華ちゃんの事を聞く決心がついていたんだ。
 【大事な話】ってトコからね…どんな話なのか想像はつかなかったけど…

 とりあえず返信したのは、
 【いいよ〜♪わたしも大事な相談があるから…じゃぁ放課後教室に行くから】
 だった。

 今、歩いてよしこへの教室。

 自分の教室で結構長い間考え込んでいたから、もうみんな帰っただろう。
 やっぱりよしこ1人の方がいい。

 一端トイレに入る。

 昨日の夜も結構ハデに泣いてしまった。
 そのせいもあり、朝は目に赤みが掛かっていたんだ。
 さっきの授業中も時々涙がじわっと浮かんできたりしたし…
 加護ちゃん…梨華ちゃん…よしこの姿が浮かんできて…

232 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月22日(月)21時20分44秒
 これで直るはずはないけど…ポーチを出す。
 その中には、この前の日曜に加護ちゃんと一緒に出かけた時に買った化粧品が入っていた。
 梨華ちゃん、よしこ…2人に自分の事を見てもらおうと買った化粧品…
 結構高かったけど奮発して…

 今となってはただ空しい《モノ》だけど…

 加護ちゃん…

 胸が痛いけど…今は気持ちを切り替えて…

 最後に目薬…

 昨日の梨華ちゃんの約束をもう一度反芻する。

 よし…

 気合を入れて、スッとよしこの教室に歩を進めようとするわたしの外では、
 曇り空がきつく、今にも雨が降り出しそうになっていた。

 曇り空がわたしに大きな不安を与える。

233 名前:作者 投稿日:2001年10月22日(月)21時21分45秒
>>221:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 そうです!やっと繋がってきました…んが!しかし…
 まだもうちょっと登場人物が…
 壮大なドラマ…そう言って頂けると嬉しいです^^
 まだまだ続くと思いますが、ヨロシクお願いします〜

>>222:ななしたんさん

 ありがとうございます!
 なっちは…どうなるのでしょう…
ある程度はごっちん編が終わるまでにはわかるような気も…(謎
一番大スキな人と幸せになって欲しいっていうのが、自分も一番スキなんで^^
これからもヨロシクお願いしますね〜

234 名前:作者 投稿日:2001年10月22日(月)21時23分09秒
>>223:nishiさん

 レスありがとうございます〜
 こんな褒められ方されるとテレます(w
 でも、ホント嬉しいです!
 ごっちん、なっちはホント切ないですよね…
 このやぐちとなっちの関係は、やぐちとしては特に気にせずに楽しんでいたのですが、
 なっちはかなりショックを受けていた…第1部のコレを出すのに、こんなに遠回り^^;
 
 これからどうなるのか、書いてる本人もラストはどのようなカップルになるのか、
 あいまいにしか考えてないのです…こんな作者ですが、ヨロシクお願いしますね♪

>>224:読んでる人さん

 レスありがとうございます!
 最終的ななちまり…
 どうなるのでしょう…
 今、なっちの中では、『やぐち>ごとー』で、これがその後どう変化するか…
 やぐちの中では、『よしざわ(カッコイイ憧れ)>なっち>いしかわ』で、同上…
 いしかわの中では、『よしざわ>ごとー>>やぐち』で、同上…
 これが、よしざわ、ごとーのココロの中ではかなり入り組んできます…で、同上…
 みんなの感情がうまい具合になった時に、カップルが…

 これからもヨロシクお願いしますね〜

235 名前:作者 投稿日:2001年10月22日(月)21時24分14秒
ちょっと内容とのギャップから書かないほうがいいような気もしますが…^^;
昨日姫路コンサートに行ってきました^^
ずいぶん久しぶりで…この前は1年前の大阪のWTCだったような…
時間と場所が巧い事合わなくって…行けなかったんです…
19列目の真ん中でかなり見やすくってよかったってカンジです(w
目の前が3歳くらいの男の子で、椅子の上に立ってもらっても全然O.K。
こんなの書いて何?ってカンジですけど、一言これが言いたいんです。

せめてこれだけ…

よっすぃーカッコよすぎ!!!!!!!!!

いきなりあのカッコで、新曲は頭に入ってなかったから、余計にビックリです(w
でも、マジで、ホントに、めっちゃ、むちゃくちゃ、超…カッコよかった…
声なんて…もう…
あれはホントカッコイイ…
やぐちが惚れるって言うのが分かりそう(w

新曲の発売楽しみ^^
あと、テレビ出演も^^

236 名前:nishi 投稿日:2001年10月22日(月)23時46分01秒
「作者」さんの文章がココロにストンとチョクで落ちてくる理由、
ちょっとだけだけど、今日、初めてわかった気がします。
なんかさ、ふとした描写がさ…泣かせるんだよね。
話の本筋に直接は関わってこない、普通の書き手さんだったら飛ばしちゃうような、
でも核心ついてくるような…そんなふとした心理描写にさ、こっちははっとするんだ。
そう。好きな人を思い浮かべながら化粧品選んだりさ…覚えのある感情だよ。
リアリティー?臨場感?ものすごいっすよね。

…なんか、すっごい長くて、すっごい理屈っぽくなっちゃった。
でも、これも作者さんへのラブコールってことで、大目にみてください。^^

psこの世の(?)よっすぃ〜も、かっこいいっすよね〜。同感!
237 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時30分20秒
〜〜〜〜〜〜

 日にちとしてはホンのちょっとしか会ってなかっただけだけど、
 こうやって会うとホント久しぶりってカンジがする。
 わたしの目の前にいるよしこは、いつにもまして可愛さが輝いていた。

 カワイイのに、話方、仕草、声が男前…
 そして少年のように純粋なココロを持っているよしこ…

 これからそんなよしこと2人っきり…
 ちょっとした幸せを、胸にかみ締めよう…

 「おっはぁ〜」
 「おはよう…」

 …………………

 わたしのハイテンションな挨拶にも、よしこの返事は不機嫌なのかそっけないものだった。
 そう言えば、土曜の夜のメールの返信がまだだった事を思い出す。
 もしかしたら、怒っていたからメールの返事を返してくれなかったのか…

 怒っている?…

 どうして?…

 わたし、何か悪い事したっけっ…?

 胸に不安が渦巻く。

238 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時31分45秒
 そっけない挨拶の後、外を見ているよしこ。
 つられるようにして見ると、その空はさっきわたしが思ったよりも更に暗さが増していた。
 
 まるで、今のわたしのココロの内を隠すかのように…

 「雨降りそうだね…やだなぁ〜傘持ってきてないや…」
 「そうだね………」

 わたしの言葉にも、またまたそっけない返事。
 その外の暗さに乗じてか、更によしこの表情に暗さが覆っていた。
 
 身体の調子が悪いのかって位に…
 少し熱があるのか、顔に赤みがかかってるし…

 どうしたんだろう…

 何かあったのかなぁ…

 もしかしたら、梨華ちゃんが原因かな…

 ホントどうしたんだろう…

 でも…
 なんだか、そんなよしこは、いつものオトコのコっぽさなんか消え、
 珍しく女のコって感じが強く、いつもと違うよしこの雰囲気に、
 また変わったようにわたしの胸が高鳴ってしまった。

 ゆっくりと近付く…
 近付くにつれてドキドキ感が増してくる…
 梨華ちゃんや加護ちゃんと一緒にいる時とはまた違ったドキドキ感だ。

239 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時32分46秒
 「どうしたの…よしこぉ〜
  いつもの元気ないぞぉ〜
  顔も赤くなってるし…風邪…?」

 カワイイなぁはあとはあと
 
 えへへへ…
 
 梨華ちゃんごめんネ…

 わたしはよしこのホホに手を当て、自分のオデコをよしこのそれに当てた。
 ちょっと風邪っぽいって事を言い訳にでもしてね…

 少し温かい…

 それでいて気持ちよく手に感じるよしこのほっぺ。

 うぅ〜ん…でも、これはやっぱり梨華ちゃんや加護ちゃんの方が柔らかいなぁ…

 あっ…

 何やってんだ…

 わたしって…

 はぁ…

240 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時34分17秒
 に、しても、よしこ…
 ちょっと熱ありそうかな…

 大丈夫かなぁ

 「やっぱり!
  頭熱いし…大丈夫…?
  話しならまたでもいいし…」

 わたしが頭を離すと、よしこは俯いてしまった。
 スッと覗き込んだわたしの目には、顔が赤くさせたよしこが目を泳がせているのが映ってくる。
 こんなよしこ見たの初めてかもしんない…心配になる…

 「大丈夫だよ…」
 
 ホント弱いなぁ…今日のよしこ…
 『昔、いじめっ子をおっぱらってくれたよしこはドコ行ったんだよっ』ってカンジだ。
 ホントに熱あるのかなぁ…

 うぅ〜ん…確かに熱いし…
 
 「だって…こんなに熱いよ…」
 「大丈夫だって…」
 「心配だよ…」
 「だい…じょう…ぶ…」
 
 更に視線を泳がせるよしこ…
 変だ…
 
 「ホント…?」
 「ホ…ン…ト…」

241 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時35分20秒
 ……………………

 ただ俯くよしこを、ジーッと見つめる…

 どうしたんだろ…ホント…

 うぅ〜ん…まぁ…とりあえず…聞いてみようかなぁ…

 うまい具合に話を恋話に持っていって…

 そして、本題…

 「じゃぁ…まっ…いっか♪」

 と、言った瞬間だった、それが起こったのは。
 あっと思う間もなく、わたしはよしこに抱きしめられていた。

 思いっきり。

 それは優しくってカンジを通り越し、痛みさえ感じるくらいの強さで…
 昨日、おとついの梨華ちゃんや加護ちゃんとは全然違った強さで…

 「………………っ!!!!………………」
 
 思わず悲鳴が出る。
 
 「ど…どうしたの…よしこ…い・痛い…よ…」

242 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時36分23秒
 でも…これって結構よしこらし…

 ちょっとドキッて胸が高鳴ってしまった。

 男らしいなぁ

 わたしの耳元より少し高いトコロで、よしこの甘そうな吐息が聞こえる。

 って、おいおい…

 どうして…?

 よしこって抱き魔だったけど…?

 これって…

 もしかして…

 わたしのココロに大きな不安…
 それでいてココロのどこかでは望んでいた事…
 それが見えてきた。

 よしこの囁くような声が聞こえる。

 「ごっちん…」
 「な・何よぉ〜…よすぃこぉ〜…」

243 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時37分44秒
 こ、怖い

 いや…でも…

 「あの…ビックリしないでね…」

 もしわたしが思った通りだったら…
 どうするの…
 わたし…

 梨華ちゃん…

 加護ちゃん…

 「どうしたの…?」


 
 「………………………」



 「なにってば〜もぉ…」

 不安だ…

 長い沈黙が余計に不安を募らせる…


 …………………


244 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時39分12秒
 「………わたしさ…スキかもしんない…ごっちんの事…
  ………………………
  いや…ス…キ…なんだ…ごっちんの事…ホンキで…」
 
 「えっ…」

 ……………………

 よしこの口からやっと出てきた言葉は、わたしがホンの数日前には望んでいた言葉だった。

 望んでいた言葉…

 望んでいた…

 あくまで過去形だね…

 ううん、過去形にしなきゃ…

 梨華ちゃんの愛らしい姿と、泣きじゃくっている姿が頭に浮かんでくる。
 そして加護ちゃんの真っ赤にして告白してくる顔…
 幸せそうにわたしの名前を呼んでくる姿…

 どうしてよ…

 こんなのって…

 いやだよ…

 無理だよ…

245 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時40分37秒
 「ゴメン…スキになっちゃったの…。
  …………………………………。
  ゴメンね………………………。」

 何も返せないわたしに業を煮やしたのか、よしこの弱い懺悔の言葉が聞こえてきた。
 いや、わたしにとっては懺悔の言葉に聞こえただけだけど…

 辛い…
 
 何て言ったらいいの…

 「……ごっちんが女のコにコクられたって聞いた時から…
  わたしおかしくなっちゃった…んだ…。
  ココロの中に何かわからないムヤムヤした変な感情が出てきて…
  ごっちんとその女のコが一緒にいると考えると…
  すっごい胸が締め付けられて…イヤだった…。
  《同じ》…女のコ…に取られちゃうって事が…」

 続けて、ぽつりぽつりと話しはじめたよしこ。

 辛い…

 何だか、わたしの胸が熱くなってきた。
 それはどうしてなのか分からないけど…

 よしこがわたしの事を思ってくれていたから?…

 それとも、これから起こる事が想像できるから…?

 どうしたらいいの…?

246 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時42分00秒
 「あの時、メールで聞いたでしょ…?」

 こく

 「ごっちんの返信…【断った】って返信…見て…超嬉しかった…
  一安心ってカンジだったんだよ…。
  でもね…わたし…日曜日…見ちゃったんだ…渋谷で…」

 加護ちゃんだ…どっかでわたしたちの姿を見たんだ。
 そう言えばあの日は結構ラブラブってカンジだったもんね…

 あの梨華ちゃんにフラれた晩に、梨華ちゃんから買い物に誘われていたけど、
 たぶんよしこを、聞くついで、同じように誘ったのだろう。
 それで、渋谷でわたしと加護ちゃんの2ショットを見ちゃったんだ…

 「その時ね…ごっちんと女のコが…すっごいイイカンジで腕組んで歩いてるのを…
  見ちゃったんだ…。
  その時…目の前が真っ暗になって…すっごい…悔しかったんだ…」

 どうしてよ…こんなのって…
 嬉しいはずなのに…

 「もう…我慢できないんだ…ごっちんが…あの女のコのモノになっちゃうなんて…
  すっごいイヤなんだ…」

247 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時43分36秒

 あの女のコ…


 あのコは…


 加護ちゃんは…


 「違う…」


 加護ちゃん…ごめんね…
 ホントにごめんね…

 「違うって…?」

 「あのコは…わたしが告られたって言った…そのコ…
  カワイイコだよ…梨華ちゃんから…聞いたでしょ…?
  話は超合って…超楽しい…
  それに…すっごい甘えてくるんだよ…それがね…
  甘えてくる時がね…ホントカワイイんだよ…」

 俯いていた顔を上げたわたしの目に、よしこの赤みのかかった瞳が映ってきた。
 ヤケにキレイで純粋に見え、思わず逸らしそうになる。
 純粋だ…よしこの目はホントに綺麗だ…加護ちゃんや梨華ちゃんと一緒で…
 透き通るようにキレイだ。

248 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時44分54秒
 「でも…」

 それとは違ってわたしの瞳は…
 ホント汚いだろうなぁ…
 汚れているだろうなぁ…

 「付き合わない…よ…」

 ホント汚れてる…

 まだ、こんな事平気で言ってる…

 わたしの言葉で、ぱぁっと輝いたよしこの顔が痛く胸に刺さってくる。
 とても嬉しそうにわたしの顔を見つめてくる。
 何か期待を込めた眼差しで…

 カワイイ…

 スキなのに…

 「どうして…?付き合わないの…」

 ……………………

 そんなの…付き合えない…わたしは、梨華ちゃん、よしこの方がスキなんだし…

 もう、泣きたい…

 わたしのそのココロが通じたのか、わたしの代わりに外では雷と共に激しく雨が降り出していた。
 まるでわたしのココロを代弁するかのように…
 時折光る閃光がやけに汚く見えるのはわたしだけだろう…

249 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時45分53秒
 何も言えないわたし…よしこが困ったような表情になり、少し俯いた。
 そして、長い沈黙の後、ゆっくりと俯いていた顔上げ、悲しそうな、
 それでいて期待を込めた表情でそっと聞いてきた。

 「じゃぁ…ごっちんは…わたしの事…どう思ってるの?」

 きた…

 これが一番辛い質問だ…

 よしこはスキ…スキだよ…ホント…

 「よしこの事は…わたしもスキだよ…」

 よしこの顔に一瞬笑みが浮かび、またわたしの胸に痛みが走る。

 「じゃぁ…」

 ゆっくりと横に首を振る。

 無理だよ…

 「よしことは…付き合えない…」

 ………………………
 ごめんね…よしこ…

 泣きそう…

250 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時47分04秒
 「うん…よしこはスキ…」

 「じゃぁ…なんでかな…?」

 長い沈黙の後に出てきた言葉は、どう返したらいいのかまったく想像のつかない言葉だった。
 それでも、よしこの瞳にも涙が滲んでいるのがわかる今、
 答えを返さないといけないって義務感が襲ってくる…

 黙っててもいいのに…

 でも、なんて返すの…

 そんなの…言えない…

 『わたしが梨華ちゃんを襲ってしまった罪悪感から』って言うの…?
 『加護ちゃんをその気にさせ、可哀想だからって理由をつけ、
  簡単に抱いちゃった罪悪感から』って言うの…?
 『わたしは梨華ちゃんとよしこの2人がスキだから』って言うの…?

 わたしは2人の女のコと簡単に寝ちゃう女なんだよ…
 最低な女なんだよ…

 加護ちゃんの事もあるんだし…

 梨華ちゃんの方が…

251 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時48分27秒
 ぐっと熱いモノが一気にこみ上げてきたと思った次の瞬間には、もう涙が溢れ出していた。
 今まで我慢していた涙が…

 「付き合えないのぉ…ぐす…よしことは……ぐず……スキだけどぉ…」
 「どうして…?」
 「だ…ひっ…だ…ひっく…だから…ぐず…ダメぇ…」
 「なんでよ…」

 よしこの口調は今までわたしが聞いた事のない位、怒った様な声になっていた。
 わたしの態度が曖昧だからだろうね…

 ごめんね…

 「ひっく…ダメ…イヤ…」

 「何で…」

 無理だよ…無理…

 ……………………

 梨華ちゃん…

 助けてよ…

 胸が締め付けられるよ…

 なんでこんなにわたしを責めるのよ…

 責めないでよ…

 どうしてよ…

 こんなの辛いって…

 もうイヤだ…

 《こんなの》…

252 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時49分50秒
 「ねぇ!?…ごっちん…」

 わたしの頭の中に、梨華ちゃんとの電話での会話が浮かんできたその次の瞬間、
 わたしの口から出てきた言葉は自分でも信じられない言葉だった。

 朝からも思っている言葉…

 これはたぶん、逃げの言葉だったのだろう。
 この言葉を言うと、もう責められない…
 これはわたしたち《女のコがスキなコ》にとって一番辛い言葉…
 言ってはいけない言葉だけど…


 たぶんよしこは諦めてくれるだろう…


 「き…ち…わる…って…グス…」

 そう…この言葉…最低な言葉…

 「ひっ…グス…だから……気持ち……悪い…よ…《こんなの》って…
  気持ち悪い…きしょいって…ば…《こんなの》…」

 わたしは口にしていた…



 簡単に女のコ2人と寝てしまう自分自身のコトを言うかのように…


253 名前:15〜恋愛感情って?−過去−その7 投稿日:2001年10月23日(火)22時51分04秒
 わたしの言葉に、よしこの顔は完全に放心したような表情になっていた。
 今にも泣き出しそうに…
 ちょっとでもつついたら割れてしまいそうなくらい膨らんだ風船が、
 一気にしぼんでしまった後のように…

 今までで一番大きな針がわたしのココロに突き刺さる。
 激しい後悔と共に、どうしようもなく涙が溢れ出てきた。

 もうこれ以上、こんな辛そうなよしこを見てられない…

 もうイヤだ…

 ごめんね…梨華ちゃん…約束守れそうにない…

 ごめんね…よしこ…わたしってこんな女なんだ…

 最低な女なんだ…

 だから、梨華ちゃんと…

 …………………………
 ………………………
 ……………………
 ………ごめん…
 ………………
 ………ごめ
 んなさい
 ………
 ……
 …

 わたしは逃げるようにその教室を後にしていた。

254 名前:作者 投稿日:2001年10月23日(火)22時52分24秒
>>236:nishiさん

 いえいえ、全然^^
 めちゃめちゃ嬉しいです^^
2日連続で更新したくなるくらい(w

 リアリティー…臨場感…現実的…これを目標みたいに最初から書いてきまして…
 一番は人のキモチ…
 でも、それ以外にも、だいぶん大人なやぐちとなっちは言葉も大人で…
 専門用語もしっかりと使って…
 でも、ごっちん、よっすぃーに梨華ちゃんはまだまだ知らない用語…

 でも、やっぱりそんなのより人のキモチが一番…
 これからもそんなキモチをどんどん出していけたらいいと思います。
 
 それに気がついていただいてホント嬉しいです^^

 でも、次は…今までの自分の書いてきたモノとは違ったモノを…(w
 今までのやぐち、よしこ、ごっちんはそれとなくキャラが似てるので、
 その3人を書いてきたような気が…
 でも、次はキャラも変わった人を…(w
 分かりそう…(w

 後、2回位の更新で終わりそうですが、これからもヨロシクお願いしますね〜

255 名前:空唄 投稿日:2001年10月24日(水)10時51分35秒
吉澤さんのストーリーの裏側の後藤さんの気持ちはわかってきましたが、
やっぱり一番気持ちの分かりにくい子ですね。
他の子はそれなりに誰に気持ちが傾きかけているか分かりますけど、後藤さんは……。
おそらく再会するであろう現在が楽しみです。
256 名前: 投稿日:2001年10月24日(水)21時09分15秒
久々にみたらものすごく佳境だし(w
よっすぃ〜編の真意がやっとわかりましたよ。
やっぱりこの小説は面白いです!
これからも頑張って下さいね!
257 名前:nishi 投稿日:2001年10月24日(水)22時27分32秒
レスにさらに「嬉しい」なんてレスを頂いちゃって…(照)。
そうですね。私は小説をすぐに感情だけで読んでしまうというか、
ばーんと共感して、どーんと感情移入して…って読み方なんですが、
それができるってことは、作者さんがキッチリ練ってくれてるからなんですね。
(うーん…たとえば、私は他人の日記になんかあまり共感できないんですが)
ココのお話は、ちゃんと頭脳派な基礎の上にたつ、感情論っていうのかな。
あらためて、「作者さん、スゲェ…」と思いました。

うぅん、ごっちんに「ごっちんは汚れてなんかないよ!!」って力説してあげたいよっ。
ごっちんほど純粋な気持ち、なかなか持てないっすよね。ハァ。
切ない雰囲気大好きだけど、ごっちん編はもうすぐクライマックスかな?
でも、次に来るであろうお方も、大好きなので…(あのヒトですよね?ニヤリ)
応援してまーす。いつも、抽象的な感想でごめんなさい!
258 名前:16〜揺れる決心−その7〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時19分30秒
16〜揺れる決心−その7〜

 「お願い…」

 そう言ってわたしに身体を預けるなっち。
 その瞳には涙が残っていたのか、キラキラと輝いていた。

 綺麗だ…

 でも…その瞳の奥はわたしを見ていないんだろうなぁ…
 たぶん今でもやぐちってコを見ているんだろう…

 ちょっと辛い…

 でも…でも…なっち、可哀想だ…

 ソッとほっぺに手を当てる。
 とっても柔らかいぷにぷに感に、きゅうと胸が締め付けられる。
 少しほっぺを摘んで遊ぶ。

 そんなわたしを見てなっちは、『やぐちと同じ事してる…』と、はにかんだような笑み。
 
 ココロの中では思っていたけど、やっぱり実際に、こんな時でもやぐちってコの事を考えてる
 そんななっちの言葉に、ちょっと悔しく思いながらも、ゆっくりと口付けをする…

 そっと触れたわたしの口に、なっちがさっそく舌を入れてきた。
 ねっとりとわたしの舌に絡める。
 その手馴れたカンジの行動にちょっとビックリするわたし。
 なっちの事は加護ちゃんみたいなカンジで思っていたから、
 てっきりわたしがなっちを攻めるものだと思い込んでいた…

259 名前:16〜揺れる決心−その7〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時21分24秒
 でも、これだったら…攻めも受けも関係ないかも…
 こんなのもいいかも…

 同じ事を感じたのか、スッと唇を離したなっちから、わたしにとって初体験の言葉が出てきた。
 
 「ごっちんって…タチ?ネコ?」

 ………………………

 一瞬混乱する頭。

 「えっ…」
 「あっ…わからないんだ…いいよ…じゃぁなっちが気持ちよくさせてあげる…
  まっ、そんなの関係なくってもいいんだけどね…」

 そう言うともう一度なっちは舌を絡めてきた。
 舌を感じる…その柔らかくて、甘い舌にどんどん気分が昂ぶってくる…

 「ねぇ…触っていい?」

 ドコなのかわからないけど、なっちの言葉に、文句はない…こくっと頷くわたし。
 それと同時にわたしの胸にそっと柔らかいタッチ。
 女のコの繊細な指で…

 ♪♪♪〜♪〜〜〜〜♪♪〜

 ハッとしたように離れるわたしたち。静かな部屋に、
 やけに高く鳴り響く携帯の着メロに耳が痛くなる。

 〜♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜

 「やぐちだ…」

 どきっ

260 名前:16〜揺れる決心−その7〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時24分05秒
 なっちの言葉に跳ね上がる心臓。
 なんていいタイミング…
 まるでわたしたちの事をじーっと見ていたんじゃないかってくらいの…

 「ちょっとごめん…やぐちからの電話だ…」
 
 そう言うとなっちは携帯を取りに行く。
 残されるわたし…

 わたしの後ろで嬉しそうに携帯を取るなっちを、少し羨ましそうに見る。
 その顔にはさっきあれだけ流れていた涙は完全に消え、
 やぐちってコと話す事を思いっきり楽しんでいる、普通の恋する女のコがいた。

 しばらく話し続けるなっちの横顔を、そっと見守る…
 楽しそうに話すなっちを…

 ……………………

 「……………うん………
  わかったよ……………
  うん、大丈夫…………
  えっ?…だぁ〜いょ〜うぶっだってばっ!」
 
 そう言って笑うなっちの声が耳に辛かった。
 
 やっぱりココロのどこかでなっちに惹かれていたわたしがいたんだ。
 純粋で、可愛くって、柔らかいなっち…加護ちゃん、よしこ、梨華ちゃんみたいに綺麗な瞳…

261 名前:16〜揺れる決心−その7〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時27分10秒



 ふぅ…



 バカだ…



 またやろうとした…



 『黙っててあげる…』…この言葉何回言ったんだろうわたしは…



 ホントバカだ…



 「じゃぁまた後でね…」

 カップを手に取り、なっちを待つ。
 少し冷めた紅茶の味が、今までで一番苦く口に広がる。
 甘さなんて全く感じない…



 わたしのココロ同様に…


262 名前:16〜揺れる決心−その7〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時28分40秒

 「ごめぇ〜んっ!ごっちん…」
 「どうしたの?」
 
 2人の会話の羨ましさから、搾り出すようにしてやっと出た声。
 わたしの辛さでいっぱいになったこの胸の内…

 「ちょっとやぐちからでさぁ〜
  今から外食しようってさっ♪
  久しぶりなんだよねぇ〜」

 すっごい楽しそうに話すなっち…


 「あっ…うん…じゃぁ…帰るね…」

 「あっ…うん…ごめんね…
  あ、あの…ありがとう…」
 
 「ごとーなぁ〜んにもしてないってばっ」

 ぎこちない顔で笑うわたしを、なっちはいつもの目を細めた満面の笑みで見てくれる。

 「色々聞いてくれてありがと…
  辛い事がいっぱいあって…
  ホントすっきりした…」

 そして、顔を少し赤らめ、囁くように…
 『また今度…しようね…』…

 …………………………

 えへへへへ…

 まっ、いっか…

263 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時30分51秒
17〜恋愛感情って?−過去−その8〜

 涙で視界が完全に歪んでしまったわたしは、どの方向に走っていたのかまったく分からなかった。
 気が付いたときには、目の前にカフェのガラス張りのドアが見えていた。

 その中はもう真っ暗で、人の様子は完全に感じられない…
 両開きのドアのトッテに手を掛けるが、やっぱり鍵が閉まってて開かない。

 崩れるようにそのドアの前に膝を抱え込んで座り込む。

 座り込んで、また周りの薄暗さに涙が溢れ出てくる。

 もういやだ…

 ごめん…よしこ…

 スッと携帯を取り出し、梨華ちゃんに電話を掛ける。

 梨華ちゃんによしこのトコロに行って欲しい一心で…

 指が震えるし、涙で視界が歪んでてなかなか梨華ちゃんの名前をを探せない…

 やっと梨華ちゃんの名前を見つけた時にはもう制服が涙でびしょびしょに…



 「もしもし…ごっちん?どうしたのぉ?」

 三回コールくらいの後、電話に梨華ちゃんの恥ずかしそうな声が聞こえてきた。
 前に話したのは、あのHの時だったから、ちょっとテレてるのかもしれない。

264 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時32分37秒
 でも…

 そんな梨華ちゃんの声を聞いたら、また涙でいっぱいになる。
 
 「…り、りかぢゃん…ひっく…」
 『ど、どうしたのぉ!?大丈夫っ!?』
 
 わたしの涙声にビックリしたのか、急に心配そうな声になる。

 「うっく…」
 『今どこにいるのぉ?』

 「…がっこ…」
 『教室なのぉ?』

 「…かふぇ…」

 わたしのその声を聞いた時からもう歩き出したのか、
 部屋の中から外で出たのが携帯越しに感じられた。
 がさがさと何かを漁る音がした後、
 『今家だけど、すぐ行くからっ!待っててねっ!』
 の言葉と共に携帯は切れてしまった。

 しばらく呆然とその携帯を握る。

 何か考えていたい…
 何も考えないとさっきの事が頭を巡ってしまう…


 そして、また激しく零れ落ちる涙…

265 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時48分03秒
〜〜〜〜〜〜

 キュキュと、雨の日の湿気が原因で出る廊下と上履きのこする、
 いつもより大きなゴムの音が、わたしの耳に聞こえてきた。
 足早に歩くのが分かるその高い音に、耳がキンキンと痛くなる。

 膝で抱え込んで俯いていた顔を少し上げるけど、まだ薄暗い廊下に梨華ちゃんの姿は見えない。

 もう一度頭を下ろす。

 徐々に近付くゴムの音に、胸が締め付けられたようになる。
 悲しさで梨華ちゃんを呼んだまでは良かったけど、実際来てからどう言ったら…
 何を言ったらいいのか…分からない。

 一瞬そのまま逃げようかとも思ってしまった…
 この今自分が置かれてる現実と共に…


 「ごっちんっ!」

 いつの間にか目の前に聞こえていたゴムの音。
 そぉ〜と顔を上げると、ロングコートを着た私服の梨華ちゃんが傘を片手に、
 心配そうに立っていた。

 わたしと目が合うと、急に悲しそうな表情になり、中腰でわたしの顔を覗き込んできた。
 マユをハチの字にした、今にも泣き出しそうな梨華ちゃんの顔が、
 わたしの歪んだ瞳に映ってくる。

266 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時49分29秒
 「どうしたのよぉ…ごっちん…
  そんなに泣かないでよぉ…
  私まで泣きたくなるからさぁ…」
 
 ゆっくりとわたしの頭を抱きかかえてくれ、そっと髪の撫ぜてくれた。
 指も通してくれる…その行為にまた涙が溢れてくる。


 よかったぁ


 梨華ちゃん…会いたかった…


 会いたかったよぉ…


 ホント…


 あっ…

 よしこの為って呼び出しちゃったけど、ホントはわたしが一番会いたかったんだ…


 ワガママなわたし…

267 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時51分21秒
 「どうしたのぉ?
  せっかくのメイクが落ちちゃってるよぉ…」
 
 そう言って、わたしの涙を綺麗な指先で拭ってくれた梨華ちゃん。

 でも、今だけ…

 そう思ったわたしは、しばらく梨華ちゃんの温かさを感じるように、抱きつき、そして泣き続けた。
 外の雷の音がわたしのココロの内を表してくれる。

 どれくらい泣き続けたのかわからないけど、梨華ちゃんはただただ、
 わたしが《何か》を話し出すのを待ってくれていた。

 うん

 言わないと…

 「ひっく…梨華…ぢゃん…ひっく…」
 「なぁに?」
 「あのね…あのね…わたしね…わたしね…よしこにね…ひっく…とってもぉ…
  うっく…ひどい事…言っちゃったんだよぉ…ごめん…ね…」

 まだよく理解出来てない梨華ちゃんは、ただただわたしの髪の毛を撫ぜる事しか出来ないのか、
 困ったような表情でわたしを見ていた。

 わたしの言葉を待つように…

 もう、正直に言うしかない…

 早く梨華ちゃんによしこのトコロに行ってほしかったから…

268 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時55分13秒
 「あのね…よしこがね…うっく…スキなんてね…言うからね…
  グス…《気持ち悪い》ってね…言っちゃったのぉ…
  ごめんねぇ…梨華ちゃん…ごめんねぇ…ホントごめんねぇ…」

 「えっ…」


 「ごっちんの事をぉ?」

 こく

 どんな顔をするか、怖かった…

 恐る恐る見ると、最初こそビックリしたような表情だった梨華ちゃんだけど、
 それは一瞬だけで、今は涙目に少し笑みさえ浮かべていた。
 そんな梨華ちゃんにホッとするわたしだけど…

 「そうだったんだぁ…ごめんね…ごっちん…辛かったでしょ…
  ごめんね…ごめんね…」
 
 そう言った梨華ちゃんの目からは、涙が溢れ出ていた。
 ただ、『ごめんね…ごめんね…』を繰り返すだけ…
 その姿にわたしの瞳からはまた涙が出てくる…

 しばらく2人して泣き続け、落ちついた時には、
 わたしの頭の中に梨華ちゃんに電話を掛けた時の《想い》が浮かぶ。

 そう…

 「…梨華ちゃん…グス…よしこのトコロに行ってあげて…グス…
  すっごいショック受けてたと思う…
  ごとーがひどい事言っちゃったから…」

269 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時57分14秒
 涙で詰まり詰まりのわたしの言葉に、梨華ちゃんは小さく頷き、
 わたしを抱き上げてくれた。

 そのまま呟く。

 「でも、ひとみちゃんのスキなコがごっちんだって事、よかったぁ…安心したよっ
  わたしもごっちん大スキだから…よかったぁ…」

 その梨華ちゃんの言葉は、わたしを救ってくれたって言って過言じゃなかったよ…
 ホント嬉しかったんだ。

 だけど…
 わたしには辛さの方が多く残ってしまった。
 もう、よしことは会えないと思っていた。
 わたしはとてもひどい言葉で、よしこの事を傷つけてしまったんだし…

 「ごっちんもイコッ…ひとみちゃんのトコロへ…」

 首を横にぶるぶる振る。

 「ねぇ」

 「無理だよぉ
  あんなひどい事言っちゃったんだからさぁ…むりぃ…」

 また涙が出てきそうになる…
 そんなわたしをもう一度抱きしめてくれ、ゆっくりとあやしてくれた梨華ちゃん。
 『大丈夫…大丈夫だから…わかってくれるって…』 
 そう言ってくれる梨華ちゃんの言葉もただただ辛いだけ…

 ……………………

270 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)22時58分32秒
 「わかった…じゃぁ、とりあえず梨華ちゃんだけ先に行ってて…
  顔がこんなんだから…」

 無理な笑顔を作って、目の前の梨華ちゃんをニッコリ見る。
 そんなわたしの顔を見て、梨華ちゃんの顔にも自然と笑みが浮かんでいた。
 少し胸に痛みが走るが、この際仕方ない…

 『じゃぁ、後でねっ』と言って、歩いて行く梨華ちゃんの後姿に
 『ごめんね』と謝罪の言葉を投げるだけだった…

 そしてそのまま静かに家に足を進めていた。


 ごめんね…梨華ちゃん…


 ごめんね…よしこ…


 そして…


 ごめんね…加護ちゃん…


 許してね…


271 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)23時00分37秒
〜〜〜〜〜〜

 この日っきりだ…

 その日以来わたしはよしことは1回も会っていない。
 メール交換もなくなった。
 
 あんな事を言ってしまったわたしだから、罪悪感からメールなんて送れるはずもなかったし。
 
 そして、受験勉強の為、学校にも行かなくなったわたし。
 受験勉強って名目が丁度よかったんだ。
 その受ける高校が、都内で一番の進学校って事が、皮肉にも助けてくれたりしたし、
 卒業式と受験が重なったって事も助けてくれたりもした。
 
 丁度よかった…

 でも、そんなわたしだから、当然のごとく第一志望は通るはずなかった。
 まぁ当然ってカンジだけどね…

 ただ、幸いにも第二志望の方は通る事が出来て、お母さんの大反対に会ったけど、
 強引にそっちの高校に行く事は出来たんだ。

 今では後悔が残るだけだけど…

272 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)23時02分37秒
 梨華ちゃんには、あの後
 【先に帰ってごめんね…でも、やっぱり無理。
  よしこにもこの事は言わないでね…お願い…】
 ってメールを送ったんだ。
 その通りに梨華ちゃんはしてくれたみたいで、ちょっと安心した反面、
 話してくれてもよかったっていう複雑な気持ちになっていた。

 ホントワガママなわたし。

 そんな梨華ちゃんからは時々メールが来たりする。
 たまに【家に行ってもいいかなぁ】ってメールが来るけど、
 どれも【用事があるから】って断ってきた。

 どうして…?

 やっぱりウソをついたって言う罪悪感からか…

 強引に家まで来た事もあったけど、『いないって言って』ってお母さんに頼んで…
 それがまた、自分の中だけだと思うけど、気まずくなったりするんだ。

 そして、そのメールの中にはいつもよしこの事が入っていた。

273 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)23時04分36秒
 【髪の毛をショートにしちゃったら、すっごいカッコ良くなっちゃったよ♪】…
 【ひとみちゃんがモテモテになって辛いよぉ〜(涙)】…
 【ひとみちゃんはまだ人と付き合ってないよ…まだごっちんの事が…】

 そして…最後にはいつも…

 【また3人一緒に遊びたいよ…】…

 そのメールを見るたびに『ごめん』って呟くだけしか、わたしには出来なかった。


 よしこと同じくらい辛かったのは加護ちゃんとの事。
 次の日休みだったから、加護ちゃんに『告白の返事をしたい』って言って、
 悪いけど呼び出して、そして、はっきり言ったんだ。
 『Hしちゃったけど…ホントごめんなさい…』って…
 『付き合えない』って…

 泣きじゃくる加護ちゃんを思いっきり抱き締めて上げたかったけど、
 またココロが流されるのが怖くて、そのまま突き放すように帰ってきた。

 時々加護ちゃんからもメールが入る。

 当り障りない話題だけど…

 ただ、いつも最後に【ずっとスキって事は変わらないですよ】って言葉は入っていた。

274 名前:17〜恋愛感情って?−過去−その8〜 投稿日:2001年10月25日(木)23時06分25秒
 みんなに会いたいって事は日に日に募るだけ…

 よしこや梨華ちゃん、加護ちゃんと昔のようにもう一回なりたいと思う…

 出来たら、よしこと梨華ちゃんに加護ちゃんを紹介して、みんなで遊んでもいいと思っている…

 でも…

 仕方ないよね…

 全部わたしが悪いんだ。

 部屋の中にある、わたし、よしこ、梨華ちゃんの写真…加護ちゃんと撮ったプリクラ…
 それを見るたびに後悔が…
 大切なものを一度に失ってしまった後悔が…

 …………………

 結局、わたしがスキだったのは誰なのか、今ではもうわからないような気がする。
 Hをしちゃったり、相談を受けたって事で、梨華ちゃんのウェイトが、
 一番大きくなったような気がしていたけれど、もし、よしことHをしたり、
 相談を受けたりしていたら、梨華ちゃんよりもよしこのウェイトの方が、
 更に上になっていたのかもしれない…

 加護ちゃんだって…

 分からない…

 その場の雰囲気に流されやすいわたし…

 わたしって単純だ…Hをしただけで、自分の気持ちが変わるなんて…

 分からない…

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

275 名前:作者 投稿日:2001年10月25日(木)23時07分21秒
>>255:空唄さん

 レスありがとうございます〜
 そうですね…
 ここのごっちんは…

 ただ、これからは、みんな気持ちに揺れが起こってくると思います…
 それが激しく揺れ動くのか、軽く動くのか…

 どのようなカップリングにも、動ぜず(!?意味不明(w)
 これからもヨロシクお願いしますね〜(w

276 名前:作者 投稿日:2001年10月25日(木)23時08分46秒
>>256:♪さん

 ありがとうございます!!
 よっすぃー編の事が今日の事で全て出たと思います。

 よっすぃー編ですが…
 自分としては…

 【どうして梨華ちゃんがラストのあの場面に出てきたのか】が一番重要ポイントでして…

 →それは、この事を知ってるごっちんが、梨華ちゃんに教えたから
 →って事は、梨華ちゃんもこの事は、全て知っている
 →ごっちんが【わたしもよっすぃーに相談がある】ってメールから…
 →よっすぃー編で梨華ちゃんがよっすぃーの事がスキだって事は、
  色々なトコロの梨華ちゃんの言動から分かり…
 →梨華ちゃんが、よっすぃーに電話する前にごっちんに電話していて、
  よっすぃーが女のコから告白されたのを知っていた事実から…
 →ごっちんが梨華ちゃんから相談を受けていた…(ここは結構強引かも…(w)
 →梨華ちゃんの気持ちを知っていたからごっちんが断った…
  (せめて最後はこう読者の方に思って頂いてけたら…って(w
   そこで、ごっちん編で全て出せたらと(w)

 って事だったんですけど…(w
 
277 名前:作者 投稿日:2001年10月25日(木)23時09分28秒
 >おもしろい…
 ホント嬉しいお言葉ありがとうございますっ!!

 これからもヨロシクお願いしますね〜

>>257:nishiさん

 いえいえ♪
 レスだけでも嬉しいんですけど、きちんど感想まで頂けるとホントありがたいですm(__)m
 ここまで褒めて頂けると、ちょっとテレますね…(w
 でもホント嬉しいです^^
 色々とつなげて繋げてっていうのがスキなんで、やっぱり自分もそんなカンジに…
 それに、自分は…『3月7日』の最初でも書いたとおり、書くほう初心者でして…
 更に理系人間ってトコで、かなり国語は苦手だったんです(w
 って事から、こう言う感想頂けるとホント嬉しいですよ^^
 内容を一生懸命頑張って頑張って…(w
 繋げて繋げてってカンジで…(w

 ごっちんはホント純粋ですね。(書いてる自分が言うのは何ですけど…(w)
 優しいし^^
 
278 名前:作者 投稿日:2001年10月25日(木)23時10分48秒
 次はたぶんあの方であってると思います(ニヤ)
 キャラも結構…その通り以上(!?)に頑張って書いてます^^
 たぶん行き過ぎてるかも…(w
 切ないのがスキなようですが、今度はちょっと切ないですけど、明るめでも…
 巧い事2つの事を描ければいいとおもうのですが…
 ちょっとカワイイカンジで、コメディーチックかも…(w
 初めての試みで、すっごい心配ですけど…(w
 ただ、その切なさとのギャップを表現できれば…
 後、次でも一番書きたい事が、巧い事伝わったらいいのですが…
 今回は伝わったみたいで嬉しいです^^

 次もヨロシクお願いしますね〜

279 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月26日(金)04時18分25秒
ごっちん切ないなあ…。
みんなが一堂に会するのはまだまだ先かな?
続き楽しみに待ってます。
280 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時45分47秒
18〜揺れる決心−その8〜

 もう完全に日の落ち切ってしまった東京。
 それでもこの街はこれからが本領発揮っていったカンジでネオンが輝く。

 その為に、真上に輝いているであろう、星の瞬きが全く見えない。
 東京に住んでいると、それは当然ってカンジで思えるけど、
 やっぱり時々行く旅行なんかで、満天の星空をみると羨ましくて仕方がなくなる。

 そんなネオンの中、電車を乗り継ぎ、家までの道、今日のなっちとの出来事が
 頭の中を反芻するわたし。
 たぶん久しぶりにドキドキした一日だったような気がする。
 明日からのなっちと当たるバイトが楽しみになってきた。

 新しい親友なっち…

 なっちの為に何かしてあげたい…

 なっちがあまりにも可哀想だ…

 自然と歩む足に力が入る。


 よしっ


 頑張って、ごとーが…

 ♪♪♪〜〜♪〜♪♪
 
281 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時47分28秒
 
 気合を入れた瞬間だった。
 
 もう周りは住宅街に入り込んで、静かになった街に、わたしの高い携帯の着メロの音が高く響いた。
 メールだからすぐ切れるけど、その鳴っている時間が止まったように長く感じ、
 慌てて携帯を手に取る。

 少し周りを見回し、誰もいない事にホッ…携帯のメール欄を開ける。
 ごく自然の行為…のつもりだったけど…
 
 次の瞬間わたしのココロが大きく飛び跳ねた。


 そう、そこには思ってもいなかった人からの名前が…


 久しぶりの…


 【From:リカちゃん】


 久しぶりだ…


 ドキドキを押さえながら、慌てて中身を見る。

 【Sub:Dear〜LoveLoveごっちん!!】

 えへへへへ…

282 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時49分38秒
 【ごっちんっ!!久しぶりだねっ!!
  前のメール交換から1ヶ月はたっちゃったね…ごめんねっ。

  どう?元気してますか?
  私は元気でいっぱいです^^
  ひとみちゃんも元気いっぱいだよっ^^

  もう夏休みだね。ごっちんは楽しく夏休み過ごしてますか?
  私たちはね…
  寂しい夏休みを過ごしてますぅ(涙)

  って言うのも、この夏休みから、塾に通う事になってさっ…
  って言っても私が一番最初に言い出して、
  それがひとみちゃんに飛び火しちゃったってカンジなんだけどね(笑)
  毎日毎日塾通い…(涙)

  でも、ひとみちゃんは結構頑張っちゃってるんだよっ!
  あのひとみちゃんがだよっ(笑)
 
  しかも朝一番からっ!!自習室に行ってっ!!

  でも…まぁ、その頑張りっていうのも、女のコが目的みたいなんだけど…(怒)
  ちょっと悲しくなるよぉ…うぅ…(涙)
  でも、まだひとみちゃんは人と付き合ってないから安心してねっ
  (内容変かなぁ?自分に言い聞かせてるのかも(笑))

  おっと、もうこんなに書いてる…結構指が疲れちゃった…^^;

283 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時52分13秒
  なんだかいつも言うみたいだけど…
  会いたい…会いたいなぁ…ごっちん…ホント会いたいよ…
  また3人で昔みたいに遊ぼうよ…3人で…
  ひとみちゃんだって思ってるよ…

  あっ…しんみりしちゃった…えへへへ…ごめんね!
  でもホントだよっ^^

  じゃぁ楽しみに返信待ってるねっ!!

  ごっちんっ!!
  愛してるよっ!!
  梨華よりはあとはあと



 梨華ちゃん…

 じわっと熱いものがこみ上げて来た。
 携帯を見る目がひどく歪んでくる。
 そして、ぎゅうっと携帯を持つ手に力が入る。
 
 と、ミシって音に慌てて力を緩めるわたし。

 自分の面白い行動に涙目ながら少し苦笑いが入る。

284 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時54分29秒
 ホント久しぶりの梨華ちゃんからのメール。
 前のメールは1ヶ月くらい前だったから余計に、久しぶりに思える。

 しかもその内容はよくわからない内容だったし…

 【男のコで人気のあるカッコイイ靴のブランドってドコかなぁ?
  あっ、値段は私たち相応のものね…^^;
  ドコに行ったら買えるかなぁ?
  後、男のコ用のアクセサリとかもドコに行ったらカッコイイの買えるかなぁ…】

 ってカンジの事で、

 【ユウキくんに聞いてくれないかなぁ?】

 って事だった…

 一瞬カレシが出来たの!?って心臓が跳ね上がったけど、
 そんな話梨華ちゃんから直接聞いてないし…
 もし出来たなら、わたしには話してくれるだろう…

 でも、ちょっとそんな現実が怖くて、詳しく聞けなかったんだ…
 今となっては、ホントはどういうイミだったんだろう…
 聞いてみても…


 に、しても、ホント梨華ちゃんらしいメールだね…

 もう一度携帯を見るわたし。

 【会いたい…】…【また3人で昔みたいに遊ぼうよ…】…一番辛い言葉…

 わたしも会いたい…

285 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時55分52秒
 

 でも、でも…まだ無理だよ…


 まだ…


 もうちょっと時間が欲しいよ…


 会うのが怖い…


 辛さと悲しみと嬉しさが入り混じった不思議な感情を抱えながら、
 わたしは梨華ちゃんへの返信の内容を考えていた。
 そのまま家に帰ると、自分の思考の時間がなくなりそうでイヤだったから、
 途中の公園でブランコに座りながら、少しぼぉ〜っと考え込む。

 何て返信打とうかなぁ

 ♪♪♪〜〜♪〜♪♪
 
 と、また静かな公園にわたしの携帯の着メロの音が鳴り響く。
 今度は手に持っていたから、すぐ止める事が出来き、ホッとするわたし。

 サッとメールを開ける。

 あっ…

 珍しいなぁ

 そんなわたしの目に映った名前は、愛ちゃんだった。

286 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時57分42秒
 【From:高橋愛ちゃん】

 そう…珍しい…
 愛ちゃんとは結構メール交換をしあう仲だったけど、
 それはバイトの事でお母さんに頼まれてってカンジだった。

 それでも最近は夏休みって事もあり、毎日バイトが入っているから、
 バイトの事でのメール交換はなかったんだ。

 毎日会ってたし…

 どうしたのかなぁ

 【Sub:ビックリしました?】

 うん、しました…

 【ちょっと今メール打ちながら緊張してます(笑)
  今日はバイトの事ではないからで〜す(^−^)
  ちょっとお願いが…^^;

  実はお馴染みのお客さんから『千と千尋の神隠し』の映画のチケットを
  2枚貰ったんッスよ(^−^)
  どうッスかぁ!?いきたくないッスかぁ!?
  いいッスよねぇ?いいッスよね!?

  それでね…それでね…
  他の人は時間がなくって無理みたいなんで…だから…
  いえ、『だから』じゃなくって最初から後藤さんと行きたかったんですけど…
  だから他の友達には聞いてません^^;

287 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)17時59分26秒
  後藤さんっ!!
  お願いッス!!一生のお願いッス!!
  一緒に行きませんかぁ!?

  あっ…あと、ショッピングにも付き合って欲しいんですけど…

  こんな事、本人に対して言うのは、メールでしか言えないと思うのですが…
  後藤さんに憧れてて…
  一緒に服を選んでいただけたらすっごい嬉しいんですが…

  お願いします〜お願いします〜
  この哀れな愛の為に(ToT)
  行きませんかぁ?

  ううん…行きましょうよぉ〜(ToT)お願いしますぅ〜(ToT)
 
  あのぉ…考えてくださいね(^−^)

  最後に…愛してますっ!!きゃぁ〜〜〜っはあとはあと  
  後藤さんはあとはあと


 ……………………
 最後のテンションにちょっと苦笑いだけど…

 映画か…いいね…愛ちゃんに頼まれたら断れる訳ないじゃん…
 それにわたしだって見たいなぁって思っていた映画…

 ……………………

 に、しても愛ちゃん…

 カワイイなぁはあとはあとホント…

288 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)18時00分50秒

 愛ちゃんも女のコの事スキなのかなぁ


 こんなメール見たらごとー勘違いしちゃうよ…


 ホント…


 【憧れてます…】何だか嬉しくなる言葉…
 でも、この言葉は《スキ》とは違うような気もする…

 どうなんだろう…

 ホントのトコは…


 いつか聞けたら…



 ……………………

 少しブランコに勢いをつけ、漕ぐ。
 真っ暗な空が交互に視界に入ってきては私の心に何かが浮かんでくる。


 そう、色々な事が頭に浮かんでくる。
 今日の出来事…


 そして、

289 名前:18〜揺れる決心−その8〜 投稿日:2001年10月26日(金)18時02分06秒
 なっちの事。
 なっちの為に何とかしてあげたい…

 愛ちゃんの事。
 わたしに慕ってくる可愛いコ…

 梨華ちゃんの事。
 よしこの事。
 加護ちゃんの事。
 もう一度会いたい大切な人たち…

 ……………………

 うぅ〜ん…

 ちょっと頭が痛くなってきた…

 もう帰るか…

 今日の夜寝る時にゆっくり考えよう…色々な事を…全て…

 この夏休み…楽しみが増えそうだ…

 何かが起こりそう…

 楽しみだ…

 うん

 いい一日だったなぁ




      〜Fin【第3部 後藤真希〜揺れる決心と親友、そして幼馴染】〜



290 名前:作者 投稿日:2001年10月26日(金)18時03分09秒

 と、言う事で第3部ごっちん編が終了しました。

 今まで読んでいただいたみなさま、ありがとうございましたm(__)m
 みなさまのレスがあったから、これだけ長いのを書けたと思います^^

 たぶん、これでよっすぃー編の伏線はほとんどわかって頂けたと…

 あっ、もし作者自身が自分で書いた伏線をいつの間にか見落としてる可能性もありますので(w
 もし『出てないってば』って気づいたのがありましたら、教えていただけたら…
 裕ちゃん以外で(w

 次からはまた新しいスレになりますが、今度は自分にとって書きやすい長編の板にでもと…(w
 ここだと、返信のレスだけで、2回に分けたりしてるし…(w

291 名前:作者 投稿日:2001年10月26日(金)18時04分06秒
 はぁ…その前に『ラブリング』の方ですね…
 今ホント悩んでます…
 50レス分はストック書けたのですが…そこからまた詰まって…
 自分の中では、Wordで100kbくらいのストックが出来たら、
 スレを立てようかなぁってありまして…^^;

 『レズフレンド』が自分の中で今絶好調なので、
 一気に集中してってカンジでやったら楽かも…って(w

 って事で…あの…ホント作者のわがままでスミマセンですが、
 
 もう少しの間こっちの『レズフレンド』の方を頑張らせて頂けたら嬉しいのですが…
 
 票も頂いて、ホントに期待して頂けてる方がいるっていうのが嬉しいのですが…

 ワガママスミマセンですm(__)m

 こんな作者ですが、これからもヨロシクお願いしますね〜

 では、少し落ち着いたら、また新しい板で^^

292 名前:作者 投稿日:2001年10月26日(金)18時05分40秒
>>279:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 みんなが一堂に会するのはやっぱりまだまだになりそうです…
 結構自分の中でも話が膨らんできまして…
 次は、最初の予定では短編で書こうと思っていなかった人が主人公なんで…(w
 ちょっと不安なのですが…
 これからもヨロシクお願いしますね〜

293 名前: 投稿日:2001年10月27日(土)01時15分37秒
終わっちゃいましたね〜
まずはじめにお疲れさまでした♪
ごっちんは最後はだれを選ぶんでしょ?
これからが楽しみです♪
次、再開する場所教えて下さいね〜♪
これからも頑張って下さいね
294 名前:ななしたん 投稿日:2001年10月27日(土)14時23分34秒
おつかれさまでした。
次を楽しみにしてます。
作者さんのペースでがんばってください
295 名前:空唄 投稿日:2001年10月28日(日)13時46分49秒
第三部、面白かったです。
なんだかんだで、登場人物同士がつながってますよね。
まだ会ってないっていうだけで……。
後藤さんが吉澤さんと会った時どうなるのかな……。
296 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)16時12分30秒
昨日と今日でぶっ続けて読みました。
『レズフレンド』の方も読みましたよっ!
なんか・・・憧れの小説って感じです!
小説を書く時って、やっぱり『女同士が当たり前』で始まるんですけど
この小説は、現実から女の子同士の恋愛に変わるまで書いてあって、
とても感動しました。
ゴッツァンやよっすぃ〜や梨華ちゃん、加護ちゃんなどを中心に、
「女同士の恋愛には抵抗がある。でも愛してしまったら同じ」
という事を思い知らされました。
とても感動できる小説です。
これからも本当に本当に頑張ってほしいです。
心の底から応援してます。

とみこ
297 名前:作者 投稿日:2001年10月29日(月)18時40分13秒
>>293:♪さん

 ありがとうございます〜
 ごっちんは…最終的には誰を…
 全員をハッピーエンドにするには…って感じである程度考えてるのですが…^^;
 なかなか決まらないです…^^;
 次も、もちろん!!
 こちらこそ、よろしくお願いしますね〜

>>294:ななしたんさん

 ありがとうございます〜
 次ももう少しだとおもいますんで、
 その時はまたまたヨロシクお願いしますね♪

>>295:空唄さん

 ありがとうございます〜
 次の第4部で、登場人物は全員が登場すると思います^^
 どんな些細なことで出てきても…(w
 もっともっと絡ませられたら…(w

 次もヨロシクお願いします〜


298 名前:作者 投稿日:2001年10月29日(月)18時41分35秒
>>296:とみこさん

 ありがとうございます!!
 自分もこういうのを一度は書いておきたいとおもいまして…
 これからも、どんどん現実に近づけられるように頑張りたいと思います!!
 『ラブリング』がああいう内容なんで…^^;

 >>女の子同士の恋愛に変わるまで…
 きちんと伝わって頂けましたか?(w
 よかったぁ…って感じです^^
 ちょっと強引かなぁって自分で思ってしまったトコロもあったので…
 一安心です♪

 >>感動…
 そう言って頂けるとすっごい嬉しいです^^
 自分としては、そういう風に書いてても、読者の方に伝わらない事があると思ったので、
 実際に伝わったとレスいただけると、嬉しいですね^^

 ホントに頑張ろう!!ってなるレスをありがとうございます!!
 
 PS.とみこさんも新作頑張って下さいね^^
 自分は原作読んだ事ないので、余計に楽しみです^^
 どのようになっていくのか…
299 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月30日(火)07時02分14秒
りかちゃんがとっっっっっっっっってもいい味だしてます♪
「いい味」ってゆーのはいい役柄ってことです!!!!

始まったときから読ませていただいてますが、レスするのはおはつです・・・(笑)
わたしも続きに大いに期待してる読者の一人なんで♪
300 名前:作者 投稿日:2001年10月30日(火)17時27分25秒
>>299:名無し読者さん

 レスありがとうございます!!
 梨華ちゃんいいですか?(w
 よかったぁ…
 大事な人物なんで(w
 そして…その梨華ちゃんが次の第4部の主人公なんです^^
 どうなるのか…^^;

 これからもどうぞヨロシクお願いしますね〜
301 名前:作者 投稿日:2001年10月30日(火)17時29分23秒
海か空なやんだのですが、結局一番スレの少ない空板にしました。
これからもヨロシクお願いしますね〜

http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=sky&thp=1004430245&ls=25

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