インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板

Zinc White

1 名前:4126 投稿日:2001年09月27日(木)19時21分05秒
サッカー小説完結編「歓喜の145センチ」第二部
2 名前:4126 投稿日:2001年09月27日(木)19時28分30秒
<お願い>
この小説は9/27現在赤板で掲載されている
「The Cried Red Monster」
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=red&thp=999253763
の続編ですが、向こうが完結するまでこのスレについての書きこみを向こうにしないでください。
なるべくこっそりと始めたいので。
では、同時進行でお楽しみ下さい。
3 名前:4126 投稿日:2001年09月27日(木)19時49分56秒
ジンクホワイト。
亜鉛華などとも呼ばれる顔料。
顔料とは色のついた粗い粉末のことでこれにアラビアガムを混ぜると水彩絵の具、油を混ぜると油絵の具になる。
カラーインデックスでホワイトの4、組成は酸化亜鉛(ZnO)。
水彩絵の具として使う場合、特にチャイニーズホワイトと呼ばれる。
時間が経つとひび割れを起こすため下地には使いづらいが人体に無害で、透明度が高く、どんな色と混ぜても美しく発色する。
色としてはやや黄色を帯びた、温かみのある白。
4 名前:4126 投稿日:2001年09月27日(木)20時02分00秒
余暇を利用して、飯田圭織は油絵を描くことが多い。
ビートルズを生み出したリバプールから、故郷北海道を想って。
パレットに、ジンクホワイトをたっぷりと乗せて、カンバス一杯に描く。
飯田は白が好きだ。特にこのジンクホワイトが。
同じ無彩色の黒が何物にも負けない強さを持つのとは違い、繊細で、他の色に染まる白。
いや、一方の色に染まるというよりは、互いに影響を受けながら溶け合っていくようにその姿を変じる。

5 名前:4126 投稿日:2001年09月27日(木)20時09分21秒
誰に書き方を習ったわけでもない。誰かに見せるわけでもない。頭の中の描きたいものを描きたいように描く。
時には二枚のカンバスを並べて交互に筆を躍らせることもある。今もそうしていた。
仕上げにジンクホワイトを滲ませ、元の絵の具の色と溶け合わせる。幻想的で神秘的な雰囲気を醸し出す。
できた。二枚の絵が。飯田は満足そうに微笑む。
一枚は、密林の中で鋭く目を光らせる孤独なトラ。
もう一枚は、雪景色の中たくさんの動物に囲まれて優しげに微笑む白衣の少女。
6 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)10時11分32秒
学生の祭典、ユニバーシアード大会が北京で開催されていた。
サッカーの部決勝、日本大学選抜はイタリア選抜に対し、奇跡的にスコアレスドローで前半を終えていた。
大学サッカー界の名伯楽、早稲田大学監督寺田農(みのり)のもと、徹底したカウンターサッカーでここまで無失点の日本選抜はセリエAプリマベーラ(ユースチーム)経験者を多く含むイタリアの本家カテナチオからの速攻に再三手を焼く。
ホーム扱いのイタリアはA代表と同じアズーリ、地中海の青をまとい、疲れた様子で引き上げる日本は炎のエンブレムをあしらった白装束であった。
7 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)12時46分02秒
柴田あゆみはたっぷり汗を吸ったキャプテンマークを右腕から外した。初秋の肌寒さが嘘のような汗だくの顔を袖で拭う。
トップ下、背中には10。五輪代表では石川のサポート役に徹する柴田もこのチームでは女王様、左足で長短のパスを操り華麗なカウンター攻撃を演出していた。
まがりなりにもプロチームである横浜FCに所属する柴田がなにゆえアマチュアの大会に出ているのか。
柴田はプロではないのである。
横浜フリューゲルス消滅後そのサポーター中心に立ち上げた市民チームは慢性的な財政難、柴田ほどの選手をプロとして雇える余裕がなかった。
8 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)13時04分03秒
横浜フリューゲルスジュニアユース一期生である柴田はフリエへの忠誠心が強い。なんとしてもフリエを自分の手で復活させるのだと高校卒業後横浜FC入団を決め、ソシオ(会員)制度を取るチーム、市民に負担をかけまいと自らプロを断念した。
が、ユースの同朋石川梨華が代表に選ばれるのなどを見れば、悔しさが少なからずこみあげる。昔は私があいつを使ってやってたのに。
待遇は問題ではない。カネにこだわるならばアマチュアでなんかやっていない。柴田を欲しがるJ1チームはいくらでもあるのだ。
ただ誇れるものが、頑張ってることの証が欲しい。
9 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)14時42分00秒
その人物は、柴田が在学する神奈川大学へアポもなしにやってきた。
元日本代表監督の伯父である寺田農はちゃらい甥とは対照的な哲学者めいた風貌で、低い声で噛砕くようにして切り出した。
「ユニバー代表に力を貸してくれないか。プロの血が必要なんだ」
自分をプロと呼んでくれたのが何より嬉しかった。それにプロとアマ双方で日の丸をつけられることは最高の栄誉だった。
ユニバー代表はユース代表時代の仲間がそのほとんど。発足当初の五輪代表に名を連ねながら環境の差、学業との兼ね合いで脱落していった者が何人もいた。
10 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)15時02分57秒
もちろん、そうではない者もいるにはいる。
緑色のユニフォームに、チームで一番大きい番号をつけたこの選手がそう。3、4年生主体のチームにあってただ一人の一年生。
面構えのよさを買われたそうだが、なるほど、目の鋭さや決して端を上げない口元などは肉食獣のそれだ。
リーグ戦から一度のゴールを許してないのも、FWがその顔にびびるからじゃないかと陰口を叩くむきまである。
こっちへ来る。まき散らすかのような殺気にキャリアが上であるはずの柴田も身を凍らせる。
「風を見ろ」
ゴールキーパー、小川麻琴は言った。低く、抑えた声で。
11 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)15時34分01秒
後半、風はわずかに日本の順風。柴田の左右へのロングパスが逆につながらない。FWに連戦の疲れがあるようで、風に乗って運ばれるボールに追いつけないのだ。
「ぐわっ」
相手GKと交錯した青いユニフォームが地面に叩きつけられる。
日本GK小川は前半にも一人、イタリア選手を「壊して」いた。
そっちが突っ込んできたんだ、勝手に傷んでりゃ世話ないぜ。そんな目で悶絶する選手を見下しているかのようだ。
身を楯にボールを、ゴールを守るキーパーは様々なルールによって守られている。
それを逆手に小川は体を投げ出し、FWをふっ飛ばすのだ。
12 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)15時59分23秒
イタリアは接触を嫌い、スイーパー真鍋かをり(横浜国立大)をかわすと早めにシュートを打つ。
これが決まらない。小川の腹、肩、ももに当ててしまう。上を抜こうとするとゴールまで越えてしまう。
小川の飛び出しがタイミング、スピード、ポジション取りがバランスよく高いレベルで行われているということだ。
左からのクロスに飛び出す。味方ストッパーもろとも敵をはね飛ばしてキャッチ。その体を飛び越えて走り出し、外野手のバックホームのようなオーバースロー。右サイドを走る木村アヤカ(上智大)の走るコースへ、真一文字に突き刺す。
13 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)16時40分32秒
アヤカが倒された。ペナルティエリア横からのフリーキック。あと少しでエリアに入れたのに、悔しがるアヤカ。
ボールを抱える柴田。オレンジ色の頭をしたFW広末涼子らがゴール前で待ち受ける。
イタリアのゴールは前半日本が守っていた。DFが目測を誤る中、小川一人が的確に処理していた。
ファーポスト付近の上空付近だけ、順風が逆風になる。
柴田の左足センタリングが風に乗ってファーへ。大きい。
風に戻される。高度を下げて枠へ。後ずさりするGK。
ボールにかけた変化が作動。タイミングを外されたGKの腕の間を抜けた。
「どうだ!」
14 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)17時13分48秒
その後も柴田のスルーパスをアヤカが突き刺しダメ押し。イタリアの反攻は小川が体を張って凌いだ。
タイムアップの瞬間、酒井美紀(亜細亜大)がベンチを飛び出した。大会二日前に肉離れで戦線離脱していた本来の主将が後輩のMF加藤あいと抱き合う。その脇で帝京大コンビ友坂理恵と山口沙弥加が日の丸を振り回した。三年生の真鍋は遅れている就職活動に思いをはせ、広末はさぼりまくっていた授業に出なくてはと考えると気が重くなった。
柴田はアヤカと肩を組んだままベンチに戻り、監督に礼を述べた。
涙は無かった。心地よい達成観だけがあった。
15 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月28日(金)17時32分25秒
このスレ初レスかも。
16 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)18時10分15秒
一人だけ笑ってない者があった。無失点優勝の立役者、小川麻琴。
これで世界一かよ。ただ脱力感だけがあった。
怖いと思ったFWがいない。勝負の醍醐味を感じさせる一瞬がなかった。
それにこの報道の少なさ。共同の特派員が一人、専門誌「Goal Magazine」の記者兼カメラマンが一人。
五輪代表の双子の妹は、忘れ去られた子供たちだった。
少ないカメラの前で、勝利の雄叫び。
「1、2、3、ダーッ!」

成田で、報道陣に囲まれてナイジェリア入りするユース代表とすれ違う。
小川の視線の先に、ワールドユースで評価を得る高橋愛の姿があった。
17 名前:4126 投稿日:2001年09月28日(金)18時12分36秒
>>15
あ、見つかった。
18 名前:名無し娘。 投稿日:2001年09月29日(土)00時20分51秒
小川と高橋、上手い配役だね。
19 名前:4126 投稿日:2001年09月29日(土)01時23分02秒
また見つかった。
ユニバーの監督役に配した寺田農は個人的に好きな俳優で、早稲田のサッカー部で釜本とコンビを組んでいたどえらい方です。
リクエストのあった大学生イレブン、こんな形にしてみました。
20 名前:はいめんて 投稿日:2001年09月29日(土)01時27分43秒
高橋VS小川楽しみだ。

21 名前:4126 投稿日:2001年09月29日(土)02時14分27秒
雪の北大。
「紺野ってのいるか?」
赤いジャージ、金髪、小鼻にピアス。人を射る独特の視線にとっ捕まった哀れな小羊が視線で周囲に救いを求めるが見て見ぬふりをされる。
「だから紺野だよ。紺野あさ美」
女は焦れるが、この広大なキャンパスに何人の学生がいると思っているのか。
「こんな面した奴だよ。だっさい服着た」
女は自分の頬を下に引っ張り、お目当ての少女の輪郭を表現してみせる。
「イトアマのことですか?」
別の学生だった。
「紺って糸と甘いって書きますよね。うちらイトカンとかイトアマリヨとか呼んでるんです」
22 名前:4126 投稿日:2001年09月29日(土)02時38分33秒
かくして金髪鼻ピアス女、石黒彩に授業中にもかかわらず引きずり出された糸甘里予、もとい、紺野あさ美。お久しぶりですと言うにはあまりに突然で動揺を隠し切れない。
「元気でやってんの」
「はい、なんとか」
二人の出会いは、引退した石黒がコンサドーレ札幌ユースチームの監督に赴任した時。
見た目によらず足が速く、サイドアタッカーの控えだった紺野のプレーをひと目見た石黒、フルバックに転向させる。
最初はウイングと似た仕事の多いサイドDFからストッパー、そしてリベロ。
それは現役時代の石黒がたどったのと同じルートだった。
23 名前:4126 投稿日:2001年09月29日(土)02時59分06秒
「ヘタクソ!」
試合のたびにミスを連発し、石黒に罵倒される紺野。それでますます畏縮してはプレーが小さくなりまた罵声を浴びる悪循環。
高い強い速いうまい。サッカーにおけるすべての要素に加え読みの鋭さ、高い戦術眼、時に攻め上がる大胆さも要求されるのがリベロ。逆に言えば下手なリベロほど手に負えないものはなく、紺野がまさにそれだった。
しかもこの時の石黒が推進していたのが、常時三人で形成するラインDF。真ん中に鎮座するコンダクターは広大な守備範囲が与えられ、時には中盤のプレッシングにまで指示を出さねばならない。
24 名前:4126 投稿日:2001年09月29日(土)03時16分40秒
どちらかといえば紺野は一人でいるほうが好きな性分だ。自分の世界で想像の翼を広げるのが至福の時。
サッカーにしても勧められるまま続けていたらここまできてしまえたような気がする。
だから人に口出しせねばならないリベロが紺野は嫌でならない。変えてくれと何度も言ったし自分よりうまいDFはいくらでもいた。
石黒はリベロ紺野を使い続けた。試合での失敗の原因はあがりだったし、なにより紺野には誰にもない「能力」があって、それを活かすに最適なのがリベロだったのだ。
しかしチームは、高校卒業を迎える紺野とプロ契約を結ばなかった。
25 名前:4126 投稿日:2001年09月29日(土)03時39分36秒
「学校楽しい?」
「ハイ」
北大獣医学部といえば獣医を志す者なら誰もが憧れる最難関。札幌随一の進学校で五指に入る成績を修めていた紺野も浪人覚悟で受験した。
動物のお医者さんは、紺野の夢の一つだった。
「授業は忙しい?」
「もうすぐ試験が終わりますから、そしたら秋までは暇ですね」
にたりと笑う鼻ピアス。
その手にコンサドーレトップチームの契約書。
頼み事をされたら断りきれない紺野の性分など石黒は熟知している。
「あたし今年からトップ監督なんだ。キャンプまでに体作っといてな」
紺野のもう一つの夢、唐突に叶った。
26 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月29日(土)13時41分30秒
ヒソーリがんがれ。
向こうモナー。
27 名前:よまときっど 投稿日:2001年09月30日(日)17時20分11秒
おー! こんなところで!
小川がGK、紺野がLIBですかぁ・・・やりますねぇ!
28 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月30日(日)18時36分49秒
同時進行してたんかい!!
すんげーしらんだわ!!!
29 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月30日(日)19時08分20秒
小川がゴールキーパーだと!!!
一体何事なんだよ!!
俺の脳内予想のデータでは、全く有り得なかったことじゃないか!!!
だいたい第1部の読者レスで小川と紺野の予想ポジションを書いていたやつがいたが、俺の考えとほぼ一致していた。
しかも紺野を真ん中に持ってくるなどのたわけたデータは一つもない。
またしてもやられた。こんなにやられたのはソニンの登場以来だ。
30 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月30日(日)23時23分28秒
一発目に飯田を登場させるのがドラマ仕立てのようで渋い。
31 名前:愛読者 投稿日:2001年10月01日(月)04時57分43秒
こんな所に隠れていたのか。
第一部の大学のシーンが少々唐突に感じたけど、パラレル進行だったのね。
32 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月02日(火)02時02分54秒
赤板でレッドモンスター。
白板でジンクホワイト。
なんでこの小説を赤板で始めたかがやっと分かったよ。
あんたには唸らされてばかりだよ。
33 名前:32 投稿日:2001年10月02日(火)02時07分21秒
何で羊がなくなって、M−seekで小説が始まったとき
赤板で始めたかがずーっと気になってたというか、
なんか違和感があったんだよね。
それが今日解けた。
長くなったけど言いたいことは、おもしろい。
がんばって書き上げて欲しい。
これだけです。
34 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月02日(火)02時11分03秒
>>32
いや、それはみんな気づいてた。
35 名前:よまときっど 投稿日:2001年10月02日(火)02時46分48秒
>>34
いや、実は気付かなかった・・・
ナルホドね〜!
36 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)18時16分45秒
「ミックスジュース、ミックスジュース、みっくすじゅ〜うす」
変な節回しで歌いながら、平家みちよは朝食を作る。
イチゴ1パック、バナナ2本、つなぎに牛乳をコップ一杯。
ミキサーによって粉砕された果物は、白くにごったどろりとした液体に生まれ変わる。
腰に手を当て、くっとあおる。一気に目がさめる。ついでにお通じもよくなる。
選手時代ほど食生活には気を配らなくなった。ただ朝抜きだと確実に調子が悪いから一杯ひっかけてから、家を出る。
そして、ゲンをかついで。
なんかたんない、なんかたんない。
イチゴバナナがたんない。
37 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)18時29分18秒
1、5、8、7。イチゴバナナ。
アジア予選を戦って、特に弱いと感じたポジションだ。
特にイチゴが危ない。
1、ゴールキーパー。
最終戦のウズベキスタン戦、高橋が傷んだ瞬間、背筋が寒くなった。
バックアップのゴールキーパーのピックアップが急務。
使えるめどが立った高橋にしても不動の地位を確立できてるわけではなく、彼女と同等の力を持つ選手と切磋琢磨する事で磨かれることが望ましい。
5、センターバック。
正直、このポジションの適任者はいなかった。
予選でここをつとめた戸田はハーフの選手。読みはいいがややスピードに欠け、何度か振り切られる場面が見うけられた。
国際レベルの速さと強さを併せ持ち、クレバーで4番の吉澤と連携のとれる選手。
果たして、そんな選手がいるのだろうか。
が、ここに適任者がいないと3−4−3は絵に描いたモチになる。

38 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)18時42分28秒
8と7、バナナは右のハーフとウイング。
加護、柴田の高い個人技で押し切った感のある左サイドに比べ、右サイドの攻撃はあまりチャンスにつながっていなかった。それはデータにも現れている。
右サイドをつとめた木村と辻が悪いというよりは、組み合わせの問題だと思う。
辻、木村、新垣、大谷…どの組み合わせがベストか、見極める必要がある。もちろん、新たな血の生まれる事を望むが。
そう、なにより、選手層が薄い。レギュラーと控えに差がありすぎる。
松浦が壊れた時、福田や後藤を急きょ呼ばねばならなかったのがそれを物語っている。
残された時間も少ない。シドニー五輪まで四ヶ月を切った。
しかもその第一戦、ウズベキスタン戦で退場処分を食った石川は出られないのだ。
39 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)18時54分39秒
日本が、出場国最後の勝ち名乗りを上げた国だった。
南米からアルゼンチン、ブラジル、コロンビア。
欧州からフランス、イタリア、ルーマニア、スペイン、新ユーゴスラビア。
アフリカからカメルーン、モロッコ、ナイジェリア。
北中米からアメリカ。オセアニアからオーストラリア。
アジアから韓国、クウェート。
組み合わせも決まらない段階で、協会が出したノルマは「ベスト8」つまり予選突破。
ワールドカップ出場国の半分にあたる16カ国しか出られないオリンピックに出場を決めた国。
どこが来ようが、今の日本に星勘定のできる相手なんていない。
40 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)19時04分23秒
なのに、だ。
今年のキリンカップ、オランダとメキシコのA代表が訪れる試合を五輪代表ではなくA代表で戦うことをサッカー協会が発表。
この時期に強い相手と一戦交えておくことがどれだけの経験値を選手に与えるか分らないのに。
今年のA代表は、11月のアジアカップ以外に大きな大会がないのに。
しかも、これが初めてじゃない。
アジア予選の一次予選と最終予選の間に、ダイナスティカップがあった。
これも五輪代表は戦う事ができなかった。韓国は五輪代表で臨んだというのに。
A代表は韓国を破って優勝。そんな優勝にどれだけの価値があるのか。
41 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)19時15分11秒
オーバーエイジ。
この言葉を聞くだけではっとなる。「オーバーオール」だの「英字新聞」だのでもダメだ。
オリンピックを「U−23世界選手権」と位置付けたバルセロナ大会。
地元スペインが劇的な優勝を収めたにもかかわらず、盛り上がりはイマイチであった。
そこでアトランタ大会、三人まで24歳以上の選手を使っても良いという、オーバーエイジルールが採用された。
注目度も高まり、チームとしても理想的な補強ができる。このシステムは今回も採用されることになった。大した論議もなしに。
これによってオリンピックサッカーはU−23選手権という意味合いすら失ってしまった。
オーバーエイジ是か非か、五輪チーム内でも意見の分かれるところだ。
ともに予選を戦った選手たちへのシンパシーもあるし、まるで客寄せパンダのようにスター選手を補強する姿勢にも疑問を感じる。
明言こそしてはいないものの、平家個人の考えとしては、オーバーエイジを使う事は「否」である。
少なくとも、今の段階では。

42 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)19時23分17秒
そのためには、23歳以下の選手の一層の奮起が必要となる。
だから、メディアを通じてメッセージを送った。
すべての23歳以下の選手のために、ドアを開けていますと。
実際、歩きまくった。試合のはしごも珍しくなかった。
めぼしい情報があれば地域リーグも観戦した。
平家を笑う人もいた。トップレベルで戦っていない者がオリンピックで戦えるものかと。
笑い返してやった。トップレベルで戦う選手なんかみんな知っている。見飽きた。
その代わり、自分の中で不文律を設けた。
選ぶのは、所属するチームのトップチームで戦っている選手だけ。
J1リーグでも、サテライトにいる選手は、使わない。
43 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)19時28分39秒
(おことわり)
以前にも申し上げましたが、この小説でいう五輪世代に含まれるのはカントリー娘、ココナッツ娘、メロン記念日、松浦亜弥、そして矢口から下(矢口は含まない)のモーニング娘メンバーになります。
実際の年齢とはちょっと違っていますが、モーニングがその他ハロプロメンバーより高めの年齢設定になっていると御理解ください。
44 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)20時20分53秒
が、なにごとにも例外がある。
たとえトップチームに所属してなかろうとここにいる選手は目をかけようと思っている。
U−19日本代表。
今秋アジアユースを戦い来年アルゼンチンで行われるワールドユース、ゆくゆくは四年後のアテネ五輪を目指すチームの母体となる。
このチームを見ているのが平家の盟友、信田美帆。バルセロナ五輪予選代表から日本代表入り、ずば抜けた身体能力で一時代を築いたゴールキーパー。コーチ兼任で続けていた現役を一昨年引退、このチームをみている。
年代間の交流は代表チームを強くする、平家はそう信じている。
45 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)20時39分01秒
「どうよ」
「新垣がコレ」
右肩をくっと上げてみせる信田。
新垣里沙を見いだしたのは平家。ひと世代上の選手に揉まれた経験は、信田にとってもさほど気を引く選手ではなかった新垣を、チームの中心にまで押し上げていた。
短期間で化ける選手がこの他にもいるかもしれない。そしてそれは信田にとっても望むところだ。
「いくらでも連れてって。リサよりうまいやつはいくらでもいるから」
「それがさ…」
平家が言いにくそうにする。選手のほかに目当てがあった。
「信田さん、うちのチームに力貸して」
自分の下につけ、平家は言った。
46 名前:4126 投稿日:2001年10月02日(火)21時10分17秒
「いいよ」
信田はあっさり答えた。
「いつ声がかかるか、待ちくたびれたよ」
「シノちゃん…」
「いいってさ。で、キーパーコーチってことでいいのかな」
「そのつもりだけど、しばらくはトップコーチも兼ねてほしい」
「でさ、一人オマケがいるんだけど、一緒に連れてってくれん?」
オマケと言われてとっさにグリコのオマケを思い出した平家。
「あたし、ってよかキーパーってみんな腰いわせてんのさ。そん時の主治医ってか腐れ縁のやつなんだけど」
「はじめまして。外科を専門にしてる小湊美和と申します」
随分と豪華なオマケだった。
47 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)00時17分38秒
おお、信田さんに小湊さんまで・・・
感激です。
48 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)01時02分33秒
小湊か。イラン戦敗退後、矢口の足を診察した人だね。
49 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)01時35分56秒
名医小湊か・・・
誰の腰を直すんだ?
50 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)17時57分46秒
六月。
J1のリーグ中断期間、平家は五輪代表候補25名に召集をかける。タイで行われるキングスカップを戦うためだ。
今回は海外組のFW後藤真希とMF石川梨華、キリンカップにA代表として召集されたMF加護亜依とDF吉澤ひとみ、そしてとある理由で今回の参加を見合わせたFW辻希美が不参加。
中心メンバーであるこの五人に関しては平家も「当確」サインを出しており、いまさらその力を見ることも無い。
そう、今回は新たな戦力のチェックがその目的。
この中から18、前述の五人を考えれば13の椅子を争う。
シドニーで日の丸をつける十八人を。
51 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)18時09分10秒
「柴ちゃん!」
「アヤカちゃん!」
今回副キャプテンに任命された(キャプテンは戸田鈴音)柴田あゆみが、旧友との再会を喜ぶ。
木村アヤカ、ヴェルディユースから上智大学。昨年の北京ユニバーシアード大会では柴田とコンビを組んで日本の金メダルに貢献した。まさにゴールデンコンビ。
今季からヴィッセル神戸に加入、カウンターアタックを演出。
テクニックで勝負する、辻とは違ったタイプの右アタッカー。しかも右サイドならFWからDFまでこなす。その器用さは平家の好むところだ。
52 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)18時20分00秒
意気揚揚と、高橋愛は合宿所に現れた。
最終予選で、より自信をつけた。
自信は望ましい結果を生み、また新たな自信を生む。
シドニーで日本のゴールマウスに立つのは自分だ。そう信じて疑わない。
宿舎の入口で、なにかを蹴った。薄汚れた、大きなバッグだった。
無造作に、それを抱えて持ち上げる。
「これ、誰の?」
53 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)18時25分39秒
かわしきれなかった。
サッカーの中でも最も機敏さを求められるゴールキーパーだが、不意打ちには弱かった。
口唇に焼けるような痛みを感じ、バランスを崩してその場に倒れる。
「勝手にさわんじゃねえよ」
大きなバッグを抱え、不敵な笑みをこぼす影一つ。
なんだ、どうした。人が群れる。
「なんでもないです」
高橋が切れた唇の端をぬぐって答える。
「あんた、名前は」
戸田が、大きなバッグを抱えた人影に訪ねる。
「小川麻琴。私立順天堂大学スポーツ健康科学部二年」
54 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)18時40分19秒
「小川!」
柴田があわてて割って入る。
「高橋、ごめん。ケガなかった?」
小川の名を聞いただけで、その場にいた者が色めき立つ。
越後の虎、小川。ユニバー代表の無失点ゴールキーパー。
いわくつきの選手である。
高校時代まではまったくの無名。五輪代表メンバーのディフェンダー、J2アルビレックスに所属する斎藤瞳は生まれも育ちも新潟だが、その名前を聞いた事はなかった。
ただ、新潟ユースで流れていたこんな噂しか。
「柏崎からセレクションに来たキーパーがいたんだけど、同じキーパーのやつを二人殴り倒して帰っちゃったらしいよ」
55 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)18時51分33秒
呪われたゴールキーパー、小川にはそんなあだ名があった。
関東一部リーグに所属する名門順天堂大学蹴球部で一年生からレギュラーを獲得。
入学早々上級生を締め上げ、何人かを病院送りにしたという噂があるほどだ。
ユニバーシアード大会直前、代表候補のいた筑波大学と明治大学が試合中に乱闘、両チームが出場停止を受けたために急きょユニバー代表に召集される。
初戦の前日、正キーパーが練習中に負傷。レギュラーを獲得して優勝。
偶然と呼ぶには、あまりにも不吉すぎる。
それを裏付けるように、そのプレーは荒っぽい。
小川がキーパーなら、ペナルティーエリアには飛び込まないほうがいいと言われるほどのすさまじい嫌われぶり。
かくもすさまじい大学ナンバーワンゴールキーパーが、今回、五輪代表候補として初召集された。
56 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)18時59分41秒
「小川、謝るんだ!」
まるでいたずらっ子を諭す母親のように叱咤する柴田。
「嫌ですよ。そっちが悪いんだから」
「小川!」
今度はアヤカ。
今回の召集メンバーの中に小川が含まれていると知った時、誓ったことがある。
小川を守ろう、と。
可愛げがなく、体育会にあって一切敬語を使おうとしない小川の態度はユニバー代表でも浮きまくっていた。
が、キーパーとしての技量は一級品だ。
ユニバー代表でも反発するチームメイトをなだめ、小川をかばったのは柴田とアヤカだった。
そんな二人の気苦労を嘲うかのように耳を掘る小川。
不敵に笑いながら、言った。
「キライなんすよ、その、ハシモトって人」
57 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)19時01分45秒
「狂気の左サイドバック」の著者を教えて下さい。
58 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)19時15分20秒
一志治夫。ノンフィクションライター。
現在は新潮社から文庫が出てます。
59 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)19時33分15秒
>>58
ありがとうございます。
週末の社員旅行での思い出にしようかと思っています。
60 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)19時37分34秒
赤板は閉めちゃうのね。
で、最後のレスからだけど、ラスボスの匂いがプンプンしてるね。
61 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)19時58分17秒
>>59
いえいえ。社員旅行の車中で読まれるのかな?
>>60
俺みたいに「どうしても赤で書きたい!」て人がいた場合、終わった話がいつまでものさばってちゃ目障りでしょ。
それから、無論そうなんだけど(ていうか、それ以外のラストが考えられる?)一筋縄ではいかせないよ、当然。
62 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)20時39分59秒
ガリシアダービーでのマヌエル・パブロの怪我がショッキングだった今日この頃。
第二部も楽しまさせていただいてます。

個人的に活躍を期待したいアヤカさんですが、
彼女の本名は「木村絢香」と書くようです。
もしとっくにご存知だったらすいません。
「カタカナの方がいい」と言われればそれまでですが、一応参考までに。
63 名前:4126 投稿日:2001年10月03日(水)22時45分17秒
わざわざありがとう。競馬はあまり詳しくないんですが。
アヤカは漢字よりカタカナのほうが感じが出るんでこっちにしました。右サイドのオールラウンダーの設定なんで辻、あさみ、大谷とポジション争います。
64 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月03日(水)23時31分15秒
小川いいね。3人目のチンピラ娘。だ。
こういうのを待ってたんだ。馴れ合いなサッカー選手なんか見たくない。
ガチの表現こそ狂気だ。そこに臨場感と緊迫感と感動がある。
65 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)00時39分39秒
合宿二日目の朝。
U19日本代表の10番、名古屋グランパスのMF佐藤聖奈の様子がおかしい。ふさぎこんでいる。
U19監督でもある信田が尋ねると、ようやく
「同室の人が…」
佐藤のルームメイトは、小川麻琴。
「なんか言われたか?」
「いえ。けど、大声でしゃべったり、一人でお酒飲んだり、マルとか三角のいっぱいついた新聞広げてブツブツ言ったり…」
話だけだとまるでおっさんだ。
ナイーブなところがある佐藤はその雰囲気に飲まれてしまったらしく、すっかり自信を失った様子でようやくつぶやいた。
「怖くなってきちゃいました…」
66 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)00時54分05秒
「あははは…」
その話を聞いた平家が大笑いする。
「笑いこっちゃない」
愛弟子を傷つけられておかんむりの信田。
「切り捨てなきゃだけだからね、ああいう和を乱すやつは」
「佐藤が子供なんだよ。自己アピールで、すでに一歩遅れを取ってる」
「小川は爆弾だ。いつか絶対足元をすくわれるよ」
「すくわれてみたいもんだね。シノちゃん、これからうちらは戦争に行くんだ。戦争に必要なのは軍隊であって、仲良しクラブじゃない。ピッチの上で結果を出せば、浴びるほど酒を飲もうが、首が回らなくなるまで馬券買おうが文句つけるつもりはない」
67 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)01時26分50秒
早速問題児ぶりを発揮する小川麻琴。
そのプレーはまだまだ粗削り。逆に言えば伸びしろも多いということ。
飛び出しには光るものがある。一言で言えば間合いの取り方がいい。前に出るスピードも抜群。
判断の早さにも着目できる。出るか待つか、キャッチかパンチかまず迷わない。
変わったところでは持久走が25人中4位、あまり走らないGKとしては無駄なほどの体力の持ち主。
欠点はパンチングに頼り過ぎること。コーチングにも難あり。
その小川が敵視するのが東京ヴェルディ1969の長身GK、木下優樹奈。
自分よりデカいやつには負けたくねえ。
68 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)01時46分26秒
木下はバスケットボールの経験を生かした、安定したハイボールの処理が持ち味。クロスを片手でつかみ、胸で抱える独特のキャッチングはバスケのリバウンドキャッチそのままだ。
大きいことが能力の高さに直結するゴールキーパーにとって、長身というだけで仲間の信頼を受けるに足りる。
ただ、足技が致命的に悪い。現代サッカーにおけるGKはバックラインの裏をカバーしなければならないが、木下はそれを消化しきれていない。
木下が意識するのは、高橋愛。ナイジェリアワールドユースでレギュラーを奪われて以来、リベンジの機会を待っている。
69 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月04日(木)01時57分11秒
お、これはオーディションの時に煽られた三角関係。
70 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)02時04分27秒
他の二人に場数の多さ、およびキーパーとしての完成度で上回るのが高橋。
オフシーズン、私費で英国短期留学。五輪予選でその経験をフルに発揮した。
高いレベルでバランスが取れた能力も強み。一つでも穴があるとそこを執拗に突かれるのがキーパーというポジションだからだ。
不安材料は、時折顔を覗かせる不安定さ、精神的なもろさ。ワールドユースのナイジェリア戦がその例。小柄な体が世界レベルでどこまで通用するかも未知数。
その視線の先には、小川がいる。
指輪つきの拳でいきなりぶん殴られた恨みは、もちろん消えていない。
71 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)06時17分10秒
>>63
とんでもない勘違いレスしてるじゃねーか! ダービー=競馬、じゃねーだろーが俺。
>>62、心底すまん。マジでごめん。今度からちゃんと読んでレスしますんで許してください(とほほ)
72 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)10時19分32秒
セーフティーボールを高橋キャッチ。その場にポンと置いてドリブルでエリア外まで運び、詰められる前にウイングへ出す。英国のキーパーがよくやるキックだ。
7番に入った新垣、トラップからセンタリング。わずかに合わない。
「ああっ」
傷の癒えたFW松浦亜弥が首を振る。最終予選以降、気持ちを前に出すプレーができるようになった。試合に出られないことで積まれる経験もある。
キングスカップ初戦、五輪代表は苦手とするアフリカ勢の中堅国、ザンビアと対戦していた。
平家は全員を一度は試すと明言、短い時間で力を出し切るのが絶対条件だ。
73 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)12時44分49秒
今からできることは少ない。高橋は新しいことを覚えるのではなく、出来る仕事の精度を高めることにつとめた。
堅実。百回に一回の失敗も許されないキーパーにとってこれ以上の誉め言葉はない。
センターDFに入ったのは川崎フロンターレでは右DFのレギュラーをつとめる選手。急造リベロぶりはいかにもあぶなっかしいが、年上なので怒鳴りつけることもできない。
5番探しは難航していた。求められる条件を満たす若手がいない。
至近距離のシュートを高橋が右手で弾く。5番が拾い、ドリブル。
なんで! 高橋が叫ぶ。あっさり奪われ、押し込まれた。
74 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)19時07分23秒
後半戸田のヘッドで追いついたものの、この1点が響き、日本は勝ちを逃がす。
やっちゃった――5番に入った嘉陽愛子はタイムアップの笛を聞くと半ば呆然と立ち尽くした。
右DF争いに敗れ、これを最後のチャンスととらえていたフルバックは、土壇場でサイドバックのクセが出たことに悔やんでも悔やみきれない気持ちでいた。
「はははは…」
笑い出した嘉陽。ヤケになったのではない、暗い気持ちのままうなだれていたら失敗を認めることになる。
あれはミスじゃない。あの場面ではあれが最善の策だったと知らしめるため。
周りにも、自分にも。
75 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)19時30分31秒
第二戦、相手はスウェーデンの強豪クラブ、イエテボリ。日本のゴールキーパーは木下。
さすがハイクロスの処理はピカ一。北欧の長身フォワードに一歩も引けをとらない。ラインとの連携もいい。温かみのある本人の性格がよく出ている。
が、それを差し引いても足技の悪さが目に余る。11人目のフィールダーとは呼べない。
引いてカウンターを狙うならうってつけだろうが、それは平家の目指すサッカーではない。
キーパーとしての技量は申し分ないのに、平家の木下評は低かった。
試合はドロー。セレッソのボランチ鈴木久美子は存在感が薄かった。
76 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)19時47分11秒
「大谷、寄せろ!」
「戸田、押し上げが遅ぇ!」
「どけトッド!」
最終戦、コロンビア五輪代表戦。
この試合が五輪代表デビューとなった小川はいろんな意味で目立ちまくった。
年上の先輩ディフェンダーたちに呼び捨て、タメ口。名前にしても覚えたのではなく、ユニフォームの背番号の上に書かれたローマ字を読んでいるだけ。だからミカを誰も呼ばない名字で呼びつけたりする。
さんづけなんかしてたら、そんだけ時間食うじゃねえか。
合理的かつ傲慢な理論だった。
77 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)20時42分14秒
サイドをあまり使わずショートパスでゴールを狙うコロンビア、その一対一を跳ね飛ばす。
向こうも本番を控え、ケガはしたくない。なのに小川ときたら、その足をへし折る勢いで突っ込んでくる。逃げ腰で放つシュートが入るわけがない。
極めつけは右クロスを競った時。FWが軽くぶつかっていき、ついでに小突く。もっと気遣え、親善試合だろうが。
小川の膝頭が鋭くその股倉に食いこんだ。その場に音もなく崩れ落ちるコロンビア人。
取り囲まれてもそ知らぬ顔の小川。あくびまでしてみせた。
こんなに明白な犯罪を、三人の審判だけが見逃した。
78 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)21時10分05秒
「あいつ、オリンピック本番だったらどうする気だ」
「ええやん、本番ちゃうんから」
信田はGK出身者としてああいうエキセントリックなタイプは受け入れ難い。が、平家は小川をいたく気にいったようだ。
突如人込みを蹴散らし、ボールをぶん投げる小川。左サイドには柴田が開いていた。左足一気のクロスパス。逆サイドにいたアヤカ、集中を切らしたDFの裏を突いてGKを冷静に破った。ユニバーでもさんざ決めた速攻のパターン。
こうして見事コロンビアを餌食にした小川。
逆に左FWをつとめたアビスパの西田奈津美はうまく料理しきれなかった。
79 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月04日(木)21時19分32秒
うたばん放送中にも関わらず、ご苦労様です。
にしても小川は破天荒だね。そういえば現在日本人で一番サッカーのうまい選手もピッチでは上下関係なしだったね。
80 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)21時28分32秒
この試合をベンチで見た橋本、もとい高橋。ライバルの出現を認めた。認めざるを得なかった。
確かに下手だ。荒っぽく、怖いもの知らず。
でもあいつの持つスケッチブックはまだまっ白で、いくらでも落書きできる余地が残っている。
自分のスケッチブックはそこここ塗りつぶされてまっ黒。ゴールキーパーとしては完成の域に達しつつある。水に浸したスポンジのように日々技術を吸い込んでいく小川にやがては――
いかんいかん。かぶりを振る高橋。弱気は最大の敵、そう自らを奮い立たせる。
かかってこいやヘタクソ、軽く蹴散らしてやるからさ。
81 名前:4126 投稿日:2001年10月04日(木)21時41分48秒
うたばんで娘。がなかなか出ないんで更新しちゃいました。
新メンは手垢にまみれてない分自由に書けるのが楽しいです。
まあ小川はたぶんこんな奴でしょう。うたばんでも貴さんにギラギラと食らいついていってほしいな。がんばれ新潟の星。
82 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)08時07分16秒
緩やかな軌道が、打ち下される腕によって急激なものに変化、反対側のコートを襲う。
赤の中の白が翔んだ。倒れながら手のひらで触れ、その軌跡を再び緩やかなものに戻す。
「ののーっ」
キリンカップ終了後大急ぎで駆けつけた加護が熱い声援を送る。
代々木第一体育館。日本バレーボールの本拠地。
昨年のワールドカップで五輪出場権を手にできなかった全日本女子、このプレーオフで4位以内に入れないと、連続出場記録が途絶えることになる。
危機に瀕した東洋の魔女を救うべく呼び寄せられたのが、かつてセッターとして鳴らした辻希美だった。
83 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)10時27分45秒
リベロ。
サッカーにおけるそれは攻撃参加を得意とするセンターバックのことであるが、バレーボールでは後衛専門のプレーヤーを指す。
一人だけ違うユニフォームを着用(高校生だとLと書かれたビブスで代用することもある) 、敵のアタックを受けること以外、スパイクもトスもサーブも打てない、レシーブのスペシャリスト。その代わり1セット何回でも出たり入ったりできる。
ワールドカップの全日本はこの新ルールに対応できず、まるでボールを拾えなかった。スラップスケートへの切り替えをためらい、長野五輪で清水宏保に惨敗した堀井学のように。
84 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)13時03分10秒
五輪出場の切り札としてサッカーに専念していた辻の抜擢には当然非難の声も上がった。が、辻でなければいけなかった。
サッカーと同じオレンジのユニフォームのオランダ、エースのレフェリンクが二枚ブロックの真上から強烈なスパイクを打ち下ろす。
辻が反応した。左足を出し、稲妻のようなスパイクを無害なものに変えた。
94年、それまで禁止されていたベルトより下でのボール処理が認められた。とはいえこれは死文に近い。手のように足でボールを扱える選手がどこにいるのか。
辻がいた。辻は通常の倍の守備範囲を持つということになる。
85 名前:ななし 投稿日:2001年10月05日(金)13時47分14秒
拍手、拍手、がんばってください。
ある時は大笑いしながら、またある時は涙を流しながら読んでいますよ。
86 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)16時58分43秒
ありがとう。そう言ってもらうのがなにより励みになります
87 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)17時38分13秒
「死ぬ気で助太刀して参れ。命に代えても排球全日本の皆々様を豪州にお連れし、万が一望みかなわず敗れし時そちの椅子はないゆえ、潔くその場にて腹を切れ」
「へい」
平家の上官命令によりこの大会に参加した辻。いるだけで場の空気を浄化してしまう明るさでたちまちチームにとけこみ、同じように厳しいアジア予選をくぐり抜けたことで得た経験を落としこんだ。
「のの、きばりや」
観客席から黄色い声援を送る加護はツキを運んできた。昼間の試合でA代表はこの加護のゴールを吉澤を中心に守りきり、同じオランダ相手に金星をあげていた。
88 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)18時01分50秒
ローテーションでベンチに下がるとルールをよく知らない観客からブーイングが飛ぶ。コートに入ると大声援。最も小さい選手が最も大きな声に包まれていた。
オランダのブロード。辻の顔面を襲う。
あごを引き、額にボールに当てて勢いを殺してチャンスボールにする。
ようやく辻の怖さに気づいたオランダ。辻を避けたバックアタック。レシーブが乱れ、大きく外へ。
客席に飛び込むボールを辻が追う。
広告の看板を蹴って、飛ぶ。オーバーヘッド。背中から看板の上に落ちる鈍い音。静まりかえる場内。
「…いったぁ〜い」
その場で泣き出した。
89 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)19時27分13秒
攻守にではなく守りに大車輪の活躍を見せた急造リベロは、その瞬間をベンチで迎えた。
勝ってもオランダに2セットを取られたらアウトというしびれる状況でストレート勝ちを収めた日本。セット率で中国を上回り、見事シドニー行きを決めた。
助っ人に一人ずつ握手を求める全日本女子のメンバー。辻に抱いていた釈然としない思いは、いつの間にかどこかに消え去っていた。
「辻ちゃん、シドニーもこっちでやんない?」
そんなたわごとに辻はしばし見えないお空を眺めてから
「向こうで選ばんなかったら考える」
90 名前:4126 投稿日:2001年10月05日(金)20時08分07秒
情けは人の為ならず。絶対絶命のピンチにあった女子バレーに救いの手を差し伸べたごほうび――というわけではないだろうが、タイから帰国したばかりの平家の携帯電話が早速鳴った。相手はサッカー協会強化委員、平家の親友、稲葉貴子。
落ち着いてな、と自分に言い聞かせるように前置きしてから切り出す。稲葉
「A代表が行く予定だった欧州遠征、監督も帯同するけど指揮はみっちゃんにとってほしいて」
予定のカードはイタリアの、いや世界最高の強豪クラブの一つ、ユベントス。
そして一昨年、自国開催のワールドカップで優勝したフランス代表。
91 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月05日(金)20時49分23秒
辻!!!なにやっとんじゃ!!!!!
そうか、サッカーの技術はバレーでも使えたんやな。
これも発想の転換、あるいは想像力というものか。
92 名前:よまときっど 投稿日:2001年10月05日(金)22時30分29秒
中盤からのキラーパスを確実に得点に結びつけるための特訓?
新垣に対して危機感でも覚えたか?(笑)
93 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月05日(金)23時39分07秒
>>92
辻が新垣に危機を感じる必要はないやろ。
右サイド争いも辻が一番やろーが。誰が監督をやってもスピードのある選手を使うのに決まっとる。
ただ、辻には前を向いてガンガン勝負して欲しいね。そういう選手が見る側にとって一番面白いんよ。
94 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月06日(土)00時41分44秒
辻ちゃんおつかれ!
かっこよかったよ!
95 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月06日(土)02時54分14秒
昨日の日本代表の試合ひどかった。
シュート3本って…
いくらテストマッチとはいえ狂気のかけらもなかった。
この小説を代表メンバーに読ませたかったよ。
96 名前:ななし 投稿日:2001年10月06日(土)05時51分23秒
>>95

ほんと、現実はきびしいよね〜
97 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)06時19分41秒
>>95
そのひどい試合すら放映してくれない俺の地元放送局のほうがひどいw
本音はさておき、相変わらずアフリカチームとの相性の悪さが気になるところ。シュート3はひでーな。
98 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)06時46分01秒
「でも、なんでなん? A代表の監督フランス人やろ。故郷に錦のはずやんか」
「ガックン、契約更改が近いねん。せっかくキリンカップで優勝したのに評価下げたくないんやないか」
さ来年、韓国との共同開催が決まったワールドカップ。予選敗退の事態を回避すべく紹聘されたのがフランス人ジュスティーヌ・ガックン。
監督就任の記者会見上、目標はとの質問に流暢な日本語で
「…ベスト…16…いや…8…4かなあ…でも…なんでベスト16はじゅうろくって読むのに…ベスト8や…4は…エイトやフォーなのかなあ…」
という名言を残した。
99 名前:よまときっど 投稿日:2001年10月06日(土)06時57分50秒
A代表の監督がGackt??
コレって「もしもPが学徒だったら」スレのネタ?
ちょこっと笑えた。

セネガル戦は左サイドの深いところを度々突かれているのが気になった。
名波の今季絶望ってのにショックを隠せないジュビリスト。
100 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)07時00分36秒
臆病というなかれ。彼は彼なりに今の日本ではワールドチャンピオンたる祖国に歯が立たないと判断したのであり、それくらいの繊細さなくして緻密なチーム作りなどできはしない。
なにより、ビッグゲームを目前に控えているのはオリンピック代表のほうなのだ。ガックンはサッカー協会よりもよほどまともな思考を持っていることになる。
に、してもだ。相手はセリエA閉幕して間もないユーベ、そして欧州選手権を間近に控えたフランス。東西の両横綱に十両から昇進したての幕内力士が挑むようなものだ。この微妙な時期に戦うに適切な相手かどうか。
101 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)07時15分45秒
「やるよ」
平家は即決した。
もしここで惨敗したら選手も自分も相当自信を失うだろう。それでもなにかはつかめるはずだ。勝てないまでも、なにも得るようもののないチームではオリンピックで芳しい結果は残せないだろうし、そんなチームを作った覚えもない。
翌日、平家は欧州遠征のメンバー25人を発表。今度は現地で合流する後藤以外のベストメンバーを選んだ。新たに召集された者はゼロ。時間がないせいもあるがメンバーが固まりつつある。予選後の召集組からはアヤカ、小川らが入った。
注目を集めたオーバーエイジだったが今回も見送られた。
102 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)12時23分49秒
「ちゃお〜」
アルゼンチン前期リーグ最終戦を終えた石川が、半日遅れで合流した。
加護、吉澤、辻に石川。この世代における四天王ともいえる面々が顔を揃えた。
「はい、おみやげ。空港で買ったんだけど」
『名代 ブエノスアイレスまんじゅう』
どう見ても温泉まんじゅうのようだが…
(あれかよ、石川って。へらへらしやがって)
日焼けして一段と色が黒くなった石川を、雪国育ちで透き通るような肌の小川の視線が射る。
現時点ではこのチームのナンバーワンはやつらしい。ならその石川に勝てば、後の連中をシメる手間が省けるというもんだ。
103 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)12時38分07秒
「愛ちゃん」
石川が高橋に、一通の手紙を手渡す。
「中澤さんから」
ブラジル国境付近の河川に旅客機が墜落した。乗客にはこのチームの攻撃の要であったFW福田明日香がいた。
パスポートの入ったバッグなどの遺留品は見つかったものの、福田本人は水の中に投げ出されて見つかっていない。流れの急な川ではあるし、ピラニアも生息するという。
それでも元日本代表キャプテン中澤裕子はこう言って南米に発った。
生きた明日香を見つけ出すまで、絶対に帰らん。
手紙には大事な時期に一緒にいてやれない弟子へのわびが。
104 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)12時59分18秒
中澤さん…
恩師の心遣いをありがたく思いながら、それでも今会えないことを辛く思う高橋。
今彼女はかつてない恐怖心を抱いている。突如現れたライバル小川麻琴に対して。
どう猛な虎がその研ぎ澄まされた爪でカラスの漆黒の翼をもぎ、鋼のごとき牙を首筋に突き立てんとしている。
正直、怖かった。
初めて追われる立場にある不安を中澤にこそ聞いてほしかった。
が、中澤は今ここにいない。わずかな望みをかけ、地球の反対側を歩き回っている。
大人げない繰り事が、つい口をつきそうになる。
私と福田さん、どっちが大事なんですか?
105 名前:空唄 投稿日:2001年10月06日(土)15時55分43秒
久々にヤンキー石川?(w
106 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)18時02分45秒
「どうだ、小川」
柴田がユニバーの戦友に声をかけた。彼女とアヤカの腐心もあって、小川は大きな問題を起こしていない。少なくとも今のところは。
二手に分かれてのミニゲームでも軽快な動きを見せる石川ら四人。他のプレーヤーとは一線を画するものがある。
「練習だけじゃ、なんとも」
そのプレーを初めて目の当たりにする小川がばりばりと頭をかく。
「あ、自分とタメの人がン十万しそうなバッグを軽がるしく持ち歩いているのとか、ちょっとメシ食うのにポーンと万券使うのにはビックリしたけど」
107 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)18時44分07秒
「なんか言うたか、新入り」
加護が地獄耳をおっぴろげていた。「あいぼん!」
辻がなだめる。
「やめろ小川!」
柴田は止めながらも小川の言葉にどきりとしていた。
柴田も現役の大学生。この世界にいると時々自分の尺度が通用しない人と会うことがある。
普通の感覚を持つことが誇りであると同時に、自分よりヘタクソがでかい車に乗っていたりすると心底腹立たしくなる。
柴田にはサイボーグというあだ名がある。サッカーへの妥協を許さない強い態度からついた。
その裏には、どこまでも人間臭い、ドロドロとした欲望が渦巻いている。
108 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)19時02分35秒
あーあ、あれかよ問題児って。
騒ぎに乗り遅れた吉澤が遠巻きにそれを見ている。
せっかく積み上げたものが台なしになるんじゃないか、そんな危惧が頭をよぎる。
隣の石川はまるで動じない。あんなのは暴走族と同じだ。派手な衣装に身を包み、デコレーションした車やバイクのマフラーを切って町中で与太をするのは注目を集めたいから。小川にしてもあれがめいっぱいの自己PRの策なのだろう。
だが大人として教えてやらねばなるまい。力を誇示すれば、いつかより大きな力に駆逐されるのみだと。
ワッパに棒つっこんで派手にこかしてやればいい。
109 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月06日(土)19時46分53秒
石川に絞められるんだな(w
楽しみだな〜
110 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)20時12分08秒
「やかまし!」
平家が一喝するとたちまち静まる場の空気。
「ケンカなら死ぬほどさせたるわ。紅白戦やんで。大谷、Aの2。木村、Bの4」
チームを割り振る平家。Aの2はレギュラーチームの右DF、Bの4ならサブチームの守備的MFといった具合だ。
「吉澤Aの4。柴田Bの6。加護Aの11。ミカBの3。石川Aの10」
柴田やミカはレギュラーであるが、層の薄さを考えバランスを取るためサブチームに入れている。
「高橋A、小川B」
とりあえずレギュラーを守った高橋がほっと胸を撫で下ろす。小川としては攻められる機会の多いほうがアピールできて都合がいい。
111 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)20時32分27秒
「辻、Aの8。アヤカ、Aの7」
MF、辻希美。
アジア予選ではしっかり守れる木村麻美を背後に置き、辻を好きに攻めさせたものの厚みのある攻撃にはならず、課題を残した右サイド。
辻を一列下げればそのスピードがより生きるのでは。テクニシャンの右アタッカー木村アヤカが使えそうだと分かり、その思いはさらに強まった。
しかし辻には現代のMFとしては致命的な欠点が。守備意識の低さである。
中盤では前線よりずっと目の細かいザルで敵を掬わなくてはならないのだから。
そんな折だった、バレー協会から辻を貸してほしいと打診があったのは。
112 名前:4126 投稿日:2001年10月06日(土)20時57分36秒
辻にやってほしいのはレシーブ専門のリベロだという。
攻めの仕事は一切与えず、ひたすら守るポジションを経験すれば守備意識は上がり、サッカーにもその影響が出るのではないか。
アヤカと辻、点の取れる二人が共存出来れば右サイドの悩みは一気に解消する。
サッカーは足し算ではない。美しい色同士を混ぜても薄汚くなることもある。11本の絵の具を選び出し、どの組み合わせがベストか考えるのが監督の仕事。
平家が3-4-3にこだわるのは、それが最高のジンクホワイトと信じるから。
色と色とがつぶしあったりせず、美しく溶けあうための。
113 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)10時16分49秒
辻が中盤でボールを持つ。柴田がつく。辻、大谷に預けて前へ。ミカがケア。大谷、内側へのスルーパス。アヤカが中へ。
内に絞るアヤカ、外に開く辻。相性も悪くない。
アヤカ、タッチライン近辺からマイナスのセンタリング。松浦が頭で合わせる。
「てえっ」
小川が余裕をもって右手に当てた。
松浦は強シュートを打たない。ボールの勢いに逆らわず、キーパーの立ち位置を見極めてその届かない場所に流し込むワンタッチゴールの名手だ。
その松浦がフリーを外した。ただの問題児ではない、それだけ小川麻琴のポジショニングは正確なのだ。
114 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)11時32分01秒
石川がドリブル突破。意地を見せ、木村がぶつかる。主審の信田が短く笛を吹いた。
「えーっ」
不満げな木村。サブチームに回ったことでやや不安そうだ。
やや右よりの、右足では狙いにくい位置。
「全員戻れ!」
小川がニアサイドに八枚の壁を立てる。
音に聞く石川のフリーキック、どの程度のものか。
壁越しにぶつかる視線。鋭く石川をにらみつける小川。
石川は小川の立つファーサイドを身見ながら、小川を見てはいない。双眸はどこまでも冷たく、小川は鉛色に波しぶく郷里の海を思い出して鳥肌立つ。
逆サイドのネットが小さく揺れた。
115 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)12時07分20秒
「あ、な、なんだよ、あいつ!」
一歩も動けなかった小川が悪態をつく。
石川はキーパーがギラギラした目差しでこっちを見ているのに気づき、にらみ返してから視線を外した。ギラギラした視線はあっさりそれについてきた。
そっちを見たまま、ハーフスピードで壁を越した。体重までそちらに移していた小川はバランスを崩して倒れるしかなかった。
「ナイス、梨華ちゃん」
加護が石川をねぎらう。
「目線のフェイントだけど、よっぽど単純なキーパーじゃないとひっかからないんだよねえ」
その背後で、ゴールポストを蹴飛ばす金属音が響いた。
116 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)12時46分39秒
レギュラーの右コーナー。またも石川がいく。
さっきのは油断があった。あいつがうまかったからじゃねえ。
ニアへの速いボールに小川が判断よく飛び出す。
吉澤の頭は、小川の拳より高かった。
信じらんねえ、ゴールに転がるボールにうつろな視線が泳ぐ。
石川は容赦しない。鋭利なパスでサブチームの最終ラインを切り刻む。
ラストパスが加護へ。加護、内へ切りこんでDFをかわす。
来ぃや。指でキーパーを誘う加護。誘われるがまま小川が出る。
右にかわす。小川が手を伸ばす。逆に切り返す。足が出る。
倒れた小川の横を加護が走り抜けた。
117 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)13時10分21秒
あんなに熱くなってちゃ、止められるものも止められやしない。
反対側のゴール前で小川を憐れみさえする高橋。久しぶりに飛んできたハイボールを余裕で処理する。
情けはかけない。エリアぎりぎりまでボールを抱え、走った勢いのまま蹴り出す。足を地面と水平に振る、南米式のパントキック。
ライナーに辻が反応した。上がるバックラインの裏を突く、二列目からの飛び出し。平家の待ち望んでいた形。
球足が速い。先に押さえるべく、小川が突っ込む。
その寸前、爪先で辻が触れた。
高橋は小踊りし、小川は地面につっ伏して歯ぎしりした。
118 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)16時21分00秒
「どやねん、おら」
勝ち誇る加護。
「ああ。負けたよ、負けました」

小川が負けを認め、それでも悔しがる。
「覚えとるやろうなー、試合前のカケ」
「ああ、あんたが負けたら、今日一日声をかけられた時に」
「しょっぱなに、アイーン」
頼まれもしないのにアクションをつける加護。
「で、あんたが負けたら、な。あとでみんなに聞いて回るからな、がんばりや、まことちゃん」

「おい、小川」
「グワシ!」
奇妙な形に折り曲げた指を突き出す。
「…小川?」
耐え切れなくなり、その場を辞する小川。くそっ、くそっ、くそったれ!
119 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)20時13分28秒
「あ、いててっ」
「おとなしくなさい」
高橋を凛とした声で叱る小湊。
遠征出発前のメディカルチェック。オーバーワーク気味の高橋は腰を少し痛めていた。
「少し張り切り過ぎよ。あなたらしくもない」
「…必死でやんないと、蹴落とされかねないから」
平家がどんな優秀な画家でも、高橋と小川という絵の具を混ぜては使えない。
試合によってGKを使い分ける監督はいない。他のポジションのように交代出場させたり少々調子を崩した程度では代えることも少ない。
レギュラーとサブには天地の差、それがゴールキーパーというポジションだ。
120 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)20時35分54秒
「仲良くしなきゃダメよ。信田も、第二キーパーと関係保つのが難しいって」
GK社会は狭い世間だ。練習は必ず一緒だし、部屋割も大抵同じになる。あからさまな嫌悪を表には出せない。
「…難しいですね。私、なんでも一番じゃないと気が済みませんから」
たくし上げたシャツを下ろし、髪を整える高橋。
すれ違いに医務室に入る小川。高橋とは一切視線を交さなかった。
軽く会釈して上着を脱ぐ。むき出しになった上体に冷たい聴診器が押し当てられる。
「次、うつぶせに」
言われるままベッドに腹這いになる小川。
小湊の顔色がさっと変わった。
121 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)20時51分36秒
これは何?
それが小川の腰を見ての率直な感想だった。
生傷が縦横に走り、こぶみたく膨れたり逆に削ったようにひずんでたり…女性本来の持つなだらかなラインとは対極にある。
直に触れるとさらに悲惨だった。背骨はガタガタ、骨盤もボロボロ。皮膚は角質化して固くなり、腰を守る鎧のようになっている。
レントゲン撮影をするのが怖いくらい、小川の腰はいたみきっていた。まるで八十の老婆に。
「引退しなさい。これは、五輪代表チームドクターとしての勧告です」
厳しい口調で告げる小湊。
「このままじゃサッカーどころか歩けなくなるわ」
122 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)21時12分10秒
一瞬の奇跡を生み出すため肉体を限界近くまで酷使するアスリートは、実はこの世で最も不健康な人種である。
小湊もその何人かと縁があり、手を貸してきた。
あるキーパーは鍼灸のやりすぎで腰が甲羅のように固くなり、X線撮影でも腰骨がうっすらとしか映らなかった。
ある選手は爪先に負担のかかる特異なシュートを異状を感じながら打ち続け、親指の骨が浜辺の砂のごとく粉々に砕け散っていた。
が、二人は無理を承知で戦っていた。どこかで体をかばっていたから治療の余地もあった。
だがこれはまるで自傷行為、小川は自らを憎んでいるのか。
123 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)21時31分40秒
「一体どんなトレーニングしてきたの。指導者や周りの大人はなにをしてたの」
「…自分の周りの人間悪く言うのはやめてもらえますか」
この瞬間、小川は五輪チームに加入以来最も腹を立てていた。高橋を殴り、コロンビア選手の急所を蹴り、紅白戦で大量失点した時よりも。
「はっきり言うわ。あなたの腰は十代のものじゃない。このままサッカーを続けたら車椅子の生活が待っているわ。感じてるはずよ、日々の生活で、腰が悲鳴を上げてるのを。腰はにくづき、体の要って書くの。…あんただって、男と腰使うことぐらいあるんでしょ」
「はァ?」
124 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)21時44分15秒
「女には出産っていう人生の一大イベントがある。女の腰はお腹にいる赤ちゃんを支えて、出産の時体にかかる甚大な負担を受け止める働きがあるんだ。あんただって好きな人ぐらいいるだろ? その人の子供産みたくないか?」
「そんな人いません」
「これから現れるかもしれないじゃないか」
「それもない。そういうの嫌いだし、自分にとっては今が全てだから」
かたくなだ。どこまでも融通がきかない。どうしてスポーツ選手はこんなのばかりなのだろう。
説得するにせよ、時間がかかりそうだ。小湊はひとまず話題を変えることにした。
125 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)22時09分02秒
「あんた、お里はどこよ」
「新潟の柏崎ってところです。雪が多くて、海に落ちる夕日がきれいで、原発があって…ちょっと前に幼女誘拐監禁事件てのがありましたね」
「あたしは福島だ。近いな。なんでサッカー始めたの? 新潟ってサッカー盛ん?」
「雪が多いから、バレーやバスケのほうが人気あります。冬はグラウンドが凍るし、雪が溶ければ泥まみれだから」
凍った地表は岩のように堅い。小川が腰を痛めたのもそれが原因かもしれない。
「高橋も雪が多いところに住んでたって言ったな。福井の東のほうだって言ってたかな」
「そうですか」
126 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)22時25分01秒
「サッカーのレベルは低いですよ。新潟県勢、全国じゃ出ちゃ負けですから。強いのは新潟工、東京学館新潟、最近は長岡帝京とかも」
「ごめん、サッカー自体はあまり詳しくなくて。知ってる学校なんて帝京、国見、清水商、鹿児島実業、あと市立船橋」
「イチフナ、イトコの姉ちゃんが通ってました」
「サッカー部?」
「あたしが初めてサッカーしたのって、その人があたしの実家に帰省した時ですから。サッカーというか、その人があたしにボールをぶつけるだけだったというか」
「ひどいなそれ」
「でも自慢のイトコですよ。今はドイツにいます」
127 名前:4126 投稿日:2001年10月07日(日)22時41分18秒
ドアをノックする音で我に返る二人。長話が過ぎたようだ。

衣類を直し、深く頭を下げる小川。
「ありがとうございました」
「腰を冷やすな。それから、練習中はコルセットを巻いて」
「あれつけると動き悪くなるんだよなあ」
ドアが閉まる。入れ替わりに、ベガルタ仙台のゴールキーパー、村田めぐみが入るなりけげんそうな表情で
「先生、大丈夫でしたか?」
「なにが」
「小川とずっと言い争いしてたみたいですけど」

小川、話したくなったらいつでもおいで。
あんたらはみんな、あたしの子供たちなんだから。
128 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月07日(日)22時42分08秒
人間関係がおもしれーな。大胆にして絶妙と言うべきもの。
129 名前:名無し男 投稿日:2001年10月08日(月)00時55分22秒
サウサンプトンの芝綺麗やなあ・・・
一遍あんなとこでサッカーしてみてえ!
130 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)01時06分51秒
勝てそうだと思ったんだけどなあ…寝ます。おやすみ
131 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月08日(月)01時10分18秒
柳沢がなかなか良かったな。
132 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月08日(月)02時12分53秒
いとこだったのか・・・なるほど狂犬の血が流れてるのね。
今はドイツでドア職人でもやってるのか?
133 名前:よまときっど 投稿日:2001年10月08日(月)02時15分09秒
小川さんネタ?(笑)
134 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)06時15分56秒
ドア職人の小川さん、もうすぐ登場予定
135 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月08日(月)06時25分37秒
ゆわれてみりゃ、ちょっと似てるな。
しかし、偶然とはいえいいネタだな。
136 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月08日(月)07時33分55秒
すっげええ〜
ここに持ってくるのか>ドア職人
楽しみです。
それにしてもあいぼん「あい〜ん」って楽勝なんでは?
137 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)10時50分01秒
イタリア・ミラノ空港。
お揃いのスーツに高揚した面持ちでこの地に降り立った平家五輪代表を出迎えたのは、高級ブランドのスーツ姿にレイバンのサングラスをかけた、ファッショナブルな出立ちのスペインリーガーだった。
「待ちくたびれたよう」
パタンとサングラスをたたみ、にっこりと笑う。
石川らをこのチームの四天王と称するなら、その曼陀羅の中央に座するのは彼女しかいない。
日本の誇るワールドクラスプレイヤー、後藤真希。
138 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月08日(月)10時52分10秒
ドア=ゲート
守備の鬼って事か?
ココで持ってくるとは…
似てるな〜
139 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)11時08分55秒
「あれ、問題児って」
一番後ろについた後藤が吉澤に尋ねる。
あごで差したのは、新垣にヘッドロックをかます小川。最年少で立場の弱い新垣は、小川の格好のオモチャになっていた。
「分かる?」
「そりゃ、元祖問題児ですから」
クラシックサッカーを標榜していた当時の日本代表に、突然注入された後藤は存在そのものが事件だった。
派手なルックス、歯に絹着せぬ発言(本人は至って無邪気なのだが)、そして桁外れのスキル…あの頃より少しは大人になった後藤は思う。
「一人でいいから、分かってくれる人がいればいいんだよね」
140 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)15時15分52秒
>>136
もちろん「あいーん」は大楽勝の加護、小川は最初から勝てないカケをさせられてたわけで。
ちなみに「まことちゃん」の楳図かずおは新潟出身。
141 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月08日(月)18時39分31秒
わかってくれる人…
居るのかな?(w
142 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)20時48分01秒
読売ユースにいた頃から注目を集めていた後藤だが、ユース代表に選ばれることはなかった。
当時の後藤はCFW。90分フルに働くより5秒で仕事をするほうがクール、そんな後藤の美学はやる気のなさと映ったのだ。
ダメだこりゃ、日本出よう。
どこか平家に似ている。違うのは平家が国内で結果を出して海外からのオファーを待ったのに対し、後藤は有り金はたいて海を渡り、自分を使ってくれるチームを自力で探したところだ。
ベティスのアマチュアリーグに入り、働きながらプレーした。
自分の価値を辛うじて感じとれたのは、わずかな報酬によって。
143 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)22時19分22秒
十代の少女の技術も誇りも詰まった報酬をピンはねする輩がいた。代理人とかいう連中だ。
後藤は今もってマネージメントを自ら行う。当時の苦い経験からだ。
三部から二部、一部の下位、ついにビッグクラブ。
古い殻を脱ぎ捨てるようにユニフォームを変え、そのたびサラリーははね上がった。
同時に生き馬の目を抜く世界、裏切りと疑いの繰り返しの中で誰も信じられなくなった自分がいた。
自分自身の価値すら、支払われる金額のゼロの数でしか計れなくなっていた。
夢多き少女は、歪んだ価値観しか持てない大人になってしまったのだ。
144 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)23時02分28秒
そんな折日本から電話があった。読売ユースで仲のよかった福田明日香だった。高いプロ意識を持つ福田を後藤は尊敬していた。
「代表?」
スペインサッカー協会からの帰化要請を蹴ったばかりだった。
「ヤですよ、んな一銭にもならないこと」
「おまえ、いつからそんな金の亡者みたくなったんだ」
呆れる福田。
「そんなんじゃな、いつか何もかもなくすぞ」
「珍しく、説教臭いですね」
「説教じゃない。金にしがみつく奴は、いつか金に手痛いしっぺ返しを食う。後藤、代表に行け。今のあんたに欠けてるものがそこにあるはずだから」
145 名前:4126 投稿日:2001年10月08日(月)23時16分50秒
そうして半ば強引に入れられた日本代表だったが、結果的には吉と出た。
最初はそのレベルの低さにうんざりしたがサッカーは技術のみ、金銭のみでやるものではないことを思い出した。
心許せる友人と巡り会い、なによりボールさえあれば幸福だった時代を取り戻せた。
もし福田の電話がなければいまだに守銭奴のままでいたかもしれない、そう思うとゾッとする。
「大丈夫だよね。うちらだって、最初すっげー仲悪かったもんね」
代表で出会った仲間である吉澤の言葉には
「え? あたし、よっすぃーなんか今でも嫌いだけど」
「ひっでー」
146 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月09日(火)00時57分30秒
後藤の過去が新鮮に感じる。
なんか4126と後藤の組み合わせはこっちが戸惑うよな。いいのかよ・・・って感じになる。
4126=矢口・石川の表現師というイメージが強いからな。
147 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)07時10分11秒
タイトルに145センチを残しながら今んとこ矢口の影も出てこないもんね。
これでこのシリーズ(娘。小説自体?)書くのは最後になるんで、書いておきたいものは全部書いておかないと。
後藤(というかいちごま)はいろんな人が書いてるんで避けてた部分はありますが。
148 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)07時39分29秒
チャーターバスでミラノからトリノへ。
「でかっ」
小雨に濡れるスタジアムの影を目にした加護が思わず大声を上げた。
とはいえ、収容数だけなら横浜国際競技場もひけをとらない。
ここにあって横国にないもの、それは歴史の重さだろう。加護はその壮厳さを表現する言葉をとっさに見つけられず、そう叫んでしまったのだ。
デレアルピ、セリエA最多優勝を誇るゼブラ、ユベントスのホームグラウンド。
残念ながら日本五輪代表が向かっているのは古いほうのスタジアム、ステディオ・コムナーレ。
そこに、ユベントスの一員となった安倍なつみが。
149 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月09日(火)07時54分49秒
ごまなちだ〜
嬉しいな
150 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月09日(火)08時33分01秒
なっちがビアンコネロ・・・
室蘭のマラドーナにはナポリに行って欲しかった気持ちも・・・
あ、バルサでごっちんと対決っていうのも・・・・
でも、ファンタジスタポジションが育つ場所でもあるので、ユーべでOKってことで。
151 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)10時25分16秒
「おーい」
雨中にもかかわらず、アジア人初のイタリアリーガーらしからぬ気さくさで後輩を出迎えた安倍なつみ。
一昨年のワールドカップ、三連敗と結果を出せなかった日本代表。しかし選手個人は高い評価を受けた。
この大会日本チーム唯一のゴール、そしてワールドカップの日本人初ゴールをマーク、日本サッカー史にその名を刻んだ安倍も大会終了直後イタリアのFCトリノへ移籍。低迷するチームで気を吐き、10ゴールを叩き出す活躍を見せると次のシーズンは同じ街にホームを持つ名門ユベントスの縦縞に袖を通したのだ。
152 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)12時40分27秒
「安倍ってユーベにいたんだ」
「安倍さんて言いなさい」
柴田が小川をとがめる。そんなことも知らないなんて…
小川もセリエAやプレミアリーグはテレビでよく見る。
逆に見ないのは雑なキーパーの多いスペインリーグ。サッカー先進国と思えない程GKのステータスが低く、13番をつける控えGKの多いこと。GKが下手なほうがゴールが多くなって面白い、とでも思っているのだろうか。
脇道にそれたが、小川はユベントスのファンではないにしろ、試合は何度か見ている。
が、白と黒の縞模様をまとった安倍の姿はただの一度も見た覚えがなかったのだ。
153 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)13時00分48秒
「ターンオーバーって分かる?」
大きくなりすぎたクラブは年間にこなす試合数も半端ではない。リーグ、カップの国内戦に加え欧州三大カップ。シーズンオフも世界各地から親善試合に招かれる。
それをクリアし、また豊富な財源でかき集めた選手を余すことなく利用するため二つのチームを作る。
ここでの安倍はカップ戦要員。日本で放映されるのはリーグ戦。
が、柴田にはもっとうまい説明のしかたがあった。
「国士と同じ」
深くうなずく小川。日本で唯一完全な形でこのシステムを採用するのが関東大学リーグとJFLに参加する国士舘大学である。
154 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)13時24分15秒
というわけで、本日の対戦相手はそのカップ戦用のチームである。少々酷な言い方をすれば、最も重要なリーグ戦には使われなかったメンツ。
とはいえ力は遜色ない。今期ユベントスはスクデットこそ取れなかったもののUEFAカップで優勝。今日のチームの活躍で面目を保ったようなものだからだ。
自分が作り上げたチームは世界の前にどれだけの力を発揮できるのか、平家は身がしびれる思いでいる。
選手もしびれている。ただし、試合を前にしているからではない。
後藤と安倍、二人が一度も視線を合わせない。
155 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)13時47分28秒
発端は、ある八歳の子供と安倍との交流である。
明るい子だった。サッカーが好きで安倍の大ファン、どこにでもいる子供だった。
ただ一つ、白い血の病に冒されていることを除けば。
血液の癌、白血病。
奇形の白血球が無制限に増殖、赤血球や血小板の生成を阻害。
全身を巡る血が壊れれば体も壊れる。原因が分からないから予防もできず、有効な治癒の術もいまだ見つからない。
急性のものであればあっという間にその生命を奪う。青い目のサムライと呼ばれたスイス人格闘家が発症から一週間で急逝したのは記憶に新しいところだ。
156 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)14時00分21秒
その子に是非会ってやってほしい、両親がクモの糸にすがる思いたどり着いた安倍に懇願した。
一瞬迷った安倍。マスコミに知られると美談として取り上げられ、売名行為などとささやかれかねない。
だが安倍は雑念を振り払う。自分に会いたいと言ってくれる人がいるならなにを置いても会いに行くべきだし、自分に接見するまでにこの両親がどれだけ苦労したか考えればとても無下にはできない。
なにより安倍自身、まずその子に会ってみたかった。
もう少女と呼べる年齢ではないが、いつまでも真っ白な心を失わない。安倍なつみとはそうした人である。
157 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)14時22分48秒
二度、その子とは会えた。夕暮れどきの病棟と、外出許可をもらって安倍の試合を観戦に来た競技場で。
明るく、よくしゃべる子で、最初その子が不治の病なんて信じられなかった。
それでも二度目に会った時、ああ、やっぱりこの子は病気なんだと思った。明るい様子は変わらなかったが、手足が細くなり、髪の毛が不自然に抜けていた。
手紙のやりとりもした。視力が落ち、大きくなってゆく文字で書かれた稚拙な手紙は正視できないほどの痛みを安倍に与えた。
訃報はハーフタイムに聞いた。まだ戦わなければならないのに涙が止まらなくなっていた。
158 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)14時42分49秒
723基金。
白血病撲滅研究、治療にかかる費用の負担、抗生物質で髪が抜けた人へのカツラの無料レンタル…白い血の病に苦しむ人のために安倍が動いた。自分の持つ知名度を最大限利用した基金を設立したのだ。
ですぎたことを、売名行為、サッカー選手はサッカーさえやってりゃいい。批判や中傷は覚悟の上だった。いや、悪口でも話題になればいい。それほどまでに腹をくくっていた。
幸い賛同者は多数出た。ただあまり多額の寄付が出ると混乱も起きる。そこで安倍は募金を一口723円以下に設定した。額の大きさではない、集まった心こそ尊いと考えた。
159 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)14時55分52秒
募金は少しずつ、だが確実に集まった。
安倍自身もシンボルとなるリボンを毎試合右袖につけた。クラブでも代表でも。
順調に見えたが、落とし穴が安倍を待ち受けていた。
イタリアのスポーツ誌を開いた安倍は、その見開きを目にして愕然となる。
【ゴトウは言った「私にはアベが理解できない」】
いつかは来るだろうと思っていた批判記事だった。ガードはできていた。
が、カウンターパンチはまるで予想外の角度で安倍をぶちのめした。
まさか、代表の仲間にそんなことを言われるだなんて。
安倍の小さな体が小刻みに震えた。
160 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)15時09分10秒
完全な誤解である。後藤は安倍を中傷などしていない。
ただ基金のことを聞かれ、自分には人のためにお金を集めるなんてしんどいことは無理だと言ったにすぎない。
それが伝達の過程で微妙に解釈が変わり(記者が後藤にそういうイメージを持っていたのだろう)スペインからイタリアに届くまでに意味合いが変化してしまっていた。
だが安倍はそんなこととは知らないし、後藤も後藤で誤解を解こうともしないのだから溝は埋まらない。
GK高橋。DF大谷、ミカ、戸田。MF吉澤、柴田、辻、後藤。FWアヤカ、松浦、加護。
そぼ降る雨の中でのキックオフ。
161 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月09日(火)15時52分33秒
やっぱ黒いのね…
悲しいな
162 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)20時03分02秒
今日は石川の出られないオリンピック初戦の予行演習だった。ゆえに石川、本日は出番なし。
10番には後藤が入った。石川が周りを使うタイプなら自ら動くタイプの後藤、すぐ後ろにいる吉澤と息の合ったところを見せる。
ユベントスは4-4-2、中盤の選手が横並びなのが特徴。ボランチやトップ下ではない、ハーフが横に並んでいるという考え方。
高度な戦術である。四人のいずれもがプレスをさぼらず、なおかつゲームが作れなければ成立しないのだから。
安倍は2トップの右、左はカメルーンの至宝と呼ばれる左足のマジシャン、パトリック・シャクボマ。
163 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)20時19分01秒
シーズン終了間もないユベントスだが体は重そうだ。日本は長旅の疲れも見せず左右から好機を作る。
ゴール正面、松浦が倒された。フリーキック。
後藤に吉澤、柴田がボールの前に並ぶ。石川抜きのセットプレーのパターンはあまり多くない。
吉澤が短く柴田に。柴田、左足で小さく浮かせる。
後藤、右足を振り抜いた。濡れた芝をまき上げ、水滴を散らすほどに低く飛ぶ。
ほぼ正面にきたボールに腰を落とすユベントスのキーパー。右から加護、左から辻が詰める。
雨でボールが腕からすり抜ける。ネットにまとわりついた水滴があらかた落ちた。
164 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)20時32分43秒
ここからだった、眠っていたシマウマが駆け出したのは。
中盤を省略し、バックからトップへ一気の縦パス。これが安倍の、シャクボマの走り込むコースにこれでもかとばかりに決まるのだ。
大谷をかわしたシャクボマから45度のパス。かつてコンサドーレのチームメイトだった安倍と戸田の競争。
戸田が前に出ようとする。安倍の腕が阻む。進めない。
高橋が出る。間合を詰め、シュートに対応しようとする。
さらに安倍が接近してくる。戸田が転ぶ。戸惑う高橋の右を、安倍の弾丸が打ち抜く。
今度は、日本ゴールネットの水滴が舞い散った。
165 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)20時43分25秒
「ぺっ」
戸田が口に入った泥をつばと一緒に吐き捨てる。
引き倒されたのだ、ユニフォームのすそをつかまれた。主審の目を盗む、極めて巧妙な犯罪。
それ自体は対して問題ではない。恥ずかしながら戸田自身もよくやることだ。
問題は何を、ではない、誰にやられたかだ。
まさか安倍が、ダーティーなプレーをなにより嫌っていたはずの安倍がまさか。
当の本人は至って涼しい顔をして自陣に戻っていく。
世界を知ると、人はこれほどまでに変わってしまうものなのか。戸田の背中に寒気が走ったのは、なにも泥水をかぶったせいだけではない。
166 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月09日(火)21時06分55秒
自力の差は、後半さらに浮き彫りになった。技術、スピード、勝利への執念…日本は前半飛ばし過ぎたツケをここで払わされた。
特に右サイドは壊滅的な事態に陥っていた。特に辻がパニック状態。
辻は本能で動くプレーヤーだ。攻めろと言われれば攻め続け、守れと言われればその通りにする。
が、臨機応変にやれ、と言われると混乱をきたす。攻守のバランスを考えろなんて言われた日には大混乱だ。
ミッドフィールダー辻は大失敗に終わった。
辻を下げ、木村を入れる。
疲れ果てて戻ってくる辻に平家は腹立たしさと済まなさとを半々で感じていた。
167 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)21時28分05秒
世界との差に翻弄されるばかりの日本だったが、例外もいた。
後藤はスリッピーなグラウンドに足を取られることもなく、効果的なドリブルやシュートでユーベゴールを脅かした。
より間近に世界を知り、勝とうとした後藤。技術以前にハートが違いすぎた。
シャクボマが左コーナー付近でキープ。右、ついで左と揺さぶる。DFが完全にバランスを崩される。とどめはタイミングを外すループシュート。
背面飛び。ボールの落ち際を叩き、自分がゴールに飛び込むキーパー。
「すげぇ」
思わずベンチでつぶやく小川。
高橋愛、一世一代のゴッドセーブ。
168 名前:4126 投稿日:2001年10月09日(火)21時43分31秒
試合終了。1-3。ユーベの得点はすべて安倍によるもの。
高橋が沈黙を守ったまま引き上げる。5点は防いだ自負がある。が、安倍に与えた三度の決定機は一度も防げなかった。安倍一人に負けたようなものだ。
ベンチで90分を過ごした石川も無念を隠せない。出たかった。傷ついた仲間を見るのが忍びなかった。
一番ショックを受けているのは平家だろう。点差以上の完敗。今まで積み上げたものはなんだったのか、暗い気持ちになる。
安倍が寄ってきた。試合にはあまり触れず、昔話に花を咲かせた。
去り際に、一言。
「いつでも、力貸すからね」
169 名前:名無し娘。 投稿日:2001年10月09日(火)22時21分12秒
つくづく4126さんは上手い。「自分はモーヲタではなくモーヲタヲタ」
とかいいながら、「ラブセン」「最後の夏休み」ネタを上手く取り込んで。。。
「狂気〜」のときは、見事に娘。の歴史を近年の日本サッカーになぞらえて
いた。新メン中心になって、そのネタが減って寂しくなった。。。とか
思ってたところでこれだもの。やめられないね。
170 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月09日(火)23時40分29秒
安倍強いな。
流れ的に旧メンの出る幕どころかポジションすらないと思っていたのに、実は雲の上にいた。
さすがにずっしりとした存在感と重みが伝わってくる。
後藤も凄い。
ヨーロッパでプレーをしている選手の格の違いがわかる。
彼女らと四天王の差はまだまだあるね。
171 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月10日(水)00時41分38秒
話に一段落ついたところで、登場選手の所属チーム一覧を出してくれると嬉しいんだけど。
172 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月10日(水)01時28分24秒
ナイジェリア戦で服部が「大介!大介!」って叫んでいたところで、吉澤を思いだした。
吉澤は自分の負担が重くなってきて新垣の要請をしたけど、服部はあの時何を思ったんだろう。

サカ板の実況は凄まじいね。みんなよくサッカーを知ってるよ。
ナイジェリアに2点目をやられた場面、テレビのダイジェストではいかにも松田のトラップミスが原因のように放送するけど、実はその前の奥なんだよね。
サカ板の連中はよく分かってたよ。
やつらの発言で一番のつぼだったのが、「宮本の頭脳を松田に移植しろ。」っつうもの。
面白いし、的を得てない?
173 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)02時01分35秒
安倍、後藤の白血病がらみの話は「最後の夏休み」「マリア」からもとってます。今回は白にまつわる話を多く取り上げるのだけどさすがに二人を殺すわけにはいかないんで。
所属は五輪メンバー決定後に一覧作るつもりでいたのですが、とりあえず登場したものだけまとめます。
安倍−ユベントス、福田−パルメイラス、後藤−Rマドリード、吉澤−浦和、辻−F東京、加護−G大阪、高橋−京都、小川−順大、新垣−横浜FM、紺野、戸田、木村、大谷−札幌、柴田−横浜FC、村田−仙台、斎藤−新潟、アヤカ−神戸、ミカ−清水、松浦−鹿島。
174 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)02時10分18秒
>>171
松田に宮本の頭、それはホンマ思いますわ。天は二物を与えず。ハコの中での松田の守備ほどスリリングなものはない。
個人的には田中誠にフラット3の真ん中をやってほしい。強くはないけど見てて安心できるだよ、やつの守備は。
175 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)02時33分54秒
「はっきりさせたいんだけど」
ミーティングで後藤がいの一番に切り出した。
「やる気あんの?」
全力を出し切り、それでもかなわなかったのなら後藤もこんなことは言わない。だが何人かは力をセーブして戦ってるように見えた。
「負けて当たり前、勝つ気ないんだから」
それは安倍が地元誌に「勝つ気がない相手に勝つほど楽なことはない」とコメントしたのと重なる。
「こっちはバカンスつぶしてんのに。こんなならマックでバイトしたほうがまし」
言いたい放題をさすがに平家がとがめようとすると
「オリンピック、どこまでいきたいの?」
176 名前:ななし 投稿日:2001年10月10日(水)02時37分52秒
>>174
同感。安心してみれないDFが代表レベルにいるのはちと・・・・
>>172
板ちがう気もするが、あれは奥もわりーが松田もわりーと思うす
177 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)02時46分09秒
予選リーグ突破。それは協会の課したノルマ。
就任会見でぶち上げた優勝。あれは景気づけ。
平家の中に、明確な目標がない。
あわよくば、なんてムシのよいことが通用しないのは今日痛感した。
チームに合流したばかりの後藤は、このチームの問題点を見抜いていた。恐らく、敵としてチームに接した安倍なつみも。
このままでは、日本はオリンピックに参加しただけのチームになってしまう。
汚くても勝ちを拾いにいくか、勝負は度外視しても美しいサッカーを目指すか。それすら見えてこない。
魂のない器。それがこのチームの正体だった。
178 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)06時08分43秒
言うまでもなく平家は日本が世界に出る前に活躍した世代。世界に最も近いと言われながら、それを体感する前に選手としては散った。
世界に出られない日本、それを象徴する韓国コンプレックスという言葉。こいつらがいる限り永遠に世界には届かないと思わされたアジアの虎。
それを払拭したのがあの雪の国立。ロスタイムに3連続ゴールを叩きこむなど5点を奪って南北朝鮮合同チームを粉砕、ワールドカップ初出場を決めた。その試合も平家はスタンドにいた。
根本的な自己への不信感が鎌首をもたげる。
選手や戦術以前、自分では世界に勝てない。
179 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)06時34分24秒
雨の続くトリノでユベントスとの合同練習。若い選手たちは少しでもなにかを吸収しようと貪欲だ。
頭に幅広のタオルを巻いた高橋が黙々とユーベGKコーチの上げるボールをつかむ。世界の一流どころに比べてボールへの集中が甘いと指摘された。
小川は全体的にプレーが粗い。がさつな本人の性格が出ていると。
「やかましいマカロニ野郎」
悪態をつきながらも素直に従う。
柴田や加護はシャクボマにフリーキックの蹴り方を、松浦は安倍にポジション取りのノウハウを教わった。
平家だけが辞任のことばかり考えていた。隣にユーベ監督がいるのに。
180 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)07時00分38秒
今の平家には相談できる人が身近にいない。仕事仲間の稲葉や信田にはそんな相談を軽々しく出来ないし、中澤は音信不通。
「負けたってな」
からからと札幌の石黒彩が笑った。
「どーしよ」
石黒もコンサドーレ監督として三人の五輪選手を抱える身。いずれも守備要員で、彼女たちからいろいろ聞いている。
「少し、守りの選手を優遇してやってよ」
ディフェンス――取られたら取り返せ、それが平家の目指すサッカー。守りの薄さは前線からの守備で補うと。
が、それだけでは世界には通じない。
平家は、いくつかのファンタジーを捨てた。
181 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月10日(水)07時49分42秒
パリへ向かう機内で高橋と小川の両GKは隣合わせに。機内食のカレーライスを流し込む小川に対し高橋はほとんど手をつけていない。
「食わねえのかよ」
小川が袖で汚れた口元を拭う。どうして機内食はおかわりできないのだろう。味はともかく量には不満を残す小川が不作法にのぞきこむ。
「食べたきゃあげるよ」
礼も言わずに高橋のトレーを自分の簡易テーブルへ乗せる小川。仲良しには程遠いが、少しは口をきくようになった二人。
「どうやったってフランスには勝てない。力の差を見せつけられるだけの勝負にどれほどの価値があるっていうんだ」
182 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)08時36分49秒
一昨年のワールドカップで初優勝を果たしたフランス代表。美しくも脆かった80年代、暗黒の90年代前半を乗り越え頂点に立った王者は守りに入らない。間もなく開催される欧州選手権で史上初のダブルクラウンを狙う。
中心はMFシーナ・アップル。現代の中盤に必要なものをすべて兼ね備えた好選手。奇偶にも安倍のユベントスから後藤のレアルマドリードへ史上最高額での移籍が決定したばかり、今最も旬な選手である。
「フランスがなんでぇ」
小川が高橋のフランスパンを食いちぎる。
「こんな固くてスカスカしたもん食ってる奴らに負ける気がしねえ」
183 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)08時52分08秒
日本人の主食、米。雨量の多い新潟はその日本一の産地である。
冷夏により米が記録的な不作を記録した93年。市場には安いタイ米が出回ったが新潟の人々だけは意地でもそれに手を伸ばさなかったという逸話がある。
小川の発言は郷土愛という自己愛でしかない。
が、それを差し引いても、世界王者に対して負ける気がしないなどと平然と吐ける人間がどれだけいるか。少なくともこのチームにはいない。
政府の要人あたりが口にすれば大問題になりかねないこの一言が、その後ろの座席にいた平家の耳にだけはこの上なく頼もしげな余韻を残したのだった。
184 名前:空唄 投稿日:2001年10月10日(水)10時07分17秒
>>178
一瞬何のことかと思ったけど、あの奇跡ですね。
現実の歴史の上にフィクションの歴史もあるから面白い。
185 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)14時23分53秒
フランス・パリのホテル。
軽い朝食の後(石川はほとんど手をつけなかった)ミーティング。
平家がいつもスタメンを告げるのはこの時だ。控え選手がコンディション作りをなまけないように。
「今日はいつもと逆に前からいってみようか」
大した理由は無い。強いて言えば、流れを変えたかった。
「7、木村アヤカ。9、松浦。11、加護」
前はいじらなかった。アヤカはスタメンに定着した感がある。
「10、石川」
「はい」
「8、木村麻美。6、戸田」
柴田、そしてワールドユースから不動のスタメンであった辻が外れた。
替わりに配された木村、戸田は守備のパーセンテージが高い選手。
186 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)14時39分32秒
「4、吉澤。2、大谷。3、ミカ」
ここは変わらず。
「5、後藤」
おおっ、と声が上がる。
技術、身体能力、経験、風格、吉澤とのコンビ…よくよく考えてみれば他に適任者はいないのかも。
それに攻め好きの後藤ならば、より攻撃的な最終ラインが形成できるかもしれない。
逆に中盤でのチェックを強化するためコンサドーレのボランチコンビを投入。
「後藤、できるな」
「ええ。あれだけ大口叩いといてヘマったらかっこ悪いんで」
187 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)14時54分46秒
「最後、1番、小川」
三人のゴールキーパーは固まって座っていたが、その真ん中にいた小川がしばらく状況を把握できずに呆然となる。
イタリアのゲームは惨敗だったが、高橋の出来は上々だった。
この分ならフランス戦も高橋だろう、土産にシェリー酒でも買って帰ろうと内心思っていたのだ。
右にいた木下がわっと泣き出した。この遠征をラストチャンスと考えていた。
「超、悔しい」
それだけを、ようやく吐き捨てた。
左の高橋は、周囲が冷や冷やするほどの鋭い眼差しを、小川の横顔に降り注いでいた。

188 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)15時17分47秒
「分かってると思うけど」
臨時コーチをしてチームに付き添った安倍なつみが続ける。
「フランスは、あなたたちの予想を遥かに上回る力を持っている。今のあなたたち、いえ、フル代表だってかなわない」
断言した。
「けど、そこに落とし穴があると思う。ホームで、しかも大きな大会を前にした壮行試合。満杯のパルクデフランスはただの勝ちじゃない、完勝しか望んでない。
 もし負けたら、いえ、引き分けでも大変な騒ぎになる。そこが落とし穴。
 前半は0−0で。とにかく、相手がなにもしないうちにゴールをプレゼントするような真似だけはやめようね」
安倍は、指導者には向かないかもしれない。
いちいち、言葉が優しすぎるのだ。
189 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)15時43分44秒
バスの中での会話――
「出るらしいよ」
「何が?」
「パルクデフランスのアウェーのロッカールーム」
「だかが何が?」
「座敷わらし」
「パルクデはいつからトーホグになっただか?」
「なんかね、子どもが、ふっ。…て座ってるんだって」
湧き上がる悲鳴。
誰もが、限度を軽く超えた緊張から逃れたがっていた。
神経の図太い小川も、神経そのものが見当たらない後藤も。
バスが着く。平家が先頭で降りる。
待ちうける、フランスサポーターの大合唱。
帰れ! 帰れ!
小川がニヤリとする。背中にぞわぞわと泡が立つ。
天性のヒールの血が、燃えた。
もっとだ。もっと騒げよ。
これだけの人間が吠え面かいたら、さぞかし絶景だろうぜ。
190 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)16時01分23秒
バーン、である。
さすがは歴史あるスタジアム。控え室のドアを開けただけで威圧してくる。
スタジアムに染み付いた歴史が、東洋の小娘どもをしびれさせる。
これが真新しいスタッドデフランスならこうはいかない。
まして、幽霊騒ぎなんて。
「こうやって、ヒザ抱えてんじゃないの?」
吉澤の戯れ言に乾いた笑い声が沸き起こる。
石川が、奥から三つ目のロッカーのドアを開ける。
即、閉じた。
191 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)16時15分36秒
「梨華ちゃん?」
加護が石川の異変に気づいた。
「どないしたん」
「ううん、なんでも」
「なんでもないって顔やないで。ゴキブリでも出たか」
誰がゴキブリなんかにこんなビビるかい、この歯抜け。
いたのだ。
ひざを抱えて、目を光らせて。
「そんなもんひっつかまえてチャーハンの具にでも」
加護が開いて、ゆっくり閉じる。
いたでしょ? 石川が震える。
おったおった。加護が何度もうなずく。
「どうしたの?」
ようやく全体が異変に気づく。
「な、なんでもないよ」
「壊れてるみたいやで」
「さっき普通に開けてたじゃない」
後藤がさっとドアをひっつかんで、一気に開ける。
全員の目が見開かれて、その一点に注がれる。
「いやあああああ!!」
192 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)16時40分28秒
「よっ」
座敷わらしは、ぴょこんと飛び降りた。
「なんだよその顔。もーちょっと嬉しそうに出迎えてくんない?」
そんなこと、ロッカーの中で待ち伏せしてた人に言われたくない。
日本代表ミッドフィールダー、狂気の145センチ、矢口真里。
「もうちょっと、顔の出し方考えてくださいよ」
前はいちぢく浣腸、今回は座敷わらしのふり。ろくなことを考えない。
隣で加護が引き付けを起こさんばかりに笑い転げている。恐らくグルだったのだろう。
このドチビ、いつかシメたる。石川が復讐を誓った。
193 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)16時51分54秒
現在の矢口は石川と同じアルゼンチンの名門、ボカ・ジュニアーズの一員。外国籍選手ながらキャプテンもつとめる。
アルゼンチンリーグは前期リーグが終わり、現在はオフ。
とはいえ、地球の裏側まで来るとなれば相当にしんどいことだ。
「どういう風の吹き回しっすか?」
小声で訊ねる石川。
「おまえね、それを言っちゃおしまいよ。人様の行為ってのはもーちょっと素直に受け止めるもんだよ、タコ」
アルゼンチンで流れる日本のプログラムといえば「水戸黄門」に「おしん」それに「男はつらいよ」。矢口の日本語も多少変化していた。
「へへへへ」
「あんだよ、気持ちわりい」
「正直に言ったらどうっすか。梨華ちゃんが心配でいてもたってもいられなくてフランスまで来ちゃったわって」
「…そうだな。正直になんないとな。石川、恥ずかしいから耳貸して。ウフ」
「はーい」
矢口、思いきり石川の耳を引っ張りあげて
「キショッ!!!!」
194 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)17時07分07秒
「うおっ」
今度は矢口が驚かされる番であった。
一瞬、巨大なニワトリが飛び込んできたのかと思った。
まるで遅れてきたビジュアル系ロッカーである。
サイドの髪をなでつけ、センターの髪を「ダイエースプレー」でカチカチにして立たせる。
まあ、それはいい。髪型も一つの自己主張。
問題は、どんな髪型かではなく、誰の髪型かだ。
「りぃんねぇ」
変わり果てた戸田の姿に、安倍が奇声を上げる。
思慮深く、チームの影のまとめ役である彼女が、まさかここまでおバカさんな真似をするなんて。
「…似合わないですか?」
顔を真っ赤にして、戸田が問い掛ける。彼女なりの気合の表現だった。
195 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)17時38分34秒
どの商売もそらろも、酒造りはとくにふしぎらもんでの。蔵には神宿るというろも、たしかに神さまがいつも見なさってて、酒蔵に対してほうびと罰とを与えてる感がある。(宮尾登美子「蔵」)
夏子 お酒はお日様の光なんだな 神が与えてくれた最高の恩恵なんだな(瀬尾あきら「夏子の酒」)

デンプンを糖質に変え、発酵させてアルコールを作る。
酒を造る過程は、万国共通、いたってシンプルだ。
が、発酵はどうして起こるのか、なぜデンプンは糖に変わるのか、そもそもなぜアルコールが人をトランスさせるのか。
科学的にはいくらでも分析はできる。が、実際はなにも分かってない。
最初の酒は誰が作ったのか。人(猿?)為的とは考えにくい。
酒は神様からの贈り物である。偶然の中に、神の見えざる手はある。
酒には神がいる。だから度を越えると酒の中の神が暴れ出す。
196 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)18時00分02秒
チームメートのバカ騒ぎを横目に、小川はこっそりとバッグからワンカップを取り出す。
新潟は、米が美味い。水の国と言われるほど水も美味い。
その二つを主原料とする日本酒が、まずいわけがない。
小学校一年生の時、母の姉の婚礼の席で初めてお神酒を口にした。
おいしくないけど、縁起ものだから残さず飲みなさい。
生暖かく、刺激臭と甘さの入り混じった匂いのする祝いの杯に、ちゅっと口をつける。
おいしい。くーっと飲み干した。
「おかわり!」
隣で、七つ年上の父方の従姉が大きく目を見開いてた記憶がある。
以来、親が留守の時の盗み酒が楽しみになった。
197 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)18時10分48秒
神様なんていやぁしねぇ。無神論者の小川も、酒に宿る神だけは信じる。
そのユニフォームは、虎の革を思わせる山吹色。酔っ払いを虎と呼び、日本酒の色を山吹色と表現する。
酒とは、つまり、小川そのものだ。
ワンカップの酒を半分まで飲み干し、残りの半分を口に含む。
顔の前に、千葉市内のスポーツショップで買ったキーパーグローブをはめた手のひらを広げる。
(高橋のそれは契約したスポーツメーカー製の特注品で、真っ黒な中にメーカーのロゴだけが赤い)
めいっぱい霧を吹き付けると、柏手を打つようにパンと手を叩いた。
「それ…おいしい?」
「ひ」
ベンチにはいるが口は出さない約束になっている総監督ガックンが指をくわえる。
「ちょっと、残ってるよね…くれる?」
小川がうなずいた。
198 名前:4126 投稿日:2001年10月10日(水)18時55分23秒
午後5時かっきり。吉澤主将以下11人の日本代表、シーナ・アップル以下11人のフランス代表が入場。
ホームのフランスはブルー、白、赤と国旗のトリコロールをユニフォームで表現する。
日本は白、青、白のアウェーのいでたち。
柴田が芝を確かめる。さすが、いい芝だ。深くて柔らかい。J2の荒れた芝など比べ物にならない。ドライブをかけるボールを多用する自分にはうってつけだ。
小川が砂浴びする犬のように芝の上を転がる。こんな絨毯みたいな芝なら、何度でも飛んでみたい。
フランス、世界を制した4-3-1-2で日本に迫る。
その「1」に収まる、世界最高の選手、シーナ・アップル。
東洋からの客人に対する最大の礼儀として、フランスはほぼベストメンバーを揃えてきた。
ほぼなのは、今回のチームが24歳以上の選手のみで構成されている点。
フランスが狙うのはダブルクラウンではない、オリンピックも含めたトリプルクラウンだ。
199 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月10日(水)22時15分48秒
矢口のロッカーネタにも恐れ入ったけど、戸田つながりにはさらに恐れ入った。
でも、ニワトリ頭だったら、梨華ちゃん怖がって泣いてしまわないかな…
200 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月10日(水)23時03分15秒
ロッカーに入る人間・・・
大爆笑でした。
さすが矢口!
おいしすぎる。
201 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月10日(水)23時56分22秒
新潟出身、そして酒しぶき。
小川にはあぶさんも入ってますか。
202 名前:名無し娘。 投稿日:2001年10月11日(木)00時33分53秒
4126さん、市井復帰だそうですよ。この小説にも組み込まれるのかな?
203 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月11日(木)00時39分14秒
アルゼンチン代表でたいせーと組んで日本代表の前に再び、とか?
204 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)01時07分28秒
>>202
マジで?! たいせープロデュースなんすか? うわー…事実は小説より奇なりのレベルだよ。実感わかねー
205 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月11日(木)01時36分41秒
>>176
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/soccer/1002731406/l50

韓国から勝ち取ったワールドカップはもう終わってたんだね。
それでやっとつじつまが合う。
贅沢を言えば年表も欲しいところ。
206 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月11日(木)01時51分56秒
>>205
確かに(w。あと、登場人物の年齢もお願いしたいね。
狂気からずっと読んでるけど、時代背景だけはバラバラだからね。

話は変わるが、文庫本にされても買ってしまうぐらいの小説って、これかシアターぐらいだよね。
これだけアマチュアレベルを超える小説ってネットをさがしても少ないと思うよ。
207 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)06時43分37秒
今めざまし見ました。ほんとーに市井復帰なんだ。
「うれしい」よか「驚いた」な。それでも実感沸かないし、なんか他の市井ヲタに会いたいよ。なんかおめでとうって言ってあげたい。そしてありがとうと言いたい。
208 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)07時27分55秒
狂気=1997年(本当は93年のつもりだった)奇跡=1998年の頭(この年WC開催、終了後安倍ら移籍)歓喜=99から2000年にかけて、というところか。
年齢的にはかなりいい加減で、早生まれの矢口と市井はともに83年生まれだけどローカルルールで(麻雀かよ)矢口のみオーバーエージ扱いにしています。
ていうか今年齢設定してみたら激しく矛盾が生じたので嫌になってやめました。
209 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月11日(木)10時29分42秒
>>203
今までマネージメントやっていたユウキの立場は…
ところで今の市井は、矢口石川と同じボカ所属、というわけではないのかな?

210 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)12時10分48秒
市井はすでに日本人ではないので、もう一つの呼び名で出す予定です。ここまで言えばクラブチームも分かりそうなもんですが。
たいせーという響きがナイジェリア人ぽいなと思う今日この頃←それはオリセー。
211 名前:ななし 投稿日:2001年10月11日(木)16時22分42秒
>たいせーという響きがナイジェリア人ぽいなと思う今日この頃←それはオリセー。

爆笑
212 名前:モーヲタ家族 投稿日:2001年10月11日(木)17時47分14秒
小川と石黒・中澤のカラミが楽しみ。作者さん頑張って。
213 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)20時16分33秒
今日は休ませて。マジで一日上の空だった←いつもだが
素直に嬉しいと同じに少し早いなと思いつつカバーアルバムを肩慣らしと考えれば二年は妥当かしかしこれをどう話に組みこむかBUT市井登場はまだ先かなどと思い気楽に考えてみる。
こういうケースって「抹殺」されてしまうことが多いだけに二重の驚きです。
市井って、本当に強いなと思います。素直に見習いたい。
現在の娘。がキッズ向けになってることで、旧ヲタとのすみわけを図ってるのだとは思いますが、まあ素直に喜びましょう。
>>212
申し訳無いけどそのカラミはないかも。スマソ。
カップリング(他の小説とは著しく意味合いが違いますが)高橋と中澤、小川と保田、紺野と石黒と考えてます。あれ? 誰か忘れてるような…
214 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)22時39分58秒
ビックリした
215 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月11日(木)22時40分36秒
ラジオデビューおめでとうございます。
写真をばらまくとはあなたもお人が悪い。
というか、あなたは一体何をしてるんですか?
216 名前:空唄 投稿日:2001年10月11日(木)22時43分32秒
やっぱ本人っすか。びびりました。
217 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)22時52分11秒
>>215
何をとは職業? 一応フマジメに働いておりますが。
218 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月11日(木)22時56分28秒
あ、やっぱりそーでしたか(w
219 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)23時02分58秒
>>217
ってそうじゃないだろ俺。
annは中学時代からのヘビーリスナーなんですが、あのコーナーのハガキ職人のレベルってどうよ? と思い昨日適当に三つ作って送ったら採用だもん。なんだかな、です。
ちなみに四つ目の方の長野県須坂市はスサカではなくスザカです。
220 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月11日(木)23時13分08秒
ちょうど実況せんかい板にもいたんだけど、誰も4126こと知らないもんなあ。
なんかみんな素でうけてたよ。自虐ネタとか白夜具とか。
221 名前:名無し娘。 投稿日:2001年10月11日(木)23時18分26秒
4126タンはSHIBUYA-AXで行われるという市井ライブに行くの?
222 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月11日(木)23時18分36秒
っていうかお前のネタのレベルもどうよ?
223 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)23時19分38秒
>>219
そんなもんすよ。実況板は明日見ます
224 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)23時26分18秒
>>221
がんばってチケ取ります
>>222
わしもそう思う。でも一応作戦があって、あの番組はいかにして矢口の過剰な反応を引き出すかがコンセプトのような気がするんで、昔の自分を嫌がる矢口をネタにすればいいやと狙ったのは事実です。採用されなかったやつのほうがよほどネタになってたもんよ。
225 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月11日(木)23時32分47秒
火曜日も頑張ってオソロ聴いてたもんね?
226 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月11日(木)23時38分55秒
>>223
ラジオ実況板はみんなウケていたよ
227 名前:4126 投稿日:2001年10月11日(木)23時59分23秒
オソロやってないのよ、長野(泣き)。電波拾うのもしんどいくらい音が悪いんであきらめてます(大泣き)
まあ受けてくれたんならOKでしょう。俺ヲタ好きだし。
でも俺のネタ読む時間で市井のこと言って欲しかったよ、矢口。
228 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)09時45分56秒
なんか昨日はいろいろあったす。更新なかったのにスレ伸びたし。
では、改めて再開です。
229 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)19時31分05秒
「うおりゃっ」
開始早々、右の角度のない場所からのシュートに思い切りよく体を投げ出す小川。揃えた足の先に当てた。
難しい場面だった。オーバーラップしたフランスのサイドバックが大谷を振り切ってから、ゴール上空を通過するハイクロス。左右へ揺さぶってのボレーシュート。シャンパンサッカーの名に恥じぬ、流れるような展開。
小川は己を良く知っている。自分には高橋ほどのバネも木下ほど体格もない。
あるのは判断の早さ。位置取りの巧みさ。
決してスキは見せない。ボールとゴールの真ん中に自分のへそがあるか、常に意識している。
230 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)19時50分04秒
「上がれっ!」
号令以下、三枚のDFが一斉に前へ。その裏にボールが。だが旗が上がる。
カバーした小川が蹴り返したボールを後藤が拾う。タイミング的には紙一重で、前半のうちはオフサイドトラップは多用しないほうがいいみたいだ。
後藤を中央に配した最終ラインは試運転の段階だった。
ムラッ気が多いという理由でガックン率いるA代表で構想外になっている後藤、クラブでは左ハーフのため久しぶりのリベロになる。
吉澤にはたき、リターンをもらって中盤へ。入れ替わりに吉澤が後藤の位置をカバー。この意心伝心ぶりも後藤コンバートの理由。
231 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)20時05分53秒
中盤では吉澤を中心に積極的に守備。大黒柱のシーナにボールを渡さない。
DFから本来の中盤に戻ってきた戸田は、その逆立てた髪が相手の顔を叩く近さに体を寄せて奪いにいった。ペナルティーエリア内での仕事が多いセンターDFに比べ、まだタイトにいくことが許されるボランチでのプレーが戸田の本来望むところで、ベストパートナー木村とともに鬼の守りを見せる。
主将同士の対決は、吉澤がシーナの懐の深さにボールを取れずに手を焼いていた。中央を割られたら最後、そこを突破されないようにだけ注意を払う吉澤。一応のつとめは果たしていた。
232 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)20時18分26秒
石川はパスコースを探し出すのに腐心する。加護、アヤカの両ウイングはサイドバックを警戒し、松浦にはセンターバックのいずれかが必ずついている。
石川には特定のマーカーはいないが三人の守備的MFは受け持ちを三等分して、そこに石川が入りこもうとすると速やかな寄せを見せる。
こんな時、ツインコントロールタワーの一角であり、付き合いも長い柴田に預けると、石川には思いもよらない打開策を見せたりもする。
しかし今日彼女の位置には戸田がいる。守備の負担が軽減される分、攻撃ではすべてを一手に担わねばならない。
233 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)22時22分37秒
ベンチでは辻、柴田、新垣、高橋らが出番を待つ。
「どうかな」
出産に立ち会う男親さながらの平家に安倍が声をかける。
「少しは落ち着きなよ、みっちゃん」
「監督と呼べ! …ごめん、呼んでくれ。しめしがつかへんねん」
ベンチを見渡す。安倍、稲葉、信田、小湊…
「矢口は?」
やはり足が地についていない。原因は国際経験のなさだ。
平家の罪ではない。監督が試合の場で取り乱すほど、サッカー協会はこのチームに場数を踏ませてないのだ。
その点隣のガックンはいつもと様子が変わらない。その辺りはさすが。
「加護ちゃん、いいね」
234 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)22時38分31秒
安倍が指し示した方角には、数少ない日本サポーターが陣取っていた。
「ニッポン!」
その中心に、かつての日の丸小僧に戻った矢口真里がいた。
今の矢口はスタンドの名物キャラではなく、日本中の期待を背負ってその声援を受ける立場にある。身体的な特徴もあって、それが矢口だと気づかない者はいない。
カンケーねーべ、んなこと。やりたいからやるんだ。だから、ほら。
周りが逆に気遣う天衣無縫さで狂ったように騒ぎ、旗を打ち振るう。
踊ろう、人生は祭りだ。
五輪代表チームは、久々に何の気兼ねもなしに応援できる日の丸なのだから。
235 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)23時41分35秒
「後藤、10つけ!」
コーナーキックの指示を出す小川、ワールドクラスも他と差別しない。
本来キーパーとリベロは密な関係を持つべきであるが、平家も気性の激しい二人にそれは期待していない。喧嘩しながら強固な守りを作ればいいと。
ニアに繰り出される女王シーナからの速いボールに飛び出す小川。吹き飛べ、おフランス野郎。
別のフランス選手がその進路を妨げる。小川が勝手にぶつかったとしてノーファウル。ボールは密集を抜け、シーナが本当に狙った選手の頭へ。
後藤が鼻先でかき出した。
「小川、出たら触れ!」
「…悪かったよ!」
236 名前:4126 投稿日:2001年10月12日(金)23時57分33秒
前半が終わった。0-0。ディフェンシブな作戦が功を奏し、ここまでは狙い通り。
矢口も戻ったロッカールーム。後半、頭からミカを下げ柴田を入れると告げたあとはもっと積極的にいけと言うだけだった平家。
それだけ選手は力を出し切っていた。これ以上求めるのは酷というほどまでに。
一段と引き締まった表情で出て行く選手たち。あとには平家、安倍、矢口が。
人払いの済んだロッカールーム、平家が沈黙を打ち破る。
「このチーム、オリンピックでどこまでいけると思う? これが今の我々の限界だ。フランスに1本のシュート打てないこの姿が」
237 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)00時18分06秒
「ベスト8ならいけると思う」
安倍は欧州五輪予選にあたるU21欧州選手権を視察している。ベスト4にプレーオフを勝ち抜いたユーゴがシドニーに来るが5か国とも、いや、予選敗退した国にもいくつか日本が勝つのはかなり困難なチームがあった。
それでも組合せにもよるが、予選リーグ2位通過ならなんとか可能だというのが安倍の見立て。
が、予選を2位突破した場合決勝トーナメント1回戦でぶつかるのは別グループの1位チームに。恐らく優勝候補などとささやかれている相手のはず。
別に日本が弱いと言いたいのではない。それほど世界の壁は厚いのだ。
238 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)00時34分58秒
「30%」
矢口はさらに手厳しく予選リーグ突破の可能性を予言してみせた。南米予選、他をまるで寄せつけなかったアルゼンチン五輪代表の試合を幾度となく見せられたため、なおさら点数は辛い。
ナンバーテン・アディクション、10番依存症と言われた時期を脱却、各年代の世界大会を制した才能が集結したチームには「あいつ」がいる。
矢口達が、いや、日本のサッカーファンが決してその存在を忘れることのできない選手が。
それに五輪はU23世界選手権、内容重視でもいいのではないか。
「それでもあたしは結果にこだわりたいの」
平家が告白する。
239 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)00時49分28秒
「決勝に行きたい。銅よりいい色したメダルがほしいの」
ナイジェリアで自ら手にした銅ではない、自分が生まれる前に元老どもが手にした銅。
あのじじいどもの鼻をあかしてやりたい。多少情けないが、それが平家が自らの中に見いだした答えだった。
矢口もなぜ自分がパリに招かれたかは分かっている。
だが矢口は安倍とは違い、自分がこのチームで戦ってはいけないと考える。
石川と後藤が攻守の軸、加護がムードメーカー、吉澤が黙って俺についてこいとばかりにまとめる、なかなかの好チームではないか。何も自分が土足で踏み荒らす必要はない。
240 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)01時08分33秒
戦場に向かう選手も、世界と比べた自らの貧弱さは痛感している。FWであれば自分が一本もシュートしていないことぐらい分かる。
ファウルが欲しい。まったく同じことを考えている、二人の選手がいる。
石川梨華、柴田あゆみ。五輪代表の誇るフリーキックの双壁。
コースを狙い、インステップで一直線にぶっぱなす石川の右。
インフロントからインサイド、えぐい弧を描き、壁を無意味なものにする柴田の左。
不利な展開が、膠着した試合がまるで違った方向に動き出す、一回のセットプレーが秘める魔力を知る二人が、静かに爪を研ぐ。
241 名前:しぐれ 投稿日:2001年10月13日(土)05時13分22秒
遅ればせながら、ラジオデビューおめでとうございます。
この作品の応援はもちろん、ラジオへの投稿もこれから期待していきます(w
242 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月13日(土)06時19分34秒
>>210亀レス
たいせー→オリセー、ならば
まとこ →マコチャか?

>>147超亀レス
2002WC編は書いてくれないのか…。
243 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)10時16分53秒
>>241
ラジオのほうはあまり期待しないでと言いつつもまたメールしようとは思います。数打てばなんとかで。
>>242
スーパーイーグルスならぬスーパー?!テンションズかよ。ここも因縁の対決めいてきたな。
2002は…今のところ考えてないです。本番もまだ先だし。
244 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)13時10分40秒
ついでに出場停止中のシューアシューア(厳しいな)とどめに「愛のババヤロ」
磐田鹿島見てえよ。土曜日まで働きたくねー。
245 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)18時40分26秒
「来るぞ、寄せろよ」
後半も小川の声は途切れない。音域はメゾソプラノからアルト、地面を震わせる低音が芝を這って味方の尻にムチを当てる。
信田には分からない。世界一とはいえユニバーシアードは学生の大会。アマチュアボクシングのチャンピオンが世界チャンプに気後れせず戦っている。
フランスがスルーパスを狙う。その足に倒れこみ、額をかすめんとするスパイクにも目を閉じない。打たれる前に奪い取った。拳を振り上げる。
「簡単に抜かれんな!」
小湊も分からない。あの腰ではただ立ったり歩いたりするのも困難なはずなのに。
246 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)19時09分02秒
吉澤がシーナと向かい合う。
シーナには独特のフェイントがある。なんてことはない右足のシザースなのだが、普通アウトサイドで蹴るふりをしてからインサイドで切り返すのが普通なところ、相手の体重の乗り方を瞬時に見極め、アウトサイドでそのまま抜けたり、インサイドもダミーにして足裏で後ろに下げたり…安倍に言わせると、アドリブがとんでもなくうまいプレイヤー。
うかつに飛び込めばかわされ、裸のディフェンスラインをさらけだすことになる。だから吉澤は前半勝負したい自分を抑えた。
247 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)20時19分03秒
いった。
一歩踏み込み、得意の間合いに入る。シーナ、吉澤の裏に。吉澤の長い足が伸びる。
さらに逆。完全にバランスを崩した吉澤。
「よっすぃー!」
背後に控えていた後藤と戸田がシーナをサンド、二人がかりでタッチに追い詰める。
再び吉澤対シーナ。フィジカル勝負なら吉澤に分がある。
いきなり懐に飛びこむシーナ。吉澤、伸ばしてくる腕に腕を絡めカウンターパンチのようにボールをさらう。
とったァ!
一気に右サイドへ。アヤカが追いつく。うまく切り返してDFを置き去りに。
手が伸びる。背中から落ちるアヤカ。柴田が歯を見せた。
248 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)20時58分45秒
エリア目前、正面やや右。左足で狙うにはこれ以上ない好位置。
柴田がボールをセット。石川も一応寄るが柴田は耳を貸す雰囲気ではない。
本当、こんな芝なら、いつまでも試合してたいな。
ポニーのような助走。軸足を傾斜させる独特のフォーム。深い芝が柴田の左足を優しく包み込む。
八枚の壁をまく、ドライブシュート。壁を越え、無人のサイドへ落ちる。
逃げるようなボールにスキンヘッドのキーパーがダイブ。届かない。柴田が拳を固める。どうだ!
金属音。右ポストに嫌われたボールが外に。
「あーあ、もうっ」
苦笑いするしかなかった。
249 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)21時26分14秒
頭を抱えたのは平家も同じ。だがすぐに切り替える。
木村が疲れている。この日中盤は殺人的な運動量を強いられていた。早めに手を打たねば。
「新垣アップ」
パチンコ玉のようにベンチを飛び出した新垣はこの際どうでもいい。問題なのはその隣で表情を変えた、もう一人の小柄な選手のほうである。
訳も分からず単身バレーボールの助勢に駆り出され、帰ってくるといきなりのコンバート。ハーフでは使えないと判断され、古巣に戻れるのかと思いきやそこにはアヤカが――
辻希美にとって、この一月あまりは悪夢と屈辱の繰り返しだったのだ。
250 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)21時45分26秒
辻は素直だ。言われた事に何の疑問も抱かない危うさを秘めるほどに。
が、さすがにこの時ばかりは疑問を抱いた。果たして自分はチームに必要なのか、私はリサちゃんより下なんだ、そんな絶望感とともに。
平家はまず負けたくなかった。スタミナで勝る新垣を入れ守りの安定を狙った。
平家の過失は、辻が冷静な判断を下せない不安定な精神状態にあるのを見落とした点。試合後にでも、たとえ嘘でもいいからフォローすべきだったのに。
なぜなら、この時のディスコミニュケーションが後のチームに落とす影は、決して小さいものではなかったのだから。
251 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)22時07分22秒
新垣? なんでや。必要なんはののやろが。
前線でボールを追い回し続けた加護はもうヘトヘトだ。
三度の飯より攻めるのが好きな加護がパスを追い回してばかりなのだから、疲労とフラストレーションはたまる一方。
「プレスさぼんじゃねえ!」
後方からは小川のドラ声。うっさいわ離れ目…おざなりになっていた守備に、少しだけリキを入れた。
それがフェイントになる。
敵からのパスが、足に吸いつく。
(嘘やん!)
あわてて突破を図る。スペースを突くが、右からきた大きなブルーに小さな白が派手に転がる。
よっしゃ。石川が快哉を叫んだ。
252 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)22時22分19秒
左45度。さっきよりは距離もある。
だが角度はともかく25〜30メートルぐらいが石川には大好物のポジションだ。
ゴール前に後藤、吉澤が上がる。もちろんマークがつく。
高さがない、このチーム最大の弱点を大半のプレースキックを担当する石川は肌で感じている。
無論この場面で誰かを狙うつもりもないのだが。
ゴール右上隅、最も自信のあるコースへ。ほぼ狙い通り、真っすぐにフランスゴールを襲う石川のフリーキック。
キーパーがつかみきれずにこぼす。松浦が詰め、押しこんだと思われたボールはディフェンダーのスーパークリアに遭った。
253 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)22時33分49秒
静まりかえっていたスタンドから大ブーイングが。それは今までとは違い、大多数の観客が声援を送っていたはずのチームに向けられたもの。
フランスも必死だ。この試合は欧州選手権前最後の試合、負けはおろかドローでも大いなる不安を残すことになるのだから。
おい、いけんじゃねえか。そんな空気が漂い始める日本ベンチ。たかが親善試合でこんな高揚した気持ちになれるなんて。
ただ一人、口元に指を当て、アンニュイな思いを巡らせるのが母国を相手取るガックン。
「彼女、まずくないかな」
視線の先に、飲みかけのワンカップをくれた女の姿。
254 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)23時00分53秒
小川が盛んに喉を気にする。
フルメンバーの五輪代表デビュー戦。敵地。世界一の相手。気負いや重圧、ないわけがない。
とにかく声を出す、出し続ける。大声とともに恐怖を吐き出す。それでここまで持ち堪えた。力任せに叫び続けた、そのツケがやってきた。
焼けつくように痛む喉。寺社の鐘のように響いた声がかすれ始める。
焦りはわずかずつ小川を蝕んでいく。ポジショニング、飛び出しのタイミングが微妙にずれ始める。
左サイド、柴田が敵と向き合う。裏から選手が飛び出すのを知らせようとする小川。
声が、出なかった。
255 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)23時21分53秒
ストライカーが自らをFWだと最も強く感じるのがゴールなら、失点の瞬間に守備者は自らが何者かを思い知る。
フリーで打たれたシーナのヘディングに触れなかった小川も、自分がゴールキーパーなのだと強く思い知っていた。
「立ちな」
ひれ伏した腕を後藤が引っ張り上げる。
新垣、続いて辻を投入したが、格上相手に守られては勝ち目はなかった。
金星を逃して終了した遠征は可能性と課題、そして限界とを提示して終わった。
このチームは世界と戦える、だが勝ち抜けるかはまた別。
平家は決心した。禁断の果実、オーバーエイジ枠を使うと。
256 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)23時39分07秒
小川の泣き顔は、はっきり言って怖い。歯を食いしばり、まばたき一つしない。
今も人目につかない廊下の隅で、ユニフォーム姿のままかき開いた目からだらだらと涙を流し続けている。
何が悔しいか、頑張り切れない体が悔しい。幾度この身に裏切られてきたことか。
血統的に体が弱く、身内がほとんど何かしらの持病を抱えている家系のる中でも小川は筋金入りだった。
地元アルビレックスユースのセレクションの時には高熱、センター試験の時には腹痛…枚挙に暇がない。
人一倍強い小川の心に、ガラスの肉体がついてこない。
257 名前:4126 投稿日:2001年10月13日(土)23時58分37秒
「小川さん」
高橋だった。今一番会いたくない奴だった。
「ほっとけよ。慰めてほしくなんかない。それとも嗤いにきたのか」
言えば言うほど心が寒くなる。だが止められない。
小川の暴言を黙って聞いていた高橋、おもむろに近づいて、壁にもたれて立っていた小川の腹に当て身。不意を突かれた小川、小さくうめく。
「てンめえ」
「腹式呼吸」
試合中に声を漬すのは喉から声を出しているからだ。
発声の基本、腹式呼吸は声楽のレッスンを受けていた高橋にはごく自然なことが小川にはまるで身についていなかったのだ。
258 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)00時36分58秒
手を添えた腹部を出したり引っ込めたり、かつてない感覚におかしさをこらえる小川。
「礼なんか言わねえからな」
「あ」
そんなこと思いもしなかった高橋。
塩の道を止められていた武田信玄に塩を送ったという言い伝えから「敵に塩を送る」のことわざが生まれた。
が、現代の謙信公は敵に塩を送られたのであった。

ガックンと稲葉に選手の引率を任せた平家、吉澤を連れて渡豪。シドニー五輪組合せ抽選会に臨んだ。
16ヶ国中15番目にクジを引いた吉澤、グループDを引き当てた。
対戦国は対戦順にカメルーン、アルゼンチン、ユーゴスラビア。
259 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)00時39分05秒
ようやくこの話の半分まできた。
いよいよ、最後の娘。が登場です。
260 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月14日(日)01時08分37秒
紺野の能力が気になるところ。
261 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月14日(日)02時47分30秒
アルゼンチン………
ついに、来たか。
262 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)10時36分58秒
「柴田、フリーカック」
「はーい」
J2・横浜FCの練習風景。大学も最終学年を迎え、ほとんど授業のない柴田はほぼ毎日をチームでの練習に費やしていた。
夏なのに枯れた芝、そこここがはげて茶色い地肌がむき出している。フランスの青々とした芝を思い出し、落としかけたため息を飲み込む。
練習できる場所があるだけ、ありがたいと思わなきゃいけないんだっけ。
柴田は横浜フリューゲルスジュニアユース一期生、中高の六年間をエースとして過ごし、フリエの未来の10番を確約された女と呼ばれた。
高校卒業の年、チームが消滅するまでは。
263 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)11時31分03秒
翼のエンブレムのついた白いユニフォームをまとい、三ッ沢いっぱいの声援を背に戦う。それが柴田の未来予想図だった、それしか考えられなかった、そうなるはずだった。
チームへの愛が深かった分、気持ちを切り替えるのもまた遅かった。いちはやくベルマーレ入団を取り決めた石川と違い、ぐずぐずと進路を取り決めかねた柴田。
そこに降って湧いたように飛び出した新チーム設立の話。海のものとも山のものともつかぬその話に柴田は飛びついた。
大学に進むつもりだったし、先のことは四年間かけてゆっくり考えればいい、先はまだ長いのだし。
264 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)12時23分46秒
新チーム、横浜FCは特例を認められJFLで発足、一年目から主力の柴田が2年でチームをJ2に導いた。アマチュア契約が幸いし、学生世界一のオマケまでついた。
その半面、18から22歳、選手として大事な時期を高いレベルで過ごせる機会を自ら放棄したことでその成長は頭打ちに。ユース時代ドングリの背比べだった石川が南米の強豪クラブにいる。歴然とした差がついてしまった。
それでもいい、自分はチームにその青春を捧げたのだから。
その思いが、揺らぎつつある。
この、芝だ。
よい環境に慣れるのはた易い。だがその逆がどれだけ困難か。
265 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)12時50分23秒
帰国した平家が、初めてオーバーエイジの可能性を示唆した。
柴田の五輪代表でのポジションは左MF。A代表のそこにはプレミアリーグ屈指の名門でレギュラーを張るキャプテンがいる。
もっと自分を高めたい。プレーの幅を広げたい。
チームへの愛とプレーヤーとしての欲。サッカーサイボーグの心がかつてないほどに乱れる。
「元気か」
そんな柴田を突然訪れたかつてのフリューゲルスゼネラルマネージャー和田薫。悪ガキの矢口、石川が巣立っていったのに、優等生だったはずの柴田一人がいまだ手のかかる子供のままなのが、なんだか不思議だった。
266 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)14時31分40秒
「もうかりまっか」
「ぼちぼちでんな」
少なくとももうかっちゃいない。
「和田さんこそなにしてるんですか?」
「ま、いろいろ」
少なくとも腕利きで人望の厚いこの男が食いっぱぐれることはない。
多忙にもかかわらず、わざとスキだらけの格好でやってきた和田。情と欲の狭間にもがく柴田のために。
「もう、出るべきなんじゃないのか」
またかよ。まるで親の小言だ。分かりきったことを何度、何人の人間の口から聞かされたか。
「言ってるじゃないですか。私はこのチームの人間で、他のユニフォームを着た私は私じゃないって」
267 名前:4126 投稿日:2001年10月14日(日)14時51分44秒
予想通りの回答に和田が頭をかく。
「気に入った服だって、体が大きくなればいずれ着られなくなるんだぞ」
「服とチームとは違います」
「似たようなもんだ。現に無理やり着てるもんだから、あちこちほつれかかってる」
柴田が言葉に詰まる。
「着られなくなった服は仕立て直せばいい。だがそれには時間がかかる。矢口や石川だって向こうに骨埋める気はないだろう。その時は、おまえが二人に声をかけてやれ」
「…はい」
嗚咽混じりの声。どこまでもFの白を愛する柴田には残酷な決断だった。
だが柴田は、今度も自らその道を選んだ。
268 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月14日(日)22時43分09秒
オーバーエイジも3人だし旧メンからは一人漏れることになるね。
でも柴田のポジションには飯田がはいりそう。
269 名前:4126 投稿日:2001年10月15日(月)06時44分35秒
ちょいとフェイントかけて柴田の話。では今度こそ
270 名前:4126 投稿日:2001年10月15日(月)19時40分40秒
通常、応援するチームの選手の名がコールされれば喚声が、敵の名前には罵声が飛ぶ。それが試合開始前、スタメンがアナウンスされる際の風景。
だがその選手、アウェーのコンサドーレ札幌の三番目にコールされる選手だけは違った。
その前の大谷雅恵の名が呼ばれた直後からマジョリティーの鹿島サポーターからは失笑混じりの大喚声、声援をくれるはずの札幌サポーターからは憎悪そのものがぶつけられる。
「ヘタッピ!」
「バカヤロー!」
「おまえも辞めろ!」
無味乾燥とした男声がその名を告げる。
「ディフェンダー、紺野あさ美。背番号30」
271 名前:4126 投稿日:2001年10月15日(月)20時01分11秒
「あの紺野ってそんなにひどいの?」
視察に来ていた平家が傍らの信田に聞く。
「当たりに弱いわ突然不可解なポジショニングをとるわで評価は散々。コンサ不振の責任を一人で負わされてる。足はあるし、時々いいフィードもするんだけどな」
副官の言葉にいちいちうなずく平家。
「トイメンは松浦か。こりゃボコられるかもな」
欧州遠征から帰国したFW松浦亜弥は8得点でチームの5連勝に貢献している。
「そんなにひどいの、30」
「ああ。なんで石黒はあんな奴を」
それは楽しみだ。今までどれだけ多くのいい選手たちに裏切られてきたか。
272 名前:4126 投稿日:2001年10月16日(火)13時00分33秒
パンッ。
アウェー用の控室に乾いた音が響き渡る。
頬を押さえる人、センターバックの紺野あさ美。
手をかざした人、安倍と飯田の去ったチームをキャプテンとして率いてきた戸田鈴音。
固唾を飲んで見守る人、ボランチの木村麻美と右サイドバックの副キャプテン大谷雅恵。
「修羅場」という題名の、一幅の絵画のようなその構図に唯一足りないもの。
コンサドーレ監督、石黒彩の姿はない。13位という不振のチームの責任をとってこの試合の前日、自ら辞任していた。
戸田が放ち、紺野が受けた一発のビンタ。そこには万感の思いが込められていた。
273 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月16日(火)20時25分13秒
テクニックが一番あるのは誰?フィジカルが一番強いのは誰?
一番フェアプレーなのは誰?最もキレない人は誰?
274 名前:4126 投稿日:2001年10月16日(火)21時22分42秒
>>273
1番と言われると難しいですが
テクニシャン
これは福田。ついで加護、柴田。石川は速さを前面に押し出し、安倍は技術は高いがシンプルにやりたがるタイプ。
フィジカル
後藤。ワールドクラスの対応力。吉澤が肉薄。矢口、大谷もトータルでは高い数値をはじき出す。
フェアプレー
石川は警告をもらわないという設定があったのだけど今はイエローカードの女王様。新垣も多い。それ以外の選手はおおかたきれいなプレーをするな。
キレない
戸田、木村、飯田、柴田、アヤカ。吉澤も血の気が多かったがだいぶ改善された。
こんなもんでしょうか。

>>205
サッカー雑談とすみわけ考えてくれたのね。ありがと。でも勝手に人の名前でスレ立てるのはやめて。マジでたまげた。そのうち向こうにもカキコさせてもらいます。
275 名前:4126 投稿日:2001年10月16日(火)22時58分39秒
「紺野あさ美だ。この中には見知ったやつもいるだろ」
沖縄キャンプ初日、石黒はそう言って、転校生を紹介するかのようだった。
あいつか。自分と同じ名前を持つユースの後輩を覚えていた木村麻美。
どうってことない選手だったが、石黒だけはやけに彼女を気に入っていた。常にレギュラーをもらっていた。言葉は悪いが、寵童のごとく。
だがピッチに出ると、石黒は紺野を突き放した。いわゆる怒られ係のようだった記憶が。
それにしても、ユースからトップに昇格できなかった選手が一年の時を経て出戻りするなんて前代未聞だ。
276 名前:4126 投稿日:2001年10月16日(火)23時11分27秒
どんなにうまくなってるのかと内心楽しみにしていた大谷の期待は裏切られた。下手にも上手にもなっていなかった紺野。
下手ならそれなりに指導すればよさそうなものを、紺野のミスをなじるばかりでアドバイスすらしない石黒。それでもずっとAチームで使われる紺野。
まあ、そのうちなんとかなるさ。そう楽観視していた大谷。そのうち戸田、木村とともにオリンピックアジア予選に駆り出された。帰る頃には事態が好転していると信じて。
ところが帰国した三人が見たのは結果を出せない紺野を使い続ける石黒、それによって分裂寸前になったチーム。
277 名前:4126 投稿日:2001年10月16日(火)23時29分43秒
「私がリベロやります」
そう石黒に申し出た戸田。本来中盤の選手だが五輪代表では3バックの中央にいる。
札幌は伝統的に堅守速攻のチーム。戸田と木村がプレス、サイドに逃げたところを大谷が奪ってカウンター。
しかし敵は穴を目がけ早めに放りこみ、紺野がまごつく間にゴールに結びつける。敵の足元に鮮やかなパスを決めたりもする紺野は、味方への声すら満足に出せない。
戸田にとっても、五輪代表リベロのプライドを賭けた申し出。
それでも石黒は相変わらず鋭い視線を戸田にぶつけて
「紺野は下げない。私が決めることに口出しするな」
278 名前:4126 投稿日:2001年10月16日(火)23時41分57秒
だが最も疑問を抱いていたのは木村でも大谷でも戸田でもない。当の本人、紺野あさ美。
自分のせいで勝ち試合をだいぶ落とした今季の札幌、このままではJ2降格の危機。石黒解任? の文字が紙面に踊る。
監督室を訪れ、涙ながらに訴えた。
「私を使わないでください。このままじゃ監督がクビになります」
「そうだよ。だから頑張ってくれ」
石黒は新聞から目を離さずにそう答える。
「私、真剣です」
あたしも真剣だ、そう言いながら立ち上がる石黒。
「選手が自分使わないでくれってどういうこった。普通血眼で私を使えって言うもんだろうが」
279 名前:4126 投稿日:2001年10月16日(火)23時57分11秒
「みんなが陰で私をなんて呼んでるか知ってます。劣等生、落ちこぼれ、役立たず…チームのファンの人もインターネットで私をやめさせる署名を集めてる」
「ンなもん見てる暇があったら練習しなさい」
石黒が呆れたように言い放つ。
「紺野、あんたキンタマついて…るわけないか。コノヤローとか見返してやるとか思わないの?」
使い続ければ分かる。紺野は決してただの劣等生ではない。見込み違いではないことは分かっている。
だが紺野はどういうわけか、自分で自分にブレーキをかけてその才能を封印しているのだ。
「紺野、あたしを殴れ」
280 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)00時08分30秒
キョトンとなる紺野にさらに石黒。
「パーでもグーでもいいから、とにかく一発やってみろ。そしたら一皮むけるかもしんないから」
にじり寄る石黒。いやいやをしながら後ずさる紺野。
「獣医になりたいんだろ。動物ってのは理屈じゃないんだ、どこかで自分のほうが上だって分からせなきゃ言うこと聞かなくなるんだぞ」
ついに背中を、後ろに回した手を監督室の壁につける紺野。
「あんたが殴んなきゃあたしが殴るよ。さあ!」
「できないんです!」
その場に座り込み、涙ぐむ紺野。
「師範代に言われたんです。お前たちの拳は凶器だからって」
281 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)00時22分19秒
「あんた、古武道でもやってたの」
「空手を、やっていました」
紺野を縛るものの正体を石黒は突き止めた。
なんでも型にはめ過ぎるのは日本人の悪い癖だ。
空手道、柔道、剣道に弓道に合氣道。これらの道は道徳の道。ただの武術まで道徳の一部にしてしまう日本人。ついには野球道や漫画道やラーメン道なんてものまで。
そこには選択肢などない。無限に続く細く険しい道を闇雲に駆け上がっていくイメージがある。
振り返ることも休むことも許されない、少しでも道をそれようものなら邪道外道と罵られる排他的な空気こそが全世界だ。
282 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)00時38分58秒
石黒の考えはそんな狭苦しくない。
たとえるならだたっ広い平野があり、前はもちろん左右にも後ろにも進める。空を飛ぶのも穴を掘るのも自由。
それが可能な世界だから、石黒はサッカーを愛したのだ。
石黒は攻撃的なサイドDFだったが足の故障でスピードを失い、リベロに転向した。
最初は守りだけなんて退屈で嫌だったが、年を取ると肉より魚が美味に感じるようにディフェンスの楽しさを覚えるようになった。読み、ポジション取り、連携…円熟味を増し、視野を広くしたゆえに分かりえた妙。
もしこの視野を持ったまま昔の肉体を取り戻せたら。
283 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)00時50分18秒
ここに紺野あさ美という選手がいる。幼いくらいに若く、足も昔の石黒に劣らず速い。
そしてどうして身につけたかは知らないが、年に似合わないほどの広い視野を持つ。まだプレーには活かされてないが。
そしてなにより、紺野の肉体には誰も知らない秘密がある。
が、確証はない。確かめる必要があった。
試合での紺野は自分より体格で勝る相手になんとか体をぶつけ返すが、いつも難無く飛ばされる。だが今は石黒が相手で、完全に無抵抗。
紺野に踊りかかった石黒の体が目標物に触れた次の瞬間、大きく床に投げ出された。大きな音とともに。
284 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)01時04分53秒
「大丈夫ですか?」
足首を押さえて倒れた石黒に駆け寄る紺野。
「大丈夫なわけ、ねえだろ」
「ごめんなさい。でも、なにもしてないのに」
「それでいいんだよ」
紺野に手を借り立ち上がる石黒。確かに、紺野のもう一つの武器をその体で受け止めた。
石黒はなにひとつ教えなかった。才能は初めから紺野の中に息づいていて、あとは本人がそれを自在に取り出し出来るようになるための環境を整えるだけだったのだから。
だが、まだ仕上げが残っていた。紺野が残す甘えを除去、勝負への厳しさを引き出しニュー紺野を売り出す格好の舞台演出が。
285 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)01時19分21秒
「分かってるよな」
戸田が紺野に、選ばれなかった者が選ばれた者に。
「監督はあんたに、オリンピックへ行ってほしかった。だからわざわざ平家さんが試合を見に来る日の前にやめて、あんたをたきつけようとしたんだ」
「戸田さん」
「せめて意地は見せてやんないと」
「今日もいつもとおんなじじゃ、何のために監督辞めてったか分からないしね」
大谷と木村が代わるがわる声をかける。
監督――紺野の脳裏に、厳しくも暖かかった石黒の姿が。
時が来て、ジャージを脱ぎ捨てるイレブン。ユニフォームはアウェイ用、冬の北海道の平原と同じ白。
286 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月17日(水)01時36分32秒
紺野=中澤祐二でいいですか?
287 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)01時36分53秒
片や本拠地に札幌を迎え打つ鹿島アントラーズ。
なんといってもFW松浦が好調。欧州遠征では試練を味わったが、やはりオーバーエイジに危機感を募らせてかプレーにキレが戻ってきた。
そして移籍したての柴田あゆみ。
移籍宣言後最初にオファーをくれた鹿島は左DFが長期離脱中。プレーの幅を広げたい柴田と思惑が一致した。
完全移籍。プロ契約。背水の陣で臨んだ新天地で2ゴール4アシスト、左サイドバックながら毎試合得点に絡む活躍ぶり。
だがどうしてもエンジ色になじめない、まだまだ心は白いままの柴田。
鹿島のキックオフで試合開始。
288 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)01時40分29秒
>>286
ボンバーヘッドはストッパーでしょ。ちょっと違う。
紺野は少しユニークなタイプのDFになる予定。
289 名前:ななしの一読者 投稿日:2001年10月17日(水)02時06分11秒
>>287
鹿島の左サイドな〜、彼がいて、成長した市川がいれば
それでよかったと思っているのはおいらだけかのう
(あーアレックス帰化はまた別の話ね)
290 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)07時51分14秒
復帰した相馬も復活にはまだ時間が必要か。
相馬も秋田もフラットスリーなんて特異な戦術が恨しかろうな
291 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月17日(水)13時21分06秒
個人的にはG大阪の左サイドバックが好き。
去年の今頃は本当にすごかった。
292 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)15時17分50秒
俺は岩本テル。才能だけであれだけやり倒したやつ見たことない。あれで大人になれてればなあ…J2でやってるタマじゃねえよ。
293 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)21時02分29秒
なんっであれがファウルだよー! お前これが見えるか?
そう母国語で叫び、警告を出した主審に指を向ける札幌DF、ユーゴスラビア五輪代表コーディー・カトッチ。東欧の火薬庫とも呼ばれる地域出身だけある激情の主。
怒りの矛先は止めに入る戸田や木村に。二人が相手にしないと分かると共に中央を守る気弱なリベロに目を剥く。
見てたよな。ありゃーファウルじゃねえよ。な?
すると30番は曖昧に答えるのでさらに詰め寄る。そうしてストレス発散するのが常だった。
この日は違った。紺野は何事もなかったかのようにぷいと後ろを向いてしまった。
294 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)21時19分07秒
なんだよお前、つまんねー奴だなー!
いつもと様子が違う紺野に新たな怒りが込み上げてくるカトッチ。
鹿島ゴールを守るGKケーチ・ヤマモトッチもそのカトッチと同じユーゴ五輪代表。やや太目の体躯に似合わぬ敏捷なステップで戸田のロングショットをブロック。
遠いからってフリーで打たすなよな!
やはり口は悪い。
札幌にカトッチ、戸田、大谷、木村。鹿島にヤマモトッチ、柴田、松浦。
シドニー五輪予選D組最終戦で一戦交える日本とユーゴスラビア、この試合では両国の選手が敵味方入り乱れて競い合うことになる。
295 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)21時31分24秒
松浦は今日の勝負をいかにしてカトッチのマークを外すかにかかっていると見ていた。彼さえかわせば後は問題ないと。
イタリアで安倍なつみに学んだポジションの取り方。スペースを作り、そこにタイミングよく飛び出す。それには瞬発力もさることながら、オトリの動きが大事であると。
安倍は今でも、松浦の最も尊敬する選手である。同じセンターフォワードとしても、一人の人間としても。
その人から直々に教えを請い、心の底から嬉しかった。まさかその後、ポジションを争うことになるなどとは想像だにしなかった。
296 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)21時49分46秒
松浦が左サイドを横目で見る。そこでは五輪代表の僚友柴田が、やはり五輪代表の大谷と丁々発止のバトルを繰り広げる。
移籍以来大車輪の活躍を見せる柴田、その裏にはJ1の奴等に負けてたまるかという意地がある。
J2のスター選手がJ1に参入したものの出場機会すら与えられなくなるケースは多い。そして言われる、井の中の蛙と。
自ら望んでJ2を戦場に選んでいた柴田は思う。確かにプレーの質はJ1が段違いに高いが、プロ意識に違いはないと。
横浜FCだけではない、すでにJ2そのものを背負って戦う柴田。フィジカルに勝る大谷を外に抜けてかわした。
297 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)22時04分14秒
柴田からのセンタリング、GKとDFの間を縫う絶妙のコースに。柔らかく曲線を描き、松浦が走る先へ落ちる。ダッシュの前に松浦が見せた、サイドへ流れる素振りに引きつけられたカトッチが出遅れる。
「きえッ」
裂帛の気合とともに右足一閃、横飛び蹴りでボールをかき出した背番号30。
紺野だけが、一連の動きの結末を読んでいた。
まさか、偶然だ。松浦が気を取り直す。中盤でキープ、今度は右を使う。MFが札幌のサイドDFを吊り出してコーナー付近にスペースを作り出した。
そこにも紺野がいた。安全第一、先回りしてボールを外に蹴り出す。
298 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)22時22分22秒
聞いた話とは違い、パスの出所に必ずいる30番に少なからず動揺するアントラーズ。
それに輪をかけて動揺していたのが味方のコンサドーレ。あのヘボ紺野が鹿島自慢の攻撃陣を赤子扱いとは。
戸田が大谷を走らせる。センタリングは鹿島GKがパンチで防ぐ。
相手の間伸びしたラインの裏に戸田がロングパス。FWが追いつけない。
ただ一人反応する白い影。背中には30番。GKのつむじを仰ぎ見るループシュート。
目一杯腕を伸ばすヤマモトッチ。指先をかすめたボールがバーを叩いて外へ。
先制点を奪い損ねた紺野、何事もなかったのように戻っていった。
299 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)22時48分45秒
監督の重責から逃れた石黒はこの試合を自宅のテレビで、愛娘と共に観戦していた。
「あのお姉ちゃんはね、ボールとお話ができるんでしゅよ」
普段とはまるで違う優しい口調、単語しか話せない娘に説明する。
ボールと話せる、つまり展開の先の先が読める。
プレッシング全盛の現代サッカーだが人間がやる以上必ずスキはできる。フィールドのどこかに必ずオープンスペースが、まるで生き物のように現れては消える。逆に言えばそこをいかに利用するかが今日においては重要になる。
石黒が見抜いた紺野の才は、そのスキマを予知する能力だったのだ。
300 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)23時12分30秒
石黒に見い出された頃の紺野は一流のウイングではなかったが、いつ、どこに飛び出すかを心得ていた。スペースとは姿を表してから目指したのでは手の届かない、唇気楼にも似たものなのだから。
ただ相手が目の前にあるスペースにも気づかないレベルならその力は意味をなさず、読みを外されたような形になる。
今までマヌケ扱いされた紺野は実は対戦相手を写し出す鏡で、鹿島という強敵を得て初めてその能力は実証された。
が、これだけではまだ半分。紺野は己の全てを見せてはいない。
「あのお姉ちゃん、もう一個すごい力を持ってるの。すごいね」
301 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)23時33分07秒
木村のコーナーをカトッチ頭で合わせる。ヤマモトッチ正面で受ける。
なんで止めちまうんだよー! いいじゃねーか止めたって! 口論する二人。
「キーパー!」
鹿島の速攻。柴田が自分より大柄の大谷を肩でふっ飛ばす。かつてない力強さ、新境地を開きつつある。
紺野をなめきっていた自らの浅はかさを恥じつつも、まだ突破口はあると確信する。
紺野はフィジカルが弱い、すぐに倒される。
「柴田さん!」
松浦の声を無視、中へ切り込みあえて紺野にタイマンを挑む柴田。
来た。身を低くして備える紺野。弾き返すのではない、包み込むのだ。
302 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)23時47分17秒
ぽんよよよよ〜ん…
気がつけばその場に尻もちをついていた柴田。ボールは紺野の足元。
なにが起こったのかまだ把握できない。当たり返しにくるどころかそのまま柴田の突進を受けた紺野。ベクトルは真綿に包まれるように四散、ゼロになるとそのまま柴田にはね返ってきたのだ。
「あのお姉ちゃんの筋肉は特別なのよ。ゴムボールみたいでね、まるでお相撲さんみたく敵の力を吸い込んじゃうんだ。あれだとね、海外の大きな選手でも力が通じなくなるんだよ。おもしろいねえ」
甘い声で娘にそう説明する石黒。紺野は柔ならぬ軟のセンターバックである。
303 名前:しぐれ 投稿日:2001年10月17日(水)23時53分21秒
>>298←6連番、凄い。狙い?(w

相変わらずワクワクさせていただいています。
落第点の紺野がどんな風に化けるか・・・。
期待しています。
304 名前:4126 投稿日:2001年10月17日(水)23時58分19秒
柴田が勝手にぶつかって転んだのだからファウルはない。紺野の視線はすでに前線のスペースを向いていて、一気に縦へ出す。
その軌跡がねじ曲がる。松浦が足を出したのだ。
機械だって調子の悪い時はある。そんな時はそんな時なりにできる事を考えなさい。安倍の教えだった。
「松浦必死だな」
スタンドで平家と信田が笑う。
「あの30番、次呼んでみよう」
「マジ? 今日たまたま出来がいいだけじゃないの」
「試してみる価値はあるんちゃうん? うまくしたら後藤のバックアップに育つかもしらんし」
「はいはい。紺野あさ美、マル、と」
305 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)00時13分01秒
平家同様、石黒もケガで選手生命を全うできなかった。
そのことに悔いはない。あるとすれば自らの思い描くバックスの理想に届かなかったこと。
DFは玄人好みのプレーが多い。悪く言えば地味で分かりにくい仕事がほとんど。キーパーにさえ見せ場の数では劣る。
日本でもてはやされるDFはたいてい攻撃的な選手。DFなのに、というフレーズ。
シュートやスルーパスのように、インターセプトだけで喝采を受けるDF。もっといえばポジショニングだけで客をスタジアムに呼べるDF。
石黒はずっとそんなフルバックになりたかった。なれなかった。
306 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)00時26分05秒
だが紺野にならそれができるかもしれない。
確かに一つひとつの仕事は地味だ。しかしそれを積み重ねれば、必ず全ての観客の目はそちらへ向けられるはずだ。
頑張れ、紺野。ディフェンス一本で銭が取れるリベロになるんだよ。

試合は延長まで戦って0-0。ゴールシーン中心のスポーツニュースでは凡戦のように扱われた。
だが紺野を始め柴田と大谷の攻防、戸田と木村のプレス、松浦のフォアチェック、ヤマモトッチのセーブ、カトッチの敢闘精神…ディフェンスの愉悦に満ちた120分を、試合を見た者に最後まで堪能させた両チームだった。
307 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)00時29分46秒
>>303
おお、すげえぞ俺。辻つじツジ。
308 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)05時43分09秒
さて、この試合の日の昼のこと。新戦力の最終チェックとなるテストマッチの相手がようやく決まった。
というのも本来ならカトッチ、ヤマモトッチら日本でプレーする選手の多いユーゴスラビア五輪代表と七月にテストマッチを行うことで八割がた決まっていたが、ユーゴが同じグループに入ったため当然この時期の対戦はできなくなってしまった。
「すまん。予備に押さえていたモロッコも結局予定がつかなくなったそうだ」
稲葉がそう詫びたが、事態が好転するわけでもない。
九月にもうひと試合控えてはいるが、これは大会直前のお祭みたいなものだ。
309 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)05時54分24秒
欧州選手権で優勝したフランスにあわや、のところまで詰め寄ったチームの評価は今のところ上々。だが平家が自らの中で打ち立てた目標、ファイナリストにはまだ遠い。
それにまだ力を試さなくてはならない選手が残っている。皆実力者揃い、問題はチームの戦術に適応できるかだ。
彼女たちが加われば選手層は厚くなり、ポジション争いも激化する。今大会では反則への罰則が一段と厳しくなりそうなので、レギュラーとサブに差がありすぎりと後で困ることになるのだ。
それだけに、ここで試合が組めないのは痛い。痛すぎる。
310 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)06時08分13秒
「アジアのチームなんてどうだろう」
ガックンの口からコロンブスの卵が転がり落ちた。
早い段階でのつぶしあいを避ける為違うグループに振り分けられたアジアの三代表。同レベルの相手とまみえるのはこの時期大切だし、同じアジアなら近くて集まりやすい。
「カップ戦にするんだ。負担が少なくなれば協会側の文句も少ない」
「スポンサーに心当たりでもあるんか?」
「IT産業、とか」
「あっちゃん」
「やるしかないやろ。金出してくれそうなとこ、かたっ端から回ってみるわ」
稲葉はそう言って曲がった鉄砲玉のように飛び出していった。
311 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)06時26分24秒
ドリームネットカップの会見が東京で行われ日本、韓国、クウェートの五輪代表監督と主将が出席した。
開催地は日本。期日は八月上旬。方式はキリンカップに準ずる。会場はこれがお披露目となる新潟ビッグスワン他。
平家は別に会見の席を設け、現行の20人に新たに5人を加えたメンバーを発表。これ以上の戦力の上積みは考えてない。
「紺野あさ美、コンサドーレ札幌。矢口真里、アルゼンチン、ボカジュニアーズ。安倍なつみ、イタリア、ユベントス。飯田圭織、イングランド、リバプール。保田圭、ドイツ、バイエルンミュンヘン」
312 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)08時29分30秒
ようやく紺野が出せたと思ったら、ケガしたって? スタジオの仕組みを理解してなかったっていうけど当然でしょ、二ヵ月前まで素人だったんだから。スタッフの落ち度。
新メンでは頭抜けて素人臭かった紺野だけどその素人ぽさが仇になったな。これでまた出遅れたね。入院するほどでなかったのが不幸中の幸い、がんばれよ紺野。
313 名前:名無し娘。 投稿日:2001年10月18日(木)09時32分10秒
紺野、大玉ころがし中ってのが涙を誘うな・・・。
すげぇ頑張ったんだろうね。メンバー一同、
蒼白だったらしいよ。ドン臭イメージ、フショークできず。
314 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)12時07分41秒
ドンくさい…確かに。なんかこのダメっぷりが初期の市井とかぶる気がするのは俺だけ?
315 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月18日(木)12時56分11秒
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011018-00000014-sks-spo

これって・・・。やぐち?
316 名前:ななしの一読者 投稿日:2001年10月18日(木)13時39分33秒
>>315
おれも思った、スポニチみて
ナカータもよんでいるとはおどろき(藁
317 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)16時36分47秒
わははははは! すげー! ボールのへそを蹴る以外はまるで同じだ。なんぼかくれ、ナカタ。
318 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)19時44分53秒
「アイ」と呼べば加護亜依と高橋愛が、「木村」の声には木村アヤカと木村麻美が、そして木村麻美にもう一人の同名さんが。
紺野あさ美は最初、その程度の印象しか周囲に与えなかった。ミニゲームでもさして目立たず。
だが平家は紺野の非凡さを見抜く。難易度の高い3-4-3を最初から実践できていたのだ。現役国立大獣医学部生の聡明な頭脳でしっかり予習を済ませていたのだろう。
「紺ちゃん、アイーン」
同い年の辻や自分にさん付けする紺野の緊張をほぐそうとする加護。小川の時とはえらい違いだ。
「あ、あいーん…」
「手の向きがちゃうよ」
319 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)20時39分13秒
その紺野の大先輩、安倍なつみは逸早くチームに合流し貫録の違いを見せていた。
今もってA代表のエース。スピードは衰えていたが、抜群のボディバランスと決定力とでゴール前ではさらに危険な存在になっていた。精神面でもFWのみならずチーム全体の柱になりうる。
が、相変わらず後藤との間にはベルリンの壁がそびえる。
サッカーチームは仲良しクラブとは違うんだ。どんな奴でも試合で結果さえ出せば文句は言っちゃあいけねえ。ましてプロならな。
ボカのとあるチームメイトの素行に手を焼いていた石川に矢口が言った言葉だ。
320 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)21時07分26秒
「うまいよなあ、安倍さん」
ため息をつく松浦。不動のストライカーの座が危うい。
「私も矢口さんが来たらやばい」
木村麻美がスタメンを辻から奪い返した右MFは攻守のバランスを要求される。
「保田サンに勝てナイかも」
ミカが嘆く。保田のみならず柴田も今回左DFとしてテストされた。
「なに言ってんだ、あんたら」
吉澤が腰に手を当てる。
「実力ではね返すぐらいのこと言えないでどうすんだよ」
そう言って立ち去る背中に木村が思わず恨み節。
「自分はスタメン安泰だからって」
吉澤は平家から絶対の信頼を受けるキャプテンである。
321 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)21時30分50秒
その日の夕食後、乾いたタオルを手にトレーニングルームへ向かう石川。明かりも消されたそこに、乾いた音が間断なく続く。
「そろそろやめなよ」
明るくなる。12オンスのグラブをはめ、汗でずぶ濡れの吉澤がサンドバックにもたれていた。
「…そうだね」
荒い息をつきながら、やっとそれだけを言う。
ボクシング用具一式は吉澤の私物。狭いリングの中、至近距離から放たれる拳が打たれてからよけるのはまず不可能。
ボクサーは相手のわずかな事前動作から次を読み、かわしたりブロックしたりするそうな。サッカーのディフェンスによく似ている。
322 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)21時56分15秒
「怖いよ。めちゃくちゃ怖い」
汗を拭き、ペットボトルをあおる吉澤。
「オーバーエイジが入ってきた時点でもう違うチームだし、信頼だって監督と年の近い安倍さんたちのほうがあるに決まってる」
恐らく吉澤がシドニー行きの18人から漏れることはないが、レギュラーを取れる確証もない。
「それにあたし、やっぱりボランチやりたいんだ」
平家が言う4番、チームの頭脳であり心臓。
A代表での吉澤はここを矢口に奪われ、センターバックをつとめる。仲の良い二人に今のところ波風は立っていないが、吉澤が悔しくないと言えば嘘になる。
323 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月18日(木)22時11分02秒
コウモリだったか・・・
324 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)22時15分28秒
監督が矢口をどのポジションで使うつもりかは知らないが、恐らくは中盤、もし10番なら石川、4番なら吉澤と競うことになる。
つまり吉澤と石川も、間接的にポジションを争う事態に。それが監督の望むところなのだろうが、使われる立場としてはたまったものではない。イスが11から8になるのだから。
「でもしょうがないんだよなあ、チームが強くなるためだもん」
フォアザチーム、自分が出て負けるよりベンチで勝つほうがいい。吉澤は心からそう思う。
「そうそう。ポジティブで参りましょう!」
石川も笑った。
325 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)22時34分08秒
「あの紺野って子はどう?」
石川が吉澤に尋ねる。
「夕飯の時スイカのパジャマで現れたのはビックリしたけど」
夕飯はジンギスカンだった。食べるのが遅い紺野。反対に早飯早グソ芸のうちとばかりに、早食いの高橋が紺野の大事に大事に焼いていたマトンをつまんだ。嫌いなのだと勘違いして。
「ケー!」
超音波とともに吐き出した。一味トウガラシが死ぬ程まぶしてあったのだ。
「辛くしとけば誰も食べないだろうって発想がすごいよね。自分で食べること考えてないのかな」
「ディフェンダーには珍しいタイプだね。変人は前のほうに多いから」
326 名前:4126 投稿日:2001年10月18日(木)22時36分33秒
>>323
惜しかった。でもいい線いってたでましょ?
327 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月18日(木)23時07分45秒
スイカがもうでてきた
はええ〜
さすが!
328 名前:名無し娘。 投稿日:2001年10月19日(金)01時23分07秒
4126さん、Mr.Moonlightはどんな感じ?
これも小説の中に組み込み済みなのかな?
329 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)07時41分43秒
>>327
ネグリジェだとさすがにキャラ立ちすぎだしー。やっぱり紺野が一番おいしいよ。彼女が四期の中心になるんだろうな、将来的には。
>>328
まだ二度聞いただけだけど、騒がしいなあ、と。とにかく早く動いてるところが見たい。
今日の更新分で全員揃う予定で、組み込むとすればそれ以降にね。
330 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)08時49分51秒
「ういっす」
次に合流を果たしたのはA代表のリーダーぶりがだいぶ板についてきた飯田圭織だった。
W杯終了後安倍とともに伊トリノへ。安倍ほどの華ばなしい活躍はできなかったものの、恵まれたサイズを活かしたダイナミックな攻守でレギュラーの一角に食い込む。
シーズン終了後戦場を英国へ移す。ユース時代からの安倍との腐れ縁がついに途切れた。
母国の水がよほど肌に合ったのか、魔術師ブライアン・ルイ監督のもとイタリア時代をはるかに凌ぐ活躍を見せ、ビートルズを生んだリバプールでオノ・ヨーコの次に有名な日本人女性になった。
331 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)10時16分45秒
わっかいのが増えたよなァ…が飯田の感想。
A代表でも安倍と並ぶ最古参になってしまった。誰からもベテランと呼ばれ、これから世界に挑む若い才能がうらやましいと素直に思う。口には出さないが。
だから、最後のビッグゲームになるかもしれないシドニーへの意気込みも強い。
恐らく飯田が現役の間に、日本がワールドカップで優勝することはないだろう。
が、オリンピックなら必ずしもそうとは限らないと。
332 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)15時51分11秒
飯田のパスを安倍が冷静に流し入れる。安倍のハイクロスを飯田が頭で叩きこむ。まさに阿吽の呼吸。
オーバーエイジの脅威にさらされるフィールドプレーヤーたちをよそに別メニューをこなすGK。
欧州遠征で危機感を募らせ、変な気取りを捨てた高橋。大学の練習だけでは足りないとジェフやレイソルの練習にも参加する小川。ゴールマウスを巡る生存競争にさらされる二匹の獣。
過熱するばかりの対抗意識を利用した練習方法を信田は思いついた。
まずは実演。コーナーから高橋が上げたボールを村田と奪いあう。五本中四本をつかみ面目を保った。
333 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)16時13分22秒
一本目。うまく体を入れて確実なキャッチング。高橋。
二本目。ニアへのライナーに判断よく飛び出した。小川。
三本目。蹴った信田が思わず叫ぶ。ごめんと。遠いポイントへダッシュする二人。出しかけた手を慌てて下げる小川。エリア外。ヘッドで競る両GK。高橋が額に当てた。
四本目。高橋を押しのけた小川、横っ飛び。こぼした。拾いにいく高橋。伸ばした手を止めた。風を切る近さで小川のスパイクがクリア。
無言で小川をにらみつける高橋。この時期にGKが手をケガするのがどういう意味か知らないはずはない。場の空気が一気に凍った。
334 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)16時44分55秒
ボカボカッ。
「アホかあんたら」
痛む二人の頭に高い場所から響く飯田の声。
「あなたたちはライバルではあって敵とは違うのよ。互いに尊敬しあいなさい」
明らかに不満そうな二人へさらに
「仲良くするのよ。決定」
「仲良くなんて言われても」
「別に喧嘩してねえし」
何を思ったか飯田、石川を連れてきて小川らの間で肩を組ませた。
「私関係ないですよ」
新米と羽二重餅のように白い肌の二人に挟まれ、その黒さが一層際立つ。
「新潟と福井の間にあるのは富山とどこ?」
「石川県でっす」
チッ、相変わらず電波かよ…
335 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)19時33分47秒
そうは言われても、両者の間に和解の兆しなど見られない。
こんなエピソードがある。
練習が終わり宿舎に引き上げると、焼魚らしき香ばしい匂いが空腹の選手の鼻孔をくすぐる。
ヒカリモノ好きの高橋が小鼻を鳴らして
「サバっすね、こりゃ」
とのたまえば、棒でスパイクの裏をほじっていた小川が
「アジっぽい匂いがする」
とすかさず切り返す。
ひとつ違い、日本海沿い育ち、にしんそばにへぎそば、羽二重餅に笹団子、もんじゅに刈羽原発。
共通点も多い二人の守護神。実は一番近いところにいるのかもしれない。ところで魚はイワシだった。
336 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)20時09分11秒
ちょっとひと休みで笑える話。昨日のモーたいの三人主婦の一人は俺の親戚。血なのか?
337 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)20時27分45秒
ずるっ、ずるっ…
「圭ちゃーん、重いよお。もういいでしょお?」
「ダメよ。負けたあなたが悪い」
「だってフランクフルトからずっとなんだからさあ」
「賭に負けて文句を言うな。ほら、見えてきたよ」
「ああ、ハラ減った」

玄関先の物音に石川が吉澤を伴って出て行く。
「矢口さん!」
荷物の山に埋もれて、そこにいた。
「なんか、食わして」
「夕飯終わっちゃいましたよ」
「嘘やーん…」
「おにぎりでもこさえてやってよ。空港から何も食べずにポーターやってくれたんだからさ」
荷物の山の後ろにいたのは、眼鏡をかけた保田圭。
338 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)20時45分50秒
仲間達に先んじること半年。ワールドカップを前に代表を引退した保田は最後の冒険に渡独した。ブンデスリーガ挑戦だ。
新人のような気持ちで飛び込んだヘルタベルリンから1FCケルン、縁あってバイエルンミュンヘンにまで上り詰めた。
古豪復活、今や憎たらしいほど強いとはこのチームのためにある言葉。
レギュラーこそつかめなかったがここ一番で起用されるエースキラーとしてケルベロス(地獄の門を守る番犬)というあだ名で恐れられた。
過去形なのはマイスターシャーレ、そして欧州チャンピオンズリーグ連覇を置き土産に現役を退いたから。
339 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)21時06分53秒
何事かと芋ジャー姿の小川、ネグリジェの紺野までやってくる。
「…姉ちゃん」
小川の顔がひきつる。
「あんた、マコト?」
目をこれ以上ないほど見開く保田。
顔を見合わせる初対面のはずの二人。
「引退したんじゃなかったの?」
「あんたこそ、サッカー続けてたんだ」
「あのー、お二人はどういうご関係で?」
「あたしの母親、旧姓が小川って言ってね。この子のお父さんの姉なの」
「えーと、つーことは」
「従姉妹ですね」
紺野が落ち着いて正解した。
言われて見れば、ギラギラした小川の目は若い頃の保田に怖いくらいそっくりだ。
340 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)21時25分27秒
「来たか保田、矢口」
平家や他の選手が現れ、二人を出迎えた。
「ういっす。矢口真里です。カエルもミミズも皆よろしく!」
「保田圭。最後のご奉公に参りました」
「矢口遅いよ」
「圭ちゃん、ミュンヘンの試合以来だね」
安倍と飯田が旧友と会話を交わす。オーバーエージ枠は三つ、このうち誰か一人が脱落する。
「早く上がりなさい。初めて顔を見る人間もいるだろ」
「よく知ってる顔もいましたけど」
依然消息のつかめない福田を除けば考えうる限り最高の人材を集めたはず。あとは自分が魂を注ぎ込むだけ、平家が改めて気を引き締めた。
341 名前:4126 投稿日:2001年10月19日(金)22時09分25秒
平家には一つの悩みがある。
今まで数多くの選手を見てきた。
しかし最近、あまりに近くで見過ぎたせいか実はよく見えていないのではと思う事があるのだ。
選手を固定観念で縛ってはいないか。新たな可能性を見落としてはいないか。面白い組合せがまだあるのではないか。
専門家の意見ではない、独自の視点を持つサポーターの意見こそ欲しい。それを参考にし、もしかしたら採用するかもしれない。
平家は心配症だ。一つや二つではあまりにさみしいのでなるたけ多数の意見が欲しい。
求む、熱い声。
誰と誰とが最強のイレブンか。
342 名前:ルール説明 投稿日:2001年10月19日(金)22時30分12秒
一人一票。(厳守)
布陣は3-4-3。内訳はGK1人、DF3人、MF4人、FW3人。11人思いつかない場合は最低7人以上挙げる。
矢口、安倍、飯田、保田のオーバーエイジは3人まで。2人以下でも可。
福田は含むが木下ら平家の構想を外れた者は含まない。
スーパーサブの起用法など戦術面での案も無論歓迎。
なお平家の虎の巻「みちよのめもちょう」を特別に公開する。これは参考資料であって、彼女の考える中心選手を外したり、FWをDFで使うのもアリ。
期間はドリームネットカップ終了まで。
景品も出せないし厚かましいとは思うが平家を助けてやってほしい。
343 名前:1@ゴールキーパー 投稿日:2001年10月19日(金)22時45分48秒
高橋と小川の一騎打ち。
信田に言わせれば一長一短で、これをどちらでもいけるところまで持って行けるかが自分の仕事だという。
着実に弱点を消し、プレーの幅を広げている高橋。反応の鋭さやキャッチの確実さが売りで、正確なロングキックは並のMFのスルーパス程度の威力はゆうにある。
小川は最大の武器である前への強さに磨きがかかり、自信を深めている。ポジション取りの良さや気持ちの強さなどメンタルな部分も強い。鉄砲肩で敵陣まで届くスローもある。
第三キーパーの村田は自分の役割をよく理解し、信田の相談相手でもある。
344 名前:2@ライトバック 投稿日:2001年10月19日(金)22時54分50秒
フィジカルの強さ、スタミナ、スピードと三拍子揃い、このポジションに定着している大谷ではあるが、全幅の信頼は置けない。プッツンがあるのだ。またペナルティーエリアでの守りがあまりうまくない。
そこで地味だが粘り強い守りのできるストッパーの斎藤をここに回そうかという案もあるが、攻撃力がなさすぎる。
また右のスペシャリストであるアヤカもこのポジションがこなせる。
345 名前:3@レフトバック 投稿日:2001年10月19日(金)23時04分36秒
ミカで決まりかと思われたポジションが、今や激戦区となっていた。
小柄ながら力強いディフェンス、スピード豊かなオーバーラップ、それを何度も繰り返すミカ。
強さよりはうまさを押し出したマンマークでドイツのストライカーたちを震え上がらせてきた保田。
安定した守りと冷静な判断力、ベンチに置いておくのはあまりに惜しい戸田。
攻撃的な選手から変身、巧みなボールコントロールで左サイドを上がっていく柴田。
経験の差、保田がわずかにリードか。
346 名前:4@ディフェンシブハーフ 投稿日:2001年10月19日(金)23時12分35秒
体格に恵まれた吉澤が盤石の構え。
まじめで、クレバーで、精神的にも成長の跡が見受けられる。
矢口や木村ではつとまらないだろう。ここは上がり目のセンターバックとしての性格を持ち、小柄な二人では空中戦に不安が残る。
吉澤のバックアップには飯田を考えている。
347 名前:5@センターバック 投稿日:2001年10月19日(金)23時18分51秒
ここも後藤で決まり。身体能力、スキル、経験。どれをとっても申し分なし。すぐ前の吉澤との関係を考えてもこれ以上の適任者はいない。
控えの一番手は紺野。予想以上に早くチームに溶け込み、高い戦術理解ができている。もっと早くに試せていればと思う。戸田はその次か。
348 名前:6@レフトハーフ 投稿日:2001年10月19日(金)23時25分01秒
足の遅さは経験と読みでカバー、辻と加護の両ウイングを走らすロングパスも健在。やはり飯田が有力。
だが飯田には太ももの肉離れという爆弾がある。本来オフシーズンは休養したいのだが、代表があるとなればそうもいかない。
その間隙を縫い、柴田がどこまで食らいつけるか。
349 名前:7@ライトウイング 投稿日:2001年10月19日(金)23時32分20秒
辻が悩んでいる。欧州遠征以来すっかり迷いが生じ、プレーに元気がない。スランプに陥ったようだ。
対するアヤカは好調だ。高い技術とか逆サイドの柴田やミカの動きをちゃんと見ている視野の広さとか、プラスの材料はいくらでもある。
だが辻のスピードはチームでダントツ。このまま埋もれさせてはいけない。
350 名前:8@ライトハーフ 投稿日:2001年10月19日(金)23時40分16秒
高い、しかもシンプルに事を運ぶ技術。豊富な運動量。汚れ仕事も厭わない精神。
ここの選手に求められるものは、そのまま矢口の特徴に当てはまる。
ただ矢口がここで使われるかは疑問。他のポジションに回る場合、新垣と木村の争いになる。攻撃力で木村、一歩リード。
351 名前:9@センターフォワード 投稿日:2001年10月19日(金)23時45分26秒
安倍で当確。あらゆる場面で、どんな形でもゴールできる技術はとうてい松浦の及ぶところではない。
が、松浦とて決して役立たずではない。ちゃんと使い道は考えている。詳しくは次項。
352 名前:10@オフェンシブハーフ 投稿日:2001年10月19日(金)23時52分37秒
カメルーン戦、石川が出られない。
代役は加護に任せようかとも思ったが、そうすると今度は左ウイングを新たに探さなくてはならない。
そこで矢口。石川とタイプは違うが、素早い散らしで敵にシッポすらつかませないだろう。
が、新たな構想が持ち上がる。松浦をここに据え、安倍と縦並びのツートップを組ませる。点が取れそうだ。
353 名前:11@レフトウイング 投稿日:2001年10月19日(金)23時59分43秒
加護が安定しているが、ここにきてとんでもないライバルをぶつけてきた。加護と仲のよいミカ、そして無二の親友である辻。
テクニシャン加護、パワフルなミカ、スピードスター辻。誰が勝ち残るかは神のみぞ知る。

以上である。平家が首を長くして待っている。斬新なアイデアからえこひいきに偏った布陣まで、なんでもいい。返事がないのが一番怖い。
354 名前:さぽーたー 投稿日:2001年10月20日(土)00時12分48秒
3−4−3システム、及び各ポジションの名称

     9
11         7

     10
6         8
     4

3         2
     5

     1


1 ゴールキーパー(GK)
2 右サイドバック(RB)
3 左サイドバック(LB)
4 守備的ハーフ (DH)
5 センターバック(CB)
6 左サイドハーフ(LH)
7 右ウイング  (RW)
8 右サイドハーフ(RH)
9 センターフォワード(CF)
10 攻撃的ハーフ (OH)
11 左ウイング  (LW)
355 名前:記者席からの質問 投稿日:2001年10月20日(土)00時20分21秒
平家監督にお聞きします。今回の異例とも言える発案についてですが、
・まずカメルーン戦についてそのスタメンは考えればいいのか?
 それとも、ベストメンバーを考えればいいのか?
・保田選手は引退した身であるのに、今回召集した理由と、引退の理由
以上、お聞かせください。
356 名前:名無しの素人 投稿日:2001年10月20日(土)00時30分54秒
1、高橋
2、大谷
3、ミカ
4、吉澤
5、後藤
6、柴田
7、アヤカ
8、矢口
9、安倍
10、松浦
11、加護、後半にタイミングをみて辻を投入

……無難すぎかなあ。
スピード重視のつもりだけど、噛み合わないかも……。
357 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)00時34分18秒
>>354
サンクス。

>>355
「決勝に進むためにどの11人がよいかを考えてほしいのです。当然石川や福田も含めて。保田引退の理由は健康面での不安からと聞いております。詳しくは本人が語ってくれると思いますが。召集の理由はまだ引退から日が浅く、十分国際レベルの戦いに備えられる力を残していることです。その辺は本人も了承してくれました」

作者レス。もちろん普通のカキコもこれまで通りでOKっす。
358 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)00時39分21秒
>>356
いやいや、石川を外したあたりはなかなか。
iモードから見る人もいるんで(例、俺)この人みたいに書いてくれるほうがありがたいかも。
359 名前:さぽーたー 投稿日:2001年10月20日(土)00時52分53秒
うーん、難しい(w
でも、FW陣が小兵ばかりになるから加護、辻は同時に使わないほうがいいのではないかな。
はじめに加護を使って、ゲームの流れを変えたいときに辻を使えばいいと思う。
あと、飯田と安倍を両方入れるなら2人ともFWで使ってもいいのではないだろうか。
よってFWは安倍(松浦)、飯田、加護(辻)でどうだろうか。

CFはカメルーン戦は矢口でいいのではないか。その後は石川で問題ないだろう。
同様にDH吉澤、CB後藤これも問題ない。
GKはそのときの状況で高橋と小川を使い分ければいい。

残りは決めれなかった(w
ただオーバーエイジを誰にするかでポジションは変わって来る。
若いチームの中で精神的支柱となれる人物を選ぶべきで、それはA代表のキャプテンでもある飯田。
ムードメイカーになるだろう矢口。日本代表の顔、安倍。そしてエースキラー保田。
個人的には矢口、保田は外したくはない。





360 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月20日(土)00時55分51秒
オリンピック代表メンバーの中にはA代表にも選ばれている選手もいるようですが、
現在のA代表のレギュラー及び布陣はどうなっているのでしょうか?
361 名前:狂気のド素人 投稿日:2001年10月20日(土)00時58分02秒
カッコ内はサブです。
1高橋(小川)
2辻
3保田(ミカ)
4吉澤
5紺野
6柴田(飯田)
7後藤
8矢口
9松浦(切り札福田)
10石川
11加護

日本の大エース、なっちを切るのは断腸の思いですが、「奇跡」は奇跡でとっておきたいので福田と並べるのはあえて回避。
その分、後藤や大人にならざるをなった得なくなった辻加護が頑張ってくれるでしょう。
交代枠3(ですよね?)なのにサブが4人いるのはカンベンしたってください。
362 名前:はいめんて 投稿日:2001年10月20日(土)01時04分49秒
1.小川  国際試合じゃ、気持ちが強いほうがいい
2.斎藤  相手にもよるが、守備的にいかざるを得ないと思う
3.保田  引退の理由が気になるが……
4.吉澤  ライバル不在
5.後藤  同上
6.柴田  枠の関係で飯田は落としました
7.矢口  前線からガンガンプレス
8.木村(麻)バランサーとして期待 
9.安倍  他に考えられん
10.石川 右サイドでベッカム化ってのも考えたが……… 
11.加護 無理に他の選手を使う必要はないな 
スーパーサブに辻 相手の運動量が落ちたときに

自分はサンフレサポなんで、広島の3−4−3を意識した。
矢口の7は藤本のような感じで。 
363 名前:名無しの素人 投稿日:2001年10月20日(土)01時10分15秒
>>356

個人的には石川の「狂気」を観てみたいんですけど……
あ、松浦のサブに追加ってことでお願いします。
364 名前:しぐれ 投稿日:2001年10月20日(土)01時10分35秒
1小川
2大谷
3保田
4吉澤
5後藤
6柴田
7辻
8石川
9安倍
10松浦
11加護
とにかく個人的な理由で保田を使ってやりたい。
そのために攻撃的な小川・大谷・柴田。
前で安倍と矢口が絡めば何かが起こる事を期待!
適当でごめんなさい。
365 名前:しぐれ 投稿日:2001年10月20日(土)01時16分28秒
>>364
10は矢口でした。スミマセン。
366 名前:さぽーたー 投稿日:2001年10月20日(土)01時18分34秒
なんか狂気の最後のほうを思い出すな。

>>361
まぁ、キーパーはいいんじゃないですか。
それより辻をディフェンダーにするのは危険すぎない?

>>359は書き方が悪かったので・・・。

1高橋(小川)
2紺野
3保田
4吉澤
5後藤
6柴田
7飯田
8矢口
9安倍(松浦)
10石川
11加護(辻)

紺野の使い方がわからん。
後藤と変えてまで使うべきなんだろうか…。使わないのももったいないし。
367 名前: さぽーたー 投稿日:2001年10月20日(土)01時22分25秒
あ、ごめん
>>366
9安倍→松浦で
368 名前:狂気のド素人 投稿日:2001年10月20日(土)01時25分15秒
ここでレスつけちゃっていいのかな・・・??やっぱ別でするべき?

>>366
辻DFは完全に趣味ってて、ナラハシ化を期待してたりしてます(w
矢口、後藤が一列づつ下がりながらのポジションチェンジで、右サイドを駆けあがっていく辻もまた一興かなと。
せっかく保田ももどってきたんだし、DFコントロールは保田に任せて後藤には前で存分にやってもらおうとと思ったわけで。
369 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月20日(土)01時26分20秒
後藤を前で使わないでどうする。10番は後藤で固定する。
保田は使わない。マンマークはやらない。
5番には福田を持ってきて、ガンガン上げさせる。後ろは前に強い小川。
3番柴田、2番石川の最後方からのゲームメイク。
4番は加護。あえてフィジカルで勝負しない。加護には後藤がボールを持ったら追い越せと言ってある。
9番は矢口。彼女にはフォアチェックしか求めていない。疲れが見えたら新垣と交代。
7番辻。鉄板中の鉄板。攻撃は右のスペースにボールを蹴っとけば自然と成り立つ。
370 名前:狂気のド素人 投稿日:2001年10月20日(土)01時28分50秒
>>368
DFラインのコントロール、ですね・・・書き間違い多いです。スマソ。
371 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月20日(土)01時30分36秒
1 小川
2 戸田
3 保田
4 吉澤
5 後藤
6 柴田
7 辻
8 矢口
9 飯田
10 石川
11 加護

悩んだ。突然の平家監督からの提案。編集部に戻った我々は大至急会議を開いた。
論点は「GKはどっち」「オーバーエイジは誰を落とす」「コンビネーション」が主。
このチームの長所は複数のポジションをこなせる選手の多いところ。これが皮肉な事に我々を悩ませている。
ほぼ決定しているこのチームのセンターライン、4・5・10とのコンビネーションで周りを決めた。
戸田の位置では成長著しい紺野など、札幌勢の候補がいるが、経験の差で戸田を。
とにかく攻撃意識の強いDF陣なので、広いスペースをカバーできる小川をGKに。
飯田はDFがオーバーラップしたときにスムーズにポジションチェンジを行えて、なおかつパスも出せる。
また、飯田は北のファンバステンの異名を撮った時の姿を見てみたい。
辻の位置には松浦・木村アヤカなども考えたが、連携面を考慮して。
なんにしても、平家監督の采配が重要である事は確かだ。
コレだけの手駒をどのタイミングで使うか、そこに期待したい。
372 名前:狂気のド素人 投稿日:2001年10月20日(土)01時31分20秒
って何いってんだオレ
ラインは紺野にやらせるんだったよ
これにてまたただの1読者にもどります
作者さん、毎日楽しみをありがとう。これからもがんばって。
373 名前:ななしのサポーター 投稿日:2001年10月20日(土)01時35分18秒
1.小川(高橋)
2.後藤
3.保田
4.飯田
5.吉澤
6.柴田
7.辻
8.矢口
9.福田(松浦)
10.石川
11.加護

バックスはW杯の時の3バック。後藤5だと両サイドとの技術の差が大きすぎないかと。
保田入れるにしても右サイドはどうしたって弱くなると思うのでこの3人。
GKは小川の方がこの3人なら相性いいと思われ。

DHは吉澤じゃなきゃ飯田だろって感じで。紺野でもいいけど空中戦弱そう。
あとのハーフはこれ以外浮かばなかった(w
A.Iマエダはいないけど在りし日の横浜フリューゲルス。

FW、安倍入れたかったけど後ろで3人使っちゃったんで。
9は福田が戻ってこれるなら、石川とのコンビ考えても一番適任かなと。
松浦でも問題ないと思う。
11は加護しかいないでしょ。
矢口が8に入ってるなら辻は好きに攻められると思うので7。

初戦は柴田10、飯田6、吉澤4、紺野5でどうでしょう。

市井って左サイドだったような気がしたので、トイメンに後藤置いてみました。

こんなもんでどうでしょう、平家監督。
374 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月20日(土)01時40分00秒
>>371
正直言って、システムを変えたかったけど、まぁ、しょうがないスね。
趣味だけで言えば、紺野が真ん中で後藤が2番、11番飯田、6番加護、9番松浦って感じ。
まぁ、平家監督の選手交代が本当に試合の鍵を握りそうなので、そこに期待。
375 名前:りお 投稿日:2001年10月20日(土)01時40分08秒
1高橋
2飯田
3保田
4吉澤
5紺野
6後藤
7辻
8加護
9安倍
10石川
11加護
主人公が外れますが。
キーパーは甲乙つけがたいが経験を買って。
3バックは両サイドが重要なので右に飯田をコンバート。
経験のない紺野をベテラン二人がカバー。
走力のない2人を紺野の読みでカバーリング。
プラスアルファ(意外性)がないと世界相手には戦えない。
右サイドハーフに加護をコンバート。
右サイドに飯田・加護・辻ライン。
後藤は所属クラブでの左サイドハーフ。保田・福田との連係重視。
頻繁なポジションチェンジを繰り返しトータルフットボール。
ただし、縦のライン安倍・石川・吉澤・紺野は固定。
サブは松浦、柴田、新垣、アヤカ、小川?紺野頼みか(W
376 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月20日(土)01時43分12秒
1.ストーリー部分にあわせる、特にレギュラーは決めない
2.辻
3.加護
4.吉澤
5.紺野(後藤)
6.飯田(新垣)
7.石川(アヤカ)
8.矢口
9.松浦
10.安倍 or 後藤
11.柴田(加護)
松浦-安倍のコンビは
クライフェルト-ベルカンプ、ニステルローイ-クライフェルトを意識
松浦のポストで1.5から飛び出した安倍が確実に決める。また、安倍のマークを軽くできる
石川を7にしたのはクライフがCF->OH->WGと渡り歩いたからという理由、
サイドからのゲームメイクは3TOPの真骨頂、RSH・OHとのポジションチェンジや中に切れ込む動きも魅力
DFラインは紺野が命令しても問題なさそうであり、且つ運動量豊富な2人を加えました。同学年3人?

紺野がケガでもした日には成立しないフォーメーションです(泣)
377 名前:代表だけ見る男 投稿日:2001年10月20日(土)01時47分42秒
オーバーエイジはあまり使わない方向で考えてみました。
どっちかって言うとカメルーン戦オンリーかも。
でも世界を目指すこのチームでは石川は使いづらいし・・・・・。
あと7と11は逆の方がいいかも。

      9松浦
11後藤   (阿部)  7辻

      10加護
6柴田         8新垣
(飯田)  4吉澤   (矢口)

3ミカ         2アヤカ
       5紺野

      1高橋
378 名前:りお 投稿日:2001年10月20日(土)02時02分43秒
すまん。11加護 → 福田です。
379 名前:代表だけ見る男 投稿日:2001年10月20日(土)02時34分48秒
オットトットット、ごめんなさい。
考えてる間に>>356見落としてしもた。
ついでに別案。

1 高橋
2 後藤
3 保田
4 戸田
5 吉澤
6 飯田
7 石川
8 矢口
9 小川
10 福田or松浦
11 加護or松浦

「強さ・怖さ」を考えたらこうなった。
小川の性格ならFWでもなんの問題もないのでは?
福田はクレバーだし、オフェンシブなポジションならどこでもできるでしょ。
石川がベッカム化するのは夢のまた夢のような気がするが狂気に期待つーことで。
辻やミカはスーパーサブの方がぜったい怖い。一般論だろうけど。
380 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月20日(土)02時51分13秒
1 小川
2 アヤカ
3 保田
4 吉澤
5 後藤
6 柴田
7 紺野
8 石川
9 安倍
10 松浦
11 加護

「このチームのサッカーが見たい」&相性重視。
GKとDFは保田との相性を考慮。アルゼンチン戦を考えると保田は外せない。
石川に世界相手のセンターは荷が重い。柴田と左右から。
紺野のスペース予知能力を攻撃に生かしてみる。
ただ紺野は足を怪我をするので、そこで復調した辻と交替。
あと飯田は吉澤のサブ。というわけで矢口、日の丸小僧復活だな。
381 名前:酔いどれサポーター 投稿日:2001年10月20日(土)03時06分12秒
いやいや楽しいよ4126さん、もとい、平家監督。
ちょっと長くなるけど頑張って読んでくらさい。
※()内は交代要員。戦況によって使い分ける。

1.小川(高橋)
2.紺野(大谷)
3.保田※(戸田・ミカ)
4.吉澤(戸田)
5.後藤(戸田)
6.柴田(ミカ)
7.石川(木村ア)
8.矢口※(木村ア・木村麻)
9.松浦
10.安倍※
11.加護(辻)

この選考のポイントは4つ。
@松浦・安倍
>>376と同様の理由。自分はフェイエノールトのファン・ホーイドンクとトマソンの関係とカブった。
それプラス、自分が観たいのが『ファンタジスタの継承』の瞬間。
かつてのナポリ、ディエゴ・マラドーナとジャン・フランコ・ゾラ。
最近なら、昨期ブレシアのロベルト・バッジョとアンドレア・ピルロ(一緒にプレーする機会は少なかったが)。
希代の才能・松浦の成長を安倍に託したい。
382 名前:酔いどれサポーター 投稿日:2001年10月20日(土)03時08分59秒
A右ウイング石川
これも>>376同様。自分の場合はフェイエにおける小野チンのイメージ。
小野チンを観ていて改めて思った、「真ん中じゃなくてもゲームは作れる」。
辻の起用も考えたが、調子・身長・プレースタイルからしてチームの穴になる危険性大。
辻にはそれよりも「脅威のスーパーサブ」という12番目のおいしいポジションを任せる。ちょっと前の本山雅志。
ちなみにカメルーン戦は同ポジションをアヤカに任せる。
B保田
国際経験は重要。ネームバリューで敵チームをビビらせるだけでも効果はアリ。
そして何より「ディフェンス一筋」の選手であること。保田の血を他のDF陣へ継承させる。
W杯でも実証済みである保田・後藤・吉澤の『黄金のプッチトライアングル』再現を。
ちなみに戸田をディフェンス陣の控えに。ミカを使うならば6番の位置が適任であろう。
383 名前:酔いどれサポーター 投稿日:2001年10月20日(土)03時09分53秒
C紺野の3バック右起用
頭脳明晰、俊足、ソフティ・ディフェンス。今使わずにいつ使う。
経験のなさは選考基準にすべきではないと考える。前に矢口・吉澤、左隣りに後藤とその向こうに保田。
小さいミスなど周囲を固める歴戦の名手達がかき消してくれる。紺野の修行の場は今しかない。
さらなる理由として右サイドに矢口がいること。
矢口が攻撃参加してしまった場合その後ろ、右サイドにスペースが出来る可能性がある。
紺野がその才能を世界に知らしめるチャンスは少なくないはず。
サブはフィジカルを買って大谷。終盤相手がパワープレーで来た時用。

今回飯田には泣いてもらおう。早くリヴァプールに戻れ、今年は優勝狙えるぞ。
以上、長くなって申し訳ないっす。
384 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月20日(土)04時00分26秒
1小川
2アヤカ
3柴田
4飯田
5吉澤
6戸田
7松浦
8木村
9後藤
10加護
11石川

本当はどっかに矢口を入れたい。
加護‐後藤は逆にすると祭3TOP(腐ったネタ)
サッカー素人なんで個人的趣味多々。参考にはならんかな?

そういえば紺野や福田は物語上要るなあ。ムズ。
385 名前:代理人ガックン 投稿日:2001年10月20日(土)04時08分12秒
…ミッチーが、喜んでる。僕からもありがとうと言っておくよ。「ネタバレ怖いわ」って…何かな? 手紙もらったらお礼状書かないとね。
>>360
A代表は3-5-2を採用。フラット3の中央によっすぃー。中盤の下がり目に飯田と矢口、アウトに加護ちゃんつーじー、中が石川。FWの左になっち。後藤みたいなエゴの強い人は、見てて疲れるんだ。ボランチに吉澤じゃなくて矢口を使うのは…マグナム仲間だから…
>>373
アルゼンチンの彼女は右利きだけど左のほうが好き。でも一番好きなのはまん中らしいよ…実はこの喋り方けっこう疲れるんだよね…また来週。
386 名前:ひまじん 投稿日:2001年10月20日(土)06時48分02秒
スピード重視の布陣
      9松浦   
11加護        8辻
      10福田

  6柴田     7矢口 
      4吉澤
3保田           2後藤
      5紺野

      1高橋

じっくり攻める フォーメーションは3-5-2を採用
    安倍    福田
         (松浦)
 加護    石川    矢口
      (福田)
    柴田    吉澤    

 保田    後藤    大谷

       小川
387 名前:TONBA 投稿日:2001年10月20日(土)12時14分16秒
      強国との対戦用

        安倍
   松浦         辻
        石川   
   
   紺野   飯田   戸田

   柴田   吉澤   後藤
   
        小川
388 名前:TONBA 投稿日:2001年10月20日(土)12時24分21秒
トリプルボランチの理由は、強国の攻撃力を阻止するためのものである。
中盤でのボールまわしを紺野の読みでカット。
あたり負けしない体で、トップレベルまでいけると思う。

辻の右ウイング起用には、小川の起用があってこそ。
小川のスローからのすばやい攻撃には、欠かせない。

柴田、吉澤、後藤の3バックは中盤と違って攻撃的。
中央から、ながいクロスを入れれそうな選手を選択。
389 名前:TONBA 投稿日:2001年10月20日(土)12時36分10秒
次に、選手起用方法へ

今回、矢口にはスーパーサブになってもらう。
後半、両チームとも辛い所で、辻と交代。
どこまでもボールを追ってく。そんなプレーを求める。

点が欲しいときは、木村を投入。
柴田と紺野をポジションチェンジさせ、両サイドを前に出す。
(中盤より後ろの図)
   柴田      木村 
       飯田
  
   紺野  吉澤  後藤

       小川

最後に石川。
・・・・好き勝手させてあげてください。
390 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)17時41分04秒
平家「いやー、ホンマ予想外やわ」
稲葉「最初話聞いた時はへーちゃん何考えとんのやらと思たけど」
平「へーちゃん言うな。石坂浩二みたいやろ」
稲「ま、このアイデアの山や。ありがたいこっちゃ」
平「注目の高さ感じるわー。がんばらな」
稲「まずGKは小川、高橋、併用と票が割れたな」
平「二人の力は拮抗してる、あとは好みの問題やもんな」
稲「絶対こっちでなきゃイカン、いうのもなかった」
平「フライングやけど中澤を現役に戻せ、とかな」
稲「森崎には票入ってへんかったな」
平「森崎やのうて村田ですわ」
391 名前:ななしのごんべえ 投稿日:2001年10月20日(土)17時44分49秒
1 高橋
2 斉藤
3 戸田
4 吉澤
5 後藤
6 ミカ
7 石川
8 矢口
9 安倍
10 福田
11 加護

最強布陣というからには石川福田のコンビははずせない。
相手にもよるが2・3は守備重視。
少し攻撃的にいくなら2に大谷、3にミカ、6に飯田。
スーパーサブは辻・柴田・松浦。
保田は「健康面での不安」が気になるし、ここはコーチ業に徹してもらいたい。

ところで、村田って「狂気の〜」のオールスターのときにはMFだったんじゃ…
ま、あまり細かいツッコミはやめておいたほうがいいか。
392 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)17時54分07秒
平「次DFなんやけど、これは…」
稲「保田、紺野、アヤカ、柴田に斎藤、辻加護なんてのまである。いかに現行の最終ラインが信頼薄いかやな」
平「大谷やミカを使とるんはストッパーもでける強さが有るからなんやけど…」
稲「保田や紺野はまだ未知数やしな」
平「後藤を前で使いたい声が相変わらず強い。もともとこのチームは中盤がだぶつきすぎなんや。だからどうしても他に回さなくちゃあかんねん」
稲「でも辻の右DFはおもろい思うで。ミカにできるならできそうなもんや」
平「あかん。出て行ったきり帰ってこーへん」
393 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)18時09分29秒
稲「MFやけど、吉澤は安泰やな」
平「吉澤の4、後藤の5、安倍の9はうちの中で確定しとる。あとはとっかえひっかえ」
稲「なんかの歌みたいやな」
平「ここは現行でええという声が多いな。柴田や木村麻が強い。システムをCBとCFが縦並びの4-2-4と考えた場合、8と6の役割は大きいからな」
稲「飯田と柴田の差はそんなにあるの?」
平「イングランド一部と日本の二部の差や」
稲「きつっ」
平「世界を知る言うんは、それだけ人を変えんねん」
稲「そういえば、オーバーエージは四人いてるけど」
平「試合見てからやけど、一応、答えは出とる」
394 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)18時26分21秒
平「FWやけど、目から鱗が落ちたわ」
稲「石川のウイングやろ。右で矢口とのコンビが見たいんやろな」
平「あとは安倍と松浦の闘魂伝承に期待する声大」
稲「二人のタイプはどうなん?」
平「プレーの幅は安倍が断然広い。その背中を見て学ばせるのは正しいと思うけど二人の守備意識を考えると90分は辛いかな」
稲「左は加護でええんちゃう?」
平「せやな。飯田との相性もええし」
稲「問題は辻やんなあ」
平「どスランプにはまってもうたけど、あの足は捨て難い。使いどころが難しいわ」
395 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)18時41分52秒
稲「システムの話も出たな」
平「勘違いせんでほしいんは、3-4-3はあくまでキャッチフレーズだということ」
稲「ゾーンプレスやアイコンタクトみたいなもんやな」
平「3トップの相手には4番を下げて4バックにする」
稲「ウズベク戦の吉澤」
平「6と8に守備的な選手を入れれば3ボランチにもなる」
稲「フランス戦前半の戸田と木村」
平「攻められっぱなしなのに前線に3人張らせるわけないしな。攻撃的にも守備的にもなりうる優れたシステムなんだよ、3-4-3は」
稲「試合やってればいずれぐちゃぐちゃになるしな」
平「それを言うなって」
396 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)18時53分18秒
稲「紺野がケガとか書いてあるけど」
平「うち知らんで。縁起でもない」
稲「矢口外せとか」
平「客席で歓喜するんか?」
稲「TONBAさん久しぶりやな」
平「マリリンマンソンに石川梨華、元気かな? ここで再開したこと知らない2ちゃんねらーいっぱいおるんやろな」
稲「で、感想は?」
平「めちゃ素やけど人の話はきくもんやな」
稲「ほんま素やな」
平「意見出してくれた方本当にありがとうございました。まだお待ちしてます」
稲「そう言えば今日は誰かさんの誕生日やな」
平「盛りあがらんなー。せめて出番を増やしたるか。では、下手はけー」
397 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)19時01分01秒
>>391
いたたたたた…(ため息)

ガックンの名前をマグナムガクト(北斗)に変えよかなと。
398 名前:4126 投稿日:2001年10月20日(土)19時35分17秒
平家「あと小川をFWで使いたいいうやつがおったけど、なに考えとんねん」
稲「終了間際にヘッド狙いにいくか」
399 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月20日(土)20時26分27秒

1 小川 
2 辻  
3 加護 
4 矢口 
5 吉澤 
6 飯田 
7 松浦
8 紺野 
9 安倍 
10 石川 
11 後藤

辻加護にはどこまでもオーバーラップしてもらい攻撃に参加。
経験のある飯田と、頭のいい紺野なら辻加護をフォローできる。
小川にはこれくらいの守りの薄さの方が楽しめるだろう。
矢口は守ったりつないだり、ひたすら走れ。
吉澤はA代表でもしてるポジションなら大丈夫(悔しいだろうが…)
石川には大好きなポジションで、好きなだけ暴れ回ってもらう。
安倍後藤の仲が気になるが、安倍からボールが来なくても後藤なら1人でも攻めれるし、
安倍は中央で自分を囮をしつつ自分で決めるか、松浦あたりにパスすればいいだけだ。
俺の言いたいことは攻めろっ!!
まだファンタジーを捨ててない人間の考え方(w
400 名前:名無し 投稿日:2001年10月20日(土)22時42分26秒
@小川
A大谷
B保田
C吉澤
D後藤
E加護
F辻
G矢口
H安倍
I石川
Jミカ

史上初の欧州選手権、W杯連覇の偉業を達成した72年、74年西ドイツをモデルに
74年ドイツという器に、クライフの魂を宿したい――そんな考えからメンバーを選出。

まず、3−4−3は、当時のオランダの1−3−3−3と見立てることが出来る。事実、本によっては
当時のオランダのシステムは3−4−3だったとしているモノもある。
小川はオランダのGK、ヨングブルートをイメージした。「ドイツの器にクライフの魂」って言うワリには
いきなりオランダのGKがイメージなのかよ!っていうツッコミに対しては、「世の中そんなモンだ」と言うしかない。
保田はフォクツ、加護はブライトナー、後藤がベッケンバウア、吉澤のボンホフに石川ネッツァー。
安倍はミュラーとして得点を量産して貰いたい。
フォクツって右サイドバックなんだけど、この辺はしょうがない。
401 名前:名無し 投稿日:2001年10月20日(土)22時43分44秒
保田はフォクツ、加護はブライトナー、後藤がベッケンバウア、吉澤のボンホフに石川ネッツァー。
安倍はミュラーとして得点を量産して貰いたい。
フォクツって右サイドバックなんだけど、この辺はしょうがない。
74年ドイツはベッケンバウア→ボンホフのパターンだったが、コッチは安倍まで絡めて4人が
ポジションチェンジをするという、豪華というか無節操というか、ダイナミックというか滅茶苦茶な
感じがいい。
保田にはリベロの後藤のケツでもひっぱたいて貰って、ドンドン攻撃に参加させて欲しい。
日本のマスコミの、単なるスィーパーや、たかがラインデフェンスの統率者をリベロ呼ばわりする現状への
批判を込めて、ちゃんとした攻撃の出来る、攻撃の形や決定的なシーンを演出できるリベロ像を確立して欲しい。
トップ下を司令塔と呼んじゃダメでしょ? トップ下しかゲームを演出しちゃダメなら、ベッケンバウアが確立した
リベロの名が泣くぞ! 攻撃的選手に贈られることが多い、バロンドールを何故ザマーが貰ったのか考えれば分かるだろ?
402 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月20日(土)23時21分20秒
>>400-401
お、オベラートは? ヘーネスとか・・・
ミカの位置に松浦ってのもいいかも。
2に木村(アヤカでも麻美でもいいや。試合に応じて)
3−4−3ならサイドからもゲームを作りたいし、後ろからもゲームを作ってもらいたい。
それで、スペースに飛び込める辻・松浦ってとこかな?
403 名前:バスケットマン 投稿日:2001年10月21日(日)00時05分32秒
1 小川
2 アヤカ
3 後藤
4 保田
5 吉澤
6 柴田
7 矢口
8 紺野
9 安倍
10 石川
11 加護

ベンチ 高橋、福田、新垣、辻、ミカ、木村(麻)、戸田

自分は、サッカー詳しくないから、ストーリー重視で考えました。
 
見てみたい保田vs市井、マンマーク張り付き、このために来た保田。
アルゼンチン戦後燃え尽き症候群にかかり、後藤がここへ回って、3にはミカ。
小川は、石川にコケにされて以来フリーキックの練習を積んでいる。
でも、前まで出て行ってもおとり役でけらせてもらえない。
単純だからトーナメントの延長後半になると、PK用に高橋に変えられる。
ユーゴ戦は、カトッチに汚れ新垣が張り付く。
福田は、怪我の後遺症で30分が限界のスーパーサブ。
実はスピードがある紺野はここで使うと面白いかも。
加護は心臓病基金設立後、安倍とコンビを組む。
辻は、快速サブでスライディングシュート。
カメルーン戦は、10に柴田、6にはりんね。
紺野はそのうち怪我をするから、そこにはあさみが入る。
18人登場で、メロンファンには泣いてもらう。

提案:第2部の残り次第ですが、話は引っ越しして、ここは投票専門スレにしたらどうでしょう。
404 名前:名無し 投稿日:2001年10月21日(日)00時20分28秒
>>402
オベラーツは石川ネッツァーがいるからベンチ。この二人は実際、共存できなかったわけだし。
みんなどこでも守れるっていう設定がアダになって、カンペキに石川とだぶって共存できず、
っていう選手が見あたらない気がする。みんな何とかなりそうでしょ? だからオベラーツは該当なし。

ヘーネスは矢口。身も蓋もないツッコミが、後年の「イタリアのチームの補強は馬鹿げてる」とかいう、
んなこと言わんでもエエのに・・・っていう発言になるわけだ。

たぶん、後藤はこぼれ球拾ったら、まず加護にボールを預けてから上がっていくか、
自分で持ち込んでかのどっちかだと思う。だから加護はこのチームのキーになるんだよ。
サイドからの攻撃は当然必要。中央突破、中央突破って一世代前のアルゼンチンじゃないんだから(w
405 名前:4126 投稿日:2001年10月21日(日)01時39分52秒
>>403
まだ盛り上がるんかいw
しかし残りのスレ数を考えるとそれも致し方ないな。二本目のジンクホワイトはいずれ用意せにゃならんので頃あいを見て引っ越します。管理人さん、ゴメンナサイ。
406 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月21日(日)02時58分02秒
いや、もう本編をすすめましょ♪
予想以上の反応があったんでしょ? 平家監督ぅ〜?
407 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月21日(日)05時21分40秒
1 高橋
2 矢口
3 紺野
4 吉澤
5 後藤
6 飯田
7 辻
8 加護
9 安倍
10 石川
11 福田

最強のチームを考えるとなると安倍−福田、石川−福田のラインははずせない。
あとどんなに調子を落としていようと辻は使う。
FWで足が速いということは何よりの長所。
加護とのコンビと飯田のサポートにより、少しでも早い辻の復活を願う。
408 名前:4126 投稿日:2001年10月21日(日)07時11分23秒
「あーっ!」
「どしたのカオリ」
「絵の具持ってくるの忘れちゃった。画材屋さん行ってくる!」
「あんた、練習は?!」

Zinc White(二本目)
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=white&thp=1003615254
409 名前:名無し 投稿日:2001年10月21日(日)14時38分32秒
ドイツのファンなので、保田はドイツでどのような感じであったかを考えてみる。
>>338での保田の経歴を、実際のブンデスリーガの成績と比較すると・・・

おそらく97−98シーズンにヘルタに移籍したと思われる。
2部より1部に昇格した年でもあり、補強に躍起になっていたのであろう。
その年のヘルタの成績は11位。この年に1部昇格したチームとしては上出来。
ちなみに、のちのち移籍することになるケルンは、この年に17位の散々たる成績で2部落ち。

2部に落ちたチームに移籍したとは考えられないので、このままヘルタに残留したとすると
98−99シーズンは3位! チャンピオンズリーグ出場圏内です。
ただ、今後、ケルンを経由してバイエルンに行くことになるので、ヘルタにいられるのはここまで。
ちなみにケルンの98−99シーズンの成績は2部で10位。嗚呼、名門なのに・・・。
410 名前:名無し 投稿日:2001年10月21日(日)14時40分54秒
これのケルンの悲惨な成績が保田の義侠心に火をつけたのであろう、ケルンへの移籍を決意、
あんがい奥寺さんの「頼む、ケルンを救ってくれ」の一言があったのかもしれないが、
この決断が、彼女のサッカー人生を大きく変えることになる。
ケルンの99−00シーズンの成績。2部で1位!!!
この年に2部に降格した強豪ボルシアMGを差し置いて1位! 個人的にはボルシアMG戦には
手を抜いて欲しいんだけど、容赦しません。
ボルシアMGは今期1部に昇格して、バイエルンに1−0で勝利するなど大健闘しており、
順位もケルンより上。単純比較は出来ないが、今期の成績が、ケルンいた時の保田の活躍が
スゴかったかを物語っていると思う。
鬼のような保田の働きが認められて、バイエルンに移籍することになったのであろう。
411 名前:名無し 投稿日:2001年10月21日(日)14時45分47秒
バイエルンの成績は本文で語られているとおり。しかし、
>レギュラーこそつかめなかったがここ一番で起用されるエースキラーとしてケルベロス(地獄の門を守る番犬)
>というあだ名で恐れられた。
という1文が気になる。
エースキラーで、ここぞというときに起用される選手。確実にチャンピオンズリーグ出場してる。
ベッカム、フィーゴあたりに仕事させてません。バイエルンのお得意の堅守、超速カウンター攻撃に
一役かっていた可能性大。(CLでのレアル戦でも分かるように、バイエルンは引きながらも攻撃に
移れるチーム。ワンチャンスをモノに出来るチーム。絶対、相手チームのファンからは嫌われていたと思う。)

なのに現役を退くなんて・・・。勿体ないよ、まだやれるだろ? 古巣に復帰しろ! ヘルタは待ってると思うぞ!
マジ、ちったぁ恩とか義理とかあるだろ!? ヘルタにもさぁ。保田がいなくなってからのヘルタは
5位、6位と年々順位下げてるんだよね。ケルンもあんまり調子よくないし。
保田が入るとチームは勝ち、抜けると負ける。今年のバイエルンは保田がいないからダメだな(w
412 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月21日(日)15時36分04秒
でも、第1部では高卒で、少なくとも選手権で戦った次の年に予選があって、
でも、矢口の方はFに入ってからスグに悲劇があって、読み返せば読み返すほど
時系列に矛盾があるから、なぁ・・・
まぁ、97−98シーズン中の移籍となると、W杯終了後だからもう、そんなに試合があったわけじゃないし・・・

現役引退には早すぎる。若すぎるハズなので、やはり心臓病が原因かなぁ?
413 名前:名無し 投稿日:2001年10月21日(日)19時20分38秒
>>412
イヤ、97−98シーズンはW杯の前、97年秋から98年春までの期間。だから
W杯はまだ開催していない。本文にW杯の半年前に渡独した、っていう話がある。
97−98シーズンの冬に移籍したようだよ。
確かに時系列に関してはイロイロあるけど、面白かったからいいや。

>>409-411に関してはお遊びだからね。各選手の海外移籍に関しては、そのクラブでの活躍に
ページが割かれてないぶんだけ、コッチの妄想をかき立てられる。
作者は作者で楽しく書いてるように、ウチらはウチらで遊んでも良いんじゃないかと思って
書いたんだよ。だって知りたいじゃん、海外でどんな評価受けてたんだろ、とか、
どんなプレーヤーだったのかって。実際、オレが書き込むまで保田が2部でプレーしてた
なんて思わなかったでしょ?
なんだっけ、マンガの野球選手とかの成績を真面目に調べた本があったでしょ!?
アレをイメージしてみたんだよ。

一部のキャラの年齢に関しては、オレ自身は実年齢+10+αだと思っているから、
仮に30越えた選手で、持病持ち、って考えたら引退は妥当だと思うんだよ。
ただ、古巣が今、不調なだけに惜しいなぁって思うんだよね。
414 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月21日(日)22時00分21秒
うん、まぁいいや。
ゆきどんが福岡でプレーしてて、五輪世代だってのは正直ビビった。
ハロモニメンバー整理してたら忘れてたから慌てて出したっぽい。
・・・・大活躍したらどうしよう(笑)
415 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月21日(日)23時43分49秒
紅白戦が始まるよ。
楽しみだね。テレビ中継しないかな。
416 名前:名無し 投稿日:2001年10月21日(日)23時53分13秒
確かに。
ベストメンバー選出企画はなんだったんだって感じだよ(w
まぁ、祭りみたいで楽しかったから、別に良いんだけどね。

この際、大活躍して貰ってレギュラーどりするのも一興。
417 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月22日(月)00時19分23秒
ほんとにみんな溜まっとったんやな。
自分の構想を思いっきりブチまけてるもんな。
俺はみんなもようサッカー知っとるわって思ったよ。
特にヨーロッパサッカーに詳しい人なんか、待ってましたと言わんばかりの監督ぶり。
モーニングが好きでサッカーも好きってこの小説は最高だろうね。
418 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月22日(月)01時07分52秒
>>417
禿同!! ま、自分も含めて、だけど(自爆)
419 名前:名無し 投稿日:2001年10月22日(月)03時06分53秒
同感、同感。
作者が提案した遊びに乗っかってイロイロ楽しめた。
みんなの意見に感心したり、笑わせて貰った。
小川FW案には「カーンのダイビング・パンチングシュートかよ!」
っていう突っ込み入れてたよ(w
(カーンはかつてCKの時、相手ペナルティーエリアに入り込み、キーパーの習性か
パンチングでシュートした経歴あり)

しかし、相変わらずオレのレスは長いな(w
爺になると話が長くなっていけないよ。これでも削ってるんだから恐ろしい。
420 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月22日(月)03時12分58秒
1 高橋
2 大谷
3 戸田
4 吉澤
5 後藤
6 矢口
7 福田
8 石川(初戦は辻)
9 安倍
10 飯田
11 加護

相手次第で6と8を入れ替えるのも面白い。
飯田のコンディション次第では、10に石川、8にアヤカ。
石川の下に3枚守れる人材を構えさせる。
飯田は典型的な10番というよりはバランサーの役目を。
保田も次世代の指導者見習、選手と近いコーチとして是非連れて行く
421 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月22日(月)03時46分25秒
>>419
俺は「Jドリームの富永かよっ!」って突っ込んでました。
結構Jドリームネタが散りばめられてると感じたのは俺だけ?
422 名前:名無し 投稿日:2001年10月23日(火)06時39分07秒
>>421
確か1部でマンガのことコメントしてなかったっけ?

ファンタジスタをパクって辻の姉ちゃんが辻にサッカー教えてた
なんて設定出てこないかな。ベッカムばりのFK蹴ったりして。
そんだけウマきゃ、姉ちゃんが代表入りするけどね。
423 名前:10番信望者 投稿日:2001年10月23日(火)16時13分17秒
1 高橋
2 紺野
3 保田
4 吉澤
5 後藤
6 柴田
7 松浦
8 矢口
9 福田
10 石川
11 加護

オーバーエイジは飯田、矢口、保田で
世界大会でDF強化は必須という事で保田、バランス+万能性で飯田、矢口で
飯田のA代表主将の意地や安倍越え、今までそんなに目立たない事と最終予選以降
差を見せられている松浦の意地が見たいので。それに福田もいるし。五輪世代の成
長のためにもあえて松浦で
スーパーサブは飯田と辻で 飯田は9or4での起用(9でも実際は99チャンピオ
ンシップの福西みたいな起用)それにより後藤のスクランブルも可能に。辻は7番
スピードの最大限の活用にはやはり途中出場が効くのでは
個人では石川に期待。10番は10で好き勝手にやって欲しい。また劇的なFKも
期待。10番信望者でした
424 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月23日(火)22時09分01秒
確かに社会的に言えば石川と吉澤が一番頑張って動かなくてはいけないポジションだよね。
MUSIXで新メンが初楽屋入りしたとき、新メンに椅子を出したのは矢口と保田だった。
こういうことは社会的に石川と吉澤の役回り。
だいたい保田に椅子を出させてどうする。石川などは「私がやります!」と言ってすばやく行動しなければいけなかった。
矢口に席を仕切らせてどうする。吉澤などは「矢口さん、いいですから」と言って場を和ませなくてはいけない。
もう、笑って座っていてはいけないのだ。常に周りを見ていなくてはいけない。

本編の流れからそう思っただけ。
425 名前:4126 投稿日:2001年10月23日(火)22時19分47秒
ていうか、みんな俺より詳しいね。
本編は「新垣論」です。矢口たちが娘。に入った時の憎悪の度合いは新垣の比じゃなかった。
本編の感想も書いてやってください(泣)。こっちでも向こうでもいいんで。

投票の途中結果。小川、紺野ら三人、保田、吉澤、後藤、柴田、辻、矢口、安倍、石川、加護が各ポジションの一位。差のつかない1、票の割れた2、柴田がモー以外で唯一トップを取った6以外は順当な感じです。個人的にはあさみが矢口に肉薄するかと思ったけど。
まだ受け付けてますし、結果はなんらかの形で作品に反映させたいと思います。
426 名前:4126 投稿日:2001年10月23日(火)22時34分09秒
>>424
俺もまったく同じこと考えてた。違和感ありありだった。
一次追加メンバー、テレビに映らなかった苦労がたくさんあったと思う。後藤以降はあまりそういう苦労はしてないだろうから仕方ないとは思うけど、新メンなんて大丈夫なのかね。
427 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月23日(火)23時03分11秒
後藤などは中澤の小言をくらっていたほうではないか。
一期追加メンほどじゃないにしろ、中澤と絡んでいることは大きい。
今の新メンは夏先生にやられてるけど、たくましくなれるかね。
しかし精神的にたくましくなっても、社会性が欠如していれば周りへの気配りは届かないはず。
保田などはそれを教えていけるか。
428 名前:4126 投稿日:2001年10月23日(火)23時27分14秒
そうか、中澤のいるいないは確かにでかい。いなくなってみて改めてその大きさに気づくな。
429 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月24日(水)00時17分35秒
>>425
「なんか、ココと、例のところがあるから、本編の方を感想で汚したくなかった。」
っていうのはあるかも?

中澤の重要性という意味では、モーニング娘。になりたくて入った3人と、
モーニング娘。になるしかなかった5人の溝を埋めた功績は、表には出てこないだろうケドあったと思う。
(あくまでも、「思う」だけなんだけど)
んで、>>424のあとに、圭ちゃんが、
「石川〜、あんた、アタシにやらせてんじゃないわよ!」
って言ったと信じておきましょ。

こりゃ、早いトコ、福ちゃんみつけて戻ってきてもらわねば!
(んで、俺は何を言いたかったんだ?w)
430 名前:4126 投稿日:2001年10月24日(水)19時28分22秒
「例のほう」見ました。オレのいないところで盛り上がるなようw
431 名前:4126 投稿日:2001年10月24日(水)20時21分15秒
あと、Jドリームだけじゃなく、塀内夏子作品はどれも好きです。どれくらいかと言われれば、今日発売のマガジン、グラビアの前に「Road輝ける道」を読んだくらい。マジ。
男以上に男をかっこよく描けるあの手腕は凄い。
逆に、女性はどれも悲しいくらい「お話の中の人」。こんな人も珍しい。
432 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月24日(水)21時28分38秒
>塀内夏子作品
Jドリームはおもしろいけどオフサイドは正直きつい。
弱小高校が指導者もなしにいきなりそんな強くなるわけないだろって思いません?
まぁ、まだサッカーがマイナースポーツの時代だったから仕方ないのかも。
433 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月24日(水)22時11分28秒
でも、オフサイドは泣けた。
弱小高校とはいえ、吾郎たちの入学以前は織田さんという、名MFがいたし。
結構、高校サッカーってあーゆーチームはあると思う。
ちかくに強豪校があることがチームの強化に障壁にならないのも珍しいけど。
いや、全国出場することだけでもゴクマレですが。

あの駅伝の漫画もおもろい。ミスバレーボールも。
・・・って、ほかはもう知らんけど。
434 名前:4126 投稿日:2001年10月24日(水)22時42分02秒
>>432
そこは否定しないけど、魔球ものでない、リアリティのあるサッカーものってだけですごい衝撃だった。キャプ翼の模倣でないと言い切れるサッカー漫画は他に「フリーキック!」くらいしか知らない。不勉強だが。
>>433
最近短編集出たし、異色なところでは少年えん罪事件をテーマにした「勝利の朝」なんてのもある。
435 名前:名無し 投稿日:2001年10月25日(木)00時03分10秒
レスの流れからはずれるが・・・

先輩からキツク言われてたりすると、逆に「あんなふうになりたくない」って思って後輩にたいしても
優しくというか、あんまりグダグダ言わないことってあるよね?
オレの学校は変な決まりがあって、たとえボールがすぐ近くにあっても「ボール」って言えば後輩が取ってきて
渡す(試合の話じゃない)とか、後輩はたとえ外であっても先輩にあったら、姿が見えなくなるまで挨拶し続ける
とかあって、ずっと疑問に思ってた。これで上手くなるのか? これでチームが強くなるのかって。
だからオレは極力、そういうことはしないようにしていた。
そしたら先輩から「お前の教育はなってない」って言われたよ。
オレは納得いかなかったから、たとえ注意されてもこの姿勢は変えなかった。
436 名前:名無し 投稿日:2001年10月25日(木)00時10分49秒
ただ、今になってこの時考え方が合っていたか疑問に思うことがある。
結局、学校サッカーって教育の一環なんだよね。実際オレ自身も後輩もプロにはなれなかったし
なるほどの才能もなかった。そういうヤツにとってあの滅茶苦茶と思えた決まり事も
人間関係を円滑にするため、社会人になるための訓練として機能してたのかもしれない。
そう思うとあの時のオレの判断は間違ってたかもしれない。
ふとその事を思い出したよ。

でも・・・
やっぱ自分の近くにあるモンは、自分で取るべきだよなぁ(w
437 名前:4126 投稿日:2001年10月25日(木)00時30分43秒
俺んとこは顧問(しかも三年間担任)がすげーうっさくて、しかも自分が授業受け持ってるクラスのやつばっか怒るんで、あん時は学校教育の矛盾を感じずにはいられなかった。
そのかわり上下はすげー楽で下級生にタメ口きかれても笑ってたし。今思うともっとしっかりやっとけばよかったと思う。
気がきかないって自分で反省することが、今になってわりとあるんだ。ボールを取るってのも、そんな訓練にはなってると思う。
ちなみにこれは中学の話。高校はさらに楽だった。気がきかねーわけだ。
438 名前:ななしのサポーター 投稿日:2001年10月25日(木)01時07分54秒
>>434
自分、「俺たちのフィールド」派です。
多少設定は無茶ですが。割と現実的な気が。
439 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月25日(木)01時55分30秒
ふむふむ。体育会体育会したところで育った人もいるのね。
俺は中学高校と部活は「遊びの延長」の、私立の一貫校だったんで、
「正当な理由のないルールを振りかざす奴はゴミ」という雰囲気だった。
だからそんなに無茶苦茶なことはなかったし、上下関係も希薄だった。

だけど面と向かって言われないからこそ、自分で考えることが多くなるとも思う。
ま、弱小校の中の弱小校だったが(w
440 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月25日(木)01時56分09秒
あ、俺フィーも泣いた。立ち読みで。
濱田が好き。国分も好き。Rドッグスが好き。
まぁ、現実的かな。ドライブシュートは大空某よりも鋭く落ちるけどw
そういえば、Rドッグスも3−4−3っぽくなるときあるよね。
441 名前:ななしのサポーター 投稿日:2001年10月25日(木)02時08分19秒
騎場と槌矢が好き。
J1(当時)→Jの昇格かかったヴェルディ戦と
アルゼンチン戦の和也の最後のオーバーラップ。泣きそうになった。
市井と和也が重なって見えるんですけど。キーパーやったし。
442 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月27日(土)08時05分04秒
ファン・アミゴ引退か・・・。
443 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月27日(土)23時21分56秒
辻のいないオリンピックなんてオリンピックじゃない!!
がんばれ辻!!お前はできる子だ!!
444 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月28日(日)12時43分57秒
細かいですが・・・。
本スレ94。
加護って交代してたよね・・・。
445 名前:4126 投稿日:2001年10月28日(日)14時43分47秒
あ…なに考えてんだ俺。
446 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月28日(日)19時40分46秒
飯田の左足から出されたパスってことで・・・って俺が言うなよ!
447 名前:4126 投稿日:2001年10月28日(日)21時25分01秒
「あなたが選ぶ五輪代表」投票ありがとうございました。約束通り本日日付が変わるのを持ちまして締め切らせていただきます。本当にいろんな意見ありがとうございました。どんなイレブンが望まれているか良く分かりました。
まだ最終締め切りまで間がありますんで投票まだの方はどうぞってもういないか? 順位が動きそうなのはゴールキーパーと右サイドバックでしょうか。
448 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月28日(日)21時52分53秒
圭ちゃん、落ちちゃった・・・
左サイドバック、大決定だと思ってたのに。
この左サイドが8年前の二の舞にならないことを期待。
449 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
450 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月29日(月)00時23分12秒
圭ちゃん監督か〜
なるほど。
石黒監督みたいになるんかな。
がんばって!!
451 名前:4126 投稿日:2001年10月29日(月)02時46分34秒
投票締め切りました。重ねてありがとうございました。予想以上の反響がありました。結果は後ほど
449ですが削除依頼が出されてるようなんでほっといてみましょう
452 名前:とまときっど 投稿日:2001年10月29日(月)03時48分09秒
なるほどぉ、壮行試合で世界的ボランチ:タイセーが…(笑)
にしても、ギャンブラー…ぴったりやね(笑)
さてさて、今日が誕生日の小川は出場できるのかな?
453 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月29日(月)21時54分01秒
辻、バレーボールかよ・・・。
でも、ある意味、このチームで一番すごいのは辻な気がする。
454 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月29日(月)22時13分07秒
辻以外のバックアップ3人は誰?
あと、ゆきどんは結局メンバーに残れなかったの?
455 名前:4126 投稿日:2001年10月29日(月)23時02分49秒
起承転結の承まで終わりまひた。
メンバーについての詳しいことは次スレにて。
456 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月29日(月)23時20分24秒
お疲れ様でした。
最後加護と辻がちょっと関係悪くなったのが
残念ですが、いつまでも仲良しじゃ
ほんとの親友になれませんものね。
辻ちゃんがより大きくなって帰ってくるのが
楽しみです。
なんせ、バレーボールやるんだから。
457 名前:4126 投稿日:2001年10月30日(火)08時01分09秒
新メンバーの背番号について。
高橋 愛がIで1。
小川 作品で出てくる理由は完全に後づけで、順大の昨年の1番と8番への個人的な思い入れから。
紺野 あ33なので番号に3を入れたかった。13番目の娘。あのダメぶりが初期市井をほうふつとさせる。
新垣 21垣。バックアップは19から22をつけています
新メンバーは全員守備的なポジションですが意図したものではなく、自然にこうなったものです。
458 名前:名無し 投稿日:2001年10月31日(水)01時55分52秒
( `.∀´)<スゴイメンバーね・・・バルサにボカ、ユーヴェまであるわ・・・。
       その中でひときわ光り輝く、欧州チャンプ”バイエルン”の文字!!
       ステキだわ・・・
(〜^◇^〜)<でも、圭ちゃん現役引退してんだから、正しくは「現在無職」だよね。
( `.∀´)<失礼ね! 現役引退しても欧州チャンプから必要とされるアタシの実力・・・
       そういうのを、たった一言で表現しきった4126の文才に感動したわ!!
(〜^◇^〜)<ただ単に忘れてただけだと思うけどなぁ。
( `.∀´)<うっさいわよ! ホント凄いわよね、このメンバー。欧州チャンプに南米チャンプ、
       嗚呼、これに80年代最強チームが入っていれば完璧だったのに。
(〜^◇^〜)<それだと圭ちゃん、メンバーに入れないけどね。
( `.∀´)<矢口はホントに身も蓋もないツッコミ入れるわね!
459 名前:名無し 投稿日:2001年10月31日(水)01時56分30秒
(〜^◇^〜)<だけど、なっちにユーヴェは似合わないよー
( `.∀´)<「白い貴婦人」には石川が良かったのに。嫌みぽくってサイコーよ!
(〜^◇^〜)<なっちにはパルメイラスが似合ってるのにー。
( `.∀´)<あー、あそこはマスコットが「豚」だからね!って、なんで矢口はファンの神経
       逆撫でするようなこと言うのよ!
       でも、バイエルンにユーベ、リバプールにボカ、ホント、オーバーエイジの所属する
       チームはレベルが高いわ!!
@  @
( ‘д‘)<せやけど、ボカはいただけませんなぁ、リーベルプレートなら各国のリーグ最高優勝記録チーム
      って事になったのに。
( `.∀´)<そこだけなんか間違い探しみたいだったわね!
(〜^◇^〜)<現在プーの圭ちゃんに言われたくないよー!
( `.∀´)<結局その話に戻るんかい! 
460 名前:4126 投稿日:2001年10月31日(水)03時06分00秒
わーい、得した気分。ヤッスーマンセー。
あ、なんかオソロが聞ける。
461 名前:名無し 投稿日:2001年10月31日(水)04時43分49秒
( ´ Д `)<ごとーはさぁ、バルサじゃなくてマドリーなんだよね。圭ちゃんなんか
        勘違いしてるよ。
Σ( `.∀´)!<あ”、ホントだわ! クラシコが迫ってきてるから勘違いしたのね!
(〜^◇^〜)<圭ちゃん、人の間違いは糾弾するのに、自分の間違いは無視するのって
        問題あるよー!
( `.∀´)<人間、誰でも間違いはあるでしょ!? 清く気高く(中略)うえに究極美少女、眼鏡っ娘だーやすマンセー
       な完璧に思えるアタシでも、早とちりっていう欠点がある。欠点だらけのヲタには親しみがわくでしょ!?
(〜^◇^〜)<わかないよ! そこまで言われてわくヤツなんているかよ!
462 名前:名無し 投稿日:2001年10月31日(水)04時45分10秒
( `.∀´)<唐突に話は変わるけど、つい最近、MIKAちゃんと話したんだけどね
(〜^◇^〜)<本当に唐突だねー、んでどうしたの?
( `.∀´)<アタシってワールド・ワイドな存在でしょ!? 娘。で一番インターナショナルな
        存在で有名でしょ!? かねがね「この日本は狭すぎて、アタシの良さが分からない」って思ってたの。
        それだからMIKAちゃんと話してたのよ。そうしたらね、MIKAちゃんから
       「エキセントリック」って言われちゃったのよ!
(〜^◇^〜)<日本人はもとより、アメリカ人にまで「変人」呼ばわりかー。
( `.∀´)<だからこれからは世界を席巻するエキセントリックだーやすマンセーで売り出そうかと思うのよ。
(〜^◇^〜)<どんな売り出し方だよ! 圭ちゃん、ますますフライング。
        とりあえずエキセントリックを誉め言葉と思わないでくれ!
463 名前:4126 投稿日:2001年11月03日(土)22時40分12秒
ぬう。それはエキセントリックな小川の性格、という用法が間違っているということか? おもくそ遅レスだが。
464 名前:名無し 投稿日:2001年11月06日(火)01時02分45秒
( `.∀´)<ホント、亀レスね! 今の今まで気付かなかったわよ!
(〜^◇^〜)<エキセントリックには「偏屈」っていう意味があるんだよ。
        ある種の面白み、ユーモアがないと良い意味でとらわれないだろー!
        ロッカーに入った矢口はエキセントリックって言うなら判るけど!
( `.∀´)<確かに今の小川は「偏屈」っていう意味の方が近いわね!
       人の首締めて「面白い人」なんて言う人いないでしょ!?
465 名前:4126 投稿日:2001年11月06日(火)07時35分09秒
なるほど。勉強になったす。

Converted by dat2html.pl 1.0