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ドラゴンクエストIII〜9人最後の夏休み〜PARTII

1 名前:作者 投稿日:2001年10月04日(木)00時44分17秒
花板で書いていたモノです。
もういっぱいになってしまったので、ここでお世話になることにしました。
ヨロシクお願いします。
もしよろしければ読んで下さい。

今までは↓

 http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=flower&thp=998501072&ls=25

です。
2 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月04日(木)15時51分18秒
移転おめでとうございます。
ってなんだか海板の調子が悪いみたいですね。
3 名前:2 投稿日:2001年10月04日(木)15時54分53秒
あ、レス書き込んだら直った。失礼しました。
4 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時04分29秒
〜〜〜〜〜〜

 「気を付けてね…熱いから…」
 
 そう言って先に入ってしまったリサさんがあたしに手を差し伸べてくれた。
 この風呂は昔ので五右衛門風呂、周りは鉄板。
 かなり熱いらしい。

 その事を言っているのだけど、どうも目の前のリサさんの巨乳…
 でかいおっぱいに目がチラチラしてしまう…
 お湯に中途半端に浮かんでしまったおっぱいが余計にHに見える。

 超ヤラシイ…

 それに、かすかに濡れた髪が顔に張り付き、妙な色っぽさまで加えていた。
 ただでさえHなカラダなのに…

 お酒が隠してくれていると思うけど、思わず顔が赤くなってしまうあたし。
 ホントこの人の事をナイスバディーって言うんだろうなぁ

 ってそんな場合じゃないや…それよりも

 それよりも…
 あたしが顔を赤くしてしまっている理由が…

 小さいあたしは足の長さもそれなりにミニ(いやいやバランスはいいと思うけど)、
 目の前でお風呂の縁をまたぐ時に思いっきり足を上げなきゃいけないって事だ。
 そりゃホテルとかだと、ごっつぁんとかと平気で裸で歩いたりしているあたしだけど、
 それとこれとは別。
 こればっかりはあたしだって恥ずかしい。
 しかもリサさんは女のコが大スキそうだし…

5 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時05分33秒
 そのまま押し倒されたりして…

 そのままお風呂の中で…

 いやややぁぁぁぁ

 そりゃリサさんはカッコいいけど、でもよっすぃーがいるし…
 ダメよダメよダメよ…はっ…おっと、石川が入ってしまった…

 1人妄想に暴走するあたし

 「ひょっとして…テレれてる?」
 聞こえてくるリサさんの声…
 この際正直に…
 
 こく

 そんなあたしに溜息1つ、ざばぁっと立ち上がり、目線を高くして
 『見ないであげるから、さっ』と呆れ気味に手を差し伸べてくれた。

 ありがたく手を取るあたし。

 格闘する事、数十分…こんなに湯船につかるのに苦労した事はなかった。

6 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時06分56秒
 たった一日だけ入らなかったお風呂だけど、ホントヒサブリってカンジだ。

 気持ちいいなぁ♪

 「このお風呂って壁にもたれられないのが残念ですね」
 「そうだね♪
  じゃぁあたしに凭れなよ。」
 そう言うと、向き合っていたあたしの体をヒョイと持ち上げ、
 自分の前に同じ方向に座らしてくれた。
 そして自分の体に抱き寄せてくれた。

 柔らかいおっぱいの感触に、ちょっとテレながらも、結構いいカンジ。

 柔らかくていいなぁ

 「「はぁぁぁぁ」」
 2人して出てきた溜息に、思わず爆笑するあたしたち。

 「明日ですね」
 ボソッと言ったあたしの言葉に、リサさんの体からも少し緊張感が感じられるようになった。

 「そうだね」
 「大丈夫でしょうか?」 
 「大丈夫だよ…
  何かあってもね…
  あたしが雇われたんだから、命懸けでみんなを守ってあげる…」
 
 その言葉はすごく強い意志を感じる事が出来た。
 この人なら安心できる…そんな強い意志が…
 
 「…ありがとうございます…」

7 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時08分25秒
 そう言ってから、あたしはフトみんな…
 はぐれたみんなの事も言っておきたいと思い、いつの間にかその事を口にしていた。
 
 「あの…やぐち…
  言ってなかったんですけど…
  4人で遊んでいたって言ってたじゃないですか…」

 バツの悪そうな顔をしているわたしが、何を言いたいのか判ったリサさん。

 「ん?一緒に遊んでいたのが4人だけじゃないって事?」

 これもウソって事に、また罪悪感を感じつつ、あたしはまたウソを言う。

 「はい…そうなんです…みんなとはぐれちゃって…
  えっとみんなで9人です。だから後5人…
  あっ別にウソつこうって思っていたんじゃないですよっ」
 
 あたしの慌てたような言葉に、ホホを緩めるリサさん。
 
 「で、友達も探したくて…」
 そう言うと、あたしはリサさんの前に正座になるようにして正面に座った。

 「いいわよ♪
  あたしそんな事全然気にしないしね♪
  それより…
  ねぇ…そのコたちもカワイイの?」

 にたぁっとしてあたしに顔を近づけてきた。

 やっぱり…
 カワイイコがスキなんだ…

8 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時10分56秒
 「えぇ…まぁ…」
 「そうだよねぇ〜
  あんたたち4人もホントカワイイもんねぇ〜
  みんながみんなあんなにカワイイなんて珍しいよ」
 「いえ…全然…まぁ…」
 
 余りにも褒めてくれたリサさんの言葉に恥ずかしくなり、
 思わず声がしどろもどろになってしまっていたあたし。
 何を言っているのか意味不明ってカンジだ。

 「…1人超カッコイイコがいて…」

 と、みんなの話題が出てきた所で、酔っていたって事もあり、
 あたしはついよっすぃーの事を口にしていしまっていた。

 「へぇ〜〜どんなコどんなコ?」
 やはりこの手の話はスキなのだろう、リサさんはまた身を乗り出すカッコになった。
 俯き加減で下に垂れたおっぱいはその大きさを倍以上にし、
 更に湯船の浮力でその形がかなり整えられている。
 ホント綺麗だ…そのカッコにちょっとテレて目を落とすが、そのまま続けた。
 
 「顔はカワイイんですけど…いや、カッコイイかな…?
  声、仕草、スタイルとかがはホント超カッコ良くって…」
 「へぇ〜いいなぁ〜」
 「まるでリサさんみたいに…」
 「ははっ、ありがとね♪」
 もう一度おっぱいに目が入り、慌てて付け加える。
 

 「そのコ、胸は全然ないんですけど…」

9 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時12分36秒
 よっすぃーゴメン
 気にしてる事…

 「そっちの方がカッコいいよっ
  あたし的にはみんなのスタイルの方がカッコ良くてスキ。
  やぐちちゃんなんて、すごい腹筋してる。
  それすごいカッコいいよっ」
 
 みんなに褒められてる自慢の腹筋を、更に褒められちょっと鼻が高くなるあたし。

 「いえ…リサさんだって…
  すっごいスタイルいいですね…
  それだけ大きいとホント羨ましいです」
 「ふふふ…ありがとね…
  でも、こんなのって面倒なだけなのよ〜」
 「そうなのですか?」
 そう言えばよく雑誌とかで聞くような気がする。

 「戦いの時はやたら動きにくいし、揺れるし…バカっぽく見えるし…
  街なんかじゃオトコの目がホント腹立つんだよっ!
  それにお金なんか渡して『これでどう?』だってっさっ!
  あたしは娼婦じゃないっつうにっ!!」

 ばばばばっっと一気に捲くし立てるリサさん。
 だんだんとエキサイトしてきたのか、湯船に湯かんでいるおっぱいもやたらと揺れてきた。

 ホント綺麗な形だなぁ…羨ましい…

10 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時14分09秒
 「でも、それだけ大きいと羨ましいです。
  やぐちなってこんなに小さいし…どうしたらそんなに大きくなののですか?」
 あたしの言葉にそうかなぁってカンジで自分の胸を触り、
 『どうしたっけなぁ』って言いながら手持ち無沙汰なのか、
 両手でまたあたしをそばに寄せ、同じ方向に座らせてから抱き寄せてきた。

 なすがままと言ったカンジのあたし。
 素直にリサさんに埋まる。

 「そうだね…」
 って言って、もう一度あたしとの間に埋もれている自分のおっぱいを触った。

 っ!!

 と、次の瞬間あたしのおっぱいに柔らかい感触が襲ってきた。

 そう、リサさんが急にあたしのおっぱいをゆっくいと揉んできたのだ。
 そっと触っては上下左右に柔らかく動かす。
 そのタッチが絶妙で思わず感じ入りそうになってしまった。

 「ちょ、ちょっとリサさんっ!!」
 「えへへへ…ごめんね…ちょっと懐かしかったから…
  でも、こうやると大きくなるよ…」
 「えっ…」
 「こう…」
 あたしの『えっ…』にもう一度手を柔らかいタッチで滑らす。
 「やっ…」
 思わずもれてしまったHな声に、急に恥ずかしくなる。
 「あははははっ
  ごめんごめん」
 ちょっと大人しくなったあたしに、さすがに悪いと思ったのか、手を止めてくれた。

 でも…ちょっと気持ちよかったかも…

 よっすぃーだったらもっとよかったかも…

11 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時16分28秒
〜〜〜〜〜〜

 「もう一度…」
 「「かんぱぁ〜いっ」」
 そう言うと、リサさんはキュウッと一気にグラスを口に傾けた。
 あたしは無理だからちょびちょび。

 「ひゃぁぁ〜風呂あがりのこれがいいんだよねぇ〜」
 ぷわっと口を拭うフリのリサさん。

 8人の『かんぱい』の言葉で始まったこのパーティーももうそろそろ終わりつつあった。
 もう終わったって言っていいんだけどね…
 だって飲んでるのはあたしとリサさんだけだし、ごっつぁんも、もう2階に送りつけたし、
 マリちゃんのお母さんに関しては後片付けの洗いものも最終段階に入っちゃってるし…

 手伝おうと思って、さっき声を掛けたら、『お客様だから』と簡単に流されてしまい、
 ちょっと罪悪感のあるあたし。

 そんなあたしをHな目で見ているリサさん。

 どきっ

 『この人って誰にでもHな目使うんじゃないか』って思うくらいこの目は見てきた。
 それでも、こうやってどきってなるって事は…

 恐る恐る尋ねるあたし。
 「どうしたのですか?」
 「やぐちちゃんってお酒に強いね…」
 「えぇ…まぁ…」
 あたしは思ってもいない言葉に、ちょっと返事に困ってしまい、顔を赤くして俯く。

 俯いてしまってから、後悔…

12 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月05日(金)03時17分54秒
 「かっわいいぃぃ〜はあとはあと

 やっぱり

 裕ちゃんと一緒だ…

 ただ、違うのが…

 がばっと抱きつかれ、目の前に、とっても羨ましいおっぱいに顔を埋める。

 ホントでかい…柔らかいし…

 そんなあたしをよしよしと撫ぜながらも、そっと離した後、
 よしって言ったカンジで立ち上がり、あたしをもう一度見た。

 今度はしっかりとした強い視線で。
 
 「カワイイけど、そんだけ強かったら明日から大丈夫だっ!」
 
 …………………………

 どう言う意味かわからなかったけど、この人とだったら大丈夫だって思わせるくらい…
 裕ちゃんと同じくらい…この人には魅力を感じた1日だった。

 
 
 その後、明日からの相談をして、あたしたちは2階で6人一緒に眠りについた。

 明日は旅立ち…

 いい夢が見れますように…

13 名前:作者 投稿日:2001年10月05日(金)03時25分32秒
やっと旅立ちです…長かった…(汗
って言っても、旅立ち寸前…
娘。以外のキャラがよく活躍してますけど、温かく見守っていただけてる分、
凄く楽に頑張って書けます。ありがとうございます〜
これからも娘。以外のキャラが活躍する場面もあるかと思いますが、
その点はどうぞ温かく見守って下さい。

そういえば、ここってホント書きやすいですね(w
1レス結構かけるし…
いままでずっと普通のトコで書いてたのですが、
今書いてるのがいっぱいになったら次からは全部ここでもいいような気が(w

>>2.3:名無し読者さん

 ありがとうございますm(__)m
 これからも頑張りますんでヨロシクお願いしますね〜

 時々調子のおかしくなる板が…
 書こうっ!って思ってる時になると、肩透かしくらったような気に(w

14 名前:パスカル 投稿日:2001年10月05日(金)12時00分46秒
更新待ってました!
>>13
>時々調子悪くなる板が…
ありますよねー、確かに。白とかも時々読み込み止まりますし。
読む方も肩透かしくらいます。
そう言えば今回はsageで行くんですね?協力させてもらいます。
そして頑張ってください!

15 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月06日(土)02時55分06秒
なんか風呂場でちちくりあってるし(w
懐かしいて…このさきリサさんの過去も出てきそうかな?
娘。以外のキャラが絡むってのは、わたしはOKですね。
セルフインサーティングっていうのかな、作者自身を小説に登場させるってのは
ちょっと引いちゃいますが、そうじゃなかったらOK。

>>2-3 のレスを書く前は海板のtopページが途中までしか出なかったんですよ。
で、前レスはみれたのでそっちから飛んできてレスしたら直ったと。
FAQをみると、リフレッシュをかけるといいみたいですね。多分このことだと。
http://mseek.obi.ne.jp/faq.html#f3q2
16 名前:15 投稿日:2001年10月06日(土)02時59分20秒
>作者自身を小説に登場させる
あ、小説の合間のレス劇場(?)みたいなのででてくるのは楽しんでます。
ってフォローしておこう。だれにだ。^^;
>前レス
前スレ だ…
17 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時22分05秒
14〜【アリアハン】旅立ち〜

 あたしは高い昂揚感で自然と目が覚めてしまった。
 カーテンのせいもあり、周りはまだちょっと暗い。
 
 隣に寝ているなっちもまだ静かに寝息を立てている。
 起こさないようにベッドになったソファを降りる。
 
 向こうの同じようにしたソファではごっつぁんと加護。
 更にその向こうのベッドではマリちゃんが幸せそうに眠っていた。

 そんなみんなを起こさないように静かにドアを出て下に降りると、
 もうすでにマリちゃんのお母さんとリサさんが起きて、
 何かしらの準備をしていた。

 挨拶をする。

 「あっおはよう。」
 「おはよう♪」

 2人から返ってくる声を聞き、あたしはソファの近くに座って
 何かをしているリサさんの近くに寄って行った。

 そのリサさんの手元には、あたしが昨日【武器屋&防具屋】で見た【皮の鎧】があり、
 何か糸とかを使って裁縫らしき事をしている。
 ちょっと不思議に思い聞いてみるあたし…

18 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時23分13秒
 「何してるんですか?」
 
 「ん?これ?
  これは、あたしが昔使っていた【皮の鎧】なんだけどね…
  マキちゃん用に軽くしてるの…」

 「ごっつぁんだけかぁ…いいなぁ…」

 あたしの愚痴に近い呟きに、笑みを浮かべながらこっちを見ていた目を下に落とした。

 「【戦士】のマキちゃんしかつけれないのよ…
  ナツミちゃんもとりあえず着れるけど、
  マキちゃんに前で戦ってほしいし…」

 あっ…そうか…納得…

 「嫉妬してくれてんのねぇ〜」
 ふぅ〜んってカンジで頷くリサさん。

 「どう言う意味ですかっ!?違いますっ!!」

 「はいはい…そう言う事にしとこっか…」

 「……………」

19 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時25分47秒
〜〜〜〜〜〜

 心配した通りだった…

 ごっつぁんとなっち…
 これはモーニングの中で最高級のコンボかもしれない…

 しかも昨夜のお酒…
 2人の眠ってる姿を見てたら一生起きてこないような予感もした…

 あたしの携帯の時計はもう電池切れで分からないけど、
 加護の持っている腕時計ではもう12時前。
 リサさんも困ったような表情になっていた。

 と、そんな危機を救ってくれたのはマリちゃんのおじいちゃんだった。
 わたしと加護がいくら起こしても起きない2人のそばにすくっと立つと、
 一言【ザメハッ!!】…脳が一気に覚醒するらしく、
 何事もなかったかのようにムクッと起き上がり、『おはよう♪』

 すごい…向こうの世界に持って帰りたい…
 
 2人は寝坊のバツとして朝ごはんもなしに、早速準備に掛かった。
 『ぶうぶう』言ってる2人を無視し、とりあえず、昨日の街の【武器屋&防具屋】で買った服を着る。

 あたしは昨日のカッコ通り、だいたいみんなもそんなカンジの服を着た。
 トップスはみんなTシャツチックな服に、ボトムスの方は、あたしは七分丈のパンツ、
 なっちと加護はハーフパンツ、ごっつぁんはショートパンツだ。

 靴は、全員、昨日あたしが履いていた鉄板の入ったアツゾコ気味のスニーカーチックなもの。
 ただデザインはちょっとづつ変わっているけど。

20 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時27分45秒
 「終わったね…じゃぁ…」

 みんなが着終わったのを確認してから、リサさんはごそごそと後ろから何かを取り出した。

 「じゃぁ…まず簡単なやぐちちゃんからね…
  ちょっとコッチ来て」
 
 そう言ったリサさんの手には、一度は目にした事のある、
 青銅を鍛錬して作られた直身平形の【ブロンズナイフ】が握られていた。
 
 そのまま【ブロンズナイフ】を皮で出来た鞘に入れ、あたしの腰にベルトを通し、
 その後ろ側に横向きに縛り付ける。
 
 もちろんあたしはじっとそれを見ているだけ。
 
 「はいっ
  じゃぁちょっとそれ抜いてみて?」

 言われるがままに、あたしの腰の後ろに縛られた【ブロンズナイフ】を順手で抜く。
 特に違和感なくサッと抜ける【ブロンズナイフ】。
 
 「いいね♪
  出来た
  じゃぁ…次ナツミちゃんね…」
 
 あたしはその【ブロンズナイフ】を見ながら、加護とごっつぁんの方にぼぉっとしながら行く。
 歩きながらもちょっとした昂揚感と共に、今つけたばっかりの《それ》を眺める。

21 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時29分14秒
 「やぐちさんカッコイイですよぉ〜」
 「ホントカッコイイよっ、やぐっつぁん♪」
 
 2人の言葉に、ちょっと胸を張ってしまうあたし。
 なんだかこれ1つを持っただけで、やけに自分が強くなったような気分がした。
 腰にある鞘に戻し、また抜いては確かめる。

 ちょっとニヤける

 「はいっ!おっけぇ〜
  じゃっ最後、マキちゃんね」

 「あいさっ♪」
 「ええええぇぇぇぇっ!!!!!
  リサさぁ〜〜ん!加護は?」
 
 『最後』の言葉に、いかにも残念そうな加護の声が部屋に響く。

 そんな加護を優しそうな目で見つめるリサさん。
 
 「アイちゃんのはちょっとなくて…
  でも、アイちゃんはアイちゃんで、
  こんな武器なんか頼らなくてもいいくらいの強い【呪文】があるでしょ?
  そっちの方がすごいんだからさっ」

 その言葉にみるみる笑みの浮かぶ加護。
 マリちゃんの扱いに慣れてる分、加護の扱いもうまいのだろうね♪
 
22 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時31分10秒
 戻ってきたなっちの腰にも、あたしと同じ【ブロンズナイフ】が縛られていた。

 「ひぃやぁぁぁ〜何だか怖いべさっ」

 そういいつつも、ナイフを抜くなっち。
 少し楽観的な声の調子とは違い、ちょっと不安の為か顔色がよくない。

 「いいなぁ〜安倍さん…」

 そんななっちの様子に気がつかないのか、羨ましそうになっちの腰を見ている呑気な加護。
 『次の村に行くまでにお金が貯まったら、あたしが買ってあげるから。』の言葉に、
 大スッキッ!!て抱きつく加護をよしよしとなだめつつ、
 この武器の事が気になったあたしだった。

 後でホントお礼言っとかないと…

 「えぇ〜カッコ悪いぃ〜」
 もう一度【ブロンズナイフ】に目をやっているあたしの耳に、
 ごっつぁんの抗議の声が聞こえてきた。

 フト見ると、どうやら、あたしが今朝見たリサさんの【皮の鎧】を着るのを渋っているみたいだ。

 「いいからっ!つけなさいっ!」

 まだぶうぶう言ってるごっつぁんを無視して、リサさんは、朝、
 あたしが見た軽量化された【皮の鎧】をつけさせようとしていた。
 
 ボディー、肩、腰をそれぞれひもで縛り付ける。
 そして篭手、臑当て…

 なっちと加護は緊張したような表情でそれを見守る。
 あたしは今朝見たからまだ慣れてるけど、加護となっちは始めて見る《それ》、
 ちょっとワクワクした表情で見ている。
 
23 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時34分01秒
 「きつくない?」
 「大丈夫…
  うわっ…カッコわるっ」
 「我慢しなさいっ
  どうせ街と街を移動する間だけなんだからさっ」
 
 まるでお姉さんのような口調。それにシュンとするごっつぁん。
 
 「ううぅ」
 
 ごっつぁんの情けない声に、リサさんはちょっと苦笑いを浮かべ、
 今度は床に置いてあった銅で作られた【銅の剣】を手に取る。
 その鞘についている2つの穴にそれぞれひもを通し、
 今度は長すぎる為か、背中を斜めにくくりつけると、
 ちょうど背中を横断するように、肩口から【銅の剣】の柄が覗いた。
 
 「カッコイイじゃんっ!ごっつぁん♪」
 「いいですよぉ〜後藤さん」
 「うんうん♪カッコイイよっ」
 
 そんなあたしたちの言葉にも、浮かない顔のごっつぁん。
 何も言わずに、そのまま足を上げる。

 「「「……………」」」
 「ホントは皮のブーツがあるんだけどね…」

 リサさんの言葉が聞こえる中、やけに不釣り合いなスニーカーチックな靴が、
 あたしたちの目を汚した。

 かっけー…くない

24 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時40分41秒
〜〜〜〜〜〜

 あたしたちの目の前に無限の草原が広がっていた。
 その草原の遥か向こうには、あたしたちが来たときに一番最初に見た塔…
 【ナジミの塔】が見えていた。

 最初見たときは、そのあまりにもの高さの塔に、ただただ呆然とそれを見つめるしかなかったが、
 今は堂々とそれを睨みつける事が出来る。

 あたしたちが行く所だ…思わず腰の【ブロンズナイフ】をぎゅっと握る。

 「ここまででいいよ…」
 そっと言うと、リサさんは後ろを振り返った。

 昨日までの綺麗な女性とは一変、鉄を板金して作られた【鉄の鎧】…
 いろいろ部品を溶かして女性用に軽めに改良したんだって…それを身につけ、
 背中からは同じく【鉄の盾】を吊るし、鍔に大きな宝石が埋め込まれ、
 綺麗な両刃刀身を備えた【破邪の剣】を【鉄の盾】の下に肩からくくり付けたリサさんがいた。
 完全に着こなしていた。
 ちなみに、兜系は女性には重すぎてただただ辛いだけだから、軽めのしかつけないんだって。

 そんなリサさんは、凛々しさ、カッコよさが余計に際立って感じられ、
 この人がいたら大丈夫なような確信させ覚えさせるほどだった。
 
 あたしたちの持っていた【袋】…色々と乾パン系の食べ物、旅に必要な必需品を更に入れ、
 少し膨らんだ【袋】を握るよっすぃーと同じくらい大きな手が、
 余計にあたしたちに安心感をくれた。

25 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時42分48秒
 
 あたしたちも立ち止り、後ろを振り返る。

 あたしたちの前には、見送りをしたいと言う事でここまで来てくれた、
 マリちゃんのお母さんとおじいちゃんがいた。

 その中にマリちゃんの姿はない。
 家を出る時に、マリちゃんのお母さんに聞いたのだが、
 『部屋に閉じこもったまま出てこないのよ…』って困った表情をしていた。
 
 最後に挨拶をしたかったんだけど…
 
 お別れが辛いんだって事は痛いほどわかった。
 
 あたしたちだって辛い。
 加護となっちに至ってはさっきから涙をぼろぼろ流している。
 あたしもちょっと涙腺が緩んできてしまっていた。
 ごっつぁんもぎゅうっと流れ出そうな涙を我慢している。
 
 初めて会ったのに、こんなに良くしてくれたマリちゃん、マリちゃんのお母さん、おじいちゃん。
 言い切れない程の感謝を胸に詰め込んだ。

 「これ使ってね…」
 マリちゃんのお母さんが、手元に持っていた袋から出した白い布みたいな物を、
 あたしたちに1つずつ手渡してくれた。
 
 「外套?」
 
 リサさんの言葉に頷くマリちゃんのお母さん。
 
 「そう…リサに昨日言われたやつね。
  何とか直前に出来上がったわ」
 「ふふふ…ありがと…
  どうやって光を防ごうかって思ってたトコ。
  …………………
  1人ずつつけてあげるよっ」
 
26 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時46分57秒
 リサさんが頼んでいたもの、それは外套と言われ、太陽の日差しから身を守る為のものらしい。
 例えるなら頭からすっぽりとかぶれるマントみたいなヤツ?
 
 その真っ白い布はかなりの大きさで、肩で止められるようにボタンが付いて、
 頭を守るための大きめのフードまで付いているものだった。

 着た感触はさらさらした布にすっぽり覆われ、肌に当る布に気持ち良ささえ感じられた。
 見た目の方もかなりカッコ良く、【皮の鎧】を身に付けてからグチグチ言っていたごっつぁんを、
 黙らせるには十分な品物だった。
 
 かなり気に入ったみたい。
 みんな気に入ったみたいなんだけどね。
 
 気分的にも冒険者のカンジが強くなってきた。

 「だいぶん、サマになったようじゃなぁ…」
 外套を着たあたしたちの姿を、嬉しそうに目を細めて見ていたおじいちゃんがそっと呟いた。
 その声に、ちょっとはしゃぎぎみのあたしたちが、おじいちゃんの方を見る。
 あたしたちの表情がスッと固まる。

 「ホントありがとうございましたっ」
 なっちが代表のように言い、その言葉に合わせてあたしたちは頭を下げた。
 また目を細めるマリちゃんのおじいちゃんとお母さん。
 「うむ…頑張って見つけるじゃぞ…」
 「「「「はいっ!!」」」」
 「頑張ってねっ!」
 「「「「はいっ!!!」」」」
 グッと溢れ出てくる涙を胸に押し込み、強く返事を返す。

27 名前:14〜【アリアハン】旅立ち〜 投稿日:2001年10月06日(土)14時50分16秒
 「じゃっ…出発しようか…」
 
 後ろで温かく見守ってくていてリサさんが、そっと呟いた。
 その言葉に強く頷くあたしたち。
 
 何回も振り返りつつ、あたしたちは本当の冒険に足を踏み出した。
 これからどれくらいの長さの旅になるのか分からないけど…


 出会いと別れの沢山ある旅…


 そして…


 よっすぃー…

 梨華ちゃん…

 圭ちゃん…

 かおり…

 辻…
 
 待ってて…


 あたしたちは踏み出した…


 ………………………
 ……………………
 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

28 名前:作者 投稿日:2001年10月06日(土)15時14分59秒
>>14:パスカルさん

 レスありがとうございます〜
 白と雪も多いですよね…
 >>sageは…
 自分としては絶対ってコトではないんで、
 読者さんのうっかりミスでも気にしなくてもいいくらいです(w
 ただ、やっぱり周りは小説投票でも上位に食い込むくらいすごい作品ばっかりなんで、
 ちょっと辛いですね(w
 ので、基本的にsageで(w
 ありがとうございますm(__)m
 これからもヨロシクお願いしますね〜

>>15.16:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 リサさんの過去…もしかしたら…(w
 この旅の中でちょっとづつ出てくるかも…(w
 ちなみに、結構重要人物です…(ボソッ)
 >娘。以外出てきても…O.K…
 そうですか?すっごい嬉しいです(^^)
 ありがとうございます〜
 >リフレッシュ…
 あぁ〜リフレッシュかけたらいいのですか…?
 無知だ…恥ずかしい…
 色々ありがとうございます〜

 P.S

 (〜^◇^)<裕ちゃん小さいんだもん…
 从#~∀~#从<な、なんやて〜(涙)
 (〜^◇^)<もみ心地悪い〜
 从#~∀~#从<(絶句)…や、やぐち…そんなコト言うヤツやなかったやろ…

29 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月06日(土)18時42分28秒
とうとう旅立ちですね。モンスタとの戦闘がどうなるかたのしみです。
できれば血なまぐさくないほうがいいかなぁ。ドラクエ自体がそうですしね。
ほのぼのとしたゲームらしい戦闘がいいな。HIT POINTがどこかに書かれてたりとかね。

しかし、なっちに朝食を与えないというのは…(w
(●´ー`●)<リサさんのおっぱいが饅頭に見えてきたべ。

P.S
从#~∀~#从<あ、あたしの胸は成長途中やねん。ほら、あたしまだ若いしぃ〜
(〜^◇^〜)<裕ちゃん…言っててむなしくない?

なんかおっぱいネタばっかりだなオレ(w。
そういやドラクエでもぱふぱふっていうおっぱいネタがあったっけ。
30 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月07日(日)13時18分13秒
頑張ってください。
応援してます
31 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月08日(月)10時47分46秒
そろそろ大明神様の出番か?
職業は何だろう?
楽しみだな〜
32 名前:パスカル 投稿日:2001年10月13日(土)04時47分48秒
この作品に感化されて思わずドラクエZを買ってしまいました!
大学生にもなってゲームを衝動買い(w

ストーリーのほうも期待sage
33 名前:〜ちから〜安倍なつみ〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時00分34秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》〜〜〜〜安倍なつみ
 《レベル》〜〜〜001
 《最大HP》〜〜010
 《最大MP》〜〜008
 《攻撃力》〜〜〜011
 《守備力》〜〜〜010
 《力》〜〜〜〜〜002
 《素早さ》〜〜〜006
 《身の守り》〜〜004
 《賢さ》〜〜〜〜007
 《かっこよさ》〜245

『装備品』
 《武器》〜〜ブロンズナイフ
 《鎧》〜〜〜布の服
 《盾》〜〜〜*
 《兜》〜〜〜*
 《装飾品》〜ピアス

『職業』
 《職業》〜〜〜〜僧侶
 《職業レベル》〜Lv..1〜みならい

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向
  Lv.1の時 【モーニング娘。マスター】となる
  Lv.1の時 【モーニング娘。マスター】から【僧侶】に転向

『魔法』
 《攻撃系呪文》〜〜〜*
 《回復系呪文》
  【ホイミ】
 《戦闘補助系呪文》
  【ニフラム】
 《移動補助系呪文》〜*

『特技』
 《攻撃系特技》〜〜〜*
 《回復系特技》〜〜〜*
 《戦闘補助系特技》
  【さざなみの歌】(辻加護相手の時のみ)
  【ゆりかごの歌】(辻加護相手の時のみ)
  【ひつじかぞえ歌】(辻加護相手の時のみ)
 《移動補助系特技》
  【ねる】(いつでも寝れる)

34 名前:〜ちから〜加護亜依〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時02分45秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》〜〜〜〜加護亜依
 《レベル》〜〜〜001
 《最大HP》〜〜008
 《最大MP》〜〜010
 《攻撃力》〜〜〜004
 《守備力》〜〜〜010
 《力》〜〜〜〜〜002
 《素早さ》〜〜〜013
 《身の守り》〜〜003
 《賢さ》〜〜〜〜008
 《かっこよさ》〜255

『装備品』
 《武器》〜〜*
 《鎧》〜〜〜布の服
 《盾》〜〜〜*
 《兜》〜〜〜*
 《装飾品》〜*

『職業』
 《職業》〜〜〜〜魔法使い
 《職業レベル》〜Lv.1〜まほうずき

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向
  Lv.1の時 【Lv.5〜トップアイドル】から【魔法使い】に転向
『魔法』
 《攻撃系呪文》
  【ギラ】
  【メラ】
 《回復系呪文》〜〜〜*
 《戦闘補助系呪文》〜*
 《移動補助系呪文》〜*
 
『特技』
 《攻撃系特技》〜〜〜*
 《回復系特技》〜〜〜*
 《戦闘補助系特技》
  【ぼけ】(辻と一緒の時&メンバー内のみ)
  【いっぱつギャグ】(メンバー内のみ)
  【ステテコダンス】(辻と一緒の時&メンバー内のみ)
  【コミックソング】(辻と一緒の時&メンバー内のみ)
  【ぱふぱふ】(辻と一緒の時&メンバー内のみ)
  【誘う踊り】(辻相手の時のみ)
 《移動補助系特技》
  【ねる】(いつでも寝れる)
  【しのびあし】(辻と一緒の時で、なおかつイタズラ中のみ)

35 名前:〜ちから〜後藤真希〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時04分22秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》〜〜〜〜後藤真希
 《レベル》〜〜〜001
 《最大HP》〜〜019
 《最大MP》〜〜002
 《攻撃力》〜〜〜022
 《守備力》〜〜〜020
 《力》〜〜〜〜〜011
 《素早さ》〜〜〜001
 《身の守り》〜〜007
 《賢さ》〜〜〜〜002
 《かっこよさ》〜244

『装備品』
 《武器》〜〜銅の剣
 《鎧》〜〜〜皮の鎧
 《盾》〜〜〜*
 《兜》〜〜〜*
 《装飾品》〜ピアス

『職業』
 《職業》〜〜〜〜戦士
 《職業レベル》〜Lv.1〜みならい

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向
  Lv.1の時 【モーニング娘。マスター】から【戦士】に転向

『魔法』
 《攻撃系呪文》〜〜〜*
 《回復系呪文》〜〜〜*
 《戦闘補助系呪文》〜*
 《移動補助系呪文》〜*

『特技』
 《攻撃系特技》〜〜〜*
 《回復系特技》〜〜〜*
 《戦闘補助系特技》
  【ぱふぱふ】(メンバー内のみ)
 《移動補助系特技》
  【ねる】(いつでも寝れる)

36 名前:〜ちから〜矢口真里〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時09分07秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》〜〜〜〜矢口真里
 《レベル》〜〜〜001
 《最大HP》〜〜011
 《最大MP》〜〜013
 《攻撃力》〜〜〜014
 《守備力》〜〜〜013
 《力》〜〜〜〜〜004
 《素早さ》〜〜〜014
 《身の守り》〜〜004
 《賢さ》〜〜〜〜015
 《かっこよさ》〜255

『装備品』
 《武器》〜〜ブロンズナイフ
 《鎧》〜〜〜布の服
 《盾》〜〜〜*
 《兜》〜〜〜*
 《装飾品》〜ピアス&シルバーリング&ペンダント

『職業』
 《職業》〜〜〜〜踊り子
 《職業レベル》〜Lv.1〜みようみまね

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向
  Lv.1の時 【Lv.7〜国民的アイドル】から【踊り子】に転向

『魔法』
 《攻撃系呪文》〜〜〜*
 《補助系呪文》〜〜〜*
 《戦闘補助系呪文》〜*
 《移動補助系呪文》〜*

『特技』
 《攻撃系特技》〜〜〜*
 《回復系特技》〜〜〜*
 《戦闘補助系特技》
  【ぼけ】(メンバー内のみ)
  【つっこみ】(メンバー内のみ)
  【いっぱつギャグ】(メンバー内のみ)
 《移動補助系特技》
  【ねる】(いつでも寝れる)

37 名前:〜ちから〜リサ〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時11分52秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》〜〜〜〜リサ
 《レベル》〜〜〜012
 《最大HP》〜〜111
 《最大MP》〜〜012
 《攻撃力》〜〜〜100
 《守備力》〜〜〜109
 《力》〜〜〜〜〜058
 《素早さ》〜〜〜012
 《身の守り》〜〜066
 《賢さ》〜〜〜〜012
 《かっこよさ》〜255

『装備品』
 《武器》〜〜破邪の剣
 《鎧》〜〜〜鉄の鎧
 《盾》〜〜〜鉄の盾
 《兜》〜〜〜*
 《装飾品》〜*

『職業』
 《職業》〜〜〜〜戦士
 《職業レベル》〜Lv.6〜たつじん

『職歴』
  Lv.1の時 【僧侶】に転向
  Lv.1の時 【Lv.1〜みならい】から【戦士】に転向

『魔法』
 《攻撃系呪文》〜〜〜*
 《回復系呪文》
  【ホイミ】
 《戦闘補助系呪文》
  【二フラム】
 《移動補助系呪文》〜*

『特技』
 《攻撃系特技》
  【気合いため】
  【しっぷつ突き】
  【ドラゴン斬り】
 《回復系特技》〜〜〜*
 《戦闘補助系特技》〜*
 《移動補助系特技》〜*

38 名前:〜〜〜〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時14分45秒



 第3章〜【レーベの村】−魔法の玉〜


39 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時19分34秒
01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜

 【アリアハン】を旅立ってから、もうかれこれ2時間位はたった。
 見渡す限り平原となり、自分がどの方向に向かって歩いているのかさえ分からなくなってきそうだ。

 かろうじてあたしたちの真上に輝く太陽と、左側にそびえ立っている【ナジミの塔】の2つが、
 その位置を教えてくれている。

 その、あたしたちの位置を教えてくれるありがたいはずの太陽だけど、
 夏の季節の強い日差しが外套の上、針のように全身に降り注いで来ている事が、
 かなり体に応えてしまう。

 今になって思えば、この外套がなかったらどうなってたんだろうってカンジだ。


 超日焼けしちゃうし…

 あっ…その辺は大丈夫か…
 何でか知らないけど、【袋】の中に日焼け止めが入っていたしね…

 って…何で入ってたんだろう…
 あたしたちの仕事がらを考えてくれたんだろうか?


 でも、ホント熱い…


 みんなも大丈夫なのかなぁ…


 あたしの左前を歩いている加護は、さっきまでは色々と周りに話し掛けていたが、
 だいぶん疲れてしまったのか、一言も口を利かなくなっていた。
 少し足取りも重そうだ。

 その隣のなっちは時々後ろを振り返り、あたしに話し掛けながらも、
 その顔色は大分悪く、無理をしているのが一目瞭然であった。

40 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時23分53秒
 その前…

 一番前を歩いているごっつぁんも、最初こそ色々と話していたが、
 今では黙々と前に進んでいた。

 時々、一番後ろにいるリサさんに『方向あってる?』と聞きつつ、
 その返事を聞いてからはまた口を閉じサッと力強く歩き出す。
 そのテンポは全く変わることなく、メトロノームのように常に一定であった。



 「【レーベの村】まで何日くらいかかるのですか?」

 ちょっとした沈黙がイヤになったあたしは、
 一番後ろで周りを警戒して歩いてくれているリサさんの方に振り返る。

 スッとコッチを見たリサさん。

 深い外套の下、その表情にはなっちや加護のような疲労感は全く感じさせる事はなかった。
 ニッコリ微笑んで、あたしの隣に来た。

 「このペースだと、4日くらいだね…」

 リサさんの言葉に思わず絶句するあたし。
 
 「4日ですか…」
 「うん…それも、このペースでずっと行けたらの話だね。
  たぶん明日かあさってになると大分ペース落ちちゃうと思うし…」
 
 なんとなく分かりそうな気がする。
 たった2時間歩いただけでみんなこのザマだ。

 もつのだろうか…
 とにかく早く歩く事に慣れるってのが第一かもしれない…

41 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時27分02秒
 「今日はとりあえず早めに《おやすみ》だね」
 「どこかに泊る所ってあるのですか?」
 
 あたしのすぐ前にいるなっちが、くるっと振り返り後ろ歩きで聞いてきた。
 話す事でその苦しさを紛らさせようとしているのか、
 相変わらずその顔色は深いフードの中、青白くなっていた。
 
 なっちの話題を聞いて加護にごっつぁんも後ろ歩きになる。
 
 「ちょっとないね…
  ただ、2日目に泊る予定のトコは、砂漠で言うオアシス的なトコだから水浴びはできるよ。」

 「そんなに綺麗な水なの?」

 ごっつぁんの言葉に大きく頷くリサさん。
 外套の中、満面の笑みが浮かぶ。
 
 「すっごいきれいだよ。そのまま飲めるくらいね♪
  湧き水になっててね、あたしとあたしの親戚くらいしかしらないから余計に綺麗なんだよ。
  ただ森のちょっと奥になるから、その分ね…」

 笑みの浮かんでいた顔に、スッと翳りが走る。

 「その分…?」
 「魔物が多いって事?」

 加護の疑問符付きの言葉を繋ぐようなあたしの言葉に、リサさんが強く頷く。

 「そっちから行くと、泉は通れるし、時間も2日は短縮できるのよ…」

 その言葉にも、モンスターが多いって事に、ちょっと不安そうな表情になるあたしたち。

42 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時30分10秒
 
 
 そう…


 もう【アリアハン】を出て2時間になるけど、まだ魔物に遇っていないんだ。
 
 ありがたいのか、ありがたくないのか…

 早く遇って慣れの為にも戦ってみたいとは思うけど、その分不安は多い。
 
 でも、ゲームだと【スライム】位の弱さのはず…
 加護が覚えた【呪文】だけでも一撃だったよね…
 なんとなく大丈夫なような気もするんだけど…

 リサさん曰く、昼間の【アリアハン大平原】ってトコは、ほとんど魔物に出会わないんだって。
 周りは何も無い所だから、接近してくるとすぐ気づかれるから…

 変な話、魔物も頭は使うらしい。

 ところが、夜になると、それは一変。
 今まで寝ていた魔物が平原でも出てくるらしい。

 だから、『今日の夜が多分初顔合わせじゃないかなぁ〜』って…


 おいおい…



 「ナツミちゃん、大丈夫?」
 少し魔物との戦いをイメージしていたあたしの耳に、優しい声が聞こえてきた。
 そう言って、リサさんはあたしを通り越して、なっちの隣に歩を並べる。

 なっちの深めにかぶったフードを左手で少し上げ、右手でなっちのホホに手を当てて、
 ちょっと考え込む。
 
 「大丈夫ですよっ!…」
 
 明らかに無理をしたなっちの言葉に、その綺麗に整った眉を歪めるだけ。

43 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月13日(土)23時32分13秒
 
 「安倍さん大丈夫ですかぁ?」
 
 加護も心配そうに覗き込む。
 ごっつぁんも自然とその歩みを止める。
 
 「じゃぁ、もうちょとだけ向こうに行ったトコにある、
  森の手前の日陰で休もうか…」
 
 
 「スミマセン…」
 

 なっちの声が自然と弱くなる。
 
 そんなみんなに迷惑を掛けて申し訳なさそうな顔をしたなっちを見て、
 慌てて加護が嬉しそうに声をあげた。
 
 
 「やったぁ〜
  きゅうっけいっ♪きゅうっけいっ♪きゅうっけいっ♪」
 「ごとーも疲れてたから丁度よかったよ♪」
 
 2人の気の利かせたはしゃぎ様に目を細めるなっち。
 リサさんもちょっと嬉しそう。


 「なっちは弱いんだからさっ
  無理しなくていいんだよっ」

 
 「…ごめんね…」
 
 ただ、やっぱり相当辛いのか、あたしの言葉にもただ弱く頷くだけだった。

44 名前:作者 投稿日:2001年10月13日(土)23時56分41秒
リサさんの【つよさ】を調べるためにゲームを進めてました^^;
その為1週間も時間があいてしまった…
一応、この辺かなぁって思いLv.12に…
ホントはもうちょっと上がよかったのですが、
ゲームが進むのまってたらまだまだ掛かりそうだったんで…^^;

>>29:名無し読者さん

 レスありがとうございますね〜
 戦闘シーンは…
 とりあえず書いたのですが、血なまぐさいのかどうか…
 自分での判断は難しいので、もしそうだったら言ってくださって結構ですんで(w
 HP…さすがにHPは…(w

 ぱふぱふネタもご用意してあります(w
 これからもヨロシクお願いしますね〜

 PS.

 从#~∀~#从<むなしいもなにも…真実やねんからしゃーないやんっ!!
 (〜^◇^〜)<(ベタベタ)うわぁっ!!すっごい音…こんなに洗濯板の音たてるおっぱいもないヨ…
 从#~∀~#从<………………
 从#~∀~#从<や、やぐちだってっ!!
 从#~∀~#从<(むにむに)はうっ!!ま、負けた…
 (〜^◇^;)<…………裕ちゃんよりは自信あるよ…(ぼそっ)
 
45 名前:作者 投稿日:2001年10月13日(土)23時58分11秒
>>30:名無し読者さん

 レスありがとうございますね〜
 だいぶんのストックも減ってきましたんで、嬉しいお言葉です(^^)
 これからもヨロシクお願いします〜

>>31:名無し読者さん

 大明神さまは…すみませんがまだまだかかりそうです…^^;
 一番最初はかおののグループからきそうかな…
 まだかかりそうですが、ヨロシクお願いしますね〜

>>32:パスカルさん

 レスありがとうございます〜
 ドラクエVII買いましたか?(w
 この作品が原因って事はお金を使わせちゃってちょっと悪い事を…(w
 VII最初苦労しました…モンスターが出てくるまで10時間は…(w

 このストーリーもVIIに負けないくらい頑張りますんで、これからもヨロシクお願いしますね〜

46 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月16日(火)23時06分33秒
〜〜〜〜〜〜

 外套を脱がせたなっちをゆっくりと木の根元に凭れさせ、
 あたしたちはその周りを囲むようにして座った。
 みんな外套を脱ぐ。

 久しぶりに外気にさらされる肌に、森からの心地よい風があたり、ひんやりと肌を刺激する。

 「はぁぁぁぁ〜〜〜涼しいぃ〜〜〜かごー、後でごとーにもそれ頂戴ぃ〜」
 【銅の剣】を地面に置きながら、加護やあたしより疲れた表情で加護の方を見るごっつぁん。
 「へいっ」

 リサさん曰く、【皮の鎧】って言うのは熱を全部保温するらしい。
 冬はいいけど、夏になるとかなりきつい防具らしい。
 その分あたしたちよりもごっつぁんは結構きついって事だ。

 「大丈夫?ごっつぁん…」
 「まぁ、何とか…かな?」
 
 「はいっ、安倍さん飲んでください…」
 加護がマリちゃんのお母さんから貰った水筒らしきもの…
 魔法瓶ではなく、ごく普通のプラスティックのような軽い材質で出来ている水筒で、
 魔法の力でその水の温度を保温するんだって。
 その水筒からコップに水を入れ、なっちに手渡した。

 「加護ちゃんから飲みなぁ」
 「はいっー!!飲んでくださいぃ!!」
 力強くもう一度なっちに押し出す。

 「………………
  ありがとね…」
 加護の剣幕にちょっとビックリした表情のなっちは、素直に加護が持っていたコップを手に取った。
 そのコップを考え深げに見る。

47 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月16日(火)23時08分43秒
 「ナツミちゃん、ゆっくり飲みなよっ」
 リサさんの言葉に小さく頷き、それをゆっくりと口にあてて、
 ちびりちびりと飲み始めるなっち。


 がさっ


 なっちの飲む姿を見守っていたあたしだけど、そんななっちの後ろにある森で
 《何か》が動いたような感覚を覚える。
 その音は、風で揺れる葉っぱの音にかき消されて聞こえない。

 スッと表情が固まるあたし。

 しかし、ジッとその方向を見るが、特に何かが動く気配はない。
 さっきまでと同様葉っぱが時々揺れるくらいだ。

 ただその緑がやけに目に映え、ちょっとクラクラきてしまいそうになる。
 きりっと我慢して、もう一度その周りをジッと見る。


 「マリちゃん気づいた?」
 「えっ?やっぱりそうなんですか?」
 「まぁね…よかったじゃん…早速出遭えたかもしんないね…」
 そんなリサさんの口調はあたしとは違い、緊張感を与えながらも少し余裕を感じさせるものだった。

 もう一度森の奥を見つめる。

 ぎゅうっと腰の【ブロンズナイフ】の柄を握ぎりしめる。

48 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月16日(火)23時10分42秒
 「マキちゃんとアイちゃんも気を付けてね…
  いつ来るかわかんないよ…」
 
 さっきまでのあたしとリサさんのやり取りを聞いていたごっつぁんも、
 自分の武器を握り締めつつジッと森の方を見る。
 加護は怯えたような表情でごっつぁんの大きな背中にしがみ付いた。

 「ナツミちゃんはあたしの後ろに来て…」
 リサさんがスッとなっちを背中に庇う様にして後ろにやる。

 「大丈夫よ…この辺の魔物はそんなに強くないか…」

 リサさんがそう言った瞬間だった。

 ぐわっ!!

 と、森の中から何かが飛び出してきた。
 気づいた時には黒い影があたしの目の前に迫っていた。
 びくっとなって足のすくむあたし。
 『だめっ!』と思った次の時には、その魔物は派手に左後方に飛んでいた。

 リサさんだ。

 そう…

 リサさんは、サッと自分の体を《それ》の前に持っていくと、
 自分の直前に迫った《それ》を左手の甲につけた篭手で、
 左の方にスッと払うようにして飛ばしてくれたんだ。

 その魔物の転がった後、ざざっ〜と、派手に舞う土埃があたしたちの目の前を汚す。

49 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月16日(火)23時13分16秒
 「大丈夫よ…【おおありくい】…大して強くないから…」

 そんな事言われても…

 気持ち悪い…

 あたしの目の前には、体長は1メートルくらいあるだろうか…
 モグラを巨大化させたようなカンジで、口から40〜50cmはあろうかという舌を
 だらぁ〜と唾液を滴らせた動物…魔物がいた。
 全身の毛を懸命に逆立たせ、爪を立て、こっちに攻撃心剥き出しで睨みつけてきている。

 負けてはいけないと、こちらも睨みかえす。

 「単独行動が多いから、こいつ一匹ね…
  じゃぁ…マリちゃんやって…」

 一生懸命睨みつけているあたしのそばで、リサさんのとんでもない提案の声が聞こえてきた。
 一瞬我が耳を疑う…




 「はいっ?」

 「マリちゃんが1人で頑張ってっ!」

 ………………………

 「やぐちさん…頑張って下さいぃ〜」
 「いやぁ〜残念…やぐっつぁん頑張ってね♪」
 「やぐちぃ〜頑張れぇ〜」

 こいつら〜

50 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時15分38秒
 
 サッと順手に【ブロンズナイフ】を握り締め少し前に出る。

 油断なく全員を睨みつけていた【おおありくい】の目があたしに集中する。
 思わずびびって視線を逸らしそうになるけど、グッと我慢…
 もう一度覚悟を決め睨みつける。

 「教えてもらったようにナイフを使うのよ…」
 左半身を後ろに、【ブロンズナイフ】を体の中心線…
 胸辺りに持ってきて少し体勢を低く相手に向ける。
 
 
 じりじりと左回りに回り、隙を探す。
 
 これだったらいつでも飛び掛ってこられて、
 たとえよけたとしても後ろには誰もいないから大丈夫。

 「2、3回斬りつけてやったらたぶん倒せるから…
  素早い事だけ気を付けてね…」

 ゲームでもそうだったよね…


 ん?


 ちょっと余裕が出てきたかな…ゲームの事考えてるし…

 と、一瞬グッと【おおありくい】の短い足に力が入ったように感じた。

 くるっ!?「くるよっ!!」


51 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時18分43秒
 リサさんの声と共に、あたしがそう感じた次の瞬間には、
 もう【おおありくい】の体はあたし目掛けて向かってきていた。

 グッと伸びる腕。

 サッと体を横にずらし、【おおありくい】にナイフを下から上へと擦らす。
 どこに入ったのかキチンと見えなかったけど、確実に手ごたえを感じた。
 
 ざざっとあたしをすり抜けた【おおありくい】…
 キッともう一度睨みつけ、少し後方に下がる。


 うっ…


 気持ち悪っ…


 【おおありくい】を見ると、そいつは半分切られた腕をぶらんと下に垂らしていた。
 丁度あたしのナイフはあいつの腕を擦ったんだ。
 
 なるほど手ごたえはあったけど…
 
 こっちをさっきよりもきつい視線で睨んでいる。
 まるで自分の腕を切られた恨みをぶつけるかのように…

 滴り落ちる…いやボトボトと落ちるどす黒い血。

 気持ち悪っ…

 もうこれ以上見てらんない…

 たぶん次、突き刺したら勝てるね…

 確信もないのにそう思ったあたしは、サッと相手に間合いを詰めた。
 あたしが前に出たと同時に、そいつも前に出てくる。

52 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時21分16秒
 多分、また腕を伸ばして爪で攻撃だろう…

 出てくる腕を勘でくぐる。
 くぐってから体を横にずらしながら自分のナイフをそいつに突きつけた。
 確実な手ごたえ…そのまま体を入れ替える。


 よしっ


 グラッと前のめりに倒れこんだそいつを一瞥。
 しばらく死んだのかどうか見て待っていると、緑の地面にさっきと同じどす黒い血が流れ出てきた。


 ホッ…


 たぶん死んだのだろうと思ったが、もうちょっと様子を見ると、
 突然魔物の体から黒い煙みたいなものがフワフワと出てくると、
 次の瞬間一筋の黒い光が天に上っていった。

 まるで魂が天に上っていくかのように…


 ちゃりん


 その天に上っていった光を見ていると、ふとコインがぶつかり合う音が聞こえてきた。
 慌てて目をやる…

 すると、その魔物が死んでいたであろう後に、あたしの【ブロンズナイフ】と共に、
 黄金色をした丸いコイン…?いや違う…ゴールド…そう、お金が落ちていたんだ。

 魔物の体が消えた代わりのように。
 たぶん旅人とかから色々と奪ったお金なのだろう…
 まるで金物好きなカラスのように…

53 名前:01〜【アリアハン大平原】初遭遇っ!!〜 投稿日:2001年10月18日(木)22時23分53秒
 ……………………

 こうやってゲームの中だとゴールドを手に入れていたんだ…
 ちょっと妙に納得してしまったあたし。
 地面に落ちたコインを拾い、しげしげと眺める。

 「よかったじゃん…おめでとうだね♪」
 リサさんの声にそっちを振り向く。

 ごっつぁん、加護、なっちはすごぉ〜いってカンジの羨望の眼差しであたしを見ていた。
 いや…あたしよりあたしの持っているゴールドの方にみんなの目はいっていたんだろうけどね…

 「でも…」
 と、そこでリサさんのちょっと怒気の含んだ声にドキッとする。

 「でも…?」
 「でも、ナイフを捨てたらダメだよ…
  もしそれで倒せなかったら、次どうやって戦うのさ?」

 リサさんの言葉にハッとするあたし。
 そう言えばそうだ…倒せるとは感じたけど、
 ホントにそれで倒せるとは確信はなかった…
 ただ何となく倒せるだろうと…

 予想だけだった…

 もしさっきので倒せなかったらどうなってたのだろうか…
 そう思ったらちょっと怖くなってきた…

 「ゴメンなさい…」
 「まぁ…今度は気を付けてね♪」
 「はい…」

 リサさんの明るめの言葉にも、あたしは弱く囁くしかなかった。

54 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月20日(土)02時20分13秒
>自分での判断は難しいので、もしそうだったら言ってくださって結構ですんで(w
ちょっとリアルだけどそんなに血なまぐさくは無いかな。血でてるけど(w

話がずれるかもしれませんが、スライムってものの本によるとけっこう恐いものなんですってね。
ダンジョンの石の隙間から染み出てきてくるからけっこう厄介な上に剣とかも効かないから、
集まって人間を内部にとりこんでとかしちゃうキングスライム(だったかな?)
なんかだとパーティはすぐ全滅。
そんなスライムが最弱モンスタなドラクエが好きだ。仲間にもなるし。

しかし、ルーラができるまでは大変ですねー。一度その街にいかなくちゃいけないし。

PS.

从#~∀~#从<(むにむに)ええなー
(〜^◇^〜)<いいだろー
从#~∀~#从<…(く、くやしい)
(;〜^◇^〜)<…
从#~∀~#从<…
(;;〜^◇^〜)<……
从#~∀~#从<……
(;;;〜^◇^〜)<…ちょっと、いつまでやってるわけ?(滝汗
        (なんか、にやけてるし…)
55 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月21日(日)01時05分49秒
02〜【泉】加護〜

 「たぶんもう少しだよ…」

 獣道の先頭を行くリサさんのその言葉に、弱くしか頷けないあたしたち。
 体力はもう限界に近くなっていた。

 あたしたちが【アリアハン】を出発してから3日がたとうとしていた。
 最初のリサさんの予定より1日遅れてしまったけど、
 それでもリサさんは『思ってたより早いよ』との言葉。

 そんなあたしたちの1日目は、ちょっと日の落ちる前に加護が
 初めて使う【メラ】で焚き火を作り、キャンプ。

 ちなみに【呪文】を初めて見たんだけど、簡単にその言葉を言えばいいと思っていたら大間違い。
 自分の目の前に魔方陣みたいな複雑な円を描きつつ、口でぶつぶつ呟き、
 最後に【メラッ!!】と一言、やっとそれで【呪文】が完成するって仕組みみたいなんだ。
 
 結構複雑なんだねぇ…

 と、それと共に加護を見直したあたし。

 
 その晩は大体3時間交代(時間の概念は、あたしたちとは違うから、
 全てリサさんの持っていた砂時計任せ)を5人で順番に焚き火守。
 
 そして、魔物を発見したら、とりあえず自分で倒す事。
 もし、無理そうなら全員を起こすってカンジのルールも作った。
 
 ちなみにその時は、一番最初と一番最後の焚き火守が一番長く寝れていいからって、
 命懸けのジャンケンになっちゃった…へへへ…
 それでも、どこで焚き火守になっても、六時間、六時間は寝れるから、まぁいいんだよね。

56 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月21日(日)01時09分21秒
 その夜には、色々と火の熾し方や(いつでも加護頼みではいけないしって事で…)、
 動物の料理の仕方や(乾パン、缶詰が切れた時の為の、猪や狸、狐の料理の仕方…
 うぇってカンジだけど…)、食べれる木の実やキノコの種類などをリサさんに習い、
 そして就寝。

 ぐったり…死んだように眠りに付き、次の日はお日様が高い位置にくるまで目覚めなかったんだ。

 
 2日目は予定変更、かなり日の落ちる前に、森の直前でキャンプ。
 予定だったら泉まで行く予定だったけど、なっちと加護の足にマメが出来てしまい、
 それがつぶれてどうにも歩けない状況になってしまった訳。

 その晩はなっちと加護は全力で体力回復に努める為、焚き火守は休み。
 『やりたいっ!!』って言う2人にリサさんが【ホイミ】を掛け、
 強引に就寝、次の日に備えさせる事になった。

 そのかいもあってか、次の日には何とか歩ける程に回復はしていたんだけど、
 もう少し様子を見るために、その日の出発をしたのは昼がだいぶん過ぎてからになったって訳。


 そして、今…

 もう日は完全に落ち、周りはかなりの漆黒の闇に覆われていた。
 かすかに見える森の輪郭は、先頭を行くリサさんと、
 最後尾を行くごっつぁんの手に持たれた松明の光によるものだけ。

57 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月21日(日)01時12分44秒
 この森に入ってから魔物の数は一気に増えた。
 
 それまでは、2匹だけ…あたしが最初に倒した【おおありくい】と、
 この森に入る直前に現れた【スライム】。
 
 丸っこく直径20cm位の青い体を懸命にぶつけて攻撃してくる、
 愛らしささえ感じさせる【スライム】は、リサさんの言葉で加護が倒す事に…

 リサさんの言葉に前に出るものの、その決着は一瞬でついてしまった。
 
 【スライム】とじーっと睨みあってた加護だが、その一方、呪文をしっかり完成させてて、
 気がついたら加護の【メラ】って言葉と同時に手から飛び出した火の玉が
 【スライム】を襲っていたんだ。
 
 それだけ…
 その一瞬で勝負はつき、ゴールドをゲット。
 
 なんだか、簡単に加護をしかれないような気がしてきたあたしでした。

 
 そこまでは楽勝だったんだけど、そこからがかなり疲れてしまったんだ。
 森に入って魔物の数が倍増どころでない位に増えてしまったからね。
 リサさんの言葉に覚悟はしてたんだけど…

 しかも一度に出てくる魔物が一匹でなく、4、5匹が当たり前。
 
 1匹だったらごっつぁんとなっちが慣れの為に順番に相手する予定だったんだけど、
 それさえもままならないくらいの数…

 さっきも丁度、【いっかくうさぎ】2匹と【スライム】6匹を血祭りに上げたところだった。
 体力の限界が近い…

 でも、もう少しで休める…

58 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月21日(日)01時18分44秒
 「頑張ってよ…」

 はぁはぁとみんなの辛そうな息づかいが聞こえてくる。
 リサさんの『最後』って言葉でみんな全ての力を使って歩いている。

 もう戦えそうにないかな…

 と、そんな事を思った瞬間だった。
 
 リサさんがキッと右の方に顔をやった。
 あたしたちも慌ててリサさんの見た方に目をやる。
 あたしたちの目には何も映っていないが、リサさんは目をそっちの方から逸らさずに、
 ジリジリと前方に歩を進めた。

 魔物だ…

 リサさんは気配で分かるらしい…
 何度も前もって加護に呪文の準備をさせたり、後藤に警戒するように言っている。
 そのたびに、ドラゴンボールかよっ!!ってココロの中でつっこんでるのは、
 アタシだけじゃないと思う。

 「アイちゃん…呪文の準備して…」
 「あっ
  は、はいっ」

 リサさんの言葉で、指先で何か模様を書き始めた。
 しばらく集中する加護。

 「たぶん遠いけど…
  泉まで攻めてこなかったいいんだけど…」
 
 「【メラ】…」

 加護の上を向けた手のひらの上にボッと真っ赤な炎が現れた。

 「出来ました…」

 わたしが加護の呪文が完成したのを確認し、その事をリサさんに言うと、
 『さっきよりちょっと急ぐよっ』と言い、リサさんは歩き始めた。

 慌ててあとを追うあたしたち。

59 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月21日(日)01時21分34秒
 しばらく警戒しつつ歩くが、なかなか魔物は攻めてこない…

 どうしたんだろう…


 加護の炎もだいぶん小さくなった頃…

 「見えた…」

 リサさんのホッとしたような声に、緊張して右の方ばっかりを見て歩いていたあたしは、
 顔を正面にもってくる。
 あたしだけでなく、前を歩いていたなっちと加護もホッとした様に顔を正面に持っていった。

 スッと視界が開ける。

 今までの圧迫感が一気に解放されたような感覚が、あたしたちを出迎えてくれた。

 そこは森が綺麗に拓けた所だった。
 泉を囲むようにしてある、ちょっとした平原。

 誰かがわざわざ拓けたのだろう…森から魔物が出てきても、泉からは距離がある。
 ちょっとじゃぁ奇襲される事はないだろう。

 そして、真上には、東京では決して見られる事はない、
 自分たちの上にこぼれ落ちるのではないかと思わせる程の満天の星空が、
 あたしたちの頭上でキラキラと輝いてきた。

 「「「疲れたぁ〜…」」」

60 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月21日(日)01時23分28秒
 なっち、加護、あたしの今にも泣き出しそうな悲鳴も、その星空の為か、
 それ程疲れたようなカンジを不思議と思わせなかった。
 
 ザッと泉のそばに倒れこむ。
 
 加護の手のひらの炎ももう消えていた。

 「よく頑張ったわね…
  ここって呪文で守られてるからほとんど魔物は出てこないし…
  少しは安心していいよ。」

 そんな嬉しいリサさんの言葉にも、今は倒れこむ事でしか返事を表現出来なかったあたし。
 足は棒のようになり、ピンチランナーの時に走った次の日の筋肉痛にも近いカンジだった。

 「3人は無理ね…
  じゃぁマキちゃん薪集め手伝って…」

 その言葉に深い溜息1つ、それでも自分しか動けないって事を認識しているのだろう、
 1つの文句もなくリサさんの後をついて行った。

 「ゴメンねごっつぁん…」
 「頑張ってくださいぃ〜」
 「ごっつぁんっ〜帰ってきたらなっちの熱い抱擁が待ってるよっ!!」
 
 「ほぉ〜い…」
 あたしたちのそれぞれの声にも、こっちを向きニッコリ手をあげ、
 余裕を見せるごっつぁん。

61 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月21日(日)01時26分49秒
 今日1日だけでも、かなりカッコよさを上げたよ、ごっつぁん。

 森の中で、途中からは、疲れ切ってそんなに動けないあたしやなっち、加護の代わりに、
 前を守っているリサさん、後ろを守っているごっつぁんがかなりの敵を倒してくれた。

 あたしも時々手伝ったけど、その倒した数は、半分も行かないだろう。
 なっちに至っては、ほとんど補助に回っているだけであったし。
 
 でも、それでも十分役には立ち、なっちの回復魔法なしには、
 ここまであたしやごっつぁんは来れなかっただろうって位に【ホイミ】を頂いたよ。

 あたしだって…


 今日のあたしたちはかなりレベルアップしたかもしんない…
 まぁそのぶん死にそう…


 はぁ…疲れた…


 地面に仰向けに寝る。

 その目に、さっきここに入ってきた時に見た満天の星空が映ってくる。
 2回目でもその輝きには十分癒されそうだ。

 ゆっくりと目を瞑る。

 加護となっちの、これだけ疲れた中、喋り捲っている声がじょじょに遠くなってきた。

 すーすーすー

 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

62 名前:作者 投稿日:2001年10月21日(日)01時39分38秒
>>54:名無し読者さん

 とりあえず、血なまぐさくはないですか(w
 ちょこっと安心しました(w

 >スライム…
 実はそうなんですよね…
 でも、ドラクエでは最弱…(w
 ドラクエでは八匹集まってキングスライムでしたね…
 自分もそんなトコがスキでしたよ(w

 PS.
 
 从#~∀~#从<うっ…まぁーそんな事より…こうやったら大きくなるんやなー
 (〜^◇^〜)<えっ…まぁ、リサさんはそう言ってたけど…
 从#~∀~#从<じゃぁ、ちょっとウチもでかくなりたいから…やってくれん?
 (;^◇^〜)<…
 从#~∀~#从<なーやぐちー一生のお願いだからっ♪
 (〜^◇^〜)<ふぅー…まぁ、ちょっとだけならいいよっ♪
 从#~∀~#从<はあとはあとじゃ、ヨロシクはあとはあと
 (〜^◇^〜)<(べたむにべたむに)
 从#~∀~#从<はあとはあと
 (〜^◇^〜)<(べたむにべたむに)
 从#~∀~#从<はあとはあとはあとはあと
 (;^◇^〜)<(むにむに)
 从#~∀~#从<はあとはあとはあとはあとはあとはあと
 (;;^◇^〜)<ねーいつまでやらせるつもり?
 从#~∀~#从<はうっ

63 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月24日(水)16時56分41秒
面白いよ〜
冒険始まったばかりで、まだまだ先は長そうだけど頑張ってね
64 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月24日(水)22時06分44秒
>63
おいおい、いくら面白くても
上げるなって。
65 名前:パスカル 投稿日:2001年10月29日(月)12時36分21秒
また下がるまで書かないんですか…?
DQZやって待ってます…
でも個人的にはZよりもVのが好きですが。
頑張って!
66 名前:作者 投稿日:2001年10月29日(月)18時06分32秒
失礼しました…^^;
もう1つの方を、きりのいい所まで行こうって頑張っていたら、こっちの更新が…
ホント申し訳ないですm(__)m
少しでも何か書いてたらよかったのですが、1週間くらいなら別にいいかなぁって…^^;
スミマセンですm(__)m
でも、楽しみにして頂いてくれていた方がいたのは嬉しいです^^

>>63:名無しさん

 ありがとうございます!!
 ホントに内容はゆっくりなんですが…^^;
 sageチェックし忘れてても気にしないでいいですよ^^
 たまには上に上がってるとやる気になりますし、更新も楽に(w
 これからもヨロシクおねがいしますね〜

>>64:名無し読者さん

 フォローもありがとうございます^^

 みんな可愛く頑張ってますんで(w
 これからもヨロシクお願いします♪

>>65:パスカルさん

 ありがとうございます!!

 スミマセン…
 そういうつもりではなかったのです…m(__)m
 
 VIIしてますか^^
 自分も個人的には、一番はやっぱりIIIですね^^
 二番目がやっぱりIIかなぁ…
 これは苦労が多かった分…
 その次はVとかかな…

 これからもヨロシクお願いしますね〜
67 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月29日(月)18時12分08秒
〜〜〜〜〜〜

 ♪〜〜♪〜♪♪〜♪

 ばちっ…ばちっばちっ…

 鈴虫の鳴き音と、火の踊り跳ねる音にフッと意識が戻る。
 いつの間にか眠っていたみたいだった…

 星の瞬きと、鈴虫の癒すような歌声、そして、柔らかい寝袋が
 あたしをもう一度深い眠りに誘い込もうとする。
 それをグッと押さえ込み、ゆっくりと体を起こした。

 っつっ!!

 手足、身体中に電気を流されたような痛みが走る。
 身体の芯からの痛み。
 顔をしかめる事で、その痛みを外へ逃がそうとするが、叶わない。

 しかし、しばらくもすると、そんな痛みも収まってくる。

 瞑っていた目を開けると、寝袋にくるまったなっちの寝顔が入ってきた。
 その隣には【皮の鎧】を外したごっつぁんが、寝袋を広げ、毛布をかぶり、
 今日色々とお世話になった【銅の剣】を大事そうに抱え眠っていた。
 反対の方に目をやると、薄着のリサさんが整った綺麗な顔のまま、静かに寝息を立てている。
 はだけたシャツの胸元から、そのふくよかな胸が押しつぶされた形でHそうに覗いていた。

 ちょっと顔を赤めつつも、ゆっくりと思い起こす…

 たぶんあたしはこの泉に着いてから眠ってしまったんだ。
 どれくらい眠ってしまったのか想像がつかない。
 少しずつ罪悪感が生まれてくるあたし。

 みんな疲れ切ってしまっているのに、かってに1人で眠ってしまった…
 焚き火守の順番も決めずに…
 たぶん優しいみんなの事だ、あたしの焚き火守は外されているだろう…

68 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月29日(月)18時16分15秒
 罪悪感をかみ締めつつ、たぶん今、焚き火守をしているであろう加護の姿を探した。

 目覚めたあたしの左前方…真後ろは泉で森に向かって焚き火が焚かれている。
 その手前に焚き火の為よくは見えないが、小さな影が膝を抱え込むようにし、
 うずくまって座っていた。

 「かご…」

 みんなを起こさないように、そっと囁く。

 「やぐちさん…」
 振り返った加護。
 丁度焚き火を背に顔に影が走っているのだけど、それが妙に合っていて、
 いつも以上にかわいさを感じる事が出来た。

 「入りますぅ?」
 スッと毛布の裾を開け、あたしに聞いてきた。
 『ありがとう』と一言言い入り込むあたし。
 目の前で強く燃え盛る火がやけにあたしの目を傷つけてきた。

 「大丈夫ですかぁ?」
 目の前で燃え盛る火に目を奪われながらも、無言で頷く。
 「どこまで進んだ?」
 あたしは視線を落とし、加護の手元に持っていたゲームボーイを見やる。
 「とりあえず、この大陸は抜け出しましたよぉ」
 自身満々の加護の笑み。
 黒目がちの目をちょっと細め、あたしを見る。
 その愛らしさにいつもの癖で、思わずホッペに手を伸ばす。
 つやつやでぷにぷにした柔らかい感触にきゅうっと胸を掴まれる。
 「おっ…そうかそうか…」
 ホッペを摘んで引っ張る。

 ぷにーと伸びる。

 「今、王様の頼みで【金の冠】を盗んだ【カンダタ】を探しに行ってる所です。」 
 「ほうほうほうほう…」
 と、言ってから気づくあたし。
 そっと加護のホッペから手を離し、考え込む。
69 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月29日(月)18時19分01秒
 そう言えば、【カンダダ】は人間…いずれ戦わなくてはいかないのだろう…
 たとえゲームの中の人間とはいえ、人間相手に戦うのは気が引けてくる。

 ふぅ…

 あたしの思わず出た溜息に、加護が不思議そうにその可愛らしい顔を傾けた。
 その余りにもの愛らしさに、スッと手を加護の頭に持っていき、あたしの胸に抱き寄せた。

 「あっ…」
 加護の呟きに、もう一度ぎゅっと抱きしめ、一言お願い。

 「もうちょっと…」

 もうちょっと、この愛しい存在の柔らかい加護を抱きしめていたかった。

 いつもいつも辻とイタズラばっかりしていた加護だが、こっちの世界に紛れ込んで、
 辻と離れ離れになってからは、すっかりその元気がなくなってしまっていた。
 いいコの優等生になってしまったんだ。
 モーニングやミニモニで活動している時には、2人のイタズラっぷりをたしなめるのに
 そぉ〜とぉ〜苦労していたけど、やっぱり現実に加護のイタズラが減ってしまうと、
 どこか寂しささえ感じてしまう最近であった。

 わたしの寂しそうな言葉に、加護はそのココロの中を察してくれたのか、
 手をぎゅっと握ってくれた。

 握ってから、こっちの方を見る。

 「抱っこして下さい…」

 その恥ずかしそうに言う言葉に、ニッコリ。
 頷き加護の背中に回り、両足を加護の両サイドから投げ出し、ぎゅっと抱きしめた。
 背中からかぶる柔らかい毛布と、前に存在する愛しい加護の匂いに、
 包み込まれるような安心感を覚えた。

70 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年10月29日(月)18時20分50秒
 ここ2日お風呂に入っていないのに、その身体からは、いつもの…辻曰く、
 『赤ちゃんの匂いだぁ』…そのかおりが不思議と鼻をくすぐってきた。
 向こうの世界にいる時には、石鹸かボディーソープの匂いかと思っていたけど、
 こんな時でもかおりを感じる…って事は…
 
 この『赤ちゃんの匂い』は加護の匂いなんだね…

 何だか新しい発見をしたようで、妙に嬉しくなるあたしがいた。

 「あっ…もう時間です…
  リサさん起こさないと…」

 あたしの腕の中、加護がなにやら右前を見て言った。
 そこには砂時計がおいてあった。

 そう…これがこっちでの全ての時間の概念らしい。

 時間の呼び方、月日も全て違い、星座とかでその概念を表しているのだ。
 丁度、上から落ちている砂が、全部落ちそうになっている。

 「いいよ…後はやぐちが起きとくから…」
 「えっ…でも…」
 「いいの…かごは寝ときな…」

 あたしの意志のこもった言葉に加護は静かに頷き、そっと呟いた…

 「じゃぁここで寝ます…えへへへ…」

 ぎゅっと力いっぱい抱きしめ、返事を返した。



 いい夢見なよ…


71 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月30日(火)01時47分27秒
ひさしぶりにまとめて読みました。
戦いも激しくなってきて面白いです。
頑張ってください。
72 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年11月02日(金)23時22分39秒
〜〜〜〜〜〜

 翌朝、なっちは目覚め、こっちに気が付くと、
 ほっぺをぷくぅ〜と膨らませたかなりご機嫌斜めな表情をして、
 焚き火を囲んでいるあたしたちの方へやってきた。

 「何でみんなそっちにいるべさぁ〜」

 そう言ってカワイイ瞳を細くして、いかにも怒ってますよと北海道弁で挨拶をしてきた。

 それを出迎える、あたし、その懐で眠っている加護、ごっつぁんを同じく抱えてるリサさん。
 ごっつぁんの方は目を覚ましているけど…

 なっちが眠っていたであろう場所に目をやると、なっち1人の寝袋しかなった。

 ………………………

 「ごめんね…なっち…」
 「ごとーも起きたらやぐっつぁんと加護がこっちにいたから…」
 「ごめんごめん…今日の朝ごはんは、なっちのを少し大目にするからね…」
 あたしたちの口々に出てくる懺悔の言葉も、今のなっちには効果がないのか、
 まだぷくぅ〜とほっぺを膨らましたままあたしたちを見下ろしていた。
 ただそのほっぺはピクピクと必死に笑いを我慢するかのように震えていたが…

 「はいっ」
 あたしが毛布の裾を上げ、なっちに入るように合図。

 もう機嫌の直ったなっち…
 あたしの隣に入ってくると幸せそうに目を細め、あたしの肩に頭を傾けてきた。

73 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年11月02日(金)23時25分06秒
〜〜〜〜〜〜

 「うわぁ…ホント綺麗ですねぇ」
 加護が、透き通っている水面に指をつけながら、驚きにも似た声をあげる。
 なっちもごっつぁんもそっと水面を覗き込む。

 あたしは焚き火を消しながらも、そっちの方が気になり、手が泳ぎ気味になってきた。

 「ねぇ〜〜〜リサさぁ〜〜ぁん!!」
 少し遠くにいるリサさんにごっつぁんが大声で呼びかける。
 「なぁ〜〜にぃ!?」
 負けじと大声で返すリサさん。
 そんなに大声で話さなくても聞こえるような気もするが、この泉の透明さと、
 昨日魔物が一匹も襲ってこなかった事による清々しさを覚える森が、
 どうでもいいとカンジさせる。

 「裸で大丈夫ぅ?」
 ごっつぁんの声にニッコリ両手で円。

 もうかなり日も高くなり、辺りの気温もそれに乗じて汗ばむ位高くなってきた。
 やっと水に入り込んでも気持ちいいくらいの気温。

 そして、この大自然が全てをさらけ出してやろうって気持ちを助長させる。
 ごっつぁんと加護は、今まで我慢してきたものを全て弾き飛ばすように一気に服を脱いた。

74 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年11月02日(金)23時26分58秒
 「いいなぁ〜」
 まだてこずっている焚き火に八つ当たりにも似た勢いでキック。
 そんなあたしの後ろではごっつぁんと加護の歓声と水しぶきの音が、
 やけに心地よく聞こえてきた。


 やっとくすぶってきた焚き火を目で確認。
 あたしは上を脱ぎながら、今までの気持ち悪さを全て解消させるように泉に向かった。

 「あれ…なっちどうしたの?入らないの?」
 上を脱ぎ、パンツに手を掛けようとしたあたしの右端に、
 なっちが服で自分の胸のあたりを隠すようにして、
 袋をガサガサしているのが目に入ってきた。
 その隠し方がやけにHに見えてならない。

 ごっつぁんや加護みたいに、そんなにでかくないんだから…
 まぁ、それでもあたしよりはでかいか…ムッ…
 
 「ちょっとタオル…探してるの…」
 「………………」
 
 相変わらずのなっち。
 こんなところで気にしなくてもいいじゃん…
 ちょっと呆れ気味になりつつも、頭がひらめく。

 あたしはパンツと下着を一気に脱ぐと、なっちの前を隠していた服を強奪。

 「ほらぁぁぁぁぁ〜〜〜〜行くよっ!!」
 「ひぇぇぇぇぇ〜〜〜〜やめるべぇぇぇぇ〜〜〜〜」

75 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年11月02日(金)23時30分30秒
 悲鳴をあげるなっちの手をひっぱり、おもいっきり泉に投げ込んだ。
 派手に飛び散る水しぶき。

 その後にあたしは突入、なっちに抱きつき泉に押し込む。

 ぷはぁっ…

 あぁ…気持ちいいなぁ…

 普通の生活では決して見られる事のない湧き水。
 もしかしたら…いや絶対水道の水より綺麗な水だろう。
 こんなに透き通っている水を見たのは初めてだ。

 思わずニッコリしてしまうのを押さえ込み、もう一度水にダイブ、
 そのまま水に身体を預けるように浮かぶ。

 「や、やぐちっ!!大丈夫!?」
 うつ伏せになって浮かんでいるあたしを、事故にでもあったと思ったのか、
 なっちの心配そうな声が耳の後ろから聞こえてきた。
 『このままイジメてやろうか』と思ったあたしは、もうしばらくうつ伏せのまま浮かぶ。

 「や、やぐちっ!?」
 ぐいっと腕を引かれる感触と共に、なっちの今にも泣き出してしまそうな表情が
 顔の近くに迫ってきた。
 
 ぶっ!!

 「きゃはははははっ〜〜」
 「…………………」
 「ごめんごめん…なっち、ごめんって…」
 
76 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年11月02日(金)23時32分53秒
 あたしの言葉にムッとした表情をしたが、次の瞬間にはいかにもって
 カンジの含み笑いを浮かべていた。
 『許るしてくれるのかぁ』と思い、ホッとしたのもつかの間…

 あたしは、自分の乙女の大事な部分に柔らかい何かがスッと擦られるのを感じた。
 そう、なっちは気がついていたんだ、これからあたしに起こるであろう災難をっ

 「……っ!!!!!」
 「きゃははははははははっ〜〜」

 前でパー子さん笑いで笑い転げているなっちを1つ睨みつけ、後ろを振り返る。
 こんなイタズラをするヤツはたぶん『あいつ』しかいないっ。


 予想通り、そこには加護が黒目がちの目を細くして、してやったりの表情をして中腰で立っていた。
 少し前かがみになり、幼顔とは不釣り合いなくらい大きなおっぱいを更に綺麗に見せながら…

 ムカッ!!

 「かごぉ〜っ!!!さすがに生で触るんじゃないよっ!!
  危ないじゃんかっ!!感じるとこだよっ!!」
 「…やぐち、はしたないべ…」 
 「えへへへ…ごめんなさぁ〜いっ!!」

 そう言って逃げていく加護は、まるで辻と一緒にイタズラに励んでいるかのように
 楽しそうな表情をしていた。

 それを見て、何かがフッと抜けたようなカンジになる。

 遠くで髪にシャンプーをつけているごっつぁんも、
 楽しそうにこっちを見ているし…

 まっいっか…

77 名前:02〜【泉】加護〜 投稿日:2001年11月02日(金)23時36分12秒
〜〜〜〜〜〜

 あたし、なっち、ごっつぁんに加護が水浴びを終え、髪の毛に身体に袋に入っていたシャンプー、
 リンス、トリートメント、ボディーソープでサッパリした後、
 なっちとあたしは、リサさんが泉で水浴びをしている間に、
 泉から流れ出ている小川よりは大きいが、川と呼ぶには小さい所で洗濯にいそしんだ。

 加護とごっつぁんはフリータイム。

 リサさんには、あたしたちの持っていた《それ》を貸してあげる。
 かなりビックリした表情…
 『これ高いんじゃないのぉ〜』といいながらもしっかり使ったリサさん。
 
 そして、みんなの洗濯物が乾ききった昼もだいぶん過ぎた頃に…
 たぶん3時前くらいかな?…その泉を出発したんだ。

 途中はやっぱり森の中、大量に出てくる、あたしが一番最初に相手をした【おおありくい】、
 ごっつぁんが一撃のもとにくだした【スライム】、普通のうさぎを5〜6倍に巨大化させ、
 鼻の上に鋭い角を持った【いっかくうさぎ】、何とも不気味なドクロ…
 いったいなんのドクロかと思わせるくらいに巨大なドクロで、明らかに人間の頭より大きい…に乗り、
 不釣合いな位に大きく鋭いくちばしを武器に突付いてくる【おおがらす】、と、
 もう慣れ切ってしまった魔物を撃退しつつ、日が暮れる頃には森を抜けたんだ。

 その日は少し森から離れた所にあった木の下でキャンプに入り、次の日の朝早くに出発、
 急に減ってしまった魔物に肩透かしをくらいながらも、その日の昼過ぎにはもう
 【レーベの村】の村があたしたちの目に入ってきた。

78 名前:作者 投稿日:2001年11月02日(金)23時38分55秒
>>71:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 戦いは…
 ホントはもうちょっと頑張りたいかなぁって思っていたのですが^^;
 まぁこんな程度にちょくちょくと…^^;
 でも…(謎)

 これからもヨロシクお願いしますね〜


 
79 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月17日(土)11時55分03秒
まだかなまだかな〜?
80 名前:作者 投稿日:2001年11月20日(火)00時38分29秒
>>79:名無し読者さん

 レスありがとうございます^^
 長い間更新しなかったのは…「あの」騒動が気になってて…
 いつ「舞台パクリも削除対象」とか言われないか心配していたのです…
 これ、完全に舞台はパクリですもんで…
 あと、メダルの大様のセリフはほぼゲーム中そのままでした…
 それは、そうした方が読者の方が懐かしくて面白いって思っていただけると思ったので…

 この騒動もだいぶん落ち着いたので、もうそろそろ再開させていただきます。
 楽しみにしていただける方がいるかぎり頑張ります(w

 これからもヨロシクお願いしますね〜

81 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月20日(火)08時33分30秒
期待している。がんばってください。
82 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年11月22日(木)22時07分48秒
03〜【レーベの村】魔法の玉〜

 【アリアハン】の傘下の【レーベ】は、その昔、【アリアハン】と【ロマリア】とを結ぶ
 中継都市として、色々な商人とかが行き来をして栄えていたけれど、その二つの国の国交が
 徐々に寂れてくると、それと共に都市と言うには寂しいくらい寂れてしまい、
 《ある出来事》を境に城壁をなくして、今では【レーベの村】と呼ばれ、都市としての
 昔の面影を全く残さずに、村として存在するしかなくなったそうだ。
 
 特に、【アリアハン】と【ロマリア】を結ぶ【いざないの洞窟】にある【旅の扉】が
 封印されてからは、その寂れ方は急速に進んで行き、村の規模も今ではすっかり半分に
 なってしまった。
 
 ただ、【旅の扉】が封印された今でも、その封印を強引に解いてまで【ロマリア】に行く、
 ごくわずかの数の旅人が帰国する時にもたらす文化で、その村の建物は【アリアハン】というより、
 【ロマリア】の建築方法に近くなっているという。
 ちなみに封印は解かれるたびにまた元通りに封印されるとの事。

 「どう?【アリアハン】とは全体的に違うでしょ?」

 外套を脱ぎながら説明してくれるリサさんの言葉に、わたしたちは宿屋の中から見える
 四方に囲まれた壁を見る。
 専門家でないわたしたちにどこが違うのかなんて聞かれても分からないけど、
 それでも少しは違う事が感覚的に分かった。

 「うぅ〜ん…かごにはちょっと分かり難いですぅ」
 ガクと膝カックンを受けたようなリサさん。
 加護にそれを聞くのは無謀と言ったもの。
 いずれリサさんも分かるでしょう…

83 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年11月22日(木)22時10分34秒
 「そう言えば…でも、建物とかは結構新しそうでしたね…」
 なっちは外套をたたむ手を休め、ベッドに腰を掛けた。
 外套をたたみ終えたあたしは、窓に近づき、外を眺めてみる。
 ココから見えるうっすらと黄金色に輝く建物は、そのどれもが綺麗で、
 その辺りは【アリアハン】とは全く違うように見える。
 【アリアハン】の建物も、国が使用しているものに限ってはかなり整備されていたけど、
 やっぱり町の人が使っている建物の方は、整備の跡というのがほとんどなかったからだ。

 この【レーベの村】、正面に見える道具屋、左手に見える武器屋、そして右前方にみえる
 住宅のそのどれもがまだ綺麗で、建てられて間もないといった様子が見て取れた。

 スッと目に入る大きな噴水が、この村の全ての建物の綺麗さとマッチし、
 ほのぼの感をプラスアルファしていた。
 
 「ホントだ…」

 「あっ、そういえば、城壁なんかもなかったですよね…
  ここって魔物とかには襲われないのですか?」
 なるほど、【アリアハン】ではあれだけ高い存在感を誇っていた城壁も、
 ここでは全くなくなっていた。
 ごっつぁんの学識ありそうな質問に、リサさんは目を丸くし、ごっつぁんを見やる。
 その視線にテレたような表情のごっつぁん。
 ちょっと顔を赤らめ、外套をたたむ手を休めた。
 そのまま【銅の剣】を外すと、外套を胸に抱えたままベッドに腰を掛け、
 リサさんの方に視線を送った。
 
 リサさんも【破邪の剣】だけ外すと、近くにあった小さな椅子に腰を掛けたが、
 昔を思い出したのか、少し目を細めた。

84 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年11月22日(木)22時12分28秒
 「昔は城壁もあったんだよ…でも…」
 窓辺からベッドの近くの椅子に腰掛けたあたし、話し出そうとしたリサさんの顔に
 少し蔭が掛かったのを見逃さなかった。
 少し不思議になる。
 リサさんに出会ってからは初めて見た表情だったからだ…
 結構辛い事があったのだろうか…

 「…そう言えば、【アリアハン】って子供がやけに少なかったのに、気が付いた?」
 リサさんのその問いを聞いて、同じような質問をどこかで聞いたような気がした…

 ……………………

 あっ

 「あっ、そう言えば…マリちゃん位しか子供を見なかったです…」
 「かごも…見なかったです…」
 ごっつぁんと加護の返事を遠くに聞きながら、あたしの頭の中では、
 1日目のマリちゃんのお母さんの言葉が反芻していた。
 それをなっちも思い出したのか、あたしの顔を何とも言えない表情で見ている。
 
 「マリちゃんは12歳…その下は7歳のオトコのコで、上はあたしで26歳だね…
  やけにマリちゃんと他のコとの間に差があるでしょう。」
 リサさんの初めて見る暗い表情に、ごっつぁんや加護までも神妙な表情になっていた。
 みんなリサさんの質問に小さく頷く。

 と、そこで少し疑問に思ったのか、この質問のきっかけを作ったごっつぁんが改めて質問をした。

 「それとここ城壁って何か関係があるのですか…?」
 「うん…」

 小さく頷いたリサさん…そのままゆっくりと語り出した。

85 名前:作者 投稿日:2001年11月22日(木)22時14分34秒
>>81:名無し読者さん

 ありがとうございます!!
 まだもうちょっと様子もみながらじょじょに(w
 これからもヨロシクお願いします^^
86 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月22日(木)23時48分17秒
また、なんかいいところでとめますねえ。

謝罪しときます。
sageの作品なのに、案内板で紹介してしまいました。
すいません。

今後も楽しみに待っています。

87 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月24日(土)02時11分52秒
おお、更新されてる。
長い話だと思いますが気長に頑張ってください。
88 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時05分22秒
〜〜〜〜〜〜

 時は今から10年前。
 丁度この世界に【魔王バラモス】が現れ、世界中に魔物が氾濫し始めた頃だった。
 世界の至る所の街や城が魔物に襲われ、この【アリアハン】や【レーベ】も同様だった。
 それでも、【アリアハン】と【レーベ】は国と国との戦いの時に作られた高い強固な城壁と、
 優秀な【戦士】や【魔法使い】のおかげで魔物の手に落ちる事はなかった。

 ただ、そんな強固な城壁も、いつ陥落してもおかしくないくらいに、
 魔物の波状攻撃に悲鳴をあげていたという。
 そんな事もあり、国の学者たちが、魔物を寄せ付けないような、街をすっぽりと覆うくらいの
 【戦闘補助系呪文】の考案に内密ながら急いでいたのが、魔物を撃退するたびに盛り上がっている
 国の皮肉な実情だった。

 城壁とは別に、この国を守ってきたのは、義勇軍としてその総指揮を取り、国民と兵からの巨大な
 カリスマ性と、王からの絶大な信頼…
 そして、常に最前線で戦い、ほぼ半数近い数の魔物を地に鎮めてきたその実力…
 英雄【オルテガ】の存在だった。



 「そんなに強かったのですか?」
 ごっつぁんの問いにリサさんが嬉しそうに目を細めた。
 確かにゲームの中でも英雄的存在だった…けど…

 「ホント強かったよ…
  今のあたしなんて全然及ばないくらい…
  【戦士】と【武道家】と【僧侶】の職業をマスターしてたくらいだからね…」

 ゲームではよくやってたけど、実際に言われると全然想像がつかない…
 レベルだと30位かな…
 確かIIIだったら職業をマスターするの苦労したけど、VIIだと結構簡単にマスター出来たような気が…

89 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時09分58秒
 「あたしは丁度17の時で、義理の妹ってとこからも特別に訓練をしてもらっていたんだ。
  幼馴染で同い年のサラ…夢は世界一の女【商人】になって大富豪になる事…
  そして同じく幼馴染で同い年のシンシア…夢は世界一の【賢者】になる事…
  の2人も一緒にね。
  3人で教えてもらってる時の、色々な人からの羨望の眼差しはすごかったよ」

 そう言ってちょっとはにかんだような笑み。
 金髪のショートの前髪を少し掻き揚げる。

 まるで裕ちゃんの仕草のように…

 そして、次のなっちの質問にますます嬉しそうになった。


 「幼馴染の人がいたのですか?」



 「うん、まぁね…
  楽しかったんだよねー…あの時は…」

 スッと立ち上がると、『ちょっと町でも見に行こうか…話はその時でも…』と言って、
 あたしたちを見回した。

 もちろん誰も反対はなし。

90 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時11分52秒
 とりあえずみんな街用の服に着替える。

 リサさんは【ルイーダの店】で初めて出会った時のカッコに、
 『護身用ねっ』って言ってあたしの【ブロンズナイフ】を腰に縛り、
 ごっつぁんは【アリアハン】で買ったすぐ後に着ていた服を着る。

 なっちはロングスカート系のスカートに、それに合ったシャツにスニーカー。
 加護はオーバーオールチックな服に同じくスニーカー。

 で、あたしはミニに子供用のTシャツ…
 向こうの世界のそれは結構伸びるからどんな女の人でも着れたけど、こっちのは結構きつめ…
 普通の人だとちょっと辛いかなってカンジだ。

 ごっつぁんも最初はそれがよかったみたいだけど、やっぱり骨格のいいごっつぁん…
 ちょっと無理があったみたい。

 
 
 新しい町に出るウキウキ感と、さっきのリサさんの神妙な話し方の遠慮から、
 みんなの顔には何とも言えない複雑な表情が浮かんでいた。

91 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時15分23秒
〜〜〜〜〜〜

 うっすらと暗闇が覆いはじめた【レーベの村】。
 もう閉まってしまった【道具屋】、【武器屋&防具屋】の前を通り過ぎ、
 住宅街にある噴水の前にいるあたしたち。
 目の前の噴水には光が灯り、住宅の窓にも明かりが浮かび、各家からは
 食べ物のいい匂いが漂っていた。
 その匂いにぐぅと加護のお腹がなり、一斉にみんなが笑い出す。
 恥ずかしそうに何か言い訳しようとする加護だったが、説得力のかけらもなく、
 ただただ顔を赤らめるだけ。


 みんなで笑って過ごす…幸せな時…


 「魔物に襲われながらも、その全てを撃退してきたからか、不思議と危機感はなかったんだよね…
  それどころか、みんな一致団結感が出てきて、大きな家族みたいなカンジになってさ…
  こう言ったら不謹慎だったんだけど、逆に楽しかったくらい…」

 もう一度語り始めたリサさん。

 加護も、お腹が減ったのを忘れたかのように、聞き入った表情をしていた。
 

 大きな家族…


 まるでモーニングを大きくしたみたいに…
 何となく分かりそうな気がする…

92 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時19分59秒
 「でも…そんな事もね…
  
  だいたい9年前だった…
  
 
  その日、【アリアハン】に【レーベ】から一通の手紙が届けられたんだ。
  その内容って言うのが…
  『魔物の大群に襲われ、城壁も破られる可能性あり。陥落の危機。至急援軍を要請したし』
  …すぐさまオルテガさんを始め、かなりの数の兵が送られたんだ。

  【戦士】としての修行を受けていたあたし、
  【武道家】としての修行を受けていたサラ、
  そして【僧侶】としての修行を受けていたシンシア…

  いずれもオルテガさんから修行を受け、レベル的にもオルテガさんに次ぐくらいに
  上がっていたあたしたちが、この国のリーダー格に選ばれ、それより年上が全て派遣。
  年下がこの国を守る…

  結構王様も楽観していたみたい…

  あたしたちの実力を高く見すぎたんだね…
  それに…
  今まで同時に襲われた事がなかったって事もあったんだろうね…」

 「じゃぁ…」

 なっちの言葉に悲しそうに頷いた。

 「そう…見事に襲われたんだよ…
  それも弱い魔物が力押しに攻めてくるんじゃなくって、少数のレベルの高い魔物が
  確実に1人ずつ殺しながら侵略してきたんだ…
  数はホント少なかったんだけどね…

  それでもあたしたち3人に倒せないレベルじゃなかったんだけど、
  その中のリーダーの1匹とてつもなく強くて…
  あたしたち3人は城の外でそのリーダーの相手をずっとしていたんだ。

93 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時23分04秒
  若かったんだろうね…
  部下の魔物よりも目の前のリーダーを倒すって事だけに一生懸命になりすぎていた事が…
  せめて1人は街の中にでも…」

 満天の星空が見える中、リサさんの翳りの入った表情はかなりキレイだった。
 目の前の噴水から上がっている滴と相まって、妖精のような雰囲気までかもし出している。
 話の内容からすると不謹慎だけど、みんなウットリとした表情で話の続きを待っていた。


 「そのリーダーの魔物と戦ってかなり時間がたった時、フト何かを
  思ったのかそいつが動きを止めたんだ。
  どうしたんだろうって思った次の瞬間、そいつが静かに口を開けたんだ。
  
  ビックリした…魔物が話せるなんて…
  ごく一部の高等な魔物は大体話せるんだってさ…

  そいつ曰く…

  『【オルテガ】が目的だったが、まぁいい…【レーベ】は潰せたし、
   未来の【オルテガ】は殺せたし…』

  …そう言い残してあいつは消えたんだ…
  いつの間にか街の中の争う音も消えていた…」

 グッとこぶしを握り締め…

 「そう…街の中を襲っていた魔物が消え、気が付いたら街の中に人はいなかったんだ…
  ほとんどの人が殺されていたって事だったんだ…

  
  泣いたよ…ホント泣いた…
  生まれて初めてってくらいに泣いちゃったよ…
  自分たちの未熟さにも嫌気がさしたし…」

 リサさんの瞳に何か光るものが見えたけど、不思議と声に震えは入っていなかった。
 ただ、強い後悔だけが感じられる…

 そんなリサさんの代わりのようにあたしたちの瞳からは涙が流れ出ていた。

94 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時26分39秒
 「街の人間で生きていた人は、城内に逃げ込めた人だけだったんだ。
  それもたった2人…他は全滅。

  あたしたち以下の男女の兵士はもちろん、女、子供関係なく殺されたんだ…

  その生き残れた2人はあたしのお姉ちゃんと、マリちゃん…

  街の人は必死になってその2人を逃がす為に戦ってくれていたって事だったんだ。
  あたしたちがくだらない相手に一生懸命になっている間…
  オルテガさんの血を引くマリちゃんの身代わりの子供を仕立ててまで…」

 リサさんが涙をぐっと押さえ込んでいるのが分かった…
 あたしは隣で涙を流している加護をそっと抱き寄せ、もう一度リサさんの方を見る。

 「そんな事があってから、半月後にね…
  国の学者さんが必死に研究していた【戦闘補助系呪文】が開発され、
  それ以来城や街は魔物から直接攻撃される事はなくなったんだね。

  って言ってもそれはある程度のレベルの魔物だけなんだけど…

  って事から、城壁の破壊されただけで済んだ【レーベ】は、もう城壁を作られなかったんだ。」

 スッと顔をあたしたちの方に向け、もう一度口を開いた。

 「これが、【レーベの村】の城壁がなく、建物が新しく、そして【アリアハン】に
  マリちゃん以外の子供がいないって理由だね…
  
  あっ…付け加えると、それが理由でオルテガさんが半年後に【魔王バラモス】を
  倒す為にたった一人で旅立ったんだ。
  みんな止めたそうだったけど、強い決意とその雰囲気から誰も止められなかった…
  
95 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時29分40秒
  それから更に3年後、シンシアが【賢者】になる為に旅立ち、次の年にサラが旅立ったんだ…
  ジッとしているのがイヤだった2人だからね…

  で、あたしも将来は出ようと思っていた…
  マリちゃんが16になったら、オルテガさんの手助けの為に旅立つ事は分かっていたから、
  それを待って旅立つ予定だったんだよね…」

 「じゃぁ、なっちたちと行ったらダメじゃないですか…」

 少し涙声の入ったなっちを、リサさんは優しく見やる。
 ホントに心配そうな表情のなっちを…

 「ううん…君たちをほっとけないと思ったんだ…
  直感…インスピレーションってカンジかな…
  『惚れた』ってカンジも…

  ただ、マリちゃんには悪い事をしたと思ってるんだけど…
  オルテガさんにあんな事があったから…
  もう旅立ちたかったかもしれないし…ただ若いけどね…

  あっ…でも、あたしはオルテガさんが死んだなんてホントは信じてないよ…
  ホントはね…だって、あれだけ強いオルテガさんだもん…」

 そこで1つ大きな息を吐くと、空を見やった。

 「………………………
  まっ!今は君たちに惚れたからねっ!
  気にしなくていいよっ♪」

96 名前:03〜【レーベの村】魔法の玉〜 投稿日:2001年12月03日(月)23時30分55秒
 そう無理に元気そうな笑みを浮かべて言っては、もう一度噴水の方に目をやった。

 キレイな顔を赤らめ、噴水を見る目には強い決意が感じられたのは、
 あたしだけじゃなかったはず…


 もう一度加護の抱き寄せる手を強くする。
 ごっつぁんの手を握るなっちの手にも力が入っていたのがわかった…




 そして、改めて分かった…




 この人なら裕ちゃんみたいに付いて行けそうって事を…



97 名前:作者 投稿日:2001年12月03日(月)23時37分14秒
プレステのドラクエIVやりたいけど、お金と時間が…
う〜ん(−−

>>86:名無し読者さん

 レスありがとうございます^^
 >謝罪
 いえいえ、全然気にしてません^^
 って言うか、紹介して頂けるとやる気がでるって事もありますんで(w

 これからもヨロシクお願いします〜

>>87:名無し読者さん

 ありがとうございます〜
 話のスジはほぼ出来ているのですが…^^;
 なにぶん書く方が…^^;
 気長に頑張りますんで、ヨロシクお願いします〜

98 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月05日(水)00時40分50秒
更新発見!!!
みんなが強くたくましくなっていくのを
楽しみにしてます。
99 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月06日(木)12時58分33秒
>>97
PS版はお勧めですよ(w
オルテガさ〜ん
100 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月13日(木)16時29分54秒
更新無いね…
101 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月25日(火)11時31分47秒
来年かな・・・
102 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月15日(火)01時00分48秒
たしか前スレで、そして旅立ったオチはやめてくれと
俺は書いたのだが・・・・実現しそうで恐い。
103 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月18日(金)14時16分31秒
マターリと待とうぜ
104 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)06時00分53秒
春頃かな・・・
105 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月23日(土)08時14分30秒
hozen
106 名前:とまときっど 投稿日:2002年03月22日(金)23時24分09秒
はじめまして保全。
107 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月07日(日)04時26分20秒
放置なのかな…?
無理に書けとは言わないんで作者さん生きてたら一言お願いします…
108 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月09日(木)18時05分55秒
5月になっちゃったね
109 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月03日(月)23時04分08秒
6月になっちゃったね
110 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月22日(土)21時14分13秒
おーい
111 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月01日(月)01時04分46秒
7月…
112 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月02日(金)23時18分57秒
八月になりました。
倉庫行きも逃れたことだし、そろそろ書いて欲しい。
定期保全
113 名前:名も無い男 投稿日:2002年08月18日(日)09時09分41秒
始めまして、保全しておきましょう。
ドラクエとか長編だし、あきらかに難しいですね。頑張れ!
114 名前:kimy 投稿日:2002年09月09日(月)10時24分15秒
そろそろ保全
115 名前:kimy 投稿日:2002年09月09日(月)10時25分08秒
そろそろ保全しておいたほうがいいですか
116 名前:kimy 投稿日:2002年10月08日(火)18時29分19秒
保全
117 名前:kimy 投稿日:2002年11月14日(木)19時17分38秒
そろそろ1年 保全
118 名前:名無しさん 投稿日:2002年12月19日(木)15時16分27秒
kimy
保全
119 名前:真奈 投稿日:2003年01月12日(日)17時16分34秒
頑張ってください。
 保全
120 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月07日(金)14時40分03秒
保全
121 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月06日(木)15時53分00秒
保全
122 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月11日(火)19時00分57秒
保全
123 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月10日(木)13時00分18秒
続きよろしくお願いします。
124 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月04日(水)14時52分54秒
ほぜん

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