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ふたりはなかよし

1 名前:Meg 投稿日:2001年10月14日(日)02時42分33秒
Meg(めぐ)といいます
拙い話ですが、どうかよろしく
2 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)02時44分03秒

夜半から降りはじめた雨は、翌日になっても止むことなく降り続いていた。

「はーい、いま出まっす」
裕子は注いでいたビールを置くと、チャイムの鳴った玄関に向かった。

「来ちゃいましたよっ。ふふっ」
玄関ドアの前には、モスグリーンの傘を片手に持ったひとみが
はにかみながら立っていた。もう片方の手にはケーキ屋の白い紙箱が
握られている。
雨の匂いと共にひとみが部屋に入ってきた。

「すぐ分かったか?」
傘の滴を落としているひとみの背中に、裕子は仕事用ではない
優しげな声をかけていた。
「教わった通りの道、来ましたから……」
振り向いたひとみは、少し緊張した面もちをしていた。

静かな午後は、こうして始まった。
3 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)02時44分47秒
     ◇

レギュラーの収録が終わった後、裕子はひとみに
「なんか欲しいもんあるか? 誕生日プレゼント」
と、聞いていた。
少し考えてからひとみは、こう返した。

「家……中澤さんのうちに遊びに行ってもいいですか?」
少し意外な言葉だったが、裕子は笑顔で承諾していた。

     ◇
4 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)02時48分36秒

「うち来ても、つまらんぞ言うたろ?」
裕子の部屋は装飾品こそ派手な豹柄でまとめられていたが
必要以上の物の無い、簡素な部屋だった。
「いいんですよ。中澤さんの家に来たかったんですから……」

ひとみは思い出したように、手にした箱を裕子に見せた。
「中澤さんもあたしも甘いの苦手だから、ちょっと悩みましたよ」
そう言って笑うひとみの顔は、仕事の時よりもずっと幼く見える。

裕子の顔が少し熱くなったのは、ビールのせいだけではなかった。

しきりに部屋の中を見回すひとみを、裕子はたしなめた。
「ええから、そこ座っとき」
紅いレザーのソファを指さし、裕子はキッチンへ消えていた。
5 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時02分44秒

「あ、お疲れさまでーす」
ひとみはダージリンで、裕子はレモンスライスを浮かべたミラーで
乾杯していた。
「明日もゆっくりやから、勘弁な」
グラスをかざして、裕子は久しぶりの昼酒を楽しんでいる。

しばらくとりとめのない会話が続いた後、裕子はいきなり切り出していた。
6 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時06分26秒
「なあ、……あんたと石川ってホントにデキてんの?」
ひとみは自分の持ってきたブラウニーをノドに詰めてしまった。
「っ、なんですかぁソレ!?」
とまどうひとみに裕子は、さして気にする風でもなく続けた。
「いや……インターネットて知ってるやろ?」
「知ってます、けど……」
席を立って、裕子は居間に向かった。低い文机の上に
ノートパソコンが乗っている。
紅茶を一口飲んでから、ひとみは裕子を追った。
「こないだ面白いページ見つけてな」
言いながら裕子は、慣れた手つきでブラウザを起ち上げていた。
ひとみは裕子の肩越しに液晶画面を見つめている。

裕子の背中にひとみの吐息が、やんわりとかかっていた。
7 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時17分27秒
「あ、ここや。ここ」
画面にはびっしりと文字で埋まったページが表示されている。
「ちょ、待ってな……変なホームページも、あるもんやな」
「……あたしも、誕生日と進学祝いを兼ねて、ノートパソコン貰ったんですよ」
ひとみは裕子に並んで、床に直に腰を下ろした。
並んだ視線の先に、ぼんやりと明るい画面が光っている。
「なあ、『いしよし』て知ってるか?」
「は?」
裕子は長い爪で器用にクリックボタンを押していた。
「もう、あたしら完璧にオモチャやな……ほれ」
その長い爪で、裕子はひとみを呼んだ。
画面には赤い文字で

〜いしよし短編〜

と表示されていた。
8 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時19分54秒
「ま、早い話があんたと石川のラブストーリーやな……石川と吉澤で
いしよし、言うコトやね」
裕子の乾いた笑いがひとみの後ろ頭にかかっていた。
「酷いで。なんや『いちごま』やら『やぐちゅー』やら。
ほんで『いしよし』や……。
最初は、あたしも何のコトか分からんかったけどな」
ひとみは食い入るように画面の文字を追っている。
「これはええ方や、モロにエッチしとるヤツもあるし……」

無言で画面を見ているひとみの肩に、裕子はそっと手を置いた。
「あんたとあたしのもあるで……」
「はい?」
含みのある笑顔で、裕子はひとみを見つめている。
「これやったかな」
キーボードを撫でるように裕子の手が動いていた。
9 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時26分12秒
     ◇

「ふたりはなかよし」

1 名前 : 9−7 投稿日 : 2001年04月13日(金)01時36分49秒

始めて書きます。よろしく


2 名前 : 名無し読者 投稿日 : 2001年04月13日(金)01時45分10秒

ん? 立て逃げかい・・・。


3 名前 : 9−7 投稿日 : 2001年04月13日(金)01時46分03秒

わたしは裕子さんが大好き。
ずっと言えなかったけど、大好きだった。
私の名前は吉澤ひとみ。16歳。


4 名前 : 名無し読者 投稿日 : 2001年04月13日(金)02時18分54秒

>>2
初心者なんだろ、やさしく見守ってやろうよ。。。
とりあえず作者さん「初めて」だよ(藁
10 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時34分47秒
5 名前 : 9−7 投稿日 : 2001年04月13日(金)02時22分17秒

はじめてkissしてくれた。
嬉しかった。ほっぺにだけど。
撮影が終わった後、裕子さんは私にプレゼントをくれた。

嬉しくって、わたしは飛び上がって喜んだ。

わたしたちは中が悪いって言われてるけど、そうじゃない。

その証拠を教えて上げます。


6 名前 : 9−7 投稿日 : 2001年04月13日(金)02時24分49秒

最初に会った日は恐かった。第一印象。
でもすぐに優しい人だと分かってほっとした。
ダンスを教えてくれた。矢口さんのいなかった日。

矢口さんのいる日は矢口さんにべったり。
それでもそんな裕子さんがかわいかった。

ほんのちょっと矢口さんが羨ましかった。
11 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時35分38秒
7 名前 : 9−7 投稿日 : 2001年04月13日(金)02時27分43秒

・・・今日はこれで終えます。また書きます。 作者9−7


8 名前 : 名無し読者 投稿日 : 2001年04月13日(金)02時43分23秒

なんつーか独特の文体ですね。。。
ちょっぴり期待age


9 名前 : おせっかい 投稿日 : 2001年04月13日(金)02時46分59秒

名前欄にはタイトルか章数を入れて投稿してね
レスは名前のままでいいから。初心者案内も読んでね


10 名前 : 2 投稿日 : 2001年04月13日(金)03時06分11秒

なんか、かーいい。作者さんガムバテ

>>4
ソダネ
12 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時39分08秒
11 名前 : 9−7 投稿日 : 2001年04月14日(土)22時23分34秒

感想くれた方、ありがとうございます
がんばります


12 名前 : 「ふたりはなかよし」 投稿日 : 2001年04月14日(土)22時30分23秒

矢口さんはわたしを気に入ってくれたみたい。
梨華ちゃんはわたしを見ると泣きついてくる。
かわいいからついかまってしまう。

そんな日に事件が起きた。

わたしのベーグルを誰かが一つ食べちゃったのだ。
犯人は裕子さんだった。

「ごめんな」
ってすぐに謝ってくれた。わたしは
「いいです。一緒に食べましょう」
って笑った。ベーグル好きな人に悪い人はいません。
13 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)03時41分58秒
13 名前 : 9−7 投稿日 : 2001年04月14日(土)22時32分09秒

明日早いので、今日はこれで終わりです。
接続に手間取っちゃって、これだけです。すいませn


14 名前 : 名無し読者 投稿日 : 2001年04月14日(土)22時39分17秒

かわいいっっっ!!!age age


15 名前 : 名無し読者 投稿日 : 2001年04月14日(土)22時56分09秒

あうう、明日は・・・(号泣
無理にでもチケットとっときゃよかった・・・鬱だ
作者さん、これからも裕ちゃんの話書いてね

     ◇
14 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時00分27秒
「な?」
裕子はいたずらっぽく笑っている。

「しかし、こいつ頭悪いな……『中が悪い』やて、あはは」
ひとみは困惑した顔をしていた。
「あんたもラジオとかで変な話、せんほうがええぞ。あのベーグルの
話なんてするなっ、……恥ずかしいやろ」
額をつつかれたひとみは嬉しそうに笑っている。

「しかし、変わった名前やな、こいつ。9引く7って、なんや……ああ」
「なんですか?」
「9いうのはモーニング全員のコトやろ? そんで歳の順から7人引くと」
「引くと?」
「辻加護ファンってコトなんやろな。ややこしいわ……」
15 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時01分24秒
ひとみは首を捻っている。
「なんで『辻加護ファン』って書かないんでしょうか?」
「さあな。あたしとあんたの話を書いてるけど、ホンマはチビ二人の
ファンや、ゆうことなんやろ……」

見つめ合っていた二人であったが、ひとみは気づいて
思わず視線を外してしまった。
裕子は、そんなひとみに追い打ちをかけていた。

「最初はおとなしいけどな、コレ。途中から段々エスカレートしてるで」
キーを押して、裕子はその続きを表示していた。
「ほら……ここら辺からか……あら、キスしてるで」

ひとみはもう画面を見ておらず、俯いていた。
16 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時04分38秒
「お? お? ええね……『二人はこんなになかよしです』やって……」
裕子が顔を向けると、ひとみは唇を噛んで目を閉じていた。
「あ、ちょっと悪ふざけ……したか?」
ひとみは答えずに、ただじっとしている。
「ホンマに……しょうむない話書くヤツがおるよな。な」

「あたし……です」

裕子は
「ゴメン、ゴメン。もうやめる……」
と言うと、画面を見つめたまま止まってしまっていた。

「9−7は、あたしです……」
17 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時06分00秒
「へっ?」

「あのベーグルの話なんて、ラジオでも言ってません」
ひとみは上目遣いに、弱々しく裕子を見つめている。

「へ?」

「……『明日は裕子さんのうちに遊びにいける。やったー』」
ゆっくりとひとみはパソコンの画面を指さしていた。
裕子の目の前の画面には


62 名前 : 「ふたりはなかよし」 投稿日 : 2001年04月27日(金)22時52分36秒

明日は裕子さんのうちに遊びにいける。やったー


と、表示されていた。
18 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時09分53秒
「お父さんが、インターネットの申し込みもしてくれてて……
あたし嬉しくって……学校の友達に色々聞いてたから」
裕子は画面とひとみを交互に見ている。
「……お話の中だけでも、中澤さんと……って」
「え、あ?」

ひとみの膝の上で組まれた両の手指が、小さく震えている。
「ごめんなさい……」
裕子の卒業でも、歯を食いしばって涙を堪えていたひとみが
小さくなって涙をこぼしていた。
「でも……中澤さんがいなくなっちゃうんだ、って考えたら
あたし……さびしくてさびしくて、だから……お話の中では
いつまでも」
19 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時10分50秒
「いつまでも?」
そう問われて、ひとみは黙りこんでしまっていた。
「いつまでも……?」
ひとみの前にやってきた裕子は、そっと指先でひとみの顎を持ち上げた。

「いつまでも、一緒に……一緒に」
「現実に……しよか」
その言葉の意味を考える前に、ひとみの唇に裕子の吐息が
かかってきた。

ひとみが目を閉じたのは、裕子の唇が届いてからであった。
互いの睫毛が、同じように互いの顔をくすぐっている。
20 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時12分35秒
「……驚いてる、か?」
ほんの数秒のキスの後、裕子は小首を傾げて口元だけて笑っていた。
ひとみはぎこちなく頷くのが精一杯の様子である。
「随分前やけど、ラジオで言ったやろ、あんたとはお喋りしにくい、って」
「は、い。……ちょっとショックでした……」
「あは、ゴメンなあ。ちゃんと理由言わんかったもんな……」

裕子はパソコンの前に戻り、電話回線の接続を落としていた。
「……ちょっと、似てんのよ。あんた」
電源まで落とそうか考えている様子であったが、裕子はブラウザを
そのままに、ひとみに顔を向けてきた。
「笑うなよ……あんたな、あたしの初恋の人に、ちょっとだけ
似てるのよ…………阿呆やね、あたし」
21 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時13分32秒
長い爪で鼻先をいじりながら、裕子は何かを考えていた。

「それで……なんや……あんたの前、行くとな……中学生の頃を
思い出してな……笑うなよ」

赤ん坊が『はいはい』をするように、ひとみが裕子の元へとやってきた。
驚きの表情の中に、微かな笑みをたたえて。

「それは……あたしのコト……好きって、コト、ですか?」

問われた裕子は、俯いて目を閉じている。何かを堪えるように眉根を寄せて。

「……………………好き、や」
22 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時15分16秒
そう言うと裕子は立ち上がって、キッチンへ向かってしまった。
残されたひとみは、裕子を目で追うコトも出来ずに固まっている。

「おかしいやろ? 二十七の女が……あー、十六か? そんな子に
ときめいてるんやで。あはっ、おっかしいわ」
冷蔵庫から新たに缶ビールを出して、空のグラスに注いでいた。
そのままひとみに背を向けて、グラスを傾ける。
「……………!」
裕子の背中の一点に、ひとみの額が当てられていた。
抱きとめるでもなく、ひとみはただそっと額を押しつけている。

「中澤さんは…………他に、好きな人とか……いるんですか?」
23 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時16分17秒
裕子は泡の残るグラスを見つめている。
「あんたが……一番……じゃあ、無い…………ごめんな」
ひとみの体重が、裕子の背中から消えていた。
「矢口さんですか?」
「矢口ぃ? ふっ……ああ、じゃ、そういうコトにしとこか」
その答えに、ひとみが首を捻っている様子が、裕子には見えている。
「……二十七の女やで、よう考えてみ? あんたやって、石川に恋してるか?」
「…………」
「そう……小説みたいに簡単やない、よな」
24 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時18分29秒
ふと空いてしまった、透き間のような時間。

「わ」

裕子の背中に、ひとみの胸があたってきた。
その柔らかな体温に、裕子は思わず小さく声をあげてしまっていた。

「何番でもいいです……そばに、いられる……なら。
あたしは中澤さんが好きですから」

背中から抱きとめられた裕子は、顔だけ後ろにむけて
「それ……その『中澤さん』やけどな……」
と、ひとみの顔を見ていた。
「あ……ゆ、『裕子さん』……で、いいですかあ?」
「そうして。なんや、ベッドの中でも『中澤さん』なんて、言われたら
どうしようかって思ってたわ」
25 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時20分21秒
固まってしまったひとみを、裕子は声をあげて笑っていた。
「コラっ。本気にすんな、って……」
「……どこまでが……冗談かなんて……あたし、分からないから」
「『9−7』やって、そこまで書いてないやろ? あ、そや!」
「はい?」

グラスに残ったビールの泡だけをすすると
「その『9引く7』ってなんやねん? なんであんたが辻加護ファンなん?」
裕子はひとみに、そう問いただしていた。
「アレ……まちがい、って言うか……」
ひとみの声は笑っている。
「なによ」
裕子もひとみにつられて小さく笑った。
26 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時21分00秒
「ホントは『9→7』って書こうと思ったんですけど、矢印の出し方が
分からなくって……」
「『9から7へ』ってコト?」
言いつつ、裕子はグラスを握った手を叩いていた。
「そうか! ……ハミルトンの時のか」
「ええ……あの時のユニフォームのナンバーです」

写真集『ハミルトンアイランド』での衣裳の一つで、当時十人のメンバーは
通し番号入りの青いユニフォームを用意されていた。
背の順に割り振られた番号は
ひとみが「9」裕子が「7」であった。

「あたしから…………裕子さんへ、って」
27 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時23分35秒
雨はまだ降り続いている。

「……こういう告白のされ方は、初めてやなあ」
二人は寄り添うでもなく、並んでパソコンの前に座っていた。

「……まさか、中澤さんが読んでたなんて」
「“裕子”っ」
言われたひとみは、首をすくめておどけていた。

二人ともチラチラと、お互いに視線を投げかけているが、
妙に意識してしまっているのか、その視線が絡まらずにいる。

「コレ……この後、どうするん?」
裕子はディスプレイのひとみの小説を指さしていた。
「もう……もう書けないですよ……」
「そっか……そやな…………でも、ちょっと残念かもな」

二人の会話も、どこか宙に浮いてしまっている。
28 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時24分31秒
「あ……さっき、いきなり……キスなんかして……悪かったな」
「え?」
「いや、ホラ……」
「そんな……謝らなくても」

そのまま黙ってしまった裕子に、ひとみは、だが言葉をかけられずにいた。

ひとみは裕子のノートパソコンを自分の手元に引き寄せて
キーを叩きはじめていた。
29 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時27分22秒
「あん? なに? ……あ、『もう続きを書けなくなってしまいました』って?」
裕子の言葉には応えず、何か思い詰めた表情で
ひとみはキーを叩いている。

「ゆ……裕子さん、言ってくれましたよね? 『現実にしよか』って」
「ああ……言った、かな」
「なら…………これを、投稿して……いいですか?」

顔は向けずに、ひとみはディスプレイだけを裕子に見せた。
ディスプレイが裕子の顔を、淡く照らしていた。

「……………………ええよ」
30 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時29分10秒
静かなその声に、ひとみの中指がゆっくりとenterキーを押していた。
ハードディスクの作動音だけが部屋に響く。
接続のプロパティが表示される。

もう一度キーを叩けば、その文章の投稿が完了する。
だが、ひとみの指はキーの上でためらっていた。

ひとみは、手のひらにうっすらと汗を感じていた。

「……あっ」

とまどうひとみの白い指の上に、裕子の細い指が乗っていた。
31 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時31分28秒
裕子の指に押されてキーが入り、続いてモデムの音が響く。
二人の指がキーボードの上で絡まる。

しかし、二人の視線はパソコンには向いてはいなかった。

……おいで
……はい

口には出さずに、二人はお互いの目で会話をしていた。

奥の部屋の扉の開く音。
ゆっくりと閉まる音。

雨音がその二つを消していた。
32 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時32分22秒
     ◇

64 名前 : 「ふたりはなかよし」 投稿日 : 2001年04月28日(土)14時18分02秒

その日。
裕子さんはあたしを

やさしく愛してくれました。

     ◇
33 名前:9→7 投稿日:2001年10月14日(日)04時33分36秒
二人はこんなになかよしです

そして、これからも
34 名前:ふたりはなかよし 投稿日:2001年10月14日(日)04時35分17秒

(End)
35 名前:名無し読者。 投稿日:2001年10月14日(日)04時47分09秒
おわっちゃイヤーン!
マイナーなかよし大好きです。
書いてくれた作者さん最高!!
Megさんですよね?紫板でゆうりかはじめるってお見かけしていたのですが?
まだ・・・(w
待ってます。なかよし続編も是非。
いしよし・なちごま以外を是非この板で(w
36 名前:a_ru 投稿日:2001年10月14日(日)12時52分00秒
ドキドキしちゃいましたっす(笑)
“なかよし”いいっすねぇ、なかよしか・・・。
作品中の時間が現実の時間に感じられてなんか
思い出しちゃいました・・・。

続編も期待しちゃって良いんですかね?(笑)
37 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月14日(日)12時53分32秒
なかよしっていいですね〜
個人的によしかお・よしなちも見たいです
よっすぃ〜には年上キラーが似合う
38 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月14日(日)16時55分18秒
どうして自分のHPにアップしないんだろう
39 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月14日(日)16時59分10秒
こういうスタイルだからここに書かなければって
気持ちは分からなくもないけど・・・
なんだかモニョル
40 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月14日(日)19時54分55秒
別にいいじゃん。不満なら読まなければいいと思うけど?
41 名前:名無し読者。 投稿日:2001年10月14日(日)20時04分14秒
>>38
作者の自由だろ。
文句言うなら読むなよ!
なかよしぐっときました。
42 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月14日(日)23時45分56秒
なんだか皆さん(と言ってもお二方だけだけど)
否定される方を責めてる様ですがきっと作者様も
それを見越してこういった形の作品をこの場に
おかれたと思うのですがどうでしょうか?
否定も肯定もどちらをとっても一つの意見と言うことだと
私は思いますが・・・・
確かに気持ちよく書いていただきたいとは私も思います
しかしながら一読者同士で責め合っていても
仕方がないと、そうも思いますが・・・
なんだかまとまりついていませんね
作者様、一辺倒な言葉で申し訳ございませんが
頑張ってください
43 名前:Meg 投稿日:2001年10月15日(月)00時04分06秒
38の「名無しさん」さん、39の「名無し読者」さんへ。

確かに、この作品はここで書かなければ意味がないと、
勝手に判断してしまった部分はあります。
思慮の浅い行動だったかも知れません。

上記のお二方以外にも、Megのこのスレッドをご覧になって
『目障り』『邪魔』とお感じになった方には、お謝りさせて頂きます。

わがままついでですが、以降ここに発言を下さる方は
これ以上このスレッドが、こちらでお邪魔にならないようにsageで
書き込みをして下さると助かります。
44 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月15日(月)01時06分11秒
まあ、ポジテブに行こうぜ、Megさん。
言いたいやつにゃあ、言わせておいたらいいんだよ。
それにMegさんの言うように、
この小説はここだからこそ、掲載の意味があると思ったけどね。

それと、今回の作品についてだが、もちろん俺は萌えまくったよ。
よすぃこ、お前はやはり。。。だね(w
それに、やっぱりMegさんらしい作品だよ。いいと思う。

これからも、HP同様、Megワールドを展開していってほしいと思う。
真面目な話応援させていただきます。
45 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月15日(月)01時32分02秒
すげー!とうとうメタフィクションだよ(w
モー板小説も進化したもんだ。

MegさんのHPみたことないんですけど、検索かければ見つかりますか?
46 名前:Meg 投稿日:2001年10月15日(月)07時42分23秒
ご感想下さった方々、本当にありがとうございます
執筆のなによりの励みです

続編のことを含めまして、今一度このスレッドをどうするか、考え直して
みたいと思います
少なくとも現在、これ以外にスレッドを立てる予定はありません

よっすぃーと裕ちゃんが好き、というシンプルな出発点から始めたこの物語が
一人でも多くの読者の方に、喜んで頂けることを願います

ここで自サイトの宣伝まがいのことは、絶対にしないと決めておりまして
>45さん
誠にすみませんが、私のサイトは自力でお探しになって下さい
勝手いいまして本当にすいません
47 名前:かー 投稿日:2001年10月15日(月)14時13分02秒
すごくおもしろかったです。
裕ちゃんの一番はよっすぃーでは無いけど、それでも裕ちゃんのそばに居たい…
一途なよっすぃーがかわいいです。
裕ちゃん好きな私にはぐっと来ましたよ。
もし気が変わったらスレ立てて下さい。次回作品、気長に待っています。
48 名前:作者さんへ 投稿日:2001年10月17日(水)13時30分33秒
なかよし続編期待大!!
へんな事気にする必要ないよ。
ガンバ!
49 名前:あやな 投稿日:2001年10月23日(火)04時59分55秒
マイナーですが「なかよし」いいですね。
ゆうちゃん好きだし。よっしーも好き
やぐちゅう。いしよしがメジャーですが「なかよし」OKっす。
ゆうちゃんは『よっさん』って呼んでますよね!。
続が欲しいですね!

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