インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
あすりか3
- 1 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年10月18日(木)15時59分26秒
- 明日香と梨華。
いつの間にか二人の思いはすれ違って……。
元スレ
「あすりか」 http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=sea&thp=998894340
「あすりか2」 http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=sea&thp=999142658
- 2 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月18日(木)16時00分45秒
- 暗闇の中に私はいた。
どこを見渡しても、ただただ闇が広がっているばかりで……。
私は、黙ってただそこにいた。
怖くない…はずもなく、逆に恐怖に痺れて呼吸をするのが精一杯だった。
いつまでも…いつまでも、闇の中に私はいて……。
突然、恐怖が限界まで溢れて、涙と共に喚きだしてた。
本当は歌ってたんだけど、殆ど喚いている状態。
娘。の曲から始まって、知っている限りの歌を歌いまくった。
歌って歌って、歌い続けて……歌っている間は、自分の声が聞こえている間は、
何とか恐怖を我慢することが出来た。
いつの間にか、私は歌いながら走り出していて……どこへ向かっているのかも分
からずに、ただ闇雲に走っていた。
気がついたら遠くに微かな明かりを感じて、そこへ向けてひたすら走った。
走って走って、走り続けて……その明かりの中に、誰かが立っていた。
向こうを向いていて、見えるのは背中だけで…なのに私には、それが誰だか分かっ
た。
- 3 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月18日(木)16時01分30秒
- 梨華ちゃん……。
恐怖なんかは、もうどうでもよかった。
あそこに辿り着ければ梨華ちゃんに会える。
その思いだけで、私の足には力が入った。
なのに……いつまで経っても辿り着けない。
「梨華ちゃ〜ん!」
何度も叫んでも、梨華ちゃんは振り向いてくれなかった。
走って走って、走り続けて……やっと私は理解した。
あれは梨華ちゃんの拒絶の意志を示しているんだって……。
そう…私は梨華ちゃんに嫌われちゃったんだ……。
「イヤ…イヤだよ……梨華ちゃ〜ん!!……」
私は涙と一緒に声を絞り出して……そして目覚めた。
ベッドの上で一人泣いている自分。
相変わらずどうしたらいいか分からないまま、でも何かしなくちゃいられなくなっ
ていた。
このまま、梨華ちゃんを失いことになるなんて…そんなことは絶対に出来ない!
自分が一体どうしたらいいのか、頭を抱えて悩み続けた。
- 4 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月18日(木)21時13分40秒
- 新スレご苦労様です。
でももう前スレの頃のような二人には戻れないのかな
まったくちゃむのやろうめ(w
- 5 名前:1J 投稿日:2001年10月18日(木)23時28分25秒
- 新スレ、おめでとうございます。
真面目に思いやる(愛する)、真面目が故に傷つく(汚れる)でも……
それぞれの想いは、一体何に本当を見出すのか…
今後どの様に想いが伝わるのか楽しみです。(全登場メンバーです)
そろそろ「やすなち」の大人な感情の出番を期待です。大学イモ、マンセー(ヲイ
が、しかし作者さん、読者のはらはら姿を逆に楽しんでられる様な…(w
更に複雑にドロドロするのでしょうか?(涙)→[4][5]と更に長編?(w
長レス、失礼しました。頑張って下さい。
- 6 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月19日(金)07時06分53秒
- よくわかんないんだけど海板って512kbまでオッケーなんじゃないの?
- 7 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年10月19日(金)11時25分31秒
- 調子に乗って、前スレ末尾に外伝2を載せちゃいました。
>>4
どうでしょう……でも二人のことですから、何とか乗り越える……はずです(藁
>>5
「やすなち」、このところ登場してませんからね。
ちゃんと活躍させたいと思ってます。
読者にはらはらしてもらえるように書ければ、これほど嬉しいことはないです。
更に長編?……そこまではならない……はず(藁
>>6
私の理解ですと、512KBっていうのは本当にギリギリ上限ってことで、200KB程
度で、自主的に引っ越すのが望ましいようです。
「小説版自治スレ(初心者案内)」によれば、海版は
「長編用(基本的に重さの上限は同じです)」
とのことなので、200KBを目安に引っ越しました。
- 8 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月19日(金)11時27分48秒
- 「梨華ちゃ〜ん!」
どこからか、明日香ちゃんが私を呼ぶ声が聞こえてる。
さっきからずっと…たぶん、背後の方から……。
なのに…振り向けなかった…声さえ出なかった……身体が言うことを聞かなくて……。
明日香ちゃんが…明日香ちゃんのあの笑顔が見たいのに。
ちょっと嫌がられたって、ギュッて抱きしめたいのに。
いっぱい、いっぱい甘えちゃおって…思ってたのに……。
何故だか明日香ちゃんの声が、だんだん遠くなっていく。
イヤだ…イヤ〜!
もう、明日香ちゃんが来てくれるのを待ってるだけじゃダメなんだ。
私から走っていかないと……明日香ちゃんに護ってもらうだけじゃ…ダメだよ。
- 9 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月19日(金)11時28分47秒
- さっきの声。
きっと明日香ちゃん、泣いてた。泣き声だった。
明日香ちゃんが悲しんでる。苦しんでる。
今度は私が、明日香ちゃんを護ってあげるの。
自分が傷ついたって…そんなの良いの。
そう心に決めたら、急に身体が自由になって、私は走り出した。
どこからか音が聞こえてきて……。
目が覚めたら、携帯電話から着メロが聞こえてた。
明日香ちゃんの……。
飛びつくように手にとって、通話ボタンを押す。
「もしもし?…明日香ちゃん?」
- 10 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月20日(土)06時09分57秒
- 梨華頼むぞ明日香を
- 11 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年10月20日(土)06時25分33秒
- >>10
「応援ありがとうございます! チャーミー、ガンバッちゃいます!!」
- 12 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月20日(土)06時26分34秒
- 「……梨華ちゃん…昨日から全然連絡しなくて……ごめんね…心配掛けたよね?」
私は…自分の部屋で、ベッドの方を向いてカーペットの上に正座して電話してた。
『…寂しかったよ〜…』
甘えてくる梨華ちゃんの声が、私の胸をキュッて締め付ける。
「ごめん……あのさ…私……」
『明日香ちゃん、私、会いたいよ……今日もお仕事で遅くなるけど…明日香ちゃんに
会いたいの』
「梨華ちゃん……」
私の言葉を遮って、梨華ちゃんは、何度も「会いたい」って言った。
私も会いたいよ。
でも…会ってもいいのかな?
話しながらも、まだ迷ってた。
でも……。
「……家に…来る?……」
やっぱり…会いたい気持ちの方が強くて……。
- 13 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月20日(土)06時28分32秒
- 『明日香ちゃんの家?…いいの?…だったら…お仕事が終わったら、真っ直ぐに行っ
ちゃう!』
素直に喜んでる梨華ちゃん……言わない方がいいのかな?……それでも……。
「…待ってる…伝えたいことも…あるし……」
言わなきゃ。
ちゃんと伝えて、ちゃんと謝らなきゃ。
私の必死な感じが、声を通して伝わったみたい。
『明日香ちゃん?……何だか…怖いよ〜……でも…明日香ちゃんに会いたいから……』
急に梨華ちゃんも不安そうになる。
「ごめん……」
『明日香ちゃん…イヤだ…謝らないで……』
「…うん…電話じゃなくて…直接、ちゃんと伝えるから……」
- 14 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月20日(土)06時29分09秒
- 電話の向こうで、梨華ちゃんが大きく息をつくのが分かった。
『私は…明日香ちゃんに会えれば…それでいいから…だから…待っててね』
もう…我慢できなくて…涙がこぼれてた。
『それじゃ、今晩ね?』
「…うん……」
切れた電話を抱きしめて……声無く泣いた。
嬉しくて……切なくて……不安で……。
ちゃんと話すって決めたのに……やっぱり…梨華ちゃんを…失いたくない……この
思いが、また私を揺らし始めた。
- 15 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月21日(日)23時10分23秒
- 明日香ちゃん…私に一生懸命、説明しようとしてる。
そんなの…いいのに。
別に知らせてくれなくたって…私が知らないでいた方がいいことだって…あると
思うよ?
私が明日香ちゃんのことを信用するか、しないか、それだけのことだし、そんな
の…決まってるじゃない。
そりゃ…心配はするし…寝れなかったけど……。
結局は、明日香ちゃんのことを信用できなくなったら、私なんて……何にも無く
なっちゃう。
だから…明日香ちゃんが一言、「私のことを信じて!」って言ってくれれば、
「はい」って…それで私は安心できるのに……。
でも…まぁ…明日香ちゃんが説明したいんなら、聞いてあげてもいいけど……。
だけど…私を不安にするようなことは……ダメ…だからね?
最後は、ちゃんと信用させてね。
- 16 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月22日(月)16時22分01秒
- 今更、梨華ちゃんに話すことが怖くなってた。
紗耶香は、「何にもしてないよ」って、「ずっと寝てただけ」って言ってたじゃん。
私が勝手に見た夢……微かな期待が心の中にある。
紗耶香に聞けば、「何それ〜。そんなことあるわけないじゃん」って言ってくれる
んじゃないかって……。
そしたら、梨華ちゃんに笑って話せる。
「紗耶香と一緒にお酒で、酔いつぶれちゃってさぁ」
って……。
- 17 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月22日(月)16時23分09秒
- 現実かどうか確かめないと……そんな言い訳をして、電話を掛ける。
『おっす! 明日香、どうしたの?』
呼び出し音が途切れて、街の喧騒と一緒に、紗耶香の声が聞こえる。
「…あのさぁ……」
一昨日のこと…確かめないと。
『明日香?…どうしたの?』
「あのさぁ…一昨日なんだけど…酔っぱらっちゃった後…ホントに何もなかった?……」
『…何かって……何?』
「いや…あの……わ…笑わないで聞いてよね……ゆ…夢かもしれないんだけどさ……
私…紗耶香に……抱きつかれたような……」
夢…妄想……気の迷い……何でもいい。
笑って済ませられれば……。
『……うん。夢じゃないよ……私、明日香のこと、抱いたよ』
紗耶香の淡々とした言葉が、私の甘い期待を粉々に打ち砕いた。
- 18 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)00時33分19秒
- 「な…何で!…紗耶香…『何もしてないよ』って言ったじゃん!」
『そう言ったよ……『明日香はね』ってね……私が勝手に抱いただけだから』
そんな理屈……そんなの無茶苦茶だよ!
「…そんなの…酷いよ…私……梨華ちゃんに何て……」
『別に梨華ちゃんに言い訳なんてしなくていいじゃん。明日香が浮気したわけじゃ
ないし。別に悪いことしてないんだから』
「だって……」
何の抵抗もしないで抱かれちゃった……やっぱり何らかの罪の意識を感じちゃう
じゃない……。
- 19 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)00時34分13秒
- 私の葛藤に関係なく、紗耶香は変わらずにサバサバしてる。
『私ね…明日香と梨華ちゃんには、上手くやってほしいって思ってるんだ。嘘じゃ
ないよ。ただ…私も思いを吹っ切る前に思い出がほしかったから…イギリスに行く
前に……』
「紗耶香……」
『…だから…私が勝手に明日香を抱いたんだよ。明日香は悪くない』
「でも…私……」
訳もなく胸にこみ上げる物があって…言葉が出てこないよ……。
『明日香、夢だと思ったんでしょ?…だったら、夢だったんだよ。それでいいじゃ
ん。私はその夢を持って、イギリスへ行くからさ』
もう…訳が分からないよ……。
『悩むこと無いって。夢のことで、わざわざ梨華ちゃんを心配させることないじゃ
ん』
混乱したままで、勝手に涙が流れて来ちゃった……。
堪えて堪えて…でも、堪えきれずに嗚咽が漏れる。
- 20 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)00時34分54秒
- 『…明日香…泣いてるの?……明日香も泣くこと…あるんだね……』
紗耶香は、妙に感心したようにそう言った。
「…な…何だよぉ……私が…泣いちゃ…おかしい?」
精いっぱいの強がり。
……しゃくり上げるようになって、言葉が詰まっちゃってるから、何の説得力も
ないけど。
『おかしいよ。福田明日香は、こんなことで泣く子じゃないから』
…紗耶香…そんなにキッパリ言わなくても……。
「おかしくない!…私だって…泣くときは…泣くんだよ……」
紗耶香は電話の向こうで笑ってた。
…ホント…紗耶香はズルイよ。憎めないもんね。
ちょっとだけ気分が軽くなったような気がする。
- 21 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月23日(火)00時54分07秒
- すごくステキ。これを読んでから明日香ちゃんが好きになりました。梨香ちゃんも。
これからもがんばって。先がきになりますー。
- 22 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)09時57分23秒
- >>21
ありがとうございます。
そう言っていただけると、本当に嬉しいです。
頑張りまっす!
- 23 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)09時58分23秒
- でも…相変わらず問題は全然解決してない。
梨華ちゃんに言うべきか、言わざるべきか……。
『明日香?……もしかして…まだ迷ってるの?…だから何も言わない方がいいって!』
紗耶香はそう言うけどさぁ……。
「…でも…私…ずっと隠して付き合うなんて…出来るような気がしない……」
『……明日香も、妙なところで不器用だよね』
「私は……生まれてから…今まで…器用に生きて…きたことなんて…無いよ」
『…まぁいいか…それならスッキリ話しちゃいなよ』
だけどさぁ……。
「……大丈夫かなぁ…梨華ちゃん…やっぱり…怒るかなぁ?」
『明日香……どっちにしたいわけ? 話しちゃいたいの? 隠しときたいの?』
紗耶香、だんだんイライラしてきたみたい。
「だからぁ…ずっと迷ってるんだって!」
『あぁもう!…明日香らしくないなぁ。何でそんなに弱気なわけ?』
- 24 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)09時59分48秒
- そんなに責めないでよ、紗耶香ぁ……。
「…だってぇ……梨華ちゃんに…嫌われたくないんだもん……」
我ながら弱々しい声だなぁ……こんなに嫌われたくないんだって…あらためて感じ
たよ……。
『……明日香…それって酷くない?…私だって明日香のこと好きだって言ってるのに
さぁ…何だか…のろけてるように聞こえるんだけど…当てつけ?……』
「そ…そんなつもりないよ!…本気で悩んでたから…ごめん……」
『ハハハ…ウソ、ウソ。ちょっとからかってみただけ』
…ちょっと、紗耶香……私、完全に振り回されちゃってるじゃん……。
『まぁさ、明日香が隠し通す自信がないんだったら、正直に言っちゃった方がいいか
もね。変に隠してバレちゃったら、目も当てられないから』
「そっかぁ…そうだよね!……でも……」
私ってこんなに優柔不断だったっけ?
『ほら! ガンバって〜いきま〜っしょい!』
懐かしいなぁ…ライブ前の緊張感を思い出すよ。
よし! いっちょ頑張ってみるか!!
「…うん! 頑張ってぇ…行きま〜っしょい!」
- 25 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)10時01分02秒
- 『よしよし。当たって砕けろ! もしダメだったら…私んとこに……』
何言ってんだか……。
「それは駄〜目。砕けたりしませんよ〜だ」
二人で笑って…何だかやる気が湧いてきた。
『それにしても…明日香ってさぁ……』
「何ぃ?」
『かなりの…お人好しだよね』
本気で呆れてる感じ。
「何でぇ? そうかなぁ?」
『だってさぁ…まぁ…良いけど……』
- 26 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月23日(火)10時02分28秒
- でも、考えてみればそうかも。
ホントは、こんな風に紗耶香と話してるのも変なんだよね。
問題の当事者同士な訳だし……。
そもそも、梨華ちゃんと付き合っててラブラブな私って……。
だってぇ…梨華ちゃんも、紗耶香も、本気で嫌いになったり…できないもん。
だから…お人好しでも、いいじゃん!
「何だよぉ…いいじゃん!」
逆ギレ気味に突っ掛かる。
『ハハハ…元気出たみたいじゃん。じゃ、ホントに頑張ってね』
…軽くいなされちゃったよ……。
まぁ…いっか。
「うん………紗耶香…あのさぁ……」
『ん?』
「…ありがとう……」
紗耶香は何にも言わないで、電話の向こうでクククッて笑ってた。
よ〜しっ! 梨華ちゃんに伝えるぞ!……やっぱり…気は重いけど……。
- 27 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月23日(火)17時07分35秒
- 明日香ちゃんと電話できたら、昨日よりは平静な気持ちで仕事に取り組めた……と
思ったのに。
「梨華ちゃん、何か暗い顔してるよ? 大丈夫かい?」
安倍さん……私を見る目が、本気で心配そう……そんなに暗い顔してるのかなぁ?
「昨日から、何だかつらそうだし…額にシワが寄っちゃってるさ」
言いながら安倍さんは、指を私の額に当てて、揉みほぐしてくれた。
毅然としてたつもりだったのに……何だか……フッて胸の奥が切なくなって……。
- 28 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月23日(火)17時09分34秒
- 「どうしたぁ?……明日香が浮気でもしたかい?」
冗談っぽく言った、その安倍さんの言葉に、急に涙がこみ上げて、もう止まらな
かった。
「ふぇ…ふぇ〜ん、安倍さ〜ん!」
「ちょ…ちょっと、梨華ちゃん……どうしたのさ?…ん?……」
優しく声を掛けられて、もたれるようにして泣いちゃった。
「……ふ〜ん…明日香が紗耶香ん家にお泊まりねぇ……」
使ってない控え室に、手を引いて連れてこられて…思い切って全部話した。
「紗耶香からの電話も…変な感じだったんだっけ?」
「…はい……」
まだグシュグシュ泣きながらコクッて肯く。
「う〜ん…まだよく状況が分かんないけど…だけどさ、明日香は梨華ちゃんを悲し
ませるような子じゃないよ。それだけは確かじゃない?」
そうですね…頭じゃ、そう思ってるんですけど……。
「……でも…明日香ちゃんは可愛いから……誰に狙われても…不思議じゃありませ
ん……」
「…それは…まぁねぇ…梨華ちゃん、考えすぎ……」
そうですかねぇ?
でも…ホントに心配なんですよ〜。
- 29 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月24日(水)04時10分50秒
- 「そんなに心配なら、直接会って話してみればいいっしょ」
「はい…だから…今晩、明日香ちゃん家に行ってきます」
「そっかぁ…じゃ、ちゃんと明日香の話、聞くんだよ?……それから……」
?何ですか、安倍さん?…ちょっと…目が怖いです……。
「まさかお泊まりじゃないっしょ?…なっちは、まだそこまでは許さないべさ!」
笑顔の奥で目が……キラ〜ン☆て光って……。
「…………」
言えない…もうそこまでの仲になっちゃってるなんて……怖すぎる……。
「清く正しく美しく!」
…やっぱり…前途は多難です。
はぁ〜……。
- 30 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月24日(水)17時19分48秒
- 飲み物…冷蔵庫でちゃんと冷やしてる……OK。
夜食…うどんで良いかなぁ?……まぁOK。
部屋の掃除……うん。OK。
あとは…えぇと…梨華ちゃんのパジャマも用意したし……えぇ〜っとぉ……大丈夫
かなぁ……。
さっき梨華ちゃんから電話があった。
『仕事終わったよ〜…今から行くね』
って。
何となく梨華ちゃんはリラックスした感じだった。
なのに私は……。
はぁ〜……何だかめちゃめちゃ緊張するよぉ……。
何だか変だよね。今更こんなにソワソワするなんて……初めて梨華ちゃんが来たとき
にも、こんなに緊張しなかったのに……。
まぁ…梨華ちゃんとの関係って、いきなり深いところから始まったから、後からだ
んだんと手順を踏み直してる感じ。
- 31 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月24日(水)17時20分47秒
- いきなり襲われたあの日……ある意味、梨華ちゃんとの記念日には違いないけど…
…本当の意味で、素顔の梨華ちゃんを知ったのはもっと後だしねぇ。
正直…最初は断りきれなかっただけだった……。
初めてのデートで、おねだりされて…黄色と空色の星形ピアスを、一個ずつ交換し
たんだよね………そうだ…今日もあのピアス付けよう……。
そう…吉澤が梨華ちゃんを襲って…今でも思いだす……吉澤への怒りと…梨華ちゃ
んへの愛情……いつの間にか、すっかり梨華ちゃんを好きに…大好きになってた。
その日…初めて私ん家にお泊まりしたんだよね。
梨華ちゃんを護りたい…護るんだって…それだけを考えてたあの日……。
今でも…その思いは変わらない…はずなのに……。
- 32 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月24日(水)17時21分40秒
- あれから梨華ちゃんは、私の中で加速度的に大きな存在になっていった。
初めて一緒にお風呂に入って……初めて私の方から「梨華ちゃんを抱きたい」って
……。
それで…今度は私が吉澤に襲われて……考えてみれば吉澤って、ホントに私と梨華
ちゃんを翻弄してるよね。
まったく……むかつく!
まぁ、それはともかく……。
今、私が梨華ちゃんを愛してて、絶対に失いたくないって思ってる……それは確か
で、それが一番大事なことで……。
紗耶香とのことは…本当に夢だったら…夢ってことにしてしまえたら…どんなに良
いだろう…紗耶香には悪いけどさ。
- 33 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月24日(水)17時22分10秒
- でも…私だけそんなじゃ、駄目なんだ…きっと。
だって、梨華ちゃんは自分の過去を私に全部話してくれた。
本当だったら一番知られたくないことも全部……。
だったら、私も梨華ちゃんに知られたくないことでも、正直に話さないと…その上
で、私の梨華ちゃんへの愛は変わらないってことを伝えないと……。
梨華ちゃんには私を信じててほしいから……私も梨華ちゃんを信じて、自分をぶつ
けよう。
やっと、そんな風に決意出来て……不安は残しながら、それでも梨華ちゃんと面と
向かう勇気を固めてた。
ピ〜ンポ〜ン♪
きっと梨華ちゃんだ。
「…は〜い!」
最高にドキドキしながら、玄関へと向かった。
- 34 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月25日(木)02時15分05秒
- さっき、
「今から行くね」
って電話したら、明日香ちゃん…何だか深刻な声だった……。
私としては、安倍さんのアドバイスもあって、もう吹っ切れた感じ。
後は明日香ちゃんの話を、落ち着いて受け止めるだけ…そんな気持ちになってるよ。
だから…明日香ちゃんも深刻にならないでも良いのに……。
そりゃ、不安もあるけど…ね……。
でも…どんな時でも真面目な明日香ちゃんが…スキッ!!
- 35 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月25日(木)02時15分42秒
- 今日だって、明日香ちゃん家にお泊まりだって考えれば、すっごい楽しみだから。
もし、嫌な話でも……いっぱいお仕置きしちゃうんだ♪
どんなことがあっても、絶対…絶〜っ対、明日香ちゃんを離したりしないんだか
ら……。
例え明日香ちゃんの心の扉が閉じてても、私はチャイムをいっぱい鳴らすよ。ノック
し続けるよ。
ピ〜ンポ〜ン♪
ほら、こんな風に。
「…は〜い!」
そう。いつでもそんな風に、元気な声で出てきてね。
- 36 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月25日(木)12時31分53秒
- 迎えに出たら、梨華ちゃんはいつも通りにニッコリ笑ってくれた。
ホッとするよ……でも…だからこそ、自分のやったことが…されたことが……胸に
痛い……。
「…あ、夜食、食べる?…うどんしかないけど」
「おうどん? 食べた〜い」
「じゃ、作るよ…梨華ちゃん、疲れてるでしょ?…部屋で待っててね」
「ううん、大丈夫。明日香ちゃんと…一緒に作りたいなぁ…いい?」
梨華ちゃんと一緒に料理……それだけで…もう幸せだった。
キッチンに立って、ネギやかまぼこを切ったり、一つの鍋を二人で見つめたり……。
「…もうちょっと…かなぁ?」
チラッと鍋から上げた視線が、私に向けられる。
その柔らかい表情が、嬉しくて……。
「……もうちょっと…だね」
ホントはもう良い頃合いかもしれないけど……まだ一緒にこうしていたいから……。
ちょっとのび気味のうどん、出来上がり。
- 37 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月27日(土)06時30分39秒
- どうなっちゃうんだ明日香と梨華心配だ
やっぱりヤッスーに期待かな(w
- 38 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年10月27日(土)09時15分38秒
- >>37
余計なことを何も考えずに好きでいつづけるって、実は難しいことなのか
も……。二人に期待してやってください。ヤッスーの出番は…もうちょっと
後ですが。
- 39 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月27日(土)09時16分19秒
- チラッ、チラッて私のことを見る明日香ちゃん。
視線が私と合っちゃったりすると、はにかんだように笑うの。
明日香ちゃん……可愛いよ〜!
もうお話なんてどうでもいいよ。
だって、このままで十分幸せだから……。
♪〜〜。
不協和音のように聞こえる携帯電話の着メロ。
「…ごめんね。電話出てもいい?」
「うん」
もう! 誰よ、この幸せな時を邪魔するのは!!
そんな風に内心ムッとしながら液晶パネルを見たら……市井さんだった。
- 40 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月27日(土)09時17分16秒
- 「もしもし、石川です…」
『あ、私。市井ッス…あのさぁ……』
明日香ちゃんを悩ます元凶かもしれない人からの電話。
ちょっと明日香ちゃんを見てから、そっと立ち上がって窓の方に一、二歩歩いて
背を向ける。
『あのさぁ…明日香から…話、聞いた?』
「…いいえ。これからです」
『あ…そうなんだ…じゃ、いいや。最初は明日香から聞いた方がいいだろうから……』
聞いてて無性に怒りが込み上げてきた。
「大丈夫ですよ。話…聞かせてください」
私と明日香ちゃんは、市井さんの話くらいでどうにかなるような薄っぺらい関係じゃ
ありませんよ!
- 41 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月27日(土)09時18分27秒
- 『え…でも……』
「本当に大丈夫です……大体は…想像つくし……」
怒りと自信とで、キッパリ言っちゃった。
『…そう…じゃぁ…ズバリ言っちゃうけど…私…明日香を抱いたから』
「そ…そうですか……」
予想通りの言葉……だったのに、衝撃は予想以上で……。
私の声は裏返ってた。
『…でも…明日香は全然悪くないから……酔っ払ってよく分からなくなっちゃったのを、
私が無理矢理に抱いただけ…だから……』
「……何で…そんなこと……」
『思い出が…明日香との思い出が…欲しかったから…どうしても欲しかったんだよ……』
やっぱり市井さん…明日香ちゃんのこと……。
- 42 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年10月27日(土)09時19分42秒
- 『…明日香は…ずっと石川に抱かれてるって感じてたみたい……石川の名前…呼んでた
から……』
そんなの…市井さんはツライだけじゃないんですか?
なのに…どうして……。
『だから…明日香のことは許してやってよ。私はこの思い出だけで十分……石川に恨ま
れても平気だから』
市井さんの声は、はっきりしてて強がってるようには聞こえなかった。
「…はい……」
『信じてくれないかもしれないけど…私、あんた達には上手くやってほしいって思って
るんだよ…ホントに』
普通だったら絶対に信じられない言葉。
でも…市井さんの場合は…ウソじゃないと感じた。
『…まぁ、もし万一、二人が上手くいかなかったら……明日香は私がもらっちゃうけどね』
市井さん……。
「絶対にあげません!」
『アハハハ…ま、頑張ってよ。じゃ』
電話を切って振り返ったら、明日香ちゃんが心細そうに見詰めてた。
大丈夫だよ、明日香ちゃん。
絶対に明日香ちゃんを市井さんなんかに渡さないんだから!
- 43 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月27日(土)22時11分43秒
- 強いねちゃむは・・・
- 44 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月30日(火)11時41分34秒
- 梨華ちゃんがんばれ。作者さんがんばれー。
- 45 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年10月30日(火)16時13分23秒
- あれこれで暫く更新できませんでした。
申し訳ない。
>>43
ある種の強さを持ってるんです、ちゃむは。
そして、根っこの部分は…やっぱり泣き虫ちゃむなのです(藁
>>44
まさしく梨華ちゃんの頑張りどころ。
作者も頑張りまっす!
- 46 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月30日(火)16時23分32秒
- 「そ…そうですか……」
梨華ちゃんの声がうわずってた。
ねぇ…どうしたの?…誰?
梨華ちゃん、誰と電話で話してるの?
不安だよ……。
こんなちょっとしたことで心が揺れるのも…自分に自信が無いせい?
心細いまま、梨華ちゃんの背中を、ずっと見詰めてた。
そしたら梨華ちゃんが突然、
「絶対にあげません!」
って言って、電話を切っちゃった。
梨華ちゃん、どうしたの?
振り返った梨華ちゃんの瞳は、決意みたいなものを宿してて、私には眩しかった。
「明日香ちゃん……」
私の向かい側の席に戻ってきて、真剣な目で見てる。
思わず背筋をただして……。
「…話…ちゃんと聞かせて?…ね?」
「う…うん……」
梨華ちゃんの勢いに乗せられるようにして、話すことになっちゃった。
- 47 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月30日(火)17時07分24秒
- 「…明日香ちゃん…その時…意識はあったの?」
私はブンブンと首を横に振った。
「朦朧としちゃってたから……」
「そう…明日香ちゃん…市井さんに抱かれて…嬉しかった?」
紗耶香には悪いけど、今度も私は躊躇無く首を横に振った。
「大変なことになっちゃったって…すごく…怖かった……」
- 48 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年10月30日(火)17時08分06秒
- 「そう…明日香ちゃん…私のこと…まだスキ?」
今度も躊躇無く、だけど首は縦に振る。
「好き!…今度のことで、こんなに梨華ちゃんのことが好きなんだって…自分で思って
るより、もっとも〜っと好きだって分かったから……」
「そう…明日香ちゃん…私も…スキだよ。絶対に離したくない!」
ガバッ!て梨華ちゃんが抱きついてきて……私も必死で腕を回した。
「市井さんになんて、絶対に渡さない! 明日香ちゃん…ずっと…ずっと、私の側に
いてくれなきゃイヤだよ?!」
「…うん…私もずっと梨華ちゃんの側にいたいよ……」
ギュッて…ギュギュッて抱きしめられて…本当はかなり苦しかったけど、それ以上
に嬉しかった。
- 49 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月01日(木)12時46分29秒
- 明日香ちゃんが腕の中にいる……絶対に離したくなかった。
市井さんにってことだけじゃなくて、誰にも、いつまでも離したくないよ。
いつもだったら急に抱きついたりしたら嫌がる明日香ちゃんだけど、今は何も言わ
ずに、軽く抱き返してくれてる。
嬉しい……きっと、明日香ちゃんも私と同じこと感じてるんだよね?
このまま一緒にいたい……他に何もしなくていい…ただ、こうして抱き合ってたい
よ。
必要以上に力がこもって……気がついたら、明日香ちゃん、苦しそうに息をついて
て…それでも何も言わずに抱かせてくれてた。
- 50 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月01日(木)12時47分06秒
- 「ご…ごめんなさい……」
慌てて力を弛めて…でも、抱きついたままで、明日香ちゃんの顔を覗き込んだ。
「大丈夫だよ」
ちょっと上目遣いの明日香ちゃんの顔は、真っ赤っかだった。
恥ずかしいのかな?
息が苦しかったからかな?
きっと…そのどっちもだね。
恥ずかしいのと、苦しいのと…耐えてくれてた明日香ちゃんが、可愛くて、愛しくて……。
キスしようとした。
明日香ちゃん、最初はちゃんと唇で受け止めてくれようとしたのに……。
「…やっぱ…駄目だ!」
って。
ちょっと首を曲げて、ほっぺたで私のキスを受けた。
「……どうして?」
私のキス…キライになった?
「違うの……でも…今日は駄目だよ……昨日の…ちゃんとけじめをつけないと……」
もう! 私はそんなの全然気にしないのにっ!!
だけど明日香ちゃん、言い出したら聞かないから……。
あ〜ぁ……今日は我慢か……ま、明日香ちゃんが側にいてくれたら、一日くらい良
いか。
- 51 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月02日(金)14時22分45秒
- ……やっぱり…もったいなかったかなぁ……梨華ちゃんのキス……すっごく幸せな
気分になれるんだけど……。
でもさぁ…何か…何か駄目な気がするんだよぉ。
紗耶香とのことで、梨華ちゃんを傷つけちゃった直ぐ後だし……いくら梨華ちゃん
が許してくれてもさ…やっぱり…自分でけじめをつけないと!
ふっと、吉澤の顔が脳裏をかすめる。
……吉澤も…ずっとこんな感じで、どうしたら良いか分からなくなってるのかな…
って。
「汚れてる」……吉澤にぶつけられた言葉が…今ほど痛く感じられたことはなかった。
今の私は…確かに「汚れてる」かもしれない……。
それは別に、紗耶香だからとか、そういうことじゃなくて……行為そのものに私の
どんな思いが込められてるかっていう…極めて個人的かつ精神的な問題なわけで……。
- 52 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月02日(金)14時24分25秒
- 少なくとも、紗耶香の方は私への好意を、ああいう行動で示してくれたわけで…そ
れを「汚れてる」とは、私には言えない。
でも…それを受け止めちゃった私の方は…酔いつぶれちゃったにしろ…梨華ちゃん
を裏切ってるわけで……その一点だけで、やっぱり私は「汚れてる」。そう思う。
そんな「汚れた」私が、梨華ちゃんと…キス…したりとか…ましてやそれ以上の行
為は…やっぱり駄目でしょう。
それは、決して梨華ちゃんへの思いが薄くなったわけじゃなく、反対にその思いゆ
えに余計にそう感じるわけで……。
だとしたら、吉澤のごっちんへの態度もそういう部分があるのかもなぁ…って思う。
本気で好きになればなるほど、自分が近づいちゃいけないような気がする。
でも…一緒にいたいんだよ!
……吉澤も…辛いのかも…しれないね……。
でも、その辛さに耐えかねての行動が、梨華ちゃんや私を襲ったことだとしたら、
益々自分を追い込んでるとしか思えないけど……。
何だか、前には出来なかった吉澤の立場に立って考えることが、多少なりと出来る
ようになったのは……良かったような……悪かったような……。
いろいろ人生について考えちゃうね。
- 53 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月02日(金)14時25分28秒
- それにしても……。
「……梨華ちゃん?」
「なぁに〜?」
いや…あの…さっきから私の首に手を回して、超接近状態なんですけど……。
「今日は、い〜〜っぱい甘えさせてもらっちゃうんだ〜。私を寂しがらせた罰なんだ
から、明日香ちゃんは嫌がっちゃダメ!」
「…………」
そう言われると反論のしようがないよ。
「今日は寝るのも一緒だからね♪」
「えぇっ!?」
いや…だから…今日はそういうことは…しちゃ駄目だって……。
「一緒のベッドに寝るだけだよ〜。やだ〜、明日香ちゃんのH〜♪」
「…………」
ま、梨華ちゃんが喜んでくれるなら…そのくらいはいっか。
- 54 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月03日(土)08時47分43秒
- 明日香ちゃんと一緒〜♪
明日香ちゃんとラブラブ〜♪
やっぱり、私は明日香ちゃんの側にいられれば何だって楽しいの。実感しちゃった。
だから、これからは絶対に離さないよ。
「明日香ちゃんも…何があっても私のこと、一人にしちゃダメだよ?」
腕を抱き込んで、ベッドに腰掛けながら顔を覗き込む。
「う…うん」
「絶対だよ?」
重ねてそう聞いたら、
「うん…絶対」
だって。
良かったぁ。
明日香ちゃん、私にウソは絶対言わないから、この約束も必ず守ってくれるよね。
- 55 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月03日(土)08時49分28秒
- 市井さんとのことは…やっぱりイヤだけど、明日香ちゃんは悪くないし、変わらず
に私のことをスキでいてくれて、それで十分。
明日香ちゃんがはっきり「好き!」って言ってくれたし……。
「今度のことで、こんなに梨華ちゃんのことが好きなんだって…自分で思ってるより
、もっとも〜っと好きだって分かったから……」
明日香ちゃんの言葉、これからも絶対に忘れないよ。
この言葉が聞けただけで……市井さんとの事件は、「ま、いっか」って思っちゃう。
でも…今回のことで、明日香ちゃんを狙ってる人がいっぱいいるって分かって……
何か予防策を考えないと……。
明日香ちゃんが可愛いのは変えようがないし……。
これから私以外の人に会わない…ってわけにもいかないし……。
どうしようかな〜……。
気がついたら、考え込んじゃってた。
急に黙っちゃった私を、明日香ちゃんが不思議そうな、不安そうな目で見てた。
慌ててニコッて笑って……それを見て、明日香ちゃん、余計に不安な表情になってた。
「大丈夫。安心して、明日香ちゃん」
そう言ったのに…やっぱり明日香ちゃんは不安そうだった。
もう…明日香ちゃんは心配性なんだから〜。
でも…そういうところも…スキ♪
- 56 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月03日(土)18時41分06秒
- ちゃむ問題を乗り越えてあすりかの絆は強まった感じですね
この調子でなっち姑問題や吉澤問題も乗り越えてくれ
- 57 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月04日(日)01時05分42秒
- >>56
まさに ♪恋は まるで 各駅停車 って感じです(藁
吉澤問題を乗り越えてもらうためにも、ちゃむ問題でもがいてもらいました。
- 58 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月04日(日)01時06分45秒
- 私に抱きついたまま、梨華ちゃんが、何か一生懸命に考えてる。
どうしたの、梨華ちゃん?
やっぱり…私のこと…許せない?
一緒にいて、楽しくない?
不安だよ……。
私の視線に気がついて、梨華ちゃんがニコッて笑う。
いつも通りの柔らかい笑顔。
私に安らぎをくれる笑顔。
でも…私の方はいつもとは違う。
この笑顔を受け止める資格が、私にあるのかな…って。
安らぎをもらっちゃっても良いのかな…って。
だから…すごくドギマギしちゃうよ。
照れるっていうより…恥ずかしい……。
- 59 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月04日(日)01時07分22秒
- 「ねぇ…お風呂…入っても良い?」
梨華ちゃんが笑顔のまま訊ねてきた。
「あ…うん…大丈夫だよ…」
「じゃ…行こっか」
そう言って、立ち上がって…私の腕も持ち上げられる。
え?…もしかして……。
「お風呂も一緒ね♪」
いや…でも…ここ、家だし……親が……弟も……。
「嫌がっちゃダメ〜!」
あの…だって……。
「もう! 一緒に入るの!!」
……引きずられるようにしてお風呂場まで連れて行かれる私。
ものすごくちっちゃい頃に、頭洗うのを嫌がった時以来のような……。
- 60 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月04日(日)01時08分29秒
- 「梨華ちゃ〜ん…やっぱりさぁ…やめようよぉ…」
そりゃさぁ…梨華ちゃんとは、もう何度も一緒にお風呂入ってるよ。
でもそれは、本当に二人だけの時で…自分の家じゃ…ちょっとマズイッす……。
「明日香ちゃん……私のこと…キライになっちゃったんだ……」
ピタッと立ち止まって、悲しそうにつぶやく……。
梨華ちゃん……。
……分かってるよ…きっと、ちょっと拗ねて見せてるだけだって……でも……。
「そ…そんなこと、あるわけないじゃん!」
ムキになって答えちゃうんだよねぇ……。
「…ホント?」
「ホント、ホント!」
梨華ちゃん、ニコッて笑って……。
「じゃ、一緒にお風呂に入りましょう♪」
……ほら…やっぱり……トホホ……。
- 61 名前:LINA 投稿日:2001年11月05日(月)07時20分05秒
- 実は始まった頃から読んでました♪
今回の、積極的な梨華ちゃんもカワイイっす!
弱弱な明日香も(・∀・)イイ!
作者さん頑張ってーーー!
- 62 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月05日(月)12時03分16秒
- >>61
ご愛読、ありがとうございます!
ご感想並びに応援のお言葉、ホントに励みになります。
ようしっ! これからもリキ入れて頑張りまっす!!
- 63 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月05日(月)12時04分21秒
- 一つダメでも決してあきらめない――私がモーニング娘。で学んだ鉄則。
そしたら…ね?
キスはダメだったけど、こうやって一緒にお風呂に入れちゃった♪
「明日香ちゃ〜ん、はい、こっち向いて〜」
相変わらず、明日香ちゃんは恥ずかしがり屋さん。
こっちを向くとき、今でもオズオズッて感じで、胸とかを何とか隠そうって頑張っ
てるんだもん。
でも…そんな恥ずかしがり屋さんなところも…スキ♪
大体、隠そうとしたって、明日香ちゃんの胸、しっかり見えちゃってるんだから。
しかも、ギュッて両手で寄せて上げてで……いつも以上にセクシーだよ〜。
もうねぇ、見てるだけで、こう…抱きつきたくなっちゃうの。
でも…今日は明日香ちゃんが怒るから、我慢、我慢。
湯気でポワポワ〜ッて上気してる明日香ちゃんを洗ってあげて、私も洗ってもらっ
て、一緒に湯船に浸かって……。
もうそれだけで満足、満足♪
- 64 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月05日(月)12時04分54秒
- 良い感じでお風呂に入ってたら、突然、外から声が飛んできてビックリ。
「明日香〜」
って、ちょっと眠そうな声。
「お…お母さん?!…な…何ぃ?」
明日香ちゃん、目を白黒させちゃって…私もビクビクしてたけど、それを見たら
可笑しさの方が勝っちゃって、笑いがこみ上げて来ちゃった。
「り…梨華ちゃん、シ〜ッ!」
焦って人差し指を唇に当てる明日香ちゃんが、また可笑しいんだもん。
- 65 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月05日(月)12時05分40秒
- 「明日香、お風呂? お客さんだけど、上がれる?」
すぐ外から明日香ちゃんのお母さんの優しそうな声が聞こえる。
「お客さん?…こんな時間に?…分かったぁ…すぐ上がるぅ」
「そう。あんまりお待たせしちゃ駄目よ」
そう言って、足音がだんだん遠ざかっていった。
「…っふぅ〜……梨華ちゃん、上がろう」
相変わらずクスクス笑いをしてる私に、ドッと疲れたって顔の明日香ちゃんが声を
掛ける。
「うん」
せっかく二人で入ってたお風呂タイムだったけど、ドキドキ明日香ちゃんが可愛か
ったから、ま、いいか♪
- 66 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月06日(火)01時34分55秒
- 梨華ちゃんには部屋で待っててもらって、私はトレーナーにジャージ姿に大急ぎで
着替えて玄関に。
そしたら……。
「ごっちん?!」
「……遅くにごめんなさい…」
ポツンッて感じで何だか寂しそうに、ごっちんが立ってた。
本当にもう深夜で、お母さんなんか「お客さん」って言っただけで誰が来たとも言
わずに、たぶんもうベッドに潜り込んでる。
そんな時間に、ごっちんがしかも家なんかに来るって……何事?
思わずいろいろ考えちゃって、なかなか言葉にならないよ。
あれこれ考えに考えて、私が言った言葉。
- 67 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月06日(火)01時35分27秒
- 「…どうしたの?」
こういうときって、当たり前の言葉しか出てこないもんだよね。我ながら動転して
るね、かなり。
そしたら、ごっちんの顔がクシャッて歪んで……。
ポロポロッて涙がこぼれてた。
「…よっすぃ〜と…ケンカ…しちゃって……」
「…………」
玄関先で泣かれちゃって……私はどうすればいいのさ?!
取りあえず……。
「…部屋、上がる?」
「……うん……」
部屋には梨華ちゃんがいるわけで……まぁ、ごっちんは私たちのこと、知ってるけ
ど……また梨華ちゃんの機嫌が悪くなっちゃうよ…絶対……。
どうしよう……。
ごっちんはまだ涙流してるし……。
もう頭を抱えたくなりながら、ごっちんをなだめて部屋へと連れて上がった。
- 68 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月06日(火)11時29分27秒
- ここのごっちん可愛すぎる
でも今度は梨華っちはあすごまの関係が心配になるのかな。
- 69 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月06日(火)12時47分04秒
- >>68
ごっちん可愛いっすか。良かったぁ……。
梨華ちゃんは明日香を信じることに決めた直後ですので、問題は別の所に……。
- 70 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月06日(火)12時47分54秒
- 明日香ちゃんの部屋で、髪をバスタオルでワシャワシャ乾かして、さてドライヤー
で…と思ってたら、
「…梨華ちゃん」
って、明日香ちゃんの声がした。
振り返ったら、明日香ちゃんがドアから顔だけ出してた。
何故だか困った顔。
「どうしたの?…あ…髪、生乾きだよ?…早く入って来て。私が乾かしてあげる」
「うん…ありがとう……」
言ったきり、明日香ちゃんはそのままモジモジしてて……。
??? どうしちゃったんだろう?
- 71 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月06日(火)12時49分17秒
- 「あの…さぁ……」
「ん? 明日香ちゃん、なぁに?」
「あのぉ…お客さんが…来ちゃって……」
お客さん。
こんな深夜に誰だろうなって思ってたけど……何かイヤな予感がする。
「それが…どうかしたの?」
まさか「帰って」とか言ったりしないよね?
「えぇと…もう一人…増えてもいいかな?」
え?……増えても…って……???
- 72 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月06日(火)12時50分16秒
- 「いや…あのね……ごっち…後藤さんが来ちゃって……」
ごっちんが?!
私の顔色をうかがいながら、明日香ちゃんが部屋の中に入ってくると、その後ろか
らごっちんも現れて……。
何だかすごい暗い顔してる。
「それでね……あのさぁ……そのぉ……」
しどろもどろになってる明日香ちゃん。
その向こうから、ごっちんが申し訳なさそうに口を開いた。
「梨華ちゃん…ごめんね……二人の邪魔しちゃって……でも…最初は梨華ちゃん家っ
て思ったんだけど…電話しても出ないし……他に行くとこ思いつかなくて……」
そう言うごっちんの目は真っ赤で……私は何も言えなかった。
続けて明日香ちゃんが恐る恐る。
「…それで…今日、後藤さんを泊めてあげようと…思うんだけど…いいかなぁ?」
ごっちんの様子を見て、お人好しの明日香ちゃんが他の結論を出すわけが無いこと
は、私が一番知ってる。
でもぉ……こんな形で二人の夜が消えて無くなるなんて……。
と思ったけど、この瞬間、私は閃いちゃった。フフフフ……。
ごっちんがいても、明日香ちゃんを独り占めできればノー・プロブレムよね!
- 73 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月07日(水)00時05分27秒
- 「良いよ、明日香ちゃん。ごっちんを泊めてあげて」
梨華ちゃんはニコニコ顔で、何か拍子抜け。
「…ホントに良いの?」
「良いよ……その代わり……」
やっぱり何かあるんだ。
「ごっちんにはベッドで寝てもらって」
???それは…お客さんだからそうした方が良いけど……何故、梨華ちゃんが嬉し
そうに言うんだろう?
「それで〜…明日香ちゃんは私と一緒のお布団で寝ると」
「は?…え…えぇ〜!!!」
……それが梨華ちゃんの狙いだったわけ?
- 74 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月07日(水)00時06分25秒
- 「いや…あの…私は応接のソファででも……」
「ダメッ!」
…一言で却下っすか……。
「そんなことして風邪でもひいたら大変だもん」
「大丈夫だと思うけど……」
「何て言ってもダメッたらダメッ!!」
「…でもぉ……」
いくら何でも恥ずかしいじゃん……ごっちんの前でイチャイチャしてるみたいで
さぁ……。
「あの…私だったら気にしないで。二人がラブラブなのは、よく知ってるから」
いや…あのね、ごっちん。
「やだもう、ごっちんたら!…じゃ、お言葉に甘えて」
ちょっと…梨華ちゃん……。
「どうぞ、どうぞ。ごめんね、ベッド使わせてもらっちゃって」
「ううん。ドンドン占領しちゃって。私は…明日香ちゃんを占領しちゃう。キャッ♪」
…………もう…何でも良いや……。
- 75 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月07日(水)00時07分02秒
- 「……分かりました! 一緒に寝ればいいんでしょ。一緒に寝れば……」
「分かればよろしい」
梨華ちゃん、大満足の表情で大きく肯いてる。
「はぁ〜ぁ……」
大きなため息一つ。
そんな私たちを見てるごっちんに、ちょっとだけ笑顔が見える。
「あ…着替え、どうしようか? 私のじゃ小さいかなぁ?」
そう言ったら、ごっちんは、
「えっと…このままでいいです」
って言うけど……見ると、デニムの上下で、そのままじゃ絶対に寝られそうもない。
タンスを開けて、奥の方から私にはちょっと大きくて、いつもは着てない、ゆるめ
のパジャマを取り出す。
「これなら、何とか着られると思うけど……」
「あ、良いな〜…私も明日香ちゃんのパジャマ着た〜い!」
……騒いでる梨華ちゃんは、ちゃんと自前のピンクのパジャマに着替えてるし……。
- 76 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月07日(水)00時07分39秒
- ごっちんが着替えてる間に、梨華ちゃんと二人で客間から布団を運ぶ。
「二人で客間で寝ても良かったね」
後ろで毛布を抱くようにして運んでる梨華ちゃんが、そんなことを言った。
…それは……何となく身の危険を感じるから却下します。
「……ごっちんの相談にのってあげたいから……」
…ということにしておこう。
「そっか〜…よっすぃ〜とケンカしたって言ってたね」
私の言葉を疑うことなく受け止めてくれる。
素直な梨華ちゃんは好きだよ。うん。
- 77 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月07日(水)00時08分26秒
- 二人で布団を運び込んだら、ごっちんは着替え終わってた。
ベッドに腰掛けて枕を抱き込んで、ボンヤリと宙を見つめてた。
パジャマは丈が若干短いくらいで、まぁ、何とかなりそう。
……胸がきつそうなのは…うむ…仕方ないね……。
ショックなんて感じてないやい!
……気を取り直して。
「後藤さん……話…聞いても良いかな?」
梨華ちゃんと二人、布団の上に座って、ベッドのごっちんをちょっと見上げる感じ。
「……聞いてもらっても…いい?」
「私たちで良かったら、聞かせて」
ごっちんは、少しの間視線をさまよわせて……また泣きそうな顔になって、話して
くれた。
- 78 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月07日(水)12時41分25秒
- 「今晩ね…もう、ねだりにねだって、やっとよっすぃ〜のマンションにお泊まりさせ
てもらうことになってたの……」
わ〜♪ ごっちん、積極的〜。
でも、それくらいじゃなきゃ、恋は成就しないよね。
特にキスも恥ずかしがるような相手には。
チラッと明日香ちゃんの方を見たりして。
- 79 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月07日(水)12時42分44秒
- 「もう、私嬉しくって、昨日からワクワクしながら準備してたんだよ」
分かるよ〜。
私も明日香ちゃん家にお泊まりするの、今でもワクワクするもん。
初めてだったら余計に嬉しいよね〜。
「なのに…なのにね……よっすぃ〜のマンションに行ったら、『やっぱり、こういう
の良くないよ』とか言い出して……」
そんな…ひっど〜い。
よっすぃ〜のバカァ〜!!
ごっちんの気持ちも考えてあげなよ。まったく〜!
- 80 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月08日(木)16時13分15秒
- ……ごっちんが悲しむのも分かるけど……どっちかって言うと、私はお泊まりとか
元々苦手だし、吉澤がそういうのを嫌がる気持ちも分からなくはない。
特に紗耶香とのことがあってからは……。
ま、当日になってから断るなんて論外だけどさ。
必要以上に近づくと、壊しちゃいそうで……汚しちゃいそうで、怖いんだよね。
…私が、吉澤の弁護をするのもおかしなことだけどさ。
何となく、ごっちんの話を聞きながら、複雑な気分になってた。
- 81 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月08日(木)16時21分02秒
- 「……それで…思わずカッとなって…『もう、よっすぃ〜なんて…キライ!』…って
言っちゃって……」
また涙がポロポロ。
「ホントは今でもスキなのに…私って…バカだね……でも…よっすぃ〜のこと、もっ
ともっと深く愛したいだけなのに…何で分かってくれないのかなぁ……」
その言葉が、いつかの梨華ちゃんの言葉と重なって、私の心の中に染み込んでくる。
「もっともっと深く愛したいだけ……」
- 82 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月08日(木)16時22分14秒
- ↑明日香視点の間違いです。
- 83 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月08日(木)16時22分47秒
- ごっちんを見つめる梨華ちゃんも、今にも泣きそうな顔。
梨華ちゃんには、ごっちんの気持ち、共感できちゃうところが多いんだろうなぁ。
梨華ちゃんの横顔を見ながら思う……私も…自分じゃ気がつかないけど……吉澤と
同じように…梨華ちゃんを悲しませちゃってたりするのかなぁ……。
「…ふぅ〜……」
思わずため息が出ちゃうよ。
- 84 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月11日(日)08時58分29秒
- 何でだろ? 明日香ちゃん、元気がないみたい。
すごい気になるんだけど……。
「ふぇ…よっすぃ〜…うわぁ〜ん!…」
「あぁ…泣かないで、ごっちん!」
それどころじゃないよ……。
ごっちん、すっかり号泣モードに入っちゃってる……。
「あの…ごっちん…泣かないでよ〜……ね?…ごっちん〜……ベロベロバ〜……ダメ
か〜……」
どうやったら、ごっちんを泣き止ませること、出来るの〜?!
「泣いちゃいなよ…気が済むまで…泣いた方がいいよ」
明日香ちゃん……。
冷たいって感じるほど、乾いた言葉にハッとして振り返った。
「…思いっきり泣いちゃうんだよ……それから…吉澤にぶつかっていくのは…それか
らでいいじゃん…」
ごっちんに向けられた明日香ちゃんの目は、本当に優しくて……私がドキドキしちゃ
うほど……。
- 85 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月11日(日)08時59分34秒
- 見詰められたごっちんも一瞬ポ〜ッとして、涙も止まったみたい。まだヒック、ヒッ
クて感じでしゃくりあげてるけど……。
あ…嫌な予感がする……。
「明日香さん…かっこいいなぁ……」
いや〜ん! ごっちんまで明日香ちゃんに……ダメダメ。絶対にダメ〜!!
「ごっちん! 絶対によっすぃ〜と仲直りできるよ! ね? 絶対!!」
妙に力んで言っちゃったり。
「…うん!」
ニッコリ笑うごっちん。
明日香ちゃんは、力んでる私を不思議そうに見てるけど。
何としても、よっすぃ〜の問題を解決しないとね。
ごっちんのためにも……明日香ちゃんと私のためにも……。
- 86 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月11日(日)17時44分06秒
- ごまが明日香に惚れちゃったらまたややこしくなるじゃん。
...おもしろいかも(w
- 87 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月11日(日)22時59分38秒
- >>86
いつまでも心配の絶えない石川なのでした……って感じですね(藁
今後もご期待を!
- 88 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月11日(日)23時00分45秒
- ごっちんも泣き止んで、笑ってくれたのは良いけど……梨華ちゃんの視線が妖しい。
ごっちんだけじゃなくて、私にも、
「ごっちんとよっすぃ〜を、絶対、仲直りさせてあげようね!」
って……そんなに力んで言わなくても……まぁ…頑張ろうね。
とにかく。
「明日、二人でちゃんと話し合った方が良いよ」
ごっちんは「う〜ん…」って唸ってる。
「…明日…私はソロの仕事で…よっすぃ〜…と圭ちゃん、オフなんだよね……」
「え、そうなんだぁ。良いなぁ…私もオフだったら明日香ちゃんと一緒にすごせるの
に〜…そしたら…うふふ……」
いや…だから……梨華ちゃん、ちょっと怖いっす……。
- 89 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月11日(日)23時01分36秒
- ウットリしちゃってる梨華ちゃんは置いておいて……。
「まぁさぁ、ごっちんの仕事が終わってからでも、絶対に話し合わなきゃ駄目だよ」
「…うん……分かった……」
何だか自信なさそうだけど……。
「頑張れ、ごっちん!」
「うん!」
落ち着いたごっちんを取り敢えずシャワーに案内して部屋に帰ると……。
「明日香ちゃん……」
何だか不安そうな目の梨華ちゃん。
「…どうしたの?」
「さっき、ごっちんのこと『ごっちん』って呼んでたね……」
またそのことぉ?……だからぁ…前にも説明したじゃない……。
「…梨華ちゃんが心配するようなことじゃないって…いつまでも『後藤さん』っていうのも変だし……ね?」
前と同じことを言って、何とか梨華ちゃんを納得させる。
…はぁ……。
- 90 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月11日(日)23時02分26秒
- 呼び方のことで、明日香ちゃんにキッチリ釘を刺しておいて、と。
シャワーから戻って来たごっちんにはベッドに寝てもらって、私は明日香ちゃんと
密着♪
「……梨華ちゃん……ちょっと……」
困った声を出しても、ここで引き下がったりしないんだから。
「シ〜ッ。ごっちんが起きちゃうよ」
ガッチリ腕を抱き込んじゃうんだ。
「…はぁ〜……」
ため息ついてたけど、明日香ちゃんも諦めて、そのまま二人そろって夢の世界へ。
昨日と違って、今日は良い夢が見れそう♪
- 91 名前:チャミー石川 投稿日:2001年11月11日(日)23時04分01秒
- …と思ったんだけど……夢の世界の入り口で呼び返されちゃった。
フッと布団の中に冷たい風が入ってくるような感じで目が覚めちゃった。
明日香ちゃんが、慎重に私が抱いてる腕を抜いてるところだった。
それから……パジャマの上にカーディガンを羽織って、抜き足差し足で出て行って
……トイレかな?とも思ったけど、何となく気になって私も起き出して、直ぐにその
後に付いて行った。
明日香ちゃんは私に気付かずに、ドアから外に出て行った。
どこに行くんだろ?
空にはちょっと欠けた月。
その月影が、明日香ちゃんの後姿からアスファルトの上に伸びてる。
左右に揺れるその影法師の動きは、とてもユーモラスな感じなのに……何故か寂し
そう。
- 92 名前:チャミー石川 投稿日:2001年11月11日(日)23時05分25秒
- 明日香ちゃんの足は、すぐ近くの小さな公園に向かってた。
公園に入った明日香ちゃんは、真っ直ぐにブランコの方に歩いて行った。
ギ〜コ、ギ〜コ。
ブランコに腰掛けて揺られる明日香ちゃん。
月を見上げて、真っ直ぐに見詰めてた。
前に、後ろに、行きつ戻りつ。
その度に明日香ちゃんの顔の陰影が、伸びたり縮んだり。
明日香ちゃんの表情は、すごい淡々としてて平静なのに、陰影が悲しみを刻んでる
ように見えた。
胸の奥がキュ〜ッて苦しくなって……切なくて、心が乱されるような悲しみだった。
- 93 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月11日(日)23時45分15秒
- ドシタノ! アスカ!
- 94 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月12日(月)05時50分34秒
- 明日香ぁ〜、夢遊病ではないよね…
- 95 名前:チャミー銀杏 投稿日:2001年11月12日(月)07時58分28秒
- >>93
思い悩み、苦しむのは……主人公だから(藁
>>94
迷い彷徨い……明日香が戻っていくのは、やっぱり……。
- 96 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月12日(月)07時59分42秒
- 梨華ちゃんと二人で布団に入ったけど……どうしても寝付けなかった。
最初は、ちょっと恥ずかしくて、ドキドキして……でも、だんだん、「良いの?」、
「ホントに良いのかな?」って。
私の腕を抱きしめて、迷いなく幸せそうな寝顔を見せてる梨華ちゃん。
その寝顔を見てると、何故だか胸が苦しくて……。
ジッとしてられない気持ちになって、梨華ちゃんとごっちんを起こさないように、
そっと部屋を抜け出した。
行き先は、直ぐ近くの公園。
懐かしいブランコに腰掛けて、月をじっと見詰めてると、いろんなことが頭に浮か
んでくる。
小さな頃は、いつでも砂場の縁に上がって、歌ばっかり歌ってたなぁ、とか。
怖いところを通る時とか、嫌なことがあった時とか、歌っていると気持ちが軽くな
った。
今も…何となく歌いたい気分。
- 97 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月12日(月)08時00分17秒
- ♪Close your eyes
夢の中まで あなたがスキよ……
自然と「夢の中」を歌いだしてた。
娘。の曲の中で、何となく一番心に残ってる。
青白い月の光の下で、本当に夢の中みたい。
私が今一番好きな「あなた」は……さっきの寝顔が浮かんでくるよ……。
- 98 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月12日(月)08時00分52秒
- でも……私…ホントに梨華ちゃんの側にいても…良いのかな?
紗耶香とのことは梨華ちゃんに許してもらったけど……。
こんなに好きなんだから、良いに決まってる!
でも…でもさ……ホントに…梨華ちゃんのためになってるのかな?
ブランコみたいに、心が揺れて一つに決まらないよ……。
迷ってるうちに、近づいてくる足音に気が付いて視線を向けると、梨華ちゃんが立
ってた。
「…梨華ちゃん……何で?……」
思わず言葉を飲み込んだ。
何で…何で泣いてるの?
月明かりの下で、涙を流しながら佇んでる梨華ちゃんは……とても…とても綺麗だ
った。
- 99 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月12日(月)08時23分24秒
- ああー。
切ない。。。梨華ちゃんには明日香の気持ちがわかるんだね。
梨華ちゃんは明日香の気持ちがあれば幸せなのに。。。
- 100 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月12日(月)15時45分28秒
- 自分でキリ番をGetしてしまうとは……(藁
>>99
通じ合うからこそ切ない……そんな感じが出せればねぇ……。
- 101 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月12日(月)15時46分20秒
- ♪Close your eyes
深夜の静寂をはばかるように、低く静かな明日香ちゃんの歌声が公園に響く。
こんなに間近で明日香ちゃんの歌声を聴くの、初めて。
でも……初めてじゃないみたい。
♪夢の中まで あなたがスキよ……
……この「あなた」って…私のことだよね?…そうでしょう?
恥ずかしそうに、ちょっと小さ目の声で、私のことを「好き」って言ってくれるの
と同じ声だもん。
何があっても、そのことだけは信じられる。
明日香ちゃんの歌にウソはない。
明日香ちゃんが、歌でウソをつくことなんて絶対出来ない。
聴けば分かるよ。
- 102 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月12日(月)15時47分13秒
- だから……同時に明日香ちゃんが悩んでること、私にも分かるよ。
市井さんとのこと、明日香ちゃんはホントに悪くないって、私は思うんだけど……。
明日香ちゃん、真面目すぎるね。
堅物・明日香ちゃん。
でも……そこまで真剣に考えてくれるから、私のこと、真剣に愛してくれてるって
感じられる。
どうしたら良いのかな〜……私に何が出来るんだろう。
明日香ちゃんの歌を聴きながら、いくら考えても分からない。
悲しいよ。
明日香ちゃんも悲しいね。
二人分の悲しみが、涙になって落ちていく。
- 103 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月12日(月)15時48分03秒
- 一歩一歩、明日香ちゃんに近づいて……。
気が付いた明日香ちゃんが、こっちを見る。
「…梨華ちゃん……何で?……」
ビックリさせちゃったね。
ごめんなさい。泣き虫で。
でも……。
「…悲しいの……何故だか…とっても悲しいから……私も……明日香ちゃんも……」
明日香ちゃんは、滅多に涙を流さない人だから、私が二人分泣いてあげるよ。
ほんの少しだけど、悲しみも涙と一緒に流れてくれるから。
- 104 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月13日(火)00時03分48秒
- 梨華ちゃんは涙を流しながら、それでも微笑んでた。
月の光なんか目じゃないくらい、とっても眩しい笑顔で……私は、思わず見とれちゃ
ったよ。
「…明日香ちゃんも…悲しいんだね……」
そう言う梨華ちゃんの言葉に、何も考えられずに肯づいて。
「私が…代わりに泣いてあげる……少しは楽になれるよ」
そう…私は泣けない。
泣いたら、自分がポッキリ折れちゃいそうだから。
それくらい打たれ弱いから。
だから、梨華ちゃんが代わりに泣いてくれるって。
- 105 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月13日(火)00時04分24秒
- こんなに優しい梨華ちゃんを……好きにならないわけがないじゃない!
私は梨華ちゃんのこと、大・大・大好きなんだ!!
やっぱり、私には梨華ちゃんが必要なんだよ。
だから……梨華ちゃんを幸せにするために、もがいてもがいて、もがき苦しめば良
いんだよ。
梨華ちゃんが側にいてくれるんだったら、どんなに苦しくたって構わない。
梨華ちゃんさえ微笑んでくれたら、例え自分が汚れちゃっても良い!
そう思ったら、心が急速に軽くなった。
目の前には、まだ涙を流してる梨華ちゃん。
「もう…私、大丈夫だよ」
梨華ちゃんの顔に手を伸ばして、一瞬、躊躇ったけど、思い切って両手で頬を挟む
ように包んだ。
- 106 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月13日(火)00時05分05秒
- こんなに優しい梨華ちゃんを……好きにならないわけがないじゃない!
私は梨華ちゃんのこと、大・大・大好きなんだ!!
やっぱり、私には梨華ちゃんが必要なんだよ。
だから……梨華ちゃんを幸せにするために、もがいてもがいて、もがき苦しめば良
いんだよ。
梨華ちゃんが側にいてくれるんだったら、どんなに苦しくたって構わない。
梨華ちゃんさえ微笑んでくれたら、例え自分が汚れちゃっても良い!
そう思ったら、心が急速に軽くなった。
目の前には、まだ涙を流してる梨華ちゃん。
「もう…私、大丈夫だよ」
梨華ちゃんの顔に手を伸ばして、一瞬、躊躇ったけど、思い切って両手で頬を挟む
ように包んだ。
- 107 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月13日(火)00時05分53秒
- 今、この涙をぬぐうことが出来るのは、私しかいないじゃない。
私しか、梨華ちゃんの涙をぬぐう権利をもった存在はいないじゃない。
だから……もう、梨華ちゃんに触れることを怖がるのはやめよう。
梨華ちゃんは、私が思ってるより、ずっとずっと強い女の子だから。
頬を包んだまま、親指で涙をぬぐう。
「明日香ちゃん……」
嬉しそうに微笑んで……梨華ちゃんは目をつぶった。
すごく久しぶりに感じたキスは……柔らかくて…温かくて……もう、最高だった。
やっぱり……梨華ちゃんのキス…好き!
- 108 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月13日(火)00時07分27秒
- >>106
ダブリって書き込んでしまいました。
申し訳ない。
- 109 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月14日(水)08時10分19秒
- 羊板からここまで一気に読ませて頂いたら、徹夜に…。
なんてこった…。でも恨んでいません。どうせときめきすぎて、
読むのを中断しても眠れそうになかったし。
追っかけさせていただきます。よろしく。
- 110 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月14日(水)09時36分53秒
- >>109
徹夜までしていただいて……ホント、嬉しいっす!
お体には呉々も気を付けて。
追っかけ……ご期待に応えられるように頑張りまっす!
- 111 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月14日(水)09時38分11秒
- やっとキスしてくれた……。
二人が一つになる瞬間。
もう何度も感じたはずなのに……それでも、初めてのキスみたいにドキドキした。
嬉しかった。
頬を包む明日香ちゃんの手が、すごい温かかった。
でも、明日香ちゃん……み…耳触っちゃ…ダメ……。
明日香ちゃんは気がついてないみたいだけど、指先が耳元に触って……神経を直接
刺激されたみたいに、カッて熱いものが全身を走って……。
もう…たまらなかった。
だから……ゆっくり、でも力を込めて背中に手を回す。
- 112 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月14日(水)09時39分46秒
- 明日香ちゃんは、まだ私の両頬に手を当てたまま。
そのままの状態で……私は明日香ちゃんを抱き上げちゃう。
「ん?!」
唇は絶対に離さない。
だから明日香ちゃんは、目をまん丸にしながら、何も言えずに私に抱きかかえられて……。
私は、目の前の植え込みの陰の芝生まで運んで、ゆっくりと明日香ちゃんを横たえる。
「ん〜!…んん〜!!」
前に明日香ちゃんに怒られちゃったディープなキスで、まだまだ唇は離さない。
明日香ちゃん、ビックリして足をバタバタさせてたけど、あっという間にフニャッて
良い子ちゃんになっちゃった。
前から感じてたけど、明日香ちゃんって唇が感じやすいのかな?
ごめんね、明日香ちゃん。
私……もう我慢できないの。
もっと直接、明日香ちゃんを感じたい。
今のうちにパジャマの前をはだけちゃって……。
明日香ちゃん、やっと気がついたみたい。
「ん〜…ん〜!」
って、また唸ってる。
- 113 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月14日(水)09時41分06秒
- 何だか、初めて明日香ちゃんを襲った時を思い出しちゃうね。
そんなことを思い出す余裕があるのは私だけで、明日香ちゃんは混乱しちゃって目を
白黒させてる。
「ん!…ふぅ…ん〜……」
私の手が胸のふくらみを包むと、その冷たさに一瞬、ビクッて身体が強張って、でも、
それぞれが同じ温度になるのと同じように、だんだんと指の動きに応えてくれるようになる。
もう、唇を離しても良いかな?
「ん…ぷはっ…もう!…梨華ちゃん、何するの?!…あ…やん……」
気丈な言葉で私を問い詰めようとしても、感じちゃった声じゃ、それも失敗してる。
「ごめんね〜。ずっと…ずっと我慢してたんだから…それなのに…明日香ちゃん、耳元、
触っちゃうんだもん……もう、我慢できないよ……良いよね?…明日香ちゃんも、ほらっ!」
円を描くようにだんだんと胸の頂上に向かって指を滑らせたら、堅く尖った感触がする。
「あ…いやん……ち…違うもん!……」
身をよじるようにしてる。明日香ちゃん…可愛い!
「駄目だよ、明日香ちゃん。騒いだら、誰か見に来ちゃうよ?」
その一言で、明日香ちゃん、ピタッて動かなくなった。
代わりに、悲しそうにつぶやく。
「ねぇ……やっぱりやめようよぉ……ホントに誰かに見られちゃうかも……」
そうだね〜……でも、明日香ちゃん。
私、もう、自分でも止められないよ。
- 114 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月14日(水)17時25分39秒
- もう…何でこうなっちゃうのぉ!
ホントに誰かに見られたら……ゾッとするよ。
なのに…梨華ちゃんの指の動きに、いつも以上に身体が反応しちゃう。
いつもと違う状況で、実は私も興奮しちゃってるのかなぁ?
それもあるかもしれない。
でも、本当はずっと梨華ちゃんを求めてたから。
無理して我慢してたから。
理屈をつけて押さえ込んでも、やっぱり私、梨華ちゃんの温かさを直に感じたかっ
たんだよ。
- 115 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月14日(水)17時26分19秒
- 目からお願い光線を出してる梨華ちゃん。
「……仕方がない…なぁ……」
そんな言い方で状況を受け入れちゃう。
私って、結構ずるい。
それでも梨華ちゃんはパッと嬉しそうな顔になって、
「ありがとう!…だから明日香ちゃん、スキ!」
だって。
キスまでしてくれて……やっぱり可愛い。
きっと今の私は、かなりにニヤケてる。
その間にズボンまで下ろされちゃって…私、相当恥ずかしい格好だね。
ま…良いか。
- 116 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月14日(水)17時27分20秒
- 張り切った梨華ちゃんの顔が、胸の方に下がっていって、ちょっと欠けた月が見えた。
こんなこと、想像したこともないから、何だか頭の中がフワフワッて。何だか…変な
感じ。
「…あ…ゃん……」
梨華ちゃんの唇が乳首ちゃんに触れて、背筋をゾクッて快感が走る。
右手は、もっと下の方に伸びてきて……優しく愛撫されて、もう何が何だか……。
「ふぁ…ぃ…いぃ……」
思わず梨華ちゃんの頭に手を伸ばして、押さえるように髪に指をからませる。
- 117 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月14日(水)21時13分23秒
- 「…いぃ……」
相変わらず明日香ちゃんの声、艶っぽいね。
声だけでゾクゾクしながら、手を下の方に伸ばして花びらに触ったら……蜜が指に
からんできた。
明日香ちゃん…すごい……。
いっぱい、いっぱい感じちゃってるね。
乳首ちゃんも、こんなに固くなってるよ。
ホラッて感じで、前歯で軽く甘噛みする。
「…!…くぅん……」
明日香ちゃんが、子犬みたいに啼いた……。
初めて聞いたよ……何か…お腹の奥の方が、カッて熱くなってきたよ。
- 118 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月14日(水)21時16分55秒
- チラッて見上げたら、明日香ちゃん、ウットリした顔で月を見上げてた。
綺麗……。
ブランコに揺られてた時みたいな、キリッてしてる表情も良いけど、今みたいな
力の抜けた柔らかい明日香ちゃんも…スキだな〜……。
そんな明日香ちゃんの顔を見ながら、中の方にゆっくり指を進める。
「ん…ぅん……はぁ〜……」
吐息交じりの明日香ちゃんの声。
その度に喉が動いて……見詰める私も…濡れて来ちゃった。
「あ…はぁん…あ、明日香…ちゃん?!」
顔の方に気を取られたたら、急に明日香ちゃんの手がパジャマの中に入って来て
た。
あ…すごい……気持ちいいよ〜。
明日香ちゃんの胸に顔を押し付けるように悶えて……それでも乳首ちゃんにキス
して……クラクラするくらい、明日香ちゃんを感じてた。
- 119 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月15日(木)05時05分16秒
- だれか見てたりしないのかな(w
- 120 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月15日(木)05時33分14秒
- >>119
それも有りなんですけど……まぁ、ここは居なかったってことで(藁
- 121 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月15日(木)05時35分15秒
- 次々に襲ってくる快感の波に、もう全身が震えてる。
泣きそうなほど、気持ちよくて……。
泣きそうなほど、一体感があって……。
泣きそうなほど、幸せだった。
梨華ちゃんの指を中に感じながら、懸命に自分の指を動かす、不思議な密着感を味
わう。
何か大切な物を探すような梨華ちゃんの優しい指の動きと、それを包み込もうとす
る私自身。
それに負けじと、私も梨華ちゃんの花びらの中に分け入って……。
それぞれ最初は別々の物で、次第に一体になっていく。
- 122 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月15日(木)05時35分54秒
- 私の梨華ちゃんへの思い――。
梨華ちゃんの私への思い――。
そして…それが完全に溶け合う時…もうすぐ…今!
思いが弾けて……急速に月が落ちてきた。
「…梨華ちゃん…もう…駄目ぇ!」
「私も……明日香…ちゃん……」
仰け反るように悶えてる私に覆い被さるように、梨華ちゃんも崩れて来た。
後はもう二人とも荒く息をつくだけで……。
私は、梨華ちゃんの向こうに見える夜空に視線を彷徨わせてた。
私の潤んだ目には、月が幾つにも見えるよ。
それも、何だか薄く桜色に染まった月。
月も私たちのこと覗いて、恥ずかしがってるのかな?
……Hな月だね。
- 123 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月15日(木)20時42分16秒
- ほんとだね・・・
- 124 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月16日(金)12時08分28秒
- >>123
……う〜む…すごく手短なコメントっすね(藁
これは、「……Hな月だね」に対してでしょうか……。
ともかく、読んでいただいてるということは、ホントに嬉しいことです。はい。
今後ともよろしく!
- 125 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月16日(金)12時10分11秒
- 明日香ちゃん、しばらくしてもボ〜ッとしたまま。
こんなに感じた明日香ちゃん、初めてだね。
私も…何だか、とっても嬉しいよ。
何も言わないでパジャマを着せてあげて、フラフラしてる明日香ちゃんを抱えるよう
にして、明日香ちゃん家に帰る。
一緒にシャワーを浴びて……夜風で冷えた身体を温める。
そのくらいになると、だんだん明日香ちゃんの意識もハッキリしてきたみたい。
ポツッと一言。
「恥ずかしいよ……」
だって。
やっぱり明日香ちゃんは照れ屋さん。
「すごい可愛かったよ?」
「……ありがとう…」
- 126 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月16日(金)12時10分48秒
- 部屋に戻ると、ごっちんはグッスリ寝てた。
ごっちんの知らない、明日香ちゃんと私の夜。
あらためてドキドキするね。
明日香ちゃんを振り返ったら、丁度視線がぶつかった。
どちらからともなく、ニコッて笑って……。
どちらからともなく、手をつないでた。
そのまま一緒の布団にくるまって、身体を寄せて互いの体温を求め合った。
温かい……。
すぐに眠気が襲ってきて、今度こそ二人を夢の世界へ誘ってくれた。
きっと一緒の夢を見る。
そうだよね?…明日香ちゃん……。
- 127 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月16日(金)21時20分46秒
- ……ホントに静か。
梨華ちゃんと私、二人きり。
生まれたままの姿で寄り添って、宙に浮かんでた。
全然恥ずかしくもなく……。
二人は声に出さないでも、互いの思いが分かってて…それが当たり前で……。
ずっとほほ笑み合いながら、雲海のただ中を縫うように飛翔してたと思ったら、
新しい星系の誕生を見届けたり……。
何をするのも自由で…二人だけで満ち足りてた。
- 128 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月16日(金)21時21分28秒
- ……ホントに静か。
ずっとずっと、このまま二人一緒に……。
ピピピッ♪ ピピピッ♪ ピピピッ♪……。
……目覚まし時計の…馬鹿ぁ〜!!
せっかく幸福率無限大の夢を見てたのに……。
掌を叩きつけるようにして、目覚ましを止める。
午前7時。
隣を見ると、梨華ちゃんも眠そうな顔で目をこすってる。
「おはよ、梨華ちゃん♪」
「ん。明日香ちゃん、おはよう♪」
ニコッてほほ笑みで、一気に爽やかな気持ちになれるよ。
- 129 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月16日(金)21時22分30秒
- 「あ…ごっちんを起こさないと……」
そう言えば仕事だって言ってたっけ。
「ごっちん! 朝だよ。起きないと遅刻するよ!!」
掛け布団かぶって、目から上だけ出してる。
「…ん〜……」
いや…「ん〜」じゃなくて。
「ごっちん!」
布団をはぎ取ろうとしたら、伸ばした手を、パチンッて叩かれた。
むぅ…手強い。
- 130 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月16日(金)23時42分39秒
- 後藤!起きなさい! (ノ゚Д゚)ノ〜ゴルォ
- 131 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月17日(土)00時59分18秒
- >>130
そうだよね。せっかく気使って2人外で…だったのに。
さぞよく…眠れた?
- 132 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月17日(土)10時41分48秒
- >>130 >>131
恐らくグッスリ寝られたはずです。
シャキッと起きてもらいますよ。
- 133 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月17日(土)10時42分37秒
- うふふ。
明日香ちゃん、手こずってるね。
それも可愛い♪
…って言ってる場合じゃないよね。
じゃあ、あの手で……。
「ごっちん、よっすぃ〜が迎えに来てるよ〜!」
「え! どこどこ?」
ガバッて跳ね起きて、ベッドの上でキョロキョロ……。
……反応が良すぎない?
- 134 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月17日(土)10時43分08秒
- 「…ごっちん、おはよう」
呆然と見上げてる明日香ちゃんと、その隣の私を見て、ごっちん、気がついたみたい。
両手を腰に当てて、唇を尖らせてる。
「ウソつき〜!」
…どうしよう…ごっちん、マジで怒ってるみたい。
「ご…ごめんなさい…だって、ごっちんが、なかなか起きなかったから…つい……」
「……グスン…よっすぃ〜に会いたいよ〜!」
あ…また泣いちゃいそう。
「あの…あのね、よっすぃ〜と仲直りできるように、協力するから…ね?…許して……」
「……ホントに?」
「ホントに!…ね?…明日香ちゃん」
ごっちんと私を交互に見て、明日香ちゃん。
「…うん…出来るだけのことはするよ……」
- 135 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月17日(土)10時43分41秒
- 明日香ちゃんが賛成してくれたら、何でも出来るような気になるから不思議だね。
「だから、絶対に仲直り出来るから…ね?」
「……うん……」
目をつぶって下を向いたかと思うと、手でゴシゴシッてこすって……。
涙を我慢する女の子は…カッコイイよね。
明日香ちゃんの方を見たら、私に向かってコクッて肯いてくれた。
すごい真剣な顔で。
ちょっと心配。
だって…明日香ちゃん、真剣になるとトコトンまでやらないと気がすまない感じ。
すごい頼りにはなるけど……危ないことはしないでね?
- 136 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月18日(日)01時49分05秒
- 何とかしてあげたい……心の底からそう思う。
ごっちんも苦しんでるし、きっと吉澤も……。
二人が心を開いて話し合えば、ある意味そんなに乗り越えることが難しい問題
じゃないと思う。
でも……吉澤の方は、心を開けないだろうなぁ。
事情がどうあれ、触れ合うことを避けるっていうのは、やっぱり心を閉ざして
るってことだよ。
キス…とかさ……セックス…だって、心がなければ、傷つけるだけ。
心のない言葉が、相手を、時には自分自身を深く傷つけるのと同じ。
- 137 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月18日(日)01時49分50秒
- 紗耶香には悪いけど、あの時、私には紗耶香への思いを抱いてはいなかった。
だから…自分自身が許せなかった。
理屈とかじゃない。
どうしようもなく自分の心の奥から湧き上がってくる罪悪感……。
吉澤は、きっとごっちんを傷つけたくなくて避け続けてるんだろうけど……
そのこと自体が、ごっちんを傷つけてしまってる。
心を閉ざしたままの行動は、結局、そうならざるを得ないんだよ。
吉澤の心を開かないと…ごっちんにだけでも、心が開けるようにならないと、
二人ともボロボロに傷ついちゃう。
何とかしないと……。
どうしたら…良いかなぁ……。
- 138 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月18日(日)09時56分25秒
- ごっちんが着替えてる間に、明日香ちゃんと二人で下に降りていったら、お母様
がもう朝食の用意をしてくれてた。
「おはようございます」
ちょっと緊張したり。
「あら、おはよう。早いのね」
「朝からの仕事なので…」
私の様子をチラッと見て、明日香ちゃんがクスクス笑ってる。
もう…笑わなくてもいいじゃない。
「母さん、ごめん。もう一人分、良いかな?」
「もう一人?…あぁ、あの子ね。はいはい」
すぐにお盆を持ってきてくれて、三人分のご飯とおみそ汁、卵焼き…を並べて
くれた。
それを持って部屋へと戻る。
「いつもはトーストなんだけどね…父さんが二日酔いの時は、みそ汁とご飯に変更
になるんだ」
小声で楽しそうに教えてくれた。
- 139 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月18日(日)09時57分00秒
- 三人で食べる朝食は、またにぎやかで楽しかった。
ごっちんも元気出してくれたし、ちょっと一安心。
「ね〜、明日香ちゃん…今日は?」
出掛ける時間になって、用意をしながら明日香ちゃんに聞いてみる。
「ごめん……電話するから」
大丈夫だよ、明日香ちゃん。ちょっと聞いてみただけ。
これまでも、かなり無理させちゃってるもんね。
私ん家に外泊したり、私が来ちゃったり……。
きっと、ご両親も心配してるよね。
怒られたり……。
「ううん、大丈夫。電話、待ってるね」
ごっちんと二人で玄関に出る。
明日香ちゃんに見送ってもらえるだけで…嬉しいよ……。
『行ってきま〜す!』
「行ってらっしゃい」
駅への通りに出て……。
- 140 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月18日(日)09時57分47秒
- 「ごめん、ごっちん。忘れ物したから、ちょっと先行ってて。すぐに追いつくから」
「…うん。良いよ」
出てきたばっかりの玄関に駆け込んだら、まだ明日香ちゃんが立ってた。
「明日香ちゃん…忘れ物!」
言ってから、すぐに目をつぶって待つ。
「……もう……」
明日香ちゃんが恥ずかしそうにつぶやいて……でも、だんだん顔が近づいてくる
のが分かった。
チュッ♪
目を開けたら明日香ちゃんの顔がアップで迫ってた。
「続きはまた…今度のお楽しみね♪」
「…ばぁか……」
「行ってきま〜す」
もう一度手を振って、今度こそ駅へと急いだ。
- 141 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月19日(月)13時03分06秒
- 紗耶香のいい女っぷり(あえて男っぷりとは書かない)には
泣かされたんで、思い出してまた泣けちゃうさ。
イレギュラー登場人物だったのによく描写してくれてたよ作者!
紗耶香がよしごまの件はどう思ってるのか気になってたけど、
この件まで紗耶香に頼るのはちょっと可哀想すぎるだろうな。
- 142 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月19日(月)13時22分40秒
- >>141自己レス。
まるでちゃむヲタな意見みたいだね。ごめん。
でも実はこの作品読んで紗耶香好きになったんだ。
そして明日香と梨華は、「ますます」好きに…。
どうしてくれるよこの切ない想いを、作者!
さらによしごままで切なくしてくれちゃうのか?
- 143 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月19日(月)16時03分14秒
- >>141 >>142
(感涙)
そんなに切なくなっていただくと、作者は涙が出るほど嬉しいっす。
紗耶香、いい女っぷりに描けてたでしょうか?
山を乗り越えた、あすりかのラブラブ具合はどうでしょうか?
そして、よしごま……は、これから気に入っていただけるように描けるのか?
頑張りまっす!
- 144 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月19日(月)16時04分20秒
- お出かけのキスなんてさぁ……恥ずかしいじゃん。
でも…甘えん坊の梨華ちゃんが、今晩会えないのを我慢してるんだから…まぁ、いっか。
キス…私もちょっと嬉しかったし。
……ホントは私も甘えん坊なのかなぁ……。
梨華ちゃん達を見送ってから、自分も仕事に行く。
電車に揺られて仕事場に到着。
さてと……問題の解決に、なるかどうか分からないけど……とにかく話してみないと。
オフだって言ってたから、まだ寝てるかもしれないけど…仕事が始まるまで、まだちょっ
と時間があるし、思い切って電話をかけた。
- 145 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月19日(月)16時05分05秒
- トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル……。
『…もしもし?』
出た!
「もしもし…私…分かるよね?」
『……何の用?』
不機嫌なのを隠しもしない。
「話があるんだけど……」
実はちょっと怯んでるのを、何とか隠して言葉をつなぐ。
『…付き合ってるヒマなんか…』
「後藤さんのことなんだけど……」
『…………』
電話の向こうで躊躇ってるのが、よく分かる。
- 146 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月19日(月)16時05分35秒
- 「夕方以降、時間とってくれない?…場所を指定してくれたら、私、行くから」
『また…何かされたいわけ?』
嫌なことを思い出させるなぁ……。
でも、ここで怯むわけにはいかないよ。
「別に。ただ、話があるから」
『…………だったら…七時に…場所は……また連絡する』
「分かった」
返事をするかしないかで、一方的に電話は切られて……。
やれやれ…先が思いやられるけど…ごっちんと梨華ちゃんのために、一肌脱ぎましょうか。
……マジで一肌脱がされそうな気もするけど……。
そうなった時は……どうしよう……。
- 147 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月20日(火)12時02分15秒
- すぐにごっちんに追いついて、一緒に電車に乗って、事務所へ向かう。
事務所に着いたら、ごっちんはすぐに携帯電話をかけて……。
「おっかしいな〜…誰と話してるんだろ」
相手は…考えるまでもなく、よっすぃ〜だね。
リダイヤル。
「……あ…もしもし、よっすぃ〜?…私……」
今度はつながったみたい。
聞いちゃ悪いから、私はごっちんに手を振って、声を出さずに「じゃ〜ね〜」って。
タンポポの控え室へと向かった。
さあ! 今日も元気に頑張るぞ!
良いお仕事をして…明日香ちゃんに褒めてもらうんだから♪
- 148 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月21日(水)06時30分02秒
- 仕事を終えて、私は今、ホテルの前で躊躇いつつ立ちすくんでいた。
時折ビルの谷間から吹き付ける風が、髪をなぶる。
あれから電話が入って、吉澤は「例のホテルの部屋」って場所を告げてきた。
……よりによって一番嫌な場所……絶対、嫌がらせだ。
意地が悪いというか……暇というか……。
そんなことに負けるか!…って思うけど……あの夜のことは、身体が覚えてる。
知らず知らず、膝が震えてた。
どうしよう……やっぱり…行くのやめようかなぁ……。
一瞬、心が萎える。
- 149 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月21日(水)06時30分44秒
- でも…でも…もう決めたから……。
遅かれ早かれ、吉澤は、また梨華ちゃんに手を出してくるに違いない。
特にごっちんとの関係が上手くいっていない時に……。
吉澤にとって、私たちはストレス解消の相手だから。
まさに、いじめっ子そのものだ。
私は知ってる。
いじめっ子が怖いからって、逃げちゃ絶対に駄目だって。
逃げれば追ってくる。
案外、上手く向かって行った方が活路は開けるもの。
虎穴に入らずんば虎児を得ず……。
小学生時代、私はそうやって、いじめられっ子から脱却した。
- 150 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月21日(水)06時31分14秒
- あの時の勇気をもう一度。
具体的な策がある訳じゃないけど……今は策を考えるより、行動が必要な時だ
と思うから。
大きく息を吸って、「ハッ!」と短く吐く。
よし!
気合いを入れて、私は「あの部屋」へと向かった。
- 151 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月21日(水)07時22分26秒
- とりあえず今後の展開を固唾を飲んで見守ってみる。
明日香がいたころの娘。をリアルタイムでは知らなくて、
少し前から気になり始めた明日香を
いつの間にかいまさら好きになっちゃってた自分は
一体どうしたらいいのでしょう?
この小説の影響もかなり大きいんだぞ、作者! どうしてくれよう!
今となってはもうどう頑張ってもやっぱ、切なくて苦しいだけなのだな…。
- 152 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月22日(木)00時43分42秒
- >>151
いや…「どうしてくれよう!」って言われても……。
ある意味、すごい嬉しいことなんですけど……どうしようもありません
な(藁
頑張って、明日香関連の物をいろいろ探してみては?
…余計に切なくて苦しいだけかも……いや、それもまた楽しいってこと
で……ね?
- 153 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月22日(木)00時44分17秒
- 「…石川…最近、ちょっと変わったね」
休憩中、ふと飯田さんがそんなことを言った。
「そうですか〜?」
突然そんなことを言われて、ちょっとビックリ。
「何となく…余裕が出てきたかな…何より、前よりもっと楽しそうに仕事してる」
楽しそう……確かにそうかも。
実際に、お仕事が楽しいし。
それは…自分がスキなお仕事っていうことプラス、明日香ちゃんの存在が大きいかな〜。
明日香ちゃんに相応しい自分でいたいって…そのために、もっともっとお仕事をスキになろうって思えるから。
- 154 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月22日(木)00時44分50秒
- だから、飯田さんにもそう言ったら、
「……はいはい…二人がラブラブだってことは、よ〜く分かりました」
って、ちょっとげんなりした様子。
その上、
「……明日香が石川のこと好きだって…未だに信じられないけど……」
なんて失礼なことを言う。
「…そうだねぇ…矢口もだよ……」
ふんだ!
二人してそんなこと言ったって、私と明日香ちゃんの「愛」は揺るがないん
ですからね!
- 155 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月22日(木)15時26分39秒
- 部屋のチャイムを押すと、すぐにドアが開いた。
「どうぞ」
深呼吸をして心を落ち着かせて、室内へ足を踏み入れた。
ドアを引いて招き入れる吉澤には、余裕があふれていて……。
その見下ろすような表情に、敵地に入り込んだと感じた。
「で、話って何?」
イスを勧めながら、自分はベッドに腰掛けて訊ねてくる。
あの日、私が押し倒されたベッド……。
- 156 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月22日(木)15時27分20秒
- 思わず目をそらした。
「……昨日……ごっ…後藤さんが家に来たよ……」
スッと目を細めて、吉澤は警戒の眼差し。
その視線は、何故、ごっちんが私の所に来たのかと訊ねていた。
「何であんたの所に?」
言葉でもその疑問を裏打ちして、私を睨め付ける。
脅すような視線なんて、全然怖くない。
怖いのは、その視線の底に本物の殺気が潜んでいること。
「…別に…私じゃなくても良かったんだと思うけど……」
声が震えないようにするのがやっとで。
それでも何とか勇気を振り絞って刺すような視線に耐えて、真っ直ぐに吉澤の眼を
見返した。
- 157 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月22日(木)15時28分02秒
- 「……ふ〜ん……」
納得したのか、しないのか。
吉澤が何を考えているのか分からないまま、私は言葉を切り出すしかなかった。
「後藤さん…あんたのこと、本気で好きみたいだよ……」
心の中で、「私には、どこが良いのか全然理解できないけど」って付け加えて、自分
自身を奮い立たせる。
吉澤は無言で……「そんなこと、答えるまでもなく知っている」ということなのか。
それとも……。
「あんたも…後藤さんのこと、本気で好きなんだよね?」
表情からはうかがえない心の揺れを、私に知られないためなのか。
私を睨んだまま、吉澤からの答えはなくて……。
私も、それ以上言葉をつなぐことが躊躇われて、ジリジリと沈黙の時間が流れる。
「……っふぅ〜……」
突然、吉澤が大きく息を吐いて……思わずビクッて身が震える。
- 158 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月22日(木)15時29分35秒
- 「…愛してるよ……ごっちんのこと……」
ごっちんへの思いを端的に表したその言葉だけが、二人の間にポツンと存在した。
でも…沈黙の長さに比例して、その言葉に込めた思いの深さだけは、私にも分かっ
た。
吉澤が、ごっちんへの自分の思いを表すのに、いくつもいくつも浮かんでは消えて、
最後に残った結晶のような言葉――。
心の奥の方から、やっとの思いで紡ぎ出された言葉――。
視線に込められていた殺気が問題にならないほど、その「愛してる」という思いが、
私を圧倒して……身体の芯から震えていた。
それ以上に……そこまでの「愛」を抱きつつも、キスすら躊躇ってしまうほどの吉澤
自身への絶望も感じて……。
頭で分かったつもりになっていた私を、ペシャンコに押しつぶすほど深い絶望だっ
た。
絶望が、強風のように私の心に吹き付けて、ちっぽけな感情を、そして私の全てを、
どこかへ弾き飛ばしていった。
ただ、私の梨華ちゃんへの「愛」だけがそれに耐えて、そこにあった。
私は確かにここに存在する――梨華ちゃんへの「愛」が、私を支えてくれていた。
梨華ちゃん……ありがとう……。
- 159 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月22日(木)15時31分16秒
- 飯田さんが言うように、私も変わったけど……明日香ちゃんもだんだん変わってき
たような気がする。
最初は、あんまり他人に左右されるような人じゃないなって感じだったけど、今は、
そんなことないって知ってる。
よっすぃ〜とごっちんの問題でも、私以上に一生懸命だし。
…そのことは…ちょっと心配だけど……。
明日香ちゃんが変わったのか、本当は前からそうだったのか。
それは分からない。
でも、そんな明日香ちゃんを見て、強い人だなって、そう思う。
私のことで一緒になって、いっぱいいっぱい悩んでくれる。
- 160 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月22日(木)15時31分48秒
- 例えて言うと……。
敢えて強風に向かって、顔を背けずに進んで行くような、そんな人。
私だったら…逃げちゃうな。
でも……今なら……明日香ちゃんと一緒なら、風に向かって挑んでいけそう。
だって、明日香ちゃんと手をつないでだったら、すごく温かい気持ちになれるから。
安心して進んでいけると思う。
だからやっぱり、私は明日香ちゃんの傍にいなきゃね。
明日香ちゃん……風に向かって進んでいく人。
それでいて、日溜まりみたいに温かい人。
そして……私にとって掛け替えのない人。
- 161 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月23日(金)06時52分53秒
- 言われた通り昨日、明日香関連のものを、と思って
本を探しに行ったんだよ。
そうしたらスポーツ新聞の一面に明日香の記事があって驚いた。
探してみては?って言われてなかったらスポーツ新聞も見なかったかも。
感謝。日々の作者の投稿更新にも感謝。人生楽しくなってきた。
- 162 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月23日(金)10時30分28秒
- >>161
あの記事、ちょっとビックリでした。
でも、東スポですから……何とも判断する材料にはなりませんね。
実際にインディーズでCDが発売されたら…きっと何としても手に入れる
とは思いますが(藁
「もうひとりの明日香」は読まれました?
今だと古本屋の方が手に入れやすいのかもしれませんが。
更新、頑張りまっす!
- 163 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月23日(金)10時31分27秒
- 何とか…何とかしてあげたい。
吉澤に会いに来ようと決心した、その思いが再び私の心を満たしていた。
憐れみでもなく、同情でもない、敢えて言えば共感。
人を本当に愛するということに、普遍的に付きまとう恐れ。
愛すれば愛するほど、相手を傷つけてしまうんじゃないか――その恐れが、
自分を縛っていく。
自分が自分でいられなくなるほどに。
そのことで悩み、苦しむ……。
それでも……いくら自分が傷ついても、どうしようもなく一緒にいたいんだ
よね。
- 164 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月23日(金)10時32分01秒
- 形は違っても、そのことは私も吉澤も同じだと、直感的にそう思った。
だからこそ、何とか…何とかしてあげたい。
ジッとしていられないほど、自分を突き動かす衝動が次々と湧き出てきて……。
でも…何て言えばいいのか……言葉にならない苛立ちだけがグルグルと渦巻くよ。
何をどうしたらいいのか……頭を抱えたくなるほど、私は混乱してた。
「あんた……何で?……」
その声にハッと我に返ると、何故だか、吉澤が呆然と私を見てた。
- 165 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月24日(土)06時58分20秒
- でも……もうちょっと、弱いところも見せてほしい。
私にだけは。
私は泣き虫だから知ってるの。
涙が出るって、泣けるって幸せなこと。
泣くって、心のバランスをとるのに必要なことだって。
- 166 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月24日(土)06時59分11秒
- 明日香ちゃんは強い人。
でも、だからこそ心配だよ……。
頑張り過ぎちゃうから。
一人で何でもしちゃおうとするから……大抵のことは、ホントに出来ちゃう
から余計にそうなんだよね。
でも明日香ちゃん、ちょっとそこで思い出して。
私がいつも傍にいるってことを。
頼りにならない私だけど…一緒に頑張りたいから。
お願い、明日香ちゃん……。
- 167 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月24日(土)07時23分14秒
- 「もうひとりの明日香」はまだ探索中。
見つかるようどうか祈ってくれ、共に。
「恋人は心の応援団」がBGMにバッチグー(死語)な展開と
考えていいですか? OKなら聴きながら読みます。
- 168 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月24日(土)09時14分13秒
- 私もこの作品読んで、明日香ちゃんのことがさらに好きになりました。
続きに期待です。
「もうひとりの明日香」、私は週刊誌の裏なんかによく載ってるPONYで
買いました。ウェブサイトもあります。ttp://www.pony.ne.jp/
覗いてみてはどうでしょう。
- 169 名前:168 投稿日:2001年11月24日(土)09時20分19秒
- 今見てきたら、Amazon.co.jpでも買えるみたいです。こっちのほうが送料
かからなくてイイかも。
ちゃんと調べてから書きこめよ<自分
作品と関係ないことばかり増やしてしまってゴメンナサイ。
- 170 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月24日(土)17時06分56秒
- >>167
>>168 >>169 の方が情報を寄せてくださってますので、是非、
手に入れてください。祈っておりますので。
このフォトエッセー、本人いわく「語り下ろし」というだけ
あって、明日香色で染まっています。
BGM……この後の展開は…ちょっと違うような…いや、あ
る意味あってるのかな?
お任せします。
>>168 >>169
情報、ありがとうございます。
続き、頑張りまっす!
- 171 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月24日(土)17時09分20秒
- 「……あんた……何で…泣いてるの?……」
泣いてる? 私が?
自分の頬に手を伸ばして……指先を濡らした涙を不思議な思いで見る。
私……本当に泣いてるの?
ずっと、涙を堪えるのが強さだと思ってきた。
心の奥では、本当はそうじゃないって感じてたけど……それでも、強い自分を
演じ続けた。
いつの間にか意識することさえなくなって、そんな自分でいることが当たり前
になった。
涙を流すことは……そんな自分を否定するような気がして、怖かった。
- 172 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月24日(土)17時09分51秒
- でも…この涙は、嫌な感じじゃない。
一度泣いちゃったら、ポッキリ折れちゃうと思ってた心も、しっかりしていた。
深い哀しみに染められてはいるけれど……。
それは多分、昨日の梨華ちゃんと同じだからかな。
吉澤の代わりに泣いてるんだよね、私。
今やっと、吉澤を理解する糸口が見えたような気がする。
独裁者は、得てして繊細な心の持ち主だっていう。
繊細すぎる心を隠すために、必要以上に強圧的に人に接するのだと。
まさに、私たちに対する吉澤のように。
- 173 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月24日(土)17時11分04秒
- ある意味、それは心の悲鳴なんだと思う。
あまりに多くのことを感じてしまう繊細な心を持て余し、必要以上に自分を追
い込んでしまう。
そんな葛藤を心の内に溜めて…溜めて……限界を超えたとき、他者への暴力と
なってあふれ出る。
ふと、梨華ちゃんとの出会いを思い出す。
感じすぎる身体を持て余し、私を襲った梨華ちゃん。
梨華ちゃんと吉澤が、ダブって見えるように感じていたのは、きっとそういう
共通点があったから。
何もかもが、スッと上手く組み上がっていく感じで……吉澤への反感なんか、
どっかへ消し飛んでた。
- 174 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月24日(土)17時11分57秒
- 「だから!……何で泣いてるんだって聞いてるんだよ!!」
吉澤に怒鳴られても、もう全然怖くなかった。
スクッて立ち上がって一歩進み出て、吉澤の目の前に立つ。
「な…何だよ……」
吉澤の声に、微かに怯えが含まれているのに気づくほど、今の私は落ち着いて
た。
「泣いて…いいんだよ……」
「……何言って……」
ゆっくり手を伸ばして、吉澤の頬に当てる。
顔を背けようとするのを、両方の手で挟み込むように正面を向かせた。
「梨華ちゃんが言ってた……『ほんの少しだけど、悲しみも涙と一緒に流れてく
れるから』って……」
ハッキリと目に戸惑いが走って、何かを言いかけるように口元が開く。
でも次の瞬間、私を抱くようにして、後ろのベッドに身を投げ出す。
「そんなの!……そんなこと……」
身体をひねるようにしながら、もう意味の通らないことを口走って、必死に私
を押し倒してきた。
「…こんな…こと…やめなよ!」
言いながら両手で吉澤を押し返そうとしたら……。
バシッ!
右手が飛んできて、掌が私の頬を張った。
- 175 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月25日(日)11時55分50秒
- 一気に読んじゃいました。娘。のことはよう知らんのですが、読んでたら
石川好きになってきたかも、、、続き、楽しみにしてます。
- 176 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月25日(日)12時07分39秒
- また明日香はよしこにやられちゃうのか・・・・
- 177 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月25日(日)15時30分49秒
- よしこ…乱暴だないつもきみは…
またハラハラさせる気だね…
よし、こんな展開では、BGM案は却下だ。
>>168 >>169&作者さんありがとー!
自分も早く染まりたい…っていうか、染めてくれ明日香。
- 178 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月25日(日)15時37分58秒
- >>175
よう知らん人にまで「好き」にさせる力があるよね、この小説。
自分も似たいきさつでここにいる。
ただ、感想はsageで書いたほうがいいらしいぞ。
(ここのお約束っぽい。間違ってたら誰か訂正して!)
- 179 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月25日(日)16時50分06秒
- >>175
ご感想、ありがとうございます。
娘。のこと、少しでも好きになってくださったら、それはもう本望
です。
それにしても…この小説のこと、どうやって知られたんでしょう?
>>176 >>177
またまた明日香に頑張ってもらいます(藁
>>178
何かそんなに評価されて良いんだろうか……ちょっと怖い作者です(藁
とにかく頑張りまっす!
- 180 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月25日(日)16時50分43秒
- 今日最後の仕事を前に、ちょっと休憩。
時計を見たら午後七時半。
明日香ちゃん、お家に帰ったかな〜?
そう思って携帯電話をかけてみたんだけど……。
トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル……。
なかなか出てくれない…って思ってたら、留守番電話になっちゃった。
どうしたんだろう、明日香ちゃん……。
- 181 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月25日(日)16時53分06秒
- でも、明日香ちゃんは電話するって約束してくれたもんね。
だから、私はおとなしく待ってれば良い。
「明日香ちゃん、お仕事もう一つだけになったよ。頑張るね。電話、待ってます♪」
留守電にそう残した。
よ〜し!
お仕事頑張らなきゃ!!
- 182 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月26日(月)00時31分21秒
- 叩かれた頬だけじゃなく、頭の中もジンジンして、ショックで身体に力が入ら
なかった。
私に覆い被さってくる吉澤を押しのけることも、お腹の方から服の中に入って
くるその手を払いのけることも出来なかった。
「やめなって!…自分が余計に苦しくなるだけだよ」
声だけはハッキリしてて、自分の声を聞いて、何とか心を平静に保つことが出
来た。
力の抜けた身体で、もう一度抗うように暴れる。
- 183 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月26日(月)00時31分59秒
- 「ジッとしてろって!……じゃないと…また痛い目に…あわせるぞ……」
吉澤はそう言いながら、左手で乱暴に乳房を握りしめてきた。
痛っ!…痛いよぉ……。
その痛みに仰け反ったら、動きにあわせて服もブラもたくし上げられて……。
おまけに右手はスカートの中へ。
あの時と同じように……。
自然とそこがカッと熱くなったような気がする。
身を固くして、来るであろう痛みに備えて……。
- 184 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月26日(月)00時33分08秒
- でも、今度は指が突き入れられることは無くて、谷間に沿って、指がなぞる
ようにゆっくりと動いてた。
「…くぅ…ぁ……」
予期せぬ快感にゾクッと身体が反応して……もう私はうろたえてしまった。
嫌…嫌だよぉ…でも…でも……やぁん……。
吉澤の指使いは、予想もしなかったほど繊細で……梨華ちゃんとは、また違っ
た攻め方で私を追い詰めていく。
混乱したまま、私はもう目の前も頭の中も霞に覆われて、なす術もなく頂点
へ、頂点へと……。
自分の身体に流れ込む快感が、こんなにもおぞましく感じられたのは初めて
だった。
梨華ちゃんに初めて襲われたときは、屈辱感でいっぱいだったけど、それで
もこんなおぞましさを感じはしなかった。
身体は明らかに快感を受け止めてしまって熱く火照って、それにも関わらず
心はどんどん凍えて行った。
嫌だよぉ…助けて…やめてよぉ……。
望みもしない高みへと放り上げられて、のたうち苦しむ心……。
ただただ快楽を貪るだけの身体を捨てて、今すぐ梨華ちゃんのところへ逃げ
て行きたかった。
- 185 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月26日(月)00時34分03秒
- ♪〜〜 ♪〜〜。
その時、イスの下に置いてたバッグの中から、着メロがくぐもって聞こえて
きた。
梨華ちゃんだ……。
ハッとして、霧がかかったようだった頭がシャキッとした。
喘ぐだけだった自分の身体に喝を入れて、やっとの思いで顔を吉澤に向ける。
吉澤は……私の乳房に吸い付くように愛撫してたんだけど……ただ…私を一切
見てなかった。
目をつぶって、ひたすら優しい指使い、舌使いで…明らかに私じゃない誰かを
愛していた。
なるほど……私は行き場のない愛情をぶつけられる身代わり人形か……。
閉じた目の向こうには、ごっちんが映ってるんだろうね。
- 186 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月26日(月)00時35分18秒
- でもさぁ、吉澤。
そんなの……寂しすぎるじゃん。
思いを素直に本当の相手にぶつけられれば、きっとあんた達二人とも幸せに
なれるのに。
寂しいよ……哀しいよ……。
考えるよりも先に、私の手は吉澤の背中を、ポン…ポン…ってリズム正しく
叩いてた。
子どもをあやすように、ゆっくり…優しく…鼓動とシンクロして。
ビクッと身体を震わせて、吉澤がゆっくりと目を開く。
その視線は…意外に幼く見えて……。
- 187 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月26日(月)00時36分09秒
- 「吉澤……私は…ごっちんじゃ…ないよ……」
ヒュ〜と一気に息を吸って私を見つめる吉澤……その時の哀しげな瞳は……
初めて私に見せた真情でいっぱいだった。
ずっと、ポン…ポン…って背中を優しく叩き続ける。
「…こんなこと…切ないよ……切ないだけで……その思いの行き場所は…やっ
ぱり……」
さっきまであんなに強圧的だった吉澤が、一つ息をつくたびにしぼんでいっ
た。
何かを一生懸命に飲み下そうとするように、のどが上下してて……。
「…我慢しないで…さ……泣いちゃいなって……私で良かったら……今だけ…
身代わりになってあげる……」
吉澤は…何度も、何度も、のどを上下させて……。
「…く……ぐ……わぁ〜……」
我慢できずに、のどの奥から嗚咽を吐き出した。
突然涙をあふれさせて、私の胸に突っ伏す。
私は……相変わらず背中を、ポン…ポン…って叩いてて……。
そのまましばらく、泣く子をあやしてた。
- 188 名前:1J 投稿日:2001年11月26日(月)23時14分11秒
- 不覚にも涙が…… 強いね…明日香ちゃん。市井効果?
痛めの展開も綺麗で上手いですね。>作者さん。
今後、皆がお砂糖たっぷりになれます様に…(w。
更新頑張って下さい。
- 189 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)03時26分34秒
- よっしゃもうじき「もうひとりの明日香」が読める!予定。
今日は「モーニング刑事」を見つけたので買って見た。
おお!明日香がちょっとイヤそうに演技してる…って、これ、
ハワイと本編どっちがオマケなんだよ!
>>188私はこの作品、甘さと痛さの配合ぐあいが個性だと思ってるんだけど
どう思われます?
うん、私も正直に言おう。
最初のあのいきなりな展開(最初はH小説で終わる予定でしたよね?)から
たぶん明日香への愛のあまりにここまで来れてしまうこの作者の
愛の深さと演繹能力(…と表現していい?)に惚れたんです、私は。
長々と感想文書きたいくらいだよ。なんか創作意欲刺激されまくり。
迷惑だろうからこれくらいにしとくけど。
とりあえず、行きたいところに行きたいように進んでくれ、作者!
- 190 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月27日(火)07時55分05秒
- >>188
ありがとうございます。
明日香ちゃんの強さが伝われば、それが何よりです。
砂糖……いっぱい、いっぱい、まぶしたいと思います(藁
>>189
そうでした。短編の予定だったんですよねぇ…。 > いきなりな展開
こんなに長くなっちゃいましたが(藁
行きたいところに行きます!
- 191 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月27日(火)07時55分59秒
- お仕事も終わったし、さて帰ろうかな〜。
「梨華ちゃん!」
声がするのと同時に、柔らかいものが飛びかかってきて、後ろから抱きしめ
られた。
「うわっ!……あいぼんかぁ…ビックリしたよ、もう…どうしたの?」
「えへへぇ…梨華ちゃん、お腹すいたぁ」
ほっぺを背中につけて、そんな風に甘えてくる。
「梨華ちゃん、どっか食べに行かへん?」
え〜…どうしよ。
あいぼんとは、不思議と気が合う感じで、明日香ちゃんと付き合うまでは、
結構、あちこち食べに行ったりしてた。
でも……今日は明日香ちゃん、無理って言ってたけど、もしかしたら、ちょっ
とでも会えるかもしれないし……。
かかってこない携帯電話をチラッと見る。
- 192 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月27日(火)07時56分44秒
- 「梨華ちゃん…最近、仕事がすんだらすぐ帰ってしまうやろ……」
そっか…そう言えば、最近ずっと明日香ちゃんと一緒だったから寂しかった
のかな?
今日くらい…良いよね。
「…いいよ。一緒に晩ご飯食べに行こう」
「ホンマに?!」
あいぼん、本当に嬉しそう。
パッと私の右手をとって、ニコッと笑う。
つないだ手を大きく振りながら、「晩ご飯♪ 晩ご飯♪」って歌ってる。
今にもスキップしだしそうなあいぼんの様子を見て、私も笑いながらお店へ
と一緒に向かった。
それにしても…明日香ちゃんからの電話、まだかな〜?
- 193 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月27日(火)11時32分30秒
- ……う…動けない……。
あの後、吉澤はひたすら泣き続けて…今は……泣き疲れて寝てる。
私の上に乗ったまま。
何度か身体をずらそうとしてみたけど、右手でガッチリ腰を抱かれちゃってるし、
しかも左手は……寝てても胸を掴んでるし……。
…あのねぇ…。
おまけに…寝息がちょうど……乳首ちゃんに当たってるんだけど……柔らかに吹き
付けてくるその感覚に、一々反応してる……トホホ……。
- 194 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月27日(火)11時33分10秒
- 「…はぁ〜あ……」
ため息ついて、吉澤の顔を見つめるしかない。
寝顔だけ見てると、ホントに可愛いもので……。
私と梨華ちゃんを、あれだけ酷い目に遭わせた本人だとは、とても思えない。
「…ごっちん……」
小さく吉澤の声が聞こえて、起きたのかと思ったら…寝言だった。
幸せそうな寝顔しちゃって。
夢の中じゃ、二人は上手くいってるみたいだね。
…現実でも、上手くいってくれれば……。
- 195 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月27日(火)11時33分56秒
- その時、吉澤が「ん〜……」ってベッドの上にゴロンッて寝返りを打って、私は
やっと解放された。
「ふぅ〜……」
私は逃げるようにベッドの上を転がって、床に降りてペタンと座り込む。
自分の姿をあらためて確認すると、もう…何て言うか……。
あられもないって、このことだね。
ブラはたくし上げられて乳房がこぼれ出ちゃってるし、ショーツはずり下ろされて
るし……。
誰も見てないのに、ものすごく恥ずかしくて、顔が熱くなる。
まぁ…今更なんだけどね。
- 196 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月27日(火)11時34分40秒
- 真っ赤な顔で服装を整えてたら、ふと思い出した。
梨華ちゃんからの電話。
携帯を取り出して見ると、留守電が入ってた。
『明日香ちゃん、お仕事もう一つだけになったよ。頑張るね。電話、待ってます♪』
梨華ちゃん……。
胸の奥が、キュ〜ッとして……思わず携帯電話を抱きしめた。
- 197 名前:1J 投稿日:2001年11月27日(火)17時20分31秒
- >>189 同意です。あと強引なHからここまで善い話に成長した事。「あすりか」
のレアな取り合わせ。「あすりか」の綺麗で優しげな言葉の響き。
羊時代、ちょっとしたリクに快く応じてくださった作者さんの人間性。などです。
ってここ、雑談まずいですよね?少々不安……
おっと、あいぼん登場!もしかして小さな誤解の種になるのかな?楽しみです。
- 198 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)20時51分33秒
- >>197そう、その成長度合いがあまりにも劇的で。
作中登場人物の内面的成長と、作品=作家自体の成長が
完全リンクしてそうな想像をして、より萌え。
で、これも想像なんだけど、あなたの感想も作者は聞きたいだろうと思った。
だから私もこういう振りは不安…だったけどきっと大丈夫…かな。大丈夫?>作者
- 199 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月28日(水)10時37分42秒
- >>197 >>198
この作品と作者のことを、そんな風に見守ってくださっていることが分かって
本当に嬉しいです。ありがとう!
羊時代のご指摘をはじめ、この作品を通して多くのことを学ばせていただいて
いるなぁ…と感慨深いです。
これからも頑張りますので、宜しくお引き回しの程を。
- 200 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月28日(水)10時38分52秒
- 「梨華ちゃん、何食べるん? 加護はぁ…ラザニアとぉ…」
あいぼん、はしゃいじゃって…可愛い♪
「…ミックス・サンドイッチとぉ…あ、ミート・スパゲティも、えぇなぁ……」
それは…食べ過ぎじゃない? あいぼん……。
「私は……クリームシチューにしようかな〜」
「あ、ほんなら加護もクリームシチューにするぅ」
出た、 マネッ子・あいぼん。
- 201 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月28日(水)10時39分37秒
- 「あいぼん、ラザニア頼むんじゃなかったの?」
私がそう言ったら、黒目がちの瞳をキョトキョトさせてた。
「えぇねん。クリームシチューが食べたぁなってん」
そんなこと言っちゃって。
ホントは二人で食べるときは、いつも私と同じものを食べたがるんだから。
いたずらっ子で手に負えないことも多いけど、何故か憎めないの。
そう、ホントの妹みたいな感じ。
でも……人前で私のモノマネするのは…恥ずかしいから、ちょっとやめてほしいの……。
- 202 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月28日(水)12時05分12秒
- 服装と心を整えてから、梨華ちゃんに電話をかける。
トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル……。
なかなか出てくれない…と思ったら、やっとつながった。
『…もしもし?』
「あ、梨華ちゃん? 私…遅くなってごめんね」
『……??……』
電話の向こうからは、音楽とかザワザワという人の気配が流れてくるだけで、何だ
か戸惑ったように無言だった。
- 203 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月28日(水)12時06分22秒
- 「梨華ちゃん?……どうしたの?…私…明日香だよ?」
『!!…えぇと…あのぉ……』
あれ?…梨華ちゃんの声がちょっとおかしいような……。
「梨華ちゃん?…声、変じゃない?」
『え?!……ちょっとのどの調子が…ゴホッ…ケホッ……』
何だか変な梨華ちゃん……。
『今、お食事してるんだけど…これから来れませ…来ない?』
「…???……今から?」
時間は午後九時。
食事くらいなら良いか。
「良いよ…どこで食べてるの?」
『えぇっとねぇ……』
聞いたら、事務所の近くのファミレスで、私も何回も行ったことがある店だった。
- 204 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月28日(水)12時10分00秒
- 「じゃあ…あと20分くらいで行けると思うよ」
私も梨華ちゃんにすっごく会いたい気分だったから、食事に誘ってくれたのは、
ホントに嬉しかった。
けど……何か…すごく違和感が……???
この特徴のある声は、梨華ちゃんだと思うんだけど……。
『待ってますから』
言って、すぐに電話が切られちゃった。
私に対して、「待ってますから」って……何で敬語?
やっぱり…梨華ちゃん、変だよ……どうしちゃったんだろう……。
- 205 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)12時52分28秒
- どうしたんだー石川!!!
- 206 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)14時31分43秒
- つ〜か…。加○?…じゃない?
(作者さん勝手な事いってすんません)
- 207 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月28日(水)18時09分24秒
- >>206
まさにドンピシャです!
>>205
と言うことだったんです。
誤解させちゃって申し訳ない。
- 208 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月28日(水)18時10分30秒
- 注文した料理が出てくる前に、ちょっとトイレに行って帰ってきたら、あいぼんが
私のバッグをゴソゴソいじってた。
「こら! 勝手に他人のバッグをいじっちゃいけません!!」
私としたら、迫力出して怒ったつもりだったのに……。
「えへへぇ…」
笑ってるだけで、全然怖がってない。
あ〜ぁ……。
そんなことしてるうちに料理が出てきて、二人でクリームシチューを食べながら、
他愛もないことをおしゃべりしてた。
突然、あいぼんが、
「あんなぁ…梨華ちゃん……福田さんと付き合ってるんやろ?」
って、そんなことを訊ねてきた。
ちょっと首を傾げて、興味津々って表情。
- 209 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月28日(水)18時11分24秒
- 訊ねられた私は、急にドキドキしちゃって……。
「……何で?……」
思わず絶句しそうになって、やっとそれだけ言った。
あいぼん、何で知ってるの?
「矢口さんが教えてくれてん」
矢口さ〜ん……。
「なぁなぁ。福田さんってどんな人? うち、あんまり話したことないから……」
相変わらず興味津々な表情で、私を見つめる。
「え〜…どんな人って……」
「すっごい優しいよ…頼りになるし……」
いつも私を見つめてる明日香ちゃんの笑顔が、いっぱい、いっぱい浮かんできた。
- 210 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月28日(水)18時12分18秒
- 「……梨華ちゃん…福田さんにラブラブなんやなぁ」
思わずウットリしちゃってたら、あいぼんがニヤニヤ笑って言った。
私の方が年上なのに……何だかからかわれちゃってる……。
「そうだよ」
だから、当然って感じで言い返してやったの。
……ちょっと…大人げなかったかなぁ。
「ふ〜ん…福田さんも、梨華ちゃんにラブラブみたいだね」
???
何で、あいぼん、私の後ろ見てるの?
私も振り返ったら……明日香ちゃん!
何で〜??
- 211 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月29日(木)12時27分15秒
- あいぼん出てきましたね
ののたんも出してほしいのれす。
- 212 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月29日(木)12時37分27秒
- >>211
ののたんですか……取りあえず登場予定は…ありません(藁
その余地があれば、出してあげたいなとは思っていますが。
期待しないでお待ちください(藁
- 213 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月29日(木)12時38分26秒
- 店に入ったら店員に、
「お一人様ですか?」
なんて聞かれたけど、
「友だちが席とってるはずなんで」
って答えて、グルッと店内を見渡す。
えぇっと……いた!
梨華ちゃん、私には輝いて見えるから、すぐに分かる。何てね。
向かいの席に座ってるのは……加護ちゃんか。
何だか楽しそうに話してる。
ちょっと…何か……仲間外れみたいで…胸がチクッて……。
- 214 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月29日(木)12時39分32秒
- 早足で、でもコッソリ梨華ちゃんの後ろ側から近づく。
すぐに加護ちゃんは気がついたみたいで…チラッと私を見て、梨華ちゃんに向かっ
て言った。
「……梨華ちゃん…福田さんにラブラブなんやなぁ」
思わず、「えっ!」って声が出そうになった。
今までどんな話をしてたんだろう?
加護ちゃんの表情は、明らかに梨華ちゃんをからかってる感じ。
梨華ちゃん、何て答えるだろうって思ってたら、
「そうだよ」
って、はっきり言ってくれた。
- 215 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月29日(木)12時40分16秒
- 正直、嬉しかった。
知らず知らず、顔が弛んじゃうくらい……。
だからなんだろう。
加護ちゃんが私の顔を見て、
「福田さんも、梨華ちゃんにラブラブみたいだね」
って言ったのは。
加護ちゃんの視線を追って振り返った梨華ちゃんは、何故だかすごく驚いた表情。
「お待たせ」
照れながらそう言ったら、梨華ちゃん、
「…何で明日香ちゃんがここにいるの?」
って……呼び出しといて、それはないと思うんだけど。
- 216 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月29日(木)12時41分15秒
- 「だって…さっき電話かけたら、『ここに来て』って梨華ちゃんが……」
「電話?…私に?……」
慌てて携帯電話を取り出して、着信履歴を見て、
「…ホントだ……」
なんて言ってる。
一体…どうなってるの?
そしたら、
「待ってたわ〜♪」
甲高い声で言って、加護ちゃんがニンマリ笑ってる。
まさか……。
「似てました?」
……やられた……。
いたずらっ子だってことはチラホラ聞いてたけど…これは…かなりの問題児だ……。
- 217 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月30日(金)00時38分22秒
- 絶句してる明日香ちゃんと、勝ち誇ったようなあいぼんの様子を見て、やっ
と私にも状況が分かってきた。
「あいぼん!…明日香ちゃんを騙したの?!」
本気で追求してるのに、あいぼんは全然平気な顔。
「だますて、人聞き悪いやん。梨華ちゃんの気持ちを、加護が代弁したったん
やで……『明日香ちゃ〜ん、会いたいよ〜』って」
……頭に来た。
私ならともかく、明日香ちゃんをからかうなんて!
もうプッチンと、何かが切れる音が聞こえちゃったよ。
- 218 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月30日(金)00時39分16秒
- ムギュ〜ッ!
明日香ちゃんを騙したのは、この口?!
「い…いらい!」
「ちょ…梨華ちゃん! やめなって……」
「止めないで、明日香ちゃん!」
あいぼんのほっぺを、両手でつまんで引っ張って……。
「いらい!…いらいよ〜!!」
ジタバタ暴れるあいぼん。
「落ち着いて! 梨華ちゃん、どうどう」
「私、お馬さんじゃないもん!!」
離すもんかって頑張る私を、何とか引きはがそうとする明日香ちゃん。
絶対許さないんだからね、あいぼん!
- 219 名前:1J 投稿日:2001年11月30日(金)01時49分04秒
- あいぼんを許してぇー!>突っ走る梨華ちゃん。
やっぱ騒動の種になったのね。でも作者さんの書かれるあいぼんに、萌え萌え。
なので私も2番目にののたんの登場に願をかけます。
作者さんの描写は、きっと可愛いと思います。
ののあいの無敵ないたずらを夢見つつ、3番目の希望者を募ったり(w。
- 220 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年11月30日(金)13時49分25秒
- >>219
あいぼん、お気に召しました?
正直、奈良弁ってよく分からないまま書いてたりしますが……。
ののたん…考えときます。そのうち、チャンスがあれば。
- 221 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月30日(金)13時49分55秒
- …いやぁ……参った……。
梨華ちゃん…案外、力強いんだねぇ。
引き離すの、必死だったよ…私。
ようやく落ち着かせた梨華ちゃんは、今、私の隣に座ってて……向かい側に座った
加護ちゃんを、まだ睨んでる。
流石の加護ちゃんも、つねられて赤くなった頬を両手で押さえて、目をウルウルさ
せながらしょぼんとしてる。
「…あのさぁ…私は気にしてないからさぁ……」
「ダメッ! こういうときは、ちゃんと叱らないと!」
いつになく梨華ちゃんは興奮してる。
そんな怒るようなことじゃないと思うけど……。
- 222 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月30日(金)13時50分36秒
- まぁ、状況くらいは聞いてみようかな。
「…えぇっと、加護ちゃん…何で私を呼び出したりしたの?」
梨華ちゃんのマネまでして……って、梨華ちゃんのマネはテレビとかでも、よくやっ
てるか。
「……梨華ちゃんと福田さんが一緒におるとこ…見てみたかったから……」
ポツッて、うつむいた加護ちゃんが呟くように言った。
「私たちが一緒にいるとこを?」
どういうことだろう?
「…梨華ちゃん、ずっと嬉しそうやったから…ポジティブになって…良かったなぁっ
て……それで…福田さんって、どんな人なんかなぁって……ちょっと見てみたいなぁっ
て……」
上目遣いで私の方を見てて……。
可愛いじゃん。
- 223 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年11月30日(金)13時51分27秒
- 「そっかぁ…加護ちゃん、梨華ちゃんのこと…心配だったんだ…梨華ちゃんのこと、
好き?」
「うん…あ、はい!」
あどけなくって、ホント、愛らしい笑顔だよね。
「…梨華ちゃんと私…仲良くしても…許してくれる?」
「はい!」
お、良いお返事だ。
素直な良い子じゃない。
何か、梨華ちゃんのホントの妹みたいな感じだし。
「じゃ、これからは、私と加護ちゃんも仲良しだね」
「…ホント…ですかぁ?」
何かモジモジしてる。
「ホントだよ。私と加護ちゃんは、仲良し小良し」
手を伸ばして頭を撫でてあげたら、ビックリしたみたいに口を小さく開けて…恥ず
かしそうに、それでもニコッて笑うしぐさが、ホント、可愛かった。
- 224 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月30日(金)17時26分22秒
- 「梨華ちゃん、もう許してあげなよ」
明日香ちゃん、そう言いながら私の方を見て笑って……。
ズルイな〜……そんな笑顔見ちゃったら、さっきのことなんか、どうでも良くなっ
ちゃうよ。
「……あいぼん、もう騙したりしちゃ、ダメだからね?」
「うん!」
本当に分かってるのかな〜?
明日香ちゃんに優しくされて、私が怒ってるのなんか、もう忘れちゃってるでしょ?
まったく…もう……。
- 225 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年11月30日(金)17時27分12秒
- それから、明日香ちゃんがスープ・スパを頼んだのと一緒に、私とあいぼんも飲み
物を追加して、それなりに楽しい晩餐だった。
「加護ちゃんって、梨華ちゃんの妹みたいで可愛いね」
明日香ちゃんはすっかり、あいぼんのこと気に入っちゃったみたいだけど、そんな
甘い顔したらダメだよ。
本当に問題児なんだから……。
それに……何か…妬けちゃうし……。
「加護ちゃんは…出身、奈良だっけ? 今は誰と住んでるの?」
「お祖母ちゃんと…でも、時々お母さんも弟連れて来てくれるし、仕事が休みの時は
お父さんも……」
「そっかぁ…加護ちゃんは偉いねぇ」
明日香ちゃん、あんなに優しく話しかけてる……。
いいな〜…ちょっと…うらやましいよ〜……。
- 226 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月01日(土)01時59分42秒
- 加護ちゃんと話してたら、ホントに妹が欲しくなってきたよ。
弟はいるけど、やっぱり、姉妹ってまた違った感じの関係なんだろうなぁ。
そんなこと考えながら、ふと気がついたら、梨華ちゃんがつまんなさそうな
顔してる。
やばっ!
加護ちゃんとばっかり話してたからだ……。
「り…梨華ちゃん……」
眉間にしわが寄って、眉尻が下がって……。
「私……もう帰る……」
えぇっ!
怒っちゃったの?
どうしよう……。
- 227 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月01日(土)02時00分33秒
- 「あ…え…私、送ってくよ」
「……いいよ。大丈夫…一人で帰れるから……」
あちゃぁ…久しぶりのネガティブ・モードだよ。
どうにかして引き留めようとしてたら、
「…眠いよぉ……」
加護ちゃんが、目をこすりながら欠伸して、座ったまま寝始めちゃった。
「あ…ちょっと、加護ちゃん! こんなとこで寝ちゃ駄目だよ」
あたふたしてたら、梨華ちゃんは何だか慣れた感じで、先に会計を済ませて
た。
「よいしょ!…タクシーに乗せて、家の方に電話かければ良いよ」
言いながら加護ちゃんをおんぶして、外へあるいてく。
え?…いや、一人でタクシーに乗せるのは…それはまずいんじゃ……。
- 228 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月01日(土)02時01分51秒
- 「梨華ちゃん、やっぱ寝てる子を一人でタクシーに乗せるわけにはいかないよ。
私が送ってくよ」
「そんなの悪いよ…私が送ってく」
眉を寄せた表情は、まだちょっと機嫌が悪そう。
「……じゃ…二人で送っていこうよ」
このままじゃ、家に帰る気になんかなれないよ。
「…うん……」
梨華ちゃん、チラッて加護ちゃんの寝顔を確認して、ちょっと嬉しそうに笑っ
てくれた。
ほっ……。
- 229 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月01日(土)02時04分48秒
- とにかく、通りでタクシーを捕まえて、二人で加護ちゃんを挟むように乗り
込む。
梨華ちゃんが行き先を告げて、それから……梨華ちゃんの方を見たら、目と
目があって……。
何も言わずに両方から手を伸ばして、ちょうど加護ちゃんの太腿のところで、
指を絡ませるようにつないだ。
ちょっと冷たい梨華ちゃんの手。
ホッとするような安らぎを感じるよ。
梨華ちゃんは、気恥ずかしそうにうつむき加減で微笑んでる。
きっと、私も同じような表情をしてるんだろうなぁ。
そのとき車が交差点を曲がって、コックリコックリしてた加護ちゃんが、つ
ないだ手の上に覆い被さるように前のめりに倒れてきた。
何だかその寝顔も、微笑んでるように見えた。
- 230 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月01日(土)02時06分41秒
- あいぼんの登場といい展開といいすごいいい感じです。
これからの展開に期待、期待、です。
- 231 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月01日(土)02時57分10秒
- 石川はもちろんの事、後藤・吉澤・加護と福田との絡みは
作者さんのように面白く書けてると、旧メンと福田との絡みより
面白い。
その点の期待も込めて辻や新メンも機会があったら出してください。
- 232 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月01日(土)09時30分05秒
- 羊のころから読んでますよ、エロよりラブラブ描写が好きな読者です。
ゴマが泊まりに来たあたりから最高です。がんばってください。
読むときはいつも梨華ちゃんと明日香ちゃんの写真をプリントしたのを
手元においてみてます。
- 233 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月01日(土)13時26分55秒
- >>230
ご期待、すごく励みになります。
頑張りまっす!
>>231
お褒めいただくと調子に乗ってしまいそうになるんですが……手を
広げすぎると破綻しちゃいそうなので、余力があればということで。
>>232
羊のころからですか。ずっとご愛読いただいてありがとうございま
す。
最後まで読み続けていただけるように、頑張りまっす!
- 234 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月01日(土)13時27分49秒
- あいぼんに焼き餅焼いたりして…私、恥ずかしいよ。
でも良かった。
あのままだったら、嫌な気持ちのまま、家に帰らなきゃいけなかったもんね。
ちょっと、あいぼんのお眠さんに感謝かな?
タクシーに乗ってる間、私たちは一言もおしゃべりしなかったけど……その
代わり、ずっと手をつないでた。
あいぼんの身体に挟まれちゃってるってこともあったけど……それはただの
口実で……。
ホントは、明日香ちゃんを感じてたかっただけ。
とにかく無言のまま、あっと言う間にタクシーは、あいぼん家に到着した。
タクシーを待たせておいて、「あらまぁ、亜依ったら…ごめんなさいね」って
呆れてるお祖母ちゃんに、あいぼんを引き渡す。
- 235 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月01日(土)13時28分20秒
- お祖母ちゃんに抱かれて、スヤスヤ寝てるあいぼんに、
「…バイバイ」
って言って、タクシーに戻った。
心の中では、「あいぼん…ありがとう……」って言って。
二人きりになったタクシーで、明日香ちゃん家に向かって行った。
相変わらず無言のまま、指を絡めて微笑み合って……。
ほんの少しの触れ合いが、ほんのり温かく、ほんのり切なく、心を満たして
くれた。
でも…もうすぐ明日香ちゃん家に着いちゃう。
あの角を曲がったら……。
あ〜ぁ……時間はすごい早足で……いじわる。
でも……とっても大切で…幸せな時間だった。
- 236 名前:2ヶ月ぶりにきた 投稿日:2001年12月01日(土)23時47分13秒
- 羊時代から読んでました。
2ヶ月ぶりに見たらいまだに続いていたので感動。ロングセラーだよ。
- 237 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月02日(日)03時24分56秒
- ロングセラー…確かに売ってたら、買うわこれ。
前も「金払ってでも読みたい」って言ってた人いたよね。
この作者は印刷された「同人誌」ってご存知でしょうか?
(もしかしてすでに同人作家さんである可能性はかなり
高い気もするけど)
それからみんな、辻の登場が見たい気持ちもよーくわかるが
作者の行きたいところに行きたいように進ませてあげてくれ〜
どうかお願いだから…。
- 238 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月02日(日)03時42分06秒
- >>237追記
もし同人作家どころかプロ作家さんだったら、ごめん。
このすばらしい演繹能力からするとそれも充分有りうると思ってるし
同人レベルって意味じゃないからね。
- 239 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月02日(日)10時10分57秒
- >>236
二ヶ月ぶりですか……それだけこの作品も続けてるんですね(藁
時の過ぎるのは、ホント、早いですねぇ。
これからもよろしくお願いします。
>>237 >>238
プロ作家さんなんて、とんでもないっす!(焦
個人的な趣味で書いてるだけでして、同人作家さんにも申し訳ないよう
な……。
読んでいただいて、励ましまでいただけて、ホントに有難いことです。
- 240 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月02日(日)10時11分44秒
- 二人を乗せたタクシーは、ただただ走るだけで……。
何を話せば良いのか……うぅん。何も話す必要は無かった。
触れ合う指先から、いろいろなことが…あらゆる思いが伝わってきたから。
だから、家に着いてもタクシーを降りるのがもったいなくて……。
ドアが開いて、運転手さんの
「お客さん、着きましたよ」
って、のん気な声を聞きながら、梨華ちゃんの瞳を見つめた。
- 241 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月02日(日)10時12分59秒
- 微笑の中に浮かんだその瞳だけが、切なさに揺れてて……吸い込まれそうに
なって、慌てて言った。
「おやすみなさい」
「……うん。おやすみなさい……」
そのままじゃ、「…やっぱり梨華ちゃん家に行きたい」って言っちゃいそう
だったから、ギュッて力を入れてその温もりを指先に覚えこませて、パッと手
を離した。
タクシーから降りて……ドアが閉まった後も、私を見つめ続ける梨華ちゃん
の顔が見えるように、屈み込んで窓を覗き込む。
梨華ちゃんの口が、「また明日ね」って動くのに答えて、「うん!」って大
きく肯いて……。
走り始め、あっと言う間に遠ざかっていくタクシーを、角を曲がって姿が見
えなくなっても、しばらく見送っていた。
- 242 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月02日(日)10時13分31秒
- 吉澤のとこに行ったこと……言えなかったなぁ。
きっと、
「勝手に危ないことして!」
って、怒られるだろうけど……。
でも…次はちゃんと話しておかないと…ね。
さっきまでつないでいた手を胸元に当てて、大きく息を吸い込んで、心を落
ち着かせてから家のドアに手をかけた。
- 243 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月03日(月)16時29分54秒
- 明日香ちゃんを残して、遠ざかっていくタクシー。
ずっと後ろを振り返って、見送る明日香ちゃんをみつめてた。
角を曲がって明日香ちゃんの姿が消えて……それでもずっと明日香ちゃんを捜して
た。
相変わらず私は、甘えん坊さんだな〜……。
もし、明日香ちゃんが、いなくなっちゃったら……。
きっと寂しすぎて、泣いて泣いて……死んじゃう…かも。なんてね。
でも私、それくらい、すごい泣き虫だから……。
- 244 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月03日(月)16時30分42秒
- 明日香ちゃんは…私がいなくなったら、泣いてくれるかな〜?
泣かない強い女の子……でも…明日香ちゃんが泣くようなことになったら、それは
本当に大変なことだよね。
そんな時、やっぱり傍にいてあげたいよ……。
あれ? 私がいなくなったらって想像してたんだっけ?
それじゃあ一緒にはいられないわけで〜……あれ?
- 245 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月03日(月)16時31分29秒
- と…とにかく…私はずっと、ずっとず〜っと、明日香ちゃんと一緒にいたいの。
どんなことがあっても…いつになっても……。
そんなことを考えて……やっと、座席に前向きに座り直した。
どんどん、どんどん、明日香ちゃんから遠ざかっていくタクシー。
それに乗った私は……明日香ちゃんの指の感触を留めた自分の手をほっぺに当てて
……それから…運転手さんに分からないように口元の方にずらして、窓の外を見る振
りをしながら、そっとキスをした。
- 246 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月04日(火)10時33分26秒
- 「ただいまぁ…」
「お帰り。遅かったわね」
「うん…ちょっと友だちに食事に誘われちゃったから……」
「そう。夜は気を付けなさいよ」
「はぁい」
そんなやりとりをしてから、階段を上って……。
♪〜〜 ♪〜〜……。
部屋の前で携帯電話が鳴った。
- 247 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月04日(火)10時34分10秒
- 部屋に入りながら携帯電話を取り出して、急いで通話ボタンを押す。
「もしもし?」
『あ…明日香さん……後藤です…』
ごっちんの声は、明るいような緊張してるような……。
「どうしたの?」
『あの…アドバイスの通りに、よっすぃ〜に電話したら…呼び出されちゃって……』
ん? ちょっと待てよ……。
今、吉澤はあのホテルにいるはずで……呼び出しってことは……。
ま…まさか……いきなりそんなことは……ハハハ…まさかねぇ……。
- 248 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月04日(火)10時35分05秒
- 「会って話が出来るんだね…良かったじゃん」
『は…はい……あの…それで…私…どうしたら良いと思います?』
え?…どうしたら…って。
「…会って、ちゃんと自分の思ってることを、伝えれば……」
『そ…そうなんですけど……だって…あの……ホ…ホテルに来てほしいって……言われたから……』
いや、ごっちん自意識過剰なんじゃ……。
吉澤は、今いるところに来てって言っただけじゃないかなぁ……たぶん……。
…いやでも吉澤だからなぁ……。
とにかく…うかつにそういうことは言えないんだよね。
だって…そうしたら、何で私が吉澤のいるところを知ってるか…ってことになるじゃない?
余計にごっちんを不安にさせちゃうもんね。
- 249 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月04日(火)10時35分50秒
- 「……ごっちん、落ち着いて。場所はこの際気にしないでさぁ。キチンと自分の思い
を伝えることに集中した方が良いよ」
『そう…ですよね。アハハ…私、ちょっと焦っちゃって……』
気持ちは分かるけどさ。
私だって、梨華ちゃんにホテルに呼び出されたら……同じように焦っちゃうだろう
し。
いつも土壇場にならないと、そういう気になれないんだよねぇ。
- 250 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月04日(火)10時36分46秒
- 「ま、とにかく頑張ってきなよ…チャンスだと思うし」
『はい!…頑張れば…もしかしたら…アハハ♪……』
え?……ごっちん……もしかして…そういう展開を期待してる?
『ありがとうございます、明日香さん。勇気出ました。じゃあ、これで』
ツ〜…ツ〜…ツ〜……。
いや、『じゃあ、これで』って……。
「もしも〜し?……」
……速攻で切られちゃったよ。
良いんだけどさぁ……。
ごっちん、焦ってじゃなくて…期待に興奮して電話かけてきたのかな?
……やっぱ…私とは違うなぁ……。
- 251 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月04日(火)16時56分42秒
- 自宅に帰り着いて、いつものように「あのピアス」を外して、ベッド脇に大切に置
く。
明日香ちゃんと片方ずつ交換し合った、星形のピアス。
これを傍に置いておくと、安心して寝られる。
きっと、これが無かったら、よっすぃ〜に襲われたあの日から、寝られない日が続
いたと思う。
私の傍には、いつも明日香ちゃんがいる。
これがあると、そう思える。
もちろん、私の心の中には、ずっと明日香ちゃんがいるよ。
でもこれがあると、そのことをもっと深く感じられるの。
- 252 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月04日(火)16時57分20秒
- ♪〜〜 ♪〜〜……。
プッチモニの着メロ。
保田さんかな?って電話を見たら…よっすぃ〜からだった。
何で?……。
瞬間的に身が震える。
怖いよ……明日香ちゃん。
どうしよう……。
恐る恐る電話に出る。
「…もしもし?……」
『梨華ちゃん? 私』
「うん……」
よっすぃ〜、何だか明るい感じ。
- 253 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月04日(火)16時58分51秒
- 『あのさ〜…明日も明日香さんに会うでしょ?』
明日香ちゃん?
よっすぃ〜が何考えてるか分からないから、すごい不安だよ。
「……会いたい…会うつもりだけど……」
『じゃあさ〜、言っといてよ』
「何を?」
『…”お節介!”…って』
え〜? どういうことなの?
「…それって……」
『じゃあね〜。よろしく』
ツ〜…ツ〜…ツ〜……。
あの、よっすぃ〜? 『じゃあね〜。よろしく』って言われても……。
「もしもし〜??」
……もう切れちゃってる……。
よっすぃ〜、何のために電話してきたんだろう?
お節介って…どういうこと?
やっぱり……よっすぃ〜って分かんない。
- 254 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月05日(水)01時38分20秒
- ごっちん最高に愉快だ! 笑えるぞ!
よっすぃ〜、さっさとなんとか…できれば苦労はないわな…
- 255 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月06日(木)08時29分29秒
- >>254
ごっちん本人は大真面目なんですけどねぇ。
ごっちんとよっすぃ〜、さてさてどうなることやら……。
- 256 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月06日(木)08時30分28秒
- ごっちんからの電話に、ちょっとペースを崩されたけど、おやすみメールを
梨華ちゃんに送って後はもう寝るだけ。
「おやすみ、梨華ちゃん。今日はもう遅いからメールで」
そしたら、梨華ちゃんからの返事に、
「おやすみなさ〜い。明日の朝、電話するね。伝えることもあるし」
って書いてあった。
伝えたいことって何だろう?
まぁ、明日話せばいいや。
ここんところ寝不足気味だったから、ゴソゴソとベッドに潜り込んだら、す
ぐに眠気がやってきた。
逆らう必要もなく、誘われるままに眠りに落ちて……とにかく、夢の中でも
梨華ちゃんの笑顔は可愛かった。
- 257 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月06日(木)08時31分09秒
- 「もしもし〜? おはよう、明日香ちゃん。起きてた?」
『おはよう。今、着替えたところ』
朝起きて、仕事に行く前の明日香ちゃんを電話で捕まえる。
電話の向こうから、欠伸してるのが聞こえてくる。
ふふふ…可愛い♪
『あ、そう言えば、伝えたいことがあるって…』
「うん…あのね…昨日、あの後よっすぃ〜から電話があって……」
『吉澤から?! 何か言われた?』
よっすぃ〜からの電話って聞いて、急に明日香ちゃんの声が真剣になる。
- 258 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月06日(木)08時31分45秒
- 「大丈夫。別に何にも言われたりしなかったよ。けど……」
『けど?』
「よっすぃ〜から明日香ちゃんに、”お節介”って……」
『……あいつ……』
明日香ちゃん、ちょっと戸惑いながら、でもちょっと嬉しそう。
何か…嫌な感じ……。
あれ?…もしかして……。
「…明日香ちゃん……昨日…よっすぃ〜と……」
『え?…あ…ごめん……昨日…会いに行った……』
もう!
「また私に相談しないで、そんな危ないことして!!」
ちゃんと私にも言ってよ!
- 259 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月07日(金)01時26分39秒
- ……やっぱり怒られた。
「あの…ホントごめん……だけどさぁ…梨華ちゃんに言ったら、止められると
思ったから……」
自分でも言い訳がましいとは思うよ。でも……。
『当たり前でしょ! 止めるに決まってるじゃない!』
ちょっと理不尽な感じも…しちゃうんだよ。
- 260 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月07日(金)01時27分22秒
- 「でもさぁ……どうしても、あの二人のこと放っておけなくてさぁ……」
梨華ちゃんだって、ごっちんと吉澤のこと、あのままで良いとは思わないよね?
『……じゃ〜ぁ…明日香ちゃんは、危ないことして、私が悲しんでも良いのね?』
「え?!」
そ…そういう言い方されちゃあ………ズルくない?
「いや…あの……ごめんなさい……」
素直に謝るしかないじゃん……何か…腑に落ちないけど……。
- 261 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月07日(金)01時28分21秒
- 電話の向こうで、明日香ちゃんが納得してないの、分かるよ。
でも、やっぱり…イヤなものはイヤッ!
ワガママだって言われたって、明日香ちゃんの無事の方が大事なんだもん!!
「ねぇ、明日香ちゃん…昨日、よっすぃ〜と何があったの?」
ちゃんと私にも聞かせて。
『…ごっちんがどう思ってるかとか、あいつに教えてやろうと思って…でも…
会ってみて…あいつも…悩んでるって、よく分かったよ』
そうなんだ〜……。
「上手く…いった?」
『まぁ…半分ぐらい…かな……』
へ〜、半分は上手くいったんだ。
「そっか〜……」
やっぱり明日香ちゃんはすごいね。
- 262 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月07日(金)01時28分57秒
- あ! 一番大事なこと、聞かなきゃ。
「襲われたり、しなかった?」
ただでさえ明日香ちゃんは可愛いのに、前にもよっすぃ〜に襲われちゃって
るんだから、心配だよ……。
『………………別に…大丈夫だったよ……』
ウソ! 最初の無言は何!?
やっぱり危ないこと、されたんじゃない!!
もう〜! よっすぃ〜のバカァ〜!!
- 263 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月08日(土)01時37分51秒
- 「もしも〜し?」
『…………』
やっば……梨華ちゃん、何も言わなくなっちゃった。
いきなり、
『襲われたり、しなかった?』
って聞かれたから、咄嗟に何て答えたら分からなくなっちゃったんだよ。
吉澤に襲われそうになったこと、バレちゃったのかなぁ?
紗耶香に続いて、また吉澤…これは梨華ちゃんに知られちゃマズイッす!
……確かに私、ちょっと襲われ過ぎ。
でも…でも……ちょっと恥ずかしい言葉だけど…心は梨華ちゃん一筋だよ。
- 264 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月08日(土)01時38分30秒
- 「ホ…ホント、何も無かったんだってば!」
『……ウソ…』
う…確かに嘘なんだけど…ここは「無かった」って言い張るしかない。
「ホントだってばぁ! 梨華ちゃ〜ん、信じてよぉ」
『………会いに来て……』
はぁ?
『今日、会いに来てくれたら信じてあげる』
えぇっ!…マジッすかぁ?!
- 265 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月08日(土)01時54分35秒
- 明日香…会いに行くと…また…
心のどこかに何かを期待する私が居る。
- 266 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月08日(土)11時07分04秒
- >>265
……ご期待通りになるような気がします。
えぇ、何故だか分かりませんが(藁
- 267 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月08日(土)11時07分39秒
- それにしても…明日香ちゃん…ウソつくの下手すぎだよ。
よっすぃ〜に襲われちゃったのバレバレだよ〜。
明日香ちゃんもバレてるのに気づいて、焦っちゃってるし。
『…いや…あの…流石にそろそろ仕事、サボルとやばいんだけど…』
無理なこと言ってるって、十分知ってるよ。
だけど、今の私は聞き分けのない子になってるから。
「ダメッ! 絶対に会いに来て」
- 268 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月08日(土)11時08分15秒
- 私のこと、傷つけたくないためのウソだってことは、分かるよ。
でもやっぱり、ウソだって分かっちゃったら…余計に傷つくよ。
だからね。
これくらいは……頑張ってほしい。
今は、ワガママ言いたい気分なの。
明日香ちゃんだからワガママ言えるの。
ホントに甘えちゃってるね、私。
でも……ワガママ言える相手がいて、幸せだって……それは確かだよね。
「いつでも良いから…今日中に会いに来て」
私からの、ちょっとひねくれた「I Love you」……届くよね?
- 269 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月09日(日)07時38分26秒
- 「梨華ちゃん……」
いつに無くワガママな梨華ちゃん。
でも……可愛いなぁ……可愛いよ……。
私のウソを、こんなワガママで許してくれるつもりなんだね。
ここは頑張るしかないでしょう!
…とは言っても、この間も無理言って休ませてもらったばかりだし、仕事は
休めないよ。
- 270 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月09日(日)07時41分09秒
- 「…分かった。仕事が終わったら、すぐに飛んで行くから。どこに行けばいい?」
『スタジオに来て。絶対だよ?』
えっ!…仕事してる最中に…ちょっと抵抗はあったけど、えぇい! 行っちゃ
うよ!!
「うん。絶対!」
名残惜しい感じだけど、思い切るように電話を終えて、部屋を出る……と思っ
たけど、おっと、忘れちゃ駄目じゃん!
慌てて、梨華ちゃんとおソロのピアスを取りに戻る。
大事にしすぎて、あんまり付けて外に出たことがないピアス。
久しぶりに、梨華ちゃんの持ってる双子の姉妹に会わせてあげないとね。
付け替えるまもなく、バッグに大切にしまって仕事場へと急いだ。
- 271 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月10日(月)15時01分13秒
- 「…ふぅ〜……」
切れた電話をゆっくり下ろして、思わずため息ついちゃう。
緊張と安堵。
ホントは、ちゃんと私の思いが明日香ちゃんに伝わるか不安だったの。
でも、明日香ちゃんはキチンと受け止めてくれて……。
私たち、やっぱりベスト・パートナーだよね?
さて、夜になるとは言っても明日香ちゃんが来てくれるんだから、私服もおしゃれ
して行かないと。
服を取っ替え引っ替え選んで、時間ギリギリでやっと納得して出掛ける。
もちろんピアスは、今日も、あれ。
何だかデートの時みたいにウキウキしながら、スタジオに向かった。
- 272 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月10日(月)15時01分43秒
- 「おっはよ〜ございま〜す♪」
「おはよう」
控え室に入ると、もう私以外の全員がそろってた。
ツ〜ジ〜と遊んでたあいぼんが、テコテコッて寄ってきて、
「梨華ちゃん…『昨日、ありがとうございました』……」
まぁ! いつになく丁寧な言葉遣いね。
「って、福田さんに伝えてな」
……私に対してじゃないのね……。
「…分かった」
「あ…梨華ちゃんもサンキューな」
明らかについでだね。
もう……悲しい……。
- 273 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月10日(月)15時02分11秒
- その時、何だか視線を感じて振り返ったら、よっすぃ〜が慌てて目をそらしてた。
昨日の夜の”お節介!”って言葉が、また聞こえてきたみたいな気がした。
よっすぃ〜と明日香ちゃんに、何があったんだろう?
明日香ちゃんは、半分は上手くいったって……。
でも、よっすぃ〜には危ないことされちゃって……。
気になるよ〜!
よっすぃ〜、明日香ちゃんに何したのか、隠さず言いなさい!
……って、心の中でだけ問いつめてた。
- 274 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月11日(火)18時08分50秒
- 今日は、いつも以上にテキパキ度を上げて仕事する。
終わったらすぐに出られるようにしないとね。
そのためには印象が良くないと。
テキパキ、テキパキ。
「おっ! 明日香ちゃん、何だか張り切ってるじゃないか」
すぐに主任さんの目にとまっちゃった。
「そうですかぁ? いつも通りでしょう」
あんまりあからさまじゃ、マズイよね。
- 275 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月11日(火)18時10分49秒
- 「いや…やっぱり張り切った感じだな……彼氏でも出来たかな?」
ゲッ……。
「な…何でですか。そんなわけないじゃないですか!」
出来る限り慌てた様子を見せないようにしたつもりだけど……。
「そっかぁ…年ごろの女の子なんだから、彼氏くらい、出来てもいいのになぁ……」
主任さん、優しい目で私のこと見てた。
元芸能人ってことで、周りの目を気にしてるって思ったみたい。
「まっ、いろいろあるだろうけど、頑張ってな」
主任さんに頭をポンポンッてされたら、何だか申し訳ないような気になっちゃった
よ。
「…はい」
- 276 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月11日(火)18時11分59秒
- 自分じゃ気がつかないところで、大人の人に気を遣わせちゃってるんだね。
元々私って、雇う側からしたら厄介な存在だよね。
今じゃ一般市民のくせに、雑誌のカメラマンとか、いろいろ訪ねてくることも多
いし。
あらためて、この仕事場に感謝しなくちゃね。
特に主任さん、ありがとう!
……でも、今日は早く帰らせてね。
ごめんなさい!
- 277 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月12日(水)18時42分29秒
- 番組収録のリハーサルなどなど、次々に仕事が進んでいく。
娘。全体…タンポポ…プッチモニ…ミニモニ。…また娘。全体……。
二、三週録り溜めの分の衣装を選んだり……同じ様にならないように選ぶのが、こ
れがまた大変なんだよね〜。
「あ、それダメ。一週目の加護と同じ」
「え〜、ウッソ〜…じゃ、オイラはどれ着れば良いの?」
「じゃ〜ね…これは?」
「…いまいちだけど…しょうがないか」
バタバタしてるうちにお昼になって、出番待ちの間にお弁当を食べる。
え〜と、空いてる席は……ん…よっすぃ〜の隣……。
実は私…襲われてから、番組中以外で隣同士になったことない。
っていうか、私が避けてるんだけど……。
なのに、今空いてるのは、よっすぃ〜の隣だけ。
躊躇ってる私に、よっすぃ〜が気がついて……。
「…隣、空いてるよ?」
矢口さんたちもチラッて私の方を見てる。
「う…うん。ありがとう……」
これは…座らざるを得ないよね。
みんなもいるのに、何故だかオズオズ座っちゃう。
- 278 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月12日(水)18時43分05秒
- よっすぃ〜の反対側は、ごっちん。
今朝から二人は良い感じだから、仲直りしたのは間違いないみたい。
ずっとおしゃべりしながら楽しそうな二人を横目に、お弁当を黙々と食べる私。
ごっちんがそんな私にニコニコ話しかけてくれた。
「梨華ちゃん、昨日、ありがとうね」
「ううん。別にあれくらい…メンバー同士じゃない。気にしないで良いよ」
「ありがとう」
チラッとよっすぃ〜の方を見たら、ちょっと眉をしかめてた。
昨日のこと、気に入らなかったのかな〜……「お節介!」とか言ってたし……。
- 279 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月12日(水)18時44分52秒
- その後すぐに、私以外は食べ終わって、一人で取り残されちゃった。
急いで食べちゃって…追いつこうと廊下に出たら、よっすぃ〜が一人で壁にもたれ
てた。
待ち伏せされた?!
もう焦っちゃったけど、私を見てるだけで、別に何もしてこない。
「よっすぃ〜…な…何?」
「……ちゃんと伝えてくれた?」
え?……あぁ、「お節介!」ってやつ?
「伝えたよ……明日香ちゃん、複雑な表情だった」
「そう……」
- 280 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月12日(水)18時46分05秒
- それで終わりかと思ったんだけど……。
「あんたの明日香さん……胸、結構大きいんだね…」
な…何ですって〜!!!!
「ちょっと、よっすぃ〜、それって……」
詰め寄ろうとする私をかわして、
「……あぁそうだ。もう一コ、伝えといてよ……”柔らかくって、よく眠れた”ってね」
それだけ言うと、ニヤッと笑って、さっさといなくなっちゃった。
ど…どういうこと〜!
明日香ちゃ〜ん!!!
- 281 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月13日(木)12時08分12秒
- よっしーの意図がわからん
あとすいませんがののたんの件もできればよろしくです。
- 282 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2001年12月13日(木)17時40分08秒
- チャーミー石川さんの作品いろいろよんでますけどどれも最高です。
特にあすりかはいつも更新されるのを楽しみに待ってドキドキしながら
読ませていただだいています。
よっしぃーがごっちんと仲直りしたのはよかったけど、梨華とよっしぃーが
仲直りすることはないのかなあ。
これからも応援しています。ベストを尽くしてください。
- 283 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月14日(金)00時23分32秒
- >>281
よっすぃ〜の意図、この後の展開で、上手く伝えられたら良いんです
が……何せ筆力がねぇ……。
のの…善処したいと思ってます……。
>>282
いろいろ…ですか?
確かに羊時代は、別ハンで書いたこともありましたが……。
ともかく、ありがとうございます。
ベスト、出し切れるように頑張りまっす!
- 284 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月14日(金)00時24分26秒
- 大きな控え室に、ポツンと一人。
テーブルの上には、フルーツとかお菓子が盛られてる。
いや、盛られてた形跡というべきか。
ほとんど無くなってるから。
それをちょっとつまんでみたり……。
見渡すと、イスの上とか部屋の隅とか、あっちこっちにメンバーのバッグが
置かれてて……雑然としてるよね。
さっきから何だかソワソワしてしまう。
自分がメンバーだったときには、控え室に一人で残ったりしなかったから分
からなかったけど……何か…この雑然、ガラ〜ンとした感じの中にいると……
寂しいもんだね。虚しいって言うかさぁ……。
- 285 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月14日(金)00時25分27秒
- 仕事が終わって速攻で駆けつけたのは良いけど、案の定、メンバーたちは収
録の最中。
流石に収録現場へ立ち入るのは勘弁って思って、数少なくなった顔見知りの
マネージャーさんに頼んで、控え室で待たせてもらってるんだけど……。
妙に寂しい……。
ちょっと、ここまで来ちゃったことを後悔。
それ以上に、梨華ちゃんにウソついちゃったことを大後悔。
ごめんね、梨華ちゃん……ホント、悪気があってウソついたんじゃないんだ
よ。
許してほしい。
…ここに一人だと…何だかたまらなく梨華ちゃんに会いたくなっちゃったよ。
だから……早く戻ってきてね。
- 286 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月14日(金)00時26分18秒
- 相変わらず落ち着かない静寂の控え室。
でもドアの向こう、廊下をにぎやかさが近づいて来てた。
収録が終わって、皆が戻って来てる…そうであってほしい。
当然、梨華ちゃんも戻ってきて……。
こんなにドキドキして待ってることなんて、今まで無かったなぁ。
- 287 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月15日(土)16時06分31秒
- 控え室のドアを開けると、明日香ちゃんがいた。
思わず、ほっぺが緩んじゃう。
明日香ちゃんも、何だか照れくさそうに笑ってる。
傍に駆け寄ろうとして……。
「あぁっ! 明日香ぁ〜!!…元気だったかい?」
…安倍さんに先を越されちゃった……。
「元気だよぉ…この間、なっちん家に行ってから、そんなに経ってないじゃん」
安倍さんは、そんな明日香ちゃんの言葉にもニコニコしてた。
何か、いい感じ…だけどイヤな感じ……。
- 288 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月15日(土)16時08分29秒
- でも、安倍さんはすぐに私に気がついて、
「お目当ては梨華ちゃんだもんね…なっちは寂しいよ…」
って言いながら、変わらずニコニコして、明日香ちゃんの隣の席を譲ってくれた。
やっぱり安倍さんて大人〜♪
明日香ちゃんの隣に座って、お互いに見つめ合っちゃったりして……。
ホントに駆けつけてくれて、嬉しい。
これから、いっぱいおしゃべりできると思ったのに……。
- 289 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月15日(土)16時09分25秒
- 「福田さ〜ん! 昨日はごちそうさんでした」
「加護ちゃんかぁ。いえいえ、どういたしまして」
今度はあいぼん。
明日香ちゃんも、何だか嬉しそうにあいぼんのこと見てるし……。
「福田さん、福田さん、加護、モノマネが得意なんですよぉ。見てください」
あ〜もう! そんなの、どうでもいいでしょ!
私の明日香ちゃんなのに〜!!
- 290 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月17日(月)00時28分45秒
- 加護ちゃん、可愛いなぁ……。
思えば、私がメンバーだったのとほとんど同じ年齢なんだよね。
「似てます? 似てますよね?」
「うん。似てる、似てる!」
さっきから、モノマネのオンパレード。
芸達者っていうか……。
無邪気な子どもって感じだよね。
私の場合は、全然、子どもっぽくないって言われてたけど……。
……加護ちゃんも、違う意味で年齢不相応な気がするけどね。
見てると、何だか表情が緩んじゃうよ。
- 291 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月17日(月)00時29分21秒
- ん?…何だか視線を二つ感じる。
近い方は…うっ…梨華ちゃん、何でそんなにオドロオドロした視線で見つめ
てるのさ?
その目は、「寂しいよ〜」って訴えてた。
今は加護ちゃんの相手してるけどさ…後でいっぱいお話しようよ。ね?
目でそんなことを伝えたら、真剣な顔でコクッて肯いてる。
ものすごくマジな顔で……ちょっと…怖い……。
- 292 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月17日(月)00時30分06秒
- その向こうからは、ちょっとたれ目な辻ちゃんが、ジ〜ッと私のこと見てる
し……。
と思ったら、急にトコトコトコッて近寄って来た。
「あのぉ〜…福田さん…」
「ん? なぁにぃ? どうしたのかなぁ?」
この子達と話してると、自然とこんな言葉遣いになっちゃう。
「えぇとぉ……ひざに座っていいれすかぁ?」
……はぁ?!
- 293 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月17日(月)14時44分56秒
- ちょっとツ〜ジ〜!
明日香ちゃんに何てことをお願いしてるのよ!!
いくらお人好しな明日香ちゃんだって、そんなこと突然頼まれて、「いいよ」なん
て言うわけが……。
「…いいよ。おいで」
ウッソォ〜……。
明日香ちゃんの膝の上で、嬉しそうに笑ってるツ〜ジ〜。
その後ろから、
「辻ちゃんは甘えん坊さんなんだねぇ」
って、覗き込むみたいに話しかけてる明日香ちゃん。
……二人まとめて、可愛い……。
- 294 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月17日(月)14時45分36秒
- 「福田さん、優しいからスキれす」
イヤ〜ン!
ツ〜ジ〜、そんなこと言っちゃダメ〜!!
うらやましいよ〜!!!
私も明日香ちゃんの膝の上に座りた〜い!!!!
そしたら、そしたら〜…私だって、いっぱい
「明日香ちゃん、スキ!」
って言っちゃうのに〜……。
そしたら明日香ちゃんも、
「私も…梨華ちゃんのこと、好きだよ」
な〜んて…キャッ。
ポワワ〜ン。
ハッ!
空想に浸ってる場合じゃない。
「明日香ちゃ〜ん、晩ご飯、一緒に食べに行こうよ」
とにかく、ここを離れないと二人の時間はやってこないわ。
- 295 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月17日(月)14時46分32秒
- 「ご飯! 辻もいっしょに行くれす」
明日香ちゃんの顔を見ながら、エヘヘッて笑ってる。
それを見る明日香ちゃんの目が優しくて……。
ダメ〜!
このままじゃ、明日香ちゃんが
「じゃ、一緒に行こっか」
なんて言っちゃうよ〜。
どうしよう……。
「のの。うちと一緒に食べに行こう。な?」
あいぼん、偉い!
「あいぼんは、福田さんたちと、いっしょに行かないんれすか?」
「この後、福田さんと梨華ちゃんは、大切なお話があるねん。やからダメやねん」
あいぼんが私の顔を見てウインク。
……何か、あいぼんに心を見透かされてるみたいで複雑な心境。
でも、折角の協力をムダにはしない。
ありがとう、あいぼん!
- 296 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月17日(月)14時47分14秒
- 「そ…そうなの〜。ごめんね、ツ〜ジ〜。今度また食べに行こうね?」
「そうなんれすかぁ……こんど、絶対れすよ?」
私が肯いたら、明日香ちゃん、
「私も約束するよ」
って、小指を出してる。
「ゆ〜びき〜りげんまん、ウソついたら、針千本飲〜ます。指切った!」
……明日香ちゃん、絶対、いいお母さんになりそう。
意外に、って言ったら失礼だけど、明日香ちゃん、子ども好きだったんだね。
そんな明日香ちゃんも、スキ♪
- 297 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月17日(月)17時26分28秒
- 加護ちゃんと辻ちゃんにバイバイして、廊下に出たら圭織と圭ちゃん、矢口が何か
話し合ってた。
「明日香、加護辻に懐かれちゃってたじゃん」
苦笑いしながらそんなことを言う矢口に続いて、圭ちゃんも、
「大変だったでしょ?」
って。
「??別に。あの二人、可愛いじゃん」
そう言ったら、梨華ちゃんも含めて四人ともが、ため息ついてる。
「…たまに会うから、そう思うんだよ…」
「そうかなぁ……」
「そうだよ」
何だか、私には分からない苦労があるみたいだ。
- 298 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月17日(月)17時27分23秒
- おっと、話し込んでる場合じゃなかった。
「梨華ちゃん借りてくよ。今日、あんまり時間ないんだ。また今度ゆっくりね」
「二人で食事?」
「そう。じゃ、またね」
「うん。じゃ〜ね〜」
梨華ちゃんと二人で出口の方に向かおうとすると、後ろの方から三人の話し声が聞
こえてきた。
「…未だに、明日香が梨華ちゃんのどこを好きになったのか…信じられないんだよね……」
「…うん……」
「そうなんだよねぇ……」
まだ、あんなこと言ってる。
そんなに、私が梨華ちゃんのこと好きになったらおかしいかなぁ?
- 299 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月17日(月)17時28分02秒
- 考えながら出口の近くまで来て、バッタリ出会っちゃった。
吉澤と。
そしたら吉澤、私と梨華ちゃんを見比べてから近づいて来て、私にコソッと、
「今夜は盛り上がるかもよ」
だって。
何のこと?
「借りをつくったまんまなんて許せないから、これでチャラね」
はぁ?
益々訳分かんないよ。
「いったい何の……」
問い詰めようとしたら、スルッと身をかわされた。
「梨華ちゃん、頑張ってね〜」
手を振ったりして、そんなこと言いながら行っちゃった。
……何だっただろう?
- 300 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月17日(月)17時49分59秒
- 続き頑張れよ。
- 301 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月17日(月)18時21分38秒
- >>300
うしっ!
頑張りまっす!
300Getおめでとう。
- 302 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月17日(月)18時22分16秒
- イヤなこと思い出しちゃった……。
――「あんたの明日香さん……胸、結構大きいんだね…」
――「……”柔らかくって、よく眠れた”」
そんな言葉がグルグル、グルグル……。
よっすぃ〜…明日香ちゃんの胸…見たの?
”柔らかい”って…触ったの?
”よく眠れた”って……どうなったの?
でも…怖くって明日香ちゃんには聞けないよ。
- 303 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月17日(月)18時23分35秒
- 明日香ちゃんの胸……そうだよ。大きくて、柔らかくて、安心させてくれる
胸だよ。
でもっ!
でも、それは私のものなんだからっ!!
何だか胸の奥が、キュ〜ッて締め付けられるみたいだよ。
それなのに、カッて熱いの。
明日香ちゃん……私のものだよね?
私だけのものだよね?
- 304 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月17日(月)20時13分12秒
- ののたん登場!無理を聞いていただいてありがとうございます。
個人的にあすりかの次にののが好きなので是非絡めて欲しかったので。。。
- 305 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月18日(火)04時11分10秒
- >>304
ののたん、こんな感じで良かったでしょうか?
喜んでいただけたのなら本当に嬉しいです。
- 306 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月18日(火)04時11分47秒
- 食事の間、梨華ちゃんは何だか元気がない。
「どうしたの?」
って聞いても、
「…何でもない」
って答えばっかり。
さっきの吉澤といい、何か変だよ。
「…あのね…明日香ちゃん……」
「ん? なぁに?」
やっと梨華ちゃんの方から話しかけてくれた。
見ると、うつむいた感じで、ちょっと上目遣い。
何だか…いつも以上にセクシー。
- 307 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月18日(火)04時12分20秒
- 「……今日…私ん家に…泊まっていって……」
急に心臓がドキドキし始めた。
「梨華ちゃん……」
潤んだ瞳を前にして断るなんてこと、私に出来るはずないじゃん……。
でも…梨華ちゃん、何でそんなに必死な感じなの?
「今夜は盛り上がるかもよ」
さっきの吉澤の予言は当たりそう。
それにしても…吉澤、梨華ちゃんに何したの?!
- 308 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月18日(火)11時56分46秒
- 店を出て、タクシーを拾って……明日香ちゃんの手に、そっと私の手を乗せてみた。
明日香ちゃん、私の方を見てニコッて笑って……どちらからともなく指を絡ませて
た。
それから…部屋に戻ってすぐ、思い切って明日香ちゃんにお願いしてみたの。
「…膝の上に座っても…いい?」
って。
さっきのツ〜ジ〜と明日香ちゃんの姿が目に焼き付いてたから……。
明日香ちゃん、ビックリした顔してたけど、クスッて笑った。
「いいよ。おいで」
って、両手を伸ばして私を引き寄せてくれた。
フラフラッて夢見心地で、明日香ちゃんの膝の上に……。
- 309 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月18日(火)11時57分27秒
- 明日香ちゃんの膝……柔らかい…温かい……。
「ふふふ…今日の梨華ちゃん、何か大きな赤ちゃんみたい」
私の髪にほおずりするように笑いながら、明日香ちゃんはそんなことを言って……。
髪の隙間からもれた吐息が、私の耳を撫でる。
もう…ゾクゾクッて身が震えて……。
- 310 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月18日(火)11時58分29秒
- 「あ、ご…ごめん……」
私が震えてるのに気がついて、慌てて顔を背けてる。
「ううん…大丈夫」
それ以上に、よっすぃ〜の言葉で胸の中がモヤモヤしてるから……。
首だけ振り返って、すごい間近で明日香ちゃんを見つめる。
柔らかいほっぺから、スッと通った鼻筋……キュッと締まった唇……。
全部が超アップで私の目の前にある。
「…ねぇ……キス…していい?」
唇が迷うようにパクパクッて動いて……でも、それからはっきりと動いた。
「…いいよ」
って。
- 311 名前:1J 投稿日:2001年12月18日(火)20時07分42秒
- ののの登場、ありがとうございます。
あいぼんもそうだけど、とても可愛いですね。とても満足!
あすりかの今夜は、大変な事になりそうですね。(いろんな意味で)
ところで作者さんが羊時代、別ハンで書かれていた作品はどんなのでしょう?
とても気になります。続き頑張って下さい。
- 312 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月19日(水)00時48分41秒
- >>311
お気に召したでしょうか?
そうでしたら本望です。
あすりかには、もうちょっと頑張ってもらわないとね。
別ハン作品は……やすいしでした(藁
あのどさくさで、あのスレは行方知れずになったような……。
- 313 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月19日(水)00時49分40秒
- 上体だけ振り返った梨華ちゃん……唇からうなじにかけての、綺麗なライン
に見とれてた。
だから、
「…キス…していい?」
って言われたときも、ちょっとドギマギしただけで、ほとんど抵抗もなく
「…いいよ」
って……。
誘われるままにキスした。
相変わらず梨華ちゃんの唇は、柔らかくって、滑らかで、温かくて…ホント、
最高だった。
梨華ちゃんを抱きかかえるようにしたキスは……すごく…頼られてるって感
じが強かった。
私、梨華ちゃんに頼られてる…応えてあげたい…頑張らなきゃって……。
- 314 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月19日(水)00時50分39秒
- 少しだけ唇を離して……。
「苦しくない?」
振り返るっていうか、仰け反るようにキスしてる梨華ちゃんに尋ねる。
「ううん…全然………明日香ちゃんが支えてくれてるもん……」
小さく首を振る梨華ちゃんが、すごくいじらしくて……。
もう一度キスをした。
今度は、深く深くキスをした。
熱くて…熔けるようなキス……。
私は……あっと言う間に梨華ちゃんと一体になって…梨華ちゃんしか見えな
くなってた。
- 315 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月19日(水)22時43分41秒
- 舌と舌が触れ合う感覚が、すごいH。
私が、もっと明日香ちゃんに近づこうと仰け反ると、バランスをとるように
私を抱きしめる腕に力が入って、明日香ちゃん自身も前のめりになってくる。
だから益々二人は密着して……今までにないくらい深い深いキスだった。
あんまりにも深いから、息継ぎをするみたいに一呼吸入れたんだけど……。
「明日香ちゃん?」
もう目の周りとか、ポッて赤くなってる。
瞳も何となく虚ろな感じで……本当にキスに弱いね、明日香ちゃん。
- 316 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月19日(水)22時44分29秒
- もう一回軽くキス。
唇を離す。
明日香ちゃんが私の唇を追うように腰を浮かせるのと、私が手を引いて立ち
上がるのが同時だった。
タイミング良くスッと立ち上がった明日香ちゃんだけど、すぐにフラッて。
慌てて抱き留めて、もう一回キス。
今日はいつもより、いっぱいキスしたい気分。
「私のものだよ」って、印をいっぱいつけたいから。
- 317 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月19日(水)22時45分11秒
- そうやっていっぱいキスしながら、ベッドの脇へと誘う。
それから……明日香ちゃんの服を一枚一枚取り除いていく。
出来る限り明日香ちゃんの心に近いところまで触れたいから。
明日香ちゃんと私の間に、薄紙一枚ほどの隔たりがあったりしてもイヤ!
最初は身をよじったりしてた明日香ちゃんも、反撃するように恥ずかしげに
私の服に手を伸ばす。
いち早く明日香ちゃんをショーツだけにしちゃった私が、不意打ちで明日香
ちゃんをベッドに押し倒す。
「あっ!…ズルイ……」
聞こえませんよ。全然聞こえません。
- 318 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月19日(水)22時45分55秒
- エヘヘ……大好きな明日香ちゃんの胸に唇を這わせちゃうよ。
「…ぃゃ……」
どうしようもなく唇から漏れ出す喘ぎ声。
我慢しなくて良いのに……相変わらず明日香ちゃんは恥ずかしがり屋さんだ
ね。
豊かな乳房の縁に沿って、グルッと弧を描くように指と唇を動かす。
二つの弧が最も近くなる場所、ちょうど心臓の上……。
あれ? これ…何?
左胸の中心よりのところに……何か…赤い印……。
これって……もしかして……キスマーク!!
瞬間、あの娘。の不敵な笑顔が浮かんできた。
よっすぃ〜!!!
- 319 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月22日(土)07時47分26秒
- 優しく梨華ちゃんに触れられて……込み上げるような幸せを感じてた。
そしたら突然、息を呑むような雰囲気がして、梨華ちゃんの動きが止まった。
???
何だろうって首を上げて覗いたら、二つの乳房の真ん中に梨華ちゃんの驚い
たような顔。
……何だか…ヤラシイ構図。
「どうしたの?」
聞いたら、梨華ちゃん、ハッとした感じで私を見て……。
ムギュッ。
咄嗟に顔を隠すように両脇から私の乳房を寄せた。
「…あ…明日香ちゃん…胸、大きくなった?」
なんて言いながら。
- 320 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月22日(土)07時48分26秒
- 「……ばぁか……」
恥ずかしくって顔を背けちゃった。
でも、実際に大きくなったかも。
やっぱり…梨華ちゃんに触られてるからかなぁ……。
なんて考えたら、余計に恥ずかしくなってきたよ。
梨華ちゃんの顔も赤かったから、そんなこと考えてたのかなぁ?
でも、何かちょっと変。
だって、さっきまで触れるか触れないかみたいなソフトタッチだったのに、
左胸の下側を、ゴシゴシッて感じでこすったりしてる。
何だろ?
- 321 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月22日(土)07時49分32秒
- 梨華ちゃんに、もう一回、「どうしたの?」って聞いてみようと思ったら、
急にゾクゾクッて快感が走り抜けた。
強いキス。
それも、さっきこすってた辺りをついばむような。
チュ〜ッて吸うような感じ。
梨華ちゃん、そんなにしたらキスマークついちゃうよぉ……。
ま、梨華ちゃんのキスマークだったら良いか。
胸だから、他の誰かに見られるってこともないし。
梨華ちゃんだけが知ってる私の秘密…ってことだよね。
何か…ちょっと嬉しいよ。
- 322 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月24日(月)03時09分06秒
- 2chスレで見付けてここまで来ました!おもしろいです。
これからもがんばってください
ところでありすか2が読みたいのですが。読めません…
どーしたら見れるのでしょうか?
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=sea&thp=999142658
に行っても見れないのですが。
- 323 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月24日(月)07時45分11秒
- >>322
倉庫に行ってみるべ。
したら良い事あるっしょ♪
- 324 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月24日(月)09時52分06秒
- >>322
読んでいただいて、その上ご感想までありがとうございます。
>>323で教えて下さっているように、
http://mseek.obi.ne.jp/kako/sea/index.html
を見てみてください。
>>323
お手数をおかけしました。
あいrがとうございます。
- 325 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月24日(月)09時52分59秒
- うぇ〜ん!
こすっても消えないよ〜。
こんなのイヤだ〜!!
私の明日香ちゃんに、よっすぃ〜のつけたキスマークなんて…許せな〜い!
どうにかして消さないと。
どうしたら消えるの〜?!
どうしたら……どうしたら……。
- 326 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月24日(月)09時54分06秒
- !! よしっ!
明日香ちゃんの胸に刻まれた憎らしいキスマークを、覆い隠すように唇で挟
み込む。
それから思いっきり吸って……。
「ん……ぁ……」
明日香ちゃん、色っぽい声出してる。
唇を離すと、前より大きくてピンク色のキスマークの出来上がり。
もうこれは、よっすぃ〜のじゃないんだから。
私の愛のこもったキスマーク。
それにもう一回キスをして……何だか嬉しくなった。
だって…これからは私印の明日香ちゃんだもんね♪
- 327 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月24日(月)09時54分53秒
- 前よりずっとずっと愛しさが増して、改めて思いを込めて指と唇で触れる。
「…!…ふぅん……」
急だったから、明日香ちゃんがビクッて。
ごめんね、明日香ちゃん。
よっすぃ〜のせいで横道にそれちゃったけど、でもそのお陰で私の印をつけ
てあげられて、すごいドキドキしてる。
これからちゃんと愛してあげるからね♪
- 328 名前:名無し娘。 投稿日:2001年12月25日(火)00時59分47秒
- 今日のHey^3の過去映像で明日香ちゃんのしーんをみつ
- 329 名前:名無し娘。 投稿日:2001年12月25日(火)01時01分03秒
- ごめんなさい、失敗しました。
明日香ちゃんを見つめる里香ちゃんのシーンが合って、萌えた、もはやあすりか
中毒だ、って書きたかったんです。
スレを汚しちゃって本当にごめんなさい。
- 330 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月25日(火)04時25分55秒
- 俺もヘイヘイへイで萌えた(w
ますますあすりかに期待
- 331 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月26日(水)11時38分38秒
- >>329
おっと、そんな場面がありましたか。
もう一度見直さないと。
教えてくださってありがとうございます。
>>330
ご期待に応えられるように頑張りまっす!
- 332 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月26日(水)11時39分59秒
- 今度は私が梨華ちゃんを…って思って手を伸ばしたら、それに気がついた梨華ちゃ
ん、私の手を取って……自分の頬にそっと当てた。
ふわって柔らかくて…じんわりと温かかった。
胸の奥がキュンッてした。
私を見つめる梨華ちゃんの瞳が、穏やかにほほ笑んでて、それでいて切なさを含ん
でて……呼吸が苦しくなるくらいに胸がキュンキュンした。
動くこともできない私に、梨華ちゃんはニコッて笑って……また私の胸に顔を埋め
た。
張り詰めた感じの乳首ちゃんをパクッて。
「ぁ…ぃゃん」
思わず梨華ちゃんの頭を抱きしめる。
- 333 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月26日(水)11時40分45秒
- ズルイよ、梨華ちゃん。私ばっかり攻められてるじゃん。
そりゃ今でも、こういうこと…セックス…は苦手意識があるけど、私だって、いつ
までも受け身じゃないってことを見せたいのに……。
じゃないと、一方的に愛されてるだけって感じがする。
私だって梨華ちゃんのこと……。
でも実際は、全然敵いっこなくて。
- 334 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月26日(水)11時41分33秒
- あれ…今日の梨華ちゃん、いつもと違う。
いつもはソフトタッチで、しかも最後まで乳首ちゃん自体には触れてこないのに。
今は、チュッ、チュッて乳首をしゃぶってる。
愛撫されてるっていうより、何か…赤ちゃんにおっぱいあげてる感じ。
すごく不思議。
何だか、今まで感じたことがないものが湧き上がってくる。
どう言えばいいのか。
愛する者を胸に抱いてる充実感。
それを失ってしまうんじゃないかっていう恐れ。独占欲。
または母性。
そして、自分の中にも母性があることを確認できた安堵感……。
- 335 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月26日(水)11時42分43秒
- 決して純粋な母性だけじゃなくて、いろいろな感情が、複雑に入り乱れてた。
赤ちゃんを抱く母親って、こんな感じなんだろうか?
それとも、今の状況があくまで擬似的なものだから?
それとも……私がまだまだ子どもだから?
私がそんなことを思ってる間も、梨華ちゃんはチュッ、チュッてしゃぶってる。
性感を刺激されないわけじゃないけど、やっぱり赤ちゃんを抱いてる感じ。
よしよし。梨華ちゃん、いい子にしてね。
梨華ちゃんの背中を、ポン、ポンてしながら子守気分で、まだどこか余裕がある私
だった。
- 336 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月27日(木)07時10分17秒
- 人差し指と親指をバージスラインに沿うように開いて、アンダーバストから
ジワジワッて這わせていく。
やっぱり明日香ちゃん、胸大きくなってるね。
前より膨らみがしっかりしてきた感じ。
もしかして…私のお陰かな? キャッ♪
明日香ちゃんは身じろぎして、私の方に手を伸ばしてきた。
まだダメだよ。
でも言葉にしたら白けちゃいそうだから、その手をとってほっぺに当てる。
明日香ちゃんの手、ちょっとヒヤッとして気持ちいいね。
- 337 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月27日(木)07時12分30秒
- ↑梨華ちゃんの間違いでした。
すいません。
- 338 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月27日(木)07時13分14秒
- 私の気持ち、伝わってる?
明日香ちゃんと肌を合わせてると、安心しちゃうの。
まだまだ私が甘える番。
いいでしょ?
明日香ちゃん、何だか切なそうな表情でちょっと肯いたように見えた。
そうだよ。
昨日から、いっぱい心配したんだから、もっともっと甘えさせてね。
- 339 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月27日(木)07時13分50秒
- それじゃ、改めて。
目の前には、ふっくらおっぱい。
その頂上には、明日香ちゃんの呼吸とシンクロして、上下に動く乳首ちゃん。
すごい深い紅……この間店先で見つけたリップカラーのガーネットみたい。
ゆっくり唇を近づけて、パクッて。
「ぁ…ぃゃん」
そんな声と同時に、私の頭を抱きしめる明日香ちゃん。
可愛い♪
- 340 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月27日(木)07時14分33秒
- 口の中に含んだ乳首ちゃん、すごい張り詰めてるね。
上下の唇で挟むようにすると、それが余計に感じられる。
ちょっと大きめのアメ玉くらいかな?
舌も使って転がすように舐めたら、明日香ちゃん、
「ん…はぁ〜…」
って息をもらすように喘いで、イヤイヤッて肩でせり上がって逃げようとする。
可愛い〜!
逃がさないぞ〜♪
唇で追いかけて、乳首ちゃんをしゃぶる。
チュッ、チュッ。
チュッ、チュッ。
何だか…自分が赤ちゃんに戻ったみたいな気持ちになって、夢中でしゃぶり
続けてた。
- 341 名前:322 投稿日:2001年12月27日(木)08時47分23秒
- ありすか2見れました!
どうもありがとうございますっ!
ちゃむ萌え〜♪
- 342 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月28日(金)00時14分26秒
- >>341
ちゃむ、良かったですか〜?
これからもよろしくお願いします。
- 343 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月28日(金)00時22分50秒
- さっきまでは、赤ちゃんみたいな梨華ちゃんを胸に抱いて、おっぱいをあげ
てるお母さん気分だった。
…のに、今はもう……。
「あ…ぃゃ…梨…華ちゃん」
梨華ちゃんの髪に指をからませて、必死で声を我慢してる。
あれからずっと、梨華ちゃんにしゃぶられ続けて、乳首ちゃんはジンジン、
ジンジン。
五分しか経ってないのか、それとも三十分以上なのか……一瞬も平静でいら
れないから全然分からないよ。
とにかく、梨華ちゃんの唇と指の動きに翻弄されて、胸全体が痺れてる。
耳も頬も、頭の中も熱くて…きっと色もピンクに染まってるね。
- 344 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月28日(金)00時23分29秒
- それ以上に、そのぉ…ショーツの中が大変なことになってる。
梨華ちゃんは、胸の周辺ばっかり触って、一度もそこは触れてくれてない。
なのに、もうあふれ出しそうだよ。
ギュッて両腿を寄せてないと、本当にとろけ出しそうなんだよ。
その脚も、じっとしていられなくて、こすり合わせるように交互に膝を曲げ
たり伸ばしたり……。
梨華ちゃんだって、私の様子に気づいてるはずなのに、まだ乳首ちゃんをし
ゃぶり続けてる。
「梨…梨華ちゃ…ん」
このままじゃ、私……。
「…どうしたの、明日香ちゃん?」
もう…もう我慢できないよぉ。
「お願い…」
- 345 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月28日(金)00時24分13秒
- 恥ずかしくて顔から火が出そうになりながら、それでも欲望にせっつかれる
ようにお願いしちゃう。
「何が?」
なのに梨華ちゃんは、おすまし顔。
「…苦しいの」
切羽詰まった私は、今にも泣きそうな情けない顔。
「ウソ〜。気持ちいいんでしょ? だってほら、乳首ちゃんがこんなに…」
言いながら、両方の乳房を搾るようにする。
「ゃん…」
二つの乳首ちゃんが盛り上がって、張り詰め切ってる様子がより強調されて
る。
「ほら〜、こんなに固くて、おっきいよ。乳首ちゃん、喜んでるね♪」
ずっとしゃぶられ続けて、確かに固く、大きくなってるけど…もうはち切れ
そうで苦しいんだよぉ。
- 346 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月28日(金)00時24分46秒
- 私は他にどうすることも出来なくて、ただ首をふるふると振って、同じ言葉
を繰り返す。
「お願い…苦しいの」
梨華ちゃん、ちょっと首を傾げて私を見てて……。
「…どこが?」
って。
待ってるんだ。
私が言葉でちゃんと言うのを。
そういうの、私が口に出来ないの知ってるくせにぃ……。
思わず恨めしそうに梨華ちゃんを見つめてたら、
「そんな顔しないで…ね?」
そう言ってキスしてくれた。
- 347 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月28日(金)00時25分55秒
- 「でも……」
唇を離しながら、ちょっと意地悪く笑ってる。
え、何?
「?!!…あぁ…いやっ!…気持ち…いぃ…」
もう我慢できなくて、きつく梨華ちゃんに抱きついた。
それなのに私は、身体をヒクつかせて続けてた。
特に腰から下が。
だって…梨華ちゃんの手がショーツの上からなぞってたから。
- 348 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月30日(日)20時12分28秒
- すごい…すごいね、明日香ちゃん。
こんなに乱れた明日香ちゃん、初めてだね。
でも私、どうしても…どうしても見たかったから。
いつもはキリッと凛々しい明日香ちゃん。
優しく私を包んでくれる明日香ちゃん。
本気で怒ってくれる明日香ちゃん。
- 349 名前:チャーミー石川 投稿日:2001年12月30日(日)20時13分10秒
- そんな明日香ちゃんの全部が好き。
だから…Hな明日香ちゃんも見たいの。
他の誰にも見せない顔。
私にだけ見せる顔。
だから…だから…ね?
明日香ちゃん、ヒシッて感じできつく抱きついて、私の肩口に顔を押し当て
てる。
可愛くて、愛しくて、もう一度キスをしたくて、両手で肩を押して明日香ちゃ
んの顔を覗き込んだら……。
「!明日香ちゃん? どうしたの?」
恥ずかしそうに真っ赤なのはさっきまでと一緒だけど、今まで見たことない
くらい悲しそうな顔。
「……私…変になっちゃったよぉ……」
- 350 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月31日(月)13時29分50秒
- 「あすりか」すばらしいです
来年も期待してます、がんはって下さい。
できれば現実の世界でもあすりかの2ショットがみたいですね。
- 351 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2001年12月31日(月)23時55分56秒
- >>350
ありがとうございます。
現実のあすりか、見たいですねぇ。
- 352 名前:焼き銀杏 投稿日:2001年12月31日(月)23時58分37秒
- きわどいH話をサラッと平気な顔でして、周りの大人たちを振り回していた
私は…どこ?
今の私は、体の中から湧き出てくる生々しい衝動に振り回されて、驚き焦っ
て、恐怖に慄いている。
見聞きしただけの性知識なんて、何の役にも立たなくて、とにかく梨華ちゃ
んにしがみついて身を振るわせるだけで。
「……私…変になっちゃったよぉ……」
そう言うのがやっとで、カッカと火照った身体の心から、沸々と出てくる女
の欲望が勝手に下半身を突き動かしてる。
梨華ちゃんと肌を合わせるごとに、突き上げる衝動が強くなってるのは分かっ
てた。
でも、今日はホントに突然で、ある一線を越えたところから一気にスイッチ
が入っちゃった感じで、もう何が何だか分からない状態だった。
求めるようにひくつく腰の動きが、とんでもなく卑猥に感じられてそんな自
分が嫌だった。
- 353 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月01日(火)00時02分54秒
- 「全然、変じゃないよ」
梨華ちゃんが耳元で優しく囁いてくれる。
「でも……」
慰めでしょ? 今の私、変だもん……。
「全然、変じゃないよ」
繰り返す言葉。
「感じる…って、ホントはこういうことなんだから」
ホントに?
だとしたら……怖いよ。
自分が自分じゃなくなる感じ……。
- 354 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月01日(火)00時05分09秒
- 「大丈夫だから」
梨華ちゃんが目を細くして笑ってる。
…信じていいの?
「感じすぎちゃう私のこと、『大丈夫だよ』って言ってくれたの、明日香ちゃんじゃない」
そうだけど……不安だよ。
「私は嬉しいよ?」
ホントに?
「これからは、明日香ちゃんに気持ち良いこと、いっぱいしてあげられるから」
……嬉しいのかな?
怖いかも……。
「大丈夫だから」
また繰り返される言葉。
「私に…任せて」
梨華ちゃん…私……。
「うん……お願いね?」
心細いから、梨華ちゃんに全部任せるよ。
- 355 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月03日(木)05時11分30秒
- 毎日楽しみに海板を覗いています。
明日香・梨華の描写はさすがですね。
この2人が両方出てくる小説では一番の面白さです。
ただ実際に頑張っている現リーダーをもう少し頼り甲斐のある
キャラに書いても良いのでは(W
これからも期待しています。
- 356 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年01月04日(金)09時42分12秒
- >>355
あけおめ!
今年も着実更新に挑戦していきたいなと決意したりしてます。
……あくまで決意ですが(藁
現リーダー、次回登場時にはそういう面も書ければと思っております。
他の皆さまも、今年もよろしくお願いします。
- 357 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月04日(金)09時42分51秒
- ホント、可愛い……。
明日香ちゃんは、私より頭一つ分くらい小さいけど、いつもは全然そんなことは
感じたことがなかった。
存在感って言うか、とにかく大きな存在で……。
なのに今の明日香ちゃんは、とてもちっちゃくて儚げな感じ。
でも、そんな明日香ちゃんも大スキ♪
胸の奥が熱いような冷たいような、抱きしめてあげたいって思いでいっぱいになっ
たよ。
私が守ってあげる。
私が? 明日香ちゃんを?
何だか不思議な感じだけど、でもそんな気持ちなの。
- 358 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月04日(金)09時43分40秒
- 好きな人に触れられて感じちゃうのって、全然、変じゃないよ?
私だって、今、ドキドキ、すごい胸が高鳴ってきちゃってるもん。
だから明日香ちゃん。そんなに不安そうな顔しないで。ね?
明日香ちゃんのすごい柔らかいほっぺに自分のほっぺを寄せて、ゆっくりと滑らせ
る。
微かにうぶ毛に撫でられるような感じが気持ちいいね。
そのまま、あごのラインに触れた唇を沿わせて行って、あごの一番先端へ。
ちょっと上にある下唇を、そっとついばむ。
「ん…ぅふ…」
ちょっと開いた唇の間から、色っぽい声が漏れ聞こえる。
う〜…ゾクゾクッてしちゃうよ〜。
- 359 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月04日(金)09時44分16秒
- 今度は上唇を挟み込みながら、手を伸ばしてショーツを脱がしちゃう。
明日香ちゃんもちょっと腰を浮かせてお手伝い。
すぐに手が届かなくなっちゃうけど、明日香ちゃんが自分で右足を曲げて、ちょっ
と引っかけて脚を伸ばす勢いで一気に脱いじゃう。
ほとんど同時に明日香ちゃんも手を伸ばしてきて、私も脱がされちゃった。
二人とも何も着てない、いわゆる「生まれたままの姿」って状態。
キスをしながら、丁度重なる胸でお互いの膨らみを感じて、もっともっと熱くなっ
ちゃう。
- 360 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月04日(金)09時44分53秒
- そっと脇腹の辺りに手を添えると、ビクッて身をよじる明日香ちゃん。
「…ぁ…ぃやっ…ぃやっ…」
唇を離して逃げるように仰け反りながら、ずっと、
「ぃやっ」
って繰り返してる。
ジタバタしてるうちに上へ上へってずり上がってるけど、ダ〜メ。逃がさないも〜ん♪
右手でギュッて抱きしめたら腰の辺りで、丁度、乳首ちゃんが目の前。
パクッて吸い付きながら、左手は相変わらず脇腹をス〜ッ、ス〜ッて行ったり来たり。
「ぃやっ…や〜っ!」
明日香ちゃんの声がどんどん大きく艶っぽくなってく。
それが耳に入ってきて、私も…ゾクゾクッてしちゃうよ〜。
- 361 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月04日(金)09時54分46秒
- だから。
「明日香ちゃん…触って…ほしい?」
大きく胸を上下させて、ちょっと涙目で私を見つめてる。
コクッて肯くけど、
「どこが良い?」
って、まだまだ焦らしちゃう。
「もぉ…」
真っ赤な明日香ちゃんもステキだよ。
「……下の方……」
それじゃ分かりませんよ〜って言いたいけど、私もそろそろ限界で……。
太股の方からジリジリッて指を寄せていく。
花開くように大きくなったそこを、なぞるように指を行き来させる。
「ここ?」
「ぁ…あ…そこ…そこっ!」
眉をギュッて寄せて、苦しそうな、でも気持ちよさそうな明日香ちゃんの表情が
すごい可愛いから、今日はこれで許してあげる。
「ゃ…り…梨華…ちゃん!」
熱くあふれ出てるその中心に、ゆっくりと指を沈めていった。
- 362 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)13時09分25秒
- あけおめ ことよろ!
今年もあすりかを応援しましょう
- 363 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年01月07日(月)01時26分58秒
- >>362
あけおめっす!
今年もヨロシクお願いしまっす。
- 364 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月07日(月)01時27分45秒
- 自分で自分のことを律することもできないまま、梨華ちゃんの指を自分の中
に感じた瞬間に視界が点滅して……。
何か叫んだみたいだけど、そんなことも分からないで、ひたすらに私を突き
動かす衝動に従って、梨華ちゃんにすり付くようにして身を震わせてた。
怖い…怖いよ。
だって、梨華ちゃんとつき合い始めて、だんだん、だんだん感じやすくなっ
て、イッちゃった時の快感も、深く深くなっていってる。
このまま、いつかは正気に戻れなくなるんじゃないかって心配になるほどに。
- 365 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月07日(月)01時28分34秒
- 今もチカチカ点滅してる視界の戻り方が、ものすごくゆっくりに感じる。
「明日香ちゃん、可愛い♪」
最初に目に飛び込んできたのは梨華ちゃんの笑顔で、それはとっても嬉しく
て、ホッとして、ウルッてきちゃって。
「ど…どうしたの?!」
焦った梨華ちゃんの声が頭の後ろから聞こえる。
自分で意識するより先に、梨華ちゃんの肩口に抱きついてた。
- 366 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月07日(月)01時29分25秒
- 「どうしたの、明日香ちゃん?…どっか、痛くしたりしちゃった?」
心配する声に、小さく首を振る。
きっと梨華ちゃんは吉澤のことを思い出して心配してるんだろうけど、そう
いうんじゃないんだよ。
「怖かったの……自分が自分じゃなくなるみたいで…それに…」
そう、「それに」なんだよね。
「私ばっかりなんて、嫌だよぉ」
こういうことで梨華ちゃんに敵わないのは分かってるよ。分かってるけど……。
「何〜? 明日香ちゃん、どうしたの?」
顔は見えなくても、当惑してる梨華ちゃんの様子は伝わってくる。
私、こういうこと自体はやっぱりまだ苦手で、でも梨華ちゃんと触れ合える
ことが嬉しくて……。
だから、私だけ一方的にイッちゃうっていうのは違うって思うんだけど。
梨華ちゃんは……そうじゃないのかなぁ?
- 367 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月07日(月)16時02分47秒
- 指が沈んでいった時、急に私の名前を叫んでギュ〜ンッて仰け反ったから、ホント
にびっくりした。
でもそんな明日香ちゃんも、フワッて遠くを見つめてるみたいで神秘的で、すごい
可愛かったから、ほっぺが緩んじゃうね。
「明日香ちゃん、可愛い♪」
虚ろだった瞳の焦点が、ようやく私に合ったのを覗き込んでそう言ったら、明日香
ちゃんの顔がクシャッて歪んで。
「ど…どうしたの?!」
ガバッて感じで抱きつかれて、ドギマギしちゃった。
でも、可愛いって感じた明日香ちゃんにそんな風にされて、正直、嬉しかったんだ
けど……。
チラッて、よっすぃ〜に襲われた明日香ちゃんが、すごい痛がったのを思い出して
不安になっちゃった。
- 368 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月07日(月)16時04分01秒
- だから、
「どっか、痛くしたりしちゃった?」
って聞いたんだけど、そうじゃなかったみたい。
ブンブンッて感じで、明日香ちゃんは首を振ってる。
なのに、明日香ちゃんは震えてるように感じるの。
「怖かったの……自分が自分じゃなくなるみたいで…それに…」
どういうこと?
「私ばっかりなんて、嫌だよぉ」
???
分かんないよ〜。
- 369 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月07日(月)16時05分01秒
- ん〜……「怖い」っていうのは、私にも分かるの。
最近、明日香ちゃんはドンドン感じやすくなってるから、エクスタシーも深くなっ
てると思うし……。
私だって、初めて本当の深いエクスタシーを感じたときは、怖かったもん。
だけど、明日香ちゃんの言ってるのは、それだけじゃないみたい。
でも、それがどういうことなのか……それが分からなくて。
明日香ちゃんが、何かを悲しんでるってことは確かで、私にはそれが分からなくて。
そんなの絶対嫌だけど、だからどうしたらいいの?っていうのが……。
ね〜教えて、明日香ちゃん。
- 370 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月08日(火)10時12分21秒
- 抱き合ったままの状態で話し続けるのは、何だか恥ずかしいから、梨華ちゃんの
手を引っ張って二人でバスルームへ行った。
お互いに洗いっこして、二人並んで湯船に浸かりながら話の続き。
「大切な二人の時間…でしょ?」
「……うん」
だからぁ、どっちかがどっちを気持ちよくするだけじゃ嫌じゃない?
私はそう思うんだけどなぁ。
梨華ちゃんに、そう言ったら、
「…私は、明日香ちゃんが良かったら、それで良いって思ってたから……」
って首を傾げてる。
- 371 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月08日(火)10時13分40秒
- 「あのね」
私の方を見てる梨華ちゃんの前髪が、パラッて落ちてきて顔にかかったのを、ちょ
いって指で分けてあげる。
「梨華ちゃんは、私のことを思ってくれてるでしょ?」
「うん」
「私だって、梨華ちゃんのこと思ってるんだから。梨華ちゃんのために、やっぱり…
してあげたいなぁとか」
何か梨華ちゃん、眩しそうに私を見てる。
「ありがとう♪」
「え?!…あ、うん」
考えてみれば「梨華ちゃんを攻めたい」って宣言してるのと同じことで……恥ずか
しいよ。
- 372 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月08日(火)10時15分45秒
- 梨華ちゃん、ちょっと期待したような目で私を見てる。
「じゃ、お風呂あがったら…ね?」
え?!
……いや…あの…改めてそう言われると、自信がないよ……。
梨華ちゃんにやり方を「教えて」って言うのも変だし。
「あ…うん…えぇっと……」
どうしよぉ……。
- 373 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月08日(火)17時30分59秒
- 明日香ちゃん、急にしどろもどろになっちゃった。
そりゃそっか。
今までで明日香ちゃんにしてもらったのって、ちゃんとしたのは一回くらいだった
もんね。
「やっぱり、今度にしよっか。今日は明日香ちゃん、疲れちゃったでしょ?」
「……ごめん」
良いんだよ、明日香ちゃん。
ホントに私は気にしないから。
こんなことは、慣れてる方がやったら良いんじゃないかな?
私はそう思うんだけどな〜。
- 374 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月08日(火)17時31分39秒
- でも明日香ちゃん、いつも通り真剣に悩んでるみたいだから、今度は上手くリード
して、分からないように明日香ちゃんのしたいようにさせてあげようかな。
照れくさそうにしてた明日香ちゃん、視線をそらして湯船に口元まで浸かってブク
ブクッてしてる。
う〜〜やっぱり可愛いよ〜!
「明日香ちゃ〜ん!」
「うわわっ!!」
思わず抱きつこうとしたら、明日香ちゃんがバランスを崩して湯船の中にブクブク
ブク〜ッて……。
大変!
明日香ちゃんが溺れちゃう!!
- 375 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月08日(火)17時32分09秒
- 慌てて助け起こしたら、
「ケホッ、ケホッ!…あぁ、死ぬかと思った」
だって。
その言い方と、髪が濡れてペタッとしちゃった明日香ちゃんが幼く見えて、笑っ
ちゃった。
「もう! 何で笑うの?!」
プ〜ッてほっぺたを膨らませてたけど、すぐに明日香ちゃんも笑った。
バスルームに響く二人の笑い声が、とても幸せに響いてた。
- 376 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月09日(水)06時31分37秒
- その日はそのまま梨華ちゃん家に泊まって、次の日、朝早くから仕事の梨華
ちゃんと一緒に駅まで歩いて、一旦、自宅に戻る。
着替えて仕事に出ようとしたら、母さんに捕まった。
「ここのところ、外泊しすぎでしょ。今日は真っ直ぐ家に帰ってきなさい!」
だって。
確かに続いちゃってるもんねぇ。
仕様がないか…梨華ちゃんにはメール送っとこう。
そしたらすぐに返信が来た。
『え〜! 寂しいよ〜!!…でも、仕方ないね。その代わり、いっぱいメール
と電話ください。絶対だよ!☆☆梨華☆☆』
私もすぐに返事を送った。
『ごめんね。メールと電話、必ずするよ。でも、心にはいつでも梨華ちゃんが
いるさ。なんちゃってね。from 明日香』
- 377 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月09日(水)06時32分16秒
- それからずっと、暇があったらメールのやりとりをしてた。
内容は、他愛もないことばっかり。
『また保田さんに怒られちゃったよ〜』とか、
『明日香ちゃん、お昼何食べた?』とか。
そんな一つ一つが嬉しくて、返事を書けることが幸せだった。
一日、仕事を終えて言いつけ通りに真っ直ぐ帰宅。
たまには親を安心させてあげなきゃね。
夕食を食べてから、部屋に戻る。
一人になってベッドに横になると、梨華ちゃんのことが頭に浮かんでくるよ。
チラッて、胸についてるだろう梨華ちゃんのキスマークのことを思い出した
り。
- 378 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月09日(水)06時33分02秒
- 当面の問題は……やっぱり、このまま受け身で良いのかってことで、でも、
そんなことが一人で考えて解決するはずもなくて……。
と言って、誰かに相談するって言ってもねぇ。
なっちにこんなこと話したら大騒ぎになるだけだし、圭ちゃんは顎を指で
掻いて困った顔で考え込んじゃうだろうし、圭織は……やっぱ駄目だよねぇ。
まぁ、裕ちゃんしかいないかって思って、電話してみたけど……。
『お〜、明日香かぁ? 裕ちゃん、今えぇ気持ちなんよぉ。明日香も飲みに…』
何も言わずに速攻で切ってやった。
ん〜〜…酔った裕ちゃんに相談なんて出来やしない……。
後、私たちのこと知ってて、かつこういうことに詳しそうなのって……。
もう思い浮かぶのは一人だけ。
吉澤かぁ。
確かに詳しそうなんだけど…昨日も何か意味深なこと言ってたし…どうした
もんかなぁ。
- 379 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月10日(木)07時09分14秒
- 夜中に近くなって、やっと収録が終わった。
急いで明日香ちゃんに電話。
「もしもし、明日香ちゃん? 今、仕事が終わったの〜。メール、返事送れな
くてごめんね〜」
『ううん。仕事、お疲れさまだね。帰り、気を付けてね』
声を聞いたら切なくなってきちゃった。
「明日香ちゃん家に行きたいよ〜」
『……ごめん』
私のバカ!
寂しいのは明日香ちゃんも同じなのに……。
「ウソ、ウソ。行ってみただけだから。でも、今後また行きたいな〜」
『タイミング見て、絶対ね』
焦って言ったら、こんな明日香ちゃんの返事が返ってきて、一転して舞い上
がりそうになっちゃった。
やっぱり私、明日香ちゃんから元気をもらって生きてるね。
「ホントだよ?…じゃ、帰り支度しなくちゃいけないから。家に着いたら電話
しても良い?」
『待ってるよ。じゃ、ホントに気を付けて帰ってね』
「うん。それじゃ」
- 380 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月10日(木)07時10分57秒
- 電話を切って、急いで着替え始める。
「梨華ちゃん、何ニヤニヤしてんの?」
振り返ったら、よっすぃ〜が私を見て笑ってる。
ムカッ!
明日香ちゃんの胸のキスマークを思い出して、よっすぃ〜を睨んじゃう。
「別に。よっすぃ〜こそニヤニヤしてるじゃん」
私の不機嫌なんか気にする様子もなく、一歩、二歩近づいて来た。
「見つけたんだね。キスマーク」
何か見透かされてるみたいで、すっごいイヤな感じ。
「何であんなことするの?…ひどいよ」
私も小声で、それでも突っ掛かるように言ったら、よっすぃ〜はさも心外だっ
て感じ。
「ひどい? お二人の刺激になればって、良かれと思ったんだけど」
刺激?
「冗談も休み休みにしろ!」って言いたかったけど、よっすぃ〜の表情から
は本気で言ってるとしか思えなかった。
「…本気でそんなこと言ってるの?」
「何で? 本気だよ? ドキドキしなかった?」
……開いた口がふさがらないって、こういうこと。
- 381 名前:チャーミー石川 投稿日:2002年01月10日(木)07時11分56秒
- ため息つくしかないよね。
「もし明日香ちゃんが気づいてたら、きっとショック受けてたんだから! 絶対
にナイショだからね?」
「へぇ、気づいてなかったんだ。ま、場所が場所だったからね」
呑気なこと言ってる。
「絶対にナイショだからね!」
もう一回、釘を刺したら、
「はいはい」
って、ちょっと首をすくめて私から離れて、そのままドアのところで待ってた
ごっちんと手をつないで出て行っちゃった。
手をつないでねぇ……あの二人の仲が進展したのは、まぁ、良いことで、そ
れも明日香ちゃんのお手柄だけど……。
「はぁ〜……」
何か、またため息が出て来ちゃった。
- 382 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月10日(木)12時44分21秒
- よっしーを信用していいのか
まだかなり疑問符が・・・・
- 383 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)04時34分28秒
- >>382
明日香&梨華ちゃんには、疑いつつも踏み込んでもらおうかなと(藁
- 384 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)04時35分08秒
- はっきり言って、吉澤に相談するなんて気乗りしない。
今まで、あれだけ振り回されてきたんだから。
何考えてるか未だによく分からないし。
でも…そういうのを横に置いて考えれば、条件はピッタリなんだよねぇ。
まず、今回の相談内容…セックス…については、その気になればかなり詳し
いみたいだし。
皮肉なことに、振り回されてきた分だけ、お互いの状況もよく分かってるし。
私たちに対してはともかく、相手を大切にしたいって思いは、まぁ、共有で
きそうだし。
取りあえず、現状では関係修復してるわけだし。
- 385 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)04時35分41秒
- でも…でもなんだよぉ。
吉澤に弱みを見せるの、何だかしゃくでたまらない。
大体、何て聞けばいいのさ?
そんな風に電話を手にしながら迷ってたら、急に着メロが鳴り出してビクッ
てしちゃった。
しかも、その当の本人からかかってきてたから。
『もしもし?』
吉澤の声を聞くと、今でもちょっと圧迫感を感じる。
それもあって、相談するの躊躇っちゃうんだよ。
「…どうしたの。今更あんたから電話かけてくるとは思わなかったけど」
『アハハ…昨日、盛り上がったのかなぁ?って気になったからさ』
- 386 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)04時36分33秒
- そうだった!
こいつ、梨華ちゃんに何したんだ?
「一体、何したの?!」
勢い込んで聞いても、吉澤の方はいたって平静なもの。
『今日、梨華ちゃんにすごい勢いで口止めされたから、ナ・イ・ショ』
こ…こいつ。
『でもまぁホントのところ、梨華ちゃんに何したって訳じゃないからさ。心配
めされるな』
「本当だろうね」
『ホント、ホント。今はごっちんとラブラブで、それどころじゃないからさ』
「…それは、ようございましたね……」
ごっちんと上手くいってるのはいいけどささぁ……やっぱりこいつが何考え
てんだか、さっぱり分からない。
- 387 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)04時37分20秒
- 『でも今日の梨華ちゃんの様子だと、盛り上がったみたいで、大変結構』
電話の向こうで肯いてるらしい。
昨日のことを思い出して、胸の奥がシクッて痛む。
「…あ…あのさぁ…そのことなんだけど……」
反射的に言葉が口をつく。
『??? 何か?』
やっぱり…でも……えぇい! 聞いちゃえ!!
「昨日…私だけ、その…イ…イッちゃってさ、それで……」
電話を握りしめて、これ以上ないくらい赤面しちゃってる。
『私に梨華ちゃんのイカせ方を教えてほしいわけ?』
サラッと言えちゃうところに期待を持ってしまう私は…かなり追い込まれて
るなぁ。
「ま…まぁ…そういうこと」
『ふ〜ん…じゃ、手取り足取り?』
え?!
て…手取…足取り?
「やややや、そうじゃなくって」
もう焦りまくりで、毛穴が一気に開いたみたいに汗が噴き出す。
- 388 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)04時38分24秒
- 『何だ、残念。また可愛いとこが見られるかと思ったのに』
アッケラカンと笑ってる。
何てことを言うんだ、こいつは!
やっぱり相談なんてするんじゃなかった。
「もういい! 用事がないんだったら、もう電話切るよ」
『何怒ってんだよ。ったく…そもそも悩むようなことでもないし。梨華ちゃん
の場合、耳とか攻めればすぐじゃん』
それは……そうなんだけど。
でも、それも何か違うような気がするんだよ。
ただイカせちゃえば良いって訳じゃなくて……。
大体、こいつが梨華ちゃんの弱いところを知ってるっていうことに腹が立つ。
- 389 名前:焼き銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)04時40分56秒
- 「もういいって! 自分で何とかするから」
イライラしながら、ぶっきらぼうにそう言う。
『おぉ怖っ。ま、焦んなきゃいいんだよ。慌てず、ゆっくり、ソフトタッチ』
やっとアドバイスらしきものをしてくれたけど。
「…でも…その間に私の方が……」
『いいじゃん。別に競争って訳じゃないんだし。ま、せいぜい頑張ってみてよ。
じゃ』
「あ! もしもし?」
言うだけ言って、さっさと切っちゃった。
一体何の用だったんだろう?
いいように遊ばれたような……。
でも…ちょっとは気休めになったかも。
一応、感謝しておこうかなぁ。
- 390 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月11日(金)08時07分12秒
- そろそろ新スレ移行?
- 391 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)14時16分35秒
- >>390
もう少し余裕はありそうですけど、ご指摘に従って新スレに移行しました。
どうぞ、変わらぬご愛顧を。
新スレ
「あすりか4」
- 392 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年01月11日(金)14時18分04秒
- すいません。新スレのURLが抜けてました。
改めまして
「あすりか4」http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=sea&thp=1010726149&ls=25
Converted by dat2html.pl 1.0