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蒲公英館の殺人

1 名前:コッペパン 投稿日:2001年10月19日(金)00時49分56秒
初小説です。
一応話の筋はやぐちゅーが軸になるかと思います。
ですが、題名の通り、ミステリ混じり。
あと、ちょっと話はエグイかも。

ちなみに蒲公英=タンポポ
2 名前:プロローグ 投稿日:2001年10月19日(金)00時52分52秒
     中身の薄い本を書く人は、他人の作品で肉付けをする。

  ―Robert Burton(1576-1640)

むかしむかし、あるところに、4にんの女の子が住んでおりました。
女の子が山であそんでいると、しらない男の人があるいていました。
どうやら、道にまよってしまったようです。
女の子は、その人をおうちにつれていって、とめてあげました。

その男の人はお礼にたからものを女の子にあげました。
その人は他にもたくさんのたからものを持っていました。
もっとたからものがほしくなった女の子たちは、
その人をころしてしまいました。

おんなのこたちはそのたからもので、おおがねもちになりました。
でも、わるいことをした4にんは、あくまからばつを受けてしまいました。

ひとりめはからだがはんぶんこ。

ふたりめはおくちがまっかっか。

さんにんめはみずでおなかがいっぱい。

よにんめはおおきなおとでふきとんじゃった。

むかしむかしのおはなし。
3 名前:名無し男 投稿日:2001年10月19日(金)01時17分37秒
GYAAAAAAAAAAH!!!!!!
4 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月19日(金)11時26分36秒
作者さんって島田荘司とか綾辻行人が好きじゃないですか?
いや、なんとなくですけど・・・。期待してます。
5 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月19日(金)14時08分07秒
やぐちゅー好きなので楽しみっす。
6 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)01時58分32秒
2001年 8月8日 AM15:00

夏は、暑い。

当たり前のことだけれど、この季節はいつもそれを実感させられる。
今この瞬間も、焼けつくような熱気が、私の小さな体を突き刺す。
木陰にいても、その暑さはまるで緩む事がない。

私の名前は、矢口真里。
現在、18歳。
自分ではイマドキの女の子のつもり。

けれど、そんな私が今いる場所は、渋谷でもなければ原宿でもない。
ここは、山の中。
人の行き交いは全くなく、車は一時間前に一台通っただけ。
それから道に沿って歩き続けてはいたけど、家一件見あたらない。

「一体ど〜してこ〜なったんだろねぇ?」
私が木に寄り掛かりながら言うと、その張本人は実に気楽な調子で答える。

「さぁ、なんでやろ?」
「お前のせいだ!バカ裕子!!」
私は思いっ切り声を張り上げた。

「誰がバカやねん!」
「裕ちゃんが『ちょっと寄り道していこか』なんて言わなきゃこんな事にはならなかったじゃんか!」

7 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)02時06分44秒
「何や矢口ぃ、ウチのせいや言うんか?」
「結果論だけど、そういうこと!」
「ひ、酷いわぁ矢口…シクシクシク」
「泣いてもダメ!あと笑ってもダメ!!」
すでに次の行動に移る準備をしていた裕ちゃんの先手を打って私は怒鳴った。
「いや、人の扱い上手なってきたなー。やっぱ矢口はお利口さんやな、よしよし」
そう言いながら裕ちゃんは私の頭を撫でてくる。

「は、話をそらすなぁ!大体、何でさっきの車に乗せてもらわなかったんだよぉ!」
「そりゃあ決まってるで」
そう言うと裕ちゃんは無い胸を必要以上に張って、
「乗ってんのがカップルだったからや!」
自信満々にそう答えた。

「…」
「お、どうした、あまりの感動に言葉も出んの?」
「バカ!バカ裕子!!」
「だから、バカちゃうわ!バカ真里!!」
「何だよ!バカ裕子!!バカバカバカ!」
8 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)02時27分22秒
そうやって私たちが言い争いを始めたまさにその時、黒塗りで縦に長い、一台の車が坂の向こうから近づいてきたのに私は気付いた。

「裕ちゃん、あれあれ!」
「ん…?おっ、車や!しかし偉くリッチやんか、なぁ?」
「今度は絶対乗るからな!乗ってるのがカップルでもアベックでも」
「いやー、これが縁で玉の輿に乗れるかもしれんでぇ?」
「何でもいいから、合図する!」
「わかってるて…おーい」
「おーい」

すると、車は私たちに気付いたようで、速度を落としてこちらに向かってくると私のすぐ側で止まった。
「かーっ、こんな車山奥で見るとはおもわんかったわ。な、矢口ぃ」
物欲しそうな目をしながら隣で裕ちゃんが呟いた。

「リムジン、ねぇ…」
いくら車に疎い私だってこの車ぐらい知っている。
映画女優が出てきそうな車ナンバーワン?違うかな?

「ま、でも確かに金持ちの坊ちゃんが乗ってる可能性はあるけど、ねぇ…」
事実、この車は私達にそんな幻想を抱かせるには十分だった。
けれど、そんな私達の妄想は、後部座席の窓が開いたときにあっさりと打ち砕かれてしまった。

「あの〜、何してるんですかぁ〜?」
9 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)02時40分03秒
窓が開き、そこから聞こえてきたのは、およそ外車には似合わない素っ頓狂な声、おまけにその服。
外車よりメリーゴーランドとかコーヒーカップ向きというか…
なにかこう、全体的に幼い印象を相手に与える。まあ、それは私も同じなんだけど、違うところが一つだけ
あって、それは
(ム、ムネが…私より大き…)

…それは見なかったことにしよーっと。

ともかく、その不思議な女の子と、私たちは今山奥で対面している。
(でも、現地の人には違いないだろうし。近くの温泉ぐらい知ってるっしょ?)
そう思った私は一縷の望み(やや大袈裟かも知れない)を賭けて、その女の子に尋ねてみた。
「あ、あのさ〜、この辺でどっか家とか知らない?人がいれば何でも…」
「家ですかぁ〜?」やっぱりおかしなトーンで女の子が答える。

「だったら〜、ウチに来るといいですよぉ〜」
「え!?いいの?」
「はい!部屋も全然余ってますから泊まっても構わないですよ〜」
10 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)02時47分19秒
…ひょっとして、これは神様の助け?普段ヤグチがとってもイイコにしてるから?

正直、もう歩くのは嫌だったし、その日の内に帰る気力も無かったから、結局どっかに泊まることになると思ってたので、私にとって女の子の意見は、願ってもないものだった。
そう思うと、このちょっと不思議な女の子も、とたんに女神様に見えてくるから不思議。

「じ、じゃあ、ひ、ひょっとしてこのリ、リム…」自分でも声が震えているのはわかったけど、そんな事は気にならなかった。
「あ、ど〜ぞ。乗って下さぁ〜い」
「ひゃっほぅ〜!」思わず座席に飛び乗る私。こういう時は自分の背の低さがちょっと嬉しくなる。座席の跳ね返り具合も、やっぱり大衆車とは違う。
「じゃあ、行こ。すぐ行こ。早く!しゅっぱ〜つ!」
「あの〜」
「え、どうしたの?」
「あっちの人は、いいんですかぁ〜?」
言いながらの女の子が指差した方には、いつのまにか拗ねて木の陰でフテ寝している裕ちゃんの姿があった。

「…ゴメン、ドア開けて」
言いながら、私ははぁ、と溜め息を吐いた。
11 名前:コッペパン 投稿日:2001年10月21日(日)03時01分09秒
>>3
ぎゃあああ…ですか(w

>>4
もうバレた。題名でバレますか。なにせ他にまともなタイトルが思い付かずで…済みません。

>>5
ご期待に添えるように精一杯努力しますので、それなりに見守ってやってください。
12 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)19時43分20秒
そのあと、何とか裕ちゃんをなだめるのに成功した私たちは、この偶然出会った親切な女の子の車に乗ってさらに山奥に入っていった。
リムジンが前に進むごとにガクンガクン、とその車体が大きく揺れる。

(高級車も山道は揺れるんだね)

私はそう思いながらあらためて女の子の横顔に目をやった。
さっきはちょっと動転していて気付かなかったが、なかなかに整った顔立ちをしている。大人しくしていればかなりの美少女で通るはずだ。

「いや〜、大変なんです〜街に出るのって〜。車がこんな大きくて〜、他の運転手さんも〜、いつもこっちが信号無視してるのに止まってくれるんですよ〜」
…どうも、大人しくするのは性格的に無理みたい。
まぁ、私が言えた義理じゃないけどね。

「そ〜言えば、あんたの家って旅館でもやってるの?」
私はふと気になった事を女の子に尋ねてみた。
「ぜんぜ〜ん、普通の家ですよ〜」
「普通のウチの子がこんな車乗るわけないじゃん。お父さん何やってんのさ?」

私がそう言った瞬間、女の子の瞳が少し曇った、ように見えた。

しかし、それも一瞬のことで、女の子は笑いながら、
「お父さん死んじゃいましたぁ〜」
そう答えた。
13 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)23時18分52秒
「え?…そっか、悪いこと聞いちゃったね」
「気にしてませんよ〜。お母さんも死んじゃいましたけど〜別に悲しくないですし〜」
女の子は大したことじゃない、とでも言いたげに手を振って答える。

「それに、家には他にも人いますから苦労はしませんし〜…あっ、そ〜だ!」
そこまで話してから女の子は今思いだした、という風にポンッ、と手を叩いた。

「まだ自己紹介してませんよね〜?わたくし〜、加護亜依とも〜しますぅ〜」
そう言うとその女の子、加護亜依は目をぱちくりさせながら私に笑いかけた。

「あ、そっか、えっと、私は矢口真里、でー…」
そう言いながら私が振り返ると、裕ちゃんはすでに窓に寄りかかり、すーすーと寝息を立てていた。
眠りながらも、寝言で何か呟いているようだ。
耳を澄ませてみると、何とか聞くことができた。

「玉の輿…ああ玉の輿…玉の輿…」

…ダメだこりゃ。
14 名前:第一章 投稿日:2001年10月21日(日)23時52分14秒
「…とりあえず、そっちで寝てるのが中澤裕子です」
私は溜め息をつきながら紹介する。
「変わった人ですねぇ〜」加護は、けれどもこの変人がお気に召したようで、寝ている裕ちゃんの頬を指でぷにぷにとつついたりしてる。

「まったく…お〜い、バカ裕子!起きろぉ〜!!」
「…んーもうアカン…もう飲めんて」
「誰も飲んでないって!ほら!!起き…って、うわぁっ〜!」
私が裕ちゃんの肩に手をかけた瞬間、車が急停止する。
その反動で私の唇が、自然に裕ちゃんの唇に…
そしてそのまま、

…チュッ☆
15 名前:第一章 投稿日:2001年10月22日(月)00時14分17秒
「きゃうああぁぁ!」
私は思わず身を引いてよじる。

すると、突然眠っていた裕ちゃんが、
「んー、ごっそさん」
と、舌なめずりをしてそう言う。

「バ、バカ裕子!お前起きてたな!!」
私が言うと、裕ちゃんは嬉々とした表情で、
「バレた?いや、こんな山道やねんからが多分どっかで思いっ切り揺れる思ってな。
そしたら思いっ切り『ぶちゅ〜』しよ、なーんて…どや?この見事な推理力」
そう答える。
16 名前:第一章 投稿日:2001年10月22日(月)00時18分03秒
「…でも、口と口になったのは予想外でしょ?」
「まさか」
私の言葉に、裕ちゃんは首を横に振る。

「そんな確率の低い事するかいな。死角になるように後ろからそ〜っと押したんやて。矢口は敏感なトコと鈍感なトコがあるからなぁ」

そこまで裕ちゃんが話すと、突然加護が口を挟んだ。
「あのぉ〜、敏感なトコってどこですかぁ?」

私はその言葉に凍りついたが、裕ちゃんは顔ににやけた笑いを浮かべて言う。
「んー、そやなぁ、加護ちゃんにも教えたろか?」
「はい!」
何も知らない加護は澄んだ瞳で裕ちゃんを見つめている。
「くぅ〜、自分も可愛いなぁ?」

(ああ…また始まった…裕ちゃんの両刀病が…もう何を言ってもムダだね…)

私がそう思って眠りにつこうとすると、突然、コツコツ、と窓を叩く音がした。
見ると、窓の外に少女が立っている。
17 名前:第一章 投稿日:2001年10月22日(月)00時19分54秒
「亜依ちゃん、亜依ちゃん」
彼女はどうもさっきからそうやってずっと窓を叩いていたらしい。
実に健気なことだ。
そして、どうもそれは、加護に対しての呼びかけみたい。

「亜依ちゃん、亜依ちゃん」
何度も呼ぶその声に、呼ばれた加護がようやく振り返る。

「あ、よっすぃ〜」
『よっすぃー』と呼ばれた子はその声を聞くと、気付くの遅いよ、と言わんばかりに肩を竦めた。
18 名前:第一章 投稿日:2001年10月23日(火)00時13分48秒
「へぇ〜、じゃああなたは『お手伝いさん』なんだ?」
「そーっすよ」
車に乗り込んできたその子は、口に何か入れているような、いやにくぐもった声で答える。

裕ちゃんはと言うと、この子には興味が湧かないのか、窓の外の景色をじっと眺めている。それはそれで静かになるから、とてもありがたいけど。

でも、お手伝いがリムジンなんかに乗っていいのかな?

私のそんな考えを察知したのか、横から加護が
「よっすぃ〜は〜、お手伝いさんだけど〜、友達なんですよ〜」
よくわからないフォローを入れる。
19 名前:第一章 投稿日:2001年10月23日(火)00時16分29秒
「で、えっと…『よっすぃ〜』の、本名は?」
「あ、吉澤です。吉田の吉に難しい方の澤。で、ひとみ」

声質はアルト気味で渋め。
背も高くて、その外見と声とがやけに似合っている。

これでお手伝いだったら、ヤグチはいったい何なんだ?

「ふーん…とてもそうは見えないけどなぁ?」
私がそう言うと、吉澤は茶色がかった髪に手をやって、
「いやー、よく言われるっす」
と、大きな笑い声をあげた。

…どうも声のイメージと合わないなぁ。
でも、むしろそれが彼女の魅力なのかな?
20 名前:第一章 投稿日:2001年10月23日(火)00時22分54秒
「あ、そ〜いえば、よっすぃ〜はあんな所で何してたの?」
加護が吉澤の方を向いて訊ねる。

「いや〜、買い出しに出てたら館から電話があって、その、出たらしいんだなコレが」
「これ?」
私が聞き返すと、吉澤はにやーっとした笑いを浮かべた。

「コレですよ。コ・レ」
そう言って胸の前に両手をだらーんと垂らす。

これって…まさか…

「オ…オバケ!?」
「ピンポーン」
21 名前:第一章 投稿日:2001年10月24日(水)23時15分33秒
その言葉を聞いた瞬間、私は軽い眩暈を覚えた。
実をいうと、私はオバケとか幽霊とかその手の話がとても苦手。
しかも、苦手なのに結局聞いちゃうから余計怖い思いをするんだよねぇ…。

「ま、田舎には良くある話っすよー。何でも、寺田某っていうお侍が、この辺に落ち延びてきたらしくて。それで…」
「それで…?」
「詳しくはわからないんですけど、その侍は目も眩むような宝物を持っていたらしいんです。で、村の人がその人をよってたかって殺しちゃったらしいんです。
それ以来…夏になると山の中を般若の面を付けた侍の亡霊が『首ねぇか…首ねぇか…』
なーんて。あ、そうそう!伝承にちなんだ童歌なんかもあるんすよ。えっと…」
「よっすぃー」
吉澤がそこからさらに喋りだそうとしたその時、突然醒めた声が車内に響く。
その声の主は加護。
けれど、今までのひょうきんな笑顔は失われていて、むしろ相手に冷たい印象すら与えるような目で吉澤を見据えている。
「あ、ゴメン…」
吉澤はその眼差しに気付いて急に黙り込んでしまい、結局この話はこれで打ちきりになってしまった。

この時の事を思い出すと、私は今でも心が痛む。
もし、吉澤の話を最後まで聞いていたら、あの悲劇は防げたかも知れなかったから。
22 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月03日(土)12時26分28秒
だいぶ下がったので続き書かしてもらいます。
23 名前:第一章 投稿日:2001年11月03日(土)12時40分59秒
「それにしても…オバケかぁ…」
「いや、そんな気にしなくて平気ですって。なんか変に怖がらせてスミマセン」
私が落ち込んでいるのを見て、吉澤が申し訳なさそうに頭を下げる。

「いやー、そんなん気にせんでええでぇ、吉澤サン」
いつから私たちの話を聞いていたのか、それとも最初から耳を立ててたのか、裕ちゃんが突然話に割り込んでくる。
「もう、このコは昔から怖がりやってんから、困ってんねん」
「あ、そーなんですか?」

「裕ちゃんだって結構ビビリじゃんか〜」
「そんなこと無いっちゅーねん」
「え〜?小心者のクセしてよく言うよ〜」
「誰が小心者やねんて」

そんな私たちのやりとりを見ていた吉澤が突然大きな笑い声をあげた。
「ど、どしたの?」
私は心配になって訊ねる。

「あ、すみません。なんか仲よくって羨ましいな、って」
吉澤が笑いながら言う。

「ははっ、よく言われます」
「お前が言うなよ!バカ裕子!!」
24 名前:第一章 投稿日:2001年11月03日(土)13時18分44秒
「あの〜」
それからしばらくして、加護が、私の方を向いて言った。

「もう見えてきましたよ。ウチの家」
「え、どれ?どれ?」
「ほら、あの四角いやつです」
そう言われて私が窓の外を見ると、たしかに少し先の方に森に囲まれた二階建てのような建物が見える。
「ほら、やっぱデカいじゃん」
「そうですかぁ?」
「デカいよ〜!」
私が言うと加護はそうかな、と首を傾げる。

「大きいことはイイことだ〜、って昔から言うやん、別に恥ずかしいことやないで」
「そうそう」
「あ、でも矢口は小さい方が可愛いで」
「だから裕ちゃんは一言多いっつーの!」
25 名前:第一章 投稿日:2001年11月03日(土)13時20分55秒
そうこう言っている間にどうやら門の前に着いたようで、車が少しずつスピードを遅めていく事に私は気が付いた。窓から覗くと、その門も、日本の料亭みたいなものではなくて、西洋の城のような石造りの物だ。ご丁寧に、門の周りには幅は狭いがお堀まである。

車が門の前に着くと、どこからか、ごごご、と唸る機械音が聞こえてきた。
多分、門を開く歯車か何かの駆動音だろう。
その音と連動して、ゆっくりと門が開いていく。

「はぁ…」
「こら凄いわ…」

「中澤さぁん、矢口さぁん」
呆気にとられている私たちに追い打ちをかけるように、加護が言う。

「ようこそ、蒲公英館へ!」
26 名前:読んでる人 投稿日:2001年11月04日(日)15時26分57秒
お、やぐちゅー発見!!
話も今後、更におもしろくなりそう!!
期待大!!
27 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)23時09分16秒
ま〜だかな〜。う〜、早く続きを・・・。
28 名前:読んでる人 投稿日:2001年11月26日(月)17時18分46秒
続きは?
もしかして放棄?

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