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つまらない校誌
- 1 名前:名前の無い作者 投稿日:2001年10月27日(土)10時58分50秒
- 授業中なのに机の周りにかたまっている数人の男子。
教室全体もちょっと騒がしい。
今日は後期委員の決定をしているのだ。
――「俺」の運命はここから少しずつ動き始めた…。
… … ……
「ジャン、ケン、ポンッ!!」
……「うわ、負けた!」
――俺の名前は風間 博人(かざま ひろと)
どこにでもいる平凡な高校2年生。
さっきのジャンケンはというと…
うちの学校では毎年2年生が年1回の校誌を発行している。
運悪くその担当委員になってしまった(´д`;)
この編集作業、2ヶ月間の缶詰状態な挙句、まったく見返りが無い。
配布された日にゴミ箱に入るような本だ。
博人<「ああああああ、ついてねえなぁ…(そういや、各クラスから男女一人ずつ出るんだったよな…パートナー誰だろう?)」
…んー?
不意に後ろから俺を呼ぶ声が聞こえる…。
??<「あ、博人君が担当なの?よろしくね!」
そこにいた見慣れた女子。
- 2 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)11時01分30秒
- 博人<「なんだ、吉澤か…。」
吉澤<「あ〜! 何か文句あるのぉ?」
――彼女の名前は「吉澤 ひとみ」不思議な事に幼稚園からずっと同じ学校、
同じクラスだった。友達とは呼べる仲だが、それだけだ。
家も近いし、幼なじみとも言うかな。
口調はつっかかってきているが、表情はずっと笑顔のまま。
人気ワースト1の仕事なのになんで笑顔が作れるのやら。
博人<「文句なんか言ってねえって(笑) よろしくな!」
吉澤<「うんっ!」
- 3 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)11時02分08秒
- よろしくとはいってはみたものの
先を考えただけで鬱になる。
これから2ヶ月間、ずっと編集作業だ(;´Д`)
博人<「(今10月の終わりだから……げ、年末まで拘束かYo!)」
<「(まあ…吉澤となら気まずくもないけど…ハァ)」
吉澤<「えっとねー…。」
話によれば明後日から早速始まるらしい。
博人<「オッケー(容赦ねえなオイ(゜゜;) )」
さっきからずっと吉澤が喋っているが、
重要な事は言い終わったらしく他の女子も絡んでいる。
博人<「吉澤ぁ、俺もう帰るわ。じゃあな! (…今日は早く帰ろう )」
吉澤<「あ…。うん、またね!」
俺は適当に話を切り上げて教室を後にした。
- 4 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)11時10分11秒
- 長期の吉澤小説です
- 5 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月27日(土)16時18分33秒
- がんがん頼みます!!
- 6 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時14分02秒
――2日後。
校内アナウンス<「……委員の方は会議室に集合して下さい。」
放課後に集合がかかった。
博人<「しょうがない、行くか。」
…
会議室に入ると、そこには既に大半の人が集まっていた。
クラスごとに席に座るので、俺は既にきていた吉澤の横に座った。
吉澤<「博人君遅いよ〜〜。」
博人<「あー悪い悪い。」
吉澤とこんなに間近に話をするのも何年ぶりだろう…。
委員長<「全員集まったようなので始めます。
では、最初に私の方から各クラスのメンバーの名前を紹介程度で発表します。」
吉澤もいつのまにかオトナっぽくなったなあ…。
委員長<「まず2年1組。男子は・・・・・君、女子は私、飯田圭織、今回委員長努めさせてもらいます。
みなさんよろしくお願いします。」
博人<「(お、可愛いな…けど…) 」
どうしても吉澤を見てしまう…なんか気になるな。
飯田<「2年2組…………2年3組…………。」
そんな俺に吉澤が気付いた。
吉澤<「どうしたの?さっきから話聞いてない感じだけど?」
やべっ
- 7 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時18分02秒
- やばい、適当にごまかさねば!
博人<「いや、なんでもない…なんか外が気になって
(お前の顔見てたなんて言えねえ…) 」
吉澤<「もう、ちゃんと聞かないとだめだよー!」
博人<「はいはい。(危なかった…)」
やばいやばい。意識しすぎた(汗
飯田<「2年5組………2年6組………」
真面目に前を向いていても…
暇だな……さっさと帰りたくなってきた。
- 8 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時33分34秒
飯田<「2年7組女子、後藤真希さん。」
博人<「 (ブッ) 」
俺は血の気が一気に引いた。
そう、後藤真希という名前を聞いてから…。
――1ヶ月前
放課後の階段で俺達は二人っきりになっていた。
博人<「後藤さん、俺と…付き合ってください!」
一瞬沈黙した。
後藤<「そんな……… …明日返事…だめ?」
博人<「あ、う、うんっ。待ってるから…。」
そう、俺は後藤真希に告白したのだ。
この時は駄目だと思ったが…
- 9 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時40分30秒
飯田<「2年7組女子、後藤真希さん。」
博人<「 (ブッ) 」
俺は血の気が一気に引いた。
そう、後藤真希という名前を聞いてから…。
――1ヶ月前
放課後の階段で俺達は二人っきりになっていた。
博人<「後藤さん、俺と…付き合ってください!」
一瞬沈黙した。
後藤<「そんな……… …明日返事…だめ?」
博人<「あ、う、うんっ。待ってるから…。」
そう、俺は後藤真希に告白したのだ。
この時は駄目だと思ったが…
- 10 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時43分20秒
-
――翌日
後藤<「私でいいなら…」
結果はOKだった!俺は舞い上がりそうな自分を抑えるので必死で、
その後何を言ったかは覚えてない。
本当に幸せの絶頂というか、最高だった。
が……。
――2週間後
…俺達は別れる事になった。
理由は一つ、真希に…他に好きな男ができたのだ。
元々こっちから突然言ったからしょうがないのかもしれない。
そう思うしかなかった。けど……
博人<「チクショオオオ…」
俺は翌日学校を休むほどへこんだ。
…一方的に振られるというのはダメージが大きすぎた。
―
- 11 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時50分59秒
-
――翌日
後藤<「私でいいなら…」
結果はOKだった!俺は舞い上がりそうな自分を抑えるので必死で、
その後何を言ったかは覚えてない。
本当に幸せの絶頂というか、最高だった。
が……。
――2週間後
…俺達は別れる事になった。
理由は一つ、真希に…他に好きな男ができたのだ。
元々こっちから突然言ったからしょうがないのかもしれない。
そう思うしかなかった。けど……
博人<「チクショオオオ…」
俺は翌日学校を休むほどへこんだ。
…一方的に振られるというのはダメージが大きすぎた。
―
- 12 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時51分41秒
- 連続投稿(汗
>>11は無視してください(汗
- 13 名前:作者 投稿日:2001年10月27日(土)23時54分08秒
そのショックをやっと忘れてきたが、
やはり顔を合わせたくなかった。
それが……一緒の仕事に当たるなんて…。
飯田<「2年9組男子、風間博人君 女子、吉澤ひとみさん」
正直、自分の名前を呼ばれたくなかった。
博人<「(こんな事になるとは…やっぱり最悪だ)」
その後の話は全然頭に入らなかった。
委員長の話す言葉も、吉澤の小話も。
飯田<「では今日はこれで終わりです。これから一緒に頑張りましょう。」
やっと終わった…
と、帰ろうとする俺を呼びとめる声が
- 14 名前:作者 投稿日:2001年10月28日(日)00時02分13秒
-
博人<「ん?」
吉澤<「ねえー、博人君、ひさびさに一緒に帰らない?」
一人で帰りたかったが、家近いし結局は同じなんだよな…
博人<「あぁ、いいよ(もうなんでもいい…鬱だ)」
吉澤<「やったぁ。エヘヘヘ」
――帰り道
吉澤<「ほんとに久しぶりだねー一緒に帰るの。
何年ぶりだろうね〜。」
博人<「そうだなあ、小学校も最初の方は一緒だったなあ」
他愛の無い話だが、なんとなく癒された。
一緒に帰って良かったな。と思った所でお互いの家についた。
吉澤<「また明日!バイバーイ〜」
博人<「おう、またな。」
――こうして、波乱含みの2ヶ月が始まった――
- 15 名前:作者 投稿日:2001年10月28日(日)00時17分28秒
――翌日の放課後。
早速の初仕事。
最初、俺は吉澤と組んで先生に話を聞いて、それを文章化するらしい。
吉澤<「博人君、はやくいこっ!」
博人<「(元気だなコイツは…)おー。」
…
先生<「今頃の生徒は…………とか…………等を直さないと…
あと、校内での携帯…………。」
博人<「なるほど…(うぉ、思った以上にだるいな)」
吉澤<「では、先生は……についてどう思いますか?」
博人<「(まじかYo! 聞かなくていいじゃんYo!)
お、おい吉澤、まだ聞くのか?」
吉澤<「(ヒソヒソ)だって良い物作りたいでしょ?」
勘弁してください吉澤サン…
…
結局終わったのは夕方だった。
吉澤<「博人君、もう遅いから一緒に帰ろうよー」
博人<「OKOK(誰のせいだと思ってるんだ……)」
微妙に不満持ちの俺と吉澤はまたクラスの事とか話しながら帰った。
疲れたせいもあってかほとんど聞き流してたけど。
博人<「こんなの2ヶ月続けるのか…」
- 16 名前:作者 投稿日:2001年10月28日(日)00時19分01秒
- 現実時間とできるだけシンクロさせてたのですが、
更新遅れたためちょっと変になりました(汗
次回は火曜〜木曜の間の予定です
- 17 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月01日(木)00時59分02秒
- 面白いよがんばれ
- 18 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)00時03分20秒
- 出張いってたので更新できませんでした(汗
週末にできたらやります
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月03日(土)00時45分24秒
- お待ちしてます。
- 20 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)16時06分05秒
――1週間後...
俺の生活は相変わらず忙しい事以外あまり変化は無かった。
変わった事といえば…
吉澤<「やっと終わった〜。博人君、校門閉まっちゃうよ〜。」
博人<「やべぇ、急ぐぞ!」
下校が吉澤と一緒なくらいだ。
幼馴染みでも高校生だ。
話題は男女の事になるのは当たり前だが
ある日…
吉澤<「ねぇ、博人君って好きな子いるの?」
博人<「ン…?」
真希と別れてから…恋愛なんかする余裕は勿論無かった。
博人<「別にいないかなあ。吉澤はどうなんだよ?」
一瞬、吉澤が顔を下に向けた。
吉澤<「私はいるよぉ。勿論内緒!」
博人<「聞けるなんて思ってないさ(笑)。」
吉澤<「えぇ、面白くないな〜。」
博人<「内緒なんだろ?」
吉澤<「そうだけど…。(そっか、いないんだ…)」
気付けば家の前に着いていた。
博人<「それじゃ、また明日。」
吉澤<「うん、また明日〜。」
この日までは、まだ大丈夫だった…
- 21 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)16時29分19秒
今日も俺は編集作業の缶詰状態だった。
そのうえ、どうやら新しい仕事が回ってくるらしい。
飯田<「7組と9組の委員の人は、今日から……の原稿を書いてください。」
博人<「(な、7組!?)」
真希&吉澤<「は〜い。」
ついに一緒の仕事をするようになってしまった。
良い別れ方ではなかったから…正直かなりの苦痛だ。
博人<「_φ(。。 )カキカキ カキカキ… …
(あれ、ここ分からないな…教えてもらうか)
おーい、よ…!」
喉まで出ていた言葉が止まった。
吉澤は雰囲気からか同性に好かれる事が多いのは知っていたが…
真希<「ねぇ、よっすぃ〜ここわからないんだけど〜」
吉澤<「あー、それは…」
いつの間に仲良くなったんだ…
じゃなくて、俺はどうしたらいいか分からなくて
自分の席に戻った。
博人<「(くそぉ、全然離れやしねぇ)」
- 22 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)16時29分55秒
30分待っても何も出来なかったので、
仕方が無く職員室まで行った。
…それから何回も職員室へ行った…
さらに…
吉澤<「博人君、そろそろ帰ろうよ〜。今日ごっちん一緒だけどいい?」
博人<「(ごっちん…って !)い、いや、俺今日寄るところあるから。」
吉澤<「そんなぁ〜…じゃ、待たせてるから…また明日…。」
博人<「ああ、また明日(こいつ俺と真希の事知らないのか…)。」
寄る所なんか勿論無い。
秋風が今日はもっと寒い。
博人<「(俺なにやってんだろう…こんなに気まずくなる必要ないのに…)」
いつもとは比べ物にならない位、
体力的にも精神的にも疲れていた…
- 23 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)16時46分03秒
-
それからの2週間
真希は事ある毎に吉澤と一緒にいる。
俺のストレスは減る様子も無く、どんどん溜まる一方だ。
吉澤も真希も悪くはない。悪いのは自分だって分かっていた。
でも、何もできないまま…
- 24 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)16時53分32秒
- ――2週間後
原稿の執筆も全て終わり、やっと終わりが見えた11月末。
俺のストレス爆発もあと少しの所で止まってくれた。
それなのに…
飯田<「手が空いてるクラスは編集後記まとめてもらえない?」
博人<「(おお、編集後記か。もうこれで終わりなんだな。勿論やらないけど。)」
誰も同じ考えだったのだろう。
時計の針は動いているのに誰も声をあげない。
委員長の不安そうな瞳を見ると可哀想になってくるのだが…
博人<「(別に俺がやる必要はない…よな)」
その時だった。横にいた吉澤が何か決心したようだった。
吉澤<「圭織、その仕事私やるよ!」
飯田<「ホント!? ありがと/_; 」
俺が止める一瞬先に、その言葉は出ていた…
当然、吉澤がやると言う事は俺もやらなければならない。
博人<「(まじかよ…なんでそうなるんだ…)」
そんな俺の心が表情に表れていたのだろう。
吉澤<「博人君、ごめんね…でも圭織が…。」
博人<「……ああ。」
俺はそれ以外何も答えなかった。
この1ヶ月、慣れない仕事の上真希のこともあり、
俺は相当疲れていた。
俺の心のパーツが、少しだけ崩れ落ちた。
- 25 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)17時07分50秒
――翌日
元気に働く吉澤とは対照的に、俺はやる気なく動いていた。
博人<「(あ〜だるいっ(;´Д`) )」
…
やる気の無い態度に気付いた吉澤が、冗談半分に言った。
それが全てを壊した…。
吉澤<「ちゃんと働け〜!」
……ついに 俺の中から 不満が 言葉になって出てきた。
博人<「うるせぇな! なんで俺がこんな事しなきゃならないんだ!
大体なんでお前はこんなに仕事増やすんだよ。
何様のつもりなの? マジむかつくんだけど」
吉澤<「そんな…だって、ちゃんとしたの作りたいし…。」
驚いた吉澤は小さな声しか出てこなかった。
それが余計に頭にきた…
博人<「それがムカツクんだよ! なんだよ、ちゃんとしたのって、
それにお前なぁ……。」
俺は頭に浮かぶ限りの言葉を吉澤に浴びせた。
真希の事も自然と口から出ていた。
吉澤の目に涙が滲んでいたのがわかった。
それでも俺は許せなかった…。
- 26 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)17時11分31秒
吉澤<「 …めんなさい ごめんなさい…私、博人君の気持ちしらなくて…。」
声とは言えない呟き それを聞いてやっと俺の中の理性が動きはじめた。
博人<「………わりぃ、今日帰るわ。」
吉澤<「…………。」
切れてしまった…色々な思いが頭の中を駆け巡るが
それらは全てカタチにならなかった。
モヤモヤとした頭とは逆に、
心から不思議とストレスが減っていくのがわかった。
そんな自分にも無性に腹が立った…。
- 27 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)17時21分15秒
-
それから何日か経ち、ようやく12月に入った。
吉澤<「編集後記の仕事、もう終わりかけだから…博人君ありがとう。」
これが最後の会話だった。
吉澤とは、それ以来、全く言葉を交わしていない。
博人<「はぁ〜…(なんだ、この気持ちは…何か抜けている…)」
俺は、あの日以来ずっと変な気持ちがつきまとっていた。
まるで、心に穴があいたように。学校に居る時も、一人で帰る時も。
正体の分からない、不安にも似た気持ちに俺は参っていた。
吉澤の言葉通り、12月に入ってから全くといっていい程やる事が無く、
奇妙な感じと間の抜けた感じで一杯だった。
- 28 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)17時33分10秒
-
さらに時は経ち…終業式も間近に迫ったクリスマスイヴの日。
博人<「今年も後少しで終わりかぁ… あれ?吉澤が来てない…。」
朝礼で、クラスに吉澤の姿が無い事に気付いた。
先生<「吉澤は風邪で休みだな。」
博人<「(風邪か…なんで突然?)」
その時、一人の女子が話しかけてきた。
女子<「ねえ、風間君。委員会の仕事終わったの?」
博人<「ああ、終わったよ。なんでそんなこと?」
俺には彼女が何が言いたいか分からなかった。
女子<「昨日よっすぃ〜がね、『まだやる事残ってて大変だよ〜』って
メール打ってきたんだよね。
多分その疲れで風邪ひいたんだと思うけど…終わったなら大丈夫か。」
…え? 俺の頭の中は白くなった。
思考が再び始まった時、全てに気付いた。
仕事は全然終わってない。 でも俺は何もやってない。
ということは…。
- 29 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)17時37分16秒
博人<「(アイツ…そんな…)。」
全てを悟った俺は、教室を飛び出した。
雪が少しずつ降りはじめていた。
博人<「(吉澤…)。」
無我夢中で学校を飛び出した俺は、迷うことなく吉澤の家まで走りつづけた。
- 30 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)17時43分59秒
-
ピンポ〜ン…
吉澤の家のドアは中々開かない。
ピンポ〜ン…
実際には2分と待たされていない。でも、不思議と何時間のように感じた。
(ガチャ)
吉澤母<「は〜い…あれ、博人君じゃない? 学校はどうしたの?」
博人<「よ、吉澤いますか?」
吉澤母<「今寝てるけど…部屋に居るわよ。
でも、そんなに急いでどうしたの?」
博人<「ええ、ちょっと…お邪魔します!」
ロクに質問にも答えず俺は吉澤の部屋に向かった。
吉澤の部屋に入るなんて何年ぶりだろう…
でも、そんな事を考えてる暇は無かった。
(ガチャ)
博人<「吉澤っ!」
- 31 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)17時55分33秒
吉澤<「ひ、博人君!?」
驚く吉澤の横で、俺は…見つけた。
書き終わったばかりの原稿を…。
博人<「どういうことだよ…なんでお前…。」
吉澤<「ごめんね…… でも、もう博人君に負担かけたくなくて…。」
博人<「なんてバカなんだ…それで自分が風邪ひいてどうすんだよ…。」
吉澤<「ううん、気にしないで…。」
博人<「吉澤…ホントごめん。俺全然気付かなくて…
ずっと謝れなくて……。」
吉澤<「ううん、こっちこそごめん。私、鈍感だったね…。」
心の穴が、埋まっていく感じがした。
博人<「ほんとバカだよ…俺……。」
吉澤<「私のほうがバカだよ。でも、博人君のためならバカになってもいい…。」
- 32 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)18時12分53秒
博人<「吉澤…。」
吉澤<「ほんとごめん…涙止まらない…変だね……。」
吉澤<「あのね……私…博人君のことが大好き…。
でも、あれから全然話せなくて……だから、今日来てくれて本当に嬉しい…。」
吉澤の一言一言が、俺の心の中に入っていった。
突然の告白… でも、全然困惑もしなかった。
なぜなら…
俺の心に空いていた穴は 吉澤だったから。
吉澤がいるから 埋められる穴。
俺が 吉澤の事を想うから空いた穴。
自分の気持ちに やっと気付けた。
その、瞬間、俺は吉澤を抱きしめた。
何も考えず、強く抱きしめた。
……
- 33 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)18時32分01秒
博人<「なあ、今、外出れるか?」
吉澤<「うん、風邪もひどくないし…なんで?」
博人<「今日はイブだろ?」
吉澤<「??」
上手く呑みこめない吉澤を連れて、俺は外に出た。
(吉澤の母親は話が分かる抵抗はなかった)
吉澤<「何処いくの?」
博人<「いいからいいから!」
俺達が向かったところは…
吉澤<「わぁ… すごい……。」
駅前に設置された巨大クリスマスツリー。
やっぱり二人で見ると全然違う。
吉澤<「博人君…。」
博人<「吉澤……。」
吉澤<「"ひとみ"って呼んで…ね?」
"Thank God we're together.
I just want to stay with you in this moment forever.
Forever and ever..."
空から まるで俺とひとみを祝福するように
真っ白な粉雪が降っていた。
〜Fin〜
- 34 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)18時34分38秒
- 時間無いのでためていた分合わせて一気にUPしました。
当初の予定と全然違ってしまった(T-T)
全然上手く書けないのに読んでくれた人ありがとうございました。
- 35 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)19時24分30秒
- -Epilogue(エピローグ)-
ひとみ<「博人君、はい、これ!」
博人<「お、サンキュ。」
俺はひとみから完成した本を受け取った。
長かったはずなのに
あっという間に過ぎていった2ヶ月間の結晶だ。
博人<「ほんとよく出来てるよ…。」
ひとみ<「でしょ〜?」
それは 俺達にとって 最高の本だから…
あ、そういや、今日は委員会での打ち上げがあるらしい。
真希<「あ、風間君、よっすぃ〜いたぁ!」
博人&ひとみ<「お、ごっちん。」
真希<「あ、お邪魔だった?(ニヤ) えっとね、圭織が集合だって!」
博人&ひとみ<「オッケー&は〜い」
ひとみのおかげで、真希とのわだかまりも消えた。
ひとみ<「博人君、はやくいこっ!」
博人<「おう!」
- 36 名前:夢追人 投稿日:2001年11月03日(土)21時33分00秒
- お疲れ様でした。
ものすごく楽しみました。
健気なよしこ萌え!(w
続きとか・・・(ボソ)(w
作者さんが良かったら続きみたいなぁ〜なんて。
面白かったです!
- 37 名前:名無し男 投稿日:2001年11月04日(日)01時42分21秒
- いやあ、こういう自然で日常にありそうな話って好きだな。
- 38 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月04日(日)10時33分54秒
- お疲れ様でした
ほんとに吉澤健気ですね(ρ_;)
続き書かないんですか?
期待してますよ〜
- 39 名前:Laiz(作者) 投稿日:2001年11月04日(日)10時52分48秒
- コテハンずっと忘れてました…。
>>36-37
読んでくださってありがとうございます。
続きは…短編の石川モノを、時間が有れば書こうと思ってます。
この続きに書くと思うので、その時は読んでやってください。
- 40 名前:Laiz(作者) 投稿日:2001年11月04日(日)10時53分19秒
- >>36-38
でした(汗
すみません<(_ _)>
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