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三角恋愛
- 1 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)16時29分01秒
- 「まる三角しかく」というマンガを元にした小説です。
- 2 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)16時29分32秒
- ―構成―
松浦=吉澤ひとみ
美加=石川梨華
ちとせ=真希
- 3 名前:名無しくんつ 投稿日:2001年10月28日(日)16時51分19秒
- 期待しまくってます。ガンバッテ下さいね。
- 4 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)19時36分45秒
- ―第1話― 〜失恋・・・・そして別れ、再会。〜
それは中1の春―――
「えー、転校生を紹介する。」
あのコが来た日
- 5 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)19時38分59秒
- ―第1話― 〜失恋・・・・そして別れ、再会。〜
カツカツカツ・・・・
先生が黒板に名前を書いた。
【石川梨華】
リカちゃん・・・・か。
「えーと席はどうするかな・・・」
先生が教室を見渡す・・・・
「後藤真希」
「へ?」
「悪いけど1コ後ろにずれてくれ。石川、あそこな。吉澤の隣。」
ショック・・・おとといの席替えでやっとひとみの隣になれたのにィ
ついてなーい!!
- 6 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)19時40分07秒
- ―第1話― 〜失恋・・・・そして別れ、再会。〜
「あたしは吉澤ひとみ。よろしくね。」
「よろしく・・・・」
なんかいいムードだし・・・・。
あれ?このコ・・・ホッペ赤く染めちゃって・・・・
まさか・・・・
まさかね・・・。
- 7 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)19時42分30秒
- 「梨華ちゃん、あた後藤真希。おとなりのコじゃ頼りにならないと思うから。わからない事があったらなんでも聞いてね♪」
「ありがとう・・・。」
キレイな・・・・・コ。
いかにも「女の子」ってカンジで・・・・。
ひとみはこういうコが好きなのかな・・・・?
「おい真希。頼りになんないって誰のことだよ。」
「もちろんひとみに決まってんじゃーん」
なんで素直になれないんだろう・・・。
あたし・・・・梨華ちゃんに嫉妬してる・・・・。
「素直じゃないのな。」
ひとみはそういって前に向きなおした。
なによそれ・・・・・。
- 8 名前:とみこ 投稿日:2001年10月28日(日)19時45分15秒
- 「梨華ちゃん、校内案内するよ。」
「ごっちーん!!体育館でよっすぃ〜のファンが集まってるよ!」
「またかよ〜。梨華ちゃん、行ってみる?」
「・・・・ファン?」
「うん。ひとみは女子にメッチャ人気あんだよ。まぁ女子校だからね。」
あたしと梨華ちゃんとあゆみは体育館に向かった。
「あ、このコは柴田あゆみ。親友なんだ〜♪」
「あゆみでいーよ!よろしくね、梨華ちゃん。」
「よろしく・・・・。」
あんま・・・しゃべんないコだなぁ・・・。
- 9 名前:とみこ 投稿日:2001年10月29日(月)18時26分08秒
- ファンの人達をかきわけて、ひとみの居る場所まで行った。
「あ、梨華ちゃん!バスケやってるよ!」
梨華ちゃんもようやく近くまで来た。
「よっすぃ〜がんばってー!!!」
「ひとみ先輩カッコイイー!!!!」
ファンの人達の声援もあまり気にしないでバスケをしているひとみは・・・かっこよかった・・・。
マジで・・・なんか全部カッコイイよぉ・・・・。そんなはしゃいでる姿もメッチャかっこいい・・・。
あ・・・・・梨華ちゃんがひとみを見てる・・・・・。
あの予感が当たったら・・・・もし梨華ちゃんもひとみが好きだったら・・・・。
- 10 名前:とみこ 投稿日:2001年10月29日(月)18時32分45秒
- 「おい真希!」
「へ?」
いきなりひとみがコート外に出てきて、あたしに話しかけてきた。
「真希もバスケやる?」
「え!?マジで?いいの!?梨華ちゃんもやろ・・・・」
「ただし・・・」
「え?」
「石川サンはダメ。」
「は?何で?」
「ケガされたって責任取れねーもん。」
「じゃぁあたしもいいや。ごめんね、せっかく誘ってくれたのに・・・。」
「あぶない!!」
ビシッ
突然あたしたちの方にボールが飛んできて、ひとみの背中に当たった。
「うぉ〜・・・いってぇ・・・・だから責任とれないって言っただろぉ。」
なにそれ・・・あたしは心配してないの・・・?
「あ、ありがと吉澤サン!さすが体育5!あははは・・・。」
「石川サン。」
「え・・・?」
「大丈夫?」
「あ・・・うん。ありがとう・・・。」
ナニソレ・・・・梨華ちゃんしか心配してないの・・・?
悔しい・・・。
- 11 名前:とみこ 投稿日:2001年10月29日(月)18時50分45秒
- ―教室―
「真希。」
「・・・・・何?」
「土曜ヒマ?」
「・・・・え?」
「だから、土曜ヒマ?」
「ヒマ!!!!」
「プール行かない?」
「行く!!!」
「石川さんのお父さんがタダ券持ってるんだって。」
っていうかそれは・・・ひとみだけが誘われたんじゃないの?
ほら・・・梨華ちゃんが見てる・・・ほら・・・・イヤな顔。
「石川さん、金持ちだよね。」
「そんな事ないよぉ・・・。」
「丘の上のマンション住んでんでしょ?お嬢だね〜。」
だからタダ券か・・・・。
「今度遊びにいっていい?」
・・・・は?ひとみ何聞いてんの・・・?
「うん。もちろん。それと・・・・「梨華」でいいから・・・。」
「あ、ごめんごめん。じゃぁ梨華って呼ぶね。あたしはひとみでいいよ。」
そんな会話聞きたくない・・・・こんなに静かでおしとやかな梨華ちゃん・・・・
あたしとは正反対な梨華ちゃん・・・・・ひとみは梨華ちゃんが好きなの・・・・?
- 12 名前:とみこ 投稿日:2001年10月29日(月)18時57分54秒
- 「うおーすっげ〜!広い!!」
あたし達の他に友達5人くらい誘ってプールに行った。
「うひゃー!きもちー!!」
なんだかんだ言って楽しいんだけどね・・・。
「ひとみ!美加は?」
「あぁ、なんかカゼ気味だってさ。見てるって。」
―――――――――――
「梨華んち、すげーでっかいんだよ。」
「え?梨華ちゃんち行った事あるの?」
「うん。やたら天井高くってさ。対面キッチンとかあんだよ。」
「ふ〜ん・・・・」
いつの間に・・・・・
なんか梨華ちゃんにどんどん差付けられてるなぁ・・・
「いーよね〜。梨華ちゃん。あたしの部屋なんか四畳半だよ。」
「うちなんか兄弟3人川の字で寝てるんだよ?」
「あたし寝ぶくろ。」
「マジ!?きゃははっ!!」
「?何?黙っちゃって・・・ひとみ?」
「でけー口。」
「なんだとぉ〜!!??」
「ウソウソっっ!楽しそうに笑うでかい口っていーじゃん?」
嬉しい・・・やっぱりひとみが好き。
ほら、あのコが見てる。
どんなすごいマンションにすんで立って、プールのタダ券もってたって
どーってことない♪
- 13 名前:とみこ 投稿日:2001年10月29日(月)19時00分09秒
- >>12
「いーよね〜。梨華ちゃん。あたしの部屋なんか四畳半だよ。」
というセリフは、ひとみのセリフです。
梨華ちゃん=梨華に修正です。
さっそくミスってごめんなさい。m(_)m
- 14 名前:とみこ 投稿日:2001年10月29日(月)19時05分22秒
- ―第1話― 〜失恋・・・・そして別れ、再会。〜
―バス停―
「バス、まだ10分あるよ。」
「あ、あたし歩いて帰る。」
ひとみが歩き始めた。その時、梨華ちゃんがひとみの服を掴んだ。
「あたしも・・・あたしも歩いて帰る。」
またか・・・・・。
「梨華はバスで帰りなよ。遠いだろー?」
「そんなに変わんないもん。それにバスは混むからイヤ。」
ほらぁ、ひとみが迷惑がってんじゃん・・・。
「っそ。じゃぁ勝手にして。」
あー2人っきりで帰っちゃった・・・。
―――――――――――
「なんかムカつかない?」
あゆみが言った。
「普通あんなロコツにベタベタできる?あたし達にはほとんど口聞かないのに。」
「うんうん。それならこっちから話し掛けるのやめよーよ。口聞くのやめよー。」
「そーそー。」
ちょっとみんな・・・・。
あたしは何もいえないままみんなの話を聞いていた。
「真希も口きかないよーにしなよ。ね?」
「・・・・・う、うん。」
あたしって最低・・・・何返事してんだろ・・・・・
- 15 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月30日(火)07時02分44秒
- おお…ゴチーン!
- 16 名前:ARENA 投稿日:2001年10月30日(火)07時41分41秒
- やっぱこの三角関係が一番です・・・!(w
- 17 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)17時38分28秒
- なんかヨッスィ〜がかなりクールなキャラになってしまいました。
ヨッスィ〜はあまり恋愛に興味がないという設定の上ですすめていきたいと思います。
- 18 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)17時44分17秒
- ミス発見。
>>12
美加=梨華
です。入力ミスで原作の人物になってしまいました(w
- 19 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)17時49分15秒
- ―第1話― 〜失恋・・・・そして別れ、再会。〜
「真希!真希ってば!英語のプリント写させて。」
「ちょっと待ってて・・・・・・・はい。これ?」
「おぅ、サンキュ〜。」
「なんかいっつもあたしが見せてばかりでずるい・・・。」
「そうか?何か欲しい?んじゃぁヨッスィ〜スペシャルスマイルでどーよ?」
そういってひとみが「にこっ」と笑った・・・・。うっ・・・倒れそう・・・。
「・・・みとれんなよ。」
「いや、バカだなぁと思って。」
「ふっ。なにそれ〜。」
ウソだよ・・・かわいーよ。
うしろからギュッとしたいよ。
だけど、あんたのおかげでハブにされた女が1人・・・・
ひとみは気づいてんのかな。
- 20 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)18時02分52秒
- ―第1話― 〜失恋・・・・そして別れ、再会。〜
「えー、それでは研究発表のグループ4人で好きなもの同士でつくっていーぞー。」
ひとみと組みたいな・・・組みたいな・・・・
「真希、一緒に組もう!」
あゆみがすぐに言ってきた。
「うん。い〜よ〜。じゃぁあと2人ね。」
「真希。」
いつの間にかひとみが横に立っていた。
「へ?」
「組む?」
「う、うん!!」
うれしー!・・・・・でも・・・・梨華ちゃんひとりだ・・・
声かけてあげるべきだよね・・・・・
でも・・・・・・・
- 21 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)18時03分25秒
「こっち来いよ。」
「え・・・・?」
「いーから。早く、梨華。」
そんな・・・・
「梨華は字キレーだから記録係ね。柴っちゃんはリサーチ、発表係は真希ね。」
顔から火が出るほど恥かしかった・・・
あたしが声をかけないから、ひとみは梨華ちゃんを助けたんだね。
「えー、リサーチ〜?ヨッスィ〜は何係なの??」
「あたしは1番すごいやつね。かんとく!」
「なにそれ〜アハハハハ。」
あゆみとひとみの会話にも混ざれないほど落ち込んだ・・・・・
あたしってサイテーな女だよね・・・・・
「あ、笑った。」
梨華ちゃんがクスッと笑うと、ひとみがニコッと笑って言った。
「・・・え?」
「梨華が笑うの初めてみたからさ。カワイイじゃん。」
「・・・・・あ、ありがとう・・・・。」
・・・・・・なにそれ。
どうして?ズルイ・・・
ただいつも黙って座るだけで
たまって笑って見せるだけでひとみの気をひけるなんて・・・
ズルイよ・・・。
- 22 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時20分38秒
- >>21
たまって笑って見せるだけでひとみの気をひけるなんて・・・
修正します。
たまに笑って見せるだけでひとみの気をひけるなんて・・・
- 23 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時22分53秒
- ひとみが梨華ちゃんを助けた時、梨華ちゃんに話し掛けることもできなかったあたしを、
ひとみは軽蔑した目で見た。悲しかった・・・・。
でも話し掛けられなかった自分が情けなかった・・・・・・・・。
- 24 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時28分54秒
- 「真希。」
ひとみがニコニコしながらプリントを差し出した。
「・・・・・・・・何?」
「プリント。お願いね。」
「はいはい・・・。」
昨日の事なんて忘れたみたいにケロッとしてる・・・・。
ひとみは梨華ちゃんが好きだから助けたの・・・・?
「う〜・・・5枚もあるよ・・・。しかもアンケート用紙までまざってるし・・・。」
カリカリカリカリ・・・・・・・
「あの・・・手伝おうか?」
梨華ちゃんがプリントを指差して言った。
「あ、ホント?助かる〜。答え写すだけなんだ。」
「これは?」
梨華ちゃんはアンケート用紙を手に取った。
「なんか学級アンケートみたいな。友達が嘘をついたらどうしますか?とか。」
「ふ〜ん・・・。」
「あたしも最初の方はひとみの気持ちになって(?)やってみたけどわかんないや。あはは。」
中休みはずっと梨華ちゃんとプリントをやっていた。
梨華ちゃん・・・悪いコじゃぁないんだよね・・・・・・。
- 25 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時33分09秒
- 「ひとみ、できたよー。」
「おぅ、サンキュ。どれどれ・・・」
プリントを1枚1枚見ていくひとみの手が止まったのは、アンケートのプリントを取った時だった。
「・・・・・・真希、お前なんでわかるんだよ。エスパーかよ・・・。」
「え?」
「ほとんど当たってるよ。真希、すげーよ。」
「それ、あたしが書いたの。」
梨華がひとみの前に立った。
「マジ?ほとんど当たってるよ。最初の質問以外。」
最初のはあたしが書いたヤツ・・・・・。
「あはは・・・ひとみの行動ってわかりやすいんだよ。きっと。」
「そーかもな・・・でも・・・梨華すげぇ・・・・・ふ〜ん・・・・・」
そんな顔しないで・・・・・梨華の事を思わないで・・・!!
- 26 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月30日(火)21時33分22秒
- う〜なんかとても気になります。
おもしろいので頑張ってください!
個人的にはよしごまに期待!
- 27 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時36分08秒
- ―その夜―
「姉ちゃん!母さんが話あるって!」
「はーい。」
リビングにはお母さんと弟のユウキが座っていた。
ちなみにうちには父親が居ない。あたしが小さい時に交通事故で亡くなったんだ。
あまり覚えてないけど、優しいお父さんだった。
- 28 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時39分14秒
- 「引っ越し!?」
「新築の一軒家よ。」
新築!?
「小さいけど庭もあるんだってよ。」
庭!?
「2階が真希の部屋よ。1人部屋。」
うそー・・・!!初めて夢が叶った!!
これで梨華ちゃんに近づいたよね?やったー!!
「今住んでるところからかなり遠いから、夏休みには転校の手続きしなくちゃね。」
え・・・・・?
- 29 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時42分37秒
- あたしは・・・・運が悪いのかもしれない・・・・。
「えー、転校しちゃうのー?」
あゆみが驚いて聞き返した。
「うん・・・・また女子高なんだけどね・・・・へへっ。あゆみともお別れかぁ〜・・・」
「夏祭りには来れるよね?」
「うん・・・・・最後の思い出になるけどね・・・。マジ・・・・さみしーね。」
ひとみは・・・・・・どうでもいいのかな?あたしがいなくなっても・・・・
- 30 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時50分39秒
- ―夏祭り―
「あゆみー!」
「あ、真希ぃ〜!結構みんな来てるよ〜。ヨッスィ〜もね。ほらっ!」
あゆみに背中を押されて、前にいたひとみにぶつかった。
「あ、真希・・・・・。」
「ひとみ・・・・。」
「・・・・・引っ越しの準備はすんだの?」
「うん・・・・あさってには・・・・・・もう・・・・。」
「あ、梨華来たよ。」
「真希ちゃん・・・。これ。お別れのプレゼント。」
「へ?マジで?ありがと〜。開けていい?」
「うん。」
カワイイ包みを開けると、金魚模様のハンカチだった。
「ありがと〜梨華ちゃん。」
「あたしもいいものあげる。」
金魚が2匹入った袋をもらった。
「金かかってないね〜。あはは・・・。」
すごく嬉しい・・・・・。
「忘れんなよ。」
忘れるわけないじゃん・・・・・・。
ひとみに好きって言わなきゃ!!
- 31 名前:とみこ 投稿日:2001年10月30日(火)21時53分17秒
- ヒュ――――・・・・・・・・ドンドンッッ!!
花火が始まった。これで最後・・・・ひとみに言わなきゃ!
「ひと・・・・」
ひとみの背中をポンッと叩こうとした瞬間・・・・
隣に立っていた梨華ちゃんの手とひとみの手が・・・・・・
固くつながっていた。
さよなら・・・・・中1の夏。
―第1話― 〜失恋・・・・そして別れ、再会。〜
〜終〜
- 32 名前:ARENA 投稿日:2001年10月31日(水)05時25分23秒
- なんか切ないっすね・・・
- 33 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)17時39分02秒
- ―第2話― 〜再会〜
「○○中学から来ました。後藤真希です。よろしくおねがいします。」
軽く挨拶をして、指定された席に座った。
梨華ちゃんも転校してきた時はこんなカンジだったのかな・・・。
会いたいな・・・・・ひとみ。
- 34 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)17時40分40秒
- 第2話に入りました。
転校先での真希の生活は、結構ダイジェストに終わらせて、
高校生活の方を中心に書いていきたいです。
応援よろしくおねがいします。
- 35 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)17時43分55秒
- 新しい中学校では、もう恋はできないと思った。
だって・・・・もうひとみには会えないと思ってたから。
- 36 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)17時49分13秒
- そしてあっという間に受験シーズン。
そこそこ頭のいい女子高に合格。・・・・これで12年間ずっと女子校って事になる。
またまたあっという間に
―――――入学式―――――――
真新しい制服に身を包んでクラス発表の掲示板を見ていた。
「あれ?真希?」
名前を呼ばれた方を振り向くと、3年ぶりのあゆみが居た。
「あゆみ〜!!同じ高校だったんだね〜!マジうれし〜んだけどぉ〜!!」
「しかもクラス一緒だよぉ!!やったね!真希とまた仲良くできてうれしーよ!!」
うれし〜!!またあゆみと同じ学校だ〜!!
- 37 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)18時08分56秒
- その時、前を通った生徒がガイダンスが落としていったのに気がついた。
「あ、あのっ・・・・!」
背中をポンッと叩くと、そのコは振り返った。
「ひ・・・・・とみ?」
そこには・・・・・・3年ぶりのひとみが居た。
- 38 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)18時12分48秒
- 「あ、あの・・・・これ、ガイダンス・・・・・」
「・・・・・あ、落としちゃってたんだ、サンキュ。」
ひとみはそのまま向きなおして歩き出した。
な・・・・んだ・・・・覚えてないじゃん。あたしの事なんて・・・・・。
その時、フッとひとみが振り返った。
「真希?」
「え・・・・」
そのまま立ち去ってしまった。
覚えててくれた・・・・・やっぱりすきだよ・・・・・忘れられないよぉ!!
- 39 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)21時04分20秒
- 「真希、まだヨッスィ〜の事好きなの?」
あゆみが心配そうな顔で聞いてきた。
「わかんない・・・・・でも1度失恋してるから・・・・。へへっ。」
「そっか・・・でも中2と中3はヨッスィ〜と別のクラスだったから・・・・・・・・・あ!」
「どうしたの?」
「これは聞いた話だけど・・・・・・・・・・・梨華ちゃんと付き合ってたらしい。」
やっぱり・・・・・でも知ってた。予想はしてたもん。悲しくないもん。
「でももうひとつ。去年別れたって。
いつも2人で帰ってた後姿がいつのまにか1人になって…。」
「・・・・自然消滅・・・・するかな?あの2人が・・・。きっとなんか理由があるんだよね・・・。」
「うん・・・・。」
あんな一途な梨華ちゃんが・・・・自然消滅なんてありえないよ・・・・。
でも・・・・ひとみは梨華ちゃんを好きだった・・・・・・・・。
そんな事思うと・・・・悲しいね・・・・・
- 40 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)21時13分12秒
- 「真希、あれ梨華ちゃんじゃない?」
「え?」
クラス表の掲示板の前で立っている女の子がいた。
間違いなく梨華ちゃんだ。
同じ高校だったんだ・・・・
きっとひとみを追いかけてこの高校に入ったんだろう。
3年前に転校してきたあのコ・・・・・
ひとみの事が好きだったあのコ・・・・・
ひとみが好きになったあのコ・・・・・
ひとみと付き合っていたあのコ・・・・・・
「あ・・・・。」
ふと目があったけど、あたしはすぐにそらしてしまった。
うしろからあのコの視線を感じる・・・・・。
まだ・・・・ひとみの事好きなのかな・・・?
- 41 名前:とみこ 投稿日:2001年10月31日(水)21時19分36秒
- 入学して1週間・・・・まだひとみとは話してない。
とりあえずあゆみとバスケ部に入った。もちろん理由はひとつ。
ひとみがバレー部に入ったから、練習日がほとんど同じバスケ部に入った。
やっぱまだ好きなのかも・・・・。
「真希。」
「へ?」
「モップ貸してくんない?それ。」
あたしが持ってるモップを指差していった。
「あ、うん。はい・・・。」
モップをわたして、気がつくとひとみの服をつかんでいた。
「・・・・何?」
パッと服をはなして慌てた。
「あっえ・・・とあの・・・・身長伸びたね!」
「あぁ・・・まぁね。180cmかな・・・。」
「180!?すごいね〜。」
「ウソだよ。」
「へ?」
ひとみはふっと優しい笑顔をうかべた。
「真希は縮んだな。」
頭をポンッと叩いてコートに戻っていった。
そんな優しくされたらまた好きになっちゃうじゃない・・・・・・
ってか・・・・・もう好き以外のなんでもないね・・・・・。
ひとみが好きだ・・・。
- 42 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月31日(水)21時38分59秒
- うう〜この話かなりいいです。
ごまがんばれ〜!!
- 43 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)17時39分46秒
- >>42 名無しさん
ありがとうございます。原作とは少し内容が違うんですけど、
よっすぃ〜、ごま、梨華ちゃんにたとえてやってみてとても楽しんでいます。
- 44 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)17時43分29秒
- 「バレー部の1年生、カッコイイよね〜。」
「中学でもモテてたらしいよ〜。」
最近ひとみは2、3年生の先輩に人気がある。
もちろん同い年には大人気で、もう7、8人に告られたらしいけど・・・・
やっぱりだれもOKしてないらしい。
恋愛に興味ないって事はないよね・・・だって梨華ちゃんと・・・・・・
ホントに好きになって大丈夫だったのかな・・・・?
- 45 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)17時50分28秒
- ―職員室―
「センセー、資料どれですか?」
「そこの棚の緑の封筒な。」
「はーい。」
「・・・緑・・・緑・・・これか。」
かなり高い棚だったから、イスの上に立って取ろうとしたけど、
上に色んな資料が乗っていてなかなか取れなかった。
「うわ〜、取りにくい〜。えい、引っぱっちゃえ!」
「ひゃっ・・・」
ドサドサドサドサ・・・・・ゴンッ
棚の上の荷物が全部落っこってきてしまった。
ガラッ
その時、突然ひとみが駆け寄ってきた。
まるで助けに来てくれたみたいに突然だった。
- 46 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)17時57分04秒
- ひとみが資料を拾うのを手伝ってくれた。
「ケガない?」
「うん・・・。」
「上から順に取らないでいきなり引っぱったんだろー。このおーちゃくものが。」
「・・・・・・・。」
恥かしくて顔が上げられない・・・・・ひとみがこんな近距離にいるなんて・・・
「か、変わってないね。」
「え?」
「そーいうとこ。中学ん時はいっぱいプリント見せてあげたのに・・・・。」
「・・・・そのせつはどーも。」
資料を棚に戻しながらひとみが呟いた。
「薄情もの。」
ひとみは一瞬だけ振り返って、また棚の方に視線を戻した。
「ウソ・・・・ありがとう。」
「・・・?何が?・・・・・あ、これ?・・・・・・おぅ、感謝しろよ。」
資料が棚から落ちた時・・・・・・
あの時、ひとみがまっさきに飛び出してくれたように感じた・・・・。
ねぇ、もう一度好きになっていいかな?
- 47 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)18時03分44秒
- 美術の時間、まさかあのコと一緒だとは思わなかった・・・・。
梨華ちゃんのクラスと合同授業だったのだ。
うわ〜最悪・・・パレット忘れちゃったよ・・・・
いいや、今日はずっとデッサンしてよーっと・・・。
「これ・・・。」
「え?」
梨華ちゃんがパレットを差し出した。
「あたしパレットふたつ持ってるから、これ使っていいよ。」
「・・・あ、ありがとう・・・・。」
ど、どうしてあたしがパレット忘れてることわかったんだろ・・・・
悪いコじゃないんだよな・・・・・
いっそ悪いコだったら気が楽なのに。
- 48 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)18時14分57秒
- ガタガタガタ・・・・
部室のドアが閉まらない・・・・・
早くしないと部活に遅刻するよ〜!!
ガタガタッガタ・・・・・
「何やってんの?」
「・・・・何かたてつけ悪くってさ、このドア。」
「どれ・・・」
ひとみも一緒にドアを引っぱってくれた。しかし・・・・・
ガタガタ・・・・・ガラガラガラ・・・・バタン!!!
「閉まった!」
「そして部室に2人っきり。」
・・・・ど、どうしてそういう事言うかなぁ・・・・・・
- 49 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)18時15分28秒
「ふっ、期待すんなよ。」
「バカ、するわけないじゃん・・・ひとみ彼女いるんでしょ?」
「・・・・いないよ。」
「元彼女。」
「・・・・・・・いねーよ。」
「でも・・・付き合ってたって聞いた。そーじゃないの?」
ひとみは少し黙って、喋りだした。
「それはそやって言うやつがいるけど、そう見えただけだよ。」
そう見えただけってなに・・・・?
だってあの時・・・・
「手つないでたじゃん。」
「・・・・いつ?」
「夏祭りの時。」
あたしの・・・・夏の思いで。夏の・・・・
「見てたんだ・・・。」
ひとみはいきなり自分のおでことあたしのおでこをそっとくっつけた。
「ごめんね。」
なにそれ・・・・どういう意味の「ごめんね」なの?
- 50 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)18時17分00秒
- 第2話 〜再会〜 終わりです。
次は第3話 〜告白〜
です。これからもがんばるので応援してください。
- 51 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)20時32分03秒
- 「ま〜き〜・・・。」
部活の休憩時間に、あゆみが肘つきしてきた。
「昨日ひとみと部室で2人っきりだったんだって〜?」
「え!?なんで知ってるの?」
「っていうか学校中でウワサされてるよ〜?真希とひとみ。」
「え〜?そんなわけないよぉ〜。」
ボンッ
いきなりバレーボール飛んできてあたしの頭に当たった。
「お、わりーわりー。」
ひとみが床に落ちたボールを拾いながら言った。
周りでは先輩たちがヒソヒソ話していた。
「イ、イタイじゃん・・・。」
「そうか?イタイのイタイの飛んでけ〜!」
あたしの頭をポンポン叩いて笑っていた。
まるで体育館にいる全員の生徒があたしたちを見てヒソヒソ言っているようだった。
「ほらー、あの2人仲いいよね〜。」
「あやしーよね〜。ひとみちゃんモテるから・・・」
「付き合ってんのかなぁ?ヨッスィ〜のファン悲しむだろーねー。」
人の気持ちも知らないで気やすくさわんなよ・・・・
バカバカバカ〜〜〜っっ!!
- 52 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)20時38分39秒
- 美術の時間、隣に座っていた梨華ちゃんのクラスのコが話し掛けてきた。
「ねぇねぇ、後藤さんってヨッスィ〜と付き合ってんの??」
あたしはその質問にギクッとした。
だって右隣に梨華ちゃんが座っていたから・・・
「ま、まさか〜。部活で一緒になるだけだよ〜。」
梨華ちゃんの前で言うな〜〜!!
「でもさ・・・」
さっきのコが梨華ちゃんに聞こえないくらいの小声で話し始めた。
「あのコ、中学の時ヨッスィ〜と付き合ってたんでしょ?」
「・・・・そうなのかな・・・?」
梨華ちゃんに聞こえてないか確かめながら返事をした。
「でもあたしあのコきらーい。だって話しかけてもろくに口聞かないしぃ。」
悪いコじゃないのになぁ・・・・
- 53 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)20時41分41秒
- 「梨華ちゃん、パレットありがとう。ずっと借りっぱなしでゴメンネ。」
「ううん、いいの。」
梨華ちゃんはパレットを受け取ってそのまま黙ってしまった。
・・・・・会話終わっちゃったよ・・・・・。
「ぶ、部活やってないの?」
「うん。」
「あたしはバスケやってるんだ。楽しいよ。」
「ふうん。」
「運動苦手?」
「うん」
「あ!この間なんかひとみ達とさ・・・・・・」
あ・・・・・・・墓穴・・・・・
なんで梨華ちゃんの前で自分からひとみの話なんかしちゃったんだろ・・・・
- 54 名前:とみこ 投稿日:2001年11月01日(木)20時46分34秒
- キーンコーンカーンコーン・・・
やれやれ・・・梨華ちゃんの前でひとみの話なんかしちゃったよ・・・・
その時、梨華ちゃんがあたしの前に立った。
「あ、梨華ちゃん。どうしたの?」
「・・・・ひとみちゃんと付き合ってるの?」
「・・・え?・・・・・・全然・・・そんなんじゃないよ。中学の延長っていうか・・・・あいつさ、結構じゃれつきやすいって言うか・・・何考えてんのかわかんないし・・・・マジで・・・・むかつく・・・・」
「なんでそんな事言うの?」
「え?」
「どうして好きなくせにそんなふうに言うの?」
「・・・・え?」
「ほんとは話したくないのに、どうしてあたしに話し掛けてくるの?」
「・・・・え・・・・?」
「本当に思ってることは絶対言わないんだね。」
・・・・・・そうなの?
- 55 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月02日(金)02時11分19秒
- 純情なごっちんカワイイ。
ガンバレ!
- 56 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 57 名前:とみこ 投稿日:2001年11月02日(金)17時16分06秒
- >>56
そういう絵を書くのはやめてください。とても迷惑です。
この作品を読んでくれている人達にも迷惑だと思います。
それに、書く気もなくします。
今後こういう書き込みはやめてください。お願いします。
- 58 名前:とみこ 投稿日:2001年11月02日(金)17時33分26秒
- 【どうして好きなくせにそういう事いうの?】
どうしてって・・・・あたしは梨華ちゃんじゃないから
まわりにおかまいなしにひとみにくっついて歩いたりベタベタなんかもできない。
それでも「好き」って言わなきゃ通じないのかなぁ?
好きって言わなきゃ・・・・・・
- 59 名前:とみこ 投稿日:2001年11月02日(金)17時35分50秒
- その日の帰りに公園を通ると、ブランコに座っているひとみがいた。
「ひとみ。」
「ん。」
ひとみは振り返りもせずに返事をした。
あたしもとなりのブランコに座った。
「いつもここに居るの?」
「・・・・たまにね。」
会話・・・・終わっちゃった・・・・
「・・・・梨華ちゃんと話したりすんの?」
「なんで?」
「え・・・なんでって・・・」
「関係ないじゃん。」
悲しいじゃん・・・そんな言葉・・・・
「関係なくないよ・・・・」
だって・・・・・
「好きだったの」
- 60 名前:とみこ 投稿日:2001年11月02日(金)17時38分08秒
- 「好きだったの」
ひとみは黙って下を向いていた。
聞こ・・・えなかったのかな・・・・・・えへ・・・。
「知ってたよ。」
ひとみはブランコを降りて立ったまま話しだした。
「だってさー、真希ナマイキなくせにあたしのゆーことだけは聞くし、プリントやってくれるし、プール誘った時も・・・席となりになった時もすげー嬉しそうだったし。」
「そ・・・そんな・・・」
「あたしもうれしかったけど。」
- 61 名前:とみこ 投稿日:2001年11月02日(金)17時42分25秒
- 「あたしもうれしかったけど。」
「・・・・・え?」
「だから中1の時のグループ発表も真希と組んだんだ。」
「で・・・でもあのとき・・・あたしが梨華ちゃんに声をかけなかったからひとみが声をかけた・・・」
「・・・・・。」
「あたしのこと・・・・・・・軽蔑した目で見た。」
「誰が?」
「え・・・・・・?」
「あれは真希が困ってたんだろ。真希が声をかけたいのにかけられなかった。だからあたしが代わりに声をかけたんだ。」
ひとみはくるっと向き直ってあたしの方を見た。
「真希を助けたんだ。」
- 62 名前:とみこ 投稿日:2001年11月02日(金)17時45分12秒
- 「真希を助けたんだ。」
あたしを・・・・・?
「ありが・・・」
「礼はいらない。」
「・・・・でも・・・・」
「結果的に梨華を好きになった。ほんとは真希が知らないまま転校すればいいと思った。」
あたしが知らないまま転校すればいいと―――
「ごめん」
あの時のは・・・・
そういう意味の「ごめんね」だったんだね。
二度目の失恋は また同じ人だった。
さよなら 高1の春―――
- 63 名前:とみこ 投稿日:2001年11月02日(金)17時46分07秒
- ―第3話― 〜告白〜
終わりです。
- 64 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月02日(金)21時51分01秒
- ううぅ…ごっちん切な過ぎる…!!
- 65 名前:ARENA 投稿日:2001年11月03日(土)07時20分27秒
- 荒らしに負けないでがんばってください。
- 66 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)16時26分52秒
- >>65 ARENA
いつも読んでくれてありがとうございます。
荒らしは覚悟してたけど、実際は結構つらいものです・・・。
でも読んでくれる人がいるとがんばれる気がします!
これからもガンガン更新していくのでよかったら見てください。
- 67 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)16時40分16秒
梨華ちゃんを好きになった
だからそのことをあたしが知らないまま転校すればいいと思った。
それがあの日、ひとみの言った言葉。
あのあと、顔を合わせにくくなった
うっかり避けてしまったら、多分気づいたと思う。
向こうも声をかけなくなった
なんだかもうすっかり声をかけるきっかけをなくしたと思う。
あのコにも・・・・
でもね・・・
なんでだろう
何かが胸の奥に仕えてるみたい
それで時々痛むんだ
くるしい
くるしい
くるしいの―――――
- 68 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)16時51分01秒
- 「えー、では今日から隣に座っているもの同士で肖像画を書いてもらいます。」
あたしの左隣はあゆみで、右隣は梨華ちゃんだった。
「ま、真希はあたしの隣だよね?」
あゆみが心配そうに聞いてきた。
「え・・・あ、うん・・・。」
「じゃぁあっちで書こう!ストーブのところでさ!ね?」
あゆみはあたしの手を引っ張ってテーブルから離れた。
ちょっと待って・・・梨華ちゃんはどうするの?
あのコの隣、他にいないじゃん・・・・・
大丈夫・・・・・だよね。誰か余ってる人とかいるよね・・・
大丈夫だってば・・・ほら、振り返って見てごらん?
「真希ちゃん・・・・」
そっと振り返ると梨華ちゃんが立っていた。
「あたしも・・・入れてくれる?」
梨華ちゃん・・・・・・・
「え〜・・・でも・・・もう書き始めてるしぃ〜。ねぇ?真希・・・。」
あゆみが少し嫌そうに聞いてきた。
「あ、うん。梨華ちゃん、2人で書こう!ね?」
あたしは梨華ちゃんを連れてテーブルに戻った。
「あの・・・別に3人でもよかったんだけど・・・」
梨華ちゃんは今にも泣きそうな顔で呟いた。
- 69 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)16時56分44秒
- 「あ、ごめん・・・でもあゆみもちょっと言い方悪かったよ・・・うん。」
そんな事を言いながらもお互いの顔を描き始めた。
「あ、あのね・・・・梨華ちゃん・・・」
「え?」
「あたし・・・すごいおせっかいやきで嫌なこともあんまイヤって言えなくて、バカだとかうざいとか思われることもあるけど・・・・でも多分あたし、やりたくない事をやらないでいる自分が1番イヤなんだと思う・・・」
「・・・・・」
「あ・・・・なんか変な事言ってるー。聞き流して・・・。」
「うん・・・・わかる。」
ひとみが梨華ちゃんを好きになった理由が
わかったような気がした。
- 70 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)17時02分39秒
- 「真希ぃ〜、梨華ちゃんの顔描いてるんだよね?」
「うん。」
「楽しい?梨華ちゃん全然話さないじゃん。」
「でもね、やっぱ近くで見ると可愛いんだあ。色白くてまつげ長くってさ〜♪」
「はぁ?」
「おでこに小っちゃいキズつくっててさ〜。梨華ちゃんってばおっちょこちょい♪」
「真希・・・あたま大丈夫?」
「えへへ・・・つまりィ・・・・
嫌いな人が減るって言うのは嬉しい事なの!!」
ひとみも好きだけど・・・梨華ちゃんも大好きだよ。
だって・・・・いい恋したいじゃん!
- 71 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)17時09分10秒
- 「あゆみ、帰ろ♪」
「うん。 あ・・・・・・」
上を見上げると、白くて細かい雪がハラハラと降り出した。
「雪だぁ・・・・・・わ〜!初雪〜!!」
あたしははしゃいで校庭を走り回っていた。
その時、ひとみが前を歩いていた。
もう目が合うことも二度とないのかな・・・・
二度と・・・・
その時、ツルッと足が滑って前に倒れこんだ・・・
ボフッ・・・
地面に倒れこんだと思っていたら、そこはひとみの腕の中だった。
「・・・・大丈夫?」
「え・・・・あ・・・うん。」
本当に一瞬だったのに・・・ひとみはあたしを抱きかかえてくれた。
大きな手・・・優しくて暖かいひとみのぬくもりがまだ体から離れない。
やっと・・・目が合った。
やっぱり・・・しゃべれないのはつらいよぉ・・・・
つらいよぉ・・・・
- 72 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)17時41分19秒
- 次の日の朝、学校へ行くと、下駄箱にひとみが居た。
がんばって声かけなきゃ・・・ひとみに声かけなきゃ・・・・!!
「お・・・おはよ。」
あれ?聞こえなかったのかな・・・・
難しいよぉ・・・っ。
まぁいいや、今じゃなくてもいいしね・・・。
あたしはそそくさと上履きに履き替えて下駄箱を去ろうとした。
「真希?」
「はい!?」
いきなりひとみが声をかけてくるから・・・・ビックリするじゃん・・・・
「はよ。」
「お、おはよ!!」
「・・・そんなデカい声じゃなくても聞こえるっつーの・・・。」
「あ・・・ごめん・・・」
思わず出してしまった大声に自分で赤面した。
「元気なヤツ。」
イタズラっぽい笑顔を見せてひとみは去っていった。
やったー!ふつうに話せた〜!!!
- 73 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)17時49分19秒
- 「後藤・・・さん?」
「へ?」
下駄箱を通りかかった人が話し掛けてきた。
どっかで見たことある顔・・・・・・・・・・あ!!
たしかひとみの次にモテる3年生の先輩だ!
う〜ん、たしかにカッコイイ!!でも・・・名前なんだっけ?
「あたし、市井紗耶香。よろしく。」
「え・・・あ、よろしくおねがいします。呼び捨てでいいんで!」
「あ、いいの?じゃぁ後藤でいい?」
「へ?・・・あ、ハイ。」
呼び捨てってそういう意味じゃなくて・・・・
「でさ・・・後藤・・・。」
「後藤さ・・・、ちょっとドジでおっちょこちょいだけどさ・・・・あたしが後藤を守りたい。」
「・・・・守る?」
「付き合ってくれないかな?」
マジで?3年生のモテモテの先輩に告られちゃったよー!?
どーしよ・・・・
「あ、でも一応好きな人いるんで。ホンットに友達からで。」
「・・・・吉澤ひとみ?」
「え!?・・・・・・・そ、そうですケド・・・」
「ふ〜ん・・・まぁいいや。じゃぁよろしくね。」
そういって市井先輩は去っていった・・・・・
よくわかんない人だったなぁ・・・・・
- 74 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)18時32分43秒
- 文集委員になってしまった・・・・
まぁ理由はひとみがいるからなんだけどね♪
でも実は梨華ちゃんと市井先輩もいるんだぁ・・・・
―――――――――――――
「あ、梨華ちゃんひとりで持てる?」
梨華ちゃんが結構な量の資料を運んでいた。
「大丈夫。二度に分けて運ぶから。」
ひぇ〜几帳面なコ
「あたしも手伝うよ。」
あたしが資料を持ってドアを開けようとした時、ちょうどひとみが入ってきた。
「あ、ひとみ。梨華ちゃんの分持ってってあげて。」
「・・・ん。」
ひとみが資料を軽々と持ち上げて歩き出した。
梨華ちゃんはひとみの背中を見て、頬を赤く染めていた。
もしかして・・・・梨華ちゃんはまだひとみのことが好きなの?
中1の時と
変わらない自分がいた。
- 75 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)18時46分32秒
- 放課後、バレー部の部室の前を通る時、足がぴたっと止まった。
ひとみ・・・・・いるかな?
その時、ちょうどドアが開いてひとみが出てきた。
なんかさっきもこんな事あったような・・・・・・・
「入れば?」
「え・・・・あ、うん。」
部室に入ると、ひとみはカップケーキを差し出した。
「これ、なんか先輩からの差し入れなんだけどさ・・・甘いもん苦手だから食って。」
「ほんとに?わーい、お腹すいてたんだ〜♪」
「・・・・ふっ。」
ひとみは優しい笑顔を見せてから、あたしに背を向けてバレーボールでドリブルを始めた。
「あ、あのさ・・・・ひとみ。」
「ん?」
「さっき・・・余計なことしちゃってゴメン・・・梨華ちゃんの資料運ばせちゃって・・・」
「あー・・・・いや、かえって助かったかも。」
「・・・・・え?」
「なんか・・・不自然なくらい話してなくて・・・話すきっかけもつかめなかった。」
どういう意味だろ・・・・
- 76 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)18時54分55秒
- 「正直、もう二度と口聞くことないって思ってたんだ。」
・・・・・どうして・・・・・・
「そ・・・そうなんだ〜。よかったね!」
「うん、サンキュ。」
【サンキュ】
その言葉の意味が知りたかった・・・・・何が「サンキュ」なの・・・・?
「どうかした?」
「え、いや・・・別に・・・」
「うそつけ。」
「・・・・・・・・。」
うん・・・・うそだよ。
「ひとみは・・・どうしてもう二度と口聞く事ないって思ったの?梨華ちゃんと何かあったの?」
「あいつ・・・・ここにキズ跡あるじゃん?」
ひとみは自分のおでこを指差した。
「・・・・え?」
「チャリで2ケツしててすっころんだんだ。」
あれ・・・・ひっかきキズじゃなかったんだ・・・・・
「あやうく車と接触事故だったよ・・・・
梨華・・・・・・あたしをかばって後ろから手ェ出しやんの。」
ひとみを・・・・かばって・・・・?
「それでどうしたと思う?あたし。びびってたよ・・・かっこわりぃ・・・」
一瞬だけ・・・・・ひとみの背中が小さく見えた・・・・・・・・
「しばらく梨華の顔見れなくってさ・・・・情けないよね・・・
何が情けないってさ・・・・・びびってた自分だよ。」
- 77 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)18時57分36秒
「どうして・・・・・どうして?」
「多分・・・・・・あたしの方がもうちょい軽い気持ちだったのかも。」
ダン・・・ダンダンダン・・・・・・・・・・・
ドリブルしていたボールは・・・床に転げ落ちた。
「・・・・・だから別れたの?」
「別れたっつーか、梨華・・・自分から引いたよ。カンいいからさ・・・何も言わずに・・・・」
「ひとみ・・・・」
いつのまにか、あたしの瞳からは涙がこぼれていた。
「あたしに追う資格なんかないから・・・・・。」
- 78 名前:とみこ 投稿日:2001年11月03日(土)19時03分01秒
- 「・・・・・・泣いてんの?」
【ひとみ・・・・あたしはずっと・・・・梨華ちゃんになりたかったの・・・・・】
「何で泣くんだよ・・・・」
ひとみはあたしのおでこと自分のおでこをそっとくっつけた。
ひとみの手が・・・顔が・・・こんな近くに・・・・・・
「真希・・・・・・心配しなくていいから。」
「・・・・え?」
「もう過去の事だから。」
ひとみはそっと顔をはなして部室を出て行った。
その時のひとみの顔には笑顔があったから・・・・・
だから安心した。ひとみの言葉を信じようと思った。
- 79 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月03日(土)23時30分09秒
- 真希がんばれ!
- 80 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)17時12分40秒
- ひとみのあたたかい手が・・・まだおでこに残ってる――――
誰もいなくなった部室には、まだひとみの空気が流れていた。
その時、ひとみがマフラーを忘れていったことに気が付いた。
- 81 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)17時17分21秒
- 急いでスニーカーに履き替えて正門を出たけど、
もう豆サイズになったひとみのうしろ姿・・・・・
でもはっきりわかる。あれはひとみだよね。
あたしはそっと手を振った。もちろん気づくはず・・・・ない・・・・・・
ハァ・・・ハァ・・・・はぁっ ガタッ!
「・・・・・ひと・・・み?」
「何?」
息を切らして走ってきたひとみは、少しかがみながら聞いた。
「・・・・え?」
「呼んだろ?」
「・・・・あ、ごめ・・・」
「・・・・え?」
「て・・・手を振っただけ・・・」
「〜〜〜〜〜〜〜!!」
ひとみは呆れ顔で地べたに座り込んだ。
「あっごめん!!ってゆーかこれ!マフラー忘れてったよ。」
「真希ぃ・・・!」
「ごめんごめんごめんってば・・・」
ひとみはフゥっとため息をついた。
「一緒に・・・・・帰ろうか。」
- 82 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)17時22分38秒
- 『一緒に帰ろうか。』
「・・・・・・・・。」
さっきの言葉が頭から離れないよ・・・・・・
ひとみ・・・・戻ってきてくれた・・・・
「真希?」
「え・・・あ、さっきよくわかったね。あたしが手振ってんの。遠いのに。」
「両目2.0だもん。」
そっかあ・・・・
あんなとこから手振ったのバレバレじゃん!!はずかしー!!
ぐぅ〜〜〜〜〜
「・・・・あ。」
突然あたしのお腹の虫が鳴いた。
「・・・・・・・腹へってんの?」
「え・・・あ、そういうわけじゃ・・・」
「じゃぁ・・・・マックでも行くか?」
「う、うん!!」
- 83 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)17時38分33秒
- 「ひとみ、それ何?」
「ココア。飲む?」
「・・・え、いいの?」
「ん。」
「あ、おいしー。あったまるね〜。」
「だろ?」
・・・ん?これは間接チューではないですか?
「なんかさ・・・懐かしいね。中1の時以来だね。ひとみとこうやって並んで食べるの。」
「あー・・・1回だけ席隣になったことあったけ。」
「2日間だけね。2日きりだけ隣で・・・・」
梨華ちゃんが転校してきた・・・・
「正確にはいつから付き合ってたの?」
「え?」
「手つないでるの見たけど・・・もっと前から?」
「んあ・・・よく覚えてないや。付き合うとか意識じゃなくて、なんとなくじゃん?
よく話すとか一緒にいるうちに・・・・」
「・・・・・あたし・・・・ハンカチもらったんだあ。」
「金魚のでしょ?」
「うん。何で知ってんの?」
「梨華から聞いたから。」
・・・・・ひとみの口から「梨華」っていう言葉が出るときが・・・いちばん辛い。
「・・・・真希。」
「え?」
「もうこの話もうやめよ。」
・・・・・・そうだね。
- 84 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)17時47分24秒
- 最近わかった事・・・・市井先輩もバレー部らしい。
もちろんレギュラー。だってあのスタイルのよさといったら・・・・・まぁひとみには負けるか。
ドンッ
バレー部の休憩時間、ちょうどひとみが歩いていると市井先輩の肩とぶつかった。
「あ、すいません。」
ひとみは軽く謝って去ろうとした。
「・・・気ィつけろよ。」
市井先輩の言葉でひとみの足がピタッと止まった。
「んだと?コラァ。」
「あー!!ストップストップ!!ケンカしないのー!!」
「・・・・肩が触れただけだから。」
ひとみはそそくさと体育館を出て行こうとした。
「ひとみってば・・・」
あたしもひとみあとを追った。
- 85 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)17時55分34秒
- ひとみは誰もいない中庭のベンチに座っていた。
「ひとみ。」
「何?」
「あ・・・あの、ごめんね。昨日。」
「・・・・・・何が?」
な・・・何がってそういえば・・・・なんだろ・・・・
あの時むっつり黙りこくっちゃってごめんね・・・とか?(それじゃぁ自意識過剰だよね)
梨華ちゃんの話してごめんね・・・とか?(また話蒸し返しちゃうよ・・・)
「てゆーか・・・あのね!」
「うん。」
「つ・・・つまり・・・・・・・・・嫌いにならないでね!!」
ん?あたし今めっちゃ恥かしい事言ってない?ど・・・どうしよう・・・・!!
「うん。ってゆーか好きだし。」
・・・・夢?
- 86 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時04分44秒
- 春休みが終わって、2学期――――
ひとみとは春休みの間部活で2,3回会ったけど、恥かしくて話せなかった。
でも・・・・あれは夢じゃないといいな・・・・・・・「てゆーか・・・・好きだし」なんて・・・!!
気が付くともう下駄箱まで来ていた。
はぁ・・・クラスがえか。一緒のクラスになれるといいな・・・
うし!2学期今日からがんばるぞー!
「何ガッツポーズしてんの?」
「へ?」
その時、いきなりひとみが現れた。
しかし、ひとみはすぐに上履きに履き替えて去ろうとした。
何か話し掛けたい・・・・あの夢は夢じゃないって確かめたい・・・・・・
その時、ひとみはあたしに耳打ちしたんだ。
「一緒のクラスだといーね。」
夢じゃ・・・・・・・ない
- 87 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時08分47秒
- 「こわいよ〜!あゆみ、見てきてよ!!」
「う、うん・・・・大丈夫!絶対同じクラスだって!」
クラス発表の掲示板の前で目をつぶって祈っていた。
「・・・じゃぁ、見てくるね。」
あゆみはそっと掲示板のそばに寄った。コワイ・・・コワイコワイよぉ〜〜!!
くるっと向きをかえてあゆみがこっちに向かってきた。
「・・・・・どうだった?」
「ヨッスィ〜が・・・7組。真希は・・・・・6組だよ。」
ガーン・・・・・・・・・・・
「しかも・・・・・梨華ちゃんも7組だって。」
ショックショックショックショック・・・・・・・・!!!
「だ、大丈夫だって!あたしと真希は同じクラスだったから!!」
そんなの慰めにならない・・・・ひとみと同じクラスじゃない上に、梨華ちゃんが・・・・
最悪・・・
- 88 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時15分59秒
- 7組では――――――
「やっば、プリントやってきてないしー。誰か見せて〜。」
「いいよ。」
梨華がひとみにプリントを渡した。
―
「梨華。」
「・・・・え?」
「これ。問5間違ってると思う。これ、こっちの公式を使えばいいと思うから。」
「・・・・・ありがとう。」
「なんで友達つくんないの?」
「ひとみちゃんの気を引けるから。」
「え・・・・・?」
- 89 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時18分53秒
- まだ梨華ちゃんがひとみの事を好きだなんて・・・
あたしは知らない。
- 90 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時25分18秒
- 放課後、バスケ部の部室でひとりで片付けをしていると、ひとみが入ってきた。
「真希。」
「・・・・・あ。」
「クラス・・・・一緒になれなかったね。」
ひとみからその言葉を聞くと、自然に涙が出てくる・・・・・・・・
「な、泣くことないじゃん。」
「だ、だって・・・・ひ、ひとみと同じクラスに・・・な、なれなくて・・・ヒック・・・。」
「・・・・・あたしだって真希と同じクラスがよかったよ。」
- 91 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時28分00秒
- 「・・・・泣きやんだ?」
「うん・・・・。」
「あ、時間割写させて。授業重なる日調べるから。」
「え?」
「授業重なる日は一緒に話そうね。」
「う、うん・・・・。」
チュッ
ガタ・・・ガタ・・・ガタン!!
突然の事だったから・・・・・ビックリしてイスから落ちてしまった。
- 92 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時30分45秒
- 「大丈夫?」
「だ、だいじょぶじゃない・・・」
顔中が熱くなってフラフラしながらイスに戻った。
「はい、これ7組の時間割。」
差し出された時間割のメモを取ろうとすると、ひとみはさっとよけた。
「ほしい?」
「・・・・そ、そりゃほしいよ・・・。」
「じゃぁもっかいさせて。」
「うん。」
チュッ
- 93 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時38分22秒
- ある日―――7組の美術では・・・
「・・・・せんせー、これ何?」
ひとみは真希の肖像画を手にとって先生に見せた。
「あー、それは去年のだな。美術で描いた肖像画だよ。」
「ふ〜ん。」
「それ、あたしの。」
「え?あ、これ自画像じゃないんだ。」
「うん。真希ちゃんと組んだの。」
「へー、上手いね。美術5?」
「そんな事ないよ。」
「上手いよ。このほっぺたの柔らかい色合いと優しい雰囲気がいいね。なんつって。」
「柔らかくて優しいのはあたしの絵じゃなくて、このコの雰囲気なの。」
「うん・・・・そーかもね。」
- 94 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時39分58秒
- そろそろひとみのクラスは美術終わる頃かな〜♪
あたしは心を踊らせて美術室に入った。
ガラッ
そこには楽しげに話しているひとみと梨華ちゃんがいた。
- 95 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時41分49秒
- 「あ、真希おかえり!美術室行って来た?ヨッスィ〜居た?」
教室に入るなりあゆみが聞いてきた。
「・・・・あ、いや・・・友達と話してる最中だったから・・・」
「あ、そうなの?」
なんだ・・・梨華ちゃんとひとみ・・・・仲いいじゃん。
- 96 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)18時44分03秒
- その頃美術室では―――――
「嬉しそうだね。」
ひとみが絵をながめていると、梨華が聞いてきた。
「え?あたし?や、そんな事ないよ。(やべ、ニヤけてたかな・・・。)」
「付き合ってるの?真希ちゃんと。」
「・・・・さぁ?」
- 97 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月04日(日)18時52分34秒
- ひとみも好きになり始めてるのかな?
すごいいい展開!!
- 98 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)19時41分35秒
- ・・・・・どうして何もいわずに戻ってきちゃったんだろ・・・・・
あたしが遠慮する必要ないのに・・・・・
あんなに楽しそうに何の話してたのかな・・・・
へんだ・・・あたし。昔はこんな性格じゃなかったのに。
"あのコには負けたくない"
"ひとみを渡したくない"
って思ってたのに・・・・・・・
【キズ跡あるじゃん?】
【梨華・・・自分から引いたよ。カンいいからさ・・・何も言わずに・・・・】
あたしもしかして・・・梨華ちゃんに対して後ろめたいのかな。
- 99 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)19時43分42秒
- そのころ美術室では―――――
「かわいそうだなんて思わないで。」
「え?」
「ひとみちゃんは・・・あたしの事かわいそうだと思うから友達つくれって言うんでしょ?ひとみちゃんがあたしに気を遣う必要なんて全然ない。」
「・・・・・じゃぁどうすればいいってゆーの?」
「ほおっておいて。同情しないで。遠慮も要らない。あたしはひとりでもぜんぜん平気だし、誰かが必要なんて思ったりしないから。」
「梨華さ・・・・・・・・それ、本心?」
- 100 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)19時46分58秒
- 放課後―――
思い出した。
あの時ひとみはこう言ったんだ。
【あたしに追う資格なんかないから・・・・・】
それはもしかして・・・・ "追いたかった"ってこと?
バスケットボールを拭く手が止まった。
だからひとりで浮かれてちゃダメなんだよね・・・。
「ねぇねぇ後藤さん。」
バスケ部の先輩が話し掛けてきた。
「ヨッスィ〜と付き合ってるの?」
「・・・・ち、違います。全然そーゆーんじゃないですから・・・。」
そーゆー関係じゃ・・・・ない・・・・・よね?
- 101 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)19時52分21秒
- 「真希・・・・。」
静かにバレー部の部室にひとみが入ってきた。
「何?」
「一緒に・・・帰る?」
「う、うん・・・。」
「じゃぁ一体「どーゆうの」なの?」
さっきの先輩との会話・・・聞いてたんだ・・・。
どーゆうのなんて・・・・こっちが聞きたい。
「梨華ちゃんの事を、追いたいと思った?」
「あのさ、はっきり言うけどあたしと梨華の関係に・・・真希は関係ないんだよ。」
「関係ない?」
【追う資格なんか・・・・】
言っちゃ・・・・ダメ・・・
「もしひとみがまだ梨華ちゃんの事を好きなら、ぜんぜん関係なくないよ。」
ダメなのに・・・・何か言ってくれると思った。
何か言って欲しかった。
けれどひとみは何も言わずに去っていった。
あたしが・・・・・壊した。
- 102 名前:とみこ 投稿日:2001年11月04日(日)19時57分34秒
- ―第4話― 〜冬の雪〜
終わりです。
明日から最終話に入ります。
多分明日中にこの小説は終わると思います。
最後は感動で終われるように頑張るので、よかったら読んでください。
初めて読む人は、最初から読んでくれるととても嬉しいです。
では、明日から一気に更新して終わらせる予定ですので、お楽しみに。
―最終話― 〜ラストチャンス〜
- 103 名前:Laiz 投稿日:2001年11月04日(日)20時53分51秒
- 更新お疲れ様です。
最後楽しみにしてます。
- 104 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月05日(月)00時03分37秒
- もう終わっちゃうんですか〜。
ここのいしよしごまかなり好きですよ。
最後がんばって下さい
- 105 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月05日(月)02時44分55秒
- ごっちん報われてほしいな。
最終回楽しみにしてます。
- 106 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)08時27分17秒
- 今日は学校の文化祭の振替休日でおやすみなので、ガンガン更新します!!
あ、ちなみに中1です。
- 107 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)08時28分44秒
- 冬が過ぎて、再び夏が来た。
あれからひとみとは全然話してない。
もう傷つきたくない。
だから―――――――
みんな思い出にしてしまおう。
―最終話― 〜ラストチャンス〜
- 108 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)08時35分10秒
- 1年でいちばん熱い季節がやってきた。
夏・・・・中1の夏。苦い思い出がいっぱいあった。
そう・・・・・すべて思い出―――――
「あゆみ〜、ジュース買ってきたよん。」
「あ、ありがと〜。もうすぐ学校祭だね。7組マーメイドやるらしーよ。」
「マジで?い〜な〜。早く夏休みの日程決めちゃおうよ。」
「あ、29日って夏祭りじゃん。」
「あ、そうだっけ?じゃぁ一緒に行こうね。」
「真希、ヨッスィ〜と行かないの?」
「・・・・もう、疲れちゃったよ、色んなことに。
ひとみに近づけば近づくほど梨華ちゃんの存在を思い知らされる。ってゆーか、自分でも思わなかった。梨華ちゃんの事がこんなにキズになってるなんて。あたしはこの先ずっと梨華ちゃんを振り払うことはできないと思う。」
「真希・・・・・。」
「もうこんな自分は嫌だし、ひとみにも・・・こんな自分は見せたくないの。」
「・・・・・・好きなのに?」
「好きだから。」
「あんた・・・・・バカだよ・・・・」
だから・・・・・だから思い出にしてしまえ。
- 109 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)08時40分44秒
- 「おばちゃん、ジャムパンと牛乳ね。」
「あいよ。」
だから・・・・ひとみを嫌いになりたくない。嫌われたくない。
「真希、一緒にお昼食べよ。」
「ごめん、あゆみ。今日は1人で食べるから・・・・。」
―――――――――――――
ミーンミンミンミン・・・・・―――
「あちー・・・・」
コ影絵でお昼を食べていると、ひとみが歩いてきた。
「となりいい?」
「・・・・・・あ、あたしどくから。」
立ち去ろうとした時、ひとみがキュッと腕を掴んだ。
「逃げんな。」
「別に逃げてなんか・・・・」
「・・・・一体どうして欲しいわけ?言ってよ。真希。」
どうしたら・・・・?
「だから・・・・もうやめる。」
あきらめる。
「やめる・・・・・から。」
あきらめるから。
「なにそれ。ずいぶん簡単だね。それとも中1の腹いせ?」
「そうかも・・・。」
「わかった。」
もう辛い思いはしたくなかった。
だって自信がなかった。
またあんな思いはしたくなかった。
なのに・・・・
あたし今
後悔してる?
- 110 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)08時42分10秒
- >>109
コ影絵=木陰
変な間違いしてしまいました。
- 111 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)08時45分23秒
- 「あ、梨華ちゃーん!」
部活が終わって帰ろうとした時、下駄箱で梨華ちゃんに会った。
「今帰り?」
「うん。」
「お祭寄るの?」
「ううん。」
「え、じゃぁ一緒に行かない?」
「でも・・・・」
「行こーよ、行こーよ。ね?」
そうだよ・・・・みんな思い出にしてしまえ。
だから・・・梨華ちゃんとも・・・仲良くできたじゃん。
でもひとみとは・・・・・・・・もう話せないのかな。
- 112 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)08時50分53秒
- 部活の友達や先輩達、数人でお祭をまわってたいた。
「大丈夫?」
梨華ちゃんが心配そうにたずねた。
「え?」
「目赤い。」
「あ、ううん。さっきこすっちゃったから。平気平気。」
「・・・・誘ってくれて・・・・・ありがとう。」
「な、なにお〜っ。梨華ちゃんっ。照れるじゃんか〜。」
初めて梨華ちゃんがあたしに見せてくれた笑顔だった。
―――――――――――――
「あれ?梨華ちゃんは?」
「えー、知らないよ。はぐれたんじゃん?」
「うそー。ヘタに動くと余計にはぐれるよね。」
「じゃぁあたし探してくるから。真希は待ってて。」
「あ、うん。」
ふぅ・・・
- 113 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時00分02秒
- 「ごとー。」
「へ?」
市井先輩がニコッと笑って立っていた。
「金魚すくい好き?やんない?」
「あ・・・・うん。」
―――――――――――
「あー!!またやぶけた〜・・・。」
「ごとー、下手だな〜。水ごとすくうんじゃないよ。」
「ふ〜ん・・・・おりゃ!あ〜〜!!やぶけた〜〜。」
「まぁまぁあせらずに。」
「えへへ・・・・」
「なんで友達と来てんのかなぁ・・・?」
「はっはは・・・何言ってんの市井ちゃん・・・。」
バシャバシャ・・・・寂しげに金魚が泳いでる・・・・
「後藤。」
「あー、この黒出目はあたしが取ってやろう!おいでおいで!」
「・・・・ダメじゃん。」
「あ、すっごくおしい!!キャハハ・・・ハ・・・」
いつの間にかあたしの頬は涙で濡れていた。
「後藤、お前ダメじゃん。好きなのに離しちゃダメじゃん。」
市井・・・・ちゃん・・・・
「さっき、広場のところに部のやつたちと来てんの見たよ。」
そういって市井ちゃんはあたしのおでこをコツンとつついた。
「泣くのは全てが終わってなんの希望も残されない時だよ。」
「市井ちゃん・・・・・・・ありがと・・・」
- 114 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時02分08秒
- 「ハァ・・・・ハァ、ハァ・・・・」
ひとみ
ひとみ・・・・
お願い・・・・
あたしを嫌いにならないで・・・・・
「どこぉ・・・・?」
その時、広場から梨華ちゃんの声が聞こえた。
- 115 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時06分35秒
- 「やめてください・・・!!」
男子高校生が梨華ちゃんの肩を掴んでなんか話し掛けてた。
「いーじゃん。どうせ1人じゃ寂しいんでしょ?」
その時、突然ひとみが現れてその男の人を殴った。
「このコに何か用?」
「・・・・つ、連れがいるなら言えよ!チッ」
そう言って男は去っていった。
どうしよう・・・・
あたしこのまま出て行っていいのかな・・・・?
「ひとみちゃん・・・・あ、ありが・・・」
「何してんだよ、ひとりで。声かけてくれって言ってるようなもんじゃん。」
「だ、だって・・・友達とはぐれちゃって・・・そしたらあの人がずっとついてくるから・・・。」
「送るよ。」
ひとみ・・・
やだ・・・行かないで・・・!!
ひとみ!!
- 116 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時10分13秒
- 「・・・・いらない。ひとりで帰るから。」
梨華・・・ちゃん・・・
「・・・・・ごめん、また余計な事した。言われたとおり"ほっとく"から。」
「・・・・・・。」
梨華ちゃんの目には涙が光った。
「・・・・けど
バスじゃなくて、タクシーで帰れよ。」
その優しい言葉が・・・・梨華ちゃんを本気にさせてるんだよ・・・?
黙った梨華ちゃんにふっと振り向くひとみ・・・・
その時、大粒の涙を流しながら梨華ちゃんはひとみに抱きついた。
「梨華・・・・・なんで泣くんだよ・・・」
- 117 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時14分55秒
- 「梨華・・・・・なんで泣くんだよ・・・」
「・・・・ウソなの・・・!!ひとみちゃんじゃないとイヤなの・・・。」
ひとみは梨華ちゃんの頭をそっと抱きかかえた。
「イヤなの・・・。」
イヤなのはこっちだよ・・・
ひとみ・・・・梨華ちゃんのものにならないで・・・!!
ひとみ・・・!!
「梨華・・・・お前、友達つくれ。」
「・・・・え?」
「1人でも2人でも、女でも男でもいいから。そんでそいつを守ってやれ。ほら、得意だろ?そーゆーの。そしたらそいつがいつか梨華を守ってくれる。」
「・・・・ひとみ・・・ちゃん・・・」
「ずっとそれが言いたかったんだ。遅くなってゴメン。」
「その人は・・・・ひとみちゃんじゃないのね?」
「あたしには今、好きなコがいるから。」
「・・・・・それが聞きたかったの。ありがとう。」
「じゃぁね。」
「うん。」
そう言って梨華ちゃんは帰っていった。
- 118 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時17分29秒
- あたしはその場に飛び出て、ひとみをうしろから抱きしめた。
「ひとみ・・・・・」
「何・・・・なんのマネ?」
「・・・・・ごめんね?」
「・・・何が?」
「嫌いにならないでね。」
「てゆーか、好きだし。」
ヒュー――――ドンドンッッ!!パンパンパンッ!!
大空に大きく花火が舞った。
「手、放すなよ。」
ひとみはあたしの手をギュッと握ってくれた。
- 119 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時20分30秒
- あたしの苦い思い出は・・・・・・いつも夏です。
あたしが涙を流すのは・・・・・・いつも夏です。
中1の夏は、梨華ちゃんとひとみに涙を流しました。
でも今年の夏はちがう・・・・・嬉し涙だね。
楽しいことも
哀しいことも
嬉しいことも
せつないことも
花火も
スイカも
かき氷も
彼の匂いも
懐かしい思い出も
新しい未来も――――――――
<<END>>
- 120 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)09時23分49秒
- 終わりました。
最後の「彼の匂いも」は、間違えたのではありません。
ヨッスィ〜を最後まで男っぽく見せたかったので・・・。
この作品を読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
何よりやりとげる事ができてよかったです。
とみこ
- 121 名前:Laiz 投稿日:2001年11月05日(月)16時36分17秒
- 更新お疲れさまでした。
無茶苦茶良かったです/_;
それぞれの思いから迷いが消えて行くのが凄いよくわかりました。
次回作とかあったら期待してます。
- 122 名前:とみこ 投稿日:2001年11月05日(月)17時39分48秒
- >>121 Laiz様
ありがとうございます。何度か感想を書いていただいて、とても嬉しかったです。
次回作・・・実は作ってあるんです。
もう少したったらどこかに書きたいと思います。
- 123 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月05日(月)17時47分59秒
- とても感動しました。
中一とは思えない文章力ですね。尊敬します。
- 124 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月09日(金)02時58分06秒
- 素敵な結末で良かった。
ごっちんがほんとにカワイイですね。
- 125 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月21日(水)02時42分15秒
- ホントに面白かった。
たまたま見たんだけど良かったよ。
次回作頑張ってね。
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