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彼女を振り向かせる方法
- 1 名前:作者 投稿日:2001年10月30日(火)17時36分33秒
- 最近、よしごまがマイブーム(w
と、いうわけで…
更新は不定期です。
- 2 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時29分16秒
仕事が終わって、控え室に入ったアタシは、イスにもたれかかって誰かが寝ている
のを見つけた。
モーニング娘。の忙しさは尋常じゃない。
だから、誰かが控え室で寝ていたって、そんなの対して珍しい光景じゃないんだけど。
アタシの目が、彼女に釘付けになったのは…
そう、彼女が、『彼女』だったからで。
おかしいけど、アタシは今、メンバーに恋をしているのだ。
茶色く、長い髪。
眠そうな目。
ツヤツヤした唇。
ぽやっとしてる割に、頑固な性格。
――――彼女を形成する、すべてのものが、アタシには愛しくて仕方ない。
彼女。
天然魔性系の彼女の名前は
後藤真希。
- 3 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時36分02秒
なんだか、フルネームで名前を呼ぶのも、最近じゃ照れてしまう。
ちょっと、重症な恋の病にかかってしまいました。
吉澤ひとみ、16歳。多感な年頃ってことで…。
ごっちんの長い髪が、一つに束ねられてサラサラと胸の方まで垂らされている。
その胸は、かすかな寝息とともに、小さく上下していた。
ああ…やっぱりカワイイ…。
アタシが加入したばかりの頃は、絶対に仲良くなれないなんて思ってたけど。
今じゃ、そんな話もネタとなってしまうくらい、アタシとごっちんは仲がいい。
もっとも、アタシがごっちんに対して抱いている『想い』と、
ごっちんがアタシに対して抱いている『思い』には、
愛情と友情っていう、大きな差があるんだとしても…。
アタシが部屋に入って、ごっちんの側に歩み寄っても、彼女は目を覚ます気配すら
見せない。まあ、ハロプロメンバーの中でも、気がついたら寝ている人bPになる位
のごっちんだから、アタシ1人が近づいたって目を覚ますはずないんだけど。
起こさないように、静かにしてるってせいもあるんだけどね。
だって、寝顔もかわいいんだもん。
- 4 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時42分07秒
今、ごっちんが着ているのは仕事の衣装だ。
今度の新曲の衣装で、赤いスーツ。ただし、かなりダボダボ。
一応、「男」をコンセプトとして用意されてるはずなんだけど、その衣装を着て
男を演じてるごっちんに、アタシは逆に思いっきし「女」を感じてしまうのだ…なぜか。
髪がかなり長くなり、スタイルも最近ぐっと女っぽさを増したごっちん。
年齢は一緒なのに、彼女には他のコにはない、独特の色っぽさがある。
…とはいえ。
男装してるごっちんに、ドキドキを通り越してムラムラしてしまうアタシって…
ちょっとヤバイんだろうか…。
そっとごっちんの顔に、自分の顔を近づけてみる。
瞳はまだ、固くとじられたままだ。
規則正しいリズムを刻んでいる呼吸。
首筋から、ごっちん愛用の香水の香り。
う〜ん、ごっちんて香水つけるの、上手なんだよなあ。
なんかこう、ふわって香る感じの、軽いつけ方?
いつもつけすぎて失敗してしまうアタシには、うらやましい限り。
でも、いいんだ。
アタシは娘。内じゃ、男前キャラで通ってるし。
- 5 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時47分07秒
…ま、そのせいで女の子を意識するようになったワケじゃないけど。
なんとなく、『かっこいい男』よりは、
『かわいい女の子』の方が、昔っから好きだったんだ、アタシは。
それがモーニング娘。みたいなところへ来て、恋に目覚めないほうがおかしいってもんさ!!
そして今、この恋心のベクトルは、ひたすらごっちんに注がれているわけだけど。
哀しいことに、ごっちんはどうも、そういったことには疎くって…。
がんばっちゃいるんだけどね。
どうも、ごっちんはアタシのことを『親友』としてしか見ていないような気が。
娘。内の恋愛は、そう珍しいことじゃないんだって。
前に、矢口さんが言ってた。
かくいう矢口さんは、中澤さんと付き合ってるし。
保田さんと梨華ちゃんも、なんだかイイ雰囲気。
だから、いくら女同士とはいえ、頑張ったってどうにもならないっていう状況でもないのだ!
そして、アタシは決めたのだ。
絶対に…
絶対に…
後藤真希を、振り向かせてみせる!!
- 6 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時51分20秒
- なんて一大決心をしといてからなんなんだけど。
控え室に二人っきり。
愛しい彼女は、無防備にも眠っている。
こんなオイシ〜イ状況で、手を出さずにいられるでしょうか?
…いられないよねえ〜。
アタシは、相変わらずスースー眠りこけてるごっちんから少おし、顔を離した。
周りを、きょろきょろと見回す。
誰もいないっと。
それだけを確認して、アタシはごっちんの唇に、自分の唇を合わせた。
ちゅって、軽〜く触れるだけの、キス。
…ぉぉう、やわらかい……
その感触に、心臓が高鳴ってくる。
顔も熱くなってきた。
ドキドキしてる。
キスしただけで。
恋って…いいなあ〜。
きっと、誰かが今のアタシの顔を見てたら、
『デレデレし過ぎ!!』
なんて、言われちゃんだろうな。ふふふ。
- 7 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時54分55秒
-
キスしてみたけど、やっぱりごっちんはまるで目を覚ます気配がなかった。
ちょっと、大胆な気持ちが芽生えてくる。
「真希…」
アタシは声に出して、ごっちんの名前を呼ぶ。
反応がないのを見て、アタシは再びごっちんの唇を奪った。
ただし、今度は舌を入れてみる。
眠ってる彼女にディープキス。
ごっちんの口の中を、貪る。
ふつふつと沸いてくる、密かな征服感。
ドキドキする。
心臓が参っちゃいそうだ。
けど、アタシの本能はキスだけじゃ飽き足らない。
キスだけじゃ…
ごっちんを、愛しい彼女を、この手で抱いてみたい…
やばい、暴走しそうだ。
いつ、誰がくるとも分からないのに?
でも、ごっちんに重ねた唇、絡ませた舌を離すのは名残り惜しくって。
アタシはしばらく、口づけたままの体制でいた。
- 8 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時57分47秒
-
時々ちょこっと、ごっちんの着ている赤いジャケットの中に手を差し入れてまさぐってみたり。
アタシのよりずっと大きい(少し哀しい)ごっちんの胸は、
形も良く、
弾力もあって、
服の上からじゃなく、直接触ってみたくなった。
ちょっとだけなら…
ごっちんは自分が何をされてるかも知らず、まだ眠り続けたままで。
アタシは長いキスから、ようやく顔を上げて。
一つめ…二つめ…
順番に、ごっちんの服のボタンを開けていく。
もうすぐでブラが見えそうなところで…。
「ん、う〜ん…」
ごっちんが声を上げた。
ぎぎくうっっ!!
や、ヤバイっ!?起きるっ!!
- 9 名前:作戦その1 〜寝込みを襲う編 投稿日:2001年10月30日(火)19時59分10秒
-
アタシはボタンを外したその何倍もの速さでごっちんのシャツのボタンを留めると、
超特急の速さでごっちんから数メートル離れたイスに腰掛けた。
ドキドキしているアタシをよそに、ごっちんはふにゃあ、とした顔でしきりに目を
こすりながら体を起こした。
ドキドキ、ドキドキ…
ああ、ごっちん…寝起きもかわいい…
そんなふしだら(笑)な親友に何をされたかも知らずに、ごっちんはアタシの姿を
確認すると、無邪気な笑顔をアタシに向けてきた。
「おはよ、よっすぃ〜。後藤、寝ちゃってた」
アハッと笑いながら、首を傾けて話すごっちん。
なんて…罪な笑顔だ!
アタシはさっきまで堪能していたごっちんとの(一方的な)キスと、服の上からの
胸の触り心地を思い出して、1人、改めて決意を固めていた。
ごっちん、絶対にモノにしてみせる!!
んでもって、堂々と…
うわあ〜!!恥ずかしくて言え―――ん!!(照)
暴走気味な吉澤ひとみ、16歳。
後藤真希を振り向かせる大作戦は、まだ始まったばかりです…。
- 10 名前:作者 投稿日:2001年10月30日(火)20時00分59秒
- 作戦その1、終了です。
今後、よっすぃが暴走してエロにいっちゃうのは…アリですかね?
書けるか分からないけど(ワラ
- 11 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月30日(火)21時46分54秒
- よしごまだ〜♪
なんかよっすぃーおもしろくていいです。ごっちんもかわいい
エロも期待しちゃったり…(爆)
- 12 名前:バービー 投稿日:2001年10月30日(火)22時56分49秒
- おぉぉぉ!!!めっちゃいいです、ここのよしごま!
ごっちんに欲情するよっすぃーが最高っっ!
続きも期待しています。最近にわかによしごまが
増えて、本当に嬉しい限りです。
>>11さんの期待に激しく同意!ですね(w
- 13 名前:作者 投稿日:2001年10月30日(火)23時32分10秒
- おおっ、早速レスが!!ありがとうございます(感涙
>>11 名無しさん
よしごま好きですか〜!?(w 私も大好きです!!
カップリ小説書くのは初挑戦なんで、変なとこあったらバシバシ言っちゃってください!
>>12 バービーさん
お褒めの言葉、ありがたいっす。
よしごま好きとしては、最近の傾向は喜ばしい限りで・・・
こっちもがんばって書きますんで、また見に来てくれたらうれしいです。
では、調子に乗って作戦2だー!
- 14 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月30日(火)23時41分37秒
-
吉澤ひとみ、16歳。
最近、恋をしています。
その想いが強すぎて、最近よく欲情します。
………って、はあ…。
仮にも、16歳の乙女が欲情ってなあ…。まあ、事実なんだからしょうがないけど。
だって、アタシの想い人は、あまりに魅力的だから。
そして、本人も無意識のうちにフェロモン振りまいてるもんだから。
ちょっと、ついついアタシの中の「オトコゴコロ」がムクムクと膨れ上がっちゃ
うんだよなあ。
そんでもって、本人が人を誘ってんの無自覚なもんだから、余計に心臓に悪い。
モー娘。に入って1年と半年、
何度心臓の止まる思いをしたか…。
って、それはもう、美味しい思いでもあるんだけどねっ♪
そう、アタシの想い人。
誰よりも、近くにいる彼女。
きっと、彼女もアタシのこと、そう思ってくれてる…ハズ!
ただし、それは友達として…だけど、今は。そう、今は、の話。
いつかは…彼女を、アタシのモノにして見せるんだ!
日本一のアイドル、後藤真希を。
アタシだけの、後藤真希に………。ふっふっふ。
- 15 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月30日(火)23時48分11秒
-
アタシとごっちんが、仕事で一緒になることは、ごく多い。
プッチモニがその主としていいだろう。
それに、アタシとごっちんは似通った性格や、同い年であることの共通点から、
番組の進行上、一緒にコンビを組むことも多い。
それはもちろん、大いに大歓迎なんだけど。
最近は、アタシの欲情が高まっているせいか、それがちょっぴし辛いときもある。
楽屋で二人っきりになったときとか、
ごっちんがふざけて抱きついてきたときとか、
それはもう、本当に。
きっかけさえあれば、ごっちんのこと、床に押し倒しちゃいそうになる自分がいる。
…その度に、必死で本能を抑えてるんだけど。
最近じゃ、理性が本能に負けそうなアタシ。
がんばれ〜、理性のヒトミ〜。
・・・・・・・・・
なんて、ふざけてる場合じゃなかった。
本当に、ごっちんのコトを襲ってしまいそうな危機(否、好機!?)が、アタシに
訪れたのだ。
- 16 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時01分02秒
- 「はあ〜?二人羽織ですかあ?」
大声で、怪訝そうに言ったのは、保田さん――もとい、圭ちゃんだった。(こう呼ばないと
なぜか怒るんだ)
とある番組の企画で、『モーニング娘。二人羽織対決!!』だなんて、ベッタベタな
ネーミングの案が持ち上がったらしい。
二人羽織自体、まるで時期外れだし、「なんで?」って声も聞こえてきそうなもんだ
けど、結局は今が旬のモー娘。なら、なにやったってオッケー!ってことらしい。
「じゃ、適当に二人組決めてねー」
飯田さんの一言に、13人の娘。たちがワッと散らばる。
アタシは一瞬、考える。
どうしよう……!誰がいいなんて考えたら、そりゃーもーごっちんしか
いないんだけど、
でも二人羽織っていったら…
その…密着…だよね…。
ごっちんと密着…
そんなの、理性が吹っ飛ぶに決まってる〜〜!!
ダメだ、ダメだ、ダメだ!!
アタシはまだ、ごっちんにそんなヤラシイこと出来ないぞっ!!
- 17 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時06分32秒
-
悲しいけど…めっちゃくちゃ残念だけど…
今回は、ごっちん以外のコと組むことにしよう。うん。
なんか新曲のせいで、特に新メンバーのコたちには人気抜群みたいだし、アタシ。
誰がいいかな〜、う〜。
高橋さんは…かわいいんだけど…う〜ん…
小川さんは…あんまり好きな顔じゃないし…
紺野さんは…足怪我してるから、今回は出ないみたいだし…
新垣さんは………
「よっすぃ〜、一緒にやろうねっ!」
「もちろんだよ、ごっち〜ん♪♪」
………ハッ!!!
つい、ごっちんに誘われたうれしさと、いつものノリで。
アタシはごっちんとコンビ結成が決定。
うれしいんだけど…
うれしいんだけど…!!
ちょっと複雑な、吉澤ひとみ、多感な年頃16歳。
ごっちんに手を出すことのないよう、アタシは自制するよう、決意したのでした。
多分、無駄。
…はあ。
- 18 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時14分41秒
- 「よっすぃ、練習しよ〜」
「あ〜い」
「何よ〜、気合入ってないなあ」
自分こそ…。
ふにゃっとした表情のごっちんにアタシはこっそり、胸の中で突っ込みをいれる。
でも、そんなところもかわいいぞ♪
…って!
そういうこと考えちゃダメなんだってば!!危ない危ない。
アタシは思わずあっちの世界に飛びそうになったところを、辛うじて踏みとどまった。
大丈夫かな…?最後までもつんだろうか、アタシ。
「そういえばさ、この企画。優勝ペアにはなんか賞品出るらしいよ?
頑張ろうねっ!
アタシとよしこなら、息ぴったりだからいけそーな気がするっ!」
…ごめん、ごっちん。今回ばかりは、アタシ駄目かも。
思わず気弱になるアタシ。
頭の中を、さっきから「密着」の文字がぐるぐると回ってるくらいだし。
「……がいいね、行こッ♪」
ふと我に帰ると、ごっちんが不意にアタシの手を握ってどこかへ行こうとしていた。
柔らかい手だなあ…ごっちんてば積極的…
って違うー!!
「ちょっと、ごっちん!どこ行くの?」
手を引かれながら、アタシは慌てて聞いた。
- 19 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時23分27秒
- 「えー!?も〜、よっすぃってば聞いてなかったの??
練習するんだよ、練習!優勝目指して!」
珍しく元気に答えるごっちんに、アタシは再び質問を返す。
「じゃーなんで移動するの?」
アタシの問いかけに、ごっちんはぴたっと足を止めて。
「もおー、よっすぃ、ホントに人の話聞いてなかったでしょ!!」
膨れっ面。
…かわいい…
ごめん、ごっちん。またアタシ、トリップしてしまいました(反省)。
「ごめんごめん、さっきちょっとぼーっとしててサ」
取り繕うように言ったアタシに、ごっちんはしょーがないなーとこぼして、
「だってさ、みんなもバラバラに練習してるわけでしょ?
で、本番前に、見られたくないじゃん、誰にも。だから、ウチらもみんなに
隠れて、練習しよって言ったの。
誰もいないとこ、探してさ」
「…誰もいないとこ…っすか…」
「そーだよ、だって人いたら見られちゃうじゃん」
当然、といった感じの顔で、頷くごっちん。
- 20 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時31分59秒
-
誰もいないとこって…さあ、ごっちん、自分の危機を察知してくれよ!
こんな欲情のかたまりみたいな親友連れて、どこ行く気だよ!
って、親友だから安心してるんだろうけどさ(いじけ)。
「そういうことだから、早く行こっ、ねっ」
ああ…ごっちんが誘ってる…アタシを誘ってるよ…(苦)!!
駄目だよ、ヒトミ。ここで誘惑に負けちゃあ!
アタシは自分に言い聞かせ、なんとか理性を保ってごっちんの後ろをついて行く。
「う〜ん、なかなか二人っきりになれるところってないねえ」
ごっちんが困ったように呟く。
アタシは…『二人っきり』の甘美な響きに酔い痴れそうに…イヤ、なってないぞ!
「あ、あそこはどうかな〜?」
アタシの内心の葛藤をよそに、ごっちんはある部屋を指差した。
部屋、というよりそれは…物置…。
「そ、そりゃあそこなら人はいないだろうけどさ」
アタシの声は、焦りのため上ずっている。
だって物置といえば暗い&狭い!!
そんなとこで、ごっちんと二人っきりってか〜!?
ごっちん、そんなに襲ってほしいのかよ…(涙)。
- 21 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時39分38秒
- 「じゃ、あそこでいいよね?行こう、よっすぃ」
ごっちんはいい場所見つけた、とでも言わんばかりに得意げな顔で、アタシの袖を
引っ張って物置へ入っていく。
…ああ、連れ込まれてしまったよ。
早速、体の芯がむずむずしてくるのに気がついた。
アタシは今日、ここで最大のピンチを迎えていた…。
「へえ〜、案外きれいだね?よっすぃ」
きょろきょろと見回しながら、アタシの名前を呼ぶごっちん。
呑気なんだから。
ちくしょう、そんな無邪気なところがカワイイよ。
「ねえ、ごっちん。前と後ろ、どっちがどっちやる?」
アタシは自分のこのむずむずした気持ちを紛らわすために、ごっちんに聞いてみる。
返事は、あっさりしたものだった。
「―――ジャンケンでいいんじゃない?
勝った方が前。
負けた方が後ろ。って感じで」
「オッケ。じゃ決めちゃお。
いくよー、ジャーんけーん…」
「「ぽいっ」」
- 22 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時54分38秒
- こうして、神様はアタシに偉大なる試練を与えてくれました…。
アタシはおっきめの羽織を頭から被って、後ろからごっちんの柔らかい体に抱きついている。
っていうか…。
っていうか…。
細いのに柔らかい、この感触はなんだ―――っ!!
やばい、やばい。この段階で理性を失うわけにはいかない。
ここで変なことしたら、ごっちんのアタシへの「親友」としての信頼まで失ってしまうことになる。
というわけで、ここがアタシの我慢どころだ。
当のごっちんはというと。
「あはあ、くすぐったーい」
などと、呑気に笑っていたりする。…人の気も知らないで。
ちょっと、懲らしめてやれ。
アタシの中に、(ごっちんに罪はないけど)ささやかな復讐心が生まれる。
背中から、ごっちんの体に腕を回して。
ぎゅうううっ
少しきつめに、抱きしめる。
「あはははっ、痛いよ、よっすぃ〜」
それでもまだ楽しそうに笑っている彼女。
「大人しくしろ〜」
なんだか、アタシも童心に返った気分で、ふざけてますます腕に力を込めた。
- 23 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)00時58分38秒
-
「やーだー、痛いってばよっすぃ〜」
それでもまだ笑いながら、ごっちんが体をよじったもんだから。
相当密着してたアタシ達はバランスを崩して、
どさっ
と床に一緒に倒れこんでしまった。
「「いっつう〜…」」
アタシとごっちんが、同時に声を上げる。
「イタタ…ごっちん、大丈夫?」
体を起こしたアタシは、そこでとんでもないことに気がついた。
う、上に乗っかってる…!!
倒れたときどう体をひねったのか分からないが、アタシは仰向けに倒れたごっちんの
上に覆い被さるように(つまりはうつぶせに)乗っかっていたのだ!
それはもう、ごっちんの息がかかるくらい、超接近。
ヤ・バ・イ………(焦)。
アタシの自制心が音を立ててくずれていく…気がした。
ごっちん……
狼は、好きですか??(涙目)
- 24 名前:作者 投稿日:2001年10月31日(水)01時05分47秒
- (o^〜^o)<ごっち〜ん、食べちゃってもいい?
(´Д`)<んあ?よっすぃにならいいよ〜
(o^〜^o)<ェッ・・・マジで!?
(´Д`)<いいよ〜、まだいっぱいあるから、ピスタチオ
(o^〜^o)<・・・・・・アリガト(涙)
というわけで、次回に続きます。甘々になるのはいつのことやら…(w
- 25 名前:作者さんっていちごま書いてた?違ってたらスマソ… 投稿日:2001年10月31日(水)02時19分18秒
- もしろ〜い!!
暴走よっすぃ〜イイ!!
- 26 名前:作者 投稿日:2001年10月31日(水)20時53分15秒
- >>25さん、カップリング書くのは今回が初めてです。
いちごま…機会があれば書いてみたいですね。
何気に後藤って小説にしやすいキャラなんで…。
んでもって、よっすぃ〜はさらに暴走します!
- 27 名前:作者 投稿日:2001年10月31日(水)21時14分33秒
-
アタシと、ごっちんとの顔の距離は約20センチ。
近い、なんてもんじゃない。
接近…し過ぎ。
アタシは、自分の顔が真っ赤になっていくのを意識しながら、それでもごっちんの
顔から目をそらせずにいた。
だってさ…
ごっちんがさ…
あの涼しげな目で、じいっと、アタシのこと見つめてるんだも〜ん!!
こんな目で見つめられたら、そう簡単には目が離せない。
まるで、ごっちんの瞳に捕らえられたみたい。
めっちゃくちゃ、緊張。
心臓、バクバク。
男の子が、初めて彼女を押し倒すときって、こんな気分なんだろか…。
不意に、アタシの脳裏にそんな想いがよぎる。
って、アタシこれでも立派な女なんだけど。
最近、自分の中で男度がかなりアップしてきてる気がするぞ。
その理由の大半は、おそらくアタシのごっちんへ対する恋心のせいなんだろうけど。
しかし。
それにしても…
こっから、アタシは一体どうしたらいいんだ!?
- 28 名前:作者 投稿日:2001年10月31日(水)21時21分59秒
-
アタシはごっちんを押し倒した体制のまま、どうしようどうしようと必死に考えていた。
キスしてみる?
…いや、まだ告白もしてないのに、いきなりそんなことするのは…!
抱きしめる?
…アタシ、最近また体重増え始めたからな…重いとか言われたらショックだし…
じゃ、このまま起き上がる?
…それだけは絶対に嫌だ!! こんなチャンスなのに、もったいない!!
・・・・・・
アタシが葛藤している、その間。
彼女は身じろぎ一つせずに、じいっと大人しくしてアタシのことを上目使いに見つめていた。
……ん?
身動きしないってことは…、
この状態を、嫌がっていないってことだよね…?
そして、アタシは考え付く。
もしや、吉澤ひとみ、千載一遇のチャ―ンスッ(喜)!?
アタシの胸は、思いがけない展開に、期待を膨らまる。
このまま…
しちゃってもいいかな…?…キス。
アタシはどうしても、うっすらと色づいた、ごっちんの唇に目を奪われてしまう。
- 29 名前:作者 投稿日:2001年10月31日(水)21時28分44秒
-
そういえば、ごっちんの唇って、なんかエッチっぽいって話、よく聞くんだよね〜。
まあ、そうはいっても、
実際これだけ間近で、彼女の唇を見れる人間なんて、そうそういないんだろうけど♪
…これは、まあ同じメンバー同士ってことの特権かな?(ちょっと自慢〜!)
そして…
アタシは、ごくっと唾を飲み込んだ。
がんばれ、ひとみ!!ここが勝負どころだっ!
自分に言い聞かせて、アタシはゆっくりとごっちんの顔に、自分の顔を近づけていく。
20センチあった距離が。
15センチ…
そしてあと10センチ…
「いや〜ん♪ごとー、よっすぃ〜に襲われちゃう〜♪♪」
…………
がくうっっ
今までじっと大人しかったごっちんが。
いきなり能天気な明るい声を…上げた。
それはないでしょお、ごっちん…(涙)。
- 30 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月31日(水)21時32分00秒
- しちゃえしちゃえ!よっすぃー!!
この展開マジ萌えます!
- 31 名前:作者 投稿日:2001年10月31日(水)21時36分23秒
- 「あははははっ!!よっすぃ〜、男前すぎるよお〜〜!!」
ごっちんは。
あと数センチに迫ったアタシの顔を見て、爆笑中。
どうやら、大人しいと思っていた、あの時は。
必死に、笑いをこらえていたんだろう…。
ああ…16歳の青い決意が、今、見事なまでに砕かれましたよ…
「はあ〜、もお〜、よっすぃってば最高だよ〜。
惚れちゃうよ〜、マジでえ♪」
「…はいはい、ありがとう」
痛い、痛いよごっちん、その無邪気な一言が…。
ちくしょーっ、この行き場のない欲求不満を、どうしたらいいんだ―――あ!!
怒りと恥ずかしさがごっちゃになった、複雑な気持ちを抱え。
笑い転げる愛しい彼女を体の下に。
アタシは、ひたすら固まって――――
なんて、そのままじゃ終わらせないっ!!
立ち直りが早いのも、アタシの長所の一つってところを、
ごっちん、君に見せてあげるよ…。
- 32 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)21時45分50秒
-
吉澤ひとみ、新たな決意を抱く。
こーなったら、冗談の勢いにまかせて、ごっちんに××××(自主規制)してやるう!!
覚悟しろよお〜、ごっちん。
アタシは今、本物の狼になっちゃったからね〜。
「ちょっと、ごっち〜ん」
「んー?」
アタシの呼びかけに、ごっちんはまだ笑みを含んだ声で答える。
こちらを見上げるその目は、笑い過ぎたためか、ほんのりと潤んでいて。
それが、ますますアタシの心に火を付ける。
「よくも、散々笑ってくれたなあ〜。
吉澤ひとみが、月に代わって〜、お仕置きよっ」
「あははっ!何それ〜、セーラームー…」
彼女の言葉は、最後まで言わせない。
アタシは、ごっちんの口を半ば強引に、塞いだ。
「…んっ……ふっ…」
塞いでいる唇のスキマから、押し殺したような吐息が漏れる。
もちろん、それは…
愛しい彼女、後藤真希の漏らした息で。
- 33 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)21時55分01秒
-
見開かれた目は、アタシの方に真っ直ぐ向けられている。
…そう、ごっちんの目は、今アタシだけを、見つめている。
それだけでも、満足感に浸るアタシ。
いーや、それだけじゃ終わらせないっ。
アタシは閉じられたままのごっちんの唇を舌で無理やりこじ開け、自分の舌を彼女の
中に滑りこませる。
あとは、本能のままに、ごっちんの中でアタシの舌を暴れさすだけ…。
「…んんっ……ん…」
アタシに唇を奪われたままのごっちんは。
何か喋ろうとしているのか、それとも感じてくれて…いるのか?
アタシを燃えさせるのには充分過ぎるほど、切なげな声を上げている。
初めは、ぼんやりとしていてまったく力の入っていなかった、彼女の体が。
徐々に熱を帯び始め、同時に緊張したかのように固くなっていく。
アタシの腕をつかむ、ごっちんの指先にも。
力が入っているのが、感じられた…。
- 34 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)22時03分27秒
-
ごっちんの反応に満足したアタシは。
長〜いキスから、ようやく体を起こして、ごっちんの顔を覗き込んだ。
「よっすぃ〜の…バカぁ…」
力ない言葉。
真っ赤に染まった、頬。
わずかに震える、身体。
………女の子、って感じだあ〜……
マジ、かわい過ぎる……
うれしいという感情を通りこして、半ば感動さえ覚える、アタシ。
神様…今日という日を、ありがとう♪
「なんだかんだ言って、ごっちんちょっと感じてたんじゃないのお?」
「感じてないっ!!」
いたずらっぽく言ったアタシに、即座に言い返すごっちん。
でも、そんな真っ赤な顔じゃ、説得力、ないよね〜。
「もぉ…。いつからよっすぃってば、裕ちゃんが移ったのさ…」
照れ隠しのためか、まあだブツブツ文句言ってるごっちん。
言っておくけどね、ごっちん?
アタシは、中澤さんと違って、誰にでもキスするわけじゃないんだよ?
ごっちんだから…したんだからね。
そこんとこ、忘れないよーにっ!
- 35 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)22時10分56秒
- 心の中で、そっとごっちんに告げて。
アタシは、むくっとその場に起き上がると。
まだ真っ赤な顔してる、ごっちんの腕をひっぱりあげた。
「あー…、ありがと……
………
でも、よっすぃ〜ってば、ホントに襲ってくるんだもんなあ〜。
びっくりするじゃん!
まあ…かっこよかったから許す!けどね」
いつの間にか、普通〜な口調に戻っているごっちん。
そうだ。
立ち直りが早いのは、何もアタシだけじゃない。
…ごっちんも、負けず劣らず立ち直り早いんだった!
多分、ごっちんの中で、今の行為は
『友達との、ただのお遊び』
程度にしか、とらえられていないんだろう…今の言動から見ても…。
う〜ん、それは何かちょっと悔しいような。
考える…。
「ちょっと、ごっち〜ん。さっき『お仕置き』って言ったでしょお?
今のでもう、終わりだと思っちゃ〜ダメよ〜ん」
「…んあ?」
- 36 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)22時28分59秒
-
アタシがふざけた声で、言って。
ごっちんの体を、再び床に押し倒すのと。
彼女がとぼけた声を上げるのは、ほとんど同時だった。
「………ちょっ、よっすぃ!?」
慌てたように、上ずった声を上げるごっちんに、
アタシは人差し指で『シーッ』って動作をしてみせた。
「ダメだよお〜、外に聞こえちゃうから」
「…だったらこんなことしなきゃいいじゃ…」
珍しく反抗的なごっちんの話を遮るには、これが1番♪
本日、二度目となる彼女の唇を堪能するアタシ。
でも、今度のは、そう長くしないで。
アタシは、彼女の唇から、今度は首へと舌をなぞわせる。
「…ひゃうっ……」
びくうっと体を震わせて、ごっちんがアタシの体を押し戻そうと腕に力を込めるのが
密着した体ごしに感じられた。
「や…ヤダ……、よっすぃ…や…め…」
でも、全然力入ってないよ?ごっちん。
感じやすいのかなあ。
普段は意外なくらい、力強いはずのごっちんが、
今はもう、ふにゃふにゃになってしまっていた。
- 37 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年10月31日(水)22時36分27秒
- そして、彼女が声を上げて体をよじる度。
その長い髪から、アタシを誘う甘い香り。
首筋から、髪から。
アタシを、全身で誘惑する、後藤真希――。
「…や、待っ…て、んぅ……」
首筋へのキスと並行して。
アタシは、ごっちんの二つの胸のふくらみへと、手を伸ばしていた。
遮るものは、薄手のTシャツと、下着だけ。
アタシは少々乱暴な手つきで、ごっちんの形のよい左右の乳房を、服の上からもみ上げた。
「…あ……ン……」
そのまま上下にもみしだく。
両手で、包みこむと丁度いい大きさ。
ごっちんは、明らかに感じてる…。
頬が紅潮して、瞳は今にも泣き出しそうなほど潤みきっていた。
すでに、抵抗する力を失っているらしい、ごっちん。
この状態なら…何でもできそうじゃん?
アタシの中に、イケナイ気持ちが沸いてきた。
- 38 名前:作者 投稿日:2001年10月31日(水)22時41分34秒
- 作戦その2、思ったより長くなりそっス…
なので、ちょっと休止。
本当はキスしたとこでやめようかと思ってたんだけど…
よっすぃが暴走してしまったため、続行です(笑)
>>30 名無しさん
よっすぃ〜、…しちゃいました♪(ワラ
- 39 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月31日(水)22時56分43秒
- ギャー すばらしく萌えます。作者さんありがとう、、、
吉澤くんをこのまま暴走させてやってください。
あぁ、まんざらでもないごとーさんも(・∀・)
- 40 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月31日(水)23時05分05秒
- 神だ!神が降臨した!(w
作者さんサイコー!
暴走せよ、よっすぃー!
- 41 名前:バービー 投稿日:2001年11月01日(木)18時32分51秒
- やばい、萌える!マジ萌え!
死にます、もう・・
- 42 名前:作者 投稿日:2001年11月01日(木)21時07分45秒
- >>39 名無し読者さん
吉澤くん、暴走しまくりです。しかーし、彼女にはまだまだ頑張ってもらいますよ〜(w
>>40 名無し読者さん
ものすごい褒め言葉に感謝!です。
皆さん、よっすぃの暴走、望んでますねえ〜
>>41 バービーさん
死なないで〜〜!!(爆
そんなわけで、作戦その2、再開でっす。
- 43 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月01日(木)21時26分22秒
- す、すげー萌えッス!
よしごまたまりませんなぁ〜!!
- 44 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)21時36分34秒
-
「…んんっ……んぅ……」
アタシが、ごっちんの胸を撫で回す、その度に。
彼女は体を小さく揺らして、吐息を漏らす。
目を、ぎゅっとつぶって。
唇を強くかみ締めるようにして、閉じられた彼女の口元は。
意識して、声を出さないようにしているように思われた…。
けれど。
ねえ、ごっちん。
そんなコトしたら、かえってアタシの加虐欲に、火をつけるだけだよ?
感じてるんだったら、ちゃんと態度で表して…
もっと…声、聞きたいよ…ごっちん。
アタシは、それらの心の声を、1つとして、口には出さずに、
すべて、行動で、態度で、彼女に示すことにした。
アタシは、左手で優しく彼女の形のよい胸をじっくりと揉みしだきながら、
首筋に、キスを。
「…っん……んん……」
その度に、ごっちんはそれでも口を固く閉じたままで。
けれど、やっぱり、我慢できずに、声を漏らして。
小さく、その体をのけぞらせては、敏感に反応してる。
めっちゃカワイイ…
めっちゃうれしい…
アタシの心に新たに生まれる、愛しい彼女への、支配欲。
- 45 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)21時45分06秒
-
そして、アタシは。
彼女の首筋に、口づけたまま。
空いたほうの右手を、ゆっくりとごっちんの下半身の方へとおろしていく。
「!?」
異変を、感じたのか、ごっちんは。
固くつぶっていた目を見開いて、
わずかに震える瞳を、アタシに向けた。
「…ヤッ…?、よっすぃ…ダメえ…
そこはダメ……だって…ば… んっ…くぅ……
待っ…て…あっ…ふぅ…ぅ…
…やぁ…だぁ……」
アタシの右手の行き先を察知したらしい、彼女は。
切れ切れに、哀願するように、呟く。
けど。
その甘い吐息を含んだ、ちょっぴりハスキーな、声も。
いまだ、アタシに抵抗して力を込めている、その腕も。
アタシに、真っ直ぐ向けられている、伏せ目がちな、瞳も。
彼女のすべてが、アタシを受け入れるのを、待っているように感じられて…
「だめだよお〜、ごっちん。
まだまだ、まだまだ……」
- 46 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)21時51分39秒
-
耳に、息を吹きかけるように、アタシはごっちんに囁く。
こんな小さな動作一つにも、
彼女は、びくっと体を揺らして…小刻みに震えて…
まるで、抵抗できない小動物を、いじめてるみたい…
ねえ…ごっちん。
最後まで………いいかな?
…いいよ、ねっ♪
多分、そのときのアタシは、きっとどうしようもなくニヤけてた、はず。
だって、
こんな状況!
ごっちんは拒むようすもないし…、
ちゃんと、その…、感じてるみたいだし…、
これはもう…………やるっきゃないっしょ!!
――――と、決意を固めた、そのとき――――
いつの時代も、文明の利器というのは、ときとして男女の(この場合女女?)の
愛を妨げるものだと、アタシは学ぶことになる…。
- 47 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)21時58分01秒
- プルルルルルッ♪ プルルルルルルルッ♪
衣擦れの、音と。
アタシの、呼吸音と。
ごっちんの、かみ殺した喘ぎ声だけが、響いていた物置の中に。
突如、耳障りな機械音が鳴り響いた。
誰だヨッ!!こんなときに邪魔するヤツはあ……!!
って、これアタシの携帯じゃ〜ん!
一瞬、ものすご〜くいい状況を邪魔されたことにマジギレしかけたものの、その
音の発信元がアタシの携帯の呼び出し音であったことに気付いて。
アタシとごっちんの間に、白けた空気が流れた……(気がした)。
プルルルルルッ♪ プルルルルルッ♪
携帯は、アタシのジーンズの後ろのポケットに直で入れてあるんだけど。
そう、すぐにも取り出せる状況なんだけど。
アタシは、携帯の音を聞きながら、
ごっちんの顔を、見つめる…。
…………
プルルルルルルッ♪ プルルルルルルッ♪
…選択する、必要もない。
携帯、無〜〜〜視ッッ♪
- 48 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)22時07分45秒
- 少し、起こしかけた、体を。
アタシは再び、ごっちんの上に被せて………
「はあ〜い、もしもし?」
…って、アレ??
目の前には、いつの間にかアタシの携帯を抜き取ったごっちん。
…が。
普通に、電話に出てしまっていた……。
ちょっと待てえ!!
さっきまで、あんなに切な〜い声出してたごっちんはどこ行ったのよう!?
「って、をい!!ごっちん、勝手に出るなよお〜〜(涙)!!」
『……その声は、後藤ねっ?一緒に吉澤もいるねっ!?』
アタシが、ごっちんの手から携帯を奪い返すのよりも早く。
ごっちんが耳元につけた携帯からは、おなじみの“あの人”の怒声が響いてきた。
この…声は…
「「圭ちゃんっ!?」」
アタシとごっちんは、思わず顔を見合わせ、声を揃えて叫んでいた。
なんとなく…そんな気は、してたけど(暗)。
そうさ、こんな状況を邪魔するのに、これほど適した人はいないだろうさ。
圭ちゃん……
プッチモニで仲間はずれにされることを、異様なまでに敏感に察知する、孤高の人……
って…はあ……
がっくり。
- 49 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)22時16分18秒
- アタシは、この甘〜いひと時が、終わりを告げたことを悟った。
彼女―――圭ちゃんから電話がかかってきて、この後、またさっきの雰囲気に戻れる
とは、到底思えない。
っていうか、その前に圭ちゃんここに来そうだしさあ…(涙)。
なぜか、条件反射でビクビクしてしまう、アタシ。
「なーにー?圭ちゃん、どうかしたのォ?」
一方こちらは、相手が誰であろうと動じない、超マイペース人間、後藤真希。
ああ…、
さっき、あんなに真っ赤になって、
小さく震えて、
目をうるうるさせてたごっちん……。
考えてみれば、あんなごっちんなんて、見たことないし(当たり前か?)、
アタシ、さっきまですっっごい貴重な時間を過ごしてたのでわ!?
ああ……つくづく、圭ちゃんが恨めしい……
携帯なんて持ってくるんじゃなかったよ。
激しく、後悔。
「なに、呑気なこと言ってんのよ、アンタは!!
もう本番始まるのよ!?どこほっつき歩いてんの、二人して!!」
- 50 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)22時26分39秒
-
え…
ほ、
「「本番〜〜!?」」
アタシとごっちんの声が、見事にハモッた。
やっぱりうちらって、息ぴったし♪♪
…な〜んて、言ってる場合じゃなかった!!
そういやそうだった!
元はといえば、今うちらがこんなとこに二人っきりでいるのも、
こんなに密着して妙なムードになったのも、(まあ、多少アタシが強引に作ったのもあるけどね)
全ては、番組のためだった〜〜!!
やばいいっ、これがいわゆる『本末点灯』!?いや違う、『本末店頭』!?
いや、そんなもんどうでもいいんだけど…。
「あ〜、そうだったね〜、ごめん、圭ちゃん。アタシとよっすぃ、まだ練習しててさー、
すぐ戻るからあ♪」
ごっちんは、それでものんびりとした口調で言うと。
ピッ。
と、向こうの返事も待たずに携帯を切ってしまった。
先ほどまでの、エッチな雰囲気は、もはや微塵も感じられず。
…ごっちん、スイッチ切り替わるの、早すぎっす…うう…。
そんなとこも、好きなんだけどお〜。でもさあ〜。
- 51 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)22時36分12秒
-
未練がましく、色々考えてるアタシをよそに、
ごっちんは携帯を「はい」、と言ってアタシに返した。
そのまま、アタシを見上げるごっちんが、いきなり「ふふっ」と吹き出した。
「アッハハハハハハハ!!やっばいよー、ごとー今、本気になるとこだったー!!」
そう言って、無邪気に笑うごっちん。
笑いながら、「よいしょ、」と呟いて、いとも軽々アタシを乗っけたまんま、
のっそりと起き上がる。
ちょっと待って、ごっちん……
そのノリは……まさか……(焦)!?
「も〜う、よっすぃ、リードうますぎ〜!どこで覚えたのお?
ってゆーかさ、いくら今度の新曲でモテモテ役だからってさあ、現実でまで
練習しなくったっていいじゃあん、アハハハハ♪」
れ、練習って…、ごっちんやっぱり、
今までのコト全部…『ふざけてやった』行為って、思い込んでないかあ!?
ちょっと、待て〜!!
「もぉ、んふふふふふ。おっかしいよ〜、よっすぃ、カッコよすぎい
ごとーを本気にさせて、どうするつもりさあ」
- 52 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)22時43分07秒
-
おかしくてたまらない、といった表情で含み笑いを漏らすごっちん。
そう、アタシには…分かる。
彼女が、今、演技ではなく、心底面白がっているということが…。
っていうか、君を本気にさせることが目的なんだってばよ〜〜!!
にぶごっちんめえ〜〜〜!!(泣)
アタシの心からの絶叫は。
無論、ごっちんに届くはずもなく。
さっきの続き…なんてことに、なるはずもなく…。
「じゃ、戻ろっか♪ 圭ちゃん怒っちゃうし」
…という、ごっちんの一言により。
アタシの、夢のような至福の時間と。
その先への、淡い期待と。
それに費やした、アタシの努力と精一杯の、決意は。
………
全て、泡となり消え去ったのでした……
アタシの、清水の舞台から飛び降りんばかりの勇気は…
この一大決心は…
ああ。
ごっちん、罪な女(シクシク)。
- 53 名前:作戦その2 〜二人羽織でベッタベタ♪編 投稿日:2001年11月01日(木)22時49分48秒
-
中学生のような努力の結果を、すべて『冗談』の一言で済まされてしまった、
アタシ―――吉澤ひとみ。
気まぐれな彼女を振り向かせるのは、
もうしばらく、先になりそうです―――。
はあ〜あ、
(もう一度)、がっくり。
追記。
ま、最後はちょっと不服だったけど、
何気にごっちんといっぱいキスできたし、
感じてる顔や、声も楽しめたし、
胸なんかも(服の上からだけど)思いっきり触っちゃったし、
……今日のところは、
満足♪♪って、感じ。かな?
追記の追記。
結局、まるで二人羽織の練習をしてなかったアタシ達が優勝できるはずもなかったけど。
アタシは、優勝賞品よりもむしろ、イイモノをげっと!した気がしたのです。
ごっちん、明日もアタシ、がんばるよ〜〜!!
- 54 名前:作者 投稿日:2001年11月01日(木)22時54分42秒
- >>43 名無しさん
ありがと〜ございますっ!!
よしごまって、思ったより需要高いんだなあ〜と、意外なレスの量に驚いてます。
やっと、作戦その2、終了しました。
全然二人羽織、話にからんでこないじゃないか!という突っ込みは、勘弁です(w
よっすぃ〜は暴走しまくりですが、なにぶん、この話はタイトルがあれですので…
もっと激しいエロが好きな方には、イライラさせるかもしれませんが…。
それでも読んでくだされば、幸いです。
- 55 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月01日(木)23時27分25秒
- かっ...かっ...加虐欲ッッ
(;´Д`)ハァハァと思ってたら
にぶごっちんにしてやられてしまいました…寸止め…
しかしそんなごっちんがホントにカワイイっすねぇ。すっかり萌え萌え。
ポジティブッシュ吉子さんの次なる作戦に期待したいと思います
軽いよっすぃーがイイ〜w
作者さんマンセー!
- 56 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月02日(金)01時34分33秒
- >>孤高の人……保田圭
ワラタ
全体を通して文章が巧いですね。
- 57 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月02日(金)02時02分36秒
- 寸止めもイイね。
作戦第3弾楽しみに待ってます!
- 58 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月02日(金)14時16分46秒
- すごく萌えるっす・・・!
はやくその3が読みたいです。
- 59 名前:作者 投稿日:2001年11月02日(金)20時00分57秒
- >>55 名無し読者さん
見事にこちらの思惑にはまってくださり、ありがとうございマス(w
とにかく、「気まぐれ後藤に振り回される吉澤」というのがこの話の前提ですので。
次も、頑張らせますっ!!
>>56 名無し読者さん
やっすー、あまり出番がないけどインパクトは大!ですね。
文章については…まだまだ、勉強中です。他の板の恋愛モノもよく読んでますから…
>>57 名無し読者さん
寸止め…ホント、書いてるほうはおもろいですが(w
作戦その3、吉澤はいかに…!?
>>58 名無しさん
はいは〜い、ではその3始めまーす!
- 60 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時12分53秒
-
最近、娘。内で流行っているものがある。
え?何かって?
それはね…
「コホッ、ゴホッ、」
…あ、また誰かが咳したみたい。
もう、分かるよね?そう、風邪なんです。
アタシ吉澤ひとみ、16歳は。
ただ今、恋をしているため、風邪などとはまったく無縁な、いたって健康的な
生活を営んでいるのだけれど。
ただ今、季節の変わり目ということで。
メンバー内で、風邪が大流行しちゃっているんだ、これが。
最初に風邪ひいちゃったのは、確か紺野さんあたりだったと思う。
そしたら、多分相当ムリしてたであろう、新メンバーがみいんな、寝込んじゃって。
その次は、加護と辻の二人が。
その次は、梨華ちゃんが。
そしたら、それとまったく同時期に、保田さんが。(怪しい…)
飯田さんも、リーダーでムリをしてたのが一気にきたのか、ひどい熱が出ちゃったし。
- 61 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時21分00秒
-
結局、元気なのはアタシとごっちん、矢口さんと安倍さんぐらいなんだ。
…まあ、ね。
アタシとしては…風邪ひいて元気のないごっちんを手厚〜く看病して、
“ぐっ”と二人の距離を深めるのも、ありかな〜
…なんて思ったりも、してたんだけど。
「よっすぃ、ご飯食べに行こー♪」
このとおり、ごっちん、とっても元気です。
…。
・・・・・・・・
まあ、それでも。
一時に比べれば、今のみんなの健康状態は、相当良くなった方で。
梨華ちゃんなんか、ホントにベッドから起きれなくなっちゃったことがあったらしい。
今はようやく、みんなメンバー13人がそろって仕事に来れる状態だから、
ホント、安心してるんだ。
みんなの面倒も、いっぱい看たし。
よくこれで、風邪うつらなかったよなーとか、真面目に思ったもん。
それは、他の3人にとってもそうだろうけど。
- 62 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時25分59秒
-
ただ、アタシが不満だったのは…さ。
元気な人、4人組の仕事量が膨大になっちゃって。
要は、まあ忙しくなりすぎたってことなんだけど…
ごっちんと、あんまりベタベタできる余裕も、なかったっていうこと。
こないだの、物置での一件以来。
妙に中途半端なところで、寸止めを食らう結果に終わったアタシは。
そのときのごっちんの姿が、何度も。
何度も。
何度も。
何度も、頭の中でリプレイされて。
その度に、身体が熱くなって、心臓がドキドキいってる始末。
…最後までいけてればな…
なんて、後悔の念に押しつぶされそうな夜も、あったなあ(涙)。
ま、とにかく。
何が言いたいかってゆうと。
…欲求不満が、ますます募ってしまった、というコト…
- 63 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時31分39秒
アタシが、ごっちんの姿を見るたび、
その名前を呼ぶたび、
その体に触れるたび、
胸の鼓動は、前よりずっと強く、速く、高鳴っているというのに。
「う〜ん、何がいいかなあ〜?
オムライス…らーめん…カレー…
よっすぃ、どうする?ごとー、よっすぃと一緒のにするから♪」
問題は、目の前で呑気にメニューを選んでいる、カワイイ彼女。
結局、あの時のアタシの行為は。
ごっちんの中では、大した問題ではなかったらしく。
アタシに対する彼女の態度が変わることは、(残念ながら)なかった…。
普通は、普通はさ?
あーゆうこと、されたらさ?
嫌でも意識すると、思うんですけど…。どうなんですか、ごっちん?
あんまり仲良くなり過ぎるのも、ときとしてマイナス作用が働くこともあるんだな。
なんて、柄にもなく考えてみるアタシだったり。
- 64 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時39分04秒
-
ま、そんなこんなで。
昼食には、仲良くチャーハンを注文したアタシとごっちんは。
それを平らげると、、また仲良く、楽屋へ戻ったのでした。
でもって、本日の午後のメニューは、
コンサートのリハーサル。
実際に、本番のとおり、歌も入れてちゃんと踊って、
それをぶっつづけでやったり、
おかしいところはその場で直されたりするもんだから、
本ッ当ーに、疲れるんだあ。
新メンバーなんか、早くも息切れしちゃって、大変そう。
そんな中、やっぱり光って見えるのは、彼女。
ごっちん。
最近、またグッとダンスの腕を上げた気がするんだよなあ。
ミュージカルのダンスや、
ソロのダンス。
アタシ達、他のメンバーがやったこともないような、難しい、かっこいいダンスを、
何気にこなしてみせちゃうんだもんなあ。
動きのキレが、やっぱり違う。
なんだか、置いていかれたみたいで、ちょっとばかり悔しいアタシ。
ちゃんと、待っててよ、ごっちん…。
アタシ、ちゃんと追いついてみせるからさ。
1人で、どんどん先に行っちゃわないでね?
- 65 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時43分37秒
-
小さな嫉妬と。
切ない思いを胸に込めて。
アタシは、再びごっちんの動きを目で―――。
「こらあっ、吉澤あ!!何サボってんだ!!」
…以上、ごっちん鑑賞終了(泣)。
「ほらっ、そこで腕伸ばす!」
「新メン、動き遅いよ!先輩の邪魔しないッ!」
「フォーメーション乱れてるよっ、
そんなの、お客さんに見せる気っ!?」
いつもながら、リハーサルはまるで戦場状態。
アタシを含め。
メンバーは、いつものように、
冗談をいうコトもなく、笑いあうコトもなく。
ひたすら、真剣にリハに取り組んでいた―――。
だから、気付かなかったんだ。彼女の様子に。
- 66 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時49分54秒
-
「ちょっとごっちん、体調悪いんじゃない?」
最初にそう言ったのは安倍さんだった。
彼女にそう言われて、戸惑ったような表情を浮かべたのは
―――他でもない、ごっちんその人だった。
え?
ごっちん、具合悪いの?
思いがけないその言葉に、アタシの心にさざ波のように不安が広がる。
だけど。
「だいじょ〜ぶだよっ、なっち。
後藤、元気だからっ!心配しないで」
明るく、サラッと、流すように言いのけたごっちんに。
アタシはすっかり騙されてしまって。
そう…だよね?
顔色、普通だし。
いつもみたいに、ちゃんとダンスも歌も、こなしてるし。
笑顔にも、いつもの明るさがあったから。
それが、ごっちんの精一杯の演技だとも気付かずに……。
「そう?じゃ、ムリしないでね?」
それでも、心配そうなのは安倍さんだけだった。
他のメンバーも、最初は何事か、といった目線を向けていたけれど。
ごっちんの様子がいつもと同じなのに安心したように、
また、個々の立ち位置に戻っていった。
- 67 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)20時58分44秒
-
ようやく、ごっちんの異変にアタシが気付いたのは。
それからたっぷり5時間は経ち、外も暗くなり始めたころだった。
「よーし、じゃあ休憩ー!!」
待ちわびていた、その声も聞いて。
アタシ達は、それぞれ2、3人ずつ連れ立って、リハの舞台から降りていく。
アタシは。
普段からよくつるんでいるごっちんと梨華ちゃんを待っていたんだけど。
…あれ?
ごっちんが、1人、こそこそと舞台の裏手へ回っていくのが目に入った。
何してんだろ?
単純な、興味本位で、アタシはその後をそっと追う。
「何やってんだ…?」
思わず、呟きが口をついて出た。
ごっちんが舞台裏で、していたのは…
化粧直し。
……って、なんだそりゃあ!!
デートの前じゃあるまいし、なんで化粧なんか…。
- 68 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)21時04分19秒
-
そう、心の中でツッコミを入れておきながら。
アタシの中に、嫌な予感がよぎっていく。
普通、リハの段階で化粧なんてしないじゃんか。
なんで、ごっちんはすっぴんじゃなかったの?
大体、テレビに出るわけでも、この後雑誌の取材があるわけでも、ない。
……それじゃあ…。
「ナンデ?」
そして、アタシの目の前で、ごっちんは。
ふらり、とその体を大きく揺らして。
崩れ落ちるように、床に倒れた。
まるで、以前彼女の出演していたドラマのワンシーンの、ように。
そして、アタシはその視聴者。
スローモーションを見ているような、気分で。
それが、ブラウン管の中のごっちんを見ているようで。
とっさに、反応が出来なかった―――。
どさっ
という、ごっちんが床に倒れる音で。
アタシはハッと、我に帰る。
「ごっちん!!!」
口をついて出た、言葉は。
悲鳴のように、高かった。
- 69 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)21時09分47秒
-
・・・・・・
・・・
お化粧をしたのは、顔色を隠すため。
大丈夫って言ったのは、みんなを安心させるため。
歌もダンスもいつもどおりだったのは、リハを予定通りに進行させるため。
全部、周りのためだったんだ。
どうしてアタシは気付かなかった?
安倍さんは、気付いていたのに。
安倍さんは、心配していたのに。
安倍さんは―――
あの時。
アタシの悲鳴を聞いて、真っ先にかけつけてきてくれたのは、安倍さんだった。
呆然として何もできないアタシに代わって。
救急車の手配をして。
マネージャーに連絡して。
ごっちんの家族に連絡して。
そして、今、アタシは病院にいる。
目の前には、ごっちんがスヤスヤと眠っている。
悔しくて、情けなくて。
アタシは唇を強くかみ締めながら、ただ彼女の寝息を聞いていた。
- 70 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)21時18分17秒
- 『こういう時は、よっすぃがついててあげなきゃね』
安倍さんが最後に言った言葉が、
彼女の優しい笑顔とともに、何度も頭の中に蘇る。
アタシは、何もできなかったのに。
好きな気持ちだけじゃ、ダメなんだ。
守りたい。
ちゃんと、強くなって―――
ごっちんが、安心できるような、強い人間になりたい。
「ごめんね」
彼女を起こさないように、小さく呟いて。
アタシは、ごっちんの額に手をあてた。
薬が効いたのかな?大分、熱が下がっていた。
さっき何もできなかった分、アタシ、徹夜で看病しちゃうから、ね!
今日ばかりは―――
何も、変な気起こさないから!!
「んん……ふふ、よっすぃ…」
!?
あ、ごっちん、起きたの?
アタシは、慌ててごっちんの顔を覗き込む。
「……べーグル…それ…ドーナツだよお……」
「………寝言かい」
- 71 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月02日(金)21時26分17秒
天然でボケやがる、ごっちんに脱力して。(てゆーかどんな夢を…?)
アタシはベッド脇のイスに、深々と腰掛けて。
再び、ごっちんの寝顔を見つめた―――。
病室の中の明りは、まぶしくないように消してあるから。
今、部屋の中を照らしているのは、窓から差し込む月の光だけだ。
そう。
月明かりに照らされる、後藤真希は。
幻想的なくらい、キレイで。
寝顔は、幸せそうで。
……ヤバイ。
変な気起こさない!なんて決意してから1分も経たないうちに。
アタシの中に、ムラムラした欲望が…
いかんっ!!
今日は、看病なんだから、看病っ!!
アタシは、自分にクドイほど言い聞かせる……が。
「…ふふ、よしこ……それ…なまたまごだよお…」
アタシの夢見るなあ―――ッ!!
ただでさえ、なんだか妙な気持ちになっちゃってるってのに。
アタシの夢なんて見て…、寝言で名前なんて呼ばれたら、
……
期待しちゃうだろお―――っ!?普通期待しちゃうだろお―――ッ!!
アタシ、今夜…看病だけで終われるかな?
はっきり言って…自信、ナシ。
- 72 名前:作者 投稿日:2001年11月02日(金)21時29分44秒
- 前半部分、いつもと違ってちょいシリアスめにしてみました。(あれで?)
後半は…おそらく、吉澤自身の戦いになる予定(w
ちなみに、ごっちんはただの風邪です。(ワラ
- 73 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月03日(土)03時05分53秒
- 他の小説ではあんまり見ない、この独特な句読点と改行、演出で
やってるんだろうけど、正直、逆に読みにくいです。
- 74 名前:名無し 投稿日:2001年11月03日(土)05時31分47秒
- そう? 読みやすいよ。
- 75 名前:作者 投稿日:2001年11月03日(土)06時29分57秒
- >>73 ゴメンネ、、、ヤメマス
- 76 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月03日(土)09時57分05秒
- このぐらいの改行の方がエロの時すごく萌えますよ。
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月03日(土)11時12分36秒
- 自分もそんなに気にならないッス。
作者さん、マターリ 続けてくださいね〜
よしごまはマターリ マターリ
あ〜…。こっそり保石のかほりがするw
いいかんじ
- 78 名前:73 投稿日:2001年11月04日(日)01時04分57秒
- あ、改行が多いこと自体はむしろ読みやすくていいと思うんですけど。
73で言ってる改行は独特な句読点の打ち方に伴う改行のことです。
- 79 名前:プー 投稿日:2001年11月04日(日)01時16分38秒
- これすごいおもしろいよ♪よっすぃーがごっちんを振り向かせようとするなんともいえないこの感じ(>u<)楽しく読ませてもらってます♪がんばってくださいね!
- 80 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月04日(日)03時13分26秒
- このまま続けてほしですね。
特に今回みたいに、いきなりシリアスになると
別人か?と、ウタグリかねない…
- 81 名前:作者 投稿日:2001年11月04日(日)16時02分21秒
- レス、読ませていただきました!
文章の書き方については…このままでいいのかな?
とりあえず、いきなり書き方かえるのもアレなんで…このまま続けちゃいます(ニガワラ
>>73、78 名無し読者さん
確かに妙なトコで句読点うってますね。気をつけます。
>>74 名無しさん
フォロー…ありがとう(T▽T)
>>76 名無しさん
エロのシーンについては、まだまだ力不足です。
もっとこう、妄想をかきたてるようなシーンが書きたいんですけどね。
>>77 名無し読者さん
マターリいかせていただきます(w
やすいしはハッキリ書いてないシーンばかりなんで、どうぞ妄想してください
>>79 プーさん
吉澤、攻めます!(w
>>80 名無し読者さん
…確かに、その1その2と、その3前半の雰囲気はかなり違いますな(w
まあ、その辺は吉澤くんの想いの大きさを表してみたわけでして…
たまには、こういう一面を入れていかないと、よっすぃがただのケダモノになってしまう(爆
別人(!?)…いや、本人です!!(焦
- 82 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時09分16秒
幸せそうな、寝顔に。
薄く開かれた、唇に。
軽く閉じられた、瞼に。
アタシの全神経が、向けられる。
今日は、看病に徹するんだって、誓ったアタシ…だけど。
夜の病院って、なんかこう…気持ちを興奮させるっていうの?
あんまりに静かなこの病室に、黙ってただ座ってるのがひどくもったいない気がして。
目の前のごっちんが、身動き一つしないのを見て。
アタシの食指が、自分の固い決意とは裏腹に、
無意識に、ごっちんの体へと伸びていく。
ごめんよう、ごっちん。
さっきあんなに、ふがいない自分に情けない思いをしていたのに。
やっぱり、身体は正直なんだ…。
もう、アタシは娘。じゃなくていい。
…「モーニング狼。吉澤ひとみ」で充分なのさっ!
- 83 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時14分08秒
半ば、アタシは開き直って、ごっちんに正対する。
だって、だってさ?
アタシ、健全な16歳だもん。
思春期なんだも〜ん!!
目の前に、大好きな女の子が眠ってて、
しかも二人っきりだし?
前にも、楽屋でそんなキモチになったことはあったけど。
病院って…やっぱり特別なんだ。
消毒液の、かすかなニオイとか。
明りが消してあって、暗いこととか。
やけに遠くに聞こえる、人の話声や、足音が。
今、イケナイことをしようとしてるって心を、余計に興奮させるから。
ごっちん、…アタシはね?
君のことが、大好きだから。
だから、ごめん!!
やっぱり我慢できませ――――ん!!
- 84 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時20分00秒
ごちゃごちゃ考えてたのは、そこまでで。
眠る彼女に手を伸ばした時点で、もうすでにアタシの中の「理性」なんて正義感は
どっかにふっ飛んじゃった。
まずは、眠る彼女の瞼に、軽いキス。
…これって、よく外国の映画なんかでやってるやつ。
1回、やってみたかったんだよね〜♪
そして、思う。
瞼って…意外と柔らかいんだなあ…なんて。
それとも、相手がごっちんだからそう感じるのかな?
もうめちゃくちゃ、ごっちんが愛しくて愛しくて。
自分の中で、最大限に、慎重に彼女を扱ってる自分に気付く。
理性がふっ飛んじゃってても、本能は。
ごっちんを大事にしなきゃって、きっと感じてるんだろね。
ねえ、ごっちん、分かる?
これが………
愛なんだよお
- 85 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時26分39秒
思わずニヤニヤしてるアタシ。
もし、自分を客観的に見れたとしたら……
ぶるぶるっ、
ヤメよう、そんなことを考えるのは…。
そして、アタシは。
ごっちんの顔にかかる、彼女の長い髪の毛を、右手でちょっとはらって。
まず、おでこに。
続いて、ほっぺに。
そのまま耳にも、順番に口づけていく。
え?口は…って?
そんなの、最後のお楽しみに決まってるじゃん!!
普段平熱が低くて、ひんやりとしているはずの、ごっちんの肌は。
いつもより、ほんのりと熱っぽい。
それが、すごく、新鮮に感じて。
もし、ごっちんが起きていたら。
今のアタシのいっぱいのキスに、どんな表情を見せてくれるのかな?
…想像するだけで、アタシは燃え上がる…
- 86 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時33分00秒
ごっちんの熱っぽい頬を、両手ではさんで。
アタシはようやく、彼女の唇に、顔を近づける。
風邪がうつることなんて、気にしない!
むしろ、ごっちんのウィルスなら、喜んで感染しちゃうよ〜♪
…いや、もう感染しちゃってるか?
それも、かなり重度に。
ちゅっ
軽く、口づけたごっちんの唇は。
やっぱりちょっと、熱っぽくて。
カサカサと、乾燥してた。
やっぱり、いい!
クセになる、この感触。
1度シちゃったら、もうやめらんない…よね。
そして、何回唇を重ねても、相変わらずドキドキしてるアタシの心臓。
まだ、舌も入れてないのにね。
苦笑して、アタシはもう1度、
彼女にキス。
- 87 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時41分37秒
まだ、舌は入れない。
唇を合わせながら、舌でゆっくりと、ごっちんの下唇をなぞっていく。
乾燥していた彼女の唇を、アタシ舌で、しめらせてあげる。
柔らかい唇を、舌でなぞる、その度に。
アタシの背中に、ゾクゾクとした、快感。
まるで気付かない、ごっちんの寝息すら、アタシの神経を刺激する。
…息さえできなく、してあげようか?
なんでだろ、
寝てるごっちんを見ると、アタシは。
いつも、ちょっと意地悪したくなってしまう。
アタシってば、ちょっとSのケ、あるのかも…?
もちろん、ごっちんに対して、限定だけどね!
たまらなくなって、アタシは。
ごっちんの唇を濡らしていく、その行為は止めないで。
自分の前かがみになった体制を支える、左手とは逆の手…すなわち、利き手である右手を、
眠ったままのごっちんの胸元へと、差し入れた。
- 88 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時47分45秒
-
ごっちんが身に付けているのは、いわゆる病人が着てる、浴衣みたいなヤツで。
これって、なんていう服なんだっけ?
…ま、そんなこと、今はどうでもいい。
とにかく、彼女の着ているそれは。
多分、着ていて楽なように、ゆったりとしていて。
その胸元は、アタシの右手の侵入に対する、大した抵抗力ももたず。
至極、あっさりと。
アタシの手は、ごっちんの豊かな胸へと、到達…する。
っていうか…
や、
やわらけ―――――っ!!!(感激)
もろ男が入る、アタシ…。
いや、もうあのさ、
興奮しちゃって、うまく表せないんだけど…
なッ、
なッッ、
生乳!!!っス!!!
- 89 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)16時55分02秒
当然、そこにあると思っていた下着…つまりブラジャーは。
おそらく、胸元を楽にさせるため、
…とっぱらっちゃってあったのだ!!
ああ、
誰だか知らないけど、
超感謝!!
アタシは、はやる気持ちを抑え。
右手でゆっくりと、彼女の胸をまさぐる。
すべすべ。
しかも、大きい…
それでいて、仰向けに寝ている割に、形の崩れない、その弾力性。
ごっちんの胸、初めて直に触ったけど。
これはもう、
マジで、想像以上っす……。
どうせなら、両手を使って、思いっきり揉んで揉んで揉みまくってみたかったけど、
ベッドに寝ているごっちんに対して、両手を使うのはちょっと体制的に辛いので、
(まだキスも続行中だしね♪)
アタシは右手だけを使い、ごっちんの胸を充分に堪能する。
- 90 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)17時06分17秒
-
そうして、アタシはもう無意識のうちに。
ごっちんの口内に、自らの舌をすべりこませる。
彼女の口の中を、舌でなぞり、
右手は、胸をまさぐり、
アタシは今動かせる自分の体をフルに使い、ごっちんを感じてる。
ヤバイ、ちょっと…いやかなり、気持ち入ってきた…
ごっちんは、寝ているはずなのに。
体って、寝てても気持ちイイことは、反応するのかな?
つまり、ごっちんの…
アタシが揉みしだいてる、胸の中心部が、
ちょっとずつ、
固くなってきたのだ。
アタシは、柔らかい胸を、上から下に揉み上げ、
固くなっていく、彼女の蕾を、指で転がす。
「……ん……」
!!
アタシが塞いでる、ごっちんの口元から。
ため息のような吐息が漏れて、
アタシの体が、カッと火のついたように熱くなる。
やっぱり、
やっぱり、感じてるでしょ!?ごっちん。
ふふふ、エッチなんだからあ〜。
眠ってはいるものの、
明らかに、アタシの行為に敏感に反応しちゃってるごっちんを見て。
更に、大胆なこと、したくなってきた。
- 91 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)17時16分35秒
-
「…………んぅ……」
もう1度、ごっちんは声を漏らして。
わずかに、身体をよじらせた。
…大丈夫、まだ起きない。
彼女の眠りの深さを確認して、アタシはようやく、唇を離す。
口元を、細い糸が引いてる…。
めちゃくちゃ、エッチだ。
アタシのキスによって、最初は閉じられていた、ごっちんの唇は。
今は、濡れたように光ってわずかに開かれていた。
「…ふふ、んふふふ」」
思わず、アタシの口元から笑みがこぼれる。
めちゃくちゃにしちゃいたい…。
やっぱり、ごっちんの寝てる姿は、
アタシにとって、禁断のクスリみたいなもの。
見てるだけで、
バクバク、バクバク、
気持ちが昂ぶってきちゃうから。
そして、アタシは、我慢の限界。
ベッドの脇から身を乗り出すようにして、ごっちんの体に触れていたけど、
段々それがまどろっこしくなってきて。
アタシは、彼女の胸元に差し込んだ、右手の動きを止めることなく。
一気に、ごっちんにまたがるようにして、ベッドの上に這い上がった。
- 92 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)17時26分54秒
ベッドの上に上がって、ごっちんをまたいでるアタシは。
ようやく使えるようになった左手で、彼女の体の大半を覆っている掛け布団を、
お腹のあたりまでめくり上げた。
露になる、白い肩、はだけた胸。
ふふふ…イイ、いいっす…
お風呂に一緒に入ったことあるくらいだから、彼女の裸を見るのは別にはじめてじゃ
ないけれど。
明らかに、ベッドの上で見る、ごっちんの肢体は。
官能的で、
いつになく、刺激的。
そしてアタシの口の、今度の標的は、
右手でしごかれて、先端の立っている、右の胸。
吸い上げて、転がす。
眠っているのに、感じたように小さく体を動かす、ごっちん。
やっぱり、身体は正直なんだね…?
うれしくて、しょーがない。
こんなにエッチな、モー娘。後藤真希を。
アタシは今、完全に独占してるんだから――――。
右の胸を、口で攻めながら。
アタシは空いた左手で、そのまま左の胸を揉み上げる。
- 93 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)17時35分23秒
-
体、冷えないように、
熱くしてあげるからね、ごっちん――――。
心の中で、そっと彼女に告げて。
アタシは更に、胸を攻める動きを激しくする。
―――そろそろ―――。
空いている、アタシの右手が。
ごっちんの、滑らかなボディラインをなぞって、ゆっくりと下へ降りていく。
初めて。
彼女のそこに、アタシの手は向かっていた。
いつも、
あと一歩でっていうときに、そこで終わっちゃってたから。
そこに、アタシが到達するのは、ホントに初めてのことで。
彼女の身に付けた病院着は、アタシの手で、ほとんど服として意味をなさないほど、
はだけきっていた。
もちろん、下半身は、布団に隠れたままだけど。
やっぱり、ごっちんの具合が悪いってのが、アタシの頭の片隅で残っていたからだろう。
上半身は、アタシが覆い被さるようにしてるから、大丈夫…かな?
ふふっ、
やっぱり、布団より人肌の方がいいもんねっ♪
…アタシは服着たたまんまだけど。
- 94 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)17時43分53秒
そうこうするうちに、
アタシの右手が、ごっちんの…アソコの部分にたどり着いた。
初めての感触に、アタシは下半身がうずうずする。
ショーツの上からなぞったそれは、
…はっきりと、湿っているのが、分かった。
ま、マジっすか!?
………っくうう!!
これだよっ、コレっ!!
心の中で、思わず雄叫びを上げる、男らしいアタシ。
………、
眠ってたって、ホントに感じちゃうもんなんだね。
ごっちんのショーツの濡れ具合は、アタシにそれを実感させてくれた。
明らかに、彼女は眠っているはずなのに、その秘所は、アタシを感じて反応してて。
すぐにでも、そのショーツを脱がして。
アタシの指を、彼女の中でかき回したい衝動に駆られながら。
だけど、もっとこの状態で。
濡らさせてみたい…
そんな、子供じみた欲望の方が、アタシの中で優位に立った。
- 95 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)17時56分38秒
-
ショーツの上から、ごっちんを激しくこするアタシの指。
その動きの激しさに合わせるように、びくっびくっと体を小さく跳ねさせる、愛しい彼女。
…よく、眠ってられるよなあ…
アタシは、そんなコトに変な感心をしながら。
動きを止めることなく、ひたすら愛撫を続ける。
「……ぅぅ……ふっ……うぅ…」
わずかに開かれた、ごっちんの口から。
切ない、声。
どうして、寝てるってのにこんな色っぽい声、出せるんだろ…。
それと呼応するように、
ごっちんのショーツが、どんどん濡れていく。
最初は湿っぽいくらいだったのに……
もう、いいかな?
今のごっちんの状態なら―――。
充分だ。
アタシは、胸をしごいていた左手と、
アソコをなぞるように擦っていた右手の動きを止めて、
ゆっくりと、ごっちんのショーツに手をかけ――――。
がやがや、
……?
なんか、聞こえたような…
- 96 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)18時12分51秒
- ざっざっ
複数の人の話声?
複数の人の足音?
それは、決して聞き間違いではなく――――。
「ま、まさかあっ!?」
アタシは、確信する。
――――――と、同時に…。
ばさばさっ
ぴしっ
ガタタタタンッ
・・・・・・
・・・
「「ごっちーん、具合、大丈夫う??」」
仲良くハモる、声と共に。
現われましたるは――――予想通り、辻加護だった。
そして、その後ろには…これまた予想通り、モーニング娘。のメンバーが11人、
「「「「「お見舞いにきたよーっ」」」」」
揃いもそろって、顔を連ねていたのだった……
あ、危なかった……
アタシは、何とか。
ごっちんの服の前を合わせ。
布団を被せ、
ベッドを鳥のように舞い―――、
何事もなかったかのように、イスに腰掛けるのに成功した。
でも。
- 97 名前:作戦その3 〜看病するなら、つきっきりで編 投稿日:2001年11月04日(日)18時16分53秒
「あれ〜?よっすぃ、何で電気消してんのお?」
「ごっちん、まだ寝てる?」
「熱下がったのかなあ…」
とたんに、教室のように騒がしくなる、病室に。
またしても、行き場のなくなった、アタシの燃え上がった情熱に。
寸止め、3回目という現実に。
アタシの目は、じんわりと熱くなるのでした………。
…電気消してて、よかった
って違うだろおお――――っ!!
心の中で絶叫する、アタシを尻目に、
病室でごっちんと二人っきりという状況は、
あっという間に、
…跡形もなく、消え去ったのだった……。
今夜も、アタシの欲望が満たされることはなく。
愛しきごっちんは、再び安らかな、夢の中。
…いい夢、見てね(涙)。
- 98 名前:作者 投稿日:2001年11月04日(日)18時22分20秒
- 作戦その3、終了です。
前半のシリアスムードはどこへやら(w
結局、あの真剣よしこは、後半への前フリになっちゃいました…
なっち、最初しか出てきませんでしたけど…
そのうち、またシリアス話になったら出てくるかも?(ネタバレ?
あ、今回やすいし出なかった(汗
無念。。。
- 99 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月04日(日)19時10分24秒
- おぅ!
- 100 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月05日(月)02時57分06秒
- ドキドキしちゃいました。
それにしてもよっすぃー、ほとんど野獣だね(w
- 101 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月06日(火)02時43分01秒
- わかってるねーよすぃ〜は男のロマンが(w
- 102 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月06日(火)13時34分27秒
- 回を重ねるごとに行ないがすこーしずつエスカレートしてるのがイイ!
どーなってくのか楽しみ(藁
- 103 名前:作者 投稿日:2001年11月06日(火)21時51分48秒
- レスくれたみなさん、本当にありがとうございます!
>>99 名無し読者さん
おぅ! って感じです(w
>>100 名無し読者さん
よっすぃ〜が野獣にならないと、進まない話なので、ふっふっふ
>>101 名無し読者さん
男化、進行中です>吉澤ひとみ
>>102 名無し読者さん
それでもまた吉澤さん、まだ最後までいけないんですよね(w
というわけで、作戦その4の前にちょっと一休みです。
- 104 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)21時57分30秒
-
「ッッッ…くしゅんっ!!」
『彼女』が盛大なくしゃみをした。
ここは、モーニング娘。の楽屋。
くしゃみをしたのは、アタシの横に座っている日本のアイドル『ゴマキ』こと、
アタシ―――吉澤ひとみの想い人である、
「ごっちん」
アタシの声に。
鼻をむずがゆそうにこすっているごっちんは、
「あはは〜、まだ風邪治りきってないのかなあ?」
と、ふにゃふにゃと笑ってみせた。
うう…、
ごめんね、ごっちん。
アタシは、心の中でそっと彼女に謝るしかできない。
彼女の風邪が治りきっていないのは、
この間のアタシの行為―――まあ、何をしたのかはあえて言わないケド…
が、関与してるであろうことは、おそらく間違いないのであって。
- 105 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時04分04秒
- それでも、ごっちんは。
あー、平気平気、なんて気の抜けた声で言う。
アタシ…ホントに狼だよ(涙)。
具合の悪いごっちんに、××××みたいなことしちゃうなんて…
最近、マジで欲望抑え切れないアタシ。
ごっちんに対して、段々遠慮がなくなってきてるアタシ。
――――ごっちんは、アタシのことどう思ってくれてんのかな?
そして、アタシは。
再び、読んでいた雑誌に目を戻したごっちんを、目で追う。
今日は特に、ごっちんの仕草が気になって気になってしょーがないんだ。
なぜって?
原因は、分かってる。
彼女の隣…いわゆる、アタシとは逆サイドに腰掛けてる人が、気になってしまうから。
「これさあ〜、なっちに似合いそうだよねえ?」
「う〜ん、そうかなあ?」
キャッキャッと笑いながら、さっきから。
ごっちんと安倍さんは、一つの雑誌を二人で楽しそうに読んでいて。
アタシはなんとなく、その輪に入れないでいる。
- 106 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時06分08秒
-
アタシの中では、ずっと。
この間、ごっちんが倒れてから気になっていることがあって。
安倍さんの、テキパキとした処置―――。
アタシには、できなかったコト。
安倍さんが、ごっちんを手早く助けたコト。
…
競い合うようなことじゃないのは、充分分かってるけど。
やっぱり、頭の中じゃ、『負けた』なんて思ってる自分がいて…。
- 107 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時10分31秒
-
そんなネガティブな自分、嫌いだから。
アタシは、無理にその考えを頭の中から追い払う。
安倍さんが、ごっちんを好きなんて、
そんなはずない―――。
安倍さんが、面倒見がいいだけ―――。
そうやって、うわべだけでも自分を安心させるんだ。
でも、
でもね?
本当に、二人の中のよさは、それはアタシがごっちんを『好き』っていうベクトル
とはちょっと違う感じで、
そう、それはまるで…姉妹的な仲のよさっていうのかな?
これはアタシの勝手な思い込みなんだけど。
それに、安倍さん自身もあの夜、ごっちんの側についててくれることをアタシに
譲ってくれたわけだし…。
多分、安倍さんに対して不安な気持ちがあるのは、
そのまま何も出来なかった自分に対しての負い目があるからなんだろう。
- 108 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時14分51秒
-
ごっちんも、安倍さんに対しては、
お姉さんに甘えてるカンジ?
それはそんなベタベタしたものでは、ないけれど、
むしろ、ごっちんの気持ち―――その恋愛に対する『好き』の定義って意味で―――
要注意だとするならば、
市井さん…
あ、
名前、出しちゃった…
アタシがごっちんを振り向かせることを想定した上で、
やっぱり1番気になるのは、あの人の存在。
今、ごっちんの側にいるのは、アタシ、吉澤ひとみだと。
それは、間違いなく確信してるんだけどさ…
「ねえ、ごっちん?」
なんだか暗い方向に考えがいってしまったので。
アタシは、安倍さんと雑誌を読むのに夢中になっている、ごっちんに呼びかけた。
- 109 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時19分38秒
-
「…
ん、なに?よっすぃ」
彼女の、独特の間の取り方。
一呼吸置くようにして、ごっちんは顔を上げる。
そして、その横の安倍さんも。
楽屋でごっちんは、いつもぽやんっとしてて。
口は、大体閉じられてることが、多いんだよね。
目は、そうそう眠そうに伏せ目がちだったり、
元気なときは生き生きと輝いていたり、
とにかく、テレビでは見せないような、
様々な表情を、よくしている。
アタシ達、モーニング娘。のメンバーだけしか、知らない表情。
いつか、彼女の表情を。
アタシにしか見せない、最高の表情に変えてみたい。
これは、その大いなる、第1歩!
顔を上げて、きょとんとして、アタシを見ているごっちんに。
ストレートに、聞く。
「キスしていい?」
- 110 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時25分51秒
新聞紙を机に広げて読んでいた、保田さ…圭ちゃんが。
チラっと、こっちに目を向けるのを感じた。
その横で、梨華ちゃんが。
小声で
「だめですよ〜」
と、囁いてるのも、聞こえた…。(ばっちり聞こえてるっちゅーの、梨華ちゃん!)
当のごっちんは、というと。
アタシの真剣な顔をよそに。
「あー、ほっぺならね」
ふにゃっと笑う、ごっちんスマイル。(めちゃくちゃカワイーのだ)
…と。
あっさり、承諾。
――――っっって、まーたごっちんは、冗談にしか受け取らんのかい!!(絶叫)
なんだか、いっつも、
アタシの想いは空回り。
頑張ってるのに、届かない。
悔しい、
かなーり、悔しいぞ。
アタシは、ちょっとした復讐心を覚えて。
再び雑誌に目を戻したごっちんの、唇を狙う。
- 111 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時32分39秒
そして、アタシは。
雑誌に目を落としてる、ごっちんの視界を遮るように。
……ちゅっ
「………っ!!」
口元を押さえ。
赤面して。
ばっとのけぞる、カワイイごっちん。
その、隣では。
安倍さんが、一瞬、呆気に取られた顔をして。
「あははははっ!
よっすぃが、裕ちゃん化した――っ!」
と。
いつかのごっちんと、同じことを言って、笑い出した。
「ふふふ〜、ごっちんの唇、いただきっ♪」
アタシがふざけた調子で言って、ごっちんの顔を覗き込むと。
ごっちんは、顔を赤くしたまま、プクッと頬を膨らませていた。
「もぉ〜、よっすぃってば、ほっぺならって言ったじゃん!!」
「聞いたけど、返事してないよ?」
「なんだよー、よしこの屁理屈〜」
顔は怒ってるけど、
声は笑ってて。
アタシは、彼女の気持ちに、安心する。
- 112 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時38分18秒
-
そうなんだ。
ごっちんが、アタシの行為を、拒絶することは、ない。
―――これは、断言できるよ?
嫌いだったら、嫌がるよね?
顔だって、赤くならないよね?
ごっちんの今の表情から答えを見つけ出して、
アタシの心は、一段落。
ついに、こらえきれなくなったごっちんが。
隣の安倍さんと、顔を見合わせて笑い出すと。
それまで、黙って成り行きを見てたらしい、辻と加護が。
(ちなみに、新メンバー4人は、目を丸くしてたけど)
「「わあ〜、よっすぃーがごっちんにちゅーしたあー!!」」
なんて、笑いながら、言って。
「うるさあ〜い、お前らにもしてやろうかあ〜〜!!!」
アタシが、立ち上がって。
きゃーきゃー言いながら逃げ回る二人を、追い掛け回す。
ああ、なんて…
平和な、光景
- 113 名前:作戦途中経過 〜彼女のキモチ 投稿日:2001年11月06日(火)22時43分33秒
-
アタシは、逃げる辻加護を追い掛け回しながら。
今度は、アタシ達3人を見て、笑ってるごっちんを横目で確認。
今はまだ、これで充分。
ごっちんは、アタシのキスを、嫌がってない!!
今日、はっきり確認したもんね〜♪♪
これで、おはようのキスが日常化すれば……
なんて、妄想だって浮かんできちゃうさっ!
まだまだ、時間はたっぷりある。
アタシの努力は、続いてる。
とりあえず、吉澤ひとみ16歳。
『後藤真希を振り向かせる作戦』の、途中経過は―――
良好♪の、ようですッ!!
- 114 名前:作者 投稿日:2001年11月06日(火)22時46分16秒
- 今回は番外編のようなカンジで書いてみました
激しい展開を期待してた方いましたら、肩透かしでごめんなさい。。。
- 115 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月06日(火)22時49分09秒
- やった、リアルタイム!
こーゆーのも(・∀・)イイ!
萌えます(w
欲情悶々なよしこがいいですね(w
ごま写真集にハァハァなよしことかどうでしょう?
- 116 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月08日(木)22時53分30秒
- 続き期待しております!
- 117 名前:作者 投稿日:2001年11月08日(木)23時24分24秒
- >>115 名無し梨華さん
リアルタイムでしたか〜!初めてでっす、サンクス!!
ごま写真集ネタ…いいッスね。
参考にさせていただきます。
>>116 名無しさん
レスありがとです。
続きについては…いままで一応間を空けないように…してきた(つもり)ですが、
土曜日までちょっと無理っぽいです(汗
まあ、最近はすんばらしいよしごま小説が読める板がたくさんありますからねvv
ビバ!よしごま布教!!(w
というわけで更新なし…レスでした!(ヲイヲイ
- 118 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月09日(金)02時15分05秒
- 良い!よっすぃーガンバレ!
土曜日が待ち遠しい。
- 119 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)15時55分21秒
こんにちは〜っ、ここ最近暴走気味の吉澤ひとみですっ!!
…なーんてね♪
今日のアタシは、すこぶる機嫌がいい。
青い空。
きれいな空気。
そして、隣に――――
「やっと着いたね〜?よっすぃ」
旅行用のおっきなバッグを、無造作に放り出して。
うーん、と思い切り伸びをしながら言ったのは、ご存知…
「バス乗る時間、長かったもんねえ〜、ごっちん♪」
そう、
ここ最近で、アタシがもっとも力を注いでいる、
『彼女を振り向かせる大作戦!』の、それはれっきとしたターゲット。
愛しい彼女、ごっちんその人なのです。
そんな彼女は。
今回、コンサートで訪れたとある県の、とある旅館にようやく着いたという、開放感
からくるものか、
とびっきりの、はじけるような笑顔。
そう、それは…
あの、写真集のような。
- 120 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)16時08分45秒
『後藤真希写真集』
ええ、見ましたヨ、見ましたとも!!
そりゃ〜、ごっちんは可愛かったサ!!
はっきりいって、水着姿見たときなんて、卒倒しそうだったし。
1人で佇む、孤独っぽい表情にもドキっとしたし。
あのベッドの上のカットなんてもう〜…
ってカンジで。
写真集、そのものにはすごく、興奮しちゃったアタシなんだけど。
同時にその自分を、醒めた目で見ているもう1人のアタシがいて。
『これを見るのは、吉澤ひとみじゃないんだよ?』
『全国の書店に、これが並ぶんだよ?』
『水着姿だって、アタシだけが見るんじゃないんだよ?』
ずっと。
そんなフレーズが、の根っこにあって。
正直、『あんまり人に見て欲しくない』なんて思っちゃったんだ―――。
ごめんね?ごっちん。
アタシだって、写真集出したりしてんのにさ…。
顔も知らない、ごっちんには直接会ったこともないような、一般のファンの人たちに
嫉妬しちゃってる、独占欲丸出しなアタシ。
- 121 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)16時14分53秒
「よっすぃどしたの?バス酔いした?」
急に暗い顔になったアタシを心配したのか、ごっちんが心配そうに聞いてきた。
…そういう、さり気に優しいところも大好きだよ
まあ、そんなこと、口に出したりするわけもなく。
「ううん、なんでもないよお。ちょっと考え事してただけっ!コンサートのね」
「そっかあ〜、じゃ、行こっ♪」
言うなり、アタシの腕をつかんで走りだすごっちん。
ちょっ、ちょとッ、胸が、胸が腕に〜〜!!!(汗)
ああ…相変わらず、積極的…(クラクラ)。
その後ろで、放置されたまんまの、アタシとごっちんの荷物を、マネージャーさんが
拾い上げてるのが見えた。
ああ…ごめんよっ、マネージャー!!
でも、今は…
ごっちんとの逃避行が大事なのさあっ!!
アタシがごっちんに腕を取られて走りながら、なんだか叫び出したい衝動に駆られた。
『写真集どころじゃないぜ〜!!
アタシなんて、生後藤真希を独り占めだも――――んっ!!!』
その時、アタシの視界に。
圭ちゃんの視線が突き刺さってきた、気がして。
- 122 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)16時21分29秒
なんとか、叫ぶのだけはこらえたアタシだった…。
ふう(焦)。
………
それにしても、
『生後藤真希』って…
美味しそう…
なんだか、今夜も。
甘いシチュエーションの予感…。
アタシは、今日明日とお世話になる、目の前の旅館を見上げて。
(今夜こそは、ごっちんをモノにしてみせるっ!!)
―――と、誓ったのでした。
野獣モード全開な、近頃の吉澤ひとみ。
今日も、やる気満々欲情メラメラ。
アタシは、背後から聞こえる
「保田さ〜ん、温泉一緒に入りましょうね〜♪」
という、甘ったるい声を最後に。
ごっちんと仲良く手をつなぎ、
旅館の中へ、(輝かしき)第一歩を、踏み出した―――。
くふふふふ。
- 123 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)16時29分14秒
広い部屋。
窓の外に広がる、緑の景色。
小鳥のさえずり。
畳の匂い。
「すっご〜い、いい景色だよお、よっすぃ〜!!」
アタシの目線の先には、窓から身を乗り出して、うれしそうに叫ぶ、ごっちんの姿。
これだけ…
これだけ、美味しい条件がそろってるというのに。
今、アタシの心は、猛烈に曇り空。
なぜか、なんて説明するまでもなく―――。
「わあ〜、ホントだあっ!!キレ―イ…」
アニメの声優みたいな、高い声。
「ホーントだーあ、いい景色だあー」
最近、素でも関西弁の出なくなった、幼い声。
「空気もおいしいのれす〜」
そして、食べること最優先な舌ッ足らずな声。
ずらっ
ごっちんの横に、これだけの人数が並んでいる。
…
アタシを入れて、5人。
つまり、ここは。
シングルルームでもなく、ツインルームでもなく。
修学旅行で泊まるような、
広めの、和室なのでした…(涙)。
- 124 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)16時36分44秒
受付で、マネージャーに部屋割りを告げられてから。
言うまでもなく、アタシの心に翳りが差した。
いつもなら、大体は一人部屋。
多くても、二人部屋なことが多い、アタシ達モーニング娘。なんだけど。
今回は、旅館ってことで…
大部屋しか、空いてなかったらしい。
まあ、それでも。
アタシ達は、10人部屋を4人とか5人で使ってるわけだから。
贅沢させてもらってることに、なるんだろうけどさあ〜…。
ちなみに、部屋割りは。
今の部屋にいる、アタシら5人と。
先輩メンバーの安倍さん、飯田さん、矢口さん、圭ちゃんが一緒で。
残りは当然、新メンバーの4人。
うちら4期メンの中に、ごっちんが入ったのはうれしいんだけどさあ〜、
一緒の部屋なのはうれしいんだけどさあ〜、
吉澤ひとみ、葛藤中…。
二人部屋か一人部屋なら、
夜になってから、ごっちんの部屋に行って(もしくは一緒の部屋にしてもらって)
色々…
そりゃあもう、イロイロできたのにっ!!!(絶叫)
- 125 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)16時46分11秒
-
そうでなくても、最近は。
ごっちんのちょっとした仕草に、欲情押さえ切れないアタシだってのに。
夜になって。
浴衣になって。
隣りに寝るというのに…。
・・・・・・
手が出せないじゃんかああああああっっっ!!!
何が不満かって、要はそれなんだよね〜。
さすがにモーニング狼。吉澤ひとみも。
他のメンバーがいる前で(たとえそれが寝ていたとしても…)、
ごっちんに手なんて出せるはずはない。
ああ…。
ここへ来て、アタシのテンションは一気に降下中…(暗)。
生ける屍のごとき、生気を失ってしまっていた(であろう)アタシに。
何も知らないごっちんが、きょとんとした顔で、窓から離れて。
ゆっくりと、アタシの横に、腰を下ろした。
「ねえ、やっぱり変だよ、よっすぃ〜?
具合悪いの?それとも疲れたかなあ…」
そう言って、首をかしげるごっちん。
無邪気すぎる、その瞳。
- 126 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)16時55分19秒
-
アタシ、結っ構〜、ごっちんにイロイロやらしいことしてるのにさあ。(当然、大きな
声じゃ言えないけど)
どうしてごっちんて、こうも無防備なのかなあ…。
アタシに対する、警戒心ゼロ!?
うれしいんだけど、
そういう対象として見てないのかなって思うと、ちょいと複雑。
…なんだよねえ。
アタシは、彼女に返事をする代わりに。
ごっちんの背中に、腕を回して。
「…わっ!?」
ごっちんが、驚いたように声を上げるの同時に。
力一杯、抱きしめてみた。
引き寄せる瞬間、ふわっと広がった色素の薄い、長い髪。
密着する、胸と胸。
腕から伝わる、柔らかい感触、あったかさ。
「ちょっとお、よっすぃ〜!?」
遊びの抱擁と分かっているのか、ごっちんは特に抵抗もせず。
ただ、ほんのりとほっぺを赤く染めて。
押し付けられたアタシの肩ごしに、小さく声を上げる。
その吐息と、声の振動が、
アタシにダイレクトに伝わって。
ああ…
こんなことやっても許されるんだから、
女同士って特だよなあ〜…。
などと、ニヤケ顔で思うアタシだったり。
- 127 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)17時05分07秒
-
「もーお、昼間っからアツアツなんだからあ、二人い」
気がつくと。
隣には、梨華ちゃんが苦笑を浮かべて立っていて。
そのまた隣には、辻加護が。
「「わあ〜、またよっすぃがごっちんにチュ―する気だああ〜」」
と、からかうように声をハモらせた。
アタシは、ごっちんの柔らかい体を抱きしめて。
その鼓動を、直に感じながら。
手を緩めずに、二人に言い返す。
「いーんだよお、今ごっちんから元気吸い取ってんだからあ〜!」
「え〜?そうなのお〜?」
アタシの声に反応するのは、腕の中のごっちん。
まあ…ある意味、元気にしてもらってるけどね…ある意味
「ごとーから元気吸い取っても、すぐなくなっちゃうよお?
どうせ吸い取るんなら、元気あり余ってる辻加護からじゃなきゃ〜」
続けて、ごっちんは。
含み笑いを込めた声で、目の前に立つ、いたずらっ子二人組を指す。
「ダメ〜。ごっちんじゃなきゃ元気出な〜い!
お子様じゃーダメなんだも―――ん」
「「お子様言うなあ――!!」」
- 128 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)17時13分39秒
-
アタシの、半分挑発的な(半分本音の)言葉に。
案の定、二人は笑いを浮かべて。
「「よっすぃ〜、くらえ〜〜!!」」
こちらに向かってダイブを――――
…って、ちょっと待――――
……
「むぎゅぅ」
妙な声を出したのは、
―――アタシの下で潰れている、ごっちんだった…(冷や汗)。
「わあああっ、ごっちんごめ〜ん!!」
「お子様って言ったオシオキだーい!」
「オシオキれすう!」
アタシが慌てて体を起こして、ごっちんを引っ張り起こすその間に。
こちらにダイビング×2人の攻撃をかましてきた、奴らは。
きゃらきゃら笑いながら、さっさと起き上がり、
「「バイバイキ――ン♪」」
などと、ふざけた声を残して出て行ってしまった。
…ちくしょう、あのガキどもめ…(怒)。
梨華ちゃんは、というと。
…あ。
二人を追って、出て行っちゃった…。
気を使ってくれてんのかな?
最後、出て行く間際に、梨華ちゃんの唇が
『がんばってね』
と、動いた―――。
やっぱり、バレてたかあ(苦笑)。
- 129 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)17時25分46秒
-
「ごっちん、大丈夫〜?」
気を取り直して、ごっちんに聞くアタシ。何気に、二人っきり…
「んあ?大丈夫だよー、ちょっとびっくりしたけどね」
対するごっちんは。
いつもごとく、ヘラヘラした笑いを浮かべて答える。
やっぱり、好きだなあ〜。
…ダメだっ、ダメだめっ!!
今は真っ昼間なんだからああ〜〜〜!!
沸き上がってくる衝動を抑えるのに、アタシは必死になる。
そんなアタシの内心の激しい戦いっぷりなど知る由もなく。
ごっちんは、その罪な笑顔で、アタシを見つめる。
「いっつも元気だよねえ、あの二人は。ごとー、中二の時あんなに元気いっぱいじゃ
なかったもんなあ〜」
そう、独り言のように呟いて。
ごっちんは、言葉をつなげる。
「ねえ、よっすぃ〜、もう元気出た?」
「………」
「??」
「バリバリ、元気さあ〜〜〜〜〜!!!」
満面の笑顔で、復活するアタシ。
なんてったって、ごっちんに元気もらったからね〜。
「アハッよかった〜」なんて、笑ってるごっちんと、二人っきりだからね〜。
- 130 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月10日(土)17時33分22秒
-
そう、今は二人っきり…。
温泉旅館、広い和室で二人っきり…♪
ここで、期待に胸が膨らまなきゃ、16歳の乙女とは言えないぜっ!!
…といいつつ、男らしいアタシなんだけど。
そうして、妄想モードにアタシが突入しそうになった、瞬間。
ごっちんの放った強烈な一言により。
アタシの中の、欲情モードにスイッチが入れられた――――のだった。
「ねえよっすぃ〜。この旅館って、温泉あるんだよね?
今から行こーよ、二人でっ!」
『二人でっ』
『二人でっ…』
『二人でっ……』
ま、マジッすか――――――――!!??(興奮)
これは誘いっ!?
誘いと受け取っていいんだよねっ?ごっちん!!!
そう、これからは…
温泉で…
大人のじ・か・ん
ってかあ〜!?
さっそく、今日もっ!
暴走開始な、吉澤ひとみ16歳なのですっ!!!
くふ、くふふふふふふ……(妖笑)。
- 131 名前:作者 投稿日:2001年11月10日(土)17時39分42秒
- 作戦重ねるごとに、話が長くなっています…
全然話のメインにもっていけませんでした(汗
>>118 名無し読者さん
更新しました〜いかがでしたでしょうか?全然話進んでないんですけどね(ニガワラ
楽しみといってもらえてうれしいです。
昨日のMステよかったですね〜よしごまっぷりが(w
あのまったり感、最高です!そしてそんな二人を見守る圭ちゃんも…
- 132 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月10日(土)22時28分36秒
- おぉぉっ!
この展開は…
吉澤さんの暴走に激しく期待します。
昨日のMステは、ケミ放置で盛り上がるよしごまに萌えました。
その後のFUNでの抱き合うやすいしの横でまったりしているよしごまにも。
よしごまは、あのまったりとした雰囲気がいいんですよね…。
とにかく、大人の時間に期待してます(w
- 133 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月11日(日)02時29分48秒
- くぅ〜っ!!
自分の欲望に正直なよっすぃ〜萌え!!
さらに、よっすぃ〜の気持ちに気付いてるのか気付いていないのか(気付いていないでしょうが)
ごっちん可愛い♪
このお話は、すぐ続きを読みたくさせる中毒性をもっていますね〜(w
- 134 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月11日(日)14時16分07秒
- 暴走よっすぃ〜大期待です(w
- 135 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)20時35分03秒
-
ばっくんばっくん
「楽しみだね〜、お風呂」
「えっ、えっ? そう、だね…」
ばっくんばっくん
「広いのかなあ〜、ねえよっすぃ〜?」
「う、ひ、広いんじゃないかなあ、なんてったって温泉っていうくらいだし…」
ばっくんばっくん
「ねえ、よっすぃー?」
「はっ、はいっ!?」
「…さっきから、なんか様子おかしいよ?なんでずっと上の空なのさ」
「えっ…、そ、そんなこと…ない…よ」
「ほらあっ!妙〜にどもってるし!!」
普段、アタシの想いには嫌んなるくらい鈍いごっちんが、なんだか今日は鋭くて。
それでもやっぱり、アタシの想いには気付いてなくて。
ごっちんは、着替えを持ってアタシの前を歩いていたんだけど、
アタシは、これからの出来事に妄想が膨らみすぎて、
…どうにも、緊張が収まらない。
- 136 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)20時44分26秒
-
着替えの浴衣と、タオルと洗面用具を抱えて。
うれしそうに、うきうきと長い廊下を歩くごっちんの後ろ姿は、
普段テレビで見せる
「アイドル後藤真希」
ではなくて、
「16歳の女の子、後藤真希」
になっていて、そんな彼女を独り占めしているという現実に。
アタシの心はオーバーヒート気味になっているわけで…。
そんなアタシの内心などまったくもって気付かない、にぶごっちんは、
「変なよっすぃ〜」
なんて呟きながら、怪訝な表情を隠そうともせずに再び身を翻す。
…ごっちんて、コロコロ表情変わるんだよなあ…
不意に、アタシはごっちんの後ろ姿を眺めながら、そんなことを思いついた。
テレビの中のごっちんは、
いつも眠そうで、
あるいは不機嫌そうにも見えて、
やる気がない、なんていわれることも(不本意ながら)あるんだけど。
- 137 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)20時51分27秒
-
アタシの見てる、ごっちんは。
意外と笑い上戸で、
涙もろくて、
素直に、表情を表に出すタイプなんだよなあ…。
―――アタシの前で、だけ?
いや、違う。…かもしれないけど。
でも、ごっちんがアタシに対して、好意を抱いていてくれるのは、おそらく
確かなことだと思うんだよね〜。
テレビでも、アタシと遊んだこととか、よく話してるし。
逆に、アタシはあまり、ごっちんと遊ぶことをテレビでは暴露しない。
……下心がバレそうで、怖いからね…アハハ…
でもっ、今日は!
そんな一方的なアタシの想いに、終止符が打たれる日!!!
――――かもしれないから(弱気)。
ま、いっちょここは気合を入れて――――。
「なにガッツポーズしてんの?よっすぃー。
お風呂、着いたよ?」
「えっ!?いやその、ほら、ガッツ石松!!」
「……今やんなくてもいいじゃん」
「…………」
どうして、こうタイミングが悪いんだろうか……(自己嫌悪)。
- 138 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)20時59分41秒
-
「わ―――、よっすぃ、すごいよお!!
貸切みた―――――いっ!!」
アタシが、自己嫌悪に陥ってると。
さっさと脱衣所に入っていったごっちんの、弾んだ声。
…ナヌっ!?貸切だあ〜!?
アタシは目の色を変えて、脱衣所へ飛び込む。
がら―――ん…
本当に、誰も人はいなかった。
まだ時間が早いせいか、
脱衣所に並んでいるカゴは、誰も使っている形跡もなくて。
誰も、温泉に入っている人がいないことは、容易に理解できた。
「すっげ〜〜!ホントに誰もいないじゃん!!」
「ねっ、ねっ?
アタシとよっすぃ〜の二人だけだよ ゆっくりできるねっ」
…………
ズキュー―――ン……!!!
ああ…
他意のない、ごっちんの一言に、早くもノックアウト寸前なこのアタシ。
そんな殺し文句を、満面の笑みで言うなっつーの!
魔性の女め……
と、思いつつ、うれしさ満開なアタシ。
これはもう、やるっきゃないでしょ!!
- 139 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)21時11分18秒
にへらにへら。
と、アタシが笑みをこらえきれないで妄想モードに入っているのをよそに。
ごっちんは、手早く髪を頭の上に結い上げて。
ちゃっちゃか服を脱いでいく。
う〜ん、イイ…
ここでまた、親父スイッチに入れ替わるアタシ。
自分の着替えも忘れて、アタシはごっちんが服を脱いでいくのを黙ってみてる。
そして、思う。
アタシ、ごっちんの服をちゃんと脱がしたこともないのに、
自分からさっさと服をとっぱらっちゃってくれるんだから、
…お風呂っていいよなあ〜♪
―――なんて(微笑)。
「よしこ、着替えないの?ごとー先入っちゃうよ?」
早くも全裸になったごっちんが…
っていうか全裸……
ぶるぶるっ
またしてもぼんやりしていたアタシの顔を覗き込むようにして、そう言った。
「あ、うんっ!!すぐ行くよっ!」
アタシは慌てて正気に戻ると、いつもの笑顔を浮かべてごっちんに返す。
…ここでごっちんに変に思われちゃ、何もできないからね〜。
- 140 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)21時22分49秒
-
アタシは、さっきの全裸のごっちんに再び妄想を膨らませながら、
ごっちんよりもやや遅れて、浴場へと足を踏み入れた。
ざばああっ
湯気がたってる。
なんとそこは、露天風呂!!
ちょ―――理想的じゃん!!
アタシは余計にうきうきして、お湯に足を踏み入れ―――
「だーめだよっ、よっすぃ〜!!ちゃんと体洗ってから!!」
後ろから、しっかりごっちんの注意が飛びました…。
ああ、ごっちんに注意受けるなんて、不覚(汗)。
めっちゃ気持ち焦ってるみたいじゃん!
そんな欲情丸出しなところ、ごっちんにだけは見せちゃいけないのに。
はい、反省。
「ごっちんてば下町ッ子だからねえー。お風呂のルールには厳しいよねえー」
「あっはは♪何それえー?
関係ないよお、下町生まれはー」
それでも、素直じゃないアタシの言葉に。
ごっちんは特に気にした様子もなく、軽く笑い飛ばしてしまった。
ちょっぴり、ホッとするアタシ。
…まあ、考えてみればにぶごっちんが。
今の行動くらいで、アタシの心まで察知するわけないんだよね…。
- 141 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)21時31分06秒
-
まあ、そんなこんなで。
体洗うとこなんて、大したコトは起きやしないから、ハショっちゃおう。
ついに、
念願の、(いつから念願なんだってツッコミは不可)
露天風呂に、
ごっちんと二人で――――――
じゃぷんっ
ざばあああっ
「っっはあああ――――気持ちい――――――……」
広い湯船の中に、ゆったりと体をつからせて。
ごっちんは、心底リラックスした声で、声を上げた。
……確かに、めっちゃくちゃ気持ちいい…。
仕事で疲れてた体が、みるみる癒されてく感じ。
それも、ごっちんと二人っきり…♪
これで元気が出ないなんて、絶対にありえないさっ!
アタシは、思わずニコニコして。
じいいっと、ごっちんの動向を見守っている。
すると。
しばらく湯船の中をゆらゆら泳いでいた、ごっちんが。
ふいっと、アタシの顔に視線を向けた。
……え?
- 142 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)21時38分15秒
-
いつもなら、ここで。
ごっちんはへらっと笑って。
『よっすぃも泳ごうよー』
なんて、言い出すのが、パターンなんだけど。
…けど。
アタシの顔を真っ直ぐに見つめたまま、ごっちんは。
ぽわっとした表情を変えることなく。
そのまますいーっとアタシのそばまで寄ってきた。
……って、マジ!?
遂に、遂に、
アタシの想いが通じたんだろうか――――!?
期待に胸膨らませながら(実際にアタシの胸はないけど…)、
アタシも負けじと、ごっちんの顔を見返す。
彼女のぽやんっとしたいつもの表情からは、その真意は読み取れなくて。
余計に、アタシの心は緊張する。
そして、彼女は。
お湯の中から、おもむろにその両手を出して、
アタシの顔を、手のひらではさみこんだ――――
って!!
こ、こ、こ、この体勢は―――!!
キス…
しか、ないよねっ!!!!????
- 143 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)21時45分55秒
-
「やっぱりさあ、よっすぃの肌ってもちもちしてて、キレイだよねー」
………
アタシのほっぺを、両手でつねったりなでたりしながら、
ごっちんは普段の少しトーンの低い声で、言った。
「……そんなこと、ないっす…」
「褒めてんのに、どしてそんなに暗いのお?」
「別に暗くなんてないっす…」
アタシの、一瞬の期待と動揺は。
同じく一瞬にして、もろくも崩れ去った…。
っていうか、そんなことだろうと思ったもん!!(泣)
別に期待なんてしてなかったもん!!(号泣)
負け惜しみじゃないぞっ!!
「ホント、よっすぃ調子やばいんじゃない?テンション低いし、
かと思えばいきなりニヤニヤしてるし…なんかあったの?」
『それは全部、ごっちんが原因でこーなってるんだよおっ!』
心配そうなごっちんの言葉に、
アタシはよっぽどそう言い返してやりたかったけど。
…多分、言ってもごっちんはその意味の深さまでは分からないだろうから、黙っていた。
代わりに。
「疲れてんだよ、最近」
とだけ、ちょっとそっけなく答えてみる。
- 144 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)21時54分06秒
-
「ふ〜ん…」
アタシの返事に。
ごっちんは、わずかに首をかしげ、
それでもアタシのほっぺに回された手は、外さない。
…っていうか、
すっごい気になるんですけど…この手…(滝汗)。
お風呂場で。
二人っきりで。
当然、二人とも全裸で。
意味ありげに、顔を両手で包まれて。
こんなシチュエーションで、暴走しないヤツなんていたら、会ってみたいもんだ!
うずうず。
うずうず。
アタシはこらえきれなくなって、ほっぺに回されたごっちんの両手に、
自分の手を重ねようと――――
「ごとーが、よっすぃに元気をあげようっ!」
聞こえたのは、ちょっとばかり偉ぶった、ごっちんの言葉。
見えたのは、急接近してくる、ごっちんの顔。
ちゅっ
………
………
頭の中、真っ白。
い、今……
「えっ…?」
言葉にならなくて、口から出たのはそんな戸惑いの言葉。
- 145 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時04分05秒
………
かすかに、ごっちんの唇の感触が柔らかかったことだけ、感じた。
「ふふふっ」
目をまん丸にして、固まってるアタシがよっぽどおかしかったのか。
ごっちんは顔を横にかたむけて、クスクスと肩を震わせて笑ってる。
「今、ごっちん…」
「元気、出た?」
何て言っていいか分からず、それでも口を開いたアタシの言葉を畳み掛けるように。
ごっちんは、子悪魔みたいな微笑を浮かべて、アタシに問う。
…そう、それはとてもカワイイ、天使のような、悪魔の微笑み。
「よっすぃってさ、最近キスが大好きみたいだから、これば1番元気出るかと
思って…ね?」
そう言って、彼女はアタシに、また顔を近づける。
洗いたてのシャンプーの香りが、アタシの鼻をくすぐる。
いたずらっぽい目が、アタシを見つめていた。
「ごとーからのキスは、高いんだぞっ♪」
くすくす。
そう言って、愛しい彼女はまた笑う。
呆然としたまんまの、アタシの目と鼻の先で…。
「よっすぃだから、してあげたんだよお?感謝しろー」
- 146 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時12分32秒
……ああ、もう。
どうして今日のキミは、こんなにも誘惑的?
―――あくまで、無邪気に。
顔が、みるみる熱くなっていくのを感じたけど。
うまく、感情が働かなくって。
アタシは、ごっちんに上手い切り替えしが、出来ない。
多分、真っ赤なまんま。
アタシの表情は固まっているんだ。
「…よっすぃ、よっすぃ?」
黙ったまんまのアタシに、ごっちんは。
急に、不安そうな表情に変わる。
…ああ、やっぱり表情クルクル変わるなあ…
アタシは、ごっちんの顔を見つめながら、そんな関係ないことばかり頭に浮かんでいた。
「もしかして、怒った?」
『怒ってるわけないじゃん!うれしーよ!!』
そんな、ストレートな感情をぶつけていいものか、迷っているうちに。
アタシの頭はごちゃごちゃしてきて。
更に、上手い返事が浮かばなくなる。
ごっちんは。
アタシの態度が、予想していたそれと違ったのだろう、
首をかしげてアタシの顔を見つめたまんま、そわそわしてる―――ように見えた。
- 147 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時19分47秒
ああっ、
違うんだよお、ごっちん!!
何か言わなきゃ、
何か言わなきゃ―――
人間、焦ってるときって余計に上手くいかないもんだよね?
このときのアタシも、一緒なわけで…
ごっちんが、アタシを見つめる瞳が、わずかに曇ったようで。
「あのねっ、ごっ――――…」
ざばあっ
派手な、飛沫を上げて。
ごっちんが、ほっぺに回されてた両手をアタシの背中に回して、ぎゅっと抱きついて
きたのと。
アタシが、慌てて上ずった声を出したのは、ほぼ同時。
………
つまり、
つまり、
アタシとごっちん、密着です――――。
しかも、ハ・ダ・カ…(獣化カウントダウン)!!
- 148 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時26分25秒
-
ま、ま、まさか―――
こんな展開になろうとは―――(動揺…でもうれしい)
ごっちんから抱きつかれてしまいました、
吉澤ひとみ、16歳っ!!
ついに、今までの作戦が功を奏したようで―――
やめろっ!!
頭の中に浮かんできた妙なナレーションを振り払い。
アタシは改めて、今の状況を見つめ直す。
アタシの背中に回された、ごっちんの細い腕。
触れ合う、素肌と素肌。
アタシの肩に彼女の顎が乗せられて。
お湯の中だけど。
アタシとごっちんが触れ合ってる部分だけは、
お湯の熱さ以上に、あったかかった。
「あのー…、ごっちん?」
アタシは、おそるおそるごっちんの背中に、腕を回して。
そのすべすべな体をぎゅっと抱き返した。
…彼女の柔らかい体が、更にアタシに押し付けられる。
もちろん、その胸も―――
いかんっ、ダメだひとみっ!!
暴走にはまだ早いっ!!!
- 149 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時37分35秒
-
まぎれもなく、今。
アタシは、想いを寄せる愛しい彼女、ごっちんからキスをされ。
抱きつかれ。
…お風呂の中で、そんな状況にあるわけですが…。
おそらく、アタシの理性はあと5分ももつまい。
…えへへへへ
アタシは、ごっちんを抱きしめる腕に力をこめて。
ごっちんの言葉を待つ。
「ねえ、よっすぃ〜?」
「…ん?」
アタシは、今度は彼女を不安にさせないように。
なるべく、優しい声で、短く返事。
「ごとーはね。よっすぃが1番の親友なの。だから、元気ないと不安になるの。
返事してくれなくても不安になるの。
よっすぃがいないと、不安になるの。
…分かってね?」
「ごとー、わがままだけど」と、小さく付け加えて、ごっちんはそう耳元で囁いた。
……くうううううっ!!!(身悶え)
ごっちんかわいいごっちんかわいいごっちんかわいい
ごっちんかわいいごっちんかわいいごっちんかわいい!!!!
今の、『親友』って言葉を使ってたとしても、ものすごいことを言われた気が
するんですけどっ!!!
- 150 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時44分54秒
-
くらくら
あまりの興奮に、アタシの思考はショート寸前。
「アタシだって、ごっちんのコト、すっっっっっっっっっっっっっっごく
大事に思ってるよおっ」
「…あはっ。ありがとお〜♪」
アタシが必死になって叫んだ、超本音の言葉に。
ごっちんは、安心したような、ホッとしたような声を漏らす。
こうやって、ごっちんを抱いてる体勢では、彼女の表情は見えないけど。
アタシに預けられた体重が重みを増したことから考えても、
きっと、安心しきった顔、してるんだ。
ああ…
アタシに押し付けられた、彼女の胸の感触が悩ましい…
めっちゃ柔らかいしっ!
それも、なまっ生乳だしっ!
っていうか裸だしっ!!
ごめん、ごっちん!アタシ、もう限界だアー―――!!
「…ははっ。この体勢、ちょっと恥ずかしいね〜〜」
耳元で、小さく笑って。
ごっちんは、照れたように言う。
「ごっちんから抱きついてきたんだよお〜?」
「じゃー離れるよっ」
- 151 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時51分50秒
-
意地悪く(またしても素直じゃないアタシ…)が言った言葉に。
ごっちんは、アタシの背中から腕を解いて、離れようとする…が。
ちゃぷっ
お湯が、小さく揺れて。
ごっちんは、戸惑ったようにアタシの目に視線を合わせる。
「あの、よっすぃ〜?」
困ったような、驚いたような、彼女の声。
濡れた髪からしたたる滴がうなじを伝って、なんとも色っぽいことこの上ない。
そして、アタシの背中から外された手は。
行き場を彷徨って、今はアタシの肩に置かれていた。
「あの、もう離れよ?恥ずかしいじゃん」
熱いせいか、照れているのか。(多分両方)
ごっちんの顔は、りんごのように真っ赤っか。
それが、めちゃめちゃ愛しくて。
アタシは、ごっちんを抱きしめる腕に、力を入れる。
否が応でも、アタシにひっつかざるを得ない、ごっちん。
- 152 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)22時57分35秒
-
「よっ、よっすぃ〜ってばあ!!」
ごっちんが、抗議の声を上げるけど。
それが、本気で嫌がってるわけじゃないって、アタシには分かる。
だから、ごっちん。
いただきます
アタシは、こちらを戸惑ったようすで見つめるごっちんの顔に。
自分の唇を近づけ――――
ぐらっ
…あれ?
一瞬、近づいたはずの愛しい彼女の顔が、
ぐにゃり、とひしゃげて。
あれ?
あれ?
ぐらりっっ
ざぶっっ
「わあああっ、よっすぃ〜〜!?」
最後に、ごっちんの声が、耳に残って。
アタシは―――
―――――
――――
気がついたら、メンバーに囲まれて布団に寝ていた。
……
- 153 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)23時05分35秒
-
「おっ、お風呂は!?」
起き上がるなり、開口1番そう言ったアタシに。
どっと笑い声を浴びせてきた優しいメンバー達…。
その中に。
一緒になって爆笑してるごっちんの姿を発見して。
…なんで?
どういうこと?
さっきまで、すんご―――くいいトコだったんだよ?
「もお〜、よっすぃーってば、のぼせるまで温泉入ることないじゃん!」
「そんなに温泉好きだったのお?」
「入る前に、ちゃんと水分摂ったほうがいいんだよ」
ぼーっとしてるアタシに、次々投げかけられる、はげましの言葉(涙)…。
「アタシ…のぼせたの?」
あ。声かすれてる。
「そうだよお〜、大変だったんだからあ!あの後」
大げさに手を広げて、ごっちんがそう答えた。
それで、全部理解するアタシ。
よーするに、アタシ。
あの場で、湯当たりしたか、興奮しすぎたか。
どちらにしろ、のぼせちゃって倒れたわけね。
でもって、大好きな彼女に、助けてもらったと。
…………
- 154 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)23時15分20秒
-
な、
情けな―――――――っい!!!
カッコ悪すぎるう――――――――――ッッ!!!!!(涙涙涙)
いたたまれなくなって、アタシは。
がばっと頭から布団をかぶって、亀状態。
こんなアタシ…カッコ悪すぎる…
せっかく築きあげたダンディなイメージがああ…(落胆)
そんな落ち込むアタシをよそに。
「ありゃあ〜、よっすぃ隠れちゃったよキャハハハハ!!」
爆笑したのは矢口さんだな〜…ちくしょう。
でもって、みんなが一斉に床から立ち上がる音。
「ま、吉澤も起きたことだし、夕飯にしますか!
じゃ、後藤、吉澤のことよろしくね。
調子回復したら、一緒にご飯食べおいで」
「はーいよー」
みんなをまとめるように言ったのは飯田さんだな。
で、気の抜けた返事をしたのはごっちんだ…。
って、ごっちん残るの?
うう…
本来ならうれしいんだけど、ちょっと顔あわせづらいんだよなあ。
- 155 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月11日(日)23時25分38秒
-
「よっすぃ、へーキ?」
皆が出て行った後。
「へーキくない」
「じゃ、へ―キだ」
さっきのことなど気にしてないってな調子の、お気楽ごっちん。
まあ、そんなに意識されてもやりづらいんだけど。とりあえずは、お礼言っとくか。
「ごっちん…ごめんね?それと…ありがと」
「ど〜いたまして〜♪」
多分、布団を通してるから、すごいくぐもった声だっただろうけど。
ごっちんはしっかり聞いてて、返事してくれた。
やっぱり、愛の力だねえ…(え?違う?)
…ねえ、ごっちん。
「アタシ、夜はもっと頑張るからね」
「……んあ?よっすぃ、今なんか言った?」
「えー?別にい」
一応、とぼけるけど。
ごっちん、アタシは今、決意したよ!!
失敗したら、その次成功させればいいんだよねっ。
つーわけで。
温泉での失態はなかったことにして。
吉澤ひとみ、今夜リベンジだぜっ!!!!(熱血)
教訓 自分の体調には常に気を配るべし。
あはあ。
- 156 名前:作者 投稿日:2001年11月11日(日)23時32分06秒
- 作戦その4、とりあえず温泉編は終わりです。今回やたら長くて文章ダラダラですね(汗
そして、レスをくれた皆さん!
>>132 名無し読者さん
大人の時間…温泉ではまだ明るいため無理でした(w
よしごまはやっぱりまったりムードなんで、夜まで持ち越し(?)です。
>>133 名無し読者さん
中毒性だなんて、書いてる者にとったらめっちゃうれしい褒め言葉ですよ!
ありがとうございます〜!今日は長めの更新ですが、いかがでしょか?
>>134 名無し読者さん
よっすぃ暴走しすぎてダウンしちゃいました(w
というわけで、作戦その4はまだ終わらず…(まだ続くんかいっ!)
次回は「夜編」ですネ。今度は間違いなく…(ワラ
- 157 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月11日(日)23時36分20秒
- リアルタイムで読んじゃいましたぁ
よ、夜に更なる期待!!
- 158 名前:nishi 投稿日:2001年11月11日(日)23時43分47秒
- シャワー直後に読ませていただいたんですが、
私がのぼせるかと思いました。(笑)
ここの「未遂連発なよしこ」LOVEなので、
よしこには幸せになって欲しいような欲しくないような…
複雑です。…作者様、最高!!
- 159 名前:バービー 投稿日:2001年11月11日(日)23時44分26秒
- 自分も初、リアルタイムで読むことができました!
夜・・ついに、ですか。何かこっちまで緊張してきました(w
すごい楽しみにしてます、頑張って下さいね!!
- 160 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月12日(月)00時02分24秒
- この後よしごまにとんでもない展開が!(旧ASAYAN風)
楽しみにしてます^^
あ、ごま写真集ネタを使っていただいてどうもでした!
同じ板で最近エロを書き始めました(w
よかったら読んでください。
「今夜、暇?」です。
- 161 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月12日(月)00時07分52秒
- ズキューーーン…!
「衛生兵!衛生兵〜っ!」(w
私はこの小説にズキューーーーン!です♪
いつも良いところで失敗するよっすぃ〜…次はどんな失敗するのかも楽しみだったり。
長くてダラダラなんて…、むしろ長くてありがたかったり♪
中毒性・・・とうとう入院が必要になってきました(w
特効薬は「夜編」のみ?
次回楽しみに待っています。
- 162 名前:プー改めポー 投稿日:2001年11月12日(月)00時28分21秒
- ごっちんかわいい!ごっちんかわいい!ごっちんかわいい! もぉっ作者サン最高です!あなたのおかげて明日も頑張れます!
- 163 名前:すなふきん 投稿日:2001年11月12日(月)02時04分42秒
- なんて素敵な話なんだ!!!(w
ここのよしごまはまっちゃいました!
作者さん頑張って下さい!
- 164 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月12日(月)02時06分26秒
- スゲー!スゲー!
作者さん、アンタやっぱり神だ!!(w
後藤の可愛さに振り回されまくりなごとぉヲタ、ヨスィーが
逆に気の毒なような気がしてきた(笑)
ここまでされても恋愛感情無いなんて…ヨスィ不憫だよ(w
気まぐれ後藤さん、凶悪にも程が…しかしカワイイ…タマンネェ
というわけで続きも期待です!
- 165 名前:作者 投稿日:2001年11月12日(月)16時04分25秒
- おおう!レスがたくさん…本当に皆様、ありがとうございます!!ひたすら感謝っす。
>>157 名無し読者さん
もう、めっちゃリアルタイムですね!ほんのり恥ずかしい作者…(w
>>158 nishiさん
未遂連発なよしこ…まさにこの話の根本なので、そこを気に入っていただけると
大変うれしいです(感激 よしこに幸せはくるんですかね?(w
>>159 バービーさん
ああ…二回目のレスですね、大変恐縮です!うれしー!!
黄色板の小説ばっちり見てますよっ!はいっ頑張りますっ
>>160 名無し梨華さん
旧ASAYANナレ―ションネタ、分かってくれてさんきゅうです(w
写真集ネタ、うまいこと使えなくて申し訳ないっす(汗
あ、それと「今夜、暇?」読みましたヨ!エロ参考にさせてくださいマジデ
- 166 名前:作者 投稿日:2001年11月12日(月)16時05分47秒
- >>161 名無し読者さん
入院が必要ですか(w 私の書く小説(夜編)が特効薬になるのならば…!
でも余計に欲求不満が溜まるかも(エー!?
>>162 プー改めポーさん
この話のごまは(一応)天然魔性系ってことなんで、かわいいと思ってくだされば
成功です!ヤッタネ ありがとうです
>>163 すなふきんさん
…な、なんとっ
よしごま小説二大巨匠、バービーさんに続きすなふきんさんまでもレスをいただける
なんて…光栄以外のなんでもないっすね(滝汗
素敵な話といってもらえるなんて…(涙
>>164 名無し読者さん
か、神は大げさっす!(アワアワ
後藤ヲタよっすぃ〜…確かにヲタになりつつありますね(w
まあ、不憫でもよしこには頑張ってもらいますんで、そのうちいい思いを…(!?)
はあ、こんなにたくさんの人に読んでもらえるなんて、作者冥利につきます。
それでは「夜編」、期待にこたえられない内容だったら…ニゲマス(w
- 167 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時15分45秒
-
ごろり
ごろり
……うあ〜あ…
夜になっても、寝付けなくて。
アタシは、何度目になるか数えるのも分からなくなった、寝返りをうつ。
同じ部屋に、彼女がいるから?
興奮しちゃって、眠れない?
…否。
もし、これが。
ごっちんと部屋に二人っきり、なんて状況だったら。
迷わず、アタシは行動に出ていたであろうから。
こんな、悶々とした気持ちを抱えていなくても良かったんだけど…。
――――ここは、広い和室で。
同じ部屋には、梨華ちゃん、加護、辻、そして愛しきごっちんが眠っているんだ。
けども。
問題は…
敷かれた、布団の並びである。
これが、なぜか
5人一列に並んでいるわけで…
並びかたが、また気に食わないのだ。
え?
どんな並び方で、寝てるのかって?
- 168 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時22分02秒
なんか今、最高に気分が曇ってるからあんまり教えたくないんだけどさ。
思い返せば、あれは3時間も前の話…
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「加護は〜、ごっちんの隣がいい〜♪」
「え〜、辻もお〜、ごっちんの隣がいいれす〜」
え…っ嘘?
「いいよー、じゃあ右に加護、左に辻ね?」
し、しまったー!!隣、盗られたあー!!
お風呂場での失態を思い出し、
積極的な行動に出るか出まいか、迷っていたのが運のツキ。
なぜか最近、ごっちんにベタベタしっぱなしの辻と加護に。
アタシは速攻で、その両サイドを奪われ。
挙句の果てに、
「よっすぃは寝相悪いからー」
…なんて、言われて。
ただ今、アタシの寝ている場所は。
入り口に、最も近い、
要するに、一番はじっこなのである―――(涙)。
- 169 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時27分28秒
最初の小1時間こそ、みんなでペチャクチャおしゃべりしていたものの。
さすがにお子様コンビは、連日の仕事疲れのせいか、すぐに寝入ってしまった。
おっ…チャンス?
なんて、思ったのも、束の間。
寝つきの悪い梨華ちゃんに、しばらく話を聞かされ(9割が圭ちゃんの話…ゲッソリ)、
そのくせ、話してるうちに眠くなってきたから、とか言って。
結局梨華ちゃんも寝ちゃったところまでは、良かったが―――。
問題は。
ごっちんも、子供並みに、寝つきがいいということで。
アタシが梨華ちゃんの話を聞き終わったころには、すでに爆睡中…。
それも、
両腕に、しっかり辻と加護がまとわりついていたまんまで。
さすがに、
このアタシも、
手の出しようが、ないわけで―――――(溜息)。
- 170 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時32分42秒
そして、アタシは。
ごっちんのことを考え、悶々とした気持ちを抱えたまま、今に至る。
はあ…
蛇の生殺し状態って、こういうことを言うんだろうな…
もしくは、据え膳食わぬはなんとかの恥、とか…(あれ、これは違ったっけ?)
とにもかくにも。
この状態、ひたすら体に悪い。
精神衛生上にも、よくない。
はあーあーうー
こんなに苦しいものか…欲望を抑えるのは…(疲)。
最近は。
とにかく、欲望に忠実にごっちんに手を出してきたアタシだけに。
(まあ、いつも寸止めとか邪魔入ったりとかばっかりだけど)
こうやって、「我慢」するってことに、慣れてないんだよなあ。
それに、今日は大部屋なんて聞いてなかったから、
めっちゃめちゃ気合入れまくりだったのに〜!!
いくら心の中で叫ぼうが、
身もだえしようが、
今の状況が好転するはずもなく―――
- 171 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時37分55秒
-
そして、アタシは。
いつの間にか、うとうとし始めていた。
ああ…このまま眠っちゃえば楽になるな…
もうすっかり、あきらめモードのアタシは。
半ば、投げやりに。
このまどろみに、ゆったりと身を任せていたが…。
ごそっ
みしみしっ
布団が、払いのけられる、音と。
畳の歩く、音。
そして、アタシの頭のすぐ側を、誰かが歩いていく気配―――。
なんだよお、梨華ちゃん。
さっそく、圭ちゃんのとこ行くわけえ―――…?
アタシは、ぼんやりとした頭で考えながら。
眠気を覚まさないため、
目を開けようとは思わなかったんだけど。
バタンッ
ジャ―――――ッ
・・・・・・
なんだあ、トイレか。
やたら遠くに聞こえる、その音を確認して。
アタシの意識は、段々と朦朧していく。
- 172 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時43分41秒
ミシッ ミシッ
畳の上を歩く音が、聞こえてくる。
もぉ…起こさないでよぉ…
ばさあっっ
!?
さ、さぶうう〜〜〜っ!!!!!
いきなり、アタシの掛け布団が剥ぎ取られ。
アタシの意識は、一気に覚醒する。
だ、誰だよおっ!
アタシが、文句の一つでも言ってやろうかと、
ばちっと目を開いた瞬間。
視界に、
それはとんでもないものが―――
『ご、ごっちん!?』
どさっ
…と。
勢いよく、アタシの布団に侵入してきたのは、
他ならぬ。
ごっちん、その人だった―――。
う、
嘘オ―――――――――――ッッ!!!????(本気で絶叫)
- 173 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時49分16秒
ごっちんは。
アタシのすぐ隣に。
ごろり、と。
…思いっきり、無防備に横になって。
ばさっ
と、もう一度掛け布団をかけ直し、(自分だけ)
早くも、寝息を立て始めていた―――――。
…って、
寝ぼけてるっ!? 思いっきり寝ぼけてるっ!!
さすがに、そんな状況では。
「ごっちんが誘ってきた〜♪」なんて、いつものような妄想が浮かぶ暇はなく。
アタシはひたすら動揺して、
ごっちんを凝視している。
…
暗闇の中では。
はっきり、彼女の表情は見えないんだけど。
でも、その瞼は閉じられていて。
口は、軽く開かれていて。
…完璧、寝てるし…(涙)
- 174 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)16時55分00秒
はあ…
でも、やっぱりその寝顔はかわいくて。
とてつもなく、愛しくて。
そして、年の割りに、色っぽくて。
先ほどまでの、眠気はどこへやら。
アタシの中に、野獣が目覚める―――とこだったけど。
ちらり、と横に視線を送って。
寝てる三人に、溜息をついて。
やっぱり…この状況じゃ、無理だよなあ…
いつになく弱気に、アタシは考える。
そして。
悔しいけど。
すっっっっごい名残り惜しいんだけど。
アタシは、ごっちんの肩を、軽く揺さぶって。
「ごっちん、ごっちん…」
と、小さく小さく呼びかける。
けれど。
ごっちんは、
「……ん〜……」
なんて、まるで気付くようすもなく。
しっかり、寝息をたてて眠ってるわけで…。
お願い、ごっちん。
アタシの暴走が始まる前に、目を覚まして――――(涙)。
真剣に、そう思う吉澤ひとみ16歳なのであった。
………
- 175 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時03分03秒
ど、どうしよう…(汗
起きないよお、ごっちん……
自分の中の、欲望が。
ムクムクと、頭をもたげてくるのを感じて、アタシは焦る。
やばいって!
やばいって!!
さすがに、この状況で襲っちゃうのはまずいって!!(葛藤)
……ごっちんの布団まで、運んじゃるか…
いつになく紳士的な、アタシは。
このままいれば間違いなく暴走する自分を予感して。
ごっちんを、自分の布団まで運んでやろう、なんて考えた。
(あああー、これが二人っきりならなー…)
アタシは、ようやく決心を固めて。
未だ起きやしないごっちんの肩に、手を回す。
「よ、いしょ…」
思わず、力が入って声が出ちゃったり。
…やっぱり、そんくらいじゃ起きないけどね、誰も。
―――と、思った直後、
「んふふふ…ダメだよお〜♪」
「えっ?」
ど、さっ
- 176 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時07分55秒
!!!
ごっちんを抱えたまま、半分起き上がりかけていた、アタシは。
他ならぬ、そのごっちん自身によって。
―――
布団の上に、押し倒されて………
……いた。
え、ええええええっっ!!??
信じられない、彼女の行動に。
アタシの思考はパニック寸前で。
動くこともせず、アタシはごっちんに声をかけることもできない。
彼女の腕は。
アタシの首に、しっかりと回されていて。
そして、彼女の顔は。
アタシのむ、胸に…(汗)、押し当てられていた…。
「んふ、んふふふ…」
ばくばくっばくばくっ
心臓が、最高に高鳴る。
ごっちん!何笑ってんだよおっ!
どうしちゃったんだよおっ!!
- 177 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時14分22秒
-
「ふふ、ふふ…
あったかぁい……ふふ、ふにゃ……」
アタシの胸に顔をうずめたまま、笑うごっちん。
…て、
今、語尾になんて言った?
「くふ、くふふふ…
……
スー…… スー……」
―――――って、寝てるし。
寝ぼけてたんかいっ、それもっ!!
声にならない、アタシのツッコミを聞くものはいない(涙)。
でも。
でも。
寝ぼけているごっちんとは言え、力はそれなりに入っていて。
アタシの首に回された彼女の腕は、簡単には解けそうもなく。
そして、アタシにしがみついたごっちんからは。
シャンプーの、香りと。
ほんの少し、汗っぽい、ごっちんの匂い。
あったかく、柔らかい体。
浴衣ごしに伝わる、彼女の鼓動。
こ、これは…
この状況は…
アタシの理性は、吹き飛んだ。
っていうか、こんな状況でどーしろっちゅーねんっ!!!
あ、逆ギレ?
だって。
ここでごっちんに手を出したからって、
誰がアタシを責めることができようか――――っ!!!
…いない…よね?
- 178 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時22分25秒
「誘ったのは、ごっちん…」
アタシは、自分をそう、正当化して。
ごっちんの、アタシの首に回された腕は、そのままに。
ごろん
と、ごっちんの体を、アタシに乗せたまま、横向きに体勢を変える。
必然的に、アタシにくっつているごっちんも(ああ…いい響き…)、そのまんまの
体勢で、横向きになる。
ふふ、
この方が、色々やりやすいもんね〜♪
張り切って、アタシは。
アタシにしがみつくようにして、抱きついてるごっちんに目を落とし。
胸に押し付けられた、彼女の顔を、両手ではさみこむ。
…そう、さっきお風呂場で、ごっちんがやってくれたように…
そして、そのまま顔を上向きにさせて、
軽くキスを落とす。
…うーん、ちょっと体勢、キツイかな?
でも、ごっちんの唇の感触には、体勢のキツサも、気にならない。
- 179 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時28分23秒
もぞもぞ
アタシは、少し音を気にしながら、今度はごっちんの上位に体を移動する。
眠ってるごっちんを見下ろすアタシ。
うくくく。
やっぱり、この体勢が1番っ♪
「……ふふ、…スー……スー…」
さっきから、色々動いてるにも関わらず、
ごっちんの腕は、アタシから離れようとはしない。
…そんなに、アタシから離れたくないんだねっ
アタシも、今夜は離さないよおおっ!!
すでに。
アタシの頭の中からは。
「見られたらどうすんだーっ」なんて思考は、抜け落ちていて。
今はただひたすら、
眠りこけるごっちんを、どう攻めようか、
なんてことばかり、考えていた―――。
くふふふふ。
- 180 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時35分24秒
-
その時、不意に。
今まで熟睡してると思われた、ごっちんが。
ぱ ち っと。
ゆっくりと、その目を開いた…。
っっげっ!!
お、起きたあっ!?
内心動揺するも、すでに理性の飛んでるアタシは、いつもよりかなり大胆になっていて。
目覚めたごっちんが、この状況で。
どんなリアクションをするのか、
そっちの方が、優先されて―――。
このままの体勢を、保持。
「…ううん……あれ…よっすぃ……?」
薄く目を開いた、ごっちんが。
何度か瞬きを繰り返し、掠れた声を上げた。
「……あれ…?
………ごとー…なんでこんなとこに寝てんの…?」
眠そうなごっちんの声は、まだ完璧には覚醒しきっていないことを表している。
それでも、
最初こそ半開きだった目は、次第に見開かれ、
半分無意識と思われた、彼女の意識は、はっきりとしてきたようで。
「っ………えっ!?」
ようやく、彼女が。
この状況を理解した(らしい)のと同時に。
ごっちんは、上ずった声を、漏らした。
予想、どうり
- 181 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時44分18秒
-
彼女が、ちゃんと目覚めたのと、同時に。
その体が、一瞬にして強張るのが、分かった。
「よっ……………んッ…」
「シ――――――ッッ」
目を見開いて、ごっちんが。
口を開きかけたのを見て、アタシはとっさに彼女の唇に、右手を押し当てる。
「みんな、起きちゃうでしょ…」
小声で、アタシはそう言って。
左手で、眠っている三人を指差した。
ごっちんは、目を見開いたまんまだったけど、
とりあえず、アタシの言いたいことは分かったらしく。
小さく、コクコク、と首を縦に上下させた。
ん〜、その小動物みたいな動きがめちゃラブリ〜
アタシは顔を緩めて、ごっちんの口にあてていた右手をそっと取り除く。
「よ、よっすぃ〜…」
「ん?」
小声で繰り広げられる、会話。
「この状況は……ナニ?」
小声で、それでも動揺を隠せない響きを含ませて、ごっちんが囁いた。
その顔色は分からないけど。
アタシを見上げる目が、潤んでいる気がして。
- 182 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時52分13秒
「ごっちんが、アタシの布団に入ってきて、抱きついてきたんだよ?」
「………嘘ォ?」
「ホントだよ」
ごっちんの、アタシを見上げるその表情が、
呆然としたものに、変わっていく。
アタシ、嘘は、言っていない。
だって、まぎれもない事実だも―――――ん!!!(喜)
思ってもみない返答だったのだろう、
ごっちんはアタシを見上げたまま黙ってしまい、
―――へらっ
と、笑顔を浮かべた。
ただしそれは、とてもぎこちない笑みだったけれど。
「へへ、えへへ…よっすぃ、寝てるの邪魔して、ゴメンね?
じゃあさ、もう…寝よ?」
彼女の体が震えてるのを、感じて。
アタシの心は止まらなくなる―――。
怖いの?ごっちん。
大丈夫だよ、そんな乱暴にしたり、しないからさ…
「…ごとー、ちゃんと布団に戻るからさ…」
「そんなこと言って」
「?」
「本当は、ごっちん欲求不満、溜まってんじゃないのぉ?」
「…ちがっ…」
- 183 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)17時58分35秒
彼女が、抗議の声を上げるよりも、早く。
アタシは、ぐっと身を低くして、
ごっちんの口を、キスで、強引に塞いだ。
「んっ……」
ごっちんの抵抗を感じながら。
アタシは、腕をばたつかせようともがく彼女を、しっかり抑える。
ふふふっ
ねえ、ごっちん?
いくら腕力が多少あったって、
上にいるのと、下から暴れるんじゃ、どうしたってかないっこ、ないよね?
アタシは、じっとりと汗ばんだごっちんの体を感じながら。
唇を割って、彼女に侵入する。
「………っ」
声にならない、声を上げるごっちんは。
アタシが舌の動きを激しくさせる、その度に。
押さえつけられた体を、
びくっびくっ
と、震わせている。
……やっぱり感じやすいんだから♪
- 184 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)18時08分33秒
-
彼女の敏感さに、満足したアタシは。
少しだけ、彼女から唇を離して。
熱っぽさのこもった、その瞳を覗き込む。
「…んっ……」
ごっちんは、アタシを見上げたまま、息を止めるようにその動きを止める。
「そんなに怖がらなくったっていいじゃん」
「だって…」
思わず苦笑するアタシに、ごっちんは困ったように視線を彷徨わせながら、
口を結んで、再びアタシに視線を戻した。
「…よっすぃ、いっつもいきなりこんな…」
「アタシ、昼間ごっちんにいきなり『ちゅっ』されたよなあ…」
「あ、あれは……!」
遠い目をするアタシに、ごっちんは大声を出しかかって、
自分で気付いたのか、慌てて自らの手で口を塞いだ。
そして、再び小声で言う。
「アレは…よっすぃの調子がおかしかったから……」
「ふ〜ん?」
「………」
「それに、今もごっちんの方から、布団の中入ってきて…
誘われたんだけどねえ〜?
『誘ってないってば!!』
ごっちんが、声を出さずに口をそう動かすのを見て、
アタシは笑いをかみ殺すのに必死になった。
- 185 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月12日(月)18時21分15秒
-
なんていっても、ごっちんのその慌てっぷり、
面白くって………かわいくってしょうがないんだ
「まあ、そんなわけでね」
アタシは、(多分)顔を真っ赤にしたまんま、黙ってしまったごっちんを
覗き込むようにして。
「今夜は、ごっちんからのお誘いを、
お受けしますよ〜♪♪」
「……だから誘ったんじゃなっ…」
やっぱり、反論は許さない、アタシ。
今夜、
このアタシの、
燃え上がった欲望の炎は……
そう簡単には消せないんだよお〜!!
「やあっ…だぁ…よっすぃ…?
……ヤメ…よぉ…よ、…やっ……んんっ……」
今夜は、ちょっと順序を変えて。
耳から、攻めてみる…。
やっぱり、感じやすいらしい、ごっちんは。
体をビクビク反応させながら、それでも抵抗を続けている。
この後に及んで、まあだ抵抗するの?ごっちん。
今夜は……
ごっちんを、その気にさせちゃうからね…………?
吉澤ひとみのリベンジは、
こ・れ・か・ら――――――
- 186 名前:作者 投稿日:2001年11月12日(月)18時25分04秒
- こ・れ・か・ら――――というところで更新age(ワラ
一気に書いちゃうつもりだったんですけど……疲れました←コラ!!
だんだん文章がワンパターン化してるし…ごめんなさい…(反省)
- 187 名前:nishi 投稿日:2001年11月12日(月)18時57分55秒
- ぎゃあぁぁぁぁぁっ!
なんかオイラが寸止め喰らってるし!!?
作者さん、実はごっちん以上に焦らし上手…てか、オニ…。
ワンパなんて、とんでもない!作者さんの文章、超好きですよ〜。
- 188 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月12日(月)19時32分35秒
- 寸止め!ああ!もうおさまりつかない!(w
んにゃ〜、焦るごま萌えっす!
我が駄エロを読んでいただいたみたいで、どうもです。
エロって難しいですね(w
- 189 名前:バービー 投稿日:2001年11月12日(月)20時56分00秒
- くぅ〜っっ!また寸止め・・きついっすよぉ(w
ごっちんが何かめちゃめちゃ可愛いんですけど・・・
自分の小説にもレス、ありがとうございます!
よしごまの巨匠だなんて・・何をおっしゃるんですか・・
まだまだ未熟者ですよ、自分は。
作者さんの方がよっぽど妄想をかき立てます(w
- 190 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月12日(月)21時18分56秒
- くぅぅ。す、寸止めかぁ。
でもよっすぃ〜今度こそ!(w
- 191 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月12日(月)22時54分18秒
- あぁーっ!
- 192 名前:ポー 投稿日:2001年11月12日(月)23時09分25秒
- 更新されてる♪と思ったらページオーバーで読めないよぉ..(涙
- 193 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)01時28分06秒
- 更新されてる〜!って思ったら、お預けだし…
もしかして作者さんの術中に完全にはまってる!?
特効薬どころか更に欲求不満が…(w
だって、作者さんがごっちんは天然魔性系だって書いてますけど、
実は気付いてるのに、そんな行動をとってるって幻覚が頭の中に…
ほんと続きが楽しみでしょうがないです!
- 194 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)23時20分51秒
- ………つっ、続きを!!!
早く見たくて死にそうです・・
- 195 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)23時53分08秒
- 続きがみたいなぁ...
- 196 名前:作者 投稿日:2001年11月14日(水)19時30分19秒
- 今回もまた、レスをくれた方々に本当に感謝感謝の一言です。
やる気出るっす〜〜!!
>>187 nishiさん
寸止め…オニ作者ですかあ、褒め言葉と取らしていただきます、勝手に(w
文章好きって言ってくれてうれしいです。
読み返して、たまに自分でも読みにくかったりするんで…(汗
>>188 名無し梨華さん
エロ、難しいですね〜。だから私の小説では未だよっすぃは未遂なのでしょうか、
すまん吉澤くん(w そういうわけで、やっぱりエロ参考にさせてください…(シツコイ
>>189 バービーさん
ごっちん…可愛いっすかねえ…うれしい♪
ただ、私にはバービーさんの書くよしごまのような甘〜い雰囲気がどうしても
表現できないっす。吉澤野獣だし(ワラ
>>190 名無し読者さん
よっすぃ、今度こそ…??
どうでしょうかね〜〜〜(byオニ作者…w
- 197 名前:作者 投稿日:2001年11月14日(水)19時38分47秒
- >>191 名無し読者さん
ああ――ッ(w
>>192 ポーさん
ページオーバーっすか…
そろそろ新スレ立てたほうがいいんですかね?皆さんどのくらいで新スレに
変えてるんでしょうか。どうかこの無知作者に教えてください…
で、ポーさんごめんなさい。。。(陳謝
>>193 名無し読者さん
ごまは結局、よっすぃの気持ちに気付いてるのかそうでないのか?
まあ今回の更新あたりでスコーシ分かるかも!?←どうだろう…
作者の力量では分かりにくいかも(w
>>194 名無し読者さん
そこまで楽しみにしていただけるとは…
更新します!!だから死なないでくださ〜〜い!!(激
<<195 名無し読者さん
はいっ、では
L O V E らぶりぃ プッチモニ
というわけで、新曲発売記念更新〜〜!!です。
- 198 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)19時47分51秒
「……んぁっ……」
小さく体を揺らして、『彼女』が反応する。
アタシは、その声にとても幸福感を覚えるのだけど、
「ダメだよお、声出・し・ちゃ」
軽く噛んでいた彼女の耳たぶから、アタシは顔を上げて、
さっきからぎゅっと目をつぶったままの『彼女』の顔を覗き込む。
本当は…、声、出してくれたほうがこっちも燃えるんだけどね〜。
「聞いてるの?ごっちん…」
アタシが、愛しい彼女の名前を呼ぶと。
硬直したように動きのなかった、彼女の顔が。
固く閉じられていた、瞳が。
固く結ばれていた、唇が。
薄〜く、開かれて。
その瞳は、アタシだけを見ていて。
その唇は、アタシだけに対して、言葉を発する。
「声…なんて、出してないもん…」
こんな状況でも、強情な彼女。
そんな彼女が、たまらなく、
可愛らしい。
- 199 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)19時55分31秒
-
アタシは思わず口元に浮かぶ笑みをこらえながら、
「じゃ〜、もう1回やってみようか?」
なんて、小声で囁くと、同時に。
「……や、ぅ……」
今度は、耳の裏を。
舌でくすぐるように、嘗め回す。
…ちょっと、分かってきたぞ、コツが。
ごっちんて、舌の動きにめちゃめちゃ弱いんだよねえ〜。
「ホラ、声」
茶化すように、アタシは言うけど。
ごっちんはそれでも、アタシの目を薄く開いた目で見返して。
口を結んで。
ふるふる、とその首を左右に振る。
ほんっと、強情。
だけど、
だからこそ、
…襲いがいがあるってもんだよ、ね♪
アタシの両腕が、ごっちんの腕をしっかり押さえつけてるもんだから。
ごっちんは、口を押さえることができないんだ。
必然的に、そうすると。
声も、我慢できない…
わけで。
アタシは、同じ部屋に眠る、同期3人に視線を送る。
声、出しちゃいけない状況だからこそ、
余計に、そのスリルを味わいたくなるわけで…。
- 200 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)20時03分02秒
さっきまでの。
『見つかったら…』なんて、冷静な感情は。
いつの間にか、アタシの中からは排除されてて。
見つかったら?
それもまた、アリでしょ♪
な〜んて、軽く考えてる自分も、いたりなんかして。
…まあ、絶対に気付かれないように上手くやるつもりだけどねっ。
そんなことより、今は。
目の前の、
このとびっきりの“ごちそう”
を、いかに美味しくいただくか、の方が。
今のアタシにとっちゃ、よっぽど重要な問題なんだってコト。
さあ、ごっちん。
いつまで、意地張っていられるかな?
アタシは。
ごっちんの、耳の裏側から、首筋へと。
徐々に、徐々に、
ゆっくりと、唇を伝っていく。
もちろん、しっかり彼女の味を楽しむことも、忘れない。
「………ッッ」
ごっちんが、必死に声を抑えているのが、強張った体ごしに伝わってくる。
アタシが押さえつけてる、腕にも。
唇を落としている、首にも。
力が入っているのが、感じられた。
- 201 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)20時08分16秒
-
けれど。
彼女の、強張った体は。
アタシに抵抗する、といった具合のものではなくて。
むしろ、
快感に溺れるのを拒む、といったものに感じられて。
…やっぱり、
ごっちんは、アタシのこと拒んでないんだよね?
いきつく考えは、そうなって。
アタシはもっと、大胆になっていく。
口づけた、彼女の首筋…いや、彼女の肌は。
温泉の効果だろうか、
いやにしっとりとしていて。
長い髪の毛が幾筋か、首にまとわりついていて。
…なんでこんなにも、セクシー光線出しまくりかなってくらい…
ふふふっ
この、ごっちんを。
今夜、アタシは、
モノにするんだから――――――
焦らず、じっくりと……ね
- 202 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)20時19分48秒
いったん、アタシは。
貪るように、口づけていた首筋から、唇を離し。
やや、ごっちんの体から、身体を浮かせた。
同時に、力入りまくりだった彼女の体も。
やんわりと、力の抜けるのが、密着した体ごしに、感じられる。
「はっ……はぁ……」
ごっちんは。
アタシにばれないように、してるつもりなのか。
顔を、横にかしげて。
小さな吐息を漏らした。
そぉんなに感じちゃって、カワイイんだから…
「そんな息切れるほど、
感じちゃったかなあ〜?ごっちん」
「……!」
アタシが耳元で、囁いた挑発の言葉に。
案の定、ごっちんは即座に反応して。
ばっと、アタシの顔を見返してきた……けど。
『感じてないからねっ』
なんて。
またまた意地張った言葉を返してくる、
そんな予想とは裏腹に。
- 203 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)20時26分47秒
ごっちんは、アタシの顔を見上げたまま、
ひたすらじいっと、その視線を動かさず、
口も、開こうとはしなかった。
「………?」
少ぉし、眉を寄せて。
口は、真一文字に結んで。
今度は薄目じゃなく、ぱっちりと開かれた、瞳は。
うるうると、していて。
……やっべえ。
マジ、止まんなそうっス――――……(動揺)。
たまらなくなって、アタシは。
ごっちんの腕を押さえつけていた、右手を離して。
彼女の頬に、手の平を、軽く添えた。
…
思ったとおり、彼女の頬は。
ほんのりと熱をもったように、あたたかくって。
アタシは手を頬に添えたまま、
ゆっくりと、その唇に自分の唇を重ねる。
…やわらかい…
ふにゅっ、とした感触。
重ねるだけの、軽いキス。
束縛を解かれ、自由になったはずの、ごっちんの左腕は。
抵抗するようすもなく。
軽く、アタシの肩に、あてがわれていて…。
マジ!?
ごっちん、遂に…
いいの、カナ…?
- 204 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)20時38分39秒
-
アタシは、もう1度、彼女の唇にキスを落とした後。
さっきよりもほどよく、力の抜けた、
そして、だいぶ震えのおさまった、その体を感じて。
彼女の腰に、腕を回す。
「……んっ…はぁ…」
また、ごっちんの口から漏れる、かみ殺した喘ぎ声。
アタシの腕は、彼女の腰に。
そして、アタシの唇の今度の標的は、
―――彼女の、はだけた胸元に。
当然、寝ていたのだから、浴衣の下にブラジャーなんて障害物は、ないわけで。
(ま、下着を脱がすってのも楽しみの1つではあるけどね)
はだけた胸元からのぞく、ごっちんの生乳……
お風呂でも充分に彼女の胸はじっくり見たはずなのに、
こうやって布団の上で見ると、
…もうひたすらエッチっぽいんだな…これが。
そして、アタシは。
今度は手で弄ぶようなことはしないで。
腕で、しっかりとごっちんの腰を押さえつけたまま、
くりっ
と彼女の乳首を舌で転がした。
- 205 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)20時45分55秒
「や……っ…ん…」
びくっと、体を揺らして。
一際、高い声を漏らすごっちん。
跳ね上がりそうになる、彼女の腰を。
アタシの腕がしっかりと、抑え続けている。
ふふ…
いい反応、してくれるなあ…
もう、気分は最高潮!!
アタシが、舌でくりくりと転がすたびに。
彼女の乳首は、硬さを帯びていって。
「……は、ぅ…」
その声も、身体も。
反応は、どんどん敏感になるばかりで。
そして、いつの間にか。
ごっちんの、両腕は。
アタシの首に、回されていた――――。
そう。
どっから、どう見ても。
アタシとごっちん、
……
一つに、なってるよねえ―――――――っ!!??(爆)
- 206 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)20時53分34秒
-
「ごっちん…
めちゃくちゃ、カワイイよ」
面と向かって、『カワイイ』ってごっちんに言うのは初めてだったけど。
意外と違和感なく、その言葉はアタシの口を、ついて出た。
「……ぅん……」
アタシの声に、反応してなのか、
ごっちんは、返事をする代わりに、閉じた口元でまた小さく喘いで、
アタシの首に回したその両腕に、ぎゅっと力を込めた。
ぅおおおっ…これって…
オッケーサイン――――――――――!?
アタシが結論づけるよりも、早く。
ごっちんの行動が、アタシの気持ちを、決定づけた……。
「……ん…、よっすぃ……」
アタシを呼ぶ、切ない声。
アタシを見上げる、潤んだ瞳。
アタシにしがみつく、震える腕。
・・・・・・
「ごっちん、いい?」
アタシは、布団の上に広がった、彼女の長い髪に顔をうずめるようにして。
その耳元に、ただ明瞭簡潔に、
――――聞いた。
- 207 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)21時02分54秒
-
流れたのは、わずかな沈黙。
――――、
――――、
おしっ、これはもう、
肯定とみなしちゃうぞ―――――!!!と、前向きなアタシ。
だって、拒むなら拒めるだけの猶予はあったはず。
それでも拒否しないってことは、……だよね?
がばっっ
と、アタシは勢いよく体を起き上がらせて。
ぐいっ、と。
ごっちんの足を開いた。
「……やっ……!…」
慌てたように、声を上げるごっちんが、またアタシをそそらせるんだ。
そんなに恥ずかしがらなくても、大丈夫だってば♪
そして、
露になる、ごっちんの太ももと、水色のショーツ。
それが濡れているのか、どうなのかは、この暗い中では判断できないけれど。
「……ねえ、ごっちん。力、入れすぎ…」
「……だって……」
無意識なのか、それとも意識的になのか、
アタシが目一杯の力で開いた両脚を、ごっちんはさっきから閉じようとしてて。
……やっぱ、恥ずかしいのかな?
そんなところにも、ごっちんの『女の子』の部分を感じて。
いっそう、激しく燃え上がるアタシ。
- 208 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)21時11分57秒
-
「大丈夫だよ、痛くしないから」
「……っっ!」
アタシの、抑えたその言葉に。
ごっちんが、カッと赤面した―――――ような気がした。
…カワイイ、カワイイ、
まじかわいいっす…
もはや、思考回路にはそんな単純な言葉しか浮かんでこないくらい。
「やあっ……ふっ…ぅ……」
すべすべとした、ごっちんの内腿に手を滑らせると。
苦しそう、とも思えるような押し殺した彼女の感じてる、声や。
また、ぐっと力の入る、敏感な体を感じて。
アタシの全身が、熱く、熱くなっていく。
もう、
今夜こそ、
最後まで――――
思い返せば、失敗の連続。
寝込みを襲ったときも、
物置で遊びがてら襲ったときも、
病院で看病がてら襲ったときも、
お風呂場でのチャンスも、
すべて、寸前で逃してきた、アタシ(涙)。
- 209 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)21時18分16秒
そう、遂に、
今夜こそ――――――
今夜こそ――――――
今夜こそ――――――
『初めての』……それにばかり、意識がいって。
だから、アタシは気付かなかった。
死角に潜んでいた、恐ろしい、敵に…。
ごすっっっっっ
感じたのは、後頭部が凹むような、衝撃。
視界がぐにゃり、とひしゃげるような、感覚。
「………っいっ」
痛みは、アトから来た。
「っってえええええええええッッッッッ!!!!!!!!!」
がいーんがいーん
と、耳鳴りまでするほどの激しい痛み。
思わず涙まで出そうになり、
気がついたら、アタシはのた打ち回って
叫んでいた―――――…。
―――――え?
アタシ、
叫んだあ――――――――!!??
- 210 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)21時26分09秒
-
「なっ、なに?」
驚いたように、上ずった声を上げたのは、アタシの下にいるごっちんで。
アタシは、返事をするよりも先に。
がばっと振り返り、今の攻撃の主を――――
「…って、梨華ちゃんっ!?…」
思わず、また叫ぶアタシ。
今の、後頭部への一撃は――――
振り返るとそこに、眠りこけたまま(なぜか)アタシの背中に脚を乗っけている
梨華ちゃんの姿が……
唖然。
り、梨華ちゃん…
寝ながら、アタシの後頭部にハイキックをお見舞いしたっていうわけ!?
それも…
こんな、こんないい場面で―――――!!??(怒)
だけど。
アタシが、怒りを爆発させるよりも、先に。
梨華ちゃんが、「う〜ん…」と声を上げて……
うげっ!!!
お、起きる―――――――!!!???
動揺するアタシ。
そりゃあもう、ごっちんが布団に入ってきたとき並みの動揺。
だってごっちん……ほとんど半裸だしっ(アタシが脱がしたんだけど)
その上に馬乗りになってるし…アタシ
…なんて、ノロケてる場合じゃね――――ッてば!!
- 211 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)21時38分26秒
多分、梨華ちゃんは。
さっきのアタシの大声に起こされたのだろう―――――
目をこすりながら、起き上がろうとしていた。
や、やばいっっ
とにかく焦るアタシ。
ごっちんは呆然として、コトの成り行きを見守ってるだけだし…
っていうか、ほとんど反応できていない…
ええいっ―――――、
『ごっちんゴメンっ!!』
アタシは、小声でそう叫んでばさっと掛け布団をごっちんの上に被せ、
自分はその横にひらりっと舞い降り――――もとい、正座した。
「……?よっすぃ〜?」
目をこすりながら、梨華ちゃんが起き上がる。
間一髪、セ―――フ!
心の中で、ひとまず息をつくアタシ、だったが…、
「あれ?隣り、誰かいるの?」
さすがに、ごっちんよりは目覚めのいい梨華ちゃんは、アタシの横でこんもりと
人の形をつくっている掛け布団に目ざとく感づいたようで。
!!
まずいっ!!
アタシがごっちんのこと好きなのは、多分梨華ちゃんは知ってるけど――――
真横で、こんなエッチなことしてた、なんてバレたら――――
- 212 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)21時45分55秒
考えるよりも早く、アタシは行動に出ていた。
「い、いやっは――――っ起こしてゴメンね、梨華ちゃん♪
そんな寝起きもカワイイよ、ハニ〜」
とにかく、ごっちん(の隠れてる布団)から目を離させなくては!
という、懸命な思いのため。
アタシは、
がばっ、と、梨華ちゃんの上に覆いかぶさるようにして。
そんなことを、
口走っていた――――――(汗)。
梨華ちゃんは。
そんなアタシを、細い目を見開いて凝視していたのだけれど。
「っいやあああああ〜〜〜〜〜っ!!!
よっすぃ〜が壊れたあああ〜〜〜〜〜っ!!!(泣)
保田さ――――――――ん!!!」
案の定、いつも(よりは数段高い)の声で、叫びながら。
どたばたと、部屋から出て行ってしまった…。
ふう、
とりあえず、危険回避♪
こんな状況でも、辻加護が起きなかったのは、まさにラッキーだったのかも
しれないけれど…。
「ふ〜ん…」
じとっとした、声が。
背後から聞こえて、アタシの体はびくっと震える。
- 213 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)21時57分25秒
し、しまった…
最大の問題が残っていた…
ご、ごっちん……
その声に殺気が感じるのは…アタシの気のせい…だよね?(汗)
「そうなんだ〜、よっすぃ、結局誰でもいいんだあ〜」
「いやっ、今のはあの…」
ぎぎぎっと。
まるで操り人形のように、ぎこちない動きで、アタシはゆっくりと振り返る。
そこには。
布団から、顔の目から上だけをのぞかせて、アタシのうかがうごっちんの姿。
ああ…
こんな状況でなきゃ、めっちゃカワイイ図なのに…(涙)。
「あ、あのね?ごっちん。今のは…梨華ちゃんに、バレそうだったからさあ…」
冷や汗を浮かべて言い訳するアタシに、ごっちんはただ「ふ〜ん」と冷たい視線を
送るだけ。ああ…
「いや、だってあのさ?アタシ、後頭部に蹴り食らったんだよ?
痛かったんだからあ〜」
どんどん言い訳がましくなるアタシ…(汗汗)。
「結局、よっすぃはさあ」
ようやく、マトモに口を開いてくれたごっちんの口調はいやに冷静で。
「誰でもよかったんでしょお?」
「いや、ちがぅ…」
- 214 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)22時06分23秒
意識してるわけじゃないのに、アタシの声は弱くなる。
これじゃ、きっぱり否定してないみたいじゃんか!!(焦)
「たまたま、ごとーがよっすぃの布団に寝ぼけて入っていったから、こゆこと
したんでしょ?これが梨華ちゃんでも同じことしたんでしょ?」
「しないよぉ…」
相変わらず、布団から目だけをのぞかせて、くぐもった声で言うごっちん。
なんだか、アタシ、
…追い込まれてる!?(ピンチじゃん!!)
少し、沈黙が流れて。
ごっちんは布団を被ったまま、何やらもぞもぞと動いてるようで。
…、
ああっ。服を、着直してる!?
…てことは…続きはもちろんなし…だよね…(涙目)。
「もーよっすぃなんか知らないっ」
もぞもぞ動きが終わったと思った途端。
ごっちんはいきなり、前フリもなく、
ガッツ―――ん……
- 215 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月14日(水)22時12分48秒
- うおおおおお!!!
- 216 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)22時15分42秒
「さっきは、よっすぃに流されそうになったけどっ!!
ごとーは結局、よっすぃにとっては性欲のはけ口なんだよねっ、
だっちわいふってヤツなんだよねっ!!
よっすぃのバカッ!!
よっすぃのスケベッ!!たらしっ!!
も――ごとーの体、触らせないからねっ」
ちょと、ごっちん!
どこで『性欲のはけ口』だとか『ダッチワイフ』なんて言葉覚えたのっ!!
……なんて、つまんないツッコミなんて、思いつく余裕もなく…。
ごっちんの、言葉に。
ガビ―――――ン
ガビ―――――ン……
真っ白に、それはもう明日のジョーよりも真っ白に、燃え尽きるアタシ。
こ、こんなことって…
ありですかい…
ばふっと、勢いよく布団を被ってしまったごっちんは。
もはや、今のアタシが何を言おうとも、聞いてくれないだろう。(頑固だし)
- 217 名前:作戦その4 〜温泉旅館は誘惑だらけっ編 投稿日:2001年11月14日(水)22時19分13秒
さ、
さっきまでの…『最後までイケルかもっ』的な勢いはどこへやら。
もはやショックすぎて、涙さえ出ません、あはは…
あはは…
あはは…
あはは…
はははははあ(涙)
この夜、アタシは。
今まで喧嘩一つしたことのない、仲のよい、同期約一名に。
初めて、殺意を抱いたのでした―――――。
吉澤ひとみ、16歳。
温泉旅館と、秋の夜―――――――――
愛しの彼女、ごっちんとの関係。
作戦開始時の、振り出しに戻る―――――
もとい、
マイナス50地点からの再スタート!!!
…ぐふっ(ショックのあまり吐血)。
- 218 名前:作者 投稿日:2001年11月14日(水)22時25分03秒
-
グダグダグダグダな、作戦その4終了です。
結局何が書きたかったんだコラァ!って感じですが…(汗
まあ、ようやくごまの感情にも動きが出てきたって感じですかね、今回は(w
話的なポイントはそこだけ。ぐはあっ!!
レスくれた皆様…こんな更新内容でホントごめんなさいごめんなさい
無理でした……(TдT)
- 219 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月14日(水)22時29分29秒
- い、いや十分進展ありましたよ!!
あったということにしておきましょうよ!!
うらむよ梨華ちゃん…
- 220 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月14日(水)23時08分32秒
- ええかげんよしこが可哀想になってきたよ(w
でもそれがこの小説のテーマなのかな(爆
- 221 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月14日(水)23時08分48秒
- ガビ━━━(0 ゚ 〜 ゚ 0)━━━━ン
ヨスィ、口は災いのもとだよ・・・(笑)
でもいざとなったら言葉がでてこない不器用さも吉澤さんっぽいスね。
えっちの寸止めっぷりもさることながら文章が上手くて引き込まれてしまいます。萌える…
しかしごとーはかわいいなぁ…ぜんぶ平仮名でしゃべらせたい感じなのれす
- 222 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月15日(木)01時17分39秒
- 梨華たーん!何邪魔してんの!(w
ていうか、「だっちわいふ」と、ひらがなでいう「ごとー」さんに萌え(w
次はがんばれ、よしこ!(w
- 223 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月15日(木)02時51分01秒
- やはり未遂に終わってしまうのがいいんですよね〜。
ごっちんも流されてたってのもあるけど、いやだったら流されないはずで・・・
ってことはごっちんの中では親友以上恋人未満っぽかったのかな?
なのに!!よしこ・・・口は災いのもとですね・・・
マイナスからの再出発だけど、エロいくらいの愛があれば大丈夫!!(w
ほんと作者さんの書くよしことごっちんは魅力的すぎます。
次回作戦その5を楽しみにしています。
- 224 名前:ポ− 投稿日:2001年11月15日(木)23時20分09秒
- 作者サン♪パソコンのほうでやっと読むことができました!何かはがゆくてすごいよかったです
- 225 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月16日(金)03時18分57秒
- あぶない、危ない!!
話が一段落してしまうところだったですな(w
よっすぃ〜、またマイナス地点からガンガレ!?
- 226 名前:作者 投稿日:2001年11月16日(金)16時35分57秒
- あーあーあー、こんなグダグダな内容でもレスをくださる優しい皆さん、ありがとう
ございます…(涙)
>>219 名無し読者さん
進展なのか、後退なのかって感じですけどね、よしこにとっては(w
ある意味、梨華ちゃんは重要な役でした。
>>220 名無し読者さん
まあ、何度もおいしいところを逃してるよしこはかわいそうですが…
彼女は絶対めげないので、大丈夫なんです(ワラ
>>221 名無し読者さん
その真っ白よっすぃの顔文字に笑いました。最高っす!
ひらがなで後藤を喋らせますか……辻と被りますかね、やっぱり(w
>>222 名無し梨華さん
後藤の方向性はどんどん「カワイイ」系にいってしまってます。当初は
「魔性の女」になるはずだったのに(爆
でもやっぱり振り回されるよしこ。次もがんばります。
- 227 名前:作者 投稿日:2001年11月16日(金)18時46分47秒
- >>223 名無し読者さん
いいところに気が付かれましたねっ!!
そうなんです、後藤は吉澤くんのことを……なんですが、今回の件でそれも帳消しに(w
まあ、作戦その1のころに比べると、確実に恋愛ムードは高まってる二人。
問題は、二人ともにぶいんです(ニガワラ
>>224 ポーさん
ああ、携帯からだと文字オーバーなんですね。
わざわざ読んでくださって、まことにありがとうございます(政治家かい!
まだまだはがゆい展開は続く…かも?
>>225 名無し読者さん
確かに、今回未遂でなければハッピーエンドで終わったかも!?
マイナス地点からのよしこの頑張りは実を結ぶのでしょうか…(w
というわけで、吉澤くんダメダメな状態から作戦その5、スタートです。
- 228 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時01分22秒
「…首、痛ぁ…」
寝覚めは、最悪だった…。
というよりも、ほとんど一睡もせずに朝を迎えたアタシは。
結局、昨夜のあの事件――――思い返すと憂鬱どころか気分は真っ暗――――
になってしまう、あの事件の後。
ごっちんと一緒の部屋で寝る、なんて心境には、とてもなれず。
(そのごっちんはアタシの布団で寝ちゃうしさ…)
旅館の階段で、一晩中ヒザを抱えて座っていた…(涙)。
昼間の日差しは、まだまだ暖かいとはいえ。
夜にもなれば、否が応でも寒さが身に沁みる季節。
加えて、もはや曇り空を通り越して、
ざあざあ雨の降り続ける、暗いアタシの心は、
そう簡単に、立ち直れそうもなかった――――さすがに、今回ばかりは…。
なんだかんだ言って、
ごっちんは、アタシのやってきたエッチな行為とか、キスとかについて、
本気で怒ったことなんて、なかったんだ。
へらへら、笑って。
口では、怒ったフリをして。
- 229 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時07分48秒
だけど、それでも。
どんなことを、しても。
ごっちんは、いつでもアタシに笑いかけてくれてたのに――――。
今回、だけは。
きっぱりと、拒絶を宣告されてしまったわけで。
――――ああ、もう。
さすがに、立ち直りが遅いよなあ…はうう。
一晩中、こんな感じで、
アタシは、ごっちんと自分のことについて、考えていたんだけど。
どうしたらいいか、なんて結論は、そう簡単に出せるはずもなく。
「…誰かに、相談してみようかな…」
―――相談?
何気なく、口走った言葉を、アタシは心の中で反芻する。
相談かあ…それも、いいかも!?
今まで、自分の中で色々ためこんじゃってたから、
人の意見を聞くってのも…
「あれ〜、よっすぃ〜じゃん♪
どうしたの、こんな朝早くから?」
「り、梨華ちゃん…」
アタシの考えは、唐突に頭の上から降ってきた、甲高いアニメ声によって中断
される。
こんな声の持ち主は、娘。内においては一人しかいない。
昨日の『あま〜い夜』を邪魔してくれた、超本人。
- 230 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時19分48秒
今度は、人の考えまで邪魔すんのかい!!
…ってな、いわば八つ当たり気味な思いが浮かんできたけど。
さすがに、そんな大人げないマネをするのもみっともないから、アタシは一応、
いつものポーカーフェイスで梨華ちゃんを見上げる。
そういえば、梨華ちゃん昨日、部屋を出ていったっきり、
帰ってこなかったんだよなあ…
階段の上には、確か先輩メンバーの部屋が……
って!!
「梨華ちゃんっ!まさか、圭ちゃんのところから朝帰りっ!!?」
「や、やだヨッスィ〜ってば♪」
嫌だと言いながら、
しっかり顔を赤らめて、微笑を浮かべる彼女の顔は、幸せそのもの。
…ちきしょう(涙)。
なんだか、本気で殺意が沸いてきたぞ。
「なんかね〜、どうしてか分からないんだけど、
あたし、今朝目が覚めたら保田さんの布団で寝ててね?
………それでねっ、それでねっ?
保田さん、あたしに腕枕してくれてたの―――っ、キャ――っ」
勝手に浮かれてやがれ、もう…。
アタシはこみ上げてくる涙を必死にこらえ、ぎゅっと拳を握り締める。
- 231 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時25分29秒
…と、ちょっと、待って?
「ねえ、梨華ちゃん?」
「なぁに?ヨッスィ〜」
………
「どうして、圭ちゃんの部屋に行ったか、覚えて…ないの?」
口を(おそらく)あんぐりと開けて言うアタシを不思議そうに見つめながら、
「……うん。
ぜ〜ん、ぜん」
梨華ちゃんは
コクン、と、小さく頷いた。
………
完全に、アタシの。
怒りの持って行き場は、なくなったというわけか……(遠い目)。
もはや、怒りの気持ちよりも、何よりも、
脱力感以外の何も、アタシの中には生まれてはこなかった―――。
「ねえ、ヨッスィ〜、目の下、クマすごいよ?寝てないの?
あたし達、アイドルなんだから気をつけなきゃっ!
クマができたらくまっちゃ〜う」
このまま、梨華ちゃんを。
階段下まで蹴飛ばしてやろうか、と冗談がてら、思った。
―――――百聞の1くらいは、本気だった。
- 232 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時36分08秒
んでもって。
どんなに顔を合わせづらかろうが、なんだろうが。
13人グループのモーニング娘。は、食事時はいつも、一緒で。
当然、朝ご飯も、一緒…。
いつもなら。
当然のように、隣り合って座るアタシとごっちんなんだけど。
今日の二人は、対角線上――――(悲)。
そして、その愛しき彼女、ごっちんは。
辻加護や、新メンの高橋さん(最近エラクお気に入りらしい―――)たちと一緒に。
いつもと変わらぬ、笑顔を見せている。
…けど。
もう、アタシには―――
あの笑顔、向けてくれないのかな?
そう、思ったら。
ガラにもなく、涙が出そうになって。
さっきから、美味しいはずの朝ご飯なのに、アタシの箸はまったく動いていなかった。
「よっすぃ、どうしたの?具合、悪そうだね?」
たまたま、隣りに座っていた、安倍さんが。
ふいっと、アタシの顔を見て、ぽそりと囁いた。
多分、周りに聞こえないようにっていう、配慮なんだろうな…(優しい…)
- 233 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時41分36秒
「なんでも、ないですよ」
無理やり笑顔を作って、アタシはなんとか言葉を返す。
…昨日、こうやって、同じように。
ごっちんもアタシのこと心配してくれたんだよなあ…
そんなことを考えて、チラっと、ごっちんの方へ視線を向けると。
ごっちんも、アタシの方を向いていて―――
えっ、マジ!?
アタシの胸中は、期待のため、一気に高鳴り始める。
バチッ
一瞬、空中でその視線が交差して――――
すぐに、逸らされた(暗)。
………
「あんまり、無理しないほうがいいよ」
安倍さんは、深く追求せずに、そう言って。
また、隣りの矢口さんたちと話しながら、食事を再開したようすで。
……安倍さんに、相談してみようかな…?
その横顔を見ながら、アタシは何だか、
救いを見つけたような気になったのだった―――(これって、希望!?)
- 234 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時47分09秒
「は――い、みんな、食べながらでいいから聞いてっ!」
またも、アタシの『相談してみようかな作戦』は中断を余儀なくされた。
この、張り上げるような声の主は―――
言わずもがな、リーダー飯田さんだ。
「あのね〜、今日、予定してた番組の収録が、機材が足りない関係で
延期になったの!!
そ・れ・で・ね…
みんな喜べっ!!
な〜んと、今日1日オフ!!もらっちゃいましたあ〜〜〜〜!!!」
「「「「ええええええ〜〜っ!!??」」」」」
ぼそぼそと会話しながらの、静かな朝ご飯の風景は。
一瞬にして、嬉々とした女の子たちの歓声で、いっぱいになる。
けれど、アタシは。
……オフって、いってもなあ…
どうせ、ごっちんとは一緒にいられないし…
寝れなかった分、休んでよ…
思いっきり、ネガティブ路線まっしぐらだったりして。
- 235 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)19時53分51秒
「ねえねえっ、この近くって遊園地、あったよね!?」
「あったあったー!!ね、行こうよ矢口!!」
ぱっと明るさを帯びた声で弾むように言ったのは、矢口さんで。
隣りにいる安倍さんも、これまたはじけるような明るい口調で同意する。
…仲いいんだよね、この二人って…
決して、甘ったるくベタベタするんじゃなくって。
『親友』って感じ。
まるで、アタシとごっちんみたいな――――
…あ、昔の『アタシとごっちん』か。
うう〜…何を考えても後ろ向きになっちゃうよお…
アタシは黙って座りこんだまま、周りの会話に耳を傾ける。
どこへ行こうかと、会話を弾ませる新メン3人(高橋さんをのぞく)。
早くも遊園地へ行く準備を始める、安倍さん矢口さん。
買い物へ行く約束をしている、飯田さんと圭ちゃん、それについていこうとする梨華ちゃん。
そして、
辻加護、高橋さんと遊園地へ行こう、と誘われてるごっちん…
「
- 236 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時00分35秒
「ねっ、よっすぃ〜も行こうよおっ!!」
背中から、何かがまとわりつく感触で。
アタシは初めて、周りにその4人(辻加護高橋さん、ごっちん…)が、座って
いるのに気が付いた。
アタシの背中にのしかかっているのは、辻だ。
…重い、っす。
「アタシは…いいよぉ」
どうにも元気の出ない声で、アタシは彼女らに言葉を返す。
どんな理由であれ、ごっちんと今、一緒にいるのはツライ。
多分ごっちんだって、アタシと一緒じゃやだろうし…(泣)。
そのごっちんはというと。
加護の後ろに座っているんだけど。
なんだか、そわそわ、そわそわして。
居心地が、悪そうだった――――。
そうだよね、嫌なんだよねっ!!アタシと一緒にいるのはっ!!
半ばヤケクソ的に自分の中で結論づけて、アタシは
ガタンッ、
と、勢いよくその場から立ち上がった。
「うきゃっ」という声を残して、辻がアタシの背中から転がり落ちる。
(忘れてた……辻、ごめん)
「アタシ、今日調子悪いから……みんなで、楽しんできて」
我ながら、なんてつっけんどんな、口調。
- 237 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時08分48秒
だけど、だけど。
こんな暗い心境で、明るく振舞えるほど、アタシは大人じゃない。
冷静じゃ、いられない。
「じゃー、よっすぃ〜の分も楽しんでくるからね〜ん♪」
「おみやげ期待しないでなのれす」
「…ゆっくり、休んでくださいね…」
アタシを見送る声を、背中に受けながら。
ゆっくりと、部屋を後にする。
とうとう、ごっちんは一言も喋らなかった。
目すら、あわせてくれなかった……。
本気で、怒ってるんだ…。
部屋についた、アタシは。
しきっぱなしの布団に、勢いよく、飛び込んで。
その、布団の柔らかさに。
その、冷たさに。
遠くから聞こえる、楽しそうな話し声に。
鼻が、ツンとなって。
- 238 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時12分27秒
慌てて、布団を頭から、被った。
こんなことで、泣かないんだから、アタシは。……絶対に。
布団を被って、真っ暗い中で目を閉じると。
自然に、眠気が襲ってきて――――。
『なんでごっちんはあんなに怒ってたの?』
『アタシのこと、嫌いだから?』
『でも、拒まなかった』
『エッチなことばっかりしたから?』
『でも、やっぱり拒まなかった』
・・・・・・
じゃあ、ナンデ?
・・・・・・
どうして、
どうして、
―――――
気が付いたら、すっかりまどろみの中。
ふっと目を開くと、まだ全然、周りは明るかった。
…だいぶ、寝ちゃった気がしたんだけど。
部屋に備え付けの時計を見ると、午後2時を指していた。
- 239 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時20分11秒
「中途半端な時間に起きちゃったなあ……」
頭をわしわしと、掻きながらアタシはむっくりと起き上がる。
…全身が、ダルイ
…頭も、なんだかぼんやりする
旅館の中は、嫌に静かだった。
ほとんど人がいないんだろうか。
少なくとも、メンバー達は、しばらく帰ってこないんだろうけど。
なんといっても、久々のオフだもんなあ…
アタシも。
どうせやることがないんだから。
―――――もうちょっと、寝よう。
アタシは、軽く頭を振って立ち上がると、冷蔵庫からペットボトルを取り出し、
ごくごくと、お茶を飲み干した。
「ぷっはあ〜、おいし〜い!」
「…まるでオヤジだね、よっすぃ」
「…………」
っ!!??
その、あまりにも意外な声は。
アタシの背後から、聞こえてきた――――のだった。
「ご、ごっちん!?」
振り返って目にしたその姿は、見間違えるはずもなく、
後藤真希、その人だった。
- 240 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時27分05秒
たっぷり10秒間は、動きを止めていた、アタシ。
ごっちんは、部屋の壁によりかかって、座っていて。
グレイのパーカーに、
ジーパンという、ラフな格好で。
足元には、無造作に。
ウエストポーチが、置かれていて。
そして、彼女の目線は、まっすぐにアタシに注がれているのだけれど。
それでも、二コリともしない、彼女。
…………こ、これは一体…………(汗)
思いがけない、ごっちんの登場に、ひたすら動揺するアタシを尻目に。
ごっちんは、いつもと変わらぬ表情。
口をきゅっと結んで。
ぽやっとした目で。
上目使いに、アタシを見ているその姿は、やっぱりかわいくて。
「遊園地、行ったんじゃなかったの?」
「行ったよ?」
何を喋ろうか、あれこれ悩んだあげくにやっと出てきた、その言葉に、ごくあっさりと
した様子で言葉を返す、ごっちん。
その喋り方は、至っていつもどおりで―――
- 241 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時33分38秒
-
「あ、あの…さ。じゃあ、なんで今ここに…」
「つまんなかったから」
『ここにいるの?』と聞くアタシの言葉を予想していたかのように。
ごっちんは、それがさも“当たり前”のことだと言わんばかりに、返事をした。
……そういう、きっぱりした所が彼女らしいんだけど。
「……そう」
言葉につまって、アタシは視線を彷徨わせる。
ど、どうしよう…(汗)。
こんなことなら、目、覚まさなければよかったのに……
泣き言の一つも言いたくなる、弱気なアタシ。
対して、ごっちんは。
アタシの言葉にも、態度にもまるでいつもの反応と変わりなく。
「なんで?って、聞かないの?」
「……へっ?」
そして、おもむろに彼女の放った、言葉に。
思わずアタシは、―――目が点になる。きっと、とんでもない間抜け顔。
「だからあ、なんでつまんなかったかって、聞かないの?」
アタシの反応に焦れたようすもなく、ごっちんは相変わらずマイペースで。
その視線は、あくまでアタシに向けられていて。
- 242 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時41分55秒
-
「えっ…と、じゃあ、聞くね?
ごとう…さんは、なんで遊園地、つまんなかったんでしょうか?」
思わず身構えて、他人行儀に聞くアタシに。
ごっちんは、表情を変えることなく、サラリ、と言い放った。
「よっすぃが、いなかったから」
………………
………………え?
「今、なんて…」
「ご飯、食べてるときもね?」
呆然とするアタシに構わず、ごっちんは真っ直ぐアタシを見つめたまま、
次々と言葉をつむぎ出してきた。
「みんなで、お喋りしてても。
ジェットコースターに乗っても。
色んな、おみやげ選んでても。
イマイチね、面白くないの、つまんないの」
アタシを真っ直ぐ見上げていたその視線に、
ふっと優しい光が、灯った―――――――気が、した。
人形のように、変化のなかった彼女の表情に、
初めて、
“笑顔”が浮かぶ。
「よっすぃが一緒じゃなかったから」
- 243 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)20時49分45秒
あははっという、独特の、彼女の笑い声が、部屋に響いて。
ようやく、アタシの呪縛は、解ける。
「ごっちん……」
ヤバイ、ヤバイ。
本当に、視界が霞んでき始めたぞ…。
ごっちんの前でなんか、格好悪くって絶対、泣きたくなんかないのに…。
だけど、アタシは。
ほとんど無意識のうちに、ごっちんの前までフラフラと歩みを進めていて。
ぺたんっと。
力が抜けるように、その前に座り込んでいた。
「ごっちん、怒ってたんじゃ…なかったの?」
「怒ってたよお」
相変わらず力の抜ける、のほほんとした声。
だけど、それが。
こんなにも、アタシを安心させる力を持っていたなんて、今初めて気がついた。
「だけどさ」
ちょっと、首を横にかしげて。
「なんで怒ったのか、ごとー、自分でも分からなくなっちゃった」
そして、もう一度、
へらっ
と、小さく小さく笑う。
そんなに、前のことじゃないのに。
そのちょっとした仕草が、すごく懐かしく、感じられた。
- 244 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)21時04分16秒
「よっすぃってば、最近。
やたらとキス、してくるし、抱きついてくるし。
すぐエッチなことするし、エッチなこと言うし」
ぐさぐさっ
本当のことだけに、ごっちんの言葉をまったく否定できない、情けないアタシ(汗)。
でも、決して彼女の口調が責める響きではないことに、アタシは気付いているのだけど。
「でも、ごとーはね、それが嫌だったんじゃないの。
よっすぃはね、ごとーの親友だと思ってたの。
だけど、よっすぃは……
ああやって、構ってくれるの、ごとーに対してってだけじゃなかったのかなって、…昨日。
……あ〜、もう。
何が言いたいのか、分からなくなっちゃったよお!」
がしがしと、乱暴に髪の毛をかきむしって。
ごっちんはきゅっと、眉を寄せる。
「だからっ、ごとーが言いたいのはあっ!!
どんなにエッチなよっすぃでも、親友なのっ、大事なのっ!
1人じゃ…つまんないんだよぉ。
やっと見つけた親友なんだからぁ……」
- 245 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)21時11分31秒
とうとう肩を震わせ始めたごっちんを見て。
アタシの心は、嬉しいんだか、悲しいんだか、分からなくなる。
そりゃあもう、複雑もいいところだ。
そんなに“親友親友”って強調されちゃ、
これから手、出しにくくなるじゃんか……
思わず苦笑いがこみ上げてくるけれど。
彼女の思いは、しっかりと伝わって。
………“親友”だって、いいじゃん?
ごっちんが、アタシのこと「大事」って言ってくれたことは、変わらないよ。
「ごとーはね?よっすぃにも、ごとーのこと、特別に思ってほしいの。
よっすぃは、ごとーにとって、特別な存在だから」
ぎゅうっっ
そして、気が付いたら。
アタシは、もうすぐそこまで、接近していたごっちんを抱きしめていた。
ふあっと、ごっちんの香水の香り。
「ふわあ」という、ごっちんの気の抜けた、愛しい声。
相変わらず、抱き心地のいい、あたたかい体。
アタシの、ごっちんへの精一杯の愛を、込めて。
「後藤真希は、吉澤ひとみの中で。
世界でいっちば―――――ん、
特別な存在だからねっ!!!」
- 246 名前:作戦その5 〜喧嘩じゃないけど、仲直り編 投稿日:2001年11月16日(金)21時19分44秒
世界で1番、は大げさだよお、なんて。
アタシの腕の中で、ごっちんはうれしそうに、言った。
全然、大げさなんかでなくて。
それはもう、アタシの秘めてた本心、そのものなんだけど。
ああ、どうか神様。
アタシのこの本気の想いが、10分の1でも。
彼女に伝わっていますように――――――――(切実)。
「これで、仲直り、ね?」
アタシの背中に、ごっちんも、その両腕を回して。
しばらく、お互いの温もりを感じながら。
(アタシは、喧嘩してるつもりは、なかったけどね?)
久々の、オフの日。
あたたかい光の差し込む、陽だまりの畳の上。
愛しい彼女と、気持ちを伝え合って。
アタシは今、世界で1番幸せな、抱擁中ですっ
「でも、エッチなことはしちゃダメだからねっ」
「―――――はい」
………
主導権は、あくまで『彼女』だけど。
ま、事態は好転したし……………
よし、としよっ♪
- 247 名前:作者 投稿日:2001年11月16日(金)21時23分37秒
- 作戦その5、終了です。エロなし……
でもって、今回はほのぼのですが、こんなんもアリでしょうかね?
そろそろ、野獣よしこ→大人化するかな?って所ですが。
なかなか、なっちの出番が作れません……(汗
というわけで更新age
- 248 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月16日(金)23時49分33秒
- いいですねー♪
- 249 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月17日(土)00時02分08秒
- ああああ!(・∀・)イイ!良すぎる!作者さん最高!
ていうか!ごまたん可愛すぎ!惚れたよ僕は!(w
エッチなときはよすぃ〜は強気なのにそれ以外では一気にしょぼくなるのね(w
作者さんありがとうです。
次の次くらいのエロはよしごまにしようかと思ってます(w
作者さんのせいですからね(w
- 250 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月17日(土)14時30分44秒
- ごっちんは結局妬いてたんですかね
よしごまさんのしんゆうででこいびとな微妙な関係がたまらんです。
特にごとーさんにとってはちょうどまんなかくらいなんでしょうか
仲直り編楽しみにしてたんで甘々にしてくださって嬉しいです
エロなしホノボノもめちゃめちゃいいですよぉ。萌え〜。
- 251 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月17日(土)19時55分29秒
- イイなあ。幸せな気分になりますね。
二人の仲はこれから進展するのかな?
これからの展開が楽しみです!
- 252 名前:作者 投稿日:2001年11月18日(日)21時33分25秒
- 今回も皆様のレスを、感謝の気持ちとともに参考にさせていただいてます。。。
レス読むと、毎回やる気でます!!
>>248 名無し読者さん
ほのぼの編、いかったですかね?良かったっす…
>>249 名無し梨華さん
確かにご指摘のとおり、よしこはHシーン以外ではヘボいですね(w
次の次、よしごま編(!?)ですか?今からめっちゃ楽しみです〜!!
でも、名無し梨華さんのエロ描写ならどのカップリでも萌えますヨ♪
>>250 名無し読者さん
そうですねー、明らかに後藤の反応は「やきもち」なんですが、吉澤くんも
なかなかに鈍いので、気付かないんです(w
ただ、微妙な関係にももうすぐ終止符か…!?
>>251 名無し読者さん
二人の仲が進展するかどうかは、吉澤くんのがんばりにかかってるわけですが、
どうなるんでしょうね?
一応、これからのキーパーソンはなっち、の予定。(あくまで予定、ですが)
- 253 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)21時40分57秒
最近、ごっちんの様子が、“微妙”におかしい。
………
この間の、旅館の一件で。
アタシとごっちんは、めでたく仲直りをしたのだけれど。
(といっても、アタシに対して一方的にごっちんが怒ったもので、喧嘩ではなかった)
東京へ戻ってきてから、また仕事は慌しく始まり、
プッチの新曲や、
それに伴う、番組出演、
レギュラー番組撮りだってあるし、
とにかく、モーニング娘。は忙しい。
けど。
その忙しさとは、まったく関係なしに。
ごっちんの様子が、おかしいのだ。
「あっ、ごっち〜ん!!お昼、食べにいこっ?」
タイミング良く、ごっちんの姿を見つけたアタシ。
500ミリのペットボトルを持って、収録を終えて出てきた彼女の姿を見つけたアタシは、
大きく手を振って、アピール。
…と、ここまでは、
いつもの風景。
いつもの流れ。
―――――だけど。
違うのは、ここから先の、ごっちんの反応で。
- 254 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)21時46分42秒
「あっ…、えと、ごとーはいいや…。
あんまし、お腹すいてない、から…… ごめんね?よっすぃ〜」
明らかに、上ずった声。
動揺しまくりの、態度。
――――アタシの目を見ない、ごっちん。
…………おかしい、よね?
だって、ついこの間―――旅館では、ごっちんから『キス』までしてくれたって、
いうのに。
彼女の今の態度は、明らかに。
『アタシ』を、避けている…。
ず―――――ん………(暗)
その、現実に気が付いて。
アタシの心は、まるで鉛でも投げ込まれたかのように、重くなる。
ナンデ?
なんだかんだ言って、
ごっちん、結局はアタシのこと、許してくれたじゃーん!!
そんなアタシの絶叫は、もちろん彼女に届くはずはないけれど。
- 255 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)21時52分45秒
「ホントに、ごめんね?
……
あ、さっき、梨華ちゃんお昼行くって言ってたから、一緒に食べてきなよ!
圭ちゃんも一緒だったみたいだし」
アタシの、表情を伺うように。
ごっちんは、上目使いにそう言って、アタシに手を合わせて見せると。
まるで、逃げるように。
そそくさと、足早に立ち去って行ってしまった…。
…って、なんでそうなるんだよおおおおおおっ!!!
さっぱり、分からない。
あの旅館の一件以来、ごっちんに表立ってエッチなことは、してないし?
…ま、まあキスくらいは…するけど(苦笑)。
でも、断言できるけど。
ごっちんが嫌がるようなことは、していない!!!…はず。
そして、アタシの思考は、堂堂巡り。
何がいけなかったんだろ?
ごっちんは、アタシのことを「大事」だって、言った。「親友」とも。
でも、最近の彼女は。
アタシに対して、なんだか『怯えてる』ようにも、思えて。
「親友」に対して、なんで怯えるのさ??
なんだか、アタシのごっちんの友情に、
“暗雲”が立ち込めてきた、そんな不安――――。
- 256 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)21時59分50秒
よっぽど、アタシは暗い顔を、していたんだろうか。
「あれ〜?よっすぃ〜、どうしたさ?そんな死にそうな顔してえ」
呆然と立ちすくんだまま、ごっちんを見送っていた、アタシの背後から。
のんびりとした声が、かけられて。
「…安倍さん」
振り向けば、いつもの“なっちスマイル”全開の、安倍さんの姿。
いつもなら大抵は、矢口さんと一緒なんだけど。
今日は、ミニモニ。の撮影が別撮りなため、珍しく安倍さん一人だった。
「…なんで、顔見てないのに『死にそうな顔』なんて分かるんですかあ?」
そんな彼女に対してのアタシの第一声は、なんともかわいくない、そんな言葉。
「よっすぃは、感情が態度に出やすいから。
そんな肩落としてぼーっとしてれば、すぐわかるっしょ」
相変わらずニコニコして、アタシの(かわいくない)言葉を聞き流しながら、
安部さんはゆっくりと、近寄ってきた。
―――『安倍さんに、相談してみようかな?』
いつだったか、そんなことを考えていたのを、思い出す。
もっともそれは、そんなに昔のことではなかったはずだけど。
- 257 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)22時06分06秒
「相談」するということは、
アタシのこの『秘めた想い』をも、告白する、という意味になるんだけれど。
当然それは、躊躇してしかるべき問題な、はずなのに。
アタシは、なぜか。
普段そう親しくもないはずの、安倍さんに。
このことを、相談してみようという気持ちが、強くなっていた…。
迷いは、なかった。
「あの、安倍さん?」
「……うん?」
「――――相談が、あるんですけど」
………
場所は変わって、テレビ局の屋上。
「はい、どうぞ」
「お、ありがとお」
アタシは、二人分買ってきた、缶コーヒーを1つ、安倍さんに手渡す。
安倍さんは熱そうにそれを両手で抱えながら、手すりに寄りかかった。
「…で、よっすぃの相談って?
なっちに相談してくるなんて、珍しいね」
- 258 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)22時14分29秒
やっぱり、4つ年上なだけ、あって。
安倍さんは、大人に感じた。
―――特に、カメラ回ってないときは、年上メンバーの人はホント、大人びているんだけれど。
「………ごっちんのコト?」
「っ!!」
思いがけない、彼女の一言に。
やっぱり、切り出すのを戸惑ってうつむいていたアタシは慌てて、顔を上げる。
「なっ、なんで分かったんですかあ?」
…うわ、声、裏返っちゃった(汗)。
「さっき、言ったっしょ。よっすぃは、感情が出やすいって」
苦笑する安倍さん。
「じゃ、じゃあ…アタシの気持ち…」
呆然とするアタシ。
「ごっちんが、好きなんでしょ?なっちは気が付いてたよお」
あっさり答える安倍さん。
…っていうか……、
「え、えええええええ―――――っっ!!!!????
ばれ、バレバレばれてたんですかあ、アタシの気持ちいいいっ!!!」
錯乱して、アタシはわけもわからず叫んでいた。
…まさか、この秘めた想いがばれていたなんて……(ショック!)
- 259 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)22時21分14秒
興奮するアタシとは正反対に、相変わらず苦笑を浮かべたままの安倍さんは、
冷静に言い放った。
「よっすぃこそ、バレてないと思ってたの?」
―――――思って、ました(泣)。
………
結局。
アタシの気持ちが安倍さんにバレていたと分かった以上、もう何も恐れることはないわけで。
内容は、ごく簡略化、して。
アタシは今までのことを、安倍さんに話していた。
(さすがに、寝込み襲ったこととかは、言えなかったけど…)
安倍さんは、アタシが「ごっちん」を好きってことにも。
別段、変な顔もせず。
いたって、自然に受け入れてくれていた。
「女の子同士なのに」って、思わないんですか?
そう聞いたら。
「前にも、そういう相談受けたこと、あるから」なんて、微妙な笑顔で返された。
多分、矢口さんたちのコトなんだろうって、
その時は、そう思ったんだけど――――。
「ふ〜ん…。仲直りはしたけど、なんだかぎこちなくなっちゃった、ってワケかあ」
アタシの話を一通り聞いた安倍さんは。
神妙な顔をして、考えていたけれど。
- 260 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)22時31分55秒
-
「そうなんですよお〜、なんだか避けられてるような気もするし……」
泣き言言うのは、カッコ悪いと思ってたけど。
この際、そんなこと気にするのはやめよう。
ある意味開き直って、アタシは安倍さんには素直になることにした。
「…ねえ、よっすぃ?その、ごっちんの態度ってさあ、その…
よっすぃのことを、『意識してる』って、とれないかなあ?」
少しの間、考えたあと。
安倍さんは、妙にきっぱりとした様子で、言い切った。
……ごっちんが、意識してる?
アタシを??
いきなり、思ってもみなかったところを突かれて、アタシはハッとする。
「今まではさあ、ごっちんは。よっすぃーのこと、『親友』って思ってたわけ
でしょ?」
「…確かに、やたら『親友親友』って、強調されました」
「だしょ?多分、ごっちんは自分でも戸惑ってるんじゃないかなあ…
『親友』だと思ってた相手に対して、
――――何か、
“別の感情”が生まれてきちゃったから……」
アタシは、黙って安倍さんの言葉に、耳を傾ける。
- 261 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)22時38分43秒
-
「人ってさ、やっぱり。
スキンシップによって、気持ち変わってきたり、するじゃない?
ごっちんはさ、よっすぃーにキスされたり、その……色々…されて、
段々、よっすぃーに対する気持ちが、変わってきたんじゃないのかな?」
「…気持ちが、変わった…」
「そう。もしかしたら、それは。
ごっちんの中に、『恋愛感情』ってヤツが、生まれてきたのかも、しれない。
まあ、これはあくまでなっちの推測だけど」
――――はあ。
そういう、見方もあったんだ。
目から鱗って、こういう気分かな?
またしても、場違いにそんなことを考える、アタシ。
それも、仕方のない話だけど。
だって、少なからずアタシは、
今の話に、動揺していたから……。
「ごっちんが、アタシに……恋愛感情を抱いてる?」
「だから、あくまで推測、だけど。可能性としては、あるよね?
『親友』を好きになっちゃったかもしれない、だけど相手は女の子で…
どうしたらいいか、分からない」
- 262 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)22時47分17秒
-
「はあ…」
ただ、頷くアタシ。
っていうか、安倍さんって、こんなに頼りになる人だったんだ…。
「それで、ここからは、よっすぃの態度が問題だね」
「――――へ?」
急に、話の矛先が自分に向いて、思わず間抜けな声を上げるアタシ。
……アタシの、態度が問題??
「エッチなことばっかり、し過ぎたって、ことですかね…」
ちょっと、言うのは恥ずかしかった(汗)。
けれど。
安倍さんは、少し困ったように笑って、静かに首を振った。
「そうじゃなくて、さ。よっすぃの話、聞いてたら。
なんかさあ、キスしたり、ごっちんの体に手を出したり、よっすぃは色々やってる
けど。
もちろんね?なっちみたいに、客観的に見たら、
『あー、よっすぃはごっちんが好きなんだ』って思えるんだけど」
「……はあ」
「ごっちん自身からしてみたら、どうかな?」
―――――え?
またも、意外なところを突かれて、アタシは言葉を失う。
畳み掛けるように、安倍さんは言った。
「ごっちんはさ。よっすぃに、からかわれてるって、思ってないかな?」
- 263 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)22時54分20秒
思い出す。
……
物置で、押し倒したとき。
温泉で、キスしたとき。
布団の中に、ごっちんが入ってきたとき。
―――――そうだ。
全部、アタシは。
ふざけてる態度で、ごっちんのことを襲っていた――――!!!
「ああああああっ!!!!!!」
そんな重大なことに、たった今気付いた、
吉澤ひとみ、16歳。
そ、そ、それは……
盲点だったあああ――――――!!!!(馬鹿)
「確かに……雰囲気的に、冗談っぽいノリで……ごっちんに手、出してました…」
思わず、語尾にも力が入らなくなる。
あまりに、情けない…。
安倍さんは、「やっぱり」なんて苦笑しながら。
「だから、余計にさ。ごっちんは、よっすぃへの“別の感情”に気付くのが
怖いんじゃないかな?
ごっちんがよっすぃのことを好きって思っても、
『よっすぃは自分のこと、ふざけて相手にしただけだ』って、考えちゃって」
「……そうなんですかね?」
どくどく。
アタシの心臓が、どんどん高鳴っていくのを、感じる。
これは、期待?
それとも…?
- 264 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)23時00分42秒
「ごっちんに、気持ち、伝えてないんでしょ?」
安倍さんは、アタシの目を真正面から、見据えて。
きっぱりとした口調で。
それでも、優しい眼差しで。
そんな、彼女の一言は、
アタシに、勇気をくれた気がした――――。
「告白、してみたほうがいいですかね?」
(…でもやっぱり少し弱気)
「――――なっちは、どちらとも言えない。
でも、現状を変えるなら、それが1番近道かな、とは思うけどね?」
そう言って、安倍さんはふわっと笑った。
こんなに、深い話、初めてするのに。
いっぱい、こんなにいっぱい喋れるなんて。
なんだか、そういう些細なことに感動してしまって。
今のアタシの心には、勇気があふれ出てくる気がした。
「ありがとうございますっ!安倍さん!!
アタシ、
………、
告白しますっ、ごっちんにっ!!!」
- 265 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)23時09分12秒
-
「そっか…、がんばれ」
心なしか、そう言ってくれた安倍さんは。
なんだかさっきより、元気がないような気がしたけれど。
今のアタシには、そんな彼女の微妙な変化に気付くほど、心の余裕はなかった。
「安倍さんに相談してよかったです、アタシ!
なんか…、すごい道が開けた感じで!!」
アタシが、満面の笑みでそう言うと。
安倍さんは、軽く首を横に振って。
「気にしないで?ごっちんはさ……なっちにとって、おっきな妹、
って感じだから、やっぱり元気ないと心配だもん」
「優しいんですね」
「そんなことないよお…」
やっぱり、さっきの饒舌ぶりからすると、元気のないような気が、したけど。
でもアタシは。
早く、ごっちんに気持ちを伝えたい気持ちでいっぱいで。
――――ねえ、ごっちん?
アタシは、ごっちんのコトが誰よりも大好きだからね?
「がんばってね、よっすぃ〜!!」
小さくガッツポーズを作って、安倍さんがアタシに微笑んで見せる。
- 266 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)23時20分18秒
-
「よっすぃなら、大丈夫だと…思うから
きっと―――、もう…大丈夫だと、思うから」
「?」
なんとなく、その言葉に歯切れの悪いものを感じながら。
それでも、
『告白』を決意したアタシには、あまりそのことについて考える頭もなくって。
………
もっと、深く考えてれば良かったのかな?
ごっちんが、あんなにも『親友』にこだわった意味とか、
安倍さんが、どうしてそんなにごっちんのことを気にかけてるのか、…とか、
とにかく、今のアタシには。
ふざけてばっかりだった、自分のことを恥じる気持ちでいっぱいで、
一刻も早く、ごっちんに気持ちを伝えたくて。
「これから、ごっちんに伝えてきます!『好きだ』って、気持ち!!
どう転ぶか分からないけど、アタシ―――」
「成功しようが失敗しようが、これからもずっと、ごっちんへの気持ちは
変わらないっすからっ!!」
「――――うん、頑張れっ」
アタシの、その言葉を聞いて。
初めて、安倍さんは「ちゃんと」笑ってくれた―――気がした。
- 267 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月18日(日)23時24分31秒
-
そして、アタシは。
最後に、深々と、安倍さんにお辞儀して。
本当に、安倍さんに相談してよかった――――
なんて、考えながら。
アタシは、それからクルっと踵を返す。
ごっちんを探して、屋上を後にするアタシは、
自然と、駆け足になっていた。
ごっちん、
ごっちん、
ごっちん、
待ってろよお、我が愛しの後藤真希っ!
絶対に―――――
振り向かせて、みせるからねっっ
- 268 名前:作者 投稿日:2001年11月18日(日)23時27分41秒
- ご、ごまの出番が…(汗
とりあえず、吉澤くんがやる気になったところで更新ageですが、
色々…粗が目立つ点はご容赦ください。
そろそろ終盤戦だというのに、ああ……(鬱
- 269 名前:名無し 投稿日:2001年11月18日(日)23時31分59秒
- 毎回楽しく読ませてもらってます。しっかし、なっちの態度も気になるけどこの先の二人の絡みが楽しみです。作者さんマジおもしろいっす!!!これからもがんばってください。
- 270 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月18日(日)23時58分25秒
- な、なんか訳ありっぽいですねごっちん・・・
う〜ん、とにかくがんばれよっすぃ〜!(w
- 271 名前:名無し 投稿日:2001年11月19日(月)00時15分08秒
- 佳境だ!自分が、よしこの代わりに緊張!!
すごくまっすぐで、とてもオバカ(笑)なよっすぃ、イイですね!
幸せになってほしい。^^
- 272 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月19日(月)01時01分58秒
- いやこれは・・・・・なんか・・・・・イタイ展開?の予感・・・・・
すごい気になります。。。。
作者さんがんばれ!(w
- 273 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月19日(月)02時21分08秒
- 題名が「振り向かせる方法」なだけに、振り向かせるまでで連載終了
なのでしょうか。
ラブらぶな展開&継続キボーン。
- 274 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月19日(月)05時13分58秒
- うわぁ続きが気になるです…ごっちんには何があるんだろーか
なんかドキドキしますねぇ
自分もこのお話が終わっちゃうのが寂しいッス
つーわけで
>>273さんに禿同〜。
作者さん頑張ってください!
- 275 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月19日(月)20時22分54秒
- http://free3.j-style.ne.jp/fw/dti/
- 276 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月20日(火)02時30分12秒
- 気になるな〜。
幸せな結末を祈ります。
- 277 名前:作者 投稿日:2001年11月20日(火)13時42分07秒
- 一日おきの更新が習慣になってきました、作者(w
今回も暖かいレスに感謝しつつ…お返事書かせてください。
>>269 名無しさん
マジ面白いだなんて…めっちゃうれしいっす!!
なっちの態度+よしごまの絡み=???ですね〜〜(意味不明
>>270 名無し読者さん
明らかに、ごっちんは訳ありなんですけどね。
吉澤くんはあんまり気付いてないので、気にせずがんばります!!(w
>>271 名無しさん
オバカなよしこだからこそ、作者も愛着沸いています。
まあ、ここの「ポジテブ吉澤(笑)」なら、自分で幸せをつかめるでしょう(!?)
>>272 名無し梨華さん
イタイ展開…この小説始まって以来、ほんのり痛みをともなうやも…(フォローナシ
毎回、レスくれてうれしいです。どうかあきられない内容にできるよう、
がんばりますね!! PS,小説の続き、楽しみにしてますよお〜
- 278 名前:作者 投稿日:2001年11月20日(火)13時52分32秒
- >>273 名無し読者さん
まあ、題名はそうだったんですよね…ハイ、よしこの頑張りが実を結んだ時点で
一応、話は完結になる予定です。でも、273さんのレスを読んだら
「続編、書いてみようかな…?」なんて考える気の早い作者(w
こんなこと書いたら、この先の展開が…(!!
>>274 名無し読者さん
後藤の「訳」は今回の更新で明らかに??
しかし、なかなか吉澤くんの作戦も成功しないので…いつ話が終わることやら(w
>>276 名無し読者さん
(O^〜^O)<幸せな結末になるように、がんばるよ〜〜!!
と言いつつ…作戦その6、再開です。
- 279 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時02分12秒
だだだだだっ
勢いよく、階段を駆け下りるアタシ。
運動神経に関しては、ちょっとばかり自信があるからねっ♪
テレビ局の中を、勢いよく駆け回るアイドル、なんて。
滅多にいないよなあ…
そんな、どうでもいいようなコトを考えながら。
モーニング娘。吉澤ひとみは。
同じく、モーニング娘。メンバーの、愛しき彼女『後藤真希』を探して。
休憩時間をいっぱいに使ってでも、探してやろう。
なんて、相当、マジに思っていたけど。
――――今日のアタシ、神様が味方してくれているのかな?
ごっちんを探し始めて、はや数分。
ダッシュで駆け回りながらも、アタシの動体視力は。
こと、愛しの彼女に関しては。
何よりも、敏感にその存在を、キャッチできるようで……
「――――いたあっ!!」
思わず、アタシの口は。
周囲の状況にも、まったく無遠慮に、そう叫んでいて。
ガゴオオォ――――――ン……
独特の、低い音を響かせて。
ちょうど、開いたエレベーターの扉の中。
アタシは、驚いたように、目を見開かせている、ごっちんの姿を発見する。
- 280 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時09分50秒
「よっすぃ…!?」
そう動いた口から、彼女の声は、聞こえなかったけど。
確かにごっちんは、アタシの姿を見て、そう『言った』。
…そして。
ピンポ――――ン♪
―『下へ参ります』―
お決まりの、無機質な、案内のアナウンス。
って、ええっ?
慌てて、アタシは猛然と、扉に向かってダッシュする。
明らかに、ごっちんは。
今、開いた扉から、出て来ようとしていた、はずなのに。
アタシと、目が合った瞬間に。
はっとしたような、微妙な表情で。
エレベーターの、(おそらくは)『閉』のボタンに手をかけたのを、見た。
(―――なんでっ?)
(やっぱり、アタシを避けてるの?)
彼女の、そんな行動に。
まるで後頭部を、石かなんかで殴りつけられたような、そんな衝撃を感じたけれど。
走り出した、アタシの脚は、止まらずに。
―『ドアが、閉まります』―
だだだだだっ
プシュ――
「……っはああ、危なかったああ…」
何とか、間に合って息をつく、アタシ。
- 281 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時15分17秒
「……よっすぃ…」
呆然としたような、ごっちんの声。
狭いエレベーターの中に、微かに感じる、甘い香水の香り。
そして、アタシをぼうっと見つめる、ごっちんの視線。
なにもかもが。
この、密室に。
彼女と、二人っきりでいる、その現実を感じさせて…
アタシの心臓は、緊張に高鳴る。
それでも。
「ッハア、ハア…
ごっちんひどいよ〜、アタシ走ってんのに、ドア閉めようとするんだもん」
(演技じゃなく、実際に)息を切らせながら、アタシは恨めしそうにごっちんを見上げる。
もちろん、この場の雰囲気を和ませようと、冗談で言ったことなんだけど。
だけど。
だけど…。
「…ご、ごめんねっ!?あの、あの…ね、ごとーぼんやりしてて…
気付かなかったの、よっすぃに」
慌てたように、平謝りするごっちん。
なんでか焦ったようすの、ごっちん。
- 282 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時20分33秒
絶対に、おかしい。
「嘘」と、丸分かりの、嘘。
―――目が合ったじゃん!!
―――「よっすぃ」って、言ったじゃん!!
次々と、浮かんでくるごっちんへの否定的な思い。
だけど。
そんなことを実際に口にして、彼女を困らせてしまうのは、目に見えていて。
アタシが望んでいるのは、そんなことじゃない。
そんなことを言うために、探してたんじゃない。
すべては、この現状を打破!するためなんだからっ!!
アタシは、一旦強く、唇をかみ締めて。
次の瞬間には、意を決して、顔を上げる。
もちろん、その視線の先にはごっちんの顔。
「あのね?ごっちん。アタシ―――」
「あっ、よっすぃ何階?ごとー押したげるよ」
あくまで、アタシとは目線をあわさずに。
上ずった口調で、ごっちんはアタシに背を向ける。
……そうくるかい。
- 283 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時27分18秒
背を向けた、ごっちんに。
一抹の寂しさと。
悲しさと。
訳の分からない、彼女の態度の変わりように、大きな憤りを感じて。
「ごっちんと一緒の階でいいよ」
わざと、冷たく言い放ってみる。
案の定ごっちんの姿はビクっと、わずかに揺れて。
「うん、分かった」
なんて答える声は、やたらと小さくて―――不安定で。
きっと、彼女の心の中は。
『早くエレベーターが着くように』なんて考えてるに違いないんだ。
それが、どうしようもなく。
…悔しい…
「ねえ、ごっちん!」
「…っ!?」
そして。
いい加減に、痺れを切らしたアタシが、少し声を荒げて彼女の名前を呼んだのと。
怯えた様子で(それもなんだショックなんだけど)アタシのほうを振り向いたのと。
がこんっ
と、身体の揺れを感じたのは、ほとんど同じタイミングで…。
- 284 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時33分50秒
「な、なにっ?」
一層、不安を込めた声で、ごっちんが言った。
アタシは、エレベーターが目的地について、止まったものとばかり、思っていたけど。
「あれ…?」
思わず、眉を寄せて、アタシはエレベーターの中を見回す。
ヒュ―――――ンン……という、音と同時に。
階を表す、扉の上にあるパネルのランプは、消えていて。
変わりに。
非常用と思われる、赤っぽいランプが灯った。
…と、そこまで考えて。
ひっ、
非常用―――!!??
「「エレベーター、止まっちゃった!?」」
アタシとごっちんは、顔を見合わせて同時に叫んでいた…。
っていうか、嘘でしょおっ!?
こんな…
こんな、漫画みたいな展開が…
「嘘でしょ…」
戸惑った表情で、ぼんやりと。
ごっちんが、力なくエレベーターの扉を叩くのを、アタシはただ見ていた。
・・・・・・
・・・・
そして。
- 285 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時41分07秒
-
「回復するのに、30分から40分はかかるって…」
「そう」
力なく、非常用の電話を戻しながら、ごっちんは言った。
動揺してるのが、明らかに分かる不自然な、態度で。
アタシは、エレベーターが「復旧」するのが分かってから、そう慌てることもなかったけれど。
そう。
でも、分かってるんだ。
ごっちんが動揺したようすなのは、何もエレベーターが止まってしまった、
そのことだけが原因なわけじゃ、ないことを。
だって、その証拠に。
「いやっ、ハハハハ…こんなことになるなんてねえ〜、
休憩時間でよかったよね〜?」
なんて、表面上だけの、笑顔を浮かべて。
アタシから、さりげな〜く距離を置いてるごっちんが、嫌でも視界に入るから。
……
ただ、黙って。
ごっちんの顔を、見続けるアタシ。
上ずった声で、何かと話し続けるごっちん。
おそらく、アタシに口を開かせないための、それは作戦。
「そういえばさ〜、こないだ渋谷でね…」
「ごっちん」
「服買いに行こうと思ったんだけど、なんか人が…」
「―――ごっちん!!」
- 286 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時49分06秒
あくまで、それはもう頑固に、と言ってもいいくらいに。
アタシから視線を逸らし続けるごっちんに。
さっきまで言おうとしていたことを、思い出して。
アタシは、それでも喋り続けようとするごっちんの話を、強引に割った。
「……な、なに?」
上目使いで、ようやくアタシに目を向ける彼女。
その視線に込められた、
緊張。
怯え。
……
そんな感情、今までごっちんがアタシに向けることなんて、なかったのに。
どうしようもなく、苛立って。
アタシは、もはや感情的になっていて。
――――ガンッ
「…!!」
アタシは。
扉の近くの、パネルの横にぴったりと体をつけて立ちすくんでいるごっちんを、追い詰めるように。
両手を、ごっちんの体の脇につけた。
少々、(苛立ってるせいで)力が入りすぎてしまい、
手をついた瞬間、壁が大きな音を上げた。
その、音になのか。
それとも、アタシの突然の行動になのか。
ごっちんの体が、一瞬にして“ぐっ”と強張るのが、分かった。
- 287 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)14時55分11秒
大好きな、はずなのに。
愛しくって仕方のないはずの、彼女なのに。
大切に思ってるからこそ、そんなごっちんの怯えたような仕草、一つ一つに。
どうしようもなく、アタシの心は荒れてしまって。
――――そう。
ごっちんが、悪いんだからね?
「なに?その態度」
思わず口をついて出てしまった言葉に、アタシ自身が驚いてしまう。
……これじゃ、因縁つけてるヤンキーみたいじゃんか…(苦笑)
「最近さあ、ごっちん、アタシのこと避けてるでしょ」
「…避けてないよ…」
「嘘」
問い詰める口調のアタシに。
やっぱりごっちんは、怯えたようすで、口を閉ざしてしまう。
……何、やってんだ、アタシ。
気持ち伝えたくて、ここまできたのに…。
「ごっちん、アタシのこと、怖い?」
「………」
「怖い?」
流れる、沈黙。
エレベーターの中って、動いてないとこんなにも、静かだったんだなあ…
そう感じるくらい、静かな空間。
- 288 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)15時01分47秒
「……ごめ、ん…」
先に根負けしたのは、やっぱりアタシで。
ようやく搾り出したその声は、自分でもびっくりするくらい、かすれていて。
情けないくらい、弱い声で。
いきなり、アタシの声のトーンが落ちたことに気付いたのか。
ごっちんは、おそるおそる、といった感じで、顔を上げて。
「……よっすぃ?」
「ごめん」
エレベーターは、止まっていて。
ここから、かっこよく立ち去る、なんて戦法も使えないし。
あ〜あ、アタシ、
滅茶苦茶かっこ悪いじゃんか……。
「ごめんね、ごっちん。よく分からないけど、アタシ…
ごっちん怒らせるようなこと、しちゃったんだよね?
謝る、謝るからさ、アタシ……
そんな、怯えた目で見ないでよ」
それは、精一杯の、言葉。
「……怖がってなんかないよっ!」
激しく反応したのは、ごっちん。
ただし、やっぱりその声は、わずかに震えていたけれど。
- 289 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)15時12分03秒
「ごとーにとって、よっすぃは親友なんだよっ、大事なんだって言ったじゃん!!
怖がってなんかないっ、怯えてなんかないよっ、
ホントだよ?ホントだからね…」
彼女の話す声は。
いつもは、少し低いトーンの、落ち着いた感じの声。
興奮したときや、感情が昂ぶったときは、
……高くって、泣き出しそうな。
「違うの、違うんだよ?よっすぃのコト、避けてたんじゃなくって…、
ごとーが…勝手に…勝手に…」
「ごっちん?」
「ダメなのお!よっすぃは親友なんだからあ、絶対に…ぜったいに、この気持ちが
変わっちゃダメなんだもん…」
気がついたら、ごっちんの瞳には。
ぶあっと、涙が広がっていて。
「壊しちゃダメなんだよぅ…『親友』って関係、ごとーが壊しちゃったら…
大事なもの、なくすのはもう嫌だ…」
えぐっ、と。
しゃくり上げながら、ごっちんは切れ切れに、そう言って。
アタシの中から、どんどん毒気が抜かれていく、そんな感覚。
- 290 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)15時19分13秒
ここで、気持ちを伝えなきゃ。
アタシは、前に進めない。
「ごっちん?アタシは、ごっちんのコト、大事な『親友』だと思ってるよ」
そして、彼女はゆっくりと。
涙に濡れた目を、アタシに向ける。
「だけど」
「――――やめてっ!!」
さっきと、同じように。
ごっちんは、アタシの言葉を遮ろうとする。
ただ、さっきまでと違うのは。
切羽詰ったような、悲壮な響きが、含まれていたってことで…。
「『親友』として、だけじゃなく、
『メンバー』として、だけじゃなく。
アタシは、アタシは――――」
「違う違う違う違うっ!!!
よっすぃは親友だよっ、親友なのっ。
変わらないの、これからも、絶対、かわ…」
「アタシは、ごっちんのコトが好きなんだ」
「―――――!…」
目をそらさずに。
きっぱりと、アタシが言い切るのと、同時に。
がちがちに力の入っていた、ごっちんの体から、一気に力の抜けていくのが、目に見えて分かった。
- 291 名前:作戦その6 〜ザ☆告白編 投稿日:2001年11月20日(火)15時28分49秒
「……やだよぉ…」
ごっちんの頬を、涙が伝って。
その口元は、精一杯に「笑顔」を作ろうと、僅かに歪められていて。
笑っていない、
笑っていないんだけど、
――――必死な泣き笑いの、彼女。
「しんゆう、だって言ったじゃん……
何でよお…何でよお…!!ひっ、く…ご、ごとーが…せっかく…
せっかく…自分の、っく、気持ち…抑えて……
よっすぃのコト……意識しないように…って…
…えぐっ…バカだよお……よっすぃのばかぁ…」
泣いている、彼女は。
あんまりにも、幼くて。
それでいて、ドキっとするくらいに、奇麗で。
可愛らしくて、愛しくて。
そして。
肩を震わすごっちんは、とても儚い存在のようで。
……こんなに、近くにいるのに?
「でも、好きになっちゃったんだもん。
ごっちんは『親友』だけど、好きなんだよ。気持ちに嘘はつけないよ」
意外なくらい、アタシの胸中は穏やかだったけれど。
泣き笑いの、彼女の表情に。
アタシの不安は、ずっと消えないわけで――――。
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