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スノードロップ
- 1 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)09時00分47秒
- Snow drop(スノードロップ)
日本では「マツユキソウ」と呼ばれています。
真冬に咲く白い花。
花言葉は
「希望」
- 2 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)09時03分58秒
- よしりかごまの三角関係物語です。
- 3 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)16時59分47秒
- 【真希視点】
あたし、後藤真希。
つら〜い受験を乗り越えて、今年私立の有名な女子校に受かりました!
中学も私立のまぁまぁ頭いい女子校だったんだけどね。
この女子校に入るために、どれだけ必死に勉強したか・・・・。
目的はふたつある。
ひとつは、親が「ここの女子校に入ったら1人暮らししてもいい」って言ったから。
そしてもうひとつの目的は、あの超有名な吉澤ひとみ様がいるから!!!
女子校に通っている人ならほとんど知っている吉澤サマ!!超モテモテ長身美少女で、
今まで数十人、いや、数百人にもおよぶ女子に告白されたらしい!!
でも意外と女タラしらしくって、カワイイこならほとんどOKしてるらしい・・・。
その吉澤ひとみサマ(通称よっすぃ〜・よしこ)もこの女子校なのよ!!
あ〜、ついにこの日が来たわ!
- 4 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)17時10分14秒
- 心臓バクバク!でもかなりウキウキ気分で通学路を自転車でスイ〜♪
あ、ホントはチャリ通ダメなんだけどね。
だから学校の近くのコンビニに自転車を止めて、そこから歩いて行く事にした。
ウィーン―――――
コンビニの自動ドアが開いて、同じ制服の女の子が出てきた。
わぁ〜・・・この人メッチャかっこいいし・・・・!!女の子だよね?
同じ学校かぁ・・・・・ん? あれ!?もしかしてこの人・・・・・・・!!!!
「よ、吉澤ひとみ!?」
その人はふっと振り返った。
- 5 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)17時12分07秒
「え・・・?」
「あ!ごめんなさい、えっと・・・あの・・・!!」
ホンモノだ〜!!本物の吉澤ひとみだ〜!!マジかっこいい!っつーか美人!!
「・・・・同じガッコだよね?」
「え!?は、ハイ!!そうですっ!」
「ふ〜ん。名前は?」
「え、あたしですか!?」
「君の他に誰もいないだろ。」
「え・・・あ、ホントだ!えっと・・・ご、ごと・・・ごとう・・・ま・・・き・・・」
「後藤真希ちゃんね。」
「え・・・あ、ハイ!!」
「チャリ通しちゃダメだよ〜。マ・キ・ちゃんはあと」
「へ・・・・・」
そのままぶっ倒れるかと思った。
マキちゃん・・・!?そんな・・・あの吉澤様が・・・マキちゃん・・・・????
「じゃ、あとでね。」
そういってヨシザワヒトミは去っていった。
- 6 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)17時23分26秒
- 恥かしくってしばらくその場を動けなかったけど、
よっすぃ〜様に会うために学校へ向かった。
正門をくぐると、たくさんの生徒がクラス表の掲示板を見ていた。
あ、もちろんみんな女の子だよ。だって女子校だもんね・・・うん。
掲示板を見ている女の子はみんなヨッスィ〜様と同じクラスか見てるのかな・・・。
あたしも心臓バクバク状態で掲示板を見た。
その時ふっと目に入ってきたのは、「吉澤ひとみ」という文字だった。
そしてその名前がA組のところに書いてあることもわかった。
吉澤サマの名前の上をずーっと見ていった。
吉澤の「よ」だから・・・後藤の「ご」・・・もっと上だ・・・
「あった!!!」
思わず大声をあげてしまった。
自分の名前がA組のところにあったのだ。
あぁ、本当にがんばって勉強したかいがあったよ・・・・(泣)
- 7 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)17時35分09秒
- 教室に入って、黒板に書かれた座席表を見た。
出席番号で書かれていたから、自分の番号のところに座った。
あ〜、吉澤サマの出席番号も見とけばよかった〜。
「王子が来るよ!!キャー!マジかっこいいんだけど!!」
ワァーっと突然廊下が歓声でいっぱいになった。
っていうか王子って誰・・・?
ガラガラッ
吉澤ひとみ様だ!!!!!!
あ〜、なるほど!吉澤さまが王子なわけね。
たちまち教室が(っていうか吉澤サマの周りが)女の子でいっぱいになった。
キーンコーンカーンコーン・・・・・
「さっさと自分の教室帰れや〜。ったく、だからここの担任はイヤやねん!」
金髪&関西弁のビミョーに美人な女教師が、生徒達を教室から追い出した。
- 8 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)17時37分06秒
- 「ほら、あんたらもさっさと席つけ!さっさとせぇや。」
クラスメイトも渋々自分の席に戻った。
「真希ちゃん。」
「へ?」
そう、あの王子こと吉澤ひとみは・・・
隣の席だった。
- 9 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)17時43分56秒
- 「よろしくね。」
「・・・・あ、よろしくおねがいしまする・・・。」
「あたしは吉澤ひとみ。」
「知ってますとも!!」
「なんて呼べばいい?」
「な、なんでも・・・いいです。」
「じゃぁ後藤だから・・・・ごっちんね。」
「ご、ごっちん!?」
「あと、あたしの事王子って呼ばないでね。あんまり好きじゃないの。そのあだ名。」
「え・・・じゃぁ何て呼べば・・・?」
「好きなように呼んでよ。一部にはヨッスィ〜とか呼ばれてるけど?」
「・・・・・・・じゃぁ・・・・・・う〜ん・・・え〜と・・・・よしこ様?」
「・・・・プッ・・・あははは。おもしろいね。それでいいよ。「様」はいらないけどね。」
「じゃぁよしこでいいんですか!?」
「うん。いいよ。」
その時の王子・・・いや、よしこの笑顔といったら・・・・キャハハッ(笑)
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月06日(火)20時24分37秒
- おお〜新作ですね!
前作につづき今回もかなり良さげです!
頑張ってください♪
- 11 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)20時25分33秒
- 授業中―――――――
「2番の問題できた?わかんないんだけど。」
「うん。」
よしこがプリントをのぞいた。
あたしの顔とよしこの顔の距離は2センチって感じ!!
「・・・・ごっちんってさぁ・・・彼氏いるの?」
「へ?い、いない・・・・です。」
「女の子同士の恋愛って興味ある?」
「え・・・まぁ女子校だし。そこそこ。」
「ふ〜ん。好きな人いるの?」
「う、うん。」
なんか恋愛の事でよしこに色々聞かれると
ちょっと期待しちゃうじゃん・・・・・・
- 12 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)20時27分14秒
- >>10
「三角恋愛」を見てくださった方ですか?
ありがとうございます。今回はラク〜に楽しんで書きたいと思ってます。
応援お願いします。
- 13 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)20時30分15秒
- キーンコーンカーンコーン・・・・・
チャイムがなると、やはりよしこの周りにはたくさんの女の子が集まった。
あたしだってよしことお話したいのに・・・。
「ねぇ、あんたが後藤真希?」
「え?・・・はい、そうですけど。」
いきなり数人のちょっとコワそうな先輩たちに囲まれた。
「ちょっと来てくんない?すぐ終わるから。」
「・・・・・?」
そのまま体育館裏に連れて行かれた。
- 14 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)20時35分03秒
- 体育館裏―――
「あんたさぁ、王子の隣の席でしょ。」
「はぁ・・・」
「ってゆーか、王子と馴れ馴れしくしないでくんない?ジャマなの。」
そんな事言われたって・・・・・・
「王子とひとことでも喋ったらボコるから。」
プチンッ
「は?何でアンタたちにボコられなきゃいけないわけ?」
「あ?」
「っていうか自分がブスだからってひがんでじゃねーよ。ババア。」
バキッ
先輩の拳が頬を思いっきり殴った。
・・・・うざいし。でも・・・1対5じゃちょっと勝てないかも・・・ケンカは得意だけど。
よしこ・・・・助けて!!
- 15 名前:とみこ 投稿日:2001年11月06日(火)20時42分24秒
- 「なーにやってんのかなぁ?」
校舎の2階から声がした。
よしこだ。
「お、王子・・・!?やば、早く逃げよっ。」
先輩達が逃げようとすると、よしこが2階の窓からヒョイっと飛び降りた。
スタンッ。
「着地成功〜♪」
「・・・・!!」
よしこは先輩達を壁の方まで追い込んだ。
「弱いものいじめは、ダ〜メ。オッケ〜?」
「・・・・・うるさいな。人気だからって調子のんなよ!後輩のクセに!」
「あら、先輩。こういう時だけ先輩ヅラするんですか?
あんまり調子に乗ると・・・ただじゃすまねーぞコラァ・・・。」
「・・・・チッ。行こっ。」
そのまま先輩達はノコノコと去っていった。
「大丈夫?ごっちん。」
「あ、うん。ありがとう・・・。」
「こーゆー事があったらいつでも言って。いつでもごっちんの事、助けるから。」
「・・・・うん。」
「・・・・あたし、ごっちんの事好きかも♪」
ニコッと笑ってよしこは去っていった。
マジ!?
- 16 名前:さるさる。 投稿日:2001年11月06日(火)23時47分12秒
- とみこさんの小説結構読んでます!
雰囲気とか好きなんだよねぇ。
とみこさんの描くごっちんが好き!!
これから、楽しみだなぁ。
- 17 名前:とみこ 投稿日:2001年11月07日(水)17時23分32秒
- >>16 さるさる様
いつも読んでくれてありがとうございます。
「三角恋愛」のごっちんがよかったのかな?
今回のごっちんはちょっと切ないかもしれません。最後の方で色々あるんで。
更新はほぼ毎日なんで、よかったら見てください。
- 18 名前:とみこ 投稿日:2001年11月07日(水)17時26分06秒
- 「ごっちん、お昼一緒に食べよ?」
「え、いいの?」
「もっち〜。っていうかごっちんと2人っきりってのもいいかも♪」
「・・・・???」
よしこってみんなにこんな感じなのかな・・・・?今度観察してみよっと。
- 19 名前:とみこ 投稿日:2001年11月07日(水)17時30分51秒
- ――――屋上
うひゃー・・・2人っきりだよぉ〜・・・・!!!
あの有名なよしことだよ・・・?信じらんなーい!!神様、アリガト♪
「あ、ごっちんケータイ持ってる?」
「うん。」
あたしはポケットから携帯を取り出した。
「ちょっと貸してね。」
そういってよしこはちょこっと操作して、返した。
「何したの?」
「ん?あたしの番号とアドレス入れただけだよ?」
「え!?マジ?!よしこの番号とアドレス・・・・??」
「今日の夜に電話かメールしてくれる?」
「う、うん!!」
やったー!あたしだけだよきっと。携帯の番号とアドレスなんか知ってるの♪
でも・・・ホントに期待していいのかな?よしこは・・・・・・・
- 20 名前:とみこ 投稿日:2001年11月07日(水)17時38分28秒
- 「よしこ・・・・ちょっと聞いていい?」
「ん?な〜に?」
「よ、よしこは今付き合ってる人いるの?」
「いないよ。今はね。」
今はね・・・・って事は前は・・・
「い、今まで何人ぐらいと付き合った?いっぱい告られた?」
「う〜ん、告られたのは120人くらいかな?正確には覚えてない。付き合ったのは2人。」
「え!?2人・・・だけ?ホントに?もっといっぱい付き合ってんのかと思った。」
「なにそれ〜、あたしはタラしじゃないぞ〜?
っていうか付き合わないけど手ェ出しまくってるから。あははは〜♪」
「・・・ど、どういう事?」
「え?だから、付き合うのはめんどいからキスとかエッチだけで終わり?みたいな。」
「そういうのは何人くらい・・・・?」
「まぁ数十人かな。」
し・・・信じらんない・・・・やっぱよしこは軽いのね・・・・?
- 21 名前:とみこ 投稿日:2001年11月07日(水)17時47分26秒
- その日の夜、携帯のアドレス帳を見た。
【よしこ】
キャー!本物〜♪やっぱ軽くたってタラしだってよしこはよしこだよね!
とりあえず登録されていたメールアドレスにメールを送った。
【やっほ〜!真希です☆元気してる?(^ー^)/~~】
送信・・・っと。オッケー!!これで返事を待つだけ・・・・
―1分後―
〜♪
来た!!
受信ボックスを開くと、【差出人:よしこ】と書いてあった。
かなりドキドキドキドキドキドキしてたけど、そっとメール本文を開いた。
【やっほー!よしこだよ!今から電話してもいい?(^ー^)】
で、電話ぁ!?マジで・・・?よしこの生声(じゃないけど)が聞ける!!
【うん!オッケェだよ!家の方に電話してネ。電話番号は、○○○○ダヨ☆】
―2分後―
プルルルルル・・・・
家の電話が鳴った。ナンバーディスプレイに知らない番号がうつっていた。
「はいもしもし後藤ですけど。」
『あ、吉澤で〜す。』
よしこだぁ〜♪♪♪
- 22 名前:とみこ 投稿日:2001年11月07日(水)17時53分47秒
- 『今なにしてんの?』
「何って・・・電話でしょ。」
『あ、そっか。あはは〜。』
「も〜、よしこってば〜!」
『・・・なんかさ、ごっちんってみんなと違う。』
「え?」
『ファンとかいるらしーけど、そんな人達よりごっちんの方がいい。』
「な、なにいってんのさ〜っ。」
『ごっちんと話してると落ち着くしさ〜、なんていうか・・・好きかも。』
「へ?」
『ごっちんの事好き。付き合わない?』
「え・・・??ホントに?冗談だったりしない?」
『本気だよ。その事でなんか言われたらあたしが助けるから。ね?』
「う・・・うん。ホントにいいの・・・?」
『うん。マジでごっちん大好き!!じゃ、よろしくおねがいしま〜す!』
ガチャン・・・・
「ちょ、よしこ・・・?」
切れちゃった・・・・っていうか・・・よしこのカノジョ????
マジ・・・夢・・・?夢だよね・・・?でも・・・
どうか夢でありませんように。
- 23 名前:さるさる。 投稿日:2001年11月08日(木)01時56分35秒
- よしこ大胆〜!
ごっちん可愛い。更新まってます。
- 24 名前:とみこ 投稿日:2001年11月08日(木)18時47分15秒
- 翌朝―――
なんか学校行くのコワイよぉ〜・・・。
だってよしこと付き合ってるって知れたら、よしこのファンの人怒るよね・・・。
それで別れるのって辛いじゃん・・・・?
不安いっぱいでマンションを出ると、ロビーでよしこが、待っていた。
「よしこ!?」
「おはよ♪」
「どうしたの?」
「一緒に行こうと思ってさ。」
よしこの超スペシャルスマイルが炸裂した。う・・・・・・・・・もうダメ・・・
「で、でもファンの人とかにバレちゃうよ?」
「いーじゃん。付き合ってんだから。ファンなんて関係ない。だろ?」
「・・・う〜ん・・・じゃぁ行こっか。」
なんだかんだいってメッチャ嬉しいんだけどネ♪
よしこと2人っきり・・・・・・・キャー!!あたしって幸せモノ???
- 25 名前:とみこ 投稿日:2001年11月08日(木)18時50分40秒
- あたしは今、女子校のアイドル的存在の超有名なあの吉澤ひとみ様と登校中
1年前によしこの事を聞いてから、本気で好きになった!!
あぁ、あのころは本当に「アイドル」って感じでよしこの事見てたなぁ・・・
今じゃ付き合ってるなんて・・・・・全国の羨ましい女の子、ナンバーワンよ!!!
ま、中学でもそこそこ恋愛はしてたんだけどね。
- 26 名前:とみこ 投稿日:2001年11月08日(木)18時59分50秒
- ――――中学時代――――
中学1年生・・・・あたし普通の女子校で普通の生活を送っていた。
その時あたしは、恋をしていました。
それはその女子中の超アイドル的存在、市井紗耶香サマ
今で言えばよしこ的な存在なのよね。あえて言葉で表すなら
『クール・爽やか・カッコイイ』って感じ。
すっごい人気者だった。そしてあたしはその人が好きだった。
でも人気者はやっぱり人気者だったんだ・・・。
「あのっ・・・・・市井先輩ですよね?」
初めて市井ちゃんに話し掛けたとき。中1のバレンタインだった。
- 27 名前:とみこ 投稿日:2001年11月08日(木)19時02分22秒
- 「うん。そうだけど。」
「あの、1年の後藤真希って言います。これ・・・チョコレート。手作りなんで・・・。」
「あー、ゴメン。あたしチョコ苦手だからみんなのも断ってるんだ。ごめんね。」
ガーン・・・・・・せっかく徹夜でつくったチョコなのに・・・・・・
「・・・ひっく・・・・市井・・・せん・・・ぱい・・・ひっく・・・」
「な、泣くなよぉ!え・・・ちょっ・・・あーわかったわかった!じゃぁさ、これ!」
市井ちゃんはあたしの首に巻いていたマフラーを指差した。
「・・・・え?」
「これちょうだい。ダメかな?それつけて学校行くからさ。ね?」
「あ、はい!よろこんでもらってください!ハイ!」
急いでマフラーを取って市井ちゃんに渡した。
「サンキュ。えっと・・・後藤だっけ?」
「あ、ハイ!!」
「後藤・・・ね。オッケー。覚えとく。」
- 28 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月09日(金)02時54分01秒
- よしごまだ〜!
毎日チェックしますね。
- 29 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時14分53秒
- その時をきっかけに、目が合うと手を振ってくれたりしてくれるようになった。
――食堂――
「後藤、となりいい?」
「あ、ハイ!!」
席が少なかったのか、あたしが座っているテーブルに市井ちゃんも座った。
「後藤さ、モテるでしょ?カワイイもん。」
「モテないですよ・・・全然。市井先輩こそカッコイイじゃないですか!」
「そうなの?っていうかさ、「市井先輩」ってゆーのやめない?」
「え?」
「紗耶香でいいよ?」
「そ、そんな呼べませんよぉ!せめて市井さん・・・?」
「え〜、変だよ!」
え〜い、思い切って言ってやる!!
「じゃぁ・・・・・市井ちゃん!」
・・・・あ、あれ?滑ったかな・・・?
「・・・・・・・プ・・・アハハハハ!!おもしれ〜。いいよ。市井ちゃんで。」
「ほ、ホントにいいんですか?」
「うん。いいよ。」
こうして市井ちゃんとの関係はどんどん深まっていくのだった。
- 30 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時21分35秒
- それは中1の3月―――――
「市井ちゃん!おっは〜!!!」
「おー、後藤。」
「卒業式まであと1週間だね・・・・さみしいね・・・・」
「・・・あたしもさみしいよ。でもあたしが行く高校は後藤じゃ無理だな〜。」
「なにそれ〜!!ひっどーい!!」
「ジョーダンだってばっ。後藤は自分が行きたい学校に行けばいいの。わかった?」
「じゃぁ市井ちゃんが行く高校がいい!」
「・・・・そっか。じゃぁ待ってるからね。」
優しい市井ちゃん・・・・
叱る時はちゃんと叱ってくれる。
市井ちゃんにとってあたしは世話やけ娘なのかもしれないけど
あたしにとって市井ちゃんは、大切な大切な人。
- 31 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時24分12秒
- 卒業式――――――
ついにこの日が来てしまった。
市井ちゃんとサヨナラする日―――――
卒業式は、いっぱいいっぱい涙を流しました。
もう市井ちゃんと会えないわけじゃないけど、
遠くへ行っちゃうみたいに思えて、さみしくなった。
市井ちゃんと出会って1年間、ずっと思ってきた。
この思い、伝えなきゃ・・・!!
- 32 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時32分35秒
- 「市井ちゃん・・・!!」
正門を出ようとする市井ちゃんの袖を掴んだ。
「後藤・・・・」
「市井ちゃん・・・・市井ちゃん・・・・あたし・・・・・」
市井ちゃんは何も言わずにあたしをギュッと抱きしめた。
「さみしいのは後藤だけじゃないんだよ・・・・・。」
「市井ちゃん・・・・・あたし・・・・・市井ちゃんが好きだったの・・・ずっとずっと好きだったの・・・・市井ちゃんじゃないとダメなのぉ・・・」
- 33 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時33分07秒
「・・・・・わかってるよ。後藤があたしの事どれだけ思ってくれてるか、この1年間ですっごくわかったよ。」
「・・・もう市井ちゃんと離れたくないの・・・行かないで・・・・」
「・・・・あたしも後藤が好きだよ。でもそれは・・・・それは恋愛じゃなかった。」
「・・・・・・え?」
抱きしめられた体から、市井ちゃんのぬくもりが消えた。
そっと両手であたしの体を離して、市井ちゃんはずっと下を向いていた。
「恋愛じゃ・・・・ないんだ。後藤のことは、妹にしか思えなかった。ごめんな・・・」
妹・・・・・・?
なにそれ・・・・あたし、市井ちゃんの事お姉ちゃんなんて思ってないもん。
お兄ちゃんなんて思ってないもん。
【大切な人】【大好きな人】【愛してる人】
ずっとそう思ってきたのに、市井ちゃんには伝わらなかった。
少し春風が吹き始めた3月――――――
あたしの初恋は散った。
- 34 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時46分52秒
- 市井ちゃんが卒業して、気が付けば自分が受験生となっていた。
中3の春―――――――
ある日友達が言う。
「見て見て!修学旅行の写真、ちょっとしたコネで手に入れたんだ〜♪」
「修学旅行?どこの?」
あたしは思わず聞いた。
「吉澤ひとみの学校に決まってんじゃん!」
「ヨシザワヒトミ???」
「え!?真希知らないの?全国の女子校でメッチャ人気の吉澤ひとみだよ!?」
前までは市井紗耶香ブームだったこの女子中も、市井ちゃんが卒業してから変わった。
「ほら、この人だよ!カッコイイでしょー?」
友達に写真を見せてもらった。
「え!?めっちゃカッコイイ!!!」
思わず声をあげた。
初めて吉澤ひとみの素晴らしさ(?)を知った。
- 35 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時47分23秒
- その写真は顔のドアップで、他の写真には後姿などもいろいろあった。
髪は少し茶が入ったショートで、スタイル抜群、美人、色白!!パーフェクトだった。
市井ちゃんを追いかけつづけていた過去はどこかへ置いてきてしまった。
それからは吉澤ひとみの大ファンになって、色んなプロフィールを調べたりした。
そして、吉澤ひとみと同じ女子高に入るために勉強した。
いや、その女子高はメチャメチャ有名なお嬢様学校だった。
毎日猛勉強して、そして見事合格した。
- 36 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)16時53分59秒
- そして今に至るのです・・・・・
そう考えれば信じられないものだよ・・・・。
あたしは今、女子校のアイドル的存在の超有名なあの吉澤ひとみ様と登校中!!
あぁ、あのころは本当に「アイドル」って感じでよしこの事見てたなぁ・・・
今じゃ付き合ってるなんて・・・・・全国の羨ましい女の子、ナンバーワンよ!!!
こんな幸せ満開の時に暗闇がやってこようとは、この時当然思ってもいなかった。
- 37 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)17時03分00秒
- 正門に着くと、かなり視線を食らった・・・。
だってあのヨシザワヒトミと登校してるんだもん。
しかも腕組んでくれてるの♪うれしぃ〜!!
「よ!ヨッスィ〜。女連れちゃってどうしたの?」
突然、すっごいカワイイ金髪の背の小さい女の子が現れた。
「このコ?後藤真希っていうんだ♪新カノです!」
「ふ〜ん。じゃぁゴッツァンね。あたしは矢口真里!よろしくね〜ん!」
「よ、よろしくおねがいしますっ。」
矢口サンのハイテンションに少しひいた。
でもほんとカワイイコだなぁ・・・・・タメだよね?
よしことこんなに親しいんだ・・・どういう関係だろ・・・
あとで聞いてみよーっと。
- 38 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)17時14分31秒
- 青空の下、今日もよしこと屋上でランチタイム♪
「ねーねー、さっきの金髪の人だれ?」
「矢口先輩?友達だよ。」
「先輩??何年生なの?」
「3年だよ!年上。まぁ身長がちっちゃいからね。」
「ふ〜ん。なんか・・・・・仲良かったよね。」
「うん。だって前に付き合ってたから。」
「え!?マジ???いつ!?なんで!?」
よしこが付き合ったことがある人のは2人で、その中のひとりって事だよね?
「中1の春から中2まで付き合ってたよ。告られてOKしたの。」
- 39 名前:とみこ 投稿日:2001年11月09日(金)17時18分50秒
- 「よ、よしこは矢口先輩のどこに惹かれたの?」
「う〜ん・・・メリット無しで話してくれるから好きだった。」
「じゃぁどうして別れちゃったの?」
「それは・・・・・・・・・」
よしこの顔からは笑顔が消えて、真剣な顔になった。
きっと何か事情があるんだろうな・・・・
「よ、よしこにだって言いたくない事あるもんね!うん。わかるわかる。」
「・・・・うん。ありがと。ごっちんのそういうトコ好き。」
「な・・・何言ってんの!恥かしいじゃんか〜っ」
ホントは知りたくてしょうがなかった。
よしこの過去・・・・矢口先輩と何があったんだろう。
他に何か関連してる人とかいるのかな・・・?
- 40 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)08時32分16秒
- 「ごっちん、先教室戻ってていいよ。ちょっと寄るとこあるから。」
「あ、うん。わかった。」
そういえばよしこって、いっつもお昼食べ終わるとどっか行っちゃうんだよね。
どこ行ってるんだろ・・・・でもそんな事聞いたらまた気まずくなりそう・・・。
とりあえず今は矢口先輩の件も忘れようっと。
- 41 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)08時50分58秒
- 「見て見て!これ!」
いつものように屋上でお昼を食べていると、よしこがポケットから封筒を取り出した。
「何?それ。」
その封筒はよしこ宛てで、ファッション雑誌からだった。
「実はね、この前渋谷行った時に撮ってくれた写真が、来月号に載るらしいの!」
「え!?マジで〜!?すごいじゃん、よしこ!どんなの??」
よしこは封筒の中から写真を取り出した。
わざとカメラからそっぽを向いているよしこの写真は、メッチャかっこよかった。
パーカーにジーンズという普通の格好が、妙にカッコよく見えた。
いい意味で、とても女の子には見えなかった。
「そんなジロジロ見ないでよぉ〜。」
「すっごいカッコイイね!さすがよしこだよぉ〜!!」
「カメラマンの腕がいいだけだよ。」
「モデルがいいんだよ〜!!絶対。よしこ惚れ直しちゃうさ!」
「・・・・この写真ほしい?」
「え!?ほしい!!」
「うん、いいよ。」
よしこはあたしのポケットにスッと写真を入れて、そのまま顔を近づけてきた。
- 42 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)08時55分55秒
「・・・・・・ん」
優しいキスだった。
「ファーストキス?」
よしこはイタズラっぽく聞いてきた。
照れながらコクッと頷くあたしの頭をそっと撫でてくれた。
よしこはただの人気者じゃないんだね。
「ごっちん、ずっと一緒にいようね。」
「うん・・・。」
- 43 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)08時57分21秒
- 「じゃ、今日もちょっと寄るとこあるから。先行くね。」
「うん。バイバイ。」
いつものように屋上をひとりで出て行くよしこの背中も、今日は笑顔で見送れた。
だってよしことキスしちゃったんだもん・・・・。
- 44 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)09時11分28秒
- 少し経ってから屋上を出て教室に向かった。
職員室を通りかかった時、ちょうど中澤先生が出てきた。
「あ〜〜〜、後藤!ちょうどええ、これ持って行ってくれへん?」
いきなりドスッと両手に資料を乗せられた。
まだ返事してないのに・・・・。
「どこに持っていくんですかぁ?」
「2階の生徒会室に、副会長の石川梨華っていうコがいるから、その人に渡してや!頼んだで!!」
そういって立ち去ってしまった。
めんどくさっ
- 45 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)09時18分23秒
- 生徒会室・・・・ここか。
「失礼しま・・・・」
ドアを開けようとした時、中から聞き覚えのある声がした。
耳を済ませてその声を聞いた。
『よいしょっと・・・この資料でいいの?』
よしこの声だ!!
なんでよしこが・・・・?
『ありがとう、ひとみちゃん。』
『もうすぐ中澤先生が文化祭の舞台発表の資料持ってきてくれるはずなんだけど・・・』
よしこと・・・もうひとりは聞いたことない声だった。
かなり高い声っていうかアニメっぽいんだよね。
でもどうしてよしこが・・・・・いっつも先に戻るのはここに来るからだったの・・・?
嫌な予感がした。
勇気を出してそっとドアを開けた。
- 46 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)09時24分36秒
- ガラッ・・・・・・
ドアを開けると、予想通りよしこともうひとりの女の子が楽しそうに笑っていた。
「よしこ・・・?」
あたしの声に気づいてこっちを見た。
「ごっちん!ど、どうしたの?」
「よしここそ何やってんの?」
「いや、生徒会の手伝いだけど・・・。」
「・・・石川さんっていう人いる?」
「あ、あたしです。」
さっきのアニメ声の女の子が返事をした。
「こ、これ。中澤先生から頼まれたの。それと、よしこ話があるんだけど。」
頼まれていた資料を渡して、よしこの手を引っ張って生徒会室を出た。
- 47 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)09時46分50秒
- 「ごっちん・・・・ごめん。」
「・・・・どうして・・・・」
「生徒会の手伝いだよ・・・。」
「じゃぁどうして言ってくれなかったの・・・?隠す必要ないじゃん・・・・」
「ごめん・・・・。」
「・・・・ごめんって何がごめんなのぉ・・・?よしこは・・・よしこはあのコが好きなの?」
「そういうわけじゃないよ・・・だけど・・・・」
「ホントは手伝いなんかじゃなんでしょ・・・・?あのコが好きなんだったら・・・どうしてあたしの事好きとか言うの?どうして優しくするの?どうしてキスするのぉ・・・・?」
どうして・・・・・・
自然と涙が流れて来た。
よしこのそっと伸びた右手が頬に触った。
無意識にビクッとしてしまった。
「さわ・・・らないで・・・・」
「・・・・ごっちん・・・・。」
「よしこの・・・・ばかぁ・・・!!」
走り去ろうとした時、よしこが腕を掴んだ。
「はなしてよ・・・!!」
「矢口先輩には全部知ってるから。矢口先輩に聞いて!」
「・・・・え?」
「ごっちんに・・・もう過去は隠さないから。矢口先輩にそう伝えて。」
よしこの手がそっと離れた。
走っていくあたしを見ていたよしこは、
今まで見せたことないような哀愁に包まれていた。
- 48 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)09時51分22秒
- どんどん溢れてくる涙で前が見えなかった。
ボヤけて見える視界をたどって、屋上のドアを開けた。
バンッ
そこには誰もいなかった。別にいなくてもよかった。
あたしは屋上のど真ん中にしゃがみこんで泣いた。
「よしこのばかぁ・・・・!よしこのバカバカバカぁ!!」
どうしても止まらない涙・・・・・
「よしこの・・・バカ・・・・・」
バンッ
その時、ドアが開いた。
- 49 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)09時56分36秒
- 「や・・・ぐちせんぱい・・・・?」
「うちらの教室の前通ったでしょ?ごっつぁん泣いてたから・・・追いかけてきた。」
「・・・・え?」
「どうして泣いてるの・・・?矢口でよかったら話してくれる?」
「・・・・よしこが・・・・よしこが・・・・」
「あ〜〜、落ち着いてからでいいよ!うんうん。」
- 50 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)10時00分55秒
- 「・・・・・落ち着いた?」
「うん・・・。」
「何があったの?」
「・・・よしこ・・・今日生徒会室に居たの。石川梨華っていうコと。」
「石川・・・・・あぁ、副会長さんね。」
「それで・・・いっつもよしこは「ちょっと寄るところあるから」って言って、ホントは生徒会室に行ってたの・・・。あのコに会ってたの。」
「・・・・うん。」
「矢口先輩は何か知ってるんですか?よしこが矢口先輩に聞けって・・・・あたしにはもう過去は隠さないって・・・。」
「・・・・そっか。うん・・・梨華ちゃんとよしこが小さい時、ちょっとした事があってね。」
- 51 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)10時03分59秒
- >>50
梨華ちゃんとよしこが小さい時
という矢口の言葉ですが、
梨華ちゃんとヨッスィ〜が小さい時
です。呼び方がごっちゃになってしまいました。
修正します。ゴメンナサイ m(_)m
- 52 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)10時13分41秒
- 矢口先輩は、よっすぃ〜と梨華ちゃんの過去を話してくれた。
―
今から8年前、よっすぃ〜が小2、梨華ちゃんが小3の時だったんだけどね。
よっすぃ〜がバイクに轢かれそうになったのを、通りかかった梨華ちゃんが助けたの。
だけど梨華ちゃんはしばらく意識不明の重態だった。
なんとか命は助かったんだけど、その事故の記憶を失ってしまったの。
もちろんよっすぃ〜とは何の知り合いでもなかった。
1年後に退院したんだけど、事故のことを思い出そうとすると梨華ちゃんは頭を痛めるらしいの。
だから梨華ちゃんは遠くへ引っ越して、結局その事故のことは思い出すことはなかった。
でもよっすぃ〜にとって罪悪感だけが残ってしまっていたの。
- 53 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)10時18分38秒
- でもよっすぃ〜も中学生になって、少しはその事故の事も楽になってきた。
そのころかな。あたし、よっすぃ〜が好きだったの。
それで告白したらOKされて付き合ってたんだ。
だけど、その1ヶ月後くらいに梨華ちゃんが転校してきたの。
よっすぃ〜にはまたあの時の事故のことがよみがえってきた。
やがて梨華ちゃんはよっすぃ〜の事を好きになった。
告白されたよっすぃ〜は、少しの償いになればって思ってOKしたの。
その時よっすぃ〜は、初めて事故の事をあたしに話してくれた。
あたしはそれをちゃんと受け止めて、よっすぃ〜と別れたの。
- 54 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)10時31分48秒
- だけど梨華ちゃんともそんなに長く続かなかった。
普通の会話の中で、少しずつ梨華ちゃんは記憶を取り戻そうとしてた。
だけどその度の頭を痛めたりしてて、そんな梨華ちゃんを見てるのが辛かったと思う。
だからよっすぃ〜は「好きなコができた」って言って梨華ちゃんと別れた。
中3の卒業式に別れたから、多分、好きなコっていうのが、ごっちんじゃないかな。
- 55 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)10時34分23秒
- 矢口先輩の話が終わったあと、涙が次々と溢れてきた。
話しながら矢口さんの目にも涙がにじんでいた。
「・・・・・あたしよしこの気持ちも知らないで・・・ひどい事言っちゃった・・・。」
「でもヨッスィ〜はさ、本当にごっちんの事好きだと思うよ。」
「・・・・・え?」
「だって、辛い過去を話すほど大切な人なんだよ?自信持って!!ね?」
「矢口先輩・・・・・・」
「ほら、よっすぃ〜のトコロ行っておいで!」
- 56 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)17時21分39秒
- 小学生の時、交通事故でよしこをかばった梨華先輩はその事故の記憶を失った。
中学生になって矢口先輩と付き合った。
けど梨華先輩に再会して、矢口先輩と別れたんだね。
梨華先輩の記憶を取り戻そうというより、少しでもそばにいてあげることが
よしこにとっての償いだったんだね。
梨華先輩と別れるためにあたしを好きになった。
それがよしこの過去だったんだね。
よしこはただの人気者じゃないんだね。
- 57 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)17時24分45秒
- 急いで生徒会室に戻ったけど、そこにはよしこの姿はなかった。
ポケットから携帯を取り出して、メールを送った。
【中庭に来て!byマキ】
まだ赤い目をこすって中庭に向かった。
- 58 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)17時31分17秒
- 中庭に行くと、既によしこが待っていた。
「ごっちん・・・」
「よしこが辛い時はあたしが助けるから。泣きたいときは一緒に泣くからね。」
涙目の精一杯の笑顔で言った。
「ごっちん・・・・あたし、ごっちんの事好きだから。好きだから・・・・・・」
- 59 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)17時37分15秒
- 数日後―――――
よしこの過去を聞いてから、もっともっとよしこが大好きになった。
そんな平和な日々に、新たな恋の風が吹いた。
「真希、中等部の2年生が呼んでるよ〜?」
「え?」
教室を出ると、中等部の制服を来た少女が立っていた。
「あ、あの・・・後藤さん・・・」
「ん?どうしたの?」
「は、話があるんですけど・・・。ここじゃちょっと・・・」
少し舌足らずなしゃべりかたが可愛らしいコだった。
「じゃぁ屋上でも行こっか。」
「はい!」
とりあえずそのコと一緒に屋上に行った。
- 60 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)21時54分59秒
- 「えっと・・・名前は?」
「あ、中等部2年A組の加護亜依です。「加護」って呼んでください。」
「加護ちゃんね。あたしは後藤真希。よろしくね。」
「よ、よろしくお願いします。それで・・・あのですね・・・・」
言っちゃ悪いけど、とても中学生には見えないね・・・。小学生くらいにしか・・・。
でもすっごくカワイイこだなぁ・・・・
「あのぉ、えっとぉ、加護はですね・・・」
加護ちゃんの言葉に少し微笑してしまった。
そう、自分の事を「加護」と呼んでいたからだ。
「・・・・加護ちゃんは自分の事「加護」って言うの?」
「はい・・・変ですかね?」
「ううん、あたしも前はごとーって言ってたもん。」
「そうなんですか・・・・で・・・加護は後藤さんに憧れてたんです・・。」
「あたしに?」
「美人だし、カッコイイし、優しいし・・・。加護は後藤さんが大好きです。」
思わず胸がキュンとした。
「大好き」なんて言われたら、キュンとくるよね。
加護ちゃんがすっごく幼い感じのコだから、思わず抱きしめたくなっちゃうよ。
- 61 名前:とみこ 投稿日:2001年11月10日(土)21時59分40秒
- 「でも・・・あたし、よしこと付き合ってるよ?」
「・・・・よしこ???」
あ、よしこじゃ通じないか。
「王子だよ。王子。吉澤ひとみ。」
「あ、吉澤先輩ですか!付き合ってるのは知ってます・・・なのにゴメンナサイ。」
急に悲しそうな顔をするから、無意識に「同情」してしまいそう・・・・。
「いいんだよ、好きって言ってくれて嬉しいし。ね?」
「付き合うのは無理ですけど、これ・・・映画一緒に行ってくれませんか?」
小さい手に握られていたのは、「千と千尋の神隠し」のチケットだった。
「あ、あたしもこれ見たかったんだ〜。いいよ。行こうね。」
あたしの笑顔にホッとしたのか、緩んだ加護ちゃんの顔がすごく可愛らしかった。
教室の前まで付いてきてくれた加護ちゃんの小さい頭をそっとなでてあげた。
- 62 名前:とみこ 投稿日:2001年11月11日(日)09時46分14秒
- 「・・・・―――――。」
教室に戻る途中、視聴覚室からよしこの声が聞こえた。
「よしこ〜♪」
ドアに手を掛けた瞬間、思わず自分の目を疑った。
隙間から見えたよしこは・・・・・・・
知らない女の子とキスをしていた。
ドアから離した手をギュッと握って走って教室に戻った。
嫌だ、見たくない・・・!!
あんなのウソだ・・・・
神様 幻であってください。
- 63 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月11日(日)18時16分58秒
- な、なんという展開!!
- 64 名前:とみこ 投稿日:2001年11月11日(日)21時22分07秒
- 授業中――――――
「真希、美術の宿題終わった?」
無視・・・・・・・・・できるわけないよね。
「・・・・・終わったよ。」
「放課後さぁ、学校の前に新しく建ったカフェ行かない?」
「・・・・遠慮しとく。」
「なんで?」
「・・・・なんでも。」
「・・・・どうしたの?機嫌悪い?」
自分の胸に聞いてよ!!!
なんて言えない・・・・・・。
「別に・・・なんでもないって・・・。」
「どうして怒ってるの?あたし何かした?」
「うん。」
「何?」
「ウソ。よしこは関係ないよ。」
それこそウソなんだけどね・・・。
よしこの事で怒ってるんだよ・・・・・・。
よしこのせいで怒ってるんだよ・・・・。
- 65 名前:とみこ 投稿日:2001年11月11日(日)21時27分46秒
- お昼休み―――――
チャイムが鳴ってすぐに教室を出た。
よしこと話したくないから・・・・・。
「ごっちん!」
ムシ・・・・・。
「真希ってば!」
腕を掴まれた瞬間、思わず振り払ってしまった。
ハッとした自分と、その目の前には驚いているよしこが居た。
「ごっちん・・・・・ごめん。」
もっと追いかけてよ・・・・・
追いかけて欲しいの・・・
他の女のコのものになって欲しくないの!!
- 66 名前:とみこ 投稿日:2001年11月12日(月)17時21分36秒
- 「ごめんね〜、待った?」
「いえ、全然っ。」
今日は加護ちゃんと映画を見る日だった。
加護ちゃんは、オレンジのパーカーにミニスカートにルーズソックスという、いかにも小学生っぽい格好だった。ホントは中学生だけどネ。
あたしはというと、白い七部のセーターにストレートのジーンズにスニーカーだった。
そういえば・・・よしこの私服ってあの雑誌の写真しか見たことないなぁ・・・・。
「じゃ、行こっか?」
「ハイ!」
- 67 名前:とみこ 投稿日:2001年11月12日(月)17時26分41秒
- 映画館に入って、席に座っておいしそうにポップコーンを食べている加護ちゃんを見ていて、
なんだか妹を見ているように感じた。
・・・・・・市井ちゃんもあたしの事こんな風に見てたのかな・・・・・・・・
映画が始まると、加護ちゃんはずっと見入っていた。
感動するシーンの時は、頬に流れる涙を袖で拭いながら見ていた。
自分が忘れかけていた純粋さを、このコは持ってる・・・・。
こんなに心がキレイで素直な加護ちゃんを見てると、いつもと違う空間にいるみたい。
まるで温かいお湯の中にいるような、安心感で包まれた。
このコといると、こんなに癒されるんだなぁ・・・・。
- 68 名前:とみこ 投稿日:2001年11月12日(月)17時33分11秒
- 映画が終わって、お昼を食べてから近くの雑貨屋に行った。
小物売り場の前で、加護ちゃんはしゃがんで色んな商品を手にとって見ていた。
「っていうかさ〜・・・――――――」
・・・え?
今の声・・・・・
・・・・今のはたしかによしこの声だった・・・・。
周りを見渡したが、もうよしこの姿はなかった。
その時、隣の本屋さんからよしこが出てきた。
あたしは慌てて加護ちゃんを連れて逃げようと思ったけど、
あまりにも真剣に商品を見ている加護ちゃんを連れて行くひまはなかった。
しかたなくひとりで隣のジーンズショップに入った。
- 69 名前:とみこ 投稿日:2001年11月12日(月)17時38分43秒
- よしこ達が通り過ぎるまで後ろを向いていた。
チラッと振り返ってみてみると、よしこと一緒に居たのはこの前のコだった。
そう・・・・・あのキスしていた女の子。
ストレートな黒髪に、パッチリした瞳。ハッキリいってかなり可愛い。
「買わなくたっていいのに〜。」
よしこが言っているのは、女の子が持っている雑誌の事っぽかった。
「いいじゃないですか〜記念ですよ、記念。」
多分あのよしこが写ってるファッション雑誌だろうな・・・・
「も〜、愛ちゃん、明日学校に持ってこないでよ〜?」
「大丈夫ですヨ〜。」
- 70 名前:とみこ 投稿日:2001年11月12日(月)17時40分29秒
- 愛ちゃん・・・・・・・・
それがあのコの名前。
・・・・そういえば加護ちゃんと同じだね・・・・あ!!加護ちゃん忘れてた!!!
あたしは急いでさっきの雑貨屋に行った。
だけどそこにはもう加護ちゃんの姿はなく、周りにも居なかった。
どうしよう・・・・加護ちゃんの携帯まだ教えてもらってないし・・・・・
あ!この前あたしの番号教えたよね!覚えててくれてればいいんだけど・・・・
- 71 名前:とみこ 投稿日:2001年11月12日(月)17時44分22秒
- 〜♪
携帯の着メロが鳴った!!
ディスプレイを見ると、知らない携帯番号だった。
「もしもし?」
「ごとーさん・・・・・加護です・・・・」
電話の向こうの泣きそうな加護ちゃんの声が耳に当たる。
「い、今どこ?・・・・さっきの映画館の前ね。今行くから、そこ離れないでね!!」
そういって電話を切った。
映画館はわりと近かったから、すぐに着いた。
そこには携帯をギュッと握って今にも泣きそうな顔で辺りを見渡している加護ちゃんが立っていた。
「加護ちゃん!!」
あたしの声に振り向いた加護ちゃんは、携帯を握ったままあたしに抱きついた。
「ごとーさん・・・ごめんなさぁい・・・ごとーさんいなくて・・・・探してたら・・・・」
「ごめんね、あたしが目離しちゃったから・・・もう大丈夫だよ。」
- 72 名前:とみこ 投稿日:2001年11月12日(月)17時47分49秒
- 加護ちゃんはそっとあたしの体から離れた。
セーターは一部分だけ涙で濡れていた。
「ごとーさん・・・・」
「ん?」
「こんな加護は迷惑ですか?嫌いですか・・・?」
「・・・・加護ちゃん・・・・」
どうしてそんなに切ない目をするの・・・?
行く先をなくした子犬のように、母性本能をくすぐった。
「嫌いなんかじゃないよ。迷惑なんかじゃないよ。加護ちゃんは、ごとーの大事な人。」
「・・・・ごとーさん・・・・・」
色々あったけど、加護ちゃんと居るとそんな事どーってことない。
守ってあげたい・・・・・
加護ちゃんの気持ちに答えてあげたいよ・・・・・・
ねぇ、よしこ・・・・・少しだけなら許してくれるよね?
- 73 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月12日(月)22時05分45秒
- むう・・・よしごま頑張って欲しいけど加護ちゃんもかわいい。。。
続き期待です。
- 74 名前:とみこ 投稿日:2001年11月13日(火)16時41分33秒
- 「加護ちゃんは門限何時?」
「一応、6時です。でもごとーさんとのデートなら門限なんか関係ないですよ。」
「デートかぁ〜。よしことはまだデートしてないなぁ〜。」
「・・・・・・・。」
あ、ヤバ・・・・よしこの話はダメだよね。
加護ちゃんはあたしの事思ってくれてるんだから・・・。
「あ、あのね!加護ちゃん。」
「え?」
「あたし、よしこと出会わなかったら・・・加護ちゃんと付き合ってたかもね。」
「・・・・加護とですか?」
「うん。加護ちゃんはすっごいカワイイし、世界で2番目に大好き・・・・」
「・・・1番目は吉澤先輩ですか?」
「・・・わからないの。でも今は加護ちゃんが世界一かもね。」
「どうしてですか?」
「・・・さっきね。よしこが知らない女の子とデートしてた・・・・。」
こんな事加護ちゃんに話して何があるの・・・・?
- 75 名前:とみこ 投稿日:2001年11月13日(火)16時44分09秒
- 「・・・・・もしかして・・・・高橋先輩ですか?」
「え?」
「中3の・・・・高橋愛っていうコですか?」
「・・・・愛ちゃんっていう名前だったと思うよ。なんで?知り合い?」
「・・・・・・ごとーさん、ごめんなさい。」
「え?」
- 76 名前:とみこ 投稿日:2001年11月13日(火)16時50分25秒
- 突然、加護ちゃんが泣き出した。
「加護ちゃん、どうしたの?なんで泣くの・・・?」
「・・・加護は、加護はごとーさんが好きなんです・・・・大好きなんです・・・」
「・・・・え?」
「でもごとーさんはいっつも吉澤先輩しか見てませんでした・・・・・。だから・・・・高橋先輩は吉澤先輩が好きって言ってたから・・・・」
「どう・・・いう事?」
「今日のデートも高橋先輩と、「同じ日にしよう」って言って・・・わざとごとーさんと吉澤先輩が会うように・・・・」
「・・・・よしこは・・・・愛ちゃんと付き合ってるの?」
「・・・それはわからないんですけど、今日のデートはOKしたらしいです。」
よしこは・・・・・愛ちゃんからデートを誘われてOKしたって事・・・?
・・・・でも、あたしもあたしだよね。こうして加護ちゃんとデートしてる。
でもそれは、よしこがいけないんだよ?よしこが愛ちゃんとキスしてたから・・・
ついあたしもって・・・・・・・
- 77 名前:とみこ 投稿日:2001年11月13日(火)16時55分34秒
- 「ごめんなさい・・・・・。」
「加護ちゃんは謝らなくていいんだよ・・・・?」
「加護はごとーさんが大好きなんです。本当に・・・・嫌いにならないで下さい・・・」
加護ちゃんの泣き顔を見てると、あたしももらい泣きしてしまった。
「大丈夫。加護ちゃんの事、嫌いになんかならないから。安心して。」
「ごとーさん・・・・・・」
あたしはずっと・・・・・よしこを追いつづけてた。
まるで宙を浮く風船のように、追いかけても追いかけても追いつかない。
そんな存在だったよしこと、やっと幸せになれた。
なのに・・・・・よしこが幸せにしてくれたのは、あたしだけじゃないんだね。
あたしは「よしこの恋人」の中の「1人」だっただけなんだね・・・・・・・
- 78 名前:とみこ 投稿日:2001年11月14日(水)20時46分15秒
- 下駄箱で靴を履き替えてると、よしこが肩を叩いた。
「ごっちん♪一緒に帰ろ?」
「・・・・うん。」
どうしよう・・・・
どうして愛ちゃんとデートしたの?キスしたの?
・・・・・そんなの聞けない・・・・・
「吉澤先輩!」
愛ちゃんが下駄箱の影からヒョコっと出てきた。
「お〜、愛ちゃん。どうしたの?」
「あ・・・・後藤先輩と帰るんですよね。一緒に帰ろうと思ったんですけど・・・。」
「あ、ごめんね!今度一緒に帰ろう!」
なにそれ・・・・あたしの前で平気でそういう事言うんだね。
「よ、よしこ!行こうよ。」
まるでオモチャをひとり占めした子供のような自分が、恥かしかった。
「うん。じゃぁね、愛ちゃん。」
「さようなら・・・。」
下駄箱を出ると、突然雨が降り出した。
- 79 名前:とみこ 投稿日:2001年11月14日(水)20時51分43秒
- 「あ〜、振ってきちゃった。ごっちん傘ある?」
「うん。」
「あたしもあるんだけど・・・・・愛ちゃんが・・・・」
フト見たよしこの視線の先は、雨を眺めながら不安そうな顔をしている愛ちゃんが居た。
「愛ちゃん、傘ないの?」
「はい・・・でも大丈夫ですっ。」
「大丈夫じゃないだろ〜?これ、使っていいよ。あたしはごっちんに入れてもらうから。」
・・・やった!よしこと相合傘???
その時、中等部の玄関で加護ちゃんが立ちすくんでいるのを見つけた。
- 80 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月14日(水)21時27分19秒
- ココの小説、一番好きです!
がんばってください。
- 81 名前:とみこ 投稿日:2001年11月16日(金)16時05分32秒
- 「加護ちゃん!」
「あ、ごとーさん。こんにちは。」
「傘ないの?」
「あ・・・大丈夫です。近いんで。」
「でも・・・・・」
向こうからよしこと愛ちゃんがやってきた。
「このコ・・・加護ちゃんも傘ないからさ・・・・あたし加護ちゃん送ってくよ。」
「加護ちゃん?」
よしこが加護ちゃんを見て聞いてきた。
「ごとーさんの友達の加護亜依です。よろしくお願いします。」
「あ、よろしく・・・。」
はぁ・・・・・・
あたしが加護ちゃんと帰るって事は・・・・・・
まぁそれしかないんだけど・・・・・
愛ちゃんと加護ちゃんを一緒に帰らすっていうのもなんだし・・・・・
よしこと愛ちゃんか・・・・・・
「じゃぁあたしは愛ちゃんを送ってくから。ごっちんは加護ちゃんとね。」
「う・・・うん。」
そういって別々の方向で帰り始めた。
- 82 名前:とみこ 投稿日:2001年11月16日(金)17時24分26秒
- 「加護ちゃん、濡れちゃうよ?」
少し低い位置にある加護ちゃんの肩を自分の方にそっと寄せた。
少し肌寒いのに、加護ちゃんは顔を真っ赤にしていた。
「ごとーさん・・・」
「ん?何?」
「・・・・吉澤先輩は、高橋先輩以外ともデートしてるんです・・・・。」
「・・・・え?」
「高橋先輩が言ってたんですけど、デートのとき吉澤先輩がそう言ってたって・・・」
「ど、どういう事・・・?どうして・・・・」
「付き合ってるのはごとーさんだけど、女の子は他にもいるからしょうがないって・・・」
・・・・・・・・よしこの・・・・・・・バカ。
- 83 名前:とみこ 投稿日:2001年11月16日(金)17時27分42秒
- 「・・・・バカみたいだよね、あたし。ひとりで舞い上がっちゃって・・・・」
「ごとーさん・・・泣かないで下さい。加護はごとーさんの事好きですよ。」
「加護ちゃん・・・・・・・ありがと・・・・」
「今日、泊まりに行ってもいいですか?」
「え?」
「ごとーさんのそばに居たいんです・・・・。ごとーさんは泣かないで下さい・・・悲しかったら加護が泣きますから・・・・」
「加護ちゃん・・・・・・」
加護ちゃんの小さいからだがあたしを安心感で包み込んだ。
もうこのままどうにでもなっていい・・・・・・・
どれもこれもよしこのせいなんだから・・・・
- 84 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月16日(金)19時30分47秒
- うわあ切ねぇ・・・
どうなってしまうんだ!
- 85 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月17日(土)01時11分00秒
- なんか、加護がヤナ感じ。。。
- 86 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)12時15分18秒
- 「おじゃましまーす・・・」
玄関を通ると、加護ちゃんはキョロキョロと周りを見渡していた。
「うわ〜、ビッチョだよ〜。ちょっと待っててね。バスタオル持ってくるから。」
「ごとーさん1人暮らしだったんですね。」
「うん。結構広いでしょ?」
バスタオルを加護ちゃんの頭にかぶせて、そっと拭いてあげた。
「このままじゃ風邪ひいちゃうからお風呂入ろっか。」
「はい!」
お風呂のお湯をためてる間に、加護ちゃんとリビングに行った。
- 87 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)12時45分34秒
- 「ごとーさん。」
「ん?」
「正直に言ってください・・・・・ごとーさんは加護の事嫌いですか?」
「え〜?嫌いなわけないじゃん!何言ってんのっ。」
「じゃぁ・・・・付き合ってくれますか?」
「え・・・・・それはだって・・・・・・」
「どうしてそんなに吉澤先輩にこだわるんですか?浮気ばっかりして、ごとーさんの事絶対思ってくれてない!!どうしてそんなひどい事されても好きなんですか・・・・?」
加護ちゃんの泣き声だけがリビングに響いていた。
- 88 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)12時48分41秒
「加護ちゃん・・・・ごめんね。」
「・・・・・・・・・ひっく・・・ひっく・・・・」
「あたしはよしこの事が好きで、よしこがあたし以外の人を好きでも、あたしはよしこの事が好きなの。」
「でも・・・吉澤先輩がごとーさんと付き合ってるのに他の人と・・・・!!」
「よしこは―――――――」
あたしがその一言を言った後に、加護ちゃんは部屋を出て行った。
『よしこはただの人気者じゃないんだよ。』
- 89 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)13時15分07秒
- 〜♪
テーブルの上の携帯がなっていた。
ディスプレイには「よしこ」と書いてあった。
あたしは急いで電話に出た。
「もしもし。」
(あ、ごっちん?)
「うん・・・・何?」
(んにゃ、特に用はないんだけどぉ、愛ちゃんを無事に家に届けました!)
「そっか・・・・。」
(どうしたの?元気ないじゃん。加護ちゃんはちゃんと送ったの?)
「ううん、1回うちに来たんだけどさっき帰ったよ。」
(あ、そうなの?じゃぁ今からごっちんの家行ってもいい?)
「・・・・無理。」
(え?何で?・・・・・・・・・・もしもし?ごっちん?)
携帯からよしこがあたしの名前を呼んでる。
大丈夫、あたし・・・・ひとりで平気。
この涙も・・・・笑顔に変えてしまえば・・・・・・・・――――――
- 90 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)17時39分03秒
- よしこが電話を切ってから少し経って、インターホンが鳴った。
ピンポーン・・・・・
「ごっちん・・・・?」
ドアの向こうで心配そうにあたしの名前を呼ぶよしこの声がした。
「ごっちん、いるよね?じゃぁ聞いて欲しいんだけどさ・・・・・」
そーっと音を立てないようにドアの目の前にたった。
「あのさ、どうして怒ってるのかわかんないけど、もし原因があたしだったら・・・ごめんね。言ってくれれば直すからさ・・・あたし、何かごっちんの気に触る事したかな・・・?」
その時、あたしは何も考えずにドアを開けた。
よしこは驚いて身を引いた。
「・・・・ごっちん、あたし・・・」
「よしこ・・・・・・・」
「え?」
「もう、別れない?」
「・・・・え?何言ってんの?」
「全部よしこが悪いんじゃん・・・・・気づいてよぉ・・・・」
「・・・・・ごっちん・・・・・」
「もういい・・・!!」
ガチャン・・・・
- 91 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)17時44分23秒
- 後藤編おわりです。
次は、よしこ編です。
- 92 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)17時56分10秒
- 後藤編をまとめると・・・・
中1の時に好きだった紗耶香への思いは届かず、
ある日ひとみの存在を知り、そして好きになる。
同じ高校に入って、運命的にもひとみと知り合いになり、付き合い始める。
しかし、幼い頃に交通事故でひとみを助けて事故の記憶を失った梨華に、今でも罪悪感を持っていて、毎日梨華に会っていた。
その過去を知った真希は、更にひとみを好きになる。
しかし、真希はひとみが他の女の子とキスをしいるのを見てしまった。
その頃から真希は加護亜依というコと知り合い、亜依と居る事が多くなった。
互いにすれ違っていって、だんだん関係は崩れていった。
- 93 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)17時59分06秒
- なんかメチャクチャですみません。m(__)m
ひとみ編のテーマは、
【人気者】に隠された秘密です。
- 94 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)18時05分10秒
- あたしは都内某有名女子校の高等部1年、吉澤ひとみ。
中高一貫のこの学校に通い始めて4年目。
全国にはたくさんの女子校がある。その中の大半の生徒は、あたしを知っているらしい。
そう、あたしは「有名人」らしい。
それを知ったのは中1の卒業式だった。
女子校の中では女子同士で付き合うのが意外と多いもので、もちろん告白もある。
考えてみれば、あたしはよく告白されていた。
毎日下駄箱に入っている手紙の束、周りに集まってくる女の子たち。
別に嫌ではなかった。
自分が「人気者」だって事を苦には思っていなかった。
- 95 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)18時07分39秒
- >>94
すみません、間違えました。
中1の卒業式=中1の入学式です。
中1の卒業なんてありません・・・・本当に申し訳ありませんでした。
- 96 名前:とみこ 投稿日:2001年11月17日(土)18時13分07秒
- この女子校に入った時、そう・・・入学式。
あたしは今までにない視線を浴びていた。
小学校は共学だった。だからといって男の子を好きになったこともない。
女の子を好きになったこともなかった。好きになられたこともなかった。
だけど、中学の入学式で「女子校」のルールを知った。
そう、あたしは結構・・・いや、かなりモテる方だった。
もとから男っぽい所があるあたしは、女子のハートに矢を打ったのだった。
- 97 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月17日(土)21時29分00秒
- おお、ひとみ編だ。期待!
- 98 名前:とみこ 投稿日:2001年11月18日(日)18時36分56秒
- 小2の時かな・・・・。
あたしが車に轢かれそうだったのを助けてくれたコがいた。
でもそのコは重傷を負ってしまった・・・。
なんとか命は助かったけど、その事故の記憶を失ってしまった。
あたしのせいだ・・・・。あたしのせいでそのコは・・・・
やがて、そのコは遠くへ引っ越していった。
そのコの名前は・・・・梨華ちゃん。石川梨華。
梨華ちゃんへの罪悪感だけが、あたしの心に残ったままだった。
- 99 名前:とみこ 投稿日:2001年11月18日(日)18時39分24秒
- 時間が解決するというのは本当で、あたしも中学生になった。
あの事故の罪悪感もだんだんうすれていった。
そして、あたしの周りにはいつも女の子がいた。
カワイイコもたくさんいた。色んな女の子に告白されてた。
でも「付き合う」っていうのは束縛されるみたいなカンジがして嫌だった。
よく断る時に「キスしてくれたらあきらめる」って言われてたなぁ・・・。
そんであたしも普通にキスしてたっけ・・・・・。
- 100 名前:とみこ 投稿日:2001年11月18日(日)18時41分24秒
- 3年生の教室の前を通るとさ、いつも目が合う女の子がいた。
金髪で背は小さいんだ。すごいカワイくて、いっつもみんなに囲まれてた。
ムードメーカって感じだった。あたしはだんだんそのコに惹かれていった。
そしたら告られちゃってさ、もちろんOKしたよ。
だって初めて「好き」っていう感情を持った人だったから。
その人は2つ年上。名前は「矢口真里」すっごいいい人なんだ。
- 101 名前:とみこ 投稿日:2001年11月18日(日)18時43分33秒
- 矢口先輩は他の女の子たちとは違って、メリットなしであたしと話してくれる。
そんな矢口先輩が大好きだった。本当に・・・心から。
手もつないだし、デートもしたし、キスもしたし・・・Hもしたんだ。
お互い初めてだったから、照れくさかった。でも世界で1番綺麗なHだった。
- 102 名前:とみこ 投稿日:2001年11月18日(日)20時59分10秒
- あの事故の傷が、再びズキズキを痛み始めた。
中1の冬・・・・・・・
あのコが転校してきた。
イシカワ・・・・・・リカ。
あたしをかばって重傷を負ったあのコ・・・・・・
転校してきた日、廊下で目が合った。
梨華ちゃんはあたしの事、覚えてない・・・・・・いや、覚えてないんじゃない。
まだ、思い出してない――――――
あの事故の記憶は失ったまま―――――――――
5年ぶりの再会に・・・・・・・・・あの時の罪悪感・・・・心の傷がズキズキと痛んだ。
- 103 名前:とみこ 投稿日:2001年11月20日(火)16時00分23秒
- それから数日間、ずっと学校を休んでいた。
学校へ行けば梨華ちゃんがいる・・・・・・・
もし思い出してしまったら・・・・・・あたし・・・・どうすればいいの・・・・・・?
ピンポーン・・・・・
誰・・・・?
恐る恐るドアを開けた。
ガチャ
「おっす!」
「矢口先輩・・・・・。」
- 104 名前:とみこ 投稿日:2001年11月20日(火)16時07分18秒
- 「学校は・・・?」
「サボったよ〜ん!だってヨッスィ〜いないとつまんないもん!ほら、差し入れ!」
そう言ってコンビニの袋を渡された。
「ありがとーございます。あ、あがってくださいっ。」
「あ、いいよいいよ!ヨッスィ〜は寝てなって!」
「・・・・いや、ホントは風邪じゃないんですよ・・・・。」
「・・・・・・っていうか・・・・・・・・・わかるよ。」
「え?」
「ヨッスィ〜なんか悩んでるっしょ?」
「・・・・・何でわかるんですか?」
あたしのパジャマの襟をグッと掴んで背伸びをした。
そして一瞬だけ口付けした。
「お大事に!」
そのまま部屋を出て行った。
- 105 名前:とみこ 投稿日:2001年11月20日(火)16時13分33秒
- あたしはしばらく玄関で立ち止まっていた。
どうして矢口先輩は、あたしが悩んでるってわかったんだろ・・・・
どうして・・・「何を悩んでるの?」って聞かなかったんだろ・・・・・・・
〜♪
その時、テーブルに置いてある携帯が鳴っていた。
ディスプレイには「受信メール1件」となっていた。
すぐにそのメールを開いた。
【差出人 矢口先輩】
<<ヨッスィ〜の悩みを聞かなかったのは、別れるのが嫌だからだよ。>>
しばらくその内容が理解できなかった。
あたしの悩みっていうのは・・・・梨華ちゃんの事。
それを矢口先輩に話したら・・・・・・・・・
どういう意味だろう・・・・・・・・・?
- 106 名前:とみこ 投稿日:2001年11月20日(火)16時21分24秒
- 3日後、あたしはやっと学校に来れるようになった。
しばらく梨華ちゃんの事は忘れようと思った。
下駄箱に着くと、矢口先輩がいた。
「おっは〜!よっすぃ〜!!!!」
相変わらずのハイテンションだった。
「お・・・はようございます。」
「どーしたの?元気ないんじゃなーいのー?キャハハ!!」
あのメールのことは忘れたんだろうか・・・・・・・なわけないよね。
あえて明るいままで振舞ってるんだよね。
- 107 名前:とみこ 投稿日:2001年11月20日(火)16時26分22秒
- 放課後、下駄箱に行くと、ローファーの中にピンクの封筒が入っていた。
いつもの事だろうと思って封筒を開けようとしたとき、手が止まった。
封筒には【From 石川梨華】と書いてあったのだ。
震える手で中の便箋を取り出した。
【放課後、第2音楽室で待ってます。】
うそ・・・・・・・・だよね・・・・・・?
- 108 名前:とみこ 投稿日:2001年11月20日(火)16時28分25秒
- 流星群見ました。
荒川の土手が目の前にあるので、深夜2時に行って観察しました。
メッッッッッッチャメチャ綺麗でした!!!
- 109 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月20日(火)18時12分54秒
- 私も見ました!
自宅の屋根からですが、たくさん見えました。
小説の方も楽しく読ませてもらってます!!
- 110 名前:とみこ 投稿日:2001年11月20日(火)22時11分09秒
- もう校舎に残っている生徒は少なくなってきた。
あたしは音楽室の前で何度もドアを開けるのをためらっていた。
・・・・まだ来てるかどうかもわかんないだよねぇ・・・・・・入るか・・・。
そぉ〜・・・・っと・・・・ドアを開けた。
そこにはひとりの女の子が立っていた。
夕焼けの逆光で見えなくて、目を細めて近づいた。
「・・・・石川・・・・さん?」
「来てくれたんだ。」
「え・・・・あ、うん。手紙・・・・見たから。」
「ありがとう・・・・。」
あれ・・・結構話せるじゃん。
- 111 名前:とみこ 投稿日:2001年11月21日(水)16時05分40秒
- 落ち着けひとみ!
そう、梨華ちゃんはあたしの事ふつうの人としか見てないんだから・・・・。
あたしも初対面みたいなフリしとけば・・・・・・
「えっと・・・・石川先輩は2年ですよね・・・?」
「うん。あの・・・・ごめんねっ。初対面なのにいきなり呼び出しちゃって。」
やっぱり初対面って思ってるか・・・・・当たり前だよね。
「話があって・・・。」
「話?」
まさか・・・・まさか・・・・ね・・・
「吉澤さんの事が好きなの。」
- 112 名前:とみこ 投稿日:2001年11月21日(水)16時09分52秒
- あたしは小学生の時に事故にあいました。
その時あたしをかばってケガをした人・・・それが梨華ちゃん。石川梨華。
頭を打った衝撃で、その事故の記憶を失ってしまった梨華ちゃんが・・・・
あたしを好きになった。
もし事故の事を思い出してしまったら・・・・・・・
あたしに告白したことを一生後悔するだろうか・・・・・・・・
どうすればいいの・・・・・・・・?
- 113 名前:とみこ 投稿日:2001年11月21日(水)16時18分18秒
- 「今・・・付き合ってる人とかいるの?」
「え・・・・・いや、いません。」
・・・?あたし今・・・なんでウソついたんだろ・・・・・
「でも・・・・・ダメだよね・・・やっぱり。吉澤さんモテるし。」
「いえ・・・・あの・・・・・・・少し考えてもいいですか?」
「う、うん。」
「じゃぁ明日の放課後にまたここに来ます。」
あたしはそれだけ言って走って出て行った。
梨華ちゃんには恋愛感情とかの前に・・・・・・事故の事が・・・・・・
しょうがないじゃん・・・・・あたし、梨華ちゃんを断る事なんかできないよ・・・・
どうすればいいの・・・・・・・
矢口先輩と・・・・・・別れたくないよぉ・・・・・・
- 114 名前:とみこ 投稿日:2001年11月21日(水)21時53分21秒
- 矢口先輩に会いたい・・・・・
梨華ちゃんと別れた後、3年生の下駄箱には矢口先輩のローファーはなかった。
校庭や中庭、近くのコンビニを探したけど、どこにもいなかった。
気がついたら、あたしは矢口先輩の家の前に来ていた。
去年建ったこのアパート。一度中に入ったことがある。
その時・・・・初めてだった。あの経験をしたんだ。
そのまま一緒に抱き合いながら眠った。
あの夜が懐かしい・・・・たった数ヶ月前の事なのに・・・・・。
矢口先輩が住んでる2階の部屋には、オレンジ色の明りが点いていた。
ハァっと吐いた息は白くぼやけていた。
首に巻いていた白いマフラーに顔をうずめて涙を拭った。
そしてまた、アパートを見上げた。
- 115 名前:とみこ 投稿日:2001年11月21日(水)21時58分24秒
- 矢口先輩になんて言えばいいかなんて、考えていなかった。
でもただひとつ・・・・・・・・梨華ちゃんの事を話そう。
階段をのぼる一歩一歩が涙を誘う。あかりの点いた部屋のドア。
「Yaguchi.M」という表札がクリスマスリースとともに掛けてあった。
ピンポーン・・・・・
- 116 名前:とみこ 投稿日:2001年11月21日(水)22時05分33秒
- ・・・・・・・・・応答がない。
家の中からは物音ひとつしなかった。
「あ、携帯・・・・・」
急いでカバンから携帯を取り出そうとした。
あ・・・・・・今朝家に忘れたんだ・・・。
もう2、3回インターホンを鳴らしても応答がなかったから、
アパートの廊下に座り込んだ。
- 117 名前:とみこ 投稿日:2001年11月21日(水)22時08分36秒
- あれから20分ぐらい経ったかな・・・・・・・
買い出しでも行ってるのかな・・・・・・・にしては遅いよね。
あ、バイトか。たしか今日はバイトだとか言ってたなァ・・・・
いつごろ終わるんだろ・・・・・
寒いなぁ・・・・・・・
矢口先輩・・・・・・会いたいよ・・・・
- 118 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)14時51分54秒
- 「・・・・・・・っすぃ〜・・・・・・・よっすぃ〜?」
「ん・・・・・?」
気がつくと、あたしはソファーで寝ていた。
目の前には心配そうにあたしを見てる・・・・・矢口先輩・・・?
「矢口先輩・・・・・あたし・・・何でここにいるの・・・・・?」
「廊下で倒れてたんだよぉ!もう超心配したんだからぁ!」
「ごめんなさい・・・・」
「いいのっ、そんな事より熱あるから今日は泊まりなよ!ね?」
「はい・・・・。」
- 119 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)15時14分24秒
- 「あたしはソファーで寝るから、よっすぃ〜はベットで寝てね。」
「え、一緒でいいじゃん。」
「なに言ってんの!風邪うつるって!」
「・・・・・じゃぁもう別れよう。」
「え?」
「もう別れませんか・・・・?」
「・・・・どうして?」
もたれかかるように、自分より小さい矢口先輩をギュッと抱きしめた。
- 120 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)15時17分25秒
- 「告られたんです・・・・・・・」
「誰に・・・?」
「2年生の・・・石川梨華。」
「転校生の・・・?」
「そう・・・・・・あたし、断れない。」
「どうして?あのコの事が好きなの・・・?」
「そうじゃないけど・・・・・・・断るのがつらくて・・・・」
矢口先輩は自分からそっと体を離した。
「悩んでた事って・・・・梨華ちゃんの事?」
コクッと頷いた。
- 121 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)15時25分13秒
- 「ゆっくりでいいよ・・・・・話して。」
矢口先輩はソファーにちょこんと座ってそう言った。
どうしてそんなに平然としていられるの・・・・・?
別れ話を切り出されてるのに、どうしてその話を最後まで聞こうとするの?
「小学生の時・・・・・事故にあったんです。その時あたしをかばってくれた・・・・」
「梨華ちゃんが?」
あたしはそっと頷いてまた話し始めた。
「梨華ちゃんは・・・重傷で・・・・・・何ヶ月も意識がなかった・・・。意識が戻った時には・・・・梨華ちゃんは事故の記憶を失ってた・・・・」
「うん・・・・・それで?」
「それから梨華ちゃんは遠くへ引っ越して行ったけど・・・・・まさかまた会うなんて・・・」
「・・・・それが・・・梨華ちゃんが転校して来た時・・・・・」
「梨華ちゃんはあたしの事覚えてないのに、告白されたら断れないよ・・・・・」
「・・・・・・・・よっすぃ〜・・・・・・・・・」
「それでも矢口先輩と別れたくない・・・・・!!!」
その夜は泣き疲れて寝てしまった。
- 122 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)15時29分57秒
- 次の日、気がつくとあたしはベットで寝ていた。
隣には矢口先輩がスヤスヤと眠っている。
そうだ・・・・・昨日矢口先輩に梨華ちゃんの事・・・話したんだっけ。
「矢口先輩・・・・」
「ん・・・・・」
「朝・・・です。」
「うん・・・・今日はガッコ休む。」
「・・・・・・あたしも。」
- 123 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)15時52分47秒
- お昼ごろ目が覚めて、朝隣にいた矢口先輩はキッチンに居た。
「やぐちせんぱい・・・・・」
「おー、よっすぃ〜。起きた?」
「はい。」
「今ごはん作ってるから。待っててね。」
そう言われてあたしはテーブルに着いた。
しばらくすると、矢口先輩が目玉焼きとトーストを持ってきた。
「わ〜、うまそー!!」
「矢口特製スペシャルモーニングセットだぜぃ!」
「いっただきま〜す!」
「よっすぃ〜・・・」
「え?」
「あたしの事は・・・・いいから。」
- 124 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)15時55分42秒
- 「矢口先輩・・・・?」
「梨華ちゃんへの少しの償いになればって思うなら、よっすぃ〜は梨華ちゃんのそばに居てあげて。」
「でも・・・・・」
「矢口はモテるから大丈夫!またカッコイイこ見つけてくるからさ!」
「矢口先輩・・・・・あの・・・・」
「よっすぃ〜が居なくたってやっていけるもん・・・・・・平気だよ・・・・・・」
「やせ我慢・・・・・」
「そんなんじゃないよ・・・・・」
「だって・・・・・・泣いてるじゃん・・・・。」
- 125 名前:とみこ 投稿日:2001年11月22日(木)15時59分03秒
- 「だって・・・・泣いてるじゃん。」
「泣いてないもん・・・・・・・」
「・・・・・矢口先輩の事、本当に大好きでした。愛してました・・・・・・」
「バカ・・・・・過去形じゃん・・・・・・。」
そのまま床に矢口先輩を寝かせて、キスをした。
「ん・・・・・よっすぃ〜大胆・・・・・」
「最後だから・・・・・」
「イジワル・・・・・」
- 126 名前:とみこ 投稿日:2001年11月23日(金)19時03分49秒
- 「矢口先輩、そのカッコやめて下さいよぉ・・・・」
矢口先輩はバスタオルだけ巻いてベッドに倒れこんでいた。
「よっすぃ〜・・・・・」
「何ですか?」
「・・・・気持ちかったヨ。」
「でしょ?」
あたしがジャージに着替えてる途中で、矢口先輩が後ろから抱き付いてきた。
「よっすぃ〜のバカ・・・・・・」
「・・・・・・そんな格好でせまられたら後味悪いじゃん・・・・」
「バスタオル1枚の矢口もセクシーでしょ?」
「うん、ヤバイかも。犯しそう。」
「何それ・・・・・よっすぃ〜変だよ・・・・」
- 127 名前:とみこ 投稿日:2001年11月25日(日)14時59分21秒
- 木曜日まで期末考査なので更新できないと思います(×_×)
励ましのレスなんかあると更新はりきります。(w
- 128 名前:深久 投稿日:2001年11月26日(月)13時43分04秒
- 昨日コレ見つけて、
いっきに読んじゃいました!!
いやぁメッチャおもしろいですね!!
作者さん、期末考査&更新
ファイトォ!です!!
がんばってください!!
- 129 名前:とみこ 投稿日:2001年11月27日(火)13時15分54秒
- 期末途中結果!
英語は完璧でした!
歴史はまぁまぁで・・・・保体はぼろぼろです・・・(;;)
少しヒマができたので更新します。
- 130 名前:とみこ 投稿日:2001年11月27日(火)13時18分23秒
- 「梨華ちゃん。」
休み時間に2年生の教室に行った。
「あ、吉澤さん。」
「ごめん、昨日学校休んだから返事言えなかった。今から屋上行こう。」
「あ、うん。」
- 131 名前:とみこ 投稿日:2001年11月27日(火)13時22分44秒
- 「あの・・・・吉澤さ・・・・」
「ひとみでいいよ。あたしも「梨華ちゃん」でいいよね?」
「うん・・・。」
「でさ・・・・返事だけど・・・・・・・・・」
「その前に聞きたいんだけど、あたしたち・・・前に会った事ない?」
「え・・・・・・?」
「小学生の時かな・・・・・・」
「・・・・き、気のせいだよ!うん・・・・・・たぶん、、、」
彼女は・・・思い出してきてる・・・・・・・・・少しずつ。
- 132 名前:とみこ 投稿日:2001年11月27日(火)13時25分33秒
- 「でさ・・・・・返事だけど・・・・・・・その・・・・・・・・」
「うん・・・・」
「あ・・・あたしでよければ・・・・・。」
「え・・・ホントにいいの?」
「うん。梨華ちゃんカワイイし・・・・・。へへっ。」
「ありがとう。」
「うん。よろしくね。」
これで少しの償いになるはず・・・・・だよね・・・・?
いいんだよね?これで。矢口先輩・・・・・・・・・
- 133 名前:とみこ 投稿日:2001年11月27日(火)17時10分49秒
- 「梨華ちゃんテニス部なんだ?」
帰りに喫茶店に寄って梨華ちゃんと話した。
「うん。副部長なのにまだヘタで・・・・」
「部活、楽しい?」
「うんっ!なんか熱中できるから!ホント大好きなの!!」
結構カワイイんだよね、梨華ちゃん。
「あたしもなんか部活やろっかなぁ〜・・・・」
「ひとみちゃん背高いからバスケとか・・・あ、バレーとかは?あ、陸上もいいかも!!」
一生懸命あたしの事考えてくれる梨華ちゃんって・・・・・やっぱカワイイ
別に無理して付き合うって感じにはならなそうだね。
「じゃぁ・・・バレー部入ろっかな。」
「うん!あたし、ひとみちゃんの事いっぱい応援するから!!」
「うん。ありがとー。」
矢口先輩とは違うカワイさってあるんだね
- 134 名前:とみこ 投稿日:2001年11月27日(火)17時21分57秒
- 「お〜、豪邸!!」
梨華ちゃんの家を見て、それしか言葉は出なかった。
目の前には自分の身長の2倍くらいの門が立ちはだかってて、
そこから玄関までの道は、芝生に囲まれたアスファルト!!
マジで梨華ちゃんって金持ち・・・・・!!!
「すごーい・・・・・・」
「そんな事ないってば〜っっ」
梨華ちゃんは眉毛をハの字に曲げてあたしの服を引っ張っていた。
「梨華ちゃん。・・・・・また明日ね。」
「うん。バイバイ!」
- 135 名前:とみこ 投稿日:2001年11月27日(火)17時41分36秒
- 「あのー、バレー部入りたいんですけど・・・・」
次の日、入部届を持ってバレー部の部室に行くと、ひとりの女の子が出てきた。
「・・・・・・よ、吉澤ひとみ?」
「え?」
「バ、バレー部入るの?」
「うん。ダメかな?」
「い、いえ!!喜んで!」
「これ、入部届けね。」
そのコは入部届けを受け取ると、じっとあたしの顔を見ていた。
「・・・・どうしたの?」
「あ、いえ!なんでもないでっす・・・あ、あたしはマネージャーの柴田あゆみ。」
「柴田さん・・・・ね。よろしく〜。」
- 136 名前:とみこ 投稿日:2001年11月28日(水)13時54分06秒
バレー部が終わってからテニス部の部室に行った。
「終わった?」
「うん。ひとみちゃんも?」
「さっきね。じゃ、帰ろっか。」
「うん♪」
- 137 名前:とみこ 投稿日:2001年11月28日(水)14時15分59秒
- 「あ、ちょっとあのお店寄っていい?」
梨華ちゃんが指差したのは、綺麗な花々が飾ってあるお店だった。
「ここ・・・何屋さん?」
「喫茶店だよ!色んな花が飾ってあって綺麗でしょ?」
梨華ちゃんが花を見ていると、中から店員らしき人が出てきた。
「あ、梨華ちゃん。」
少し茶の入ったショートカットで、笑顔がカワイイ人だった。
「あ、安部さん!この前借りた本返しに着たんですけど・・・」
「そっかそっか。あ、そうだ!この花。綺麗でしょ?」
そういって「安部さん」という人は、飾ってあった花を1本取った。
「わぁ〜!!スイセンですよね?これ。」
「うん。花言葉は「純粋」だよ。梨華ちゃんにピッタリ!」
う〜ん、確かに。
- 138 名前:とみこ 投稿日:2001年11月28日(水)15時15分47秒
- 「梨華ちゃん、そのコは?」
「あ、初めまして。吉澤ひとみです。」
「やだぁ〜っ。梨華ちゃん、こんなカッコイイ恋人いるなんて〜!!!」
「安部さ〜ん、そんな大きい声で言わないで下さいよぉ〜っっ」
「じゃぁ梨華ちゃんからひとみちゃんへの花はモクレンがいいかなぁ・・・」
「モクレンって?」
梨華ちゃんに尋ねた。
「花言葉は「自然の愛」だよ。でもひとみちゃんには・・・・・これかな。」
梨華ちゃんに紫の花を手渡された。
「・・・これは?」
「なるほど!梨華ちゃんいいとこついたね!」
あたしには何がなんだかわからない・・・・・・
梨華ちゃん・・・・・・・・花好きなんだ。まぁ似合ってるけどね。
「ひとみちゃん、これはツユクサ。花言葉は「尊敬」だよ。」
「尊敬?あたしに?」
「そう」
- 139 名前:とみこ 投稿日:2001年11月28日(水)15時19分48秒
- 家に帰ってから、弟の部屋から【植物図鑑(花)】のを借りてきた。
「・・・花言葉・・・・・・・か。」
梨華ちゃんや安部さんの話に付いていけるといいんだけど・・・・・・・・・
あたしには似合わないね・・・・花なんて。
自分で苦笑してしまった。
- 140 名前:とみこ 投稿日:2001年11月28日(水)15時45分46秒
- 日曜日―――――――
梨華ちゃんの家(というか城?)に遊びに行った。
部屋も超広くて、もう豪邸としか言いようがなかった。
「へぇ〜、ひとみちゃんも花言葉に興味持った?」
「うん。だいぶ覚えたよ。」
「じゃぁアキノキリンソウは?」
知らん・・・・・・。
所詮あたしはまだまだ浅知恵です・・・・。
「えっと・・・・幸福?」
「ブッブー、【幸せな人生】だよ。今のあたしの事だね。」
梨華ちゃんがちょっと照れくさそうに言った。
「じゃぁあたしはインドゴムノキ。【永久の幸せ】です・・・。」
「じゃぁエーデルワイス。」
「初恋の感動?」
「そうだよ。あたしの初恋はひとみちゃんだから・・・・」
梨華ちゃんはそのまま真剣な顔つきになった。
・・・・そっか。
床に手を着いてそっと口付けした。
「好きだよ。」
- 141 名前:とみこ 投稿日:2001年11月29日(木)12時38分16秒
- なんでかな・・・・・梨華ちゃんといると、まるで温かいお湯の中にいるみたい。
どうして今・・・あたしは梨華ちゃんを抱いている。
体中にキスをして、感じてる。
でも忘れられない――――――――
あの事故の事・・・・・・・
そして矢口先輩の事・・・・・・・――――――――
- 142 名前:とみこ 投稿日:2001年11月30日(金)17時34分34秒
- 熱い吐息が梨華ちゃんの肌に触れる。
しめきったカーテン・・・・まるで夜みたいで、モヤモヤする。
「梨華・・・・・」
「ひとみちゃん・・・・」
「痛い?」
「大丈夫・・・・。はぁっ――――――――――」
- 143 名前:とみこ 投稿日:2001年11月30日(金)17時46分39秒
- 息が落ち着いた頃、梨華ちゃんをバスタオルごとそっと抱きしめた。
「ごめんね・・・・・」
「どうしてあやまるの?」
「・・・・・・・・ホントの愛してるってこういうんじゃないよね?」
「そんな事ないよ!あたし・・・ひとみちゃんに愛されてるって思ったもん。」
「・・・・・・ごめん。」
- 144 名前:とみこ 投稿日:2001年11月30日(金)21時24分48秒
- あたし、何やってんだろ・・・・・・
こんな事して何になるの?
あたしは梨華ちゃんを愛してる。
けど・・・・・だけど・・・・・
本当にこれでいいの?
好きだから伝わらない。
あたしは「愛してる」という言葉を言葉にできない。
だからこうして梨華ちゃんを抱いた。
梨華ちゃんは愛されてると言ってくれた。
けどあたしは・・・・・
これで梨華ちゃんを愛したつもりはない―――――――
- 145 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月01日(土)04時21分32秒
- なんか複雑でいいですね〜
ごっちんの登場が待ち遠しいです。
- 146 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)15時46分30秒
- エロシーンは書けないです・・・・
とゆーか純情感動派で行きたいと思います・・・(いいわけ?
- 147 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)15時50分21秒
- 「じゃぁ・・・また明日ね。」
「うん、バイ・・・バイ。」
あたしが去っても、門の前で梨華ちゃんがいつまでも手を振ってる気がして・・・
そんなはず・・・・・ないのに。
そっと振りかえった先には黄色い光が溢れ、逆光で前が見えない・・・・
シルバーの車が梨華ちゃんの身体に触れそう―――――――
わかんない・・・・・知らないけど・・・・・あたしは走った。
そして梨華ちゃんを抱いて車と壁のギリギリによけた。
- 148 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)15時54分52秒
- ビュンッ―――――――――
パーカーのフードが風で舞い上がる。
腕の中で震える梨華ちゃんをギュっと抱きしめる。
「梨華・・・ちゃん、大丈夫?」
「痛っ!」
「梨華ちゃん?」
突然頭に手を置いて座り込んだ。
「・・・・頭・・・・痛い・・・・」
「え!?どうして?ちょっ・・・」
「わかんない・・・車が通り過ぎた途端に急に・・・・」
「と、とりあえず家戻ろうよ。」
「・・・・車・・・・・・あたし・・・・・車にはねられた・・・・」
「え・・・・・?」
彼女は確実に何かを思い出してきている――――――――――
- 149 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)16時07分30秒
- 次の日――――――――
「ひとみちゃん!」
放課後バレー部に行く途中で、梨華ちゃんがテニス部から抜けて来た。
「梨華ちゃん、大丈夫なの?」
「うんっ、全然ヘーキだよ!」
「あの・・・梨華ちゃん・・・・」
「なに?」
「小学校の時・・・―――――」
「よっすぃ〜!!」
突然名前を呼ばれて、梨華ちゃんもあたしも振り向いた。
「柴田さん、どうしたの?」
「体育館に・・・なんか他校のバレー部の人が・・・・・」
「なんで?」
「なんかわかんないけど試合する事になっちゃって・・・・」
「はぁ!?マジっすか?」
「早く!」
「う、うん。梨華ちゃんゴメン、あとで行く!」
- 150 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)16時26分11秒
- 体育館には他校のバレー部と、観客(?)がたくさん居た。
「よっすぃ〜遅いよぉ!!」
「ごめん!っていうかどういう事なの?」
「今度の大会、あの学校と当たるらしいんだけど、その練習試合とか・・・。」
「・・・・よくわかんないけど、売られた喧嘩は買うしかねぇ!!」
結局試合する事になった。
- 151 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)16時32分56秒
- 「え!?部長休み!?」
「だからヨッスィ〜が部長って事でよろしく!ね?」
「マジで・・・・?」
「あ、あの・・・えっと部長の吉澤です。」
「市井です。よろしく。」
ウッ・・・・相手の部長さん強そう・・・・
- 152 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)16時37分32秒
- 試合終了・・・・・・・勝っちゃった。
ついでに得点王・・・・
「吉澤。」
「はいっ?」
さっきの市井さんとかゆー人が手を差し出してきた。
「予選では負けないから。それまでにケガでもすんじゃねぇぞ。」
「あ、ハイ。ありがとうございました。」
市井さんは、あたしから見てもカッコイイって思えるくらいクールだった。
- 153 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)16時44分57秒
「よっすぃ〜、足ケガしてるよ?」
右ひざが少しすりむいていた。
「え?あ、ホントだ。ちょっと保健室行ってくるよ。」
体育館を出ると、梨華ちゃんが心配そうに待っていてくれた。
「ど、どうだった?」
「勝ったよ。でもケガしちゃった・・・へへ。」
「大丈夫?保健室連れてくよっ。」
「ありがと〜。」
- 154 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)16時51分31秒
- 「ねんざ!?」
「しばらくバレーはできへんで。」
中澤先生がタバコに火をつけながら言った。
「じゃぁ今度の予選大会は・・・?」
「無理やろな。しゃーないやろ。がまんせぇ。」
「そんな・・・・」
落ち込んでるあたしを心配そうに見ていた梨華ちゃんが立ち上がった。
「大丈夫!あたしがひとみちゃんの分までテニスで頑張るから!ね?」
「・・・・・梨華ちゃん・・・」
「ほら、愛しの梨華ちゃんがそう言ってんやからええやろ?」
「そうっすね・・・。」
あたしは梨華ちゃんに弱い。
- 155 名前:とみこ 投稿日:2001年12月01日(土)16時54分34秒
- 一気に更新しました。
梨華ちゃんが事故の記憶を思い出していくにつれて、ヨッスィも辛くなって
最後には・・・
って感じですすめていきたいと思います。
応援おねがいします。
- 156 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)14時40分33秒
- 「ひとみちゃん、ひとみちゃん。」
体育館に戻ろうとした時、梨華ちゃんに呼び止められた。
「今度の日曜・・・・空いてる?」
「うん、空いてるけど・・・」
「・・・・・・・・会える?」
「うん、いいよ。どっか行く?あ、うちくる?」
「う、うん!行く行く!!」
「あ・・・こないだはゴメン・・・・もうあんな事しないから。」
「ひとみちゃん・・・・」
「じゃ、またね。」
- 157 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)14時48分41秒
- 「よっすぃ〜・・・いる?」
体育館でひとりでボール磨きをしてると、ドアがそっと開いた。
「あ、マネージャー。どうしたの?」
「今はマネージャーって呼ぶのやめようよぉ。」
そういってボール磨きを手伝い始めた。
「じゃぁ・・・なんて呼べばいいの?」
「あゆみでいいよ。」
「うん・・・わかった。」
そのまま沈黙が続いた。
「よっすぃ〜さ・・・大会出れないんだって?中澤先生から聞いた・・・。」
「うん、しょうがないよ。」
「・・・あたしがよっすぃ〜を練習試合に出させちゃったから・・・・・」
「あゆみのせいじゃないって。あたしの不注意っしょ。」
「でも・・・・・・」
- 158 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)14時52分48秒
- 「あたしの心配はしなくていいから・・・他の部員の世話頼むよ。」
「心配しないわけないじゃん・・・。」
「え?」
「あたし・・・よっすぃ〜の事好きだから。」
「・・・・そっか。」
「なにそれ・・・」
「だって告られるのなんていつもの事だし・・・うろたえる必要ない。」
「あたしは人気者のよっすぃ〜が好きなんじゃない。」
「あたしは人気者以外の何者でないよ。」
「バカ・・・・」
「・・・・・・・。」
スッとあゆみの腕が宙に伸びた。
- 159 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)14時56分46秒
- あたしはギュッと目を閉じた。
あゆみの平手が飛んでくると思ったから。
「・・・・・・?」
なかなか飛んでこない平手に警戒しながら目を開けた・・・・その時だった。
「うりゃ〜!」
ボコッッッ!!
鈍い音が頬に響いた。
- 160 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)15時01分05秒
「・・・・いってぇ!!!何すんだよコノヤロー!!!」
あたしはグーで殴られた頬を抑えて必死に怒った。
「アハハハハハ!!」
あゆみはただそんなあたしを見て笑っていた。
「何がおかしいんだよ!いってぇなぁ・・・も〜・・・・」
「それがホントのよっすぃ〜じゃん?」
「・・・・・・え?」
「普段の生活の中でそんな大声で怒った事ある?」
「そ・・・それは・・・」
「よっすぃ〜はクールにキメすぎなんだよ。あたしは今のよっすぃ〜が好きだよ。」
「あゆみ・・・・・」
- 161 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)15時04分11秒
- 「あ〜あ、王子を殴っちゃったよ。」
「王子??」
「知らないの?みんなよっすぃ〜の事「王子」って呼んでるよ。」
「なにそれ・・・・・わけわかんねぇ・・・」
「じゃぁ・・・・」
「何?」
「改めて、吉澤ひとみさん。あたしと付き合って下さい!」
- 162 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)15時05分39秒
- 【よっすぃ〜はクールにキメすぎなんだよ。あたしは今のよっすぃ〜が好きだよ。】
確かに、あたしカッコつけてたかも。
特に梨華ちゃんの前なんか・・・・超キザってるかも。
だってほら、今ホントの自分じゃん。
あゆみに告られて・・・うろたえてんじゃん。迷ってんじゃん。
それが「普通」じゃん?
- 163 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)15時07分59秒
- 「・・・・・・あたしも・・・あゆみが好きだよ。けど・・・・」
「・・・・・けど?」
「今は梨華ちゃんと付き合ってるから。」
「よっすぃ〜は・・・・梨華ちゃんのどこが好きなの?」
【純粋で、心が綺麗なところかな・・・・・】
なーんて・・・・カッコつけんな、吉澤ひとみ。
「・・・・・カワイイとこだよ。」
- 164 名前:とみこ 投稿日:2001年12月02日(日)15時10分43秒
- 「そっか・・・・うん、わかった。」
「ごめんね。」
「あやまんな!あたしはまだ諦めてないんだからね!」
「アハハハ!マジっすかぁ?じゃぁ・・・サービスすっかな。」
そっと口付けした。
「・・・・浮気だね。」
「今だけ。」
「よっすぃ〜の「素」を知ってるの、あたしだけだね♪」
「まーね。」
初めて・・・心から笑った。
- 165 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)16時44分28秒
- 日曜日、今日は梨華ちゃんが家に来る日だ。
ピンポーン・・・・
来た!
「はーい。」
「あ、あたし・・・梨華っ。」
「おぅ、あがって。」
ガチャッ
「梨華ちゃん・・・・・?」
「え・・・あ、変かな?」
「う・・・ううん、全然。すっごいカワイイよ・・・・すごい・・・・惚れる・・・・」
「ちょっ・・・ひとみちゃんってば〜!!そんなジロジロ見ないでよぉっっ」
梨華ちゃんは白いセーターにロングスカートを着ていた。
なんか・・・着こなしてるっつーか・・・・大人っぽいのかなぁ・・・
よくわかんないけど顔が火照っちゃうよっ!
はぁ・・・梨華ちゃんカワイイ
- 166 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)16時47分47秒
- 「あ、座って。今紅茶入れるから。」
「あ、ありがとう!・・・・ひとみちゃん、ひとり暮らしだよね?」
「うん、そだよ。結構いい所でしょ?」
「うん、なんかひとみちゃんのイメージをぴったり!」
「そう?ありがと〜。」
あたしの部屋はシルバーやガラスの家具ばっかりで、かなりシンプル。
ちょっと梨華ちゃんみたいな部屋が羨ましかったりする・・・
- 167 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)16時53分08秒
- 「あ・・・・・。」
梨華ちゃんの声に振り向くと、視線の先は壁に飾られた写真だった。
「・・・・矢口先輩だよね?この人。」
その写真はあたしと矢口先輩の初デートの写真だった。
「うん。」
「やっぱカワイイよね・・・矢口先輩。」
「うん・・・カワイイよ・・・矢口先輩は・・・すごい・・・カワイイ・・・」
「よっすぃ〜と並ぶと絵になるね・・・」
「そう?」
なんだか沈黙してしまった。
- 168 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)16時56分12秒
- 「よっすぃ〜・・・・か。」
「え?」
「よっすぃ〜・・・」
「なに?」
「やっぱあたしは「ひとみちゃん」って呼んだほうがいいね。」
「・・・好きに呼んでいいよ。」
「矢口先輩の事・・・・まだ好き?」
そんな質問・・・・・・・答えがわかんないよ。
「・・・別に・・・・もう好きじゃない。あたしは梨華ちゃんが好き。」
「うそでしょ・・・」
「え?」
「じゃぁどうして写真飾ってるの?どうしてまだ・・・大切に思ってるの?」
そんなの・・・・・・答えがないよ。
- 169 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)17時01分17秒
- 「ホントは「よっすぃ〜」って呼んでいいのは矢口先輩だけなんでしょ?」
「そんな事ないよ・・・あゆみだって呼んでるし・・・」
「あたし・・・・・ずっとひとみちゃんが好きで、好きで・・・・しょうがなかった。」
・・・・・矢口・・・先輩・・・・・・・
「やっと思いが伝わったと思ったら、あたしずっと不安と戦ってた。」
「不安・・・?」
「他の人を好きになるんじゃないかって・・・あたし、いつか捨てられるんじゃないかって。」
「そんなわけ・・・ないじゃん。あたしはずっと梨華ちゃんの事・・・」
「だからあたし、ひとみちゃんに抱かれた。」
「・・・・え?」
「ひと時だけでも、ひとみちゃんに愛されてるって思えたから!」
「そんな・・・・」
セックスはそのためにあるんじゃない・・・・・・
「言葉やキスだけじゃ足りないの・・・あたしひとりだけを愛して欲しいの・・・」
- 170 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)17時07分00秒
- 「・・・・っ!」
急に梨華ちゃんが頭を抱えて倒れた。
「梨華ちゃん!?どうしたの!?」
「頭・・・イタ・・・・・い・・・・・」
「・・・と、とにかく病院に・・・」
「大丈夫だから・・・」
「でも・・・!!」
「いつもの事だから・・・・」
「・・・・・え?」
梨華ちゃんの頭痛の原因はあたしかもしれないのに・・・・・
「あたし・・・ひとみちゃんに愛されたい・・・もっともっと愛されたいって思うと・・・自分が言う事聞かなくなる・・・・・それで頭が痛くなるの・・・」
あたしに愛して欲しい・・・・・?
あたしに愛されればその苦しみから開放されるの?
ちがう・・・あなたのその苦しみは・・・・
あたしがあなたを愛するから・・・・・
もう・・・本当の事話しても・・・・・いいよね?
- 171 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)17時15分44秒
- 「もういいんだ!!!梨華が苦しむのは、あたしに愛されないからじゃないよ!!!」
――開放されたかった――
「・・・・・ひとみ・・・・ちゃん?」
「梨華は・・・事故に遭ったんだよ・・・」
――胸のどこかで叫びたかった――
「あたしをかばって梨華は重傷を負ったんだ!!覚えてないの?その衝撃で・・・梨華の頭の中から事故の記憶は消えてるんだ!あたしのせいで・・・あたしせいで梨華は・・・!!」
「・・・・・・わ・・わかんないよ・・・・どういう事?」
「あたしはずっと梨華への罪悪感を持って生きてきたんだ!!いつか梨華が事故の事を思い出してしまうんじゃないかって、ビクビクビクビクしながら毎日を過さなければならなかった!!あたしは何もしてない!!何も悪くないのに・・・・どうして・・・・・」
――もう・・・・どうにもならない・・・・・あたし・・・・どうすればいいの・・・・――
「いっそあたしが轢かれてしまえばよかったんだ!そしたら梨華とも出会わなかったんだ!!!もう嫌だ!梨華と一緒に居たくないんだ!!!!」
- 172 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)17時19分29秒
- このまま涙が枯れるまで泣きたい―――――――
「こんなに重い罪悪感を・・・もう背負いたくない・・・・助けてよ・・・・・・・・」
「ひとみちゃん・・・・・・・・・・・・」
「帰ってくれよ・・・・・・・あたしの前に現れないでよ!!!」
梨華は何も知らないのに・・・・記憶は消えたのに・・・・
そんな梨華を追いつめてもしょうがないのに・・・・・
本当は思ってたこと違うじゃん・・・・
本当は梨華に早く事故の記憶を取り戻して欲しかった。
そうすれば罪悪感なんて消えるはずだったのに・・・・
あたしは何もないフリをして梨華を愛してしまった。
1度愛した人に過去を話すなんて・・・・できない。
もう消えてしまいたい―――――――――
- 173 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)20時36分51秒
- ヨッスィ〜爆発シーンまでいけてよかったです!
レスがないのが寂しいのですが、楽しんでやってるので、
影で応援してくれてる読者さん(いるのか?)、これからも末永く見てやってください。
とみこ
- 174 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月04日(火)20時45分45秒
- 影から応援してました(w
いつも楽しく読ませてもらってます。王子様萌え〜
大変でしょうけど、ガンガッテ下さいね〜
ありきたりな事しか書けないんだけど(鬱
ホント応援してますんで。
- 175 名前:とみこ 投稿日:2001年12月04日(火)20時54分06秒
- ありがとうございます〜(泣泣泣泣泣)
かーなーりー嬉しいです!久レスっす!!
お〜!!ヤル気わいてきましたよvvvvvvv
- 176 名前:夜叉 投稿日:2001年12月04日(火)21時18分30秒
- 白状します、ROMってました。
毎日更新したいただけるんで、読むの楽しみにしてます。
自分はいしよし派なんで、続きがかなり気になるぅ。
どうなるのかな…。
- 177 名前:夜叉 投稿日:2001年12月04日(火)21時22分34秒
- ×→「更新した」
◯→「更新して」
のーん、間違えました…(鬱
- 178 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月05日(水)00時37分31秒
- よっすぃー編がごっちん編とどう絡むのか楽しみです。
- 179 名前:ポン太 投稿日:2001年12月05日(水)01時10分15秒
- いやぁ〜読みましたよ!
よくこれだけのものを毎日のように更新できますねぇ〜スゴイです
これからも頑張って下さいね
- 180 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月05日(水)05時33分46秒
- 連載当初から読んでますよ〜。
レス付けるのが勿体無い気がしたものですから…
続き楽しみにしています。
また、潜るとします…(w
- 181 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時05分59秒
- こんなにたくさんのレスが〜(泣泣泣泣)感動です!!!
更にヤル気がわいてきましたよ〜。
更新はほぼ毎日です。なにしろ学生なもんで・・・(ちなみに中1です)
これからもがんばります!p(^^)q
- 182 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時25分10秒
- それからもあたしは普通に学校へ行った。
梨華ちゃんは・・・来てない。
そりゃ、あんな事があったら・・・あたしと会わす顔もないよね。
毎日学校へ行って、普通に勉強して、普通に遊んで、普通に・・・・・
何が人気者だよ・・・・・あたしって、ただの「普通の人間」じゃん。
あたしの代わりなんて誰でもいるんだよ。
あたしがいる必要なんてない・・・・
- 183 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時27分21秒
- そんな弱音を持っているときに、自分を必要としてくれる人が現れたらどうしますか?
そう・・・・忘れてたよ。あたし、普通でも「人気者」なんじゃん・・・・・
「人気者」を苦と思ってなかった今までとは裏腹に、
女の子に告白されて、断るのが面倒になった。
ある日、ひとりの女の子があたしに告白してきたんだ。
- 184 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時34分45秒
- あれは確か、中2の時かな。
「吉澤先輩ですよね?」
「あぁ・・・うん。」
最近「王子」と呼ばれる事が多くて、久しぶりにそう呼ばれて少し嬉しかった。
「私、1年の松浦亜弥と言いますっ。先輩が好きなんです。付き合って下さい!」
「・・・・・あたしと付き合うと・・・・傷つくから。やめた方がいいと思う。」
「・・・え?どうしてですか?」
「今までそうだったから。ごめんね。」
「・・・・で、でも・・・っ」
そのコが好きだからじゃない・・・・・・・
もう2人も傷つけたんだ。だからこれ以上人を傷つけたくないんだ。
わかってくれよ・・・・
その気持ちが行動になった。
あたしはそのコの襟元を掴んで荒くキスをした。
「・・・・・え?」
そのコは目を丸くしてキョトンとしていた。
「これで諦めて。」
- 185 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時37分28秒
- そのコに罪はない。
けどそれで諦めてくれるなら――――――
松浦・・・・亜弥。そのコとのその行動が、これからの日常を変えていくことになる。
- 186 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時42分28秒
- 「王子!」
あたしはそのあだ名が嫌いだ。
聞こえないフリをして歩いていると、ガッと腕を掴まれた。
「・・・・何?」
「あの、あたし王子の事ずっと前から・・・・」
「ごめん、諦めて。」
即答。誰でも断るつもりだったが、このコには少し腹が立った。
「じゃぁキスしてください!」
「はぁ?」
「キスしてくれたら諦めますから!ね?」
「嫌だよ・・・めんどい。」
「松浦さんにはしたくせにー!!絶対諦めないんだから〜!!王子〜!!」
「うっるさいな!」
結局そのコともキスをしてしまった。
- 187 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時46分42秒
- それからというもの、3日に1回は告白される上、その人達全員から、
「キスしてくれたら諦める!」と言われた。で・・・ほとんどキスで済ませた。
まぁ、正直ホントにキスしたくないってゆーヤツはしてないけど。
そのウワサは学校中に伝わって、告白されまくるようになった。
だから・・・あたしを本気で愛してくれる人がいなくなった。
だからあたしも本気になる事ないじゃん。
バカだね、あたし。キスするのが楽しくなってやんの。
キス以上を求める人もいた。そういう人には身体も許した。
もうどーにでもなれば?
- 188 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)16時59分13秒
- 1年の月日が流れて、あたしももう中3になっていた。
中高一貫の女子校だから、受験もないし、さほど猛勉強する必要はなかった。
その日は、放課後教室で数人の女の子と雑談をしていた。
「オッケー、じゃぁ日曜に・・・」
ガラッ
突然教室のドアが開いて、ひとりの女の子が入ってきた。
- 189 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時00分34秒
- 「あのコ、登校拒否のコじゃないの?」
「あー、ずっと学校来てないんでしょ?」
思わず目を疑った。
「梨華・・・・・・?」
- 190 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時02分18秒
- 「ひとみちゃん・・・・・・ひとみちゃんだよね?」
「・・・・梨華・・・どうして・・・」
「王子、知り合いなの?」
「ごめん、すぐ戻るから。」
そういって梨華ちゃんと廊下に出た。
- 191 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時19分21秒
- 梨華ちゃんは高等部の制服を着ていた。
そうか・・・もう梨華ちゃんは高校生か。
「なんで・・・・・」
あたしはそれしか聞けなかった。まともに梨華の顔すら見れないのに。
「あたし・・・決めたの。」
明らかに、2年前の梨華とは違う。あたしの知ってる梨華じゃない・・・・
「事故の事は忘れて、普通の女の子として、ひとみちゃんの事が好きなの。」
「・・・・・・・え?」
「返事は・・・ひとみちゃんが高等部に上がってきてからでいいよ。」
その笑顔はどこから来るの?
「・・・・わかった。」
梨華は・・・・事故の事は忘れてと言った。
普通の女の子として、あたしを好きになってくれた。
じゃぁ・・・あたしは梨華と付き合う気はない。
もしかして・・・それを知っていた?
だから高等部にあがってからって・・・・・・・・
突然の事で頭の中が真っ白になってしまった。
今は・・・
あなたの気持ちには答えられません。
- 192 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時21分19秒
- そして、晴れてあたしも高校生になった。
真新しい制服、綺麗な校舎。
卒業式には数十人のコに告白されたけど、もちろんみんな断って、
キスもしなかった。
もうあんな軽いキスはしない事にした。
高校で、新しい恋を探したかった。
入学式――――その日はコンビニに寄ってから学校へ行くことにした。
- 193 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時24分56秒
- 会計を済ませて店を出ると、同じ制服の女の子がコンビニの前で自転車から降りた。
チャリ通禁止!!って言おうかと思ったけど、きっかけもないのでそのまま去ろうとした。
しかし・・・・
「よ、吉澤ひとみ!?」
「え・・・?」
思わず振り返った。
「あ!ごめんなさい、えっと・・・あの・・・!!」
茶髪のロングヘアーで、みつあみをした女の子は真っ赤になってうろたえた。
ふ・・・カワイイ
- 194 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時28分37秒
- 中学じゃ見かけなかったな・・・・
高校からこの学校に来たって事かな?
話したついでにチャリ通の事を注意することにした。
「・・・・同じガッコだよね?」
「え!?は、ハイ!!そうですっ!」
そんな大声じゃなくても聞こえますよ・・・
「ふ〜ん。名前は?」
「え、あたしですか!?」
「君の他に誰もいないだろ。」
「え・・・あ、ホントだ!えっと・・・ご、ごと・・・ごとう・・・ま・・・き・・・」
「後藤真希ちゃんね。」
「え・・・あ、ハイ!!」
「チャリ通しちゃダメだよ〜。マ・キ・ちゃん」
「へ・・・・・」
1日1善♪
- 195 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時33分36秒
- クラス表を見て、教室に行くと、たくさんの女の子に囲まれた。
でもちょうどチャイムがなったのでみんな席についた。
えっと座席順はココだから・・・・・・・・・あれ?
隣の席は、さっきコンビニの前であった女の子だった。
「真希ちゃん。」
「へ?」
真希ちゃんは驚いてこっちを向いた。
「よろしくね。あたしは吉澤ひとみ。」
「知ってますとも!!」
あ、知ってるんだ?
「なんて呼べばいい?」
「な、なんでも・・・いいです。」
「じゃぁ後藤だから・・・・ごっちんね。」
「ご、ごっちん!?」
「あと、あたしの事王子って呼ばないでね。あんまり好きじゃないの。そのあだ名。」
「え・・・じゃぁ何て呼べば・・・?」
「好きなように呼んでよ。一部にはヨッスィ〜とか呼ばれてるけど?」
矢口先輩とかあゆみとかね・・・。
「・・・・・・・じゃぁ・・・・・・う〜ん・・・え〜と・・・・よしこ様?」
「・・・・プッ・・・あははは。おもしろいね。それでいいよ。「様」はいらないけどね。」
「じゃぁよしこでいいんですか!?」
「うん。いいよ。」
嬉しそうにニコっと笑った真希ちゃんに、思わずあたしも笑ってしまった。
こんなに新鮮な反応...久しぶりだなぁ。
- 196 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時35分56秒
- ん・・・?2番わかんないし・・・・・・ごっちんに聞くか。
「2番の問題できた?わかんないんだけど。」
「うん。」
ごっちんのノートを覗き込むと、顔を真っ赤にしてうろたえていた。
はぁ・・・カワイイ
ちょっとからかってみようかな〜・・・
「・・・・ごっちんってさぁ・・・彼氏いるの?」
「へ?い、いない・・・・です。」
「女の子同士の恋愛って興味ある?」
なんちゃってっ。
「え・・・まぁ女子校だし。そこそこ。」
「ふ〜ん。好きな人いるの?」
「う、うん。」
なーんだ・・・・・カワイイなって思ってたのに・・・。
- 197 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時37分23秒
- へ〜、今年の生徒会副会長って梨華なんだ・・・・・
プリントを見ながらふと思った。
梨華・・・・会いに行こうかな。
そのまま生徒会室に向かった。
- 198 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時40分24秒
- 「失礼しま〜す。」
生徒会室には、梨華ひとりだけしかいなかった。
「ひとみちゃん!どうしたの?」
「いや、なんとなく会いに来たんだ。」
「そ、そうなんだ・・・・・・・で・・・・返事・・・・覚えてる?」
・・・・・ん?
あ!!!!忘れてた!!!!
高校生になる=梨華と同じ校舎=梨華に会う=返事言う!?
「あ、今日の夜電話するから!これ、携帯番号ね。」
さっと番号を書いて渡した。
やっば、考えてなかった・・・・!!
- 199 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時44分51秒
- 教室に戻る途中、ふと渡り廊下の窓から外を見ていた。
体育館裏に数人の生徒が居て、カツアゲ?っぽかった。
あれ?・・・あれってごっちん??
数人の中に囲まれてるのはごっちんだった。
まさか・・・・・ごっちんがカツアゲされてるの?
すぐに下におりようと思って階段に向かった時、ごっちんの声が聞こえた。
「は?何でアンタたちにボコられなきゃいけないわけ?」
お、ごっちんって意外とそういう系?
ちょっとカッコイイかみてよーっと♪
「あ?」
「っていうか自分がブスだからってひがんでじゃねーよ。ババア。」
お、ごっちんカッコイイー!!
と思った瞬間、囲んでたヤツらの拳が、ごっちんの頬を思いっきり殴った。
うぜぇ・・・・・・・
- 200 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時48分11秒
- ガラッと窓を開けて、大きな声で言った。
「なーにやってんのかなぁ?」
あたしの声に気づいて、ごっちんとその囲んでた人達はこっちを向いた。
「お、王子・・・!?やば、早く逃げよっ。」
そいつらが逃げようとした。
フンっ・・・逃がすかっ!!
地面までの距離を確認して、ヒョイっと飛び降りた。
スタンッ
- 201 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時50分03秒
- 「着地成功〜♪」
「・・・・!!」
・・・ん?こいつら先輩じゃん。
ガキみたいな事しやがって・・・・タダじゃすませねぇぞ・・・
先輩達を壁の方まで追い込んだ。
「弱いものいじめは、ダ〜メ。オッケ〜?」
意外な言葉が返ってきた。
「・・・・・うるさいな。人気だからって調子のんなよ!後輩のクセに!」
プチッ
「あら、先輩。こういう時だけ先輩ヅラするんですか?
あんまり調子に乗ると・・・ただじゃすまねーぞコラァ・・・。」
「・・・・チッ。行こっ。」
そのまま先輩達はノコノコと去っていった。
ちょろいちょろい♪
- 202 名前:とみこ 投稿日:2001年12月05日(水)17時51分15秒
- 「大丈夫?ごっちん。」
「あ、うん。ありがとう・・・。」
「こーゆー事があったらいつでも言って。いつでもごっちんの事、助けるから。」
「・・・・うん。」
「・・・・あたし、ごっちんの事好きかも♪」
これ、ホント正直な気持ち。
なんでそんな事言ったかはわからないけど、
あたしはごっちんの事、好きだな♪
もう絶対後悔しない。
- 203 名前:カム 投稿日:2001年12月05日(水)18時09分58秒
- 今、1から読んでました。スゴイ面白いです〜!ハマりました!!
自分はよしごまが好きで、青板で駄文を書かせてもらってます。
応援してますので、マイペースで頑張ってくださ〜い♪
- 204 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月05日(水)18時46分27秒
- ごっつぁん登場だ〜♪
続き期待してまっす!
- 205 名前:和希 投稿日:2001年12月05日(水)18時55分22秒
- 作者さん…中1なんですか!!!(驚)
凄いっすねぇ…っていうか僕が中学生の時なんざぁ…
こんな、文章かけなかっただろうなぁ…。
えっと…この先は失礼な質問になってしまうかもしれないんですが…
「三角恋愛」ってタイトルの話も…とみこさんが、書いたんですよねぇ…
この話って何処にありますか…?
前見かけたんですが…みうしなっちゃって。
後、他にも、書いた(書いてる)話があれば…
タイトルだけでも教えてくれませんか?後は自力で探しますんで。
…それと…
この話は、完全オリジナルでしょうか…?
なにか、モチーフにした作品とかがあれば…よろしければそれも教えてほしいのですが。
かってな事ばかり書いてすいません…。
話の続き楽しみにしてます。
- 206 名前:Laiz. 投稿日:2001年12月05日(水)19時09分23秒
- すみません、ROMってました:(
前作の三角恋愛にひき続きとても面白いです。
ずっと読み続けていますので、
とみこさんも頑張ってください〜。
- 207 名前:夜叉 投稿日:2001年12月05日(水)21時58分44秒
- 作者様は中1なんですと?自分は、…もう何年前のことか(鬱)。
今の時点はごまよし、と落ち着いたみたいで。
おねーちゃんの梨華ちゃんがどう絡んでくるのか、気になるよぅ。
- 208 名前:SGT. 投稿日:2001年12月06日(木)01時35分37秒
- こんばんは。
とみこさん中1なんですね〜。いやぁ〜驚きました。
でも、そのくらいの年齢の方が感情とか素直に表現できるかもしれませんね。
自分はヒネてます(笑)
今後どうなるのかかなり楽しみです。
- 209 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時05分04秒
- >>カムさん
応援ありがとうございます。
青板の何という小説ですか?今度読ませていただきたいので。(^^)
>>和希さん
三角恋愛は赤板の下の方に眠ってますよ(w
「まる三角しかく」というマンガを元にした小説です。
他に書いたのもあるんですが、まだ初めたばかりのヘボ作品なので・・・
読まないほうがいいと思いますよ。(^^;)
この作品は完全オリジナルです。
何か似てる話とかあるんですか?
>>Laiz. さん
三角恋愛の時もレスしてくださった方ですよね?
ありがとうございます(^^)
何作か書いてるうちにだんだんコツがつかめてきたというか、小説っぽくなったと思います!
>>夜叉さん、SGT. さん
はい、中1なんです(w
でも他の人と同じように、普通の作者としてみて欲しいです。
これからも応援よろしくお願いします。
たくさんの方々の応援があって毎日嬉しいです。
ありがとうございます!!
とみこ
- 210 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時08分43秒
- >>SGT.さん
PS 小説読んでます。(^^)
- 211 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時13分42秒
- 「・・・・・どうしよう。」
携帯を持って、番号を押せない自分がいた。
梨華・・・番号変わってないよね?
・・・・ってそんな事より・・・返事どうしよう・・・・・・・
今はたぶん・・・・あたしはごっちんが好きなんだと思うけど・・・
梨華ちゃんが嫌いなわけじゃない。
でも梨華ちゃんだって普通の女の子じゃん。
・・・・だったらごっちんもか。
でも・・・・ごっちんは違う。
なんか・・・今まで見た事ない女の子で、新鮮で・・・愛しい。
普通の言葉で伝えればいいんだよね。
【あたしはごっちんが好きだから】
・・・・・・って。
- 212 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時20分07秒
- 勇気を出して、携帯を耳にあてた。
プルルルルルル・・・・となり続ける音に、心が高鳴る。
プツッ
『もしもし。』
「あ、よ・・・吉澤ですが。」
『番号・・・覚えててくれたんだ?』
「う、うん。でさ、返事だけど・・・・」
『・・・・うん。』
「梨華を普通の女の子として見て、カワイイと思ってる。性格もいいし、あたしみたいな優柔不断な人には合ってると思う・・・・・。けど、あたしは守ってあげたい人がいるんだ。そのコの事を、マジで好き・・・愛してるんだ。」
『・・・・・・・うん。』
「だから・・・梨華とは付き合えない。ごめん。」
しばらく受話器の向こうの声が止まった。
『後藤・・・さん?』
「え・・・・あ、うん。ごっちん・・・・・そう。ごっちんが好きなの。」
『そう・・・・・。』
「そ、その・・・・事故の事は忘れてって言ってたけど・・・あたしは忘れられないし、梨華も本当は忘れられないんだろ?」
『・・・・・そういうわけじゃ・・・・』
「恋愛感情とか気にしないで、これから仲良くしような。」
『・・・・ありがと。』
言えるじゃん。
- 213 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時25分58秒
- 〜♪〜♪♪〜〜♪
電話を切った途端にメールが届いた。
<<受信メール1件>>
【やっほ〜!真希です☆元気してる?(^ー^)/~~】
お、ごっちんじゃん!!あ、そうだ。メアド教えたんだっけ・・・。
あたしはすぐに返事を打った。
【やっほー!よしこだよ!今から電話してもいい?(^ー^)】
送信っと・・・・・・・・
〜♪〜♪♪〜〜♪
早っ!
【うん!オッケェだよ!家の方に電話してネ。電話番号は、○○○○ダヨ☆】
ガタンッ
急いで家の電話を取りに行った。
- 214 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時29分44秒
- プルルルルル・・・・
『はいもしもし後藤ですけど。』
「あ、吉澤で〜す。今なにしてんの?」
『何って・・・電話でしょ。』
「あ、そっか。あはは〜。」
『も〜、よしこってば〜!』
「・・・なんかさ、ごっちんってみんなと違う。」
『え?』
「ファンとかいるらしーけど、そんな人達よりごっちんの方がいい。」
『な、なにいってんのさ〜っ。』
「ごっちんと話してると落ち着くしさ〜、なんていうか・・・好きかも。」
『へ?』
「ごっちんの事好き。付き合わない?」
『え・・・??ホントに?冗談だったりしない?』
「本気だよ。その事でなんか言われたらあたしが助けるから。ね?」
『う・・・うん。ホントにいいの・・・?』
「うん。マジでごっちん大好き!!じゃ、よろしくおねがいしま〜す!」
ガチャン・・・・
やったー!!!
ごっちんの恋人・・・・
明日こっそりごっちんの家行っちゃおうっと♪
- 215 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時40分28秒
- ごっちんと一緒に登校♪
・・・と、正門に着くと金髪のあのヒトが走って来た。
「よ!ヨッスィ〜。女連れちゃってどうしたの?」
矢口先輩。
そう、あたしのもと恋人。
今まで1番愛したヒトって言っても間違いないカモ。
今はごっちんだけどネ。
「このコ?後藤真希っていうんだ♪新カノです!」
「ふ〜ん。じゃぁゴッツァンね。あたしは矢口真里!よろしくね〜ん!」
「よ、よろしくおねがいしますっ。」
- 216 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時41分00秒
- お昼休み、ごっちんと屋上へ行った。
「ねーねー、さっきの金髪の人だれ?」
「矢口先輩?友達だよ。」
今は・・・ね。
「先輩??何年生なの?」
「3年だよ!年上。まぁ身長がちっちゃいからね。」
「ふ〜ん。なんか・・・・・仲良かったよね。」
「うん。だって前に付き合ってたから。」
「え!?マジ???いつ!?なんで!?」
「中1の春から中2まで付き合ってたよ。告られてOKしたの。」
「よ、よしこは矢口先輩のどこに惹かれたの?」
「う〜ん・・・メリット無しで話してくれるから好きだった。」
「じゃぁどうして別れちゃったの?」
「それは・・・・・・・・・」
梨華が転校してきたから・・・・・
ごっちんの質問に、つい黙りこくってしまった。
- 217 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時41分48秒
- 「よ、よしこにだって言いたくない事あるもんね!うん。わかるわかる。」
「・・・・うん。ありがと。ごっちんのそういうトコ好き。」
「な・・・何言ってんの!恥かしいじゃんか〜っ」
いつか話そう。
ごっちんになら話せるし、ごっちんならわかってくれる。
「ごっちん、先教室戻ってていいよ。ちょっと寄るとこあるから。」
「あ、うん。わかった。」
- 218 名前:とみこ 投稿日:2001年12月06日(木)18時42分37秒
- 後藤編のヨッスィ〜視点バージョンで書いてます。
それが終わったら後藤編に戻ります。
- 219 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月06日(木)22時24分29秒
- お〜後藤編楽しみです!期待します♪
- 220 名前:和希 投稿日:2001年12月07日(金)17時15分58秒
- 三角恋愛発見できました!
赤板だったんですねぇ…てっきり黄色だと思ってたんで…(汗)
今から読みに行きます。
>何か似てる話とかあるんですか?
えっと…三角恋愛の時に、漫画を元に書いたみたいな事が
書いてあった気がしたんで…
今回は、そういう事がかいてなかったんで…オリジナルかなぁ?
と思って聞いただけです。…なんか誤解を招く様な感じですいませんでした…。
あんまり、こまめにチェックできないんですが…。
期待してますんで…これからも、無理せず頑張ってください。
- 221 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)10時35分27秒
- >>和希さん
そうですか。今回はオリジナルですよ。
三角恋愛の方の感想を聞かせていただけたら嬉しいです。(^^)
- 222 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)10時57分46秒
- 生徒会室.....たしか副会長だったよね・・・・・梨華。
トントン
ノックをした右手をそっと降ろす。
「どうぞ。」
梨華ではない、違う人の声が返事をした。
中へ入ると、その声の主と思われる女の人が居た。
少し茶の入ったストレートな長い髪。
何もかも見透かされてるような大きな瞳。
少し、寒気がした。
- 223 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)11時06分58秒
- 「何?」
「あ・・・・石川さんはいますか?」
「石川は隣の部屋にいるけど、何か用?」
「いや、たいした事じゃないんで・・・。」
「じゃぁ帰ってくれるかな。石川忙しいし。」
この人には・・・・・・・・絶対勝てない。なぜかそう思った。
何に勝てないのかもわからないけど
いずれこの人には何かを取られてしまうような気がして、怖かった。
- 224 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)11時10分34秒
- ガチャ
その時、隣の部屋のドアが開いた。
「ひとみちゃん?」
「梨華・・・」
「今、平気だから。こっちの部屋来てくれる?」
「でも・・・・・」
恐る恐るさっきの女の人の顔を見ると、さっと部屋を出て行ってしまった。
・・・・不思議な人だなぁ・・・・
- 225 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)11時14分36秒
- 「さっきの人、誰?」
梨華に尋ねた。
「生徒会長の飯田先輩。」
「あぁ、あの人が生徒会長の・・・」
「うん・・・・・で、話って?」
「あ、いや・・・元気かなぁって・・・」
そういえば、なんでココに来たんだろ・・・・
「変なの・・・ひとみちゃん。あたしは元気だよ。」
「そっか・・・・。」
久しぶりに沈黙した。
「あ、忙しいんだっけ?ごめんね、いきなり来ちゃって。」
「ううん、大丈夫。ひとみちゃんが来てくれたからビックリしたけど、嬉しいよ。」
「そっか・・・じゃぁ、明日も来るね。」
「ありがとう。」
- 226 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)11時32分01秒
- 時々夢を見るんだ。
もうひとりの自分が歩み寄ってきて、こう呟くんだ。
『忘れようとしたって無駄だよ。あんたは一生事故の罪悪感を背負って行かなきゃいけないんだ。』
そしたらそのあと、8年前のあの事故の光景が広がるんだ。
朝起きたら、しばらく何も考えられなくなる。
けど・・・・・ごっちんの事考えたら、今日も頑張ろうって思える。
あたしにとってごっちんは、運命の人なんだって思ってる。
だから神様、もう許してください。
あの重い、重い、罪悪感を背負って生きるのは嫌です。
でも・・・・・事故の記憶は、一生消えることはない。
- 227 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)15時33分42秒
- トントン
「どうぞ。」
飯田さんの声だ。
「あ、あの・・・石川さ・・」
「隣の部屋だから。」
・・・今日は普通に通してくれた。梨華が言っといてくれたのかな。
- 228 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)15時38分07秒
- 「大変だね、生徒会。」
「うん、人手が足りなくて。」
「そうなの?じゃぁあたし手伝うよ。」
「ホント?じゃぁこの資料を・・・・」
ガチャッ
その時、ドアが開いて飯田先輩が入ってきた。
「石川、ちょっといいかな?」
「あ、はい。ひとみちゃん、少し待ってて。」
そのまま2人は部屋を出て行ってしまった。
- 229 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)15時44分27秒
- 隣の部屋で、飯田先輩と梨華の話し声が聞こえる。
・・・・ちょっとぐらいならいいよね。
ドアの近くに行って会話を聞くことにした。
「石川、昨日の話だけどさ・・・・」
「はい・・・・」
昨日の話??
「あたしは石川の事本気で好きだよ。だからこれからも一緒に居たいんだ。」
え!?飯田先輩が梨華の事を・・・・・・?
「石川は・・・吉澤の事が好きなの?」
「え・・・・、そういうわけじゃ・・・」
「でもやけに仲良さげじゃん?」
それは・・・・・
「それは、前に付き合ってたからです。」
「どうして別れたのに会う必要があるんだ?吉澤の事、まだ好きなの?」
・・・・梨華が困ってんじゃん・・・
「飯田先輩はカッコイイし、憧れだけど、あたしはまだひとみちゃんが好きなんです。」
・・・・・え?
そんな・・・梨華はまだ・・・あたしの事を・・・・・?
- 230 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)15時48分15秒
- 「ごめんなさい。」
梨華の足音がこっちに近づいてきた。
すぐにドアから離れた。
ガチャ
「ご、ごめんね。飯田先輩と話してて。」
「何の話?」
「ううん、たいした事じゃないの。仕事続けよう!」
たいした事・・・・でしょ?飯田先輩は本気なんだから・・・。
あ、そっか。だから梨華に会おうとするあたしを拒んでたのか。
もしかして・・・あたしが飯田先輩に取られそうなのは、梨華なのかもしれない。
- 231 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時00分43秒
- 「吉澤。」
帰り道で飯田先輩に呼び止められた。
「なんですか?」
「あのさ、あんた・・・後藤真希と付き合ってるよね?」
「そうですけど。」
「石川の事、どう思ってんの?」
「え?どうって・・・友達ですよ。」
「じゃぁどうして会うんだよ。もし石川がまだあんたの事好きだったらどうするんだよ。」
「どういう事ですか?」
「あたしは石川が好きなの。だから吉澤が軽い気持ちで会ってるんならやめて欲しい。」
・・・・やっぱり・・・飯田先輩は梨華の事が・・・・・
「・・・わかりました。もう梨華とは会いません。」
悔しい。なんであたし・・・後悔してる。
梨華に会いたいのに。
- 232 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時09分01秒
- 「見て見て!これ!」
「何?それ。」
ポケットから取り出した封筒。こないだ渋谷でファッション雑誌の撮影やってて、
その時に声掛けられて撮ってもらった写真。
「実はね、この前渋谷行った時に撮ってくれた写真が、来月号に載るらしいの!」
「え!?マジで〜!?すごいじゃん、よしこ!どんなの??」
写真を渡すと、ごっちんは目を輝かせて見ていた。
「そんなジロジロ見ないでよぉ〜。」
「すっごいカッコイイね!さすがよしこだよぉ〜!!」
「カメラマンの腕がいいだけだよ。」
「モデルがいいんだよ〜!!絶対。よしこ惚れ直しちゃうさ!」
「・・・・この写真ほしい?」
「え!?ほしい!!」
「うん、いいよ。」
ごっちんのポケットにスッと写真を入れて、そのまま顔を近づけた。
「・・・・・・ん」
「ファーストキス?」
ちょっとイタズラっぽく聞いた。
「ごっちん、ずっと一緒にいようね。」
「うん・・・。」
「じゃ、今日もちょっと寄るとこあるから。先行くね。」
「うん。バイバイ。」
- 233 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時22分44秒
- トントン
「どうぞ。」
今日は飯田先輩の声じゃない・・・。梨華だった。
ドアを開けると、やっぱりそこに居たのは梨華だった。今日は飯田先輩はいない。
「ひとみちゃん!」
梨華の顔がパァっと華やかになる。
「あ、元気?」
「何言ってんの〜。昨日会ったばっかりでしょっ。」
「そっか。あ、資料ってどうなったの?」
「あ、昨日仕上げたよ!」
そういって梨華は棚を探し出した。
「あ、あたしが取るよ。よいしょっと・・・この資料でいいの?」
「ありがとう、ひとみちゃん。もうすぐ中澤先生が文化祭の舞台発表の資料持ってきてくれるはずなんだけど・・・」
ガラッ・・・・・・
突然ドアが開いた。
「よしこ・・・?」
振り向くと、そこにはごっちんが居た。
「ごっちん!ど、どうしたの?」
「よしここそ何やってんの?」
「いや、生徒会の手伝いだけど・・・。」
「・・・・・・・石川さんっていう人いる?」
「あ、あたしです。」
「こ、これ。中澤先生から頼まれたの。それと、よしこ話があるんだけど。」
そういわれてごっちんに連れ出された。
- 234 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時26分12秒
- 「ごっちん・・・・ごめん。」
「・・・・どうして・・・・」
「生徒会の手伝いだよ・・・。」
「じゃぁどうして言ってくれなかったの・・・?隠す必要ないじゃん・・・・」
「ごめん・・・・。」
「・・・・ごめんって何がごめんなのぉ・・・?よしこは・・・よしこはあのコが好きなの?」
「そういうわけじゃないよ・・・だけど・・・・」
「ホントは手伝いなんかじゃなんでしょ・・・・?あのコが好きなんだったら・・・どうしてあたしの事好きとか言うの?どうして優しくするの?どうしてキスするのぉ・・・・?」
ごっちんの瞳からは涙が溢れた。
そっとごっちんの頬に手を伸ばすと、それを拒否するように震えるごっちんの体。
「さわ・・・らないで・・・・」
「・・・・ごっちん・・・・。」
「よしこの・・・・ばかぁ・・・!!」
もう・・・ごっちんには話そう。過去の事を・・・・・
「・・・・・や、矢口先輩には全部知ってるから。矢口先輩に聞いて!」
「・・・・え?」
「ごっちんに・・・もう過去は隠さないから。矢口先輩にそう伝えて。」
- 235 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時28分46秒
- 梨華と会ってる事・・・・・
その事でごっちんを傷つけてしまった。
そんな事も気づかないで・・・あたしは梨華と会ってた。
もう少し、ごっちんの気持ちを考えてあげればよかった・・・・・・
梨華と会ってたのは、事故のこともあるけど・・・・悪いのはあたし。
結局梨華と会ってた事に違いはない・・・・・・・・
ごめんね
ごっちん。
- 236 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時34分01秒
- 校内を走り回ってごっちんを探した。
傷つけたのは・・・あたしだから。
もうこれ以上傷つけたくないよ・・・・・・
ぶるるるる
ポケットに入れていた携帯がブルった。
【中庭に来て!byマキ】
・・・・行かなきゃ。行かなきゃ全てが終わってしまう。
あたしは急いで中庭に行った。
そこにはまだごっちんの姿はなくて、あたしはひとり立ちすくんだ。
ごっちんを傷つけたのはあたしで、それに気づかなかったのもあたし。
なのに梨華に会ってたのもあたしで、それを話さなかったのもあたし。
全部あたしがいけないの・・・・・・。
ごっちん、ごめん・・・・・
- 237 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時36分38秒
- 少し経ってからごっちんが走って来た。
「ごっちん・・・」
あやまらなきゃ・・・・あやまら・・・・
「よしこが辛い時はあたしが助けるから。泣きたいときは一緒に泣くからね。」
・・・・・・え?
ごっちんの意外な言葉に耳を疑った。
許してくれるの・・・・・・?
「ごっちん・・・・あたし、ごっちんの事好きだから。好きだから・・・・・・」
あたしにはそれしかいえないけど、あたしは・・・ごっちんが好きだよ。
- 238 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)16時46分26秒
- 数日後――――
下駄箱に手紙が入っていた。しかもめずらしく、1枚だけ。
【中休みに視聴覚室で待ってます。 高橋 愛】
愛ちゃん・・・・か。
―――中休み―――
ガラッ
視聴覚室にはまだ愛ちゃんは来てなかった。
たぶん・・・告白だろうなぁ・・・。
まぁあたしはごっちんがいるから断るけど。
どんなコだろ・・・・
- 239 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)17時02分12秒
- ガラッ
少し後に、女の子が入ってきた。
「吉澤先輩?」
「あ、うん。」
「来てくれたんですね!!嬉しいです!」
・・・結構カワイイ。肩まで降りたストレートな黒髪は、少し色気を感じたぐらいだ。
「実は話があって・・・・・」
「うん。何?」
「あの・・・えっと・・・・」
その時、ドアの向こうに人影が見えた。
と思った瞬間――――
愛ちゃんの唇があたしの唇に重なった。
「・・・・・ん」
「愛・・・・・ちゃん?」
「・・・あたし、吉澤先輩が好きです。」
「でも・・・キスする事ないんじゃ・・・・」
「ごめんなさい・・・・でも本気で好きなんです。」
「・・・無理だよ。あたし、ごっちんと付き合ってるし。」
「・・・・・・そうですか。」
いきなりキスされて告白されて断って落ち込まれたら困るじゃん・・・・
「あの・・・じゃぁ1日だけデートしてくれませんか?」
「デート?」
「1日だけでいいんです。お願いします!」
「・・・・・それで諦めてくれるんなら。」
「はい!じゃぁ日曜日でいいですか?」
「うん。じゃぁ10時に駅前ね。」
「ハイ!」
諦めてくれるならいっか・・・・・・。
- 240 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)17時04分23秒
- 授業中――――――
「真希、美術の宿題終わった?」
「・・・・・終わったよ。」
「放課後さぁ、学校の前に新しく建ったカフェ行かない?」
「・・・・遠慮しとく。」
あれ?なんか怒ってる・・・?
「なんで?」
「・・・・なんでも。」
「・・・・どうしたの?機嫌悪い?」
「別に・・・なんでもないって・・・。」
「どうして怒ってるの?あたし何かした?」
「うん。」
「何?」
「ウソ。よしこは関係ないよ。」
なにそれ・・・今日のごっちん、変なの。
- 241 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)17時05分49秒
- 「ごっちん!」
・・・・ムシかよ。
「真希ってば!」
ごっちんの腕を掴んだ瞬間、ブンッと振り払われた。
少し驚いた。
「ごっちん・・・・・ごめん。」
あたし・・・・なんかした?
- 242 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)17時09分54秒
- デート当日。
「吉澤先輩っ。」
白いコートに、少し底の高い茶色のブールを履いた愛ちゃんが走って来た。
「おっ、かわいいね〜愛ちゃん。」
「そうですか?ありがとうございます。」
あたしは相変わらずパーカーにジーパン。こういう格好が好きだから。
「じゃぁ、行こっか。」
「はいっ。」
サッと愛ちゃんの腕があたしの腕に絡まる。
ニコッと笑った愛ちゃんの笑顔が可愛かったから、
あたしはそのまま手を外そうとはしなかった。
- 243 名前:とみこ 投稿日:2001年12月08日(土)17時10分31秒
- 更新しまくりまくりまくりました(w
きりが悪いんですけど、また明日ぐらいに更新します。
- 244 名前:深紅 投稿日:2001年12月08日(土)19時55分42秒
- おぅ!更新されてる!
あー、吉澤ー!ごっちんの気持ちにも気付いてやれー。
続きがめっちゃ気になるっす!
とみこさん、がんばってくださーい!!
- 245 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)10時07分16秒
- >>242
ブールじゃなくてブーツです。すみませんm(__)m
- 246 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)10時09分58秒
- >>244 深紅さん
今日も交信(更新)しますよ〜。
まだ誰かの存在を忘れていませんか?
よしこが中学時代にバレー部で戦ったあのヒトを・・・・・
- 247 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)10時19分05秒
- 「そういえばさ、あたしの写真が雑誌に載ってるんだよね。」
「え!?何の雑誌ですか??」
愛ちゃんが目を見開いて聞いた。
「名前は覚えてないけど、ファッション雑誌だったと思うよ。」
「え〜〜!!!ちょっと本屋寄りましょーよ!!」
「えぇ!?マジで?」
そのまま本屋へ引きずり込まれた。
- 248 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)10時22分21秒
- どうせ小さく載ってるだけだろうと思っていた。
「あ、あった!!!」
・・・・硬直した。
なんとその雑誌の表紙に大きく載っていたのだ。しかもひとりだけ・・・・・。
見出しには「街で見かけた長身美少女、いや、美少年!?【吉澤ひとみ】!!」
・・・なんちゅー見出しだよ・・・・美少年ってなんだよオイ。
「吉澤先輩、すごいですね!!美少年だって!!」
「・・・・いや、嬉しくないよ。」
「あたしこれ買います!」
「え!?」
そのままレジへと進んでしまった。
- 249 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)10時35分37秒
- 本屋を出ると、愛ちゃんは雑誌を大事そうに抱えてニコニコしていた。
「買わなくたっていいのに〜。」
「いいじゃないですか〜記念ですよ、記念。」
「も〜、愛ちゃん、明日学校に持ってこないでよ〜?」
「大丈夫ですヨ〜。」
「それと・・・このデートの事はごっちんには言わないでね。」
「わかってますよ♪吉澤先輩が浮気してるなんて言いません」
「浮気なんかじゃないよ。」
ピタっと止まった。
「え?」
「・・・・これは愛ちゃんが諦めるっていうからデートしてるだけ。」
「・・・・でも後藤先輩、さっき違う女の子と歩いてました。」
「・・・・・・・・・。」
「後藤先輩だって吉澤先輩の事本気じゃないんですよ!?」
「そんなのどうだっていいんだよ・・・・・。」
「・・・・え?」
「ごっちんが誰のモノでも、あたしはごっちんが好きだから。」
「でも・・・」
「これが最初で最後の愛ちゃんとのデートだから。それっきりだよ。」
「・・・・・吉澤先輩・・・・・・」
- 250 名前:カム 投稿日:2001年12月09日(日)11時33分40秒
更新お疲れさまです!
そっかー、愛ちゃんとのデートはそういう理由だったんだ〜。
罪作りな美少年・よっすぃ〜がイイっすねぇ・・。
今後の展開が楽しみです、頑張ってくださいね!!
あ、自分のは「きみはぼくの太陽だ」ってタイトルのです。
一応、学園モノ。とみこさんの後に自分の読み返すと下手過ぎて辛いっす。
- 251 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)18時16分57秒
- >>カムさん
小説読みましたよ。レスっときました!!がんばってくださいね。
- 252 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)18時20分06秒
- 次の日――――
・・・・はぁ・・・。昨日の愛ちゃんとのデートは大変だったナァ・・・・
ごっちん、誰とデートしてたんだろう・・・・・・・・・
でもちゃんと言えたじゃん。
【ごっちんが誰のモノでも、あたしはごっちんが好きだから。】って・・・・。
そうだよね、実際そうだもん。
ほら、普通に接すればいいじゃん。
ね?
- 253 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)18時25分37秒
- 帰るとき、下駄箱で靴を履き替えてるごっちんの肩を叩いた。
「ごっちん♪一緒に帰ろ?」
「・・・・うん。」
・・・なんか元気ない??あれ?
・・・・なんだよ・・・・それってヒドくない?
ごっちんが知らないコとデートしてたのになんであたしがこんなキモチ・・・・
どうしてごっちんの事ここまで考えてるのに・・・・
ごっちんは・・・・あたしの気持ち・・・わかってる?
「吉澤先輩!」
下駄箱の影から愛ちゃんがヒョコッと出てきた。
「あ・・・・後藤先輩と帰るんですよね。一緒に帰ろうと思ったんですけど・・・。」
・・・・デートだけって言ったじゃん・・それっきりだって・・・・
「あ、ごめんね!今度一緒に帰ろう!」
・・・あ、【今度一緒に帰ろう!】ってヤバイかな・・・ごっちんの前で・・・・
でもいっか・・・・・・今のごっちんへのちょっとしたイタズラ――――
「よ、よしこ!行こうよ。」
急に機嫌が直ったと思ったら・・・そっか、今の言葉で愛ちゃんにヤキモチやいたのかな?
それも嬉しいけどさ・・・
「うん。じゃぁね、愛ちゃん。」
「さようなら・・・。」
下駄箱を出ると、突然雨が降り出した。
- 254 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)18時28分34秒
- 「あ〜、振ってきちゃった。ごっちん傘ある?」
「うん。」
「あたしもあるんだけど・・・・・愛ちゃんが・・・・」
ふと愛ちゃんを見ると、愛ちゃんの手には傘はなかった。
「愛ちゃん、傘ないの?」
「はい・・・でも大丈夫ですっ。」
「大丈夫じゃないだろ〜?これ、使っていいよ。あたしはごっちんに入れてもらうから。」
ごっちんと相合傘
はっ、結局うれしいんじゃん、自分。やっぱごっちんには弱いな〜、あたし。
「加護ちゃん!」
ふっとごっちんのすがたが消えたと思うと、中等部の下駄箱に走っていった。
その先には背の小さい女の子が居た。
「あ・・・あのコ・・・きのう後藤先輩と一緒に居た人です。」
愛ちゃんが呟いた。
自分、ちょっと嫉妬した。
- 255 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)18時31分18秒
- あたしと愛ちゃんも中等部の下駄箱に行った。
「このコ・・・加護ちゃんも傘ないからさ・・・・あたし加護ちゃん送ってくよ。」
「加護ちゃん?」
加護っていうのか・・・このコ。
「ごとーさんの友達の加護亜依です。よろしくお願いします。」
「あ、よろしく・・・。」
つい上の空で返事をしてしまった。
だって悔しいじゃん。ごっちんとデートしてたなんて・・・。
っていうか・・・傘はどうするの?
このコと愛ちゃんを一緒に帰らすってのもなんだし・・・・
あたしと愛ちゃん・・・・ごっちんと加護ちゃん・・・・・・・
しょうがないよね。
「じゃぁあたしは愛ちゃんを送ってくから。ごっちんは加護ちゃんとね。」
「う・・・うん。」
そういって別々の方向で帰り始めた。
- 256 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)18時37分47秒
- 「吉澤先輩・・・」
「ん?」
「一緒に帰るの、迷惑ですか?」
「え・・・いや、別に迷惑ではないけどさ・・・・ごっちんが・・・・」
「加護ちゃん・・・・加護、亜依っていうんです。後藤先輩の事好きなのかな・・・・」
「そうなのかもね。」
「そういえば、小耳にはさんだんですけど。」
「え?」
「吉澤先輩って・・・昔、色んな女の子と遊んでたんですか?」
遊んでたって・・・・・・・
「・・・・なんで?」
「友達から聞きました。色んなコとデートしたり、キスしたり・・・それ以上も・・・」
「だから・・・・だからってどうなるの?」
「その事、加護ちゃん知ってるかもしれない。そしたらもし後藤先輩に知れたら・・」
確かに昔は色んなコと遊んでたよ・・・・・・チャラけてた。タラしだった。
けど今は――――――
「ごめん、愛ちゃん。あたしはごっちん以外愛せない。」
そういって走り出したのは自分で、向かったのはごっちんだった。
- 257 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時07分24秒
- ごっちんのマンションの前に着くと、4階の窓を見た。
ごっちんの部屋・・・・・まだ入った事ないよね。
明かりが灯っているのを確認して携帯を取り出した。
アドレス帳から《ごっちん》を選択して通話ボタンを押した。
プルルルルル・・・・プルルルル・・・・・
(もしもし。)
「あ、ごっちん?」
(うん・・・・何?)
「んにゃ、特に用はないんだけどぉ、愛ちゃんを無事に家に届けました!」
(そっか・・・・。)
「どうしたの?元気ないじゃん。加護ちゃんはちゃんと送ったの?」
(ううん、1回うちに来たんだけどさっき帰ったよ。)
「あ、そうなの?じゃぁ今からごっちんの家行ってもいい?」
(・・・・無理。)
「え?何で?・・・・・・・・・・もしもし?ごっちん?」
電話は切れてないのに、電話の向こうのごっちんは遠くへ行ってしまったようだった。
- 258 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時10分19秒
- さっきまで降っていた雨が止んでも、傘を閉じない自分がいて、
それに答えるように降ってきた雪を、待っていたように自分を覆う傘。
床に落ちた雪は、すぐに溶けて消えてしまう。
白いフワッとしたため息が、自分自身を深く痛めつける。
気づかずに走り出したのは・・・・やっぱりいつもの自分。
- 259 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時17分28秒
- ピンポーン・・・・・
「ごっちん・・・・?」
ドアの向こうでごっちんが聞いてくれてる事を・・・ただそれだけを信じていた。
「ごっちん、いるよね?じゃぁ聞いて欲しいんだけどさ・・・・・」
・・・・頭のなかで色んな思いを巡らせた。
「あのさ、どうして怒ってるのかわかんないけど、もし原因があたしだったら・・・ごめんね。言ってくれれば直すからさ・・・あたし、何かごっちんの気に触る事したかな・・・?」
その時、突然ドアが開いた。少し驚いて身を引いた。
「・・・・ごっちん、あたし・・・」
「よしこ・・・・・・・」
「え?」
「もう、別れない?」
「・・・・え?何言ってんの?」
「全部よしこが悪いんじゃん・・・・・気づいてよぉ・・・・」
「・・・・・ごっちん・・・・・」
「もういい・・・!!」
ガチャン・・・・
残された自分に残った思いは、梨華が教えてくれた花言葉だった。
・・・マリーゴールド。
花言葉は【絶望】
- 260 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時23分20秒
- 吉澤編とりあえず終了です。
これからの話のキーワードとなるのが、まず市井さん。
そして、花言葉です。
最後には題名の「スノードロップ」が出てくる思います。
では、後藤編入りたいと思います。
- 261 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時26分54秒
- どうしてドアを閉じてしまったのか・・・・
後悔しながら部屋に戻ってベットに倒れこんだ。
窓の外にはしんしんと雪が降って、とても切なくて・・・・・涙を誘った。
よしこ・・・・!!
心の中で叫ぶ。叫ぶ・・・・・・叫ぶ―――――――――
あたしはよしこのモノになりたかった。
よしこをあたしのモノにしたかった。
よしこを本気で愛してた・・・・・今も愛してる。
けど、あたしはワガママすぎて、欲望が満たされない事に涙を流しました。
- 262 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時28分28秒
- 切ないよ・・・哀しくて・・・・・涙が止まらない。
よしこの事で散々悩んで、苦しんで、嘆いて、泣いて・・・・
なのに
こんな時にそばにいて欲しいのはよしこなの・・・・・
- 263 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時30分48秒
- 次の日学校へ行くと、よしこの姿はなかった。
先生には風邪だと伝えられていた。
・・・・違う、あたしのせいだよね。
お互い合わせる顔がないから、よしこから退いた。
あたし、どこまでワガママなんだろ・・・・・・・
頭おかしくなりそ・・・・・
- 264 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時34分24秒
- 次の日も、その次の日も、よしこを学校で見る事はなかった。
心配だよ・・・・よしこに会いたくて会いたくてしょうがないよ・・・・
やっぱり私はワガママ――――――――
授業中こっそり携帯を取り出して、よしこにメールを打った。
【風邪・・・大丈夫?】
返事はすぐには返ってこなかった。
お昼休み、やっとよしこから返事が来た。
【ヤバい。熱が40℃近くあるから。】
・・・・・え?
ホントに風邪なの・・・・?
- 265 名前:とみこ 投稿日:2001年12月09日(日)19時41分40秒
- 何も言わずに教室を飛び出た。
席を立つ瞬間、みんなの視線を集めたのも知ってた。
けど・・・・よしこに会いたくて・・・・・
「後藤!!」
階段を駆け下りる途中で腕を掴まれた。
「中澤・・・せんせ・・・・」
「勝手に授業を放棄すんなや。」
「・・・・っ、放して!」
「吉澤か?」
先生の意外な言葉に少し驚いた。
「・・・吉澤に会いに行くんか?」
「・・・・止めないでください。」
「誰が止めるなんて言うたんや?」
「え・・・?」
「吉澤に会うなら会うって言ってから教室出なあかんで。」
「先生・・・・・」
先生の優しさに、思わずガマンしてた涙がポロっと落ちた。
「あたしの前で泣いてどないすんねん。泣くのは吉澤に会ってからにせぇや。」
そういって先生は手の力を緩めた。
「先生・・・・ありがと。」
そのままよしこの家に向かった。
- 266 名前:とみこ 投稿日:2001年12月10日(月)17時12分52秒
- ピンポーン
応答がなかった。・・・寝てるのかな?
すぐに携帯を取り出し・・・・あ、学校に忘れて来ちゃった・・・・・サイアク〜。
もういちどインターホンを押そうか押さないか手を引っ込めたりしてためらっていた。
「・・・・ごっちん?」
「へ?よ、よしこ・・・・?」
「・・・・あがっていーよ。」
「う、うん。」
そのままそっとドアを開けた。
- 267 名前:とみこ 投稿日:2001年12月10日(月)17時19分16秒
- 玄関に入ると、後姿のよしこがリビングの方へ歩いていった。
・・・・早くよしこの顔が見たいんだけど・・・・
でも後姿でわかるんだ。よしこ・・・元気ないね。
歩くとシャカシャカと音をたてるジャージ。なんか元気なさげだよね。
「ごっちん。」
振り向いたよしこの頬は赤く火照ってて・・・
少し汗をかいたせいか、前髪が肌にくっついてるのがやけに色気があって
惚れ直しそう・・・・・
こないだあんなに傷つく言葉言ったのに・・・・よしこは何も言わずに・・・・
「ごっちん?聞いてる?」
「へ?あ、ゴメン!何?」
よしこはソファーにボフッと座った。
「・・・・元気だった?」
その顔はまだ・・・・無表情のまま。
- 268 名前:とみこ 投稿日:2001年12月10日(月)17時28分02秒
- 「う・・・うん。元気だよ。よしこは・・・?」
「元気じゃないよ。」
当たり前か・・・・
「・・・・・・大丈夫?」
あたしには心配する事しかできない・・・・
「大丈夫なわけないじゃん。ごっちんに会えなかったんだから。」
・・・・・へ?
今、すっごい嬉しい言葉言ったよね?
【・・・・ごっちんに会えなかったんだから・・・・・・】
って・・・・・・
マジ嬉しい・・・・・・・
- 269 名前:とみこ 投稿日:2001年12月10日(月)17時38分07秒
- 「あの日・・・・」
「え?」
「ごっちんに追い出されてから、ずっと公園に居たんだ。」
「・・・・・え?」
「そしたらベンチの陰に黄色い花が咲いててさ。」
「花・・・・?」
「スノードロップ。冬に咲くめずらしい花なんだ。すごい・・・綺麗なんだ。」
「・・・・うん。」
「花言葉ってのがあってさ・・・・スノードロップの花言葉は【希望】なんだよね。」
・・・よしこの話を理解しようと真剣に考えた。
きっとこのスノードロップの話は、よしこの心のSOSなんだと思ったから・・・
「それまでは自分の中には絶望しかなかったのに、希望が持てた気がした。」
希望・・・・・・・それは何に対しての希望なの・・・・?
「・・・あたしバカだよね。雪降ってんのに傘もささずにずっとその花を見てた。
そしたら風邪ひいちゃったよ。ホント・・・・バカだよね。」
よしこはバカなんかじゃないよ・・・・
バカなのはあたしじゃん・・・・・
ワガママで素直じゃなくて、いっつも怒ってばっかで・・・・
よしこに世話やかせてばっかり・・・
それでもよしこの事好きなのは
やっぱりワガママなあたしのせい。
- 270 名前:とみこ 投稿日:2001年12月10日(月)17時53分52秒
- 「もう・・・解決しない?」
突然よしこが言った。
「あたしに言いたい事、全部言ってよ。あたしも・・・言うから。」
そだね・・・・
「あの日・・・・よしこが愛ちゃんとキスしてた。」
「・・・・・・うん。」
どうしてそんなに冷静なの?
「だから・・・悲しかったの。」
それだけ話したときには、もう涙は溢れていた。
- 271 名前:とみこ 投稿日:2001年12月10日(月)21時21分56秒
- 「よしこが愛してる人は、あたしだけじゃないんだって・・・・思って・・・・」
震える声と身体。まともによしこの顔も見れなかった。
「それと・・・・・よしこと・・・愛ちゃんがデートしてた・・・・・・・」
あの時のあたしこそ・・・・加護ちゃんと居たけど・・・・
「あたしの事・・・・・・ホントに愛してるのか・・・・不安だったの・・・」
涙を流して訴えても、よしこは下を向いて黙っていた。
- 272 名前:とみこ 投稿日:2001年12月10日(月)21時25分50秒
- 「じゃぁ・・・あたしの番。」
そういってよしこは下を向いたまま話しだした。
「あたしは愛ちゃんに告白されて、いきなりキスされた。偶然それを見たのがごっちんだったんだ。」
偶・・・・然・・・?
「それで・・・デートしてくれたら諦めるって言われて、あたし・・・OKしちゃった。」
「そんときちょうどごっちんと同じ日だったんだよね・・・デートの日。」
知ってるよ・・・・。
- 273 名前:SGT. 投稿日:2001年12月11日(火)02時14分42秒
- サクサクと更新されてますね!
甘いの期待!楽しみに待ってまーす。
- 274 名前:とみこ 投稿日:2001年12月11日(火)16時31分45秒
- 「でも・・・・よしこは他の女の子ともデートして・・・・」
「してないよ。」
よしこは途中で話を遮って、やっと顔をあげた。
「まだまだ解決したい事はたくさんあるけど、ただ言える事はひとつ・・・」
「あたしはごっちんを愛してるって事。」
- 275 名前:とみこ 投稿日:2001年12月11日(火)16時37分47秒
- 「全部誤解からおこったすれ違いだったんだよ・・・・・ね?」
よしこはソファーから立ち上がった。
そして、あたしの頬にそっと手を当てた。
「ごっちん・・・・・もう、安心して。」
「あたし・・・よしこの事・・・ホントに好きだから・・・狂いそうなくらい愛してるから・・・」
だから・・・・・・・消えない。
この絆は絶対に。
- 276 名前:とみこ 投稿日:2001年12月11日(火)16時38分55秒
- SGT.さん
解決したところでも〜すぐ甘甘始まります!
- 277 名前:とみこ 投稿日:2001年12月11日(火)16時51分53秒
- 「よしこは・・・もう愛ちゃんと会わない?」
「うん。」
「キスしない?」
「うん。」
「愛さない?」
「うん。」
頬に優しく触れていた右手が、肩にまわって、あたしの体をギュッと抱きしめた。
大きくて、温かいよしこの体に包まれた・・・この安心感をあたしのものにしたくて・・・
ずっとずっと追っかけてきたんだよ、よしこの事。
宙を舞う風船のような淡い存在だったあなたが―――――
今ここであたしを抱きしめてくれている喜び。
だからもっともっと知りたい。あなたのことを・・・・
ずっとずっとそばにいてね。
- 278 名前:とみこ 投稿日:2001年12月11日(火)16時55分00秒
- いい天気。
道路の雪も溶けかけて来た。
けど・・・・やっぱりまだ寒いね。
冬だもんね。
でも、2人で居れば全然へっちゃらだもん!
- 279 名前:深紅 投稿日:2001年12月11日(火)17時33分01秒
- よっすぃーやっぱかっけーっす!
いやぁ、ホントどうなることやらと心配してましたが、
2人が幸せになってホッ。
とみこさんの文才はやっぱすごいですー。
- 280 名前:カム 投稿日:2001年12月11日(火)20時34分51秒
レスありがとうございました〜、すごい嬉しかったです!
2人は愛ちゃんに引っかき回されるのかなぁって心配だったんですが
もっとラブラブになってくれて良かったっす!!
とみこさん、お願いです激甘なよしごまにしてくださいっす!!
- 281 名前:夜叉 投稿日:2001年12月11日(火)23時37分37秒
- お留守の間に、更新かなりされてるし。
間のあいた分読むのにかなり時間がかかりました、でも、あまあまで良かったです。
でも、石の気持ちはどうなるんでしょうか?気になります。
がんがってください。
- 282 名前:とみこ 投稿日:2001年12月12日(水)18時42分56秒
- >>深紅さん、夜叉さん、カムさん
チャァミィはまだ消えてませんよっっ!!この話のカギっす!
も〜すぐ激甘甘いきますよ〜
- 283 名前:とみこ 投稿日:2001年12月12日(水)18時47分47秒
- そんな晴天の日曜日―――――
ここはよしこの家。結構高級なマンション・・・・。
あたしと一緒で、高1からひとり暮らしを始めたらしい。
はっきり言って、あたしの部屋は汚い。
いっつも散らかってて、友達が来る時だけおしいれに全部詰め込む!
それと違って、よしこの部屋はシルバーや白のシンプルな部屋だ。
もちろんいつも片付いてるって感じで、清潔感がある。
よしこのイメージにぴったりだ!
- 284 名前:とみこ 投稿日:2001年12月12日(水)18時54分08秒
- 「わぁ・・・・よしこの部屋すごいキレイだね〜。」
「そう?あ、座ってよ。何か飲む?」
「う、うん。」
リビングにはピカピカのガラスのテーブルがあった。
「アップルティーでいい?」
「うん、ありがと。」
なんか別の世界みたい。
よしこがいいトコのお嬢様なんだな〜って実感した。
あたしなんか冬はお茶だよ・・・・あはは・・・・
- 285 名前:とみこ 投稿日:2001年12月12日(水)18時56分49秒
- 「今日いい天気だね〜。」
よしこの入れたアップルティーをひとくち飲んでから言った。
「あとで散歩でも行こうか。」
「うんっ!」
こんな幸せな日々、ずっとずっと続けばいいのに。
- 286 名前:とみこ 投稿日:2001年12月12日(水)18時58分58秒
- 近くの大きな公園を2人で散歩した。
「ごっちんの髪って・・・」
「え?」
よしこの長い指があたしの髪にそっと絡まる。
「綺麗だね。」
「・・・・・・・。」
声も出ない。よしこの顔がこんな近くに・・・
木漏れ日が降り注ぐ日中。
今、幸せの絶頂です。
- 287 名前:とみこ 投稿日:2001年12月13日(木)15時26分12秒
- 「寒くない?」
よしこの横顔がそっと呟く。
「ちょっとね・・・でもだいじょーぶ!」
「大丈夫なの?なーんだ、手つなごうと思ったのにサ。」
・・・・甘い悪戯。
「やだ、つなぐもん。」
よしこの手をギューって握った。
その反動でちょっと背伸びをしてよしこの顔に自分の顔を近づけた。
そしてニコっとらって戻った。
「キスすると思った?」
「・・・してくんないの?」
「さっきのお返しだよ〜ん。」
「ふっ・・・」
いきなりギュッと抱きしめられた体。
公園のど真ん中・・・落ち葉のじゅうたんの上で、今幸せを掴んだ。
- 288 名前:とみこ 投稿日:2001年12月13日(木)15時27分17秒
- >>287
ニコっとらって=ニコっと笑って
- 289 名前:とみこ 投稿日:2001年12月13日(木)15時50分03秒
帰り道、手を繋いで歩いた。
「よしこの初恋って・・・・・・・誰?」
「う〜ん、やっぱ矢口先輩かな。ごっちんは?」
「あたしは、市井ちゃん!%
- 290 名前:とみこ 投稿日:2001年12月13日(木)15時51分05秒
- >>289
あれ?最後まで書いたのに文字化けしました!書き直します。
すみませんでした!
- 291 名前:とみこ 投稿日:2001年12月13日(木)15時53分54秒
- 帰り道、手を繋いで歩いた。
「よしこの初恋って・・・・・・・誰?」
「う〜ん、やっぱ矢口先輩かな。ごっちんは?」
「あたしは、市井ちゃんかな。中学の先輩。フラれちゃったんだけどね。」
「市井・・・・?どっかで聞いた事あるような・・・・」
「知り合いなの?」
「う〜ん・・・・・・・・・・あ!!!!!!!」
よしこが突然足を止めた。
「市井さんってバレーやってた?」
「う、うん。中学の時は。」
「あたしが中1ん時、市井さんの学校と試合したんだ!」
「マジで?あたしの元中だよ〜!市井ちゃんカッコいいっしょ?」
「うん、かなりカッコよかった。」
そんな市井さんと再会するなんて、思ってもいなかった。
- 292 名前:とみこ 投稿日:2001年12月14日(金)19時08分09秒
- しかも、あのありきたりな出会い方で・・・・・・・
「○○女子学院から来た、市井紗耶香です。よろしくおねがいします。」
朝礼での挨拶と同時に、生徒全員が歓声を上げる。
「よ、よっすぃ〜・・・・市井ちゃんだよね?あれ・・・」
ごっちんが聞いてきた。
「そうだね・・・・まさか転校してくるなんて・・・・ねぇ・・・」
「市井ちゃん・・・・・・・」
市井さんに、ごっちんを取られそうな気がした。
- 293 名前:とみこ 投稿日:2001年12月15日(土)13時03分01秒
- 「ごっちん、ごっちんってば!!」
今日のごっちんはおかしい。
あの朝礼の市井さんの挨拶から・・・・・
こんなごっちん、初めて見た。
まぁしょうがないよね。
初恋の人が突然戻ってきたんだから。
その日はごっちんをそっとしておくことにした。
- 294 名前:とみこ 投稿日:2001年12月15日(土)13時10分53秒
- 「ごっちん・・・・」
放課後、教室から一歩も出ずに机に顔を伏せているごっちん。
泣いてる・・・?泣いてないか・・・・・・
あたしはごっちんの周りをウロウロしながら様子を見た。
そりゃ不安にもなるじゃん・・・・大好きな大好きな恋人が、悩んでるのに救えない。
どうすりゃいいんだよぉ・・・・!!
- 295 名前:とみこ 投稿日:2001年12月15日(土)13時16分54秒
トントンッ
その時、教室のドアがノックされた。
ごっちんはまだ顔を伏せたまま・・・・
とりあえずドアを開けようと近づいたその時、ドアの向こうから声がした。
「後藤、いる?」
ガタンッ
その声に突然ごっちんが立ち上がってドアを開けた。
ガラッ
「市井ちゃん・・・・」
- 296 名前:カム 投稿日:2001年12月15日(土)17時37分04秒
おおっ更新されてる〜!
ってゆうか、市井ちゃん登場!? しかも、ごっちんの態度びみょ〜!
ごっちんを巡って新旧オトコマエバトルっすか?
よっすぃ〜負けんな!!
- 297 名前:夜叉 投稿日:2001年12月16日(日)01時02分12秒
- 吉、強敵現る(w。
石にしとけ(爆)。
- 298 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)13時08分53秒
- >>カムさん
勘がいいっすね〜。オトコマエバトル始まりますよ!!
>>夜叉さん
石は最後に出てきますよ!市井登場編が終わったらラストスパートかな?
でも思いつきでやってるんで(おい
- 299 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)13時14分13秒
- すみませんっ、重大なミスをしてしまいました!!
>>291で、ごっちん視点とよしこ視点がゴッチャになってました!
ホントすみませんでした!!いきなりよしこ視点になってしまって・・・・
今はよしこ視点ですすめていきます!!
- 300 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)13時15分51秒
- 「後藤・・・後藤だよな?」
「うん・・・・」
再会シーンってやつ?あたしの立場っていったい・・・・・
しばらく沈黙が続いた。
「後藤・・・・・・」
「市井ちゃん・・・・」
やだ・・・そんな目でごっちんを見ないで。
市井さんに取られたくなんかない!!
- 301 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)13時25分09秒
- 「市井ちゃん・・・・、3年ぶりだね。カッコよくなったね!!」
「ほんと?ごとーも美人になったな〜。でもやっぱ変わってないよ。雰囲気とか。」
「なにそれ〜っ!!あ、紹介するね。昨日話した市井ちゃん、市井紗耶香。」
ごっちんが市井さんを紹介し始めた。
「あ、○○女子中のバレー部部長でしたよね?吉澤です。吉澤ひとみ。」
そう、あの時の大会で市井さんが言った言葉がよみがえる。
【予選では負けないから。それまでにケガでもすんじゃねぇぞ。】
あの時、あたしケガして出れなかったっけ・・・・
「え・・・・あ!!!吉澤ってあの部長の!!すんげぇ強いサーブ打ったやつ。」
「あ・・・ホントは部長じゃないんですけどね・・・っていうか今はもう・・・・」
「え?もうバレーやってないの?あ・・・予選来なかったよな。なんでだよ?」
「ちょっとケガしちゃって・・・・」
「そうか・・・あたし、ここのバレー部入るからさ。吉澤も入れば?」
「あ・・・気が向いたら入ります。」
やだ・・・なんか市井さんの前だと自分に自信がなくなる
- 302 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)18時00分47秒
- 「じゃぁ・・・あたしはそろそろ行くね。」
「あ、市井ちゃん。携帯・・・変わってないよね?」
「うん。いつでもメールしてな〜。」
そういって市井さんは教室を出て行った。
「よ、よかったね。再会できて。」
「うんっ!!ほんっと嬉しい!すごい・・・市井ちゃんかっこよくなってたし・・・」
「また好きになりそう?」
何聞いてんだろ・・・・
「えぇ??何言ってんの〜??よっすぃ〜ってば変だよ〜?」
否定はしないんだ?
「でもね・・・・大丈夫。ごとーは市井ちゃんにフラれてるから。」
「でも・・・・」
「あ、ごとーって言っちゃった。市井ちゃんの前だとそうだからさ・・・つい。えへへっ」
言えばいいのに。
【ごっちんは絶対誰にも渡さない】って。
けどそんな事いえない自分がここに居る事。
- 303 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)18時05分51秒
- (特別バージョン☆真希視点)
放課後・・・
今日はよっすぃ〜がなぜか先に帰っちゃったので、ひとりで帰ることにした。
「おーい!ごとー!!」
正門を出ようとした時、市井ちゃんが走って来た。
そのうしろには・・・ファン?の人達が大勢・・・
「市井ちゃん!どしたの?」
「ちょっと助けてぇ・・・・」
「え?ちょ、待ってよ〜!!」
そのまま走っていった市井ちゃんを追いかける事になった。
「市井ちゃ〜〜んっっ」
- 304 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)21時08分04秒
- (特別バージョン☆真希視点)
「市井ちゃんってば!!もうファンの人来てないよぉ??」
息を切らしながら言うと、市井ちゃんの足がピタっと止まった。
「ウソ。」
「へ?」
「別にファンから逃げてたってわけじゃないんだ。」
「ど・・・どゆこと??」
「後藤に話があってさ。なんつーか・・・2人っきりになりたかったんだ。」
【2人っきり】
市井ちゃんとの間に、今までそんな言葉は存在しなかったなぁ・・・。
ずっとずっと望んでたんだ。市井ちゃんと2人っきりになること。
それは中学時代の話だけどサ・・・
けど今は・・・・ちょっぴり期待してる。
この2人っきりのシチュエーションに・・・・
- 305 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)21時18分32秒
- (特別バージョン☆真希視点)
とりあえず誰も居なさそうな公園に行って、ベンチに座った。
「で・・・話って?」
結局自分から切り出す。
「あ・・・そんな固くならなくていいよ。話って程じゃないんだけどさ・・・」
まるで初恋を知ったばかりの小学生みたいな自分たちに、頬を赤く染めた。
「市井ちゃん・・・・・全然変わってない。」
「え?」
「あたしが中1の時、大好きだった・・・あの市井ちゃんのままだよ。」
「ごめん・・・・・・あのさ・・・その・・・・卒業式にさ・・・告白っつーか・・・・・」
「フラれちゃったよね、あっさり。」
苦い思い出。初恋だったのにな・・・・
「ごめんな・・・・・」
「なんで謝るの?もう気にしてないよ!今はそれなりに・・・っていうかかなり幸せだし!!」
「・・・え?」
「マジで大好きな人がいるから。」
期待すんな、後藤真希!!期待しちゃ・・・ダメだよ。
あたしが好きなのは・・・・・よしこなんだから。
- 306 名前:とみこ 投稿日:2001年12月16日(日)21時22分07秒
- (特別バージョン☆真希視点)
「そっか・・・・後藤は新しい恋見つけたんだ・・・・」
「うん・・・・。」
「・・・・じゃぁ今度はあたしが失恋する番かな。」
「え?」
「高校入ってからずっと考えてたんだ。あの時の後藤の告白の事。」
「・・・・・・・・・。」
「やっぱりあたしには、後藤が必要なんだ。」
- 307 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月16日(日)22時47分26秒
- ご、ごっつぁん!流されるな!
- 308 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月17日(月)00時47分10秒
- いったいどーなってしまうのかー!!!!
- 309 名前:カム 投稿日:2001年12月17日(月)01時19分42秒
-
307の名無しさんに激しく賛同っす!
でも、オトコマエな2人にモテモテのごっちんも見てみたい…。
この後の展開に期待してまーす!
- 310 名前:とみこ 投稿日:2001年12月17日(月)17時54分05秒
- >>307 名無しさん
う〜ん、流されるごっちんも書きたいっす!(爆
でもリクとかは受けつけま〜す!
>>308 名無し読者さん
ど、どうなるんでしょ〜!?(死
ゆったりまったりな私ですが、これからもよろしこおねがいすぃます!
>>カムさん
いつもありがとうございます!!
>>オトコマエな2人にモテモテのごっちんも見てみたい…。
私もすっげぇぇぇ書きたいっすソレ!
- 311 名前:とみこ 投稿日:2001年12月17日(月)18時12分03秒
- 「市井・・・・ちゃん・・・・」
しばらく次の言葉が浮かばなかった。
告白・・・・だよね?これ。
で・・・でも、ごとーは1度市井ちゃんにフラれてるんだよ?
なのに今告白されても・・・・びっくりするってゆーか・・・
それに
ごとーにはよしこがいるじゃん
忘れんなよ・・・バカ。
何忘れてんだよ・・・・
見失うな・・・・・
- 312 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月17日(月)18時15分20秒
- 「あたしは1度後藤に告白されてるのに、今ごろ好きって言われても困るよな・・・・」
困るっていうか・・・・そうじゃなくて・・・・・・
でも・・・・・・・ごとーの頭の中で
今、よしこと市井ちゃんが張り合ってる。
よしこの方が上のくせに・・・・市井ちゃんの方・・・・行きそう。
だって・・・・・・・・
今よしこにないときめきが、市井ちゃんにあること。
- 313 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月17日(月)19時28分07秒
- 別によしこが飽きたわけじゃない・・・・・
ごとーが求めただけ、よしこはごとーを愛してくれる。
毎日すごい充実してるし、満足してるし・・・もう何もいらないって思ってたのに・・・・
今・・・・
市井ちゃんの事が・・・・・好き。
- 314 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月17日(月)19時32分12秒
- 「市井ちゃん・・・ごとーは市井ちゃんの事死にそうなくらい大好きだった。」
ホントに・・・心底愛してたよ。
「それで・・・・今はよしこと付き合ってる。」
「・・・・やっぱりね。」
わかってたんだ・・・
「でも初恋って消えないものなんだって・・・思ったから。返事・・・もう少し考えるね。」
市井ちゃんはフゥ・・・・とため息をつくと、ベンチを立ち上がった。
「わかった。後藤にはもう・・・・辛い思いさせないから。」
その言葉、信じていいの?
- 315 名前:夜叉 投稿日:2001年12月18日(火)20時32分16秒
- ごっつぁん、吉を任せたのに、それはねぇっぺさ。
いちーちゃんも気づくの遅いし(鬱)。
ごっつぁん視点はドキドキしっぱなしで、心臓に悪い(爆)。
エンドロールに向かって、ふぁい!
- 316 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月19日(水)08時02分06秒
- >>315
いつもありがと〜ございますっ!
>>ごっつぁん視点はドキドキしっぱなしで、心臓に悪い(爆)。
そうですか?もっとドキドキな話書きますよ〜。
でも今から学校なので・・・・も少しかな。
- 317 名前:カム 投稿日:2001年12月19日(水)22時50分06秒
-
おぁっ急展開っすか!?
ごっちんったら見事にいちーちゃんに揺れちゃってるよ…
夜叉さんの言うとーり、ごっちん、それはアカンやろ〜?
>>エンドロール
うそ、…終わっちゃうの? 残念だけど、頑張ってください!
青板のレス、感謝っす!
自分の方こそ気を遣わせてしまって申し訳ないでゴザル(ぺこりー)
- 318 名前:夜叉 投稿日:2001年12月20日(木)00時43分39秒
- うわっ、もっとドキドキするんですか?
ぢゃ、心臓、オーバーホールしなくっちゃ。(w
期待してますね。
- 319 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月20日(木)15時15分35秒
- >>317 カムさん
まだ終わらないですよぉ〜!
いちーちゃんに心ゆれるごっちんを書くのが楽しいので・・・(w
>>318 夜叉さん
心臓飛び出すほどドキドキさせますよ〜!!ってほどの文才はないです(死
- 320 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月20日(木)16時20分22秒
市井ちゃんが帰ってからも、ずっと公園のベンチに座っていた。
・・・・今は何も考えられないんだもん・・・・・
「ごっちん!」
ふと気がつくと、目の前に息を切らしたよしこが立っていた。
「よしこ・・・・?」
「ごっちん・・・先に帰っちゃったから・・・・・」
「え?よしこが先帰っちゃったのかと思ってた・・・。ごめ・・・・」
【ごめん】って言いかけたとき、よしこがあたしの体をギュッと抱きしめた。
「よしこ?どうしたのぉ?」
「公園の前通ったら、市井さんが出てきて・・・『後藤は渡さない』って言われたんだ。」
「・・・・え?」
「だから不安になって、すぐにごっちんに会いたくなった。」
よしこ・・・・・・
「もう・・・・絶対ごっちんを離さないから。ずっとこれからも好きだよ。」
- 321 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月20日(木)16時23分37秒
- そっと体を離すと、そのまま唇を重ねた。
そうだよ・・・・ごとーにはこんなにこんなに愛してる人がいる。
こんなに自分を愛してくれる人がいるんだよ・・・・?
今ある『幸せ』をもう1度確かめた・・・
もうよしこ以外いらないじゃん・・・・・
ごめんね、市井ちゃん。
- 322 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月20日(木)16時26分28秒
- 「ごとーの事・・・好き?」
「当たり前じゃん・・・」
「ごとーも・・・よしこの事大好きだよ。ホント・・・言葉じゃ足りないくらい。」
幸せ・・・幸せ。ホントに幸せだよ。ごとーは幸せもの。
- 323 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月20日(木)17時01分38秒
- 次の日―――――
返事・・・言わないとなぁ・・・・
やっぱNOだよね・・・・よしこがいるもん。幸せだもん。
これ以上の幸せなんて・・・・・・・・
キーンコーンカーンコーン・・・
チャイムが鳴ったと同時に、ドアが開いて市井ちゃんが入ってきた。
「後藤、いる?」
「いちーちゃん!どうしたの?1年の教室まで来て・・・」
「いや・・・ただ後藤に会いたかっただけだよ。」
・・・いちーちゃんの方に傾いてるよぉ・・・
いちーちゃんの甘い声が、胸をドキドキさせる。
その時、よしこが歩いてきて隣に立った。
「何か用っスか?」
右手を壁ににつけていちーちゃんに敵意を向けた。
「・・・ただ後藤に会いにきただけなんだけど。悪い?」
「あ〜、悪いっスね。・・・真希はあたしの『恋人』なんで。」
ひゃぁ・・・真希なんて呼ばれちゃった・・・・・
- 324 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月20日(木)17時07分25秒
「後藤・・・・また来るから。」
「あ、うん・・・」
「来なくていいです!!!」
そういってよしこはドアを思いっきり閉めた。
「よしこぉ〜っ・・・」
「やっぱり市井さん・・・ごっちんの事好きだったんだぁ・・・・」
「う〜ん・・・・・・・」
「絶対負けない。ごっちんは誰にも譲らないいよ。」
そういってよしこはガタンと席に座った。
「よしこ・・・・・・怒ってる??」
「・・・・モテる女は辛いねぇ?・・・」
怒ってるし・・・・
- 325 名前:夜叉 投稿日:2001年12月20日(木)20時24分25秒
- 炎がメラメラメラメラーーーー(汗汗。
吉、火力が強。プロパンガス、漏れまくり。(w
最初の頃の勢いはどこにいったぁ、ごとーぉっ!!!(絶叫
作者様、石は当分、放置決定?(w
- 326 名前:とみこ(特別バージョン☆真希視点) 投稿日:2001年12月21日(金)12時33分36秒
- >> 夜叉さん
いや、石は最後のカギなんですって〜(いいわけ?
もう思いついたままに書きますよ〜
水曜から冬休みです(^^
- 327 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)12時49分43秒
(よしこ視点)
夜コンビニに行った帰りに、今後の計画(?)を立てることにした。
ってか・・・・・・・・市井さん、メッチャ本気だよ・・・・
でも
絶対渡さない。ごっちんは絶対渡さないんだから!!!
「絶対渡さない・・・・」
「誰に?」
「市井さんだよ!!」
「あたしか。」
「へ!?」
ふっと振り返ると、そこには市井さんが立っていた。
「よっ。夜道のひとり言はあぶないよ?吉澤さん?」
「・・・つい本音が出ちゃっただけですよ〜だ。」
そういってあたしは歩き始めた。
「ふん、1年のクセに生意気なヤツ。」
それでもついてくる市井さんの方を振り返った。
「・・・・ごっちんは絶対渡さない!!!!」
つい大声を張り上げてしまった。
「・・・・・お前はガキすぎるんだよ。」
「え?」
「中学の時、後藤はあたしの事を好きだった。それはあたしが大人だったから。」
「何が言いたいんだよ・・・!」
「」
- 328 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)12時50分29秒
- >>327
すいません、途中で切れました。
書き直します
- 329 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)12時56分38秒
- 「何が言いたいんだよ・・・!」
「よく考えてみろよ・・・・最近、後藤がお前の前で自分の事「あたし」って言ってるか?」
「・・・・・え?」
・・・そういえば・・・・『ごとー』って言ってる・・・・・・
「あたしが戻ってきたから、後藤も中学の時の気持ちに戻りかけてる。」
「・・・・ごっちんが市井さんの事好きって事かよ・・・・」
「好きになりかけてるんじゃないかな。」
「でも市井さんはごっちんに告白されたくせに・・・・なんで・・・・・・」
「あのときは後藤の事、妹にしか思ってなかった。けど今は違う。ひとりの女の子として・・・」
「ふざけんなよ!!!」
握り締めた拳が、今にもぶっ飛びそう。
ごっちんを傷つけた、市井さんにぶっ放してやりたい・・・!!
- 330 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)13時00分10秒
- 「あたしは初めてごっちんに会った時から、ひとりの女の子として見てた。」
「・・・・・・・吉澤。あんたがいくら後藤に好きって言っても、好きだけじゃだめなんだよ。あたしは吉澤よりも・・・後藤よりも大人だから、後藤を守っていける。絶対に。」
あたしだって守れる・・・・だってこんなに愛してる・・・
「愛だけじゃ生きていけねぇんだよ。」
言い返す言葉がなかった。
きっともっともっと言いたい事はいっぱい合ったのに・・・・
あたしばっかり愛してるって事・・・・・・?
- 331 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)13時02分44秒
- 悔しい・・・悔しい、悔しい、悔しい・・・・!!
こんなにごっちんの事好きなのに、あんなに余裕ぶっこいてる市井さんには・・・
勝てない。
いっつも冷静で、優しくて大きくてあたたかくて・・・・大人で・・・・
あたしには全て欠けてる・・・・・・
その欠けてるものを持っている市井さんと、
それを求めるごっちん・・・・・・
もう・・・・・・叶わないの?
- 332 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)14時31分28秒
- 次の日―――――――
帰り、ごっちんと2人で正門に向かっていた。
「あ、バレー部やってる〜。」
体育館でバレー部が練習していた。
「ちょっと寄って行かない?」
そう言い出したのはごっちんだった。
「・・・・いいけど。」
市井さん目当て・・・?
「あ、よしこ妬いてる〜!」
「や、妬いてなんか・・・!!っていうか・・・・普通妬くって・・・・・・」
自分の顔が熱くなっていくのがわかった・・・。
「嬉しいよ、よしこ。あたし愛されてるな〜って感じ!!アハッ」
「当たり前じゃんっ・・・。」
「だいじょーぶ、安心して。明日・・・ちゃんと返事言うから。ごとーを信じて?」
あ、『ごとー』って言った・・・・・
「うん、わかった。ごっちんの事信じてるから。」
「ありがと。」
・・・・大丈夫だよね?
ごっちんもあたしの事、愛してくれてるよね?
きっと幸せ取り戻せるよね???
- 333 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)14時41分57秒
- 次の日――――
家に帰ったあと、ごっちんと電話で打ち合わせをした。
「じゃぁさ、ごっちんから一緒に帰ろうって言って、2人っきりにならなきゃ。」
(そだね。)
「ちょっと悔しいけどね。ってか妬くね!やっぱり。ごっちん好きだもん。」
(も〜よしこってばハズいってばぁ〜っ。)
「へへっ。でもこれも2人のためだよね?」
(そゆこと!じゃ、また明日ね。)
「うん。おやすみ。」
(おやすみ〜)
ガチャ
- 334 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月21日(金)15時14分46秒
- うわっ、二人っきりにさせて大丈夫なのか!?
もし向こうに傾いちゃったら・・・
楽しみに読ませてもらってます。
- 335 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)15時40分55秒
- >>M.ANZAI
ありがとうございます!
う〜ん、どうなるんでしょ。自分もわかりません(おい
ところでつかぬ事をお伺いしますが、リアルタイムって何ですか?
ホント初心者でゴメンなさい。
これからもよろしくおねがいします。
- 336 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)15時43分21秒
- (特別バージョン★真希視点)
「後藤から一緒に帰ろうって言ってくれるなんて思ってなかったよ。」
市井ちゃんは嬉しそうに歩き出した。
そう、今日は市井ちゃんに返事を言う日。
「あ、いちーちゃん。そこのカフェでも寄ってかない?」
「うん?いいよ〜。」
そのままカフェに入っていった。
- 337 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)15時46分26秒
- 「あたしはアイスティーね。後藤は?」
「ごとーも。」
「マジで?変わったな、後藤。前はいっつもパフェだったじゃん?」
「いーの!ごとーは大人になったんですよ〜だ。」
「あはは。昔も今もカワイイよ。」
「・・・・・・・・バカ。」
今日何のために2人っきりになったんだか・・・・・・・・
ちょっと楽しんでしまった。
- 338 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)15時54分01秒
- アイスティーを一口飲んで、話し始めた。
「いちーちゃん・・・・・あの時の返事だけど・・・・・」
「あー・・・・・うん。わかってんだけどね・・・。NO・・・でしょ?」
「・・・・・・ごめんね。」
いちーちゃん、ごめんね・・・・・
「大丈夫、覚悟はついてたし。」
「もし・・・よしこに出会わなかったら、市井ちゃんの事、まだ好きだった。
けど・・・よしこに出会ったから。それに、出会ったことを後悔してない。世界一の幸せだよ。」
「そっか・・・・・。」
しばらく沈黙してしまった。
- 339 名前:とみこ 投稿日:2001年12月21日(金)15時59分08秒
- 「後藤・・・さ、吉澤と一緒にいる時が1番楽しそうなんだよね。」
「・・・・え?」
「今まであたしに見せた事ない、すっごいいい笑顔で・・・マジかわいかったよ。」
よしこの前だと・・・・?
「その笑顔がなくなってほしくないから、後藤が幸せであってほしいから。
だから後藤には吉澤が必要。吉澤もそう思ってるよ、きっと。」
「いちーちゃん・・・・・」
「もう中学生の時の事は忘れよう。これからは友達として・・・・な?」
「うん・・・・ありがとう。ありがとう・・・・市井ちゃん。」
- 340 名前:深紅 投稿日:2001年12月21日(金)18時03分52秒
- おっ!市井ちゃんオトコマエー。
ごっちんもよっすぃーの大切さ再認識(違)?
とみこさんの小説大好きですーvvv
がんばってくださーい!
- 341 名前:夜叉 投稿日:2001年12月21日(金)20時45分39秒
- いちーちゃん、ありがとう(合掌)。
つか、喜ぶのは早いってか?(w
うーん、どうなんやろ?
作者様、やっぱりあの人が気に(略。
- 342 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月21日(金)20時51分17秒
- 市井先輩、大人ですねぇ。
帰って後藤が惚れ直しちゃいそう…
吉澤と市井先輩との間に良い関係が築けるよう後藤の活躍に期待します。
…リアルタイム…
私は作者さんが小説を上げているのと同時に読んでいる状態の時に使ってます。
読んでいる最中は『更新ボタン』を押しながら拝見していて、
一区切りついたところでレスを書き込んでいます。
(失敗して作品の途中に入れてしまう事も・・・>この前のレス)
いろんな用語が飛び交いますが、それはあちらこちら読んでまわっているうちに
次第に意味や使い方とかは分かってくるものだと思いますよ。
- 343 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)09時25分59秒
- >>深紅さん
>おっ!市井ちゃんオトコマエー。
ちょっとごっちんを甘やかしすぎたかな?って思ってたんですけど、よかったです。
>とみこさんの小説大好きですーvvvがんばってくださーい!
ありがとうございますっっvvvv(ToT)
>>夜叉さん
>作者様、やっぱりあの人が気に(略。
焦らず見守ってやってください(―_―)/
>>M.ANZAI
市井先輩、大人ですねぇ。
帰って後藤が惚れ直しちゃいそう…
>そ、それは・・・ど、ど、どうでしょぅぅ(焦りすぎ
吉澤と市井先輩との間に良い関係が築けるよう後藤の活躍に期待します。
>そうですね、マヂがんばりまっす!!
リアルタイムの意味、教えていただいてありがとうございますvvv
ところで、M.ANZAIさんは小説お書きになってるんですか?
もしそうだったら是非見たいので・・・vvv
夜叉さん、深紅さん、M.ANZAIさん、(そしてカムさん、名無しさん。)
こんな小説のためにいつもありがとーございますvvv(^ー^)
- 344 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)09時27分48秒
- >>343
M.ANZAIさんに「さん」をつけるのを忘れました・・・
失礼な事をして申し訳ありません・・・m(__)m
では、気を取り直して交信します(更新
- 345 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)09時43分54秒
- (特別バージョン★真希視点)
「送るよ。」
「ん・・・ありがと。」
今日ばかりは市井ちゃんに甘える事にした。
寒い冬の風が、市井ちゃんとの思い出を断ち切るように冷やしていく。
けど思い出は思い出、今は今なんだから。
もうなーんにも心配いらないよね?
ごとーは幸せ・・・ううん、あたしは幸せ。
だってよしこがいるもん。
市井ちゃんも新しい恋、見つけてね。
お互い・・・がんばろ?
- 346 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)09時50分51秒
- (特別バージョン★真希視点)
「わざわざありがとね、方向違うのに・・・・。」
「ううん、後藤と2人っきりになれるのも今日が最後かもしれないし。」
「・・・・そうかもね。」
「じゃぁ、また明日な。」
「うん・・・・」
スッと伸びたいちーちゃんの右手が頬に触れる。
そのまま一瞬だけ唇が重なった。
「・・・・・ん。」
「ごとぅ・・・・・」
「いちーちゃん・・・・」
「もう後藤は子供じゃないって・・・知ってたよ・・・。」
「え?」
「ひとりの女として・・・後藤真希として。吉澤を大事にする事!」
「・・・・うん!」
ありがと
いちーちゃん
- 347 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)10時25分07秒
- ひとみ視点に戻りま〜す
- 348 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)10時58分34秒
- ごっちんちゃんと言えたかなぁ〜・・・ちょい不安。
「ヨッスィ〜??」
「え?」
今過ぎた喫茶店から声がした。
そう、あの喫茶店は・・・梨華ちゃんと付き合ってた時の思い出の場所。
「安部さん!お久しぶりです。」
「3年ぶりだね〜!やだ〜またカッコよくなっちゃって!」
「アハハ・・・。」
「あ、そうそう。梨華ちゃんは、来てもあまり喋らないし。何かあったの?」
何かって・・・・・・・もう3年前の事っすよ・・・・・・
- 349 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)11時15分34秒
「あぁ・・・もう別れたんですよね、あは・・・・は・・・・。」
「別れちゃったの?どうして・・・・?」
「あたしが・・・好きな人ができたからです。」
「・・・・そうなんだぁ。あ、だからかぁ・・・・」
「え?」
「梨華ちゃんにとっておいてって言われたんだけど・・・・」
そういって手渡されたのは赤い花。そう、ポインセチア・・・。
「少し早いクリスマスプレゼントだって。」
情熱的な真っ赤な花なのに、とっても温かみがあって・・・落ち着く色だった。
「ポインセチア・・・・・・?」
「花言葉は、【祝福】だよ。」
「祝福?どうして・・・・・・・」
あっ・・・・。もしかして梨華ちゃん・・・・・・・・
「ホント、優しいコだね。梨華ちゃんは。」
「・・・・・ありがとうございます!」
梨華ちゃんからのポインセチアをしっかり持って、お店を飛び出た。
梨華ちゃんに会うために。
- 350 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)11時18分33秒
- すぐに梨華ちゃんの家へ向かった。
梨華ちゃんは・・・・あたしとごっちんのために・・・・・・・・
【祝福】
梨華ちゃんにとって辛い花言葉のはずなのに・・・・・っ
ありがとう、梨華ちゃん。
- 351 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)11時22分21秒
- 途中の公園で、ベンチに座っている女の子がいた。
「梨華ちゃん!」
すぐに駆け寄った。
「ひとみ・・・ちゃん・・・」
「あ・・・えっと・・・・・これ、ありがとう。」
「え・・・・あ、よかったぁ。受け取ってもらえて。」
ニコッと笑った梨華ちゃんの笑顔は、少し哀しそうだった。
「・・・・この公園・・・」
あたしはふっと思い出した。
ごっちんとケンカしたとき、この公園に行ったとき、このベンチの後ろにあった花。
「あったぁ・・・・」
数本咲いていたあの花は、もう1本だけになっていた。
スノードロップ。
- 352 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)11時34分21秒
- 「梨華ちゃん、見て。これ・・・・。」
梨華ちゃんはベンチから降りて、その花を覗き込んだ。
「スノードロップ・・・・?」
「梨華ちゃん、スノードロップの伝説・・・知ってる?」
「伝説・・・・?」
「昔、雪には色がなかったの。だから雪の神様は花から色をもらうように言ったんだけど、
どの花も自分の鮮やかな色を分けようとはしなかった。
けど・・・スノードロップだけが色をわけてあげた。純白の白を。
雪に希望をもたらしたしずく、雪のしずく。だからスノードロップっていうの。」
「雪の・・・しずく・・・」
「これは安部さんに教えてもらった話なんだけどね。でもあたし、この花大好き。」
「どうして?」
「ごっちんとケンカした時さ、ちょうどこの花を見たんだ。ほら、スノードロップの花言葉って希望でしょ?その時は絶望って感じだったんだけど、この花見たら希望湧いてきた。もしこの花言葉を知らなかったら・・・って。」
「・・・・え?」
「花言葉を教えてくれたのは梨華ちゃんだよ。」
笑顔で言えた。
- 353 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)11時38分17秒
「だから・・・梨華ちゃんも希望を持って。あたしは何も言える立場じゃないと思うけど、梨華ちゃんと会えてよかったって思ってる。もう事故の事は忘れられる気がするよ。」
「ひとみちゃん・・・・・・・」
その時、ハラハラと粉雪が降ってきた。
「ポインセチアの花言葉は【祝福】なの。」
梨華ちゃんが言った。
「・・・うん、知ってるよ。」
「・・・・だから、今はひとみちゃんと真希ちゃんを祝福できるから。もう、過去は引きずらないから。今までホントにありがとう・・・。」
梨華ちゃんの瞳から涙が落ちた。
今のあたしに・・・・その涙をすくってあげる事はできない。
その涙の原因は自分だから。
もう罪の償いは済んだよね。
これからずっとずっと、幸せでやっていけるよね?ううん、やっていける。
ほんとにほんとにありがとう。
- 354 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)11時58分01秒
- ★クリスマス★
「メリークリスマス!!」
パンパンパンッ!!
クラッカーの音と同時に拍手が巻き起こった。
『これから、バレー部のクリスマス会を始めます。』
「イェーイ!!ちょっ部長、まだ食べないで下さいよ〜!!」
それからあたしはバレー部に入った。(というか市井さんに無理矢理入らされた。)
部長は市井さん、副部長はあたし。部員はざっと40人くらい。
中学時代のマネージャーだった柴田あゆみが戻ってきて、
ごっちんもマネージャーとしてバレー部の一員になった。
「市井紗耶香、コーラ一気のみ〜!!」
ビン1本分のコーラをごくごく飲んで調子にのってる市井さん・・・・
けど周りは歓声でいっぱいだった。
「部長のいちーさやかぁぁ、ことしもぉ、がんばりまぁぁ〜〜っす!!!」
なんでコーラで酔ってんだか・・・・
- 355 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)12時02分22秒
- 「ほれ、ふくぶちょーよしざわぁ!おめぇも挨拶せぇや!!」
なぜ関西弁!?しかたなく舞台にあがった。
「えーと、来年はこんな部長にならないようにしたいと思います・・・」
「おい、どういう意味だよぉ!!」
「市井さんみたいにならないってことですー!!」
「てめぇ、吉澤ぁぁぁ!!!」
「アハハハ!ごっちん愛してるよー!!」
舞台の下のごっちんに叫んだ。
「ちょっ、よしこぉ!!」
やっぱり平和が1番でしょ!
ずっとずっと幸せでいようね。
ごっちん!
―END―
- 356 名前:とみこ 投稿日:2001年12月22日(土)12時04分01秒
- あい、終わりました。
ごめんなさい。変な終わり方で・・・。
でもバレー部のクリスマス会やってみたかったもんで・・・・
今まで応援してくださった方々、どうもありがとうございました。
また新しい作品ができたらどっかに出没するかもしれません(w
でわ、メリークリスマス!そして、よいお年を〜〜♪
- 357 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月22日(土)15時28分01秒
- とみこさん、お疲れ様でした。
最後まで読んでスノードロップっていうタイトルの意味がやっとわかりました。(w
こういう事だったんですね。
みんなが幸せになれてよかったぁー!石川さんはちょっと切なかったけど・・・。
とみこさん、最高の小説をありがとうございます!
次作も期待っす!
- 358 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月22日(土)15時30分55秒
- わぁ〜、終わってる・・・
連載、お疲れ様でした。
いらぬ心配をしてしまいましたが、無事に収まったみたいですね。
吉澤を引き入れてしまうあたり、市井先輩が一枚上手で、
これからの吉澤と後藤を見守ってくれる事でしょう。
石川さんにも明るく前向きな兆しが見えて、ホットしました。
出来れば番外編みたく、その後の4人の日常のヒトコマなんて読んでみたい・・・
ハハハ… 勝手な要望です、気にしないで下さい。
では、またどこかでとみこさんの小説が読める事を期待しております。
良い作品を、ありがとうございました。
- 359 名前:深紅 投稿日:2001年12月22日(土)18時27分35秒
- とみこさん、お疲れ様でした。
僕はもう1日に1回はスノードロップ読まないと気が済まなくて(笑)
吉子とごっちんがラブラブで終わって、幸せモード突入。
石川さんもポジティブになってvvv
またどこかでとみこさんの小説を読みたいです。
そして、出来ればこんな僕の小説も読んでいただけると幸いです。
いままで、お疲れ様でした!
そして、よいお年をお迎えください!
- 360 名前:夜叉 投稿日:2001年12月22日(土)21時41分00秒
- 作者様、おつかれさまでした。
石のことが気になって気になって(w。
暴走癖のある読者ですいませんでした。
みんな幸せで良かった。
もしかすると…(汗)、なんて考えていたのですが(w。
自分も4人の日常編を希望したりなんか。気が向いたらでいいので、良かったら。
新作、楽しみに待ってますね。
ありがとうございました。
- 361 名前:カム 投稿日:2001年12月22日(土)22時54分44秒
うぉぉおぅ〜!とみこさんっ最高っす!
ハッピーエンド(しかもよしごまラヴラヴ)で終わらせてくれて感謝です。
本当に連載お疲れ様でした。よしごまラブ小説の一つが終わってしまって
とても残念ですが、新作を拝見できる事を楽しみにまってます!
自分もとみこさんの様に読者さんの心を掴む小説を書けるように頑張ります〜。
- 362 名前:ポー 投稿日:2001年12月23日(日)01時59分57秒
- ハッピーエンド!最高でした!すごくおもしろかったです♪花言葉とかはいってたりしてステキ☆な作品でした(´u`)d あっ、今まで自分レスしたことあったっけかなぁ。。(失礼..)とにかくこの作品はおきにいりの中のひとつでずっと愛読してましたよ!新作ができたら知らせてくださいね♪ おつかれさまでした〜!
- 363 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月23日(日)04時07分15秒
- 最初からずっと読ませて頂いていました!っていうか180でレスしてますね…
スノードロップが絶望のよしこを救う…
その他諸々世界は繋がってるんだな〜っと、自分の中で曲解してみる(w
途中の展開の早さに驚きつつ(w
でも、なんかいい世界観?だなぁって思いました。
ただ、これからのいちーちゃん及び梨華ちゃんがそれぞれどーなっていくのか興味がありますね。
では、次回作楽しみにしています。
- 364 名前:とみこ 投稿日:2001年12月23日(日)17時49分57秒
- M.ANZAI様
深紅様
夜叉様
カム様
ポー様
名無し読者一同様。
>>>もう感激っス!!!!!こんなにレスがあるなんて・・・・!!!
ひとりひとりにレスできなくてごめんなさいです・・・・
今ちょいと体調悪いもんで・・・・・・
私もよしごまハッピーエンドで終われてよかったです!!
これも励ましをくれた方々や、影で見守ってくれた方々のお陰です。
本当にありがとうございました!!!!!
番外編、書けたら書きます!
PS M.ANZAI様
「愛の形」見つかりました。ありがとうございますっっ(;;)
- 365 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月24日(月)11時38分58秒
- 見つかりましたか。良かったです♪
- 366 名前:とみこ 投稿日:2001年12月24日(月)12時40分33秒
- 火曜か水曜に、短編を書きたいと思います。
昨日の7時から放送された
『”モーニング娘2001年感謝祭”舞台裏も全部見せます…密着365日永久保存版 』
見ましたか?あの時にやったコントで、
綾小路文麿役の後藤真希と、梨華ちゃんのコントに感動しました(w
何かすっごく文麿がカッコよく見えて、惚れちゃいそうでした!!!(マジ
というわけで、短編タイトルは・・・・
『梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ!!』
です!!(そのまんまやん)
どうぞ笑ってやってください(www
- 367 名前:『短編梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ!!』 投稿日:2001年12月25日(火)11時23分17秒
- ここはハロモニ女子学園。
学園内に寮があって、大半の生徒達はここに住んでいる。
今回の主人公は、石川梨華。
いつも泣き虫で、何かあるとすぐに泣いてしまう。
そんな梨華も恋をしていた。
それはズバリ、綾小路文麿(あやのこうじふみまろ)である。
私立ナルシス高校に通い、常にバラを持ち、有名な文学者の言葉を言うキザなやつ。
いつもいじける梨華のもとに、どこからともなく飛んできて、
詩を読んでなぐさめるという役目である。
そんな文麿に梨華は恋をしていました。
- 368 名前:梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ! 投稿日:2001年12月25日(火)12時46分40秒
- それは、クリスマスの前日のことです。
「おっは〜!なつみ!今日も勉強してる〜??」
やけにハイテンションで現れたのは、ハロモニ。女子学園2年A組の生徒、矢口真里。
生徒会副会長である。
「び、びっくりしたべさ〜。・・・勉強のジャマすんじゃねぇべよ。」
この少し訛りの入ったコの名前は、安倍なつみである。
ハロモニ。女子学園2年A組の生徒で、矢口の同級生。いつも勉強している。
「あ・・・・また変なのが来たよ〜!!」
「ん?あ、あれ梨華ちゃんでねぇか?」
向こうから暗いオーラを放っている少女がトボトボと歩いて来た。
- 369 名前:梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ! 投稿日:2001年12月25日(火)12時55分30秒
- あくまでもお笑い系なので、笑ってやってくださいな。
- 370 名前:梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ 投稿日:2001年12月25日(火)13時32分07秒
- 「人間って・・・・悲しいね。」
なつみたちの前で立ち止まるなり、そう呟いた。
「いきなりどうしたんだべさ〜。梨華ちゃん。」
「今年のクリスマスもひとりなのっ!!」
眉をはちの字に曲げで叫んだ。
「な、ひとりなんてしょうがないべさ〜。」
「そーだよー!!うちらだって彼氏いないし〜!ね?なっち。」
「そーだべよ〜。それくらいでいじけんじゃねぇべさ、梨華ちゃん。」
「イヤッ!!ひとりぼっちのクリスマスなんて・・・・・」
(うしろを向いて目薬を打つ。)
クルッ
「そんなの悲しすぎる!!!」
「梨華ちゃぁ〜ん、そんな泣く事ないじゃんかぁ〜!!」
「うぇ〜〜ん・・・うぇ〜〜〜ん!!」
なつみと真里は困り果てていました。
- 371 名前:梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ 投稿日:2001年12月25日(火)14時13分36秒
- 「ったく、梨華ちゃんはよくわっかんないなぁ〜っっ!!」
「僕にはわかる。」
「え!?」
現れたのは、綾小路文麿であった。
「あなたのその悲しみが、僕にはわかる。」
そういってバラの花を投げ捨てた。
「し、私立ナルシス高校の綾小路文麿だ!!今日もキザってるなぁ・・・・」
(そしてカメラ目線で梨華に近づく。)
文麿は梨華に近づき、そっと肩に手を添える。
「悲しみは美しいものである。悲しみほど強い誘惑を持っているものはあるまい。永井荷風」
「文麿サマvvv」
一気に梨華の機嫌が戻った。
「僕の高校でパーティーが開かれるから、よかったらおいで。」
「ありがとうございます」
こうしてクリスマスをむかえるのであった。
(っつーか今の詩は番組モロパクり。)
- 372 名前:梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ 投稿日:2001年12月25日(火)14時58分11秒
- ―私立ナルシス高校―
「なーんでナッチ達も来なきゃいけないべさ〜!!」
梨華の付き添いで、なつみ・真里も連れてこられた。
「HELLO!!」
突然現れたのは、吉澤ひとみ。ハロモニ。女子学園2年C組の生徒。
帰国子女なのだが、英語も日本語もイマイチ。
「ミナサン、ゴメンナシャケ!!!」
「いや、っつーかなんであやまるっちゅーねん!!」
「ゴメンナ・・・・タコ!!!」
「いや、もういいから。モロ番組のパクリだから(^^;)」
「ファイト、オー!!ファイト、オー!!」
叫びながら走って来たのは、ハロモニ。女子学園中等部の生徒達と・・・・
「右向けー右!!」
飯田圭織。ハロモニ。女子学園3年B組の生徒で、矢口の先輩。生徒会長でもある。
「梨華ちゃん、こんなに呼んだの!?」
「ううん、なつみちゃんと真里ちゃんしかよんでないもん。」
「僕が呼んだんだよ。」
「綾小路文麿!!」
「やぁ、みんな。わざわざありがとう。」
「文麿サマvvv」
梨華は目をにして喜んでいた。
- 373 名前:梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ 投稿日:2001年12月25日(火)15時23分02秒
- 勝手な事言ってごめんなさい。
あのですね、今新作のストーリーを考えてるんですが、
この短編を書いてるとそっちに集中できなくなってきて・・・
いち早く新作を仕上げたいのですが、
もしよければ、この文麿の小説の続きを書いてくれる人、いらっしゃらないでしょうか。
私の勝手な要望なので、いらっしゃらなければこっちに集中して、
新作は後日書き始めようと思います。
本当に勝手でごめんなさいm(__)m
- 374 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月25日(火)21時08分46秒
- いつの間にか短編が始まってました。
この話、面白そうですね。
>もしよければ、この文麿の小説の続きを書いてくれる人、いらっしゃらないでしょうか。
って、作者さんが書かないと別の方だと思いもしない方向に話が向いちゃいますよ。
(どんな結末が?なんて聞いたら詰らないし…)
でも新作も読みたいし…。
- 375 名前:梨華の恋・L・O・V・E・ラブリ〜文麿サマ 投稿日:2001年12月26日(水)10時25分59秒
- >M.ANZAI様
そうっすね。もうちいと頑張ってみます!!
- 376 名前:とみこ 投稿日:2001年12月26日(水)12時27分43秒
- 『キャー!!文麿サマぁだわ』
ナルシス学園に招待された女の子たちが文麿目がけて走って来た。
梨華はサッと文麿の後ろに隠れた。
『キャー!!文麿さまぁ〜・・・・ん?この女は誰?』
文麿のうしろで警戒オーラを放出してる梨華に目を付けた。
「文麿サマ・・・・(上目遣い攻撃)」
「・・・・このコは僕が招待したんだ。君たちは?」
「あたしたちは市井ヶ原紗耶麿サマをひとめお目にかかろうと・・・」
その時、螺旋階段からひとりの美少年が降りてきた。
ナルシス高校3年の市井ヶ原紗耶麿(いちいがはらさやまろ)である。
「紗耶麿サマ」
文麿の周りに集まっていたファン達は、一気に沙耶麿の方に集まった。
「まぁまぁ、みんな。」
沙耶麿は白い歯を輝かせて笑った。
- 377 名前:夜叉 投稿日:2001年12月26日(水)17時14分50秒
- おろ、番外編?
例の奴ですね、原作ってのは(w。
でも、原作にいない人が登場してるわ、いちーちゃん(爆)。
この先、どうなるのかな…。
やはり、作者様が書いた方が納得いくのでは?っと考えてみたり。
頑張ってくださいね。
- 378 名前:とみこ 投稿日:2001年12月26日(水)19時20分37秒
- >>377 夜叉様
そうですね。頑張ってみます!!
新作はどこに書こうかな・・・また黄板かな。
結構好きな小説がいっぱいあるんですよね〜、ここ。(^^)
夜叉さんの小説もかなり好き!
新作はタイトルすら決まってないんですが、
主役はよしこではないと思います!
見知らぬ男性を主人公にしたいんですが・・・男女恋愛ってのも書いて見たくて。
でもごま主人公になるかもです、、、
柴っちゃんも登場させたくて・・・欲張りっすね(w
テーマをひとつにまとめてから始めようと思います。
応援よろしくおねがいします。
- 379 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)09時00分10秒
- 「おー!!なんか美少年2人がそろいましたね〜、先輩?」
「俺の方がカッコイイと思うんだけどなぁ・・・・」
「絵になるだべさ〜、あの2人は。」
「コラァ!!!あんたら何やっとんねん!」
突然乱入して来たのは、ハロモニ。女子学院の関西弁美人教師・中澤裕子である。
「中澤先生、何でここに・・・」
「他校への外出は禁止!!校則で決まっとるやないかい!!」
「ウルサーイ、ミソジババア。」
「み・・・!!みそじって・・・・吉澤さん・・・・・」
- 380 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)09時05分04秒
- その時、文麿と沙耶麿が中澤の前に立った。
「ハロモニ。女子学院の先生ですか。」
「あぁ!?(・・・ってええ男やないか!!)」
「このコ達は僕が招待しました。」
文麿がニコッと笑って言った。
「お預かりしてもよろしいでしょうか?」
そして沙耶麿のスペシャルスマイルで中澤をイチコロにした。
「もちろんですわ。ついでに私もおあずかりして下さらない?」
「「それは結構です。」」
「なっ・・・!!(このクソガキ・・・・でもかなりカッコイイわ・・・・)」
- 381 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)10時49分16秒
- 「・・・・文麿サマ、2人っきりになりませんか?」
梨華がそっと囁くと、文麿はニコッと笑った。
「こっちにおいで。」
そのまま2人は誰もいない踊り場へ行った。
「ねぇ、今梨華ちゃんと綾小路文麿が2人で出て行かなかった?」
「見た見た。あとつけるべよ!!」
「フタリノセカイネ。」
- 382 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)10時58分51秒
- 「文麿サマ、これ・・・クリスマスプレゼントです。」
「ありがとう。」
「梨華特製手編みセーターです」
そのセーターには「Mr.Fumimaro」と書いてあった。
「気に入ってもらえたかな・・・・」
梨華はそっと文麿の顔をのぞいた。
「僕、女なんだけど。」
はい?
- 383 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)11時03分41秒
- 「お、女?」
「うん。ここは女子校だよ。」
「え・・・でも僕って・・・・」
「知らなかったのかい?ここは高田塚歌劇団の学校だよ。」
「タカダヅカ???」
「そう。」
「そんな・・・・・・」
梨華はその場にしゃがみこんで泣き出してしまった。
「そんなの悲しすぎる!!うえぇ〜〜〜ん、うえぇぇ〜ん!!」
「な、泣かないで、梨華ちゃん。」
- 384 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)11時06分06秒
- 「僕が君のサンタさんになってあげる。」
「・・・・え?」
「メリークリスマス。」
そっと口付けした瞬間、外には真っ白な粉雪が舞った。
「文麿サマ・・・・」
「メデタシメデタシ!ワタシタチデバンコレダケ???」
―完―
- 385 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)11時08分54秒
- 終了です。
私にはお笑い向いてないっぽいです(死
やっぱ恋愛系とか甘甘系が好きなんです!(いいわけ?
新作完成しました。黄板に新スレ立てます。
ありがとうございました。
- 386 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)11時09分39秒
- ps sageます(^^)
- 387 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月27日(木)11時37分48秒
- 思わぬ結末に驚きました。
いやぁ、やっぱり作者さんに書いてもらってよかった。さもないと今ごろ・・・
あっ、このスレはこれでお終いですか?
お疲れ様でした。
新スレ捜してみます。(名前とか変えてませんよね?)
- 388 名前:とみこ 投稿日:2001年12月27日(木)14時51分49秒
- ここのスレは終わりです。
ここの新スレ立てました。結構スタートはいいカンジです。
- 389 名前:夜叉 投稿日:2001年12月28日(金)16時56分02秒
- お疲れさまでした。
高田塚歌劇団…、もれなく例の帰国子女が入団(略。
おもしろかったです、オチが…(w。
新スレ、もう立ってるんですね、探さなくっちゃあ。
ありがとうございました。
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