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くちづけのその後 (2)

1 名前:式神 投稿日:2001年11月10日(土)02時43分52秒
同じ『月板』で書いていた物のつづきです。

学園モノを書きたいと思います。
「いしよしごま」の三角関係にチャレンジです。
実際の年齢など一切無視してます。

隅の下の方で、ひっそりと更新していきたいので
sageでお願いします。(ワガママですみませんm(__)m)

とうとう2つ目まで来てしまいましたが、
宜しくお願いします!
2 名前:345 投稿日:2001年11月10日(土)03時35分16秒
式神さん本当に申し訳ありません。
式神さんの前回の作品「無敵なライバル」の時から、
ずっとブシンさんだとばかり思い込んでいました。
小説も書く武の神っていうことで、文武両道OKという
意味のペンネームか、カッケーなぁ・・・と。
どんな理由があれ、名前間違えるのは最低です。本当にすいません。
「女生徒」さっそく明日さがしてみます。ありがとうございます。
それから、自分は小説書くなら、エロが一番難しいと思ってます。
いろいろな意味で。理由書くと長くなりそうですから・・・。
式神さんのスレッドなのに、何回も長い文章を書き込んでしまい
誠に申し訳ありませんでした。これからも楽しみに読ませて
いただきます。ありがとうございました。
3 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2001年11月10日(土)13時06分01秒
2>>あ、いや、軽いツッコミのつもりだったんですが・・・
  式神さん、式神さんなら許しちゃいますよねぇ?
  と、いうことで続き頑張ってください。
  いしよし最高!ごっちんもがんばれ!
4 名前:CHILDREN 投稿日:2001年11月10日(土)14時00分03秒
頑張って下さい。楽しみに更新まってますんで
5 名前:名無し男 投稿日:2001年11月10日(土)17時45分25秒
どえりゃーことになってしもたがやー
6 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月11日(日)03時39分52秒
昨夜、
「ごっちんコロ(略」と寝言で言ってしまった私をお許しください。
そのあと「よっすぃ〜」と叫んだそうな…恥ずかしい。

それくらい、この作品は私の脳を侵食していってます。
7 名前:式神 投稿日:2001年11月12日(月)04時43分03秒
>>2 『武神』本当にカッケー名前です。この名前にすればよかった(w
   小説に自信が持てるようになったらレベルアップしてこの名前に
   しようかなぁと思ったり・・・。しかし、まだまだですナ。
   『女生徒』〜今、これを読むと石川さんの心の中みたいに思え、萌えて
   しまいます。ぜひ、感想をお聞かせ下さい。

>>3 はい!許します!

>>4 CHILDRENさん
  有難うございます!!

>>5 おっ!名古屋弁ですか?親戚がいますよ!

>>6 寝言・・・自分はなぜか昔「ジョンソン〜!」と叫んでいたそうだ(w

いつも有難いお言葉をいただき本当にありがとうございます!!
これからも頑張ります。
8 名前:174 投稿日:2001年11月12日(月)04時51分23秒
ひとみは、ずっと考えていた。
自分はいつから梨華のことを好きなのだろう、とか、一体いつから梨華だけを
大切に思うようになったのか、とか。
梨華が・・・・・・・・真希とキスしていたことや、梨華は真希を好きなのか?
ということ。そして、それを許せないと思ってしまう自分のことを、
バカみたいに考えていた。
考えても仕方がないようなことばかりだと思うのに、それらは頭から離れない
ままだ。

「・・・・・・・・」

そうして、ひとみは思ってしまう。
もしも、真希が自分だったら、と。
もし自分が真希だったら、素直に梨華に好きだと言えたのだろうか?
意地悪なことを言って、梨華を泣かせたりしないで、好きと囁きながら、
優しく梨華を抱きしめられただろうか?
そうすれば、あんな風に梨華にキスするのは、自分だったのだろうか?
9 名前:175 投稿日:2001年11月12日(月)04時59分15秒
「・・・・ありえないな」

勝手な考えに自分でも笑ってしまう。本当にバカみたいだと思う。
自分は『吉澤ひとみ』で、梨華のたった一人の幼なじみで、ヒネくれ者で、
素直になれないのは、どうしようもない事実だ。
今さら、この性格を変えられないことぐらいひとみは分かってる気がした。
自分の性格を、一番よく知っているのはひとみ自身なのだ。
自分を変えたい、なんてもう数え切れないほど思ったことで、誰よりも
梨華に優しくしたい、なんて一秒ごとに思っている。
けれど、それを素直に行動に移せなくて、いつか、いつか梨華に優しく
出来たら、とひとみが思っている間に、梨華はもう、真希の腕の中にいた。
まるで、笑えない・・・・・現実。
10 名前:176 投稿日:2001年11月12日(月)05時06分01秒
「バカ・・・みたい・・私・・・梨華・・・ちゃん」

だからせめて、梨華の前では今まで通り、普通に振る舞おうとひとみは思った。
取り繕うように優しく出来なくても、意地悪なままでもいい・・・・。
梨華の好きな、ひとみのままでいること。


それが、今のひとみに出来る唯一で最善のことなのだ。


辛くても、どんなに怒りが込み上げても、せめてものプライドで、
ひとみは、真希といる梨華を微笑んで見守ってあげようと思う。


それ以外の、どんなことも、ひとみには、もう出来ないような気がした。
11 名前:式神 投稿日:2001年11月12日(月)05時08分11秒
>>8-10 少しですが更新しました。
    誤解する吉澤さん・・・・ちょっと可哀相すぎたでしょうか?
12 名前:ちび 投稿日:2001年11月12日(月)07時32分28秒
可哀相です…でも、わかる気がする…
これからの展開がそぉとぉ気になります。
この小説を読むといつも軽い呼吸困難に陥ります…
13 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2001年11月12日(月)10時59分55秒
梨華ちゃんがけがれなき「純粋」ならば、
よっすぃ〜は一途という意味で「純粋」だと思います。
ごっちんはどんな「純粋」なんだろう、
そう考えながら続きを読ませてもらいます。
14 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2001年11月12日(月)11時05分46秒
sage
15 名前:七誌 投稿日:2001年11月12日(月)19時23分35秒
よしこもかわいそうなんだが、
ごっちん!!!あんたいいこだねぇ〜〜。(泣)
はぁ。みんな切ない…。
16 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月12日(月)21時14分05秒
切ないなぁ、
てかよし子偉いね、感動した。

式神さん寝言で「ジョンソ〜ン!」って
言ったことあるんですか、
僕「おとうちゃん・・・」って寝言で言ったの
姉に聞かれたことありますよ(w
娘。の夢ってリアルだから怖い(w
17 名前:式神 投稿日:2001年11月13日(火)02時02分26秒
>>12 ちびさん
   呼吸困難!!それは大変だ!今すぐマウストウマ・・・(w

>>13 後藤さんは、自分の気持ちを素直に出せる「純粋」さでしょうか?

>>15 ごっちん、いい子いい子してあげたい(w

>>16 娘。の夢は、かなりリアルですよね!!!
   僕の寝言は兄が聞いていたのですが、
  兄『お前、夜ジョンソン〜!って言ってたけど、ホラー映画の
    見すぎじゃねーか?』
   兄貴・・・・そりゃ「ジェイソン」だろ・・・まぁ似てるけど・・・(w

18 名前:177 投稿日:2001年11月13日(火)02時12分49秒
発作的に部屋を飛び出した梨華は、行く当てもないまま走りながら、いつの間にか
ひとみの事ばかり考えてる自分に気付いて戸惑っていた。
真希にキスされた時は驚いて、けれど驚いただけだった。

「・・・ごっちんのバカ・・・・」

なのに、ひとみの名前を出された途端、真希とキスをした自分に酷いショックを
覚えた。けれど、その瞬間に梨華は、ひとみにキスの言い訳をしたくて、
何かとてもたくさんのことを言ってしまいたい気がして、
たまらない気持ちになったのだ。

「・・・・・・・」

だけど、一体自分は、ひとみに何を言いたいのだろうと梨華は思う。
さっきのキスは、好きだからでも何でもない、ただの事故だったのだとでも
言い訳したいのだろうか?
それとも、自分が好きなのは真希ではないと言いたいのだろうか?
自分は誰を好きなのか、そう考えて梨華は泣きたい気分になった。
考えるまでもない、その答えを梨華は、もうずいぶん前から知っている
気がしたから・・・。

「・・・・・私って、かなりマヌケだよ〜・・・・」

19 名前:178 投稿日:2001年11月13日(火)02時22分24秒
真希に冗談のようなキスをされて、何でもない筈のそれを、どうして自分は
こんなにひとみに言い訳したいと思うのか?
なぜ言い訳したいと思う相手がひとみだけなのか?
それだけで、簡単に分かることだった。自分がひとみを好きということが、
なぜか梨華には当たり前のことのように思えるのだ。
ひとみが自分の傍にいること、それが一番自然で、一番安心出来ることに
思えるから、いつもひとみのことばかり考えていたから、

「幼なじみのひとみちゃん・・・」

呟く言葉が、急に重く感じる。
幼なじみで、親友で、もうほとんど家族みたいな存在のひとみ。
ヒネくれ者で、意地悪で・・・・。
なのに、自分は今までとはまるで違う意味でひとみが好きで、女の子同士だと
分かっていても、例えばキスをしたいと思うのはひとみ以外にいない気が
するのだ。
20 名前:179 投稿日:2001年11月13日(火)02時29分29秒
女の子同志で好きだなんて変だと思う。それでも、もう梨華はその気持ちに
気付いてしまったから、やっぱり自分はひとみが好きなのだと、意識せずには
いられない。
なのに、そのひとみに真希とキスしている所を見られてしまったのだ。
そう思うと、言い訳したい事が山ほどあるのに、今度は自分の気持ちをひとみに
知られるのが怖くて、嫌われたくないからひとみに会う勇気がどんどん
失くなっていく。
すごく会いたいのに、会いたい気持ちと同じだけ会いたくないような感覚。

「!!」

唐突に降りだした雨が、夕立のように強く梨華を打ち付ける。
21 名前:180 投稿日:2001年11月13日(火)02時37分39秒
どこかへ隠れようとする前に、雨はあっという間に梨華をビショ濡れに
してしまった。

「・・・もう、どうでもいいよ・・・」

こんな風に雨の中、一人でいるとそんな気分になってしまう。
雨に濡れることも、もう気にならなくてしばらく歩いていくと、
梨華は、ふいに子供の頃によく遊びに来た公園の近くに来ていることに気付いた。


ひとみの隣りの家には、もう帰れない気がして、
行く先も当てもないのに、雨は降り続くばかりで、
ひどく不安な気持ちを抱きしめたまま、
梨華はその公園の中へ入って行った。







22 名前:式神 投稿日:2001年11月13日(火)02時44分12秒
>>18-21 更新しました。

最近、少しずつしか更新出来なくて申し訳ございませんm(__)m。
仕事が、年末に向けてかなり忙しくなるのです。
締め切りに追われる毎日・・・・(T_T)
そういう時に限って、こちらの小説を書きたくなるという逃げが発生(w
23 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)07時28分59秒
気づきましたねイシカーさん、てか遅い(w
さて続きが気になりまくるところなんですが、
式神さんが一体なんの仕事してるのかも
気になるんですが・・・
24 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)14時30分50秒
石川さんがようやく気付いたようだし
速くよっすぃ〜の誤解もとけると良いですなぁ
25 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月13日(火)20時46分02秒
早く、ヨシコと梨華っちが幸せになりますようにT_T
26 名前:CHILDREN 投稿日:2001年11月14日(水)00時37分13秒
式神さんが思っているより更新量はいい感じですよ。
この調子で小説も仕事も頑張って下さい。
27 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月14日(水)21時58分59秒

私、式神さんのファンです!(w
他に、いしよし書いてるのですか?
どなたかどこにいけば読めるのか教えて下さい…。
28 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月15日(木)01時26分27秒
>>27
ここ(月板)の「無敵なライバル」スレが式神さんの前作品ですよ〜
ちなみにスレはsage進行で・・・
29 名前:名無し君 投稿日:2001年11月16日(金)19時54分43秒
前作品ではなく、現作品であると信じたい……
30 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月17日(土)01時10分45秒
>29
禿げ胴!!!
31 名前:名無し男 投稿日:2001年11月17日(土)17時07分04秒
雨は夜更け過ぎ〜に〜

俺は昔寝言で「かーちゃんピーマン入れんといてや」って言った事があるらしい
32 名前:式神 投稿日:2001年11月17日(土)20時36分44秒
>>23 ただのエロ書き野郎です。

>>24 誤解が解けるのは・・・いつのことやら・・・(w

>>25 CharmyBlueさん
   自分も星に願いを込めます。

>>26 CHILDRENさん
    有難うございます!!頑張ります。

>>27 有難うございます!ファンとは・・・クラブでも作ろうかな(w

>>28 いいっすよ(w

>>29 最近、更新してない・・・すみませんm(__)m
   激しく現作品であります!頑張ろう!

>>30 その寝言、自分も聞いてみたいと思ってしまった(w


更新遅くなりました。すみませんm(__)m
33 名前:181 投稿日:2001年11月17日(土)20時48分17秒
「・・・・・・えっ?」

大きなお節介と小さな好奇心から、梨華がひとみにどう言ったのかと、
その後の二人がどうなったのかを聞き出そうと梨華の家へ電話した真希は、

「じゃあ、梨華ちゃん・・・まだ帰ってないんですか?」

そこで電話に出た梨華の母親だという女性に、梨華は出掛けているのだと
教えられて、一瞬沈黙してしまう。
梨華が家を飛び出して行ったのは、確かまだ昼を少し回った頃だった筈だ。
その後すぐに真希は自分の家へ帰って、今はもう夜の7時である。

「え?私ですか?一緒じゃないです・・・」

二人で上手くやってるのなら構わない。けれど真希は、何となく不安になった。
ひとみと会えて一緒にいるのでなければ、梨華は一人でいることになるからだ。

「・・・あの、ちょっと隣りの家を見て貰えませんか?」

不安に駆られて訊いた真希に、彼女は隣りの家の電気は消えていると言う。

「いえ、そうじゃないです・・・何でもないですから」

何かあったのかと訊く声に、適当なことを答えて電話を切った。
そのまますぐにひとみの家の電話を押す。すぐに留守番電話の声が出て、
真希は酷く苛立った。
34 名前:182 投稿日:2001年11月17日(土)21時00分59秒
次に、亜依と希美の家へ電話したが、間が悪かったのか二人とも出掛けていて
留守ばかりだ。

「どうなってんの?」

窓の外を見ると、いつの間にか酷く雨が降っていた。おまけに外は真っ暗だ。
梨華は傘を持たずに出て行った。この雨の中、梨華は本当にひとみと一緒に
いるのだろうか?それともどこかで誰かに会えているのだろうか?
雨に濡れていないだろうか・・・。けれど、もし・・・もしも今、梨華が一人だったら?

「梨華ちゃんっ!!」

唆すようなことを言ったのは自分だった。起爆剤のようなキスを仕掛けたのも。
そう思うと真希は、いても立ってもいられないような気持ちになって
電話を切った。途端に家を飛び出していた。梨華を探す為にだ。

「待ってて・・・・梨華ちゃん・・・」

梨華か、梨華に会えないならひとみ。
とにかくそのどちらかに会わなければいけないと思う。
梨華に会えるならそれでいい。ひとみなら、梨華がいなくなったことを、
キスをした理由を言うつもりだった。前みたいに殴られるかも知れないが、
梨華の為なら殴られても構わないと思う。
それで真希は、自分の気持ちにけりがつけられる気がするからだ。
35 名前:183 投稿日:2001年11月17日(土)21時10分21秒
どしゃ降りの雨が、傘をさしていても容赦なく身体を濡らしていく。
真希は、ひとみの家のドアを目指した。

「ひとみ!!」

インターフォンを何度も鳴らして、ドアを叩くけれど何の反応もない。
両親も出掛けているのか、ひとみの家に人の気配はなかった。
思い付いてガレージを覗いたら、車もひとみの自転車もない。
何よりもひとみがいないことに真希は焦燥に駆られてしまう。

「あの・・・・後藤、さん?」

控えめな声に振り向いたら、梨華の母親だという女性が自分を見ていた。

「あっ、こんばんわ」

マズイ、と本能的に思う。彼女は酷く心配そうで不安げな表情をしていたからだ。

「あの・・・梨華ちゃん、どこか行ったんですか?」

そんな風に言われて、自分にも分かりませんとは答えられない。

「いえ、ひとみと一緒に、あい・・・加護さんの家に
 いるみたいですから・・・ご心配なく〜あはっ」

真希は出来るだけ優しげな笑みを浮かべて、そう答えた。
36 名前:184 投稿日:2001年11月17日(土)21時17分27秒
「少し遅くなるかも知れませんけど、ちゃんと送り届けますから」

自分も今から行く所なんです、と答えて素早く去ろうとした真希は、

「でも加護さんからも電話があって梨華ちゃんのこと捜してたわ」

鋭い声に、真希は亜依の間の悪さに顔をしかめる。

「あ〜〜っ!のの、辻さんの家でした、あはっ・・・ひとみっていつも私に
 嘘教えるんですよ、嫌な感じですよねぇ」


言い残して、そのまま真希は100M走の気分でスタートダッシュする。
後ろで彼女が何か言ったような気がしたが、聞こえない振りをした。
強い雨音のせいで聞こえなかったと言っても許されるだろうと思いながら・・・。
37 名前:185 投稿日:2001年11月17日(土)21時28分50秒
真希は、雨の中を必死に走って、けれど梨華の行きそうな場所を少しも
思い付けない自分に舌打ちしてしまう。
ひとみの家、一緒に行ったバーガーショップ、近所のコンビニ・・・。
あとはどこが残っているだろう。そのどこにも梨華はいないのだ。
おまけにひとみと一緒にいる可能性はゼロに等しいらしい。

「・・・梨華ちゃん!!」

途方に暮れて、もうどこをどう捜していいか分からないような気分になった時、

「!!」

真希は見慣れた背中が自転車に乗ろうとするのを見つけて、

「ひとみ!!」

逃げられる前にその腕を掴もうと全力で駆け寄る。

「真希?」

急に後ろから腕を掴まれて、ひとみは怪訝そうな表情をした。
そのままうるさそうに真希の腕を振り払おうとするのを、
強く掴んで許さない。
今その手を離したら、何もかも終わりだ。
38 名前:186 投稿日:2001年11月17日(土)21時35分23秒
「梨華ちゃんは?ひとみ、梨華ちゃんを知らない?」

唐突に叫んだ真希に、ひとみは一瞬酷く驚いた表情をして、

「知るわけないよ」

けれどすぐにそれは、だからどうしたというものに変えられてしまう。

「梨華ちゃんがいないんだよ〜、飛び出してって、
 どこにいるのかも分かんないんだよ!」

何からどう話せばいいのか分からなくなる。
ひとみが不機嫌で、自分に対して怒っていることも知っていた。だけど今は
そんなことを言ってる場合じゃないのだ。
梨華が一人ぼっちで雨に濡れているかも知れないのだから・・・。

39 名前:187 投稿日:2001年11月17日(土)21時42分28秒
「だから?」

なのにそんな風に言うひとみに真希はカッとなった。
あんまりな言い方だったからだ。

「梨華ちゃんのこと、心配じゃないの!!」

怒鳴りつけるように言う真希を、ひとみは黙って見つめていた。
いろんな感情を深く飲み込んで、必死に自分を抑えているような目をして、

「・・・真希が捜せばいい、その方が梨華ちゃんは・・・・喜ぶ」

抑えすぎて感情のない声が真希に言う。
梨華と真希のことを完全に誤解しているのは明らかだった。
そう思わせるようにしたのは自分だったけれど、真希はこんなことに
なるとは思わなかったのだ。
40 名前:188 投稿日:2001年11月17日(土)21時49分31秒
「ひとみ・・・私は梨華ちゃんに振られちゃった・・・完全にね、
 告白する前から振られてたんだよ・・・」

言い訳かも知れないと思う。けれど言わずにいられないから、

「おまけに、告白もしてないんだよね、だから梨華ちゃんは、
 ゴトーの気持ちも知らないままなんだ」

そう言って、まるで信じてない横顔を見つめる。

「梨華ちゃんって・・・きっと言わないと一生通じないタイプだと思う」

笑おうとして、けれど失敗しそうに歪む視界の向こうで、

「・・・・どういう意味?」

怪訝に寄せられる眉を見つめながら、こんな鈍感なひとみに、
どうしていつも自分は敵わないのだろうと真希は思う。
41 名前:189 投稿日:2001年11月17日(土)21時55分38秒
「私・・・もう、梨華ちゃんいらなくなったよ」

出来るだけ格好を付けて真希は言ってやる。
まるで、子供の頃のひとみみたいに・・・。

「だから・・・・・ひとみにあげる」

私、もう欲しくなくなったから・・・

「・・・・ほら、早く梨華ちゃんを捜しに行って、
 大好き〜はあとはあとって言っちゃってよ!!」

梨華を諦めるための言葉は、切なくて、なのにどこか優しく、胸へと響いた。
そう言えた自分と、驚いたように自分を見たひとみに満足する。
真希は、甘い恋の終わりに微笑んで、駆け出して行く背中に、
思い切り手を振った。
42 名前:式神 投稿日:2001年11月17日(土)22時04分11秒
>>33-41 更新しました。

  この小説を書いていると、自分はエロ書き野郎じゃないのか?
  と自問自答してしまいます。
  この作品を最初に読んで次に「無敵〜」を読まれる読者の方へ
  「式神さんって、不潔よ〜」なんて思わないでいただきたい!(切実)
  しかし、自分は・・・不潔なエロ書き野郎なんです(w
43 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月17日(土)22時55分49秒
ごっちんが切なすぎるっす・・
でも、ごっちんの為にもいしよしには速く幸せになって欲しいなぁ
44 名前:ちび 投稿日:2001年11月17日(土)23時14分14秒
やた!更新だ!!
よっすぃーごっちんのためにがんばれ!!ごっちん切ないっすね…
やっぱりこの話大好きですわ!離れられません!!
先週のASAYANのいしよしに萌え〜なちびでした。
45 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月18日(日)00時12分59秒
ごまに感動
走れよしこ、そして素直になれ

最終回近づいてるのでしょうか これは
寂しくなりますよ マジで
46 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月18日(日)00時29分08秒
>式神さま
確かに、あなたは不潔なエロ書き野郎ですが(w!!
同時にいしよし甘甘大王でもあるわけで。
そちらにしても、いしよしマンセーということで!!

でもおいらは生粋のなちヲタなんだよね、ぢつは・・・。
47 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月18日(日)03時10分51秒
>>46
なちヲタとかどーでもいいからsageろや…

48 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月19日(月)01時49分05秒
本物のしし座流星群はそろそろですが、
ここのしし座流星群をよっすぃとりかちゃんがそろって見られるようにと祈っておきますね。
49 名前:式神 投稿日:2001年11月20日(火)00時08分31秒
>>43 今回の後藤さん切ないですね。短編ですが今、『いしごま』を
    執筆中、それで許してください。

>>44 ちびさん
   離しません(w
  ASAYANの『いしよし』は、標準で完全保存版にしました。

>>45 最終回、着々と近づいております。

>>46 いしよし甘甘大王・・・(w
  あと、いしよしエロエロ大王ともいうかも(w

>>48 しし座流星群には感動!!!でしたよ!
   実際に石川さん達にも見ていて欲しかったりします。

50 名前:190 投稿日:2001年11月20日(火)00時19分03秒
子供の頃よく来た公園の、少し小高い所にある小屋は、今も存在していた。
懐かしい記憶を辿りながら、小屋のドアを開けて中へ入る。
すると、昔と同じ木の匂いがして、どこか安心した。
匂いの記憶は、その場へ行かないと蘇えらないものなのかも知れないと
梨華は思う。
ずっと長い間この場所を覚えていたのに、その匂いを思い出したことは
なかった気がするからだ。

「昔と同じ・・・夏の、匂いがする」

どうでもいいような、けれどとても大切な発見。
その匂いを深く吸い込むように梨華は静かに瞳を閉じた。

6畳ほどの小屋の片隅に小さくうずくまりながら、
子供の頃と同じサイズに還った自分を抱きしめるように膝を抱えて、
そうしていると、なぜか急に自分が一人でいることを強く感じた。
51 名前:191 投稿日:2001年11月20日(火)00時26分36秒
小屋の外では、まだ激しい雨の音がしている。
梨華は、懐かしい匂いを体中に感じながら、子供の頃の記憶を思い出していた。

綺麗で、優しくて、大切な、暖かい記憶・・・。

いつも、その中には同じ大切なひとみがいた。
知らないうちに、全ての思い出の中に入り込んで、
いつだって何気なく梨華の傍にいてくれた。
どんな思い出も、笑ってしまうような優しい感触で胸に触れるのは、

「ひとみちゃんが、いてくれたから・・・・」

不機嫌で、それでいて照れ屋さんで、少しも素直じゃない彼女が
傍にいたからで、今、こんなに寂しい気持ちで梨華が膝を抱えているのは、
そのひとみが傍にいないからなのだ。
52 名前:192 投稿日:2001年11月20日(火)00時34分51秒
来る度に、あんなに楽しくてワクワクした気持ちになれたこの場所。

けれど今は一人でいるから、何も楽しくないし、何も綺麗だと思えない。
遠くに聞こえる雨の音が、余計に梨華を不安な気持ちにさせて、
優しくて暖かかった筈の思い出が今は、梨華を切なくて泣きたい気持ちにさせる。
いつも、泣くのを我慢すると少し胸が苦しくなった。だからもっと
我慢しようとして、もっともっと苦しくなる。
息苦しくて、胸が痛くて、余計に泣きたくなるような時、

「ひとみちゃん・・・・」

その名前を呼ぶだけで、治る気がするから・・・。
梨華は、呪文みたいに何度も何度も呼び続けていた。
53 名前:式神 投稿日:2001年11月20日(火)00時39分46秒
>>50-52 少しですが更新しました。

最近、少しずつの更新しか出来なくてすみませんm(__)m


54 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月20日(火)01時35分19秒
式神さん!ラヴ!!
女子だけど、この切ないいしよしのお話がたまらなく好きです。
がんばってくださいませね。応援しております。
しし座流星群、きれいかった〜★
55 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月20日(火)04時45分40秒
少しずつでも全然問題ないですよ〜。
ちゃんと更新してくれていますから。

今回の更新分では、切ない気持ちになりました。

自分が風邪をひいたからではないですが、この雨でどちらかが風邪をひいて看病しているところもみたいような…
その時はいつも梨華ちゃんが迷惑をかけるばかりだから、
よっすぃ〜が看病されるとイイかも…

想像が膨らんでしまいました(w
56 名前:名無し男 投稿日:2001年11月20日(火)08時56分12秒
(TζT)
顔が皺くちゃになるほど切ない
57 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月20日(火)16時23分03秒
切ないっすねぇ・・・
てか式神さんの作品の「無敵〜」と「くちづけ〜」を
読んでからあまり好きではなかった石川さんがすごく
好きになってちょっと自分でも驚きです(W

いろんな意味で式神さんには感謝しております
これからも頑張って下さい
58 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2001年11月20日(火)21時45分18秒
ヨシコ! 早く! 梨華ちゃんが待ってる!
59 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月21日(水)00時06分27秒
式神さんの小説読むと切なくなってしまって…
そして、自分の小説を書く気が失せてしまいます。
(恥ずかしすぎて…)私も切ない小説書きたいです。

早く、梨華ちゃんを見つけてよ!よっすぃ〜!!
60 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月26日(月)07時15分42秒
そろそろこちらも気になってきた今日この頃。
禁断症状一歩手前。
61 名前:式神 投稿日:2001年11月26日(月)20時59分08秒
>>54 有難うございます!!流星群キレイでしたね。

>>55 風邪ネタはベタですが萌えるんですよね(w いつか書こう!

>>56 いつも笑わせてくれますなぁ名無し男さん♪

>>57 自分は最初、吉澤さんが苦手でした。しかし今では、
   L・O・V・E LOVELY ひとみ  です(w

>>58 今回の更新でやっと・・・・

>>59 CharmyBlueさん
   そんなこと言わないでください!!Charmyさんの小説の大ファン
   なのですから自分は・・・。どんどん書いてください!お願いします!

>>60 遅くなり申し訳ございませんm(__)m

仕事が落ち着き、空気公団の曲を聴きながら、
まったりした時間を過ごしています。
更新も次からばんばんできそうです。

62 名前:193 投稿日:2001年11月26日(月)21時07分49秒
梨華の行きそうな場所を捜して走りながらひとみは、どうして自分は必死に
梨華を捜しているのだろうと思う。

真希は、梨華に振られたと言っていた。告白さえしてないと。
それが本当のことなのかどうか、ひとみには分からない。
けれど、だったらなぜ梨華とキスしていたのだとも思う。
理由をちゃんと聞いておけばよかったなんて思って、そんな余裕もなく
駆け出していた自分に頭痛がする。

こんな雨の中、傘も差さずに走り回っている自分が信じられない。
あの吉澤ひとみが、もう何年も片想いをしていて、しかもまだ好きとも
告白してない相手がいなくなったというだけで、雨の中を捜し回ってるなんて
本当にらしくない。らしくないと自分でも思うけれど、
今頃、梨華が一人ぼっちでどこかにいるのかと思ったら、じっとなんて
していられないから仕方がないのだ。
63 名前:194 投稿日:2001年11月26日(月)21時17分14秒
「ヨッスィー!!」

急に背中から呼ばれて振り向いたひとみは、

「・・・・なんだ、ののとあいぼんかぁ・・・」

能天気にクレープを片手に手を振っている亜依と希美に肩を落とした。

「なんだとはないじゃん、なんだとはさぁ〜」

ズブ濡れになって何をしているの?と訊く声に、

「梨華・・・・・梨華ちゃんに会わなかった?」

まるで期待しないで訊き返したひとみは、

「梨華ちゃん、何かあったの?」

なんて反対に訊き返されて怪訝な表情になる。どういう意味かと訊いたら、

「だって梨華ちゃんは見なかったけど、さっき梨華ちゃんのお母さんが
 必死に捜してたもん、ねぇ〜のの?」
「うん!一生懸命捜してたよ」

いつの間にか問題が増えていることにひとみは頭が痛くなった。
ただでさえ梨華と本当の親子ではないことを気にしてる彼女は
きっと酷く思い悩んでいるに違いないのだ。
64 名前:195 投稿日:2001年11月26日(月)21時30分03秒
「ヨッスィー、梨華ちゃん・・そんなにヤバイの?」

黙り込んだひとみに、真剣な声が訊く。
ひとみはそれに心配しなくても大丈夫だからもう帰っていいなんて答える。
自分でも何が大丈夫なのか分からないが、こういう時にひとみは必ず
大丈夫だと言ってしまうのだ。そう言えば相手が安心すると思うから・・・。

「それより、梨華ちゃんの家に電話してさり気なく梨華ちゃんは
 私といるから大丈夫ですって伝えてて!」

何気なく何も知らない振りをして電話を掛けてと言うひとみに、

「さりげなく知らんぷりって、どういう風に〜?」
「ののもお芝居苦手だよ〜どうやって言うの〜?」

亜依と希美が訊いてくる。

「・・・・もう、自分で考えて!」

それに素っ気なく答えてひとみは軽く手を上げた、もう行くという合図だ。

「あっ、ヨッスィー待って〜!」
「逃げるなんてズルイのれす〜!」

残された難題に叫ぶ声を無視して、ひとみは雨の中を走り出して行く。
濡れているせいでジーンズが脚にまとわり付いてひどく走りにくい。
けれどそれさえも気にならないみたいに走りながらひとみは考えていた。
梨華の居場所を・・・。
65 名前:196 投稿日:2001年11月26日(月)21時38分10秒
いつも遊んでいる街中にはいなかったと亜依と希美は言っていた
梨華の母親まで捜していたのなら梨華の家にもひとみの家にも、梨華はいないのだ
それなら他に、どこへ行ったと言うのだろう。
きっといないと思いながら学校を捜した。他にはもう思い当たるような
場所が残っていない。
そう思うと焦って苛立ってしまうから、ひとみは何度も自分に
落ち着け、と言い聞かせてみる。
自分が落ち着かないことには、何も始まらない。

最後に近くの川の橋の下を捜して、やっぱり梨華がいないことを確認しても、
ひとみはその場から動く気になれなかった。
そのまま大きな橋の下で膝を折って、落ちてきた前髪の
濡れた感触に顔をしかめる。
66 名前:197 投稿日:2001年11月26日(月)21時46分57秒
本当に見つけることができたらありったけの文句を言ってやろうとひとみは思う。
お人よしの亜依と希美に、梨華の母親になりたいと思っている女性。
皆をこんなに心配させて、まだどこへ行ったのか分からないなんて・・・。

それからひとみは自分のお腹が空いていることに舌打ちする。
梨華はもっとお腹を空かせているだろうと思ったらたまらなくなった。

「9時、かぁ・・・」

腕に着けた時計に目をやって、ため息を吐く。
それはいつもの梨華ならとっくに家に帰ってる筈の時間で、
何も心配もなく眠る準備をしている筈なのに・・・。
きっと梨華は今、どこかで一人、寒くて不安な気持ちでいるのだ。
どこにいるのかも分からないから、ひとみには文句をいうことも、
大丈夫だと言ってあげることも出来ない。

「・・・梨華ちゃんのバカ・・・」
67 名前:198 投稿日:2001年11月26日(月)21時52分18秒
諦めたようにひとみは立ち上がった。
とりあえず梨華の家に行って、心配している梨華の家族に今の状況を説明
しなければいけないと思う。
最悪の場合、警察に届けることになるかも知れない。
そうしたら、きっと梨華は嫌がるだけだろう。
自分一人の力でどうにも出来ないことが、ひとみには歯がゆくてたまらない。


どんな時にも梨華を守るのは自分だと思っていたのに、梨華を見つけることも
出来ないなんて悔しかった。
こんな時は、自分がひどく無能なバカに思えて、自信まで喪失してしまう。
68 名前:199 投稿日:2001年11月26日(月)21時59分27秒
歩き出してすぐにひとみは、もしかしたらという予感に振り返る。
その視線の先には、子供の頃に梨華とよく遊んだ公園が見えた。
公園と言っても、新興住宅地の外れにある、小さなすべり台とぶらんこ、
そして、雨が降っても遊べる小屋だけしかない、小さな公園だ。

雨が降っても・・・・遊べる・・・小屋・・・・?

「まさか・・・?」

そう思いながらひとみの脚はどんどん早くなっていく。
歩いているうちにひとみの中で、もう殆ど確信に変わってしまっていた。
そう考えれば、誰も見つからずに隠れていられる場所なんてそこしか
ないような気になってくるのだ。
69 名前:200 投稿日:2001年11月26日(月)22時03分18秒
「これで、ここにもいなかったら・・・・どうしよう・・・」

途中のコンビニに寄って、タオルと暖かい紅茶を2本、おにぎりを幾つか買う。
ズブ濡れのままで酷い格好をしているひとみを店員が怪訝そうな
表情で見ていたがまるで気にならなかった。



確信が本当なら梨華は、そこで自分を待っている筈だ。



70 名前:201 投稿日:2001年11月26日(月)22時14分38秒
「・・・待ってて・・・・梨華ちゃん・・・・」

どんどん早くなる脚に身体をまかせて、街灯の少ない公園の中へ入って行く。
今は真希のことやいろんなことを全部忘れてしまおうと思う。
そうでないといつもの自分の顔をして、ひとみは梨華に文句を言う事が
出来ない気がするからだ。

小さな公園の一番奥。
そこに現れた少し小高い丘にある、ちっぽけな小屋を祈るような気持ちで見上げた
暗い公園の中に浮かび上がるそこは、まるで人の気配がない。
いつの間にか止んだ雨のおかげで差し込んでいる月の光だけが頼りだ。

「やっぱり・・・・ダメかナ・・・」

やっぱりいないかも知れない、という気持ちが強くなる。
こんな暗い場所に梨華が一人でいる訳がないような気がした。
いるのなら明かりぐらい点ける筈だとも思う。
ひどく気落ちした、やるせない気分でドアに手を掛ける。

「・・・・・・!」

唐突に開けたドアの向こうで、驚いたように息を呑む気配に
ひとみは目を見開く。
71 名前:202 投稿日:2001年11月26日(月)22時24分41秒
「ひとみちゃん・・・?」

暗闇の中から浮かび上がった影と小さな声に、本当は怒鳴り付ける筈だったのに、
それが梨華だと分かっただけで、ひとみには出来ないから、
泣き笑いのように微笑んで、こんなのは予定になかったと思いながら
あんなにあった筈の文句の言葉が見当たらないことに苦笑する。
本当にひとみは梨華には甘いのだ。こんなに心配させられて、なのに怒ることも
出来ないなんて割に合わないと思うけれど、

「梨華ちゃん・・・なんでこんなとこいるんだよ〜」

「ひとみ・・・ちゃん・・・っ」

それだけで今にも泣き出しそうな声が自分を呼ぶ。
とても自分が必要とされているような感覚。
傍にいてあげたいなんて思ってしまうのは、こんな瞬間のせいだ。

「やっと・・・・見つけたんだよ・・・」

ひとみは梨華を安心させるために、小屋に備えつけてあるローソクに火を点けた
柔らかい光が灯って、たったそれだけの光で梨華の顔がよく見えることに
ひとみは笑ってしまう。
72 名前:203 投稿日:2001年11月26日(月)22時37分09秒
「梨華ちゃん!おにぎり食べよう?」

コンビニの袋を下げて訊いたら、梨華が戸惑った表情をしてひとみを見た。
自分でも迷惑を掛けたと思っているのだろう。
泣くのを我慢しているような梨華に、ひとみは少し肩を竦めただけで
何も言わずに隣りへ腰を下ろした。

「うわっ、梨華ちゃんってびしょ濡れじゃん?」

タオルを買っておいてよかったと思いながら、濡れたままの髪をそっと拭いてあげる

「い、いいよっ、ひとみちゃん・・・自分で拭くから」

途端にビクリとして逃げるような仕種に眉をしかめた。
いつもの梨華なら嬉しそうにひとみが髪を拭くのを待っているのに、
今日の反応は明らかに変だった。

「当たり前じゃん」

けれど、それを問い詰めるようなことはしない。素っ気なく言うだけで
ひとみは気付かなかった振りをする。

「はい、梨華ちゃんの好きな紅茶、まだ熱いでしょ?」

何でもないように言って買ってきたものを梨華に渡してあげる。
熱い紅茶を飲むと、急に自分も身体が冷え切っていたことに気付く。
さっきまで雨の中を走り回っていたのだ。
いくら夏でも身体を冷やすには充分すぎるだけの時間だったらしい。
73 名前:204 投稿日:2001年11月26日(月)22時50分01秒
「早くおにぎり食べて、じゃないと私が全部食べちゃうよ」

なのに手を付けようとしない梨華に冗談っぽく言って、手にしたままの紅茶の
缶を横から取ると、タブを開けてから梨華へ渡してあげる。
やっと口を付けたのを見て、ひとみは内心ほっとした。

「・・・・捜してくれた・・・の?」

ためらうように震える声が、ひどく勇気を振り絞って言ったものだと思うから、

「散歩してたら久しぶりにこの公園の前を通って、懐かしいなぁと思って〜
 ここに来てみたんだ」

ずっと捜していたなんて、ひとみには言う気にもなれない。

「梨華ちゃんが先にいてびっくりしたよぉ〜」

揶揄かうように言ったら、せっかく泣くのを我慢していた梨華が酷く泣き出して
しまう。いつものように抱きしめてしまわないのは、さっき避けられたからだ。

「ほら、梨華ちゃん、泣かないで」

仕方がないから素っ気なく言って、おにぎりを唇へ押し付けたら素直に
受け取って、梨華は子供みたいに泣きじゃくりながら食べ始めた。
ひとみがせっかく買ってきたおにぎりを食べなかったら悪いとでも思って
いるのが手に取るように分かるから苦笑してしまう。
74 名前:205 投稿日:2001年11月26日(月)23時02分12秒
「梨華ちゃん、泣くか食べるかどっちかにしたら?」

呆れたように言いながら、新しいのを手に持たせた。

「隅・・・然なのに、私の分までおにぎり買ったの?」

しゃくり上げながらそんな風に言う梨華に笑って、

「違うよ〜、全部自分で食べる予定だったんだよぉ〜」

軽く答えると、梨華はまた泣き出しそうな表情になる。
慌てて泣かないでと言ったら今度は必死に我慢するのが分かって、
ひとみはため息を吐いた。

「とにかく・・・・おにぎり、先に食べちゃおう、ね?」

コクリと頷く梨華を見つめながら、本当にどうしてこんなに梨華に泣かれると
弱いんだろうとひとみは思う。
他のことでなら狼狽えるようなことはないのに、梨華に泣かれるとひとみは
どうしていいか分からなくてオロオロしてしまう。

「・・・っ・・・・」

おにぎりを口に押し込んで、けれどそのまま梨華の瞳から涙が溢れ出すから、

「ったく・・・もう、バカな梨華ちゃん・・・・」

もうそれだけでひとみは梨華を抱きしめることを我慢できなくなった。
一瞬だけ逃げようとした梨華を強く抱きしめて、
離さないと言う代わりに腕に力を込める。
75 名前:206 投稿日:2001年11月26日(月)23時15分29秒

二人とも濡れた服のままだったせいかも知れない。
冷えたカラダの抱きしめた部分から暖かい体温が伝わっていくのが分かる。
くすぐったいような、安堵するような気持ちごと強く抱きしめたら、
梨華がギュッとしがみついてきた。

「ひ・・・とみ・・ちゃん・・・っ」

ひどく泣き出して、肩へ頬を擦り付けてくる梨華の髪を優しく撫でながら、

「・・・・ちゃんと、ここにいるでしょ?」

もしも梨華が真希を好きだとしても、例えば他の誰かを好きだと言っても。

「ずっと梨華ちゃんの傍にいるから・・・もう泣かないで」

それでも梨華を好きだと思わずにはいられない自分をひとみは強く感じる。
好きだなんて、すぐにでも言ってしまいそうなくらい梨華が好きでたまらない。
いつまでこのままでいられるのだろうと思うから、いつも梨華を抱きしめる
瞬間に、時間が止まってしまえばいいなんてバカな事をひとみは考えてしまう。

腕の中で少しずつ落ち着いていくように、梨華が泣き止んでいくのが分かる。
そうして梨華が完全に泣き止んでしまう時が、ひとみがその腕を離さなければ
ならない瞬間なのだ。
本当に、幼なじみなんてつまらないと苦笑して・・・。

76 名前:式神 投稿日:2001年11月26日(月)23時22分41秒
>>62-75 更新しました。

今日は長めに更新しました。いつものごとく遅い更新でリアルタイムの方は
イライラしているのではないかと心配です。すみませんm(__)m
入力した後、じっくり見直す作業を省くことができないんです。

読者の方へ
本当に寒くなってきましたね。風邪ひかないように気をつけてください。
77 名前:じゃない 投稿日:2001年11月26日(月)23時23分53秒
|.∀T) チラッ   エグエグ

>風邪をひかないように    シキガミモナー
78 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月26日(月)23時38分37秒
そろそろ2人の仲が進展かな(ボソッ
79 名前:ちび 投稿日:2001年11月26日(月)23時43分45秒
リアルタイムでした!…これからどうなるんだ…
自分の気持ちを意識した梨華はどういう風に振舞うんだろう…
この続きが気になっておちおち風邪もひいてられません!
式神さんも体にはお気をつけください
80 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月26日(月)23時53分38秒
ハァ〜今日も素敵な小説をありがとです
81 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)00時17分36秒
へぇ。空気公団聞くんだぁ。いいよねぇ。。。
今日テレビでPVみたよ。いいよねぇ。。。
そんなこんなで超おもしろい。
82 名前:名無し男 投稿日:2001年11月27日(火)09時22分12秒
ヽ(`Д´)ノ  ウワァァァァン!!

ぅ れ ιぃ  
か な ιゐ
83 名前:JAM 投稿日:2001年11月27日(火)22時51分44秒
どんどん切なくなってきている・・・
更新があるたびに必ず読んで必ず泣いてます。
やっぱり式神さんの書く小説は泣けます。

え〜と・・・74の205で
 「隅・・・然なのに、私の分までおにぎり買ったの?」
と、ありますが「偶然」じゃないですか?多分。
こちらが間違っていた場合は謝ります。

84 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)22時59分40秒
しゃくり上げながら喋る石川の様子を表したと思われ。
85 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)20時38分58秒
「隅」と「偶」でしょ? そんなんどーでもいいっスよ。
作者さん、続き期待してます! 頑張ってください!
86 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月28日(水)22時50分53秒
切ないっ(泣)。毎回泣けます。更新が待ち遠しいです。
早く2人がくっついて欲しい半面、終わりも近づくのかと
思うと寂しいです・・・。
87 名前:式神 投稿日:2001年11月29日(木)23時56分22秒
>>77 じゃない様
   桃板とてもいい感じです。最高です!
>>78 進展します。やっと・・・

>>79 ちびさん
   ありがとうございます!!
>>80 素敵だなんて・・・嬉しいです!ありがとうございます!

>>81 空気公団大好きですね。PV自分も見ました。いいよねぇ。。。

>>82 隠しメッセージに激しく(w

>>83 JAMさん
  申し訳ございませんm(__)mご指摘通りです。間違ってます。すみません

>>86 CharmyBlueさん
  もうすぐラストです。やっと、やっとです。Charmyさんが書かれる
  甘〜いいしよしを自分も今度挑戦してみたいです。

最近、ゲームのやりすぎで睡眠不足です。
いやぁ〜「ドラクエW」懐かしい〜〜
88 名前:207 投稿日:2001年11月30日(金)00時08分51秒
そのまま、二人とも何も言わなかった。
それとも言えなかっただけなのかも知れない。黙っているだけで、沈黙が静かに
降り積もっていくようで、ひとみは息苦しさを感じるのに、それでも梨華を
抱きしめる腕を解くことが出来ないでいた。

「・・・・ごっちんの事、訊かないの?」

ふいに、その沈黙を破ったのは梨華の方だった。けれどそれは、ひとみが一番
聞きたくないと思っていたことで、問い掛ける声にひとみは答えられなかった。

「ひとみちゃん・・・どうして・・・どうしてキスをしてたのかとか訊かないの?」

そんなひとみの沈黙を責めるように梨華が言う。まるで聞いて欲しいと
言うみたいに、ひとみの目を梨華は真っ直ぐに見ていた。

「梨華ちゃんが言いたいなら、私・・・聞くけど」

けれどひとみは、そんな風にしか言えない。
その瞳が酷く傷付いたように歪んでしまうのを見ているのが辛くなった。
感情を堪えるみたいに強く噛まれた唇が、震えながら何か言おうとした時。
89 名前:208 投稿日:2001年11月30日(金)00時16分48秒
「言わないで」

ひとみは、もう何もかも耐えられない気がした。

「言わないで・・・聞いちゃったら、言えなくなるから・・・」

理性を裏切って、声だけが勝手に滑り落ちていく。
何を言いたいのか、何を言おうとしているのか、ひとみ自身にも分からないけれど

「ひとみちゃん・・・?」

こんな時でさえ自分をまっすぐ見つめる瞳が、せめて閉じられていればいいのに
とひとみは思う。こんな風に見つめられるからいつも一番に言いたいことが
言えなくなる気がした。

「・・・・梨華ちゃんなんか・・・・嫌い・・・」

下手な嘘を吐いて、裏腹な腕が、梨華を深く抱きしめる。
天邪鬼なくせに、こんな時にだけ上手く嘘が吐けない。
素直になりたいなんて、もう数え切れないくらい思ったのに、
まだ叶わなくて・・・。
90 名前:209 投稿日:2001年11月30日(金)00時27分56秒
「梨華ちゃん・・・どうして私のこと嫌いって言わないの?」

泣きたい気持ちで言うのは、

「私のこと嫌いだって・・・もう顔も見たくないって、言えばいいのに」

本当は言って欲しくないことばかりで、抱きしめている腕の強さだけが、
それが嘘だと梨華に教えるけれど、それはやっぱり梨華には伝わらない。

「どうしたの?ひとみちゃん・・・私がどうしてそんなこと言わなきゃいけないの?」

どうしてひとみがそんなことを言い出したのか、分からないような表情をする
梨華が唐突に卑怯だと思った。こんなに好きにさせたのは梨華なのに、
勝手に好きになった自分が悪いような気になるからだ。

「もう・・・親友なんて・・・やってらんないよ」

突き放すような言葉を止められないまま、

「・・・親友なんかじゃ・・・・我慢できない」

好きだと囁くように言って、ひとみは梨華に強引なキスをする。

「・・・っ!?」

唇が触れた途端、驚いたように逃げる梨華を強く抱きしめて、薄く開かせた
唇へ舌を忍び込ませる。
嫌がってひとみの肩を押し返そうとする手を掴んで許さない。
91 名前:210 投稿日:2001年11月30日(金)00時38分17秒
「・・・・・ぅ・・・・っ」

まるで酷く傷付けられたように泣き出してしまう梨華に、ひとみの方が
泣きたいくらいだ。
とても大切にしていた何かを、こんなキスで壊してしまう自分が嫌になる。
なのに、これが最後だと思うから、ひとみは梨華に泣かれてもキスを
止めることが出来ない。
震える甘い舌を無理やり搦めて、何度も深く梨華に口づけた。


唇を、触れた時と正反対の優しい仕種で離して、キスが終わる瞬間に
親友という関係が終わるのをひとみは感じた。

「ひとみちゃん・・・・」

責めるような声が名前を呼ぶから、怖いくらい真剣に見つめてしまう。

それから・・・・・
ひとみが素直になれるまでに、どのくらい時間が掛かったのだろう。
92 名前:211 投稿日:2001年11月30日(金)00時53分24秒
「好き・・・・」

唐突に自分の唇から零れた言葉に、自分でも驚いてしまう。今さら好きだなんて
もう遅すぎることくらいひとみにも分かっていたけれど、これが最後だと
知っているから、素直にそう言えるのかも知れないとも思う。

「・・・・梨華ちゃんが、好きだよ」

言ってしまってからひとみが気付いたのは、それは本当に簡単な言葉で
ほんの短い単語に過ぎないということ、そしてそんなありきたりの言葉を
言うのに、どれくらい自分が回り道をしていたのかということだ。

「ひ、とみ・・・ちゃん?」

驚いたように自分を見る梨華に、ひとみは泣きたいみたいに微笑む。

「ずっと・・・梨華ちゃんだけが、好きだったんだよ」

やっと素直になれたと思った時にはもう遅すぎて、それが梨華に告げる最後の
言葉だと思うからひとみは、もう自分にも梨華にも嘘を吐きたくないと思った。

93 名前:ついのろみ 投稿日:2001年11月30日(金)00時54分06秒
(#´D`)y-~~<はじめましてれす。いつも読ませてもらってるのれす。
         ついはいしよしらいすっきなのれす。
         か―――、盛り上がってきたのれす!!つ、つるきをおおお!
         
94 名前:212 投稿日:2001年11月30日(金)01時08分55秒
「いつの間にか・・・梨華ちゃんのことしか好きになれなくなってたんだ」

バカみたいでしょ、なんて言いながら、

「・・・・・だから、もう親友じゃ・・・いられない」

せめて、笑った表情のままで梨華と別れたいとひとみは思う。
いつか梨華が自分を思い出す時が来たら、一番に思い出して欲しいのは
やっぱり笑顔だと思うから・・・。

「でも、私・・・ごっちんとキスしたのに?」

なのにまだ信じられないような表情をしている梨華の額に、ひとみはそっと
キスをする。

「・・・それでも、好きなんだからしょうがないんだけどね」

こんなに言っても解からない梨華に態度だけで気付いて欲しいと思う方が悪いのだ

「梨華ちゃんが真希の事好きでも、私は梨華ちゃんの事好きでしかいられないの」

梨華のことを好きだと言わなければ一生気付かないタイプだと言っていた真希は
正しいと思って、ひとみは苦笑してしまう。

「・・・・ひとみちゃん・・・本当?」

確かめるように訊く梨華に、ひとみは頷く。本当にどうして梨華はこんなに
鈍感なんだろうと思いながら・・・。






95 名前:213 投稿日:2001年11月30日(金)01時14分36秒
「だから、早く私なんか嫌いって・・・言っちゃってよ!」

出来るだけ、素っ気なく、

「そうじゃないと・・・諦められないから・・・ねっ」

何でもないように言う。梨華が気を使わなくて済むように、無理に何かを
言わなくても済むように、そう心からひとみは思う。




96 名前:214 投稿日:2001年11月30日(金)01時24分47秒
「梨華ちゃん・・・?」

なのに、梨華の瞳に涙がいくつも溢れてきてしまうから、やっぱり失敗したの
だろうかとひとみは思う。泣かせるつもりなんて、まるでなかったのに。

「そんなこと、言えない・・・」

ふいに零れた声は、とても静かで泣いているのに酷く真っ直ぐな声だった。

「・・・ひとみちゃんを嫌いなんて言えるわけないじゃない」

ちゃんと聞こえているだろうかと、問い掛けるような瞳に頷いて。
けれど、ひとみは梨華の言っている意味が掴み切れない。
どういうつもりで言っているのかが分からないからだ。

「どれくらいひとみちゃんが・・・私を好きなのか分からないよ」

囁くような小さな声が、

「・・・・ひとみちゃん、教えて・・・私に」

言葉と同時に、ひとみの胸へしがみついてくる。その肩を腕に抱き留めて、

「梨華ちゃん・・・?」

自分でも酷く間抜けな声だと思いながら、けれどひとみは、すぐにでも
抱きしめたいような腕を、その背中へ回すことが出来ない。
97 名前:215 投稿日:2001年11月30日(金)01時32分40秒
けれど・・・・・


「そうしたら・・・・私も、ひとみちゃんに教える・・・から」

泣き出す寸前の掠れた高い声が、急かすように言うから、

「・・・・大好き、梨華ちゃん・・・」

囁く声と同じ優しさで梨華を抱きしめる。
そっと抱きしめた腕に、気持ちの分だけ強く力を込めたら、
梨華が声を上げて泣くのが分かった。

「私も・・・ひとみちゃんが・・・好き・・・」

震える声が、真似をするみたいに強く抱きしめ返してくれるから、
泣きたいような強さで抱きしめた腕をそっと解いて、
涙いっぱいの瞳の梨華に、ひとみは笑ってしまう。



そして、触れるだけの優しいキスから始めるために
ゆっくりと、二人は瞳を閉じた。


98 名前:式神 投稿日:2001年11月30日(金)01時40分24秒
>>88-97  更新しました。

やっと、やっとここまできた〜という感じですね。
一瞬、ここで終わってもいいかな、などと思いましたが続きます。

>>93 レスありがとうございます。せっかくレス頂いたのですが
  今度から更新が終わったあとにお願いしたいのですが・・・
  ワガママばかりですみません、お願いしますm(__)m
  
99 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月30日(金)01時42分11秒
やっと、やっとここまで……(感涙
100 名前:じゃない 投稿日:2001年11月30日(金)01時45分06秒
今夜はいい夢が見れそうだ。。
101 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月30日(金)03時00分45秒
やっと、お互いの気持ちが…

やっぱり、良いお話だ。
102 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月30日(金)06時48分55秒
終らないで〜〜〜〜〜〜!!!
朝っぱらから泣いちゃってますよ。
最高!良かったよぅ〜〜〜。
103 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月30日(金)07時48分38秒
式神さん、朝から幸せにしてくれてありがとう。

あと全然我儘ではないです。あのタイミングの
レスは悔しい・・(もう仕方ないですが・・・)。
104 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2001年11月30日(金)10時12分36秒
始まりと終わりは同時に来るもの。
二人の恋の始まりがこの物語の終わりを告げるのでしょうか…
最後までハンカチ片手に読ませてもらいます。
105 名前:名無し男 投稿日:2001年11月30日(金)15時09分17秒
(T△T)<ウワァァァン!!
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 | |    ドバーーーーーーーーー
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106 名前:名無し男 投稿日:2001年11月30日(金)15時10分50秒
>>105
 激しくドゥレタ 鬱
107 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月30日(金)17時50分53秒
今回も泣かせていただきました。
式神さん、最高っすT_T
108 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月30日(金)19時53分25秒
ああ〜さっきまで寒かったのにこれ読んで
一気に暑いくらいにあったかくなりましたよぅ
でももうすぐここのいしよしともお別れなんですよね、
寂しいかぎりです
109 名前:ちび 投稿日:2001年12月01日(土)00時05分38秒
自転車なくなってさっきまでへこんでた気分がウソのようです
いいです!おもしろいです!最高です!
ずっとずっと続いて欲しい作品なんでまだ終わらないで欲しいです
110 名前:みう 投稿日:2001年12月01日(土)01時53分41秒
うきゃああ。。
めちゃくちゃ良いですぅーー・・・。気絶。
ホント、あのひっぱり方でこの最高にハッピーな告白ラヴラヴシーンにめろ〜。。
女の子同士のラヴを良く分かってらっしゃいまする。
111 名前:24歳 投稿日:2001年12月02日(日)04時22分53秒
読んでます・・・あなたは凄いです!感動した。

しかし、あのタイミングのレス、それも辻!ワロタよ
112 名前:式神 投稿日:2001年12月03日(月)01時14分33秒
>>99 そうです。やっとです・・・(T_T)

>>100 じゃない殿 いい夢見れましたか?

>>101 やっとです。

>>102 有難うございます!!

>>103 こちらこそ読んでいただき有難うございます!

>>104 もしかしたらハンカチではなくティ・・・・(汗

>>105 激しく(w 紺な時もあります。

>>107 CharmyBlueさん
    師匠!!いつも有難うございます!

>>108 寂しいと思っていただけるとは、嬉しいです。

>>109 ちびさん
   自転車がなくなったんですか?それはとても悔しい思いを・・・

>>110 みうさん  有難うございます!!
>>111 あの途中のレスは自分もびっくりしました(w

本当に少し更新します。(2スレだけ)
113 名前:216 投稿日:2001年12月03日(月)01時27分49秒
ゆっくりと時間を掛けて、ひとみは優しいキスを梨華にくり返していた。
そんな触れるだけのキスにさえ、どう息継ぎをしていいか分からないみたいに、

「・・・っ、・・・ん・・・」

喘いでしまう、慣れない唇にひとみは微笑む。

「ひ、とみ・・・ちゃん?」

甘く溶けた声に揶揄かうような仕種でキスをする。
吐息ごと唇で塞いだら、梨華は赤くなって緊張したように瞳を閉じた。
そんなじっとしてなくちゃ、みたいな梨華が可愛くてひとみは苦笑してしまう。
梨華がとてもドキドキしているのが分かるからだ。

「好き・・・大好き・・・梨華ちゃん」

ゆっくりと、キスを深いものに変えてしまう為に、囁くのと同じ仕種で
そっと舌を忍び込ませる。
それだけで、戸惑うように梨華の睫毛が揺れるから、大丈夫だと言う代わりに、
歯列をなぞるように舌先で辿って、唇の縁を揶揄かうみたいに舐めてみる。
そうすると酷く感じるのか、梨華がギュッとしがみついてきた。
何度も同じ愛撫をしたら、泣き出しそうな梨華に嫌がるような仕種を
されて苦笑する。
114 名前:217 投稿日:2001年12月03日(月)01時38分37秒
「・・・・ぁ・・・・ん」

上顎をくすぐるように舐め上げて、脅えたように逃げる甘い舌へ自分のそれを
搦める。そうして少しずつキスの方法を教えていくみたいに緩く舌を噛んだら、
それだけで梨華はカラダを震えさせた。

「服、濡れたままで気持ち悪くない・・・?」

掠れそうな声で、続きを促すようにひとみが囁く。
けれどもう潤んでしまっている瞳の梨華は、ひとみの言葉が理解出来なかったのか
意味を成さない吐息を零しただけで、唐突に終わったキスの続きを
欲しがるみたいに唇を噛んでいる。

「ひ・・・と・・・みちゃん・・・?」

薄赤く染まった頬を優しく撫でて、そのままそっと
ひとみは梨華を床へ押し倒してしまう。
こんな場所で、と思うけれど・・・
やめられそうもない自分に、ひとみは逆らえない。
115 名前:式神 投稿日:2001年12月03日(月)01時46分39秒
>>113-114 少しだけですが更新しました。 


この続きのエロに読者の方がひいてしまうのでは・・・?
と考えましたが、自分はエロ書き野郎でどうしようもないヤツなんで・・・
すみませんm(__)m
116 名前:じゃない 投稿日:2001年12月03日(月)01時49分31秒



117 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月03日(月)02時15分14秒
絶対にひきません(w
2レス読んだだけで、もう泣きそうです。
やっと結ばれる二人に、とことん付き合います。
118 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月03日(月)02時36分04秒
自分もひかないっす
逆に萌える(w
あぁついにここまできたんですねぇ
自分も最後まで付き合うですよ、ハイ
119 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月03日(月)02時50分21秒
ここでストップされるほうが耐えられないっす〜(w
120 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月03日(月)03時21分19秒
さあ、来い!!
121 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月03日(月)03時23分38秒
エロでひくことは在りえません!?
健全な若人として続きが待てません。
122 名前:オイラ 投稿日:2001年12月03日(月)06時42分48秒
ひとみ同様オイラも止まらない。ニヤニヤ

123 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月03日(月)08時31分16秒
梨華ちゃんは、もう、ひとみちゃんのもの♪
良かった良かった(号泣)。
124 名前:名無し男 投稿日:2001年12月03日(月)19時12分42秒
今日の昼間に起こったとんでもないハプニングが全て洗い流されるほどヨカタ

2区間ほど乗り遅れたバスを追いかける為に走った後
バスに乗ってからようやく半ケツ(パンツはダイジョーブ)だった事に気がついた

ヾ(゜∀。)ノ これから始まる儀式が待ち遠しい ヾ(。∀゜)ノ
   ゲヘヘ ゲヘヘ

さて、そろそろ頭を取り替える時間じゃ キュパキュパ・・・カポ
125 名前:ちび 投稿日:2001年12月03日(月)23時37分08秒
もう自転車なんてどうでもいいです(よくないけど…
全然ひきませんよ!どんと来いって感じで!
いや、どんと来てください!楽しみでしょうがないです。
126 名前:24歳 投稿日:2001年12月04日(火)03時41分29秒
(;´Д`) <バッチコ〜〜〜〜イ!!!!!!!

127 名前:24歳 投稿日:2001年12月04日(火)03時43分15秒
m(__)m スマソ
128 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月08日(土)17時09分33秒
続きはまだかな?
129 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月08日(土)18時19分56秒
作者さんがsageでって言ってるんだから守ろうよ
130 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月08日(土)18時24分50秒
せっかく下がってきてたのに・・・
131 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月08日(土)19時44分23秒
>>128
イヤガラセなのか?

式神たんにはsage応援基本。
他が上がらないと意味ないけどsage〜
132 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月09日(日)11時44分36秒
でもだからといって他の作品をあげるのもどうかと思う…
今あがってるヤツ誰か無理やりあげたんじゃない?
マターリいこうよ
133 名前:名無し男 投稿日:2001年12月09日(日)12時43分23秒
まあ、わざとじゃないでしょ
俺かって最初は下げ方わからんくてカナーリ迷惑かけた

とりあえずメール欄の横のsageって書いてある奴押すヨロシ
134 名前:式神 投稿日:2001年12月11日(火)20時43分02秒
>>116 じゃない様   やっとでございます(T_T)
>>117 有難うございます!!
>>118 有難うございます!!
>>119 お待たせしましたm(__)m
>>120 気合入ってますね。
>>121 健全な若人・・・羨ましい(w
>>122 オイラさん  止まれ(w
>>123 CharmyBlueさん いつも有難うございます!
    桃板での作品ドキドキしながら読んでます。最高です! 
>>124 今年のハプニング大賞は『名無し男』さんに決定!!
>>125 ちびさん  自転車は見付かりましたか?
>>126 こちらもかなり気合入ってますね。

自分もうっかりageてしまったりするんで、ageてしまった方、
気にしないで下さいね。
sageで書こうという自分の我がままを通そうする僕が悪いんですから。
本当にすみませんm(__)m
月板の作家さんに迷惑をかけないように気を付けます。
135 名前:218 投稿日:2001年12月11日(火)20時50分27秒
「なに・・・・?」

不思議そうに見上げる瞳に、宥めるようなキスを落として、

「・・・・嫌?」

されるまま、大人しくしている髪へ唇を押し当てるようにして囁く。

「ひとみちゃん・・・?」

驚いたような表情をして、けれど梨華は、ゆっくりとひとみに外されてゆく
自分のブラウスのボタンを不思議そうに眺めている。

「お洋服・・・乾かすの?」

まるで分かっていないような梨華に、ひとみは苦笑して濡れてカラダにはり付いて
しまっているスカートのファスナーをゆっくり下ろしていく。

「ひとみちゃん、いいよ・・・・自分で脱ぐから・・・」

困ったように逃げようとする梨華に、

「いいよ、梨華ちゃん、脱がせてあげる」

こんな時だけひとみは、とても優しく囁いてしまう自分に苦笑する。
136 名前:219 投稿日:2001年12月11日(火)20時59分15秒
戸惑うような梨華からひとみは、冷たくなっていたブラウスとスカートを
素早く取り去り、ついでにブラとショーツまで取り去ってしまう。

「や・・だ・っ」

すぐに恥ずかしそうにカラダを捩る梨華へ、体重を掛けないように
ゆっくりと覆い被さった。真っ赤になってもう泣きたいような表情をする
梨華の頬へ、謝る代わりのキスをする。

「・・・ひとみちゃんのお洋服・・・冷たい」

まるで分かっていないような文句を言って、

「すぐ脱ぐから・・・平気・・・」

ひとみの視線から隠したいようにカラダを捩る梨華の唇へ
続きを教えるようなキスをする。
初めは軽く触れるだけのキス。それから、少しだけ煽る仕種で口付けた。

「・・・・・!」

キスの意味は伝わったのかも知れない。
ようやく、ひとみが何をしようとしているのかが分かったのか、
梨華は可哀相なくらい赤くなった。
137 名前:220 投稿日:2001年12月11日(火)21時07分00秒
「・・・・・やっぱり、嫌?」

急にカラダを硬くした梨華に、困ったようにひとみが訊いた。

「嫌じゃないよ・・・全然、嫌じゃないんだけど・・・」

慌てたように言って、けれど緊張と不安に語尾が震えるのが分かった。

「けど?」

そんな梨華に、考えるようにひとみは眉をしかめてしまう。
怖がらせてしまったような気がして少しだけ後悔したのだ。

「ちょっと・・・びっくり・・・しちゃって」

確かにさっき好きだと言ったばかりで、おまけに思い出の場所でそんなことを
するなんて・・・まだ子供の梨華には考えられないことだろうと、ひとみも思う。

ため息を吐いたひとみを、梨華はどう思ったのだろう。

「ひとみちゃん・・・・ごめんね」

小さな声で謝って、覚えたばかりのキスをひとみの唇へ、そっと届けてくれる。
まるで、梨華の方が悪いことをしたみたいに・・・。
138 名前:221 投稿日:2001年12月11日(火)21時13分09秒
「梨華ちゃんは謝らなくていいのに・・・」

そんな梨華に苦笑して、ひとみは強引な自分が嫌になりそうだ。

「梨華ちゃん・・・・ごめん・・・」

もう何もしないから、そう囁く声に梨華が驚いたような表情をする。

「私が謝ったら、そんなに変?」

笑ってしまうひとみに、それでも梨華が小さく頷くから、

「・・・・梨華ちゃんにだから、かナ」

だから少しだけ素直になれるのだと、秘密を教えるように言う。

「ひとみちゃん・・・」

そうしたら、梨華がとても嬉しそうな表情をする。
それだけで、もう一度だけなら謝ってもいいかナ、なんて気になってしまう
自分に苦笑する。
とても、梨華には言えないけれど・・・。
139 名前:222 投稿日:2001年12月11日(火)21時22分35秒
「帰ろうよ・・・梨華ちゃんのお母さん、きっとすごい心配してる」

このままでいたら我慢できなくなる気がするから、ひとみはそんな風に言って
梨華の上からカラダを起こそうとしたのだけれど、

「嫌っ・・・っ」

すぐに梨華がしがみついてきて、ひとみはまた梨華を組み敷くような
格好になってしまう。

「梨華ちゃん・・・私も一緒に帰るから、平気でしょ?」

宥めるように囁いて、だから帰ろうと言うのに、

「いやっ、まだ帰らない」

梨華は、そんな風に言ってギュっと強くしがみついてくるのだ。

「・・・お子ちゃまみたい・・・梨華ちゃん」

困ったように、ため息を吐いたひとみに、

「どうせ私なんて子供っぽいわよ・・・それにこういうこと初めてだし・・・」

梨華は、小さな声で呟いて、

「でもね・・・・ひとみちゃんが好きなの」

そのまま、ぎこちないキスをひとみの唇へ触れさせる。
ひとみは驚いたように、そんな梨華を見つめてしまう。
140 名前:223 投稿日:2001年12月11日(火)21時33分25秒
「私・・・こういう事、本当に初めてだから・・・次とか何していいのか・・・
 分からないの・・・でも・・・分からないけど・・・」

とても小さな声で、何度もためらいながら、それでもひとみの為に
一生懸命に言おうとする梨華が、愛しくてたまらない気持ちになるのは
当たり前のことのような気がした。

「・・・ひとみちゃんが、本当に私なんかでいいのか、まだ分からないけど・・・」

言いながら、不安でたまらなくなるみたいに泣き出してしまう梨華をずっと
見つめていたひとみは、不安でいっぱいの梨華の表情にどう言えばこの想いが
伝わるのだろうかと思う。

「好きって・・・梨華ちゃんが好きって言ったでしょ?
 梨華ちゃんだから・・・・したい・・」

梨華にしかしたくない、なんてその瞳に届くまで優しいキスを繰り返して、

「好き・・・大好き・・・梨華ちゃん」

掻き口説くように甘く囁きながら、

「梨華ちゃんだけが・・・・大好きはあとはあと

ひとみは、もうその言葉以外の言葉を囁くことが出来なくなる気がした。
141 名前:式神 投稿日:2001年12月11日(火)21時36分24秒
>>135-140 更新しました。少しですみません。
      もしかしたら、今宵再度更新するかもしれないです。
      期待しないで待っていてくださいm(__)m
142 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月11日(火)21時57分26秒
ぎこちない2人に、萌え萌えです。
なんか、泣けて来ます。続きも待ってます。
みんなsageて逝こう〜!
143 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月11日(火)22時07分30秒
やべえ。
萌えすぎっす。
144 名前:夜叉 投稿日:2001年12月11日(火)22時59分10秒
うわわわわ。再開ありがとうございます。
吉、素直になれて良かったです。

さらなる更新、楽しみに待ってます。
145 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月11日(火)23時56分09秒
ついにこの日が・・・。長かったような、短かったような。
いしよしマンセー!!!
146 名前:ちび 投稿日:2001年12月12日(水)01時07分34秒
おぉ!きましたね!ついに…いっつもドキドキしてしまいます。
続きが気になります…あ、自転車ありました。よいことは続くものですね♪
147 名前:式神 投稿日:2001年12月12日(水)01時30分12秒
>>142 CharmyBlueさん
    ぎこちない二人は難しい・・・『無敵〜』みたいにならないように
    気をつけております。
>>143 尾依羅さん(w
    嬉しいお言葉・・・有難うございます!
>>144 夜叉さん
    素直が一番!なんだか『犬夜叉』が読みたくなってきた(w

>>145 長かったですね。早く終わらせて次の作品をじっくり書きたいです。

>>146 ちびさん
    自転車見付かって良かったですね〜。自分は座るところだけ
    盗まれたことがあります。
    駅から家までの恐怖の立ちこぎ・・・忘れません(w

ラジオを聞いて興奮してしまった自分・・・まだまだ若いな(w
148 名前:224 投稿日:2001年12月12日(水)01時38分40秒
そっと梨華に重みが掛からないように静かにカラダを重ねて、そっと触れ合う
肌の感触が、とても心地良いと思う。

「じっとしてて・・・怖かったら言っていいから・・・」

囁く声と同じくらい優しい手で梨華のカラダに触れる。
少し冷たい指先に、震えてしまう肌へ宥めるようにキスを落として、
ゆっくりと確かめるようにカラダのラインを辿っていく指と唇に、
梨華は、戸惑ったような表情をしていたけれど、

「ひとみちゃん・・・」

何度も、縋るような高い声で名前を呼ぶから、ひとみは少しずつ愛撫する
仕種を大胆なものへ変えていく。
少しでも梨華が気持ちいいと思えるように・・・。

「・・・・っ、・・・ゃっ・・」

けれど梨華は、戸惑ったような瞳のまま、触れられる指やキスに感じてしまうのが
怖いみたいに唇を噛んで、泣き出しそうな瞳で、懸命にひとみを見つめている。
149 名前:225 投稿日:2001年12月12日(水)02時07分14秒
「・・・・声、我慢しなくてもいいよ」

ひとみが優しく囁いても、梨華は嫌がるように声を我慢しているだけだ。
薄い唇が切れてしまいそうな気がして、ひとみは心配になる。

「梨華ちゃんの声・・・すごく聞きたい・・・」

わざと卑猥なことを囁くように耳朶を甘く噛んだら、梨華は伸び上がるようにして
ひとみの唇へ触れてきた。

「ん・・・っ・・・ゃ・・ぁ」

何度も、柔らかくキスを繰り返しているうちに、いつの間にか口づけは、
どんどん深いものになってゆく。搦めたまま舌を甘く噛んで、そっと
舐め上げたら、震えるような感覚に梨華は、ひとみのシャツを強く掴んだ。

掌に余る、梨華のふくよかな胸をゆっくりと何度も揉みしだいていたら、
我慢できないのか梨華は、嫌がるように頭を振る。
聞こえないように、指で触れていたそこへキスを落として、ひとみは
揶揄かうような仕種で、硬く尖ってきた部分を甘噛みする。

「ん・・・っ」

潤んでしまった瞳で、溶け出しそうな表情のまま、それでもやめて欲しいと
言えない梨華が、ひとみの髪を遠慮がちに引く。
150 名前:226 投稿日:2001年12月12日(水)02時16分36秒
「ひとみちゃ・・・ん・・・」

困ったような声も、滲んだように濡れていて、ひとみはその声にさえ
ひどく興奮してしまう。
きゅっと唇で、乳房の先端を噛んで、その刺激のまま声を漏らす梨華に、
視線だけで、何が嫌なのかと訊いてみるけど、

「私だけ・・・こんなの・・・やだっ」

切れ切れに答える梨華は、そのひとみの表情に赤くなっしまう。
多分それは、梨華が初めて見るひとみの表情で、綺麗に整った顔が余計に
卑猥な感じに映るからかも知れない。

「梨華ちゃんだけって・・・なにが?」

低く囁くように言って、ひとみは微妙に感じる所をずらして口づける。

「だって・・・私だけなんて・・・ズル・・イ・・っ」

カワイイ答えにそっと微笑んで・・・けれどその間も、悪戯な指は柔らかな脇腹
をくすぐるように撫でたり、滑らかな太腿を軽く引っ掻いたりしているのだ。
151 名前:227 投稿日:2001年12月12日(水)02時22分34秒
「じゃあ・・・私も脱げばズルくないの?」

どこか意地悪な声で、耳朶を甘く噛むようにしながら訊いてみる。
梨華は、触れてくる指を止めて欲しいみたいに、何も考えないまま何度も頷いた。
未練がましくキスを落としてから、ひとみは面倒そうに梨華の上から
カラダを起こした。

「ひとみちゃん・・・・?」

その重みが消えたことに、不安そうな声がするから、

「どこにも行かないよ、梨華ちゃん・・・」

優しく声を掛けたら、慌てたように梨華がギュっと目を瞑った。
濡れたままのシャツを適当に脱いで、雨に濡れたせいで脱ぎ難くなっている
ジーンズに悪戦苦闘し、なんとか自分も梨華と同じようにハダカになった。
152 名前:228 投稿日:2001年12月12日(水)02時28分50秒
恥ずかしがるように向けられた剥き出しの背中に、悪戯をするように
冷たい指で触れて、指で探った後を追いかけるように濡れた舌で辿ったら、

「ぁ・・・・、ん・・・・っ」

それがひとみの舌だと分かった途端に、どうしていいのか分からないように
首を振って嫌々をする。
そのまま梨華は、噛み切れない甘い声を漏らしてしまった。

「もっと・・・気持ちよくしてあげる・・・」

声に煽られたみたいに、背中越しに指を回して、
梨華の一番大事な部分へ触れたら、驚いたように腰を引く。
けれどひとみは、背中ごと梨華を抱き込んでいる形になっていたから、
梨華は逃げることが出来ない。
153 名前:229 投稿日:2001年12月12日(水)02時40分02秒
「いや・・・ぁ・・・っ」

もう昂ぶって、梨華の大事なその蕾は、プクンと甘皮からとび出していて
ひとみの指が触れる度にビクンと震える。
まるで、慣れていない梨華の反応にひとみは苦笑してしまう。

「梨華ちゃん・・・・気持ちいい・・・?」

甘く囁くような声で、背中越しに梨華の首筋へキスをしながら、
蕾のまわりを指で優しく、優しく撫で廻す。

「・・・・・っ」

たったそれだけの感覚に、指の先の梨華は震えて、真っ赤になって
恥かしくたまらないようにひとみに言うのだ。

「ひ・・・とみ・・・ちゃ・・・ん・・・もぅ・・・・」

嫌々をして、ひとみの手を離そうとする梨華を許さずに、
ひとみは強引に撫でまわす指先の動きを早くする。そのまま、どんどん
昂ぶっていく感覚に、ひとみは指を動かしながらよく見えるように
梨華の顔を自分の方へ向かせて、啄ばむようなキスをしながら、
感じるままに動く梨華の表情を、うっとりと眺める。
154 名前:230 投稿日:2001年12月12日(水)02時49分15秒
「梨華ちゃん・・・・ココ・・気持ちいい?」

教えるように指で尖った蕾の先端を突くと、梨華は泣きじゃくりながら頷く。
恥かしくてどうしていいのか分からないのに、ひとみの声に逆らえないような
感じだ。

「あーーーーーっ・・・・ひと・・・・みちゃん・・・・っ」

流される快感に逆らいきれなかったのか、梨華は大きく痙攣してそのまま
急にぐったりしたようにひとみの胸へもたれかかった。
その恍惚と疲労の入り混じった表情に、宥めるようにキスをして、

「ひとみ・・・・ちゃん?」

掠れるような高い甘い声に、好きと言う代わりにひとみは、優しく微笑む。

「・・・・ん・・・」

その表情に少しだけ安心したように笑った梨華は、快感の余韻を引き摺って、
重い瞼をそっと閉じた。
すぐに応えるように与えられる口づけに、
幸せそうな頬が薄赤く染まる。
155 名前:式神 投稿日:2001年12月12日(水)02時53分27秒
>>148-154 更新しました。
      自分の書いた文章に・・・
      う〜〜ん、萌えない・・・・(w
      いかん、マンネリ化してるのか・・・
      こんな駄文でホント申し訳ないm(__)m
156 名前:名無し男 投稿日:2001年12月12日(水)22時38分52秒
ヴェリー興奮してまっせ
だって今腕立てしながら見てたもん(汗で滑って頭打った64回目、わすれません。)
157 名前:夜叉 投稿日:2001年12月13日(木)00時13分08秒
純な石に萌え〜。

>いかん、マンネリ化してるのか・・・
そうですか?全然萌えてます(w。
これからの展開が気になります。がんがってください。
158 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月13日(木)05時50分47秒
マンネリなんかしていませんぞ!!
いつもの如く萌え萌えであります(w
159 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2001年12月15日(土)11時05分26秒
オイラもうダメっス。壊れるっス。
梨華っちさいこ〜! ヨシコさいこ〜!
160 名前:式神 投稿日:2001年12月16日(日)23時33分20秒
>>156 名無し男さん
   いつも有難うございます!不思議ですがあなたのレスを
   見ると、とても癒されます。
>>157 夜叉さん 
   有難うございます!頑張ります!

>>158 有難うございます!!

>>159 自分は、すでに壊れてます(w

今日、ぶらりと本屋に寄る。
花村萬月の『鬱』とキングの『不眠症上・下』を思わず購入。
自分の気持ちも重いが、本も重かった・・・
161 名前:231 投稿日:2001年12月16日(日)23時44分31秒
「ひとみちゃん・・・」

キスをねだるような声に、ひとみは苦笑してしまう。その瞳に応えるように
キスをして、零れて濡れたばかりの部分を指先で辿る。

「ゃ、・・・・・ぁ・・・・っ」

刺激に驚いたように声を上げる梨華に、聞こえない振りをして、
ひとみは指の動きを止めないでいる。

「ふ、・・・・・ぅ・・・・っ」

大量に溢れ出ている秘液のせいで、ひとみの指が動く度に湿った音が漏れる。

「梨華ちゃん・・・・聞こえる?」

そのことを、ひとみが意地悪するみたいに教えたら、

「えっ?・・・・・あっ!」

梨華は言われたことの意味が分かった途端に真っ赤になってしまう。
それから、その指を嫌がるみたいに腰を捩って、止まらないひとみの指から
零れる秘液が恥ずかしくてたまらないような表情をする。

「ねっはあとはあと聞こえるでしょ?」

自分の淫らさをわざと教えるようなひとみの声に、梨華は泣き出しそうな
表情をして、それでも感じてしまうのが悔しいみたいに、
ギュっと目を瞑ってしまった。
162 名前:232 投稿日:2001年12月16日(日)23時55分35秒
「いやなら・・・・言っていいよ」

唐突に、ひとみはポツリと呟くように言って、そんな表情を見られたくなくて
梨華の肩口へ顔を埋めてしまう。

「ひとみちゃん?」

少しだけ不安そうになる梨華に、宥めるような仕種でキスをして、
何となく、何も知らない梨華を騙して無理やりカラダを重ねるみたいで、
ひとみは躊躇っていた。

「今なら・・・・まだ、やめられる・・・」

だから、そう言ったのに、梨華は驚いたようにひとみを見上げるだけで、

「・・・・・・私・・・・・大丈夫だよ」

恥かしいけど、全然大丈夫だから、なんて一生懸命に言ってくれるから、
そんな梨華があんまり可愛くて、愛しくて・・・。
ひとみは、らしくなく泣きたくなるような感情を抱く。

「だって・・・ひとみちゃんのこと好きだもん・・・いいの」

そんな梨華だから、余計に手が出せないなんて、皮肉すぎて笑えない。
ひとみは自分で分かっているのだ。梨華を傷付けたくないとか、痛い思いを
させたくないとか、そんなのは全部都合の良い勝手な言い訳なのだという事を。
163 名前:233 投稿日:2001年12月17日(月)00時07分55秒
「私も・・・・好き・・・」

と、小さく呟いて、続きをする為のキスを一つ落とす。本当は思うままにして
それで梨華に嫌われるのが怖かっただけだ。

「私が何しても・・・・驚かないでね?」

嫌いにならないで、なんて言えないから、いつも最後の一歩を
踏み出せないでいたけれど・・・。

「驚いても、嫌だって言っても・・・例えば、泣いても・・・」

梨華は、いつも真っ直ぐひとみを見て『好き』と言ってくれるから、

「もう・・・・やめられない・・・・」

迷ってばかりいる自分に、ひとみは終わりを告げる。
そうして何でもないことを言うみたいに、平静を装いながら、
ひとみは今までで一番、格好をつけて言うのだ。

「梨華・・・・・・、好きだよ」

数え切れないほど何度も告げる。
甘い囁きの続きを・・・・・切ないくらいのキスで隠して・・・・・

そのまま、二人はキスに・・・・・

 溺れてしまった・・・・・・
164 名前:234 投稿日:2001年12月17日(月)00時11分05秒




*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *





165 名前:235 投稿日:2001年12月17日(月)00時18分01秒
それから、馬鹿みたいに照れながら二人は公園を後にした。
真っ暗な道を、強く梨華の手を繋いで歩きながらひとみは黙ったきり
喋ろうとしない。

結局、ひとみは梨華をひどく泣かせてしまって・・・・。

そのことを後悔したりしないけれど、とても照れ臭くていたたまれない気分だった
あんなに言えないと思っていた『好き』という言葉を、数え切れないほど
囁いてしまった自分を思い出して、照れてしまう。

本当に、道が真っ暗で自分の顔が梨華に見えなくて良かったなんてひとみは思う
きっと、今自分はとても幸せそうで、マヌケな顔をしていると思うからだ。
166 名前:236 投稿日:2001年12月17日(月)00時24分18秒
「・・・・・ひとみちゃん」

控えめな声に、ひとみは誤魔化すように不機嫌な表情を作ってみるけど、

「なあに?」

声は、ひとみを裏切ってとても優しい。

「もうちょっと・・・・ゆっくり歩いてもいい?」

言い難そうな声に、ひとみは照れて早足になっていた自分に気付く。
さっきひとみが少し乱暴にしてしまったことで、梨華はとても辛そうだった。
カラダが痛むのかも知れない。
硬い木の床の上だったのに、可哀相なことをしてしまったと思う。

「ごめん・・・・梨華ちゃん・・・」

そんな風に言いながら、ひとみは無神経な自分に舌打ちする。
内心浮かれていたせいで、梨華を思いやる気持ちを忘れていたと思うからだ。
167 名前:237 投稿日:2001年12月17日(月)00時34分01秒
「・・・・・ひとみちゃん?」

驚いたような声に、ひとみは微笑んで、

「本当にごめん、梨華ちゃん・・・・・・ハイッ!」

梨華の前へ差し出した背中を、促すように親指で指す。
”おんぶする”という意味で。

「いいの?ひとみちゃん・・・」

たったそれだけのことで感激したように梨華は言うから、

「私の責任だから・・・・ねっ?」

揶揄かうように言って、ひとみが強引に梨華の手を掴んで背中へもたれ掛かせる。

「ひとみちゃんは悪くないよぉ〜」

背中に感じる甘い重みが、拗ねたように言うのがくすぐったい。
そのままひとみの首へ腕を回して、梨華がしがみついてくる。

「あのね、梨華ちゃん・・・・私のせいだって思いたいの」

照れるのを隠すように言ったら、耳元で梨華が笑うのが分かった。
そっと立ち上がって、出来るだけ梨華のカラダが振動しないように歩き始める。
168 名前:238 投稿日:2001年12月17日(月)00時43分53秒
「ふふふ・・・・・へへっ・・・・」

変な風に笑う梨華に、

「どうしたの?」

ひとみが少し不機嫌に答える。背中から感じる梨華の重みがバカみたいに嬉しい。

「・・・・・あのね・・・・・・すごく嬉しいの」

秘密を教えるような声が、ひとみを微笑ませるのは、自分とあんな風になった
後なのに梨華がまるで変わらない、梨華のままで自分の傍にいてくれるからだ。

「ひとみちゃんは?」

無邪気に訊く声に、ひとみは苦笑して、

「自分で考えて」

やっぱり、素っ気なく答えるのだ。キスをしても、カラダを重ねても、
変わらないでいる自分たちが、ひとみは嬉しかった。

「だったら、私と同じにしとくね」

嬉しそうに言うから、

「勝手にして・・・」

ひとみは不機嫌そうな声を装って言う。
途端にギュッとしがみつかれて、苦しさに顔をしかめたけれど、
少しも嫌じゃないから仕方がないのだ。
169 名前:239 投稿日:2001年12月17日(月)00時56分11秒
「お腹、空いちゃったよぉ〜〜」

呑気な梨華の声に街頭の時計に目をやると、もう真夜中をとっくに過ぎていた。

「これから家を飛び出す時は、サイフ持ってからにしなきゃ」

嫌味を言うみたいなひとみに、

「だって・・・ごっちんが変なことするから・・・いけないんだよ」

拗ねたように梨華が言う。

「いくら冗談でも、私・・・ファーストキスだったのに・・・ヒドイよぉ〜」

恨みがましい声に、ひとみは苦笑して、それは間違いだと言ってのける。
怪訝そうな梨華に、真希は冗談なんかじゃなかった、ということは
黙っておくけれど。

「だって私が真希にキスされる前にちゃんとしてたから♪」

軽く、何でもないように言ったら、

「え?−−−−−−−ぇぇえッ?」

ものすごく驚いたような高い声に笑ってしまう。
梨華にまるで覚えがないのは当たり前だ。ひとみは梨華が眠っている間に
そっとキスしたのだから・・・。けれど、それは言ってあげない。
何度もいつしたのかと訊くような梨華にひとみは微笑んで、こう答えた。

「それは・・・・・秘密はあとはあと


170 名前:式神 投稿日:2001年12月17日(月)00時58分15秒
>>161-169 更新しました。

次の更新がラストです。長かった・・・
171 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月17日(月)01時03分36秒
リアルで読ませていただきました。
甘いですねぇ(w
終わっちゃうのさみしいですが、ラスト期待してます。
172 名前:じゃない 投稿日:2001年12月17日(月)01時04分30秒
|.∀´)ノ◇  最終回に備えてハンカチを用意してみました。
173 名前:夜叉 投稿日:2001年12月17日(月)03時13分03秒
はう〜(恍惚。w
吉の気持ち、痛いくらい分かります。
作者様、感無量です。
次回の最終回、期待しております。
174 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2001年12月17日(月)07時25分02秒
ヤパーリこの作品はエロより感動で終わってほしいっス。
175 名前:名無し梨華 投稿日:2001年12月17日(月)16時50分25秒
はぅぅぅ、感涙でございます。

よすぃこ、最高。
式神さん、頑張ってくらさい♪
176 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月18日(火)00時41分40秒
次回でラストですか。毎回ドキドキしながら読ませてもらってました。
終わってしまうのは非常に残念ですが、最終回も楽しみにしています。
ここの、いしよし凄く好きでしたよ(まだ終わってないですけど)。
177 名前:名無し男 投稿日:2001年12月18日(火)10時56分44秒
 デストラーデ?
(訳:次でラストですか!?)
正直、ワタチ悲シイアル。

涙の流域面積がアマゾン川になるくらいの最終回&続編
&新作勝手に期待しときます
178 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月19日(水)02時52分39秒
>式神さん
他に書いた作品あったら教えて
179 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月19日(水)17時20分15秒
どうも、初めてレスします。
最近、一気に読んで、か・な・り感動しました。
なんでこの作品を初めからチェックしてなかったんだろうと、
自分で自分を怒りたくなりました。(w
式神さんの文章力に圧倒!です。
もう尊敬します!というか崇拝します。(w
次回でラスト、頑張って下さい!
180 名前:式神 投稿日:2001年12月21日(金)23時09分03秒
>>171 甘いですか?自分の文章は甘さが欠けてるのでは?と思っていたので
    そう言っていただけると嬉しいです!有難うございます!

>>172 じゃない様
 いつも有難うございます。たまに桃板に出現しますのでその時はヨロシクです
>>173 夜叉さん
   有難うございます!
>>174 そうですね、やっぱりエロ入れたのは失敗だったですね(T_T)
    エッチ後のレスの少なさに軽く凹みました(w
>>175 有難うございます!
>>176  CharmyBlueさん
   本当にいつも有難うございます!Charmyさんの作品は最高です!
   甘いものが欲しくなった時はいつも拝見してます(w

>>177 続編・・・・あるのでしょうか? 
>>178 同じ月板のどこかに・・・ヒント「ライバル」(w
>>179 吉胡麻系さん
  初めまして!そして、有難うございます。尊敬、崇拝・・・
  やめて下さい・・・恥ずかしい・・・
  自分は、誉め言葉が弱点なんです(w 顔が湯でタコになります。

さきほど、最初からこの作品を読み直してみた。
う〜〜〜ん・・・・ダメだ(T_T)
181 名前:240 投稿日:2001年12月21日(金)23時19分14秒
ふざけながら二人して笑って、背中にいる梨華の為にゆっくりと歩いていたひとみ
は、家のごく近所まで来た所で静かに立ち止まった。
そこに、きっと今この世で一番梨華を心配している女性の横顔を見つけたからだ。

「梨華ちゃん・・・・」

そっと、背中に声を掛けて、振動がしないように梨華を地面へ下ろす。

「ひとみちゃん?」

家までおぶっていて貰えると思っていた梨華は、あと少しの所まで来て
下ろされて不思議そうな表情をしている。
そんな梨華に、ひとみは何も言わないまま微笑む。
暗いからきっと誰にも見付からないだろうと心の中で言い訳を付けながら、
不思議そうなままの梨華の唇へ素早く優しいキスをした。
すぐに照れて嬉しそうに俯く梨華に苦笑して、その肩を柔らかく押してあげる。
後ろに気付いてと、言うみたいに。
182 名前:241 投稿日:2001年12月21日(金)23時28分06秒
「あっ・・・・・・」

振り向いた先で、家の玄関の前で心配そうに立ち尽くしている横顔を見付けて、
すぐに困ったように梨華は、ひとみの顔を見る。
どうしよう、と助けを求めるような瞳が、こんな時なのに綺麗だなんて・・・
ひとみは思ってしまう自分に苦笑する。

例えば今まで梨華がどこで何をしていたか、なんてことはひとみが上手く
説明してあげられるけれど、それは梨華自身でなければ解決出来ない問題だった。

「ひとみちゃん・・・」

縋るような小さな声に、ひとみは静かに空を見上げて言ってあげる。

「梨華ちゃん・・・・流れ星でしょ」

そうしたらすぐに意味が分かったのか梨華は、泣き笑いのような表情になった。
ひとみは片眉を器用に持ち上げて、迷う梨華の背中をそっと押し出した。

まるで、勇気を贈るみたいに・・・。
183 名前:242 投稿日:2001年12月21日(金)23時37分14秒
何かを決めたように家へ向かって一人で歩き出した梨華に、
彼女はすぐに気付いて、

「・・・・・・・遅くなって、ごめんなさい」

安心したのか泣き出しそうな表情になった。

梨華は小さく最初に謝ってから、




「心配かけてごめんなさい・・・・・・お母さん・・・・」




ずっと言えなかった名前で、彼女をそう呼ぶことに成功した。


その光景を心配しながら見ていたひとみは、泣き顔を梨華にばれないように
そっと自分の家に入って行った。





184 名前:エピローグ 投稿日:2001年12月21日(金)23時49分58秒
子供の頃から当たり前のように二人でいた、ひとみと梨華。
恋人同士になった今も、いつものように、いつものひとみの部屋で二人で、
同じ時間を過ごしていた。


「ねぇ、ひとみちゃん、アイス食べる?」

部屋に流れている曲のCDジャケットを見ていたひとみに、棒状のアイスを
舐めながら梨華が訊いてくる。その艶っぽい口許に思わず、見とれてしまいながら
ひとみは悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「ねぇ、ひとみちゃん?」

不思議そうな表情をする梨華に少し笑って、腕を柔らかく引き寄せたら
そのままひとみは梨華を腕の中へ隠すように抱きしめた。
ゆっくりと、アイスのせいで冷たくなっている梨華の唇へキスをして、

「・・・・梨華ちゃんの唇、冷たい・・・」

唇を軽く触れ合わせたまま、暖めてあげようか?なんてひとみが囁いたあと、

「梨華ちゃん・・・・・大好きはあとはあと

そのまま、口付ける。


くちづけのその後・・・・・・・二人の恋は、はじまったばかりだ。



 〜〜 END 〜〜
185 名前:式神 投稿日:2001年12月22日(土)00時00分02秒
>>181-184 ラスト更新しました。

本当に今までこんな駄作を読んでいただき有難うございました。
この作品は、途中何度もやめたいと思ってしまいそうになりましたが、
読者の方のレスを励みになんとか頑張りました。
やっぱりエロ書き野郎はエロで勝負!ですかね(w
実は、次回作はすでに書き始めています。しかし発表しようかどうか
まだ考え中です。もうちょっと煮詰めてから決めたいと思います。

次回作はちなみに、いしよし+小川  です。

本当に有難うございましたm(__)m
186 名前:じゃない 投稿日:2001年12月22日(土)00時04分30秒
( `.∀´)ノ◇  ハンカチが役に立ったよほ。。

グッジョブ。おつかれさま。
次回作もいしよしズワーイって小川つきかよ!  待ってます。
187 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月22日(土)00時24分28秒
お疲れさまでした。ついに終わってしまった(;_;)。
毎回ドキドキハラハラさせられました。
でも、素敵な終わり方でした。感動作をありがとうございました!

5期メンじゃ小川押しですが、あぁ・・・
新作も楽しみにしております!!
188 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月22日(土)01時13分33秒
ひ〜〜〜〜。。。
良かったよお。エエ話や。
嬉しいラストだったんだけども。コレでおしまいと思うと寂しいっす。
次のいしよしも期待しとります。
サンクス式神サン。
189 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月22日(土)04時05分43秒
良いお話でした♪

ドキドキしながら読んでました!
いい終わり方ですね…

次回作、いしよしおが是非やってください!待ってます。

それではお疲れ様でした。
190 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月22日(土)12時15分13秒
式神さん、お疲れ様でした!
ラスト、かなり感動しました〜!もう涙モノです!
素敵な作品、ありがとうございました!
新作のほうも頑張って下さい!
191 名前:名無し男 投稿日:2001年12月22日(土)15時42分09秒
ヾ(TσT)ノ◇

涙も鼻水も枯れきって
とうとう血まで出て参りました
そのくらい感動した


いや、本当に。
192 名前:夜叉 投稿日:2001年12月22日(土)21時50分39秒
作者様、お疲れさまでした。
吉の優しい気遣い、石には強い勇気、感動しました。
二人にはこれからがありますもんね。
作者様も新作頑張ってください。
期待してます。
ありがとうございました。
193 名前:式神 投稿日:2002年01月04日(金)16時01分48秒
小説の感想を書いていただいたのにその返事の方が遅くなってしまい
申し訳ございません。

>>186 じゃない様
    いつもありがとうございます!小川つきの作品の前に
   先生モノを始めます。
>>187 CharmyBlueさん
    新作読んでます(w いつもながらワクワクする小説、面白いです!
>>188 尾依羅さん
    いつもありがとうございます!!

>>189 ありがとうございます!
  「いしよしおが」は、もう少し待機で先に先生モノに挑戦です。
194 名前:式神 投稿日:2002年01月04日(金)16時10分17秒
>>190 吉胡麻系さん
    ありがとうございます!新作も良かったら読んで見てください。

>>191 名無し男さん
    いつもありがとうございます!
   これからもあなたに癒されたいです(w

>>192 夜叉さん
  ありがとうございます!新作・・・期待に添えられるよう頑張ります!


前に予告していた「いしよし+小川」の前にどうしても「いしよし」で
教師&生徒モノが書きたくなりこちらの方を先に載せることにしました。

題名は『イタズラな放課後』です。
あいかわらずな駄文ですが宜しくお願いしますm(__)m



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