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究極のバトルマスターへの道
- 1 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)01時43分43秒
- 世界観はドラクエ、でも勇者はでてきません。
人工50人の小さな村、ガルパカス。村の中央には、幾千年の歳月を生きた大木が悠然と立っている。
ひとみはその木の幹に身体を預け、気持ちよさそうに眠っている。
村の人はひとみの姿をみつけると、その可愛らしい寝顔に、首を振り振り去っていく。
- 2 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)02時14分24秒
- 「よっすぃー!!!」
ひとみは脳にまで響く真希のでかい声に、一瞬で目を覚ました。
「ご、ごっちん・・・おはよ」
「おはよじゃないよ!武術の鍛錬してたんじゃないの?様子を見に来たら気持ちよさそうに寝てるし。
さぼってたら身体なまっちゃうよ」
「だーいじょうぶたよ。あたしは天才武闘家だもん」
「ふーん。いつも圭ちゃんの魔法に負けてるくせに・・・」
ひとみは圭ちゃんという言葉を聞くと、ムキになって真希に反論した。
「保田さんは、賢者なんだよ!かなわないよ。ごっちんだって武器を持っているのに、素手のあたしにいつも引き分けてるくせに!」
「よっすいーは武闘家なんだから素手は当たり前なの!あたしは戦士だもん武器持つのは当然だよ!」
・・・口げんかが延々と続くかと思われたが、ルーラでふたりの前に突然現れた保田にびっくりして、ふたりは呆気にとられていた。
「はーい。喧嘩はそこまで。仕事が入ったよ」
「魔物がでたの?」
真希が不安そうに言う。
「そう。この村から南へ2キロほどの森の中にオークが集団で現れたの。しかもこの村に向かっているらしいわ」
「つまりオークを村に着く前に全滅させるのですね」
ひとみはまじめな顔になって言った。
- 3 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)02時37分41秒
- 「そういうこと。というわけでよっすぃーとごっちんふたりで行ってきてね」
「えぇ!圭ちゃん行かないの?」
「無理ですよぉ。回復してくれる人がいないと・・・」
保田はふたりに小さな革袋をわたした。
「薬草が10個ずつ入っている。それで何とか頑張ってね」
・・・ひとみと真希は不安そうに顔を見合わせた。
ひとみと真希が装備を整え、オークの群を探しに出かけたあと、保田はふたりに気づかれないように、あとをつけていた。
(武闘家のよっすぃー、戦士のごっちん、どのくらい実力が付いてるかみせてもらうよ)
「そろそろオーク達と出くわすかな?」
「ごっちん・・・。怖いの?」
「違う!怖くない!よっすぃーこそ・・・・・・?」
ひとみが突然鋭い顔になった。
真希が不安を押し隠して言う。
「でた?」
「うん・・・。すごい近くにいる。囲まれてるかも・・・・・・」
- 4 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)02時52分36秒
- ざぁざぁと木立がざわめく。と同時に無数の影がうごめいた。
「・・・・・・!!」
ひとみが息をのむ。
「・・・80匹はいるよ!」
真希は悲鳴に近い声で言った。
瘴気満ちる森の中は殺気だったオークであふれかえっていた。
「行くよ!ごっちん!」
「うっ、うん」
ふたりはオークの群の中に消えていった。
- 5 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)03時08分12秒
- オークの武器はこん棒。力だけは他の魔物と比べて遙かに強い。改心の一撃もよくでる。
そんなオークでもふたりの武闘家と戦士の前では天と地の差があった。
森の土の上には、時間とともにオークの死体がころがっていった。
すでに何匹のオークを倒しただろう、ひとみの拳は血に染まっていた。
真希のはがねの剣もべっとりと血あぶらにまみれている。
ふたりは背中合わせに戦いながら必死だった。保田からもらった薬草はすでになくなっている。
「ごっちん、何匹切った?」
ひとみが背中越しにささやいた。
「えっと・・・30くらいは殺ったかな。よっすぃーは?」
「あたしも同じくらい。あと少しだ、ガンガン行こうぜ!!」
- 6 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)03時39分40秒
- オークは残り5匹になった。がまたも森がざわめきはじめた。
ふっとあたりが暗くなる。ひとみは震えだした。
「くる・・・!こいつらよりも桁違いに強い魔物が・・・」
「こんな強い敵が何でこの森に・・・」
保田はふたりが戦う様子を岩陰からずっと見守っていた。
オークが残り5匹になったので、安心して村に帰ろうとした時、ひとみと同じく迫りくる殺気に身をふるわせた。
しかし、ひとみと真希の前に現れた者をみて、保田は驚いた。
小さな少女だ。ひとみと真希よりも年は下だろう。どこか憎めない顔つきだ。
少女はふたりの前に立つと口を開いた。
「魔物とは失礼ですね。私は魔族です」
ふたりは魔族と聞いて驚いた。
「魔族って、あの暗黒の世界の住人・・・」
「そうです。戦士の真希さん、武闘家のひとみさん。」
「どうして名前を知ってるの?」
「ひとみさん、プッチモニの3人組を知らない魔族はいませんよ。この地上で一番強いパーティ。
私はそんな3人を叩きのめすためにきました。正直賢者の保田さんがいないのにはホットしました。
保田さんがいたら私でも勝てないかもしれないですから」
- 7 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)03時56分30秒
- 「私の名前はあさみ。職業はパラディンです。パラディンは武闘家と僧侶を極めた者がなれます。
だからあなた達よりはるかに強い」
(このふたりでは絶対やられる!)
保田は岩陰から飛び出そうとしたが、真希の方が早かった。
「そんなのやってみなくちゃわからない!」
真希は、はがねの剣をかまえると瞬時にあさみと間合いをつめた。
ひとみもすでに、あさみの背後にまわっていた。ふたりが同時に攻撃しようとしたその時、
あさみの口から呪文が唱えられた。
『グランドクロス!』
次の瞬間ひとみと真希そして5匹のオークは身体に無数の痛みを感じ激しく地面にたたきつけられた。
- 8 名前:たかお 投稿日:2001年11月19日(月)04時19分58秒
- 森の中に静寂が訪れた。あさみはその場から姿を消していた。
保田が見た光景は悲惨だった。5匹のオークは息絶えて横たわっている。
ひとみと真希も死んだように横たわっている。虫の息のようだ。
保田はあわててふたりに回復呪文のベホマを唱えた。
先に目を覚ましたのは、ひとみだった。
「う・・・、や、保田さん・・・」
「よっすぃー、ごめんね。ひどい目に遭わせちゃったね」
真希も目を覚ました。
「・・・圭ちゃん。おなか空いた。」
「・・・・・・、あさみって魔族消えちゃったよ。あんな強いやつが現れるなんて予想外だった。
ふたりとも本当にごめん・・・」
保田は顔を曇らせてふたりに謝った。
「いえ、自分の実力を思い知りました」
「あたしも・・・」
ふたりは相当落ち込んでいるようだ。
そんなふたりに保田は、励ますように言った。
「まあふたりともよく頑張ったよ。オークの群から村を守れたんだから。魔族が地上にでてきたからには、これからのことを考えないとね。
よしっ、話の続きは村に帰ってからにしよう」
保田はひとみと真希の手を握るとルーラを唱えた。
- 9 名前:たかお 投稿日:2001年11月26日(月)12時03分23秒
小さな村が燃えていた。足下には無数の村人が倒れている。
目の前には、ひとり生き残った少女が、悲しい顔をしてこちらをにらんでいた。
かおり「朝だよー。みんな起きろー」
魔物ハンターのかおりはいつも早起きだ。しかし今日はいつもよりも早い。
やぐち「なんだよー。まだ5時じゃないか」
加護「あーい・・・グー・・・」
りか「眠いですー」
かおり「お願い起きてよー。かおり怖い夢みちゃったの」
やぐち「怖い夢ぐらい誰だってみるよ」
そう言うとやぐちは再び布団に潜り込んだ。
かおり「かおりがね、村ひとつ滅ぼしちゃう夢だよ」
やぐち「・・・・・・!」
やぐちは飛び起きた。複雑な表情でかおりを見つめる。
かおり「?やぐちどうしたの。怖い顔して」
やぐち「えっ。そう?ほらあれだよ、かおりはドラゴンに変身できるだろ。だからそんな夢みるんだよ」
かおり「そっか、そうだよね。でもリアルな夢だったなー」
やぐち「・・・・・・」
りかと加護は2度寝していたので今の会話は聞いてなかった。
- 10 名前:たかお 投稿日:2001年11月28日(水)00時21分28秒
- それから、やぐちは2時間あまり布団の中で考え事をしていた。
かおりは、やぐちの様子がおかしいことに気付いていたが、あまり気にはしなかった。
昼食の時やぐちは、突然タンポポのメンバーに旅の準備をするよう命令した。
りか「それにしても急ですよねー」
加護もうなずく。
加護「うちは遊び人なんだよ。魔物と戦闘になったら真っ先に殺されちゃうよ」
りか「私も回復魔法しばらく使ってないから、自信ありませーん」
かおり「タンポポのメンバーって打撃攻撃が得意な子いないんだよね。かおりちょっと不安」
かおりは盗賊と羊飼いを極めた魔物ハンターだ。不安なのは自分は大丈夫でも他の3人を守れないかもしれないからだ。
やぐち「だーいじょうぶ!魔法使いやぐちにまかせて」
そう言うと、やぐちはかおり達が見たこともない薬草をとりだした。
やぐち「これ、消え去り草っていうの。使うと文字どおり身体が消えちゃうんだよ」
かおり「おっ。だったら魔物に見つからずにすむね」
加護「で、どこに行くの?」
やぐち「ある人達に会いに行くの。超有名人だよ」
やぐちはバターのついた指をねぶった。
やぐち「出発は明朝。もしかしたら戦闘があるかもしれないから装備はしっかりしてね」
3人「ハーイ」
- 11 名前:たかお 投稿日:2001年11月28日(水)00時53分28秒
月が闇夜に隠された。あたりは漆黒の闇に包まれる。
ガラパカス村から少し離れた河原の土手に、3匹の魔物が羽をひろげていた。
グロ「夜はやはり我ら夜の帝王のてんかじゃのー」
アン「そうね。力がみなぎってくるわ」
ゴク「そういえば最近人間食ってねーな。夜は人間も外を出歩かねーもんなー」
この、夜の帝王という魔物は夜にしか出現しない。体格は人間の5倍ほどで外見はカバに羽を付けたかんじだ。
「夜の帝王さん」
背後で声がした。
おほっ、人間だ。3匹はウキウキと振り返った。
しかも少女だ。
ゴク「こりゃあ、美形だぜ。おっ俺の獲物だ!」
アン「人間なんて久しぶりだわ」
グロ「オメー、夜に女ひとりで出歩くもんじゃないぜ。ましてや俺さま達に声をかけるなんて勇気があるのー」
3匹はいっせいに少女にとびかかった。
と、突然少女は大きな声で雄叫びをあげた。
「わーーー!!!」
3匹は驚き一瞬すくんでしまった。
ひとみ「ごっちん今だ!」
まき「オッケー」
まきが木の陰から現れた。
まきの攻撃!まきは地面を蹴り跳躍するとはがねの剣を一閃させた。
ひとみの前には呆然と立ちつくす魔物が3匹。
アン「ひっひどい・・・」
アンの最期の言葉を合図に夜の帝王達は首から上を失い、勢いよく血を噴出させた。
そして血の海の中に沈んでいった。
ひとみ「やるじゃん」
ひとみが冷やかすようにいった。
まき「だめだね。もっと強いやつと戦わないと強くなれない」
ひとみ「こいつらより強い魔物はそんなにいないよ。無理だね」
まき「でも今のままでは、魔族にはかなわないね」
ひとみ「うん・・・」
ふたりは途方にくれてしまった。
- 12 名前:たかお 投稿日:2001年11月30日(金)01時58分13秒
タンポポが旅に出て3日目。ようやく目的の村が見えてきた。
やぐち「あれがガルパカス村の名物、2千年の樹だよ」
かおり「身体が消えるって変な感じたね。薬草もまずいし」
加護「ねえ、あそこに誰かいるよ。こっち見てる」
加護が指さす方向に、加護と同い年くらいの少女が立っていた。
(こっちの姿見えないはずなのに・・・)
りかがそう思ったその時、突然4人が立っている地面が押し上げられ、水が噴き出した。
4人は凄まじい水圧に襲われてしまった。
りか「いたーい」
のぞみ「えへへ、それで隠れてるつもりれすか」
やぐち「今のあんたがやったの」
のぞみ「そうれす。魔族の海賊のぞみと申します。あったばかりで申し訳ないのれすが、死んでもらいます」
かおり「もうっ、やっていいことと悪いことがあるんだよ。お仕置きよ!」
かおりは猛毒の霧を吐き出した。
のぞみ「追い風!」
のぞみは強風を巻き起こし、猛毒の霧を跳ね返した。
かおりは猛毒におかされた。
かおり「げーほげほ、うぅ、石川ー助けてー」
りか「大丈夫ですか?キアリー」
りかは解毒の呪文を唱えた。
かおりの体内の毒は中和された。
かおり「ふー、ありがと。かおり体力が残り少なくなったから3人で戦ってね」
かおりは近くの岩陰に隠れた。
3人「えー!!!」
- 13 名前:たかお 投稿日:2001年11月30日(金)02時21分29秒
- (何なんだ、この人は・・・)
のぞみは、かおりの行動に戸惑ってしまった。
のぞみ「えっと、そろそろ終わりにします。覚悟はいいれすね?」
のぞみは頭上に手を掲げた。すると上空には巨大な竜巻が発生しだした。
やぐち「ひえー、こんな形で死ぬのはヤダー!」
加護「恨んでやるー」
りか「死にたくなーい」
3人は抱き合って叫んだ。
のぞみが3人に稲妻を落とそうとしたその時。
のぞみは信じられない勢いで突進してくるひとみの姿を見た。次の瞬間、
ドゴォ!!!
のぞみの身体が宙高く飛ばされた。そしてまともに受け身も取れないまま地面に背中から落ちた。
ひとみ「えへへー、武闘家の特技、体当たりだよ」
のぞみ「ううぅ、大ダメージなのれす。よっすぃー覚えておくのれす」
のぞみは消えてしまった。
ひとみは安堵の息をついた。
ひとみ「不意打ちとはいえ、魔族に勝っちゃった」
やぐちは、そんなひとみをじっと見つめていた。
(3年ぶりだね、大きくなったね)
やぐち「よっすいー!」
ひとみ「!?」
やぐち「そっか、よっすぃーはやぐちのこと覚えてないんだよね。仕方ないけど寂しいなぁ」
ひとみ「えっ、すみません。でも仕方がないってどうゆうことですか?」
やぐち「アハハ、気にしないで」
ひとみ「?」
- 14 名前:たかお 投稿日:2001年11月30日(金)02時48分11秒
- 加護がひとみに飛びついてきた。
加護「おまえ、プッチモニの吉澤ひとみなんか?もっとごつい奴かと思ってた」
加護に飛びつかれたひとみは激痛に顔をしかめた。
ひとみ「いててっ、さっきの体当たりで体ボロボロなんです。抱きつくのはやめて・・・」
体当たりは相手の体力を5分の1にする技だが自分も同じダメージを受けてしまう危険な技だった。
りかが、ひとみに近づいてきた。
りか「ひとみちゃん、目を閉じて」
りかは癒しの呪文を唱えた。
りか『ベホイミ』
ひとみの体力が回復した。
ひとみ「ありがとうございます。・・・えっと」
りか「あっ、ごめんね。私、石川りかっていうの」
ひとみ「石川さん回復呪文使うんですね。うちの保田さんのベホイミより遙かに気持ちいいですよ」
りか「きゃ、ひとみちゃんたらっ照れるよ・・・」
ひとみ「えっそうですか」
ひとみは恥ずかしくなって照れ笑いした。
りか「あっ笑った。かわいい」
その時ずっと岩陰に隠れていたかおりがひとみの前にでてきた。
かおり「初めまして、よっすぃー。私の名前は飯田かおり、プッチモニの活躍はいろいろ聞いてるよ」
ひとみ「あっ初めまして」
ふたりは握手した。その時ふたりは奇妙な感覚に襲われた。
初対面のはずなのに懐かしい感じ、それからドロドロとした泥渦巻く感じに。
(何なんだ、この気持ちは・・・)
ふたりは手を握ったまま固まってしまった。
その様子を見ていたやぐちは、あわててふたりを引き離した。
かおり「あ・・・」
ひとみ「やぐちさん?」
やぐち「よっすぃー、私たち圭ちゃんに用事があってきたの。案内してくれる?」
- 15 名前:たかお 投稿日:2001年12月01日(土)22時51分49秒
身体は引っ掻き傷と打ち身でぼろぼろだった。血もたくさん流れた。
(もうだめだ・・・)
ひとみはうつぶせに倒れ込んだ。どうしてこんな事になったんだろう。
死にたくない、あいつを殺すまでは絶対嫌だ・・・!ひとみは泣きながら意識を失った。
気がついてうっすらと目を開けると、ふたりの女の子がのぞき込んでいた。
真希「圭ちゃん、目が覚めたみたいだよ」
保田「もう大丈夫、まだ完全ではないけど傷は治したよ」
ひとみ(・・・私、どうして倒れてるんだろう・・・)
保田「どうしたの?」
ひとみ「・・・何も・・・思い出せない・・・」
真希「圭ちゃん、これって記憶喪失だよ」
保田「名前はわかる?」
ひとみ「・・・吉澤ひとみ」
保田「それじゃあ、よっすぃーて呼ぶことにしよう」
ひとみ「えっ」
真希「おいで、よっすぃー。一緒に旅をしようよ」
加護「・・・すぃー・・・よっすぃー!」
ひとみは自分を呼ぶ声で目を覚ました。
ひとみ「あ・・・加護・・・」
加護「どうしたのよっすぃー。すごくうなされてたよ」
見ると全身汗びっしょりだ。
ひとみ「加護がどうしてここにいるんだよ」
加護「はぁ?昨日からうちらプッチモ二と同居することになったじゃん。一晩寝てもう忘れてのかよ」
真希「あはっ、よっすぃーは天然だからね。それよりもシャワー浴びてきたら?汗すごいよ」
ひとみ「うん、そうする」
ひとみはシャワー室に入った。
ひとみ(何で今頃あんな夢を見たんだろう)
ひとみはシャワーを浴びながら考えた。3年前ごっちんと保田さんに拾われた夢。
なぜか拾われる前の記憶がない。
- 16 名前:たかお 投稿日:2001年12月03日(月)12時02分07秒
- シャワー室からでて髪をタオルで拭きながら食堂に行くとおいしそうな料理が並んでいた。
ひとみ「すごいっ、誰が作ったんですか?」
かおり「かおりだよー」
ひとみ「へー、飯田さんて見かけによらず家庭的なんですね」
かおり「どうゆう意味だよ」
真希はすでに料理に食いついている。
真希「おいしいよー、これから毎日こんなにおいしい物が食べられるなんてうれすぃーキュー」
保田「よっすぃーが作る料理なんて食べられたもんじゃないもんね」
ひとみ「保田さんヒドーイ」
りか「もうっ、ひとみちゃんをいじめちゃ駄目ですよ」
りかはどさくさに紛れてひとみの腕に抱きついてきた。
保田「あんた昨日からよっすぃーにべったりだね」
りか「だって、ひとみちゃん見た目よりもお子さまだもん、母性本能くすぐられるの」
ひとみ「そっそんなことないよ・・・(りかちゃんってちょっと怖い)」
- 17 名前:たかお 投稿日:2001年12月03日(月)12時14分31秒
- やぐち「食べながら聞いてくれる?かおりはともかくタンポポってメチャクチャ弱いの」
ひとみ「はー、確かに」
ひとみは昨日の戦いを思い出した。
やぐち「で、よっすぃーとごっちんに戦い方を教えてもらおうと思うんだけど」
真希「かおりが毎日ご飯作ってくれるなら別にいーよ」
ひとみ「・・・・・・」
返事がない。
やぐち「よっすぃー?」
やぐちに呼ばれてひとみはハッと我に返った。
ひとみ「アッ・・・すみません、ぼーっとしてしまいました。今朝変な夢を見たから・・・」
加護「ホント、よっすぃーのうなされ方すごかったんだよ。うわごとで殺してやるとか言ってたし」
ひとみ「えっ、そんなこと言ってた?」
加護とひとみはふたりでワイワイ話しはじめた。その横で保田とやぐちは顔を見合わせため息をついた。
真希(よっすぃー、思い出しちゃ駄目だよ・・・)
真希は寂しそうにひとみの顔を見た。
- 18 名前:たかお 投稿日:2001年12月03日(月)12時31分17秒
- 全員が朝食を食べ終え、保田・やぐち・真希を残した4人は散歩に出かけた。
−−家に残った3人−−
やぐち「魔族が地上に出てきたせいかな」
保田「多分、でも夢だけで済むと思うよ。私が死なない限りかおりの呪いが戻ることもよっすぃーの記憶が戻ることも絶対ないから」
真希「よっすぃーもかおりも、圭ちゃんがそばにいるからきっと大丈夫だよね」
−−散歩に出かけた4人−−
加護「ねえねえ、よっすぃーはどうして武闘家になったの?」
加護がひとみを見上げて話しかけた。
ふとひとみは考えて言った。
ひとみ「ごっちんと保田さんに拾われた時から身体が覚えてた」
りか「えっ?拾われた・・・」
ひとみ「うん、3年前大怪我をして倒れてたところを助けてもらって、でもそれ以前の記憶はないの」
かおり「ふーん、そんな過去があるんだ(だからよっすぃー普段はクールに見えるのかな・・・)」
- 19 名前:たかお 投稿日:2001年12月03日(月)16時28分52秒
- りか「ねえ、ひとみちゃんの一番の得意技をみせて」
ひとみ「いいよ、みんな下がって」
ひとみは目を閉じ両手を前につきだした。すると近くの岩に風が巻き起こり、まるでカマイタチに触れたかのように切り刻まれた。
りか「すごーい、かっこいいひとみちゃん!」
ひとみ「そ、そう?でも今の技わずかにスキができるから強敵には使えないんだよ。りかちゃんの得意技は?」
りか「私は回復魔法しか使えないの。攻撃なんてとてもできないよ」
ひとみ「うーん、でも武器ぐらい何か使えないと・・・加護は?」
加護はおもむろに財布を取りだしひとみの前に投げ出した。
ひとみ「???」
加護「わー、お金がたくさんあるー、おっかねー」
ひとみ「??なに?この財布くれるの?」
加護はため息をついた。
加護「はー、これだから天然はだめや。ギャグが通じん」
ひとみ「・・・(むー)」
かおり「ねっ、かおりの得意技見て!」
かおりは呪文を唱えた。
『ドラゴラム』かおりはドラゴンに変身した。
ひとみ「すげー、カッケー」
ドラゴンかおりは鋭い爪で岩を粉砕した。ドラゴンかおりは調子に乗ってきた。
ドラゴンかおりは炎を吐いた。炎は加護のお尻をかすった。
加護「アーッあちー、なにするんだー」
かおりは人間に戻った。
かおり「ごめーん」
- 20 名前:たかお 投稿日:2001年12月03日(月)16時58分49秒
- ひとみ(今のドラゴンどこかで見たことがある・・・)
りか「よっすぃー?」
かおり「よっすぃーどうしたの?またボーっとして」
ひとみ「えっ・・・すみません」
かおり「なんだかよっすぃー疲れてるみたいだから帰ろうよ」
帰り道、ひとみは急に歩くのを止めた。
加護「どうした?」
ひとみ「みんな先に帰ってくれませんか。ちょっと用事を思い出しました」
かおり「そお、用事済んだら早く帰ってくるんだよ」
ひとみ「はい」
- 21 名前:たかお 投稿日:2001年12月03日(月)17時18分15秒
- 3人の姿が見えなくなると頭上で声が聞こえた。
あさみ「1人で大丈夫なんですか?」
ひとみが上を見上げると木の枝に魔族のあさみが腰掛けていた。
ひとみ「あの3人を巻き添えにしたくないから」
あさみ「ひとみさんって優しいんですね。でもそれが命取りになるんですよ」
あさみはひとみの前に降り立った。
あさみ「じゃあ、早速だけど、はじめましょうか」
ひとみ「・・・・・・」
ひとみは距離をとって身構えた。
あさみ「あっ、今日は魔法は使いませんよ。武術だけでやります」
ひとみ「うるさい!」
ひとみは構えもせずに立っているあさみに跳び蹴りを放った。
あさみは、それをわずかに見切るとひとみの後ろに素早く飛んだ。
ひとみ(はっはやい・・・!)
振り向くと胴に蹴りが入ってきた。しかしそれは寸前で止められた。
ひとみ「くっ・・・」
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