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砂の海 星の声

1 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月27日(火)23時50分11秒
――愛や、どうしたんじゃ?
おおそうかいそうかい、おばばの話が聞きたいんじゃな…
そうさのう…ではあの娘達の話でもしてやろうかのう…

もう三年ほど前になるかのう…
二人の娘がこの村を旅立ったんじゃ…
今宵のような月夜の晩じゃった――。
2 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)23時51分31秒
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≪≪≪≪≪≪  砂の海 星の声 ≫≫≫≫≫≫

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3 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)23時53分10秒
―― 砂が流れる。風に身を委ねて。
生けるもの全ての存在を消し去るかのように。
大地を削り、河を埋め、命の火を消し去りながら ――。

星月夜の砂漠をゆく二つの影があった。
フード付のマントを身に纏ったその影は、『天駈ける舟の舳先』と呼ばれる
星の方角を目指して歩を進めてゆく。
4 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)23時54分57秒
 吐く息が白く流れてゆく。
「ねえ。そろそろ一休みしない?」
前を行く人物に呼びかける、ひときわ小柄な影。
声から判断するに、まだ少女と呼んでも差し支えない年頃の娘のようだ。
歩きなれていないのだろうか、
しゃがみこんで脹脛(ふくらはぎ)のあたりを揉みほぐしている。

少女がついてこないことに気がついたのか、先を進んでいた人影は
引き返してくると、寄り添うように腰を下ろした。
「…もう少しで『風の女神様の爪痕』に着くから、あそこまでがんばるべ。」
独特の訛のあるやわらかい声が、夜の砂漠の静寂を一瞬、乱す。
5 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)23時56分51秒
「なっちはこのあたりに慣れてるからいいけど、矢口は初めてなんだよっ!
その『風の女神様の爪痕』…だっけ。そこまでどのくらいかかるのさ。」
「もう見えてるべさ…ほんとにあと少しっしょ?」
そう言ってなっちと呼ばれた娘、――本当の名はなつみというのだが
本人も含めてその名で呼ぶものはいない――、が前方をすっと指差す。
その方向には、風が深く地表をえぐった痕跡を示す地形が、
闇の中に黒々と浮かび上がっていた。
6 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)23時58分15秒
「あれが……確かに『爪痕』っていう感じだね……。
でもあれを見せたかったから呼び出した訳じゃないでしょ。
わざわざここまでこなきゃいけない理由って何なのさ。
納得いく説明してくれなきゃ怒るからねっ!」
やや強い口調で矢口が詰め寄る。
だがなつみのほうがやや背が高いので、どうしても
見上げるような形になってしまう。
それを見てくすっと笑うなつみ。
それがまた矢口を怒らせることになるのは判っているのだが。
7 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月27日(火)23時59分58秒
案の定。
「もう!矢口はマジで怒ってんだぞ!
なっちが『今夜、一緒に夜遊びするっしょ』って言うから付き合ってやってんのにっ!」
それで付き合う矢口のほうもどうかとは思うが…。
「ごめん。でもまだ話せないっしょ…目的地に着いてから全部説明するから…」
弱々しい口調、それでいて反論を許さない空気があたりに漂った。
矢口もここではこれ以上何も聞き出せないと悟ったのか、
背負い袋を掴んで立ち上がる。
「…判ったよ。だったら早く行こう。」
8 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時01分05秒
なつみの言う目的地。
それは『風の女神の爪痕』と呼ばれる深い峡谷地帯の中にある洞窟だった。
背負い袋の中から取り出したカンテラに火を灯し、洞窟内へと進んでいくなつみ。
後に続こうとした矢口だったが、あることに気がついて足を止める。
「なっち!ここって…?」
「…ああ、そうだべ。『風の女神様の洞窟』だべさ。なっちから離れなければ大丈夫だべ。」
かなり奥まで進んでいるのか、その声は洞窟の壁に反響してくぐもって聞こえてくる。
(離れなければって…なっちのほうが勝手に離れてるじゃんか…)
なつみの勝手とも思える行動に、矢口の中で溜まっていた怒りがついに噴き出した。
「言ってる事とやってる事が違うじゃんかよー!戻って来いっ、あほなっち!!」
9 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時02分23秒
『風の女神の洞窟』――古の時代にはその名のごとく風の女神が住んでいるとされ、
禁忌の場所とされていた。この時代でも風の女神と関わりの深い者だけが
入ることを許されている。
精霊使いで、かつ“風の女神に祝福されし者”の二つ名を持つなつみはともかく、
村の家具職人の娘である矢口が、入るのを躊躇した理由はそれだった。
10 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時03分43秒

「ん、なした?なっちがなにかしたべか?」
戻ってきたなつみが不思議そうに問い掛ける。
脱力感に襲われる矢口。
(悪意はないんだよね…なっちって…ただ時々周りが見えなくなるけど…)
「いや、だからさぁ。矢口はなっちと一緒にいなきゃダメなんでしょ。
なのになんで先行っちゃうのさっ!」
「…あ、またやっちゃったべ。ごめん、矢口。」
照れ笑いしながら頭を掻くなつみ。

11 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時04分49秒
「…まあ、いつもの事だから…気にしてないけどさ…」
「ちょっと奥に入ったところに、なっちのご先祖様が作った『巡礼窟』がある
べさ。そこまでいけば矢口を呼んだ訳も話せるっしょ。」
そういうとなつみは矢口の右手を握る。
「手をつないでれば、いくら怖がりな矢口でも大丈夫っしょ?」
いたずらっぽく笑うなつみに、矢口は思いっきりふてくされて見せた。
「どうせオイラは怖がりですよっ!」


 
12 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時07分20秒
なつみが巡礼窟と呼んだそこは、広さ六畳ほどの小部屋になっていた。
明らかに人の手が加わっている証として、鑿の痕跡が壁のそこここに見うけられる。
矢口にとって意外だったのは、テーブルや椅子、ベッドまでが用意されていた事だ。
なつみに尋ねると、「昔、女神様の信者が泊まってた名残だよ」ということだった。
そのなつみは奥の部屋で何かを用意しているらしく、食器の触れ合う音が聞こえてくる。
しばらくして戻ってきた彼女の手には、お茶の入ったポットがあった。
13 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時09分41秒
まずはお茶を一杯。冷え切った体を温める。
両手で湯呑みを包み込むように持つ矢口。
今まで被っていたフードを脱いだので、太陽のような金髪が蝋燭の火に映えている。
一方のなつみは、ふっくらとした顔に春風のような笑みを浮かべて、
矢口がお茶を飲む様子を眺めていた。
飲み干して一息ついた矢口を見てなつみが話し始める。
「わざわざここまで来てもらってごめんね。
でも村の人に聞かれちゃ困ることだったからさ。
実はね、昨日ここで女神様の声が聞こえたのね…」

14 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時11分26秒
さらっと重大なことを言うなつみに、矢口は慌てて口を挟んだ。
「ちょっと、なっち!女神様の声って…
神様達は矢口が生まれる前にいなくなっちゃったって聞いてるけど?」
「…実は『いなくなった』っていうのはちょっと違うんだべ。
この島に住んでいる人達が神様達を『捨てた』っていうのが正しいんだべさ。
あ、これはここだけの話ね。世間的には神様のほうが見捨てて去った、
っていうことになってるっしょ。」
なつみの口から吐き出される衝撃的な発言の連続に、合いの手を入れることも
できない矢口。
それはそうだろう。幼い頃から聞かされて育った神話が嘘だというのだから。
15 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時13分43秒
矢口が知っている神話。それは――、
『島が生まれたとき、四方に神が降臨した。
北の山岳地帯には大地の女神、南の熱帯地帯には火の女神、
西の砂漠地帯には風の女神、東の水郷地帯には水の女神が。
この四柱の神とその眷属たる精霊の恵みによって、
この島は実り豊かな、命に満ち溢れた土地となった。
それゆえ人々はこの島をこう呼んだ。
『四神の大地』、と。

だが、二百年ほど前、突如として神は姿を消す。
それに伴い命に満ち溢れた大地は、人を寄せ付けない死の領域へと
変わってゆく。そしてその範囲は徐々に拡大していった。
島の中央部では、四神の眷属たる精霊の力が拮抗しているため、
人々が暮らせる環境が残っているものの、それぞれの神の力が強かった
沿岸部では、去りし神の信者の一部を除いては人の痕跡すら見出せない。』
―― というもの。
なつみの話が本当だとすれば、神話の後半部分は否定されてしまう。
16 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時14分54秒
「…これを知っているのは本当に限られた人だけなんだべ。
生まれたときに神様から祝福された人か、“精霊の守護者”だけだべさ。」
「え、でも矢口は何も知ら…あっ、何でもない…。」
矢口の言葉にいぶかしげな表情を浮かべたなつみだったが、
その言葉が意味するものに気付かなかったのか話を続けた。

*   *   *   *   *   *   * 
17 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月28日(水)00時16分36秒
――おや、だいぶ遅くなってしまったの…今夜はここまでじゃ…
続きはまた今度愛が遊びに来たときに話してあげるよ…
今夜はもうお休み――
18 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月29日(木)00時18分57秒
う、今みたらズレまくってる…

たぶん長いです。影響を受けているであろう小説は
「風の大陸」「ロードス島戦記」「Wizardry(ゲームだけど)」
「さまよえる湖」、「シルクロード」あたりでしょうか。
ちなみにタイトルは、ASAYAN出身の某歌手の曲名を借りました。
19 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時45分09秒

――おや、愛や。今夜も来たのかい…
では続きを話して進ぜようかのう…
どこまで話したかのう…そうじゃった…なつみの話の途中じゃったな――

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *
20 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時46分27秒
なつみの話はかなり長かったが、矢口が要約するとこうなる。
「つまり、風の女神様は他の三柱の神様に祝福された娘を探しなさい。
で、三人を見つけたら契約の地に赴いて、試練を受けなさい、
ってなっちに言ったわけね。なっちが言いたい事ってこれであってる?」
大きく頷くなつみ。
「そこまでは判ったよ。でも、なっちが女神様から言われたことと
矢口とどういう関係があるのさ。」

「言い出しにくいんだけどさぁ、矢口についてきてほしいんだよねぇ。
もちろん矢口には家の仕事があるのは分かってるし、本当に出来たら
でいいんだよ。無理なら一人で行くからさぁ。」
といいつつも、訴えかけるような目で矢口を見るなつみ。
なつみからそう言われることはある程度予想はしていたものの、
矢口としても即答はできない。
21 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時47分23秒
それはそうだろう。なつみの話どおりであれば、島を一周する
ような長旅になることが予想されるのだから。
(なんかすごい長旅になりそうだね。まあ、家で親の手伝いしてるよりも
面白そうじゃん。なっちと一緒に行ってもいいかな。こう見えても
なっちってかなり力のある精霊使いだし。)
当の矢口はそれほど大事とは思ってないようだが…。
22 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時49分47秒
一方のなつみは考えた末の発言だったとはいえ、考え込んでしまっている
矢口を見て後悔していた。
(突然こんなお願いしても矢口は来てくれないべ。でもなっちひとりじゃ
不安だし…)
「あのさ…」「あのね…」
同時に話し出す二人。
「じゃあ、矢口から言わせてもらいます。なっちと一緒に行ってもいいな、
って思ってる。ただ、親を説得しなきゃならないけど、たぶん大丈夫だから。」
その言葉を聞いて、なつみは満面の笑顔になる。
「いやぁ、やっぱり矢口に相談して正解だったべ。じゃあ、矢口の両親がOK
なら一緒に来てもらえるんだべな。」
そう言ったなつみは手元の冷めたお茶を一気に飲み干した。
「冷たい…。矢口にOKしてもらえるかどうか不安で、お茶飲むの忘れてたべさ。」
その表情に吹き出す矢口。
その後しばらくの間、笑い声が洞窟の中に響いていた。
23 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時51分01秒


数分後、淹れ直したお茶を飲みながら、語しあう二人がいた。
「そういえばさ、村の人に聞かれて困る話だったら、なっちの部屋でも
良かったんじゃない?」
いまさらと言えなくもないが、矢口の鋭い指摘。
「あっ、同行者が決まったら一緒に女神様の所に行かなきゃいけないんだった。
だからここに来たんだけど、矢口にOKしてもらえた嬉しさですっかり忘れてたべ。」
(そんな大事なこと忘れるなよっ!)
心の中で突っ込む矢口。
(なんかなっちと一緒に旅するの不安になってきたよ…)
まあ、大事なことを忘れる相手では、矢口の不安ももっともというもの。
その辺りが、今後も矢口の悩みの種になるのだろう…おそらく。


24 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時52分09秒
それはともかく。
巡礼窟の片付けを終えたなつみと矢口は、『風の女神の洞窟』の最深部へと向かった。
最初に入ったときと同じように、なつみの左手と矢口の右手は固くつながれている。
行く先を照らすのはなつみの手にあるカンテラのみ。
揺らめく影が矢口の不安をさらにかき立てる。
そして。
突如十メートル四方はあろうかという広間状の空間が二人の行く手に広がった。
なつみが手馴れた手つきで、壁の燭台へとカンテラの火を移してゆく。
「ここが控の間であの扉の奥が伝心の間。これから二人であそこに入るんだけど、
矢口、大丈夫?」
火を灯し終ったなつみが矢口に尋ねる。
「う、うん。なつみも一緒だし大丈夫だよっ。」
言葉とは裏腹に声が震えている矢口だった。
「じゃあ、一つだけ約束。あの部屋に入ったら思ったままを答えること。
嘘ついたり誤魔化したりすると女神様に怒られるべ。」
いつもと違うなつみの真剣なまなざしと口調に、思わず頷く矢口。
再び手をつなぎなおした二人は、伝心の間へと足を踏み入れた。

25 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時53分21秒
伝心の間。
そこは矢口の想像とは違い、うっすらと白い光に包まれていた。
辺りを見まわしても光源らしいものは見当たらない。
あえて表現すれば空間そのものが光を放っている、と言えるだろうか。
こじんまりとしたその部屋の奥には、祭壇らしきものがありその上に
親指と人差し指で輪を作った大きさほどの白く輝く石があった。


なつみはその祭壇の前に進むと、跪いて祈りを捧げる。
慌てて矢口もなつみに倣い、跪くと目を閉じた。
そして――。
矢口の頭の中に直接声が響く。
『我が祝福せし風の乙女、安倍なつみよ。
横にいるのが、あなたが今回の旅の同行者に選んだ娘なのですね。
娘よ。そなたの名は?』
ビックリして固まっている矢口の裾をなつみが引く。
「…名前聞かれてるべさ。」
「え、あっ、矢口真里です。」
緊張して舌がうまく回らないものの、何とか問いに答える矢口。

26 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時54分54秒
『真里よ。なつみとともに旅をする覚悟があるのですね。
では二人にこの旅の目的について話しましょう。

私達と人々の間に溝ができてから、もう二百年になります。
二百年の間、何人もの乙女たちが溝を埋めようと努力してきました。
ですが、見てのとおり状況はまったく変化していません。
…いえ、悪化しているといっていいでしょう。
神への恐れを失った者たちは、自然を自分達の意のままにしようとしています。
そうやって手を加えられた場所にいた精霊達は消滅するか、さまよう狂精霊と
なるしかありません。
そうした狂精霊がここ数年かなりの勢いで増えつづけています。
私達としてもこういう形で精霊が失われるのは本意ではありません。
とはいえ、私達、四神の女神にはもはや地上への影響力はほとんどないのです。
私達にできることは、それぞれの乙女を祝福すること、それとこうして
乙女たちを導くことだけです。

27 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時56分11秒
なつみよ、私は他の三神の乙女とともに契約の地を目指せと言いました。
ただそのとき伝えていなかったことがあります。
火の女神や大地の女神は、もはやこの大地を見限りつつあります。
他の三神の乙女たちが、なつみに協力的だとは限らないのです。
どうしても困ったときには、四神以外の神々の力を借りなさい。
伝えたかったことはそれだけです。

私はここから見守っています。
風があなた方を導いてくれますように。』

その言葉を最後に声は途絶える。
それとともに部屋を包んでいた白い光は、徐々にその輝きを失っていく。
まるで祭壇に置かれた石に吸い込まれるかのように――。


28 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時57分44秒


うっすらと残る光の中、なつみの後について部屋を出ようとした矢口。
だがその時、再び頭の中に女神の声が響いた。

『真里よ。そなたはもしや…いえ、なんでもありません。
いずれそなたの口からなつみに話す日が来るでしょう。なつみを頼みますよ。』



29 名前:第二夜 投稿日:2001年11月30日(金)23時59分53秒

慌ててなつみを見るが、今の声は聞かれていないようだ。
そっと胸を撫で下ろす矢口。動揺を隠すかのようになつみに話しかける。
「で、いつ出発する?矢口はいつでもいいけどさっ。」
「…矢口、あせりすぎっしょ。なっちはあさみに伝えなきゃいけないことが
結構あるべさ。それが済んでからだから…。
次の満月の晩あたりに出発すればいいっしょ。」
翌朝、村に戻ったなつみと矢口はそれぞれの行動を開始した。



30 名前:第二夜 投稿日:2001年12月01日(土)00時02分01秒
次の満月まであと五日。
その間になつみがやらなければいけないこと。
それはこの風蘭の村に住む五十家族、三百人の命を支える飲み水の確保。
昔からのオアシスであり、風の乙女の村である風蘭だが、
村の周囲の砂漠化は徐々に進行している。
村のはずれの泉の水量も徐々に減ってしまうため、水の精霊の力を借りて
維持しているのが現状だった。
村一番の精霊使いであるなつみが旅に出てしまったあと、この泉を維持する
役割は、なつみの母と妹のあさみが引き継ぐという形になる。
その引継ぎの儀式に二日、旅に出るための準備をするのに二日、
村長への挨拶その他で一日。
二人にとってはあっという間に過ぎてしまう時間だった。

31 名前:第二夜 投稿日:2001年12月01日(土)00時02分54秒

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *


――ちょっと短いがの…今夜はここまでじゃ…
お休み……愛や――


32 名前:読んでる人 投稿日:2001年12月03日(月)10時11分49秒
なちまり発見!!
続きを楽しみに待ってます。
33 名前:書いてる人 投稿日:2001年12月04日(火)01時02分41秒
をを、始めてのレスだ…
有難うございます。楽しんでもらえるようにがんがります。

(〜^◇^〜)<週二回位は更新するよっ!
(●´ー`●)<マッチことなちまりでしたぁ〜
34 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月04日(火)13時28分27秒
なちまりーー!!
最近ほんと少ないので嬉しいです!!
頑張って下さい!!
35 名前:書いてる人 投稿日:2001年12月06日(木)00時39分18秒
>34さん
レス有難うございます。
今日更新する予定だったのですが…本業のほうが忙しくて更新できません。
次の更新は土曜日を予定してます。

36 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月06日(木)13時45分20秒
マターリと待ってるよ。
でも、放棄だけはしないでね(w
37 名前:読んでる人 投稿日:2001年12月15日(土)14時49分27秒
そろそろ続き下さい。
38 名前:書いてる人 投稿日:2001年12月18日(火)00時03分04秒
>>36さま
>>37さま
長いこと放置してすみませんでした。本当に申し訳ないです。
39 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時04分45秒

――しばらくぶりじゃな……
今宵はどこからじゃったかのう……
そうか……いよいよ旅立ちじゃな……――

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *
40 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時05分23秒
そして五日後の夜――。
旅の準備を調えたなつみと矢口は、村外れの祠の前で落ち合った。

なつみのいでたちはいつも通りのマント姿と背負い袋。ただ、手に杖を持っているのだけが
普段と違うところだろうか。
一方の矢口もマント姿。沙漠を旅するにはこの姿が一番だとはいえ、いまいち
色気がないのは仕方がないところか。腰には護身用の短剣。そして杖代わりなのか
三叉鉾を手にしている。

41 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時05分59秒
「矢口、それなんだべ?」
なつみは矢口の三叉鉾が気になるらしく、しげしげと眺めている。
「えっ、だってさ、旅先で悪い奴とか出てきたときにこれでやっつけられるじゃん。
アチョー!ってさっ。」
いきなり三叉鉾を振り回す矢口。
「危ないって!危うく串刺しにされるとこだったべさ。」
言ってから飛びのいても、もう遅いと思うが……。
「そういうなっちは?その杖だけ?」と、矢口。
「なっちは精霊使いだべ。刃物は持てないんだべさ。そのかわりいざという時には
精霊さんたちが助けてくれるっしょ。」

42 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時06分34秒
なるほど、確かに精霊は金属を嫌う。そのため、精霊使いは木刀や杖などを護身用の
武器にするのだが、なつみの杖はそのような格闘用のモノではないらしい。
というより、なつみの頭には危険から身を守るという発想があまりないようだ。

確かに、ここ風蘭の村の周囲は一面の沙漠。
この辺りで身に危険が及ぶ事といえば、三つしかない。
一つは砂嵐、一つは渇き、一つは方向を見失うこと。
どれをとっても人為的なものではない。
それだけにこの村を離れることなく成長したなつみには、
人や動物によってもたらされる危険に理解が及ばないのかもしれなかった。

だが矢口は違う。
十五歳になるまで大陸中央の街で過ごした矢口にとっては、
危険とは人がつれてくるもの、という意識が強い。
そんな矢口にしてみれば、なつみの純粋さは危なっかしく映るのだが――。

43 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時09分03秒
「ま、矢口に任せてよっ。こう見えても稽古つけてもらってたしさ。」
三叉鉾を脇に掻い込みながら矢口。
「分かったべ。矢口に任せるべさ。そのかわり、水の確保とか食事の準備とかは
なっちに任せてもらうべ。」
いつもの笑顔で返すなつみ。
「じゃあ、行こっか。」
「出発するべ。」

見送る者がいるわけでもない、二人だけの旅立ち。
再び村へと戻るのはいつの日になるのか。
神ならぬ二人には知る由もない。



44 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時10分03秒

村を後にした二人が向かったのは、風の女神の洞窟。
なつみが巡礼窟に持ち込んでいた物の中に、必要なものが数点あるらしい。
つい五日前に座っていた椅子に再び腰を下ろした矢口は、なつみが探し物をしているのを
ぼぉーっと眺めていた。

なつみは探し物が見つからないのか、あちこちの棚を探し回っている。しばらくして、
「あ、こんな所にしまってあったんだぁ。」
棚から水晶のペンダントと黒曜石の小剣を取り出す。
「矢口ぃ、やっと見つかったよ。」
だが振り向いたなつみの目に映ったのは、机に突っ伏して寝ている矢口の姿だった。
(あれ、寝ちゃってるのかい。矢口も疲れてるんだべな。)

45 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時10分56秒

矢口の小柄な体に毛布を掛けながら、なつみは思う。

(矢口と出会ってからまだ三年しか経ってないんだよね。
 なんかずーっと一緒だったような気がするよ。
 年下なんだけどなっちよりもしっかりしてて、色っぽくて…
 それに矢口がいるだけで周りがすごーく明るくなるんだよね。
 なっちが風だとしたら、矢口は太陽って感じかなぁ。
 ほんと、矢口と一緒に旅ができてなっちは幸せだよ。ありがと、矢口。)

46 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時12分39秒
何を思ったのか、矢口の頬へと唇を軽く押し当てる。
「……ん?あーっ、今、キスしたでしょっ!ずるいぞっ。」
頬に触れたか触れないかなのに、なぜか目覚める矢口。
「お返しだっ!」
そういった矢口の唇はなつみの額へ。
「!?」
「いやー、一度でいいからなっちのおでこにキスしたかったんだよね。
なんか、なっちのおでこって好きなんだ。」
「そっ、そんな事言われたら照れるべさぁ。」
なぜか頬を赤らめて目の前で手をブンブン振るなつみ。
別に好きだといわれた訳でもないのに。

「キャハハッ。何で照れるのさっ。なっちってさぁ、年の割に初心だよねっ。」
「別にいいべさぁ。探し物も見つかったし、早く出かけるべ。」
まだ照れたままなのか、なつみは頬に右手を当てたまま仕度をし始めた。
47 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時13分25秒

そんな背中を眺めながら、なつみの口付けた痕に手をあてる。
なつみの唇の温もりがそこに残っているような気がして。
(なっちのこういうところが放って置けないんだよなぁ。
 こんなに初心なままじゃ、そのうちカッコイイ男にだまされちゃうぞ。
 それが心配だからついてく事に決めたんだけどさっ。
 でも、なっちのそういうホンワカしたところ、矢口はダイスキだぞっ。)

48 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時14分29秒
しばらくして準備を終えたなつみは、背負い袋を手に振り返る。

「おまたせ。夜が明ける前に次の村に着かなきゃまずいっしょ。
ここから風蘭までの距離と同じくらいだから、日が昇る前には着けると思うけど
矢口の足は大丈夫かい?」

五日前、足の痛みを訴えていたのを覚えていたらしい。
「今日は歩きやすい靴履いてきたから大丈夫だよ。父さんから塗り薬も貰ってきたし。」
そう言ってガッツポーズを取る矢口。
再びマントを羽織った二人は、洞窟の入り口へと向かう。
地上に出た二人を迎えたのは、中天に冴え冴えと輝く満月。
真夜中の月に見守られて、二人は次の村へと歩んでゆく。
目指すは北。大地の乙女の待つ土地。

49 名前:第三夜 風蘭出発 投稿日:2001年12月18日(火)00時16分41秒
*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *
――婆の知っているのはここまでじゃよ。
続きは二人が語ってくれるじゃろうて――
50 名前:読んでる人 投稿日:2001年12月18日(火)23時56分37秒
更新、待ってました♪
やっと(失礼・・・)旅立ちですね。
この先、このほのぼのとした2人の行く手には何が待ってるんでしょうかね〜、非常に楽しみです。 
では、次回更新をマターリと待ってます。作者さん、がんばってくださいね。
51 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月21日(金)16時11分10秒
気の利いたコトいえないけど、
素直に、この小説の雰囲気好き。
52 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月30日(日)09時42分14秒
面白い。
更新待ってるよ。
53 名前:書いてる人 投稿日:2002年01月01日(火)23時17分17秒
>>50さん
( 〜^◇^)<お待たせしてます。申し訳ないです。
         作者にガンガン書くように言っときますから。

>>51さん
>>52さん
( ●´ー`)<そういってくれると嬉しいべさ。
54 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時19分29秒

――なつみからの『風の便り』が届いたようじゃ……
風の便りとはなにか、気になるかの……
文字通り風の精霊が言葉を伝えてくれるのじゃよ……――

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *

55 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時20分51秒
 二人が目的地、といっても隣村なのだが、についたのは暁の頃。
老洞(ろうとう)の村の早すぎる朝の真っ只中だった。

 かつては巡礼路の村として栄えた老洞の村。
村の規模は風蘭より一回り小さいものの、村の中央にある池は風蘭の
それを凌ぐほどの澄みきった水を湛えている。
池を囲む道沿いに建つ一軒のやや大きめの家。
ここが十代以上続くこの村の巡礼者の宿である。
昔に比べて巡礼者が減ったため、規模も小さくなったその宿の一室で、
休息を取るなつみと矢口の姿があった。

56 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時22分01秒
――二人が寝ている間に村を紹介しておこう。
池を中心にその周囲に街路、そして村の家々が並んでいる。
その外側に畑、一番外側を防風林が取り囲んでいる。
それ以外に東の山の麓で牧羊も営まれている。

 食料は畑で取れる小麦と羊肉。小麦は製粉して麺に。
羊は火を通して食べるか、干し肉にして保存したり。
さらに羊毛やフェルトは村人の衣類の材料ともなる。
沙漠地帯の村々は規模の大小こそあれ、このような暮らしを長年続けてきた――
57 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時23分16秒
 その日の夕刻。
熟睡していたなつみと矢口もそろそろ起きたようだ。
「なっちぃ、おなか空いたよぉ。」
「今、なっちが肉うどん作るからちょっと待つべさ。」
目をこすりながら空腹を訴える矢口と、やる気十分で腕まくりをするなつみ。
巡礼の宿では自炊が基本なので、宿泊する人は部屋の中央にあるかまどで
煮炊きすることになる。もちろんなつみ達も例外ではない。
背負い袋の中から鍋と器と食材を取り出して、調理の準備にとりかかった。

58 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時24分39秒
 部屋の隅にある水瓶の前で二言三言呟いてから、鍋に水を一杯取る。
さらに火種からかまどに火を移しながらなにかを呟くなつみ。
「なっち、何やってるの?なんか変だよ?」
いつもと違うなつみの行動を訝しがる矢口。

「あれ?矢口まだ知らなかったんだっけ。他所の土地で火や水を使うときは
その土地にいる精霊さんに一言断るのが基本っしょ。」
そういいながら鍋を火にかけるなつみ。
鍋の中の水が沸騰したところで、干し肉を三分の一ほど千切って入れる。
干し肉からダシが出たところで、乾した麺をほぐしながら投げ込む。
ふきこぼれないように火加減に気を付けながら、茹で上がる直前で
残りの干し肉をやはり千切って入れる。最後に砕いた岩塩で味付けすれば、
肉うどんの出来あがりだ。

59 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時26分11秒
「はい、矢口の分だべさ。」
湯気の立つ器を差し出すなつみ。
ようやく寝床から這い出した矢口が両手で受け取る。
「そういえばさ……」
うどんをすすりながら矢口。
「ん、何だべ……?」
同じくうどんをすすりながらなつみ。
「この先の予定教えてくれなかったじゃんか。一応知っといたほうがいいと思うんだけどさ……」
「……あれ、言ってなかったべか?」
食べ終わったなつみが器を置きながら首を傾げる。
同じく器を置きながら大きく頷く矢口。

60 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時27分29秒
 それを見たなつみはかまどの脇から小枝を持ってくると、地面に図を描き始めた。
「ここが風蘭の村で、ここが今いる老洞の村だべ。」
なつみの持つ小枝が小さな円を二つ描く。さらに同じ間隔で円を二つ。
その上に三角形を二つ描いて小枝が止まった。
「このあと暁川(ぎょうせん)を通って宗北(そうほく)まで行くっしょ。
宗北から峠を越えれば大地の女神の地域に入れるべさ。
今夜一晩歩けば明日の朝には暁川に着けるっしょ、そこから宗北までも一晩だから。」
「えっ、てことはもう三分の一なんだ。」
「うん、夜に歩くのはあと二日で終わりだべ。ただその先は山登りだから、
そっちのほうが大変かもしれないっしょ。」
61 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時29分01秒
 あと二日という言葉を聞いて喜んだ矢口だったが、そのあとの山登りという言葉に
大きく肩を落とす。そんな矢口を慰めるようになつみは言葉を継いだ。
「山登りって言っても、宗北の村で案内人と荷運び用のラバを貸してもらえるっしょ。
母さんから話は聞いてるけど、そんなにきつい坂道じゃないみたいだべ。
まあ、宗北についたときに疲れがたまってるようだったら、二三日ゆっくりするべさ。」
そういうとなつみは二人分の器を手に立ち上がる。
「あっ、片付けは矢口がするよっ。」
そう言って立ち上がろうとした矢口を左手で制して部屋を後にした。


62 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時29分48秒
ベッドに腰掛けてただ見送る矢口。
立ち上がりたくても立ち上がれなかった、というのが正しいか。
理由はもちろん、筋肉痛。
(なっちの言うとおりにしたほうがよかったかも……)
実はなつみに『寝たあとに筋肉痛になるかもしれないから、
薬塗って寝たほうがいいっしょ。』と言われていたのだが、
痛みがなかったのでなつみの言葉を聞き流していた。
それが裏目に出たようだ。
なつみが戻る前にと、急いで薬を塗る矢口。
(いまさら筋肉痛なんていえないじゃん。格好悪すぎるよ。)
63 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時31分15秒
しかし――。
「やっぱり、筋肉痛になったっしょ?」
後片付けをして帰ってきたなつみの一言目はこれだった。
(見抜かれてるじゃん!)
「だってさっき起き上がる時、痛そうな顔してたっしょ。あんな顔してれば
なっちにも分かるべさ。」
「なっちの言うとおり、寝る前に薬塗っとけばよかったよ。
今更言ってもしょうがないんだけどさ。」

申し訳なさげな顔でなつみに謝る矢口だが、なつみの方はさほど気にしていないようで
いつも通りの笑顔のままだ。矢口にとってはその笑顔が怖いのだが。
そしてその予感は当たったようで。
「薬塗るんだったら、歩いて直したほうが早いべさ。
今出発すればゆっくり歩いても暁川まで着けるべ。さっ、準備、準備。」

言っていることが間違っていないだけに、一言も言い返せない矢口。
なつみはそんな矢口を尻目に、出発の準備を始めた。
64 名前:第四夜 老洞の一日 投稿日:2002年01月01日(火)23時32分22秒

 結局、矢口はなつみに引きずられるように老洞を後にする。
実際には引きずられてはいないものの、杖代わりの三叉鉾に縋りつくような
かなり辛そうな姿だ。
先行きが不安になる第四夜の旅立ちだった。

65 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)22時30分46秒
タイトルに惹かれてやってきました。
なんか2人がいい感じ。
これからも読まさせていただきます。
66 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)22時30分50秒
タイトルに惹かれてやってきました。
なんか2人がいい感じ。
これからも読まさせていただきます。
67 名前:読んでる人 投稿日:2002年01月10日(木)09時15分09秒
今のところ、ほのぼのとした展開でイイですね♪
この先、どーなるのか・・・期待、期待♪
68 名前:偽裕#aska/n{0 投稿日:2002年01月23日(水)00時13分37秒
書いてる人です。
大変申し訳ありません。
土曜日に更新しますのでしばらくお待ちください。
69 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月24日(木)18時28分24秒
ヤッター!!!
土曜日が待ち遠しいぃ〜!!
70 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月29日(火)15時56分46秒
お〜い、作者さ〜ん!
どうしちゃったのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?
71 名前:読んでる人 投稿日:2002年03月03日(日)10時42分35秒
あの〜・・・ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと更新されるのを待ってるんですけど・・・
放棄なら放棄とハッキリ言ってくれ

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