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うらとおもて
- 1 名前:derringer 投稿日:2001年12月04日(火)23時51分23秒
- 投稿者:cool
mail:○○○○@・・・・・・
題名:・・・
もうイヤ。何もかも。すべてを終わりにしたい。
-
- 2 名前:derringer 投稿日:2001年12月04日(火)23時52分52秒
- 昨日とある掲示板でこんな書き込みをしてみた。嘘じゃない。本当のことを書いた。
なんで書き込んだのかは自分でもよく分からない。誰かに助けを求めているのかもしれないし、
そうじゃないかもしれない。ただ、返信を見ると誰も助けてくれそうな人はいない。
勝手に終わらせろ、意味わかんねーんだよバカ。まあ人間なんてそんなもんだ。
自分が幸せなときは人の不幸がわからない。分かっているつもりで同情するだけ。
少なくとも、私の周りの人間はそうだった。
半ば呆れ気味にメールを受信してみた。こっちにも同じようなメールが数件届いている。
読んでも意味無いのでそのまま削除しようとした・・・が、ふと目にとまる件名。
『私も』
- 3 名前:derringer 投稿日:2001年12月04日(火)23時57分17秒
- メールを開いた。
「coolさんへ
あなたの気持ち、よく分かる。私も同じ気持ちだった。
でも、終わりにしたいとか、簡単に言っちゃいけないと思うよ。
私の解釈の仕方が正しければ、だけどね。
あなたの話、聞きたいな。返事待ってます。 sweet」
私の返事。
「sweetさんへ
メールありがとう。こんなこと言ったの、あなただけ。
でもありがとう。
終わりにしたいの解釈、間違ってないと思うよ。
私もあなたの話、聞きたい。 cool」
送信ボタンを押して、パソコンの電源を落とした。
- 4 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)00時01分40秒
- はじめまして、derringerと申します。
>>1、>>2、>>3 はプロローグですので、この後の話と関係してくるのはまだ先です。
- 5 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)00時06分22秒
- 「よっすぃ〜、早くしろよ〜」
矢口先パイが叫んだ。私は、寝癖で爆発した髪を手で抑えながら玄関のドアを開ける。
「おはよーございます。矢口先パイ」
私は吉澤ひとみ。私立の霧峰(きりみね)女子高校ってところの1年生です。
さっきでかい声で叫んだのは同じ学校の3年生、矢口真里先パイ。
毎朝決まった時間に私の家にきて、ああやって大声で叫んでくれる。
チャイム鳴らせば・・・って言おうと思ったけど、朝から矢口先パイの声聞けるからいいやって。
「よっすぃー、おはようのちゅーは?」
こうやって朝から迫ってくるのは機嫌のいい証拠。私はちょっと膝を曲げて、矢口先パイのほっぺに
キスをした。
「もぅ、唇でいいのに」
そういう矢口先パイの顔は真っ赤・・・。恥ずかしいなら言わなきゃいいのに・・・。
- 6 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)00時07分31秒
- 玄関先での出来事でわかる人もいるかと思いますけど、私と矢口先パイは付き合ってます
別にレズってわけじゃな・・・くは無いよね、さすがに。でも女子高じゃ珍しいことじゃないよ。
私が知ってるのは、3年の市井先パイと1年のごっちん、あと、去年卒業した安倍先パイと中澤先生も
怪しいってうわさ。これだけか。これじゃあ珍しいみたいじゃんよ。
ま、いいか。
「よっすぃ〜?生きてる〜?」
矢口先パイが上目遣いで私の顔を覗き込んできた。うっ、か、かわいい。
玄関先じゃなきゃ押し倒してるところだ。
「ふぇ?生きてますよ、それじゃあ行きましょうか」
私が玄関の横から自転車を引っ張り出すと、矢口先パイは後ろに乗った。
- 7 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)00時11分05秒
- そういえばいつのまにか12月に突入していた。どうりで寒いわけだ。
矢口先パイは私の体を風除けに使ってるからいいけど、私は冷気をもろに受けて寒いのです。
なんか通学中は話が途切れそうだから、ちょこっと矢口さんの紹介を手短にしときましょう。
矢口真里先パイ、18歳。来年の1月で19歳になります。それでなぜ高校に通っているのか?
それは受験で1回失敗して、2年のときに一回留年したから。
本人はそのことをまったく気にしてないようです。今年もまた危ないとか・・・。
で、玄関でのキスで分かるように、矢口先パイはちっちゃいの。
身長145センチしかないから、168センチある私とキスするときは、私が膝を曲げないと届かない。
そんなちっちゃい矢口先パイを見てると、ぎゅーって抱きしめたくなる。
- 8 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)00時13分59秒
- そんなこんなで(どんなだ?)学校に到着した。
一応自転車置場はあるけど、そんなもん無視。堂々と下駄箱のすぐ近くに止める。
ただ、気をつけないと撤去されて、引き取るついでに説教をいただくことがある。
「ねえ、今日ヤグチ日直だから職員室付き合って?」
そんなことお願いされなくてもどこにでもついて行きますよ。
1年と3年の下駄箱ってちょっと離れてるから、いったん別れて、職員室の前で落ち合った。
「失礼しまーす」
何のためらいも無く職員室に入っていく矢口先パイ。まあ5年も通ってて、
呼び出しなんか日常茶飯事なんだから慣れてても不思議じゃない。でもちょっと羨ましい。
「お、矢口に吉澤じゃん」
職員室の後ろ、ソファーとかおいてあって、簡単な説教とかするところから声がした。
振り返ってみると、中澤先生と、うわさのお相手、安倍先パイがいた。
- 9 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)00時15分47秒
- こんな感じでゆっくり行きたいと思います。
はじめのうちはやぐよしであまーく行きたいと思っていますが。
ちなみに地の文がやたら甘えた言葉遣いなのは・・・、
吉澤が矢口にベタ惚れだからって事で。
感想などおまちしております。
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月05日(水)05時59分53秒
- やぐよしですか。
あまり見かけないだけに期待「大」です。
- 11 名前:チェッカーマン 投稿日:2001年12月05日(水)23時54分53秒
- 「あれ〜?ウワサのお二人じゃん、なっち今日はなに?裕ちゃんとデート?」
中澤先生の前でこんなこと言えるのは矢口先パイくらいだろう。
「残念でした。今日はちゃんとレポートだしに来たんだもんねー」
安倍先パイは今無職。かっこよく言えばフリーター、かっこ悪く言えばぷーたろう。
それで暇を持て余してなんたらのレポートを書いて中澤先生に見せてるらしい。
「よくやるよねー、そんなに裕ちゃんに会いに来たいんだぁ。裕ちゃん日誌ちょうだい」
安倍先パイは顔を真っ赤にして反論してるけど、図星なのはもはやバレバレ。
ちなみに中澤先生は矢口先パイのクラスの担任です。
「裕ちゃんは?どうなの?なっちと付き合ってんでしょ?はいちゃいなよ」
その言葉に、職員室のほかの先生がジロってこっちを見た。
そのとき、朝のHRの始まりを告げるチャイムが鳴った。
「お、HR始まるやん、矢口、早く教室いかんと1週間日直やらせんで」
「くっそー、セコイ逃げ方しやがって」
矢口先パイがつぶやいた。
「矢口、後で覚悟しときぃ」
中澤先生はそういい残して職員室を後にした。
- 12 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)23時55分42秒
- 「おっそい!!!」
教室に入ったらいきなり怒鳴られた。
この人は保田先生。今年教師になったばかりでまだ若いんですねぇ。
なんで教師1年目でいきなり担任やってるのかは知らないけど。
「遅れた理由を20字以内でまともにいえたら許してあげる」
保田先生はいつもこんなだ。
「ええと、その、矢口先パイと職員室に行ってたから・・・」
「ええと、そのと、終わりの点3つ入れて26。だめだね、吉澤遅刻、と」
こうなったら何を言っても無駄なのはもう学習し済みだからおとなしく席につく。
私の横ではフツーに気持ちよさそうに眠っている後藤真希。市井先パイと付き合ってる人。
「ごっちんおはよー」
無駄とは思いつつ、一応挨拶してみる。
「・・・おはよー、いちーちゃん」
だめだこりゃ。
- 13 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)23時56分46秒
- 保田先生が今日の連絡やらを言ってるとき、私の携帯がブルった。
メールかと思ったら電話だった。気づかれないように教室を出る。
「もしもし?」
『あ、吉澤?さっき言い忘れたんだけどさぁー、今度の土曜日暇?』
「えーと、ちょっと待ってください。土曜日、土曜日っと」
手帳を開いてスケジュールを確認してみる。といっても予定で入ってるのは
「矢口さんとデート」だけだけど。
「あいてますけど?」
『まじ?じゃあ午後学校終わってから買い物付き合ってよ。買いたい・・・、あ、こら、裕子、返せ」
電話のむこうで確実に何かが起こった。
「もしもし?矢口先パイ?」
『よしざわぁ?あんたも覚悟しといたほうがええよぉ?・・・ピッ』
なんかよく分からないけど切られた。まったく、中澤先生意味わかんねぇ。
「吉澤、あんたケンカ売ってんの?」
振り返ると、教室の入り口から保田先生がこっちをにらんでいた。
- 14 名前:derringer 投稿日:2001年12月05日(水)23時57分59秒
- の後やる気の無い授業を何とかやり過ごし、やっとお昼の時間になった。
夏は屋上で矢口先パイと食べてたけど、最近は屋上で食べるには寒すぎるので、
大体保健室を乗っ取ってる。そのせいで具合悪い子が入れないと文句も言われたが。
今日も弁当を持って保健室に向かおうとすると、携帯に着信があった。
見ると、メモリーに入ってない番号だった。
最近悪いことがはやってるし、でないどこうかと思ったけど、なんとな〜く出ないと
悪いことが起こる気がして、結局出た。
「もしもーし」
『あ、吉澤か?私や、裕ちゃんやけど』
「あ、はぁ・・・」
『なんやそのしけた返事は、ちょっと話しあるから数研来てな、ピッ』
また一方的に切られた。中澤先生が私の番号を知ってるわけ無いからたぶん
矢口先パイか安倍先パイに聞いたんだろう。
中澤先生が呼び出しするときでいいことだったことはまず無い。
いいことだったら教室に飛んでくるから。
今後のことも考えて、先生の番号は登録しておいた。
今度かかってきても出ねぇ。
- 15 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時03分56秒
- 言われたとおり数学研究室までやってきた私。
「失礼します」
中に入ると中澤先生が1人寂しく弁当を食べていた。なんかかわいい弁当だから
安倍先パイが作ったんだろうな。中澤先生があんな弁当作ってたら・・・きもっ。
「吉澤さん。あんた人の弁当見てきもっとか思わんよーに」
「そんなこと思ってないですよ」
「いいや思ってる。あんたの思ってることなんかバレバレやで。何年付き合ってると思ってんの?」
「いやまだ1年どころか半年とちょっとしか付き合ってないんですけど」
「うっさいわ。関西人のボケにいちいち口出しするな」
口出さなかったら余計起こるくせに。
- 16 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時10分04秒
- 言われたとおり数学研究室までやってきた私。
「失礼します」
中に入ると中澤先生が1人寂しく弁当を食べていた。なんかかわいい弁当だから
安倍先パイが作ったんだろうな。中澤先生があんな弁当作ってたら・・・きもっ。
「吉澤さん。あんた人の弁当見てきもっとか思わんよーに」
「そんなこと思ってないですよ」
「いいや思ってる。あんたの思ってることなんかバレバレやで。何年付き合ってると思ってんの?」
「いやまだ1年どころか半年とちょっとしか付き合ってないんですけど」
「うっさいわ。関西人のボケにいちいち口出しするな」
口出さなかったら余計起こるくせに。
とりあえず前置きが終わったらしく、弁当食べるのをやめて私のほうに向いた。
「吉澤、あんたなんやこないだのテスト、裕ちゃんかなしいわ」
こないだのテスト・・・(検索中)・・・・あぁ、あの7点のやつね。もち100点満点で。
「ちゃんと勉強してればあんな点とろう思っても取れへんわ」
たしかあのときは前日矢口先パイの家で勉強会とかいって、結局ビデオ見て寝たんだっけ。
「だから、補習やってあげるから、今度の土曜日、ちゃんと弁当もってきぃよ」
- 17 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時12分50秒
- あー、補習かー。今度の土曜日ね・・・。って、えぇぇぇーーー、土曜日?
まずいっすよそれ、さっき矢口先パイと約束したばっかりだし。
「先生他の日になりませんかね、その日は・・・」
「このままだと2学期の赤点は確実やし、下手したら進級も危ういで、
矢口と進級どっちとるんや?留年なんていったら親御さん悲しむでぇ」
うぅ、確かにそれはまずい。この高校に入ってから一人暮らしして、毎月仕送りくれるんだよねぇ。
それが留年なんていったら間違いなくストップだ。
「わかりましたよ、土曜日ですね。それじゃ失礼します」
あーあ、矢口先パイになんて説明しよう。補習でいけませんなんて言ったら口きいてもらえなくなるよね。
「吉澤遅い〜」
保健室では矢口先パイが弁当を食べずに待っていてくれた。
「すいません、ちょっとありまして・・・」
矢口先パイの横の椅子に座ってキスしようとする。大体これで機嫌が直る。
はずだけど、思いっきりよけられた。
「ちょっとって、裕ちゃんに呼び出されてたとか?」
ば、ばれてる。これはまずいですよ。
- 18 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時13分27秒
- 「なんかいきなり来て、吉澤の番号教えろとか言ってさ、教えてあげたらいきなり
土曜日吉澤借りるで、だってさ、どういうことだかちゃんと説明してよね」
矢口先パイ、かなりご立腹のようだ。
「それは、その、なんか数学の補習を勝手に土曜日に入れられちゃって・・・」
「で、矢口と補習どっちとったの?」
「補習・・・」
矢口先パイ、お怒りで言葉も出ないご様子。
「で、でも、中澤先生絶対安倍先パイとのことで八つ当たりしてるんですよぉ、
朝矢口先パイに覚悟しときぃとか言ってたし、電話でも私に言ったし・・・」
必死の弁解のつもりだったが、かなり逆効果だった。
「そっか、じゃあヤグチがわるいんだ。ヤグチのせいで吉澤補習なんだ、
ごめんなさいね、吉澤巻き込んじゃって」
矢口先パイは弁当をつかんで出て行った。
私は追いかけることもできずに突っ立っていた。
- 19 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時14分41秒
- 「ふぇ、矢口先パイぃ・・・」
なんとも情けない声だった。
矢口先パイ怒らせちゃった。私のせいで。やばい。
フラれるかも。困る。自然と涙が出てくる。
「まあとにかく座りや」
そういったのは保健の平家先生に促されて椅子に座りなおす。
「せんせぇ、どぉしよ、わたしふられちゃったよねぇ」
涙ながらにそういうと、平家先生は頭を優しくなでてくれた。
「大丈夫やて、矢口はそんなことでフったりせーへんて」
「私、帰る」
今日は中澤先生の所に行ってたから手さげごと持ってきてたのだ。
「ちょ、帰るって、授業は?」
「頭痛い、気分悪い、吐きそう、保田先生に言っといて」
手さげをもって、とぼとぼと保健室を後にした。
- 20 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時17分14秒
- 『メール受信 1件』
届いたメールを開く。
「coolさんへ
返事が返ってきたってことはまだ終わりにしてないみたいだね、よかった。
なにがあったのかは分からないけど、元気出して。
昨日初めて知った私でよければ相談のるよ?返事待ってます。 sweet」
返事を打つ。
「ありがとう、じゃあちょっと聞いてもらおっかな。
実は、大好きな人にふられちゃった。付き合ってたんだけどね。
まだ別れようって言われたわけじゃないんだけどさ。
私のせいなんだ。私がバカだったせいで、その人怒って、ちゃんと話せば分かってくれるかも知れないけど、
怖くて話せない。
どうしよう、別れたくない。私どうすればいいのかな? cool」
- 21 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時20分46秒
- 次の日、矢口先パイは迎えにきてくれなかった。なんか悲しくて、学校サボった。
私が学校を休むと、矢口先パイは必ず家にお見舞いに来てくれた。
はぁ、あのときはよかったなぁ。
ホントに悲しかったから、家の鍵全部閉めて、電話も留守電にして、携帯は下の部屋に放置して・・・、
寝た。
- 22 名前:derringer 投稿日:2001年12月06日(木)00時23分17秒
- 起きたらまた次の日の朝になっていた。今日は土曜日。
私と矢口先パイの仲を引き裂いたにっくき補習の日だ。
さすがに今日サボると中澤先生に縛り首にされそうな気がしたのでしぶしぶ用意をした。
今日も矢口先パイは来てくれない。
朝からブルーで学校に行った。
教室には、ごっちんとなぜか市井先パイもいた。
「おう、吉澤、元気ないぞ〜、まあ無理ないか、矢口とケンカしたんだもんな」
一番言われたくないところだった。でもこの人は悪気ないからなぁ。
「よっすぃーやぐっちゃんとケンカしたの?あーあ、かわいそー」
自分は呑気でいいよね、いつでもラブラブだもんな〜、二人。
「ま、なんだか知らないけど、早く仲直りしなさいよ、あの矢口がマジでアンタのこと嫌いになるわけないからさ」
- 23 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月08日(土)01時10分12秒
- よしやぐ大好きです!!
なかなか無いんで発見できてうれしぃ!!(w
頑張ってください。
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