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今宵は、君と。

1 名前:A.P.C 投稿日:2001年12月08日(土)18時36分13秒
好き、と言って欲しい?
口づけをして欲しい?
それとも――――抱いて欲しい?

そう、私はただ女達の欲望の捌け口に過ぎない。

忙しい毎日。作りたくても、作ることの出来ない彼氏。
欲求が溜まっていく女達。
次第に、巻き込まれるのは女同士で愛し合う事。
あくまでもそれが自然である世界に、いつから疑問を感じなくなった?
いつから利用されるようになった?

愛されているのか。
愛しているのか。

今夜も、違う女を――抱いている。
2 名前:Opening 投稿日:2001年12月08日(土)18時47分20秒
「…っ、やっ…」
冷たい指で、触れると。
過剰なほどの反応を示して、甘い声を出す。

時には、レッスン場で。
レコーディングスタジオで。
空いた楽屋で。トイレで。
相手の家で。

何度も、何度も、何度も重ねる唇。

気に入ってるのは、梨華ちゃん。
あの甘い声で喘がれたら、たまらなく興奮する。
意外にも彼女はその行為が好きで、暇さえあれば強請る。
華奢な割には、女っぽい体つきと色っぽい目線に誘惑される。
愛しても、いないのに。

もう1人気に入っているのは、ごっちん。
豊満な肉体。
行為中の恥じらう仕草が、私の脳の奥を刺激する。
彼女は大胆な事は望まない。望んでいるのは、愛のある囁き。
それを実行した事は、未だ出来ずにいる。
愛しても、いないのに。
3 名前:Opening 投稿日:2001年12月08日(土)18時55分01秒
モーニング娘。というグループに入って、1年半。

最初は、こんな風に抱くことはしなかった。
抱かれていた、のだ。
「アンタはこれから多分、色々な経験するだろうから」
そう言った彼女の、寂しそうな微笑み。
「最初で最後に、してあげる」
甘い囁き。
「…んっ、…市井さっ…」
「ほら、…もっと、感じな?」
そう言って、指の動きを早めて。
いつの間にか果てていた私。
あれ以来、彼女の影を忘れることは出来なかった。
4 名前:Opening 投稿日:2001年12月08日(土)19時02分58秒
「よっすぃー、あの…今日暇?」
「…よっすぃー、家寄ってかない?」
「お願いがあんねんけど」
「吉澤、相談聞くよ?」
「ねぇねぇ、よっすぃぃー!」
「よっすぃー、愛してるぅ」
「なっちもねー…」
「ちょっとアンタねぇ」

今夜は、誰?
誰でもいい。その時だけは、目の前の人しか見ていない。
目の前の人しか、愛さない。
女達を酔わせるのは、「一番」という言葉。

一番好き、一番可愛い、一番幸せ。
好きなだけ言うのだろう、私は。
愛しているという言葉以外は、きっと何でも。

5 名前:A.P.C 投稿日:2001年12月08日(土)19時05分42秒
吉澤攻め専門の、裏小説専門の話になる予定です。
絡ませて欲しいメンバーがありましたら、リクエストして下さい。
Openingでは吉澤視点でしたが、今度は一人称ではなくなると思います。
できる限り頑張りますので、宜しくお願いします。
6 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月08日(土)21時42分18秒
すっごく楽しみにしています。
特に年上メンバー&高橋との絡みを
7 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月08日(土)22時11分39秒
おお〜吉攻めか!
よしごまに期待しちゃいます(w
8 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2001年12月09日(日)01時40分42秒
設定がイイ!!
期待の小説ですね
もちろん私はいしよしを期待♪
よっすぃ〜の相手はやっぱりこの人でしょ?
9 名前:R 投稿日:2001年12月09日(日)01時51分55秒
私もいしよしに期待。
10 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月09日(日)12時42分38秒
今までの関係を全部捨てて、
高橋と、というのはどうでしょう?
11 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月09日(日)20時41分20秒
正直新メン萎え。スマソ
第一希望、石川。
第二希望、復帰した市井を今度は吉澤が責める。
12 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月09日(日)22時46分27秒
1.石川
2.飯田
3.安倍
希望。順番に全員ってのもいいね
13 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月09日(日)23時47分39秒
ぜひ矢口でお願いします!!(w
14 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月10日(月)21時43分12秒
正直いしよしはちょっと見飽きました。
15 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月11日(火)06時20分51秒
全然見飽きてませんが何か?(w>いしよし
16 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月11日(火)06時38分42秒
萌えられれば何でもいいです。
思うがまま書いてくだされ
17 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月11日(火)20時30分48秒
なっちやら矢口やら保田を希望!
でもなにより吉澤に期待。
18 名前:カム 投稿日:2001年12月11日(火)20時42分53秒
 
 よしごまイチオシなんで、よしごま希望!

 17さんと同じで退廃的なよっすぃーに期待っす〜
 でも、可哀想なんでハッピーエンドにしてあげてほしいっす!
 更新を心待ちにしてます、頑張ってください。
19 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月11日(火)21時00分12秒
年上なら誰でも。
20 名前:第一夜 ―不器用な女― 投稿日:2001年12月11日(火)21時09分36秒
「…だから何、ってば」
彼女に呼ばれて楽屋の裏まで出て、向かい合って。
吉澤は少し、苛立ちを感じていた。
と、言うのも。
呼び出した当の本人が、緊張した面持ちで黙ったままでいる為だ。
視線が何かを探して床を這い回っている。

「ねぇ、梨華ちゃん」

呼び出された理由は、大体予測は付いていた。
恋愛に対しては、奥手だけれど欲求だけは人一倍に強い石川。
優しい吉澤でも自分からその行為を誘う、と言うことだけはしない。
つまり、彼女のその不器用さを助けてやる事はしないのだ。
心の中でどこか、石川を見下している部分がある事を再確認していた。

蔑むような目で石川を見ている自分故に。
21 名前:第一夜 ―不器用な女― 投稿日:2001年12月11日(火)21時20分51秒
この瞬間はいつも、深い自己嫌悪に陥る石川。
だから、なかなか言い出すことが出来ない。

――何でだろ、昨日決めたのになぁ…ちゃんと、頑張って言うって。

カレンダーのハートの印は、彼女と愛し合った日。
最も、愛し合ったという言葉はふさわしくないのかもしれない。
だって他のメンバーとも彼女はそんな行為に耽っているのを知っているから。
どこまでの範囲かは、さすがに分からなかったが大体の目星は付けていた。
「あの人は…×」「あの子は、もしかしたら…」
けれど自分の中のどこかで、一番は私だという意識と自信はある気がする。

根拠のない自信。
それが、石川の長所であり短所で。
自身もそれに気付かない振りをしていながら、思い知らされる時に、
落ち込んでは、1人で淫らな行為に浸る事もある。そしてまた、自己嫌悪。
その繰り返し。

石川が、何故カレンダーに印を付けているのか。
それは石川なりの、吉澤への配慮。
彼女にお願いするのは自分の中で、多くても週に一度と決めていた。
通常は大抵、10日に一度くらいの割合。
ご無沙汰になる程、しないわけでもないし。飽きる程、しているわけでもない。
それも全ては配慮の上。計算の、上。
22 名前:第一夜 ―不器用な女― 投稿日:2001年12月11日(火)21時31分17秒
吉澤も、回を重ねる毎に石川の計算を必然的に読み取っていた。
考えていることなど全てお見通しのようなものだ。
私と関係があると、疑っているメンバーにはどことなく対抗心を持って。
楽屋内では、周りの目を気にしながらも凝視していたりする。

私が抱いている女全てを、把握しているとでも思っているのだろうか。

甘いね、まだまだだよ。梨華ちゃん。
…そんなことを思って、口元にだけ笑いを含ませる。
「梨華ちゃん」
そしてもう一度、促すつもりで名を呼んでみる。
相変わらず石川は掌を擦り合わせ、半笑いで。視線も定めないままに。
焦る思いと、急かす思い。
その感情の程、二人の存在は違っていた。

「あのっ、あのね…」
ようやく言葉を切り出す石川。相変わらずの自分の場違いな高い声に嫌悪感。
「…ん?」
半分呆れたような様子で返事をする吉澤。
しかし、石川はその返答さえもが何故か格好良く感じてしまい。
いつの間にか胸が高鳴っている自分に気付く。
そして、もうすぐ欲求が満たされる仄かな期待に頬を染めている自分にも。
23 名前:第一夜 ―不器用な女― 投稿日:2001年12月11日(火)21時41分07秒
―――早く、言えよ。抱いて欲しいんだろ?

そんな濁った思いばかりが、吉澤の胸を交錯する。
「相談が、あるんだけど」
「…相談?」
心なしか、怪訝そうな表情をする吉澤。
人間とは恐ろしい物である。環境は、人間性をも変えるのだから。
そして時として、状況によっては多面性を持っている自分。
以前ならこんな表情を浮かべる事なんて、なかった。
そう感じて、吉澤は自嘲する。

事実、吉澤と石川は同期と言うこともあってか相談し合う仲ではあった。
なのに目的とは違う事を焦って咄嗟に言ってしまった石川は、自分の言葉に
明らかに戸惑いを覚えていた。この後に、続ける言葉も。
突っ走ったら、もう止めることは出来ない。

「今日、帰り…寄ってくれない?」
「帰りって…、夜って事?」
小さく頷いた石川の頬が、ほんのりと赤らんでいるのを吉澤は見逃さなかった。
まぁ、見逃さなくとも魂胆は見え見えなのだが。
別に彼女を憎むことはしない。

私はただ、課せられた義務を果たしているだけなのだから――

24 名前:第一夜 ―不器用な女― 投稿日:2001年12月11日(火)21時52分08秒
「ぅん…」
夜という言葉に、反応して。
顔を赤くした上に、消え入りそうな声で返事をする。
俗に言う、純情少女。
但しそれはフェイクであって。純情、と言うより只の度胸無し。

なのに、ベッドでは―――

純情なのは、見かけだけだよな…なんて思ってしまう程に吉澤は、
石川の躰と思考を、知り尽くしてしまっている事に僅かながら虚しさを感じる。
「でも今日上がり遅いじゃん?電車なくなったらヤバイんだけど」
この後に続く言葉なんて、概ね予想がつく。
「あ、泊まってってくれたらいいよ?」
屈託なく笑う石川。心の奥底に、隠している厭らしい欲望と裏腹に。
「私一人暮らしだし、寂しいから」
「…そっか、その方がゆっくり話せるしね」
「うん」
「じゃぁ、お言葉に甘えてそうさせてもらおっかな」
何でこんな白々しい会話をしているのだろう?
お互いの目の色で、考えていることは分かっているのに。
目的も、行動も。
誰1人として会話を聞いているわけでもないのに。

そんなことを思いながら、石川と並んで楽屋へと戻る。
「呼び出してごめんねー」
ようやく緊張が解けてきたのか、いつもの調子の声に戻って。
さり気なく石川は、吉澤に微笑みかけた。
25 名前:A.P.C 投稿日:2001年12月11日(火)22時02分26秒
>>6 有り難うございます。年上メンバーも活躍して頂きますよ〜。
>>7 後藤も後に出てくることになります。しかも、かなり強烈…(w
>>8 吉澤は何か誰とでも合いますよね(w とりあえず一発目は石川さんで。
>>9 ご期待にそえることができるかどうか心配ですが、頑張ります!

>>10 高橋は人気が高いみたいので、後に出す予定にしてますよ(w
>>11 やはり、吉澤の相手は石川が人気が高いようで。市井も考えてみます!
>>12 順番に全員という結果になると思います、多分(w
>>13 矢口も後に出てきます!それまでおつき合い、宜しくお願いします…
>>14 そうですか…確かに膨大な数ありますよね。一発目になってしまって
申し訳ありません!後には他メンバーともたくさん絡みますので…
26 名前:A.P.C 投稿日:2001年12月11日(火)22時09分56秒
>>15 石川と吉澤には独特のものがありますよね(w 何となく、飽きない…
>>16 有り難うございます。萌え文、書けるように頑張りますので宜しくです。
>>17 そうですね、石川の後には多分年上メンバーが多く絡むと思います(w
>>18 はい、後藤とも勿論ありますよ。多分、2話目になる…かな。
>>19 了解しました!一応、石川も年上…になるのかな?(w

とりあえず、1度目の更新です。少し遅れまして、申し訳ありませんでした。
やはり、相手は石川という意見が多かったみたいなので最初は石川に
させて頂きました。他に希望を書いて下さった皆さん、申し訳ありません!!
きちんと考えていますので、どうか見捨てないでやって下さい…。
多分、2話目は後藤。3話目に、矢口か安倍か飯田が絡んでくる予定。
新メンについては、現在検討中。何せまだ加入して間もないのであまりよく
わからなくて…。ごめんなさい!でも、高橋という声が多いみたいなので
ちょっと注意して、高橋を見てみることにします!(w
27 名前:バービー 投稿日:2001年12月11日(火)22時17分43秒
すごい、面白そうなのが始まっていますね!吉澤のキャラがイイ(・∀・)!
この先の後藤とか、年上メンバーとの絡みにも期待してます。頑張って下さい!
28 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月16日(日)22時48分23秒
後藤編に超超超期待です!!
29 名前:れもん 投稿日:2001年12月18日(火)17時27分14秒
よっすぃーがかっこよすぎです!!
これからどうなるのかすごく楽しみです。
更新、頑張って下さい!
30 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月21日(金)02時37分07秒
すごく面白そうな話ですね〜。

退廃的なよっすぃ〜がなんともいえないくらい良いっす

更新楽しみにしています。
31 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月01日(火)02時43分50秒
わたし待〜つ〜わ〜♪
32 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月03日(木)20時20分44秒
いつまでも待〜つ〜わ〜
33 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)22時07分39秒
x
34 名前:カム 投稿日:2002年01月14日(月)18時19分53秒

まさか放棄じゃないっすよね?  
ごっちん編の更新、マジ待ってますんで!
A.P.Cさん帰ってきてーーーー!!

 
35 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月24日(木)00時58分32秒
欲しがりません勝つまでは。
36 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)16時31分00秒
「よっすぃー、帰ろっか」

吉澤は一度「それ」を頼んだ後は、接しやすい相手だった。
まず女特有のしつこさというものがない。
だからこそ、メンバーは皆彼女のことを求めるのだ。
石川はなるべく不自然に見られないように、吉澤のことを誘った。

けれど、心のどこかで。
誰かに「気付いて欲しい」と感じてもいた。いや、誰かではないのだろう。
多分、後藤に。一緒に帰るという事実を気付かせてやりたい、と。
「悪女だよね、私も」
視線を落として呟いた。
自己嫌悪なんかは感じない。だって今日は、私の「勝利」の日なのだから。

「おっ、今日は石川がよっすぃーお持ち帰り?」
矢口が茶化したような口調で、石川に視線を向ける。
「違いますよぉ」
なんていつもの調子で返してはみるものの、本当はやっぱり醜い思いが。
自分の胸の中を支配しているものだからたまらないのだ。
きっとこの女も、彼女に抱かれる日があるのだろう…そんな、思いが。
37 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)16時43分20秒
「梨華ちゃん」
背後から声がかかる。
吉澤だった。もう帰る準備が出来たらしく、帽子を目深に被っていた。
心なしか、それは表情を隠しているかのように感じられて。
石川は些か不安を抱かずにはいられなかった。
「あ、ごめーん!」
一際高い声で、吉澤に向かって謝る。

「…」
「じゃあ矢口さん、お先失礼しまーす」
正面の矢口に向かって、石川は軽く一礼してから吉澤の待つ
出入り口の扉の方へと足を進めた。
「ごめんねー」
再び謝りの言葉を口にして、荷物を肩にかけ直した時だった。

吉澤と矢口が、視線を交わし合っている―――

アイコンタクト?
咄嗟に石川はそれを感じ取り、顔を歪ませた。
一体何の為に?ひょっとして…矢口も?矢口も、吉澤の手の中?
石川の中での矢口の存在は、まるで見当違いだった。
――じゃあ、中澤さんは?
最もシンプルな、疑問であった。

「よっすぃー、何してるの?行こうよ」
と、吉澤の腕をグイグイと引っ張る。
「…あ、うん」
吉澤は気さくにも、それを笑顔で受け入れて自分の手前のノブを回す。
「お疲れ様でしたー」
乾いた声でそう挨拶をして。楽屋から出ていく瞬間、だった。

「待って」

38 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)16時53分16秒
「待って」

足止めをくらった―――
石川の脳裏には、真っ先にそんな言葉が思い浮かんだ。
間違いなく、「待って」と声をかけられているのは自分ではなくて、
吉澤の方であるなんてこと、気付いているから。

吉澤は素直にも条件反射のように、その言葉にきびすを返した。
「…よっすぃー、明日の約束忘れてないよ、ね?」
振り向かなくても分かる。

後藤であることが。

「もちろん、覚えてるよ」
そして振り向かなくても分かる。答える吉澤の表情が。
「そ。ならいいんだけど」
後藤は、鼻から吉澤の反応は分かっていた。知りたかったのは、石川の反応。
ほらやっぱり、ね。
石川は振り向きもしなかった。けれど、その表情は…

「そんじゃ、お疲れ様でしたー」
もう1度言い直してから、二人は楽屋を後にした。
39 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)17時19分05秒

「私の部屋、4階だから」
「…知ってるっつーの」
「だよね」
ふざけ合ったまま、エレベーターに乗り込む。
何故か子連れの家族所帯が多いこの付近では、まだ11時であるにも
関わらず、既に「深夜」であるかのように辺りは静まり返っていた。
エレベーターに乗り、笑い声が止むと途端に沈黙が襲う。
聞こえるのは機械音と、二人の息遣いだけ。



「痛っ」

ふいに鈍い音がして、石川はエレベーターの壁に押さえ付けられた。
「ちょ、よっすぃ…」
「黙って」
二人の距離が近付く。
何かを訴えようとする石川に、吉澤が人差し指で唇を押さえる。
「――梨華ちゃんが何であたしを呼んだかなんて、分かってんだから」
吐き捨てるように呟いたその吉澤の言葉に、石川は頬を紅くする。
「いいよ、その反応」
その言葉を皮切りに、吉澤は更に二人の距離を縮ませて。
唇を重ねた。

「…っ、ん…は、ぁ…」
あまりの激しさに石川は思わず、息を漏らす。
既に抵抗する力さえも残っておらず。
艶めかしく動き回って、自分の口内を荒らす舌。

「――も、ダメっ…」
石川の興奮は、最高潮に達する勢いであった。
40 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)17時26分10秒
「何。もうへばったの?」
面白くなさそうな視線を、吉澤が石川へと向ける。
「…そ、んなこと…」
「そうじゃん」
「違う」
「――じゃ、どうすんのさ?」
意地悪な問いかけ。

そうだった。
この人は、自分から求めなければ何も与えてはくれない。
石川が唇を離したのは、決して限界だったからではないのだ。
その「行為」へと、導く合図。

「お、願い――」
この瞬間が、一番嫌い。
吉澤に追い詰められて、目を見つめられて。
まして今日はこんな密室の中。先に、手を出したくせに。屈辱だ。
「何?」
「……っ」
唇を噛みしめて、上目遣いに石川は吉澤を睨む。
「睨んだりしていいんだっけ?」
相変わらず、口達者な吉澤。その冷めた目線。本当は優しいことを
知っているからこそ、石川の興奮を更に掻き立てて。恐怖心をも、煽ろうと。

「お願い、します…」
視線を床へ落として、石川は絞り出すように言葉を口にする。
41 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)17時33分36秒
「…よっすぃー」

「はっきり言わないと知んないよ?」
「―――して」
ようやく口に出せた、その言葉。
「そんなこと言っちゃえるんだ、梨華ちゃんは」
人の悪い笑みを浮かべて、吉澤が囁く。
その言葉を聞いた途端、石川の身体がビクッと撓った。


以前、同じ言葉を――聞いたことがある。

今日はまだ時間が早いから、もしかして…
淡い期待に、心を躍らせて向かった仕事場の楽屋。
いつもの通りに吉澤はきっと2時間前には到着しているのだから
今はまだ、集合時間のちょうど1時間半程前。絶対に、吉澤以外にはまだ
誰も到着していないはず。絶好の、チャンスだ。
その、はずだったのに。
42 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)17時45分13秒
何度も、何度も口付けを繰り返す二人。
少しずつ、少しずつ、その二人の姿が露になり――
気付いたのだった。

その二人が、後藤と吉澤であることに。

「…っ、んっ!よ、っすぃ…」
「ほら早くしないと、もう誰か来るよ?」
サディスティックな笑みを浮かべて、吉澤は後藤に囁く。
その手は既に、後藤のシャツの中に入り込んでいて。上気した後藤の頬で、
二人がどのような行為に及んでいたのかなんて、簡単に想像がついた。
「今やめたら困るのごっちんじゃないの?」
「…ん、はぁっ……」
吉澤の方は後藤の反応を面白がり、更に焦らしながら指を進めている様子で。
「あっ!ぅん…っ…そこ、ダメぇ……っ」
「ダメなんだ」
「や、違っ……」
「違うの?」
後藤は既に、かなり感じてしまっているらしく。
吉澤の腕にギュッとしがみつき、それで身体を支えているようだった。
43 名前:第一夜 -不器用な女- 投稿日:2002年03月19日(火)17時55分30秒
石川は稚拙な表現だが、嫉妬で心が荒れ狂いそうな程であった。
「ごっちんは私より感度がいいんだ…」
分かりもしないことを呟いて、ぎゅっと拳を作る。

そんな石川のことなど露知らず。二人は尚も行為を続けようとしている。
「ごっちん、早くしないとやめちゃうよ?」
「……っ…」
荒い息が後藤から漏れる。
「ほら」
「…ぁ、んっ!…も、もぅっ…」
「何が欲しいんだっけ、ごっちんは」
「我慢、できないっ…よぉっ、よっすぃ……」
何喰わぬ顔で、後藤のことを攻め立てる吉澤。
石川はどうしても、後藤の姿と自分を重なり合わせて見つめては
私の時は、こう言ってた。こうしてた。比較しては、自分も下着をいつの間にか
濡らしてしまっていることに気付き、自己嫌悪に陥るのだった。

後藤は、辛そうに顔を歪めながら。
ついに根負けして、吉澤に己の欲求をぶつける。
「よ、っすぃ…もっと、……もっとぉ…っ」
その言葉に、やっぱりサディスティックな笑みを浮かべて。

「そんなこと言っちゃえるんだ、ごっちんは」

全てが、まだ三日前の記憶なのに。
44 名前:A.P.C 投稿日:2002年03月19日(火)18時04分01秒
お待たせして申し訳ありませんでした。
いよいよ、本格的な裏小説として始動です(w

>>27
ありがとうございます!お待たせしてすみませんでした。
とりあえずは、石川から頑張ります。
>>28
ありがとうございます。後藤は、今回ちょっと入りましたが・・
次編ではもっとすごいことになるのでよろしくおねがいします(w
>>29
ありがとうございます!そう言っていただけると光栄ですね。
お待たせしてすいませんでした。吉澤をなるべくかっこよくできるように
頑張りたいと思ってます。
>>30
お待たせして申し訳ありませんでした。ありがとうございます。
退廃的な吉澤・・(w 本人はもっと普通にかっこいいタイプなんだと
思いますけどね(w まあ小説の世界なんで好き勝手にやらせてもらって・・
>>31 >>32
お待たせして申し訳ありませんでした。
>>34
ありがとうございます。後藤は次編でもっと活躍してもらうので
もう少し待ってやって下さい!すみません・・
>>35
面白いレスだ(w ありがとうございます。
お待たせして申し訳ありませんでした。
45 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月08日(月)00時11分56秒
待ってますよぉ。
続きお願いします。
46 名前:くわばら。 投稿日:2002年05月09日(木)00時07分15秒
待ってますよぅ。
47 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月11日(土)02時29分11秒
まじで楽しみにしとります。
48 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月13日(木)14時49分06秒


 保全
49 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月27日(木)17時38分45秒

あきらめずにほぜむん
50 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月16日(金)04時16分10秒

ヒソーリ保全

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