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消しゴムのおまじない2

1 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月10日(月)17時56分10秒
同じ森板で書いていた「消しゴムのおまじない」の続きというか。(w
前スレと同じように、短編などを書いていきたいと思います。
よろしくお願いします!
2 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月10日(月)18時06分55秒
書き始める前に、少し補足。

前スレの「消しゴムのおまじない」の作品について
「消しゴムのおまじない」(やぐよし)2〜15
「bagle kiss」(よしごま)21〜37
「アタックNO.1」  (いしよし)42〜48
「関西弁」       (やぐちゅー)53〜60
「叶わぬ恋は」     (ののやぐ)65〜85
「半分こ」       (やぐののあい)94〜114
「Never give up」(かおりか)119〜135
「Time is Love」(なかよし)140〜172
「Tell You My Heart」(よしたか)179〜217
3 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月10日(月)18時11分45秒
補足その2

このスレの書き始めはいしよしにします。
よしたかおがはその後で。リクされた方、申し訳ないです。
タイトルは「王子様と雪の夜」です。曲に沿って書いてみました。
私なりの解釈で書いたので、「あれ?違うんじゃないか?」という点もあるかもしれません。
そういうところは、なが〜い目で見てやって下さい。(ニガワラ
4 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月10日(月)18時17分18秒
雪の降りしきる夜、私は1人でテレビを観ていた。
部屋にテレビの音が響くだけで、辺りは静まっている。
カーテンを少し開けて、外を見てみると、
家の屋根や道路に、真っ白な雪が積もっていた。
まるで、白いじゅうたんをしいたみたい。
さっき外を見たときは、こんなに積もっていなかった。
時間が経つのって早いなぁ・・・。
薄暗い空から舞い降りる雪は、一向に止む気配を見せない。

ふとその時、愛しいあの人を思い出す。
私の恋人は、ただいまバイト中。
「電話してみようかな〜・・・。でも、忙しそうだし・・・」
5 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月10日(月)18時28分09秒
恋人のバイト先はベーグル屋さんで、私の家からは少し遠い所にある。
ちょうど今は年末で、どこの店もいつもより一段と忙しい。
「・・・いいや!電話してみよう!」
テーブルに置いていたケータイとにらめっこしていた私だけど、
決心して、ケータイを手に取り、番号をダイヤルする。
忙しいのはわかってるけど、不安になっちゃったから・・・。
電話せずにはいられなかった。
――プルルルル、プルルルル・・・
「出ないなぁ・・・。やっぱり忙しいからなぁ・・・」
仕方なく電話を切ろうとしたその時
『はい!もしもし!』
あ!つながった!よかった!
6 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月10日(月)18時37分00秒
「もしもし、ひとみちゃん?私、梨華だけど」
『どうしたの?急に電話なんて・・・』
走ってきてケータイに出たのか、ひとみちゃんは少し息切れしている。
「ちょっと、不安になっちゃって・・・」
『何かあった?・・・あ、ちょっとゴメン。・・・すいません!今行きます!
 ・・・ゴメン、店長に呼ばれちゃった。すぐ行かなきゃ』
そう言うひとみちゃんの声の後ろには、
なにやらあわただしい物音がひっきりなしに聞こえてきた。
本当に忙しそう。
「大丈夫、気にしないで。じゃあ、頑張ってね」
『うん・・・』
私は言い終えると、自分から電話を切った。
7 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月10日(月)21時50分10秒
久しぶりに来てみると、新スレだぁー!!!おめでとうございます!
いやぁー、よしたかよかったっす。(遅くなってごめんなさいm(__)m)
よしたかが甘甘の素質十分だって事を初めて実感しました!
タンポポの新曲を初めて聞いた時にいしよしを想い浮かべてしまった私。
続き期待してます!
8 名前:雪のぷっぷー 投稿日:2001年12月11日(火)03時09分18秒
しんスレおめでとおござぁ〜い!!
さっきまで「コノヤロ高橋コノヤロ」と思ってたのがウソみたい。
今は「HappyいしよしHappyはあとはあと
続き吉胡麻系さんがどういう風にもっていくか楽しみ!
9 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月11日(火)18時08分24秒
それからしばらくテレビを見ていたけど、なんだかつまらなくなってきた。
「テレビもつまんないし。お風呂でも入ろうかな・・・」
独り言をつぶやきながら、テレビの電源を切る。
あっ、まだお湯入れてなかったんだっけ!
バスルームにお湯を入れようとしたその時
――ピンポーン
部屋にチャイムの音が響いた。
「誰だろう?こんな時間に・・・」
時計を見ると、8時過ぎを指している。
小走りで玄関に向かう。
おそるおそるドアを開けると、そこには・・・。
10 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月11日(火)18時24分04秒
「ひとみちゃん!?」
上にコートも何も着ないで寒そうに震えながら、頭にたくさんの雪を乗せて
立っているひとみちゃんがいた。
「どうしたの!?突然・・・」
「だって、電話の梨華ちゃんの声、すごく暗かったから心配で・・・」
ひとみちゃんの声は、寒さのせいで少し震えている。
頭の上の雪が溶けてきているのか、水滴が1つ、2つと地面に落ちた。
「私だったら大丈夫。ひとみちゃん大丈夫かなって、不安になっちゃって・・・」
私は言いながら、ひとみちゃんに積もった雪を払った。
「そうだったんだ・・・。よかった〜!」
ひとみちゃんはホッとした表情を浮かべた。
11 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月11日(火)18時30分24秒
「もし、梨華ちゃんに何かあったら・・・!って思ってさ。かなり必死だったよ。
 でもよかった〜!なんともないんでしょ?」
「うん」
「なら、いいんだ。はぁ、疲れた〜!」
ひとみちゃんは目を瞑って、壁にもたれかかった。
「上がっていってよ。冷えてるでしょ?」
「いや、黙ってバイト抜けてきてるから。店長に怒られちゃうよ」
ひとみちゃんは目を開けて、私に向かって申し訳なさそうに言った。
よく見ると、バイト先のエプロンをしたままだ。
「そう・・・。でも、上に何か着ないと・・・。ちょっと待っててね」
私は玄関にひとみちゃんを残し、急いで部屋に戻った。
12 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月11日(火)18時39分47秒
9〜11、更新です。王子様登場!です。
いくら急いでいても、上着ぐらいは着ましょう。(ニガワラ

>闇の住人さん
ありがとうございます!
まぁ、新スレっていっても、たいして変わりはないんですけどね。(w
私もタンポポの新曲聞いたときは、瞬間的に思いましたね〜。
いしよしだよね、だよね!って、友達に言いまくったくらい。(w

>雪のぷっぷー(puppu)さん
ありがとうございます〜!
一応、十八番はいしよしのつもりなんですけどね。(w
前スレを見てたら、いしよし書いたのってずいぶん前だった・・・。
いしよしを書いた量は1番多いんですけどねぇ。
長編ばっかりで、完結しなくて・・・。(ニガワラ
13 名前:理科。 投稿日:2001年12月11日(火)19時20分53秒

テンポがいいですねぇ♪いしよしもいいですけど、
たかよしもいい感じでっす!吉胡麻系さんの作品でたかよし
好きです〜♪頑張ってください!
14 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月11日(火)19時50分44秒
歌詞に沿っていて、イイ感じですね。
やぱ、いしよし萌え〜
15 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月12日(水)18時15分56秒
部屋に戻った私は、かけてあったピンクのコートを抱えて玄関に戻った。
「はい!これ着てって!サイズ合わないかもしれないけど・・・」
「サイズより色が・・・」
ひとみちゃんはピンクのコートを持ち、複雑そうな顔をしている。
そりゃあそうかもしれないけど・・・。
「でも、せっかく貸してくれるんだから、ありがたく着させてもらうよ」
そう言うとひとみちゃんは、ピンクのコートを羽織った。
やっぱりサイズが合わなかったのか、袖が短く見える。
でも、ピンクのコートは、結構似合っていた。
「ごめんね、コレしかなくって」
「いや、全然大丈夫だよ。あったかいし」
ひとみちゃんはコートのボタンを閉めながら言った。
16 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月12日(水)18時25分19秒
「よし・・・、じゃあ行かなきゃ。梨華ちゃんゴメンね」
ひとみちゃんは申し訳なさそうに、顔の前で手を合わせた。
悪いのは私の方なのに・・・。
「ううん。心配させたのは私だし」
「そのうちきっと、埋め合わせするから」
「うん。じゃあ、頑張ってね!」
「おうよ!」
ひとみちゃんは満面の笑みで私に手を振ると、走って階段を駆け下りた。
電話の声で心配して、わざわざ駆けつけてきてくれるなんて・・・。
なんか王子様みたいだなぁ・・・。
と、その時、ひとみちゃんが派手に転んだ。
うわっ!痛そう・・・。
17 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月12日(水)18時31分25秒
「ひとみちゃ〜ん!大丈夫!?」
すると、ひとみちゃんがむくっと起き上がった。
「大丈夫!運良く雪が積もってる所に突っ込んだから、コートは汚してないよ〜!」
ひとみちゃんは、雪で真っ白になったコートをはたきながら言った。
心配なのはひとみちゃんなのに・・・。
「コートはいいの!ひとみちゃんは大丈夫なの?」
「あたし?あたしは大丈夫!じゃあ、頑張ってくるよ!」
ひとみちゃんは少しよろけながら、また走り出した。
あ〜あ、転ばなかったらすごくかっこよかったのに。
ちょっぴりへなちょこりんだね、ひとみちゃんは。
18 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月12日(水)18時39分06秒
15〜17 更新です。
派手に転んだってのは、顔から突っ込んで、積もった雪が舞っている、
そんな様子を想像していただければ。(w

>理科。さん
よしたか好きですか〜!私も結構好きなんですよ、よしたか。
また読み返しちゃいましたもん、さっき。(w
ちょっとこれから先、テンポ悪いかもしれません。(ニガワラ

>Charmy Blueさん
やっぱり、もとになるものがあると書きやすいです。
でも、ダラダラ〜と。(ニガワラ
風邪をひくところが、少し長いんですよね〜。
19 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月13日(木)14時47分22秒
新スレおめでとうございます。
どうやら書き溜めていたといういしよしのようで。
これはもとより、よしたかおが、さらにはやぐよし<しつこい も待ってます。
あ、私の正体はメール欄で(わかるかどうか・・・)
20 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)10時43分25秒
翌日。今日は私がバイトで、ひとみちゃんは休み。
店長はひとみちゃんが休みの日を知っているらしく、
わざと重ならないようにローテを組んでいるらしい。
ということは、2人休みっていう日があまりない。
もう・・・、店長のイジワル!
「ん?なんか言った?石川」
「な、何も言ってないですよ、飯田店長」
店長は人の心がわかるらしく、ちょっと変わった人。
こんな人が店長でいいのかな、なんて思ったりしちゃう時もある。
「まさか、カオリのこと変、だとか思ってないよね?」
「いっ、いえ!そんなことはないです!」
21 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)10時48分31秒
「怪しい」
「言ってませんよ〜」
だって思ってるだけだもん。
「ま、いいや。・・・今頃石川の恋人さんは何してるかねぇ?今日はバイト休みだから、
 の〜んびり過ごしてるかもねぇ?」
店長はわざと「休み」のところを強調してイジワルそうに言った。
はぁ・・・、早くバイト終わらないかな・・・。会いたいよぅ・・・。
「あ、石川今日少し残ってね」
「えぇ!なんでですか!」
「店長にはむかう気?給料減らすよ?」
店長・・・、それはあんまりですよ・・・。ひどいじゃないですか!
石川をいじめないで下さい・・・!
22 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)10時54分37秒
結局残業をさせられて、予定より30分も遅くなった。
これで普通の給料だったら最悪・・・。
・・・ひとみちゃんどうしてるかな?電話してみよう。
バッグからケータイを取り出し、番号をダイヤルした。
―――プルルルル、プルルルル
「あ゛い」
「あ、ひとみちゃん・・・ってひとみちゃん!?どうしたの、その声!!」
ひとみちゃんの声は見事なまでにガラガラで、
一瞬別人かと思ったほどだった。
「はは・・・。カゼひいじゃったみだい」
「熱あるの?どこ痛いの?」
「熱はそんな゛にないんだけど・・・、ノドがさ、がな゛り痛い」
23 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)10時59分37秒
ひとみちゃんは声を出すのも辛そうで、すごく痛々しく感じた。
・・・もしかして、カゼひいたのって、昨日のせいかな・・・?
うん、きっとそうだ。
あの姿じゃ違う、なんてことはない。
私が昨日、電話さえしなければ・・・。
「ごめんね、ひとみちゃん」
「どうじたの、急に゛・・・」
「ひとみちゃんのカゼの原因って、昨日のことが関係してるんじゃないかって・・・」
「昨日?あ゛ぁ、アレね゛。もしがしたらそうかも・・・」
やっぱりそうなのかな・・・。
原因が自分だって思うと、とても悲しくなってきた。
24 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)11時06分21秒
「ごめんね、私のせいで・・・」
「いや゛、上に何もきてごながった自分が悪いんだし」
ひとみちゃんは私を励ますように言った。
「それに、梨華ちゃんがコート貸じてくれな゛がったら、もっとひどくな゛ってたよ」
「でも・・・」
「大丈夫!すぐ治る゛って!」
ガラガラ声で言われても、イマイチ説得力がなかった。
やっぱりこういう時は・・・。
「じゃあ、今から看病しに行くよ」
原因を作ったのは私なんだし。
「え゛、いいよ〜。梨華ちゃんに゛うつったら大変だよ〜。それに゛、梨華ちゃん
 バイト終わったばっかで疲れ゛てるでしょ?」
25 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)11時20分33秒
「疲れてるには疲れてるけど、ひとみちゃんのことほっとけないよ・・・」
急に悪くなったりしたら・・・。すごく心配だから・・・。
「でもね゛、梨華ちゃん。やっぱりうつすと悪いから゛。カゼひくのはあたしだけでいいよ゛」
 梨華ちゃんには元気でいてほしいから゛さ」
私もひとみちゃんに元気でいてほしいけど・・・。
そこまで言うなら・・・。
「ごめんね、せっかく看病してあげる゛って言ってくれ゛たのに」
「ひとみちゃんがそう言うなら仕方ないよ。じゃあ、あったかくして寝るんだよ?」
「わかった。あり゛がとう、梨華ちゃん。じゃあね゛」
そう言って、ひとみちゃんから電話を切った。
電話を切った瞬間、とても寂しく感じた。
26 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月16日(日)11時43分03秒
20〜25 更新です。
ここ本当は電話のシーンで、よっすぃ〜のかぎかっこ変えるべきだったんですけど、
すっかり忘れてて・・・。見にくいかもしれません、申し訳ないです。
すごく濁点ついてるほうがよっすぃ〜です。

>19さん
あ、どうも、ありがとうございます!
すぐわかりましたよ、正体。(w
やぐよしですか。前に書いて封印しちゃったヤツならありますよ。(w
ちなみに公開は考えてません。恥ずかしくて・・・。(w
27 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)18時59分19秒
次の日、その日はちょうど2人ともバイトがなかった。
本当は2人で遊びに行きたかったけれど、
ひとみちゃんがカゼをひいているので、遊びの誘いどころか電話もかけにくかった。
それでもひとみちゃんの声が聞きたくて、
電話をかけようかかけまいか迷っているうちに、外は薄暗くなっていた。
「あ〜、もうこんな時間だよ〜!」
電話をかけられない自分に苛立っていると、着信音が鳴った。
ディスプレイを見ると、『ひとみちゃん』の文字。
私は急いで電話に出た。
28 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)19時06分31秒
「はい!もしもし!」
「うわっ!びっくりした!急に大きな声出さないでよ〜!」
だって、嬉しいんだもん・・・。
・・・あれ?声、ガラガラじゃない!もしかして・・・!
「ひとみちゃん!声治ったの!?」
「ははっ、先に言わないでよ〜!・・・さっき起きたら治ってたんだ。一刻も早く
 梨華ちゃんに報告したかったから、電話したんだ」
そう話すひとみちゃんの口調はすごく明るかった。
私も、とっても嬉しかった。
ひとみちゃんのカゼが治って、そしてなにより、声が聞けたから。
うれしくて、うれしくて、ちょっぴり泣きそうになった。
29 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)19時10分51秒
「ちょ、ちょっと梨華ちゃん!泣いてるんじゃないよね!?」
「な、泣いてなんかいないよ!」
「ごまかしてもわかるぞ〜!」
電話の先で、子悪魔っぽい表情を浮かべて言っているひとみちゃんが
頭の中に浮かんで、思わず笑ってしまった。
「なっ、何で笑うんだよ〜!」
「あははっ、なんでもないの〜!」
「気になる〜!」
私とひとみちゃんは笑い合った。
30 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)19時22分25秒
「ねぇ、梨華ちゃん、今から家来れる?なんか無性に会いたくなっちゃった」
「でも・・・、いいの?カゼはちゃんと治ったの?」
「大丈夫!梨華ちゃんの顔見たほうが早く治るかも」
「本当?」
「本当だって!」
冗談で言ってるのか本気で言ってるのかわからないけど、
『会いたい』って言ってくれた事が嬉しくて仕方なかった。
「じゃあ、ひとみちゃんの好きなたまごやき作って持っていくね」
「ホント!?いやぁ、楽しみだな〜!」
ひとみちゃんの声は、小さい子供が好きな食べ物を食べるときに出すような
声と似ていて、かわいいなぁ、と思った。
こんなに期待されてるなら、張り切って作らないと!
31 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月16日(日)19時30分43秒
「・・・なんかさ、今すごく幸せを感じるんだ。声も治ったし、梨華ちゃんの声も聞けたし、
 それに今から梨華ちゃんに会える」
ひとみちゃんはさっきとは違う口調で言った。
一言一言に、何か深い意味を持たせてるかのように。
「昨日電話で話して、あたしがカゼひいたの知って、すごく心配してくれた。
 すごく嬉しかったんだけど、梨華ちゃんの声、どこか沈んでて・・・」
ひとみちゃんはゆっくりと語る。
「でも、今日の声聞いたら元気になってたみたいで安心したよ!」
「ひとみちゃん・・・」
1番辛かったのはひとみちゃんなのに・・・。
私のこと心配してくれてたなんて・・・。
ひとみちゃん、ひとみちゃんって本当に・・・。

「王子様みたい」

その時、時が止まった。
32 名前:理科。 投稿日:2001年12月17日(月)04時26分39秒

キャ〜♪(ドキドキ…)
いいトコで切れてる〜!私のバックでBGM
『王子様と雪の夜』が…。
33 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月19日(水)17時05分22秒
「・・・え?王子様・・・?」
はっ!私さっき、何って言った!?間違っても「王子様」なんて言ってないよね!?
「梨華ちゃん、王子様って・・・?」
あぁ!聞かれてた!
「な、なんでもないの、気にしないで!じゃ、じゃあ、たまごやき楽しみにしててね!」
「あ、うん・・・」
私は急いで電話を切った。
つ、ついつい言っちゃった・・・、王子様って・・・。
は、恥ずかし〜・・・。
それから少し気持ちを落ち着かせてからたまごやきを作り、
バッグとか準備してから家を出た。
34 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月19日(水)17時20分02秒
外に出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。
前よりも雪は積もっていて、今でも降り続いている。
街灯の灯りに雪が反射して、すごくキレイ。
バッグの中に入ったたまごやきを思い出して、思わず笑みがこぼれる。
ひとみちゃん、喜んでくれるかな〜?
ふと、さっきの言葉を思い出す。
「はぁ〜・・・。なんか会いにくいなぁ〜・・・」
『王子様』だなんて。
突然言われたら、誰だってビックリする。
さっきまですごく会いたいって思ってたのに、少し不安になってきた。
どんな顔して会えばいいんだろう?
いろいろ悩んでいるうちに、ひとみちゃんの家の前に着いた。
35 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月19日(水)17時46分24秒
「さっきの電話のこと聞かれたら、どう答えればいいかな・・・」
私はドアの前で、悩みながらウロウロしていた。
周りから見たら、ちょっとアブない人だったかもしれない。
「悩んでいても仕方ない!行こう!」
やっと決心して、チャイムを押す。
「は〜い。・・・梨華ちゃん?」
ドアの向こうからひとみちゃんの声が聞こえてきた。
「うん、私」
「じゃあ、今開けるね」
ガチャガチャ、とチェーンを外す音が聞こえた。
「はい、どうぞ!」
ゆっくりとドアが開いて、そこにいたのは・・・。
36 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月19日(水)17時52分37秒
「ひ、ひとみちゃん!?どうしたの、その格好!?」
大きいバスタオルをマント代わりにし、王冠(?)みたいなものをかぶって、
何で持ってるのか知らないけど白いタイツを履いたひとみちゃんがいた。
笑う、というよりも、その姿に圧倒されて声も出なかった。
「だって梨華ちゃんが『王子様みたい』って言うから、こういう格好してみたんだけど・・・」
確かに「王子様みたい」って言ったけど、
なんか少し違う・・・。
そう思ったけど、それは言わないでおいた。
37 名前:王子様と雪の夜 投稿日:2001年12月19日(水)17時58分58秒
よく見ると、白いタイツが妙に似合っていて、
笑いがこみ上げてきた。
でも、笑ったら悪いと思って、笑いをこらえながら腰をおろした。
ブーツを脱ぎ終わると、突然身体が浮いた。
「きゃあっ!?」
びっくりして顔を上げると、そこにはひとみちゃんの顔があった。
「あたしが王子様なら、梨華ちゃんはお姫様だね」
「ひとみちゃんってば・・・」
お姫様だなんて。
言われると恥ずかしかったけど、とても嬉しかった。

へなちょこりんだけど
変な格好するけど
ひとみちゃんは大切な
私の王子様


おわり
38 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月19日(水)18時07分28秒
「王子様と雪の夜」終わりです。(33〜37更新)
後半、ダラダラと書いてしまいました。申し訳ないです。

>理科。さん
私もいつも「王子様と雪の夜」聞いてるんですよ〜。
この曲の歌詞読んだ瞬間、「来た!」って。(w
そのまま勢いで書きました。(w

次はよしたかおがです。まだ書き終えてないのでタイトル未定です。
それと、ヒサブリにリク受け付けます。
マイナーでも可、三大王道でも可、新メンがらみでもOKです!
ただ、ニイニイはキャラがわからないので、
申し訳ないですが回避します。
39 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月19日(水)19時44分43秒
お疲れさまでした!良かったですよ。
王様の格好のヨシコ。MUSIX!ネタですね(w。

リクエスト・・・矢口と後藤!最近のマイブームです。
マイナーカップルながら、何故か萌えてます(w
40 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月19日(水)23時34分01秒
この小説読んで『王子様と雪の夜』を聞きたくなってしまった。
私も初めて聞いた瞬間にいしよしを思い浮かべましたが、
歌聞いただけでここまで甘い作品が書ける吉胡麻系さん最高!
明日CD借りてこよう。んで、聞きながらもう一回これ読ませてもらいます!
リクエストか・・・、実は私もテレビジョン効果でまきまりにハマってたり。(w
よしやぐにもハマってたりするのですが。
という事でリクエストはまきまりかやぐよしっす!
次作も楽しみにしています!吉胡麻系さん、がんがって下さい!
41 名前:理科。 投稿日:2001年12月20日(木)04時47分42秒

ひとまずお疲れサマでした。この曲って何回聴いても
いいですねぇ。聴いてすぐ書ける(思いつく)吉胡麻系さんって…!
次回作品も楽しみにしてます♪
42 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月21日(金)02時23分56秒
『王子様と雪の夜』お疲れ様でした。

王道は食傷ぎみではあるんですが、それでもやっぱりいいんですよねぇ(矛盾してる…)

でも、よっすぃ〜の白タイツ見てみたい(w
緑だったらロビンフッドなんですが(w
まあ、リボンの騎士っぽいかな?よっすぃ〜の場合。

リクですか…かおよしがいいですね〜。
ののよしもいいかも。

では、よしたかおが楽しみにしています。頑張ってください。
43 名前:ぷっぷー 投稿日:2001年12月21日(金)05時11分40秒
なんかどきどきした。不恰好な王子様でもね、きもちが大事だから。
やっぱいしよしはいいよね。

それで自分もリクしてみようかと。「いしごま」とか「かおよし」お願いします。
このカップルたちに絡むニイニイ見てみたいけど・・・だめなんですよね。ハハ

44 名前:ぷっぷー 投稿日:2001年12月21日(金)05時12分53秒
なんかどきどきした。不恰好な王子様でもね、きもちが大事だから。
やっぱいしよしはいいよね。

それで自分もリクしてみようかと。「いしごま」とか「かおよし」お願いします。
このカップルたちに絡むニイニイ見てみたいけど・・・だめなんですよね。ハハ

45 名前:ぷっぷー 投稿日:2001年12月21日(金)05時14分29秒
ごめんなさい二重になってしまいました。すみません
46 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月22日(土)12時14分44秒
>Charmy Blueさん
あっ!気付いてくれたんですか?良かった。(w
まきまりですか、う〜ん・・・、考え中です。

>闇の住人さん
実は、歌、かなり聞きましたけどね。(w
歌詞何回も読んだり、友達に解釈してもらったり・・・。(w
やぐよしっすか。前に書いたヤツ、手直しすればよみがえるかな?

>理科。さん
ほとんどの作品が直感なんで。(w
直感よりも、僕らのヤッス〜の方が強力です。(w
47 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月22日(土)12時22分51秒
エラー出るの怖いので分けます。

>42さん
私も白タイツ姿、見てみたいです。(w
そうですねぇ、リボンの騎士っぽいですね〜!
かおよしですか〜。1回挑戦して、脱落した覚えが・・・。(w
ののよしもほんわかしてていいですね〜!

>ぷっぷーさん
何事も気持ちが大事!ですからね〜!
いしごま・・・、ハロモニ。から取るか。(ニヤリ)

結局リク、決めてません。申し訳ないです。2つには絞ったんですけど・・・。
よしたかおがが終わるまでには決めます!
ってことで、次はよしたかおが、タイトルは「2つの片想い」です。
48 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月22日(土)12時26分15秒
「あたし、吉澤さんの事が好きなんだ」
その言葉が、まこっちゃんの口から出た瞬間、私は凍りついた。
「ウ、ウソ?」
「本当だってば」
まこっちゃんの目は真剣で、これは本当なんだなって思った。
まぁ、まこっちゃんがウソをつくとは思えないけど・・・。
なんでこんなに悩んでるかというと、
私も吉澤さんが好きだから。
49 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月22日(土)12時29分58秒
今回の曲は男役、女役に分かれていて、
吉澤さんは男役、しかもセンターを務めている。
その姿といったら、すごくかっこよくて、
初めて見たときは、あまりのかっこよさに倒れそうになったくらい。
それに、私の教育係で、いろんなことを優しく教えてくれる。
ある番組で「ホレそうになります」って言われた時、
もう、うれしくてうれしくて仕方なかった。
私が吉澤さんを好きになった決め手ともなった。
50 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月22日(土)12時32分47秒
まこっちゃんが吉澤さんを好きだとは思ってなかった。
後藤さんや、矢口さんを好きだって言ってたから。
まこっちゃんは何においても積極的で、
吉澤さんにどんどんアピールするかもしれない。
でも、吉澤さんを想う気持ちは、絶対私のほうが上!
曲中では、吉澤さんとまこっちゃんが絡むシーンをただ見てるだけの私だけど、
現実では負けない!
51 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月22日(土)12時38分12秒
―小川視点―

「私も・・・、吉澤さんが好き。でも、絶対負けないよ?」
あたしが愛ちゃんに今の自分の気持ちを言った後、
少し経ってから言い返された。
でも、そんなに驚かなかった。
だって、愛ちゃんが吉澤さんを好きってことは、うすうす気付いてたから。
曲中では吉澤さんと絡むシーンがあって、そのシーンで吉澤さんを好きになった。
その時の吉澤さんは、あたしだけ見てくれて、
あたしだけのために、セリフを言ってくれてる気がしたから。
その時の吉澤さんのまっすぐな目を、あたしは好きになった。
52 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月22日(土)12時40分53秒
愛ちゃんは、吉澤さんとは教育係という関係で、
ダンスレッスンとか、普段も話してたりする。
逆にあたしは、そういうチャンスはないんだけど、
あたしには持ち前の明るさ、積極性がある!
チャンスは待っていても来ない!
チャンスは自分で作るもの!
どんどんアピールして、吉澤さんを振り向かせてみせる!
53 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月22日(土)12時46分22秒
48〜52、更新です。
みなさんはどっちを応援しますか?

ちょっと言い忘れです。
この小説、あと3回視点が変わります。
それと、48〜50は高橋視点です。書き忘れました。申し訳ないです。
書いてるうちに、高橋視点が多くなってしまいました・・・。反省。
54 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時11分21秒
―高橋視点―

「吉澤さん、食べてくれるかな・・・?」
私は、手作りのクッキー片手にすごくドキドキしていた。
これは、昨日何時間もかけて作ったもの。
失敗したりしたけど、吉澤さんのことを思うと、
へコんでなんていられなかった。
吉澤さん1人分だったら、そんなに時間はかからなかったかもしれないけど、
他のメンバーに失礼だなって思って、たくさん作ったから遅くなった。
はぁ・・・、ちょっと睡眠不足。
移動中に眠らないと、もたないかも・・・。
55 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時16分46秒

楽屋に入ると、吉澤さん、石川さん、後藤さん、あさみちゃんがいた。
まだ、まこっちゃんは来てないみたい。
「おはよー、あさみちゃん」
「あ、おはよ。あれ?愛ちゃん、その袋どうしたの?」
「コレ?クッキーだよ。みんなに食べてもらおうと思って作ってきたの」
本当は吉澤さんのためにだけど・・・。
その時、突然楽屋のドアが開いた。
そこに立っていたのは・・・、辻さんだった。
・・・なんか嫌な予感が・・・。
56 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時23分38秒
「お、おはようございます、辻さん」
「おはよー、愛ちゃん。・・・それ、クッキー?」
「は、はい・・・、作ってきたんです」
辻さんは獲物を狙うような目で私を見ている。
やばい・・・。辻さんに全部食べられちゃうよ〜!
「ホラ、のの。ダメだって。高橋困ってるじゃん」
すごく焦っていると、読書中だった吉澤さんが口を開いた。
助けてくれたのかどうかわからないけど、助かった〜・・・。
「だってよっすぃ〜、愛ちゃんのつくるおかしってすごくおいしいんだよ〜。
 のの、まえにたべたことあるけど、ほんとおいしかったの!」
「えっ、本当?」
吉澤さんは、辻さんから私に視線を変えた。
しかもその目は・・・、すごくキラキラしてる。
57 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時31分44秒
「ほんとうだよね、あさみちゃん」
「は、はい・・・。本当においしかったですよ」
な、なんかプレッシャーが・・・。
おいしくなかったらどうしよう・・・。
「食べてみていいかな?」
吉澤さんは私の手にのっかっている袋を指差した。
「は、はい・・・。お口に合えばいいですけど・・・」
私はおそるおそる、袋を吉澤さんに手渡した。
楽屋にいる石川さん、後藤さんは吉澤さんを見ていて、
あさみちゃんは祈るような目で私を見ている。
辻さんはというと、すごくうらやましそうな目で吉澤さん・・・、というか
クッキーの袋を見ている。
58 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時41分01秒
吉澤さんは袋を開け、中に入っているクッキーを1つ取り出すと、
そのまま口へと放り込んだ。
「ん〜・・・。んっ!」
吉澤さんの表情が変わった。
えっ、まさか異物が入っていたとか!?
そんな犯罪まがいな事はしていないはず!
「おいしいよ〜」
吉澤さんの顔が、とろけるような笑顔になった。
よ、よかった〜・・・。おいしいって言ってもらえて。
「なんか、すごく幸せっていうか、食べるとほわ〜んってなるんだよ〜」
そりゃあそうですよ!私が吉澤さんのために、
愛情をたっぷり注いで作りましたから!
59 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時48分52秒
「ののもたべたいよ〜!」
「ごとーも」
「石川も!」
「あ、あの・・・、食べたいです」
吉澤さんの反応が良かったのか、他の4人も食べたそうにしている。
特に辻さんは・・・、地団駄を踏んでいる。
「どうぞ、たくさん作ってきたので!」
私はバッグに入っている12人分のクッキーをテーブルに出した。
「おお、すごい」
「ホントにおいしそ〜!」
「あ、ありがとうね、愛ちゃん」
「さっそくたべてみるのれす。・・・ムグムグ・・・。んっ!やっぱりおいしー!
 トイレのあじはしないっ!」
「ちょっとのの!どういう意味よ〜!」
60 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時52分45秒
みんな喜んでくれたみたい。良かった〜!
遅くまで作ってたかいがあった!
・・・あれ?私、なにか忘れてるような気が・・・。
はっ!吉澤さん用と他のメンバー用を混ぜちゃった!
さっき吉澤さんが食べたのは自分の分だし・・・。
あ〜、自分の分なんてわざわざ作らなきゃ良かった・・・。
家にたくさんあるのに・・・。
「どうしたの?そんなにガックリして」
私が肩を落としていると、吉澤さんが話し掛けてきた。
他のみんなはクッキーに夢中だ。
61 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)16時58分02秒
「いっ、いえ!なんでもないです!」
突然話し掛けられるとドキドキする。ましてや吉澤さんなんて・・・。
「高橋、料理上手だね」
「そんな、たいしたことないですよ〜・・・」
作れるものとか、結構限定されてるし・・・。
「あたしなんかガサツだから全然ダメ。作っても、失敗してはい、お徳用みたいな」
お徳用って・・・。私は思わず笑ってしまった。
「また今度作ってきてよ。高橋の作るお菓子、もっと食べたいからさ」
62 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月23日(日)17時14分52秒
えっ、本当・・・?
「いいんですか・・・?」
「全然いいよ〜!じゃあ、楽しみにしてるよ!」
吉澤さんはそう言って、楽屋を出ていった。
・・・うわー、吉澤さんにほめられちゃった。
「料理上手だね」なんて。
これで少しは距離、縮まったかな?
この調子でがんばろう!
63 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月24日(月)14時28分32秒
―小川視点―

楽屋に入ると、なにやらテーブルの所にメンバーが集まっていた。
どうやら愛ちゃんがクッキーを作ってきて、すごくおいしいんだとか。
ためしに1つ食べてみると・・・、くやしいけど、おいしかった。
あたしは、作るより食べるだもんな〜。
ほとんどの人がそうかもしれないけど。
・・・そういえば、楽屋に吉澤さんの姿が見えない。
後藤さんに聞いてみると、「ん〜、ロビーとかにいたりして〜」と言われた。
あたしはすぐ、楽屋を出た。
64 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月24日(月)14時35分04秒

後藤さんに言われた通りロビーに行ってみると、吉澤さんがいた。
じーっと外を見ているみたい。
あたしは静かに走り寄った。
「吉澤さん・・・、何してるんですか?」
「およ?小川。珍しいね。どうかした?」
吉澤さんは振り返って、あたしを見た。
「いや、ロビーに来てみたら吉澤さんがいて・・・」
「そっか。別にすることもないから、外見てただけなんだけどね」
そう言って、吉澤さんは近くにあったイスに腰を降ろした。
65 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月24日(月)14時39分07秒
そして、向かいにあったイスを指差して、手招きしている。
座りなよ、ってことなのかな?
あたしは少し緊張しながらも、イスに座った。
「楽屋に行った?高橋が作ってきたクッキーたべた?」
「あ、はい・・・、食べました」
「すごくおいしかったよね〜!また作ってもらおうかな?」
吉澤さんはめっちゃ明るい顔で話していて、
あたしは、料理が出来ない自分を少し恨んだ。
でも、吉澤さんって、料理できない子のことって、どう思ってるのかな?
聞いてみよう。
66 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月24日(月)14時45分35秒
「吉澤さんは・・・、料理が出来ない女の子って。どう思います?」
「料理が出来ない女の子?う〜ん・・・」
聞いてみるのは怖かったけど、愛ちゃんに先を越されるのは嫌だから。
この質問に対する吉澤さんの答えが、
必ずしもあたしにとっていい方向に向かうという保障は無いけど。
「そうだな〜、料理は上手いに越したことないけど、人によって得意、不得意が
 あるから、別にいいと思うよ。あたしも料理できないしさ」
吉澤さんは苦笑いした。
「えっ、吉澤さんって料理できないんですか?」
「できないっていうか・・・、それなりのものは作れるけど、苦手だな」
あたしと同じなんだ・・・。
67 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月24日(月)14時50分39秒
「どっちかっていうと、食べる専門」
「あ、あたしもです!」
あたしと吉澤さんは顔を見合わせて笑った。
「なんか、小川とは似てるトコ多いね。料理苦手なんでしょ?」
「ど、どうしてわかるんですか?」
「あんな質問、料理得意な人はしないよ〜」
あ、そっか・・・。それはそうだ。
吉澤さんと似ているなんて、なんか嬉しいな〜。
「ま、大切なのは気持ちだからね。さ、行こうか」
「はい!」
あたしと吉澤さんは立ち上がって、楽屋へ戻った。
大切なのは気持ち、か・・・。その通りだなぁ。
68 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月24日(月)14時57分00秒
今、吉澤さんと話せて、すごく距離が縮まったような気がする。
よし、このまま頑張っていこう!

それからあたしと愛ちゃんは、それぞれの方法でアピールした。
そのうち他のメンバーにバレてきて、応援してくれるようになった。
・・・でも、当の本人である吉澤さんは気付いてないらしい。
愛ちゃんにその事を言うと、2人同時に告白してしまおう!とのこと。
どうせならその場で決着がついてほしいでしょ?って。
あたしは大賛成だった。
告白する日は、ストリングラフィーの収録の時。
そして、運命の日を迎えた。
69 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月25日(火)17時23分12秒
―吉澤視点―

なんか最近すごいなぁ、みんな。
年末のスケジュールも埋まってきたからかも。
特に燃えてるのは高橋と小川。
新メンバー、頑張ってるなぁ!
あたしも頑張らないと!
・・・それにしても、最近他のメンバーがあたしに、
「もうちょっと気の利いたこと言えないの?」とか、
「早く決めなよ〜」って言ってくる。
なんだろう?今回の曲についてかな?
気の利いた言葉っていっても、セリフは決められてるし・・・。
早く決めなよっていっても、いつも衣装は決められてるし・・・。
一体、何のことだろう?
70 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月25日(火)17時27分23秒

ストリングラフィーの収録の休憩の時、
2人があたしに話し掛けてきた。
私達の作ったストリングラフィーどうですか、とか、
今日の衣装すごく似合っていてかっこいいです!とか。
な〜んか、かわいいなぁ、2人とも。
3人で話していると、後ろから視線を感じた。
振り返ってみると、ごっちんがニヤニヤしながらこっちを見ていた。
・・・そうだ、ごっちんなら、今あたしが不思議に思ってることについて知ってるかもしれない。
ちょうど2人がスタッフに呼ばれたので、あたしはごっちんのところへ行った。
71 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月25日(火)17時44分36秒

「何だよ、ごっちん。何ニヤけてるんだよ〜」
「いやぁ?別に〜。ずいぶんと仲良さそうだなって思って」
ごっちんの顔はまだニヤけたままだ。
「そうかな?あの2人が話し掛けてくるんだよ。最近になってすごく増えた」
「そりゃ〜そうだよねぇ」
何がそりゃ〜そうなんだろ。気になる〜!
「あ、そうだ、ごっちんに聞きたいことがあったんだよ。なんかあの2人、妙に
 張り切ってない?燃えてるっていうか、すごいんだよ、熱気が」
あの2人は、仕事ですごく張り切っていて、
他のメンバーからもスタッフさんからもほめられている。
72 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月25日(火)17時49分15秒
するとごっちんは、あきれた顔をしてこう言った。
「まだ気付いてないの・・・?」
へ?どういうこっちゃ・・・?
「『まだ気付いてない』って、何に気付いてないのさ?」
ごっちんはさっきよりあきれた顔をした。
「よしこさ〜、気付くの遅すぎ〜。あの2人どう見たってよしこのこと好きじゃん」
・・・あたしを好き!?小川と高橋が!?
「そ、そうなのかな〜?」
「よしこ、鈍感すぎー」
鈍感ってったって、わかんないもんはわかんないよ〜!
でも、今までの2人の行動を思い出してみると、
あたしを好きっていうのもうなずける。
73 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月25日(火)17時54分49秒
「ま、こういうことがわかった以上、決めなきゃね〜」
再びごっちんの顔がニヤけた。
「え?何を?」
「どっちが好きかに決まってんじゃ〜ん。じゃ、頑張ってね〜」
そう言うとごっちんは去っていった。
どっちが好きか、か・・・。
でも、あたしは・・・。

ストリングラフィーの演奏も大成功に終わり、あたしはいい気分だった。
また演奏してみたいな〜!
するとそこに、2人がやってきた。
「あの、吉澤さん、話したいことがあるんですけど・・・」
「今、大丈夫ですか・・・?」
大体察しはついた。きっと告白だろう。
74 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月25日(火)18時02分06秒
「うん、大丈夫だよ、話してごらん」
2人を見ると、すごく緊張してるみたい。
あたしも顔には出さなかったけど、すごく緊張してた。
「えっと、いいですか、言っても」
「どうぞ」
2人は向かい合って目を合わせてから、あたしを見た。

「「吉澤さん、好きです!」」

2人はそう言って頭を深く下げ、右手を出した。
好きな人の手を握れという意味だろう。
あたしの答えは決まっていたから・・・。

手を、握った。
75 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月26日(水)15時36分32秒
「「え・・・、わたしでいいんですか・・・?ってあれ?」」

2人は顔を見合わせた。
それもそのはず、あたしは2人の手を握っていたから。
「吉澤さん・・・、どういうことですか・・・?」
「からかってるんですか・・・?」
2人は少し涙目になってあたしを見た。
「いや、からかってなんかいないよ。ただ・・・、自分の気持ちを伝えただけだよ」
「でも・・・」
「2人の気持ちを受け取ったから、両方の手を握ったんだ」
自分でもこんなことをしていいのか!って思った。
からかっているようにしか見えないって思ったけど・・・。
「あたしはまだ、2人のことよく知らないから、どっちが好きかなんて決められないよ」
「そうですか・・・」
76 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月26日(水)15時42分53秒
「でも・・・、あたし、2人のこともっと知りたい。もっと知ってからじゃ、
 答えを出すのは遅すぎるかな・・・?」
あたしは今の自分の気持ちを正直に打ち明けた。
納得いかないと思うけど・・・。
このことを、伝えたかったから。
あたしは2人を嫌いなわけじゃないんだって。
すると、俯いていた小川が、顔をあげた。
「それでも、いいです。いつか吉澤さんが答えを出してくれるまで、
 ずっとあたしは好きでい続けます」
「私も・・・、ずっと好きでいます」
2人は笑顔で答えた。
77 名前:2つの片想い 投稿日:2001年12月26日(水)15時45分30秒
「ありがとう・・・」
あたしはそう言って、2人を腕の中に引き込んだ。
2人はすごく照れていたみたいだったけど、
あたしはかまわず、強く、強く抱きしめた。

2つの幼い想いは
いつか大人になって
きっと報われるでしょう
その日が来るまで
大切に想い続けて・・・


おわり
78 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月26日(水)15時48分25秒
「2つの片想い」終わりです。
こんな終わり方は反則かもしれませんね。(w
毎日更新、慣れないことはするものではないですね。(ニガワラ

次はまきまり、タイトルはまだ未定ですが、
明日から始めます。
79 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月26日(水)15時54分47秒
それと、お知らせです。

私、吉胡麻系は次のまきまりを持って、
小説を書くのを一時休止します。
理由は受験です。
高校が決まれば復活しますが・・・。
この前リクをいただいたやぐよし、かおよし、ののよし、いしごまについては、
復帰次第、全て書きます。
それではあと少し、よろしくお願いします。
80 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月26日(水)20時04分57秒
専願なら2ヶ月弱、併願なら3が月弱の休止か・・・寂しいです
受験頑張れ!

81 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月26日(水)20時22分12秒
中学生でこれだけ書ければ立派なんじゃないか?
受験頑張ってね。
82 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月26日(水)23時59分05秒
お疲れ様です!
いやぁー、よしたかおがよかったっす。
何がよかったって、二人の純粋な気持ちと吉澤の優しさ!
よっすぃー惚れまっせ・・・。(w

受験前なのにまだ書いてて大丈夫っすか?
小説は高校行ってからでも書けるし、受かったらまた書いて下さいね!(w
良い知らせを期待してます!受験がんがれ!
まきまりもがんがってください!
83 名前:理科。 投稿日:2001年12月27日(木)05時30分42秒

えぇ!?中学生ですか?凄い…。
受験なのに、更新お疲れサマです。
応援しますよ!頑張ってください!
84 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月27日(木)17時06分25秒
>80さん
私は併願で受けるので・・・。
だから、多分3月の下旬くらいになるかもしれません。

>81さん
立派ですか?いやぁ〜、ありがとうございます!
でも、まだまだ修行して上を目指します!

>闇の住人さん
ちょっと鈍感よっすぃ〜を書いてみたくて。
結局ごっちんとのシーンでしか書けなかった。(ニガワラ
いい知らせをお伝えできるように頑張ります!

>理科。さん
応援してくれるんですか?ありがとうございます!励みになります!
でも、中学生の私より、理科。さんの方がすごいと思います。

次はまきまり、タイトルは「無邪気な君」です。
85 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月27日(木)17時13分21秒
「やっぱり、かっこいいねー」
なっちと一緒に、ごっちんのリハを見ていたときのこと。
「溢れちゃう...BE IN LOVE」のダンスをこなす
ごっちんを見てなっちが言った。
確かに、かなりかっこいい。
ごっちんはスタイルいいし、娘。の中でも身長高い方だし。
だから、へそ出しのセクシーな衣装がビシッと決まる。
オイラも、そんなごっちんにちょっと憧れる。
歌を歌っている時だけは・・・。
86 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月27日(木)17時21分39秒
いつだったかな?ごっちんがオイラに対して
態度を変えてるのに気付いたのは。
いや、変えてるんじゃなくて、それは無意識だと思うけども。
なんちゅーか、他のメンバーの前では結構クールに決めてるのに、
オイラの前ではまるで仔猫のようにじゃれてくる。
「やぐっつぁん、だっこしてー」とかって。
普通、逆だろ!とか思いつつ。
なんかオイラだけ特別な目で見てくれているというか、
オイラの前だけでそういうごっちんを見れるみたいで、うれしかった。
歌ではオイラとは違うセクシーさで決めるごっちん。
オイラの前では甘えまくるごっちん。
いつしかオイラは、そんなごっちんに惹かれていった。
87 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月27日(木)18時13分36秒
いつの間にか、まきまりが始まってる!
リクに応えてくれて、ありがとう♪
88 名前:lou 投稿日:2001年12月27日(木)19時31分24秒
もう隠す事もないですね。いつもどうもです。

やぐごまですか。
吉澤さん絡まないカップリングでは一番好きなんですよ。
出だしから、期待大ですね。

受験控えて大変だと思いますが、頑張ってくださいね〜。
89 名前:ぷっぷー 投稿日:2001年12月29日(土)06時08分48秒
いつのまにか先輩に楽屋でまざっている紺野に(w

まだ中学生だったんですか。今高校生で次は大学受験と思ってました。
正直びっくりしたよ。君すごい!!!!!
あまり無理せずに勉強がんばってね。それと風邪をひいても試験日は薬を飲まない
ように!!基本ですね。自分は大学受験の時、風邪をひいて酷い目にあいました。
風邪薬を親に飲まされて、試験中もうウトウト。そこの大学落ちました(w
まあそれは別として、吉胡麻系さんはこんだけ文章かけるんだから、
なんでもやれば出来るハズ。きっと志望校合格しますよ。
しんどいだろうけどホントにがんばって下さい。
復帰心待ちにしているよ!
90 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月29日(土)18時21分01秒
ある日、オイラは珍しく早く楽屋に入った。
「おはよーっ!・・・ってごっちんだけかよ」
「なんだよそれぇ!ごとーがいて悪いのかよー!」
「そんな意味じゃないって〜」
まったく。すぐふくれるんだからごっちんは。
オイラが一言余計なのかもしれないけどさ。
「ねー、やぐっつぁんコレ見てよ。かわいくな〜い?」
「どれどれ?おぉ、結構かわいーじゃん」
「でしょー?やぐっつぁんならそう言ってくれると思ったー」
「ごっちんとは小物系の趣味って合うからねー」
91 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月29日(土)18時24分26秒
そう、ごっちんとは結構趣味が合う。
お互いにギャル願望があったからかもしれない。
だから時々、一緒に買い物に行ったりする。
めちゃめちゃ買って、持ちきれないくらいになるのがオチだけど。
「また買い物行こーねー」
「そうだね、ヒマがあったら行こう」
やったあ!とごっちんはガッツポーズをした。
なんか子供みたいでかわいいなー。
すると突然、はしゃいでいたごっちんがオイラをじーっと見つめた。
92 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月29日(土)18時28分54秒
「どうした、ごっちん。オイラの顔に何かついてる?」
「いやー、なんかやぐっつぁんのくち、ぷにぷにしてそーだなーって」
おわっ!ど、どこ見てんだよ、ごっちん!
「ねー、やぐっつぁん、ちゅーしてー」
「なっ!!ご、ごっちん、そういうのは簡単に言うもんじゃないでしょー!」
だってキスしろってことでしょ?
ほっぺたとかそういうトコならわかるけど、
さっきの流れからくれば絶対くちびるだもん。
オイラの心の準備が・・・。
「んじゃあ、簡単に言うんじゃなくって、難しく言えばいいの?
 やぐっつぁん、接吻してー」
「そーいう意味じゃなくって・・・」
93 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月29日(土)18時32分50秒
普通、そういう意味にとるか?
まぁ、ごっちんは普通じゃないか・・・。
「ごとー、やぐっつぁんがちゅーしてくれなかったらしげるを誘拐するよ」
「しっ、しげるを?」
そこまでしてキスしてもらいたいのか!?
「ごとー、目閉じるねー」
その言葉にびっくりしてごっちんを見ると、やはり目を閉じてた。
うわー、どうすればいいんだよっ!めっちゃアセる!
目を閉じたごっちん、かなりかわいいし・・・。
オイラの正直な気持ちとしては・・・、キス、したい。
94 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月29日(土)18時35分21秒
「早く〜!」
ごっちんが、急かす。
でも、心の準備が・・・。
ええい!心の準備なんてどうでもいいや!
自分の素直な気持ちに従おう!
「ごっちん、・・・するよ?」
「あはっ、どーぞー」
意を決して、ゆっくりと顔に近づく。
心臓がめっちゃ鳴ってる。
そして、オイラも目を閉じた。

唇が、重なった。

95 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月29日(土)18時39分02秒

2、3秒ぐらい経ってからあわてて唇を離した。
「も〜、やぐっつぁん、すぐ離さないでよ〜!」
ごっちんがスネたように言う。
「だってさ・・・」
恥ずかしいっちゅーねん!
「ま、いっか。ちゅーしてもらえたし。やっぱりやぐっつぁんのくち、
 ぷにぷにだったー」
「ばっ・・・!恥ずかしいこと言うなっ!」
「あはっ、真っ赤になっちゃってー。か〜わいい♪」
ごっちんはオイラをからかうだけからかって楽屋を出ていった。
96 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月29日(土)18時57分28秒
オイラはまだ恥ずかしくて、ずっとテーブルに突っ伏していた。
そのために、あとから来たメンバーに心配されてしまった。
なっちに「大丈夫?」って言われた時、
楽屋に戻ってきたごっちんを横目で見ると、
こっちを見て笑ってた。
くっそ〜!からかいやがってー!
・・・まぁ、そういうトコがかわいいんだけどね。
97 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月29日(土)19時07分00秒
90〜96 更新です。
やぐっちゃん、押されまくり。(w

>Charmy Blueさん
はい!まきまりにしました!期待に答えられればいいんですけど・・・。
Charmyさんのまきまりと被ってしまったらすいません!

>louさん
いや〜、そんなに期待すると、拍子抜けしてしまうかもしれません。(w
はい、受験勉強がんばります!

>ぷっぷーさん
私は中学生ですよ〜。よく間違われるんですよね〜。(w
こう言ってもらえるとすごく励みになります!
復帰、早くできるように頑張ります!
98 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月30日(日)18時48分00秒
数日後。オイラはいつも通り楽屋に入った。
すると突然、中にいたいしよしコンビが話し掛けてきた。
「矢口さん!すごいことしますねー!かっけー!」
「さっすが矢口さん!大胆なコトしますね!よっ、にくいねっ、このっ!」
はぁ?この2人はなんのことを言ってるんだ?
オイラ、そんなすごいことしたっけかな?
・・・っていうか石川、その表現古いんだけど・・・。
「矢口さん、見ますか?」
「あ、うん・・・」
オイラはよっすぃ〜にある週刊誌を渡された。
99 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月30日(日)18時55分53秒
あ、これって週ごとにメンバーが写真載せてるヤツじゃん。
今週はけいちゃんと・・・あ、オイラか。
よく撮れてんじゃん。ちょっとオイラ、カメラマンになれるんじゃないのって!
このよっすぃ〜とかかなりかっけ〜し!・・・って
あれっ!?なんでごっちんとのキスシーンの写真が!?
「矢口さん、どうやって撮ったんですか〜?教えて下さいよ」
いや、教えてって言われても、オイラ撮った覚えないし・・・。
「ひとみちゃん、教えてもらってどうするの?」
「・・・梨華ちゃんとのキスシーンを撮る!!」
「もぅ・・・ヤダぁ、ひとみちゃんたらはあとはあと
2人はニヤけながら見つめあっている。
このバカップルがっ!!あっついっちゅーねん!
100 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月30日(日)19時14分59秒
しかも石川、アンタたこみたいなくちして、よっすぃ〜にキスしようとしてる
写真撮ったことあるんだから方法ぐらいわかるだろっ!
・・・それにしても一体、誰が撮ったんだ?
「おはよー」
その時、楽屋のドアが開いて、ごっちんが入ってきた。
知ってるのはコイツしかいない!
「ごっちん、話があるっ!」
「え〜、何〜?」
「いいからっ!」
「あ、はーい」
オイラは週刊誌を片手に、ごっちんを引っ張って楽屋を出た。
そして、ひとけのない場所まで走った。
101 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月31日(月)14時12分46秒
「ねー、やぐっつぁん、話って何ー?」
「これ」
オイラは雑誌を開いて、例の写真を指差した。
「おおっ、よく撮れてるねー」
「なんで雑誌に載ってるのさっ!オイラ、撮った覚えないよっ!」
「あー、この前ちゅーした時、ごとーがカシャって」
「写真撮ったの!?」
「デジカメだったから、本当はポチッとだけどねー」
ごっちんはあっけらかんとして話す。
そういう問題じゃないだろ〜!
102 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月31日(月)14時18分08秒
「ダメだった?」
「いや、ダメっていうか・・・」
ダメっていうかさ・・・、写真撮ったとしても、載せないでしょ・・・。
「だってさ、やぐっつぁんと仲いいんですよーって、みんなに伝えたかったから」
オイラが半ばあきれ顔でいると、
ごっちんが半分ふくれ顔で、半分真剣な顔で言った。
え・・・、それって・・・。
「ごとーは、やぐっつぁんのこと、好きだから」

お、オイラを、ごっちんが好き・・・?
「ずーっとさ、やぐっつぁんのこと好きだったのにさ、全然気付いてくれなくってさ」
「ごっちん・・・」
ごっちんは、悲しそうな顔をしている。
103 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月31日(月)14時23分02秒
「でも、やぐっつぁんが他の人のこと好きだったらごとー、悪い事しちゃったね。
 ちゅーした上に、写真まで載っちゃって・・・」
ごっちんはすごく申し訳なさそうな顔をしている。
・・・そんな顔しないでよ、ごっちん。
オイラは、息を大きく吸い込んだ。

「ごっちん、そんなことないよ」
「え・・・?」
「オイラ、ごっちんのこと、好きだよ」
104 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月31日(月)14時31分09秒
―――

「ねぇ、矢口、ごっちん機嫌良くない?何かあったの?」
「え、お、オイラ知らないよ〜」
あの後楽屋に戻って出番待ちをしているときに、なっちに言われた。
「あ、そうそう、なっちも写真見たよー?すごいねぇ!」
そんなに驚かれても・・・。
その時、後ろに気配を感じた。
振り返るヒマもなく、抱きしめられた。
「どわっ!きゅ、急に抱きつくなぁ〜っ!」
「いーじゃん、別に〜♪」
びっくりしたじゃんかよ、ごっちん!心臓止まるかと思ったよ!
・・・でも、ちょっと、うれしいかな。
105 名前:無邪気な君 投稿日:2001年12月31日(月)14時34分18秒


君はきっとどんどん大人になって
どんどん成長していくと思うけど
少なくともオイラの前では
子供のような笑顔を見せて欲しい
無邪気な君でいて欲しい


おわり
106 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月31日(月)14時39分38秒
「無邪気な君」終わりです。(101〜105更新)
なんかダラダラと書いてしまった・・・。反省。

前にも言ったように、まきまりの更新が終了したので、
私は今日でいったん小説を書くのを止めます。
来年の春、笑顔でここに戻ってくることができるように頑張ります!
レス下さった方々、本当にありがとうございました!
それでは、よいお年を! 吉胡麻系
107 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月31日(月)15時52分59秒
まきまり好きになったかも・・・
受験頑張って下さい
また春に会えるのを楽しみに待っています。
108 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月04日(金)18時43分08秒
こちらへははじめましてです。
お名前だけは某所で拝見しておりました。
いろんな短編集を楽しく読ませていただきました。
どの話しも、よ〜く娘。達を見ていて書かれているなぁ、と感心しております。
タンポポの新曲や“例の雑誌の写真”などは、これをネタに誰か書いてないかなぁ、
と捜していたので、ここを拝見できてとても嬉しいです。

受験のため“休筆宣言”されていますが、
また事情が許しましたら楽しい話を書いて下さい。
(作者さんの最終レス後なのが残念です。)
109 名前:大寒の日 投稿日:2002年01月19日(土)16時45分41秒
ねぇ、寒いね〜。

うん、本当に寒いね。

知ってる?今日って大寒なんだよ。

大寒?何それ。

なんか、寒い日が始まる最初の日なの。

寒い日が始まる日か〜。やっぱり、関係してるのかな?寒いってこと。

ちょっとひとみちゃん!ど〜いう意味よ〜!

あははっ、じょ〜だんだって。・・・それにしても寒いね。息が真っ白だよ。

ホント・・・。天気予報でも冷え込むって言ってたし。

マジ!?
110 名前:大寒の日 投稿日:2002年01月19日(土)16時48分19秒
あ〜あ、折角の誕生日なのに、寒いなんてやだよぅ・・・。

そうかな?あたしはその方がいいけどね。

どうして?

あっためがいがあるじゃん。な〜んてね。

もぅ!ひとみちゃんってば!



その時わかったの
私たちにとって寒い日っていうのは 
暖かい日なんだってこと
今年も来年もこれからもずーっと
私を暖めてね?ひとみちゃん


Happy Birthday Rika ishikawa!
111 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年01月19日(土)16時55分24秒
どうも、ヒサブリです、吉胡麻系です。
今日は梨華ちゃんの誕生日ということで、書いてみました。
即興で作ったのでつまらないとは思いますが・・・。
まぁ、ちゃんとしたものは復帰してからとういうことで。
ちゃんと用意してますから。(w

>107さん
好きになりました?
私も、この小説がきっかけとなって前より好きになったりしました。(w

>M.ANZAIさん
どうも、こちらではお初です。
喜んでいただけましたでしょうか?
書いて欲しいCPがありましたらなんなりと。復帰したらですが。(w

それでは!
112 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
113 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
114 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月24日(木)18時26分33秒
なるほど、だから“寒い”のかぁ〜(w
石川さんの誕生日記念を書かれていたんですね。
ふわっとした感じの2人が微笑ましいです。

>書いて欲しいCPがありましたらなんなりと。
お言葉に甘えて。
かごごまっていうのはありますでしょうか?
115 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年02月28日(木)18時34分20秒
どうも、お久しぶりです、吉胡麻系です!
報告が遅れましたが、私、高校内定しました!
小説の方は、明日あたりから始めようと思っています。
これからもよろしくお願いします!
116 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月28日(木)22時33分52秒
高校内定おめでとうございます。
新作楽しみにしています。
できれば、よっすぃ〜がらみだとうれしいなぁ。
とにかく祝復帰!!

117 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年02月28日(木)23時17分24秒
祝♪高校内定、そして復帰おめでとうございます。
これからも楽しい作品を期待しております。
118 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月01日(金)15時31分45秒
>116さん
ありがとうございます!
復帰1作目はよしののにします!

>M.ANZAIさん
ありがとうございます!
予想より早く復帰できたのでよかったです!

ってことで復帰1作目はよしのの、
タイトルは「空からのメッセージ」です。
119 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月01日(金)15時35分42秒
「・・・のの、準備はできた?」
「だいじょうぶだよ!」
「よしっ、行くぞ!しゅっぱーつ!」



今、あたしたちは地方公演のために地方へ来ている。
東京から北へ、北へと進むにつれて
にぎやかな町並みや、忙しそうに歩く人々は消えていった。
そのかわりに、森や、山や、湖などのいろんな自然が増えてきて。
120 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月01日(金)15時39分10秒
だいぶ北へ来てからだっただろうか。
窓際でうたたねをしていたあたしは目を覚ました。
その瞬間、真っ白な世界があたしの目の中に飛び込んできた。
それはまるで、今までの記憶をすべてリセットするような感じで。

圧倒的だった。
自然というものは、こんなにすごいものなのかって。

121 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月01日(金)15時41分12秒

マネージャーさんから半日だけオフがあるって言われたとき、
あたしは瞬間的に、移動中に見たあの世界を思い出した。


あの真っ白な世界に飛び込んで行きたい


122 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月01日(金)15時44分28秒
他のメンバーは買い物とか、寝るとか言ってたけど、
そんな東京でもできる事は、したくなかった。
でも、それは普通かもしれない。
逆に、こんなことを考えているあたしは、どうかしてるのかもしれない。
簡単に言えば、「雪で遊ぶこと」なんだから。

けど、メンバーに何と言われようと、かまわない。
あたしはあの世界に入っていきたいんだ。
123 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月01日(金)15時50分47秒
あたしがどうやって行こうかと考えていると、
ののが俯きながら近づいてきた。

「お、のの、どうしたんだー?」
あたしが優しく声を掛けると、ののは顔を上げた。
「・・・よっすぃ〜、のののおねがい、きいてくれる?」
ののがいやに深刻そうな表情をしていたので、
あたしはちょっと不安になった。
すごく重要な悩みとかだったら、あたしじゃ解決できないかもしれないし・・・。
それでも、あたしは笑顔で言った。
「まぁ、まず言ってみなよ」
ののは決心した顔でこう言った。

「・・・あのね、よっすぃ〜。のの、ゆきであそびたい」

124 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月01日(金)15時54分49秒
あたしは正直、信じられなかった。
まさかあたしと同じ事を考えているなんて・・・。
ちょっとびっくりしたけど、すごくうれしかった。
1人で行くのもアレだなって思ってたし。
心配そうに見つめているののに、あたしは笑顔でこう言った。

「よ〜し、じゃあ2人だけで行こうか?みんなには内緒で!」
「うん!」
ののはとびっきりの笑顔を見せた。
125 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月01日(金)15時57分59秒
119〜124 更新です。
これからよしののの冒険が始まります。
冒険ってほどじゃありませんけどね。(w

ちなみにこの話は冬の話です。
もうすぐ春なのにこんな話で申し訳ないです。(ニガワラ
126 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月01日(金)19時53分10秒
新作、始まりましたね。
これからよっすぃーとののの行く手に何が待っているのか、
ワクワクしながらお待ちしてます。
127 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時09分53秒
「うわっ、ガラガラ!」
「でんしゅって、こんなにひろかったっけ〜?」

ところ変わって、ここは電車の中。
遠くに行った方がいい雪があるんじゃないかって思って電車を使う事にした。
1時間に1本あるかないかぐらいの電車は、
車両にうちら2人を合わせても5人ぐらいしか乗っていなかった。
東京じゃ考えられない光景だ。
128 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時14分05秒
適当な場所を見つけて、並んで座った。
他の人から見れば姉妹、もしくは親子に見えたかもしれない。
だってののが、後ろを振り返って外を見ていたから。
ホント、子供みたいだなー。

「よっすぃ、よっすぃ〜!すごいきれいだよ〜!」
ののがはしゃぎながらあたしを呼ぶ。
そんなに大声出すなよ!と思いながら振り返ると、
それはまさに「真っ白な世界」だった。
移動中に見た景色よりも、ずっとキレイだった。
129 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時18分07秒
「ねぇ、よっすぃ〜、ののはやくあそびたいよー。つぎでおりようよー」
ののがだだをこねるように足をばたばたさせる。
「ったく、しょうがないなー。じゃあ、準備しときなよ」
「やったー!」


うちら2人は、ののの希望通り次の駅で降りた。
うちら以外に降りる人はなく、あるのは券売機とベンチ。
どうやらここは、無人駅のようだ。
念のため、時刻表をチェックしておく。
もう電車が無い!なんてことになったら大変だからね。

130 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時24分51秒
改めて、周りを見回してみる。
本当になにもなくて、昼過ぎだというのに静かだ。
山も、畑も白一色に染まり、一体化している。
雪こそ降っていなかったけど、空気はとても澄んでいて、
冷えた空気が、あたしの頭の中にストレートに入ってくる。
あたしは何度か、深呼吸をした。

「ねぇ、よっすぃ〜、どこであそぶんだよぅ」
「あ〜・・・、どうしよっか〜」
そうだ、肝心な事を忘れていた。遊ぶ場所だ。
「そこらへんであそんじゃだめかなぁ?」
「う〜ん・・・」
別に遊んじゃってもいいと思うけど、
バレちゃったらなぁ〜・・・。
131 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時29分10秒
ここらへんに土地を持ってる人に「遊ばせてください」なんて言うのも嫌だし、
第一、近くに民家がない。
駅の周りには、本当になにもない。
ここだけ違う世界みたいになっていた。
・・・でも、民家がないってことは、誰も見てないってこと・・・だよね?
よし、決めた!

「のの、ここで遊ぼう!すぐ近くにあるあの広い場所で!」
あたしは笑顔で、その場所を指差した。
さっき周りを見回した時に見つけた場所だった。
132 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時32分43秒
「よっすぃ〜・・・、いいのかな?」
「・・・大丈夫だって!雪が積もっちゃえばわかんなくなるよ!」
ののは少し複雑そうな顔をしていたけど、
すぐに笑顔になって、
「じゃあ、いこう!いこうよっすぃ〜!」
あたしの手をしっかり握って、駆け出していた。

そして駅のプラットホームから、真っ白な世界へと飛び込んだ。

133 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時35分55秒


それからうちらは、その広い場所で思う存分遊んだ。
雪だるまを作ったり・・・。少し傾いてしまったけど。
雪合戦をしたり・・・。2人だけだったけど。
とにかくたくさん遊んだ。
これでもか!というくらい、はしゃいで、走り回って。
最初は2人だけ、なんて寂しいなと思っていたけど、
全然余裕で楽しかった。
むしろ、2人だけの方が楽しいと感じたほどだった。

134 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時40分02秒
疲れ果てたうちらは、雪の上にあおむけになって倒れた。
空は晴れていて、少し雲がある。
自分のはく息がとても白くて、雲のように見えた。
本当の雲は、空をゆっくりゆっくり泳いでいる。
まるで自分には、時間なんて関係ないかのように。


・・・ふと、思った。
空って、こんなに大きくて、キレイだったっけ・・・。

135 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時43分33秒
高くそびえたつビルの間から見える東京の空は、
よどんでいて、すごく狭く感じた。
あたしの実家から見る空だって、
こんなにキレイで、雄大だった記憶はない。
第一、ゆっくり空を見るなんて機会はなかった。
そんなヒマがないほど、仕事や時間に追われ・・・。
いつしか、自分に余裕がなくなっていた。

136 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月02日(土)15時46分35秒
でも、この大きな空は、そんなあたしを優しく包み込んでくれている。
勇気づけてくれている。元気を与えてくれている。
そんな気がした。

隣にいるののはどうしているだろう?
そう思ってのののいる方を向くと、目が合ってしまった。
なんだか照れくさくなって笑ってしまった。
ののもそんなあたしにつられて、にひゃあっと笑った。


その時だった。



137 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月02日(土)15時55分30秒
127〜136 更新です。
さて、これから何が起こるんでしょう?

>M.ANZAIさん
この話は、私の実体験を元にして書いてるんですよ。
実際にこんな遠くまで行ってないですけど。(w
私が雪国に住んでいるんで、
あまり雪の降らない所に住んでいる人に読んでもらいたいな、と
思って書いたんですよ。実は。(w
138 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月03日(日)03時04分40秒
雪国で見る雪は優しく包み込んでくれる、と思うのは
たまにしかそこを訪れない者の勝手な思いでしょうか?

よっすぃーとののがそこで感じたものはなんとも包みきれないほど
大きな安らぎを与えてくれるもののような気がします。
139 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月03日(日)10時40分18秒
あたしの顔に、ひらひらと白いものが舞い降りてきた。

「あっ!ゆきだー!」

あたしよりも速く立ち上がったののは、
そこらじゅうを走り回って飛び跳ねた。
そんなののを見てあたしは、思わず笑ってしまった。
「よっすぃ〜!すごいー!すごいきれいー!」
「ホント、すごいキレイだ!」
雲の合間から少し見える太陽の光が、
舞い降りてくる雪をライトアップさせる。
キラキラ光って、まるで宝石みたい。
140 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月03日(日)10時45分10秒
上にかざしていたあたしの手に、雪がゆっくりと舞い降りる。
手に降りては溶け、降りては溶けのくりかえし。
決して一定のリズムでない動きが、あたしを楽しくさせた。

「ねぇ、よっすぃ〜、ゆきってたべれるの?」
ののがふわふわの雪を手に乗せて尋ねる。
「ははっ、ののは食べ物ばっかだねー」
「だって、ふわふわでわたあめみたいだよ?」
「そうだね・・・、わたあめみたいだ」

いつのまにか、さっきまで降っていた雪の形は大きくなり、
空も、うちらも、不思議な世界に包まれた。
141 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月03日(日)10時49分32秒
と、その時、不意に思い出した。

「のの、知ってる?雪ってさ、空からのメッセージなんだってさ」
「そらからの・・・、めっせーじ?」
「うん。こんなにたくさん降って・・・、空は何を伝えようとしてるのかな?」
「ん〜・・・、なんだろう?」
ののは首をかしげて、一生懸命考えている。

「じゃあ・・・、空の向こうには、何があると思う?」
「う〜ん・・・。そうだ!おっきいわたあめ!」
「ま〜た食べ物?」
「へへっ」
おっきいわたあめって・・・。ののらしいっていえばののらしい。
142 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月03日(日)10時53分56秒
「他にはどう思う?」
「そうだなぁ・・・。・・・みんなが、しあわせにくらせるところかなぁ。
 じかんなんてものはなくって、じゆうにくらせる、そんなところ」
「そっかぁ・・・」

あたしも、ののと同じ事を考えていた。
空はどんなことだって、可能にしてしまう気がしたから。
むしろ、そうであって欲しいから。

「じゃあきっとそれが、空がののに伝えたい事なんじゃないかな?」
「そうかもしれない!」
あたしとののは顔を見合わせて笑った。
そして、手をつないで空を見上げた。
143 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月03日(日)10時59分09秒
雪は、一向に止む気配を見せない。
いつしか降るスピードが遅くなり、全てがスローモーションに見えた。

当たり前のように降ってくる雪は、
まるで、うちらを迎えてくれているみたいで・・・。
ずっと空を見上げていたら、
そらに吸い込まれるような、そんな気がした。

手に感触を感じ、ビックリして下を向いた。
そこには、心配そうな顔をしたののがいた。
「びっくりしたよ、のの。『よっすぃ〜』っていくらよんでも、うえむいたままなんだもん」
「あっは・・・。ゴメンね」
そんなにあたしは、空を見ていたのか・・・。
144 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月03日(日)11時07分24秒
139〜143 更新です。
明日で完結します。

>M.ANZAIさん
いつもレスありがとうございます!
自然の力は偉大ですからね。
すべてを優しく包み込んでくれているような気がします。

えっと、次なんですけども、まだ決めてません。
やぐよし、よしかお、いしごま、かごごまのどれかです。
145 名前:puppu 投稿日:2002年03月04日(月)03時05分35秒
毎日の更新おつかれさまです。

辻と吉澤って考えてみると二つしか年違わないんだよね。
当たり前のように甘えるというかよっすぃーに頼っている
ののがすごくかわいい。よっすぃーのたまに見せる子供っぽい
表情や発言もまたかわいいですね。
146 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月04日(月)17時13分11秒
「ねぇ、よっすぃ〜、のの、そらにすいこまれそうになった」
「えっ、ののも?あたしも、そんな感じがしたんだ」
不思議な事もあるものだ。
2人とも同じ体験をするなんて。

「あぁ!そっかぁ!」
ののが突然、大声を出してあたしの方を見た。
「何、どうした?」
「あのね、ののおもうんだけど、おそらはののとよっすぃ〜をむかえてくれてるんだよ。
 ようこそー、よくきたねーって」
ののは目を輝かせて話す。
「そっか・・・、空がうちらを・・・」
あたしも、そんな気がしてた。
何か柔らかいものに、包まれた感じがしてたから・・・。
147 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月04日(月)17時19分17秒
時計を見ると、だいぶ時間が過ぎてしまっていた。
「のの・・・、もう帰らなくっちゃ」
「え〜・・・」
ののが、がっくりと肩を落とす。
あたしだって、まだここにいたい。
だけど、仕方ないんだ。みんなが待ってる。
「じゃあ・・・、またこようね、よっすぃ〜」
「そうだね・・・、また2人で来ようね」
「だったらそれまでに、おそらにおへんじかかないと!」
「ははっ・・・、そうだね」
「ゆびきりげんまん!」
ののは笑顔で小指を出す。
あたしも笑顔で小指を出す。

白い世界の中で、またこの世界に来るという約束を交わした。
148 名前:空からのメッセージ 投稿日:2002年03月04日(月)17時23分37秒
自然は偉大だ
人間が知らない事をたくさん知ってる

空よ
うちらが望む世界は
空の彼方にあるんでしょうか
もし あるならば
うちらは そこへ行けるんでしょうか

「よっすぃ〜、どうしたの、うえむいて」
「へへっ、お返事考えてたんだ」
「ずるい!ののも!」

おっきいわたあめはありますか?

「食べ物のことかな?」
「さ〜て、どっかな〜?」

うちらは笑いながら、いびつな雪だるまに手を振った。


おわり
149 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月04日(月)17時30分51秒
「空からのメッセージ」完結です。(146〜148)
2人は、いろんなことを学んだんじゃないでしょうかね?

>puppuさん
そうですね、2つしか違わないんですね。
この2人って、見てるとすごく和みます。(w
puppuさんも更新頑張って下さい!

次作なんですけども、ちょっとスランプ気味でして・・・。(ニガワラ
いしよしの長編みたいのと平行して書いてるんで、
ちょっと時間がかかるかもしれないです。申し訳ないです!
いしよしの方は名無しでやるんで、見つけてください。(w
150 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月06日(水)00時38分43秒
よしのの、やわらかい雰囲気いいですね。
オォ、いしよしの長編も期待してますよぉ。
こちらはのんびりお待ちしております。
151 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月06日(水)16時27分18秒
>150さん
ありがとうございます!
2人の独特な雰囲気が伝わればいいなぁと思ってましたので。
いしよしの方は、もう少し書いてから始めようと思ってます。

普通にスランプを脱出しました。(w
2つ書き上げたのですが、まずよしかおの方から。
タイトルは「163cm>168cm」です。
152 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月06日(水)16時33分41秒
「吉澤、背伸びたねー」
「あ、はい。まぁ、それなりに・・・」

楽屋で並んで着替えていると、飯田さんが話し掛けてきた。
楽屋にはあたしたち2人しかいなくて、声が響いた。
「肩の位置とか、だいぶ揃ってきちゃったしね」
「そんなことないですよー」
「そんなことあるって」
飯田さんは自分の手を止めて、あたしの肩に自分の肩を合わせる。
「ホラね」
あたしの肩と飯田さんの肩の高さは、ほぼ同じくらいになっていた。
153 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月06日(水)16時37分15秒

確かに、この約2年間の間で、だいぶ背が伸びた。
矢口さんとかもさらに小さく見えるようになったし。
あ・・・、これは余計か。
だけど、伸びたには伸びたけど、
飯田さんには、まだ届かない。
身長も・・・、自分の気持ちも。

初めて会った時は、はっきり言って・・・、恐かった。
学校の先輩にだってあたしより大きい人はいたけど、
飯田さんは違った。
なんか違う空気を、感じたんだ。
154 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月06日(水)16時42分08秒
だけど、あたしってば負けず嫌いだから、
逆にそういう印象が、あたしを燃え上がらせたのかもしれない。
「この人には絶対負けない」って。
今思えば、なんでそんなライバル心を持ってたんだって思うけど。

それでも、飯田さんに対する恐怖心ってのはあった。
でも、アホみたいな演技をしたり、
会話を交わすたびにだんだん薄れてきて。
いつしか飯田さんに対するライバル心は、
飯田さんに対する・・・、愛情に変わっていた。
155 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月06日(水)19時44分10秒
「吉澤は・・・、あとどれぐらい伸びるかな?」
「さぁ・・・、どこまで伸びるんでしょう?」
「170cmぐらいになったらおもしろいね」
いや、おもしろいとかそんなんじゃなくって。
「そこまでは・・・、厳しいんじゃないですかね」
「大丈夫」
飯田さんは真剣なまなざしであたしを見つめる。
ってか、大丈夫とかそういう問題じゃなくって。

「もし、170cmになったら、飯田さんを抜いちゃいますよ?」
今、飯田さんは168cm。
もし170cmまで伸びたら、あたしが2cm大きくなる。
156 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月06日(水)19時47分57秒
「えー、それもいいじゃん」
「どうしてですか?」
あたしは不思議に思った。
飯田さんははじめからいるメンバーで、
その頃からずっと1番背が高い。
だから、簡単に抜かれるのは嫌かなって思ってたんだけど・・・。

「まぁ、カオリは娘。の中でずーっと1番大きかったから」
「嫌・・・だったんですか?1番大きいってことが」
「嫌っていうかさ、カメラとかで顔切れちゃうじゃん?」
「そう・・・、ですね」
157 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月06日(水)19時52分30秒
それが理由ですか・・・。もっと深刻な理由かと思った。
飯田さんにとっては、深刻な問題かもしれないけどさ。
飯田さんはなおも続ける。
「だってさ、矢口と並ぶとヒサンだよ?」
「前、飯田さん言ってましたもんね」


「だから、吉澤が入ってきて嬉しかった」


えっ・・・、どういうことっすか?
「ど・・・、どういう意味でですか・・・?」
「でっかい仲間が増えたー!って」
そう話す飯田さんの表情はすごく明るくて。
本当に嬉しかったんだなーってことがうかがえた。
158 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月06日(水)19時57分09秒
「今まで、160cm代のメンバーっていなかったし、
 彩っぺだって・・・脱退しちゃったしさ」
「そうだったんですか・・・」
あたしが加入した時には、すでにいなかったもんなぁ・・・、石黒さん。
「だからね、カオリ、本当に嬉しかったんだよ」

飯田さんにとってあたしは、すごい嬉しい存在だったんだ・・・。
全然知らなかったよ。
だって、あたしが飯田さんに次いで身長が高いことから、
なんか嫌われてるのかなって思ってたから・・・。
159 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月07日(木)01時12分16秒
新作、読ませてもらってます。
思えば他ではあまり見かけない組み合わせなので、どんななのかなと思いましたけど、
とても二人が持つ雰囲気が伝わってきて、読んでて心地よいです。
160 名前:925 投稿日:2002年03月07日(木)08時38分31秒
よしかお!最近、気になる組み合わせなので、この二人の話はうれしい!これからどうなるか楽しみです。
161 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)19時35分23秒

「あー、でもね、惜しいんだよね、吉澤は」
は!?何、突然!何ですか!?
「な、何が惜しいんですか?」
「カオリのタイプにあと一歩なんだよ〜」
飯田さんは残念そうにあたしを見る。
っていうか飯田さん、突然話題変えないで下さいよ!
一瞬、何がなんだかわからなくなったじゃないですか・・・って
ええっ!?
どういうこと・・・?

「じゃあ、あたしは、結構タイプだってことですか・・・?」
162 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)19時39分12秒
「うん、そうなんだよ。あと1つだけ条件を満たしていたらねぇ」
「あと1つだけ・・・って」


「身長」


「身長・・・?」
「そう。カオリより大きいといいんだけどなぁ」
飯田さんより、大きく・・・。
「身長、ですか・・・」
「身長さえ越えてればOKだなー」

163 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)19時42分54秒
あたしを163cmだとすると、
飯田さんまではあと4cm。
でも、抜かなくちゃいけないから、170cmはないといけない。
ってことは、7cmか・・・。
ちょっと厳しいかもなぁ・・・。


・・・違う。
こんなの、あたしらしくない。
あと1つで、飯田さんは・・・。
飯田さんを、越えられれば・・・!
164 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)19時46分01秒
「・・・飯田さん」
「何?どした?」
「あたしが、飯田さんより大きくなれば・・・、付き合ってくれるんですか?」
「え・・・?どういう・・・」

よし、言ってしまおう。
あたしの気持ちを。
今まで言えなかった、自分の気持ちを。

あたしは、深く息を吸い込んだ。


「あたし、飯田さんが好きです」


165 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)19時49分59秒
「だから、身長が伸びるように、カルシウム摂ったりして頑張ります。
 そして、飯田さんより大きくなったら・・・、あたしと、付き合ってくれますか?」
「吉澤・・・」
「絶対、大きくなってみせます」

あたしはずっと、飯田さんが好きだった。
ホント言うと、加入した時から好きだったのかもしれない。
梨華ちゃんや、矢口さんに告白された時もあったけど・・・、
あたしの気持ちは、決して揺れなかった。
どんなことがあっても、くじけそうになっても、
あたしは飯田さんひとすじだった。
166 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)19時53分07秒
やっと、ここまで来れた。
あきらめるわけにはいかないんだ!
たとえ、無理かもしれないって思っていても、
少しの可能性があるならば、あたしは全力で挑みに行く。

「伸びるまで・・・、すごく時間がかかるかもしれませんけど、絶対諦めません」
「・・・」

飯田さんは何も言わず立ち上がった。
そして、帰り支度を始めた。

167 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)19時58分38秒
「飯田さん?」
「カオリね、今ビックリしてる。でも、すごく嬉しいんだ。
 カオリのことを、こんなに好きな人がいたんだーって」
飯田さんはあたしの方を振り返った。

「カオリ、待ってるから。吉澤が大きくなること。
 だから絶対に、大きくなるんだよ」
「は、はい!」
「ホラ、吉澤も支度する!」
「あ、はい」
あたしは飯田さんに言われたとおり、帰り支度を始めた。
すると突然、飯田さんが言った。
168 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)20時02分56秒

「・・・もし、本当にカオリを越えたら・・・」
「・・・越えたら?」
「さっきの告白のお返事、するよ」
飯田さんは、にこっと笑った。

「はい、帰るよー!」
「えっ・・・、あたしと方向違うじゃないですか」
「小魚とか買わなくちゃいけないでしょ?ホラ、行くぞー!」
「ちょ・・・、ちょっと待ってくださいよー!」
飯田さんって・・・、ワケわかんない・・・。
でも、そういうところも全部ひっくるめて、あたしは好きになったんだから。
169 名前:163cm>168cm 投稿日:2002年03月07日(木)20時05分59秒
あなたを越えるという目標は
短いようで とてつもなく長い

でも 絶対諦めませんよ
いつか 必ず
あなたを追い越してみせます

そしてもう1度
自分の気持ちを伝えますから

だから待ってて下さいよ?
言い出しっぺは飯田さんあなたですから


気持ちはもう  あなたより大きい



おわり
170 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月07日(木)20時14分22秒
「163cm>168cm」完結です。(161〜169)
ちょっと強引に持っていったところがあったので、反省してます。(ニガワラ

>M.ANZAIさん
心地よいなんて。なんか照れます。(w
よしかおってあまり見ないですよね。
最近気になる小説はありますけどね。

>925さん
私も最近気になってます、よしかお。(w
MUSIX!の調査員の時とか。(w

次はやぐよしです。
すでに書き終えているので、明日から始めようと思っています。
171 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月08日(金)02時52分43秒
そういえば、新メンバーになりたての頃、特技!とか言ってあの真似をやってたよなぁ。
憧れていたんだぁ。

願い、叶うとイイね。
でも、もう願いは通じてるんだけどね。

更新、お疲れさまです。
>最近気になる小説はありますけどね。
そのことが気になります(w
次の作品も楽しみにお待ちしてます。
172 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月08日(金)18時38分40秒
>M.ANZAIさん
そう!そうでしたよね!
私は結構似てたと思うんですけどね。(w
気になる小説ってのは、教えたいんですけど
作者さんの了解を得たほうがいいのかなって思ってます。

次は予告したとおりやぐよしです。
大体、ピースとミスムンの間ぐらいの設定です。
タイトルは「Keep waiting for a chance」です。
173 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月08日(金)18時41分40秒
「さ〜て、今日もがんばるぞーっと!」


今日は「うたばん」の収録日。
ぶ厚い台本を手に、大きく伸びをする。
なに?大きくないって?・・・うるさいっ!
とにかく、台本は何回も読んだし、
ツッコミも冴えているような気がする。
今日はイケるかも!
174 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月08日(金)18時44分53秒
矢口たちモーニング娘。にとって、
「うたばん」はすごく重要になってきた。

自分のキャラクターの確立。

カオリや圭ちゃんは見事モノにして、すごく目立ってる。
なっちやごっちんもそうだ。
辻と加護はもとからアレだから関係ないかもしれないけども。

石川は今回の曲のセンターだから、
いろいろ話を振られるだろうし。
よっすぃ〜は最近調子いいみたいだし・・・。
175 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月08日(金)18時49分52秒
矢口はどうなんだろう?
娘。に加入して3年目。
ANN−Sの仕事をもらったり、
ミニモニ。でデビューしたりと、
他の仕事では活躍してきた。
だけど、「うたばん」だけは・・・、
矢口の時代は、まだ来ない。


「やーぐーちっ!なにボーっとしてんの?リハ始まるよー!」
「うわぁお!ごめんよ、なっち!今行く!」
うっわ、すっげビックリしたー。
心臓止まるかと思ったよ。
矢口は急いで楽屋を出た。
176 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月08日(金)18時53分35秒
楽屋の中にはまだよっすぃ〜と石川とごっちんがいたんだけど、
よっすぃ〜が矢口のこと見てたような・・・。
気のせいかなぁ・・・。


無事リハも終わり、楽屋で本番を待っていた。
リハでは結構うまくいった。
この調子で行けばOKかも!

・・・ただ、気になるのがよっすぃ〜。
また例の3人でおしゃべりしてるみたいなんだけど、
なんか元気がないっていうか、
いつものよっすぃ〜じゃないみたい。
177 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月08日(金)18時58分41秒
矢口はよっすぃ〜の教育係だから、いろいろと気になる。
それは、教育係だから・・・ってだけじゃないんだけど。

矢口がよっすぃ〜に話し掛けようと席を立つと、
よっすぃ〜がこっちに向かってきた。

「あの・・・、矢口さん、ちょっといいですか?」
よっすぃ〜はすごく気まずそうに言った。
多分・・・、今日の収録についてだろう。
「うん、矢口もちょっと気になってた事あったから。外、行こっか」
「はい」
矢口とよっすぃ〜は楽屋を出た。
178 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)18時33分32秒
立ち話もなんだから、ロビーで話すことにした。
人もだいぶ少なくて、話すのにちょうどいい。
矢口とよっすぃ〜は適当に場所を見つけて、向かい合って座った。

「さて・・・、よっすぃ〜、話って何?」
「あ、矢口さんからどうぞ」
「ん〜、じゃあ矢口から話すね」
矢口は少し前のめりになってよっすぃ〜を見つめた。

「あのさ・・・、さっきのリハでさ、よっすぃ〜元気なかったじゃん。
 楽屋でもそうだったし・・・、何かあった?
 もし、何か悩み事があるならば、矢口でよければ力になるし」
実際そうだとしたら、矢口ができることはそれぐらいしかないし。
179 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)18時39分09秒
「あたし・・・、そんなに元気ありませんでした?」
「なんか、矢口はそう感じたよ。違ってたらホント申し訳ないんだけど」
よっすぃ〜は横を向いて、俯いてしまった。
な、なに?矢口、悪い事しちゃったかな〜?
するとよっすぃ〜は顔を上げて、矢口を見た。

「矢口さん、・・・今から話すこと、矢口さんにも関係あるんですけど、
 ・・・聞いてくれますか?」
「う、うん・・・」
矢口は少しためらいがちに返事をした。
よっすぃ〜がこんなにかしこまるなんて。
そんなに重要な話なのかな?
180 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)18時58分28秒
よっすぃ〜は姿勢を正して、話し始めた。

「あのですね・・・、自分で言うのもなんですけど、あたし、最近『うたばん』で
 調子いいじゃないですか」
「うん、そうだね。いいことじゃん」

最近のよっすぃ〜の活躍ぶりはすごい。
今までの分を一気に取り返してきたって感じ。
「このままの調子で行きたいなーって思ってるんですよ。だけど・・・」
よっすぃ〜は最後まで言い終わらないうちに俯いてしまった。
「大丈夫だよ、まず話してごらんよ」
「・・・はい」
よっすぃ〜は力なく顔を上げた。
181 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)19時02分04秒
「だけど・・・、このままあたしが目立ってると、
 矢口さんが目立てなくなるんじゃないかって、思ったんです」
「よっすぃ〜・・・」
「でも、あたしはまだ前に出ていきたいんです。今がチャンスなんです」

・・・だよね。
みんな目立ちたいよ。それは当然だよ。
だけど、時期ってものがあるのかもしれない。
人それぞれに、目立つ時期ってものが。
今、その時期が来てるのがよっすぃ〜で、
矢口はまだ来てないだけで。
182 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)19時06分31秒
矢口は今、何をするべきなんだろう?
かわいい弟子であるよっすぃ〜をフォローすることなんじゃないだろうか。
矢口にも、そういう時期が来ることを信じて、
今はフォローするべきなんじゃないだろうか。


「・・・よっすぃ〜、矢口のことは気にしなくていいよ。思いっきり行きなよ」
「でも・・・、矢口さんが・・・」
「よっすぃ〜、今がチャンスなんだよ?これを逃したら、
 もう2度と来ないかもしれないんだよ?」
この世界・・・、チャンスをモノにした人間だけが上に行ける。
決して簡単なものではない。
だから、チャンスを逃したりしてはいけないんだ。
183 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)19時11分00秒
「矢口は大丈夫。かわいい弟子のためなら、ガマンするよ」
「矢口さん・・・、でも・・・」
「矢口にもそのうち、そういうチャンスが来るって!」

矢口は笑った。よっすぃ〜に心配されないように。
本当は矢口だって目立ちたい。
前に出ていきたいけどでも、
よっすぃ〜のためなら・・・、好きな人のためなら、ガマンできる。


加入した当時は笑うのもままならなくって。
苦笑いを浮かべてばかりで。
いろいろ相談されたっけなー。
今じゃこんなに大きくなって、前へ出て。
すごーく成長した。
184 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)19時15分29秒
矢口は、それだけでも嬉しいんだよ。
よっすぃ〜も、目立つ時が来たんだなって。
だから矢口は、一生懸命フォローするよ。
さっきまで目立つ事に気合を入れてたけど、
フォローに力を入れることにする。

「よっすぃ〜、矢口がフォローしたげるから、しっかり目立つんだぞ!」
「は・・・、はい!」
「矢口の出番が来た時は、よっすぃ〜もフォローしてよ?」
「はい!」
よっすぃ〜の返事はなぜか初々しく感じて。
加入時のよっすぃ〜とダブって見えた。
185 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)19時24分50秒
「矢口さん・・・、ありがとうございます」
「いいって、いいって〜」
「でも矢口さん、あんまり無理しないで下さいよ?」
よっすぃ〜は矢口を見つめてほほえんだ。
「あたしだって、矢口さんのこと・・・」


――呼び出しをします。○○部の××さん、至急お戻りください、繰り返します・・・――


「え?よっすぃ〜、何って言った?」
「・・・なんでもないですよ!さ、行きましょう、矢口さん!」
よっすぃ〜は笑顔で歩き出した。
さっきの言葉・・・、すごい気になるんだけど・・・。
・・・ま、いっか。あとで問い詰めてやろうっと!
186 名前:Keep waiting for a chance 投稿日:2002年03月10日(日)19時27分20秒


成長すればするほど
乗り越えなくちゃいけないハードルは高くなる
だけど それを乗り越えるチャンスは
いつか絶対来るから
あせらず 待ち続けよう

乗り越えれば 
待っていた時間の分だけ
成功が待っているから


おわり
187 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月10日(日)19時31分42秒
「Keep waiting for a chance」
完結です。(178〜186)
よっすぃ〜の活躍ぶりの背景に、
こんなこともあっていいかなって思って書いた作品でした。

次なんですけども、かごごまかいしごまかどちらかで。
でも、これからいしよしを始める予定なので、
遅くなってしまうかもしれません。申し訳ないです。
188 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月11日(月)02時01分05秒
「うたばん」に限らず、矢口さんは他のメンバーをよくフォローしているように感じます。
辻加護コンビが暴れらるように振ってみたり、石川さんを突っ込んであげたり、
最近では後藤さんの「笑顔」を引き出してあげてる気がします。
(と言いつつ、話の内容に触れてないような気が・・・)

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