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With You
- 1 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月22日(土)01時27分06秒
- 他版でシリアス系を書いていたら、甘々禁断症状が出てきたので(^^;;、
ちょい不思議系甘々クリスマスVer,を書かせていただきます。短編です。
エロが入るかどうかは未定。多分入る(W
- 2 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時31分06秒
- タン、タン、タン。
ぱたぱたっ。
あ、ご主人様の足音だぁ。
毎晩、あたしはこうやって窓辺でまどろみながら、ご主人様の帰りを待っている。
9時を過ぎると、アパートの薄い壁越しに、階段を昇ってくる音が聞こえる。
今日は元気そうだな。
今日は疲れ気味みたい。
足音で、そんなことまでわかっちゃう。だって毎日聞いてるんだもんね。
最近のご主人様はお疲れモードが多いみたい。帰りも、10時を回ることもある。
世の中は「くりすます」ってやつが近いらしい。ご主人様もアルバイトが忙しいのだ。
「今が稼ぎ時。大事な時期!」って言ってた。あれ、これ言ってたのって違う人だっけ。
- 3 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時32分41秒
- カチャカチャ。かたん。
ぎいぃっ。
鍵の音、それから、たてつけの悪いドアが開く音を聞いて、あたしは玄関まで駆けていってお出迎え。
「あー、たでーま」
「にゃぁぁ〜ん」
(おかえり、ひとみちゃん)
私は、鳴いた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
- 4 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時35分33秒
- あたしがご主人様〜ひとみちゃんに拾われたのは、今年のはじめ、東京に大寒波が来た時だった。
もう何日も何も食べていなかったあたしは、お腹がペコペコなのに鳴く力もないくらい衰弱していた。
寒さを避けて、古いアパートの階段の隅で丸くなっていたボロゾーキンみたいな
あたしを見つけてくれたのが、ひとみちゃんだった。
「…お前、捨て猫かぁ」
上から降ってきた声に、あたしは顔を上げる力も残ってなかった。
「うわ、ガリガリじゃん。この寒さじゃ死んじゃうぞお前」
その声と共に、あたしはふっと宙に浮いていた。なんか、あったかいかも…。
- 5 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時36分14秒
- あ、ニンゲンに、抱き上げられたんだ。
「とりあえず、一緒においで。なんか食べさしたげる」
にゃあ…。
薄目を開けると、あたしを心配そうに見つめる大きな瞳にぶつかった。
そのときから、あたしはずっとこの瞳に恋してる。
- 6 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時37分56秒
- 泥だらけだった毛並みは、ひとみちゃんによぉく洗ってもらったお蔭で、元のミルクティ色になった。
ビンボーなのにタイマイはたいて獣医さんに連れて行ってもらって苦いおくすりを飲まされ、
その後も欠かさずゴハンを食べさせてもらったお蔭で、ガリガリだった身体もだいぶ子猫らしく丸くなった。
「アパートじゃ動物飼えないし、元気になったらノラに戻ってもらうっきゃないかなぁ」
最初はそんなこと言ってたひとみちゃんだったけど。
連れてってくれた先の獣医さんに
「仔猫は、野良に戻すとすぐまた衰弱して死んじゃうよ」
なんて言われて。
- 7 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時40分43秒
- そんなこと言われなくても、2、3日一緒に住むうちに、やさしいひとみちゃんは
この哀れな捨て猫に情が移ってきちゃったのがアリアリで。
まあ、そーゆうこっちゃで、あたしはずるずるとひとみちゃんに飼われることになったのだ。
あれからもうすぐ一年。奇跡的にも、大家さんに見つかることもなく、
あたしは毎日惰眠を貪りながらひとみちゃんの帰りを待っている。
- 8 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時41分42秒
- あたしに、「りか」なんていう、妙にニンゲンくさい名前をつけたのもひとみちゃんだった。
ちっちゃい頃、一緒に遊んだりかっていう女の子に似ているんだそうだ。
事故で亡くなったそうだけど。あたしは、その子の生まれ変わりみたいなんだって。
あたし猫なのに、ニンゲンに似てるなんて、ひとみちゃんも随分ヘンなことを言う。
- 9 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時42分54秒
- アルバイトしながら通信の高校生もやってるひとみちゃんは毎日が大忙しだけど、
一緒にいる時はいっつも、あたしに話し掛けてくれる。
まるでニンゲンにするみたいに。
「りか、おはよー」
おはよう、ひとみちゃん。
「んー、ずいぶんでっかくなったなあ。もう仔猫じゃないね。うわ、重い」
失礼ね、レディに向かって。
「お、今日は機嫌よさそうだなあ」
ひとみちゃんが、いっぱい構ってくれるからだよう。
- 10 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時44分07秒
ニンゲンみたいな名前をつけられて、ニンゲンみたいに扱われて。
だからあんなことが起こったんだと、あたしは思うんだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
- 11 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時45分59秒
- アルバイトからぐったり疲れて帰ってきたひとみちゃんは、足元にまとわりつくあたしを困ったように見る。
「んー、寂しかった?」
「にゃあ」
(うん)
「よしよし。ミルクティ作ったげるから」
「うにゃ…」
(んん〜、ミルクティより、だっこ!ちゅう!)
ひとみちゃんは屈みこんで、べったり甘えて離れようとしないあたしの喉元をくすぐりながら、
「はいはい、後でね」
そう言いながらも、ちょっと嬉しそうに目を細めて笑ってくれた。
- 12 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時47分50秒
ピチャ、ピチャ、ピチャ。
形ばかりの遅い晩ご飯を食べるひとみちゃんの横で、猫舌レベルに冷ましたミルクティを舐めるあたし。
いつだったか、ふざけてひとみちゃんが飲ませてくれて、それ以来すっかりあたしのお気に入りになってしまった。
あたしの毛並みと同じ色の、あったかい不思議な飲み物。
ひとみちゃんが作ってくれる、魔法の飲み物。
ひとみちゃんの横でこれを飲んでいると、心まであったかくなれる。
でも、もっともっと、あったかくなりたいな。
心だけじゃなくって、例えば…。
- 13 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時49分33秒
ゴハンを食べ終わって、ベッドに横になっているひとみちゃん。
あたしは、たんっ、っとベッドに飛び乗って、ひとみちゃんの手のひらに顔をすりつけた。
「ふにゃぁ…」
(ひとみちゃん、お疲れですねえ。今日も忙しかった?)
「んー、カキイレ時だからね」
なんだそれ?ひとみちゃん、またあたしにわからない難しいニンゲン語使ってる。
ひとみちゃんが忙しいと、あたしはさみしいよう。
ひとみちゃんの手のひらを舐めながら、あたしはちらちらとひとみちゃんの顔をうかがう。
もっともっと、甘えたいよう。
こういう風じゃなくって、ちゃんと、ぎゅうってしたい。
- 14 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時51分08秒
- 「あはは。りかちゃんサカってるねえ。まだ春じゃないですよー」
「…にゃ…っ」
(そーゆうふうに、言わないでようっ…)
「うふふ。おいでっ」
その声が合図のように、あたしはひとみちゃんの身体によじ登って、彼女の顔に鼻先を寄せた。
ぺろっ。
舌を出して、ひとみちゃんの形のいい鼻の頭を舐める。
- 15 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時52分40秒
- 「くすぐったいよぉ」
ひとみちゃんは、くすくす笑いながらもあたしの鼻先に自分の鼻をこつんとぶつけた。
それから、
チュッ、チュッ、チュチュチュッ。
キスを、5回。
これが、魔法の合図。
- 16 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)01時55分06秒
「ふ…あ…あぁ…っ…」
背筋が、ぎゅううんっと伸びるようないつもの感覚。それから、手も、足も。
ぐあぁ…ん、と一瞬身体中がしびれて、でもすぐにそれは収まった。
「ひとみちゃぁあんっ!」
ぎゅうっっ。
あたしは、やっと口に出して名前を呼べた嬉しさで、夢中になってひとみちゃんを抱きしめた。
ニンゲンになった、その身体で。
- 17 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月22日(土)01時56分04秒
- 今日の更新はここまで。
クリスマスVer.なので、短期完結させる予定です。
- 18 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月22日(土)08時07分34秒
- 魔法の合図…サマーパーティ?
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月22日(土)09時00分33秒
- たまらずコピぺ(w
ΛΛ ノ ハ ヽヽ 〜♪
(,,^▽^)ニャー (^〜^0从∩
@_) ∩ヽ ⊂ )⌒'つ
- 20 名前:名無し読者さん 投稿日:2001年12月22日(土)14時01分06秒
- いいっす!
- 21 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月22日(土)20時39分33秒
- 服は…着てる?
- 22 名前:夜叉 投稿日:2001年12月22日(土)20時46分11秒
- 楽しみな展開です。
期待してますね。
- 23 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時03分59秒
- 「……重い」
「もうっ、どうしてそーゆうこと言うのぉっ!」
確かに、ひとみちゃんに乗っかったままニンゲンになってしまったあたしは、
全体重がひとみちゃんにかかってしまって、その上舞い上がってぎゅって抱きついちゃったけど。
あたし、そんなに重くないよう。ニンゲンとしては随分軽いほうだと思ってるんだけど。
「最近ちょっと太ったんじゃない?」
「ひどぉい、気にしてるんだからっ」
あたしは、ぺしり、としっぽでひとみちゃんの脚を叩いた。
- 24 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時08分46秒
- しっぽ。
そう、ニンゲンに変身しても、ミルクティ色のすんなり長いしっぽと、髪の上からぴょこんと飛び出た
同じくミルクティ色の猫型の耳は、なぜか猫のときのまま。
完全なニンゲン態ではない、中途半端な猫娘。なあたし。
「うーん、夏や冬に有明あたりにいそうなカンジ」
最初にこの姿を見られたとき、ひとみちゃんにそんなこと言われた。
ワケわかんなかったけど、
ひとみちゃんがあたしにわかんないニンゲン語使うのはよくあることなので、放っておいた。
- 25 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時09分34秒
- 「…どうでもいいから、なんか着てよ」
ひとみちゃんがうっすらと顔を赤くして言う。
「あ、そうだね。ごめんごめん」
あたしは身体を起こし、とりあえずそばにあったブランケットをつかむと、身体をすっぽり覆った。
……洋服着たバージョンで変身できれば便利なのになぁ。
恥ずかしいってわけじゃないけど、単純に不便。
むしろあたしより、ひとみちゃんの方が照れてる。
こういうシューチ心ってやっぱり、動物よりもニンゲンのほうがあるみたい。
- 26 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時10分32秒
- 「あのですね」
あたしはブランケットごと、改めてひとみちゃんに抱きつくと、まじめくさった顔で言った。
「世の中は、くりすます、なんですよ」
「…うん、知ってる。そのせいで今めちゃ忙しいし」
ひとみちゃんは短期でいろんなバイトをやっていて、今はケーキ屋さんで働いている。
ここ何日か、「仕込み」とかでずっと帰りが遅い。
「でしょ。だからあたしね、くりすます、っていうのはお仕事が忙しくなる時期っていう意味だと思ってたの。
でもね、本当は、恋人同士がぴったりくっついて、いつもよりもっと仲良しさんになる時期、って意味なんだよ」
- 27 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時12分28秒
- 「へ?…なんか、その解釈も微妙に間違ってる気が…、 っていうか、そんな知識どこで仕入れたの?りかちゃん」
「今日、あいちゃんちに遊び行った時に教えてくれた」
「あー、あのマセガキ猫…」
あいちゃん、というのは、近所に住んでいる半分ノラ、半分飼い猫という、自由な身分の白猫だ。
ひとみちゃんのお隣さんの、飯田さん、って人が時々えさをあげたり、
寒い時は玄関を貸してあげたりしているけど、たいがいは外を自由に歩き回っている。
アパート裏の物置の隅に段ボール箱で根城を作っていて、あたしは時々、遊びに行く。
あいちゃんはまだほんの仔猫なのに妙に大人びたところがあって、あたしが知らないこともたくさん知っている。
- 28 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時13分16秒
- 「だからね、あたし思ったの。
あたし達も、いつもよりもっともっと仲良しにならないといけないんじゃないかなぁって」
「いや、いけないこたないと思うけど…。仲良く、したいの?」
ひとみちゃんの眼がいたずらっぽく瞬いた。
「したい」
あたしは素直にそう言って、ブランケットから出した腕をひとみちゃんの首にまわした。
「あははっ。りかちゃん、やっぱサカってるよ」
ひとみちゃんは笑いながらも、
「お気持ちはね、とっても嬉しいんだけど」
やんわりとあたしの腕をほどく。
- 29 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時14分23秒
- 「りかちゃんのご主人様はね、そのクリスマスのせいで、とーっても疲れているんですよ。
クリスマス終わったら、いっぱい仲良くしてあげるから、それまで待っててくれないかなぁ?」
「それじゃ遅いんだよぉっ」
あたしはブランケットの中で脚をばたばたさせる。ついでにしっぽもばたばたばた。
「いた、痛いっ!蹴るなこらっ!」
「なんかさあ、前から思ってたんだけど、あたしがニンゲンに変身するとひとみちゃん、
そっけなくなるよね。猫でいる時はやさしくしてくれるのに」
ぷん、とふくれて見せる。
- 30 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時16分13秒
- 「そんなことないよー。あたしはいっつもやさしいでしょうが」
「そんなことあるっ!猫の時はいっぱい甘えても許してくれるのに、ニンゲンになると、あたしが
甘えようとすると、上手く逃げちゃったりするもん!なんで?」
「気のせいだって…」
そう言いながらも、ちょっと困り顔のひとみちゃん。
また、頬がちょっと赤くなってる気がするけど…これも気のせい、かな。
- 31 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時18分23秒
- ニンゲンになったあたしを見るときのひとみちゃんの眼は、猫の時とはやっぱり違うと、あたしは思う。
あたしが猫の時のひとみちゃんは、本当にご主人様ってかんじで、余裕を持ってあたしを可愛がってくれる。
でもニンゲンのときは、あたしが甘えるとこうやって、困ったような、戸惑ったような顔をするときが多い。
『仲良く』なる時も、いっつもそう。あたしがいっぱいおねだりして、時には泣きそうになって瞳が潤むくらい
お願いして、やっとひとみちゃんは『仲良く』してくれる。
「りかちゃん…それは、反則だよ…」
なんて言いながら。
- 32 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時19分21秒
何が反則なのか、あたしには全然わかんない。『仲良く』したいから、正直に言ってるだけなのに。
そのわりに、一度火がついたひとみちゃんは、これで結構……あら、話がズレちゃった。
- 33 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時20分22秒
「そんなに、お疲れなの…?」
あたしはしょんぼりと聞く。
ひとみちゃんがいつも、あたしのわがままを聞いてくれるのをいいことに、
いつの間にかムリさせちゃってるのかなあって思って。
「あたし、わがまますぎるかな…?」
「い、いや、そうこられると何て言ったらいいか…。こら、泣くなってば。わかったから…」
ひとみちゃんは慌てて、あたしをなぐさめにかかる。
ネガティブモードに入ったあたしを立ち直らせるのがどんなに大変か、充分すぎるくらいわかってるから、
そうなる前に引き上げようとしてるんだ。
- 34 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時21分18秒
- 「ごめんなさい。わがまま、言わないようにするから…。だから、嫌いにならないで…。
ひとみちゃんに、嫌われたくない…」
嫌われたくない一心で、そう言い募るあたしを、ひとみちゃんはやさしく抱きしめた。
「嫌いになんて、なるわけないじゃん。…わがままも、かわいいよ」
「…なぐさめようと思って、そんなこと言って…」
「ちーがうってば」
ひとみちゃんは、あたしの猫耳の後ろを撫でながら言葉を続けた。
- 35 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時21分56秒
- 「わがままにも、色々種類があるでしょ?りかちゃんの場合は、その…うちのこと好きだから
つい出ちゃうわがままでしょ?」
「…うん」
「それに、言い過ぎる前にちゃんとこうやって、自分で気付けるでしょ?」
「…う、ん」
「だからね、そのくらいのわがままなら…むしろ、うれしい」
そういう、もんなのかな…?
あたし、ひとみちゃんにわがまま言われたことなんてほとんどないから、よくわかんないけど。
もしひとみちゃんに、わがまなまくらいいっぱい甘えられたら、きっと嬉しいと思う。
それは、あたしがひとみちゃんのこと好きだから。
- 36 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時23分02秒
- ひとみちゃんは、あたしのわがまま、嬉しいって言った。
ってことは、あたしのこと、好きでいてくれるってことだよね。そういう、ことだよね。
「…ほんと、に?…ほんとに、そう思ってる…?」
涙に濡れた眼でひとみちゃんを見上げると、
「ほんとだって……うーっ、だから、そーゆうカッコでそんな眼で見るなってば…」
慌てて目をそらすひとみちゃんは、今度は気のせいなんかじゃなく、はっきりと顔が赤かった。
「ふにゃ…うれしい。ひとみちゃん、好きだよぉ」
嬉しくて、ぼおっとしたまま、思ったことを口にすると。
あたしを抱きしめるひとみちゃんの腕に、心なしか力がこもる。
- 37 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時24分06秒
- ぴたっと密着してるから、ひとみちゃんの心臓が、どくん、どくん、ってなってるのがわかる。
どくんどくん、どくん。
だんだん早くなる鼓動。だんだん力が込められる腕。
なんだかますます嬉しくなって、あたしもぎゅっと抱きしめ返すと、
ひとみちゃんの身体が、ぴくん、と一瞬反応した。
顔をそむけたまま、ちらっと眼だけでひとみちゃんはあたしを見る。
「りかちゃん…」
「ん?…なぁに?」
ひとみちゃんの整った顔をうっとりと眺めながら、あたしは聞く。
「もしかして…わかってて、やってる?」
- 38 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時24分58秒
- 「…なに、がぁ?」
「だから…その眼とか…、話し方、とか全部…」
「え…なんのことぉ…?」
ホントは、半分無意識、半分意識的。
わざとしてるってわけじゃないけど、自然にこうなっちゃうんだけど、
でも、上目遣いとか、とろんとした眼で見つめられるのにひとみちゃんは弱いって、あたしは本能的に知っている。
- 39 名前:With You 投稿日:2001年12月22日(土)23時25分51秒
- ひとみちゃんの眼の光も、少しずつ変わる。
ニンゲンの眼に野生が灯り、すっと一瞬細まった。
ひとみちゃん、すごくキレイ。
「りか…」
あたしを抱きしめていた腕がゆっくりと離れる。
そのまま体勢を入れ替えられて、ひとみちゃんの身体があたしの上に来たと思ったら。
「ひとみ、ちゃ…?…っ!」
次の瞬間、ひとみちゃんの手があたしからブランケットを剥ぎ取っていた。
- 40 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月22日(土)23時30分59秒
- 今回の更新はここまで。多分次回で終わりです。
思いつきで始めたわりには筆の進みが快調。うれしい。
でも、この2人には直エロは必要ないような気もしてきた。
レスも嬉しいです。ありがとうございます。
>18 そです。どうせ甘々短編だから何でもアリだと思って(なんだそら)、時々
このテのお遊びをしてます。
>19 可愛いですね。このお話もこういう感じにしたいです。
>20 ありがとっす!(w
>21 こーゆうことです(w
>22 こちらにもレスありがとうございます。甘いほうが書いてて楽です(w
- 41 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月22日(土)23時51分57秒
- おおおお!バリクソオモロイ。ニヤけてしまう。
- 42 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月23日(日)00時15分04秒
- おもろいっす!!
続きめちゃめちゃ楽しみです!!
- 43 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月23日(日)00時19分55秒
- ヤル気になっちゃった?(w
次回も期待してます
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月23日(日)00時40分09秒
- できればエロありの方向で(w
- 45 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月23日(日)09時20分23秒
- 面白い!ネコ梨華が、カワイイ!!
エロ無しでも、じゃれ合ってるだけでも萌えそう。
- 46 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月23日(日)12時40分38秒
- 甘々最高!!
ネコ(^▽^)が可愛すぎです(w
- 47 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月23日(日)17時44分30秒
- かっっっわいい〜!めちゃ萌え萌え〜!
こういうのすごい好きです!
「かわいい」ってついつい声に出して言っちゃったし。(w
- 48 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時29分53秒
- 「あ…あの…」
びっくりしてひとみちゃんを見上げるあたし。
ひとみちゃんは、虫歯が痛いのを我慢するみたいな顔をしていた。
「…ひとみ、ちゃん…?」
「こンの…天然フェロモン猫娘……」
ひとみちゃんは、苦しそうな声でそう呟くと、ゆっくりとあたしに覆い被さってきた。そのまま、きつく抱きしめられる。
「イミ、わかんないよ…」
「……」
「ひとみちゃん…」
ぺち、としっぽでひとみちゃんに抗議する。
- 49 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時31分00秒
- 「苦しいよ…」
「いいから、ちょっと黙って」
「だってあの…っ!」
これ以上しゃべらせまいとするかのように、あたしの唇が何かでふさがれた。
「ん…っ」
あ…。
ひとみちゃんに、キスされてる。
ちょっと乱暴な、キス。
ひとみちゃんの舌があたしの唇を割り開いて、そのまま、あたしの舌に絡みつく。
「ん…くふっ…んんっ…」
それに応えるみたいに、あたしも舌を絡ませてみる。最初はおずおずと。だんだん激しく。
身体がじわじわと熱くなってくる。
あ、これ、ヤバイかも…。
- 50 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時32分08秒
- 「ちょ、ちょっと待って…ひとみちゃん…!」
ぐいっと、あたしはひとみちゃんを押し返した。
「今度は、なに?」
「あの、ひとみちゃん、いんだよ、ムリ、しなくても…」
「ムリ?」
ひとみちゃんは、行為を中断されたのが不満なのか、ちょっと不機嫌そうな声。
そんな声を聞くと、あたしはますます不安になってしまう。
「だって、あの、ひとみちゃん、疲れてるって…」
「…りかちゃん…」
ため息みたいな、ひとみちゃんの声。空気読めよなぁ、と、ボソッと呟いたのが聞こえた。
「ひとみ、ちゃん…お、怒ってる…?」
「……怒ってないよ」
今度は苦笑気味の声。
ひとみちゃんは、やれやれ、と笑うと、あたしを抱きしめた。今度は、やさしく。
- 51 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時33分27秒
- 「あのね、多分…りかちゃんと仲良したら、疲れてるのも吹き飛ぶと思う」
「…ほんとに?…ムリしてない?」
「してないよ。…りかちゃんは、イヤなの?」
「…ヤなわけ、ないじゃん…ふにゃあ…ひとみちゃぁん…」
今度はあたしから、ぎゅうってひとみちゃんに抱きついた。
いっぱいいっぱい、仲良くしようね。
- 52 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時34分24秒
- 「ね、コレ…」
あたしは、ひとみちゃんの服を引っ張って、目でおねだりする。
「わかってる」
ひとみちゃんは優しく微笑むと、一旦起き上がった。
ぱっぱっと手早く服を脱いだひとみちゃんが、再びベッドにもぐりこんでくる。
あたしは両腕を広げてお出迎え。
ふわぁ…。
生まれたままの姿のひとみちゃんに抱きしめられたあたし。
体温がじかに伝わってくる。
あったかいな。心も身体も、あったかい。
あたし、こうしたかった。ずっとこれを待ってたんだよ。
- 53 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時35分54秒
このうえないふわふわ感に包まれて、あたしとひとみちゃんは、
いっぱい『仲良く』した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
- 54 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時37分57秒
- 次の日の朝、目が覚めると、隣にはもうひとみちゃんはいなかった。
布団からもそもそっと抜け出すと、あまりの寒さに身震いする。
ひとみちゃん、は…?
「あ、おはよ、りかちゃん」
あ、いた。良かった。
ひとみちゃんはとっくに起き出して、出かける準備をしていた。
「そこにゴハン用意してあるからね」
ジーンズのホックを留めながら、目線でそれを指すひとみちゃん。
ミルクティーと、ベーグル。
これがあたしの朝ごはん。
猫にしては妙な朝ごはんだよね。でももう、すっかり慣れちゃった。
- 55 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時39分00秒
- 「にゃあ」
(うん、ありがと)
あたしは短く返事して、すとん、とベッドから降りた。
あたしが猫に戻るには、いくつかパターンがあるみたいなんだけど、今回みたいに…その、
『仲良し』を最後までして、それから寝ちゃった後はまず100%、目が覚めると元に戻っている。
ニンゲンの姿でひとみちゃんに「おはよう」を言えないのは、少しさみしい気もする。
でも、あたしは猫の自分も気に入っている。
これが本来のあたしの姿なんだし、それに…あたしが猫だろうとニンゲンだろうと、
多分ひとみちゃんはそんなこと関係なく、あたしと一緒にいてくれるって信じてるから。
- 56 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時40分15秒
- 「寒いと思ったらさあ、雪だよ。明け方から降り始めたみたい。」
ひとみちゃんの声で、あたしは窓の外に目をやる。
ほんとだ。
真っ白な雪が、ちらちらと空から降りてくる。
変わり映えのしない窓からの景色も、うっすらとした雪化粧で別世界みたいにきれいに見える。
「今日、クリスマスだもんね。ホワイトクリスマスだねえ」
「うにゃ…?」
(くりすます、って25日じゃないの?)
今日はまだ、24日だ。
- 57 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時42分13秒
- 「ほんとはそうなんだけどね…。なんでか知らないけど、日本人はクリスマスイブのほうが盛り上がるんだよね」
「みゃ…?」
(いぶ?)
「うん。クリスマス前夜。24日」
ふーん。よくわかんないや。なんで当日より前日のほうが盛り上がるんだろう。
あっ、「はつばいび」より「ふらげでー」のほうが盛り上がる人がいるのと一緒かな?
これも、あいちゃんから教わった。
ひとみちゃんが玄関に行ってしまったので、あたしもお見送りをすべく、とことことついていく。
ひとみちゃんは、慌しく靴を履きながら、
「明日までは忙しいけどさ、明日の夜、売れ残ったケーキもらって帰るから、一緒にクリスマスしようね」
って言った。
- 58 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時43分21秒
- 「にゃぁうっ!」
(するっ!ぴったりくっついて、仲良くするっ!)
「あー、りかちゃん、まだクリスマスの意味、誤解……ま、いっか。」
ひとみちゃんはちょっと苦笑いすると、じゃ、行って来るからね、って言って、
ぎぎぃっとたてつけの悪い扉を閉め、出て行った。
- 59 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時44分30秒
- たたたたっ。
タンタンタン。
ひとみちゃんが階段を駆け下りていく音がする。
足音が遠ざかるとき、あたしはいつも、少し切なくなる。
窓の外は白い世界。その中を走っていくひとみちゃん。白いダウンジャケット姿が、小さくなる。
今が、次にひとみちゃんに会えるときから一番遠い時間。
その事実が、あたしを少し切なくさせる。
- 60 名前:With You 投稿日:2001年12月23日(日)19時45分43秒
- だからあたしは目を閉じる。朝ごはんは後で食べよう、なんて思いながら。
まどろみながら、ひとみちゃんのことを考える。
「くりすます」だけじゃなくって、いつもいつも、一緒にいたいよ。
あなたと、一緒にいたいよ。
ひとみちゃん、大好き。
早く帰ってきてね。
I wanna be always with you.
〜FIN〜
- 61 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月23日(日)19時48分34秒
- おしまい。あー砂糖混じりの砂大量に吐いてもた(w
「姫に猫娘のカッコさせたい+姫のオフェンシブ受けが書きたい」という願望だけで、
ほんの思いつきで書いたんですが、思いのほか(自分が)ハマりました。
書いててとっても楽しかったです。(他版がスランプ中なだけにね(^^;;)
エロもね、少し書き始めたりはしたんですが、無理に入れようとすると甘い世界観が
壊れそうなので、今回は辞めました。
いつかこの2人の素エロ、どっか別版で書くかも。となればあそこしか(ニヤリ
- 62 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月23日(日)20時03分13秒
- 思いつきだけのフニャケ文に、思いのほか沢山のレス、スペシャルサンクスです。
>41 尾依羅さん
いつも生暖かい見守りと素早いご紹介をありがとう(w
楽しんでいただけてよかったです。
>42 ありがとうございます。最後まで楽しんでもらえたでしょうか?
>43 なっちゃったみたいです(w
具体的にどういう風になっちゃったかは、ご想像にお任せですが。
- 63 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月23日(日)20時06分07秒
- >44 ご期待に沿えずごめんなさい。
いつか書くかもしれない番外編にユルイご期待をば。
>45 こちらにもレスありがとうございます。
この2人のじゃれ合いは、現実でも妄想でも萌え(w
>46 姫って猫が似合いますよね!
>47 あ、同志(w
私もこれは趣味100%で書いた文です。
- 64 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月23日(日)20時16分33秒
- 良かった。即レス控えて(w。
すっげ〜良かったですよ!!私もこんなの書いてみたいです。
いしよしには、甘すぎるのが似合いすぎてる。萌え。
思いっきりニヤけながらリアルタイムで読ませていただきました。
砂糖の嵐警報注意報が出てました(w。ありがとうございました。
- 65 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月23日(日)20時54分02秒
- むちゃくちゃ良かった。
終始ニヤけっぱなしでした。
甘ぇ〜よ!最高だよ!
- 66 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月23日(日)21時05分59秒
- あーすいません。ついいつもの癖で…。
わかると思うけど、姫=石川です。当然か。
- 67 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月23日(日)21時21分21秒
- かなーり萌えました。
ありがと
- 68 名前:じゃない 投稿日:2001年12月24日(月)00時08分17秒
- ここが噂の反則小説ですね?( ̄ー ̄)ニヤリッ
おもしろかったよ。
素エロ。。 (^▽^)まってまーす(0^〜^0)
- 69 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月24日(月)14時29分23秒
- かなり良かったです!
めっっちゃニヤけた。(w
とてもおもしろかったっす!
- 70 名前:夜叉 投稿日:2001年12月25日(火)11時47分50秒
- うっ、ありがとうごじゃいましゅう(感涙。
ここ二日の風邪が吹っ飛ぶ勢いの甘甘…。
エロぢゃなくてもいいです、いしよしマンセー。(w
- 71 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月25日(火)18時42分42秒
- かなりはまりました!
すっごい良かったです!
番外編かなり期待してるので頑張って下さいね!
この2人のエロも期待してます!(w
- 72 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月27日(木)02時17分11秒
- うわ。案外好評でうれすぃーな♪(yeah!
今回はレスなどを。
>64 Charmy Blueさん
Triangle Blueのヤマ場を目幅涙しながら読んだ身としては、身に余る
光栄なお言葉、嬉しいです。 砂糖の嵐、胸焼けに注意(w
>65 尾依羅さん
ありがとー!やっぱこの2人には甘々しかないのか…(w
>67 こちらこそ、萌えてくれてありがたう。
>68 じゃないさん
やっぱ禁じ手だったかなコレ…(w クリスマスってことで大目に見てくらはい。
エロ書くのは実は苦手だと気付いた2001年冬…。そのうちにー。
- 73 名前:Cha-Cha 投稿日:2001年12月27日(木)02時18分49秒
- >69 吉胡麻系さん
ありがとございますー。でも現実のラブラブっぷりには負けるかも(w
>70 夜叉さん
こちらにもレスありがたう。お風邪お大事に。
私(書き手)の意思とは関係なく、書き出すと勝手に甘々になってしまうこの2人。おそるべしです。
>71 うあ、番外編=エロ、のつもりだったんですが、書き方まずったかな…。
でも、もし需要があるなら普通の番外編書くかも。期待せずにお待ちを。
- 74 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月27日(木)21時37分10秒
- 期待せずにはいられまい。
- 75 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月28日(金)09時44分20秒
- 番外編かなり楽しみにしてます!!
- 76 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月28日(金)20時00分59秒
- 年内にあるのかな?期待しちゃって良いのかな?
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月13日(日)16時11分54秒
- 番外編、私も期待してます。
- 78 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月14日(月)18時04分10秒
- んー、姫生誕祭になにかあるカモ。(ないカモ)
- 79 名前:夜叉 投稿日:2002年01月15日(火)15時51分35秒
- ををっ!!期待してますです。
- 80 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月16日(水)03時31分37秒
- 石川梨華生誕記念。と言いつつ吉澤視点。
ぶっちゃけ、まだ全然書けてないんだが、ぼーっとしてる間に生誕祭過ぎてしまいそうなので、
書けた分だけアップして自分を追い込んでみる。
成り行き任せでひとつよろしく。
- 81 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時34分44秒
- 彼女を『拾った』のは、ちょうど去年の今頃だった。
最初、ソレが何なのかわからなかった。
アルバイトからの帰り、いつものようにアパートの階段を駆け登ろうとして、
隅っこにソレが転がってるのに気づいたんだけど、
あたしの目には汚い毛糸玉みたいなもんにしか見えなかった。
通り過ぎようとしたとき、ソレがピクッと動いたのに気づいた。
……何?生き物?
よーく見てみると、この寒さのせいか細かくふるふると震えている。
捨て猫。それもまだ仔猫だ。
「お前、捨て猫かぁ」
誰に言うともなく呟き、抱き上げてみた。あまりの軽さにギクリとする。
毛糸玉のなかのアバラの感触が、もろに手に伝わってきた。
- 82 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時36分15秒
- 「うわ、ガリガリじゃん。この寒さじゃ死んじゃうそ、お前」
そう言うと、あたしの声に反応したのかソレは薄目をあけた。
初めての、反応らしい反応。
「とりあえず、一緒においで。なんか食べさしたげる」
衰弱のあまりよく見えていないのか、ぼうっと焦点の定まらない視線。
濡れたような黒い瞳があたしを見ていた。
あの眼を見ちゃったのがそもそもの間違いだったんじゃないかと、今は思ってる。
- 83 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時37分12秒
◇ ◇ ◇
- 84 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時38分47秒
「38.5ーか…。かんっぺき、風邪だね。おとなしく寝てなさい」
あたしは、彼女にくわえさせていた体温計を一瞥すると言った。
「ふえぇ…あたま、ぐわんぐわんする…」
彼女は掠れ気味の声でそう言って、毛布から顔を半分だけ出してあたしを見上げる。
熱で潤んだ瞳がいつにも増して色っぽいけど、最近はあたしも多少免疫がついてきた。
だいいち、彼女自身に自覚がないのに、あたしだけドキドキしてるのもバカらしい。
「薬、飲んだほうがいいかなぁ。頭痛いの?」
「ううん…なんか、くらくらするだけ…。だいじょぉぶ」
「大丈夫って顔じゃないよ…。ま、人間相手なら看病の仕方もわかるから、猫の時に倒れられるよりはいいよ」
あたしはため息混じりに言った。
- 85 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時40分45秒
- 真性猫。のはずの彼女は、あるコト(彼女は「魔法の合図」と呼んでいる)をするとなぜか人間に変身する。
いつもはまぁ、イロイロしてその後寝ている間にもとの猫姿に戻るんだけど、
人間姿の時に風邪をひいたり大きい怪我をしちゃったり、と、なにかしら具合が悪くなってしまった時は、
起きても人間のままなのだ。
あたしにはその理由はよくわからないんだけど(ちなみに彼女もわかっていない)、変身ってのはそれなりに
体力を使うので、体力が落ちているときはそのパワーが発動されないんじゃないか、と思っている。
ま、あくまでも推測だけど。
それと多分同じ原理で、猫のときに具合が悪そうだと、魔法の合図をしてもやっぱり人間にはならない。
- 86 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時42分13秒
- そして今回。
昨日の夜に人間になった彼女は、どうやら寝ている間に風邪をひいたらしい。
起きても猫には戻っていなかった。
しっぽと耳だけ猫型の人間、猫娘のままだったのだ。
「だーから、なんか服来て寝なさいって言ったでしょ。暖房ロクに利かないんだから、このボロアパート」
「…どうせ寝てる間に猫に戻るから、大丈夫だと思ったんだもん…」
「りかちゃん、自分のクセ、わかってるでしょ?あんなカッコで寝てたら、もとに戻る前に風邪ひくに決まってるじゃん」
ウルウル目をなるべく見ないようにして、あたしは彼女の額に浮いた汗を拭いてやった。
- 87 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時43分21秒
- 人間の時の彼女は、毛布を脚に挟んで寝る癖がある。
真夏ならいざ知らず、この寒い真冬にすきま風の入るようなアパートで、素っ裸のまま毛布もかけずに寝ていたら…
風邪をひきたいと言っているようなもんだ。
え、なんで素っ裸だったかって…?そりゃ…
………聞くなっ!
- 88 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時44分04秒
- 「だって、寝る前はけっこう暑かったんだよぅ…。ひとみちゃん、激しいんだもん」
「っだぁっ!!そーいうこと素で言うんじゃないのっ!」
こーいーつーわぁー…。
無邪気な顔でこーゆうことを平気で言ってのける神経には、あたしは未だ慣れていない。
…こういう所が、やっぱり普通の人間の女の子とは違うんだよな。
「…もぉダメって言っても、離してくんなくてさ…シャワーも浴びさせてくんなかったじゃん…」
「うーるーさぁーいっ!!看病してほしかったら今すぐ黙れっ!」
あたしは恥ずかしさのあまり、相手が病人(病猫?)だということも忘れて、怒鳴りつけてしまった。
- 89 名前:With Me 投稿日:2002年01月16日(水)03時44分49秒
- 「「ふえ…ごめんなさい…そんな、おこんないでよぉ…」
「あきれてるのっ!もう少し恥じらいってもんを身につけなさいっ!」
猫耳を、しゅん、と伏せてゴメンナサイポーズをとる彼女に、あたしは立ちあがってぷいっと背を向けた。
真っ赤になっているに違いない顔を見られないように。
「ひとみちゃぁん、どこ行くの?」
「薬飲む前に、なんかお腹に入れたほうがいいでしょ?おかゆ作ったげるから、ちょっと待ってなさい」
そのまま、台所に向かう。
「食欲ないから、いいよぉ…。それより、傍にいてよぉ…」
ベッドから聞こえる声は、敢えて無視することにした。
- 90 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月16日(水)03時46分29秒
- 今日の更新は以上なり。
19日までに完結することが目標。
- 91 名前:夜叉 投稿日:2002年01月16日(水)20時49分05秒
- その後、ってやつですね。
がっつし持っていって下さい、期待してます。
- 92 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月16日(水)23時06分02秒
- 梨華猫、拾いたい・・・・
- 93 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時05分57秒
◇ ◇ ◇
- 94 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時07分03秒
- 本当は、このアパートもご多聞に漏れず、ペット禁止だ。
それでなくても自分のことで手一杯だったあたしは、もちろん捨て猫を飼う余裕も、そのつもりもなかった。
なのに…。
ほんの2,3日のつもりで面倒を見ているうちに、どうにも情が移ってきてしまった。
獣医さんからは
「仔猫は、野良にもどすとすぐにまた弱って死んじゃうよ」
なんて言われるし。
そしてとどめは、あの眼だ。
あたしを頼りきって見上げてくる黒い瞳は、どんな哀願の言葉よりも雄弁だった。
この眼を振りきってこのコを捨てたら、あたしは一生涯自分のことを、血も涙もない冷血漢だと思って
生きていかなきゃいけなくなるんじゃないだろうか。そう思わせるくらいに。
- 95 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時07分42秒
- ま、猫なら犬と違って散歩させる必要もないし、トイレだけ躾けりゃほったらかしでもなんとか飼えるだろう。
そう思って、なりゆきで飼い始めた。
もちろんその時は、このコがこんな風になるなんて、思ってもいなかった。
- 96 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時08分24秒
◇ ◇ ◇
- 97 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時09分06秒
- ちっちゃいころ、あたしの隣の家には、あたしよりひとつ年下の女の子が住んでいた。
母親同士が仲が良かったせいもあって、あたし達もモノゴコロつく頃にはもう仲良しだった。
毎日一緒に遊んでた。
黒目がちのきれいな瞳と、時折見せるはにかんだような笑顔は今でも良く覚えてる。
子供心にも、日本人形みたいに綺麗な子だなと思っていた。
ただ、ものすごく人見知りをする子で、あたし以外の子とはなかなか打ち解けようとしなかった。
この子はあたしがいなきゃダメなんだ、あたしが守ってあげなきゃ、って思ってた。
あのときは、本当にそう思ってたんだ。
その子の名前は、梨華、と言った。
- 98 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時09分53秒
- あたしが小学校一年生の時、梨華ちゃんは事故であっけなく死んでしまった。
これに関しては色々と経緯があるんだけど、それはまあ…もう、過去のことだし。
ただ、この事故に関してはあたしもまったくの第三者ってわけじゃなくって…
誰もあたしを責める人はいなかったけど、あたしは子供心にずっと罪悪感を持ち続けていたんだ。
あたしが、この歳でバイトしながら一人暮らししてるのも、もとはといえばそのせい…かな。
実家を離れてから、こんなことを思い出すこともあまりなくなっていたんだけど。
このコを拾ったときに、頭に浮かんだのは幼なじみのあのコだった。
……眼が。
濡れたような黒目がちの眼が、そっくりだったんだ。梨華ちゃんに。
- 99 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時11分03秒
- それにしても、りか、なんて猫につける名前じゃなかったなー、と今にして思う。
バイト先の先輩には、「まあ、普段からアンタのセンスっていまいちよくわかんないし…」
と諦め口調で言われてしまった。
そのときは、そんなにヘンだなんて自覚、なかったんだけどね。
多分あたしは、たいして考えなしにその場その場で行動しちゃうキライがあるんだと思う。
…ちっちゃい頃からそうだった。だから梨華ちゃんは…うん。わかってる。
その幼なじみと眼が似てる、なんて理由だけで、人間の名前を猫につけちゃったのは、
まさしくあたしの、あまり物事を深く考えない性格が現れての行動なんだろうね、きっと。
- 100 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時11分44秒
- 拾った経緯が経緯のせいか、この仔猫はめちゃくちゃあたしになついた。
そんなとこまで、幼なじみのあのコにそっくりで、あたしは文字通り、このコを猫可愛がりしてたと思う。
もともと一人暮しで話し相手なんていなかったので、このコを飼い始めてからは、このコ…りかに話し掛ける
ことが多くなったのは否定しない。
でもさ、まさか、あんなことが起こるなんて思わないじゃん?
普通は、思わないよね。
- 101 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時12分15秒
◇ ◇ ◇
- 102 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時13分38秒
- ふざけてただけなんだ。あんなことになるとは思わずに。
ゴールデンウイークの頃だったかな?久々にバイトが休みの日だった。
「…あぁ〜……いい天気。雲ひとつないやぁ…」
お昼近くまで寝ていたあたしは、目が覚めると窓の外を見ながらそう呟いた。
たいして大きくもない窓から見える空は、ホント、雲がひとっつもない晴天だった。
あたしの隣でうつらうつらしていたらしいりかは、
…今気づいたんですかぁ?…ひとみちゃん、今日はお寝坊さんですねぇ…
そう言いたげな顔で、にゃあん。と鳴いた。
- 103 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時14分32秒
- 「んー。りか、おはよ…」
とりあえず声をかけて、あたしはもういちど窓の外を見る。ほんと、いい天気。
んー、家の中で寝てるのももったいないかなぁ。
そう思ったあたしは、おもむろにベッドから身体を起こした。
そして、こないだバイト先の先輩からタダでせしめてきたカウチをベランダに持ち出して、そこに寝そべる。
…ま、結局、部屋の中でやってたことをベランダに場所を変えてやるだけなんだけどね。
まあいいじゃん、一度やってみたかったんだ。ベランダでお日様を浴びながら優雅にお昼寝っ!
りかも当然のようにあたしについてきたので、抱き上げてお腹の上に乗せてやった。
- 104 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時17分35秒
- うっは。最高!天国!
ぽかぽかした春の日差し。仕事もないし、学校のテストも当分ない。なぁんにも考えないでぼーっとできる時間。
りかはほとんど毎日をこうやって過ごしてるのかぁ。いいなぁ〜。
「ご主人様は毎日働いてるっつーのに…。いいご身分だなぁお前」
ふにふに、とりかの喉元を撫でながらそう言うと、それをどう受け取ったのか、りかは目を細めてごろごろと喉を鳴らした。。
- 105 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時18分35秒
- 年頃の女の子がほかにすることはないのか?とは聞かないで。
日曜祭日を問わずいつもバイトバイトで、たまの休みは高校の課題に追われているあたし。
たまにはこうやって息抜きする時間が必要なんだ。
ま、一緒にひなたぼっこしてくれる相手が猫しかいないってのも、さびしいかもしれないけどさ。
りかが甘えて鼻先をあたしの顔にこすりつけてくるので、抱き上げて冗談半分にキスしてやった。
もちろん、断じて、神に誓って!深い意味なんてない。って当たり前か。
いつものじゃれあいの延長線上。
ただ、りかが、うにゃあ、とくすぐったそうに顔をしかめるのが面白くって、つい調子に乗ってしまったんだ。
- 106 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時19分29秒
- もう一度キスしてみる。また顔をしかめるりか。
あははっ!へーんな顔!おもしろーい!
もう一度。そしてもう一度。
5度目のキスをした時。
「ふ…あ………っ……」
りかが何だか猫らしからぬ変な鳴き声を上げた。
「どうした?くしゃみしたくなった?」
「ん…あ………!!」
りかが、ぶるるっと身体を震わせると同時に、どんどん成長を始めた…気がした。
「ちょ…りか…おい、だいじょうぶ?…て、なんかでっかくなってんですけど…おぉい!」
あたふたしながらも、りかにずっと語り掛けてるあたしは、ハタから見たら随分マヌケだったかも。
はっと気がつくと、あたしの身体の上には猫の代わりに人間の女の子が乗っかっていた。
- 107 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時20分59秒
「……………あんた、誰?」
見つめあったままたっぷり10秒以上は沈黙した後、あたしが発した言葉は、これまたとってもマヌケなものだった。
- 108 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時21分48秒
- 「ひどーい。忘れたわけじゃないよね名前? りか、だよ。ひとみちゃんがつけてくれたんじゃない」
目の前の女の子は、気分を害した、というように言った。
でも、なんだか甘ったるい声なので全然迫力がない。オンナノコ、ってかんじだなぁ。
「ええっと……」
落ち着け、落ち着くんだ吉澤ひとみ。
あたしは、目の前で恥ずかしそうに微笑んでいる女のコを穴が開くほど見つめたまま、必死で自分にそう言い聞かせてみる。
と、このコは恥ずかしそうに顔を赤らめてうつむいた。
「……そんなに見つめないでよ。照れちゃうよぅ」
「ああ、ごめんつい……って、そうじゃなくってっっ!!」
- 109 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時24分11秒
- 「目を閉じてぶるぶるっと頭を振ってみる。目を開けたら夢から覚めてたとか、そういうオチを期待してたんだけど。
ぱっと目を開けても、正面には相変わらず、ぽっと頬を染めて微笑んでいる女の子。
ミルクティみたいな甘い色の肌、ツヤのある栗色の髪、整った目鼻だち。
長い睫毛に縁取られた、黒曜石みたいな眼は猫のときのままだ。
かーなーり、カワイイ。学校でもバイト先でも、こんなにカワイイ子見たことないぞ。
……って!だから、そういうことでもなくって!!!
- 110 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時24分56秒
- 「うふふ。ひとみちゃんとお話が出来るなんて、うれしいなぁ。ずうっと神様にお願いしてた甲斐があったかなっ」
そのコは嬉しそうに言うと、腕を伸ばしてあたしに抱き着いてきた。
まだ思考がまとまっていないあたしは、自然に彼女の身体に腕を回していた。うあ。やらかーい。
オンナノコの身体ってこんなにやらかいんだ…。
頭の隅でそんなことを考えてると、
「ところで、あのね」
りかが言った。
- 111 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時25分30秒
- 「外でこの格好だと、ちょっと寒いの。何か着るもの貸して?」
「あ、うん……うわぁああっ!あんたっ!その格好っ!」
「うわっ!みっ、耳元でいきなり怒鳴らんないでよぉっ」
「そんなことよりあんたっ…早く部屋ん中入って!!」
「あんたじゃなくって、りかだってばぁ」
「いいからっ!早くっ!」
猫を抱いていたはずが、いきなりオンナノコになった。
そのことばかりに気をとられていて、この時まであたしはもうひとつ、重大なことに気づいていなかった。
ベランダで…つまり、外から丸見えの格好で、カウチの上であたしと抱き合っていたこの女のコは……
下着すら身に着けていなかったことに。
- 112 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時26分57秒
とりあえず、あたしは大慌てでこの子を部屋に引きずり込んだ。
……誰にも、見られてないよね?昼間っからベランダで素っ裸の女の子と抱き合ってたなんて、
ヒトサマに見られたら弁解の余地がない。ヘタすると変質者扱いだ。
冗談!このアパート追い出されたら行くとこないんだから。
とりあえずテキトーに、タンスの中からトレーナーとボクサーパンツを引っ張り出して着せたんだけど。
「ひとみちゃぁん…これ、どうしよう?」
「……あ。」
- 113 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時28分44秒
- しっぽ。
なぜか猫のときよりも長く伸びたミルクティ色のしっぽが、ボクサーパンツに収まりきらずに
注と半端にウエストのゴム部分に挟まっている。
……それでもウエストがゆるゆるで今にも落ちそうなのが、ちょっと傷つくんですけど。
「……なんで、しっぽ、あんの?」
「知らないよう。神様へのお願いが足りなかったかなぁ?」
は?何言ってんだコイツは。
- 114 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時29分39秒
- 仕方ないので、ボクサーパンツのお尻の部分を少しだけ破って、そこからしっぽを出させた。
……ま、これで外に出るわけじゃないから、よしとしよう。
「えへへっ。似合うかなっ?」
そう言って、恥ずかしそうにこっちを向いて笑う彼女。
あたしよりも小柄な彼女は、大きすぎるトレーナーの中で身体が泳いでいた。
長すぎる袖からは細い指先だけがのぞく。
……でも、胸のあたりだけはちゃんと膨らんで存在を主張している。なんつう体型してるんだ、このコは。
そして、これまた大きめのボクサーパンツからはすんな伸びた細い脚と、猫のしっぽ。
それから、耳。
しっぽだけじゃなくて、耳もなぜか猫型のまま。栗色の髪からぴょこんとふたつ、飛び出している。
- 115 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時30分28秒
- うーむ。
これはまさに、あの…
「うーん…夏や冬に、有明あたりにいそうなカンジ」
思わずそう呟いてしまった。
バイト代はずむから!のひとことにつられて、一度だけ行ったあの会場に、
こんなかんじのコがちらほらいたことを思い出したのだ。
いや、あそこにいたコたちは、もっと露出度の高いスゴイ格好してたけどね。
……ちなみに、このときあたしがどんな格好をさせられたかは、あまり思い出したくない。
- 116 名前:With Me 投稿日:2002年01月18日(金)21時31分13秒
- 「アリアケ?なあにそれ?」
「いや、知らないなら知らないでいいんだけど…。ところでさ」
「うん?」
「あんた、あの……りか…ちゃん?」
猫の時は呼び捨てだけど、意識としては初対面のコをいきなり呼び捨てにするのは憚られて、ついちゃん付けをしてしまった。
「うん!そうだよぉ、ひとみちゃん」
にっこり笑う彼女。
平和に穏やかに過ぎていくはずだった、5月の昼下がり。
………アタマ、痛くなってきた。
- 117 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月18日(金)21時34分07秒
- 今回の更新は以上です。
いったい、これのどこが姫生誕祭記念モノなんだか…。思ったより回想シーン長くなりすぎた。
次からは現在視点に戻ります。多分次で終わり。怒涛の勢いで19日完結を目指します。
- 118 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月18日(金)21時40分32秒
- 物凄い勢いでがんがってください(w
- 119 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月18日(金)22時27分52秒
- 怒涛の勢いで楽しみに待ってまっす
- 120 名前:じゃi 投稿日:2002年01月18日(金)22時55分50秒
- 物凄い勢いで福井で酔っ払いながらチャックします。
- 121 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月18日(金)23時30分08秒
- ちゅう五回…してみよっかなぁ、あ、うちのんは
トラネコかぁ…はぁ…うらやますぃ〜〜。
- 122 名前:夜叉 投稿日:2002年01月18日(金)23時58分41秒
- ベランダで…(汗汗。
当方、吉推しなのに梨華猫にがっつし逝かれましたが、何か?
- 123 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月19日(土)14時59分11秒
- 出遅れてしまった。更新がんがってね。
- 124 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時18分31秒
◇ ◇ ◇
- 125 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時20分25秒
- あの時はホンット、びっくりしたよなぁ。
小鍋のおかゆに、ぽん、と卵を落としながら、あの時のことを思い出してあたしはくすくす笑ってしまった。
どうやったら変身するのか、そしてどうやったら猫に戻るのか。
最初のうちは何もわからなくて、この異常事態にアタマがついていかなかった。
なにしろ、彼女自身もその仕組みはよくわかっていなくて、自分でコントロールも出来ないみたいだったから。
でも、慣れとは恐ろしいもの。
何度か変身を繰り返し見ているうちに、あたしも彼女もだんだんその規則性がわかってきた。
それと同時に、猫が人間に変身するという、どう考えても普通じゃない状態にも、いつのまにか慣れてしまったんだ。
- 126 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時21分37秒
- …そしてもうひとつ、当たり前みたいになってしまったことがある。
言っとくけど、あたしが無理強いしたわけじゃない。
それどころか、多分あたしから仕掛けたことは一度もないと思う。
いっつも、誘ってくるのはあのコのほうだ。
彼女のお決まりのセリフは、
「ひとみちゃぁん、仲良く、しようよぉ」
だ。
彼女の言う「仲良く」は、世間一般で言うそれとはちょっと意味が違う。
だからつまり。
…………聞くなっ!察しろっ!!
- 127 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時23分19秒
- まぁ、このセリフが出てくるときは、わかりやすい分まだいい。あたしもかわしやすいし。
困るのは、言葉じゃなくてムードで押されるときだ。
彼女の場合、自分が誘ってるって自覚があるんだか、それとも無意識にそういう雰囲気を
出してるのか、いまいちわかんないとこがあって……。
自覚があろうとなかろうと、あれだけ「襲ってください」オーラを振りまかれたら、あたしだって
どうにかなっちゃうわけで……。
だって、アレはどう考えても反則だ。
あたしは別に、迫られたら誰でもおかまいなしのケダモノってわけじゃないぞ。
でも、あんなに潤んだ色っぽい眼で迫られて、それでも堕ちないヤツなんていないと思う。
- 128 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時23分58秒
……うそだと思うなら、一度りかに、本気で迫られてみるといい。
あの眼は…眼だけじゃない、あのコが無意識に発散してるフェロモンは、ほとんど犯罪に近いんだから。
- 129 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時24分37秒
「ひとみちゃーん?なにひとりでぶつぶつ言ってるのぉ?」
ベッドから甘えた声が聞こえた。
あ、あたし、つい声に出して言ってたらしい。
「なんでもないよ。おかゆ出来たよぉ」
あたしは、お椀にあけた卵がゆにスプーンをつっこむと、りかちゃんのところに持っていった。
「んん〜。食欲ないよう…コレだけでいい…」
りかちゃんは、枕元に置いてあったピーチジュースをストローでちゅうちゅう吸っていた。
「ダーメ、水分だけじゃなくって、なんかお腹に入れないと、薬飲めないでしょ」
「うにゃ…ひとみちゃん、食べさせて…そしたら食べる…」
- 130 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時25分15秒
- この甘ったれが…。
そう思うんだけど、このウルウル目でお願いをされてしまうとどうにも弱い。
「……仕方ないなぁ…」
あたしは、スプーンに半分くらい、おかゆをすくった。
「ほいっ」
そう言ってスプーンを差し出すと、
「もうっ、ひとみちゃん、こういうときは、『はい、あ〜ん♪』って言うんだよぉ」
りかちゃんが不服そうに頬を膨らませた。
言えるかっ!そんな、あたしのキャラから激しくかけ離れたセリフッ!
- 131 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時25分53秒
- 「それでね、それでね、『どう?お口にあうかしら?』ってかわいく聞くんだよ。
そうするとあたしが、『キミの作るものなら、なんでもおいしいよ♪』って答えて……」
「あのー、りかちゃんりかちゃん」
あたしは彼女の言葉を遮って言った。
「つかぬことを伺いますが…そのバカな会話はどこで覚えた?」
「あいちゃんち」
……やっぱり。
ロクなこと教えないな、あのマセガキ猫は。
- 132 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時28分09秒
- あたしは、はあーっとため息をついた。
「りかちゃん、もう少し友達選んだほうがいいよ」
「ほえ?なんで?」
「いや、常識的なことを覚える前に余計な知識ばっかり増えるのもどうかと…」
「?…なに言ってるかわかんない…」
「……ま、いいや。さっさとおかゆ食べて」
「熱そうだよぉ。ふぅふぅして」
「…ったく世話のやける……」
あたしがちょっと冷ましてから改めてスプーンを差し出すと、りかちゃんはうれしそうにぱくっとスプーンに食いついた。
- 133 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時29分03秒
「ん…おいひ…」
「…味、わかるの?」
「ん〜、よくわかんないんだけど…。でも、ひとみちゃんが作ったものなら、何でもおいしいよ」
「だから、そーいう安っぽいことは言わなくていいの」
「…ほんとに、そう思ってるもん…」
- 134 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時29分42秒
- 時間をかけておかゆを食べ終えると、あたしはりかちゃんに薬を飲ませた。
前に一度、粉薬を飲ませようとしたら、上手く飲み込めなくて盛大に咳き込んだことがあったので、
今回はカプセル状のやつ。これ、買っといて良かった。
りかちゃんは目を白黒させながら、これはなんとか飲み込んだ。
「さ、ちょっと眠ったほうがいいよ」
「うん……。ね、手、にぎってて」
「りかちゃん、いつも以上に甘えっ子になっちゃったねぇ」
あたしは、苦笑しながら彼女の手を握った。
りかちゃんは、熱っぽい手であたしの手をきゅっと握り返して、えへへ、と笑った。
- 135 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時30分28秒
薬が効いてきたのか、りかちゃんはすぐに眠りに落ちた。
なぜか、この世の苦悩を一身に背負ったようなしかめっ面で眠ってる。
あはは。眉が寄ってる。
うりうり、と眉をつっつくと、ぴくっと彼女の身体が動いた。
あ、起こしちゃったかな?
そう思ったけど、彼女はそのまま、すやすやと規則的な寝息をたてていた。
今度は、なんの夢を見ているのか、ふにゃ、と笑う。
……やっぱ、かわいいなぁ。
あたしは、まじまじと彼女の顔を見る。
彼女がこっちを見てないときは、こうやって落ち着いて見ることができるんだよね。
あの眼で見つめられちゃうと、どうもダメなんだけど。
- 136 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時31分32秒
- -----あたしがニンゲンに変身するとひとみちゃん、そっけなくなるよね。
猫でいる時はやさしくしてくれるのに。-----
前にりかちゃんにそう言われたことがあって、そのときはやんわり否定したけど。
彼女の言うことは、当たってる。
彼女の雰囲気にあてられて、ついイケナイことを考えてしまうのを防ぐためっていうのも、、
まあ少しは…多少は…あるけど。
人間になった彼女は、なんていうか………
認めるのはシャクだけど、っていうか認めてしまうのが怖いけど…
キレイすぎるんだ。
顔のことだけを言ってるんじゃない。
もちろん顔もキレイなんだけど、それよりもあたしをたじろがせるのは、彼女のまっすぐな心。
- 137 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時33分20秒
- あたしを、あたしだけを頼って、まっすぐな視線を向けてくる。
なんのてらいもなく、
「ひとみちゃん、好きだよ」
って言ってくれる。
猫だから。人間じゃないから。だから人間特有の見栄とか羞恥心がないから。
そんな言葉で片付けちゃうのは簡単だけど、でも、それだけじゃないと思う。
うれしいよ、もちろん。うれしくないはずないさ。
ちょっとくすぐったいけど、そう言われる度に心の奥がほわってあったかくなる。
でもさ、あたし、思っちゃうんだよ。
あたしは、りかちゃんにそれほど好かれるに足る人間なのかな。
そんなふうに想ってもらえる資格、あたしにあるのかなって。
- 138 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時33分54秒
自分の心を曖昧にごまかすのがほとんど習い性みたいになってしまったあたしには、
彼女の素直すぎるくらい素直な性格が、時々眩しい。
眩しくて、だからつい目をそらしてしまう。
- 139 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時35分15秒
- 「……ん…」
どのくらい時間が経ったんだろう。
ちょっと身じろぎをして、りかちゃんのまぶたがぴくっと動いた。それからゆっくりと眼が開いく。
ふっ。
ぼうっとしていた焦点があたしに合うと、りかちゃんはとろけるような微笑を浮かべた。
熱のせいで上気した頬。何か言いたげにうっすら開いた唇が、こういう時でなきゃ、
狙ってるんじゃないかと誤解してしまいそうだ。
……ほっとけないよなぁ。自覚がないだけに、危なっかしくて仕方ない。
「……ひとみ、ちゃん…」
「ん…なに?」
「あは…ひとみちゃんだ…」
「どうした?」
- 140 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時35分46秒
- 「…目が覚めたときにね、最初に、ひとみちゃんが見えたの…」
「…うん」
「…だからね、すごく、うれしかったの…」
「へんなコだなぁ、りかちゃん」
あたしは笑って言った。
「ヘンじゃないよぉ…。目を開けて、いっとう最初に、いっとう好きな人の顔が見れたんだよ…
それって、いっとう嬉しいことだもん…」
「………」
どうして…。
どうして、このコは、こんなに…。
- 141 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時36分58秒
- 「……熱、下がってきたね。薬効いてるのかな」
「うん……ひとみちゃん…」
「ん?」
「ありがとう、ね…」
「…たいしたことしてないよ。おかゆ作っただけ」
「ううん…今日だけじゃなくて……あたしがここに来てからのこと全部。一年…ずっと…」
りかちゃんは、まだ眠いのかふにゃふにゃした声でそう言った。
…いきなり、こんなときに何を言い出すんだろうね、このコは。
「一年…もう、そんなに経つのかぁ」
「今日で…」
「え?」
「今日で、ね。ちょうど、一年。1月19日。あたしが、ひとみちゃんに拾われた日…」
- 142 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時37分56秒
- 思わず、顔を上げてカレンダーを見てしまった。
もちろん、なにか特別な印がしてあるわけじゃないんだけど。
「りかちゃん、そんなの覚えてたの…?」
「ん…だって、あたしの誕生日みたいなもんだもん…」
「たんじょうび?」
「うん…ひとみちゃんに会って、あたし、初めて、生まれてきて良かったなぁって思ったの。
もしかしてあたし、ひとみちゃんに会うために生まれてきたのかなって。
本当の誕生日は覚えてないし…。だからね、この日が、あたしにとっては誕生日なんだよ…」
- 143 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時39分26秒
彼女の甘く細い声を聞きながら、不覚にもあたしは、目の奥がなんだか熱くなるのを感じた。
どうしてなんて、理由は必要ない。
このコはこういうコなんだ。
好き、とか、ありがとう、とか、生まれてきて良かった、とか。
言うのが恥ずかしいけど、でも大事な言葉を、伝えたい人に伝えられる。
あたしなんかが100回生まれ変わっても出来なさそうなことを、きちんと出来るコなんだ。
そうやって、あたしを泣きたいくらい幸せな気持ちにしてしまうんだ。
こんなりかちゃんだからこそ、あたしは。
これだけのまっすぐな想いを受け止められる、大きな人間になりたいな、と思うんだ。
今はまだ、出来ていないけど。
きっと、いつかは。
- 144 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時40分54秒
- 「そっか…。じゃあ、誕生日おめでとう、だね」
あたしは、冗談めかして言った。こんな風にしか答えられない自分にちょっと嫌気がさしながらも。
「んん…ホントはねぇ、ちゃんと元気なときにニンゲンになって、そんでおめでとう、したかったんだけどなぁ…」
りかちゃんは、ちょっと残念そうに唇をとがらせた。
その唇に、ちゅっ、と軽くキスをしてみた。ほんの出来心、ってやつだ。
- 145 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時43分23秒
- 「……びっくりしたぁ…風邪、うつっちゃうよ?…」
りかちゃんは、眼を丸く見開いてあたしを見た。
そうだね。なんでもない時に、あたしからこういうキスをするなんて、もう随分なかったかもしれない。
「このくらいなら大丈夫だよ。とりあえず誕生日プレゼント。元気になったら、ちゃんとお祝いしてあげるからね」
「んん〜。…ちゃんとしなくてもいいから、そのかわり、いつでもちゅっしてほしいなぁ…」
「ぜーたく言うんじゃないの」
こつん、と指で彼女のおでこをはじいた。
「ぜーたくかなぁ…そんなことないと思うけどなぁ…」
彼女はぶつぶつ呟いてる。
- 146 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時44分04秒
- 「……ねぇ…」
「ん?」
「元気になったら…仲良く、したい…」
「……ばかなこと言ってないで。熱上がるよ」
「ばかなことじゃないよう…。あたし、ひとみちゃんと仲良くするの好きだもん…」
前言少し撤回。素直すぎるのも考えものだ。
「ひとみちゃんは?…あたしと仲良くするの、好き?」
「…りかちゃん喋りすぎ。もう少し眠ったほうがいいよ」
「すぐそーやって、ごまかして…」
口の中でむにゃむにゃと不平を言いながら、まだ薬の効果が切れていない彼女は、そのままうつらうつらし始めた。
- 147 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時44分56秒
- たいした風邪じゃないみたいだし、明日には猫に戻れるかな。
あ、その前にシャワー浴びたいよね。昨夜は…えーと…ごめん。
あたしは、彼女に毛布をかけなおしてやる。
- 148 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時45分37秒
ねぇ、りかちゃん。
あたしね、りかちゃんに伝えたいこと、本当はいっぱいあるんだ。
りかちゃんがいてくれるだけで、あったかい気持ちになれる。幸せだなって思えるんだ。ほんとだよ。
……言葉に出して言えなくて、ごめんね。いつも曖昧に誤魔化してばっかりだよね。
そのことが、りかちゃんを不安にさせてるかもしれない。
ほんと、情けないご主人様だよね。
- 149 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時46分18秒
- いつかは、言うよ。ちゃんと言う。
りかちゃんみたいに素直に気持ちを言える人間に、いつか、きっとなるから。
だから、その時まで待っててくれるかな。
その時までずっと、うちのそばにいてくれるかな。
…いて、くれるよね…?
おやすみ、りかちゃん。
………大好きだよ。
Please stay with me forever.
- 150 名前:With Me 投稿日:2002年01月19日(土)20時47分09秒
〜FIN〜
- 151 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月19日(土)20時50分04秒
- おしまい。書きながら胸焼け。
吉澤視点だとどうもカラーが変わるみたいで、途中どうなることかと思ったけど、
結局はいつもの甘々いしよし。良かったね。
19日中に終われて私も良かったね。
こんなお話でも読んでいただけたら恐悦至極。
- 152 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月19日(土)20時53分40秒
- レス下さった方々、ありがとうございます。
ご期待に添えたかどうかわかりませんが、こんな感じになりました。
そして、最後になりましたが。
石川梨華さん、17歳の誕生日おめでとうございます。
貴女にとってこの一年が実り多い素晴らしいものとなりますように、
心からお祈り申し上げます。
拙い作品ではありますが、この作品は貴女に捧げます。
- 153 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月19日(土)22時13分34秒
- お疲れさまです。期待以上の甘甘でしたよ
ぜひ今後もこの作品、シリーズ化お願いしたいな
- 154 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月19日(土)23時43分16秒
- すごく楽しかったです(w
やはり本日中に読まないとと、呑み会
抜け出してきました、帰ってきて良かったです!
作者さま ありがとう!!
- 155 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)19時56分47秒
- 最高です!
ホント感動しました!
作者さんどうもありがとうございました!
P.S 2人のエロシーンも何気に期待してたりして(w
- 156 名前:じゃない 投稿日:2002年01月20日(日)21時15分48秒
- (^▽^)ヨカッタヨカッタ(0^〜^0)
- 157 名前:夜叉 投稿日:2002年01月21日(月)16時48分16秒
- 心の葛藤が見え隠れする吉、いいですね。
ちゃんと言える日を願いつつ、作者様、有難うございます。
そして、19日中の大漁交信、お疲れさまでした。
- 158 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)22時47分07秒
- あまい、あまいよ。ホントに(w
いいお話、すごく楽しめました。
やっぱり、このふたりはこうでないと(w
いつでもまっすぐで、純粋な梨華ネコ、あ〜可愛い。
- 159 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)00時18分09秒
- お〜うわさの反則いしよし小説というのはここですか・・・。
確かに反則どわぁー!!!
シリーズ化希望・・・。
- 160 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)15時28分44秒
- 最高ですな。
- 161 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月24日(木)05時19分22秒
- 落ち着いた頃にちろっとレスしに戻ってきてみたり。
まず
>152
捧げられる側の気持ちも考えろっつーの(w
いや落ち着いて読むとイタイわコレ。
>153
ありがとうございます。
今後については駄文の神様に祈ってください…ワタクシの一存では如何とも。
>154
うは。そんなことまでして頂いて恐縮ナリ。
>156
(^▽^)シアワセニナリマース(0^〜^0)
- 162 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月24日(木)05時20分21秒
- >157
何はともかく、間に合って良かったっす。
>158
ワタクシの意思とは無関係なんすよマジで。勝手にこうなるんですこの二人。
>159
ここは姫のセリフを借りて。
(^▽^)<何が反則なのか、あたしには全然わかんなーい♪
もう慣れました、反則言われるの…。
>160
シンプルで最高の誉め言葉をありがたう。
でわ、いつか会うかもしれないその日まで。皆様の心にも天使が降りてきたことを祈りつつ、
フェイドアウト〜〜
- 163 名前:Cha-Cha 投稿日:2002年01月24日(木)12時29分12秒
- ひとつレスもれゴメン。
>155
最近気づいたんですがね、実はエロ書くの苦手(w
修行を積んで、いつかそのうちに…。
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