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人と悪魔と天使

1 名前: 投稿日:2001年12月23日(日)08時30分04秒
え〜、初めて書きます。
適当じゃないけど、あんまりうまくいくとは思ってないんでそこはひとつよろしく、、、
2 名前: 投稿日:2001年12月23日(日)08時33分41秒
いやぁ〜、たったね。
やるか、マイペ〜スでいくべ、、
一応最初は保田、加護からでさい。
3 名前: 投稿日:2001年12月23日(日)09時49分06秒
 ガチャッ
「フー!さむーい!外出んのやだよー!」

 アパートの一室、一人の女がショルダーバックを掛けて文句をこぼしながらでてきた。

 「え〜 カギ、カギっと」 

 めっきりと寒くなった夜の風、それが彼女の不機嫌の理由。
 それともうひとつ、、こっちが本命かもしれない

 あーついてないな〜。今日になってお風呂の調子悪くなるなんて〜 

 コツコツと階段をおりる。


 まぁでも銭湯なんてなかなかいかないし、たまにはいいか

 そんなことを思って歩いていると、寒さもあまり感じ無くなっていて不思議と気分がいい位だ。

 フ〜ン フフフ〜 フフ〜フ〜 フフ〜ン

 知らずしらず鼻歌まで歌っていた。


 ん?あれ、、こんなとこに子供?

 人気の無い路地にはいったところで、真っ黒なフード付のコートに身を包んだ人影とでくわした。 

 なんだろ?こんなとこにつっ立って、、
 ウー寒い!ま、いいか

 すこし気味が悪かったけど、その横を通り過ぎようとする。
4 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)00時13分10秒
ススス、、、

「!? なに?ちょつと、、」
コートを着た人物が行く手をさえぎるように体を動かした。
思わず足を止めてしまい、反対へと足を向ける。

スススス、、、

今度は明らかに行く手を阻んできた。
目深にかぶったフードのせいで、その顔は伺うことができない。

なんなのこの子?もう! スタスタスタ

今度はその人物を敬遠する様に足早に通り過ぎる。

ダダダダ!!

それにあわせてちっちゃな物体も素早く体をさしこんでくる。
「ちょっ!なんなのあんた!!」
子供だろうと、もうそんなの知ったことではない。
とにかく早く銭湯にいきたい。

「・・・」
しかし、ちぃさなその人からは返事が無い。
5 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)00時54分15秒
「ったく!変な子だね!!もうついてこないでよ!!」
そうキツク言って横を通り過ぎようとした時だった

「ぶわーーーはっはっはっはぁ!!!」
「わぁーーーーっ!!」

今まで口を忘れてきた様に何も応えなかった黒コートの人物が、いきなり大声で笑い出した。
驚きのあまりこちらの口からは、心臓がでそうになる。

「ちょっと!!びっくりするじゃないの!!!」
ふいにとはいえ、自分が情けない叫び声をだしたのが恥ずかしくて思わずこちらの声もおおきくなる

「ふっふっふっふ」
怪しげなトーンへと変化した笑い声とともに、バッとその真っ黒なコートを脱ぎ捨てた!
その中も黒ずくめだ。黒い薄手のセーターに、黒いショートパンツ。さらに膝たけのソックス、先のとんがったブーツまで黒い。

「まいどー!加護ちゃんです!!!」
コートを脱いだその人物は、髪をお団子にした少女だった。
なにやらおかしなポーズで寄り目をつくり、タコのように突き出したくちびるをプルプルと小刻みに震わせている。

「・・・」
あ、危ない、、、
かかわっちゃダメだ。そうとしか思えなかった
6 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)07時21分01秒
お、落ち着くのよ!
こういう時は刺激しない事だわ!よし!
静か〜に女の子のわきをぬける

「・・・」
その子はじーっと不可思議なポーズのままその場でその様子を見ている。
と思う、、いまだにその目は寄り目のままで見えてるのかどうか疑問であるが

ふ〜、、 うまくいったじゃん!
そう安堵の息をもらす すると

「またんかーい!コラーッ!!」
コツンッ!頭に小石のような物があたった

「あいたー!!なにすんのよ!!!」

ダダダダダ
「あのなー!こっちが挨拶しとるんや!!
 そっちも挨拶せんか〜い!」
無茶苦茶な理由でまくしたててくる

あいさつ? 頭をポリポリと掻きながら少し思案してみる
無視してもまたしつこくされんのもいやだし
「あいさつね?」
ったく、最近の子供は変な遊びばっかやって、、
「ハイ、コンバンワ〜、サヨウナラ〜」
あたしは、そういうとその場から早く立ち去ろうと背を向けた

「きぇーーーっ!!!」
妙なかけ声とともにお尻に強い衝撃と痛みがはしる

「わったっ、たっ、たぁ!」
反動で前につんのめって、転びそうなるのを必死でこらえた
7 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)08時19分20秒

どうやら飛び蹴りをくらったようだ
「このぉ!!いい加減にしなよ!!!」
ふりむくとお尻をさすりながら、ユラユラとおかしな構えを繰り出しているクソガキ(決定)を怒鳴りつけた


「ちゃうわーい!あいさつっちゅうのはこうや!!
           加護ちゃんです!!! ドーン!!!」

、、あ、あさしにおぼえさせようとしてる、、、
しかも、、さっきより気合いがはいってるじゃん!
プルプルと震える顔はゆでだこの様に真っ赤だ
こ、これをやれってか?

「ハ〜。ったく、やったげるからもう帰んなよ〜」
この子の血管がきれそうなので、仕方なく言うことをきいてやることにした
やっぱり今日は厄日だ、、

「いくよー」
見様見まねでスッスッと、腕をクロスさせる


「 ヤスちゃんです!!!  ズドーン!!!」

カシャッ!!


「!!」

「ぷっ やった、やった!わははははは
     ヤスちゃんやって。ヒー、オカシー!!!」



、、、こんの、、、ク、クソガキ(憤怒)


「ヒー!あかん!笑い死ぬぅ!!ギャーハハハ!!」
ジタバタ 「は、腹がーー!!よじれる〜!!」 ゴロゴロ









8 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)09時32分19秒
いいねぇ〜、このマッタリ、ユッタリした感じ
ふわぁ〜
じっくりこういう事の勉強も悪くないなぁ〜
9 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)09時35分35秒
マッタリ、ユッタリ
こんな事も勉強ナリ
じっくりやるベショ
10 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)09時40分15秒
バカバカ!自分のアホー!!
ageてどうすんねん!!ほんまに、、、
11 名前: 投稿日:2001年12月24日(月)21時43分56秒
「こら、傑作やな!衝撃映像やで
     スクープや編集長〜!!ぎゃははは!!」

ブチッ
「言いたい事はそれだけかい?」

「へ? ひぃっ!冗談やがな、冗談(アセアセ)
 なんなら10万でデジカメごと売ったるで〜」

ピキピキッ

「ヒィーッ!!(ダラダラ) 
 わ、わかった!大まけで97,250円や!!
          これ以上は肉親でもまけられへんな」

プッチン
「シャーーーーー!!」

うわっ!あかん、きれてもうとる。いきなり殴りかかってきおったで!
せやから年はとりとうないんや
あぁ、、もう50円ばかしまけとくんやった、、

しゃあない、、 ピーカブーじゃあ!!
ウチはガードを固めた 
12 名前:対決 投稿日:2001年12月26日(水)07時07分12秒
グッと脇を締めて口元へと拳をそえた。
「かかってこんか〜い!!」
浪速のロッキーなめたらあかんでー!!

フッと嘲笑がこぼれる保田
「あまいよ!!ギャラクティカ ファントムッ!!」
えぐるようなパンチが、アッパー気味に両腕の間を割っていく

「ぬぁにぃ〜〜〜〜!!!」
ガードを吹き飛ばされ、ガラ空きになった加護のチンに凄まじい衝撃が走っていく。
グァキッ!!
鈍い音と共に人形のように宙に浮いた体が派手な騒音の中、
ゴミの山へと沈んだ。

自分のその拳を見つめる保田、、
また、やっちまった、、、
ヒューと夜風が吹きすさんだ。
「フー、いけない。お風呂いかなきゃ。」
そんな彼女の足元。転がるメタリックシルバーのソレ。

デジカメ、、、
13 名前:対決 投稿日:2001年12月26日(水)07時31分10秒
           あの悪夢が甦る。

   ーーー「やすちゃんです!! ズドーン!!」ーーー
   ーーー「ヤスちゃんです!! ズドーン!!」ーーー
   ーーー「やすちゃんです!! ズドーン!!」ーーー

やすちゃんヤスちゃんヤスちゃんやすちゃん保ちゃん、、、、、

「いやーーーーー!!!!!!!!!」
ガシャッ!!
雄叫びとともにアスファルトへと叩きつけられたデジカメ。
何度もストンピングをくらって跡形も無くなっていた。
「寒い。いこいこ。」
すっきりしたとこで、あらためて寒さがしみた。

「ま、まてや、、、」
背中越しに聞こえる声、、
振り返るとよろめきながらも立ち上がってくる加護が視界に捉えられた。しかし、、、
「やめときな!膝にきてんじゃないか。」
その膝はガクガクと震えていた。
14 名前:対決 投稿日:2001年12月26日(水)08時01分29秒
「な、何やこんなもん!膝がわろうとるだけや!!」
  ケタケタケタ

ガーーン!!本当に笑ってる

「笑い過ぎや!このアホひざ!!」
バシッ ブーブー
「うっさいんじゃ!!」

グワァーーン!!
コテコテだ。吉本みたいだ、、、
楚々草と退散することにします。

「またんかーい!!ようもやってくれたのぅ!
      釣りがぎょうさんあるきぃに!覚悟しぃや!!」

何処の子なんだろ?後で聞いてみよう。
そう保田が思っていると、どこからともなく音楽が流れてきた。

『ドゥ〜 ジャ〜ン ドゥジャ〜ン
 サンド〜 バァッ〜グに〜 浮かんでぇ〜 消えぇ〜る〜』

「ハッ! び、尾藤イサオ!?ど、どこから?」

「憎い〜 あんちくしょ〜の か〜おめが〜け
 叩け! 叩け! 叩〜け〜!! ウチには〜、、」

う、歌っている!!この子幾つなの!?
しかも微妙に替え歌だし!!
15 名前:対決 投稿日:2001年12月26日(水)08時35分10秒
マイクを放り投げた加護がオーソドックスに構える。

  ーー くる! ーー
そう感じて保田がグッと距離を取ろうとする。
ニヤリと加護の唇が上がった。
身体を半身気味にするとスッと左腕を降ろし、ユラユラとそれを小気味良く振りはじめた。

「フ、フリッカー!!?」
驚愕の保田!戦慄の加護!青い巨星ラOバ・ラル!!
「これでもー、、くらわんかーい!!!」
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン!!

「は、早い!!!う、うわーっ!!」

             ガシッ
ブンブン! 「この!この!このこのこのー!!」 ブンブン!
ブンブン。ブンブン。ブンブン。ブンブン。ブンブン。ブンブン



「汚いっちゅうねん!!このぉ!
 頭抑えんな!あたらへんやんけぇ!!」
フリッカーは何処へやら?
今や両腕をグルグルと回して只のだだっ子パンチである。
16 名前:対決 投稿日:2001年12月26日(水)09時11分58秒
「ハイ、ハイ。もういいから帰んなさい」
いい加減子供の相手も疲れてしまった様子で、加護ちゃんを見もせずそういった。
そんな保田嬢に気付く。キラッと、つぶらな瞳が怪しく輝いた。

フッ隙ありや!子供やと思うたんが運の尽きやったのう!!
「そこじゃあ!!!」   ゴスッ!!!
「うっ」   呻き声をもらして膝をつく保田

「どぅわぁーははははは!大事な所がガラ空きじゃないですか?
 いやぁ、しかし金Oきは効くのぅー!!」

ふぁ、、、ふぁ、、、ぃ、、
「ん?なんや?何か聞こえるぞ?」


ファイッ! ファイッ!! ファイッ!! ファイッ!!
テーテーテー テーテーテー

「ふぉうっ!?こ、これは、、
 ア、アゴや、、アゴやぁーー!!いやぁー!!!!」
オロオロと慌てふためく加護。ガタガタと震える加護。
「ヒィーッ!堪忍して下さい!
 あんたのポスターのアゴに『脳はここに収納されてます』
 って書いたのはウチやありません!!」
17 名前:対決 投稿日:2001年12月26日(水)09時59分44秒
そんな女の子らしい?一面を横目にスックと立ち上がる保田。

「ハォワァッ!!な、なんでや!
 なんで立てるんや!確かにウチの掌打は芯を捉えたはずや!」
「あたしはねぇ、、、」
「ハッ!そうか、わかったで!!
 ファールカップやろ!!日頃からそんなモンつけおって!!
 あんたはガOトかーー!!!」

「あたしは女だー!!
       アックスボンバーーー!!!」

「ぐわぁーーーー!!!!」
保田のAXBBは完璧だった。体を浴びせたソレは凄まじい破壊力で加護を薙ぎ倒した(押し潰した)
起き上がれない加護ちん。

    終わったんだ
いくぞーー!! ノーンフOアーーー!!!
18 名前:対決終わって 投稿日:2001年12月26日(水)10時28分40秒
闘いの後はいつも空しい気持ちにさせる、、
あたしは三度、背を向けた。

「あんた、、滅茶苦茶やで、、」
闘い終わった傷ついた友の声が聞こえる。
そう。闘った後は友なのだ。
「なんで、闘魂にNF(おOもり)やねん。」
「、、フッ」
「でもまぁ、ナイスファイトや!」
そういって親指を立てた右手を月明かりの夜空へと突き挙げた。
「、、、あんたもね。」

「ハハハハ」   「フフフフ」

不思議な高揚感と静寂にお互い笑いが起こった。
「、、ホラ。釣りはいらないよ!」
 ピッィン
爪とコインの弾ける音がして、シュルシュルとそれは大の字に寝転がる黒づくめの少女のもとへと吸い込まれていく。
あたしはそれが掴まれる前に背を向け歩きはじめた。

19 名前:対決終わって 投稿日:2001年12月26日(水)10時50分34秒
パシッ!
ごっつい強い人やった。
ほんま、、、かなわんな、、

ウチはコインを握り締めた右手を穴があく位みたった。

ファイトマネー、、か、、
そっと指を開くと思わず苦笑い。
「10円かい!!、、しょっぱいやっちゃ、、」
イヒヒヒと笑うとそれを月にかざすと、光るはずのない銅がキラキラと輝いて見えた。
「まぶしいわ、、コレ。ごっつい、、まぶしい。」
誰に届く事も無いウチの呟きは、そっと夜風がさらっていってしもうた。
10円、、ウチはまだまだって事や!
今度会った日には、、
「憶えとけよーーー!!」





「クシュッ!!あ〜もう!風邪ひいちゃうよ〜!!
 銭湯まだなの〜〜!!!」
20 名前: 投稿日:2001年12月26日(水)10時53分33秒
いやぁ、こんなひどいのみたことないね。我ながら
滅茶苦茶。しかもね、、、という事で。
21 名前:お風呂に入ろう 投稿日:2001年12月27日(木)17時44分32秒
「や、やっとついたよ。」
そう安堵の息をもらす彼女。それも無理ないことだ。
普通にここまで来たなら5〜6分でこれたはずなのだから。
それが、部屋を出てかれこれ1時間近く経っていたのだ。
「それもね、わざわざ近道と思って、人気の少ない道まで心細い 想いをしながら通ったのよ!」
風呂屋の前でブツブツとつぶやく。

「入んないのかい?」声を掛けてくれたおじさんに
「はいるわよ!!」
そう丁寧に返事すると、さっさと中へと入った。
わりと小さく見えた外観とは違い、中はなかなか広い。

番台じゃないけど、カウンターへと近ずくと料金のプレートをみてみる。
「え〜っと、大人は、、」
「360円ですよ。」
カウンターに座っている女性が教えてくれた。
22 名前:お風呂に入ろう 投稿日:2001年12月27日(木)18時14分05秒
こんなとこで座っているのがもったいない美人だ。
あ、だからお客が来るのか。
そんな勝手な自問と自答をしていると、目が合ったままだった女性が「どうしました?」というように和らかい表情で眉を少し動かした。
「あ、え〜と360、、円っと。」
なぜか慌ててサイフからそのままのお金をだす。
「お子様は180円ですよ。」
「あ、え〜と。180、、 へ?」
あたしはサイフから顔をあげると、何事もなかった様にあたしを見ている女性を見る。
「、、、そちらの、、妹さんでしょ?」
「へ?」
彼女が見つめる先に間抜けな返事とともに振り向いた。

「おわぁ!!!どっからわいて出た!!」
「へへへ〜」
そこには黒で服装を統一した少女がいた。
23 名前:お風呂に入ろう 投稿日:2001年12月28日(金)03時49分39秒
両の二の腕を摩る様に動かしていたかと思うと、素早く『女湯』と描かれた暖簾をくぐり
「へへへ〜。おねえちゃ〜ん!早く早く〜」
と大きく手を振る。
「あんなにはしゃいで、可愛らしいですね。」
カウンターの女性は優しくそれを見て微笑んだ。

そんなこと言われてもアレが妹の分けがない。
「いや、あのですね、、」
落ち着いて説明しようとすると
「先はいっちゃうね!」
といって本当に奥へと消えていってしまった。

「ちょっと、待ち、、」
追いかけようとした所で
「お客さん。あの子の分も。」
と呼び止められてしまった。



「ごゆっくりと。」
そんな暖かな言葉を背に暖簾をくぐった。
新たな戦場へと、、

「何処いったー!!ガキんちょー!!」
24 名前:お風呂に入ろう 投稿日:2001年12月28日(金)04時15分05秒
 フフフ〜 フンフンフン〜

脱衣ロッカーから上機嫌の鼻歌が聞こえる。
真っ直ぐとそこを目指して近づいた。
「ちょっと!!あんたどういうつもり!
     子供だと思ってチョーシにのって!!」
すでに髪をおろした加護がこちらへと体を向けたかと思うと
「まぁええから。はようはいろ?」
といって脱ぎかけていた長いソックスを引っ張った。

聞く気ねぇよ〜〜!!
コイツどうしてやろうか?
そんな事を考えている間に服へと手を掛けてしまっている

グッ ん〜、、よっと!
頭を服から抜いた加護がプ〜と息を一つはいた。

 !!

何!?この子下着まで黒じゃん!!
しかも、、胸でかくない?
思わず行動が全て停止してしまった。
25 名前:お風呂に入ろう 投稿日:2001年12月28日(金)04時40分49秒
 フフ〜 フフフ〜ン、、ん?
そんな保田に気づいた加護
バシッとその腕を叩いた。
「ちょ〜。何見てんの〜?ヤラシイわ〜」
イヤ〜ンといった様子で胸を隠すと、笑いながらシラ〜っとした横目で見た。
「な、何言ってんの。お風呂出たらかえんなよ!」
少しそんな冗談に慌てる保田。
加護に構うのはやめて、とっとと自分も服を脱ぎ始めた。


「フ〜。」
全て脱ぎ終わり、ガチャッとキーをかけるとソレをシャンプーのボトルにつけた。
「あれ?」
そこで周りを見ると加護がいない。
中かな〜と思ったが、どうやら違った様だ、、

「きゃ〜はははは!」
入り口の方から笑いながら走ってくる少女。
「コラ!走りまわんな!!」
そう怒鳴ると眉間を押さえた。
あ、頭いたい、、
26 名前: 投稿日:2001年12月28日(金)04時55分25秒
とりあえずここまで。
やっぱ難しいね。他で書いてる人尊敬できちゃうかも。
27 名前:お風呂に入ろう 投稿日:2001年12月31日(月)05時50分50秒
「ブー!ブー!」
加護はすっぽんぽんのまま、親指を下に向けてブーたれている。
「ハー、ったく。」
大きく息をついたとこで視界におかしな物が映った。
ヒョコッ
「ん?」
こちらを向いてる加護の腰あたりで何かが動いている。
ピョコッ
「ん?」
ピョコッ フリフリフリ
「えええええぇぇぇっ!!?」
加護が鏡を見ようと横を向いたと同時に、思わず驚きの声があがった。
「あ、あんた、、そ、それ、、」
「ん?あ、これ?」
コクコクコクコク 首が折れる程うなずく。
加護はあたしが指さすものを確認すると、事もなさげに
「しっぽ。」
と答えた。
ソレがクネクネと相槌をうつようにうねる。
「だぁあーーーー!!!」
ガシッとお馬鹿な子を脇に抱えるとキョロキョロと辺りを見回す。
そこでいいとこが目に留まつた。 トイレ
「イヤァーン!エッチー!」
「あほな事言うな!!」
バタンッ!!
嬉しそうな悲鳴とともにその戸は勢いよく閉められた。
28 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月02日(水)01時43分52秒
おもしろいっすねぇ。
何気に池野めだかネタがあったりして
結構ツボにストライク!!…って感じっす。
頑張ってくださいね!
29 名前: 投稿日:2002年01月04日(金)06時51分58秒
ほ、ほわぁ〜! レスぐわぁっ!!
は、は〜ずかしぃ〜!(恥)
で、でもうれすぃ〜!!!(歓喜)
30 名前:女トイレ(個室にて)取り調べ中 投稿日:2002年01月04日(金)07時29分34秒
「いややわぁ〜。こんな女の子にいきなり。
        しかもお互いスッポンポンやし、、。」
頬を紅く染めながら、両手をそれに添えてクネクネと恥じらう加護ちゃん。
恥ずかしい割に擦り寄って来るのはなぜだろうか?

「、、、ハー」
深いため息をつく保田。

そんな様子を見ていた加護が
ハッ!!っと何かに気付いた様にモジモジとしながら
「ええよ、、」
と言ってうつむく。

何がいいのかわからない保田。
「へ?何?」

「ん〜!もう!そやからウチはかまへんよ、って。
             キャッ!恥ずかしいわ〜。」
『一人恥じらい』をする加護に完全に置いてけぼりの保田。
じれた様に加護が
「、、こんなん恥ずかしいけど
      さっき負けたし、、チューぐらいかまへんよ。」
と唇を突き出して迫ってきた。
31 名前:女トイレ(個室にて)取り調べ中 投稿日:2002年01月04日(金)08時10分39秒
ゴツンッ!
トイレに鈍いゲンコツの音が響きわたる。

「なにすんねん!」
淡い恋心を砕かれたせいか、涙のちょちょぎれた加護が怒鳴る。

「なにすんねん!ってなんやねんそれ!!」
売り言葉に買い言葉って訳でもないけど、思わずそう返してしまった保田。
「ぷっ ひひひひ しっぽやっちゅうたやん。」
加護は可笑しそうに笑いながら「ホレ」と黒い物体を動かした。

「シッポってそんなわけないでしょ!
      たくっ。なんのオモチャか知らないけど。」
手を腰にあてがって怒る。

「オモチャやないって。ホレ、動くやん?ホレホレ。」
加護の言葉に合わせて絶妙に動くソレ。
「そんな訳ないっていうの!人間はそんなもん生えてないの!」
ブンブンと腕を何度もオモチャを指して振った。

「おー! よう揺れる。ぷるぷるしてるな。」
胸をシゲシゲと見ていた加護が顎を摩りながら呟く。

「何感心してんの!」
ゴツンッ!
個室にまたしても鈍い音が響いた。
32 名前:女トイレ(個室にて)取り調べ中 投稿日:2002年01月04日(金)08時52分34秒
「痛いっちゅうねん!叩きすぎや!
     ハリセンボンとちゃうねんで!縮んでまうぅ!」
両手で頭を庇う様に摩る加護がワーワーと非難の声を揚げた。

「とにかくこんな物付けてたら
      お風呂入れ無いから取りなさい!」
あたしはとにかく言って聞く様な相手じゃないので強行手段に討ってでた。

「あ、!あかん、、」
あたしの手をかわそうとした加護がそう言うか言わないかでオモチャをギュッと握りグイっと引っ張る。

              と

           「ああ〜〜ん!」

妙に切な気な声をあげて加護が胸の中に倒れ込んできた。
「わぁっ!ちょ、ちょっと!!」
突然の事にさすがに慌てる。

「ハーハー、、」
倒れてきた当の本人は顔を紅揚させて息も荒い。
「ちょっ やっ ん 」
無意識なのか、加護の小さな手が胸を掴んできて小さな悲鳴をあげた。
33 名前:女トイレ(個室にて)取り調べ中 投稿日:2002年01月04日(金)09時21分43秒
しかし、どうしたっていうんだろ?
様子がおかしくなったのは間違いない。
「ハーハー、、」
加護は相変わらず紅揚させた頬で眉をひそめている。
「ちょっとどうしたの!?息荒いよ!」
あたしは手を動かそうとグイっとオモチャを引っ張った。

「あ〜〜〜〜ん!!あかんって、、、」
加護がまたも切ない声をあげる。

「え? 何? これ?」
あたしは手にしていたシッポのオモチャをそっと上げた。
コクコクと弱々しく加護が頷く。

「はなし、、て、お願いや、、」
             
            ドキッ!!

そ、そうゆう言葉ってなんかドキッとするんですけど
なんかコレ凄いシチュエーションだし、、
「あ、あぁ、う、うん。」
あたしは、デンジャーゾーンにいきかけた意識を呼び戻すとパッとシッポを手放した。
34 名前:女トイレ(個室にて)取り調べ中 投稿日:2002年01月04日(金)17時12分35秒
「ハー、、う、うぅん、、」
加護は一つ安堵の様な息をもらすと小さく唸った。
まだ頬は紅いものの、その表情も落ち着いてきていた。

「だ、大丈夫?」
あたしはさっきまでの容態が心配で声を掛ける。

「う、、ん。もうちょっとこのまま、、」
「え?ちょっと!」
反論は訊く耳もたず。加護はその目を閉じたまま、身体を預けている。


暫くすると「スースー」と心安らいだ様な寝息が聞こえてきた。

「ちょっと!?寝ちゃったの?」
慌てて体を動かそうとして、そのとても心地よさそうな寝顔が目にとまる。起こしちゃ悪い気がして思わず「ハー」とため息。

そっと小さな体を包む様に腕をまわすと、上方へと開かれた小さな窓から覗く月を見上げながらもらした一言。


「、、何やってんだろ?あたし、、」

トイレでポンで抱き合う二人の少女(?)
ホント、何やってんでしょ?
35 名前: 投稿日:2002年01月04日(金)17時18分41秒
はい。一区切り。
しかし、やすかごで(こんな文に)レスつけていただけるとは
世の中心の広い人もいるんだね。
勉強、べんきょーう!!
36 名前: 投稿日:2002年01月04日(金)17時22分16秒
し、しまった!
下の人がageたばかりだー!!!
ごめんなさいぃ!!
どうか見てたらageてください!スティンガーさん!!
37 名前:スティンガー 投稿日:2002年01月04日(金)22時45分06秒
大丈夫ですよ。結構萌えさせてもらってます。(w

もしよろしければ俺のも見てくださいね。すっごいエロいっすから(www
38 名前:スティンガー 投稿日:2002年01月04日(金)22時45分42秒
あ・・・SAGEてもた。ageときます。
39 名前: 投稿日:2002年01月05日(土)06時47分46秒
スティンガーさん言葉足らずでごめんなさい。
いや、スティさんがせっかくageた直後にageちゃったから、申し訳無くて「『初投稿です』をageて下さい。」といいたかったんです。
てゆうか、自分がスティさんの所に感想書きつつageればよかったんだと気付いた初心者の自分、、、申し訳ない
40 名前:取り調べ中 投稿日:2002年01月05日(土)08時50分08秒
加護に抱きつかれた拍子に背を壁に預けた為、段々とひんやりとした感覚に襲われてきた。

「ハー、背中冷たいよって、アン、こら!!」
一人呟くと、急に胸の中心に何かに吸い付かれる感じが走った。

  チューチュー

「な、何吸ってんのよ!!? こら!起きなさい!!」
寝ぼけているのか、加護がおっぱいを飲む様に吸い付いてきたのだった。
あ、あたしはあんたのママじゃないわよ!?

「ん〜ん〜。」 チューチュー
加護は眠ったままぐずると、そのまま又吸い付く。

「ちょっ、、い、や、、」

「ん〜」

「、、、ほんっと、何やってんのあたし?」

今の自分の姿。加護にまわした腕がちょうどだっこしてる母親の様でなくもなかった。それ故に何やってんだろ?という思いが強いのもしかり。














41 名前:取り調べ中 投稿日:2002年01月05日(土)09時11分47秒
「クスクス」

そんな自分に思い悩む保田の耳に小さな笑い声が聞こえた。
ハッと加護の顔を覗き見る。
別段、先ほどまでと変わり無い。

気の、せい?かな、、

ジー、、、
少し加護の顔を見つめてみる。


 !! 今、何かほっぺがピクピク動いた気が、、


ジーー

「・・・」

ジーー

「・・・」

ジーー

「・・ピク」

!ん?

「・・ピクピク」

、、、こいつ

「・・ニヤ〜」


「あんた!!何タネキ寝してんのよ!!」
42 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)15時51分03秒
ていうか面白すぎです(w
テンポも良いし。作者さんの熱い魂を感じました(w
加護の正体が気になりつつ続きが楽しみです♪頑張って下さい!
43 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)04時02分08秒
うっ、、、わぁ〜い!
レスだ!レスだ〜! 好物!好物〜!!
ありがちょ〜ごじぇ〜まっしゅ!
文を書く難しさを勉強の日々。
べんきょー!!うきょー!!(壊)
44 名前:取り調べ中 投稿日:2002年01月06日(日)07時25分53秒
  グゴゴゴゴゴ、、!!!

何処からともなく響いてきた怒りの地鳴りにあわせて、保田の自慢のネコ目がギリギリとつり上がっていく!

「ちょっ、まって!ちゃうねん!!
 あんたがシッポ握ったりするからやねん!」
慌てて加護が叫んだ。

「は? なんでよ?」
スーッと怒りモードがひいて、いつもの顔に戻った保田が怪訝そうに訊く。

「ウチらはな、力が弱い時にシッポ握られると
 弱ってまうねん。」
うんうん。と、自分に頷きながら説明する加護。

「まだ言ってるの? それが本物?信じられないっての!」
呆れた様子でそう言った。

「なにを〜!!ガンコやなー!
 よ〜見てみぃ!しっかり生えとるやろぉ!!」

どっちが頑固なんだか、、、加護は、ガッと洗面台に手をついて後ろを向いた。
45 名前:取り調べ中 投稿日:2002年01月06日(日)07時47分18秒
膝に手をついて、ぐっ!と顔を近ずける保田。
「んー、、、」
唸りながら目をこらしてみる。

クネクネ

黒い猫の様なシッポが彼女の鼻先でうねる。

「ん〜、、」

ヒョコヒョコ

「おー!!」
今度は、シッポがシャクトリムシの様な動きをした。

ピーン!

「ほー!」 パチパチ
さらに、今度は棒のようにビシッと立った。軽く拍手する。

「ほんと、、生えてる感じ、、」

その生え際といい、動きといい、質感さえも本物っぽい。
よ〜く見てみた結果、答えがそうでた。
46 名前:取り調べ中 投稿日:2002年01月06日(日)08時04分58秒
でも、、そんな訳がないし、、

「ん〜、、」
納得しかねる様子で、ジ〜っとシッポを睨んで悩む。

それを、首をひねって自分の肩越しに見ていた加護。退屈そうだったその口元がニヤける。

あ〜、、でもそんな訳ないし、、でもでも、本物っぽいし、、
悩みの種とにらめっこし続ける保田。

そんなやすちゃんのビジョンに、「ぷりっ」という声と共に加護のお尻がドーンとアップになって映った。
47 名前:取り調べ中(まだトイレ) 投稿日:2002年01月07日(月)03時49分34秒
「おわぁっ!!」

ヒップが顔に直撃しそうになり思わずのけぞると
 ゴンッ!!
と鈍い音がして、後頭部に痛みがじ〜んと伝わってきた。

「つぅ〜っ!!」

両腕で頭をはさむように後頭部を抑えこむと、思いがけず涙が滲んできてしまった。
「いった〜い!!う、後ろ壁だった、、」


「ギャハハハ!! 
 お、おもろい!おもろすぎる〜!! もれてまうよ〜!!」
加護はそのまま、台をバシバシと叩きながらこれまた涙を滲ませている。(言うまでもなく歓喜の産物ではあるが)

一頻り笑うと、調子がでてきたのか
「加護ちゃん〜・・アタック!!」
と、ぷりっとお尻を突き出し始めた。

アタック!アタック!アタック!アタック!
アタアタアタアタアタアタアタアタアタアターック!!!
        キャ〜ハハハハハ

ついには、高速化しはじめてしまった加護ちゃんアタック。

保田は未だ頭を抑えたままである。
立て!立つんだ!保田ぁ〜っ!!
48 名前:保田を励まそう!! 投稿日:2002年01月07日(月)03時55分42秒
いいのか保田!!
よくないはずだ保田!!
立て〜!!立たないと進まねぇ〜!!

「うるさいわね!!ま、まだ10カウントはいってないわよ!」

お〜!!聞こえてたみたいだ、、

             つづく
49 名前: 投稿日:2002年01月11日(金)03時58分44秒
読んでる?
50 名前: 投稿日:2002年01月11日(金)04時00分52秒
読んでる?
51 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月11日(金)10時48分11秒
おー 読んでる読んでる!ってジミーちゃんかよ!(w
52 名前: 投稿日:2002年01月12日(土)01時44分53秒
二重投稿に素敵なお返事ありがっちょ!
読んでる人いてよかたよ〜
またがんばります!ほどほどにね
53 名前:正体は・・・ 投稿日:2002年01月12日(土)02時03分17秒
「つぅ〜っ!」
なんであたしがこんな目に?

行き場のない痛みを抑えながらゆっくりと顔をあげる。
その視界に、良い汗を掻きつつ奇声を発する少女。

「ちぃとばかし、ひねりがたりひんなぁ、、
      加護ちゃ〜〜ん、、アタック!!!」

           !!!!

そこで動きの止まった加護ちゃん。
腰でもいわしたか?そう保田が親心里心をだした時だった。

「こ、こ、これやーー!!!」
ぷるぷると体を震わせていた加護が絶叫する。
「飛騨の山奥にこもってはや三年、、、
     ついに完成したで〜!!これが、、」

      真・加護ちゃんアタックやー!!
54 名前:正体は・・・ 投稿日:2002年01月12日(土)02時28分48秒
ウチはやったんや!
凍える思いで山にこもり(ウソ)どっかのペットのワンちゃんのエサ、どんな味なんかな〜と思って喰ったり(ホント)

うわ!まずっ!! とか言うてたけどもほんまは以外といけたりしたもんや、、って何言わすねん!!

まぁええわ。
それよりこれを誰かに、はよう見てもらわんと!!

ウチは振り返った。
「なあ、これ見て!
  ウチがあみだしたんやで〜、、あれ?」

ウチが期待してた人は裸のまんま
「つぅ〜っ!」って呻いて、頭抑えて膝ついてた。

何やしらへんけど、たてこんどるみたいやからまぁええわ。
ウチは自主トレを再開した。

「加護ちゃん、、アタッーク!!!」

      あ!
   
   、、、あかん『真』つけんの忘れた、、」
55 名前:正体は・・・ 投稿日:2002年01月12日(土)02時42分18秒
一方、保田は何故またも後頭部痛打したのか?

それは、、

さっきの加護の「これやー!!」って叫び声に驚いたから、、
 です。

「、、もう許さん!しばきまわす!!」
ふた度その猫目がキリキリと吊り上がり始めた保田。

そんな危機に気付かない加護。


うるさいトイレだ、、
っていうか、早く風呂入れよ!!
56 名前: 投稿日:2002年01月13日(日)15時33分25秒
うわぁ...
なんか、ぐだぐだになってきた...
進まないし、文は下手だし
でも、ちょうど良い感じに沈んでるので、実験しつつ進めようと思案。
益々読み辛くなるね。はぁ〜....
57 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月14日(月)01時00分25秒
読んでますよ。テンション高くておもしれ―ッス。
58 名前:正体は・・・ 投稿日:2002年01月15日(火)02時40分14秒
「加護ちゃ〜〜ん...」
飽きもせず、腰をいれた溜めをつくる加護。
「やめいっ!!」
怒り浸透の保田が怒りの鉄拳を降り下ろした。

スカッ!
獲物に避けられて見事に空を切るゲンコツ。

「フッフッフ、そうはうまくいきませんよ〜?」
それをかわした少女は得意げな顔で non non と人指し指を揺らした。

  この〜、こんな時ばっかり丁寧な言葉使って〜!
  余計腹立つ〜!!

ぐぬぬぬ、と拳を震わせたとこでため息。
「ハ〜。ま、いいよ。」
めんど臭げにそうこぼした。

「へ?」
加護の気の抜けた声をだした。
59 名前:正体は・・・ 投稿日:2002年01月15日(火)03時07分44秒
「ま、いいやって言ったの。」
よ〜く聞こえる様にズイッと顔を近づける。

加護がム〜ッと口をとがらせた。
「飽きたん?」
至極残念そうな表情を作って言う。

「そうじゃないけど、こんなとこ早く出てお風呂はいりたいでし ょ?」
こんな時ばかりの子供らしさにそれでもついつい優しい口調で返す。
「それによくわかんないし。
 そういう特異体質って事にしとかないとね...」
自分の中では未だ理解不能なシッポを見つめた。

そんな保田を見ていた加護が、ん〜。と腕を組んでから『うん』
と頷く。
「ちょっと違うな。 私 悪魔 なんです。」

「・・・・」
言葉につまる保田。
  ...どうしたらいいの...?

悩んだ末に
「ハ、ハハハハハ...」
とりあえず笑った...
60 名前: 投稿日:2002年01月15日(火)03時16分27秒
ホントにちょっとだけ更新。
レスありがとうございま〜す。
ついに10こえちゃったよ。sagesageなりね。
これからも地味専まっす(し)ぐら〜!!!!
ちょくちょくやってきまっしゅ! コメデってむずいにょり。
61 名前:加護ちんは悪魔です 投稿日:2002年01月16日(水)04時52分15秒
「ハハハハハ」
返答に困った保田の乾いた笑い声が響く。
「悪魔ね。あんたみたいな可愛い悪魔いるんだ。」

 ポッ
「か、可愛いって...ちょ〜、何口説いてるん?
           いややわ〜。ん〜(チュ〜)」
頬を朱に染めた加護が唇を突き出す。

その頭を片手で抑えると
「何言ってんの?ほら、もうでるよ!」
ドアに逆の手をかけた。

「信じてへんみたいやね...」

少しさっきまでとは違う調子の声に振り返る保田。

「じゃあ..証拠、見せたるわ。」
そう言うと加護は、少し不敵に微笑みスッとまぶたを閉じた。
62 名前:加護ちんは悪魔です 投稿日:2002年01月16日(水)05時22分24秒
 
「バーダの息吹を運ぶ魔なる馬車よ 風の力を僅かに授け...」
目を閉じた加護が何やら不思議なことを呟き、両手で何かを描く様に空を切った。

それを呆然と見続ける保田。
トイレの中の雰囲気も一気に様変わりしつつあった。

「...悪戯の妖精 プリアノ!」
しばらく呟いていた加護が言葉を切ったその時、おろされた前髪の隙間からポワーっと赤い五亡星が浮かんできた。

「ちょ、ちょっと..本気なの!?」
信じがたい光景に慌てる保田。
しかしもっと信じられない事をすぐに見ることとなる。

  きゃ〜!!  何これ〜!?  ひ〜!たたりじゃ〜!!!

いくつもの悲鳴が耳に聞こえてくる。 

何!? 外?

ノブを掴むとトイレのドアを勢いよく開け放つ!

「...なんなの?..これ..」
63 名前:加護ちんは悪魔です 投稿日:2002年01月16日(水)05時54分10秒
そこは一言でいうと滅茶苦茶だつた。
脱がれた服やら下着やら、桶やかご、タオルなどが物凄い勢いで飛び交っているのだ。
そこを逃げ惑う老若女。わ〜!わ〜!とすごい騒ぎである。

そこは室内でありながら小さな竜巻に襲われているようで、まるでポルターガイスト発生中のような状況だった。

バタンッ!!

開けたドアを倍の勢いで閉めると、とにかくいまだに何かを念じている様子の加護を起こす。
「ちょ、ちょっと!
     分かった!分かったからもういいって!!」
そういうと、加護のオデコで怪しく輝いていた赤い印がフッと薄くなって次第に消えていった。

「...へへへ〜。信じてくれた?」
目を覚ました?加護は何事もなかったかの様に笑う。

「ウソみたいだけど...

さっきの外の光景が頭をよぎりまくる。

 夢...でもないみたいだね...」
64 名前:加護ちんは悪魔です 投稿日:2002年01月16日(水)06時23分28秒

目の前でこちらを見上げる少女を見やる。
彼女はそれに気づくと恥ずかしそうに伏せ目がちにチラチラとこちらを伺い、チュ〜しようかどうかと迷いだした。

ハ〜...なんかこの子と会ってからため息ばっかしでるよ。

もういいよ、あんたが悪魔でも鬼でもさ...
悩んでもしょうがない事もあるんだ。世の中には...
無理から自分に言い聞かせた。

「たださ...やっぱそのかっこじゃお風呂にははいれないよね...」
ぼそっとつぶやいたソレを聞いた加護が
「それならだいじょ〜ぶ!」
と、ドアを開けてとっととトイレを出ていってしまう。

「あ!こらっ!!
 そんなの人にみられたら...」
そこまで言って言葉が止まった。

「ねっ!だいじょ〜ブイッ!!」
振り返った加護が腰に手をあててVサインをして見せた。

お客さんはさっきの騒ぎですっかり居なくなっていた。
65 名前:加護ちんは悪魔です 投稿日:2002年01月16日(水)06時54分29秒
「しっかし、こううまくいくとはな〜」
イシシシとほくそ笑む加護。

「 !! あんた、証拠見せたる。とかいっといて
        わざとあんな事やったんでしょっ!?」

「な、なんの事やろな〜?
 ウ、ウチはネェサンがどうしても信じひぃへんかったから
 泣く泣く涙ちょちょぎれる思いであんな事したんやでぇ?」
必死でシラを切る加護。その額にはダラダラと汗が流れている。

「そ、そんな事よりぃ、はようお風呂入ろ?」
「こらっ!待ちなっ!!」
言うが早いか、加護はシッポをフリフリ浴場へと走り出した。

「キャハハハハ!はよう〜!こっちこっちぃ〜!!」
鬼に捕まらないつもりなのか、引き戸の所でこちらを呼ぶ子供。

「先入りな!」
「あ〜い!キャハハハ!」
笑い声と共に声の響きわたる空間へと消えていった加護。

一方の保田は、脱衣場で自分のロッカーと隣の加護のロッカーだけが荒れてないことに目をつけていた。

「.....あいつ、確信犯だろ..100パー...」
66 名前: 投稿日:2002年01月29日(火)05時56分27秒
いや〜、こりゃまた随分さがったな。
また少しづつやるか。なんか短編や、詩みたいなのも書きたいなぁ。う〜ん。
67 名前:いたこ@25 投稿日:2002年02月15日(金)01時57分39秒
おもしろすぎ!
吉本好きの自分的には本当最高っす!!
も〜俺のハートをガッチリキャッチ!!って感じっす!
続き期待してます!!
68 名前:いたこ@28の間違いでした…。 投稿日:2002年02月15日(金)02時01分11秒
うぉ!!
ageてもーた…。
申し訳ない…。
69 名前: 投稿日:2002年02月16日(土)16時48分39秒
うおお!レスぐわぁ。w
ありがとう!何とか少しずつでもやってきたいのでどうぞよろしくおねげしますw
しかし、ここの復活は嬉しいね。活動してくれた人たちに感謝せねば。どうもありがとう!
70 名前:いたこ 投稿日:2002年02月17日(日)00時21分18秒
首を8m程伸ばしてまってます!!
71 名前:お風呂で 投稿日:2002年03月10日(日)16時28分49秒

   カポ〜ン・・・ざぶ〜ん
「ふ〜。気持ちいい〜。」
「本当やね〜。こういうの極楽って言うんやな〜。」
大きな浴槽に浸かってひとつ息をはいた保田の隣で、頭にタオルを載せた少女がご機嫌な調子で合いの手をいれた。

「・・・・」
「ん?どうしたん?」

「あんたさ・・」
「へ?」

「悪魔じゃないの?」
「ん〜・・みたいなもんです。」

「・・極楽って・・」
「はははは、そんなんいちいち気にしてたら いい返しとかできへんやん。」

(返しって・・)
「ん?」
「いや。変わってんなって思っただけ。」

こうして一通りする事も終えて今は湯船に浸かっている二人だが
さっきまではギャアギャアと騒いでいたわけで・・
72 名前:お風呂で 投稿日:2002年03月10日(日)16時58分00秒

  ー30分程前ー

「きゃ〜。はははは。みてみて〜!」

「...は〜..ったく。」
浴場に入ってすぐ、またしても深いため息をこぼした保田。その眼前ではものの見事に石鹸を使って所せましと滑る加護の姿があった。

「危ないからやめときな!」
一言注意をすると壁の前へと陣取る。
ここは造り物の大理石模様の椅子みたいのが各シャワ〜、ガロンのところに設置されていた。
2、3度お湯で洗い流してそこへと腰掛けたのだ。

後ろを振り返る。
「きゃ〜はははは!」
加護は何故か凄い勢いでフィギア選手の様にスピンをしている。

「フィギアスケートか...そういえばなんかそんな事TVでいって たような..」
73 名前:いたこ 投稿日:2002年03月17日(日)00時06分26秒
加護ちゃん・・・かわいいなぁお前!!!
悪魔でもええから君をペットにしたいくらいやわ!
あれ?自分今問題発言やったかなぁ??
・・・まあ細かいことは気にせんといてください!
続き楽しみにしてます!
74 名前:お風呂で 投稿日:2002年03月17日(日)06時41分44秒
「ま...いっか。」
一人つぶやくと体を正面へと向き直しシャワーを浴びつつシャンプーを手に取る。
ワシャワシャと髪を泡だてると目を閉じてご機嫌な様子で歌を口ずさんだ。
「ふ〜ふふふベイベェ。ふ〜ふふふでいいんじやない?オウイェ ス。ふ〜ふふふふ...」

はぁ...こんな広いお風呂でゆったりすごせるなんて...
あの子の手前あんな事言ったけど少しはあのイタズラに感謝してあげてもいいかもねぇ...なんて。ふふふ。

「ねぇ。」
髪を洗いながら静かになった背後へと声を飛ばす。
「あんたもさぁ、遊んでないで身体でも洗いなさいよぉ。」
75 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月30日(土)23時58分46秒
何気にやすかごは好き。
がんばってや。
76 名前:??? 投稿日:2002年04月30日(火)02時56分54秒
???
77 名前:お風呂で 投稿日:2002年05月05日(日)16時37分20秒

「あ〜い。今から洗うよ〜ん。」
予想に反して素直な返事が返ってきた。

「そう。ちゃんと耳の後ろまで洗うんだよ。」
「ん〜。わっかりました〜。」

さて。髪を洗い流そうと目を開ける。
....と、正面の鏡を見て動きが止まった。

「...何してんの?」

そこには今まさに自分の胸を後ろから襲おうとしている加護が写っていた。
「.....。」

「......ちょっと。」

「....いや。え〜と、身体洗えって言うから...」

「...ん。で?」

「お背中流そうかな〜?と。」

「そう。ありがとう。(ニコリ)」

「いえいえ。それでは...」
加護がその手を進めようとした瞬間、キッと睨みを効かす保田。
「う...。」
動きの凍った相手に無言で隣の席を示した。

「わかったわ!ええもん!せっかく優しく洗ったろうと思ったの に!!」
何故か怒りだした加護と保田の闘いは、この後熾烈を極めたという...らしい。
78 名前:お風呂で 投稿日:2002年05月05日(日)17時18分40秒

洗面器が飛び交う!シャワー(水)が襲いくる!
最終的には泡まみれの取っ組み合いになり「ワーキャー!ワーキャー!」と、騒がしい事この上ない事となってしまった。

「ハー。ハー」
「やるや、な、いの。ハー。ハー。」

「も、もういい。お風呂はいろ?」
疲れた様子で保田がこぼす。
「...そやね。」
若さ故に保田の3倍は暴れていた加護も疲れをみせていた。

「じゃあ、こっちおいで。」
保田がシャワーを手に加護を抱き寄せた。
「ん...」
優しい強さの水圧が身体をいきかう。
「ちゃんと泡おとさないとね。」
キレイになるようにすっすっと、シャワーのあてにくい所に手が触れる。
目を閉じて成すがままの加護であった。

「これでよし。と」
体を二周、シャワーで流した保田が微笑んだ。
目を開けた加護が照れくさそうに笑う。
「...ありがと。」

「いえいえ。じゃはいろっか?」
「うん。」
なんだか優しい空気に包まれた浴場。

そして時は戻るー
79 名前:zk 投稿日:2002年05月07日(火)04時22分56秒
なさい。
これからも頑張ってね。
まってるからにゃ〜。
80 名前: 投稿日:2002年05月16日(木)05時11分30秒
はぁ...お話は少しできてるのに指が進まない...
少し気分を変えようか、このまま少しずつコレを進めようか思案中...う〜ん...
81 名前:お湯ん中 投稿日:2002年05月18日(土)05時07分10秒

  ー カポ〜ン ー

様々な浴槽が混在する中、たった二人きりのお客は同じ金木犀のお湯にサルの親子みたいに肩を並べていた。

「は〜あ〜あ〜。き...」
両腕を目一杯に伸ばした親猿が言葉をとぎる。
「?」
子猿が頭にタオルをのせたままその様子に目をおくる。

「...もちいい〜〜〜!!!」
幸せそうな笑みを浮かべて親猿、基、保田が浴槽へと背を預けた。
「....ぷ。くすくす。」
それを近くから眺めていた子猿、基、加護が小さく笑う。

「....何よ〜!」
それを気にした様子の保田に『ニヘェ〜』と加護の何ともいえず悪戯な笑顔が向けられた。

「ふふっ。おばちゃんくさ〜い。」

「!?なんだと〜!!!」
悪びれる事も無く「ハハハ」と笑い続ける生意気な悪魔を腕の中にとらえる。
「キャ〜。ハハハ。おそわれるぅ〜。」
「なんだと〜!この〜。」
82 名前:お湯ん中 投稿日:2002年05月18日(土)05時43分52秒

一頻りじゃれあった後、保田が口を開いた。
少し声のトーンを替えて。
ど〜しても聞きたい事があったのだ。

「...ねぇ。あんた..悪魔なんだよね?」

「うん?そ〜やってゆ〜たやん。」
気持ち良さ気に目を閉じて微笑む加護。
鼻歌交じりである。

「...そっか。」
確認したものの、やはり信じたくない。
しかし脱衣所で加護が自分にみせたものは、人ではありえないという事を充分に知らしめてくれた。

シッポ... 魔法らしき力... 人並はずれたアホさ...? 

ぶんぶんと首を振った。
「...それで..」

核心へと迫る。
 
「あんた...何しにきたの...?」


「...う..うん..」
唇を開くのも重そうな口調で、だけど加護は語りだした。
83 名前:お湯ん中 投稿日:2002年05月22日(水)04時20分30秒

  ちょっと前の事やねんけど...


照明の無い暗い部屋で加護は人を待っていた。
厳密に言うと、相手はヒトではないのだが...自分も含めて。
この部屋の明かりが無いのも、そもそもここに必要がないからである。
退屈そうに欠伸をしていた加護の背筋がシャキっとのびた。

程なく何処からともなく、闇の中から一人の女があらわれた。
胸のはだけた濃い紫のシャツに深いスリットのスカートがその者の空気に必要以上の妖しさを漂わせている。
しかしそれも目の前にいる涙を拭う(欠伸によるモノ)相手には
なんだ意味をなしていない。
「....ふぅ。」
加護を見るなり溜息をついた女は、これまた何処かからあらわれた椅子へと腰掛けると手にしていた書類を目の前の空間へと放り投げた。
そこへデスクがあらわれる。
「....さて、始めよか?」
加護を目に留めず書類に目を通しながら女が呟いた。

こうして加護の憂鬱な時間が始まったのだった。
84 名前: 投稿日:2002年05月22日(水)04時32分41秒
ちょっとづつ更新・・なのか?この量はw
レスも返してない有様です。はい...
レスくれる人ありがとうございます。
もうちょっとしたら何人か出てきますので...しかしこれ不定期すぎて読み辛いですね。w(自ら言ってみる
85 名前:闇の世界 投稿日:2002年06月08日(土)03時10分03秒

二人きりの暗い空間で僅かな沈黙が破られた。

「....ふ〜ん。...相変わらずご立派な事やなぁ。」
数字と見たことも無いような文字の並んだ書類を手に取り正面を見やる女。

ご立派と言われながらも、それが本心で無いことぐらい判る。
「それほどでも...ハハハ。」
加護のかわいた笑いが響いた...

「あほかっ!!」
「ヒッ!」

「ったく、ほんまにっ!!」
女はふざけた加護の態度に声を荒げる。

「...すいません...中澤さん..」
完全に落ち込んだ様子で視線を落としたままの少女に中澤と呼ばれた女は続けた。
「ほんっと〜に。いつまでたってもミスばっかりや。」
さらに頭の下がる加護。

「あんたがここに来てどんだけ経つ!?」

「.....」
問われた加護は目玉をクリクリと動かすと記憶を働かせる。
「ん?...ん〜?え〜...」
すっかり自分の立場を忘れた(いつここに来たか。も...)彼女は腕組みをして本格的に思い出そうとしていた...

「...は〜。」
中澤の深いため息は果てなく広がる闇の壁に吸い込まれた...。

「...ん〜?いつやったろ?」
86 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月14日(金)04時19分09秒
誰か見てるのか?これ
87 名前:sage 投稿日:2002年06月14日(金)04時47分47秒
みてるのよ!

いつなんだ?加護?思い出せ!!早く!
88 名前:闇の中 投稿日:2002年06月16日(日)05時06分33秒
加護はその未だかつてない才能を秘めた(本人曰く..)脳の記憶中枢をフル回転させる。
「いつやったろうなぁ〜?...う〜ん。」

ぶつぶつと呟く加護に激がとぶ。
「まだ考えとるんか!?」
「はい。ちょっと待って下さい。」

加護は尚も記憶を辿る。

「...(あかんな〜。ほんまに思い出せへん。ウチの頭がおかしいん やろか?い〜やそんなわけないし...)」
頭をグルリと廻して視線を正面へと向ける。

「.....。」
黙々と書類に目を通す中澤をキャッチ。
「...(う〜ん。そうや、取り敢えず最近の事から思いだそ。
    ...え〜と、昨日の晩ご飯....あれ?)」

みるみる顔が青ざめていく。

「(うっわぁ!?あかん!何こんなとこで壁にあたっとんねん!
               落ち着けやぁ〜あいぼん。)」
一人でしきりなしに頷く。

「(なにを慌ててるんや?うちは浪速の虎やで?
 虎穴にいらずんばこじを得ず、虎に翼、三つ子の魂百までや!
 )」

わはははは。と笑い出した加護を、中澤は哀れな者をいたわる目で見つめていた。
89 名前:闇の中 投稿日:2002年06月16日(日)08時17分57秒

「わはははは...はわぁっ!?」
自己陶酔の笑いから我にかえった加護ちゃん。
「(しまったぁ!!中澤さんのお説教の最中やった!!)」

怒声でも飛んでくるかと身構えた加護の視界に入ってきたのは、何故かシクシクと涙を拭う中澤の姿であった。


「(...泣いてるで..。ま〜、あの歳にもなると
色々辛いことあるん やろ〜な〜。)」


「...あの〜。中澤さん...」

「ん〜?なんや〜?...グシュ...」
哀れみのあまり、涙声の中澤。


     「昨日うち、晩ご飯何食べたんやっけ?」

     「!!」


.....静寂が訪れる部屋....

ワナワナと震える中澤の肩とコメカミに立っていく青筋。
ガクガクと震える加護の膝と背筋を走っていく悪寒。

「馬鹿やろぉおおおおおっ!!!!!」
「ひっ!ひぃいいいいいっ!!!!!」

ゴッチンッ!!!
90 名前:闇の中 投稿日:2002年06月16日(日)08時48分38秒
             〜ー〜ー〜

「もうええ!!あんたがいつここに来たかなんて
            ど〜でもええ事や!!」
ブゼンとした様子で椅子に腰掛ける中澤さん。

「...どうでもええなら聞かんかったらええのに...」
でかいタンコブをさすりながらぼそっと呟く加護ちゃん。

「何か言うたか!?」
「い、いえ。」

加護の憂鬱な時間は続く...


「回想ながいねんっ!!」
「何がやっ!!!」
「なんでもないですっ!!!」


....まだ続く。


「せやからっ!!...」
「あんた、さっきから誰と喋ってんねん!!」


.....は〜。
91 名前: 投稿日:2002年06月20日(木)06時29分20秒
しかし進まない話だ。w
読んでくれてる人ありがとう。w
そしてゴメンナサイ...w
圭ちゃんが家を出てもう六ヶ月か...まだ銭湯じゃん...
92 名前:闇の中 投稿日:2002年06月26日(水)04時53分07秒
「もうあんたの遊びにはつき合ってられへん。
 本題にはいるで?」
椅子に座り直した中澤が書類を手に取る。

「(あんたが話そらしたんやんか!)」
とは言えない加護が一瞥をくれられて微笑んだ。

「まあ、こんなところに呼び出されたんは、
 理由言わんでも本人も思い当たる節があるやろ。」

「・・・」

加護が答えなっかたのは、痛いところを突かれて押し黙ったと解釈して言葉を続ける。
「うちらにはミスがあったらあかんのや。」
「はい。」

「それがあんたはどうや?ここにきてからというもの
 ミスの連続。ミスの山。ミスの嵐や。」
「それは、うちはミス奈良美人...」

バンッッ!!机を叩いた乾いた音が響く。
「おもろうない!」

「...すんません。」
なんとか矛先を変えていこうとしたことが裏目にでて、声が消え入りそうになる。

「たく。そんなことやからいつまでたっても見・な・ら・い・で
 使いばっかりせなあかんのやで?」

ピクッ
あきれた様子が存分に伝わるような中澤の声が加護の耳にはいってきた。
93 名前:闇の中 投稿日:2002年06月26日(水)05時40分20秒
「.....だ....が.......い.」
「ん?なんや?」

「誰が見習いやねんごらぁっ!!!!」
態度の急変した加護ちゃん。
,,,,そう。加護ちゃんは『見習い』と呼ばれるのが大嫌いなのだ。しかし相手が...悪い。

「誰に口きいとんじゃあぁぁっっ!!!」
ガダァンッ!!
豪音と共に罪もないのに蹴りをくらってぶっとぶ机。

「な、なんやねん!
 そ、そんなお、脅しになんかのるかぁっ!」
虚勢は張ったものの、加護の膝の震えは秒速百万回
(過大報告)を越えている。

「あほ裕子、ボケ、ケチ!ここまで来てみいっ!!」
来てみろと言う割に、既に数中メートルはとおざっかている当たりがせこい加護ちゃん。

「なんやぁ!言いたい事あるならもっとこっちこんかい!」
すでにヤカラと化した中澤さんの美脚と下着が、机を踏みつけた足の隙間とスリットから覗いていた。
94 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月27日(木)03時39分50秒
ゆうかご?最高〜♪
この二人いいね(w
95 名前:闇の中 投稿日:2002年06月30日(日)11時37分38秒

「何いうてんねん!そんなところに近づいたら殺されるやろ!」
豆粒のようにしか見えない人物がやいやいと騒ぐ。
「ウチしってんねんで。夜な夜な怪しい化粧水使って
 目もと見てはため息ついて『その内プチもいいかな〜?』
 なんてつぶやいとるやろ!!」

「・・・」
「・・・」
「・・・で?」
「・・・へ?」

「あんたらみたいな出来の悪いの相手にしとったらなぁ!!
 小言も多うなって肌にもくんねん!
 そうゆうあたしの苦労知ってんならもちっと気合いいれて事に あたらんかい!!!」
ギャ〜スゥゥ!!とでも雄叫びの聞こえそうな様が遠目に伺えて怯む加護ちゃん。

「し、しらへんわ!鬼!悪魔!このワカランチン!!」

「・・・は〜・・」
あまりに程度の低い反撃に自責のため息が洩れる。

「・・コずき・」

              !!

          ブウッチン!!!!!

極太の何かがブチ切れた音が響く。
「・・あんた、ほんまに死にたいみたいやね。ふふふ。」
中澤の怪しい笑いが響いてきた。
「や、やだな〜。な、中澤さん?ジョ、ジョ〜クで〜す・・
 は、ははははは〜・・・」
96 名前:闇の中 投稿日:2002年06月30日(日)12時19分46秒

「なんや〜。ジョ〜クか?」
いまにも飛びかかってきそうだった中澤が大人しくなる。

「そ、そうですよ。さすが中澤さん!
 亀の甲より年の功。伊達に長生きしてないね。」
「そやな〜。なら、あたしも大人のジョ〜クを見せんとな?」

「え?・・・」


中澤がすっと目を閉じる。
その腕が何かを包むように蠢く。

「名は我への衷心・・・」
「・・・中澤さん?」
加護の問いは既に彼女の耳には届かなかった。
何処からともなく漂う力に中澤の髪がそよぐ。

「その荒ぶる力を見せよ・・」
「・・・」

「闇のけん族、我が従僕・・」
「あ、あの〜・・」

「漆黒の躯に死者を乗せよ!・・」
「ま、まじっすか〜!!!?」

「いでよ!獣魔ユーッカンヲォォ!!」
カッと開いた裕子の眼が妖しく紫色に輝いた。
「どわ〜っ!!ま、まじやんか〜!!」
97 名前:闇の中 投稿日:2002年06月30日(日)13時01分35秒

・・・・・

「・・ん〜。・・ん?」
何かに襲われるかと身構えた加護ちゃん。
しかし自分の身には何事も起こってはいなかった。
「な、なんや?し、失敗かいな?」
辺りを見回す。
「あ・・・」
遠くで何かと戯れる中澤の姿が目にとまった。

「お〜。よしよし。かわいいな〜。」
「ワンワン。」
チワワの様な小さな犬?を抱いている。
「ほんま、ユーちゃんはかわいい。」
「ク〜ン。」


「なんや・・。中澤さんのこうてるペット(獣魔)は危ないって きいとったけどかわいいやんか・・」
素早く先ほどよりさらに距離をとった加護が双眼鏡を手に呟いた。

「中澤さ〜ん!!」
「ん?」
安心しきった加護が歩み寄りながら声をかける。

「かわいいですね〜。そのこ。」
「そやろ!加護も見る目あるやんか〜。あ、くすぐったいわ。」

「あたしにも抱かせてください。」
良くなった中澤の機嫌をさらに良くしようと加護が申し出た。
「え〜よ〜。か・わ・い・がってな〜。」
98 名前:闇の中 投稿日:2002年06月30日(日)13時39分33秒

「ほらユーちゃん。あそこに人がおるやろ。」
抱いていたユーッカンヲをおろす。
「あの娘のとこまでいきぃ。」
「ワンワン。」
中澤に示されるままに小さなシッポを降りつつユーちゃんは駆け出した。

「お。来たで。かわいいな〜。」
ワンワンと可愛らしく吠えながらこちらにやってくる者を迎え入れようと膝を着いて両手をひろげる。
「こっちやで〜。おいで〜。」
だんだんと大きくなってくるそのシルエット。

その距離が近づいてきたその時、中澤の目に闇の色が走った。

「・・・ふ。掛かった。」
ニヤリと笑みが浮かぶ。

「はよおいで〜。こっちやで〜。」
加護がそう声をかけた時だった。
「ユー!!チェンジやっ!!!」
中澤の叫びがこだました。

「へ?」
その声を合図にこちらに駆けてくる愛くるしい者の姿が変わっていく。

「・・・うお!?」
ワンワンがウヲォー!に。
目は血の様に赤く輝き吊り上がり始め、その毛並みは黒くゴワついたものになる。
99 名前:闇の中 投稿日:2002年06月30日(日)14時11分09秒
どんどん巨大化していく体。
大きく開いた口にはギラついた凶悪な牙が並んでいる。
そして間近に迫ったその時にはその体はトラックと変わらない、いやそれ以上になっていた。

「う、うおおおおおおお!!!!」
見るからに凶暴化した巨体がグォアアー!!と雄叫びながらせまってくる!

「ギャーーーーッ!!!!あほーっ!!
 二度とこんな所帰ってくるかーっ!!」
言いたい事をちゃっかり叫ぶと『ポンッ』と弾ける音と煙を残して加護はこの部屋から姿を消した。

       _ _ __ __ __ _
 
100 名前: 投稿日:2002年07月05日(金)03時45分36秒
と、まぁ相変わらずテンポの悪いお話です。
コメディタッチには心地よい掛け合いと間が必要なんですが、なんかごちゃごちゃかいちゃうんだよな〜。
レス嬉しいな。(w)返答しない失礼作者の話は続く...
101 名前:愛を語る 投稿日:2002年07月11日(木)05時05分40秒
愛を知る人は愛を語りはしない。
語ったその時からトキメキが薄れてしまうから。
時とともに嫌が応にも薄れていってしまうトキメキを、少しでも大切にしようと私はこの口をつぐむ。

彼女は其れを言葉にして欲しいとせがむ。
言葉にして欲しいと。
彼女の身体を強く抱き締める。

「言葉にしないとわからない?」

彼女の瞳が視る間に涙に染まる。

それは彼女の心の葛藤なのだろう。
きつく身体を抱き締められても言葉が欲しいと思う自分と、それを口にだしてしまえば私を信頼してないのではないかと思われるのではないかという不安。

いいんだよ。
多くを語らない私に少しの不安がよぎって当たり前なんだよ。
だから苦しんでその瞳を曇らすことはないんだ。

「愛しているよ。」

私はあの日二人が一つになった日以来、愛を言葉にした。

彼女の瞳から喜びがポロポロとこぼれる。

「わたしも・・愛してる、ケイ・・」

彼女の吐息が私の唇を温めてくれた。
 
 
102 名前:愛を語る 投稿日:2002年07月11日(木)05時22分22秒

そう、彼女は語って欲しかったのではない。
言葉で愛を交わしたっかのだ。


私達の間にはあの日よりも暖かくて育まれた愛があった。

「ああ。私も愛してる。・・梨華。」


今夜私達は世界が目を覚ますまで、愛を交わしたこの夜を感じて
抱き合う。


そこにある愛を語らう、恋人達の在るがままの姿で。
 
 
103 名前: 投稿日:2002年07月11日(木)05時31分26秒
ショートで『愛を語る』でした。(小話しペコリ)
少しばかり息抜きをしてみました。
愛だ恋だ。なんてこっぱずかしくてなかなかいえないですしね。w勉強は恋愛もしか〜り。
104 名前:時間は戻り 投稿日:2002年07月20日(土)04時04分18秒

「と言う訳で...」

「全っ然説明になってない!」
湯船に浸かったまま加護の話を聞いて保田だったが、長いばかりで一向に自分の質問の答えが返ってこないことに苛ついた。

「・・・そやっけ?」
気まずそうに加護は蒸気させた顔で不思議そうな表情をつくってみせる。

「そうよ!あたしが聞きたいのはあんたの苦労話じゃなくて、
 なんで悪魔のあんたがあたしの所へ来たのかって事!」

隣で呑気にタオルを頭に乗せたままの人物にズイッと顔を近づけた。

「え〜・・・あ〜・・・」

「・・・」

「・・・ん〜」

しかし加護はその口を割ろうとはしない。



保田の頭には悪い予想がばかりが思い浮かんできた・・
 
105 名前:時間は戻り 投稿日:2002年07月20日(土)04時29分12秒
 
・・・おかしいよ

こんなおしゃべりな加護があたしのとこへ来た理由は隠そうとするなんて・・

明日あたしの身によからぬ事があるとか・・

ここら一帯が大地震にみまわれるとか・・

はっ!
・・もしかして魔王とか恐い人とかに見初められて・・


<ここからは圭ちゃんの想像です>

「ぐわっはっはっはっは〜!!よくきたな!!
 今日からお前はワシの妃となるのだ〜!わっはっはっは〜!」

「誰か〜たすけて〜!」

「無駄だぞ〜!ここからは逃げられんのだ!!」

「あ〜。なんてことなの・・。このまま捕らわれの身となった
 わたしは、毎日いろんなコスチューム着せられてあられもない かっこで・・イヤーーーーー!!」

「・・・・・」←【魔王


   ー=ー=ー=ー=ー

なんてことに・・・大変だわ・・なんとかしなきゃ!!

保田さんの妄想?は止まらない・・・
 
106 名前:時間は戻り 投稿日:2002年07月20日(土)04時55分17秒
 
そんな彼女の隣、加護もその頭を悩ませていた。


は〜・・参ったな〜
ウチが来た理由なんてほんまのところあらへんし・・
たまたま知り合いのとこで見かけたファイルに目がとまったんだよね〜・・
かといって追い返されてもいくとこないしな〜


・・でも

隣へと視線を向けると、のぼせてきてるのは間違いないのだが、それに増してむずかしい顔でモクモクと頭から煙を出して悩む保田の姿が目に止まった。

ほんまの事言ったらんと可愛相やしな・・


「ま〜・・しゃ〜ないか?」
自分に問うように呟くと加護は保田に話しかけた。

「保田さん。ほんまの事言うと・・」


この加護の優しさによるカミングアウトによって
物語は急速に終幕へとその動きを速めていった・・
 
 
・・・らいいね・・w
 
107 名前: 投稿日:2002年07月20日(土)05時00分08秒
まいど〜!少しやけど更新やで〜。
なんか、ようわからん様になってきてもうた。
108 名前:名無し 投稿日:2002年07月20日(土)12時46分57秒
今日見つけて一気読みしました
いや〜ヘタレな加護ちゃんがいいっすね
109 名前: 投稿日:2002年07月21日(日)04時00分23秒
わぁ。レスだぁ。
あ、ありがてぇ...心優しい旅のお方が、こんなところに足跡を....ガッ!ガハァッ!!
作者に一服の清涼をありがたうございやす。w
正直言って、少しリアクションを欲してました...ww
これでまたしばらく沈めていけそうです。
110 名前:108 投稿日:2002年07月23日(火)19時15分11秒
おおっ!!
更新してるかと思ってみにきたら作者さんからレスが
きてるよ
わりとネタが自分の好きなものが多いのでこれから
おいかけていきます
頑張って完結までもっててください
111 名前:sage 投稿日:2002年08月11日(日)07時03分52秒
そろそろええんちゃう?
112 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月12日(月)03時12分38秒

「な・ん・な・の・よ!その理由はっ!!」
「・・う、うるさ・・」

「うるさい。じゃなあーいいっ!!」

保田のよく通る声が、あちこちから反響して加護の鼓膜を襲ってきた。

まあ、保田さんが怒るのも当たり前な訳だが・・

突然現れた『悪魔』を自称する者が、自分の所にやって来たのは身に憶えのないファイルとやらを知り合いの所でたまたま見かけたお蔭だと言うのだ。


心配していたのが馬鹿らしくもあり、行き場の無い怒りがこうして爆発した訳で・・


「いやな、ウチも行くとこなくて・・。
 下手な所におったら中澤さんに見つかってまうしな・・」

「だからって何であたしのとこなのよ!?
 悪魔だったら何とかしなさいよ!!」

そう言い放たれて加護がザッパーと立ち上がる。
「悪魔は神様や無いわ!!
 そんな都合のいい事できたりしたら困ったりせえへんわ!」
113 名前:副題不明・・汗 投稿日:2002年08月12日(月)03時47分09秒

・・神様って・・

浸かっていた湯から立ち上がって向かい合う二人に間があいた。


ったく。神様だの極楽だの。あんた本当に悪魔な訳!?

「・・神様じゃなくたって行く所ぐらい何とかなるでしょ!」
ズイッと近寄って途切れかけた話題を修正する。


「う・・・気づいた?へへへ。」
気まずそうに笑う加護ちゃん。
少し頭を掻いてみたりもしたりして・・
ついでにシッポはそれを真似る様に腰の辺りをコチョコチョ動いたりして・・

そんな仕草を納得のいかないものの、つい可愛いなと思ってしまう保田さん。

はっ!!いけない!
ここで甘い顔をしたらこのヘンチクリンな悪魔に付け込まれそうな不安がよぎった。

「と、とにかくあたしは悪魔になんて用事は無いの。」


シュン・・
見てわかる程に加護が視線を落として寂しそうな顔をする。



    ズキッ・・
             何でだろ?

        少し・・
           胸が痛む。
 
114 名前:副題不明・・汗 投稿日:2002年08月12日(月)04時29分42秒

な、何あたしまでセンチになってるの?
胸が痛いなんて勘違いなんだから・・

「そ、そんな芝居したって駄目だかんね。」
動揺を悟られないように背をむけてる。



「・・・芝居なんかとちゃうわ・・。」
ボソッと呟いた加護の声は、自分の心を落ち着かせようと焦る保田の耳には届いてなかった。


「・・もう帰りな。そろそろ出ないといけないし。」
言いながら浴槽の縁に置いてあったタオルを手に取ろうとして、それを向こう側に落としてしまった。

「・・・」
加護からの返事は聞こえてこない。

「行くとこならさ、幾らでも他にあるよ。
 だからさ・・見習い悪魔だからって ・・・ 

         ピク
静かにしていた加護ちゃんの耳が反応を示した・・

 ・・ ・事は無いんだし。
 だから、とにかく帰った方がいいよ。
 きっとさ。」
そう言った保田が落ちたタオルを拾おうと腰をおって手を伸ばした時だった。


加護ちゃんから怪しいオーラが漂い始めていた。
「・・誰が・・誰が見習いやって?」


ROUND3ファイトッ!!
 
115 名前:sage 投稿日:2002年08月12日(月)06時39分23秒
加護ぉ、いったれ〜〜〜!

傘さん、待ってやした。
がんばって!
116 名前:名無し 投稿日:2002年08月13日(火)19時46分23秒
久々の更新だ〜
う〜ん面白そうな展開ですな
117 名前:ちょこっとバトル 投稿日:2002年08月14日(水)04時28分53秒

背後の気配に気づかない保田は言葉を続ける。
「大体ね、ちょっと嫌な事があったからって逃げたりするの良い ことじゃ無いよ?」

「・・・」 プチッ


「そういうとこが、こ・ど・も・なんだよ・・・」


「・ ・ ・ 。」 プチップチッ


「だから・・・
 ・・・駄目で
 ・・・良くない訳よ。
 ・・・甘えてんじゃない?
 ・・・子供でさ
 ・・・子供な訳。」


「・・      ブチッブチッブチッ
 ・・・     クェーーッ!!(?)
 ・・・・    グゴーーーーッ!!
 。。。。。」



「・・・わかったら帰りなさい。」
ひとしきり言いたい事も言い尽くした保田さんが止めていた手を再びタオルに向かって伸ばした。
 
118 名前:ちょこっとバトル 投稿日:2002年08月14日(水)04時57分19秒
 
ぷるぷると震えていた人物が口を開く。
   
「くぉのぉぉ!!言わせておけばぁぁぁぁぁぁぁ!!
 これでも、くらわんかーーーーいっ!!!!」
加護ちゃんの雄叫びがコダマした。


           ずぶッ!! 


 ・・・
 
 ・・・・

 ・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ 。


      「!!・・・」   「・・・!!」


「き、きゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!!」←(注:やすちゃん)

「ぎゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」←(注:あいぼん)
 

           ざっぱーーん!!
 
 
119 名前:ちょこっとバトル 投稿日:2002年08月14日(水)05時06分12秒

        かぽーん・・

        ピチャ・・ 

        ポタ・・

        ポタリ・・


       ぶく・・
       ぶくぶく・・
       ぶくぶく、ごぼごぼ・・



        ザッバーン、ザバーン!!

 
120 名前:ちょこっとバトル 投稿日:2002年08月14日(水)05時37分08秒

「ごほっ、ごほっ!!なななな何すんのよーーー!!!」

 ガシッ! ギュ〜

「ごへっ、ごへっ! ぐ、ぐるじい〜〜。」

 ガクガク

あまりの衝撃に、お湯から出てきたばかりの加護の頚動脈を締め上げるヤスちゃん。

「ばばばばばばばばばばばば、馬鹿じゃないのーー!!?」
「ぐ、ぐえ〜。」

恥ずかしさやら何やら判らぬ程真っ赤な顔で更に力を込めた。

「は、は、裸の人間にカOチョーするなんてーー!!!
 この、この、あほたれー!!!」

「ぞ、ぞんなごどゆうたかて・・」

「帰れ!消えろー!」

「い、いやじゃー!!
 う、うちかて・・ゆびが、先っちょぐがーー!!
 グスッ・・ふえ〜ん。」

「泣きたいのはこっちだーー!!
 やっぱ成仏しろーー!!!」

「うえ〜ん!うちは怨霊やないわ〜!!」
 
121 名前:ちょこっとバトル 投稿日:2002年08月14日(水)06時07分28秒

「泣きたいのはこっちよ!!」
「ううぅ、そんなこと言うたかて・・」

「ったく!ほっんと、馬鹿じゃないの!?」

「あんたが、うちの悪口言ったりするからやねん。ふえ〜ん。」

「なんでよ!?元々あんたのせいでしょうが!!」

「ううぅ、ぐすっ・・」

「はー。もー!何なのよーー!」


「・・くんくん。」

「かぐなっ!!!」    ゴスッ!!

             ぷか〜・・

ついつい駆られた衝動に、怒りの鉄拳をくらった加護ちんは金木犀の香りの中、見事に浮かんでいた。

「一生そうしてな!もう帰るからね!!」

ジャバ。ピチ、ピチ、ピチ。
キュッキュッ。シャー。

カラカラ・・パタン。

           かぽ〜ん。


          ざば〜ん!!
「ごへっ、ごへっ!
 ・・つ〜!!どんだけ人の頭殴んねん。ほんま〜。
 このまま帰さへんで〜!!」

な〜ははは。な〜はははははは。
加護の高笑いは、いつまでも響きわたっていた・・。
 
 
「はっ・・くしゅっ!
 う〜。湯冷めしてまうわ。」
 
122 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月14日(水)06時08分58秒
はい。こ〜しん
123 名前: 投稿日:2002年08月14日(水)06時12分33秒
122は私ですw
時間かかりすぎな話に更新だな〜。
まっとわり〜。
124 名前:名無し 投稿日:2002年08月14日(水)22時29分13秒
相変わらずヘタレな加護ちゃんが
イイっす!!
125 名前:いたこ 投稿日:2002年08月20日(火)00時40分21秒
加護ちゃん…、
おまえかわいいよ!
126 名前:お風呂からでたら 投稿日:2002年08月26日(月)04時24分26秒

ガチャリ...

ジー... ゴソゴソ バサッ

パタン...

「ふ〜。」
浴場から出てきた保田は、ロッカーからバスタオルを取り出して髪の毛を包むと一つ大きく息をはいた。

少し荒っぽく髪を拭くとたわわな胸が張り良く揺れた。

他に誰一人客が居ないのもあるが、手際良く身体を拭きつつ鏡に近づいて行く。

タオルを頭から肩へと移すと、乱れた髪をグッと両手で持ち上げて撫で付けるように掻きあげた。

自然と閉じていた瞼をクッと見開くと、意志の強そうな瞳が正面から自分を覗いてくる。

長く湯に浸かって蒸気した頬も、徐々に色が落ち着き始めて、紅からピンクへと変わっていく。

背中に、乾ききってない髪からの滴が伝って『きゅわ』っと、なんとも言えない感覚が胸からお腹の下へと走っていった。

首に掛けていたタオルを、それが合図だったかの様に身体の上を下へと動かしていった。
 
127 名前:お風呂からでたら 投稿日:2002年08月26日(月)05時04分17秒

おなかを通り過ぎて腰へと移っていく、ふわっとした感触。

ゆっくりと腰の後ろから、なだらかな曲線に沿って張り出したお尻をタオルで撫でた。

揉みしだく様にグッとお尻の頬を擦りあげると、いよいよその手は核心へと動き出した...

ゆっくりと勿体つける様に。
なまめかしく焦らすように。

身体の前面へと移ってきた其れは、へその下をフワフワと愛撫するように蠢いて、一頻り弄ぶと、いよいよその下の艶やかで濡れた部分へと這っていった。


「あ,,,あ、んんぅ...う..
噛み締めていた唇から、ひそめられた眉に表れた感情がこぼれ落ちる。
其れは、恥辱の悦び...

口もとのほくろが唇のいやらしさを増長させて、狂おしい欲情が理性をトロトロに溶かすと、脳の中まで濡らしてきた。


もう..だめぇぇぇ...


欲望を剥き出しにした指先が遂にそこを侵した。
 
128 名前:お風呂からでたら 投稿日:2002年08月26日(月)05時26分56秒

「ああああぁぁぁ!!んむぅっ!」

ムニュリ...

「・・・。ん?むにゅり?」
身体を拭いていたタオルを大事なところにあてたヤスちゃん。
自分の身体から今まで感じた事の無い感触がタオルの生地越しに指先に伝わってきて頭に大量の?マークが浮遊した。


首を傾げながらも、タオル越しに感触を確かめる。
「...何?これ?」

...なんか、ふにゅふにゅしてて...

ん?あれ?何か大きくなってきて....

あ〜。ちょっと気持ちい〜かも,....

...ていうか、硬いよね〜。


  ・ ・ ・ ・ ・ 。


     !!
 
129 名前:お風呂からでたら 投稿日:2002年08月26日(月)05時54分19秒

サー...。

みるみる血の気の引いていく顔。

「...これって、...まさか...。」

視線が点々と正面から下へ下へと下がっていく。

しかし肝心な所はタオルで抑えているのと共に、洗面台に隠れているのでフラフラとよろけながら後ろに下がった。


まさか...ね。
そんな事がね。
んなわきゃ〜ない。(タモさん風味)


ドキドキ、ドキドキ・・・

「お願い!モーニング!!」
やすちゃん渾身の祈りでつむっていた目を開けてタオルを取り去った!

        ・

        ・

        ・
    
「きいぃやあぁぁぁあ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
けたたましい悲鳴が銭湯内を駆け巡る!


「な、何?なんなのよ...これ...」

フラフラ クラリ... バタッ

あまりのショックにブッ倒れてしまった保田しゃん。
その大事な部分には、実に立派なシンボルが(テーマsong梅宮タッチャン)お月様めがけて起っていた...。
 
130 名前:お風呂からでたら 投稿日:2002年08月26日(月)06時19分20秒


....ガラガラ。



ひょこっ...

きょろきょろ...

おっ! イシシシシw

シュタタタタ

そ〜っと...

ほ...息はしてるみたいやな

しかし...


「あ〜あ。なんや、これぐらいでショック請けて。
 意外と奥手なんやね。イヒヒヒ。」

コブのできた頭を摩りながら復讐を成し遂げた人物は脱衣場に帰ってきた。

そばでブッ倒れている人物の近くでしゃがみ込むと、その顔をのぞき込む。

ふと、お風呂に入る前の攻防が甦る。


ドキドキ...
ちゅ、ちゅ〜してまおうかな〜?

バシッ。
い、いやや。うち何考えてんの?...ポッ

一人恥じらいの加護ちゃんの隣で、何故か殴られたやすちゃんのオデコに、小さな人工紅葉が咲いていた。
 
131 名前:sage 投稿日:2002年08月26日(月)06時44分56秒
な、何がおきた?

加護、とりあえず行っとけ!
やっす〜が覚醒する前に…
132 名前:お風呂から出たら 投稿日:2002年08月26日(月)12時04分44秒

キャッキャと騒いでいた加護ちゃんがピタリと大人しくなった。
と、スススッと音もなく移動する。

...ジー。

その視線の先にはシンボルがあった。
チラチラとやすちゃんの顔と其れをいったりきたりする円な瞳。

「...しかし、で、でかいな....
(こういうのは、生まれもった資質が関係してるっていうけど) ...マグナムっていうか、これ..キャノンやね。」


つんつん...


そんな無邪気な(?)加護ちゃんが、感心しながらシンボルをつついている時だった。


「お客さん?大丈夫ですか?」
受け付けに座っていたお姉さんが、先程の保田の悲鳴を心配して顔を覗かせた。


「あ.....」


「あ....。え!?....あ。」

フラ... バタリ

風呂屋のねえちゃんは、倒れた女の人の実に立派なブツと、それをつつくシッポの生えた子供を見て卒倒してしまった。


「は〜。まったく、世話のやける事で...」

加護ちゃんの深いため息は、こうして銭湯というテーマパークに消えていった。
 
133 名前:お風呂から出たら 投稿日:2002年08月26日(月)12時17分54秒
 

「な〜。はよう起きて〜な。
 ・・・・。
 
 お、起きへんのやったら...
 ,,,ちゅ、ちゅ〜してまうで〜。
 って、何言わすねんな!
 いややわ〜。...ポッ。」

バシッ!

ちっちゃな紅葉がまたひとつ、やすちゃんのおでこに映えた。


「う、う〜ん。...た、助け...て...。」
 
134 名前: 投稿日:2002年08月26日(月)12時29分15秒
はい、ど〜も。
こ〜しんです。
やっと銭湯からでれました。w
今回変な(今回も、かな?)文がありますが、これは実験小説なのでお許しを。
だって!書きたかったんだもの!!...とか言ってみるテス。
そろそろ...尾張かな?
なんてね...イシシシ。
135 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月07日(土)04時21分02秒
話のテンポがよいです。続きを待っております。
136 名前:sage 投稿日:2002年09月27日(金)06時30分33秒
そろそろ………ね?
137 名前:zk 投稿日:2002年10月27日(日)05時58分39秒
お願い。続き読みたいっす。
138 名前:SAGE 投稿日:2002年11月04日(月)23時26分17秒
おねがい。続きを!
139 名前:お家へ帰ろう 投稿日:2002年11月06日(水)03時31分34秒

「...まったく。ジョーダンやってゆうてるのに。
 あの姉さんも、あんな怒らへんでもええやんか。」

寒空の下、てくてくと帰り道を歩く少女が呟いた。

結局あのあと風呂屋のお姉さんを起こして、下着越しにOOOは生えてない事を確認してもらい、うちのイタズラって事にした。
こっぴどく注意されたのは言うまでもないけどね...

「いや!でもまぁ、銭湯っていうの?ああいうのも
 オモロイもんやね。これから色々と楽しくなりそうやわ。」

少女は少し前を無言で歩く人物へと駆け寄った。


「・・・・」 スタスタスタ

しかし話しかけられた女は黙ってどんどんと進んでいく。

「何?まだ怒ってるんですか?心の小さな人ですね。
 ハァ。いいですか?そういう所を直さないと彼氏..ぐぎゃ!?」
こんな時に出る精神を逆撫でるような丁寧な口調に、振り返った人物は無言で少女の両ホホをつまんで引っ張った。
 
140 名前:お家へ帰ろう 投稿日:2002年11月06日(水)03時58分51秒

「よく喋るね〜?(ニコリ)何か他に言う事は無いのかな?」

満面の造り笑顔で女は、保田圭は、少女に、加護亜衣に問いかける。(両の手はそのままに)


加護は、銭湯を出てから一言も口をきかなかった保田がようやく喋った事に胸をなで下ろしつつも、笑顔のその目が全然わらっちゃいないことに冷や汗が伝うのだった。

・・・あかん。完全に目がわっらとらんで。


「ん〜?何かな〜?」
そんな加護ちゃんを見つめるやすちゃんの舌が、チロチロとしている。

ひっ!あ、あんたは、だ、大蛇か!?


「ほら?なんなの〜?」
威圧するかのような保田の大きな瞳に、我を忘れて反骨心を燃やす加護ちゃん。

くっ!ま、負けるか!(何に!?)
うちは負けたりせえへんで〜!!(何故!?)
 
141 名前:お家へ帰ろう 投稿日:2002年11月06日(水)04時19分07秒

ん〜!と、両のホホを引っ張られたまま意地を張っているかのような加護に、腹は立ってはいるものの、なんかそこが可愛い感じもして保田は優しく問いかけた。

「ほら?素直に一言。いうべき事があるでしょ?」

しかしそんな一時の優しさも、加護ちゃんの反骨心から生まれた一言で消え去るのでした。



「・・・・ あ  ほ ・・・・」



「・・・・・」

「・・・・・」


訪れる静寂。


「・・あは、あはははははは。」
保田さんの渇ききった笑い声が寒空に消えていく。

「へ・・へへへへ。は、はなして。」
加護ちゃんの無駄な願いは、保田さんの行動による返答によって、にもなく却下された。
 
142 名前:お家へ帰ろう 投稿日:2002年11月06日(水)04時38分33秒
 
 い、い、い....
 
        「ぎゃーーーーーー!!!」

加護たんのほっぺは、顔の構造上それ以上は伸びないというところまで引っ張られる。
たとえ細胞分裂しても保田さんは許してくれそうにもないが。


「言うに事欠いて、あほ!?
 あほはあんたでしょ!?あ・ん・た!!」
怒鳴るやすちゃんの顔には既に笑みはない。


「ぢ、ぢぎれどぅ!ぢぎれ`る`!!」
涙ちょちょギレの加護ちゃんの後悔の悲鳴がこだまする。

「ちぎって!やぶって!食ってやるぅぅ!!」


がーーん!!お、鬼ぃ!!あんた鬼やぁぁ!!

加護ちゃんの心の叫びもこだまするのでした....。
143 名前:zk 投稿日:2002年11月06日(水)05時57分44秒
ありがとう…
144 名前: 投稿日:2002年12月05日(木)06時00分48秒
もうすぐ圭ちゃんの誕生日だね〜。
ということで、コウシン。
145 名前:お家に帰ろう2 投稿日:2002年12月05日(木)06時40分04秒

「ご、ごべんだざい。」
両頬をつねられたままの加護ちゃんの濁音が鳴る。

「なんだ。やればできるじゃん。
 二度とあんな事するんじゃないよ?」
ニコニコと朗らかにやすちゃんの笑顔が広がった。

しかし相手にしてみれば面白い訳もなく・・

『ぢぐじょ〜!!そんな解りやすい笑顔つくって〜!!
 場末のスナックのホステスでも、もっと愛敬あるで〜。』

「・・・ニヒヒヒ。」

思わずニヤケてしまった加護ちゃんに魔の手が伸びる。


「・・・ふふふ。あんた!!
 ま〜たロクでもない事考えたでしょ!!」

「いだだだ!!もうじばぜん!!いだい〜!!」

涙ながらに叫ぶ加護ちゃんを見て、満足そうに頷くと、保田はようやく手を離した。

ブルブルッ!ビタンッッ!!
限界をゆうに越えた頬が、元の位置に戻ってプルプルと揺れた。

「あ〜いった〜!!ほんまにひっど〜!!
 バアさんみたいなほっぺになったらど〜してくれんねん!!」
 
146 名前:お家に帰ろう2 投稿日:2002年12月05日(木)07時55分53秒
 
「さあね。あなたのご自慢のお魔法で整形でもなさったら?」

「そんなんあったら、中澤さん小ジワで悩んだりせえへんわ!」
「だから、あたしはそんな人知らないし、どーでもいいの!!」
「あんたはいくても、うちはいくない!!」

・・・。

「もう!いい加減お家に帰りなさい!警察に連れてくわよ?」

保田さんは これでお別れ とばかりに歩きだした。


「行くとこなんて・・・あらへんわ!!」
両頬をさすりながら、しゃがみ込んだ加護が叫ぶ。


立ち止まった保田が、悲しそうな表情で振り返って、加護に歩み寄った。
チラッとそれを確認する加護ちゃんに、スッと手が差し伸べられる。

キラキラと輝く希望に満ちた瞳で、それを見ていた加護ちゃんの
襟首をその手は掴んで、ズルズルと引きずり歩き始めた。
147 名前:お家に帰ろう2 投稿日:2002年12月05日(木)08時12分08秒
 
「・・・あの〜。」

「・・・何?」

「・・・何処・・行くんですか?」

     ニッコリ

「警察よ。」

     !!

「うえ〜ん!鬼ぃっ!!悪魔〜!!嫌だ嫌だ〜!!」
「どっちが悪魔なのよ!!ほら、行くわよ!!」

「ふえ〜ん!嫌だよ〜!!」


・・・加護ちゃんの叫びはコダマするのでした。
148 名前:お家に帰ろう2 投稿日:2002年12月06日(金)04時00分52秒
 
  ワオ〜ン

静かな路地に近くの家の犬の遠吠えが響き渡る。

閑静な住宅街へと続く、車の通りもない路地である。

しかし、そんな静けさをも打ち破る騒音の主達が、今まさに角を曲がってその場所へと現れようとしていた。


「だからなんで着いてくるのよ!」

「ええやんか!!減るもんでもないんやし!!」

前を歩く人物に、しがみついている黒ずくめの少女。
その少女を引きずりながら、引き剥そうとする女。

角から現れた騒音の主達は、そんな奇妙な二人組だった。
 
149 名前: 投稿日:2002年12月06日(金)04時16分35秒
中途半端な更新だけど、とりあえずこの日に書きたかった。
圭ちゃん誕生日おめれとうー!!
150 名前:お家に帰ろう3 投稿日:2002年12月11日(水)04時31分22秒
女はいそいそと近くのアパートの階段を登る。
音もなくススス...と、後をついてくる少女。

「・・・帰りな。」
「・・・嫌や。」

「・・・入れないよ。」
「・・・ええよ。自分で入る。」


「・・・駄目。」
「・・・凍死する。」


「・・・自業自得。」
「・・・鬼。」


「・・・帰りな。」
「・・・ここが今日から家や。」
「・・・・・。」


ここに来るまで幾度となく繰り返されて、今尚続く口論は、一向に先が見えてこない。
 
151 名前:お家に帰ろう3 投稿日:2002年12月11日(水)05時00分39秒
女は何やら少し考えると、少女へと話しかけた。

「・・・解った。しょうがないから入れてあげる。」

「!!ほ、ほんとに!?」
言われた少女が、宝くじでも当たったかのような驚きの表情を見せた。

「ま、いいわよ。」

「や、やった〜!!!」

キキと走り回る少女へと女は問いかける。
「で、家に入ったら何しよっか?」

「ん?・・・そやな〜。何やかんや言うて、ここまで長かったか らな〜。」

「ふんふん。」
女は相づちを打ちながら、後ろ手に階段の手摺の位置を確認する。無論、相手には気付かれないように。

少女は全く気づく様子もなく、クルリと回転すると言葉を続ける。
152 名前:お家に帰ろう3 投稿日:2002年12月11日(水)05時28分49秒

「湯冷めしてない?
 うちはこのままやと風邪でもひきそうやし・・・。
 な、なんやったら 一緒にな、ふ、布団で温め合って・・
 手とな〜、て、手がな〜・・・

 触れたりなんかしたりして!!

 で、でもあかんで〜。
 そこは今日会ったばかりの二人なんやし・・
 やっぱ、こう、じゅ、順番っていうの?段階っていうの?
 そういう事は、ちゃんとしとかんとね。」

少女は頬を染めつつ話している。
しかし、相手はすでにそこには居ないのであった。

女が手摺から飛び降りて、猛ダッシュする姿は、夜の闇に融けて誰にも捉える事はできなかっただろう。

ま、一目散というか死にもの狂いというか、とにかく素早かったのだ.


「で、でも・・
 もし、も、もしもの話ですけど・・
 その〜・・・ちょっとぐらいなら・・
 い、いやや〜。
 も、もしもの話ですよ〜?」

しかし、少女の言葉は止まるということを知らないのであった。
 
「そんでな〜。」
 
153 名前: 投稿日:2002年12月11日(水)05時34分52秒
寒くなってきたね〜。
お話も...ね。
すすまね〜。
154 名前:内緒のお部屋? 投稿日:2002年12月12日(木)02時40分54秒

ダンッ!

「・・ハァ、ハァ」

息も切れ切れに、保田は部屋の戸に寄り掛かっていた。
さっき急いで駆け登ってきた階段を、チラッと確認する。

「ふう。追っかけて・・・来てないね。」

一つ息を整えると、案外うまくいった作戦に笑みがこぼれる。
しつこい加護を連れて入ったのは、知らないアパートで、何だかんだと言い争ったのも、相手の意識を逸らす事が目的だったのだ。

「ま、可哀相なんだけど、あたしも色々とね。」

少し戸口にもたれたまま、しゃべり続けていた加護の後ろ姿を思い出しもしたが、「さてと・・」と、バッグを探り出した。

「・・・?」

しかし探している物は見当たらず、パンツのポッケトを探った。

「・・あれ〜?マジで〜?うっわ、最悪じゃん。」

ズボンのポケットにも無くて、保田はバッグを引っかき回す。
 
155 名前:内緒のお部屋? 投稿日:2002年12月12日(木)02時54分53秒

しかし部屋の鍵は見つからない。

「は〜。
 ほんと・・・さ・い・あ・く・・だ。

 ・・・って、あれ?」

頭を抱えそうになった保田の目に奇妙な物が写った。

それは探していた鍵だった。

「・・・。」

マジマジと見てみるが、それは間違いなく保田の部屋の鍵で、その証拠に見事に部屋の鍵穴に挿さっているのだ。

「・・・なんでささってんだ?これ。」

何とはなく理由は判る気がしたが、敢えてそう口にした。
 
156 名前:内緒のお部屋? 投稿日:2002年12月12日(木)03時11分26秒


「もう!せっかちなんやね。
 カ・ギ・忘れてたよ。てへっ」


もう聞く事はないと思った声が隣から聴こえてきた。

何となく其れを察していた自分にもため息を漏らしつつ、保田は口を開いた。

「お風呂でしょ?」

「へ?」

問われた少女、加護はとぼけた表情をつくった。

「銭湯で鍵をガメタかって聞いてるのよぉぉ!!」

「な、な、何言うてるの!?そ、そんな事する訳ないやん!」

「嘘をつけえぇぇ!!!」
怒鳴りつける保田。それを見上げながら加護が笑った。

「ふふふ。まぁええやん?」

「な、何がおかしいのよ!?」

「いや・・必死やな。と思って。ぷぷぷ」
 
157 名前:内緒のお部屋? 投稿日:2002年12月12日(木)03時28分56秒


   ゴッチン!!!

夜の闇に、大層鈍い打撲音が響く。

「い・・・った〜〜〜!!!」
それを奏でた頭の持ち主は、涙を流しながら犯人を睨んだ。

「誰が必死なのよ!!あんたのせいでしょうが!!」
右手を摩りながら保田が吠える。

「ふん!そんな怒らんでもええやん。」

「・・・あのねぇ。怒られて・・

「ま、ええわ。これは貸しにしといたる。」

「・・・ちょっと!聴きなさいよ!」

「さてと・・。さっきは何処まで話したんやったっけ?」

「・・・だから!・・

「あ〜。そうやった。
 それから二人は、歳の差なんて忘れて恋に堕ちて・・」
 
158 名前:内緒のお部屋? 投稿日:2002年12月12日(木)03時42分55秒

「・・・。」
どうやら加護は、聞く気なんぞないらしい。


「もうやだ・・。ついてけない。」


「って言ってもウチの方が年上になるんかな?
 ま、細かい事は気にしないで
 そうして二人の心は燃え上がり、どんな困難があっても決して 負けたりせえへんのや!」


「・・・助けて。神様・・。ううん。天使でいいから!」


「そんでな?・・そんでな。」


「助けてーーーー!!!」

保田さん・・・。
気持ちはわかるが、近所迷惑ですよ・・・。

「で〜、うちは朝早くからゴハン作ったりして

 おはよう チュッ!

 なんて!いややわ〜、もう。」
 
159 名前: 投稿日:2002年12月12日(木)03時51分03秒
すいません。
このままでは、部屋に入るのが来年の梅雨になりそうだったので
かなり飛ばしました。
帰り道の攻防などあったんだけどね・・。
駄文で、読み辛く、更新が遅い・・。

ま、仕方ないかな・・。(汗
駄目作者だもん・・。
160 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月15日(日)22時28分10秒
おぉ、更新されてる。
一場面がやたらと長い話というのも、それはそれでアリって気もしますが。
マンガのスポーツモノの試合当日(それもトーナメントで1日に数試合やるやつ)
とかって、1日を何ヶ月もかけてやってますし
161 名前: 投稿日:2002年12月22日(日)05時33分59秒
ろくに返事もしない駄目作者に、レスをありがとうございます。
もらってわかる、ありがたさや。 です。
162 名前:新登場!? 投稿日:2002年12月23日(月)08時23分30秒
 
静かな一室。
誰の気配も感じない部屋の扉が、無機質な音をたてて開いた。

ガチャリ...


「なんや!ケチィ!!!
 入れてくれへんのやったら、ウチここに寝てまうでぇ!?」

「帰れって言ってるでしょ!大体こんなとこで騒ぐな!!」

「わー!わー!コロサレルゥ!!」
「ば、馬鹿言ってんじゃないわよ!!近所迷惑よ!!」

素早く体を玄関へと滑り込ませた保田が、ドアの隙間から「シッシッ」と手を振った。

「うわ〜ん!あほ〜!!うちは野良犬とちゃうわー!!」
加護は「覚えとけよ〜!!」と捨てゼリフを残して泣きながら走り出した。
 
163 名前:新登場!? 投稿日:2002年12月23日(月)08時43分04秒
 

あう。バタリ

「あ...。コケた。」

ムクリ...

...パンパン

キョロキョロ

!!

ジー...

加護は悲しそうな表情(かお)でこちらを見つめている。

.....パッパッ。

ドアの隙間から塩をまいてみる。


「あ...。」

「う、...うわ〜ん!!」
加護はみるみる泣き顔になり、走り去ってしまった。


保田はドアを閉めて鍵をかけると、そのまま背を預けた。

...まぁ。可哀相だったけど...しょうがない..よね?
 
164 名前:新登場!? 投稿日:2002年12月23日(月)09時09分50秒
 
目を閉じて思い悩んでいた彼女に、不意に声がかけられる。

「あ、おかえりなさ〜い。」
ピンクのエプロンを着けた女がいそいそと駆けてきた。

「ん?ああ、ただいま。」
「随分遅かったですね?心配しました...。」

「ゴメン、ゴメン。...ちょっとね。」
「もう。ちょっとじゃないです。」

「...だよね。」

「いいんですけど。外、寒かったでしょ?」
「うん。」

「じゃあ、ご飯にします?お風呂にします?」
「ハハハ。今銭湯行ってきたばっかじゃん。」

「あれ?そうなんですか? じゃ〜あ...」

「ん?」

「わ・た・し・にします?なんて、キャッ。」
女は照れながらも甘く微笑んだ。
 
165 名前: 投稿日:2002年12月24日(火)02時49分52秒
我ながら...駄目だこりゃ。
読みヅラ!話はぶきすぎ!!...ん〜。
166 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月05日(日)21時15分44秒
あ、また更新されてる。忙しくてノーチェックでしたわ。
ヤスは家にピンク女を囲ってるという設定だったのか。
えらいヘコたれてますけど、自分のペースで頑張れ〜
(っても、どーしても納得いかなかったら無理することはないと思うけど)
167 名前:いたこ 投稿日:2003年01月25日(土)22時09分17秒
上に同じく。
がんばってくださ〜い。

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