インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板

Hello Girls Graffiti。

1 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月26日(水)00時24分56秒
はじめて書いてみます。
みちごま小説で、多分ごっちん視点から書くとおもいます。

では、よろしく。
2 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月26日(水)00時30分02秒
この前、梨華ちゃんに言われた。
「ごっちん、好きな人いないの?」って。
・・・言えないよ、梨華ちゃんには。みっちゃんのことが気になってるなんて。
だから、「いないよぉ〜」って答えた。
誰にも言わない、この気持ちは。
だって、みっちゃんに知られて、嫌われるのが怖いから。
3 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月26日(水)00時43分32秒
「へそ」のドラマで一緒になるまで、特に意識してなかった。

撮影の時あたしが台本読んでたら、突然至近距離でくるんだもん。
「ごっちんはいっつもしっかり台詞覚えててえらいな」
それだけ言って、行っちゃった。
だけど、すっごくドキドキした。なんで?
みっちゃんがあたしの頬のすぐ横にすべりこんで来たとき、いい香りがした。
大人の女の人の匂い。華奢な鎖骨、薄い肩。切れ長で大きな瞳、スッと通った鼻筋。
全部「欲しい」と思った。あの人を、欲しいとそう思った。
4 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月26日(水)00時50分20秒
それ以来、ずっとみっちゃんを目で追った。
自分から話し掛けもした。あの、優しい瞳に映りたくて。
だけどどこか遠慮してた。迷惑にはなりたくなかったから。
あの人の邪魔だけにはなりたくない。
でも、シャッフルユニットでみっちゃんと同じ7人祭になったとき、
自分の気持ちを抑えられる自信が、あたしにはなかった。
5 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月26日(水)00時59分01秒
今日は朝から一日中ユニットの仕事。
あたしは珍しく遅刻せずに集合場所に行った。まだメンバーは誰も来て無くって、
マネージャーさんと車で待ってた。はやくはやく!はやくみっちゃん来て!
あれっ?向こうの道から来るあの細い体格の女の人は・・・。
「みっちゃん!」思わず叫んじゃって、マネージャーさんに怒られた。

6 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月26日(水)08時59分15秒
みちごまだ!結構好きなんで嬉しいです。
頑張ってください。
7 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月26日(水)21時38分20秒
「Mステ」の本番前。
すごく緊張してる。みんなはあたしのこと度胸あるっていうけど、
ホントはそんなことない。モーニング娘。に入ったときだって、プレッシャーに
おしつぶされそうだったよ。そんなこと考えてたら、柴っちゃんがあたしのとこに
来た。「すっごい緊張するー!ごっちんはそんなことないの?」
「ううん。あたしだって緊張してるよ。」
「だって顔に全然でてないじゃんー!カッコイイよごっちんは。」
そんなことない。みんな誤解してるよ・・・。ところで、
みっちゃんはどこにいるのかな。あっ、独りだ。声掛けようかなぁ・・・。
・・・なんか、緊張する。ただでさえ緊張してるのに。
あたしってなんか不器用かも。
8 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月26日(水)21時56分34秒
でも、平然を装って声掛けてみた。
「どしたのみっちゃん。」
「んー?別に。」やっぱり、あたしには何にも言ってくれないんだ・・・。
あれ、なんか・・・泣きそう。こんなことで。でも、それを気づかれないように
「そう?」とか言って後ろむいた。やばい、何でこんなことでこんなに
胸が痛くなってんの・・・。バカだよやっぱ、あたしは。
「ごっちん」
へっ?
「なんかさっきから表情硬いで?」
みっちゃん・・・。やっぱりみっちゃんは優しいね。嬉しくってまた涙でそう。
大袈裟かな。
「うん。緊張しちゃって・・・」
「そっか。やっぱりいくら度胸据わってるって言われてても、ごっちんだって
緊張したり不安なったりするよな。でも、いつもはモーニングのメンバーと一緒に
頑張ってるやろ?今日は私たちみんなで頑張ろうよ。」
「うん・・・」
とにかく嬉しかったよ。なんでこんな優しいの。なんでこんなに
ヒトの気持ち理解してあげられるの。やっぱりスキ。みっちゃん。
9 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月27日(木)00時23分47秒
みっちゃんの邪魔にはなりたくないけど、もうこれ以上気持ちをおさえらんないよ。
ガマンするのって、苦手なんだもん。「スキ」って言いたい。
もう、覚悟決める。ハロモニの収録で明日、会うんだよね・・・。
そのときに言っちゃおうかな?
一人、「おねモー」の楽屋でもやもやしてる。

「後藤・・・」
ビックリして後ろ向いたら、やぐっつぁんが立ってた。
「なぁに?」
「あのさ・・・突然こんな事言うのアレだけど、あんたもしかしてみっちゃんのこと
好きだったりする・・・?」
えっ!!なんで知って・・・。マズイよぉ!
「えぇ?なんでそんなこと急に言うのぉ?」
声が裏返ってるのが自分でもわかった。
「やっぱりか。誰かに言うつもりないよ、でも一つ言っとく。
みっちゃんはさ、夏ごろまでよっすぃーと付き合ってたんだ。みっちゃんから
終わりにしたいって言ったらしいんだけど、よっすぃーはまだ全然納得してない
みたい。後藤知らなかったでしょ。でも結構知ってるコいるよ・・・。」
そういうと、やぐっつぁんはでてっちゃった。・・・うそぉ。
よっすぃーとみっちゃんが?じゃあ、よっすぃーにとられる前に告白しなきゃ
いけないじゃん!
10 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月27日(木)01時07分19秒

あたしは今日告るって決めてんだもん。先手必勝だよ!
みっちゃんの楽屋に行ってみよっかなぁ。あたしって結構大胆かも。
(コンコンッ)
「みっちゃ〜ん・・・」ヤバッ、ドキドキしてきた。
「ごっちんやん、どないしたん?」
「あーっとねぇ。ちょっと話あって。」
「はいはい何?」うっ・・・可愛いよぉ〜〜〜!
ええ〜い、こうなったらストレートに言っちゃえ!!
(ガバッ!!)
「みっちゃん・・・好きなの・・・。」言っちゃった!
「え?ちょっとごっちん・・・。そんな突然」「迷惑?」
「・・・」「あたし、ずっと好きだったみっちゃんが。いっつも優しくしてくれて、
あたしだけに特別じゃないってことは解ってたけど、いつまでもみっちゃんが
あたしに笑っててくれたらいいなって本気で思ってる。」
あたしの身体が小さく震えてるのがわかった。気づいたら、さっきまでみっちゃんの身体を
支えてたその両腕が、ゆっくり優しくあたしの背中に回っていた。
その瞬間、2人の上半身は勢いよく倒れてしまった。すごく幸せだった。
それから、みっちゃんの楽屋からあたしが帰るとき、耳元でみっちゃんは
「あとでね」ってささやいてくれた。
11 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月29日(土)00時52分47秒
無理ありますかね?いっかべつに。

>名無し読者さん
ありがとうございます・・・!頑張って完結だ!
12 名前:ギャンタンク 投稿日:2001年12月29日(土)14時13分25秒
私の大好きなみちごま作品!
作者さん頑張ってくださ〜い。
更新楽しみにしてます!
13 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月29日(土)18時56分37秒
>ギャンタンクさん
ありがとうございます!さくさく上げるぞ〜ぅっ!!
14 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月29日(土)20時14分25秒
みっちゃんと付き合うようになって1週間がたった。「付き合う」なんていっても、
あたしたち、まだデートの一回もしたことない。仕事場じゃみんながいるし、仕事
が終わってからじゃ時間が遅すぎるよね・・・。みっちゃん家に泊まりに行きたい
なんて言っちゃ、迷惑かな・・・?
おっと、仕事しなきゃ。HEY HEY HEYの収録なんだ、今日は。もちろんみっちゃん
がすぐそこにいる。
「みっちゃ〜ん」甘えた声でみっちゃんに後ろから抱きついた。やっぱり落ち着く、
みっちゃんに触れてると・・・。
「ごっちんかぁ〜。誰かと思ったわ。」笑顔でそういうみっちゃん。
へへっ♪可愛いなぁみっちゃん・・・。
歌収録の直前にみっちゃんがあたしに笑顔を向けてくれたから、今日の「サマーれげえレインボー」
を歌うあたしは、すっごい満面の幸せな表情。
いろんな人に、「良かったよ」って褒めてもらえた。でも、誰よりもみっちゃんに
言われたかったな。
15 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月29日(土)20時34分26秒
最近、不安なんだよね・・・。もうシャッフルの仕事も全部終わって、みっちゃん
と会う機会がぐんと減っちゃった。電話したいけど緊張するよ。
「ハァ〜・・・」大きなため息をつくあたしに気づいて、梨華ちゃんが心配そうに
「どうしたの?」って聞いてきた。「なんでもないよぉ」って誤魔化そうとしたけど、
梨華ちゃんはまだ「何かあったの?」って聞いてくる。利華ちゃん、優しいんだ・・・。
「・・・ごっちん、あのね、ちょっと聞いてくれる?」あら、梨華ちゃんったら自分
の話題にすりかえちゃった。でも、気になったから「うん、どしたの?」って言った。
「あのね、実はあたし・・・矢口さんと付き合ってるんだ・・・」えっ・・・!
梨華ちゃんとやぐっつぁんが?意外〜!「そうだったんだ・・・。それで?」
「でもね、矢口さんは中澤さんのことがまだ好きみたいなの。それに電話するのはいつも
あたしからだし、不安なんだぁ。」
16 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月29日(土)20時47分07秒
そうなんだ・・・。あんまり利華ちゃんの気持ちがわかるから、思わず
「不安って気持ちはあたしも同じなんだ」って言っちゃった。梨華ちゃんは驚いた
様子で「どうして?」って聞いてきた。いっちゃおっかな・・・。相談してみようかな・・・。
「あのさ、実はあたしも付き合ってる人がいてさ。」
「そうなんだ・・・。やっぱりよっすぃーとか?」それはライバルだよ梨華ちゃん!
「んー違う・・・。みっちゃんなんだ。」言っててなんか照れた。
「へーぇ、平家さんかぁ。」「うん、でも内緒ね。みっちゃんと最近会う機会が
少なくなっちゃって、電話したくてもする勇気なくって。それに、よっすぃーの
ことでさ・・・」あたしは、今まで言えなかったこと全部梨華ちゃんに相談した。
17 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月29日(土)22時35分44秒
『思い切って電話してみなよ。平家さんきっと喜ぶって。』
その梨華ちゃんの言葉を信じて、これからあたしはみっちゃんに電話をかけてみよう
と思う。何話そう?みっちゃんに迷惑と思われたらどうしよう・・・。
ええ〜い!悩んでても仕方ないよね。てやっ!
プルルルッ プルルルッ プル・・・
「はーい平家ですー。」「あっ、みっちゃん?後藤だけど・・・」
久しぶりに聞くみっちゃんの声は、いつもより少しトーンダウンした声。
胸がしめつけられるみたいな切ない感じがした。みっちゃんの声だぁ・・・。
「後藤かー。電話しようと思ってたとこなんよ。どうしたん?」
「えっと、声が聞きたくなって・・・」
バカ正直に答えた。
「そっか。嬉しいわ。」
フッと笑ってみっちゃんが嬉しいって言ってくれた。
「あのさぁ・・・今度、みっちゃん家行っちゃ駄目?」
・・・魂胆みえみえじゃん。
「えー、うんええよ。いつがいい?」
うっそやった!!「今日!じゃ駄目?」「今日か急やなー。うんでもいいよ。
仕事終わったらおいでえな。私も夜には仕事終わってるから。」
「うん、、、うんじゃーねー。」

・・・やったああああ♪!!
18 名前:ちゃむ 投稿日:2001年12月30日(日)00時59分05秒
「梨華ちゃん梨華ちゃん!」「ん?どしたのごっちん。」
「えへへ♪今日ねぇ〜、みっちゃん家に遊びに行くことになったんだー!」
大喜びで梨華ちゃんに報告。梨華ちゃんは「よかったねぇ!いよいよ・・・?」
だって。「からかわないでよぉ〜」といいつつも顔がにやけちゃう♪あたしたちは
キャーキャーいって騒いだ。
そこに聞きなれた声が加わる。「どしたの2人共。」
よっすぃー・・・。「うんあのね、今日みっちゃん家に遊びに行くんだ。」
またしてもバカ正直に答えた。案の定よっすぃーは一緒に行きたいって言い出した。
あたしは正直いって、この日絶対にみっちゃんと少なくとも初キスを決めるつもり
だったから、よっすぃーが一緒にくるとそれが難しくなるよ。
しかも、みっちゃんと前付き合ってて、今も狙ってる。そんな存在をみっちゃんに
近づけるワケにはいかない。なのに、八方美人で「いいよ」って言っちゃった。
19 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月30日(日)05時50分23秒
そのHN他に使ってる人いるから変えたほうがいいよ
20 名前:トミィ 投稿日:2001年12月30日(日)12時23分26秒
>名無し読者さん
・・・ですよね。変えようと思ってたとこです。
というわけで、これからはトミィでいきます。
せめてこれが完結するまでは知らん振りしようかと思いましたが、指摘されちった。
21 名前:トミィ 投稿日:2001年12月31日(月)10時56分07秒
次からは少し変えていきます。
後藤視点だと、自分の稚拙な文章力が目立ってしまうので・・・。
22 名前:トミィ 投稿日:2001年12月31日(月)15時59分41秒
あ〜みちごまの甘甘はよ書きたい・・・。
こんなややこい上に面白くないのが書きたいわけじゃないんだ〜〜〜!!
23 名前:トミィ 投稿日:2001年12月31日(月)16時21分25秒
仕事を終えた後藤と吉澤は、タクシーを拾って平家のマンションへ急いだ。
(ハァ・・・あたし何やってんだろ。)
後藤は自分がすぐにでも平家を自分の物にしたいと思っていながら、ライバル(らしい)
の吉澤と一緒にその想い人の家に行こうとしていることにもどかしさと自己嫌悪
を感じていた。
2人の間には数分間お沈黙があったが、それを先に破ったのは吉澤の方だった。
「ごっちんてさぁ・・・今平家さんと付き合ってんだよね?」
内緒にしていた筈の平家と後藤の関係を、何故吉澤が・・・?後藤は戸惑いを隠せずに
「なんで知って・・・」といってしまった。
(あっ・・・)後藤は、自分がバカな返答をしたことにやっと気づく。
バカ正直な後藤の態度に、吉澤はフッと笑いながら
「ごっちんの態度見てればわかるよ。いっつも平家さんの方みて幸せそうな顔
してるんだもん。大体の予想はつくって。」
自分の顔がどんどん紅潮していく様子が後藤には容易に想像できた。
24 名前:トミィ 投稿日:2001年12月31日(月)22時12分43秒
「あたしねぇ、この前まで平家さんと付き合ってたんだ。・・・可愛いよね、平家さんって。
あたしにすごく優しくしてくれてさ、ちょっと話せただけでめっちゃ嬉しくて。
ホント、すごい好きだった。でも、突然「別れてくれ」って言われたの。」
心なしか吉澤の声がくぐもる。
(よっすぃー・・・)
「あたしさぁ、ホンット平家さんが好きだったんだよぉ・・・。すごい大人っぽく
て綺麗でカッコ良くて、だけどどっか頼りなくてさ。6つも年上の人なのに、
どうしようもなく可愛いって。」
哀しい瞳をして語る吉澤の気持ちが、後藤にはとてもよくわかった。
自分も、そんな平家に「支えたい、支えてほしい」といつも感じていたから。

後藤が吉澤に声をかけるより先に、タクシーは平家のマンションの前で停車した。
25 名前:トミィ 投稿日:2002年01月03日(木)00時39分13秒
「さぁて、あたしはもう家帰るわ。」
平家のマンションの真ん前まで来て、吉澤は急に帰ると言い出した。
「ええ!?だって・・・ここだよみっちゃん家?」
後藤は完全に混乱してしまう。
「なんかさ・・・邪魔になんのはわかりきってるし。それに。。。」
そこまで言うと、吉澤は晴々とした笑顔をつくった。
「2人共にキラわれたくないしさ。」


吉澤はタクシーに乗ってさっさと行ってしまった。
後藤は何も言えなかった。
何も言えない自分に腹が立った。吉澤の気持ちが充分すぎるほど、痛いほどに
わかっていたのに・・・なのに自分の平家への想いを少したりとも削ることが
できなかった。吉澤の気持ちを尊重できない、いやらしい自分に腹が立った。

(ごめん、よっすぃー・・・。あたし、そんなにオトナになれないよぉ・・・。)

だが、後藤と平家の問題はまだ解決してはいなかった。
あそこまでに平家を強く想っている筈の吉澤が、そう簡単にあきらめるわけはない。
26 名前:トミィ 投稿日:2002年01月03日(木)20時57分24秒
後藤は平家と部屋でテレビを見ている。
内心ドキドキしているのだが、後藤はそれを気づかれないように無邪気に振舞った。
何も緊張することなどない、なのに心臓はうるさく鳴り続ける。


(もう・・・ヤだなぁ。なんでこんな・・・)

「・・・ごっちん?どうしたん、顔真っ赤やで。」
「へ?あ、なんでもないよぉ。あははっ。」
「体調悪いんちゃうの?」
平家は後藤の額を手で優しく覆う。ひんやりとして気持ちが良い。
「ごっちん熱あるみたいやで!?ベッドで休んどき。」
そういわれてみると身体がダルいしなんだか頭が熱い。
「大丈夫だよこれくらい。」
「大丈夫ちゃうやろ。ほら立てるか?」
言われるがままに後藤はベッドへ移動した。
初めて入る平家の寝室。後藤の顔はいっそう赤くなる。

(こんなカタチでみっちゃんのベッドで寝ることになるなんて・・・なんか
恥ずかしいなぁ・・・)
27 名前:トミィ 投稿日:2002年01月03日(木)21時12分45秒
平家の匂いに包まれたベッド。
そんなトコロでとても落ち着いて眠れるワケが無い。
後藤の心臓の音は、いつの間にかドクン、ドクンに変わっていた。
・・・・
・・・
・・


「ごっちん、様子どうや?」
ミネラルウォーターを汲んだコップを持った平家が様子を見に来る。
「うーん、、、へーき・・・」
今までまるで眠っていたかのような声で後藤は答えた。
胸のざわつきを隠すために。
「そっか。ここに水置いとくから喉渇いたら飲みや。」
そういって平家が部屋から出ようと向こうをむいた瞬間、後藤は力任せに
平家のうでを引っ張った。
「行かないで・・・みっちゃん」
後藤のバカ力によって引き寄せられた平家の身体は、勢いよく後藤に覆い被さった。
28 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)02時05分50秒
か、佳境に入ってきましたね(w
更新楽しみにしてるんでがんがってください。
29 名前:トミィ 投稿日:2002年01月05日(土)19時39分22秒
これはあとどのくらい続くんでしょう・・・。
佳境に入ってきましたかね(>名無し読者さん)?
これが完結したら学園モノを書きたいナーなどと思っているのですが。
サブタイトルつけてなかったそういえば。何がいいでしょう?
あとあと発表したいと思います。
30 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)00時32分59秒
ドックン、ドックン、ドックン・・・

「スキ、だよ・・・」
そう言って後藤は平家の少し濡れた果肉のような唇に、自分のそれを重ねる。
そして半ば強引に平家の唇を割らせると、その柔らかな髪に触れながら積極的に
風邪の為か熱くなった舌を平家の舌に絡ませていった。
「・・・んっ・・・ごと・・・」
甘い中に戸惑いの見える声が平家から漏れる。
「ちょ・・・まっ・・・て・・・んん・・・」
後藤はかまわず平家のシャツに手をかけボタンを外しにかかるが、
平家がそれを防いだ。
「今はあかん・・・ごっちんごめん・・・」
絞り上げるような声で謝るが、後藤は行為をやめない。
平家の唇、頬、首、肩にキスを浴びせながら
「好き、みっちゃん、好き・・・」
と繰り返す。
31 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)01時03分16秒
「・・・んっん・・・は・・ぁ・待っ・・・て・・・」
あくまで拒む平家。しかし後藤は聞こえないという素振りで次々と平家の身体に
赤い跡を残していく。自分が受け入れられないというのが何処かで最初からわかって
いたのかも知れない。
・・・・
・・・
・・

音を立てて平家の身体に跡を残す後藤。自分の胸や鎖骨が後藤の唇に
吸われていくのに耐え切れなくなった平家は、精一杯の力でなんとか後藤を
身体から引き離す。
「・・・やっぱり、よっすぃーなの・・?」
後藤は静かにうつむいて訊ねる。
「・・・違うとは言いきれへん・・・」
平家は申し訳なさでいっぱいだった。それと同時に、吉澤を突き放せない
偽善的な自分に腹が立っていた。

「・・・みっちゃんのバカ」
平家が後藤の顔を見ると、その目に沢山の涙をためて、後藤は小さくそう言った。
32 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)01時29分41秒
後藤はあれから、泣きじゃくりながら平家のマンションをとびだした。
帰ってからも、自分の部屋で泣いていた。
ひとしきり泣いたあと、独りで考えた。
思っていた以上に、平家は吉澤を忘れてないんじゃないかということ。
自分は今まで平家しか見えてなかったということ。
吉澤や矢口が言うように、秘密にしていたつもりが周りにバレバレだった、
自分のキモチ。
やっぱり、平家が大好きだということ。
子供だと言われようとも、力づくでもいいから平家にこっちを向いていてほしい
ということ。


この気持ちは、だれにも譲れない。もし、倒れそうなら支えたい。
そして、あなたに支えてほしい。
33 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)01時53分54秒
気づけば、モーニング娘。はすでに『Mr.MOONLIGHT〜愛のビッグバンド〜』
を歌っていた。平家と連絡を取らなくなって、数ヶ月。
本当は電話したい、メールを送りたい、マンションを訪ねたい。
だけど追い返されるのが怖い。連絡を取らない事で、2人の仲が決定的な
「破局」にならずに済んでいる。そう思うと、何処かで安心してしまう自分がいて、
また何も行動を起こせずにいる

吉澤とは、あえて平家の話題は避けていた。だから、お互いが今どんな状況に
いるのかが解らない。もしかしたら、もう平家は後藤のことなど忘れて吉澤と
付き合っているのかも知れない。
自分の気持ちにたとえ整理がついていても、後藤には今自分がどうすべきなのか
解らなかった。
34 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)19時59分48秒
(いつまでも悩んでても仕方ないのかな。自分からぶつかってかなきゃ、いけないのかな・・・?
でも、いっかいぶつかって失敗してるし・・・。)
もう何週間、同じ事を繰り返し考えているのだろう。平家への気持が抑えきれない。
だけど、どうしようもなくコワイ・・・。

(よしっ、誰かに相談してみよう!誰がいいかな?梨華ちゃんよりももっと頼れる人・・・
圭ちゃん・・・?いや、裕ちゃんにしよう!)
平家との付き合いが長く、気心の知れた中澤。時々嫉妬したりしていたが、
今は中澤以上の相談相手は居ない気がする。
後藤はすぐさま中澤にメールでコンタクトをとった。
『裕ちゃんへ。今日仕事終わってから暇?暇なら返事ちょうだい!後藤相談あるから!』
少々強引なのが後藤の性格。
呆れ気味な中澤からの返事は、メールを送信してから1時間後だった。
『わかった。仕事終わったら家来いや。』
35 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)20時23分15秒
    〜中澤宅〜
「しかしどうしたんや急に」
「実は、今好きな人がいてぇ・・」
「みっちゃんのことやろ」
「えぇ〜!?裕ちゃんにもばれてたのぉ!?」
「あんた・・・アレで気づくなっちゅう方が無理やろ。気づかんのは、よっぽど
鈍いみっちゃんくらいやわ」
「でも梨華ちゃんは・・・」
「あのこも相当なもんやな」



「・・・それでね、今全然連絡とってなくって」
「それそうとうヤバいんちゃうかぁ?」
「・・・」
「でもなぁ、あたしが思うにみっちゃんの性格からして、後藤のほうから
行動おこさな一生平行線続くで。あとちょっと勇気だしてみいな。
大丈夫、きっとみっちゃんも後藤のこと待ってるから」
(裕ちゃん・・・)
「ありがとう、裕ちゃん」
36 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)20時41分51秒
誰かに背中をおしてほしかった。あともうちょっと、何かにつかまっていたかった。
大丈夫。きっと、自分の正直な気持を素直に打ち明けられる。
後藤は、仕事が終わってから平家のマンションを訪ねる決心をした。

ピンポーン・・・
「はい・・・」
心なしか平家の声は元気がなかった。疲れているのだろうか。
「後藤です、、、。」
「・・・!」
1分ほど待っただろうか。もしかしたら、平家は出てきてくれないかもしれない。
突然家を訪ねられて、迷惑に感じているかもしれない。

ガチャ・・・
「みっちゃん・・・」
今までの後藤の緊張は、平家の顔を見た瞬間にすべてどこかに消えた。
ただ、嬉しかった。自分に顔を見せてくれた、ドアを開けてくれたその事実が。
37 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)21時21分28秒
平家は後藤の顔を見た途端、今にも泣き出しそうな表情で後藤に抱きついた。
「ごっちん・・・ごめん・・・ごめんな・・・」
後藤は予想外の平家の行動に、驚きを隠せなかったが、すぐに平家の背中に腕を
まわした。
「今までなんにも言わなくてごめん・・・あたし・・・」
平家の腕に力がこもる。
「吉澤には、もう言ったよ・・・はっきり言わなくてごめんなさい・・・」
「みっちゃん、あやまんないでよぉ」
後藤の目に涙が溢れる。平家も泣いているようだった。
「あたし、もうみっちゃんはよっすぃーに行っちゃたのかなって思って、
どうしてもみっちゃんに会えなかったんだ」
「ごめん・・・ごっちん・・・吉澤にはこの前あのこが家来たとき言ったから・・・
あたし・・・後藤だけが好きやから・・・」
途切れ途切れに自分への気持を表す平家が、後藤はたまらなく愛しくなった。
気づけば、自分の目に溢れていた涙はもう止まっていた。
38 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)21時56分23秒
「みっちゃん、ありがとう・・・」
そう言った後、自分の腕を緩めて平家の表情を確認する。
もう涙は止まったようだが、濡れた目をして少しうつむいている。
(本当に綺麗な顔してるよな・・・でも、すごく可愛くって、
優しくて。そんな人が、あたしなんかのために泣いてくれてるんだ・・・)
「もうホントに、あたしだけみてくれる?」
唇をきゅっとつむって、平家はこくんとうなづく。
「ずっと、あたしといてくれる?」
また、こくんとうなづく。
「好きだよ・・・」
「きっと、あたしの気持の方が大きいわ。」
「そんなことなーい!」
「そんなことある。・・・ずっと、離さんといてな・・・」
「うん・・・ずっと、離れてかないでね」
「うん・・・」
―――大スキ、あなたが。

 
 ・・・END   
39 名前:トミィ 投稿日:2002年01月06日(日)22時00分35秒
はいっ、初めて小説完結させました。
よっすぃーがうやむやな感じになってしまいました・・・。
次は、学園ものがすっごく書きたいです!
もうすこしマシな文章を書きたいと思っています・・・。
40 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年01月07日(月)20時58分05秒
面白かったです。
確かによっすぃ〜の部分のうやむや感は
否めませんが、平家さんが萌えるから
万事OKです。
学園ものも期待してます。
41 名前:トミィ 投稿日:2002年01月08日(火)00時21分45秒
明日から学校始まるから更新がいつもに比べて遅くなるかも知れません。
って、誰にいってんだか・・・。

>40ギャンタンクさん
最初はよっすぃーと平家さんの絡みも予定していたんですが・・・。
冬休み明けるまでに上げたかったんです。
私、一度自分の書いてる小説で「平家さん萌え」といってもらいたかったので、
嬉しいです!
はぁ〜、宿題はもう、諦めましょ。
42 名前:トミィ 投稿日:2002年01月09日(水)23時04分25秒
学園もの、やろうかと思います。登場するのは以下の方々で。


『わたしのスゴい方法』

平家みちよ(22)  理科教師。地味だが生徒たちから慕われている。

後藤真希(16)  高等部1年。平家の恋人。

中澤裕子(28)  保健医。平家の親友。

松浦亜弥(15)  高等部1年。真希の親友。

矢口真里(18)  高等部3年。真希と亜弥の友達。


その他色々ハロプロメンバーがでてくると思います、多分。
43 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月10日(木)00時06分20秒
ここは、朝日奈第二女子学園。中高一貫の全寮制の女の園。全国の名家の
子女たちが入学を希望している、お嬢様学校だ。学園自体は、1994年に創立した
ばかりで歴史もなにもないが、設備が大変充実しており、ついでに偏差値も高い。

ここの生徒たちは、学園内にある学生食堂で朝食をとる。
「おはよ〜亜弥、やぐっつぁん!!」
高等部1年の後藤真希は、元気良くクラスメイトの松浦亜弥と先輩の矢口真里と
挨拶をかわし、隣合わせに座っている2人の向かいへ腰をおろした。
「おはよーごっちん。朝苦手なあんたがこんな元気なんてめずらしーね。」
矢口がオレンジジュースのストローを口に運びつつ言う。
亜弥もその意見にうなずく。
すると後藤は、妖しい笑みを浮かべてテーブルに乗り出しながら言った。
「だってぇ〜、今日はあたしのスペシャルデイだも〜ん」
「えっ・・・スペシャルってまさか、アレホントに実行する気〜!?」
亜弥が叫ぶ。後藤は平然とうなずく。すると矢口が不思議そうに
「アレ・・・って、なんのこと?」
と聞いた。
44 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月10日(木)00時25分05秒
「アレとはですねー、今日の6眼、1年はプールの授業なんだ♪」
そう、朝比奈第二女子は屋内に温水プールが設けられているため、冬でも体育で
プールの授業があるのだ。
「・・・それが?」
「それでね、体育の保田先生がこないだから骨折で入院してるじゃん?んで、
今日の代理は平家先生がやるんだって〜♪だからぁ〜・・・ゴニョゴニョ」
「ま〜じでぇ〜!?」
今度は矢口が叫んだ。
「シーッ、声おっきいよぉ!」
「だって・・・っていうかホントにそんなことすんの!?」
3人はテーブルの真ん中で顔を近づけながら小声で話した。
「あはっ、先生との仲を深めるだけだも〜ん♪」
亜弥と矢口は心配そうな表情だが、後藤だけが期待をふくらませ
ハイテンションだった。
45 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月10日(木)15時25分33秒
朝食を終えて校舎で3人がワイワイ言い合っていると、突然
矢口の首に腕を回してくる者がいた。
「おはよう矢口ー!!」
「!?」
「あっ、おはよーございます、中澤先生。」
「おはよーさん、みんな。」
中澤は、回した腕を緩めて後藤と亜弥に挨拶した。
「なんだよー裕子!はなせよぉー!」
矢口が中澤の腕の中でもがいているが、中澤はお構い無しだ。
そこへ笑いながら近づいてくる者がいる。
「なんや朝から賑やかやなぁ自分ら。」
理科教師、平家みちよの声だ。その瞬間、後藤の表情はパッと華やいだ。
「おはよーございます、平家先生!!」
「おはよー後藤。元気やなぁ(笑)」
「当たり前じゃないですかぁ〜。朝から愛する人の顔が見れるなんて、
幸せですぅ〜!」
そういうと後藤はふにゃっとした笑みを浮かべる。いつか、平家が自分のこの表情
がスキだといってくれたからだ。ところが、後藤の良そうに反して平家は困った顔
をして後藤の口を塞いだ。
「ちょ、後藤!大声でそんなこといわんときって!」
46 名前:トミィ 投稿日:2002年01月10日(木)15時26分46秒
まちがえました、「良そう」ではなくて「予想」です。
あ〜恥ずかし。
47 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月10日(木)15時38分30秒
「まあまあみっちゃん。愛されてるんやしええやんか。うちの矢口なんか、普段は
こんなに必死になって逃げよんねんで。裕ちゃん、悲しいわぁ。」
中澤が私情を交えて後藤のかたをもつ。
「でもぉ、平家先生は照れ屋ですもんね。」
亜弥が言う。すると、平家が片手で亜弥の頭をコツンとたたきながら
「やかましっ!松浦、大人をからかうんやない!」
と言った。
「あはっ、先生可愛い〜〜〜♪」
「ホント、みっちゃんてからかわれやすいよねぇ〜」
口々に後藤と矢口も言う。
「も〜〜〜みんなしてぇ〜!」
そこで中澤はパンパンと手をたたきながら言った。
「ほらみんな、予鈴なるでー、はよ教室行き。」
「「「はぁ〜い」」」
48 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月10日(木)15時49分40秒
平家と中澤は職員室へ向かう。

「しっかしあれやなぁー、年下には興味ない言うとったみっちゃんが、16歳の子
と付き合うとは思わんかったわ。」
「そうやなぁ、自分でも思ったわ。でもな、裕ちゃんかてあんな来るもの拒まず
去るもの追わずやったのになんや今回入れこんどるやん。」
「まあなー。矢口可愛いしな(笑)。」
「ところで今日、うちら後藤たちのクラスの体育で圭ちゃんの代理せなあかんで。」
「まじで!?はぁー・・・」

・・・・
・・・
・・
49 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月15日(火)22時20分05秒
平家と後藤は、高等部の入学式のときの新任の挨拶で平家の姿を見た後藤が、
彼女に一目惚れしてしまって以来の仲だ。
思い返せば、最初に半ば強引に告白したのも、いつもキスやそれ以上のことを
せまるのも、いつも後藤の方から。
自分よりいくつも年上な筈なのに、奥手な平家の態度に後藤はいくらかの
もどかしさを感じていた。
たまには彼女にも自分を求めてもらいたい。そんな思いを抱える一方で、
本当は平家の自分への気持に自信が持てないでいた。
自分はこんなにあの人のことが好きなのに、会えばいつでも抱きしめたいと思うのに。
いつまでもこんな思いを我慢するわけにいかない。
後藤真希、16歳。好きなことは遊ぶこと。嫌いなことは、努力と我慢。
いつか、平家に自己紹介したときに後藤が言った言葉だ。
50 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月15日(火)22時34分50秒
キーンコーンカーンコーン・・・


4限目の授業の終わりを知らせる鐘が校内に鳴り響く。
「わーいっ!ごはんごはん〜♪」
人一倍よく食べる後藤と亜弥。猛然と学食へダッシュだ。
込み合った食堂内で矢口、2年の石川、柴田と合流し席に着く。
「場所取り完了!じゃっ、ごとーと亜弥は食券買ってくるね〜!」
「いってらっしゃ〜い」

ザワザワ・・・

「えっとー、あたしはハンバーグランチにする〜!」
亜弥はいつもメニューを決めるのがとても早い。
今日ももたもたと迷う後藤を置いてさっさと行ってしまった。
51 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月15日(火)22時51分22秒
「んもーちょっとくらい待てよな亜弥のやつ〜」
ぶつくさと文句を言う後藤の隣にふわっと滑り込んでくる者がいた。
「後藤どうしたん?機嫌悪いんか?」
平家だった。
「っ!!先生!そうなんですよぉ〜、亜弥ってばまたあたしを置いて
行っちゃったんです!」
突然愛する人が目の前に現れた。その喜びを隠し切れずに後藤の顔がゆるむ。
「あははあんたも松浦もよく食べるもんなぁ。んで?後藤は何食べるのか
もう決めた?」
「いえまだ・・・先生は?」
「うんとな、カルボナーラにしようかな。」
「じゃあ、後藤もそれにする!」
幸せで一杯だった。この人と付き合うようになってからもう9ヶ月はたつのに、
未だに顔を見れただけですぐに満たされてしまう。
(これが「愛の力」ってやつ〜?)
「せんせー、お昼後藤の隣で食べてくださいよぉ〜!」
甘えた声でオネガイポーズ(相手の服の袖を指3本できゅっと握りながら上目使い)をとる。
「うんそうしよっかな。祐ちゃんももう矢口達んとこで食べてるみたいやし」
ガクッ。心の中で肩透かしをくらった。
52 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月15日(火)23時16分54秒
―――ランチタイムは何事も無くすぎていった。
明るく笑うやぐっつぁん。女の子らしくオムライスを食べる柴っちゃんと梨華ちゃん。
やぐっつぁんの隣に座って平家先生と面白いトークを繰り広げる中澤先生。
そして、一人猛然と食べる亜弥・・・。あたしはぁ・・・ふふふっ、
体育が楽しみで仕方ない♪だからとりあえず満腹中枢を満たしておいて、
あとは平家せんせーの綺麗な横顔を堪能しましたとさ♪


5限目は数学。りんね先生ごめんなさい!あたしは次の授業に備えて
仮眠を取ります。
あっ、亜弥も寝てる・・・。やっぱ、食後は眠くなっちゃうよねぇ〜ぇ。
おやすみなさーい!


ZZZ・・・ZZZ・・・――――――
53 名前:名無し梨華 投稿日:2002年01月17日(木)01時26分35秒
みちごまいいですねぇ・・・・・・

がんがってください♪
54 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年01月17日(木)11時14分01秒
新作品の学園モノも楽しませてもらってます。

平家みちよ(22)  理科教師。地味だが生徒たちから慕われている。

理科教師・・・ミスヘイケを彷彿とさせますね。
でも「地味だが」って(笑)みっちゃんがんばれ!俺も慕ってるぞ!

というわけで作者さん頑張って下さい。
55 名前:トミィ 投稿日:2002年01月18日(金)20時43分13秒
>>53名無し梨華さん
ありがとうございます。これからもみちごま中心で色々書いていこう
と思っています。でも、やぐちゅー、いしよしも好きで(聞いてねぇよ)。。。
みちごまが1番好きなんですがね。


>>54ギャンタンクさん
楽しんでいただけてますか?嬉しいです。
こんな素人の駄文をっ・・・。でも頑張ります!
56 名前:トミィ 投稿日:2002年01月18日(金)20時50分00秒
『わたしのスゴい方法』はあともうちょっとで完結すると思います。
まだ未定ですが・・・。
その後は、やぐちゅーをやると思います。某少女漫画のストーリーを
やぐちゅーメインで、いしよし、平家さんを登場させてやる予定です。
57 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月19日(土)00時22分57秒
6限目の予鈴がなり、後藤は亜弥と共に更衣室へと移動する。
更衣室はすでに沢山の生徒が着替えており、非常に混雑した状態となっていた。
最初は皆ワイワイと喋りながら着替えていたが、生徒たちの集合の遅さに
怒り心頭した中澤は、ガチャッとドアを開けて言った。
「いつまでダラダラやってんねん!早よ集合せんか!!」



生徒が集合すると、平家が号令をかけた。
「はいじゃあ名簿順にならんで!まずはクロール25m3本!」
中澤はあまりやる気がないようで、全て平家にやらせ自分は見学者用の
ベンチに座っていた。

(はぁー・・・ちょっとズルイ気もするけど、先生がいけないんだからね!
普段のあたしとおんなじ思いさせてやるぅ!!)
後藤はクロール25mを18秒で駆け抜けながら考え事をした。
その姿を、亜弥と中澤は口を開けて見ていることしかできなかった。
実は、中澤も今回のことを亜弥に知らされていたのだ。
58 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月19日(土)00時42分59秒
この日の水泳の授業は、クロールのタイムをとり、平泳ぎ50メートルを
泳いで終了となった。
生徒たちは更衣をすませ、中澤の指示で足早に教室へと戻った。
また中澤に後の片付けを全て押し付けられた平家は、更衣室の前で椅子に腰掛け
日誌を書いていた。そのとき、不意にカタンという物音が聞こえる。
更衣室にはもう誰も残っていないはずだ。
そう思った平家は、そろそろとドアを開け、
「誰かまだ残ってるんかー?」
と声を上げた。返事はない。
勘違いかと思ったが、念のために更衣室を見回ることいした。
ロッカーが仕切りのように並んだその更衣室は、少し広めでまるで
スポーツジムかなにかのような新しいつくりになっている。
(誰もおらへんのかなぁ・・・?)



「平家先生♪」
少しビクっとして平家が振り向くと、そこにはまだ更衣を済ませていない
後藤がたっていた。
「後藤!?まだ着替えてへんの?いつまでも水着のまんまやったら風邪ひくで」
「せんせ――。あたし、先生と2人っきりになりたくって残ってたんです」
この能天気な答えに平家は少々呆れたが、同時に子犬のように自分になついてくる
後藤を愛しくも思った。
59 名前:トミィ 投稿日:2002年01月21日(月)22時28分34秒
あげてもあげてもすぐさがるなぁ・・・。
60 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月22日(火)00時04分47秒
「平家先生・・・」
後藤は平家の細い腕を自分の方へ引き寄せながらその首に唇を押し当てた。
「んっ・・・」
平家は突然のことに対処しきれずとりあえずされるがままという状態だ。
段々と後藤の唇は平家の肩、鎖骨へと移動していく。
そして強く平家を抱きしめた。濡れたままの後藤の水着のせいで平家のシャツ
がじわじわと濡れていく。
「先生―――あたし先生抱きしめてるとすっごく落ち着く。
なんでだろうね・・・」
「後藤、、、ここ学校やで?」
平家の顔はもう真っ赤に染まっている。いつもならここで後藤が何をしようと
してもきっぱりと「また今度」という平家なのに。
「わかってます・・・」
そう言いながら平家のシャツに手を入れながらキスをする。
小さく抵抗を試みる平家。だが後藤はそんな彼女の行動が心から自分を受け入れたく
ないのでなく、教師としての立場上校内での行為の抵抗の表れであることを
知っていたので、構わず平家の着ていたジャージと下着を脱がした。
61 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月22日(火)00時14分14秒
「ちょっ・・・後藤ぉ・・・」
絞り上げるような声で顔を赤らめる平家。
「可愛いです・・・」
後藤はそう言いながらゆっくりと平家の唇に熱っぽく口付ける。
それからそろそろと中指と人差し指を平家へと侵入させていく。
その瞬間、平家の身体はビクンと揺れ、後藤の肩にしがみついた。
「先生、力抜いて・・・?」
耳元でささやく。そして指示に従った平家へと指をゆっくり沈める。
「ぁあんっ・・・ふ・・後藤ぉ・・・・・」
平家には多少の迷いが見られたが、それは徐々に快楽へと変わりつつあった。
62 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月22日(火)00時26分55秒
「んっ・・・!は・・ぁんん・・・ぁあんもう・・・」
後藤は静かに平家の中で指をかきまわしていた。
・・・・・
・・・・
・・・
・・


平家の悩ましげな吐息があらくなり、段々と絶頂が近づいているのがわかった。
が。
あともう少しというところで後藤は指を抜いてしまった。
平家には何が起こったのかわからない。
「今日はもうおしまいです♪」
「・・・?」
「はい、先生立ってー。」
後藤は力の抜け切った平家を何とか椅子に座らせ、さっさと着替え始めてしまう。
平家もすぐに着替える。

「続きはまた今度、先生と寮で2人っきりになったときね♪」
「えぇ!?」
「じゃ、またね。あっ、今日の先生すっごい可愛かったですよ!」
そう言い残して後藤は更衣室を後にした。
「・・・ハメられたぁ」
63 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月22日(火)00時31分32秒
いつも平家が寮の後藤の部屋に行くことをいやがったり、マンションにもたまにしか
招いてくれないことに腹が立っていた後藤は、平家をその気にさせるために
わざと極端につらい方法でじらしてみることを計画したのだ。
単純というか短絡的な。。。
64 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月25日(金)22時12分10秒
ごっちんさすが…。
単純だけど、多分みっちゃんは引っかかりそう…。
ってか、年が離れてる時は年上受けがイイ。
65 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月26日(土)23時56分26秒
「上手くいったのぉ〜?」
寮の後藤の部屋で矢口、亜弥、後藤はお菓子をつまみながら雑談している。
「うんバッチリ♪」
後藤はご機嫌だ。
「でもぉ、これで結果が出なきゃ意味ないじゃん。」
亜弥が冷静に突っ込む。
「うっ・・・でもまちがっても嫌われはしないよね?」
「さぁね〜」
矢口が意地悪く後藤から目をそらしながら言った。
(えぇ〜〜〜!?ちっとも嫌われるとか考えてなかったよぉ・・・
先生怒っちゃってたらどうしよう〜〜〜?)
「じゃ、あたしはそろそろ自分の部屋戻るねー。」
「えっ、やぐっつぁんもう?」
「今日裕ちゃん来るからさぁ〜♪」
矢口はいそいそと戻る準備をする。
「また明日ね!」
バタンと勢いよくドアを閉めて矢口は行ってしまった。
(いいなぁ〜、中澤先生は平家先生みたく奥手じゃないもんなぁ〜。)
66 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月27日(日)00時08分40秒
翌日―――。


「ごっちん今日の理科の宿題やってきた?」
亜弥が慌て気味に後藤の席に走ってきた。
「バッチリだよぉ〜ん♪」
他の教科ははっきりいって馬鹿だが、後藤は理科と体育の成績だけは
良いのである。
「あっ、ごめん亜弥あたし用あるからこのプリント勝手に写しといて!」
「おっけー」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


「平家先生!」
バタンと大きな音を立てて理科室のドアを開ける。
「びっくりしたー、後藤か。」
白衣を着た平家が教卓に腰掛けてコーヒーを飲んでいるところだった。
「昨日ごめんなさい!あたしあんなことしちゃって・・・」
「ほんまになー。あたしめっちゃ恥ずかしかったわ。生徒にからかわれる
やなんて。」
平家は苦笑いして言う。
67 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月27日(日)00時21分05秒
「!!違いますよ!からかってなんていません!」
後藤の必死な態度に平家は困惑する。
「あたしは先生のあたしに対する気持が不安で・・・だから・・・
先生は・・・あたしのことちゃんと好きですか・・・?
なんかあたしばっかり必死で先生のこと追いかけてるみたいで、不安で
どうしようもないんです・・・」
後藤は下を向いて震えながら胸のうちを明かした。
平家はしばらく黙って、それから持っていたコーヒーのカップを教卓に置いた。
そして、優しく包み込むように後藤を抱きしめて言う。
「ごめん・・・あたし後藤に甘えてた。なんにもしなくても後藤はそこに
おってくれるから・・・。すごい好きやで後藤のこと。でも
あんまり感情を出したら、あんたにハマってることがバレてしまうやん・・・」
68 名前:わたしのスゴい方法 投稿日:2002年01月27日(日)00時35分06秒
「先生―――。」
後藤は少しくすぐったい気分だったが、同時にとても満たされていた。
「今日・・・あんたの寮行っていい?」
「来てくれるんですかっ!?」
「だってそのために昨日あたしにあんな仕打ちしたんやろ?」
「そうですけど・・・」
「じゃあ、おとなしくそのワナにかかってあげるわ♪」
(くそぅ・・・なんだかんだ言ってもやっぱり先生の方が上手だよ・・・)
「せんせー・・・キスして?」
「しょうがないなぁ〜」
少し触れるだけの、幼いキス。
「ん・・・先生もっとぉ〜・・・」
「今回はここまで!さっ、授業始まるで。」
「あ〜!次先生の授業だ〜!やったぁー!一緒に教室まで行きましょう♪」
「ん。ちょっと舞ってな。」



(こんな幸せが、ずっと続きますように♪)









・・・END
69 名前:トミィ 投稿日:2002年01月27日(日)00時40分33秒
とりあえず学園もの第1弾完結です。
最後の最後で誤字がっ・・・「舞って」じゃなくて「待って」
ですね・・・。


>>64
読んで頂いてありがとうございます。
やっぱり平家さんは受け側の方があっています。。。
70 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月28日(月)11時00分55秒
やぐちゅー期待してまーす。
71 名前:トミィ 投稿日:2002年01月28日(月)22時44分29秒
マッハで更新です(w

>>70
すみません(汗)やぐちゅーは後回しになります・・・。
ごめんなさい。。。


次はよっすぃーメインです。またまた平家先生登場させます。


やぐちゅーじゃなくてごめんなさい。。。
72 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年01月28日(月)23時05分17秒

「ごめん・・・お付き合いは、できません」

「そうですか・・・」

その子は、そう言って走っていってしまった。

―――中等部の、小川麻琴ちゃんだっけ。

もう、何人目だろう。吉澤ひとみは、この学園に入学してきてからというもの

少なくとも1ヶ月に1人のペースで告白をうけている。

高等部に入ってもその人気は変わらず、常に女生徒達の注目の的だ。

だが本人は、まだ人を好きになった事が1度もない。

ひとみ1人しかいない中庭には、大きな桜の木が美しく花を咲かせている。

―――悪いことしちゃったな、あの子には。
   
73 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年01月28日(月)23時15分38秒
教室に戻ると、友人の真希がひとみに声を掛けてくる。

「ねぇねぇ、今度はどんなコだったの?」

「可愛いコだった。」

「で、どうしたの?」

「・・・断った」

うつむいてひとみが答える。まだ罪悪感が消えない。

「ひとみ今日から部活だよね?」

「うん、先帰ってて。」


真希はひとみが唯一心を許せる人物だ。性格はいたってマイペース。

茶髪のロングヘアがキレイで、見た目は結構ギャルっぽい。

でも、どこかとらえどころがない。

あまり自分の心のなかに踏み込んでこない。それがひとみには魅力的にみえた。

だけど、それは決して親友とは呼べない――――――。

74 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月29日(火)16時03分54秒
やぐちゅーも楽しみにしてたけど、よっすぃー主役もいいです。
何かちょっと切な系?
75 名前:トミィ 投稿日:2002年02月11日(月)01時14分00秒
>>74名無しさん
受け入れてもらえて、ほっとしてます。
今回はもう、シリアスで!!よっすぃーの初恋物語です(笑)

では早速、更新スタートォ!!
76 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年02月11日(月)01時22分35秒

真希にはああ言ったものの、どうも今日は部活に出る気分じゃない。

―――・・・さぼっちゃお。

普段真面目なひとみは、部活や授業をサボるなんてことは殆どしないが、

なぜかその日は暖かい春の風がとても気持ちよくて、どうしても

バスケで汗を流す気分ではなかった。

―――そうだ、あの桜の木の近くで本でも読も。

中庭に咲くあの大きな桜の木はひとみのお気に入りだった。




「ふう」

木の下に座り込んで本を読み出すひとみ。辺りには桃の香りが漂っていて、

とても気持がいい。だが、そんなひとみの平和な時間は、ある女性の

声によって妨げられた。


77 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年02月11日(月)01時30分54秒

「あんた、1年F組の吉澤ひとみやろ?」

―――誰?

ひとみが顔を上げると、そこにはこの学園の教師らしき人物が立っていた。

「なんで、あたしの名前知ってるんですか?」

すると女性は、クスっと笑って言った。

「だって女子にすごい人気あるんやろ?中等部の加護やらがよう騒いでるわ。

んで、今日は部活行かなくてもいいんか?」

「今日は・・・サボりです」

―――怒られるかな。そりゃ先生だもんね。

「ふぅん。ま、そんな日もあるわな。」

「・・・怒らないんですか?」

「そりゃ怒ったほうがいいんやろうけど、自分の受け持ちと違う
生徒にまであれこれ注意するほど真面目じゃないんでね。」

―――ふ、不良教師・・・。

78 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年02月11日(月)01時40分51秒

ひとみが黙っていると、突然その女性は思いついたように妖しげな笑みを

浮かべいった。

「面白いこと、思いついた♪」

「・・・?」

「吉澤って、キスしたこと無いやろ?」

―――はっ!?

あまりに唐突な質問に、ひとみは口ごもった。

「やっぱり♪」

―――何考えてんのこの先生・・・

「なーあ、みんなの憧れのひとみ様の初チュー、あたしが貰ってもええ?」

「はぁ!?」

―――なんてこと言い出すんだよぉ〜!?

「・・・好きでもない人とキスする気なんて有りませんから」

「嘘。」

彼女はきっぱりと言った。そして次の瞬間、すばやくしゃがみこんで

左手をひとみの頬に触れ、もう一方の手を桜の木に添えて、

ひとみの唇を奪った。


79 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年02月11日(月)01時46分41秒

「・・・っ!」

ひとみは抵抗しなかった。できなかった、突然すぎて。

「・・・また会おうな、ひとみちゃん♪」

そう言って女性は行ってしまった。

「・・・何よぉ!?」




「なんなのよあの人・・・」



「・・・大っキライ・・・」



80 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月11日(月)16時26分14秒
面白いです!
これからも頑張ってください。
81 名前:トミィ 投稿日:2002年02月15日(金)23時46分49秒
>>80名無しさん
ありがとうございます!
でわでわ、続きを書かせていただきますね。


82 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年02月15日(金)23時54分41秒

―――あの日からずーっとよく眠れないんだよなぁー。

   もう・・・3日か。

「あれひとみ次理科室だよ」

「あっ、なんかボーっとしてて・・・行こっか。」

―――あの人一体誰なんだろ?先生だよね・・・?

「今日1年担当の理科の先生休みなんだってー。」

真希がひとみに話し掛ける。

「え、じゃあ自習?」

「んーん。2年の先生が代理で来るんだってー。」

―――2年の先生・・・?全っ然知らない。

   でも、自習だったら眠ってられたのになぁー。それもこれも、

   ぜーんぶあの人のせい!




83 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年02月16日(土)00時05分05秒

チャイムがなり、生徒は全員席に着いている。


ガラッ・・・

―――えっ・・・

「じゃー今日は、あたしがみんなを教えるのでよろしくー。」

―――あの人だ・・・。

ひとみが驚きのあまりボーっとしていると、すでに生徒たちは実験の準備に

取り掛かっていた。

「こらー吉澤やっけか?はやく準備せーよ。」

「あっ・・・すみません」

―――よく言うよ、あたしの名前なんかヨユーで知ってるくせに。

ひとみが頭でぶつくさ考えてるうちに、教師はスルリとひとみの耳の近くに

腰をかがめ言った。

「また会ったな。キスのこと考えてたんやろー?・・・またしてあげるわ♪」

「っ・・・!」




そんな2人の様子を同じ教室からじっと見ている者がいた。


84 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月06日(水)04時34分57秒
面白いです!ず〜っと待ち続けてますyo
続きが気になるー!!
85 名前:トミィ 投稿日:2002年03月06日(水)13時03分28秒
>>84名無し読者さん
ありがとうございます・・・。
レスがつかないから悲しくって・・・。
86 名前:よっちゃん 投稿日:2002年03月06日(水)19時19分13秒
今日はじめて読みました〜。続きが気になります〜。中吉って大好きなんで期待してます。ガンバッテ下さい
87 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月07日(木)13時06分23秒

「ねえ・・・ひとみって中澤先生と仲いいの?」

授業が終わって、真希がひとみに少し挑戦的にたずねた。

「中澤?」

「とぼけないで。さっきすごい近づいて話してたじゃない!」

―――あの人、中澤先生っていうのか・・・

「えー?全然仲良くないよ?やだなぁもう」

「・・・あの人はやめといた方がいいよ。」

―――・・・どういうことだ?

「だから、仲良くなんてないってば!でも・・・なんでやめといた
ほうがいいの?」

「だって・・・あの人、すごい恋愛に関してだらしないって。
今付き合ってるコだって、絶対5人はいるよ」

―――なんかわかる気する・・・

「へぇ・・・例えば?」

「例えば・・・3年の矢口先輩に安倍先輩、A組の石川さん、
あと中等部の松浦亜弥ちゃんってコも。それから・・・」

「それから?」

「・・・なんでもない。とにかく、ひとみみたいな恋愛経験の
無いコは好きになんのキツイ人だね」

そういって真希はスタスタと先に教室に行ってしまった。

88 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月07日(木)13時16分34秒

「きゃ〜〜〜!!ひとみ様〜!!!こっち向いてぇ〜〜〜!」

「ひとみ様!!タオルどうぞ!」

「あ・・・ありがとう」

生徒たちの黄色い声援を一手に浴びている吉澤ひとみ。

中学のときからこんな調子だったのだが、まだ少しも慣れない。

「あいかわらずすごい人気やな吉澤は」

笑いながらそういう女性は平家みちよ。保健医だ。

「もうからかうのやめてくださいよぉ」

―――あたしは中澤先生よりどっちかって言うと平家先生の

ほうがイイなぁー。

「よっすぃーも大変だねー。カオリちょっとうらやましい〜」

―――呑気な・・・

「カオリ先輩も人気あるじゃないですかすごく」

「よっすぃーには負けるよー。でもバレー部ってすごく

キツイから可愛い子にチヤホヤしてもらわなきゃやってらんないー」





89 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月07日(木)13時21分11秒

「ふう・・・疲れた・・・」

シャワーを浴びてベッドに倒れこむひとみ。

「中澤先生・・・か。」

―――キスなんかあたし初めていちゃったんだよなぁ。

すごく華奢だったなーあの人・・・。

って何考えてんのあたし!

相手は先生だよ!?大体すごい恋愛関係派手だって真希も言ってたし。

・・・もう寝よっ。


90 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月07日(木)13時29分50秒

―――今日は久しぶりによく眠れたなー。気分いいー♪

ってあれはっ・・・中澤先生と・・・矢口先輩?



「ん〜裕ちゃんもっとー」

「しょーがないなー矢口はー。」

―――朝からっ!!

「裕子ぉ〜、矢口のこと好き〜?」

矢口が中澤の肩に腕を回しながら言う。

「好きに決まってるや〜ん。矢口大好きやで裕ちゃんはー」

「へへっ」




―――あれが世間で言う馬鹿ップルってやつか・・・。

なんか・・・胸がムカムカする。何で???

保健室行こっかな。


91 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月07日(木)13時34分41秒

「へーけせんせぇ〜」

「おっ、なんや吉澤。しんどいんか?」

「なんかねー、胸がムカムカするんです」

「珍しいなあんたみたいな元気がとりえの生徒が」

「ほっといてくださいー」

「ほれ熱はかり。でもなー、なんで胸がムカムカすんねや?」

「わかりません・・・。」

体温計を平家にわたす。

「熱はないな・・・ちょっと寝とき。」

「はーい」

92 名前:トミィ 投稿日:2002年03月07日(木)13時39分26秒
久々の更新です。 なかよし初なんですけどがんばります。

>>
93 名前:トミィ 投稿日:2002年03月07日(木)13時41分50秒
あれれ。間違えたっ・・・。

>>86よっちゃんさん
ありがとうございます〜。私もなかよし好きです☆
頑張りますね。
94 名前:84 投稿日:2002年03月07日(木)23時41分30秒
わ〜い!更新されてるー☆ 白衣のへーけ先生ステキング・
トミィさんの作品読むようになったきっかけは平家先生です!!
95 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月08日(金)17時24分37秒
はじめて読みましたYO!
なかよし好きなので、かなり期待です。作者さん、がんばってください。
続き楽しみにしています=♪
96 名前:トミィ 投稿日:2002年03月08日(金)21時14分47秒
>>9484さん
平家先生は全てわたくしの個人的な趣味です・・・。
やっぱり平家さんには白衣が似合うかと思いまして。

>>名無し読者さん
ありがとうございますー♪
なかよしファンって多いんですね。
頑張ります。
97 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月08日(金)21時24分16秒

―――なんでこんな気持ちになるんだろ・・・。

なんで・・・。考えてみたら、なんか中澤先生と矢口先輩が2人でいるの見てたら

ヤな気分になって・・・。なんで?中澤先生が・・・あたしじゃない人に

優しくしてたから。あたしにしたみたいに矢口先輩に・・・。



98 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月08日(金)21時33分48秒

―――この気持ちは、なに?

わかんない・・・。


「平家先生ー」

「なんや?寝てなあかんやろー」

平家が作業をしながらこたえた。

「先生は誰かが自分じゃない人といて、嫌な気持ちになったこと

ありますか・・・?」

「えー?なんやなんやあんたも青春してんのやなー」

「なんですか青春って・・・」

ひとみは少し混乱した。

「結構結構。んで、その『誰か』と『自分じゃない人』て誰なん?」

平家はすべてを見透かしたように言った。

99 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月08日(金)22時56分13秒

「誰でもないですっ!」

そう言ってガバッとひとみは立ち上がった。半ばヤケになっている。

「もう気分よくなったんで教室戻ります」

「だいじょーぶかぁ?まぁ、あんたのソレは風邪でもなんでもないみたい

やけどな」

「どういうことですか」

ひとみは平家を少しにらみつけた。もちろん、こんなことで

動じる平家ではない。

「なんでもあらへん。まぁ、またなんかあったらみちよ先生に

相談しなさい♪」

―――なんか、楽しそうな顔してない・・・?
100 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月08日(金)23時18分31秒

昼休みの中庭。

ひとみは昼食をすませ、また例の桜の木の下に座って考え事をしていた。

「あれー、ひとみちゃんやん」

ドキッ

「中澤、先生・・・」

―――拙い、あたし、完全にこないまでとは違う目で中澤先生の事見てる。

ひとみはボーっとして、中澤の話す姿をただ見つめた。

―――細いよなぁ。美人だし。色っぽいし。声も大人の女って感じで

良いなぁ・・・。

「・・・っと、ちょっと。人の言う事聞いてるかー?」

「へっ!?」

―――しまった全然聞いてなかった。

「もうー。まぁええわ。別にたいしたこと話してへんかったし」

中澤はそういうと、ふいにひとみの横に足を崩して座った。

そしてひとみの白い頬に手の甲で触れ、耳元でささやく。

「ほんま可愛いな・・・。またキスしたらあかん・・・?」

101 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月08日(金)23時24分17秒

―――・・・っ、ヤバイ。ヤバイヤバイヤバイ。

心臓破裂しそうだって!!!!!

「っ、嫌・・・」

「嫌?」

クスクスと笑いながらもう一方の手もひとみの肩に置いて中澤が言う。

「・・・じゃないです・・・」

―――こんなこと言ってる自分が恥ずかしいよ・・・

102 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月09日(土)13時09分43秒

中澤がそっとひとみに口づけようとする。

しかし、ひとみの脳裏よぎったのは、朝矢口にキスしていた中澤の

優しい顔だった。

「やめてくださいっ・・・!」

―――あたしは、その他大勢になんかなりたくない!

「嫌じゃないって言ったやんか・・・」

かすれ気味の声で中澤がささやく。

―――やめて・・・そんな綺麗なカオをしてあたしを見ないで

「先生のこと、好きみたいなんです・・・」

自分でも唐突な発言に驚く。

「だから・・・気まぐれでこんなことしないで下さい・・・」

ひとみは顔を真っ赤にして中澤から目をそらした。


103 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月10日(日)23時48分41秒

「ねえ、今度はひとみをたぶらかしちゃったの?」

中澤の腕の中にいる少女が悲しげに訪ねる。

「知ってたんか・・・」

「あたしは、ずっと裕ちゃんだけが好きだよ?裕ちゃんしか見えないの・・・」

中澤の胸に顔をうずめて、少女は今にも泣き出しそうだ。

「わかってるって・・・。な?別に本気とちゃうよ・・・」

なだめるように少女の頭に手を添える中澤。

「好き。」

「わかってる。」

「わかってない。好き。大好き。死ぬほど好き。あたしは裕ちゃんの事、

すっごくすっごく愛してるんだからぁ・・・」


104 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月10日(日)23時56分33秒
翌日。

ひとみは週番のため他の生徒よりも早く登校していた。

日誌を取りにいき教室へもどる途中、中澤の姿が見えた。

「!中澤先生・・・!」

「あ、おはよう吉澤はやいな」

「あの、あたし先生の返事きいてませんけど」

「あれは返事がいるもんやったんか?」

「もちろんです」

ひとみはきっぱりと言い放った。もう、中澤への自分の気持ちに

充分整理をつけられているのだ。

「・・・どうしてほしいんや?」

中澤が腕を組みながら言った。

ひとみもまっすぐに中澤の瞳をみつめて言う。

「愛してください。誰よりも。」

105 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月11日(月)00時04分54秒

「・・・ええよ。」

―――アナタハ、ドウシテカンタンニソンナコトガイエルノヨ。

ウソツキ。

「あなたは、本当は誰が好きなんですか・・・」

ひとみは泣き出しそうになるのを必死にこらえながら訪ねる。

「・・・だから、吉澤やろ?」

「ちがいますっ・・・本心を聞かせて下さい・・・」

しばらくの沈黙。

「聞きたいか?」

ひとみは静かにうなづく。



「あんたもよく知ってる人や」

―――よく知ってるひと・・・?

「誰なんですか?」

106 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月11日(月)00時08分09秒

「・・・・・・平家みちよ。」

―――平家、みちよ・・・。

一瞬、ひとみは「平家みちよ」なる人物が誰を指すかがわからなかったが、

すぐに頭の中を整理して、言葉を発した。



「平家先生なんですか・・・・・・?」


107 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月12日(火)10時33分45秒
おぉ〜!みっちゅうですか!?
なんか急な展開ですねー。
108 名前:トミィ 投稿日:2002年03月14日(木)20時15分53秒
>>107名無し読者さん
ちょこっとみっちゅー風味を混ぜようかと・・・。
大人2人の秘密の過去って感じで☆
109 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月15日(金)22時30分15秒

「もういいやろ。じゃあまたな」

中澤はそう言うとくるりと後ろを向いて歩き出そうとした。

「待ってください!じゃあなんで先生は平家先生と付き合わないんですか?

なんで・・・」

「しゃあないやん、だってみっちゃん好きな人おんねんから。

あたしのことなんか見えてなかってん・・・昔から」

後ろを向いたまま俯いて中澤は続ける。

「あたしかって・・・前はみっちゃんしか見てなかったもん。

でも、どうにもならへんこともあるんよ・・・」

「どうにもならない事・・・?」



110 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月15日(金)22時40分35秒

中澤は振り返った。

「みっちゃんの好きな人はもうこの世におらへんねん・・・

みっちゃんはしばらくあたしと付き合ってくれたけど、やっぱりその子の

事が忘れられへんからってふられてしもた・・・

そんなん・・・こっちかって忘れられへんやんなぁ・・・」

―――先生・・・
111 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月15日(金)22時48分44秒

授業中。

―――中澤先生が平家先生を好きだったなんて・・・。

空回りしまくりだよ〜〜〜!!あたしは中澤先生が好きで、

中澤先生は平家先生が好きで、平家先生は死んだ恋人を忘れらんない・・・か。

でも中澤先生を好きなコは・・・あたしだけじゃないし・・・。

どう考えても、中澤先生があたしを好きになってくれる可能性って

超低いよなぁ・・・。

112 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月18日(月)16時04分00秒
なかよしGOOD!!!
初代男前&3代目男前のカップルって・・・読んだらはまってしまった(w
ここのせいで・・・いろんなHP読み漁っちゃったよ。
113 名前:2代目押し 投稿日:2002年03月20日(水)16時29分43秒
続きが気になる〜
>112 なかざーさんが初代だとは知らなかったです(^^)
まだまだ勉強不足な自分…
114 名前:トミィ 投稿日:2002年03月22日(金)15時17分36秒
>112名無しさん
>ここのせいで・・・
嬉しいですなぁ(w裕ちゃんが初代とは私も知りませんでしたー。

>1132代目押しさん
続きはもうしばらくおまちください。。。
ちょっとメドが・・・。
もしよければ、ここ↓も読んでみてください。
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=snow&thp=1016279412&st=1&to=36


レスくださるかた、ありがとうございます。とても励みになります。
それは更新状況にもあらわれているかと。。。(w

115 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月24日(日)22時43分33秒

「ねえひとみ。」

―――真希。

「何?」

真希の顔をみると、いつも以上に表情が堅いというか深刻そうだ。

「中澤先生に告白したでしょ。」

生徒たちがざわつく教室。こんな話は聞かれるとまずいが、

真希はおかまいなしだ。

「・・・なんで知ってるの?」

―――真希には何も言ってない筈だけど。

「だって・・・私、中澤先生・・・裕ちゃんと付き合ってるから。」


―――・・・え?

ひとみはしばらくの間、真希の言ってることがわからなかった。


「付き合ってる・・・?」

―――真希と、中澤先生が?・・・どれだけライバルが多いんだよ!!

「私、負けないから。裕ちゃんがどれだけの人と付き合っていようと、

かならず私は裕ちゃんの1番になる。」

真希はそう言い放つと、強くひとみを見つめた。

116 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月24日(日)22時51分30秒

「1番・・・それは多分真希にも私にも、今は無理だよ」

ひとみが下を向いて力無くいう。

「どういうこと?」

―――真希は、このこと知らなかったんだ。

「先生は、他の人のことを、本気で好きだから。」

「他の人って誰なの!?」

だんだんと真希の表情がけわしくなる。

「・・・平家先生だって」

「!?」

―――真希?

ひとみはてっきり真希は平家の名前を聞くと怒るかなにかすると

思っていたが、違った。ひどく動揺しているようだ。

「・・・真希?」

「そう・・・平家さん・・・」


―――平家、さん?

ひとみはそのとき真希と平家の間に何かがあるということを悟った。


117 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月24日(日)23時02分13秒

―――真希は、平家先生と何か関係があったの?

「真希・・・」

「ひとみには話しておいたほうがいいかもね。私、中学のとき

平家さんと付き合ってたの。」

真希はそこまで言うと、ひとみの前の席に座る。

「平家さんのこと、好きだったよすごく。だけど、私があの人を裏切ったの。

私が、裕ちゃんと浮気したから・・・。

平家さん、それ知ったとき怒らなかったの。ただ、『じゃあばいばい』って。

すごく後悔した。自分が許せなくて泣いたよ。

平家さんへの未練は今はない。裕ちゃんだけが好き。

だけど裕ちゃん浮気ばっかりするんだもん・・・」


118 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年03月24日(日)23時08分38秒

「きっとそれは・・・平家先生に受け入れてもらえないから、

どっかでもやもやを晴らそうとしてるんじゃないかな・・・」

「そう、だね」


そこでひとみはあることに気がついた。

「じゃあ、平家先生の忘れられない、死んだ恋人って・・・?」

―――なんか話がややこしくなってきた。


「平家さんがそう言ってたの?」

「中澤先生が教えてくたの。だから諦められないんだって・・・」


119 名前:かみー 投稿日:2002年04月04日(木)18時26分21秒
うー…続きがめっちゃきになります!!
120 名前:トミィ 投稿日:2002年04月05日(金)21時02分20秒
>>119かみーさん
最近更新ペース遅くて申し訳ないです。
あんまり読者様いないみたいなんで人気作家さん達に
比べたら気楽ですが。


121 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年04月05日(金)21時14分49秒

―――平家先生の死んだ恋人。それは当然私なんかは知らない人なんだろう

けど、もしかして、それが真希や中澤先生につながりがあるんだとしたら。

だけど2人共知らないみたいだし。でも、真希たちにそんな過去が

あったなんて。3人の間には、あたしなんかはもちろん他の人が入り込めない

大きな深いつながりがあるのかも。どうしたらいいんだよ・・・


「ひとみちゃん?どうしたの、気分でも悪いの?」

―――梨華ちゃん。

ひとみのルームメイトの石川梨華。ひとつ先輩の2年生で、目立たないが

心優しい少女だ。

「梨華ちゃん・・・なんでもないよ、ありがと」

実は、梨華は平家のことが好きなのだ。ひとみは今まで応援するとは言っていた

ものの、これといって協力するようなことはしていなかった。

―――こうなってくると、あたしはあたしのことしか考えてられない状態

だよなぁ。梨華ちゃんには頑張ってほしいと思うけど、多分今のままなら

無理・・・だろうし。


122 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年04月05日(金)21時26分04秒

翌日。

ひとみは思い切って平家に全て話すことに決めた。平家の心が誰にあるのか

がわかれば、何か解決の糸口が見つかるかもしれない。


「おはようございます、平家先生」

始業前に保健室を訪ねる。平家はおどろいた顔をしてひとみを向かいいれる。

「珍しいなぁ吉澤。なんか用か?」

ひとみは保健室に置いてあるソファに座り、あらたまって切り出した。

「あの、ちょっと話したいことがあるんですけど」

「なんや?」

「私、中澤先生が好きなんですよ」

そこまでひとみが言うと、よほどおどろいたのだろう。

平家は飲んでいたコーヒーで咽てしまった。

「え…何…なんやて?」

「だから、中澤先生が好きなんですよ。それでこないだ告白したら、

中澤先生は平家先生の事が好きだから他の誰でも本気になれないって言われ

たんです。真希、後藤真希も中澤先生が好きで、昔真希と先生が付き合ってた

ってことも教えてもらいました。だけど、平家先生が好きな人っていうのが

解らないんですよ。・・・教えてもらえませんか?」


123 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年04月05日(金)21時38分02秒

しばらくのあいだ、沈黙が2人を包む。平家は、コーヒーの紙コップに

指を這わせながら何を思っているのか・・・。

次に口を開いたのは平家だ。心なしか、いつもとは違う、どこか冷たい表情。

「吉澤・・・人の心ん中をむやみに知ろうとしても、自分が痛い目

見るだけやで。・・・あたしは今でも後藤が好きや―――」

「え・・・」

「って言ったらどうする?」

ひとみにはまったく平家の考えていることが読めない。

キーンコーンカーンコーン・・・

「それはどういう・・・」

チャイムの音と重なってひとみが口を開く。

「もう授業始まるで。さっさと教室行きなさい」







124 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月06日(土)01時59分10秒
更新待ってました〜。
どうなっていくのか???(w
125 名前:かみー 投稿日:2002年04月06日(土)12時37分22秒
やったぁ、更新だ!!
これからどうなっていくのか期待大です!!
126 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年04月11日(木)13時10分45秒

平家先生の好きな人っていうのは多分、死んだ恋人なんかじゃない。

だって、平家先生絶対なんか隠してる。もしかして、もしかしたらよ?

「死んだ恋人」なんていないのかも・・・。だってさっきの先生のカオは・・・




127 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年04月11日(木)13時19分24秒

大体、中澤先生は本当に平家先生が好きなのかな・・・。

あたしや真希に本当のことを言って無いのかも。




「・・・ひとみ」

「なに?真希」

気づいたら、もう1限目が終わっていた。ひとみはあえてなにも言わずに

真希に相槌をうった。

「あの・・・さ、言ってなかったんだけど、私・・・もうすぐ引っ越すから」

―――へ?引っ越すって・・・

ひとみは真希を見上げたまま呆然とする。

「引っ越すって、転校するの?」

「イギリスに行かなくちゃならないの。だからもう・・・」

そこまで言った真希の瞳から、大粒の涙がこぼれる。

「真希、場所変えよう・・・」



128 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年04月11日(木)13時33分20秒

ひとみは泣いている真希を中庭に連れて行った。

中澤と初めて出会った、桜の木の下に。

「イギリスに行ったら・・・もう、裕ちゃんに会えないんだよ・・・

ひとみぃ・・・イヤだよ・・・!ヤ・・」

腕で顔を隠して泣きじゃくる真希は、ひとみが今まで知っていたクールな

少女ではなかった。中澤への彼女の思いは計り知れない。

「裕ちゃんに言ったの・・・引っ越さなきゃならないって。

『うちに来い』って言って欲しかった・・・」

少し落ち着いたのか、真希はひとみに昨日のうちに起こった事を話した。

「裕ちゃんはあたしなんか好きじゃない。だけど、裕ちゃん・・・

優しいから。最後のわがままとして、一緒にいようって言って欲しかった・・」



129 名前:涙色〜あなたしか見えない〜 投稿日:2002年04月11日(木)13時42分28秒

「真希・・・」

何と言っていいのかわからなかった。ライバルである筈の真希を、

応援したくなってしまったから。真希の思いを叶えてやりたいと、何もできない

と知りながらも。

「ごめんひとみ。あたしはもう、無理なんだよ。ひとみは、頑張ってよ」

「真希・・・!諦めるってこと?」

「違うよ!好きだよ、大好きだよ裕ちゃんが!苦しいの・・・っ

好きだから・・・受け入れられないのが苦しいの!」

真希はまた泣き出す。こんなに一生懸命誰かを想っている少女を、

誰が憎めるんだろう。

・・・
・・


「いつ、イギリス行くの?」

「来月・・・」




130 名前:トミィ 投稿日:2002年04月11日(木)13時45分38秒
>>124名無し読者さん、>>125かみーさん
すみません遅くなりまして・・・。
とりあえず、後藤はイギリスに旅立つということで、
離れてゆくのです・・・。


131 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月12日(金)03時34分53秒
ショッキ−!!
ゆうごまって結構好きだったのに(涙
なかよしにかけるか(w
いやーみっちゅーも捨てがたい。ってか主役は中澤ではなくて平家さん?(w
132 名前:名無しみっさん 投稿日:2002年04月14日(日)09時12分25秒
おもろいです。がんばってください。
133 名前:トミィ 投稿日:2002年04月14日(日)13時13分41秒
>>131名無し読者
ゆうごまわかんないんですよぉ(泣
前書いたら不評というか反応も何もなかったし。
主役はよっすぃーです(w思わず平家さんをいっぱい出してしまうんですが(汗
これはあくまでもなかよしなので!

>>132名無しみっさんさん
ありがとうございます!
みちごま・・・書いてみましょうか。みちごま1番大好きなんですが
書くの下手なんですよ(泣。雪板にて甘めの修行中なので
頑張ってみます。

というわけで、こっからちょっと脱線してみちごま。
平家先生と後藤の過去とかではまったくないです(爆
134 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月14日(日)13時23分30秒

彼女は独占されるのが大嫌い・・・らしい。あと、自立していたい、とか。

よく雑誌のインタビューなんかでそう語ってるのを目にする。

確かにそういう強さを平家さんは持ってる。そんな彼女に惹かれたのも事実だ。

でも・・・平家さんってずるいと思う。あたしが迫るとすごい困った顔して

目をそらすの。気づかないの?そんなとこがたまらなく可愛いのに。

ずるい。そうやってますます好きにさせておきながらお預けくらわせるなんて。


もっともっと、好きっていってほしいのに。





135 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月14日(日)13時31分11秒

「ごっちん?」

ボーっとしていたらしい。ここは平家さんのマンション。

心配そうなキレイな顔がすぐそにあって、少し照れる。

「なんでもないですよ!ちょっと意識とんでた・・・」

「そう?あっそうや、明日オフって言ってたやろ?」

平家さんがこんなふうに言ってくるなんて珍しい。いつもはオフのことなんか

口に出さない。っていうか、あんまりあたしと一緒にいたいって思ってくれて

ないみたい。だから、そんなに期待しないで答えた。

「そうですけど」

「明日の夕方、良かったら・・・遊びに行かへん?」

どうして、遠慮がちに言うんだろう。あたしの答えなんて決まってるのに。

「もちろんいいですよ!何処行きたいですか?」



136 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月14日(日)13時39分08秒

『遊園地・・・』



というわけで、駅前で待ち合わせ。昨日の「遊園地」って言った平家さんを

思い出して口元がゆるむ・・・。そういえば平家さんって絶叫系大好き

って言ってたっけ。



・・・あれ?


あたし、なんか忘れてない?

ま、いっか。





137 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月21日(日)03時06分01秒

約束の時間を2分ほど過ぎた頃、むこうの方から平家さんが小走りで

こっちに向かってくるのが見えた。

「ごめん待った?」

恋人同士って感じでなんかすごく嬉しい。恋人同士なんだけど。

「平家さん先ごはん食べましょう。後藤お腹空いちゃって・・・」

「じゃあそうしよか。」

「はぁい!」

返事をすると同時に平家さんの腰をぐっと引き寄せる。

平家さんの髪の香りが心地よくて、恥ずかしそうな平家さんをよそに

あたしはもっともっとくっついて歩いた。



138 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月24日(水)23時49分36秒

ちょっと早い夕飯を終えて、あたしたちは遊園地に着いた。

平家さんはすごく嬉しそうにわらっている。可愛い・・・。


平家さんは、どうして遊園地に来たかったの?遊園地、好きだっけ?

もう4月といえど、この時間になるとやっぱり寒い。

「平家さん、寒くないですか?あそこのカフェであったまりましょうよ」

「いいの!後藤・・・寒いか?」

「あたしは平気ですけど・・・。」

「じゃあ行こ」

きゅっと握られた手が温かくて一瞬胸の奥をぐっとつかまれた気がした。

こういうふとしたときめきが嬉しかったり・・・。

139 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月24日(水)23時55分14秒

観覧車に乗ることになって、結構人がいる乗り場に並んだ。

手をぎゅっと繋いで、静かに自分たちの順番を待つ。





ようやく観覧車が来て、乗る直前に平家さんがつぶやいた。

「・・・言ってくれへんの?」

何のことかわからなかった。言うって、何を???

「?何をですか?」

「・・・別に」

平家さんは少し寂しげに言った後、一人でさっさと観覧車に乗ってしまった。

わかんないよ・・・。

140 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月24日(水)23時58分13秒

平家さんは無言のまま。なんとなく気まずい。あたし、何か言ったっけ?

平家さんの気に障ること・・・。

なにかひどい事、したっけ・・・?




あ―――――っ!


「平家さん、今日・・・誕生日?」

完全に忘れてた。そのことを言ってたの・・・?

「忘れてたん!?」

「ごっごめんなさい!」

あたしのバカ・・・。


141 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年04月25日(木)00時05分15秒

「・・・ごめんなさい!怒ってる、よね?」

「別にー」

嘘。怒ってるっていうか、寂しがってるみたいな、そんな顔。



「平家さん・・・」

向こう向いてる平家さんに静かにささやいてみる。平家さんがこっちを向いた

瞬間に――――キス。

ご機嫌とりってわけじゃなくて、ただしたかったから。

「・・・あほ」

顔が赤い。平家さんってホント解りにくい人だ。

優しくて頑固で真面目なんだけど、押しに弱いというか、強がってるというか。

へたれって自分で気づいてない・・・?

「誕生日おめでとうのちゅーはあとはあと

「もう・・・」


こんなあたし、絶対平家さん以外の人の前じゃ見せない。

142 名前:かみー 投稿日:2002年04月28日(日)10時47分19秒
甘甘……イイ!!!
143 名前:名無しみっさん 投稿日:2002年04月30日(火)01時38分58秒
いい!!!!!
最高です。すばらしいみちごまをありがとう。
144 名前:トミィ 投稿日:2002年05月01日(水)21時34分27秒
>>142かみーさん
甘甘個人的に大好きなんで、頑張ってもうちょい甘くしてみますね(w

>>143名無しみっさん
ありがとうございます。すばらしいだなんて・・・嬉しいです(照

145 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年05月01日(水)21時41分31秒

もういっかい、もういっかいって言いながら、平家さんにキスをする。

左手は、平家さんの髪を指に絡ませて、右手は太腿を優しくなでながら。

どんどんキスを深いものにしていきながら、太腿の内側に手を挟むようにして

愛撫する。

「ゃっ・・・あかんって・・・んっ」

構わずに愛撫を続けるけど、平家さんの抵抗は思ったより強かった。

力の入っていない手で肩を押し返される。

146 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年05月01日(水)21時50分02秒

「あかんってそこまでしたら・・・。観覧車の中やし、、、」

平家さんの顔は赤い。あたしだってそんな困った顔して言われてもわからない

ほど子供じゃない。

「わかりました・・・。でもまだ下に着くまでちょっと時間あるよね」

言いながら平家さんの首筋にキスをして、吐いているスカートをたくし上げていく。

「ごっちん・・・何すんの・・」

下着が見えない程度までスカートを短くしたら、その片太腿に唇を落とす。

「んっ・・・あ・・」

充分に口づけて、ピンクの跡がついたのを確認する。

「これで当分忘れないねはあとはあと


平家さんはなんていうか、すごくいやらしいカッコで頬を赤く染めて

目を潤ませていた。



147 名前:トミィ 投稿日:2002年05月01日(水)21時51分54秒
誤字発見(死
「吐いている」じゃなくて「履いている」ですね。
失礼しました・・・。
148 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年05月01日(水)21時57分58秒

ごめんね平家さん。

あたし、やっぱり平家さんのそういう情けないっていうか可愛いとこ大好き。

だけど、いざってときはあたしを優しく包んで守ってくれる。

だから後藤も平家さんを守るよ。


だってだって、大好きだからさはあとはあと


みんなは知らない。平家さんがあたしの前じゃあんなに可愛いんだってこと。

あたしが、平家さんの前じゃ甘えん坊な悪戯っ子だってこと。




149 名前:あたしのモノ 投稿日:2002年05月01日(水)22時07分16秒

観覧車を降りて、遊園地をぶらぶら歩いた。

風が気持ちよくって、隣に居るのは大好きな平家さんで。

いつの間にか、あたしたちは人の少ないベンチのあるところにいた。

そのベンチに座ると、あたしは平家さんの方に頭を傾けた。

「ごっちん・・・ここな、前来たことあったやろ?」

そう。前にも一度やぐっつぁんと裕ちゃんと4人で来た事がある。

前に来たときは・・・

「あたしら裕ちゃんたちとはぐれてしもて、そんときもここに座ったよなぁ」

「そうだったね・・・」


そこで平家さんの顔を見た瞬間、今度は平家さんの方からキスされた。

優しい、温かいキス。








「・・・そんとき、初めてごっちんにキスされたんやで」

そういえば・・・そうだ。前もこんな感じだった。立場は逆転してるけど。

150 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月10日(金)00時38分14秒
私はゆうごま大好きです。
いろんなHPで読み漁っています。(w
いしよし・やぐちゅー・いちごなんかに比べたら全然少数ですけど(w
なかよし楽しみ〜。

Converted by dat2html.pl 1.0