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上海少年
- 1 名前:うろ覚えくん 投稿日:2002年01月03日(木)23時04分39秒
- 水城せとなっつー801漫画化が801シリーズのなかで書いた百合話を探しています。
うろ覚えのまま娘。にあてはめモーニング!!しますので、タイトルわかった方は
是非ともヨロシク! 単行本の何巻にあるかも併せてお知らせ頂けるとウレピー!!
みたいな〜。
- 2 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月03日(木)23時10分27秒
- 「6時のニュースです。本日13時頃、獣化した会社員による殺戮事件が発生、
○○食品会社の社員3名を殺害し杉並区○○の××ビルに篭城するという事件
が起こりました。犯人は15時頃かけつけた機動隊員に射殺されました。これ
で今月にはいってからの獣化事件は7件にのぼり・・・」
「最近多いねー」
「あんたも気をつけなさいよー」
「なにに?」
「ガッコー。人だけは多いでしょあそこ」
「んー、大丈夫だよー」
- 3 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)00時12分27秒
- 「だいじょーぶって根拠あんの?」
「裕姉過保護過ぎ。仮に誰か獣化したって1000人もいんだよ生徒。逃げれるって」
「それって全然大丈夫ちゃうやん!」
「ってきまーす」
「ちょっと! ねぇ、これ! これもってきなさい」
「なにこれ? 痴漢撃退ブザー?」
「ばーか。そんなん持ってたかて誰も助けにきてくれへんかったら一緒やろ。
スタンガンや」
「ふうん・・・」
「真希はもう緊張感ないねんから。高いねんから大事に使いよ!」
「はいはい・・・」
- 4 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)00時27分28秒
- 「おはよー真希」
「あー、りかちゃんおはよー・・」
「なんか眠そー。どうしたの?」
「んーべつにー・・・ちょっとよふかしー」
「なんで?」
「なんとなくー」
「そ?」
- 5 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)00時29分18秒
- 「おっす、ごっちん」
「あ、よっすぃおはよー・・・ぐー・・・」
「うわ、おはよう言うたはしから寝ないでよ」
「がっこー、ついたらおこして・・・」
「へーへー・・・あ、りかちゃんおはよー」
「おはよう・・・」
「zzz・・・・」
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)01時16分30秒
- −−学食。
タブレットをザラザラと流し込む石川。
ねむたげにラーメンをすすってる後藤。
元気いっぱいにチャーシューメンを食べてる吉澤。
吉澤「ん? りかちゃん、昼ごはんそんだけ?」
石川「まぁね」
後藤「おなかすかない?」
石川「減らないのよ。でも栄養素足らないから、補給ていうか」
吉澤「チャーシュー一枚あげよっか?」
石川「いらないよー(笑」
- 7 名前:なんか全然違うな。これじゃ知ってる人もわかんねーよ 投稿日:2002年01月04日(金)03時00分13秒
- 後藤「りかちゃんさあ、顔色悪くない?」
後藤の指が石川の頬に触れる。ぴくっとみじろぎする石川。
石川「そんなことないよ。あたし色黒いし」
後藤「なんかでも」
石川「大丈夫だから!」
身を翻して駆け出す石川。
ふいに倒れる石川。
吉澤「りかちゃん?!」
駆け寄って抱き起こす吉澤。呆然と見守る後藤。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)03時04分20秒
- 後藤「りかちゃん大丈夫かなぁ?」
吉澤「わかんない」
後藤「わかんないって、よっすぃあんとき送ってったじゃん?」
吉澤「・・・んー、まぁね」
後藤「もう3日も休んでるじゃん」
吉澤「昨日電話してみたんだけど、誰も出なかったんだよね・・・」
後藤「それってかなりやばくない? お見舞い行こっか?」
吉澤「や・・・それは別の意味でやばいってゆーか」
後藤「?」
吉澤「とにかくお見舞いはやめとこ。ね?」
後藤「ん・・・うん・・・」
- 9 名前:アチャーこれでわかったら奇跡だよ!! 投稿日:2002年01月04日(金)03時09分47秒
- 後藤「(よっすぃが乗り気じゃないから誘わないで来たんだけど)」
後藤「(こりゃ豪邸だ・・・りかちゃんすごいとこ住んでんな・・・)」
後藤「(ん・・・? 扉開いてる・・・無用心だなぁ・・・)」
高級マンションの一室に足を踏み入れる後藤。
一歩踏み入れて息を呑む。
壁じゅうに残る激しい爪跡。
後藤「りか・・・ちゃん・・・?」
靴を脱がずに室内にあがる後藤(それぐらい室内は荒れていたのだ)
- 10 名前:いいアイディアだと思ったんだがなぁ 投稿日:2002年01月04日(金)03時13分50秒
- 寝室の扉を開けて、点灯して息を呑む後藤。
後藤「・・・」
いつのまに撮ったのだろうか、部屋じゅうが後藤の写真で埋め付くされている。
無秩序に押しピンで壁という壁に留められた自分の写真に圧倒される。
病的だった。
この部屋は狂ってる。
ふらついた後藤は机の上にあったケースをひっくり返す。タブレットが部屋じゅうに散らかる。
- 11 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)03時18分55秒
- 銀のピルケースには何の表示もなかった。
後藤「(・・・なんだろうこれ・・・m? w?)」
ただ、蓋にアルファベットらしき飾り文字が刻印されている。
後藤は写真の意味を考えてみる。
石川は写真が趣味だっただろうか?
思い出せない。
そういえばよく使い捨てカメラを手にしていたような気がする。
何か行事があったとき率先してカメラに撮りたがるのが石川だった。
後藤「(・・・だけど、こんなに・・・)」
- 12 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)03時22分10秒
- ぎし。
廊下が軋む音に後藤は身を強張らせた。
ぎし。
普通人間が歩くとき、こんなふうに廊下って軋むだろうか?
ぎし・・・
・・「だれ? だれかいるの?」
後藤は後ろを振りかえることができない。
- 13 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)03時25分30秒
- 後藤「りかちゃん、なの?」
返事がない。
後藤「ここ・・ヘンだよ・・まるで・・まるで獣人に教われたみたいだし・・」
返事がない。
後藤「なんかへんなくすりとかあるし」
返事がない。
後藤「あたしの写真・・・」
返事が・・・
- 14 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)03時26分32秒
- 後藤は思い切って振りかえってみた。
後ろには・・・
誰も・・・
誰もいなかった。
- 15 名前:うろ覚えくん 投稿日:2002年01月04日(金)04時30分19秒
- 原作ではここで、主役の801男と主役が出会って獣化した友人の後始末をつけてくれるのですが!!
原作から代わってないのは
・獣化人おおあばれ
・原因はくすり
・友人の家に主人公の写真沢山(たぶん少女漫画「降っても晴れても」の衝撃シーンの前後だったような)
ぐらいなものです。何かシリーズものだと思います。4649!!
- 16 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)20時49分16秒
- あまったので別のネタやろう
- 17 名前:ぼくの地球を守って 投稿日:2002年01月04日(金)20時54分13秒
- 月をみてるといつも胸がふさがれる気がする。
帰りたい。
帰りたいの。
- 18 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)22時03分48秒
- この辺読んでから投稿すれ
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=imp&thp=1005058968
丸パクはやばいぞ
- 19 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月04日(金)22時27分51秒
- 晒しage
- 20 名前:ぼくの地球を守って 投稿日:2002年01月04日(金)23時49分19秒
- >>18
当然読んでますよ。誰もが知ってる作品であることを明記していますが。
日渡早紀『ぼくの地球を守って』の翻案です。
つってもキャストを書けばすべて終わります。
ありす:飯田 輪:つじ
以上。
-end-
さー次は何をぱくろうかなー!!
- 21 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)00時23分51秒
- じゃあ小説の意味ねーじゃん。
ネタじゃん。
小説板にスレたてたんなら小説書くべきじゃないか?
ぱくってるって明言したらいいって問題じゃねーだろ。
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)00時53分43秒
- >>21
じゃあ何をやって欲しいのさ? 大概のリクエストには答えられると思うよ。
長編以外ならね。
ちゅーか、飯田辻のぼく地球って見たくね? 萌えると思ったんだがなぁ。
- 23 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)01時00分20秒
- ま、アラシはほっといて。ネタもケチがついたんで、じゃあ一丁オリジナルで。
┏━━━━━━━━┓
┃「冷たい方程式」┃
┗━━━━━━━━┛
・・・待てよ。ぱくってるのはタイトルだけだから。
- 24 名前:カコワルイ 投稿日:2002年01月05日(土)01時00分57秒
- ┏━━━━━━━┓
┃「冷たい方程式」┃
┗━━━━━━━┛
- 25 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)01時06分43秒
- 散り逝く桜を綺麗だと思った。
長いあの人の髪に戯れて流れて落ちる薄桃色のひとひら。
降りそそぐそれは吹雪のように散って重力を感じさせない。
ひとみは修学旅行で行ったスキーを思い出した。
八方尾根の昔オリンピックの競技場に使われたというそのコースでリフトに乗っていたときにそれは起こった。
吹雪。
激しい風に煽られて大きな音がして長いあいだリフトが止まった。
上も下も真っ白で手前に下ろしたはずのバーさえ見えない。
- 26 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)01時11分35秒
- あのときみたいだ。
あの人は華やかな吹雪の中を立ち去っていく。
自分を置いて・・・
「はぁい、よっすぃ、今の問題をもう一度解いてみようかぁ?!」
バシン。
数学の教科書が投げやりに机の端におかれる。
「や・・・矢口・・・先生・・・」
「まぁさかっ。聞いてなかったとは言わないよねぇ? このヤグチが、きっちょー
な時間を割いて丁っ寧にわっかりやすーぅく! よっすぃのために説明したことを」
「や・・そ、それは・・・」
- 27 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)01時13分34秒
- 「ハイッ、受験は待ってくれませーん! わかってる? 明日のすべり止め受けたら
よっすぃ浪人だよ浪人? 高校浪人!! どーよこれ!!」
あの人は花吹雪のなかを去っていく・・・
ひとみの前には・・・
前にはただ・・
┏━━━━━━━┓
┃「冷たい方程式」┃
┗━━━━━━━┛
-完-
- 28 名前:さーパパどんどんパクッちゃうぞー 投稿日:2002年01月05日(土)01時54分26秒
- ┏━━━━━━━┓
┃「龍 の 探 索」┃
┗━━━━━━━┛
Special thanx for アン・マキャフリィ
- 29 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)01時55分01秒
- でも続きはあしたー
- 30 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)21時10分19秒
- シカトかよ!
- 31 名前:ハジマルヨ! 投稿日:2002年01月05日(土)21時13分29秒
- いっそageたろか。ナンテネウソヨー。コノスレコワクナイヨー。ミンナジャンジャンカイテネー。
┏━━━━━━┓
┃「龍 の 探 索」┃
┗━━━━━━┛
スペサルサンクス・アン・マキャフリィ(ハァト デモホンニンミショウダクネー ダイジョブダイジョブアブナクナイネー
- 32 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)21時24分25秒
- ひどく足が重たかった。
ひとみは空を見上げる。
龍(と呼ばれる巨大甲殻類。トンボの羽にも似た薄羽で空を舞う)どもが滑空している。
はじまるのだ。
糸胞。
惑星モーニングは四百年周期で一度、近付く小惑星群の影響で考え得る限り最悪の生物が降り注ぐ。
それらは酸を撒き散らし、すべてを溶かし、食らい尽くす。
農作物や家畜は言うに及ばず、鋼鉄、硝子、プラスティックまで彼らの餓えは飽くことがない。
- 33 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)21時32分56秒
- 活躍するのは龍騎士たち。
その干乾びた翅を大きく広げて滑空し、降り注ぐ糸胞を空中で焼き尽くす。
狩猟に出掛けていて見付けた火トカゲを深追いしていたひとみは一人逃げ遅れた。
安全な岩盤に覆われた城砦まではあと100ヤード。
間に合いそうになかった。
竜騎士は絶対ではない。いくらかの取りこぼしもある。そのために城の太守は掃討
隊を組織していた。龍の顎から逃れた忌々しい糸胞どもを見逃さず一つ残らず焼き払
う防衛隊である。
これが近年稀にみる大きな降下であることは間違いなかった。
- 34 名前:33やりなおしー 投稿日:2002年01月05日(土)21時34分00秒
- 活躍するのは龍騎士たち。
その干乾びた翅を大きく広げて滑空し、降り注ぐ糸胞を空中で焼き尽くす。
狩猟に出掛けていて見付けた火トカゲを深追いしていたひとみは一人逃げ遅れた。
安全な岩盤に覆われた城砦まではあと100ヤード。
間に合いそうになかった。
竜騎士は絶対ではない。いくらかの取りこぼしもある。そのために城の太守は掃討
隊を組織していた。龍の顎から逃れた忌々しい糸胞どもを見逃さず一つ残らず焼き払
う防衛隊があるくらいである。
これが近年稀にみる大きな降下であることは間違いなかった。
- 35 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)21時37分28秒
- 灼けるような感触が背中をつたう。
強烈な酸の匂いとともに激しい痛みがひとみを襲う。
慌てるな。落ち付け。
この日のためにずっと修行をしてきたんじゃないか。ひとみは呼吸を整えて
その言葉を口にした。
『イオナズン』
そして周囲は閃光に包まれる・・・
・・・どこからか声がする・・・
『おおひとみよしんでしまうとはなにごとじゃ・・・』
┏━━━━━━┓
┃「龍 の 探 索」┃
┗━━━━━━┛
つーかドラゴン・クエスト-完-
- 36 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)21時40分35秒
- えーゴホンゴホン。これはだなー、かの名作『竜の探索』の原題がDRAGONQUEST
であることと、ドラゴンクエストをかけた、二重のパクり、いわばパクパクなの
だな。どこが面白いのかニヤリともできなかった人のために解説するとだなー。
笑えないのは諸君らの笑いに対する知識が圧倒的に不足しているためであって、
我輩の筆力不足では勿論ないのだ。むろん、わざわざ解説するまでもないがな。
さてリクエストがあれば何でも聞こう。
- 37 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)21時56分26秒
- いやないんだよな。失礼失礼。読者がいないってことを失念していたよ。
じゃー次は何をぱくろうかなー
- 38 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)22時02分36秒
- と思ったら名無しさんが名無し読者かよ! 俺じゃねぇか!!
- 39 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)00時43分27秒
- ┏━━━━┓
┃「泥 土」┃
┗━━━━┛
- 40 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)00時44分01秒
- ┏━━━┓
┃「泥 土」┃
┗━━━┛
- 41 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)00時58分30秒
- かみさまは泥と土からアダムをつくり、アダムの肋骨からイヴを作った。
泥人形の二人は禁断の智恵の実を齧って楽園を追われた。
結局ぼくらはどこにかえっていくんだろう。
泥と土に?
それもいいかもしれない。
- 42 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)00時58分58秒
- ┏━━━┓
┃「泥土」┃
┗━━━┛
- 43 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)01時08分22秒
- ぼくが通ってる学校は所謂お坊ちゃま学校で、同じ地区にある日本で一、二を
争う超有名男子校ほどではないにしろ、地元ではそれなりに名を知られている。
カリキュラムは割とシビアで、ぼくらは北京ダックやフォアグラを作るガチョ
ウのように机の前に縛りつけられて、ただ知識という餌を野放図に与えられ続け
ている。やつら、冴えないジャージを着た知性のカケラも見当たらないやつら。
あいつらは、智恵こそがアダムとイヴを追放した罪なのだとも知らない。
知識がどんなに危険なものかさえ。
- 44 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)01時12分10秒
- 海の向こうでは魔法を題材にした手の込んだ知的な仕掛けのあるすてきな児童
書が教会によって焼き捨てられた。
与えられ続けるだけの知識はぼくらのなかで澱み、濁って、腐っていく。
ぼくらは煙草1本で人が殺せることを知っている。
針金の1本でどんな屈辱的なことができるかを知っている。
ねぇ先生、本当にそんなことをぼくらに教えていいんですか?
ぼくのなかの殺意はどんどん肥大していく一方で、どこにも出口がないんです。
- 45 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)01時15分16秒
- 檻のなかでぼくは読書に傾倒していく。
小説は人間が生み出した最大にして最低の娯楽だ。
ぼくの記憶は体験したこともない嘘の記憶で塗りかえられていく。
本を読めば読むほどに、それが自分のなかにあったのだと誤解していく。
ねぇ、先生。ぼくが先生なら子供には本を読むなって言うな、絶対。
体験したことのない苦痛を自分のものだと勘違いしてる子供は、ぼくはきらいだな。
ぼくのことなんだけど。
書籍はあらゆる苦しみを教えてくれる。経験したことのない未知の感情を。
- 46 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)01時17分15秒
- 通学路は僕の救いだった。
どうしてだろう、あそこはいつも明るいんだ。
雨なんか降ったこともないんだ。
いつだって明るく、曇りがない病院の前のバスストップ。
世界にはまるでそこしか存在しないような気がするほど明るいバス停。
- 47 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)01時20分40秒
- いつもの女生徒がいつものように笑っているあのバス停。
ほら、またあの人がこの世の終わりだって顔をして立っているあのバス停。
ぼくは一歩を踏み出す。
あかるいところへ。
「ぼくにはわかる」
その先には泥や土しかないってぼくは知っている。
ぼくはなんだって知っている。
もちろん、その人の悩みにぴったりする書籍を探し出すことなんか、ひどく簡単なこと。
- 48 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)01時21分27秒
- ┏━━━┓
┃「泥土」┃
┗━━━┛
今回はハロモニをぱくってみましたー。次は何をぱくろーかなー!!
- 49 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)02時05分58秒
- しかし熱いRESをくれた>>21はどこに行ったんだろうな。
この板sageだと名無し読者、ageだと名無しさんになるのな。
- 50 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)03時13分07秒
- 意義などいらない。退屈ならそれでいい。オリジナルなんてどこで判別する?
肥大する自己顕示の醜怪なクローンその渾沌に溺れて氏ね。
物語は反復し増殖し肥大し崩壊する。繰り返される旋律。どこかで聞いたコード。
語られるべきではなかったシナリオ。
- 51 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)03時13分38秒
- ┏━━━━━━━┓
┃「星をみるひと」┃
┗━━━━━━━┛
- 52 名前:カコワルイ・・・ウエーン 投稿日:2002年01月06日(日)03時14分13秒
- ┏━━━━━━┓
┃「星をみるひと」┃
┗━━━━━━┛
- 53 名前:カコワルイ・・・ウエーン 投稿日:2002年01月06日(日)03時14分55秒
- ┏━━━━━━━┓
┃「星 をみるひと」┃
┗━━━━━━━┛
- 54 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)03時36分17秒
- 喉がカラカラに乾いていた。
発端は今から思えばそんな些細なことだったんだ。
あたしはミネラル・ウォーターを求めて、そっと部屋を抜け出した。
二三日前から微熱が続いている。
いやなことがあると、あたしの体温はすぐに上がる。
体育祭の前も、文化祭の前も、入学式の前も、市井ちゃんの脱退講演の前も。
明後日には市井ちゃんがいなくなる。モーニング娘。を辞めてしまう。
市井ちゃんがいないモーニング娘。での生活を思ってあたしは溜息を吐いた。
自業自得。人間関係の構築をさぼってきたツケがまわってきたのだ。
- 55 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)03時40分26秒
- 眠いや。おやすみー
- 56 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)03時41分06秒
- ん?なんか微妙にわかんないけどおもろいかんじ…。
がんばってみてくださいな。
裕姉っておもろかった
- 57 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)03時53分52秒
- >>56 有難うございます。でも裕姉のネタは一応終わってますんで。
よろしかったら感想はなるべく喧嘩腰でお願いします。では。
- 58 名前:56 投稿日:2002年01月06日(日)04時06分02秒
- なんだ?おわっちまったのかよ?
まぁ、あの台詞がおもろかったって言いたかったんだけどよ!!
喧嘩腰(笑
おやすみーじゃねーよ!!もっと更新しろよ!
がんばってくれよ?
スレぱんぱんになるまでやれよ!
- 59 名前:1 投稿日:2002年01月06日(日)04時14分48秒
- >>58
ありがとうございます!! というかガラ悪くこられても返しようがないことに
気がついたーっ。ええと上のレスからネタ路線からちょっと長いネタ路線に変更
しよーかなとか思ってたんで期待せずテケトーによろしくお願いします。
じゃなくて!! もっとこう、ヘタだよね、とかこの冬厨が!とかもっとこう!!
失礼しました。取り乱してしまいました。またのお越しをお待ちしております。
というかいい加減寝よう。ハロモニ見逃すヨ-
- 60 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)18時24分23秒
- >>1
作者のホームページで直接聞いてみましたか?
- 61 名前:1 投稿日:2002年01月06日(日)19時00分48秒
- >>60
検索していってみた。
多分これっぽい? こんなタイトルだったようなきがする。
1999年七の月〜上海(全4巻)
ただねぇ。立ち読みした限りでは、そのエピソードを見つけられなかったのですよ。
- 62 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)19時27分04秒
- スリッパにうっすらと細い光がかかる。
薄くまっすぐな淡いひかり。
たぶんこのとき繋がってしまったのだ。
┏━━━━━━━┓
┃「星 をみるひと」┃
┗━━━━━━━┛
彼女とあたしを繋ぐ何色のものかわからない脆い絆が。
- 63 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)19時54分28秒
- 1103の文字のある扉を押す。このフロアは娘。のメンバーや女性スタッフ
で貸切にしてある。この部屋には娘。の誰かがいるはずだった。
「ドア開いてますよー。ぶようじーん」
ノックをして部屋に入る。漏れていた光はドアのライトだった。部屋のほうも
何て言うんだっけ、蛍光灯を消し損ねたときに点く橙色のちっちゃいやつ、あれ
が付けっぱなしになっている。そういえば市井ちゃんも、真っ暗な部屋じゃ寝れ
ないとか言ってたっけって思い出して、少し笑った。その話聞いたときあたし、
教育係だとか言っちゃって気張ってる市井ちゃんからは信じられないほど子供っ
ぽいなって思ったんだっけ。
- 64 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)20時03分01秒
- 扉のとこのライトをつけて、内側に撮りつけてあるプレートを読む。
オートロックのやりかたってホテルごとに違っちゃってて、かなり面倒なんだ。
このホテルのそれは、ただドアを閉めるだけでオートロックになるらしい。
やばい。あたしちゃんとキー持ってきたっけ? キーロックなんて洒落になん
ない。急に心配になってパタパタと上着を探る。キーはポケットに入れっぱなし
になっていて、そう言えば部屋に戻ってきたときに扉を開けて、そんで突っ込ん
だんだっけ。ズボラってのもたまには役に立つよね。
じゃあ、こっから出て扉を閉めるだけかぁって、部屋を振り返った。
あのとき振り返らなければよかったんだ。
- 65 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)20時11分29秒
- 二人部屋のうち、ひとつのベッドはカラだった。
ああ、どこかの部屋に遊びに行ってるんだなって思った。
ホテルに戻っても部屋でおとなしくテレビ見てたって全然つまんないじゃん。
で、よくあちらこちらの部屋に遊びにいっちゃうワケ。
そのまま話し込んで泊まったり泊まられたりしてるみたい。
みたい、ってのは、あたしは殆ど滅多にそんなこと、しないからなんだけど。
あたしと相部屋になることが多い市井ちゃんなんか、しょっちゅう真里っぺ
のところに遊びに行っちゃって帰ってこなかったりする。家じゃ滅多にできな
いテレビの一人占めとかできるから、別にいいんだけど。
- 66 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)20時19分51秒
- ま、それはいいんだけど。
部屋のキーは、サイドテーブルの上にしっかりと残されていた。
つまり、もぬけのカラのベッドの主は、すぐに帰ってくるつもりで部屋の扉
を開いたまま出かけたらしい。っておいおい。めちゃめちゃ不用心じゃんよ。
これじゃドア閉めて帰れないじゃん!!
あたしは困って空いているほうのベッドに腰掛けた。誰だよ、いったい。
むかついて隣のベッドを覗く。
「んー・・・」
彼女は、寝苦しそうに寝返りを打った。
- 67 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)20時30分39秒
- ┏━━━━━━━┓
┃「星 をみるひと」┃
┗━━━━━━━┛
つづく・・・ 続きを書く前に別のもの書くかもだけど。
- 68 名前:60 投稿日:2002年01月06日(日)21時23分22秒
- >>61
題名と内容が混同しているということもありがちですから、
作者とファンがいるホームページで直に聞くのが一番早道かと。
っていうか、ここでスレ立ててまで聞くよか千倍早いよっ!
っていうか、ここは創作場所で質問所でも雑談場でもねーよっ!
とっとと話をどんどんかけよっ!
- 69 名前:1 投稿日:2002年01月06日(日)21時43分59秒
- いろいろなアレが明らかになってるから速攻わかるかと思ったんだがなぁ・・・
>っていうか、ここは創作場所で質問所でも雑談場でもねーよっ!
悪ぃ悪ぃ。ついでに色々やりたかったんさ。上でいきなり挫折したぼく地球とか
○○っぽいのが書きてー!!って突然思うことってない? わざわざスレ立てる
のもアレだし、なにより集中力が3RES以上続かなくってさ。一旦中断すると
やる気なくなるし。
>とっとと話をどんどんかけよっ!
ふ。それは所謂ファンコールだな?! ファンコールだと思っておくからな!!
- 70 名前:1 投稿日:2002年01月06日(日)23時55分20秒
- 先に告白しておくと、俺はエロネタは嫌いだ。安直だし、小説の出来不出来と
面白さとがまるで関係がない。俺はエロネタは嫌いだ。憎んでいるとさえ言っ
てもいい。どんな素晴らしい小説だって、エロが絡んだ途端に安っぽくなるん
だ。そこまではOK?
- 71 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)23時56分58秒
- あたしは微熱があって。
熱くって。
ただ頭が熱くって。
┏━━━━━━━┓
┃「星 をみるひと」┃
┗━━━━━━━┛
だからホントのとこまるで思い出せないんだ。
どうしてこんなんなっちゃってんだろ?
- 72 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)00時04分01秒
- 「……後藤さん……」
だからきょとんとしたような怯えたようなこのひとのその目を見るまでの記憶
なんか殆ど吹っ飛んじゃってる。
ああ寝苦しそうだなって、そう思って、寝返りを打った彼女の髪を・・・
・・・どうしたんだっけ?
わかってるのは目の前にこの人がいて、あたしがその上に乗っかっちゃってる
ってこと。ゆるくウェーヴのかかった髪が鎖骨のあたりに流れていて綺麗だ。
気付くとあたしはそのあたりに顔を埋めていた。
「あ……っ」
甲高い声があたしの劣情を煽る。このひとはひどく好い声で鳴く。
- 73 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)00時08分54秒
- (思わず声が出ただろ・・・)
(ナクって言うんだ・・・)
(鳥みたいなもんだ・・・)
(気持ちよかっただろ・・・)
(なぁ、気持ちよかっただろう・・・?)
あのコは自分のやったことの結果を一々あたしに明確な形で返して欲しかったのだろうか?
彼の淫らな指を、賢明な腰を思い出す。
彼の卑猥な言葉を聞くたびあたしの気持ちは萎えていったっけ?
- 74 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)00時14分01秒
- 「や……やめてくださ……あ……」
細い腕があたしの肩を必死で押し返そうとする。
子供よりも頼りない腕。
まるで簡単だった。ジャージのジッパーを引き下ろして肩からずらす。下着の
ホックを外してずらす。
ココのどこが敏感なのか、あたしにはよくわかる。ソコにそっとくちづける。
弱弱しくもがく彼女を片手一本でやすやすと押さえ込む。
「どうして……」
涙混じりの疑問が投げ掛けられる。
どうして?
そんなの、あたし知らない。
- 75 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)00時21分13秒
- 彼女の瞳をじっと見た。
市井ちゃんに似てると思ったその顔は、じつは全然違っていた。
見れば見るほど不思議だ。
どうして、あたしは今、ここで市井ちゃんを想っているんだろう?
「やだっ」
彼女は両手をクロスさせて口づけを逃れた。
「・・・だけは・・・口はいやです・・・」
あたし今キスしようとしていた?
わかんない。
わかんないから、彼女の胸を舐めた。少し汗ばんでいて、ほんのすこし潮の味がする。
ふわふわしていた乳首はすぐに、硬く勃ってきた。
舌先で転がしながら、望まないエッチに感じてる彼女を可愛そうだと思った。
- 76 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)00時30分37秒
- 確かめるように指をすべらす。抵抗するような縮れ毛の感触。その先にある小さ
な硬い膨らみに振れた途端、彼女の身体が一瞬、痙攣したように震えた。
「……くぅっ」
普段の彼女の声よりも高く切ない声。指をゆっくりと上下に滑らす。
どれでも彼女は頑なで、ぜんぜん濡れてこない。
苛々してきて、あたしは舌先をすべらすように下に向けた。もう押さえてなく
ても抵抗する力も入らないようだった。
「……あンっ」
音を立てて吸うと、本当に好い声で彼女は鳴いた。
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)00時38分55秒
- 「や……やだ……やめ……や……お願い、です……も……もう、止め……」
言葉は途中からひくっとしゃくりあげるようになった。
顔を挙げると、彼女は両腕を顔の前でクロスさせて、あたしを見ないようにしていた。
ただ腕のはたから、ぼたぼたと透明な液体が流れてくるのが見える。
涙。
アタシハイマ何ヲシテイタンダッケ?
ブレーカーが落ちたように、頭のなかの回路が切り替わった。
カノジョハイッタイ誰ダッタンダッケ?
カラの石油缶を頭にぶつけたみたいにガンガンする。
アタシハダレデココハドコダッケ?
- 78 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)00時45分13秒
- 鍵。
サイドテーブルのキーをひったくるようにして掴むと、あたしは逃げるように部屋を出た。
あたしは後藤でここはホテル。
巡業中のホテル。
┏━━━━━━━┓
┃「星 をみるひと」┃つづく
┗━━━━━━━┛
で。
あれは誰だったんだっけ?
- 79 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月07日(月)19時21分03秒
- なかなか沈まないね。あがっていてもRESつかないね(ゲラ
ひねくれて星を睨んだ僕なのさ。
- 80 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)00時19分27秒
- ■魅惑の誰も読んでないシリーズ
星
を 永遠なんかどこにもないって思い知ったあの日
みるひと■2000年5月20日
- 81 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)00時52分02秒
- 「ごとーさぁ、なに、今頃シャワー?」
水音の向こうから、間延びした変なイントネーションの低い声が聞こえた。
ねーちゃんのダンナさんとかこういう喋りかたする。
音節が繋がって、ちょっと不良っぽいかんじ。
地声が高いくせになぜか、市井ちゃんは低い声で喋ろうとする。
ばかみたい。ぜんぜん貫禄があるようには聞こえないの。
「ごめん・・・起こしちゃった?」
「んー、元々あんま眠れなかったし別にいーけど」
- 82 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)01時05分21秒
- 「洗面所、使わせてもらっていい?」
「どーぞ。鍵あいてるし」
「あんがと」
扉が開く。シャワーの音とは違う水の音がする。顔でも洗ってんのかな。
しばらくして水音が消える。
「ごとーさぁ、さっきどこ行ってたの?」
「さっきって?」
「シャワー使う前。けっこー長いこといなかったよね?」
「んー・・・さんぽー」
「さんぽぉ? こんな夜中に?」
「ねぇ市井ちゃんさぁ、1103って誰の部屋か知ってる?」
- 83 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)01時11分28秒
- 「1103? たしか圭ちゃんだったよ。圭ちゃんと誰か新人のコ」
「ふぅん? じゃあさ、そこの上んとこの鍵、圭ちゃんに返しといて」
「鍵?」
「圭ちゃんとこの」
「なんで後藤が圭ちゃんとこの鍵、持ってんのさ?」
「散歩から帰ってきたらドア開いててさー。不用心かなーって思ったら圭ちゃん
いなくて」
「新人のコは?」
「寝てた」
シャワーをとめる。いい加減ふやけそう。
「から、鍵だけもって、ドア閉めてきた」
「あー・・・カオリのとこかなぁ・・・カオリも新人と一緒なんだっけ?」
「たぶんそう。今日たしか教育係、新人って組み合わせで部屋割りしてた・・・」
「だったらなっちのとこが一番可能性高いかも」
「あー・・・」
- 84 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)01時19分29秒
- 「時間的にもー寝てそぉ。明日の朝返しといたら?」
「んー・・・じゃあそうするー・・・」
「ごとーさぁ? なんか寝てない? 声すごく眠そぉだよ?」
「んー・・・だいじょーぶ・・・」
「あんま、大丈夫く聞こえないんだけど?」
「だいじょーぶだって」
あたしはカーテンの端からひらひらと手を振ってみせた。
「後藤? ちょおあんた何やってんの?」
「シャワー浴びてる・・・」
「ってゆーか!」
市井ちゃんは思いっきりカーテンを引いた。短い金属音がして黄色い化学繊維
のカーテンが勢いよく折りたたまれる。
市井ちゃんのエッチ。
- 85 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)01時24分01秒
- 「なに服着たままシャワー浴びてんのさ! うわ、水じゃん!」
いつも眠たそうな市井ちゃんの一重まぶたの目が大きく見開いている。
それはびっくりするほど綺麗で、あのこには全然似てないなと思った。
あのこ。
名前も思い出せない彼女。
「なんか熱下がるかと思って」
「熱?」
「もー、なんか身体、熱くってたまんない・・・」
「つーか熱下がる以前に風邪ひくって。さっさと出る。んで身体拭く」
このまま手伝いかねない勢いで市井ちゃん。
だから、あたしは市井ちゃんを軽く睨んでこう言った。
「いちーちゃんのえっち」
- 86 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)01時31分24秒
- 市井ちゃんは一瞬きょとんとした顔をして、それからすぐに不機嫌な顔になった。
「バカ言ってないでさっさと出る」
「はーい」
答えて、あたしは背中からバスタブに溜まった水に倒れ込んだ。
「ぅわっ、冷たっ」
「アハハハハ、気持いー・・・」
服の隙間から流れ込む水の感触。
服のなかの空気が膨らんで、ぼこぼこと水面が揺れ動く。
「後藤! 明日も仕事ッって判ってる?」
「わかってるよー・・・だからあたま冷やしてる・・・」
市井ちゃんは呆れたように溜息を吐いて、ドアから出ていった。
あたしはもういちどカーテンを引いて、水のなかに身体を沈めた。
- 87 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)01時39分20秒
- 水のなかから水面を見上げる。
ひかりがたわんで揺れる。
すべてが青色に歪む。
水のなかにいるときの世界から切り離されていく感じが好きだ。
ひんやりとしたものに包まれてあたしはどこまでも一人になる。
微熱は、下がらなかった。
- 88 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月08日(火)01時43分27秒
- ■2000年5月20日
星
を
みるひと■あたしは子供で、自分のことに精一杯で、だけど・・・
- 89 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月08日(火)21時24分30秒
- ■ああ、そうかもしんない。あんときは、もっと熱が上がればいいって思ってたかも。
星
を でも、体温はずっとロクドキューブのままで。
みるひと■2000年5月20日
- 90 名前:ご破算で願いましては 投稿日:2002年01月08日(火)23時09分16秒
- そこに小惑星が追突して、すべて世はこともなき。
-end-
- 91 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)00時14分44秒
- ■垂迹■
この部に属するのは正規の仏ではなく、得体の知れない雑尊−−道祖神、三宝
荒神、蔵王権現、牛頭天王、七福神などである。
『庚申信仰』飯田道夫-人文書院-より引用
- 92 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月09日(水)00時16分33秒
- 完結しないのにスレッドをたくさん立てる人にはお仕置き。
- 93 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)00時23分15秒
- 拍手や声援よりもざわめきの方が大きかった。
里沙の顔が笑顔のまま凍ったのが、横にいた自分にも理解った。
深呼吸してから、上ずった声で一気に自分の名前とワンポイント自己紹介をする
里沙。なぜ自分が不当な扱いを受けるのか、いつか本当のことに気付く日が来るの
だろうか? それとももう気付いてる?
- 94 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)00時25分57秒
- >>92 むしろ希望。ま、スレが残ってるうちは頭の中にある言葉の虫をなるべくね、
このカゴに入れちゃいたいと思うんだ。ぶんぶん煩くて仕方がありゃしねぇ。
- 95 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)00時34分12秒
- じゃあとりあえず■垂迹■は終了。
- 96 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)00時55分58秒
- ■おれが欲しいのはいつだって最新式のやつ。
全歌
自唱
働機
■械
この世の辛いことや悲しいことなんか何も知らないようなゴキゲンなやつ。
- 97 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時06分06秒
- その年の夏の終わりに爆発的なブームを巻き起こした『LOVEマシーン』は、
いわゆる全自動歌唱機械、歌うことしかできない人間型アンドロイドだった。
最初は8種類しかなかった外見タイプも廃盤と新型投入とを繰り返し、今では
13種類に増えている。AIBOのように高価かった値段も、おれみたいな貧乏
学生がようやく買えるぐらいには落ち付いていた。
おれは、人気の金髪美少女タイプや、おしゃまな妹タイプは選ばなかった。
かといって、マニアックな狛犬タイプも、電波塔タイプも選ばない。
オーソドックスな美少女タイプ(4種類)も、今更流行らない身長の伸び
損ねたコギャルタイプも趣味じゃない。
おれが選んだのは、予備校の隣の席に座ってる女そっくりのやつだった。
品番はO-GA-WA-0014。可愛いかどうかは微妙なラインだ。
- 98 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時16分39秒
- 棺桶のような包装で、全自動歌唱機械が届く。
バールのようなもので釘を引っこ抜き、ドライアイスを取り除くと、ビニルに
包まれた少女人形が一人横たわっている。人形はオレンジ色のジャージを着せら
れていて、少なからずおれをガッカリさせた。
仰々しい包装の割に薄い取り扱い説明書を見ながら、丁寧にビニルを剥がす。
肌はひんやりとしていて意外と硬く、一昨年に死んだ友達の死体を思い出した。
最近の棺桶は発砲スチロールで作られた保冷箱にそっくりだ。
- 99 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時21分22秒
- 首の後ろにあるスイッチをいれると低い動作音がして、人形は目を開いた。
瞳はまるで玩具みたいな手の抜いた作りで、薄水色の絵の具で塗られていた。
これじゃ、目をつぶってるほうがずっとマシだ。
だらりと力の抜けた右腕を持ち上げて、角度を調節する。この右腕がコン
トローラになっていて、角度によって音楽がかわる仕掛けになっていた。
「あーいをーくださーい・・・」
少女人形はアカペラで歌い始める。
寂しい歌だった。
- 100 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時23分10秒
- 人形は歌う。
いつもひとりで歌う。
人形は歌う。
短調なメロディを歌う。
人形は歌う。
疲れを知らずに歌う。
人形は歌う。
こわれたレコードのように歌う。
歌う。
歌う。
歌う。
。
。
。
- 101 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時25分45秒
- おれの部屋の人形は増えていく。
二人に増やしてもまだ寂しい。
三人に増やしても。
四人に増やし。
五人に。
六人。
七。。。
部屋はO-GA-WA-0014で一杯になって、おれの居場所がなくなった。
- 102 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時29分38秒
- O-GA-WA-0014は合唱する。
同じメロディを。同じパートを。同じタイミングで。完璧に。
一人で歌っていても、七人で歌っていても、いつもと同じ寂しい歌だった。
寂しくて寂しくて俺は更に人形を買う。
棚の上に一人。
ベッドの下に三人。
押し入れのなかに五人。
流しの下にも一人。
机の上にも二人。
下にも一人。
天袋は埃っぽくていかにもネズミがいそうなのでやめておく。
さぁ、次はどこにしまおう?
- 103 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時36分00秒
- おれは予備校にもいかなくなって、買い込んだO-GA-WA-0014の整理に努めた。
抱き合わせるとスペースが節約される。
折り重ねると上々。
人間ピラミッドにすると隙間にものが置けて棚のように使えて便利だった。
そのうち、それでも部屋におさまりきらなくなってきて考えあぐねた末、歌う
のに必要のない左腕と両方の脚を切り落とすことを思い付いた。
が、実際にやってみると実際に人を殺して解体してる気分になってきたので、
1体で辞めた。その1体も見てるだけで気分がふさがってくるので、黒いビニル
袋に包んで、天袋に押し込んだ。
- 104 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時41分16秒
- やがて、空前の『LOVEマシーン』ブームも去った。
街中にはもっと高機能でもっと低廉な『ZONE』やら『A-YA-YA』が
出まわってるが、『LOVEマシーン』ほどは流行らなかった。
おれも、飽きた。
買い集めたO-GA-WA-0014はインターネットでオークションに出したり、友人や
知人に売り払った。人気のない機種らしく、二束三文だった。
おれはもう一年浪人して大学に合格し、O-GA-WA-0014似の彼女とは口をきくこ
ともなく春を迎えた。
- 105 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時47分17秒
- おれはもう寂しくなかった。
大学では愉快な友人も出来、四六時中遊びまわって滅多に家に帰ることはなか
った。帰ってきたって、へべれけに酔ってることが殆どだ。
だけど、今日みたいにガランとしてしまった部屋を見ると、寂しくて寂しくて
何をしても結局寂しいままだったあの頃のことを思い出して切なくなる。もう思
い出したくもない懐かしくもないあの頃のことを。
あのころよく聞いた歌が、かすかに鼓膜を震わせた。
あまりにも耳に馴染んだ歌だった。
- 106 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時53分33秒
- さんざん部屋中を探し出して、ようやく天袋に押し込んだ人形のことを思い
出した。あの頃は一体でも人形が減るのが怖くて、どうしても捨てられなかっ
たんだ。
おれは天袋からビニル袋を引っ張りだして、埃まみれの口を開いた。
ぞっとするほど人間によく似たO-GA-WA-0014の首が、玩具のような目でおれ
をうつろに見ながら、うたを歌っていた。
あの歌ではなかった。記録したはずのない歌だった。
「√歌を忘れたカナリヤは√裏の山に捨てましょか・・・」
おれはその首を、粉々になるまで砕いて、捨てた。
あれ以来、全自動歌唱機械を欲しいと思ったことはない。
- 107 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)01時54分15秒
- ■全自動歌唱機械■
- 108 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月09日(水)16時02分59秒
- わざと"・・・"を使っても
誰も厨房だなんて思わないよ
- 109 名前:>108 誰とは、誰か? 主体を明らかにせよ。 投稿日:2002年01月09日(水)19時11分09秒
- こんなゲームがある。
プレイヤーは白石と黒石を持って、輪になる。
白石と黒石を好きな数だけにぎって、ジャンケンの要領でいっせいのせ、で出す。
黒石は裏切りの黒石。
プレイヤーのなかで黒石を出したのが一人だけなら、そいつは、場に出た石を総
取りすることができる。
ただし二人以上なら、石は没収。
このゲームに勝つには、どうすればいいと思う?
- 110 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)19時15分56秒
- ■.道徳の授業のときにさ、傍観者の罪ってやらなかった?
.垂..............誰かが悪いことするのを止めない人も悪いってやつ? やったやった。
..迹.............これってさ、ねえ?
...■............それだよね、たぶん。
- 111 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)19時18分12秒
- そのCMを見たのは偶然じゃない。だって、モーニング娘。の番組なのだ。
そのCMに出演しているのがあのこだって気付いたのも偶然じゃない。だって
あのこが自分でそう言ってたんだもの。
その話がインターネットで一気に広がったのも偶然じゃない。
だって。
- 112 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)19時20分45秒
- 当然のように■垂迹■は終了。
- 113 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)19時59分01秒
- ■透明人間■
- 114 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)20時03分48秒
- 「これって何時にハネるんだっけ?」
「ええと9時? それから反省会とか打ち上げとか」
「なんで毎回毎回打ち上げってするんだろうねえ。今月はいってもう10かい」
「さぁ? コミュニケーションってやつじゃない?」
「うそっ、今日あれじゃん。パーティはいってる。パーティ。ええと接待?」
「それまじ? うっそ最悪。どこの? どこのよ?」
「なんかあれ、○○TVのやつ」
「またぁ? 最近多過ぎじゃんよー」
「仕方ないって。これも仕事シゴト仕事のためよぉう」
「仕事って誰のだよ」
「んー・・・あやちゃん?」
「ちょっともう衣装足んないよー衣装! あたしの衣装だれか間違って着てない?」
「あ、ごめんそれあたし」
- 115 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)20時15分13秒
- 「接待つ→かあたしらちょっと顔出すだけじゃん」
「それでい→んだって。逆にちょっとだけってのがイイらし→よ?」
「高級感あがるってか?」
「それそれ」
「若いウチからこんなん覚えてい→のかとか思うよねぇちょっと」
「こんなんって、何よ?」
「や、なんか、手抜いてるっていうか」
「接待ぐらい手ぇ抜かなくてどこ抜くっての」
「一番抜いちゃいけないとこのような気もするけどね、ソコ」
「てゆうか! いちっばん覚えちゃいけないのは接待!! 接待のようなー」
「あ、やべ。もう前座はじまってる。ちょっとマキはいってるよ。急げ急げ」
「はいはーい。なんか矢口のほうがリーダーっぽいよね」
「ねー」
「っさいなー。カオリがボーッとしてんのが悪いんじゃんよ。ほら、いくよ、みんな」
- 116 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)20時19分42秒
- 「・・・うちらって、これで全員だっけ?」
「はあ? なに言ってんの矢口?」
「・・・」
振りかえった楽屋のなかには透明人間。
ここにはいない誰かのマイナスの記憶。
「・・・いこっか?」
「「「「「「「「「「「「「せーの、がんばっていきまっしょい!!」」」」」」」」」」」」」
パッチワークされた空間の記憶。
- 117 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)20時20分17秒
- ■とうめいにんげん■
- 118 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月10日(木)02時17分55秒
- あんた、結構本気で面白い。
最初の方でネタスレ?とか思って悪かったよ。
このスレ終ってもまた書いてくれよ。
ほんとに面白い。久々だよ、こんなに面白かったの。
- 119 名前:1 投稿日:2002年01月10日(木)02時33分21秒
- >>118
全部読んだとは、なんと暇な・・・
http://teri.2ch.net/mor2/kako/981/981041544.html
オマケ。なんとなく全自動歌唱機械っぽい話がある(要らねーっつーの)
パクりとゆーか、これはタコが自分の脚食らってるよーなもんだから。
- 120 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月10日(木)21時44分36秒
- ■■■ みにくいあひるのこって結構残酷だよね
■垂■ ここではないどこかに自分の場所なんて結局ないんだ
■迹■ それにさ、自分が『みにくいあひるのこ』でさえないなんて思い知ったら?
■■■ 『本当のあたし』なんて都合のいいものなんか、どこにもいないんだって、思い知らされたら?
- 121 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月10日(木)22時16分36秒
- 「新垣さん・・・ オーディションの番組って録画した・・・?」
紺野さんが伏目がちにぼそぼそとした声で途切れ途切れに聞いてきたとき、あたし
はそのことが、そんなに重大なことだって気がつかなかった。
「たぶんしてると思う。お母さんがしたって言ってたし」
「それってさ・・・ もう見た・・・?」
大きな目をキョロキョロとさせながら、紺野さん。
このひとって絶対、人の目を見て話さないよね。
「んー? まだだけど、なんで?」
「じゃあ、絶対見ておいたほうがいいと思・・・」
紺野さんはぶつぶつと呟きながら、あたしから離れていく。エコエコアザラク
とか呟いていたりしたら似合いすぎでちょっとおもしろい。
なんだろ、いったい?
- 122 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月10日(木)22時18分37秒
- ■垂迹■ しなやかに今日も終了
- 123 名前:118 投稿日:2002年01月11日(金)00時52分12秒
- >>119
74までしか読めなかった…。
ゲルゲが面白かった。バトロワの続きが気になるぞ。
読みたいぞ…。読みたいぞ…。
- 124 名前:1 投稿日:2002年01月11日(金)01時36分08秒
- >>123
あれは、あれで終わりだ。ビデオには超豪華23大映像特典(これで80分)つき
の、やたら山崎・和田・つんくが出張って企画イとを説明してるグダグダの映像
が入っていたようだが、どうでもいい話だ。
これももう続きを書く気がならないグダグダ
http://teri.2ch.net/mor2/kako/976/976805678.html
このときからぼく地球ものがやりたかったようだな。どうでもいいが。
- 125 名前:118 投稿日:2002年01月11日(金)03時56分33秒
- 読んだ。これも面白かった。
なのになんで続きがないんだー!!
読ませてくれ。頼む。そして、ここのスレでは頑張ってね。
- 126 名前:1 投稿日:2002年01月11日(金)23時40分22秒
- >>125
畜生。面白いとか言うな。そういうときはナナメ45度から見下ろすようにして
「ケッ、この程度の長さででうれしげに貼り付けるなよ、この冬厨が」
と鼻で笑うようにしてくれ!!! で、どうでもいい疑問だが、なんでageんの?
- 127 名前:118 投稿日:2002年01月12日(土)03時14分28秒
- いや、一番上にいたからageてもsageてもどっちも一緒かなって。
何気に毎日チェックしてんだから、書けや、新作。
見下しはキャラじゃないんだよ…
- 128 名前:1 投稿日:2002年01月13日(日)00時07分10秒
- >>127
そっか。。。キャラじゃないなら仕方ないなぁ。
今すやまたけしの帆船の森をぱくって吉澤ひとみがムキムキ野郎の群れに
迷い込む(スタン・)ハンセンの森というオチの作品を考えたが、2行で
書けることに3RESも使うのは勿体無い気がしたので今日の更新はこれ
で終わり。つーか消えない程度に時間を置いて、また来るよ!
※SANRIO『帆船の森』すやまたけし(1990):入手困難。
今更だけど「黒い羊は迷わない」的なものをやりたいなぁ。黒い羊ならキャストは、
哲夫:飯田、湊:加護ってところで。
- 129 名前:118 投稿日:2002年01月13日(日)01時39分04秒
- おい、書けよ!書いてけよ!なんで、2行で終らせられる物を
200レスぐらいに盛り上げるつもりになれよ!
やっぱり無理がある気がしつつ。
- 130 名前:1 投稿日:2002年01月13日(日)02時55分43秒
- 絶対つまらないと思うけどなぁ・・・リクエストじゃしょうがないなぁ。
118氏に捧ぐ■帆船の森
俺はやめようって言ったんだがなぁ。
- 131 名前:1 投稿日:2002年01月13日(日)03時01分43秒
- あたしの部屋の窓から見えるその森の真ん中の方には、4本の巨木がにょっきり
聳えていて、まるで帆船のマストのように見えた。だからあたしは、その森を帆船
の森って呼んでいた。
十年ぐらい前、まだ子供だったあたしはあの森で迷ったことがある。あの巨木の
もとに行ってみたくて、一人でずんずん森の奥まで探検しに行ったのだ。
そして、森の中で・・・、
そこから先が、なぜかどうしても思い出せなかった。あたしは、森のなかに昔の
大事な記憶を置き忘れてしまった気がした。その忘れ去られた何かを取り戻そうと
記憶をたどるように、再び帆船の森のなかへと足を踏み入れていた。
- 132 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月13日(日)03時07分32秒
- 森のまわりをぐるりとまわってみる。森は、住宅地の一角に突如出現していて、
30分ほどで外周をぐるりと一周できた。それほど大きな森ではない。しかし、森へ
入る道はついに見つけることができなかった。
あたしは覚悟を決めて、比較的やぶの低そうなところを選び、森のなかへと分け
入った。森のなかへ入るたびやぶは低くなり、歩きやすくなっていく。長いこと誰
も入ったことがないようで、獣道らしきものさえなかったが、木々の間隔は結構ゆっ
たりしており、森の中へ進むことに問題はないようだった。
地面をうねるように進む根を踏みつけ、まだらに落ちる陽の光をまたぎ越すよう
に進む。森のなかはひんやりとして、湿っている。土と葉の匂いが厭味なほど鼻に
ついた。
- 133 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月13日(日)03時11分30秒
- ふいに開けたところに出て、あたしは息を飲んだ。
すべてを思い出した。
それに背中を向けると、あたしはダッシュで走り出した。後ろ向きにね。
「で、ひとみちゃん、そこには何があったの?」
「なに? 梨華ちゃん、知りたいの?」
「う、うん・・・怖い話じゃなかったら」
「そこにはね・・・」
あたしは目を瞑った。いまでも鮮明に思い出せる。十年前と何ひとつ変わること
のなかったそれを。
- 134 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月13日(日)03時22分54秒
- そこにあったのは、片手を高々と空に差し上げ、そっくり返るようにしてせせり
立つがっしりとした半裸の男の石像の群れ。口には髭を蓄え、テンガロンハットを
くくりつけられた男の群れ。台座にはどれもJohn Stanley Hansen IIIの文字が
刻み付けられていた。
【参考】http://isweb6.infoseek.co.jp/sports/alljapan/profile.htm
ここは帆船の森などではなかった。
ハンセンの森だったのだ。彼らは今でも敵を求めてあの森をさまよっているのだ。
そして敵を倒しては凱歌の咆哮をあげるのだ。
あたしは逃げながら『カッケー』と思わず叫んで、空に向かって拳を振り上げた。
「ひとみちゃん、聞いてもいい? そこは怖がるところなのかな?」
真顔で聞いてきた梨華ちゃんに、あたしは笑って欲しかったなんて言い出せなく
なって、ごまかすように「かっけーって言って欲しかったんだ」て答えたら、いよ
いよきょとんとした顔をされてしまったなんてことは、話さなくてもよかったかな?
- 135 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月13日(日)03時24分05秒
- ■ハンセンの森 -終-
3RESで終わらなかったし、このままでは別に娘。じゃなくて誰でもいいじゃん
みたくなってきたので無理矢理強引に展開させたら辻褄が・・・
- 136 名前:118 投稿日:2002年01月13日(日)03時29分12秒
- どこよりも、参考資料に笑った…。
おかしい…。
リアルタイムだよ。おい。
まるであんたにくびったけみたいじゃねーか、おい。
- 137 名前:1 投稿日:2002年01月19日(土)20時35分29秒
- >>136
遅RESだが、それはどうも。
暇な人は三題噺のネタでもふっといてくれ(単語を3つ並べてくれ)
息抜きに、その3つを必ず使って短編書きに来るから。
- 138 名前:■EATER■ 投稿日:2002年01月19日(土)21時53分15秒
- 『それ』は餓えていた。
餓えこそが『それ』の本質だった。
呑めども呑めども一向に癒されぬことのない闇。
いくら注いでも注いでも染み渡ることのない生命の源。
『それ』にはまだ名前がない。
- 139 名前:■EATER■ 投稿日:2002年01月19日(土)22時11分27秒
- 「圭ちゃん先輩さぁこれちょっとカタメすぎじゃない?」
「ん? 酔った?」
「まっさかー。こんなんで酔うほどヤワじゃないッス。そうじゃなくて、ちょっと
ダイレクトにクるっつーか。サスペンション効かなさすぎ」
「っかしーな。基本に忠実にセッティングしたばっかなんだけど。アタシ的には、
ちょっと満足がいく足回りになったってーかー」
「確かにコーナリングのレスポンスは断然良くなってますけど。つーかシート替え
ましょうよ。レカロにしましょうレカロ」
「今時レカロもねぇ……あ、あれさぁ、フクメン?」
「スカイラインの白で補助ミラーつき… バレバレッスね」
「抜いちゃおうか?」
「まじっすか?! うあっ」
- 140 名前:■EATER■ 投稿日:2002年01月19日(土)22時24分56秒
- きついカーブがつづら折に続く峠。
アスファルトの両側は切り立った崖で囲まれている。
この道に電灯はない。道の形はガードレールの反射鏡で識るしかない。
スキール音が闇のなかに響いた。
白いスカイラインはあっというまにバックミラーのなかに消えた。
一拍置いて、間抜けなサイレンが響く。
それもやがて聞こえなくなった。
「ちょっれ〜」
「吉澤はしゃぎすぎ」
「やー、やっぱ先輩、カッケーっスよ。まじ惚れる」
「アンタも早く免許取ればいーじゃん」
「小型免許は持ってるんッスけどねぇ… 金ないっつーか、バイク買う前にやっぱ
中免欲しいっつーかさぁ」
- 141 名前:1 投稿日:2002年01月20日(日)20時19分42秒
- どうでもいいけど昔書いた小説発掘。38ぐらいから。
http://teri.2ch.net/mor2/kako/992/992061178.html
- 142 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)22時06分00秒
- >>141
おもしろかたーよ。
三つか。じゃ、
1オレンジジュース
2蜘蛛
3携帯電話
待ってるよ。宜しく。
- 143 名前:1 投稿日:2002年01月20日(日)23時00分49秒
- >>142
へいへい。本命スレのほうやっつけてからな。登場人物に希望があれば
(○○だけはやめてくれとか)書いといてくれ。
- 144 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)05時40分55秒
- じゃあ、安倍(又は、でも、と、でもいい)石川で。
本命って、どれ?
- 145 名前:1 投稿日:2002年01月21日(月)20時50分27秒
- 512文字以上投稿しちゃったよ……
>>144
エセいちごまでねたぐりしちゃって悔しくて粗筋書いたら消えちゃったヨ……
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1000/10007/1000745015.html
ここの略の部分でな…… もうどうでもいいや……
了解了解。安倍石川は得意なジャンル(?)だ。つーか安倍が一番書きやすい。
俺の本命は当然のように小川ですが何か?
- 146 名前:1 投稿日:2002年01月21日(月)20時51分03秒
- あげちゃったよ!!! 俺のバカバカバカ!!!
- 147 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)01時53分11秒
- 楽しみにしてるよ。
略の部分か。それはまた(略
- 148 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月24日(木)04時07分28秒
- >>145
どれが本命スレなのか、読んだらすぐ分かった。
これからも頑張って書けよ!こっちも忘れるなよ!
- 149 名前:1 投稿日:2002年01月25日(金)03時27分23秒
- >>147 ごめんなさい。市井後藤(ユウキ)で書かせてください
>>148 リレーもシクヨロ(小声
- 150 名前:リレー書く予定の人 投稿日:2002年01月25日(金)04時49分13秒
- あんたも書くのねん。
キラーパス、送れよ!
- 151 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)22時00分53秒
- 読んでるものの好みが著しく似てる……。
書いてるものは正反対なのに……。
- 152 名前:1 投稿日:2002年01月26日(土)18時05分09秒
- >>150 ムリ。ムリムリムリ。
>>151 過去形かよ!! そゆことなら>>50-89を進呈。最低だな後藤。
書いているものが何かカミングアウト希望。
まだもうちょっと更新できないノデ。露出狂っぽく。ムシロ小説ハ読マナクテイイカモネ…
http://saki.2ch.net/morning/kako/969/969008869.html
当時は名作集にものすごくファンシーな夢を持っていたようです…アハハ…イマモカ…。
- 153 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月27日(日)05時51分24秒
- どうやら『M-seekを外部から〜part2』で出てきた人は偽者だったみたいですよ。
108 名前: 影武者 投稿日: 2002/01/25(金) 23:57
>>105
上海少年? って作品の名前でしょ?
『〜〜外部から〜』は読んでないから、それ偽者だよ。
他の意見を見たところだと、かまってほしい?作者みたいだから
どうでもいいんじゃないかな・・・・
- 154 名前:1 投稿日:2002年01月27日(日)06時41分26秒
- >>153
それは残念。つか、俺のほうは、その話ができるなら、偽者の方でもぜんぜん
構わなかったんだが… 雑談続くよーなら、こちらにどうぞ。
http://green.jbbs.net/music/bbs/read.cgi?BBS=253&KEY=991873769
- 155 名前:151 投稿日:2002年01月28日(月)01時44分00秒
- 続き書いてもらえるなら現在形にするんですけど(w
でも、今の石川じゃ市井の代わりは……。
ちなみに私はキラーパス受け取った者です。<カミングアウト
- 156 名前:1 投稿日:2002年01月29日(火)01時51分13秒
- >>155 いま捜して読んでます(合掌) キラーのつもりは全然なかったんスけどねぇ…
- 157 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)00時33分44秒
- ■ぼくはまだ恋をしらない…
- 158 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)00時39分07秒
- 真っ暗だった。
なにも見えなかった。
ただ踏み込むペダルとカラ周りするスポークのクキクキ言う音がすべてだった。
どこまでも淵のない闇が、すべてを真っ黒に塗りつぶしていた。
パタパタと雫みたいなものがジーンズの腿のあたりを濡らした。
涙だった。
ぼくは三歳児のようにみっともなく泣いているのだった。
鼻の頭に血が集まってきて、熱い。
鼻水をTシャツの袖で拭った。
かなりみっともない姿で、ぼくはここが今夜であることを感謝しながらただ、
自転車を走らせていた。
ただ、日本全国どこも深夜だったんだけど――
- 159 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)00時43分39秒
- 悔しかった。
ただ悔しかった。
悔しくて悔しくてたまらなかった。
(――ガイシュツキンシ。)
ソニンは、全然ぼくの理解者じゃなかった。
仲間でさえなかった。
あいつ、告げ口しやがったんだ。
マネージャーの後ろで、ソニンは、どうだって勝ち誇った顔をしてた。
死ね。いま死ね。すぐ死ね。
夜ぐらい、好きなことに使ったっていいじゃないか。
眠る時間を削るぐらい、誰の迷惑になるわけでもないじゃないか。
- 160 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)00時52分23秒
- いますぐここに爆弾が落ちてきて、何もかも全部綺麗に消えて無くなっちゃえばいいのに!
沸騰した脳みその蒸気機関が勢いよくぼくの両足を動かし続ける。
死ね。
ペダルを踏み込むたび、ぼくはそう思う。
死ねってのは、無くなれってことだ。
なにもかも無くなれ。無くなってしまえ。
ひどく大きな音で警笛が鳴らされて、準急列車が僕の背後から近付き、追いぬいていく。
たぶん終電。
線路沿いじゃないとぼくはどこにも行けない。
ぐんぐん遠ざかる列車のあとを追い掛けるようにペダルを漕ぐ。
古びたアニメの主人公の必殺技は加速装置だった。
あれがあれば今すぐにでも船橋に行ける。どこでもドアでもタケコプターでも何でもいい!
- 161 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)01時00分27秒
- がむしゃらに自転車を走らせて、落ち付いたところで散っちゃな公園の、ちょぼ
ちょぼとしか出てこないミニ噴水のような水飲み場で顔を洗った。目のあたり。
何も持ってきてなかったからTシャツで顔を拭う。
シャツはしばらくビタビタして気持ち悪かったけど、ぼくの体温と台風通過直後
とは思えない真夏日の温度のせいですぐに乾いた。
しばらく自転車を走らせて見付けたコンビニエンスストアで地図を眺めた。
現在地点から船橋までは45キロメートル。
マラソン選手なら2時間で走りきる距離だった。
自転車でも、多分同じぐらいだろう。
腹が減っていたのでハンバーガーとコカ・コーラを買って、すぐに食べた。
ハンバーガーはなんかしけってて、肝心のハンバーグもハムみたいで気持ち悪かった。
しかも残金は千五百円。
死ね、俺。
- 162 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月14日(木)22時01分59秒
- 電光掲示板が1:25を差してから6:35を差すまでの間の、ぼくのサイテー
な旅路のことは、ミジメな気分になるだけだから、敢えて書かないことにする。
特に警察の職務質問を振り切って自転車を乗り捨ててからの2時間の徒歩行程は、
思い出すのさえウンザリだ。
もっとも翌朝には返すはずの登録章つきの自転車は、警察のやつらがしっかりと
持ち主に返しただろうから、手間が省けただけ、却って良かった。負け惜しみじゃ
全然なくて。
背後から白々と夜が明けて、首筋にチリチリするような夏の日差しを感じた。
蝉の声が気に触った。
Tシャツはもう汗でぐしゃぐしゃに濡れていた。
歩き初めてすぐに出来たカカトの水脹れはすでにぐしゃぐしゃに潰れてヒリヒリ
した。脳がカラカラに干乾びていく。ぼくそのものが蒸発しそうだ。
- 163 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月14日(木)22時59分39秒
- 見覚えのあるあたりまでようやく辿り付いて、もういつ気絶してもいいんじゃな
いかとさえ思うようになっていた。
日陰のアスファルトに転んだら、さぞかし気持ちいいだろうとか。
そう思いながらも一歩、また一歩、最早自分の身体の一部だったとはとても思え
なくなった足を動かす。ハードなダンスレッスンをしたあとみたいに膝がだるい。
あと3分ぐらいでたどりつく。
その段になって、ぼくは途方に暮れた。
どうしてここまで来てしまったんだろう?
ここまできて始めてぼくは、自分の行為の愚かしさに戸惑った。
べつに、会おうとか、そういったことは何ひとつ約束していたわけじゃないし。
平日の(夏休みだったけど)朝の6時に会えるはずなんかない。千五百円あれば
船橋の駅から自宅まで充分に戻れる筈だった。ここでUターンしようか?
- 164 名前:142 投稿日:2002年02月15日(金)01時38分41秒
- 今書いてるのって、俺が三つ考えた奴?
テーマ決めなくていいからいしなちも書いてね。
- 165 名前:1 投稿日:2002年02月15日(金)20時16分16秒
- >>164 オレンジジュースも蜘蛛も出て来ないから違う(w
そっちも書くよ。そのうちきっと。
- 166 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月16日(土)19時55分01秒
- □ボクハマダ恋ヲシラナイ…
- 167 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月16日(土)20時32分34秒
- 突然、背中に強い衝撃を食らって、ぼくは地面に転がっていた。
丸まって咳き込みながら、衝撃の正体を探ろうとぼくは周囲に視線を走らせた。
一点が掌底を食らったみたいに痛い。(あとで聞いた話だが、このときぼくが
食らったものは、飛び膝蹴り――だった)
青いジャージにナイキの底の厚い靴が見えた。
コイツが犯人だ。
「なにすんだよコラ」
「こら?」
オンナノコの声だった。
ちょっと蓮っ葉なカンジの無理矢理低い声で喋ってるみたいな不機嫌そうな声。
無茶苦茶聞き覚えある声。
ギョッとして、ブリッジみたくして跳ね起きる。ウェーヴの取れたストレート
の髪が目の前に現れた。
- 168 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月16日(土)20時45分42秒
- 「こら、は、こっちのセリフ」
「ったー」
いきなりデコピンされた。
「っきなりソレはないっしょ? せっかく会いにきたのに」
「電話ぐらい寄越せつーの」
「あ?」
存在自体忘れてた。
慌ててジーンズの尻ポケットから携帯を手繰り出す。着信音も振動もオフになって
いた。留守電には37件も着信があった。殆どがマネージャーからで、姉ちゃんや家か
らも入っていた。ソニンの番号もいくつかあった。
「うっわー……スゲエおおごとになってら……」
「他人ゴトみたいに言うな」
殴られた。
- 169 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月02日(土)22時07分21秒
- http://bad.adam.ne.jp/bbs/mibbs.cgi?mo=p&fo=bad&tn=0030&rn=30
短編バトルに参加しようとネタぐりしたが、面白くなりそうもないので断念…
- 170 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月02日(土)22時42分23秒
- そんな事やってたからどこにもいなかったのか…。
つーか、続き書こうよ。
本命でも、ここでもいいからさ。
- 171 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月03日(日)01時13分27秒
- ――どこにもいない? こんなところとか出没していたみたいですが。
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1014299259/43-78
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1014299259/99-
続きですか。ここでもよければ。てゆーかもう読んでないけどなって煽り飽きた…
- 172 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月03日(日)01時15分35秒
- ■ぼくはまだ恋をしらない…
- 173 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月03日(日)16時16分45秒
- 結局参加したけど1レス丸ごとコピペし忘れた! ゲラゲーラ! 氏のう……
- 174 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)01時09分23秒
- シークの何処にもいないって意味。
- 175 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)01時20分25秒
- 森板や花板のステキにおバカな作品に名無しでレスをつけたりしていましたが――
- 176 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)04時06分25秒
- BADは読み難いから好きじゃない。
- 177 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月12日(金)01時12分59秒
- >>176 それはどうも……。
書く気はあるので自分で保全。つーかユウキがキャバクラ三昧で今度こそクビって本当?
- 178 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月15日(月)18時01分12秒
- >177
いや、機能じゃなくて壁紙なんだけどね。
目がチカチカする色合いで…。
文章が好きだけど、その人は好きじゃない、みたいな?
- 179 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月15日(月)20時10分52秒
- >>178
最後の一行が絶妙デスネ・・・ケッ(ニガワラ
- 180 名前:142 投稿日:2002年05月06日(月)11時30分53秒
- で?三つリクエストしたんですが、その後は?
- 181 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月06日(月)14時32分36秒
- >>180
今書いたんですが512文字以上だったんで綺麗さっぱり消えてしまいました……
- 182 名前:困ったときには男×娘。 投稿日:2002年05月06日(月)19時50分02秒
- アイーンダンスのリズムで携帯電話が鳴った。
なつみは慌てて乱れた衣服をかき合わせ、電話を取った。
『どうしたの? ワンコールで取らないなんて珍しいね』
「ちょっと……水仕事してて。どうしたの?」
『いやぁ。今日ちょっと飲み会はいっちゃってさー。悪ィけどメシ要らねぇわ』
「ん、わかった。何時ぐらいになりそう?」
『そだなー、十時かそんぐらいには帰るようにするわ』
「なにか軽いもの、作っとく?」
『お、いいね。茶漬けとかラーメンとかいいね。そんじゃ頼むわ』
「ん、わかった。ばいばい」
『愛してるよ(chu)』
電話が切れる。
「バカ…」
なつみは憂鬱そうに呟いて、ベッドを振り返った。
- 183 名前:困ったときには男×娘。 投稿日:2002年05月06日(月)20時02分56秒
- 「今の、お兄ちゃん?」
そこには梨華がいた。なつみの義妹。旦那の妹だった。
「うん…」
梨華はシーツにくるまるようにしてベッドから降りる。
ぺたん。
素足がフローリングの床に吸い付くようだ。
ぺたん。
近付いてくる義妹を、なつみは半ば恐怖が入り混じったような気持ちで見つめた。
「お兄ちゃん、なんて?」
ぺたん。
「遅く……なるって」
ぺた――ん。
「そお……」
地黒な梨華の肌が、真っ白なシーツの下でかすかに透ける。
ピンク色のグロスが微笑みを作った。
- 184 名前:困ったときには男×娘。 投稿日:2002年05月06日(月)20時20分39秒
- ピンク色のネイルがなつみの頬を撫でた。なつみはびくっとして両目を瞑る。
――なつみと学は先月、式を挙げたばかりだった。早くに両親を亡くして、
学と梨華の二人は兄妹二人っきりでずっと暮らしてきたのだという。義妹との
同居は、この結婚のほとんど唯一の条件だった。なつみは快く了承した。
思えば義妹の態度は、最初から変だった。つっけんどんな態度をとったかと
思えば、うってかわって甘えたような態度を取る。学がいるときといないとき
とで、その落差は激しいようだった。
今日の梨華の態度は、友好的だった。だから、なつみも――
「じゃあ今日はぁゆっくりできるよねっ?」
梨華の媚びるような作りもののような甘ったれた囁きが、なつみの耳朶をくす
ぐった。なつみはぎょっとして、かすかに身を引いた。
「梨華ちゃんさあ、ホントは学くんのこと――……」
――あたしに取られたくないんじゃないの?
塞がれた唇。なつみは、最後まで言うことはできなかった。
蜘蛛が――。
- 185 名前:困ったときには男×娘。 投稿日:2002年05月06日(月)20時47分13秒
- 蜘蛛が白い壁を這っていた。早く片付けないと巣を貼っちゃうかな――?
首筋を吸われて、なつみは我に返った。
「や。だめ。アトつけないで」
「どうせ酔っ払って帰ってくるんだもん。気付きっこない……」
「でも、だめ……」
梨華は、なつみの胸元を指で辿った。
「ここも……ここも……ここも……お兄ちゃんの付けたしるしばっか……」
梨華の声にかすかな嫉妬が混ざる。自分に? それとも学に? なつみは
混乱した。どっちに?
「……だめだって、ば……」
「ずいぶん敏感なんですね。いくつ増えたって、あの人ぜったい気付かない」
「おかしーよ……なぁっ、なんで……?」
「おかしい? おかしいですか? あたしがおかしかったらなつみさんはどう
なんですか。あたしの指で、こんなになっちゃってるじゃないですか?」
「だって梨華ちゃ……あ……っ」
快楽の吐息は、嗚咽混じりだった。梨華は無表情な顔で、ポルノ小説じみた
なつみを辱める言葉で、執拗に責めたてた。
- 186 名前:困ったときには男×娘。 投稿日:2002年05月06日(月)22時37分22秒
- −つづく[推定あと1〜2レス。出演予定:オレンジジュース]−
- 187 名前:1 投稿日:2002年05月08日(水)13時44分09秒
- -未完ジュース-
アハハッ…………………………………………………………ムナシイ………………
- 188 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月09日(木)03時27分01秒
- ■ぼくはまだ恋を知らない
- 189 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月06日(土)19時08分06秒
- 駄洒落おち…
- 190 名前:サカナ 投稿日:2002年08月19日(月)19時58分00秒
- ――Can you read me?
- 191 名前:サカナ 投稿日:2002年08月19日(月)20時04分00秒
- ゲーム終了のホイッスルが聞こえた。
――――――――――――――――――――――――――――――
97 名前 : 王大人 投稿日 : 2002年08月15日(木)16時30分16秒
死亡確認!
――――――――――――――――――――――――――――――
これは確かにゲームだった。
誰にも参加できるゲーム。
用意するものは紙と鉛筆。
始めるのは一人からでも。
とびっきりの簡単でシンプルなやつ。
きわめつけの自分勝手なレゴブロック。
頭の中身を紙の上にぶちまける。これだけ。
- 192 名前:サカナ 投稿日:2002年10月06日(日)21時29分43秒
- 選手はまだゲームの終了に気がつかない。
もっとやれる。
きっと逆転できる。
時間はたっぷりある。叶うはずのない夢なんかじゃない。
――――――――――――――――――――――――――――――
105 名前 : 通りすがり 投稿日 : 2002年10月06日(日)17時47分37秒
作者の人格に問題があるな。
大した表現力も無い上に、作品に対する情熱がないから
皆から無視されるのだよーん。
――――――――――――――――――――――――――――――
――それを望んだことがあっただろうか?
ただゲームを勝利で終了させる以外のことを?
スレッドを、小説の完結で締めくくること以外の何かを?
あったかもしれない。なかったかもしれない。でも終わらない。終われない。
ゲームはいつだって敗北で終わり、誰の印象にも残らない。
ただ――時間さえあればきっとそれは勝てたのだろうと――有り得ない夢想を――
- 193 名前:サカナ 投稿日:2002年10月06日(日)21時34分25秒
- ――Of course, you don't read it.
- 194 名前:サカナ 投稿日:2002年10月06日(日)21時46分32秒
- 銃声は、午後3時の鐘に紛れて消えた。
呆然としたような相棒の表情が遠く、柵の向こうに消える。
「――やすださんッ!」
狂ったように鳴り響く鐘の音から、戸惑ったように叫んだ彼女の声が3Dのように飛び出した。
今撃ったばかりの銃声よりも存在感を強く主張する押し付けがましい高音。
馬鹿な子だった。
この後に及んで自分で何とか出来るなんて考えているなんて。
周到に組んだ計画はすべて必要なかった。彼女は自ら進んで妾(あたし)に協力したのだから。
哄笑が曇天に響き渡る。妾の声だ。笑わずにいられる? あんなに苦労して仕掛けたことは、すべで無駄だった。そこまでする必要はなかったのだ。
妾は、妾のために死んだ可愛そうな生徒たちのことを思ってまた、哄った。
- 195 名前:サカナ 投稿日:2002年10月06日(日)21時49分41秒
- ――Nobody reads me.
- 196 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月08日(火)23時57分47秒
- オモロイ(w
- 197 名前:( ´;ω;`) 投稿日:2002年11月28日(木)02時00分04秒
- _________________________
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名前:上海( ´;ω;`) メール:sage
┌────────────────────────
│>770 言い得て妙ですね
│>772 激励は心のなかで思ってくれるだけで充分です
│>773 愛の告白ですか?
│>777 バレタ?
│>778 バレタ?
│>779 ね
│>780 こわいこと言わないでください…
│>781 ね
│____________________________
- 198 名前:( ´;ω;`) 投稿日:2002年11月28日(木)02時05分43秒
- そこまで書いて手を止める。
果たして投稿しても良いものだろうか? 本当に?
自分はまさか取り返しのつかないことをしているのではないだろうか?
かつてのように? いつものように? 今もまた?
自演ではないかと煽られて、違うと答えるのは癪だ。どうせそんなの書いた
本人にしかわからないのだ。書いてない人間にしたら、そんな答えなど誠実さ
のカケラもない嘘八百にしか聞こえまい。かといって、そうだ、と答えたら、
どうだ? 書いた本人以外はああやっぱりと思うだけなのだ。
ではどうする?
- 199 名前: ( ´;ω;`) 投稿日:2002年11月28日(木)02時13分13秒
- 本スレに書き込むのは絶対的にまずい。
名前を出して欲しくないからレスをする、ってことが逆効果なのは目に見えて
いる(四期不要スレでも失敗したばかりではないか!)
某チャット――ひとつの選択肢が脳裏に浮かんで消える。これもだめだ。悪戯
に両サイトを荒らすだけではないか。実際、名無しチャットができた当初も――
いやこの話は別の機会に改めて述べよう。
そして私の辿り付いた先は――ココだった――
- 200 名前: ( ´;ω;`) 投稿日:2002年11月28日(木)02時17分23秒
- 適当に放置され、良い感じに沈みきったスレッド。
誰からも省みられることがなく保全もされず、小説というには些か貧相なもの
が並び、更新したら半笑いのレスがつく、ココ――
そしてわたしは、かじかむ指で
┌─────────┐
│このスレッドに投稿│
└─────────┘
ボタンをクリックした――
- 201 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月28日(木)02時27分43秒
- ★CM★
上海ってのはこのスレッドのことです。『完結した』短編数篇を収録しています。
- 202 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月28日(木)02時29分05秒
- ★注意★
このスレッドはフィクションであり実在の人物、事件、出来事、掲示板の書き込み
などとは殆ど関係がありません。
- 203 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月30日(土)02時43分25秒
- 『蝶と花』
注…『蝶と花』タイ映画。米を密売する少年たちの物語。無賃乗車した列車の上で
踊るシーンが素晴らしく印象的な映画。内容はまるで関係ありません。
- 204 名前:『蝶と花』 投稿日:2002年11月30日(土)02時50分15秒
それを持ってると世界をこの腕に抱いている気がした。
- 205 名前:『蝶と花』 投稿日:2002年11月30日(土)03時02分07秒
- 仙川の細い流れに自転車が浮かんでいた。独特の太いがっしりしたフレームに、
太くて半径の短いチューブタイヤ。貼ってあるステッカーまで一昨日失くした自
転車に似てる。似てる、というか、あたしの自転車だった。
苔生してずるずる滑るコンクリートパネルを苦労して下り、無残な姿に変わり
果てた愛車のハンドルを掴んで、ひっぱった。そう重くはない筈の自転車は、嫌
々するように首を振るだけでびくともしない。川の表面は流れてもなお茶色く濁っ
ていて、下には何が息を潜めているのか想像もつかない。
注…上のレスは斉藤倫『世界はぼくの腕のなか』の印象を拾っている。
注…このレスはユニコーン『自転車泥棒』あたりだろうか。もっとも仙川は本当
にこんな川だったのだが。
- 206 名前:『蝶と花』 投稿日:2002年12月04日(水)02時19分30秒
- 力任せに無理矢理ひっぱると、ごつごつした感触が手に伝わった。構わずに力
をこめるとスポークが3本抜けて前輪が空回りして、勢いよく水中から黒いビニ
ル袋が飛び出した。ビニル袋は水上を滑るように進み、岸にぶつかるようにして
乗り上げて止まった。びらびらと引き千切れたビニル袋が水面を撫でるように上
下する。中からは、覆っていたビニル袋よりも濃いいろの物体が顔を出していた。
笑っちゃうぐらい玩具っぽいアニメチックな格好の、ライフルだった。もしか
したらマシンガンなのかもしれないけど、あたしには見分けがつかなかった。
※BGM:「バスルームで髪を切る100の方法」フリッパーズギター
- 207 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月03日(金)13時54分06秒
- おいといて。
- 208 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月07日(火)21時56分27秒
- 『6』
- 209 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月07日(火)22時53分49秒
- ◇
「ねぇ、まこっちゃんさあ、これ何回目の『今日』だっけ」
「わかんない」
「今日が最後の『今日』になるかなあ……」
「わかんない」
「もう誰も死なないよね……?」
「……わかんないよ」
◇
- 210 名前:『6』 投稿日:2003年01月07日(火)23時08分42秒
- ペンション樫の木の重たい扉を開くと細かい霙混じりの雪がどうっと雪崩れ込ん
できた。小川麻琴と新垣里沙はそっと身体を扉の外に滑らせる。防水スプレーでし
っかりコートしたジップアップのダウンジャケットをきっちり襟元まで留める。売
店で買ったばかりのゴアテックスの手袋は、すぐに霙にまみれて冷たくなる。勿論、
家からもってきたミトンの手袋なんかお話にもなりやしない。
降り積もったばかりの水気の多い新雪を、ニューバランスの運動靴で踏みしだく。
スノウブーツも使ってみたのだが、どれを使っても雪は容易く侵入し体温でぬるむ。
しもやけ程度のことは覚悟しなくてはなるまい。
- 211 名前:『6』 投稿日:2003年01月07日(火)23時37分31秒
- 2003年1月19日――モーニング娘。の第6期メンバーのオーディション合宿は、
信州のペンションで行われていた。最終日である今日、現メンバーのうち直近の
先輩である五期メンバーは全員その場所へ集合して、6期メンの選考過程のVTR
を見ながら、最終発表に立ち会う――はずだった。
四期メンバーまでは、砧のメディアパークで同じVTRを見ているはずだ。
(もっともそのVTRも半分近くは6期扱いで加入をする、4期オーディション
『落選者』の藤本美貴のプロモーションビデオのようなものだったのだが。藤本
は、先輩たちと一緒に砧のスタジオのほうにいるはずだった)
多少段取りが違うメンバーが存在するとはいえ、これまでのオーディションと
同じように、なにごともなく終わる筈だったのだ。
- 212 名前:『6』 投稿日:2003年01月07日(火)23時46分21秒
- 『今日』がばかになったレコードのように同じ日を辿り始めたのはいつだった
だろう?
麻琴も里沙も、もう思い出すことができない。気がついたときにはすでに、
『今日』という日は、永遠の繰り返しを始めていたのだ。
朝、ペンションのなかで目覚める。曇天。昼過ぎに天候は大きく崩れ、霙
混じりの雨が降り始める。雨が次第に低くなる気温のなかで雪めいたものに
変わるのが夜半。ここまではいつも同じだった。
おかしくなるのは、生放送の放送が始まってから、だ。
たった3人の候補者のなかから、該当者なしで全員選ばれない。3人のうち
1人、ないし2人が選ばれる。あるいは全員選ばれる。
繰り返すたびに結果は違った。
奇妙なことに、この繰り返される茶番のなかで、候補者たちは涙まで見せて
すでに知っているはずの結果に一喜一憂するのだ。
- 213 名前:『6』 投稿日:2003年01月08日(水)00時00分13秒
- ――気のせいかもせいれない。
――もうすでに六期メンバーが選ばれたという、かなり現実的な夢を見ただけ
なのかもしれない。
一人だけなら、そう思い込めたかもしれない。
だが、繰り返しの悪夢は五期メン全員に共通していた。
◇
- 214 名前:『6』 投稿日:2003年01月08日(水)00時09分32秒
- 「対策が必要だと思わない?」
そう切り出したのは高橋愛だった。荒天のためにスキーすることさえできず閉じ
込められたペンションの中で、昼食のビーフシチューを啜りながらの一幕だ。四人
は同じテーブルに就いて、離れたテーブルで食事をするスタッフを見守っていた。
撮影スタッフは黙々と食事をしている。自分たちと同じように『今日』が繰り返
しているのかどうか確認をしたことはないが、彼女たちは確認をするまでもなく、
『有り得ない』と結論していた。
簡単な観察力の問題だった。昨日の『今日』と違う行動をしているのは、彼女達
五期メンバーだけだったから。気がついて同じ行動を取っているとは考えにくい。
もし彼女たちが撮影スタッフだったら、最初の繰り返しのときに、すでに撮影は終
わったと思い込んで帰る準備を進める、と考えるのが妥当だった。
- 215 名前:『6』 投稿日:2003年01月08日(水)00時20分15秒
- 実際、最初の繰り返しのとき、彼女たちはひどく狼狽した。
終わっているはずの六期選考の模様を生放送する――有り得ないことだった。
他のメンバーの狼狽を見て、彼女たちはそれが自分だけのことではないと知った
のだった。
「里沙ちゃんは、まだどっきりカメラだと思ってる?」
「もう思ってないよ。ここまでしつこく繰り返されればね。こんなの有り得ないもん」
「どっきりカメラじゃないとしたら、何だと思う?」
愛はぐるりと3人を見渡した。
「さあ? あたしたちの頭が壊れたんだか、世界が壊れちゃったんだか」
里沙がおどけたように肩をすくめた。
「あるいはその両方か、ね」
あさ美がシチューを啜りながら言葉を継ぐ。
「麻琴はどう思っとるん?」
- 216 名前:『6』 投稿日:2003年01月08日(水)00時34分38秒
- 「あのさ、話違うかもだけどさ……」
麻琴は、シチューを睨み付けながら呟いた。
「みんな、昨日の『今日』のこと、覚えてる?」
「……覚えてるって、覚えてなきゃ別にもう問題ないじゃん、ねぇ?」
愛の言葉にあさ美も里沙も頷く。
「そうじゃなくてさ」
麻琴は、スプーンでシチューをすくってはこぼすのを熱心に見つめた。
「みんなはさ、昨日のこと、どこまで覚えてる?」
「……」
「あたしさ、覚えてないんだ……昨日の、放送終わってからのこと」
麻琴はスプーンを皿に放り投げて、3人を見た。
「みんなは?」
「あたし覚えてない」
「あたしも……」
「え、でもそれってどういう意味? え……、でもだって、覚えてるじゃん」
愛は混乱したように額を押さえて早口に言った。
- 217 名前:『6』 投稿日:2003年01月08日(水)00時45分08秒
- ◇
……sunrise……sunset……sunrise……sunset……
◇
- 218 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月08日(水)00時50分18秒
- 続きは明日。明日で完結。
- 219 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月08日(水)02時12分44秒
- よっしゃ〜!!
一気読み終わり!
明日で終わりってこの話が?それともスレ自体が?
- 220 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月08日(水)20時50分11秒
- ばっ、バッキャーロ。スレを終わらせたら思い付いたときに書けねーじゃんよう。
- 221 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月08日(水)23時41分31秒
- えっと寝るまで更新。終わらなかったらご愛嬌。
- 222 名前:『6』 投稿日:2003年01月08日(水)23時44分58秒
- ◇
「……また、リセットされたのか……」
目覚ましタイマーで動きはじめたTVは、1月19日のニュースを読み上げている。
昨日も聞いた交通事故と天気の話から始まる比較的平穏な一日のニュース。
高橋は寝返りを打ってうつぶせになると枕を頭の上に乗せて両手で押さえつけるよ
うにした。
昨日の合格者は三人全員。記憶はそこで途切れている。
「うー……」
◇
- 223 名前:『6』 投稿日:2003年01月09日(木)00時18分17秒
- 食堂におりていくと、すでに里沙と麻琴がバイキング形式の朝食を確保して座席
で食事を始めていた。
内緒話でもするかのように額を寄せ合ってお喋りに夢中だ。
「……てか、やっぱそうだって」
「でもさ、そんなのってありえないよ……」
「だけどそう考えないと辻褄が合わな」
焼きたてのクロワッサンとオムレツとオレンジジュースを取って愛が着席すると
二人はピタリと会話をやめた。
「お、おはよ、愛ちゃん」
「おはよう。あさ美ちゃんは?」
「まだ寝てる……と思う」
「さっきなに盛りあがってたん?」
愛はズバリと二人に聞いた。里沙と麻琴は気まずそうに視線を交わした。
それから言いにくそうに、里沙が口火を切った。
「……なにが起こっているのか、だいたいわかった――と思う」
- 224 名前:『6』 投稿日:2003年01月09日(木)00時30分40秒
- 「放送終了前にちょっとバタバタするとこあるじゃん?」
「あたしたち、何度目か前の『昨日』ぐらいからペンションを抜け出して、ぐる
ぐるしていたのね」
「それで、だいたい放送終了直後なんだけど――乾燥室が――」
交互に麻琴と里沙が喋る。乾燥室、で麻琴は言葉を切って意味ありげに里沙を
見た。里沙も自分では言いたくないようで、暫くどちらが説明するのか譲り合い
が続く。喋りたがりの里沙が遠慮するなんてとても珍しい。
「……まず、乾燥室が爆発する。それから裏手の山から雪崩れが起きて、ペンショ
ン全体が飲み込まれるのね……つまり――つまり、その」
麻琴が言いにくそうに言葉を切った。愛はぽかーんとして二人を凝視する。
「……つまり、なんやの?」
「つまりあたしたち全員死んでるってことよね?」
- 225 名前:『6』 投稿日:2003年01月09日(木)00時38分31秒
- 紺野あさ美だった。紺野はそれだけを言うと、愛の隣りに着席して黙々と目玉
焼きと焼き魚と味噌汁と梅干し粥とオムレツとベーコンとフルーツサラダと……
取れるだけのおかずを乗せたプレートを黙々と食べはじめた。
「全員かどうかはわかんないけど……」
「少なくともあたしと里沙ちゃんが死んでることはたしか」
里沙と麻琴は、叱られた子供のように、すまなそうに言葉を続けた。
「……死ぬって、でも、じゃあこれって死後の世界ってこと? あたしたちは
毎日、最後の日を繰り返してるってこと? 死後の世界って、そんなのなの?」
混乱して愛は早口で一人ごちる。論点がずれている。
「んー…、そんなこと言われても、死んだことないからわかんない」
「だって今、死んでるってあさ美ちゃん言ったじゃん…」
おっとりとしたあさ美の言葉も愛の混乱に拍車をかけるだけだった。
- 226 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月09日(木)12時23分57秒
- あれ?おもしろい。
- 227 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月10日(金)00時44分07秒
- わはは。面白くて当然だ。今まで何だと思っていたのだ! 今日も力尽きるまで更新。
- 228 名前:『6』 投稿日:2003年01月10日(金)01時17分31秒
- 「死ぬときに、今までの人生が走馬灯のように流れるって知ってる?」
あさ美の言葉に三人はきょとんとして顔を見合わせた。
「知ってるもなにも。まずソウマトウが何かよくわかんないんだけど?」
こういうときに物怖じせずに言いにくいことを言うのは里沙だ。
「回り灯篭とも言うんだけど。こう…、枠が二重になっていて、模様が切りぬか
れていて。蝋燭をともすと、熱で中のほうの枠がくるくると回って、明かりにね
浮かび上がった模様がメリー・ゴー・ラウンドのように回転するの……わかるか
な?」
身振り手振りを交えて説明するあさ美に、愛はポンと手を打った。
「あー、それなら見たことあるかも。おばーちゃん家にあった…、で、それが?」
「死ぬ間際に、今迄の人生がこの走馬灯のように思い浮かぶんだって。で、それ
が何故かっていうと、今迄の人生の経験を必死で思い出して、身体が窮地を逃れ
ようとするからなんだって。死なないために」
「はいはい。ドラマかなんかで見たことある。で?」
「で?」
「それが、何なの?」
じれったそうに里沙が先を促す。あさ美は小首を傾げて、少し考え込んだ。
- 229 名前:『6』 投稿日:2003年01月10日(金)01時24分58秒
- 「ああ…」
それからあさ美はほっこりと微笑んだ。
「だから、それじゃないのかなあって」
「……は?」
ひとり納得して頷くあさ美に、愛は露骨に疑問符を発した。
「なにが、それ?」
「だから、今が、これ」
「これって、どれ」
「だからぁ…」
押し問答を始めてしまった愛とあさ美の前で、里沙がポンと手を打った。
「……わかったあ! つまりあさ美ちゃんは、『今日』が続くのは、あたしたち
が死ぬことから逃れようとして、必死に記憶をさぐってる状態だって言ってるん
だよね! どう? 正解?」
「だいたい正解」
ししゃもをもぐもぐと頬張りながら、あさ美はむりやり笑顔を作って頷いた。
- 230 名前:『6』 投稿日:2003年01月10日(金)01時34分17秒
- 「うー…、それっておかしくない? だって死んでるんでしょ、あたしたち?」
「死んでるって記憶はないんだよね? 二人ともさ」
本格的に頭を抱え込んだ愛に、ゆっくりとししゃもを飲み込んで、あさ美。
「んー…、言われてみると、雪崩れだ危ない!ぐらいのとこで記憶が途切れ
ちゃってるかも。まこっちゃんは?」
「……ないかも」
里沙と麻琴の言葉にあさ美は重々しく頷いた。
「そう死ぬ直前。ここであたしたちは、今日という日に重大なヒントがあると
考えて、今日という一日を繰り返していると…」
「や……でもやっぱおかしいよあさ美ちゃん」
先ほどからずっと何かを考え込んでいた麻琴が、お手上げのジェスチャーを
した。
「もしあさ美ちゃんの言うとおりならさ、何でオーディションの合格者が毎回
違うんだろう?」
- 231 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月10日(金)17時51分29秒
- このスレが一番上にきているのに違和感を感じてしまうのはなんでだろう?
そして続きに物凄く期待してしまうのもなんでだろう?
- 232 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月10日(金)21時58分03秒
- 上海が上手い事は第一回短編のときから周知の事実だと思ってた…。
- 233 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月11日(土)00時46分05秒
- 更新のたびにレスがつくってのも新鮮だなー。いつも同じ人なのかなー。
>231 おひまならみてよね
>232 わはは。俺もしらないよ、そんな事実。短編は沢山完結させているけど、
お愛想以外で評判が良かったことは無いよー。
今日も力尽きるまで更新。たいしてひっぱるようなアレでもないのに。19日まで
に終わりますように。
- 234 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月11日(土)00時47分11秒
- と、思ったけど明日も仕事なのでまた明日。
- 235 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月13日(木)01時05分08秒
- 明日……。
頑張れ!
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