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( ´ Д `)炒め

1 名前:マルボロライト 投稿日:2002年01月04日(金)01時31分16秒
ふざけたタイトルですいません。
このスレでは( ´ Д `)と誰かを絡めて書いていきたいと思います。
原点に戻って古巣の黄板にしました(w
更新は激遅になるかもしれませんが、よろしければ読んで下さい。

最初は○○ごまです(伏せなくても読んだらわかるんですけどね)
2 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時33分44秒
−1−


16歳になった朝、家を出た。


高校は先日、退学届けを出して辞めたばっかり。
それまでずっとバイトをしてたから少しならお金は持っている。

家を出た、といっても別に家出をした訳じゃない。
ちゃんと家族には話をつけてある。
母親は落ち着いて住む所が決まったら連絡しろって。
うちは結構、放任主義の家だから。
あたしはどこか行った事のない所を旅してみようかなと思ったんだ。

でもまぁ旅っていう程の大げさなもんじゃないけど。


何か変わるかなぁっと思ってさ。
16年生きてきて大した出来事なんてなかったから。
いや…一応あったんだけどその話は暗くなるからよしておく。


3 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時34分52秒

電車に乗り、適当に選んだ行き先に着いて海岸線をとぼとぼと歩く。
結構遠くまで来たかも…東北地方だとはわかってるんだけど。
でもあんまり地名とか知らないから詳しくはわからない。
キラキラと光輝く海を目の前にして、しばらく眺めていた。

「海って…こんなに綺麗だったんだ」

東京の海しか見た事なかったから結構衝撃的だ。
でも、こんなのを求めて旅に出た訳じゃない。


はぁ…もっと衝撃的な事、起きないかなぁ。



例えば………一目惚れとか。


4 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時35分45秒

ボーっと海を眺めていて気づいた。さっきからずっと砂浜に座り込んでいる人がいる。
何してるんだろ?あ…立ち上がった。


「出来た―――!!」


!?…ビックリしたじゃん、急に叫ぶなよ。
あ、れ?あの人…男?女?後姿だとどちらかわからない。
短めの髪がその人をより中性的に思わせた。


「さてと、帰るか」


…と、その人がこちらを向いた。
でも夕陽が逆光になって顔がよく見えない。


5 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時36分32秒

段々と近づいてくるシルエット。
そして…ようやくその人の顔があたしの瞳に映った。
女、の人だ。それもあたしと同い年ぐらいの。


キラキラと光る水面と同じぐらいに輝くその瞳。

その瞳を見た瞬間―――あたしは動けなくなっていた。


急激に胸の鼓動が早くなる。
全身がカァーっと熱くなってゆく。


どうしよう……あたし、あの人に一目惚れしちゃった。



6 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時37分29秒

あたしは、今まで誰かを本気で好きになった事なんて1度もなかった。
それどころか好きになるって気持ち自体、理解出来なかった。
このまま誰の事も好きにならず一生1人で生きてゆく…本気でそう思ってた。

でも―――出逢っちゃった。

胸が痛くなるって本当に痛いんだ。
こんな痛み、今まで知らなかったよ。

息も出来ないくらいにドキドキしてるあたしの心臓。

そこにある全ての風景が止まって見える。
ただ、その人だけが動いている。

何の音も聞こえない。
ただ、その人が砂浜を歩く音だけが聞こえる。

何て声をかけたらいいんだろう?
人を好きになった事のないあたしは、もちろん告白なんかした事は1度もなかった。
でもあたしには、少女マンガの主人公のように恋する乙女のセリフは似合わない。
ありのまま、自然体のあたしを知ってもらおう。


その人が階段を上ってこっちに来ようとした所で声をかけた。


7 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時38分17秒

「ねぇ!今何してたの?」
あたしが声をかけると、その人は少し驚いていたけど気さくに答えてくれた。

「え…あぁ、網を繕ってたんだよ」
「網?網なんかどうするの?」
「どうするって漁で使うに決まってるよ、そんなの」
「へぇ、あなた何する人なの?」
「オイラか?オイラはさぁ、漁師なんだ」
この人、男言葉で喋るんだ。それに女で漁師って珍しいね。

「…女なのに漁師なの?」
「体は女かもしれないけど心は立派な男だ!」
「プッ!マジで!?」
「マジさ!」
この人…おもしろい(笑)

「ねぇ…そしたらあたしは異性に当たる訳?」
「…それは、あの」
「恋愛の対象に、なる?」
「えっ!?」
その人は目を丸くしてあたしを見る。
遠まわしな言い方はしたくないからはっきり言っちゃおう。

「あたしさ…一目惚れしちゃったみたいなんだ」
「え…オ、オイラにか!?」
さっきよりもっと目を丸くして驚いてる。


8 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時39分40秒

「うん。だから付き合って欲しいんだけど」
「ど、どこに?」
「そうじゃなくって!交際して欲しいってゆう意味」
「オイラと添い遂げるのか!?」
…添い遂げるっていつの言葉だよ。

「いや、そこまで話飛ばさなくていいんだけどね」
「でもオイラ、体は女だぞ?子供は作れねぇし…」
ブツブツ独り言のようにその人は呟く。

「だから!!まず付き合うまでだよ!ってゆうか子供の前に女同士で結婚は出来ないし」
「オイラ心は男だっ!」
「あ―――もうっ!!」
このままじゃ話が進まないと判断したあたしは強引にその人を引き寄せた。

「ん!?」
そして、そのまま唇を重ねた。


「…っ……はぁ、んっ」


「…体は女同士でも色々出来るよ?色々と、ね」
唇を離して見つめながら言う。
その人は突然の事に唖然としてたけど、怒ったりはしなかった。


9 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時41分17秒

「…積極的だなぁ」
「そう?でも、あたし今のがファーストキスだからね」
自分でも大胆な行動に驚いてるくらいなんだから。

「マジ!?そりゃやっぱり嫁に貰わねぇと。男としての責任が…」
「はいはい、それはまた後でね。そういえば名前聞いてなかったね。あたし後藤真希、あなたは?」
「オイラは吉澤ひとみ。周りにはヨッスィーって呼ばれてる。女みたいな名前だろ?」
「いや、実際女なんでしょ…」
あたしは少し呆れ気味に答えた。

「でもオイラ、彼女なんて初めてだよ」
「そうなの?そんなにカッコイイのに?」
あ、でも一応女だからいなくて当然か。

「やっぱ交際とかはまだ早いかなって思ってたし」
「何で?そんなに若いの?年いくつ?」
「16歳だ」
「…あたしと同い年じゃん。全然早くないよ」
「でもまだ未成年だからさ」
「あったま固〜い。16歳だったら女の子は結婚出来る年齢なのに」

話を聞けば聞く程、ヨッスィーって変わり者とゆうか時代がズレてるみたい。
それとも田舎の方ってみんなこうなのかな?


10 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月04日(金)01時42分39秒

それからあたしはヨッスィーにここに来た経緯を話した。
初めヨッスィーは家に帰った方がいいんじゃないか?って心配してたけど
あたしが電話で母親に連絡してるのを聞いて納得してくれたみたい。

とは言ってもあたしは、たまたまこの町にやって来ただけで
ヨッスィーと出逢わなければどこかのホテルか旅館に泊まるつもりだった。

ヨッスィーはまだ付き合うって意味をちゃんと理解してるのかわからなかったけど
あたしは“恋人宣言”をしたからそのつもりだ。
それにヨッスィーも迷惑そうな顔はしなかったし。
これから色んな事を知っていけば、知ってもらえばいい。

だからその為にはこの町に…いや、ヨッスィーの家に住ましてもらおう。

「ヨッスィーの家を見てみたいな」
あたしはちょっと甘えた声でヨッスィーに腕を絡めた。

「?いいけど、じゃあついておいで」
「うん」
あたしの思惑など知らないヨッスィーは快く家へと案内してくれた。


11 名前:マルボロライト 投稿日:2002年01月04日(金)01時46分36秒
取りあえずここまで。初よしごま連載(w
色々無茶な設定とか出てくるかもしれませんが、見逃して下さい(苦笑
そんなに長くはならないと思います。
では、マターリ次回まで!
12 名前:とみこ 投稿日:2002年01月04日(金)10時06分45秒
すっごくイイ!(・∀・)
13 名前:ポー 投稿日:2002年01月04日(金)15時38分00秒
まぢでイイ!最高にイイ!短くても長くても、早くても遅くても..楽しみにしてるんで♪
14 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)23時52分19秒
面白い!よっすぃ〜ハマりすぎ
15 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月15日(火)06時32分23秒
−2−


案内された家の前に立ち、立派な造りに少し驚く。


「へぇ、広いじゃん家」
「まぁね。ちょっと1人じゃ広すぎるけど」
「え…家族は?」
「オイラ1人だ。親はオイラが物心つく前に出て行った、らしい」
あ…まずい事聞いたかも。

「オイラは捨て子なんだ」
そう答えたヨッスィーは、気にしている様子も辛そうな表情も一切しなかった。
だからあたしも平然を装って話を続けた。

「…そっか。今まで1人で寂しかった?」
「いや…助けてくれる人もいたし、夢だった漁師にもやっとなれたし、それに…」
「それに?」
「こうやって真希とも出逢えたし」
少し照れたような表情であたしを見つめてきた。



16 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月15日(火)06時33分05秒

「ねぇ、それって殺し文句だよ?」
「あ、その深い意味じゃ…」
あたしの言葉に慌てるヨッスィー。

「否定されてもイヤだなぁ…まぁいいや。出逢った事、喜んでくれてるみたいだし」
「そりゃ嬉しいさ」
「よかった」
「へへ♪」

あ…ヨッスィーって、笑うとカワイイ。
新しい発見をいっぱいしたいなぁ。
あたしだけしか知らないヨッスィーをいっぱい見つけたい。
一緒に住めばもっとヨッスィーの色んな所を発見できるよね。

あたしにとってヨッスィーが1人暮しなのは好都合だった。
くるっと後ろを向いて笑みを浮かべる。



17 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月15日(火)06時33分57秒

「あたし、ここに住むからね」
「な……何ぃ!?」
突然の発言にヨッスィーは告白された時より驚いている。

「いいでしょ?恋人同士なんだから」
「け、結婚もしてない男女が一緒に住むなんて」
「考え古いなぁ。ただの同棲だよ、同棲」
「それでも…」
「いいから、いいから」
「あっ、おい!」

あたしは強引にヨッスィーの腕を引っ張り、家の中へと入っていった。

「ま、真希!本気で言ってるのか!?」
「当たり前だよ。ヨッスィーの事もっと知りたいし。ヨッスィーはあたしの事、知りたくないの?」
「え…そりゃ知りたいけど」
「じゃ決まりね♪」

戸惑っているヨッスィーをよそにあたしは家の中を拝見した。
綺麗に片付いてるけど、どことなく男っぽい内装だった。



18 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月15日(火)06時34分47秒

でも、この家の中にはヨッスィーの香りが溢れてる。
……うん!気に入った!!

リビングの時計を見ると時刻は夜7時を回っていた。
そういえばお腹すいたなぁ。
よし!これからここに住ましてもらうんだから家事はあたしがやる!

「ねぇヨッスィー?お腹すかない?」
「そういえば腹減ったなぁ」
「あたし、ご飯作ってあげる♪」
「作れるの?」
「失礼だなぁ。こう見えても料理は得意なんだから」
「そっか。じゃあお手並み拝見しますか」

そう言うとヨッスィーは食卓のイスに座った。
あたしは冷蔵庫の中から適当に材料を取り出し調理にかかる。
その間、ヨッスィーはジーっとあたしの手際を見ていた。



19 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月15日(火)06時35分41秒

トントントン、と野菜を切っていたけど後ろからの視線が気になっちゃう。
手を止めてヨッスィーの方を見る。

「恥ずかしいからそんなに見ないでよぉ」
「あ、ごめん。手慣れてるなぁと思って」
「小さい頃から料理はやってたからね」
「真希は良いお嫁さんになるね」

ありふれた言いまわしでも好きな人からだと嬉しい。
でも、あたしがお嫁にいくとしたらヨッスィーの所だから。
ヨッスィーの隣に行って耳元で呟く。

「…ダンナさんはヨッスィーだからね?」
「そ、そっか。そうなるのか」

アハ♪ヨッスィー顔真っ赤だぁ。
ってゆうか女同士で結婚は出来ないってば(笑)
まぁそんな事言ったら、また「オイラは男だぁ!!」って言うだろうから言わないけどね。



20 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月15日(火)06時36分42秒
―――

テーブルに作った料理を並べて出来上がり!
ヨッスィーの向かいに座って手を合わす。

「じゃあ食べよっか」
「おう」
「「いただきます」」
「モグモグモグ…」
「どう?」
味に自信はあるんだけど、やっぱりちょっと不安。
ジーっとヨッスィーの顔を見て反応を待つ。

「…うまい!」
「ほんと!?…良かったぁ」
「マジ、すっげえうまいよ!!」
「ありがとはあとはあと
好きな人が自分の作った料理を美味しそうに食べてくれるのってすごい嬉しい。
もぉ、こんなに喜んでくれるなら毎日頑張って作っちゃうよ。
明日からの料理、楽しみになってきた。

すごい勢いでご飯を食べてくれるヨッスィー。
ほっぺに付いたお弁当を取ってあげたり、おかわりをいっぱい入れてあげたりして
あたしは出逢った日にいきなり新婚気分を味わっちゃった。



21 名前:マルボロライト 投稿日:2002年01月15日(火)06時45分54秒
こんな時間に更新です。
ってゆうか眠い…(w
少しづつ物語が動いて…ないですね、あんまり(苦笑
途中から急激に展開が早くなるんですが、この話。
他にも登場人物が増える予定なので…ではまた次回。

>>12 とみこさん
ありがとうございやす!

>>13 ポーさん
どうもありがとです。
更新は遅いですけど読んでもらえると嬉しいです。
でもそんなに褒められると照れます(ポッ

>>14 名無し読者さん
ありがとうです。
ハマリ役ですよね、ヨッスィーは。
ちなみに、もんどころさんとは別の人物です(w
22 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月15日(火)17時57分56秒
男気溢れるよすぃこ萌え。でもって家庭的ごまに更に萌え(w
あーいい・・・よしごまマンセエエエエ!!
23 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月15日(火)20時11分58秒
イイったらイイ!!!とにかくイイ!作者さんがんがれ〜
24 名前:充実野菜 投稿日:2002年01月18日(金)08時04分41秒
おぉっ、よしごま小説発見!!彼女を振り向かせる方法
読んだ後だったから、(やっぱりよしは男役なんだ)
とか思いながら読ませていただきました。でもイイ!漁師
って設定もイイ!!作者さんがんばれ!!
25 名前:マルボロライト 投稿日:2002年01月26日(土)00時17分47秒
−3−


夕食後、片付けを終えて2人でお茶を飲みながら話をした。
ヨッスィーはまだ漁師の見習いさんで、漁には出た事ないんだって。
だからいつも浜辺で漁に使う網を繕ってる。
そんな話をたくさん聞かせてくれた。
夢の話をしてる時のヨッスィーの瞳は…眩しいくらいに輝いていた。

「なぁ…真希?」
「ん?なぁに?」

ヨッスィーの声のトーンが少し下がった。
どうしたのかな?急に。
やっぱり出て行ってくれ、とか言われたらどうしよう。
あたしは不安げな顔でヨッスィーの顔を見つめた。

「どうして…オイラに惚れたの?かっこいいヤツなら他にたくさんいるだろうに」
「なぁんだ、そんな事か」
「そんな事って…オイラにとっちゃ大事な事だぞ?」
「あ、違う違う。こっちの話」
「???」
「…ヨッスィーのね、瞳が綺麗だったから」
「えっ?」
「すごい綺麗で優しい瞳をしてるから、かな?」
「そ、そっか(照れ)」


26 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月26日(土)00時19分02秒

「あたしね、ヨッスィーが初恋なんだ。って、言ったら笑う?」
「いや…笑わないけど」
「ほんとにね今まで恋なんてした事なかった。どこかで気持ちが冷めてた。
恋愛に夢中になる周りの子をバカにしてたのかもしれない」
「……」

「でも、そんな自分がイヤだったんだ。だから変わろうって…変わらなくちゃって思った。
そしたら……出逢っちゃった」
「だ、誰に?」
「もぉ、ヨッスィーにだよ」
「あ、そうか(苦笑)」

「あの時、ヨッスィーの瞳を見て…動けなくなった。
胸がドキドキして苦しいくらいだった。気がついたらもう…恋に落ちてた」

でも、こんなにボケた人だとは思わなかったけどね(笑)

「エヘヘ♪何か改めて告白するのって照れるね」
「オイラも照れたよ」

…ヨッスィーは?
って聞こうと思ったけど、止めた。
まだ、ちゃんとした恋愛感情を抱いてもらってないのはわかってたから。


27 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月26日(土)00時20分08秒

「さてと…お風呂貸してもらってもいい?」
「あぁ、好きに使っていいよ。ここはもう真希の家でもあるんだから」
「ありがと。ヨッスィーも一緒に入る?」
「えっ!?そ、それは」
「…ウソだよん。スケベ♪」
「からかうなよ」

場所を教えてもらって、あたしは先にお風呂に入った。


―――

「人生って素晴らしい〜ほら誰かと〜出会ったり恋をしてみたり〜」

わりと大きめの浴槽に浸かりながら、気分良く歌を歌ってみる。
この歌、誰が歌ってるんだったけ?
前まで興味なかったからわからないや。
でも…なんか今のあたしみたいだ。

昨日までの自分と180度違う自分がここにいる。
それは全てヨッスィーのおかげ。


28 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月26日(土)00時21分01秒
―――

あたしもヨッスィーもお風呂に入り、時間も遅いのでそろそろ眠い。
そう言えば…突然押しかけちゃったから忘れてたけど、あたしの寝る所あるのかな。
まぁ、あたしはどこでも寝れるのが唯一の特技なんだけど。

ヨッスィーと一緒に寝てもかまわないんだけど
1人じゃないと眠れない、とか言われたら寂しいな。
襲っちゃいそうとか言われたら…ちょっとドキドキ。
…でも、どっちにしてもヨッスィーがOKするはずないと思うけど。

2階に上がってヨッスィーの部屋に着く前に、ツンツンってパジャマを引っ張る。

「ねぇ、あたしはどこで寝たらいい?」
「えっと…」
「ヨッスィーと一緒に寝ても、いい?」
「それは…ダメ」

やっぱりねぇ。でも、どっちの理由でだろう?
こっちの理由だったらちょっと嬉しいな。

「一緒に寝ると、手ぇ出しちゃいそうだから?」
「う…うん」
ありゃ、当たっちゃった。


29 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年01月26日(土)00時22分27秒

「別にあたしは構わないのに」
「まだ早すぎるよ」
「頭固いなぁ。けどちゃんとあたしの事、そうゆう風に見てくれてるんだ。
それとも…女だったら誰でもいい、とか?」
「そんな事はない!オイラはそんな軟派な男じゃないよ」
「…よかった。じゃあ隣の部屋使ってもいい?」
「あぁ、好きに使っていいよ。今は客室だけど、これから真希の部屋の物も揃えなきゃな」
「ありがと。でも、あたしあんまりお金持ってないよ?バイトで貯めたお金ぐらいしか」
「気にすんな。オイラがそこそこ金持ってるし、それに真希も落ち着いたら仕事探せばいいし」
「そうだね」

「じゃあ…おやすみ、真希」
「うん。おやすみ」
そのまま部屋に入ろうとしたんだけど、咄嗟にヨッスィーの腕を掴んだ。

「ん?」

「チュッはあとはあと

「ヘヘ。おやすみのキスだよ」
「……」
顔を赤くしたヨッスィーを廊下に置き去りにして(笑)
ようやく運命のヒトメボレをした1日目は終わりを告げた。


30 名前:マルボロライト 投稿日:2002年01月26日(土)00時24分37秒
取りあえず初日終了。
といっても何日目とかで分けてないのであまり気にしないで下さい。
次回は多分、登場人物が増えます。
んでちょっと波乱?になるかも。
ではまた次回。

>>22 名無し読者さん
(0^〜^)<男気溢れちゃってる?
( ´ Д `)<かな〜りね
(0^〜^)<真希も家庭的?
( ´ Д `)<見かけによらずかな〜りね

>>23 名無しさん
(;0^〜^)<褒められてる(汗)プレッシャーが…
( ´ Д `)<あまり期待しないでねぇ

>>24 充実野菜さん
(0^〜^)<美味しそうな名前だね
( ´ Д `)<うちらベジタリアンだからねぇ
(0^〜^)<あの小説おもしろいよね
( ´ Д `)<ヨッスィーかなりエッチだけどね
31 名前:カム 投稿日:2002年01月26日(土)00時38分11秒

はじめまして。

海板もHPの方のも(特にドラキュラのやつ)毎度楽しませて頂いております。

呑気にトランスジェンダーなヨッスィーの天然ぶりがイイ!
ゴマのリードってのも珍しくってイイ!

次回の更新を楽しみにしてまっす!

追伸・マルボロライトさん的には、いしごまがブームなんでしょうか?


32 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年02月16日(土)18時00分14秒
−4−


あたしがヨッスィーと出逢ってから1週間が過ぎた日の夜。
夕食の準備をしていると訪問者を知らすチャイムが鳴った。

『ピンポーン』

あ…どうしよう。
出来た料理のお皿をテーブルに並べていたけど、いったん手を止めて後ろを振り返る。
ヨッスィーは今、お風呂に入ってるし。
でも、出ない訳にもいかないし。
…いっか。勝手に出ちゃえ!

少し考えてからあたしは玄関に向かった。

「は〜い、今ちょっとヨッスィーお風呂に入ってて」
『ガチャ』
ドアを開けるとそこには…可愛い女の子が立っていた。
その娘はあたしが出てきた事に驚いている。


33 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年02月16日(土)18時01分09秒

「あなた…誰?」
「え、あたし?後藤真希だけど」
「名前じゃなくて…どうしてここにいるの?ここはヨッスィー1人しか住んでないはずなのに」
「あぁ、こないだから一緒に住んでるんだ」
「……ヨッスィーが許可したの?」
「そうだよ」

あたしの言葉に女の子の表情が少し曇る。

「あなた…ヨッスィーとどうゆう関係?」
「恋人」
「そ、そう」

女の直感って本当にあるんだと、この時初めて思った。
この娘、ヨッスィーの事好きなんだろうな。それも相当。

「そうゆうあなたはどちらさん?」
「あ…あたしは石川梨華。16歳でヨッスィーの幼馴染み」
「ふ〜ん。あ、そうだ。用事は何?ヨッスィー今お風呂に入ってるけど」
「い、いい。大した用事じゃないから。じゃあ…」

手を横に振りながらその女の子は急ぎ足で帰っていった。


34 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年02月16日(土)18時01分47秒

「…何の用事だったんだろ」
首を傾げながら家の中に戻ると、ちょうどお風呂上りのヨッスィーと廊下で会った。
一応ヨッスィーのお客さんだったから伝えとかないと、ね。

「あ、ヨッスィー?」
「ん?」
「今ねぇ、ヨッスィーの幼馴染みってゆう人が来てたよ。えっと名前は石川…」
「あぁ梨華ちゃん?」
「そうそう、そんな名前だった」
「何か用事だったのか?」
「う〜ん。大した用事じゃないからって帰っちゃった」
「そっか」

ヨッスィーの受け答えは意外とサバサバしていた。
でも…やっぱり気にならない、と言えば嘘になる。

「……」
「どうしたの?」
急に黙ったあたしの顔を覗き込むようにヨッスィーが聞いてきた。


35 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年02月16日(土)18時02分32秒

「あの娘…可愛いね」
「?…まぁ、可愛いとは思うけど」
「…それだけ?」
「それだけって他に何があるの?」
「いや、その…彼女にしたいとか、さぁ」
「幼馴染みをそうゆう風には見れないよ。梨華ちゃんもそう思ってるだろうし」

ヨッスィーって…鈍感だなぁ。
あの娘はそう思ってないよ。
だってあたしが「恋人」って言った時の表情、すごく哀しそうだったもん。
でも…ヨッスィーがそうゆう風に思ってないってわかってほっとした。
あの娘には悪いけど誰にもヨッスィーの心はあげたくない。
結構あたしって独占欲、強いんだなぁ。
ヨッスィーにウザがられないように気をつけなきゃ。

先にダイニングに入ったヨッスィーがキッチンを見つめていた。
あたしが後ろに来ると、嬉しそうな顔で振り向く。

「何か今日は豪華だなぁ。どうしたの?」
「へへん!あたしとヨッスィーが出逢って1週間の記念に頑張って作ったんだ」
「ほぉ。食べていい?お腹すいた」
「もちろん!いっぱい食べてね」


36 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年02月16日(土)18時03分17秒
―――

「んっ……ヨッスィー、キス上手くなったね」

夕食後に見ていたテレビを消して、あたし達はリビングでキスを交わしていた。
最初の頃よりぎこちなさが無くなったヨッスィーのキス。

「そ、そう?」
「うん、上手だよ。だってほら…」
ヨッスィーの手を取って自分の左胸に当てる。

『ムニュ』
「!?」

「こんなにドキドキしてるもん、あたしの胸」
「わ、わかったから手外して」
「自分の体で慣れてるでしょ?胸触るぐらい」
「けど自分のとは何か違うから」
「ねぇ?あたしの事…本当に恋人だって思ってくれてる?」
「そ、そりゃ思ってるよ」

まだまだ…か。
そりゃいきなり付き合ってって言い出したあたしもいけないんだけどさぁ。
ヨッスィーってただ押しに弱いのか…それとも手順を踏んでるだけなのか。
答えは、まだ出そうにないね。

それに…さっきの女の子の事も気になる。
きっと―――また会う気がする。


37 名前:マルボロライト 投稿日:2002年02月16日(土)18時04分42秒
 ( T▽T)<幼馴染みって…悲しいね。
( ´ Д `)<…僕にはわかる。
Σ( ^▽^)<あ!
( ´ Д `)<あなたの悲しみが僕にはわかる。

( `.∀´)====○)´ Д `)
      <あんたは今回わからないでしょ!!
(;0^〜^)<保田さん…あなた一体どこから?

石川さんご登場。
あぁ…なんてよくある展開だろう(w

>>31 カムさん
どうもありがとうございます。
ヨッスィーはとぼけたような性格だと書きやすい(w
この話のようなごまを書くのは自分としては珍しいかな?(…でもないか)
いしごまは今かなりハマってます(w
とゆうより「いしまろ」?コント萌え〜です。
まぁHPの方見たらおわかりでしょうが(苦笑
ここもよしごま終わったらいしごま書こうと思ってるぐらいなので…

38 名前:ももたろう 投稿日:2002年02月16日(土)18時07分07秒
おもろいっす!
ネタでごまがやっすーに殴られてるのがまたなんとも・・・

ではなくて、晩生な吉が良いっす!!
更新、ありがとうございました。
39 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月17日(日)00時25分26秒
おもしろっ!!!
更新お待ちしております

終わった後のいしごまも・・・(w
40 名前:とみこ 投稿日:2002年03月01日(金)16時33分16秒
よっすぃーの照れ方とかがすごく伝わって最高!!!
更新ふぁいっ
41 名前:マルボロライト 投稿日:2002年03月03日(日)04時55分39秒
−5−


そっか…ヨッスィー、彼女出来たんだ。
この前会った時にはいなかったのに―――


衝撃の事実を知った翌日、あたしは1人海岸へとやってきた。


「……はぁ」
海を眺めて溜息をつく。



“あなた…ヨッスィーとどうゆう関係?”
“恋人”



告白する勇気もなかったくせに勝手にショックを受けてる。
これって…失恋、だよね。
それなのに涙さえ出てこない。
ものすごい消化不良。
ずっとヨッスィーを想い続けてきたこの気持ちは…いったいどこにゆくんだろう。
この波が海の彼方へと運んでくれるのかな。


42 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年03月03日(日)04時57分19秒

―――あたしとヨッスィーの出逢いは今から10年前。


小学校の入学式で一際目立っていた“ある2人”。
その当時からクラスの中でも背が高かったヨッスィーと
そして…明らかに母親にしては若い女の人。
ジーっと珍しそうに2人を見ていたあたし。


「…何見とんねん」


言葉よりも雰囲気の方が怖かった事を覚えてる。
今では優しいってわかったから怖くはなくなったけど。
その後、目が合ったヨッスィーが近づいてきた。


「なぁ!友達になろうぜ!」
「えっ?」
「目が合ったからさ、友達になろ?」
「う、うん」



これがヨッスィーと初めて交わした会話。


43 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年03月03日(日)04時58分23秒

それからのあたし達は…時には姉弟のように、時には先輩と後輩のように同じ時間を過ごしてきた。


恋人のように―――って思いたかったのは…あたしのワガママ。
恋人のように―――って思えなかったのは…あたしの心の弱さ。


どこかでわかってた。
あたしとヨッスィーは友達以上、恋人未満の関係。
大事に思ってくれてるのはわかってる。
でも―――あたしが欲しかったのは、その気持ちじゃない。


幼馴染みの関係を崩したかった。
幼馴染みの関係を崩せなかった。


前に踏み出す勇気がなかった。
前に踏み出す勇気が欲しかった。


自分から変える事が出来なかった。



自分を……変えれなかった。


44 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年03月03日(日)04時59分13秒

「ねぇ!」


突然の呼びかけであたしは現実に引き戻される。
振り向くと―――昨日見た彼女がいた。

「隣、いい?」
「え?…う、うん」
「よいしょっと」
「…………」

隣に座った彼女を戸惑いながらチラッと見る。
昨日は動揺してよく見れなかったけど…可愛い娘だ。
今までヨッスィーの周りにはいなかったタイプの娘。
都会の雰囲気が漂ってる。
年はあたしと変わらない感じ。
けど、どこか年齢以上の色気を感じる。


この娘はどうやってヨッスィーの心を射止めたんだろう。
あたしには無かった勇気がこの娘にはあったのかな。


45 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年03月03日(日)04時59分53秒

「…あんまり見つめないでよ。照れるじゃん」
「ご、ごめん」
あたしは気づかないうちに彼女を見つめていたらしい。
少し口を尖らせてそう言った彼女の表情は、本当に照れていた。

「あ、あの…どうしてここに?」
「ん〜散歩してたら石川さんの姿が見えたからさぁ。あ、石川さんで合ってるよね?」
「う、うん」
「へへ♪ちょっと話をしてみたくなったんだ」
話?…どうしよう。
因縁とかつけられるのかな?
可愛い顔して実はものすごい不良とかだったら…

「心配しなくても喧嘩売りに来た訳じゃないよ」
あたしの考えてる事がわかったのか、彼女は苦笑いを浮かべながらそう言った。

「わかりやすいね、石川さんって」
「そう、なのかなぁ」
でも…あの人は―――


しばらく何の会話も無いまま2人で海を眺めていた。
時折、ノラ犬の泣き声が聞こえてくるぐらい。
あたしは沈黙とか苦手だったはずなのに、なぜだか居心地は悪くなかった。
どれほど時間が経ったのだろう…海を眺めたまま彼女が口を開いた。


46 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年03月03日(日)05時00分47秒

「石川さんは…ヨッスィーが好きなんだよね」
「えっ?ど、どうしてそれを…」
「だから、わかりやすいって言ったじゃん。それに普通気づくよ、態度見てたらさ」
「そっか……でも」
「うん。ヨッスィーは鈍感だから気づいてないよ」
「…だよね。でもあたしも伝えようとはしてなかったし」

そんな勇気がなかったの。
喉まで出かかった言葉は、いつもいつも飲み込んでいた。

「何で言わないの?ずっと一緒にいたんでしょ?」
「あたしの事、幼馴染み以上に見てないってわかってたし…それに」
「それに?」
「あなたは…女同士だからとか、考えなかった?」

あたしはそれが1番引っかかっていた。
ヨッスィーは自分の事、男だって言ってるけど。
周りの偏見とかが怖かったんだ。

…おかしいよね。
ヨッスィーに想われたいくせに周りの目を気にしちゃうなんて。


47 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年03月03日(日)05時05分52秒
「だって、あたしは逢った瞬間好きになっちゃったんだもん。そんな事考えてる暇なかったよ」
「…そう」
「それに、そんな事考えてる間に他の人に取られちゃったら嫌じゃん。後悔したくないし」
「いいね…あたしもあなたのような考え方が出来たら何か違ってたのかもね」
「好きだって気持ちを押し殺しちゃかわいそうだよ。上手くいくかは別にして」
「そうだね…って何であたし好きな人の彼女にアドバイスされてるんだろう(苦笑)」

何か不思議。
昨日初めて会ったのに昔から一緒にいたみたいな感覚。
ヨッスィーの恋人なのになぜか嫉妬とゆう感情はない。
今、あたし達を繋いでいるのはヨッスィーの存在。
ヨッスィーが好き、とゆう気持ち。

「アハハ!そういえば変だね。でも、あたしも気持ち譲る気ないよ」
そういって彼女は立ち上がった。
「じゃあ、あたしは帰るね」と言い残し、彼女は来た道を帰って行った。

その後ろ姿を見送った後、また1人で海を眺める。
さっきまでの悲しい気持ちは不思議ともう無い。


「…思い切って告白して、すっきりしようかな」


そして―――決して届かないあたしのこの気持ちを、この波に飲み込んでもらおう。

48 名前:マルボロライト 投稿日:2002年03月03日(日)05時08分01秒

( `.∀´)<この後、石川が後藤を好きになってゆく展開にしたらおもしろそうね
( ´ Д `)<んぁ?作者の中で話の展開出来上がってるから無理だよぉ
 ( T▽T)<ここの石川・・・暗いです
(;0^〜^).。oO(だから何で保田さんが・・・)

更新でございやす。
ダメ人間の作者は最近、動画を落とすのに必死で執筆サボってました(苦笑
家の回線が高速になる日はいつ来るのだろう…

>>38 ももたろうさん
お待たせしましてました。
AAネタは書きやすいです(w
今回よしおさんは幼少の頃でしか登場なし…スマソ

>>39 名無し読者さん
ありがとやす!
いしごま萌えの人増えてきてますね(w
いつになるかはわかりませんがマターリ待ってて下さい。
つーか誰か書いて!(w

>>40 とみこさん
ありがとうございます。
この話の吉澤は書きやすい(w
49 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)13時24分40秒
じれったい切れ方だわっ(w
早く告白してちょうだい!(おすぎ風。いや、別にピーコでもいいんだけど)
50 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年05月22日(水)04時07分18秒
−6−


自分の気持ちに素直になるのって難しい事じゃない。
彼女を見ていてそう思った。
ただ―――少し怖いだけ。
失う事が怖いだけ。


そうやって人間は臆病になってゆく。


けど、違う。
あたしは失わない。
あたしは、あたしの中の“吉澤ひとみ”とゆう存在を失う事はない。


幼馴染みとゆう関係は崩れちゃうかもしれないけど
今までの2人の関係を無かった事にしちゃかもしれないけど


それでも前に進みたかった。



51 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年05月22日(水)04時08分48秒

「あ、梨華ちゃん」
!!!!

「何してんだ?もう暗くなるから早く家に帰った方がいいぞ」

10年間、いつも隣で聞いていたその声。
少し低くて、それでいて落ち着く声。
色々な事を思い出しちゃって胸がきゅんとなった。


今言わなきゃ…ずっとこの先も言えない気がする。


「ヨッスィー!話したい事があるんだけど」
「梨華ちゃん…どうした?急に」
腕を掴まれたヨッスィーはちょっと戸惑った表情。
けどいつもの優しい声。

きっと答えは見えている。困らせちゃうかな…?
でも、最初で最後の告白だから許してね。



52 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年05月22日(水)04時09分43秒

「…あたしの事、どう思う?」
「えっ…突然、何?」
「いいから答えて」
あたしの真剣な表情にヨッスィーも真面目な顔つきになった。

「う、うん。あの、梨華ちゃんは大事な幼馴染みで、でも何か妹みたいだなぁって思う」
「…ハハ。妹ってあたしの方が年上だよ?」
「あ、そっか。アハハ」
「もぉ…」
昔からそうだったよね、あたし達の関係。
ヨッスィーはガキ大将であたしはいつもヨッスィーに守られてきた。


でも―――それも今日でお終い。


あたしはあなたのおかげで随分と強くなった。
ほんと、ありがと。



「好きだよ、ヨッスィー………大好きだよ」



53 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年05月22日(水)04時11分14秒
―――

「あたし…ずっとヨッスィーが好きだった。幼馴染みとしてじゃなくて…気づいてなかったでしょ?」
「えっ…ウソ」
目が真ん丸になったヨッスィー。

「少しくらい気づいてほしかったなぁ。でも、返事はわかってるから無理は言わない」
「……ごめん」
「あの娘…後藤さんの事、好き?」
「…うん。正直まだわからない所が多いけど、でも一緒にいて落ち着くってゆうか」
「そっか。大事にしてあげなよ?」
「うん」
「じゃあ、あたし行くね。気持ち打ち明けてすっきりできたし」

すっきりしたのは本当。
悲しい気持ちも無い。

「そうだ、またうちの店のご飯も食べに来てね。後藤さんを連れて」
「おう。梨華ちゃんとこの店の定食うまいからなぁ」
良かった。いつものヨッスィーだ。


「じゃあ、またね」


「…梨華ちゃん!」
「?」
「あ、ありがとう!!」
「……バカ」


その言葉に少しだけ涙が出てきた。


きっとヨッスィーは気づいてない。
あなたのその言葉がどれだけ嬉しかったか、きっと―――



54 名前:マルボロライト 投稿日:2002年05月22日(水)04時12分35秒
( ´ Д `)<何か梨華ちゃんカコイイ・・・
 ( ^▽^)<そう?ごっちん、惚れちゃダメよはあとはあと
(;0^〜^).。oO(オイラは無視ですかい?)
( `.∀´)<吉澤は主人公じゃないもの!

めっちゃ久しぶりの更新の割に少なくてすみません。
石川が全然動いてくれなかった…
遅くなるでしょうがまた次回。

>>49 とみこさん
なぜおすぎとピーコ!?
告白シーンは何か苦手です…
55 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月26日(日)19時26分44秒
あっ、更新されてるうれしい!
56 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年06月01日(土)20時13分10秒
初めから読んでいたので更新されててうれしいです。
ここの吉も鈍感ですが・・・。なんか(・∀・) イイ!
続きマターリ待っています。
57 名前:マルボロライト 投稿日:2002年06月18日(火)18時22分03秒
−7−


夕方。
あたしが石川さんと別れて家に帰ってきた30分後、ヨッスィーが仕事から帰ってきた。

「おかえり」
「うん、ただいま」
まだヨッスィーと過ごして1週間程だけど、その表情で“何”があったかすぐ分かった。
本当なら気づかないフリをしてあげた方がいいんだろうけど…

「…そんな顔してちゃダメだよ?」
「えっ」
今にも泣きそうなヨッスィーにあたしは告げる。

「ずっとそんな顔してちゃ気にしちゃうよ?石川さん」
「…知ってたのか?」
「知ってた…ってゆうより気づいたんだ。最初に会った時にね」
「そっか」

あたしがこんな事言ってもいいのか分からないけど…
でも、石川さんもヨッスィーのこんな表情見たくないだろうから。


58 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年06月18日(火)18時24分30秒

「今まで通りのヨッスィーじゃなきゃ、石川さん後悔しちゃうよ」
「…うん、そうだな」
「じゃあ、ご飯にしよっか?……って、えっ!?」

『ガバッ』
ダイニングに向かおうとしたあたしは後ろからヨッスィーに抱きしめられた。

「ど、どうしたの?」
「…何か急に抱きしめたくなった」
「そ、そっか」
「うん…」

しばらくお互い無言のまま抱きしめ合う。
ヨッスィーから抱き締められたのは初めてだった。
でも、それを無邪気に喜べる程あたしも無神経では無くて…


ただ初めて肌に感じる弱々しいヨッスィーの体をギュッと抱き返した。


59 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年06月18日(火)18時26分33秒
―――

『ガラガラガラ』
「いらっしゃいま…あっ」
「おっす!腹減った〜」
「こんばんは」

あれから数日後。
夕食時の混雑する時間を避け、2人で石川さんの両親が経営する食堂へとやって来た。

あの日の夜、ヨッスィーは石川さんの事を少し教えてくれた。
あたしも嫌じゃなかったので質問をしながら話を聞いた。
石川さんちは地元の漁師さん達がよく通う民衆食堂で、高校に通ってない石川さんは毎日手伝ってる。
店の中に入って少し店内を見回す。
ヨッスィーが以前、休みの日はいつも来てたって言ってた食堂。
少し懐かしいニオイがした。
実はあたしの母親も小料理屋を経営してる。
子供の頃から手伝いをしていたので、この雰囲気が肌に妙に馴染んだ。

「もう、閉店間際に来るから誰かと思っちゃった。いらっしゃいヨッスィー、後藤さん」

奥の席に着くと石川さんがお冷とおしぼりを持ってきてくれた。
顔を上げてその表情を見る。
最初に会った時とは違う柔らかい雰囲気を感じた。
何だかよりいっそう女の子らしくなった気がするなぁ。
ヨッスィーも“あの言葉”の意味を理解していつもと同じように接している。


60 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年06月18日(火)18時27分26秒

幼馴染みか…少し羨ましい。
きっとあたしには分からない絆で結ばれてるんだろうなぁ。

そんな事を考えていると、石川さんがメニューを差し出してきた。

「2人とも注文何にする?」
「オイラ、酢豚定食大盛りで!」
「後藤さんは?」
「ん〜このオススメ定食ってのにしようかな」
「かしこまりました」
石川さんが注文を告げに厨房の中へと入っていった。

「オイラちょっとトイレ行ってくる」
「はぁ〜い」
ヨッスィーが席を外してあたしは1人テーブルでぼーっとしてた。

あ、そうだ。
話があったのを思い出し、ご両親の手伝いをしてる最中の石川さんを呼んだ。

「あのさ、今度会ったら言おうと思ってたんだけど…」
「な、何かな?」
「そんなビビんないでよ(苦笑)」
「ごめん、つい」
「あのねぇ…後藤の事、さん付けで呼ばなくていいよ。あたしも梨華ちゃんって呼んでいい?」
「うん、いいよ!じゃあ…真希ちゃん」
「へへ♪何か照れるね」

少し自分らしくない気がして妙に照れちゃった。
でも―――こうゆうのも悪くないね。


61 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年06月18日(火)18時28分47秒
―――

「ごちそうさま〜」
「ごちそうさまでした」
お勘定を払いドアを開けると外まで梨華ちゃんが見送りに来てくれた。
挨拶をし、少し歩き出した所であたしは足を止める。
隣にいるヨッスィーに「ちょっとここで待ってて」と告げると駆け足で梨華ちゃんの所に戻った。

「ねぇ、梨華ちゃん!」
「どうしたの?真希ちゃん。忘れ物?」
「ううん、違う。あの…お願いがあるんだけど」
「なぁに?」
「バイトでいいからさ、あたしを雇ってもらえないかご両親に聞いてくれないかな?」
「え!?バイト???」
「うん。あたしさぁ東京から出て来て今、プータローだから…ヨッスィーに迷惑かけたくないし」
「…わかった。頼んでみる!」
「ありがと、梨華ちゃん」
2、3歩前に歩き出し、クルっと後ろを振り返る。

「じゃあ、おやすみ〜」
「おやすみなさい」
手を振ってヨッスィーの元へ戻った。

「何話してたの?」
「ん〜内緒♪」
「何だよ〜オイラだけ仲間はずれかぁ」
「へへん♪女同士のお話し、なんてね」


納得いってないって顔のヨッスィーの腕を引っ張り、あたし達は家へと帰った。
62 名前:マルボロライト 投稿日:2002年06月18日(火)18時30分20秒
(0^〜^)<ねぇねぇ、やっぱりオイラ影薄くない?
( ;´ Д `)<気のせいだよ…多分
 ( ^▽^)<ポジティブ!
( `.∀´).。oO(作者が吉澤の扱いに慣れてないのよ)


何だか話が違う方向に進もうとしてる(汗
軌道修正しないと…
石川はこれ以後はあんまり出てこないと思われます。
ではまた次回。


>>55 名無し読者さん
コソーリ更新してました(w
これからもコソーリ&マターリ更新してきやす。

>>56 よすこ大好き読者。さん
どうもありがとです。
鈍感も度を越すとただのバカになる(w
ので気をつけてます。マターリお待ち下さい。
63 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月21日(金)20時19分08秒
梨華ちゃんとごまもいい感じですね。
よすこは確かに影うす(ry
期待してます。
64 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年07月08日(月)18時26分18秒
−8−

静かな日曜日の朝、それらは突然やって来た。

『ピンポ〜ン♪』
あたしが朝食の準備をしているとチャイムの鳴る音が聞こえた。
こんな朝早くに誰だよ、もぉ。
受話器を取ろうとしたんだけどヨッスィーがすでに玄関に向かっていたので止めた。
きっとヨッスィーのお客さんだろうし。
でも誰だろ?梨華ちゃんはお店手伝ってるから違うだろよね。
気になるからちょっと覗いちゃえ。

「「パパ―――!!」」
「!?…な、何だ!?」

あまりの急な展開に頭がついていかない(汗)

「うち、あいぼん♪」
「ののれす♪」
玄関に立っている幼い2人。
その容姿は身長や髪型、服装まで似ていた。
どことなく顔も似ているような…

「もしかして…君達、双子?」
「「うん!ニタマゴソーセージ♪」」
…漢字が読めないのね。二卵性双生児って言いたいんだろう。


65 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年07月08日(月)18時27分34秒

「そ、それよりパパってどうゆう事だ???」
「うちらはパパの娘やねん」
「会いたかったのれす」
……う、嘘まるわかりじゃん。
そんなんでヨッスィーが騙される訳―――

「オ、オイラに娘がいたのか!それも2人も」
って簡単に騙されてるし…

「「あ!ママ〜♪」」
「へっ!?」
覗いていたあたしに気づいた2人が駆け寄ってくる。
あたしが母親ですかい!?
…こんなでっかい子供産んだ覚えないんですけど(汗)

「冗談やん。本気にしたらあかんでぇ」
「ダメなのれす」
「は、はぁ…」
いや、誰も本気で信じた訳じゃないけど。
何だろうこの娘達は。
近所の子供なのかな?…にしてはヨッスィーも知らないみたいだし。

「と、取りあえずここ玄関だから中に入りなよ」

ヨッスィーが困った風に言うと2人はすごい勢いで家の中へと入ってきた。
おーい。靴ぐらいちゃんと脱ぎなよ…
はぁ…どうなる事やら。


66 名前:マルボロライト 投稿日:2002年07月08日(月)18時34分09秒
(0^〜^)<え、これだけ?
( ´ Д `)<今回はそうみたい。ってゆうか短っ!

短いどころじゃないですね…スミマセン。
でもここで切るしかなかったんでご勘弁を(苦笑
辻加護を双子にしちゃいました。しかも年齢も実際より下げます。
違和感ないだろうけど…

>>63 名無し読者さん
ありがとです。
よしおさんはこれから挽回する、かな?(w
いしごまはオイラのHPの新しい掲示板で書き始めました。
お暇な時に良ければ読んで下さい。
67 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月16日(火)23時24分14秒
続き期待してます
68 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月05日(月)23時19分03秒
マルボロライトさんの作品大好きです。
続き待ってます。
頑張って下さい。
69 名前:68 投稿日:2002年08月05日(月)23時19分35秒
すいません!!!!
ageてしまった(汗
本当にすいません(汗
70 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年08月10日(土)15時46分47秒
(0^〜^)<オイラ子供いたんだ・・・よし、頑張って働かなきゃ!

( ^▽^)<・・・・・・・単純単純単純です♪

( ´ Д `)<・・・・・・単純バカじゃん。

(0^〜^)<作者さんも頑張って!
71 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年09月27日(金)03時30分25秒
−9−


「「お邪魔しま〜す!!」」


ソファーに座り込むなり大声を上げるちびっ子2人。
はぁ…元気な娘達、って思った瞬間―――

「「zzz…」」
「寝てるの…か?」
「爆睡みたい」

部屋に上がって3秒で2人は深い眠りについてしまった。
よく見ると2人のリュックは膨れ上がるほどパンパンに荷物が詰められていた。
もしかして家出でもしてきたのかな?
でも…こんな小さい娘がするだろうか?

「しばらく寝かしといてやろうか」
「そう…だね」

いつの間にかヨッスィーがタオルケットを持ってきて2人にかけていた。
まぁ…あの娘達には話したくない事かもしれないし、無理矢理聞き出すのは好きじゃないからいっか。
それより…

「ヨッスィー…朝食のおかずが黒コゲになっちゃった」

あの娘達に気を取られて調理中だったって事忘れてた。
あたしの得意のオムレツは無残な姿に変わっている。

「アハハ。じゃあ食パンでも焼いて食べよっか」
「そうだね」


72 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年09月27日(金)03時31分14秒

―――


「「お腹すいた〜!!」」

だいぶ陽が上り始めたお昼前、2人は体内時計でもあるかのようにパッと目を覚ました。
アンタ達はハモらないと喋れないのか!?
ヨッスィーの服をちょっと引っ張り、耳元で内緒話。

「ねぇヨッスィー。材料2人分しかないんだけど…」
「じゃあオイラ材料買いに行ってくるよ」
「あ、いいよ。あたしが行くからヨッスィーはこの娘達見てて」
「…わかった」

買い物はあたしの役目だから。
あたしはお財布を持って玄関に向かう。
後ろからヨッスィーが見送りに来てくれた。


73 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年09月27日(金)03時31分47秒

「…真希、怒ってない?」
「何で?怒ってないよ」
「いや…2人っきりじゃなくなったから」
「そこまで子供じゃないよ。それにあの娘達もずっといる訳じゃないでしょ」
「それならよかった」
「じゃあ行ってくるね」
「あ、待って」
「ん?」

「チュッはあとはあと
目を閉じる間もなくヨッスィーの唇が降りてきた。

「!!…不意打ちズルイよ(赤面)」
「行ってらっしゃい。気をつけてな」
「行ってきますはあとはあと
エヘヘ。朝っぱらから得しちゃった!

「…チューしおったで。人が腹すかしてるのに」
「まるで新婚家庭れすね。でもお腹減った…」


74 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年09月27日(金)03時32分23秒

―――

真希が買い物に行っている間、オイラは2人と色々話をした。

「あいぼんとののは何歳なんだい?」
「「10歳!!」」

お〜元気がいいな。でも、やっぱり小学生かぁ。
今って夏休みなんだっけ?
こんな小さい娘が2人で旅行とかするのかな。
まさか…家出!?
そうだとしたらマズイなぁ。
オイラそんなに収入多くないし、真希を食わせて行くだけで一杯一杯だし。

不安そうなオイラの心を察したのか2人が自分たちの事を語り始めた。

「家出とちゃうから安心してな。でも、親はおらんけど」
「肉親はいないのれす」
「えっ…」
オイラと一緒…?

「うちら地元の施設におってんけど…そこの施設が潰れてしもてな。行く当てが無くなって」
「でも…あいぼんと離れ離れになるのは絶対イヤだったのれす」
「だから何とかして2人で入れる所探してんけど見つからんかって…そしたら“ある人”が
うちら引き取ってくれるって申し出てくれたらしくて」
「それでこの町に来たのれす」

それってオイラを育ててくれたあの人…?


75 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年09月27日(金)03時32分59秒

「もしかして…」
「うん!だからヨッスィーとは兄妹みたいなもんや」
「みたいなのれす」

兄妹か…悪くないなぁ。
それに、あの人なら安心だ。

「2人とも両親がいなくて…寂しかった?」
「ううん。ののがおるもん」
「あいぼんがいるので寂しくないのれす!」
「…そっか。イイコだな、2人とも」
「うちらそんな子供ちゃうで」
「違うのれす」

子供扱いされた事に少し怒ったのか2人は頬を膨らませた。

「ハハハ。じゃあイイ女だ」
「「うん!」」

今度は満面の笑み。
可愛いなぁ。
オイラ、兄バカになっちゃいそうだよ。


76 名前:マルボロライト 投稿日:2002年09月27日(金)03時37分48秒
(;´ Д `)<ごとぉいなくなった…
(;0^〜^)<か、買い物行っただけだよ!
( T.∀T)<さよならごっつぁん…
(;0^〜^).。oO(だから違うって)

長い間、放置しててすいませんでした。
ごまの卒業やら色々あって書く気が起きなくて…
でも大分立ち直ったかな?(ぜーんぜん実感沸かないけど)
自分なりのペースで更新していけたらいいなと思ってます。
これからもよろしくお願いします。

>>67 名無し読者さん
ほんとお待たせしました。

>>68-69 名無しさん
ありがとうございます!
がんがって書きますよ〜

>>70 吉澤ひと休みさん
どこかのスレで見かけた事あるようなHNですね(w
吉澤はパパじゃなくて兄ちゃんになったようで…
お兄ちゃんが活躍する日は来る!…かな?
ってゆうか活躍させなきゃですね。がんがります。
77 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月28日(土)21時26分57秒
待ってました!
予告通りの復活カコイイ!
78 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年11月17日(日)19時16分13秒
−10−


「そうだ!今日は天気がいいから真希が帰ってきたら、お弁当作ってもらって釣りに行こっか?」
「「釣り?行く―――!!」」
「よし」

「ただいま〜」
袋を下げて帰ってくるとニコニコ顔のヨッスィーが出迎えてくれた。

「お!グッドタイミング♪おかえり真希」
「どうしたの?何か嬉しそう」
「真希、お弁当作って。みんなで釣りに行こう」
「釣りか〜いいよ。あたしもやってみたかったし」
「オイラ道具準備するね」
「じゃあ急いでお弁当作る」
「「手伝う〜」」
「OK!おにぎりお願いね」

あたしがお弁当のおかずを作っている横でちっちゃい2人がちっちゃい手でおにぎりを作る。
ってゆうか2人、馴染んでるけどいいのかなぁ。
確か…あいぼんとののだっけ?

79 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年11月17日(日)19時16分53秒

「真希ちゃん料理上手やなぁ」
「いい奥さんなのれす」

…悪い娘達じゃないみたいだけど。
こっちの関西弁の娘があいぼんだね。
黒目がちな目が印象的。
舌ったらずで喋るのがのの、か。
八重歯と少しタレた目が特徴ある。

「真希ちゃん、海苔はどうすんの?」
「袋のまま持って行く。食べる前に巻いた方がパリパリしてていいでしょ?」
「真希ちゃん頭良いのれす!」
「ハハ。ヨッスィーの受け売りなんだけどね」

お弁当箱におかずを詰めて、おにぎりをアルミホイルに包んで出来上がり。

「準備出来た?こっちはOKだよ」
ヒョイとヨッスィーがキッチンを覗いてくる。

「こっちも。じゃあ行こっか」
「「イエーイ!」」
まるで遠足みたいだねぇ。

80 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年11月17日(日)19時17分43秒

ヨッスィーの先導で海まで歩く。
こうやって4人で歩いていると…何か本当の家族みたいに思えてきた。
あいぼんとののには今日会ったばかりなのにね。
少し不思議な気分。
でも…こうゆうのも悪くない。

「ねぇヨッスィー。何が釣れるの?」
「そうだな…港だから大した魚は釣れないけどアジとかイワシかな。他にも小魚は釣れるよ」
「へぇ〜食べれる魚釣れるじゃん」
「まぁね。ちっちゃいけど」
「うちが大きいの釣ったるで!」
「ののもがんばるのれす!」
「オイラも負けないぞ〜!」
アハハ♪どっちが子供なんだかって感じ。

5分ほど歩くと潮の香りと共に波音が聞こえてきた。
目の前に青い海が広がる。
あたしとヨッスィーが出逢った海。

そこからもう少し歩いて港へと着いた。

「この辺でいいかな」
「海や!海や!!」
「ここにお魚さんがいるのれすね」
「あんまり覗き込むと落ちちゃうよぉ」

「シート引いたぞ〜。荷物ここに置いて」
「「「はーい」」」

81 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年11月17日(日)19時18分21秒
―――

「はよ釣ろ!」
「楽しみれすね」
2人はまるで初めてオモチャを与えられた子供みたく、はしゃいだ。

「初めてだけど釣れるのかなぁ」
「1番簡単な釣り方を選んだから大丈夫」
ヨッスィーは竿に仕掛を付けながらのんびりと言った。
糸の先には筒状の籠。
その上に5つくらい小さな針が付いていた。

「ほんと?」
「うん。それに下を覗いてごらんよ。いっぱい魚いるだろ?」
そう言われて少し海面を覗いてみる。
海が綺麗なせいもあるだろうけど、たくさんの魚が泳いでいるのが見えた。

「うわ!すっごい!!」
「これだけいたらエサ付けなくても釣れるよ(笑)」

ほんと…網ですくえそうな感じ。

82 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年11月17日(日)19時19分58秒

「はい。あいぼん、のの」
準備が出来た竿を2人に渡すヨッスィー。

「2人には少し竿が大きいかもしれない。ここに線を引いたからここより先に出ちゃダメだよ。
で、竿がピクピクってなって少し重くなったら慌てないでオイラに声かけて」
「わかったぁ」
「わかったのれす」
確かに…竿は2人の体の2倍くらいある。
海に落っこちたら大変だもんね。

早速2人は小さい体で釣りを始めた。
ちゃんとヨッスィーの言いつけを守って線より後ろに立って。

83 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2002年11月17日(日)19時20分35秒

「真希のはコレね」
「ありがと」
「一応、真希も線より前に出ちゃダメだよ」
「何だよぉ、一応って」
「だってオイラより力強いし(笑)」
「もぉ」
「ウソウソ。ちゃんとオイラが後ろについてるから」
「…エヘヘ(照れ)」

「ヨ、ヨッスィー!何か引いてるでぇ!」
ちょっとイチャついてる間にあいぼんの竿に変化があったみたい。

「魚かかったんだよ。ゆっくり竿上げてみな」
「…うわー釣れとる」
「あいぼん、第1号だねぇ」
「すごいれす!あいぼん」

あいぼんの竿にはアジが1匹掛かっていた。
それから後はもう面白いようにイワシやサバなど入れ食い状態。
ヨッスィーはみんなが釣った魚を針から外すのに、あっちへ行ったりこっちへ行ったり大変(笑)


84 名前:マルボロライト 投稿日:2002年11月17日(日)19時21分36秒

(ll|l´ Д `)<ほとんど2ヶ月ぶりの更新だよ・・・
(;0^〜^)<大スランプに陥ってたんだって
( `.∀´)y-~~<素直にあたしを出してればスランプになんてならなかったわよ!
(ll|l´ Д `)<・・・・・・
(;0^〜^).。oO(いや・・・どうだろう)

本当久しぶりですいません
中途半端ですがここで切ります
続きは2・3日中に更新いたします

>>77 名無し読者さん
いえ、復活して放置しててカコワルイです。。。
待たせてばかりで申し訳!
85 名前:マルボロライト 投稿日:2002年12月15日(日)17時59分35秒
すぐ更新すると言ったんですが更新分を不注意で消してしまって…
今書き直してるのでもう少し時間かかります
ほんと申し訳(汗
86 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月07日(火)22時47分35秒
マターリ待ってます
87 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2003年01月13日(月)20時08分29秒
−11−


『グゥ〜』

少し当たりが止まり始めた頃、誰かのお腹が鳴った。
横を見るとお腹の辺りを擦っているのの。
あたしも腹ペコだよぉ。

「…のの、お腹すいたのれす」
「うちも」
「あたしも」
「じゃあお昼にするか。みんな先に手洗っておいで。道具戻しておくから」
「「「はーい」」」

近くの売店にあるお手洗いで3人仲良く手を洗う。
そう言えば…ヨッスィーってこうゆう場所の時、どっちに入るんだろう?
中身は男。でも体は女。
……深く考えるのはよそう(汗)

88 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2003年01月13日(月)20時09分19秒
―――

「「「いっただっきま〜す」」」
「はい、どうぞ」
あたしは先にお茶をみんなに入れる。
少し横目でチビっ子の反応を窺う。
子供って正直だからなぁ。
不味いとか言われたらヘコむかも。

「ごっちん、めっちゃ美味しいでぇ」
「美味しいのれす」
「ほんと?ありがと〜エヘヘ♪」

心配いらなかったみたいで安心した。

それにしても本当によく食べるなぁこの2人。
あたしと良い勝負だよ。

「「モグモグムシャムシャ。モグモグ…」」

…訂正。
アンタら食べすぎ!
そりゃ余ってもいいようにたくさん作ってきたけど…
余らない予感(汗)

89 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2003年01月13日(月)20時09分58秒
……。

「はぁ〜お腹いっぱいや」
「ののはまだ食べれますよ」
「…もうやめとけ」
「すっからかん…あの量がいったいどこへ消えたんだろう」

この2人の将来の体型が心配だ。

「よし!腹も膨れたし、後半戦と行くか」
「…うち、まだ動かれへん」
「ののも、もう少し休憩します」
「後藤はやるよ〜」
「じゃあ真希、2人で釣ろうか」
「うん♪」
「「がんばって〜」」

チビっ子2人は気持ち良さそうに寝転がって日向ぼっこ。
ってゆうか食べてすぐ寝ると牛に(略)

そんな2人をよそにあたし達は再び釣りを始めた。

90 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2003年01月13日(月)20時10分38秒

「「……」」
30分が経過。
まだ1度も当たりが来ない。

「…潮の流れが変わったのかもしれない」
「変わると釣れなくなるの?」
「う〜ん…難しいかも」
「そっか…でも、もうちょっとお魚釣りたいなぁ」

……。
釣れない状況を見てチビ2人は釣りをせず、2人で遊んでいる。
まぁ、子供は飽きやすいからねぇ。
でももうすぐ陽も暮れる頃だよね。
そろそろ止め時なのかも。


ピクピク。

ん?

ピクピク!……グググッ!!

91 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2003年01月13日(月)20時11分25秒

「うわっ!ヨ、ヨッスィー!何かすごい引いてるんだけど!!」
「えっ?」
「むっちゃ重い!さっきまでのと違うよぉ」
「後ろから一緒に引き上げるから落ち着いて、真希」

あたしより大きいその体で後ろからつつみ込むように支えてくれる。
ちょっと胸キュン♪
ってそんな事言ってる場合じゃない!
マジで重い!!
あたし1人だったら海に引きずり込まれてるよぉ。

「大丈夫、オイラがついてるから」
「う、うん(赤面)」
や…耳元で囁かれるとドキドキする。

―――格闘する事5分。
ようやくエサに食らい付いた主の正体が分った。

「わぁ!鯛だ!!」
濃いピンク色をした大きな鯛が陸に上がった。
今日1番の大物だぁ♪

「何でこんな所に鯛がいるんだろう…養殖場から逃げたヤツかな?つーかこの仕掛けでよく釣れたなぁ」
「すごいやん!真希ちゃん」
「めちゃくちゃでっかいのれす!」
「エヘヘ♪」
いつの間にかチビっ子2人が駆け寄ってきてた。
しばらく4人で釣れた鯛の話で盛り上がった。

92 名前:潮の香りにつつまれて 投稿日:2003年01月13日(月)20時12分10秒
―――

「さて、もう陽が暮れてきたし…そろそろ家に戻るか」
「そうだね。今夜はお魚料理だよ」

クーラーBOXには今日釣れた魚が大漁。
つくづく料理が出来て良かったなぁと思う。
でも、横を見ると少し表情が暗い2人。

「うち…魚あんまり好きとちゃう」
「…ののも」
「大丈夫!イワシを使って美味しいハンバーグを作ってあげるよ」
「「ほんと!?やったぁ!」」

あいぼんとののは無邪気に喜ぶ。
アハハ。
単純な娘で良かった。
きっとすごく美味しいはずだよ。
だってみんなで一生懸命釣ったんだもん。

「真希の手料理は何だって美味いよ(ボソッ)」
「もぉ(赤面)…ヨッスィーったらぁ」

しかもご主人様のお墨付き♪

93 名前:マルボロライト 投稿日:2003年01月13日(月)20時12分45秒
( *´ Д `)<料理のとっておきの調味料は「愛」だよぉ(カァー
(;0^〜^)<えっ?亜依!?それはちょっと…
( ` Д ´)<愛だよ!愛!!
(;0^〜^)<そうですよね…ボケてました
川 ’ー’川<うちの事やろか?
( `.∀´)<アンタ話に出てきてないから!
(;0^〜^).。oO(オマエモナー)

またまた久しぶりになっちゃいました
誰かスラスラ書ける指を下さい(懇願

>>86 名無し読者さん
マターリありがとです
もうちょっとね、スピード上げれればいいんですが…

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