イタズラな放課後

1 名前:式神 投稿日:2002年01月04日(金)16時23分01秒
学園モノを書きたいと思います。
『いしよし』で教師&生徒です。
実際の年齢など一切無視してます。

隅の下の方で、ひっそりと更新していきたいので
sageでお願いします(ワガママですみませんm(__)m)
2 名前:『プロローグ』 投稿日:2002年01月04日(金)16時33分58秒
「・・・は・・・はい??」

私は、夕暮れの教室で、少し後ずさりながら目を丸くした。

「だから。あなたが好きだと言ってるんです」

「・・・・・・へっ?」

私はもう一度、今度は眉をひそめて首を捻る。

「わからない人ですね」

目の前の彼女は、くすくす笑いながら、逃げ腰な私の腰を捕らえると
ぐいっと自分に引き寄せて・・・。

「あなたのすべてが欲しいんです」

にこっ。
全校生徒が羨んでならない魅惑の微笑みを浮かべる彼女・・・吉澤ひとみ。
私、石川梨華が副担任を任されている、朝花高校、二年C組の生徒。
そう・・・そして、お決まりみたいに生徒会長でもあったりする。
3 名前:『プロローグ』 投稿日:2002年01月04日(金)16時41分57秒
「冗談でしょ・・・・」

私は「ははは・・・」と乾いた笑いを浮かべて、彼女の肩を軽く押し退けるようにする
でも。

「私は、冗談は苦手です」

「・・・んっ!!」

私の抵抗なんて全くきかなくて・・・。
彼女はその涼しげな顔からは想像もつかないような、激しいキスを私に・・・。

「やっ・・・んん!」

それでも往生際の悪い私は、逃れるように顔を背けようとする。
だっ、だって、冗談じゃないわよ!!
私は先生で、吉澤さんは生徒なんだから・・・。

「逃がしませんよ、今日はね」

一度唇を離したあと、彼女はまた深く口づけしてくる。

「ふっ・・・ん・・・」

息継ぎもままならないような、激しくて熱い・・・・キス。
4 名前:『プロローグ』 投稿日:2002年01月04日(金)16時52分07秒
執拗に何度も唇を求められて、ようやくそれを離されたとき・・・私は情けない
けど、ずるずると教室の床に座り込んでしまっていた。
だ、だって、仕方ないじゃない!
私は・・・こんなキス・・・・初めてだったから。

「そんなに・・・気持ちよかったんですか?」
「 !! 」

頭上からそう問われて、私は顔を真っ赤にしながら俯く。
顔なんて上げられないよ・・・。

「覚えておいて下さい。これであなたは私のモノですから」

「えっ?」

だけど、彼女が突拍子もないことを口にするから、私は慌てて顔を上げた。
そこには・・・・窓から差し込む夕日に照らされた、優しい笑顔の彼女。

「もう誰にも触れさせない」

「な、何言ってるの?誰があなたのモノになんかに!」

彼女・吉澤ひとみは、顔も頭もいい。
しかも、全校生徒に慕われてるっていう人気者の生徒会長様。
だから、ちょっと自意識過剰なんじゃないかしら・・・。
5 名前:『プロローグ』 投稿日:2002年01月04日(金)17時01分54秒
「私、もう帰るから」

変なことばかり言う彼女に、私は苛立たしげにそう吐き捨てると、
立ち上がって教室の外へ向かおうとした。
んっ? しかし、

「きゃっ!」

ぐいっと後ろから腕を引っ張られて、私はトンッと彼女の胸の中へ。
な、な、なんて格好なの!!
私は、彼女の肩のあたりに頭をもたれかけさせる感じで後ろから
抱きしめられていた。

「ちょっと離して!」

これ以上、私をどうする気なの?

「先生・・・・」
「んっ・・・・」

や、やめてくれないかしら・・・耳元で囁くなんてこと・・・。

「私は欲しいモノは必ず手に入れる。それがなんであれね♪」

にこっと微笑む彼女の顔は天使のようだけど私には、はっきりと
悪魔に見えた。
6 名前:『プロローグ』 投稿日:2002年01月04日(金)17時10分42秒
「私は先生のことが好きです。だから必ずあなたも手に入れてみせます」

「だから・・・私はモノじゃないの!いいかげんにして!」

耳元で囁かれっぱなしでゾクゾクしながらも、私はなけなしの抵抗を試みる。
すると、今度は案外簡単に腕を離してくれた。
こうも簡単だと、それはそれで不気味・・・。

「ああ・・・もうこんな時間なんだ。私はもう行かないと」

彼女は自分の腕時計を見ながらそう呟くと、もう一度私の顔をジッと見つめてきた

「な、なによ・・・」

年下でしかも生徒ごときに怖がってるなんて情けないけど・・・。
怖いものは仕方ないのよ〜〜!

「それではまた、石川先生」

「んっ・・・」

ふるふると怯えてる私の顎を軽く捕らえると、彼女は啄ばむようなキスを
私の唇に!!
7 名前:『プロローグ』 投稿日:2002年01月04日(金)17時17分42秒
「それでは」

そして・・・彼女はそのまま私を残して教室の外へ。

「な・・・なんなのよ・・・一体!」

あとに残された私は、真っ赤な顔をして唇を拭う。

〜   教師になって・・・まだ数ヶ月・・・   〜

このクラスの副担任になったときから、吉澤さんは私を口説きまくってて。
そして、さっき、とうとうキスされちゃったわけなんだけど。

「あ〜もう、しっかりしなきゃ!」

ぼーっとしているから生徒になめられちゃうのよね。
しっかりしなくちゃ、ポジティブに!!
私はパシッと自分の両頬を両手で叩くと、慌てて教室をあとにした。
8 名前:式神 投稿日:2002年01月04日(金)17時22分18秒
>2-7 『プロローグ』更新しました。
   
 今回は石川先生の視点で書いてます。
 読みづらいかもしれません。
 こんな駄小説ですが宜しくお願いしますm(__)m
9 名前:ポー 投稿日:2002年01月04日(金)18時23分00秒
イイ♪駄文だなんて! なんだかそそられますた(´o`)変態ですいません...
10 名前:ポー 投稿日:2002年01月04日(金)18時32分29秒
すいません、すいません!字間違えました(_ _) 駄文だなんて! → 駄小説だなんて! なんですけど..ぜんぜんそんなことじゃないです!むしろ最高にイイです!ほんとにすいませんでしたm(_ _)mつづき楽しみにしてます!
11 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月04日(金)18時35分13秒
待ってました!これで欲求不満が解消されそうです(w。
12 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)18時56分21秒
早くも名作の予感。
式神たん、サイコー。
13 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)20時06分27秒
スペシャル企画からの独立!の石川先生と
生徒会長吉澤さん! …嬉しすぎます!!
式神さん 今回も 期待しています!!
14 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年01月04日(金)20時34分07秒
来た。 来たぞ。 来たぞぉぉ〜〜!!
いかん、妄想が先走りしそうになった。
15 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月04日(金)21時19分18秒
待ってましたよ〜!!
ついに式神さんの新作が始まるのですね・・・

激しくキターイしとります
16 名前:夜叉 投稿日:2002年01月04日(金)23時07分32秒
新作おめでとうございます、お待ちしておりました。
がっつり掴んでいきましょう、石の心(爆)。
17 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月05日(土)09時41分01秒
いしよしワショーイ!!
式神さんワショーイ!!
生徒×先生ワショーイ!!
「無敵〜」の中でのこの設定の話はすごく
好きだったから嬉しい限りです

続き期待してます
18 名前:名無し男 投稿日:2002年01月05日(土)17時10分09秒
操縦士A「新作ハケーン!!只今より着陸しる!!」
ガイーン
操縦士B「アホー!!お前機首下げ過ぎじゃボケ!!」
A「まあ、そんな固いこと言わんと♪」
B「ってお前これ地面に垂直やぞ!!」
A「てりーヲ信ジテ〜♪」
B「テリーって誰じゃ!?お前和久やろが!!ホゲー!!!!落ちルー!!」
シュゴーーーー!!!

カルロスゴーーーン!!!

A「着陸成功!!」
B「あ・・・やっぱ垂直や・・・
 て言うか地面に刺さってるって絶対おかしいって」
A「生きているって素晴らしい〜♪刺さってるからドアが塞がって〜♪
 お前なんて事しとんじゃ〜♪」
B「歌っとる場合か!!第一お前がしたんやろが!!
  って言うか誰かこっから出して〜♪(つられて歌い出す)」

こうして我々はこのスレに無事に辿り着いた訳です

長文スマソ
19 名前:式神 投稿日:2002年01月06日(日)00時00分34秒
>>9  ポーさん  いえいえ、本当に駄文です。
>>11 CharmyBlueさん  すっきりして下さい(w
>>12 有難うございます!
>>13 あの企画とは直接的には別物なのです。
>>14 妄想がやばくなる前に更新しましょう(w
>>15 有難うございます!
>>16 夜叉さん  がっつり掴みますよ、石の心(爆
>>17 有難うございます!
>>18 名無し男さん  癒されるなぁ(w

たくさんのレス、本当に有難うございます!
自分もいつか書いてみたいと思っていたモノなので、かなり気合入ってます(w
しかし、石川さんの一人称はムズカシイですね。
読者の皆様の期待に応えられるように頑張ってみます!
20 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)00時13分01秒
私が教師になろうと思ったのには、理由がある。
お父さんが教師だったからという、ありきたりな理由なんだけど・・・。

でも、お父さんはもうこの世の人ではないんだけどね。
私が高校の頃に癌で死んじゃったんだ。
お父さんとは・・・中学に上がった頃からあんまり話とかしてなかったんだけど、
嫌いだった訳じゃない。むしろ、尊敬してた。  
だってね。
『学校にきたくないやつはくるな。きたくなってからくればいい。
 無理に勉強したって、身につかないんだからな』
これがお父さんの口ぐせだったの。PTAが聞いたら大目玉ものでしょう?
・・・たしかに、PTAには嫌われていたけど、生徒には好かれていたみたい。
だって、お父さんが受け持ったクラスには、不登校児なんていなかったって、
お母さんがいつも自慢していたもの。
私は、そんなお父さんのような教師になりたいって思っていて・・・
現在にいたるってわけ。
21 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)00時23分22秒
私は、くたくたになった身体で今住んでいるマンションの部屋に帰り着くと、
スーツを脱ぎながら電話機の点滅ランプに気がついた。
留守録があるみたい。そのまま、点滅ランプを押す。

『・・・梨華ちゃん?母さんだけど。明日の日曜日、約束通り、時間を空けて
 くれてるでしょうね。今さら行けないなんて許さないからね!』

電話の向こうの声は、離れて暮らしているお母さんだった。
離れてって言っても、一駅か二駅。全然遠くないんだけどね。

『梨華ちゃんも・・・きっと好きになれるわ・・・あの人なら』

あらら、・・・年甲斐もなく照れちゃってる、お母さんったら。

「はぁ〜 」

私は、溜め息を吐きながら、ドサッとソファに座り込む。
目の前のテーブルに、コンビニで買ってきたお弁当を置きながら。
22 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)00時37分09秒
『じゃあ、明日、迎えに行くからね!』

お母さんがそう言ったあと、ピーッという音がして、メッセージ終了を告げる
無機質な声が部屋中に響く。
私だって、いろいろ都合があるのになぁ。
でも、今回はそう言ってられそうにないみたい。
なんと私のお母さん、齢45にして再婚を決意したらしいの。
お父さんが死んで・・・もう軽く5年は過ぎているから、別に反対はしてない。

「会ってみますか・・・」

私は忙しくて、あんまりお母さんからその再婚相手の話を聞いたことがなかった。
『優しい』『素敵』『高校生の娘が一人』ぐらいしか。

「高校生ねぇ・・・」

まさか、朝花高校の生徒だったりして・・・。でもそれはちょっと嫌かも。
あぁ〜 でも、可愛いタイプの妹ならいいなぁ。
私には姉妹がいないから、”お姉さん”って慕われるのって夢だったんだ。
そう考えると日曜日が、とっても楽しみになってきちゃった。

「仕方ない、お母さんの為だもんね」

なんて、人のせいにしつつ、私はコンビニで温めてもらったお弁当の蓋を
開けたのだった。
23 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)00時47分11秒
翌日。

私は、某有名高級ホテルのロビーで、化粧室からなかなか戻って来ない
お母さんを待っていた。

「梨華ちゃん、どう? おかしくない?」

やっと出てきたお母さんは、バッチリすぎるほどの化粧で完全に化けていた。

「お母さん、それ以上塗ったら、ひび入っちゃうよ」
「 うるさ〜い!! 」

あ〜、本当に恋する乙女状態になっちゃってるみたい。
呆れた溜め息を吐きつつ、私は大きなあくびを一つ。

「ちょっと梨華ちゃん、吉澤さんの前でそんなあくび、しないでよね」

「だって、朝早くに起こされちゃったから〜 」

朝早く、起こしに来た本人から言われてもねぇ・・・。
本当にお母さんって、せっかちなんだから。
その吉澤さんって人も・・・奇特な人だよね?
こんなお母さんと再婚しようって思うのだから・・・。
24 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)00時58分37秒
・・・・・・あれ? ちょっとまって・・・・。
なんだか・・・今まで気にもかけなかったんだけど・・・・吉澤?
ものすっっっっっごく、嫌な予感・・・。

「やぁ、待たせてしまったようだね、失礼した」

ふと、ロビーの柱の前に立っていた私たちに、紳士的な優しい声が。

「吉澤さん」

お母さんったら・・・なんて甘えた声を・・・。
私は吉澤さんを見るより先に、びっくりした顔でお母さんを見てしまった。
・・・・本当に好きなんだね、吉澤さんのこと・・・。

「待たせてしまって悪かったね、私は吉澤仁。仕事は、大学で教授をしている。
 君の・・・母さんと結婚させていただきたく思ってる者だ」

吉澤さんはお母さんとひとしきりの会話を済ませたあと、私に向き直って
そう言いながら右手を差し出した。

「初めまして、娘の梨華です。母がいつもお世話になって」

私は、その右手を軽く握り返しながら、にこやかな笑顔を浮かべてこう言った。
うん、感じはとっても良さそうな人みたい・・・。
25 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)01時05分11秒
「あら・・・今日は・・・」

ふと、お母さんがあたりをキョロキョロ見回しながら呟く。

「ああ、うちの娘はすぐにくるよ、千代美さんに会うのに緊張して、
 今は化粧室にね」 
「まぁ・・・あいかわらず、お口がお上手ですのね」

うわぁ〜! この二人・・・・お砂糖のように甘い感じ・・・。
私、非常に居心地悪いんですけど・・・。
は、早く、その吉澤さんの娘さん、来てくれないかな。

そう思いながら二人のやりとりを見ていた私は、次の瞬間、カチーンと
身体を固まらせることになるのだった。
26 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)01時12分57秒
「お待たせいたしました」

!!!!!!   この声は!!

「ああ、来たようだ。紹介しましょう・・・うちの娘の・・・」

吉澤さんの言葉に、私はゆっくりと背後に振り向き・・・

「吉澤ひとみです。初めまして、お義母さん・・・・お義姉さん」

「!!!」

私は振り向いて、声にならない悲鳴を上げた。
だだだだだ、だって!!
そこに立っていたのは、朝花の全校生徒を魅了してやまない・・・笑顔が。

「まぁ・・・お義母さんだなんて・・・」

お母さんが少しはにかむように、そう言った。
私は・・・ただ、何を言っていいのか分からないまま、ぽかーんと口を開けて
彼女を見つめているしかなかった。

そう、昨日・・・私の唇を奪った、我が校の生徒会長の姿を。
27 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)01時24分02秒
「驚いてくれたようだね、梨華さん。そうなんだ、うちの娘は君が勤めている
 学校に通っている。これからもよろしく頼むよ」
「は・・・・はぁ・・・」

私は、マヌケな返事しかできなかった。
だって・・・彼女が・・・私の妹になっちゃうの??   悪夢だわ!

「ひとみにも隠していたんだが、あまり驚かないようだな・・・つまらん」

青くなって愕然としている私の後ろで、吉澤さんが本当につまらなさそうに呟いた

「いいえ、驚きましたよ、父さん。まさか石川先生が
 私のお義姉さんになるだんなんて」

彼女はそう言うと、くすくす笑いながら私の顔をジッと見つめてきた。
うぅっ! こ、怖い!

「そして・・・こんなに綺麗なお義母さんも・・・」

彼女は次に、私から視線をずらすと、お母さんに向かって例の笑顔でそう言った。

「ま・・・まぁ、ありがとう ひとみちゃん」

どうしてそこで顔を真っ赤にするの? お母さん?
・・・ダメみたい、お母さんもあの笑顔に騙されちゃってる。
28 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)01時32分35秒
「では・・・・遅くなってしまったが、食事に行きましょうか」

吉澤さんは、そんな私の気持ちを知ってか知らずか、穏やかな笑みを浮かべて、
私たちをレストランに促す。

「ええ 」
 
にっこり笑ってお母さんは、吉澤さんの腕に手を回して仲睦まじく歩いてゆく。
お母さんが幸せそうなのは、いいことなんだけど・・・。

「私たちも行きましょうか、お義姉さん」

くすっと笑いながら、彼女が複雑な顔をしている私にそう言った。

「あ・・・あのね、吉澤さ・・・」

「なんですか、お義姉さん」

あぁ〜〜ん! いやだ〜〜!

「私のこと『お義姉さん』って呼ばないで! 」

「どうしてですか? あの二人が結婚したら、私たちは姉妹になるのに」

にこやかに微笑みながら、考えただけでも怖いことを言う。
29 名前: 投稿日:2002年01月06日(日)01時42分01秒
「どうして・・・よりによって・・・」

ぶつぶつと、私は彼女から視線を逸らしながら呟く。
他の誰でもよかった。彼女以外なら・・・。
だって、彼女と姉妹になんて、本当に考えただけでも身体が震えてきちゃう。
だって、彼女は私にキス・・・・。

「・・・・・」

思わず、昨日のことを思い出して顔が熱くなる。

「何一人で赤くなってるんですか? 二人が待ちくたびれますよ」

「うるさいなぁ! 私にかまわないで! たとえ姉妹になってもよ! 」

そうよ! あの二人が結婚したって、私は一人暮らしなんだし、
彼女と、そうそう顔を合わせることもないはず。
会わないように気をつけていれば、なんとかなるはず・・・・よね?

「つれないな」
「・・・・ほっといて! 分かった?」

ビシッと言い放って、私は早足で二人のあとを追いかけた。
私の背後で、彼女が不敵に微笑んでいるのも知らないで・・・。
30 名前:式神 投稿日:2002年01月06日(日)01時44分11秒
>>20-29 更新しました。

文章が変になってないですかね?いつもながら自信が持てない・・・(T_T)
31 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)01時48分31秒
ぜんぜん!!さいこーっす!!
いつもながらに萌えさせていただいてますよ〜。
自信持って下さい!!
32 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月06日(日)09時36分14秒
まさに「そうきたか・・」と思わせる展開で(w
かなりニヤニヤして見ちゃいましたよ〜
33 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年01月06日(日)10時39分01秒
近親相○っスか!?
いかん… さらに妄想が…
34 名前:名無し男 投稿日:2002年01月06日(日)16時01分03秒
どえりゃーてんかいだぎゃー
35 名前:夜叉 投稿日:2002年01月08日(火)15時35分21秒
顔面蒼白で口をぱくぱくしてそうな石(爆)。
もしかしなくても、そうなんですね。
こっちの心を、がっつり掴まれましたわ(w。
36 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)15時46分40秒
素晴らし過ぎる設定ありがとうございます、式神さん。
今後の吉澤に期待。(w
37 名前:式神 投稿日:2002年01月14日(月)02時53分09秒
>>31 そう言っていただけると頑張れます!有難うございます!

>>32 自分もニヤニヤしながら考えてます(w

>>33 鼻血注意報発令か・・・(w

>>34 その訛りを聞くと味噌味のプリッツを食べたくなります。

>>35 夜叉さん  もうあなたを離しません(w

>>36 今回の設定〜敬語の吉澤さんが自分的には萌えてます(w


遅くなり申し訳ございませんm(__)m
仕事の方が、なかなか進まなくて更新が遅れてしまいました。
38 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)03時04分42秒
「ここの料理はどうかね、梨華さん。なかなかのものだろう?」

「ええ・・・とっても美味しいです」

テーブルを囲んで、私たちは向かい合わせに座っていた。
私の隣りにお母さん。その前に吉澤さん。そして、私の前に彼女・・・
いや、心の中では悔しいから『ひとみ』って呼び捨てで呼んでやるんだから!

「仁さんの舌は肥えてらっしゃるから・・・」

私の言葉のあと、お母さんが嬉しそうにそう言う。
・・・やっぱり、この顔をこのままにしてあげたいなぁ、娘としては。
だって幸せそうなんだもの。相手の吉澤さんもいい人っぽいし。
問題は・・・私の目の前にいる、吉澤ひとみ・・・・彼女だけ。

「あ、そうだ、梨華さん。梨華さんはひとみのクラスの副担任だそうだね。
 ひとみは学校ではどうだね?迷惑などかけていないだろうか?」
「えっ?」

そ、それを私に聞いちゃうの・・・・。
『あなたの娘は女性の私に、無理矢理キスしたんですよ』
なんてことは、言えない。絶対言えない。
ひとみが困るのは別にかまわないけど、吉澤さんが・・・そうなるとお母さんも
悲しむはずだから、迂闊なことは言えない。
39 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)03時16分32秒
「あの・・・ひとみさんは全校生徒にも慕われる立派な生徒会長ですよ」

少々の嫌味を込めて、私は褒めちぎってみる。

「そうか。それを聞いて安心したよ。なんせ・・・仕事柄、いつもひとみは
 一人だったからね。友達も家に連れて来たこともないし」
「えっ?」

私は驚いたように顔を上げる。友達とか・・・いないんだ。ちょっと意外・・・。
ちらりとひとみの顔を見るけど、彼女は黙々と料理に手をつけていた。

「学園では教師と生徒の立場もあるのであれだが、ぜひ、ひとみと仲良く
 してやってほしい。ひとみも、姉さんが出来て喜んでいるはずだから」
「それは・・・」

『ぜひお断りさせていただきます』なんて、口が裂けても言えない雰囲気で・・・。
私としては断りたいのだけど・・・ひとみと仲良くなんて。
でも・・・。

「え・・・ええ。私も妹が出来て嬉しいです。しかもこんなに優秀な」

・・・・あぁ・・・・私の口って・・・・。

「良かったな、ひとみ。頼もしいお姉さんだ」

はははは、と吉澤さんは笑いながらそう言う。

「まぁ。うちの梨華も、こんなに優秀な妹が出来て喜んでますわ」
ほほほほ、とお母さんも笑う。
40 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)03時22分32秒
そして・・・・。
カチャリと手に持っていたナイフとフォークを皿に置いて、

「舞い上がるほど、嬉しく思ってますよ、私は。
 とても可愛いお義姉さんで・・・ね」

に〜〜っこり。

ひとみは天使のような微笑を浮かべて、私たちにそう言った。
ぞわわわわわ。これは私の体に鳥肌が立った音。

「あら、梨華ちゃんも嬉しくて言葉が出ないようね」

違うわよ!お母さんに激しく突っ込みたかったけど、私はこの場の雰囲気を
壊さないようにと気を遣い・・・

「すみません・・・少し、席を外します」

にっこりと大人の笑顔を浮かべて、私はテーブルから離れた。
41 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)03時31分13秒
「冗談じゃないわよ」

そのままトイレに向かった私は、大理石貼りの豪華な化粧室の鏡に向かって
そう叫んだ。

「なんなの?彼女が妹だなんて。冗談じゃないわよ!」

さっきまでグッと堪えていたものが、ついつい口に出てしまう。
大人げないなんて言わないでね?私にとってはとにかく凄くショックなこと
なんだもの。
彼女がただの、私のクラスの生徒で・・・ただ成り行きで妹になるのならいいの。
だけど・・・彼女は昨日、私にこう言ったのよ!

『私は欲しいモノは必ず手に入れます』って!!

「まさか・・・この再婚も実は彼女が企てていたりなんかして・・・」

吉澤さんとお母さんをどこかで偶然会わせて、その気にさせて・・・。

「ありえそうで怖いよ・・・」

サーッと血の気がなくなった私は、さらに血の気が引くことになる。
42 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)03時40分10秒
「さすがの私でも、そこまでしてあなたを手に入れようなどとは思いませんよ」

「きゃっ!」

突然、背後からそう声を掛けられて、私は飛び上がらんばかりの勢いで顔を上げた
上げた正面にある鏡に映っていたのは、ひとみで・・・・。

「失礼ですね、人を化け物か何かのように」

「似たようなものじゃない!」

生徒が教師を襲おうとしている時点で、すでに理解不能な化け物に見えると思う

「気分が悪そうだったので、心配して来てみたのに・・・」

ひとみは、わざとらしく首をすくめながら鏡の中の私にそう言う。
気分が悪くなったのは誰のせいだと思ってるのかしら。

「心配してくれてありがとう。私は大丈夫だから、戻っていいよ」

私は一度深呼吸すると、努めて冷静にそう言った。
そう・・・『お姉さん』のようにね。
43 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)03時48分56秒
「ああ、でも困ったな。父さんとお義母さんに、あなたを連れて戻ると
 約束しましたからね。一人で戻ると叱られるかも」

はい?もう子供じゃないんだから『叱られる』ことなんてないと思うけど・・・。

「いいから戻って、私もすぐに戻るから」

これ以上、一緒にいたくないっていうのが分からないの?
私は、鏡の中のひとみを軽く睨みつける。
だけど・・・ひとみはふわりと微笑み、

「何をそんなに怯えているんですか?そんなに私が・・・怖い?」
「なっ!?」

何を言ってるの?ど、どうして私がひとみのことを!

「バ、バカにしないでよ!」

私はそのままくるりと振り向いて、今度は直に睨みつけた。

「それならそんなにビクビクしなくてもいいじゃないですか。
 ねぇ・・・先生・・・いや、お義姉さん」

腕組みしたまま壁にもたれているひとみが、また微笑む。
44 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)04時02分00秒
「私を『お義姉さん』なんて呼ばないで!」

本当にイヤなの、気持ち悪いのよ!

「でも、呼ばないとあなたのお母さんが悲しむでしょう?」
「えっ・・・そ・・・そうなんだけど」

たしかにそうかもしれない・・・。
『いつまでたっても打ち解けてくれないのかしら・・・』とか言いながら
私に相談してきそうだ、お母さんなら。

「ひ・・・吉澤さんはこの結婚には賛成なの?」

私はお母さんのことを考えたら賛成なんだけど・・・一応ひとみの気持ちも
確認したくなって質問してみた。

「相手があなたのお母さんだとは思いもよりませんでしたが・・・
 私は両手を上げて大賛成ですよ」
「なんで・・・?」

どうして、そんなに大賛成なの?

「これであなたに近づけたわけですから・・・嬉しいに決まってます」

えっ!そういう理由なの。

「あなたはどうなんですか?もしかして・・・・大反対?」

くすくすと笑いながらひとみは、私の目を見つめてそう尋ねてくる。
吸い込まれそうな大きな瞳に見つめられてドキドキしながら私は考える。
結婚自体には賛成なの。何度も言うけど、お母さんには幸せになって欲しいもの。
だけど・・・だけど・・・ひとみと・・・姉妹になるというのが・・・。
45 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)04時12分14秒
「残念ですね・・・反対ですか。父も・・・あなたのお母さんもきっと
 悲しむでしょうね、このとこを告げたら」
「あ・・・っ、それは・・・」

突然、ひとみは少し視線を伏せ、アンニュイな雰囲気をかもしだしつつそう呟いた

「ま、待って!だから、反対はしてないんだけどね・・・その・・・」
「それはよかった」
「えっ?」

途端・・・さっきまで悲しげな表情を浮かべていたくせに、ひとみはまたふわりと
微笑むと私に近付いてきた。

「な・・・なによ?」

思わず後ずさろうとしたけど、後ろは洗面台でこれ以上は下がれなくて。
これって・・・かなりピンチ・・・なんじゃ・・・。

「それでは・・・これから今まで以上に仲良くしましょう・・・ねぇ、お義姉さん」
「んっ!」

ひとみはぐいっと私の腰を引き寄せるようにすると私の耳元でそう囁いた。
だから・・・耳元で囁くなんて・・・やめて・・・欲しいよ。
46 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)04時29分44秒
「は・・・離して」

「なぜ?姉妹なのにいいじゃないですか・・・これもスキンシップですよ」
「どこがよっ!」

私は慌てたようにぐいっと力を込めて、ひとみの肩を押し返した。
だけどひとみにしてみればこんなおいしい状況・・・おいそれと見逃すはずないよね。

「ちょ・・・や・・・本当に・・・・やめてっ」

ひとみはそのまま私を抱きしめると、頬擦りするように顔を近付けて、
また耳元でこう言った。

「棚からボタモチ?・・・私ってかなりついてるみたいです」

囁かれながらふいに耳朶を口に含まれて、私はビクンと大きくひくつきながら
抵抗する。

「や、やめてったら!何するの・・・?」
「この上なく素晴らしい姉妹愛を作ろうじゃないですか・・・お義姉さん」
「んんっ!」

私はそのまま抱え込まれるようにして上を向かされると、
深く唇を塞がれてしまった。

「ふっ・・・ん」

何度も何度もしつこく求められて・・・私の腰は電気が走ったみたいによろめいて。

「はぁ・・・・」

ようやく唇を離されたとき、私は悔しいけどひとみにしがみつくように
抱きついていた。
47 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)04時37分05秒
「信じられない!姉妹はこんなことしないもん!」

悔しくて、涙目でひとみの顔を睨み上げる。

「ワインの味がしますね、今日のあなたの唇は・・・
 あまり飲みすぎないように、アルコールに弱そうだし」
 
「余計なお世話です!!」

人の話を聞いてないの?誰が私の唇の味を説明してって頼んだのよ!
恥ずかしくて、私は顔を真っ赤にしながらまだ睨み続ける。

「そんな顔されると、かなりそそられますね。
 あぁ、でもここでは・・・あなたがかわいそう・・・」

「ちょっと待って、何の話をしてるの?」

どんどん一人で話を進めてない?私の言葉もちゃんと聞いて欲しい。

「さて・・・それではそろそろ向こうに戻りますか?」

・・・やっぱり、ひとみとは根本的なところで会話が噛み合ってないような気がする。
48 名前: 投稿日:2002年01月14日(月)04時46分25秒
「私はもう少し酔いを冷ましていくから」

嫌味をたっぷり含ませて、私はひとみにそう言ってやる。
まだ酔ってはいないと思うけど。意識もあるし、顔もそんなに赤くないし・・・。
でも、たしかにお酒には弱いけど、グラス一杯のワインぐらいなら大丈夫。

「最初に言ったでしょう。一緒に連れて戻らないと、叱られるって」

「叱られちゃえ!」

お姉さんにこんなイケナイことする妹なんて誰がかばってやるもんですか!

「つれないですね。そんなこと言ってると・・・もっと凄いことしちゃいますよ?」

くすくすと・・・またひとみは意味ありげな微笑みを浮かべて、私にそう言った。
こ・・・怖いのよ・・・その笑顔!

「わ、わかったわ、行くわよ。一緒に行けばいいんでしょ!」

本当に悔しい〜〜!
いつか絶対に『ぎゃふん』って言わせてみせるんだから!!
私は唇を噛み締めながら、ひとみと一緒にトイレをあとにするのだった。

49 名前:式神 投稿日:2002年01月14日(月)04時50分04秒
>>38-48  更新しました。

またこれから更新が遅れたりするかもしれません。
本当に申し訳ないですがお待ちいただけますか?すみませんm(__)m
50 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月14日(月)07時40分47秒
待ちます待ちます
51 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月14日(月)09時05分20秒
こんな素晴らしい作品が読めるならいつまでも待ちますとも!!
マターリ頑張って下さいねぇ〜
52 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月14日(月)09時44分53秒
『ぎゃふん』って実際言う人っているのかなーっていつも思う(w。
石川先生は、カワイイのに、ここの吉澤ちょっと怖い(苦笑)。でも好き。
53 名前:名無し男 投稿日:2002年01月14日(月)15時55分08秒
あえて敬語使う事で怖さ倍増!!
((゜Д゜)) ガクガクブルブル

4000年デモ待ツアルヨ
54 名前:夜叉 投稿日:2002年01月14日(月)16時22分00秒
ぎゃふんと言わせて下さい(爆)。
更新、またーりとお待ちしてますよ
55 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年01月14日(月)17時50分30秒
読者も「ぎゃふん」といってしまうような展開を楽しみにしてます。
56 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月16日(水)01時20分53秒
「ぎゃふん」と言わされるのは石川に10000ぎゃふん
57 名前:名無し梨華 投稿日:2002年01月17日(木)23時28分54秒
そんな梨華たんを描く式神さんに500000ぎゃふん
58 名前:名無し男 投稿日:2002年01月18日(金)13時13分42秒
はらたいらさんに全部
59 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)07時23分56秒
やっと見つけたぜ。式神さん!!
よし怖すぎだって。今回の話。
これからのいしの振り回されっぷりに期待。
60 名前:式神 投稿日:2002年01月25日(金)01時52分11秒
更新が滞って本当に申し訳ございませんm(__)m
今週末ぐらいには仕事のほうが落ち着くので28日(月)頃、更新できそうです。
もうしばらくお待ちいただけますか? すみませんm(__)m
61 名前:夜叉 投稿日:2002年01月25日(金)13時34分10秒
仕事落ち着いてからでいいですよ。
まったりお待ちしております。
62 名前:名無し男 投稿日:2002年01月26日(土)01時04分36秒
ガンバッテー
63 名前:式神 投稿日:2002年01月28日(月)03時26分25秒
>>50 51 有難うございます。マターリですが宜しくお願いします!

>>52 CharmyBlueさん
   『ぎゃふん』・・・石川さんは普通に使ってるように思えるんですよ(w

>>53 名無し男さん
   その通りです。敬語を使うことで怖さ出してます。

>>54 夜叉さん
   言わせてみせます(w

>>55 頑張ります!

>>59 見つかってしまったか・・・
   振り回される石川さん=好きなんです(w


どうもお待たせしましたm(__)m
遅くなって本当に申し訳ございません。
64 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時28分25秒
「ねぇねぇ、聞いたよ♪」 
「なんなの? いきなり・・・」

悪夢のような・・・だけど、現実にあったあの顔合わせの日から、一週間が
過ぎようとしていた。
今日は・・・ひとみにキスされてから一週間目の土曜日ってわけ。

「あの生徒会長のお姉さんになるんでしょ」

「えっ! それをどこで?」

興味津々に声を掛けてきたのは、私と同期の新米教師、柴ちゃんこと柴田あゆみ。
着任当初から、妙に気があって仲良くしている。

「さっきね、校長室の前を通りかかったら聞こえてきて・・・」
「柴ちゃん・・・それって、盗み聞きしただけじゃ」

あははっと笑いながらそう言う柴ちゃんを、私はジロッと睨む。

「まぁまぁ、細かいことは気にしないで。なにはともあれ、おめでとうございます♪」

柴ちゃんはそう言うと、ぎゅぎゅっと私の右手を握って。握手握手
65 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時29分54秒
「待って・・・・・・どうして『おめでとう』なの?」

私が結婚した訳じゃないのにおかしいよね。

「だって、あの生徒会長さん、石川先生にベタ惚れじゃん」
「言わないで!!」

どうして?? どうして柴ちゃんがそんなことまで知ってるんだろう。

「この間、梨華ちゃんとこのクラスの前を通ったときにさぁ・・・見ちゃったんだよね」

急に顔を赤くして、もじもじしながら話す柴ちゃんの言葉を聞いた途端、
私も柴ちゃんに負けないくらい真っ赤になってしまった。
放課後・・・キスされたの見られてたなんて・・・・・・恥ずかしい。

「柴ちゃん! 絶対に誰にも言わないで、お願い!」
「うん、分かった。梨華ちゃんさぁ、そんなテレなくてもいいのに・・・」
「私・・・・・・そ、そんなテレてないもん」

私は柴ちゃんに真顔で詰め寄って、目を見つめてそう言った。
66 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時31分32秒
「でもね、バレたら梨華ちゃん、大変だと思うよ」
「ど、どうして?」
「・・・吉澤さんってモテモテじゃない? そんな彼女を恋人に持っちゃったら
 梨華ちゃんは、やっかみの対象として扱われちゃうよぉ〜大変だぁ〜!」

面白そうにニヤニヤ笑いながら、そんな気が重くなるようなこと言わないでほしい。
それに私は、ひとみの姉になるのであって恋人じゃないんだから…。

「梨華ちゃんカワイソウ〜、バレたらファンクラブの会員に…」
「なんなの、そのファンクラブって…?」
「知らないの? 吉澤さんには立派なファンクラブがあるんだよ、
 …ここだけの話だけどね…」

柴ちゃんはひどく小声でそう言うと、私の耳元に口を近付けて…

「あそこの数学の矢口先生と倫理の飯田先生、彼女らも
 ファンクラブの会員なんだよ」
「うそ……」

教師までもが? ひとみの虜になってるなんて…。
ここで私、深い深いため息…。
67 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時33分14秒
「大丈夫だよ、梨華ちゃん。私は応援するからね♪」
「応援って…そんなんじゃないのに〜!」

そんな嬉しそうな顔をして言われても…。

「ところで、梨華ちゃんはこれから『吉澤先生』に変わるの?」

ぐったりとうなだれている私に、柴ちゃんがやっともっともらしい質問をしてきた。

「このまま『石川』の姓を名乗ることに決めたの。だって…」

社会人になって苗字が変わるのは面倒くさいし、それに苗字が変わったら
すぐバレてしまうもの…ひとみと姉妹になったってことが。

「これも運命ってことだよ、梨華ちゃん。まぁ、頑張ってネ!
 私は、いつでも梨華ちゃんの味方だから…さっ」

にこやか〜な笑みを浮かべて柴ちゃんはそう言うと、授業開始予告のチャイム
と共に、職員室を出て行った。

「運命…って?もう訳分かんないよぉ〜柴ちゃん…」

次の時間は授業がない私は、そのまま唖然と柴ちゃんの背中を見送るのだった。

68 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時34分38秒
「ああ……疲れた」

週末っていうのは、別に何もしなくても疲れてるのは私だけかな。
なんかね…一週間の疲れがドッときてるような…。
土曜日だというのに、なんだかんだと雑務に追われて学校を出たのは、
夕方の五時を回ってからだった。
生徒たちは午前中で帰れるのにな…。

「明日こそ爆睡してやる〜」

先週はお母さんに朝早く起こされちゃったしね。
明日こそは…。

私はそんなことを考えながら、いつものどおり、コンビニに寄ってお弁当を
買うと、そのままマンションに向かった。
69 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時36分32秒
「……はぁ」

私は部屋の入り口で、鍵の準備をしながらお弁当に目をやり、小さく溜め息。
こんなの一人で食べてるなんて…なんか淋しいな。
私はポケットから取り出した鍵を、鍵穴に差し込んだ。



差し込んで…………、




「あ、あれ?」

鍵……開いてる??
どうして? 私、朝ちゃんと閉めたはずなのに…。
私はソッと鍵穴から鍵を引き抜くと、これまたソッと入り口のドアを開く。


70 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時37分47秒
『誰かいるの?』

中は消したはずの電気がこうこうとつけられ、入り口玄関には、見慣れない靴。
ん? この靴は見たことあるような……。あっ、私の学校の指定靴だ。

………ってことは…。

『ひとみが来てるの!?』

だってひとみしか考えられない。
ここを生徒が知っていても、今まで来た生徒っていないから…。
それも、勝手に鍵を開けて中に入るなんてひとみがしそうな事じゃない?
鍵は、きっとお母さんから預かってきたかなんかしてるに違いないんだ。
いつもみんなを騙してるあの笑顔で……。


71 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時39分40秒
私はごくりと生唾を飲み込むと、そのままゆっくりUターン。
どうしてか分かる? だって狼がいる中に入る人がどこにいますか!
そーっと、そーっとくるりと体を回転させ、またそーっとそーっと扉を開けて
出ようとした瞬間。

「おかえりなさい。待ってましたよ、石川先生」

「!!!」

突然、背後から声を掛けられて、私はビクビクッと飛び上がらんばかりに体を
跳ねさせた。そして、ついでに手に持っていたお弁当と鞄を落とす。
それぐらい驚いたの!

「何をしているんですか? またお出かけ……なんてことはないですよね?」
「は…はは……」

私は青い顔のまま、ゆっくりまた振り返る。
玄関先で何やってるんだろう、私、さっきから……。

72 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時40分47秒
「ああ、汚れてしまいますよ?」

振り向いた私に軽く微笑すると、ひとみは玄関の床に落ちた私のお弁当と
鞄を拾ってくれた。

「ひょっとして…毎晩こんなものを食べていたんですか?」
「あ……それは…」

……否定できないよ。確かにそのとおりなのだから。
私は、ひとみが拾ったお弁当を見ながら、返答をごまかす。
だって……料理、苦手なんだもん。女性として情けないよね…。

「いけませんね。こんなものばっかり食べていたら、栄養が偏ってしまいますよ」

「余計なお世話よっ!」

お母さんからいつも言われてる事をひとみにも言われるなんて……。
本当に余計なお世話よっ!!
73 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時42分21秒
「多分……こんなことだろうと思って、夕食を作ってあるんですよ」
「へ…? 夕食?」

誰が作ったって? ひょっとしてひとみが?
私はあいかわらず靴を履いたまま、玄関口で唖然とする。

「早く中に入ってくださいね。冷めると美味しくないですから」
「………うん…」

ああ…流されてる、私…。
でも、手料理なんて久しぶりだからね…ちょっとふらふらと…。

「先に着替えてきてくださいね。あっ、なんならお風呂も先にどうですか?」
「い……いいよぉ…」

そこまでかいがいしくしないでほしい。なんか恥ずかしいよ…。
まるで新婚夫婦みたいなんだもん。
私はテレ隠しにそのまま寝室に入ると、パッパッと普段着に着替える。

74 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時43分52秒
そしてキッチンに向かった私は、今朝までグチャグチャだったリビングとキッチンが
とても綺麗に片付けられていることに目を丸くする。

「ここ……私の部屋だよね?」

バカみたいだけど、ぐるぐるとあたりを見回してみたり。

「勝手だと思いましたが、軽く片付けました。部屋が汚いのは耐えられないから」

「あ……そ…」

それは失礼しました。
どうせ私は片付けも料理も出来ませんよぉ〜〜だ!
だけど…ちょっと…じゃないかも、この片付け具合。
何もかもが『ピシッ』って音が聞こえそうなぐらい、綺麗に整頓されてて。
ひとみの部屋って…これよりも整頓されているのかな?
なんか少しだけ……怖い。

75 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時46分42秒
そのままキッチンのテーブルの上に目をやった私は、

「わぁ!」

真剣に驚いてそんなすっとんきょうな声を上げる。

「あるもので作ったのでこんなものしかできませんでしたが」
「こんなものって……」

テーブルの上に並べられた皿には、色とりどりのおかずが。
しかも、どれもすごく美味しそう……。

「これ…全部吉澤さんが作ったの?」

とってもいまさらな質問かもしれないけど、そう尋ねる。

「ええ。簡単なものですけどね」

そう言いつつ、ひとみは冷蔵庫の中から冷えた缶ビールを取り出し、
私のグラスに注いでくれる。
おそるおそる椅子に座った私は、これもまたおそるおそるそのグラスを
手に取って、注ぎ終わるのを待ってみたり。

あれ? ……なんだかほのぼのしちゃってる?

76 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時48分03秒
「お仕事お疲れ様です」

注ぎ終わったあと、ひとみがふわりと微笑んで私にそう言った。
ドキッ! ………さすがに全校生徒を魅了するだけある微笑みだわ。
こうもまともに受けると……テレちゃうじゃない。

「ありがとう…」

だけど…ここまでしてくれているんだもん、お礼ぐらいは言ってあげないとね。
そう思って、私は素直にひとみにお礼を言った。
すると、

「………これは…驚きましたね」

ひとみは驚いたように目を見開くと、またふわりと微笑む。

「どうして驚くのよ…」
「いや…てっきり、勝手なことをして怒られると思っていたのですが…」
「そうなんだけど……」

勝手に人の部屋に入り込んで…というのもあるけど、一応ひとみは
義妹になるんだから別に怒る気にはなれなかった。
77 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時49分59秒
「歓迎してくれているのでしょうか?」

黙っていたのをいいことに、ひとみはまた、勘違いに走り出したみたい。

「それは違う…。どうして私があなたを歓迎しなきゃいけないのよ」

そうよ。
そもそも、ひとみは私にキスしてくる危険人物だったんだ。
うっかり料理につられて忘れるところだったじゃない。危ない危ない。

「あいかわらず冷たいですね…。まぁ…そんなあなただから
 何がなんでも手にいれてやろうって思ってしまうんですよね♪」
「 …………… 」

爽やかな顔をしながらとんでもないことを口にするひとみ。
私は生唾を飲み込み、慌ててグラスのビールを口に運んで一気に飲み干す。
…あ……と……。飲むのはここまでにしとかなくっちゃ…。
これ以上飲んじゃうと酔ってしまう可能性大だからね。
こんな危険人物の前でなんか酔えません! 絶対に。

78 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時53分22秒
「料理…美味しいですか?」
「あ……うん…、美味しいよ」

本当にすごく美味しいの! だからもっと誉めてあげたいのだけど……
年下のひとみがこんなにいろんな事、出来てしまうのがなんだかちょっと
悔しくて……。素直に誉めてあげられない。

「あっ……そういえば、私が買って帰ったお弁当は?」

もしかして捨てたってことはないよね……もったいないよ。

「ああ…あれは冷蔵庫に入れてありますよ。また朝にでも食べて下さい。
 ……っていうか…」
「なに?」

ひとみは少し腕組みして考えたあと、

「これからは私があなたの食事管理をしましょう。だから、
 あんなものは買ってこないように」
「は?」

ちょっと待って! どうしてひとみが私の??
79 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時58分18秒
「バカ言わないで! どうしてあなたにそんなこと……」
「貴方のお母さんに頼まれたんですよ。私が料理できるのを知って、
 ぜひにって。これをきっかけに、姉妹が仲良くなればいいと…
 思ってくださったんでしょう。いいお母さんですよね」

ちょっと待ってよぉ〜〜っ! そんなことを勝手に二人で決めないで!
どうして私の意志を聞いてくれないのよ…お母さんまで…。

「そういうわけですから、これからたまにあなたのために夕食を作りに来ます。
 問題はないですよね?」
「ある!」

私は思わず睨みつけながらそう言ってやる。

「えっ……どんな問題があるんですか?」

にこやか。
さっきまで組んでいた腕を解くと、ひとみはテーブルの上に肘をついて手を組み、
その上に顎を乗せて優雅に微笑した。
ひとみのその大きい綺麗な瞳に見つめられて、ドキドキしながらも、私はそのまま
話を続ける。

「吉澤さんは私の生徒なのよ。生徒が一教師の部屋にたまにとはいえ、
 来るのはどうかと思うの…」
「生徒の前に、私とあなたは姉妹になるんですけどね」
「だから! それは伏せることにするって言ったじゃない!」


80 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)04時00分48秒
「バレなきゃいいわけでしょう?」

またにっこり微笑むひとみ…。
だーかーらーっ!
それ以前に……その、ひとみみたいな危険人物には来てほしくないのよ!
はっきり言わないと分かんないのかな…。

「とにかく、吉澤さんはあんまりここには来ないでよね」

私は軽く睨みつけたまま、そう言った。
…こんなに料理とか掃除とか…至れり尽くせりしてもらってから言う言葉
じゃないんだけどね、本当は。
でも………やっぱり私は自分が大事なのよ。

「…………先生?」
「な、なによ…」

にっこり微笑みながら私を呼ぶひとみに、私はビクビクしながら顔を見る。

81 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)04時03分27秒
「残念ながら……それはできない相談ですね」
「えっ?」

ど、どうしてこんなに爽やかな顔して否定するのよ! 

「来ないでったら、来ないで!」
「そのうち…あなたから来てくださいって言うようになりますよ、きっとね」
「そ、そんなこと絶対ないわよ!」

どうしてそんなに自信満々な事が言えるのか不思議でしょうがない。

「本当にいいかげんにして。私には私の時間があるんだから…
 邪魔しないでほしいのよ…」
「いいえ…先生は必ずお願いしますよ…私に」

はぁ〜。私は怒りをとおり越して呆れてしまった。

「もういい、分かったわ。吉澤さん、もう帰って。このことは
 吉澤さんのお父さんともよく話してからにしましょう?…ねっ」

溜め息まじりに私はそう呟くと、食事の途中だけど立ち上がってひとみを
玄関に送ろうとした。
だけど……。
82 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)04時05分21秒
「あ……あれ…?」

立ち上がった瞬間、私はひどい立ちくらみによろめいてテーブルにしがみつく
足に力が入らない?
私、そんなに飲んでないのに……どうして……?

「どうしたんですか? もう酔ったんですか?」

慌てて心配そうにひとみが私のカラダを支える。

「…んっ!」

私のカラダを支えるために差し出された手が私のカラダに触れた瞬間、
私はビクッと大きくカラダをひくつかせてのけぞってしまった。
ちょっ、チョット待って! なんなの今のは?

「気分でも悪いのですか? すこし…顔も赤いですよ」
「は…離して…っ」

ひとみの指がカラダに触れるたびに、私はびくびくしながらカラダをよじる。
なんなの?  この状況は………!

一体、私のカラダ…どうなっちゃってるのよぉ〜〜!

83 名前:式神 投稿日:2002年01月28日(月)04時11分19秒
>>64-82 更新しました。

 かなりベタな展開… こんなんでいいのでしょうか?
 続きはやっと、やっと……ひさぶりの……(w
84 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月28日(月)04時21分45秒
今回ではなく
次回リアルタイムで見たかった…切実に
85 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月28日(月)11時10分39秒
ひさぶり期待
86 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年01月28日(月)12時22分51秒
薬まで使うなんて…(イイゾモットヤレ)
87 名前:夜叉 投稿日:2002年01月28日(月)18時43分06秒
はあぁっ、先生が…(汗汗。

吉って、料理できそうですよね。モー。たいの時、そう思いました。
がんがれ、吉(爆)。

88 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月28日(月)21時15分03秒
吉澤って料理出来ないイメージ強くて。モー。たいSPでフライパンで
スパ茹でた時は目が…。
先生陣もいいですね〜。柴ちゃんも先生似合いそう♪
89 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月28日(月)23時28分24秒
よし吉澤よくやった!そのままいけ〜
90 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月30日(水)16時31分44秒
このお話のクールなひとみ様がとてもステキです。
式神さん、これからも頑張って下さい。
91 名前:名無し男 投稿日:2002年02月11日(月)11時57分37秒
び(中略)効果絶大
まあ、Qに優しくなるはずないわな(w
92 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月13日(水)00時01分17秒
この展開は・・・。
『ひとみちゃんのちょっとHなお買い物』なのか?
そうなのか?!式神タン!!
続きがきになってたまらん。

て、いうかこわいって!吉澤さん・・・。
93 名前:yo-na 投稿日:2002年02月18日(月)23時33分09秒
「石吉」発見!たのしみじゃ。。。

で、なぜに 梨華はそんなに拒む??<確かにひとみ ちと怖い(笑)
今後の変化に期待
吉がんば!
94 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月20日(水)18時18分45秒
更新楽しみにしています。がんばってください!!
95 名前:式神 投稿日:2002年02月22日(金)15時02分02秒
読者の皆様へ

更新がかなり遅くなったことを深くお詫び致しますm(__)m
途中で放棄するなんてことは絶対ないです!

皆様が満足するようなモノは書けませんが、地道にゆっくりですが
更新していきますので宜しくお願いします。

いつも本当にたくさんのレス、有難うございます!!
96 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時03分15秒
「大変ですね……寝室に運びましょう…横になっていたほうがいいですよ」
「えっ? きゃっ!」

抵抗する間もなく、私のカラダはひょいと抱え上げられて、そのまま寝室へ…。
な………何が起こってるの??

「ふ……あっ……」

寝室に連れてこられた私は、そのままベッドの上に転がされる。
その刺激にさえ…私の口からは少し艶を帯びた声が漏れてしまって…。
私のカラダ、すごくおかしいよぉ〜!

「カラダが少し熱いようですね…まさか…あれだけで本当に酔ったの?」

くすくす笑いながら私の顔をのぞき込むひとみを、私は涙目で睨みつける。
酔ってないのにぃ〜! 
って叫びたいところなんだけど…本当に…酔ったのかな?

「どうかしましたか? そんな目で睨まれると…そそられるって前にも
 お話したでしょう?」

「…っ!」
97 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時04分01秒
ふいに、ひとみの指先が私の頬をなぞって唇に触れた。
そのじれったいような感触にも、私はびくびくとカラダを……。
ほ……本当にどうしちゃったのよ! 私……。
私はぶるぶるとカラダを震わせながらも、ギュッと目を瞑ってカラダごと
そっぽを向く。
誰が何にそそられるって?
なら、目なんて見せないんだから!
そう思ったのに…。

「そういう態度もそそられるって……知ってましたか?」
「知らないわ…よっ!」

じゃあ、どうすればいいの? カラダはおかしいし、なんかやばげな雰囲気だし…
これって……ものすごくピンチ…??
98 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時05分14秒
「……介抱してあげましょう…」

突然、ひとみはそう言うと、クローゼットを開け始めた。

「な、何してるの?」

介抱するのにどうしてクローゼットの中を開けるの?
そんなところに救急箱なんてないのに……。

「ああ…やっぱりここに」

ひとみは呟くようにそう言うと、いきなり取り出したのは……ベルト?

「何するの? そんなベルトで……」

まるで熱にうかされたように、私はぼうっとする頭でひとみの姿を追う。
してることが意味不明なんですけど……。
99 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時07分14秒
「何するって? …ええ、軽くこれであなたを縛るんです」

に〜〜っこり。

まるでこの世の汚れなど知りません…みたいな顔をして、
今とんでもないことを言わなかった??

「し…縛る……って…」

状況が飲み込めない私は、呆然と近付いてくるひとみの顔を見上げてて。

「痛くないようにしますからね」

そして…ひとみは微笑みながら、慣れた手つきで私の両手首に
ベルトをぐるぐると……。



100 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時08分16秒
「ちょっ! ちょっと待って……な…何するの?」
「介抱です」

さらりと返される。
それで私が『介抱なんだ』って言うと思ったら大間違いなんだから!

「ど…どうして…介抱するのに……縛られなくちゃ…いけないの?」

やばい……。本当にカダラが苦しい……。
これ……本当に酔ったせい??  なにか違うような……………はっ!

「吉澤さん? まさか私になにかしたんじゃ……」

慌ててギッとひとみを睨みつける私に、ひとみはまた天使のような微笑を浮かべて、

「ええ……媚薬を少々」
「びびびびびび、媚薬〜〜〜〜!?」

私のいつもより甲高い声が部屋中に響く。
ちょっと待ってよ〜〜! どうしてそんなものを私に?
いや、それ以前に、なんで高校生のひとみに媚薬が買えるのよ?

「それは秘密です」

にっこり。
爽やかに笑わないでよ……こんなときに。
101 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時09分15秒
「出ていってよ〜〜! もう絶対来ないで〜〜!」

一瞬でも掃除や料理をしてくれてありがたい…なんて思った私が
バカだった。

「人をそうそう信じてはいけませんよ、石川先生? …でも、
 私のことはこれからも信じていて結構ですけどね♪」
「吉澤さん……あなたが一番信用出来ないわよ!」

人に媚薬盛っておいてなんてことをサラサラと!

「さて…介抱しましょう」
「いいっ! 寄らないで、触らないで! これ以上私に触れたら許さないから!」

媚薬を盛られていたから……ちょっと触れられただけでもカラダに
電気が走ったみたいになっていたのね。
私としたことが不覚だったわ……。
102 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時11分04秒
「ですが…苦しそうですよ?」
「吉澤さんがそうしたんでしょう!」
「だから責任もって介抱するんです」

っていうかさぁ、それが最初から目的だったんじゃないの??
ああ、遠い目をしている場合じゃない!
なんとかして逃げないと、このままだと襲われちゃう!

「介抱なんてもういいから…本当にもう、帰って!」

私は、ありったけの力でそう怒鳴ると、手首の戒めを解こうと暴れる。
だけど……。

「きゃっ!」

ひとみの大きな掌が、私の両手首をそのままシーツに押さえ込み、

「分かりました……それではあなたに触れずにこうやって
 ジッと見ていることにします」
「………えっ?」

そそそ…それって…どういうこと?
あっ、でも手首はしっかり触れてるんだけど…なんて突っこみは受け付けて
もらえなさそう…。
103 名前: 投稿日:2002年02月22日(金)15時12分04秒
おそるおそる顔を上げると、熱を帯びたような瞳でジッと私を見ている
ひとみがいて……。

「…っ!」

私は慌てて視線を逸らす。
見られてる…。 ジッと……私だけを、ひとみのあの大きな目が見てるんだ。

「…んっ…」

触れられていないのに…見られているだけなのに…私のカラダはビクビクと
小刻みに震えていた。

……どうして………こんなのおかしいよぉ………





104 名前:式神 投稿日:2002年02月22日(金)15時19分55秒
>>96-103 少しですが更新しました。

>>84 次回また頑張ってください(w
>>85 本当にひさぶりでした。すみませんm(__)m
>>86 薬・・・最終手段です(w
>>87 夜叉さん  
   石川さんよりは吉澤さんの方がそれなりに料理出来そうに見えるんですヨ
>>88 CharmyBlueさん
   先生陣いいですか? 柴田さんは音楽の先生が似合いそうですね。

105 名前:式神 投稿日:2002年02月22日(金)15時26分11秒
>>89 行け、行け吉澤! こんな感じです(w
>>90 本当は大ボケな吉澤さんが書きたいのですが、いつもこうなってしまいます
>>91 そうです。9に優しくなるはずないのです。
>>92 『Hなお買い物』・・・(w  そうかも・・・
>>93 イヤヨイヤヨも・・・ってことです。
>>94 有難うございます!


何度も言いますが、本当に遅れてすみませんでしたm(__)m
これからもこのような駄文ですが宜しくお願いします。
106 名前:じゃない 投稿日:2002年02月23日(土)01時44分50秒
(^▽^)おかえりなさい(0^〜^0)
107 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月23日(土)10時07分19秒
おかえりなさいませ!!
やっぱり式神さんはこうでないと(w

いつまでも待ち続けますので無理せずマターリ頑張って下さい!
108 名前:夜叉 投稿日:2002年02月23日(土)11時01分12秒
更新有難うございます。
いつまでも待っておりますので、頑張ってくださいね。
109 名前:名無し男 投稿日:2002年02月23日(土)17時01分23秒

           //__ヽ_
         / ̄ おかえり \
        /  _     _ ヽ
       /  ( ゚ )  ( ゚ ) |
       |    ̄ /\  ̄  |
       /|     ( ●●)   |
     ∠_ |ヽ    / ̄\  /
        \\  \ ̄/ /
        /\ ヽ  ( ̄)/ \
           ̄ ̄ ̄ ̄

110 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月23日(土)20時07分53秒
この作品好きなので、黒吉だけど・・・(w
待ってますので、がんばってください!!
111 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月23日(土)22時20分35秒
わーい!!待ってました!!
またーり待ってます。
112 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月24日(日)07時52分46秒
式神様、おかえりなさいませ。
地道にゆっくり待たせていただきます。m(__)m
113 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月24日(日)22時45分21秒
お待ちしておりました。
そして、待たせていただきます。
114 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年02月24日(日)23時12分52秒
一服盛った上に縛るなんて、ヨシコったら…(ツギハ? ツギハ?)
115 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年02月25日(月)22時10分19秒
おかえりなさい♪ 
続き期待してまふ〜。
116 名前:式神 投稿日:2002年02月27日(水)02時32分24秒
>>106 じゃない様 
  (^▽^) ただいま(0^〜^0)
>>107 有難うございます! ゆっくりですが頑張ります。
>>108 夜叉さん 
  いつも有難うございます!これからも読んでやって下さい。
>>109 名無し男さん
  (0^〜^0) <ゆでたまご大好き〜〜♪
>>110 肌は白いが黒吉・・・(w こんなんですが宜しくです。
>>111 有難うございます!!
>>112 ゆっくりめな更新、本当にすみませんm(__)m
>>113 有難うございます! そして、遅くなってすみません。
>>114 念には念を・・・(w  
>>115 CharmyBlueさん
   いつも有難うございます! 師匠の作品、いつもワクドキしながら
   読んでますヨ! 


たくさんのレスを頂き、本当に有難うございます!
117 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時34分19秒
「どうしたんですか…カラダが……落ち着かない?」

目を瞑っている私の耳元で、くすくす笑いながらそう言うひとみの声が。

「やめてっ……」

びくびくんっと、私はひとみの囁きから逃れるようにカラダを反らす。

「私は何も触れてないのに…見られてると思うだけで…感じているんですね」

「!!」

すごく……悔しいよぉ〜〜っ! なんで私がこんなメに遭わなきゃいけないの〜!
最悪……。


118 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時35分25秒
「ほら……苦しいでしょう? 少しだけ楽にしてあげますね」

あいかわらずくすくす笑いながら、ひとみは私の肌には触れないように、
ブラウスのボタンを開けてゆく。
食事が終わったらすぐお風呂に入るつもりだった私は、ブラウスの下にブラも
つけてなくて…開かれるとそのまま素肌が……。

「ああ……想像してたとおり…綺麗なピンク色ですね」

「あぁ……んっ……」

ふいに、ひとみの爪先が私の胸の先端を弾いた。
突然の攻撃に私は、声をおさえることもできずに、
甘えたような声を出してしまった。
恥ずかしすぎるよ………。


119 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時36分47秒
「手…手を離してっ……」

なけなしのプライドをかき集めて、私はひとみにそう言う。

「嫌です」

………そう言われるって思ったよ…でも…思ったけど……。
ひとみは、あいかわらずにこやかな笑みを浮かべたまま、私を見つめてくる。
私はその視線から逃れるようにそっぽを向いて、唇を噛みしめた。

「降参しましたか?」

くすくすと笑う声が聞こえる。

「しないよっ!」

してたまるもんですか! このまま、おいそれとヤラれて……ヤラれ……ヤラ…。
ここで……私はいろんなことを想像して、一人で青くなってしまった。


120 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時38分08秒
「おとなしくなりましたね…」

ひとみはそう言うと、くすくす笑いながら、また耳に囁く。

「少しぐらいの抵抗はいいんですよ……楽しいから」

「!」

結局……ひとみには何をしても喜ばせてしまうだけなんだ…。
はぁ……私はどうしたらいいの?……
困ったような切羽詰まったような顔をしている私に、ひとみは顔を近付けてきて、

「んっ……」

私の頭を抱き抱えるようにして、ひとみは何度も私の唇を深く貪ってきた。
……あ……んっ……腰にきちゃう………。



121 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時39分26秒
「私のキスは……好きでしょう? とても気持ちよさそうだし…」

唇を離すと、ひとみは微笑みながらそう言った。

「気持ちよくなんて……ないわよ…」

図星をさされて、私は真っ赤な顔をして顔を背ける。
本当は……本当に、気持ちいいの…。
腰にズ〜ンってきて、カラダ全体が痺れるぐらいに……。
でも、これは媚薬のせいなんだから……きっと…多分……。

「素直じゃないですね、あいかわらず…」
「もう、離してよ〜〜〜っ!」

恥ずかしさに私は突然、力一杯そう叫ぶと、ジタバタと暴れだした。
やばい……暴れるとけっこうクルかも……、
余計に薬がまわったような……そんな感じ。


122 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時41分45秒
「そんな潤んだ瞳で見つめられると……触りたくなる…じゃないですか…」

ひとみはそう言うと、いきなり私のブラウスを完全に開き、手を差し込んできた。

「やめっ……!」

思っていたよりもひんやりとした指先に、私は堪えきれずのけぞってしまう。

「これだけで感じてるんですか? カワイイ」

違うわよっ! ひとみの指が冷たかっただけなのに……。
私は唇をギュッと噛みしめると、声だけでも漏らさないように
細心の注意を払う。

「いつまでもつでしょうねぇ〜♪」

そんな私の様子に、ひとみはまたくすくすと笑った。
どうして教師である私が…そしてあなたの姉になる私が……、
こんなことされなきゃいけないのよぉ〜!
絶対、納得いかないんだから!


123 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時43分10秒
「ふっ……ん…」

ひとみの指先がそろそろと這い上がり、私の胸の先端を捕らえた。

「先生? もう硬くなってきてますよ……キスだけで感じたんですね…」

ひとみはうっとりと囁くように、私の耳元でそう言った。
そのたびに、吐息が耳に吹き込まれて、びくびくと私のカラダは
過敏に反応を示す。

「や……やめて…っ……」

震えながら、逃げるように顔を背けるけど、そんなの、
本当にささやかな抵抗にすぎない。

124 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時44分20秒
「声……聞かせてください…我慢しないで……」

「ぜっ…たい……いやっ……」

私はギリリと歯をくいしばりながら、抵抗する。

「それは残念ですね……でも…ここはこんなに感じてるのに……」
「あっ……ああっ…ん!」

ふいに、私の右側の胸の先端が、ひとみの口に含まれる。

「んっ…やめ……て…」

キュッと口に含まれて、熱い舌に舐められ、ときおり歯を立てられる。

「っ…!」

そのたび、私のカラダには電流が走ったみたいな、ツーン…とした刺激が…。
125 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時45分58秒
「カワイイ声……もっと…もっと聞かせて…下さい」
「ああっ……ん…」

次に、ひとみの指先が、空いてる方の先端へと這ってきて……。

「こっちも硬くなってますよ…先生……」

「んんんっ……!」

口に含まれたままそう言われて、私はカラダをのけぞらせて抵抗を試みる。
だけど…、ベルトで縛られた手のせいで、カラダを突っぱねると、
私からひとみの口元に先端を差し出すような形になってしまって……。
恥ずかしいよぉ〜〜!
私は目を瞑ったまま頭を振った。

「もう……やだっ…離してよぉ…」
「まだまだこれからなのに?」

微笑しながら、ひとみは指で転がしている先端を、今度は指の腹で丹念に
押しつぶすようにする。

「あ…んん……」

こらえようとしても、私の喉の奥からは、甘えたような声が…。

126 名前: 投稿日:2002年02月27日(水)02時48分02秒
「声…出した方が…もっと気持ち良くなりますよ…」
「気持ち…良く……なんか…あぁ…」
「真実味がないですね」

私のなけなしの抵抗を、ひとみは笑いながら否定した。
だって仕方ないじゃないよぉ〜、声…出ちゃうんだもん……。

「他にも気持ち良くなるところ…たくさんあるんですよ?今日はゆっくり
 それを探しましょう? 石川先生」
「い…やっ……ぁぁ……」

私は思いっきりギギギッとひとみを睨みつける。

「その目………やっぱりそそられますね」

もうっ〜〜〜! じゃあ、どんな目でひとみを見たらいいのよ!
また目をギュッと瞑って、私はひとみの顔を見ないようにする。
もうこれしか方法がない。 だけど…目を瞑るとそれなりに不安になるの…。
ほら…周りが見えないから……。




127 名前:式神 投稿日:2002年02月27日(水)02時53分05秒
>>117-126 更新しました。

中途半端な所で区切ってしまった・・・、すみませんm(__)m
なるべく早めに更新します。今週中には。
128 名前:夜叉 投稿日:2002年02月27日(水)12時46分37秒
何をやっても、どんなに抵抗しても吉の思うつぼな先生。ハァハァ
先生が、精神分裂症を起こしてしましそうです(笑)。
続き、期待してます。
129 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)13時24分26秒
相変わらずのハァハァ度の高さで た ま り ま せ ん な

(0^〜^0)<降参しましたか?
(;`▽´)<しないよっ!

「しないよ」に異常に反応してしまった私です。(w
130 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月27日(水)13時41分52秒
もしかして、待ちに待った展開ですかね(w
ゆで卵を食べながら、読んでたんで・・・・・(謎
続き期待しています。がんばってください!
131 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)14時16分19秒
よすぃこ突っ走れ―
(0^〜^0)ノ
132 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)17時59分39秒
あいかわらず式神さんの萌え文がたまりません(;´Д`)ハァハァ
よっすぃ頑張れ!(w
133 名前:名無し男 投稿日:2002年02月27日(水)18時01分51秒
教師(中略)びんびん物語
134 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)21時12分47秒
石川先生うつてなしですか…

さすがよすぃクールだね。

135 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年03月01日(金)19時21分33秒
抵抗しつつも感じてる石川先生萌え。
吉、がんがん逝っちゃって下さい!!
136 名前:うっぱ 投稿日:2002年03月02日(土)04時08分18秒
なんか、読んでて引きこまれていくような・・・。
なんなんでしょうかね、この感じ?
続き、期待してます。
137 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月03日(日)03時36分55秒
吉、最強。
先生、おとなしく食べられちゃって(w。
138 名前:式神 投稿日:2002年03月05日(火)00時17分52秒
>>128 夜叉さん 
 精神分裂症になる石川先生・・・おもしろいかも(w
>>129 いつか言わせたかったんです(w
>>130 もしかしての展開です。べたべたです。
>>131 よすぃこ 大暴走です。
>>132 萌える・・・一番の誉め言葉です。有難うございます!
>>133 名無し男さん 
   ニンジン娘。(意味不明・・・w
>>134 いつもこんな展開になってしまいますね。
>>135 今回はもっと頑張ります!
>>136 有難うございます!!
>>137 吉最強・・・かなり最強!(w


今週中と書いときながら遅くなりました。
申し訳ございませんm(__)m
139 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時19分32秒
不安に耐えられなくなり私は、目を開けた。
ひとみのあの大きな、ドキッとしてしまうほどの綺麗な目と合わないように
気をつけながら少しずつ……。



あれっ? さっきまで私の胸の上にいたひとみがいない。
私の見渡せる視界に、ひとみの姿がなかった。

もしかして…今がチャンス? 
今なら、どうにかこうにか逃げ切れそう……。
薬でカラダの感覚がおかしいけれど、今逃げなくちゃ…絶対やばい!

私は、ありったけの力を使ってベッドから起きようとした。




その時、

140 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時20分43秒
「あっ…んん…」

ふと…お腹に何か熱くて柔らかいものがあてがわれて、私はビクッと
カラダを竦ませる。
おそるおそる自分のお腹の方を見てみると、そこにはひとみの唇が……。

「せっかく………れると……思ったのに……あっ…ん…」

跳ねる私のカラダを押さえつけて、ひとみは舌を這わせつつ、
ときおり強く吸いついたりしながら、私の胸とお腹あたりを行ったりきたり。
もぞもぞして……そしてくすぐったくて…私は何度もビクビクと小刻みに
カラダを震わせてしまう。

「まだまだこれからなのに…逃がすわけないでしょう? 
 それにあなたも…すごく感じてくれているし」
「違う……よぉ……っ…」

感じてるのは薬のせいなんだから! そう……媚薬のせい…なんだか…ら……。



141 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時22分27秒
「またそんなことを……それなら…感じてる証拠…教えてあげますね」

ひとみがそう言いながら左手で私のスカートをゆっくりとめくると、
ゆるく私の太腿を撫で上げてきた。
そして、ひとみの指先が私のショーツを撫で始めて……。

「あっ……ん…やっ…めてっ……んなとこ……触らないで…!」

私はひとみの指先からの刺激に、ぞくぞくしながらカラダを反らせる。
布越しのもどかしい刺激でも、今の私には……。

「……っ…や……やめて…もぅ……あぁ…んっ……」
「先生のココ……ちゃんと濡れてますよ、感じてる証拠です」」

恥ずかしいよぉ〜! 
私は目尻に涙を浮かべてひとみを睨みつけた。
こんなことしたって効果がないことは分かってる。
でも……だってこんなの恥ずかしいし……酷すぎるもん…。


142 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時23分32秒
「これぐらいでも感じてくれるなんて……けっこうHなカラダですね」
「違うっ…! これは……薬が……」

そうじゃなきゃ、同じ女性にこんなことされて感じるわけないもの……。

「石川先生って……本当に強情ですねぇ」

ひとみはひどくさらりとそう言い放つと、いきなり……………そう、いきなり…、

「あっ…ん…」

ショーツの中に手を差し込んできて、直に私のソコに触れてきて……。



143 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時24分51秒
「や…やめ…やめてっ! あぁ……ん!」

抵抗しようとカラダをよじるけど、ひとみの指先から逃れられない。
足をカラダで封じ込まれているわけでもない。
ひとみはベッドの傍らに腰掛けて、私を横から押さえつけているだけなのに
だから、最悪ひとみを蹴って逃げることが出来そうなんだけど……
いや、本当はそうしたいんだけど……。

「んん……はぁ……ああぁ……ん…」

いつのまにかスカートもショーツもずり落とされて、私は恥ずかしい格好のまま、
ソコをひとみによって弄ばれていた。
足にも腰にもどこにも……力が入らないの…。
もう、本当にされるがまま……。


144 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時26分26秒
「もっと感じて……私を感じてください…」
「な…なにする…の……ああぁっ……ん」

私の言葉を待たずに、ひとみは私のソコに顔を埋めて、舌を……舌を這わせてきた。

「やだ…やめ…って……んんん……あぁん……」

突然触れてきた柔らかいものに、私はなす術もなく、またカラダを反らす。

「すぐにイッてもいいですよ? ………夜は長いから……」
「あ…んんっ……ああっ…」

口に含まれたまま囁かれて、私は不規則な唇の動きにさえ、声を漏らす。
自分から…こんな鼻にかかったような甘い声が出るなんて…信じられない。
こんなの、私じゃないみたいっ!
舌先で蕾を舐め上げられ、指で擦られて………。

「だめ…離し…てぇ……いやぁぁ………ああぁっん…!」

私は恥ずかしいけど何分もたたない間に、ひとみの口に責められて
イッてしまっていた…。

145 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時27分56秒
「先生? ……もうこんなに濡れてる…すごい」

ひとみはわざとらしく私に聞こえるようにそう呟くと、わざわざ私の目の前で
左の指先ですくった秘液を見せつけてくる。

「!!」

もちろん、私は見ないように顔を背ける。
ひとみの前でイッてしまった恥ずかしさもあるし、そんなの見たくないわよ!
そんな私の耳元で、ひとみは、またとんでもないことを口走った。

「これを今からどこで使うか分かりますか? …ココで使うんです」

にこやかに微笑みながら………、

「あぁ…ん! な、何!?」

『ココ』のところでひとみは、私の大事な…一番触れて欲しくないソコに、
ゆゆゆ、指を!!


146 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時29分16秒
「やめ…てっ……痛っ……!」
「今までここに……誰か触れたことは?」
「えっ……ないっ……よぉ……」
「それはよかった。じゃあ、私が初めてなんですね」

くすくすと、嬉しそうに目を細めて、ひとみはそう言った。

「も……やめ…て……っ!」
「まだ一本しか入っていないのに?」

痛かったのは最初だけで…だんだんと気持ちよくなっていくのが悔しい。
こんなこと認めたくない私は、薬のせい、薬のせい…と心の中で呟く。

147 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時32分20秒
「離し……てよぉ……もぅ……やめ…」
「指を増やしますよ……そして…貴方のイイところを捜してあげます」
「やや、やめっ!……ああぁ……んっ…」

ツプッ…と、2本目の指が私の中に………。
私は大きく背中をのけぞらせるようにして、快感に耐える。

「ちょっと…キツイですね」
「あ………たりまえ……んっ…」

口ではそう抵抗しつつも、恥ずかしい格好と……情けない顔を
している私は、ひとみに顔が見えないように、反対にそっぽ向いた。
148 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時33分06秒
「先生のいいところはどこでしょうね……ここ…? 
 それとも……ここでしょうか?」
「あ……っん…」

反らせた顔の反対側の耳に、ひとみはわざと息を吹き込むようにして、囁く。
そして……一緒に私の中に埋められている指も動かせて……。

「やめ……てっ……!」

気持ち悪い指の動きにカラダをよじって抵抗していた私は、
ふいに……ビクンとカラダを大きくひくつかせる。

な………なんなの今の……………?



149 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時34分14秒
「ほら……ここですね……気持ちいいでしょう?」
「やっ…よ…よくなっ……あぁ……っん…」

私の中で二本の指が、自在に動いている。
伸びたり曲がったり……二本が別の動きをしたり……。

「ああ…はぁ………んんん…」

しどけなく開かれた私の口から、嚥下しきれない唾液がこぼれおちる。

「敏感なんですね…」
「んっ…ふぅ……」

つ…とひとみの舌が私の顎から唇へと這い、そのまま唇を塞がれる。


150 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時35分07秒
「くっ……んん」

その涼しげな顔からは想像できない、熱くてしつこいキス。
逃げようと戸惑う私の舌を、容赦なく捕らえて、ひとみは私の口内を貪った。
そしてまた……飲み込みきれない、どちらのものともおぼつかない唾液が
私の顎を伝う。

……もう……何も考えられないよぉ……頭が……ぼぅ……としちゃう……

「そろそろ……いいかもしれませんね」
「………え…?」

トロンとした目で、私はひとみを見つめる。
もう……どうにでもしてって……感じで……。
カラダが熱くて…だるくて……もう……抵抗する気もない。


151 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時40分29秒
「あっ…」

ずるりと、指が引き抜かれた感触にも、私はビクビクとカラダを震わせる。
くすっと…ひとみの笑い声が聞こえた気がしたけど、もういいよ……。
私はそっぽを向いたまま、観念したように目を閉じた。

「それは……可愛くない態度ですね」
「…………」

ただ、荒い息だけ紡いでいる私に、ひとみが私を組み敷きながらそう言った。
可愛いなんて……言われたくないよぉ……。

「そんな顔……できなくさせてあげますよ」
「あっ…ん!」

ぐいっと膝下に手を差し込まれて、両足をおもいっきり開かれてしまい、
そして、再び嬲られていたソコに二本の指が入り込んできた。


152 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時41分56秒
「やっ………もう……無理……」
「もっと感じてください……動かしますよ?」
「あ…ぁっ!」

ひとみは、奥深くまで埋めていた指の抜き差しを始めた。

「ああっ……ん、あ…うっ…動かさないで…壊れ……ちゃうよぉ……」

ぐちゅぐちゅと淫靡な音が耳をかすめる。
それすらも……私にはとても刺激的なものになっていく。

「貴方の中は……もの凄く熱いですね……私の指が溶けてしまいそう…」
「言わ…ないで……っ!」

私は懇願するようにそう言うと、激しく頭を振った。
パサパサと、少し伸びてきた前髪が音を立てる。だけど、少し重たい音。
汗で……そのほとんどが額や頬に張りついているから…。
153 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時43分41秒
「あっ……ああ……んんっ……」

奥を突かれるたびに、私は鼻にかかった甘い声を紡いでしまう。
やめようとしても……できなかった。
だって……カラダの奥が……いいようのない痺れでジンジンして…。

「んっ……ふぅ…ああぁ…ん」

私を片手で抱きしめるようにしながら、指の抜き差しを早めるひとみの
攻めたてに、私は耐えきれない喘ぎを漏らし続けた。


154 名前: 投稿日:2002年03月05日(火)00時45分47秒
「先生……もうイッていいですよ…」
「い…やぁっ……あっ…」

一応そう言葉で抵抗してみるけど………、

「だ、だめぇ………やめ………つ……ああぁ……っ!」

私はギュッと抱きしめられたまま、腰を突き出すように弓なりに
カラダを反らすと、そのまま簡単にイッてしまった…。

「……っ…はぁ……ん…」

カラダが………熱くて……だるい……。
私はそのまま、カラダをシーツに沈めた。

「好きなんです……愛してる……」

私は薄れていく意識の中でそんなひとみの囁きを感じていた……。


155 名前:式神 投稿日:2002年03月05日(火)00時52分36秒
>>139-154 更新しました。

ながながとエロ書きましたが、はたして萌えていただけたでしょうか?

156 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月05日(火)01時07分35秒
信じられません。
この2人にこんなことさせるなんて!!
卑猥です。猥褻です。いやらしいです。

もっと激しくやっちゃってください ( ̄ー ̄)ニヤリッ
157 名前:じじ 投稿日:2002年03月05日(火)01時14分16秒
寝るつもりが寝れなくなりました(w
最高です。
158 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月05日(火)01時27分56秒
萌えすぎて萌え死にそうです(w
最後のひとみの囁きがカコイイ!!(・∀・)
159 名前:名無し男@オマリー祭 投稿日:2002年03月05日(火)11時00分09秒
(・∀・∀・∀・∀・∀・)イイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!

さ、第2Rだ
160 名前:愛猫 投稿日:2002年03月05日(火)23時10分45秒
自分も書いてる者ですが、女なのに萌えてます(w
どんどんヤってのけて下さい!
161 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月06日(水)00時18分30秒
何度もしつこいが、吉最強!!
先生、もう一回おいしく食べられてくれ・・・。
162 名前:夜叉 投稿日:2002年03月06日(水)10時55分30秒
うがぁーーーーーー!!!(絶叫)。
は、鼻血が…。   ぽたっ… ⊂⌒~⊃。Д。)⊃~

もう一杯っ!!
163 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年03月06日(水)15時36分28秒
ご馳走様でした。(w
しっかり、萌えでした・・・・。満腹です。
家に帰ってもう一回読みかえそーっと(w(謎)
164 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年03月06日(水)18時55分33秒
やぱ式神さんのエロは萌えまくりです〜。
ハァハァしちゃいました。
165 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月06日(水)20時12分35秒
す、すごい。。。よすぃあんたすげーよ。
萌えて萌えてもうたいへん。

さあ、お次はどんな事を…
166 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年03月06日(水)23時57分53秒
第2ラウンド終了〜。
(0^〜^0)<ヘーイ!バッチこーい!!
( ´D`)<えっちすぎてはなぢブーなのれす
(;@▽@)<も、もうダメ〜(バタッ)

式神さんのヨシコはキチクでステキです(W
それにしてもいしかーさん、だまされすぎ(ダメじゃん)
167 名前:愛猫 投稿日:2002年03月11日(月)14時27分23秒
ハァハァ……。スゴイ………。
( ^▽^)<吉澤さん、もっとやって?
第4ラウンドまで希望です(w
168 名前:愛猫 投稿日:2002年03月11日(月)14時28分25秒
ハァハァ……。スゴイ………。
( ^▽^)<吉澤さん、もっとやって?
第4ラウンドまで希望です(w
169 名前:名無し男 投稿日:2002年03月12日(火)16時38分10秒
80年代に消えてしまった15R制フカーツきぼーん
170 名前:名無し読人 投稿日:2002年03月15日(金)01時07分19秒
はううううう!!!!
よっすぃーもっとがんばれ〜〜〜!
171 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月20日(水)17時01分24秒
続き気になる〜!!
まだかなぁ。1日2回はcheckしてる自分…
 
172 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月20日(水)20時53分47秒
よすぃの視野狭窄な感じが怖くて萌え。
173 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月24日(日)06時11分23秒
マターリ待ってます
174 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月25日(月)15時20分20秒
吉の怖さに萌え!
続きマターリ待ってます。
175 名前:式神 投稿日:2002年03月29日(金)22時11分18秒
大変、更新の方が遅くなり申し訳ございませんm(__)m

>>156 卑猥ですか?もっと罵ってください。喜びます。
>>157 じじさん  じじさんには負けます(w
>>158 有難うございます!
>>159 第2R・・・もう少し待ってください。
>>160 愛猫さん  女性の方に萌えていただけるのは嬉しい限りです!
>>161 今回はこれまで・・・ 今度はいつ食べられてしまうのか?
>>162 夜叉さん  輸血しなくて大丈夫ですか?(w
>>163 よすこ大好き読者さん  お粗末さまでした!
>>164 ChamyBlueさん  貴方を見習いたいです おもしろい!
>>165 次は・・・どうしよう?  考えていません(w
176 名前:式神 投稿日:2002年03月29日(金)22時21分27秒
>>166 ごまべーぐるさん 今回の吉澤さん、怖くしすぎました(w
>>167 愛猫さん  ( ^▽^)< しないよ  
>>169 名無し男さん  自分もきぼーん
>>170 吉澤さん、頑張りすぎると、石川さんが・・・壊れます(w
>>171 有難うございます。そして遅くなってすみませんm(__)m
>>172 今回は怖すぎました(反省
>>173-174 遅くなってしまい申し訳ございませんでしたm(__)m 



177 名前:10 投稿日:2002年03月29日(金)22時24分49秒
『 石川先生……梨華姉さん…………梨華……』

私は朦朧とした意識の中で、ひとみが何か囁いているのが分かった。
でも、何を言っているのかは…聞き取れない。

そのまま私は、強烈に襲ってきた睡魔に負け、そのまま意識を手離していった。



『梨華……こんなひどいことして…ごめん…』


『でも、早くウチのモノにしとかないと誰かに取られちゃいそうだったから…
 こんな方法しか考えられなかったんだよぉ〜 』


『 ……梨華………ウチを好きになって……お願いだから……』


『こんなに……こんなに……好きなんだよぉ………梨華……』


『……ごめん……ごめんね………梨華……』


178 名前:11 投稿日:2002年03月29日(金)22時29分21秒
何時間か寝ていてしまっていた私は、なんとか意識を取り戻した。

「目が覚めましたか……?」
「ひとみ……?」

目を開いて、一番最初に目に飛び込んできたのは、ひとみの優しげな笑顔だった。
それもごくごく至近距離で!

「なっ、何!?」

私は恐怖に顔をひきつらせて思わず退こうとした。
だけど、それはできなくて…。
なぜなら、ひとみにまたしっかりと、ベッドの上に押さえ込まれていたから。

「何してるのよ!」

私は青ざめた顔のまま揺れる瞳でひとみを見上げる。

「無理をさせたみたいでしたので…気付けに冷たい水を…」

ひとみはそう言うと、片手に持っていたグラスを私の目の前にかざす。

「……あっ………」

私は、そのグラスを見て体の力を抜いた。
だって…てっきり……また何かされるって思ってたから……。

179 名前:11 投稿日:2002年03月29日(金)22時33分40秒
「一人で飲めますか?」

私は無言のまま奪い取るようにグラスを受け取ると、煽るように飲み干そうとした。

「げほっ、ごほっ、ごほっ」

途端、勢いあまって私は思いきりむせこんでしまう。

「大丈夫ですか?」
「さ、触らないでっ!」

慌てて私の背中を擦ろうとしたひとみに、私は物凄い目つきで睨みつけながら
叫ぶようにそう言った。

「…………」

ひとみの動きが止まる。
それをいいことに、私は堰を切ったように怒鳴っていた。
180 名前:11 投稿日:2002年03月29日(金)22時37分16秒
「吉澤さん、あなたは最低よっ! もう二度と顔も見たくないっ! もう…出てって!」

ってこんな感じで……。

「………先生……」

こんなときだけ『先生』なんて呼ばないでよ! 私はまた睨みつける。

「わかりました……」

しばらくジッと私の目を見つめ返していたひとみが、溜め息まじりにそう呟く。
帰ってくれるの?
今までとは違い、あまりにもあっさりと引き下がったひとみに、私は眉をひそめる。

「今日のところは帰ります」
「吉澤さん……」

本当に帰ってくれるの…? 私は拍子抜けしたような顔でひとみを見上げる。

「ですが…私は貴方を諦めたわけではありませんから…。
 それは覚えていてくださいね」
「覚えません!! 」

私はなけなしの気力でそう言った。

「それでは……」

ひとみは……そのまま私の部屋をあとにした………。

181 名前:12 投稿日:2002年03月29日(金)22時40分46秒
翌日。

「うわ〜っ! 梨華ちゃんどうしたの、その目の下のくま!」

職員室に入り、自分の机についた私は、隣の机の柴ちゃんから、
想像どおりの言葉を聞いた。

「ちょっと寝不足で……ね…」
「へぇ〜〜、もしかしてエッチなことでもしてたんじゃないの?」

思いきり柴ちゃんは冗談のつもりで言ったんだと思う。
だけど、今の私には洒落になんないよ…。
鞄の中から書類など出しつつ、私はギロリと柴ちゃんを睨みつけた。
182 名前:12 投稿日:2002年03月29日(金)22時43分51秒
ひとみが帰ったあと、私は一晩中、いろいろ考えてて、寝不足になってしまった。
これから先、ひとみからどうやって逃げようか。
そんなことばかり考えて…。

「具合悪いからって私にあたらないでよ」

睨みつけてきた私に、柴ちゃんが呆れたようにそう言った。
柴ちゃんには、私の気持ちなんて分かるわけないよね……。

生徒に襲われてしまった私の気持ちを……これから妹になるかもしれない
しかも女の子に奪われてしまった私の……………。

そ、そうなんだ。これからひとみとは義理とはいえ姉妹。
きっと、どちらかが死ぬまでのつきあいになるのは必須。
家族を棄てない限りは……。

「最悪………」

私はぽつりとそう呟いた。
吉澤さんとお母さんは悲しませたくないのに…。
183 名前:12 投稿日:2002年03月29日(金)22時45分36秒
「何かあったの? 相談にのってあげようか?」

ただならぬ私の様子に、柴ちゃんはさすがに心配したのか、そう言ってくれた。
やっぱり優しいなぁ、柴ちゃんって。
だけど……こんなこと、相談できるわけが……ない。

「なんでもない…、 ちょっと体調が悪いだけだから。
 何か食べ物にあたったのかも知れない」
「梨華ちゃんって最近よく食べてるからねぇ」

待って………それは余計な一言じゃない? 私もよく言ってしまうけど。

「何があったかは知らないけど、私でよかったら愚痴でもなんでも聞くからさ。
 いつでも声、かけてね」
「柴ちゃん………ありがとう」

ああ…、柴ちゃんと話して、少しは気が紛れたかも。

「本当にありがとう…」

私はにっこり笑って柴ちゃんにもう一度お礼を言う。
184 名前:12 投稿日:2002年03月29日(金)22時48分50秒
「あっ、いけない! 一時限目は、授業だった」

柴ちゃんの言葉に私はチラリと職員室の壁に掲げられている時計を見やった。
授業開始五分前。

「じゃあね、梨華ちゃん」
「行ってらっしゃ〜い! 柴ちゃん」

ひらひらと手を振りつつ、職員室を出て行く柴ちゃんを見送る。
私は……一時限目は授業がないんだ。
だいたい、私のスケジュールって一時限目に授業があることは少ないの。
だから、朝は比較的落ち着いて行動が取れる。
もっとも……私の今の心境はそれどころじゃないんだけど……。

『私は貴方を諦めたわけではありませんから…』

ひとみはたしかにそう言った。
あんな酷いことをして、まだ私を求めてる。
私のどこがそんなにいいの………いや、そもそもどうして私なんだろう?

「どうしよう……」

私はポツリ…呟いていた。
185 名前:13 投稿日:2002年03月29日(金)22時53分05秒
その日の放課後。
私はここまで、なんとかひとみと会わずにすんでいた。
今日は、私のクラス……、つまり、ひとみのクラスでの授業がなかったの。
妙にホッとする自分。
このまま一生会いたくない。
そこまで思ってしまってるんだなぁ、私は…。

「あいかわらずネガティブな顔してるね〜梨華ちゃん。
 今日一日中、ずっと眉間に皺が寄ってるんじゃない?」
「柴ちゃん……」

夕暮れの職員室で、私は帰る支度をしていた。
そこへ…たくさんの譜面をかかえ、柴ちゃんが入ってきて、いきなりそう言った。

「柴ちゃん、部活は?」
「今日は練習中止! 風邪で半分以上休んでるんだもん。やりたい生徒だけ
 自主練習ってことで……私は帰りま〜〜す」

柴ちゃんはそう言いながら、嬉しそうに机の上を整理し始める。

186 名前:13 投稿日:2002年03月29日(金)22時55分45秒
「嬉しそう……柴ちゃん」

私はそんな柴ちゃんの様子に、笑いながらそう言った。

「あ、そうだ」

そして、思いついたように声を出す。

「それなら、一緒にお食事行こう!」

だって………家に戻りたくないんだもん。
ひとみが……いないとは思うけど、いたら嫌だし…。
何より、あんなことがあった部屋に入りたくない。

「私……給料日前だからお金、無いんだけどね〜?」
「誰も奢ってとは言ってないよぉー」
「奢らすつもりだったの……」

私の言葉に、柴ちゃんが少し青くなる。
ふふっ……いつか奢ってもらおう♪
187 名前:13 投稿日:2002年03月29日(金)23時00分39秒
「安い居酒屋さん見つけたの。そこに行こうよぉ?」

私はしつこく柴ちゃんを誘う。

「まぁ、梨華ちゃんから飲み行こうなんて、本当に珍しいから
 付き合うとしますか」
「やった〜! そうこなきゃ」

よしっ! これで時間潰しができる。

「それじゃ。外で待ってて。 あ、これ、私の車のキーね」
「了解♪」

そうなんだ。柴ちゃんは車で通勤してるんだ。
いいなぁ、車の免許を持ってるって…。 とっても便利そうじゃん。
私は免許持ってないから、いろいろ不便なんだよ。
だけど……これから飲みに行くのにどうするのかなぁ。
私はそんなことを考えながら、職員室をあとにして、駐車場を目指して外に向かう。
いや、向かおうとしたんだけど…。


188 名前:13 投稿日:2002年03月29日(金)23時04分52秒
「あ………」

渡り廊下をとおって近道をしていた私は、向こうからやってくる人影に思わず足を止める。

「……………」

それは……ひとみだった。
どうしよう………昨日の今日で、顔が合わせられないよ。
なんかね、ひとみの顔を見ると、昨晩の私の痴態が思い起こされて、顔が熱くなる。
ドキドキドキドキドキ…。 なぜだか動悸も早まってるよぉ〜。
一歩一歩近付いてくるひとみに、私はどうすればいいのか困りながら俯いた。


だけど……。

「さようなら、石川先生。では」
「………え?」


189 名前:13 投稿日:2002年03月29日(金)23時08分54秒
ひとみは…私にそれ以外を告げず、そのまま通りすぎようとした。
どうして……いつもなら……私を見つけるといろいろかまい始めたりなんかして……。

「あの…っ」

だから、私は思わず呼び止めてみたりなんかしちゃったりして。
何やってるの、私!!

「何か………?」
「あの…」
「それでは、失礼します」

にっこりと…ひとみは微笑んで、渡り廊下の……私がきた方向へと消えた。
…………笑顔はいつものひとみだった。それなのに……なんで…態度がよそよそしいの?
私のことを諦めたわけじゃないみたいなことを言っておきながら…。

「!」

ちょっと待って。 だからってどうして私がここで愕然としなきゃならないの?
これって……ひとみが私のことを諦めてくれたってことなの?
ああ…でも………。  どうして? 胸が痛いよ……。
私はゆっくりとひとみが消えた渡り廊下の向こうを振り返っていた。
190 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時12分50秒
「どうしちゃったの? さっきは元気が戻ってきたかなぁって思ったけど、
 またネガティブ梨華ちゃんに逆戻り?」
「………」

結局、車で一度柴ちゃんのアパートに寄り、私たちはその近くの居酒屋で飲むことにした。

「……ほら…、飲もう?」
「ありがと」

黙りこんでいる私に、柴ちゃんは困ったように生ビールが入ったジョッキを差し出した。
私はそれを受け取って、こくりと一口飲み込む。

『ひとみ……』

あの態度は一体なんだったの……?
考えても考えてもわからない。 意味不明だ。
191 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時16分25秒
「やっぱりさ、何かあったでしょ? 昨日」
「えっ?」

突然、柴ちゃんにそう問われて、私は顔を上げた。

「……何も……」
「何もなかったらそんな顔しないよね? ったく、もう! 
 話してよ、聞いてあげるからさ」
「柴ちゃん…」

柴ちゃんは苛立たしげにそう言うと、私の目をジッと見つめてきた。
うう……どうしよう………話してもいいかな…。
女性に…しかも、生徒に…義理の妹にいいように襲われちゃったなんてさぁ…。
絶対に軽蔑されちゃうよぉ〜。
だけど……なんかもう…私の頭では考えられない。パンクしちゃいそう。
だから……私は一部始終を柴ちゃんに話しちゃったの……。



192 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時20分59秒
「……そりゃまた……吉澤さんも思い切ったことをしちゃったんだね…」

私の話を聞き終えたあと、柴ちゃんはつまみを食べながら感心したようにそう言った。

「思いきりすぎよ…」

私はぽそりとそう呟く。

「だけどさ、実際どうなの? 気持ち良かったんでしょ?」
「なっ!」

ななな、何を突然ダイレクトに!

「隠さないでよ。吉澤さんとのエッチ、気持ち良かったんでしょ?」
「それは……」

うう……た、たしかに、気持ち…よかった………かもしれない。
頭もぼうっとして、ただ、ひたすらひとみを求めていたかもしれない。
思い出しても……恥ずかしい…。
193 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時23分29秒
「体の相性は抜群ってことだネ♪」
「柴ちゃん…私は今冗談を聞いてる余裕はないんだよ…」
「冗談じゃないよ」

えっ、 冗談じゃないの? 
私はギョッとしながら柴ちゃんの顔を見つめる。

「体の相性の良い悪いは、付き合っていく上で結構大事なものなのよ」
「そ……そういうものなの…」

真顔で説明する柴ちゃんの様子に、私もちょっと真面目顔になりつつ耳を傾ける。

「いくら性格よし、スタイルよし、顔よし、でもねぇ。
 エッチの相性が悪いと……私は長続きしないのよねぇ〜」
「……誰も柴ちゃんのことは聞いてないよ…」

私は真剣に話したいのにっ! 
194 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時26分44秒
「ごめんごめん…梨華ちゃん」

ジロッと睨んだ私に、柴ちゃんはまた口を開く。

「なら、単刀直入に聞くよ。 梨華ちゃんは吉澤ひとみが嫌い?」
「嫌い!」

即答で答える。
あんな事する人なんか、誰が好きになるもんですか!
私をバカにして、私の体を好き勝手にして……。 私は絶対に許さないから。

「…なら……この世から消えてしまってもいいぐらい嫌い?」
「……………う……うん」

やや……間があいてしまった…。
別に深い意味は……ないはず…と、自分に言い聞かせる。




195 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時30分04秒
「梨華ちゃんの嘘つき」
「どうして!?」

生ビールの入ったジョッキに唇をつけながら、飄々とそう口にする柴ちゃんに、
私はダンッと手に持っていたジョッキをテーブルの上に置いた。

「だって、間があったもん」
「それはっ!」

だから、深い意味は…。

「本当に憎むぐらい嫌いなら、ここも即答だと私は思うけど」
「………」

何も言えなくなる。

「考えてもみてよ。吉澤さんがこの世からいなくなるんだよ。もう梨華ちゃんは
 声も聞けないし、笑った顔も見られない。それはつらいでしょ?」
「つらくなんか……」

ないって言い切れるのかな、私。
196 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時32分29秒
ふと……さっき渡り廊下の上ですれ違ったときのことを思い出す。
あのとき……私にいつもどおりジャレてこなかったことが…とてもショックで……。
あれだけでもショックで不安になっているのに、ひとみがこの世からいなくなったら……。

想像するだけで胸が締め付けられるように痛くなる。
それは………かなりつらいかも…しれない。

「もっと正直になればいいと、柴田先生はそう思うわけよ」

柴ちゃんはそう言うと、

「お兄さん、生、もう2つよろしく」

ちょうど通りかかったバイトふうの男の子に、そう声をかけた。
自分の気持ちに正直に?
私は……ひとみのことは……嫌い。
でも、いなくなったり……冷たい態度をとられると酷く心もとなくて……。
………どうすればいいの? 私の気持ちが分からない。
197 名前:14 投稿日:2002年03月29日(金)23時34分03秒
「しばらく、ゆっくり考えてみたら?」
「………」

まだ黙っている私に、柴ちゃんが受け取ったジョッキの片方を差し出す。
それをまた無言で受け取る私。

「よ〜しっ! 今日は飲もう! 仕方ない、今日は私が奢ってあげるからさ、
 遠慮なく飲んで食べよう!」
「……柴ちゃん……ありがとう」

柴ちゃんなりに、励まして?………いや、なんか言葉が違うかな。
勇気づけて………?   ん? これも違う………。
えっと……『応援』してくれているのかな?
………何に応援………?

それも……私は自分で導き出さないといけないんだろうなぁ…。

「梨華ちゃんが幸せになれますように♪」

柴ちゃんはそう言うと、ジョッキを掲げて「乾杯」と呟いた。


198 名前:式神 投稿日:2002年03月29日(金)23時40分23秒
>>177-197 更新しました。

長めに更新したのですが、萌え所がなかったです。すみません。

次回は早めに更新できるようにしたいです。
199 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月29日(金)23時56分54秒
(^▽^)<お帰りなさい〜
柴っちゃんいい感じですね。
式神さんのペースで待っとります。
200 名前:じじ 投稿日:2002年03月30日(土)00時01分17秒
石川先生ちょっと惹かれだしてる?
身体の相性も大事ですよね(w
メール欄も最高でした(w
201 名前:名無し男 投稿日:2002年03月30日(土)13時46分53秒
拝啓

大漁旗が棚引いてる今日この頃いかg(略
これから大変な転機が訪r(略
続きが楽s(略

敬具
202 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月30日(土)16時18分40秒
おお、再強かと思われた吉に弱気こころが!!
ここは角田師範に弱気こころを除いてもらわないと・・・。

柴っちゃん、良い感じ!
203 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年03月31日(日)13時33分00秒
吉澤さんの愛はすごく純粋なものなのか?
204 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月31日(日)16時14分37秒
はやく吉の気持ちが石川先生に
伝わること期待!
それにしても柴ちゃんいい子ですね(w
205 名前:夜叉 投稿日:2002年04月01日(月)20時44分17秒
傾きかけた石川先生の気持ちを引き寄せることが出来るのかな?
く〜ぅ、先生の葛藤部分に萌えた自分がいますが何か(笑)。

メール欄、ごちでした。
206 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年04月07日(日)13時04分22秒
(^▽^)が眠ってる間の(0^〜^0) の懇願が最高でした。
(きっと泣きそうな顔をしていたと思われ)
柴っちゃんの居酒屋レクチャーに感心。オトナだなあ。
メール欄の番外編(?)でオナカいっぱいになりました(w
ごちそーさまです。
207 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月07日(日)21時13分07秒
押してだめなら引いてみろ作戦ですかね?(笑
石川先生は、柴ちゃんが、言うように素直になるべきかも。


イチゴ・・・ごちそうさまでした。イパーイ!!です。
ありがとうございました。
208 名前:読者24才 投稿日:2002年04月09日(火)05時42分03秒
よししばの予感
209 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月21日(日)21時02分31秒
すばらしいお友達の柴ちゃんステキです。
心の変化はあらわれるのか、石川さん。

おやつ…おかわり〜(笑


210 名前:式神 投稿日:2002年04月22日(月)22時30分54秒
本当に毎度毎度更新が遅れてしまい申し訳ございませんm(__)m

>>199 遅くなり本当にすみませんでしたm(__)m
>>200 じじさん 素直になれない石川さん大好きです!
>>201 名無し男さん 拝啓  (略    敬具  (w
>>202 吉澤さん実は弱いヤツなんです(w
>>203 梨華っちさいこ〜さん 吉澤さんなりの愛情表現ってことで純粋です
>>204 この更新で柴ちゃんはいい子だと思われるのか?

211 名前:式神 投稿日:2002年04月22日(月)22時36分39秒
>>205 夜叉さん いつもありがとうございます!こんな駄文に萌えていただける
         なんて本当にもう・・・・すみません(w
>>206 ごまべーぐるさん メール欄、かなり恥ずかしい!もうしません(w
>>207 よすこ大好き読者。さん ご名答!その通りでございます!
>>208 読者24才さん  う〜ん、どうでしょう??
>>209 石川さんの心の変化・・・ビミョォォ〜(w


212 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時38分53秒

次の日も……ひとみの態度は、あいかわらずだった。
廊下ですれ違っても、どこですれ違っても、ひとみは軽く会釈をしただけで
私の隣を通り過ぎる。
まるで……もう私なんか眼中に入ってないかのように。

「………」

そして…こんな日に限って、私は日に何度もひとみの姿を見かけてしまうの。
いつもは…そんなに学校では会わないのに……。

「……はぁ…」

五時限目開始のチャイムが鳴り響く校舎の屋上で、私はフェンスに背もたれかけさせて、
ぼ〜っと空を見上げていた。
なんにもする気が起こらない……。
気が抜けたというか……そんな感じ。
胸の辺りがもやもやするのはしてるのだけど、ずっと。

「こんな私……おかしいよぉ…」

私はそのままずるずると腰を落とすと、ペタンと床に座り込んだ。


213 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時40分15秒

「ああ………そういえば明日なんだぁ…」

明日、お母さん達は、籍を入れる。
これで正式に、私とひとみは姉妹になる。

「………」

私は目を閉じて、うなだれるように俯いた。
吉澤さんにも、お母さんにも悪いけど、私はもうひとみとは仲良くできないかもしれない。
あんなこと私にしたくせに、なぜだか私をもう必要としなくなったひとみ。
そうよ……私のことを諦めてもらうことが、私の望みだったじゃない?
だから、こんなにうじうじ悩むことなんてないんだ。
それなのに……それなのに………胸が痛いのは何故?…。



214 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時43分03秒

「梨華ちゃん! ここにいたの、捜したんだよ」
「柴ちゃん?」

聞きなれた声に顔を上げると、そこには片手を上げている柴ちゃんが立っていた。

「ま〜〜た、ネガティブ梨華ちゃんになってるでしょ?」
「そんなこと……ないよ」

つとめて平気そうな顔をして、私はそう答えた。

「梨華ちゃんって一見しっかりしてそうに見えるんだけど、意外と弱いよね」

柴ちゃんは笑いながらそう言うと、私の隣りに腰掛ける。

「く〜〜〜〜っ! 気持ちいいねー、ここはいつも! 」

柴ちゃんは、そのまま大きく背伸びをして、後ろのフェンスにもたれかかった。

「生徒がよくここでさぼる気持ちが理解出来ちゃうよね。これじゃあ、さぼりたくなるよ」



215 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時44分14秒

………柴ちゃんは一体、何が言いたいのかな?
そんなどうでもいいような会話をするために、ここにきたんだろうか。
わざわざ……。
だって、普段柴ちゃんはずっと職員室にいる。
前から何度もここへ誘っているのに、出向いてくれたことないんだもん。
それなのに……今柴ちゃんは私の隣でありきたりの雑談を話している。
何が…………言いたいの?

「柴ちゃん…私に何か用でもあるんじゃないの?」

私はたまりかねて、柴ちゃんにそう言った。

「あ、そうそう。 用件を忘れるところだったわよ」
「?」

非常にわざとらしいリアクションだけど、用件が聞きたかったのでそのままその事には
触れないで柴ちゃんの次の言葉を待った。


216 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時45分21秒

「梨華ちゃんがさ、吉澤さんへの気持ちがはっきりしないのなら、一つ、はっきり
 できるかもしれない方法があるんだけど、試してみない?」

「気持ちをはっきりさせる方法?」

私は訝しげに柴ちゃんの顔を見つめる。
…今の私には、たしかに試してみたいことかもしれない。
私の、ひとみへの気持ちがはっきりできるのなら……。

「どう? 簡単なんだけどね♪」

「それなら……試してみようかな」

私はこくんと頷きながら、柴ちゃんにそう言った。



すると…………、





217 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時46分35秒

「じゃ、遠慮なく」

何をするのかと思えば、柴ちゃんはいきなり私の体にそのまま押し乗るようにして、
地面に倒しこんできた! 

「きゃっ! 何するのよ!?」
「梨華ちゃんの気持ちを試す方法だよはあと」
「なんで押し倒すのよぉ〜?」

全然、意味不明なんですけど……。

「なんでって、こういうこと♪」
「んんんっ」

私は目を見開いて、固まってしまった。
だだ、だって!
柴ちゃんはいきなり私を押し倒したかと思うと、ポカンと開いていた私の唇を、
唇で塞いでいたの!
そう……つまりは、キスされていたってわけで……。




218 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時48分19秒

「やめっ……て……んん…ふ…」

ハッと我に返って、私は慌てて逃げようと柴ちゃんの肩を強く押し返した。
だけど、強く押さえ込まれていて押し退けることが出来ない。

「あ…んんっ」

途中で息継ぎをしながら、柴ちゃんはしつこく私の口内を貪ってくる。
何度も熱い舌が私の舌に絡みつく。

ど、どうしてこんなことするの?

私は目をぎゅっと瞑って、ひたすら耐えた。
だって、信じられないよ………。
柴ちゃんは友達なのに!  それなのに………。


219 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時49分41秒

「…っふ…」

ようやく唇を離されたとき、私は鼻から抜けるような甘い声を漏らしていた。

「ん〜、 吉澤さんが夢中になるのも分かるような気がする」
「……柴…ちゃん…?」

私の体を足で押さえ込むようにして、その手は私の手首を押さえつけている。
完璧に動きを封じられた私の顔の真上で、柴ちゃんがそう言いながら笑った。

「どういうつもりなの? 離して!」

ここまでなら、まだとりあえず冗談で済まされると思う。
だから、離して! と私は柴ちゃんを睨みつける。

「残念ながらそれは出来ないのよ、なぜなら私はこのまま梨華ちゃんを
 美味しくいただこうと思ってるから」

にっこりと、柴ちゃんはなんてことないようにサラリと言いのけた。

220 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時51分09秒

「ちょっと待って! これのどこが私の気持ちを知ることが出来る方法なのよ!」
「ホントそうだよね、どうしてなんだろうね♪」

ふふ…って意味深な笑いを浮かべて、柴ちゃんは私の首元に顔を埋めた。

「んっ!」

顎と首筋に当たる柴ちゃんの髪の毛がくすぐったくて、思わず声を漏らしてしまう。
その声に気をよくしたのか、柴ちゃんの熱い唇がうなじに押し当てられ、そのまま
ペロリと舐め上げられる。

「やめっ…離し…て……柴ちゃ……んっ!」

柴ちゃんにはちゃんと彼氏がいるって……プリクラ見せてくれたりしたのに…。

「梨華ちゃんって可愛いし…気持ちイイコトって性別関係ないでしょ」
「こんなこと…するなんて…ひどいよ!」

私は苛立たしげにそう言い放つ。
このままだとマジでやばいよぉ………!


221 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時52分27秒

「離して……お願いだから…」
「ダ〜メ」
「あっ…ん…」

慣れた手つきでブラウスのボタンが外され……。
ブラだけになった私の胸元に、柴ちゃんの唇が落とされる。

「!」

ゾクーッと、背筋があわ立った。
柴ちゃんの唇の熱さが、舌のぬめりが気持ち悪くて、私は青くなって暴れる。

「嫌っ! やめて……離してよぉ……」
「もうそろそろ観念しようよ梨華ちゃん、今は授業中だから誰も来ないよ」

……………そんな…。

「い、嫌ああぁぁぁっ!!」

私は満身の力を込めて、次にこう叫んでいた。



222 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時53分42秒


「た、助けて!!  …………ひとみぃ〜っ!!」

って………無意識のうちに。
そのときだった。

「………やっと…やっと呼んでくれましたね」
「え!?」

ふいに…頭上で聞き覚えのある声が……。
慌ててのけぞり屋上の入り口を見やると、そこには……。

「このまま私の名前を呼んでくれなければ、あやうく人殺しになるところでした」

にっこり微笑み、フェンスにもたれるようにしながら腕組みをしているひとみの姿が…。

「えっ? ひとみっ! いい、いつからそこにいたの?」

私は唖然としたまま、上を見上げる。

「最初から」
「最初??」

驚愕に見開かれた私の目は、次に、私を押し倒している柴ちゃんに向けられる
223 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時55分11秒

「吉澤さんったら…恐ろしいことをサラリと口にするんだから。
 感謝感激される立場なのに……私って……」

柴ちゃんはそう言うと、パッと私の体を離して起き上がった。
ちょっ……ちょっと待って……これってどういうことなの??
私も慌てて起き上がると、地面にへたりこんだまま二人を見比べた。
さっぱり……意味不明……。

「柴田先生、なかなかの演技でしたが……少し本気が入ってませんでした?」
「そう見えたぁ〜? 私ってもしかして女優になれるかも♪」

ひとみの言葉に、柴ちゃんがおもしろそうにそう言った。
この二人…………まさか!

「これで分かったでしょう? 梨華ちゃんの本当の気持ちってものが。私に感謝してネ」

柴ちゃんは「ふふん♪」 と偉そうに胸を張りながらそう言う。
この二人で…………私を………騙したのね………。



224 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時55分57秒

「私は感謝してますよ。 おかげで、石川先生が私のことを……」

ひとみは語尾を濁したまま、くすくすと微笑む。

「違うよ! 私は誰も呼んでないし、助けなんて求めてないもん!」
「あれ? どうでしょうかね」

ひとみはそう言うと、おもむろにポケットの中からなにやらテープレコーダー
もどきのものを取り出し………。

『た、助けて!!  …………ひとみぃ〜っ!!』

「!!!」

少し巻き戻して再生ボタンを押したかと思うと、そのスピーカーから紛れもない、
私の高い叫び声が!!

「そ、それをこっちによこしなさい!」
「嫌です。これは私の宝物にするんですから」

そんな嘘か本当か分からないような笑顔を浮かべないでよ!
225 名前:15 投稿日:2002年04月22日(月)22時56分45秒

「柴ちゃん? 私っていう友達を…!」

そして、怒りの矛先を柴ちゃんに向ける。
だって当たり前じゃない! 柴ちゃんは友達の私を、ひとみと一緒に騙したんだから!

「梨華ちゃん、そう怒らないでヨ。おかげで晴れて相思相愛になったんだし」

「どこが!!」

あああん、もう〜〜っ、悔しいよぉ〜!!

私はギギギギッと、並んで立っている二人を睨みつけた。

「あなた達、本当に最低よぉ〜〜っ!!」

私の虚しい甲高い叫び声が、真っ青な空に吸い込まれていった………。




226 名前:式神 投稿日:2002年04月22日(月)23時01分09秒

>>212-225 更新しました。


短くてすみませんm(__)m  次・・・期待してください。

227 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年04月22日(月)23時23分06秒
チッ、いししばは未遂か…
…あ、いや、オイラ、基本はいしよしっスよ。いやでも、ほら、ねぇ……
228 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月23日(火)00時10分40秒
んああああ。まさかいししばが見れるとは夢にも思ってませんでした(^▽^)川σ_σ||
私も基本はいしよしなのですが・・・。が。激しくいししばシーンに萌えました(;´Д`)ハァハァ
なんか子猫のじゃれあいみたいでかあいい。石先生にはじゃれあいなんて
もんじゃなかったんでしょうが(w

私、飽きるどころか更新されるたびますます話にはまりこんでいってるんですけど何か?
229 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月23日(火)00時44分02秒
私も飽きるどころかハマりまくりですが、何か?

次回のエロはいしよしかな?
楽しみに待つであります(;´Д`)ハァハァ
230 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年04月23日(火)01時01分30秒
攻め柴・・・萌えました。
231 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月23日(火)09時49分31秒
いししばが見れるなんて!!
萌えでございます(w
次はいしよし期待してよろしいでしょうか?
更新マターリでいいのでがんがってください!!
232 名前:夜叉 投稿日:2002年04月23日(火)19時38分09秒
全く、呆れてなんぞいませんぞ。むしろ、お待ちしてでも読みますよ。書いてください、是非。
柴ちゃん、まぢっぽいのですが(爆)。
次、期待していいんですね?お待ちしてます。
233 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月24日(水)00時54分24秒
柴っちゃんたら・・・。やるな。
でも、「人殺し」なんてさらっと言える吉最強!!

今日も石川さんは振り回されっぱなし。
でもそんな石川さんに萌え〜。

次回更新までマターリお待ちしております。
234 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月24日(水)23時10分28秒
屋上で何やってるんだか・・・ナニやってるんだか・・・
柴、いい性格してますね(w
235 名前:名無し男 投稿日:2002年04月25日(木)12時44分16秒
ドカーソ!!
大爆発!
236 名前:じじ 投稿日:2002年04月25日(木)23時52分40秒
飽きる筈も無く虜になっています(w
次回が愉しみですね!
やはり式神様は神ですね。
237 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月28日(日)06時53分54秒
柴ちゃん、なんだかなれたようすですね。。。
続きをみてみたいきが…
お次をドキドキしながら待っとります。
238 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月29日(月)20時53分25秒
続きが読めるのなら何日でも、待ち続けます。
柴っちゃんイイ!
続き楽しみにしています。
239 名前:式神 投稿日:2002年05月08日(水)01時06分59秒
>>227 梨華っちさいこ〜さん 『石柴』もしかして人気あるのでしょうか?

>>228 そうだったらもうちょっと『石柴』シーン多めに書けば良かった(w

>>229 有難うございます! 次回はエロと予告したのですが・・・

>>230 ごまべーぐるさん 攻め柴・・・自分も好きです

>>231 こんな駄文に萌えてもらい嬉しいです!更新遅めですが頑張ります。

>>232 夜叉さん いつも有難うございます!期待されている(汗・・・すみません

>>233 自分が書く石川さんはいつもこうなります。何故だろう?

240 名前:式神 投稿日:2002年05月08日(水)01時18分29秒
>>234 屋上でねぇ・・・ナニやってんでしょうね(w

>>235 名無し男さん  いつもですが癒されます!

>>236 じじさん 貴方こそ神ですよ!なんの? エロの(w
         私の仕事、代わりに書いてくれませんか?本当に(w
 
>>237 『石柴』〜時間があったら挑戦してみたいです。

>>238 よすこ大好き読者。さん 
    更新遅くて本当にすみませんm(__)m


次回は・・・エロだと予告したのですが自分の納得いくものが書けず
中途半端な更新になります。
本当に申し訳ございませんm(__)m 
241 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時20分06秒
その日の夜。
逃げられないように、私は柴ちゃんの車でアパートまで送り届けられた。
なぜだか、ひとみも一緒に。
アパートの前で私たちを下ろすと、柴ちゃんは去り際にこう言った。

『嫌よ、嫌よも、好きのうちってね。梨華ちゃんはもっと素直になりなさい♪』

そうデコピンをしながら……。

『……もう、柴ちゃんなんか絶交なんだから』

私はヒリヒリするおデコを押さえながら、柴ちゃんの車を見送った。


そして…………。



242 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時21分39秒
「もう、何やって……あっ!」
「仕方ないじゃん……嬉しくてもう押さえきれない…」
「バカッ!」

玄関を入ってすぐに、ひとみは私を後ろから抱きしめてきた。
何考えてるのよ? いつの間にか言葉も敬語からタメ口に変わってるし…。
それに、誰もこんなことするなんて一言も言ってないのに!

「やめっ………んっ!」

背後から伸ばされた手が、私の顎を捕らえて固定したかと思うと、耳朶を甘噛みされる。

「あっ……あぁ……ん」
「ここ……弱かったよね」

くすくす笑う吐息が、耳元を刺激する。
243 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時22分41秒
「ちょっと……い、いい加減に……っ」
「もう何も怖くないから…焦らなくてもいいし…」

そんなの最初から怖がってなかったじゃない!

「…でもここじゃやっぱりヤバイね。誰かがうっかり入ってきて、
 先生の可愛いところ見られちゃうのは、ウチ絶対許せないから!」

「!」

私はびくっと体を強張らせた。そそそ、それは絶対に嫌っ!!
こんなところ、誰にも見せられる訳ないでしょう!

「でも…先生はウチのものだぁ〜って見せびらかしたい気持ちも
 少し……あるんだけど…」
「冗談は…よして…」

私は震える声でそう答える。
本当に冗談じゃない! そんなこと、絶対に……。

244 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時23分41秒
「……それじゃ、 三者選択です♪」

震える私の体に、ひとみがくすくす笑いながら続けてこう言った。

「一番、ここでする。二番、寝室へ行く。三番……ウチをこのまま追い返す」

選択肢の中に意外な項目が入っていて、私は驚いて目を見開く。

『このまま追い返す?』

それなら、答えは決まってるじゃない!

「三番! 何が何でも三番よっ!」

私はそう言うと、一瞬の隙をついて、ひとみの手を振り払った。
そして、慌てて部屋に入ると、振り向いてひとみを睨みつける。
さぁ、どう出るの? そんな項目を入れたことを後悔すればいいのよ!


245 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時25分02秒
「ふ〜〜ん……」

さぞかしショックを受けているかと思いきや…………あれ?
ひとみは余裕の微笑みを浮かべたまま、私を面白そうに見つめている。

「な……なによ……」

声が震えてしまう。  ひとみがあまりにも不気味だから…。

「本当にそれでいいの?」
「あ、当たり前でしょ! 何言って…」


「愛しています、先生」
「!!」

突然…ひとみは真顔になると、真剣な眼差しで私を見つめて、そう言った。




246 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時26分11秒
「あ…あの……」

「貴方しかいらない。貴方しか欲しくない。……貴方だけが欲しい…」
「!」

瞬間。
私の顔は耳まで真っ赤になるぐらい赤くなって………。
だ、だって、こんなの卑怯だよ。 こんな…突然マジメな顔してそんなこと言うなんて…。

「……梨華」
「やめて…」

名前でなんか呼ばないで。 いつもみたいに『先生』とか『お義姉さん』って呼んでよ!
そうじゃないと……私……私………。




247 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時27分35秒
「あ……」

固まったまま動けなくなった私を、ひとみは…今度は真正面から強く抱きしめてきた。

「捕まえた…」
「……」

逃げられない。

「さっきのあいだ、いつでも逃げられたのに……逃げなかった。
 これは……期待してもいいってこと?」
「ち、ちが……っ…」

『違う』とはっきり否定できない私がそこにいる。

「あ……ん…」

ぐいっと顎を掴まれて上を向かされ、私は深いキスを受けていた。

「んんっ…ふ…」

ひとみの空いてる片方の手は、強く私の腰を引き寄せている。
昼間、ずっと留守にしていたこの部屋は、春の陽気の名残を残し、温度も湿度も高い。
その中で、私はひとみに抱きしめられ、じんわりと額に汗をにじます。
だけど………振り払うことができなかった。
248 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時28分41秒
「逃げないの?」
「………」

唇を離され、そう問われ…私は返答できなくて俯いた。

「もう…逃がさない」
「きゃっ!」

ふいに、私の体が宙に浮く。

「ちょっ…!」
「逃がさないって言ったでしょ?」

ひとみに………『お姫様だっこ』をされてしまっていて……。
な、なんかめちゃくちゃ恥ずかしいよぉ〜!


249 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時31分26秒
「今日は優しく愛してあげる」
「!」

寝室に入り、ベッドに下ろされる直前、耳元でそう囁かれて、私は恥ずかしさに視線を逸らす。
こんなこと言われて…喜んでいる自分に、私はもう嘘がつけないと思った。
私は………そうされることを望んでる?
いや、意識は否定している。
相手は女性。生徒。そして、明日正式に妹になるひとみ。
だから、こんな関係は間違っている。
だけど……私のカラダが……この前の夜の快楽を覚えてしまっていて……。
それに……頭の中ではなく、心の中で、私の感情が………ひとみを求めている。

「…っ!」

ベッドに下ろされて、私はカラダを強張らせた。
まだスーツも何もかも身につけたまま。
ひとみは一度軽くにっこり微笑むと、ベッドの上の私に近付いてきた。
250 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時32分44秒
「先生…」

呼び方がいつものひとみに戻っていた。なぜだかホッとする。

「先生……愛してる…」
「んっ…」

軽い口づけが私の唇をかすめたかと思うと、ひとみらしくなく、性急な動きで
私の服に手をかけた。

「やめてっ……やっぱり、嫌っ!」

服を脱がされながら、私は恥ずかしさのあまり、思わずそう言った。
だって、これだと私、全部認めたことになっちゃう!
ひとみのことを好きだってことまで………全部。
…………やっぱり。
私はひとみのことが好きなんだ。
強引で偉そうで…自分のことばかりで。
だけど、どれも私には持っていないものばかりで…。
だから惹かれたのかもしれない。

251 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時34分03秒
「ダメみたい、先生…。 ウチ…もう止めらんない」
「あっ……ん」

ひとみはそう言ったあと、少し乱暴に私の服やブラを脱がせていった。
上半身を剥き出しにすると、点々と口づけてゆく。
ときおり舌で先端をチロリと舐めながら、紅色の痕をつけてゆく。

「あっ……あぁ…ん…」

そして…私のカラダにも変化が現れ始める。
くすぐったいようなそれだけの愛撫に、ゆっくりと私のソコは濡れ始めていて…。
……………もうダメ……重症みたい………。

「ウチに感じてくれてる先生……可愛い」

嬉しそうなひとみの声が耳に飛び込んできた。

「ち、違うも…んっ!」

なけなしの強がりで、私はそう返す。


252 名前:16 投稿日:2002年05月08日(水)01時36分36秒
「嬉しい…」

ひとみはそう言うと、ショーツ越しにそっとキスをする。

「やめてっ!」

ビクッと私のカラダが大きく揺れた。

「あいかわらず敏感だね……少しでも、柴田先生に触れられたかと思うと
 嫉妬でおかしくなりそう……」
「あ……あれは、貴方たちがっ!」

私のせいじゃ……ないもん…。

「それでも……嫉妬しちゃうんだなぁ…ウチって」

ひとみはそう言うと、するりと私のショーツを剥ぎ取ってしまった。
そして……私は何も羽織っていない、生まれたままの格好になる。
やっぱり、恥ずかしいよぉ〜〜っ!




253 名前:式神 投稿日:2002年05月08日(水)01時39分39秒
>>241-252 更新しました。

中途半端で本当にすみませんm(__)m
今週中には更新できるように頑張ってみます。
254 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月08日(水)03時37分07秒
ぐはぁ!!(吐血)
よ、よすぎます。
続きをマターリと待ってます。
255 名前:名無し男 投稿日:2002年05月08日(水)19時00分02秒
中途半端で切られて余計元気になりますた
256 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月08日(水)19時43分49秒
>ウチ…もう止めらんない
私の妄想も止められません。(笑
思いっきり妄想しながら、待っています。(謎
257 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年05月08日(水)21時53分38秒
自分もよすこ大好き読者。さんと同じく止まりませんが何か(w?
いけ!ヨスコ!!お赤飯炊いて待ってるからね!!
258 名前:じじ 投稿日:2002年05月08日(水)22時18分42秒
止まらない3号参上!
つ…続きを…

あと、あれって・・・?
259 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月09日(木)01時19分43秒
うわぉあぁあ〜〜〜そ・そこで切りますか…
キツイっスよ。マジで。
と、いうことでオイラも妄想開始!!…そのまま4号になります。
260 名前:じゃない 投稿日:2002年05月09日(木)02時22分05秒
(^▽^)<マイペースマイペース♪>(0^〜^0)
261 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年05月09日(木)18時15分07秒
激しく萌え。最近エロに飢えてるので(略。
やっぱり、いしよしは萌えますね。

>260じゃないの、ちくわいぃなぁ〜(w.
262 名前:夜叉 投稿日:2002年05月09日(木)21時04分55秒
鼻血で輸血第一号…。
263 名前:式神 投稿日:2002年05月22日(水)01時25分48秒
今週中とかいいながら、かなり遅くなってしまいました。
いつもいつもすみませんm(__)m

>>254  遅くなってすみませんでしたm(__)m
>>255 名無し男さん
   今回の更新でもっと元気になってくれれば本望です!

>>256 よすこ大好き読者。さん
   妄想をこえるものになったか・・・不安です。

>>257 ごまべーぐるさん
   お赤飯・・・・・大好物です(w

>>258 じじさん
   そうです、お邪魔しちゃいました。
   自分の稼ぎがよければ、じじさんの一人や二人・・・(w

264 名前:式神 投稿日:2002年05月22日(水)01時31分57秒

>>259 梨華っちさいこ〜さん
    本当にこんな中途半端で切り、そして遅くなってごめんなさいm(__)m

>>260 じゃないさん
    ありがとうございます!! じゃない女史にもこの言葉を
    (^▽^)<マイペースマイペース♪>(0^〜^0)

>>261 名無しベーグル。さん
    昨日は、どうもです。私も最近エロに飢えてます。
    ので、ヨロシクお願いします(w

>>262 夜叉さん
    この前、夜叉さんのために献血しました(w


265 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時34分20秒
「やっぱり……だめ…離して……」

思わず叫ぶと、ひとみはいつもみたいにイジワルに笑って、

「離していいのかな、先生?」

言いながら、カラダの間に滑り込んできたひとみの手が、逃げる間もなく
私のソコに触れてきた。

「………ここが………」

そう言いながら指先が割れ目にそって軽く上下されただけで、カラダの奥の欲望が
ジュン と熱をもって熱くなるのが分かる。

「………あっ…、だめっ……」

かぶりを振って逃げようとする私を、ひとみは容赦なく抱き留め、
今度は強くソコを愛撫される。

「……あぁ……んっ…!」
「気持ちいい?」

耳元で囁くから、私のカラダ………痺れて動けなくなっちゃう……。

266 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時36分20秒

「気持ち……良くなんか……離して…吉澤…さ…ん」
「二人きりの時は、『ひとみ』 って呼んでほしいな」

ひとみはそう言いながら、触れていただけの私の蕾をキュッと摘まんできた。

「……んっ! あぁ…ん」

「…名字で呼んだら、こうしてお仕置きするからね?」
「ダメ……だって、生徒だし……妹になるんだし……」
「ほら……、またそんなこと…」

そう言いながらもひとみは、指先で巧みに蕾を愛撫してくる。
その度に私のカラダは快感に我慢できずビクンと反り返ってしまう。

「………あっ…あぁん…っ…本当にやめ……てっ……」
「そんなに可愛い顔して…本当に強情なんだから。それとも、
 お仕置きをされたくてわざと言ってるの?」
「えっ……ちがっ……!」
「そうなんでしょ?」

イジワルに囁きながら、ひとみの滑らかな指先が蕾の下の花弁の奥を優しく撫でる

267 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時39分20秒
「……あぁ……」

トロリ、と溢れてしまった透き通った秘液を、ひとみの指がゆっくりとすくい上げて、

「もうこんなに濡れちゃってるじゃん、先生のカラダってエッチだよね♪」
「……あっ……ちが…っ」
「違わないよ…その証拠に……」

感じて尖りきっている蕾にその秘液を、ヌルッと塗り込められて、
私の足は勝手に突っ張ってしまう。

「はぁっ…………あぁんっ!」

締め切った部屋に、ピチャピチャという音だけが響いている。
その淫靡な音のせいで、なんだかますますひとみの指だけをリアルに感じてしまう私………。

「………あぁ……んっ……」

私の熱くてどうしようもないソコから、またトロリと秘液が流れ落ちるのが分かる。

「……ほら、またこんなに溢れてきたよ」

それを…内股に塗り込められて、開かれた私の脚がピクッと跳ね上がる。

268 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時42分13秒
「それにさぁ……今さら……止めらんないっしょ…」

そう言いながら、ひとみの体温が肌に近付いてきて、溜め息が私の胸元をくすぐる。

「……あぁ……んんっ!」

そのまま、乳首の先に触れてくる柔らかで濡れた感触…。


…………ひとみの唇?…………


そう思っただけで、私の乳首はビクンと硬く尖ってしまっていて……。
ひとみの言う通り…私のカラダって………エッチなのかな?
やっぱり………恥ずかしい………。



269 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時43分30秒

羞恥に逃げようとする私を、ひとみは容赦なく簡単に引き寄せてしまう。そして、
尖って敏感になった私の乳首に触れてくるひとみの柔らかな唇。

「…………やぁ……っ……」

揉まれながら掌で優しく包み込み、チュッと強く吸い上げられ、舌で責め苛む
ように舐め上げられ、私の背中にビリビリと電流が走った。
電流は私の下半身に流れ込み、そのまま花弁の奥から秘液をまた
トロリと流れさせてしまって………。

「…ぁあっ! やぁっ………」
「…また、こんなに濡れちゃった。気持ちいい?」

囁いて、わざとゆっくりと乳首を舐め上げてくる。
同時に、蕾を愛撫している指先をじらすようにそっと動かされて
あまりの快感に私の背中がグッと反り返ってしまう。
270 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時44分45秒
「吉…澤さ……ん…ぁっ……やぁ……やめて……っ!」
「気持ちいいって言ってよ…先生、それと『ひとみ』でしょ。言わないと…」

そうひとみが言って、ふとその動きを止める。
さんざん嬲られた私のカラダの中で、行き場のない快感が嵐のように駆け巡る。

「………いやっ………お願い……」

苦しくて思わず言ってしまった私に、ひとみはわざと甘い声で、

「何をお願いしてるの? やめてって言うからやめてあげたのに…」

…………………ああ…………………。
私の目尻から、快感の涙がこぼれ落ちた。
……ひとみって、なんでこんなにイジワルなのかな……?
………でも………。
私の心が、ひとみへの愛しさにキュッと痛む。
いつのまにか……ひとみのこと、こんなに好きになってたんだ…私……。


271 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時46分37秒
「……先生……お願いがあるなら言ってみて?」

そうひとみに囁かれ、蕾に触れている指をゆるく動かされる。
私はコクンと息をのんでしまってから、

「………はぁっ!…吉……の…ほし………」
「欲しい? 何を?」

答えながら指先を感じやすい花びらに沿ってくすぐるように動かされる。
秘液でトロトロになったソコへの愛撫は、震えるような快感を私に伝え……、

「………あっ………あっ…あぁ、ん……っ!」

私の腰が、何かを欲しがって、勝手に揺れてしまう。

「自分から腰を揺らすなんて……本当に先生ってエッチなんだから」

イジワルな声で囁き、まるでお仕置きをするかのように手の動きを止められてしまう。

「………あっ………ああ……いやあ……」

全身を行き場のない快感が荒れ狂い、またトクンと秘液が溢れ出る。

………ああ、このままじゃ……私……オカシクなっちゃう………!


272 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時49分05秒
「……お願い………ひとみが欲し……」

思わず言ってしまった私に、ひとみは優しく微笑み、

「嬉しい………梨華……愛してる…」

言いながらぎゅううっときつく抱きしめられる。
とってもイジワルだけど………、
ひとみが私の前でだけこんな無防備になってくれることがすごく嬉しくて、
そして、私を愛してくれるひとみがとても愛しくて、私も………、

「ひとみ……愛してる………」

私は、ひとみのカラダにすがりつき、心から囁いた。
自分の気持ちがこんなにも正直に言えるなんて…私は自分でも驚いてしまう。

273 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時50分12秒
「……梨華……もう……離さないから……」

そう甘い声で囁きながらひとみの指が、ヌル、と私の奥に滑り込んできた。
私はもう何も分からなくなってひとみのカラダにすがりつき、内部を侵すひとみの
美しい指を感じる。

………ああ、もうダメ………!

少しだけ差し込まれただけでイってしまいそうになった瞬間、ひとみは私の
ソコから指を引き抜いた。

「………ああぁっ、ひとみぃっ………!」

イけなかった苦しさに身をよじらせた私の脚を、ひとみは容赦なく押し広げる。

274 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時51分55秒
「……梨華……もっと…もっと…ウチを感じて……」

今度は二本に増やされたひとみの指が、プチュッと音を立ててまた奥に差し込まれる。

「………ああぁっん!」

わざとプチュプチュと音を立てながらゆるゆると指を揺らされ、押し広げられて、
私はもう狂いそうなほどに感じてしまう。

「……ウチのこと…もっと欲しい?」

ひとみの大きくて綺麗な瞳に吸い込まれそうになりながら、私はかすれた声を漏らした。

「……ほ……欲しいよぉ……来て……ひとみ……」

必死の思いで見上げると、ひとみはなんだか困ったような顔で苦笑して、

「……すごい。 そんな色っぽい目で誘われたら、ウチの方が先にイッちゃいそう」

そう囁きながら、グッと奥にひとみの指が強く押し入ってきた。

「……あっ、ああん……!」

カラダを走った強い電流に、カラダが反り返る。
快感に震える私のカラダをひとみは、片方の腕で抱きしめてくれる。
275 名前:16 投稿日:2002年05月22日(水)01時53分57秒
「……動かすよ。 大丈夫?」

私は我を忘れてうなずき、無意識のうちに脚を開いてしまいながら叫んでしまってた。

「………お願い……来て………!」

ひとみはゆっくりと抽挿を開始する。その緩急をつけた巧みな動きに、
私はただ喘ぎ、感じ、ひとみの背中に爪を食い込ませてしまっていた。

「………あっ、ああぁ……ん、ひとみ……好き……」
「……あ……ウチも……梨華……っ!」

ひとみの言葉に、私はぎゅううっとしがみつきながらイっちゃってた。
息を弾ませる私に、ひとみが優しいキスをしてくれる。
それから、甘い甘い声で私に囁いてくれた。

「……ずっと梨華だけ……愛してる……」

失いかけていた意識の中で……ひとみの優しい言葉を、
とても穏やかな気持ちで受け取っていた……………。

276 名前:式神 投稿日:2002年05月22日(水)01時58分48秒

>>265-275 更新しました。


自分の今の精一杯です。萌えていただければ嬉しいのですが・・・
この話も今度の更新で終わりになります。
あともう少しだけお付き合いくださいm(__)m

277 名前:じじ 投稿日:2002年05月22日(水)02時00分55秒
萌えすぎでした(w
これで明日からも生きていけます!
生きる活力をありがとうございました!!!

終わるのは寂しいですね・・・
278 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年05月22日(水)02時02分16秒
リアルタイムでした。
萌えすぎて死にそうです。。。
感動しますた(T▽T)
279 名前:REDRUM 投稿日:2002年05月22日(水)02時03分35秒
リアルタイムには刺激が強すぎです。
萌え果てました。は、は、鼻血がぁ!!!

式神さんの作品は明日への活力です。
何処までも付いていきますとも!!
280 名前:夜叉 投稿日:2002年05月22日(水)02時05分05秒
リアルタイムで萌えさせていただき、有難うございました。
献血までしてもらって、この上ない喜びです(笑)。
次回で終わりですか…、あまりご無理をしないでくださいね。
マターリと更新お待ちしております。
281 名前:ごーまるいち 投稿日:2002年05月22日(水)02時06分46秒
リアルタイムで拝見させて頂きました!
萌え尽きました。ありがとうございます!
終わってしまうのは寂しいですが…次回をマターリお待ちしてます。
282 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年05月22日(水)18時11分23秒
激しく萌えさせていただきました。
お仕事が忙しいようですね。無理せずマターリお待ちしております。
次回で最後なのは寂しいですが。
283 名前:名無し男 投稿日:2002年05月26日(日)21時51分06秒
マジ半端なく

激しく萌え



次が最後

いと悲し
284 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月27日(月)23時34分18秒
お腹イッパイイッパイ!
ご馳走様でした。次回が最後。
悲しいですが、楽しみにお待ちしています。
285 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月30日(日)05時19分11秒
もう一ヶ月が…
かなり作者さんの作品好きです!
楽しみに待ってま〜す。
286 名前:名無しどくしゃ 投稿日:2002年06月30日(日)20時54分17秒
ハツレス。ずっとROMってました。
作者様の作品は必ずmeの心をワシヅカミしていきました。
時がタチマスガぁマターリまってます^^
287 名前:式神 投稿日:2002年07月10日(水)01時12分53秒

長い間、一ヶ月も更新しないままで、申し訳ございません。
今週中に仕事の方が落ち着きそうなので、14日(日)に更新します。
本当にすみませんm(__)m
288 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月12日(金)20時28分02秒

14日……出掛けてるよ……鬱……
289 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月14日(日)17時52分59秒
更新楽しみに待ってます!!
いよいよ最終回!?ですよね確か。頑張って下さいね!
290 名前:式神 投稿日:2002年07月14日(日)23時29分37秒
お待たせしました。
レスの返事は最後に致します。
何度も言いますが、

本当に遅くなり申し訳ございませんでしたm(__)m

291 名前:『エピローグ』 投稿日:2002年07月14日(日)23時33分44秒
「おめでとう、お母さん、お義父さん」
「ありがとう、梨華」
「ありがとう、梨華さん」


次の日。
私は、ひとみと一緒に吉澤家へ向かった。
今日からここが、お母さんの家。
なんだか…とても不思議な感じがするの。それと同時に
奇妙な期待も感じていたりして……。
つまり、こういうのって複雑な心境って感じかな?

「おめでとうございます、お義母さん」
「ありがとう、ひとみさん。 これからもよろしくね」

ひとみからの祝福の言葉に、お母さんはまた年甲斐もなくテレちゃってる。
なんだか、とっても幸せそう……。

292 名前:『エピローグ』 投稿日:2002年07月14日(日)23時36分08秒

「梨華さん、この家は今日から君の家でもあるんだ。
 いつでも気軽に立ち寄って欲しい」
「ありがとうございます。ぜひそうさせてもらいます」

私はお義父さんの言葉に、素直にお礼を言う。

「部屋も余っているから、いつでも帰ってきてくれていいんだよ」
「はぁ………」

その言葉には、ちょっとノーコメント。
私はなんだかんだと、今の暮らしが落ち着いているからここに
住むつもりはない。でも、たしかに部屋は余ってそう…。
一軒家の吉澤邸は、二階建てでかなり大きい。

293 名前:『エピローグ』 投稿日:2002年07月14日(日)23時38分47秒

「だめですよ、父さん。先生は今の部屋が気に入っているんです……私もね」
「えっ?」

にっこり微笑みながら、今何気にさらりと怖いこと言わなかった?

「ひとみも? そういえば、昨日の夜も泊まっていたようだな
 いや…仲がいいのは良いことだ!」

お義父さんは嬉しそうにそう言うと、次に私のところへ来て、

「ありがとう、梨華さん。ひとみがあなたの前だと敬語を使わないのは
 心を開いた証拠だ。実の父親である私にも敬語を使う始末でね。
 これからも、ひとみのことよろしく頼みます」
「………………はぁ……」

これもぜひノーコメントにさせて欲しいんだけどな………。
思わず遠くを見ながら私は、しどろもどろの返事をする。
294 名前:『エピローグ』 投稿日:2002年07月14日(日)23時42分12秒

「心配は無用です、父さん。先生は私のために本当によくしてくれるんです♪
 それはもういろんなことを…………ねっ、お姉さん」
「えっ!?」

またなんだか、意味深な発言!!

「ひとみ、本当によかったな。 こんな素敵なお姉さんができて…」

だけど、お義父さんは私の心中を知ってか知らずか、嬉しそうに
ひとみの肩を叩きながらそう言った。
もう……や……やめてほしいよぉ……。

「ええ……、素敵すぎて……毎日が楽しくて」

くすくすと、ひとみはいやらしそうに目を細めて私を見ながらそう言った。
295 名前:『エピローグ』 投稿日:2002年07月14日(日)23時45分08秒

「ねぇ、そろそろ家族揃って初の夕食をしましょうよ」
「おお、それはいいね」

お母さんがキッチンから私たちを呼んだ。
その声に、お義父さんが答え、そそくさとリビングを後にしてキッチンに向かった。
残されたひとみに、私は後ろから背中を何度かはたく。

「ちょっと! 変な目で私を見ないでよ! それから変な発言もしないこと!」
「どこが?」

くるりと振り向いたひとみは、いつもの余裕たっぷりの笑顔でそう言う。

「さっきから全部!」
「本当のことなのになぁ…」

くすくす笑いながら、ひとみがおもしろそうにそう言った。
296 名前:『エピローグ』 投稿日:2002年07月14日(日)23時47分44秒
「いい? 私たちのことバラしたりしたら、私はあなたのこと許さないから、
 もちろん、この関係だってやめちゃうんだからね」
「はいはい、分かってるって」

ひとみは本当に分かっているのか怪しい態度を見せながら微笑む。
あ〜あ、ひとみより年上なのに…さっきから一人であたふたしちゃってて、
なんだか情けないよね、私って……。
でも、こういうひとみを好きになったんだし……それに恋人なんだもんね。
一生………こういう関係でも…いいかな。

「二人とも? 食べないの? 早くいらっしゃいな」
「うん、すぐ行く」

キッチンからの再度の呼びかけに、私は大声でそう返事してからひとみを
真正面から見つめる。

そして………





297 名前:『エピローグ』 投稿日:2002年07月14日(日)23時51分05秒
「ひとみのこと、ちゃんと好きだから……大好きだからね」
「………………」

ひとみが私の言葉に、今まで見たことのないマヌケ顔になった。

「だから、もうお母さんたちの前で変なことしないでよ、先にキッチンに行くね」

あ然としているひとみにそう言って、そのままキッチンに向かおうとした。んだけど…

「きゃっ!」

ぐいっと腕を引っ張られ、私はひとみの胸の中へ。
そして間髪を入れずに触れるだけの軽いキスをされる。

「ちょ、ちょっと!」

さっき言ったばかりじゃない!

「もう……嬉しすぎて、このまま寝室に連れて行きたい気分♪
 だから今日は先生の所に泊まるから。思いっきりウチの愛を受け止めてね」

に〜〜っこり。
まるで天使のような微笑で、さりげに怖いことを口にする悪魔なひとみ。

「……今日もなのぉ〜!」

私は…深い、深〜〜い溜め息を一つ、つくのだった。



                    〜〜 END 〜〜

298 名前:式神 投稿日:2002年07月15日(月)00時07分09秒
>>291-297 更新しました。

今までこのような駄文にお付き合いいただき、有難うございました!
『いしよし』の先生&生徒モノを突発的にその場の勢いで書いてみたく
なり、こんな内容のないものになってしまいました。反省してます。

反省しているのに、番外編という駄文を仕事の合間に書いてみました。
近いうちに出せればと思っています。

それまでお付き合いください。
299 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月15日(月)00時43分57秒
一言…… 最 高 で す た !
エロを超越して、もはや感動の域に……

次回作&番外編、マターリお待ちしてます。
300 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月15日(月)10時21分31秒
お疲れ様でした!
式神さんの作品はいつも面白いです。
番外編も楽しみに待ってます!
301 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年07月19日(金)13時12分41秒
もうもう、スゴイとしか言いようがありません。
番外編期待してます。
お疲れ様でした。
302 名前:nanasi 投稿日:2002年07月21日(日)00時05分31秒
はあと
303 名前:名無しどくしゃ 投稿日:2002年07月22日(月)18時09分48秒
っもう、まぢイイ!でした。
番外編、期待しながらマターリ待ってます。。
ホント、お疲れ様でした。
304 名前:名無し男 投稿日:2002年07月28日(日)18時09分56秒
番外編を白目剥き出し&鼻の下伸ばし&ヨダレダラダラ舌伸ばし
&種田のようなバッティングフォームでマターリお待ちしております
305 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月22日(木)20時18分17秒
式神さん、いつまでも待ちます。保全。
306 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月12日(木)17時39分56秒
まだまだ待ちますよ
307 名前:名無しさん 投稿日:2002年10月02日(水)16時43分09秒
保全
308 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月02日(水)16時43分40秒
sage
309 名前:名無し 投稿日:2002年11月16日(土)21時05分59秒
式神さん、番外編よろしくッス!
いつまでも待ちます!
310 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月15日(日)02時40分37秒
式神サーン、モウッ ジ ラ さ な い で (は・あ・と)
ソロソロ、カムバックプリーズ。
311 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月05日(日)14時18分11秒
応援してます。
312 名前:名無し 投稿日:2003年02月01日(土)21時01分12秒
待ってるYO!!
313 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月02日(日)01時18分36秒
sage
314 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月01日(火)04時36分38秒
もうだめぽ
315 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月24日(木)14時50分21秒
保全
316 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月14日(水)17時21分27秒
書いてください。
317 名前:名無しさん 投稿日:2003年05月30日(金)10時18分55秒
ほ ぜ む
318 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月30日(月)01時58分13秒
ほぜんほ
319 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月26日(土)10時50分46秒
320 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月11日(月)20時48分35秒
いたずらですか?
321 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月14日(木)03時27分19秒
ったく、更新されたかと思えば…
くだんねー事してんなよ、っとに。
322 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月25日(月)19時05分51秒
式神 氏へ

貴方が過去に投稿した「無敵なライバル」(月板倉庫)が、南原兼「ハートもエースも僕のもの」(ラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ、2000年)を無断で丸パクリしたものだとの指摘がありました。
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/imp/1049373391/334-342n
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/imp/1045555051/706-

指摘が事実なら当該作品の削除依頼を、そうでない場合はその旨の表明および納得のいく説明を望みます。
1週間以内に貴方からの反応が無い場合はこちらで削除依頼します。


また、貴方の他の作品「くちづけのその後」(月板倉庫)および本スレ「イタズラな放課後」についても、盗作疑惑がかかっています。この点もきちんとした説明を望みます。
もし仮にこれらも無断丸パクであれば、自主的に削除依頼することを希望します。
323 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月27日(水)18時30分22秒
>322
やれやれ
夏ももうすぐ終わるな
324 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月27日(水)20時43分01秒
>>323
案内スレでも覗いてみたらどうだい?
325 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/28(日) 01:04
hozen
326 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/30(木) 03:53
HOZEN
327 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/05(金) 03:39
ほぜ
328 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/10(水) 16:55
ほぜむ・・・・はあとはあと
329 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/10(水) 19:27
落ち
330 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/14(土) 15:08
マターリ保全

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