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裕ちゃん第一主義
- 1 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月15日(火)17時11分04秒
- 初めて小説書きます。
中澤姐さん大好きです。で、何か書いてみたくなりました。
かなり自己満足な世界ですが、暇があったら読んでみてください。
- 2 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月15日(火)17時14分57秒
- ――― スタート地点 ―――
パンパンパパ‐‐ン。花火の音。
「はいっ! 始まりました。第一回 中澤裕子争奪ウサギとかめ競争。
実況はチャーミー石川、解説は飯田圭織さんです。」
「どうも飯田圭織です。」
「早速ですが飯田さん、中澤裕子争奪ウサギとかめ競争ってなんですか?」
「えっ石川知ってるっしょ?有名じゃん ウサギとかめの話。」
「えっ?」
「じゃあ、説明するね。童話のウサギとかめのように☆塔ウ○♪‡☆塔ウ○!!」
いきなり、交信状態に入った飯田。カンペを見ても「つぎへ」とあるだけ。
「あ〜ん飯田さぁ〜ん、わかりませ〜ん(TT)」
「ようするに早いもの勝ちや。」
「あっ平家さん。。。」
- 3 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月15日(火)17時18分09秒
- 「一番に姐さんをGETしたもんがそのままお持ちかえりしていいんや。」
「それって中澤さん知ってるんですか?中澤さん何処にいるんですか?」
「20kmほど先の丘の上の公園でビール飲んでるで。
このこと知ってたら暢気にビールなんて飲んでへんって。」
「で、状況どうなってるん?ちゃんと実況せなあかんやろ」
「あっ、えーとですね、モーニングのみんなはきれいにスタートしていきました。
メロンと亜弥ちゃんはエントリーでてこずっている様でまだスタート受付にいます。
カントリーもエントリーしているんですが…会場に姿がありません。」
- 4 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月15日(火)17時20分36秒
- 「平家さんもエントリーしてますよね。スタートしなくていいんですか?」
「うち、稲葉姐さんまってんねん。今日車で来てるっていってたから乗せてもらうねん。」
「えーーーっ!!それって反則ですよね。」
「反則ちゃうで。ほら、公式ルールブックみてみぃ」
『中澤裕子争奪ウサギとかめ競争公式ルールブック』
ルールはひとつ。
競技者は如何なる手段を使ってもよい中澤裕子をGETすること。
- 5 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月15日(火)17時22分19秒
「って、なんですか!!これ、あとで中澤さん怖いですよ!!!」
「大丈夫やて。そのために普通より度数の高いドイツもんのビールおいてあんのや。
全部飲む頃には辻でもお持ちかえり可能や。で、次の日の朝まで記憶ないんちゃうかな」
「稲葉姐さんきたわ。じゃまたな」
ひとり取り残されさみしい石川。もう一度カンペをみると「一度〆」の文字。
「以上 スタート地点チャーミー石川でした」
飯田はまだ交信中。
- 6 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月15日(火)23時25分04秒
- 何も知らずに丘の上で陽気にビール飲んでいる
姐さんを想像したら大ウケしてしまいました。
誰がゲットできるのか楽しみです。
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月16日(水)00時16分15秒
- まずは・・・どの人が姐さんGETにチャレンジするのか楽しみ〜。
穴的な人希望(w
- 8 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月16日(水)02時51分05秒
- あっレス。
読んでくださってる方がいる。
ありがとうございます。
未熟ものなのでご期待に添えるかどうか…がんばります!!!
では、本文。
- 9 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月16日(水)02時53分17秒
- ――― 丘の上の公園 ―――
真冬とはいえ今日は小春日和、いい陽気である。
さっきまで5歳児のように公園の遊具で遊び、
お城型滑り台の上で「公園通りの喫茶店」を熱唱していた人は今は静かに座って
発売されたばかりの某テレビ番組のDVDを「マイクロDVD矢口君」で見ている。
彼女の座っているブルーのレジャーシートの上にはすでにビール瓶が5・6本たおれている。
みっちゃん、早く来んかなぁ
マラソンせんでもいいのは良かったけど
一人で飲んでてもつまらへんやん
でも、みっちんのドイツ土産のビール
美味しいわぁ
もう一本飲んだろ
早く、みんな来んと祐ちゃんが全部飲んでまうで
ハロプロメンバーの姿はまだ遠い。
飯田はまだまだ交信中。
- 10 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月16日(水)15時27分49秒
- ――― 先頭第一集団 ―――
スタート地点では飯田が交信中の為
のんびりとティータイムを楽しむチャーミー石川。
ふと、カンペに気づき慌てて飲みかけの紅茶のカップを倒してしまう。
カンペ「第一集団中継が入ってます」
モニターを見ると吉澤のアップが…
「あっ、ひとみちゃん」
「失礼しました。実況の続きを始めます。第一集団の映像がはいってきました。
そちらの方に切り替えます。」
「ところでこの映像誰が撮っているのですか?画面が激しく揺れてますよ。
えっ保田さんが撮ってるんですか。」
地味なとこで活躍してるなぁと思った石川だか
また、チャーミー暴言集に追加されたくなかったので黙っていた。
- 11 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月16日(水)15時30分11秒
- 映像は吉澤だがトップを走っているのは 辻・加護。
「あいぼん、がんばって ふたりで トップをとるのれす。」
あいぼんはやさしいから きっと のの の はつこい はつたいけんに
きょうりょく してくれるのれす。
「そやね、がんばろ。」
トップを取るは簡単や。その後が問題なんやで。
なんせ向こうは大人やし きっと一筋なわではすまん。
ここは ののと協力しとこ
この話のオチを取んのは絶対うちや!!
「のの、協力して中澤さんお持ちかえりしようなぁ」
- 12 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月16日(水)16時34分35秒
- 辻・加護を風除けにすぐ後ろを後藤が走る。
後藤にぴったり付くように新メンバー、小川・新垣・高橋・紺野がつづき、
少し離れて安倍・矢口・吉澤。
「ねぇ なんで後藤このレースに参加してるの?」
「ごっちん何気に負けず嫌いだからじゃないですか」
「そういう ヨッシィ〜もなんで ここにいるべ」
「いやぁ〜私には私の思惑が…」
「まっ いっか、ところでなっち 提案があるんだ。」
「へっ?」
「本当に裕ちゅんのこと一番想ってるのってなっちと矢口じゃん。
だから矢口と手を組まない?」
「ああ、それはいい考えだべ でどうすべ」
「なっちさぁ おばあちゃんから貰った『三枚のおふだ』持ってる?」
「いつも肌身離さずもって…あっそうか うんいいよ おふだ使うべ」
矢口のよく通る声で
『おふだよ お菓子の山になれーーー!!』
ゴゴゴゴーーーーー!!!!!!!
轟音とともにスナック菓子からホテルのケーキ、世界の銘菓まで
巨大なお菓子の山が現れた。
大きな音に振り向いた辻・加護。
目を疑うばかりの素敵な光景に釘付け。
辻・加護脱落。
- 13 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月17日(木)17時17分15秒
- 「さっ体力の余ってる中坊ふたり 片づいた」
「次はごっちんだね」
そう言うとなっちは中間地点の公衆トイレに消えたが
またすぐに矢口たちと合流した。
「何してきたの?」
「見てれば分かるぺさ」
さっきのトイレから微かに人の声が…
「ごと・・ ・・す・・ だよ」
かなり前方を走っていた後藤の耳がピクリと動いた
と 同時に物凄い勢いで逆走してきた。
「いちいちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
後藤はトイレに消えた。
後藤脱落。
おまけであるが後藤にピッタリくっついてた新メンバーも
そのまま後藤について消えた。
あっ紺野だけは辻・加護のいるお菓子の山にむかっている。
(紺野は反応するのがずれたみたいだ。)
小川・新垣・高橋そして紺野脱落。
- 14 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月17日(木)17時20分46秒
- 「そっか おふだ 紗耶香になってもらったんだ…」
「うん、でもどうして新メンまでついてっちゃたんだべ?」
「それはですね、裏ルールがあるからですよ。」
「なんじゃっそれ?」
「えーとですね…」
その時、三人の横をザ・ピースをしている平家を乗せた車が通り過ぎた。
「あーーーっ!! みっちゃん!! ちょぉぉぉぉぉむかつく」
矢口が安倍の手からおふだを奪い取り使おうとしたとき
車から降りる平家が見えた。
飯田圭織はまだまだまだ交信中。
- 15 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月17日(木)17時25分25秒
- ――― 公園入り口 ―――
ダッシュで平家の所まで来てみると公園入り口の車止めが。
「稲葉姐さん、ありがとう。 ここからしゃあない がんばって歩くわ」
走るとはいえない はたち過ぎ。
この先、中澤姐さんがいる展望広場までは心臓破りの坂が続く。
「みっちゃん、ずるいでないかい。」
「おお、矢口に吉澤、なっち。べつにルール違反はしてへんよ。
こっからは仲良くいこうなぁ」
「あっそういえばよっしぃ〜。裏ルールってなんだべさ?」
「え〜とですね…」
ポケットの中からルールブックを出しながら
「このルールブックのカバーを剥がすとですね
こんなことが書いてあったんです」
- 16 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月17日(木)17時26分41秒
『中澤裕子争奪ウサギとかめ競争公式裏ルールブック』
ルールはひとつ。
競技者はすべてお持ちかえり可能やで。
まっ、がんばってぇや by つくん♂
「と、いうことで…」
吉澤はいきなり矢口を抱きかかえ お持ちかえり体制に入る。
「うわっ よっしぃー よしざわ やめろ!!!
えぇーーい 矢口のセクシービーーーーム」
と、思わず叫んでしまった。
手にしていた おふだが作動する。
落雷のように矢口のセクシービームが降り注ぐ。
「あぶなっ」
安倍と平家は辛うじて被害を免れたが
吉澤はまともにくらって もう腰砕けである。
そこをすかさず保田がお持ちかえり。さすがサブリーダーである。
吉澤脱落。
飯田圭織はもうちょっと交信中。
- 17 名前:訂正とおわび 投稿日:2002年01月17日(木)17時30分51秒
- ///////
すいません。間違っちまった。
つんくさんのこと 「ん」と「く」逆ににうってしまった。はずかしい!!!
寒太郎
- 18 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月17日(木)23時55分28秒
- いやぁ、この姐さんの小説、楽しいっすね。
私もどこぞで、姐さん小説書いてますが、こんなライトで楽しい小説は書けないなぁ。
今後も楽しみにしています。頑張ってください
- 19 名前:励ましありがとうこざいます 投稿日:2002年01月18日(金)20時35分12秒
- 数少ない読者さま
励まし有難うございます。
拙い文章読んでいただけてホントうれしっす。
寒太郎
- 20 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月18日(金)20時36分28秒
- ――― 公園展望広場 ―――
殆どの参加メンバーが脱落してホッとしたのか
平家・安倍・矢口は展望広場につづく坂道をゆっくり歩きながら
いかに自分が中澤姐さんを想っているか言い合っていた。
「裕ちゃんへの愛情はなっちがいちばんだべさ。
『娘。』になってからずっーと一緒だもん」
「あん、そやったらうちの方が長いで。
オーディション時からやもんな。
うん、うちがいちばんや」
「えーっそんなのずるいよ。
矢口はテレビで見てるしかできなかったんだから。
でもいちばん裕ちゃんとスキンシップしてる。
だから・・」
だから裕子は矢口のモノと云おうとしたとき
砂埃といっしょにすごい形相のりんねの犬ゾリが迫ってくる。
- 21 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月18日(金)20時38分17秒
「ねーさん、待ってて下さい。今、りんねがお迎えに参ります。!!!」
某音楽バラエティー番組で告白して8カ月以上何もない日々がつづいてる。
あの時、私の『ねーさんの爪を切りたい。。。byりんね』というのはちょっと
大胆すぎたのかなぁ。でも早く私のこと気づいてほしかったし・・
今日こそねーさんの爪を切って夢のような一夜をおくるのよ
さすが6頭引きの犬ゾリははやい。
アッと言う間に中澤姐さんのところへ。
周りの騒がしさに待ちくたびれて毛布に包まって寝ていた中澤がむくりと顔をあげる。
酔いつぶれ寝起きの彼女はあどけない少女のようで可愛らしかった。
「ねえーーさーーん!! 」
「あっりんね
りんねっっっ!!!何処いくん!!!」
スピードの付いた犬ゾリは直ぐには止まらない。
りんねは公園の反対出口に消えていった。
りんね脱落。
「りんね、なんやったねんホンマ・・ん?」
中澤の犬っ鼻がクンとし、顔色がパッと明るくなった。
飯田圭織は交信・・終了???
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月18日(金)22時19分26秒
- みんな必死の争奪戦なんだろうけど
ほのぼのさがたまらなく良いっす。
このレース参加したいな〜。
- 23 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月19日(土)22時43分07秒
- ――― スタート地点再び ―――
中継車に実況報告をずっとさせて
くつろいでいたチャーミー。
飯田の交信終了に気がつきなんとか取り繕おうとあたふたしている。
「チャーミーさん、ちゃんと実況してた?」
「はい!もちろんです。」
「ところで飯田さん質問です。
メロンさんたち結局エントリーできなかったんですけど
どうしてですか?」
「あん、分からないの?柴田がサイボーグだからだよ」
「でもメロンさんたち何とかエントリーしようと食い下がってましたよ」
「だろんね。エントリーしないとお持ちかえりされないけど
お持ちかえりの権利ないもんね。」
「あぁあ、チャーミーも参加したかったな」
「チャーミーは無理だけど遠い親戚の石川はお持ちかえり権利あるよ
もちろん、わたしも参加してるし。圭織は頭脳戦してるの。」
飯田さんまた理由の分からないこといってる。
- 24 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月19日(土)22時44分39秒
「カオリ、メールは携帯とかパソコン使えっていってっしょ!!」
「あっ、彩っぺ やっときてくれた。いいっしょカオリは自分で電波飛ばせるんだから」
「飯田さん、さっきから交信中だったのはメールしてたんですか?」
「そうだよ。彩っぺはえさなんだから。」
「えさ?飯田さん分かるように話してくださいよ〜(T T)」
「石川、最終エントリー表持ってる?」
「はい」石川はエントリー表をみている。
「モーニング娘。ってあるでしょ?」
「はい」でも、これって…
「かおり忙しいから紗耶香にエントリー頼んどいたの。
私たちはここ動けないっしょ。
で、かおりは彩っぺを餌に裕ちゃんを釣ることにしたのさ」
相変わらずすごい発想するなあ飯田さんは。
ここから中澤さんのいる公園まで20qくらいあるっていうのに
どうやって中澤さんが石黒さんのこと気付くんだろう。
- 25 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月19日(土)22時45分34秒
-
なんて考えてエントリー表から顔をあげると
石黒に抱きついている中澤の姿があった。
「あやっぺ〜〜vv来てくれたん。ひさしぶりやねvv」
「うん、旦那こども連れて実家いってて暇だったからね。
じゃ、いこっか。」
裕子は彩っぺの腕につかまって嬉しそうにお持ちかえりされていった。
「えーーーーー!!!どうして彩っぺがお持ちかえり出来るの???」
「いいださん、飯田さん。エントリー『歴代モーニング娘。』になってます。」
飯田圭織は放心中。
了。
- 26 名前:あとがき 投稿日:2002年01月19日(土)22時48分10秒
- 一応、本編終了てです。
スレ流しの変わりの番外編です。
よかったら、読んでください
寒太郎
- 27 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月19日(土)22時49分44秒
- ――― 番外編 中間地点公衆トイレ ―――
丘の上の公園につづく遊歩道脇の公衆トイレ個室の中で
紗耶香は考え込んでいた。
頭の中に裕子声が響いた。
「大丈夫や、紗耶香は紗耶香のやり方でいいんや」
2年前私は子どもだった。
後藤の気持ちに答えてやれなくて
ずっと悔やんでた。
「市井ちゃん、赤い日記帳うまく歌えないよぉ。どうしたらいい?」
「・ ・ ・ ・」
「つんくさん、後藤の声に艶がないって」
「・ ・ ・ ・市井には無理だよ。裕ちゃんのとこにいけば…」
私に抱いてほしいって分かってた。
でも今まで育ってきた世間の常識が邪魔をして
拒絶してしまった。
もう後藤と一緒に仕事はできない。
- 28 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月19日(土)22時52分40秒
スケジュールの都合上すぐやめることはできなかった。
気まずい日々、後藤が艶っぽく綺麗になっていく。
ああ裕ちゃんに抱かれたんだなぁとなんとなく思った。
この2年、世間の常識なんか気にならなくほど
自分に実力を付けようと思った。
実力が付いたかどうかは分からない。
でももう自分の気持ちに限界である。
- 29 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月19日(土)22時53分56秒
一週間前
後はもう一つ引っかかることを解決するため
裕ちゃんのマンションにいった。
裕ちゃんはもうバスローブ姿でくつろいでいた。
中に入ってから私は何もしゃべらなかった。
裕ちゃんも何も聞かなかった。
やっとの思いで私は
「愛し方教えて 後藤の愛し方教えて」と言った。
裕ちゃんの目はとても優しかった。
そしてとても大切に慎重に愛してくれた。
ああこうやって後藤は愛されたんだ。
涙が止まらなかった。
裕ちゃんの愛は大きい。
帰り際
「大丈夫や、紗耶香は紗耶香のやり方でいいんや」
といって眩しい笑顔で送ってくれた。
うん、大丈夫!!
そう思っていたら隣の個室になっちが入ってきた。
「おふだよ紗耶香になって」
そしてまた慌しくでていった
なにやってんだか
すると驚くことに私の声で
「後藤すきだよ」
うわぁぁなんだこれ
私は慌てて隣の個室に移動しておふだを剥がしトイレに流した。
トイレから出るといきなり後藤に抱きつかれた。
うん、大丈夫だ
私たちきっとうまくいく。
了。
- 30 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月19日(土)23時28分14秒
- 裕ちゃん第一主義
おいらもそー。
リクいいなら、今度は姐さんが自覚している状態で
矢口、安倍、石川が奪いあうとか書いてー!
なんか、普通にやぐちゅーとかリクしたら悪いかなと…なんか。
あ、感想。おもろかった。あとあさみも出して欲しかったな。
アイサガで姐さんに何回も体当たりするあさみ、可愛かったんで。
- 31 名前:リクありがとうこざいます 投稿日:2002年01月20日(日)00時05分04秒
- 我が駄文、読んでいただき有難うございます。
>30さま
リク有難うございます。
矢口、なっちはなんか書きたいと思っています。
3人絡む話考えてみます。
おいらもあの回のあさみ可愛かったとおもう。
寒太郎
- 32 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)04時33分38秒
- 今日発見しました!!イイ!!
公園で5歳児のように遊ぶ裕ちゃんに(略
かなりおもしろくハマリました。
矢口、なっちとの作品も楽しみです。
姐さんがやっぱり1番ですよ!!
- 33 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月21日(月)17時07分21秒
- やぐっちゃん、りかちゃん、誕生日おめでとう!!
ってことで誕生日ものになってしまった。
相変わらず駄文です。よかったら読んでください。
- 34 名前:プレゼント 投稿日:2002年01月21日(月)17時09分36秒
- ――― プレゼント ―――
「やぐちぃ誕生日おめでとう。石川も。
ちょっと遅れたけど裕ちゃんからのプレゼントやで」
「裕ちゃんありがとー」
「有難うございます。私はついでみたいですね。」
まったく石川は一言多い。裕ちゃんの機嫌が悪くなるだろ。
「いらんのやったらいいで。やらん。」
「ごめんない、ごめんなさい。欲しいです。」
にっこりして
渡されたプレゼントは大きい包みと小さい包み。
昔っから小さいものの方がイイモノが入っていると決まってる。
- 35 名前:プレゼント 投稿日:2002年01月21日(月)17時11分41秒
梨華ちゃんの包みは小さい。
「中澤さん、開けていいですか?」
「いいで。やぐちも開けえや」
やぐちの包みは欲しかったプーさんのスリッパだった。
嬉しいけど・・
梨華ちゃんの包みが気になる。
!!
「なんで矢口がスリッパで石川が指輪なんだよぉ。裕子のバカー!!」
ダメだ涙が出そうになる。
「すいません、すいません。矢口さん。」
「なんも石川があやまることないで。」
石川はオロオロするばかりで
中澤は平然としている。
矢口は居たたまれなく楽屋から飛び出した。
「裕ちゃん、去年の仕返しでしょ?」
「そうや、圭坊。圭坊がやぐちに指輪あげたったん結構ショックやったで」
「うん、私も仕返しって知っててもいい気分しないもの。」
「これでおアイコや。」
「矢口が無くした私の指輪、裕ちゃん持ってんじゃない?」
「・・さあ」
そう言って後ろ手に手を振って裕ちゃん出て行った。
ドアを出るとすぐそこに壁にもたれて下を向く矢口がいた。
「ごめんなぁ、やぐち・・裕ちゃん、圭坊からの指輪にやきもちやいててん。」
「矢口もごめん。」
だから矢口にも指輪をちょうだい。
了。
- 36 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月22日(火)02時03分45秒
- ――― 序章 石黒彩 ―――
久しぶり事務所に彩っぺが来てくれた。
今日はたまたまハローのメンバーが沢山出入りしている。
「久しぶり」
「彩っぺ元気だった?」
「子ども大きくなったね」等々。
あちこちで捕まっている。
一頻り挨拶が終わって私のところへ来た。
「彩っぺ、ひさしぶり。」
「なっち、元気だった?正月のドラマ見たよ。
はたち過ぎて制服が似合うのはなっちぐらいだねぇ」
「それは褒めてるのけなしてんの?」
「もちろん!けなっ・・うそ、うそ褒めてるにきまってしょ」
私が軽く威嚇のまなざしで彩っぺは簡単にオチがついちった。
「旦那さんも最近よくテレビでみるよ」
「私と子どものために頑張ってくれてま〜す。」
「ノロケ?でも、いい旦那さんだよね。どうやって捕まえたの」
「それはもう胃袋攻め。男の人には結構効果あるよ。なっちも試してごらんよ」
女の人にも効果あるかな?
結構性格オヤジだからひょっとしてOKかも。
試してみめべ…
安倍なつみ計画発想開始。
- 37 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月22日(火)02時06分47秒
- 誰も読んでないと思いますが
新作始めます。
処女作と同じ感じになりそうで少々怖い。
よかったら読んでください。
- 38 名前:訂正とおわび 投稿日:2002年01月22日(火)02時09分12秒
- 早速やってしまった。
最後のところ「試してみるべ」が正解。
すいません
寒太郎
- 39 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月23日(水)06時50分09秒
- ――― 第1章 安倍なつみ ―――
なっちの計画。
まず、裕ちゃんちに着くでしょ
バスローブ姿の裕ちゃんが玄関まで迎えにきてくれて・・
裕ちゃんちの玄関が暗くて ちょっとなっちが躓くの
すると裕ちゃんが心配そうに
「なっち 大丈夫かぁ?」って聞いてなっちの顔を覗き込むように見るの
そこで久しぶりの軽いキス
ふたりとも少し頬を赤らめて照れながら
「そこ寒いやろ はよおはいりぃ」って裕ちゃんが微笑むの
- 40 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月23日(水)06時53分20秒
- で、中に入って早速持っていったエプロンを着けて台所で料理してると
裕ちゃんがやって来て
「なんか 手伝うことあらへんか?」って後ろから抱き付いてきて
で、なっちの耳元で
「エプロン姿も似合うやん。。美味しそう」っていって
なっちが分からずに「へっ?」って顔を裕ちゃんの方へ向けたら
すかさず優しいキス
で、で、なっちの作った料理を食べて
ほろ酔いの裕ちゃんが
「美味しいなぁ。。ホンマなっちは料理が上手やわ。。
裕ちゃんの嫁に欲しいくらいやわ、裕ちゃんとこくるか?」って
なっちは恥ずかしいから下向いて
でもはっきり「うん!なっちをお嫁さんにして」って
すると裕ちゃんはびっくりした顔するけどすぐ優しい顔になって
「ほな おいで」っていって
それからぴったりくっついて過ごすの
裕ちゃんの唇がまたなっちにおちてきて今度ははじめて深いキス
それから・・
・ ・ ・ ・ ・
あっあした下着買いに行こうっと
そうそう、お母さんに蟹とか鮭とか送ってもらわないと・・
でんわ、でんわ・・
- 41 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)21時20分04秒
- 読んでますよ。
激しい妄想のなっち笑える。
がんばってください。
- 42 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)21時42分53秒
- あー、可愛いなちくしょうっ。面白いので頑張ってください。
- 43 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月24日(木)00時05分15秒
- なっちの妄想、いいね(w
- 44 名前:励ましありがとうこざいます 投稿日:2002年01月24日(木)17時44分25秒
- 読んでくださる方がレス下さると嬉しいっす
有難うございます。
さあ 頑張んべ
寒太郎
- 45 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月24日(木)17時47分25秒
- ――― 裏・第1章 ―――
ここは事務所近くのファミレス。
さっきまで事務所で安倍と石黒の話を近くで聞いていた
メロン記念日の斎藤と村田が平家・稲葉に何事か相談している。
それをポーっと眺めているりんね。
- 46 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月24日(木)17時49分02秒
「平家さん、稲葉さん。さっき私たちですね
何気に石黒さんと安倍さんの会話聞いてたんです・・」と村田が、
その話をそのまま引きずいで斎藤が話し始める。
「安倍さん、中澤姐さん狙いですよね?」
「そや、傍から見てばればれやけど
みんな知ってるって
本人達気付いてへんみたやわ、矢口となっち。」と平家。
「矢口はええねん、今回は。問題はなっちや
うちも事務所でのなっち見てたけど
なんか本気で裕ちゃん
おとすこと考えてる顔しとったなぁ みっちゃん」
と冷静な観察をしていた稲葉。
「そうなんですよ。
やっとモーニング辞めてわたしの裕ちゃんになろうとしてますのに」
「誰があんたのもんになるって。」と平家を軽くどつく稲葉。
「姐さん方漫才になってます。(~_~;)」
「中澤さんはハローのリーダーですから、抜け駆けはやめてください!!」
「あんたら うちらはハローの番頭と若頭やで
うちらが言うこときかなあかん。って
まっいいっか、ちょっとうちらも悪乗りしてしもた。」
- 47 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月24日(木)17時50分06秒
「これからの対処はこの稲葉が考える。要するに私は参謀や
指示は平家さんを通じて連絡。
あと・・なっちの情報集めるのにスパイが必要やね
りんね、飯田と保田に連絡とってくれるか」
とにかく
『ここは冷静に私情をはさまず
なっちの罠を避けることのみを考えましょ』
とみんなの意見がまとまった。
ここに中澤裕子の貞操をまもることを目的とした集団
『避けのみ隊』 が結成される。
- 48 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月24日(木)22時24分37秒
- 『避けのみ隊』って…、やっぱ『酒飲み隊』なのか?
なっちの計画も面白いと思ったけど、『避けのみ隊』の活躍にも期待。
裕ちゃん…どうなるんどろう?
がんばって下さい。
- 49 名前:レスありがとうこざいます 投稿日:2002年01月25日(金)16時29分16秒
- >48さま
ありがとうございます。
この話楽しんで頂けているのでしょうか
不安ですが
つづきいきます
寒太郎
- 50 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)16時30分53秒
- ――― 第2章 中澤裕子 ―――
中澤は今日一日の仕事を終え自分のマンションに着いた。
今日も一日頑張ったやん自分
ソロになってからみんな気遣っていろんな仕事回して下さる
有り難い事でございます、ホンマ・・
明日はオフや、今夜は久しぶりにゆっくりしたろ
なんて考えながらエレベーターを待っていたら管理室から声が掛かった。
「中澤さん、宅配便預かってます。」
「どうも、いつもありがとうございます。」
といって受け取とろうと構えていると管理人さんは台車を押してきた。
「台車あとでそこに置いといてくださればいいですよ。」
「すいません、ではお借りします。」
- 51 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)16時32分17秒
- こんな沢山送ってきたのだれやねんと部屋に入って送り状ラベル見る。
受取人『中澤裕子様方 安倍なつみ様』
差出人『本人出し』になっている。
なっち、何やってんねん、中身何やろ?
おっ蟹って書いてあるやん
これ裕ちゃんと食べよってことやな可愛いことすんなぁ、なっちは・・
えっいまガサガサ箱ん中で音がしたで・・ってことは生きてる蟹やわ
箱開けられへん、こわいやん
今寒いし外出しておいても大丈夫やろ、ベランダに置いとこ
箱をベランダに出し部屋に入ったところで電話がなった。
「裕ちゃん、なっちだよ〜ん、宅配便着いた?」
「ああ着いたで。なっち、裕ちゃんよう料理できん 早よう うち来て」
電話では見えないが
電話の向こうには思いっきりガッツポーズをしている安倍の姿があった。
- 52 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)16時35分03秒
- ――― 裏・第2章 ―――
ここは『避けのみ隊』の中で中澤のマンションに一番近い平家の部屋。
「平家さん、保田さんから連絡はいりました」
平家・稲葉にメールを見せるアヤカ。
アヤカは最近ココナッツとしての活動が少なく暇してたところ
平家に呼び出されりんねと共に連絡係の手伝いをさせられている。
メールの内容は
娘。と裕ちゃんは明日オフ。
きっと今夜が決行日。
今、『モーたい』の収録が終わって
なっちが楽屋を出た。
私とカオリはまだ打合せがあり
合流出来ず。
指示を待つ。
圭
「どうしますか?稲葉さん」
「そやね・・仕事おわりしだいここに来てもらって」
「みっちゃん、村田と斎藤にも例のもの持って集合って電話して」
「おっと、いきなりな展開になるともかぎらん。
りんねとアヤカ、トップバッターや
これ持って姐さんとこ行っとおて」
「えっ、わたしたちですか?何ていって行けばいいんでしょう」
二人でオロオロする。
「気合や、芸能界そんなことでは生き残れへんで、
自分でアドリブ考えぇな」
「「健闘祈ってるでぇ」」
- 53 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)20時47分36秒
- ――― 第3章 安倍なつみ2 ―――
私が裕ちゃんの部屋に行ったときには
なぜかアヤカとりんねが裕ちゃんの家のリビングにいた。
なぜ、どうして???
でも、アヤカはハローの中でも常識人。10時には帰るだろう
そして、りんねも普段の生活習慣から同じく10時には熟睡のはず
勝負は10時以降
って考えてキッチンをみるとびっくり。
あの裕ちゃんがエプロンをして料理してる。
「なんや、なっち。アタシかてたまには料理するで。
ただ、生きてる蟹は頼むわ」
「ううん、いい。すごーくいい。エプロン姿似合ってるべさ。」
って、これ裕ちゃんが私に言ってくれるセリフだよ・・
「あとはなっちに任せてビールでも飲んでて」
- 54 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)20時48分40秒
生きてる海産物はなっちも苦手だよ〜
と思っていると
りんねが花畑牧場から持ってきたチーズを切りにキッチンにきた
「なっち、ナイフ貸して・・蟹にウニに魚、いっぱいだね手伝おうか」
ってワイルドに魚介類を絞めていく。
「おっ、りんね。頼もしいなぁ。裕ちゃんのお嫁さんにならへん?」
ちょーーーっと それはなっちに言うセリフ!!
りんねは真っ赤になってしまった。
このままでは りんねに持ってかれちゃう
さいわいアヤカの持ってきたワインが沢山ある
ええい、りんねは飲ませて潰しちゃえ! ついでにアヤカも・・
アヤカはことの成り行きを密かに平家の携帯へメールで報告。
- 55 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)21時25分14秒
- ――― 裏・第3章 ―――
アヤカから報告のメール。
中澤さんの家に安倍さんより先に着きました。
(よかったわ、間に合って)
中澤さん料理してくれてます。
エプロン姿、とっても綺麗です。若奥様みたいです。
(うっ、これ見たいやん・・)
安倍さんが来ました。中澤さん、安倍さんとじゃれてます。
(あんたら何しにいってんねん、邪魔しなあかんやろ)
りんねさん中澤さんといい感じです。vv
(益々あかんやん)
さしみとこのワインよく愛ます
(ん?なんかメール可笑しくなってきてるで・・)
中澤さんと輪廻さん‡☆塔ウ○♪‡☆塔ウ○♪‡☆塔ウ○♪‡!!!!
(あかん、アヤカ酔ってるわ)
「平家さん、第二段 送り込まなあかんなぁ」
「ええ、姐さん。わたし行きましょか?」
「いや、まだや先にカオリたちに行ってもらおう」
「「頼むで」」
- 56 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)22時52分25秒
- ――― 第4章 中澤裕子2 ―――
さっきまで中澤のリビングで大騒ぎしていたアヤカとりんねは
裕ちゃんのベッドに転がされている。
アヤカが持ってきた4本のワインはすでに空である。
なっちは殆ど飲んでないので3人で4本開けたことになる。
中澤はたぶん酔っているが顔にでていない。
いや、目が酔って色っぽくなってきている。
飲めないなっちも裕ちゃんに作ってもらったワインクーラーで
ほんのり赤く可愛くなっている。
そんななっちを見ていた中澤は
無意識のうちになっちの唇に吸い寄せられる。
あと数ミリで触れ合うところでチャイムの音。
「裕ちゃん、来ちゃった」
「なんや圭坊たちも来たんか まっ、あがりぃ」
「おっ村田、『浦霞』やん。斎藤は『越乃寒梅』に『越後美人』か。
裕ちゃんのためにあるような酒やなぁ」
「で、カオリと圭坊のそれは何?雪だるまか?」
雪だるまの容器の中から雪氷宝酒『一夜雫』を取り出す
「それも酒なん、珍しい酒ばっか嬉しいねぇ」
人数も増えて宴会はドッと盛り上がる。
- 57 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)22時53分34秒
――― 裏・第4章 ―――
「稲葉姐さん、連絡着ませんねぇ」
「みんな、何してるんやろ?」
「単なる飲み会になってたら うちらアホみたいでやん」
「うちらもこの樽もって行こっか」
「そうしましょ」
- 58 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)23時44分48秒
- ――― 終章 矢口真里 ―――
中澤の部屋。
朝、一番に起きたのは酒量が少なかったなっちである。
夕べは結局大酒飲み会になってしまった。
飲めないなっちも「これ珍しいからちょっと味見してみぃ」って言われ
ちょっとずつだがトータルの量としてはかなり飲まされた。
部屋を見渡すと累々たる死体の山。。もとい飲んべぇのなれの果て。
最初に起きた者の特権、裕ちゃんにそっとキスをする。
「う・・ん、なっち おはよう」
うーーんっ朝から色っぽい。やっぱ好きだなぁ
そして、遮光カーテンを開けると眩しすぎる光が頭に突き刺さる。
あたたたたたた・・
これが二日酔い?
頭を抱えていると部屋のあちこちでみんな同じように頭を押さえている。
と、突然
バーーーンとドアが開き矢口が甲高い大声で
「裕ちゃん!!むかえにきたよーー!!」
矢口のカウンターパンチに今度こそみんな撃沈。
- 59 名前:ボディブロー 投稿日:2002年01月25日(金)23時45分47秒
――― 裏・終章 ―――
そやった前に今度のオフはミニモニ。と遊園地行く約束してたっけ。
約束は守らなあかん。でも、今日は無理や。
こんな二日酔いでアトラクション乗ったらどうなるかわからんって
っていってるやろーー。
辻・加護な今度、また今度やーー。
やぐちぃーーたすけてぇーなぁ
・ ・ ・ ・ ・
了。
- 60 名前:あとがき 投稿日:2002年01月25日(金)23時54分33秒
- 「ボディブロー」一応終了です。
単に成人おめでとう。
で、お酒を飲ませてあげたかったという話です。
つまらない話になってしまいました。
頭の中すでに別の話を考え始めちゃてこの話終わらせてしまいました。
今考えているのは、やぐちゅ〜でSFをです。
2週間ばかり忙しいのでその後始めたい。
このスレあればですが
読んでくださった方有難うございました。
寒太郎
- 61 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月26日(土)02時03分47秒
- おつかれさまでした。
やぐちゅーでSF!!楽しみです。
絶対かいてくださいね!楽しみに2週間まってます。
- 62 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月26日(土)15時47分38秒
- わらった。
二日酔いに矢口の声はきついだろうなー
- 63 名前:かぜっぴき 投稿日:2002年01月28日(月)21時24分34秒
- 中ざわさんが、カゼをひいてしまったのれす。
いつものきれーな声がきけなくて、ののはかなしいのれす。
で、ののが中ざわさんのカゼをなおしてあげることにしたのれす。
「辻、あたし風邪ひいてるし、うつるからむこーいっときぃ」
中ざわさんは ののをとおざけようとするのれす。
でもダメれす。ののがなおしてあげるってきめたのれす。
「だいじょうぶ〜〜。」
と中ざわさんのカタにアタマをのせてあまえてあげたのれす。
もういいかな。
のの の体がだんだんあつくなってくるのれす。
アタマもクラクラなのれす。
カゼは人にうつすとなおるのれす。
中ざわさんよくなったかな?
了。
- 64 名前:あとがき 投稿日:2002年01月28日(月)21時31分19秒
- ちょっと昨日のラジオ聞いてて
こう思った人多いかなと思い書いた駄作。
新作はまだです。
寒太郎
- 65 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月29日(火)00時57分14秒
- ののは最近キス魔らしいから、それでうつったのかと。(w
- 66 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月29日(火)17時34分39秒
- いちごまも読みたいな…
- 67 名前:レスありがとうこざいます 投稿日:2002年01月30日(水)06時08分20秒
- >65さま 感想ありがとうございます
「キス魔」が伝染したくらいだから娘。たちに風邪が蔓延するのも時間の問題って
>66さま リクありがとうございます。
今、前に述べたようにやぐちゅーを考察中ですのですので
そのうち、考えたいと思います。
話出来てるとこまでのせようかな
このあとほんと忙しいし・・変に中断するのが怖いので
もう少しお待ちください
- 68 名前:寒太郎 投稿日:2002年01月30日(水)21時59分15秒
- 「やぐちゅーでSFを」はじめます。
タイトル考えられないのでマンマです。
どうせいつもタイトルどーりにいきません。(~_~;)
はじめにおことわりしときます。
SF(サイエンス フィクション)ではありません。
どっちかというと スペースファンタジーを目指そうと・・あくまでも
ですので矛盾することが多々でてきますが無視してください。
- 69 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年01月30日(水)22時00分12秒
- 薄暗い路地を抜けると夜を知らない
一見華やかなイルミネーションの虚飾の街。
ここには人間の欲を満たす全ての物がある。
そんな華やかな店の一つ。
ショーウィンドウの前には
2・3人の酔っ払ったスケベオヤジがニヤケている。
そのペットショップのような造りのウィンドウの中に
こんな事は夢であってほしいと祈るように
肩を寄せ合って震えている少女がふたり。
店にひとりのツナギを着た労務者風の客。
外の連中と同様酔っているよう。
客は店の主人に幾らかの金を払い少女達を買った。
ここ月では人身売買も合法なのである。
- 70 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年01月30日(水)22時02分22秒
- 大抵は地球から家出娘などがブローカーに騙されて連れてこられる。
少女のひとり 安倍なつみも同様であった。
彼女は政略結婚の相手が
自分より30歳も年上でぷっくり太った男だったことが
耐えられず家出した。
そんな中、
芸能プロダクション ダウンバックエージェンシーを名乗るの男
に騙され気付いたときには月行きの船の中だった。
もうひとりの少女 矢口真里も似たようなものである。
彼女の夢は歌手になること。だからオーディションを受けまくっていた。
そして、同プロダクション主催オーディションに引っかかり
安倍同様気付いたときは船の中であった。
ふたり少女は知り合いのない月では
その客に震えながらでも付いて行くしかなかった。
連れて行かれたところは普通のコンパートメント。客の家だった。
- 71 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月30日(水)22時23分44秒
- なんだか今日はとってもやぐちゅーが
読みたかったもので、やぐちゅーの新作が
スタートしてかなりうれしいです!
スペースファンタジー、楽しみ〜
- 72 名前:寒太郎 投稿日:2002年02月10日(日)21時53分03秒
- 復活??
まだ本調子じゃなさそう・・・
少しずつ更新していきます。
- 73 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月10日(日)21時54分08秒
- 「いま、帰ったでー」
「お帰り、姐さん。って、また買ってきたんですか!!」
「そや、こんどは兎と子犬やで。かっわいぃ〜やろ〜」
「姐さん分かってます?この子ら人間ですよ。
まったく、カオリの時はユニコーン、圭ちゃん時はカモシカやったな。
こないだのあさみはワラビーって言ってましたで。
ホンマ酔うと動物に見えんのかな・・。」
「あっ、放っといてごめんやで。ウチは平家みちよ。
そこで酔って寝てるのが中澤裕子さんや。
安心していいで。裕ちゃん悪い人やないから。
いくらココでは人身売買、合法って言っても
裕ちゃん許せんのやて。で、時々今日みたいに連れて来るんよ。」
関西弁の気取らない話し方にふたりはホッとしそのままそこに倒れこんだ。
- 74 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月10日(日)21時57分18秒
- 中澤の生活は一週間仕事で家を空けると
次の週はずっと休みというサイクルで過ごしていた。
二人の少女、安倍と矢口を買った日は仕事を終えて明日から休みというので
一杯飲んだ帰りだった。
翌朝、二人の身の上とこれからのことを話しあった結果、
少女たち二人は中澤の家に居候させてもらえることになった。
安倍と矢口に与えられた部屋には2段ベッドと
女の人5人が画かれた肖像画が一枚。
うち二人は中澤と平家。あと三人は・・
「ああ、その絵はカオリが画いたもんや、
こっちがカオリでこっちが圭坊とあさみ。」
中澤は絵の中の人物を懐かしそうに優しい目で指さす。
「カオリは今度個展をやるんやで、
圭坊も地球でダンスの公演があるんや。
二人とも招待状送ってくれとったなぁ
あさみは今、北海道の牧場や。
ときどきチーズ送ってくれるねん。」
本当に嬉しそうに言う。
- 75 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月10日(日)21時58分43秒
「ヤグチ。裕ちゃんなぁ、夢持ってる人好きやねん。
応援したるから頑張りぃや。
なっちも夢みつけるまで気にせんとずっとここに居っていいんよ。」
という言葉にふたりは久しぶりの安堵感を得ていた。
平家が言っていたとおり中澤は外見は怖いけど悪い人ではなかった。
優しい神経の細かな人だった。
ただ、変な拘りがあり「裕ちゃん」と呼ぶことを強要された。
平家は月にある大学に通うため幼馴染の中澤の所に下宿していた。
平家が大学に行っている間、
休みの中澤は毎日、矢口たちを
景色の美しいところや矢口の好きな遊園地、
美味しい月郷土料理が食べられる店など
二人が行きたいとこへ喜んで連れて行ってくれた。
いつの間にか最悪だった月のイメージが逆転して楽しく
ワクワクするところなっていた。
安倍と矢口は生まれたての雛が始めて見る生き物を親と思うように
月に来て初めて優しく接してくれた人、中澤にすっかり懐いてしまっていた。
- 76 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月10日(日)22時00分45秒
明日からまた中澤が仕事で家を空ける夜、
中澤と平家の部屋から艶めかしい声がもれ聞こえてきた。
矢口と安倍は二段ベッドの上と下で真っ赤になっていた。
「なっち、これってアレだよね?」
「うん、たぶん・・」
「裕ちゃんとみっちゃんそういった関係だったんだ・・」
ふたりは胸の奥で何かが小さくチクンっとしたが
この時は恥ずかしさのほうが勝って布団を被って無理やり寝ついた。
- 77 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月10日(日)22時49分10秒
- 翌朝、安倍と矢口が起きると中澤は既に仕事へ出かけていなかった。
キッチンから平家がちょっと気まずそうに声をかける。
「おはよう、夕べの・・聞こえとったんやろ?
小学生には刺激が強かったなぁ・・悪かったわ、ゴメンやで・・」
ふたりはムッとして
「「小学生じゃない!」」「矢口は15!」「なっちは16!」と叫んだ。
「えっうそやろ。どう見ても小学校5・6年の身長しかないやん。自分ら。
ホンマに?ごめん、ごめん。そっか、うちは18。裕ちゃんは24や。
って、歳教えたこと内緒やで。歳の話めっちゃ気にするから。」
「わたしなぁ、ずっと姐さんのこと好きやってん。
大学入る時チャンスやって思って押しかけたんや。
その時、姐さん失恋したばっかやったからつけ込む形になってんけど今は幸せやで。」
って本当にこぼれるようなイイ笑顔をする。
- 78 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月10日(日)22時51分18秒
- 月での生活に慣れてくると
中澤は矢口をダンスと歌のレッスンで有名な学校へ入れてくれた。
安倍は中澤の家で家事をやっているうちに
意外と自分が料理が好きなことに気がついた。
今は調理師専門学校にかよってフードコーディネーターを目指している。
中澤は結構、高給取りであった。
矢口たちが中澤の職業を聞いた時マジで驚いた。
「うちの仕事?長距離トラックの運転手。」
「姐さん、ちゃんと教えたりぃな。光速星間貨物宇宙船のパイロットでっしゃろ」
「えーやん、光速っていったかて実際その速度で飛んだことあらへん
やってることは地球のトラックの運ちゃんと同じやで
ひとりで宇宙空間飛ぶのってめっちゃ寂しいんやけど、給料いいねん
この仕事選んだ理由、もうひとつあるけどなぁ。内緒や」
こっそり平家がふたりに教える。
「ホンマは光速近い速度で飛ぶと歳とらんからやで・・」
みんなクスッと笑い合う。
こんな穏やかな日々がずっと続くと思っていた。
- 79 名前:サザエさんありがとう 投稿日:2002年02月11日(月)07時43分36秒
- 安定してるようですね。
サザエさん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。
寒太郎
- 80 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月11日(月)07時45分28秒
- 日々の均衡を破ったのは平家だった。
彼女の書いた卒論が教授の目に留まり、
新しく火星に造られるコロニーのプロジェクトが
彼女のレポートを基に行なわれることが決まったのである。
計画の原案を作った平家はこのプロジェクトの重要メンバーになっていた。
平家は迷っていた。
中澤は「人生は弱肉強食や。」と言っている割に
涙脆く、寂しがりやなのである。
幼い頃から中澤を見てきた平家はそんな彼女に遠距離恋愛は無理だと知っていた。
彼女を諦めるかプロジェクトを諦めるか・・
プロジェクトを諦めた場合、彼女は自分を責め許さないだろう
「夢をもって努力する人」を愛しているのだから
どちらにしても別れが来るのなら、また出会える別れがいい。
5年・・10年かかっても夢を実現し輝きを持って
また彼女の前に現れよう。
そう決心して、この後ボロボロに泣き崩れるだろう中澤を安倍に託すことにした。
平家はいつの頃からか安倍が自分と同じように
愛しいそうな目で中澤を見ていることに気が付いていた。
ただ、矢口が同じ気持ちでいたことは知らなかった。
なっちならこれから私が姐さんにつける傷も癒してくれる。
そして、中澤に別れを告げた。
- 81 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月11日(月)07時48分41秒
- 中澤は平家と別れてから生活が荒れていた。
平家の選択が前向きなものと頭では理解し、
応援しようと割り切ったつもりであるが
情の深い彼女がそう簡単に心の整理が着く筈もなかった。
そんな中澤を切なく見つめている安倍と矢口であった。
暫く仕事を休んでいたがそう何時までもいい大人が引きずってばかりもいられず
また明日から仕事復帰という晩、中澤はいつも以上に酔っていた。
アタシ、ホンマは弱いねん
真っ暗な宇宙に出るの怖い
宇宙で一人でいると
天涯孤独ちゃうん、このまま孤独にひとりで死んでいくんや
って思うてまう
涙が次から次に溢れて止まらなかった。
そんな中澤を突然ふわっと暖かい小さな身体が包んだ。
「裕ちゃん、なっちがずっと傍にいるから
なっちは裕ちゃんを一人にしないから
もうひとりでそんなふうに泣かないで。」
「なっち・・」
中澤は自分より年下で小さい体なのに柔らかく暖かな
彼女の腕に身を委ねると平家を失った喪失感もこれから宇宙に出て行く恐怖感も
すべて解けて穏やかな気持ちになったいくのだった。
- 82 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月11日(月)07時51分09秒
- 中澤と安倍にとっての幸せな穏やかな日々の始まりは
矢口には胸の奥に黒いものが渦巻く辛い日々始まりだった。
自分の気持ちに素直になれるなっちが羨ましい・・
平家が去った時自分が慰めていれば・・
気を紛らすためにBFと寝てみたりしたが空しいだけだった。
矢口が本当に欲しいのは中澤で、彼女の存在全てを自分の
腕の中にに閉じ込めてしまいたかった。
矢口の中澤への想いは押さえきれないほど膨らんでいく。
- 83 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)19時02分24秒
- みっちゅー+やぐなちゅーですか。かなり楽しみです。
長編のニオイが(w
- 84 名前:レスありがとうこざいます 投稿日:2002年02月12日(火)22時17分05秒
- >83さま
レスありがとうございます。
>みっちゅー+やぐなちゅーですか。
おらっちの一推しはもちろん裕ちゃんですが、
平家さん、なっち、やぐっちゃんも大好きなので良く出てきます。
>長編のニオイが(w
いえいえ、そんな長くならないかと・・
まだまだこのスレで遊びたいので話を大分削りました。
寒太郎
- 85 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時20分17秒
- そんなある日、
「裕ちゃん!また子ども買ってきてぇ!」
「ええやん。今回買ってへんよ。拾ったんや。この子らいくとこあらへんのやって」
「のの、おなかすいたれす。」
「うちも、うちも」
「なっち、何か作ったってぇ・・裕ちゃんはお茶漬け食べたい!」
中澤が連れてきた子ども辻と加護の明るい無邪気さは
叶わぬ切ない想いを抱く矢口の救いになっていた。
- 86 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時21分46秒
安倍が卒業後そのまま講師として働いている学校主催でグルメツアーがあった。
外部参加もOKだったので
安倍は食いしん坊の辻・加護をつれて久しぶりの地球に出かけていった。
ふたり月に残された矢口は複雑な想いに苛まれていた。
長い間自分の中に無理やり押し込めてた想い
そんな気持ちがとうとう爆発した。
その夜、
矢口は中澤の真っ暗な部屋の中、
酔って寝ている中澤のベットへ滑り込んだ。
「う・・ん、なっち・・」
矢口は中澤の言葉に何も言えずにそっと抱きついた。
なっちの代わりでも何でもいい、中澤の暖かな匂いに包まれたかった。
見かけよりも華奢な中澤の身体を抱きたかった。
中澤の全てが欲しかった。
もうどうしようもなかった。
- 87 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時24分40秒
朝、中澤が目を覚ますと
ベッド端に腰掛、俯いている矢口の姿があった。
「ごめん、裕ちゃん・・ごめんね、なっちだと思ってたんでしょ?」
「アホ、いくら鈍いからってヤグチのこと分からんわけないやろ・・
でも、なんで・・あんなことしたん?アタシからかわれたん?」
「ちがう!!矢口は裕ちゃんが好きなの!!」
突然の大声に中澤は驚きベッドの上に正座してしまった。
そして、中澤は頭の中を整理したくて独り言のように呟いた。
「・・あかん。アタシはなっちが大事や、でも同じぐらいヤグチも・・」
中澤は自分の中のハッキリしない気持ちに苛立ち頭を掻き毟りながら
「なぁ・・ヤグチ、ごめんやけど、もう少し考える時間くれへん?
情けないことに自分の気持ちが分からんのや・・
なっちも好き。ヤグチも。って訳にはいかんやろ・・ちゃんと答え出すし
なっちにも話するから・・こんど帰ってくるまで返事待っててほしい。」
やっと出た言葉はこんな情けないものだった。
そして中澤はひとり矢口を残して出かけていった。
- 88 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時27分08秒
今回の中澤の仕事は月の鉱物を地球に届けることである。
宇宙船の中でこれまでのこと、自分の本当の気持ちを考えていた。
はじめてヤグチとなっちに会った時
タイプやって思ったんや・・第一印象やけどな
あん時はみっちゃんが居ったし、今みたいになるとは思わんかったし
まして、好かれるとは思わんかったもんなぁ
そばに置いとくだけで幸せやったんや
ふたりにこんな気持ちになるなんて思わんかった
わたしにとって
なっちは・・なっちを失うこと 考えられへん
でも、ヤグチも放っとかれへんのや
考えても考えても結論が出なかった。
- 89 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時31分06秒
地球の貨物専用ポートに積荷を全て下ろし
事務所で引継ぎの手続をしていると
軍の兵士に捕まった
兵士は中澤に有無を言わせず軍の基地の一室へ連れて行った。
部屋の中には難しい顔をしたひとりの将校が待っていた。
「なにすんねん、私はなんも悪いことしてへんで!!」
「中澤二尉、突然失礼しました。
実は緊急の事態になり、是非、軍に復帰して頂きたい。」
- 90 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時32分33秒
- 緊急の事態というのは
火星のコロニー計画地に向けて宇宙ダストが光速で近づいてきているのだ。
ダストといってもエネルギー量は惑星一つを壊す位大きい。
政府はコロニー計画を成功させるために、
ダストの回収を軍にさせることにしたのである。
光速で飛ぶ物体を回収できるのは光速宇宙船だけである。
光速宇宙船のパイロットは少ない。
中澤はパイロット資格を取る為だけにかつて軍に在籍していた。
パイロット資格取得のバカ高い費用は公費で賄われたが、
条件として有事の際は退役後も必要に応じ軍に復帰しなければならなかった。
計画ではダストを捕まえるために、最低5分間光速で飛ばなければならない。
彼女が無事任務を成功させ帰還するのは約100年後である。
ということは、中澤は今この時代全てのものと別れなければならなかった。
火星にはかつての恋人、平家がいる。
選択の余地は無かった。
中澤は覚悟を決め 安倍と矢口に別れのメールを送った。
- 91 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時34分45秒
- 安倍は辻・加護と共にツアーの帰り、
街頭スクリーンの臨時ニュースで軍のツナギを着た中澤を見た。
ニュースは『火星の危機を救う、今世紀最大の英雄』として中澤を紹介していた。
うそ・・裕ちゃんがなっちを置いて行く筈ない。
家に帰れば『おかえりぃ、辻・加護のお守り大変やったなぁ』
って笑顔で迎えてくれるはず・・
安倍は急いで帰り、家のドアを開けた。
待っていたのは青ざめた顔をした矢口だった。
安倍は矢口に促されメールをみる。
メールの画像は動画ではなく、
ちょっと寂しそうに見える作り笑顔の中澤だった。
- 92 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時36分45秒
Toなっち
今までありがとう。
なっちに会えて本当によかった。
いつも、甘えてばっかやったなぁ・・
ほんと、ありかとうな。
後のことお願いしていいかな?
私のやりたい事、一番知ってるのはなっちやと思う
裕ちゃんの変わりに皆の支えになってやって欲しい。
甘えついでに、皆のこれからの事、記録取っといて欲しい。
皆の幸せ知りたいねん。
ありがとうのメールがお願いばっかになってしもた。
ゴメンやで
From裕ちゃん
裕ちゃんこれだけ?
こんな別れってない!なっちは納得できないよ
- 93 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月12日(火)22時38分54秒
泣き崩れた安倍に矢口が
「ヤグチのメールなんてもっと酷いよ」と安倍に見せる。
Toヤグチ
ヤグチ元気か?
もう、裕ちゃんのこと待ってんでいいからな。
自分のやりたい事、いい歌手になってや
あと、もう一つの夢、25歳になったらお嫁さん。頑張りぃや。
From裕ちゃん
「こんなメールで裕ちゃんを諦めるなんてできないよ」
安倍と矢口はお互いを支えながら只ひたすらに泣いた。
- 94 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月13日(水)00時35分22秒
- 作者さん・・・展開早すぎ(w
でも・・・なんか好きです。
- 95 名前:レスありがとうこざいます 投稿日:2002年02月13日(水)21時52分51秒
- >94さま
感想ありがとうございます。
>作者さん・・・展開早すぎ(w
寒太郎、せっかちなんで
文章にしてると、頭の中は次の話考えてまって・・(笑)
今は惹かれるのは・・
ハロモ二見てるとKUとか、かおゆう、りかゆうあたりです。
ってことでこの話も終わらせましょう。
寒太郎
- 96 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月13日(水)23時17分51秒
- 中澤は船の中で任務のことだけ考えようとしていた。
しかし、別れた時の矢口の子犬のように縋るような目が
頭からはなれなかった。
最後に送ったメールはいつものようにビデオレターにする訳にいかなかった。
画像と声から泣いているのが知られてしまう。
やっとの想いで数行書いたメール。
- 97 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月13日(水)23時19分18秒
ウィィィィィンウィィィィィンウィィィィィン
突然の警戒音で中澤は我に返る。
そして、意を決し加速装置のスイッチを入れた。
船が加速してしまえば宇宙ダストの回収は難しくなかった。
回収後、減速すると目の前に火星のコロニーの光が見え、
時間を飛び越えたことを中澤はぼんやり感じていた。
地球への帰路の中、待っている人はもういないのに
何故帰ろうとしているのか、分からなかった。
頭の中は矢口のあの目。
ヤグチは幸せになっただろうか?
とにかく帰って確かめたかった。
- 98 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月13日(水)23時20分40秒
地球に帰還すると出迎えの人の中に懐かしい面影を見た。
背の高い青年将校、胸の通行証の名前は 『K.Yasuda 』、
彼のとなりには・・。
「なっち?・・」
中澤が不思議そうにふたりを眺めていると、青年が口を開いた。
「お帰りなさい、中澤宙将」
「圭坊・・」
「はい、子どもの頃はそう呼ばれてました。ケイ・ヤスダと言います。
私の先祖があのダンサーの保田圭です。
こっちは伝説の料理人安倍なつみさんの記憶を持つアンドロイド・ナッチです。」
保田は子孫に自分と同じ名前をつける事と
中澤の出迎えにいく事のふたつを遺言としていた。
中澤は保田の心遣いが嬉しかった。
- 99 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月13日(水)23時22分11秒
アンドロイド・ナッチの記憶装置には中澤が知りたかった皆のデータが揃っていた。
なっち・・アタシのお願いきいてくれたんや・・ありがとう
今はいない安倍に感謝する。
データでは皆それぞれ夢をかなえ充実した人生を送ったようだった。
ただ、矢口のデータだけが25歳までしかない。
ヤグチどうしたんや・・結婚したんか?・・
25歳で死んだとか行方不明とかちゃうやろ?
いまさら心配しても仕方ないのだが
また矢口のあの目を思い出してしまう。
アタシはヤグチが好きやったんや・・今頃気付くなんて・・アホやなぁ・・
気付かなかった恋に涙が一筋、頬を伝った。
- 100 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月13日(水)23時23分32秒
しばらく、呆然としていたがヤスダに連れられ
中澤は景色のいい霊園に来ていた。その一角に建つ白い建物に入っていく。
ヤスダが何か事務手続きをして離れていると
係員らしい人の案内で ある部屋へ通された。
部屋の中には白雪姫が使ったかのようなガラスの棺がひとつ。
棺の中にはウエディングドレスを着て
はじめて会った時中澤が着ていたツナギを握り締めた
矢口が横たわっていた。
- 101 名前:やぐちゅーでSFを 投稿日:2002年02月13日(水)23時24分52秒
コールドスリープ。
すべてを理解した中澤はニッコリ笑い、
覚醒処置に向かう矢口の手からツナギを抜き取りそれに着替えた。
ヤグチ、もう誰も残ってへんからアンタを選んだずるい大人と思ってもいいで・・
誰がいても、アンタが別の人が好きでも
アタシはヤグチが一番好きや
今度はアタシが待ってたるから早く裕ちゃんの腕の中においで・・
了。
- 102 名前:やぐちゅーでSFを<番外編> 投稿日:2002年02月13日(水)23時27分15秒
- <番外編>アンドロイド・ナッチ
ナカザーはみかん箱4つ分のマニュアルを前に唸っていた。
(うぅぅーーーーー、これ全部読まなあかんかぁ?・・)
(もうええやん、大概のことは本人から聞けるやろ)
「なぁ、なっち、ちゃうわナッチや。ナッチはどんなこと出来るん?」
「へっ?オリジナルが出来たことは全てできるべさ」
(??なっちはこんなに訛っとったか??)
「そっか、じぁあ これから裕ちゃんとこの家事を任せてもええやな?」
「まっかっせなさぁーい。家事はナッチの十八番だよ。
オリジナルが好きだったものはナッチも好きだべさ」
(なんか・・このテンションもちゃうような・・)
(でもこういうナッチも可愛いやん・・)
- 103 名前:やぐちゅーでSFを<番外編> 投稿日:2002年02月13日(水)23時29分01秒
- なんて思いながら昔の癖でナッチの頭を撫でる。
(うん?・・スイッチか?)
髪の中に隠れるようにスイッチがある。ナカザーはそれに触ってみた。
すると、ナッチの目が潤んできて・・
(なっち・・こんなに色っぽかったっけ?・・)
(なんか変な雰囲気になってきたで・・)
「裕ちゃん、しよ。」
「なっ?!何言ってんのや???? 」
ナッチは益々色っぽく迫ってくる。
いつの間にかナカザーはナッチに組み敷かれていた。
「何してるん?!!」
「オリジナルが好きだったものはナッチも好きだべっていったっしょ」
(あかん!!ナッチはアンドロイドやん!!)
(恋人居るのに自虐行為はしとうないでーー!!)
「やっ・・やめ・・や・あ・ぁぁぁ」
―――――――――――
――――――――――――――
『アンドロイド・ナッチ取り扱い説明書(最新セクサイト機能搭載)』
注・マニュアルはきちんと読みましょう。
了。
- 104 名前:あとがき 投稿日:2002年02月13日(水)23時35分14秒
- ということで「やぐっちゅーでSFを」終わりです。
どっちかというと
本編は番外編が書きたくて書いた前説のようなもので・・(笑)
読んでくださった方ありがとうございました。
こんな話におこがましいのですが感想いただけると嬉しい。
こんな話ばっかつづけていいのだろうか?
寒太郎
- 105 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月14日(木)00時18分15秒
- 非常に面白かったです。
昔、夢中で読んだ、星新一を思い出しました。
スリルやハードなSF作品の多い中、久しぶりに、たのしいSFに触れました。
これからも、このような作品をご提供ください。
楽しみに待っています。
楽しませてくれて、ありがとうございました。
- 106 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月16日(土)20時56分34秒
- 一途なやぐちに涙が出ました。
できればやぐちゅーの番外編も希望!
- 107 名前:レスありがとうこざいます 投稿日:2002年02月18日(月)07時02分51秒
- >105さま
しっかりした感想ありがとうございます。
このようなお言葉うれしいです。
寒太郎の励みになります。
>106さま
ありがとうございます。
そして、リクありがとうございます。
やぐちゅーの番外編、書く気はなかったんですが
今考察中のりかゆうが行き詰まってるので
リクにお答えして矢口の番外編いきます。
106さまの希望にそってない内容だとは思うですが・・・
寒太郎
- 108 名前:やぐちゅーでSFを<番外編2> 投稿日:2002年02月18日(月)07時04分46秒
- <番外編>解凍人間 ヤグチ
長い入院生活からやっと裕ちゃんの家に戻ってこれた。
今日からふたりっきりvv
今日から裕ちゃんと『いっしょの部屋』、『いっしょのベット』。
自然と顔が緩んでしまう。
「ヤグチ、疲れたやろ。ちょっと休んどきぃ。
アタシ、ちょっと報告書、書かなぁあかんから書斎にいるわ」
「うん、そうする」
寝室へ行くとアンドロイド・ナッチがベットメイクしていた。
「あっ、やぐっちゃん、オリジナルからメール預かってたべさ」
なっちと同じように接してくるから戸惑うよね・・ほんと
「メール?見せて」
- 109 名前:やぐちゅーでSFを<番外編2> 投稿日:2002年02月18日(月)07時05分46秒
To やぐっちゃん
やぐっちゃん、これを見てる頃は もう、裕ちゃんと会ってるね。
まずは、謝っとかないと。
あのねホントは
やぐっちゃんが裕ちゃんのこと好きってこと知ってたの
だから、みっちゃんが居なくなった時、先手打っちゃった。ごめんね。
もういいでしょ。これからの裕ちゃん全部あげるんだから。
でも、私はちょっと悔しいから、すこし意地悪なイタズラを残していきます。
裕ちゃんを幸せにしてね。
From なっち
- 110 名前:やぐちゅーでSFを<番外編2> 投稿日:2002年02月18日(月)07時06分47秒
イタズラってなんだろう。
兎に角、今夜は両思いになってから初めての夜vvいまは休んどこっと。
二人っきりの夕食はナッチがつきっきりで給仕をしてくれた。
まるで昔のような3人での楽しい食事だった。
いよいよ、待望の初夜だよvvv
「ヤグチ、好きやで・・ええよな・・」
「うん、ずーっと、待ってたんだから・・ホントに・・ずっと。」
感極まって笑ってるのに涙がでちゃったよ〜
「あぁ・・ヤグチ、泣かんといてぇな・・裕ちゃんが悪かった・・謝るから」
「ちがうよ。ヤグチは嬉しいんだよ。だからいいんだよ」
「そっか・・」
そして、裕ちゃんの顔が近づいてくるから目を伏せた。
- 111 名前:やぐちゅーでSFを<番外編2> 投稿日:2002年02月18日(月)07時07分48秒
- カチャ。
ドアの開く音がして、そっちを見ると
さっきまで片付けをしていたナッチが立っていた。
「オフタイマーなので休みにきたべさ」
「「えっ??」」
「ナッチの休む場所はオリジナルと同じだべ」
「「へっ???」」
「オリジナルは裕ちゃんと寝てたべさ〜」
あっ、なっちの意地悪ってこれだ。
って思っているとナッチが私と裕ちゃんの間に割り込んできた。
ナッチを退かそう頭に手をやると何かスイッチが・・
「アカン!やぐちそれに触ったらアカンって!!」
そう言われた時にはもう触っていた。
- 112 名前:やぐちゅーでSFを<番外編2> 投稿日:2002年02月18日(月)07時08分48秒
- すると、ナッチの目が潤んできて・・
「裕ちゃん、しよ。」
「なっ!何言ってんのや!! 」
ナッチは裕ちゃんに色っぽく迫っている。
いつの間にか裕ちゃんはナッチに組み敷かれていた。
「何してるんだよー!!」
「オリジナルが好きだったものはナッチも好きだべっていったっしょ」
「やっ・・やめ・・や・あ・ぁぁぁ」
―――――――――――
――――――――――――――
『アンドロイド・ナッチ取り扱い説明書(最新セクサイト機能搭載)』
注・マニュアルはきちんと読みましょう。
了。
- 113 名前:106 投稿日:2002年02月18日(月)18時30分31秒
- やった!ありがとうございます!
希望にそってないなんてとんでもないっす。
自分はやぐちゅー好きでもあるけどtsunagi好きでもあるので
ラストのオチはめっちゃツボにはまりましたよ〜。
次作も楽しみにしてます!
- 114 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月22日(金)00時12分37秒
- 今日はじめて読みました。
ほのぼのした中に、ちゃんと娘。たちの個性が活かされた作品ですね。
私も、星新一を思い出しました。
優しいSFって、難しいんですよね。
次作も楽しみに待っています。
できれば・・・、やぐちゅーで。
- 115 名前:レスありがとうこざいます 投稿日:2002年02月22日(金)15時49分19秒
- >106さま
気に入っていただけて何よりです。
>114さま
感想ありがとうございます。
やぐちゅーですか・・
たしかに昨日のANNS聞いてたら
ストーリーの中で『ヤグチ盛り』やりたくなります。
リクにはなるべく答えたいと思いますが今回は りかゆう で。
いちごま もリクあったような・・いつか書きます。
てことで次のタイトルは「ふぇざぁくうぃると」です。
- 116 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月22日(金)15時53分18秒
「はい! 本番いきまーす!」
「キャスター・・
それは、春風にそよぐタンポポ。
どーも! チャーミー石川です!!」
「意味わからん。・・コメンテーターの中澤裕子で〜す」
―――――――
―――――――――――
「以上、チャーミー石川のハロプロニュースでした。」
「はーい! OK!!」
よかったいつも、中澤さんに心配かけてばっかりだけど今日はちゃんと出来た
本当はもっと心配して欲しい、
だって少しは石川のこと好きなのかなって思えるもの
だから、今日はちょっと残念。
まだ、わざと失敗して気を引くほど余裕がないのよね
- 117 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月22日(金)15時55分37秒
私が中澤さんを意識し始めたのはチャレモニでからみが多くなった頃かしら
最初は怒られてるのかと怖かったけど学校の先生みたいに
いつも「石川、大丈夫かぁ?」とか「石川も頑張ってるんです」とか
私が内気で同期の中でも出遅れてるのを一番気にしてくれてるって。
でも、気になってることがひとつ。此間、加護ちゃんが言ってたこと・・
「りかちゃん、りかちゃん。知ってる?」
「なぁに、加護ちゃん」
加護ちゃんは小声で耳打ちするように
「あのね、中澤さん気に入ったメンバーは全部手篭めにするって・・」
「なっ・何言ってるの?!中学生が手篭めなんて使っちゃダメ!」
「きゃはははははは」と加護ちゃんは走り去っちゃったけど・・。
加護ちゃんのあの言葉が頭から離れない。
からかわれたのかな。
中澤さんだったら手篭めにされても・・何考えてるの・・わたしは・・
とにかく、中澤さんに挨拶して今日は帰ろう。
- 118 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月22日(金)16時04分09秒
- 楽屋近くに来るとマネージャさんがドアごしに中澤さんと喋ってて
ちょっと聞こえちゃった。
「梨華ちゃんも良かったですね、段々前に出れるようになって」
「そやろ。最近のお気に入りやから嬉しいで。
アタシが鍛えた甲斐がありましたって感じや(笑)
でも、やっぱ、石川の頑張りやろ。最近色っぽい目してくるようになってんで。」
「そうでしたっけ?」
「気付かんかぁ?あの目、他で使こうてへんのかなぁ・・結構ドキドキするんよ」
- 119 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月22日(金)16時05分39秒
- 「あっ梨華ちゃん、お疲れ様です。帰りですか?」
「はい、中澤さんに挨拶して帰ろうと思って。中澤さん、お疲れ様でした。」
「お疲れ様。石川、この後空いてるん?寿司でも行こっか?前に行きたいって言ってたやん」
「えっ、中澤さん、石川を誘ってくれるんですか?」
「いややったらええで。矢口を誘う。」
「すいません、すいません。ぜんぜん大丈夫です。中澤さんとふたりっきりで行きたいです。」
「ふたりっきりってなんやの?まあ ええわ、ちょっとまとってぇな。帰り支度するから」
「じゃ俺は事務所に戻ります。中澤さんお疲れ様でした。」
中澤さんが食事に誘ってくれた。これは石川的にはデートですよーーhappy!
- 120 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月22日(金)16時11分09秒
- 連れて行ってもらったお店は寿司屋さんではなくて和食屋さん。
中澤さんの行き付けの店のようで他の席からは死角になるカウンターの隅の席が指定席。
ちょっと隠れ家っぽいです。
カウンターに座ると注文しなくてもタイミング良く料理がでてきて、
もちろんお寿司も握ってくれます。
でもカウンター席って話がしづらい、本当は食事よりも話がしたいのに……。
まっいっか、中澤さん、上機嫌でビール飲んでるし・・そんな顔見てるの何だか幸せだから。
でもちょっと呂律が回らなくなってきてるような・・。
「そろそろ、帰るでぇ。送ってったるから、ちょ待っときぃ」
と携帯でタクシーを呼んで家まで送ってくれるって。
ドラマだと送ってもらったら「ちょっとコーヒーでも飲んでって」誘うんだろうけど・・。
えーーい、ベタだけどいいですよね、誘っちゃいます。
- 121 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月25日(月)00時50分45秒
マンションの近くに来た時、
「中澤さん、今日はご馳走様でした。私の部屋でコーヒーでも飲んでってください。」
って思い切って声をかけたら、やっぱり
「ベタやなぁ・・でも仕事夕方からやから ちょっと寄ってていいで」
やったーー!!今日の私はついてるいるわvv
私がキッチンでコーヒーを煎れようと
豆を手にしていると中澤さんが覗きにきて
「本格的に煎れんでもインスタントでええよ・・おっ、このクッキー、石川が焼いたんかぁ?」
「あーーっ!ダメです。それは・・失敗作です。」
「ホンマや、これ しょっぱいわ。砂糖と塩、間違えたんやな。ここまでベタやとは・・
でも、甘いもん苦手やから これはこれで美味しいで。塩せんべみたいや」
と言いながらリビングに戻ったのでお湯だけ沸かしていると
突然苦しそうな中澤さんの唸り声が
「うぁぁぁぁぁ、な・なんかっ変や?!!うぅぅぅぅぅぅ」
驚いて行ってみると
そこには中澤さんは居なくて・・
心配になって辺りを見ると
さっきまで中澤さんが着ていた服が落ちてます。
いったい何があったの??
- 122 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月25日(月)00時52分36秒
落ちている服を拾おうとしたら、白いモノが動いて・・
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!に・にわとり?!!どーして私の部屋に鶏がぁぁぁ?!!!」
「石川、うるさい!!・・(部屋の中の鏡を見ながら)・・叫びたいんはアタシやで」
「えーーー!!な・なかざわさん?中澤さんなんですか?」
「そうや・・なんで こんなんなったんやろ・・」
お尻をぷるぷる振りながら私に近づいて
本当は鳥全般苦手なんだけど、中澤さんだと思うとその姿も怖くなくて
実際、テトテト歩く姿はどこか滑稽で愛らしく思わず抱き上げちゃいました。
「どうして・・アヒルになってるんですか?中澤さん・・」
「知らんがなぁ・・やっぱ、さっきの石川のクッキーやな・・」
「えぇっ、石川の所為ですか?!」
「たぶんな・・そやから、戻るまでちゃんと面倒みてぇな」
- 123 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月25日(月)00時54分03秒
- 中澤さんがあまりネガティブになってないのは、やっぱり酔ってるんでしょう。
本人が一番大変なのだから、ここは私がポジティブにならないと・・。
気分転換に何かしないと ・・・そうだ、お風呂。お風呂にはいろう ・・・
「中澤さん、一緒にお風呂に入りましょう。」
「えっ?」
「大丈夫です。ちゃんと洗ってあげます。」
人間だったら照れて出来ない事も出来ちゃうわ。これってLucky?
今日はアヒルと一緒だから いつもより温めのお湯で
水遊びをしながら中澤さんを洗ってあげます。
真っ白な身体はアヒルの中でもきっと美人でしょうね。
- 124 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月25日(月)00時55分09秒
お風呂から上がって中澤さんの身体を乾かしていたら羽がふわふわになって
あまり触り心地がいいんでずっーと撫で回していたら
クテっとなっちゃった、どーしよう・・。
「ふぅ・・石川、あまり触らんとって・・気持ち良すぎやわ、イってまうがな・・」
あっこれって中澤さんを弄んだことに・・自分の想像に赤面しちゃった。
兎に角、今日はもう遅いから寝ちゃいます。
中澤さんを抱きかかえてベットに入ると
ほんと、柔らかくて、暖かくて、抱き心地がいいです。
ずっーと一緒に過ごしたいなぁ。
中澤さんには悪いけど元に戻らなければいいのに、このまま石川が飼ってあげますから。
今夜は、暖かな抱き枕のような中澤さんを抱え
大好きな中澤さんの匂いに包まれて気持ちよく眠れます。
- 125 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月25日(月)00時57分02秒
朝、身体が窮屈なので目が覚めると隣に人間に戻った中澤さんが寝息をたててます。
私が起き上がったので掛け布団がずれてうつぶせに寝ている身体があらわに・・。
そして、まぶしい朝日と白い羽が舞い、その背中降り注いで
と て も き れ い
しばらくうっとり見とれて
滑らかな肩に吸い寄せられるように気が付いたらキスしてて
離れるとそこには赤く花が咲いたように痕が……そこが愛しくて撫でていたら
中澤さん起きちゃいました。
- 126 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月25日(月)00時58分09秒
「う・・ん、ん?ココ何処や?」
「おはようございます、中澤さん。私の家です。」
「そっか・・酔って迷惑かけたみたいやなぁ・・って、なんでアタシ裸なん?」
「酔ってましたから」
「悪かったなぁ・・あんま 酒癖悪うない思っとってんけど・・今度から控えるわ」
昨日酔っ払って失態したと思い込んだ中澤さんはそそくさと帰っちゃいました。
私は本当の事はあえて言いません。
言ってもきっと信じてもらえないだろうし自分でも信じられない。
ベットに残っていた白い羽がなければ・・。
- 127 名前:ふぇざぁくうぃると 投稿日:2002年02月25日(月)00時59分17秒
仕事にいくと加護ちゃんが寄ってきて
「りかちゃん、りかちゃん。此間の訂正です。」
「なに?」
「中澤さんが手篭めにするんじゃなくて、手篭めにされてるらしいです。へタレだから」
「加護ちゃん!!手篭めとか、へタレとか言わないの!大人をからかっちゃダメ!!!」
「きゃはははははは」と加護ちゃんはまた走り去っちゃったけど・・。
やっぱりそうか・・今度は人間の中澤さんと仲良くするんだから・・。
ポジティブに。
了。
- 128 名前:あとがき 投稿日:2002年02月25日(月)23時43分42秒
- 「ふぇざぁくうぃると」本編終了です。
番外編は昨日のラジオネタを
『中澤裕子と松浦亜弥お嫁さんにしたいのどっち?』
あやや を お嫁さんにしたい組
柴田・石川・あさみ・アヤカ・後藤・吉澤・保田・加護・矢口・新垣・紺野・辻・安倍・飯田
裕ちゃん を お嫁さんにしたい組
村田・大谷・斎藤・里田・りんね・ミカ・レフア・平家・前田・高橋・小川・石井
両方⇒藤本
両方嫌⇒稲葉
以上を踏まえての番外編です。
- 129 名前:ふぇざぁくうぃると<番外編> 投稿日:2002年02月25日(月)23時48分54秒
「おはようございます。」
「おはよう、石川。ちょっとこっちきて。」
朝から気まずい雰囲気で矢口さんに呼ばれてしまいました。
「裕ちゃん石川のとこに泊まったんだって」
いきなり本題に入られ、なんて答えていいやら焦ってしまいました。
「えっあっ・はい。何もしてませんよ。」
「裕子の背中にキスマーク付いてた・・」
「ど・どーして知ってるんですか」
「やっぱり、石川が付けたんじゃん!!」
「人間の中澤さんには背中にキスしただけです!」
「人間の?石川、じゃアヒルの裕子 知ってるんだ・・」
「えっ矢口さん、知ってたんですか?」
「うん、本人知らないみたいだけどストレスとか欲求不満でお酒飲み過ぎるとアヒルになるみたい」
「アヒルの中澤さん可愛かったですよ」
「あっ本題に戻んないと。裕子は矢口の玩具なんだから、石川、手出しちゃダメだからね!!」
- 130 名前:ふぇざぁくうぃると<番外編> 投稿日:2002年02月25日(月)23時52分06秒
そんなこと言われても・・矢口さんの言うようにあんな夢中になれる玩具って他にないですよ
矢口さんに内緒でいただきます。
「石川、聞いてる?人間の裕子もアヒルの裕子も矢口のだからね」
念を押されていると矢口さんの携帯にメールが入ったみたいで
それを見ている矢口さんの顔が青くなった。
矢口さんが呆然として携帯を私に差し出すので失礼してメールを拝見。
矢口、此間の『お嫁さんにしたいのどっち』で裕ちゃん選ばんで気ぃひく作戦
逆効果やったなぁ〜
裕ちゃん『矢口にもなっちにも振られてしもたぁ』っていって
ウチんとこ来てん。お陰でウチは棚ボタやで〜。ありがとう。。。by 平家。
平家さんに持ってかれちゃったの・・。
平家さん、棚ボタっていうより漁夫の利ですよ・・
了。
- 131 名前:あとがき 投稿日:2002年02月26日(火)22時54分11秒
- 「りかゆう」、難しいです。
書いてると「ゆうりか」になりそうになるし・・。
梨華ちゃん書いてるとエロに走りたくなるのは何故だろう。
一応、「ふぇざぁくうぃると<番外編>」終わりです。
で、これからはリク頂いたのにお答えしていこうと思います。
ってもう読んでる人いなさそうですが
大変お待たせして申し訳ありません。
>>66さまリクエスト「いちごま」書きます。
- 132 名前:禁断症状 投稿日:2002年02月26日(火)22時58分45秒
「ごとー、迎えに来たよ」
「いちいちゃぁ〜んvvうれしいぃぃ、ずっーーーーと待ってたんだよ!!」
青いオープンカーの中から市井が後藤に手を差し伸べている。
手を取ろうとすると……
いつも、ここで目が覚める。
- 133 名前:禁断症状 投稿日:2002年02月26日(火)22時59分56秒
市井ちゃんが娘。を卒業した頃よく見ていた夢。
最近はあまり見なくなっていたのに……。
後藤は枕もとに置いた市井の写真集を手に取りページを開き、深いため息をついた。
夢の中の市井ちゃんと写真集の市井ちゃん…全然ちがう……。
夢の中の市井ちゃんは過去の姿。
写真集の市井ちゃんは現在?
私の好きなのはどっち?……わからない。
- 134 名前:禁断症状 投稿日:2002年02月26日(火)23時01分54秒
部屋の中には今、手に取っている写真集の他にまだビニールを外してないものが机の上2冊。
本屋で見かけるとつい買いたくなるのである。
何か足りてない・…。
気分転換に散歩にでてみた。
普段行かない本屋に寄ると、『市井紗耶香写真集「SELF」』が目に入った。
無意識に手にとっていると、フッと懐かしい香がした。
- 135 名前:禁断症状 投稿日:2002年02月26日(火)23時03分19秒
「ごとー、私の写真集買ってくれるの?」
「いちいちゃん!」
勢いで抱きついた。
前より柔らかい身体。
けど変わらない優しい声、暖かい笑顔。
足りてなかったのは市井ちゃん。
私の好きなのは夢の市井ちゃんでも写真集の市井ちゃんでもない。
いま、目の前にいる
市井ちゃんが好き。
了。
- 136 名前:いいっすね 投稿日:2002年02月28日(木)01時58分36秒
- ふぇざぁくうぃると
特に番外編がすき。
>>128
ラジオ聞かなかったんだけど4期まで全員松浦かぁ。
その方が面白いと思ってだろうけど、
矢口と安倍は中澤に入れてほしかったなぁ。
でも、お嫁にしたいじゃなくて、お嫁になりたいだったら
どうだったんだろう?
- 137 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年03月04日(月)17時28分31秒
- >136さま
感想ありがとうございます
寒太郎、しばらく読者になってました。
他の板の姐さんが次々に死んでいくのに涙しておりました。
おいらは、ほのぼの なっちゅ〜でも書こうかな・・・
と思ってるとこでして、そのうちゆっくり更新していきます。
- 138 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月05日(火)14時12分22秒
- ――― プロローグ ―――
中澤裕子は自宅のリビングで
「ミニモニ。ひなまつり!/ミニ。ストロベリ〜パイ」のDVDを観ながら
ビールを飲んでいた。
やっぱヤグチはかわえぇなぁ
ミニモニ。ちょー好きやわ
ずっとこのままでいてくれたらええのになぁ
でも、PVじゃ分からんけど
辻も加護も成長期やから、そろそろヤグチとの身長差が目立ってきてるなぁ
もう、10p位違うんちゃう?
なんて思いながらビールに口を付けているとマネージャーから電話が入った。
「中澤さん、すぐにタクシー拾って事務所に来てください。」
「ええーー、迎えに来てくれへんの?」
「よく分からないんですけど、緊急の呼び出しで、俺も今向かってるとこです。
迎えに行くよりその方が早そうなんでよろしくお願いします。」
「分かった・・アタシなんかした?」
「さぁ?とにかく事務所で待ってます。」
- 139 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月05日(火)14時15分18秒
ほんま、アタシ呼び出しくらうような事なんかしたかぁ?
二股三股発言か?エロの塊り発言か?
ええやん、もう娘。卒業したんやから ちょっとぐらい暴言したかて・・
小心者中澤はビクビクしながら事務所会議室のドアを開けた。
会議室の中には事務所の社長、つんく♂さん、圭織、なっち、圭ちゃん・・それと
籠に入った赤ん坊。
皆一様に深刻な表情。
圭織、なっち、圭ちゃんはとても辛そうである。
部屋の中の沈黙が怖い。
つんく♂さんが社長の顔を見て一瞥してから話し始めた。
「その赤ん坊なぁ、矢口なんや」
「???!!!」
中澤は驚きのあまり声も出なかった。
- 140 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月06日(水)21時26分35秒
――― 1日目 ―――
なっちは車に乗ってからずっと喋り続けている。
お陰で何故矢口が赤ちゃん返えりしたのか中澤にも何と無く想像できるのだが・・
話の内容から察するに中澤の卒業から年長組の精神的負担が増え
さらにミニモニ。の新曲リリースと娘。の新曲リリース、
写真集の発売等々いろいろ重なった。
しかも今回は矢口がダンスのセンターポジションであったため
エネルギーの消費がピークを極め、矢口の身体を縮める結果になったようだ。
「あっ、裕ちゃん今のとこ右だよ」
「なっち、うるさい!ちょっと黙っとってんかぁ」
「えーー、でもさっきから同じとこ回ってるよ」
「だからアタシは方向音痴やって言ってるやろ!」
「カーナビついてるっしょ、ほんとにもう・・さっきのとこまで戻ろうよ」
こんな会話が数回繰り返されている。
- 141 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月06日(水)21時31分26秒
ふぎゃふぎゃぁふぎゃぁふぎゃぁ
「あっ、真里っぺ起きたみたい。ちょっと休憩しようよ」
「そやね。」
中澤は適当なスペースを見つけ車を寄せた。
なっちが水筒のお湯でミルクを作っている間に中澤が矢口のオムツを替える。
なぜこの三人がドライブしているかというと
赤ちゃん矢口のエネルギー回復まで秘密裏に過ごすため
つんく♂さんの隠れ別荘に向かっているのである。
矢口の世話係として娘。たちメンバーみんな志願したのだが
すごい勢いで泣いていた矢口がなっちに抱かれたら大人しくなり、
中澤の声を聞いたら笑ったのである。
もちろん、なっちも中澤も矢口の世話係をやることに依存はなかった。
- 142 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月06日(水)21時34分50秒
ミルクをあげているなっちはお母さんのように優しげである。
「そうやってると、なっち お母さんみたいやなぁ…」
「そう言ってる裕ちゃん、お父さんみたいだへさ」
「何てこと言うの相変わらず口悪いなぁアンタは」
しかし、本当に中澤がミルクをやるなっちに向けた眼差しは
全てを包み込むような父性を感じさせるものであった。
散々道を間違え、隠れ里のつんく♂さんの別荘に着いたのは真夜中になってしまい
この日は三人とも移動で疲れ、
着くなりそのまま川の字になって休むのだった…小さい矢口を潰さないように…。
- 143 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月06日(水)23時12分30秒
- 赤ちゃん矢口になっちママと裕ちゃんパパ。
いいっすね!tsunagi最高!
続き楽しみです。
- 144 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月06日(水)23時36分02秒
- 毎回、奇抜なアイデア! キャラの活きた内容! そして、見事なラスト&オチ!
姐さんファンとして、尊敬します!(w
「キノコ狩り」も楽しみっす
でもなんで、タイトル「キノコ狩り」?
- 145 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年03月09日(土)01時53分25秒
- >>143さま
ありがとうございます。
そうです。tsunagiです。でも、なっちゅーにしたい…ならないかも
今回、考えながら書いてます。多分オチはなしで淡々と進めていきます。
>>144さま
お褒めのお言葉ありがとうございます。
>でもなんで、タイトル「キノコ狩り」?
タイトル気にしないでください、タイトル通りにことは進みませんいつも…
どーしてもって聞かれたらtsunagiだからとしか言えませんが…作者としては。
どーでもいい話になると思いますがよかったら読んでください。
- 146 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月09日(土)02時00分40秒
――― 2日目 ―――
「う・・くぅ・・んんん・・ぶっはあ」
中澤は息苦しさで跳ね起きた。
見ると赤ちゃん矢口がニコニコ喜んでいる。
どうやら顔の上に乗られていたらしい。
「ほんま、死ぬかと思ったで・・うーーん、ヤグチかっわいぃ」
中澤は矢口のぷにゅぷにゅホッペに頬擦りをしてチュッとキスをする。
「ああ、裕ちゃん 真里っぺにキス癖付けようとしてるっしょ!」
「起きたんかい。そんなわけないやろ。」
「裕ちゃん!真里っぺ、大きくなってない?」
「なっちもそう思うかぁ?昨日は新生児位やったのにもうハイハイ出来るで」
「この調子でどんどん大きくなってね。チュッ」
「なんや、なっちもキスしてるやん・・今日はやる事いっぱいやで」
「そうだね。じゃあ、なっちは朝ごはん作ってくるね」
- 147 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月09日(土)02時02分31秒
中澤は赤ちゃん矢口に気を配りながら家中の雨戸を開け部屋の空気を入れ替える。
田舎の草の匂いが日々忙しく過ごしている中澤に穏やかな気持ちを運んできた。
大きく深呼吸をしているととなっちが呼ぶ声が聞こえた。
矢口を抱っこして台所へ来てみると
「元栓開けたのにガスが点かないの」
「プロパンやからボンベの元栓の方 閉っとるんやろ。見てくるわ」
そういって、中澤はなっちに矢口を手渡し屋外へ消えた。
なっちはいつも中澤に悪態を衝いているが実際のとこいつも頼りにしているのである。
「なっち、元栓開けたでー」
「うん、点いたよー!」
- 148 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月09日(土)02時05分34秒
食事が終わると村長さんに挨拶しに行くことにした。
つんく♂さんの話では村民は信用に足る人たちらしいのでキチンと話を通しておいた方が
赤ちゃん連れとしては良いだろうとのこと。
中澤が村長の田中さんと事務的に話している先には
もうお隣さんと仲良く世間話をしているなっちがいた。
挨拶を済ませ家の掃除をしているとあっというまに1日が過ぎていった。
- 149 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月09日(土)02時10分05秒
その日の夜、寝ていた中澤はなっちに起こされた。
「裕ちゃん、トイレついてきて・・」
「なんや、怖いんか?」
「うん・・」
素直ななっちは可愛くからかいたくなったが止めておいた。
この家はつんく♂さんの別荘とは思えない由緒正しい茅葺きの古い民家である。
そしてここのトイレは母屋と離れた場所にあり汲みとり式なので中澤でも怖い。
交代で用を済ませることにした。
「裕ちゃん、ちゃんといてよ。そうだ何か歌ってて」
「こんなとこで歌うんかい! まっええわ」
自分の持ち歌とも考えたが、ウケねらいで、歌いだしたのは
青い珊瑚礁。
「ぶっ!あははは裕ちゃん似てない!」
中澤も歌うのを止め笑い出した。
- 150 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月09日(土)02時13分29秒
トイレから出るとさっきはびくついて気がつかなかった
満天の星に見とれてなっちが足を止めた。
都会では絶対みれない数の星明りに照らされたなっちはどっか寂しそうで
中澤は抱きしめずにはいられなかった。
「どうしたの、裕ちゃん」
「うん・・なんか、なっちが無理してる様に見えてん・・なっち消えそうで心配や・・」
矢口が無理をして赤ちゃんになったように他のメンバーも無理してる。
それを支えようとなっちが頑張ってることを中澤は知っていた。
「大丈夫だよ、なっちは・・裕ちゃん卒業しても気持ちはずっと一緒だったってわかってるから」
「そうや、何か有ったらいつでも助けたる」
ふたりはお互いの体温にふれながら心まで温かくなっていくのを感じていた。
急に母屋から矢口の泣き声が聞こえた。
「あっ真里っぺ起きちゃた。」
慌てて二人は家の中に入るのだった。
- 151 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月11日(月)22時31分27秒
――― 3日目・そして、それから ―――
中澤は朝、唇の柔らかい感触で目が覚めた。
目の前には2・3歳に成長した矢口の顔が…
「あぁあ、やっぱり真里っぺにキス癖つけちゃたっしょー。裕ちゃんの所為だからね」
「あん?何言ってんのや、アタシの所為ちゃうやろ。ヤグチの本質やで」
反論しながらニマニマしている中澤は
『オレの矢口』に育てることも夢やないかも…と思っていると
「あっ 今、『オレの矢口』に育てよーって考えてたっしょ?ほんとスケベなんだから…」
「そんなん…ちょっと考えたって、何でアンタはいつもアタシの考えてること分かるん?
なんか古女房みたいやな…」
女房という言葉に反応してなっちが赤くなった。
「ん?なっち、顔赤いでー。ホンマいつまでも純で可愛えぇなぁ…チュッ」
「きゃっぁ!ゆ・裕ちゃんたらもう…あたしご飯作ってくる…」
ホンマなっちは可愛えぇよなぁ
なっちと居ると心が暖かくなるっつうか
側に居て居心地がいいやな…
- 152 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月11日(月)22時33分49秒
愛しいそうになっちの姿を追う視線に気付いているのか
急に矢口が中澤の足元に来て
「ゆうたん だっこ」
「!! ヤグチ!喋れるようになったんや!」
中澤は矢口を抱きかかえ台所へ駆け込んだ
「なっち!ヤグチ喋ったでー!!」
「えっ!ほんと?!ね、ねっ、なっちにも何か言って」
「なっち・・やぐち、おなかすいた」
「うんうんvv美味しいものいっぱ〜い作るねvv」
そして、矢口はなっちの愛情一杯の食事と
中澤に目一杯甘える事で順調に回復していった。
世話をしているなっちと中澤も順調に回復している安心感で小さい矢口をオモチャにしながら
3人ちょっとした休暇気分で歌ったり、踊ったり、散歩したり、田舎生活を楽しんだ。
- 153 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月11日(月)23時02分50秒
- ほのぼのさがいいね〜。
- 154 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年03月12日(火)23時26分48秒
- >153さま
いつもありがとうござます
感想いただけるとほんと嬉しい。
この話ももう終わります、もう少しお付き合いをよろしく
- 155 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月12日(火)23時32分36秒
――― エピローグ ―――
すっかり元気になった矢口と、ついでに田舎暮らしを満喫した二人も今は都心に向かう車の中。
「あぁあ、もっと遊んでいたかったね」
「そやね・・でも、うちらは人気商売やからメディアに出てへんと変な噂立つでぇ」
「矢口死亡説とかでしょ」
「なっち、ひどーい。せめて失踪ぐらいにしといてよー」
「でも、あの山には行きたかったなぁ…」
「ああ、村長の田中さんが毎日探してたヤツやな」
「そ、食べた者全てが幸せになれるという・・」
「「「黄金のなめこ」」」
「今度のオフには、また三人で」
「完全防備のツナギ&ヘルメットで」
あの山に、きのこ狩りへ行こう!!
- 156 名前:さあ、きのこ狩りにいこう 投稿日:2002年03月12日(火)23時35分55秒
――― おまけ ―――
「なぁ、なっち。お隣さん最後に変なこと言ってたんやけど…」
「へっ?」
「あんなぁ、『中澤さん頑張って安倍さんのご両親にお許し貰うんですよ。それから機会があったら中澤さんのショー見に行きます。新宿二丁目ですよね?』って言われたんやけど…」
なっち笑顔が引きつった。
「えっ、ああ…最初に挨拶した時、私たちの関係訊かれて…赤ちゃん連れだったし…誘拐だと思われるの困るし…」
「なんやの?!はっきり言いや」
「だから、『なっちがお母さんで、裕ちゃんがおとうさん。真里っぺはその子ども。裕ちゃんがああだから結婚反対されて籍はまだ入ってませんって。真里っぺは一度養子に出したのだけど急成長する病気だとわかると返されてきた。で只今駆け落ち中。』ってふざけて言ったんだけど…こんな話信じる訳ないっしょって…あはははははは」
ああ、もう後は笑ってごまかせ安倍なつみ。
了。
- 157 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)18時51分41秒
- <番外編>ベビーやぐち
――― プロローグ ―――
うーーん…
やっぱ、裕子の膝を辻に譲ったのは痛かったなぁ…
ここまで身体が縮むなんて
縮んでも今までは裕子の膝の上に乗って少し休むと回復できてたのに…
裕子が傍にいないのが悪いんだーーーーー!!!
頭の中で考えているの19歳の矢口だが
今の彼女には自分の意志を表現する能力がない。赤ちゃんなんだから…。
あぁぁぁ、もうもどかしいよーーー!!
想いは言葉にならず只泣くしかでなかった。
オギャアオギャアオギャアオギャアオギャア!!
- 158 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)18時53分39秒
「ああ、矢口泣かないでよ。圭織がちゃんと面倒みるからさぁ・・よしよし」
圭織がぎこちなく矢口を抱っこする。
圭織か…抱っこしてる途中で交信しそうじゃん…とりあえず泣いとこう…
オギャアオギャアオギャアオギャアオギャア!!
「もう、リーダーったら抱き方下手。貸して」
圭ちゃんがしっかりと矢口を抱っこする。
圭ちゃん、信頼してるんだけどねぇ…不器用じゃん、それに筋肉質でゴツゴツして痛いよ…
オギャアオギャアオギャアオギャアオギャア!!
- 159 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)18時55分17秒
- 「あっ、なっちも赤ちゃん抱っこしたいvv可愛いねvvv」
おいおい、矢口はお人形さんかい!…あっでも、なっち、ふあふあして気持ちいいじゃん
…
「もう、こんな時間だよ。裕ちゃんのラジオを点けていい?いつも聞いてるんだ」
ラジオから中澤の声が流れてきた
裕子、またバカなこと言ってるよーーキャハハハ
「きゃっ きゃ、ぶぶぶぶ」
「あっ真里っぺ、裕ちゃんのラジオ聞いて笑ってるよ」
なっち、『真里っぺ』はやめろよー恥ずかしいから…
「やっぱり、裕ちゃんに来てもらうべ」
そうだ、そうだ裕子を呼べ!世話してもらうんだったら矢口は裕子がいい!!
- 160 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)18時57分59秒
――― 1日目 ―――
矢口は車に乗ってからずっと寝ていた。
「あっ、裕ちゃん今のとこ右だよ」
「なっち、うるさい!ちょっと黙っとってんかぁ」
「えーー、でもさっきから同じとこ回ってるよ」
あぁぁぁもう、なっち、うるさいよ。寝てらんないじゃん…
えっ、あっ、なっち!!ダメだよ、裕子は矢口のなんだから!
ジャレついちゃダメだって!!!ええーい泣いちゃえ!
ふぎゃふぎゃぁふぎゃぁふぎゃぁ
「あっ、真里っぺ起きたみたい。ちょっと休憩しようよ」
「そやね。」
中澤は適当なスペースを見つけ車を寄せた。
なっちが水筒のお湯でミルクを作っている間に中澤が矢口のオムツを替える。
うぅぅぅぅオムツを替えられるのはずかしいよーーーー
暫く意識凍結しとこ…
- 161 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)19時00分36秒
――― 2日目 ―――
朝だ、朝だ…おっ裕子が隣に寝てるぞ!
それに身体が動かせる。やったね!じゃモーニングキスで起こしてやろうじゃないか
よいしょっと…チュッ…ダ・ダメだ頭が重過ぎて起き上がれない…
「う・・くぅ・・んんん・・ぶっはあ」
「ほんま、死ぬかと思ったで・・うーーん、ヤグチかっわいぃ」
中澤は矢口のぷにゅぷにゅホッペに頬擦りをしてチュッとキスをする。
もう、裕子ったら…朝から嬉しいぞ…
「ああ、裕ちゃん 真里っぺにキス癖付けようとしてるっしょ!」
なっちも居たんだ…だから、真里っぺはやめろよー!
「じゃあ、なっちは朝ごはん作ってくるね」
そっ、そっごはん作っといで。…裕ちゃんに抱っこしてもらうんだから…
赤ちゃんの身体もいいな、楽に甘えられるよ…
- 162 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)19時02分42秒
―――――――
―――――――――
赤ちゃんの身体ってすぐ疲れるんだもう眠いよ…
あっというまに1日が過ぎていった。
その日の夜、夜中に目が覚めると中澤もなっちも布団にいない。
裕子どこだよ…矢口を置いてくなよ…寂しいじゃん…
ああああ、なっちもいない!
やばいじゃん!ここに来てから二人なんかいい感じなんだよ…
とりあえず、泣いてみますか…
オギャアオギャアオギャアオギャアオギャア!!
「あっ真里っぺ起きちゃった。」
- 163 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)19時04分36秒
――― 3日目・そして、それから ―――
朝だ、朝だ…今日こそちゃんとモーニングキスで起こしてやろうじゃないか
よいしょっと…チュッ…
「あぁあ、やっぱり真里っぺにキス癖つけちゃたっしょー。裕ちゃんの所為だからね」
「あん?何言ってんのや、アタシの所為ちゃうやろ。ヤグチの本質やで」
何言ってんだよー。矢口は純真な乙女で〜す!
「あっ 今、『オレの矢口』に育てよーって考えてたっしょ?ほんとスケベなんだから…」
「そんなん…ちょっと考えたって、何でアンタはいつもアタシの考えてること分かるん?
なんか古女房みたいやな…」
また、裕子はvvv
いっつも何処でも『オレの矢口』って言う癖に
なんで『おいらの裕子』にはなってくれないんだろ…
ああ、また…なっちの後姿そんなふうに見つめないでよ…
「ゆうたん だっこ」
あっ言葉出た!やったね!!これで裕子を独り占めだ
「!! ヤグチ!喋れるようになったんや!」
そして、矢口はなっちの愛情一杯の食事と
中澤に目一杯甘える事で順調に回復していった。
- 164 名前:さあ、きのこ狩りにいこう<番外編> 投稿日:2002年03月15日(金)19時07分02秒
――― エピローグ ―――
「辻、辻。」
「なんれすか やぐちさん」
「辻、裕子の膝に乗るの辞めたほうがいいよ」
「なんれれすか?」
「裕子の膝の上は特殊なオーラが出てるから乗ってると大きくなるんだよ」
「ええっ?!ほんとれすか!じゃ、のの の おなか が おおきくなったのも
なかざわさん の せい ですね」
いや、ちょっと違うんだけど…
「そうだよ。だから矢口は裕子の膝に乗ってる間は身体が縮まなかったんだから」
「そうなんですね…じゃもう のるのやめます…」
辻はなんだか寂しそうである。
「あっ、ときどきならいいんじゃないかな」
結局、裕子の独占は無理かな…
でも、たまに甘えにいっていいよね、裕ちゃん!
了。
- 165 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月15日(金)20時24分07秒
- tsunagi最高!
ベビーやぐち欲しいな〜。
- 166 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月15日(金)22時04分06秒
- 作者さん、最高 !
他にはない視点でのお話し、非常に楽しいです。
ほのぼのとした雰囲気に、気持ちふわふわします。
こんな感じのお話を、たくさん作ってくれたならいいなーなんて、思います。
裕ちゃんには不幸は似合わない !
- 167 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年03月21日(木)10時02分40秒
- >>165さま
レスありがとうございます
寒太郎はtsunagi好き。
でも、どっちかと言うと やぐちゅー なっちゅー好きです。
>>166さま
感想ありがとうございます。
>裕ちゃんには不幸は似合わない
おいらもそう思う。みんなに愛されていつも強気でいて欲しい。
>こんな感じのお話を、たくさん作ってくれたならいいなーなんて、思います。
ありがとうございます。他にも話を考えてます。よかったらまた読んでください。
ホントにこんな感じの話続けていいのでしょうか?
案内板の連載終了スレで ここ 終了立っちゃったみたいで・・・
「こんな詰まらん話は早く倉庫に行け」ってことでしょうか?
今、考えてるのは 中飯 と 市後中 の 2本です。
しかし、引越しで忙しいのでしばらく更新できません。
このスレが倉庫に行ってなかったら上の2本書きます。
- 168 名前:<人形の家> 投稿日:2002年03月29日(金)02時43分19秒
今年は春が来るのが早く桜はもう満開である。
そんな風景を車の中から眺めていた中澤はふと並木の下を歩きたくなった。
彼女は車を降り歩くことにした。
もうここは自分のマンションの近くである。
夜もかなり深いので人通りもない。
月明かりの中の桜はとても幻想的で美しかった。
中澤は桜に見とれて普段歩いた事の無い通りに迷い込んでしまった。
そこは現実とはかけ離れた空間に感じられ少し不安になる。
周りの雰囲気に溶け込むような一軒のアジアンテイストのアンティークショップから光が漏れている。
以前のタイ取材を思い出し懐かしさにその店に足が向く。
こんな時間に開いている筈はない外から覗くだけと思っているとドアには『OPEN』の文字。
中に入り可愛い小物や食器を眺めながら
店の中を一回りしているとあるアンティークチェアの前で足が動かなくなった。
目はその椅子に釘付けである。こんなに心が惹かれる家具にであったのは久しぶりである。
- 169 名前:<人形の家> 投稿日:2002年03月29日(金)02時45分55秒
「いらっしゃいませ」
声のした方に振り向くと店主らしい南方系の初老の男が立っていた。
「何か気に入られましたか?」
中澤は再び椅子の方に目をやる。
「この椅子が欲しいのですが・・」
「それは、椅子は売れません。今、奥で着替えをしている人形の椅子ですから」
少し考えたがやはりこの椅子がとても欲しい。
諦めがつかず眺めている中澤に店主は何かを感じたのか自分に頷いた。
「いいでしょう。あなたにはこれが必要なようですね。暫くの間お預けしましょう。」
何を言われたのか理解できなかったが異国人のニュアンスの違いだろうと思い気にしなかった。
そして、暫くはこのインテリアを楽しむことができるのを素直に喜ぶ事にした。
- 170 名前:<人形の家> 投稿日:2002年03月29日(金)02時49分11秒
- 翌朝、店から椅子と人形が届けられた。
店主には汚してもよいが人形に愛情をかけて大切にしてくれと頼まれた。
部屋に置いた椅子に人形を座らせる。
初めてじっくり人形を見ると圭織に似ている。大きさも雰囲気も。
中澤は何か嬉しくなり高上した気分のまま仕事に出かけることができた。
その日は『中澤さん、何かいいことでもあったんですか』と何度となくスタッフや共演者に声を掛けられほど
上機嫌で過ごし、仕事の出来も上々。いい一日であった。
今日は、家に帰るのも楽しい。人形とはいえ、圭織が出迎えてくれるのである。
コンビニでビールを買い、急いで部屋へ帰ると椅子の上の圭織が笑顔で迎えてくれた。
- 171 名前:<人形の家> 投稿日:2002年03月29日(金)02時50分48秒
-
人形の圭織相手にビールが進む。
段々酔いが回って独り言も増える。
「娘。たち、仕事めっちゃ忙しそうやん?みんな身体大丈夫やろか?」
(裕ちゃん、ありがとう。ヨッシィーが少し体調くずしてるけどみんな大丈夫だよ)
「そっか…小さい子らは特に気ぃつけたってなぁ…学校の勉強もあるしなぁ…」
(紺野は勉強よく出来るよ。圭ちゃんも負けないように漢字勉強してるんだって。圭織も頑張るよ)
「そやね。リーダーとして一般常識ぐらい身につけとかんとね…アタシもやけど…」
(そうだよ、裕ちゃんは最近クイズ番組の仕事多いんだから)
酔っているので自然に人形と会話が出来る。声まで聞こえる気がする。
いいかげん夜も更けて酩酊の度合いも進み、圭織に窘められた気がして
今日はもう休むことにした。人形の圭織を連れて。
- 172 名前:<人形の家> 投稿日:2002年03月29日(金)22時46分15秒
◇
- 173 名前:<人形の家> 投稿日:2002年03月29日(金)22時49分29秒
翌朝、中澤は下腹部に気だるさを感じ不思議に思う。
ここ暫くそんなことしてへんのに何でやろ……。
人形を椅子に座らせ仕事に出かける。
今日はドラマの撮影で普通だったら緊張で固まっているはずだが、
人形の圭織の影響かリラックスムードでいられる。
癒し系ってほんまやなぁ…人形でも効果あるわ…。
圭織、昔っからよく甘えさせてくれたっけ…もともとアタシは全然、強うないもん。
初期のメンバーやからリーダーって肩書きつく前の本当のアタシを分かってくれて
演歌デビューのときもずっと手握っててくれたし、卒業のときも背中をトンと押してくれた。
年下やのに、ある意味アタシなんかよりずっーと大人なんや。
矢口やなっちと違って、圭織には甘えたくなってまう…圭織に抱きしめられるん結構好きやな…。
圭織に甘えたくなってきたやん…でも、人形でも圭織が居るんは嬉しいわ。
仕事頑張って早よ家かえろ。
- 174 名前:<人形の家> 投稿日:2002年04月01日(月)17時22分31秒
場所は変わって娘。の楽屋。
何時もながら人数が多いので幾つかのグループに分かれて雑談中。
矢口と圭ちゃんはリーダーの飯田の側で映画の話をしている。
「こないだ圭ちゃんと観に行ったヤツね、また観に行ったんだ」
「好きだね、あんたも。」
「うん、今度は吹き替え版。…」
フフフ……
「「かおり!気持ち悪いから思い出し笑いはやめて」」
「ごめん、この頃ずっといい夢みちゃっててさぁ…」
「どんな夢?」
「裕ちゃんの夢。圭織が裕ちゃんの部屋で裕ちゃんとお酒飲んでるんだけど 圭織人形でさぁ…」
「「はっ?ああ夢だからね。それで?」」
「ええっと、それでね、飲むと裕ちゃん可愛くなるっしょ?」
- 175 名前:<人形の家> 投稿日:2002年04月01日(月)17時24分53秒
うん、普段の裕ちゃんからは想像できないくらい可愛くなる…
あんな裕ちゃん誰にも見せないで私の腕の中に閉じ込めておきたくなるよなぁ…
圭ちゃんと矢口は酔った時の中澤想像し、
夢とはいえそんな裕子を独り占めしている圭織にやきもちを焼いてしまう。
そんなことにはお構い無しに圭織は話を続ける。
「はじめは真面目な話をしてるんだけど、段々酔ってきて裕ちゃん、甘えて来るんだよねぇ〜」
惚気状態の話に二人はもう聞くのが耐えられなくなってきて席を離れた。
しかし、自分の世界に入っている圭織の話は止まらない。
「仕草なんかももう女の子って感じで。。。
私に寄りかかってくる頃にはもう私の我慢も限界で
あんな可愛くされると、もっといい顔見たくなるじゃない?
で、で、もう速攻ベットへ…」
「圭織?さっきから何一人でブツブツいってるべさ?」
「あん?あれ?矢口と圭ちゃんは?」
まあいいか。今夜も裕ちゃんの夢が見られたらいいなと思う圭織でした。
- 176 名前:<人形の家> 投稿日:2002年04月01日(月)23時16分07秒
ここのところ、毎晩のように人形の圭織相手に晩酌をしていた中澤だった。
酔うと人形の圭織と話が出来るのでついつい深酒をしてしまっていたが
さすがにドラマの撮影が本格的に始まり
今夜からはアルコール抜きで台本を読もうと思っていた。
もともと宵っ張りなので夜遅くまで台本に没頭していた。
すると人形から圭織の声が聞こえて、ギョッとする。
- 177 名前:<人形の家> 投稿日:2002年04月01日(月)23時19分11秒
- 「裕ちゃん…」
「カ・カオリか?」
「そうだよ。今日は裕ちゃん酔ってないんだね」
「そうやけど…カオリ…」
意識だけ人形にはいってるんやろか
「カオリ、あんたの身体はいまどうしてるん?」
「あん??…これ夢じゃないの?」
「夢や無いで。カオリ、あんた寝てるん?」
「うん。ここんとこ裕ちゃんの夢ばっか見てると思ってた…電波飛ばすんじゃなくて、意識飛ばしちゃったんだね」
そういえばアンティークショップの店長、変なこと言ってたっけ…
「カオリの所為ちゃうわ…この人形の力やろ」
「あっ…裕ちゃん…ごめん…」
「なんや?」
「圭織 夢だと思って裕ちゃんと…しちゃった…」
中澤には思い当たる節がある。ここのところの下半身の充実感…。
「でも、いいかげんな気持ちじゃないよ。圭織は裕ちゃんのこと好きなんだから…怒らないで…」
「怒ってへんよ…きっと…アタシがカオリのこと呼んだんや…でも、もうこんなこと止めなあかんなぁ」
- 178 名前:<人形の家> 投稿日:2002年04月01日(月)23時21分16秒
翌日、中澤は人形と椅子を返そうと店に電話をし引き取りに来てもらった。
そして、今夜 圭織を部屋に招待することにした。
圭織はまだ、夢だと思ってるかもしれない。
でも、自分の気持ちにはちゃんと伝えたい。
アンティークショップの店長が言ってたこと ――― あなたにはこれが必要なようですね ―――
『 ――― アタシは圭織が必要なんや ――― 』
了。
- 179 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月04日(木)00時18分59秒
- 復帰、待ってました。
最近、ANN-SSなんかでは裕ちゃんと圭織の仲の良さを伺わせる発言が多いですよね。
ハロプロ2002の写真集でも、この2人のツーショットが何となく好きです。
次のもまったりと待ってます。
- 180 名前:<人形の家>番外編 投稿日:2002年04月05日(金)16時46分28秒
圭織は毎晩、裕子の夢をみてるって?
飯田の惚気るような話に苛立ちを感じ席を立った矢口だったが
気持ちはもう裕子のことばかり考えてしまう。
古典では想いが強いと夢で会いに来てくれるんじゃないの?
裕子…酷いよ…矢口の夢には一度も出てくんないじゃんか…
というか実際は疲れ過ぎてここのところ夢も見ないのだが。
- 181 名前:<人形の家>番外編 投稿日:2002年04月05日(金)16時50分23秒
一通り飯田の惚気話に付き合った安倍がため息を吐きながら矢口の横に腰掛ける。
「やぐっちゃん、圭織の話聞いた?」
「夢の話でしょ・・うん、聞いたよ」
「あれね・・夢じゃないかもしれない・・」
「どういうこと?」
「裕ちゃんが電話で言ってた話と一致するんだ・・」
矢口は安倍からいろいろなことを聞いた。
裕子が圭織そっくりの人形を手に入れたこと。
その人形が来てからの不思議な出来事。
そして、恐いことに裕子の気持ちが段々圭織に傾いてるみたいだってこと。
矢口も安倍も焦りを感じていた。
最近、裕ちゃんが食事に誘うのって圭織か圭ちゃんで
お酒の飲めない安倍と未成年の矢口は帰されてしまって、不満だらけである。
「やぐっちゃん、何とかしないと…」
「そうだよねぇ…やっぱ、目には目を。歯には歯と歯茎を。人形には人形をだよね」
(「矢口さん、違います。ハムラビ法典は目には目を、歯には歯をです。」と言いたそうに紺野がため息を吐く。)
- 182 名前:<人形の家>番外編 投稿日:2002年04月05日(金)16時55分22秒
その日の夜、安倍と矢口の二人は裕子のマンションの近くを徘徊している。
そして、一軒のアンデステイストのアンティークショップに入った。
二人はある人形の前に釘付け。
「これ、裕ちゃんソックリだよね?」
「うん…でもこんなのでいいのかな…」
「いらっしゃいませ」
声のした方に振り向くと店主らしい南方系の初老の男が立っていた。
「何か気に入られましたか?」
二人は再び人形に目をやる。
「この人形が欲しいのですが・・」
「それは、人形は売れません。呪術用ですから」
目的に合ってるじゃんって考えた。どうしてもこの人形が欲しい。
諦めがつかず眺めている二人に店主は何かを感じたのか自分に頷いた。
「いいでしょう。あなた方にはこれが必要なようですね。暫くの間お預けしましょう。」
何を言われたのか理解できなかったが異国人のニュアンスの違いだろうと思い気にしなかった。
そして、めいっぱい、この人形を活用しようと素直に喜ぶ事にした。
- 183 名前:<人形の家>番外編 投稿日:2002年04月05日(金)16時57分18秒
二人は重い想いをしながら人形を安倍の家に運んだ。
部屋に置いた人形はすごい存在感を発揮する。
もう一度じっくり人形を見るとやっぱり裕子に似ている。大きさも雰囲気も。
「裕ちゃん、これに憑依ってくれるかな…」
「大丈夫だべ。。こんなに似てるんだから」
安倍の部屋に不似合いな
人間大の木彫りのモアイ像が微笑んだような気がした。
了。
- 184 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年04月05日(金)17時08分12秒
- >>179 名無し読者さま
レスありがとうございます。
裕ちゃんと圭織の絡みはホント戦友というか同志というか
二人の間にある信頼感がいいんですよね。
ということで、「人形の家」終わりです。
次はどうしようかな・・・
- 185 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月07日(日)21時35分39秒
- おもしろい。オチが最高(w ><人形の家>番外編
本編はシリアス、番外編はお笑いってパターンはいい感じです。
アンティークショップには保田大明神はおいてないんだろうか…
- 186 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年04月12日(金)23時54分31秒
- >185さま
レスありがとうございます。
>アンティークショップには保田大明神はおいてないんだろうか…
保田大明神は石川に買い占められて売り切れです(w
さて、ちょっと予定を変更してバカップルやってみたくなりました。
よかったら、読んでください。
- 187 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月12日(金)23時58分19秒
「裕ちゃん、結婚したいの?したくないの?どっち?」
「したいけど…この歳になると結婚って現実やからなぁ…」
好きな人と一緒にいられるんは楽しいけど…好きな人の為だけに生きられへん
アタシはアタシのやりたい事とか人間関係とかあるし、相手にも同じだけ人間関係があって
それを擦り合わせるん結構エネルギーいるやん
「だからどっち?」
「したい。でも結婚後の生活考えるとやっぱ今は仕事が楽しいかなって思う…」
矢口の聞いたこととずれてるけど…裕ちゃん、結婚したいんだ…
結婚しても今みたいな関係続けられるのかなぁ…
結婚して欲しくないなぁ…
- 188 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時00分12秒
- 「じゃ、『仕事続けていいよ。協力するから』って言われたら結婚するの?」
「協力の度合いによるなぁ…今は家事出来へんもん…」
「!」
「お嫁さんがほしい!」
「何バカな事いってんだよう…」
「ええやん。ホンマやもん。矢口みたいな元気な娘に『お帰り』って言われたら疲れも吹っ飛ぶって」
「ば〜かvvホンッとオヤジみたいだよvv」
矢口にお嫁にきて欲しいのかよ。。。嬉しいけど…「みたいな」が余計だぞ…
矢口と一緒だったら家事も一緒にしてきっと楽しいぞ!
さぁ、早く矢口に「お嫁においで」って言ってよ…
「あっ!お嫁さんと言えば 『なっち』 やな…なっちーvv」
唖然とする矢口を残して中澤は安倍の方へ移動する。
- 189 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時15分15秒
「裕ちゃん、結婚したいの?したくないの?どっち?」
「したいけど…この歳になると結婚って現実やからなぁ…」
ってまた聞くん?
最近、皆して結婚、結婚って。セクハラやでほんま…
「だからどっち?」
「したい。結婚後の生活考えるとやっぱ今は仕事が楽しいかなって思う…」
「じゃ、『仕事続けていいよ。協力するから』って言われたら結婚するの?」
「お嫁さんがほしい!」
「また〜。何言ってんだか…」
「ええやん。ホンマやもん。なっちみたいな料理上手な娘に『お帰り』って言われたら疲れも吹っ飛ぶって」
「裕ちゃんvvホンッとオヤジみたいだねvv」
- 190 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時16分42秒
- なっちにお嫁にきて欲しいんだべ。。。嬉しいけど…「みたいな」が余計だべさ…
なっちと一緒だったら料理も楽しいよ!
さぁ、早くなっちに「お嫁においで」って言ってよ…
「あっ!お嫁さんとは一緒に晩酌したいねぇ…お酒の相手はやっぱ 『圭坊』 やな…圭坊vv」
唖然とする安倍を残して中澤は保田の方へ移動する。
- 191 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時20分39秒
「裕ちゃん、どうしたの?」
「矢口もなっちもセクハラするんや…慰めたって」
「矢口たちは(私の裕ちゃんに)何したの?!」(怒)
「二人ともアタシに結婚、結婚って…ほんと…なんかムカついてきた…」
な〜んだ、私と一緒で矢口もなっちも裕ちゃんの結婚心配してるんだ…
でも、私の心配は電撃結婚しそうだから…そんなの寂しいじゃない?
卒業してからの裕ちゃんとの関係…今がとってもいい感じなのに
結婚で終わっちゃうなんて嫌だよ…まだ、もう少し…ほんとはずっと続けたいよ。
- 192 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時23分13秒
「まあ、まあ。私も最近言われるって。」
「そんなん?」
「もう、ネタだもんね」
「そやけど、やっぱ今は仕事頑張りたいんやもん」
「そうだよね。でも、部屋に帰って空っぽの冷蔵庫覗いたりするとなんか『結婚したい』って思うときあるけど」
「あるある。桜が散ってくの見てるときとかな…相手とか関係なく結婚したくなる。」
「あぁあ、お嫁さんがほしい!」
「また〜。何言ってんの!!」
「圭坊みたいな聞き上手なお嫁さんに晩酌しながら愚痴聞いてもらえると疲れも吹っ飛ぶって」
「裕ちゃんvvホンッとオヤジみたいだねvv」
- 193 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時24分58秒
私にお嫁にきて欲しいんだ。。。嬉しいけど…「みたいな」が余計だよ…
私と一緒だったら晩酌も楽しいよ!
さぁ、早く私に「お嫁においで」って言ってよ…
「あっ!晩酌と言えばつまみ。お酒飲めてつまみ美味しんはやっぱ 『カオリ』 やな…カオリvv」
唖然とする保田を残して中澤は飯田の方へ移動する。
- 194 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時26分22秒
「カオリ!」
「………………………」
しまった…カオリ交信中や…
こうなると話通じんしつまらへんなぁ…やっぱアタシの話にすぐ反応して突っ込んでくれるのが
楽しいなぁ…
- 195 名前:輪舞(ロンド)バシワタレ 投稿日:2002年04月13日(土)00時27分52秒
「やぐちぃ〜vv」
「ばか裕子、話の途中で何処言っちゃうんだよ(怒)」
「ごめん、ごめんちゃ。で、何の話やった?」
だから…
「裕ちゃん、(矢口と)結婚したいの?したくないの?どっち?」
了。
- 196 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月19日(金)22時58分50秒
- おお!新作!
みんなに愛されている裕ちゃん良いですね〜。
それにしても裕ちゃん、気が多すぎ(w
- 197 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年04月20日(土)00時14分26秒
- >196さま
レスありがとうございます。
>それにしても裕ちゃん、気が多すぎ(w
いえいえ、ホントは一途で・・・
っていう続編です。
- 198 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時18分53秒
リビングのソファにはドラマの台本に目を通している中澤とその肩に身体を預けて目を伏せている矢口。
裕子の卒業から一年たった…ってことはもうすぐ交際一周年だよね…
娘。にる頃は『グループ内の恋愛禁止』なんて勝手に決めちゃうから
お互い好きなのに、付き合ってるって言ってもおかしくない関係だったのに
決定的なことってなかったよね
- 199 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時20分36秒
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
- 200 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時21分31秒
- 娘。のミュージカルも終わってあまり一緒に居れなくなった頃
裕子が食事に誘ってくれた…食事のあと裕子と離れがたくて部屋まで付いて行った
部屋でビールを飲んで段々可愛く裕子…矢口より幼く頼りなくなってく
「裕ちゃん…」
「ん?」
きょとんとしている潤んだ瞳で矢口を見つめる裕子…めちゃくちゃ愛しくなった…
「裕ちゃん、矢口はもうとっくに18歳になってるんだよ…」
「あん何?何んで泣きそうになってるん?」
泣きたいんじゃないよ…胸がこうキュと…きっとこういうの切ないっていうだ…
裕子が何かしゃべってる…光る唇…吸い寄せられる…
「やぐっ・・んっ・・くぅ・・」
「裕ちゃん…好き」
- 201 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時22分58秒
裕子が矢口を好きって分かってる…好きな癖に肝心なことが出来ないなら
矢口がやるしかないじゃないか…ってほんとはもう裕子に触れずにいるには限界…
もう…ダメ…止まらないよ…いいよね
もう一度、口付ける。今度は深く…裕子をもっと奥深くを知りたくて
裕子は矢口が覆い被さったのに支えきれず床に崩れる…身体の境界なんか無くしてしまいたい
着ている服をたくし上げ素肌に直に触れる…ああ、これだずっとこうしたかった
たくし上げた服を丁寧に脱がしていく、傷つき易い果物の皮を剥く様に
「裕ちゃん…綺麗…」
「や、矢口 ちょ、ちょう待って」
「えっ?」
「ココは背中が痛いやん、裕ちゃん痛いの嫌やからベッドに行こっ」
やっと裕子の誘いの言葉が聞けた…
- 202 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時24分09秒
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
- 203 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時25分20秒
目を開けると裕子が台本をサイドテーブルに置いて矢口の肩に手を回して撫でている
二人の関係は秘密にしている。しかし、
近くにいると自然にお互い、身体が吸い寄せられる。
気を抜くと裕子に肩を抱かれ身体を預けてしまう矢口。
収録の時なんか慌てて離れるのだが今は二人っきり。
- 204 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時27分48秒
「矢口…疲れてるん?」
「ううん、1年前のこと思い出してた…」
「ん?」
「そろそろ、交際1年だよ」
「ああ、あん時は…今だから言うけど裕ちゃんなぁ…嬉しかった」
「当たり前だろ。可愛い矢口が恋人になったんだぞ、嬉しく無い訳がない!!」
「そう言った意味やない、あの頃なぁ…あんまり好き過ぎてよう手ぇ出しきらんかった」
「へタレだもんねぇ」
「あほ、へタレ言うな。でも、ほんま嬉しかってん。女同士やしかなり歳離れてるし…
アタシが望んでる行為をしても矢口が逃げん自信なかった…だから矢口から動いてくれたのは正直嬉しかった」
「やっぱり、へタレじゃんか」
「何度も言うなや…しかし、矢口とのいい関係、こんなに続くと思わんかった、最長記録かもしれん…」
「そうなの?じゃもうずっーと一緒に居られるね」
「ほんまにそう思うん?この先一緒に居るん裕ちゃんでいいんか?」
- 205 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時30分01秒
「裕子はどうなのさ?矢口でいいのかよ…この間だって皆の周りぐるぐるしてたじゃんか」
「あれはなぁ…矢口に振られた時の保険や」
「保険?アホ裕子!あの時とっても傷ついたんだぞ!」
「ちょっ、矢口落ち着いてぇや」
「いつもそうだ裕子は矢口の気持ちなんてお構い無しに振舞うんだ!
ラジオで矢口の下着の色、暴露すなよ!あの日裕子は黒だったじゃんか…」
「ああ、火曜のあれなぁ…自分のは慌てて着たから忘れてて目に残ってたん豹柄で矢口の下着の色やってんなぁ。
あれは裕ちゃん悪かった。ほんまゴメン。ごめんやで」
ほんとはこんな言い合いするつもりじゃないのに…
- 206 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時32分05秒
矢口の頬に涙の筋が走る。
裕子は真剣に矢口の目を見ながら優しく涙の拭ってそのままその手は頬に。
「逃げんといてな…この言葉使うと重すぎるって思われるかもしれへんけど…一度しか言わんから」
何時に無く真剣な裕子にドキドキしながら次の言葉を待つ。
- 207 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時33分50秒
「アタシは矢口真里をこの上なく愛してます」
- 208 名前:輪舞(ロンド)バシオチタ? 投稿日:2002年04月20日(土)00時35分06秒
うん、うん。矢口もだよ!!
「やぐちも・・うっ・・ん」
矢口の言葉は裕子の口付けで遮られてしまった。
矢口には「愛してる」って言わせてくれないのかよ
自分がこの言葉の重さに耐えられないんじゃん
でもいいよ、矢口の気持ちは時間をかけて伝えてくから…
覚悟しとけよ、裕子。
了。
- 209 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月23日(火)16時13分06秒
- 作者さんのやぐちゅー最高!
- 210 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月24日(水)00時02分40秒
- 作者さんの作品、おとぎ話っぽくって大好き。
センスいいですよね。
これからも、楽しいものを読ませてください。
- 211 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年05月02日(木)21時24分17秒
- >209さま
ありがとうございます。レス付くとほんと嬉しいです。
>210さま
>作者さんの作品、おとぎ話っぽくって大好き。
おとぎ話、隠しテーマです。気が付いてくださってありがとうございます。
前の話も実は別タイトルがあります。例えば
「裕ちゃん第一主義」⇒「うさぎとかめ」又は「三枚のお札」
「やぐちゅーでSFを」⇒「浦島太郎」
みたいに。
今後はこのテーマになるとは限りませんが楽しんで頂ければと思います。
では、次はラジオネタで。
- 212 名前:紺野の日記 投稿日:2002年05月02日(木)21時27分32秒
- 2002年4月某日。
今日、美容院で矢口さんと中澤さんに会いました。
芸能人になったのだから、それらしくお洒落に気を付けなくてはならないのです。
私はまだ、学生だから髪を染めたりできないから、カットや髪型で変化をつけたくて
スタッフさんの紹介する美容院に行きました。
- 213 名前:紺野の日記 投稿日:2002年05月02日(木)21時31分18秒
- 美容院に行ったら、店員さんは電話中でした。聞くつもりは無かったのですが
『中澤さん』とか『矢口さん』とか耳に入り、気になりました。
どうやら、店員さんは矢口さんと電話をしていたみたいです。
「矢口さん、今日これから中澤さんの予約入ってますよ。矢口さんもいらっしゃいますか?」
って聞こえてしまいました。
あっ中澤さん御出でになるんだ…どうしようって思いました。
中澤さんは嫌いじゃありません。
なんとかコミュニケーションを取りたいのですが難しいです。
これはきっといい機会だから頑張ろうって思いました。
そして、実際、中澤さんがいらした時に挨拶する事が出来てホッとしました。
中澤さんは優しく微笑んでくれました。
ホントはもう少し話がしたかったのですが髪をやってもらってる途中でしたので諦めました。
後は終わってからっと思っていると矢口さんが入ってきました。
中澤さんはシャンプー台のところなので気がつきません。
矢口さんは凄く嬉しそうに中澤さんの側に行きました。
そして、恋人同士がよくやるように中澤さんのホッペをツンと突付いてました。
中澤さんと矢口さんの会話が響き渡りました。
- 214 名前:紺野の日記 投稿日:2002年05月02日(木)21時33分38秒
- 「うわぁぁ、な・なんや、やぐちぃ〜vv」
「裕ちゃん、溺れた人みたいだったよ。。。」
「今、アンタのこと考えとったからめっちゃ嬉しいvv」
「うん、うん。矢口も。ずっと会いたかったんだ」
テレビ局ではよく見かける光景です。
そんな時は、保田さんが全くもう仕方ないなって顔で私たちに
『あの二人はほっときなさい。いつものことだから。』っておっしゃいます。
でも、今はプライベートタイムでここは一般の人も沢山いらして…
今はアドバイスをしてくださる保田さんもいません。
私はどうしたら良いか考えなくてはなりませんでした。
頭の回転をよくするため糖分の補給をしなくてはと考えていたら
そうそう、今日は菓子パンをもっていたのを思い出しました。
甘いものは脳の活動に良いのです。
- 215 名前:紺野の日記 投稿日:2002年05月02日(木)21時36分25秒
- ストレートパーマをして頂いている間にパンを食べながら
自分置かれている状況を考えました。
中澤さんと矢口さんは隣同士に座って髪をしてもらってました。
盗み聞きはいけないのですが自然と二人の会話が聞こえてきました。
- 216 名前:紺野の日記 投稿日:2002年05月02日(木)21時38分56秒
- 「この前会ったのいつだっけ」
「そやねぇ…やっぱ此間の収録んときかな…」
「何の話題になったっけ」
「ダイエットの話やったような気がすんで…で、そんな話の後に食事しに行ったんや」
「何を一緒に食べたっけ」
「ほんとは全部全部覚えてるんやろ?」
「うん、矢口が裕ちゃんと一緒に過ごした時間を忘れる訳無いじゃん」
『私がこんなにこんなに好きだってあなたは気づいているんでしょ』
って顔で矢口さんと中澤さんは見つめあっていました。
「今日は普通にデートしようよ」
「普通って?どんなん?」
「手を繋いで街に出ようよ」
「手ぇ繋いで歩いてたら、撮られんで。って矢口やったらええか…帰りに公園でも行こっか」
「うん、光の下で」
「ええよ」
「一緒に」
「いつも気持ちは一緒やで」
「ジャンプしようよ」
「なんで、ジャンプやねん!」
「キャハハハ。。ちょっとボケてみました。」
- 217 名前:紺野の日記 投稿日:2002年05月02日(木)21時41分12秒
矢口さんと中澤さん、ほんと楽しそうでした。
兎に角、他にお客さんもいらっしゃることですし、
ここでの私の役割は『礼儀正しい後輩』ってことでしょう。
と、菓子パンのお陰で正しい結論がでました。
そして、矢口さんと中澤さんに「お疲れ様でした。お先に失礼します。」
と挨拶をして帰りました。
ちょっと声が小さかったことが反省点です。
あっもう10時です。
深夜10時から2時の間は成長ホルモンがでるのです。
私は飯田さんの様に背が高くなりたいのでもう寝なくてはなりません。
だから、中澤さんのラジオも矢口さんのラジオも聞けません。ごめんなさい。
では、おやすみなさい。
了。
- 218 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月03日(金)21時06分12秒
- 話の中に、ヤンタンネタがあったり、ANNネタがあったり、
なんとなく、作者さんとつながっているような気がします。
やぐちゅーが、お互いのことを話してくれるたび、
「おっ、また楽しい話に膨らませてくれる」って、期待しちゃいます。
これからもよろしくお願いします。
- 219 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年05月18日(土)00時58分39秒
- >218名無し読者さま
レスありがとうございます。
おいらの妄想頭に期待しちゃいけません。(w
「みんな大好き、チュッ!」の後藤作ページを見てまた妄想してしまいました。
次はごま裕で、いきます。
- 220 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時00分38秒
裕子はテレビの収録後、後藤に呼び止められた。
「裕ちゃん、ちょっと相談があるんだけど…」
「ん?」
「今夜、裕ちゃんの部屋に行っていい?」
「今日の仕事かなり遅くまで掛かるんよ。今日やないとアカンの?」
かなり切羽詰まった様子の後藤にちょっと冷たかったかも知れないが本当のことである。
「裕ちゃんが終わるまで待ってる…」
「そうか…」
後藤にとって相当深刻な問題なんやろ…
「先に部屋で待っときぃ」
裕子は鞄からカギを取り出すと後藤に渡した。
- 221 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時03分02秒
今日最後の仕事を終えて急いで帰宅する。
部屋に帰った裕子は唖然して、一言めの言葉が出てこなかった。
「!!!!」
「「「「「裕ちゃん、おかえり」」」」」
リビングには少しずつ印象が違う後藤が5人、座って裕子を向かえ入れた。
「!!!アンタら、後藤の親戚か?!」
「「「「「違うよ、裕ちゃん。みんな後藤なんだ…これが相談事なの」」」」」
「どないしたんや…代表して一人だけ喋ってぇな」
「うん」可愛らしいピンクの服を着た後藤が話し始めた。
- 222 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時04分44秒
「最初に分離されたのが市井ちゃんのことが好きになった時。あの子が生まれたの…」と指差す。
差された後藤はまるでプッチを始めた頃のようで今の後藤より少し幼くセピアがかって見えた。
その子が言う。
「クールで男前の市井ちゃんが好きなの…
でもこの頃の市井ちゃんは違うの…急にフェロモン増して…
女の人になっちゃった…
後藤どうしていいかわかんなくなっちゃた…」セピアの後藤は俯いてしまった。
「そやね、紗耶香はいい女になってきたなぁ…そっか、紗耶香か…」
と裕子はセピアの後藤の頭を優しく撫でる。
「その子は市井ちゃんが好きな後藤だから『いちごま』って呼んでるの」
- 223 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時05分59秒
「わたしは、『みちごま』って呼ばれてるの。みっちゃん好きだから。
みっちゃんね、へタレでね可愛いの。。関西弁喋るのも気に入っているの。」
と“愛のバカやろう”風の後藤が言う。
「みっちゃん、いい子やから、『みちごま』やっけ、アンタの気持ちわかるわぁ…」
といい笑顔を向ける。
- 224 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時07分57秒
「こんな風に誰かを好きになると後藤が増えてくるの。ちなみに私は『いしごま』。」と男前の後藤が言う。
「『いしごま』ってことは、石川か?石川のどこがいいん?」
「Mのとこ」
「はぁ?アンタ意味わかってるんか?」
「もちろん。だって、好きな子いじめたくなるんだもん。で、いじめると梨香ちゃんとっても可愛いんだよ」
「知ってるわ。毎回、ハロプロニュースでいじってるの誰やと思ってるんや…確かにいじめると魅力増すわ」
それにしても、こんだけ後藤がいるってことはそれだけ気が多いっちゅうことか…と改めて裕子は一同を見渡す。
まだ、自己紹介されてない後藤が二人。一人はピンクの後藤。
もう一人はちっちゃくて可愛い。
裕子はちっちゃい後藤を思わず抱き寄せた。
「可愛ええなぁ…」
抱き寄せなれた後藤は嬉しそうである。
「裕ちゃん、やっぱり身体の小さい子好きだよね。」とピンクの後藤が言う。
「その子、『ごまゆう』だよ。裕ちゃんLOVEだから」と指差す。
- 225 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時09分58秒
そんな、後藤に目を向けながら腕の中の子どもの頭を撫でてやると
その子は子猫のようにゴロゴロと気持ちよさそうに目を細めている。
「この子、『ごまゆう』って…いままでのネーミングやったら『ゆうごま』やないん?」
『ごまゆう』は目をキラキラさせながら抱きついて裕子のお腹の辺りにスリスリと額を寄せている。
「いいんだよ『ごまゆう』で。結構積極的だからね…その子。大いなる野望持ってるから気をつけてね…」
「意味わからん…で、アンタが本体の後藤か?」
「う〜ん…ちょっと違うかな私は仕事が好きな後藤なの」
「自分偉いやん。着ぐるみ着たり、新曲で子どもたちの機嫌取ったりしとったんアンタやってんなぁ…
裕ちゃんな仕事一生懸命やる人好きやよ。」
優しい眼差しがピンクの後藤に向けられる。
その目を見た瞬間後藤の中で何かがカタンと外れピンクの後藤は『ごまゆう』と一体になった。
- 226 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時12分03秒
「後藤は裕ちゃんが好きなの…」とさっきより少し大きく真面目そうになった『ごまゆう』が話し始める。
「去年、骸骨の置物くれたん『ごまゆう』やったん?」
「うん…みんなと一緒じゃ裕ちゃん後藤の気持ちに気付いてくれないでしょ
後藤の好きはモーニングのみんなとは違う好きなの」
「うん…分かったから…アタシのどこがええの?」
「自分に負けないよう精一杯突っ張ってるとこ。カッコいい。男前だと思う…」
俯いてた『いちごま』が顔を上げ目を輝かせながら裕子を見る。
裕子と目が合うとどぎまぎと落ち着かなくなった。
そして、『いちごま』は『ごまゆう』の中に消えた。
- 227 名前:誤答?因数分解 投稿日:2002年05月18日(土)01時13分35秒
- 『ごまゆう』の言葉は続く。
「突っ張ってるのにへタレのとこ。柔らかい関西弁を喋るとこ。外見とか外面とか精一杯虚勢はってSっぽく見せてるけどホントはめちゃくちゃ可愛い性格してるとこ。実はどっちかと言うとMのとこ。ぜーぇんぶ大好き」
話終わる頃には『みちごま』も『いしごま』も『ごまゆう』の中に消えていた。
『ごまゆう』はもう裕子より大きい。
4人の後藤が消え裕子は不安になったが『ごまゆう』の中に消えた後藤を感じ他の後藤の分もギュッと抱きしめる。
「裕ちゃん、ありがとう。ちゃんと皆ここにいるから」
後藤の目がラピスラズリのように魅力的に輝いていた。
了。
- 228 名前:誤答?因数分解おまけ 投稿日:2002年05月18日(土)01時14分59秒
少し前まで腕中に抱きしめていた後藤は既に中澤より大きくなり
今は逆に中澤が抱きしめられていた。
さっきピンクの後藤が言ってた『ごまゆうの大いなる野望』ってなんやろ?
なんて考えていると体がふわりと持ち上げられた。
「な・なんや?!!」
中澤はお姫様だっこをされていた。
「裕ちゃん、後藤のこと好きでしょ?」
この体制で聞くんかい!迂闊なこと言ったら落とされんでぇ…たぶん
「好きや」
これはホントやけど後藤は何したいんやろ???
「後藤、一度やってみたかったんだ。。これ」
「ん?」
「結婚式の後、新郎が新婦をベットまで運ぶっていうの」
ん???……!!!初夜のことかい!!!
「今まで後藤分裂してて力なかったから出来なかったんだよねぇ…やっと一体になって力戻ったから」
「ごと…ちょ・ちょう待って…裕ちゃん心の準備が…それよりアンタ16やん。裕ちゃん犯罪者になるぅぅぅぅ」
「Mの裕ちゃんに心の準備はいりません。。それに裕ちゃんは手出さなくていいから。出すのは後藤でーす。」
嬉しそうに後藤は中澤を抱え寝室に消えた。
了。
- 229 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月19日(日)22時10分41秒
- うまい!
相変わらず、「寒太郎」さんのお話は、楽しくひねられていて、
いつも感心します。
プロット、凄いなー。
もしかして「プロ?」って、思っちゃいます。
これからも、楽しいお話、読ませてくださいね。
- 230 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年05月24日(金)00時24分18秒
- >229 名無し読者さま
お褒めの言葉、おいら舞い上がってしまいます。
どうも、ありがとうございます。
さて、只今KUを考作中ですが中々文章になりません。
で、ちょっとハロモニネタで。
- 231 名前:中澤裕子のイイところ 投稿日:2002年05月24日(金)00時27分49秒
裕子のイイところ
これは簡単なようで難しい。
好きなとこはいっぱいある。
暖かい腕の中。
膝の上の座り心地。
怒った時の綺麗な顔。
甘い香。
歌う時の声。
台本を読むときの声。
私の名前を呼ぶときの声。
声が一番好き。
充分大人なのにとっても可愛い性格。
そして、優しいキス。
裕子のイイところだけが好きな訳じゃない。
裕子らしいとこが好き。
こんなこと皆の前じゃ言えない…
- 232 名前:中澤裕子のイイところ 投稿日:2002年05月24日(金)00時31分34秒
中澤さんのイイところ
これは簡単なようで難しい。
好きなとこはいっぱいある。
暖かい腕の中。
膝の上の座り心地。
怒った時の綺麗な顔。
甘い香。
歌う時の声。
台本を読むときの声。
私の名前を呼ぶときの声。
声が一番好き。
充分大人なのにとっても可愛い性格。
大人なのに、私たちの一番近くに(気持ちが)いてくれる。
こんなこと矢口さんの前じゃ言えない…
中澤さん、ごめんなさい。あんまり中澤さんへの気持ちを言うと後が怖いのです。
なんてったって、今は矢口さんと一緒の時間が長いので矢口さんを怒らせたくないのです。
矢口さんを怒らせないようにって考えてたら、何も言えなくなって
矢口さんの『【裕子のイイところ】宣伝してライバル増やすなよー』って視線がスタッフに伝わったみたいで
風船すぐに割れちゃった。
- 233 名前:中澤裕子のイイところ 投稿日:2002年05月24日(金)00時33分21秒
中澤裕子のイイところ
好きなとこ = イイところじゃないけれど…
好きなとこは…ぜんぶ…
だから、もっと私の名前を呼んでね。
了。
- 234 名前:中澤裕子のイイところ(安倍コメント) 投稿日:2002年05月24日(金)17時08分43秒
安倍が突然部屋にやって来た
「どーなの!アレは!!」
少し怒ってる口調の安倍。
いきなり、なんやのアンタは…
「なん?何怒ってるん?」
「だって辻と加護のアレはないべさ〜」
「だから何やの?」
「ハロモニの『裕ちゃんのイイところ』だよ」
「ああ、あれ見たんや。収録随分まえやよ」
「今日、ONAIRされてた。」
「でも、あんなもんやろ。無理に言ってもらったようやけどな…テレビ的にはOKちゃうん?」
「えー、ナッチ的にはNGだべさ」
「なになに、ナッチならどんなこと言ってくれるん?」
- 235 名前:中澤裕子のイイところ(安倍コメント) 投稿日:2002年05月24日(金)17時10分51秒
安倍は裕子の暖かい腕の中。
裕子はそのまま抱いたままソファへ腰掛、膝の上に安倍を乗せる。
極上の居心地の良さにさっきまでの怒りを忘れて
安倍は膝の上の座り心地を堪能する。
「裕ちゃんイイところ…膝の上の座り心地」
「う〜ん、○やな…辻に言ってほしかったわ」
「怒った時の綺麗な顔。」
「ぶー」
「えー!普段も綺麗だけど、怒った時も怖いくらい綺麗なんだよー!!」
「じゃぁ、○…これは加護に言わせたいやん」
膝の上の安倍が向きを変え裕子の首筋に顔を埋める。
「裕ちゃんのイイところ…この匂い。この甘い香」
裕子はちょっと擽ったそうに首を竦めてから
「ありがとう、○…此間、高橋もハロプロニュース収録の後、言ってくれたんや…」
- 236 名前:中澤裕子のイイところ(安倍コメント) 投稿日:2002年05月24日(金)17時12分37秒
安倍は裕子の高橋という言葉に怪訝なそぶりを見せたが、
気を取り直したように真っ直ぐ裕子の目を見て口付ける。
「ぁ・・ぅ・・ん」
「裕ちゃんのイイところ…感じてる時の歌うような声。」
「あほ!何てこというのアンタは!」
「きっと、矢口もそう思ってるべさ〜」
「な・なに言うてんの!矢口とはそんな関係やないって!!」
「そう…裕ちゃん、嘘がへただね…充分大人なのにとっても可愛い性格もイイんだけど…」
すっかり安倍のペースに乗せられ、裕子はもう真っ赤になって上手く喋れてない。
「もっとイイのは…」
アノ時に私の名前を呼ぶ声。
絶頂のあとの放心したあどけない顔。
裕子のイイところだけが好きな訳じゃない。
裕子らしいとこが好き。
だから、今日もナッチに「裕ちゃんのイイところ」をいっぱい見せてね。
了。
- 237 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月25日(土)21時17分48秒
- 最近のハロモニの裕ちゃんは
なっちがいない時はやぐちゅーっぷり発揮してるし
なっちがいる時は暖かい目でなっちを見守ってるし
見ている側としては妄想ふくらみまくりです。
そんなわけで、作者さんの作品は私のツボに見事にヒットしちゃってます。
これからも更新楽しみにしています。
- 238 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年05月31日(金)14時55分15秒
- >237さま
レスありがとうございます。
やっぱ、寒太郎はtunagiが好きと再確認。
今度のハロモニニュースも期待してるんですが・・・
さて、次はKU。
本編よりプロローグの方が長くなってしまった。
が、短い話です。
- 239 名前:蜘蛛の巣<エピローグ> 投稿日:2002年05月31日(金)14時58分07秒
この絵を完成させちゃいけない…
でも完成させてこの絵にあの人を閉じ込めてしまいたい…
「おかあさん、クレヨンとおえかきちょうかって」
「圭ちゃん、また今度ね。」
「いつも、またこんどだよ」
「いいの、圭ちゃんはお歌が好きでしょ」
「うん」
「絵は上手にならなくていいのよ」
「どーして」
「どーしても、さっピアノの先生が待ってらっしゃるわ。圭ちゃんいきましょうね」
ドン。
誰かが鞄を置く音で保田は目を覚ました。
ああ、楽屋で寝てしまったんだ…またあの夢見てた。
子どもの頃の。
あの頃はお母さんが何故あんな事言うのか分からなかった。
一年生の頃かな飼ってた兎、絵日記に夢中で画いたのは。あれは実際ショックだったけど兎でよかった。
私にはどうやら想いを込めてリアルに画いた絵にそのモデルを閉じ込めてしまう能力がある様だ。
- 240 名前:蜘蛛の巣<エピローグ> 投稿日:2002年05月31日(金)14時59分25秒
「保田さん、今日のMUSIXまたフリップに絵画くみたいですよ〜」(w
鞄を置いた石川が面白がって言う。
「アンタねぇ、まるで私は絵が苦手みたいに聞こえるわよ」
「ええ!保田さんのあの絵、どう見ても苦手としか見えままませんけど…」
「ホント、アンタは痛い事平気で言うわね…」
苦手じゃないわよ…押入れの中に画き溜めた未完の大作見せてあげたいわよ。全く…
リアルに画くと大変な事になるから画けないんでしょうが!
押入れの中の絵。
全てあの人を画いたもの。
あの人への想いを絵の中に閉じ込めたもの。
でも、完成させてはいけない。
だから、私の想いも中途半端にいつもモヤモヤしているのかもしれない…。
家に帰りまた一枚未完の作品が増える。
この絵を完成させちゃいけない…
でも完成させてこの絵にあの人を閉じ込めてしまいたい…
- 241 名前:蜘蛛の巣<エピローグ> 投稿日:2002年05月31日(金)15時02分37秒
ラジオの仕事であの人に会う。
今日は、同じスニーカーを履いていた。
スニーカーは偶然一緒になったのだがあの人のことばかり考えているから、一緒になるのは当然といえば当然。
いつもつい、あの人の好みそうなものを買ってしまう。
ケメコになって、あの人にジャレついてみる。
お約束のリアクション。まぁ、仕方ないか…これが今の私のキャラだから…
あの人は誰にでも優しい。
メンバーのキャラに合わせて突っ込みを入れてくれたり、引っ張ってくれたりしてくれる。
トークにも大分慣れたとはいえ、時々困ってしまう時もある。
ハロモニで辻・加護を先頭にカメラに向かって一人ずつ「辻ちゃんです」「加護ちゃんです」をやり始めたとき
ちょっと困った。
空かさず、あの人が私の腕を取り「おばちゃんです」とやってのけた。
多分一番インパクトがあったと思う。
そういう事が上手いんだよなぁ…
- 242 名前:間違えたー!! 投稿日:2002年05月31日(金)15時09分33秒
- 239-241のタイトル間違えた/// はずかしい!!!
誤<エピローグ> 正 <プロローグ> で。
ホントいきなり終わってどうすんじゃい!!って誰か突っ込んで。。。
- 243 名前:蜘蛛の巣 投稿日:2002年05月31日(金)15時11分19秒
コントでの絡み。あれは結構好き。
アドリブの多いあの人に合わせられるのは私が一番うまい…圭織、なっち、矢口もそこそこだけど…
こっちから仕掛ける時もある。
気持ちを込めてあの人の目を覗き込むとタジタジになって…私にも望みあるんじゃない?って期待してしまう。
今日のハロプロニュース。
あの人と一緒の。
石川がずっと羨ましかった。あの席に座りたい。ずっと想っていた。
チャンスは意外に早くやってきた。石川のスケジュールが混んで代わりのキャスターをこの際投票することに。
絶対、あの人の隣に座りたい。
一緒に組むのが圭織やなっち、矢口以外なら私の我侭が通るはず。
やった。吉澤とだ。
トークが苦手でも何でもやる、あの人の近くにいたい。
いつも、石川が言ってるセリフ、今日は私が言う。あの人の反応が気になる。
私は精一杯、キャラを作って声を出す。
―――― キャスターそれは…
あの人は首を竦め背中をこそばゆそうにしていた。
少しは私の声に感じる?
- 244 名前:蜘蛛の巣<プロローグ> 投稿日:2002年05月31日(金)15時13分14秒
!!
あの人の突然の結婚宣言。
「30歳までに結婚する!」
ホントに?マジで?
私は思いっきり素に戻ってしまった。
前にも似たような宣言してるし…でも、今度こそ本当だろうか…
何だろう、この胸のモヤモヤは
家に帰りまた一枚未完の作品が増える。
この絵を完成させちゃいけない…
でも完成させてこの絵にあの人を閉じ込めてしまいたい…
あの人が最近よく男の人と出かけてるのは知っている。
デートの様子をラジオで嬉しそうに喋っているあの人。
一度観た映画をその人のためならもう一度、観れるんだね…
その人も優しそう「ごめんな、一度みたんだよな」って
ちゃんとあの人のこと大事にしてくれてるみたいだし…
喜んであげなきゃと思うのに胸の中は複雑で
もうこの感情は何なのだろう
花嫁の父ってこんな感じかな…
また一枚未完の作品が増える。
この絵を完成させちゃいけない…
でも完成させてこの絵にあの人を閉じ込めてしまいたい…
自分の心と一緒に。
了。
- 245 名前:蜘蛛の巣 <本編> 投稿日:2002年05月31日(金)15時50分42秒
「いやー、圭ちゃんちで飲むの久しぶりや」
「お互い忙しかったからね」
裕ちゃんがビールを両手に一杯抱えてやって来た。
「ドラマ絶好調でよかったね〜」
「ああ、もうホンマよかったわぁ」
「今回のドラマ、イケメン君多いね」
「そやろ。だからかなぁ女性陣が絶好調なんは…毎回撮影行くのが眠いけど楽しいもん」
「もう…何ていっていいやら…よかったね裕ちゃん」
「うんvv」
あっなんて可愛い顔するのホント子供みたいだよ〜
大分酔ってきてるのね…ちょっとした仕草がとっても女の子してきた…
- 246 名前:蜘蛛の巣 <本編> 投稿日:2002年05月31日(金)15時52分58秒
「もってきたビール無くなったー!圭坊なんかないやぁ?」
「ええ?もう無いよ」
ちょっ・ちょっと裕ちゃん何処探してるのよ!そこにはアレが…
「ん・なんや?」
「圭坊!!これ凄いやん!!」
裕ちゃんが押入れから書き溜めた絵を並べたくる。
「もう!裕ちゃんやめてよ〜」
「これ圭坊が画いたんか?なんや絵上手かったんや」
うぅぅぅぅ恥ずかしいよ!!!
- 247 名前:蜘蛛の巣 <本編> 投稿日:2002年05月31日(金)15時54分15秒
「でも、これみんなパーツばっかりやん、
この耳の度アップ誰の・・ん・・これアタシか?
このピアス無くしたんよ。お気に入りやったから結構ショックやったな…」
ご・ごめんね。私が中途半端に画いたからピアスだけ絵の中に入ったんだ…
「ああ!これもや!この付け爪のチップもお気に入りやったのに何処いったんや」
左手のアップの絵を見ながらいう。
ほんとにほんとにごめんなさい!!!
これでも、気を遣って右手は画かなかったんだよ…いつもしている右手の薬指の大事な指輪。彼からの贈り物。
「なんで、圭坊がそんなすまなそうにしてるん?いろんな物無くしたん自分所為やから…そんな顔せんといて」
「だって…(私の所為なのに)…」
- 248 名前:蜘蛛の巣 <本編> 投稿日:2002年05月31日(金)15時56分43秒
「なんや、凹ましたみたいやな…お詫びに明日一緒にどっかいこ」
「!!」
「うん、映画おごっちゃる」
「いいの?私の観たいのでいいんでしょ?」
「ええよ」
裕ちゃん2回も観たの知ってるけど愛情確かめたいじゃない…
「裕ちゃん、私ね『スパイダーマン』が観たい」
了。
- 249 名前:蜘蛛の巣<エピローグ> 投稿日:2002年05月31日(金)18時18分00秒
「裕ちゃんと『スパイダーマン』観たんだって?」
「そうよ」
圭ちゃんニタついてる…同じ映画を圭ちゃんためにもう一度付き合うなんて…圭ちゃん結構愛されてるかも…
私はもっともっと愛されてる…たぶん…確かめてもいいかな?
裕ちゃんにメールする。
裕ちゃん
今日、仕事終わったら
映画観にいくべ
ナッチ
- 250 名前:蜘蛛の巣<エピローグ> 投稿日:2002年05月31日(金)18時18分57秒
「裕ちゃんと『スパイダーマン』観たんだって?」
「そうだよ」
ニタついてるナッチ…同じ映画をナッチためにもう一度付き合うなんて…
私はもっともっと愛されてる…たぶん…確かめてもいいかな?
裕ちゃんに電話する。
「裕ちゃん、仕事終わったら映画見に行こうよ」
「ええよ…ただ『スパイダーマン』はやめてや」
「えぇえ!圭ちゃんやナッチはよくって矢口はだめなのかよ…」
なんか泣きそうになってきた。
そんな雰囲気を察したのか
「もう、あんたら何競ってんの!ちゃんと皆のこと愛してるから…矢口いこ!『スパイダーマン』観にいこ!」
結局、中澤は同じ映画をこの後、数十回見ることとなる
了。
- 251 名前:Look for anything(アプローチ) 投稿日:2002年06月02日(日)02時13分55秒
カランカラン
平家が店の中に入ってきた。
ココはアメリカ西部開拓時代の酒場のように見える。
カウンターに座っていたカウボウイ風衣装の中澤が振り返って入り口の方を見る。
平家と中澤の視線は絡み合い
今にも西部劇の決闘が始まりそうな雰囲気である。
「ふうぅ、平家さん、今、アンタ裏口から出てったばっかやで…何でもどってくるん?」
「……………」
「外、出られへんの?」
- 252 名前:Look for anything(アプローチ) 投稿日:2002年06月02日(日)02時16分45秒
- 「私の設定、『酒場のおっさん』ってことみたいですねん…さっきから何回も試してるんやけど
こっちの出口開けて一歩踏み出すと向こうの入り口に一歩踏み入れてるんです。
逆も同じことで…結局私はここから出られんみたいですわ」
「アタシかて同じや、アタシもココから出れんわ。
みっちゃんと違ってガラスの扉があるみたいに弾かれんねん
アタシの設定は『ナビゲーター』らしい。
だから『探索者』が来たら出られると思うんやけど…
でも方向音痴のアタシに何やらすの!って突っ込みたいわ」
「いまは『探索者』待つしかしょうがありませんね、姐さん」
「そや、それまでみっちゃん、ココで裕ちゃんとイイことしよ〜vv」
「うわぁぁぁ、誰かこの人止めてえぇな!」
閉じられた空間に只今、平家と中澤二人っきりであります。
- 253 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月02日(日)14時50分05秒
- 読者いますよ。
更新されてるか毎日チェックいれてるんですが、
レスするの苦手なので反応なしですみません。
『酒場のおっさん』はお外に出れるのでしょうか?
出れないと今日のannssが!!
- 254 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月02日(日)23時18分12秒
- 「蜘蛛の巣」は裕ちゃんの相変わらずのモテっぷりがいいっすね。
そして新作は、何やら不思議な空気がただよう作品になりそうで
つづきがとても楽しみです。
- 255 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年06月04日(火)00時43分52秒
- >253 名無しさん さま
読んでくださって有難うございます。
昨日のannss面白かったっすね。
みっちゃんは『おっさん』でなく『おっちゃん』なんですね。。
もちろん、姐さんが一番だけど、みっちゃん最高!新曲がんばれ
>254 名無し読者 さま
レス有難うございます。
現実とは全く関係ない話になります。
でも、ハロモニの酒に酔ってなっちに絡む裕ちゃん や
ハロプロニュースでチャ―ミーのパネルをぶっ飛ばす矢口を見てると
なっちゅー話 や やぐちゅー話を書きたくなります。
でも、まずは書き始めたもの上げてから
- 256 名前:Look for anything(ゲーマー矢口) 投稿日:2002年06月04日(火)00時47分41秒
忘れ物をした矢口は仕事の帰りに事務所へ寄る事にした。
事務所内はいつもと違って異様に静かでドアを開けるのことを躊躇わせる程だった。
思い切って開けると誰も居ないのだ。こんなことは初めてである。
「もう、無用心だなぁ…ホントに誰もいないのかな…矢口を驚かそうと隠れてんじゃないの…」
独り言も妙に響く。会議室のドアをノックして開けたがやっぱり誰もいない。
「ああ、どうしちゃったんだろ…あ!」
テーブルの上に置かれた新型ゲーム機に矢口は目を輝かせる。
「これ!つんく♂さんが言ってたゲームじゃん!!出来たんだ」
今度、娘。の新しい体感シュミレーションゲームを発案企画するので完成したら娘。がモニターリングすることになっていた。
ゲーム機は13人分ある。箱にはそれぞれの名前がワープロ文字で書かれてある。
矢口は誰もいないのに誰かの許可求めて独り言をいう。
「いいよね?これ。矢口って書いてあるし…持ってっちゃお」
- 257 名前:Look for anything(ゲーマー矢口) 投稿日:2002年06月04日(火)00時53分41秒
―――――――
―――――――――
- 258 名前:Look for anything(ゲーマー矢口) 投稿日:2002年06月04日(火)00時55分23秒
家に帰った矢口は食事もソコソコにワクワクしながらゲームの箱を開ける。
ヘルメット型の機械とサンプルVol.3と書かれたソフトが一つあるだけの至ってシンプルな物だった。
矢口はゲーム機にアダプター電源とソフトをセッティングし座椅子に腰掛、ヘルメットを被った
- 259 名前:Look for anything(ゲーマー矢口) 投稿日:2002年06月04日(火)00時56分57秒
- 『初期設定モード』
頭の中で声が聞こえる。
『プレイヤーは誰にします?
モーニング娘。の13人から選択できます』
「じゃ、圭織。飯田圭織にします。」
ゲームなのについ相手に合わせて ですます調で喋ってしまう。
『OFFタイムを設定しますか?』
「やっぱ、しといた方がいいよね、ゲームすると時間忘れちゃうし…試しだから1時間で」
『承りました。ゲームのスタートです。』
- 260 名前:Look for anything(ゲーマー矢口) 投稿日:2002年06月04日(火)01時01分53秒
- 一瞬、視界がホワイトアウトし目の前には西部劇の世界が広がる。
そこに矢口の姿は無く立っているのはファション雑誌から抜け出たようなスタイルの良い飯田圭織、その人だった。
「すごい!!このゲーム凄いじゃん!」
姿とは裏腹に喋りはやっぱり矢口であった。
「ホンモンだ!!やった一度圭織の目線で世界を見たかったんだ〜」
もう興奮気味で町の中を歩く。慣れないバランスで足がもつれそうでそうである。
「うーん、もう、この服が合ってないじゃん!ロマンティクボヘミアンじゃなくウエスタンに着替えなくちゃ…どっか服替えられるとこないかな…」
町の中に一軒の雑貨屋を見つけ中に入った。
- 261 名前:Look for anything(ゲーマー矢口) 投稿日:2002年06月04日(火)01時04分10秒
さっきから圭織(矢口)は人に会わない。だからゲームの鉄則である情報収集もレベルアップもできない。
店の中も無人でどうやら商品は勝手に持って行っていいようだ。
その中からこの場に相応しい服とブーツをチョイスする。後はお約束のテンガロンハットも。
誰もいないとはいえ、感覚全て現実と同じようにリアルなので
店先で着替えるのも気がひけて、店の2階に上がる。
2階は居住空間のようでベットと姿見、洗面台、シャワーまであった。
この時代にシャワーってありかよ?って突っ込みモードになりつつ着替えはじめる
服を脱いでふと、下着姿の圭織(矢口)が姿見に写る。
「うわぁ!めっちゃスタイルいい!」
鏡に映る姿に興奮してきた圭織(矢口)はムクムクっと沸き起こる好奇心と欲望に自分でもヤバイと感じていた。
「このゲーム、ヤバイ…私でもこんな姿見たら興奮してしたくなるのに…男性ファンは絶対やるよな…」
といいながら、圭織(矢口)も自分の好奇心と欲情に素直に従いベッドへ上り、善からぬことをするのであった。
- 262 名前:Look for anything(酒場) 投稿日:2002年06月05日(水)21時24分23秒
- 中澤と平家はカウンターを挟んで客とバーテンを演じていた。
平家と他愛の無い会話をして気を紛らしているが、二人の想いは『ゲームから戻らなくては』である。
「この西部劇の酒場も悪くないですけど…BARやったら私は『コヨーテアグリ』がいいんです。」
「『コヨーテアグリ』ってNYの?」
「実際の、っていうより映画の『コヨーテアグリ』がカッコいいんですよ」
「その映画観てへんわ」
「もう、オーナーもバーテンの女の子たちも綺麗でパワフルで…姐さん最近勉強会っていって映画ばっか観てますやん!
絶対お勧めですって!」
「まあ…ここから出られたらの話やな…『探索者』はまだ来んの?」
裕子の言葉を受けて思い出したように平家がカウンターの後ろの棚を開けると中からモニター画面が現れた。
「平家さん?!なんでそんな物あるん?なんで知ってるん?」
「さあ?今、何と無く分かったんですぅ…だぶん『酒場のおっさん』って情報屋なんでっしゃろ…」
「アタシが質問したことに反応したんやな…で、どうなん?誰か来てへんの?」
「えーーと…あっ!!誰かゲーム開始しました!」
「はよ来い。ココに来いや」
- 263 名前: Look for anything(酒場) 投稿日:2002年06月05日(水)21時27分10秒
- 二人はもう期待に目を輝かせ『探索者』の来訪を今か今かと待っている。
が、来ない。
待てど暮らせど来ない。
「〈怒〉何しとんのや!!」
「姐さん切れたらアカン…折角ここまで待ったんですやん…もう直ぐですって」
「せやかて、ゲーム開始したら直ぐ目の前、この酒場やん!なんで真っ直ぐここに来いひんのや?!」
「必ず来ますから、もうちょい落ち着いて…そや、もっとビール出しましょか?」
―――――
――――――――
カランカラン
「やっときたー!!」
入ってきた方がビックリする。
「裕ちゃん?!」
と叫んで中澤に抱きつく圭織(矢口)。
「アンタ、圭織やないな…矢口か?」
「どうして分かるんだよー」
「えっ?姐さん、どう見ても圭織みたいやけど…」
「裕ちゃんは矢口やったらどんな格好してても分かんねん」
中澤が得意そうに胸を張る姿は小学生のようで可愛い。
- 264 名前:Look for anything(酒場) 投稿日:2002年06月05日(水)21時28分43秒
「もう裕ちゃんったら…で、裕ちゃんたちはこのゲームの中のキャラクター?」
「本来ならそうなんやけど…その設定をする作業中トラブッたらしいんや」
「どういうこと?」
「つまりなあ、矢口と同じ本体の意識がそのままゲームに囚われてしまったらしいんや」
「私も姐さんもココから出られんの…」
その時突然、圭織(矢口)の頭の上にメニュー画面が表示されているタイマーが作動した。
『一時間が経過しました。ゲームをSAVEしますか?』
「矢口…もう、戻ってしまうんや…」
中澤はさっきまでの嬉しそうな顔と反比例するような情けない表情に矢口は後ろ髪を引かれる思いになる。
しかし、中澤の次の言葉で俄然やる気がでてくる。
「矢口、戻ったらまた来てくれるか?現実世界でどうなってるか知りたい。矢口が頼りや」
「うん、状況調べて直ぐ来るよ」
「「矢口、頼むでぇ」」
裕ちゃんを助けるのは矢口しかいない!!
そんな想いでゲームの世界から抜け出ていくのであった。
- 265 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月06日(木)23時01分58秒
- 面白い!
続き楽しみにしてます。
- 266 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月08日(土)03時46分27秒
- うん、いままでのももちろんおもしろかったけど、これは特におもしろい。
- 267 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年06月10日(月)00時28分00秒
- >265さま
>266さま
レスありがとうございます。
更新します。
今回はあの人が登場です。
やっは゜寒太郎はこの顔ぶれが好きです。
- 268 名前:Look for anything(研究所) 投稿日:2002年06月10日(月)00時30分12秒
矢口はゲームを終了する直ぐ中澤の携帯に電話した。
「留守番電話サー…・」
留守電である。時間が惜しくメッセージも入れず次々に電話を入れてみる。
みっちゃん、中澤のマネージャーと。
結果は同じで段々不安が募る。
次に事務所に電話をしようとしていたら家の電話が鳴り母親に呼ばれた。
「真里!つんく♂さんから電話よ!」
「矢口!お前、事務所にあったゲーム持ってったやろ?ゲームしてへんよな?」
「つんく♂さん!裕ちゃんたちどうなってますか?」
同時に喋り始め、声が被る。
「ちょっ、矢口黙ってオレの話を聞け!」
「すいません。どうぞ…」
「中澤のこと言ったな?ゲームやったんやな?」
「はい…ゲームの中で裕ちゃんと平家さんに会いました」
「分かった、今から迎えに行くから持ってったゲームと出かける用意しとけや」
- 269 名前:Look for anything(研究所) 投稿日:2002年06月10日(月)00時32分51秒
程なくつんく♂さんと裕ちゃんのマネージャーが迎えに来て
矢口はあるゲームメーカーの研究所に連れていかれた。
研究所の関係者以外立ち入り禁止区域のある一室に入ると
ラグビーボールの様な形態のポットが二つ、その一つのポットに縋りつくように寄り添っている見覚えのある影。
「なっち?」
呼びかけに振り向いた影は、やはり安倍で今まで泣いていたのか腫れた目をし、少し怒ったように矢口たちを見た。
「安倍なんで来たんや?!どうしてここが分かったんや?!」
事務所の社長がすまなそうに部屋の隅から現れた。
「安倍がなぁ、脅すんだ…中澤になんかあったら娘。から脱退するって…」
- 270 名前: Look for anything(研究所) 投稿日:2002年06月10日(月)00時35分04秒
「やだなぁ…裕ちゃんと連絡取れなくなっちゃって心配でさぁ…社長にちょっとお願いしただけだべさ…」
「(得意技、裏なっちだ!)ところで、つんく♂さん現状どうなってるんですか?裕ちゃんも心配してました。」
「えっ裕ちゃんに会ったの?」
「うん、ゲームの中でね(しまった…なっち付いて来るっていうじゃん)」
「矢口!抜け駆けだべさ!また、ゲームの中に行くつもりだべ?!今度はなっちも行くべさ!」
「なっち、ゴメン。話は後でね。裕ちゃん待ってるし、つんく♂さんの話聞きたい。」
安倍は矢口の抜け駆けに腹立たしさを感じていたが現状も知りたいので口を噤む事にした。
- 271 名前:Look for anything(研究所) 投稿日:2002年06月10日(月)00時37分25秒
つんく♂さんとゲーム会社担当者の話によると、
新しいゲームのキャラクター設定は、
実際の行動会話のパターンを直にゲームで動かした方が早いという事で本人の協力を元に行なっていた。
その最中のトラブルである。
「今度のゲームはインターネットを利用し、
いろんな場所からたくさんの人が参加できるゲームで
所謂、バーチャルイベントなんです。
当初は全てリアルにやろうとしていたんですが、
事務所の意向も踏まえて設定はリアルにキャラクターはデフォルメでやる事になったんですが…
キャラクター設定の最中にハッカーが侵入したんです」
- 272 名前:Look for anything(研究所) 投稿日:2002年06月10日(月)00時40分20秒
「矢口、実際ゲームしてどんな感じやったんや?」
「えっ?とってもリアルで本物の世界、人物でした。裕ちゃんも平家さんのマンマです。」
「犯人はそのリアルバージョンを推していてリストラになった社員なんです。」
「えっ?凄かったのにボツなんですか?」
「アカンやろリアル過ぎると現実と混同する輩がでるんや…だからフィギアでも漫画でもソックリには作らんのや」
「中澤さん、平家さんを助けるにはどうやらゲームを全クリアしてゲーム中にいるその元社員に戻る方法聞くしかないようなんです。」
「矢口、ゲーム得だよな、ハッキングされてからどうも、娘。以外アクセスできんようになってるんや。」
「なっちも付いてくから大丈夫だべさ」
大任を受けて二人はゲームの世界へと入っていった。
- 273 名前:Look for anything(stage1、直前) 投稿日:2002年06月12日(水)16時55分12秒
中澤と平家はやることも無いので再びカウンターを挟んで客とバーテンを演じていた。
「ゲームの中っていくら飲んでも酔わへん…これは欠陥箇所やな…」
「でも、トイレも行きませんね…あんなに飲んでますのに…」ボコッ
「なにすんです?!痛いですやん」
「アホ、アイドルにトイレの話は無しや…」
「前にしてましたやん、自分…」
平家と他愛の無い会話をして気を紛らしているが、二人は矢口が再びゲームの中に来るのを待っていた。
カランカラン
「裕ちゃん、みっちゃん来たよ!」
「やぐちぃ〜vv。。。なんや、また圭織の姿できたんや…」
圭織(矢口)は中澤と平家に今つんく♂さん達から聞いてきた現状とこれからの事を簡単に話した。
「ああ、忘れてた…あのねぇ、このゲームにもう一人参加するんだ…」
「ん?誰?」
- 274 名前:Look for anything(stage1、直前) 投稿日:2002年06月12日(水)16時57分26秒
カランカラン
「「「紺野?!!」」」
「あれ?なんで圭織がいるべさ〜?!!」
4人の声が被る。
「紺野、訛ってるで…って、あぁあ、なっちか?!」
「裕ちゃんvvやっぱ愛だべ。。なっちがどんな格好しててもわかるんだべ?」ドコッ
「なっち!なんて格好して来るんだよー」
「いったぁっ・・え?矢口?」
「そうだよ」
「自分こそ、圭織だべさ。なっちが紺野でもいいべ。紺野になって色んな場所でボーッとしてみたかったんだべさ〜。」
- 275 名前:Look for anything(stage1、直前) 投稿日:2002年06月12日(水)17時07分07秒
「しっかし、この面子、みょーですね…普段じゃ絶対見られへん組み合わせちゃいますか?」
中澤に圭織(矢口)ここまではよく飲みに行くペアであるがこれに紺野(安倍)である。
一同、顔を見合わせ噴出しそうになる。
「もう、ええから…行くで」
「「えっどこに」」
「軍資金集めしなあかんのや」
「そうです。まず目指す場所は日本の『高天原』なんですけど…そこ行くのに飛行機あるんですけどね…」
平家はカウンター奥のモニターを操作しながら続ける。
「飛行機の料金がべらぼうに高い!一人40万、やから3人で120万。君らあります?」
「アタシの手持ちは8万や…普段からそんな持ってへんわ」
「なっちも5万だべさ…」
「やぐちは財布忘れた…って現実世界の話じゃん」
「ちっ、ちっ、現実世界のことが反映されてるんです。」
「ってことで軍資金集め頑張ってね〜」
- 276 名前:Look for anything(stage1) 投稿日:2002年06月14日(金)00時32分44秒
中澤と圭織(矢口)と紺野(安倍)は軍資金を集めるべく街へと徒歩で移動中である。
ずっと今まで一本道だったが、100M先で分岐している。
分岐地点には標識が
右矢印『至 フラワーガーデンファーム IN ユタ』
左矢印『至 ホテル ビッグファミリーエド IN ラスベガス』
「フラワーガーデンファームって、農場で地道に働くんだべ…
なっちは農場でもいいべさ、採れたての芋でじゃがバタ、美味しいんだよね…」
「で、ホテル ビッグファミリーエドはきっとカジノだよ」
「「裕ちゃん、どっちいくの?」」
「もちろん、ラスベガスや!!」
- 277 名前:Look for anything(stage1) 投稿日:2002年06月14日(金)00時34分29秒
そういうと思ったって顔で圭織(矢口)と紺野(安倍)が目で会話している。
「アタシは農場で芋掘ってる暇ないねん、一攫千金狙わな時間がない!!」
「歳だもんねぇ。。。もうすぐ、また一つ年取っちゃうしね。。(w)」
「〈怒〉あんたはもう…紺野の顔してても口の悪さはかわらなのやなぁ」
といながら中澤は紺野(安倍)の両頬を引っ張る。
実際、こんなとこでぐずぐずしている訳には行かないし、
圭織(矢口)や紺野(安倍)もカジノには興味がある。
少ない手持ちを元手にホテルのカジノで軍資金集めをすることにした。
- 278 名前:Look for anything(stage1) 投稿日:2002年06月14日(金)00時37分22秒
まず、ホテルにチェックインして部屋へいってみるとクローゼットの中はセクシーなドレスでいっぱいであった。
カジノは正装でないと入場を断られるので3人は其々今の自分に似合いそうなドレスに着替えてカジノへ向かう。
中澤は背中が大きく開いた黒いドレスに髪をアップさせて大人の魅力たっぷり。
圭織(矢口)も肩を大きく出した真っ赤なドレスでもうセクシー満開。
ただ、紺野(安倍)だけは仕方がないかな、ピアノの発表会の様な衣装になってしまう。
キャラの選択間違っちゃたべさ〜と凹んでるところへ追い討ちがかかる。
黒服が高額ギャンブルの会場で入場チェックをしている。
中澤と圭織(矢口)の時はでれっとした顔で全身を舐めるように見て「ヒュ〜」と口笛をならすと
「楽しんできてください」と愛想が良かったが、紺野(安倍)にはお子様を見るような目で「もう少し大きくなってから来ようね」ってやんわり入場を断られたのである。
紺野(安倍)は仕方なく小額で地道な賭け事スロットでチマチマ稼ぐことになった。
- 279 名前:Look for anything(stage1) 投稿日:2002年06月14日(金)00時39分25秒
高額ギャンブル会場の二人。圭織(矢口)は持ち金がないので中澤が自分の手持ちから半分を渡す。
「矢口は何やるん?」
「何がいいかな…ルーレットにするよ」
「そっか…アタシは一回りくるわ。頑張って稼いでや…」
それぞれに分かれ、中澤は会場の様子を伺いながら自分に合うギャンブルを探す。
すると、会場に奇妙な一角が…立て看板は「Japanese Fair」。
「なんか面白そうやん」
中を覗くとそこはハッキリいって時代劇に出てきそうな賭博場。
畳敷きに白い賭場を大勢の人が囲んで「よござんすか…入ります」ってやっている。
壷振りをしているのは仲間さん似の美人で、ぼーっと見ていた中澤に微笑む。
そして、彼女は側にいる若い衆に目配せをすると、彼は中澤のところに来て座る場所を作ってくれた。
数時間後、3人は其々大金を手にしていた。
- 280 名前:Look for anything(stage1クリア) 投稿日:2002年06月14日(金)17時45分12秒
- ホテルの中澤達はラウンジで祝杯をしていた。
「「「「かんぱーい!!」」」」
「目標額達成だねvv」
「大幅にな…」
「でも、なんでここにみっちゃんいるべさ?」
「ココどこやと思ってるん?お酒出すとこやで。ってことで『酒場のおっさん』存在できるんやvv便利やなゲームって」
「また、このラウンジから出られへんの?」
「いや…ちっとレベル上がったみたいで行動範囲広がってます。ホテル内はOKみたいですねん…って姐さんちょっと酔ってます?」
「なんかな…お酒のレベルも上がってるみたいや…ホンマに酔えるで…」
「ええっ!このゲーム、キャラのレベルが上がるんじゃないのかよ!!ったく背景ばっかレベルアップしてもなぁ…」
- 281 名前:Look for anything(stage1クリア) 投稿日:2002年06月14日(金)17時48分39秒
- 「でも、3人とも凄いですやん。。こんなに賭け事強いなんて…」
「うぅぅぅん、あんま強ないで…3人の中やったら、なっちが一番かもな」
「えっ?だって姐さんが一番額大きいですやん」
実際、3人が稼いだ額は中澤が500万、圭織(矢口)が250万、紺野(安倍)が50万である。
「アタシや矢口は人間相手のギャンブルやったからな…機械相手で、まして小額ギャンブルエリアで50万は凄いやろ」
「人間相手って、何したんだべ?」
圭織(矢口)が紺野(安倍)から顔を背け視線を中に泳がせる。
「裕ちゃんは知ってんで。。矢口、ディラーに色目つかったやろ」
「そういう裕ちゃんだって…」
「アタシんとこの壺振りは女の人やで…でも、なんかな…アタシの賭けみて手元変えてるように見えたんやけど…
やっぱ、それって手心加えてもらったんやろな」
- 282 名前:Look for anything(stage1クリア) 投稿日:2002年06月14日(金)17時54分41秒
裕ちゃん気付いてなかったのかよ…あの壺振りの姐さん、ずっと裕ちゃんに熱い視線送ってたじゃん…だから矢口はソワソワして後半なんてボロボロだったんだから…まっいい所で切り上げて裕ちゃん連れ帰れたからよかった…色っぽい裕ちゃんも鈍な裕ちゃんも全部矢口のだからねvvv
なんて、圭織(矢口)が考えてたなんて誰も知らない。
「さぁ、一区切りついた。一度、あんたら現実に戻った方がええな…食事とか休憩とかしといで」
「「えっ、でも早く裕ちゃん達を助けてあげたい。!!」べさ!!」
「裕ちゃんも早く帰りたい、ほんま二人の気持ちありがたいんやけど…それで二人が身体壊すんだけは嫌やから」
「「うん、わかったよ、少し休んだらまた直ぐ来るから」」
そして、二人はゲームから出る。その時、圭織(矢口)は平家が不遜に笑ったような気がしたが直ぐに忘れてしまった。
- 283 名前:Look for anything(stage1クリア) 投稿日:2002年06月14日(金)17時56分54秒
3人の会話に口を挟まなかった平家だが彼女には彼女思惑があった。
姐さん、お酒のレベルが上がってるって言ってましたやん…ということはちゃんと酔ってくれますやん…
酔うと、皆さんご存知のとおりあの人非常にかわゆくなるんですぅvv…で、ここはホテル。。。。もう、ありがとうござます、
頂きますとも…邪魔な二人も姐さん追い返してくれたし…では、そろそろ…
「姐さん、ホテルに部屋取ってるんでっしゃろ?部屋で飲みましょ」
「そやね」
よっしゃ〜!後はもう少し酔わせて、雰囲気作ってっと
なっち、矢口、来るのゆっくりでいいからね…
- 284 名前:Look for anything(インターバル) 投稿日:2002年06月15日(土)01時52分42秒
ゲームの世界から戻った矢口と安倍は中での内容をゲーム開発担当者に報告する。
「元社員が作ったプログラムに似てます。かなり手を加えた感じはしますけど…兎に角がんばってクリアしてみてください
きっと、脱出のカギがあるはずです。」
「おまえら少し休めや。腹へってへんか?」
「食事は会社で用意してます。どうぞ、こちらへ」
ゲーム会社が用意した食事は豪勢なものだったが夜食として重過ぎるので少しだけ食べてあとは仮眠するのでと失礼した。
しかし、仮眠しようと目を閉じると目に浮かぶのは中澤のセクシーなドレスから露になった色っぽい背中、大きく割れたスリットから覗くすらりと伸びた足・太もも、アップした髪に強調される艶っぽいうなじ…そして、ゲームから抜ける時みた平家の笑み…
- 285 名前:Look for anything(インターバル) 投稿日:2002年06月15日(土)01時55分50秒
- もう、寝ていられなくてガバッと起きる隣で寝ていた安倍も起き上がり二人で顔を見合わせる。
「やぐち…」
「なっちもやっぱ心配?」
「だって…裕ちゃんあんなに色っぽかったし、酔い始めてた…わたしだったら…」
「うん、矢口も。矢口だったら速攻ベッドに…あっ!それにあそこホテルじゃんか!!」
二人は居ても立っても入られなくて、再びゲームを始めるべく中澤と平家がいる部屋へ入ると
会社の人たちが慌てていた。
「何があったんですか?」
「二人の様子が…体温が上昇し心拍も増えてます。平家さんは大分安定してきたんですが、まだ体温が少し高いです」
「裕ちゃんの方は?」
「中澤さんは今も呼吸も荒く少々酸欠かもしれません。血圧も高いし…このままモニターリングを続けてできる事はします」
矢口と安倍はその説明を聞いて青ざめた。
心配していたことが起こっているんだ…みっちゃんズルイ!!
二人は速攻ゲームの世界に戻る事にした。
- 286 名前:Look for anything(インターバル) 投稿日:2002年06月15日(土)01時58分54秒
バーン!!
ホテルの部屋のドアが乱暴に開けられ圭織(矢口)と紺野(安倍)がなだれ込む。
「裕ちゃん!!」
ベッドルームを探すがそこには平家がフテ寝って感じで寝ているだけ。
部屋中探すがどこにもいない。もちろん、シャワールームにも。
二人は、平家を叩き起こす。
「「〈怒〉みっちん!!」」
「な・なんや…」
「「裕ちゃん、どこ?!」」
「二人とも何でそんなに怒ってるん?」
「「〈怒〉みっちゃん、抜け駆けしたでしょ?!」」
「いや・まだ抜け駆けなんてしてへんって」
「まだ?しようとしてたんじゃん」
「ごめん。。しようとしてました…けどこのホテルのオーナーが会いたいって連れて行かれたんですぅ」
「オーナーって誰だべ?」
「カジノで壷振りしてた美人。」
「あっ!そっちに持ってかれたんだ!」
- 287 名前:Look for anything(インターバル) 投稿日:2002年06月15日(土)02時00分10秒
二人はもう、中澤を一人にしないと誓った。
「矢口、休憩取る時交替でとろうね」
「みっちゃんも、なっちも、抜け駆け禁止だからね」
カチャ
中澤が気だるそうに戻って来た。
こんなとこに長居は無用である。疲れてる中澤を引き摺るようにしてホテルを出るのだった。
- 288 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月15日(土)21時16分18秒
- 姐さん、圭織(矢口)、紺野(なっち)、みっちゃんとは
めずらしい光景ですね〜。
これからどんなステージが出てくるのか楽しみです。
最終ステージはどうなるのか。。。ワクワク。
- 289 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年06月18日(火)00時33分15秒
- >288 名無し読者さま
レス有難うございます。
文章が拙いのでビジュアルを思い浮かべながら読んで頂けると有り難いです。
ちょっとだけ更新します。
- 290 名前:Look for anything(stage2に向けて) 投稿日:2002年06月18日(火)00時34分50秒
中澤は苦手な機内を両隣に圭織(矢口)と紺野(安倍)を置いて何とかやり過ごしやっとの思いで目的の高天原に着いた。
辺りは真夜中なのか真っ暗で明かりは数件の店から漏れてくる物だけである。
「なぁ、裕ちゃん疲れたわ…ちょっと休もうや…」
目の前には立派な料亭がある。が、3人は隣の縄のれんに入る。
トップアイドルになったとはいえ、みんな根っからの庶民なので居酒屋の方が気を遣わなくて良いのである。
「とりあえず、ビール!」
「えーと、矢口は焼き鳥と枝豆と豆腐サラダ」
「ナッチは焼きおにぎりとクリームコロッケとフルーツ盛り合わせ…それから…」
「まだ、食うんかい!!」
「だって、ゲームの中だからいくら食べても太らないっしょ」
「ああ、そうなんだ…矢口ももっと頼んじゃおっと…」
- 291 名前:Look for anything(stage2に向けて) 投稿日:2002年06月18日(火)00時36分27秒
「あんたら、いいかげんにしてや!ゲームやけど実際と同じように手ぇかけて調理しないかんのよ」
「「あっ、みっちゃん。。」」
「おっちゃん、来とったんや…ええなぁ…飛行機乗らんでよくって…アタシはめっちゃ怖い思いして来たんやで」
「ああ、姐さん、高所恐怖症で閉所恐怖症でしたもんね。まっゆっくり休んでって」
「うん…ちょっと聞きたいやけど…あたしらがココに来た目的わかるか?」
店内のテレビをモニターに切り替えて平家が言う。
「ココに脱出のカギがあるかも、でっしゃろ。たぶん、『天の岩戸』が一番怪しいですね」
「『天の岩戸』といえば『天照大神』が中に隠れてるんだべ」
「それで、早く出てくるように目の前で宴会やるんだよね〜」
「そうや、確か日本の最古のストリッパーはその時踊った天佃女命やったと思う…」
「えっ宴会で踊ったのってストリップだったのかよ…じゃ、オイラたちも岩戸を開けるためにはストリップするのかよ…」
「大丈夫やろ。要は気を惹くダンスしたらいいねん」
「そうだべ。私達ダンシングアイドルグループ、モーニング娘。の一員だべさ!!」
なんとか気合を入れて3人は次のステージ『天の岩戸』に向かう。
- 292 名前:祝・誕生日 投稿日:2002年06月19日(水)12時42分43秒
- 裕ちゃん、誕生日おめでとう
ってことで本編(Look for anything)と関係ない駄文を書いてしまった。
自己満足でupします。
- 293 名前:好きの意味 投稿日:2002年06月19日(水)12時48分16秒
- 「好きやよ」
「好きだよ」
同じように聞こえる
でも、私の好きとあの子の好きは一緒やない…
あの子の好きは10代の肉体から発せられる身体からの疼き…
私とは違う…
「裕ちゃんが欲しい…」
あの子が言った。
「ええよ…アタシは
アンタが好きやからええよ」
「うん…」
熱い手が首に回り、潤んだ瞳が近づいてくる
私は静かに目を閉じあの子を待つ
唇にふわりと柔らかい感触
- 294 名前:好きの意味 投稿日:2002年06月19日(水)12時50分22秒
- 「うぅ…ん…ほんまに好きやよ」
「うん、好きだよ」
可愛い手が私の服にかかる
「脱いで…」
「脱がしてくれへんの?」
「脱いでる姿が見たい…」
言われたとおり服を一枚ずつ脱いでいく
あの子は子供やから身体に溜まった熱をそのままぶつけてくる
それは私の事が好きって言うのとは違うんやな…
「好きやよ」
「好きだよ」
あの子は私の身体が欲しいから私を抱くんや
私はあの子が好きやから
何でもしてやりたい
- 295 名前:好きの意味 投稿日:2002年06月19日(水)12時52分19秒
- 「ほんまに好きやよ」
「裕ちゃんが全部ほしい」
何んもかんも持ってっていいで
私の全部あげる
だから何時かアタシの好きの意味、解かってや
- 296 名前:好きの意味(裏面) 投稿日:2002年06月19日(水)12時55分59秒
- 「好きやよ」
「好きだよ」
同じように聞こえる
でも、私の好きとあの人の好きは一緒じゃない…たぶん…
あの人の好きは子供を守る親の母性愛…
私とは違う…
「裕ちゃんが欲しい…」
あの人に言ってみた。
もっと私を知って欲しくて…私は子供じゃないんだよ…
「ええよ…アタシはアンタが好きやからええよ」
「うん…」
首に手を回わすと、潤んだ瞳に吸い寄せられる
あの人は静かに目を閉じてしまった…もっと見ていたかったのに…
唇にふわりと柔らかい感触
- 297 名前:好きの意味(裏面) 投稿日:2002年06月19日(水)12時58分50秒
- 「うぅ…ん…ほんまに好きやよ」
「うん、好きだよ」
私の好きをちゃんと知って…この気持ち本物なんだよ
あの人の服に恐々と手をかける
拒絶が怖くて手が動かない
「脱いで…」
「脱がしてくれへんの?」
「脱いでる姿が見たい…」
あの人は服を一枚ずつ脱いでいく
私はボーっと見とれるだけ
本当に好きなんだよ…解かってよ
あの人は大人の余裕で私を逸らかそうとする
私の好きっていうのと同じ熱さで好きになって…
- 298 名前:好きの意味(裏面) 投稿日:2002年06月19日(水)13時03分18秒
- 「好きやよ」
「好きだよ」
あの人を抱くのはあの人の全てが欲しいから…
あの人の心が欲しいから
「ほんまに好きやよ」
「裕ちゃんが全部ほしい」
私にはあげられるものがもう何も無い
私の全てをがあげたことに気付いてないのかな
私の全てはもう心ごと裕ちゃんのものなんだよ
知っててよ
『 Happy Birthday to You 』
- 299 名前:好きの意味(裏面) 投稿日:2002年06月19日(水)18時22分29秒
- 好きの意味
了。
- 300 名前:Look for anything(stage2) 投稿日:2002年06月19日(水)18時24分44秒
暗闇の中、『天の岩戸』に着いた三人は辺りの様子を伺う。
そこは由緒ある神殿というよりは、ダンスホールという感じの広場ですぐ近くに大きな岩があった
岩の陰はどうやら洞窟らしい。洞窟の中には人がいる気配がする。
「ここが、『天の岩戸』だべ?」
「この岩動かせばイイだけじゃん…うんっしょ」
「や、いくらなんでも無理やろ。この大きさやで」
「やっはり、セオリー通りここはダンスで気を惹くっきゃないっしょ」
「じゃ、やっぱ始めは裕ちゃんからね」
「えっ?」
中澤が躊躇してる間も無く某化粧品メーカーのCMソングが流れ、スポットライトがあたる。
♪♪〜〜
曲を聴いただけで中澤の身体が勝手に反応し踊り始める。
フルサイズで踊り終わると流石に息が上がっていた。
「裕ちゃん、すごい!初めてフルでみたべさvv」
「いいよ、絶対、テレビでフルバージョンやるべきだよ!」
結構激しい踊りなので中澤はまだ喋れないでいる。
ふと大岩の方を見るとほんの少し隙間が開いていた。どうやら中の人物は中澤の踊りを盗み見していたらしい。
「はぁはぁ、岩少し動いたで、後頼むで矢口…はぁはぁ」
- 301 名前:Look for anything(stage2) 投稿日:2002年06月19日(水)18時26分57秒
洞窟の中からモーニング娘。曲が掛かる
♪♪〜〜
「あっハピサマじゃん」
圭織(矢口)は完璧に圭織のパートを踊りきった。ある意味、本人より圭織らしく踊れていた。
「アハハハハ…なんか、圭織が圭織のモノマネしてるみたいや…なんやめっちゃオモロイで…」
圭織(矢口)は大きくVサインをするとハイタッチで紺野(安倍)と交替する。
また、少し大岩が動いた気がした。
「「なっち、がんばって」や」
♪♪〜〜
「え〜〜っ!何でなっちの時だけ持ちネタじゃないべさ〜!!」
掛かった曲はハロプロの末っ子藤本美貴のデビュー曲。
歌が好きで、楽屋とかで真似はしているが練習も無しに人の曲は結構きつい。
増して、紺野の身体である、安倍が思ったように反応してくれない。
モタモタしていると…
ドーーーーン!!!
岩が吹っ飛び、辺りが一気に昼間の明るさになった。
「ちがーう!!そうやない!そこはこう踊るんや!」
「「「稲葉さん?!!!」」」
洞窟の中から出てきたのは元・太陽とシスコムーンのメンバー、稲葉貴子女史その人であった。
- 302 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月20日(木)01時50分14秒
- 1日遅れだけど裕ちゃんお誕生日おめでとう。
誕生日企画、切ないわ〜、もどかしいわ〜と思っていたら、
うわっ、やられたっ!ダメダメーヘソだしミニスカ裕ちゃんが
わたしの頭の中で踊っております。
フルバージョン、わたしも見たいー!でも息切れちゃうのね・・
あっちゃん登場でこれからどうなるか楽しみです。
- 303 名前:読んでる人 投稿日:2002年06月20日(木)13時36分30秒
- >「好きの意味」
お互い本気で好きなのに、お互いに相手の自分に対する「好き」という意味を理解出来ていない。
なんか、こーゆー話好きです。
ところで裕ちゃんの相手はやっぱり矢口?それとも意表をついてゴマ?
- 304 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年06月22日(土)21時50分53秒
- >>302 名無し読者さま レスありがとうございます。
某CMの曲とフルダンス、見たいんですよねぇ〜ホントに・・・新曲8月末だし、
是非、某化粧品メーカーさん、商品にPV付けて売ってください!!
(「おさかな天国」だって最初は漁業組合で売ってたんだから、化粧品メーカーがCD付きで売っても良いと思うんだが・・・)
>>303 読んでいる人さま レスありがとうございます
>「好きの意味」は実は別の話の序章にしようかなと思って書いたものでカップリングは未定でした。
その話を現在進行形にするなら相手は矢口、後藤、紗耶香ってとこでしょう
過去の回想にするなら圭織や圭ちゃん、なっちも入ります。
ようするに二人っきりのとき裕ちゃんを
「裕ちゃん」と呼べればカップリング対象者。
後は読んでる方の好きな相手で・・・。
- 305 名前:祝・初ソロライブツアー 投稿日:2002年06月23日(日)10時01分08秒
- 『ライブ&トークイベント』待ってました!!
行きたいです!!行けるかな・・・
裕ちゃん!ツアー決定おめでとう&ありがとう!!
で、ちょっと更新。
- 306 名前:Look for anything(stage2の戦利品) 投稿日:2002年06月23日(日)10時02分18秒
洞窟から出てきた稲葉と共に3人は再び平家の居酒屋へ来ていた。
「稲葉姐さん!どっから湧いたんですか?」
「平家さん!人を虫みたいに扱いよって…」
「『天の岩戸』に居ったんはあっちゃんやった…そこで何してたん?」
「稲葉はですね、今日、大阪でゲーム会社の仕事でして…
なんやゲームにアタシのキャラクターを出すっていうのでお手伝いしてたら
ゲームにハマッて出られんくなりました。ハイ」
「アタシ等と一緒やなぁ、平家さん」
「そうですね…ところで稲葉さん何持ってますの?」
「ああ、これね…洞窟の中にあったんや…オモロイで」
稲葉は持っていた宝箱のような大きな鞄から一枚の写真を取り出す。
- 307 名前:Look for anything(stage2の戦利品) 投稿日:2002年06月23日(日)10時03分32秒
「なに・なに、いや〜ん!ダメや!返して!」
中から出てきたのは『ふるさと』のPVで使用するため持ち寄った幼い頃の写真で
問題があってPVにはアップされなかったものであった。
稲葉が手を上げて中澤から写真を遠ざけるとその後ろから背の高い圭織(矢口)がスッと抜き取る。
「かっわあいい!!これ!矢口貰っていい?!」
それを覗き込む紺野(安倍)と平家。
「「だめ!私も欲しい!!」」
それは中澤の赤ちゃん時代の物で沐浴して気持ちよく笑ってる写真であった。
「なんで、オカンこんなの持ってきたんや…恥ずかしい…」
「喧嘩せんでもまだまだあるで〜」
稲葉は鞄をひっくり返しドサッと写真の束をテーブルに出す。
「私はこれがいいねえ〜ぷっくりしたお尻がかわいいって」手にしたのは金太郎腹隠しだけを着た1歳位の中澤。
「みんな、あかん!没収や没収!…なんでアタシのばっかやの…」
「ん?やぐっちゃん や なっち のもあるで」
「ほんま?見たい!ちょうだい!」
「「だめ〜!!」」
- 308 名前:Look for anything(stage2の戦利品) 投稿日:2002年06月23日(日)10時05分04秒
ちょっと女子高の教室のように大騒ぎなってる中、平家がさっきの鞄の底に何か張り付いているのに気がついた。
「これ、なんでっしゃろ?」
騒いでいたみんなも平家に注目する。
取り出したのは一枚の絵葉書。
「何か書いてある…」
『芸術の神から神託を受けよ』
「どういう意味?」
「この絵葉書の写真、『デルフォイの神殿』や…兎に角ここ行ってみよう」
一行の次の目標は『デルフォイの神殿』に定め、ギリシャに向かうのだった。
- 309 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月23日(日)17時11分10秒
- 途中、ちらっと出た仲間×中澤に異様に反応してしまいました。
もう一人の方もでてくるのでしょうか?
そして、「芸術の神」とはもしかして独特のタッチをもつあの方ですか!?
- 310 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年06月25日(火)22時18分31秒
- >>309 名無し読者 さま
レスありがとうございます。
「ごくせん」ネタは自分の頭の中で勝手に妄想してます。
さてさて、ご想像の通りになるかどうかわかりませんが
読んでください。。。。まったりと進行してきます。
- 311 名前:Look for anything(stage3に向かって) 投稿日:2002年06月25日(火)22時20分46秒
中澤裕子は酷く酔っていた。
酒を飲んでいたわけではない。
「裕ちゃん大丈夫?」
紺野(安倍)が心配そうに中澤の背中を摩りながら水を渡す。
「もう、ダメや…早く降ろして…」
「えっ無理だよ、裕ちゃんが『飛行機はもういやや』って言うからこっちにしたんだよ」
実際、中澤が「飛行機はもういいや。それに、ギリシャって言ったらエーゲ海クルージングや!」
って乙女チックに言ったのがこの船旅始まりだった。
何やカンやいっても皆、ロマンチストなのでその言葉に乗ったのだが…。
「こんなん、酒に酔ってる方がなんぼかましや…えーーい、平家さん、ワイン持ってきて…」
紺野(安倍)が渡した水のグラスを押しのけワインを煽る。
- 312 名前:Look for anything(stage3に向かって) 投稿日:2002年06月25日(火)22時24分12秒
「少しは落ち着きました?」
「有難う、みっちゃん。こっちの酔いの方がよっぽどええわ…
あっちゃんもなっちもお酒飲めんからつまらんって思っててん
今回、アンタも一緒に移動出来て嬉しいわ」
この客船にバーがあるので平家も一緒に移動でき、そして中澤の酒の相手が出来るのであった。
客と一緒に飲んでるバーテンダーっていうのは問題だが…
「みんな大変や!!」
お酒の弱い稲葉が酔いを醒ましにブリッジへ行っていたのだが声を荒げながら戻って来た。
「どうしたんだべ」
「ブリッジで老夫婦とちょっと世間話してたんや…そしたらそのご夫婦ギリシャに詳しくって、神託の話してくれたんや」
「今の時代に神託なんて無いってこととかか?」
「神託は今でも受けられるそうなんやけど…
有力者とか権威者とかある程度地位のある人やないとイカンみたいや」
「じゃ、うちらみたいな観光客はダメってことじゃん…」
一同の顔が暗くなる
- 313 名前:Look for anything(stage3に向かって) 投稿日:2002年06月25日(火)22時26分36秒
「みっちゃん、何か方法無いんか?」
平家はノートパソコンを取り出し、検索を始めた。
しばらく、沈黙で平家を見守る。
そして、顔の色がワントーン明るくなった平家が言った。
「競技会の優勝者は神託が受けられます!!」
「その競技会っていつやるん?」
「丁度よいことに、この船が着いた翌日です」
「よっしゃー!こうなったら競技会で優勝や」
- 314 名前:Look for anything(船室にて) 投稿日:2002年06月26日(水)15時42分45秒
次への希望がもてたことなので飯田(矢口)と紺野(安倍)を帰すことにした。
しかし、一度一緒に戻って懲りているふたりは約束通り一人ずつゲームから戻る事にした。
「やぐち、最近あんまり寝てないんでしょ?先に休憩とってイイべさ」
紺野(安倍)の無邪気な笑顔と気遣いに飯田(矢口)は感謝し先に仮眠を取るべくゲームから抜けた。
コンコン…
中澤の船室のドアが鳴った。
「誰や?」
「なっちだよ」
中澤はドアを開けながらビックリした表情で言う。
「アンタ帰ったんちゃうん?」
「うん…裕ちゃんが心配だから矢口と相談して交代で帰ることにしたんだべさ…」
「船酔い、もう大丈夫やよ…まっいいわ、中入りぃ」
「………(心配なのはそうじゃないんだけど…やぐちにはちょっと悪いかなぁ…この状況)」
- 315 名前:Look for anything(船室にて) 投稿日:2002年06月26日(水)15時44分28秒
中澤の部屋は1等船室で特等室には叶わないが小ぢんまりとしたシンプルな室内に
クイーンサイズとはいかないまでも充分な広さのベットとシャワー室が付いていた。
二人はベッドに腰掛けてゲームに囚われてからのことを話していた。
「裕ちゃん、私達がゲームから抜けるとどうなるの?」
「どうもならんよ。時が止まったようになるんや」
「どういうことだべ?」
「ゲームの進行が止まるんや…やから今回なっちが残ってくれたんは嬉しいかな、ほら、船は止まらんと動とる」
「そっか、よかったんだね…帰らなかったこと怒られるかと思った。」
「そんなことで怒らんよ…時間の節約になって褒めたいぐらいや」
「じゃ、ご褒美にキスして…」
- 316 名前:Look for anything(船室にて) 投稿日:2002年06月26日(水)15時46分17秒
「なに言うてるん?」
「だって、ゲームに入ってからキスしてもらってない!」
「や・だって・な…今はアンタ紺野やから…」
「この姿じゃダメなの…じゃ、電気消して、見えなければいいっしょ?」
そう言いながら部屋の電気を消し、紺野(安倍)から中澤にキスをする。
そして、そのままベッドに押し倒し中澤を抱きしめる。
が、次へ進もうとする紺野(安倍)の手を中澤はグッと掴んで動きを止めた。
「アカン…」
「どうしたの?」
「…腕が…身体が…唇が…なっちのこと覚えてるんや…やから、アンタはなっちとないって心が思ってまう」
「…………・…………」
「ごめんやで…」
「もういいよ…じゃぁさ、ゲームから戻れたら一番最初になっちを抱きしめて」
「わかった」
二人が再びベッドに座りなおしたの見ていたかのように平家と稲葉が部屋へ訪れ飲み会の二次会が始まったのだった
- 317 名前:Look for anything(stage3) 投稿日:2002年06月27日(木)23時18分58秒
飯田(矢口)が再びゲームに参戦した時には船は港に到着するところだった。
「なっち、遅くなってごめん…いまから休憩してきていいよ」
「いいよ、あと少しだべ…なっちは大丈夫だからこのままゲーム進行するべさ」
自分のことは棚に上げ だが、このまま休憩に入ると飯田(矢口)と中澤がいい感じになりそうな予感がする。
だから、離れたくないっていうのが紺野(安倍)の本音である。
- 318 名前:Look for anything(stage3) 投稿日:2002年06月27日(木)23時22分20秒
競技会会場の街は大勢の人で賑やっていた。
選手と思われるマッチョな大男とパトロン、観客、人手を目当てに集まった行商人などなどである。
いつもだったら小さい矢口が迷子にならないように手を繋いで歩く中澤だが今は自分の方がみんなから逸れそうである。
飯田(矢口)がいつものように手を出して中澤と手を繋ごうとしていると…
「裕ちゃん、こっち!」
と、紺野(安倍)が素早く中澤の腕をとって歩いていく。
飯田(矢口)の手は行き場を無くしてちょっと泳いでからキュッと握られた。
- 319 名前:Look for anything(stage3) 投稿日:2002年06月27日(木)23時24分18秒
- 気を取り直して飯田(矢口)は中澤に話し掛けた。
「ねえ、裕ちゃん。あんな人たちと戦うの?矢口自信ないよ…」
「あ゛ん?裕ちゃんかてあのマッチョな人たちの中で何かやる自信ないわ(w」
「えっ?違うの?」
「あっちは男性しか参加できんのや…矢口、男っていって出ていいで、そやけど競技者みんなオールヌードやで」
中澤がニタニタしながら続ける。
「うち等が狙うんは演芸部門や」
飯田(矢口)がポンと手を叩き納得って顔をした。こんなに反応のいい飯田は見たことが無い。
「で、なにやるの?」
「決まってるっしょ、あたし達 元々ハーモニーが売りのグループだったべさ」
「そうや、うち等の本領発揮してタイトル奪取や」
「じゃ、いつものやろう」
「うん」
「「「「「がんばって、いきまっしょい!!」」」」」
- 320 名前:Look for anything(stage3) 投稿日:2002年06月27日(木)23時25分53秒
コロシアムの方では見とれるぐらいイイ図体の男達が古代オリンピックの再現のように競い合っている。
覗きに行きたいのは山々だがオールヌードの競技は当然観客も男性のみの制限付きであったし、自分達は野外劇場のコンクールに参加しなければならなかったので耳に入る凄い歓声を受け流し、出し物を打合せするのだった。
――――
―――――――
- 321 名前:Look for anything(stage3) 投稿日:2002年06月27日(木)23時27分14秒
「エントリー1661、どうぞ」
司会に呼ばれ一同はステージに上がる。今までに無い緊張感で中澤と限らずみんな心臓が破けそうである。
そんな中、
中澤プロデュース、紺野(安倍)作詞、飯田(矢口)作曲、振り付け稲葉、
そして、メインボーカル平家、コーラス中澤・紺野(安倍)・飯田(矢口)・稲葉で新しい楽曲が発表された。
歌い終わると会場は水を打ったように静まりかえり、
『やっちゃったかな』と一同は不安げに顔を見合わせていると
今度は会場どころか世界が割れんばかりの歓声がと拍手が上がった。
結果発表を聞くまでも無く観客が決めた優勝者たちは月桂樹の冠をし、最終目的地『デルフォイの神殿』に向かうのだった
- 322 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月28日(金)15時32分29秒
- >こんなに反応のいい飯田は見たことが無い。
大爆笑!!!
お〜い、山田く〜ん。座布団3枚、持ってきてー!
- 323 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月01日(月)17時15分28秒
- >>322名無し読者さま
座布団ありがとうござます。
しかし、このあときっと「山田君、座布団全部もっていきなさい」って言われそう
更新します。
- 324 名前:Look for anything(終わりやろ…終わりちゃうん?) 投稿日:2002年07月01日(月)17時17分46秒
『デルフォイの神殿』に来てみるとギリシャ神話のアポロンのような格好をした男性の背中が見えた。
「よくここまで来てくれました。」
見覚えのある背格好、聞き覚えのある声。
しかし、喋り方、イントネーションが違う…
つんく♂さん?…
「アンタ…つんく♂さんと違ゃうやろ…誰や?」
「お気づきの通り僕はつんく♂氏ではありません。このシステムをつくった者です。」
「お前が裕ちゃん達を閉じ込めたんだ〈怒〉!どうしてこんな事したんだよ!!」
飯田(矢口)が男に詰め寄る。
- 325 名前:Look for anything(終わりやろ…終わりちゃうん?) 投稿日:2002年07月01日(月)17時21分06秒
「僕は…ただ…折角作ったゲームを誰かに体験して欲しかったんだ…もちろん、ゲームの問題点も理解してる。…考えに考えた結果、こうするのが一番だと思ったんだ…僕は本当にモーニング娘。もこのゲームも愛してるんだ…」
「じゃ、そのように言えばよかっただけだべさ」
「それじゃ、今回のように真剣にゲームをやってくれなかった!僕は本気でこのゲームを作ったんだ。だから
、ゲームする人も本気でやって欲しかった…中澤さん達を人質にとってというのは申し訳なかったけど中澤さんだったから安倍さんも矢口さんも必死になってくれたんだろ?」
確かにゲームに囚われたのが中澤だったからこそ二人は取るものも取らず、たかがゲームに必死に取り組んだ。
だからといってこのような行為を許すほど穏やかな人間ではない。
「理由があったにしてもアタシの裕ちゃんをひとりじめしてたじゃん!アンタのヤッタこと許せない!!」
- 326 名前:Look for anything(終わりやろ…終わりちゃうん?) 投稿日:2002年07月01日(月)17時23分02秒
二人がさらに怖い形相で詰め寄る。が、
その間に飯田(矢口)の『アタシの裕ちゃん』発言に気を良くした中澤が割って入る。
「まあ、まあ、それぐらいにしときぃ…後はお上にお任せや…アンタちゃんと責任取るともりやったんやろ?」
「はい、もちろんです。この後、このシステムを整理したら直ぐ自首します。」
その後、中澤は彼に何か耳打ちをした。
「ええっ?できますよ。でも、中澤さん、いいんですか?じゃそのようにしときます。」
「さて、後は戻る方法なんやけど…教えてくれるな」
「ええ、実はここまで来てくださった時点でもう開放される事になってたんです。後はゲームを普通に終了してください。そうすると、会社の方のシステムに戻ります。後は会社の人間が処理してくれるはずです。」
ゲームのラストに流れる曲はモーニング娘。の『ふるさと』であった。
その曲に、紺野(安倍)が無意識に口ずさむそれに中澤と飯田(矢口)がハモリをいれる。
紺野としては今までに聞いた事が無い大きさの声、不思議な雰囲気だが悪くないハーモニーに包まれながら
ゲームアウトしていった…
- 327 名前:Look for anything(終わりやろ…終わりちゃうん?) 投稿日:2002年07月01日(月)17時25分17秒
安倍がゲームを終了させると中澤と平家の入ったポットの脇にはもう矢口が陣取っていた。
慌てて二つのポットの間に陣取る安倍。オペレーターの人たちが忙しく作業している中、
程なく、作業完了のランプが点きポットの蓋が上がる。
プシュー
「裕ちゃん!!」矢口が素早く裕ちゃんに抱きつく。
「なっち!ただいまやで!」なっちは後ろから抱きつかれた。
????
矢口に抱きつかれた裕ちゃんは驚いた顔をして鳥肌を立てている。
(じゃ、なっちは誰に抱きつかれてるの???)
一同の顔は間抜けに?マーク。
「「アタシがおる?!これ鏡か?」」
「「ええーーっ!!」」
「「二人の中身入れ替わってるーー?!」」
この後、中澤と平家はスケジュールが詰まっていたため暫く中身が入れ替わったままお互いの仕事をこなし
数日間を過ごす羽目になったのだった。
了。
- 328 名前:Look for anything(番外編) 投稿日:2002年07月01日(月)17時26分49秒
ゲームから抜ける時中澤が製作者に耳打ちしたのは
「もう少しこのゲームで遊ばして、ついでにキャスト自分で設定したいんやけど…
それからアクセス該当者範囲ハローのOGを含めたメンバーに拡大しといてや」であった。
あまりゲームをしない中澤だが一度してみたかったこと…
- 329 名前:Look for anything(番外編) 投稿日:2002年07月01日(月)17時28分02秒
- 『ゲームを始めます』
『キャストを設定してください』
『「情報屋」を次の中から選んでください…安倍・稲葉・中澤・平家・矢口』
キャラの設定はゲームをやった事のある者しかデータが無いので選択の幅が狭い。
中澤はゲームでの自分の設定がどのように扱われているか気になっていた。
「そやね…『酒場のおっさん』やろ…自分でええわ、じゃ、中澤で」
『「ナビゲーター」を次の中から選んでください…安倍・稲葉・平家・矢口』
「一緒に旅するんやったら、やっぱ平家さんが一番や!平家さんで」
『「探索者」の貴方は前の二人を除いた歴代ハロープロジェクトのメンバーの中から一人を選んでゲームに参加してください。誰にしますか?』
「もちろん!ごっつぁんや、後藤真希で」
一度なってみたかった夢の巨乳。中澤は後藤になることで実現した。
- 330 名前:Look for anything(番外編) 投稿日:2002年07月01日(月)17時30分39秒
最初の酒場で遊んでいると矢口が入ってきた。
おっ!オレの矢口やん!vvvv(抱)…・・???何か変???
「…うわっ!後藤なにすんの?そんな力いっぱい抱きしめられたら圭織壊れっしょ!」
「なんや、圭織か…びっくりしたやないの…リアクション違ゃうから矢口に嫌われたんかと心配したがな…」
「裕ちゃん?裕ちゃんなの?どうして後藤になってるの?」
「い・いや・な、それは、その…ええやん別にゲームなんやから誰になっても!!」
後藤(中澤)が逆ギレをするがその容貌ではイマイチ迫力に欠ける。
「圭織!圭織こそなんで矢口なん?!」
「矢口の低い目線はどんな世界なんだろうって思ってて…いつも人を見上げて話すのって、どんな感じなんだろうって」
「それ、建て前やろ、ホンマは?」
「…………………………………」
- 331 名前:Look for anything(番外編) 投稿日:2002年07月01日(月)17時33分07秒
矢口になって裕ちゃんに溺愛されたかったから…
裕ちゃんは抱きしめたり手を繋いで歩いたり、
体の小さい子には簡単にするのに私には中々してくれなくて
コンサートとかでやっと出待ちが一緒になったのに
「矢口と交替してや」
なんて言われたときなんて
ホント泣きそうになったんだから…
もうずっと前から矢口に嫉妬してたなんて
そんなの本人を目の前にして言えるわけないっしょ
でも、本人がゲームやってるのに『情報屋』が裕ちゃんなの?
こんなんじゃバーチャル裕ちゃんにも甘えられないし、
本物の裕ちゃんも後藤の姿じゃなぁ…・
- 332 名前:Look for anything(番外編) 投稿日:2002年07月01日(月)17時36分02秒
「なんや、矢口になっても交信するんやな…」
「裕ちゃん、裕ちゃんはやっぱ裕子の姿がいいよ…」
「聞いたことの答えになってへんで…
まっ、圭織の言うとおりやな。圭織も圭織の姿が一番似合ってるで…
アタシは圭織が圭織らしくあるのが好きやで…」
「そうだね、じゃ、圭織戻って出直してくるから裕ちゃんも…ねv」
「ああ、じゃまたな」
――――――
でも、やっぱり中澤に溺愛されたいメンバーは隠れて『ナビゲーター』を中澤に設定し、自分は矢口でゲームをするのであった。
了。
- 333 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月02日(火)23時50分09秒
- 作者さんお疲れさま!
やってみたいなー。このゲーム。
自分だったら裕ちゃんになって
tsunagiでコントをやってみたいな。
次回作も楽しみにしています。
- 334 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月03日(水)16時37分51秒
- >>333 名無し読者さま
感想ありがとうござます。
>次回作も楽しみにしています。
ありがとうございます、がゴメンナサイ新作はまだです。
もう一本番外編で。
途中内容が本編から外れてしまったため省略した部分をUPします。
まっ「ごくせん」最終回記念ってことで・・・
- 335 名前:Look for anything(番外編2) 投稿日:2002年07月03日(水)16時40分34秒
コンコン
平家とホテルの部屋で飲んどるとホテルのボーイが伝言を持ってきよった。
「お寛ぎのところ申し訳ありません。が、当ホテルのオーナーが是非お会いしたいと申しております。」
少し考えん訳や無いけど、お金持ちと知り合いになっておくんは結構美味しい。
「じゃ、参ります」
ホテルのボーイついていくとそこはホテルの最上階、プライベートルーム。
階下のスィートルームより広いスペース、良い眺め、夜景を見てるだけでもクラクラと酔ってしまいそうや…
部屋の主はカジノで壷振りをしていた女性でさっきまでの任侠っぽさはなくなって今は有能実業家女社長という容貌でそれはそれで魅力的。
- 336 名前:Look for anything(番外編2) 投稿日:2002年07月03日(水)16時42分21秒
「山口久美子です。どうぞ、お掛けください。」
ソファーの座り心地も格段上で何だか落ち着かん…落ち着かんのは居心地の所為だけやない。
彼女の視線が突き刺さるようや…心臓の動きが段々上がってくる。
アタシは何でここに居るんやろう…
「中澤さんですね…唐突ですが川嶋菊乃という名前に覚えはありませんか?」
川嶋菊乃は自分や…いや、違うあれはドラマの中だけの話…川嶋菊乃はヤンクミに惹かれとった…たぶん
少なくとも、アタシはそのつもりで彼女になってたんや…ドラマの中ではアタシもヤンクミに惹かれとった?
ある意味、川嶋菊乃はアタシや…とも言えるし、架空の人物でどこにもおらんとも…
アタシは多分酔ってる…酔ってるからこんなこと言うんや…
「ある意味、川嶋菊乃は私です。」
そう、答えてからアタシは中澤やなく川嶋になっとった…
- 337 名前:Look for anything(番外編2) 投稿日:2002年07月03日(水)16時44分41秒
アタシがここに呼ばれた理由…そんなん彼女が山口久美子でアタシが川嶋菊乃やったら一つしかない…
お互いの気持ちを確かめ合う事…それも、もう訊かなくてもわかる…
潤んだ瞳、ちょっと情けなさそうな表情、きっと自分も同じ顔をしているんや。
魂なんてものがあるんやったらそこからの声
ずっと…会いたかった…ずっと…待っていた…
どちらが近寄ったなんてわからん
気がついたら目の前に唇があったからそれを重ねた。
そうするのが当然やったから抱きしめた。
二人の間の不自然なものを全て取り除いて重なり合った。
もう体が分かれとること事態不自然で出来る限り二人の体が一体になるように絡めあった。
離れられん。心が一つになる。
川嶋菊乃は山口久美子に、山口久美子は川嶋菊乃になる。
- 338 名前:Look for anything(番外編2) 投稿日:2002年07月03日(水)16時46分46秒
気がつくとホテルの廊下にいた。
アタシは中澤裕子に戻っとった。
さっきまでのことは何やったんやろ…
アタシの中にあんな感情があるんやろか?
それは仲間さんへの気持ちやろか?
彼女に会えばきっとハッキリする
このアタシの中に芽生えた感情が。
了。
- 339 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月06日(土)14時11分07秒
- 「ごくせん」最終回、泣きました。
仲間×中澤?ヤンクミ×菊乃?あの時、何が起きているのか非常にきになっていたのですが、白日夢のような不思議なお話でした
「ごくせん」よありがとう
作者様ありがとう
- 340 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月10日(水)15時20分46秒
- >>339 名無し読者さま
レスありがとうございます。
次は時代劇をやりたくて書こうとしたんだけど
古典苦手だし・・・へん です。でもやる。
タイトル「戯言」・・・作者の戯言ですわ
- 341 名前:戯言 投稿日:2002年07月10日(水)15時22分17秒
今は百鬼夜行が蠢く平安の時代。
そんな事とは無縁の生活をしている一人の裕福な貴族の話である。
中澤裕公は
仕事は有能、容姿端麗、会話のセンスも抜群、帝の一番のお気に入りの公達である。
その中澤の五条の本宅で二人の小柄な女性が話していた。
「ねえ、なっち…なっちと裕ちゃんどうやって一緒になったの?」
「え〜とねぇ、ばば様のとこでかくれんぼしてたべさ…
そんとき裕ちゃん通りかかってそのままお持ちかえりされたべさ」
「なんだぁ!それって犯罪じゃん!」
「うん、今 思うとそうなんだけど…なっち、裕ちゃんに一目惚れだったから別にいいべさ」
「五歳の時に一目惚れ?ませてたね」
- 342 名前:戯言 投稿日:2002年07月10日(水)15時24分56秒
少し、訛って喋る彼女は中澤の最初の奥さん、安倍なつみである。
中澤は一時期病気療養のため別荘暮らしをしていた田舎で
両親に先立たれ寂れた屋敷でひっそりと暮らす五歳の少女、なつみを見かけた。
その面影が叶わなかった初恋のその人にそっくりで少々強引に連れ帰り
源氏の君が紫の上を育てたように、幼い彼女を自分好みに育てたのである。
だから、中澤との関係はかれこれ15年…今では中澤のことを一番理解し一番身近にいるのが安倍である。
中澤の方も安倍には絶大の信頼を寄せて遥かに年下の彼女に子供のように甘えている。
- 343 名前:戯言 投稿日:2002年07月10日(水)15時26分11秒
「初めて会った時の裕ちゃん、とってもカッコよかったんだもん…ちょっと怖かったけど綺麗だった」
「なっちは昔の裕ちゃんの方がいいんだ。矢口は昔の裕ちゃんより今の裕ちゃんが好き!」
「なっちだってそうだべ!毎日毎日、昨日より今日の裕ちゃんがもっと好きになってるべさ!」
そう…中澤は一見キツそうにみえる外見とは裏腹に小心者で宮中で舞いを舞う時も歌を詠む時も実はブルブル震える位へタレなのに、やるべき事はちゃんとこなしてしまう不思議な人なのである。
そんなアンバランスな魅力に二人とも、捕らえられ、毎日毎日、『好き』という気持ちがどんどん好き大きくなる。
- 344 名前:戯言 投稿日:2002年07月10日(水)15時27分56秒
安倍と話している闊達な彼女は中澤の正室、現左大臣 矢口の一姫、真里である。
彼女は裕福な家庭に育った所為かあまり考え込むことはせず、しかし、大変明るくポジティブな
今が大事の流行最先端を追う今風の女性で何故か一人称が『矢口』であった。
矢口が初めて中澤を見たのは安倍と殆ど変わらない。
中澤は帝のお気に入りで行事ごとに何かと踊りをせがまれ舞いを舞う。
その姿を御簾の影から見ていたのである。
中澤の舞姿は蝶か天人のように軽やかで輝くばかりで、
そんな姿に見とれている姫君は自分だけでないことは充分承知していた。
月日は流れ
矢口の父、現左大臣が自分の娘が年頃になり、将来有望な公達を…というのは当然のこと。
中澤も候補の一人であったが寵愛している安倍のことは宮中では有名な話で
候補者としては後ろの方であった。
- 345 名前:戯言 投稿日:2002年07月10日(水)15時51分53秒
- 左大臣はこの時代には珍しい人で娘の意見に耳を傾ける事が多く
今回も本人のことだからと普通はしない娘の意志も訊いてみる事にした。
「真里、お前は誰か好きな人はいるのか?」
「いるよ」
元来のストレートな性格からあっさり答えた真里にビックリするのは左大臣の方で
「何処の輩じゃ?!〈怒〉わしの大事な娘を傷モンにしたのは!!」
「お父様、落ち着いて。矢口の片思いだから 矢口まだ傷モンじゃないから」
真里の言葉になんとか落ち着きを取り戻す左大臣。
「はぁはぁ…ところで誰なんだ…お前の好きな相手って。」
「矢口の好きな人は、五条の中澤様」
「………… 中澤か…悪くはない、身分も将来性も… だけど… 彼には彼女がいるぞ」
「知ってる。でも、正室じゃないじゃん。矢口きっと中澤様の一番になれるよ!」
- 346 名前:戯言 投稿日:2002年07月10日(水)15時53分38秒
左大臣は娘の意思を尊重する事にした。
何てったって娘にはうしろに左大臣家がついている。
中澤とてバカでは無いそれなりに対応する筈である。
左大臣の心配は杞憂に終わった。
今では中澤は矢口にベタ惚れでお付の者たちもあきれるくらいのいい関係なのである。
しかし、当代きっての人気者、中澤を周りの女達が放っておく訳も無く時折成り行きから
中澤は矢口・安倍この二人の奥さんに骨抜きの癖に度々浮気をするのだった。
「ねえ…また…裕ちゃん、なんか最近、変でないかい?」
「えっ?矢口分からないよ…」
「なんかね…裕ちゃんが彩っぺと付き合いだした頃と似ているべさ…」
「それって、また他に彼女がいるってこと?」
「たぶん…」
裕ちゃんの事ならなんでも知っている安倍が言うのだ
間違いなく他に誰かいる。
- 347 名前:戯言 投稿日:2002年07月10日(水)15時54分51秒
「いくら愛されてる実感があるっていっても…ねぇ…」
「ねぇ、限界があるっしょ!」
「「ここは何かお仕置きを考えないと」」
声が被り、二人はニカッと笑う。
中澤を挟んでライバルになる筈の二人だが妙に気が合って親友で同志なのである。
今回も中澤の「改心」を期待し二人で企てを考えるのだった。
- 348 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月10日(水)21時39分11秒
- おお!またもや楽しそうな新作!
裕公の浮気相手は誰なのか・・・気になる〜
- 349 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月11日(木)01時49分30秒
- 改身キター(w
お仕置き・お仕置き(w
へタレ最高。
- 350 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月13日(土)03時27分21秒
- 裕公…ナイスネーミング(w
なっちは某陰陽師とゆかりは…ないか(w
- 351 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月15日(月)00時39分13秒
- >>348 名無し読者さま
楽しくなるかどうか・・・ホントに作者の戯言ですから(w
浮気相手は誰なのか・・・決めてませんって。。
困るだろ早よ決めれ!ってな感じです。
>>349 名無し読者さま
言葉遊びに反応して頂き有難うございます。
お仕置きたぶん大した事無いです。今のうちに謝っとこ。ごめんなさい。
>>350 名無し読者さま
レスありがとうございます。
>裕公…ナイスネーミング(w
ライブで「ゆうこう〜」って叫びません?(w
だらだら更新。
- 352 名前:戯言 投稿日:2002年07月15日(月)00時40分31秒
- 二人がああでもない
こうでもないと考えを廻らせている所へ
中澤の悪友でライバル、矢口家の嫡男、通称「平家のみっちゃん」が庭から回ってやってきた。
「真里っぺ、裕ちゃん居らへんの?」
「みっちゃん、どうしたべさ?今日は出仕の日だべ?」
「兄様!兄様がここにいらっしゃるってことは…今日は出仕じゃないんじゃん!」
みっちゃんは『しっまった』という顔をして、なんとか誤魔化そうとオタオタしているが
無駄な努力で、もう心で簡単に『ごめんなさい』と中澤に謝って
二人に中澤の秘密を暴露する体制になっていた。
「みっちゃん、何か知ってんだべ?」
「……………」
「兄様、何も怖い事にはならないからおっしゃって」
綺麗な言葉づかいになっている妹ほど怖いものはないと思うみっちゃんであった。
- 353 名前:戯言 投稿日:2002年07月15日(月)02時01分42秒
「…あんな、裕ちゃんかていろいろ事情があるんやで…」
(一応、親友やからな弁護しといたらんと…)
(けど、裕ちゃんにはいつも負けてばっかやから久々に困った顔みたいなぁ)
「知ってたら教えてほしいべさ…」
「なっちとは長い付き合いやし、いろいろ世話になってるから今回だけな…
あんな、中澤さん福知山の別荘に『東京美人』を囲ってますんや」
安倍と矢口が何か言いたそうだが口をパクパクするだけで言葉が出ない。
みっちゃんが話を続けようとしていると
侍女の小川が慌てて庭から駆け込んできた。
「あ・安倍さま、矢口さま大変です!!はぁはぁ…」
「小川、落ち着いて。どうしたんだべさ」
「辻太郎さまと加護太郎さまが…」
- 354 名前:戯言 投稿日:2002年07月15日(月)02時02分58秒
辻太郎とは中澤の第一子、安倍の一人息子で、
加護太郎とは中澤の嫡男、矢口の一人息子である。
この二人は異母兄弟であるが歳も近いせいか大変仲がよく何をするのも一緒で
親の安倍も矢口も二人を分け隔てなく可愛がり躾けていた。
しかし、二人は親の躾けを上回るヤンチャ小僧で毎日何かしら仕出かしてくれるのであった。
この状況では中澤の事はひとまずお預けである。
「辻と加護がどうしたの?!」
小川は息を整えているのでみっちゃんが口を挟む。
「ああ、そう言えば辻と加護、池のとこで何かしよったよ」
二人の事が心配になった安倍と矢口は縁側から飛び降り庭の池に走って向かった。
「かごちゃん、つじはおなかがすいたのれす」
「待っとりぃ、加護がこの鯉を捕まえて焼き魚にしたる」
「ほんとに、まるまるしておいしそうなのれす」
- 355 名前:戯言 投稿日:2002年07月15日(月)02時04分19秒
- 鯉は鑑賞用に屋敷で大事に飼われていて
今のお金に換算すると数千万はしそうなりっぱな錦鯉なのだ。
二人は池でずぶ濡れになりながら鯉を捕まえるのだった。
「辻!かご!何してるの!!〈怒〉」
「「やぐっちゃんだ!!やばっ!」」
加護がすかさず捕まえた鯉を背中の後ろに隠す。
遅れてきた安倍が、
「プッ、加護、後ろに隠してもダメだべさ。背中からはみ出してるべさ」
と言い、優しく笑う。
矢口は『まったくもう』って顔をしながらケガもない二人にホッとする。
一通り説教を聞くと、いつも一時だけ大人しい子供たち。
誰に似たんだ全く…
何て考えるが、ああ、「愛しいあの人」にソックリじゃんなんて思ってしまう。
- 356 名前:戯言 投稿日:2002年07月15日(月)02時05分33秒
説教された事も忘れたように、また池で水遊びをしている子供たちを眺めながら矢口が言う。
「子供達の、『咽元過ぎれば』ってとこ、裕ちゃんに似てるよね…」
「えっ?」
「彩っぺの時、東国にまで反省の旅したのに…また…」
「…大丈夫だべ、彩っぺの時みたいに大事にならないうちに釘さしとくべ」
「兄様も協力してよ」
「もちろん、こんなオモロそうな事、ウチが仕切ったる」
みっちゃんはやる気満々である。
- 357 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月15日(月)02時29分54秒
- もうなんかとにかくスキです。
まったりツナギ&みっちゃん(w
- 358 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月15日(月)20時50分59秒
- 平家さん…、返り討ちに遭わないことを祈ってます(笑)
- 359 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月17日(水)21時32分27秒
- >>357さま
tsunagiとみっちゃん、作者の二推しです。
>>358さま
平家さんの活躍はもうちょいお待ちください。
だらだら書いてると登場人物が増えていく・・・(鬱
今回は中澤さんサイドの話、更新します。
- 360 名前:戯言 投稿日:2002年07月17日(水)21時34分38秒
ここは福知山の中澤の別荘。
中澤は縁側に腰掛け天を仰ぐ。そこには真昼の月が出ていた。
あん時も月が出てたなあ…
数年前、辻が生まれたばかりで矢口も加護を身ごもってて
二人の奥さんは中澤の恋人ではなく子供達の母親であった。
中澤も育児に追われる二人に頭では理解しているが身体がそうはいかない。
男には男の性というものがある。
宿直の日、もやもや気分で夜の警護の途中、御所の中庭で月を見ていると後ろから声を掛けられた。
「裕ちゃん…」
振り返ると渡り廊下に十二単とは言いがたい超ミニの着物の重ね着を着た彩がいた。
- 361 名前:戯言 投稿日:2002年07月17日(水)21時38分53秒
「な・何着とるんや?!自分!」
「だって、『紳士はミニがお好き!』っしょ?」
彩は中澤の幼馴染で昔っから突然、突拍子の無い事をしては回りの度肝を抜いていた。
何をするか分からない…そういうとこが彩の魅力でその虜になった男は数知れないが
帝もそんな彩が気に入ったのだろう、近々入内するという噂である。
二人は渡廊下に腰掛、久しぶりに幼馴染に戻って月を眺めながら話をする。
「よく似合ってるけど…帝がその格好は好まんのとちゃう?」
「ああ、つまらないねぇ…この位の冒険したっていいっしょ…折角、尚侍として出仕出来たのに仕事あんまりくれなくてさぁ…」
「なんや、彩っぺはキャリア志向やったっけ?入内するんとちゃうの?」
- 362 名前:戯言 投稿日:2002年07月17日(水)21時40分20秒
彩は急にブルーなる。
しまった…地雷踏んだみたいや…入内、悩んでたんや…
そやから、いつも以上に陽気に振舞っていたんや…どうしよう…泣かんといてや…
気がついたら彩を抱きしめてた。
「どうして、抱きしめるの?」
「なんでかなぁ…わからへん…」
泣きそうな瞳にキスしてた。
「なぜ…キスするの?」
「たぶん…そうしたいからや…」
月が異様に明るかった。
- 363 名前:戯言 投稿日:2002年07月17日(水)21時41分59秒
何があった訳ではないが
それから、宿直の度に彩が会いにきた。
他愛のない話をして月を眺めて一時を過ごす。
ただそれだけてある。
そんなことを続けていると有りもしない話が流れ出す。
―――― 中澤が帝の女に手を出した ――――
- 364 名前:戯言 投稿日:2002年07月17日(水)21時44分02秒
事実困った。
帝は入内を渋ってた彩を説得してくれていたのだと、
中澤への信頼は変わらず噂で傷つくのを心配してくださった。
きっと、彩にも迷惑が掛かってる。
そう思うと何かしないではいられなかった。
自分が都から居なくなることで噂が収束するのではと考え、
無位無官で辺境の地で出直すことにした。
一人になって余計なものを全て削ぎ落としてしまうと見えてくる…本当に大切な者たちのこと…
噂の誤解は彩が石黒の女御として入内したことで解消された。
結局彩っぺに助けられたんやな…
あの件があったから今この子がここにいるんやな…
- 365 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月19日(金)01時18分32秒
- 彩裕ですか〜。
何気に大人カップル大好きでした。昔は結構王道だったのに
今やマイナーCP一直線〜。(w
- 366 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月20日(土)08時21分07秒
- >>365 名無し読者さま
そう、『あやゆう』です。
彩裕、マイナーだけど好きなんで・・・でも『あやゆう』です。
更新します。
- 367 名前:戯言 投稿日:2002年07月20日(土)08時22分15秒
「中澤さ〜ん。。。」
「なんや、もう終わったんか?」
駆け寄った少女は中澤の首に抱きつくとホッペにチュッとキスをする。
可愛えぇなぁ…
「中澤さん、松浦はですね、歌が好きです。」
「ええことや、和歌は宮中では教養の一つやからちゃんと勉強するんやで」
「中澤さん、今度、松浦とコラボレーションしましょう!」
「和歌のコラボってどないするんや…アンタの言う事分からんわ!」
- 368 名前:戯言 投稿日:2002年07月20日(土)08時24分03秒
この明るく物怖じしない少女は中澤が東国に蟄居している時世話になった稲葉家の奥方、貴子の実妹
松浦の亜弥である。
貴子は中澤の乳兄弟で今は東国の受領、稲葉家の奥方である。
無位無官で東国のド田舎まで流れてきた彼が不憫で親身に世話をした。
その時紹介されたのが妹の亜弥である。
貴子と亜弥の母、中澤の乳母は亜弥を生むと直ぐに亡くなった。
父親の方も流行り病であっけなく逝ってしまった。
それからは貴子が亜弥の親代わりとして嫁ぎ先まで連れて面倒をみていた。
最初、『あや』って聞いた時、胸がズキンと痛んだんや…
でも、会ってみて印象が全然違うやん
彩が怪しく輝く月やとすると亜弥はピーカンの太陽や…
こうなると『あや』って名前に運命を感じとる
けど『あや』は彩っぺだけや、松浦を『あや』と呼べへんなぁ
- 369 名前:戯言 投稿日:2002年07月20日(土)08時25分46秒
「で、アヤカ、どないやの、松浦の勉強の進み具合は?」
「順調ですよ、中澤さん。もう、殆ど何処へ出ても大丈夫かと…」
アヤカは松浦に一般教養を教えている。
松浦は東国のド田舎で育ったせいか久しぶりに会った時はそれこそ元気な田舎娘で東国訛りの喋りに
中澤は微笑んだのだが松浦を入内させるつもりなのでそれなりの教育をしなければならなかった。
入内は、貴子の意思であった。
『なぁ裕ちゃん、アヤヤを都に連れてってくれへん?』
『何でや、あっちゃんめっちゃ可愛がってるやん…手放してえぇの?』
『アヤヤが可愛くて、つい、こんな田舎まで連れて来たんやけど、こんな鄙びたとこではいろんなチャンスも通り過ぎるやん…あの子の容姿なら後宮に上がることも夢やないと思うやけど…身分的には難しいかも…そやから、裕ちゃん、あの子の親になって欲しいんや…この子が幸せになる手伝いしたって…』
有力貴族が帝との繋がりを密にするため自分の娘を後宮に上げることはよくあることである。
娘のいないものは養女を設けてそのようにする。所謂、結婚も政治の一環である。
- 370 名前:戯言 投稿日:2002年07月20日(土)08時27分08秒
あっちゃんも世間一般のひとと同じやなぁ…そんなんでこの幼い子が幸せになれるんやろか?
彩に『幸せですか?』って訊いてみたい…
でも、いまは幼すぎるやん…まだ肉親とおったほうが幸せとちゃうん?…
『あっちやんの気持ちは分かった…もう少しこの子が大きくなってからでいいやん、そんときちゃんと面倒みたるから』
『わかった…帝がだめだったときは裕ちゃんが面倒みてやってね』
数年前に交わされた約束である。
- 371 名前:戯言 投稿日:2002年07月20日(土)08時28分41秒
松浦の後見として東国から出てきたばかりの田舎娘を直ぐ世間にお披露目するには本人にとっても可愛そうだ。
都人はけっこう辛らつで嫌味である。この純粋な娘を傷つけたくない。
この福知山で隠れて教養を身につけてるにはそんな訳があった。
アヤカの言ったとおり、物腰も言葉づかいも優雅になった。
まずは五条の館に連れていってみるかな…
なっちや矢口たちに紹介せぇへんとなぁ…
特に矢口にはウチと一緒に親になってもらわんとあかんからな…
矢口家の口添えもあると後宮に入れ易いしなぁ
でも、帝は彩が後宮に上がってから妃をとってへん
…やっぱ彩っぺ一筋なんかなぁ…
そんなとこに松浦をやっていいんやろか…
松浦の明るさは人を惹きつける、帝もひょっとして靡くかもしれんけど
そうなった時は彩っぺがなぁ…彩っぺも松浦も二人とも幸せでいて欲しい…
- 372 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月20日(土)10時22分42秒
- 姐さんはもちろん・・・あやや大好きです。
あやや彩裕なんてマニアック?過ぎてみたことないけど・・・個人的にはめちゃくちゃツボにホームランです。
今後どんな展開になるのか気になりまくり(W
怖い奥方達もいるし(W
奥方達のお仕置きも楽しみ〜。
- 373 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月22日(月)01時20分02秒
- >>372 名無し読者さま
>奥方達のお仕置きも楽しみ〜。
あまり、期待しないで下さいね。
作者の思いに関係なくキャラが勝手に動いてます。・・・(困
こんなに長い話にする筈じゃなかったのに
容量足りるか心配・・・
兎に角、更新。
- 374 名前:戯言 投稿日:2002年07月22日(月)01時22分37秒
五条の本宅では平家のみっちゃんがなっちや矢口を前に何か楽しそうに密談している。
「実はな、此間の蹴鞠の世界選手権大会で超かわいい子と知りあってん」
「兄様、それと裕ちゃんへのお仕置きとどう関係するのさ?」
「まぁ、落ち着いて聞いてや。その子、綾小路文麿っていうてな女の子みたいに可愛いんよ。
彼にちょっと手伝ってもらって裕ちゃん引っ掛けようや…文麿に女装してもらうんや
で、文麿に裕ちゃんが言い寄ってる現場をこの平家のみっちゃんが押さえて
『裕ちゃんとうとう男にまで手ぇだしてはる、節操おまへんな』って言ってやるんや
裕ちゃん凹むで。絶対改心するって。じゃ任せてな」
みっちゃんは自分の計画に酔いしれ嬉々として帰っていった。
矢口は何かちょっと引っ掛かったが直ぐに忘れてしまった。
- 375 名前:戯言 投稿日:2002年07月22日(月)01時24分22秒
翌日の夕方、侍従の大谷が先触れで安倍と矢口の前に来ていた。
「旦那様、もうすぐ着きます」
大谷は安倍と矢口が不機嫌なのに少々タジロギながら言葉を続ける。
「ちょっと、可愛い来客があります。お二方も準備して置いてください。」
安倍と矢口は青ざめた顔を見合す。
とうとう、例の裕ちゃんの浮気の相手が乗り込んできて直接対決になるんだ…
大谷の様子からそいつは裕ちゃんの側近に気に入られているみたいじゃん…
私等の立場が危ういかも…
安倍も矢口も自分の部屋へ戻りそれぞれ準備を始める。
矢口は本妻の意地にかけて入念に化粧をし、中澤が好みそうな新作の着物に袖を通す。
安倍は自分の準備はそこそこに侍女たちと一緒に館に乱れがないかチェックして回る。
- 376 名前:戯言 投稿日:2002年07月22日(月)01時26分09秒
二人は完璧な臨戦態勢と整えると、中澤を誑かした妖艶でしたたかな娘を息を潜めて待っている。
すると、中澤が何事も無かったように能天気に帰ってきた。
「なっち〜vvただいまやで〜」
といつもの様に中澤はホッペにチュッとキスをするが二人の奥さんの冷たい表情に気がつかない。
しかし、
「やぐちぃ〜vv会いたかったでぇ〜」
と抱きつこうとした時、矢口が強張りスーッと安倍の方へ逃れた。
「なんや??二人ともおかしいで?」
「―――…… 裕ちゃん、何か言う事ない…」
???
「言ってくれんと分からへんやん…」
「まったくもぅ…誰か連れて来たんでしょ?」
「なんや、突然お客さん 連れて来たん怒ってるんか?大丈夫やてそんなん気にする客やないから
それに、これからは家族になるんやから…」
- 377 名前:戯言 投稿日:2002年07月22日(月)01時27分09秒
何気にすごいことを聞いた気がした安倍は言葉を失う。
家族になるって…じゃ、もう裕ちゃんの奥さんになったの?…
矢口は怒りで中澤の言葉は入ってこない。
「裕ちゃん、もういいからはやく連れてこいよ!!」
「矢口、口が悪うなってんでぇ…左大臣の箱入り娘やったのになぁ(笑)」
こんな矢口にいったい誰がしたんだよ!!全部 裕ちゃんの所為だろうが!!
鬱になって黙り込む安倍と怒りで言葉もでない矢口の前に
『桃色片思い』をBGMにってそんな訳無いが、そんな雰囲気で松浦がやってきた。
へっ?!
- 378 名前:戯言 投稿日:2002年07月22日(月)01時28分06秒
矢口と安倍が想像していた妖艶な女性もしたたかな娘もそこにはいなかった。
「松浦亜弥で〜す。よろしくお願いしま〜す。」
「前に話した あっちゃんの妹や」
東国での話を聞いて、もちろん、中澤の都合の悪い話はカットされての事だが事情を知っている二人。
暗かった安倍の顔が明るくなり、怒りで熱かった矢口の頭もクールダウンその熱はそのまま頬に降りてきた。
かっわいい!!それにまだ子供じゃん!
「裕ちゃんな、松浦を養女にしようと思ってるんや。二人にも親代わりとして色々面倒みてもらいたいんや」
うんうんvvいいよvv浮気じゃなかったんだ…矢口はもう、なんでもOKさ!
- 379 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月22日(月)21時51分13秒
- もう最高〜♪
作者さん大ファンです。
面白すぎです。
- 380 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月24日(水)01時02分26秒
- >>379 名無しさん様
こんな駄文書きにファンが・・・嬉しいです。
有難うございます。
さらに、だらだら書いてしまった終わらない・・・(鬱
更新します。
- 381 名前:戯言 投稿日:2002年07月24日(水)01時03分32秒
安倍の気分も明るくなったが全てを納得したわけではなかった。
なぜ、今まで松浦を預かってること黙ってたんだろ…あたし達の間には隠しごとは無い筈…
裕ちゃんの心は裕ちゃんよりなっちの方が解かってるぐらいだもの…
裕ちゃんは第一印象で人を判断したくないと言いながら初対面の時にもう恋愛対象か判断するってこと
自分で気付いてないのかな…そして、たぶん松浦は恋愛対象に入ってる…
裕ちゃん、気付いてないならなっちが今のうちに…
彩っぺの時はなっちが幼すぎて気がつかなかった…間に合わなかった…今でも苦しいよね…
その苦しさなっちが半分もってあげるから…ずっと、なっちの側にいて…
- 382 名前:戯言 投稿日:2002年07月24日(水)01時04分35秒
なっちが黙って中澤の顔を見ている間に矢口と松浦はすっかり仲良くなっていた。
「ねえ、裕ちゃん、松浦さぁ矢口の養女にしても良い?」
「ええんか?そうしてもらえると入内の話持っていき易い。頼むわ」
「じゃ、今日から矢口の娘ね。今日は矢口と一緒に寝よう!」
「お〜い!!加護太郎はどないするんや、自分の息子やろ!」
「いいよ、裕ちゃん。なっちのとこで辻と一緒に寝かせるから…」
「しゃーないなぁ…裕ちゃんも今日はなっちのとこ、なvv」
矢口は早速、松浦の手を引いて自分の居住、東の対へ連れて行く
- 383 名前:戯言 投稿日:2002年07月24日(水)01時07分06秒
安倍居住の西の対では一家団欒と言っていい光景である。
中澤の膝の上には辻太郎がデンと乗って今日遊んだことを話している。
それを安倍に擦り寄るように座って羨ましそうに見ている加護太郎。
「加護、ホントは辻みたいに甘えたいんだべ?」
安倍は加護にこっそり聞く。
加護はうぅぅぅと唸っただけで袖の後ろに隠れてしまう。
一通り辻の話を聞いてやった中澤は少しイジケモードに入った加護に声を掛ける。
「加護、何してるん?なっちに抱きついてえぇのは裕ちゃんだけやで。。。そんなとこ居らんとこっちお出で」
辻を脇に下ろし、加護を抱きかかえる。
「加護、そんなへタレやったら好きな子できた時、困るで〜」
と優しく微笑む。加護はばつが悪そうに俯くが中澤に構ってもらって嬉しいのがハッキリわかる。
「よっしゃ!今日は裕ちゃんが御伽噺して寝かしてやるで〜」
といって加護を片手で抱え、辻の手を引いて立ち上がった。
擦れ違い様に中澤は「なっちには夜伽噺なvv」と耳打ちをし、
なっちが真っ赤になるのを確認して嬉しそうに子供部屋へ向かう。
- 384 名前:戯言 投稿日:2002年07月25日(木)21時53分31秒
- 翌日、今日こそは本当に中澤は出仕する。
「あっ!なっち、今日は帰らんよ。宿直やから」
「えっ?もう、宿直しなくよくなったって言ってたべさ…宿直は若いモンの仕事やからって…」
「裕ちゃんもまだ若いってことや。じゃなくて、帝が個人的に話があるんやて…何かしたかな…」
「わかった…気をつけてね…」
「なっち、松浦のこと頼むな…」
「辻、加護、お父様の留守中は男の子の君らがお母さんたちを守らなアカンのやで、頼んだで」
「裕ちゃん、ちょっと…」
安倍が中澤の着物の襟を整える。
出仕の日の身支度は安倍が用意する。中澤好みの香を着物に焚き染め髪を結い上げる。
もう、ずっとやってきたことなので慣れたものである。
いつもは用意が出来た頃矢口がやって来るのだが、今日は寝坊でもしたのか来る気配が無い。
中澤はなっちにだけ行ってきますのキスをし出かけていった。
- 385 名前:戯言 投稿日:2002年07月25日(木)21時55分53秒
中澤を見送って部屋へ戻ろうとしているところへ
「裕ちゃん、おはよーvv今日は矢口のとこだねvv」
「中澤さん。。。おはようございます!!」
シ〜〜ン
「あれっ?」
「矢口、松浦、おはよう。裕ちゃん出仕しちゃた」
「え〜〜〜お出かけの挨拶してない」
でも、裕ちゃん今夜は矢口のとこに来る番だからそれまで辛抱さvv
なんて思っていたのが顔に出たのかなっちが申し訳なさそうに言う。
「矢口…言いにくいだけど…裕ちゃん今日宿直なんだべさ…」
「えぇえー、泊まりなのに矢口にキスも無しででかけたのかよぅ…」
「中澤さん、出かけちゃったんですか?矢口さん達もお出かけのチューするんですねv」
松浦は何気なく言ったことだが矢口が敏感に反応する。
- 386 名前:戯言 投稿日:2002年07月25日(木)21時57分43秒
「松浦、裕ちゃんとキスしたことあるの?」
「ほっぺとかですけど…ホントはもっと大人のキスがしたいんですけど子供扱いされてしまいます。」
その言葉を受けてなっちが松浦に問う。
「松浦は裕ちゃんのこと、好き?」
「ハイ、大好きです。だから、お姉ちゃんに『入内ダメだったら裕ちゃんのお嫁さんにしてもらいなさい』って言われた時うれしかったんです。入内ダメになるといいのに…」
!!
松浦が裕ちゃんのお嫁さん?
初めて聞いた話である。
これは本気でまずい…
裕ちゃんも若くて可愛い松浦に靡かないわけない…早く手を打たないと…
- 387 名前:戯言 投稿日:2002年07月25日(木)21時59分30秒
安倍と矢口は顔を見合わせ深くため息をついた。
今の帝は彩っぺに夢中でこれ以上 妃をとらない。
暫く、一生懸命考えてた矢口がポンと膝を叩いた。
「松浦、出かけよう!」
「何処いくべさ?」
「美貴のとこ」
美貴は矢口のいとこで現春宮である。
安倍は矢口が考えている事を瞬時に理解する。
中澤に対する気持ちが同じなだけにお互いの考えそうな事がよくわかった。
ゆくゆくは帝になる身分の彼に松浦を引き合わせようというのはつまりこういうこと。
今の帝の妃にすることはかなり難しい…
じゃ、次期帝の妃にすればいいじゃん…そうしないと裕ちゃん取られちゃう…
- 388 名前:戯言 投稿日:2002年07月25日(木)22時01分34秒
安倍は普段なら主に内緒で出かけるなんてしてはいけないと止めるのだが
今は矢口の気持ちはそのまま安倍の気持ちなので同意するのだった。
矢口は将来年頃の若者に見合い話を持ってく世話好きなおばちゃんになりそうと密かに思う安倍だった。
- 389 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月25日(木)23時17分36秒
- あやゆうっていい感じ♪
つづきが楽しみです。
- 390 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年07月29日(月)02時07分32秒
- >>389 名無し読者さま
レスありがとうございます。
もう、長くなるのは諦めました、行けるとこまで行く!!
(が、次スレを立てる予定はないので尻切れになるかも・・・そうなったらゴメンナサイ)
話が全然進みません、のろのろ更新。
- 391 名前:戯言 投稿日:2002年07月29日(月)02時11分06秒
御所では朝議の前、帝のお出ましまでの情報交換(単なる雑談だが)が行なわれている。
雑談の輪は左大臣を中心とする長老組と平家のみっちゃんを中心とする若手組に分かれている。
中澤はその時々で長老組に呼ばれたり、若手に混ざったりしていた。
長老組の話題はどうやら石黒の女御が御懐妊らしいということ。最初、長老組に混ざっていた中澤だったが
みっちゃんに呼ばれ彼の隣に腰掛けた。
「裕ちゃん、ええ子を福知山に囲ってるんでっしゃろ?」
ニタニタ笑いながらみっちゃんが中澤にと耳打ちしてくる。
「あ゛ん?松浦のことか?昨日五条の屋敷に連れてきたでぇ。うちと矢口の養女にするんや」
なんや…つまらへん…浮気やなかったんや…折角、そのネタでじりじり苛めてあげようと思っとったんのに…
まっええか、次の作戦がおます…文麿君、よろしくな…ぁあ、楽しみや…
- 392 名前:戯言 投稿日:2002年07月29日(月)02時14分10秒
「なん、なんやつまらへんって顔してんで。裕ちゃんはそんな浮気モンやあらへんよ。あっ、松浦に手ぇ出さんといてや、アンタみたいな遊び人にはやらへん。」
「よう言うわ、どっちが遊び人でっしゃろ…。まあいいでしょ、ところで久しぶりに対決しましょうや。」
「ん?何やりたいの?ええよ。久しぶりに対決しようや」
「此間の蹴鞠の世界選手権大会で超かわいい子見つけたんやけど…
その子に歌を送って返歌貰った方が勝ちっていうのはどうです?」
「ええよ。今日は宿直やから適当な日、後で教えてや」
- 393 名前:戯言 投稿日:2002年07月29日(月)02時19分09秒
雑談をしていた一同が静まり返る。帝のお出ましである。
「あー…気にしないで続けて…今日はみんな何を話してたの?」
「おめでとうございます」
左大臣がちゃっかり一番乗りでお祝いを述べる。それに続いて一同もお祝いを言う。
「なんだ…みんな知ってんだ…一応報告だけしておくと、石黒の女御にややができた」
帝は本当に嬉しそうである。でも、照れくさいのか話を逸らそうと別の話を持ち出す。
「私もすっかり落ち着いたが、適齢期なのにまだ奥さんを貰って無い者がいるね?」
矛先がみっちゃんに向けられ慌てる。今日集まった中で未婚者はみっちゃんだけだった。
「そうそう、左大臣の嫡男であるのにみっちゃんはまだ奥さんがいなかったね。私の知り合いのお嬢さんを紹介しようか」
「えっ?いや、まだ、えっ、でも、あー…すいません」
中澤はくすくす笑っていたが助け舟を出した。
「帝、彼にか彼の思うことがあるようですのでもう暫くその話は置いておいてください。」
「中澤にいわれたら仕方ないか…。」
朝議の話合いは殆ど定例の報告で滞りなくおわった。
- 394 名前:戯言 投稿日:2002年07月30日(火)18時14分22秒
夜、中澤は帝との約束で待ち合わせの場所、中庭へ向かう。
待っている間に空を見上げる。
ああ、今日も月が綺麗だ…
暫くまっているとサクサク砂利を踏む音に振り向くと彩っぺが立っていた。
「裕ちゃん、月が明るいね」
「あや・・」
「裕ちゃん久しぶりだね…」
「―――……ほんとに…元気やった?…帝とうまくいってるんやな…」
「うん。昔の話していい?」
「もう、いいやろ。済んだことやん…」
「裕ちゃんはそれでいいの?でも、私は駄目…ずっと話したかった…」
- 395 名前:戯言 投稿日:2002年07月30日(火)18時16分22秒
「私ね小さい頃、将来、裕ちゃんのお嫁さんになるだと思ってた。
裕ちゃんと気が合うのって私ぐらいだったっしょ。だから、大抵何があっても大丈夫って…
裕ちゃんがなっちを連れてきた時も『裕ちゃんまた新しいオモチャを見つけたんだ』ぐらいに思ってた。
矢口との縁談の時も政略結婚だと思ったし、実際その後、何かギクシャクしてたの知ってたから…
いつか、裕ちゃんから『好きやで』って言って貰えるって…自分から言えば良かっんだよね…
ずっと、気持ち引き摺ってて…言わせて…あの頃ずっと、好きだったの」
- 396 名前:戯言 投稿日:2002年07月30日(火)18時18分49秒
「ありがとう…そして、ずっとごめん…
うちもずっと好きやった…
お互い過去形になってしまったなぁ…」
- 397 名前:戯言 投稿日:2002年07月30日(火)18時20分58秒
「今になってやっとあの頃の気持ちがなんやったか解かるなんてホンマあほやなぁ…」
「仕方ないっしょ、裕ちゃんだもん」
「ふぅぅう。何かすっきりした。」
「そやね。」
「帝と一緒になって幸せそうやね。」
「裕ちゃんもね。」
「ああ、幸せやで」
- 398 名前:戯言 投稿日:2002年07月30日(火)18時21分57秒
彩は今日の満月のように満ち足りた笑顔を送った先には帝がいた。
そして、彩を部屋へ帰し入れ替わりに帝がやってきた。
「裕ちゃん、彩っぺと話できた?」
「帝…」
「誰もいないから昔みたいに圭織でいいよ…それとも彩っぺ取っちゃったことまだ怒ってる?」
「えっ?取るも取らへんもうち等付き合ってなかったで」
「でも、彩っぺが入内してから圭織って呼んでくれなくなったっしょ」
「そうか…単にあんたが帝位を継いで大人になったからや。ホンマに大人になったなぁ…
今日ここに彩っぺ寄越してくれたん圭織やろ?お陰で二人ともすっきりした。心配かけたなぁ…」
- 399 名前:戯言 投稿日:2002年07月30日(火)18時25分39秒
「あのね、圭織の心は彩っぺの心の欠けた部分、彩っぺは圭織の心の欠けた部分。
だから、裕ちゃんでも譲るわけにいかなかったの…ごめんね…
裕ちゃんと彩っぺ、心の形が同じだよね…だから同じことに躓くし同じように転がってく。あんまりよく似てるんでどっちが圭織のパートナーか迷ったよ(w」
「ふつう迷わんで、うち等同性同志やん」
そうか、彩っぺと心の形が同じなんか…だから、もう一人の自分といるようで楽しかったんや…
ウチの心の欠けた部分を埋める心。うちはもうちゃんと見つけてるで…
「圭織…ホンマに大人になったなぁ…」
- 400 名前:ありがとうございました 投稿日:2002年07月30日(火)21時37分47秒
- 「戯言」途中ですが容量いっぱいのようです。
ダラダラ書いた駄文にお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
サザエ様、ありがとうございました。
完了。
- 401 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月30日(火)22時18分08秒
- ブラボ〜!「戯言」まだまだ先がありそうで気になります。
ぜひ次スレを立ててほしいです。
これからも作者さんの作品読みたいです。
- 402 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月01日(木)15時18分14秒
- 次スレは???
寒太郎さんの小説面白くて大好きです!!
ぜひ続きを・・・お願いします。(平伏
- 403 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月01日(木)18時43分08秒
- このまま終わっちゃうの?
気になる〜〜
ぜひぜひ続きを!お願いします!
- 404 名前:次スレ立てました 投稿日:2002年08月03日(土)16時29分52秒
- >>401名無し読者さま、>>402名無しさんさま、>>403名無し読者さま
レスありがとうございます。
余りにも中途半端なので金板に次スレ立てました。
宜しかったらお立ち寄りください。
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/gold/1028238216/
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