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インモラルで排他的

1 名前: 投稿日:2002年01月18日(金)03時25分47秒
名前は、勝手ながら伏せさせて頂きます。
レスへのお返事も一身上の都合で控えさせて頂きます。
タイトルから分かる通り、教育上宜しくない内容となりますので、
ひたすらsageでお願いします。
週に一度か二度の更新となります。
完結次第、メール欄にて名前を明かさせて頂きます。
2 名前:プロローグ 投稿日:2002年01月18日(金)03時27分20秒
その街に男が入るのを路上の女達が見たのは初めての事だった。
そこは古い女はいつかない場所だからである。

「なんや辛気くさい場所やなぁ。」
男は、葉巻きを吹かして後ろに着いてきている少女達に話し掛けた。
四人の少女達はまとまって脅えていた。

「おまえらこれからここで暮らしてくんやで?
 そないな事でどないすんねん。」

葉巻きを路上に捨てて、男はモルゲンと掛れたバーに入った。
ボーイッシュな女が煙草を吸いながら新聞を読んでいた。
開いたドアを見もせずに女は男に声をかけた。

「つんくさん…久しぶりっすね。」
「おぉ。市井、お前まだいたんか?」

男の軽口等気にもせずに、女は煙草を消した。

「またなんか連れてきたんだ。弱いね。カオリが怒りそう」
「お前等かて最初は皆こうなんや。教えたり」

男はそれだけ言ってカウンターに座った。

「ここにいない方がいいんじゃない?外は大騒ぎだよ?」

煙草を消して、女はにんまりと笑った。
3 名前:プロローグ 投稿日:2002年01月18日(金)03時27分58秒
男はドアの外で楽しそうにナイフを持って笑う女達を眺めてため息をついた。

「いつ来ても忙しく帰らせる場所やな。」
「ぶぶ漬けでも、如何どす?」
「いらんわ、阿呆。」

男は、葉巻きに火を点すとドアをすり抜けて出ていった。
男が出ていった後も、少女達は固まって座っていた。

「ほら、こっちおいで。取って食ったりなんかしないから。」

市井は暖かいミルクにブランデーを落とした物を四つカウンターに出した。

「飲みな。」

市井の一言に、少女の中の1人がカウンターに近付いてきた。

「いただきます。」
「名前は?」
「オガワです。小川…麻琴。」

少女がマグカップのミルクを飲むと他の三人もカウンターに近付いてきた。

「それ飲み終ったらあんたらが暮らす場所に連れってもらうからね。」

市井は電話をかけながら言った。
4 名前:プロローグ 投稿日:2002年01月18日(金)03時28分43秒
その電話は黒電話と呼ばれる物で珍しそうに見ている少女の腕を
小川が引っ張った。

「高橋、あんま見ちゃ駄目だよ。」
「わかってる。」

少女達がミルクのマグカップをカウンターに戻すと、
市井は新聞を畳んだ。
ドアから眉の釣り上がった金髪の女が入ってきた。

「この子ら?つんくさんが連れてきたんは。」
「そ。宜しく。」

長い爪の指を動かして少女達を呼ぶと、
その女はカウンターの横の錆びれたドアを開けて入っていった。
小川は三人を見て、頷くとドアの中へと向かった。
少女達も小川の後を追ってドアの中へ消えていった。

「裕ちゃん!おひさ〜。何してたの?」
「仕事や、仕事。矢口は元気にしてたか?」

女は、四人が階段から降りてきているのを確認して部屋にいた少女達を集めた。

「よぉ聞き。この子らが新入りや。なんも分かってひんから、あんたらで教育したり。」
「はぁい。」
「めんどくさ。」
「聞こえたで。あんたらやって初めは教えてやったやろ。」

女が一喝すると、少女達は口を閉ざした。
5 名前:プロローグ 投稿日:2002年01月18日(金)03時30分12秒
「説明するで。私は中澤や。呼び方は色々あるが、気にせんでええ。
あんたらは今日からここで暮らす。
私はここにはもう住んどらんから、実際はあそこの二人が面倒見てくれるやろ。
じゃぁ、私はもう帰るから。後はよろしゅうな。」

中澤はそれだけ言うと階段を登って去っていった。
金髪の女が、四人に近付いてきた。

「説明になってねーじゃんなっ。私は矢口。宜しく。」
「小川です。宜しくお願いします。」

小川が名乗ると同時に三人がびくびくしながら名乗った。

「高橋です。宜しくお願いします。」
「紺野です!お、お願いします。」
「新垣です。お願いします…。」

矢口は後ろの方で眺めているだけだった長身の女に声をかけた。

「部屋、どうする?」
「んー。カオリはあそこの部屋でいいと思うけど。」

指を指した先の部屋の前で遊んでいた二人の少女達が驚いた顔をした。

「うちらと一緒の部屋なん?!」
「そんなの嫌れす。」

矢口が小さい声で四人に背の高いのが飯田で、あそこの二人が辻と加護だと説明した。
6 名前:プロローグ 投稿日:2002年01月18日(金)03時30分47秒
保田と名乗った女が四人に笑いかけてから辻と加護に言った。

「あんたらは吉澤の部屋に移動すればいいじゃん。」
「じゃ、あたしは梨華のとこに行きますよ。あいつらと一緒は嫌なんで。」

冷たい声で吉澤が言い放った。
生気のない目で四人を上から下まで舐める様に見た吉澤は部屋に戻った。
文句を言いたそうだった辻と加護も部屋に戻っていった。

「石川です。宜しくね?」

四人の横にいつの間にかきていた線の細い女が名乗った。
幸の薄そうな、少し儚気な印象を与えられた小川は彼女に頭を下げた。

「どうせ梨華ちゃんの部屋に行きたかっただけでしょ、あれは。」
「まーまー、いいじゃないさ。万事解決なんだから。」

矢口が右にいた女を後藤だと紹介した。
左にいた女は手を上げて、安倍だと名乗った。
7 名前:プロローグ 投稿日:2002年01月18日(金)03時32分16秒
四人が固まっていると、矢口が面白そうに笑って言った。

「そんなんじゃこれから大変だよぉ?ここは弱肉強食だから。」

小川は強張った笑顔を見せて、辻と加護が出てきた部屋に荷物を運んだ。
後からついていく三人を眺める他の女達の視線は楽しそうで、何処か残忍だった。
8 名前: 投稿日:2002年01月18日(金)03時34分42秒
21xx年トウキオ
2000年代最後の年に国という制度がなくなってからという物の、
都市は急激に変化していった。
法律が消えて、ドラッグが蔓延していき、暴力等は日常茶飯事だった。
法律を個々に作り上げた村は、都市から離れていくばかりで都市を毛嫌いする様になった。
トウキオは、アジア系と呼ばれていた人種が多く集まる場所だった。
そんな中でも、セタガヤという地区は男をシャットアウトした珍しい場所だ。
新しい子供達がセタガヤに足を踏み入れる少し前に子供を産む準備の整った女が外へと出ていく。
外の地区の男はそれを待ち、十分に熟れた女を抱いた。
セタガヤは熟れた女を渡す代りに食料や生活必需品を男達から取り上げていた。
女達はやがて子供を宿し、12、3になった子供達は親から離れてセタガヤに連れていかれる。
小川、新垣、高橋、紺野もそんな子供達の1人だった。
何も知らされないまま母親から買い取られた子供達は、セタガヤで女の宿命を学んでいく。
今も、矢口に彼女達はここでの暮らしの説明を受けていた。
9 名前: 投稿日:2002年01月18日(金)03時35分20秒
「基本はゲームで相手の物を奪ったり、とかしながら暮らしてくんだ。
 だから、何かしたい場合は勝たなきゃいけない。
 ゲームは色々あるからその都度説明してくよ。」

矢口が棒の先についた紫色の飴をしゃぶって言った。

「それから、たまに男が来るからそれを撃退しなきゃいけねーの。
 つんくさんみたいに新しいの連れてくる奴じゃなくて、ただ女を奪いに来る連中。
 そういう奴等は殺しても他の地区はなんも言えない。」
10 名前: 投稿日:2002年01月18日(金)03時35分52秒
ガリッと音がして、白い棒を捨てた矢口はにっと笑った。

「女は、こういう風に家で暮らす女と外で暮らす女と二種類いる。
 弱いのは外に投げ出されて週に一回のお掃除で男に連れてかれる。
 外の女が少ないと、強いのが家ごとのリーダー達の定例会儀で連れてかれる。
 ま、そんな事めったにないけどさ。」

突然ガタガタッと音がして吉澤の怒鳴り声が部屋に響いた。

「てめぇ、触んじゃねーよっ!」
「じゃぁ、戦って決めようや。あんたのもんとちゃうねんから」

楽しそうに吉澤の部屋から出てきた加護が二つ置いてあるバスタブを指差して言った。

「止めときなよ、加護。いつも勝てないじゃん」
「いーじゃん。この四人に教えるのにいい機会だし」

矢口が不適な笑みを浮かべて四人を見て言った。

「最初のゲームだ。よく見てなよ」
11 名前:作者 投稿日:2002年01月18日(金)03時36分34秒
今回の更新終了
12 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月23日(水)22時57分28秒
ひさぶりに名作の予感。
がんばて下さい。
13 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時21分20秒
そのバスタブは、不自然な程に真ん中に置いてあった。
シャワーノズルが存在せず、カランだけの不自然なバスタブに、
加護が勢い良く飛び込んだ。

「よっすぃーは赤いピル飲まんとあかんで?私は年下なんやから。」
「自分から仕掛けてきてそれ?まぁいいけど。」

青ざめた顔で石川がバスタブを見ていて、
それが小川にはとても印象的に感じられた。
新垣が不安そうに後ずさったのを見た高橋は彼女の手を掴んだ。
首を横に振る高橋に頷いた新垣は、息をゆっくりと吸って元の場所に戻った。

「数多くあるゲームは、3タイプにわけられる。
 一つは知能タイプ。パズルみたいな簡単な物から、戦略まで色々。
 役割決める時なんかによく使うねぇ。
 一つは体力タイプ。ま、徒競走とかはないけど、結構躍起になる奴が多いね。
 これは食べ物とか、実物支給系でよく使う。
 それから、最後が……」

矢口の口が止まって、四人は一斉に矢口を見つめた。
14 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時21分51秒
彼女の目線の先には赤いピルを二錠飲む吉澤の姿があった。
高橋が保田へと首を向かせると、保田も驚いた様に吉澤を見ていた。

「最後の一つがね、……これは説明が難しいなぁ。
 えっと、色々あるけど主に自分の強さを見せつけるタイプの物で、
 多くは性的な物が多い。今回のコレは正にソレなんだよ。」
「ジャッジはカオリンで宜しくぅ」

あっけらかんとした吉澤の声が矢口の声に
重なるか重ならないかぐらいのタイミングで響いた。
吉澤の頬は緩み、高揚とした表情の割に目はうつろだった。

「先刻よっすぃーが飲んでたピルは、興奮剤。
 種類が沢山あるけど、赤いのは他とは比べ物にならないぐらい強い奴だよ。」

既に冷静になっている矢口の説明に小川が頷いて、高橋は先を促した。

「あれは、ハンデなんだ。で、ゲームの説明だったね。
 今からやるゲームのルールは簡単。先に声を出した方の負けだ。
 自分のテリトリーを侵された時に良くやるから、
 あんた達も覚悟しといた方がいいよ。」
15 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時22分29秒
後は見て覚えろと言わんばかりに、矢口は黙ってバスタブに近付いた。
既に服を脱いで、吉澤と加護がそれぞれのバスタブに入った。
カランから勢い良く水が吹き出して、周りに集まってきた女達が
にやにやとどちらが勝つかを賭けていた。
半開きの口から出てきた涎を拭いて、吉澤はバスタブに横たわった。
加護が遅れて横たわったのを確認した飯田は、手を自動人形の様にあげた。

「スタート」

小さな滝の様に流れている水は、バスタブに横たわり
腰を浮かせて足を開く二人の少女達の性器に吸い込まれていった。
溢れ出る水に、吉澤は一度も表情を変えずにつまらないという仕草をしてみせた。
隣のバスタブに横たわっていた加護は既に苦しそうな顔を見せ始めていた。
小川は、バスタブの周りにいる女達の顔を1人ずつじっくりと見た。
楽しそうに嘲笑っている女や、心配そうに片方を見守る女、冷静な表情の女。
自分と共にやってきた少女達は固まってしまっていた。
小川が視線を部屋の隅に写すと、悲しそうな顔をした女と目が合った。
その女の名前が石川だと思い出した小川は、ついでに事の顛末も思い出した。
16 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時23分20秒
「…んぁっ…ギブ!」

加護の声がバスタブの中から聞こえて、
留まる事を知らなかった滝が、水滴へと変わった。
飯田は勝者の名前を告げてそのまま元いた場所へと戻っていった。
加護は舌打ちをした物の、すぐに辻と楽しそうな笑い声をあげていた。
飯田が勝者の名前を告げる前に部屋に入ってしまった吉澤の事を、
誰も気にかけていない様子だった。

「…狂ってるよ…」

小川の耳許で、新垣が呟いた。
小川はそれに対する返事を保留にしたまま、彼女の肩を叩いた。
部屋を見渡すと既に石川は見当たらず、小川は四人で使っている部屋に戻った。
17 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
18 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時27分58秒
ゲームは必ずある訳ではない事を、四人は夕食時になってやっと知った。
飯田が人数分作ったオートミールの様な物体を口にした小川は、
想像以上に空腹だった自分に驚きながらも完食した。
食後のひとときはとても和やかで、争い事を予想していた四人は内心驚いていた。
それぞれが思い思いの場所で過ごしていると、
オールドファッションなジリリという音で電話が鳴った。

「はい。…は?ん。分かった。」

意志の疎通がとれているか疑問に思う程短い会話で受話器を置いた飯田が
声を張り上げて全員を集めた。

「乱入者だよ。一番多く殺した家が明日の肉を手に入れられるって」

ナイフや銃を持って、矢口が呆然としている四人に近付いてきた。
19 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時28分39秒
少し考えながらそれぞれに武器を一つずつ渡して矢口が言った。

「乱入者ってのは、他の都市の男なんだよ。
 女を引き渡されるだけじゃ、満足できないらしくてさ。
 そういう奴らは殺しても不問。つーか、殺せって言われてるぐらい。
 実際はその都市の厄介者がほうり出されてるって噂もあるね。
 何人殺れるかで、褒美がもらえるって訳。」

初めて手に持ったジャックナイフの重さに、
それがホンモノであると小川は知った。
小川は明らかに青ざめている他の少女達を見た。
目線を自分の震える手に戻して、小川は震えが止まる様に念じた。

「行くよ!」

歓声すら上げながら、出ていく女達の後を追って四人は一階へのドアを開いた。
今朝見たばかりのバーのカウンターの中には市井の姿はなく、
代りに中澤が座っていた。

「初日から難儀やな。ま、頑張りぃ。」
「は、はいっ」

思わず素頓狂な声を上げた紺野に笑顔を見せて、中澤は手を振った。
20 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時30分07秒
店の外では矢口が楽しそうに大きな銃を撃っていた。

「はいっ!これで3人!」
「残念。後藤はもう五人目だよぉ?」

やる気のない声を出しながらも後藤が小さなナイフで男の首をかっ切った。
ざっと数えただけでも百人弱はいそうな男達を見て、小川は息を飲んだ。
その一瞬の隙を狙った男が小川の目の前に立った。
ジャックナイフを構えたものの、
小川の手はまだ震えていて使い物にはならなかった。
男はにんまりとこの世の中で一番醜い笑顔を見せて、小川の右手を掴んだ。
小川が死を覚悟して目を閉じようとした時、男が倒れていった。

「外に出されたくなかったら、戦いなさい!」

そのか弱そうな悲しそうな顔からは想像もつかない速さで、
石川は苦しそうに起き上がろうとする男の首の後ろを錐の様な物で突いた。

「石川、何人め?」
「16人です。」
「速っ!」

走り過ぎる矢口と会話を交わした後、石川は四人に手を振って走り出した。
小川は自分の手の震えが止まってるのを発見した。
喉から声を出そうと試みると、彼女の唇から小さく声が漏れた。
小川が深呼吸を短くして、走り出した。
21 名前: 投稿日:2002年01月28日(月)03時31分20秒
「ぅわあああああああああ!!!!!!!!」

それが、号令だった。
他の少女達は人波に消えていく小川の後を追って走った。
22 名前:作者 投稿日:2002年01月28日(月)03時32分12秒
今週の更新
>>13-21
23 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月28日(月)20時02分46秒
おもしろいです!!
頑張ってください(w
24 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月14日(木)00時04分05秒
復活きぼんぬ

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