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福なち小説:夢であえたら

1 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月18日(金)23時33分35秒
はじめまして。
明日香となっちが出てくる小説が読みたくて、手っ取り早く自分で書きました。
初めて書いておりますので、至らないところがありましたらお許しください。
2 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月18日(金)23時36分14秒
「もう一度好きって聞かせてほしい」
その目はまっすぐにあたしを見つめていた。
周りにはメンバーたちがいる。
あたし、安倍なつみはステージの上で歌を歌っている。
あれ?
それってあたしのパートだよね?
そう、思ったとたん周りのメンバーたちがいなくなった。
瞬く間に、消えていた。
「あ、あれれ?」
ステージにはあたしと・・・・・
明日香だけがいる。
カメラさんも、照明さんも、音声さんも、マネージャーさんも誰もいない。
あたしと明日香だけ・・・。
3 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月18日(金)23時37分13秒
「明日香さーん、それって私が歌うところじゃなかったっけ?」
間違いなくそうなのだが、冗談っぽく聞いてみる。
「好きって聞かせてほしい・・・。」
まじまじと明日香はあたしに視線を向ける。その目は
本当に答えを知りたがっていた。
「なーに言ってんの。好きだよ」
そう答えると、明日香ははじけるように微笑んで・・・
消えた。
4 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月18日(金)23時41分35秒
がたっ
「わぁ!!」
いきなり頭が腕の支えを失って、いすから転げ落ちそうになる。
・・・あれ?今のは・・・
「なっちさん大丈夫?」
辻が心配そうに私の顔を覗き込んだ。
夢だったんだ・・・。
懐かしい、昔の娘たちが「抱いてHOLD ON ME」を歌っていた。
明日香が出てきたのに、もう少し見たかったな・・・。ちょっと残念。
そんな思いが顔に出たらしい。ちょっとしかめっ面で
辻を見返すと
「なっちさん、気分悪いんれすか?」
舌足らずのかわいい声はさらに心配そうに、むしろ怯えるような表情であたしを見た。
「え?あ、あー、ごめん。大丈夫だから・・・」
心配をかけまいとして、辻の頭に手をやる。
そうすると彼女はいつものようににっこりと微笑んで、元いた場所にとてとてと戻ってい
5 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月18日(金)23時42分45秒
った。
そうだ、ここは本番待ちの楽屋・・・。
あたりを見渡すといつもの面々が思い思いに過ごしている。
なにやら交信してるカオリ。
飼っているイグアナ話で盛り上がる後藤と吉澤。
鏡に向かって一生懸命前髪を整える石川。
机の上に並べられたお菓子をとっかえひっかえほうばる辻加護。
そんな二人をあきれた表情で、頬杖突いてみている矢口。
雑誌に夢中の圭ちゃん。
高橋、小川、紺野、新垣は4人で縮こまって、学校の話なんかをしている。
6 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月18日(金)23時44分11秒
・・・そうだよ。明日香はいないよ。
一気に現実に引き戻されたあたしは、それを認めたくなくって
また、目を閉じた。
なんで明日香の夢を見たんだろう・・・。
脱退してからぜんぜんあっていない。電話もぜんぜんしない。
かといって、忘れたわけじゃない。何かにつけ思い出すことはあったし、
電話をかけたい衝動に駆られたこともあったが、いつもできずにいた。
電話をかけようと、携帯を手にしてみるのだけどどうしてもボタンを
押すことができなかった。
なのになんで・・・
明日香が出てきた理由を見つけられず、あたしはゆっくりと現実に戻っていった。
7 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)00時14分46秒
うっすらとまぶたを開けると目の前に矢口が立っていた。
「なっちぃ、辻加護になんとかいってやってよぉ」
「ん・・・、どしたの?」
「ったくー、あの子達食べすぎー。まぁ、こんなにたくさん食べるものがあるのも
いけないんだけどさぁ。限度ってもんをしらな過ぎるよ、あの子達・・・」
「はは、そだね。矢口注意したげたの?」
「しても聞かないんだよ。なんか最近慣れてきたのか、私の言うこと聞かないんだよね
だから、年上のなっちががつんといってやってください。」
そういって矢口は冗談めかしてオーバーに頭を下げた。
仕方ない、いっちょ一肌脱ぐか。
8 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)00時15分55秒
席を立つと辻加護の間に入って二人を見やる。
「こらこら、キミタチ。食べすぎはいかんよ」
いつもは一人一人だと大人しい彼女たちは二人そろうとパワーアップする。
まるで双子のように同じ調子であたしを見るとこういった。
「だって、やめられないんだもーん」
はいはい・・・。
苦笑しつつあたしは
「でも太っちゃうよ。これ以上沢山食べたらだめってお医者さんにも
言われたでしょ?」
言っては見るのだがそのそばから二人はお菓子をつつく。
だめだこりゃ。
すごすごと元のいすに戻り、矢口に言った。
「だめだったわ。」
9 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)00時21分47秒
あたしは知らない楽屋にいた。
テーブルの上に沢山のお菓子やフルーツが並んでいる。
ひょい、ぱく、ひょい、ぱく、
あたしはそれらをリズミカルに口にほおばる。
「なっち、食べすぎはいかんよ」
明日香が制した。
「だって、おいしいんだもん」
口をもごもごさせてそのうちのひとつを明日香の前に差し出す
「明日香もたべる?」
10 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)00時22分35秒
「いいよ、私は。それよりもほどほどにしなよ」
これじゃあどっちが年上なのかわからない
「いいんだよ、なっちはおなかがすいてるから。たべるべ。」
また食べようとしたとき、不意に肩に手が伸びて、ぐるんと
体ごと向きを変えられた。
「いいから私と話しよう」
きりっとした目で私を見た。
「・・・うん」
逆らうことができなかった。
11 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)00時23分38秒
「今度の新曲ってさ、結構歌い回しが難しいよね?」
何気に明日香が切り出した。あたしはこういう、歌に真剣な意見を述べる明日香が好きだ。
尊敬の念すら懐く。
「うん。メロディーがものすごく変化するし、あと、歌詞の意味も深いよね」
「歌詞はさ、自分が経験していないことが沢山出てくるから、普通に歌ったんじゃ
感情がこもらないよね。」
「明日香はどうしてるの?そういうとき・・・」
「想像だね。何日も何日も歌詞とにらめっこして、何回も読み上げて
自分の中に取り込んでみようとしてるよ。なっちは?」
12 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)00時24分57秒
「うん。私は何度も何度も歌ってみる。そしたら少しずつ歌詞が理解できてきて
ただ歌ってるって感じじゃなくなってくるんだよ。とにかく何度も歌う。」
「そっかそっか」
そうしてとりとめもなく話をしているとカメリハの時間になった。
「リハーサルやりますので、そろそろスタジオにはいってください」
ADさんがあたしたちを呼びに楽屋にはいってきた。
やおら立ち上がるみんな。目の前の明日香はあたしに微笑みかけると
「なっち、食べるのやめられたでしょ?」
と、諭すように言った。
13 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)00時26分13秒
確かに・・・、話に夢中で食べるのも忘れちゃった。
「むむ、まさかそれを目的に話したの?だとしたらやるなぁ。」
余計なお世話とむくれることもできるが、あたしは本気で感心した。
この私よりも年下の少女はそこまで知恵が働くのか?
「違うよ。私はなっちと話がしたかっただけ」
ちょっととぼけたような表情で、でも、子供を見つめるお母さんのような
顔で明日香は答えた。
14 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)01時50分08秒
がたたっ!

「ぬぬ!!」
あぶない。今度は机に頭をぶつけそうになった。
また寝てたんだ・・・。いつの間に・・・。
今の夢、昔の風景だったけど、こんなことあったろうか?
体制を整えようと見上げると、矢口かふくれっつらであたしを見ていた。
「ちょーっと、なっち!ほんっとにほんっとにとめてよあの子ら!」
小さな矢口が頬をぷーっと膨らませて指差した。

その指先には・・・

テーブルいっぱいに広げられたおかしを半分以上平らげて悦に入った表情の
二人がいた。
15 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)01時52分00秒
「・・・・・」
「もぉー、とめないとマジやばいって。って、あのなっち?どしたの?黙りこくっちゃって。
なっち!なっちさん?」

あたしはなにかに押されるように、勢いよく椅子から立ち上がると、矢口の言葉も追い越して
辻と加護のそばに立った。
「あー!!なっち、しかっちゃだめ!!冷静に!冷静に!!」
とめてくれといったのは矢口だったが、あたしの勢いに危険を感じたのだろう、
心配そうに言葉をなげる。
あたしの勢いに驚いた二人は、手にしたお菓子をぽとり、と落とすと
口をぱっくりとあけたままあたしを見上げた。
「あそぼう」
ポツリ。
「はい???」
矢口がすっとんきょうな声を上げた。想像以外の言葉を聞いてそう言うしかなかったのだろう。
16 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)01時54分01秒
当の辻加護はすこし呆然としていたが、すぐに
「はいいーーーー!!」
と、元気よく答えた。

いったい何の遊びなのかわからない。

ただのじゃれあいかもしれない。3人で廊下を駆け回った。
そんなにはしゃいだらメイクが乱れます、とメイクさんにおこられても一向にやめない。
ほんの小さな事がおかしくて、とめどなく笑いあった。
あっという間に時間が過ぎ、スタジオ入りを告げられた。

笑いすぎて、はぁはぁと息を切らしながら辻加護をみる。
「辻加護、楽しかった?」
「はいいーー。たのしかったですぅ。」
「そっか、あのね、二人とも・・・。
17 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)01時55分41秒


あのね、食べなくっても時間は過ごせるんだよ。

たべなくったって不安は消せるんだよ?」



そう、口をついて言葉がでた。まるであたしじゃない、誰かが言ってるみたいだった。
辻と加護は驚いた表情を見せたが、次第に顔を綻ばせると
満面の笑みを浮かべた。
「はいいー。なっちさん、ありがとうー!」
渾身の笑顔を見せると二人はスタジオへと走っていった。
18 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)01時57分20秒
「めずらしいじゃん」
そういってきたのは圭ちゃんだった。
「ん、そう?」
「うん、こういっちゃ何だけど、以外・・・かな?
なっちはあんまりあの二人をかまわないから」

二人のことだけではない、あたしはみんなのことをかまわない。

自分だけを見てる・・・気がする。

思えば自分も食べることをやめられない時期があった。
不安だった、不安だったから食べた。
食べることに集中している間は何も考えなかったし、おなかいっぱいになるとその満足感があたしを慰めてくれた。
19 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)01時58分58秒

きっと、あの二人も同じなんだ。

二人はきづいているのか、いないのか、わからないけれども食べることに逃げていることは間違いないだろう。

どうして気づいてやれなかったのか。
いや、そうじゃなくて、どうして何とかしてやらなかったのか。


・・・自分だけを見てた。

自分の悩みや苦しみにしか目を向けてなかった・・・。

20 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)02時00分22秒

「明日香、さんきゅ」

ポツリそうつぶやいた。
「ん?なに?」
不思議そうに圭ちゃんはあたしを見た。
「んーん、なんでもない」


夢だけど、明日香があたしに教えてくれたんだ・・・。

21 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)23時30分36秒
気がつくとあたしは遊園地にいた。
幾千もの光があたりを彩っている。
その光は空に柱のように伸び、暗い夜空を支えている。
目の前にはコーヒーカップがくるくると回っていた。
「なにぼーっとしてんの?おいでよ」
呼ぶ声がして、ふと見ると明日香がカップの中で手招きしている。
「うん!」
勢いよく駆け出すとあたしはカップに乗り込んだ。
22 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)23時32分10秒
とたんに明日香が中央のハンドルを勢いよく回す。
あたしたちが乗り込んだコーヒーカップは周りのカップよりも勢いよく回りだした。
「きゃー」
「きゃーって、自分がまわしたっしょ!あーきもちわるーい!!」
いいながら二人でけらけら笑ってハンドルを回し続けた。
「なんかこうやって二人で乗ってるとカップルみたいだね」
「いまどきカップルはコーヒーカップなんて乗るのかな?」
う・・・鋭い突込みだ。
「もぉ、ムードないなぁ。いいじゃない、なっちは明日香とデートしてるの!!」
「勝手にデートにするなよ」
そういいながらもにこにこする明日香。
23 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)23時33分46秒
「明日香だったらどこに行く?」
「なにが?」
「だから、デート」
「うーん、観覧車かな?」
「やだー、エッチだー!!」
「なんでエッチなのさ?」
「だって、二人っきりになっちゃうんだよ?密室で二人っきり・・・。
となるとすることは一つ!あーやだ、はずかしー!なーにいってんだろ」
「なに妄想してんだか」
「いーなー、なっちも観覧車でデートしてみたいよ」
「すればいいじゃん」
ちょっといたずらな表情で明日香が言った。
「なんだよぉ〜。どーせなっちには彼氏はいないよーだ」
24 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)23時34分59秒
ふくれてそっぽを向くと明日香が首をかしげてあたしの顔を覗き込みながら

「一緒に乗ろうか?観覧車」

と真面目な顔でいった。

「え、ええ〜!!」

多分、明日香は深い意味もなくいったんだろうけど、
あたしはなぜだかものすごくどきどきしてしまった。
25 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月19日(土)23時40分39秒
ここでちょっとブレイク
タイトルに「福なち」と書いてあるんですが、主要登場人物が明日香となっち
という意味で、福攻、なっち受という意味ではないのです〜。
スイマセン(^^;)
もしよければご意見等おねがいします。
それにつけても、今日のナースマン!なっちに萌え〜。
26 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)00時23分36秒

かくんっ!

思いっきり頭が落ちた。
じゅるり、あ、よだれまで垂れてる・・・。
今のよかったなぁ。
でも、あたし明日香と観覧車なんて乗ったことない・・・。

・・・夢っていいな。

にやにやしながらあたりに気を移すと、辻、圭ちゃん、矢口、石川、後藤たちがメイクの真っ最中で
後はすでに準備の終えているもの、順番待ちのもので、あたしだけがいい夢を見ていたらしい。
ふと気づくとカオリが仁王立ちであたしの前に立っていた。
「ほら、なっち。そろそろV撮りはじまるから準備終わらせないと!」
どうやらあたしが一番遅いようだ。
「ごめん、ごめん、すーっぐ、準備するね。」
「ったくー、なっちがしっかりしないとほかの子たちに示しがつかないよ」
「ごめん!」
あわてて鏡の前のいすに座ると、メイクさんが待ってましたといわんばかりにすばやい手つきで
あたしの顔を、髪を、整えていく。
27 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)00時25分41秒
その間あたしはさっきの夢について考えた。

なんであれ以来あってもいない明日香が出てくるんだろう?
夢の中の明日香は昔のまんまなんだけど、言ってることはぜんぜん聞き覚えのないことばかり。
だけど、明日香らしいことを言ってくれる。
遊園地でデートなんて、昔あたしが明日香を好きだといったときのことを思い出させてくれた。

そうだ、あたしは明日香が好きだった。

好きにもいろいろあるけど、恋してた、と思う。
思いをめぐらせているうちに準備は整い、みんなそろってスタジオへと向かった。

その途中の薄暗い、長い廊下で

「今でも、好きだよ」

誰かに言うわけでもない、言葉にならない小さなつぶやきを吐き出した。

28 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)23時21分37秒
今日は歌番組の収録だ。
メンバーと司会者たちとのトークを撮るということで
ひな壇のようなセットにメンバーたちが腰掛ける。
座る位置はあらかじめ決められていて、あたしは後ろのほうだった。
最近、いや、昔からかもしれないけど、この歌番組はあたしの黒い面を増幅させている気がする。
なにかにつけ、若いメンバーたちを持ち上げ、古いメンバーをコケにしていく司会者。
はじめは笑いってこうやって作るんだなぁと単純に考えていたけど、それが受けたのかその手法はいろんな番組で使われ始め、それをこないしていくたびにあたしはいやな気分になっていった。
メンバーを対立させることで生み出される無責任な笑い・・・。
あたしは歌で勝負したかった。いつしかそれすらも歌のうまい下手が基準ではなく
人気があるかないかで決められていった。
29 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)23時24分00秒
新曲ができるたびに歌うフレーズが減っていく・・・。

たくさん歌える後藤をねたましく思ったことがある。

番組中でかわいがられる辻や加護、石川、吉澤をねたましく思ったことがある。

明日香がいなくなって以来、あたしは自分の中でなにかが変わっていくのを感じていた。

30 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)23時25分19秒
「で、どうなのよ?後藤ちゃんはどんなヤツがタイプなの〜?」
司会者が甘ったるい声を出してにやにやと後藤に話しかけた。
「んーと、そーですねー。背が高くってきりっとしたひとかなぁ」
「やったよ、俺だよ俺!」
「なーんでそーなるんですかー」
公共の電波を使って放送することでもないような話題で一人盛り上がる司会者。
そこへ圭ちゃんが口を挟む。
「あの、あの!私も司会者さんみたいな人タイプです」
「おまえにはきーてねーよ」

みんなが笑う。メンバーやスタッフ、みんなが。

あたしは口の端を少し上げて目を細めた。

そうすれば笑っているように見える。


心の中では吐き気がしていた。

目を開けたまま意識を閉じた・・・。
31 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)23時28分07秒

叫ぶと、やまびこが返ってくるような大きなスタジアム。
何日もかけて用意された大きなステージの上にあたしはいた。

あたしはあせっていた。
うまく歌えない。声が出ないんじゃない、こう、なんていうか、のらないのだ。
同じ曲ばかりを何度も何度も歌う。何度も途中でストップする。
「ごめんなさい、もう一回お願いします!」
文句は言わないがメンバーたちもそろそろ飽き飽きとした表情を浮かべ始める。
あたしもその様子に気がつき申し訳ないきもちで歌いなおした。

だめだ・・・やっぱりのらない・・・。

とめたい・・・だけどどうせリハーサルなんだ、本番でうまく歌えればいい。
このまま歌いきってしまおう。
32 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)23時31分07秒
そうおもったとき

「ごめんなさーい!とめてくださーい!」

びくっとした。

明日香だった。

恐る恐る明日香を見ると、なんでもない普通の顔であたしに
「なっち、もう一回」
といった。まるであたしのずるい考えを知っているみたいだった。
あたしは急に恥ずかしさがこみ上げてうつむいたまま黙り込んだ。
そんなあたしにメンバーたちも声がかけられない。

重い空気が張り詰めたが裕ちゃんがそれを断ち切った。

「あーもーわかった、わかった、
あたしもおんなや。この女、中澤裕子姉さんが何ぼでもつきあったるさかい
きがすむまでやり!」
その一言でみんなも、「よし!」と気合を入れなおしたが

「その前に一回休憩いいですか?」
明日香はいつもと変わりない口調で裕ちゃんに進言した。
33 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月20日(日)23時33分22秒
あまりの間のよさに裕ちゃんがコケ、それを見たメンバーたちが「プッ」と吹き出す。
重い空気がほんの少し和らいだ。
「ん?あー、そやな。そのほうがええなぁ。
すいませーん!バンドのみなさんも!一回休憩入れさせてください!」
メンバー全員で深々と頭を下げるとみんな散り散りになっていった。

あたし一人、顔が上げれず、そのままその場に立ち尽くした。

「なっち、ちょっといい?」
いきなり腕を引っ張られてその方向についていく。

明日香があたしの手を引いていた。
34 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月21日(月)00時30分07秒
ステージの下に二人、体育座りの体勢でぺたりと座り込む。
あたしは相変わらず顔が上げられない。
肩と肩が触れ合う距離で明日香が隣に座っている。

「なっち、飲む?」
そういって手にしていた缶ジュースをあたしに差し出す。
かぶりをふるとまた沈黙がつづいた。

ふいに、

「私に腹が立った?」
その一言で沈黙が破られた。
的外れな明日香の言葉。きっと場を和らげようとしてるんだろう。

「え?なんで?ぜんぜん、違うよ。怒るなんてないよ」
「だって、私と顔合わせてくんないよ?」
「あ、ごめん、違うの。そうじゃないの。はずかしくって・・・」
「なんだよー、照れてんの?」
35 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月21日(月)00時31分53秒
場の空気を知ってかしらずか明日香がおどける。

「あのねぇー。そうじゃなくって、あたし、自分が恥ずかしい」

「・・・・・」

無言だった、それ以上言わなくても明日香はあたしが何で恥ずかしいか理解したらしい。
ひとしきり沈黙した後ポツと明日香が切り出した。

「あのさー」
「・・・何?」
「私もたまに歌えなくなるときがあるんだよ」
「明日香も?」
「きっと、私たちだけじゃない、みんなもだよ」
「・・・そう、だね。」
「でも、私は歌うのやめないんだ」
「明日香は強いから」

「違うよ」
そういってあたしを見た明日香の目は強い意思を写していた。
36 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月21日(月)00時33分21秒
「私は強くないよ」

そして、
「歌うことをやめてしまったら、もう二度と歌えなくなるかもしれないから
怖いんだ。

だからどんなに苦しくても、うまく歌えなくても途中でやめないんだよ

やめないことが唯一歌い続けている証拠なんだ。」

一気にしゃべって明日香の顔は紅潮した。
あたしはその様子を黙ってみていたが
「ごめん、明日香ややっこしくてよくわからなかったよ」
と、おどけて見せた。
「こらー、人の話ちゃんと聞いてろ」
お互い照れを隠すように笑いあった。
37 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月21日(月)00時34分53秒

あたしは嫉妬した。

こんなにも歌を大切に思っている明日香。

だれよりも歌に情熱を傾ける明日香。

あたしよりも年下なのにあたしよりもしっかりしてる明日香。

でも、いやな気持ちじゃなかった。
38 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月21日(月)00時36分25秒
缶ジュースを飲む明日香の横顔を爽やかな気分で見つめる。
そんなあたしに気づいたのか持っていた缶ジュースをぐっと差し出すと

「ほら、のみなよ。喉潤しとかないと、またうまく歌えないぞ」

はにかみながら勧めた。

「さんきゅ。」

ごくっ

一口飲んで

「あ」

「何?どうしたの?」
「これって間接キッスだ」

明日香は声には出さず口だけを動かして「ばーか」というと、あたしたちは
お互い顔をあわせてはじけるように笑いあった。
39 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)05時58分25秒
どぁぁぁ!!なっちと明日香だ!うれしいっす。マジ。
なちふくでかなり幸せやったんですけどココにもあったんですね。
やー。銀杏猫さんがんばってください。毎日見に来ます!
40 名前:空唄 投稿日:2002年01月21日(月)11時02分29秒
なんか不思議な雰囲気。
結末が読めなくて面白いです。
頑張って下さい。
41 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)23時50分06秒
「なちふく」でお会いしましたね。
あそこで良くカキコしてるものです。とても楽しんでおります。

しかし、なちふく好き=ASAYANからのヘビーヲタなんですかねぇ。
おれのまわりにはこの方程式が必ず当てはまるんですけど。

私的意見スマソ。
42 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月21日(月)23時56分22秒
>>39
おおー!!初レスだー。
ありがとうございます。銀杏猫もなちふくの読者です。なちふくは萌えますよね〜
毎日ですか?いやー、うれしいなぁ。がんばります。

>>40
ありがとうございます。ご期待に添えばよいのですが・・・。
よろしければ最後まで読んでやってください。
43 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時02分57秒
>>41
はじめましてー。
銀杏猫はヘビヲタではないんですが、「モーニングコーヒー」のころから彼女らを
しってます。途中はなれたこともあったのですが・・・。
44 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時04分41秒


「ほらほら、なっち、話題ふられてるよ」
隣の圭ちゃんに肩をこつんとぶつけられてわれに返る。
あらやだ、あたしったら目開けたまま夢見られるようになったわけ?
ま、おかげて退屈な時間を過ごさずにすんでよかったけど。

意識を戻すと、司会者がへらへらと笑いながらあたしに質問してきた。
「安倍はどんなヤツがタイプなワケ?」

45 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時06分22秒

「あたしは・・・」

みんながあたしを見る。

さっきの見た夢が、鮮やかによみがえる。

「強い人です」

「強い人〜?なに?ボディビルダーとか格闘家とか、そんなやつ?」
みんなが笑う。あたしは気にも留めずつづけた。

「心の強い人。自分の信念をもって曲げない人です」
「へぇ〜」
もう一人の司会者が感心したようにつぶやく。
46 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時07分34秒
それっきり話題は違うところに移って、またくだらない話がつづいた。
あたしはそのやり取りを律儀に聞いて、律儀にリアクションをとるが・・・・・

心は、ここにはない。

「明日香・・・今何してる?」

心の中だけで、そう、つぶやいた。


47 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時12分07秒


そうしてしばらくの間あたしは何度も夢を見た。

夢には決まって明日香が出てくる。

笑ったり

怒ったり、

泣いたり、

歌ったり、

叫んだり、

慰められたり、

夢の中の明日香はいろんな表情を見せてくれる。
それは以前から知っている明日香のようで・・・・・、
そうではないようで・・・・・。

でも夢のおかげで毎日が楽しくなった。
どういうわけかこの夢は仕事の合間に見ることが多く、
家に帰って眠ると見ることはなかった。
48 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時13分17秒

・・・・・本当に夢なんだろうか?

もしかしてこれは現実逃避の空想じゃないのか?

そうでもいい。

幻影の中でもあたしに安らぎを与えてくれるのなら、
もうすこし夢見つづけさせてほしい。

そう、心の中で願った。

そんなある日・・・・・。

49 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時14分54秒
あたしは3日間のコンサートのリハーサルを終えて久々にマンションへ帰った。

もうくたくたで何もする気力もない。
とりあえず力を振り絞ってなんとか化粧を落とすと、
パジャマに着替えるのももどかしく服を脱ぎ捨て布団へともぐりこんだ。

「ああー。お布団はきもちいいべさー」
誰も聞いてはいないけれども、自然と言葉が出る。

50 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時16分13秒

疲れた・・・・・、いっぱい疲れた・・・・・。

・・・沢山ダンスを覚えなくちゃなんない。

・・・歌もいっぱい歌わなくちゃいけない。

・・・ドラマの台詞もおぼえなくちゃ。

・・・新しいメンバーたちのめんどうを見なくちゃいけないし、

・・・考えたくないけど、みんなを羨ましく思ってつまらない嫉妬とたたかったりしなくちゃいけない。

・・・モーニング娘のこれからのこと、考えなくちゃ。

・・・自分のこれからのこともかんがえなくちゃ。

沢山、たっくさんのことがあたしを悩ませ、苦しませる。

51 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)00時17分06秒

・・・疲れた・・・。

・・・眠ろう。

いつも答えが出ないまま、毎日毎日繰り返し。

もう何も考えたくない・・・・・。

いつしか睡魔が優しくあたしの頭をなで、
眠ってしまうのに、そう、時間はかからなかった。

52 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時41分48秒


・・

・・・

・。

「・・・・・・?」

「・・・白・・・い・・・・?」

目を開けると一面真っ白だった。

・・・何も、ない。

53 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時42分46秒
空も
道も
建物も
人も
何も、ない。

一面が真っ白だと地面すらあるのかさえわからない。

「また、夢だ。」
そうつぶやいて気がついた。

「あれ?夢だけどなんか違うな・・・」
いつもと様子が違う。

54 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時43分45秒

物語が始まらない。

いつもだとどこかの仕事場でメンバーや明日香が出てきて勝手に物語が始まっていく。
でもこれは・・・何もない。なにもはじまらない。

55 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時44分33秒

自分という存在も本当なのか怪しくなって、
 何気に両手を目の高さにもちあげて、手のひらに視線を向けてみる。
あ・・・・あたしがいる・・・。

ほっとした。

ここには何もないけれど、あたしという存在がちゃんといる。

視線を落として、自分という存在を確認してみる。

・・・・・あ、あれ?

・・・・・何も着ていなかった。

56 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時45分50秒
「ひゃぁー!!なっち、何も着てねーべさー!!」

何も着てはいないが寒くはない。おまけに誰もいないので恥ずかしいということもない。

「なっち、おかしくなっちゃったのかな?」
「ふふふ、そうじゃないよ」

後ろから聞き覚えのある声がした。
一人ぼっちの世界にいきなり、
懐かしい、そしてあたしが求めて止まないその人の声。

驚きで、なりふりかまわず、振りかえった。

「明日香」

57 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時47分27秒
明日香だった。

モーニング娘。を脱退したころの明日香がそこに立っていた。
丸い顔、ふあっと軽やかなボリュームある髪、
そして・・・

明日香も服を着ていない!!!

「きゃー!きゃあ!きゃあ!!明日香なんですっぽんぽんなのさー!!」
あたしは顔が熱くなるのを感じた。

「なっちも裸だよ」

「わー!!みちゃだめみちゃだめー!!」
両手を突き出して明日香の目をさえぎる。

「いーから・・・私を見て。」

明日香はそういってあたしの手を優しく引き寄せた。

58 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時48分59秒
ぐっと距離が縮まって、視界には明日香の頭から肩までしか入らない。
よかった・・・、ということはあたしもそのくらいしか明日香に見られてないんだろう。

でも、これじゃあ・・・

目が逸らせない。

離れようにも明日香があたしの両手をしっかりと握り締めていて
離れることができない。

59 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月22日(火)23時51分49秒

「なっち」

「はい?」

はずかしくてまともに受け答えもできない。

「なっち」

「は、はい」

「言いたいこととかあったら言って」

「え・・・えと、あのさ、これって夢だよね?」
「違うよ」
60 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)01時13分20秒
違うの!?
とか、思ったり…(W

先が読めないっすね〜。
61 名前:1111 投稿日:2002年01月23日(水)01時25分55秒
UPおつかれです。41でカキコした者です。
離れていた時期があったんですか。おしいっすね。
私は札幌オーディション以来のヲタですが。

銀杏猫さんはうたばんは嫌いなようですね。
最近特に予定調和のトークしかできない番組になってしまいましたから。

さて今後の展開が気になるところですが、マターリと待っております。
62 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)00時58分05秒
>>60
お?そうですか?そう思ってくださるとうれしいっすね。(^^)

>>61
実はうたばんはあまり見たことないっす。
しかしながら、ちょっとこの話のために犠牲になってもらいました。(w
63 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)00時59分30秒

「え?じゃあ現実?」
「それも違う」

頭の中が小さなパニックを起こす。
夢じゃない、
でも現実でもない、
じゃあ、ここはいったいなんなの?

「じゃあ・・・ここってなに?」
「夢でも現実でもない。ここはなっちのこころの中だよ」

「あたしの、こころの中・・・?」
64 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)01時01分27秒
あたしのこころの中ってことは、
あたしがいるということは当然で、
んーと、
じゃあ目の前にいる明日香はいったい・・・
何?

困惑を見透かすように明日香が言う。
「私はなっちの心の中の明日香だよ」
「じゃあ、今まで夢に出てきたのってあたしの心の中の明日香なの?」
自分で言ってて意味がわからない。

「そう。本物じゃない明日香。過去、実際にあったことを夢で見たんじゃない。
なっちが作り出した明日香なんだよ、私は」

「あたしが作り出した明日香・・・・・?
・・・ってことは本物じゃないの?」
65 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)01時05分13秒
「くすっ、本物じゃないよ。でも明日香であることには間違いはない」
「そ、そうだよね。だって、本物と同じ顔だし、
声も、仕草も、言ってることも違わないし」

「でも、本物じゃない」
「え?」

わからない、そういう顔で明日香を見つめると、やさしい顔をしてつづけた。
「なっちのなかの私は、
モーニング娘を脱退したときで止まってるの
脱退したあとの、現実の明日香にあっていないから
想像や違う解釈がついてるんだよ」
66 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)01時07分40秒

確かに、目の前の明日香の風貌は脱退したあのときのままで・・・
今までの夢を思い出すと、記憶にない出来事ばかりで・・・

「・・・えっと、それって、あたしが脱退したころの明日香に
いろいろ手を加えて改造しちゃったってことかな?」
「そうそう。だから本物じゃない。」


67 名前:完名無 投稿日:2002年01月24日(木)02時57分14秒
本日ここまで読ませていただきました。
本当に皆さんのおっしゃる通り、先が読めない…。
ちなみにここまで読む限り、
>>25福攻、なっち受になってると思います、これ。
ホントは私も福攻…すごく…ときめく…かっこいい…。
今後も期待してます。完結まで頑張ってください。
68 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時22分04秒
>>67
おおー、いつも読んでいる小説の作者様からレスがつくというのは、なんだか不思議です・・・。
明日香にその気があれば、攻めになると思うんですが・・・。おおいかん、妄想が(^^;)
完全無様もがんばってください。いつも楽しませていただいてますので!
69 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時23分09秒

そっか、本物じゃないんだ・・・。
残念だけど、明日香であることに変わりはないよね。

「それでもいいよ」
「ダメだよ」
相変わらずやさしい表情をしているけど、きっぱりと言い切られた。

「どうして・・・」
「なっちは逃げてるんだよ、私に、幻の私に」

70 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時24分08秒

がんっ!
なにかで頭を殴られるようなショックを感じた。

・・・そう・・・
・・・わかっていた・・・。
あたしは逃げているということに・・・。
つらい現実から逃げ出して、夢の中の明日香に救いを求めていたことに。

認めたくなかった。
認めてしまえばひずみが生じて、もう二度と夢の明日香とは会えない気がした。
だから気づかないふりをしていた・・・。

71 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時24分54秒

夢でもいいから明日香に会いたい・・・。
夢であえたら、現実なんて、もうどうでもいい・・・。

やさしい幻想に身をゆだね、つらい現実に目を背けるあたし・・・。
心の中ではわかっていたのに、気づかない振りをしていた。

気づかない振りをして、夢を見続けた・・・。

72 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時25分38秒
「あたしが気づかないふりをしてれば、
いつまでも夢で明日香にあえると思っていたよ」
苦しさを抑えながら精一杯言葉を紡ぐ。

「へへへ、そこが夢の中でも明日香さんなのだ。教えに来たんだよ」
おどけて、茶化す明日香。
「おせっかい」
あたしは目を伏せた。うれしいのかかなしいのか複雑な気持ちがこみ上げてきた。
明日香はそんなあたしを目を細めて見つめている。

73 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時26分33秒

「ねぇ、なっち・・・
夢にばかり逃げちゃダメだよ。
私にばかり頼っちゃダメだよ。

現実にはなっちを助けてくれる人たちがたくさんいるよ。
それは夢に住む私とは違うんだよ。

現実に生きるなっちは現実にもっと心を開かなきゃ。
でなきゃ、みんなのことが見えないよ?

みんな、なっちと同じように悩んでいるんだよ。
助けを求めているんだよ。」

「でも、なっちも苦しいの!苦しくてみんなのことを気にしてあげられないの!!」
・・・誰にも話したことのない、抑圧された気持ちを吐き出す。

74 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時27分34秒

「助けがほしいんだったらまず自分が誰かを助けてあげなきゃ。
みんなも苦しくて、だから他人を気遣う余裕がないんだよ。

だったら自分がその人を助けてあげなきゃ・・・。

そしたらその人が誰かを助けてあげられる、
そして、なっちを助けてくれるよ・・・。

それに・・・」

「それに?」

「幻の私ばかりかまってたら現実の明日香はどうなるの?」
「あ・・・」
「同じ世界にすんでいるのに、違う世界の私とばかり会ってるなんておかしいよ」

75 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時28分28秒

そうだ・・・。

会いたい、本当の明日香に・・・。

でも・・・。

心を覗き込んだのだろうか?目の前の明日香は
「言ってみなよ」
と、やさしくあたしを促した。

「あのね」

だからあたしは・・・言えなかったことをついに

「・・・あたし、明日香に会うのが怖かった」

・・・言った。

76 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時29分33秒
「うん」
きゅ。手を握り締めたまま明日香がやさしくうなずいた。

堰を切ったようにつぎからつぎから言葉があふれてくる。

「あたしは明日香を尊敬してた。
歌に情熱を持ってる明日香に。

明日香がモーニング娘から脱退してから、いつも考えてた。

いつも会いたいと思ってた、

いつも話したいと思ってた。

77 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時31分14秒

だけど、だけど
少しずつ月日が流れて、変わっていくあたしがいた。

メンバーに嫉妬するあたし。

自分の保身ばかりを気にしだしたあたし。

いつのころからか歌のことはそっちのけで
自分の地位ばかりを気にしてたあたし。

こんなんじゃ!
こんなんじゃ!」

声が震える。


涙で明日香の顔がにじむ。

78 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時32分01秒

「明日香に嫌われちゃうよぉ・・・・・。

歌を愛していた明日香に見放されちゃうよぉ・・・・・。」

・・・心を吐露した。

好きだから、あいたい。
でも、好きだから、あえない。

ついにあたしはこらえきれず、大きな声で泣き出した。

明日香は、そんなあたしの額に自分の額を押し当てて、よしよしと頭をなでると

そうして泣き止むまで待ってくれた。


79 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時35分36秒

「現実の明日香も同じじゃないかな?」
「ん」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を拭きながら明日香をみた。
「高校・・・あんなことになっちゃって、娘たちに合わす顔が無いと思ってるんじゃないかな?」
「そんなの・・・そんなこと無い!明日香の選択は間違っていないよ!!」
「それじゃあ、それを本物の明日香に伝えてあげて、
幻の私なんかじゃなく、現実の明日香を大切にしてあげて」
「うん。・・・わかった。」

80 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時37分36秒

泣きすぎて真っ赤になった顔のあたしを明日香は微笑みながら見つめた。
「私は消えなきゃいけないから、現実の明日香によろしくね。」
わかってはいたことだけど、やっぱりつらい。

「どうしても消えなきゃダメなの?」
「消えて思い出にならなきゃ・・・なっちの中の。
でなきゃまたなっちは私を頼ろうとするでしょ?」
「うん・・・、そうだね」

言いつつも懇願する目で明日香を見ると、当の本人はにやっと笑った。
「私は夢の中でも歌の練習したいの!
なっちのことばっかりかまってらんないっつーの!」
「なんだよぉー」
「あははは!!」
初めて夢の中の明日香の、子供のような笑顔を見た気がした。


81 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月24日(木)23時38分23秒
「じゃあ、ね」

「うん、いままでありがと」

夢の中であたしを助けてくれてありがとう。
これからは現実から逃げないよ。
現実の明日香からもにげないよ。

気持ちが伝わったのか、お互い笑顔になった。

瞬間、
「ねえ、私のこと、好き?」
明日香が大人とも子供ともとれないような表情で問いかける。

・・・もちろん。

「大好きだよ」
そう答えると、明日香ははじけるように微笑んで・・・


消えた。


82 名前:1111 投稿日:2002年01月25日(金)01時04分55秒
更新おつかれさまです。
心の中でも明日香はやっぱり明日香なわけで・・・。
ちょっと切ないっすね。
83 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時16分07秒
>>82
レスありがとうございます。
自分なりに考えて話を書いた結果、心の中明日香はこのような感じになりました。
まぁ、なっちによる改造(妄想?)も入れ込んでるつもりなんですが・・・。

ちょっとお知らせ。
小説も終盤になりました。明日が最終回になります。
では、今日の分、更新します。
84 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時17分35秒

うっすらとまぶたを開ける・・・。
いつもと同じ天井が視界に入ってほっとする。
とたんに天井がゆらゆらと波打ちだして・・・

「泣いてたんだ・・・」
しばらく涙を流れるままにしておいた。

ごろん。
体を横に向けると涙が頬を伝って枕へとしみこんだ。
そのままぼんやりと中空に視線を漂わせる。

85 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時19分01秒

「・・・」
「・・・・・」
「・・・・ん!?」
壁の時計に視点が定まると・・・・・
・・・8時を指して・・・・・いた。

とたんにけたたましく携帯がなる。
「はいっ!もしもし!!」
「安倍―!!なにしてんのー!!あと30分で現場入りの時間だよ!!
8時までに事務所に来いっていったでしょー!!」
「すいません!!!いまからそっこ―でそっち行きます!すいません!
すいませんっ!!じゃあ!」
プツッ
あっさりと電話を切ってバックに荷物を詰め込むと猛然と駆け出した。
「やばいよこんなんじゃー!明日香に笑われちゃうよー!!」

86 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時20分51秒

事務所に着くとメンバーが、いらいら、そわそわしていて、あたしの姿を見つけると
軽くにらみつけてくる。
「みんな、おっはよー!!」
あたしは元気よく挨拶した。
そのうちのカオリ、矢口、圭ちゃんがぷんぷんしている。

「おはようじゃなーい!!おっそーい。」
と矢口。
「もー、だから示しがつかないってばー」
と、カオリ。
「なっち・・・あんたね〜」
これは圭ちゃん。

「ごめんねー、あたしを待ってたんだねー」
すると矢口が
「そーなんだけど、ほかにも待ってるのがいる。」
「え?」
87 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時22分21秒
「後藤がまだ来てない。」
「ありゃりゃー、やるなぁ、後藤・・・」
苦笑いしつつあたりを見ると辻と加護が眠そうに突っ立っていた。

最近笑顔が少ない二人・・・。
つらいんだね、きっと・・・あたしと同じように・・・。
そう考えるといてもたってもいられなくなって
「おーっす!!辻加護―!!」
大きな声で手を上げると、それを見た辻加護がうれしそうに、同じようにまねをして
「おーっす!!」
と手を上げた。
圭ちゃんが目を点にしてあたしをみる。
88 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時23分07秒

いきなり変わることなんてできないけれど・・・
小さなことからがんばるよ。
今はもういない、夢の中の明日香へ、そう、つぶやく。
それから約10分、やっと後藤がやってきてあたしたちは現場へと向かった。

89 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時24分24秒

今日はバラエティ番組のロケがあるので、13人全員で移動する。
現場へ向かうバスの中であたしは窓の外の流れる景色をぼんやりと眺めながら
昨日の、最後の、夢の明日香を思い出していた。

90 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)00時25分08秒

(歌も、歌以外の仕事も、
どんな仕事でも、
精一杯やろう。
これから先もいやな仕事はあるかもしれない。
だけど・・・。
あたしは今「娘。」にいるんだから、
どんな事も一生懸命やらなきゃ・・・。
そうじゃなきゃ・・・)
明日香の顔が頭に浮かんで、ぷるぷると頭を振ると
「よぉっし」
ぴしゃり!と頬をたたいて、
誓いも新たに、あたしは仕事に励んだ。

91 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月26日(土)08時08分15秒
明日で、最終回っすかぁ…。
寂しいですね。ケド、最終回楽しみにしてますっ!
92 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)23時25分45秒
>>91
レスありがとうございます。
これより更新いたしますので、お楽しみに〜。
93 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)23時28分02秒
仕事の合間のお昼休憩・・・
あたしは今一人でロケバスの中にいる。
ほかのみんなは天気がいいからと外へお弁当を食べにいってしまった。
あたしも誘われたが、
「ごめん、ちょっと電話したいんだ」
と断ると
「おお!!なっちさん彼氏ですか!?彼氏?」
と矢口に冷やかされ
「誘いを断ってまで電話とは・・・怪しい」
と圭ちゃんにじとーっと見られた。
結局みんなが勝手に気を使ってくれて、
マネージャーさんもスタッフの皆さんもバスから連れ出され、
あたし一人、となった。

94 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)23時29分09秒

「さてと・・・」

バッグから携帯を取り出すと、登録して以来一度もかけたことのない、電話番号を表示する。

「福田明日香」

電話番号が変わっていないことをほかのメンバーから確認していたので
後はボタンを1つ押すだけでいいのだが・・・。
なかなか押せない。
そんな自分にイライラしだして
「わー!もー!!なーにやってんだぁー!!」
勢いに任せてボタンを押した。

95 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)23時29分52秒

「わぁ!押しちゃった・・・」
ちょっとの沈黙の後音がする。

ぷるるるる、一回目。
・・・あたしの声聞いて不機嫌になったらどおしよう。

ぷるるるる、二回目。
・・・いきなり男の人が出ても怖いよね。

ぷるるるる、三回目。
・・・あれ・・・電話から離れてるのかなぁ。

ぷるるるる、4回目。
・・・バイトの真っ最中!?

96 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)23時30分42秒
あれやこれやと思いをめぐらせていると

「もしもし」

電話の向こうに、落ち着いているけど、透き通った懐かしい声がした。

「あ、福ちゃん?」

・・・返事がない。
イタ電だと思われてる?

「なっち?」
電話の向こうの声が驚きを隠せないといった調子で上ずる。
あたしはこらえ切れない熱い思いが胸いっぱいに広がるのを感じた。

97 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)23時31分34秒

「元気だった?福ちゃん。」

「うん、なっちこそ・・・久しぶりだね」

電話の声は昔よりちょっぴり大人びてあたしはなんだかどきどきした。
当たり障りのない会話がしばらく続くと
案の定、沈黙が訪れた。

「あー、福ちゃん、なんかいってよ」

「・・・なっちこそ私より大人なんだから、何とかしてよ」

意地悪なことを言う明日香。
ほんの少し沈黙した後、あたしは口を開いた。

98 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月26日(土)23時32分38秒

「明日香」

「な、なに?」
いきなり呼び方を変えられて、明日香は動揺しているのが電話を通してもわかる。

「明日香、大好きだよ!」
それは一点の曇りもない気持ち。
その言葉に明日香は・・・

「なんだよそれー!!」
と、はずかしそうに笑った。

その笑い声を聞いて、あたしはやっと本物の明日香に会えたんだと実感した・・・。

終わり。



99 名前:感謝のご挨拶 投稿日:2002年01月26日(土)23時35分30秒
最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
おそらく読みにくい文章、描写不足の稚拙さに苦笑なされたかもしれません。
ですが、ぜひ、感想をお願いします。
厳しいご意見もご遠慮なく、率直な意見をおねがいします。
そして・・・、次は皆さんの番です。
銀杏猫は皆さんの作品が読みたいです。(できればなっちと明日香がでてくる話を)
銀杏猫では思いもつかない、皆様だけのお話を見せてください。
ん?はずかしい?
大丈夫ですよ。だって、銀杏猫もはじめてかいたんですから。
皆さん本当にありがとうございました。

100 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月27日(日)01時11分16秒
どぁ、よかったっす!明日香ぁ〜はあとはあとって感じで(W
文章はねー。綺麗でした。うん。読みやすかったっすよ?

ふくなち、なちふく小説いつか書きたいなぁ〜。
101 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年01月27日(日)01時13分11秒
 なっちと明日香が出てくる話をお望みの銀杏猫さんの作品に、
私ごときが感想などしても良いものかは分かりませんが……。
 最初から最後まで、なっちの魅力に貫かれたストーリーでし
たね。
 明日香の姿を通してなっちの心を覗いたような感じでした。
 読み終えて、ほんわかふわふわした気分になれました。あり
がとうございました。
 出来得れば、第二弾としてその後のストーリーを。
 でも、銀杏猫さんご自身がここで完結しているとの思いでし
たら、違う設定でも結構です。
 次作を是非手がけてください。
 心待ちにしています。
102 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月28日(月)00時10分06秒
>>100
感想ありがとうございます。喜んでいただけて、うれしいです。
ぜひとも書いていただきたいですね・・・。もちろん、明日香となっちで
甘いやつとか。どうですか!?今銀杏猫は大変明日香&なっち小説に飢えています。

>>101
感想ありがとうございます。あの、お噂はかねがね・・・(完全無さんのところで)
こんな話を何とか汲み取っていただいて、恐縮です。
この話はこれで完結してしまっているので(銀名猫の中では)
違う設定の話を作っております。
103 名前:100 投稿日:2002年01月28日(月)05時01分36秒
お!キリ番とってた!GET福田!(遅)

違う設定ってまた明日香なっち小説っすか?楽しみだぁ〜。
小説に飢えてますか、森板の方でなちふく小説を昨日見付けました
(知ってたらあれですけど、溢れる思いってやつです)

なちふく、ふくなち書きたいんですけど。
なんでかさやけいを書き始めてしまったりなんかしてます(W
104 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月28日(月)23時12分47秒
>>103
今のところは明日香なっち以外かけませんな。しかしながら、なちごまとかにも興味あり。
うおう!貴重な情報ありがとうございます。早速見てきたんですけど、黒かったぁ・・・。(w
よろしければまた情報ください。
105 名前:完名無 投稿日:2002年01月29日(火)04時45分11秒
>そして・・・、次は皆さんの番です。
良いことをおっしゃいますね(個人的には「やられた〜!」って感じ…w)。
そういう姿勢がいろんなものを育てていく気がしてます、今。
初めての作品とのことですが、これだけきれいにまとまっているのは
やはり銀杏猫さんが心の中で何かを大切に育てた結果なのでしょうね。
そういう話は、読んだ人の心の中にも何かを育ててくれると思います。
そういうつながりって、なんか、いいですよね。

…なんか偉そうなこと書いてるように見えちゃったら、ごめんなさい。
そんなつもりで書いたんじゃ全然ないんですが、
ただ、銀杏猫さんの作品とともに「書く姿勢」にもまた感銘を受けた
ということをお伝えしたかったんです。

100さん情報、私も感謝! 
106 名前:銀杏猫 投稿日:2002年01月30日(水)01時32分16秒
>>105
レスありがとうございます。
まったくもって、おっしゃるとおりですね(^^)
皆さんが一つずつ作品を書くイコール「世界」が増える、ということですから
沢山の「世界」が見れるというのは幸せなことだと、銀杏猫は思います。
偉そうだなんてとんでもないです。完名無さんは心の中に良い物をもって
いらっしゃいますね・・・。105を読んでそう思いました。

ところで・・・
次回作なんですけれど、ここではないところで公開中です。
というわけで、このスレッドはこれにて終了とさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
107 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月30日(水)01時58分34秒
ありゃ。ウッカリ次回作見付けちゃった者です。このスレも美味しく頂いてました(合掌)
108 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月30日(水)05時09分21秒
次回作、どちらで書かれてるんですか?
109 名前:銀杏猫 投稿日:2002年02月12日(火)23時39分49秒
SEEK復活おめでとう!!良かった・・・(しみじみ)

>>107
すごい!すばらしい!!1月30日の時点で次回作を見つけていらしたなんて
感動・・・。

>>108
飼育が止まったときは、次回作がなかなか進んでいなかったのでいえません
でしたが、今ならいえます!

というわけで、銀杏猫の次回作を少しでも見てみたいとおっしゃる方へ。
現在、2chモー娘羊板にて、「安倍の右手」スレ内に連載中です。(たぶん
下のほうにあります。お手数ですが探してみてください)
なっちと明日香がでてくる、恋愛ものです。
110 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月13日(水)00時09分26秒
小説とは言えない
111 名前:銀杏猫 投稿日:2002年02月13日(水)01時32分45秒
>>110
定義に反しておりましたか?でしたら小説とつけるべきではありませんでした。
すいません。
そうではなく、こんなもの「話」とは言えない、という意味でしたら
謹みをもってお聞きいたします。ご意見ありがとうございました。

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