PEACH!!

1 名前:作者です。 投稿日:2002年01月20日(日)02時39分21秒

 こんにちわ。
 
 風板で書いていた者です。
 スレが一杯になったので移転してきました。
 ここでは短編〜中編を書こうと思っています。
 お暇な方は是非、立ち寄ってみてください。
2 名前:作者です。 投稿日:2002年01月20日(日)02時41分41秒

 風板で書いていた、りかやぐちゅーの続きから書きます。
 とりあえず、いったん『りかやぐちゅー』の部分を
 あまりにも中途ハンパなので写します。
 
 これからもよろしくお願いします。
3 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時48分58秒

 今日は朝から矢口さんの機嫌がいいんです。
 「石川寒いって、その発言。」
 いつもなら、少し話すとそう言われるのに、
 今日はとっても機嫌がいいみたいで、
 「へぇ、そうなんだ?」
 しっかり私の話を聞いてくれてます。
 「そうなんですよ〜。」
 私はうれしくなってどんどん矢口さんにいろんな話を
 していきます。
 矢口さんは終始ニコニコと笑いながら私の話を聞いてくれて
 いました。
 
 もちろん普段だってちょっとの事じゃ、へこたれません。
 (ポジティブ ポジティブ!)
 そう心のなかで叫んで矢口さんと喋ってるんです。
 
 いつも矢口さんを見ている私・石川だから、
 矢口さんの変化もすぐわかるんです。
 どうして今日機嫌がいいのか?
 今日は中澤さんと一緒の仕事だからなんです。
 矢口さんは中澤さんと仕事が一緒の時、
 いつも機嫌がよくて、私の話をずっと楽屋で
 中澤さんが来るまで聞いていてくれるんです。
 
4 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時49分51秒
 
 え?来るまで?
 そうなんです。矢口さんは中澤さんが来たら
 話をもう聞いてくれなくなるんです。
 ボーっと中澤さんを見て、終始ニコニコとしてるんです。
 私は話をやめて、いつも矢口さんのそんな姿を見てました。
 (中澤さんを見てなかったら中澤さんに怒られちゃうから
  ちゃんと見てるんだなぁ。)
 
 「矢口ぃ〜!!」
 中澤さんはすぐに矢口さんの所へ走ってきます。
 「暑いよ〜!ひっつくなよぉ!」
 矢口さんは全然顔にはそんな事をださず、ニコニコしたままで、
 中澤さんを軽く引き離そうとしています。
 私はいつもその矢口さんの姿を見ていました。
 (矢口さんってすごい!全然顔にでない。)
 
 「中澤さんっ!矢口さん嫌がってるじゃないですか?」
 私はいつもそこで中澤さんが離れる様に矢口さんに
 助け舟をだします。
 それに…矢口さんにあんまり引っ付いてもらいたくないし…。
 あっ言っちゃった。
 そうなんです。石川梨華、矢口さんに恋をしちゃったんです。

5 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時50分40秒

 「はぁ?矢口、嫌なんか?」
 中澤さんは訳のわからないといった表情を見せて
 矢口さんを見ます。
 矢口さんは少し表情を曇らせながら、
 「別に嫌じゃないけど…。」
 (やっぱり、矢口さんは中澤さんに気を使ってるんだぁ。)
 そう言う時、なぜか保田さんがいつも私に近寄ってきます。
 「石川…ちょっとこっちきなさい。」
 私はいつも保田さんに手を引かれて矢口さんの傍から
 離れるはめになるんです。
 (保田さんに抵抗なんてできないし…。どうしていつも
  このタイミングで保田さんが来るんだろ?)
 もう少しで矢口さんを助けられたのに。
 私はシブシブ保田さんの隣の席に腰を降ろしました。
 「あんたねぇ…いっつもいっつも…。」
 保田さんはいつも何も用事がないんです。
 そう言って周りの飯田さんや安倍さんと苦笑いのような
 表情をするんです。
 
 (もっもしかして…矢口さんに焼いてるのかな?
  保田さん…石川の事好き…だったとか?)
 私は急い保田さんから視線をずらしました。
6 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時51分23秒

 (ごめんなさい。保田さん。石川は…矢口さんの事が
  好きなんです。)
 私は離れてしまった矢口さんに視線を戻しました。
 矢口さんは相変わらず中澤さんとお喋りしていました。
 笑顔がすてきな矢口さん。
 中澤さんも私には絶対見せないような優しい顔で
 矢口さんを見ていました。
 (矢口さんの笑顔って、どんな人をも優しくさせる
  能力があるんだぁ。)
 私はまた、新たな発見をしたので、こっそりメモにとって
 おきました。
 
 「り、梨華ちゃん?」
 よっしーがちょっと引きつった顔で私を見てきました。
 (お腹でも痛いのかな?)
 「ん?どうしたの?よっしー。」
 「何してるの?」
 私の手帳をチラチラ見ながらよっしーは聞いてきました。
 ゆでたまごを食べながら…。
 「え?これ?もーよっしーったら〜。恥ずかしくていえないよぉ。」
 私は顔を真っ赤にしながらよっしーの肩を叩きました。
 「あっ…ゆでたまごがぁぁ。」
 そんなよっしーの叫びは今の私には届いていません。
 (もっと近くで矢口さんの情報を!!)
 
7 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時52分03秒

 私は少しだけ矢口さんに近づきました。
 今日は保田さんにとめられませんでした。
 何かよっしー達と騒いでます。
 私は俄然やる気をだして、矢口さんの動きに
 目をやりました。
 「あっ!!」
 中澤さんが矢口さんにキスをしたんです。
 私の声は二人に届かず、当分二人はキスをしたままでした。
 (中澤さん…キス魔だからしかたないけど…
  矢口さんにはいつも口にするよね?)
 私は辞めて欲しいと思って回りを見渡しました。
 辻ちゃん加護ちゃんに悪影響だといって、
 口にキスするのを前飯田さんに止められていたのを
 思い出したんです。
 でも、タイミングが悪く、皆、まだよっしーの足元を見て
 騒いでいました。
 
 私はぎゅっと手に力を込めました。
  
8 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時52分40秒

 (我慢我慢。)
 矢口さんの顔がほんのり赤くなっています。
 (矢口さんも我慢してるんじゃない。)
 私は矢口さんの顔に見とれながら気を押さえました。
 
 「何さわいどんの?」
 中澤さん矢口さんを膝の上に乗せながら小声で矢口さんに
 話しかけました。
 私は横の方から矢口さんを見ていたので二人には見られてない
 ようでした。
 「ん?わかんない。よっしーがなんか…。」
 矢口さんは膝の上に乗ったままよっしーの方を見てました。
 「今日どうする?終わったらご飯でも食べに行くやろ?」
 中澤さんと矢口さんは小さい声で話し合っていました。
 (いいなぁ、ご飯。私も矢口さんと食べに行きたいなぁ。)
 私は1言も聞き漏らす事のないよう注意深く聞いていました。
 「うん。まかせるから考えといて。」
 「ん。わかった。・…夜も楽しみやわ。」
 「!!ゆっ裕ちゃん!」
 矢口さんは顔を真っ赤にして中澤さんをポカポカ叩いていました。
 (夜?晩御飯の事かな?なんで矢口さん怒ってるんだろ?)
9 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時53分16秒

 「んじゃ、戻るわ。収録でな。」
 中澤さんはやっと矢口さんを解放しました。
 「ん。後で行っていい?」
 「もちろん。いつでも来てや。」
 (矢口さん…最後まで気を使って…。)
 「おっ?石川。そんなとこで1人で何してんの?」
 中澤さんは傍にいた私に気がついて近寄ってきました。
 「何もしてないですよぉ。」
 「ふーん。相変わらず変な声やなぁ。」
 「変じゃないですぅ!!」
 矢口さんも中澤さんの後ろから私に近寄ってきてくれました。
 私は矢口さんに釘付けです。
 「なんや?変な顔して矢口見て…。」
 中澤さんが眉間に皺をよせていました。
 「裕ちゃん、顔恐いよ?」
 矢口さんがキャハハと笑いながら眉間の皺を指差してました。
 「中澤さん、皺が恐いです。」
 私がそう言うと、一瞬にして空気がかわりました。
 「なんやとぉ?石川に言われたらめっちゃ腹立つ!」
  
10 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時53分55秒

 中澤さんが鬼のような形相で私に近寄ってきました。
 「ゆっ裕ちゃん!その顔すっごい恐いよ。
  まぁまぁ…。」
 (矢口さん!石川を守ってくれたんですね?)
 私は目の前の鬼から視線をサッとそらすと、
 天使のような矢口さんを見つめました。
 「ったく…。まぁ、矢口の前やし絞めるのは
  やめといたるか。んじゃ、矢口。」
 鬼は矢口さんに手を振って帰っていきました。
 矢口さんは終始ニコニコと笑いながら見送ってました。
 (矢口さんって心が広いんだ。石川の気持ちも…。)
 私はずっと矢口さんを見つめたままでいました。
 「ん?なに?」
 矢口さんは私の熱い視線に気付いてくれました。
 「矢口さんって中澤さんと仲いいですね?」
 私がそう言うと矢口さんは少し顔を赤らめていました。
 「ん…まぁね。」
 (怒らせちゃったかな?真っ赤になって…。)
 「それより収録大変だよ?裕ちゃん絶対
  すごいアドリブいれてきそう…。」
 矢口さんはそう笑って安倍さん達のほうに歩いていきました。
 
11 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時54分38秒
 よかった。矢口さん怒ってないみたい。
 矢口さんの前で中澤さんについてはタブーなのかな?
 仲良く見えるって事はそれだけ作ってるってことだし。
 矢口さんも大変だなぁ。
 中澤さんと仕事の時は朝から機嫌よく作ってるし。
 よぉ〜し!これからは中澤さんが来たら、
 矢口さんの為に石川が盾になります。
 ちょっと…かなり恐いけど・・。
 ポジティブ ポジティブ!
 
 機嫌いいと思ってたのが作ってたってわかって、
 ますます私は矢口さんへの想いが熱くなりました。
 プロ根性。矢口さんって凄い!
 私は安倍さんと喋っている矢口さんを
 守る決意を持って眺めました。
 
 「梨華ちゃん?なんか目つきおかしいよ?」
 よっしーがいつのまにか隣にきていて私を覗き込んでました。
 ゆでたまごを食べながら…。
 「いやぁんっ!よっしー、見ないでよぉぉ!」
 私は矢口さんを見つめる瞳を見られたのがすごくはずかしくて
 思わずよっしーの肩をはたきました。
 「あぁぁっ!!ゆでたまごがぁぁぁっ!!」
 (この恋は誰にも秘密…誰かにバレたら実らなくなっちゃう!)
12 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時55分27秒

 私はウキウキ気分で収録に望みました。
 「あれ?どうしたの、よっしー?」
 隣でいつもの元気がないよっしー。
 「え?・・ゆでたまごが…。」
 よっしーは訳のわからない事をブツブツと唱え出しました。
 (ゆでたまごが好きなのは知ってるけど、
  仕事中にまで食べたいの?)
 私は今日はポジティブ度200%だったので、
 隣のよっしーに100%分けてあげようと思いました。
 「よっしー!ゆでたまごは仕事の後!
  ポジティブ ポジティブ!!」
 小さい声でよっしーを応援。
 「だって梨華ちゃんが…。」
 まだ足りないみたい。気合をこめて…
 「ポジティブ ポジティブ!!」
 「うさいねん!何がポジティブや!いきなり
  意味わからん事叫ぶな!」
 よっしーにそう言った瞬間、中澤さんに怒鳴られました。
 スタッフの人が笑ってこっちを見ています。
 よっしーは「ゆでたまご。」と唱えるのをやめて、
 私を呆然と見ていました。
 「キャハハ!石川わけわかんない!」
 矢口さんが笑いながら私を見てくれていたので
 私は中澤さんを呪いのリストにいれるのを
 寸前でやめました。
 
13 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時55分58秒
 全体の収録が終わり、後は中澤さんと二人で収録です。
 皆はいったん帰っていきました。
 (よっしー、ゆで卵早く食べなよ。)
 私は温かいめでよっしーの背中を見送りました。
 (あれっ?矢口さん。)
 カメラの横に矢口さんが残っていました。
 (チャーミーのがんばりを見てくれるんですね?)
 私はやる気まんまんで席につきました。
 今は中澤さんだって恐くない!
 
 収録は散々の結果になってしまいました。
 中澤さんがカンペと違う事ばっかり言って、
 なかなか先へすすめれなかったんです。
 (もうっ!なんでちゃんとできないんだろ?)
 私は笑顔で中澤さんに挨拶して席を立ちました。
 (あれ?矢口さんは・・・?)
 私はカメラの横でキョロキョロと周りを探しました。

 途端に後ろから矢口さんの声が聞こえてきたんです。

14 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時56分30秒

 振りかえると中澤さんとお喋りをしていました。
 (あれ?すれ違ったのかな?小さいから見落と…!
  いけない!矢口さんを小さいだなんて…。違うんです。
  石川達みんながおっきすぎるんです。矢口さんは普通
  サイズなんです。)
  私は必死で頭の中で矢口さんに弁解しました。
 「あっ石川、おつかれ〜。今日もよかったよ。」
 矢口さんは私に気付いてくれました。
 「ありがとうございます。」
 「石川ちゃうやろぉ?裕ちゃんががんばったから
  よかったんちゃうの?」
 中澤さんが矢口さんに抱きつきました。
 (なっ!何言ってるんですか?この人は…。
  矢口さんの意見が正しいに決まってるじゃないですか!)
 「まぁ、そうだけど。石川だからあぁできるんじゃないの?」
 「そうやねんけどな。石川もお疲れさん。はよき着替えや?」
 中澤さんが優しく私に声をかけてくれた…つもりなんでしょう。
 (ひっ!逆にそうとう恐い…。)
 「はぁい。お疲れさまでしたぁ。」
 私は急いで帰ろうとしました。
 コレ以上関わったらダメ!本能がそう言っています。
15 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時57分00秒
 しかし私はそのまま帰る訳にはいかなかったのです。
 だって、さっき誓ったばかりですから。
 『矢口さんの為に石川が盾になります。』
 私は恐怖で早く前に進もうとする足をポジティブに
 止めて、矢口さんに話しかけました。
 隣の中澤さんは視界に入れないように気をつけて。
 「矢口さんも着替えに行きましょうよ。」
 「え?あぁ、矢口はもうちょっとしたら行くよ。
  先いっといて。」
 いくら視界に入れないとはいえ、隣に中澤さんがいるんです。
 矢口さんはその場を離れられないんでしょう。
 私はコレ以上の策を頭の中で緊急発見する事ができなかったので、
 中澤さんの魔の手の中に中澤さんを残したまま退散しました。
 (ごめんなさい、矢口さん。石川はまだまだです。)
 
 楽屋に帰るとよっしーがゆでたまごをほおばっていました。
 「あっよっしー。よかったね。食べれて。」
 私は矢口さんを救えなかった自分を振りきるように、
 よっしーに笑顔を見せました。
 「う・・うん。」
 よっしーは私の顔を見るなりゆでたまごをしっかり手に
 握りだしました。
 
16 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時57分31秒
 「なにぃ?取って食べたりしないよぉ。」
 私はそんなよっしーを笑って見ていました。
 「だって・・・・。」
 よっしーは口にほおばりすぎたみたいで
 何言ってるかまったくわかりませんでした。
 私はわかった振りをしてよっしーの前を通りすぎました。
 チャーミー服から私服に着替える為に。
 (きっと矢口さんは早く私の私服を見たかったんだわ。
  中澤さんには見せたくない…とか?キャァ!
  矢口さん!中澤さんを来ないようにしてくれたんですね?
  それともどっかに連れて行ってしまうとか…。
  オバステ山って話がぴったりね。)
 私は部屋のはしで着替えながら矢口さんの帰りを待ってました。
 ふと着替えながら横を見ると保田さんがこっちを見ていました。
 私は着替えのトップスピードに乗りました。
 (保田さんの想いは気付いてない振りしなくちゃ。
  着替えてる私を舐めるように見ているのは恐いけど。
  ううん。ポジティブ!!!)
 私は過去最高記録でお気に入りのピンクのお洋服に
 着替えることができました。
  
17 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時58分02秒
 後は矢口さんを待つばかり…。
 私はごっちんの隣に座って矢口さんを待ち始めました。
 いつもはよっしーの所に行くんですけど、
 今日はなんだかよっしーが変なのでもう近づかないようにします。
 「梨華ちゃんってさぁ…。」
 ごっちんが半分寝ながら私に何か聞いてきました。
 「ん?ごっちんどうしたの?」
 私は年上なので、少しお姉さんっぽく微笑みかけました。
 「・・・。もしかして…。」
 ごっちんがそう言った瞬間、背後から凄い物がごっちんに
 襲いかかりました。
 「キャッ!」
 私はびっくりして少し叫び声をあげてしまいました。
 『あの時は本当に驚きました。地球上で見たことのない生物が
  ごっちんに襲いかかったんです。本当に恐かったです。
  特徴ですか?目を見開いた感じで…毛は硬そうな印象を
  受けました。逆立っていたような。そして…。』
 私の頭の中には芸能レポーターに答える言葉がグルグル周りだしました。
 明日の仕事はどうなるんだろう? 

18 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時58分34秒
 「保田さん!?」
 なんと、正体は保田さんだったのです。
 保田さんはごっちんの口を押さえながら連れ去っていきました。
 (ごっちんが私に告白するとでも思ったのかしら?
  保田さんったら…でもごめんなさい。)
 「石川、ちょっと後藤借りるね。」
 そう言ってごっちんを引きずって行く保田さんは
 私が形容した生物とやはり同一生物でした。

 何がなんだかわからないまま私は1人で矢口さんを待つ事に
 しました。
 暇なので人間観察でも…。
 辻ちゃん加護ちゃんはお菓子を食べながらなかよしを読んでいて、
 よっしーはまだゆでたまごを食べています。目の前のたまごのカラが
 少し気持ち悪い印象をかもし出していました。
 保田さんと安倍さんと飯田さんはごっちんに何かを言っている
 みたいで、ごっちんが黙って何度も頷いていました。
 新メンバーは固まって何かしてました。
 あんまり見てませんでした。
19 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)02時59分51秒

 矢口さんはなかなか帰ってきません。
 私は後悔しはじめました。
 (無理やりにでも、中澤さんから救い出してこればよかった。
  矢口さん、ごめんなさい。中澤さんに恐れをなして
  逃げ出してきた石川を許してください。変わりに
  矢口さんが捕まってしまって・・・。)
 私はさっきまでのポジティブ度がマイナスになりかけているのを
 感じましたが、どうにもできませんでした。
 「はぁ。」
 思わず口からため息が漏れます。
 
 (保田さんっていう生物を飼いならしたら中澤さんを
  どうにかできるかしら?中澤さんも保田さんだけは
  1歩踏み込んでないかんじがするし…。
  でも…矢口さんの為とは言え…保田さんは無理。)
 一瞬にして頭が冷静になりました。
 (よっしーは?中澤さんってよっしーともなんだか
  話したりしないよね。よっしーを捨て駒に??
  スーパーマリオと同じような使い方ね。)
 私はよっしーをチラリズムしました。
20 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)03時09分09秒

 よっしーはまだゆでたまごを一人でむさぼり食べていました。
 
 (ゆでたまごさえ渡したら…よっしーを飼いならせる!!)
 私は俄然やる気が出てきました。
 私はルンルン気分でよっしーに近づいて行きました。
 「よっしー。」
 よっしーは私を見るなり、すごく驚いた顔をして、
 手に持っていた剥きたてのゆで卵を口に突っ込みました。
 これには私はおどろきました。
 卵1つを口に放り込んだんですよ?
 よっしーは私を見ながら何か言ったんですけれども、
 また何一つ聞き取ることはできませんでした。
 
 「…わかんないよぉ、よっしー。食べてからでいいから。」
 私がそう言うと、よっしーは安心したような顔を見せ、
 口パンパンに入ったゆでたまごを美味しそうに
 噛み締めていました。
 (そういえば、スーパーマリオのヨッシーも
  いろんな物食べてたよね。口一杯にして。)
 私は目の前のよっしーを見ながらふとそんな事を考えていました。
 (・・・ってことはぁ、私がマリオで…矢口さんがピーチ姫。
  中澤さんがクッパってことね。フフフ、筋書き通りね。)
 
  
21 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)03時26分46秒

 そんな事を考えている内に、よっしーは
 ゆでたまごを食べ終わったようでした。
 「はぁ、美味しかった。で、どうしたの?梨華ちゃん。」
 「ねぇねぇ、ヨッシー。ヨッシーって私の事すき?」
 私は気分的によっしーをヨッシーと呼び始めていました。
 ヨッシーは全然気がついていません。
 「え?うん、好きだよ。」
 ヨッシーは不思議そうに私を見ていました。
 「ほんと?じゃぁ、明日からゆでたまご一杯持ってきて
  あげるね。」
 「ほんとに!?やったぁ、ありがと。」
 ヨッシーはとてもうれしそうに私を見ていました。
 (これで、ほぼ手なづけ成功!)
 私はその時まだ気がついていませんでした。
 マリオがクッパと戦う時、ヨッシーは城にすら入らないことを…。

 「それにしても、矢口遅いネェ。」
 私の後ろで保田さんがそう呟くのを私は聞き漏らしませんでした。
 「今日は皆に言わなきゃいけないことがあるから
  先帰れないもんね。」
 安倍さんもそう言って時計を見ていました。
 
 私が助けに行かなくちゃ!!
22 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)03時35分52秒

 「私、探してきます!」
 私はそう保田さん達に言って立ち上がりました。
 「え?いいよ、石川は。私が見てくるから。」
 保田さんはなにやら焦りながら私を引き止めました。
 「そんなっ。いいんです。私が行きますから…。」
 (保田さん…優しさを私に向けなくてもいいんですよ。)
 私はそう言いながらも保田さんを見る事ができませんでした。
 「は?石川?」
 保田さんの戸惑った声が聞こえます。
 (ごめんなさい。本当に…保田さんは無理なんです。)
 「い、いいよ、石川。カオリが行ってくるから。リーダーだし。」
 飯田さんがそう言ってドアの方に歩いていくのを、
 私は保田さんのことを考えていて一瞬気がつきませんでした。
 「えっ飯田さん。」
 私が急いで引き止め様とすると、
 「大丈夫大丈夫。カオリだいたい居る場所わかってるから。」
 そう言ってすぐに出ていってしまいました。
 
 飯田さんは…ルイージ?それともノコノコかしら?
 
 私は仕方なくヨッシーの隣に再び腰を下ろしました。
 ヨッシーはまたゆでたまごを食べていました。
23 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)03時47分15秒
早速、新スレに引越しですね。

それにしても、石川、君は面白すぎる…。
マリオってのもまた懐かしい。
吉澤のこと、すでにヨッシー呼ばわりしてるし(笑)
作者さんの創造(想像?)力には感服するばかり。
圭織や圭ちゃんの行動にも目が離せないです。

これからもがんばって下さい。
24 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)14時25分16秒
すいません。お手数ですが風板のスレ(前スレ)を貼っていたたけませんか?
25 名前:B8 投稿日:2002年01月20日(日)19時24分18秒
新スレ、バンザイ×8。(しつこいですねw
可愛らしいというかなんというか……チャーミ、これからが楽しみです。
26 名前:作者です。 投稿日:2002年01月20日(日)19時42分06秒
風板の前スレです。
短編を書き始めたところから貼りました。
すみませんでした。>>24さん。
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=wind&thp=1003161277&ls=131

>>23さん。
レスありがとうございます。
早速来てくださって。
これからもよろしくお願いします。

>>24さん。
レスありがとうございます。
お暇でしたら是非読んで見て下さい。

>>25 B8さん。
レスありがとうございます。
増えてきました(w 
短編とかいいつつ長くなってきましたね…。
中編ですね、これは。
27 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年01月20日(日)21時25分38秒
このHNをつけたのに今日この小説を見つけたなんて
自分アホです。りかやぐちゅーは、自分始めて見るんで
作者殿頑張ってください。
28 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)01時54分49秒

 「ごめんごめん。」
 すぐに飯田さんが矢口さんをつれて帰ってきました。
 矢口さんは心なしか顔を赤くしていました。
 「もー、これから一緒なんでしょ?」
 安倍さんがそういうと矢口さんはなぜか照れながら
 頷いていました。
 私にはさっぱりその意味がわかりません。
 どう言う事か聞こうと思ったら、飯田さんが明日の予定について
 話し始めたので、聞けずじまいでした。
 私はヨッシーの隣でしかたなく話を聞いていました。
 矢口さんが飯田さんの隣にいたのでずっと見つめていたの
 ですが。
 
 「・・・・・というわけだから。わかった?じゃぁ、今日は
  これで解散〜!!」
 ハッ!!矢口さんに見とれすぎててわかってません。
 これで今聞いたりしたら矢口さんにあきれられちゃう!!
 私はヨッシーのそでをそっと掴みました。
 「ん?」
 ヨッシーは荷物をもって早速帰ろうとしていました。
 「ヨッシー、一緒に帰ろ?」
 私は出きる限りの笑顔をヨッシーに向けました。
 本当は矢口さんにしか見せたくないのですが、
 話の内容を娘。として仕入れなきゃなりません。
29 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)02時03分13秒

 「う…うん。」
 ヨッシーは少し顔を赤くして頷いていました。
 片手にゆでたまごを持ちながら。
 「ちょっと用意するから待っててね。」
 私は自分の荷物を取りに向かいました。
 ヨッシーはゆでたまごを食べながら待ってくれるようです。
 矢口さんは私の荷物の横で着替えていました。
 「矢口さん、矢口さんも一緒に帰りませんか?」
 矢口さんは何故か凄く急いで着替えていました。
 「え?ああ、矢口はいいよ。裕ちゃんと帰るからさ。」
 えっ・・・・・はっそう言えば・・・
 『今日どうする?終わったらご飯でも食べに行くやろ?』
 中澤さんの言葉が頭にフラッシュバックします。
 とととととと、ということは・・・
 さっきの安倍さんの言葉の意味もわかりました。
 
 矢口さん、これからも中澤さんにつきあわなきゃならないんだ・・。
 こんなに急いで…脅されてるんだわ。
 ここは女・石川が盾になるべきところじゃないですか??
 
 「矢口さんは私が守ります!!」
30 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)02時10分48秒

 「は??」
 矢口さんは着替えている手をとめて私を見ていました。
 驚いたんでしょう?
 大丈夫ですからね?私が守ってみせます。
 今の私にはヨッシーもいる!!
 
 「いっ石川何言ってるの?いいからちょっとこっち来て。
  あっ矢口、大丈夫だから。気にしなくていいからね。」
 私は保田さんによって矢口さんから引き離されてしまいました。
 (ちょっと!!何するんですか!!今重要な所なんです!)
 もちろんこんなこと、保田さんに面と向かっては言えません。
 私は感動してぼーっとしている矢口さんとの距離がどんどん
 離れて行くのを黙って見つめる事しかできませんでした。
 
 「石川、あんたねぇ…。」
 保田さんがため息をつきながら私を見ています。
 (そ、そんなに人の恋路を邪魔したいんですか?
  いくら私が好きだからって…もうやめてください!!)
 もちろん、言えません。
 
 「じゃ、じゃぁ、お先!」
 そうこうしてるうちに矢口さんは走って行ってしまいました。
 「あっ!!」
31 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月21日(月)02時18分22秒

 「ねぇ、圭ちゃん。こうなったらはっきり見せつけたら?」
 ごっちんがなにやら保田さんに話しかけました。
 (え?保田さんの愛を???いっいいです!いらない!)
 「そうだねぇ、それにしても、あの二人もなんにも
  気がつかないってのもどうかと思うけど。
  1番は石川だよね。」
 ちらっと私に視線を送る保田さん。
 思わず目を瞑りました。
 「でもねぇ、大丈夫かな?」
 安倍さんがなにやら心配そうに二人を見ています。
 私はいまいち何がなんだかわからなかったのですが、
 黙って立ち尽くしていました。
 「う〜ん。壊れるかもしれないのよね。
  それが恐い。今でも十分壊れてるからさぁ。」
 「それにしても、なんで気がつかないのかなぁ?」
 「でも、無駄っていうことを早く教えてあげた方が
  いいんじゃない?」
 3人でぶつぶつと話あいだしました。
 「あのっ私はもう帰っていいですか?」
 
32 名前:作者です。 投稿日:2002年01月21日(月)02時24分01秒

>>27 やぐちゅー中毒者セーラムさん。
レスありがとうございます。そして発見も。
いえいえ、最初ひっそりとやっていたんですよ。
りかやぐちゅー、初めて書くんでとんでもないものに
なっているんですが・・・。
ずっと石川さんばかりで、やぐちゅーはあんまり
でてきてませんが、ようやく出して来れそうです。
次でラストまで書き上げたいと思ってますので
またお覗きくださいマセ。
33 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)22時24分37秒

 「「「 は?? 」」」
 私が3人にそう声をかけた瞬間、3人は同時に私を振り帰りました。
 「えっ?」
 3人の目つきに私は身も凍るような思いをしました。
 「・・・あんた、何いってんの?」
 保田さんがため息をついていました。
 私は恐くてもう言葉を発しようとは思いもしませんでした。
 「これはもうダメだね。見せちゃおうか。」
 「うん。早く見せとけばよかったんだよ。」
 安倍さんと後藤さんが私をチラチラみながらそう言って
 立ち上がりました。
 「まだ帰ってないよね?楽屋にいるかな?」
 保田さんもそう言って立ち上がり軽く私を見ました。
 「いくよ。ついといで。」
 
 私は3人に囲まれる形で廊下を歩いていました。
 「どこ行くんですか?」
 そう聞いたら、
 「いいから。あんたはずっとだまってなさいよ?」
 保田さんが振り返りもせずに私の目の前でそう答えました。
 
 私…今から保田さんに、○されるのかしら?
 
 私は恐怖でそえ以上何も言えませんでした。
34 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)22時33分57秒

 「ここよ。…じゃぁ、石川…絶対声だしちゃだめよ。」
 保田さんがある部屋の前で立ち止まり、物音を立てずに
 そっと少しだけドアを開きました。
 私は(もうダメだ。ごめんなさい、お母さん。)と
 心の中で絶望の淵に立っていました。
 
 「おっちょうどイイ。やってるやってる。」
 ごっちんがが部屋を覗きながら小さい声で呟きました。
 「んじゃ、石川、絶対声出さずに中覗きなさい。」
 保田さんがどう言って少し私の頭を押して中を覗かせました。
 私は恐怖で震えながら中を覗きました。

 !!!!!!!!!!!!

 矢口さんと中澤さんがいました。
 舌が絡み合うようなキスをしながら。
 
 私は二人から目線を外すことができませんでした。

 中澤さんと矢口さんは・・・・できてたんです。

 私は自分の体がわなわなと震えているのがわかりました。
 そんな私の体をポンッと叩いた人がいました。
 私はほぼ放心状態のまま振り帰りました。
35 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)22時43分42秒

 「梨華ちゃん、何やってんの?早く帰ろうよ。」
 ヨッシーが立っていました。
 ゆでたまごを持ちながら。
 「よっ吉澤!?」
 保田さんがすごく焦った声でヨッシーを怒っていました。
 「喋んないで!」
 小さな小さな保田さんのその声はヨッシーには届きません。
 「え?なんですか?」
 ヨッシーがそう言った時でした。
 「やっやばっ!!」
 ごっちんと安倍さんが慌てふためきながら走りだしました。
 「ちょっ!まっ待ってよ!」
 保田さんも凄い表情で激しく焦りながら二人を追って走りだしました。
 ヨッシーと私はそんな3人を呆然と見ることしかできませんでした。
 
 「またお前等覗いてんのかぁ!!」
 中澤さんがすごい剣幕でドアを開けて出てきました。
 私とヨッシーはそれで、確実に心臓が弱まりました。
 ヨッシーはゆでたまごを、あの大切なゆでたまごを
 中澤さんの顔を見ながら落としていました。
 「ちっ!また逃げよった…ん?なんや?あんたらもか?」
 中澤さんは私とヨッシーの前に立ちはだかりました。 
36 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)22時51分52秒

 「ん?あれよっすぃ〜達じゃん。どうしたの?」
 中から矢口さんが歩いてきました。
 「ん?一緒につれてこられたみたいやで?」
 
 私とヨッシーは放心状態のまま。
 (矢口さん…できてるんですか?…はっ!違う…きっとまた
  襲われてたんだわ。首に傷跡が…中澤さんにやられたんだわ。
  押さえつけられたのかしら?そうよ、矢口さんが中澤さんと
  できてるわけなんかないわ。)
 私は急いで自分の考えを否定しました。
 中から出てきた矢口さんの服装が少し乱れていたのが
 中澤さんが矢口さんを襲ったという事実の証明に
 なると思います。
 (ヨッシー!!矢口さんを一緒に助けるわよ!!)
 そう思って私は勢いよく横を見ました。
 「・・・・またゆでたまごが・・・。」
 ヨッシーは下に落ちたゆでたまごを震える手で
 寄せ集めていました。
        ―――使えない!!!
37 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)22時57分32秒

 「で?どうしたんや?」
 中澤さんが私を見て聞いてきました。
 (あっ中澤さんの服も少し乱れて…矢口さん、抵抗して
  たんですね??)
 私は乱れて少しあらわになった中澤さんの胸元から目を離せずに
 いました。
 「ゆっ裕ちゃん!前!!」
 矢口さんが私がそこを見ているのに気がついたのかあせって中澤さんに
 忠告してあげていました。
 「ん?わっ!あぶなっ。もー矢口が悪いんやでぇ?」
 中澤さんがニヤニヤと笑いながら服を直していました。
 (やっぱり!私の考えは正しかったんだわ!!)
 私は中澤さんから矢口さんを救う事を決心しました。
 
 「中澤さん!!」
 私は叫びました。
38 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)23時09分02秒

 「ん?なんや?」
 中澤さんは突然なんだ?という顔で私を見ました。
 「何してたんですか!?」
 私は叫びました。
 「えっ?それは…それはやなぁ・・。」
 中澤さんが言葉を濁しながら矢口さんをちょっと見ました。
 (矢口さんを襲ってたなんて言えないですよね?)
 私は強気のまま中澤さんを見ていました。
 ヨッシーは隣で私をきょとんと見ていました。
 矢口さんも私をびっくりした目で見ていました。
 (大丈夫です、矢口さん。今日私が矢口さんを助けますから!)
 「言えないような事なんですか?」
 中澤さんはちょっと頭を掻きながら困っていました。
 「ちょと…石川?」
 矢口さんが、もういいよ、といった顔で私をとめようと
 していました。
 いいんです!!救ってみせますから!
 もう矢口さんは自由になれるんですよ!
 
 私は大きく息を吸い込みました。
39 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)21時12分55秒

 「矢口さんは・・」
 「石川!!!」
 
 私が中澤さんに向かって話そうとした瞬間、
 保田さんが猛スピードで私の名前を叫びながら
 走ってきたのです。
 (まっまた邪魔を・・・。)
 私は保田さんの顔を見て少々ビビリながらも、
 心の中では舌打ちの嵐でした。
 「ごめんごめん、裕ちゃん。」
 保田さんが何故か中澤さんに謝りながら私の手を掴んで
 私を引きずりだしました。
 「ん?あぁ、なんなん?訳わからんねんけど?」
 中澤さんはポカンとした顔で保田さんをみていました。
 (中澤さんも保田さんの顔をみて驚いてるわ。
  矢口さんもびっくりした顔してるし・・。
  保田さんって凄いわ。)
 保田さんに引きずられながら私は一瞬そんな事を考えていました。
 
 ハッ!!違う違う!今は大切な所なんだから!!

 「保田さん!離してください!」
 私は強い口調で、保田さんに叫びました。
 けれど、ここが私のまだまだな所なんでしょう。
 保田さんの顔を見る事はできませんでした。
40 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)21時22分53秒

 「いいからちょっと来なさい!!」
 保田さんがそう言って私を一瞬みたんです。
 どんなに恐かったことか・・・。
 さっきの中澤さんなんて目じゃありませんでした。
 私はそれ以降は黙って保田さんに引きずられていました。

 矢口さんと中澤さんはポカンとした表情のまま私達を
 見ていました。
 (矢口さん…かわいい。それに比べて中澤さんは…。)
 あまりにもその矢口さんの姿が可愛かったせいで、
 またついつい関係無い事を考えていました。
 
 「あっ裕ちゃん!明日仕事早いんだから矢口を
  疲れさせすぎないでよ?」
 保田さんが振り帰って二人にそう言うと、
 「圭ちゃん!!もうっ!やめてよぉ。」
 矢口さんが顔を真っ赤にして怒り、隣の中澤さんはニヤニヤしながら
 矢口さんを見ていました。
 「矢口が我慢できたらなっ。大丈夫や、いつもの事やし。」
 中澤さんが軽く笑いながら保田さんにそう言うと、
 「もうっ裕ちゃん!!じゃっ、もう今日はやんな〜い!」
 「えっちょっ待ってぇやぁ、矢口〜。」
 中澤さんが矢口さんにすがりついていました。
41 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)21時31分13秒

 その姿を見た直後、保田さんが角を曲がったのでしょう。
 矢口さんの姿は見えなくなってしまいました。
 私はそのままズルズルと引きずられ続け、楽屋に
 連れ帰されてしまいました。
 
 「ちょっと…石川そこ座んな。」
 保田さんは私の腕から手を離し、近くの椅子に腰を降ろしました。
 私は不満だらけでしたが、おとなしく椅子に座りました。
 「で、今のであの二人の事わかった?」
 保田さんが少し優しいかんじで口を開きました。
 「は?何がですか?」
 (保田さん…もしかして中澤さんに襲われている矢口さんを
  黙認してる??だってさっき覗いて知ってるハズだし。
  いけにえ!?)
 「え?まだわかってないの?さっきの私の会話聞いてた?」
 何故か呆れ顔の保田さん。
 「聞いてましたよ。だから矢口さんを!」
 (そうだ!本当に矢口さんを守らなきゃ!!)
 私が立ち上がろうとした瞬間、
 「石川、今から言う事ちゃんと理解しなさいよ?
  はぁ、なんでわかんないんだろ?まぁ、いいわ。
  これが現実だから。わかった?」
42 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)21時38分05秒

 (いけにえ宣言?でも、それでも矢口さんほっとけない!)
 私は心の中で少し焦りながらも、とりあえず頷きました。
 (ついに…入って1年半、モーニング娘。の実態が・・・。)

 「あのねぇ、あの二人は、裕ちゃんと矢口はね、
  付き合ってるの。」
 
 ――――――――脳内理解中――――――――
 ――――――――脳内理解中――――――――
 ――――――――脳内理解中――――――――
 
 「…矢口は裕ちゃんが好きで、裕ちゃんは矢口が好きで、
  二人はうまくいってるカップルなの!!」

 ――――――――脳内理解中――――――――
 ――――――――脳内理解中――――――――
 ――――――――脳内理解中――――――――
 ――――――――脳内理解中――――――――
 ――――――――脳内理解中――――――――


 ――――――――理解不能―――――――――

 私の頭の中でその時、確かに時が止まりました。
43 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)21時46分14秒

 私が時を刻みはじめたのはそれからどれだけたっていたのかは
 わかりません。
 が、目の前に保田さんの顔があり、首の骨が折れるかと思うほど
 体をゆすられていたというおかげで、私の時間は
 再び時を刻み始めました。

 「え?」
 そう聞き返すのが精一杯でした。
 ヨクワカリマセン。
 「だからぁ、落ち着いて聞いてよ?あの二人はラブラブなの。」

 (ラブラブなんて久しぶりに聞きました・・よ・・。)
 再び私の時間は止まりました。

 再び同じようにして時を刻みはじめ、また時がとまる。
 これを何度くりかえしたでしょうか?

 私がやっと時を止めることなく、なんとか保田さんの話を
 聞けるようになったとき、何故か保田さんは息を切らして
 いました。
 あまりにも激しかったので、
 (石川に興奮しはじめた??)
 っというおっかない考えが頭に浮かんで一瞬広がりました。
44 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)21時59分11秒

 「ハァハァ、わかった?あの二人は仲がいいんだから。
  普通以上に。だから諦めなさい!!」
 保田さんが私の肩を掴みながらそう言うと、
 ドカッと椅子に座りました。
 「諦めるって・・もしかして・・。」
 「矢口の事。」
 保田さんは短くそう言うと小さくため息をつきました。
 
 矢口さんの事?
 諦める?

 誰にも言ってなかったのに!なんで保田さんが??
 そっそうか、保田さんは私を見ていたから気がついたんだわ。
 バレてたの?ハッそうよ、だから矢口さんとの恋が実らなかった
 のね?保田さんっあなたのせいなの??

 「矢口に嫌われたくないでしょ?素直にあの二人を
  応援しなさい。だいいち…。」
 保田さんがなにやらぶつぶつ言い始めました。
 私は保田さんのせいだと睨んでいたので
 その事に夢中ではっきりと聞き取ることができませんでした。
 
 って事はこの話も保田さんの作り話の可能性もあるんだわ。
 だめよっ!!ポジティブに行かなきゃ!
 なんでも鵜呑みにしたらだめな世界じゃない!芸能界は!

 そんな時でした。

 
45 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)22時12分19秒

 「でもあの二人、本当に仲良くてお似合いですよねぇ。」
 
 「ヨッシー!?」
 私はすっかりヨッシーの存在を忘れていたので
 その声に大分驚かされました。
 ヨッシーはゆでたまごを片手にニコニコをした表情で
 保田さんを見ていました。
 「あら?あんたもう立ち直ったの?」
 保田さんが意外そうにヨッシーを見ていました。
 「はいっ!最後の1個だと思ってたんですけど、鞄の底に
  あと一つあったんです。」
 ニコニコとゆでたまごを掲げ上げているヨッシーは
 本当に幸せそうでした。
 丁寧にカラを剥いて食べ始めようとしているヨッシーを
 私と保田さんはしばらく無言のまま見ていました。
 
 「ヨッシー…いつから知ってたの?」
 私は恐る恐る聞いてみました。
 「え?私が知ったのはねぇ、半年くらい前かな?
  え?何?どうしたの?」
 きっとヨッシーはゆでたまごがみつかるまで、意気消沈していて、
 私達の会話なんて1つも頭にいれてなかったんでしょう。
 不思議そうに私の顔をみていました。
46 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)22時21分23秒

 「う、ううん。いいの。食べていいよ。」
 私はゆでたまごを食べようと口を開いたままでいるヨッシーに
 そう言うと保田さんを見ました。
 「ね?皆知ってるのよ?あの二人のこと。
  辻や加護も知ってるわよ。だから…。?石川?」
 ミンナシッテタ???
 ワタシダケシラナカッタ。
        ノケモノ???
 私は目から涙が溢れ出しました。
 「いっ石川?ちょっちょっと…。」
 目の前であたふたしている保田さんの顔もぼやけてみえません。
 「私だけ…知らなかった…どうして?
  もう皆信じられない!!」
 私は思わず立ち上がって部屋から走りでました。
 後ろから焦る保田さんの呼ぶ声が聞こえましたが、
 無視して走り出しました。
 
 もう誰も信用できない!!
 ヨッシーも知ってたなんて!!
 辻ちゃんも加護ちゃんも。
 私だけ・・・
47 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)22時29分50秒

 「あれ?石川どうしたの?」
 前方に矢口さんがいました。
 私の姿に驚きながら見ています。
 「矢口さん!!」
 私は隣にいた中澤さんに構う事なく矢口さんに抱き着いて
 泣き出しました。
 「ちょっと…どうしたの?」
 「なんや?娘。でなんかあったん?んじゃ、私は中いとくわ。」
 中澤さんはそう声をかけるとドアの中に入っていきました。
 
 「石川?」
 「わ…私だけ…私だけのけものにされてたんです。」
 矢口さんに泣きつきながら私は話し出しました。
 「え?のけもの?何それ?そんなのしてないよ?」
 「だって…だって…私だけ知らなかったし…。」
 「何?皆に言う事は全部皆に言ってるよ?
  のけものになんかしてないって。」
 矢口さんが私を慰めるようにやさしく話してくれました。
 「だって…矢口さん…全部石川に教えてくれてます?」
 「うん。皆に言ってる事は絶対石川にも言ってるよ。」
 「それじゃ…騙されてたんですかね?」
 「そうなんじゃない?わかんないけど。」
 私は泣くのをやめ、矢口さんの顔をみました。
  
48 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)22時38分15秒

 矢口さんは私にそんな関係だって言ってない。
 ・・・・てことはやっぱり嘘だったんだわ。
 
 「ごめんなさい。ありがとうございました。」
 私は矢口さんに礼を言って離れました。
 「う、うん。よくわかんないけど、納得できたんなら
  それでいいや。じゃ、もう結構遅いから早く帰りなよ。」
 矢口さんは笑ってくれました。
 「はいっ。それじゃ、明日。」
 私は矢口さんの言うとおリすぐに帰ろうと思って
 楽屋に引き帰しました。
 
 もう少しで騙される所だった。
 でもこれでますます深まりました。
 矢口さんへの気持ちが。
 ポジティブ!ポジティブ!
 
 よ〜し、明日からは積極的に矢口さんにアタックするぞ♪
 
       でも、これから保田さん達には本当に要注意ね・・。

 石川梨華!いろいろあるけど、これも青春!
 ただいま青春真っ盛りです!!
 ポジティブにがんばりまっす!!

 〜END〜
 
49 名前:作者です。 投稿日:2002年01月25日(金)22時45分47秒

 『りかやぐちゅー』が終わりました。
 ほとんど『りか』話なんですが。
 しかもコレと言った落ちもなく・・
 コメディー風にしてみたのですが、どうだったでしょうか?
 またいつかこう言った物に挑戦してみたいと
 思ってますが…ドウデショウネ・・トホホ

 これからの予定。
 1.あやゆう
 2.ごまゆう
 3.やぐなちゅー
 
 となっております。
 ようやく『あやゆう』にたどりつきました。
 リクをいただいてはや・・・・・。
 かなり遅くてごめんなさいです。
 スレがまだまだあるので多分(予想ですが)中編ぐらいに
 なると思います。
 まぁ、またお覗きくださいませ。
50 名前:Nami 投稿日:2002年01月28日(月)06時54分02秒
初めて読ませていただきました♪
いやー、おもしろいです!!!
特に梨華ちゃんキャラがツボに (w

やぐちゅ〜好きなんでこの後の『やぐなちゅ〜』も楽しみにしてますー!!頑張って下さい♪
51 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月29日(火)20時47分51秒
声出して笑ってもーた!よっしーゆでたまごネタ(笑)
こーゆー梨華視点、新鮮に感じた☆
52 名前:名無し 投稿日:2002年02月14日(木)02時31分09秒
初めて見たけど
めちゃ笑った!ヨッシーで!爆笑。
最高です。
風板の方はなんていう題名ですか?よければ教えてください。
では。
53 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年02月15日(金)00時21分01秒
どうも、こちらの方にも遅ればせながら挨拶に参りました
風板の方も頑張ってください。それではまたレスさせて頂きます。
54 名前:作者です。 投稿日:2002年02月18日(月)15時28分22秒
>>50 Namiさん。
レスありがとうございました。
初がこれとは…
梨華キャラというか明るい話を書いたのは初めてで…
でも、キャラが少しでも気に入っていただけたのなら安心です。
作者もやぐちゅー好きです。

>>51 名無しさんさん。
レスありがとうございます。
新鮮でしたか?ヨカター(w
ゆでたまごのイメージが強すぎて…

>>52 名無しさん。
レスありがとうございます。
初めて見てくださいましたか?ウレシッ
おっヨッシー人気だ。
風は『雨がよんでる2』(←こんな感じ)みたいなスレです。
ごめんなさい曖昧で…しかも短編は最後の方からです。
もしお暇でしたら見に行ってみてくださいね。

>>53 やぐちゅー中毒者セーラムさん。
レスありがとうございました。
いやいや、本当に。気付くの遅すぎました…
風は一杯になったので今は何もしてないんですよ。
例の紫とここでイッパイイッパイです・・。
早く更新しなければいけないと思う今日この頃・・。
55 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年02月25日(月)19時19分07秒
すっげーポジティブ梨華ちゃんオモシロイ!!
今回は痛くなるシーンもうまいカンジに笑いに置き換えてましたね。
またの梨華ちゃんの登場を楽しみにしてます。
56 名前:作者です。 投稿日:2002年03月06日(水)15時05分57秒
突然ですが、今他の板でやっていた話があるんですけど、
スレッドがパンパンになったようなので、続きの外伝を
急遽こちらに載せさせてもらいます。
いきなりで訳がわからない方はすみません。
その後にでも、予定通りに書きはじめますので。

我侭お許し下さい。
57 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時08分14秒
  あの時の事…覚えてる?  

  裕ちゃんの腕の中で震えながら私はがゆっくり喋りだした。
 「だんだん意識が遠くなっていって…死ぬんだ…って思ったんだ。
  のぼせてただけなんだけど。でも最後には恐くて仕方なかった。
  矢口の血が水に広がっていくのを見てたらすごく怖かったんだ。」
 裕ちゃんは私の背中に回した腕に少し力を入れてくれた。
 「頭がボーっとしてきてたんだけど、最後に…人の顔が
  浮かんだんだ。」
 「矢口…ええから。わかったからもう今日はいわんでええ。
  ゆっくり休む事だけ考え。」
  
 裕ちゃんはそれ以上聞きたくないといった顔で私を見ていた。
 
 裕ちゃんはあの時、私が紗耶香の名前を出すと思ったの?
 
 だから話をとめたの?
 
 私は喋ってしまいたかったけど、そんな裕ちゃんの顔見てたら
 喋れなくなったんだ。

 でもね、私が伝えたかった名前は・…。

 裕ちゃん、アナタだったんだよ?
58 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時19分05秒
冗談でくっつきあう日々。
 裕ちゃんと過ごす毎日は楽しかったよ。
 
 昔からわかってたんだ。
 裕ちゃんが矢口をどう言う風に見ていたかなんて…。
 
 裕ちゃんの気持ちに、薄々私は気がついていた。
 裕ちゃんの視線が私に向かってるのに。

 私が紗耶香について相談してても、その裕ちゃんの暖かさは
 少しも変わらなかった。
 笑顔で応援してくれてたね。
 
 裕ちゃんはごっちんとつきあった。
 私は最初ソレを聞いた時、少しショックだった。
 あの暖かさがなくなるようで…。

 でも違ったね。
 それは私の為だったんでしょ?
  
 裕ちゃんの視線は矢口に向けられたままだったじゃない。
 
 だから私は安心して紗耶香をおいかけられたんだから。


59 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時19分45秒
紗耶香と付き合う事ができて、それはとても短かったけど、
 ごっちんと別れた裕ちゃん。
 裕ちゃんの視線がだんだん強みを増しているのに気付いた。
 
 そして…昨日。
 裕ちゃんはあの二人をくっつけた。
 結果的に。
 裕ちゃんが紗耶香に、
 「紗耶香は誰が好きなんや?矢口…やないんか?」
 って聞いてたね。
 紗耶香は答えなかった。

 私だって…わかってたよ。
 でも、まだ聞きたくなかった。

 紗耶香の迷いを誰よりも近くにいた矢口がわからなかった訳ないよ。

 その迷いを表にだしてしまった裕ちゃんに、はっきり言って思ったよ。

 裏切られた       って。

 部屋を飛び出した私は1人になりたかった。
 向かう先は1つ。
 
 いつものあの倉庫だった。
60 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時20分21秒
あそこには矢口の紗耶香への気持ちが溢れてる。
 
 ふっきる為にはあそこしかなかったんだ。

 でも、それだけじゃないよ。
 私は、矢口はあそこで待ってたんだ。

 裕ちゃんを。

 顔も見たくないぐらい、裕ちゃんのことを恨んだけど、
 裕ちゃんが追いかけてきてくれるのはわかってたから。

 裕ちゃんにしか見つけられないあの場所で、待ってたんだよ。

 すぐに、息を少し切らしながら、
 裕ちゃんは来てくれたね。

 あの時、あんな事言ったりしたけど、心の底ではうれしかったんだよ。
 
 矢口はもう疲れたんだよ。
 こっちから惜しみなく愛を注ぐ、それだけの恋愛に。

 矢口は愛が欲しかった。
 絶対的な矢口への愛が。

61 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時23分15秒
それは、矢口が裕ちゃんを求めているって事だったんだよね。

 でも、あの時は認めたくなかった。
 矢口の気持ちが薄っぺらな物だって思いたくなかったから。
 紗耶香への気持ちは本物じゃなかったの?
 裕ちゃんにすぐ移るなんて。

 だから逃げ出したんだ。

 夢でもいい。
 現実から逃げたかった。

 夢への入り口はとっくに閉まってて、
 逃げる事なんてできなかった。

 紗耶香といつか来たいなって思ってた事とか、
 紗耶香の事ばかり頭に浮かぶ。

 現実を逃げ出そうとした罰だったんだよね。

 結局、紗耶香を完全に吹っ切る事は難しいって事だったんだ。

 それで、裕ちゃんの事を考えた。

 矢口にいつも注いでくれる裕ちゃんの愛情。
 それは暖かくて、心地よくて…。
 
 もしかしたら、矢口はそのマドロミが大好きだったのかもしれない
 って思った。
 紗耶香の事を考えている時でもいつでも、
 裕ちゃんの愛情はずっと矢口の傍にあったから。

62 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時23分54秒
その裕ちゃんの愛情は、ここまで裕ちゃんを矢口に引き寄せた。

 少し離れた私の前を、私の名前を叫びながら走り去っていく裕ちゃん。
 最初は何がなんだかわからなくて、ただ呆然としながら見てた。
 
 どうしてここにいるんだろう?
 どうしてここにこれたんだろう?

 さっき裕ちゃんをフッたばかりなのに。
 なのにどうして来てくれるんだろう?

 矢口は裕ちゃんの愛に安心して身を寄せられるの?

 でも、それよりも何よりも、私の中で、
 『やっぱり裕ちゃんは矢口を見つけてくれた。』
 って事の方が大きかったんだ。
 
 私は紗耶香の事が好きだと思ってたけど・・・
 
 矢口は裕ちゃんの事をずっと好きだったのかもしれない。

 ただ…素直にその気持ちに従えなかった。

 だって、そんな気持ちのコロコロかわる矢口を、
 裕ちゃんは愛してくれないでしょう?

 私はこんな気持ちに気付いた自分が嫌だった。

 自分を消してしまいたくなったんだ。
63 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時24分57秒
さすがにこんな事は裕ちゃんわからないだろうな。
 
 タクシーの中で隣に座る裕ちゃんの顔を見たら、
 ちょっとした罪悪感が生まれたんだ。

 こんな時間まで探し続けてくれて、本当に心配してくれてた
 裕ちゃんと別れてから、矢口が命を絶つなんて知ったら
 どんな顔をするんだろう?
 悲しんでくれるだろう。
 誰よりも。
 そして自分を責めるかもしれない。
 どうして気付けなかったのか…。
 
 でも、そうなったら、矢口は裕ちゃんの中で永遠な物になるよね。

 そんな事考えてたからかなぁ。
 裕ちゃんが何か気付くサインを無意識の内にだしてたのは。

 裕ちゃんにこの世で最後の別れをつげ、最後だから見れるだけ
 見つづけてから、裕ちゃんの最後の表情を頭に焼き付けてから
 私はコンビニによった。

 今思えば、薬もあったんだよね。
64 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時25分28秒
私はコンビニ袋片手に家に入る。
 『318121』
 あの番号…ともお別れだね。
 鍵を閉めようとまわした手を私はとめた。

 万に一つの可能性。
 
 私は鍵を閉めなかった。
 
 風呂にお湯をはりながら、水のたまる音を聞きながら
 ガサガサと袋からカッターを取り出す。

 カチカチと音を立てて歯をだすと、キラっと光って…
 とっても綺麗だった。

 部屋着に着替えてお湯がたまるのをまった。
 カッターを握り締めながらね。
 
 そこで私は携帯を手に取ったんだ。
 皆に、返事を返しておこう。
 
 圭ちゃん、なっち、圭織。
 誰も怒ってなんかなかった。
 本当に心配してくれていた。
 私は安心したんだ。

 矢口が死んだら悲しんでくれる人が居る…って。

65 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時26分09秒

 タクシーの中で一応目を通していたこの3人には
 即座にメールを返しておいた。

 紗耶香・・
 本当に見たくなかった。
 何を言われても哀れみにしか思えないから。

 『ごめん。矢口を勝手にふりまわして。本当にごめんね。
  今日のことは一生許してもらえないと思う。矢口の事が』
 私は途中で読むのをやめた。
 タクシーの時には名前だけで携帯を閉じたけど。
 
 もういい。何を言われても同じだ。
 
 私は紗耶香にはメールを返さなかった。

 裕ちゃんからのメールが2つ。
 相変わらずのメール。
 無理に明るくしようとしているメール。

 裕ちゃんには丁寧に返事をだそう。
 
 さようなら。
 さようなら。
 さようなら、裕ちゃん。

 私はそのまま浴室にむかった。

66 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。 投稿日:2002年03月06日(水)15時26分42秒
 手のひらのカッターが文房具から凶器に変わった時、
 私は少し不安になった。
 
 裕ちゃんの愛が永遠なんてわからないじゃないか。
 すぐに忘れてしまうかもしれないし。

 私を包み込むお湯が色づくのをながめながらそう思った。

 でもきっと裕ちゃんは矢口を忘れないよね。
 
 そう思いながら、そう思い込みながら私は目を閉じた。

 恐くて見てられなかった。

 暑くなってきて、体がだるくなってきて…。

 私の頭の中に顔が浮かんだんだ。

 裕ちゃん、アナタの顔が。
67 名前:作者です。 投稿日:2002年03月06日(水)15時30分05秒
はっ・…最悪…上げてシマッタ…
鬱 鬱 鬱 鬱 鬱
まぁ、初コピペなんで最後まで貼ります…。
失敗してそうで恐いけど。

後少しだけありますから〜
68 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気。 投稿日:2002年03月06日(水)15時31分38秒

 裕ちゃんの愛は本物だったね。

 裕ちゃんは矢口を本当に愛してくれてるんだ。

 私は裕ちゃんの手を握りながらベッドで考えてた。

 裕ちゃんはとなりで、小さく寝息を立てながら寝ていた。
 しかりと手をつないだまま。

 そんな裕ちゃんが愛しくてたまらなくなったんだ。

 裕ちゃん、裕ちゃんは矢口の事まだ好き?

 矢口も裕ちゃんが好きだよ。

 はっきりこの事を認めるね。

 でもコレを裕ちゃんに伝えるのは…

 裕ちゃんの愛が永遠に矢口に注がれているのを

 確認してから…ね。
69 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気。 投稿日:2002年03月06日(水)15時32分33秒

 裕ちゃんは本当にずっと矢口にだけ?

 ううん。いくら今そう思ってても、それはわからないよね。

 裕ちゃんの前にどんな人が現われるかわからないし。

 矢口は裕ちゃんの愛がないと生きていけないよ。

 絶対的な矢口への裕ちゃんからの愛が。

 裕ちゃんの愛を絶対的なものにするために、
 
 矢口は考えたんだ。


 裕ちゃんを殺せばいい。


 じゃぁ、裕ちゃんは他の誰をも愛さないでしょ?

 矢口だけを愛してくれるでしょ?

 
 でも少し不安があったんだ。

 裕ちゃんは、死ぬってわかっても、
 矢口を愛したままでいてくれるのか。
 
 矢口を嫌いにならないだろうか?

70 名前:本当の気持ち〜矢口真里〜狂気。 投稿日:2002年03月06日(水)15時34分24秒
 でも、そんな心配なかったね。

 裕ちゃんは最後まで私を愛し続けてくれた。

 今も裕ちゃんは私だけを愛し続けてくれてる。

 それは永遠で・…


 私は永遠の愛を手に入れる事ができたんだ。

 裕ちゃんのおかげで。

 

 膝の上で眠っている裕ちゃん。
 
 私はその裕ちゃんの髪を撫でながら自分の気持ちを語った。

 裕ちゃんが少し微笑んだような気がした。

 END
71 名前:作者です。 投稿日:2002年03月06日(水)15時39分44秒
>>57->>66 本当の気持ち〜矢口真里〜狂気まで。

>>68->>70 本当の気持ち〜矢口真里〜狂気。

でした。ちょっと意味わからない文章…
びっくりです。
少しでも伝わったらなぁ、って思ってかきました。

本当に今までありがとうございました。 
72 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月06日(水)17時47分57秒
すげぇ、すげぇよ作者サン!!
本当に本当に素敵な小説をありがとう。感動した。マヂで。
この前の終わり方、あんま納得いかなくて。外伝を読んでからレスしようと思ったんだ。
待ってて良かったよ。ほんとありがとう。

バンザイ!バンザイ!でした。
73 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月06日(水)17時48分38秒
すまぬ。。。
はしゃぎすぎてアゲテシマッタ。ほんとごめんなさい。。。
74 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年03月07日(木)00時41分12秒
正直、かなり涙腺が緩みました。
75 名前:読んでる人 投稿日:2002年03月07日(木)13時44分12秒
作者さん、本当にお疲れ様でした。
そして、感動できる作品を読ませてくれてありがとうございました。
今回の番外編を読んで、やっと本編で疑問だった部分が解消できました。

裕ちゃんの"死"という悲しい結末でしたが、決して"不幸"な結末ではないですね。
『雨がよんでる』と同様、ある意味でハッピーエンドだったと思います(個人的に・・・)
だって、矢口も裕ちゃんも、最後に"幸せ"を感じることが出来たんだから・・・。

え〜と、それから・・・妙にプレッシャーをかけるようで、大変申し訳ないんですが、
次回作(長編)も激しく期待しています。
76 名前:作者です。 投稿日:2002年03月08日(金)02時41分15秒
>>72 73 名無しさんさん。(バンザイさん。)
レスありがとうございました。
すごく参考になる感想でマジで嬉しいです。
外伝でそう思ってくださったんであれば、本当によかったと
思いました。
こんな文章でも感動したなんて言ってもらえて、書いてよかったと
素直にそう思いました。ありがとうございます。

>>74 やぐちゅー中毒者セーラムさん。
レスありがとうございました。
マジっすか?
書いててヨカタヨ…

>>75 読んでる人さん。
レスありがとうございました。
いえいえ、完読してくださってお疲れ様でした。
外伝で疑問が解消できたのであれば喜ばしい限りです。
ある意味ハッピーエンドって事に・・(こればっかり…能無しダ)
ってか雨から読んでくださってたんっすか?
ありがたや〜
次回作(長編)w
どんな話にするかじっくり考えますね。
とりあえず書いてるものを終わらせてからって事で。
違うとこでコッソリ書いてる最中です。
もし、何かの機会に発見されましたら読んでみてやってください。
あまりに駄作で、しかもあんまりやぐちゅーとかじゃないんで
かなりこっそりやってるんですけどね。
死にまくりだしw
77 名前:作者です。 投稿日:2002年04月11日(木)01時12分39秒
ありゃりゃ、気が付いたら1ヶ月も立ってしまいました。
今書いてるのもようやく終わらせられそうなんでそろそろ次のを
考えようと思います。開始は今月中にはできるようにしたいと…
もしここ見た人でこんな話がいい!っていう希望がありましたら
書いてください。いないけどね、見てる人は。
痛い系ばっかダ…書いてるの
78 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月11日(木)06時36分17秒
毎日、チェック入れさせていただいてます。

できれば、学園もので甘甘やぐちゅー読んでみたいです。
79 名前:読んでる人 投稿日:2002年04月11日(木)08時21分45秒
自分も毎日ココはチェックしてますよ。
つーか、作者さんが今書いてる作品がドコにあるのか見つけられないっス!
どの板に書いてるのかだけでイイんで教えて下さい。

自分の希望は、痛くても甘くてもイイので、やぐなっちゅうが読みたいです。
80 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年04月12日(金)07時36分59秒
好き嫌いはないっス。バチコーイ。
81 名前:作者です。 投稿日:2002年04月12日(金)17時04分32秒
>>78
レスありがとうございます。えっ毎日??まじっすか?
じゃぁ、できるだけ早く書き始めますね。

>>79 読んでる人さん。
レスありがとうございます。
今書いてるやつですか?それは狩にあるっす。カップリング小説じゃないの
ですが…今やぐちゅーっぽいです。お暇でしたら読んで見てください。

>>80 梨華っちさいこ〜さん。
レスありがとうございます。
できるだけ早く書き始められるように励みます。
ここの残り3つの短編も早く書かないと…

学園モノのやぐなっちゅーって感じですかね?
痛くても甘くてもいいってことは…
82 名前:作者です。 投稿日:2002年04月12日(金)17時06分31秒
>>78さん
わわわっ!!すみません。さん、をつけてなかったです。
お許し下さい。
83 名前:らん 投稿日:2002年04月12日(金)21時48分00秒
お久しぶりですね。
新作、楽しみにしてます。
2chは、自分としてはあまり得意じゃないので、見つけられませんでした。
残念・・・
リクエスト受け付けてくれるみたいですね。
もちろん、やぐちゅーお願いします。
最近、幸せになるやぐちゅーが少ないので、できれば「作者です」さんの
大作としての作品が読みたいです。
是非、お願いします。
84 名前:78です。 投稿日:2002年04月12日(金)23時04分07秒
お気になさらずに。
「作者です。」さんの小説がまた読めるとわかっただけで嬉しいので、
ご自分のペースでがんばって下さい。
これで、楽しみが増えました。ありがとうございます。
85 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年04月14日(日)15時16分44秒
どうも、お久です(お久しぶりのこと)
やっぱり自分はやぐちゅーが読みたいです
作者殿の作品はとても面白いので
マイペースであせらずに。楽しみにしています
86 名前:作者です。 投稿日:2002年04月19日(金)19時31分00秒
>>83 らんさん。
お久しぶりです。2chのは微妙なやぐちゅーって感じですが、そろそろ
終わりです。(ずっとこう言ってるけど。)・・しかも痛いし…。
やぐちゅーですね。やはり。幸せになるやつですか?
前にあったリクで学園物考えてたんですが、どうもやはり
明るくないというか、暗いというか。学園物なら暗くなってしまいそうです。
いずれにせよ、ご希望に添えられる物がかければいいなぁと思う次第です。

>>84 78さん。
すいませんでした。
もう4月中には始めたいのでまた、是非読んでやってください。

>>85 やぐちゅー中毒者セーラムさん。
お久しぶりです。
やぐちゅーですね。セーラムさんのような甘い物が全然かけず、
思い浮かぶのは何故か痛い系ばかり。
でも、今回はリクで多い意見のほうを書こうと思ってます。
あちらのほう、がんばってください。面白いです。かなり。


学園物 やぐちゅー(暗いかんじ)
明るいやぐちゅー
やぐなっちゅー

この3つでどれがいいですか?一番希望が多いのを書こうと思います。
是非、ご意見ください。
87 名前:らん 投稿日:2002年04月19日(金)19時41分12秒
レスありがとうございます。
明るい「やぐちゅー」をお願いします。
幸せな「やぐちゅー」前提の、やぐなっちゅーでも構いません。
うっ、禁断症状・・・助けてー。
早く、活字を読ませてー。
88 名前:78です。 投稿日:2002年04月20日(土)00時26分23秒
暗くてもいいので、学園ものでお願いします。
「作者です」さんの書かれる学園物、読んでみたいので。
89 名前:名無し子 投稿日:2002年04月20日(土)00時27分09秒
以前あやゆうのリクをさせていただいた者です。
いつも楽しみに読ませていただいてます♪
私も明るいやぐちゅー希望します。
ここのところ暗めのやぐちゅーが多かったので
ぜひ、明るくて可愛いやぐちゅーをお願いします!
90 名前:読んでる人 投稿日:2002年04月20日(土)14時34分36秒
アッチの作品の反動で明るい「やぐちゅー」が読みたいなぁ・・・
でも、「学園物」の捨てがたい・・・
う〜ん、う〜ん、う〜ん・・・
さんざん迷った結果、「やぐなっちゅー」に一票入れます(w
明るくても、暗くても、甘くても、痛くても、アッチのように●にまくりでも良いので
「やぐなっちゅー」をお願いします。
91 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月21日(日)00時32分00秒
最近は、リアルものが多かったので、久しぶりに作者さんのアンリアルものが読みたいです。
ということで、学園ものやぐちゅーをぜひ。
92 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年04月21日(日)02時10分11秒
やぐちゅーイェ〜イ!!
最近テレビではやぐちゅーが皆無に等しいからな〜(涙
せめてここで作者さんのやぐちゅ―を拝ませてください。
93 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年04月21日(日)15時11分12秒
明るい感じのやぐちゅーをお願いします
94 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月26日(金)00時01分36秒
作者です。さんの書かれる話はどれも大好きですが、やっぱりまだ読んだことのない「学園物やぐちゅー」をリクエストします。
どんな学園物になるんだろうと、ワクワクします。
って、まだ決まった訳ではないですが。
>>91さんが言うように、リアルものが続いてたなぁとも思ったので。
95 名前:作者です。 投稿日:2002年04月27日(土)03時08分26秒
明るいやぐちゅー 3
学園物      3
やぐなっちゅー  1(2)

ですね。…あらら。微妙に同票なんで、明るい学園物のやぐなっちゅー、
にしたらいいんですかね?特に暗いのを希望される方はいないみたいですし。
明学矢中安(略しました だったら全部の意見だとりいれられるんですね。
じゃぁ、それで考えてみましょうか?これでいいならまた教えてください。
96 名前:78です。 投稿日:2002年04月27日(土)09時53分16秒
明るい学園物のやぐなっちゅー、でOKです。
狩の方の姐さん、辛い思いばかりしていたので、
こちらでは幸せにしてあげてください。
宜しくお願いします。
97 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年04月27日(土)10時05分14秒
作者殿の作品が見れるだけでも嬉しいので
やぐなっちゅーOKですよ
98 名前:読んでる人 投稿日:2002年04月27日(土)13時50分07秒
アッチの作品の脱稿、お疲れ様でした。

明学矢中安で全然OKです。
今から凄く楽しみです。
99 名前:名無し読者。 投稿日:2002年04月28日(日)18時00分39秒
あっちの作品って見つからないんですけど。
教えてくれませんか?
100 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月30日(火)20時25分16秒
自分は学園物っていう設定が気に入ってたんで、裕ちゃんが出てくれるならカップリングは何でもいいです。
節操ナシみたいな言い方ですが、作者です。さんのが読めるだけでうれしいので。
ということで、学園物やぐなっちゅー、楽しみにしてます。
101 名前:作者です。 投稿日:2002年04月30日(火)23時39分46秒
4月中…どうやらぎりぎりはじめられそうです。
書いててなんとなく暗そうな出だしなんですけど、ちゃんと明るくします。
学園物で書き始めますので、またよければ読んでみてください。
>>87-100
個々にレスを返さなくて申し訳ございません。
いろいろなご意見ありがとうございました。

このスレは以前のような短編を書いていきたいとおもいます。

>>99
あっち…とてつもなく今までのとかけはなれているので
恐れ多くて… それでも構わないとおっしゃるのであれば
恥ずかしながら言いますが…。
102 名前:作者です。 投稿日:2002年05月01日(水)00時22分49秒
銀板で始めました。
『桜の想い出』 です。
よければどうぞ。
103 名前:78です。 投稿日:2002年05月01日(水)21時53分17秒
新スレ、ありがとうございます。
姐さんに対してどんな風に矢口・安倍がからんでいくのか楽しみです。
こちらでの短編も続けていただけるようで、嬉しい限りです。

「作者です。」さんの小説、本当に読めるだけでうれしいので、
無理なさらずに、ご自分のペースでの更新お待ちしています。
104 名前:作者です。 投稿日:2002年07月23日(火)02時26分09秒
コソコソ…
いつのリクだよ!ってつっこみながらもちょっと書いたので…
スレちゃんと使えよってお怒りもあるので…
地味に誰にも気がつかれないのをモットーにやっていきたいと思います。
105 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時26分44秒
裕ちゃん 本当にありがとう。
裕ちゃんのおかげで結婚できます。


〜決心〜

「あやっぺ〜!!」
楽屋に入った途端、挨拶よりも先にそんな声が聞こえてきた。
「おっはよー。」
そう言うか言わないかで思いっきり抱きしめられていた。
「おはよー、あやっぺ。」
「裕ちゃん…。」
周りを見るとおはよぅ、と口を動かしながらも呆れ顔で私達を見ている。
「は〜。相変わらずだね。」
なっちとカオリがそう言って顔を見合わせているのが見える。
紗耶香と矢口と後藤はあんまり気にしていないように
再び雑談に戻って行った。

「えらい素やなぁ、裕ちゃん待っててんでー。」
「わかったわかった。とりあえず荷物置かせてよ。」
いつものことなので軽くかわして空いている席に座る。
隣に裕ちゃんが座るのを待ってから裕ちゃんの話を聞き出した。

こんな2人の関係。
106 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時27分14秒
この関係は心地よくて、私は手放したくなかった。
ずっといつまでもこの関係でいられたらどんなによかっただろう。

「裕ちゃん。」
「ん?何、どしたん?」
一声呼べば笑顔で私の言葉を待ってくれる。
「ううん、なんでもない。呼んでみただけ。」
そう言うと、そうか、と笑って再び自分の読んでいた本に視線を戻す。

恋人、決してそう呼べる関係じゃなかったけど、
女同士じゃなかったら絶対私は裕ちゃんを手放さなかっただろう。
でも、私達は女同士。
いつまでも一緒にはいられないんだ。

「裕ちゃん。」
もう1度私が呼びかける。
「ん?なんや?」
「今日さ、一緒にご飯食べない?」
裕ちゃんは子供のようにうれしそうな顔をして頷いた。

私は言わなきゃいけないんだ。

107 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時27分47秒
私達は仕事が終わると個室のある、もう常連になっている店に向かった。
「なんや、あやっぺから誘ってくれるんって珍しいなぁ。」
緩んだ表情の裕ちゃんはそう言いながらメニューに目を落としていた。
「そう?でもよく食べにきてるじゃん。」
「そうなんやけどな、そうそう、なっちがえらい来たがってたわ。
 この店はあやっぺとしか来ーひんしなぁ。」
裕ちゃんが見つけた店。
私しか連れてきた事はないそうだ。
「今度連れて来てあげたら?」
裕ちゃんはメニューから目を上げ、
「ここはあやっぺとしか来ーひんって決めてんねん。」
そう言ってメニューを閉じた。

裕ちゃん、その気持ち、すごく嬉しいよ。
裕ちゃんの特別でいれてるって思えて。


適当に料理を頼んで、軽く乾杯をする。
私はお酒が弱いからカクテルをチビチビと。
裕ちゃんは生を豪快に飲んでいた。
「プハー!!うまい!!」

その裕ちゃんの顔、好きだよ。
108 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時28分19秒
「いい顔してんね、裕ちゃんはビールがあると。」
「なんや、ビール飲んでるときだけかいな、いい顔なん。」
笑いながらそう突っ込んでくる。
私も笑いながら、うそうそ、って言い返していた。

個室で向かい合ってご飯を食べてる間、
最近入ってきて、やはりまだこの世界に慣れていない後藤の話題が
多くなる。教育係の紗耶香の事とか。

「でも裕ちゃん優しいよね、後藤に。」
「え?そうか?ん〜まぁ、年めっちゃ離れてるしなぁ、喋る事もないし。
 それよりあやっぺこそめっちゃ優しい先輩やんか。昔知ったら後藤
 びっくりするやろなぁ。」
「いやぁ、裕ちゃんの怖さには負けるよ。」
「いやいや、もううちのこと怖がっとるから驚かへんて。
 あやっぺやろ〜、ギャップあんのは。」

昔話に華を咲かせながら穏やかな時間を過ごした。

刻々とその時間が終わるのを頭の隅で感じながら。

いや、終わらせるのを。
109 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時28分50秒
『ほんまにそれ言うてんのか?』
つんくさんの声が頭に残る。
『俺はお前にやめてほしくない、はっきりいって。』

うれしかった。
やっと認めてもらえたんだって思えた。

世間の認知度が、鼻ピアスから石黒に変わり出した頃、
ってのもわかっていた。
これからかもしれないって事も。


でも、私はそんな可能性も、夢も、
全部捨てられる恋をした。


全部?ううん、全部じゃなかったや。

裕ちゃん、裕ちゃんだけが心残りなんだよ。
110 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時29分22秒
「なんや?あやっぺ。どうかしたん?」
目の前の裕ちゃんをじっと見つめていた私の顔を少し心配そうに
覗きこむ裕ちゃん。
「ううん、なんでもないよ。」
「変な子やなぁ、いつもやけど。」
少しお酒で赤くなった顔が笑った。

結局、裕ちゃんがまっすぐ歩けなくなるまでその店に
居たけど、
私は言い出せなかった。

帰り道、その店からはお互いの家が近くて、
並んで歩く。
まっすぐ歩けない裕ちゃんの肩を自分の肩にくっつけて。

「あ〜、気持ちいいわぁ。」
「え?」
「お酒飲んで、良い具合に酔って、…あやっぺと居れて。」
そう言うと、裕ちゃんはフラッとしながら私から離れて
一つ頭を下げた。
「ありがとう!あやっぺのおかげやわ。
 ずーっとこのままやったらええのになぁ。」


 そう言ってフラフラと歩き出した裕ちゃんに、

 私は何の言葉もかけられなかった。
111 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時29分52秒

―裕ちゃんのマンションと私のマンションの別れ道―

「ほな、また明日な。」
くるっと振り返った裕ちゃんの顔は街頭の真下でよく見えない。
きっと笑顔。
「う・・ん。」
「なんや、元気ないなぁ。」
少し笑って、裕ちゃんは手を振って歩き出した。

私はそんな裕ちゃんの後姿を呆然と目に焼き付けていた。


言えないよ。言えないじゃん、裕ちゃん。
そんな事言われたらさぁ。

裕ちゃんの小さくなって行く後姿を見ていたら、
知らないうちに一筋涙が零れ落ちた。


やだよ。裕ちゃん。私もずっとこのままがいいよ。

でも、無理なんだよ。

離れるのがお互いの幸せなんだよ。

112 名前:決心 投稿日:2002年07月23日(火)02時30分27秒
部屋に帰って中を見渡す。
真っ暗闇に緑の点滅する光。

私は明かりをつけるとその光の元に行った。

留守番電話。

再生するとあの人からの声。

私は郵便受けに入っていた手紙をチェックする手を止めて
あの人の声に聞き入った。

裕ちゃんとは違う愛おしさ。

思わず私は受話器を持ち上げていた。
113 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月25日(木)12時12分10秒
まさかこちらが更新されてるとは!
切ない彩裕、期待しております。
114 名前:決心 投稿日:2002年07月25日(木)19時05分20秒
やっぱり裕ちゃんに言わなきゃなんない。

全部を。

私の口から伝えなきゃいけないと思うから。

あの人の事、裕ちゃんだけには言わなきゃなんない。
ずっと隠してた分、言い出し難い。

けど、ケジメはきちんと付けなくちゃいけないから。


私は仕事が終わると裕ちゃんを引きとめた。
裕ちゃんは何も知らない無垢な笑顔で私を見ていた。

2人でタクシーで帰る。

場所は…私の部屋。

『ちょっと話あるんだよね。』
『え?なんや?ここではいえへんねんな?じゃぁ、どこかいこか?』
『誰も居ないところがいいんだよね。私の部屋でいい?』

誰にも見られたくなかったし、2人っきりでちゃんと話したかったから。

タクシーの中で裕ちゃんはずっと笑顔だった。

「あやっぺの部屋行くの久しぶりやわ。」
115 名前:決心 投稿日:2002年07月25日(木)19時05分52秒
「適当に座ってね。」
「おじゃましまーす。」

とりあえず座る。
どうやってきりだそうか。
この関係を終わらせたくない、けど終わらせなきゃいけないんだ。

「で、なんやの?話って。」
用意したお茶を飲みながら裕ちゃんは真面目な顔で私を見た。
「…ん。あのね…。」

私は無我夢中で喋った。
付き合っている男の人がいて、結婚を考えていて、
娘。をやめる、と。

裕ちゃんの顔は全然見れなかった。

裕ちゃんは一言も話さずに聞いていた。
ショックを受けて話せない人のように、
何も言わなかった。

ただ、目の前に座っているのだけ私は感じていた。

116 名前:決心 投稿日:2002年07月25日(木)19時06分24秒
「そうなんや…そうやったんや・…。」

話終わった私の耳に最初に飛び込んできた裕ちゃんの声。

「娘、やめるん??」

私は裕ちゃんの顔を見た。

「…。」

「なぁ、あやっぺ…娘、やめんの?」

裕ちゃんの目は私を見ていなかった。

「うん。あの人の妻になるから、娘にはいられない。」

「そっか。…もう一緒にいられへんねんなぁ。」

裕ちゃんはそう言うと立ち上がった。

「ごめん、相談してくれたのに…ちょっと今頭一杯一杯やねん。
 明日…ちゃんと話そう。」

そう、私の後ろに目線をおいたまま言うと、ゆっくり玄関の方に歩いて行った。

「裕ちゃん…。」
私も立ち上がると、裕ちゃんの後を追う。

「ごめん。全然しっかりしてなくて。相談してくれたのに。ほな、また明日な。」

私の顔を見ることなく、裕ちゃんは出て行った。

ガチャン。
ドアの閉まる音が耳に響いた。
117 名前:決心 投稿日:2002年07月25日(木)19時06分54秒
全てを言ったからか、私の体から力が抜け落ちていた。
脱力感を感じながら、今まで裕ちゃんが居た場所に目をやる。

裕ちゃんの姿が目に浮かぶ。

小さかった。



・・・・・・・。
・・・・やだよ。
すごい我侭だけど、裕ちゃんといられなくなるなんてやっぱりやだよ!

私は急いで裕ちゃんに電話した。

私の裕ちゃんへの気持ちは言ってない。
全部、全部裕ちゃんには知ってほしいんだ。



いくらかけても裕ちゃんはでなかった。

私は思わず部屋を飛び出していた。
118 名前:決心 投稿日:2002年07月25日(木)19時07分25秒
裕ちゃんの部屋まで、私はずっと走り続けた。
しんどくて、途中何度も転びそうになったけど、
私は走るのを止めなかった。

裕ちゃんのマンションが見えて、裕ちゃんの部屋が見えた。

明かりはついてなかった。

私は何度もチャイムを押した。
何度も何度も何度も。

一向に出る気配がせず、私はオートロックの玄関で息切れをしながら
途方にくれた。

裕ちゃん…
帰ってきてないの?
どこにいるの?

私は再び夜道を走り出した。

119 名前:決心 投稿日:2002年07月25日(木)19時07分58秒
辺りを走りまわる。

疲れて、もう足が限界だった時、耳にキィキィという音が聞こえてきた。

―公園―

私はその音の方に駆け出した。



暗闇の公園の中で、小さな人影が見えた。
ブランコを小さく揺らして。

近づいた私が見たのは、コンビニで買ったビールを手に、
俯いてブランコに座っている裕ちゃんの小さな姿だった。


「裕ちゃん!」
ハァハァと息をしながら声をかける。

裕ちゃんは驚いて私を見た。

「やっとみつけた。」
やっと見てくれた。
120 名前:決心 投稿日:2002年07月25日(木)19時08分33秒
「あやっぺ…ど、どうしたん??」
声を震わせながらそう言う裕ちゃんに歩み寄り、
隣のブランコに座る。

裕ちゃんの目は赤かった。

「こんな遅くにこんなとこいたらだめじゃん。しかも飲んでるし。」

「あやっぺこそ、どうしたんや?」

私は息を整えると、裕ちゃんの前に立った。
裕ちゃんは私を見上げていた。

「あやっぺ??」

私は思わず裕ちゃんを抱きしめた。

愛しくて愛しくて…

放したくないって思ったんだ。


裕ちゃんの体が一瞬ビクっとなって、
私に抱きつかれたまま、動かなかった。

「裕ちゃん、裕ちゃんの事大好きだよ。
 ずーっと一緒に居たいよ。裕ちゃんを放したくない。」

121 名前:作者です。 投稿日:2002年07月25日(木)19時09分04秒
>>113 名無し読者さん
あら〜見つかった。ってかよくみましたねぇ?
まったくここ触ってなかったのに。びっくらこきました。


あっちの更新しろよ!って話ですよね…

ちょっとこっちに逃げてます…
が、早いことあっちもしますんでもうちょっと逃がしてください。

あやゆう もうちょっと続きます。
122 名前:名無し子 投稿日:2002年07月26日(金)00時52分52秒
あやゆうだぁvvv
毎日チェックしてて良かった(^^)
切ないですが、続きを楽しみに待ってます。
どんなに離れても心はしっかり繋がっている、
今でもそうだと思っています。
作者さん、頑張ってくださいね。
123 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月15日(木)15時54分16秒
みっけ!!!!!
彩裕だ・・・初めて読んだ娘。小説が彩裕だったので・・・彩裕リスペクトなんです。
このごろみることがめっきりなくなりましたので・・・激嬉しい!!!
しかも作者さんの作品なんて〜♪
124 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月01日(日)15時17分35秒
保全
125 名前:h 投稿日:2002年09月20日(金)02時04分18秒
http://ww2.mintclub.ne.jp/rank/comvote.cgi?id=unchi
126 名前:名無しさん 投稿日:2002年10月06日(日)16時03分11秒
保全
127 名前:作者です。 投稿日:2002年10月23日(水)01時56分15秒
>>124さん 126さん
保全してくださりありがとうございます。

>>125さん
what's?

かなり放置しています。申し訳ございません。待っていてくださっているという事に
非常に感動しております。
もしよろしければ後1ヶ月待っていただけませんか?
私用事ですみませんが、1ヶ月先まで更新できるめどがたっておりません。
それまで待ってくださるというのなら1ヶ月後、きちんと更新したいと思っております。
しかし、勝手なこと言うな、と気分を害された方もいらっしゃると思います。
その場合、是非削除依頼をだしてください。
中途半端な事をしたと反省してその結果をうけいれます。
もし1ヶ月後にもこのスレが残っているのであれば更新させていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

申し訳ありません。
ありがとうございました。
128 名前:作者さんのファン 投稿日:2002年10月23日(水)16時14分50秒
待ってま〜す
129 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月11日(月)13時14分11秒
保全
130 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月02日(月)16時53分52秒
保全
131 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月22日(日)23時32分16秒
保全
132 名前:GOO 投稿日:2002年12月31日(火)01時46分20秒
保全。
133 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月20日(月)11時31分10秒
保全
134 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月01日(土)22時37分29秒
保全
135 名前:128 投稿日:2003年02月17日(月)14時31分07秒
待ってます
136 名前:134 投稿日:2003年03月07日(金)18時30分53秒
待ってます
137 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月21日(金)15時55分31秒
保全
138 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月19日(土)21時44分31秒
保全!
139 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月14日(水)11時32分38秒
保全!!
140 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月21日(月)11時09分00秒
保全
141 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月08日(金)19時08分05秒
保全
142 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月02日(火)08時55分06秒
保全
143 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/24(水) 09:42
保全
144 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/03(水) 11:02
保全

Converted by dat2html.pl 0.1