インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
気まぐれ
- 1 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年01月22日(火)12時52分45秒
- 短編で何本か書きたくて、ここにスレを立てることにしました。
リクも受け付けるので気軽にレスして下さい。
更新は題名の通り、気まぐれなのでたまに見るくらいでいいと思います。
- 2 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年01月22日(火)12時53分46秒
- 今は学校なので、今日の夜にも書きます。
- 3 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)13時02分17秒
- 森板での待ってました(w
自分は、いしごまかいしよし希望です(w
- 4 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)14時18分46秒
- えっと・・・出来ましたら
やぐちゅー(矢口の誕生日)をリクさせていただきたいです。
- 5 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年01月22日(火)21時59分27秒
- >3さん 思ったより遅くなってしまって、待っていたならスイマセン。
リクはいしごま好きと言いながら、いしよしを書かせてもらいます。
なるべく早く更新します。
>4さん やぐちゅーですね、了解しました。
王道はあんまり書いたことないので、がんばって書きます。
- 6 名前:それは予想外の出来事 投稿日:2002年01月22日(火)22時14分17秒
- 「失礼しま〜す。」
私は軽い感じの挨拶をして楽屋に入った。
いつもはもっとちゃんするけど、今は楽屋に誰もいないから。
なぜ誰もいないかというと、他のみんなはコンビニに行ったり、スタッフ
さん達と話をしていたから。
私は少し疲れていたので、先に帰ってきたというわけだ。
にしても、ここは相変わらず汚いなぁ。
でもこれでもマシな方なんだっけ?
だけどここで物なくしたら、簡単には見つからないだろうな・・・・・。
でもドジな人はどこにでもいるわけで、床を這っている石川さんを見た
とき、私は思わず唖然としてしまった。
そんな私に石川さんはようやく気づくと、いつもの甲高い声を上げる。
「あれ、小川?帰ってくるの早かったね。」
- 7 名前:それは予想外の出来事 投稿日:2002年01月22日(火)22時27分01秒
- 「あぁ、ちょっと疲れてたんで、早めに帰って来たんですよ。」
私にハッとなってすぐに言葉を返した。
「そうなんだ。なら、椅子に座って待ってれば?」
石川さんは平然と椅子に座ることを薦める。
いや、そりゃ座りたいですけど・・・・。
でもお約束ってあるじゃないですか?
「・・・・あの、何か探してるんですか?」
私はやや苦笑気味に笑って聞いた。
やっぱりこれは言わないと。
「えっ?なんで分かったの?!」
石川さんは驚いた顔して私を見上げた。
見れば誰でも分かりますって。
「そうなの、さっきから手帳が見つからなくて。色々と探してるんだけど、
どこにもないんだよぉ。」
石川さんは少し泣きそうな顔をして言った。
- 8 名前:それは予想外の出来事 投稿日:2002年01月22日(火)22時44分51秒
- その言葉に返す言葉一つしかなかった。
先輩が困ってるんだから、手を貸すしか選択肢はない。
それに弱々しい子犬みたいな瞳で、上目遣いにジッと見つめられたら、
断ることなんてできませんよ。
「私も探すの手伝います。」
私は軽く溜め息をついてから、半場ヤケクソに笑って言った。
「えっ?そんないいよ。小川は休んでて、この後も仕事あるんだから。」
石川さんは私の言葉に首を横に振る。
私は突然床にしゃがみ込むと、石川さんと目線を合わせる。
「それは石川さんだって同じじゃないですか。早く手帳を見つけないと、
休憩時間終っちゃいますよ。」
そして、ニコッと笑いかけた。
- 9 名前:それは予想外の出来事 投稿日:2002年01月22日(火)22時54分11秒
- 一瞬、石川さんの顔が赤くなった気がしたけど、それって気のせいだよね?
「じゃぁ・・・・手伝ってもらうかな。」
石川さんは照れたように笑っていた。
それから手帳が見つかるまで、大した時間はかからなかった。
2人で探したのが良かったのか、それともただ運が良かっただけか、
私はカバンの下からピンク色の手帳を見つけた。
「見つかってよかったよ。ありがとう、小川。」
石川さんが散乱してる荷物を避けながら、私のところまで来ようとする。
そして、やっぱり目の先くらいでコケてしまう。
予想通りの展開なので、私は手を伸ばして体を受け止めた。
「大丈夫ですか?気をつけてくださいよ、石川さん。」
見てるこっちがハラハラするんで。
- 10 名前:それは予想外の出来事 投稿日:2002年01月22日(火)23時05分15秒
- 「・・・・ごめん、小川。」
石川さんは俯いて小さな声で呟く。
ヤバッ!
ちょっと調子に乗って言い過ぎたかも。
「いや、その、えっと・・・・・・。」
私が何と言葉をかけていいか迷っていると、いきなり楽屋のドアが開いた。
そこにはコンビニから帰って来た、矢口さん達が立っていた。
しばらく気まずい雰囲気だったけど、やがて矢口さんが閃いたような顔を
すると、後ろの人達と何やら相談し始めた。
そして少し経ってから、全員が私の方を見てニヤッと笑う。
「それじゃ、私達はあっちのロビーにいるから。ごゆっくりどうぞ。」
矢口さんのその言葉の意味を理解し、それに反論しようとしたときには、
すでに楽屋のドアは閉まっていた。
- 11 名前:それは予想外の出来事 投稿日:2002年01月22日(火)23時10分46秒
ちょ、ちょっと待ってくださいよ!
抱き合ってるところ見られたのは、まぁ仮に100歩譲って良しとしても、
なんで変な誤解していくんですか!
私は深い溜め息をつくと、軽く笑って石川さんに話しかけた。
「なんだか、変な誤解されちゃいましたね。」
きっと石川さんは困った顔をすると思った。
私の予想した通り、石川さんは困った顔をしていた。
でも言葉は予想を遥かに越えていた。
「小川は・・・・・私じゃ嫌なの?」
はぁ?
私はその言葉を聞いてしばらく固まっていた。
それって・・・・・。
- 12 名前:それは予想外の出来事 投稿日:2002年01月22日(火)23時19分08秒
- 「そうだよね。私なんかじゃダメだよね。」
石川さんはネガティブモードに入ってしまう。
「いや、別に、ダメってわけじゃないですよ。」
私は黙ってるわけにいかず、とりあえず言葉を返した。
「じゃぁ、キスしてくれる?」
石川さんは潤んだ瞳でそう言うと、私の答えを聞かずに目を閉じる。
ちょっといきなり過ぎじゃないですか?
でももしキスしないと、絶対にネガティブになるし・・・・・。
私は大きく深呼吸してから、ゆっくりと石川さんの肩に手を置いた。
緊張からゴクリと生唾を飲む。
そして、これから起こることはずいぶん予想外なことだなぁ、なんて少し
冷静に内心思ったりした。
END
- 13 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年01月22日(火)23時22分25秒
- 今回は初めなので、自分の書きたかったいしおがを書きました。
結構この2人好きなんですけど、あまり需要と供給がないので自分で
書いてしまいました。
話の長さはこれくらいで、内容は色々変わっていくと思います。
こんな感じで、たまに更新していくつもりです。
- 14 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)00時15分54秒
- 石小いいですね。長編で読みたい感じです。これからの作品 楽しみにしてます
- 15 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)00時22分50秒
- お〜!!大先生発見(w
いしおが初めて読みました。猪木小川なにげに自分の中で4代目男前になりそうな予感(w
1代目 姐さん→2代目 チャム→3代目 ヨッスィ〜→4代目(w
リクOKなんですか?出来ましたら弦崎師匠の書く・・・ごまゆうが読んでみたいです。
宜しくお願いします。
- 16 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年01月24日(木)23時38分41秒
- >14さん いいと言ってもらえれば幸いです。
長編で書く気はないですけど、また短編なら書きたいって感じですね。
期待答えられるようがんばります。
>15さん あんまり褒め過ぎないでください、すぐうかれちゃうんで。
小川さんは男前というか、自分の中ではすごくしっかりしてるイメージ
なので、あんな感じになりました。
リクのゆうごまは了解です。
初めてのカップリングですが、努力していいものを書きます。
- 17 名前:今度会うそのときは・・・・。 投稿日:2002年01月24日(木)23時47分34秒
- 目が覚めると、そこは真っ黒な世界だった。
辺りを見回してもあるのは闇だけ。
上も下も、右も左も、どこも全てが闇に包まれている。
光なんてどこにもない。
周りはただ一色で、どこまで続いてるのかも分からない。
そして、何一つ音がしなかった。
私は少し考え込んでから、この世界を探索することにした。
出口が見つかることには期待してない。
だからまるで何かに引き寄せられるように、私は歩いている気がした。
しばらくして、私は不意に足を止めた。
人の声が聞こえた気がしたから。
私は辺りを見回したけど、人の姿なんてどこにもなかった。
- 18 名前:今度会うそのときは・・・・。 投稿日:2002年01月25日(金)00時00分27秒
- でもそれは気のせいじゃなかった。
遠くの方から聞こえるそれは、確かに人の声だった。
最初は恐かったけど、でも何度も聞いてるうちにそれが泣き声だと
気づくと、今度は逆に悲しくなってきた。
なぜか胸がすごく締めつけられた。
理由はなんて分からない。
でも泣いているその子を、抱きしめてあげたいと思った。
それにその泣き声には、なんだか聞き覚えがあったから。
私はすぐに勢いよく走り出した。
早く行かなくちゃ!
と何かが私を急かしていた。
それから少し経って、闇の中に小さな塊を見つけた。
私は走るスピードを軽く落とした。
- 19 名前:今度会うそのときは・・・・。 投稿日:2002年01月25日(金)00時08分35秒
- でもそれは不思議な光景だった。
だって周りが真っ暗なのに、その子の姿はちゃんと見えるから。
私はゆっくりと歩いて人影に近づいく。
そして・・・・・呆然となった。
だって泣いている子が、梨華ちゃんだったから。
それは間違いなく私の知っている、あの石川梨華だった。
梨華ちゃんはゆっくりと顔を上げる。
「・・・・ヨッスィー?」
といつもの細い声で弱々しく呟く。
私はすぐにでも、梨華ちゃんを抱きしめたいと思った。
・・・・なのに体が動かなかった。
力を込めているなのに、体は全く微動だにしない。
私はあまりに突然の出来事に、ただ混乱するしかなかった。
梨華ちゃんは泣きそうな顔をする。
- 20 名前:今度会うそのときは・・・・。 投稿日:2002年01月25日(金)00時12分54秒
- 「ヨッスィー・・・・・私のこと嫌いになったの?」
俯いて呟いたその声は、少しだけ震えていた。
嫌いになんてなってない!
そう言おうと思ったのに、今度は声がでなかった。
まるで詰まったようにだせない。
そんな・・・・・。
梨華はしばらくして、顔を私の方に向ける。
その顔は優しく微笑んでいた。
まるで、全てを納得したかのように。
そして、その表情のまま目を閉じる。
すると急に梨華ちゃんの姿が、闇に溶けるように消えていく。
私はなんとか手を伸ばそうとした。
- 21 名前:今度会うそのときは・・・・。 投稿日:2002年01月25日(金)00時15分15秒
- ちょっと待ってよ!
まだ何も言ってないじゃん!
言いたいことがたくさんあるんだよ!
だから・・・・・消えないで!!
やっと伸びた私の手は、ただ何もない闇を掴んでいた。
- 22 名前:今度会うそのときは・・・・。 投稿日:2002年01月25日(金)00時23分30秒
- 「・・・・だから、こうやって抱きしめてるの?」
梨華ちゃんは少し顔を赤くして、私を上目遣いで見上げている。
私は優しく微笑んで、梨華ちゃんの髪を軽く撫でた。
「そうだよ、夢の中じゃできなかったから。」
と私は背中に回した手に、少しだけ力を込めて言った。
そして、思い出したように付け加えた。
「それから・・・・・好きだよ、梨華ちゃんのこと。」
あのときそう言いたかったんだ。
夢の中の梨華ちゃんには、言うことができなかったけどね。
「そんなの前から知ってるよ。」
と梨華ちゃんは私の頭を軽く小突き、照れくさそうに笑いながら言う。
「そうかぁ・・・・それはよかった。」
私もはにかんむように笑って、梨華ちゃんの首筋に顔を埋めた。
- 23 名前:今度会うそのときは・・・・。 投稿日:2002年01月25日(金)00時28分12秒
- もしまたあの夢を見たら、今度は絶対に抱きしめる!
それから「好きだよ」って言ってあげたい。
それでこうやって、お互いに顔を見合わせて笑い合うんだ。
そうしたら夢の中の梨華ちゃんも、私の腕の中にいる梨華ちゃんのように、
幸せそうな顔をしてくたらいいな。
END
- 24 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年01月25日(金)00時32分51秒
- いちよリクのいしよしです。
こんなものでよかったでしょうか?
前回の話とは逆で、シリアスな感じにしました。
ダーク過ぎるのもなんなので、最後はいちよ甘く書きました。
満足してもらえると嬉しいです。
- 25 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)11時00分09秒
- 甘〜くて幸せそうで(・∀・)イイ
- 26 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月26日(土)17時28分17秒
- おぉ 弦崎さん!ここでしたか。銀板の奴めでごぜーますだ(w
リクエスト・・・させて貰っても良いのでしょうか?是非とも「圭彩」を!!
って自分で頼んでおきながらマニアック過ぎだなぁ(オオワラ
無理な様でしたら諦めますが、もし宜しかったらお願いします。切に切に!(w
- 27 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年02月12日(火)23時36分17秒
- >25さん 幸せそうな感じが伝わればいいなぁ、と思って書いたので
そう言ってもらえると、自分ではかなり満足です。
>26さん こちらこそ、銀板のときはどうも。
リクは「圭彩」は全然大丈夫です、基本的に王道はあんまり得意じゃない
ので、マイナーカップリングの方が歓迎です。
でも満足してもらえるものをかけるかどうかは、自信ないですけど。
- 28 名前:あなたは卑怯者 投稿日:2002年02月12日(火)23時39分55秒
- 今日は久しぶりの裕子との食事。
っていっても、外食に来てるわけじゃない。
場所はお決まりの裕子の部屋。
でも別にそれでも構わなかった。
二人で一緒にいるだけですごく楽しいから。
って感じならいいんだけと・・・・。
今は全然そういう雰囲気じゃない。
裕子はボーっとして、ただビール飲んでるだけ。
私の作った料理に見向きもしない。
もう!がんばって作ったのに!
献立とか考えたりしてさ、久しぶりの一緒の食事だぞ!
分かってんの?バカ裕子!
- 29 名前:あなたは卑怯者 投稿日:2002年02月12日(火)23時42分17秒
- なんだかだんだん腹が立ってきた。
私は少しムッとなって、向かい側に裕子を見る。
裕子は不思議そうな顔してる。
「矢口、なんで怒っとるの?」
ってあまり裕子が鈍感だから、すごくムカツいた。
でも怒るのも大人げないと思って、なんとか堪えて答えた。
「・・・・別に。」
裕子はその言葉を気にした様子もなく、軽く受け流してビールを飲む。
私はそういう大人の余裕さが、前から好きじゃなかった。
「矢口。」
不意に裕子が私の名前を呼ぶ。
「何?ビールもう一本持ってこようか?」
私が軽く溜め息をついて、立ち上がろうとしたときだった。
「好きやで、矢口。」
裕子は不意にそんなことを言う。
- 30 名前:あなたは卑怯者 投稿日:2002年02月12日(火)23時45分36秒
- そのとき・・・・大人は卑怯だと思った。
だってその言葉を聞いただけで、私は顔が一気に熱くなったから。
体全部が火照ってるみたいだった。
「ウチは矢口に好きになって・・・・・ホンマよかったと思っとる。」
裕子は本当に嬉しそうな声で言う。
だから私は急に恥ずかしくなって、顔を少しだけ俯けた。
私の気持ちを読んだのかと思った。
だってさっきまでの怒りが、あっという間に消えちゃったから。
「なんや、照れとるんか?」
裕子はバカにしたような口調で言う。
「て、照れてなんかないよ!」
その言葉にムカツいたから、私は顔を上げて言い返した。
見ると裕子は笑っていた。
- 31 名前:あなたは卑怯者 投稿日:2002年02月12日(火)23時48分19秒
- とっても楽しそうで、すごく優しい微笑みをしてた。
まるでおもちゃを買ってもらった子どものようでいて、でもどこか私を
見守ってくれているような、大人の余裕を感じさせるものだった。
ちょっとだけ、ドキッとした。
「矢口・・・・ええ?」
裕子は急にテーブルから身を乗りだし、顔を近づけてくる。
私はその突然の行動に頭が混乱した。
「え、あっ、うん・・・・。」
なんでだろう?
自分でも分からないけど、つい目を閉じてしまった。
でも唇に感触はなかった。
少し間をおいてから、微かに笑い声が聞こえた。
私が目を開けたと同時に、裕子は吹き出して笑いだした。
- 32 名前:あなたは卑怯者 投稿日:2002年02月12日(火)23時51分05秒
- ようやく意味が分かったとき、私は顔を赤くして叫んだ。
「バカ裕子!最低だよ、もう大嫌い!」
それは恥ずかしかったからじゃない、怒りで頭に血が上ったからだ。
私はそう言って裕子に背を向けた。
もう顔も見たくない!って思ったから。
冗談にしてはタチが悪すぎる。
「いつもならそんなことないやん。そうやろ?だから、その・・・・つい
調子に乗ったっていうか、本当にごめん!」
裕子は焦った口調で慌てて言い訳する。
なんだかすごく必死にだから、少しだけ笑いそうになった。
こういうときは子どもぽっいんだよね。
「ウチが悪かったって。なぁ、今度何かおごるから、それで勘弁して。」
- 33 名前:あなたは卑怯者 投稿日:2002年02月12日(火)23時53分52秒
- 裕子が急に甘えた声をだして、私に擦り寄ってくる。
そんな姿見てたら、怒りがどっかに飛んでちゃったよ。
これで許しちゃう矢口は甘いのかな?
「別に怒ってないよ。その代わり・・・・今度焼肉おごってね。」
私は裕子の方に振り返り、頬を掻きながら言った。
その途端、裕子は顔を嬉しそうな顔をする。
「矢口〜!」
と叫んで、裕子はいきなり私を抱きしめる。
「うわっ!ちょ、ちょっといきなりやるなよ!」
私が手を振り払おうとしても、裕子は離してくれなかった。
更に力を込めて私を抱きしめてくる。
そして、少し低い大人の声で囁かれた。
- 34 名前:あなたは卑怯者 投稿日:2002年02月12日(火)23時57分57秒
- 「でも矢口のこと好きなんは、絶対に嘘やないから。」
その言葉に私の鼓動はいきなり高鳴った。
だってあまりに突然に言い出すから。
なんだよ、それ!
子どもぽっくなって油断してたら、急に大人になって迫るときたか。
もしかして私って遊ばれてる?
やっぱり大人は、っていうか裕子は卑怯者だ!!
END
- 35 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年02月13日(水)00時02分24秒
- リクのやぐちゅーです。
やっぱり王道は苦手だなぁ、と書いていて思いました。
本当は誕生日近くにageたかったんですが、それができなかったので
話の内容を少し変えました。
リクくれた方、こんなものでスイマセン。
- 36 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月14日(木)00時34分21秒
- やぐちゅー(・∀・)イイ!!
次回もお待ちしております(w
- 37 名前:開かないドア 投稿日:2002年02月19日(火)23時58分52秒
- 部屋は静かで冷たかった。
きっと冷たいのは2月の雨のせいだ。
静かなのは・・・・・一体誰のせいやろう。
ぼんやりした雨音を聞きながら、ウチは床で寝ていた。
カーペットが生暖かくて気持ち良かった。
柔らかくて心地いい肌触りだから、本当に眠りそうになった。
でも眠ったらアカンと思って、閉じかけた目蓋を開けた。
あぁ、まだ未練たらたらなんやと思った。
そんな自分が情けなかったけど、でも心の底では確かに期待してる。
- 38 名前:開かないドア 投稿日:2002年02月20日(水)00時00分30秒
- 電話がかかってくるかもとか。
もしかしたらメールかもしれないとか。
あのドアから戻ってくるんじゃないかとか。
そう、いつものように「ただいま」と言って。
靴を脱ぎ散らしながら走ってきては、ウチに思い切り抱きつくんや。
またあの無邪気な笑顔を見れる気がした。
あの頃は部屋がすごく騒がしかった。
うるさくって嫌になるくらい。
なのに今は寂しいほど、部屋は静寂に包まれている。
- 39 名前:開かないドア 投稿日:2002年02月20日(水)00時02分30秒
- ウチはゆっくりと目を閉じた。
すると、あの頃のことがすぐに浮かんでくる。
それはまるで残像みたいやった。
幸せな日々。
よく料理をお互いに食べさせ合ったり。
大した話でもないのに、夜遅くまで盛り上がって・・・・。
なんや、結構楽しかったやん。
あのときはくだらないと思っとったのに。
でもそう思うのはきっと、今は何一つ手に入らんから。
- 40 名前:開かないドア 投稿日:2002年02月20日(水)00時03分59秒
- やっと分かったわ。
さっき目を閉じれへんかったんわ、怖かったからや。
あの子と過ごした日々を思い出すのが。
全然ダメやなぁ、自分。
頭も心もまだあの子のことでいっぱいやん。
すぐに忘れてしまえばええのに。
まだあの子との思い出にしがみついとる。
本当に情けなくなってきたわ。
ウチはそういう女やないちゅうのに。
- 41 名前:開かないドア 投稿日:2002年02月20日(水)00時05分55秒
- これじゃぁ、あの子のことしばらく忘れられへな。
目蓋の裏にしっかり焼きついてとるから。
・・・・跡を残すくらいに。
全く、なんでやろうなぁ。
当たり前のように明日は必ずくる。
きっと外の雨は止ないまま。
明日もきっとこのまま降っとると思う。
何も変わらないのに。
なのに、あの子はこの部屋に戻ってこない。
- 42 名前:開かないドア 投稿日:2002年02月20日(水)00時08分18秒
- 気がつくとウチは泣いていた。
あの子の存在の大きさに気づいたから。
白い天井が・・・・歪んで見えた。
そのとき不意に小さな物音がした。
音のした方を見た瞬間、ドアノブが確かに回った。
そして、ドアが小さく開かれる。
テーブルに置かれたビールが、微かな光を受けて反射した。
END
- 43 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年02月20日(水)00時15分01秒
- >名無し読者さん レス書く前に、話書いてしまってスイマセン。
ちょっと眠くてボーっとしてました。
あんな駄文のやぐちゅーでも、いいと言ってくれると嬉しいです。
こんなんですがリクのゆうごまです。
暗い話になってしまったんですが、自分的には結構好きだったりします。
まぁ、読む人が満足しないとしょうがないんですけど。
ゆうごまは初めて書いたので、これぐらいで勘弁してください。
- 44 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月20日(水)01時07分11秒
- ごまゆうリクさせていただいたものです。
感動です。なんか切なくて〜大好きです!!
この作品は裕ちゃん視点なので、ごまの視点も出来たら読んでみたいです。(w
で・・・その後の裕ちゃん&ごまも(w
満足感は、はなまるです!!
本当にありがとうございました。
- 45 名前:芥龍 投稿日:2002年02月23日(土)17時17分39秒
- どうも、弦崎さんの作品は様々な所で
読ませて頂いております。
書いている手法や心理描写等参考になる事も多いです。
リク、OKと言う事なので「圭圭」(けいかお、かおけい)を
書いていただけますか?よろしくお願いします。
- 46 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年02月26日(火)00時17分26秒
- >名無し読者さん 満足されたようで、本当によかったです。
後藤さん視点については・・・・考えときます。
実はそれらしいものを考えてはいるのですが、まだ全く手をつけていない
ので、そのうち書くかもしれません。
>芥龍さん もったいないようなお褒め言葉です。
自分も色んな人の書き方を見て、まだまだ勉強中ですから。
リクに関しては了解しました。
「圭圭」は前からちょっと書きたかったので、全然OKです。
- 47 名前:A chenge of mind 投稿日:2002年02月26日(火)00時19分49秒
- 木製の古びたドアを開けると、小さい鐘の音が店内に程よく響いた。
一歩店に入ると、感じの良さそうな夫婦が軽く会釈してくれる。
私もそれに習って軽く頭を下げた。
そして店内を軽く見回した。
店は大して広くなく、人もまばらだった。
全体にアンティーク調で、どこか懐かしい感じがする。
店内にかかっているジャズも趣味がいい。
やや落とし気味の照明は、その薄暗さが音楽とよく合っている。
まるでこの店は時代から取り残されみたいだった。
- 48 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時21分28秒
- 私は珍しく窓側の席に座ろうと思った。
いつもは人目がつくところは避けて座っている。
不思議とこの店では、そういう変な心配をしなかった。
私は黒い革のソファーに腰を下ろす。
それは思ったより座り心地ちがよかった。
この店は実に客に対して隅々まで気を使っている。
落ちついた店内の雰囲気。
この店は古さにも関わらず、不潔感というものがない。
テーブルの隅に花を生ける気遣いもいい。
- 49 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時22分24秒
- それから少しして、奥さんが水とおしぼりを持ってくる。
「ご注文のほうはお決まりですか?」
とその声は顔に似合って優しげだった。
私は水だけでは口寂しいと思い、何か頼むことにした。
「じゃぁ、アメリカンコーヒーを一つ。」
多少迷ったけれど、一番無難かと思いそれに決めた。
「ミルクかお砂糖はお付けしますか?」
という奥さんの問いに、私は手を横に振って言った。
「いえ、ブラックでいいです。」
- 50 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時23分38秒
- 「かしこまりました。」
と奥さんは感じの良い笑顔で頷くと、軽くお辞儀をしていった。
私は小さな溜め息を吐くと、ソファーに寄りかかった。
そして、琥珀色したグラスを軽く指で弾いた。
すると氷とガラスがぶつかって、小さく音を反響させる。
そういうのが嫌みなほど似合う店だった。
なぜ彼女はこういう店を知っているんだろうか?
いかにも、私が気に入るような店を。
そういうところは今も昔も変わっていない。
自分から呼び出しておいて、遅刻するところもね。
- 51 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時25分05秒
- 店の置き時計を見ると、待ち合わせ時刻から既に10分が過ぎていた。
私も仕事がで遅れたからいるかと思ったんだけど・・・・。
それはちょっと甘い考えだったな。
そんなことを思ってるときだった。
店のドアについてる鐘が勢い良く鳴り響く。
私が顔を上げると、そこには息を切らした彼女がいた。
店内にいた人は私も勿論のこと、みんな唖然とした顔で彼女を見ていた。
店の夫婦は慣れているのかにこやかに微笑んでいる。
彼女は照れ笑いしつつ、頭を下げて謝っていた。
- 52 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時26分18秒
- それが一通り済むと、彼女は私を見つけて声を上げた。
「あっ、圭ちゃん!」
そう大きく叫んでから、早足で近寄ってくる。
まるで・・・それは子どものような笑顔だった。
大人なのに妙に無邪気なところは、今も変わっていないらしい。
やっぱり彼女は昔のままなんだと思った。
でも、ちょっとだけ他人フリをしたくなった。
- 53 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時28分39秒
- 私は苦笑しながら、軽く手を振って応えた。
彼女は私の内情を知る由もなく、とても嬉しそうな顔している。
そして、ソファーに腰を下ろした。
「久しぶりだね、元気してた?」
その声も表情もあのときと全く同じだった。
・・・・彼女に恋をしてたときと。
あの頃は私もまだ若かった。
何も分かっていない無知な子どもだったんだ。
だから、釣り合うはずがなかった。
- 54 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時31分12秒
- でも彼女に近づきたくて、あの頃は色々と背伸びをしてた。
私がコーヒーをブラックで飲むのも、そのときの影響からなんだよね。
彼女はよく缶コーヒーでブラックを買ってたから。
でもそれも今から、もう3年も前の話になる。
私もあの頃に比べたら成長したかな?
少しは大人になっただろうか?
でもこうやって向かい合って話すのは久しぶりだから、妙に少し照れくさく
なってしまって、私は軽く頬を掻きながら笑って言った。
「うん、元気で毎日がんばってるよ。」
- 55 名前:A chenge 投稿日:2002年02月26日(火)00時34分50秒
- その言葉に彼女は柔らかい微笑みをして返す。
「・・・・そっか。それならよかった。」
でも少しだけ、本当に少しだけ悲しそうな瞳をしていた。
それから私達はたわいもない話に笑い合った。
昔は彼女とこうやって話す度に、いつも心を痛めていた。
まるでそれは鋭い刺のような痛み。
でも、今は違う。
確かに心は痛むけれど、でもとても爽やかな痛みなんだ。
そう感じるのは成長したからなのかもしれない。
でも大人になったのに、なぜこの痛みは消えないんだろうか?
END
- 56 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年02月26日(火)00時41分38秒
- リクの圭彩です。
題は『A chenge of mind』です。
途中で切れてしまったので書いておきます。
圭彩は某サイトで小説を見て以来、ちょっとハマっていたんですけど、
書くとなるとかなり難しかったです。
石黒さんはあんまり知らないので、これ以上書けないです。
- 57 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月26日(火)01時11分20秒
- 作者さんのせつなめな作品にハマッテマッスル!
とくにゆうごま?のせつなさが好きでした。
できたらこの頃あまりめにしなくなった”なっちゅー”をせつなめでお願いできないでしょうか?
- 58 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月26日(火)01時19分58秒
- いいっすねぇーーー
よければ、甘甘のやぐいしお願いできないでしょうか?
- 59 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月26日(火)11時55分22秒
- 作者さんの小説感動もので〜す!
自分は圭ちゃん大好きなので、やすいし!!かKU(圭ちゃんがらみならなんでもいいのですけどね(^^;)
お願いします!!
圭ちゃんにべた惚れな感じがいいなぁ
- 60 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月02日(土)23時03分25秒
- 59さんに同感です!
私もけいちゃんだいすきです。
- 61 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月04日(月)00時24分52秒
- >名無しさん ハマってもらえてよかったです。
ごまゆうは悩んで書いたので、そう言ってもらえると苦労した甲斐が
あるってものです。
リクのなっちゅーは了解しました。
がんばってせつないものを書きたいと思います。
>名無し読者さん なかなか好評みたいで嬉しい限りです。
リクの甘々のいしやぐ、全然大丈夫ですよ。
マイナー系の方が書いてるのが楽しいですから。
>59さん 褒められると嬉しいんですが、なんか照れくさいです。
リクに関してはやすいしでいかせてもらいます。
ベタ惚れな感じというのは、ちよっと保証できませんけど。
>60さん その意見に同感。もとい同意です。
と言いながら、写真集はお金がないのでしばらく買えません。
- 62 名前:世話のかかる女 投稿日:2002年03月04日(月)00時27分45秒
- その日の朝、起きるとあいつはいなかった。
適当に探したけどどこにもいない。
テーブルの上を見ると、朝食と一緒に置き手紙があった。
はっきりしない頭でそれを読む。
紙には一言だけ、「実家に帰ります」と書かれていた。
・・・・・アホらしいと思った。
原因はきっと昨日の夜。
私の部屋に久しぶりに圭織が泊まりにきた。
まぁ、そこまでは良かったんだけど。
- 63 名前:世話のかかる女 投稿日:2002年03月04日(月)00時29分09秒
- ちょうど夕食のときだったかな?
すごいくだらないことで、私達はケンかをした。
なんだったかなぁ・・・・・。
あぁ、そうだ!
ワインの赤と白のどっちが体にいいか、で揉めたんだ。
今になってみると、本当にバカらしい。
どっちも変わらない気がするんだけど。
っていうか、そんなのどっちでも構わないし。
でもあの時は酔ってたから、そんな冷静に考えられなかった。
- 64 名前:世話のかかる女 投稿日:2002年03月04日(月)00時30分09秒
- いつもだったら、軽く受け流して終わるんだけど。
昨日はつい圭織の意見に反発してしまった。
まして、あんなくだらないことで。
自分でもすごく大人げなかったと思う。
確かにそうは思うけど、別に実家に帰らなくてもいいと思う。
なんで北海道まで行っちゃうかなぁ。
例えば東京のマンションに帰るとかさ。
誰かの家に泊まるっていうのだっていいし。
いや・・・・それはちょっと却下。
- 65 名前:世話のかかる女 投稿日:2002年03月04日(月)00時31分51秒
- 私は軽い溜め息をついてから、辺りを大きく見回す。
いつもの部屋がなんだか広く見える。
そして、圭織の作った冷たいトーストを食べた。
怒っているのに、朝食まで作っていくのは圭織らしい。
ちゃんとサランラップまでしてあった。
そういうところは気が利いてる。
だったら実家に帰るなっつうの。
なんでそこまで頭が働かないんだろうか?
できれば、そっちの方に気を回してほしかったよ。
- 66 名前:世話のかかる女 投稿日:2002年03月04日(月)00時33分17秒
- 本当にバカな奴だよ。
あんなことぐらいで実家に帰るなんてさ。
でも、迎いに行こうとしてる私はもっとバカだ。
北海道までわざわざ行こうとしてる。
飛行機に乗って、あの札幌までか・・・・。
今の季節はやっぱり寒いのかな?
全く、世話のかかる女だよ。
でもそんなの、好きになったんだから仕方ない。
私はかなり物好きなのかもね。
- 67 名前:世話のかかる女 投稿日:2002年03月04日(月)00時35分58秒
- 「にしても、飛行機代あったかなぁ・・・・。」
と私は朝食の隣に置いてあったコーヒーを温めようと、レンジのところまで
歩きながら呟いた。
とそこでふと立ち止まる。
っていうか、今日収録ある日じゃなかった?
私は冷静に考えてから、思わず深い溜め息をついた。
そして、部屋にある置き時計を見る。
今の時間から逆算して考えると、あと一、ニ時間で空港だな。
「本当に世話のかかる女だなぁ・・・・。」
私はクシャクシャっと頭を掻き乱す。
そしてコーヒーを台所に置くと、浴室へと足を向けた。
END
- 68 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月04日(月)00時44分24秒
- リクしてもらった「圭圭」です。
バカっぽっい感じなんですが、自分としては結構気に入ってます。
このネタは一番初めのいしおがに考えたんですが、ボツになったので
「圭圭」にそのまま使いました。
まぁ、おがこんっていうのも考えていたんですけどね。
・・・・・リクがなかったので。
- 69 名前:芥龍 投稿日:2002年03月04日(月)22時19分42秒
- 「圭圭」ありがとうございます。
本当の夫婦みたいな2人最高です
- 70 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)23時09分11秒
- 圭圭結構いいですね!
これから好きになりそうです(w
自分は最近、高紺・紺高が好きなんですけど
できますでしょうか?出来たらお願いします
- 71 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月04日(月)23時28分42秒
- >芥龍さん ご要望に応えられたみたいでホッとしてます。
今の自分としては、この2人はかなり萌えなカップリングなので、
書けて楽しかったです。
>名無し読者さん 好きになっちゃってください。
なかなか見かけない2人なので、これから増えてほしいです。
リクの高紺、紺高?
どちらになるかは分かりませんが、了解しました。
- 72 名前:歪んだ星 投稿日:2002年03月04日(月)23時30分36秒
- ねぇ、覚えてる?
部屋に泊まったとき、よく二人して星を見たよね。
あぁだこうだ言いながらさぁ。
まぁ、たくさんは見えなかったけどね。
やっぱり都会だからかなぁ?
でも二人で一緒に見られれば、それだけでよかった。
「北海道行けばもっと綺麗なんだろうなぁ。」って言ったらさ、
「なら、今度一緒に行こうや」って言ってくれたね。
その言葉すごく嬉しかったんだよ。
- 73 名前:歪んだ星 投稿日:2002年03月04日(月)23時31分58秒
- ・・・・懐かしいなぁ。
その約束が叶わなかったのが残念だけどね。
でもあの頃は本当に幸せで、楽しかった。
いつからだろうね?
二人がすれ違っちゃったのってさ。
初めはぎこちないだった。
でもいつの間にか避け合ってて。
そして、会う回数がどんどん減ってきたと思ったら、
気がつくともう修復できなくなってた。
- 74 名前:歪んだ星 投稿日:2002年03月04日(月)23時33分20秒
- どうにかしたいって思ったよ。
でも、どうすることもできなかった。
別れるしか方法がなかった。
お互いに方法を探してたと思う。
二人にとって最良の方法は何かなって。
でも見つからなくて、最悪の結果になっちゃった。
・・・・バカみたい。
あのとき、どっちかが言えばよかったんだ。
「まだ別れたくない」って。
- 75 名前:歪んだ星 投稿日:2002年03月04日(月)23時34分38秒
- だけどその一言が出てこなかった。
口から出かかっていたのに、なぜか飲み込んだ。
きっと意地張ってたんだね。
でもそれはお互い様でしょ?
お互いにくだらない意地を張り合ってさ。
・・・・まるで子どもみたいだね。
そして、私達は別れたんだよ。
本当にバカみたいだよね。
悔やむくらいなら、言っとけば良かった。
言って別れたならまだ諦めがついたよ。
- 76 名前:歪んだ星 投稿日:2002年03月04日(月)23時35分43秒
- でも、私は言わなかったから。
だからもし言ったら、とかつい考えちゃうんだ。
そうしたら別れなかったかなって。
今もこの部屋から星が見える。
あんまり綺麗じゃない、ちょっと濁った星だけど。
でもなっちはそういう星が好きだよ。
そういえばさ、二人でよくベランダに出て探したね。
寒いときは、ギュっと抱きしめてくれた。
暖かいときは・・・・どうしてくれたのかな?
- 77 名前:歪んだ星 投稿日:2002年03月04日(月)23時36分50秒
- ねぇ、そっちの部屋からは見えてる?
どうせまたビール片手に見てるんでしょう?
それとも、誰かと笑いながら見てるの?
もしかたら・・・・泣いてるかもね。
私みたいに、涙でぼやけた星を見てるのかも。
ねぇ、裕ちゃん。
そっちの部屋からは、どんな星が見えますか?
END
- 78 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月04日(月)23時41分52秒
- リクのなっちゅーです。
本当に最近見かけなくなりましたね。
でもやぐちゅーとはまた違った味わいがあって、書いていてなっちゅーも
いいなぁと思いました。
でも長編とかでは絶対に書けないですね。
安倍さんを主人公で書いたのは初めてなので、多少イメージの違うところは
あると思うんですが、それらしくなってると嬉しいです。
- 79 名前:それはとても暖かい夜 投稿日:2002年03月11日(月)00時00分55秒
- その日は結構暖かい夜だった。
今はコンビニで夜食を買ったその帰り。
大した会話もしないで、私達は並んで歩いていた。
ふと横を見ると、不機嫌な矢口さんがいる。
でもその理由が分からなくて、私は問いかけてみた。
「どうかしたんですか?」
矢口さんは私の方を見たけど、すぐに顔を正面に戻してしまう。
もしかしたら話したくないのかな?とも思った。
でもそれから少しして、小さな呟きが聞こえてきた。
- 80 名前:それはとても暖かい夜 投稿日:2002年03月11日(月)00時02分17秒
- 「寒くないのは・・・・嫌なんだよ。」
見ると頭を掻きながら、唇を少し尖らせている。
その仕種がとてもかわいかった。
「えっ?矢口さんって寒いの好きでしたったけ?」
私は思い当たる節がなくて考え込んだ。
だって、矢口さんは寒いのが嫌いだと思ってたから。
「いや、別に好きってわけじゃないけど・・・・。」
と矢口さんはなぜか口ごもってしまう。
もしかしたら、言いたくないことかもしれない。
- 81 名前:それはとても暖かい夜 投稿日:2002年03月11日(月)00時03分56秒
- 「別に言わなくてもいいですよ、無理して言うことないですから。」
私は矢口さんに優しく笑いかけて言った。
そう言った瞬間、いきなり手を握られてしまった。
「えっ?!矢口さん?」
私はあまりに突然のことに頭が混乱した。
すると、矢口さんが顔を少し俯かせてポツリと言った。
「・・・・・手を繋ぐ理由が欲しかったんだよ。」
でもいきなりそんなこと言われても、私には意味が分からなかった。
ただ矢口さんの小さな手の温もりが気持ち良かった。
- 82 名前:それはとても暖かい夜 投稿日:2002年03月11日(月)00時05分04秒
- それって、どういう意味ですか?」
私は疑問に思ったので質問すると、矢口さんは頬を掻ながら答える。
「寒かったらさぁ、何かと理由つけて手を繋げるじゃん。」
その言葉を聞いて、私はなんだか気が抜けてしまった。
もっとすごい秘密でもあるのかと思ってたから。
「はぁ〜。そんなことだったんですか?」
「なんだよ。梨華ちゃんにとっては、大した問題じゃないのかよぉ。」
矢口さんはイジケているような、少し悲しそうな声を出す。
それは意外に子どもぽっくてかわいい。
- 83 名前:それはとても暖かい夜 投稿日:2002年03月11日(月)00時07分04秒
- 私はそんな矢口さんの手を私は握り返した。
「だっていつも繋いでれば、そんな関係ないじゃないですか。」
そう照れくさそうに笑いながら言った。
「・・・・そうだね。」
少ししてから、矢口さんのそっけない呟きが聞こえた。
横を見ると照れ隠しなのか、顔をちょっとだけ逸らしている。
そのとき突然、冷たい風が二人に吹きつける。
矢口さんは顔を逸らしたまま、私の手を強く握って言う。
「ねぇ、腕組もうよ。・・・・寒いからさ。」
- 84 名前:それはとても暖かい夜 投稿日:2002年03月11日(月)00時08分29秒
- 「いいですよ、寒いですからね。」
と私は楽しそうに笑いながら答えた。
そして、私達は腕を組んで寄り添いながら歩いた。
それから特に会話もなくて、ただ帰り道を並んで歩くだけ。
いつもなら寂しいって思うのに、今日は全く違う。
なんだか吹き出して笑いたい気分。
こんな気分が味わえるなら、まだ寒くてもいいかなぁと思った。
END
- 85 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月11日(月)00時14分51秒
- リクのいしやぐです。
甘めとのことですが、こんなものでよかったでしょうか?
ほのぼのしていていいかなぁ、なんて自分では思ったんですけど。
それはただの自己満足という気もしますが・・・・・。
あんまり甘々ものは得意じゃないので、これが限界でした。
- 86 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月11日(月)00時24分02秒
- リクのいしやぐ(又はやぐいし(笑))!!!
自分は満足です(w
甘々も好きですけど、ほのぼの系も好きなので嬉しいです!!!
ありがとうございました(w
- 87 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月11日(月)17時00分58秒
- >68
リクエストしておけばよかった!!と後悔しきり。
小川がらみのカップリング好きなんで。
で、もしリクOKなら最初のいしおがの続きか小川高橋できますか?
- 88 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月11日(月)21時32分41秒
- 石高も見てみたい(w
高橋が石川を思っていて・・・(もぁもぁ)(藁
- 89 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月12日(火)00時00分50秒
- >86さん ほのぼの系でもOKでよかったです。
最初はやぐいしだったんですけど、ちょっと書き難いので逆にしました。
意外にいしやぐが書き易くて助かりました。
>87さん してもらいたかったですね。
きっとその方がおもしろかったのかなぁ、なんて思ったりします。
まぁ、今更言っても仕方ないんですけど。
リクはいしおが続編を書きたいんですけど、ネタが浮かばなかったら、
違うカップリングになると思います。
>88さん いしたかとはかなりマイナーですね。
でもマイナーなものは好きなので、頑張って書こうと思います。
- 90 名前:Kiss 投稿日:2002年03月12日(火)00時05分16秒
- 私と石川はソファーに座り、夕食後の余韻に浸っていた。
本当はこういう予定じゃなかったんけどね。
今日になって急に、石川が家に泊まりたいって言ってきた。
だからこうして一緒に並んで座っている。
私達はたわいもない話をして、楽しく過ごしていた。
でも、ふと会話が止まって沈黙が流れる。
「・・・・好きです。」
と呟くような石川の声に、私が顔を向けた瞬間だった。
気がつくと唇が塞がれていた。
- 91 名前:Kiss 投稿日:2002年03月12日(火)00時07分53秒
- 私はあまりに突然だったので、言葉すらでなかった。
体は動けない、というか動くことを忘れていた。
しばらくして我に返ると、とりあえず石川を押し戻した。
石川は唇が離れるとすぐに言った。
「好きだから、キスがしたいんです。」
でも言ってからすぐに、顔を不安そうに俯ける。
私は何も言うことができなかった。
だって、なんだか呆れてしまったから。
それが顔に出ていたんだろうか?
- 92 名前:Kiss 投稿日:2002年03月12日(火)00時09分25秒
- 石川は上目遣いに私を見つめて言う。
「・・・・ダメでしたか?」
と弱々しい口調で、今にも泣きそうな顔をする。
「いや、そういうわけじゃないけどさ。」
普通そういうのは、言ってからするんじゃないの?
という言葉を内心付け加えた。
なぜ付け加えたかというと、石川が話しだしたから。
言葉を遮られてしまったのだ。
それに、言うと石川が泣きそうな気がしたし。
- 93 名前:Kiss 投稿日:2002年03月12日(火)00時10分40秒
- 「そういう優しいところ、大好きです!」
石川は急に顔を輝かせると、嬉しそう笑って言った。
これもポジティブのなせる技なんだろうか?
「じゃぁ、またキスしていいですか?」
と石川はいきなり大胆なことを言い出す。
それは、普段の石川からは考えられない言葉だ。
「いや、それは・・・・。」
ちょっと待った、という言葉は遮られた。
今度は石川の唇によって。
- 94 名前:Kiss 投稿日:2002年03月12日(火)00時12分02秒
- だから、やる前にちゃんと言えっうの!
石川はそんな私の心情などお構いなしらしい。
唇をすぐに離すと、次は色んなところにキスしてくる。
一体、今日の石川はどうしたんだろうか?
こんな積極的な石川は、今まで全く見たことがない。
まぁ・・・・・もうすぐ春だしね。
そのせいなのかは知らないけど、石川のキスの雨は止まない。
顔中はもちろん、首筋や髪の毛にさえキスしてくる。
私は咎める気も伏せてしまって、もう石川の好きにさせていた。
- 95 名前:Kiss 投稿日:2002年03月12日(火)00時15分09秒
- しばらくそのままでいたんだけど、
でも不意に思い立って、私は石川の唇を人差し指で止めた。
その途端、石川はまた不安そうな顔して私を見る。
「やっぱり、嫌でしたか?」
とその言葉に、ここまでして何言ってんだかと思った。
だけど、石川の潤んだ瞳を見たら言えなくなった。
別にキスされて悪い気はしない。
でも、なんか自分の中で納得がいかない。
きっと愛されるよりも、愛する方が性に合ってるから。
- 96 名前:Kiss 投稿日:2002年03月12日(火)00時17分01秒
- 「今度はさ・・・・私からキスさせてよ。」
私は石川の頬を撫でながら、照れくさそうに笑った。
こういうセリフも私の性には少し合わない。
そして私達は、今まで一番長いキスをした。
END
- 97 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月12日(火)00時23分14秒
- リクのやすいしです。
石川さんが保田さんにベタ惚れな感じにしようと思ったら、なんだか変な
方向に進んでしまいました。
想像してたのと違っていたらスイマセン。
保田さんが誰かにベタ惚れなら、書くのが楽なんですけどね。
- 98 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月14日(木)20時18分16秒
- やすいし萌え(w
- 99 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月18日(月)00時05分48秒
- >名無し読者さん こんな駄文でいいならば、
いくらでも萌えちゃってください。
- 100 名前:それはあの人だけが知っている 投稿日:2002年03月18日(月)00時06分45秒
- それはとても静かな夜。
私はホテルのベットで彼女に押し倒された。
見下げる彼女と、見上げる私。
いつからそうなったんだろう?
別にどっちが望んだわけじゃないと思う。
ふと気がついたら、こういう風になっていた。
彼女は嘲笑うかのような笑みを浮かべて言う。
「・・・・ねぇ、知ってる?」
その声はからかってるような感じがした。
- 101 名前:それはあの人だけが知っている 投稿日:2002年03月18日(月)00時08分49秒
- 私は答えが分からなくて、しばらく黙っていた。
あまりにその質問は範囲が広すぎるから。
だから、彼女から切り出してくるのを待っていた。
でも彼女はじれったいくらい待たせる。
見るととても楽しそうで、少し意地悪そうな顔をしていた。
私を押さえつけながら何を思っているんだろうか?
そんなことは見当もつかない。
私は彼女の返答を待つしかなかった。
そして、どれくらいそうしていたんだろう。
- 102 名前:それはあの人だけが知っている 投稿日:2002年03月18日(月)00時09分46秒
- 彼女が再び口を開く。
私は彼女から言われる答えに期待した。
でも、その予想は裏切られる。
「・・・・ねぇ、知ってる?」
と彼女は同じ質問を繰り返しただけ。
いつも大きく見開いた目を、今日は少し細めて笑う。
でも何度質問されても、私は答えが分からなかった。
形容詞や名詞がない言葉は理解しがたい。
だから私はまた黙り、部屋はただ沈黙していた。
- 103 名前:それはあの人だけが知っている 投稿日:2002年03月18日(月)00時10分59秒
- また少し経ってから、彼女は小さな溜め息をつく。
そして、楽しそうに笑いながら言う。
「麻琴があさ美ちゃんのこと好きなの、知ってる?」
顔は確かに笑っていたけど、でもどこか寂しげだった。
私はそっと彼女の髪に触れ、優しく慰めるように撫でる。
そして、その質問の答えを言おうとした。
だけど、私の唇は彼女によって強引に塞がれた。
- 104 名前:それはあの人だけが知っている 投稿日:2002年03月18日(月)00時12分23秒
- それはまるで、私の答えを遮る為のものに思えた。
息もさせないぐらいに激しくて、でもなんだか切なかった。
やっと彼女が唇を離すと、ゆっくりと顔を上げる。
その顔はとても不安そうで、瞳は怯えていた。
私から言れる言葉を怖がっている。
改めて彼女の純粋さと、その傷つきやすさに気づく。
私は彼女の細い首に手を回すと、自分の方に引き寄せた。
彼女は突然のことに驚いて目を大きく見開く。
その表情がおもしろくて、私は少しだけ笑ってしまった。
- 105 名前:それはあの人だけが知っている 投稿日:2002年03月18日(月)00時14分50秒
- それから、彼女の耳元でそっと囁いた。
「・・・・好きだから。」
それは私が迷うことなく、即座に思いついた答え。
でも私も彼女と同様、それは正しい言葉ではない。
主語や動詞とかが入っていないから。
だけど、彼女にはちゃんと伝わっている。
彼女は本当に嬉しそうな笑みを浮かべていた。
そして、さっきとは全く違うキスをしてくれる。
とても甘くて、優しいキスだった。
それは誰も知らない、二人だけの秘密の夜。
あっ・・・・一人だけ知っている。
窓からぼんやりと輝く、あの少し薄汚れた丸い月。
END
- 106 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月18日(月)00時20分29秒
- リクの高紺です。
なぜか少しエロっぽっいんですけど、別に深い意味はありません。
でも前に適当に書いたおがたかもなぜかエロでした。
両方とも高橋さんが絡んでいるということは、自分の中では高橋さんは
エロいという印象なんだろうか?
本当に自分でもよく分からないです。
こんな感じの話ですが、好みに合えばいいかなぁと思います。
- 107 名前:圭ちゃん好き 投稿日:2002年03月18日(月)10時58分29秒
- 作者さんのお話楽しく読ませて頂いてます!!
圭ちゃん好きの私は圭ちゃんがらみはかなり萌えます!!
是非KUお願いしていいですか??
できれば甘甘で……
よろしくお願い致しますです。
- 108 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月18日(月)23時46分47秒
- あるいさんありがとです!!!
高紺♪いいっす(w
ありがとーございます
自分の中では高橋はおもしろい?イメージがあります(藁
- 109 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月20日(水)23時26分36秒
- >圭ちゃん好きさん レスありがとうございます。
こんな話を楽しいと思ってくれるのは、本当に嬉しいです。
萌えてくれるのはなおのこと嬉しいですけど。
リクのKUは了解しました。
甘々はちょっと苦手なんですが、がんばって書いてみます。
>名無し読者さん どういたしまして。
高紺、満足されたみたいで良かったです。
高橋さんは真面目で、負けず嫌いってイメージしてます。
モ○たいのお化け屋敷(?)を見てから、好きになってきました。
- 110 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時29分34秒
- その日は朝からとても晴れていた。
近くにあった携帯を見ると、もうお昼に近くだった。
ということで、私達は買い物に出掛けた。
「何か食べたいものある?」
と嬉しそうな顔して石川さんが聞いてくる。
さっきからずっとそんな顔をしている。
なんだか、そういう顔をされると照れてしまう。
「えっ?別になんでもいいですよ。」
と私は少し照れくさそうに笑って言った。
- 111 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時32分09秒
- あれから私達は付き合っている。
まぁ、そうするしかない状況だったし・・・・。
簡単に説明すると、周りと本人に上手く乗せられたってとこかな。
時々だけどそれで考えることがある。
私は彼女のことが本当に好きなのかな?って。
すごく自分が適当な気がして、それがいつも嫌になる。
そんなことを思っていたら、少しブルーになった。
でも石川さんはあいかわらず嬉しそう。
まるで私より年下みたいだった。
- 112 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時33分41秒
- そんなことを話しながら、私達はスーパーに辿り着いた。
大体、歩いて10くらいかかったのかな?
そこは結構大きめのスーパーだった。
中に入り、とりあえず野菜売り場に向かう。
私はカートを押しながら、軽く辺りを見回した。
ここは結構色んなものが売っている。
私はもの珍しそうにそれらを見ていた。
「今日はカレーにしようか?」
と不意に石川さんに話しかけられる。
- 113 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時34分55秒
- 私が顔を向けると、石川さんは笑っていた。
その微笑みがあまりに綺麗だから、私は少しだけ見惚れた。
ちょっと大人ぽっくて、少しドキッとした。
「・・・・あっ、はい!簡単でいいですね。」
でも私はすぐハッとなって、適当に笑ってごまかす。
「よし!じゃぁお昼はカレーに決定。」
そう無邪気に笑う石川さんは、本当に子どものようだった。
- 114 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時39分47秒
- 石川さんは少し音の外れた鼻歌を歌っている。
とても楽しそう、でもそういうのが私は痛かったりする。
なんかすごく悪いことしてる気がして。
彼女の横にいる資格が、自分にはないように思えてくる。
それはワガママを通り越して身勝手って感じ。
でも・・・・別れたいと思ったことはないんだよね。
「ニンジン、タマネギ、ジャガイモ・・・・他にも何かいる?」
石川さんは私に意見を求めてくる。
あの、すごく大事なもの忘れてると思うんですけど。
- 115 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時42分17秒
- 「お肉って買わないんですか?」
と私は苦笑を浮かべながら逆に質問する。
「あっ!何か足りないと思ったら、お肉を忘れてたんだ。」
石川さんは納得したように手を叩く。
確かに別れたいとは思わないけど、疲れるとはよく思う。
だけどこういうボケも最近は慣れてきた。
ようやく材料を買い終えて、私達は帰り道を歩いている。
色々あった末に袋は私が持つことになった。
さすがに、石川さんに持たすわけにいかないから。
- 116 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時44分39秒
- でも別にそんな重いものではない。
「大丈夫?重かったらすぐに代わるからね。」
そんな言葉はもう何回目になるんだろう?
「大丈夫ですよ、これくらいなら。」
そう言って私は、いつも笑いながら言葉を返す。
だけど石川さんは心配そうな顔をする。
そんなに私はヘタレに見えるのかなぁ・・・・。
これでも力はある方だと思うんだけど。
でも心配してくれるのは嬉しい、少し過保護すぎだけど。
- 117 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時46分41秒
- 「・・・・幸せだなぁ。」
といきなり石川さんが小さな声で呟いた。
それは独り言だったのかもしれない。
でも横を見ると、石川さんの顔はちょっと赤い。
私は袋を左手から右手に持ち替えた。
そして、思い切って石川さんの手を握った。
石川さんは突然のことにすごく驚いてた。
私も自分でやって、何だか信じられなかった。
でもなぜだかそうしたかった。
- 118 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時49分31秒
- きっと、ただ手が繋ぎたかっただけだと思う。
少し恥ずかしかったけど、私はニッコリと笑って言った。
「私も・・・・すごく幸せです。」
「うん、そうだね。」
と石川さんは今まで一番嬉しそうに笑う。
私達は顔を見合わせて、しばらく笑い合っていた。
手を繋ぎながらふと思う。
私は結構、石川さんが好きなのかもしれないと。
きっと自分が思っている以上に。
- 119 名前:それは結構幸せな日々 投稿日:2002年03月20日(水)23時51分31秒
- 「よしっ!今日のお昼はがんばって作るからね。」
と石川さんガッツポーズを作り、気合いを入れていた。
私はそんな姿を微笑ましく見つめる。
そういえば昨日、確か夕ご飯をごちそうになったはずなのに、なぜか
その後の記憶がないような・・・・。
別に大丈夫だよね、と思いつつも顔が青ざめていく気がした。
END
- 120 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月20日(水)23時56分47秒
- リクのいしおがの続きです。
最初はどうしようか悩んだんですけど、悩んだ結果こんな話になりました。
ほのぼのしつつ、いちよ最後で落としてます。
この辺は前回と同じにしました。
でも前回の感じを忘れてしまって、ちょっと違う雰囲気なのは大目にみて
やってください。
- 121 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月21日(木)10時24分59秒
- 作者さん!!是非甘甘KUを!!!
お願いしま〜す!!!!
- 122 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月22日(金)23時29分54秒
- いしおがええかんじぃい(w
最後のとこが笑えた(w
- 123 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月27日(水)02時33分05秒
- いしおが最高ですっ!‥‥更に今後に期待したりして
- 124 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月30日(土)18時06分02秒
- 87でいしおがリクした者です。
よかったです! …ほのぼのいいな〜。
ですが、最後がひいてて、何があったんだ!? て感じで気になりますね。
自分も今後に期待したりして。
ともかく、いしおがありがとうございました!
- 125 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月31日(日)00時37分03秒
- >122さん かなり同意です。
いしおがは萌えるのに、絡みが少ないのが難点です。
最後のところがウケてよかったです。
>123さん その後は・・・・・書けなくはないです。
というか、この頃いしおがで学園ものを書きたいなぁとか思うんですけど、
かなりの高い確率で書かないでしょうね。
>124さん 満足してもらえてよかったです。
いしおががやや広まっているようで、いつかメジャーにしたいものです。
その道はかなり険しいと思いますけど。
その後はネタはあるので、いつか書くと思います。
- 126 名前:眠り姫 投稿日:2002年03月31日(日)00時37分58秒
- 彼女は今、ホテルのベットで眠っている。
規則正しい寝息を聞きながら、私は眠れずにいた。
ベットの中で何度目かの寝返りを打つ。
ふと備え付けのデジタル時計を見ると。
もう午前2時だった。
閉められたカーテンから、薄い明かりが漏れる。
本当はもう眠っている時間だ。
明日だって仕事だし、早く寝ないといけない。
でも・・・・寝れるはずがない。
- 127 名前:眠り姫 投稿日:2002年03月31日(日)00時38分54秒
- だって、好きな人がこんなに近くにいるんだから。
さっきから私の胸の鼓動は高鳴りぱっなし。
そんな状態で眠れるはずがないよ。
横を見れば彼女がいる。
手を伸ばせば届くくらい、とても近くに。
だから鼓動が休まるときはなかった。
私は彼女が眠るまで、ずっと寝たフリをしていた。
・・・・好きな人がこんな近くにいる。
そんな私の気持ちなど知らず、彼女は心地良さそうに寝ている。
- 128 名前:眠り姫 投稿日:2002年03月31日(日)00時39分35秒
- 初めてはそれだけで十分だった。
別にそれ以上のことは、何も望んでいなかった。
それに何かする勇気は私にはない。
でも、だんだん気持ちが溢れてくる。
彼女を好きだという思いが止められない。
その思いが弱気な私を動かす。
気がついたら体が勝手に起き上がっていた。
それから音を立てないように、静かにベットを抜け出す。
そして、彼女のベットにゆっくりと近づいた。
- 129 名前:眠り姫 投稿日:2002年03月31日(日)00時40分19秒
- 心臓の鼓動が異様に早まっていく。
私は寝ている彼女の枕元で立ち止まった。
それからしばらくの間、食い入るように見下げていた。
まるで彼女は、童話の中の眠り姫のようだった。
そうしたら私は誰なんだろう?
姫を目覚めさせる王子様?
それとも、姫を眠らせた悪い魔女?
- 130 名前:眠り姫 投稿日:2002年03月31日(日)00時41分33秒
- きっと・・・・・悪い魔女だね。
だって、彼女に触れずにはいられないから。
もう自分の欲望のままに動いてる。
私は彼女の茶色い髪を、そっと手で掬ってみる。
その髪は指の隙間からすぐに流れていく。
私は彼女を愛しそうに見つめた。
すると彼女は嬉しそうに笑う。
一体、誰を思って笑っているんですか?
届かない問いに胸が痛くなる。
- 131 名前:眠り姫 投稿日:2002年03月31日(日)00時43分00秒
- だから言ったのかもしれない。
「・・・・好きです。」
そう、彼女の耳元でそっと囁いてみた。
でも彼女は眠ったまま。
起きる様子もなく、まだ眠ったまま。
私の言葉なんかじゃ起きてくれないらしい。
でも今起きたら、彼女はどうするんだろう?
その綺麗な顔立ちは、どんな表情をするんだろう?
艶のある紅い唇は、どんな言葉を私に言うんだろう?
- 132 名前:眠り姫 投稿日:2002年03月31日(日)00時44分28秒
- 今なら彼女を容易に奪えると思う。
その髪も、唇も、体さえも、奪うことは簡単。
だって・・・・・彼女は無防備だから。
あまりに彼女は無防備すぎるんだよ。
私はしばらく上を向いて、目元を強く押さえていた。
そうしないと噴き出してしまいそうだから。
・・・・・私の中にある黒い感情を。
END
- 133 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月31日(日)00時48分23秒
- リクの石高です。
甘い話にしようと思ったんですが、ちょっと無理でした。
それでなぜかこんな話になってしまいました。
やっぱり高橋さんだから?
それはどうか分かりませんが、甘い話を期待してたらスイマセン。
- 134 名前:確信犯 投稿日:2002年03月31日(日)00時54分21秒
- 二人きりの食事。
でも久しぶりだから、なんだか緊張した。
ただ並んで座ってるだけなのに。
「どうかしたん?」
と裕ちゃんがビール片手に、微笑を浮かべて言う。
そんな仕種を見ただけで心が熱くなる。
だってそういうときの裕ちゃんは、すごくカッコいいから。
「・・・・いや、別になんでもないよ。」
私は笑おうとしたけど、それは苦笑いに近かった。
- 135 名前:確信犯 投稿日:2002年03月31日(日)00時55分17秒
- まさか、裕ちゃんがカッコいいからとは言えない。
言ったら絶対にからかわれる。
それに恥ずかしくて言えるわけがない。
「そう?さっきから元気ないけど、具合でも悪いやないの?」
と裕ちゃんは少し心配そうな顔をして言った。
そういうさりげない優しさが、また少しドキッとする。
「そ、そんなことないよ!全然大丈夫だって。」
と私はちょっと大げさに笑い飛ばした。
裕ちゃんも私に釣られてか、一緒になって笑っていた。
- 136 名前:確信犯 投稿日:2002年03月31日(日)00時55分57秒
- 「なら、ウチに見惚れてたん?」
不意に裕ちゃんはニヤリと笑って私を見つめる。
そして、金色の髪を軽く掻き上げた。
その言葉を聞いた瞬間、全身が心臓になったみたい震えた。
きっと裕ちゃんは冗談で言ったんだと思う。
でなければかなりの確信犯だ。
まして、不意を突くなんてかなりの腕前。
- 137 名前:確信犯 投稿日:2002年03月31日(日)00時57分23秒
- 「どうした圭坊?なんや顔が赤いけど、もう酔ってしもうたんか?」
裕ちゃんは妙に楽しそうな顔をしている。
私の反応を見て楽しんでる、そうとしか思えない。
・・・・どうやら確信犯らしい。
私は完全に裕ちゃんに遊ばれているようだ。
そんな自分がすごく子どもみたいで、なんだか少し悔しい。
「そ、そんなわけないじゃん!」
遊ばれるのはシャクだから、私は強がってみせる。
近くにあったビールを一気に飲み干した。
- 138 名前:確信犯 投稿日:2002年03月31日(日)00時58分59秒
- こういう変な意地を張る自体が、十分子供ぽっいんだよね。
辻とか加護とか見てるとそんな気がする。
冷静に考えるとすごくバカらしいけど、でもなんか譲れないんだよ。
「ん・・ごほ・・・ごほっ・・・・。」
私はいきなり大量のビールを飲んだため、むせ返って咳き込んだ。
裕ちゃんは少し慌てて私の背中を擦る。
私がしばらくして落ち着くと、呆れてるような口調で言った。
「全く、いい年して何やってんだか。」
だけど青い瞳は優しい目をしてる。
- 139 名前:確信犯 投稿日:2002年03月31日(日)01時00分14秒
- 「悪かったね、いい年して子供染みててさ。」
私はふてくされたように言って、裕ちゃんから顔を逸らした。
本当に今日の私は子どもみたいだ。
裕ちゃんは私の頭にポンと手を置くと、
「別にええよ。そういう子どもぽっい圭坊も好きやから。」
そう言いいながら、クシャクシャっと髪を撫でる。
その言葉を言われたらもうお手上げだよ。
何も反論できなくなるじゃん。
でも裕ちゃんは、それを知ってて言ってるんだと思う。
本当に・・・・・大した確信犯だよ。
あまりに大人で、優しいくて、カッコいいから。
惚れないわけないじゃん。
END
- 140 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年03月31日(日)01時06分56秒
- リクのKUです。
あんまり更新してなかったので、今回は2本あげさせてもらました。
KUに関してはリクが重なったので、これで1本ということで。
その分、がんばって甘く書いてみました。
男前の中澤さんは書くのが難しい・・・・・。
- 141 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月02日(火)17時20分00秒
- 石高(高石)をお願いしたものです!(w
甘くないけどいいっす!!!(w
ありがとうございましたーー
- 142 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年04月07日(日)23時44分38秒
- >名無し読者さん マイナー好きなんですけど、石高は本当に色々と
悩んで書き上げました。
でも、結構書いていて楽しかったです。
甘くなくてもいい、と言ってくれてよかったです。
- 143 名前:重量喪失 投稿日:2002年04月07日(日)23時45分50秒
- 私は部屋のベットで横になっていた。
でも眠るわけでもなく、だだボーっとしていた。
何かをする気が起きなかった。
体がなんだか重たかったから。
全身がすごくダルい感じ。
だからベットに寝っ転がっていた。
どうして、こんなに体が重いんだろう?
心はこんなにも軽いのに。
まるでそれは空気のように、軽い気がする。
- 144 名前:重量喪失 投稿日:2002年04月07日(日)23時47分13秒
- 今の私は心はとても軽いんだ。
あの人と別れたあの日から、心は軽くなった。
あの重荷はもうなくなったんだ。
あの人は私の傍にいないから。
だから思わなくていい、好きにならなくていい。
・・・・・愛させなくてもいいんだ。
もう私は悩んだりしない。
不安になったり、心配しなくてもいいんだ。
安心して毎日を過ごしていける。
- 145 名前:重量喪失 投稿日:2002年04月07日(日)23時48分05秒
- でも、この喪失感なんだろう?
心にポッカリと穴が開いたような感じ。
何かが足りないような気がする。
これが・・・・・あの人の重みなんだろうか?
今まであんまり実感がなかった。
でも、考えてみればそうなのかもしれない。
へぇ〜、そうなんだ。
なくなってから初めて分かったよ。
とても重かったんだ、って。
- 146 名前:重量喪失 投稿日:2002年04月07日(日)23時48分55秒
- でもそんなの知らなかった。
分からなかったよ。
だって、あの人は何も言わないから。
いつも私を見て笑っているだけ。
呆れた顔しながら、でも楽しそうに笑っていた。
私はそんな優しさが好きだった。
よく甘えて抱きしめてもらったよね。
あの人は色々と文句を言うクセに、絶対に抱きしめてくれる。
そしていつも香水と、お酒の匂いがしてた。
- 147 名前:重量喪失 投稿日:2002年04月07日(日)23時50分16秒
- でも楽しかった日々を、いつしか重たく感じてた。
それから逃げたくて私は別れを告げた。
でもウザイからじゃない、怖いから逃げ出したんだ。
だって、あのときの私達は幸せ過ぎたから。
だから私はすごく怖かったんだ。
いつかの日か、それが壊れるような気がして。
それが私にとっては重荷だった。
背負うと苦痛を感じるんだよ。
だって・・・・すごく重たかったから。
- 148 名前:重量喪失 投稿日:2002年04月07日(日)23時51分29秒
- 今の私には喪失感しかない。
私の心はあの人と別れてから、とても軽くなった。
その失った重みをもう感じない。
だから、私の心は嫌味なほど軽いまま。
END
- 149 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年04月07日(日)23時55分15秒
- 少し前に書いた、ゆうごまの後藤さんバージョンです。
リクが切れていたので書きました。
適当に書いたので、あんまり深くはツッこまないで下さい。
題が自分的にはかなり好きでした。
4文字で漢字というのが、結構ツボだったりします。
- 150 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月08日(月)02時01分02秒
- 以前ゆうごまリクしたものです。
ありがとうございました(w
自分的にも・・・かなりツボにクリーンhitです。
せつないけど・・・痛甘って感じですね。
リクしてもいいですか?なかよしが読みたいのですが(w
- 151 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月08日(月)10時57分16秒
- いつも楽しませていただいておりまっす!!
やすいしかやすごまお願いします!!!
- 152 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年04月10日(水)23時13分21秒
- >名無し読者さん クリーンヒットで良かったです。
擦っただけだったら、ちょっと悪いですから。
甘いかどうかは読者次第ですね。
あんまり深く考えて書いてないですから。
リクのなかよしは了解しました。
>名無しさん 楽しんでもらえれば、書き手としては嬉しい限りです。
リクについては了解しました。
多分、やすごまで書くと思います。
- 153 名前:陶酔 投稿日:2002年04月10日(水)23時15分07秒
- 部屋にはさっきから、いろんな音が響いている。
たまに小さく鼻歌も聞こえる。
ウチはビールを飲みながらくつろいでいた。
台所ではヨッスィーが料理を作っとる。
「今日、夕食を作りに行っていいですか?」
なんて急に言い出してきたから。
でも断る理由もないし、親に連絡すればええかと思った。
だからこうして夕食を作ってもらってる。
少しすると、いい匂いが漂ってきた。
- 154 名前:陶酔 投稿日:2002年04月10日(水)23時16分19秒
- そして、ヨッスィーが両手で皿を持ってくる。
テーブルに2つスパゲティーが置かれた。
おいしそうに湯気が立っている。
「いつものですいません。」
とヨッスィーは腰を下ろすなり謝りだす。
全く、この子は相変わらずやな。
「別にええよ、そんな期待してへんし。」
ウチはビールを一口飲んでから、苦笑いして答えた。
するとヨッスィー顔が突然暗くなる。
- 155 名前:陶酔 投稿日:2002年04月10日(水)23時18分18秒
- 「・・・・そんなに私の料理ってダメですか?」
少し俯きながら弱々しい口調で言う。
あちゃ〜、ヤバいでこれは。
「そ、そんなことあらへんよ!ヨッスィーの料理は美味しいって。」
とウチは慌ててなだめた。
すると、ヨッスィーはニッコリと笑う。
全く、こういうところは子どもやな。
それがまたかわいんやけど。
「冷めちゃいますから、食べましょうか。」
- 156 名前:陶酔 投稿日:2002年04月10日(水)23時20分36秒
- そして、ウチらはスパゲティーを食べ始めた。
「・・・・・おいしいですか?」
少ししてから、ヨッッスィーは不安そうに聞いてきた。
また変なこと言って沈まれても困る。
ウチはしゃべる言葉に気をつけて言った。
「あぁ、すごくおいしいよ。」
「ほ、本当ですかぁ?」
ヨッスィーは少し疑ってるを顔する。
疑い深いなぁ、おいしいって言っとるやんか!
- 157 名前:陶酔 投稿日:2002年04月10日(水)23時21分41秒
- そう逆ギレしそうなのを、なんとか抑える。
それが大人やんか。
ここでキレたら、ただのガキやん。
「あぁ、ホンマにおいしいよ。」
ウチは引き釣った笑みを浮かべて答えた。
自分でええ大人やなぁと思った。
「よかったぁ。中澤さんが喜んでくれて。」
そう言って、ヨッスィーは本当に嬉しそうに笑う。
そのとき・・・・クラッときた。
- 158 名前:陶酔 投稿日:2002年04月10日(水)23時27分17秒
- 別に酔ったわけやないと思う。
だって、まだビールを一本も飲んでいない。
いくらなんでも酔うには早すぎる。
「中澤さん、もう酔ったんですか?」
ヨッスィーはそんなウチを見て、また笑って言った。
それは見愡れる程の微笑みだった。
「そんなわけないやろ。」
ウチは少し動揺しながら、呆れた感じで言葉を返した。
でも、そのとき確信した。
- 159 名前:陶酔 投稿日:2002年04月10日(水)23時28分46秒
- 確かにウチは酔っとる。
でも、それはお酒のせいじゃないんよ。
あんたの微笑みに酔っとるんや。
でもだから何ってわけやない。
ただ「あぁ、そうなんだ」って思っただけ。
だって・・・・・毎日酔っとるから。
そう、この子の微笑みに酔わない日なんてない。
END
- 160 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年04月10日(水)23時36分38秒
- リクのなかよしです。
初めて書いた割には、結構書き易かったですね。
でも続編とかは書けないですね。
短編で精一杯です。
初めてということで、雑なところは見逃してください。
- 161 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月17日(水)23時45分05秒
- あいつは私にとって太陽だった。
偶像崇拝とか、そんな怪しいものじゃない。
少し尊敬してるところはあったけど。
ただ、あいつは私とって必要だったから。
絶対的な存在だった。
だって・・・・あいつは輝いていたから。
誰よりも眩しく、明るく輝いていた。
一緒にいると私も輝くことができたから。
そんなあいつが好きだった。
- 162 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月17日(水)23時47分13秒
- 私は横で寝ている後藤の横顔を、ずっと見つめていた。
やっぱり綺麗だなぁと思う。
時々だけど、見惚れてしまうことがある。
こんなかわいいんだから、そりゃあいつだって惚れるわけだ。
あいつと後藤が付き合っていたのは知っていた。
でも仲を壊したいとか、別れさそうとは思わなかった。
だって、そんなことしても虚しいだけだし。
それにあいつが悲しむと思ったから。
私は後藤の髪を優しく撫でた。
自分の家の狭いベットに、裸のまま並んで寝ている。
私達は覚えてないくらい体を重ねていた。
確かそこに快楽はあった、嫌だと思ったことはない。
でもなんだか悪い気はしていた。
だって、本気で愛していないから・・・・。
- 163 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月17日(水)23時52分15秒
- 私は後藤の肩に顔を擦り寄せ、静かに目を閉じた。
ちょっといい匂いがした。
いつからこんな関係になったんだっけ?
あんまりよく覚えていないや。
後藤にあいつの匂いを感じた、そのときからだと思う。
だから求めたのかもしれない。
私達は間違いなく、お互いに喪失してるから
同じ部分を欠落させている。
・・・・・私達は太陽を探していた。
今だ見えない太陽に向かって、手を伸ばしている。
でもその手はきっと届かない。
だから私は太陽を求めなくなった。
そんな不確かなものなんていらないよ。
後藤がいれば私には十分だ。
寂しさも紛らわせるし、快楽だって味わえる。
他に必要なものなんて何もない。
- 164 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月17日(水)23時53分27秒
- 私は今に満足している。
後藤も昔は結構気にしている感じだった。
まだ未練があるって感じで、よく電話をかけていた。
いつも寂しそうな顔をしていた。
後藤は絶対に別れたくなかったと思う。
だけど最近は、そんな素振りを見せなくなった。
私にもよく懐いてきてるし、随分と明るい表情をしてると思う。
だけど・・・・私には分かってるんだよ。
心の奥底では、まだ確実にあいつを求めてるって。
高く手を伸ばしては、いつか掴んでくれることを期待してる。
・・・・バカみたいだね。
- 165 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月18日(木)00時03分13秒
- そのことを考えてると、いつも無性にイラつく。
胸の中が黒い感情に染っていく気がした。
私は後藤の背中に手を滑り込ませ、強く抱きしめた。
なんとなく抱きしめたかった。
もしかしたら、当ってるのかもしれない。
「・・んっ・・・・圭ちゃん?」
後藤がまだ眠そうな目を擦り、私を上目遣いで見つめる。
「あっ、ゴメン。起こしちゃったよね。」
私は苦笑を浮かべながら謝る。
「いいよ、そろそろ起きようと思ってたし。」
後藤は少し眠たそうな口調でそう答える。
そういう素直じゃないところが、かわいいと思う。
- 166 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月18日(木)00時08分30秒
- 「別に眠いなら寝てていいよ。」
すると後藤は、猫のように私に擦り寄ってくる。
「じゃぁ、もう少しだけ寝る。」
そう言って私の肩に頭を乗せると、再び目を閉じる。
でも突然目を開けて、私を上目遣いで見つめてくる。
「・・・・ねぇ、キスして。」
それは甘えた子どものような声だった。
私は少し呆れた顔をして、軽くため息をつく。
「分かったよ、今日だけ特別だからね。」
後藤は照れくさそうで、でもとても嬉しそうだった。
それからゆっくりと目を閉じる。
私は微かな笑みを浮かべて、柔らかくて生暖かい唇に触れた。
それは本当に触れただけのキスだった。
- 167 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月18日(木)00時13分23秒
- 唇が離れると、後藤はそう小さく呟いた。
「好きだよ、圭ちゃん。」
目をつぶりながら、でも顔は赤くなっている。
その言葉に私はハッとなった。
心臓が大きく高鳴った。
私はそれから深いため息をついて、その小さな耳元に囁いた。
「私も・・・・好きだよ、後藤のこと。」
やっと分かったんだ。
私はもう十分すぎるほど、この子に惚れている。
本気で愛している。
そのことに気づくのが遅すぎた。
いや本当は分かっていた、気がつかないフリをしてたんだ。
- 168 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月18日(木)00時15分40秒
- それを認めることが怖かった。
本気になったら、心が傷ついてしまうから。
あいつにフラれたときみたいに。
あんな辛い思いは、もう二度としたくなかった。
だから二人の関係に心はいらない。
体だけ繋がっていればいい、そう思っていた。
それだけで満たされるから。
本気で愛さなくていいんだ、と自分に言い訳していた。
それに、私はあいつほど輝いていない。
後藤が惹かれるほど輝いていない。
きっといつかフラれてしまう。
あいつと自分を比べて、いつも焦っていたんだ。
いつも不安でしたかなかった。
だから後藤はまだあいつに惚れてる。
なら私は嫌われたとしても、しょうがないんだ。
そう思ってずっと逃げていた。
- 169 名前:Brilliant 投稿日:2002年04月18日(木)00時17分07秒
- でも後藤は私のことを好きだと言う。
もう過去のことを捨てて、ちゃんと前を向いている。
私のことを見ていてくれる。
あいつにこだわっていたのは私の方だ。
太陽に手を伸ばしていたのは・・・・・私なんだよ。
あいつは確かに太陽だった。
その眩しい輝きに、後藤も惹かれたと思う。
だから私も太陽になりたいんだ。
でも今は月でしかない。
誰かの輝きを浴びて、反射で輝いてるだけだ。
でも私はまだ微かな光でしかない。
だけどいつか必ず輝くから。
あいつほどじゃなくても、後藤を眩しく照らすから。
私は後藤の太陽になりたいんだ!
END
- 170 名前:弦崎あるい 投稿日:2002年04月18日(木)00時21分39秒
- リクのやすごまです。
ちょっといつもより長いですが、別に深い意味はありません。
ただ短くできなかっただけです。
本当は甘い話を書きたかったんですが、浮かばなくて微妙に痛め系の話に
なってしまいました。
今度リクもらったときは、甘いのを書こうかなと思ってます。
Converted by dat2html.pl 1.0