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お隣さんは…アイドル
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月22日(火)19時18分41秒
- 私、吉澤ひとみは今年の春に高校を卒業。
そしてバレーの実業団からの誘いで、『タイエー』に入社。
本当は寮があるんだけど、親父が断り…ってか何で親父が断るの?
父が経営してるマンションに今は一人暮し。
あたしは例外だって事になる。
とにかく、お隣さんに挨拶しなきゃって思って…
あたしは適当に菓子包みを買って、チャイムを鳴らす。
…が留守だった。まぁ、いいやと思い、その日は会社に出勤。
次の日、改めてチャイムを押す。
…また留守らしい。そしてこの日もまた仕事と練習に…。
そんな日々が19回位続いた。
- 2 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)19時22分24秒
-
「今日は居るだろ。」
今日で20回目か―。
何て、練習でクタクタになりながらもチャイムを押す。
が…出る気配はまったくなかった。
もう一度、チャイムを押してみたが…
返答はまったくなかった。
「…虚しくなんかないぞう…。」
何だか切ないのは気のせいだろう。
…チキショウ!一体、どんなヤツが住んでるんだろ?
「もぉ!少しは家に居ろよ!!」
キレイな街のネオンに向かって叫んでやった。
あたしは意地でも隣のヤツの顔を拝んでやると心に決め、
明日の練習に備えてその日は眠りについた。
思っていた以上に練習はハードだった。高校の時もキツい!なんて
思ってたけど…それ以上だった。腕も足も…ボロボロだ。
体中には無数の傷あと。
風呂に入り、冷蔵庫から冷たく冷えた
ミネラルウォーターを取り出し、一気に流し込む。
そして傷に薬を塗り、バンソウ膏を貼る。
ベットに横になり、フーっと息を吐いた。
- 3 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)19時27分12秒
-
「…う〜ん。キツいっすね。」
あたしの今の身長は173cm。この世の中じゃ、ホント…小さい方。
少なくても、180は欲しい。
いくらあたしがジャンプ力が優れているって言っても他かが知れてる。
牛乳や、小魚だって練習が終われば、必ず飲むし食べるように
心がけている。なのに…なんで(泣)。
高校の時から身長は変わらない。
…気のせいか胸が大きくなったかなぁ!イヤッハッハ〜…
これもウソである。あうう…。
- 4 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月22日(火)19時32分38秒
ゴロンと寝返りを打ったら、ベットの上にあったリモコンの電源が入った。
―プツ―…
っと画面が明るくなっていく。
『モーニング娘。は日本バレー界を応援します!』
「あたしの事も…応援してよね。」
モーニング娘。…
…何と言っても今、バレーはあまり
人気がない。低迷中だ。
だから大人気の このアイドルグループを
イメージキャラクターにしたら…って考えはどうなのか?
まぁ、世界戦も近いし…関係ないか。
このCM…メンバー、一人一人が順番でCMしてんだけど…
今日はアニメ声が売り(?)の石川梨華だった。
『石川梨華!一生懸命、応援します!!』
「この子…たしか同じ歳だよなぁ。」
ニッコリ微笑むテレビの中の石川梨華。
つられて、アタシもニッコリ。…何やってんだろ。
あたしとは違う世界に住む彼女達。
色々と悩みもあるんだろうな。
あたしにだってあるんだし。…まぁ、関係ないけど。
知らない間にあたしは眠りについていた―…
- 5 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月22日(火)19時35分42秒
…青にしたつもりが赤になっていたのは
なぜなんでしょう…。
あまりPCの調子が良くないので毎日の更新は出来ないと思いますが
ヨロシクです。
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月22日(火)19時53分26秒
- 面白そうです(w
頑張ってください
- 7 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月22日(火)20時10分58秒
『タイエー』に入って、あっとゆーまに半年が過ぎた。
…今だ、お隣さんとは会えず。
そして今日も練習が終わり…家に着く。
もう、この頃には練習にも大分慣れてきていて。
あまり体の痛みは感じなくなってきていた。
風呂に入り、ベットに寝転がる。
「…いつになったら見れるのかねぇ。」
空をアタック。今のは失敗。ブロックされるな…なんて考えて
もぅ1度、アタック。一人、妄想バレーを続けていた。
「今のはいい感じだね。」
一人で納得。
その時、隣から確かにドアの閉まる音が聞こえた。
- 8 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月22日(火)20時12分04秒
-
お隣さんが帰ってきたのだ!ガバっとベットから跳ね起き、
ちょうど良く、今日あたしは近くで買った菓子包みを持っていた。
この箱で、もぉ28箱目だった。
それを持って挨拶に行った。チャイムを鳴らし、
心の中では…どんな人が住んでんだろ?
ってドキドキしてた。毎日、毎日帰りが遅いお隣さん。
お水系の仕事でもしてるんだろうっていつも思ってた。
『やっと会える!!ってか見れる!!』
なんて言おうかなぁ…?
『ずっと待ってました!』
…これじゃあ変態っぽいね。
『何やってる人ですか?』
…いきなりはないだろ。
- 9 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月22日(火)20時13分50秒
『…どちらさまですか?』
「あ!しずかちゃん。」
『……』
ドアごしに聞こえてくる声に…何だか体がくすぐられる。
ドラえもんに出てくるしずかちゃんの声に似てるかも。
なんて考えてたら
『…イタズラは止めてください。』
「あ…すみません。今度、隣に越してきた吉澤って言います。
挨拶に来たんですが…」
フっと覗き穴に影が出来て…きっと今、確認したんだろうな。
―ガチャリ…―
- 10 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月22日(火)20時14分40秒
- あれ?この人…どっかで見た事があるぞ?って…えぇ?!
出てきた人は…
『石川梨華!一生懸命、応援します!!』
そう…。驚いた事に、お隣さんが今をときめくアイドル・グループ
モーニング娘。の『石川梨華』だったなんて…思いもよらなかったんだ。
歳もたしか一緒で…でも学年が一ッコ上なんだよなぁ。
「あ、あの…吉澤ひとみです。」
「あ…石川梨華です。」
…お互い顔を見つめたまま沈黙。だって目の前に芸能人がいるんだよ?
初めて生で観たんだもん。ってか…テレビで観るより幸薄そう。
…失礼。やっぱり売れてるだけあって、
帰りが凄く遅い。しかも部屋にはあまり帰ってこないし。
「…あのぅ。娘。さんですよね?」
「…はい。あの。この事は内緒で…。」
「あ…誰にも言いませんよ。」
その日はギスギスした形で終わった。
まぁ、念願かなって観れたし!よしとしよう。
- 11 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月22日(火)20時15分44秒
<名無しさん。初レスどうもです。ヒマなんで
ちょっと更新してみました。がんがります!
- 12 名前:夜叉 投稿日:2002年01月22日(火)22時03分25秒
- お、おもしろそう…。
作者様、頑張ってください。
- 13 名前:blau 投稿日:2002年01月22日(火)22時29分23秒
- なんとなく予想していた展開(w
おもしろいっす
頑張ってください
- 14 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時45分57秒
<夜叉さん。面白そうですか?はい。頑張りまっす♪
<blauさん。予想されていたんですか(w
ありがとうございます。頑張ります。
この駄作は、私が好きな小説家さんのを
少し取りいれてます。今朝は(PC)調子が良さそうなので
更新します。
- 15 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時47分45秒
「…もしもし?あ、お父さん?あのさぁ…」
早速、親父に電話をかける。
『ハハ。驚いたか?そうなんだ。お隣さんはモーニング娘。さんなんだよ。
それにしても今頃、電話してくるなんて。』
「ずっと居なかったんだよ!で…今日、やっと見れた。」
『そうかい。…いいか?ひとみ。雑誌の記者になんか何も話しちゃいけないからな!
それから変な虫がつかないようにと、お前をそこに住ませたんだ。』
…してやったりの親父。呆然と立ちすくむあたし。
何それ?だから寮に住む事を断ったっての?
昔っからそうだ!親父は!!自分中心に動くやつ!
「はぁ…。」
電話を切り、あたしの溜め息だけが寂しく漏れた…。
(さぁ、寝るか…。)
モゾモゾ、ベットに帰るあたしは…
明日もバレー漬けだ。
- 16 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時49分21秒
年が同じともあって、知らないうちに挨拶程度は話せるようになった。
でもさぁ…まだ警戒してんだよね。あたし、そんなに人相悪いかな?
たまたま梨華ちゃんがオフの日、あたしは思いきって彼女のチャイムを鳴らす。
『…どちらさまですか?』
…やっぱりしずかちゃんだ。
「あの、ひとみです。」
―ガチャリ―
「どーしたんですか?」
「あ、あの…ですねぇ。実家から最中とか…牛乳とか…小魚とか。
その。色々送られてきたんすけど。 あたし一人じゃ多いし。
石川さん…どうかな?って…。あ、でも甘い物とか
ダメなのかな?いや…少しくらいは…」
何、一人で話してんだ?あたし?ほらぁ!石川さん呆れちゃってるよ!
「…プ。あ、ゴメンなさい。…いただこうかしら?」
「ホント?」
「うん。吉澤さん…最中好きなの?」
「…最中屋なんだ。」
「すごーい!」
「え?凄い事なの?」
「うん!」
- 17 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時50分09秒
TV上で見せる笑顔とは違った笑顔だった。キラキラ輝いてる…って何言ってんの?
アイドルって言っても、普通の女のコだし。
梨華ちゃんとはそれを機会に、どんどん仲が親しくなっていった。
お互い、名前で呼び合えるようになったんだよ!いやぁ〜凄いね(?)!
それからとゆーもの梨華ちゃんが仕事を終え、私の部屋に来るのは日常茶飯事で。
それに比例して…あたしの中で、梨華ちゃんの存在は大きくなっていった。
『ねぇねぇ!今日の生、観てくれた?』
『…あー!あのディレクターイヤらしい!』
『今度、バレー教えてよ!』
『今日はね?』
『ひとみちゃん!それでね…』
『ひとみちゃんも一緒にモーニングやろうよ!』
彼女の喜怒哀楽。きっとあたしは日本一、近い位置にいるファンなんだろう。
…ちょっと自慢。
- 18 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時52分28秒
- 今日は、全国ツアーの最終日。
梨華ちゃんとは、ここ2週間会ってない。
あたしもあたしで、強化練習に入ってた。
でも毎日メールのやり取りはかかさなかった。
今日は最終ともあって、メンバーと打ち上げがあるって言ってたっけ。
でも今夜は帰ってくるって言ってたのに
いくら待っても梨華ちゃんは帰ってこない。
「…もぉ、3時だよ。きっと誰かの家に泊るんだろうなぁ。」
眠い目を擦り、あたしは顔をパシパシ叩いた。
丁度良く、あたしは明日から3日程お休み。
でも、休みっつったって自主練はかかせない。
何気に下まで降りてみる。梨華ちゃんは表から帰って来る事はまずなかった。
いつもファンを避けるために、裏口や、秘密の出入り口がある。
今日も表の入り口にはファンが帰りを待っている姿が見え隠れしていた。
- 19 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時53分55秒
-
「…ご苦労なこった。」
そうだよ。今日はもう、帰ってこないんだって自分に言い聞かす。
あ…もしかしたら帰ってくるかも。なんてヤキモキしていたところへ、
裏口に大きな車が止まった。
(あ…保田さん。と…あの人、誰だっけ?…ミニモニ。の…忘れた。)
「わぁい!ひとみちゃあん!」
梨華ちゃんは酔っていた。あきらかに。
何を飲まされたかは知らないけど、頬がポゥっと赤くなっていて眠そうだ。
「ただいまぁ〜。久しぶり。それにしても…大きくなったねぇ。」
「…大きくなったって。かわらないよ。」
ニッコリ笑う梨華ちゃん。
…あぅ。こみ上げてくる感情に、身をよじりたくなった。
つくづく惚れてるなって思うよ…。
- 20 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時57分10秒
-
「…帰ってこないかと思っちゃったよ。」
「心配してくれたんだぁ?」
「…してないよ。」
「ひとみちゃん、冷たいなぁ。」
『もぉ!』ってポカポカと、あたしを叩く梨華ちゃん。
そしてグラリと傾いた。
あたしはとっさに手を貸そうとして寄り添ったときだ。
「吉澤。いつも悪いわね。オッホッホ。」
「…保田さん。笑い方が相変わらず不気味ですね。」
(なんでアンタが送ってくんだよ!)
「うっさい!地なのよ!あう!おケツが痛いのぉ〜!の方じゃないわよ!」
「わかってますよ!しかも、お尻を手で隠さないでもらえます?
…アイドル卒業は近いっすね(ボソ)。」
「…それってソロでもOKって事?」
「…逝ってよし。」
「よぉ!よっすぃ〜!相変わらずカッケ〜なぁ!
矢口惚れそうだぜぃ!キャハ!」
「カッケ〜っすか?」
(矢口さん。惚れられても困ります…。ポ。)
そうだった。矢口さんだった。この人。
もう、この人達とは顔馴染み。他のメンバーもあたしは梨華ちゃんの
保護者だってなってるらしい。…保護者って。
あたしの脳に梨華ちゃんとの会話が甦る。
- 21 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月23日(水)05時58分28秒
-
更新しました。
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月23日(水)10時25分16秒
- 吉澤パパは石川ファンですか(w
- 23 名前:blau 投稿日:2002年01月23日(水)14時12分50秒
- よっすぃ〜パパ・・(w
よっすぃ〜は梨華っちの保護者っすか(w
おもしろいっす♪
- 24 名前:夜叉 投稿日:2002年01月23日(水)18時13分26秒
- ある意味、保護者だと思われ(w。
…でも、ボディガードの方が近いかも(爆)。
- 25 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月23日(水)19時52分54秒
- 一瞬ある作者が思い浮かびましたが違ってたらスマソ。
面白そうな展開なので頑張って下さい。
- 26 名前:ま〜 投稿日:2002年01月23日(水)23時39分44秒
- 吉澤最中屋にワラタ。懐かしい。
- 27 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月24日(木)00時12分18秒
- 保田の痔にはワラタ
- 28 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月24日(木)05時24分25秒
<名無し読者さん。…はい。密かに(w
<blauさん。よっすぃ〜はいつでも梨華ちゃんの
保護者でいてほしい(w
わざわざ学校から…ありがとうございます。
<夜叉さん。あっちでも、こっちでも保護者(w
圭ちゃんから守れる人は、よっすぃ〜しか(略
<Charmay Blueさん。…ドキ。…たしかに青でも
書いてましたよ、師匠(w
なぜか赤になりました。頑張ります!
<ま〜さん。最中屋…どうしようか迷いましたが(w
<名無しさん。圭ちゃんのキャラ…どうしても、こうなってしまう(w
- 29 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月24日(木)05時26分06秒
『…ひとみちゃん。私ね?保田さんに気になる存在だわって言われた…』
そう。この人は梨華ちゃんの事が好きなんだ!…多分。あたしの恋敵(?)。
「じゃ。たしかに送り届けたから。」
クスっと笑う保田さん。何か勝ち誇ってる感じがした。
「じゃあなぁ〜よっすぃ〜♪愛してるぜぇ!」
「…お世話かけました。」
「あら!かけてないわよ!アタシがかけてるかも!」
「…意味不明。存在事態も意味不明…。」
「ちょっと!どー言う意味よ!!」
「おやすみなさぁ〜い。」
ろれつの回らない梨華ちゃんが両手を挙げて大きくふった。
「撮られるよ!梨華ちゃん!」
ゆらゆらと揺れている彼女の体を支えながら、
遠ざかって行く赤いテールランプを見送る。
自然と眉間にシワが寄っていた事に
あたしは気付き気を取り直す。
(…ヤッス〜、以外とやるな。)
- 30 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月24日(木)05時28分21秒
-
「真っ直ぐ立てないの?」
「立ってるじゃない!」
「逆ギレかよ!…痛い!痛いよ!梨華ちゃん!」
あたしの首を絞める。
あたしはもがくようにして梨華ちゃんの手を緩めた。
梨華ちゃんはただケラケラ笑ってるだけ。
やっとエレベーターの中にあたし達はヨタつきながらも乗りこむ。
「もぉ!しっかり歩いてよ!」
「やーん!もぉ歩けないよぉ!」
酔っ払った彼女は、すっかり子供に返ってしまっていた。
手を離すと、ふにゃふにゃと崩れて座りこんでしまう。
「…ひとみちゃん。オンブ。」
「はぁ?」
あたしは目をむいた。
- 31 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月24日(木)05時29分27秒
「いいじゃない。おんぶ!もしくは抱っこ!ひとみのケチ!」
「…梨華ちゃん言ってる事、めちゃくちゃ。」
でも…梨華ちゃんのワガママが通った。
まぁ、いつものコトだけど。
ピアスが綿シャツに引っかからないように気をつけながら、
膝の後ろに腕をさしいれて抱き上げる。
「わぁい!抱っこだ、抱っこ。ひとみちゃんに抱っこ♪」
…なんだそりゃ。
こうして梨華ちゃんを抱いて運んでいるだけでも、
あたしの胸はけっこうドキドキしていた。
…こんな気持ち、梨華ちゃんにはわからないだろう。
ただの保護者&お友達の関係なのだから…。
そんなこんなでやっと梨華ちゃんの玄関まで来た。
- 32 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月24日(木)05時30分02秒
「フフ…。なんだか花嫁さんみたい!」
「えぇ!何で?」
「知らないの?」
「だから何が?」
「欧米ではねー、結婚した二人が新居のドアを初めてくぐるとき、
男の人は女の人を抱き上げて入るんだってー。」
「あたし男?酷いよ!梨華ちゃん!」
照れ隠しにぶっきらぼうに答える。
- 33 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月24日(木)05時33分03秒
「あれぇ?」
「…今度は何?」
「ひとみちゃん、お顔が赤いよ?お酒飲んだなぁ?」
「うるさいよ。…放り投げてもいい?」
「え!ここ33階だよ?…先立つ不幸をお許しください…」
「ウソだよ!…保田さんの影響かな?」
心臓が物凄い勢いで早くなっているのが分かった。
なんとか部屋に入り、あたしはベットの上に彼女を下ろす。
…さすがに腕がだるい。脇にあった電気スタンドをつける。
ふと、あたしのシャツに薄っすらとピンク色のあとがついていた。
一瞬、桜の花びらかと思ったよ。
モゾモゾと起きあがって座る梨華ちゃん。眠そうに目をこすっている。
- 34 名前:名無しさん。 投稿日:2002年01月24日(木)05時33分52秒
更新しました。ここから先、この場面が長々と
続きますが…よろしくです。
- 35 名前:闇の住人 投稿日:2002年01月24日(木)12時27分14秒
- 吉澤さんと石川さんの関係がイイ!
しかし、恐るべきヤッスーですな。(w
続きがんがって下さい!
- 36 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年01月24日(木)15時18分52秒
- 発見しました!!サイコーです。
よっすぃーが、娘。じゃあないってことは、12人??
りかちゃんかわいすぎ!続き楽しみにしています。
- 37 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年01月24日(木)15時19分43秒
- ageてしまった・・・・。
作者さんごめんなさい。(反省)
- 38 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月24日(木)17時57分13秒
- やっぱりヤッスーのキャラってこうなってしまいますね。くっくっく。
しかし酔っぱらい梨華カワイイなぁ。
- 39 名前:夜叉 投稿日:2002年01月24日(木)22時16分44秒
- 石って、酔ったらかなりハイかネガティヴ入りそうですなぁ(笑)。
やっすの毒牙は(略。w
- 40 名前:七誌作車 投稿日:2002年01月25日(金)00時29分05秒
- やばいっ!面白すぎる!!!
期待してます!!!
- 41 名前:理科。 投稿日:2002年01月25日(金)04時24分20秒
<闇の住人さん。いしよしの関係いいですか?(照れ。)
…やはり僕等のヤッス〜はこうでなくちゃ(?)。
がんがります!
<よすこ大好き読者さん。ageてもsageてもかまいませんよ。
気にしないでくださいな。娘。は12人って事になります。
期待にそえれるよう、精進します。
<Charmay Blueさん。…ヤッス〜、昨日のモーたいでも
光っておりました…。キャラは…自然と、こうなってしまうんです。
師匠。酔っ払い梨華ちゃん、まだまだ続きます。
<夜叉さん。梨華ちゃん、酔ったとこ見て見たいですね。
多分、凄いハイになってから絡んできそう…。
ヤッス〜の毒牙はもちろん(略
<七誌作者さん。やばいですか(w
面白いなんて、うれすぃですなぁ。期待されちゃいましたんで
がんがりまっす!
…正体(?)がバレましたので名前でいかせてもらいます。
- 42 名前:理科。 投稿日:2002年01月25日(金)04時26分16秒
心臓が物凄い勢いで早くなっているのが分かった。
なんとか部屋に入り、あたしはベットの上に彼女を下ろす。
…さすがに腕がだるい。脇にあった電気スタンドをつける。
ふと、あたしのシャツに薄っすらとピンク色のあとがついていた。
(一瞬、桜の花びらかと思ったよ…)
モゾモゾと起きあがって座る梨華ちゃん。眠そうに目をこすっている。
「あ…じゃあ、あたし部屋に戻るから。それから
今日はお風呂は避けてね?明日、入る事!いい?」
「え〜何で?」
「溺れても助けてやんないよ。あたしも眠いの。」
「やだやだやだぁ〜!!」
…足をバタバタさせながら梨華ちゃんはうらめしそうに
あたしを見上げていたが
やがて自分のすぐ隣をポンポンと叩いた。
- 43 名前:理科。 投稿日:2002年01月25日(金)04時28分27秒
「…何?」
「……」
もう一度、ポンポン。
「…座れって?」
ニッコリする梨華ちゃん。
『あたし、マジで眠いんだけど。』なんて言いながら、
…内心ドキドキは止まらない。
そんな素振りなんかみせずにあたしは彼女の隣に腰をおろした。
ベットのスプリングがギシリときしむ。
それきり彼女は何も言わないので、
あたしは部屋の中をあれこれ眺めまわしはじめた。
メンバーのみんなと写した写真とかが
いっぱい貼られてて…ちょっとした嫉妬心が沸く。
隣で何やらゴソゴソと始めた梨華ちゃん。ふと目を戻した。
- 44 名前:理科。 投稿日:2002年01月25日(金)04時29分24秒
「な……!!」
口があんぐりと開くのが自分でもわかった。
梨華ちゃんが立ちあがって、脱いだ服をポイっと放り投げる。
「何やってんの!梨華ちゃん!!」
泡を食っているあたしとは対照的に…
梨華ちゃんの答えは相変わらずのんびりしたものだった。
「だって暑いんだもん。」
…彼女が身につけているものは、肩ひものないピンクのブラと
揃いの色のショーツだった。
続いて梨華ちゃんは両手を背中にまわし、眠そうな顔をしかめながら
何やら苦心している。
- 45 名前:理科。 投稿日:2002年01月25日(金)04時30分45秒
(…まさか!)
「ストー――――ップ!!梨華ちゃん!あたし帰るね?」
「やだぁ〜…」
あわてふためいて立ちあがった時、
あたしの腕が梨華ちゃんの腕にぶつかった。
梨華ちゃんの体が大きく揺らいだ。
とっさに支えようと手が前に出る。
腕だけでは支えきれなかった。
彼女を抱きとめたまま、膝の裏側が
ベットにぶつかって後ろ向きに倒れた。
そのあたしの上に梨華ちゃんが倒れ掛かって…
そしてスプリングに跳ね返された。
成り行きで抱き合ってしまった、あたし達の体は弾んだ。
- 46 名前:理科。 投稿日:2002年01月25日(金)04時31分59秒
「ち、ちょっと…?梨華ちゃ…あ!」
クスクスと笑いながら、あたしの首に腕をまわして抱きついてくる。
「やめてよ!」
「だから!ヤだって言ってんでしょ!」
いつもの梨華ちゃんではなかった。酔うとこんな風になるんだなぁ…
逆ギレ梨華ちゃん。
…いつも飲ませちゃおうかな。
なんて考える場合じゃないでしょ!
- 47 名前:理科。 投稿日:2002年01月25日(金)04時34分05秒
更新しました。それにしてもPCの調子、
そぉとぉいいんでうれすぃ〜です♪
- 48 名前:七誌作車 投稿日:2002年01月25日(金)08時01分35秒
- 理科。さんだ!
おもろいはずですね。
納得しました(w
はやくもドキドキ…
- 49 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月25日(金)12時48分51秒
- こーんな形のいしよしもあるんですね、さすがです。
ここから佳境のようなので、では。
- 50 名前:夜叉 投稿日:2002年01月25日(金)13時14分50秒
- PCの調子良いとのこと、安心したです。
あちらこちらで作者様方のPCが調子悪いと聞きますので。
こちらでもよろしくお願いします。
続き、早く読みたいのですが、自分、大阪に行くので2日ほど読めない…(鬱)。
- 51 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月25日(金)21時29分37秒
- ニュータイプの石川さんだ。
なかなかよろしい感じでおもろいです。
あ〜続きが楽しみ。
- 52 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月25日(金)21時37分09秒
- Charmay Blueって(爆)。やっとつっこめた!
いつも忘れてしまって。それは良くて
さっきそれで書き込もうとしたらフリーズT_T
石川さん、可愛すぎます。そして翻弄されるヨシコも
(・∀・)イイ 更新楽しみです!
- 53 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時13分24秒
<七誌作者さん。…あう。恥ずかしい(ポ)…。
そう言っていただけて光栄です。がんがります。
<M.ANZAIさん。そぉとぉ、構成に迷いました(w
今日、更新すると、ストックが…(爆)。
<夜叉さん。ウチのPC…。今、かなりイイ状態であります♪
大阪いいですね!こちらこそまたヨロシクでっす!
<名無し読者さん。ありがとうございます。
出来るだけ続きが楽しめるように、がんがります。
<師匠!(あえてw
フリーズですか…嗚呼。師匠からのお言葉、ありがたいです。(ナムナム
梨華ちゃん…ホントにヤッス〜に飲まされてそう(w
がんがります。
- 54 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時16分23秒
「もぉ!なんで、ひとみちゃんは…こんなにお肌が白いの?」
「知らないよ。ってか梨華ちゃんが黒すぎなの。」
「何それ!!ひとみちゃんなんて嫌い!」
「き、嫌いなら離れてよぉ!!」
「やーだーよーん♪」
ますますキツク抱き付いてくる梨華ちゃん。
「いい加減にして!」
「なんでそんなに怒ってるのぉ?」
「…知らない。よしこ…梨華ちゃんなんて知らない。」
「な〜んだ。ひとみちゃんも知らないのかぁ…。」
…マジで疲れてきた。
あたしの話なんか聞いちゃいないんだろうな。
いいよいいよ…どうせ。
酔っ払いなんかキライだ!
…梨華ちゃんは別だったりもする。
あたしの親父も酔っ払えば絡んできて!!
ふぁーっと欠伸をしながら…梨華ちゃんは言った。
- 55 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時18分08秒
「…抱っこ。」
「……」
あたしはついに抵抗を諦めた。赤んぼ返りした彼女を相手に
真面目に怒り続ける事にくたびれ果ててしまった。
「…しょうがないなぁ。」
そろそろと彼女の背中に腕をまわす。
抱きかかれると梨華ちゃんは、『ふうーっ』とため息をついて、
あたしの胸の上に頬を乗せた。
何もかも預けきった様子で。
―♪♪♪〜―
梨華ちゃんの携帯が鳴った。ビクっと体を起こそうにも…
強く抱きつかれていて。
「携帯鳴ってるよ!」
「ひとみちゃん…出てよぉ。」
「じゃあ離してよ!」
「やだ!」
- 56 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時19分48秒
プツっと切れてしまった。…そして再び鳴る。
梨華ちゃんには悪いと思ったけど、あたしは必死に足で
携帯を挟み、上へ放り投げた。ポーンっとうまい具合に
あたしの手にそれは落ちた。
「…はい。」
『ちょっと?石川…?アンタ、飲みすぎたわね。
ってか、アタシ飲ませすぎた?やっぱり。
いつものアニメ声じゃないわよ!何その低い声は?』
…保田さんだ!ヤばい!何がヤバイって…何でだろ?
とにかく梨華ちゃんの声を真似してみる。
- 57 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時22分19秒
「や、保田さん。ど〜したんですか?」
『今、部屋についたの。暗い!暗いわぁ〜!』
(そんなんで電話してくんな!暗いんなら、早く電気つけろよ!)
「そ、そ〜なんですかぁ〜。じゃ、」
『早いわね!…ってか、いつまで石川のマネしてるの?吉澤。』
「げ!何でわかったんすか?」
『分かるわよ!石川のマネなんて10年早いわよ!
10年経ったら許してあげてもいいわよ?』
「…切りますね。」
『何よぉ!!ま、待ちなさいよ!大事な話があんのよ!』
大事な話…?何だろ??
- 58 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時27分20秒
「大事な話って?」
『そんな大事って感じでもないのよ。話は変わるんだけど…』
「…あたし、眠いんですよ。明日早いし(ウソ)。』
『何でアンタが石川の部屋に?まぁいいわ。明日から
オフになったわ。石川に伝えておいて。』
「いつまでっすか?」
『たしか…3日程よ。アタシ、明日からヒマなんだけど。』
『ヒマ』のヒで…声が裏返ったぞ。どーしたヤッス〜…?
「あたしは忙しいです。」
『…シュン。』
「そんなキャラだったんすか?」
『うっさい!…ねぇ。石川、ヤバい事してるでしょ?』
「は!ええ!?何もヤバいことなんて…」
『何アンタが動揺してんの?酔えば脱ぐ癖があるから。』
「まさか!ヤッス〜!ツアーで認識済み?」
『…黙秘いたします(ニヤリ)。じゃあね!早く寝なさいよ!ちなみに
アタシも酔うと凄いわよ!ホホ…』
黙秘って何だよ!!めっちゃ気になるじゃないかぁ〜!!!
- 59 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時29分43秒
―ピ…―
保田さんは酔うと凄そうなの、そんなのは(略
まさか!梨華ちゃん…ヤッス〜に…!まさかね。
梨華ちゃんの携帯を、そっとベットの脇に置く。
…でも何だか保田さんって憎めないんだよなぁ。
悪い人ってワケでもないし。
アイドルより、お笑いの方があってるような?
ってか、オフ…誘ってほしかったのか?
誘ってやろうかな?…やっぱヤメた。
明日…オフかぁ。梨華ちゃんは…どーすんだろ?
- 60 名前:理科。 投稿日:2002年01月26日(土)03時32分30秒
更新しました。…私の中での圭ちゃん、
やっぱこんなキャラになってしまいます。
- 61 名前:七誌作車 投稿日:2002年01月26日(土)09時06分51秒
- 酔ったら凄いヤッスーにも期待(w
- 62 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年01月26日(土)10時20分15秒
- りかちゃんの酔っ払い、サイコーーーー!!!!
圭ちゃん。いいキャラ。
もう、続きが楽しみで楽しみでたまりません。
今後の展開に大期待です!(ムフッ)
- 63 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月26日(土)10時59分15秒
- そうか、ここの吉と梨華ちゃんってもう深夜まで仕事できる年齢に達してるんですねぇ…
いいですね、恋敵のようでいて、それでいて砕けた感じで接してくれてる圭ちゃん。
(もしかして……んな歳でまだアイドル!?)
明日かぁ、明日は…
- 64 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月26日(土)11時03分16秒
- フ○ワーズ タンポポの店長が乗り移ったみたいな(略。
オフでもヒマなヤッス〜・・・。寂しい(爆)。
あ゛、矢口の次は保田が写真集出すらしいですね!( ̄ー ̄)ニヤリッ
- 65 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時26分28秒
<七誌作車さん。ヤッス〜、マンセーの私(爆)。
後で出番はバッチリ(?)なハズ。
<よすこ大好き読者さん。
(O^〜^O)<梨華ちゃん、もっと酔わせちゃえ(w
今後に期待ですか?…裏切るかもしれません。あう…。
<M.ANZAIさん。そうなんです。深夜までバッチリで
ごじゃいます。早くそんな歳になってもらいたいですね。
ちょっと複雑?…圭ちゃんに関しては(略
<師匠!懐かしい…。タンポポ店長。まさに乗り移りは保田マジ(略
オフには一人、せっせとカメラを磨くヤッス〜…(ウソ)。
なんと!写真集?…また出費が(泣)…。
- 66 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時27分21秒
「梨華ちゃん?明日から3日間…オフだってよ?」
「…ん〜…。」
…聞いちゃいないや。
だんだん足の痺れが激しくなっていく。
でも、あたしは梨華ちゃんの邪魔はしたくなかった。
必死に我慢し、天井を見上げる。
「…何か気持ちいいなぁ。」
「え?」
「…温かくて。」
「…寒くない?」
「…寒くないよ?ずっと…こうしていたいな。」
もうダメだ。思うより先にあたしの腕は彼女を抱きすくめてしまっていた。
体を反転させて上にのし上がる。頬と頬をピッタリと合わせ、
彼女の息遣いを耳元で聞く。
そして頬やこめかみの辺りに、何度もキスをした。
形良く尖ったアゴにくちづける。
以外とふっくらした唇は目の前にあるんだけど…
まだ踏ん切りがつかなかった。
- 67 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時28分02秒
かわりに少し下がって、胸の上に頬を置いた。
梨華ちゃんは何も言わない。
…あたしはだんだん大胆になって、
細いのどからブラの谷間へと続いてく、その
胸元に唇をふれてみた。
温かくて…
しっとり滑らかで。
信じられないくらい柔らかい。
あたしは真上から梨華ちゃんを覗きこんだ。
彼女は恥ずかしいそうにまぶたを閉じている。
…全身が心臓になったみたいでドクンドクン
脈打っている。
(…ここまで来たんだから。)
- 68 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時28分56秒
何てワケのわからない考えをしながら
意を決して、そぉっと顔を近づける…。
(毎日の日課の腕立ても無駄じゃないね…)
バレーの練習で、毎日200回の腕立て3セット。
最初の頃は慣れなくて、何度も泣いたっけ。
こんな時でも役にたつなら、イヤがらないでやっといて
良かったなぁ…。
…互いの鼻と鼻がぶつからないように
顔を少しだけ斜めに傾けた。
あたしは、まぶたを閉じたままの彼女に
くちづけしようとした…
- 69 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時29分26秒
「あれ…?」
耳を澄ませてよーく聞いて見ると…
梨華ちゃんの呼吸はいやに規則正しかった。
スー…スー…という音が、吐く息と一緒に確かに聞こえる。
「…寝てるよ。」
あたしは、へなへなと梨華ちゃんの上に崩れ落ちた。
あんまりだ!いくらなんでも…そりゃあんまりだ。
ここまで運んでやった恩も忘れて、こんなオチなんて。
みんなも期待してただろ〜!?…って誰に言ってんだろ。
「…帰ろうっと。」
あたしは、机の上にあったピンクのメモ帖に…
『明日から3日間、オフだって!保田さんから電話があったよ』
と、乱雑に書き示し…部屋を後にした。
- 70 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時31分32秒
―…
ピンポーン…ピンポーン。ドンドン。
…うっさいなぁ。誰?こんな時間に(怒)…。
昨日はあんまり…ってか2時間しか寝てないじゃん!
あのまま、あたしは寝てしまっていた。
片手に持った目覚まし時計を見つめる。
「…昨日じゃなくて、今日、か…。」
―ピンポーン…
いい加減にしてほしい!ムクっと起きあがり、
ムスっとした声で電話に出る。
「…誰っすか?」
『…あ。ひとみちゃん?…梨華です。』
「…梨華ぁ?………って梨華ちゃん!?」
『…うん。隣の石川…梨華。あの…話があって。』
「い、今、開けるね!」
- 71 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時32分25秒
あおぅ〜!!!なんちゅー出方しちゃったんだろ。
感じ悪いったら、ありゃしないよぉ!!
しかも!髪ボサボサだし…。
…少し時間をもらおう。
玄関ごしに、あたしは…
「あのさぁ…今、悪いんだけど出れないんだ。
開けるとか言っちゃって。もう少したったら
あたしの方から行くよ。」
「…うん。わかった。」
梨華ちゃんの声が心なしか…元気がなかったような。
やっぱ飲みすぎたのかなぁ。きっとそうだよ。
…あぁ!もしかしてバレたのかな?
チュチュした事が…!!
ヤバい!でも…ぐわぁ〜!わからん!わからんぞ!よしこ!!
…パタン―
…と、ドアが閉まる音が聞こえた。
その音に敏感に反応してしまったあたしは、
ビクっと体を揺らしていた。
とにかく落ち着こう。そうだ。
さっさと顔洗って、着替えて、シャワー浴びて。
急いで梨華ちゃんの部屋に行かなきゃ。
言いワケを考えながら、あたしはバスタオルを取る。
- 72 名前:理科。 投稿日:2002年01月27日(日)05時36分27秒
更新しました。中々、前に進みません…。
- 73 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月27日(日)10時09分12秒
- ひとの気も知らず勝手に寝てしまう梨華ちゃん、
でもきっと吉に抱きすくめられて安心しちゃったんですね。
えっ!?写真集〜? 本物??
- 74 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月27日(日)14時30分43秒
- 今日のハロモニ。のヤッスー女子高生も凄かったね(w。
発売日も決まった事だし大丈夫だと思いますが矢口でさえ発行が少ないらしいので
予約した方がいいかも知れませんね。
もどかしいところは、いしよしならでは(w。
- 75 名前:名無し男 投稿日:2002年01月28日(月)01時25分12秒
- そういう時は手に猿という字を書いて飲むといいんだよ(違)
- 76 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時30分08秒
―石川視点―
…昨日の記憶がまったくない私は
どうやってここまで来たのかわからなかった。
たしか…保田さんと、矢口さんに飲まされて。
『石川!保田特製・シェイクビール飲みなさい!』
『キャハ!矢口特製・シェイクワインじゃい!』
…凄い不味くて。でも、せっかく作ってくれたから
飲まなきゃって思って。
…どうやったらあんな不味いの作れるのかなぁ。
「そんな事、どうでもいいじゃない。」
ボスっとベットにクッションを投げつけた。
いくら思い出そうとしても、その後の記憶がないの。
「…メモ書きからして。ひとみちゃんが連れてきてくれたんだよね。」
『明日から3日間、オフだって!保田さんから電話があったよ』
そうだ。
ひとみちゃんしかいない。
ひとみちゃんしか考えられない。
- 77 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時31分30秒
「あ〜!…やっぱりまたやっちゃったのかなぁ…。」
ツアー中、飯田さん、安倍さん、矢口さん、保田さんに
チューハイを飲まされた私。
やっぱり次の日…記憶がなかった。
で…保田さんが言ってたっけ。
『石川!アンタ酒癖悪すぎ!!脱ぐ癖あるなんて!
恥よ!女の恥!アタシなんて居ること自体、恥じだわ!
なんて考えちゃダメよ!アタシ!!ったく!』
…そういえば今朝、起きた時も私は下着姿だった。
着ていた服は見事に椅子に掛けられていた。
「…やだ。もぉ〜…生き恥じさらしちゃったよぉ。」
- 78 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時32分07秒
-
―ピンポーン―
「ひとみちゃんかな?」
一応、電話に出る私。
「もしもし?」
『あ。ひとみだけど。』
「今、開けるね!」
…どんな顔をして、会ったらいいのか。
機嫌悪かったら、どうしよう…
私の心の中は恥ずかしさと不安でいっぱいだった。
―ガチャ―
「やぁ!梨華ちゃん。おはよぉ!」
「お…はよぉ。ひとみちゃん。」
モジモジした私とは対照的に…
ひとみちゃんはとっても爽やかに私の前に現れた。
「入って。」
「うん。お邪魔しまぁ〜す。」
パタンとドアを閉め、鍵をかける。
部屋に入ってくるひとみちゃんの後を
つけながら、私はつくづく思うんだ。
(…大きいなぁ。)
…って。
でも、ひとみちゃん曰く、
『あたしなんかさぁ、まだまだ小さいほうっすよ!』
笑って答えるひとみちゃん。
そんな彼女の笑顔に、いつしか
引きこまれてく私がいた。
ひとみちゃんは…どんな時でもポジティブで。
私のネガティブ思考とは大違い。
きっとひとみちゃんは知らない。
(…私が好きだなんて事。)
- 79 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時33分54秒
「どーしたの?梨華ちゃん?…さては!
まだお酒が抜けてないなぁ?この大酒飲みめ!」
私の顔を覗きこむ。いきなりでビックリしちゃったよ!
「ち、違うよ!すっかり抜けてます。」
「何それ?変な梨華ちゃん。あ!いつもか。」
「酷い!ひとみちゃん!!大きいなぁって思ってたの!」
「あたしなんてまだまだ。小さいほうっていつも言ってるでしょ?」
アハハって笑いながらベットに座る。
そんなひとみちゃんを見ていると
何だか幸せな気持ちになれた。
「何か飲む?」
「うん。あー…ビールは止めてね?」
「出しません!紅茶でいい?」
「いいよー。」
コンビニで買ってきたパックの紅茶をカップに入れて
お湯を注ぐ。部屋中にいい匂いがたちこもった。
- 80 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時36分03秒
―吉澤視点―
「…ねぇ、梨華ちゃん。」
「何?ひとみちゃん。」
コクリと一口、紅茶を飲み
ゆっくり梨華ちゃんの顔を見た。
「昨夜の事…覚えてる?」
「…それが。あんまり覚えてないの。」
眉の間に縦じわを寄せた梨華ちゃん。
その答えに内心…ホっとするあたし。
「…お部屋に連れていってくれたのは、…ひとみちゃん?だよねぇ。」
「あんまり?全然でしょ?」
クスっと笑うあたしを横目に…
急に心配そうな顔になる梨華ちゃん。
- 81 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時36分46秒
「…もしかして私、何か変な事言ってた?」
(好き…とか。)
「え?別に何も言ってないよ?…けど、変な事はした。」
梨華ちゃんは不安げな瞳をあたしに向けた。
「…やっぱり…私。」
「…やっぱり?」
ちょっと意地悪な気持ちで、そう訊き返してやった。
消え去りそうな声で梨華ちゃんは言った。
「…脱いじゃった?」
「……。」
あたしの顔を見て答えを察したみたいだった。
いきなり、わーんって叫んで自分の膝の上につっぷした。
…耳が真っ赤だよ、梨華ちゃん。
- 82 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時37分35秒
「ああ!どうしよう!恥ずかしいよぉ!ひとみちゃん…ヒック。
幻滅したよね…。グス…。」
「え?あ…いや、そ、そんな。」
「ホントに何も覚えてないの。保田さんと矢口さんが作ってくれた
ビールと…ワインを一杯づつ飲んだだけなのに…。そのあとは何にも…。」
(…ヤッス〜何作ったんだ?)
梨華ちゃんは顔を伏せたまま、グスグスと鼻をすすった。
「そんなみっとみないトコ…ひとみちゃんに見せるなんて!
…あ〜ん!!もぉ死にたいよぉ!!」
「…アッハッハッハァ〜!!」
思わず笑い出してしまった。キョトン?としてる梨華ちゃん。
可哀想になってもいいはずなのに、
梨華ちゃんが本気であればあるほど、何だか可笑しくって仕方ないんだ。
…可愛くて仕方ない。と言ったほうがいいのかな?
ベットから立ちあがり、あたしは梨華ちゃんの横に腰をおろす。
- 83 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時38分34秒
「梨華ちゃん。」
「……」
「ほら、顔上げてよ。」
「…いや。」
「いいから!石川梨華!!」
「は、はいぃ!」
「…ね?、もういいから。」
あたしはハンカチで梨華ちゃんの顔を拭いてやった。
ジっとあたしの顔を見てる梨華ちゃん。
かなり長いこと見つめ合っていた。
不思議なほど照れくさくない。
「あ…ひとみちゃん。今日、練習は?」
「ん?…あぁ。あたしも休みなんだ。」
そうだ。今日からあたしも休みだったんだ。
でも自主練しなきゃなぁ。
- 84 名前:理科。 投稿日:2002年01月28日(月)04時45分20秒
<M.ANZAIさん。
素晴らしい解釈、ありがとうございます(w
ヤッス〜写真集は2月22日発売と聞きましたが。
…まさか本当に出るとは!
<師匠! …凄いの一言に尽きますね(w
今朝、観ました。師匠は予約しますか?私は早速、
知り合いの本屋さんに予約を…(w
いい事、聞きました。フー…。
<名無し男さん。ではでは…猿と書いて。ゴクン。
???。
ヤッス〜も出るんだから、もちろん!いしよし写真集も。
…よく分かりませんが、更新しました。
- 85 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月28日(月)05時58分39秒
- まったく大人2人で梨華ちゃんに何飲ませてるんだか…
(そっちの世界の矢口さんはまだミニモニ。なんだろうか・・・)
全然記憶が無くってなにかした跡だけ残ってるのって、不安ですよねぇ〜。
(あっ、これじゃ経験があるっていってるようなもんじゃ…焼き…)
- 86 名前:夜叉 投稿日:2002年01月28日(月)18時12分00秒
- お母さん、ただいま。
2日もいないと、読むのが追いつかなくなっちゃうんですよね、作者様の。
でもそんなとこが、好きです。←おろ、告ってしまいました(汗。
展開がすばらしいですね、やすの写真集もですが(爆)。
酔っぱらいが二人の距離を縮めたみたいで、楽しみです。
さすがに4公演は体がもたん…。
- 87 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月28日(月)18時20分01秒
- ヤッスーはともかく、知まで梨華ちゃんに(w。
ヤッスー写真集は例によってamazonで予約します。<石。吉も同様でした。
- 88 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時37分20秒
<M.ANZAIさん。ヤッス〜はもちろんの事、矢口を今度(略
もちろんミニモニ。は健在って事で…ってキツいだろうなぁ。
…ANZAIさんは記憶が無くなるまであるんですね(ニヤリ)?
<夜叉さん。おかえり、息子よ(w
まさかここで告白されるとは…(真っ赤)!!
ヤッス〜写真集は素晴らしいですね!ってか4公演ですか?!
お疲れサマです。
<師匠!今回は、矢口を絡めていければと思ってるんですが、
難しいですね。私、昨日予約いれにいったら、『お前が初めての客だよ』と…。
売れますように…。ごっちん写真集は買いましたか?
- 89 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時38分50秒
「あたしは今から自主練しなきゃ。帰るね。」
「どこで?」
「へ?んっとねぇ…。会社でやってるジムがあるんだ。」
「私も行きたい!」
「はぁ?梨華ちゃん、せっかくの休みが勿体ないよ?」
「勿体なくない!私も行くったら行くの!」
(また逆ギレかよ!)
…一人ツッコミは、あたしの心の中で密かに行われた。
梨華ちゃんは、ガシっと腕にしがみつく。
フーっと息をつき、あたしの腕に絡みついてる
梨華ちゃんの腕を離す。
「わかったから。離してよ。」
「絶対、ついていくもん!」
「…はいはい。わかりました。でも…邪魔はしないでよね?」
「うん!お邪魔しないよ!」
ニッコリ笑う梨華ちゃん。ホントに子供だね。
…まぁ、そんなお子様が好きなんだけど。って!照れるじゃん!
嬉しそうに着替えはじめたよ。
あたしも部屋に戻って、ジャージをカバンに詰めなきゃ。
『じゃあ、10分後。』
と約束し、あたしは自分の部屋へと帰った。
- 90 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時39分32秒
―♪♪♪♪〜…―
めったに鳴らないあたしの携帯が部屋中に響いていた。
もちろん、着メロは『恋人は心の応援団』
梨華ちゃんがダウンロードしてくれたんだ。
『私はひとみちゃんだけを応援するね!』
なんて…!もぉ!梨華ちゃんったら♪
先輩達に『吉はマニアだね』って言われるんだけど
そんなの知ったこっちゃない。
また親父かな?
あ…。出ようとしたら切れてしまった。
『着信あり』
最近買い換えたばかりの携帯。
やっと使い勝手が分かってきた。
履歴を調べたら…親父じゃなかった!
「げ!先輩!!しかも…8回も入ってんじゃん!」
何かあったのだろうか?
あたしは急いで電話をかけなおした。
呼び出し音が鳴らないうちに先輩はすぐに出たのだった。
- 91 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時40分17秒
「あ…吉澤です。」
『吉?寝てた?』
「いえ…今から練習に行こうかと準備してたっす。」
『真面目だね、吉は。何かさぁ、今日いきなり代々木で
テレビ撮りだって。私なんか今日から泊りだったのに。
そんな話はどうでもいっか。ハハ。吉も入ってっから今から来な。』
「はい。今すぐ行きます。失礼します。」
―ピ…―
なんじゃそりゃ!
しかも今日から休みじゃなかったのかよぉ!!
今から梨華ちゃんとデートだってのに!
…デートなんて。恥ずかしいなぁ。そんなんじゃないのに。
なんて場合じゃない!と、とにかく梨華ちゃんに
言って…家出なきゃ。あ〜あ…。
「ひとみちゃん!」
「あ!梨華ちゃん。あたしさぁ…」
「あのね!明日からホントのお休みで、今から私仕事なの!
飯田さんから今、電話があって…」
「ホント?今日からお休みじゃなかったの?」
「うん。保田さん…間違ってたみたいなの。まだ保田さんも
矢口さんも来てないって。」
…恐るべきヤッス〜。飲みすぎて仕事の日を忘れるとは。
今頃、慌てふためいているだろうな。そろそろ脱退も近いね。
- 92 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時44分18秒
―…その頃、保田部屋では…―
「エックシ!!…誰か噂してるわね?…まぁ予測はついてるけど。
ってか…あおぅ!アタシ、バカじゃないの!今日は仕事だったのねぇ!」
オロオロしながら洋服を厳選してるお圭さん。
でも、しっかり今日のポイントとして動きやすさ重視の服を選んでいた。
「でもジャージはダメよ?…って!誰に説明してんのよ!」
―…
―矢口部屋にて…―
「ヤッス〜のバカやろぉ〜!今日、ばっちり仕事じゃん!」
テンパリながらも身支度はバッチリな矢口さん。
「…今日のポイントは動きやすい格好かな♪げ!時間だぁ〜!!」
…思いっきり、ジャージな矢口さん。脱退は近い…(?)。
―…
- 93 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時47分04秒
「あたしも今からテレビ撮りだってさ。」
「え?どこで?」
「…代々木体育館。」
「…一緒だ。ひとみちゃんと私も仕事だぁ!しかも同じトコで♪」
「なんと!一緒なの?」
「うん!」
…そーいえば先輩達が言ってたっけ。
近いうちにモー娘。が来て、世界戦に向けての
番組作りがあるって。それが今日なのね。
…でも、なんでさぁ。
あたしが入ってんの?マジで。まだ選ばれた
ワケじゃないのに。しかも選手枠は15人のハズ。
タイエーの先輩達だけじゃないし、他のチームからも
選ばれるんだよねぇ。ま、いっか。
「じゃあ、急ごっか。」
「うん。」
- 94 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時48分33秒
あたしと梨華ちゃんは行き先が同じだったから
早速タクシーに一緒に乗って、代々木体育館へと向かった。
―…
「じゃあね。梨華ちゃん。」
「うん。またね。」
すでに保田さん矢口さん以外のメンバーは入り口付近に
集まっていた。急いで走ってく梨華ちゃん。
「遅いぞ!石川ぁ〜!」
「す、すみません!」
「あは!大丈夫だよ!圭ちゃんや、矢口っつあん来てないし。」
あたしはそのやり取りを、ちょっと遠くの位置でボーっとして見ていた。
ニコニコしながら梨華ちゃんをからかってるメンバー達。
何だか楽しそうだなぁって思った。羨ましいなぁって思った。
あたしとは住む世界がまったく違うワケで…。
- 95 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時50分38秒
「吉。こっち!なぁ〜に、ボーっとしてんの?」
「あ…おはっす。」
半開きになった口を閉め、先輩に挨拶。
「何だ?吉もモー娘。に入りたいの?」
「まさか。あたしはバレー、一筋っすから。」
「そっか。とにかく行こうか。」
「はい。」
(…そう見えたのかなぁ。)
先輩の言葉にドキっとしながら、あたしは
更衣室に向かったのだった。
―…
- 96 名前:理科。 投稿日:2002年01月29日(火)01時52分58秒
更新しました。
- 97 名前:名無し男 投稿日:2002年01月29日(火)02時02分00秒
- リアルタイムでよ!
ジャージを語らせたら俺の右に出る物はイナーイ!!
河童最高!!
- 98 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月29日(火)03時19分49秒
- 初めての同伴出(略
吉がぽ〜っと見ている向こうの世界…
…後輩思いのリーダーが待っていて、ソロでも活躍してるアノ方が気さくに声かけて…
すぐ側にいた人が急に遠く見えてしまってちょっぴりせつないっスね。
- 99 名前:夜叉 投稿日:2002年01月29日(火)17時02分39秒
- 確かに同伴(自主規制)。
密かにやすに期待(爆)。
全身がきしむぅ…(鬱)。←年甲斐もなく(略
- 100 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月29日(火)18時07分13秒
- 脱退も近いって…(爆)。
楽天では既に予約出来るらすぃー。ヤッスー写真集。
ごっちんのは、買ってません。買いましたか?石&吉だけ持ってます。
- 101 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時37分20秒
<名無し男さん。なぜか笑ってしまいました。ジャージって
いいですよね。…ボディーソープ売ってるんですか?
<M.ANZAIさん。そうです。初めての同(略w
こちらでは、全く違う世界の二人ですが。
これから、どうやってもっていこうかなと(汗)。
<夜叉さん。密かにやすに期待(爆)。(w
全身…そりゃ痛いですよ。でも筋肉痛は動けば動くほど、
早く治るらしいですよ?
<師匠!はい…。脱退も(略w
待ち遠しい、ヤッス〜写真集…。はぁ。…私も買ってません。あう。
もちろん!石&吉だけは買いました。PC、大丈夫でしょうか?
- 102 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時38分49秒
更衣室で、先輩に世界戦のジャージを渡された。
しっかりローマ字で『HITOMI・YOSHIZAWA』
…と刺繍で縫われていて。
ちなみに背番号は『4』
間違いなくあたしの名前付きジャージ。
まだ信じられないよ…。
「先輩?何であたしも入ってんすか?」
「あれ?吉、聞いてなかったっけ?吉もメンバーに
入ってるんだよ?凄いよね〜。半年で世界戦のメンバーに
入れるなんて。まぁ、頑張ろうよ。」
「マジっすかぁ!?はい!頑張ります!!」
あたしより5つ年上の先輩。とっても後輩思いで
優しい。この先輩だけじゃなく、みんないい先輩なんだけど、
特にあたしはこの先輩の事が大好きだった。
ってか、そんな大事な事しっかり聞いとけよ!
- 103 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時39分45秒
体育館には、すでに他の選手達と、モー娘。が
スタンばっていた。
やっぱりみんな大きいなぁ。
この人達の中に入ると、あたしはホント…小さい。
先輩も180はあるけど、あたしの次に小さいんだ。
「お!期待の新人、吉澤くん!よろしくね。」
「はい。こちらこそヨロシクお願いします。」
「礼儀正しいね。」
いつもは敵同士の人達は…
思いのほか優しかった。
軽い挨拶も済んで、あたし達はウォーミングアップを始める。
(ん?…。)
…何だか腰が痛いのは気のせいだろう。
- 104 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時41分23秒
―石川視点―
私が来た後、保田さんと矢口さんがやってきた。
ハァハァ息を切らしながら保田さんは…
「ご、ごめんね…石川。アタシ、間違っちゃったわ。」
「ハァ…い、石川。け、ハァ。圭ちゃんが悪いんだぞぅ。」
「大丈夫ですよ。石川、怒ってませんから。」
早速みんな揃ったところで体育館に向かった。
まだ…ひとみちゃんの姿は見えない。
「吉澤、まだ来てないの?」
「はい、まだみたいですね。」
「それにしてもデッカイなぁ。矢口の何倍あるんだ?」
「あ。よっすぃ〜来たべさ。」
「「「あ!ホントだ!」」」
ひとみちゃんが先輩とやってきた。
周りの人達は本当に大きい。
…大きいといつも思ってたひとみちゃんが小さく見えた。
モーニングで例えると…矢口さんって感じかな。
- 105 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時42分25秒
「モーニング娘。さん。選手達のウォーミングアップが終わるまで
見学しててください。」
初めて見るひとみちゃんの雄姿。
普段は温厚で、ホワ〜っとしてる彼女が、どんな風にかわるのだろうと
凄く楽しみだった。
逸る気持ちをしまいこみ、私はひとみちゃんの姿を追った。
軽く走りこみ、柔軟。それが終われば
サーブ、そしてアタック練習に入る。
背が低いってゆう、ひとみちゃんのコンプレックスは
どこへやら。
鋭いアタックがコートを突き刺す。
いつものニコニコ顔じゃなくて…険しい顔付き。
額から早くも汗が滲んでいて。
そこに居た彼女は…まるで別人だった。
- 106 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時43分11秒
「あう…吉澤、カッケ〜わ。アタシのハート、鷲掴みよ!」
「うん。…ごとーも思うね。」
「…矢口やっぱ、よっすぃ〜好きだな。」
「…なっちもだべ。」
「じゃあ、カオも。」
「飯田さんがそうなら辻もです。」
「ウチもや。」
「…い、石川も」
…やだ。みんなの目がひとみちゃんを追ってる。
でもカッコイイなぁ。ひとみちゃん。
何であんなに飛べるんだろ?
- 107 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時44分46秒
ウォーミングアップも終わり、私達は選手のみなさんにインタビュー。
私が担当する選手は…ひとみちゃんだった。
…矢口さんや、保田さんに
『ヤラセよ!石川、ヤラセ疑惑だわ!!ズルいわよぉ〜!』
なんて言われたけど、私は何もやってません。
タオルで汗を拭きながら私の元へやってきたひとみちゃん。
『あれ?梨華ちゃんがあたしの担当なんだ?参ったなぁ。』
何て言いながら飲料水を飲む。
そんなひとみちゃんに…
私の目は釘付けになっていた。
- 108 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時46分19秒
「…ひと…じゃなかった。吉澤さんは今回、
最年少で選ばれましたが プレッシャーとかはありますか?」
「そりゃぁね…あ!ゴホン!はい。もちろんですよ。
あたしなんかがいいのかなぁっていまだに思ってます。」
…何だか可笑しい。いつもなんて敬語なんか使わないから
なんだかくすぐったいよ。笑いたい気持ちを押さえながら
私とひとみちゃんのインタビューは続く。
私は台本に書いてあった通り、質問をぶつける。
- 109 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時47分08秒
「身長がコンプレックスと書いてありますが…?」
「そうなんですよ。あたし、173しかないんですねぇ。
だから蛙なみのジャンプ力と、ゴリラ並の力で、
バンバンアタック決めます!!」
「あはは。では、最後に意気込みをどーぞ!」
「吉澤ひとみの名前を世界に広めます!…そしてみなさんにも!
頑張りますので応援してください!」
「あはは!以上、蛙とゴリラの性質を持つ、ひとみちゃんでした!」
(おいおい石川…最後は
『頑張ってくださいね!以上、吉澤ひとみ選手でした!』
で、ニッコリだろ?しかも…)
(…ひとみちゃんって。ってか石川…アンタもやっとアドリブが効くように
なったのねぇ。立派な成長よ…ヮショーイ!)
―…
- 110 名前:理科。 投稿日:2002年01月30日(水)02時48分44秒
更新しました。
- 111 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年01月30日(水)10時26分37秒
- >モーニングで例えると…矢口さんって感じかな。
うーむ…想像中… !! …(ニヤリ
そっちの世界のモー娘。もすごい人気だろうけど、
高卒新人で世界選抜に名前を連ねる吉澤選手はもっとすごい!!
- 112 名前:夜叉 投稿日:2002年01月30日(水)18時42分00秒
- インタビューシーンに萌え(爆)。
画面上では意味のない赤面な二人の顔が浮かんできますなぁ。
吉推しなのに、石の写真集も持ってます(後輩が誕プレにくれました)。
やすの写真集、期待してるんですよ、やはり予約要?
筋肉痛はほぼ完治。
確かに動かすと筋肉痛直りますよね。だからって、それをライヴでしなくっても>自分…。
- 113 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月30日(水)21時22分25秒
- 娘。メンバーからもモテモテのよっすぃ〜。
バレー選手の吉澤は、さぞかし、かっけーんでしょうねぇ。
いしかーさんもカワイイっす。PC大丈夫っす!でも良くフリーズしますよ(泣)。
- 114 名前:名無し男 投稿日:2002年02月11日(月)10時46分50秒
- 173aのアタッカーてことは吉澤さん大懸みたいなタイプすか?
- 115 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月12日(火)02時19分28秒
- 僕の中では関井だと思ってた。
『タイエー』だし(w
- 116 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時07分59秒
<M.ANZAIさん。久ぶりです。お元気でしたか?
いつのまに復活してたんだろ?
(O^〜^O)<こっちの世界でのオイラの活躍は目を疑うYo!
<夜叉さん。久ぶりです。インタビューシーン…見てみたいですね〜。
私もいしよし、二人の写真集…持ってますよ。いい後輩ですね♪
はい!ヤッス〜写真集はすでに予約済みです。
<師匠!いかがお過ごしでしたか?ってか私のPC…貯めておいた
分がキレイに消えておりました(鬱
1度、よっすぃ〜の試合してるトコ見てみたいですね。ナムナム…。
<名無し男さん。どうもです〜。大懸さんでも、関井さんでも
どっちもかぶってしまいますね。同じような感じで受け止めて
やってください(?)。
<名無し読者さん。鋭いですね。さてはバレー詳しいのですか?
二人を足したら、よっすぃ〜みたいな…って意味わかんない(爆)!
逝ってきます…。
- 117 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時11分00秒
控え室に戻り、私達は帰り仕度をする。
「じゃあ、今日は解散。圭ちゃん、矢口…そして石川。
明日からはホントに休みだからね?」
「はい。お疲れサマでした。」
「アタシ!吉澤待ってるわ!じゃあね!アンタ等はさっさと帰りなさい。」
「ずるいぞぉ!圭ちゃん!矢口が待ってんだよ!」
「チビッコは寝る時間なの!これからは大人の時間よ!」
「大人ってか、おばあちゃんだろ!」
「ウキー!何よ!」
「何だよ!!」
私は、あっけにとられて二人のやり取りをただただ見守ってる
だけだった。他のメンバーは笑って見ていた。
「…まるでマングースVSコブラなのです。」
「それを言うなら、ハブやで!のの!」
その場は、あいぼんと、ののちゃんの漫才(?)で、幕を閉じる事になった。(良かった…)
…本当に保田さんと矢口さんは、ひとみちゃんを待つ気なんだろうか。
私も待ってて一緒に帰ろうと思ってたんだけど…。
- 118 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時12分29秒
(…矢口さんと保田さん。すっかりその気だよぉ。)
鼻息を荒くし、素早く身支度していた。
私は何も言えず、その場に立って呆然と二人を見ていた。
「行くわよ!矢口!!」
「オッケ〜!圭ちゃん!じゃあな。みんな!いい休みを!」
「さっさとする!」
「威張んなよ!ヤッス〜!」
「威張ってないわよ!グッチ〜!」
「何だよ!グッチ〜って」
「さっさと行きなよ!二人供!!」
「「こわ!…圭織!あんま怒るとシワ増えるぞ!わよ!」」
…飯田さん、疲れきってるよ。
矢口さんが出ていった後を、保田さんが追う形となって…
ドアにカバンが引っかかった保田さん…。
思いっきり、転んでたけど…大丈夫なのかなぁ。
「梨華ちゃん、帰んないの?ごとーとマックでも行かない?」
「あ!加護も行きます。」
「辻もお供させてください。」
「あ…ごっちん。悪いけど、私…帰るね。」
「そぉ?じゃあ、今度行こうね?あは!」
さっきまで、あんなに騒がしかった部屋が、ウソのように静かで
何だか恐くなってきた。椅子に座り、携帯の電源を入れ
ひとみちゃんにかけてみる。
- 119 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時13分37秒
『電波の届かない場所に居られるか…』
時間を置いて何度かけてみても繋がらない。
「…今頃、保田さん達とタクシーの中なのかな。
私も帰ろう…。」
電気を消し、カバンを持って部屋を出る。
ちょうど角を曲がった場所には、ひとみちゃんの先輩と、
他の選手達が荷物を持って、帰る所だった。
まだ諦めがつかない私は、その先輩のとこへ走り寄る。
「あの!…吉澤さんは…」
「ん?あぁ!石川ちゃんだ!今日は本当にお疲れサマ。
吉ぃ?あれ…さっき、保田さんと矢口さんと、とっくに帰ったと思うけど。」
「…そうですか…。お疲れサマでした。頑張ってくださいね。」
(…ひとみちゃん、やっぱり矢口さん達と帰っちゃったんだ。
少しは期待してたんだけどな。でも、マンションに戻ればいつでも
会えるし…。)
ひとみちゃんの先輩に挨拶をし、台本を忘れた事に気付いた
私は控え室にまた戻る事になった。
「危ない危ない…。」
- 120 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時14分30秒
ここに来る途中、私は販売機でブラックコーヒーを買った。
苦い。ムリしてこんなの買うんじゃなかったと後悔する私。
…ちょっとした嫉妬感が私の中で大きく膨らんでゆく。
いつまでたっても、私のネガティブ思考はとれないでいて…。
ポロポロと涙が頬を伝う。
「泣き虫だなぁ…。」
他のメンバーは、とっくに帰っていた。
ゆっくりと重い腰を上げ、台本をカバンに詰める。
―パタン…―
…私はさっきまで撮影を行っていた体育館に
知らず知らず足を運んでいた。
シーンと静まり返った体育館。
扉を開く―。
「…あれ」
ひとみちゃんだ。何でここに?
一人、体育館の中央に立って顔を真上に上げながら
神妙な面持ちで、静かに目を閉じているひとみちゃん。
『ひとみちゃん!』って…言葉が出ない。
私は彼女のその姿勢に…ただただ黙って見てる事しか
出来ないでいたのでした。
- 121 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時15分47秒
―…どれほど立ったのだろう。いきなりの出来事だった。
ゆっくりと拳を握り、真上にこれでもかってぐらい両手を
突き出す。さっきまで強張らせていた彼女の顔は、
何かをふんぎった様な…スッキリとした表情に変わっていた。
そして『フー』っと息をつき、私とひとみちゃんの視線がぶつかる。
「ありゃ?梨華ちゃん?どした?」
「え…あ。あのね…」
止まったはずの涙が流れ出した。
「ちょ…!何で泣いてんの?」
「な、何でもない…!ホント…」
「何でもなくないじゃん!マジ、どーしたのよ?」
- 122 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時16分58秒
私の周りをグルグル回りながら
オロオロするひとみちゃん。
何だか子犬みたい。
私も何でか分からなかった。
でも涙は止まらない。
…フワっと私を温かい彼女の体温が包み込む。
「…う〜ん。困ったっすねぇ。」
「…そぉっすねぇ。」
「変!梨華ちゃんが、『っす!系』なんて使っちゃダメ!似合わないっすよ!」
「なんでっすか? …フフフ。」
ひとみちゃんの大きな温かい手が、私の髪を優しく撫でてくれて。
何だかホっとした。恥ずかしかったけど、そのまま私は
ひとみちゃんにギュっと抱き付いてしまっていた。
「…やっと笑った。」
「…ひとみちゃん。」
顔を上げると、そこには優しく笑いかけるひとみちゃんの顔があった。
何度この顔に救われた事だろう。
「…保田さん達と帰ったんじゃなかったの?」
「あぁ。そーいえば『帰るわよ!』って言われた。けど…」
「けど?」
「…何か二人供、凄い形相だったから こりゃヤバい!って
思って。これから、仕事なんですって断ったよ。」
「…そっか。」
「何?安心してんの?」
「してません!」
またまたクスっと笑うひとみちゃん。
- 123 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時17分46秒
「…イメトレ。してたんだ。」
私を抱いたまま、彼女は低い声で言ったのでした。
「…イメトレ?」
「そ。イメージ・トレーニング。…相手チームはキューバ。
しかも勝てば金メダル!フルセットの好ゲームで…
あと一点!ってとこでさ、あたしのアタックが決まって…
日本、金メダルです!最後は最年少、吉澤ひとみが決めましたぁ〜!ってね。」
「…ひとみちゃんらしいね。」
「あ!バカにしてるなぁ!ホントだよ?そうなるよ。ってか絶対ね。
ラーメンかけてもいいよ。あたしは いつでもポジティブだから。」
「ん〜。何かよくわかんない。けど…いいなぁ。ひとみちゃんは。
…私にも分けてください…。」
キョトンとした顔してる。…そうだよね。簡単に人から
そんな風に才能を貰う事が出来たら…苦労はしないよね。
ポジティブ…。考え方って…才能に入るのかな?
「…いいよ。」
「え?どうや…」
- 124 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時18分20秒
―吉澤視点―
何かを言いかけた梨華ちゃんの頬を包み込み、
そのまま唇を塞いで黙らせる。
…さっきまで泣いていたせいだろう。
…いや。ここに来る前から、泣いていたっぽい。
彼女の頬と鼻の先が熱をおびていて…熱かった。
もちろん唇もだ。どうして自分がこんな行動に出たのか。
あたしは おかしい。
…今に始まったコトじゃないけどさ。
梨華ちゃんとの初めてのキス。
少し乾いていて。
あたしの唇とは違い…
彼女の薄い唇は しっとりしていた。
「…伝わった…かなぁ?」
「…うん。」
「…ホント?」
「…うん。」
「か…帰ろうか。」
「…うん。」
『うん』しか言わない梨華ちゃんの手を引き、
あたし達はタクシーを拾い、マンションへと帰った。
…一言も会話を交わす事はないままで。
やりすぎたかなぁ…。トホホ…。
- 125 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)04時20分26秒
更新しました。書けて、読めて。
またこうして楽しみが増えて嬉しい今日この頃です。
また少しづつ貯めていこっと。
- 126 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月12日(火)07時41分52秒
- ここも再開で嬉しいかぎり
- 127 名前:夜叉 投稿日:2002年02月12日(火)11時02分18秒
- 自分で仕掛けておきながら、反省吉に萌え(笑)。
カバン引っかけて転んだやすの形相はさぞかし怖かったと思われ(爆)。
やす写真集発売まであと10日となりましたが何か。
- 128 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年02月12日(火)11時18分16秒
- 広い体育館の真ん中に2人きり、なのにここまで暖かなモノが伝わってくる
そんな気がする、素敵なシーンです。
理科。さん
復活おめでとうございます。
- 129 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年02月12日(火)11時34分02秒
- 復活待ってましたぁ!!!
この話超好きです!
なんとなくハァハァ…
- 130 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年02月12日(火)18時42分36秒
- 2人のキスシーン多いに萌えましたぞ!
これから毎日読めるのかと思うと、嬉しいです!!
- 131 名前:名無し男 投稿日:2002年02月12日(火)21時11分56秒
- 健気やねー
梨華ちゃんは
- 132 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時26分33秒
<名無し読者さん。ありがとうございます。復活いたしました。
<夜叉さん。やはりヤッス〜はこうでなくちゃ♪
形相ですか?恐すぎはわかってます(汗
写真集…私の先輩のお店ではまだ予約がないそうです(鬱
<M.ANZAIさん。素敵ですか(照)。って私が照れて
どうするんでしょうか? このシーン書いてて…恥ずかしかったです。
ありがとうございます。復活は嬉しいのですが、またPCの調子が…。
<某さくしゃさん。じゃあ私もなんとなく…ハァハァ。
何の作品書いてるお方ですか?よかったら教えてください。
もっと好きになるように、頑張ってかきます。はい。
<師匠!有難き幸せでございます。じゃあ私はキスシーンで
最高の萌えを目指します(?)!…ウソです。
毎日、更新出来るように私もPCも頑張りまっす。
<名無し男さん。何かしみじみ言っていただけると
なぜか有難いです。復活しましたんで、またヨロシクです。
- 133 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時29分10秒
―…
部屋に戻り、あたしは早速バスタブにお湯を貯め、
今日の疲れを取る。そして冷蔵庫から出しておいた
牛乳を そのままラッパ飲み。
いつでも食べれるように棚の中にはベーグル。
それを取りだし、黙々と食べながら
あたしはまた梨華ちゃんとのキスを思い出していた。
…ってか思い出しちゃうんだよ!
「ああー!やっちゃった!」
きっと怒ってるに違いない。いや!怒ってるさ!
そうだとも!笑いたきゃ笑え!って笑えないよ。
(でもイヤがんなかったよね?梨華ちゃん…。)
さっきまではヤバイ!って焦っていた自分が居たことなんて
今はすっかりどこへやら。ニヤニヤした顔で梨華ちゃんとのキスを
思い出していたあたし。
- 134 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時30分33秒
「変態!あたしって変態!」
ベットに寝ッ転がり 一人バレーを始めるあたし。
何度も何度も、このモヤモヤした気持ちを消し去ろうと
アタックを繰返していた。
そしてあたしは…
そのまま寝てしまっていた。
- 135 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時33分27秒
あたしの休日は何も変わらないまま過ぎ去った。
普通にジムに通い、トレーニングして
家に帰ってきて ご飯食べて 寝て…
の繰返し。
…保田さん&矢口さんからは3日連続で
お誘いがきたけど…断った。
もしかしたら梨華ちゃんが誘ってくれるかも!
…って言う淡い期待があったから。
でも…1度もアレ以来、顔を合わせる事も…
電話も メールもナッシング。
よしこ…寂しいっす。
そして今日から普通の日課に戻るわけだが…
仕事がなくなったのだ。
リストラじゃなくて、世界戦が間近に迫ってきたから
あたし達、選手は練習のみ!
しかも今日から2週間、寮に泊り込みで…。
当分、ここへは帰ってこられないんだ。
ジャージやタオルなど、必要な物をカバンに詰めて部屋を出る。
…隣の梨華ちゃんの部屋は静かだった。
帰ってきているんだろうけどさぁ。
「…いってくるね。梨華ちゃん…。」
そっとドアを撫でつけた。
あ〜あ…足取りが重いよ…。
- 136 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時34分20秒
―…
心の支えを失ったあたしは…
鬼のように…
そして狂ったように…
バレーに打ちこむことが出来た。
…打ちこむしかなかったんだよぉ。
それは、他の先輩達も監督も…ビックリするほどで。
『バレーの申し子・よっすぃ〜』
又の名を…
『失恋・よっすぃ〜』
先輩が言うには…
『あれは恋に破れたから出せるパワーだね。』って。
『冗談だよ!吉。あはは!』って…!
今のあたしに痛すぎですってば!
って…素晴らしいあだ名がつくほどだった。
- 137 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時35分24秒
―…
さて。泊り込み強化合宿1週間と4日目の事。
夕食を食べ終わって片付けも済んだ後に、ミーティングが
あるらしいとの事。
「え〜、お疲れサマです。明日…モー娘。のみなさんが
体育館に足を運んでくれるそうです。」
「モー!モモモ?!ええええ〜〜〜〜〜!!!」
「よ、吉!どうしたのよ?」
「いや…あの。口に虫がピューって。こう。ピューって…続けてください。」
…ジェスチャー付きのあたしの演技は大好評(?)だ。
ゲラゲラ笑う先輩達。そんなあたしって女優でも可?
ってか、よくわかんない!
…あう。嬉しくないけど…。
それより!!!
梨華ちゃんが来る!
2週間ぶりの生梨華拝めるんですよ!
って!生って何だよ!
- 138 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時36分05秒
あう…落ち着け…落ち着け…ひとみ。
「あおぅ!落ち着けるワケないじゃんよぉ!」
「ちょ、ちょっと!吉!!マジでどーしたの?」
『そんなに虫が入ったのか?ってか吉は美食家だね。』
…なんて心配されながらも
先輩に連れられて部屋に戻ったあたしは…
腹筋100回、3セット。
腕立て100回、3セット。
そしてお風呂に入り眠りについた。
…のだが、その夜は興奮して眠る事が
出来なかったのは言うまでもない。
- 139 名前:理科。 投稿日:2002年02月12日(火)23時37分33秒
更新しました。
- 140 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年02月13日(水)00時26分01秒
- おおおお更新されてる♪
寝る前にチェック入れて良かったです。
私的にはキスシーンが一番萌えなんですけどね。
- 141 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年02月13日(水)06時54分13秒
- もはや毎朝の新聞感覚です。
これを読まなきゃ一日が始まりません(w
- 142 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年02月13日(水)11時54分59秒
- うわっ 大量更新〜♪
>『バレーの申し子・よっすぃ〜』又の名を…『失恋・よっすぃ〜』
先輩方からもキャッチフレーズがつけられるほどのチームのマスコット的存在の吉澤選手、カワイイっすね。
- 143 名前:名無し男 投稿日:2002年02月13日(水)15時09分43秒
- 気まぢー雰囲気を打開する策は!?
- 144 名前:夜叉 投稿日:2002年02月13日(水)21時41分11秒
- >「いや…あの。口に虫がピューって。こう。ピューって…続けてください。」
すんません、自分、虫でした。←嘘です(爆)。
最高です、作者様(大爆笑)。ここの吉、かなりヒットですぢょ。
これから生梨華を拝むのでしょうね。落ち着け、吉!落ち着け、自分!(爆)。
来週の放送の前にある意味、前夜祭。
某所にて張られていたいしよし画像のやすが目の奥に張り付いて離れません(笑)。
友達にお裾分けしたら、画像保存後、友達のPCがフリーズいたしました、合掌。
恐るべし、やすの怨念…。
- 145 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時49分41秒
<師匠!起きていれたんで、更新してみました。
師匠的にはキスシーン萌え〜ですか?もっと萌え〜出来るような
シーンを、がんがって書きたいですな。
<某さくしゃさん。あはは!新聞感覚なんて。すみません…。
笑ってしまいました!にょほ〜(謎)。朝から、なぜかまた
ハイな私って逝って吉!
<M.ANZAIさん。ちょっとがんがりました!って自分で言うなよって
感じですね。又の名を『マスコット・よっすぃ〜』ホントにこれ
書いてて、よっすぃ〜のバレー姿が(略
<名無し男さん。やっぱキスですか?…でもいきなりはマズーだと
私は思いますが、名無し男さんはどう思われますかい?
<夜叉さん。
<すんません、自分、虫でした。←嘘です(爆)。
に早朝だと言うのに私こそ爆笑でした。もしやその画像って…
HEY×3のでは?私、あれ見てマジでビク!っとしてしまいました…。
髪が伸びる日本人形をなぜか思い出してしまいました…。
- 146 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時53分08秒
―…8時45分―
一番乗りで体育館に現れたバレーの申し子・よっすぃ〜
又の名を(略
梨華ちゃん達は、11時頃から夕方の5時頃まで居るらしい。
じっくり柔軟をやってから、走りこみ。
そして先輩達が来る前にネットとボールの準備っと。
「よし!バッチリ!」
「お!吉。早いなぁ。昨日はよく眠れたっぽいね。」
「いや…眠れなかったっす。」
「何ぃ?大丈夫?疲れたまってんじゃない?」
「いや。疲れなんて へっちゃらっす!」
「若いなぁ、やっぱ。あ、そうだ。昨日さぁ 吉、途中で
抜けたろ?監督が今日、モー娘。が来るからといって
手抜きの練習はやらないぞ!って。」
「…もちろん、そんな気はサラサラないっす!」
「おお!吉…やる気、十分じゃん!」
そんなこんなで直ぐ後に、他の先輩達がやってきた。
そして本格的な練習が始まる。
- 147 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時54分32秒
―…10時50分―
ちょっとちょっと!!今日の監督さぁ…いつもより厳しくないっすか?
先輩…何十分レシーブやってんの?
ああ…顔に当たった!しかもモロ…!
あれ…?意識なくなったっぽい…。
「なんだぁ?もうお終いか?…次!吉澤!!」
「は、ハイ!!」
「あの監督…。モーニング娘。さん達が来ましたけど。」
「あぁ。今、吉澤で終わるから
好きなトコで勝手に観ててくださいって言っておけ。」
「はい。」
マネージャーが娘。に伝えにいく。
その後ろ姿を目で追う監督。
ぺコリと頭を下げ、再び視線はあたしへ。
「吉澤。根性見せてやれよ?」
ゲ!!ヤル気だよ(汗)!
って、梨華ちゃん達来たんだ。
保田さんに矢口さん…すっげ〜手ぇ振ってるよ。
満面の笑みで。矢口さん…可愛いなぁ。
…保田さんは(略
こりゃ…カッケ〜トコ見せなきゃね!
吉澤ひとみ名誉挽回だ!!
「おい!どこ見てんだ?」
「っす!!来い!!」
- 148 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時55分30秒
―石川視点―
私達が体育館に現れた時、レシーブを受けていた選手が
気を失った。
(こ、恐いよぉ〜。次ってひとみちゃんでしょ?)
「ち、ちょっと!これっていいの?」
「しかも次…よっすぃ〜じゃん。」
「…圭ちゃん、代わってやりなよ。」
「アタシの顔面レシーブは凄いわよ!」
「マジかよ!ってか、顔見たら監督も逃げるぜ!キャハ!」
「やぐぅち!」
…相変わらず私の心はあの日以来ずっと痛くて。
2週間ぶりに見る彼女は
なんだかたくましく見えた。
胸の鼓動が どんどん早くなっていき…
呼吸が苦しくなっていく。
…それほど真剣なんだね。
…頑張ってるんだね。
「あのぉ…吉澤は、頑張ってますか?」
飯田さんが近くにいたマネージャーさんに聞いていた。
「吉澤には今から言う事は内緒で…。監督や選手達に凄い期待されてるんです。
今回の合宿では、一番伸びた感じがします。ジャンプ力はもちろん、
肩の力も倍以上にアップしてますね。」
- 149 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時56分09秒
みんなの視線が ひとみちゃんに注がれる。
必死にボールを拾い上げるひとみちゃん。
決して食い下がらないひとみちゃん。
…さっきまで冗談を言っていた
保田さんも矢口さんも、何も言わずに
ただ見つめるだけだった。
「なんだなんだ!吉澤ぁ〜!もおバテたのかぁ?」
「…まだっす!…いけます!!」
「よし!その粋だ!」
監督の渾身の力が篭もったスパイクが ひとみちゃんの
顔面に入り、『ズダン!』と体が床に叩き付けられる音が
体育館、いっぱいに響いた。
「…あぅう。」「…いったぁ。」「ひ!」「あは…」
「負けんじゃないわよ!吉澤!!」
みんな顔を背ける。
…なぜか保田さんだけ、凄く興奮していた。
そしてまた何も言わずに ひとみちゃんを見つめていた。
すぐさま起きあがり、
「来い!」
白いひとみちゃんの肌が、真っ赤になっていて。
遠目から見ていた私でも分かるぐらい、一瞬にして頬は腫れていた。
「ラスト!上げろよ!吉!」
「っす!!」
- 150 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時57分09秒
―吉澤視点―
痛い。
すっげぇ〜痛い。
とにかく痛い。
やつあたりに保田さんの顔に同じ事してやりたい!
なんて考えれるのはまだ余裕の印♪
あたしの頬は一体、どうなったのだろう?
でも、これで最後。
渾身の力を振り絞り、あたしは監督が打ったボールに
食らいつく。
空中に舞ったボールは
あっちのコート、ギリギリに入った。
ザマァミロ…拾ってやったぞ…っと。
あれ…?鼻血?すっげ〜!カッケ〜!
噴出しちゃってるよ!……
―バタン!―
―…
「吉!よくやったな!休憩はいるか。」
「監督!吉が…鼻血たらして倒れました。」
「何?早く1箱分のティッシュつめてやれ!」
- 151 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時58分15秒
―石川視点―
「ちょっと!吉澤のヤツ、鼻血噴出してるわ!」
「…噴水みたいだな。」
「矢口!圭ちゃん!何、暢気に見てんのよ!」
「よっすぃ〜んトコ、行こ!梨華ちゃん!」
「え…うん。」
ごっちんに手を引かれ、私はひとみちゃんの場所まで
走った。
「あのぉ…よっすぃ〜は…。」
「ん?大丈夫。鼻血が凄いけど、骨まではいってなさそうだから。」
みんなが見守る中、ひとみちゃんがパチっと目を開けた。
「…飯っすか?」
「……プ!吉ぃ〜!みんな心配してたのに飯って何だよ?」
「よっすぃ〜らしいね!あは!」
「ごっちん?…あたし。」
「吉澤!大丈夫?アタシ心配したわよ!」
「圭ちゃん!よっすぃ〜、また倒れちゃうだろ?」
「そうね。可愛すぎなアタシの顔」
「違う!強烈すぎでだよ!冗談も休み休み言えよ!」
ひとみちゃんの周りには凄い人垣が。
選手のみなさんに…
メンバー…。
私は後ろの方で、みんなのやり取りを
黙って見ていた。
話そうと思っても、中々…言葉が出ないの。
「さぁ。吉も気がついた事だし!
みなさん、ご飯にしましょう。」
- 152 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)04時58分54秒
―吉澤視点―
…まだズキズキするよ。
あ〜痛い。
頬はもちろん。
心も痛いっす…。
梨華ちゃんとは…まだ一言も喋ってないまま
ご飯も食べ終わり、午後の練習に入った。
何度か話しかけようかと思って、側まで行くと
監督に呼ばれたり、先輩に呼ばれたり、
…矢口さんや保田さん、他のメンバーに呼ばれたりと。
嗚呼、梨華ちゃん…。
話したいよぉ。
「ぐわぁ〜!」
「吉!また発情か?」
「ち、違いますって!」
「ホラ。さっさと柔軟やる。」
「はい。」
梨華ちゃん達、モーニングは5時で帰っていって…
あたし達は6時まで練習…。
こうして午後の練習も心ここにあらずって感じで終わった。
―…
- 153 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時00分05秒
そして無事(?)長かった合宿も幕を閉じた。
…こんな気持ちのまま、世界戦を迎えるワケにはいかない!
と思ったあたしは、さっさとマンションに戻って
梨華ちゃんと話し合おうって決めた!
「じゃ!お疲れっす。」
「あ!吉。ちょっと…。」
「はい?」
何だ?先輩に呼びとめられたぞ。
あたし何かしたっけ?
あ!先輩のお菓子、勝手に食べたの見つかっちゃったのかな?
…あん時、誤っておくべきだったなぁ。
「あ…すんません。あたし、先輩のお菓子、勝手に食っちゃったんすよ。」
「へ?無くなったと思ってたら、吉だったの?」
「すんませんっす!」
「まぁ、そんな話しはどうでもいいのよ。座って。」
あれ?違ったのか?…!!わかった!あれだ!
夜中に抜け出して、盗み食いしたのだ!
…似たようなモンだよね。今言っていい雰囲気じゃないし。
黙ってあたしは椅子にもじもじしながら座った。
真剣な顔であたしを見てるけど…恐いなぁ。
―…
- 154 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時00分43秒
「今日から世界戦が始まるまで、寮から出入りしてくれる?」
「え?…あ、はい。」
なんと。でも何で…。
「…吉。今回はメダルが取れる可能性大なの。もちろん金ね。」
「はい…。それで寮とは」
「…みんなの気持ちを一つにしたいの。わかる?練習だけじゃなく
私生活でも。息の合ったコンビバレー…目指してるから。」
「…そっすね。」
「…期待してんだよ。吉には。」
「あ、あ、あたしっすかぁ?!」
「そ。ホントは言わないでおこうって話してたんだけど、
もっと自覚を持ってもらいたいから。」
「…はい。」
先輩達…あたしをそこまで買ってくれてたんだ。
話しが終わると、またみんなはいつもと変わらない
優しい顔になった。
寮でこれから寝止まりするのはいいけど
どうしても、あたしは梨華ちゃんと話しがしたかった。
携帯とかじゃなく、会って、顔見て。
あと、4日で迎える世界戦。
その前までは…。
- 155 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時01分24秒
「あの…。先輩、お願いがあるんですけど。」
「何?」
「どうしても…今日の内に、会って話したい人がいるんです。」
「…吉もやるねぇ。この!…いいよ。行ってきなよ!」
「そんなんじゃないっす。…お言葉に甘えて行ってきます!」
「うん。行ってきなよ。でも…私達がホロー出きる時間帯は
11時までだからね。」
「はい!ありがとうございます!」
ぺコリとお辞儀し、あたしは寮の部屋に戻り
震える手で梨華ちゃんの携帯にかける。
昼の内にごっちんにメールを打って
今日はすでに仕事は終わっていた事を知っていた。
『…もしもし。』
「あの…ひとみです。」
『…ひとみちゃん?』
「うん。」
『…ホッペ、大丈夫?』
「うん…もう平気。」
『そう…。』
「……」
会話が続かない。
時間もない。
こんなんじゃダメだ。
携帯を握る手に力が入る。
- 156 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時02分09秒
「あのさ!今から時間ある?」
『え…どうしたの?』
「話しがあるんだ。今から行っていい?」
『うん…待ってる。』
あたしは早速、タクシーを拾い、
梨華ちゃんの部屋へと向かった。
―…
「…梨華ちゃん。あたし。…ひとみ。」
『…今、開けるね。』
久しぶりに彼女の部屋のドアの前で
あたしは密かに緊張していた。
さっきまで、今日こそは!って気持ちでイッパイだったのに
ここに来て早くも…
- 157 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時02分52秒
「うわぁ!!イテぇ!!」
「ご、ごめん!ひとみちゃん!大丈夫?」
「だ、大丈夫大丈夫!全然平気だよ。」
思いっきりドアに近づきすぎていて
顔面を強打したあたしはバカだ。
梨華ちゃんは何にも悪くない!
「…久しぶり。」
「…うん。」
鼻をさすりながら、あたしは梨華ちゃんの顔を見つめた。
今すぐ抱き付きたかったが…
ムリな話しだよね。
「…話しがあるんだ。って言ったよね…。」
「…公園、行こっか?」
―…
- 158 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時03分31秒
マンションの裏口から、路地を挟んで...そこに公園はある。
昼間は、子供や、ママさん達で騒がしいほどの公園も
シーンと静まり返っていた。
…何と言って話しを切り出したらいいのか?
あたしは凄く悩んでいた。
多分…今までで一番、悩んだかもしれない。
『かも』だから、ハッキリとは言えないんだけど。
そんな事、どうでもいいじゃんかよ!
「梨華ちゃん?」
何を思ったのか梨華ちゃんは急に走りだし、
シーソーの地面についてる方に
チョコンと腰かけて、手にした木の枝か何かで
地面に何かを書いていた。
「…どうしたの?急に走ったりして…」
「え?どうもしないよ?」
ずっと下を向いたまま、あたしの顔を見ようとはしない。
何度、呼んでもさぁ、ずぅっと下を向きっぱなし!
ちょっとムカついた。
- 159 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時04分56秒
「あのさぁ…。」
「うん…」
「あの…」
「……」
ちょっと!あたしの顔見てよ!
しかも返事もしないし!
思わずプツン!ときたあたしは声を荒げた。
「ちょっと!梨華ちゃん!」
「……」
梨華ちゃんは一瞬、ビクっとして顔を
上げたけど、また下を向いて何かを書き始めた。
「いや…あの…そのぅ。…ご、ゴメン。」
(…ヤバ。泣きそうだったよ。今の顔…
こんなハズじゃなかったのに!あたしの大バカ!!)
- 160 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時05分26秒
「…梨〜華ちゃん?」
長い彼女の髪から、あたしはそぉっと手を伸ばした。
人差し指に引っ掛けて持ち上げ、
カーテンの隙間から見てはいけない物を盗み見るみたいにして
おそるおそる覗きこむ…。
梨華ちゃんの瞳が、チラっと動いて…あたしを見た。
とたんにカチーンときた!!
梨華ちゃんは…声を押し殺して笑っていたのだった。
「…あはは!ビックリした?」
「り、り、梨華ちゃん!!」
ケラケラと笑う梨華ちゃん。
すると、彼女は立ちあがり滑り台に、たたたっとのぼって
一番てっぺんにうずくまり、ためにためておいたと見える大笑いが
頭の上から降ってくる。
- 161 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時06分13秒
「ちょっと!降りてきてよ!」
「やーですよぉ〜っだ!」
追いかけて昇ろうとすると、持っていた木の棒で
あたしを突っついて撃退しようとする。
猫を木に追い上げたみたいに、
あたしは唸り声をあげる。
「梨華ちゃん!痛いよ!」
ただただ笑ってるだけの梨華ちゃん。
あたしは決めた!ここは強行突破しかない!
ガーっと階段を駆け登り、梨華ちゃんが居る
場所まで行った。
「…真面目な話しなんだ。…聞いてくれるよね?」
「…う、うん。」
目が思いっきり泳いでる梨華ちゃん。
あたしは何だか笑いがこみ上げてきてしまった。
真面目な話しがあるとか言って、ここで笑ってしまったら
マジ、カッコ悪いっす!
- 162 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時07分00秒
「…前に。梨華ちゃんに…キス。したじゃん。」
「…したね。」
その先、何て言っていいか、あたしは考えた。
ってか言葉が出てこない。
…心臓が張り裂けそうなほど、ドクドクしてる。
ガタガタと震えてきて。
情けないけど…その場から逃げ出しそうになった。
「…好き。」
「…え?」
突拍子もないいきなりの梨華ちゃんの発言に
あたしはただ驚きを隠せないでいた。
好きって何が好きなの?
好きな色はピンクだよね?
あう。訳わかんないよ。
- 163 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時07分36秒
「…私。ひとみちゃんが好き。なの。」
「…あたし?」
あたしの顔を、ジッと見つめる梨華ちゃん。
その目は真剣その物だった。
…情けない。マジで情けないぞ。吉澤ひとみ。
なぜか、あたしはその時…
遠くで甲高く笑ってる保田さんを想像していた。
「…あたしが先に言おうとしてたのに。」
「…だって。中々言ってくれないから。」
今日の梨華ちゃんは違った。
いつもの梨華ちゃんじゃないんだ。
ネガティブ・梨華ちゃんは何処へ…。
そんな彼女の顔を、あたしはまともに見れなかった。
黙って下を向いたまま
- 164 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時08分29秒
「…あたしも。梨華ちゃんが大好きだよ。」
「ちゃんと私を見て言ってよ。」
いきなり梨華ちゃんは、あたしの頬を両側から
ギュってつねった。
「い、痛い。痛いよぉ。梨華ちゃ…」
言いかけたあたしの頬をそのまま
ぐいっと引き寄せ、いきなり唇を塞がれた。
「…!!」
ビックリした。マジでビックリした。
…柔らかい梨華ちゃんの唇。
あたしも静かに目を閉じる。
そっと梨華ちゃんは、つねっていた両手を離し、
あたしのホッペを優しく包み込んだ。
その瞬間、あたしの体から余分な力が抜けていくのが分かった。
- 165 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時09分01秒
「…ひとみちゃんの意気地なし。」
「な…!…ゴメン。梨華ちゃん。」
あたしはシュンっとしてしまった。
「…バレーやってる時は凄いカッコイイのに。」
「へ?じゃあ、いつものあたしは?」
「カッケ〜くない。」
「うぅ…。カッケ〜くないの?そ、そんなぁ。」
梨華ちゃんは、バレーやってる時のあたしが好きなのかなぁ?
バカだからよくわかんない。でも、あたしはどんな時でも
梨華ちゃんが好きなのに。
「ウソ。…全部丸ごと大好きだよ!」
「あたしも!と、とにかく大好き!」
「…ップ!変なひとみちゃん。」
「変って何だよ。」
- 166 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時09分45秒
あたしと梨華ちゃんは笑い合った。
今まで苦しんでた気持ちなんかどっかいっちゃったよ。
「…梨華ちゃん。いいモンあげる。」
「何?」
「えっとねぇ…。」
あたしはゴソゴソとポッケから取り出すフリをして。
「目…瞑ってて。んで手ぇ、出してて?」
「ん。…こう?」
「うん。そう。」
あたしから今度はキスをしてやった。
ポッケには最初から何も入ってない。
一瞬、ビクっと梨華ちゃんの体が跳ねた。
ずっと外に居たせいで、梨華ちゃんの頬と鼻の先は
ひんやりと冷たくなっていた。
もちろん唇もだ。
あたしは何度も何度もキスを繰返した。
キスとキスの合間に漏れる、お互いの息だけが熱い。
- 167 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時10分29秒
梨華ちゃんの両手が、あたしのシャツの胸のあたりで
触れるか触れないかのままおずおずとさ迷ってる。
しびれをきらしたあたしは、その手を取って
自分の背中にまわしてやった。
(…梨華ちゃんも意気地なしだね。)
そんな事を思いながらあたしはキスをする。
しなやかな梨華ちゃんの両腕が…
あたしの体を思いがけないほど
しっかりした力で抱きしめて来る。
体中の血が、カっと燃え滾る。
梨華ちゃんの細い体は、あたしの腕の中に
すっぽりと収まってしまっていて。
あたしは背骨に沿って、ゆっくりと手を這わせた。
梨華ちゃんの息が、乱れて少し早くなった。
…本当はもっと触って見たい所があったんだけど…。
こんな所ではヤバイよね。
―…
- 168 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時11分49秒
しばらくして、ようやく落ち着いてから
あたしは梨華ちゃんの耳元で囁いた。
「…公園で良かったかも。」
「…どうして?」
「…これが梨華ちゃんの部屋か、あたしの部屋だったら…」
あたしはその先の言葉にためらった。
「…だったら?」
「…我慢できなかったかも。」
カーっと顔が真っ赤になっていく梨華ちゃん。
「ひ、ひとみちゃんのH!!」
「はは!だってさぁ…。」
「あ…そうだ。ひとみちゃんに渡したい物があるの。」
「目は瞑らなくていい?」
「いいよ!」
- 169 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時12分21秒
- 私はポケットから、小さなアフロ犬のついた
ペンダントを、そっとひとみちゃんの首にかけた。
「…これ、私が肌身離さず、いつもつけてるキーホルダーだったの。」
「だった?」
「うん。時間がなかったから、お守り買いにいけなかったから
ひとみちゃんが来る前に引き千切って、無理矢理、ペンダントにしたんだ。」
「梨華ちゃん…」
「…ひとみちゃんの側で、私も一緒に戦わせて。」
「…ありがとう。凄く嬉しいよ。」
―♪♪♪〜…―
あたしの携帯が鳴る。
ディスプレイには 『大林先輩』 の文字。
「…行かなきゃ。」
「…帰っちゃうの?」
「…うん。世界戦が終わるまで会えない…。」
「…寂しいけど仕方ないね。」
もう一度、あたしは梨華ちゃんの唇にキスをした。
- 170 名前:理科。 投稿日:2002年02月14日(木)05時16分39秒
ふぅ〜…ちょっと今回は、がんがりました。
実はPCの調子が悪く修理に出しますので
少しの間、更新できません。147〜169までの部分が
今日更新したものです。
…寂しいなぁ。
- 171 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年02月14日(木)10時18分26秒
- 公園での告白、互いの気持ちが通じ合う・・・、名場面ですね。
しばらく会えなくなる2人がちょっと切ない、
けど梨華ちゃんの思いを胸に世界戦で存分に力を出してくれ、吉!
PC・・・さびしいッスね。
うちのなどは今、モバイル用のにプリンタやFDやモデムやMOを繋いで
持ち運びできない状態にしてつかってます。
なにせ、メインのPCが成仏してしまったので・・・ トホホ
- 172 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年02月14日(木)13時06分56秒
- 名場面なのに・・・
名場面なのに・・・
略されたヤッスーがおもろ過ぎて笑いがとまらん!
理科。さんのヤッスーはやはり最強です。
- 173 名前:名無し男 投稿日:2002年02月14日(木)13時46分26秒
- ( 略.∀略)ノ <ちょっと略しないでよ!
顔面ブロックは鼻にくる(経験者は悲しく語る)
- 174 名前:梨花 投稿日:2002年02月14日(木)22時25分48秒
- 市井沙耶香、我が闘争という小説が読みたいです。
誰か知っている人いたら教えてください。
よろしくお願いします。
- 175 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月14日(木)23時00分30秒
- >174
そういうのは案内板に逝け!
- 176 名前:夜叉 投稿日:2002年02月15日(金)13時37分29秒
- やすの顔面レシーブ、かなり強烈だと思われ。
毎回、新鮮な笑いを有難うございます、頭痛かったのがどっかに行ってしまいました(笑)。
ちうの展開に、「おいおい、ちみら。外ではなかったかい?」とつっこみを入れてしまいましたがな。
そうです、HEY!×3ですよ。
自分は「漂流教室」だったんですが何か(笑)。
あの顔の顔面レシーブもどうかと…(誤爆)。
PC修理ですか、残念です(泣)。
復帰を首を長くしてお待ちしてますね。
- 177 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年02月15日(金)19時55分19秒
- 大量更新お疲れさまです。
理科。たむの過去作品でも読みつつマターリ待ちます。
- 178 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月16日(土)16時06分47秒
- 作品中の、ヤッスーが、私は、そーとーすきっす。
愛すべきキャラになっていますね。(w
笑いつつ、楽しみにしています。
PC修理とのことで・・・・気長にまっています。
- 179 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年02月21日(木)17時36分05秒
- このスレではお初です!
なんかいい展開ですね!今後がすごく気になります!
今、PCを修理に出しているということで。
気長に待ってます!
- 180 名前:愛猫 投稿日:2002年02月26日(火)23時39分15秒
- お初です!
キャーっ!!ほんわか甘々でおもわず顔がにやけてしまいました。(恥
今後の世界戦の行方&梨華ちゃんとよっすぃ〜の恋の行方がきになります!
パソコンさん、無事に帰ってきてくださいね!(謎
- 181 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時24分46秒
-
<MANZAIさん。ありがとうございます。
気持ちが通じ合った事だし、よっすぃ〜ならきっと
やってくれます!PC持ち運びできませんか…。
私もですけど。新しいのが欲しいですね…。
<某さくしゃさん。私の中のヤッス〜はいつもキャラが被ってしまいます。
でも好きなんですよ〜!きっとこれからもヤッス〜のキャラは
変わる事はないと思われ♪早速、青板逝きます♪
<名無し男さん。
( 略.∀略)ノ ←これに爆笑!!お腹がよじれました!
ヤッス〜最高でっす!!
は、鼻ですか…?大丈夫だったのでしょうか(汗)…。
<梨花さん。『市井沙耶香、我が闘争』、私はどこにあるか
わかりません…。すみません。
<名無し読者さん。 …あの。マタ-リいきましょう。
<夜叉さん。ヤッス〜の顔面レシーブは、どんなアタックも
止められ(略
いえいえ…そんな(照)。頭痛持ちですか?
この前のHEY!×3もヤッス〜に目が…
モーたいでも目が逝ってしまいました!
- 182 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時28分29秒
<師匠!過去作品読むのですか?…恥ずかしい!
やっと師匠の作品が読めますぅ〜♪
あやゃと、よっすぃ〜…そして梨華ちゃん先生…
嗚呼、どうなるですか〜!って感じでっす!
<よすこ大好き読者さん。
ヤッス〜大人気ですね♪私も嬉しい…(泣)。
そのうち、ヤッス〜が現実でも人気NO1になる事を
願ってます…。きっと次のセンターは…。
<吉胡麻系さん。レスどうもです♪この先の展開は…
私が今までに書けなかった分類でいこうか、いかないか
実は迷ってます。がんがりますよ!
<愛猫さん。初めまして。理科。です。(丸多いなぁ…。)
ニヤけますか?ありがとうございます♪(?)
無事に帰ってきました!私のPC。
これからもお付き合いくださいね。
みなさん、ただいまです♪実は、この作品
すでに書き上げました。最後はちょっと…(モゴモゴ。)
また毎日更新、がんがりまっす!
- 183 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時29分55秒
「みんな…とうとうここまで来たね…!日本バレー界の低迷
だとか言われ続けた日々も…今日で終わり!最後は優秀の美を!!」
「「「「「おう!」」」」」
あたし達、日本は5勝1敗で、今日同じ勝ち分のキューバと
金メダルをかけて戦う。正直、日本がここまで勝ち進む事を
誰が予想していたか。っつーかさぁ…あたしも想像してなかったもん。
なんちゃって!冗談はさておき
ハッキリと思いを伝えたあたしは
すこぶる調子が良かった。スパイク成功率も85%を超えていて。
今大会NO1のダークホースとまで言われた。
「吉!この調子でキューバの壁をブチ破ってね!」
「っす!まかしてください!なんてったってバレーの申し子っすから!」
「頼もしいなぁ。って調子に乗りすぎだよ。」
- 184 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時30分42秒
先輩達もいつもと変わらず、接してくれていて
知らず知らずに緊張感がなくなっていた。
ってか最初からしてなかったっけ?
「…って。」
「ん?どした?吉?」
「い、いや何でもないっす。」
「また虫が口に入ったかと思っちゃったよ。」
「虫なんかいないっすよ!」
前からチクチクと痛かった腰。最近じゃあ…頭も痛いんですけど、何か?
試合が重なる一方、痛みは激しさを増していった。
こんな事、誰にも言えない。
とにかく我慢して、次の試合だけに集中するんだ。
「…すんません。ちょっとトイレに。」
「何だ?緊張してんの?」
「は、はい…。」
「まだ時間あるから、ゆっくりしてきな。」
漏れる漏れる〜なんて勢いよく飛び出したあたしは
とっさに腰を押さえつけ、倒れそうになったけど、
壁にもたれかかって、それだけは防いだ。
誰にも見つかることなく、あたしは
とにかくトイレへ向かった―…
- 185 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時31分31秒
―石川視点―
今日の私達の仕事はバレーの応援。
この日が来るのを、ずっと待ってたの。
ひとみちゃんの試合は、ビデオに毎回録画して
仕事がいくら遅くに終わっても、私はそれを
必ず観てから寝るようにしていた。
そして今日は生で観れる。
こんな仕事だったら休みなんかいらないよ!
「きゃ♪」
「…キショいよ。石川〜…。」
「え?あ…すみません。」
「何を想像してたの?」
「な、何も…。」
「ウソおっしゃい!この保田様には全部お見通しなの!今のアタシなら
吉の服の下まで…もしかしたらその先まで
お見通しできるかも!キャ♪」
「おえぇぇ〜…」
「まぁまぁ、圭ちゃん。落ち着いて…ね?梨華ちゃん、
圭ちゃん興奮してるから気をつけたほうがいいよ?あは。」
ごっちん、いつも私をカバーしてくれて、凄い心強いな。
優しいし、フニャって笑うと可愛いし。
でも…私は、ひとみちゃんが好きなの。
- 186 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時32分14秒
「い、石川、トイレ行ってきます。」
「おう。行ってこい!」
顔が真っ赤になっちゃってるかも…。
いそいそと私はトイレに向かった。
別に用をたしに行くワケじゃなかったけど、
何となく、あそこにいるのが恥ずかしくって。
(ん……)
「だ、誰…?き、気のせいだよね…。」
そうだよ。ここのトイレには私しかいないもん。
誰も入ってる形跡はないし…
(ん〜…)
「や、やっぱり誰かいるぅ〜…。だ、誰ですかぁ〜?」
返事はなかった。も、もしかして変質者…?
低い唸り声が確かに私の耳に入ってくる。
一番奥の方の洋式から、その声は聞こえてきた。
用具室からモップを一本、取りだし、
恐る恐る近づく…。
そしてドアを静かに開けた―…
- 187 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時33分18秒
「…!!」
本当に驚いた時って…声出ないって言うけど
確かにそれは事実だった。
そこに居たのは…
あまりの痛さに顔をしかめてるひとみちゃん。
額からは大量の汗が出ていて…
それは誰の目から見てもわかるほど、具合が悪そうだった。
「だ、大丈夫?ひ、ひとみちゃん…」
「…あ。り、梨華ちゃん…?はは…こんな情けないトコ…見せたくなかったな。」
「い、今…誰か呼んで来るから」
「待って!それだけは止めて!!」
「でも…」
「いいから!…お願い。あたしの一生のお願い…。」
私を見上げるひとみちゃんの顔色は
真っ青でした。素早くポケットに入っていたハンカチを
取りだして、私はひとみちゃんの汗を震える手で
必死に拭いた。
「…あのさぁ。何とかして…湿布と…痛み止め
貰ってきてくれる?」
「え…ど、どうやって。」
「……時間がないの。」
「わ、分かった!!」
何がわかったのか…本当に誰にも言わないでいいのか。
私は泣きながら、必死に医療室に走った。
- 188 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時35分37秒
- 「あ、あのぉ〜…」
丁度良く、誰もいなかった。
急いで、私は湿布薬と、痛み止めを探した。
けど…
「わかんないよぉ〜…」
「あら?誰?掃除手伝いに来てる生徒さんかしら?
どうしたの?こんな所で?どっか痛いの?」
入ってきた優しそうなオバさんの顔を見た私は
安心しきってワンワン泣いてしまったのでした。
「あらら…大丈夫?どこ?どこが痛いの?」
「ふえ…私。石川高校のバレー部なんですけど…グス。
腰が痛くて痛くて…エ〜ン…。お薬ください…」
「そ、そんなに痛いの?待ってて。今、注射してあげるから。」
ち、注射?私に?痛み止めって注射の事なの?
バファリンとか…飲むお薬じゃないんですか?
- 189 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時36分22秒
-
「ちょっと痛いけど、我慢ね。すぐ終わるからね。」
キラっと光る先端からお薬が…。
私じゃないんです…。
「あ、あの…これって監督とか…その。やり方覚えれば誰にでも
できるんですか?」
「え…?あ、うん。よく、プロの選手達は一人でもやってるの見るけど。」
「腰に刺せばいいんですか?」
「え、えぇ…臨時のだからね。でも」
「ありがとうございます!このご恩は決して忘れません!」
私はそのオバさんから注射と湿布を貰い、
ひとみちゃんが居るトイレまで全速力で走った。
「…腰、痛くないのかしら?」
―…
- 190 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時37分22秒
-
「ひとみちゃん!!」
ぐったりしてるひとみちゃん…。
ガタガタと震えは増してきて…
危なく注射を落としそうになった。
「…華ちゃん。…貰ってきてくれたんだ。」
「うん!でも…本当に」
「いいの。私が言いっていってんだから…。」
『ありがとう』と言って、ひとみちゃんは私から
注射器を取った。そして背中を捲り上げ、
プスっと刺したのだった。
(…本当に大丈夫なの?)
変に、お薬をこうやって打ってもいいのでしょうか?
「…ありがとう。梨華ちゃん…大分楽に…なったよ。
先に戻ってて…あたし…もう少ししたら行くから…」
「で、でも… わかった。さ、先に行ってるね?」
「うん…頑張るから。勝つから…見ててね。」
私は逃げるようにその場所から離れた。
あそこに居たら…私はさっきのように大泣きして、ひとみちゃんを困らせる
だろう。
- 191 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時38分03秒
「イタ…。あ!ご、ゴメンなさい…」
「あれ?石川ちゃん?ね、ねぇ。吉、知らない?」
「あ…」
この先のトイレにいます。なんて言えなかった。
でも…あのまま、ひとみちゃんをほっといていいのでしょうか?
「石川ちゃん…?」
「あ、あの…」
もぅ隠せない。私はひとみちゃんに恨まれてもいい。
この先輩達に話して、助けてもらうんだ。
「あの…!」
「先輩!すんません!いやぁ…中々出なくて。」
「吉!…はぁ。ったく!心配したよ?逃げたんじゃないかって」
「逃げも隠れもしませんよ!」
「…ひとみちゃん?」
「あれ?梨華ちゃん。早く解説ン所行かないと、保田さんに怒られるよ?」
そのまま何もなかったように、ひとみちゃんは
先輩達と一緒に行ってしまった。
ソっと、ひとみちゃんは私に『ピースサイン』を
してみせた。
…今日がひとみちゃんの最後の試合になるという事、
私は密かに感じていた。
- 192 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)16時38分55秒
更新しました。
- 193 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月28日(木)17時20分58秒
- 初めてレスします〜!
あ…う〜〜〜。
つ、続きが気になる…。
楽しみにしてます〜〜〜!
- 194 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年02月28日(木)17時29分59秒
- 更新されてました。
・・・って、お帰りなさ〜い♪
いやぁ、再開していきなりコミカルな中にもシリアスな展開で
どうなってしまうんだらう、とドキドキしながら見ております。
お探しのもの、ここへ逝くとしあわせになれるでせう。
ttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/2997/
- 195 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年02月28日(木)18時31分25秒
- 吉澤選手〜!(泣)
痛いのに耐えてピースをするよっすぃ〜・・・。
続きが気になります!
- 196 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年02月28日(木)19時41分39秒
- おかえりなさい♪ 私は仕事で疲れて更新出来ません(泣)。
あっちもこっちも、どうなるコトやら。吉君がんば!(;_;)
- 197 名前:夜叉 投稿日:2002年02月28日(木)20時33分43秒
- 復活おめでとうございます!!!
気になる展開です…。続き期待してます。
頭痛持ちではないですよ、そん時頭痛かったんで(やすの呪いか?笑)。
保田大明神様。ハァハァ(爆死
- 198 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月28日(木)21時20分44秒
- おかえりなさーーーーい!!待ってました!
で、もう最後まで出来上がってるんですって?すごいです。
続きを期待しています。
- 199 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時43分30秒
- <名無し読者さん。初レスどうもです!
今夜も続きを少し。楽しみですか。(照
がんがりますです、ハイ。
<M,ANZAIさん。いつもメールのトコ見るの
楽しみにしてます♪ありがとうです。
…これから先はシリアスで。
そして私もシリアスに(?)。
リンクご丁寧にありがとでっす♪
<吉胡麻系さん。
(;O^〜^O)<…そぅとぅ痛いよ。でも梨華ちゃんの
為に頑張るんだ。
期待に答えれるよう頑張りますだ。
<師匠!ただいまです♪仕事疲れは最悪ですよね…。
更新は師匠のペースでがんがってください。
よっすぃ〜、踏ん張らせます!
- 200 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時47分45秒
<夜叉さん。ありがとうございます。無事復帰です(ぺコリ)
すみません…。ウチのヤッス〜が。そうです。
呪いなんです。(^▽^)<ウッヒョー♪
<よすこ大好き読者さん。ただいまーでっす♪
はい。最後まで出来あがってるんですが…。
みなさんの反応を見ながら、少し変更アリで
進めていこうかと思ってます。(?)
あまりのレスの多さに嬉しくて、モー1度、
更新します。ではでは…。
- 201 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時50分05秒
- ―吉澤視点―
…梨華ちゃんのおかげで、さっきまでの腰の痛みは
随分とひけてきていた。
が…正直、ズキズキと痛む。
きっと…今日、この試合があたしの最後なんだろう。
だからこそ、出たいし…勝ちたい!ってか勝つけどね。
「先輩…あの。」
「どした?吉?」
「今まで…ありがとうございました。」
「何よ?吉…頭でも打ったか?」
「いつも打ってますよ。…先輩。今日は絶対、勝ちましょうね!」
「…あったり前だろ?勝つために今まで頑張ったんだから。」
「そっすね…!」
ヤバイ…泣きそうだ。
今までの事が、頭をよぎって
辛くて…何度も泣きそうになったっけ。
ご飯も食えないほど、ボロボロになって…
でも先輩達がいてくれたから
今、あたしはここにいる!
最後だもの。恩返しぐらいしなきゃね。
- 202 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時51分04秒
「ち、ちょっと!今日のキューバ戦のメンバー見てみ!」
あれ?最初に戦ったエースの人いないじゃない。
見た事もない控えの選手が、ウォーミングアップを始めていた。
「マネージャー。調べて。」
「エースのルート選手は…この前のアメリカ戦で、足首を負傷したらしいです。
で…ヤスーダ・ケイツ。あ、控えの選手ですね。今日はこの選手が
機用されます。何のデーターもありません。」
「ヤ、ヤスーダ・ケイツぅ〜!?」
「こ、こら!吉!!」
ヤバイ!その選手に睨まれた!!
だって…そんな名前の人、いるハズないじゃんかよ!
ヤスーダ・ケイツだよ?保田圭…。
「ップ!!ありえまへん!!」
「吉!真面目にやりな!」
「すんません。」
ダメだ…笑いがこみ上げて来る…。
だってだよ?もしあの人が活躍するとする。
で、実況解説してる人が…
- 203 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時52分21秒
『おお〜っと!またもやヤスーダです!ヤスーダ・ケイが決めてきました!!
ホント、憎たらしい選手ですね〜。』
なんて事、言うんだろうな。しかもケイツだから…
『ツ』は言わないんだろ。だって言いにくいじゃん!
…だから『ヤスーダ・ケイ』
「あっはっはっは〜。最高〜♪」
「ヘイ!ヒトォミ!」
「はへ?あたし?」
って…ヤッス〜だよ。デッケ〜な…おい。
今から試合始まんのに、日本側に来てもいいのかよ?
しかも通訳なんか連れてくんじゃないの!
- 204 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時53分01秒
「…吉澤さん。ヤスーダがこう言ってます。アナタと私、どっちが
今大会のダークホースか決めようって。」
「ヒトォミ!」
「吉澤選手、いい試合をしましょうと…言ってます。」
「…伝えてください。あたしは負けませんって。」
通訳の人が、ヤッス〜にあたしが言った事を耳元で囁いていた。
すると、ヤッス〜はニッコリ笑って、
「マケナイヨ。」
って。思っていたより、いい人みたいだ。
そうだ。気を引き締めていかないとヤッス〜にやられる。
あたしは絶対に負けないから。
勝って約束どおり、あたしは梨華ちゃんと
美味しいラーメン食べるんだから!
いつの間にか腰の痛みはなくなっていた。
―…
- 205 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時54分39秒
- ―石川視点―
「おい、石川!どーしちゃったんだよ?」
「具合でも悪いの?」
「い、いえ!どこも悪くないですよ。」
メンバーのみんなが心配そうに渡しの顔を見ていた。
本当は今にも泣き出しそうなんだけど、
私は拳を握り締め閉め、必死で涙を堪えていた。
この試合からは絶対に、目を反らしてはいけない。
(…ひとみちゃん。)
キューバチームの選手紹介が終わり、
日本選手の紹介が始まる。
歓声が一段と大きくなり、私は鳥肌がたった。
次々と選手達が紹介を終え、最後に呼ばれたのが
『NO14!ひとみ・吉澤〜!』
もの凄い歓声が体育館いっぱいに響き渡る。
とにかくひとみちゃんは人気があった。もちろん実力も。
最年少で、普通は一番最初に紹介されるってことを
私はひとみちゃんから聞いていた。
- 206 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時56分44秒
『だから梨華ちゃん、最初だけは穴が開くくらい見ててよ。』
…けど、最後ってどう言うことなんだろ?
でも最初に出てくるよりだったら、
一番最後、おいしいトコで出てきた方が
ひとみちゃんらしい(?)けど。
とにかく私は、ひとみちゃんに釘付け。
先輩達がコートで待っていて、ひとみちゃんは
真剣な顔でその輪の中に吸い込まれるように入っていき、
ハイタッチしていた。一番小さいハズのひとみちゃんが
何だか大きく感じた。
- 207 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時57分17秒
- 「カッケ〜!!とにもかくにもカッケ〜わ!!」
「…はぁ。よっすぃ〜いいなぁ。」
「…ごとーもバレー始めようかな?」
「辻もまたバレー、始めたいです。」
「じゃあ、ウチも。」
みんな、ひとみちゃんに釘付けになっていた。
もちろん私も。
こうやって見てて、改めてひとみちゃんの小ささを
思い知った。あの身長であんな風に飛べて、打てて。
本当に凄いよ。ひとみちゃん…。
笛の合図で、キューバからのサーブで始まった。
『L』をつけてる選手がうまくカットして、セッターの人に返った。
Lってリベロ?だっけ。たしかレシーブしか出来ない人って言ってたな。
そして…
- 208 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)21時59分44秒
- 「日本の新星!!来た〜!!吉澤ひとみ〜!凄いアタックです!!」
鋭いアタックが、ブロックを越えて床に突き刺さった。
実況の人も興奮してる。
元気にコート内を駆け巡るひとみちゃん。
先輩達に頭を叩かれて嬉しそうにしてる。
まだ高校生みたいな幼さが残っていて何だか可愛かった。
「吉澤ひとみ。今回、一番伸びた選手ですね。」
「そうですね。実力も、もちろんですが、何と言ってもあの明るさでしょう。」
今度はサーブ権は日本。
ちょっと崩れたみたいだけど、相手チームのセッターに返った。
- 209 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)22時00分27秒
「アタシが打つわよ!」
いきなり保田さんが立ちあがった。
ヤスーダさんのアタックは…
凄いキレイだった。弓のような柔軟性をおびた
体から放たれたスパイクは、矢のようで―。
誰一人、微動だ出来ないでいた。
「ヤスーダ!!キューバのヤスーダの物凄いスパイク!!
いやぁ〜…これまた無名の選手ですね。」
「アタシは有名よ!」
「圭ちゃんじゃないだろ!座れよ!」
(ひとみちゃん!)
ポカンと口を開いたまま、ヤスーダさんを見てる。
ニヤっと笑ったヤスーダさんに
ひとみちゃんは腰に手をあて
『ウンウン』頷いて、笑い返したのでした。
- 210 名前:理科。 投稿日:2002年02月28日(木)22時05分28秒
- 更新しました。この調子だと、2,3日で
仕上がりそうです。
では、また明日。
- 211 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年02月28日(木)23時46分28秒
- ヤスーダ・ケイツ選手登場にかなりビビリまくりです。
はたして、ダークホース対決の行方はいかに!?
>理科。さん
わたしも理科。さんの作品がまた読めるようになったことが嬉しい限りです。
- 212 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年03月01日(金)03時12分22秒
- 復活おめでとうございます!
理科。さんて「忘れられない日々・・・」の作者さんだったのですね!
あの小説はここにくるきっかけとなった最高に感動した作品なんですよ!
そして今は変なものを書いている(w
これからもがんがってください!一生ついていきます!!!
- 213 名前:名無し男 投稿日:2002年03月01日(金)17時59分47秒
- ヤッスーハケーン
キューバ人なのにイングリッシュな名前ワラタ!!
しかし日本語ができるとは
かなりバイリンガルなのか?
ヤッスーのバックアタックはボールがプレーンオムレツみたいに見えるらしいとの噂
- 214 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年03月01日(金)18時43分45秒
- 更新お疲れさまです。なんか、もうそろそろ終わっちゃうのかな?(泣)
私もがんがります〜。レスありがとうございます。
- 215 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時49分37秒
<M.ANZAIさん。ヤスーダ…出そうか、出さないか
かなり迷いました。ここまでしてって感じもありましたが、
結局こうなります(爆)
そう言っていただけて幸せです。
<某さくしゃさん。ありがとうございます。感動なんて…。
恥ずかしいです。書いてて自分が『恥じ』さらし…って意味不明(汗)
今も昔も変なモノ書いてます(笑)!
がんがりますよ〜!そしてついてきてください…。ギャ!
<名無し男さん。ヤッス〜はもちろんバイリンガル!(?)
ヤスーダ、密かにアメリカ産で…。
プレーンオムレツみたいに見えたら、よっすぃ〜も
レシーブ出来ないですね!(w
- 216 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時53分37秒
<師匠!お疲れでっす♪はい…。そろそろ終わります。
私もがんがりますので、師匠もがんがってください。
映画のチケット…取れないと思います。多分…。
いしよしなのに…。(鬱)
- 217 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時54分34秒
―吉澤視点―
すっげ〜!カッケ〜!!ヤッス〜やるなぁ…。
正直、あたしは驚いた。
言うだけはあるなと。
でもね?あたしはこんなモンじゃないよ?
胸元で、梨華ちゃんから貰ったペンダントのアフロ犬が
笑ってた。あたしはそれを、ギュって握った。
サクサクとこの試合終わらせて、あたしは梨華ちゃんと
ラーメン食うんだから。
(梨華ちゃん…。見ててね。)
大好きな 梨華ちゃんから貰った大事なお守り。
ヤッス〜になんか負けるもんか!!フン!!
「さぁ!これからっすよ!」
そうだ!まだ試合は始まったばかりなんだ。
あたしは今まで以上の力を出して
この試合…絶対勝つ!!
―…
- 218 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時55分13秒
試合は縺れ、2対2ののフルセット。
もはや…わたしの腰は限界だった。
…3セット目で腰の痛みが出てきてた。
全身から、大量の汗が滲み出る。
腰から下が痺れ、立っている事さえ辛かった。
今にも記憶がブっ飛びそうなくらいだ
(…ヤバいかも。)
「吉!!上がっ…―
先輩が何か言ってる…
上がっって何?
あたしの耳…どうかしちゃったのかな?
何も聞こえないよ…
歓声も何も…
…とにかくボールを追うんだ。
まだ目は大丈夫なんだから…
―…
……し!吉!」
「あ…先輩…」
あたしの目の中に飛び込んできたには
マネージャーの先輩だった。
何でベンチの脇で寝てんだ?
…試合!!試合は!!
負けてる…!15対9で!!
ヤバいじゃん!
- 219 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時55分55秒
- 「…ビックリしたよ。急に倒れちゃったんだもん…。」
「監督!あたしを出してください!!」
「…吉澤。よくやったよ。ゆっくり休め。」
「そんな…お願いです!今、痛み止め打ちますから!!」
「ダメだ!お前は出さん!」
監督はあたしの顔を見ないでそう言った。
グスっと鼻をすすりながら。
やだよ…出るんだ。だって…先輩や梨華ちゃんと
約束したんだ!絶対、優勝するって!!
「監督!今日しかチャンスはないんです!
あたし…これが最後のバレー人生だって事…
わかってるんです。…だから!今出れないで
ここで指くわえて観てるのなんて…絶えれません。」
あたしは泣いていた。
必死で監督の下で泣きわめいていた。
監督も先輩達もきっと分かってたんだな。
でも必死に抗議するしかないんだ。
出してくれって!
お願いだよ…監督。
- 220 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時56分41秒
- 「…痛み止め。挿してやれ。…吉。15分だ。
その時間だけしかお前にはやれない…。」
「!…ありがとうございます!!」
あたしの顔を見ないで、監督はマネージャーのそう告げた。
後ろであたしは今日2本目の痛み止めを挿した。
―…
- 221 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時58分10秒
―石川視点―
私は少しの間…どうやら気絶していたみたいです。
顔を上げると、ごっちんの肩に身をゆだねていた。
「…梨華ちゃん。気付いた?」
ごっちん…目が赤いよ?
泣いてたの?
メンバーのみんなが一斉に私を見ました。
「すみません…」
「…石川、大丈夫だよ!よっすぃ〜は!」
「そ、そうよ!何てったってあの吉澤だもの!」
保田さん、矢口さん…そしてみんな。
目が真っ赤だ。
ひとみちゃんの事、みんな心配なんだ。
ひとみちゃんの様態を...あの時言っておけば
こうなる事にはならなかったんだ。
私のせいだよ…。
「梨華ちゃん…泣かないでよぉ…後藤も我慢してんだよ」
私は年甲斐もなく、その場でワンワン泣いてしまっていた。
ごっちんも泣いていた。
矢口さんも保田さんも…
みんな…
泣いていた。
「梨華ちゃん!!」
(え…?)
ひとみちゃんの声?
こんな大観衆の中でも
間違えるハズなんてない。
確かに今、ひとみちゃんの声がした。
「おい、チャーミー!」
「ひとみちゃん!」
- 222 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)18時58分49秒
私は身を乗り出し、声のする方向を見た。
メンバーのみんなも私の後に身を乗り出し
コート上に目を見張る。
ベンチ横で大きく手を振ってるひとみちゃん。
何か言ってるけど…よく聞こえないよ。
私は耳に手をあてて『聞こえない』ってゆう
ジェスチャーをした。
ひとみちゃんは気付いたのか
フーっと息をつき、口に手をあて…
―勝つから―
確かにそう言った。
涙がまた溢れ出した。
ピーっと笛の合図と供に、元気良く高々と
ガッツポーズし、ひとみちゃんがコートに入っていった。
- 223 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時00分08秒
―吉澤視点―
15分―。
あたしのバレー人生、終わりの
カウントダウンが始まる。
あたしに残された時間。
…あれは確か小4の時だっけ?
初めてテレビでバレーの試合を観た。
それがとにかくカッケ〜って思って。
その日は興奮して眠れなかったよなぁ。
いつか、あたしも日本代表の選手になるんだって
ずっと思ってた。そして今、晴れてその夢が叶ったんだ。
小学生の時に―。
お父さんに買ってもらったバレー用の靴。
お母さんに買ってもらった練習着。
そして、小さいながらも弟達が書いてくれた
『お姉ちゃん頑張れ』の手紙。
中々勿体無くて使う事が出来なくて。
そして恥ずかしくて読めなくて。
今でも大事に持ってるよ。
- 224 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時00分49秒
最初の頃は練習が楽しくて仕方なかった。
練習が終わった後、水飲み場までみんなと
走って、『あたしが一番だよ!』なんて
カルキ臭い水…グビグビ飲んだっけなぁ。
それが、すんげ〜美味くてさ。
そして部室で監督の悪口言いながら
中坊ながらにも熱く語って。
中々家に帰りたくなかったっけ。
そして...初めて挫折を味わったあの日―。
あんなに好きだったバレーがイヤでイヤで。
3日サボったよな…練習。
でも結局は4日目で...出たんだよね。
やっぱり、あたしはバレーが大好きなんだって実感した日。
この歓声を浴びるのも...
今日で最後だろう。
きっと、あたしはこの先
バレーは出来ないだろうな。
- 225 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時01分29秒
だったら、梨華ちゃんのマネージャーにでも
なろうかな?いつでもどこでも梨華ちゃんと一緒♪
なんちゃって!
…冗談はさて置き!
あたしは後悔なんてしない。
寂しくも悲しくもない。
むしろ、今出なかった方に後悔するね。
それでいいんだ。
だから今日、この試合は…絶対に勝つ!
自分の為にも
先輩の為にも
そして…梨華ちゃんの為にも!
審判の笛の合図で、あたしは元気良く
コート内に入っていった。
- 226 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時02分32秒
「よ、吉…。」
「…何情けない顔してんスか?可愛い顔が台無しっすよ?」
「可愛い顔はわかるけど…誰が情けない顔してんだよ。」
先輩達も分かっているようだった。
個々にあたしの腰に視線が刺さる。
ウルウルと涙が目いっぱいに溜まっていた。
今日は悪いけど…あたしがこの試合の
リーダーやらさしてもらいます!
ダメ!って言われても、あたしがリーダーっす!
リーダー吉澤っす!ってシツコイなぁ!
「さ!15分で決めますから!ボールは全部、あたしに下さい!」
先輩達は、顔を見合わせて
『どうする?』って感じだったけど
みんながウンと頷いてくれた。
それを見たあたしも頷く。
そして…
「ヤスーダ!あたしと勝負だ!」
言葉は通じなくても、ヤッスーは分かったように
ニヤリと笑った。
(負けるもんか!)
あたしは目の前のヤッスーを
睨みつけたんだ。
- 227 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時03分03秒
―石川視点―
コート内では試合が始まった。
私は...さっきのひとみちゃんの笑った顔が
目に焼き付いて離れないでいた。
いつも見せる笑顔ではなく、初めて見せる
とても澄みきったキレイな笑い顔だったのでした。
ゾクっと背筋が一瞬、寒くなった気がして。
「石川…アンタ、最後まで吉澤から目離しちゃダメよ。」
「保田さん…。」
今まで、おちゃらけてた保田さんが
急に真剣な顔をしてそう告げた。
乱暴に目を擦り涙を拭い、コートを
見つめる矢口さん。
隣のごっちんが、ギュって強く私の手を握る。
私は息を飲んで、ひとみちゃんの姿を追った。
出てきて、早々に鋭いスパイクを放つ。
2枚のブロックをすり抜けて床に突き刺さる。
どうだ!と言わんばかりに拳を突き上げて
相手チームにアピールしているひとみちゃん。
- 228 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時03分33秒
それはまだ序の口にすぎないのでした。
次々と、ひとみちゃんのスパイクが決まり
点差は、あっと言うまに逆転。
ヤスーダさんのスパイクも、ひとみちゃんと
先輩のブロックで面白いように決り始めた。
さすがにヤバいと思った相手チームの監督が
タイムを取りました。
先輩達がひとみちゃんの背中に手を回して
ベンチに座らせようとしたけど、断ったようだった。
きっと、ひとみちゃんの性格からして
弱みを見せたくないんだなって思った。
ましてや試合中だもんね…。
フと、スポーツドリンク片手にひとみちゃんは
私を見た。ニコっと笑って、ピースサイン。
泣きそうになったけど、笑って私もサインを返した。
それを見たひとみちゃんは、安心して監督の声に耳を
傾けたのだった。
短いタイムアウトも終わり、再びコート内に
戻って行き、試合は再開された。
- 229 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時04分12秒
―吉澤視点―
何だか体が以上に軽い。
いつもより高く飛べる。
いつもより強く打てる。
あたしの視界に入ってくるのは
誰もいない相手チームのコートだけ。
簡単じゃん。誰もいないコートにスパイク打つのなんか。
あたしって凄いかも!
でも…なんでだろ?
凄い眠いや…。
気ィ抜くとさ…眠っちゃいそうだよ。
何で?
何でなの?
- 230 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時04分54秒
...薬のせいなんだろうね。
今日はゆっくり寝よう。
今は試合に集中!
そしてたくさん寝て明日は
大好きな梨華ちゃんに会うんだ。
ホントは終わったらすぐにでも会いたいよ。
会ってさ…
『ひとみちゃん!カッコ良かったよ!』
って言わせるんだ。
そしてそして!!あたしは鼻高々に、こう言うね。
『違うよ梨華ちゃん!カッケ〜って言うんだよ!』
って…。意味は同じだけど、あたしはそう言ってもらいたいの。
言ってくれるよね?梨華ちゃん…―
- 231 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時05分30秒
―…
『あ、あの…吉澤ひとみです。』
『あ…石川梨華です。』
…梨華ちゃんと初めて会ったのっていつだったろう。
最初、すっげ〜緊張したっけなぁ。
だってさぁ、モーニングなんだよ?
あの、モーニング娘。!!
隣に住んでる人。
お隣さんはアイドルなのさ!
いやっほい!
…おバカなあたし。
- 232 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時06分15秒
―…
『…プ。あ、ゴメンなさい。…いただこうかしら?』
『ホント?』
『うん。吉澤さん…最中好きなの?』
『…最中屋なんだ。』
『すごーい!』
『え?凄い事なの?』
『うん!』
…最中もってたっけ。
あの日から、あたしと梨華ちゃんの距離が
グっと近づいたんだよね。
もし『要りません!』なんて言われたら…
どうしょうなんて考えてさ。
胃が痛くなったんだよ。
知ってる?梨華ちゃん…
- 233 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時06分58秒
―…
『ねぇねぇ!今日の生、観てくれた?』
『…あー!あのディレクターイヤらしい!』
『今度、バレー教えてよ!』
『今日はね?』
『ひとみちゃん!それでね…』
『ひとみちゃんも一緒にモーニングやろうよ!』
モーニング娘。・石川梨華の喜怒哀楽。
あたしは一番近い位置にいたファンだったね。
あの頃は。ファンとしてだよ?
毎日毎日、帰ってくるなり
あたしの部屋に来ては
ああでもないとか
こうでもないとか。
そりゃあさぁ…?
たまにぶつかっちゃう日もあったけど…。
でも、知らず知らずのうちに普通に戻ってて。
あたしも梨華ちゃんも、負けず嫌いだから。
仕方ないよね?梨華ちゃん。
- 234 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時07分57秒
―…
『フフ…。なんだか花嫁さんみたい!』
『えぇ!何で?』
『知らないの?』
『だから何が?』
『欧米ではねー、結婚した二人が新居のドアを初めてくぐるとき、
男の人は女の人を抱き上げて入るんだってー。』
『あたし男?酷いよ!梨華ちゃん!』
べロンベロンに酔った梨華ちゃん。
あたし、あん時…凄くドキドキしてた事知ってる?
知らないよね。
体温が少し上昇してたね。
飲みすぎだよ…梨華ちゃん。
でも大好きだから許しちゃうけど。
ってか何言ってんだろ…
―…
『…私。ひとみちゃんが好き。なの。』
『…あたし?』
あたしが言おうとしてたのに
先に言っちゃうんだもん。
結構、勇気あるよね。
あたしがないだけなのかな。
背ばっかデカイだけで
肝心な時に何も言えない弱いあたし。
そして初めて気持ちが通じ合った日だったね。
気が狂いそうなくらい嬉しかったよ。
ってか狂ってるけど。
- 235 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時09分29秒
...試合に集中とかカッケ〜事、一人で思ってさ、
梨華ちゃんの事で頭がいっぱいだよ。
あたしって変だ。やっぱ。
…ダメだ。眠いや。
今寝ちゃったら、先輩も監督も
怒るだろうなぁ…。
何だか昔の出来事が、今日はやけに
鮮明に頭の中を流れ続ける。
あたし…死ぬのかな。
走馬灯...って言うんだっけ?
こうゆうの―。
…何コレ?さっきからゴツゴツ当たってんだよなぁ。
あぁ。梨華ちゃんから貰ったアフロ犬のお守り。
あれ?切れちゃったよ!
ヤバい!せっかく貰った大事な…
眠い…
目ェ...開けてらんない。
だってフワフワして気持ちいいんだもん。
ゴメンなさい。
梨華ちゃん…あとで起こしてね…
キスで起こしてくれても…OKっす...―
- 236 名前:理科。 投稿日:2002年03月01日(金)19時10分23秒
更新しました。いつも急で悪いのですが、
次回で終わりになります。
- 237 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月01日(金)19時17分04秒
- よ・・・ 吉澤ぁ〜っ!!
- 238 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年03月01日(金)19時36分52秒
- ええ!?吉澤さん!?
そんなのいやだぁー!!!
- 239 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年03月01日(金)19時58分29秒
- ノー! 吉、死んじゃダメだよ。
やっぱり終わっちゃうんですね(泣)。私も早く終わらせたい…。
- 240 名前:夜叉 投稿日:2002年03月01日(金)21時02分32秒
- Noooonnn!!!
大漁交信の渦の中に飲まれてゆくぅ(溺死)。 ←放置決定(笑)。
立てぇ、立つんだ、吉!!!
- 241 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月02日(土)00時16分51秒
- パトラッシューー!!!(泣
- 242 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時35分01秒
<M,ANZAIさん。(O^〜^O)<あ〜い♪
…すみません。
<某さくしゃさん。(O^〜^O)<ん?呼んだ?
…はぅ。すみません…。
<師匠!(O^〜^O)<…。死ぬカモ。(ボソ)
師匠…何かお疲れですね。
<夜叉さん。じゃあ、私が釣り上げます!(謎)
(;O^〜^O)<…あうぅ。
<名無しさん。(O^〜^O)<泣かないでワン!
- 243 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時35分56秒
―石川視点―
…ひとみちゃんの様子がおかしい。
スパイクが決まっても
ブロックが決まっても
サーブが決まっても
全くさっきとは別人だ。
先輩達が寄っていっても
無表情なまま何も反応がない。
試合は、24対21で―。
日本があと1点取れば金メダルだ。
キューバチームのヤスーダさんのサーブ。
リベロの人のカットが、少し崩れてセッターに返った。
ひとみちゃんが打つ態勢に入る。
―その瞬間、私は何とも言えない気持ちになった―
とっさに目を塞ごうとした、その時―
「石川!!目ェ、反らしちゃダメよ!!」
保田さんが叫んだ。
- 244 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時36分39秒
周りの声が聞こえなくなった。
ひとみちゃんの体がスローモーションみたいに
ゆっくりと舞いあがった。
力強く体を弓の様にしならせ
力強くボールを打つ。
―ズバーン!―
ボールが叩き付けられる音と供に
私は我に返った。
物凄い歓声。
勝った。
ひとみちゃんが勝った!
日本が勝った!
「…やった。よっすぃ〜凄いよぉ!」
私はごっちんと泣きながら抱き合って
喜んだ。矢口さんも保田さんも
みんな喜んでいた。
応援の人達の歓声が一気に体育館に
響き渡った。
―が、それはほんの一時に過ぎなかった―
- 245 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時37分19秒
-
「ひとみちゃん!」
私は目を疑った。
コート内では…
さっきまで元気にプレーしていた
ひとみちゃんが倒れたままピクリとも動かない。
先輩達や、監督、
...そして相手チームのヤスーダさんまでもが
集まっていた。
私はマネージャーを降りきり、
コート内まで走った。
階段から何度も転げ落ちそうになったけど、
とにかく私は走った。
やっと下まで降りてきたけど、
人垣で中に入れない。
しかもファンの人に見つかってしまって
私の周りには凄い人数が集まってきて
身動き出来ないでいた。
「ちょっ…!通してください!」
「石川!!こっち!」
- 246 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時37分51秒
保田さんにグイっと腕を引っ張られ、
後ろでは、ごっちんや、矢口さん…
他のメンバーが降りてきていて
人垣を開けてくれていたのだった。
「早く行ってやりな!」
「…ありがとうござ」
「礼なら後でいいわよ!」
「今日の圭ちゃん、カッケ〜ぞ!」
「いつもよ!」
みんなのおかげで私は何とか
近くまで行ける事が出来た。
あとはひとみちゃんの居る場所まで…
「すみません!ここから先はダメです!」
「でも…行かなきゃ…ひとみちゃんが…!」
「…吉澤選手は今から病院に運ばれますので。
いくら芸能人の方でも…無理です。」
この人はきっと、興味本位で私がひとみちゃんを
見たいって思ってるんだ。そんなワケないいよ!
本当に心配なの!
- 247 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時38分26秒
- 「石川ちゃん!…いいの通してやって。」
「え…?」
「早く!」
「…はい。」
マネージャーさんが来てくれた。
泣きそうだったが、グっと涙を堪えた。
「…吉澤が石川ちゃんの名前…呼んでるんだ。」
「…ひとみちゃん。」
ダメ。
必死で我慢していた涙が止めど無く溢れ出す。
グシャグシャになった顔を隠さず、私は彼女の
場所まで向かった。
周りにいた監督や、先輩達も泣き崩れていた。
ヤスーダ選手は必死で、ひとみちゃんに
何か言っていた。
「吉澤!石川ちゃんが来たよ?」
「ひとみちゃん!私…梨華だよ?分かるよね…?」
ひとみちゃんは真っ青な顔をして
酸素マスクを付けられたまま、救急車に乗りこむ所だった。
私や、周りの呼びかけにも何も反応はしなかった。
さっきまであんなに元気だったのに…
やっぱりあの時、止めるべきだったんだ。
- 248 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時39分00秒
私のせいだ!
気が狂いそうになる。
吐き気がする。
目眩がする。
でも今は私が混乱してちゃいけない。
気持ちをしっかり持って
一緒に私とマネージャーさんが病院まで
動向した。
- 249 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時39分30秒
―…
私はモーニング娘。を脱退した。
そして24で結婚し、次の年に女の子を産んだ。
名前は…
『ひとみ』
そして今、4才になったばかりのひとみと
公園に来ていた。
- 250 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時40分12秒
―…
あの後…病院で手を施したけど
ひとみちゃんの元気な姿は2度とは見れなかった。
彼女の意識はすでに試合が終わる7分程前から
なかったそうで。
『勝ちたい!』
って、執念だけで体が動いていたらしい。
死因は…ショック死。
強烈な痛みが、ひとみちゃんの体を襲ったのでした。
そして私は気を失って―。
目が覚めた時に、私は1通のお手紙を
ひとみちゃんのお母さんから受け取った。
私宛に書いたお手紙。
これは、試合が始まる直前に書いたと思われる内容だった。
- 251 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時40分47秒
- 『 お疲れ〜♪
今日は絶対に勝って梨華ちゃんと一緒にラーメンを食います!
約束だもんね!おふざけはここまでで…。
…今後、きっとあたしはバレーが出来ない体に
なると自分でも分かっています。でも、あたしは後悔はしない。
むしろ、梨華ちゃんが誰かにあたしの腰の事を言って出れなかった方が
すっげー後悔する!ま、梨華ちゃんは分かってるもんね!うんうん。
今後は梨華ちゃんのマネージャーにでもなるかな。
でもさ?ネガティブ梨華ちゃんの事だから、きっと私のせいだ…
なんて思うんだろうな。そんな風には思わないで。
よしこ悲しくなっちゃうから。手紙なんて書く事ないからさ、
何か恥ずかしいよ…。これは『ありがとう』って意味の手紙だから。
明日、元気に梨華ちゃんへ会いに行くよ!
大好きな梨華ちゃんへ!愛を込めて♪ ひとみより 』
- 252 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時43分29秒
- 「ひとみちゃん…」
ポタポタと流れ落ちる涙は紙にどんどん染みていって。
一緒にラーメンを食べる約束は?
明日、元気に会うんじゃなかったの?
ひとみちゃん…マネージャーになってよ…!
側にいてよ…!
病院で私は泣いた。
いっぱい泣いた。
多分、今まで生きてきた中で一番泣いたんだろうなぁ…。
私は静かに目を閉じてるひとみちゃんの側まで
歩み寄った。顔にかけられた白い布切れを取る。
彼女が永遠に目覚めないなんて、未だに
信じられない。いきなり
『おっはよぉ〜♪梨華ちゃん!』
なんて言って起きあがりそうな気がして…
- 253 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時44分31秒
- 「…ひとみちゃん。」
知らず知らずに、私は彼女の唇に口付けした。
ヒンヤリと冷たい唇。
真っ青な顔。
ツー…っと涙がまた流れ出す。
(あぁ…本当にお別れなんだね…。)
―…
今でも大事に持ってるよ。
ひとみちゃん。
ちょっと読みにくくなっちゃったけど。
大事に。
大事に。
ひとみちゃんと一緒に写ってる写真と
しまってあるよ?
私…あのお手紙があったから
何とか立ち直れた。
あの時は...お手紙破いてしまいそうだったけど。
- 254 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時45分13秒
ありがとう。
ひとみちゃん
きっとまた会えるよね?
その時、フワっと優しい風が私の頬を
すりぬけた。
(ひとみちゃん…)
「…ママ。」
「お腹減ったの?ひとみ?」
「ん。」
「パパもそろそろ帰ってくる時間ね。帰ろっか?」
「うん♪」
そうだ。
きっとまた会える。
小さな手を包み込み、
私は夕暮れの公園を後にした。
―END―
- 255 名前:理科。 投稿日:2002年03月02日(土)05時49分28秒
- …最後はみなさんの期待を裏切ってしまった形に
なってしまいましたが(汗)。
何度も何度も、書き直そうかと考えました。
でも、こんな形で終わるのもアリ(?)かなと…。
みなさんのレスがあり、がんがって書き終える事が出来ました。
途中、PCが壊れるとゆーアクシデントもありで、一時は
どうなるんだ?って感じでしたけど。
今まで読んでくださったみなさん、
心からありがとうございました。
- 256 名前:悠人 投稿日:2002年03月02日(土)06時08分46秒
- はじめてレスしますが、なんとラストをリアルタイムで読んでしまいました…。
涙が頬をつたって…画面がうまく見えません…。
まさかこんな展開になるとは…。
ですが、よい作品を読ませていただきありがとうございますをいいたいです。
- 257 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年03月02日(土)06時55分19秒
- 初めてレスします。
前回の更新分で「まさかヨシコ、バレー引退後『娘』入りしたりして」とか、あほな
ラストを考えてました(汗)。ネット小説読んで号泣したのは初めてです。(うぅ、ヨシコぉ〜!)
前作から読ませて頂いてます。これからも応援してますね。
お疲れ様でした!
- 258 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月02日(土)07時34分07秒
- ありがとう…
―END―の後ふと「I Wish」のメロディーが脳裏をよぎったのはおいらだけだろうか…
- 259 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年03月02日(土)15時08分06秒
- 最後は涙無しでは読めませんでした。
でも、最後まで吉はカッコ良く決めて散りましたね。
お疲れさまでした! また新作書いて下さいね。
- 260 名前:吉胡麻系 投稿日:2002年03月02日(土)15時10分16秒
- お疲れ様でした!
まさかこのような結末になるとは・・・。
全く予想していませんでした。
読んでいる時に、PCの前で「吉、死ぬな!」って
何回思ったことか。
理科。さん、これからも頑張って下さい!
ありがとうございました!
- 261 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年03月02日(土)17時22分04秒
- 散りましたか…(涙
嫌です(涙 そんなの嫌です(涙涙涙
悲しすぎます(涙 カッコよすぎます(涙
理科。さんお疲れさまでした。新作待ってます。
- 262 名前:名無し男 投稿日:2002年03月02日(土)17時49分58秒
- 只今アポロが死んだときのロッキー状態です
って言う冗談はおいといて
吉澤はスポーツ選手としては一番名誉な死に方
正に玉砕って感じですか(泣
命削ってまで好きな人にかっこいいとこ見せようっていうのも・・・
ウワーソ
ポクモウダメー ―ニ三(;T△T)っ ダー
- 263 名前:悠人 投稿日:2002年03月02日(土)18時29分05秒
- <ごまべーぐるさん
<「まさかヨシコ、バレー引退後『娘』入りしたりして」とか
実は自分もそうおもってました…。
- 264 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月02日(土)18時46分46秒
- ・・・・・・・
『世界選手権選抜レギュラー、背番号14 吉澤ひとみ選手
あなたのはつらつとした元気いっぱいのプレーと
周りの者すべてに明るさを振りまく笑顔を
我々は忘れることは無いでしょう。
あなたが放つスパイクのボールのように
あっという間に駆け抜けて行ったあなたの姿を
その栄光と共に忘れることは無いでしょう。
ここに、心からご冥福をお祈り申し上げます。
合掌 』
・・・・・・・・
- 265 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月03日(日)00時50分38秒
- まじで泣きました・・・。
よし・・・がんばったね!
あんたやっぱかっけ〜よ!!
- 266 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年03月03日(日)22時57分54秒
- すげー泣いてしまって・・・・。
とても、レスできる状態では・・・・・・・・(涙
予想に反してショッキングな最後で、涙が止まりませんでした。
でも、吉かっこいい散り方だったと思います。
いい作品をありがとうございました。
新作また、読ませてくださいね。お疲れ様でした。
- 267 名前:夜叉 投稿日:2002年03月04日(月)15時26分40秒
- 吊り上げられました(笑)。←結構深かったり(汗)。
吉の壮絶な最後には絶句させられました。
どんなに時間が経てども、人の心は変わることがないと。
ありがとうございました(合掌)。
また機会がありましたら、新作を書いてください。
お疲れさまでした。
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