インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板

迷走

1 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時25分00秒
「おつかれさまでーす」
不安と緊張が解ける。終わった…。
久しぶりのテレビだ、しかもそれは娘。と一緒の番組で私はかなり緊張していたし。
それと共にすごく不安だった。
久しぶりに過去の戦友とでもいうのか仲間に会える事は確かに嬉しかった
ただ、1人を除いては。
2 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時26分14秒
あれは脱退して間もない頃だった
私はいきなり空白になった時間をどう使えばいいのかわからなかった。
そんな時、彼女から家に来ないかと言われ
私は喜んで彼女に会いに行った。そして、その日から私の悪夢は始った
脱退して間もないと言えども、それまで毎日のように顔を会わせてきた為
それなりの久しぶりの再会に浮かれそれほど飲めないお酒を飲んだ。
目を覚ますと私はベットの上に裸で縛られていて、
ベットの前には三脚に乗せられたビデオカメラが私を見張っていた
そして私は彼女に無理矢理抱かれた。
3 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時27分30秒
翌日から私は彼女に軟禁された。
彼女の家から出たり、彼女に反抗したりすると
私が抱かれた時の私の部分だけを切り取った画像をインターネットを利用してバラまくと脅された
なぜ、こんな事をするのかと彼女に聞いた時、彼女はあなたが離れて行くからだよと言った
それを聞いた時、私は何の為に辞めたのかわからなくなった。
この事が世間に知れたらきっと娘。はただじゃすまないだろう。
そう思った、だから最初の1日目に彼女が私から携帯を取り上げようとした時
そう言って母親に電話をかけてしばらく帰らないからと一言だけ伝え電源を切った
それを見ていた彼女はあなたらしいねと微笑んだ。
4 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時30分19秒
彼女は用心深く、逃げる気の無くした私を見ても
仕事に行く時は外側から自分で付けたらしい鍵をかけていった
彼女がいない間、私はよく泣いていた
これからどうなるのか、例え、連絡を入れているにしてもこのまま何日も居たらきっと心配した親
が警察に連絡するだろう、そうすれば、ビデオはどうなるのか、彼女はどうなるのか、娘。は…。
きっと、私の復帰もだめになるだろう、私が辞めた所為でそうなってしまうのならば私は何の為に
娘。を辞めたのだろうか?そんな事を毎日考えては絶望的な気分になるのだった
5 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時30分49秒

何も無かったかのように、まるで私が前から一緒に住んでいたかのように彼女は振る舞った
私は戸惑いを覚えたりしたが私が前のように喋り、振る舞う事はなかった。
そんな私に彼女は気付かないかのように毎日、毎日喋り続けていた
まるで、人形に話し掛けるように今日は何があったとか、メンバーの誰々がどんなことをしたとか
6 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月27日(日)16時32分14秒

彼女はキスしたり、甘えてきたりは毎日してきたが
毎日、私を抱くわけではなかった、抱かない日は、私の身体を抱きしめながら眠った
そんな彼女を確かに私は憎みきれなかったが、その分とても無気味に感じた。
喋りもしない、目も合わせない、できる限り感情は出さないようにしていた人形のような私に
彼女は私が今まで1度も見た事のない種類の幸せそうな笑顔で微笑みかけてくるのだった
そうだなぁ、そう、まるでテレビとか映画とかでありそうな。ストーカーが最愛の人を殺して
その死人を前にしてやっと自分の物に出来たと満足して微笑む感じで
7 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時33分35秒

最初の頃は1人になった時は寂しさ紛れにテレビなどを見ていたが何日か経つと私はテレビを見な
くなった。テレビを見ているとたまらなく虚しくなるのだ、檻の中に閉じ込められている自分と外
とのギャップにたまらなくなる。次第に私はテレビを見なくなった
ある日、自分はどれほどの時間をここで過ごしたのかがわからなくなって久しぶりにテレビを付け
ると、そこには、モーニング娘。が写っていた
明るく喋っている彼女達を見つめる。トークが終わり歌に入った
今、私を閉じ込めている彼女はいつもと変わり無いように元気に歌い踊っていた
たまらなくなってテレビを消す。みんなは私の事を覚えているだろうか、とつい考えてしまう。
8 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時34分06秒
私はなんなのだろうか。
一体、何の為にここにいるのだろう。
泣けてきた。なんで私だけがこんな目に会うのだろう
押しとどめていた感情が一気に溢れ涙が止まらない。久しぶりに声を出して泣いた
その時、彼女が帰ってきたけれど、私は涙を止める事が出来なかった、いつものように感情を抑え
人形になる事が出来なかった。
彼女は泣いている私に近付き私を抱きしめて悲しそうに言った
もう限界みたい、今日、メンバー全員にマネージャーからあなたの事知らないかって聞かれちゃった。
9 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時35分05秒

そして、私は解放された。
一週間、彼女の家に居たらしい。意外にも短かった。時間は時に歪み、伸び縮みする
もう少し、長くいれば私はオカシクなっていたかもしれない
それほど、1人の時間と彼女と過ごす時間は濃かった
無音の部屋。彼女の話す声だけが響く部屋。たまに私の喘ぐ声。
彼女は別れ際、私の携帯を差出しながら言った
あなたがかけたくなったらかけてきてと。
10 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時35分40秒

それ以来、1年ちょっとの間、私が彼女に連絡する事は1度もなかったし
逆に、彼女が私に連絡してくる事もなかった。
私はその間、あの出来事を無かったものにしようと必死でがんばった
一般人となり、留学したり友達と遊んだり恋愛してみたり、そりゃ、まぁ色々と…。
復帰の話はいきなりだった。まだ1人でやっていく自信はなかった
そういうと、これ以上ファンや世間が待っていてくれないせっかくの元娘。という看板があるのに
それを無駄にする気かと言われた。そういうものかと妙に納得したら、話は進み−。
11 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時36分20秒
今にいたる。
ふぅとため息をついて椅子に座る。
普通だった、楽屋を覗いた時も収録中も普通に接しられたし、彼女も普通に接してきた。
あの出来事は、彼女との濃い1週間はもう無かった事になってる、そう、そう信じたいだけかもし
れないけれど確かに彼女は見る限りそういう風に私に接している。
それでもやっぱり私は恐かった。今日1日、彼女と目を合わせていないだろう合わせるふりをして
目はそらしていた。自然とそうなるのだ、
恐怖があの時の狂いそうな匂いがゾクゾク私にまとわりついてくる
それでもきっと、周りから見てるだけじゃ気付かれていないだろう
それは私の演技がうまかったというより、彼女の演技がとてもうまくて私はのまれていた
演技には見えない。心の底から私の復帰を喜び、久しぶりの再会に心踊らせて待っていた
そんな感じに見えた。
12 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時36分59秒

コンコン。

不意に楽屋のドアをノックされるノックの音が異様に思えた。
嫌な予感、一瞬にして私を包む空気が変わる
頭がぐらぐらと揺れ、心臓の鼓動が早まる
そう、まだ、終わってなかった。
終わってなかったというより、あれはプロローグにしかすぎなくて
これから物語が始るかのように感じる
13 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時40分19秒

それ以来、1年ちょっとの間、私が彼女に連絡する事は1度もなかったし
逆に、彼女が私に連絡してくる事もなかった。
私はその間、あの出来事を無かったものにしようと必死でがんばった
一般人となり、留学したり友達と遊んだり恋愛してみたり、そりゃ、まぁ色々と…。
復帰の話はいきなりだった。まだ1人でやっていく自信はなかった
そういうと、これ以上ファンや世間が待っていてくれないせっかくの元娘。という看板があるのに
それを無駄にする気かと言われた。そういうものかと妙に納得したら、話は進み−。
14 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時41分44秒
コンコン。

またノックされる。
私は立ち上がりドアを開けた
そこには予想通り彼女が立っていた
「入っていい?」彼女はそう聞くと答えを聞かず中に入ってきた
声をかけようと私は口を開く
喉が異常なまでに渇いている
先程、名前を何度か呼んだ気がするけど
とても懐かしい響きに思える
そして、私は彼女の名前を呼ぶ
15 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時42分14秒
「…圭ちゃん」

保田圭は名前を呼ばれ微笑んだ、そう、あの久しぶりに見るあの無気味な笑顔で

そして物語は始った
16 名前:名無し 投稿日:2002年01月27日(日)16時45分11秒
13番は無かったことにしてください(泣)

萌え的な小説ではないのですがよろしくお願いします…
でも、ちょっとだけエロあります。ほんのちょっと…
17 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月27日(日)17時05分25秒
今ここでさやけい(と思う)を読めるとは...
なかなかポイントです。
ラブラブではなさそうですが楽しみです。
18 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月27日(日)18時52分26秒
おっ なんだか面白そうなのがハジマタ!!
黒いヤスが良い感じですねー。懐かしい匂いがします(w
頑張って下さいまし!
19 名前:名無し 投稿日:2002年01月28日(月)07時34分26秒
>>17
そうですよね、なんで今ここでさやけいなんでしょう…(W
カップリングはですねぇ。まぁ、読んでると分かってもらえると思います
楽しみにしてもらってうれしいです。続けて楽しみにしてもらえるようがんばります

>>18
面白そうですか!懐かしいですか?あんまり黒ヤス読んだことなかったりします
ちょっと「そして物語は始った…」ってかっこつけたので。
そのまま行けるといいなぁと思います。黒ヤスがんばりまっす!
20 名前:名無し 投稿日:2002年01月28日(月)07時35分25秒
「結局、連絡くれなかったね」
笑顔は一瞬にして消え去り、無表情になったかと思えば静かに圭ちゃんはそう言った
怒っているのか悲しんでいるのかよくわからない、なんとも無表情だ
「で、できる訳ないじゃん」
「…そっか」
そう言って圭ちゃんは一歩、一歩、私に近付いてくる
「でもね」
そして、私の耳もとに顔を近付け言った
「まだ、テープはあるんだよ」
1年半も音信不通のままでいたから私はどこかで大丈夫だと思っていた。
しかし、予想はしていた、ある程度。
私が開放された時、捨てた訳じゃなかった
そうなると彼女はまだ持っているはずだったあの私を縛り付けていたビデオテープが。
嫌な予想が的中する、私はまた、軟禁されるのだろうか。
21 名前:名無し 投稿日:2002年01月28日(月)07時36分01秒
そんな事を考えてると肩を掴まれた、圭ちゃんの唇が私の唇に触れる
その瞬間、硬く閉ざされた箱の中から色んなものが一気に吹き出てくるように
心が悲鳴を上げた
圭ちゃんの肩を突き放す、彼女の身体は不意を突かれたように飛ばされた
足が震える立っていられない。
恐怖が、あの時の記憶や空気や生々しさや押し殺した感情が波のように押し寄せ1年半の時間が
一瞬にしてあの日に戻る。
動けない、しゃがみ込む私に向け圭は言った
「今日の夜、家に来て10時頃には居れると思うから」
嫌だ、絶対に嫌だ。もう圭ちゃんの声にさえ拒否反応を覚える
でも、私はもう彼女に飼われていた。そう、軟禁されたあの日からずっと縛られていたんだ
身体だけじゃなかった、心まで彼女のものになっていたんだろう。
行かないという選択肢はきっと私には用意されていない。
22 名前:名無し 投稿日:2002年01月28日(月)07時36分53秒
コンコン。

場違いのノックが聞こえる。
返事を待つ気がまったくないのかすぐにドアが開かれる
そしてまた、より一層場違いなのんきな声が聞こえた
「いちーちゃんいる?って圭ちゃん何してんの?」
うずくまる私、それをを見下ろす圭ちゃんの姿を見て後藤は不思議そうに聞いた
そして「あれ、お邪魔だった?ははは」と全然気にしないように勝手に中に入ってくる
「久しぶりの再会に感動してたのよ、ね、紗耶香?」
そう言って「ほらほら泣かない!」と私を立ち上がらせた
そこにはもう一つの顔というよりもう1人の言っても過言ではないさっきとまるで違う圭が居た
そーなんだ、と後藤は言ってひさしぶりーと私に抱き着いてきた
私もいつもと同じように振る舞う
23 名前:名無し 投稿日:2002年01月28日(月)07時40分11秒
「さっきも会ったじゃん」そう言って後藤を剥がすと後藤は言った
「そーだよねぇ、なんかよく会ってたから、楽屋とかで会ってもあんま感動しなかったんだよね」
「そういえば、あんたよく紗耶香と遊んだって言ってたもんね」
「そうそう、市井ちゃんがね家に来たりとか」
後藤とは脱退してから他のメンバーと比べると1番仲良くしてたと思う
なんだかマズイと思った、このままいくと私が圭ちゃんと1度も連絡を取り合ってないのがばれる
気がした。とっさに話題を返る
「で、後藤は何しに来たの?」
「そうそう、せっかくだし今日、ご飯とか一緒に食べようよ圭ちゃんも来る?」
一瞬、私は固まる圭ちゃんはなんて言うんだろうか?
「ごめん、今日無理なんだ」
無理か…。そっか、そういう事なら。私も無理なんだろう
「ごめん、後藤、私も今日は無理なんだ」
24 名前:名無し 投稿日:2002年01月28日(月)07時42分29秒
age忘れた…。
25 名前:名無し 投稿日:2002年01月29日(火)09時27分02秒
後藤に断わった時、圭ちゃんは少し笑った気がする
あの時、横に居た圭ちゃんの顔を見れなかったがそう思う
改札を出ると、そこには懐かしい景色が広がっていた。
あれ以来、1年ちょっとの間1度も来なかった場所だ
だけど、道はしっかり覚えている。
辺りは暗く、街灯の光りだけがポツンポツンと足下を照らしていた
自然に重くなる足取りと自然に出てくるため息
圭ちゃんのあの家に行けば何もかもが終わるような気がした
どうなるんだろう?
また、軟禁されるのだろうか、いや、でもきっと彼女は何よりも娘。を大事にしている
私はもう芸能界へ動き出したのだ前のように1週間、いや、2日でも居なくなれば
きっと事務所やマネージャーが大騒ぎするだろうし
そうなると軟禁される危険はないように思える
…終わらせよう
今ならまだ引き返すことはできる
あの1週間を無かったことにしよう。あれはもう大分と昔の事だ
26 名前:名無し 投稿日:2002年01月29日(火)09時34分14秒

ドアの前に立つ、チャイムを鳴らそうと持ち上げた左手が異様に震える
エレベーターに乗った時からずっと吐き気を覚えていた
引き返そうかと何度も思ったが、それでは終わらないと自分に言い聞かせここまで来た。
ピンポーン、どうもこの気分にこのチャイムはあわない
ハイ、と彼女の声が聞こえたのでカメラに顔が写るように移動して名前を名乗った
「市井ですけど…」
「ちょっと待ってて」
しばらくするとドアが開かれた
「入って」
中に入って靴を脱いでいると
カチャと、鍵の閉める音が響いた、その音に追い付くように私の鼓動が強く打つ。
、、神経が過剰になってるな。鍵を閉めるくらい当たり前か…
廊下を通り中に入ると1年半前の部屋とはずいぶんと変わっていた
家具も、ベットも、全部中を入れ替えたんじゃないかと思える程に変わっている
テーブルの上を見ると二人分の食事が用意されていた。
「作ったの?」そう聞くと
「うん、紗耶香と一緒に食べようと思って」と、彼女はワインクーラーからワインを取り出し
「これも飲もうよ」とボトルを掲げる
27 名前:名無し 投稿日:2002年01月29日(火)09時35分28秒
きっと、聞いても正直には答えないだろうけど聞かずにはいれない
「…なんか、変なもんはいってそーなんだけど…」
あの時飲んだお酒には入ってたと思うんだよ普通あんなに簡単に寝ないでしょ。
「ははは、入ってないよ。さ、食べよう?」
圭ちゃんは軽く流すと椅子に座りワインのコルクを開けグラスに注ぐ
なんだかんだと断われないままに私も椅子に座った。
それを見届けた圭ちゃんはグラスを持って言う
「さ、紗耶香もグラス持って乾杯しよ」
何が乾杯なんだろう、ちっとも嬉しくない。
っていうか、このワインを飲む気はまったくない。
一向にグラスを持たない私を圭ちゃんは黙って見つめている
このまま、ここにゆっくりしていくつもりも、ない。
「あ、あのさ、ビデオテープ、返してよ」
返してよって私のビデオテープじゃないけど。
私はこれでもか、ってぐらい真剣な顔して圭ちゃんを見た
28 名前:名無し 投稿日:2002年01月29日(火)09時36分03秒
「無理だよ…」意外にも悲しそうに圭ちゃんは言った。
「無理って、大丈夫だよ。もう何も無かったことにしようよ、それでいいじゃん元通りだよ」
「…元には戻れない」
「確かに、前の関係に戻れって言われたら無理かもしんないけどさ…」
うん、確かに全部元通りにはいかないだろうな、事実、二人っきりは恐いし…。
それでも説得を続けようと口を開きかけた時、私の携帯が鳴った
「ちょっと、ごめん」
携帯を取り出して名前を見ると『後藤 真希』と表示されていた
出るかそのまま切ろうかと一瞬悩んだその時、携帯が取り上げられた
「…ちょ!何するのさ」
圭ちゃんは携帯を奪い取り名前を見ると携帯を持ったままベットの方に走っていく
返してよと椅子から立ち上がって後をついていく、携帯はまだ鳴っていた
追い付いくと携帯の音が鳴りやんだ、どうやら携帯の電源を切ったらしい
そして黙って彼女は携帯を私に差し出した。
29 名前:名無し 投稿日:2002年01月29日(火)09時39分11秒
圭ちゃんの行動が読めない、何がしたいのだろうか。
見ると圭ちゃんはベットに座って無表情にこっちを見ていた
「あたしさ、後藤が羨ましかった…」
30 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)12時39分09秒
さーて更新待ち♪作者さん気付くかなー 
31 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時18分05秒
復活!( `.∀´)ヤター!
コテハンになりました。

>>30
待ってもらってマジうれしいです。
とりあえず、続きあるだけ更新します
32 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時19分10秒
<突然ですがお願い>
>中に入って靴を脱いでいると
>カチャと、鍵の閉める音が響いた、その音に追い付くように私の鼓動が強く打つ。
>、、神経が過剰になってるな。鍵を閉めるくらい当たり前か…
を、無かったことに!!(泣)
大体のあらすじは決めてるんですけど細かい所まで決めて無かったので
こんなことになりました。スイマセン…
では、続きを↓
33 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時20分50秒
「後藤がね、たまに紗耶香と遊んだときとかいちいち私に報告してくんのよ。
 その後、圭ちゃんは会ってる?とか言われて、私どうしようもないくらい悔しかった。
 ねぇ、紗耶香好きだよ、愛してるよ。なんで後藤なの?私の方が愛してんだよ?」
圭ちゃんの表情は今にも泣き出しそうにもみえるがその瞳からは確な怒りの色が見えた
「そんなの、あんなことがあったのに友だちみたいに会えるわけないよ!」
その瞳から逃げるように無意識に叫んでた          
「…服、脱いで。」
私の叫びを遮るように圭ちゃんは静かに私に命令した
見えない鎖に強く縛られたかのように動けなかった。

34 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時22分29秒
「なんか勘違いしてない?まだテープ持ってるんだよ逆らったら流すよ。
 私、本気だし。ほら、脱いでよ」
さっきまでの少し寂しげな彼女はそこにいなかった。
「…圭ちゃん…もう辞めようよ…。こんなことしてどうなんの?圭ちゃんは私をどうしたいの?」
涙が出てた。

35 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時23分33秒
「わたしのものにしたいのよ!」
圭ちゃんはそういって立ち上がり
私をベットに押し倒し泣く私の服を無理矢理、脱がしていった
ふいに初めて彼女に抱かれた時の事を思い出してゾッとした
「逃げるとどうなっても知らないから」
彼女はそう言って私に口付けしてくる
乱暴に押し付けられた唇が少し緩まって離れると口の中に舌が入ってきた
そのぬるっとした感触が圭ちゃんのだと思うととてもじゃないけど気持ち悪い
この先にある行為の事を思うと絶望的な気分になった
唇が離れて首筋へと移動する
ギュッとシーツを掴み、口の中を噛む
首筋に優しくキスされると、その唇と舌が微妙に肌に刺激を与えながら下へと向かう
嫌悪感、それ以外になにがあるのだろう、全身に鳥肌がたつ、いずれ慣れるのかもしれないと
ただ、耐えるしかない。それでも目からは涙は出続け嗚咽が止まらない
圭ちゃんの唇が鎖骨、胸を通り、胸の先端に行き着いた時
カチャっと扉の開く音が静かな部屋に響いた
36 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時24分31秒
目をやると、そこには吃驚して目を見開いた後藤がいた
「ご、ごと…!」
圭ちゃんの突然のキスに言葉を塞がれる
離れようともがくが腰の辺りに
圭ちゃんが乗っていて肩を押し倒されている為、身動きがとれない
唇を離した圭ちゃんが後藤の方に顔を向け静かにだけど十分威厳のある口調で言った
「紗耶香は私のものだから、もう近付かないで」
「ちょ!圭ちゃん!なに…」
そして再び私は圭ちゃんに押さえ付けられキスされる
今度は顔を包むように押さえられて顔すら動かすことが出来ない
なんとか圭ちゃんを引き剥がし後藤のいた扉を見ると
もう、後藤はそこにはいなかった。
「なんで?なんで後藤がここに…?」
ミラレタ?ゴトウニミラレタ?
呆然とする私の横で圭ちゃんが笑っていた
─狂ってる。
目の前が真っ暗になるというのはこういう事なんだろうか
何も考えられなくて、ただ薄気味悪い彼女の笑い声だけが頭の中に木霊する
「さ、続きしよっか」
そう言った圭ちゃんは、その晩、何度か私を犯し満足げに眠りについた

37 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時25分12秒
始発の電車が出る頃、私は静かに圭ちゃんの家を出て駅に向かっていた
薄暗い朝の寒い空気と霧で少し霞んだ景色は今の私に痛く涙で視界が滲む
あの日と一緒だ軟禁されて解放され家に帰る道もこんな感じだった
ただ、あの時と違うのは今日は解放されたのではなく
またひとつ鎖の力が強まり身動きがとれない状態に追い込まれた私がいる
ベットの上で犯される私と犯す圭ちゃん、それを見た後藤。
後藤に見られたからという訳ではなく誰かに
その行為を見られたということがたまらなく私を絶望させる
駅につき立っていると電車がホームに向かって近付いてきていた
近付いてくる電車を見つめながらはっきりと思った
…死にたいかも
ホームに入った電車がその思いを吹き飛ばしてくれるかのように 勢い良く通過して行った

38 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時25分42秒
目が覚めた時、もう夕方で窓から赤い光がカーテン越しに部屋の中に進出し
部屋の中を淡い紅色に変えていた
昨日、圭ちゃんが眠っている頃、私は眠れずに起きていた
家に帰って緊張が解けたのか泥のように眠った。
なんだか昨日の事が本当におこったことなのかわからないほど遠くに感じる
だけど身体のだるさが昨日の事を事実だと訴えていた
時間を確かめるため、携帯をたぐり寄せて見るとメールが1件来ていた
名前を確認して、ため息がでる。
後藤からだった
39 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時26分26秒
『昨日はマジびっくりしたよ!なんか圭ちゃんの顔見るの恐いよ
 っていうかさー市井ちゃん泣いてなかった?
 不思議なんだけど、なんであたしを呼んでおいてあんなことしてたの?
 仲良さそーには見えなかったけど?』
何かを疑うようなその内容は多分、心配してくれているんだろう
確かにあの時の状況は普通じゃない
圭ちゃんは服を着ていたし私は泣いていた
それにしても…圭ちゃんは後藤を予め呼んでいた?
─狂ってる。
40 名前:のり 投稿日:2002年02月12日(火)00時27分42秒
あの時の後藤からの携帯への着信は圭ちゃんの計算だったのかもしれない
前もって来る前に後藤に私の携帯を鳴らすように指示しておいて
私の携帯の着信が走り出す合図にしていたのかもしれない…。
なんでそこまでして…
そんなに後藤と仲良さそうに見えたのか?
それなら娘。に関係ない友達はどうなのだろう?
いや、矢口や圭織、それに他のメンバーとだってたまに電話やメールをしていた
とりあえず、もう圭ちゃんに関わる全ての人間とあまり関わらないようにしよう
圭ちゃんの目的はそれの様な気がする
きっと私とメンバーが仲良くするのが気に入らないんだろう
それならもうそれでいい。
それに後藤からのメールは答えにくいことばっかりだ返事を打つ気にはならない
私は携帯を投げ出すと昨日の夜
圭ちゃんが眠ってる間何回も浴びたシャワー再び入るため部屋を出た

夜になって後藤から電話がかかってきたけどそのまま切って着信拒否に設定した
なんだか恥ずかしくて後藤に顔向けできない話したくないそんな気分だった
41 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月12日(火)17時39分08秒
この作品っていちごまなんすかね?
保田もなんだか可哀相な気がして来たなぁ・・・。
愛情表現の仕方がかなり間違ってるけど、本当に愛してるからこその狂喜みたいな。
ふぅー ドキドキしますわ(w それでは作者さん頑張って下さい♪
42 名前:のり 投稿日:2002年02月13日(水)05時04分18秒
>>41
いちごま…
…いちごま?う〜ん。どうなんだろう
やすいちごま?いや、さやごまけい?そんな感じです(W
いちーちゃんお帰りなさい記念に元祖プッチってことで
登場人物も増える予定はないです
記念なわりには「迷走」ってことで、とことん迷走してもらおうと思ってるんですが。
保田さんはこれからも結構可哀相です。
ホントに申し訳ないくらい…ごめんなさい。
がんばります!よければ最後まで見てください
43 名前:のり 投稿日:2002年02月13日(水)05時06分39秒

あの日以来、圭ちゃんから連絡は無かった
終わったのだろうか、とそんな期待を抱いてはみるけど
きっと終わった訳ではないんだろう
私の頭は考えることを止めたみたいで
圭ちゃんの事も後藤の事も考えようとすると
ブレーカーが落ちるように一気にどうでもよくなった
どうすればこの状態から抜け出せるのかもわからない
とりあえず今の私にはするべきことがあると必死で仕事に取り組んだ

44 名前:のり 投稿日:2002年02月13日(水)05時08分22秒
ライブに向けてのリハーサルが終わり更衣室に戻ると
そこには後藤が待っていた、私の顔を見ると呆れたように言った
「市井ちゃんやっときた裕ちゃんもう帰っちゃったよ」
「なんでいんの?…圭ちゃんは知ってる?」
後藤の顔を見た瞬間、それは驚きじゃなくて恐怖だった
圭ちゃんをこれ以上刺激したくない
「市井ちゃん携帯出てくれないしさぁ、なんかおかしいから裕ちゃんに聞いて会い
 にきたんだよ圭ちゃんは知らない」
「そう…」
ホッとして身体の力が少し抜ける
「変だよ、絶対なんか変、ワケわかんないんだよね。圭ちゃんにやっぱりご飯食べ
 るから家に来てって言われて行ってみたらアレでしょ?おかしいよ、っていうか
 なんであたしに見せるの?圭ちゃんに聞いても連絡取ってる?取ってないならい
 いの。取らないでよ?って最後睨みながら、そう睨むんだよ?ひどくない?あた
 しが何したんだっつうの」
そう言い終わると急にまじめな顔をして私の顔を見て後藤は聞いた
「…で、どうしたの?市井ちゃん、圭ちゃんと何があったの?」
45 名前:のり 投稿日:2002年02月13日(水)05時11分30秒

何を話せばいいのだろう?

何を話せばうまくいくのだろう?

─わからない…

私の頭はもうブレーカーが落ちてしまって
うまく回転しない。
どうすればいい?
どうすれば?

「付き合ってるんだよ」

とっさに付いた嘘だった
1番言いたくない嘘だったけど、それしかない気がする
46 名前:  投稿日:2002年02月14日(木)01時37分51秒
ヒューズなら交換するしかないがブレーカーなら簡単に修復できる。
47 名前:  投稿日:2002年02月15日(金)20時40分49秒
こういう話好きかも
作者さん頑張ってください
48 名前:のり 投稿日:2002年02月18日(月)05時28分58秒
今回からsage進行で行こうと思います。よろしくお願いします

>>46
そうっすよね。その部分だけ落ちると言うことで

>>47
ありがとうございます。がんばります
49 名前:のり 投稿日:2002年02月18日(月)05時29分56秒

「うそだね、市井ちゃん目、泳いでるよ?」
後藤は自分の目を指して言った

背中に冷や汗をかいてるのがわかる。
相変わらず、頭の中は混乱しててなんて言えばいいのかわからない
後藤は私の言葉を待ってるようで
少し辛そうで
その顔を見て悟る、頭の中が回転し始めた
なんでわからなかったんだろう。すごく簡単な事だ
後藤は全てを知らないにしても
ある程度、後藤は後藤なりに想像してるんだろう。何があったかを
あんな所を見られたんだわからないほうがおかしい
少なくとも私と圭ちゃんの関係はまともじゃないくらい誰にだってわかる

それならこの笑えない話を後藤は知ってどうするんだろうか
ただ興味が沸いただけ?

考え込む私に痺れをきらした後藤に声をかけられる
「ねぇ、大丈夫?」

50 名前:のり 投稿日:2002年02月18日(月)05時30分36秒
…私は後藤にまで追い詰められてる。
なんか、わかんないけどウザイ。
ウザイウザイウザイウザイ…ウザイ!
「うるさいよ」
睨み付けると、後藤は少し悲しそうな顔をした
それを無視してロッカーに向かい扉を開けて着替えを始めた
大体、知ったところでどうなることでもない。
何故か巻き込まれてるけど後藤には関係のない話だ
「心配してるんだよ」
「しなくてもいい」
「なんで、そんなの心配するよ!変だよ、なんかモヤモヤする。
 圭ちゃんとも気まずいし、なんかもうダメ…、あたしもう仕事できない…」
何を言いだすんだ!と驚いて後藤の方を振り返ると
後藤は片手を額にあてて顔を伏せてる
…マジ?
51 名前:のり 投稿日:2002年02月18日(月)05時31分20秒
「えぇっと、…」
続く言葉が見つからない
頭をかいてると後藤が言った
「あたしも、襲われるのかな…」
ああ、たしかに心配になるよね
「…後藤は大丈夫だと思うけど」
そう言うと今までへこんでいたはずの後藤はパッと顔をあげ少し嬉しそうに
「ほら!やっぱ市井ちゃん襲われてたんじゃん!」と言った…。
「なんでそんなに嬉しそうなんだよ…」
「あ、ごめん。いやーだってさぁ嘘ついてたし。ハハハ」
後藤の誘導作戦成功ってか…。こいつバカだ、いや賢いのか?
「なんで圭ちゃんそんなことするのかなー?で、もう大丈夫なの?」
「なにが?」
「1回きり?」
「うーん」
「なんで、弱味でも握られてんの?」
後藤さん鋭いね、なんか気が抜けた、もういいか?

52 名前:のり 投稿日:2002年02月18日(月)05時31分50秒
着替えをすませて説明してる間、後藤は終始驚いていた
私は徐々にまた落ち込んでくる
「圭ちゃん…すごい執念」
話し終えると後藤はそう呟いた
「うん、なんでって思うよ」
本当になんでそこまで愛されてるんだろう
「圭ちゃんは市井ちゃんがすごく好きなんだよ。
 でも間違ってる!あたしが何とかしましょう!」
「それはやめて」
「なんで!」
「圭ちゃんが後藤を呼んだ意味わかってんの?
 後藤が関わったら、またややこしくなるから」
「あ、そっか、んーじゃあどうすんの?市井ちゃんは、このままでいいの?」
「なんとかするから」
そうだ、いつまでも逃げてちゃいけないな。
目が覚めたよ後藤、ちゃんと自分で解決しなきゃ行けない
「なんとかするって…」
「大丈夫!圭ちゃんとちゃんと話し合う」
それでも不満そうな後藤に向かって言う
「とにかく、後藤はもうかかわっちゃダメだよ?
 娘。の仕事はもう終わった?圭ちゃんも終わってるかな?」
「終わってる、と思う」
「そう、じゃ、相談のってくれてありがとう」
そう言って鞄を持って立ち上がる
「ちょっと、市井ちゃん何する気?」
「これから、会えれば会って話しする」
そう言って部屋から出た

53 名前:のり 投稿日:2002年02月19日(火)07時43分57秒


びっくりした。
圭ちゃんが電話を出た時の第一声はこれだった

今から会えないかな?
「…どうして?」
話合いたいことがあるんだけど
「家にいるから、おいでよ」
家じゃなきゃだめかな?
「うん」
あ、そう…じゃあ、今から行きます

そういうことで、今、圭ちゃんの家に居る
ソファーに腰掛けてると圭ちゃんが飲み物を持ってきて向いに座った
「電話出来なくてごめんね、何かと忙しくて」と圭ちゃんはカップに口付けた
「で、話って?」そう言うと静かにカップを置く

単刀直入に言ったら、この前みたいになるかもしれない

「例えば、圭ちゃんの事が好きな人が居るとします」
きょとんとした顔で見られる。
自分でも結構バカバカしいと少しは思う、
けどあえて後藤を見習ってみた結果これが良いと思った
「その人が圭ちゃんを傷付けたら、圭ちゃんはどうしますか?」
54 名前:のり 投稿日:2002年02月19日(火)07時44分32秒

圭ちゃんは酷く辛そうな顔をした
そして苦しそうに眉をしかめてうつむいたと思えば静かに泣いていた

ああ、そうか
気付いて後悔する
私は残酷だ
彼女は

「わかってる…」

私が思ってるほど、狂ってはいない

「わかってるよ、でもどうしたらいい?」
「どうしたら離れなくてすんだ?」

ただ、選ぶ道を間違ってしまったんだ

「どうしようもなく好きなのに居ないとダメだったのに」
「突然、居なくなって」

泣いてる所為で切れ切れに喋る圭ちゃんはすごく痛々しくて

「だから1週間一緒に住めた時うれしかった」
「それだけで良かったんだテープもあったし」
「でも、会っちゃったら…、だめだった」 

私の判断が間違ってたんだね
脱退する前にきちんと話し合うべきだった
「ごめん」
そう思った私から出た言葉は謝罪で
きっと、これから話し合えばお互いわかりあえる、そんな風に思った
55 名前:のり 投稿日:2002年02月19日(火)07時46分02秒

「いいよ、今は紗耶香は私のものだから」

思った矢先そんなことを言われたら、ちょっとむかつく
「圭ちゃんのものじゃないよ!私はちゃんと考えるし傷付くんだよ!?」
圭ちゃんは涙はもう止っていて目を赤くして少し恨めし気に言った
「だから、縛り付けておかないと離れて行っちゃうんでしょう?嫌だよ」
「嫌って…、そんな」
目眩がしてきた。ちっともわかり合えない
いや、圭ちゃんがわかろうとしない
「…私はそんな圭ちゃんを好きになれないよ」
「いいの、わかってる。だからテープがあるんだよ
 今は紗耶香がいればそれでいいし」
彼女のやってることは全て彼女なりの筋が通っていて
私がもがけばもがくほど、きっとその筋は深く強いものになる

56 名前:のり 投稿日:2002年02月19日(火)07時46分37秒
なんか、もう無駄だ。
解決策が見当たらない、思いつきで聞いてみる
「テープどこにあるの?」
「大切なものだからね金庫にしまってる」
金庫って…。小さいものならこっそり持って帰ることができるかもと
少し辺りを見回してみると、あった…。
パイプで出来ている棚の一番下に旅館に置いてあるくらいの金庫が置いてある
「あれ?」と指を指して聞いてみる
「うん、無理だと思うけど取ったらだめだよ
 いくら紗耶香でも、どうなるかわかんないよ?
 今はあれだけが紗耶香と繋がってる絆なんだから…」
その答えが恐くて何も言えない
やっぱり、私の考えることは無駄だ
なんでこんなにも無力なんだろう…。
「紗耶香」
「ん?」
名前を呼ばれて圭ちゃんを見ると
圭ちゃんは移動してきてソファーの横に座った
57 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月25日(月)01時06分30秒
おもしろくない
58 名前:のり 投稿日:2002年02月28日(木)02時33分29秒
む。なんか下げすぎると読めなくなっちゃうみたいなので一旦あげます

>>57
イェー!
59 名前:のり 投稿日:2002年02月28日(木)02時33分59秒
少し身体が強ばる
そんな私に圭ちゃんは悲しそうに抱き着いてきた
そして小声で「ごめんね…」と呟くと
私に軽く口付けする
そして私の胸に顔をうずめた

戻ることも、諦めることも、出来ないんだね
だから、圭ちゃんは謝ったんだ
きっと、私達の関係を終わらせるつもりはないんだね
いや、圭ちゃんも、きっと終わらせる事が出来ないんだ

矛盾。
人っていろんな矛盾を持ってる
ヤバイくらい矛盾な生き物だ
私だって実際、このまま心も身体も圭ちゃんのものになれるのならば
それはそれで楽かもしれないと思ってる
人に何かを与えなければならない立場にあって
私は今、進むべき道をわからなくなってるんだよ
私がね圭ちゃんを憎み切れないのは赤の他人と違うからだよ
圭ちゃんと私の付き合いは深い
今更、圭ちゃんにどんなことされようとも、その絆を切るようなことは出来ない
圭ちゃん、私は、貴方とは違う感情だけども、貴方を愛してるだよ
覚えてる?本当に色んなことがあったよね
私達は他の人には入り込めないくらい深い絆があるんだよ
ごめんね、私はそれを裏切ったんだね
60 名前:のり 投稿日:2002年02月28日(木)02時34分34秒
圭ちゃんを抱きながら、そんなことを思った
「ねぇ、圭ちゃん」
何も語らず、ただ、私の胸に顔をうずめてる圭ちゃんに声をかける
「どうなっていくんだろう?」
「紗耶香は私を愛してくれないのかな?」
なんとも言えなかった
違うんだよ、何かが違うんだよ。
圭ちゃんを愛するってね、何かが違うんだよ
「無理かな」そう言って嘲笑気味に少し笑った

私達を取り囲む空気はこの前と違ってどこか穏やかだ
「落ち着く…」
私の胸に顔をうずめてる圭ちゃんがそう呟く
「そう?」
「なんかね、すごく幸せな気分になれるんだ。こうしてると」
本当に…、本当に好きなんだ…。消えそうな声で圭ちゃんは呟く

61 名前:のり 投稿日:2002年02月28日(木)02時35分14秒
『ごめんね』か…。
ずるいね、何も言えないよ
言うべき言葉がまったく見当たらない。

時計を見ると時間はもうヤバかった
「ごめん、圭ちゃん、もう帰るよ。明日仕事早いんだ、今日はいきなり来てごめんね」
「ううん、来てくれてうれしかったよ。年末は忙しくなるから、あまり会えないけど
 また、あってくれるよね」
「…うん。」断わることなんて出来ない。
玄関に立つと圭ちゃんがまた抱き着いてきて軽く私にキスをして微笑んだ。
私も、微笑んだ。
圭ちゃんは、きっと悪気はなくて
ただ、私の事が好きで、こういうことでしか
私をつなぎ止めておくことができないんだろうね。
なんだか、わからないけど、私も圭ちゃんに微笑みかえしたんだ。

62 名前:のり 投稿日:2002年02月28日(木)02時35分46秒
少し、圭ちゃんの気持ちも分かってきたよ。
圭ちゃんがしたいことは、ただ、私と一緒に歩いて行きたかったんだね。
なんだか、私は罪悪感が残った。
きっと、私の存在や行動が圭ちゃんを狂わしてるんだね。
私は解決の糸口なんかさっぱり思い浮かばなわかったけれども
圭ちゃんの想いはわかった気がした
でもね、きっと私が圭ちゃんを好きになれるのならば上手く行くんだよね。
玄関まで送ってくれた圭ちゃんにドアが閉まる前に
少しだけ、小声で私は謝った。ごめんね…。
それが圭ちゃんの耳に届いたのかはわからないけども。
63 名前:のり 投稿日:2002年03月01日(金)20時02分52秒
私の気持ちは決まった
圭ちゃんの気がすむまで付き合おうじゃないか
解決策は諦めることで全てがうまくいくんだろう

巻き込んでしまって悪いとは思うけれど心配してくれている後藤にも一応
この結末を話しておこうと携帯を取り出す

話し終えると後藤はまったく納得しなかった
「市井ちゃん間違ってるよ、それは、」
「このくらいしか思い浮かばないんだよ圭ちゃん真剣だし、私の所為だし」
「どこが市井ちゃんの所為なの?バカじゃない?圭ちゃんのしてることって犯罪じゃん?」
「だからってどうすればいい?訴えんの?そんな事できるわけないし。
 何しても圭ちゃんから逃れられないんだよ?」
「…それはさぁ、どうにかして…」
「どうにかって、結局後藤もわかんないんじゃん!」
「だってぇ…」
「ま、とにかく、そういうことだから、色々ごめんね、じゃね」
「うーん…、でも、それって市井ちゃんが傷付くだけだよね…」
「私は大丈夫だから」
大丈夫なんだろうか?
「それじゃ」
返事を待たず電話を切った
64 名前:のり 投稿日:2002年03月03日(日)23時02分02秒
それから、数週間、たまに圭ちゃんに会ったりしてた。
関係に変化はなく、たまに抱かれ、甘えられ
私はそれを受け入れて
拒否反応や嫌悪感なんてもうあんまりなくて
ただ、事務的に圭ちゃんに接している。
圭ちゃんは、圭ちゃんで自分を傷付けながらきっと私を抱いていて
どうにもこうにもこの終わりの来そうもない関係に
私は諦めて、圭ちゃんもある意味諦めてる

そして、後藤だけが諦めていなかった
65 名前:完名無 投稿日:2002年03月04日(月)12時18分59秒
57は絶対今も読んでるね。そうだろう?
うん、私も読んでる。
66 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)19時24分55秒
おもしろい!
作者さん、がんばって!
67 名前:のり 投稿日:2002年03月04日(月)20時36分52秒
よかった、誰か見てたんだね…。
もうすぐ終わるので、できれば最後まで読んで行ってね。

完名無さん>に、読まれてるとはヤバイです!恥ずかしいです!(今更)

>>66
ありがとう、うれしい。がんばって更新します。
68 名前:のり 投稿日:2002年03月04日(月)20時37分30秒

同じTV局での仕事の日が丁度、モーニング娘。とカブった日があった。
もちろん楽屋も違うし、番組も違うかった。
楽屋のノックが聞こえた時はきっと圭ちゃんが来たんだと思った
ドアをあけると、そこには後藤が嬉しそうに立っていて中に入ってきた
「市井さん!後藤はやりましたよ!」
「はぁ?」
なにを?
後藤はニヤニヤ笑って座った
「まぁ、まぁ、いちーちゃんも座って」とほどされて、
テーブルの後藤の向かい側に座った
「ハイ、コレ」そういって後藤が差し出したのはビデオテープだった。
テープを持って聞く
「なにこれ?」
「圭ちゃんのウチから盗んできた、テープそれしかなかったから
 多分、それだと思うんだけど…」
「え…」
「それって…」
え?
「こないださぁ、なっつあんとやぐっつぁんとよっすぃーと圭ちゃんの家行ったの
 それで、みんなお酒飲んじゃって酔いつぶれて寝ちゃったんだよね、それで、その間、探したら
 金庫があって、市井ちゃんの誕生日を押したら簡単に開いちゃった」
あはって単純に多分なにも考えてないように後藤は笑った
69 名前:のり 投稿日:2002年03月04日(月)20時53分32秒

圭ちゃんの言葉がよみがえる

『取ったらだめだよいくら紗耶香でも、どうなるかわかんないよ?』

ヤバイよ、ヤバイよ後藤。
「後藤さ、ありがたいんだけど、そんなことしたら圭ちゃんになにされるかわかんないよ?」
「んぁ、大丈夫なんじゃないー?」
なんで後藤はこんなに後先考えずに行動するんだろう
「とにかく!市井ちゃんはこれで自由だよ、よかったね、ほんと」
「ん?なんか、市井ちゃん全然喜んでなくない?」
喜んでいいんだろうか?本当に?
圭ちゃんはどうなるんだろう?
後藤は大丈夫だろうか?

70 名前:のり 投稿日:2002年03月04日(月)20時54分06秒

圭ちゃんの言葉がよみがえる

『取ったらだめだよいくら紗耶香でも、どうなるかわかんないよ?』

ヤバイよ、ヤバイよ後藤。
「後藤さ、ありがたいんだけど、そんなことしたら圭ちゃんになにされるかわかんないよ?」
「んぁ、大丈夫なんじゃないー?」
なんで後藤はこんなに後先考えずに行動するんだろう
「とにかく!市井ちゃんはこれで自由だよ、よかったね、ほんと」
「ん?なんか、市井ちゃん全然喜んでなくない?」
喜んでいいんだろうか?本当に?
圭ちゃんはどうなるんだろう?
後藤は大丈夫だろうか?

71 名前:のり 投稿日:2002年03月04日(月)20時55分17秒
あぁ、上げちゃった上に二重投稿…。
>>70は無視してください
72 名前:のり 投稿日:2002年03月06日(水)09時12分46秒
大丈夫な訳ないじゃないか
今の圭ちゃんを考えると後藤に本当になにするかわからない
「ねぇ、後藤さぁ、このテープ取ってきたのっていつ?」
「昨日だけど?」
「そっか…」
それなら圭ちゃんは、まだテープが無くなってる事に気付いていないだろう。
「後藤、ありがとう、このテープ貰っていいかな?」
「うん、その為に持ってきたんだけど…」
その時、後藤の携帯がなった
「よっすぃーからメールだ、収録始るってさ」
「うん、がんばってこいよ!」
「市井ちゃんもね!っていうか、あたしが助けたげたんだから今度何かおごってよね」
そう笑いながら、後藤は楽屋から出て行った

73 名前:のり 投稿日:2002年03月06日(水)09時13分45秒
後藤が楽屋から出た瞬間、私の作り笑いは解かれた

『取ったらだめだよいくら紗耶香でも、どうなるかわかんないよ?』

テープが無くなったことを気付いた圭ちゃんはどうするんだろう。
きっと、そんなことをするのは私だと思うだろう。
いや、でも私にはそんな機会がない。
と、いうことは唯一巻き込まれてる後藤だ。
後藤が危ない。
ただでさえ、圭ちゃんは後藤に異常な嫉妬をしているんだ…。

考えた私は仕事を終えた後
電気屋に向かい、後藤から貰ったテープと同じ種類のテープを購入した。
そう、後藤に危害を与えたない為には…。
連絡も入れずにに圭ちゃんのマンションに向かった
チャイムを鳴らしてみても圭ちゃんは居なかった。
当たり前か、まだ夜の9時だ。
圭ちゃん家の前のドアに座り込み圭ちゃんを待つ事にする

74 名前:のり 投稿日:2002年03月07日(木)00時20分48秒
10分くらい、ドアに座っていたけど
ふと圭ちゃんが今日、家に帰ってくるのか心配になった
携帯電話を取り出し、圭ちゃんにコールする
「はい」
そう出た圭ちゃんの声はちょっと疲れ気味だった
「今、なにしてる?」
「ダンスレッスンしてんだ、どうしたの?」
「今ね、圭ちゃん家の前にいるんだよ、いつ頃帰ってくる?」
そう言った私に圭ちゃんは叫ぶ
「はぁぁあ?あんた何してるの?いいよ!今からすぐ帰るから待ってて」
「うん、ごめんね」
そう言って電話を切る。

今日で、今日で本当に終わらせられるんだ。
テープはもう、こっちのもの。
後は後藤を圭ちゃんから守ればいいだけだ。

ふう、とため息を付くと白い息が上がる
寒さのおかげでピリピリ痛む頬に私の緊張は張り詰めた
75 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月10日(日)01時37分36秒
圭ちゃんが怖い…後藤が危ないよぅ…。
76 名前:のり 投稿日:2002年03月11日(月)20時58分29秒
>>74
>そう言った私に圭ちゃんは叫ぶ
を怒鳴るに変えてください。そんなかわんないんだけどね

>>75
こんな作品に付き合って頂きありがとーー。
後藤は…。市井ちゃんのが危ないかも
77 名前:のり 投稿日:2002年03月11日(月)21時52分50秒
いつの間にか、雨が降っていたみたいだ
私はドアに凭れ掛かって顔をうずめて座っていたので気付かなかった
紗耶香。そう名前を呼ばれ見上げてみると
そこには雨に少し濡れた圭ちゃんが居た
「圭ちゃん、濡れてるよ?」
そう言うと、圭ちゃんは少し困ったような顔をした
「家に何もないからさ、途中のでタクシーから
 下りてコンビニよったら降ってきちゃって」
私を立たせて圭ちゃんは家のドアを開ける
「なんで、また急に?」

78 名前:のり 投稿日:2002年03月11日(月)21時53分35秒
もう、1ヶ月くらいだろうか
私が圭ちゃんとの関係を終わらせる事を諦めた日から
もう、そのくらいの年月は経っただろうか。
圭ちゃんの家に入るのも、もう慣れたもので勝手にソファーに腰掛ける
「ううん、別に、ちょっとね」
そうぎこちなく話す私に圭ちゃんは対した反応もなくそうと呟くと私に聞いた
「ごめん、濡れたから先にシャワー浴びて良い?」
チャンスだ。
このチャンスを逃すと後はもう、難しいだろう
「うん、いいよ。待ってる」

79 名前:のり 投稿日:2002年03月11日(月)21時54分33秒
圭ちゃんがリビングから出て行くと私は行動に移した
私は例の金庫に近付き暗証番号をいれる
1231、か…。簡単すぎだよ、圭ちゃん
金庫の中には何も入ってなかった
そのからっぽの金庫からどれだけ
あのカセットテープを大事にしていたのかが伝わってくる
それと共に私への歪んだ愛情も。
金庫から離れ買っておいたカセットテープを鞄から取り出し
そしてカセットからテープを思いっきりひっぱった
ビビビーっと1メール程だしたところで
圭ちゃんの帰りを待つ事にした。

これで、私はどうなるのだろう?
少なくとも後藤はもう大丈夫だろう。
『取ったらだめだよいくら紗耶香でも、どうなるかわかんないよ?』
私はそう心の中で呟いて自嘲した

もういいよ、圭ちゃん、どこまででもいこうじゃないか

廊下の方から足音が近付いてきて
私はまたカセットからテープを掴み少しずつ伸ばしていった
80 名前:のり 投稿日:2002年03月11日(月)23時14分40秒
カセットからテープだすって意味わかるかな?心配です。

ついでに
>「家に何もないからさ、途中のでタクシーから
は途中でタクシーに変えてください

間違いばっかの作者でごめん。
81 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月12日(火)03時47分07秒
>カセットからテープだすって意味わかるかな?
ちゃんとわかりますよ!てゆーか圭ちゃんブチ切れまで
カウントダウン開始?
82 名前:のり 投稿日:2002年03月12日(火)22時21分03秒
>>81さん
わかりますか、よかったっす!
圭ちゃんねぇ、ブチギレはしなかったですね。ハイ
83 名前:のり 投稿日:2002年03月12日(火)22時23分02秒
寝巻きに着替えリビングに現れた圭ちゃんが見たものは
金庫の前に座ってビデオテープのテープを思いっきり引き延ばしてる私で
出てくる反応はきっと怒りなんだろうと思ってたのに
彼女からでた反応はすごく悲しげな顔だった
「なんで…」
なんで?なんでって?
圭ちゃんは苦しそうにしゃがみ込み泣きそうな顔で私に聞いた
「なんで、なんで、そんなに後藤が大事?」
え?
後藤が取った事を圭ちゃんは気付いていた?
どうして…
「どうして…、後藤が取ったって…」知ってたの?
「私、毎日ビデオテープあるか確認しないと不安でしかたがなかった」
圭ちゃんは涙を堪えるように口をぐっと噛んだ
「みんなが泊まりに来て帰ってから仕事に出かける時、見たら無くなってたんだよ
 わかったんだ、後藤が取ったんだって紗耶香から聞いてたんだって
 そしたら、もう私やっと、終わったって思った思ったんだよ?」
そう一気に言ったのち圭ちゃんは息を吐くように言った
「この傷付け合う関係はやっと終われるって
 自分ではもうビデオテープは捨てられなかったから…」

84 名前:のり 投稿日:2002年03月12日(火)22時24分03秒
私をじっと見つめる
「後藤、紗耶香は後藤を?私が後藤に何かするって思った?」
そう言った圭ちゃんの口元は少し歪み微かに笑っていた

あぁ、いつか思ったっけ
もがけば、もがくほど糸は絡んで
走れば、走るほど道は複雑になって
もう、元には戻れないんだ

「お望み通り、後藤に何かしよっか?私」
圭ちゃんは髪の毛を掻き揚げ上を向いた
「それは…、だめだよ…」
私にはもう力なんかなく、弱々しく呟いた

ねぇ、どうしたら、この糸、解けるのかな?

気付くと自然に涙が出てて
圭ちゃんも静かに涙が頬をつたっていて
きっと考えてる事も一緒で

「この迷路から抜け出すにはどうしたらいいんだろう?」

85 名前:のり 投稿日:2002年03月12日(火)22時24分59秒
自然に目が合えば、きっと思った事は一緒で

私は一杯、圭ちゃんに傷つけられたし
圭ちゃんは、きっと一杯私のことで傷付いたし
それでも、離れる事は出来なくて
これ以上はもう傷付きたくなくて
圭ちゃんから出た言葉はきっと自然なんだろう

「ふたりでさ、死のっか」

そうだね、それが1番、楽かもしんない
色々なこと、考えなくて良いし
人の期待とかも消えてしまえるし
何より、圭ちゃんを救える気がした
86 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)03時04分25秒

どうせ、もがけばもがくほど泥沼にはまっていくんだ
「いいよ」と言いかけた瞬間、後藤が出てきた。
「ちょっとまったー!」
思わず二人とも素で「え?」って顔になった
なんでここに後藤がいるんだ?
そんな私達にかまわず後藤は怒る
「だいたい、圭ちゃんもおかしいけど、市井ちゃんも相当おかしいよ!」
私の方にビシッと指差して
「なんで、わざわざ、また同じことくり返そうとするの?あたしが助けてあげたのに!」
「いやぁ、あんたが危ないかとっていうかなんで後藤がここに居るんだよ」
「圭ちゃんが紗耶香来てるから、先帰るって言うからだよ!
 市井ちゃん、また同じ目に合っちゃったら意味ないし鍵開いてたし
 勝手に入ったら死ぬとかなんとか、もう、圭ちゃん!」
次に後藤は圭ちゃんの方に向く
「な、なに?」圭ちゃんびびってるよ。
「なに?じゃないっ!愛情表現間違ってるよ」
もう、そのくらい気付いてよって感じで
自信満々に言いのける後藤ってすごいよな。なんて思った
「大体ね、好きな人が出来ても、だめなら諦めなきゃいけないんだよ」

87 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)03時05分44秒
なんか、今更、当たり前のことを力説する後藤に私も圭ちゃんも脱力。
圭ちゃんなんか笑い出しちゃって
「あんたはバカだね」って後藤に微笑んでる
あれだけ嫉妬していた人間にだよ?
後藤ってスゲーな、なんて思ってたんだけど
やっぱり、後藤と圭ちゃんの中は娘。とプッチで私、以上に深い仲なのかもしれない

「圭ちゃん、後藤」私が声をかけると二人はこっちを向いた
「解決策見つかったよ、っていうか解決したかも」私がそう言うと後藤は
「何?死んじゃだめだよ」とすかさず入れてくる
「ううん、後藤がねハサミになった」
88 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)03時06分15秒

絡まった糸はね、もう絡まった部分は切ってしまって
また繋いでいけばいいんだよ
幸いなことにねビデオテープはもうないからね
残るものは気持ち以外ないんだよ

ね、圭ちゃん。できるかな?
もう、傷付けあうことはなくなるかな?

私をなくしても大丈夫かな?
圭ちゃん次第なんだよ

私がそう言うと後藤が続ける
「そうだよ、あたしだって悲しかったんだから、市井ちゃんいなくなって
 圭ちゃん、がんばろうよ。あたしがいるじゃん娘。でもプッチでもいつまでも」
そう微笑む後藤は私が昔知っていた頃の後藤よりずいぶんと大人になっていた。

89 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)03時06分56秒
何故かみんな静かに泣いてて
この雰囲気ちょっとした卒業式みたいだ

「ごめんね、私はおかしくなってたね、わかってんだけど止まらないんだ。
 傷付けたくはないんだけれど、私はどうしようもないくらい紗耶香を傷付けてたね
 普通ってなんだろう?よくわかんなくなってた
 いつから私は間違ってしまったんだろう
 気が付けばこんなところまで来てしまっていて。
 紗耶香が欲しかったし、私が紗耶香を幸せにできる自信があった。
 誰よりも愛していたから。」

でも、わかった。
諦めるよ、紗耶香のこと。
後藤がハサミなんだね
圭ちゃんはそう言って微笑んだ

  終わった…、長かったな。うん

「また、1からやり直そう、お互いの場所で、お互いの関係を」
90 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)03時08分23秒
おわり
91 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)03時11分57秒
あとがきとか書いてもイイかな?
こんな駄文に付き合ってくれた人ありがとう。
途中で色々、悩んだり。したおかげでホントに
山なし落ちなし意味なし。な小説になってしまいました。スイマセン
今度はもっと修行してから出直します。
初めて長篇?完結させたのでうれしいなぁ。
今度はもっと黒じゃなく普通の作品でお会いできたらうれしいなっと。
それでは、ありがとう!
92 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月13日(水)03時36分21秒
全然良かったっすよ!自分的には圭ちゃんがブチ切れてバッドエンド
みたいな感じかなとか思ってたんですけど、まさか後藤が出てくると
は…んじゃ次回作期待してまってます!お疲れ様でした。
93 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)15時24分44秒
おぉ、ありがとうごさいます
一人でもそういってもらえると書いた意味がありました
次回も期待していただいてるみたいで。もー感激っす
94 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)15時27分05秒
下のレスは>>93さんへのものです
95 名前:のり 投稿日:2002年03月13日(水)15時28分45秒
どぁ、間違えた
>>92さんへのレスなのれす
96 名前:銀杏猫 投稿日:2002年03月14日(木)01時44分54秒
完結、お疲れ様です。
ぶっちゃけ感想を・・・と思いましたが、控えたほうがいいですか?(W
さておき、のりさん、あなたの文章には余韻があって、好きです。っていうか
このお話を読んで好きになりました。(コレもぶっちゃけだ)
>あぁ、いつか思ったっけ
>もがけば、もがくほど糸は絡んで
>走れば、走るほど道は複雑になって
>もう、元には戻れないんだ
ここ、すごく良かったです。読み返しちゃいました。シブイ!
ほかにもいろんなところで余韻にひたりました。
また、何か書いてください。期待させていただきます。
97 名前:のり 投稿日:2002年03月14日(木)11時24分06秒
銀杏猫さん>おぉ、銀杏猫さん、こんにちわ。あわわわ
      銀杏猫さんもみてらっしゃったのですね、ハズカシイ(今更)
      感想聞きたいような聞きたくないような(w
      余韻ですか、ありがとうございます。うれしいっす
      私も銀杏猫さんの書く文章きれいで好きです

次回作ってか1度作って放置した作品をもう1度チャレンジしてます。
これもまた、いちごまやすで、そんなにその3人好きなのか!?って感じです
花板の黒ごまってやつなのですが。
初めて読まれる方は
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/9922/tenaosi.html
を読んでほスィ…
ついでにリンクは
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=flower&thp=1011561178
です。
98 名前:のり 投稿日:2002年03月14日(木)11時29分20秒
あ、手直し読んだ人は
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=flower&thp=1011561178&ls=30
から読んでください。

スイマセン…。
99 名前:のり 投稿日:2002年03月14日(木)20時12分20秒
どぁ!>>98は嘘です

http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=flower&thp=1011561178&ls=52

から見てください。
っていうか、もう完結しちゃいました。

100 名前:完名無 投稿日:2002年03月14日(木)21時35分38秒
私も92さんみたいに、もっと救いのない終わり方に
なるのだろうか、と想像していました。
でも、そうではなかったところに作者さん自身の心のありようも
見えたような気がして、読んでるこちらも救われた感じがしました。
面白かったです。完結お疲れ様です。
101 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)00時00分38秒
>>完名無さん
感想ありがとうございますっ!
そうですね、最初から救いのない話にはしないでおくつもりでした
刺激を受けた作品が救いようが結構なかったので。
救おうと!(謎)うん。ありがとうございます。
102 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月18日(月)03時39分37秒
遅いのですが感想を・・・
小説として初めてK1を読みました。
いちごま好きなもので・・・
黒Kも結構いいですね(w

私的にハッピーエンドが好きなのですが、
この作品はバッドエンドがよかったかな?とも思います。
痛い表現(市井の苦悩etc)がとても伝わってきたので
最後の後藤登場シーンからの展開が自分には
ちょいついていけなかったのかも・・・
生意気言ってスイマセン。
気を悪くされたらこの意見はスルーして下さい

読めてよかったと思える作品でした。
完結お疲れ様です
次回作にも期待しております。
103 名前:のり 投稿日:2002年03月19日(火)16時02分20秒
>>102
感想ありがとうございますっ!
そうっすね、ちょっと後藤の存在を前半に押し出していけばよかったかな
と感想もらって思いました。
この作品は、最初からバッドエンドにするつもりがなくて
それならそんなに最初にエグかったり市井を悩ます必要がなかったんですけど
うん、ごめんなさい。作者自身の迷いが多すぎました。
ついていけなくて当たり前です。ハイ。次、がんばります!
えっと次回作は月板の迷路っす。
これは、ちょっといろんなものを最初から詰めすぎちゃって
どうしよう。どれを押し出していこう。
全部行こうか。いつ終わるんだ。読んでる人はわかるのか。
と、また迷ってます(w
んー。整理してから続き書きだそう。
ちょっとだけいちごまもありますので
っていうか多分、真ん中くらいでいちごまで話進めていこうと思ってるので
あ、でも、リアル?っていうかなんといえばいいのか。
娘。での話じゃなくて、年齢とか無視した推理?小説です。
だめなら見ないほうがいいっす。でも、大丈夫ならよければ見てくださいです。

Converted by dat2html.pl 1.0