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乙女、矢口にゾッコン

1 名前:りょう 投稿日:2002年02月12日(火)22時43分49秒
こんにちは。
初めて書くので文章はめちゃくちゃです。
こうしたほうがいい、とかあったら是非お願いします。

世間では不仲で通っている(?)やぐごまカップルを
心から愛する人間です。
では・・・。
2 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)22時45分55秒
ここは私立桃色女子学園。
生徒達はみな学生寮に入っていて上下関係も校則も無いに等しく、
らく〜な学園である。

「起きろぉごっちん、またご飯食べ損ねるよー。」
「むにゃむにゃ・・・あと5分・・・zzz」
「ったく!毎日毎日おんなじこと言ってぇ〜先言ってるかんね!」
「んあ・・・zzz」
3 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)22時47分10秒
食堂(寮は中高離れているが食堂は一緒)
「おーっす、吉澤。後藤は?」
「あ、おはよっす矢口さん。ごっちんはまだ寝てるっす。」
「またかよ。なんとかなんないのかなあいつ・・・」
「それはこっちのセリフですよお、毎日毎日起こす方の身にもなってほしいっす。」
「ああ、そうだな。悪いないつも。」
「矢口さんが起こしてあげたら起きるんじゃないすか?」
「え〜?めんどっちいよ、んなの。」
「そんなこと言わずに、ね?可愛い彼女のためじゃないっすかあ〜!」
「うるさいよ吉澤。でっけー声で言うな。バカ。」
そういうと矢口はその場から去っていった。
「ちぇっ、冷たいなー矢口さん。」


吉澤は食事を終えて部屋へ向かっていた。
(はぁぁ どーせまだ寝てんだろーな。体力使うんだよねごっちん起こすの)
4 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)22時49分52秒
ドアを開けようとした吉澤だったが、
なにやら話す声が聞こえたので聞いてみた。


『あっコラっくっつくなってえ〜!!おい後藤〜〜』
『えへへぇ〜やぐっつあんだーい好き!!』
『わ〜かったから離れろよ。もう起きただろ??』
『ん〜まあだ起きてない〜ね、ね、ね、
 やぐっつあんもこのまま一緒に寝ようよお〜』
『バァカ言ってんなよ!吉澤だって帰って来るし、
 それに今日卒業式じゃんか。最後まで遅刻なんて
 だめだぞ後藤。分かったら起きろよ!!』
『けち』

後藤は矢口に絡めていた腕をほどくとそっぽを向いてしまった。

『け、けちってなんだよ。矢口が悪いみたいじゃんか。こっち向けよ!』
『・・・』後藤は振り向こうとしない。
矢口は無理やり自分の方へ向かすと後藤に言った。
『ごめんって、矢口もちょっと冷たかった(のか??)。
 どうしたら機嫌直してくれる?』
『キスしてくれたら直ると思うよ』
『ん、わかった』(朝っぱらから?外人じゃねーっつうの!)
 そう思っても言えない矢口。
5 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)22時52分37秒
後藤が目を閉じたので矢口はそっと唇を近付けて行き後藤に素早くキスをした。

『機嫌・・・直ったか?』
『あはっ、もっかいしてほしいなあ〜・・・
 ね、いいでしょ?やぐっつあん。』
『すぐ起きて準備するか?』
『もちろん!!』

そして矢口はまた後藤にキスをした・・・。
その会話を盗み聞きしていた吉澤は――
(む、むかつく。他人の甘いシーンなんて見る(聞く)もんじゃないね。
 あぁっイライラするっ!ええぇいっもう入っちゃうもんねー)
勢いよくドアを開けた吉澤
「おいーっす!!(怒)」
なにやらまだくっついていたふたりだったが吉澤に気付くと
すぐに矢口が後藤から離れた。
後藤は『もう、なによお』って顔でドアの方を見ている。

「な、な、何だよ吉澤。きゅ、急にあけるなよ!ビックリするだろ」
「だってここは私の部屋ですもん。ノックなんてしません!
(さっきはめんどっちぃっていったクセに矢口さんってば!)」
「そうだけどよ・・あぁ後藤もう起きたからあとよろしく・・・。じゃあな」
「へいへい」

6 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)22時55分14秒
「・・・にしてもごっちん、やっぱ矢口さんだと起きれるんだ。」
「愛のチカラってやつですよ。あはっ」
「・・・(怒)そうっすか。いいね〜(怒)ラブラブで!!」
「なあに言ってんの、よしこはもてるくせに
 誰とも付き合わないからじゃんか相手いないの。
 ごとーはやぐっつあんラブだからね!!」
「けっ!」

そしてふたりは学校へ行った。
7 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)22時57分30秒
ここでちょいと登場人物紹介を――

矢口真里   高校2年生
       中学3年生の後藤真希と付き合っている。
       見た目と違って男らしいところがあり、
       さばさばした性格なので後輩からの人気が高い。
       上級生は可愛い可愛いと可愛がっている。
       成績はよく、先生からの信頼も厚い。

後藤真希   中学3年生
       矢口真里を誰よりも愛する矢口一筋人間。
       中学2年生の時によその中学校の生徒に絡まれているところを
       矢口に助けてもらったことがきっかけで矢口を知り、
       それから猛アタックをして今にいたる。
       遅刻の常習で成績も悪い。
       矢口も手を焼くほどの問題児である。
8 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)22時59分16秒
吉澤ひとみ  中学3年生
       後藤と同じクラス同じ部屋で中学に入ってからの親友である。
       ルックスがよく、優しいため女生徒からの人気が高い。
       なので告白をされるなんてことはよくあることなのだが、
       自分から人を好きになったことは一度もない。
       なにやら理想の女性に出逢えてないという理由らしい。
       成績はよく、真面目である。



「なあんかあれだよねー卒業式ったって校舎が変わるだけだから
 なにも変わんないよね。」
「いいや、変わるよお〜ごとーは毎日やぐっつあんに会いに行くもんね。
 毎日いちゃいちゃ出来るじゃん。待ってました!って感じぃ〜あはっ」
「ごっちんに聞いた私がバカだったよ」
「ま、ま、ま、拗ねないの。よしこも高校生になったら恋のひとつでも
 したらいいじゃん。よしこだったらどんな子でも即オッケーでしょ。」
9 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時00分36秒
「ごっちんも?」
「あはぁ!なあに言ってんの!ごとーはやぐっつあんオンリーですぅ。」
「分かってるよ。言ってみただけ。大体私はごっちんみたいに
 いつもいつもふにゃふにゃしてて寝てばっかの子はごめんだもん。
 嫉妬深いしさっ」
「む!しつれーな!こっちだってよしこなんてお断りだよ。
 それにごとーのどこが嫉妬深いのさ。」
「(矢口さんも大変だね。)ていうかー私はめっちゃ女の子女の子した
 お上品な感じの子がいいの!!最近さ、これこそ女の子だ!っていう子
 いないじゃん。声だって可愛いい方が良いに決まってる!
 ・・・なかなかいないんだよね・・・」
「高校行ったらいるかもしんないじゃん。
 頑張って探したらいいじゃん協力するしさ」
「うん・・・」
「そんじゃ式も終わったし今日これからどっか遊びに行こうか。」
「え?矢口さんは?約束してんじゃないの?」
「あはっ。やぐっつあんとは夜から会うからだいじょうぶ。」
「・・・着替えに帰るかぁ!今日は遊ぶぞおおおおおおお」
「そうこなくっちゃ!」
10 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時02分32秒
ふたりは着替えて今は渋谷。

「っとに、ウザイんだよっ。」
「ほんとにね。でもこれだけ声かけられるなんてうちら
 結構イケテルってことっしょ」
「でもウザイよ。」

渋谷に着くまでの間何度も声をかけられて疲れていたふたり。

「あのう〜ちょっとすいません〜」
(ん?女の子の声だ)

さっきから聞こえてた男達の声ではなく今度は女の子の声。
ふたりは振り返って見た。

「○○ってどうやったら行けるんですか?」
「あ、ああそこならあそこに見えてる○○って店を目印に
 歩いてたら見えてくるけど。」
「そうですか、ありがとうございます。いこ、梨華ちゃん」
「あっ、待ってよあゆみちゃん〜」
11 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時03分49秒
「なかなか可愛い子たちだったねぇよしこ。やぐっつあんには負けるけど。」
「・・・」
「聞いてんの?よしこ」
「・・・」吉澤は少し顔を赤らめてぽーっとしている。
「なにぃ?もしかしてさっきの子達?あっ、後からいった子でしょ!気になるの?」
「うん・・・だってさ、めちゃ女の子声だったし可愛かったじゃんか。」
「ふっふっふ、よしこ、惚れたな?惚れたな〜こいつう」

後藤は吉澤をつついてからかっている。

「でも・・・どこの子かわかんないしもう会えないよ多分・・・」
「よっし、じゃあ後藤たちも○○に行こう!決定!」

後藤は躊躇っている吉澤の腕を掴むと無理やり引っ張っていった。

「ちょ、ちょっとごっち〜ん」

12 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時05分31秒
「どこにいんだろ?」
「もう良いって〜大体会えたとして何を話すの?イキナリ変だと思われるじゃん」
「あっ!!いた!!」
「えっ!」

後藤は目ざとくさっき会ったあゆみと梨華を見つけた。
そして吉澤を引っ張ってふたりに近づいていった。

「すいませんちょっといいですかー?」
「あっ、さっきの!」
「覚えてくれてたんだ。これからどうするの?」
「えっ?これから?どうする?梨華ちゃん。買い物済んだしねぇ」
「そうだね。用事はもうないもんね。」
「ほんと??やったね!じゃあさ、じゃあさ、
 これから4人でカラオケでも行かない??」
「4人でですか?」
「そう、うちら暇しててー2人じゃ淋しいしさっ。ね、よしこー」
「あ、ああそうだね。」

梨華とあゆみはこそこそっと話すと「いいですよ。」と返事をした。

「じゃあ早速行きますか!!あっ、私は後藤真希。春から高校生。
 で、こっちは――」
「吉澤ひとみです。よろしく」
「えぇ?ふたりとも年下なんだ?私は柴田あゆみ。春から高校2年だよ。
 こっちは――」
「石川梨華です。よろしくね」

そして4人はカラオケ屋へと向かっていった。
13 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時07分07秒
(ちょっとぉごっちん!やることが早いよ!緊張するじゃんか!)
(なあに行ってんの!恋は速攻だよ。初めてよしこが気になった子なんだから!
 感謝してほしいな)
(う・・そうだけど。でもやっぱ緊張するってぇ〜)
(だーいじょうぶ!あゆみちゃんはごとーが引き受けたから
 梨華ちゃんとだけ話してたらいいよ)
(頑張ってみるけど・・・)

「真希ちゃんって歌うまいんだねぇ〜尊敬しちゃうな。」
「えへへ、『愛のバカやろう』はすごく好きな曲なんだあ〜梨華ちゃんだって
『恋人は心の応援団』すごく良かったじゃんかー声も可愛いしさっ」
「そういってもらえると嬉しいな」
(ごっちん・・・梨華ちゃんとばっかしゃべってるじゃんか。
 どうせ私はあまり上手くないですよーだ。ふんっ。)
「あゆみちゃんも上手いんだよー『This is 運命』すごく似てるんだよー」

「ほんとだメロン記念日みたいぃ〜すごいじゃん。よしこは何いれたの?」
「あ?『BABY!恋にKNOCK OUT!』。プッチモニ好きなんだよね」
「梨華ちゃんよしこプッチモニだけはうまいんだよ〜」
(おいこら、梨華ちゃんに悪い印象与えるなっての!だけってなんだよ)
14 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時08分31秒
などと騒いでいるうちに大分時間が経ってしまった。
後藤は矢口と約束があるのでお開きになった。

「ふふふ、どうだった?」
「へへへ。思ったとおり女の子らしくて可愛い声だった!!
 やっぱ好きになったかも」
「そうだよね。めっちゃアニメ声だよね梨華ちゃんって。
 連絡先とか聞いた?」
「あ、・・・忘れてた。」
「えー?なにやってんのよばかだねよしこ!もう、しょうがないな、
 あゆみちゃんの番号聞いたから、梨華ちゃんのも今度聞いてあげるよ」
「ごっちーーん、さっすが!感謝!!」

「じゃーごとーやぐっつあん待ってるから。」
「うん。門限までに帰ってきなよ」
「分かってるって!じゃあね」

そして吉澤と後藤は別れた。
15 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時10分09秒
後藤は矢口と待ち合わせをしているレストランへと向かっていた。
時間通りに着いたそこにはすでに矢口がいた。

「やぐっつあ〜ん!!ごめ〜ん待ったあ?」
「おっす、後藤。全然待ってないよ。今来たとこだし」
「そう?ならいいけど。今日はごとーの卒業記念でご馳走してくれるんでしょ?」
「そうだよ。なんでも好きなもの食べていいからな」
「えへへ嬉しい〜」
後藤は矢口に腕を絡めてくっついてきた。

「じゃ、じゃあ予約の時間もあるしな、行こうか」
矢口はさりげな〜く腕をほどくと店に入っていった。

「うわぁ〜なんか大人の店って感じだねえ。ムードあっていい感じ!」
「喜んでもらえてよかった。」

適当に後藤の食べたいものを頼んで食事がくるのを待っていた。
その間後藤は今日のことを矢口に話していた。
16 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時12分02秒
「でね、よしこったら顔赤くしちゃってえ〜
 その子のことが好きになっちゃったみたい」
「あの吉澤が恋ねぇ・・・どんな子?あれだけ告白されても誰にも
 なびかなかった吉澤が気になるくらいだから相当可愛いんじゃないの?」
「そうだなーモロ女の子って感じ!アニメ声で名前にぴったりって感じでさあ」
「モロ女の子かぁ・・・良いなあ。あ、もうひとりの子は可愛いかった?」
「むっ、なに?やぐっつあんさっきから可愛い可愛いって気にしちゃって。
 ここにこんなに可愛い彼女がいるってのに!!
 ごとーは可愛くないのかっての!!」
後藤は頬っぺたをぷくーっと膨らまして矢口を睨んでいる。

「ば、ばかっ。んなことあるわけないだろっ!
 後藤が一番可愛いに決まってるだろ!」
「・・・一番?」
「ああ」
「ごとー可愛い?」
「ああ、可愛いよ。」
「なら、許したげる。」

後藤は満面の笑みでそう言った。

(すぅぐ拗ねんだもんなー気をつけねーと。)
17 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時13分49秒
そうこうしているうち食事が運ばれて来た。
「じゃあ、卒業おめでとうな。これからもよろしくな。」
「ありがと。春から同じ校舎だから嬉しいよ。
 ずーっとやぐっつあんと居られるから楽しみ!」
「3年と1年の校舎はけっこー離れてるんだけど・・・」
「そんなのだいじょうぶ!関係ないよ。」
「・・じゃ、卒業おめでとう、カンパイ!!」
「カンパイ!!」

楽しく話をし、門限が近づいていたこともありそのあとは寮へと足を向けた。

「でさ、さっきの話なんだけど、柴田に石川だっけ?」
「ん?うん。どうかした?」
「その子らってうちの学園の子だよ」
「ええええええ?マジでぇ??」
「ああ、矢口がよく知ってる子だな。」
「よく知ってるってなんで?」
「うちのクラスによく遊びにくるんだよ。」
「なにしに?学年違うっしょ?」
「さ、さぁどうしてかな(汗)」
18 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月12日(火)23時15分24秒
「ふ〜ん・・・なんか怪しい気がするな。」
「あ、あ、あやしくなんかないっての!ま、そ、そんなわけだからその子らは
 うちの学園の生徒だよ。吉澤も良かったじゃんまた会えるじゃんか」
「・・(あやしいな〜どもちゃって!)帰ったら早速よしこに言ってあげるよ
 喜ぶだろうなー」
「そうだな。吉澤も恋のひとつくらいしたほうが良いよな。」
「ごとーたちみたいに?」

後藤はそういうと矢口の腕に自分の腕を絡めてくる。
そうすると、胸が矢口の腕に当たってしまう形になるため矢口は固まっていた。

「そ、そうだな(ひぃぃぃ後藤ーーむ、胸がっ!!)」

それに気付いた後藤は――というよりはわざとくっついていたのだが――

「ふふっやぐっつあん固まっちゃって可愛いんだから。普段男っぽいクセにさ!」
「うううるさいよ!そんなんじゃないよ!!」
「でもさごとーももう高校生なんだしキス以上の事もしてほしいよ、やぐっつあん」
「・・・あっ、やべ!門限なるぞ!帰ろう!」

そう言うと矢口は急いで寮へ入っていった。

「あっやぐっつあーん・・・ちぇっ」
19 名前:りょう 投稿日:2002年02月12日(火)23時16分05秒
始めてしまいました。
どうなんだろ?
20 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月12日(火)23時24分18秒
やったー!やぐごま!もうかなり好きなんですよ、このふたり。
それにやぐはもてもてですか?もっとごっちんをやきもち妬かせて下さい!
これから楽しみにしてますのでがんばってください。
21 名前:闇の住人 投稿日:2002年02月12日(火)23時52分41秒
どもっ! はじめましてですね!
ここのやぐごまイイっすねー。後藤が可愛すぎ♪
いしよし&柴っちゃんは、どうなるですかぁー!?
続き期待してます! がんがって下さい!
22 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月13日(水)00時31分01秒
やぐごま!!!!&いしよし!!!
好きです!がんばってください〜
23 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年02月13日(水)00時34分03秒
やぐごま、なかなか無いんで萌えな展開をお待ちしております。
24 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月13日(水)21時32分46秒
そして『あっ』というまに時が経ち、入学式になっていた。

後藤と吉澤はまた同じクラスになっていた。

「ほらっ、よしこ2年2組だって!あそこ!石川梨華ってあるよ。
 あゆみちゃんも一緒みたいだね」
「ほんとにいたんだ・・・。びっくりしちゃうね」
「あいさつしに行こ!」
「ええ?マジ?今から??」
「そ、今から!!忘れられないうちに行動しなきゃ!」

2年2組の教室前

「ここだね。いるかな」ガラッ
「すいませーん。石川梨華さんか柴田あゆみさん居ますか?」

「ああ?誰あんたたち。」

ちょっと怖そうな感じの女生徒が出てきた。

「新入生の後藤と吉澤です。」 吉澤も顔を出す。

(後藤?後藤ってあの後藤??)
(え?矢口先輩の〜??)
(そうだよ、後藤って名前だったよ彼女。今年高1って言ってなかった?)
(え〜ショックぅ〜あんなチャラチャラした子なの〜?)
(でもさ、違うかもしんないじゃんわかんないよ?)
(あんな子やだ〜!!)

なにやらひそひそと話す声がする。
25 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月13日(水)21時35分55秒
「梨華たちなら3年の教室に行ってるけど。」
「3年生ですか?」
「そう。・・・あんた後藤だっけ?」
「はい、そうですけど。なにか?」
「矢口先輩の彼女なの?あんた」
「え?そうですけど・・・?」

(ほらあ!やっぱりそうだったー。)
(マジショックぅ〜あんな子のどこがいいんだろ先輩〜)
(体じゃない?体で落としたのよきっと。誘惑したのよ〜)
(なるほどねー確かにいい体してるもんねー私もあれくらい胸があったらなー)

「ふん。矢口先輩も物好きだよねどこがいいんだか」

そういうとその女生徒はドアを閉めてふたりを追い出した。

「なに?あれ・・・」
「なんか矢口先輩のこと聞いてたね。なんだったんだろ」
「なんかむかつく!ごとーがやぐっつあんの彼女ってのがそんなにおかしいのかよ!!」

後藤はこれ以上ないってくらいの恐ろしい顔で言った。

「ま、ま、ま、落ち着いて、ごっちん。それより3年生とこってどこだろ?」
「う〜むかつくなぁほんと!!」
「ごっちん。気にしちゃだめだよ。あんなの」
「あっ、そうだ。梨華ちゃん探してるんだった。3年生とこ探してみよっか」
「そうしよ。」
26 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月13日(水)21時38分43秒
3年1組 3年2組 いない。
3年3組 感じの良さそうな人が出てきた。

「あの、2年生の石川さんか柴田さんこちらの教室に来ていませんか?」
「石川?だれだろ?圭織わかるー?」

圭織とよばれた女生徒が出てきた。

「ああ、いつも矢口んとこに来てる2人組でしょ。なっちも知ってんじゃん?梨華だよ。」
「え?梨華ちゃんって石川って言うんだ。初めて知ったべなっちー」
「矢口って矢口真里さんですか?」
「ん?ああそうだよ。ふたりは矢口のファンクラブの会長と副会長でな。
 いつも会いにきてるんだよ。ファンクラブっつても2年ばっかだけどな今は。
 いっこ上にもあったんだけどもう卒業しちゃったしな。」

「(怒)」

「ご、ごっちん?」
「ありがとうございました!!!」
「ちょ、ちょっとごっちん〜〜。あっ、ありがとうございました。失礼します」

吉澤はペコっとあいさつをすると後藤を追いかけていった。

「今のふたり・・・新入生だね。ちょっと可愛いかったね。圭織の好きそうなタイプじゃない?」
「なに言ってんだよお〜圭織はなっちが一番だってば」
「えへへ分かってるべ」
27 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月13日(水)21時43分04秒
3年4組矢口のクラス。 扉は固く閉ざされているがなかの声はよく聞こえていた。

『矢口せんぱ〜い、いつになったら私達と遊んでくれるんですかー?』
『そうですよぉ!こんなにも矢口先輩のことを愛してるのにぃ〜』
『そういうことを真顔で言うなよなっ。柴田!』
『だって本気ですもん。私達。ね、梨華ちゃん』
『そうですよぉ〜。一度くらい遊んでくれてもいいと思います!!』
『わ〜かったよ、機会があったらな』
『ほんとですか?やったぁ〜!』
『あっずるーい。私とも遊んでくださいよ?』
『分かったからくっつくなってえ〜。チャイム鳴るぞ、そろそろ帰りなよ』
『ハイ。それじゃあ・・・さっきの、約束ですよ!!失礼します』
『ああ』 ガラッ

「ねばった甲斐があったね梨華ちゃん。」
「ほんとだね。やっと私達の気持ちに応えてくれるようになったよね。」

そんなふたりに声をかけたのは吉澤だった。

「あの・・・」
28 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月13日(水)21時46分38秒
「はい?え・・?うそ?!ひとみちゃんと真希ちゃん?ええーー?」
「こんちはっす。同じ学校だったみたいで・・・あいさつに来ました。ね、ごっちん」
「・・・こんにちは。」
「偶然ってあるんだね。驚いちゃった。これから、よろしくね。」
「はい・・・じゃあ。」

去ろうとする吉澤たちを呼び止めたあゆみと梨華。

「3年生にね、矢口さんって人がいるのよ。私達矢口先輩のファンでね。
 良かったらファンクラブ入ってね。これ、入会の申込書。じゃあねー」

そういって別れた。

「ごっちん・・・コレ」

申込書を後藤に渡した瞬間後藤はそれをビリビリに破り捨てた。

「なんだよ!!やぐっつあんのバカ!!ごとーに隠れてなにしてんのよ!!」
「・・・梨華ちゃんも矢口さんのファンなんだね・・・(ショック)」

矢口の彼女であることを否定された後藤、そして恋した相手は別の人が好きだった吉澤。
後藤は怒り、吉澤は泣きたい気持ちでクラスへと戻っていった。

そのあとのホームルームは全く聞いていなかった。
寮に戻ったふたり・・・空気はかなり重い。
「・・(哀)・・・」
「・・(怒)・・・」

そんなふたりの部屋をノックする音が聞こえた。
29 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月13日(水)21時49分18秒
「矢口だけど。・・・居ないのか?後藤。」

 矢口だ。  後藤はドアを開けた。

「なんだよ居るんじゃんか。返事しろよ。」

部屋につかつかと入っていく矢口。

「なんの用なの?やぐっつあん。」
「・・なに?なんか怒ってんの?口調キツイけど」
「べつに・・・」
「ヘンだぞ後藤。あっ、これ入学のお祝いな。」

矢口はそう言うと吉澤にベーグルとゆでたまご、後藤に目覚まし時計を渡した。

「どうもっす。」
「用事はそんだけ?終わったんなら帰ってよ。やぐっつあん」
「なんだよさっきからおかしいぞ。なにがそんなに気にいらないんだ?矢口がなんかしたかよ?」
「自分の胸に聞いてみなよ」
「はあ??わけわかんねーよ後藤。」
「やぐっつあんのバカ!!出て行かないんだったらごとーが出ていく!!」

バンッ!!勢いよく部屋を飛び出していった後藤。矢口はすぐに追いかけようとしたが、
なにか知ってそうな吉澤に話を聞くことにした。
30 名前:りょう 投稿日:2002年02月13日(水)22時03分48秒
じつはストックがまだあるのですが・・・

>20 名無し読者さん
   初めまして。読んで頂いて感謝です!
   やぐは多分もてもてです。
   ごまは必要以上にやきもち妬きになってます。

>21 闇の住人さん
   初めまして!
   いしよしはあまり出てこない・・・かも。
   柴田さんは誰がいいかな?実はまだ相手考えてません(w

>22 名無し読者さん
   初めましてです。
   ありがとうございます頑張ります。
   レスがあるとかなり励みになるです!

>23 名無しベーグル。さん
   某板のスレ完結お疲れ様です。
   やぐごま。ほんと少ないですね。
   なかなか無くて禁断症状が出たため書いちゃいました(w
  萌えな展開・・・なかったりして・・・
   頑張ります。
31 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時01分29秒
「どうしたんだ?あいつ・・・」
「・・・今日前に街で会った子にあいさつしに行ってたんですよ、ふたりで。」
「あぁ石川だっけ。」
「はい・・・そこに行く途中にごっちん、2年生に
『矢口先輩も物好きだよねどこがいいんだか』って言われちゃって・・・
それに教室での矢口さんと石川さんたちの話聞いちゃって・・・」

それだけ聞くと矢口は『教えてくれてサンキュな。』といい、部屋から出ていった。

(なんてこったい、まさかクラスに来てたなんてよ。それにしても誰だよ物好きとか
 言ったやつ!矢口は後藤のことめちゃ好きだっつうの!!あ〜後藤どこにいんだろ?)

矢口は屋上やらトイレやら体育館や教室など学校へ戻ってまで探していたが見つけることが出来なかった。

「ったく、どこにいんだよ!!・・・部屋帰ってるのかな」
コンコン
「はい」吉澤が顔を出した。
「後藤戻ってる?どこにもいないんだよね・・・」
「え?まだ戻ってませんけど?ケータイは鳴らしてみましたか?」
「それが〜電源切ってあるんだよ。」
「帰って来たら教えますから一度部屋に戻ってて下さい」
「悪いな・・・」
32 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時04分16秒
矢口の部屋。3年生は受験があるため皆一人部屋だ。

(はぁぁぁ〜まいったよ〜う・・・ん?カギ開いてる??)

ゆっくりとノブを廻す矢口。部屋の中は暗く、人影は見えない。

(閉めてくの忘れたっけ?)

部屋に入って電気をつけたら後藤が壁にもたれて座っていた。

「ぅうわっ!!!ご、後藤!!ビックリするだろ!」
「・・・」
「どこ探しても居なかったのに矢口の部屋に居たなんてよ」
「・・・」
「吉澤から話は聞いたよ。・・・2年のやつがなに言ったかしんないけど、
 矢口は後藤が良くて付き合ってるんだからな。」
「・・・やぐっつあんのクラスで聞いたのはなにさ」
「なに?」  やっと口をきいた。
「なにが『機会があったらな』だよ!くっつかれてにやにやしてたんでしょ!!ふたりとも
 可愛いもんね〜やぐっつあんのファンなんだし!やぐっつあんやりたい放題じゃんか。
 ごとーじゃ無くたっていっぱいやぐっつあんのこと好きな子いるじゃんか!!」
33 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時06分56秒
「後藤・・・それ、本気で言ってんのか?」
「だ、だって!!ほんとのことじゃんか!!ごとーいっぱい嫌な思いしたもん今日!
 ごとーがやぐっつあんの彼女ってことみんな認めてないもん」
「そんなの、言いたいやつに言わせとけよ。矢口は後藤が好きなんだから。」
「それは・・・」
「2年が言ったことは気にするなよ。矢口は後藤が一番だからな」
「うん・・・やぐっつあんって人気あるんだね。」
「そんなことねーよ!後藤ひとりだけでいいって!」
「えへへ嬉しい。」

(やっと機嫌直してくれた・・・か?いつもならこの後『キスして』ってなるんだけど・・・
 うっ、目を瞑っちゃたよ・・。やっぱそうくるよな・・・しかたない〜傷つけちゃったしな、
 たまにはサービスするかな)

矢口は目を瞑って矢口を待っている後藤の唇にそっと唇を近付けた。
いつもより長めのキスをした後矢口は後藤を押し倒し首筋にキスをした。
急のことで後藤のからだが少し強張っているようだ。
34 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時08分29秒

「後藤は矢口のものってシルシ。」

そっと起き上がり後藤に言う矢口。
なんのことだか分かった後藤は嬉しさのあまり矢口に抱きついた。そして

「やぐっつあんにも付けてあげるよ・・・ごとーのシルシ・・・」

そうしてふたりの首筋にはおそらくすぐに消えるであろうキスマークがついた。

「・・・やぐっつあん急に押し倒すんだもん。ドキドキしたよごとー」
「・・・ま、これ以上のことはもちょっとな・・・。機嫌直してくれて良かったよ」
「あはっごめんね。拗ねちゃって。」
「ううん。矢口のせいだもんなごめんな。」

後藤は矢口の部屋を後にすると部屋へ戻って行った。

矢口と後藤が付き合っているということは矢口ファンの人間しか知らなかった。
会長副会長のふたりは彼女の名前が『後藤』ということは聞いていたがふたり一緒のところを
見たこともなく、この後藤だとは思ってはいなかった。今までは寮も離れていて校舎も
離れていた。お互いの部屋へ出入りするかどこか学区外へ出掛けるかだったのでほとんど
知られていなかった。
そのため矢口がここまで(ファンクラブが出来るほど)人気があったことは後藤も
知らなかったのだ。もちろん吉澤も。
35 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時11分22秒
「♪〜♪ただいまあ〜♪」
「お、なによごっちん。機嫌直っちゃってるじゃんか。仲直りしたの?」
「うん!!!心配かけてごめんねよしこ。」
「いいよ、ごっちんと矢口さんがギクシャクするのなんて見たくないもん」
「それよりさあ・・・よしこ、ごめんね?」
「なにがあ?」
「だってさ、せっかく梨華ちゃんに再会したのにやぐっつあんのさ・・・」
「頑張るよ、私」
「え?」
「ずっとへこんでたけどごっちんが居ない間考えてたんだ」
「うん」
「今は矢口さんのことを好きな梨華ちゃんだけどいつか振り向かせて見せる!!
 それにそのほうがごっちんだって助かるでしょ?」
「やぐっつあんファンは梨華ちゃんだけじゃ無いんだけどね・・・」
「ぐっ!!やる気なくすこと言わないでよ。とにかく頑張るから、応援してよね!」
「うん!分かった!」
36 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時12分48秒
「ん?ごっちん、なんかついてるよ?首んとこ」
「あはっ、やぐっつあんの愛のシルシってやつですよ!」
「!!!(キスマーク??)マジで?やっちゃったの??」
「も〜!!バカ!やっちゃったとか言わないでよ、やってないよ!」
「ほんと?ほんとはやったでしょ?」
「やってないっつうの!バカなこと言ってないで、寝る準備するよ。明日も学校なんだから!!」
「どうせ起きないクセにさ・・・」
「ウルサイよ!」
「しかし・・・うらやましい」
「しつこいよ!」
(・・・・私もいつか梨華ちゃんと・・)

次の日――入学式の次の日は普通の学校は午前中で終わったり歓迎会があったり
するのだろうがここは持ち上がりのためもう普通に授業をしていた。
後藤のクラスは体育だった。
後藤たちのクラスの他にも2年生のクラスがグラウンドを使っている。
後藤たちはソフトボール。2年生は陸上をやっている。
スポーツ万能の吉澤はカッキーンとヒットを打った。後藤は負けじと球を追いかけていき
知らない間に2年生の陸上をやっているコースに入っていた。
37 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時13分43秒
「ちょっとお!邪魔だよあんた!!」
「すいません〜」後藤は深く頭を下げて去っていった。
「っとに!はらのたつ!」
「どしたのアミ?」
「やーちょっと・・・後藤さー気に食わないんだよね。大して可愛くもないのにさ、
 矢口先輩に気にいられてさ。」
「体でしょ。矢口先輩胸でかい子がタイプって会報に書いてたじゃん。」
「むかつく!!そんな理由だったらもっとむかつく!」
「しめてやろうか。」
「もち、そのつもりだよ」
「へへへ」

なにやら悪巧みをしている2年生。

そんなことはまったく知りもしない後藤と吉澤。
「へっへっへー取っちゃったもんねーよしこアウトだよ〜」
「ちぇっごっちんほんと足速いもんなー普通だったら軽くホームランだよ今の」
「甘い甘い!スポーツ万能はよしこだけじゃないのだ」

そして授業が終わり更衣室。

「ごっちんてさ〜ほんと胸でかいよね〜矢口さんもウハウハだねこりゃ」
「も〜そんなことばっか言ってんじゃないよ」
「だって〜うらやましい〜・・・」
「あれ?あ〜ごとータオル忘れちゃったみたい。とってくるから先に教室行っててよ」
「あいオッケー」
38 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時15分49秒
後藤がタオルを取りに更衣室を出たところで――

「ちょっとあんたー顔貸してくんない?」
「・・・なにか用ですか?ここじゃダメなんですかね。もうすぐ授業始まるし。」
「生意気言ってんじゃねーよ!いいから来いよ!!」

2年生は無理やり後藤を連れて去っていった。

「さて、先に行ってるかな」
何も知らない吉澤は後藤の荷物を持ってやると教室に向かった。

「離してよ、いいかげん」
「生意気なんだよ、お前!!」

2年生アミと真己は後藤を突き飛ばすとにじりよって後藤を問いただした。

「一体どんな手を使って矢口先輩を落としたんだ?ええ?」
「はぁ??そんなのしんないよ。ごとーが良かったからでしょ」
「っこいつ!」真己が後藤の胸ぐらを掴んだそのとき後藤の首筋にキスマークが
 あるのを発見した。

「!!」
「なに?どした?真己」
「これ・・・」
((キスマーク??))
「ああ、キスマークのこと?これはやぐっつあんが昨日付けてくれたんだ。
 ごとーはやぐっつあんのものってね。シルシだよってね。」
39 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時17分58秒
「冗談言うなよ!どうせいつも一緒にいる吉澤のだろ!」
「信じないならそれでも良いけど、やぐっつあんにも付いてるからそれみたら?」
「「・・・じゃあほんとに矢口先輩の・・・」」
「そうだって言ってるじゃん」
「っんで、こんな子がいいのよ〜矢口先輩騙されてる!!」

真己とアミは信じられないといった様子だったので後藤は無視して戻った。

(意外と簡単に引き下がったね今のふたり。それにしても『どうやって落とした』
 なんて・・・ごとーが聞きたいっての!・・・・さっきの2人に聞いてみるか?)

さっき居た場所へ戻って来た後藤。

「あのー・・・」後藤が話しかけたことで我に戻ったふたり。
「なによ!早く消えてよ!」
「ちょっと聞きたいんですけど・・・」
「なによ」
「どうしてごとーと付き合ってるって思います?」
「はぁ?胸がでかいからじゃないの?!!みんなそう言ってるよ!早く消えなよ!」
「そ、そうですか。どうも・・・」
40 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時20分18秒
(えぇぇえ?ごとーの胸目当てでやぐっつあんが付き合ってるってみんな思ってるわけ??
 よしこも思ってんのかなそんなこと・・・ちょっと、いやかなりショックだよ。
 でも実際なんで付き合ってくれてるのかわかんないんだよねごとーも・・・)

少し遅れて後藤は教室へ行った。

「遅れてすいませ〜ん・・・」
「遅かったじゃんごっちん。タオル見つからなかったの?」
「タオル?ああ忘れてた。それよりさ、ちょっとよしこに聞きたいことあるんだけど」
「聞きたいこと?」
「そう。今言っていい?」
「うん・・・?」
「やぐっつあんってさ、どうしてごとーと付き合ってると思う??」
「はあ??なに言ってるの?イキナリ!!」

吉澤が大きな声で言うのでふたりは先生に怒られ廊下に立たされることになった。
41 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時21分53秒
(も〜(怒)よしこが大きな声出すから〜)
(ご、ごめん。でも急にあんなこと言うからだよ)
(だって気になっっちゃったんだもん。みんな『胸目当て』とか言うんだもん・・・)
(は?なにそれ。誰がそんなこと言ったの?)
(さっき、2年に呼び出されてたんだ)
(!!なにもされなかったの?)
(うん、だいじょうぶ。弱いふたりだったしね。)
(そ、そう。)
(そのふたりがみんなそう言ってるっていうからさ)
(バカ言ってんじゃないよ!矢口さんはどう見たってごっちんの全てが
 好きじゃんか!それに前に言ってたよ)
(なんて?)
(前にね、冗談で『ごっちんなんてわがままで大変でしょう?
 付き合ってたら疲れますよお』って言ったんだよ)
(なにそれ、よしこヒドイ・・・)
(だ、だから冗談だって(汗))
((怒)・・そんで?)
(そ、そしたら『まあね』とか言うのかと思ったら『あいつのわがままなんて
 矢口には可愛くてしょうがないよ。疲れるなんて絶対ないね』って・・・。
 だから胸目当てなんて絶対ないよ!!自信持ってよ!)
(そんなこと言ってくれてたんだ・・・(嬉)そっか、よしこの言葉信じるよ)
42 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時23分23秒
(うん。大丈夫だよ。あ、今日お昼ごはんどうする?)
(あっごめ〜んよしこお。今日はやぐっつあんと食べる約束してるの)
(えっそうなの?じゃあしょーがないね。ひとりさみしく食べますよ・・・(泣))
(ごめんて〜よしこ。)
(うそうそ良いよ。良かったね、ごっちん)
(へへ、ありがと。よしこも梨華ちゃん、頑張らないとね)

4時間目が終わって矢口の教室へやってきた後藤。学年ごとに館があって
3年生と1年生は端と端になるため10分休憩で会いにいくことは難しかった。

(やぐっつあん待ってるかな・・・)
43 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時24分13秒
『『矢口せんぱ〜いお昼一緒に食べましょうよ〜』』
『あぁ石川に柴田。悪いな。後藤と食べるんだ』
『えっ?後藤って彼女さん?この学校なんですか?』
『そうだよ。新しく入ってきた1年の後藤真希。知ってるだろ。』
『え?真希ちゃんのこと??』
『そうだよ。矢口の彼女。後藤って知ってただろ』
『真希ちゃんだったの??梨華ちゃん気付いてた??』
『ううんっ全然気付いてなかった・・・真希ちゃんだったんだ・・・』
『じゃあそのキスマークも真希ちゃんの・・・?』
『!!き、気付いてたのかよ。・・・そうだよ!!もういいだろ!
 そんなわけだから今日は一緒に食べれない。』

(やぐっつあん困ってるね・・・梨華ちゃんたちもようやくごとーがやぐっつあんの
 彼女だって分かったみたいだね。よし、出て行くか・・・)

「こんにちは〜・・・」

ドアをガラガラっと開けて矢口の方を見た。

「あ、来たから。じゃあ」
「やぐっつあんどこで食べる〜?」
「そうだな・・・いいとこ知ってるから、おいで」
「うん。あっ、梨華ちゃんにあゆみちゃんまたね。」

「「・・・」」
44 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時25分12秒
「後藤・・・いつから居た?」
「さっきだけど・・・『今日は一緒に食べれない』ってなに?『今日は』って!(怒)」
「ご、誤解するなよ。お前が入ってくるまではひとりで食べててもつまんないから
 誘いに来る子、まぁほとんどあいつらだけどよ、一緒に食べてたんだよ。」
「ふ〜ん・・・(怒)」
「で、でも、これからは一緒じゃんか」
「よしこが淋しがるからね・・・」
「なんだよそれー矢口が他の子と食べてもいいっての?」
「バカ!!いいわけないじゃん。やぐっつあんに気のある子とは絶対に食べちゃだめだからね!!
 浮気なんて絶対に許さないんだから!!」
「す、するはずないよ。矢口は後藤一筋だから!!」
「ごとーだってやぐっつあんだけだよ!」

「なんか・・・入るスキが無い感じだね・・・。矢口先輩から聞いてた『後藤』って
 真希ちゃんだったんだね。すごく仲良さそうだね」
「うん。驚いたね。」
「ごはん・・・食べよっか」
45 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時26分51秒
「わぁ〜なにここ〜すごく気持ちいいじゃない〜」
「だろ?ここは矢口のお気に入りの場所なんだ。あまり人もこないしな。」
「・・・じゃあさ、ふたりっきりだね。」 

後藤は矢口に擦り寄ってくる。

「あ、ああ。そうだな。食べようか」
「あっダーメ!ごとーが食べさせるの!!ほら、あ〜んして?」
「ああ?バカ、良いってそんなの!自分で食べるってばよ」
「だめなの!これからはこうするの!!」
「(言い出したら聞かないもんな後藤は)分かったよ・・・あ〜ん(とほほ)」
「そうそう。それでいいの。」

「おいし?」
「(ん?これ)・・・うまい!!後藤やるじゃんか!ほんと上手いよコレ」
「えへへ〜そうでしょ?ごとー料理には自信あるんだよお〜今日だって朝からキッチン借りて作ったんだからー」
「なんで今まで作ってくんなかったの?」
「え?だって中学生はキッチン使っちゃだめって決まりだったじゃんか」
「そうだっけ?」
46 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時28分29秒
「そうだよ。でもこれからは作れるもんね。楽しみにしててよ」
「ああ、ほんと楽しみだよ。ごちそうさま。次の授業なんだ?」
「次?中澤センセの英語だよ」
「中澤かーじゃあ無理だな。」
「なにが?」
「矢口のクラスは次自習なんだ。だからサボれるんだよ」
「ええー?いいな!!ごとーもサボる!」
「だめだって、中澤の授業だけは出ておいた方がいい」
「そうなの?」
「中澤に目え付けられたらおしまいだぞ。気をつけろよ」
「わ、分かった」

放課後。寮へ戻った吉澤を呼び止めるふたりの生徒。

「ひとみちゃん、ちょっといいかな?」
「あー、こんちわっす」

それは梨華とあゆみだった。

「ごめんね疲れてるのに・・・」
「いいっすよぜんぜん。」
「矢口先輩のことなんだけど・・・」
「真希ちゃんと付き合ってるんだね」
「あーはい。そうっすね。」
「いつからなの?」
「えーっと・・・うちらが中3になる前の春休みだったかな。
 だから1年ちょっとかな付き合って」
「そっか。仲・・・良いよね」
「そうっすね。ごっちんめちゃくちゃ嫉妬深いから矢口さん苦労してるみたいですけど」

その他にも付き合い始めたきっかけとかいろいろ聞かれた吉澤。
47 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時30分03秒
「ありがと。」
「はい。じゃあ失礼します」

しゃべっていたのはあゆみだった。
梨華はずっと俯いてて話を聞いていた。

(やっぱ、ショックなんだろな梨華ちゃん・・・早く立ち直って欲しいな)

その夜ひとみはなぜかなかなか寝ることができず、夜風を浴びるためにテラスへ出ていた。

(あれ?誰かいるよ・・・え?あれって梨華ちゃんじゃんか)
「こんばんは!」
「あっ、ひとみちゃん・・・」

梨華の目は暗闇だったが泣いていた事が分かった。

(泣くほど矢口さんのことを・・・)
「寝れないんですか?」

吉澤は気付かない振りをして普通に話しかけた。

「ひとみちゃんに聞いてもらおうかな・・・。」
「え?なんすか?」
「私ね、矢口先輩のこと本気で好きだったんだ〜。コンプレックス持ってた
 このアニメ声を初めて『可愛いじゃん』って言ってくれた人だったの。
 私って今は結構ポジティブになったしよくしゃべるようになったけど昔は
 こんなじゃ無かったの。」
「うん・・・」
48 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時31分38秒
「矢口先輩に初めて会ったのは高校入ってからだけど、先輩に会うまでの私は、
 すごくネガティブで、何をやってもうまく出来なくていつも泣いてた。
 友達もいなかったし、いつもひとりだった。そんな私に初めて普通に声を
 かけてくれたのが先輩だったの。先輩と知り合ってすぐに彼女がいることは
 分かったけど認めたくなかった。あんなにかっこいい先輩だもの。
 彼女がいて当然なんだけど認めたくなかった。気付かない振りして、
 いつか振り向かせてやるって今まで頑張ってきた。でも・・・」
「梨華ちゃん。梨華ちゃんはすごく魅力的だよ?声だって可愛いし顔だって
 可愛いし、私は好きだな(言っちゃったよぉおいぃ〜)」
「ひとみちゃんそれって?」
「(ええぃ!ヤケだ!!)そゆこと。私は梨華ちゃんに初めて会った時から好き。
 こんな時にずるいって分かってる。でも知ってて欲しかった。」
「ひとみちゃん・・・ありがとう。でも、ごめんね。真希ちゃんが居てもやっぱり
 私は矢口先輩が好きなの・・・」
「うん、分かってる。人の気持ちなんてそんな簡単に変わらないもんね。
 気長に待つよ、梨華ちゃんが振り向いてくれるまで!好きでいていい??」
49 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時33分27秒
「うん・・・ありがとう」
「もう遅いから戻るね。オヤスミ、梨華ちゃん」
「おやすみ・・・」
(ほんとにありがとね、ひとみちゃん)

(ふううううう〜言っちゃったよ言っちゃったよお〜ひとみぃ!!自分が恐ろしいね。
でも迷惑ではなさそうだったし、ま、ヨシとするか。明日からはもっと積極的に行こ!)

部屋に戻った吉澤。後藤を起こす(100%起きるはずはないのだが)
と後が怖いのでこっそり入る。

「むにゃむにゃzzz〜やぐっつあんのえっちぃ〜・・・むにゃ・・zzz」
(!どんなユメ見てるの?ごっちんってば(照)やっぱやったのかな・・・)

「ふわぁあああ。 おはよ、ごっちん」
「あぁ、よしこおはよ。」
「なんでもう起きてるの?まだ7時だよ?」
「ふっふっふ〜これなあんだ?」
「お弁当・・・」
「そう!愛妻弁当ってやつだよ。やぐっつあんのために起きて作ってんの!!」
「3年寝太郎のごっちんが・・・信じられない・・・こんな方法があったなんて・・・」
「なにか言った?」
「ん?い、いや。ご飯食べに行こうか。」
50 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時34分39秒
食堂に着くと矢口が居た。
矢口の周りを囲むように女生徒たちが食べている。
吉澤と後藤はその傍を通った。通らないとご飯をとれないからだ。

「おはよーっす矢口さん」
「おはよやぐっつあん」

吉澤と後藤はそれだけ言うと去って行った。

「おう・・・おはよ」

「ごっちん、大人になったじゃん。いままでのごっちんだったら
 矢口さんを睨むか文句をいうかしてたのにさ」
「ごとーだっていつまでも子供じゃないよお〜・・・(怒)」
「(なんだ怒ってるじゃん)そ、そう?」
「ごとーはものすごく不本意だけど諦めることにしたんだ。」
「え?なにを?」
「やぐっつあんが人気あるのはもうしょうがないもんね。やぐっつあんが好きなのは
 ごとーだって分かってるから寛大な心で許してあげるの、怒るだけ時間のムダだからね。」
「へえええぇ〜ほんと大人になったじゃん。偉いね、ごっちん」
「ま、ごとーがやぐっつあんと2人でいるときに邪魔する子はどうなってもしんないけどね。
 たとえよしこでもね」
「(怖っ!本気の目じゃなかったか?今の)やっぱ子供かも・・・」
51 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時36分00秒
後藤たちはそこから少し離れた席に腰掛けた。
場所は戻って矢口達のテーブル。
矢口に聞こえないようにひそひそと話す女生徒たち。

(今の後藤でしょ?ふつーに通っていったよね?)
(そだね、絶対切れると思ったんだけどな。でも一瞬怖かった私―)
(私も私も。後藤ってなんか怖いよね。矢口先輩かわいそう〜)
(でもさ、ウワサだと後藤って矢口先輩の前だと別人のように可愛くなるらしいじゃん)
(そりゃーそうでしょ。恋人には見せないでしょ怖いとこなんて)
(でもさ、ほんとに付き合ってるの?ふたり〜あんまり一緒のとこって見ないけど)
(それはほらー矢口先輩シャイだからでしょ)

(あっ、ね、ね、ね、聞いた?真己たちに)
(なに?なんのこと?)
(後藤の首筋に昨日キスマーク付いてたらしいよ!かなりくっきりと!)
(ウソォ?マジで?やだ〜聞いたくないよ〜)
(でさ、続きがあってさ、矢口先輩にもあるらしいよ)
(ウソォ??それってやっぱ後藤と・・・?)
52 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時37分37秒
(多分ね・・・だってほら、見てみなよ矢口先輩首を気にしてる感じするじゃん?)
(ほんとだ・・・いや〜んショックぅ〜矢口先輩、後藤とやっちゃったんだ〜)
(今のうちだけだって。後藤の本性しったら矢口先輩も気付くよ)
(・・・だよね?)
(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)
「ごっちん?大人になるんでしょ?抑えて抑えて!!
(それにしても好き勝手言うなぁ 全部丸聞こえだっての!)」
「ま、いっか。想像するだけなら自由だよね(怒)」
「そうそう。ほんとのことなんて本人たちにしか分かんないんだから」
「・・・でも、やっぱ我慢出来ないや。」
「え?ごっちん?」
「早く食べて、よしこ。もう行くよ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ」

吉澤をせかして食器を片付けに行く後藤と吉澤。
そして矢口の傍を通る時に後藤は行動に出た。
53 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時38分33秒
(後藤だよ)
(うん、なんか生意気なんだよね)
(うん、嫌いー)

また好き勝手言っている。

後藤は矢口の前で立ち止まると

「やぐっつあん?」
「ん?なんだよ・・・!!」
「「「「「「「!!」」」」」」」
「ご、ごっちん・・・(驚)」

後藤は矢口にキスをしたのだ。それも軽いキスでは無くかなり長めのキスだ。
みんなの見ている前で。

「ぷはあっ、な、なにすんだよ!朝っぱらから!!」

矢口は急のことでいっぱいいっぱいになっている。
それに大勢の人に見られてしまってかなり恥ずかしがって困っている。

「なにっておはようのちゅーだよ。やぐっつあん。じゃあまたお昼ね。いこ、よしこ」
「う、うん・・・(矢口さん・・・お気の毒に・・・)」
54 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)01時39分44秒
(ちょっと見たぁ?今の!)
(なんなのあいつ!よく公共の場で出来るよね)
(矢口先輩困ってたじゃん。やっぱ自分中心だよあいつ)
(なんか腹立つ〜なにもここでしなくたっていいじゃんね?)
(ほんとだよ!見せ付けるようにするなんてサイテーだよあいつ!)
(あぁ〜マジむかついてきた!!)
(矢口先輩、ほんとにどこがいいんだろあんな子の。)
(弱み握られてたり?)
(まっさか〜!!でも矢口先輩物好きだよね。)
((((((うん))))))
矢口はそのあと心ここにあらずといった様子で部屋へ戻って行った。
55 名前:りょう 投稿日:2002年02月14日(木)01時40分34秒
勢いあまって更新。
このあとごまは大変??
56 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月14日(木)18時28分23秒
もうかなりさいこーですね。むっちゃもてまくってる矢口。
かなりいい展開ですよ。ほんとおもしろいです。矢口かっこえー。
57 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)19時36分00秒
部屋に戻った後藤と吉澤。

「ちょっとごっちん!いきなり何やるのさ。こっちが恥ずかしかったよ
(親友のラブシーンなんて見るもんじゃーないね)」
「ごめんごめん。だってさ、あまりにも腹が立ったからさぁ〜」
「でも矢口さんすごくビックリしてたよ?怒られるよ?いいの?」

「う〜ん・・・そうだね。どうしよっか。」
「知らないよぉ〜私は〜」
「あっ、よしこ冷たい・・・。まぁそこはごとーの魅力に勝てない
 やぐっつあんだからだいじょうぶでしょ。いざとなったら泣き落としで・・・」
「そんなだからあんなこと言われるんだよ!!」
「なにさ、よしこまで。冗談に決まってるじゃんか。
 お昼休みにちゃんとフォローするもんだいじょうぶだよ」
「どうだか・・・」

そして朝の出来事はお昼までに学校中に広まった。
矢口と後藤が付き合ってると知らなかった生徒までもが知ってしまった。そして先生も。
今まで平穏に暮らしてきた矢口だったが唯一知られたくない相手、中澤にまで知られてしまって
矢口は午前中ずっと中澤にいろいろ言われていた。それがまずかった・・・。
58 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)19時38分22秒
そしてお昼休み――

「やぐっつあ〜ん!!ご飯食べよ?」

(あっあの子だよ矢口の彼女。)
(へぇぇ結構可愛いじゃんか。矢口もやるじゃん)
(でもけっこうすごいことやってんじゃないの?)
(そっか、朝から公共の場でキスするくらいだもんね)
(そうだよ。矢口って最近は堅くなってきたと思ってたのにね〜)

矢口は不機嫌そうに席を立つと黙って教室から出て行った。

「あっちょっとおやぐっつあ〜ん??」

後藤は急いであとについていった。
昨日と同じ場所まで来ると矢口は立ち止まった。

「あ、良かったあ〜・・・怒ってる?今朝のこと。」
「あたりまえだろっ!怒らないはずないだろっ!!なに考えてんだよお前は!!」
「・・・ごめんなさい。」
59 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)19時41分24秒
「(怒)後藤が何考えてるのかわかんねーよ!!なんであんなことするかな。
 わけわかんないよ!!あんなことするからっっお前はっ・・・あんなことするから
 お前はみんなに・・・・・別れた方がいいのかもな矢口たち。もう駄目だよ後藤。」
 悪いけど・・・。」

それだけ言うと矢口は帰ろうとした。――が、後藤がそれを制した。

「なに?なに言ってるの?やだよ!やだよそんなの!別れるなんてやだよ!
 そんなのごとー耐えらんないよ!!ウソだって言ってよ・・・
 ごとーが悪かったって分かってるから!もうあんなことしないから!!
 だからお願いだよやぐっつあん!」

矢口は聞こえない振りをして去って行く。

「待ってよやぐっつあん!やぐっつあん!!やぐっ!・・・ウッ・・・ヒィッ・・
ック・・ック・なんでだよぉ〜やぐっつあんが・・ック・・ごとーを・ウッ・ク・
 不安にさせる・・からじゃんかー!!バカーーー!!!・・・・・やだよやぐっつあん
 ・・・ふっ・うわあ〜ん!!!!!」

そして有名な矢口関係のうわさはあっというまに広まるもので・・・
放課後には矢口達が破局したとのウワサが学校中に広まった。
60 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)19時55分00秒
「ただいま・・・」

部屋へ戻って来た後藤。あのあと後藤は授業をすべてブッチしてあのまま泣き続けていた。

「ごっちん・・・だいじょうぶなの?」
「・・・もう寝る・・」

後藤はパジャマに着替えるとご飯も食べずシャワーも浴びずに寝た。

「ごっちん・・・(だから言ったのに。)」

吉澤は部屋を出て矢口に会いに行った。

コンコンっ
(ひとりで来たのって初めてだよ緊張するぅ〜)
「はい」
「あっ、吉澤っす。入れてもらえませんか?」

矢口は吉澤を部屋へと招きいれた。

「遅くにすんません。」
「んや、いいよ別に。まだ寝るつもりじゃなかったしな。で?どうした?」
「どうしたって・・・ごっちんのことですけど・・・」
「ああ・・・」 矢口はため息をついた。
「矢口さんほんとにごっちんと別れちゃったんですか?
矢口さんはごっちん一筋だと思ってたのに!どうなんすか!!」
「もう広まってんのな。」
「否定しないんすか??」
「事実だからな。」
61 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)19時56分08秒

「どうしてそんなに簡単に言えるんですか!ごっちんのこと愛してたんじゃなかったんですか?
前に言ったことはウソだったんですか?今朝のことだったらごっちんは充分反省してます!
そりゃあんなところでするごっちんも悪いけど。矢口さんがごっちんを不安にさせるから
じゃないですか!ごっちんがあんなことしたのも矢口さんのせいじゃないすか!!」

吉澤は息をきらしながら一気にまくし立てた。

「分かってるよ、そんなこと・・・」
「え??」
「矢口が後藤を不安にさせてるってこと、ちゃんと分かってる。
矢口がみんなの前ではっきりした態度をしないからだもんな。」
「分かってるんならなんで・・・」
「このまま矢口と付き合ってたら後藤はもっと悲しい思いをすることになる。」
「なんでですか??どういう意味っすか??」
「・・・後藤がみんなからなんていわれてるか知ってるか?」
「なんてって・・・なんて言われてるんですか?」
62 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)19時58分44秒

「『後藤は身体を使って矢口先輩を落とした。』『後藤は人気があるなら誰でもいい』
『後藤はだれとでもすぐに寝る』『後藤は――』」
「もういいっす!そんな事信じてるんですか!!矢口さん!(怒)」
「信じるわけないよ・・・後藤がそんな子じゃないってこと矢口が一番よく分かってるつもりだよ。
後藤はすごく純粋で優しくて可愛い子なんだから。」
「そこまで分かってて・・・」
「分かってるからだよ。後藤がそんなやつじゃないって分かってるのに、
矢口と付き合ってるってだけで全然違うこと言われるだろ。
矢口がハッキリと言えなかったのは悪いと思ってる。
でも言えててもきっとまた後藤を攻撃するやつが出てくる。
それだったら早いうちに、傷が浅いうちに別れたほうがいいと思った。」

「バカ!!!」
「バカだよ矢口は・・・」
「じゃあなんで矢口さんが守ってやらないんですか?なんで矢口さんが安心させて
あげないんですか?あんなにも矢口さんのことが好きなのに今別れたらそれこそ
一生立ち直れないじゃないですか!矢口さんはずるいです!逃げてるだけです!!」
63 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時00分38秒
「もうほっとけよ!!もう帰ってくれ・・・・・今日の話は後藤には絶対言うなよ。」
「・・・」

吉澤は矢口の部屋をあとにした。

(ばかだよほんとに!あそこまで分かってて別れる方を選ぶなんて!!)
「バカやろうー」
吉澤の声は隣の中学生の寮まで響いた。


次の日―― 
後藤は学校を休んだ。
吉澤がギリギリまで誘っていたが頑なに拒んだ。

「ちょっとぉ聞いたぁ?矢口先輩と後藤のこと〜」
「うん聞いたよぉビックリだね。やっぱり後藤なんかに矢口先輩はもったいないもん」
「そうだよ、別れて正解だよぉ」
「今日後藤休んでるんだよ?」
「うっそマジで?いい気味じゃーん。いい気になってるからだよ」
「そうだよねーこのまま来なくなっちゃえばいいんだよ」
「あ、それ賛成〜」
「でもさ、別れた理由ってだれか知ってるぅ?」
「さあ〜自分勝手な後藤に嫌気がさしたんでしょ」
「やっぱそうかな」
「でもそしたら矢口先輩今フリーでしょ?頑張っちゃおっと」
「あっ、抜け駆けはダメだよ。私だって〜」
2年生は喜んでいるようだ。
64 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時02分26秒
そしてここは矢口のクラス。


(矢口昨日の彼女と別れたんでしょ?)
(ほんとなの?朝からキスしてたんでしょ?なんでそれが別れるわけ?)
(それはわかんないけど・・・とにかく別れたんだよ。)
(可愛い彼女だったのにもったいないねー)

(あ、知ってる?2年の館すごいことになってるの)
(すごいこと?)
(うん。矢口のファンクラブが結集して祭りみたいになって異様な雰囲気だったよ)
(うわあ〜怖い。人気あるのも考えもんだね。)
(彼女休んでるみたいだし。ちょっと可哀想だよね)


学校が終わり部屋へ戻って来た吉澤。
部屋には後藤がいない・・・と思ったら洗面所で鏡を見ていた。
65 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時05分06秒
吉澤は、自分に気付いていないようだったので声をかけるのを躊躇った。



「・・・消えちゃったよ」


「え?なにが?」

気付いてたんだ。



「・・・・・やぐっつあんがつけてくれたシルシ・・・。
 やぐっつあんのものだーっていうシルシ・・・」


「・・・また付けてもらえばいいんだよ!」

「・・・無理だよ・・。」


(まいったな・・言葉が出てこないよ)



「ごとーってさ、可愛いくない?」
「え?なに急に」

「ごとーってさ、疲れちゃうくらいわがまま?」
「な、なに言って――」

「ごとーがさ、可愛くないから、ごとーがわがままだからやぐっつあんは
 別れようっていったのかな・・・。ごとーがつまんない嫉妬なんかするから・・・。
 ごとーに飽きちゃったのかな。もう嫌いなのかな・・・。」


「そんなことっ・・・ある訳ないよ!ごっちんは可愛いしわがままなんかじゃない!」


「ありがと・・・でもやぐっつあんにはそう映っちゃったんだねきっと・・・」

「そんな・・・ことっ」
66 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時11分24秒
「今日はごめんね、学校休んじゃって。明日からまた行くから。」

「だ、だいじょうぶなの?」

「ん?うん。ごとーがあんまり休んじゃったらやぐっつあんに迷惑がかかるでしょ?
『矢口のせいで後藤が来なくなったー』って言われたらやだし。
 大丈夫。いざとなったらよしこに守ってもらうから!頼むよぉよしこ!」

後藤が無理した笑顔で元気よく言うものだから吉澤はむねが苦しくなって泣きそうになる。
矢口に言うなと言われているが言いたい。好きあってるのに別れるなんておかしい!
(今日一日で分かったよ。矢口さんの言ったこと。みんな好きなことばっか言ってさ。
矢口さんが守ってやるのが一番だけど仕方ないのかな・・・)


次の日――
(あっ、後藤だよ。よく登校できたよね)
(あんな子―どうだっていいよ。もう矢口先輩とはなんの関係もないんだし)
(そうそう。後藤なんてもうどうでもいいよ)
(大体別れたって元気じゃん。案外吉澤と出来ててそれがばれたんじゃない?)
(あ〜ありそうだね〜それ。)
(もういいじゃん。後藤なんかの話はやめようよ。)

最初はひどい言われようだったが、
後藤に対する中傷などは一週間ほどで無くなった。
67 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時14分24秒
そしてなんの接触もないまま2週間が経った。

後藤は学校にいるときは笑顔で普通にしているが部屋に帰ってきてから泣いていることが
よくあった。吉澤にも気を使って吉澤が寝てから泣いていることもしばしばだった。
もちろん吉澤は気付いているのだが・・・。そしてあまり食事を取らなくなった。


ここは矢口のクラス。
今はお昼休み。最近は石川とお昼をとることが多かった矢口。

「それでですねー・・・矢口先輩?聞いてます??」
「ん・・あ、ああごめん、なんだっけ?」
「(真希ちゃんと別れてからずっとこんなだ。なにをするのも心ここにあらずって感じ)
 もういいです。それより・・・矢口先輩?」
「なに?」
「あのですねー私は・・・もちろん知ってるかと思いますけど矢口先輩が好きです。」
「お、おう。」
「今までずっと矢口先輩を見てきましたけど最近の先輩は嫌いです!
 魂のぬけた矢口先輩なんて先輩じゃないです!」

「・・・分かってるじゃん石川。矢口は腑抜けだよ。・・・
 昼からサボるから。もうほっといて」
68 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時22分16秒
矢口は今日は保健室が無人だと知っていたので入り込み寝ていた。
5時間目が始まる。

矢口も後藤と別れてからいろいろと考えることが多かった。

(・・・矢口から別れようって言っておきながらダメだな、矢口は。あいつと会えない
 ってだけでこんなにも胸が苦しいなんてよ・・・矢口・・なんであんなこと言ったんだろ。
 後藤がなんて言われてても矢口が分かってればよかったんじゃないのか??

 もう・・・2週間か?あいつと会わなくなってから。あいつ・・・元気かな・・・
 最後、泣いてたっけ・・・ほったらかして帰ったんだっけ、矢口・・・。)

ひとりでいるとこんなことばかり考えてしまって前へ進めない矢口。
それをほんの少しでも忘れようと寝に入っていった。


しばらくしてようやく寝かかったころ、人が入って来た。

(なんだよぉ〜やっと寝れそうだったのによ!)

「だいじょうぶ?!すぐに先生呼んでくるからね!横になってて!」

矢口の隣のベッドに誰かが乗った。
69 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時25分21秒
(今の声、吉澤か?なに・・・後藤?後藤がどうかしたのかよ?)

矢口はやはり気になりカーテンをあけようとした――が、
吉澤と先生が入ってきたので慌てて隠れた。

「どうっすか?急に倒れたんです!病気ですか??」

「・・・ん、心配ないね、これは。この子最近寝不足だったんじゃない?
 それとちゃんと食事も摂ってないでしょ?そんな身体なのに炎天下で
 ソフトボールなんかしたら誰でも倒れるわよ。」
「じゃあ寝たら治るんですか?」
「そうね。でも、寝不足になる理由と、食事を摂らない理由が分からない限り
 元気になってもまた同じことの繰り返しよ。あなた同じ部屋の子?」
「あ。はい、そうです。」
「じゃあ気をつけてあげてね。原因がわかれば一番良いんだけど」
「はい・・・原因はわかってますから」
「?じゃあ彼女はしばらくこのまま寝かしておいたらいいから
 あなたは授業に戻りなさい。この子は放課後にでも迎えにきてあげてね」
「わかりました。ありがとうございます」

吉澤と先生は保健室から出ていった。
70 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月14日(木)20時28分56秒
矢口は去ったことを確認すると後藤の寝ているベッドに近づいた。


「やっぱり後藤・・・・・・・・・・おまえ・・・なんだよ。こんなに細くなっちゃって・・・。
 色も抜けちゃってさ。なんでだよ。矢口がしたことは間違いだったのか?後藤は強い子だろ?
 矢口と別れたくらいでこんなんになるなよ・・・いつだって笑顔だったろ?
 また元気になって笑ってくれよ・・・なぁ後藤・・・」


矢口がぽつりぽつり言ったのが聞こえていたのだろうか。

「!」

後藤の手が矢口の手に伸びていった。後藤は目を瞑ったままだ。無意識なのだろう。


「・・ん・・あん・・・・だよ・・も・・・て・・き・てよ・・
 もう・む・・・よ・・しん・・・・・うよぉ・・」

「なに?なんて言ってるの?」


「やぐ・・つあん・別れるなん・・て・やだよ・・戻って・来てよ・・
 もう無理・・だよ・死んじゃう・・よぉ」

そう言うと後藤の目から涙が零れた。



そして矢口も泣いていた。
71 名前:りょう 投稿日:2002年02月14日(木)20時33分04秒
>56 名無し読者さま
   ありがとうございます。そう言ってもらえると
   書いてていいのねって気になります!!
   というか書きまくってるんですが。
   
   やぐごまって現実に絡みが無さ過ぎて難しいです。

   勢いあるうちにまた更新してしまうかもしれません・・・。
72 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月14日(木)20時35分18秒
リアルタイムです。もうどんどん書いちゃってください。
展開かなりいいです。
現実では割と仲よさそうですよ。
73 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月14日(木)23時16分15秒
やばい展開じゃないですか!にしても最近堅くなってきたって…
昔はどうだったんだ、やぐ!
74 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時04分31秒
「後藤・・・ごめんな。矢口。バカだよな。こんなにも大事だってこと分かってたのに
 自分から手放して・・・。傷つかないようにって言いながら矢口が傷つけてた。
 矢口が泣かしてた。ほんと、ごめんな・・・」

矢口は後藤の手を握ったまま泣いていた。


「もう離さない。絶対に離したくない。もう別れるなんて絶対言わない・・
 だから早く元気になってくれ・・・笑ってくれ・・・」


そうしているうちに後藤が目を覚ました。

「ん、ん〜??」キョロキョロする後藤。

「保健室だよここは。貧血で倒れたんだよ」


「・・・やぐっつあん?」

「・・ああ、そうだよ。」

「うそだぁ!ごとーまだユメ見てるんだよ、ちゃんと起きなきゃっ・・・」

もういちど布団をかぶろうとする後藤を矢口は抱きしめてとめた。

「ユメじゃないよ・・・矢口だよ、後藤。」

「だって、やぐっつあんがいるはずないもん!!ごとーのこともう嫌いになったんだもん。
 ここにいるはずないもん!ユメだもん!」

矢口は後藤の両肩を持つと真剣な眼差しで後藤を見た。
75 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時06分40秒

「いままでごめんな。矢口がバカだった。後藤と別れるなんてバカだった。
 矢口がとった行動は簡単に許してもらえないと思う・・・
 けど、矢口はもう後藤と離れていたくない。矢口は後藤を離したくない。
 後藤が誰よりも何よりも大切だよ。好きだよ。もう一度付き合って欲しい。」

後藤に置いた手がかすかに震えている矢口。

後藤が矢口を見ると矢口は泣いていた。


「やぐっつあん・・・どうして泣くの?」

「・・・」

「これは現実なの?ごとーはやぐっつあんと居ていいの?やぐっつあんの彼女に戻れるの?
 やぐっつあんを好きでいていいの?好きでいてくれるの?」

「・・・あたりまえじゃんか。矢口を許してくれるのか?」


「許すもなにも初めから怒ってないもん!!怒ってたのはやぐっつあんだもん!!
 ごとーね、毎日淋しかったよ。やぐっつあんが離れていってから毎日泣いてた。
 ごとーのこともう嫌いなの?言ってくれたらなおすのに、どうしたら戻って
 きてくれるんだろ?ってずっと考えてた。」

「ごめんな・・・。後藤はひとつも悪くないよ」


矢口に寄り掛かり泣いている後藤。後藤を支えて泣いている矢口。
76 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時08分40秒
しばらくして後藤が話し出した。

「えへへ。戻って来てくれて嬉しい。
 ・・・ひとつお願いがあるんだーごとー。聞いてくれる?」

「なに?」

「・・・やぐっつあんのくれたシルシ。消えちゃったからまた付けて?」

「・・・可愛いやつだな、後藤」

そういって矢口は後藤をベッドに押し倒した。
久しぶりの後藤の唇は柔らかくて気持ちよくて、矢口は感動していた。

(いつも恥ずかしくてなかなか出来ないけどキスっていいもんだな)

そして後藤は後藤で感動していた。

(やぐっつあんのちゅー懐かしいよお〜やぐっつあんだよ〜(嬉))

そして矢口は首筋へ唇を移動していった。
矢口がむくりと起き上がると後藤は矢口に言った。


「あはっこれからは消えるたびに付けてもらわなきゃね。
 ごとーはやぐっつあんだけのものだからね?」

(可愛すぎるぜこのやろう!!!)

あまりにも後藤が可愛くて矢口は我慢出来ずにまた押し倒した。


「やぐっつあん?どうしたの?んっ・・んーー・・ん・・」
77 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時10分41秒
「・・っむ・んっ・・ぷはあっ。どうしたの?いきなり。苦しいじゃない。」

「後藤が好きだよ・・・愛してるよ・・・」

「やぐっつあん・・・ごとーも愛してる・・・」


矢口はそう言うと後藤にまた口付けた。今度は舌を入れてみた。
今までは唇と唇を触れ合わすだけのふたりだった。初めてのことに驚きすくんでいる
後藤だったがぎこちなく矢口に応えようと一生懸命舌を絡めた。今までにないってくらい
矢口は後藤を欲していた。後藤にもそれが伝わって嬉しかった。

舌をを絡めながら矢口の手は後藤のシャツのボタンを外しにかかっていた。

(えっ?えっ?えー?マジ?なんか怖いよ・・)

矢口はそれを察したのか最初からそんな気はなかったのかこんなことを言った。

「だいじょうぶだよ。後藤が怖がってるうちはなにもしないよ。
 矢口だって無理やりやるほど飢えてないよ。」

「なに?飢えてたら無理やりやっちゃうわけ?」
「バカ!違うだろ!ものの例えだよ!」
「分かってるってえ〜」

後藤がにやにやと笑うので矢口はびびらせてやろうと少し開いた後藤の胸元に顔を埋めた。
78 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時12分20秒
「や、やぐっつあん??」

(驚いてる驚いてる〜)

「矢口のシルシ。ここにも付けさせてよ。一個だったらすぐ消えちゃうだろ。」
「あっ、そんなっ・・やぐっ・・恥ずかしいよ・・・」

矢口は後藤の首筋から胸にかけて(乳首までは行ってないが)いたるところにシルシをつけた。

「これでもう誰も文句は言わないだろ。」
「やぐっつあん・・・離さないでね?」
「分かってる。そろそろ吉澤くるんじゃない?
 かばん置いたままだし矢口帰るな。またな!!」

矢口はそういって入ってきた窓から帰って行った。

「やぐっつあん・・・」

そうして余韻にひたっていた後藤のもとへ吉澤がかばんを持ってやってきた。
「おい〜っす!ごっちん生きてるかぁ〜?」

シャッ 勢いよくカーテンを開ける吉澤。
吉澤が見たそこにはさっき倒れた人物とは思えないほど元気になっている後藤がいた。
79 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時14分17秒
「なに?なんでそんな元気なわけ?いいユメでもみた?」

「んっふっふ〜♪これなーんだ?」

後藤は吉澤にキスマークを見せた。

「これって・・・矢口さん来たの?」
「うん。目が覚めたら居たの。でね、ごめんって。いままでごめんって。
 もう離さないって言ってくれたの」

「良かったねえごっちん(泣)、ほんと良かったね(泣)」

「どうしてよしこが泣くのさぁ〜もうやぐっつあんとごとーがいっぱい泣いたから
 よしこまで泣かないでよ」
「うっ、だってさ、ほんとに心配だったんだよぉ〜ごっちんのこと〜」
「心配してくれてありがとね。もうごとーはだいじょうぶだから。もう負けないから。」

「矢口さんがなんで別れようって言ったのか聞いた?」
「ん〜?いいよぉそのことはもう・・・そんときはごとーがいやだったんだよきっと」
「違うよごっちん。矢口さんはね・・・」

全てを後藤に話した吉澤。

「やぐっつあん・・・そんなの気にしてたんだ・・・」
「うん。でも、もうだいじょうぶだよね?ごっちんたちなら負けないよね?」
「もちろん!教えてくれてありがとね、よしこ」
80 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時15分32秒
次の日――
食堂で2人仲良く朝食をとる姿が多くの生徒に目撃された。


「いっぱい食えよ。いつまでも骨だったら矢口は抱きたくないからな。」

「やぐっつあん・・・・・恥ずかしいこと平気で言うようになったね・・・
 ごとーの方が恥ずかしいや」
「うるさいな。いいんだよこれで。邪魔されたらやだしな、もう。ほら、牛乳。
 矢口の分もやるからしっかり飲め!栄養摂ってもとのからだにまずは戻らないとな」

「牛乳は嫌いなだけでしょ?ごとーのためかな〜??」

「うっ!い、いいから飲んどけ!!」

そんなふたりはやはり注目の的になるわけで・・・。

(なにぃ〜あれ〜)
(別れたんじゃ無かったの〜?)
(なんで一緒にご飯食べてるの〜?)
(寄り戻ったわけ?それとも最初から別れてなかったの?)
(別れてたでしょ。後藤痩せてたもん別れてから。昨日だって倒れたみたいだし)
(それでだよ!矢口先輩責任感じて寄り戻したんだよ、絶対そうだよ!)

またしても丸聞こえな声で好き勝手言う生徒たち。
81 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)00時17分51秒

「後藤、気にするなよ。言いたいやつには言わせておけ。」

「うん・・・でもやっぱやな感じだよ」

「・・・後藤ちょっとこっち向いて?」

「んあ?なに?・・!」

矢口はこの前の後藤と同じように後藤にキスをした。
何度も何度も角度を変えてした。


「やぐ、やぐっつあん??」

「へへへ、おはようのちゅーとおやすみのちゅーが2週間分たまってただろ?」

「こ、こんなところで・・・そりゃたまってたけど・・・」

「いいじゃん別に。やだったか?」

「ううん。嬉しかった。」

「なら良かった。じゃーもっかいおかわりしてこーい」

「う、うん」



(見た?今の?)
(((((((カッコイイ〜!!!!!!!!)))))))
(だよね、相手が後藤ってのはむかつくけど矢口先輩あんな風にキスするんだね〜
 あんな風にされてみたーい)


なにやら矢口人気に余計火が付いたようだが・・・。

82 名前:りょう 投稿日:2002年02月15日(金)00時24分58秒
別に1部という形で切る必要はまぁったく無いのですが・・・
まぁ、なんとなく区切りが良かったので・・・

実はこのあともまだ話は書いているので宜しければお付き合い下さい。
明日更新するです。

>72 名無し読者さま
   リアルタイム??ほんとだ!!
   >もうどんどん書いちゃってください。
   無理やり話は続きます・・・。
   かなり強引な展開な気がしますが、そういっていただけると幸いです。

>73 名無し読者さま
   やばい展開はあっというまに終わってしまいました・・・ごめんなさい。
   
   最近堅くなってきた・・・
   気付いて頂けましたか・・・実はやぐは・・・じ、実は!!
   それは2部で分かっていくということで・・・(w
   
   ありがとうございました!!
83 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月15日(金)01時28分52秒
おもろい!
ごまかわいいし、テンポのいい内容で
とても読みやすいです。
第2部期待してます。
でも、知の過去は凄そうです。
にゃんにゃんがあるし…(爆
84 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時20分33秒
ここは吉澤のクラス。朝の出来事はすでに広まっていた。


「ちょっとお〜聞いたよごっちん、食堂でまたキスしたんだって?」

「あはっもう知ってるんだ。」

「みんな知ってるよ〜!昨日まで死にそうだったクセにさ!ふたりとも単純なんだから!」

「いいじゃんか。本来の姿に戻っただけだよ。ただ・・・」

「ただ、なに?」

「やぐっつあんがなんかえっちいんだよね。『骨だったら抱きたくない』とか言うし」

「(ノロケかよおいっ)い、いいことじゃん。なかなか手を出してくれないってぼやいてたじゃんか。」

「そうなんだけど〜・・・ま、嬉しいんだけどね♪」

85 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時22分25秒
2年生の校舎

「ちょっと知ってるー?矢口先輩ヨリ戻したってー」

「らしいねー。なんか悔しいよね結局後藤に戻ったってことでしょ?」

「ま、そうなんだけど、なんか矢口先輩感じ変わっちゃってさあ〜」

「どんなふうに?」

「あれーあんた朝のふたり見てないのお?」

「なに?朝のふたりって。」

「食堂でふたり朝食摂ってたのよ。そばにいた子が会話聞いてたんだけどね、
 『いつまでも骨だったら抱きたくない』って言ったらしいよ〜」

「マジで?あの硬派の矢口先輩が??なんかショックかも〜」

「あ〜あ〜あ〜ばかだねあんた。そんなことをサラっといえる矢口先輩ってますますカッコイイ
 じゃんか。それに何度も後藤にキスしたんだよ?みんなが見てる前で。」

「えええ?マジ?」

「相手が後藤ってのはみんな納得いかなかったけど矢口先輩キス上手くてさあ〜
 見てるこっちがとろけそうだったよ。」

「そうなんだ・・・」

「今日のことでますますファンが増えたと思うけどなー、私は。」
86 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時24分05秒
そしてここは矢口のクラス

「矢口ぃ〜ヨリ戻したんだって?彼女と〜」

「あ?なんで知ってんの?圭織。」

「矢口達のことは誰でも知ってるっしょ」

「なっちまで。もしかしてもうみんな知ってんの?」

「全員知ってんじゃない?なぁなっち」

「そうだべ。矢口が『抱きたくない』って言ったことも食堂でキスしたこともみんな知ってるべ」

「マジかよ・・・。みんなどんな反応??」

「前より後藤のこと悪く言う子減ったみたいだけど。」

「前よりって・・・。なんで後藤が悪く言われるのかがわかんないよ。」

「はぁ?そんなの矢口のファンの嫌がらせに決まってんじゃん」

「そうだべ。真希ちゃんは何も悪くないのに可哀想だべ。矢口のせいで一度は別れたようなもんだべ」

「なかなか上手くいかないな、人生って。ま、でも安心してよ。
 矢口は後藤のことこれでもかってくらい愛してるから!!」

「あっら〜言っちゃったよこの人。ノロケになりそうだから帰ろうかなっち」

「そうだべな。じゃ、矢口、ほどほどにするべよ。」
87 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時26分08秒
そんな光景を見ていた少女――石川梨華

「先輩・・・」

「おっ!石川あ〜昨日はごめんな?」

「いいえ、いいんです。矢口先輩また元気になったみたいで良かったです。」

「石川っておかしなやつだよな・・・」

「え?どうしてですかー?」

「だってよ、普通好きな相手が彼女とヨリ戻したっつったらいやだろ?」

「・・・確かに。」

「だろぉ?なのに元気になって良かったってよ〜」

「いいんです!!もともと知り合った時も先輩には真希ちゃんがいたんですから!
 真希ちゃんと付き合っている先輩に恋したんですもん。ふたりが仲良いのならそれでいいんです!」

「そか、さんきゅな。・・・石川?」

「はい?」



「矢口は後藤のこと以外考えられないから、これからも石川の気持ちに応えてやることは出来ない。
 だから、新しい恋・・・しろよ。矢口なんかより良いやつ絶対いるからさ」


「(泣)はい・・・。先輩より良い人は難しいけど・・・努力します。でも、これからも
 相手してくださいね?真希ちゃんも一緒でもいいですから。」


「ん、分かった。ごめんな」
88 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時28分17秒
石川は走って出て行った。外ではあゆみが待っていた。

「梨華ちゃん・・・もう気がすんだ?」

あゆみはもともと本気ではなくミーハーなファンだったのでとっくに吹っ切れていた。

「うん・・・新しい恋探せだって。」

「そうだよ。梨華ちゃんのこと好きっていう人がそのうち現れるよ!」

「ん、ありがとう。あゆみちゃん・・・」
梨華は吉澤のことを思い出していた。


お昼休み。

「やぐっつあ〜ん!!ご飯たべよ〜」

後藤が矢口の教室をあけると生徒達がいっせいに後藤を見てきた。

「な、なに?やぐっつあん?」

「もーいいかげんにしろよ!ほらっ、いくぞ後藤」

「うん・・・。」

「あっ、待ってよ!矢口!うちらその子に話あるんだから」

話と聞いてドキっとする後藤。またなにかやなこと言われるのかな?
でも今はやぐっつあん一緒だし・・・なんてことを考えていた後藤。
89 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時30分46秒
「後藤だっけ?矢口と付き合ってると苦労するでしょ?女心がぜんぜん分かってないからね」

「矢口も女ですけどー??」

「男じゃんか。高校入ってからずっと硬派だった矢口を変えるんてすごいよあんた。
 矢口は人前でいちゃつくことなんて絶対にしなかったのに今日なんて・・・
 矢口からキスしてたもんね」

「そうだよ。矢口と続くくらいだから性格も良いんだろーけど・・・
 ・・・やっぱ身体の相性もいいの?」

「あっ、それウチも聞きたかった〜矢口って上手いでしょお?どこで覚えてきたんだ?って感じ。
 あんたスタイル良いし相性ぴったしなんだろーね。」


「は、はあ・・・」

「(おぃ、余計なこというな!)もういいだろ!後藤行くぞ!」

「う、うん。」

「あ、矢口―学校でえっちはダメだよ〜」

「バカいってんなよ!!!」
90 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時33分24秒

「3年生のパワーってすごい・・・。えっちとか・・・平気で言うんだね。」

「びっくりしただろ。悪かったな。あいつらいつも矢口を絡かってくるんだよ」


「・・・体の相性って?そんなのあるの??」

「うあ?な、なに言ってるんだよいきなりよ〜・・・・・・ま、あるけどよ」

「じゃあなに?ごとーとやぐっつあんは愛し合ってても身体の相性が合わなけりゃおしまい??」

「バァカ!んなわけねーだろ!こんなこと言うのなんだけど、後藤とは絶対合う!!
 矢口には分かる!・・・それに合わなくたってちゃんと好きだから。心配すんな!」


「うん・・・『矢口上手いでしょ』ってどゆこと?したの?大体相性が合うとか、
 そんなのなんで知ってんの?」


「う、ううっ・・・そ、それは(あいつ!あとで締める!!)
 後藤に出会う前にちょっとな・・・。」
91 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)20時36分01秒

「ふ〜ん・・・さっきの人すごく誇らしげだったもんね〜
 そりゃー良かったんでしょ、やぐっつあんとのえっち!(怒)」

「お、怒るなよ〜お前と出会う前のことじゃんか。」

「なにさっ!ごとーが一番って言ったクセに。ウソつき!」

「だからお前に出会う前だーっつってんだろ?分かれよ!」

後藤と出会う前のことをいつまでもしつこく言うので矢口は少し逆ギレをしていた。

「だ、だって・・・ごとーはちゅーだってやぐっつあんが初めてなのに・・・怒鳴らないでよ・・。」

「悪かったよどなってよ・・・。どうしたら機嫌直してくれる?」



「・・・これからの質問に正直に答えてくれる?」



「う、うん(怖いぜ後藤)」

「さっきの人と何回ヤッたの?」

「!んなの・・・(数えている矢口)4回か?」

正直に答える矢口。

「(怒)っそ。じゃあさっきの人以外にに何人とヤッた?」


「・・・(数えている矢口)5人?6人?5人だな」

またしても正直に答える矢口。ウソがつけない性格らしい。
しかしウソを言って欲しいときもある。なるほど、女心を分かってない。

92 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)21時09分43秒
「やぐっ、やぐっ」

「ん?どうした?」

「やぐっつあんのバカー!!」

後藤は走って去って行く。

「ええぇ?正直に答えたじゃんか〜おい待てよ〜後藤〜〜」

矢口も追いかける。

「何が硬派だよ!何がカッコイイだよ!ただのナンパもんじゃんかー。
 何人とやってるんだよ!!裏切りもの〜!!!」

「おい待てって後藤!」

矢口も意外と足は速くすぐに後藤に追いつく。

「ついてこないで!!誰とでもヤればいいんだ!!やぐっつあんなんか
 泣いて頼んだって絶対ヤラしてやんないんだから〜〜」  

    バチンッ

  「いってぇっ!!」

後藤に力いっぱい平手打ちをされた矢口は痛さのあまりその場にうずくまってしまった。
そして後藤を見失った。

またしてもふたりは話題の中心になってしまった。

93 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)21時13分05秒
ここは後藤のクラス

「後藤・・・いる?」

「あ、矢口さん。話は聞きましたよ。」

「正直にって言うから・・・。それに後藤と出会う前の話じゃんか。
 今は後藤一筋だってのによ・・・まいったな」

「・・・私も初耳だったんですけど、矢口さんって女ったらしだったんすか?
 何人もの人とえっちしたって聞きましたけど」

「5人な・・・。中学の時の矢口はどうかしてたんだよ!なんかモテてさ・・・
 興味もあったから誘われたら断れなくてよ。」

「サイテーじゃないっすか!遊びでするなんて!!とにかく、
 ごっちんは会いたくないって言ってるんで!!」

吉澤は矢口を追い出した。

「吉澤まで・・・。正直に言ったのによ・・・なんでだよ」

2年の校舎。
「ね、ね、ね、聞いた?あゆみ。今度の情報はか〜な〜りスゴイよ?」

「なに?また別れたとか??」

「もっと、すごいことだよ!!あのね・・・」

「えーーーーーーーーーーー?マジでぇ?」

「なに叫んでるの?」

「あっ、梨華ちゃん〜〜」

「どうしたの?」
94 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)21時14分15秒
「さっき矢口先輩と真希ちゃんがまたケンカしてたんだってぇ」

「またあ?今度はどうして?」

「私のくちからはとてもじゃないけど言えないね・・・」

「なに?じゃー真巳っち教えてよ」

「うん、梨華、ちゃんと聞いてよ?」「逃げて行く後藤がね、『何人とやってるんだよ!!裏切りもの〜!!!』って言ったらしいよ。
 それで『泣いて頼んだってヤラしてやんない』って言って平手打ちかましたの!!」

「ウソ・・・。」

「ほんとだよ〜また詳しい情報入ったら教えるね♪
 それにしても先輩後藤とまだやってなかったんだ。良かったぁ〜♪」

「真巳っ!一部始終見てた子に教えてもらったよ!!」

「でかしたっアミ!!で?なんだったわけ?真相は。」

「うん・・・ちょっと私もビックリした内容だったけど。聞く?」

「もち!」

みんな聞き耳を立てて聞いている。梨華もそのひとりだ。
95 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)21時16分19秒
「〜ってことだったらしいのよ」
「マジ?あの矢口先輩がタラシだったの??」
「信じらんない〜ウソだと言って〜」

「でも、・・・」

「なによ?真巳」

「タラシの先輩もなんかいいな。先輩にだったら一回きりでもいいから抱かれてみたいよ」

「・・・確かにね。昔の話だし?でもいいよなー。先輩とヤッた人5人もいるんでしょ?」

「硬派な先輩もステキだけど軟派な先輩もなんか似合うよね」

「うんうん分かる!分かる!なにがあっても私達は矢口先輩のファンだもんねー」

実は軟派だったことが学校中に知れ渡ったのだが新たなファンが増えただけで大した影響は無かったようだ。


「私・・・もう帰るね。」

「えっ?梨華??」

梨華は片付けると走って帰って行った。

「梨華はショック派なんだね」

ここは矢口のクラス。

「・・・」

無言で入る矢口。

「矢口〜まあたケンカしたんだって〜?だめじゃん。」

「やらしてあげないって言われたんでしょ?きっついこと言うよねあの子も〜」

「ほんとほんと。矢口がどれだけしてないのかしんないんだね」
96 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月15日(金)21時18分01秒

「誰のせいだよ誰の!!(怒)」


「そんなの・・・矢口が正直に全部話すからじゃん。だから女心分かってないって言ったのよ」

「やっと仲直り出来たところだったのによ・・・。それにやっと軟派なイメージ消えてきた
 ところだったのによ。台無しだよ」
ガクッっとうなだれる矢口。

「ま、ま、ま、いいじゃん。溜まったらうちらが相手してあげるから!」

「だれが!!お前らとなんかするかよ!バカ!」


「聞いた〜?バカだって。昔はあんなに甘い言葉かけてくれたのに・・・」
「そうだね。あんなに愛してくれたのにね・・・」

「誰かに聞かれてたらどうすんだ!!もうこれ以上誤解を招くようなことはごめんだ!
 ほっといてくれよ!」

「はいはい・・・。でも、ほんと、ヤリたくなったら言ってね?いつでもオッケーだよ。」

「・・・」

矢口は片付けると帰ってしまった。
97 名前:りょう 投稿日:2002年02月15日(金)21時22分34秒
とりあえず更新できました。

>83 名無し読者さま
    しょっぱなからやぐの過去がばれてしまいました。
    やぐは思ったことすぐに言っちゃうので・・・。
    ごま、かわいいですか?こんな彼女欲しいっすね。
    
    ちょっと頭がこんがらがって来ています。

    では、また後ほど・・・。
98 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月15日(金)23時13分03秒
軟派なやぐいいね!珍しくて。なんか何してもかっけくみえる。
後ほども待ってますよ。
99 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)00時59分10秒
寮に入るところで矢口は梨華と鉢合わせた。

  「あっ・・石川。おまえも早退――」

話の途中で梨華は走っていってしまった。

(まいったな〜石川までよぉ〜どうすんべか)

後藤が会おうとしないこともあったのでまずは梨華の誤解を解くことにした。

(まあ、誤解ではないのだが)


コンコンッ

「・・・」

「矢口だけどよ・・・石川?居るんだろ?開けてくれよ!」

「・・・」

「頼むよ。なに怒ってるかしんないけど石川ときまずいのは矢口はいやだよ」

カチャ・・そっと扉が開いた

「さんきゅ、石川。」

「せっかく入れてもらってなんなんだけど矢口の部屋にいかない?
 ここだと柴田が帰ってくるだろ?話の途中で終わるのやだしな」

そうして矢口と石川は矢口の部屋で話した。
100 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時01分06秒
「で・・なに怒ってる?昼休みの後藤とのケンカの内容聞いちゃったか?」

「はい・・・。怒ってないです。ちょっとビックリしちゃって・・・」


「確かに矢口は中学生の時、ちょっとだけ女ったらしだった。なんでかもてたからさ、
 言い寄ってくる女の子達いっぱいいたし。誘われたらなにも考えないでしちゃってた。
 あのときの行為に意味なんてまったく無いよ。愛情だってもちろん無かったし。」


「真希ちゃんとはどうして1年以上も付き合ってるのにしないんですか?」

「だってよ・・・それだけが愛じゃないだろ。高校にあがってその行為の意味知ってさ、
 なんてバカだったんだろって後悔した。だから戒めとしてそれを絶ったんだ。
 だからー後藤とはまだしてないよ」


「したくないんですか?」

「後藤とか?そりゃー愛してるからしたいよ?」

「違います・・・。」

「あ?なにが違うの?」



「中学生の時たくさんの人とヤッてた矢口先輩が1年以上もヤらないで溜まらないのかなって」
101 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時03分01秒
「溜まらないのか・・・って石川。おまえそんなこと言うやつだったか?
 ヤるとかいう言葉も使わないやつだったろ?どうした?」

「どうなんですか?」

「そ、そりゃ正直溜まってるよ。いますぐにでも絶つのやめたい。でもまだダメなんだ」

「矢口せんぱい・・・。私のこと、好きですか?」

「なに?急に。」

「嫌いですか?」

「嫌いなわけねーじゃんか!大事な後輩だよ!」

「(後輩か・・・)じゃあ私のこと・・・抱いてください。」

「あああん?今の話聞いてたのか?矢口は誰とでもやっちゃう人間だったけど
 後悔してやめたんだよ?出来るわけないだろ!」

「でも溜まってるって言ったじゃないですか・・・」

「言ったけどよ・・・」

梨華は制服を素早く脱ぐと下着だけになり矢口に抱きついた。
矢口を上にするように抱きかかえて自分が下になった。

「お願いします・・・先輩・・・。」

「・・・石川・・・。」

矢口は梨華の顔へ唇を近付けていった。それを見て梨華は目を瞑る。
102 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時04分48秒
『ちゅっ』

音がしたそこは梨華のおでこだった。

「石川。悪いけど矢口は後藤しか見えない。もっと自分を大事にしろよ。」

それだけ聞くと梨華は制服を羽織って泣きながら部屋から出て行った。

そこへ帰って来た吉澤と後藤。
ドアを開けて出た梨華とぶつかった。

「いてっ!あれ?梨華ちゃん?」

「え?梨華ちゃんなの今の。なんか泣いてたみたいだけど。服はだけてなかった?」

出てきた部屋をふたりが見るとそこは『矢口』の部屋だった。

「(怒)」
「(怒)」
「ちょっとお!やぐっつあん!」
「矢口さん!!」

入ってみると矢口は上を向きながら石川が落としていった校章を見ていた。

「なんだよふたりして・・・怒ってんじゃなかったの。」

「いまの梨華ちゃんっすよねぇ?泣いてましたよ?服はだけてましたよ?ごっちんとやれないからって梨華ちゃんに手ぇ出したんですか!!!」
「どうなのやぐっつあん!(怒)」


「どうでも良いよ・・・好きにとってよ・・・。」

「「!!」」

吉澤と後藤は怒って出て行った。
103 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時06分11秒
「ごっちん?私梨華ちゃん見てくるね。」
「うん。」
「ごっちんだいじょうぶ?」
「だいじょーぶだよ。やぐっつあんなんかもうしらないよ。」
「なんかあったらすぐケータイ鳴らしてよね。」
「うん分かってる」

石川の行きそうなところ。吉澤には簡単に分かった。

以前も矢口のことで泣いていたときいた場所はテラスだった。

「いた・・・良かった。・・・梨華ちゃん?」


「ひとみちゃん・・・どうして来たの?」

「だって・・・梨華ちゃん心配だったから・・・泣いてたし。・・その。・・服乱れてたし。
 矢口さんになにかされたの??誰にも言わないから言ってよ」

吉澤は出来る限り優しく、ゆっくりとした口調で言った。

しばらく泣いていた梨華だったが落ち着いたのか話出した。
104 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時08分00秒
「矢口さんはなにもしてないよ。」

「え?襲われたんじゃあ・・」


「抱いてって私が頼んだの。」

「・・・(ショック!!)どうして」

「今日・・・矢口先輩がたらしだってウワサ聞いて。すごくショックだった。
 今までの先輩はなんだったの?私に優しくしてくれてたのはそんな気持ちからだったの?
 とかいろいろ考えちゃって授業受ける気になんなくて帰ってきたの。
 そこで矢口さんと会って・・・。ウワサみたいにタラシだったらどうして
 真希ちゃんを抱かないの?って思って聞いたの。」

「うん・・・なんて?矢口さん」

「『それだけが愛じゃないだろ』って。『昔のことは後悔してる。
 だからまたそうならないように抑えてる』みたいなこと言ったの。」

「そんなことを・・・」


「でもね、私も引き下がるわけに行かなくて・・・抱いてほしくてお願いしたの。
 服脱いだんだけどちぃっとも効かなかった。『後藤しか見えない。』って言われた。」

「なんでそんなことするんだよ!!もっと自分を大切にしなよ!!」

吉澤は梨華を抱きしめて言った。
105 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時10分04秒
「先輩にも同じこと言われちゃった・・・。」
「矢口さんのことは忘れてよ!いま、ここにいる私を見てよ!!」

「ひとみちゃん・・・。私はこんな女だよ?ただ抱いて欲しくて行く女だよ?」
「そんなの、気にしない!好きだから突っ走っちゃったんだよ、
 私はどんな梨華ちゃんでも好きだよ?」

「ひとみちゃん・・・」

「梨華ちゃん好き。」

そう言うと吉澤は梨華の唇に唇を近付けていき、そっと触れた。

「ひ、ひとみちゃん??」

「――ごめん。こんなときに。でも我慢出来なかった。やだった?」


「やじゃないけど・・・。」

「冷えるし、帰ろう?」
「また慰めてもらっちゃったな。ひとみちゃんに。2回目だよね」

「そうだね。まだまだ待つから!!」

「ありがとう。そういえば真希ちゃん誤解したまんまでしょう?」
「そうだった!!誤解とかなきゃね!過去のことは事実でもさっきのは誤解だもんね」

吉澤は梨華と誤解を解きにいった。納得するまですごく時間がかかったが
なんとか分かってくれたようだ。『やぐっつあんとこ行ってくる・・・』
と言って後藤は出て行った。
106 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時13分35秒
コンコンッ
「やぐっつあん?ごとーだけど。入っていい?」

「開いてるよ・・・」

「さっきのことなら――」
「梨華ちゃんに全部聞いたよ。梨華ちゃんが泣いてた理由も服が乱れてた理由も。
 それと・・・なんでごとーを抱かないのかも。」

「そうかよ・・・」

「いつになったら抱いてくれるの??ごとーずっと待ってるんだよ?」

「ああ?いきなり何いってんの?石川から聞いたんだろ?矢口はそういうの絶ってるって!」

「聞いたよ・・・。」

「だったら――」
「それでも抱いて欲しいんだもん。やぐっつあんがごとーを抱く事で昔みたいになっちゃう
 なんて信じられないもん。ぜったいそんなことないもん。大丈夫だよ?やぐっつあん」

「でもよ・・・。」

実際えっちとは興奮して気持ちのいいことだったと覚えている矢口はなかなか次へ進むのが
怖かった。後藤を傷つけるかもしれない。初めてなのに・・・と思っていた。
107 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時15分30秒
「そんなにごとーを抱きたくないの?ほんとは別の理由があるんじゃないの?」

思っても無かったことを言われて焦る矢口。

「んなわけねーだろ!!矢口は後藤を抱きたくて抱きたくてたまんないっての!!
 (しまった!言っちまった!)」

「だったら・・・だいじょうぶだよ。抱いてよ。」

「でもよ・・・・・・いいのか?」
「ちょっと怖いけど、やぐっつあんだったらだいじょうぶ。
 体中にやぐっつあんのシルシつけてよ。・・・ね?」

矢口は後藤をベッドまで誘導すると後藤の上になり後藤を見つめた。



「やだったら突き飛ばしていいからな」

「うん・・・だいじょぶ」

矢口は後藤の顔に優しく触れると唇を近付けていった。

最初は優しく軽いキス。そしてうっすら開いた隙間から舌をすべりこませていく。

「・・っむ・・ん・・・ッ」

後藤の声は切なげに漏れる。

矢口の舌に合わせるように動かしている。

ピチャピチャとふたりの舌を絡める音と自分の漏らす声を少し恥ずかしく思う後藤。
108 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時18分21秒
(んっ、やぐっつあんってキスうまいよお〜キスだけで・・あっ・あん・やぐっつあ〜ん)

しばらく後藤の舌や口内を味わった矢口は唇を一端離すと首筋に位置を変えた。

首筋や耳朶を吸い付くように攻めながら右手はシャツのボタンを外しにかかっていた。

ボタンが外れたところでフロントホックのブラに手をかける。

やっぱり恥ずかしいのかそれを遮る後藤。

「や、やぐっつあん。やっぱり・・・」

「やめとこうか?後藤が大丈夫になるまで矢口は待つよ?」




「う、うん・・・・・・・・・続けて。」

109 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時20分53秒
意外な答えに驚く矢口。

「いいのか??焦らなくていいんだぜ?」

「うん・・・続けて欲しい・・やぐっつあん」

それを聞いた矢口はすぐにブラを外した。

細い身体からは想像も出来ないほどの豊かな胸が露になった。

「後藤・・・すごくきれいだよ。」

「あんまり見ないで・・・」

「どうして?こんなにキレイなのに・・・。」

矢口は左の胸をペロっと舐めてみた。その瞬間後藤の体が強張った。

「ひゃっ!・・やだ・・・あっ・あん・ああん・・・やぐっつ・・あん・あっ、あっ、」

矢口は舌で胸を愛撫しながら逆の手でもう片方の胸を愛撫していた。

舌がときどき自己主張をしているそれにあたると後藤は悩ましげな声をあげるのだった。

(後藤、ほんとに初めてなんだな。可愛いよ!!たまらん!!もう、下は・・・いけるかな?
 初めてだしあんまり焦らすと可哀想だもんな)
 
矢口は胸から唇を離すと再び後藤の唇へと移動していった。そして口付ける。

舌がまた厭らしい音をたてて絡まっている。後藤は矢口のキスに夢中になっていて
気付かなかったが矢口の手が自分の大事な部分に移動していることがわかった。
110 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時22分11秒
「んーっんっ・・やぐっつあん、ちょっと・・」

「だいじょうぶ。優しくするから・・・」

矢口は不安そうにしている後藤にそういとまたキスをしながら
後藤の大事な部分に手をなぞらせる。

割れ目をなぞっているだけなのだがかなり濡れていることが分かる。

矢口はさりげなく下着をずらすとキスをやめ後藤のソコに顔を埋めた。

「っやだっ汚いよおやぐっつあん!そんなところ・・・ひゃんっ・・あんっ」
「汚くなんかねーよ!後藤のここ、すごくきれいだ。それに美味しいよ。」

「・・んあっ・・おいしい・・?」
「ああ。後藤から出てきたジュースだもんな。残さず飲むよ」


矢口が舌で舐め出し、これからが本番だーという時に邪魔をする音がなった。
111 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時24分47秒
ジリッ!!

「なっなに?なんの音?」後藤はその音で我に返ると矢口からすぐに離れてしまった。

「後藤・・・(これからなのによ・・・)」

「警報ベル?中学生の寮からだよね?火事かな?」

「・・・後藤・・続きしよう。」

「やだやぐっつあん、こんな時になに言ってんの!!」

後藤は素早く服を着ると外の様子を伺っている。

「はぁ〜・・・・もうつぎはない気がする・・・。」



『先程の警報は誤作動でした、お騒がせしました。みなさん勉強を続けて下さい』

(誤作動だーー??なめてんのかよ!これからってときに邪魔しやがって!)


「やぐっつあん・・・誤作動で良かったねぇ〜・・・あれ?どうして怒ってるの?」

「いま、うちらなにしてたよ?」

112 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時26分07秒
「あっ!!(照)ご、ごめん。また今度しようよ、ね?」

「しょーがないよな!!まあ可愛い後藤が見れたからヨシとするわ!!」

「もうやめてよ!!ごとーすっごく恥ずかしかったんだからね。
 やぐっつあんあんなところ・・・舐めるんだもん。汚いじゃんか」

「汚くなんかないよ。後藤のはどこだってきれいだ。」


「・・・そう?」

「ああ。」

後藤は矢口に抱かれた(最後目まで行ってないが)ことは嬉しかったが
やはり気になるのは昔の矢口の相手だった。


「やぐっつあん、聞いてもいい?」

一度中断したらそんな気が無くなった矢口は後藤とただ並んでベッドに寝転がっていた。
それでも結構幸せな矢口と後藤なのだが。

「なに?」

「しつこいようだけどやっぱり気になるんだ。教えてくれる?」

「あぁ。言ってみろ」


「・・・やぐっつあんさ〜後藤としてるとき『キレイだ』とか『おいしい』とか
 言ってたでしょ?あれって今までやった子みんなに言ってるの?」
113 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時28分15秒
「なんだよ!!そんな事聞くかー?ふつー。」

「だぁって気になるんだもん。やぐっつあんが今はごとーの事好きだって分かってても
 やなんだもん。ごとーに言うように甘い言葉かけてあんなとこ舐めて〜って想像したら
 泣きそうだよ。やぐっつあんと出逢う前のことだから仕方ないけど・・やっぱ悲しいよ。」

「後藤にしか言ってないよあんなこと。ほんとにきれいだって思ったんだ、後藤のは。
 愛してるからかな。・・・・・・・・・・おぃなんとか言えよ!はずいだろ!!」



「・・・・・・・でもえっちするってんだから舐めたのは舐めたでしょ?」



「・・・はい。ごめんなさい。」


「あはっごめんなさいってやぐっつあんのキャラじゃないよ?」

「だってよ・・・。」

「良いよもう、正直に話してくれたし。それにこれからもっとやぐっつあんに
 愛してもらうんだから!!」

「後藤・・・お前って・・・」

「なに?」

「どうしてそんなに可愛いんだよこんにゃろーー!!」

矢口は結局後藤に対する欲情を抑え切れずに後藤を襲ってしまった。
初めは激しかったがだんだんと優しくなり、後藤も受け入れた。
114 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時30分19秒
「ハァハァハァハァっ・・やぐっつあん・・ハァハァ。」

「良かったよ・・・後藤。」

「こんなときくらい・・・真希って呼んで・・欲しいな。」

「(そんなのいくらでも呼んでやるっての!)真希・・・可愛かったよ。」

「真希は矢口のものだな、どこへも行くなよ。」矢口は後藤を抱きしめて言った。

「行くわけないじゃん。ごとーはやぐっつあんのものでしょ?」

「あはは、そうだったな。こんなにシルシ付けちゃったら明日学校行けないしな」

「いくよぉ。今日のケンカでみんなうちらが終わったと思ってるだろうし・・・。
 見せ付けてやるんだから!!」

「マジで?またからかわれるのが落ちだろうに」

「いいの!!えっちしたってわかったらもう誰も邪魔しないもん。」
115 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時31分19秒

「でも矢口はもうタラシって思われてるからな・・・どうだろ。」

「もう!やぐっつあんはごとーを怒らせたいの??」

「ま、まさか!!・・・シャワー浴びてくらぁ。泊まってく?」

「うん!!って言いたいところだけど明日の用意してないし、よしこも心配してるかも
 だから今日は帰るね。また明日ね、やぐっつあん。」


「あぁ、おやすみ。愛してるよ真希!」



「もう・・・(照)」
116 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時33分09秒
朝――、寝るときはいなかった後藤がいるのを確認して吉澤は目を疑った。


「な、な、な、な、ん?ごっちん!!?」

「んあ?ふわぁ・・もう朝?眠いなぁ〜おはよ〜よしこ」

「ごっちん・・・昨日矢口さんとついに・・・?」


「・・・したよ(照)。・そんなに見ないでよ。」

「だ、だってさ。すごすぎるよそのキスマークの数。顔にだってくっきりあるじゃん。
 またなんか言われるんじゃないの?」

「いいの!!言われたって。これはやぐっつあんがごとーを愛してくれたシルシだもん。」

「それは分かるけど・・・学校行く気?」

「あったりまえだのこんこんちき!!」

  (なに?それ??)

そのあと吉澤は後藤を説得したがムダだった。



普段から短いスカートの後藤はふとももが丸見えなため矢口がいたるところにつけたキスマークは
隠れようがなかった。だらしなく開けたシャツから除く胸元にもその跡はあった。


後藤と矢口がえっちしたということはあっというまに広まった。
117 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時34分55秒
後藤の教室

「それにしてもごっちんてほんと勇気あるよね。」

「なあにがぁ?」

クラスメートにいきなりそんなことを言われて聞き返す後藤。

「だってさ、恥ずかしくない?みんなに知られるの」

「ぜ〜んぜん!!むしろやぐっつあんが愛してくれたことが
 みんなにも知ってもらえて嬉しい。」

「今のごっちんになにを言ってもムダだよ。」

「あっ、よしこ。どこ行ってたの?」

「あぁ梨華ちゃんとこ」

「梨華ちゃん?そういえば昨日あれからどうだったの?何か進展あった?」


「べつに・・・ごっちんが想像するような事はなにもないよ。ただ・・・」

「ただ?」

「完全に矢口さんに振られたから私の事を見てくれそうな感じがするんだよね。」

「やったじゃん!頑張んなよよしこ!押し倒してやっちゃえ〜♪」

「バカ!!」
118 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時36分48秒
2年生の校舎
「もーやられたって感じだね。」
「ほんとだよ。昨日あんだけ派手にけんかしてたクセにさぁ」

「結局矢口先輩って後藤のこと好きなんだよね。」
「そうだね・・・・あんなの見せられたらたまんないよね。」

「すごい数だよね。後藤の足のつけねとかにも付いてたし」

「なんでそんなこと知ってんのよ」
「体育んとき見たじゃん、1年はブルマだから・・・。」
「そっか。」
「後藤のこと飽きるまで我慢するしかないよ・・・」
「だね」

矢口の教室
「見たよ見たよ矢口ぃ〜」
「なんだ、圭織になっち。」
「なんだじゃないよ〜矢口ってほんとすごいよないちいちやることがさ」
「矢口は至って普通だよ。」


「昨日・・・結局やっっちゃったんだ?無理やり?合意?」

「無理やりするわけないだろ!!合意の上に決まってんじゃんか」

最後は無理やり押し倒したが・・・それは黙っておくとして。


「そっか、なっちのときみたいに無理やりかと思ったべ」

「あっ、なっち!!!シーーッ!!」
119 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時38分53秒

「なんだって??(怒)矢口なっちになにした?言ってみな!!」

「な、なんもしてねーって。な、なっち?」

矢口はウインクをしてごまかせ〜と訴えている。

「ん?矢口にね、昔やられちゃったんだなっちー。矢口のこと嫌いじゃなかったし
 矢口上手いって聞いてたしいやじゃ無かったから」

「矢口!!コロス!!!!!!!!」
「わぁっわっ圭織昔の話じゃんかー中学のときだってばー。
 なっちも今の恋人の前でいうなよそんなこと!!」

「いいの!圭織なんもしてくんないもん。無理やりでもしてくれた矢口のほうがなっちはいいべ」

「な、なっち??」

「圭織なんかしらないっしょ。じゃあね矢口。淋しくなったら部屋行くからまた抱いてね。」

「バカ!!くんなよ!!」

「あっ待てよ〜なっちー(泣)」



「はぁ・・・やれやれ。――おわっ!ごとーなにしてんの?そんなところで」

「えー?もうお昼だよお?ご飯食べよ?」

「えっ、もうそんな時間か。じゃあ行こうか」
120 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時41分14秒
「やぐっつあん・・・なっち先輩にも手ぇ出してたんだね。」

ごはんを食べさせながら後藤が矢口に言う。

「なっ、聞いてたのか?」

「全部ね。無理やりってのもね!!」

「あ、あ、あ、あれは〜・・・なっちが淋しそうにしてたからだよ、うん」

「ふ〜ん・・・犯しちゃったクセに自分は悪くないんだ・・・」

「犯すってなんだよ人聞きの悪い!!」

「そうじゃん。無理やりじゃん。嫌がる女の子をさ!!」



「・・・・・・後藤も今度するか?嫌がる後藤をって感じで・・・」

「バカ!!」バチンッ

「いてえーよ!!真希!!」

「ま、真希って言わないでよ。」

「なんでだよ。真希。・・・なっちのことは忘れて欲しいな。部屋に来たっていれないし。」

「あたりまえだよ!そんなの」

「だから忘れて!なんでもするからさ!!」


「なんでも?」

「許してくれんの?」

「うん。ごとーの条件はキツイよ?」


「こ、怖いな。」
121 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時43分07秒
「じゃあさ・ここでして?」


「あああん?バカ言うなよ。するってアレか?こんな階段なんかでやったらそれこそ
 誰に見られるか分かったもんじゃないだろ?無茶いうなよ!」

「なんでもするっていったクセにくちだけじゃんかっ!ふんだ。やぐっつあんの意気地なし!!」

「い、意気地なしって・・・(泣)・・・・・だってよ・・いいのか?こんなとこ冷たいぞ?」

「いいの!やぐっつあんがすぐに温かくしてくれるんでしょ??」

「真希・・・」


結局やってしまった。

幸い誰にも見られなかったようで矢口はほっとした。何がいやかって、
後藤の身体を他の人間に見せるのがいやだった。


「5時間目始まっちゃったねー。」

「そうだな。」

疲れているのは後藤なのだが矢口は後藤に膝枕をしてもらい気持ち良さそうにしている。
122 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時45分54秒
しばらくその心地良さを堪能していたが我慢が出来なくなってきた。

ころっと矢口は後藤の方へ寝返りを打つと腰に手を廻しスカートの中に手を忍ばせていった。

「あっ!こらあ!やぐっつあん。なにしてんの!!」

「え〜??いいじゃん。後藤だってまだ足りないだろー?」

有無を言わさず後藤のショーツの中に手を入れる矢口。

「あっ、ダ・・メだって・・ばぁ・・ん・んっ、んっ、んっ」

「感じてるじゃんか。やめちゃっていいのか?」


「も、・・・やぐっつあんの・・イジワル・・・。」
「へへへ。」

矢口はスカートを上へ上げて顔を埋めると舐めまくった。
制服が汚れないようにと必死で舐めている。
後藤も我慢できないのか矢口の頭にしがみついて悶えている。
ふいに矢口が後藤の一番感じるところの蕾を一気に吸い上げたもんだから後藤は

「あんっ、あっ、あぁんっイっちゃうよおおおおおおおおおやぐっつあああああああああん!!!」
「あっ、あっ、あっぁあ!!!!!!」

と大きな声を出してイってしまった。
123 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時47分43秒
「はぁはぁはぁはぁ。」 後藤は肩で息をしている。

「真希・・・可愛かったけどちょっと声でかいよ!!聞こえるだろみんなに」


「だって・・・気持ちよかったんだもん」

そんな可愛いことを言われちゃー怒れるはずがない矢口。


「矢口も急だったしな。そろそろ5限終わるし教室戻ろっか。」
「うん・・・またあとでね。」


教室に戻った矢口。みんなニヤニヤしている。
矢口は隣の席の生徒に聞いてみた(過去にやった相手のひとりだ)

「なんでみんなニヤニヤしてんの?矢口なんかした?」

「・・・さっきの時間後藤と一緒だったっしょ。」

「あ?ああそうだけど」

「喘ぎ声、つつぬけだったよ?」

「はあ?なに?」

「後藤の。『やぐっつあんイっちゃう〜』て聞こえたしね。さっきの授業はどのクラスも
 自習だったからセンセ居なかったけどけっこー聞いた子いるんじゃない?」


「げっ!!マジで??っとにあいつ声でかいんだよな〜まいるよ」

「否定しないんだ。」

「まぁ実際やってたしね。」
124 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時49分40秒
5時間目が終わって圭織たちが教室にやってきた。

「矢口!!学校でヤルなよな!!気が散るだろ!!」
「なっちは矢口に抱かれたときを思い出してたよ・・・」
「な、なっち??」

「なんだったんだ?あいつら」


そのころ後藤は――寝ていた。

(ごっちんどうしたのかな?お昼前あんなに元気だったのに)
(矢口先輩のとこに行ってたんでしょ?疲れて帰ってくるっていったら・・・)
(えっちしたのかな?)
(それしかないでしょ。あきらかに体力使った後って感じだもん)
(ね、よっすぃーもそう思うでしょ?)

「あ?なに?ごめん考え事してた。」

「いや、ごっちんえっちしてたのかなーって言ってたの」

「さぁ・・・・」

「?」

吉澤は後藤のことより梨華のことで頭がいっぱいだった。
(今度の日曜日映画でも――・・・う〜ん。映画のチケット2枚あるんすけど――
 決まらないよ!まいったな。ごっちんに聞いたって役に立たないしなー・・・
 あ!矢口さんに聞けばいいんだ!梨華ちゃんの好きな人だったんだもん
 お手本にするにはもってこいだよね。あとで聞きにいこーっと)
125 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時52分12秒
夕食の時間。
食堂ではなにやらケンカらしきことをしている3人がいる。
矢口・飯田・安倍だった。
なにをもめてるというのだ?

「だから!!なんども言ってるじゃんか!なっちとは中学の時に1回やっただけだよ!
 圭織となっちが出逢う前だよ!!」

「ほんとに1回だけか〜?」

「矢口はなっちを何度も愛してくれて〜何度もなっちをイカせてくれたよね」

「ほら〜!!なっちが言ってるだろ!」

「なっち、ウソ言うなよ!矢口は1回しかやってないじゃんかなっちと!」


「だって・・・圭織が・・・圭織キライ!!もうあっち行ってよ!」

「なっち??どうして?圭織はなっちが好きだよ?そんなに矢口がいいの?
 矢口には後藤がいるじゃんか。それに――」

「うるさい!!なっちは矢口がいいの!!矢口、部屋に入れてよ。」

「ええ?なんで・・・・・分かったよ・・・。話聞くだけだからな。」
126 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時54分01秒
「やぐっつあん・・・(怒)」

「ご、後藤!!ご、誤解するなよ。なっちが興奮してるから話聞くだけだからな!」

そういって食堂をあとにする矢口達。
残された飯田はヤケ食いをしていた。

「ああ!!後藤!!あんたの矢口、圭織のなっちを盗っちゃうよぉ〜なんとかしてくれよ〜!」

「そんなこと言われても・・・」
実際誘われてからえっちしてたらしい矢口が唯一襲った(犯した)安倍だったので
後藤も気が気じゃなかった。

(やぐっつあん・・・なんかあったらコロスからね!!!!!)



矢口絡みの争いなので生徒達は次はなんだと聞き耳をたてていた。

(なっち先輩もやったんだ矢口先輩と〜)
(みたいだね。でもなんか痴話げんかに巻き込まれてるって感じじゃん?今回は)
(だね)


矢口の部屋は親の差し入れで大きなソファーがあった。
矢口は安部をそこに座らせ自分は少し離れた床に座った

「なんでそんなに離れてるの?」
「あ?だって万が一なんかあったら後藤に殺されるから矢口」

「・・・」
127 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時56分07秒
「で?どうしたんだ?今日のなっちおかしいぞ?矢口との古い話まで出してきちゃってさ。
 矢口もびびったけど圭織が可哀想だよ。自分の彼女が別のやつと、しかも知ってるやつと
 やってたなんて聞かされたらよ」

「だって・・・圭織晩生すぎるんだもん!!」
「は?」
「矢口と真希ちゃんはいっつもイチャイチャしててさ、えっちだってしてるのに・・・
 圭織はキスすらしてくんないんだもん。」   

「付き合って何年だっけ?」

「高1からだから丸2年かな。」

「一回もキスなし?」
「そうだよ!!信じられる?」

「(晩生過ぎ!!)・・・でも圭織はなっち一筋じゃん。
 なっちがキスしてーって言ったら照れながらするとおもうけど?」

「やだよ、そんなの!自然にしたいもん」

「ん〜・・・どうすっかな。!そうだ!矢口達を真似たらいいんだよ!圭織に矢口達が
 それとなくそういうこと教えてあげるから。で、自然にことに運べるようにしてあげる」

「・・ホント?矢口信じていい?」
「おう!まかせとけーって!」


「だからやぐちって大好き!!」
128 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時57分51秒
『やぐっつあん入るよ〜』という声と同時に安倍が矢口に抱きついた。

「(怒)お邪魔したね・・・」

「あっ、待って真希ちゃん、誤解だから!」

「誤解?」



「〜というわけなんだ。後藤も協力してくれるよな?」

「ちょっとおもしろそうだね・・・いいよ。なっち先輩昔やぐっつあんに
 犯されたんでしょ?その罪滅ぼしと思ってやるよ・・・」

「犯したって言うなよ!」


「あはは、なっち初めてで痛かったんだよお?」

「(怒)」

「(おぃい!)じゃああああ圭織にも言うしな、またな!!」



「後藤?なに怒ってる?」

「・・・なっち先輩のヴァージン奪ったんだねやぐっつあん。」


「・・・もう勘弁してくれよ。」

「ごとーのは??」

「は?」

「ごとーの、まだでしょ?欲しくないの?」
「よだれが出るほど欲しい!!!!そんなの決まってる!!・・・くれるの?」


「ぜーったいあげない!!じゃ、詳しいことが決まったらまた教えて」

後藤は矢口の部屋から出て行った。

「なんでだ??・・・欲しい。」
129 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)01時59分17秒
矢口は飯田の部屋へ来ていた。

「矢口だけど」

バンッ!勢いよく開いたドア。そこには情けない顔の飯田が居た。

「なっち、なんて言ってた?」

「はっきりとは聞いてないけど・・・たぶん・・・」
「多分?なに?」

「圭織ってなっちとまだなんにもしてない?」

「なんにもって?」

「キスとか・・・えっちとか」
「そんなのするわけないじゃんか!恥ずかしいよ!」

「やっぱりなぁ・・・多分それが原因だよなっちが怒ってるのは。」

「えええ?」

「2年も付き合ってたらえっちはまぁいいとしてもキスくらいは普通するんだってば!」

「マジ?ででもしたことないもん圭織。そんなのどうやってやればいいのかわかんないよ」

「ふっふっふ〜矢口と後藤でそのへんは教えてあげるって」

「ほんと?助かるよ!キスが出来るようになったら機嫌直ってくれるかな?」


「多分ね・・・(自分で言うのもなんだけど初めてが矢口ってのが悪かったかも。)」



「ちょっと後藤呼ぶから待ってて。」
130 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)02時01分31秒
「お待たせ。で?なっちはよくここに来るの?」

「ああ、週末は遊びにくるけど」

「そっか。圭織、キスしてるの見たことある?」

「テレビでしかないかな・・・生は・・・」

「こうすんの。」

そういって矢口は後藤に軽く『ちゅっ』っとした。

「!早いよ今の。今のがキス?」

「そうだよ。キスっていってもいろんなキスがあるんだよ。今のはいっちゃん軽いやつかな。
 あいさつ代わりみたいなさ。んでこれがちょっと感情こもったキス。
 んでこれはえっちのときにするようなキス。」

「えぇ?やぐっつあんディープもするのぉ?」
「あたりまえじゃん。やなの?」


「だって・・・そんなことされたらごとー欲しくてたまならなくなるもん」

(・・・あとでたっぷりするじゃんか!今は頑張って耐えろよ)
(ん、分かった。ほんとだよ?)


「圭織よく見ててよ?ディープキスは舌を絡め合うんだからな?」

飯田の部屋にピチャピチャと厭らしい音が響く。

「分かった?簡単に分けると今の3種類かな。圭織?聞いてる?」


飯田は最後のキスを見て固まってしまったようだ。
131 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)02時04分29秒
「やっぱりな・・・。しょーがないよな。初めてだもんな。」

「やぐっつあん・・・」

矢口の袖を引っ張る後藤。うっとりとした目で矢口を見る。


「どうした?」

「やっぱ、耐えらんないよ・・・・・・して?」

「おいおい〜圭織いるじゃんか〜。」
「交信してるからだいじょうぶだよお。・・・やぐっつあんの部屋でしよ?ね?ね?」

「可愛いな、真希は・・・。」
そういうと急いでふたりは矢口の部屋へ行き愛し合うのだった。
矢口にくっついて寝転がっていた後藤。矢口が急に起き上がるので
『もおなによお!』と怒った。
(えっちのあとのこのなんとも言えない甘い雰囲気がいいのにさ!)

しかし矢口はなっちにも頼まれているので後藤を諭すと飯田のもとへと戻った。

「おいぃーっす・・・。まだ固まってる」
「こんな調子じゃキスも一生出来なさそうだよね圭織先輩」
「ま、そういわないの!それをなんとかするのが矢口たちの役目だからな、今回は。」
132 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)02時05分41秒
そして特訓は週末まで続いたのだが結局一番軽いキスが精一杯って感じだった。
「じゃあ、練習の成果出せたらなっち機嫌なおすはずだから、頑張ってよ」
「ああ。ありがとな。矢口に後藤」
「頑張って下さいねー」
「成功したら次はえっちだから!覚えといて!」
「はいはい。えっちね。・・・・えええ??」


そして週末。安倍が飯田の部屋へ遊びに来た。
(矢口なんていってたっけ?それとなく手を腰に近づけて・・・こうかな?話題が無くなったら肩をつかんでするんだっけか?あっ、話無くなった!!今?今なの?)
飯田は安倍の肩をそっと掴むと顔を近付けた。
安倍は予想通りのことだったがほんとにしてくれるとは思っておらず嬉しかった。
――が、いつまで待っても飯田の口は来ない。目をあけるとキスしようとしている飯田までもが目を瞑っていたのだ。そりゃ辿り着くはずがない。安倍は『仕方ないなぁ』と思うと自分から『ちゅ』っと口付けた。
133 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)02時07分51秒
「な、なっち?」

「えへへ〜だって圭織してくれないんだもん。なっちからしちゃった。」

「ごめん!圭織からするつもりだったのに〜」

「いいよお!する気になってくれただけど嬉しい!」

キスした(された)だけで機嫌のよくなった安倍を見てほっとする飯田。

「でも・・・もっと勉強してね?」
「わ、分かった。」





安倍が飯田の部屋から出てきたところで矢口たちに会った。

「あー!真希ちゃんに矢口ぃ!ありがとね?圭織してくれたよ?」

安倍はふたりを見て駆け寄って行く。

「良かったじゃん。あとはえっちだな」

「ほんとありがと。」

安倍は後藤の頬っぺたに『ちゅ』っとキスした。

後藤はいきなりのことで驚いている。矢口は矢口で「矢口の後藤になにすんだよ!」
と言ったが矢口も安倍にキスされた。それも口に・・・。

「な、なっち!!!(怒)」
「やぐっつあん(怒)」

「ち、違うだろ、今のは。なっちからじゃんか。」

「へへ。なっち、矢口のことほんとは好きだったんだよ?今は圭織だけど昔はほんとに
 好きだった。今度は矢口のえっち教えてあげてね」
134 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)02時09分05秒
(なんちゅーことを言い残して行くんだなっちはよー(泣))

「怒ってないよ(怒)。やぐっつあん人気あるもんね〜(怒)
 でもなっち先輩、やぐっつあんのえっち教えてあげてーってことは
 良かったんだね。やぐっつあんとのえっちが!!案外やぐっつあんと
 またしたいんじゃない?」

「おいぃ〜そんなこと言うなよ〜初めてだったからだろ?印象に残ってるだけだろ」

「ふんっ。ごとーもう部屋戻る!」

「お、おい・・・・・・なんでだよーーー(泣)」
135 名前:りょう 投稿日:2002年02月16日(土)02時15分57秒
>98 名無し読者さま!!
    レス感謝です!見てる人ほとんどいないさそうなので
    嬉しいです。
    
    やぐごまってあまり需要ないですかね、少ないですよね。
    
136 名前:代打名無し 投稿日:2002年02月16日(土)02時56分53秒
いやいやそんなことありませんぜ、作者さん!
しっかり読ませてもらってますぜ!
137 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月16日(土)10時27分31秒
初レスですが毎回楽しみに読んでます。
いつも更新量が多くてうれしいです!!
やぐごま好きですが、いしよしにも進展をぜひ・・(w
頑張って下さいねぇ!!
138 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月16日(土)11時01分32秒
やぐごま,需要ありありです。
萌えまくってます。
139 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時03分27秒
そして特に大きな事件もなく1ヵ月が過ぎた。

キスは大分できるようになったという飯田。
今度はえっちの持っていきかたを教えに来ていた。
さすがに方法まで実演するわけにはいかないので(いくら矢口でも)




「っつってもなあ?えっちの持っていきかたってあるか?後藤」

「さぁ・・・やぐっつあん得意分野でしょ。なっち先輩とした時のようにしたらいいんじゃない(怒)」


「後藤・・・まだ言うのか?」

この1ヵ月ことあるごとに安倍の話題を出されて矢口はウンザリしていた。



「だって・・・。やぐっつあんが唯一無理やりやったえっちでしょ?」

「・・・はー・・・。それがみたいなら、やりたいなら構わないけどよ、
 カップルなのにそんなのしねーだろ?」

「でもなっち先輩は良かったっていってるじゃん」

「しつこいぞ!後藤!なっちは矢口としかしたことないの!
 矢口しか知らないから矢口に拘るの!!」
140 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時07分13秒
「ごとーだってやぐっつあんとしかしてないもん。やぐっつあんはいつもごとーのこと
 壊れ物扱うように抱くじゃんか。大事にしてくれて嬉しいけど、たまには激しくして
 ほしいもん。無理やりってことは激しいかったんでしょ?普通より興奮するんでしょ?
 やぐっつあんだって好きだもんね、ヤるの」


「いいかげんにしろよ!!!」

矢口は今まで出した事もないようなドスの聞いた声で後藤を怒鳴りつけた。

「な、なによ。怒鳴っちゃって。こ、怖くないもん。」
半泣きになりながら言う後藤

「圭織、悪いけどまた明日でもいい?」
「いいよぜんぜん。矢口達が仲悪いのみたくないしな」
「さんきゅ。後藤、矢口の部屋行くぞ」

「なによ、命令しないでよ。」

「いいから行けよ!」

「後藤、お前なんでそこまでなっちに拘るわけ?矢口はなっちのことなんとも思ってないぞ?」

「でもなっち先輩は絶対にやぐっつあんに気があるもん。わかるもん」

「バカ言ってんなよ。じゃあ圭織はなっちのなんなんだよ。圭織に失礼だぞ」
141 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時09分14秒
「だって、ほんとだもん。心は圭織先輩にあるかもだけど身体はやぐっつあんを欲しがってる
 感じするもん。ごとーと一緒だもん、やぐっつあんを見る目がごとーと一緒なんだもん!」


「じゃあ聞くけど。矢口はどこを見てる?誰を見てる?」

「・・・ごとー・・・。」

「わかってんじゃんか。矢口は誰になんと言われようとも後藤が一番好きだ。」

「でもなっち先輩にしたように抱いてほしいよ・・・」

「なっちを抱いた時はもっと子供だったぞ」

「じゃあどうしていつまでも良かったっていうの?」


「・・・それは・・・・・・・・なっち言ってたろ?『初めてで痛かった』って。
 後藤も言ってたじゃんか、『ヴァージン奪ったんだね』って。そういうことだよ。
 ・・・なっちのは矢口が破っちゃったの。矢口がなっちの処女をもらっちゃったの。
 なっちにとっての『初めての人』だからだ・・・・と思うよ。」



「ごとーのも奪ってよ・・・」
142 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時11分41秒
矢口は『最近抱いてばっかだな・・・』と思ったがもちろん口に出す事はしなかった。

自分の行為で愛する人が感じている姿を見るのはやはり興奮するし、嬉しかった。
そっと口付けを交わすと矢口はどんどんと後藤を攻めていった。

一回目舌の動きだけでイッてしまった後藤だったがまだ指が挿入されていないこともあり矢口を欲してきた。

「やぐっつあ・・ん・・は・・・やくっ・・いれ・・てよ」

懇願するように後藤が言うので矢口は焦らしたかったが頷いた。

「いくよ?ほんとにいいんだな?後藤の初めてを矢口がもらっても。」



「いいに・・決まって・・るう!!」

それと同時に矢口は指を深く突っ込んだ。といっても痛がることは分かっていたので
かなり優しく入れたのだが・・・

「痛ぅッ!!痛いよぉやぐっつあん!!あ、あっ、痛いよお〜!!
 やだよぉ動かさないでよお〜痛い!!うっ、・・っく」

「やっぱ、やめようか?無理しなくていいよ。最初は痛いからさ」


「う、うん・・・・・・抜かないで・・いいよ・。」

「え?」
143 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時14分01秒

「だいじょ・・ぶ、ちょっとマシになってきた・・から。動かしてイイ・・よ」

「でもよ・・・だいじょうぶか?」

コクンと頷く後藤。

矢口は入れていた指を少しずつ上下に動かして刺激を与える。
後藤もだんだんと慣れてきたのか腰を動かして喘ぎ始めた。

「気持ちいい?痛くないか?」
「っうん、気持ちいいよおっ・・・やぐ・・つあん・・ああああ!!なんっか・・へんだよお・・」

矢口は指を動かしながら後藤のピンク色に染まった蕾に吸い付いた。
指を出し入れしながら執拗に舌で攻撃する矢口。
後藤は我慢できずにすぐにイってしまった。

「ハァ、ハァ、ハァハァハァハァ・・ハッ・・ハァ」
後藤は肩で息をしている。

「どうだった?気持ちよかった?」

「うっ、うん。すごく良かった!やぐっつあん激しすぎるよぉ〜指入れながら舐めるんだもん。
 ・・・なっち先輩にもしたの?」

「あまりしつこいと・・・こうだぞ!!」
144 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時15分56秒
矢口は後藤の顔を掴まえると優しくキスをした。

「矢口が気持ちよくなって欲しいのは真希だけだからな。」

「えへへ。嬉しい。でもやっぱり激しいのは疲れるねえ〜
 ごとー眠くなっちゃったよ。ちょぴっと寝ていい?」

「ああ、メシまでに起こしてやるから寝な」



後藤がすやすやと寝ているため部屋は静まりかえっている。
さっきまでの荒い声などはまるで無かったかのような部屋だ。

(ほんと、可愛いよな。)
矢口は後藤の髪の毛を撫でながらひとり微笑んでいた。




コンコンッ
(ん?誰だろ?)

「はい?」

「−あっ、吉澤です。今ちょっといいすか?」
「ああ、ちょっと待ってな。」

矢口は後藤に服をかけて起こさないようにソファに運ぶとカギを開けに行った。

「どうした?」


「ちょっと相談があって・・・」
「入りなよ。」

「すんません」
145 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時17分55秒
部屋に入った所で後藤に気付く吉澤。

「あ!ごっちん。す、すいません。邪魔しちゃってっっ」

「良いって別に。寝てるから起こさないようにしてやってくれ」

「はい・・・(やってたのかな?裸っぽいけど・・・(照))」

「で、相談って?」
「あっ、はい。梨華ちゃんのことなんですけど。」

「だと思った。」

「ここ最近頑張って映画とか遊園地とか誘って遊びに行ったりしてたんですよ。」

「らしいな。後藤から聞いてるよ。いい感じじゃんか」


「そうなんですけど・・・ヘンなんすよ。」

「ヘンってなにがだ?」
「梨華ちゃんが、なんかよそよそしいんですよ。おとついの日曜日に遊園地に行くまでは
 普通だったんですけど・・・途中からよそよそしくなっちゃって。」

「・・・」
「帰る時もなんか俯いちゃってほとんどしゃべんないし。さっき会った時も声かけようとしたら
 逃げるように走っていっちゃったんですよ。」
「・・・」


「これって、やっぱり私がなんか嫌がることしたんすかね?嫌われたんすか?私」
146 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時19分44秒
「よそよそしくなった時って吉澤なんかした?」

「え?なんかって・・・え?・人が・・多くて・・・はぐれそうになって・・・
 そうだ、梨華ちゃんがはぐれそうだったから手をつなぎましたね。確か。」

「ほ〜ん・・・なるほどね。」

「なるほど?なんか分かったんすか?」
「手をつなぐまでは石川と仲良く話してたんだろ?で、つないだあとからよそよそしくなって
 帰りは俯いてた・・・と。そうだったよな?」

「そうっすけど・・・??」

「おっまえ〜ほんとにわかんないのか?」

「なにがっすか?嫌われたんじゃないんすか??」

「あははは!!!!おもしれーな吉澤!ま〜100パーセント間違いないだろうけど
 矢口が確かめてから教えてやるよ。」

「そんなんじゃ分からないッス〜〜!!ちゃんと教えて下さいよ!!」

矢口の方へにじりよってお願いをする吉澤。
147 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時23分24秒
(吉澤がこんなに矢口を頼ったことって今まで無かったよな?
 なんか泣きそうになってるし・・・しゃーねーなー)

「心配すんなって!石川は吉澤のこと嫌ってなんかないぞ。これは確かだ。
 なんでわかんないかな。すぐに確かめてやるからそんな泣きそうな顔すんなって!
 矢口にまかしとけって!」

「ほんとですか〜??(泣)・・・頼みましたよ?・・じゃ、じゃあお邪魔しました・・・」

「ああ、またな」



(さて、と。後藤を起こすかな)

「んん〜・・・ん・おはよ〜やぐっつあん」
「よく寝たか?」
「うん。ちょっとからだ痛いけど・・・」

矢口と後藤は『ちゅ』っとおはようのちゅーをすると手を繋いで食堂へ行った。



「あのさぁ〜あとで石川の部屋行くんだけど――」
「なにしに?(ギロリ)」
「勘違いするなよ!吉澤のことで気になることがあってな。」
「ほんとにそれだけ?」
「あたりまえだろっ!吉澤と石川がいい感じなの知ってるだろ!
 へんなことにはなんないからそんな目で見るなよ!!」

「・・・後で内容教えてよ?」

「・・・分かったよ。」
148 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時26分17秒
コンコン
「はい?」
「あ〜石川?矢口だけど。」

「えっ?」
石川はすぐにドアを開けて矢口を迎え入れた。

「柴田は?いないのか?」
「あゆみちゃんはクラスの子と談話室に行ってます。」
「そっか。ちょっと話あるんだ。今いい?」
「ええ。どうぞ」

「なんか久しぶりだな、石川とこうやってふたりで話すの」

「・・・先輩が避けるからですよ。」

「ははっ。でもそのおかげで今吉澤といい感じじゃんか」

「そんなこと・・・」
「ないっての?」
「・・・ひとみちゃんのことは好きです。でも・・・」
「でも、なんだよ?」

「ひとみちゃんって誰にでも優しいんです。いつも笑顔だしおもしろいし・・・
 私より可愛い子なんていっぱいいるからっ・・・不安です。」
149 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時29分53秒
「バカだな石川。あいつは初めてお前に会った時からずっとお前だけを見てたんだよ?
 矢口は後藤だけじゃなく石川や、いろんな子を傷つけてきたロクデナシだけど
 あいつは違うよ?自分で言っててちょっとやだけど矢口なんかよりずっとキレイで
 透きとおってるよ。」


「でも・・・私のことずっと好きでいてくれるか・・・。」

「矢口を好きだーって言ってる時の石川はもっと積極的だったじゃんか。
 後藤が居なかったらやばかったよ矢口。」

「え?そうなんですか??」
現実はそうでないと分かっている石川だが身を乗り出して聞き返していた。


「ウソだよ」
「もうっ!!」
「ごめんごめん。でもさ、あいつは石川を傷つけたり泣かしたりなんて絶対にしないよ。
 ずっと石川だけを好きでいるって。矢口が保証する。ちゃんと分かってるんだろ?」

「・・・はい。」
「ちゃんと吉澤のこと好きって分かってるよな?」
「はい。」

「じゃあ石川の取る行動は・・・分かるよな?」
「え?わ、分かりません・・・。すいません」
150 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時31分56秒
「・・・今日、しゃべりかける吉澤を無視して走っていっただろ?
 吉澤泣いてたぞぉ〜?嫌われたあ!!ってな。可哀想だぜ〜。」

「えッ!!ほ、ほんとですか〜?」
「ああ、ちゃんとフォローしないとな。告白しろとは言わないから
 せめて会いに行くとかしろよな」

「分かりました。」

「じゃあな。邪魔したな。」
「もう帰るんですか?」


「・・・後藤が部屋で待ってんだ・・・(泣)」

「!じゃ、じゃあ早く帰ってあげてください。また誤解されたら大変ですよ」

「・・・そうなんだけどよ・・・ちょっと矢口の話し聞いてくれるか??
 矢口まいってんだよなーほんと。」

「え?」
「矢口これでも悩みあってよ。」

「私で良かったらなんでも言って下さい!!お世話になってるし!」
「さんきゅ」

部屋を出ようとした矢口だったがもう一度中へ入ると話しだした。
151 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時33分30秒
「後藤ってさあ、ちょっと嫉妬深すぎると思わないか?矢口は後藤だけだって
 言ってるのによ、すぐに拗ねるんだよ。どうにかなんないかな?」

「え、えっと、それは・・・(なんか聞きたくないかも)」


「矢口ってさ、後藤一筋!って感じに見えないわけ?
 かなり態度で示してるんだけどよ。どうよ?」

「う、う〜ん。矢口先輩人気あるからしょうがないですよ。」
「そんなことで片付けるのかよっ!」

「だって本当じゃないですか〜。真希ちゃんは不安だと思いますよ。」

「なにが?なんで不安なの?」

「矢口先輩が真希ちゃんを大事にしてるってのはすっごく分かるし、
 みんなも分かってると思います(うちのクラスはおいといて)。
 その・・・先輩と・・・えっち・・したって後でも人気が変わらないから
 不安なんですよ。」

「じゃあどうすればいい?」

「退学しない限り無理ですよ。」
152 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時34分52秒
「おいぃ!サラっとすごいこと言ってくれるじゃんか!!」

「ご、ごめんなさい。でも・・・」
「しょうがないな、退学する気は無いから少しでも後藤が不安になんないように
 いっぱい大事にするよ。聞いてくれてさんきゅな。解決しなかったけどよ」

「す、すいません」
「ははっ良いって。聞いてもらえて少しだけど楽になったわ(ホントか?)。
 じゃお前も吉澤に会いにいけよ!」


「あ、はい。おやすみなさい」





「ただいま。」
「おかえり!お風呂にする?それともごとーにする?」

「ああん?(アホかいきなり。)・・・じゃあお風呂で・・・。」

矢口は後藤の欲しい言葉とは違う返事をした。――が、

「ふふっ、じゃあそのあとごとーね。」
「おいおい今日はもうナシだって!疲れないのかよ?」

「ごとーはやぐっつあんと違って若いから!!」

「ほ〜ん・・・。んじゃ矢口は年だからナシな。」
153 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時37分19秒
「ちぇっ。分かったよ我慢するぅ〜。それで何しに行ってたの?」
「ああ、吉澤と気まずいみたいだったからなんとかしろよって言いにいっただけだよ」

「それだけ?」
「ああ。」

「それにしたら長すぎない?なんか・・・してたんじゃあ・・・」
「してません!!」

「・・・じゃ、ごとーそろそろ帰るね。おやすみ」
「おやすみ。・・・あっ!待て!」

「んあ?なに?」
「吉澤にも話あるんだったよ。もちっとここに居てよ。悪いけど」
「ええぇ〜??なにそれ。仕方ないなぁ〜。早くしてよ」

「ああ、悪いな。」





「・・・って訳だから吉澤、お前石川に告れ。」

「ええ?いきなりっすか?」

「いきなりってこたあないだろ?断られる確率ゼロなんだぜ?今言わないでいつ言うよ。」

「そうっすけど・・・。付き合ってくれるっすかね?」

「し〜んぱいすんなって!後でここに来るだろうからそんとき言えよ!じゃあな!」

「来、来るんすか??ここっ心の準備がっ」

154 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)13時41分05秒
次の日――
食堂で仲良く朝ごはんをとっているふたりを見て微笑む矢口。


「なに?あのふたりくっついたの?」
「そうみたいだな。(良かったな吉澤)」
「ごとーが寝てるまに・・・。」
「後藤はいつだって寝てるだろ」
「むっ!」

「ま、ま、ま怒るなよ。メシ食おうぜ〜」

「今度からダブルデート出来るねえ。嬉しいなぁ〜」
「そうだな。」

やっとくっついたふたり、矢口達以上のバカップルになれるのだろうか・・・


155 名前:りょう 投稿日:2002年02月16日(土)13時50分20秒
  なんとなく2部終了です。短いですな。

>136 代打名無しさま
    あいがとうございます。こんな夜中に・・・。

>137 名無し読者さま
    はじめましてです。ありがとうございます。
    続き書かないとヤバイくらいストックが無くなってきました・・。
    やぐごまばっか書いてたらいしよし放置になっちゃいました。
    いしよし、とりあえずくっつきましたけど・・・どうかな(w

>138 名無し読者さま
    こんな作品に萌えていただいて。
    自分で書いててひとつも萌えどころがないものですから。

    頑張ります。
156 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月16日(土)14時53分14秒
もうこれでもかってくらいやぐをもてもてにして、また波乱みたいな・・・
矢口浮気疑惑とか・・・。  ゴメンナサイ!二人を引き裂くわけではないんですが、
なんかもてやぐ、やきもちごまが好きで。

にしてもタラシもカッケー!!!
157 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月16日(土)15時45分13秒
大量更新すごいです!楽しく読ませていただいております。
ここの、やぐっちゃんいいですね。ごっちんもかわいいし・・・萌えます。
かおりと、なっちっつうのも気になるけど・・・。
吉押しの私としては、純情まっしぐら!の吉が最高に萌えます。(w
続き楽しみにしています。がんばってください!!
158 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時21分00秒
あれから数日後・・・

「やぐっつあ〜ん・・・」

後藤はいつものように矢口のクラスに迎えに来ていた。

(あれ?いない・・・。トイレ?)

「矢口ならなっちのクラスで見たけど〜?」
「あ!どうも〜。」

隣のクラスに向かう後藤。


(あ〜ほんとだ、やぐっつあんの声するや・・・楽しそう〜)


『矢口これなぁんだ??』

『あ?・・・あっ?なになっちまだ持ってたの?それ』

『持ってるよお〜捨てるわけないじゃんか矢口からもらったぷ〜さんじゃんか』

『捨てろよなそんなの。圭織が見たらやだろ?』

『圭織は矢口からってのは知らないから。』

『でもよ・・・懐かしいなこれ』

『だしょ?初めての時を思い出すべな。』

『・・・まあな。あ、そろそろ後藤来る頃だから戻るわ』

『うん。仲良くするべよ。』
159 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時22分16秒
ガラッ 安倍の方を見ながら手を振って出てくる矢口。振り向くと後藤が居た。

「おっと、後藤、もう来てたのか。今日のメニューはなに?楽しみだな」
「・・・ハンバーグだよ」
「マジ?やったね。じゃ早く行こう。」



いつもの階段。

「ほんとおいしいなぁ後藤の作る料理。良いお嫁さんになれるぞ」


「・・やぐっつあんさ〜・・・」
「あに?(モグモグモグ)」

「さっき聞こえちゃったんだけどぉ〜なっち先輩になにあげたの?」

「さっき?ぷ〜さんのキーホルダーだけど。ダメだった?」

「ううん。昔の話だし良いんだけど・・・。えっちしたあとにあげたんだよね?」
「お、おう。(もう争いはやだぜ?)」

「じゃあそれがある限りなっち先輩はやぐっつあんのこと忘れられないんじゃん?」

「んなことないだろ。圭織いるしな。」
「ごとーには何もくれたことないよね。去年の誕生日だってご飯食べただけだし。」

「こっ今年は頑張るって!!」

「まあいいや。ご飯食べよ。」
「ああ。」
160 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時25分55秒
あれから一週間。後藤の機嫌がなんとなく悪い。

矢口がキスをしようとしても上手くかわされ泊まりにこようともしない。
一緒に帰っててもどこかよそよそしい・・・というよりは矢口を避けているように見えた。

或る日矢口は理由が分からないのでたまらず後藤に聞いた。



「後藤。最近なんなの?なんでそんなに矢口を避けてる?」

「避けてないよ。」

そういう後藤だが矢口との歩く距離は5mほど離れている。

「ウソつくなよな。だれがどうみたって避けてんじゃん。悪いけど矢口、
 後藤に避けられる覚えないんだよな。なんか怒ってるしな。」

「怒ってない。」

「うそだ怒ってる」

「怒ってないって言ってるでしょ!!!」


「ほら・・・怒ってんじゃん。言ってみてよ後藤の思ってる事。」

「・・・やぐっつあんが悪いんじゃんか。」

「はぁ?なんでだよ。どういうことだよ?」
161 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時28分05秒
「ごとー、やっぱなっち先輩嫌い。やぐっつあんの彼女は後藤なのにやぐっつあんに
 ベタベタしてさっ、圭織先輩いるくせにさ!・・・それにやぐっつあんだってなっち先輩には
 甘いもん!プレゼントあげるし他の人に言うようなキツイ事も言わないし!!なっち先輩と
 やぐっつあん、なんか変だよふたり!!見たくないよ!!」

「おい・・・矢口は別になっちに甘くしてるつもりないけど。それにプレゼントってわけじゃない。
 なっちが見つけて欲しいつったからあげただけ。矢口は後藤だけに甘いと思ってたけど。」

「違うもん!!」

「ていうかよ、なんでいつもこうなるわけ?矢口は後藤が一番好きだって、後藤だけが好きだって
 言ってるじゃんか。キスしたいって思うのも抱きたいって思うのも後藤だけだよ?
 何度も言ってるだろ?なんで分かってくれない?」

「だって・・・。もういい!先帰る!!」

そういうと後藤は矢口から逃げるように走っていった。

「あっ、おい待てよ!」

矢口も必死で追いかける。






「!!あぶねぇっ後藤ーーー!!!!」
162 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時29分31秒
キキィーーーーーーーーーーーーーーッッ!!ドンッ!!
すごいブレーキの音がして何かがぶつかる音がした。




「いったぁ〜い・・・なによやぐっつあん!!(怒)
 ・・やぐっ・・?やぐっつあん?????」


矢口から逃げて走っていたためいつもの帰り道を通らなかった後藤。

いつもは通らない道路。それに気付かなかった。

急に激しく突き飛ばされ怒りながら振りむいた後藤だったが・・・。



そこには矢口が倒れていて、その前をおろおろとしている運転手がいた。




矢口の頭からは血が流れ、体中に擦り傷がたくさん付いていた・・・。
163 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時31分37秒
『矢口が事故った』ということはその日のうちに生徒達に広まった。
話を聞いてかけつけた吉澤に石川。

『手術中』

吉澤と石川は信じられないと言った様子で立っている。
そこへ制服姿の安倍と飯田が来た。

「おいっ石川!矢口事故ったって??」
「圭織先輩・・・」

石川が今にも泣きそうなので飯田も不安になる。

「・・・どうなんだ?状態は。」


「まだ、なんとも言えないって・・・さっきお医者さんが・・・。」

「そうか・・・。」

「矢口はだいじょうぶっしょ!!真希ちゃんやうちらを残していくわけないっしょ!!」

「そうだよ、石川に吉澤、んな暗い顔すんなよ。矢口が出てきた時悲しむぞ!!」



「でも・・・それにごっちんが・・・。」

「後藤がどうした?そういえば後藤はどこにいるんだ?」

「さっきまでここに居たんですけど気を失って倒れちゃったんです。」


「・・・後藤をかばって跳ねられたって聞いたけど?」
164 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時33分13秒
「ごっちん、『ごとーのせいだ、やぐっつあんが死んだらごとーも死ぬぅッ!!』
 て泣いて叫んでて・・・。ふたりそのときケンカしてたみたいで・・・。」

「そんな辛気臭い顔するなって!矢口は今頑張ってるんだからな。」



事故から5時間経つがまだ『手術中』

吉澤たちは前でずっと待った。



後藤は空いている病室でベッドを借りて寝ていた。ユメを見ていた。


(やぐっつあん・・・死んだらやだよ・・・ごとーを置いていっちゃやだよ・・・。

 ・・・・ごとー・・やぐっつあん困らせてばっかじゃんか・・・

 お願いだから早く起きてよ・・・笑顔見せてよ・・もうわがまま言わないから・・・・

 やきもちやかないから・・・困らせないから・・・後藤って呼んでよ・・・声聞かせてよ・・・)
165 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時35分56秒
(・・藤・・・・・後藤・・・・)


(やぐっつあん??どこ?どこにいるの??見えないよ??)


(ここだよ・・・後藤のそばにいるじゃんか・・・)


(見えないもん!顔見せてよ・・・)


(・・・矢口さ、今頑張ってるから。おまえをおいていくわけないだろ??)

(泣いてばっかいるなよな・・・矢口が起きた時後藤が泣いてたら矢口つらいな。

 矢口のせいで泣かないで欲しいよ)

(でもっ、ごとーのせいで・・)

(頑張ってるから、後藤も、もう泣くな!・・・分かったな!)


(え?やぐっつあん?いかないで!待ってよ!ねぇ!)




「やだよ!!」

「あら、目が覚めたみたいね。気分はどう?」

「ここ・・??」
「あなた、気を失って倒れたのよ。」


「・・・!やぐっつあんは??やぐっつあんは??どこ??」

後藤はベッドから飛び出すと手術室へと走っていった」
166 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時37分51秒

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・」


「ごっちん!!大丈夫なの??」

「やぐっつあんは???」

「まだ・・・」

後藤は『手術中』となっている扉へ近づいていった。


「やぐっつあん!!早く起きてよ!!やぐっつあん!!頑張るんでしょ??

 後藤もう泣かないから!!早く起きてよ!!」

後藤は扉をガンガン叩きながら言っている。

「ご、ごっちん・・・」

止めようとするが出来ない4人。


「ごとーを置いていかないでよお!!!やぐっつあん!!うわ〜〜〜ん!!!」

「後藤・・・」

その時『手術中』のランプが消えた。
「「「「!!」」」」


「やぐっつあん??」


扉が開き、医者が出てきた。



「・・・手術は成功です。」
「「「「「!!」」」」」


「ただ・・・」
167 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時40分17秒
「なに??ただ、なに??早く言ってよ!!」

後藤は医者の胸倉を掴んで言う。

「ちょ、ちょっとごっちん!!」
吉澤は後藤を引き剥がした。

「ただ、意識が戻らないんです。手術は無事成功致しましたが意識は依然と無いままです。」


「それって・・・」


「植物状態です・・・。」

((((・・・))))

「そんなわけないもん。ごとーが起こしたらすぐに起きるもん!どいてよ!!」

「・・・残念ですが。後はわずかな希望にすがるしか無いんですよ。私達も最善を尽くします。
 だから、あなたたちも希望を捨てないで下さい。
 ・・・変化があったら連絡しますので今日はもう帰って下さい。」

後藤は言うことを聞かず矢口に付き添っていた。
後藤は毎日毎日学校へ行く前に顔を出し帰りにも顔を出し一日にあったいろんな出来事を
矢口に話しに来ていた。生徒達には、初めは『あんたのせいで!!』とか『あんたが責任とりなよ!!』
とか言われていたがそれも数日のことだった。献身的に矢口に接し、今まで悪く言っていた生徒達も
なにも言えないようになっていた。
168 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月16日(土)20時42分16秒
「やぐっつあん、ごとーね、最近早起きなんだよ〜遅刻だってしなくなったし」

「やぐっつあん今日テストなんだ〜ほとんど勉強してないけどね〜」

「やぐっつあん今日よしこと梨華ちゃんキスしてたんだよぉ〜バッチリ見ちゃった」

「やぐっつあん、やぐっつあんが寝ているあいだに2年のやぐっつあんファンの人達と
 大分仲良くなったんだよぉ〜起きた時びっくりするよ?」


「やぐっつあん、今なんのユメ見てる??」


「やぐっつあんごとーのユメ見てる?」


「来週から夏休みだよ?海行きたいねぇ〜」


「もう8月だよ?花火大会終わっちゃったよ。」



「そろそろ起きてよ、やぐっつあん」



「つらいよやぐっつあん。」



「やぐっつあんはつらくないの?」



「ごとーのこと忘れてない?」



「声聞きたいよ・・・」





「ごっちん・・・」
吉澤と石川も毎日顔を出していた。後藤が矢口から離れずずっとしゃべっている姿を
2ヶ月間ずっと見続けていた。

後藤の姿を見るとどうしても涙が出る。
169 名前:りょう 投稿日:2002年02月16日(土)20時52分23秒
   3部始まりました。
   今回はどんな問題が起こるのか・・・作者にもわかりません(w
   いや、もう起こってるんですけど。

>156 名無し読者さま
   私ももてやぐにやきもちやきごまが好きです。
   もっともてもてにしてやきもちやかせたいのですが
   これ以上方法が・・・作者には思いつきません・・(w

>157 よすこ大好き読者さま
   吉があまり出てこなくて・・・ごめんなさい。
   一段落着いたら番外編という形かなにかでいしよし
   書きたいと思ってます。
   
   ではまた、後ほど・・・。
170 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月16日(土)22時00分03秒
痛すぎる・・・。矢口ガンバレ!!!

完結にはまだ早いです!いちばんお気に入りなんで。
がんばってくださいね。どこまでもついて行きます!!!
171 名前:137 投稿日:2002年02月17日(日)00時30分20秒
言った直後にいしよし出てうれしかったんですが
矢口がぁ〜〜!!予想外の展開・・。
毎回続きが気になってちょこちょこ様子見にきてしまいます(w
作者さん、更新大変だと思いますが頑張って下さいm(--)m
172 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月17日(日)01時27分22秒
わーーー寝る前にのぞいてよかったっす!
吉は、あまり出てなくても、この話大好きです。
やぐごまどんどんいっちゃってください。(w
ただ・・・やっぐっちゃんの意識が・・・・。
献身的なごまも、いいですね。がんばってくださいね。
173 名前:りょう 投稿日:2002年02月17日(日)01時40分01秒
   明日は日曜出勤なんで更新が遅いかもしれませぬ。
   先にレスだけ・・・。すんません。

>170 名無し読者さま
   むむっ!やっぱりちこっと痛いですか・・・
   作者的には甘い方が好きなんですが・・・
   好きだと言ってもらえて嬉しいです!
   本人、初小説なのでドキドキして書いてるんです。

>171 137(名無し読者)さま
   レス感謝です!
   やぐは意識が戻る・・・?
   やぐがごまを置いていくはずないのです!

>172 よすこ大好き読者さま
   作者は同じシーンが長く続けられないので
   やぐも・・・(略

   明日帰ったら更新します!
174 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年02月17日(日)12時46分33秒
更新早い!ゆっくり読ませていただきます。
175 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)22時52分52秒
なんの変化もないまま一ヶ月が過ぎた。

後藤がいつものように矢口に語りかけていた。

「やぐっつあん??」

「え?!どうしたのごっちん!!」
「やぐっつあんの手ぇ今動いたような気がするっ!!」

「ほんと???」

「うん。あっ、ほ、ほらっ!!」

矢口は繋がれていた後藤の手を握り返している。

「医者呼んでくる!!」



「やぐっつあん!やぐっつあん!!聞こえる??ごとーだよ?分かる??」






「・・・あ・・?ご・・とう?」


「やぐっつあん!そうだよ、ごとーだよ!良かった!!」

そこへ医者を連れた吉澤達が入って来た。


「・・・奇跡が起きましたね・・・もう、だいじょうぶです。あとは体力が落ちているから
 少しずつ回復させていくだけです。今はまた寝てしまったので明日また来てください。」



「ごっちん・・・良かったね!ほんとによかったね!」

「・・・うん!・・うっ・・・っく・ひぃ・・っく・・よかった・・・」



そして矢口が目を覚ましたことはまたその日中に学校中に広まった。
176 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)22時55分06秒
今日は日曜日。あまり大勢で来てもうるさいのでやはり吉澤石川安倍飯田、
そして後藤が会いに来ていた。

矢口はまだ寝ている。



「良かったな!後藤!」
「ごっちんかなり痩せちゃったから怒られるよ?矢口さんに」
「真希ちゃん、おめでとう」
「真希ちゃんもう矢口とけんかしたらだめだべ。」

「分かってますよぉ〜・・・へへ。みんなありがと」





「・・ん・・・んあ・・」

「やぐっつあん??」

後藤は矢口を覗き込むように見た。




「ここ・・・どこ・・・・?」

「病院だよ。やぐっつあんごとーかばって車に跳ねられたんだよ?
 ごめんね、ごとーのせいで・・・。もう起きても平気?」



「ん・・・ごと・・う?」

「そうだよ。ごとーだよ。また話せて嬉しい!!」






「・・・だれだ?ごとうって・・・。」


「え?なに言ってんの?まだ怒ってるの??」

「矢口〜こんなときにふざけるなよなっ後藤が可哀想じゃんか。」



「は?だれ?」

「えぇえ?」

「や、矢口さん?」

「矢口先輩??」
177 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)22時57分28秒



「なんなの?あんたたち誰?矢口わかんないんだけど。」


「もぉ〜なぁに言ってるべかー矢口ぃ〜みんな矢口が目ぇ覚ますの待ってたんだべ。」

「なっち!だれ?この人たち。なっちの友達?」

「なに言ってるべか?矢口。」




(((((これは・・・もしかして・・・)))))



医者の説明によると、
矢口は事故の後遺症で一時的に記憶が無くなっているとのことだった。

話をするうちに矢口には中学2年生の頃の記憶までしか無いことが分かった。
要するに、安倍以外とはまだ出逢っていないため初対面だったのだ。







「やぐっつあん!!ほんとにごとーが分からないの??ほんとは分かってるんでしょ??」

後藤は矢口の胸倉をゆさゆさと揺さぶりながら聞く。

「悪いけど。初めて会ったと思うけど。矢口は見たことないよ。」


「なんでよ!!ふざけないでよ!!ごとーのことわかんないなんてひどすぎるよ!!」


「だってわかんねーもん。事故ったってのは分かるけどよ。・・・なに?
 矢口のなんなの?あんた」

「っ、ごとーは!やぐっつあんの彼女だよ!!!」
178 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)22時59分37秒
「はあーー??あんた何言ってんの?矢口の彼女はなっちだけど?」

「違うもん!!なっち先輩じゃないもん!!ごとーだもん!!」






「矢口・・・」

ずっとそばで見ていた4人。安倍が話し出した。

「おうなっちい〜この子に言ってやってよ。なっちが矢口の彼女だってさぁ〜」

「違うべ。」

「あ?なにが違うの?なっち彼女じゃんか矢口の。」

「それは中学2年の時だしょ?今矢口は高校3年なんだべ」

「高3??なにそれ。んなわけないじゃん。ばかにしてんの?なっちまで」

「矢口、記憶喪失なんだべ。」

「はあ?」



「矢口、車に跳ねられて2ヶ月寝てたんだべ。矢口は桃色女子学園の高校3年生でそこにいる
 後藤真希ちゃんと付き合ってるんだべ。事故の後遺症で忘れてるんだべ」



「・・・本気で言ってるのか?」

「そうだべ。なんだったら生徒手帳見たらいいべ。」




「・・・まじかよ・・・。」

「分かったべか?」
179 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)23時02分52秒
「矢口が記憶喪失でもう高3ってのはほんとなんだな?」

「んだ。」

「なっちが矢口の彼女じゃないってのもほんとなんだな?」

「んだ・・。なっちは今、この飯田圭織と付き合ってるべ。」

「なっちと矢口はなんで別れた?あんなにも仲良かったじゃねーか!なんでだよ!!」



「それは・・・ここで言えないべ。」

「じゃあみんな出ていってよ。矢口なっちと話すから」

「「「「・・・」」」」

「みんな、ごめん。なっちもすぐ行くから・・・」




部屋を出る後藤たち。


「・・・やぐっつあん、ひどいよ・・。」

後藤は泣きながら出て行った。


「なに?なんか言った?あいつ」

「・・・矢口と別れた理由言うべ。」

「ああ、聞かせてくれ」

「矢口はなっちを不安にさせたんだ。なっちばっか矢口のこと好きで、矢口はいろんな子と
 遊んだりしてた。矢口は話しやすくてかっこいいからみんなに好かれてて・・・なっちは
 不安だったんだ。それでもね、やっぱり好きだったし、矢口もなっちのこと好きって
 言ってくれてたから我慢してた。・・・でも限界が来たんだよね。」


「・・・」
180 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)23時05分04秒
「矢口がなっちの知らない子とキスしてるの見ちゃったんだ。矢口全然拒んでなくてさ。
 なっちはそれ見た時なにかが崩れて行くのが分かった。それで別れたの。」

「うそだ、そんなの。」

「ほんとだべ・・・。矢口はそれから女遊びするようになっていってなっちからどんどん
 離れていったんだべ。高校入ってからなっちは圭織と出会って圭織が好きになった。
 それで矢口は真希ちゃんに出会ってどんどん変わって、遊びもしなくなったんだべ。」

「ほんとか?」

安倍は深く頷く。



「そっか・・・なっちはもう矢口を好きじゃないんだな。矢口は好きなのによ」

「記憶がないからだべ。矢口は誰も邪魔出来ないくらい真希ちゃんとラブラブだったんだべよ。」

「もう、いい。分かった。」

「真希ちゃんと会うべ?」



「・・・いらねぇ。会ったって覚えてないから。」

「それでも会うんだべ」


「良いって。見舞い、さんきゅ。もう帰ってよ。」

「・・・じゃあ。」

「ああ。またな。」




それから数週間後矢口は退院した。
181 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)23時09分42秒

「じゃあ〜ここが矢口の部屋だから。なんかわかんないことがあったらなっちに聞くべよ」

「あぁ、さんきゅな。」

安倍は帰ろうとした。

「あ、なっち。ちょっといいか?」

「ん?なんだべ?」

「話あるんだよ」

「なんだべ?」

「ま、部屋入ってよ、ここじゃなんだし。」

「うん」


パタン・・・


「なっち!!!!」

「ひゃあっ!なにするべ矢口っっ。」

矢口は部屋に入るなり安倍を押し倒した。



「・・・・」



なにをするわけでもなくただ安倍を見ている矢口。

安倍も初めはびっくりしていたが矢口がなにもしないので落ち着きを取り戻してきていた。

「やぐ――」



話そうとした瞬間矢口は安倍の唇に自分の唇を落とした。
182 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)23時11分48秒

「・・やぐっ・・ん・・ちょ・・っと・・ん・・ん〜・・矢口っ!!」

安倍は矢口を押しのけようとした。だが矢口の力は強くて唇が少し離れるくらいで
押しのけることが出来なかった。

矢口はもう一度安倍の唇にキスをすると無理やり舌を押し込んで入れた。

安倍はなんとかして逃げようとするが矢口はかなり強引で逃げることが出来なかった。



安倍を深く味わうように矢口は無理やり舌を絡めた。安倍は絡められている間もなんとか
我慢して自分から動かさないように耐えていた。


じっと耐えていた安倍だったが矢口の手が胸に来たのでびっくりして舌を動かしてしまった。
矢口の手が安倍のブラウスのボタンを外していく。



「・・ちょ・・っと・・やだ・・やぐち・・やめてよ・・おねがい・・」

矢口は安倍の言葉には耳をかさずについに安倍の胸を揉みだした。


唇を離すと矢口は安倍の胸のしゃぶりついた。矢口はやめる気配がなく安倍は泣いていた。



「やだよ・・・矢口ぃ・・・っく・・うっく」

矢口は安倍が泣いているのに気付き手を止めた。
183 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月17日(日)23時15分15秒
「・・・ごめん。」


矢口は安倍のボタンを閉めてやると起き上がった。

安倍はまだ泣いてる。


「どうして・・・こんなことするべか??ひどいべやぐち・・・」


「ごめん・・・。でも、矢口はなっちが好きなんだ。なっち以外いらないんだ。」


「・・・なっちは・・・なっちも矢口が好きだった・・・。圭織と付き合ってても
 心の中に矢口がいつも居た。真希ちゃんと仲良くしている矢口を見て胸が苦しく
 なるときもあった。真希ちゃんに妬いたり、ほんとはもう一度抱かれたいって
 どこかで思ってた。・・・でも!!こんな、こんな矢口はもう嫌いだべ!!
 なっちの前にもう現れないで!!もう知らないべ!!

「なっち・・・ごめん。でも――」

矢口が言い終わる前に安倍は部屋から出て行った。



「なっち、ほんとに矢口じゃダメなんだな・・・。」
184 名前:りょう 投稿日:2002年02月17日(日)23時21分32秒
>174 名無しベーグル。さま
   あっ!○○アプローチ見てます!!
   勢いがあるうちの更新なのです・・・。
   頑張りますのでゆっくり見て下さい。

   え〜作者よりひとつ質問なのですが・・・
   この作品って痛い方ですか?甘い方ですか?
   どっちでもないのかな・・・?   
185 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月18日(月)00時01分01秒
痛いというより切ないですね。
どうなるんだよー!!!にしてもやぐはなっちと付き合っていたのかー。
タラシになった原因もなっち!?なんか過去編が見たい!!
早く記憶戻ってくれ。ごまがんばれ!!!
186 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月18日(月)00時53分11秒
うーーん。痛いっす。どっちかというと・・・・。
>185のかたと同じかな?
なんだか、涙が出てきそうです。なっちも、ごっちんの気持ちも切ないですね。
続き期待しています。
187 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)02時13分51秒
ここは後藤たちの部屋。

「ごっちん・・・元気出してよ。」

「無理だよ!!やぐっつあん完璧にごとーのこと忘れてるんだもん!!それになっち先輩のこと
 好きみたいじゃんか!!1回やっただけって言ってたのに付き合ってたしふたり・・・。」

「弱気になっちゃだめだよ。今までだって障害はあったじゃない。でもごっちんたちはちゃんと
 ふたりで乗り越えて来たじゃない。今度だってそうだよ、矢口さんがほんとにごっちんのこと
 忘れるはずないよ。」


「そんなのわかんないよ!!ごとー最後にやぐっつあんに怒ったままだったもん、
 やぐっつあん困らせてばっかだったもん、わがままいったもん、
 やぐっつあんは思い出したくないかもしれない。忘れたいかもしれない。
 ・・・だからごとーに出逢う前の記憶しかないんだよ!!!!」


「バカ!!いつまでも泣き言言ってんじゃないよ!ごっちん思い出しなよ」

「・・・なにを」

188 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)02時15分54秒
「矢口さんに出会って、恋して、アタックして、すごい頑張ったじゃんか!
 私には出来ないなって思うほどごっちんは矢口さんに頑張って近づいてたじゃんか。
 矢口さんだってそんなごっちんが好きになったから付き合ったんじゃんか!
 覚えてないのはもう仕方ないんだから、また覚えさせたらいいんだよ。
 また頑張ったらいいんだよ。ごっちんだったら出来るでしょ??」



「また、覚えさせる??」

「そう。矢口さんだって分かってくれるって!」


「でも・・・また『おまえなんてしらねー』って突き放されたらごとー・・・」

「協力するから頑張って、ごっちん。」

「・・・」





石川を呼び出して話している吉澤。

「だからね、ごっちんショックで頭がいっぱいで何も出来ないの。
 ごっちんがまた頑張れるように応援してあげようよ。」

「もちろんだよ!でもどうやって?矢口先輩・・・今どう見てもなっち先輩のこと・・」

「うん。それは気になってた。でもだいじょうぶだよ、とりあえずうちらもまた
 仲良くなれるようにしようよ、まずは。」



「・・・そうだね。それしかないもんね。」
189 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)02時17分41秒
次の日――
3ヶ月以上休んでいた矢口が登校するので生徒達は皆浮き足だっていた。

(ほんとに矢口先輩だよお〜)
(意識戻ってよかったよお〜)
(先輩のいない学校、おもんなかったもん〜)
(ほんとほんと〜)

(でもさ、昨日ちょっと聞いたんだけどさ・・・)
(なに?)

(先輩、記憶無いらしいよ。)

(記憶喪失??うそお??)

(ほんとらしいよ。なんか中2の時までの記憶しか無いんだって。)

(マジでぇ??思い出さないの??)

(難しいらしいよ〜・・・)



(でも、じゃあ後藤は??覚えてないんじゃないの??)
(ほんとだよ!後藤とのことも忘れてるのかな?)

(どうなんだろ・・・)
190 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)02時19分35秒
ガラッ
矢口は自分の教室に入った。

「あっ!矢口だよ、みんな〜!!」

「矢口おかえりーーー!!」

クラスの皆が寄ってくる。

矢口と中学で同じクラスだったものもいるので矢口は少しほっとする。


「矢口、記憶無いんだよな最近の。だからいろいろ教えてくれよ。」

「まかせないさいって!!」

クラスの全員が矢口に優しく応える。

そのうちのひとりがふと気になった言葉を吐いた。



「矢口さぁ〜記憶喪失って、どのくらいなの?」

「中2くらいまでの記憶しか無いんだよ。」



「――え?じゃあ後藤は??」

「みんな言うけど、矢口・・・知らない。」



(えええー??マジ?マジで言ってるの??)生徒たちは顔を見合わせて言う。


「思い出してあげなよ。」

「んなこと言ったってよ」




(ほら、あんた言いなよ!)
(え?やだよきんちょうするぅ〜みんなで言おうよお〜)
(え〜?じゃんけん負けたクセにさぁ〜)
(いいじゃん、いいじゃんみんなでさ〜)

廊下から顔を覗かせて教室を伺いひそひそ言う声。
191 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)02時21分44秒
「なんだ?あれ。」

「あ〜矢口のファンの子じゃん。」


「ファン??は?」

「あっ、そうか〜ファンクラブ出来たのって高校からだもんねぇ」


「ファ、ファンクラブぅ??」

「そうだよ。矢口後輩にめちゃ人気あるんだよ?ファンクラブもあってさ、
 あの子等あんたにあいさつしたいんだよきっと。話してやれば?」


「でもな・・・知らないやつだし。(矢口って・・・もててんのか?)」



「あの!矢口先輩!!ちょっと良いですか??」

「ほらー矢口じゃん。行ってやんなよ」



「なに?」

「あの、これ、退院のお祝いです、受け取って下さい!!」

「あ、どうも・・・」

その生徒たちは矢口を間近で見て興奮していた。矢口もなんとなくそれに気付いた。

(矢口、なっちに振られたんだっけ・・・。他の子探すっきゃないんだよな)

そう思って矢口は少しかっこつけて礼を言った。

「さんきゅ!大事にするな!」

大事にするといっても花なのでいつかは枯れるのだが・・・。



今までは後藤にしか優しくない矢口だったが今は違い、生徒達は感動して顔を真っ赤にして
帰って行った。
192 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)02時23分30秒
(うん、あんな感じでいいだろ。なっちは・・・もう無理だしな)

矢口はそう言うと無意識のうちに ニヤリッ と笑っていた。



それを見ていたクラスメイト。

「矢口・・・あんた・・・もしかしてまた・・・」

「ん?なんだよ?またって?」


「え・・?あっ、ううんなんでもないや。それより早く授業追いつけよぉ〜!!」

「分かってるって!」



(ちょっと、あんた今何言おうとしたわけ??)

(えーっ・・・わかんない?)

(・・・また、タラシ矢口復活??)

(!そう!!そんな気がしたんだよね今・・。なんとなく。)

(うちも!)
(私も!!)

(みんなも思ったんだ・・・。ますます後藤が可哀想だね・・・。)


(うん・・・うちらもう矢口は友達だけど、後輩は明らかに矢口に恋してるもんねぇ?)

(だよね。もしほんとにタラシ矢口復活だったらやばいんじゃん?)

(でも、うちらはなにも言えないよねぇ・・・)

(うん・・・。)
193 名前:りょう 投稿日:2002年02月18日(月)02時32分34秒
>185 名無し読者さま
    雨なので旅は延期です(w
    切ないのですか・・・。最初は甘かったハズなのですが。
    作者はどこで間違ったんだろ・・・。
    
    過去編ですか。考えて無かったですね。でもおもろいですね。
    これが完結したら考えます!!

>186 よすこ大好き読者さま
    やぐごまを愛する作者としては今後砂糖を吐くような
    甘々な作品をかけるようにしたいのですが・・・。ムズイ。
    

    ストックがほんとに少ないので量が減るやもしれません。
    1日1回の更新はなんとかやりたいのでよろしくお願いします。
    では、おやすみなさいませ。起こして下さい。
194 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月18日(月)17時37分22秒
たらし復活!なんかやばい状況なのに矢口とたらしに期待してる自分・・・。
ごませつないなー、なっちも。
195 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月18日(月)19時28分31秒
覚えてないにしてもやぐ酷すぎ…(w
196 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)22時24分26秒
そして数日が経ち、生徒達の間で矢口が変わったとウワサになっていた。

今までは大人しかった1年までもが記憶のない今、ここぞとばかりに矢口に

接触しようとしていた。矢口は後藤と付き合ってからはどんなものでも物を

受け取らなかった。でも今は違う。後藤とのことを全く覚えてない矢口は

根っから女好きだったのか楽しんでいた。



それを知った吉澤たち。

後藤のクラスだけは矢口の話題に触れず(吉澤が阻止しているから)

静かだった。



「やぐっつあん・・・」

「弱気になっちゃだめだよ。ごっちんも、まずは少しずつ話すようにしようよ。」

「・・・」

吉澤は記憶喪失だと分かってから何も手に付かない後藤をほっておけずに
石川にメールをした。



『梨華ちゃん。ごめん、ごっちんほっとけないから先に接触してくれる?ごめんね?』

すぐに返事が来る

『ううん、良いよ。ひとみちゃんは真希ちゃんについててあげて。
 お昼休みに矢口さんに会いに行くね。』

197 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)22時27分18秒
そしてお昼休み――
石川は矢口の教室に行ったのだが矢口は居なかった。

(いつもなら居るのに・・・・)

「あっ、石川じゃん。どうしたん?」

「あ、先輩こんにちは。矢口先輩は居ないんですか?」

矢口という名前を聞いてまゆをしかめた女生徒。石川も気づく。

「矢口先輩どうかしたんですか?」

「・・う、う〜ん・・・それがね・・・矢口、1年が呼びに来て一緒に
 出ていっちゃったんだよ。ついさっき」

「1年生が?どんな子ですか??」

「なんてったけなー名前・・・・初めて見た顔だからなー・・・
 ごめんわからないや」

「そうですか、ありがとうございます。ちょっと探して見ますね。」

石川はお礼を言って去ろうとしたが――



「矢口さ、ちょっとやばいんだよね・・・。」

「は?やばいってなにがですか?」

「石川も知ってるでしょ?昔遊び人だったこと」

「あー・・はい。少しは。」

「後藤のこと忘れてさー・・・なんか、またそうなった感じするんだよね。」

「!!ほんとですか?」

「確かじゃないけどみんなそう思ってるんだよ。」




「・・・・とにかく、探して見ます!」
198 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)22時30分08秒
(矢口さんがまた・・・『タラシ』になるなんて!!絶対違うよ!そんなのないよ!!)

石川はそう信じたいが、なにぶん記憶がないのだから不安だった。



(どこにいるの?先輩!!)

渡り廊下、階段、屋上。どこを見てもいない。思い当たる場所を全て見て
最後に保健室に来た。

(ここに居なかったら・・・もうわかんないよ。)

ドアを開けようとしてなかから声が聞こえて来た。



『矢口先輩ほんとに後藤さんと付き合ってたこと覚えてないんですか?』

『ああ。ほんとだよ。それ以前に顔もあんまり覚えてないな』

『きゃははひっどーい!!後藤さん可哀想ですよお!!』

『いいじゃんほんとに覚えてねーもん。それにその方がお前だって嬉しいだろ?』



『えっ・・・それは・・まぁそうですけど。』

『ならいいじゃん。矢口は今を楽しめたらそれで充分だ』

『今ですか?』

『そう、今。』

矢口はにやにやしながらその女生徒を見る。



199 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)22時31分39秒
『じゃあ・・・楽しみましょうよぉ〜・・・ここ、保健室だし。』

言っておいて赤くなる女生徒。

『保健室だし、ベッドあるしってか??してほしいのか?』




『・・・・・・・・はい。』

『しょーがねーなー』

そういいながら矢口はその生徒とベッドへ向かった。







――が、石川がふたりの会話にたまりかねて乱入した。

「失礼します!!・・・先生来ますよ?あなた1年生でしょ?
 昼休み終わるから教室戻った方がいいんじゃないの?」

おっとりイメージの石川だが口調がキツイ。

女生徒は見られたことによる恥ずかしさと焦りからか、慌てて出ていった。
200 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)22時33分17秒

「・・・なんだよお前。いいところで邪魔すんなよな。」

「矢口先輩!なに言ってるんですか??」

石川はベッドで文句を言う矢口に詰め寄って行った。

矢口の傍に行った瞬間石川はベッドに倒れこんだ。



(な、なに??)

矢口が腕を引っ張ったからだ。


石川の上に乗るようにして石川を見る矢口。




「別にお前でもいいんだぜ・・・。おまえけっこう可愛いしな。どっちかってーと好み?」

矢口は石川にそう言った。


(私でもってどういう意味??)

「抵抗しないのか?なら、オッケーってことだな。」

矢口はそういうとすぐに石川の唇に自分の唇を落とした。
201 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月18日(月)22時34分43秒

(な、なにが起こってるの?矢口先輩なにしてるの?)




「目ぐらいつぶれよな。・・・ま、いいけどよ」

矢口は再び石川にキスをしようとする。

そこで我に返った石川。

暴れて抵抗を始めた。

「なにするんですか!!(矢口先輩とキスしちゃった??)」



「なんだ・・・やっぱり抵抗するんじゃんか。だったらさっき邪魔するなよな。」

矢口はベッドから降りると部屋を出て行った。






(あ、あんなの先輩じゃないよ・・・先輩・・・ずっと憧れてたのに・・・ひどいよ・・・)

石川はショックのあまり帰ってしまった。
202 名前:りょう 投稿日:2002年02月18日(月)22時41分16秒
   本日の更新です。
   
>194 名無し読者さま
   起こしていただいて・・・(w
   >たらし復活!
   なんか、たらしと言うよりは女グセ悪いやつって感じ。
   性格が・・・。なっちもせつないですか?う〜ん。

>195 名無し読者さま
   ほんと、名無し読者さまのおっしゃる通りです。
   やぐの暴挙(?)はまだまだ続く・・・?

   と、いうことで続き書いてきます。
203 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月18日(月)23時00分30秒
やぐー!ごまを思い出せ!!
にしてもこの遊びっぷりはすごい。
204 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時34分31秒
いつも一緒に帰っていた石川が教室にいないので吉澤は石川の部屋へ行った。


「梨華ちゃんいるっすか?」

「ごめんね、梨華ちゃんずっと寝てて・・・」

「どうかしたんすか?」

「いや〜ぜんぜんわかんないの。病気じゃなさそうだけど5時間目の途中で戻ってきて
 そのまま帰っちゃって・・・。」

「・・・」


「・・・あっ、ごめん、私、真巳たちの部屋遊びに行くから中入ってて。」

「いいんすか?そうさせてもらうっす。」






(可愛い顔で寝るんだな〜梨華ちゃん。・・・・・・・・・・・・気付かないよね?
 ドアも閉まってるし・・・)

吉澤は石川が寝ているのをいいことにキスをしようとしている



起こさないようにそぉ〜っと近づいて行く・・・


(か、可愛い・・。)



『ちゅっ』

(へへへ、しちゃった。寝てるときにごめんね。)
205 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時36分54秒

「・・ん・・やだ・矢口・・先輩・・やめ・・て・・さい・・」

石川は急に寝言を言い出し、涙を流した。



(!!なんて言ったの??私がキスしたからじゃないよね?矢口さん?)

吉澤は石川は早退する前に行っていたところを思い出した。

(・・・矢口さんとこに行くって言ってたよね、私が頼んだんじゃん。
 なにかあった?矢口さんと何かあって泣いてるの?そうなの?梨華ちゃん!)

吉澤がいろいろと考えていたら石川が目を覚ました。




「・・・あれ。ひとみちゃん?どうしたの?」

「おはよ。梨華ちゃん早退したから気になって来たんだ。」

「あ――そっか、ごめんね。メール打ってなかったね。心配してくれたんだ?」

「心配?したよ!!ものすごくした!!!梨華ちゃんに聞きたい事あるんだけど!」

「なに?ひとみちゃん。」

「・・・今日のお昼休み、矢口さんとなんかあった?梨華ちゃん。」

「えっ!?矢口先輩と?どうしてそんなこと聞くの?(ばれちゃダメ、隠さなきゃ。)」

隠そうとするのがまるわかりな石川。いつもならあまり追及しない吉澤だったが今日は問い詰めた。

206 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時39分23秒
「さっき、寝てるとき梨華ちゃん、『矢口先輩やめて』みたいなこと言ってた。
 涙も出てた。」

「そっ・・・そう。」

「ほんとはなんかあったんでしょ?教えてくれるよね?なにがあったのか」




「・・う、うん・・。」







「・・・じゃあ1年生と・・や、やろうとしてた矢口さんを止めに入ってキスされたの?」

「そう・・・。ごめんね。無防備で・・・。」

石川は思い出してまた涙を浮かべている。



「キスされたとき嬉しかった?梨華ちゃんずっと矢口さんのこと好きだったもんねえ〜・・・」

207 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時40分19秒
「そんなことないっ!そんなの昔のことじゃない!今私はひとみちゃんが好きなんだから。
 ・・・でもショックだった。矢口先輩じゃないみたいで・・・ショックで・・・
 早退しちゃったの・・・。好きとかそういんじゃないよ?憧れだからね?」

「良かった。無理やりでもキスされたの喜んでたらどうしようかと思った。
 イジワル言ってごめんね、梨華ちゃん。」

「ほんとだよ・・・」

吉澤にもたれかかって泣く石川。

ふいに吉澤が話し出した。



「私――あとで矢口さんの部屋に行ってみるよ。」

「え?なにしに?」

「話してみたいんだよ。意識戻ってからほとんどしゃべってないから」

「そう――だね・・・。」

208 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時41分49秒
コンコン

返事がない。

(あれ?留守かな?)

コンコン

やっぱり返事がない。

(また後で来るかな)

去ろうとしたとき声がした。



『――ぅあい。だれ?』


(矢口さん!居たんだ!)

「吉澤って言います。ちょっと話したいことがあるんですけど。」

「――今かよ?」

「出来れば・・・お願いします。」

「――分かったよ、ちょっと待てよ」

「すんません」

中でなにやら騒がしく動く音が聞こえる。

(片付けてるのかな?いつもきれいだったはずだけど・・・?)




カチャ ドアが開いた

吉澤が入ろうとしたら少女が出てきた。顔を隠すように出て行った。



(どこかで見たことがある・・・!!ああ、4組の松浦さんじゃんか!
 今の!な、なんでこっから出てくるの?)
209 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時43分32秒
「もういいぜ。入んなよ」

「あっ・・。」



「なんだよ、吉澤ってお前か。」

「(覚えてくれてないんだ(泣))そうです・・・。」

「で?なんの用なわけ?おまえは矢口に気があるように見えないけど。」

「私は、矢口さんが事故する前は仲良くて、可愛がってもらってました!」

「矢口がかぁ?ほんとかよ。」

「はい。覚えてないからしょうがないですけど。・・・さっきの子、松浦さんですよね?
 なにしてたんすか?知り合い・・・じゃなかったっすよね前は。」


「なにって・・・お前にカンケーねーじゃんそんなこと。」

「関係ありますよ!やってたんですか??梨華ちゃんにも手ぇ出したでしょ!!?」



「は?梨華ちゃん?だれだそれ。」

「誰かも知らないで・・・矢口さん最悪ですよ!そんな人だったなんて!梨華ちゃんは
 私の彼女です、矢口さんは私達をずっと応援してくれてたんです、なのになんであんなこと
 するんですか??梨華ちゃんは今日矢口さんがキスした子ですっっ!!したでしょ??」
210 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時44分57秒
「・・・ったってよ、いつキスしたやつだかわかんねーよ。」

「(怒)昼休み、保健室で!!」




「?・・・ああっ!あいつか、ちょっと色黒のやつな。なにあいつお前の彼女なわけ??」

「そうです!!(色黒って言うな!!)キスしたでしょ?もう手ぇ出さないで下さい!」


「別にもうどうでもいいよ。矢口のこと好きじゃないやつに興味ないから。
 それよりお前、吉澤だっけ?まだあいつとやってないのな。」


「な、な、なんっ――」

「押し倒してキスしたとき何が起こってるかわかんないって顔でぼーっとしてたぜ。」



ビシッ!!
吉澤は矢口をぶん殴ると『バカやろう〜!!!』と言って出ていった。






「・・・いてぇ・・・・・・・・・・。」
211 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時47分19秒
「ちょっとお、どしたの?よしこ。そんな怖い顔でさ。」

そのまま自分の部屋に戻って来た吉澤。

「っぅ・・うっ・・っく・・」

そしてそのままベッドへと行く。


「なにぃ??泣いてるの?どうしたのよしこ、梨華ちゃんとなにかあった?」

吉澤はすっぽりとふとんをかぶって返事をしない。

「よしこさ、いつもいつもごとーの悩み聞いてくれたり励ましてくれたりしてくれてる
 じゃん?たまにはごとーも頼ってよ。・・・頼りないかもしんないけどさ。」

吉澤はガバッと起き上がると後藤の傍に行き肩をつかんで話した。

「ごっちん、ごっちん、もうだめだよ、矢口さんはだめだよ、もうっ・・・」


「やぐっつあんがだめってどういうこと??梨華ちゃんの話じゃないの?どゆこと??」

212 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時48分00秒
「・・・やぐちさん、もう前のことほんとに覚えてないんだもん、性格だって変わったよ、

 女くせも悪くなったし・・・こんなことごっちんに言うことじゃないけど・・・

 もう矢口さんはだめだよ、もう、忘れた方がいいよ、ごっちん。協力するって言ったけど

 ・・・あんな矢口さん・・・もう無理だよ・・・。」






沈黙が続く









「・・・・・・・・・・・ごとーがもとのやぐっつあんに・・・戻してみせる。」
213 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月19日(火)01時49分59秒
「えっ?」

「よしこ、ありがとう。ごとーが弱気になってる間にやぐっつあんと接触してくれてたんだね。
 よしこと梨華ちゃんはもう良いよ?ごとーが頑張らなきゃだめだもん。」


「で・でも・・・ごっちんのことも・・・覚えてないんだよ?遊ばれたらやだよ、私!!」






「・・・それならそれでもいい。こうなったのはもともとごとーのせいだし・・・。」


「そんなっ、ごっちん、そんなことっっ」




「ううん。そうなの。ごとーのせいでやぐっつあんは車に跳ねられて意識無くして記憶まで
 
 無くした。ぜんぶごとーのせいだよ。もとのやぐっつあんに戻ってくれるようにごとーがする。

 たとえ相手にされなくても、遊ばれたっていい。」




「ごっちん・・・。」

「だからっ、よしこはもう気にしないでよ、せっかく梨華ちゃんと付き合い始めたとこ
 
 だったのにうちらにせいでさ、ぜんぜん楽しくないじゃんか、梨華ちゃんだって可哀想だし、

 ごとーのことほんと心配いらないから梨華ちゃんともっと仲良くしてあげて?」

「でも――」


「お願いだから!!もうなにも言わないで・・・」

吉澤はもうなにも言えなかった。
214 名前:りょう 投稿日:2002年02月19日(火)01時55分32秒
>203 名無し読者さま
   やぐがごまを思い出す日は来るのでしょうか・・・
   自分で書いててやぐが憎い、ごまが可哀想!
   やっぱり遊ばせ過ぎですか・・・。

   やぐごまのほのぼのを見たかった読者さま、ごめんなさい。
   いつのまにかこんな展開になってしまいました。
215 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月19日(火)22時36分39秒
松浦まで!やぐが元に戻る日はあるのか!?
何人とヤッてるんだあ!!
216 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)00時46分44秒
次の日――後藤は4時間目が終わる前に抜け出して矢口の教室へ行った。

「こんにちは〜」

「あっ、後藤じゃん。」

「やぐっつあんいますかー?」

「あ、ああ。いるけど。」

「呼んでもらえます?」

「あぁ・・・矢口ぃっ、お客さん来てるよー。」


『今日は誰だよ・・・』


「じゃあ、矢口来るから・・・後藤?だいじょうぶなの?あんた。」

「心配してくれるんですか?だいじょうぶです。ありがとうございます。」

「ならいいんだけど・・・頑張ってね。」

女生徒は教室に戻っていく。




(やぐっつあん久しぶりだな・・・)

「はい。なに?」

「あ、やぐっつあん。ご飯食べよ?」


「お前・・・後藤だっけ?なんでお前と食べるわけ?」

「なに言ってんの、いつもごとーが作ったお弁当食べてたじゃん。」

「そんなの覚えてねーよ。」

「いいじゃない。まだ誰とも約束してないでしょ?一緒に食べようよ。」



「(・・・めんどくせぇ。)悪いけど先約いるわ。」

「分かった。じゃあ明日一緒に食べて。絶対だよ!!」

そういって後藤は去って行く。




「勝手に決めんなよ・・・」
217 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)00時48分40秒
そこへ松浦が現れた。

「せんぱ〜い待たしてすいません。食べましょ?」

「おう松浦、行くか。」



覚えているわけではなかったが、矢口は後藤といつも食べていた場所へ自然と足が向いていた。


そこにはひとりでふたりぶんのご飯を食べている後藤が居た。


「あっ・・・やぐっつあん・・・。そっか、松浦さんと約束してたんだね。」

「・・・後藤さん・・・。」

松浦はおろおろしている。

「なんでお前がここにいんだ?松浦、むこう行こうぜ。」

「で、でも――」

「なに、食わねーの?」

「え?いえ・・」

矢口と松浦は後藤の見えない場所まで行った。









矢口は少し機嫌悪そうにしながらご飯を食べている。

「・・・良かったんですか?」

「なにがだよ。」

「・・・後藤さん。・・泣きそうでしたよ?」

「知らねーよ。あいつ矢口の彼女だったんだって?信じられなくてな。」



「信じられないって・・?どうしてですか?」
218 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)00時50分25秒
「だってよ、ほんとに覚えてねーし、ああやって話しててもなんとも思わねーもん。
 ほんとに付き合ってたのか不思議。」


「・・・・(記憶喪失ってすごい・・・。)そうですか。先輩たちはほんとに仲良かったですよ。
 いつも一緒にいてみんなうらやましがってました。」


「なんだかなぁ・・・。」

「でも、私もずっと先輩好きだったから今こうして一緒に居られるの嬉しいです。」


「・・・メシ食おうぜ。」

「明日も一緒に食べてくれますか?」

「明日?悪い明日はちょっと無理だわ。(来そうだしな、あいつ)」


「そうですか・・。」






矢口は5限をさぼって屋上に居た。

(後藤だっけかあいつ・・・矢口の彼女・・・?マジ信じらんないよな・・・

 退院するまで会いにも来なかったしよ、それに矢口が他のやつと居ても怒らねーしよ。

 あいつと付き合ってるときもそうだったのか?・・・わかんねーよ!みんなあいつが

 可哀想とか言うしよ、思いだしてあげろとかよ!・・・なんか苦手なんだよな・・・

 あいつみたいなの。)


矢口は5限が終わってもまだ考えていた。
219 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)00時52分22秒
次の日の昼休み。

「やぐっつあん!お昼いこー。」

後藤はいつもより元気に言う。

「約束してねーけど。」

「昨日いったじゃんか、お弁当作って来たんだから行こうよ」


「矢口!!いいから行きなよ!」

ふたりを心配そうに見ていた飯田が声をかける。

「ちっ!」

矢口は後藤を見ると歩き出した。





「いつもここで食べてたんだよ?昨日来たからびっくりしちゃったよごとー。
 覚えてたの?」

「なんとなく来ただけだよ。」

「ま、いいや。それより今日はやぐっつあんの好きな石焼ビビンバだよ!」

「マジで??・・・ん?こんなのどうやって作るんだよ学校で。」


「ごとーに不可能はないの。」

「そうかよ。(こいつ苦手だけどビビンバは嬉しいな。)」

「どう?おいし?」



「(悔しいけどめちゃうまだぜ!!矢口の好み知ってるな、こいつ。)まあな。」

「よかった・・・。」






沈黙。








「やぐ――」言いかけた後藤とかぶって矢口が話し出した。
220 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)00時54分35秒


「おまえさ・・・矢口の彼女なんだって?」

「うん。そうだよ。思い出してくれたの?」



「いや。わりーけど。でもはっきり言っとく。矢口はお前がなんか苦手。

 なんか一緒に居るとへんな気ぃつかっちゃって疲れる。矢口、今を楽しみたいし。

 だから悪いけど矢口のこと忘れてくれる?覚えてないのに付き合ってても意味ないだろ。」



「そんなの無理。」

「無理でも忘れろよ。お前だってこんなこと言われて一緒に居たくないだろ。」

「居たいもん。」

「ウソだね、それは。今だって泣きそうじゃん。ここから去りたいって顔じゃん。

 いいぜ。行けよ。帰れよ。」

「ごとーはやぐっつあんが好きだもん!!離れないもん!!」


「いかねーなら矢口が帰るわ。もう来ないでくれな。」


「・・・・」

矢口は自分の言いたいことだけを言うと去っていく。


「どうして??どうしてなのやぐっつあん?」

立ち止まる矢口。黙って聞いている。


「どうしてそんなひどいこと言うの??ごとーのこと覚えてないだけじゃなくて

 嫌いになったの??どうしてなの??わかんないよ、ごとー。」


後藤は泣き叫びながら言う。
221 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)00時56分46秒

「わかんねーけど。好きじゃない。ひとりの人間に縛られたくないし。」

後藤はそれを聞いて崩れ落ちる。



「・・・・うわぁ〜ん!!やぐっつあんのばかー、ごとーが好きだって、

 ごとーが一番だって、ごとーだけで良いって言ってたの、今までの全部

 うそだったのかよお〜!!あ〜んっ・・っく・・・ひどいよ、ひどいよお〜

 ・・・・うっ・・・・ひっ・・。やだよお〜・・・」











後藤はその場でずっと泣いていた。

あたりが暗くなりだして学校にはもうほとんど人は居ない。



(やぐっつあん・・・諦めないよ、ごとー。諦めたら終わりだもん。負けないもん。

 ごとーがうっとーしーのは、忘れたいのは、ごとーがやぐっつあんを縛るからだよね。

 そう言ったもんね。)

なにかを決意すると後藤は急いで寮へと帰って行った。
222 名前:りょう 投稿日:2002年02月20日(水)01時06分58秒
   本日の更新です。

>215 名無し読者さま
   やぐは・・・ひどすぎますね。
   ごまばかり切なくしすぎました。
   最後は甘々で行きたいので見捨てず
   お付き合い下さいませ・・・。
223 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)01時57分10秒
次の日――の昼休み。

(もう、あいつ来ないよな。あれだけひどいこと言ったらふつーこねーよな。)

そう思っていた矢口だったが。

ガラッ

「やぐっつあん〜ちょっと出てきて〜」

(あ、あの声って・・・マジかよ。)



「なんだよっ!もう来んなって言っただろ!!」

「話あるんだ。ちょっとだけいいでしょ?」

「なんだよ・・・」

矢口と後藤は一緒に出て行った。


(なんだろ?後藤と矢口どうなってんだろ今。)

(気になっちゃうよねやっぱり。)

(矢口があんなんになっちゃってさーしょうがないとは思うけど・・・)

(後藤が気の毒すぎるよね。あんなに看病してたのにね。)

(矢口の記憶が戻るようにうちら祈ってやろうよ後藤のためにもさ。)

(だね、可哀想すぎるもんね)
224 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)01時58分54秒
2年生の教室

「聞いた?」
「なにを?」

「昨日矢口先輩、後藤に『好きじゃないからもう忘れてくれ』って言ったんだって!」

「マジぃ?なんで知ってんの?そんなこと。」

「1年の松浦って子が聞いてたんだよ。」


「松浦って今先輩に近づいてる子じゃん?」

「うん。うっといけど役には立つでしょ。」



「・・・じゃあ後藤のことほんとに覚えてないんだね、先輩。」

「後藤のことはさ、うちら好きじゃなかったけど可哀想過ぎると思わない?」

「うん・・・。なんかこっちが泣きそうになる。後藤だいじょうぶなのかな」

「どうなんだろね・・・。」

石川は傍で聞いていてびっくりした。

「今の話ってホントなの??真巳っち!」

「ん?ほんとだよ、梨華ちゃん。」

「そんな・・・」

石川は席を立って出て行った。





吉澤のクラス。

「ひとみちゃん居る??」

勢いよくドアを開けた石川。

「なに?どうしたの、梨華ちゃん。」

「あっ、ひとみちゃんちょっと来て!!」
225 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時01分46秒
廊下で話し込むふたり。

「ええ〜??矢口さんがそんなこと言ったって?ほんとなの?」

「だって、うちのクラスの子が言うんだよ?ほんとだよ。」

「確かに・・・情報通の集まりだもんね。・・でもおかしいな〜・・・」

「おかしいってなにが?ひとみちゃん。」

「う、うん。ごっちんがね?昨日遅くに帰って来たと思ったらいつもとかわんない感じで
 普通でね?今日だって『やぐっつあんとこ行ってくるー』っていつもどおりだったんだよ。
 だからごっちん、ほんとに矢口さんと話せるようになってるのかと思ってたんだけど・・・。」

「ほんとに?じゃあ情報が間違ってるのかな。」

「大体どこから仕入れた情報なの?それ。」

「なんか1年生の松浦って子が見てたとか・・・」


「松浦さん??あの子が??」

「なに?知ってるの?」

「いや・・・前に矢口さんの部屋から出てきたから・・・。」

「え?どうして??」

「考えないでおこうよ。」
226 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時06分30秒
「・・・それよりさ、私的にはもっと梨華ちゃんと仲良くしたいんだけどな。」

少しだけ淋しそうに吉澤は言った。

「仲良いじゃない?」

「うん・・・そうなんだけど・・こう、なんていうの?もうちょっと
 いちゃいちゃしたりとかしてみたいなー・・・・ってね・・・。」




「あっ・・・(照)」



「ごっちんたちのことはほんとに気になるし心配だけど、うちら付き合ってからもう
 3ヶ月以上経つのになんもないじゃん。付き合う前にキスはしたけど・・・。」

「ごめんね。・・・でも私だって思ってたよ。」

「何が?」

227 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時08分24秒
「真希ちゃんたちがうらやましかったよ。ほんと仲良くてさ、いろいろあっても
 結局仲良くてさ、ほんとに好き合ってるってのが伝わってきてうらやましかった。
 私達は付き合ってすぐ矢口先輩の事故があって、なかなかそんな機会なかったもん。
 ひとみちゃんともっと遊びたいよ。」


「よかったあ!!じゃあさ、今度の日曜日に映画でも見に行こうよ!!」

「行く!!!」

「ごっちんがね、うちらが自分達のせいで仲良く出来ないのはやだって言ってたし、
 うちらもいちゃいちゃしようよ。こんなときだけどいいよね?」


「うん。」
228 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時10分26秒




「で、なんなんだよ話って。」

いつもの場所に来ていた矢口と後藤。

「うん。ごとー昨日やぐっつあんに言われたことよぅく考えたんだー。」

「それで?」


「やぐっつあんひとりに縛られたくないんでしょ?ごとーが居たら縛られるから
 やなんでしょ?そうだよね?」



「・・・まあな。矢口はひとりに縛られたくないから。だから別れてくれよ。
 無かったことにしてくれよ」


「いいよ。別れても」

(え?今なんてった?こいつ。)
「なに?」

「別れても良いっていったの。やぐっつあんと別れてあげるよ。無かったことにしてあげる。」



「・・・助かる。話そんだけ?」

「ううん。別れてあげるけどやぐっつあんのことはやっぱり好きだから。」

「はぁ??わけわかんねーよお前。言ってることおかしいだろ。別れるんだぜ?」

「他の子と(今は)一緒で良いってこと。」

「どういうことだ?」

「やぐっつあんが他の子にしてるみたいな付き合い方で良いって言ったの!
 やぐっつあんが好きな時にごとーの相手してくれたらいい。分かった?」
229 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時12分34秒
「他の子みたいって・・・たとえば?」



「・・・やぐっつあん誰でも良いんでしょ?したいときにして良いってこと!」

「お前顔に似合わずすごいこと言うな・・・。ふ〜ん・・・そっか。
 じゃあ矢口とは別れてくれるんだな?」

「うん。ごとー、他の子みたいに言い寄るからね、やぐっつあんに。でも気分じゃなかったら
 やめたらいいし・・・。そんなわけだから!!!今度やぐっつあんの部屋遊びに行くからね!!」

後藤は走って行った。



「な、なんだよあいつ・・・なんかおかしくないか?矢口と別れるけど言い寄る??
 わけわかんねーよ、部屋来る?冗談じゃねーよ。好きなときにやる?なんだそれ。
 おかしなやつだぜ・・・ますますなんで付き合ってたかわかんねーよ。
 ・・・・・・・・でも、あいつスタイル良かったな・・・胸もけっこーあったし
 ・・・なかなかオイシイかもしんねーな。」

矢口はニヤリとすると教室に戻って行った。
230 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時13分43秒
ここは1年校舎の屋上。

後藤が居た。


(別れちゃったよ・・・・・ほんとにあれで良かったのかなごとー・・・。

 でもこうするしかなかったもんね。話そうともしてくれないし・・・。

 都合の良い女になっちゃうのやだけどやぐっつあんが好きだもん。

 しょーがないよね・・・。いつか、ごとーだけをまた見てくれるように

 頑張らなきゃ・・・それまでの我慢だね・・・。頑張れるのかな・・・ごとー。)

後藤は涙を流しながら考えていた。





次の日もその次の日も後藤は矢口とお昼を食べようと教室に行ったが矢口は居なかった。

後藤は思いきって矢口にメールを打った。
231 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時15分38秒

(やぐっつあん、メールとか嫌いだったよね。返事くれないかもね。)



『やぐっつあん、たまにはごとーとご飯食べて下さい。』

以外にも矢口からの返事はすぐに来た。


『明日ならいいぞ。』



(ほんとに??やったぁ!!)

『やったあ!じゃあ明日お弁当持って行くね。何か食べたいものある?

 あったら作るから。』

また返事はすぐに来た。



『石焼ビビンバ旨かった。』




『分かった!じゃあ約束だよ!』





『分かったってばよ。』
232 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時16分45秒
後藤は急に笑顔になると鼻歌を歌いながら教室へと帰って行った。

そのあとの後藤は吉澤さえも声がかけられないほど浮かれていた。

が、空気の読めない女生徒が後藤に聞いた。

「ごっちんどうしてそんなに嬉しそうなの?なにか良いことあった?」

みんなも気になっていたので耳を澄ましていた。



「まあね。」

それだけしか答えない後藤。

みな諦めて席に戻った。




寮に戻った吉澤は後藤に聞いた。

「だからね、明日やぐっつあんとお昼ごはん食べる約束したの。」

「うそ?!すごいじゃんか!良かったじゃんか!それで浮かれてたのかー。」

「うんっ!明日はいつもより早起きしてお弁当作るんだー♪」

「頑張ってね。」

「ありがと。」
233 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時18分24秒
次の日――

「や〜ぐっつあ〜ん!ご飯食べよ〜♪」

「でっけー声だなお前。」

「あはっ。」





そしていつもの場所。

「じゃん!!どう?ごとー特製の石焼ビビンバだよ。」

「おおーー。まじ旨そうな!食っていいか?」

「良いよ!(ほんとはごとーが、あ〜んって食べさせてあげたいけど。)」


「・・・旨い!!。ほんとイケテルよな。今度はなんか違うものでも作ってよ。」


「え?今度?う、うん。今度は違うの作ってくる!」

「美味しかった。さんきゅ。」

食べてる間ほとんど話はしていなかったが前よりどこか口調の優しい矢口だった。

「じゃあ次はいつ会ってくれる?」

「・・・いつでも良いぜ。後藤の好きなときで良い。」

「・・・じゃあ明日!!」

「分かった。じゃあな。」

矢口はそういうと戻って行った。



「なんだろ・・・。やぐっつあん急にふつーな感じ・・・。ごとーのこと嫌じゃなくなったのかな
 ・・・。でも嬉しいからいいや!考えないでおこーっと!」

後藤もすぐに教室に戻った。
234 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月20日(水)02時19分54秒
矢口が教室に戻ると、隣の席の生徒が話しかけてきた。

「矢口―後藤のこと思い出したの?一緒に昼とってたみたいだけど。」

「あ?ぜんぜん。」

「じゃあまた付き合うの?」

「別に。そんなつもりじゃないけど。ほっといてよ。」

「う、うん。(じゃあどういうつもりなんだよ。)」






寮へ戻った矢口の部屋へお客が来た。

コンコン



「だれ?」









「――なっち。」


「なっち??」

矢口は急いでドアを開けた。





「入っていいべか・・・。」

「なっちがやじゃ無かったら・・・。」










安倍は何も言わずに矢口の部屋に入った。
235 名前:りょう 投稿日:2002年02月20日(水)02時23分26秒
まだ大丈夫なんですかね?
ドキドキしながら書いてます。
とてもじゃないけど1スレだけじゃ・・・
困りました。

おやすみなさいませ。
236 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月20日(水)09時50分36秒
今日一気に全部読みました!なんとなくヤグゴマ苦手だったんだけど…
食わず嫌いでした(w

おもしろいっすー!!タラシなヤグいいっすね!作者さんがんばって♪
237 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月20日(水)17時59分44秒
ごまが、切ないっす・・・・・(涙)
でも、その反面いしよしが、いい雰囲気になっとる!!
最後は、甘々になるんでしょか?
早く記憶が戻ることに期待して、更新お待ちしています。
がんばってください!
238 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月21日(木)00時12分07秒
ごま…(涙×10)

やぐ!早く記憶戻しなさい!!
239 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)00時48分35秒



しばらく沈黙が続く・・・





「・・・なっち?」




「・・・」


「なにか話があったんじゃないの?」

安倍の前では言葉遣いが柔らかい矢口。





「なっちが話さないなら矢口、ずっとなっちに言いたいことあったから言ってもいいか?」


「・・・」


「矢口はさ、ほんとになっちが好きだったよ。多分――ううん、絶対に誰よりもなっちを
 
 愛してた。矢口は不器用だから上手く伝えられてなかったみたいだけど、なっちが

 大切だった、大切にしているつもりだった。なっちと別れる時が来るなんて思いも

 しなかった。・・・・でもそういうわけにはいかなかったんだな。矢口がはっきり

 しないからなっちを傷つけて、なっちを泣かせて・・・。本当に悪かったって思ってる。

 やり直したいとも思ってた。でも、今はよくわからない。恋とか、愛とか、付き合うとか

 別れるとか、そんな話になると頭が痛くて、胸がつらくて、なにも考えれなくなる。

 今の矢口は、何も考えずに済む、楽な遊びしか出来ない。


 

 矢口は自分が分からない。」
240 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)00時51分19秒


「・・・」




「恋とか愛とかめんどくさくて適当に手を出して遊んでると楽なんだ。

 だからずっとそうやってやって来た。なっちに抱いていた感情はほんとうだったけど

 今の矢口にはもうその頃に戻れる術がないんだ。なっちを愛している自分が居る中で

 めちゃくちゃにする自分がいる。誰かを愛したい、愛されたい、そう思ってるのに

 出来ない。」



「・・・」






「だから、なっちはもうこの部屋には来ない方が良い。」











「勝手なことばかり言うんじゃないべ!!」


「なに?」


「なっちは今日矢口に会いたくて来たんだべ!なっちは矢口が好きなんだべ!

 あんなことがあってもなっちは矢口が好きなんだべ!なっちは矢口に愛されてたって

 知ってたべ!!なっちだって愛してたべ!!」


「なっち?急になに言って――」

「なっち??」

安倍は矢口に抱きつき何度も『好きだべ』と繰り返す。
241 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)00時53分26秒



「なっち・・・。矢口はもうなっちとは付き合えない。」

「どうしてだべ!?なっちのこと好きって言ったべ!?」



「好きだよ。でも今の矢口はなっちを傷つけるだけだ。それになっちには飯田が居る。

 飯田はなっちをすごく大事にしてる。矢口でもそれくらいは分かる。

 色んな子に手ぇ出してきた矢口だから分かる。飯田はなっちを一生大事にする。

 なっちは矢口とじゃないほうが絶対に良い。」



「・・・矢口は結局自分勝手なんだべ。・・・いつだって自分の好きなことだけ言って

 なっちのいう事は聞いてくれないんだべ。」




「なっちが大切だから言うんだ。矢口は汚れすぎてる。自分で言いたくないけど

 他の子には鬼畜過ぎる矢口だ。明日になったらまた矢口は誰かと遊ぶ。




 もう抜け出せない。」

「ほんとに勝手だべ!!・・・・・・・・・・・・・なっちは・・・・・

 矢口を立ち直らせることは出来ないんだべな・・・・・・・今も・・・


 昔も・・・。もう良いべ・・・。帰るべ・・・。」

「・・・なっち。ごめん。」





「・・・さよなら。」






「ごめんな・・・なっち。」
242 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)00時56分27秒
次の日――

「やぐっつあん、お昼行こう!」

「後藤か・・・。」

「どうしたの?なんか元気ないみたいだけど。」

「あ?んなことねーよ。いつもと変わんないけど?それより何?今日のメニュー。」


「えへへ・・・今日はごとー特製オムライス!!中にチーズが入ってんの〜美味しいはずだよ〜」

「食うか!!」

矢口が食べるのを嬉しそうに見ている後藤。
矢口が気付く。

「なんだよ!見てんじゃねーよ!食いにくいだろっ」

「だってぇ〜やぐっつあんがごとーの作ったものまた食べてるんだもん。嬉しいよお〜」

「・・・そうかよ・・・ところでよ、来週の土曜日の夜矢口の部屋来ないか?」

「来週の土曜日??」

「あぁ。休みだし遅くなっても平気だろ。」

「行く!!行っていいの?ほんとに??」

「ああ。なんか食うもの持ってきてよ。『ごとー特製の〜』ってやつな。」

「分かった!!いっぱい作ってやぐっつあんとこ持って行く!楽しみ!」


「じゃーそろそろかえっか。」

「うん。」
243 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)00時59分02秒
矢口の教室。

「あれー?矢口なににやけてんの?」

「あ?あぁ・・・いや・・・ごちそうだなって思ってよ。」

「なにそれご馳走?今日のメニュー?から揚げだったよね、好きだったっけ?
なんか食べに行くの?」

「まぁそんな感じ・・・。」

矢口がにやにやしているのでそれ以上聞くのが怖かった女生徒。



それから土曜日になるまでも何度かお昼を一緒にとっていた矢口と後藤。

安倍とは一度も口をきいていないが、安倍の顔はもう怒ってないような表情で
矢口を見ていた。たまに目が会うとかすかに笑う顔も見られた。
飯田とも上手くやっているようだった。矢口は心から安心していた。



土曜日――の夜

「あれ?ごっちん何作って来たの?」

「ん?これ?やぐっつあんが好きだったチョコタルトだよ!今からやぐっつあんとこ
遊びに行くから今日遅いかも。よしこも梨華ちゃん呼んだら?ここに。」


「えっ、えーっと、誘ってみようかな。」

「意外な返事!よしこ頑張って!」

「ごっちんも頑張ってね!矢口さん。」

「うん!!」
244 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)01時00分58秒
矢口のために作ったタルトを持って部屋に行く後藤。

(やぐっつあん喜ぶかなー大好きだったもんね、ごとーのタルト!
やぐっつあんの部屋久しぶり〜楽しみ〜)

コンコン
「はい?」

「あ、ごとーだけど。」

「あぁ、来たのか。入りなよ。」

後藤は言われるまま入って言った。

(うーん・・・この匂い・・・やぐっつあんの匂いだぁ〜はぁ〜・・・)

「なにぼーっと突っ立てんだ?座れよ。」
「あぁそうだね。えへへ。」

おっきめのソファーに腰掛ける後藤と矢口。

「あれ?やぐっつあんテレビ買ったの?」

「あぁテレビな、親が送って来た。ひとりだと暇だし役に立ってる。」

「いいなぁ〜やぐっつあんちお金持ちだからぁ」

「そんなことねーって。愛情はないぞ。一度も会いに来なかったし。」



「・・・その分みんなに愛されてるじゃんかやぐっつあん」


「・・・後藤もか?」

「えっ!!そ、そんなの決まってるじゃない!」

「良かった。」
(良かったって・・・どういうこと?)

後藤に少し近づいて話す矢口。
245 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)01時03分03秒
「矢口さ〜お前にひどいことばっか言ってるじゃん?嫌われたんじゃないかーって
気になってたんだよこれでも。」

「嫌わないよ!大好きだもん!」

矢口はどんどんと近づいて来る。

後藤はもしかして・・・と身構えていた。





「・・・ヤらせて。」

後藤の耳元で囁く矢口。

「え!!きゅ、急に・・・そんな!!」

「いやか?」

「・・・いやじゃないけど・・・」
(ごとーにまで簡単に手ぇ出すんだね、やぐっつあん。)



「じゃあ、ヤらせて・・・」

矢口はそう言うと後藤をそのまま押し倒した。

後藤は本当はつらくて悲しくて今にも泣きそうだったが涙を見せまいと必死にこらえていた。

(やぐっつあん、ごとーとヤりたいから優しかったんだ・・・最近・・・。
ごとーのこと好きになってきてたんじゃなくて・・・ヤりたいだけだったんだ・・・
ひどいよ・・・)

矢口は後藤をじっと見つめる。
矢口はなにかを躊躇っているようにも見える。
後藤は、涙をこらえるためと、矢口からのキスを待つために目を閉じた・・・。


しばらく待ったが矢口の唇は来ない。
246 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)01時05分02秒
後藤が不思議に思い、目を開けた時、矢口は後藤の首筋に唇を落とした・・・。


矢口は首筋に舌を這わせながら片手で服を脱がしていく。





『ヤりたいだけ。愛情なんてない』




そんな矢口の感情が伝わってくる。

後藤は胸がはりさけそうな位この行為の意味のなさにショックを受けていたが
なによりもショックなことがあった。




(キス・・・してくれないな・・・。)


矢口の愛情のない行為を受けながらでも後藤は矢口からのキスが欲しかった。



(まだ、一度も口にしてくれない・・・顔も見てくれない・・)

(口にするのはいやなの?)

(ほんとはごとーのからだだけが目当てだからキスなんて意味ないの?)

(キスして欲しい・・・)


(ひどいよ・・・やぐっつあん・・・)


(ごとー・・・もう・・・)


(ごとー・・・だめ・・だよ・・)




(キスしてくれなかったら・・・もう・・)
247 名前:りょう 投稿日:2002年02月21日(木)01時22分53秒
    なんとか更新出来ました。

>236 名無し読者さま
    一気ですか??お疲れ様です!
 >食わず嫌いでした(w
    この作品で食わず嫌いがなおれば作者は嬉しいです!
    ありがとうございます。

>237 よすこ大好き読者さま
    せつない話にするつもりはこれっっっぽちも
    なかったんですが・・・最後は甘く行けるように
    勉強します!!それまで応援いただけたら助かります!

>238 名無し読者さま
 >やぐ!早く記憶戻しなさい!!
    まったくです。記憶が戻るとともに話も終わったりして・・・(w
    
    では、また明日。
248 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月21日(木)01時29分54秒
寝る前に、チェックしてよかったーーー!!
今回も、おもっきし切ないーーー(w
キスしてよーーーやぐっつあん(涙)
もうひとつの、いしよしカップルにもさらに期待!!
249 名前:名無し読者。。。 投稿日:2002年02月21日(木)03時05分13秒
ヤグが優しかったのはヤるためだけなのかなぁ(涙)
切ないッス。もしかしていしよしカップルは今頃・・・(ニヤリ)
250 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月21日(木)13時17分34秒
あぁ…どーかゴチーンを早く救ってあげて下さい…!!
あ、いしよしにももちろん期待(w
251 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月21日(木)20時54分32秒
ごとうさん〜〜!!やぐ〜〜!!
252 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時20分05秒
一方、吉澤は・・・

後藤が出て行ってすぐに石川を部屋へ呼んでいた。






「でねっ、でね、あゆみちゃんったらーひとみちゃんのこと『よく見たらおっとこまえな
 
 ルックスしてて誰にでも優しいしいいよね〜ファンクラブ作っちゃおうかな』って

 いうんだよ〜!調子いいと思わない??矢口先輩もいいけどひとみちゃんもーって!」




(ほうほう、あゆみちゃんがね・・・好かれるのは嬉しいねぇ・・・でへへ。)


「あっ、なによ!喜んじゃって!ひとみちゃんったら。」



(あわわわっやばいやばいっ)

「喜んでなんかないって!私は梨華ちゃんが好きなんだし、
 梨華ちゃんだけが好きでいてくれたらいいんだもん。怒んないで!」

「ほんとぉ〜?」

「あーたりまえだってば!・・・梨華ちゃんは違うの?」


「違わないよ。ひとみちゃんだけでいい。大好きだもん。」





(むむむっ・・・嬉しいこと言ってくれるなぁ〜・・・あぁ〜可愛いよお〜みんな、
 見てみて、羨ましいでしょ?この人私の彼女だよ!!・・くっはぁ!もう可愛いっす!

 ・・・キスしたい!!)
253 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時22分04秒

「あの・・・梨華ちゃん・・・?」


「なあに?」






「・・・キス・・・しても・・いい・・ですか?」



吉澤がそう言うと石川は俯くと恥ずかしそうに頷いた。


「・・・そんなこと、いちいち聞かないでよ・・・」


「ん・・ごめん」

吉澤はそっと石川の唇に口付けた。





「・・・やわらかいや。梨華ちゃんの唇。」


「ひとみちゃんだって・・・温かいよ」



「えへへ」



「うふふ」


「うちらはさっ焦らないでゆっくり付き合って行こうね。」


「うん。宜しくね、ひとみちゃん」

「こちらこそ!・・・ごっちんたち上手いこといくといいなぁ・・・」




254 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時24分25秒



『キスして欲しい』

そんな後藤の気持ちに矢口が気付くはずもなく、矢口は行為を続ける。


(いつもいっぱいキスしてくれたのに・・・ごとーが言わなくてもしてくれたのに・・・)




後藤はたまりかねて矢口に言った。


「・・やぐっつあん・・お願い。」

矢口は手を止め、後藤の顔を見る。



「口に・・・キスして・・・欲しいな・・・・。」

矢口は少し困った顔をしたが後藤の顔の方へすぐ移動して来た。


「キスして欲しいの?」


「うん・・・。お願い。」

後藤は目を閉じる。

矢口はスっと後藤の唇へ自分の唇を近づけていく。




しかしいつまで待っても矢口のキスは来ない。









後藤が見ると矢口は―――泣いていた。
255 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時28分42秒
「・・・・やぐっつあん?」

後藤の声で我に返った矢口。
自分が泣いていることにも気付かず言う。


「悪いけど、後藤、帰ってくれ。勝手で悪いけど帰ってくれ。もう、来ないでくれ。」

矢口はまた、自分の言いたいことだけ言うと後藤にまたがっていた体をのけてソファーから降りた。


「・・・なに?どうして?・・・やぐっつあん、どうしてキスしてくれないの?

どうして?ごとーとキスするのが泣くほどいやなの?どうして?ひどいよ、やぐっつあん!

ごとー、もう無理だよ、ごとー頑張ったけどもう無理だよ、やぐっつあんが分からないよ、

もうやだよこんなにつらいの!ごとーもうやだよこんなやぐっつあん!」


「もう帰ってくれって!矢口が悪かった、勝手なことばっか言って悪かった!

もう会わない。もう声もかけない。矢口もお前を忘れる、だからもう来るな!」

後藤はそれを聞き急いで服を着ると走って出て行った。


「やぐっつあんのバカーーーーーーー!!!!!!!!」











256 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時31分47秒
「なんでだよ!なんでキスくらい出来ないんだよ!!キスなんてあいさつじゃんか!
それ以上のことしようとしてんのになんでキスが出来ない??矢口はどうして後藤と
キスが出来なかった?他のやつとは何回もやったのに。なんで後藤には出来ない??
・・・それに・・・なんでこんなにも後ろめたい??なんでこんなに罪悪感で
いっぱいなんだよ!?わかんねーよ、もう!どうしたらいいんだよ!

誰か矢口を助けて・・・。」




矢口は後藤がさっきまで寝ていたソファーを見つめながら思う。

「さっき・・・後藤とやろうとしたとき・・・すごく後ろめたかった。
あいつには手を出すな!やめろ!・・・そんな声が聞こえてた・・・。
なんでだよ・・・」


矢口のひとりごとは続いた。


そして答えは出ないまま数日が過ぎた。
世間はもう10月になっていた。

頑張ると言っていた後藤の誕生日も矢口は祝うことなく終わっていた。

後藤とのことがあったあとも矢口は色んな子に手を出していた。

後藤とたまたま会うことがあっても、後藤はすぐに顔を背け、去ってしまっていた。

そんなことが何日か続いた。

257 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時33分41秒
そしてまた思う。


「どんなやつとでも矢口はヤれた・・・。矢口は誰とでもキスした。
あの日、後藤を抱こうとしてどうして出来なかったのか、どうしてキスが出来なかったのか
・・・やっぱりわかんないよ・・・」

矢口はいつものことだが声に出してひとりごとを言っていた。




「理由、わかんないべか?教えてあげるべ」


ぶつぶつ言っていた矢口の後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

「なっち??どうして・・・ここに・・・。」

「ごめんね。さっきからずっと聞いてたべ。」

「どうしてここに、矢口の部屋に来るんだよ?もう来たらだめって行ったろ??」

「そう言わないでよ。なっちは矢口が好きだったんだべ。苦しんでる矢口は見たくないべ。
矢口が苦しむ理由、なっちには分かるべ。」

「なんで分かるんだよ!適当言うなよ!」

「・・・いいから、矢口の思ってること全部言うべ。なっち最後までちゃんと聞くから。」
258 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時39分39秒
「・・・・矢口・・・分からないんだ。どうして後藤にキス出来なかったのか・・・

抱けなかったのか・・・。あの日、後藤を誘った日、矢口は後藤とやっちゃえっ!

って軽い気持ちで居た。矢口を好きな後藤が拒むはずがない、そう思って言った。

後藤は思ったとおり拒まなかった。今にも泣きそうなのは分かってた。

・・・何度もキスしようとするのに出来なかった。後藤の顔を見ると胸が苦しくて

張り裂けそうにつらくて・・・無理やり抱く事でその感情をごまかそうとした。

・・・矢口は後藤をむりやり抱こうとしていて、その間、ずっと『後藤には手を出すな』

 『後藤を傷つけるな』『後藤を大事にしろ』そんな声がなんとなく聞こえてた
 
 ・・・いや、心の中で矢口が思ってただけかもしれない。それだけじゃない・・・

 色んな子としてる時でも声が聞こえてた。・・・すごく懐かしい声・・・愛しい声

 ・・・思い出そうとするんだけど思い出せなくて・・・病院にいるときにずっと

 聞こえてた声だった・・・。
259 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時40分52秒
 そいつはいつも矢口を呼んでて、矢口に会いたい、

 矢口と話したい、矢口、矢口ってずっと、何度も矢口を呼んでた。

 ・・・いつも泣いてた。矢口もそいつを思い出してやりたいんだけど思い出せなかった。

 色んな子を抱いているうちに分かるかもって思った。無茶な方法だけど効率よく思えた。

 でもどこにも居なかった。



 今でも・・・居ない。」



「ほんとに居ないべか?見つかってないべか?ほんとはもう分かってるんじゃないべか?」





「・・・ほんとはあいつを抱こうとしたとき、こいつだ、矢口を呼び戻してくれたのは

 こいつだったって分かった。矢口はそう思ったらもう何も出来なかった。

 大切なものに手ぇ出そうとして、傷つけて・・・もうやり直せない、そう思った。

 矢口が探してたのは、思い出したかったのは後藤だったんだ・・・。」
260 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月21日(木)22時41分56秒
「そうだべ。やっと分かったみたいだべな。」




「・・・もう遅いよ。」

「なに言ってるべ、まだ間に合うべ!」

「でも――」

「でもじゃないべ!矢口はなっちのこともたくさん傷つけてきたんだべ!

 真希ちゃんはもうこれ以上傷つけたらだめだべ!分かったら早く会いに行くべ!」


「・・・分かった!矢口、会いに行ってくる。謝ってくる!」

「んだ。そうするべ。」



「なっち、ありがと。なっちを好きになって良かった。出逢えて良かった。」

矢口は走って出ていった。









「なっちも、出逢えて良かった・・・・がんばれ、やぐち。」
261 名前:りょう 投稿日:2002年02月21日(木)22時49分41秒
    今夜も更新出来てほっとしてます。

>248 よすこ大好き読者さま
   >キスしてよーーーやぐっつあん(涙)
     ほんとに(涙)キスくらい・・・

>249 名無し読者。。。さま
   >もしかしていしよしカップルは今頃・・・(ニヤリ)
     いしよしを書く力が無いもので・・・かるぅくいっちゃいました。

>250 名無し読者さま
     ごまを救うのは誰なんでしょうか・・・
     そろそろ救わねば!!

>251 名無しさんさま
   >ごとうさん〜〜!!やぐ〜〜!!
     なんとかします!頑張るぞぉ〜

     続きないので書いたら乗せます。
262 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月21日(木)22時55分31秒
やっと気付きましたか・・・やぐっつあん。
なんだか、少し安心しました。^^;)
なっちが、いい味出してますよね。なんかいいっす。
いしよしも、なんだかいい感じになってきたし・・・。
吉のファンクラブはできるのか?ごまはどうなる??
続きは、気になりますが、マターリ待ってます!!
がんばってくだちゃい!!
263 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月22日(金)01時01分00秒
やぐぅぅぅ!!!!
ようやく思い出したかぁ!!
今度こそごっちんが嬉し涙、ぽろり。することを
心から祈ってるっす…。
264 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時41分19秒
矢口はわき目もふらずに後藤の部屋を目指した。

コンコン!!コンコン!!

「はいはいはい〜だれですか?」

能天気な吉澤の声が聞こえる。

「――後藤、いるかよ?」
「――矢口さんですか?」

「ああ。後藤に話がある。会わせて欲しい。」

「・・・居ません。」

「うそつけ!居るだろ??開けてくれよ!」


「ここには居ません。」

吉澤はドアを開けて言った。

「じゃあっ・・・じゃあどこにいるんだ?教えてくれ。」

「会ってどうするんですか!これ以上ごっちんを苦しめたら、傷つけたら、
 ごっちんが許しても私は許しません!もう帰って下さい!」

吉澤はそれだけ言うとドアを閉めようとしたが矢口は阻止した。
265 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時42分25秒
「頼む!どこに居るか教えて欲しい!もう傷つけたりしない!誓う!
 頼むから教えてくれよ・・・」

矢口は必死で懇願している。




「・・・実家に居るっす・・・。」

「実家??なんでだ?どこだよ?」


「おとついから学校休んで帰ってるっす。」

「いつ戻ってくんだ?」



「いつ戻ってくるかはまだ分からないっす。」

「――場所、知ってるか?」

「行くんですか?!」

「ああ。今から行く。」




矢口は着替えると全財産を持って学校から2時間はかかる後藤の実家へとやってきていた。

似たような家並みが続く住宅街

(・・・この辺のはずなんだけど・・・どこだ・・・?)

矢口が後藤の地元へと辿り着いた時、時間は22時を過ぎていた。

矢口は後藤の携帯に電話をしてみたが、何度かけても電源が切ってある。

時間も遅かったため、いきなり家に行くのはなかなか勇気が出ない矢口。


後藤の自宅の傍にあった大衆食堂に入った。
266 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時43分40秒
ガラッ

「悪いね〜今日はもう終わったんだよ〜・・・・ん?お嬢ちゃん中学生だろ?
 こんな時間にどうした?うちの人が心配するから早く帰りな。」

おばさんが言う。

「高校3年です・・・。」

あまり元気は無かったがとりあえず訂正した矢口。

「ありゃ・・・見えないねぇ。・・・よし!元気ないみたいだしサービスだ!
 閉めたけど作ってやるよぉ何がいいかい?」

「良いんですか?・・・何が残ってるんですか?」

「え〜・・・と・・・オムライスだったらすぐだね。うちのはチーズがたっぷり入ってるから
 美味しいって評判だよ。それでいいね?」

「お願いします。」


オムライスを作るおばさんは、お客に対して使う言葉じゃない様な言葉遣いだが
矢口はいやじゃなかった。それどころか話しやすくてすぐに打ち解けた。

「はいよ、お待ちっ」

隙間からチーズが飛び出している豪勢なオムライスが出てきた。

「頂きます」
267 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時45分44秒


「――これ・・・・(このオムライス・・・。)」

「美味しいだろ?これはうちの娘の案なんだよ。うちには3人の娘と1人の息子が居てね〜
 一番下の娘が考えたのさ。」

「美味しいです。(―-後藤のもこんな味だったよな・・・懐かしいな・・・。)」

矢口は泣けて来たが知らないおばさんの前で泣くわけにもいかず、我慢した。


矢口が食べている間もおばさんはずっと矢口の傍で矢口が食べるのを見ていた。
矢口がほぼ食べ終わった頃、話し出した。



「お嬢ちゃん、どこから来たんだい?家出とかじゃないのかい?」

「違いますよ。横浜から来ました。横浜の高校に通ってて寮生活してます。」

「あら!それじゃあうちの子と一緒だね。さっき言った下の子も横浜の学校に行ってるんだよ。
 今は調子悪くて帰って来てるけどね。」

「同じ学校だったらビックリしちゃいますね・・・。」

268 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時48分01秒
「お嬢ちゃんはどうしてここに居るの?遠いだろ?」


「ある子を傷つけてしまったんで謝りに来たんです・・・。」



「こんなとこまでかい??・・・お嬢ちゃん良い子そうだから、話聞いてもらおうかな。」

「話ですか?」

「あぁ。うちの子の話なんだけど・・・聞いてくれるかい?」

「はい。」

「うちの子、学校で悪いやつにひっかかってめちゃくちゃ遊ばれて捨てられたみたいなんだよ。
 
 親の私がこんなこといいたくないけどさ・・・。最近調子悪いって言って急に戻って来てね・・・。

 理由聞いても体調悪いとしか言わなくてね。それでも上の娘たちがなんとか聞き出したんだよ。」


「遊ばれて捨てられたぁ??!ひどいやつが居るもんですね!」

「お嬢ちゃん怒ってくれるのかい?」

「だってひどいじゃないですか!そんなやつ、許せないです!」
269 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時49分26秒
「聞いたら、ちゃんと付き合ってたって言うんだよ。そいつをかばってるとしか思えないんだけどね・・・。

 まぁそんなんでかなり傷ついてるみたいで・・・学校なんていかなくたって

 いいからやめちまいなって言ってるんだけど何も言わなくてね。」


「私が同じ学校だったらそんなやつとっちめてやるのに!!」




「・・・お嬢ちゃんが同じ学校だったら真希も心強かっただろうにね・・・。」

「え??だれって?」

「え?」

答えようとしたその時、入り口から誰かが入って来た。


「おかあさ〜ん。ねぇちゃんまだ起きないよ。メシも食わないんだよ。
 早く帰ってきてよ。」

(ご、後藤??)

「ああ、ユウキ。まだ片付けあるから。真希はまだ起きないのかい?
 困ったね・・・ほんとに。・・・あぁ、これ、うちの息子。中3。」

「・・いらっしゃい。」

ペコっとあいさつをする少年。ユウキと呼ばれた少年はどこからみても後藤に見えた。

矢口は我にかえると急いで店の名前を見に出て行った。


「――大衆食堂『ごっつあん』・・・マジかよ・・・。」

矢口は呆然として店に戻った。
270 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時50分41秒
「なんだい急に。急がなくても良いよ。お嬢ちゃん今日はもう帰れないだろ?
 うちすぐそこだから泊まって行きな。ユウキ、案内してあげな。」

「分かった。」


「いいいいいや!良いです!まだ電車あるし、帰ります!あ、ご馳走様でした。
 これ、代金です。」

矢口は急いで出ようとしたがおばさんにとめられた。

「なに言ってんだ。そこの駅の最終はもう出ちまったよ。
 おばさんあんたが気にいったから泊まって行きなって!遠慮はいらないから!」


「で、でも・・ほんと、良いです!」

「ユウキ、早く連れていきな!」

矢口は無理やり後藤家へ連れて行かれた。
271 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時52分50秒

「でね、その子がすごく好きだったから真希は信じたくないんだと思う。」

「信じたくないってなにをですか?」

「捨てられたってことをだよ。」



「・・・あぁ。」

「姉バカかもしんないけど、真希に悪いところなんてひとつもないんだよね。
 あるはずがないんだよね。素直で明るい良い子だから。まぁ・・・むこうにも
 いろいろ事情はあるみたいだけど・・・」

「・・・事情?」



「これも無理やり真希から聞きだしたんだけどね、相手の子は事故の後遺症で記憶喪失に
 なっちゃったんだって。真希と付き合ってた事すっかり忘れてしまったんだって。だから
 しょうがないって真希がね・・・。真希をかばって事故ったって・・・。
 うちらはそんなの真希が良いようにとってるだけだと思うのよ。
 記憶失ったって傷つけていいわけないでしょ?」




後藤姉達の話は延々と続き、夜中の3時に矢口は開放された。


2階の空き部屋を借りて寝ることになった矢口。



どれくらい時間が経っただろうか――矢口は眠ることが出来なかった。
矢口はふとんを抜け出すと、後藤が眠る隣の部屋に行った。
272 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時54分19秒
起こさないように、家族にばれないようにとそーっと入る矢口。

床を這いつくばるような形で後藤の眠るベッドへ近づく。



(寝てるよな・・・・)
矢口は後藤が寝ていることを確認するとベッドにもたれかかり後藤を見た。

(ひさしぶりだな・・・後藤。)





(矢口、おまえを捨てたって思われてんのな。そりゃそうだよな。覚えてないからって
 いきなり別れろって言ったし無理やりやろうとして出来ないからって追い出したり
 ・・・おばさんたちの言う通りだな。・・・記憶を失くす前の矢口ってどんなだった?
 なぁ・・後藤。教えてくれよ・・・。)

矢口は気が付くと後藤の顔に触れていた。

「・・・っく・・・うっ・・」
後藤の目から涙が流れた。

(なんで泣くんだよ・・・矢口のせいか?夢でも矢口はおまえを傷つけて泣かしているのか?
 ・・・・・・ごめんな。)

矢口は独り言のようにぽつりぽつりと話し出した。
273 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月22日(金)01時56分15秒


「ごめんな。矢口は後藤をすごく傷つけてしまったな。取り返しがつかないくらい

 傷つけてしまったな。――あの日・・・お前を抱けなかった理由、キスが出来なかった理由、

 ものすごく考えた。考えて考えて・・・答えが出たんだ。

 矢口はお前に会いたかったんだ。ずっとお前を見つけれなくて、会えなくてもがいてた。

 探してた。やり直して欲しいなんて図々しいことは言わない。

 ・・・矢口のせいでずっと苦しませて、傷つけて、泣かせてごめん。

 ずっと謝りたかった。学校辞めるかもって聞いたけど辞めないで欲しい。

 もう矢口を好きにならなくても良い、それはしょうがない。

 みんなも、矢口もお前を待ってるから。来てくれな。」

矢口は後藤の頬に後藤を忘れないようにと長く口付けた。
そして出て行った。



(今のやぐっつあん・・?ごとー都合良いユメ見すぎだね・・・

 やぐっつあんがそばに居るユメ見るなんて・・・)

後藤はまた眠りについた。
274 名前:りょう 投稿日:2002年02月22日(金)02時01分26秒
>262 よすこ大好き読者さま
    いつも応援ありがとうございます。
    やっとごまの大切さに気付いたやぐですが・・・
    どうなるですかーーー??って感じでございます(w
   
>263 名無し読者さま
  >今度こそごっちんが嬉し涙、ぽろり。することを
  >心から祈ってるっす…。
    うう・・・そ、それは・・・

    あと少しで終わりそうな感じなのですが・・・。
    では、また!!おやすみなさい。
275 名前:名無し読者。。。 投稿日:2002年02月22日(金)12時52分28秒
ヤグが記憶を戻しつつあるみたいですね!
続き期待しております!
276 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月22日(金)23時31分52秒
あうっ!!いいとこでオワっちょるーーーー。
もう、泣いちゃうよ・・・・・・切ないです。
ただ。大衆食堂「ごっっちん」には、カナーリうけましたけど、
「まんまかよっ!!」って。一人でPCの前で突っ込んでしまった私は、アホです。(w
277 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月23日(土)00時18分43秒
矢口は朝早くに起きると御礼を書いた手紙だけを残し、始発が出る前に家を出た。


「ご飯くらい食べてきゃー良かったのに・・・」

後藤の母親が呟く。


「なに?」
後藤が2階から降りてきた。


「真希!やっと起きたのかい?もう起きてて平気なのかい?」

「うん。大分良くなったよ。・・・なに?それ。」

「これかい?」




「やぐっつあんの字じゃんか!!なんでここにあるの??」

「やぐっつあん??」

「っあ!・・・気のせいかな、うん。」
後藤は2階に戻ろうとする。


「待ちなさい真希!あんたなんか隠してるね?言いなさい!」

「隠してないよお〜。知り合いの字に似てたから・・・」

「知り合い?ほんとにそれだけ??」




「・・・」
278 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月23日(土)00時19分33秒
ENDに近いのですか?
279 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月23日(土)00時19分58秒

「・・・昨日、金髪の小さい女の子がうちに来たの。もしかして・・・あんたの相手かい?!

 あんたを捨てた子かい?!・・・そうなんだね??真希!

 ・・・そうと分かってたらとっちめてやったのに・・・。」



「違うもん!!捨てられてなんかないもん!!ちゃんと付き合ってたもん!

 今だってちゃんと好きでいてくれてるもん!!・・・捨てられてなんかないもん!!」

後藤は部屋に駆け込んで行った。

「あっ!真希!!」



「なんなの〜?朝っぱらから〜」

姉達も目を覚まし起きてきた。
280 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月23日(土)00時21分09秒
「昨日の真里ちゃん、居たでしょ?」

「あぁあの子ね。感じ良い子だったよね。もう帰ったの?」



「あの子――真希の相手みたいなのよ。」

「え!!うそ・・・。じゃあ真希を捨てた張本人がここに居たってわけ??」

「そうなるね・・・。」


「信じらんない!学校に乗り込んでとっちめてやる!」

「可愛い顔してやることがすごいよ!許せない!!」






「違うって言ってるでしょ!!やぐっつあんは仲良くしてくれてた先輩だよ!

 関係ないから余計なことしないで!!」

後藤は着替えて部屋から出て来た。そしてその足で家を出て行った。
281 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月23日(土)00時22分05秒
(昨日の、ユメじゃなかったんだ。やぐっつあんうちに来てたんだ、
 やぐっつあんごとーにごめんって言ってた。やぐっつあんに会いたい、
 今すごく会いたい、どこにいるの?やぐっつあん、会いたいよ、
 ごとーの前に出てきてよ。)

後藤は全財産を持って寮へ帰る電車に乗り込んだ。

帰る間に矢口に電話をかけた。

『お客様がおかけになった電話は現在――』電源が入っていない。


(なんで切ってんの!?)

寮へと帰る間何度も何度も矢口に電話をした。

一度も電話はつながらなかった。

後藤は寮に着くとそのまま矢口の部屋に向かった。
282 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月23日(土)00時23分15秒
「やぐっつあん?!」
返事も聞かずにあけたドア。

中には矢口は居なかった。

自分の部屋にも行った後藤。


「よしこ!!やぐっつあんは??」

「ごっちん?どうしたの?もう大丈夫なの?帰って来たの?」

「ごめん、話はあとで。やぐっつあん知らない?」

「ごめん知らないや。」

それだけ聞くと後藤は出て行く。


「昨日矢口さん会いに来たよ、ごっちんの家に行くって言ってたよ!」
後ろの方から吉澤が言う。

後藤はそのままそこら中を探しまくる。



矢口はどこにも居ない。






(会いたかったって言ったくせに、探してたって言ったくせに、どこにも居ないじゃんか!!

 ばか!!・・・・ごとーも会いたいよおっ!)
283 名前:りょう 投稿日:2002年02月23日(土)00時34分04秒
>275 名無し読者。。。さま
    あううぅぅ行き詰って来た感じです・・・
    期待に応えられるか分からないですけど
    頑張ります!!ありがとうございます。

>276 よすこ大好き読者さま
  >もう、泣いちゃうよ・・・・・・切ないです。
    あ、あと少しの辛抱です!!・・・多分。
  >大衆食堂「ごっっちん」には、カナーリうけましたけど、
    ほかに思いつかなかったんですよ、ボキャが・・・
    いつもレス、ありがとうございます。すごく励みになってます。

>278 名無しさんさま
    ENDですか?悩んでるところです・・・。
284 名前:marimari読者。 投稿日:2002年02月23日(土)00時52分48秒
お願いだからハッピーエンドの方向で、、、
ヤグたんもごっつあんも可哀想で。。
285 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月23日(土)01時05分00秒
「ごっちん」ではなく「ごっつあん」でしたね。申し訳・・・・。(w
寝る前にチェックしてよかったです。
でも、終わっちゃうのは、かなしいような・・・・。続とか、番外編期待してもいいっすか??
二人がすれ違ってるのが、じっれたいのですが・・・・ガマン
がんがってください!
286 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年02月23日(土)03時36分38秒
矢口は自分が跳ねられた現場の前にある公園に居た。



なにをするわけでもなくぼーっとしている。
時間は12時を回った頃。始発で帰って8時からここに居る。
公園で遊ぶ子供達を見ていた。




(後藤――戻って来てくれるかな・・・矢口のことは嫌いでもいいから、
 また笑ってる顔が見たいな・・・・。『捨てられた』っての、否定しても後藤も
 心の中ではそう思ってるんだろうな・・・。実際、そうだもんな・・・。


 ・・・・記憶を失ってなければこんなことにならなかったのかな・・・

 記憶があれば、記憶無くても矢口が後藤を忘れさえしなければこんなことには

 ・・・・・・・・・・・・・・なんで忘れちまったんだよ!なんで戻らないんだよ!

 ふざけんなよ!後藤が好きだよ!どうしようもなく好きなんだよ!つれーよ!!)




矢口がうなだれているところへ安倍が現れた。
287 名前:りょう 投稿日:2002年02月23日(土)03時43分44秒
容量が怖いので新スレ立てました。

続かせるほどのもんでもないんですが・・・

奇特な方、銀の方に立てましたので良かったら見て下さい。

新スレ http://m-seek.net/silver/index.html#1014403319
288 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と安倍― 投稿日:2002年03月04日(月)20時54分19秒
みんないやだべ。なっちの矢口なのに話しかけないでよ。
なっちの矢口なのに気安く触らないでよ。
矢口はどうしてなっちをこんなにも不安にさせるべか?
矢口が人気あるのは仕方ないけどなっち不安だべ。
なっちばっかり矢口好きでつらいべ。

「なーっち!クリスマスどうする?どっか遊びにいかない?」
「クリスマス?・・・なっちは矢口とふたりならどこでもいいべ。」
「なっちぃ・・・嬉しいこと言ってくれるねぇ。矢口照れるじゃんか。」
「だってほんとなんだべ。矢口と一緒に居たいべ。」
「・・・じゃあさ、うちら中学生でびんぼーだし、イルミネーションでも見に行く?」
「うん。それでいいべ。」

『あっ矢口ぃ〜ちょっと来て〜』
「あっごめんなっち。ちょっと行ってくる。クリスマス、約束だからね!忘れないでよ。」
そう言うと誰かに呼ばれて去っていく矢口。

「こっちのセリフだべ・・・」
289 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と安倍― 投稿日:2002年03月04日(月)20時56分28秒
12月25日(木)クリスマス
矢口と安倍はふたりで表参道のイルミネーションを見に行っていた。

「なっちさぁ・・・最近なんか冷たくない?矢口なにかした?」
「冷たくなんかしてないべよ?どうしてだべ?」
「だって・・・今だって矢口は手を繋いで歩きたいのになんか離れてるじゃんか。学校でも
 矢口とすれ違っても声かけてくれないし。矢口が悪いんだった直すから言ってよ。」
「・・・じゃあ言ってあげるべ。」
「うん。言って。」
「矢口はなっちが好きなの?嫌いなの?どっちなの?なっちは矢口にとってなんなの?」

「『なんなの?』って彼女に決まってるじゃんか!!それに嫌いなわけないじゃんか!
 好きに決まってる!どうしたの?急にそんなこと言って。」
「急にじゃないべ。なっちはずっと思ってたべ。矢口はみんなに人気あるから、なっちより
 可愛い子いっぱいいるし。矢口は彼女とか好きとかどんな気持ちで言ってるべか??」
「どんな気持ちって・・・好きは好きじゃないの?彼女は彼女でしょ?矢口はなっちだけ
 いたらなにも要らない。なっちだけそばに居てくれたら他には何も要らない!
 矢口はなっちのことをそう思って付き合ってる!」
290 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と安倍― 投稿日:2002年03月04日(月)20時58分31秒
「じゃあどうしてほかの子と話するべか?どうして他の子とばかり遊ぶべか?
 どうしていつも違う子といるべか?・・・学校で会ってもいつも矢口は違う子と
 仲良く話してるじゃない!なっちといてもすぐにどっかいっちゃうじゃない!
 そんなんで彼女とか、好きだとか言われても説得力ないべよ!!」

「・・・じゃあ、もうなっち以外の子とは絶対に話さない。なっち以外の誰とも遊ばない。
 なっちとしか会わない。だから怒らないで許してよ。矢口はほんとになっちだけ
 居てくれたら何も要らないんだからね。」

「・・・ほんとにもうなっち以外の子と遊ばないべか?」
「うん。約束する。」
「信じてもいいべか?」
「信じて。」
安倍は矢口と手を繋ぐと歩き出した。

「なっち、不安にさせてごめんね。矢口ちゃんとなっちが好きだから。」
「うん・・・なっちも大好きだべ。わがまま言ってごめん・・・」
「ううん。言ってくれて良かった。」
291 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と安倍― 投稿日:2002年03月04日(月)21時00分02秒
それから矢口は必要最低限の会話しか他の子とはせず、安倍も不安になることが少なくなり、
ふたりは仲良くやっていた。
しかし実際はあまり気さくに話さなくなった矢口が反対にクールでカッコイイと評判になり、
生徒の間では人気があがる一方だった。

2月14日(土)
私立なので第2土曜日の休みはなく、今日も学校はあった。
今日は世間で言うバレンタインデー。
女の子の方から告白してもいいという日である。
安倍は矢口のために手作りのチョコを夜中に食堂に忍び込んで作った。(中学生は使用禁止)
学校が終わってから会って、渡す予定でいる。

矢口は朝から大変だった。
靴箱に入りきらないほどのチョコをもらい、机の中にもあり、休み時間のたびに誰かから
もらっていた。矢口も安倍には悪いので勝手に靴箱や机に入っていたものだけを受け取ろうとした。
――が、直接渡そうとした子たちに泣きつかれ仕方なく受け取ってしまった。
292 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と安倍― 投稿日:2002年03月04日(月)21時01分30秒
「やばいな・・・なっちが見たらなんて言うんだろ。・・・まいった。」

はぁーっとため息をつきながら今日一日でもらったこの大量のチョコをどうやって
処分しようかと屋上で考えていた。

「大漁だべな〜・・・矢口。」
「げっ!なっち!こ、これは、その。あの。」
「バレンタインのチョコだべ?受け取ったんだべな矢口。」
「ご、ごめん・・・泣きつかれちゃって・・・付き返せなかったんだ。」

「矢口、他の子と話しないって、言ってくれたべ?泣き疲れても突き放すくらいで
 居て欲しかったべ。」
「ごめん・・・。でもさ、これ全部すぐ処分するし!なっちからもらえるチョコだけで
 充分だし!ね!す、捨ててくる〜」

矢口がチョコの入った袋を持って去ろうとしたとき――

「もういいべ。矢口はさ、結局誰にでも甘いんだべ。誰にでも優しいんだべ。」



「誰にでもきついよりいいんじゃない・・・かな?」
293 名前:りょう 投稿日:2002年03月04日(月)21時04分33秒
ごめんなさい!
番外編を乗せ始めたはいいですが容量が足りなかったです。
かなりめちゃくちゃですが今更新中の―2―の方へ乗せます。

スレ汚しで悔しいっ!!
ばかばかばかって感じです。
ごめんなさい。

http://m-seek.net/silver/index.html#1014403319

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