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散らない花。
- 1 名前:眼鏡 投稿日:2002年02月13日(水)00時19分18秒
祝!m−seek復活!!
ということで、つたない文章ながらも書かせてください。(下の同スレは削除依頼しますので)
多分、後藤中心の短編(では終わらないと思うので中篇ということに…)なると思います。
- 2 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時21分23秒
「……ここかあ」
あたらしい学校の校舎を見上げる。
季節外れの転校、まして高校生にもなって、転校自体が珍しい。
ここは、都内屈指のお嬢様学校で。
創立数十年を数える、伝統ある学校なんだって。
別に、あたしには関係のないことなんだけど。
あたしが、この学校に編入を希望したのは大きな理由がある。
可愛い制服が着たかったから? ――― まさか。
実は、伝統ある学校に憬れていた ――― まさか!
親元を離れた、寮での1人暮らしを始めたかったから? ――― それは、ちょっとある。
だけど。
本当は、そんな理由じゃない。
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いちーセンセ? あたし、来ちゃったよ。
センセに会いたくって、わざわざ転校して来ちゃったよ。
- 3 名前: 【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時23分04秒
『…ったく、後藤は』
『早く友達作れって言ってるだろーが』
あたしを呼ぶ、優しい声。
あたしに微笑みかけてくれる、端正な顔立ち。
音楽の臨時講師として、たった数ヶ月間、あたしの前の学校にいた人。
あたしが、センセを追って、この学校まで来ちゃったなんて、知ったら。
センセはどんな顔する?
やっぱり困るのかな。
やっぱり怒るのかな。
ねえ、センセ?
あたしは今、不安でいっぱいだったよ。
――― あの、変な同室人と一緒になるまでは。
- 4 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時24分01秒
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なにあの子、あいそ悪ぅい。
ねえ、知ってる?今度来た転校生、挨拶も返さないのよ?
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もともと、人付き合いや愛想笑いの苦手なあたしは、どうも相手に良くない印象を
抱かせるらしい。
そして、それに屈しない中途半端な負けず嫌いが災いして、どうしたものかそれは、
よくない方へよくない方へ、…要するに悪化の一途を辿る。
「あんたが後藤真希?へえ、思ったより可愛いじゃん」
そんなあたしの悪評などまるで無縁の顔して、話しかけてきた彼女。
無視しようが冷たくあしらおうが、それすらものともせず、付きまとってくる変な彼女。
「私、吉澤ひとみ。今日からあなたと寮の同室になるの。よろしくね」
笑顔で片手を差し出す、あたしのルームメイト。
- 5 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時24分51秒
吉澤ひとみ、2年B組。生徒会副会長の上、女子寮の寮長も勤める。
人当たりの良い性格と、それに反するクールな外見から、この学校ではもう
アイドル並の待遇を受けているらしい。
現に、彼女には追っかけのような熱烈なファンも存在して、
あたしの存在はいたく邪魔なのだろう、
平気な顔して人を「ぶす」だの「ばか」だの言いたい放題。
しかし、そんな彼女たちにでさえもあくまで紳士的な対応を崩さない吉澤ひとみ。
そして、その一方でその彼女たちを差し置いてあたしを構う、吉澤ひとみ。
しっかり者で、頼れるリーダー的存在!……らしいけれど、周囲の評価では。
だけど、
(あたしは認めない!あれは単なるおせっかいだ!!)
女子寮寮長。
生徒会副会長の肩書きを持ち、
そして、こんなあたしに興味を持って、何かとちょっかいかけてくる ―――
そんな、変わったルームメイト。
吉澤ひとみ。
- 6 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時25分55秒
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ねえ、ひとみ?
あたしが、女の人に恋してるって言ったら、どうする?
笑う? それとも馬鹿にする? 軽蔑する?
少なくとも、あたしから離れてっちゃうことだけは、しないで欲しいな。
強情で、意地っ張りで、いちーセンセ以外に話せる友達なんて、
あたしにはいないんだ。
ねえ、ひとみ?
あんまり認めたくはないけど、あたしが変わったきっかけをくれたのは、あなただよ。
- 7 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時26分56秒
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あたしは思う。散らない花なんて、この世にあるわけないんだって。
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- 8 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時27分41秒
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お菓子をつまみながら、ぼんやりとした口調でひとみが言う。
「だからあ〜、真希はちょっと愛想なさ過ぎなわけ」
「いいもん、別に」
同じくお菓子を口に運びながら、あたしはぶっきらぼうに返事をする。
いつものやり取りを、いつもの場所で。いつもの時間に。
ここは屋上、今は放課後。
女子高生が友達とおしゃべりを楽しむなら、普通は喫茶店かファーストフード。
でも、うちらにはここが定番。
じゃがりこと、ポッキーと、お茶だけ買って。
屋上のコンクリの上に、べたっと座る。
「だって、あんた転校してきてからもうどれくらい経つ?」
あたしの無愛想な返事にも、あきれることも怒ることもしない、珍しい彼女。
だからあたしも安心して、とことん無愛想に徹することが出来るのだ。
「さ〜ね。もうすぐ2週間ってとこ?」
「それで、今だに友達が私1人か……」
独り言のように呟いて、ひとみがお茶を一口。…っていうか、
それあたしのお茶なんだけど。
- 9 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時28分36秒
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「別にいいでしょ、前のガッコじゃ友達なんて1人もいなかったよぉ」
「…偉そうに言うことじゃない」
「ほっといてよ」
ひとみの何処か突き放したような口調が、あたしは割と好きだったりする。
馴れ合うような感情もない、かといって完全に冷めているわけでもない。
低くて、少し気だるそうな響きも。
ただし、ひとみの後輩たち ――― いわゆる彼女のファンたちは、
そんなあたしの存在を快く思っていないらしい。
いつも一緒にいる(というより、ひとみがくっついてくるんだけどね)あたしに、
ぎゃーぎゃー五月蝿いの何のって。
あたしもあたしで、下手に負けず嫌いで気が強いもんだから、
「あんたらの方がぶすでしょ」…とか、言い返しちゃうんだよな。
結果、あたしとひとみに憬れるこのガッコの生徒とは、関係が悪化する一方で。
別に、あたしは構わないんだけどさ。
1人でいるの、嫌いじゃない。
いちーセンセとだけ、話せればそれでいい。
今のところ、ひとみっていう存在によって、“孤立”という立場にまでは、
陥っていないんだけど。
- 10 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時29分30秒
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「ところで、例のセンセ♪にはもう会ったの?」
「…何よ、その変な口真似は」
「似てない?」
「似てない」
「あそ」
短いやり取りだから、あたしたちの会話はすぐ途切れる。
ってゆうか、あたしっていちーセンセの話するとき、いつもそんな浮かれた
口調してんのかな? ちょっと馬鹿っぽいな…。
「いちーセンセは忙しいみたい」
ちょっとばかり、あたしのテンションは下がる。
いやもう、普段からあたしはテンション高い方じゃないんだけど。
そう、あたしが転校してきてから2週間が経つ。
それなのに、いちーセンセとは授業を受けるどころか、廊下ですれ違いすらない。
だから、あたしの最終手段。
毎日毎日、日が暮れるまで。センセが学校終わるの、校門の前で待ち伏せる。
今、屋上でだべっているのはそれまでの時間潰し。
だけど。
2週間連続、毎日空振り……。
(寮の門限があるから、しょうがない)
- 11 名前:【散らない花。】 @ 友達と、好きな人 投稿日:2002年02月13日(水)00時31分59秒
そんな、叶わぬ恋に、恋焦がれている ―――― しょうもないあたしのために。
ひとみは毎日、付き合っている。
毎日毎日、放課後遅くなって暗くなるまで、あたしの側に、一緒にいる。
理由を聞いても、笑って言うだけ。
『恋してる真希が、かわいいから』
ねえ、ひとみ?
あんたってほんと、 ―――― 変な人だよ。
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- 12 名前:眼鏡 投稿日:2002年02月13日(水)00時35分41秒
前の書いてた分がどっかいっちゃったようなので、新たに書きました。
ミスが多くて嫌になりますが……勉強のため、他の小説を読み漁るとします。
- 13 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月13日(水)03時19分34秒
- 文章はとても読みやすくてよいと思うのですが、
元ネタがある場合は表記した方がいいと思われます。
以前何度も揉めているので…。
荒らしではありませんのであしからず。
- 14 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月28日(木)04時20分31秒
- さくっと放棄?
- 15 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)19時35分34秒
- つつき、お願い!
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