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彼女たちの事情

1 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時00分12秒
主な登場人物

後藤真希 【女】(高1) ちょっと天然な16歳。さえない中学時代を送る。

吉澤ひとみ【男】(高1) おちゃらけてる。特徴は金髪・ピアスなど。かなりの遊び人。

市井紗耶香【男】(高3) クールだけど妙に優しい。そしてモテる。


その他に、柴田あゆみ・矢口真里などが出てきます。
2 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月15日(金)21時01分05秒
あたし絶対変わる。



きっと変わってみせる。


―彼女たちの事情―

第1章 【青春】


―――――――――――――
3 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時01分55秒
すみません、名無しで投稿しちまいました。
とみこです、ハイ。
4 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時02分42秒

「あたしもとうとう高校生かぁ!!」


入学早々ガッツポーズ・・・・したくもなるよ。


「真希ちゃん、気合入ってるねー。」

このコは親友の柴田あゆみ。中学からの付き合いです。


「知ってるでしょーっあたしがどれだけこの日を・・・・・」


ガツン




頭に直撃したのは、この学校の指定バック。


「いったぁ・・・・」


・・・っつーか誰だよいきなり・・・・・




「つったってんなよ。」



スタスタ・・・・・






「何あの人ー!大丈夫?真希ちゃ・・・・・・真希ちゃん?」



「ほんと・・・かっこいー・・・あの人・・・」









神様、あたしの心にも春が来ますか。
5 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時03分26秒
「真希ちゃーん、帰ろ〜。」

「おー、あゆみ!早いね。」



この学校、広いなー・・・

校舎もキレイだし、

あとは彼氏をつくるだけ!なんちゃって・・・


「あー!!あたるーっ!!」


ボコッ


「ほらあたったー!!」


ほらあたったーじゃないよ・・・・ったく。



またまた頭に直撃したのは、ただのバスケットボール。



「真希ちゃん、大丈夫???」

「・・・。」



たたたた・・・


「悪い悪いっ。」


そういって走って来たのは、金髪・ピアスの背の高い男の子だった。

6 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時04分32秒

「生きてる!?」


ハァ・・・軽そうな人だなぁ・・・。



「・・・ったく、気を付けてよねっバカー。」

「ごめんなさーい。」



スカートをパンパンッとはらって、その場を去ろうとした。




「おい、ひとみ。」



「おー、紗耶香。」




あ!!今朝のカッコイイ人!!

紗耶香っていうんだ・・・男の子なのに変な名前・・・

っつーかこの金髪クンも女みたいな名前だなぁ・・・


でも紗耶香クン、うわー・・・やっぱかっこいー・・・



「何、アンタこの人と知り合いなの!?」

ひとみ(呼び捨て)の服を引っぱって尋ねた。


「うん、そーだけど?」

「え、名字は!?」

「紗耶香の名字?市井・・・だよ?」



市井紗耶香・・・・なんていい響き・・・はあとはあと
7 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時05分04秒


「おい、遊んでんだったら先帰んぞ。」

「いや、俺がこのコにボールぶつけちゃってさー謝ってた!」



市井クンがこっちを見た。

うわっマジかっこいいんだけどー!!


「そーなんですよぉ、この金髪があたしに・・・」


「どんくさ、そのくらいよけろよフツー。」

















なんだと・・・!?




「帰んぞ、ひとみ。」

「おー。」


てくてくてく・・・









市井紗耶香・・・・


キライ!!(インプット)


8 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時06分08秒
「あんた、いつから奴と一緒にいるの?」

「俺ら、小学生からの仲だもんね。」

「うーわー最悪。歴史ながっ!!」



何であんなヤツと一緒にいて・・楽しいのかねー。




「真希ちゃーん。」

「あ、あゆみ。」

「お昼食べよ?」

「今行くー。・・・じゃぁあたし行くわ。」

「うん。」





別れ際にひとみ君の方を向いた。


「後藤真希。・・・・あたしの名前。」





「そっか。」
9 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時06分58秒
すみません、>>8の前にこのスレ入ります。
なんか読みにくくてすみません・・・・



体育――


「ひーっ・・・校庭10周って死ぬって・・・・」


キーンコーンカーンコーン・・・


あっ!やっとお昼だ〜!でも・・・疲れて起き上がれん・・・トホホ。





ザッ

突然、誰かが上からあたしをのぞきこんだ。




「あれー、こないだの人じゃん。」


「金髪くん・・・・」


「金髪くんー!?1年3組、吉澤ひとみ君です!!」


「ひとみ君ね・・・女みたいな名前だね。」

「よく言われる。」



ひとみ君はチョコンと隣に体育座りした。

あたしも起き上がって座った。


「で、あんたは?」


「・・・市井紗耶香と仲良い人なんかに名前教えたくないもんっ。」

「むー!?紗耶香、何かしたの?」



「あいつの人をバカにした目が・・・すごいムカつく。」

「・・・ふーん。」



それにくらべてひとみ君は正反対だなー・・・

なんか軽くてチャランポランしてそう。


10 名前:とみこ 投稿日:2002年02月15日(金)21時07分54秒
「あんた、いつから奴と一緒にいるの?」

「俺ら、小学生からの仲だもんね。」

「うーわー最悪。歴史ながっ!!」



何であんなヤツと一緒にいて・・楽しいのかねー。




「真希ちゃーん。」

「あ、あゆみ。」

「お昼食べよ?」

「今行くー。・・・じゃぁあたし行くわ。」

「うん。」





別れ際にひとみ君の方を向いた。


「後藤真希。・・・・あたしの名前。」





「そっか。」



ひとみ君はニコッと笑った。
11 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時30分33秒
「真希ちゃん、一緒に帰ろー。」

「あ、うん。」

―――――――――


なんかなー・・・・






「あ、そうだ!ケイコとかね、中学の友達がまた会おうって言ってたよ!」

「・・・・え?」

「真希ちゃんも行こうね!」


そういってあゆみは笑ったけど、

どうして笑っていられるのかがわからなかった。



「・・・行かないよ、あたし。」

「なんでー?みんなもきっと真希ちゃんに会いたいよー。行こうよー。」



なんか・・・・腹立ってくる。




「だからさっ何であたしにそんな事言うの?」



「・・・え?」


あゆみの驚いた表情。・・・自分の吐いた言葉に後悔した。



・・・けど、あゆみだってひどいよ・・・・



「あたしの気持ち知ってて、ムカツクなっ」





・・・・気まずい雰囲気。



「悪いけど、先帰る。」




あたしの、バカ。
12 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時34分50秒
いつもならあゆみと2人で通る渋谷の街も、

今日はくすんで見える。



・・・・あんな事、言うんじゃなかった。





「後藤真希!!」



ビクッ



え・・・




ドクンッ




この感じ・・・・



振り向くと、あの雰囲気。



「あーやっぱそーだ!超変わってねぇ?」

「ほんとだー!!天パとメガネどこ行ったー!?てゆーかやせた!!」

「あっそう言われてみれば!」


やめて・・・


「スカート短っ!中学んときあんな長いのはいてたじゃーんっ」



やだ・・・・思い出したくない・・・
13 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時37分04秒
中3の時・・・・・


『後藤があんたの事好きなんだよー』

『は?誰ソレ。』

『キャハハ、うけるー!!』


―――――

『てゆーか俺、お前みたいなの受けつけないから。』








『まじやめて。』











やだっ思い出したくない!!




ガツンッ
14 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時39分13秒
「った・・・・」


振り向くとそこには・・・


「あ・・・。」



げっ市井紗耶香!?

なんでこんなとこで!!



「え、なに後藤の知り合い?」

「うそっ!超かっけー!!」





どうしよう・・・・



どうすればいいの?



―あたし変わる。きっと変わわれる―

15 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時42分08秒
あたしはスッと市井紗耶香の腕を組んだ。



「もぉー、どこ行ってたのー。」




「・・・・・・・」

彼女らはただ呆然として、あたしと市井紗耶香を見ていた。




「これ、あたしの彼氏。」



そして、彼女ら以上に、市井紗耶香の驚いた表情・・・・

すまん、今だけは許してくれ。




「じゃ、あたしたちこれで。」



・・・・ほら、あたしきっと変われる。



もう、あんなやつらにからかわれる事なんかないもん!
16 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時46分38秒

彼女たちの姿が見えなくなると、ぴたっと止まった。





「・・・なんのつもり。」

「失礼っ。」

「・・・・・・?」


市井紗耶香に借りができてしまった・・・



「帰りましょう。」

「おいっ俺をもてあそんで何事もなく帰んのかっ。むかつくぞお前。」



「・・・・・・」


「おいこらっ、聞いてんのか」







「・・・・・あんな奴ら・・・・大っ嫌い・・・・っ」




冴えないあたし



ムゴイ失恋



あいつらの人見下したあの笑顔





あたしのこと ばかにした奴らが 許せなくて




くやしくて・・・・






だからあたし


変わるって決めた。
17 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時50分03秒
「あー、もぉ!!」

「・・・なんだよ、いきなり。」

―――――――――――――

『なんであたしにそんな事言うのっむかつくな』

―――――――――――――




「あそこまで言うことなかった・・・・」



悔しくて、後悔して、涙がでて・・・・・




「でもあゆみといるとあたし・・・前の自分思い出しちゃうんだもん。」



「・・・・・・」



「だんだんつらくて・・・っ。ってなんでこんなことあんたに言ってんのさ・・・」



何でムッツリ立って、黙ってあたしの話聞いてくれてんのさ・・・

18 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)13時51分16秒
「ほんとっ、俺のつっこむ話じゃねぇけど。」

「・・・・・え?」




「ダチのこと傷つけたってわかってんなら、謝れば?」




市井・・・・・ちゃん・・・・






「今よりましな状況になんじゃねーの。」






「・・・・・・うん。」




なんか・・・・よくわかんないけど













ありがとー・・・・
19 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)18時38分09秒
―次の日―


市井ちゃんに言われたとおり、あたしはあゆみに謝ろうと決めた。



そして柴田家の前・・・・


ガチャ


「いってきまーす・・・・」


「あゆみ!」


「あ・・・・真希ちゃん。」


「学校、一緒に行ってもいい?」





だって、あゆみは親友だもん!





「・・・・うん!」
20 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)18時40分37秒

「市井ちゃん!」


「・・・・・・。」



「市井ちゃんってば!!」



「変なあだな付けんなって。」


アハ、市井ちゃんっていたって無表情だねー。




「昨日はありがとね。仲直りできたよっ!」



市井ちゃんは振りむいて、フッと笑った。


「よかったじゃん。」






くそぉ・・・なんなのよっ







市井紗耶香!



あんたやっぱ、かっこいいわ
21 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)18時44分52秒


その時、ポンッと肩をたたかれた。


「真希。」


「あ、ひとみ。」

「紗耶香ってカッコイイよね。」



「へ!?」



何を言ってるんだこの男は・・・



「ついに真希も紗耶香惚れちゃいましたかー・・・」

「・・ちがっ惚れてなんか・・・」



そして、その金髪少年吉澤ひとみは、あたしにこう耳打ちしたんだ。







「紗耶香は俺のだから、手ぇ出さないでね♪」






「・・・・・・?」





あたしのビューティフル高校生活、幕開けです。
22 名前:とみこ 投稿日:2002年02月16日(土)18時50分51秒
神様。


あたしはひょんなことから恋をしそうな予感です。


だけど・・・・


―――――――――
『ダーメ。紗耶香はおーれーの♪』
―――――――――




「ひ〜〜〜〜っ!!」


「うわっ、真希ちゃんどうしたの!?」

「へ!?何、ここどこ!?」


・・・夢!?


「登校中ですけど、何っもしかして歩きながら夢見てた!?」

「そうみたい・・・・トホホ。」



もう、昨日のひとみが頭から離れん・・・・


「はぁ・・・・もうやだなー・・・」



ため息をついた途端、目の前には釣り合わない2人の男子・・・

そう、市井ちゃんとひとみだ。



今のあたしに、その2ショットはつらいよぉぉぉっっ
23 名前:夜叉 投稿日:2002年02月16日(土)22時25分35秒
新作おめでとうさんです。
さくさくと書かれてるんで、一気に読まさせてもらいました。
>「紗耶香は俺のだから、手ぇ出さないでね♪」
この吉に萌えました。
続き、期待してますね。
24 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)14時57分21秒
>夜叉さん
見つけちまいましたか、この駄作を・・・(w
いちよしっていうのは初めてですよ^^;
でも、ボーイッシュ同士?みたいな感じで面白いかなーと。
これからもどんどん萌えてください(w
25 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)15時05分23秒
ビューティフル高校生活にもまもなく慣れてきて、
あたしは美術部に入ることにした。

小さい頃から絵を書くのが好きで、

なんてゆーか、思ったことを全部絵にすると、また違う世界が見えたりするんだよね。


―――――――――――――

美術部―――



ガラッ

「すみませーん、美術部入りたいんですけど。」


・・・そこにいたのはひとりの男。





「・・・あ。いちーちゃん。」



めんどくさそうな目をしてあたしを見てる。


っていうか、めっそう美術部なんてあわないんだけど・・・・






「・・・・・何、入るの?」

「へ?あ、ハイ!!」

「顧問に入部届けだしといて。」

「・・・・は、はい。」





マジ・・・!?

かなりうれしーんだけど!!いちーちゃんと同じ部活っ。

毎日一緒にいられるよぉ〜っ。

26 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)15時10分30秒
放課後、ルンルン♪で美術室に向かった。


「新入部員の後藤真希です!!よろしくお願いしまーす!!」


さらにウキウキで席に座った。


「よぉ。」


うわっ!!

え!?

隣いちーちゃん!!?

マジついてるーっっ♪♪



・・・・・でも・・・・

――――――――――――
『紗耶香は俺のだから。』
――――――――――――



頭の中でひとみがニヤッと笑った。

あ〜〜〜、いくらいちーちゃんが好きでも・・・・ねぇ。




ってゆーか、ひとみは市井ちゃんの事が好きって事だよね・・・??
27 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)15時14分12秒
じぃ―――・・・・・・・



デッサンをしている市井ちゃんの顔をじ――っと見ていた。



「・・・何見てんだよ。」


「え゙っ見てません!!」

「見てた!!」



だって気になるんだもん!顔ぐらい見させろよっ




じ――――・・・・・・・


「だーかーらよっ!!なんだよ、なんかあんのかっ。言えっ!」


「あっ」


あんたはっ


「あ?」



男と女、どっちが好きなわけ!?



「あ〜〜〜〜〜〜〜〜・・・」

「なんなんだよ、お前はー・・・ったく。」




だっだめだ・・・市井ちゃんには、市井ちゃんには聞けない!!
28 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)15時19分01秒
―1年3組―



「・・・こ、こんにちはっ」


ひとみは態度デカくイスに座っていた。


こうなったらコイツに聞くしかないんだからっ


「こんにちははあとはあと真希ちゃん。」


「・・・・・・・」

「どうしたの?」

「ちょっと話があるんだけど・・・・・」



―――――中庭



「で、なーに?」



「っ率直に聞くけどさ」


「うん?」



「ひとみは・・・本当に市井ちゃんが好きなの?」



「うん、好きー。」

いつもとはちがう、優しい笑顔で言う。




「い、市井ちゃんは・・・」
29 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)15時22分11秒
「市井ちゃんは・・・っ」




あたしが言いかけたとき、ひとみは両腕をあたしの肩にポンッと乗せた。



「かわいそう・・・・だけど。」


「・・・・え?」




「ごめんね、俺ら愛し合っちゃってんだ?」



・・・・・・・?



「言ってる意味わかります?」

「どことなく。」




「だーかーら、諦めてね♪んじゃ!」








ちょっとまって



あたし本当にかわいそう。


高校生になったら中学の嫌な思いで全部忘れて、



恋して、楽しい毎日おくるんだって思ってました。







なのに、しょっぱなからこれかい。








よかったじゃん、本気になる前でさ。
30 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時05分22秒
次の日美術室に行くと、市井ちゃんの隣でひとみが楽しそうに話していた。


あたしは席に座って2人の様子を見ていた。


・・・・ほんと、仲いーんだなぁ2人とも。



「何、真希。」


「別に。」


イチャついてんな!



しかしこの男(市井紗耶香♂)・・・



あたしが皆にあんたらの関係バラすとか思わんのかね。


フン、そーですね。そーですよ。

バラす度胸ないですよ

はいはいはい。




「真希。」



ドキッ


「へっ?」



いま



「真希」って―――



「ん。」


飲んでいた缶ジュースを渡された。


「え、なっなに!?」



「捨てて。」











ぐしゃ


「・・・・・・。」



おいっ市井紗耶香!!

あたしは知ってるんだぞ!!






知ってるんだから・・・・・
31 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時12分41秒
「コラァ、後藤!!!お前何遅れてんねんボケェ!!」


「ごっごめんなさーいっっ」


ひぇーっ次体育なこと忘れてた!



「あーあ、後藤さん目ぇ付けられたよ。」

「しかしあの先生、体育担当であの金髪どう思うよ?笑わせんなよな〜。」


クラスの子が口々に言ってきた。


中澤せんせーだっけ・・・


あの金髪はどーかねー・・・ははは。
32 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時22分44秒
「後藤、お前片付けや!」

「えーなんでですかー。体育係いるじゃないですか。」

「口答えするんやない!成績1にするで、アホ。」






むかつく



むかつく!!


なんかむかつく!!!


「・・・・・・」



あたしは片付けろといわれたハードルを思いっきり蹴った。


「ふざけんな!!」

ガンッ





「いったーっっ!!!」

(べんけいの泣き所をぶつけた様子)


33 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月17日(日)18時27分30秒
とみこさんの新作だーヤッタ♪
しかしすごい展開ですな…(^^;)
ごまちゃん主人公っぽいんで勝手に期待してます!
34 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時27分54秒
「ごとーぉ!!ハードルを足げにするたぁ何様やねん!!」




「・・・・ぅるさいな・・・」


「あ!?聞こえへん!」


「・・・うる」


――――――

「先生ー。生徒脅していいんっすかー?」


体育着姿の市井ちゃんが突然現れた。


なんで・・・・・・





「なんや、アンタ。」

「男子。」



どーして・・・?


「まぁまぁ先生。」


市井ちゃんは中澤先生を連れて草かげに行った。



・・・・・・・・



「なんやってー!?ホンマか、市井!」

「ホントっす。」

「わかった!じゃ、また!」

「うぃ。」

・・・・・・・・



市井ちゃんが戻ってきた。


「ふぅ・・・・」

「何、いちーちゃんどうやって丸めたの!?あたしにもその技教えてっ」

「言えない。」
35 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時31分17秒
ガシャン

「ほらよ、ハードル片付けといたから。」

「すまないねぇ。」

「いくつだよお前。ほら、帰んぞ。」


「ちょっと待って、今べんけいさんの調子が・・・・」

「は!?」



あたしのべんけいさんは見事にあおアザになっていた・・・トホホ。


「なんかむしゃくしゃしてねー・・・つまりおのれでおのれを・・・」

「バカかてめー!!」
36 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時34分05秒
バシャー・・・


「ハンカチよこせ。」

「えっ?」

「俺持ってねーもんよ。」

「はぁ。」




・・・・・・・・・


あたしは市井ちゃんが絞ってくれたハンカチをべんけいさんにあてた。

37 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時35分57秒

「ふぅ・・・ありがとー。」


「・・・・・・。」



「うあっごめん!帰りたいよね!帰っていいよ!ありがとね。」






「いいよ、別に。」









うわ―――――・・・・

・・・・なんなのよアンタ。

いったい何なのよ・・・・



だいたいこないだもさ、なんで助けてくれんのさ。

なんで絶対いるのさ・・・・





なんで「真希」って


呼び捨てにすんのさ・・・・











そんなん、惚れちゃうじゃんか・・・・・・







でも、どうにもならないんだ・・・・
38 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時42分31秒
あたしがポロポロと涙を流すと、いちーちゃんはビックリした。


「うおっそんなに痛いんか!?折れてんじゃねーの?」


「う・・・ひっく・・・・」



想いが伝わらないというのは

こんな悲しくて淋しいことなのか・・・・






「あんた、幸せかい?」

「はっ?」

「恋人とはうまくいってんのかってきーてんだよ!」

「恋人!?」



「隠さなくていいって。あたしもう知ってるんだ。」

「なんか言ってることわけわかんねー。」




「彼女いねーもん俺。」


「だから隠さないでよ!知ってるんだってば!」

「お前いったい何知ってんだよ!教えろよ!」
39 名前:とみこ 投稿日:2002年02月17日(日)18時45分43秒
がばっ


勢いあまって市井ちゃんの襟元を掴んだ。



「彼氏いないの?」






「彼氏・・・・?大丈夫?脳ミソ。」










彼氏がいないですって?



「あの野郎・・・」



――――――――



 だ
  だ
    だ
       だだ



ガラッ



バンッ



「ハァハァ・・・・・・・・よぅ、ひとみ。」



「・・・よ・・・う。(コワイ・・・・)」



ぜーはー・・・・



「あたし、負けないからね。」



――――――――


言ったぞ


言ってやったぞ








後藤真希16歳




もう涙は見せん。



砕けるまで当たってやる!!
40 名前:夜叉 投稿日:2002年02月17日(日)19時09分42秒
宣戦布告ですね、よしVSごっつぁん(笑)。
釜掛けられて、のせられてるような気がするのは自分だけ?
41 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月18日(月)16時29分49秒
矢口はいつどんな役で出てくるんだろう…ワクワク
42 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)14時01分15秒
>夜叉さん
>宣戦布告ですね、よしVSごっつぁん(笑)。
史上初っすかね(wっていうかいちよしが初ですね。
楽しんで書いていきたいと思います!

>名無し読者さん
>矢口はいつどんな約で出てくるんだろう…ワクワク
う〜ん、やっぱさやまりですね^^
もう市井ちゃんとかゴッツァンみたいな、あなどれない人が大好きですvv
43 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)14時07分34秒
【あたし、負けないからね。】




あたしの恋のライバルは、吉澤ひとみ(♂)です。


―――――――――――――


あゆみには言った方がいいよね・・・?


というわけで、今日も中庭であゆみとお昼を食べていました。



「はぁ〜・・・・・・。」

「真希ちゃん、ため息はくと幸せ逃げるよ?」


「え!?」

スホーッッ(※吸いすぎ)



「あれっ真希ちゃん、もう食べないの?」

「食欲わかないの。」

「えっなんで?体の調子でも悪いのー?」





・・・・・・・・。




「・・・・好きだ・・・」




「えっなにいきなり!?」


「好きだー!!!!」


あゆみはキョロキョロし始めた。

いや、周りには誰もいないから・・・あゆみってマジ天然。
44 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)14時31分06秒
「だ、誰を!?」








「・・・・・市井・・・紗耶香。」


「えっ市井ってあの・・・?」

「キャーッそんな大きい声で言わないでぇー!!!」

「いや、言ってないから・・・で、いつのまに好きになったのぉ?」

「話していい!!?あのねっあのねっ」


あゆみの手をガシッと掴んで持ってきた。


「市井ちゃんってね!!普段ボーッとしてるくせにねっ
あたしがピンチの時にいっつもいてねっ助けてくれてねっ
もうあのやや何考えてるかわからんところがいーのー!!!」






そう・・・・


なーんか、奴の行動ひとつひとつがあたしのツボをつくんだよねー・・・・


「真希ちゃん。」

「へ?」

「あたし、真希ちゃんが楽しそうでうれしー。」


・・・・あゆみ・・・


「えへへ。」

「うふふ。」

「あはは。」

「おほほ。」

「おほほは違うでしょ、おばさんじゃん!」


そんなあゆみが大好きだよ?ずーっと友達でいよーね!
45 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)14時46分42秒
>>33名無しさん

すみません、今全部読み返してたらレスに気づいて・・・申し訳ないです;;
むむ?私の他の作品を見てくださったんですか?嬉しいっす!!!vv
これからもどうぞよろしくお願いします^^
46 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)14時52分34秒
あたしは今まで日の当たらない場所を歩いてきた。


だけど変わる!


悲しい恋やだしっ

明るい恋したいしっ

市井ちゃん好きだし!!



だから奴(ひとみ)には絶対負けられないわけっ



――――――

「じゃぁね、あゆみ!」

「ばいばーい。」


お昼休み、ずっとあゆみと話していて、あっという間にチャイムが鳴ってしまったのだ。


(うおーヤバイ。授業始まるよー)


ボフッ

「ぶはっ」


いきなり、前を歩いてた人にぶつかってしまった。



「おー悪い。」


ズキューンッッッ


市井ちゃんっっ!!!!

うひゃーっマジかっこいい〜〜〜〜ヤバイッヤバイヤバイッ


「だ、大丈夫ですっ」



ガシッ


突然誰かに肩を掴まれた。


「不死身。」



この・・・金髪野郎・・・・!!!ムカーーー!!


47 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)14時57分34秒
「市井ちゃーん、今日部活ある?」

ひとみを突き飛ばして話し掛けた。

「知らね。予定表見ろ。」



バシッ

「!!」


・・・ひとみ!!!

なんでコイツは女の子に容赦なく手をだすかなー!!


マジむかつくんだけどー!!



「石垣くんっ」


あたしとひとみは同時に振り向くと、市井ちゃんが2・3人の女子に囲まれていた。

「ねーねー、今度遊ぼー」

「あ?」

――――


「何あの人たちー」

「さぁ?紗耶香の事好きなんじゃん?」

「えっ!?」


「なに、焦ってんの?」

「うっううん、別に!」



焦るに決まってんじゃん!

だってさぁ・・・・ねぇ。


「女って大変だねぇ。俺なんか理由なく紗耶香と一緒にいられんのに。」


ひとみはニヤッと笑って言った。




くっそーぅ、このちゃめっけボーイが!!
48 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)18時09分26秒
ここは、あたしの心の広場=トイレの個室である・・・・。


洋式便器のふたをしめておやぢ座りした。






なんとかして市井ちゃんとの距離を縮めなきゃなぁ・・・・



バンッ

「ねーねー!」


ん・・・?誰か入ってきた・・・


あたしは個室の隙間からのぞきこんでみた。



「つーか市井カッコよくね!?」

「やばいよね〜あれは!」

「彼女いると思う?」

「やっ、いたら潰すから。」

「ハイさんせー。っつーか殺すよね。キャハハ。」




化け物!!ヤマンバ!?(まだ居たのか?)




敵は一匹(ひとみ)だけだと思ってたのにっ



っつーかコワイ!!!潰すとか殺すとか・・・怖いわぁっっ
49 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)18時15分20秒
あ〜怖かった〜。

っつーかマジこわっ!!


「後藤☆」

「へ!?」


陽気な声にビビって振り向くと、あの金髪体育教師・中澤裕子が立っていた。


「な、なんですか!?あたしなんかした??」


っつーか「後藤☆」って何!?☆って!?


「こらっ後藤☆先生に呼ばれただけでそんな事言うんやない!」

「え・・・なんですか!?」

「後藤はええ子や。自分に自信を持ちなさい☆」

「はぁ!?(誰だよ!)」

「あ、ついでにこの資料を教室に届けといてや!頼むで♪んじゃ!」



なんだったんだー!?こわー・・・
50 名前:とみこ 投稿日:2002年02月19日(火)18時19分57秒
なんか休み時間になると、市井ちゃん姿消すし全然話さないし。

ヤマンバこわいし・・・



ビュォーッッ


「うわっ」


バサバサッッ


突然すごい風で、持っていたプリントがぶっ飛んでしまった。


「もーっ!!なんでこうタイミングよく風ふくかなー!!」

「・・・・・。」

「もーっ!!イライラすんなぁ!!」

「うるさい。」









「へ?」





プリントがぶっ飛んだ場所に、市井ちゃんが座っていたのだ。
51 名前:とみこ 投稿日:2002年02月20日(水)17時45分54秒
「あれ、何してんの?」


「お前こそなにしてんの。」


「プリントが風で吹っ飛んで・・・」

「ふっ、どんくさ。」



・・・ムカッ



でも、市井ちゃんなら許せるよ・・・。

あ〜あたしほんとにベタ惚れだぁ・・・



「・・・なんか女子をピーピー言わせてるじゃないの。(ヤマンバとか)」



「あーもうなんか女イヤ。うっとしい。」

「あんた今、全国の中高生男子の憧れのセリフをさらっと言ったね?」

「あ?なんだそれ。っつーか疲れんだよ、女は。」



なんだとぅ?



「じゃぁ男ならいいのかー!!?」←1番疲れそうな女


「んな事言ってねーだろ。いきなり大声出すな。」
52 名前:さまようよっすぃー 投稿日:2002年02月20日(水)19時23分33秒
>1番疲れそうな女
面白すぎです(笑)。
つか、何時の間かいちーちゃんvsごっつぁん…(爆)。
53 名前:夜叉 投稿日:2002年02月20日(水)19時31分37秒
すいません、逝ってきます。
54 名前:41 投稿日:2002年02月21日(木)00時17分13秒
どうやら矢口はさやまりで出てくるようで・・・・
さやまり期待。でもいちごまにも期待(笑)
でもやっぱりさやまりに期待(どないやねん)
55 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)13時40分03秒
>夜叉さん(さまようよっすぃーさん)(w

名前間違えたぐらいで逝かないで下さい^^;
>つか、何時の間かいちーちゃんvsごっつぁん…(爆)。
あはは。そう見えますかね^^;
でもごっつぁんはいちーちゃんラブですから・・・。

>41さん
矢口はさやまりにしか出てきませんよ。
だって、矢口は市井ちゃんにしか絡めませんから(汗
56 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)13時46分35秒
あたしは市井ちゃんの横にちょこんと座った。


「あたしは・・・ここにいたらじゃまですか?」




恐る恐るいちーちゃんの反応を待つ。















「黙ってればよし。」



きゅ〜〜〜〜っっ


なんでそんな言葉さらっと言うかなぁ・・・

あたしにとっては、こんなにドキドキしちゃうセリフだよ?

57 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)13時54分01秒
放課後―――――


掃除が終わって教室を出ると、廊下にはさっきのヤマンバ達がいた。



「ねーねー頼むからお願い!」


なんと、ヤマンバと一緒に居るのはひとみだった。


・・・あーあ、化けもんにひっかかってるよ・・・



「これ、市井紗耶香に渡して!君ら友達じゃん!?」


どうやら手紙(多分ラブレター?)をひとみに押し付けているようだった。¥

うーん、やっぱ誰から見てもいちーちゃんはカッコイイんだなぁ。



「いいよ、渡しとく。」



・・・・え?




「マジ!?助かるサンキュー!」

「やっぱ持つべきものはひとみだね!いよっひとみ!」



・・・・・


あいつ、いつもこんなん頼まれてんのかなー
58 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)13時58分50秒
・・・あんただって・・・いちーちゃんの事好きなんだろーがっ



なにさっあんなの同じ人間だよ!人間!



ダダダ・・・ッ



「あれ、真希。どうしたのー?」



パシッ


あたしは、ひとみが受け取った手紙を取り上げた。



「は?ダレおめー。」

「ひとみはあんたらの便利屋じゃないよっ!はい、これ返す!」


そういってヤマンバに手紙を投げつけた。


「うわっうざー。」

「なにコイツ、意味わかんねぇし。行こー。」

そういってヤマンバは山へ帰っていった。
59 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)14時02分31秒
「真希・・・・?」

「・・・っひとみ!!あんたバカ!?」


あんたも市井ちゃんが好きなんだろー!!?

「なに、真希。実は俺のこと好き?」

「バッカじゃないの!!?」(裏返った)




「だいたいさー、なんで断んないの!?嫌じゃないわけ?」




「別に。紗耶香がああいうの相手にしないの知ってるから。」



・・・・・・・。



はいはいはい!

いーよねーあんたは市井ちゃんの色んなこと知ってて!!

60 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)14時05分24秒

「・・・帰るね、あたし。」

「一緒に帰る?」

「フンッ誰がひとみなんかと!」


そういうとひとみはニコッと笑った。



「紗耶香いるよ?」


・・・・・む。


「市井ちゃんどこー?真希楽しみ〜♪」

「ウキウキだな、自分。」



なんでうちらってこうやって突っかかるかなー・・・


しょうがないのかな、ライバルがいるって。
61 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)14時10分37秒
「なんか先生に呼ばれてるからもうすぐ来ると思うよ。」

「ふーん。」





誰もいない教室に、沈黙が走った。













「ひっひとみの家と市井ちゃんの家って近いの?」

「ん?うーん、わりと。何っ来る気?来ないで。」

「おのれんちには行かん。」

「あっそ。」


・・・


「小学校からの仲だっけ?」

「うん。」

「そんなに長く市井ちゃんといるのかぁ・・・」

「うん。」

「いいなっ。」





え・・・・・・?











突然、ひとみの顔色が変わった。

いつものパッチリした目も、ぼんやりして、

すごく悲しい表情へと変わった。
62 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)14時13分55秒
「・・・・・いいことばっかじゃないけど。」




・・・・?


「何が・・・?」







「ほんとは俺、こわいし。」




「俺らの仲なんて、俺が一歩踏み出せば壊れる関係じゃん。」




ひとみ・・・








「頼むから、誰も・・・・・・」






「俺から線をとらないでほしい・・・・・・」











やだっ、そんな悲しい顔しないでよ・・・



あたし、どーすればいいのよ・・・
63 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)14時15分17秒
>>62

「俺から線をとらないでほしい」じゃなくて、
「俺から紗耶香をとらないでほしい」です。

意味不明な間違いしちまいました。
64 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)14時17分41秒
「・・・・ごめん、あたし何言っていいかわかんない。」


「・・・・・・。」


「だからっ、ひとみがそんな事言わないでっ」


「でも・・・・っ」


「あたしはがんばるよ。敵多いと思うけど。」



だから・・・・


「ひとみもがんばろうよ。一緒に・・・・・ね?」




「一緒に・・・・?」


「うん。」

「一緒にがんばんの?」

「うん。」











「真希・・・。」







ガバッ
65 名前:とみこ 投稿日:2002年02月21日(木)14時21分32秒

「・・・・・っ」


ひとみの唇が、一瞬だけ触って、一瞬で戻る。




びっくりして息が止まるかと思った。














「・・・・・っな、何すんの!!」

「じゃあ、抜けがけはゆるさんよ。」


「え・・・は!?なに!?」


「例:裏庭で紗耶香と2人きりでいるとこ発見しちゃった日にゃ、」



・・・・み、見てたの!?



「こんなふうに仕返ししちゃうから。」












一緒って・・・


協力とか、そういう意味じゃないんですけど


ひとみ君。
66 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月22日(金)00時12分22秒
おっ?新作はっけーん!(w
頑張ってくださいな
67 名前:夜叉 投稿日:2002年02月22日(金)10時39分54秒
何かが間違ってるよ、吉澤君(笑)。
>「ん?うーん、わりと。何っ来る気?来ないで。」
>「おのれんちには行かん。」
このやりとり好きですね、吹き出した(爆)。
68 名前:とみこ 投稿日:2002年02月22日(金)18時27分54秒
>名無し読者さん
発見されちまいましたか(w
がんばりますよ〜!!^^

>夜叉さん
ヨッスィーのキャラがウケたようで・・・(w
今回はギャグとかけっこう入れてやってます^^;


PS 携帯の着メロサイトで、着ボイスというコーナーがあるんです。
着信した時に、声が出るっていうやつですね。
で、シーマンとかGacktとか色々あったんですけど
なんと、【逝ってこい(インターネット用語)】というのがありました(w
ついついダウンロードしてしまう今日この頃。^^;
69 名前:とみこ 投稿日:2002年02月22日(金)18時37分35秒

『付き合いたくないタイプは―』

『はい、後藤でしょー!』



やだ、やめて・・・!!



あたしの話はやめて!!



「いや・・いやだー!!!」



ピピピピ、ピピピピ・・・


「こら、真希!!」

「ふぇ?おかーさん・・・?」

「何が嫌なの!早く学校行きなさい!」




・・・夢かぁ。



また見ちゃった、中学時代の夢。


あんときのあたし、ダサかったなー・・・・
70 名前:とみこ 投稿日:2002年02月22日(金)18時41分23秒
「真希ちゃんおはよー!」

「おーあゆみ。おはよー・・・・」

「どうしたのー?元気ないよ。」


そういってあゆみは心配そうにあたしの顔色をうかがう。

・・・へへ、やさしーねあゆみは。


「やな夢見たんだー。中学んときの。」


「ふーん・・・でも真希ちゃん!うちら楽しいこともあったじゃん!」



楽しいことー?そんなのあったっけー・・・

「ほら、遠足で真希ちゃんのおにぎりがカラスに取られたとき!」

「それは楽しかったんじゃなくておかしかったんでしょ。」



「でもね、あたし真希ちゃんが居てくれて楽しかったよ!」







あゆみ・・・・









「・・・うんっ。」
71 名前:とみこ 投稿日:2002年02月22日(金)18時44分25秒
そうだよなー・・・楽しいこともあったんだんだよね。友達もいたし。



「そこ、あたるー!!!」





ドカッ


「!!」



・・・・またもやこのバスケットボールか!!


「ごめんなさーい。」


タタタタ・・・


「だれだっつーの・・・」

「あれ、真希じゃん。」



ひとみ!!?
72 名前:とみこ 投稿日:2002年02月22日(金)18時53分54秒
「真希なら大丈夫だね。」


・・・なんだそら。


「わざと当てたでしょ!!」


「そんなヒドイ事しないもん、俺。」

「うそつけー!」

「それよりさ。」



ひとみはチョコンとしゃがむと、あたしの腕を掴んで同じ高さにしゃがませた。


「・・・・何よ。」

「昨日の約束覚えてる?」


―抜けがけは、ゆるさんよ―



・・・そうだよ・・・こいつ、あたしの唇を・・!!



「約束?んなもんしてないよ。」

「うわ、ひどいよ・・・・真希が言ったんだよ?一緒にがんばろーって・・・」


昨日と同じ、しゅん・・・っとせつない顔になった。


フンッ誰がだまされるかっつーの!
73 名前:とみこ 投稿日:2002年02月22日(金)18時58分05秒
「そんなはかない表情したって無駄だかんね!」

「ちぇっ。」







「ひとみ。」

「・・・?」


さっきと逆に、ひとみの手を引っ張って一緒に立ち上がった。



「あたしはあたしで市井ちゃんの事好きなんだから、ひとみには口はさんでほしくないよ。」







ひとみはズイっと更にあたしに近づいた。


「・・・なにさっ」

「またキスしちゃうよ?」












「バカ。」






「ナマイキっ」

「はいはい・・・。」



今まで人を好きになって、

伝えるより、伝えられない方が多かった。




だから、今度は後悔したくないんだ。
74 名前:夜叉 投稿日:2002年02月23日(土)10時17分18秒
なーんか、密かに(略)。
ごっつぁん、がんがれ!!!
75 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)12時24分43秒
>夜叉さん
密かに・・・ね。(w
ごっつぁん視点で書くの楽しいです。
76 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)12時31分20秒
―美術室―

今日もデッサンは進まず。


市井ちゃんの顔だけを眺める今日この頃。






「・・・何か用?ないなら見ないで。」

「えー・・・っと数学教えて!!」

「無理に用事つくらんでいい。」



・・・市井ちゃんには何でもお見通しってか・・・。



「・・・で、どこ?」

「へ?」

「数学。わかんねーんだろ?」



うわっ、いじわる〜・・・

超やる気だよぉ。


「なんかねー、ルートやらかけ算やらちんぷんかんぷん。」

「小学校からやり直せ。」


そういってペシッと頭を叩かれた。



・・・そんな事でも嬉しいんだけどねっ。えへへ・・・

77 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)12時35分14秒
「おい、俺がやるとこちゃんと見とけよ。」

「あ、ハイッ」



そういって市井ちゃんは問題をスラスラ解いていく。







「・・・最近どうよ。」

「は!?最近?なにいきなり・・・」



市井ちゃんがオバサンくさいことをいったので、一瞬びっくりした。

・・・・なんだよー?








「・・・・・いや、なんでもない。」




なんじゃ・・・?
78 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)12時36分58秒
そういえば、市井ちゃんってあたしの中学時代のこと知ってるんだっけ。





なに



もしや



は・・・うそ



ちょっと気にしてくれてた?



心配してくれたんだ・・・・・


『最近どうよ。』





わぁー・・・・あたし、やっぱ市井ちゃんが好きだー・・・



市井ちゃんに、あたしのこと見てもらいたい・・
79 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)12時44分49秒
(いったん、真希視点から外します。)



ひとみが教室を出ると、3年生が何人か教室移動していた。

その中に紗耶香を見つけると、ひとみは走って近寄った。


「おーい紗耶香!つぎ体育?」

「・・・あぁ。ひとみは?」

「数学だよー。」

「ふーん・・・」


ひとみと紗耶香が歩いてると、前にヤマンバが現れた。


「おっ市井くーん!」

「ねーねー、今度遊ぼー?遊んでくんないと死ぬー」



「・・・・・ウルサイ。」

「うわっ市井くんひどーいっキャハハ!!」


フッとそのまま歩き出した紗耶香に、ひとみはテクテクと付いていく。


「なに、紗耶香シカト?」

「あーゆー女は好かん。なんかバカにされてるみたいで。」



ひとみはピタッと足を止めた。


「・・・じゃぁ真希は?」



「あ?悪い、聞こえんかった。」





「なんでもない。」

「・・・・なんだよ?」
80 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)12時52分09秒
(真希視点に戻します。)


「は〜やっとお昼だ〜!!」


お弁当を持って中庭を通ると、芝生の植えに誰かがくたばっていた。



・・・・・っつーかひとみか?あれ。



「ひとみっ。」


名前を呼ぶと、むくっと起き上がった。


「・・・なんだ、真希か。」


「悪かったね。で、何してんの?」

「何も。」


そういうとひとみは、ハァ〜〜〜〜っと大きなため息をついた。


「なんなの。あんたが元気ないのって寒気がする。」

「あっそ・・・・・・・真希はいーよな。」

「え?」



「部活同じだし、席も隣でやりたい放題じゃん。」

「なんだいきなり・・・。」
81 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)12時59分11秒
「ひとみだって、あたしの知らない市井ちゃん・・いっぱい知ってるじゃん。」

「うん。」


うん!?


「ゲームクリアして喜んでる姿なんてとってもステキ。」

「あ、あたしだって先生に怒られて助けてくれたもん!とってもステキ!」

「俺なんか一緒に風呂入った事あるもんねっとってもステキ!」



ガ―――――――ン・・・・






「ちっちゃい頃です・・・ゴメンナサイ。」

「・・・・ホッ。」

―――――


「俺さー、真希の事根性なしだと思ってた。」

「はぁ?」

「だから俺が紗耶香の事好きって行ったら、ビビって逃げると思ったのに。」


フンッあたしは強い女になるんだもんっ


「・・・なんで?こわくねーの?俺のこと。」



・・・・・?


「こわくないよ。最初はビックリしたけど。」






「ふーん・・・。紗耶香もそう言ってくれたらいいのに。」
82 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)13時03分08秒
そういって、今度は本当に悲しそうな顔をする。







「・・・ひとみ・・・」








「おれ、こんな話できるヤツいなかったし。けっこーうれしいんだけど。」







そっか・・・・ひとみも色々あるんだよね。




ライバルとしか意識した事なかったけど・・・



根はいいやつなのかも。









「真ー希。」

「ん?」





「がんばろーね。」







いいやつだよ、ひとみは。







「うんっ。」



「という事で真希ちゃん!ここはフェアに行こうじゃないか!」

「は?フェ・・?」

「紗耶香に女の武器は使わない事!」

「はぁ?女の武器ってなんすか?っつーかもう帰る!!」

「こらっ待ちなさい真希ちゃん!」




コイツってやつは、なんですぐに人格変わるかなー・・・


ま、だまされるあたしも悪いってか。
83 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)13時07分44秒
下駄箱に行くと、市井ちゃんがポツンと立っていた。



「あれ、なにしてんの?」


「あー、ひとみ待ってる。」

「えっ」

「一緒帰るから。」




のぅ・・・市井ちゃんを待たすとはいい御身分ですな、ひとみめ。

けしからん、そしてうらやましい。



「もうすぐ来ると思うよ。」

「何、一緒だったん?」

「うん。」


あたしはローファーに履き替えながら言った。


「じゃ、あたし帰るね。」

「おまえ」

「え?」

「数学ちゃんと勉強しろよ。あのままじゃダブんぞ。」

「・・・・ハイハイ。じゃ、また明日ね。」

「おー。」



なんだかんだ言って、マジ優しいよ市井ちゃん。


84 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)13時11分52秒
あたしはピタッと足を止めた。


「・・・何つったってんだ。帰んだろ。」


Uターンして市井ちゃんの前に立った。


そして、さっきの言葉を思い出す・・


―最近どうよ。―


心配してくれて・・・ありがとうって言いたかったから。


「・・・どうしたん。」


あたしはピッと右手をあげた。





「あたし、最近学校楽しいです。」



・・・・言えた。言えたよ。



その時、市井ちゃんはフッと笑顔になった。


「バカ・・・手あげなくていいっつーの。」








やっぱあたし・・・




「・・・・いるから。」





「市井ちゃんがいるから・・・・・・」









「真希・・・・・」








そのまま引き寄せられるように唇が重なった。







いちーちゃん・・・・・
85 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)18時54分32秒
あたしはもう



市井ちゃんしか見えなくなるよ。



―――――


今日は何だかいつもと違う朝・・・・。


「・・・・・・。」


朝から屋上にひとりたたずんで手すりを掴んでいた。





ダメだあたし・・・

市井ちゃんに会えないって!!きっと心臓止まるよ・・







どんな顔すればいいんだろう・・・


あたし今、どんな表情してる?


ちゃんと市井ちゃんの事受け止めてる?





市井ちゃんは・・・・どう思ってんだろう。
86 名前:とみこ 投稿日:2002年02月23日(土)19時00分19秒
屋上から眺める景色は、なんだか真っ白に見えた。


ぼーっと昨日の記憶をよみがえらせる。


――――



初めてのキスが・・・・市井ちゃんだったから。


唇が離れた後は何が何だかわからなかった。




『・・・かっ帰るっあたし!』


『真希?』

『じゃっまた明日!!』


―――――



そのあとはドアに頭をぶつけて、

フラフラしながらドアに手をはさんで、

痛いのに声を殺して

とにかく逃げた。



あぁもう最悪・・・!!





―市井ちゃんがいるから―






はじめて誰かにあんな言葉言った・・・



バタンッ


「真希ちゃん!」

勢いよくドアを開けてあゆみが走って来た。


「早まっちゃダメ!あんた人生の半分も生きてないよ!?」

「え!?」



真希のはちゃめちゃ人生、まだ幕開けまっしぐら。
87 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月23日(土)20時20分52秒
おお〜とうとうチュ―をしてしまいましたかはあとはあと
この話かなり好きです頑張ってください!
88 名前:夜叉 投稿日:2002年02月24日(日)14時30分46秒
ごっつぁん、1歩リードかな…。
つか、飛び降りんだろ!?ちうしたんだから(笑)。
吉も頑張れ〜(爆)。
89 名前:ルパン4th 投稿日:2002年02月24日(日)20時14分59秒
キスの後の壊れたごっちんがgoodです!(笑)
テンポのいい小説で読みやすいですよー作者さんうまい!
90 名前:とみこ 投稿日:2002年02月25日(月)18時32分26秒
>名無しさん
チューしちまいましたよ^^*
やぁ〜喜んでもらえて光栄です!これからもがんばりやす!

>夜叉さん
ほんっといつも来てくれてありがとうございます!
ごっつぁん1歩前進ですね〜。
あーゴッツァンかわいいゴッツァンかわいい(壊

>ルパン4thさん
壊れたごっちんgoodですかい^^;
なんか誉めてもらえるとうれしはずかしですなぁ。
がんばります!
91 名前:とみこ 投稿日:2002年02月26日(火)15時28分17秒
あ〜よりによって何で同じ部活なんだろ・・・。

でも今日でデッサン終わらせないといけないし・・・・



ユウウツながらも渋々美術室へ足を踏み入れた。



あたしの隣の席には、いつもの市井ちゃんがムッツリ座ってる。




昨日・・・キス、したんだよね?



「おっ、おはよう。」


目をあわさずに挨拶をした。




「・・・・はよ。」



うっわーっっっ!!!



ドッカンドッカンドッカン・・・(真希ちゃんの心臓の音)




なんだっけ



どうしたらいいんだっけ





あたし、いつも市井ちゃんにどうやって話しかけてたっけ









忘れた。
92 名前:とみこ 投稿日:2002年02月26日(火)15時35分16秒

ガシャンッ



あまりに慌てていたので、ペンケースを机から落としてしまった。



というか・・・どうして市井ちゃんはフツーでいられるの?



「・・・ん。」



いちーちゃんは、そっとペンケースを拾って渡してくれた。


「あっありがと・・・」




だめだー・・・あたし。



心臓壊れそうっ


―――――


キーンコーンカーンコーン・・・



「おい。」

「へ?!」


いちーちゃんは、突然席をたつと手招きした。


「ちょっと来て。」


「は・・・・はい。」
93 名前:とみこ 投稿日:2002年02月26日(火)15時39分20秒
―屋上―



「あんま意識すんな。」




なにかどこか期待してたら、第一声はこれかい。



「普通にしろ、普通。」




なにいって・・・



「フツー意識するだしょ!!」

「だしょ・・・?」





「意識するよっ!するもん・・・するよ。どうすればいいかわかんない・・・」
94 名前:とみこ 投稿日:2002年02月26日(火)15時42分17秒
あたしの声がどんどん小さくなると、いちーちゃんは困ったような顔をした。





「ごめん。」




・・・・え?



なにそれ、ごめんって・・・・



どういう意味さ。



「今は付き合うとか、そういうのはできないから。」


・・・・・



あたしはなぜか冷静だった。怖くらいに。






「わかりましたっ。教室戻ります。」



―――――


なんだかねっ今の若者は。


キスなんて挨拶がわりですか。


いつからそんな国になったんだジャパンは。



ははは。

―――


も――――・・・あたしはひとりで舞い上がりすぎだよ。


しょうがないじゃん


初めてだったんだもん




いちーちゃんだったんだもん





泣くな、泣くな。
95 名前:愛猫 投稿日:2002年02月26日(火)23時34分28秒
お初です☆同じ雪板に書かせてもらっている愛猫です。
とみこさんの作品、初めから一気に読みました!
さすがです・・。ごっちんのむずがゆいような気持ちが心に伝わって
きました(泣
ごっちん頑張れぇ!!
96 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)02時29分49秒
(〜^◇^〜)<矢口の登場はいつ来るんですかー

・・・・・矢口登場期待sage(w
97 名前:夜叉 投稿日:2002年02月27日(水)12時24分26秒
意識するなって言う方が酷だと思われ(笑)。
でも、何があるのでしょうか?いちーちゃん。
ごっつぁん、素直で可愛いっすね。
98 名前:とみこ 投稿日:2002年02月27日(水)15時12分23秒
>愛猫さん

お初です^^
>ごっちんのむずがゆいような気持ちが心に伝わってきました(泣
むずがゆい・・・たしかに(w
これからもむずがゆいゴッツァン書きたいです!

>名無し読者
矢口は、ほんっといい役で出てきます。
いや、忘れてるわけじゃないですよ全然^^;
まぁ楽しみしててください^^*

>夜叉さん
いちーちゃんが冷たいのは、わけありでございまして、
ぢつは矢口が関係してるんですよ!うふふ(?
もうすぐ出てきやす!お楽しみに!
99 名前:とみこ 投稿日:2002年02月27日(水)15時57分33秒
「真希、おはよー。」


ひとみはいつものように、ゆるい口調で話し掛けてくる。



「・・・・おはよ。」


「むー?どした?元気ねーじゃん。」

「・・・別に。」


今はひとみさえ、うっとうしく思えてしまう。



そのまま早足で逃げた。




「おい真希!」





忘れるんだ、キスの事なんて。


忘れよう。



―――美術室―――


めずらしく今日はひとみが遊びに来ていた。


「いちーちゃん、あたしガム持ってるよ。あげよっか?」


さすがに少し驚いて、そっと手を差し出す。

「・・・・おー。」


フツーって、こういう事でしょ?いちーちゃん。


「真希、俺にはー?」

「ひとみにはない!あるわけない!」

「ケチー!」

「うっさいなー、ハイ。」

「さんきゅー!」



こんな風にやってきゃいいじゃん?



なーんだ、ちゃんと喋れたじゃん。



あたし、強いじゃん。
100 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月27日(水)23時42分31秒
さやまり期待♪
101 名前:とみこ 投稿日:2002年02月28日(木)07時58分54秒
お知らせ

今回もやってきました。
中1のとみこさんは明日から学年末テストです。
なんとなくいい成績なので(ぇ)順位落ちないように頑張ります。
なので、これから4日間は更新できやせん(;;
でわ、また5日後・・・・

ヒュ〜・・・
102 名前:夜叉 投稿日:2002年02月28日(木)19時28分08秒
おおをぅ…そうですか。マターリお待ちしております。
テスト頑張ってくださいね。
103 名前:とみこ 投稿日:2002年03月01日(金)17時30分22秒
ふぅ・・・やっぱり勉強の合間はm-seekでしょ。

というわけで途中結果。

理科・・・完全にヤマ外しました。
技家・・・キャビネット図にやられました。
美術・・・実技問題にひっかかりました。


ってことで1日目はボロボロでした。
得意の歴史にかけます。

さぁ、小説めぐりでもしますかね。
104 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)12時44分52秒
やっぱ更新しようかな。どうせ勉強してもバカはバカさ・・・(ぇ
105 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)12時55分11秒
夕方、制服のまま公園に行ってハトにエサをあげていた。


「ほら、たんとお食べ。」


首を上下に動かしてクルックーと鳴くハトが、妙にかわいかった。








「真希。」






いちばん会いたくないヤツ。


だけど、なぜかちょっと会いたかったヤツ。


「何してんのさ、ハトおばさんかアンタ。」

「ひとみこそ。なんでこんなとこいんのさ。」


突然現れてさ、どうせからかいに来たんだろ。


・・・・


「真希、今なら無料で胸のうちを聞いてやろう。」




ドキッ




「な、何言ってんのさ?別になにもっ」


あたしは素直じゃないから。


強がってまたハトにエサをばらまく。


ひとみはあたしの隣に座ってため息をついた。
106 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)12時57分36秒
「紗耶香となんかあったでしょ。」




「・・・・・え?」


「言ってみ。」







やだ、なんかひとみキャラ違うって・・・


なんでいきなり優しいのさ・・・



泣いちゃうじゃんか・・・


―――


「・・・っ。」


あたしのこぼれる涙を見て、少しひとみは驚いていた。





そしてゆっくり口を開く。
107 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時00分35秒
「市井ちゃんと・・・・・・キスしたんだ。」




・・・バカ。


ひとみだって好きなんでしょ



あたしといちーちゃんがキスしたなんて聞いたら


冷静保てるわけないって。



目、浮いてるよ?




ってか



なんでコイツは、こういうときだけあたしのヒーローなの?





なんでこういうときだけカッコイイのさ・・・。



ズルいよ。
108 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時03分08秒
「市井ちゃんにとっては、深い意味はなくて・・・・」


「・・・・・。」


「でもあたしは・・・すごく、すごく・・・・」


――――――――

心配してくれた。

ムッツリしてるくせに、いざというとき助けてくれた。


―――――――



「うれしかったんだ。」







【今は付き合うとか、そういうのはできないから】



別にそこまで望んでたわけじゃなくて・・・





ただもう少し








幸せな時間に居たかっただけ・・・・
109 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時05分22秒

「・・・・紗耶香は、そんなんじゃないって。」


ひとみは目をあわさずに話し出した。




「なんでもない奴にそういうことするやつじゃないから。」



「・・・・・・?」












「オレは・・・・・・ずっと紗耶香を見てきたから。」





ひとみ・・・・・
110 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時08分30秒
「紗耶香が真希をどう思ってるかぐらい・・・・・わかる。」



いちーちゃんが・・・


あたしを思う?




「ちゃんと話してみれば?」









「ひとみ・・・」


「何か飲むもん買ってくるから。泣きやんどけ。」



――――――



なんであたしは



ひとみを好きにならなかったのかな。




どうして







市井ちゃんを好きになったのかな。
111 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時11分47秒
なんだかなぁ


もうあたしって




ひとみにあんな事言わせて・・・・




もっと大人になれたらいい。






「おじょーちゃん。なんで泣いてるの?」


突然、変なオヤジが視界に現れた。


「へ!?誰?」


「おじさんが慰めてあげようか。」


は!!?


「いいです、大丈夫ですっ」


オヤジはあたしの腕を掴んだ。



やだっ



こわ!!




「おい、オヤジ。」



・・・・え?





「なーにしてんだ。」
112 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時14分37秒

金髪の、女の子。


背はあたしよりずっと小さくて、目がパッチリしてて


強そう・・・



「うるさいっお前には関係ないだろっ」

おやじはそのコに反抗した。



「あ、このバッチ。あたしこの会社知ってるー。」


そういってそのコは、オヤジのスーツについているバッチを掴んだ。





「バラすよ?いいの?よくなかったら・・・消えて?」


「・・・・っ!」



そういうとオヤジはそそくさと去っていった。
113 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時17分57秒

呆然としてたけど、やっと目が覚めてそのコを見た。


「あ、ありがとう。」

「うん、いいよっ」



その時、向こうから缶ジュースを持ったひとみが歩いて来た。


「あ、ひとみ。」



ひとみは女の子の姿に気づくと、ピタッと足を止めた。



「・・・・矢口先輩?」


「ヨッスィー!?キャー!よっすぃーだ!!」


そういってそのコはひとみに抱きつく・・・











・・・・誰なのん?
114 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時42分11秒






「あたし、矢口真里!高3ね!やぐっつぁんとか真里とかなんでもいーよー」


そういってキャハッと笑った。


「あ、あたしは後藤真希・・・。よろしくー」


「ひとみとは中学ん時ずっと仲良かったんだー。」

「へ〜。」


って事は・・・市井ちゃんも?



「で、何さ。あんたら付き合ってんだね?」

へ!?


「ちっ・・・」

「ちがう。」

「!!」


即座にひとみが答えた。


真顔でいうなっつーの。



・・・・


「紗耶香、元気?」



【紗耶香】



呼び捨てだー・・・知り合いなんだ・・?


「あー元気だよ。常になんかめんどくさそーにしてるけど。」


そういってひとみはそっぽを向いた。




「・・・そっか。あ!!もうこんな時間だ!あたし帰るね!」

「あ・・・」

「ひとみバイバイ!!・・・・っと」







「ごっつぁんも。」



――――――


なんか、はちゃけた人だなー・・・
115 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時47分28秒
へへっ、ごっつぁんなんて呼ばれたの初めてだあ・・・



どお
  ぉ
   ぉ
    ぉ・・・・・・



「え!?」


突然、ひとみをどんよりオーラが包んだ。



「ど、どうしたの?ひとみ・・・」


「いや・・・・・・帰ろ。」

「え!?何なの!気になるじゃん!」

「イヤッ絶対言わない!」

「言え!!!!!!」











「・・・・矢口先輩は、紗耶香と付き合ってたんだ。」
116 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時50分16秒









「・・・・・。」





「いや、真希が気にすることじゃないよ。もう過去だし。」


「イヤだ!!!」



ドンッッ

「うわっ!」



思いっきりひとみを吹っ飛ばした。



「やだやだやだ・・・聞きたくないもん、そんなこと。」


「アンタが言えって言ったんでしょ!!?怒るよ!?」















・・・・・やだよー・・・・もう
117 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時54分45秒

次の日、美術室であたしはボーッとしていた。



―【ごっつぁんもっ】―



あたしの、知らないコ。



市井ちゃんが好きだったコ。


かわくてひとなつっこくて、いい人だったな。



ずるいよそんなの。



あたしが本気で振り向いてもらえるわけ・・・・




ぐわっっ


「ひっ!?」



突然、腕を引っ張られて起き上がった。



「・・・・・・。」




そこには無表情の市井ちゃんが立っていて、



何も言わずに・・・・・・屋上へ行った。





あたしもそれについていった。
118 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)13時57分35秒
「まぁ座れ。」



そういって自分が座っている隣をポンッと叩いた。



従ってあたしはそこに座る。










「昨日、泣いてたって。」




・・・・・。




「涙と鼻水たらして、それはそれはもう言葉では表せないほどみにくかったってある人物から聞いた。」

「ひとみだよね。」



ひとみ、あのやろー〜〜〜!!!


119 名前:とみこ 投稿日:2002年03月02日(土)14時00分55秒

「・・・何でだよ。そんな深く考えんなっつーの」


「・・・・・。」



あたしはまた泣きそうになった。


その表情を見計らって市井ちゃんは喋りだす。


「・・・あー、そうじゃなくってよ。」


「・・・ん?」


「だからぁ・・・・俺は付き合うとかそういうのは苦手なわけ。」


「・・・うん。」


「なんかもっとゆっくり・・・すぐ付き合うとか焦るなよっていうか・・・」


「・・・・?」


あたしはキョトンとして市井ちゃんの次の言葉を待った。



「だからー・・・」






















「ちゃんと想ってるから。調子乗っとけ・・・・」

120 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)12時18分34秒




「・・・・・・。」





思わぬ一言に、胸がいっぱいになる。





この感情は・・・・好き。



市井ちゃん



あたしはあなたの事が大好きです。



―ちゃんと想ってるから。調子乗っとけ―




市井ちゃんらしくないよ?


そんな優しい言葉言うなんて・・・
121 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)12時22分27秒



市井ちゃんはあたしの反応を待つ。




あたしは・・・うつむいて・・・震える。




市井ちゃんの優しい言葉がおかしくって


似合わなくって。







笑いをこらえるのが必死だったから。


「・・・・・・。」






「笑うなっ」

バシッ





声を抑えて笑うのを我慢しても





自分でもわかるくらい、顔はすっごい笑顔だよっ。


「ったく・・・・・笑うなっつーの・・・。」
122 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)12時27分17秒
あたしは市井ちゃんのひとことで

すぐ傷ついたり



泣いたり・・・



めんどくさい女だよ。







でも市井ちゃんの一言で



すごく喜べたりもするんだよ・・・・?
123 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)13時07分27秒

そのあと、あたしはルンルンで廊下をスキップしていた。



「その顔はうまく行ったようだね。」

「へ?」


ひとみがニコッて笑って立っていた。



・・・けど、なんか切ない笑顔。






「ひとみ、ありがと。」

「・・・うん?」


「でも・・・なんでこんなことしてくれんの?昨日も話聞いてくれたし・・・」



あんたも、市井ちゃんの事好きなんでしょ?
















「もういいんだ。」
124 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)13時09分49秒
「俺がどんなに紗耶香を好きでも、紗耶香は俺を好きにはならないから。」





「真希だってそんくらいわかるっしょ。」















あたし、思わなかった。



別に、ひとみが男だから・・・負けるわけないなんて思わなかったよ。


たしかに、市井ちゃんも男だけど・・・・・



好きっていう気持ちは、いつか伝わるから。


――――――
125 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)13時11分11秒
「ごめん、いじわる言った。」



ひとみが申し訳なさそうにこっちを見た。


あたしは首を横にふる。



「だから、俺のことはもう気にするなって事。」


「ひとみ・・・・」


「もう、いいから・・・。」













ひとみが、小さく見えた。
126 名前:とみこ 投稿日:2002年03月04日(月)13時29分20秒
娘。がCMやってる「きりり」買ってしまいました。
本当にあとからス〜ッと来ました。
すみません、普通の事しかいえなくて(w
127 名前:夜叉 投稿日:2002年03月04日(月)15時06分59秒
過去の女、知の登場ですな(笑)。
個人的には吉の方が気になってみたり…。いや、推しだから、とかいう話ではなく(汗)。
128 名前:とみこ 投稿日:2002年03月05日(火)18時48分56秒
>夜叉
>過去の女、知真里でっせ^^
それともうひとり、よしと絡め(略
129 名前:とみこ 投稿日:2002年03月05日(火)19時35分18秒
(こっからひとみ視点)



あー・・・ちょっと言い過ぎたかな・・・

真希、あいつすぐ泣くんだもんなぁ・・・



「・・・・・とみ先輩っ!ひとみ先輩!」

「わっ、え、何?ってか誰?」



ボーっと突っ立っていたので

そばに女の子がいることに気が付かなかった。




そのコは大きな瞳をクリクリ輝かせてこっちを見ていた。





「中等部、3年A組の高橋愛です。」
130 名前:とみこ 投稿日:2002年03月05日(火)19時38分11秒

なんで高等部の下駄箱にいるんだ・・・・?



「やっぱり知らないですよね、校舎違うし。」

「え?あ、うん。」

「あたしはずっとひとみ先輩の事見てきました。」



わー・・・これって告白??


初めてかも・・・。

131 名前:夜叉 投稿日:2002年03月06日(水)10時29分37秒
おや、予想外の展開ですわ(汗)。ど〜なるんですかぁ???(爆)。
132 名前:とみこ 投稿日:2002年03月06日(水)17時31分30秒

「あ・・・えっと・・・」


正直戸惑った。

告白なんて初めてだし・・・・







「ひとみ先輩・・・・あたし・・・」


「あ〜〜〜っっ!ごめん、俺・・・」

「わかってます!!」




・・・へ?


わかってるって・・・・


まさか俺が紗耶香の事好きな事知ってる!?



・・・なわけないか。
133 名前:とみこ 投稿日:2002年03月06日(水)17時35分16秒



「ひとみ先輩は・・・・・後藤先輩と付き合ってるんですよね?」


え゙ぇ!?なんで真希・・・!?

っつーか・・・・あー、どうしよ。



俺やっぱ紗耶香のこと好きだし



でも、さっき真希に「俺はもういいから」って言ったばっかだしなぁ・・・



でも、初対面のコ(しかも年下)と付き合うってのも・・・・・








でも・・・・・



















俺、真希に泣いてほしくないんだ。
134 名前:とみこ 投稿日:2002年03月06日(水)17時38分15秒

ちょーっと紗耶香に言われたぐらいで泣いちゃってさ。


そんで紗耶香の一言でウキウキになってやんの。









でも、俺は真希のこと強いと思う。


何度も何度も立ち向かうから。


紗耶香に、好きって言えるから。

紗耶香の前で泣けるから。







俺にはそんなこと、できないよ。




しょうがないじゃん。






紗耶香を好きになったのは、俺が悪いんだから。
135 名前:とみこ 投稿日:2002年03月06日(水)17時49分40秒

「ひとみ先輩・・・?」

「あっ、ごめん。えっと・・・・」



真希は、泣かないで。

俺、ヘーキ。


だから・・・泣いてほしくねぇよ。



・・・


「えっと、愛ちゃん・・・・・・・俺、真希と付き合ってないよ。」

「え?」

「ってか、誰とも付き合ってないしっ。」


そういってニヒッと笑った。





愛ちゃんは少し安心したようで、


また改めて言う。







「じゃぁ・・・・・付き合ってくれますか?」











紗耶香への思いは、真実ではない。



そう思いたいから。







普通の恋愛をして、本当の愛を確かめるよ。
















フゥ・・・・












「そだね、付き合っちゃいますかっ。」
136 名前:とみこモバイル 投稿日:2002年03月06日(水)20時45分23秒
>夜叉さん
自分も予想外な展開に驚きやした(w
でも、よしたかもいっちょかましてみますかね^^
137 名前:とみこモバイル 投稿日:2002年03月06日(水)20時46分15秒
>夜叉さん
自分も予想外な展開に驚きやした(w
でも、よしたかもいっちょかましてみますかね^^
138 名前:とみこ 投稿日:2002年03月07日(木)08時01分38秒
あ、携帯から2回も投稿しちまいました。アホです。
139 名前:とみこ 投稿日:2002年03月07日(木)08時06分07秒

翌朝―――



「ひとみー!起きなさい!!」

「はーい・・・。」



母さんの声が響き渡る、いつもの朝――――


「あんたいっつも紗耶香クン待たせてるんだから、急ぎなさいよ!」


「んぁ、わかってるよ。」



小学校の時からずっと、朝は紗耶香と登校している。

今日もいつも通り制服に着替えていると、家の電話が鳴った。


「はい、吉澤です・・・。」

まだボケーっとした声で電話に出た。
140 名前:とみこ 投稿日:2002年03月07日(木)08時12分15秒
「あ、ひとみ先輩?」

「へ?あ・・・愛ちゃんか。」



母さんが出てたら大変な事になってただろーなー・・・

ひとみの彼女から電話がー!!とか騒ぎそうだし・・・

ってかなんで家に・・・?

あ、携帯教えてなかったけ。




「あの・・・ごめんなさい、朝早くから。」

「いや、さっき起きたトコだから。どうしたの?」


「あっあの・・・・・今日、一緒に学校行きませんか?」



・・・・ほぅ・・・


そうか、付き合ってたらフツーこういうことすんのかぁ。

あー俺って恋愛経験全然ないからなー・・・



「いいよ。じゃぁ愛ちゃんちまで行くよ。」

「いえっ、今ひとみ先輩の家の前なんですけど・・・」

「え!?」



急いで窓をあけて下を見ると、愛ちゃんが携帯を耳に当てて手を振っていた。



「愛ちゃん・・・・」



なんだか、恋愛って「い〜な〜」なんて思ってたみたりして。



「いま行くから、待ってて。」
141 名前:とみこ 投稿日:2002年03月07日(木)08時16分15秒
「お待たせー!」


勢いよく玄関を飛び出た。


「行こっか。」

「はいっ。」







公園を通ると、俺と同じ制服の男子が木に寄りかかっていた。




・・・・もしや・・・



ってか・・・え!?



あ〜〜〜〜〜〜!!!!

紗耶香のこと忘れてたー!!!



「紗耶香!!」

「・・・・おせぇよ。」

「ごめん・・・・」



紗耶香にかけよった時にはもうすでに、

隣に居る愛ちゃんを忘れて。

142 名前:とみこ 投稿日:2002年03月07日(木)18時28分30秒

紗耶香に駆け寄ってから、愛ちゃんが公園の外で待っているのに気が付いた。


「あ、ごめん紗耶香。」

「・・・あ?」

「俺・・・そのコ。愛ちゃんと行くから。」




紗耶香は愛ちゃんをちょっと見ると、また俺に視線を戻した。


そしてフッと下を向いて言った。


「わかった。明日からもそれでいいん?」

「・・・あ、うん。ごめんな。」

「いや・・・・真里ん時もそうだったし。」









俺は紗耶香のこういうとこが好き。






そういって紗耶香は俺らよりだいぶ遅れて公園を出た。
143 名前:とみこ 投稿日:2002年03月07日(木)18時38分09秒
「ひとみ先輩って、市井先輩と仲良いですよね。」

「まぁね。小学校ん時からの仲だから。」

「ふーん・・・市井先輩は彼女いないのかな?」

「いないんじゃん?モテるけど、アイツ無愛想だし。」


でも、真里と付き合ってるときは、すっげぇいっぱい笑顔見せてた。






真希の時も。


・・・・



「ひとみ先輩?」

「え?あ、ごめんごめん。ぼーっとしてた。」

「大丈夫ですか〜?」


そういってニコッって笑う。


愛ちゃん、かわいいよなー・・・。


なんで俺なんか選んだんだろう。




紗耶香も、俺のこと好きになってくれれば良いのに。



バカみたいだよな。おかしいよ、フツーこんな事考えないっつーの。



「愛ちゃん、これからがんばろうね。」

「・・・・?」

「だんだん俺、好きになってくから。」







こうして俺は単純に、


彼女を好きになり始めていた。







「はいっ」
144 名前:とみこ 投稿日:2002年03月08日(金)16時21分25秒
正門につくと、ちょうど真希が前に居た。


「真希、おはよー。」

「あ、おはよー・・・・・・」


真希の視線は、すでに愛ちゃんの方を向いていた。


「後藤先輩、おはようございます。」

「え、だれ!?」


真希は俺の袖をぐいぐい引っ張ってたずねる。


「・・・あー、俺の彼女の高橋愛ちゃんですっ!」














・・・・・あれ?






「はぁ?」
145 名前:とみこ 投稿日:2002年03月08日(金)16時27分31秒
「うそー、ひとみの彼女???」

「はいっ、よろしくお願いします!」


愛ちゃんは相変わらずニコニコして真希を見ていた。


真希は俺の耳元に寄って、小声で話始めた。

『どーいうこと!?市井ちゃんは??』

『だからぁ、俺はもういいんだって。』

『でもっ・・・』

『だってオレ、愛ちゃん好きだし。』



真希は呆れた表情でガクッとしていた。



「愛ちゃん・・・・だっけ?」

「はいっ。」

「なんでひとみなのぉ??」


はっ、真希サン、それはひどいんでねぇのかい?


「いっつも後藤先輩の相談とかのってあげて、優しいからっ。」

「え〜〜そーぉ?(まぁ確かに・・・)」


「ま、そういう事だから。じゃぁねー。」

まだ納得いかないような真希を置いて、

オレと愛ちゃんはその場を去っていった。
146 名前:夜叉 投稿日:2002年03月08日(金)17時36分30秒
おろろっ(汗)、二人が吉の行動に翻弄されちゃうんでしょうか?
高橋は可愛いですなぁ…。 ←おやぢ発言(笑)。
147 名前:とみこ 投稿日:2002年03月09日(土)19時58分16秒
>夜叉さん

愛ちゃんだしてみて、反対されたらどうしようかと思いました^^;
カワイイですよぉ〜、愛ちゃんは(w
でも結構コワ役かも。
148 名前:とみこ 投稿日:2002年03月09日(土)20時17分57秒


帰りは通学路とも言える渋谷を愛ちゃんと歩いていた。




・・・〜♪


「あ、この曲いいですよね。」


街頭で流れる曲に愛ちゃんが嬉しそうに笑った。


「あー、俺持ってるよ。貸そうか?」

「え、いいんですか??」

「おっけー。じゃぁ俺んち寄ってこっか。」








愛ちゃんはニコッと笑ったけど


・・・いや、別にそういう意識はないよ。

だって、まだ付き合い始めたばっかりだし・・・





まだキスもしてないし・・・さ。
149 名前:カム 投稿日:2002年03月10日(日)01時53分21秒
レスありがとうございました。
さっきメール欄に気付いて、辿り着けたっす!
今回のは設定が、いつもと違ってて面白そうですねぇ〜


さっ、それじゃあ早速読もっ!!
150 名前:とみこ 投稿日:2002年03月10日(日)11時22分35秒
>カムさん
>今回のは設定が、いつもと違ってて面白そうですねぇ〜
そうですね〜。なにしろ吉澤と市井が男ですから・・・^^;
1度こういう設定やってみたくて^^
応援よろしくおねがいします。

ps 青板の方もがんがってください
151 名前:とみこ 投稿日:2002年03月10日(日)11時26分49秒


ガチャッ


「ただいまー。」

「おじゃまします・・・」

「っていっても誰もいないんだけどね。」

「・・・えっ?」




愛ちゃんはみるみる真っ赤になっていった。



・・・あれ、照れちゃったかな。




「安心してよ、何もしないからさ。」

「え、あっそういうつもりじゃ・・・っっ」


更に耳まで真っ赤になる愛ちゃん。


くぅーっっ カワイイ!!!



「何か飲むもん持ってくるから、部屋で待ってて。」

「はいっ。」
152 名前:とみこ 投稿日:2002年03月10日(日)11時35分02秒

飲み物を持って部屋に戻ると、愛ちゃんがキチッと座っていた。



「んな緊張しなくていーよー?俺はいつでも誠実さっ」


そういうと愛ちゃんは、少し安心したようにニコッと笑った。



「あ、これCDね。返すのいつでもいいから。」

「ありがとうございますっ。わぁ〜!これずっと聞きたかったんです。」



はぁ〜っ・・・なんでそんなカワイイ笑顔すっかなぁー!!

マジ、かわいすぎ!







「そーいえばさぁ・・・」

「え?」

「俺と真希が付き合ってるって、何で思ったの?」


ちょっと疑問に思っていたこと。


だって、俺らケンカばっかしてたし・・・

どうみたら付き合ってるみたいに見えんのかね。


「だって、先輩たちすっごい仲良いから、みんなウワサしてますよ?」

「えぇ!?ってか全然仲良くねぇし!」

「そうですかぁ〜?」


どういう勘違いだよー・・・ったく。なんで真希と・・・っ



「それに、真希が好きなのは紗耶香だよ。」
153 名前:夜叉 投稿日:2002年03月10日(日)14時29分25秒
密室でござるか…(^^;;
高橋は確信犯でやすか?(笑)
154 名前:とみこ 投稿日:2002年03月11日(月)16時13分36秒

「うそ!!後藤先輩って市井先輩が好きだったんですか!?」


さっきまでの静かな様子がウソのように

目をぱっちり開けて聞いてきた。


「うん、そうだけど。どうかした?」

「へ?い、いや・・・・ビックリしただけです。」


そういって愛ちゃんはもとの緊張した空気へ切り替えた。

まるで我に返ったように―――





「でもさー、紗耶香もなんだかんだ言って、真希のこと好きだと思うよ。」

「そうなんですか??え、じゃぁ両思い?」

「多分ねー。あの2人・・・・チューしたし。」

「えぇ!?!?」


まるでショックを受けたように固まってしまった。
155 名前:とみこ 投稿日:2002年03月11日(月)16時17分00秒

「愛ちゃん?さっきから変だよ?」

「え??いや、そんなことないですよっっっ。」


ってか


かなり、変ですよ!?愛ちゃん!!


これは絶対なんかあるよ。

うんうん。









まさか・・・・・















いや、まさかね。

156 名前:とみこ 投稿日:2002年03月11日(月)16時34分44秒

「愛ちゃん。」

「え?」

「紗耶香たちの事もいーけど、俺らはどーなるわけ?」


「どうなるって・・・?」


首をかしげた時に、愛ちゃんのサラサラな髪がフワッと揺れた。






ちょっと、色っぽい。









そよ風が気持ちいい・・・





彼女の繊細な髪に、指をからませて遊ぶ。







お互いに、何の迷いもなく近づいて












そっと



本当にそっと



唇が触れた時――――――
157 名前:とみこ 投稿日:2002年03月11日(月)16時38分28秒
「こーなるわけ?」


笑ってるようで、笑ってない笑顔。

笑顔のようで、笑顔じゃない真顔。





自然な表情。









「あんま紗耶香の話すんなって。俺、ヤキモチやきだから。」














「・・・・ひとみ先輩。」







「もっかいチューしていい?」



今度は少し照れたように、こくっと頷く。








彼女は、やっぱりカワイイかった。
158 名前:とみこ 投稿日:2002年03月11日(月)16時42分38秒

カワイイかった=カワイかった

です。



>夜叉さん

確信犯の高橋(w
どうなんでしょうかね^^;
でもたまには平凡な空気を小説内に流してもいいかなぁーと^^
159 名前:とみこ 投稿日:2002年03月12日(火)08時15分18秒
「送ってくよ。」


「いえ、バス使って帰るんで。きっと顔赤いと思うし・・・冷まして帰ります。」


愛ちゃんの顔は本当に赤くなっていた。

でもちょっとそれもカワイくて、色っぽくて

また・・・手、出しそうになる。


「じゃぁ、明日な。」

「はいっ明日。」



そういってお互いにニコッて笑って別れを告げる。




恋人って、いいな。
160 名前:とみこ 投稿日:2002年03月12日(火)15時18分07秒

次の日――――


お昼休み、愛ちゃんに会いに、中等部の教室に行った。




えーっと、たしかA組だっけなー。

「あ、吉澤先輩!?」


廊下をうろついてると、ひとりの女の子に呼び止められた。

肩まである髪は少し茶が入っていて、(染めてるっぽい)

多分、愛ちゃんと同じ学年だよね・・・?

「あのっ、愛の友達の小川麻琴です。」

「あ、どーも。よろしくね。えっと・・・愛ちゃんいる?」

「えっと、なんか具合悪いみたいでさっき早退しましたよ。」

「え、うそ!大丈夫かなぁ・・・。」
161 名前:とみこ 投稿日:2002年03月12日(火)15時27分41秒



「・・・・・・。」


気が付くと、麻琴ちゃんは俺の顔をじーーーっと見ていた。



「ん?どうしたの?」

「えっ!いや、カッコイイなぁーって。」


はっ!?カッコイイ〜〜!?

っていうか、最近おかしいよな〜。

中学まで告られた事もなかったのに

愛ちゃんとか麻琴ちゃんとかに、カッコイイとか言われちゃってさ〜

いや、そりゃぁ嬉しいけどさ。



「吉澤先輩は・・・」

「え?」

「愛と付き合ってて、どうですか?」



突然の質問に少し意味を考えてしまった。


・・・・?


「どうって、別にフツーだよ。うまくいってると俺は思ってるし。」

「・・・・そうですか。」


「・・・・?」


「あ、いえっ何でもないです。」


麻琴ちゃんは顔色を変えて、すぐに笑った。


俺もそれに安心して笑顔になる。



「そう?じゃ、俺もどんね。ばいばーい。」
162 名前:とみこ 投稿日:2002年03月12日(火)15時36分49秒

帰り道、愛ちゃんの携帯にメールをいれた。


【早退したんだって?お大事に(>_<) ひとみ】


送信っと・・・


画面では紙飛行機がピューっと飛んでいく。


メールってホント便利。


気持ちをこの紙飛行機にのせて一瞬で運べるから。







〜〜♪

少したってから、メールが返ってきた。


【だいじょぶですよぉ〜。心配おかけしました(^o^)】


そのメールを見て、少しホッとした。

お見舞いに行こうと思ったけど、気使わせちゃ悪いから

今日はまっすぐ家に帰ることにした。
163 名前:ななし 投稿日:2002年03月12日(火)20時44分22秒
高橋、なんかあるのかな…
気になるです。
164 名前:モバイルとみこ 投稿日:2002年03月12日(火)23時05分42秒
>ななしさん
今回の高橋は極秘プロジェクトで…(え
よしこと付き合い始めたわけとは??
待て次回!(逝け
165 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)17時32分16秒
家の前につくと、制服姿のひとりの女の子が立っていた。


うちの制服・・・ネクタイの色が紺だから、中3かぁ。



あれ?どっかで見たような・・・・



「麻琴ちゃん?」


「あ、吉澤先輩!」


「どうしたの?」


そう聞くと、麻琴ちゃんは複雑な表情で何かを言おうとしていた。


何度も口を動かしては、あのっ・・・と言ってどもってしまう。



「・・・あのっ、ずっと言えなかったんですけど・・・」
166 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)17時37分53秒


「愛は・・・・っホントは市井先輩が好きなんです。」








突然吐き出された言葉は、俺にとって信じられない言葉。


信じない言葉だった。



「・・・・どういうこと?」



いらない想像だけが頭の中に広がっていく。


・・・俺を付き合ったけど、紗耶香のことが好きになったとか

・・・俺と紗耶香、2人とも好きになってしまったとか。




・・・




「愛は、市井先輩と仲良くなるために・・・吉澤先輩と付き合ったんです。」




急に、身体に重みがかかったように気持ちが沈んでいく。



わけがわからない。


だって、想像していたことがすべて、


【ハズレ】にあたるから。
167 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)17時40分04秒


「俺を・・・・利用したってこと?」








「そう・・・らしいです。」



結局は


俺を付き合ったけど、紗耶香のことが好きになったわけでもなく、

俺と紗耶香、2人とも好きになってしまったわけでもなかったのだ。







初めから紗耶香が目当てで










俺を、利用した。



俺の気持ちを、もて遊んだ。










それでも心のどこかでまだ愛ちゃんを信じていて







まだ、愛ちゃんを愛している自分は















哀しい人間ですか?
168 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)17時43分28秒



下を向いて、顔を上げようとしない俺を見て


麻琴ちゃんは心配そうにしていた。






「俺・・・・愛ちゃんのこと好きになりかけてた。」







「なのに・・・っ」



目的は、紗耶香ってわけ?







「吉澤先輩・・・・」









「ごめん、こんなこと麻琴ちゃんにいうことじゃないよな。」


「いえ・・・・」


「ほんと、なさけねー・・・・俺。」


――――――――













「あたしは、吉澤先輩が好きだから。」















「・・・・え?」
169 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)19時04分44秒


突然の告白に、戸惑うこともなく・・・少し、嬉しかった。


傷ついてる時の告白ってすごい嬉しいって、よく言うけど。


マジかも。








「ずっと好きだったけど・・・・いきなり愛が告白して、OKされたって聞いて、その時はしょうがないなって思ったんです。」



「・・・・・・。」



「だけど・・・・それは吉澤先輩を利用していただけって知って、自分と吉澤先輩がどーこーっていうより、愛が許せなかった。」



黙々と話しつづける彼女の目からは、光る涙。

ポツリ、ポツリ、とアスファルトを濡らす。




「だから、愛は吉澤先輩を利用してたって事を・・・言いたかっただけです。」

170 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)19時07分25秒


俺は、どうしてこのコを好きにならなかったのだろう。



麻琴ちゃんは、すごい・・・辛かったはずなのに



好きな人が、友達に騙されて付き合ってる・・・・・


そんなの、俺だったら見てられない。





だけど、麻琴ちゃんは俺に教えてくれた。



友情を捨ててまで・・・


自分の恋を捨ててまで








俺のために――――――
171 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)19時12分08秒




「麻琴ちゃん、俺・・・・」


「・・・・っいいんです。あたし、先輩を好きでいるだけでいいです。」






・・・・麻琴ちゃん・・・




「俺・・・ずっと前から好きな人がいて、でもその人は振り向いてはくれないんだ。」


「・・・・・?」



「でも俺、もう諦めない。その人を好きでいつづけるつもりなんだ。」






麻琴ちゃんは少し不思議そうな表情をしてから


安心したように笑った。




「絶対、その方がいいですよ。好きってことが・・・大切なんです。」




「・・・そうだな・・・・ありがとう。」







俺がもし



紗耶香を好きになってなかったら




紗耶香に出会わなかったら・・・











麻琴ちゃんみたいな人と、出会いたかった。
172 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)19時29分34秒
次の日、俺は愛ちゃんの家に寄らずに学校へ行った。



――――――


「ひとみ先輩!」


少し遅れてきた愛ちゃんと、下駄箱で会った。



「今日、どうしたんですか?先行っちゃって。」


「・・・・・・・。」



そのまま冷たい目を向けると、スッと歩き出した。




「ひとみ先輩??」










ピタッと足を止め、今度は笑って彼女を見た。





「おれ、もう疲れたわ。別れよう。」



愛ちゃんは「え?」という表情で俺を見上げていた。
173 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)19時32分14秒
「ど、どうしてですか??」



事実を知った俺にとって、彼女の表情を見ていると腹が立った。


【知らないふり】をしているのがわかるから。余計、嫌になる。






「もうわかったでしょ。俺と付き合っても、紗耶香はアンタなんか相手にしないよ。」



「・・・・・・・え?」











「どうですか?俺と付き合って楽しかった?」



そういってニヤッと笑うと、今度こそ・・・歩き出した。


もう、止まる事はなかった。


174 名前:とみこ 投稿日:2002年03月13日(水)19時33分57秒

真希視点に戻ります。
175 名前:ななし 投稿日:2002年03月13日(水)22時18分59秒
な、なるほど…
176 名前:ルパン4th 投稿日:2002年03月13日(水)23時11分39秒
こちらこそレス遅れてすみませんでした。
愛ちゃんにこんな魂胆があったなんて…
真希と紗耶香の関係も気になる〜
177 名前:とみこ 投稿日:2002年03月14日(木)08時09分58秒
>ななしさん
>な、なるほど…
こういうこっちゃだったんですよ。^^
連続レス嬉しいです。

>ルパン4th
>愛ちゃんにこんな魂胆があったなんて…
よすこの切ない気持ちを表せたでしょうか・・・?(汗)
>真希と紗耶香の関係も気になる〜
私も早く書きたいです!ウズウズっっ
でも今からガッコ行ってきます。
178 名前:とみこ 投稿日:2002年03月14日(木)16時06分10秒
>>177

ルパン4thさん、「さん」付け忘れました。
ホント申し訳。
179 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月14日(木)17時53分22秒
けど、もしかして小川のたくらみだったりして?
楽しみにしてます!
180 名前:カム 投稿日:2002年03月14日(木)20時21分55秒
ども!読ませていただきました。
なんつーか、イチイちゃんが素敵過ぎる〜
遊び人で女慣れてそうなのに、弄ばれてるよっすぃが不憫で…
イヤ!薄幸なよっすぃなんて悲しすぎるぅ〜!!
ヒソーカにモテヨッスィーのフカーツに期待してみたり…
181 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)16時20分54秒
>名無しさん
>けど、もしかして小川のたくらみだったりして?
あなたの推測はするどいけれど、それはないわ(`.∀´)
じゃなくてないですね。これからはまた三角関係に戻るかな?

>カムさん
イチイちゃんステキでしょ?でしょ?
すっごくすっごくクールなキャラ設定なんです^^
ヨスコは遊び人で(だけど女慣れはしてない)んですよ。

>ヒソーカにモテヨッスィーのフカーツに期待してみたり…
どうでしょう・・・フカーツさせようかなぁ
182 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)16時31分42秒
(真希視点)


大波乱は過ぎた・・・と言えるのだろうか。



【おれはもう・・・いいから。】



ひとみのあの言葉には、きっとすごく意味があったと思う。


だけど・・・・愛ちゃんだっけ?

あのコと付き合ってから、ひとみ楽しそうだったし、

あたしも・・・市井ちゃんとがんばるし、










だけど










これでいいのかなって・・・思う。
183 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)17時52分57秒

お昼休み―――――


あゆみが委員会なので、中庭のベンチにひとり腰掛けてお弁当を食べていた。







ひとみは愛ちゃんとうまくやってんのかなー・・・

あたしは最近進歩ないけど。


あは。


・・・・・


その時、校舎の方からひとりの男子がポツリポツリと歩いてきた。



あの金髪からして・・・・・・・・どうやら、ひとみのようだ。




「ひとみ・・・・?」



ひとみはずっと下を向いていて、くらーい雰囲気を放っていた。

また演技か・・・?と思ったけど、反応のないひとみが心配になって近づいた。






「どうしたの?元気、ないじゃん・・・。」










ひとみは聞こえないくらいの声でため息をつくと、



ぽふっ・・・とあたしの肩に顔をうめた。







「ひとみ・・・・?」
184 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)17時56分21秒

自分より少し背の高いひとみの体重を肩に感じる。



金髪から少しのぞく瞳には、涙が光っていた。



「どうしたの・・・?大丈夫?」



「・・・・真希・・・・」






あたしはひとみの頭を肩に乗せたまま、




ギュッと身体を抱きしめた。









安心したのか、彼はまた涙を流した。
185 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)18時01分49秒

ひとみを抱きしめている腕に、ひしひしと哀しみが伝わってくる。





「・・・何があったの?話して・・・いいよ?」




あたしがそういうと、ひとみは口を開いた。




「・・・・おれ、愛ちゃんに騙されちゃってたっぽい。」



「・・・・え?」


「愛ちゃんさー・・・・紗耶香が好きなんだって。」


「いちーちゃん・・・・が?」



「うん。紗耶香と近づくために・・・・俺を利用したんだぁ。」





なぜか、彼はフッと笑っていた。


開き直ったというよりは、



わけがわからなくて、感情がコントロールできなくなったという状態だ。






「おれ・・・・やっぱ紗耶香好きだから・・・・付き合うんじゃなかった。」




そうだよ・・・




ひとみ、あんたはあたしに市井ちゃんを譲ったけど




本当は、好きで、好きで、しょうがなかったんでしょ・・・?



あたしだって、ひとみがいなくて寂しかった。



【ライバル】だったのに



ライバルがいなくなって悲しいなんて、おかしいかな?
186 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)18時04分07秒


でもあたしたちは・・・・まだ子供だから――――




この感情はまだ



理解できない。




本当に好きなのは誰・・・・?



――――――



「真希・・・・」

「ん?」






「ありがとう。」







「うん・・・。」
187 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)18時06分59秒
放課後、掃除が終わって教室を出ると市井ちゃんにばったり会った。


「あ、いちーちゃん!ばいばーい。」

「おー。」


・・・・


「あ、真希。」


「へ?」



「一緒、帰る?」


「え・・・・」



うそ・・・

いちーちゃんから誘ってくれてる・・・?



「ひとみも一緒だけど。」


ギクゥゥゥゥッッッ!!!


ちょい気まずいんじゃないかなーそれは・・・







だって、今日抱きしめちゃったし。



ヤバイッヤバイヤバイッ
188 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)18時10分31秒


――――――



想像していた通り、やっぱり気まずい雰囲気。



市井ちゃんをはさんで、あたしとひとみが両端にならんで歩いた。



あいかわらず市井ちゃんは喋らないし、


いつもならおちゃらけてるひとみも、今日だけは静かだった。


そして・・・体温調節ができない自分・・・・トホホ。







ピタッ



その時、突然市井ちゃんが足を止めた。




「どうしたの?いちーちゃ・・・・」











目の前にいたのは








「真里・・・・」



189 名前:夜叉 投稿日:2002年03月15日(金)18時39分56秒
しばらく来れない間にぐるぐる回ってる(^^;;
高橋の件は、ほんとにそうなのかな…と思いながら、小川の件もほんとにそうなのかな…と思いながら。
三人もぐるぐる回ってるし、知も出てくるし。
次の展開が気になります。楽しみにしてまっす。
190 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)19時07分36秒
>夜叉さん
>しばらく来れない間にぐるぐる回ってる(^^;;
ぐるぐるっすか?!(w
いやー高橋・小川は解決!
まだ新メンをメインにするのはちょい早いかなぁ〜と^^;

さぁ、今から(´Д`)さやまり(`.∀´)がはじまりまっせ!
191 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)19時16分05秒

「真里・・・・?」



ドキッ


「やっほー!またみんなに会いたくなって来ちゃったよ〜!」


そういってテクテクこっちに歩いて来た。



「紗耶香。」

「・・・・・。」

「元気だった?ん、ちょっと大きくなったか?」



バシッ




やぐっつぁんが市井ちゃんの肩に触れると、


市井ちゃんはその手を思いっきりはたいた。




「触んなって。」





市井・・・ちゃん?






ひとみはその様子を当たり前のように見ていた。



「おれ帰るわ。」



――――――



そこには、あたしの知らない世界があって






あたしは弱くて



いちーちゃんのあんな顔見ただけで足がすくんじゃって



その場にいたくなくてしょうがなくて









なんでかな



恋愛するのってすごく楽しそうで、ずっと憧れてて




だって、今まであたしの目に映ってた人達は



みんな笑ってたし、幸せそうだったし――――














でもきっとみんな









色々あるんだろうな


・・・・・・・・
192 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)19時21分11秒

市井ちゃんが帰ってしまってから


あたしとひとみとやぐっつぁんは、近くの喫茶店にいった。


――――


「なんだよぉ、紗耶香のヤツ。手はたくことないじゃんかぁ〜。」


やぐっつぁんはさっきのことで、市井ちゃんの事をハキハキ言っていた。


「ね!!ひどくない?」

「あわっ・・・ね!って言われても・・・ひとみもあんたなんか言いなさいよっ。」


あたしはただオロオロひとみに話をふることしかできなかった。


「だって見た!?あの獲物をハイエナに獲られたようなライオンのよーな顔!!」






すごい・・・


あたしだったら市井ちゃんにあんな態度とられたら



泣くだろーな・・・・

193 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)19時29分35秒

「矢口先輩。紗耶香の悪口そのへんにしといて。」


黙っていたひとみが言い出した。


「え、なんでよ。」


やぐっつぁんの視線は、ひとみからあたしへと移された。










「キャ―――――!!!ゴッツァン、まさかあなた紗耶香のことを・・・!!?」


「・・・・はい。」


「そういうことは早く言ってよ〜!!紗耶香の悪口ばっか言っちゃったじゃん!!」


そう言いながらやぐっつぁんは小さくなった。



「あ、ってことは・・・・」







「あたしってちょっとやなキャラ?」

「すみませa?
194 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)20時23分13秒
うわっ文字化け!?!??

>>193の途中から書きます。




「キャ―――――!!!ゴッツァン、まさかあなた紗耶香のことを・・・!!?」

「・・・・はい。」


「そういうことは早く言ってよ〜!!紗耶香の悪口ばっか言っちゃったじゃん!!」


そう言いながらやぐっつぁんは小さくなった。



「あ、ってことは・・・・」







「あたしってちょっとやなキャラ?」

「すみません、水おかわりください。」
「(ひとみ、ナイスはぐらかし!)あ、あたしもっ!!」






「あ、でも!あたしと紗耶香はもう何もないから。気にするな?」


「え・・・・?」



そういうとやぐっつぁんはニコッと笑った。




「がんばれ、ごっつぁん。」

―――――







明るくて

やさしくて

強くて―――



あたしはずっと、こんな人になりたいと思ってた。
195 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)21時00分06秒

「また遊んでね!うちの女子校ヒマでさ〜。キャハハッ」


「おぅ。またな。」

「ばいばい。」










「紗耶香によろしく・・・・・・・ってやっぱ言わなくていっか。」







「じゃーね、ヨッスィ・・・ごっつぁん。」


196 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)21時03分12秒

「帰ろっか、真希。」

「・・・う、うんっ。」


ひとみの背中を見つめながら、夕暮れの家路を歩いていた。



「ねぇ、ひとみ。」

「ん?」

「あの2人がどうして別れたか・・・聞いちゃダメ?」



ひとみはフッと振り向いてから、また前を向いてしまった。



「あの2人はもう別れて何もないんだから。真希は知らなくていいんだよ。」



はーい・・・・わかってますよ。








「真希ってさー・・・紗耶香のどこが好きなん?」

「え・・・・?」

「いや、聞いた事ないからなんとなく。」




いちーちゃんが好きな・・・理由?
197 名前:とみこ 投稿日:2002年03月15日(金)21時10分25秒


「ひとみ・・・あたし中学ん時ね、」

「ん?」

「すっごい!!!!地味だったの!!!」


あたしの大声に、ひとみは一瞬ビクッとした。


「今、やっと普通になったの・・・・。」


「・・・・・へぇ。」



「クラスの人とか、好きな人にもバカにされて。すごい嫌な思いしたんだ。」


「は?・・・・何それいじめ?」

「人はそう呼ぶよね。」


あたしがサラッと言うと、ひとみは目を見開いて黙った。



「それ、紗耶香知ってんの?」

「うん。」



ひとみの声はだんだん小さくなって、寂しい表情になった。



「今まであたしのこと見てくれる人いなかった。」









「けど、市井ちゃんは見てくれるから。」













「そっか・・・・」












【俺はもう・・・いいから。】













ひとみ・・・・・
198 名前:夜叉 投稿日:2002年03月16日(土)20時12分33秒
ふう…、ちっと手に汗握ってしまいましたがな(笑)。
でも、知のキャラはさばさばしてていいかも。何があったのかは分からないけど(^^;;
吉の気持ちは一体…。
199 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月16日(土)20時44分02秒
これは・・・り○んの漫画ですか?
200 名前:とみこ 投稿日:2002年03月17日(日)09時29分03秒
>名無しさん
あれ?書きませんでしたか?
あと、「愛しかいらない」という小説です。
201 名前:とみこ 投稿日:2002年03月17日(日)09時31分20秒
>夜叉さん
うむうむ・・・この知キャラ好きなんです^^
知を尊敬するゴッツァンも書いてみたり。
吉と市井さんの気持ちも少しずつ明らかに。
202 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月17日(日)15時49分35秒
ぱくり?
203 名前:とみこ 投稿日:2002年03月17日(日)20時21分06秒
しばらくsageます。いい具合にsagaったらまた・・・
204 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月18日(月)20時11分38秒
これの原作マンガ好きなんで期待してます。
頑張ってください。
自分的に、ココの小川ちゃんのキャラがかわいい・・・
もう1回出たりはしないですか?
205 名前:とみこ 投稿日:2002年03月22日(金)20時14分58秒
翌朝――――



ドカッ



部活に来た市井ちゃんは、荷物を乱暴に置いた。



見たこともない、暗い顔で。

「あ・・・おはよ。」


「・・・うん。」



そういうと、目も合わさずに教室を出て行った。

あたしはすぐに追いかけて廊下に出た。


「市井ちゃん!どこ行くの?始まるよ?」

「悪いけど今・・・」














「ついて来ないで。」















「真希。」



ハッと我に返ると、横にはひとみが立っていた。
206 名前:とみこ 投稿日:2002年03月22日(金)20時18分02秒

「何、なんかあったの?」


「・・・ん、何でもない。」





何もなくて




淋しくなった。








(ひとみ視点)


真希の様子が変だった・・・・



いつものことだけど



今回は、真希を助ける事はできない。



紗耶香も、苦しんでるから。


――――屋上



「紗耶香。」

「・・・おー。」








「紗耶香さ、矢口先輩とちゃんと話してくれば?」


「・・・・・・・・。」


「真希は、紗耶香たちが付き合ってたこと知ってるんだから。」


「・・・・・・うん。」



「紗耶香がちゃんとしないと、真希が不安になる。」



207 名前:とみこ 投稿日:2002年03月22日(金)20時23分04秒
(再び真希視点)



「真希。」


――――え? 



「は、はい!?」


「今日・・・真里と話しに行くから。気になんだったら一緒に来ればいいし。」




う・・・そ・・・








下駄箱――――



「ひとみっっ!!!!」

「うわっわっな、なんだよ!?ビビったぁ〜!」




「今日・・・市井ちゃんがやぐっつぁんに会いに行くんだって!」

「・・・で?」


ひとみは呆れた顔で見ていた。


・・・・おみとおしですか。


「ひとみも行こう!!」

「やっぱり・・・なんで真希ちゃんはいつも俺を巻き込むかなー・・・」



なんだよ・・・あたし。



なんか、いっつもひとみに頼ってんなー・・・




「だって・・・なんか、不安だ。」



あたしがそういうと、


意外にも困ったような笑顔をした。



そして、あたしの頭をそっとなでてくれた。

208 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月22日(金)23時56分44秒
真希の側にいつもいてくれるひとみの存在って・・・。
そして、紗耶香と真里との話し合いが気がかりです。

>とみこ さん
こちらで書かれていたのですね。
今更ながら読ませていただいております。
209 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)08時39分16秒
>M.ANZAI様

レスありがとうございます^^
この作品を最後に、しばらくとみこは消えます。
名前を変えてどっかで書くかもしれないんで
とみことしてではなく、見つけたら応援してください^^
210 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)08時44分25秒
放課後―――

あたしとひとみは、やぐっつぁんの学校に向かう市井ちゃんのうしろについていった。


学校に近づくと、ちょうど下校中のやぐっつぁんがこっちに気付いた。


「あー!!みんなどーしたの?こんなとこで!」


やぐっつぁんが走ってくる間に、市井ちゃんはすぐに言葉を吐いた。


「真里・・・・ちょっと話あんだけど。」



「・・・真希、行こう。」

「う、うん・・。」


あたしとひとみはそっと後戻りして様子を見た。
211 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)08時48分37秒

「で、何?話って・・・。」


かすかに聞こえる2人の会話を、一生懸命聞き入っていた。


「俺は・・・・・」


「・・・・?」



「お前と何もなかったみたいに普通に話したりできないから。
もう学校とか来ないで。困るし。」













「もう・・・・会えない。」




市井ちゃんのひとことで、やぐっつぁんは目を泳がせていた。

動揺を隠しくれてないみたいに。


・・・


「あー・・・なんかさ、ヨッスィにあって懐かしくなっちゃってさ。
紗耶香も元気かなー?って思って行ったんだけどさ。」


「・・・・・。」



「そーだよね。ごっつぁんもいるもんね。わかった。もう会いにいかないから。」

212 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)08時51分14秒

なんか・・・・あたしが市井ちゃんを困らせてる。


昔の彼女を忘れらんないのはわかるのに・・・・

わかってるのに・・・・・・


あたし、めちゃめちゃやぐっつぁんに嫉妬してた。







「真希。」

「・・・・ひとみ・・・。」


「大丈夫、紗耶香はもう矢口先輩には会わない。」


「へ・・・」


「その方が真希もいいっしょ?」



・・・・そだけど・・・
213 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)08時56分08秒
「じゃぁ・・・あたし帰るね。みんな元気でね!」






「ばいばい、ごっつぁん。」





「・・・・・うん。」



やぐっつぁんは・・・・・・なんて強いんだろう。


あたしだったら、こんな状況耐えられないよ・・・


―――


パッパーッッ


その時、突然車がすごい勢いで走って来た。


「わっ」






「な、なにあれー!こんな狭い道を・・・あぶな・・・」


あたしが言いかけたとき、目に入った光景――――


切なさと、悲しさが入り混じっていた。

214 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)08時59分42秒

車をよけたやぐっつぁんが、勢いあまって市井ちゃんの肩に倒れこんでいたのだ。


こっちから見れば・・・抱き合ってるように見えてしまった。



「真里・・・・大丈夫かよ。」


「あたた・・・大丈夫。びっくりしただけ。」



その時、市井ちゃんの視線は自分の制服の襟に移った。


「・・・・・・っ」



市井ちゃんの襟を掴んで自分の体を支えているやぐっつぁんの手は


小さく震えていた。



それは・・・・車が怖かったわけじゃない。



・・・市井ちゃんと別れるのが・・・辛いから。



市井ちゃんには見えてるよね・・・



やぐっつぁん、泣いてるよ?
215 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時03分22秒
「・・・ごめんっ」


そっと手が離れた瞬間、

もうやぐっつぁんは笑顔をつくっていた。






「ばいばい。」


――――



「・・・・市井ちゃん・・・?」



ピクリとも動かない市井ちゃんの顔をのぞくと、


後悔の度を越えて震えていた。






あたしは急いでやぐっつぁんを追いかけた。
216 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時06分17秒

その頃―――


(ひとみ視点)


「真希、行っちゃったね。矢口先輩のとこ行ったのかな。」


「・・・・・・。」


紗耶香はまったく反応しなかった。



「紗耶香・・・。」


「・・・・・・・。」




【市井ちゃんは、あたしのこと見てくれるから。】



真希、それは・・・・・違うかもしれないよ。






「ずっと考えてんの誰のこと?」



「・・・・・え?」



「真希じゃないんじゃないの。」



そういうと紗耶香はまた下を向いて

右手で髪をクシャッとした。
217 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時09分42秒

(真希視点)



「やぐっつぁん!!」



やぐっつぁんは、近くの公園のベンチに座って泣いていた。






「・・・ごめんね。あたし、まだ紗耶香のこと好きなんだ。」


「・・・・・・。」



「昨日だって紗耶香に会いたくて行った・・・っ」













「紗耶香に会いたいから・・・っ」








あたしはなんで

やぐっつぁんのこと強いなんて思ったんだっけ。



ほんとは弱いから強くなろうとするんだって









あたし、知ってるよ――――




やぐっつぁんに泣かないでほしくて


がんばってわけわかんない言葉並べて





















自分の恋が終わるような気がしてたんだ―――――――
218 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時15分47秒
ほんとは、悲しい気持ちでいっぱいになったけど


やぐっつぁんが泣いてるから



あたしは泣いちゃいけないと思った。







「・・・・大丈夫?」



「・・・・・っあー・・・・もうなんかカッコ悪い。泣くなんて。」


「・・・大丈夫だよ。だったらあたしいっつもカッコ悪いもん。」


「・・・・・・。」





「でもやっぱごめん・・・ごっつぁんに言うことじゃないな。」


「・・・・・やぐっつぁん・・・」



【あたし・・・まだ紗耶香のこと好きなんだ・・・】





あたしだって市井ちゃんが好きで・・・



市井ちゃんの優しいとことか


笑顔とか


キスとか・・・・



大切な想い出があるけど・・・・








やぐっつぁんにも、あるんだろーな・・・。



「ねぇ、なんで市井ちゃんとこんなことになっちゃったの?」


「・・・・え?」


「ひとみは教えてくんなかった。」





「私が悪いんだよ。」
219 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時19分35秒

(真里視点)


中3の時、あたしと紗耶香は同じクラスで、

紗耶香と仲がいい2つ年下のひとみとも仲良くなった。






―――あたしは、紗耶香が好きだった。




「あたし、紗耶香のこと好き!!」







「・・・・え?」




「だから・・・・好き・・です。」










「あー・・・・」













「うん、ミートゥー。」




え・・・何、ミートゥーってことは・・・




やだ・・・・うれしい・・・



うれしくてうれしくてしょうがなかった。

220 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時21分58秒
「ヨッスィー!!ヨッスィー!!」


「うぉっ矢口先輩!?どうしたんすか?」



「やったよ!!紗耶香と両思い!!」


ひとみは目を見開いた。




「・・・っまじぃ!?」


「うん!!」



・・



「よかったね。」



そういって、ヨッスィーはすっごい優しい笑顔で笑うのだった。
221 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時27分16秒

ある日、あたしは友達と廊下を歩いていた。



どんっ


「わっ」



「うざい、消えろ。」



・・・・え?



今、あたしに言った?


「うわー・・・こえー。」

「わざとだよー今の。」


友達が口々に言うのだった。



「北村さん、市井くんのこと好きなんだよー。気をつけなよ、真里。」

「・・・そーなんだ・・。」


それからもいじめは続いた。



「あれ、ふでばこ・・・」

「ないの?」



まさかと思ったけど、あたしは教室のゴミ箱を見た。



「・・・うわー幼稚。」

「絶対北村さんたちだよー」


カッターでギタギタにされたふでばこが、ゴミ箱に捨てられていた。



「ねぇ、市井くんに何か言ってもらえば?」

「そーだよ、そしたら北村さんたちもやめるんじゃん?」















「やだ!!紗耶香には・・・・言わない。」

222 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時30分38秒
「ヨッスィー、紗耶香ー!」


お昼休み、テラスで話している2人のところへいった。


「うぃー。」


あたしが行くと、ヨッスィーは立ち上がった。


「あれ、ヨッスィもう行くの?」


「うん、黒板係だから。」

「ふーん。」







「あ、そうだ!進路希望の紙出した??」

「いや、まだ。」




「来年は高校かー・・・」


「だな。」





「一緒の高校行きたいね。」






「な―――。」





優しい紗耶香が、大好きだった。
223 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時35分46秒
だけど、悲劇はまだまだ続いた。



下駄箱掃除の時だった―――



「うぜぇ、どけよ!ホーキ取れねーだろ!!」


・・・・北村さんだ・・・




「学校でイチャこいてんなよー」

「キモイよー。」


北村さんの仲間が口々に言う。



「・・・・・・いいじゃない、付き合ってんだから。」


「・・・・・は?」



「あたしは紗耶香にちゃんと気持ち伝えた。
北村さんみたいに何も出来なくて、こんなずるいことしてない!!!」






「はい、以上?」





北村さんの方を振り向くと、


跳んできたのは握られた拳だった。


「うるせ――――よ!!」




ガッッ




持っていたホーキが、カタンという音をたてて床に倒れた。



「それ以上つべこべ言ってっと、殺すぞテメェ。」

224 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時38分32秒

その時、ちょうど友達がこっちに歩いて来た。



「え・・・・」

「・・・・真里?」



「助け・・・て・・・」



「見てんじゃねーよ!!」

「てめぇらもボコられてーのか!?」


北村さんたちの言葉に、

彼女たちは怯えた表情になった。






そして次の瞬間、









あたしの前を素通りした。





なんで・・・待って・・・





「あれぇ?お友達じゃなかったっけ?ははっ」



「バーカ。」











なんで・・・




なんで・・・














なんで・・・・!!!!
225 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時42分22秒

教室へ戻ると、紗耶香が待っていた。



「あ、来た。そうじ長くね?」





「・・・・紗耶香・・・」



「ひとみが、付き合ってる2人は一緒に帰んだって。そーなん?」



「・・・・・・・。」















「おまえ・・・何それ。」






「顔・・・」


紗耶香は殴られたあたしの頬に手を当てた。




「さわんないでっ!!」



「・・・・・・」


「・・・さわん・・・ないで・・・」







「誰だよ・・・」






傷つけられる



失う・・・・



「紗耶香といるから、あたしこんなことされる・・・もういい・・・・」

















「紗耶香なんか好きになるんじゃなかった!!」



あたしは小さくて


辛い事全部抱えきれなくて・・・・
226 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時45分10秒

(真希視点)


「それから紗耶香とは話さなくなったんだ。」



やぐっつぁんはそれでも笑っていた。


強く、なろうとするから。





「―――――・・・。」


「・・・ごっつぁん?」


「ごめん、あたし・・これ以上やぐっつぁんと市井ちゃんの話に首突っ込んじゃダメだ。」


「・・・・・・?」





「だから・・・自分の気持ちは、自分で伝えて。」















「・・・・・・うん。」
227 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時50分13秒
「真希。」


「ひとみ・・・市井ちゃん・・・まだいたの?」


「矢口先輩は・・・帰ったの?」


「・・・・うん。」



市井ちゃんはスッと立ち上がった。



「帰ろ。」




「待って!!!」



大声に振り向くと、やぐっつぁんが歩道橋の上にいた。




「あたし・・・紗耶香のこと好き!!!」



・・・やぐっつぁん・・・






ちゃんと、伝えられたんだ・・・




「・・・好きです。ごめんね、紗耶香、ごめん。
あたしまだ、紗耶香のこと全然忘れらんないよ・・・・」






市井ちゃんは、軽い気持ちの女の子がキライ。



でもあたしの話は聞いてくれた。


やぐっつぁんと同じ、暗い過去があるから。



市井ちゃんはあたしのことほっとけず、

ずっとそばにいてくれる。


―――やぐっつぁんのことは、守れなかったから。





市井ちゃんは・・・「ちゃんと想ってるから」って言ってくれた。







けどそれは同情で・・・―――――









恋愛じゃないよ。

228 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時53分17秒
「いきなよ・・・あたし、大丈夫だから。」



そういってあたしはグイグイ市井ちゃんの背中を押した。



「あたし大丈夫だからっ。だからいって。はやく。」




「真希・・・」


ひとみが心配そうに名前を呼ぶ。








「・・・ごめん。」



そういって市井ちゃんはあたしに背を向けた。




やぐっつぁんを、もう一度、助けるために。







やだ・・・・・いかないで


ほんとは・・・・






いかないで・・・!!


229 名前:とみこ 投稿日:2002年03月23日(土)09時56分41秒

ひとみとあたしは、その場に残されてしまった。



「・・・・・・・っ、―――――・・・っ」



あたしが泣くから、またひとみを困らせる。


ひとみは・・・・・・・



ひとみは今、どういう気持ちなの?






「なんかさー、おれらって」


「・・・・?」



「好きなのに誰かの背中押して、想ってないこと言ってあきらめて・・・・・・」





ひとみ・・・







「なんか・・・・・ばかみてぇだな。」










自然とつながる手の平。

























あたしたちは、悲しくて切ない、








だけど、暖かい涙を流したんだ。








―fin―
230 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月23日(土)22時52分16秒
相手を思えばこそ、相手の幸せを願えばこそ。
たとえ自分に返ってこなくても・・・。

>この作品を最後に、しばらくとみこは消えます。
えっ!?そうなんですか。
別のHNで書かれてもそれとなく判る様にしてくださいね、
また見逃してると申し訳無いですから。
231 名前:とみこ 投稿日:2002年03月24日(日)09時12分40秒
>M.ANZAI様
>相手を思えばこそ、相手の幸せを願えばこそ。
>たとえ自分に返ってこなくても・・・。
どうしてそんなに表現力豊かなんですか(w
かなり見習います・・・ハイ。

ps なんとなくわかるHNで書きたいと想います^^
232 名前:夜叉 投稿日:2002年03月25日(月)16時47分22秒
作者様、お疲れさまでした。
知にもいろんな過去があったんですね。吉とごっつぁんは自らを退くことで終止符を打つ。
難しい選択ですが、それもまたありですね。

しばらくROMられるとのこと、さびしいのですが、また書いてくださいね。
有難うございました。
233 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月27日(水)11時35分46秒
お疲れ様でした。
1番つらい思いしてたのは後藤でもなく矢口だったのかもしれませんね。

作者さんがよければ、そんな矢口がやっと市井と幸せになった後日というか番外編を見たいのですが……
234 名前:とみこ 投稿日:2002年03月29日(金)12時29分31秒
>夜叉さん
ありがとうございます^^
思い起こせばいつも私の小説にレスしてくださって・・・本当に嬉しいです^^
ROMってる今は、小説の下書きしてます。
そのうちどこかにかける作品になればいいなぁと思っております。

>名無し読者さん
感想ありがとうございます。
番外編ですかー・・・一応今は新作の下書きに集中してるので、
下書きが終わった時、まだこのスレが存在してれば書きたいと思います。

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