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『あたって砕けない恋の話』

1 名前:無名作者 投稿日:2002年02月20日(水)20時36分54秒
ベースはいしごま(の予定)です。sage進行でマターリ書いていきます。

〈注*1 石川梨華は常に真剣です〉
〈注*2 後藤真希は毒舌です〉
〈注*3 吉澤ひとみは苦労人です〉
2 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月20日(水)23時27分16秒
いしごま♪
期待です(w
3 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年02月21日(木)00時26分05秒
はげしく期待しています。
頑張ってください。
4 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月21日(木)21時17分10秒
毒舌ごちむに期待!
5 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時21分46秒


 〜 梨華の独り言 〜

 
 あの日、あの時、あの場所で。
 あたしと彼女の、世に稀なるラヴ・ストーリーはこうして始まったんです。
 

6 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時22分47秒



 恋をした。初めて。
 好きになった。女の子を。


 高校は女子高で、出会いなんて期待しちゃいなかったんだ。
 だから、これからい ――――― っぱい合コンして、彼氏つくって、………
 なんて、考えていた矢先のことだったの。


 *****


 「あっ、あのっ、あのっ………あたし、あなたのこと好きになっちゃいました!」


 ***** 


 登校中の生徒が見守る中。
 あたしの一世一代の告白から、この大恋愛(!)は、幕を上げた。



7 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時23分35秒



 「2年1組出席番号2番、石川梨華!!
  ごっ、後藤真希さんのこと、ずっと前から好きなんですっ!!」


 ゆっくりと振り向く彼女。
 その表情に笑みは ―――― 当然、ない。それは予想した通りだわ。
 だって、あたしが高校の入学式で彼女を好きになってからリサーチした結果では、
 彼女が、後藤真希ちゃんが笑ってる姿なんて数えるほどしかないんだもの。
 
 
 そう、言ってみれば“孤高の人”なのね。
 …って、親友のひとみちゃんに言ったら思いっきり爆笑されたけど。
 『そりゃ〜梨華ちゃん、少女漫画の読みすぎでしょう!』

 失礼しちゃうわ。


 「…もしよかったら、あたしと……付き合ってくださいっ!」



8 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時24分37秒



 よぉし、(ちょっとどもったけど)ちゃんと言えた。
 昨日の夜から、ちゃーんと練習したもんね、何度も何度も。
 登校途中の彼女をつかまえて、ちゃんと聞こえるように大声ではっきりと!


 その後の彼女の返答も、( ひとみちゃんの協力を得て )パターンを考えてあるんだ。



9 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時25分20秒



 〜 梨華とひとみの後藤真希返事テキスト 〜
  
 @(後藤)「ごめん、他に好きな人がいるから」
  (石川)「……だったら、待つわ。あなたが振り向いてくれるまで……」
  (後藤)「(なんていい子なんだ、感動…)ありがとう。君のこと、好きになれそうだよ」
  (石川)「後藤さん……」

 ふふふふふっ

 A(後藤)「実は、今付き合ってる人いるんだ」
  (石川)「…そうなんだ…(涙をこらえて) あなたの幸せを祈ってるわね」
  (後藤)「(なんていじらしいんだろう…) やっぱり、君の方が可愛いよ」
  (石川)「後藤さん……」

 ふふふふふふっ



10 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時26分13秒



 B(後藤)「今、誰かと付き合う気ないんだ、ごめんね」
  (石川)「だったら、友達からでいいのっ。困らせてごめんなさい」
  (後藤)「(…奥ゆかしい子だな…) それじゃ、君のこと梨華ちゃんって呼んでいい?」  
  (石川)「…後藤さん……いいえ、真希ちゃん……」

 ふふふふふふふっ

 C(後藤)「ぐ、偶然だねっ!私も君のことが気になっていたんだ」
  (石川)「本当!?嬉しい……」
  (後藤)「じゃあ、今日から恋人同士だね、私達」
  (石川)「あたし、幸せ……ッ」


 ―――― 完璧っ! まさに完璧なシナリオだわっ!!
 まあ、あたしとしては、Cの通りに進んでくれれば1番嬉しいんだけど。
 @とかAとかでも、感動的なドラマがあっていいかもしれないな。
  


11 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時27分11秒



 「……あんた誰?」

 ――― う〜ん、それはちょっとパターンになかったなあって……え?

 
 目の前の彼女。後藤真希。
 胡散臭そうな目つきで、あたしを見てる。
 ………え、今の、あたしに言ったの? 『あんた誰?』って!?

 
 「悪いけどぉ。後藤、あんたみたいなキンキン声も地黒な人もやたら女の子っぽい人も
  好きじゃない」
 「………あの……」

 ――― 梨華、絶句。

 今の、本当にあたしに言ったの?
 キンキン声?地黒?……女の子っぽい?

 あたし……しかいないわね。




 
12 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時28分01秒



 「大体、後藤あんた知らないし」
 「…………」

 …知らないはずなのに。
 後藤さんてば、あたしのこと知らないはずなのにっ!!
 一目見ただけで、あたしの特徴をすばすば言い当てちゃうなんて……

 しかも、か、か、会話しちゃってるう〜っ!!すご ―――― い、梨華バンザイっ♪


 回りには、興味深深って感じの他の生徒さんたちがぞくぞくと集まってきてる。
 ( ひとみちゃ〜ん、どうしようっ?後藤さんと目が合っちゃったよぅはあとはあと
 あたしと後藤さんを中心とした輪を、1番近くから見守っているひとみちゃんに、目で
 そう訴えかけた。
 けど。

 ( あ〜っ、目、逸らすなんてひっど〜いっ!!)

 慌てて他人のフリして宙に視線を飛ばすひとみちゃん。
 ヤキモチ焼きなんだから、もぉ。



13 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時28分46秒



 「聞こえた?」
 目の前には、飄々とした表情であたしを眺める後藤さん。
 「聞こえました」
 何とか機械的に答えるあたし。

 「まぁ、そーゆうことで。この告白はなかったってことでね。じゃ」


 そう言い残して、颯爽と身を翻すかっこいい彼女。
 ああ〜……やっぱり素敵!素敵すぎる〜っ!


 …………。
 …あれ?
 この告白は『なかったことで』って言った?今。



14 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時29分39秒



 「いやあ〜、失敗だったねぇ、梨華ちゃん。やっぱり、あんな作戦で上手く
  いくとは思ってなかったけどさあ。でも万が一上手くいったら、アタシも
  同じ方法使おうかなーとか思ったり思ってなかったり…」
 「 ――― ひとみちゃん!!」
 「ハイ」

 生徒たちがなにやら口々に囁き合いながら三々五々散っていく中、へらへらと
 笑いながらあたしに近付いてくる、“一応”親友のひとみちゃん。
 その彼女の言葉を遮って、あたしは言った。


 「あのねっ、後藤さんがねっ、言ったの!!
  『この告白はなかったってことで』って、言ったの ――― !」
 「イヤ、ってゆうか聞いてたし……何でそんな嬉しそうなの?」

 「だからぁ、今回の告白は、後藤さん的にはイマイチだったのよ。彼女、クールっぽく
  見えて実はとっっても情熱的で、もっともっとロマ〜ンティックな告白を求めていた
  んだと思うのはあとはあと

 「……そうかなぁ」



15 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時30分34秒



 何故か不服そうな顔でひとみちゃんが首を傾けるけど、あたしは間違ってない!
 ってゆーか、そうとしか考えられないわっ!

 「ひとみちゃんっ、作戦の練り直しよ!」
 「………えー!? アタシもう降りるよ、降りる!!」
 「何言ってるのよぉ、ひどーい親友でしょー」
 「朝っぱらから他の生徒が見てる前で、フラれると分かってて告白する親友なんて
  いやだぁっ!!その道連れはいやだぁっ!!」

 フラれると分かってて、だなんて。


 「違うでしょ、ひとみちゃん。 今回は、たまたま後藤さんの趣味に合わなかっただけ。
  次の告白を待っててくれてるのよ?後藤さんは」
 「だから、それ絶対違うって ――― !」

 あたしが掴んだ腕を、必死になって逃れようとするひとみちゃん。
 もう、照れ屋さんなんだから。



16 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時31分28秒



 「やめてーっ!他人を気にせず常にマイペースで突き進む梨華ちゃんと違って、
  アタシはノーマルなの! 梨華ちゃんワールドに引き込むのはやーめーてー!」 

 「大丈夫大丈夫。今度はきっと上手くいくよ。だって、後藤さんはチャンスを与えて
  くれたんだよ? なかったことにしてくれるって。
  これはきっと、あたしに『もっと勉強していい女になって、もう1度ぶつかってこい!』
  っ言いたいのよ。これで逃げたら、後藤さんに失礼だわっ」

 
 そう、そうよ!
 後藤さんは、もっとあたしに研究する機会を与えてくれたんだから、その期待には
 答えなくちゃだわ。 ――― 梨華、ファイッ♪


 「……だからさあ、梨華ちゃんの解釈がまず間違ってると思うんだよね…。
  絶対、そういう意味で言ったんじゃないと思うんだよね……」

 あれ?ひとみちゃん、まだブツブツ言ってる。
 駄目だなあ〜、ネガティブは。もっと前向きだよ、前向き!!



17 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時32分15秒



 「ほら、ひとみちゃん行こっ!
  まずは、後藤さんと……いいえ、真希ちゃんと“お友達”になるのっ。
  真希ちゃんも、あたしのこと知りたいみたいだしっ」

 「…単に、梨華ちゃんのこと知らないって言っただけで、『知りたい』とは一言も…」
 
 「待ってて、真希ちゃん! あたし、もっといい女になって、もう1度あなたに
  アタックするわっ!!」
 
 「アタックとか言わないで ――― !! 拳を突き上げないで ―――― !!
  ってゆうか大声で叫ばないでええええええっ!!」


 ……やだな、ひとみちゃんたら。
 ひとみちゃんの方が、よっぽど大声出してるじゃないの。
 ああ、そっか。あたしと真希ちゃんが仲良くなったら、ひとみちゃんは寂しいもんね。
 うふふふ、梨華、辛い立場だわ。



18 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時33分22秒



 でもね、ごめんねひとみちゃん。
 あたしと真希ちゃんは逢うべくして出会ってしまったの!!

  
 ――― 『……あんた誰?』
 ――― 『悪いけどぉ、後藤あんたみたいなキンキン声も地黒な人もやたら女の子っぽい人も
 ―――  好きじゃない』
 ――― 『大体、後藤あんた知らないし』
 ――― 『聞こえた?』
 ――― 『まぁ、そーゆうことで。この告白はなかったってことでね。じゃ』


 ああ、初めての真希ちゃんとの会話……。
 嬉しさのあまり、胸がひりひり痛くて涙が浮かんできちゃうわ。

 「…ねえ、あの、梨華ちゃん?…それさあ、ショック受けてるんだと思うな…」


 *****
19 名前:1,告白から始まる 投稿日:2002年02月24日(日)19時34分11秒



石川梨華、17歳。座右の銘は『天上天下唯我独尊』。



 あたしと後藤真希ちゃんの、世に稀なる大恋愛ストーリーは、こうして
 始まったのです。



20 名前:無名作者 投稿日:2002年02月24日(日)19時39分36秒
まずはお詫びを…盛大な大失態をやらかした私めをお許しください>サザエ氏&他の作者様方。
「なんかpcの調子悪いなー」と、幾つもスレを立ててしまいました……本当にごめんなさい!

とにかくこの何日間かはひっそりと反省中でした、こんな私めにレスを下さった
>2 名無しさん、>3 いしごま防衛軍さん、>4 名無しさん、
本当にありがとうございます。

これからもひっそりと続けていきますので……
21 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月24日(日)22時41分02秒
どうしよう。めちゃめちゃおもろいです。がんばってください。
ひっそりと応援したいなとか思ったりもします。
22 名前:aki 投稿日:2002年02月24日(日)23時14分10秒
私も21さんと同じ意見です。
すごくおもしろいです。更新が楽しみな話は久しぶりなので嬉しいです(w
ゆっくり頑張ってください。密かに、応援してます。
23 名前:名無し男 投稿日:2002年02月25日(月)12時26分19秒
すんげー幸せもんだな
ネガテ部のネの字もない(w
俺も一遍こんな性格になりたいよ
激しく期待
24 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時47分55秒


 
  〜 梨華の独り言 〜

 あたしはまだまだ、真希ちゃんのことを理解してあげてなかったの。
 好きな人を知ることって、とても難しいことなのよね。



25 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時48分32秒



 「ひとみちゃん、図書室よ!」
 「……何で図書室なの」
 「作戦会議って言ったら、図書室に決まってるでしょお〜っ」
 「……結局、付き合わされるんだね、アタシは…」
 「え、何か言った?」
 「別にぃ……」


 あたしの一世一代の告白の後。
 何だか、ひとみちゃんはいまいち乗りが悪い気がする。

 テンションも何だか低いみたい。
 何でかしら……。
 やっぱり、これは「嫉妬」ってヤツなのかな。


 よく、ドラマなんかである話よね。



26 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時49分09秒



*****


 〜 梨華の創作ドラマ 〜

 設定
    T→主人公。Gのことが好き
    G→かっこいいヒーロー。実はIのことが好き。
    Y→主人公の親友。Iを密かに思っているが、Iの気持ちを知っているため、言い出せない。   
   
 (学校の帰り道)
 T「ねえねえ、Yちゃんは好きな人とかっていないの?」
 Y「……えっ。(戸惑いながら)……いないよ」
 T「そうなの〜?もし好きな人ができたら、絶対に言ってね!あたし、応援するから!!」
 Y「(複雑)……ありがとう。あのね、本当はわたし、Tちゃんのことが……」

 T「あっ、Gさんだっはあとはあと ごめんねYちゃん、また後でねっ」
 Y「………(元気なく)頑張ってね、Tちゃん」


 *****



27 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時49分46秒



 ―――― そ、そうだったんだっ!
 そうだね、悲しいね、そんなの悲しいよね、Yちゃん、…いえひとみちゃん!

 だけどごめんね。あたしはやっぱり、真希ちゃんのことが好きなの。
 ううん、ひとみちゃんのことも大好きだけど、それは親友として、だから……。
 「ひとみちゃん、ごめんね?」
 「え、何急に?」

 ……そんな演技させちゃってごめんなさい。
 辛いんだよね、ひとみちゃん、本当は……。


 「 ――― あたし、あたし、ひとみちゃんのこと好きだよっ!!
   だけどひとみちゃんの気持ちには答えられないのっ、本当にごめんなさいっ!」

 「……え、あの、梨華ちゃん?」

 「本当にごめんなさいっ!(涙)」



28 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時50分17秒



 後ろから、「お〜いどうしたの梨華ちゃ〜ん」って、ひとみちゃんの
 戸惑ったような声が追いかけてきたけど、
 あたしは切なくって、とても落ち着いて聞いていられなかった。


 とにかく図書館に向けて猛ダッシュよ!
 ……ひとみちゃんの気持ちを無駄にしないためにも、
 今はひたすら真希ちゃんへの告白をばっちり成功させることだけ、考えなきゃっ。


 ******



29 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時50分58秒



 「…というわけで、今回の作戦はこれにしようと思うの」
 「ってさあ、アタシを連れて来た意味ないじゃん。結局、梨華ちゃん自分で決めてるんだから」

 もぉ、ひとみちゃんたらせっかちねっ。
 …と、いけないいけない。ひとみちゃんをこれ以上傷つけるようなこと、言っちゃダメ。
 親友として、あたしは彼女と接していくんだから。

 「とりあえず、ひとみちゃんにはこの完璧な計画を聞いて欲しいのっ」

 「……あのね。ってゆーか梨華ちゃんの持ってる本で、想像つくんだけど」

 …えっ! あたしの考えてることが、この完璧な計画を読んだっていうの!?
 そんなこと、あるはずがないわ…いくら親友のひとみちゃんでも!
 
 そんなひとみちゃんの視線は、あたしの抱えている本に真っ直ぐ注がれていて。
 【何でも分かる!心理学】


 「もしかして梨華ちゃん。つり橋の上で、後藤真希に告白しようとか考えてない?」
 「うっそー!! どうして分かったのぉ〜!?」
 「……本当に考えてたんかいっ!」



30 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時51分35秒



 やだ、ひとみちゃんたらエスパー!?
 どうして分かったのかしら…。こんなすごいこと考え付くの、あたしくらいだと思ってたのに。
 ――― ハッ!
 それとも、もしかしてひとみちゃん、先に考えてたのかもしれないわ。
 
 あたしに、この作戦を実行しようと……そう言えば、小学校のとき、山へハイキングに
 誘われたことがあったわね。

 ひょっとして、ひとみちゃんたらその時からあたしのことを!?

 「…ごめんね、ひとみちゃん。真似したわけじゃないのよ。
  こんな作戦言って、傷つけてたらごめんね」
 「なして謝るよ……」

 ああ、何だかひとみちゃん疲れた顔してるっ!
 変な気、使わせちゃいけないわね、ここはいつも通りにしてなきゃ。


 「とりあえず、作戦を説明するね。つり橋の上に真希ちゃんを呼ぶの」



31 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時52分12秒



 〜 梨華のつり橋心理テスト実験 〜

 (後藤)「こんなところに呼び出して、どうしたの」
 (石川)「……あっ、あの…その…」

   (ゆらゆら)←つり橋が揺れる音

 (石川)「きゃっ、こわーいっ」
 (後藤)「(どきどき。こっ、このトキメキは…!?) 大丈夫、私がついてるから…」
 (石川)「…真希ちゃん……」 


 ――― 完璧っ! まさに完璧なシナリオだわっ!!


 「ねえ、梨華ちゃん。本当にその作戦でいくの…?」 
 「そーよ。どうして?」
 「……だって、ここ学校だよ? つり橋なんてどこにあるっての」
 「 ――― あ」


 ******


32 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時52分52秒



 ******
   

  【 後藤真希様へ 】
 
   こんにちは。あなたを想う、1人の女生徒です。
   今日、どうしてもあなたにこの熱い気持ちをぶつけたいの!
   お願い、放課後、屋上の手すりの上に来てください。

                             あなたの石川梨華

 ******



33 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時53分33秒



 「オッケーよ、ひとみちゃん! つり橋問題は、何とか応用したわっ」
 「……さいですか……」

 それでもひとみちゃんは浮かない顔。 
 心配してくれてるのかしら? 何だかんだ言って、ひとみちゃんて優しいな。
 だって、親友だもんねっ。
 いい友達を持って、梨華、幸せっはあとはあと


 ******


34 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時54分16秒



 「 ―――― 来ないねえ。後藤真希」
 「……うん」
 「やっぱさあ、作戦失敗なんじゃないの?」
 「………」

 午後6時を過ぎて、あたりが暗くなっても真希ちゃんは来ない。
 一緒に待っていてくれたひとみちゃんが、ふうっと息を吐いた。
 …ちょっと、冷えてきたなぁ。
 真希ちゃん、来ないのかしら。

 「大体、屋上は分かるとして『手すりの上』ってのは変だよ。
  普通は引くと思うけど…」

 ……引く!?
 そうか、分かったわっ!

 「それよっ! ひとみちゃんっ!
  真希ちゃんは、きっと高所恐怖症なのよっ! だから来たくても来れないんだわっ」



35 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時54分53秒



 「……『来たくても』? 本当に来たいと思ってるんだか…」
 「そっかぁ、それはリサーチ不足だったわね。それじゃあー真希ちゃんだって
  来れないはずだわ。あたしだって、『ニワトリ小屋に来い』って言われても
  きっと行けないもの」

 「…………」

 
 そうだったのね、あんなにクールな顔しても、真希ちゃんたら
 高所恐怖症だったのねっ!
 うふふ、何だか可愛いっ♪

 「これで、また1つ真希ちゃんデータが増えたわっ。
  よぉし、ひとみちゃんっ! 次の作戦の練り直しよっ」

 「…え〜!? まだやんのぉ? ――― うそっ、ちょっと梨華ちゃんちに泊り込みで!?
  や ――― め ―――― てぇ ――――― っ………!!!」


 *****



36 名前:2,心理テストは嘘かホントか 投稿日:2002年02月25日(月)22時55分23秒



 石川梨華、17歳。


 好きな人のことを知るのって、何だかとても得した気分ね。
 さあ、次も頑張ろっ! 真希ちゃんにこの想い、届きますように。



37 名前:無名作者 投稿日:2002年02月25日(月)23時01分32秒

 マターリと宣言しつつ、書いちゃったのでとりあえず更新です。
 早速こんな私めの作品にレスをくださった皆様、感謝でございます。

>>21 名無し読者さん
  めちゃめちゃ面白いだなんて……
  その期待を裏切らないよう、頑張りやす!でも不定期に、まったりと(w

>>22 akiさん
  わー!akiさんの作品、ずっと読んでますよっ!!何といしごま元祖がここに…!
  何を隠そう、akiさんの作品に少なからず影響受けてますので、>自分。
  また見に来てくださると嬉しいです!

>>23 名無し男さん
  真面目は真面目なんですけど、石川さんは。
  確かにネの字もありませんが……今回は。(そして後藤がいないので何気にいしよしw)


 どこがいしごまなのかと我ながら思いますが、石川さん的にはいしごまなので、一応。
 吉澤は別に石川さんのことを…(略)これも一応。
 
 では、また次回の更新で。

38 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月26日(火)01時28分24秒
なぜだろう……この話で一番不幸なの、後藤さんにしか見えないのですが……
39 名前:名無し男 投稿日:2002年02月26日(火)15時53分56秒
>>38
激しく同意

ある意味宇宙最強の石川さん
思い込んだら誰も手ぇつけられん(汗)
40 名前:aki 投稿日:2002年02月26日(火)22時11分48秒
ありがとうございます(照)
嬉しい言葉いくつももったいないです(w
書いてて良かったですっ。
読んでますよ。これからも、密かにこっそりと見守ってます(w
がんばって下さい^^
41 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月28日(木)00時52分39秒
単純におもろいw
42 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年02月28日(木)11時23分07秒
こんにちは、はじめまして。
とっても楽しい“いしよし”“いしごま”が読める場所を知って得した気分です。
他ではなかなかお目にかかれない形での“振り回される吉”がなにげにツボです(w
幸せな石川さんを祈りつつ、続きを楽しみにしております。
43 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時47分32秒



 〜 梨華の独り言 〜

 「真希ちゃんは高所恐怖症」の一件のあと、あたしは気付いたことがあるの。
 好きな人のことって、意外と知らないものなのね。



44 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時48分18秒

 

 *****


 「ねえ、梨華ちゃんってさあ、結局、後藤真希のことをどのくらい
  知ってるわけ?」

 夕食のスパゲッティをほおばりながら、ひとみちゃんがそう言ったのは、
 例の、屋上の手すりで待ち伏せ作戦のあったその夜。
 あたしの家に泊まりこみで、次の作戦を話しているときだった。

 「えーと、そうねえ…」

 突然の質問に、あたしはしばし考える。
 真希ちゃんについて知っていること?

 ――― そうだなぁ、あたしが真希ちゃんのことを好きになったのは高校の入学式の
 ことだから、一目惚れしてからかれこれもう1年以上になるのよね。

 いろいろ、彼女についてはリサーチしたわ。
 涙なくしては語れないお話だって、あるのよ?



45 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時49分08秒



 「 まず、身長はあたしがちょっと目線をあげるくらいでしょ?
  それから、いつも眠そうにぼーっとしてるの。
  それから、登校時間はいつもギリギリよ。たまに遅刻もしてるみたい。
  それから、下校時間は決まっていないの。
  気付くと、いつの間にかいないのよね…。それから」

 「も、もういいよ…」


 あたしがそれから、真希ちゃんの名前の字数や姓名判断を口にしようとしたとき、
 何故かひとみちゃんが目を伏せてあたしの言葉を遮った。

 「…なんか、聞いても意味なさそう……」


46 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時49分54秒



 聞いても意味ない、だなんて。
 ああ、あたしったら、また無意識のうちにひとみちゃんのこと傷つけていたのかしら?

 そうよね、好きな人の口から、他人のことを聞いたって嬉しくもなんとも
 ないわよね。
 梨華ったら、なんて鈍感なの!

 「ごめんね、ひとみちゃん。あたしって、鈍感だから…」
 「???」


 ひとみちゃんは優しいから、あたしが謝っても知らん振りをするだけだった。
 そう、いつも彼女は優しいの。
 だったらあたしも、彼女の優しさを裏切らないようにするだけだわっ。



47 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時50分39秒



 「 だけどねっ、ひとみちゃん。真希ちゃんについて知ってることはもっと
  色々あるの。制服のスカートの短さは」
 「いや、だからいーって!」

 ………と、ちょっと待って?

 もし、これであたしが真希ちゃんについて色々な長所を語ったとするでしょ。


 *****


48 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時51分11秒



 〜 梨華の考える恋愛トライアングル! 〜


 石川「……というわけでね、真希ちゃんってこんなに素敵なのよ!」
 吉澤「そうなんだ……(ああ、後藤さんってそんなにいい女だったんだ。
    どうしよう、梨華ちゃんより心が惹かれてきちゃったよ……)」
 石川「ね、ひとみちゃん。協力してくれるわよね?」

 吉澤「……ごめん、梨華ちゃん!アタシも、どうやら後藤真希のことを好きに
    なっちゃったみたいなの。これからはライバル同士だよ……」
 石川「えっ? そんな、ひとみちゃん!!」
 吉澤「本当にごめん、梨華ちゃん。だけど、どっちが選ばれても恨みっこなしだよ」

 石川「 ――― そんな、そんなのってないわよぉ……!!(泣き崩れる)」


 *****


49 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時51分44秒



 …………
 ぶるぶるっ!!

 た、大変〜! そんなことになったら、梨華、一生立ち直れないわ!
 ん〜、でもまあひとみちゃんがあたし以外に好きな人が出来るなんて、多分ないとは
 思うけど…。

 でも、真希ちゃんってかっこいいから、一応用心しとかなきゃだわ。
 もちろん、真希ちゃんだってあたし以外に好きな人が出来るなんてあるはず
 ないだろうけど。


 だって、そうでなきゃ、
 あたしに2度目の告白のチャンスなんてくれるはずないもの!



50 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時52分39秒



 「…な、何でもないのよひとみちゃん!
  真希ちゃんの魅力は、あたしの胸の中いっぱいに詰まっているから大丈夫!!」
 「何が大丈夫なのか、アタシはさっぱり分からないんだけど」

 「いいのっ!」

 ああ、やっぱりひとみちゃんたら真希ちゃんのこと気になってるみたい。
 …それとも、あたしの胸の想いが真希ちゃんでいっぱいだから、
 ひとみちゃんヤキモチ妬いちゃってるのかしら。
  


51 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時53分39秒



 「 ねえ梨華ちゃん、アタシが思うのはさぁ。
  梨華ちゃんが後藤真希について知ってるのって、ほとんどが外見についてばっかりじゃない。
  もっと、彼女の中身について知らなきゃ、意味ないと思うんだよねー」

 コップに注がれた水で、口の中のスパゲッティをゆっくりとした動作で流し込みながら、
 ひとみちゃんはじいっと、あたしの目を見つめた。

 ……ひとみちゃんの瞳はきれい。


 ………

 いけないっ! 見惚れてる場合じゃなかったわ!
 大体、あたしは真希ちゃん一筋なんだからぁ。
 


52 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時54分14秒



 「ねえ、梨華ちゃん。後藤真希の友達って、どんな人がいるか知ってる?」
 「………あたし?」
 「違うでしょ」

 そ、そうね。
 あたしは『友達』じゃなくって『恋人(候補)』だったわ。


 「それにさあ、後藤真希の趣味とかって知ってる?」
 「……えっと、……あたしと付き合うこと?」
 「まだ付き合ってない上に、梨華ちゃん都合よすぎ」

 そ、そうね。
 それは真希ちゃんの『これから』の趣味だわ。
 ……今の趣味って、何だろう。



53 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時54分56秒



 「 そもそも、彼女が何処に住んでるのかとか、家族構成とか、
  梨華ちゃん知ってるの?」
 「 ――― えっと、家は田園調布におっきなお屋敷があって、
  だけど真希ちゃんは事情があって1人で立派なマンションに暮らしてるの。
  家族は、お父様とお母様、それからお手伝いさんがたくさんいるのよ。
  でも、両親とも忙しくって、真希ちゃんはあまり愛情を受けて育たなかったのね?
  それが、あたしと出会って本当の ――― 」

 「『愛を知った』とかいうオチはなしね」
 「ひどーい、オチだなんて! これは事実(になる予定)よ!?」

 「全部作り話でしょおがっ! 梨華ちゃんのっ!!
  ちったぁ、真面目に答えんかいっ!」



54 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時55分43秒



 ついに、ひとみちゃんがぷりぷり怒り出しちゃった。
 何よぉ、いくらロマンティックすぎるからって、
 あたしと真希ちゃんの運命的な巡り合わせに怒ることはないじゃないのっ。


 「……ともかく」

 大きく溜息をついて、ひとみちゃんは気持ちを落ち着かせるように
 深呼吸を何回かすると、ゆっくりとした口調で口を開いた。
 
 こういうとき、ひとみちゃんはとても大人。
 すぐ、冷静になってくれるの。


 「梨華ちゃんはさあ。後藤真希の本質について知らなさ過ぎるんだよ。
  それで告白して上手くいってもいいけど、後になってから
  『理想と違う〜』なんて嘆いても遅いんだよ?」



55 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時56分22秒



 う…それは、確かに正論だわ。
 もちろん、真希ちゃんが『理想と違う』なんてことはあり得ないけれど、
 少なくとも、好きな人のことを知るのは、知らないよりもよりずっといいものね。 


 付け加えるように「梨華ちゃんは単純なんだから」とひとみちゃんが言ったのが
 少し気に入らないけど。


56 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時56分54秒



 「それに、もう1度後藤真希に告白するなら、もっと彼女のことを
  知ってからの方がいいんじゃないのかな……」


 そう!
 それは、あたしもそう思うわっ!

 …だって、あのクールで完璧に見える真希ちゃんにも、
 『高所恐怖症』って以外にも弱点があるかもしれない。

 「そうだね、ひとみちゃん。
  あたし、何だか焦りすぎてたみたい。もっと真希ちゃんのことを知ってから
  告白した方がいいよね、やっぱり」
 「…そうだよ! よかったぁ、梨華ちゃんが分かってくれて……」



57 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時57分30秒


 
 ホッとしたようにひとみちゃんが答えて。
 やっぱりひとみちゃんって、友達思いだわ。
 こんなに、あたしの恋の行方を気にしていてくれるんだもの。


 「そうとなったらひとみちゃん! 早速、真希ちゃんのことを知る作戦スタートよ!
  ……今夜は徹夜になりそうね…」

 「えっ!? 徹夜? 今から…?
  ちょっと待ってよ、今もう2時だよ? 明日も学校あるんだよ?
  いや ―――― っ!! お願い、寝させてええええええっ!!!!」


 *****



58 名前:3,恋する乙女の長い夜 投稿日:2002年03月02日(土)01時58分01秒



 石川梨華、17歳。
 好きな人を知るのって、ドキドキワクワク。

 大好きな彼女も、あたしに対してそう思ってくれる日も、きっと近いはず。
 頑張れあたし! 頑張れ恋する女の子っ♪



59 名前:無名作者 投稿日:2002年03月02日(土)01時59分30秒
 
 やっちまいました、ageちゃいましたよ……あ〜アホ野郎です。

 ってか、こんな石川さんもアリなんでしょうか?いやアリという方向で(無理矢理)

 >>38 名無し読者さん
   笑いました。いやもうその通りかも知れません(W
   ただ、今のところ実質的な被害者(?)は吉澤だったり……
   当分は、吉澤が振り回されそうな感じでしょうか。

 >>39 名無し男さん
   宇宙最強です>石川さん。まさに怖いものなしです。
   いしごまだと、石川は切ないはずなんですがね……イメージ的には(W
   こんな能天気な彼女は書いてて楽っす。  

60 名前:無名作者 投稿日:2002年03月02日(土)02時00分21秒

 >>40 akiさん
   ああ、また見に来てくださって嬉しい限りです!
   自分には、あんなに構想の出来上がった長編はとても書けそうもないので、
   私はakiさんの小説の更新を心待ちにしつつ、マターリヒソーリやってきます。ふふふ。

 >>50 名無しさん
   単純に面白いという言葉は、コメディを目指している自分としては
   嬉しいので、バンザイ!(w

 >>51 M,ANZAIさん
   おハツです!ANZAIさんのお名前は、いたる小説でよく目にしておりました。
   色々な小説を読まれている方に自分の小説を読んでいただくのは緊張しますが
   嬉しいです!駄文ですが、また見に来てくださると感激の涙が……多分(w


 実は、後藤は次回から再登場なんですが、妹役を考えてます。
 辻・加護・高橋etc…どの辺が妥当なんでしょうかね?石川と絡ませるにしても。

61 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月02日(土)04時06分08秒
何処までも尽きぬけてくような、夢見る梨華ちゃんが面白いです。
そんな梨華ちゃんに何処までついて行けるのか、吉・・・。

作者さん、自分はただここの小説が大好きなだけなので
そんな大層に言われてもなんにもお返しもできませんよ?

後藤の妹オーディション(仮)・・・
言葉使い(訛り)や2人でいる佇まい、髪型?からすると辻ちゃん、ですかね。
加護ちゃんだと梨華ちゃんの近所の口の悪い歳の違う幼馴染って感じが。
高橋だとよっすぃーを慕っている、部活の真面目な後輩って感じだし。
小川だとごっちんの妹というより遊び仲間(後輩?)だと思うし。
(勝手な事書いちゃって・・・、作者さんを混乱させる気か!)
62 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月02日(土)14時39分35秒
後藤の妹ねぇ・・・キャラかぶりそうなところで松浦はいかがなものか。
個人的に加護→石川(ただし傍目には超わからない)萌えなんで、加護とかで
・・・いや独り言です。
63 名前:名無し男 投稿日:2002年03月02日(土)18時46分31秒
これは、石川の人徳のお陰かな?
全然むかつかん
むしろ大好き(w
64 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時06分19秒



 〜梨華の独り言〜


 好きな彼女はとっても照れ屋だったら。あなたはどうする?
 あたしはね、あたしは………。


65 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時07分02秒



 今日もとってもいいお天気♪
 そろそろあったかくなってきて、お日様も本領発揮ねっ。

 「………何で梨華ちゃんはそんな元気なのさ……」

 やだっ、ひとみちゃんってば!

 「どうしたの、ひとみちゃん!?
  大変、クマがすごいよ、どうしたの?」

 「あんたが徹夜に付き合わせたんでしょおが ―――― ッ!!
  大体、次の日学校があるってときに、たかだが恋バナくらいで徹夜する馬鹿が
  どこにいんのっ!!」

 「ひとみちゃん、こわ〜い……。あんまり怒ると皺できちゃうわよ?」
 「……ッ、だ、だ、誰のっ…誰のせいでえええ……ッ!!」



66 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時07分40秒



 ひとみちゃんたら、本当にゲンキンなんだから。
 さっきまであんな〜に、死にそうに元気なかったのに。
 ちょっと、あたしが心配してあげたら、たちどころに元気になっちゃったわ。

 ふふふ。
 梨華って、ひとみちゃんの栄養剤カナはあとはあと


 ―――― っと、駄目だめ!
 ひとみちゃんは親友、親友なんだからっ。
 いくら心配でも、好きな人を不安にさせるようなこと、言っちゃ駄目ね。

 今、あたしが考えたこと、真希ちゃんにバレちゃったりしたら……

 *****



67 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時08分16秒



 〜梨華の考える恋愛トライアングル(その2)〜

 後藤「そうか……梨華ちゃん、君って人は、本当は吉澤さんのことが……」
 石川「ちっ、違うのよ真希ちゃん!ひとみちゃんは友達……」
 後藤「君には、私専用の栄養剤になって欲しかった。本当に、君を愛していたから…」
 石川「違うの、違うの ―――― ッ。誤解なのよっ。真希ちゃん、
    いや、いやああああっ」

 吉澤「泣かないで、梨華ちゃん。アタシがついてるから…」
 石川「……ひとみちゃん……」

  (抱き合おうとするが、こばむ梨華)

 吉澤「梨華ちゃん? 何で……?」
 石川「(泣きながら)ごめんなさい、ひとみちゃん。あたし、やっぱり真希ちゃんの
    ことが忘れられないの、ごめんなさい…っ」
 吉澤「そんなに、後藤真希のことを……梨華ちゃん……」
 石川「…真希ちゃん、お願い、戻ってきて…!!」

 *****



68 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時08分55秒
 

 …………

 しゅ、修羅場だわ、修羅場だわっ!
 大変、あたしを取り合って、ひとみちゃんと真希ちゃんが………(!!)
 なんてことにでもなったら、大変っ!

 ダメね、梨華ったら。
 あたしはあくまで、真希ちゃん一筋なのよっ。

 ひとみちゃんもひとみちゃんだわ。
 まったく、あたしを惑わせるようなことするんだもの。
 分かってるよ、ひとみちゃん。あなたの気持ちは。

 だけど、ごめんね?
 あたしは、ひとみちゃんを元気づけてあげることは出来ても、愛をあげることは
 出来ないのっ。


 「……あたしの愛は、ただ1人………真希ちゃんだけに捧げるのだから……」
 「ちょっとちょっと梨華ちゃん?
  いきなりどっかトリップしたかと思ったら、今度は何ゆってんの。怖いよ?」



69 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時09分42秒



 「きゃあっ! ひとみちゃん、いきなり出て来ないでよっ!」
 「………」

 びっくりした〜。目を開けたら、いきなり(美形の)ひとみちゃんのどアップ
 なんだもの。

 
 「どうでもいいけどさ。梨華ちゃん、君の目の前を歩いているのは、
  かの後藤真希の妹sなんだけどね」
 「えっ? 何処にっ?」

 ひとみちゃんの言葉に、あたしの心臓は跳ね上がる。
 ああ、愛しいあの人はあとはあとっの妹さんがっ!?

 …実は、真希ちゃんに妹(×2人)がいるって知ったのは、つい今夜のことなの。
 あ、もちろん情報元はひとみちゃんね。
 そして、これはひとみちゃんの意見なんだけど。



70 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時10分18秒



 『後藤真希本人を相手にするより、周囲からじっくり落としていった方が
  いいんじゃないの? …例えば、家族とかさ』

 『なるほどっ。極度の照れ屋の真希ちゃんだから、家族の後押しがあったほうが
  きっと素直になれるもんねっ』
 『…いや、ってゆーか素直になったら梨華ちゃんもっとひどいこと言われるんじゃ…』

 『分かった、梨華がんばるっ!』
 『聞いちゃいねえよ……』


 というわけで、こんな作戦を考えたのっ!
 これぞ完璧な計画だわっ。ひとみちゃん、感謝っ。



71 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時10分57秒



 〜梨華とひとみの後藤真希攻略テキスト〜

 パサリ(←何かが落ちる音)

 後藤(妹)「! ……あの、すいませーん。今、これ落としましたよ?」
 石川   「え、あら、ありがとう。わざわざ拾ってくれて(ここで天使の微笑み)」
 後藤(妹)「(どっきーん!なんて素敵な笑顔……)いえ、どうってことないです!」
 石川   「そうだ、何かお礼を……」
 後藤(妹)「そんな、滅相もない! ………そうだ、そんな素敵なあなたに会って欲しい
       人がいるんです!」
 石川   「えっ?」

 ・・・・・・

 後藤(妹)「これ、うちの姉なんですけど…すごい照れ屋で、愛想もよくないんですよ。
       石川さんの素敵な笑顔を教えてやってください!」
 石川   「………真希ちゃんっ!」
 後藤   「………り、梨華ちゃん?(動揺)どうして……」
 石川   「やっぱり、あたし達、運命の赤い糸で結ばれているのね」
 後藤   「……梨華ちゃん、嬉しいよ……」

 後藤(妹)「わあ〜お! アッツイね〜2人!ひゅーひゅー」


 ******



72 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時11分56秒



 「…梨華ちゃんの妄想は果てしないよね…。もうそれ作戦じゃないよ…」

 ひとみちゃん、ちょっと寝不足気味みたい。
 いつもなら、もっとノリノリ(死語)で返事くれるのになぁ。
 それとも、さっき元気出しすぎて、疲れちゃったのかな?
 ……ふふ、やっぱりあたしって罪な女♪

 「さて、作戦実行よ!」
 「……ちょ、ちょっと梨華ちゃんマジでやんの?
  ってゆーか絶対ムリだって、そんな展開あり得ないって! 後藤(妹)の性格
  なんかおかしいって!」

 
 ほんっと、ひとみちゃんたら心配性だわ。
 2人で寝ずに、練りに練った作戦よ? 失敗なんてしないわっ。



 ぱさりっ

 よしっ!
 ごく自然に、生徒手帳を落としたわっ。作戦、開始っ!!



73 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時13分27秒



 …………ぎゅむ。

 「あ」
 「?」


 踏まれちゃった。
 …………。

 …………。
 「…………」
 「 ――― 何やってんの?」

 あれ?
 この声、この靴下、このスカートの短さ………

 唐突に、あたしの視界に現われたのは、愛しいあの人はあとはあとっの足元だった。
 あたしの生徒手帳を踏みつけたまんま、あたしを見つめるあの人は………!!

 「まっ、真希ちゃんっ!」
 「……何で、いつの間にそんな呼び方になってんの…」
 「嬉しいっ。会いに来てくれたのねっ、あたしにはあとはあと
 「………聞けよ」



74 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時14分29秒



 やっぱり、照れ屋さんな真希ちゃんは、“ちゃん”付けで呼ばれるのに慣れてない
 みたいで、とってもぶっきらぼうな態度。
 あたしの生徒手帳を積みつけたまんま、あたしは真希ちゃんと見つめ合うの。

 「こんなとこで、いきなり立ち止まられると、邪魔。何考えてんの?」

 ――― やっぱり、ぶっきらぼうな態度だわ。
 真希ちゃんって、周囲に人がいると、こんな風に突っ張っちゃうのよね。

 「姉ちゃん、この人誰やねん?」
 「んぁ? …ああ、知らないけど。黒い人ってだけで」
 「ふ〜ん。確かに黒いなぁ……」
 「トイレ臭いのれす。顎が猪木さんみたいなのれす。アニメ声れす」

 そのまま真希ちゃんは、後藤(妹)を連れて歩いて行っちゃった。

 ……今の、彼女の後ろにいたちっちゃい子たちが、真希ちゃんの妹sなのかしら?
 似てないのね……性格も予想と違ったわ……。



75 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時15分15秒



 「……だから言ったじゃん、梨華ちゃんってば。
  あんな作戦、うまくいくはずないって。…まあ、後藤真希本人が出てくるとは
  思わなかったけどさあ」

 ずっと一部始終を見ていた(らしい)ひとみちゃんが、かっこよく髪をかき上げながら
 近寄ってくる。そんなクールな仕草がかっこいいの。
 

 「あれが、後藤(妹)だよ。
  関西弁喋ってたほうが亜依。舌ッ足らずなほうが希美。2人とも中学生。
  双子なんだってさあ。かーなーりシスコンだって」
 「へえ。詳しいのね、ひとみちゃん」
 「えっ、いや、まあね……」

 ?
 何、ひとみちゃんたら慌ててるのかしら?
 ひとみちゃんって、何でも物知りですごいって思っただけなのに。



76 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時15分51秒



 「でも、やっぱり真希ちゃんってかっこいいわっ。
  あんなにさり気なく、あたしに話し掛けてくれるなんて!」
 「さり気ない………? まあ、言い様によっちゃそうともとれるが……」

 「あたしに話し掛けるきっかけが欲しかったんだわ、きっと。
  だって、真希ちゃんって照れ屋さんだもんね♪♪
  あたしの生徒手帳踏みつけてまで、話し掛けてきてくれるなんて!」

 「……すんごい、前向きな考え方だわそりゃ…」
     
       
 やっぱり、真希ちゃんとあたしって、赤い糸で結ばれてるのねっ!
 ひとみちゃんはやっぱり疲れてるせいか、なんだか否定的だけど。

 ……



77 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時16分42秒



 とととっ

 「あれ?」

 さっきの、真希ちゃんと一緒にいた妹sのうち、1人が小走りに戻ってきた。
 どうしたのかしら?

 「あの〜…」
 「はい?」

 あたしに、かしら? どうしたんだろう、忘れ物かな。

 「これ、落としたのれすよ。はい」

 にっこり笑った彼女の口元に、かわいらしい八重歯がのぞく。
 彼女があたしに差し出したのは、真希ちゃんの(愛の)足跡がついた、生徒手帳。

 「ありがとう……」
 「どーいたましてなのれす」

 そう言って、彼女はクルリと、あたしに背を向けた。
 あれ? この展開は、何だか当初の作戦に似ている気がするわ……気のせいかな?

 たたたっと、3歩ほど踏み出した後、満面の笑みで振り向く彼女。
 ぱあっと、花が咲いたみたいな笑顔。…わあ、かわいいはあとはあと
 真希ちゃんも、笑ったらこんな笑顔になるのかな?

 「あのっ」
 「なぁに?」



78 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時17分26秒


 
 うふふ。舌ッ足らずな声も、かわいいな。

 「ののは、黒い人も猪木みたいな人もトイレ臭い人もアニメ声の人も、
  嫌いじゃないのれす。真希姉ちゃんと正反対で、お似合いだと思うのれす」
 「…………」

 たたたっ


 また、かわいらしい足音を残してその子は駆け出していく。
 ああっ、いけないっ! あたしの天使の微笑みを見せる間もなく、去っていっちゃったわ!

 「どうもありがとねーっ! …えーと…亜依ちゃーん!!」
 「ののは希美れすっ!!! ―――………」


 ******



79 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時18分03秒



 「嘘みたい……」

 呆気にとられたみたいな表情で、ひとみちゃんが呟いた。
 ああ、あたしも心臓がバクバクいってるわ。
 まさか、真希ちゃん本人に朝から会えるなんて思ってなかったもの。

 「まさか、作戦が成功するなんて………後藤(妹)の片割れ、なんて単純なんだ…」

 なんだか、ひとみちゃんたら言い方に棘があるのね。
 やきもち焼き屋さんのひとみちゃんは健在だわ。
  
 あたしは、真希ちゃんの妹(えーと亜依ちゃんだっけ?)から受け取った生徒手帳を
 しっかりと胸に抱きしめた。



80 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時18分50秒



 「ふふふ。朝から、真希ちゃんに愛のしるしをつけられちゃったわはあとはあと
  梨華、はっぴー!」

 「ちょっと待て! 梨華ちゃん、そーゆうすんごいセリフを大声で吐くなぁっ!!
  誤解を招くだろおが ――― っ!!」

 ……?
 ひとみちゃんたら、真っ赤な顔して何を怒ってるのかしら。
 せっかく、作戦だってある程度成功したのに。
 真希ちゃん本人にも、(予想外に)会えたっていうのに。

 もう、そんなにあたしが真希ちゃんと親しげだったのが悔しいのかな?
 ……えへへ、悪女・梨華に変身よっ。
 ひとみちゃんに、愛のしるしを見せつけちゃおーっと。


 「見て見てひとみちゃんっ!! 真希ちゃんの愛のしるしっ♪」
 「だからやめろうおうううううううっ!!!」

 ―――



 
81 名前:4,初登場!彼女の妹 投稿日:2002年03月11日(月)01時19分33秒



 石川梨華、17歳。
 
 好きな人に近付くには、その家族と親しくなるのも必要なことよね。
 亜依ちゃん、これからよろしくねっ。

 ( だから、ののは希美れすっ!! )←怒 



82 名前:無名作者 投稿日:2002年03月11日(月)01時20分21秒

 1週間ぶりに更新です。マターリと、マタ―リと(w

 >>61 M,ANZAIさん
  いやいや、そんな何も出来ないだなんて、レスいただけるだけでパワーになります。
  色々じっくり読んでくださっているのだなーと思えるので。
  妹については、結局辻加護になりました。
  加護については、今後の動向不明です(w

 >>62 名無し読者さん
  自分的にも、加護→石川好きなんです。
  でも最初からそれだと、話的にあれなんで……どうなりますかね!?

 >>63 名無し男さん
  よかったー、石川さんに人徳あって(w
  根本的に、彼女は困ってるイメージが強いので、この話の中では
  あえて困らない性格で。変わりに吉にとばっちりがいきますが(爆!)

 更新スピードゆっくりめですが、これからもよろしくお願いします。

83 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月11日(月)01時31分45秒
一緒に朝を迎える!?関係な2人なのに・・・(w
とうとう出ましたね、妹が。
そっかぁ、双子は気がつかなんだ。
生徒手帳を踏みつけながら石川さんを軽くあしらう後藤さんもイイですね。
もっと言って、という気持ちです。
しかし何故吉澤さんは後藤さんの事情にそんなの詳しいの?
84 名前:名無し男 投稿日:2002年03月11日(月)10時23分37秒
ののたんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

85 名前:aki 投稿日:2002年03月11日(月)13時00分40秒
石川さんの相変わらずな性格は賞賛に値するんですが…
二人の今後がちょこっと心配(w
もちろん応援してるんですが^^;
がんばって下さい^^
86 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月12日(火)02時50分36秒
更新ありがとう! 妹にもワラタ。
87 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月19日(火)17時47分52秒
よしごま+妄想家梨華ちゃんと言うふうにはならないでしょうか?
88 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時34分56秒



 〜梨華の独り言〜


 きっとこれは、みんなも経験したことあると思う。
 好きな人が好きなものって、自分も好きになろうと努力するもの……よね?



89 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時36分31秒



 「ねえっ、ひとみちゃん!
  真希ちゃんの好きな食べ物って、何だと思う?」

 ――― あたしは、とっても重要なことを知らないことに気が付いた。
 教室で(実は、ひとみちゃんとは1年生のときから同じクラスなの♪)、休み時間に
 おしゃべりしているときに、あたしはちょっと思い出したことがあったの。


 「…な、何?梨華ちゃん。藪からぼーに」

 対するひとみちゃんは、大きな目をぱちくりさせて、
 しげしげとあたしの顔を見返した。
 
 「 好きな食べ物よ、真希ちゃんの。何だと思う?
  あたしはねー、彼女は多分、手作りの料理に飢えてると思うんだけど。
  だって、マンションに独り暮らしだし、両親とは滅多にお食事一緒にしないし」

 「……いやそれは梨華ちゃんの妄想の延長であって………まあいいや、
  何でいきなりそんなこと言い出したの?」



90 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時37分08秒



 ……やだ、そんなに見つめられたら梨華、照れちゃうっ。
 と、違う違うっ。
 

 「あ、あのねっ? あたし、真希ちゃんの好きなものって、
  あんまり知らないじゃない? これは、とーっても迂闊だったの!!」
 「…まあ、ねえ………
  梨華ちゃんって、めちゃくちゃ面食いっぽいし……外見しか見ていないし……
  妄想果てしないし……現実知ろうとしないし……」

 「う、うるさいなひとみちゃんってば!」

 ふう。
 ちょっと(ううん、かなりイロイロ) 失礼なことを言われたけど、
 何とかあたしの動揺に彼女は気付かなかったみたい。
 いつでもかっこいいひとみちゃんに、ちょっとドキドキ。

 でも、ここで話を脱線させるわけにはいかないの。
 だって、これはとっても重要なキーポイントだから。



91 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時37分48秒



 「あのね? 例えばお弁当を真希ちゃんに作ってあげるときとかぁ、
  おうちに、お料理作りにいってあげるときとかぁ、
  一緒に朝を迎えて朝ご飯を作ってあげるときとかぁ………」

 「…………」
 「やっぱり、好きな食べ物作ってあげたいじゃない?」
 「………3つ目の一文が気になるけど、まあそれは妥当な考えだね」

 「でしょっ?
  ほらぁ、よく言うじゃない、『性欲と食欲は紙一重』 ―――― 」
 「ぶっ!!」

 「どしたの? ひとみちゃんたら」
 「………何でもない………梨華ちゃんって、ホント口に爆弾抱えてるよね」
 「??? 意味わかんないよぉ、ひとみちゃん」
 

 真剣に説明している最中なのに、ひとみちゃんがいきなりぼっと赤くなって、
 机の上に突っ伏した。
 もぉ〜、ひとみちゃんたら何やってるんだろ。
 黙ってれば、かっこいいのになぁ。



92 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時38分22秒



 …………あっ、また言っちゃった…!

 …だって、ひとみちゃんってば本当に美形なんだもんっ!
 い、言い訳じゃないよっ!?
 いつもその美形な顔に見とれてるわけじゃないよ?

 それに、真希ちゃんの方が……方が………

 ――――


93 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時39分05秒



 「 サラサラの長い髪 ―――
  無口で孤高な佇まい ―――
  あたしを見つめる、きりりとした真剣な眼差し ―――
  ぶっきらぼうだけど、実は優しい性格 ―――
  どれをとっても、真希ちゃんってば………はぁ、素敵………はあとはあと

 「ってゆーかさあ、それかなりツッコミ所満載なんだけどね、梨華ちゃん」

 「え、ええっ!? どうしてひとみちゃん、あたしの考えていることが……っ!?」

 「 思いっきり口に出してたやん! ついでに言うなら、後藤真希の目つきは真剣
  なんじゃなくってただダルそーなだけじゃん!
  無口で孤高なんじゃなくって、人付き合いが面倒くさそーなだけじゃん!
  ぶっきらぼうなのは当たりだけど、優しくされてないじゃん!!」


 ひとみちゃんってば、何だか真っ赤な顔して力説してる。
 ……それにしても、あたしったら(またも)口に出して言ってたのかしら…
 ちょっと恥ずかしいけど、これがもしひとみちゃんじゃなくって、
 真希ちゃんに聞かれていたら………


 *****



94 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時39分38秒



 〜梨華の考える2人の(略)〜


 後藤「(聞いてしまった……そうか、彼女はあんなに)梨華ちゃん」
 石川「……!! ま、真希ちゃんっ! い、今の……(赤面)」
 後藤「うん、聞いたよ」
 石川「!! やだ、恥ずかしい……」

 後藤「……嬉しかった」
 石川「真希ちゃ ―――― 」       

     ぎゅう(←後藤が石川を抱きしめる)

 後藤「そんなに私のことを見ていてくれたなんて、知らなかった。ありがとう」
 石川「……あたしも、嬉しい……真希ちゃん……」


 *****



95 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時40分40秒



 「 そして真希ちゃんは言うの……『私も、梨華ちゃんのいいところいっぱい知ってる
  よ? 例えばその細身の体も、女の子らしい体のラインも、普段日に当たっていない
  ところさえ色黒な肌も、実は意外と胸が』」

 「ちょっと待てえええっ!!
  梨華ちゃん、今アンタが何を妄想してるのかはすっごい分かるんだけど、
  それって脱がしてみなきゃ分かんないことばっかりだろおがっ!!
  そゆこと声に出して言わないでっ!! アタシが恥ずかしいんだからっ!」

 「 ぬっ、脱がすだなんてっ………!
  イヤッ! ひとみちゃんのえっちっ!!」

 「もとはと言えば、誰がそんなハズいこと言い出したと思ってんだヨッ!
  勘弁してよぉ、梨華ちゃんてば ――― も ―――― 」
 
 …………

 「ねえ、ひょっとしてひとみちゃん」
 「……なに」

 「 ――― あたしのハダカ、見たいの?」

 「だ、だ、だ、誰がそんなこと言ってんね ――――― ん!!
  アホかぁっアホちゃうかあっ!アホやなキミーってアホはアタシだああああっ!!
  あは、あははははははっ」



96 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時41分38秒



 …… 
 う、うう、ひとみちゃんってば。
 そんなにあわ喰ったように言わなくたっていいじゃない。
 それに、言葉づかいがおかしいわよ?

 (注:人はそれを「壊れている」という)

 大体、いっつも思うんだけど、ひとみちゃんの方がよっぽど声、大きいのよね。
 …まあ、それを言ったらまたひとみちゃんてばぶーたれちゃうから、
 今は言わないでおこーっと。
 ふふ、梨華って優しい♪


 「ふう、まあいいや」

 いきなり大きな溜息をついて、ひとみちゃんが言った。
 確かに、ひとみちゃんてすぐに興奮するから疲れやすいみたいなのよね。

 ( だ、誰のせいだと思ってんだよっ!! )←吉澤心の叫び


 「とにかく、最初の話に戻ろう。確か、好きなものを教えて欲しい、
  だったよね?」
 「そ、そうそう ――― 」
 「梨華ちゃん、自分で言い出しておいて、忘れてなかったかい?」
 「………やっだな〜(汗)、ひとみちゃんってばはあとはあと



97 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時42分20秒



 ふふふっ。
 今のは忘れてたんじゃないよ、真希ちゃんの姿を思い出してたら、
 意識がそっちに飛んじゃったんだもんっ。
 ――― 言い訳じゃない、言い訳じゃないわよっ!


 「それこそさあ〜、あの後藤妹sに聞けばいいんじゃないの?
  ほら梨華ちゃん、片一方の方に気に入られてたじゃん。八重歯のある、
  単純なコの方」
 
 手をひらひら振りながら、ひとみちゃんはそう言って。
 あー、そう言えば、………何て言ったっけなぁ、あの可愛い子、名前。

 でも確かに、家族なら好きな食べ物知っててもおかしくないっ!!
 ( でも、なんでひとみちゃんてば実際にあったことあるみたいな言い方なのかなぁ? )



98 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時43分04秒



 「ひとみちゃんっ、それ正解よ。
  さっすが梨華の親友っ♪ ――― じゃ、早速放課後はあの子達に会いに行くよっ」

 「えっ………」

 いきなり、ひとみちゃんの視線が泳いだ。
 ……? 変なひとみちゃん。何を慌ててるんだろう。

 「あ、いや〜アタシはさ……ブカツ………そう、部活あるから、無理!!」


 何故か普段より数倍は落ち着きを無くした態度で言うから、あたしは何だか
 ひとみちゃんに不審感を抱いてしまう。
 変なひとみちゃん。………何かあったのかな?
 
 それに、そういえばひとみちゃんって………

 「ねえ、ひとみちゃん? 何か、ひとみちゃんってあたしと真希ちゃんが話してる
  ときって、いっつもいないわよね。どうして?」
 
 「(ぎくっ!) ――― え、え〜ハハハ、偶然じゃないのぉ?」



99 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時43分45秒



 怪しいなぁ。どうしてそんなに慌ててるんだろう。
 ………
 あっ、そっか!!
 忘れてたわっ、ひとみちゃんがヤキモチ焼きだってこと!!

 「ご、ごめんひとみちゃんっ! ひとみちゃんの気持ちも考えずにあたし……」
 「え、ちょっと待ってなんでそこで涙ぐむの?
  アタシなんか悪いこと言った? ちょっゴメン梨華ちゃん、泣かないでよ〜」

 ぐすぐす。
 ごめんね、ひとみちゃん。
 いくら親友でも、あたしの態度は軽率だったわ。
 あたしと真希ちゃんが、仲睦まじくお話してるところなんて、見たくないのよねっ?

 ああ、ホント梨華ったらダメな子!



100 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時44分31秒



 「とにかく、この話は忘れてっ! そんなことより、真希ちゃんの妹さんに
  会いに行かなきゃだわ。急がないと……」

 「や、別に急ぐ必要ないと思うけど」

 もぉ、だめねっ、ひとみちゃん!
 顎に手をあてて、さらりと流すようにそう言うひとみちゃんはかっこいいけど、
 まぁるで乙女心が分かっていないんだからっ。

 「だめなの、急がなきゃ。だって、もし今日いきなり真希ちゃんに、
  『梨華ちゃん。キミの手料理が食べたいな』
  ―――― な〜んて言われたらどうするのよっ!?」

 「ないと思う! それは絶対ないと思うっ!!」

 「そのときになって焦っても遅いのよっ?
  善は急げって言うじゃない、さあ、行くわよひとみちゃん!」

 「 だから人の話を聞けぇっ!
  それにアタシにとっては善じゃなくって迷惑だっちゅーねん!!
  腕ひっぱんなっちゅーねん!!」



 
101 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時45分11秒


 *****

 さあ、今日も元気一杯、みんなハッピー♪
 張り切って、真希ちゃんの妹さんに会いにゆくわっ。

 ………え、授業?
 
 …………
 恋に障害はつきものよっ、だけどそれを乗り越えるのが愛なの!

 「 ――― ってゆーかそれ単なるサボリやろ ――― ヤローヤローヤローヤロー………!」
 


102 名前:5,暴走昼休み 投稿日:2002年03月19日(火)21時45分50秒



 石川梨華、17歳。

 あたしって、こんなに積極的な一面も持っていたのね。
 やっぱり、恋の力かな? 恋愛って、ふ・し・ぎはあとはあと


 (そして次回へつづく)

103 名前:無名作者 投稿日:2002年03月19日(火)21時48分42秒


 勢いだけで更新、終了です。
 今回は会話が多いなあ………んでもって恒例のマターリマターリ(w

 
 >>83 M.ANZAIさん 
   ホントですねえー、一緒に朝を迎えてるんですけどね。
   まあラブラブないしよしは他に善作がたくさんあるので、うちはこんなんで(w
   っていうか後藤の出番がないですねー、妄想の出番のが多い……ヲイヲイ

 >>84 名無し男さん
    ( ´D`) <ようやく出番なのれすー、てへてへ
    @ノハ@
   ( ‘д‘) <あんな黒いねーちゃんに真希姉は渡さんへんでっ!

 
104 名前:無名作者 投稿日:2002年03月19日(火)21時49分52秒
>85 akiさん
   2人の今後………果たして今後はあるのでしょうか…(w
   でも石川さんの性格なら大丈夫なのれす、てへてへ(クドイ
   ( ^▽^) <ありがとうございます、がんばります!

 >>87 名無し読者さん
   読んでくれてありがとう!ございます!!
   妹はツインズです。多分これから出番が増える………かもしれない??

 >>88 名無し読者さん
   よしごまにいっちゃってもよいですか〜?(w
   でもここの石川だと仮に2人が付き合っても気付かないかも、って
   それはいくらなんでもないか……。

 というわけで、次回は中学へ突入?
 の前に、石川の思い出話がちょこっと入るかもしれません、どうだろう…。
 駄文、読んでくださる方へ感謝しきりっす。
  (ずれた……髪が……w)

105 名前:M.ANZAI 投稿日:2002年03月20日(水)11時26分34秒
目薬もささずに涙ぐむ梨華ちゃん、カワイイ〜♪
しかし動転して関西弁?になっていく吉が変。
こんな自分勝手に盛上がる梨華ちゃんの居る教室、先生も授業やり難いっちゅーねんっ!
106 名前:名無し男 投稿日:2002年03月21日(木)01時11分30秒
ほんとに物凄い勢いだ(w
猪突猛進ってこの為の言葉では?
良くもまあこんなんで生きて来れたわ(w
107 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月24日(水)21時50分58秒
待ってますよ〜
108 名前:名無しです 投稿日:2002年05月05日(日)05時47分45秒
うう、禁断症状が…
109 名前:名無しです 投稿日:2002年05月05日(日)05時48分20秒
まだかな…?
110 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月17日(金)21時38分02秒
生きてっか〜?
111 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月15日(土)00時09分29秒
期待してますぞ
112 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月24日(月)21時38分43秒
いつの日か気が向いたら続けてください。
113 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月02日(火)01時27分04秒
待ってるよ〜
114 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月03日(土)14時52分20秒
保全
115 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月15日(木)00時12分48秒
さらに保全
116 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月29日(木)22時22分51秒
117 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月31日(土)18時07分42秒

118 名前:通りすがり。 投稿日:2002年09月28日(土)16時00分16秒
ここも放置か?

最後まで書けよ!
119 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月30日(月)12時05分01秒
ぬうぉぉぉぉぉっっっ!?agaってるーーー!!!
ひさぶりの更新キタ━━━━━(゚∀……………



………………………………………



>>118
(´・ω・`)ショボーン
120 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月02日(土)14時45分43秒
待ってまーす。

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