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ちゃんと愛してる

1 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時17分04秒
他板にも書かせて頂いてるんですが
どうしても乗せたかったので立てました。

文章におかしなところとかいっぱいあるかと思いますので
宜しければ注意して頂ければ幸いです。

ありきたりですが学園ものです。
主な登場人物は矢口・後藤・吉澤・石川です。
よろしくです。
2 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時18分30秒

今日もいつもと同じ一日が始まる。

朝7時に起きて準備してゆでたまごひとつを持って家を出る。

家から歩いて10分位のところに学校はある。


中・高とエスカレーター式になっているこの学園は上下関係も規律も緩く、制服も可愛い。

そしてこの物語はそんな学園に通う生徒達の恋のお話です。




1年1組

「おはよーごっちん。今日も早いねー。」

「あはっ、愛のチカラってやつですよ。うん」

「うっわ、朝からノロケてくれちゃってーいやんなるよ。」

「そんな事言ったってしょうがないよぉよしこ。ごとーとやぐっつあんはラブラブだから。」

「そうでしたそうでした。あっついあっつい」

3 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時20分39秒
ごっちんというのは後藤真希。昨日までは遅刻の常習で授業もほとんど寝ているような生徒。
よしこというのは吉澤ひとみ。真希とは正反対に真面目で遅刻なんてとんでもない!
欠席なんてもってのほか!というほどの、かなりの優等生である。
ふたりは中学2年生の時に同じクラスになったことがきっかけで、タイプこそ違うのだが
お互い男っぽい所や服の趣味などが合うことからすぐに仲良くなっていき、
クラスもずっと一緒で、今に至るのである。

真希が『昨日まで遅刻の常習』で今日からは何故違うのか。

それは真希に彼女が出来たからである。

ふたつ年上の3年3組の生徒、矢口真里である。

真里は人当たりも良く成績も性格も良い。とても気のつく子で、身長が145cmしかない割に
どこにいても目立ち、学園では知らない人が居ないほど有名である。
真希と真里は家が隣同士で小さいときからよく一緒に遊んでいた。
真里は真希の事をずっと妹としてしか見ていなかったのだけど真希は違っていた。
真希は物心ついた頃からずっと真里のことをひとりの女の子として好いていた。
真希の努力とひとみの協力によりふたりはやっと結ばれたのだ。それも昨日。
今朝から一緒に登校することにしたので早起きな真里に合わせ真希も学校に来ている。
というわけだ。
4 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時22分31秒
「そんな事より明後日からの期末テスト、勉強ちゃんとしてるのぉ?
 矢口さんに溺れてばっかでどうなっても知らないよー?」

「あはっ、それは大丈夫でーす。ちゃんとやぐっつあんに教えてもらってますから!!
 今日だって学校終わったら教えてもらうんだからー。」

「そう?なら良いけど・・・勉強以外の事も教わってそうだね、ごっちん・・・」

「えーー!!やぁだぁー!よしこってば変なこと想像しないでよ、やぐっつあんとごとーは
 まだそんなことしてません!!」

「えっ?そうなの?なんか意外。ずっと一緒だったのに何もしてないの?
 もしかしてキスもまだとか?!長い付き合いなのに」

「・・・よしこのバカっ!変なこと聞くなって言ってるでしょー。
・・・キスは軽いのだったらちっちゃい時からよくしてるけど・・・
大きくなってからはなんもだよ。大体正式に付き合ったのって昨日じゃんかー。
ごとーはやぐっつあん大好きだし、キスしたいよ。でも・・・」


「でも?」
5 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時24分34秒
「やぐっつあんはそうでもないのかなーって思っちゃうんだよね。
 ちゃんとごとーのこと好きでいてくれてるってのはすごく良く分かるんだけど・・・。
 だからまだしてないよ。」

「ごめん・・・変なこと聞いて。」

「ほんとだよ。でもいいよいいよ。テストが終われば夏休みだし?何もナシではいられないから。
 絶対に何かあるように頑張るから。あはっ!ごとーのことよりよしこはどうなのさ。」


「どうって何が?」

「だからぁー・・・恋の話とか無いわけ?ずっと一緒にいるけどよしこの口から恋関係の話って
 聞いた事ないじゃん。好きな人とかいないの?よしこって見た目かなり男前だから
 結構人気あるんだよ、知ってた?よしこのことを好きな子はいっぱいいるハズだよ?
 どうなの?」


「きゅっ、急になんだよー言えないよそんなの。」

「よしこにはやぐっつあんとのことかなり手伝ってもらったし、よしこは親友だから
 幸せになって欲しいの。なんでも協力するから、言ってよ?」


「言えないよ・・・ていうか、今好きな人居ないんだよ、だから言えないんだー
 もし好きな人が出来たら真っ先にごっちんに知らせるからそん時は協力してね?ありがと。」

「絶対だよ?いつでもいいから待ってるからね?」


「うん、約束する。」
(言える訳ないよ・・・)

声に出さず思うひとみだった。
6 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時27分05秒
そんなこんなで(どんなこんなだ?)テストも残すところ後1日。

明日は1教科しかないため、ひとみは少しだけ勉強をすると布団に入った。
布団に入ってもう3時間ほどたっただろうか、ひとみは寝ることができなかった。
明日が終われば夏休み。嬉しいからではない。

今日、ひとみの靴箱に手紙が入っていた。


『吉澤 ひとみ 様へ

 こんにちは。
 私はあなたのことが好きです。
 話をした事は一度も無いし、あなたは私の事を知らないと思います。
 私は、あなたがいつも周りに気を使っていることも、悩んでいる人が居たら見捨てることなく
 相談に乗ってあげていることもとても可愛い顔で笑うことも知っています。  

 いつも笑顔のあなたがたまに見せる悲しい顔。どこか切なそうな顔。
 私が勝手に思ってるだけかもしれないけど、そんな風に感じる時があります。
 何故かそれが気になります。

 知らない人間と付き合うって事は難しいと思います。
 でも私はあなたのことがもっと知りたいです。いつも笑顔でいて欲しいです。
 だから、迷惑じゃ無かったらためしでいいので付き合って下さい。
 明日は1時間で終わりだよね。テストが終わったら屋上で待ってます。
 返事を下さい。

 2年1組 石川 梨華  』
7 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時28分30秒
こんな手紙だった。

真希も言っていたように、ひとみは結構もてるので今までもこんな手紙はたくさんもらっていた。

でも他に好きな人がいるので全部断って、誰とも付き合ったりはしなかった。

もらった手紙の内容なんて思い出すこともなかった。今日に限って眠れずに浮かぶのは何故なのか。

ひとみは『いつも笑顔のあなたがたまに見せる悲しい顔。どこか切なそうな顔。』という

フレーズに戸惑っていた。なんのことか思い当たったからだ。


「分かる人にはわかるんだね・・・」
誰もいない部屋でひとみはつぶやいた。


(最初に会ったのはいつだっけ・・・。)
8 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月26日(火)23時30分15秒
今日はここまでです。

見てくれる奇特な方がいらっしゃることを祈りつつ、
頑張って書いて行こうと思います。

よろしくです。
9 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)06時13分22秒
見てますよ。がんばってくださーい
10 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月27日(水)13時53分50秒
見ました!!(w
吉の好きな人は、石じゃないのだろうか?
気になります。がんばってください。
11 名前:夜叉 投稿日:2002年02月27日(水)19時45分08秒
奇特1号です(爆)。
なにやら気になる展開…。期待してます、頑張ってください。
12 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月27日(水)20時59分31秒
この4人の組み合わせ大好きです。
これからの展開楽しみです、頑張ってください。
13 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時33分49秒

中学に入って初めての夏休みが終わり9月も半ばを過ぎた頃。

まだ暑い日差しの中、あまりにも暇だったひとみは渋谷に繰り出し買い物をしていた。
朝から出かけたひとみは充分に買い物を楽しみ、日が落ちてきたので帰ろうとしていた。

そんな時ふと目にとまったぬいぐるみ屋。昔懐かしのキャラクター物から最近はやりの
アニメの人形やら何やらたくさんあった。買う気は無いが、何気なく見ていたら
ふたつのぬいぐるみを何度も何度も見比べながら頭をかかえて悩んでる少女が
目に入った。ぬいぐるみは違いがあるのが全くといってわからないほど同じものにしか
見えなかった。ぬいぐるみは『ドラえもんがどら焼きを食べている』ぬいぐるみだった。

ひとつのものを買うのに何度も何度も見比べて悩んでいる少女があまりにも可愛くて
目を離すことが出来ないでいた。


(誰かにプレゼントするのかな、良いなぁあんなに悩んでもらえて)
などと思っていたら少女は急に振りかえり、ひとみに話しかけた。


「ねぇ、いきなりごめんね。このドラえもん、どっちが可愛いと思う??
 お昼から悩んでるだけど全然決められなくて困ってるんだー。」
そういうとドラえもんを差し出した。

(お昼って?!今5時だよ?)
少女は小学生だと言っても誰も疑わないくらいに小さく、ぬいぐるみが大きく見えた。
ひとみは同じにしか見えないけど、悩む振りをしてひとつを選んだ。


「やっぱり?あなたもそう思う?良かったー矢口もこっちが良いなって思ってたんだぁ」
そういうとすぐにレジに持っていった。
14 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時36分20秒
悩みもせずに選んだぬいぐるみだったが「お礼をさせてよ」という彼女の誘いを断ることが出来ず、
そして可愛さに初めて見た時からノックアウトされていたひとみは甘えることに決めたのだ。

デパートから出てちょっとお洒落な喫茶店に入った二人はとても気が合い、いろんなことを話した。

彼女は矢口真里。小学生だと思っていたらなんとふたつも年上だった。

今日はいつも一緒にいる妹みたいに思っている女の子の誕生日プレゼントを買いに来ていたらしい。
色んな話をしながらその女の子の話をするときの嬉しそうな顔が妙に印象的で魅力的で
なんだかドキドキしていた。あんな風に想われている、何故か会ったはずのない少女を
羨ましく思った。

話もそこそこにこの後用事があるとかですぐに別れた。

どこの学校かも分からない、どこに住んでいるかも分からない、また会えるかどうかも
分からない。二度と会えないかもしれない。だけどひとみは恋に落ちていた。

それから半年後・・・

二回目に会ったのはなんと自分の通う学校だった。
15 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時38分37秒
2年生になり、ひとみと真希は同じクラスになりすぐに友達になった。

毎日のように自分の好きな人を嬉しそうに幸せそうに話す真希がとても羨ましかった。
『私だって好きな人はいるんだよ』と言いたかったが名前しか知らないので真希には言えないでいた。


真希はというと、隣に住むふたつ年上の女の子がちっちゃいときから好きで好きで
本当に幸せそうに『昨日は何をした』『今度の日曜日は泊まりに行く』などなど
話さない日は無いくらいだった。いつも笑顔で話す真希。本当に好きなんだと
体中で表現する真希。あまりにも可愛らしく、ひとみは真希を応援し、
最後まで協力するゾ!と心に誓っていた。

とそんな毎日が続いていた或る日・・・。


「あぁーーーー!今日購買やってないのにお弁当忘れちゃったよぉ。どうしよよしこ!」

「えー?なんで忘れるのさバカだなぁ。しょうがない、私のをちょっと分けてあげるよ」

「マジ?ありがとよしこ。やっぱ持つべきものは太っ腹な友達だね♪」
「こらっ調子に乗るなー」

「あはっ」
そんなふたりの会話を止めるべくクラスメイトが真希を呼んだ。

「ごっちーん、先輩来てるよー」


「ふえ?先輩?誰だろ・・・」

ほんとに分からないといった様子でドアに近づいていった。
16 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時43分29秒

「あーーーーーー!!!!やぐっつあん???どうしたの?中等部に来るなんて。なんかあったの?」


やぐっつあん?半年前に会った矢口真里、彼女?彼女なのだろうか?いやまさかこんなところに
いるはずが・・・大体なんでごっちんと知り合いなんだよ?違うよ違うよ、違うに決まってる。

考えているうちにひとみは立ち上がり、ドアの方へと走っていた。



「なんかあったじゃないよぉ。ごっつあん今日お弁当忘れたでしょー?おばちゃんが困ってたよ。
 だめじゃん忘れたら。気をつけなよー。はい、お弁当。じゃぁそれだけだから、またね。」

「ありがとおう〜やぐっつあん。もう大好き!!」
その言葉に真里はニコっと笑うと高等部に戻っていった。

真里の姿が見えなくなってもいつまでも嬉しそうに笑っている真希。



「あの大きさ・・・声・・・やっぱり・・・矢・・口・・・さ・ん?」

顔を見ることは出来なかったが真希の話していた時の目線、そしてよく通る高い声から、
それは半年前から恋心を抱いていた相手、真里だということが分かった。



(どういうこと?なんであの矢口さんがここにいるの?なんで?それにごっちんの
 あの嬉しそうな顔、いつも好きな人を語るときのあの顔。これは・・・
 信じたくないけど・・・どう見たってそうだよね。ごっちんが好きな人って矢口さんだったんだ。)


「・・しこっ、よしこっ!ぼーっとしてどしたの?」
「えっ、あれ?ぼーっとしてたぁ?なんでだろ。それより良かったじゃんかーお弁当。」
「うんっ。」
17 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時45分53秒
真里の事をひとみが聞き出そうとしたらチャイムがなった。

(ちっ!!ばかチャイムめが!!空気の読めない奴だな、くそったれ)

興奮したひとみは人格がちょこっと変わっていた。


そして昼休み・・・。

「ねぇごっちん、さっきお弁当持って来た人ってさぁ〜いつも話している人?」

「う?うんそうだよ。見た?か〜わいかったでしょーー!!よしこ手ぇ早そうだから
 言っとくけど駄目だよ、やぐっつあんはあげないよ?」

「ムッ!手ぇ早いってなんだよ!出したことないでしょ失礼なー。まぁいーや・・・
 あのさ、聞くけどさ、やぐっつあんって矢口真里って名前?あってる?」

「????どっ、どうして分かったのー??名前出した事無かったよねぇごとー?」

(ああああぁやっぱり、か・・・)
100パーセント、さっきの少女が真里であった事を疑う気など無いのだがどうしても
信じたくないひとみは聞いたのだ。そして何故知っているのか教えろと迫る真希に
ひとみは半年前に会った事を話したのだった。




「じゃぁあのときやぐっつあんが言ってた子ってよしこだったんだぁ。」
「言ってた?」
「うん。『今日ねぇめっちゃ男前な女の子に会ったよ〜優しそうな感じで、多分人気あるよぉ〜
 かっこ良かったなぁ〜』ってウキウキした顔で言ってた。正直言って腹立ったけどね、
 そんときは。ごとーに見せててるお姉さんな顔じゃ無くて女の子の顔だったから・・・」
18 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時48分22秒
「そんな事言ってたんだ・・・じゃああの時矢口さんが選んでた『ドラえもん』、
 ごっちんへのプレゼントだったんだ。」

「うん。そうみたいだね。よしこが選んでくれたんだ?ごとー9月に誕生日だからね。
 でもよしこ・・・一度しか会ってない、それも半年も前のことなのに覚えてるなんて
・・・やぐっつあんの事が好きなの?気になるの?・・・」

真希はものすごく不安気な顔をしている。

「ええぇー??そっそんな事あるわけないじゃんか!あまりにもちっちゃかったから
 印象に残ってたんだよーきっと。(するどいなごっちん)それにあのドラえもん
 選ぶのに矢口さん4時間はかけてたよ?私が見たのは買う30分前ほどだったけど。
 私から見たらさぁー何も違わないドラえもんなのに眉間にシワ寄せて真剣に悩んでたよ?
 すごく大切な人への贈り物って感じで・・・だから、ごっちん変な心配しないでよう〜
 大体ごっちんの好きな人が矢口さんだって知ったのは今日だけど、ずぅーっとごっちんから
 話には聞いてたんだから。ごっちんは私の大切な親友だから幸せになって欲しい。
 矢口さんとのことだって協力するから。ね?」


「・・・だよね?なんか変なこと聞いてごめんねぇ。ごとーやぐっつあんのことになると
 自信なくなるから・・・。へへっ。」

「なに?笑って?」
「『大切な親友』っての嬉しかったよ。ごとーにとっても『大切な親友』だからね、
 よしこは!よおし、それじゃあよしこにも協力してもらおうかな?」

「オーッケ!任せてよ。」

「あれだね、まずはやぐっつあんと顔見知りになってもらわないとね。」
19 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時50分33秒
自分の気持ちを押し殺しライバルの協力をしてしまう自分が情けなくてみじめだった。
でもしょうがないのだ。

真里のことは一度しか会ってないけどやっぱり好きで、好きでたまらない。
真希は本当に今まで出会った中で一番話も合い趣味も合う、そして気を使わなくても
いけるほどの友達だった。

だから「本当は矢口さんが好きだ」と言うことで真希の笑顔が曇るのは絶対に見たくなかった。

友達でなくなるのも嫌だった。一目で恋に落ち、半年間片想い、そして再会。
今まで真希が真里想って来た時間に比べると比べようもないほど自分の恋は短い。
だから諦めようと決めた。真希の幸せはそのまま真里の幸せにもつながっているのだ。
こんなすばらしい事ってない。そうひとみは考えた。


それから真希はすぐにひとみを紹介し、3人で仲良く学校生活を送っていた。
そして中学3年生になった。その間もやっぱりひとみは真里のことを諦め切れないでいた。

言葉にも態度にも出さないがいつも考えるのは真里のことばかり。真里はとても明るくて
楽しくて、悩んでいたら飛んで来て励ましてくれてとても頼りになる子だった。
悩みがどんなに小さな事でも嫌な顔ひとつせずに聞いてくれた・・・。それとひとみは
真希に『応援する、協力をする』と言っていたもののなかなか進展しない二人を見て
安心していた。そしてその反面歯痒かった。『くっつくなら早くくっついて欲しい。』
中途半端に付き合ってるから『もしかしたら隙間に入れるかも』などとよからぬ気持ちを
抱いてしまうのだ。いつまでも諦められないのだ。

ひとみの中で真里は一向に小さくならずに大きくなるばかりだった。
20 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時54分40秒
そんな或る日・・・真希が泣いて教室に入って来た。誰が話しかけても返事をせず、ずっと泣いていた。
ひとみは真希を放課後に捕まえると泣いていた理由を問いただした。
いつも笑顔の真希が泣く時なんて真里が関わっているときしか見たことがない。
ひとみはそれを過去になんども見てきたので知っていた。


「で、矢口さんと何があったの?」
どうして分かるの?と言った顔で真希は少し間をおくと話だした。泣いていた理由はこれ。


『お昼休みにやぐっつあんの教室に行ったんだぁ、そしたらなんか知らない人と楽しそうに
 しゃべってて・・・悪いと思ったけど聞き耳たてて聞いてたんだぁ。その人、やぐっつあんの事
 が好きみたいだったんだぁ。やぐっつあんもまんざらじゃないって顔してて・・・とにかく
 恋人同士にしか見えない二人だったんだぁ。そしたらクラスの人に『いつもいつもラブラブで羨ましいねぇ』
 ってからかわれてて・・・やぐっつあんは『もーそんなんじゃ無いよ』って顔だった・・・
 と思うんだけど相手の人が『愛し合ってますから』っ言ってやぐっつあんにちゅーしたんだぁ。
 ック、ヒック、ック・・・。もうごとー見てらんなくって!!悲しいよ、よしこ。
 ごとーのやぐっつあんが、やぐっつあんが・・・』

ごっちんがもう話たくないといった様子だったので聞いた後すぐに帰ることにした。
真希を送りその足でひとみは隣の真里のうちへ行った。真里はまだ帰ってなかったが
おばさんに部屋へあげてもらい待っていた。

21 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時57分25秒
実際ひとみもかなりショックを受けていた。

本当なら大きな声で『好きです』と言いたい。自分が付き合いたい。
でもそれが無理だから我慢していた。大好きな真希だから気持ちを押し殺して我慢していた。

どこのだれかも分からないような奴に真里を渡したくなかった。

そんな事を考えているうちに真里が帰って来た。


「よっすぃーただいま。どしたの?急に。矢口に会いたかったのぉ〜」
とにやっと笑う真里。

(あぁぁぁやっぱ可愛い・・・じゃない、じゃない!)

「矢口さん!!今日キスしたってホントですか?!」
「な、な、なんだよぉイキナリ〜なんでそんな事聞くのぉ?あっ、それよりお腹すかない?
 なんか持ってこようか」

「質問に答えて下さい!!」
「えぇえ〜?・・・・・・・・・・・・したよ。」

「!!どうして!矢口さんはごっちんの事が好きなんじゃ無かったんですか?
 どうして好きな人以外とキスなんてするんですか!!矢口さんはヒドイです!
 ごっちんの気持ち知ってるクセにッ!!」

「ごっつあん?ごっつあんが何?ごっつあんも知ってるの?もしかして・・・」

「ごっちんが・・・一部始終見てました。泣いてましたよっ!」
「!」

「?どうしました?」

「・・・ごっつあんどうしてる??ねぇよっすぃー!!?・・・ごめん!ちょっとごっつあんとこ
 行ってくる。ごめんね」

『今行ってどうするつもりですか!?』と問う暇も無く、そう言うと真里はすっ飛んで出て行った。
22 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)22時59分07秒

(どうしよ・・・余計な事言ったかな私・・・。でも見てらんなかったんだもん、
 しょーがないよね。とりあえず今日は帰ろう。)

“余計な事言ってすいません。お邪魔しました。”

メモを残してひとみは帰った。




次の日・・・

(あぁー憂鬱だよぉ〜昨日あれからごっちんとも矢口さんともメールとかしてないし〜
 二人の仲がもっとこじれてたら耐えらんないよぉ〜・・・はぁぁあぁーー)

と暗いひとみの目に仲の良い二人が目に入った。

「???」

真里と真希が笑顔で幸せそうに手を繋いで登校していたのだ。ふたりで登校は珍しくもないが、
手を繋いでいるのはあまり見たことが無かった。それに昨日のあの状態からどうやったら
ああなるんだ?と、ひとみは不思議がった。

ひとみに気付かず二人は学校に入って行った。


今日の午前中は選択授業が多かったため真希と話す機会が全く無かったひとみは
5時間目をさぼらせ真希と屋上にいた。


「・・・ごっちん、昨日、ごめんね?私が矢口さんにごっちんが言ってたこと言っちゃって。」
「ん?ううん。全然。それどころか感謝してる。」

「へ?感謝?なんで?」
23 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)23時02分39秒
「昨日、ふて寝してやろうと思って布団に入ってたらやぐっつあんがいきなり部屋に入ってきたんだ。
でね、『ごっつあん、泣かしてゴメン』って言ったんだ。なんのことか一瞬分からなかったけど
すぐに今日の事だって分かった。ごとー大泣きのクセに強がって『泣いてなんかないよ』って
言ったら『泣いてるじゃんか!ほんとにゴメン!泣かしてゴメン!』って何度も言うの。だから
『なんで謝るの?』って聞いたの。そしたらちょっといいにくそうに、

『ごっつあんが、・・ごっつあんが矢口の事を昔からずっと好きでいてくれてるって・・知ってる。
自惚れかもしんないけど・・・』

『自惚れなんかじゃないよ』ってもちろん答えたよ。そしたら

『矢口は、ごっつあんのこと実の家族よりも大切な存在だと思ってる。ごっつあんのことは
すごく好きだけど、今はこの気持ちが家族愛なのか恋愛感情なのか分からないんだ。
でも本当に好きなのは分かる。ごっつあん以外にこんな感情を抱くような、気になる人もいない』って。

『じゃあ今日キスしてた人は?どんな関係なの?』って聞いたよ。
24 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)23時03分53秒
やぐっつあんがごとーのこと好きっていうのは本当っぽいんだけど好きでもないのに
キスはしないでしょフツー。だから、ね。そしたら『あの人は高3の飯田圭織さん。
矢口と身長差がかなりあって矢口がちっこいもんだから気にいってるみたい、矢口のこと。
それに飯田さんは学校でも有名なキス魔なんだよ。キスされた子はたっくさんいるよぉ。
矢口も自分からはしないよぉ好きでも無い人とは』って。

もーほんと良かったよぉやぐっつあんがごとーに嘘つくわけないし、ごとーの誤解が解けて
帰る前にね?とってもうれしい事をやぐっつあんが言ってくれたんだ。」


「・・・なんて?」

「『ごっつあん、矢口は今はまだごっつあんに対してどんな感情を持っているのか
分からないって言ったよね?でも答えを見つけようとしているから。今までもずっと
待たせて来たけどもうちょっと待っててくれる?』って。
ほんとーに嬉しかったね。そんでー今日は朝迎えに来てくれたの。」



終始笑顔で話す真希。カッとなって真里に言った事でこんなにも状況が変わってしまって
複雑なひとみ。真希と真里が上手いこと行きそうな事を嬉しくも思うがやはり胸が苦しいのだ。

真希には感謝されているが『ほんと。余計な事したかも・・・ばかだ私』と思った。


ひとみは放課後に今度は真里を呼び出した。
25 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)23時05分42秒
「昨日はいきなりあんなこと言ってすいませんでした・・・」深々と頭を下げる。

「何言ってんの。よっすぃーには感謝してるよ。なんかー自分の気持ちを一歩前に進めることが
 出来たって感じだよ。ずっと自分を好きでいてくれてるごっつあんに甘えて答えを出そうとも
 しないで・・・矢口はずっと逃げてた。ずるかったんだ。だから考えるきっかけとして
 よっすぃーが昨日言ってくれた事にほんと、感謝してる。ありがとね。
 昨日よっすぃーが言ってくれなかったら矢口は気付かないでまたごっつあんを傷つける事に
 なってた。まだもう少し答えは出なさそうだけどごっつあんの事は好きだから。
 心配しないで。いつもうちらの間に入ってくれてありがとね?
 よっすぃーも彼女とか出来たら相談してよね。」


家に帰りひとみは何も言わずに部屋に入り朝まで出てこなかった。

親や弟は心配して何度か声をかけに来ていたのだが返事が出来る状態ではなかった。ひとみは今までにないって位に泣いていた。親友の真希の想いがもうすぐ報われそうな事を喜ぶ気持ちと、初めて好きになった人を今度こそ諦めなければという気持ちから涙が止まらなかった。今まで真里に抱いていた感情が可哀想でみじめで切なくて、最初から入る隙間なんてどこにもなかったんだと思い知らされたのだから。次の日、眼がパンパンに腫れ上がっていたひとみは無念だが学校を休んだ。そしてひとみと真希は高校1年生になり、また同じクラスになっていた。
26 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)23時07分47秒

大泣きしたあの夜から真里の事を忘れようと努力し、大分落ち着いた頃、そう、つい最近、
真里が真希に告白した。真里は『待たせてごめん。矢口はごっつあんが好きだよ』と言い、
真希は『待ったうちに入んないよぉ〜ごとーもやぐっつあん好き!』と返事をした。

とても嬉しそうに話してくれた。ひとみはこの時点でもう真里のことは吹っ切れたと思っていた。



布団の中でひとみは真里と出会ってからのことを思い出していた。


(矢口さんと出会ってもうすぐ3年が経つのかぁ早いなぁ。吹っ切れてると思ってたんだけどな・・・。
 吹っ切れてなかったね。あれから何人もの人に告られたけど全部断ったもんね。
 可愛い子もタイプの子もいたけど。なんでか付き合う気になれなかったんだよね。
 それに、『たまに見せる悲しい顔。どこか切ない顔』これってやっぱりまだ未練が
 あるってことかな・・・。)

どんな時にそんな顔をするのかひとみには分かる。
真里と真希が何気なく話をしていたりするときだ。


(いつまでもうじうじしてちゃあいけないのかなやっぱり、
 みんな前へ進んでるんだもんね。よーし)


何かを決意するとひとみは深い眠りに入っていった。
27 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)23時09分21秒
ここは放課後の屋上。

相手、石川梨華はすでに待っていた。


「すいませーん待たせちゃって。」

「あっ、こんにちは。全然待ってない・・です!!それで、あの、返事は・・・?」

「昨日の手紙の事ですよね?正直私は石川先輩の事を知りません。
 だから好きになれるかどうかも正直分かりません。
 キツイ事言ってると思うんですけど、気持ちを隠すのはいやなんです。
 だからそんな感じでも良いのだったら・・・宜しくお願いします。」

「!ほんとに?ほんとに?嬉しいっ!ずっと好きだったの。好きになってもらえるように
 頑張るから宜しくお願いします。えと、なんて呼べばいいですか?」

「あー、なんでもいいですよ。それに石川先輩の方が年上なんですから敬語はやめて下さいね?」

「分かりまし、あ、分かった。頑張るね。私は梨華ちゃんってふつーに下の名前で
 呼ばれているからそれでもいいし、吉澤さんだったらなんでも良いよ。好きに呼んでね?」




明日からの夏休み(といっても実際はテスト休みで終業式がまだあるのだが)、
彼女の出来たひとみとあつあつカップル真里と真希。どんな夏休みになるのか・・・。
28 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月27日(水)23時17分25秒
>9 名無し読者さま
    わぁ!どうもです。
    文章の切り方とか変だと思うんですけど頑張ります!!

>10 よすこ大好き読者さま
    なんと、吉の好きだった人は知でした。
    やぐごま好きなんで吉には涙をのんでもらいました。
    
>11 夜叉さま
    初めましてです。
    あまりいしよしじゃないかもしれませんが今のところ。
    萌えなシーンは難しいのでなかなかないかもしれませんが
    頑張ります。ありがとうございます。

>12 名無し読者さま
    いしよしは結構あるんですがやぐごまってまだまだ
    少ないですよね。4人とも好きなので頑張ります。

    今日の更新は以上です。
    では!!
29 名前:夜叉 投稿日:2002年02月28日(木)18時30分03秒
大漁交信有難うございます。すごくないですか?
読んでる側としてはうれしい限りなのですが(笑)。
頑張ってください。
30 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年02月28日(木)19時44分57秒
私も、この2組大好きですよーー(w
これからの展開に期待。
早く吉は、やっぐつあんのことを吹っ切って梨華ちゃんと、幸せになってほしいっす。(w
31 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時31分00秒
終業式

「よしこー久しぶりだね10日ぶりか。どう?2年の石川先輩だっけ?遊んだりしてるぅ〜?」

梨華と付き合いだした事を言ったのは真希だけで、真里には会う機会も無かったのでまだだった。

「久しぶり。どうって、1回だけデートした位だよ。まだ知り合ったばっかだもん」

「なぁ〜んだ、だめじゃん!せっかくよしこの事を好きって言ってくれてるんだからぁ
ピタっとブチュっとしなきゃあ〜もーーよしこって意外と堅いよね。」
あきれた顔で真希は言う。

「もーーーーーごっちんと一緒にしないでよね。私は好きになってからそういう事はするの!!」

「なにさ、ごとーだって好きじゃなかったらしないよ、そんなこと。
 でも今まで誰に告白されても付き合わなかったよしこをさあ〜振り向かせたその人、
 ちょっと興味あるな〜紹介してよ!ちょっとやそっとの可愛さじゃないんでしょーねぇやっぱり。
 まぁやぐっつあんに敵う人はいないけど、あはっ」

(そりゃあはそうでしょ・・・)
「やだよ!」

「なんでよ!」

「なんでも!!」

「いいじゃん紹介してよ!」

「やだってば!!!」

「けちっっっいいよもう、ばかよしこ!」
真希は怒って出て行ってしまった。

紹介することなどなんでも無いのだが真里とピタっとブチュっとしてるのを想像したら
腹が立って悔しかったのだ。

まだ吹っ切れてない?ひとみだった。
32 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時34分44秒
「・・・って事だったのよ。よしこ冷たいと思わない?ね、やぐっつあんはどう思う?
 よしこってさあ〜めちゃくちゃもててたじゃない?何十人もの人に告られても告られても
 誰とも付き合わなかったよしこがだよ?今回は何故かオーケーしたんだよ。不思議じゃない?
 よしこはやぐっつあんとのことでいろいろお世話になったし、せっかくよしこが付き合う気に
 なったんだもん上手くいって欲しいじゃない。
 だからその相手とうちらも仲良くなってた方がいいと思うの。」


「その子、可愛いのかな・・・?」

「ぜーーーーったい可愛いよお!じゃなかったらオーケーしないっしょ!」

「じゃ今まではなんで断ってたのさ。今までだって結構可愛い子はいたぞー?」

「むっ、何よやぐっつあん、そんなのチェックしてたんだ?ふぅ〜ん・・・(怒)」

「あっ、あのっ、違う違う!チェックなんかしてないってぇ〜ごっつあんが
一番か、可愛いに決ま・・ってるじゃんかー矢口はごっつあんしか見てないよっ!ね?」

これだけ言うのも精一杯な真里に

「・・・じゃあ愛してるって言ってよ。」と真希が追い討ちをかける。

「ぇえっ?!何さ急にぃ〜・・・言えないよ恥ずかしいじゃん・・・
ねぇ、良いでしょ言わなくてもそんなの分かってるよね?ごっつあん」

(怒・・・)

「う〜(まいったな・・・)あ〜・・あ・愛してるょ(照)・・・・・・・・・もう!いいでしょ!!」

「えへへ〜(笑)嬉しい!ごとーだってやぐっつあんしか見てないもん。愛してるよお〜」

「そ、そう?」
33 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時36分17秒
『愛してる』なんてこっぱずかしい言葉を簡単に言える真希はすごいなと真里は思った。
だからといって軽い言葉に聞こえるわけでもないし。
『愛してる』と言ってから真里の腕にくっついて離れない真希に嬉しいのだが
照れた真里はさりげな〜く離れると話をもとに戻した。


「でもま、確かによっすぃーにはごっつあんがいつもお世話してもらってるし矢口にとっても
 可愛い後輩なわけだし?協力しようか。」

「ごとーが世話してあげてるの!でもさっすがやぐっつあん!じゃあ早速よっすぃーを呼んでよ。
 ごとーには嫌だっていったけどやぐっつあんなら断れないだろうし・・・」

「はいはい、分かりましたよ・・・。」
そういって真里は携帯をかばんから取り出すと『よっすぃいー』に電話をした。



「・・うん、うん、そう。今から。ん、オッケー待ってるね。」

「よしこなんて?」
「あぁ『今すぐ行きます』だってさ。暇そうにしてたよ。」

「もー暇だったら石川さんと遊べばいいのにさー・・・」
「ほんとにね・・・」

ひとみの家は二人の家からは15分位の所にある。
電話を切ってからまだ7分しか経ってなかったその時玄関でチャイムのなる音が聞こえた。

ひとみだった。久しぶりに真里に会えると思ったひとみは何も持たず、着替えもせずに
ジャージのまま飛び出してきたのだった。
34 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時39分58秒
「よっすぃーかな?」
「うそぉー、早すぎだよいくらなんでも。」

「うん、まぁ見にいってくる。」
タッタッタッタッタ。階段を勢いよく降りる真里。
外まで音が聞こえてひとみは思わずにやけた。

(矢口さんに会える!!)
「ガチャ」

「矢口さん!!」
「おおうっ?ほんとによっすぃーだったぁ!早すぎだよ、それになんでジャージ??」

「(矢口さんに会いたかったから!!)・・・なんとなくかな・・。」

「なんだようなんとなくってー。まぁいいよ入ってよ。」
「はい。」

真里はお茶でも入れるからと台所へ行き、ひとみを先に自分の部屋へ行くようにした。

「(矢口さんの部屋かあ〜久しぶり。うひゃー楽しみっ・・・)失礼しまーーす・・・」

「いらっしゃあ〜い」
「ごごごごごっちん?なんでいるの?(ってそうか二人は付き合ってるんだし家も隣なんだった。
 いてもおかしくないよね。でもなんだよーせっかく矢口さんとふたりだと思ったのにぃーー(泣))

「ん?学校で聞いたことの続きだよお」
「・・・そのことね。」

「おぃーっス、おまたせよっすぃー突っ立ってないで座ってよ。はい、紅茶。
 ミルクとお砂糖勝手にいれたけど良かった?」

「あっ、はい。ありがとうございます頂きます。」

「でさぁ早速なんだけどぉ〜・・・よっすぃー彼女が出来たんだってぇ?」
「ぶはっ!!な、何をイキナリ・・・」
「いやぁ〜今日ごっつあんから聞いてさぁ〜ビクーリしたよう〜よっすぃーに彼女なんてさぁ」

「びっくり?」

35 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時41分43秒
「うん、だって今までだって告白された事はあったでしょ?でも付き合わなかったじゃない。
 だからどういう心境の変化なのかなって・・・どうなの?可愛いんでしょ?
 そうでしょ?どうなの、よっすぃー。」

ひとみは真希を『余計な事言ってぇ!!』と睨み付けたが真希は気付かない。
真里はその答えをひとみの口から発せられるのを今か今かと待っている。

「理由ですか?」
真里を諦めるためだけに付き合ったなんて理由、言えるわけがない。

「・・・可愛いかったから、ですよ・・・。」
適当な事を言ってしまう。

「ほらーーーーーやっぱり!ごとーの言った通りだったじゃんかあー。よしこもひどいや、
親友の私には言えなくてやぐっつあんにだったら白状するんだもん」
悲しそうな顔をする真希。それを見たひとみはこれまた適当に

「だってさ、ごっちんに石川先輩が可愛いなんて言っても『やぐっつあんの方が可愛い』
って言われて終わるんだもん。だからだよ!・・・悪かったてばごめんね」

「ううん。もういいよ。理由分かったし。・・・じゃあ紹介してくれるよね?」

「えぇぇえ?やっぱり紹介しなきゃだめなの?」

「やぐっつあんからも言ってよ!!見たいでしょ!可愛いオ・ン・ナ・ノ・コ!」

「(うっ!まだ根に持ってる?まいったな)・・・うん。矢口達とさ、仲良くなったら
一緒に遊んだり旅行いったり出来るじゃん?だから仲良くなってたほうがいいと思うし。
紹介してよ、よっすぃー?」

36 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時44分42秒
なんて上目遣いに見られながら言われたら誰も断れないでしょ。
ひとみは速攻で『分かりました』と返事をした。
そしてWデートという事で映画が安い日、水曜日に映画を見ようと約束をして
ひとみは帰って行った。

「楽しみだね、ごっつあん?」
少し不安そうな顔に見える真希。どうしたというのだ。

「ごっつあん、元気ないけどどうかした?」

「・・・やぐっつあん?約束して?」

「約束?」
「そう、約束。簡単だから。」

「何?言ってみて。」
「よしこの彼女がごとーより可愛くても、ごとーの事離さないって、傍に居るって約束して?」

「・・・可愛いなぁごっつあんは・・・。心配しなくても矢口はごっつあんしか見えてないよ。
 さっきもいったでしょ?矢口が好きなのはごっつあん、愛してるのも、ずっと一緒に
 生きて行きたいのもごっつあん、分かった?伝わってないのかな、矢口の気持ち。」
わざとキザっぽく言ってみた、顔から火が出そうなほど真里は恥ずかしかった。

(早く答えてよ!)

「っってる。伝わってるよ。やぐっつあんがごとーのこ好きだってこと良く分かってる。
でも不安になるんだもん。誰か、ごとーじゃない誰かが、やぐっつあんのことを盗ってしまいそうで!!!」
37 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時45分55秒
いつのまにか眼には涙が溜まっていた。
いつも自信に満ち溢れている真希だが真里を前にすると妙にネガティブになってしまう。
どんな甘い言葉をかけても泣き止まない真希に困った真里は、真希をそっと抱き寄せると、
自分から唇を真希の唇に近付けた・・・。

そしてふたりの唇と唇がそっと触れた。優しく触れるだけのキス。キスはすぐ終わり、
真里は何も言わずに真希を抱きしめていた。どれだけ泣いていただろうか。もう外は暗い。

「ごめんねやぐっつあん。ネガティブでごめん」
ようやく泣き止み、真希が口を開いた。

「そうだよーごっつあんは矢口にすぅーーーっごく愛されてるんだからもっと
 自信持ってもらわなきゃー(ちょ、ちょっと照れるねやっぱり。)」

「えへへへ、そうだね。ほんとごめん。それとありがとう」
「ん?なにが?」

「キス・・・口にしてくれたのって始めてだって知ってた?嬉しかった・・・」

「・・・知ってたよ、そんなの。でも今度からは泣いててもしないからね、
 笑ってなきゃ駄目だからね!!分かった?」


「うん。分かった。だからもいっかい・・・」

今度は少し長めのキス。真里も真希もある意味初めての恋人同士のキスを楽しんでいた。

38 名前:名無しくん。 投稿日:2002年02月28日(木)22時51分10秒
>29 夜叉さま
      レスありがとうございます!!
      大漁ですか、いつまで続くのか・・・
      次回は1個だったりして・・・(w
      がんばります!!

>30 よすこ大好き読者さま
      この吉は結構未練ったらしいかも(w
      梨華っちに頑張ってもらわないと!
      
      では、どうもでした!
39 名前:夜叉 投稿日:2002年03月01日(金)18時46分04秒
なんだか未練たらたらな吉のWデートの行方が気になります。知の方も(略。w
続き楽しみに待ってます。
40 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月02日(土)22時04分25秒
水曜日。今日は4人で映画の日。
真希達は少し早めに待ち合わせ場所に来ていた。

「あっ、来たよ」

「あっ矢口さんにごっちん。早いっスね。あ、紹介しますね。こちら2年1組の石川梨華さん。」

「あの、こんにちは。石川梨華です。お二人の事はいつもひとみちゃんから聞いてます。
宜しくお願いします。」
真っ赤な顔して言っている。

「「可愛い・・・」」真希と真里は顔を合わせて見惚れている。

「私は後藤真希、ごっちんでいいよ。んでこっちがーごとーの恋人!!」

「・・・矢口真里です(恋人って言わないでよ恥ずかしいなぁ)。宜しくね。」

映画が始まるまで時間がまだ大分あるので4人は近くの喫茶店に行くことにした。

真希と真里がさっきから梨華にいろいろ話しかけているのだが俯いて恥ずかしそうにしている。
普通だったら感じ悪いのだが梨華にはそんな気がおきない。思った通りに超可愛いかったし
声もアニメ声で可愛いし、今までに出逢った事のないタイプだったからだ。

ひとみはというとさっきから真希たちがしきりに梨華のことを『可愛い、可愛い』と言うので、

(矢口さんには敵わないって思ってたからちゃんと見てなかったけど梨華ちゃんって可愛いんだろうか?)

などと考え、じーっと梨華を見つめていた。それに気付いたのは梨華では無く真里だった。

「も〜よっすぃー、いくら梨華ちゃんが可愛いからって見過ぎだよぉーこっちが恥ずかしいよ」

「えっ?見てました?私。」

「めぇーっちゃ見てたよ。」

ひとみは慌てて前を向き、梨華はさらに顔を真っ赤にして俯いている。
41 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月02日(土)22時06分04秒

「・・・なんか、初々しいね、ふたりとも。ねぇ、ごっつあん?」

「そうだねーごとーたちには無かったねーこおういうの」

「ま、ずっと一緒だったからね。あっ、そろそろいい時間じゃない?行こうか」

映画は、今新作で大人気の恋愛物だった。みんなお年頃なのでそういうのは好きらしく、
くいいるように見ていた。しかしひとみはこんなことを思っていた。


(矢口さんとごっちん、あらためて見たらやっぱりラブラブじゃない。ずっと腕組んでたし、
今だって手ぇ繋いでるしさ、良いなあ、ちぇっ。あっ、梨華ちゃんはどうしてんだろ?)

こそっと左を見てみた。するとどんなシーンだったかは見ていなかったひとみなので
さっぱり分からないが梨華は目に涙をためて切なそうに見ていた。
その顔をがなんともいえなくてドキドキして・・・可愛く思った。


(なんだよ・・・梨華ちゃんだってこんなに可愛いじゃんか。今日ごっちんたちに言われるまで
考えたこともちゃんと見たことも無かったけど・・・可愛いよね。よく考えなくても
梨華ちゃんって私の彼女なんだよね?ごっちんに言われたようにピタっとブチュっとしてみたいかも・・・)

今の今まで好きになれるように努力をするといいながらも見ていなかった梨華が
急に可愛く見えて来たのだった。そんな事を考えているうちに映画は終わっていた。

その後は4人で夜ごはんを食べて10時には家に帰っていた。
42 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月02日(土)22時08分39秒
>39 夜叉さま
    レスどうもありがとうございます!励みになります。
    
    2個だけの更新になってしまいました。
    吉がいつまで未練たらしく知を想うのか、
    作者にも分かりません(w
43 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月04日(月)06時33分24秒
意識しだすと止まれな〜い(w
44 名前:夜叉 投稿日:2002年03月04日(月)14時11分34秒
ちょっとずつ傾いていくのかな?
これからの展開に期待してます。
45 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時06分34秒
真希は帰ってお風呂に入ってからパジャマを持って真里うちに泊まりに来ていた。

「なんかあれだね、よっすぃーと梨華ちゃんって美男美女って感じでめちゃお似合いだったよね。
慣れないせいかあんまり話てくれなかったけどさ。」

「そうだよねー梨華ちゃんは確かに可愛いかったよねえ〜早くラブラブになって欲しいね♪
うちらみたいにさっ♪」

「・・・でも今まで好きな人すら居なかったんだからずぐには無理でしょ。」

「好きな人は居た・・・はずだよ。聞いた訳じゃないけどたぶん・・・」

「そうなんだ?!へぇーなんか誰だか気になるよね。知ってるの?」

「なんとなく・・・でも!!いいじゃんやめよこの話。今は梨華ちゃんと付き合ってんだから
早くラブラブになるように祈ってようよ!!ね!やぐっつあん♪」

「う、うん(なんか変だなごっつあん)」

「でさぁーごとーもやぐっつあんともぉっとラブラブしたいなーー・・・なんて。・・・駄目?」

なんて上目遣いに見ながら真希は真里にじわじわと詰め寄っていっている。


なんのことだか分かる真里は想像して赤くなる。

ちっちゃい時からずーっと待たして来た真希、ずっと我慢して待ってくれてた真希、
そんな真希の気持ちを考えると『いいよ』って言いたいのだがちょっと悩んでしまう。
女同士ってことは気にならないのだが、多分真希は初めてだろうから。
46 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時08分56秒
真里は以外にも経験済みだった。
相手は・・・高校に上がるまで家庭教師をしてくれていた10歳年上の女性だった。
彼女には勉強以外にもいろんな役立つことを教わった。そのときに初体験もしてしまったのだ。
恋愛感情は無かったが何故かしてしまった。多分大人な彼女を尊敬し、憧れていたのだろう。
その女性は今は結婚して京都にいる。真里は淋しかったが、それだけで、悲しくはなかった。

そんなこんなで真里は一度だけ経験している。だが、自分が経験したときは受け側だったため
攻めるやりかたなんて分かるはずが無かった。だからなんとなく、初めてだろう真希に頷けなかった。

頷けないでいると真希がすごく悲しそうな顔で真里を見ていた。

「やぐっつあんはごとーのことキライ?」
目にはうっすらと涙が見える。

「キライなんて、そんなことあるはずないよ!!」
愛していると心から思っている真里は強く答えた。

「じゃあ、好き?」
「愛してる!」
「・・・じゃあ、どうして?やぐっつあんはごとーと、えっち、したくないの・・・?」

「・・・」
「なにか言ってよ。ごとーはね?ごとーはやぐっつあんが大好きだし大切だし抱いて欲しい。
抱きたいよ。いつだってそう思ってるよ?そりゃーえっちしなくたって好きなものは好きだけど
・・・もっとやぐっつあんを知りたいもん、もっと好きになりたいもん。」


「ごっつあん・・・ごめんね。矢口、考えてることがあって・・・。」

「考えてること?」
47 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時11分37秒
「うん、矢口はごっつあんの事本当に愛してる。これは分かってくれるよね?」
『うん』と頷く。
「じゃあこれも分かって?ごっつあん、その、初めてでしょ?」

「うん・・・初めて。って、えぇーー?やぐっつあんはあるのぉ?誰とぉ!!ちょっとー!!」

「えーっとまぁそれはおいおい話すとして、聞いてくれるかな?」
かなり納得いかないと言った顔で真里を見る真希だったが真里は続けて話した。

「初めてってさぁやっぱりムードとか場所とか矢口的には大事な訳。自分のときは
そんなもんへったくれもなかったからさあ〜ごっつあんにはちゃんとしたきれいな場所で、
ムードいっぱいで経験して欲しいんだ。ごっつあんのこと抱きたくないなんて思ってないよ。
抱きたいよ?だけど初めてだからそういうのがいいんだ。ね?分かってくれる?」

真里は「攻める自信がない」ということは伏せつつ、納得させようと話した。

さっきまで納得いかないって顔で涙をためていた真希はうれし涙に変わっていた。


「ありがとう・・・やぐっつあんがそんなこと考えてくれてるって知らなかったよ、嬉しいよ!」

そういって真希は真里に抱きつき『愛してる』『うん、矢口も真希を愛してる』と目で会話していた。
そしてふたりはそっと口付けた。
実は真希達はラブラブな割にライトなキスしかしたことが無かった。
ちょっと長めのキスだって過去に1度しかしたことがない。でも今日は・・・。

顔を離そうとする真希をつかまえて離さない真里はそのまま半開きの真希の口に舌を入れた・・・。

真希は『やぐっつあん???』という顔で目を見開いてびっくりしていたがそれも少しのこと。
48 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時13分22秒
初めてのことで驚きすくんでいた真希だったが、真里の舌の動きにあわせるように
不器用ながらも舌を絡ませてみた。そのとき真里の動きが一瞬止まったが真希は気にせず
舌をからませ、うっとりと味わっていた。
どのくらいキスしていただろうか、真里が唇をそっと離し、また真希を抱きしめた。
真希が可愛くてついついこんなことをしてしまったがやはり恥ずかしいのか顔を見れなかったからだ。

真希はというと真里とのキスの余韻に浸りながらしっかりと真里に抱きついていた。
しばらくして落ち着いた真里は真希を離すと

「いきなりびっくりしたよね?ごめんね。ごっつあんが可愛くて・・・気がついたら・・・」

真希はまだうっとりしている。

「ごっつあん?聞いてる?」

「んあ?あぁ聞いてるよぉ。謝らないでよ。ごとーはものすごーーく嬉しかったよ。
前に進めたって感じ!あはっキスっていいもんだねえ〜」
なんて笑顔でいうものだからまた可愛くなってしまう真里は自制心でその気持ちを抑えると

「今度、夏休み中にでもどこか旅行行こうか?なんならよっすぃーとかも誘ってさ!」

「ごとー的にはふたりっきりが良いけど、よしこたちにも早く仲良くなって欲しいもんね。
4人で行くのもいいかもね!そうと決まったら計画しなきゃね。」

「明日にでも提案してみようね。」


(なんとかしのげて良かった・・・)

(したい場所考えとかなきゃあ〜♪)

そういうと二人はベッドに入り、手を繋いで眠りについた。
思ってることが全然違う二人、一時は危うかったふたりだがやっぱりラブラブなのだった。
49 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時15分30秒
次の日――
早速ふたりを誘おうとひとみの家に行くことにした。

『ピンポーン』

「――はい。あらぁ真希ちゃん真里ちゃん。」
ひとみによく似た母が出て来た。

「こんにちは。よしこいますか?」

「あらぁごめんね〜ひとみ今日は朝からお友達と遊びに行ってるのよ〜」

「友達ですか?」

「え〜と、なんて名前だったかしら・・・?ああ!そうそう石川さんだったかしら。」

「!・・そうですかぁ。じゃあケータイ鳴らしてみます。」
「そうしてくれる?ごめんねー」

真希はひとみのケータイをコールしながら真里に話しかけた。

「しかしちょっとビックリしたね。まさか遊んでいるとはね。」

「そうだね。この調子でどんどん仲良くなって欲しいね。」

「そーだね。――あっ、よしこぉ?ごとーだよー今どこ?」


『あ〜?ごっちん?どしたの急に。今梨華ちゃんといるけど?』

「ちょっと話あってさーふたりに。今日会えないかな?」

『んんー・・・ちょっと待って。(梨華ちゃん――いい?)良いよごっちん』

――というわけで真希達は渋谷のマックに集合している。


「旅行?」
「うんそう。行かない?せっかく夏休みだし4人でパーッとさ。」

「どうする?梨華ちゃん。
(私は行きたいなー梨華ちゃん可愛いし矢口さんも一緒だしごっちんは――友達だし。)」
50 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時17分44秒
「え・・・私は・行きたいな。矢口さん達とも早く仲良くなりたいし」
「っし、じゃあ行こう。私も行きたいしね。」

「さっすがよしこ!決断はや〜い。じゃあ日にちとか場所とか決めよっか。」

「う〜ん行きたいけど決めるのはめんどくさいなー」
「矢口もー。ま、こういうのはごっつあんが適任だからまかせておいてだいじょーぶだよ、よっすいー」
「そうっすね。なんだか梨華ちゃんも好きみたいだし。」

梨華は真希と旅行についてかなり盛り上がっている様子だ。

「やぐっつあんーもっと詳しく決めるからさー本屋行くよー」

「あっはいはい。ほんと頼りになるね。ごっつあんは」
「ほんとっすね。行きましょう矢口さん」

さっきから梨華と真希はかなり話し込んでいてもう大分仲良くなったようだ。
イベントものが好きなふたりが話し込んでいるので必然的に真里とひとみはふたりでいる。



(なんか、緊張するんすけど。せっかく忘れようとしてるのに矢口さんとふたりっきりはやばいよ!
 私の好きなのは梨華ちゃん、私の好きなのは梨華ちゃん、私の好きなのは梨華ちゃん。
 私の好き・・・・)

「よっすぃー?さっきからなにぶつぶつ言ってるの?」
「わわっ、矢口さん!」

「おうよ、私は矢口だよ〜ん。なにぶつぶつ言ってるの?」

「い、いや、梨華ちゃん可愛いなーって・・・」
真里はそれを聞いてにやりとするとひとみの袖をひっぱりコソコソと話しだした。
51 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時19分52秒
(よっすぃーさぁ〜梨華ちゃんのこと可愛いって思うってことは結構好きになりかけてる?
 今日だって一緒に遊んでるし。)

(うっ!はぁ・・まぁそうっすね。)

(そっかぁ〜良かったよお〜その調子でもっと仲良くなってね)

(良かったって?)

(え?あぁ、だってよっすぃー出逢ってから大分たつけどずっと彼女とかいなかったでしょ?
 告白されるのはしょっちゅうだったかもしれないけどオッケーしたの始めてでしょ?
 よっすぃーが彼女を作らないのにはなにか理由があるのかなって、恋って素晴らしいものだから
 よっすぃーにも知ってほしくてさ・・・気になってたんだーずっと。
 だから今回梨華ちゃんと付き合ってるの見れてなんかホっとした感じだよ)


(心配してくれてどうもっす。)
ほんとはあなたが好きなんですよ!といいたいひとみだが。

(ごっつあんが言うにはさー今までも好きな人は居たと思うって。そうなの?)

(ええ??ま、まっさか〜んなことないっす!ごっちんの勘違いでしょお)

(そう?でもまーなんにしても可愛い妹が離れていくみたいでちょっと淋しいのも
 事実だよ。うちらも仲良くやってくからよっすぃー達も頑張ってよね。
 4人で遊んだりとか、い〜っぱいしようね!)

(はい。)
52 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時20分53秒
「やぐっつあんによしこお〜決まったよー」
真希が旅行ガイドを片手にやってきた。

「ウソっ!早すぎだよごっちん。」
「どこに決まった?」

「えーっとね、どこっていうか夏だからまず海だよね。
 梨華ちゃんのいとこが民宿やってるとかでただで泊めてくれるらしいから
 場所はそこ。ごとー達は違うはなしで盛り上がってたのさ実は。あはっ。」

((なんだよそれ))

「じゃあ日にちは1週間後で2泊3日ね!楽しみだね!」

「もうひにちも決まってるのぉ?うちはいいけど梨華ちゃんいけるの?」

「うん、うちは結構放任だし。それにごっちんとか女の子同士で行くんだもん
 親は反対しないよ」

「そか、ならいいけど・・・」
話もまとまり真希と真里はひとみたちと別れた。
53 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月04日(月)16時24分19秒
>43 名無し読者さま
    吉は知を忘れられず石も気になり・・・
    どうなるんだー!って感じです。

>44 夜叉さま
    吉は未練たらしいのでなにか完璧に諦めるきっかけが
    ないと梨華っちに傾くことはないかも?
    まいりました(w
54 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月05日(火)23時40分13秒
二組に進展が。吉はまだ知を想ってるんですね。
55 名前:夜叉 投稿日:2002年03月06日(水)10時01分20秒
じゃ、頑張ってもらいますかな、4人に(笑)。
旅行で何かが…?密かに期待してますね。
56 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年03月06日(水)18時53分11秒
旅行ですか?どういう展開になるか、楽しみです。
やっぐっつあんを、忘れられないかわいい吉に萌え(w
57 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月09日(土)21時10分14秒
旅行の前日、真希は梨華に呼び出されていた。

「ひさぶりだねぇ元気にしてた?」
「うん、ごっちんも元気にしてた?今日は急に呼び出したりなんかしてごめんね?」
「ううん、ぜんぇんぜんいいよ!それでなに?話って。」
「ひとみちゃんのことなんだけど・・・」
「よしこのこと?」


「うん。・・・ひとみちゃんって私と付き合う前、好きな人居たよね?
ううん、今も多分その人のこと好きなんだと思うんだ。」

それを聞いて真希の表情が険しくなる。
「・・・」

「付き合ってくれるって言ってくれたときは本当に嬉しかった。前に4人で映画行ったとき
くらいから毎日のように会ってくれて今日だって遊んだりしたの。でもね、ふとした瞬間
ひとみちゃんはとてもつらそうな顔で私を見るの。悲しい顔で・・・。

多分ひとみちゃんはそんなこと気付いてないと思うんだけど・・・。
ひとみちゃんが少しずつ私の事を好きになってきてくれてるのは分かるんだけど・・・。

いつもひとみちゃんの心を占めているのはその人で私じゃない、ひとみちゃんが本当に
一緒に居たいのは私じゃないって思ったら悲しくて・・・。」
58 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月09日(土)21時12分08秒
「――梨華ちゃん、心配しないで。」

「だって・・・・」

「本人から聞いたわけじゃないし、多分だけど・・・

さっき言ってたみたいによしこは他に好きな人が居た−と思う。
多分――やぐっつあんのことがずっと好きだったんだと思う。
ごとーはずっとよしこといるから気付いちゃったんだ。
でもごとーもよしこに負けいくらいやぐっつあんが好きだったから気付かない振りしてた。
よしこが最初にやぐっつあんと会った時の顔は忘れられないよ・・・。
だから今まで誰とも付き合ったりしなかったんだと思う。」


「・・・矢口さんを・・・。」

「多分だけどね。でもね、そうだったからって心配しないで、梨華ちゃん。
誰とも付き合わなかったよしこが今なんで梨華ちゃんと付き合ってると思う?
なんで梨華ちゃんと遊んでると思う?」

「それは・・・」
「それはね、よしこは梨華ちゃんが気になってるからだよ。この前よしこが寝てるとき
『梨華ちゃんかわいい・・・』って寝言言ってたもん。だらしない顔でさっ!
よしこは確かにやぐっつあんが好きだったかもしれない、でも今は梨華ちゃんを見ようとしてる、
ずっと好きだったやぐっつあんのことは簡単には忘れられないかもしれないけど
梨華ちゃんがやぐっつあんのこと忘れさせてあげてよ!!
ごとーは梨華ちゃんたち美男美女って感じでお似合いだと思ってるよ。」
59 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月09日(土)21時13分14秒
「ありがとう、ごっちん。」
目に涙をためていた梨華だったが少し笑みをもらしながら真希を見た。

「明日はやっと海だね!海とかって開放的になるから、ごとー頑張っちゃう!
梨華ちゃんも、よっすぃーを誘惑しちゃえっ。」

「もーう・・・やだ、ごっちんったら。」
顔を赤くしながらそれでもまんざらじゃないような顔で梨華は言った。

「じゃーそろそろ暗くなってきたし帰ろっか。」
「うん。ほんとにありがとね、ごっちん」
「ううん。また、明日ね。バイバイ。」





「海だぁーーーーーー!!!!」
ひとり元気に海の方へすっ飛んでいく真希。

「ごっつあーーん、まずは荷物を置こうよーー。焦らなくても海は逃げないってーー」

「そうだけどお〜嬉しいんだもーん。」
ひとみと梨華もやれやれと言った様子で真希を見ている。


「ごっちんって結構子供だよね。」
「ふふ、だね。矢口さん大変ですね。」

「ほんとに・・・。可愛いんだけどね。」

「ノロケちゃってまぁっ!もう先行こうよ、梨華ちゃん。」
まだ遊びたがっている真希に声をかけ真希たちもひとみの後を追った。
60 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月09日(土)21時19分15秒
>54 名無し読者さま
   しつこいっすね吉。知は気付いてないのでしょうか・・・
   う〜ん・・・進展・・・・するのかな・・・(w

>55 夜叉さま
   実は旅行したことないので書けなかったり(w
   なんとかしなきゃ。何もなけりゃみなさんから
   タコ殴りですかね(w

>56 よすこ大好き読者さま
   510⇔知←吉←石
   旅行で矢印が変わるときが微妙にあるかも・・・
   ないかも・・・何しろ続き書いてないのでやばいっす。

   更新遅くてすいませんです。
61 名前:夜叉 投稿日:2002年03月10日(日)13時42分51秒
石も気が付いていたんですね、ごっつぁんの気遣いがにくいっす(笑)。
吉にはよそ見してもらいたくねっす、でも不安(爆)。
62 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月15日(金)01時15分55秒
初日はついたのが昼過ぎだったということもあり海では遊ばず、適当に近場を観光して終わった。
部屋は4人部屋。グループとはいえ恋人同士で行っているのに2人部屋ではなく4人部屋。
真希は納得いかなかったが矢口が『今回は親睦を深めるためだからね』と丸め込んだのだった。

荷物を適当において、夕食の前にお風呂に入ることにした。


「じゃあ先にお風呂いこっか。ここ露天風呂でしょ?」

「そうなんですよ。景色いいから気持ち良いですよ。」

「楽しみだね。(って、みんなで入るわけ?矢口さんと?梨華ちゃんと?えええーー??)」

「やぐっつあん、ごとー今朝から生理なんだ。だから部屋で入るよ。」
「え?ごっちんも?」
「『も』って梨華ちゃんも?」
「うん。今朝から・・・」
「ごとーも・・・予定より早かったよ・・・」

「なんだじゃあよっすぃーと矢口だけ?残念だねぇ〜。」



(ウソ!?矢口さんとふたり??)
63 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月15日(金)01時17分33秒
「じゃあうちらは行くね。行くよ、よっすぃー!」

「は、はいぃっ!」
どことなく返事をする声が高くなったひとみ。

その声を聞いて真希と梨華も不安を覚える。

「早く帰って来てね。」
不安を声に出したのは真希。

「うん。行ってくる〜」
矢口はひとみと出て行った。


2人の行った姿を見て梨華は真希を不安そうに見た。真希は少し苦笑いをすると

「うちらもはいろっか。梨華ちゃん先入る?ごとーご飯楽しみ♪」
と、出来る限りの笑顔をもって明るく言った。





(あががががっどどどどどうしよう?緊張しまくりなんすけど!矢口さんだよ??
 あの、矢口さんとふたりだけでお風呂だよ??やばいよぉ〜・・・・・・・うわぁん(泣))


「よっすぃー?聞いてる?」



「よっすぃーってば!!」
さっきから矢口が話しかけているのだがそれどころじゃなかった。


「(ううう・・・う?)あっ、すいません、なんすか?」
64 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月15日(金)01時18分29秒
「なんすかじゃないよっずっと話しかけてるのにさぁ!」

「すいません・・・・。で、なんだったんすか?」

「・・・よっすぃーとお風呂って初めてだねって言ったの。」

「そ、そうすね。」


矢口はニヤリとすると
「梨華ちゃんと入れなくて残念だったね〜矢口で我慢してねはあとはあと
と上目遣いで言った。

「な、な、なに言ってるんすか!!」
(反則だよ〜矢口さぁん・・・ううっ)

「きゃははっごめんごめん。矢口はさ、ここだけの話ごっつあん居なくてほっとしてんの。」

「なんでですか?」
「う〜ん・・・ごっつあんってやたらくっつくでしょ?多分お風呂でもそうだと思うんだよね。
 昔からそうだったし。」

「よく一緒に入ってたんですか?」
「そうだね。小学校の時はよく入ったかな。まぁ慣れてるんだけど。」

「そうっすか・・・。(いいなぁ・・・)」


「それによっすぃーの教育上悪影響かなってはあとはあと
「えっ?」

「うそうそ。早くいこー。」
矢口達は楽しげに話しながら脱衣所へと入っていった。
65 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月15日(金)01時26分22秒
>61 夜叉さま
    一応、ごま⇔知←吉⇔石  
    な、わけですが、ちょっと
    吉の気持ちが、知←吉←石という結果になりそう
    ・・・な感じです。
    吉がふらふらするのは知がセクシー隊長なので・・・
    仕方ない・・・のかな(w
    とにかく、更新が遅れてすいませんでした。
    毎日の更新は今月は出来ないのですがなるべく
    つめていきたいと思ってます。
    がんがりますのでよろしくです。
66 名前:読んでる人 投稿日:2002年03月15日(金)13時53分29秒
最終的にやぐよしに落ち着いてくれたら・・・個人的に嬉しい・・・
67 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2002年03月15日(金)15時22分48秒
>66
イヤだ!やぐごまがイイ
68 名前:夜叉 投稿日:2002年03月15日(金)17時28分27秒
せぇくすぃい〜う゛ぃ〜むぅうーーーー(爆)。
どう転んでも、動じませぬぞ。…とか言いながら動揺したりしますが何か(笑)。
作者様のペースで更新して下さいね、マターリお待ちしております。
69 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時26分32秒

(ついに着いてしまった・・・。い、いいのかな。)

「よっすぃー?また考え事?」

「えっ、あ〜すいません。」
「やることやってさっさと出ようね。梨華ちゃんに会いたいだろうしはあとはあと

「や、やること??」
「ん?頭洗ったりとか体とか・・・他に何があるのさ。」

「いや、そうっすね。早く入りましょう!」



服をパッパッパと脱いだが下着がどうしても脱げないひとみ。
(かぁっ!!脱げない〜っっ!!矢口さんは・・・・・・!!)

ひとみが矢口を見たとき、矢口は既に素っ裸になっていた。
前こそ隠してはいるもののお尻は見え、ちらっと見える胸は我慢出来ないものがあった。


(・・・・・ハッ!や、やばいっ!!)

ひとみはあることを察知すると何かを探しに走って行った。



「なにぃ?どうしたのよっすぃー?」
70 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時28分22秒

「な、なんでもないっす。すぐ行きますから、先に入ってて下さい。」
「そう?じゃあ先行ってるから。」


「ハイ・・・。」
(うえぇ〜ん(泣)鼻血出るなんておかしいよぉ私って〜!止まって〜!!!(泣))

なかなか止まらないので鼻を思い切りかんで無理やり出し切ると、心を決めて入って行った。


ひとみは完全防備で隠しながら矢口を探した。
他にも入っている人はいるのだが、皆お年寄りでなんだか恥ずかしく感じるひとみ。


(せっかく一緒に入ってるんだから離れたところで洗ったりしたら悪いよね?ね?
 緊張するけどしょうがないよね?)

キョロキョロと矢口を探すが見つからない。

(あれぇ〜?どこにいるのかな・・・)

「あっおーいこっちこっち!!」
「あぁどうも〜。」(ドキッ!)

矢口の傍に寄るひとみ。
矢口は体も頭も洗い終えてキレイに流しているところだった。
71 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時30分11秒
「遅いよ、よっすぃー。矢口あと顔だけだよ。」
「すいませんっす。急ぎます。」

見たい気持ちも大きいがまた鼻血を出すわけにはいかないので出来る限りそっぽを向くひとみ。
矢口のとなりに座って頭を洗い出した。その間矢口は顔を洗っていた。

体を洗い始めたひとみ。矢口は急に後ろに回った。

「よっし!背中洗ったげるよ。届きにくいしね。」

「えっ?!い、良いっす良いっすそんなの!自分で出来るすから!」

「良いって良いって、気にしなくていいよ。」
矢口は一方的に言うとせっけんをつけて洗い出した。



(ま、まじっすかぁ〜????)
ひとみは緊張しまくりだったが実はすごく喜んでいた。

(こ、こうなったら開き直っちゃおう・・・うん。それがいいよ。)
ひとみは自分で前を洗い出した。



しばらく洗ってから、最初につけたせっけんが少なかったのか、
矢口はひとみの前にある石けんを取ろうと手を出した。


そうすると自然に胸が背中に当たるわけで・・・
72 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時31分50秒

『むにゅ』
(・・・・・・ん?)


「よいしょ。」

(・・・む、胸がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!や、やばい!やっぱ駄目!!)

「取れた取れた。」
矢口は特に気にする様子もなくタオルを泡立ててまた洗い出した。



(また・・・やっちゃった・・・(血))

鏡に映ったひとみは鼻血ぶーだった。


「よっすぃーもう流すよ?良いね?」

「ふぁ、ふぁい・・・。」
「そうれっ!」
ざばぁぁあん

「キレイになったね。じゃあ顔洗ったら湯舟においでよ。矢口先に入ってるから。」
「はい。」
(嬉しいんだか悲しいんだか・・・うううっ)



先程と同じようにさっさと鼻をかんで無理やり止めようとするがお風呂場で温まっているため
一向に止まろうとしない。それどころかきれいなサラサラとした血がどんどんと出ている。


(ううううっ変態だよこれじゃぁ・・・でも止まらない〜・・・)
73 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時34分27秒
いつまで待ってもひとみがこないので見かねた矢口が声をかけにやってきた。

「よっすぃーまだ?」
ひとみの顔を覗きこんだ矢口だったがひとみがぶーだったので慌てて外へ連れて出た。


「ちょっと、大丈夫なの?のぼせた?そんなに入ってないのに・・・」
矢口は心配そうにひとみの体を支えながら扇風機のそばまで連れて行く。

「はい、ティッシュ。」
「どうも・・・。」

タタタタッ
(どこに・・・?)


ッタタタタ
「ほい。ポカリ。首の後ろにしばらくくっつけてなよ。」

「す、すいません。」(やさすぃ〜・・・・・・・はあとはあと

「ううん、気にしないでよ。矢口先に着替えるけど・・・。」
バスタオルを渡しながら言う矢口。

「あっどうぞどうぞ!気にしないで下さいっす。」

そして矢口が何も身に着けていないことに今気付いたひとみ。
ブブッ!と勢いよくまた出たがもう気にしなかった。


(嬉しいけど・・・・・・情けないね・・・)
74 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時36分46秒
それからしばらくして鼻血も止まり、服に着替えた矢口たち。


部屋へと帰る廊下でひとみは口止めした。

「さっきお風呂場で鼻血出したこと、梨華ちゃんには言わないでもらえませんか?」

「え?なんで?おもしろいからいいじゃん」

「やー気ぃ使わせたらやだし、心配されてもやなんで・・・
(ほんとはなんとなくばれたらやばいって本能が言ってるからなんだけど・・・)」

「いいじゃん心配してもっらたら。」
「お願いですよ〜(泣)」
懇願するひとみ

「分かった分かった。じゃあ黙っとく。」
「助かるっす。」

「ふたりももう出たかなぁ〜」
「そうすね。結構時間経っちゃったし。」
「そうだね。」
75 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時38分29秒
ガラッ
「ただいまあ〜」
「ただいま」

「やぐっつあん!!」
真希が矢口を見て飛びついて来た。

「おかえりぃ〜」
矢口に抱きついて言う。

「遅くなってごめんね。結構混んでてさ」
「待ったよお!なにかあったかと思ったじゃんか」

「ないない。」


「おかえりひとみちゃん。」

「(ん?・・あっ!)た、ただいま梨華ちゃん。」
「露天風呂どうだった?気持ちよかった?」

「え、えぇ〜っと・・。」

「めちゃくちゃ人居てさぁあんまり入れなかったの。」
「そうなんですか?」
「そうなの?」

「うん。だよね、よっすぃー」
ひとみを見てウインクする矢口。

「そうでしたね。やっぱ景色とか良いから混むんだろうね。」

「そっかぁ。明日は入れたらいいね。」

「そうだね。(・・・ん?明日??むむむ無理無理っ血が足りないよ!)」
76 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)03時47分30秒
>66 読んでる人さま
    初めまして?ですね?どうもです。
    やぐよしですか?作者的にも微妙な感じになってます実は。
    昔はやぐよし者だったんですけど・・・今は・・・。う〜ん(w
    そうすると石が・・・・。

>67 名無し募集中。。。さま
    どうも!やぐごま?作者はやぐごまヲタです。
    やぐごまマンセーです。でも分かりません・・・
    以外なところでやぐいしだったら・・・タコ殴りですか・・・?

>68 夜叉さま
    いつもどうもです。励みになってます。
    作者はまだエロがヘタクソ過ぎるのでそういった
    ことは起きませんでした(w
    やっぱり同意の上でないと・・・って何が??(w

    が、がんがります・・・。
77 名前:夜叉 投稿日:2002年03月16日(土)17時05分55秒
そうですね、お互いの同意とその場の雰囲気で…って何か(笑)。
明日の入浴シーンでは、輸血をしながら温泉に浸かってる吉が見れるのでしょうか?(^^;;
あ、その前に夜か…ニヤソ。
78 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月16日(土)20時32分00秒
やぐごま、大好き!
作者さん、浮気しないで(w
79 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年03月16日(土)20時51分51秒
もう、鼻血ブーな、吉がかわいいっす!!
どっちに転んでも、鼻血ブーーー(笑
楽しみにしています。
80 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)22時54分47秒
そのあと、運ばれて来た食事を楽しくとると、4人はトランプをし出した。


「よしこの負け〜♪ド貧民ね。」
「もうやめよ、これ。最初からずっとべべただもん。」

「じゃあポーカーする?」
「うん。」





「はいっ、またよしこの負け。」
「ぶただ・・・。」




「そろそろやめよっか。明日もまだまだ遊ぶんだし。矢口お布団引くから片付けて。」
「はーい。」




「やぐっつあんごとーも手伝うよ。」
「さんきゅ。」
81 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)22時56分52秒
梨華とひとみは片付けると歯を磨きに行った。

それを見て真希は矢口にくっつき言う。
「ね、ね、ね!」

「なに?」
「ちょっとそのへん散歩しようよ。」
「今から??もう遅いって。2人とも眠そうだし。」

「違うよお〜やぐっつあんとごとーのふたりだけで行くのはあとはあと
「えー?駄目だって。この旅行は親睦会の意味もあるんだから!」

「・・・それは分かってるけどさあ・・・分かってないよやぐっつあん。」
「なにがさ?」

「よしこと梨華ちゃんのことだよ。ふたりだって恋人同士なんだから2人っきりに
 なりたいに決まってるじゃん。お風呂だって別だったんだし。」

「そう言われたらそんな気がするけど・・・でも・・。」


「やぐっつあんはごとーとふたりっきり、ヤ??」

「ばかっ!そんなことあるわけないでしょ!」


「えへへぇ〜・・・じゃあいいじゃん。うちらもラブラブはあとはあとよしこたちも
 ラブラブはあとはあとそうと決まったらさっさとお布団敷いて行こう、やぐっつあん!」

「う、うん。」
82 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)22時58分46秒
歯磨きを終えて初めに戻って来たのはひとみ。

「お先。」
「よしこ、うちら今からちょっとその辺散歩してくるから。」
「散歩??今から?」
「ごめんねよっすぃー。ちょっとだけだから。」
そう言ってコソっと出て行った矢口。

後藤は矢口が出たのを見てひとみの耳に

「よしこは梨華ちゃんとねはあとはあと

とボソっと言い残して行った。


(梨華ちゃんと?ハァ?・・・そんなことより良いなぁごっちん・・・矢口さんとふたりでさ・・・。)

最近梨華を見るようになったひとみだったが、矢口の裸をモロに見てしまって
頭の中は再び矢口でいっぱいだった。



そこへ歯磨きを終えた梨華が戻って来た。

「あれえ?ごっちんたちは?」
「あっ梨華ちゃん。ふたりは散歩しに行ったよ。」
「そうなの?・・・先に寝てて良いのかな。」
「良いんじゃないかな。」
「そう・・・」

梨華とひとみは敷かれた布団を適当に選ぶと電気を消した。
83 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)22時59分38秒

チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ


時計の音がとても大きく聞こえる。

ふたりともまだ寝てはいなかったが会話は無かった。




長い長い沈黙が続く。







「ねぇ、ひとみちゃん、起きてる?」

「・・うん。起きてるよ。どうかした?」




「・・・あのね――」

沈黙をやぶったのは、梨華だった。
84 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月16日(土)23時09分24秒
>77 夜叉さま
      いきなり夜になってます(w
      何が起こるのか・・・何か起こるのか・・・何も起きないのか
      ・・・ふふふ・・・どうしましょ(w
      がんがらなきゃですね。

>78 名無し読者さま
      どうもです。ここのやぐごまはどんな感じですかね。
      甘いのって難しい・・・だからといって痛いのもかけないし・・・
      浮気は・・・ご、ごめんなさい!!・・・なぁんて言ってみる・・・。

>79 よすこ大好き読者。さま
      ごまが目を光らせてるので転びようがなかったりして(w
      どっちに転がるのかな・・・

      がんがって書きます!
85 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月17日(日)13時30分36秒
なんなんだ、梨華ちゃん!?
86 名前:夜叉 投稿日:2002年03月17日(日)23時03分57秒
気を利かせたのか、二人っきりになりたかったのか…(笑)。>ごっつぁん。
この二組の行方が気になります。…って、石川さん(^^;;
87 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月21日(木)12時53分57秒
浜辺を手を繋ぎ歩く矢口と真希

「風が気持ち良いねぇ〜やっぱ海は良いよね!」
「ほんと!やなこととか忘れたい事とか全部吹っ飛んでいくよ。」
「ごっつあんでもそんなことあるの?」
「ごとーにだって悩みくらいあるよお!ひどいなぁ。」
「ごめんごめん。でも悩みあるんだったら聞くよ?矢口。」
「あはっありがと。でもやぐっつあんに言うことじゃないしね。」

「・・・なんか淋しいなぁそう言われると。」
「大丈夫だよごとーの個人的なしょうむなーい悩みだから。」

「・・・大丈夫?」
「うん。」
「言いたくなったらいつでも言ってよ?」
「分かってる。ありがとー。」




「そろそろ帰ろうか。よっすぃー達に悪いし。」
「もうちょっといいじゃん。」
矢口に擦り寄って言う後藤。

「・・・あと5分だけね。」
「やったあはあとはあと

「明日はさーいっぱい遊ぼうね。」
「うん。楽しみだよごとーも。いっぱいいっぱい遊ぼうね!」
88 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月21日(木)12時55分18秒
最初の言葉から5分ほど何も後に続けない梨華。


「どうしたの?何か話があったんじゃないの?」
ひとみが痺れを切らして言った。


「ごめんね。なんでもないの。気にしないで。」

(気にするっての!)
「明らかにおかしいよ?悩みがあるんだったら聞くよ?」


「・・・」

とは言ったもののひとみの頭の中は矢口と後藤が今何をしているのか、
そのことで頭がいっぱいだった。

それに気付くはずもない梨華は話し出した。



「・・・ひとみちゃんが好きなのってさ・・・今でも・・・・・・・矢口さん?」

「うん。・・・・・・・ええっ??矢口さんがどうしたって?私の付き合ってるのは
 梨華ちゃんじゃない、どうしてそんなこと言うの?」


「(うんって言ったよね・・・)なんとなく。でも違うんなら良いよ。ごめんね変なこと
 聞いて。友達から始めたんだもんね。焦らないで頑張るね、私。じゃあおやすみ。」


「・・・梨華ちゃん・・・・・・・・・おやすみ・・・。」

(どうしよう・・・傷つけちゃったかな・・・つい『うん』って言っちゃったけど・・・
 気付いてないよね?大丈夫だよね?・・・でもほんとどうしよう・・・
 こんな中途半端な気持ちで梨華ちゃんと付き合ってて良いのかな・・・)
89 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月21日(木)12時59分33秒
>85 名無し読者さま
     梨華っちと吉の夜は実はまだもう少し続きます。
     吉がふらふらしすぎですね・・・。

>86 夜叉さま
     ごっつあんは知とふたりになりたかっただけと思います(w
     知たちの夜もまだもう少し終わりません。
     少し波瀾を含んで2日目に向かう予定で・・・す。

     更新が遅くてしかも少なくてすいません。
     がんんがるのでよろしくです。
90 名前:夜叉 投稿日:2002年03月22日(金)11時04分59秒
どんとこいっ!波乱(爆)。  ←おかしいです、こいつ(^^;;
91 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)01時55分05秒







(・・・・駄目だよね、やっぱ。ちゃんと言わなきゃ。)



ひとみはなにやら決意をすると梨華に声をかけた。

「梨華ちゃん?・・・・まだ、起きてる?」




「・・・・うん。どうしたの?」

梨華はひとみの方へ振り返った。
ひとみは何か言おうとしているが言いにくそうに見えた。

(う・・・でもなんて切り出したら良いんだろ。梨華ちゃんのこと嫌いじゃないし・・・
 別れるなんて言ったらまだ明日もあるのに大変だし・・・
 矢口さんに迷惑かかっちゃう・・・。どうしよう・・・)


「ひとみちゃん?」
梨華は不思議そうな顔でひとみを見る。

(ううう・・・い、言えないよ・・・やっぱ・・・嫌いじゃないもん・・・。でもっ・・)



「あのっ――」
ひとみが話そうとすると梨華がそれを遮った。

「言わないで。」


「・・・え?」
92 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)01時56分15秒
「分かってる。ひとみちゃんが他の人好きってこと分かってる。」

「な、なに言って――」

「私には分かるの。だってずっとひとみちゃんを見てきたんだもん。」



「そんなこと・・・(あるけど)」




「・・・・・・他の人のこと好きでも良いから、別れるとか・・・そういうことは言わないで
 ・・・お願いだから・・・。まだ始まったばかりじゃない・・・もう少し頑張らせて・・・」



「・・・梨華ちゃん・・・。」


「・・・もう寝よう?おやすみ。」



「・・・おやすみ。」
ひとみは何も言えなかった。

(どうして言おうとしたこと分かったんだろ。そんなに私分かりやすかった?
 ・・・サイテーじゃん私・・・。梨華ちゃんは悪くないのに・・・
 私が悪いだけなのに・・・こんなやつ、どこが良いんだろ・・・ほんと・・・どうしよう。)
93 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)01時57分13秒
ガチャガチャ
(あっ帰って来た?)


(そーっとね、そーっと。よっすぃー達寝てるだろうから。)
(分かってるよお〜ごとーも、もう眠いよ。騒がないってば)
(ごっつあんは素でも人より声大きいからあ)
(だーいじょうぶ!!)


ふすまの戸が開けられ、ふたりが部屋に入って来た
ひとみは取り敢えず寝たふりをしていた。
梨華も寝ていないだろうが特に声はかけなかった。



(寝てるね。)
(うん。よしこと梨華ちゃんさぁ、ちゅ〜くらいしたかな?)
(もーごっつあんのばか。そういうこと言わないの!聞こえたらどうすんの!)
(えへへ。やぐっつあん、ごとーさぁ端っこやだなぁ。よしこの隣ごとー使って良い?)
(ごっつあんどこでも寝れるでしょ?端っこやだって珍しいね。)
(そ、そんなことないよ。気分だよ気分!)

(・・・別に良いけど。それよりもう寝よっか。)
(うん。)

それぞれふとんに入る。
94 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)01時58分34秒
入ると真希は矢口の布団へくっつくように寄っていき、矢口をつついた。


(なに?)


真希は声に出さず
目を瞑って矢口の顔に口を近づけた。

(おやすみのちゅーね・・・)


『ちゅっ』
(あ、音しちゃった!はずかしいな!)

真希はニコーっと笑うと自分の布団へと戻った。

(幸せはあとはあとよしこには悪いけどやぐっつあんと隣にはさせないよ。)






(ちゅーすんなよぉそこで!丸聞こえじゃんか!ううう寝れないよ絶対・・・)


(・・・良いな、ごっちん。私は・・・・くじけそうだよ。)
95 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)01時59分25秒
あれから大分時間が経ったが、ひとみはやはり寝れないでいた。

真希も梨華も矢口もみんな寝息を立ててすぅすぅと寝ている。

ひとみはなんとなくそれぞれの寝顔を順番に見た。



(梨華ちゃん・・・可愛いよなぁ。性格だって悪くないし・・・・・もったいないよ私には・・・・)
梨華を見ていたひとみだったがあるものを見てますます心が痛んだ。


(気付かなかったよ・・・ごめんね。)
よく見ると、光に当たって梨華の頬に涙が流れた後が見えたのだ。


暗い気持ちで真希に近寄る。

(・・・親友じゃ無かったら・・・良かったよ・・・。)
96 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)02時00分28秒
そして最後は矢口に近寄った。


(・・・やっぱ可愛いわぁ。)
梨華に申し訳ないと思いつつも自然と顔がにやけてしまうひとみ。
だらしない顔で見ていると矢口が動いた。

「・・んん・・・」

(わわっ起きるっ??)



「・・・よっすぃー・・・?」

「・・・起こしちゃいました?」



「・・・今何時ぃ?」
「今っすか?えーっと・・・3時ですね。」
「3時?!」

「・・・起こしてすんません」
「・・・どうして起きてるの?なんか矢口に話あった?」
矢口は体を起こしてひとみに言う。

「えっ・・?えと・・いや・・別に。」
「ほんとに?悩みがあるんだったら矢口に相談してよ。よっすぃーは可愛い後輩なんだから」

「・・・はい。(梨華ちゃんのこと言おうかな・・・)」

矢口はひとみを優しい表情で見ている。

(反則ですよその顔・・・。)
「あの、じゃあ聞いてもらえます?」
「うん。良いよ。」
「でも、ここじゃちょっと言いにくいんで外出てもいいすか?」
「うん。いこっか。」

矢口は眠い目をこすりながら上着を羽織って出て行った。
ひとみもあとに続いた。
97 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)02時03分59秒
>90 夜叉さま
    いつもどうもありがとうございます。  
    波乱ってほどでもなかったですかね・・・?


    早く知に振られてしまえ!!!と書きながら思う反面
    やぐよしも良いなぁと感じる今日この頃・・・。
    1日目長すぎっ!!なので早く進めないとですね。
98 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年03月24日(日)10時23分43秒
よしこ。梨華ちゃんを泣かすんじゃない!
と、思いつつ「やぐよし」にも、期待しちゃったりしている自分。(オイ
マターリで、まっています。
99 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)23時53分47秒
旅館の中庭で話す事にしたふたり。

「で、どうしたの?」
「あの・・・梨華ちゃんのことなんすけど。」
「うん。それはそうだろうね。」
「え?どうして?」

「だってよっすぃー梨華ちゃんのことたまに悲しそうに見てるよ?矢口こう見えても
 結構見てるんだからね?」

「そうっすか・・・それで、梨華ちゃんのことなんすけど、私どう接したら良いのかわかんないんです。」

「どうして?好きじゃないの?」


「分からないんです。・・・私、ずっと片想いしてる人が居て・・・その人は恋人居るから

 諦めようと何度も努力したんですけど・・・出来なくて。・・・・梨華ちゃんとも、

 その人を諦めようとして付き合いだしたんです。それで・・・少しずつですけど

 梨華ちゃんのこと好きになっていた・・・はずだったんです。でも・・・」

「でも?」



「違ったのかな・・・梨華ちゃんと居るよりその人と居る方が何倍も楽しいし嬉しいし、

 ドキドキするし幸せな気持ちになるんです。梨華ちゃんには悪いって思ってるんですけど・・・」
100 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)23時54分47秒
「よっすぃーは片想いしてる人に想い告げたの?」


「・・・告げてません。それは出来ないんです。」
「どうして?振られるから?」


「・・・振られるのもあるけど、その人の彼女と私は友達なんですよ。」


「・・・仲良いの?」
「すっごく良いです。」


「・・・」

「!!矢口さん?」

矢口はひとみを抱きしめた。



「・・・つらいね、よっすぃー。」

「矢口さん・・・」

「よっすぃーはさ、誰にでも誠実だから梨華ちゃんのこと中途半端な気持ちで
 付き合ってていいのかなって思ってるんでしょ?」



「・・・はい。だって、失礼ですよね?・・・でも、梨華ちゃん気付いてるんです。」

「気付いてるって何が?」
ひとみから離れて言う。
101 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)23時56分07秒
「私が梨華ちゃんじゃない他の誰かを好きってことをです。」

「マジなの??」
「はい・・・それで・・・それでも私と別れるとかいやだって。他の人のこと好きでも

 良いから付き合っててって言うんです・・・私は、梨華ちゃんにそこまで想われるほどの

 人間じゃないです。私がはっきりしないからなのに梨華ちゃんを傷つけて・・・

 泣かして・・・どうしたらいいかわからなくて。」



「どうしたら良いのか矢口にもわかんないけど、よっすぃーが決めたこと、
 
 矢口は受け止めるから。よっすぃーが梨華ちゃんに対して悪いって思って別れても、
 
 よっすぃーが吹っ切れるまでこのまま梨華ちゃんと付き合ってても、矢口は受け入れるよ。
 
 役にたたないけど話だったらいつでも聞くから、・・・・頑張ろうよ。」



「・・・ありがとうございます。」

「ううん。解決しなくてごめんね。」
「いえ、聞いてもらえて少しすっきりしましたから。」
「なら良いんだけど。・・・戻ろっか。」

「はい。」
102 名前:名無しくん。 投稿日:2002年03月24日(日)23時59分47秒
>98 よすこ大好き読者。さま
     よすこはもっと梨華っちを泣かしてしまうかもしれません・・・
     ごめん!梨華っち!!てな感じでして・・・。

     いつもちょこっとしか更新できなくて話が進まないので、
     ちょっと溜めてから更新します。
     読んでくれている方、すいませんです。
103 名前:夜叉 投稿日:2002年03月25日(月)16時12分19秒
ある意味波乱が…(^^;;。
知の優しさが余計吉の気持ちを煽るのか、いしかーさんがんがれ!
作者様もがんがって下さいね。
104 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月04日(木)21時13分35秒
いつも読んでます。
そろそろ更新を・・・(^^;)
105 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月10日(水)20時47分33秒
知は、鈍感なんっすかね?
優しさは、ある意味罪ですね。
うーーん。梨華ちゃん泣かさないでほしーなーと、思われ・・・。(謎
マターリ待ってます。がんがってください。
106 名前:某スレの125 投稿日:2002年05月17日(金)02時27分06秒
作者さんが煮詰まっているらしいので、マターリ保全(w
107 名前:名無し 投稿日:2002年05月17日(金)13時37分24秒
煮詰まっている??
ここの作者さんって他に何書いてるんすか?
他は更新早いんですか?
聞いてばかりですが教えて下さい。
108 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月19日(日)00時46分53秒
ハケーン!
釣られにきました。(w
109 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月20日(月)12時16分05秒
そして私も釣られたり…(w

頑張ってくださーい
110 名前:106 投稿日:2002年05月21日(火)02時16分26秒
>107 名無しさん
    混乱させて、スミマセン!
    作者さんによりますと、ただいま鋭意、執筆中とのことですので、
    もうしばらくお待ち下さいとしか……(汗

>108 名無し読者さん
>109 名無し読者さん(せめてsageてくれ)
    オイラは釣りの趣味はないんだYo!(泣
    (ま、オイラが悪いんだけどさ。反省してるんだからイジメるなよォ)

>作者さん
    スレ汚し、及び、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません!
111 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月23日(木)23時21分38秒
そして次の日

空は雲ひとつない快晴だった。



朝ごはんを食べた4人はすぐに水着に着替えると海へと泳ぎに行った。








ビーチバレーをしたり水をかけあって遊んだり、4人はとても楽しそうに二日目を過ごしていた。


お昼も14時を回り、そろそろおなかがすいてきた。

自分達のシートとパラソルに戻った4人はじゃんけんでお昼ご飯を買いに行く
メンバーを決めた。


結果は真里と梨華がお留守番、真希とひとみが買いにいくこととなった。



「じゃあ行って来るね〜やぐっつぁんはあとはあと

「うん!待ってるからよろしくー」


真希とひとみは真里たちの前から去って行った。







「…梨華ちゃん、楽しんでる?」

「えっ?!」



「やー…ちょっと元気なさそうだなぁ〜って思ったから」

「あっ全然ですよお!楽しんでます!矢口さんとこんな風に話せるの嬉しいし、それに…」


「それに?」



「ひとみちゃんと一緒だから楽しいです。」

梨華は胸が苦しかったがそうあえてそう言った。

矢口の反応を見るためだ。

吉澤が自分を好きということを知っていれば困るはず。



「そうだよね!ヘンなこと聞いちゃってごめんね。」



(知らないのか…)
112 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月23日(木)23時23分26秒

「いいえ。矢口さんと真希ちゃん、ほんとに仲良くて羨ましいです。私達は…」


「何言ってんの!矢口達は生まれたときから隣にいるから。

 付き合いの長さが半端じゃないよ。梨華ちゃんとよっすぃーはこれからでしょ?

 弱気にならないで、頑張ろうよ!」



「…はい…すいません。」




などとふたりが真希たちを待って話していると後ろから急に声を掛けられた。



「彼女たち可愛いじゃん。どこの子?俺らもふたりなんだよ、これから一緒に遊ばない?」
「そうそう。俺ら車だし、帰り送って行くよ?」


「結構です!!」

矢口は強気に返事をした。


「なんだそうかよ、じゃあそっちの子は?ひとりでも良いぜ俺らは。な!」


そう言って無理やりに梨華の腕を引っ張って立たそうとする男たち



真里はなんとかしなきゃ!と思って立ち上がって阻止しようとした。



「なんだ?ほんとは俺らと遊びたいんじゃん?」

立ち上がって梨華を掴む手を解こうとした真里も男たちに掴まれて

連れて行かれそうになった時だった――



「何やってんの?」



「よっすぃー!!」
「ひとみちゃん!!」


お昼ごはんを買って戻って来た吉澤だった。


「なんだ、まだ居たんだ。彼女も俺らと遊び行こうぜ。」


「うざい!どっか行けよ!!」

吉澤はすごく恐ろしい形相をして言った




「…なんだよ可愛くねー女ぁ!!もう行こうぜ、こんなガキたち辞めようぜ」





そして男たちはあっさりと去って行った。
113 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月23日(木)23時25分07秒
去るまでじっと見ていたひとみ。

振り返ると真っ先に真里の心配をした。


「矢口さん!大丈夫ですか?何もされなかったです?!」



その場に居た梨華は決定的一打を受けた


真里も『ばか!梨華ちゃんが先でしょ?!』と目で訴えた。



「梨華ちゃんも、大丈夫だった?」

それを受けて梨華に声を掛けたひとみ。




「…う、うん。助けてくれてありがと」



ひとみの後ろの方で見ていた真希

真希は梨華が気の毒で仕方が無かった



ひとみは3人の雰囲気が少しおかしいことに気が付き、

先程自分の取った行動を思い出した。



(…やっちゃった…そうだよ…普通は自分の彼女の心配するよね…無意識だったよ…)





その後、雰囲気は悪いまま夕方になった。





旅館に戻った4人


会話は少ない。

さっきからしゃべっているのは真里だけ。

話しかけても反応がみんな薄い。



まいった…と思った真里はひとみを連れてお風呂へと向かった
114 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月23日(木)23時26分51秒
「よっすぃー、元気出しなよ。」


着替えながら真里がひとみに言った




「梨華ちゃん……」




「も〜…大体どうして矢口に先に声掛けたのさ!!梨華ちゃん泣きそうだったのに…」




「それは…………矢口さんの方が近かったからです。」


「とにかく、ちゃんとフォローはした方が良いよ!!」





「…今回の旅行はほんと…すいませんでした。」




「…良いよお!矢口達は別に良いから、よっすぃー、ちゃんと話するんだよ?」





「…はい。」

「昨日も、今朝かな?今朝も言ったけど、よっすぃーが出した答えなら矢口ちゃんと

 受け止めるから。安心して話しなよ。」





昨日は鼻血を出すほど興奮したひとみだったが今日はさすがにそんな気は起こらず、

さっさと体と頭を洗ってお風呂から出た。





その頃の真希と梨華



「梨華ちゃん、元気ないねぇ」

「真希ちゃん…元気ないように見える?」

「うん。…ごとーが言うことじゃないけど、今日の昼のことが原因だよね?」




「…うん。真希ちゃんだって見たでしょ?絡まれたときに真っ先に矢口さんの事を

 心配したのを…もう…やだあ……ひとみちゃんのこと……頑張れないよ…」



「梨華ちゃん…やぐっつぁんも鈍いから…ごとーから言おうか?」






「…ううん。それはやめて。…この旅行が終わったら…ひとみちゃんと話してみる…」


「そっか…ごめんね、ごとー役に立てなくて。」

「ううん。」











そしてやはり雰囲気は良くならないまま旅行は終わった。
115 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月23日(木)23時28分25秒



「…」





「…」






真里達と別れてから梨華を家まで送るひとみ


先程から一言も言葉を交わしていなかった。



(…私が悪いって分かるけど…なんて声かけたら良いんだろ…?『楽しかったね。』?

『また行きたいね』?・・・・・・駄目だよどっちとも・・・嘘っぱちだもんね。

 ・・・『疲れたね』・・・コレがしっくりする。・・・旅行に行くまで確かに梨華ちゃんに

 気持ち向いてたのに・・・ちゃんと見ようとしてたのに・・・・・・さいてーだよ・・・。)





(ひとみちゃん・・・何考えてるんだろ・・・?何を言おうとしてるんだろ・・・?

『もう別れよう。』?『もう疲れたね。』?『やっぱり好きになれなかったよ。』?

 ・・・どれも聞きたくないことばかりだけど・・・どれも当てはまりそう・・・私の気持ちは

 ・・・・・・私はまだひとみちゃんと・・・?私はどうしたいんだろ・・・?)




それぞれに想いを抱えながら歩いているとすぐに梨華の家まで辿りついてしまった。





「・・・あの・・・送ってくれて、ありがと、ね。」




「・・・あ、う、ううん!近いし気にしないでよ。ちょっと疲れただろうから・・・

 今日はゆっくり休みなよね。」


「ありがと・・・。それじゃ。」




物憂げな目で玄関のカギを開けて中へと入っていった梨華

ひとみはなんとも言えない気持ちになっていた。




「梨華ちゃん・・・ごめんね。」


しばらく玄関をじっと見つめていたひとみだったが、しばらくすると帰っていた。
116 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月23日(木)23時38分08秒
>103 夜叉さま
     知は優しいというよりは鈍なだけかもしれません。
     吉石どうなる?!

>104 名無しさんさま
     遅くなって申し訳ないです(汗

>105 よすこ大好き読者。さま
     梨華っちは・・・泣かせてしまう・・・かも、しれません。

>106 某スレの125(名無し読者)さま
     一部終了まで書きました。保全、ありがとうです。

>107 名無しさま
     あ〜・・・(汗
     やぐがよく出る駄文です。探さないで下さい!(w

>108 名無し読者さま
     発見されましたか?!ど、どこからだろ(汗

>109 名無し読者さま
     励ましのお言葉、ありがとうございます。

>110 106(名無し読者)さま
     スレ汚しとか思ってないです。優しく喝を入れて頂き、
     感謝してますです。気にしないで下さい。


     更新がすっごく遅くなってしまい、本当に申し訳ございませんでした。
     更新は不定期ですが、続きます。
     読んで下さっている方、どうもありがとうございます。
     頑張りますので、宜しくです。
117 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月24日(金)12時22分53秒
復活?!オメ!!
頑張ってくらさい。
118 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時03分12秒
一方こちらは真里と真希


「ごっつぁん〜ちゃんとおばちゃんにお土産買った?」



「んあ?・・・あっ!・・・忘れてた。てへ。」


「うそお?!・・・あれ?だってなんか買ってなかった?」



「あー・・・あれはさーやぐっつぁんにお土産なんだよー。」

「へ?矢口に?」


「そー。」

そう言ってかばんをガサゴソと漁る真希

中から袋を取り出して真里に渡した



「コレ。きれーだったから、やぐっつぁん喜ぶかなって思って。」


真希は真里に魚の形をしたガラス細工の置物をプレゼントした



「ごっつぁん・・・矢口一緒に行ってたじゃんか・・・」


「嬉しくない?」

「嬉しいよ!!ごっつぁん大好き!!矢口からは・・・無くてごめんね。」

「えへへ。やぐっつぁんにはいつも愛をもらってるから良いよお!」

真里の部屋でほのぼのとしていた。
119 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時05分26秒
少し話していると話題も尽き・・・自然とひとみと梨華の話題となった。




「そういやさぁ〜よっすぃー達って上手くいって・・・ないよね?」



「・・・そうだね。」

「ごっつぁんはさ、どうしてだと思う?」



「ごとー?ごとーは・・・よしこに問題があるんじゃないかなって思うよ。」



「・・・例えば?」

「よしこは・・・梨華ちゃんの他に好きな人居るんだよ。」

「えっ?!ごっつぁん知ってるの?」



「・・・知ってるって何を?」

「よっすぃーの好きな人。」


「知ってるもなにも・・・(やぐっつぁんだよ。)・・・誰かは知らないけど居るの分かるよ。」


「やっぱそうだよね・・・それが原因だよね・・・梨華ちゃんもそれを知ってるから

辛いんだよね・・・」


「やぐっつぁんどうして梨華ちゃんが知ってるって言うの?」


「え?・・・なんとなくだよ。」



「・・・あやしー。なんか隠してそー。」

「や、矢口がごっつぁんに隠し事なんてするわけないでしょ?」



「・・・そうだね。」

120 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時05分56秒
「矢口さー・・・あのふたりお似合いだと思うんだよホントに。でもよっすいーが

その・・・好きな人?好きな人にはっきり想いを告げないから上手くいかないと思うの。

その結果別れるようなことになっても・・・それはそれで誠実だと思うの。」


「結局・・・梨華ちゃんは泣くしかないんじゃん。」

「そんなこと・・・あるかもしれないけど・・・よっすぃーも梨華ちゃんも矢口達の

大事な友達じゃんか。見守っていてあげようよ。」

「分かってるよ、ごとーだってふたりに上手くいって欲しいもん。」



「・・・」

「ただ、ひとつだけやなの!!」

「?なに?」


「よしこ達のことでごとー達まで暗くなるのはヤ!友達が困ってるのにごとー・・・

ヤな子かもしれないけど・・・」



「・・・ヤな子なんて思うはずないよ。ごっつぁんの言う通りだよ、矢口達まで

暗くなってちゃどうしようもないもんね。矢口たちはいつも通りで居ようね。」



そして少し甘えたあと、真希は少し眠り、自宅へと帰って行った。
121 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時07分29秒
それから一週間後――



ひとみと梨華はもとの関係に戻った。


付き合う前、話すらしない関係へ――


そう、ふたりは別れたのだった。







「やぐっつぁん・・・聞いた?」

「ん?」

「よしこ達のこと。」


「あ、あぁ・・・うん、よっすぃーから聞いたよ。」

「ごとーは梨華ちゃんから・・・」





「・・・・・・梨華ちゃんなんだって?」


「やぐっつぁんこそ・・・よしこなんて言ってた?」




「「・・・」」





それぞれが聞いたこと、それぞれの想いはこうだった――
122 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時08分51秒
『わざわざ来てもらってすいません。』

『ううん。相談があるんでしょ?いつでも呼んでくれたら良いから。』

『どうもっす。』


矢口を自分の部屋と招きいれ、お茶を出したひとみ

すぐに話そうとせずになるべく言わないでおこう、後回しにしようという雰囲気が

真里に伝わって来た。



『よっすぃー、矢口ちゃんと聞くから落ち着いて?そりゃ・・・言いにくいことかも

 しれないし言葉にしにくいことなのかもしれないけど・・・最後までちゃんと聞くから。』




『・・・はい。』





その返事から30分後、ずっと沈黙だったひとみがとうとう口を開いた。

『梨華ちゃんとのことなんすけど・・・』


『うん。』

『私・・・このままじゃやっぱり駄目だと思って・・・他に好きな人居るのに隠して

 ウソ付いてこのまま付き合っていくなんてこと出来ないって思ったんです。

 ・・・逃げてるって言われたらそれまでだけど・・・もう別れた方が梨華ちゃんにとっても

 良いと思うし・・・』




『・・・うん・・・そう、だね。よっすぃーはそうだろうね。』



『だから・・・明日・・・梨華ちゃんに言います。』
123 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時12分08秒

『・・・梨華ちゃんのこと少しも好きじゃなかった?』

『え?』


『・・・他に好きな人居てさ、でも、他の人好きになろうとして梨華ちゃんと

 付き合ったわけでしょ?そう思ったってことは・・・少しは愛せてた?』




『・・・はい。』


『そか、なら良かった。よっすぃーが人を愛せる子で良かった。』



『でも、梨華ちゃん傷つけちゃって・・・泣かせてしまいました。』



『よっすぃーはさ、梨華ちゃんと別れてどうするの?』




『・・・どうするって・・・どういうことですか?』
124 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時12分46秒
『梨華ちゃんと別れて・・・よっすぃーは自分の気持ち隠したままずっと生きていくの?』






『・・・それは・・・』

『隠して、いつか忘れられたら良いかもしんないけど、忘れられるの?

 好きな人のこと忘れられるの?隠したまま、また誰かと付き合うことになったら・・・

 よっすぃーはまた繰り返すの?』




『・・・』


『矢口・・・厳しいこと言ってるって分かってる。でも、よっすぃーが心配だから

 言うんだからね?よっすぃーのこと大事じゃなかったら言わないよ?』




『・・・・はい。分かってます。』

『矢口は・・・梨華ちゃんと別れろって言ってるんじゃないよ?好きな人に想いを

 伝えなって言ってるわけでもないよ?ただ、よっすぃーが出す答えには

 それなりの責任があるの。』



『責任・・・』


『そう、責任。よく・・・考えてごらん。』



そしてまた30分ほどの沈黙の後、声を発したのはひとみだった。



『あの・・・ありがとうございました。ちょっと・・・考えてみます。』



『・・・うん、ゆっくりで良いんだからね?』

『はい・・・』
125 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時14分25秒
一方こちらは真希と梨華


『ごっちん、せっかくの休みなのにごめんね。』

『良いって良いって!んなの気にしないでよ。』

『それで・・・早速なんだけど・・・。』


『・・・うん。相談って言ってたよね?ごとーで乗れることならいくらでもオッケーだよ。』

『ありがと。 ひとみちゃんのことなんだ。』



『・・・』

『ついこないだ、まだ頑張るって言ったとこなんだけど・・・やっぱり駄目みたい。

 最初は好きじゃなくても良い、友達からで良いって言ってたんだけど・・・

 付き合ってもらうとどうしても欲が出ちゃって・・・ひとみちゃんにも

 私を好きになってもらいたくなったの・・・。』


『そんなの!付き合ってたら当然のことだよ!!梨華ちゃんが『〜もらう』とか

 言っちゃ駄目だよ。』



『そうなんだけど・・・もう見たくないの。』



『・・・見たくないって何を?』


『・・・・矢口さんを見るひとみちゃん。旅行中、いやってほど見たもの。

 それに・・・私の事はちっとも見てくれなかったから。』



『(ごとーだってそれは同じだよお)・・・』






『だから・・・ひとみちゃんと別れる。』
126 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時15分48秒
『えっ?!』



『ずるずるしてでも付き合って居たかったけど・・・私・・・弱いから。

 これ以上悲しい想いするのも傷つくのも嫌なの。』




『梨華ちゃん・・・・・・良いの?』

『もう決めたの。今日はごっちんに“それで良いよ”って言ってもらいたかったの、

 そのために来てもらったの。相談なんて言ったけど・・・同意して欲しかったの・・・』




『・・・ごとーは・・・・・・・・・答えられないよ。でも、でも、ひとつだけ。』



『・・・?』

『よしこは・・・梨華ちゃんのことなんとも思ってなかったなんてこと絶対無いと思う』



『・・・思ってなかったに決まってるよ。一度も好きって言ってくれなかったし。

 それに・・・・・・それにそうだったとしてももう遅いの。』


梨華は目に涙を溜めながら自分に言い聞かせるように言っていた。










『・・・ごめんね、ごとー役に立てなくて。』


『ううん。聞いてもらえて良かった。』
127 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月25日(土)17時18分58秒
>117 名無し読者さま
     はい。復活です。
     1部はいしよしがたくさん出そうな予感・・・
     やぐごまは2部で。

     会話ばっかで読みにくいですね、すいませんm(__)m
     頑張ります!
128 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時36分18秒
そして昨日のこと――


『明日、会えないかな? ひとみ』

『うん。大丈夫、どこで会う?』

『10:00に迎えに行くから待ってて。』

『O・K』





ひとみと梨華は近くの公園のベンチに腰掛けていた。




『『・・・』』



会ってからこの場所に来るまで会話は一言だけ

『おはよう。』


そのあとずっとお互いに沈黙で、公園の虫や風さえもふたりの沈黙を破らないようにと

静かにしているようだった。


その沈黙を破ったのは――




ひとみだった。



『梨華ちゃん、話なんだけどね、言っても良いかな?』



『・・・言って。』





『私・・・・私達のことずっと考えてた。どうあるべきかどうしていくのか、

 いっぱいいっぱい考えたの。それで・・・私梨華ちゃんに隠し事があったこと・・・

 まずは謝るね。』


『隠し事?』
129 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時38分22秒
『・・・ん。私・・・梨華ちゃんの他に好きな人が居たの。

 それで気持ち隠して付き合ってた。ごめん。』



『・・・他に好きな人が居るの位すぐに気付いてたよ。ひとみちゃんのことなんでも分かるもの。』




『・・・ごめんね。』

『それで・・・?』


『あ、それで・・・気持ち隠したまま、想い忘れて付き合って行くなんて出来ないって気付いたの。』



『・・・』

『勝手なことばかり言うけど・・・これが私の・・・』


『本音なんだね?』




『・・・うん。』




『・・・ひとみちゃんの好きな人って誰?』

『え?!』

『教えて。』






『・・・矢口さ・・・ん・・だよ。』


『そうだよね。』

『?!』


『・・・それともうひとつ聞かせくれない?』

『??』




『私の事・・・少しでも、ほんの少しでも見てくれようとしていた?好きで居てくれた?』
130 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時40分05秒
『・・・見てたよ。・・・好きになりかけてた・・・ウソじゃないよ。』



それを聞いて少し俯いていた梨華だったが、パっと顔を上げると笑顔でこう言った



『ありがとう。それじゃあもう別れよう?』



『?!』



『無かったことにしよ?ひとみちゃんのこと忘れるから。出会う前に戻ろう?』




『梨華ちゃん・・・』


『そういうことだから。』

『でもっ』


『大丈夫。すぐに忘れるから。』



そう言って梨華はひとみを公園へ残して帰って行った



『梨華ちゃん!!ごめんね!!ごめんね!!!』


ひとみも叫んで言っていたが梨華は既に居らず、なんの返事も返って来なかった。





『・・・っふ・・・うう・・っく・・・ひ・・ひとみちゃ・・・ん・・・好きだよ・・・っく・・・


 好きだけど・・・・・・うっ・・うう・・・これで・・・良かったんだよ・・・・ね・・・?』



公園から去った梨華――

梨華は家に帰ることが出来ずに公園のすぐ傍でずっと泣いた。

別れたいなんて本気で思ってたわけじゃない。

こうするより他にお互いにとっての良策が浮かばなかったのだ。

131 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時41分20秒
その日の夜――


『ひとみちゃんと別れた。』


『うそでしょ?!』

『色々ありがとね。これからも友達、で居てね?』



(・・・梨華ちゃん)

『あったりまえじゃんか!!梨華ちゃんはもうごとーの友達だもん!

 これからだってずっと友達だから!!』


『ありがと。』




『でも・・・ほんとに良かったの?』

『良かったの!!今度は自分を好きになってくれる人を探すの!

 ・・・ごっちんにもいろいろ迷惑かけたね。』


『うっううん!ごとーこそ・・・やぐっつぁんの相手のごとーが梨華ちゃんの

 話聞くなんてこと自体良いのかな?って感じだったから・・・』


『私も・・・ごっちんに言っていいのかなって思ってたから。お互い様だよ』
132 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時42分26秒
『梨華ちゃんと別れました。』



『・・・どうするの?』

『はい・・・取り合えずまた・・・今度聞いて欲しい話があるんで・・・』


『分かった。また今度聞くから連絡ちょうだい。』





こんなとこだった。



「なんか・・・あれだね。どっちの気持ちも分かっちゃうね。」

「うん。」


「ふたり・・・別れちゃったけど友達だもんね。見守っていようね。」




「・・・ごとー達は・・・大丈夫だよね?」

「ばか、そんなこと言うんじゃないよ。」




「・・・ごめん。」




「矢口はごっつぁん一筋!!」

「ごとーも!!」
133 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時44分05秒

そして夏休みも残りわずかとなった或る日・・・


ひとみは真希を呼び出していた。

夏も終わりと言えどまど日差しはキツく、何も考えたくなくなるような

良く晴れた日の午後だった。

ひとみと真希は近くの公園のベンチに座っていた。



「――でさぁ〜ぜーんぜん宿題終わらないんだよねー寝てばっかでさぁ。よしこ、やった?」

「今日なんか暑いから海とか行きたいよね〜」

「こんなとこ居ないでさ、遊びに行こうよ。」


――さっきからこんなことばかり。

しかも真希ばかりが口を開いていた。



そんな真希もしばらくすると話すことが無くなったのか、二人の間に沈黙が訪れた。





(ごっちんには言っておかなきゃなんないよね・・・)

ひとみは今日、真希に、自分の好きな人は矢口だということを告げようとしていた。
134 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時46分03秒
明るく話す真希になかなか言い出せないでいたひとみだったが、

会話が途切れたところで口を開いた。



「――ごっちん、今日呼び出した理由なんだけど。」


「・・・あ〜、うん。話あるって言ってたよね。なに?」



「うん。・・・私さ、ごっちんにずっと隠してきたことがひとつある。

 ずっと言えなかったそのことを今日ごっちんに言おうと思う。」


「ごとーに隠してること?」




「そう。私は、私は――・・・・・・・・・矢口さんのことが出会った時からずっと好きだった。

 ごっちんから矢口さんのこと聞く前からずっと好きだった。

 でも――ごっちんと矢口さんが仲良くて幸せそうにしてるのみてたら

 言おうなんて気おきなくて・・・このまま忘れて行くんだろうな――って思ってた。」




「・・・」



「それで・・・矢口さんのことを忘れるため――って言ったら少し失礼かもしれないけどさ、

 梨華ちゃんと付き合うことで少しずつ忘れていけるって思ってた。

 事実、少しずつ梨華ちゃんに気持ち向いてた。忘れられそうだった。」




「でも、忘れられなくて、――梨華ちゃんと・・・」





「・・・そう、別れた。」
135 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時48分19秒


「・・・・・・・・・どうしたいの?よしこは。」



「ごっちんを裏切ることになるかもしれないけど・・・・・・・

 ・・・・・・・・・私の気持ちを伝えてきっぱりと振られたい。」




「・・・振られたいの?」

「―――そりゃ・・・出来るのなら付き合いたいって思うけど・・・・・・」



「ごとーね、知ってた。」

「えっ?」


「よしこがやぐっつぁんのこと好きなのずっと知らない振りしてた。」



「・・・知ってた?」




「・・・ごめん。」


「そっか・・・知ってたんだ・・・」



再びふたりに沈黙が訪れた。





「私・・・このままじゃ前へ進めないの。このまま気持ち隠してても忘れられそうもないし

 ・・・それにもし万が一また誰かと付き合うようなことがあったとしても

 また同じことを繰り返してしまう気がするの。だから・・・ちゃんとしたい。」
136 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時49分49秒
「・・・うん。」


「明日・・矢口さんに会っても良いかな?」



「・・・」


真希は俯いて何も言わなかった。






少しの沈黙のあと席を立ったひとみ。

「ごっちん、こんな形で・・・こんな風に裏切る形になってごめん・・・・・・それと・・・

 今日は呼び出してごめん。・・・じゃあ・・・・。」


―――とその場から去ろうとした。

が、真希は腕を掴んで制した。



「待って。」


「――な・・に?」


「よしこ、これでごとーとの友情は終わりだとか思ってるでしょ?!」


「――え?!」



「・・・やっぱり。ばか!!ごとーはよしこのこと親友だと思ってるんだからね!

 今までも、これからもずーっとそれは変わらないんだからね!!」



「・・・ごっちん・・・」

「勝手に友達、辞めさせないんだから!!」





「・・・ありがとう。」
137 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時51分18秒
「お礼なんていらないよ!ちゃんと自分の気持ち伝えて、囚われたままの気持ちを

 解放してあげな!・・・・・・ごとーが言うことじゃないかもだけど・・・」



「・・・ううん!ありがとう、ちゃんと自分の口で伝えて、気持ち、解放してくる。

 見守っててね。・・・ごっちんに言うことじゃないね・・・。」




「・・・あはっ」

「ははっ――ほんとにありがとう。ごっちんと友達で良かった。」



「ごとーもだよ。よしこだからこうやって送り出せる。他の子だったらボコボコだよ。」

真希はニヤリっとしながら言った。



「はははっ良かったボコボコにされなくて!・・・」



「・・・」





「・・・それじゃ・・・」




「・・・・・・うん、またね。」




そしてひとみは走って公園から去って行ったのだった。
138 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時52分54秒
日差しのキツい夏の日の午後

真希はひとりベンチに座ったまま物思いにふけっていた



(・・・ついに言うんだね、よしこ・・・・・・ずっと・・・気持ち押し殺してくれて・・・

 ごとーと・・・やぐっつぁんが付き合う前に告られてたらわかんなかったよね・・・?

 よしこの立場に居たかもしんない・・・)





(・・・まさかだけど・・・まさかよしこにOKしないよね・・・?)




「やぐっつぁん・・・」



真希がボソボソと小声で言っていると後ろから急に声が聞こえた。


「何ボソボソ言ってんの?ごっつぁん。」


(へ?)

振り向くとそこには真希の愛しい恋人、真里が不思議な顔で立っていた。




「やぐっつぁん?!どどどどどうしたの?こんな所で。」


「それはこっちのセリフ。ごっつぁんに会いに家行ったのに出かけてるんだもん。

 探したよ。」

そう言いながら真里は真希の手をにぎにぎとしていた。
139 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月26日(日)20時54分15秒
「会いに来てくれたの??」

「そー。何してるかなーって。」



「ひなたぼっこしてたの!」

「ひなたぼっこおおお??ごっつぁんが?あははっほんとなのお〜??」

「うん!でも、もうそろそろ暑いからウチ帰る。やぐっつぁんも行こう。」


「うん。」

そしてふたりは手を繋いで帰って行った。



「やぐっつぁん・・・大丈夫だよね?」



「――え?何が?」




「・・・なんでもないよ。」







「・・・?」
140 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月26日(日)20時55分22秒
更新終了です。
141 名前:名無し読者。 投稿日:2002年05月26日(日)21時50分02秒
やぐよしになったら・・・・と言ってみるテスト(w ま、それはおいといて、どうなっていくのか楽しみです。がんがって下さい。
142 名前:名無し読者。 投稿日:2002年05月26日(日)21時50分47秒
ageてスイマセンm(__)m
143 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年05月28日(火)23時53分48秒
初レスです。
同じ海板で駄文を書き散らしておる者でございます。
最初から読んでまして、復活されて嬉しい限りです。
ここの後藤、めちゃいいヤツですね。
嘘でもこんな事ちょっと言えないですよ。
では続き楽しみにしてます。がんがってください!
144 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月29日(水)23時18分16秒
そしてその夜、ひとみは真里の携帯へと電話をかけた。



プルルルルルッ プルルルルルッ



「ほいほーい♪」


『――あっ、矢口さん?吉澤です。』

「うん。どしたの?久しぶりじゃんか。」

『そうっすね。久しぶりです。あの、明日なんすけど・・・』

「明日がどうかした?」

『ちょっと話したいことがあるんで会ってもらえません?』

「話?なに?」

『明日会った時話します。』




「・・・?どこで会う?」

『矢口さんちの傍にある公園はどうですか?』


「あー良いよ。何時?」

『お昼から・・・良いっすか?』


「オッケー。じゃあ1時頃ベンチでね。」


プッ




「・・・約束したぞ・・・どうしよう・・・」
145 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月29日(水)23時19分09秒
そして次の日――
あいにくの曇りで、天気予報によると夕方から雨が降るとのことだった。
待ち合わせはお昼なので差し障りはないが――



「・・・よし!頑張れひとみ!!」

自分の頬を叩いて気合を入れたひとみは待ち合わせ場所へと向かった。


(今・・・13時10分前か・・・もう・・・来てるかな・・・?)





(何から言えば良いんだろ・・・何て言えば良いんだろう・・・)





公園に着き、ベンチを見たが真里はまだ来て居ないようだった。

先に着いたひとみはベンチに腰掛けて真里を待った。




しばらくして・・・13時を少し過ぎた頃、真里が公園に現れた。


「よっすぃーごめーん!ちょっと遅れちゃったね。」

真里を見たひとみは思わずベンチから立ち上がって真里を迎えた。

(駆け寄る姿もまた可愛いなぁ・・・)

「いや、今来たとこっすから!座って下さい。」

「んー。」


真里と並ぶようにして横に座るひとみ。
ひとみは緊張して固まっていた。
146 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月29日(水)23時20分19秒
「よっすぃー?」


「・・・」

「おーい。」



「・・・」

「よっすぃーってばあ!!」



ひとみがピシっと固まっているのを見た真里はひとみの頬を両手で掴んで

自分の方へと向けさせた。



「う、うわわっ?!」

急に真里の顔が目の前に来て驚いたひとみは思わず立ち上がった。


「わっ!!どうしたんだよーよっすぃー!!」


「あっ・・・す、すいません。ぼーっとしてましたね?」

「そうだよー何か話があるって言ってたよね?なんだったの?」



「あー・・・話っすか・・・そうですね。・・・言います。」



「?へんなの。」




ひとみはコホンと咳をしてさらに真剣な顔をすると真里の方を向いて話し出した


「あの・・・これから言うこと、驚かないで最後まで聞いてもらえます?」

「?う?うん。」


「ありがとうございます。・・・私と矢口さんが最初に会ったのっていつだったか

 覚えてますか?」



「あーっと・・・ごっつぁんのプレゼント選んでくれた時だよね。」




「――はい、そうです。私はあの時矢口さんに一目惚れしました。」
147 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月29日(水)23時21分42秒
「え?」


真里は思ってもいなかったひとみの言葉に驚いた表情を見せた。



「――一目惚れして、でも名前しか分からなくて・・・もう会えないって思ってました。

 それでごっちんと友達になって・・・すぐに再会しました。再会したとき、

 本当に嬉しくて、神様はちゃんと居たんだって本気で思いました。

 ・・・でも神様はイジワルで・・・大事な親友ごっちんの好きな人でした。」




「・・・」


「ごっちんのこと、矢口さんも好きだし、ふたりは相思相愛で邪魔しちゃいけない、

 入り込んじゃいけないって思いました。それで・・・ずっと気持ち隠してました。

 梨華ちゃんと付き合ったのも本当は矢口さんを忘れるためでした。

 その結果忘れられなくて梨華ちゃん泣かして・・・傷つけて・・・

 本当に悪いことしたって思います。

 でも、それでも矢口さんのことが好きだったんです。」





「よっすぃー・・・ありがとう。でも――」

「分かってます。」



「え?」

「付き合ってなんて言いません。」






「・・・ごめんね。」


「謝らないで下さい。正直、ここまですっと言えるなんて思ってなかったです。

 私・・・自分の気持ちを解放したかったんです。前にも矢口さんに言われたけど、

 隠してたら絶対にずっと忘れられないって思ったから。言って、キッパリと

 振られた方が・・・すぐに忘れる事は出来ないけど諦めも付きますから。」



「・・・」

真里はなんて答えて良いのか分からないといった表情でひとみが話すのをじっと聞いていた。
148 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月29日(水)23時23分20秒

「・・・矢口さん、お願いです。」




「・・・なに?」


「振って下さい。」

「よっすぃー!!!」




「キツイ言葉を下さい。忘れられるような言葉、下さい。」






「・・・よっすぃーのこと・・・嫌いじゃないもん・・・言えないよそんなこと」



「自分の気持ちを解放するのに矢口さんに頼むなんて勝手ですけど・・・

 矢口さんにしか救えないんです。矢口さんしか駄目なんです。お願いです、

 振って下さい!!」


必死の表情で真里に迫るひとみ。

言っていることは確かに自分勝手ではあるが、ここで曖昧な断り方をしては

何も変わらないと思った真里は決めた。





「よっすぃーとは付き合えない。ごめん。」





「・・・もっと」








「・・・矢口はごっつぁんが大好きだから。ごっつぁんしか見えないから。

 よっすぃーのことは最初から・・・なんとも思ってなかったし・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ただの後輩。好きじゃないよ。」












「・・・ありがとうございました。」
149 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月29日(水)23時24分54秒



「・・・ごめんね、ほんとに。」



「いえ!!気にしないで下さい。あ、私、もう少しここに居るんで先に帰って下さい。」

「え?・・・雨降りそうだよ?」


「そうっすね。降る前には帰りますから。」






「・・・じゃあ・・・矢口帰るけど・・・」

「はい。今日は呼び出してすいませんでした。」








「よっすぃー、明日からまた普通に話せるよね?」




「・・・」









「・・・帰るね。」


「・・・」



真里はひとみをベンチに残して去っていった。





「頑張ったよね・・・?」




「ちゃんと忘れなきゃ・・・じゃないとひどいこと言わせた意味ないもんね・・・」



ひとみがベンチでぼそぼそとしゃべっていると空から雨が落ちてきた

パラパラパラと、初めは小雨だった雨が段々とひとみの気持ちに合わせてかどうか

分からないが大雨へと変わっていった。



屋根も何も無い公園。木のベンチ。半袖。



冷たくは無いが激しい雨がひとみに降りかかっていた。
150 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年05月29日(水)23時26分27秒
ひとみは雨をよけることも帰ることもせずにただ、ただじっとその場から動かないで居た。




(・・・空までバカにしてるよ・・・・・・・・・・・・・・・違うのかな・・・これは・・・


 振られても泣けない私の代わりに空が泣いてくれてるのかな・・・・・・・?)




ゴロン



「振られたぞちくしょーーーーーー!!!!」


ひとみはベンチに仰向けになって空へと叫んだ。

叫んでいたが、激しい雨がひとみの言葉を消していた。




「・・・ちゃんと、ちゃんと忘れるんだから!!」







しばらく雨に打たれたひとみ。

一粒も涙を流す事はなく、いや、泣いていたが雨のせいで分からなかっただけかもしれない。




ひとみは真里が据わっていたベンチに一度だけ目をやると、家へと帰って行った。
151 名前:名無しくん。 投稿日:2002年05月29日(水)23時29分27秒
>141 名無し読者。さま
     やぐよしには・・・・
     応援ありがとうです。頑張らせて頂きます。

>143 ごまべーぐるさま
     駄文なんてとんでもないですよ!楽しませてもらってます。
     更新がかなり遅くなって本当に申し訳なかったです。
     頑張ります、宜しくです。
152 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月30日(木)13時33分21秒
振られちった…
頑張れ、よしこ。
153 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月01日(土)05時50分55秒
よしこかわいそう・・・
どうか救ってやってください。
そしてできればやぐごまのラブラブをもっと。
154 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月01日(土)11時55分04秒
石川さんも吉澤さんも辛いですね。
二人が幸せになれる日はくるのでしょうか…。
続き楽しみにしています。頑張って下さい。
155 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月01日(土)17時27分50秒
「・・・言うべきだよね・・・」

こちらは真里

家へは帰らずに真希の家の前でウロウロといったりきたりを繰り返していた。


「よしっ!!」


ピンポーン

「はい」
「あっおばさん?矢口です。ごっつぁんいますか?」

「真里ちゃん?開いてるから上がって良いよ」
「ありがとうございます。」


カチャ
タンタンタンタン・・・・・・・・


コンコン

「ほい?」
「ごっつぁん?矢口だけど。」

矢口の言葉と同時にドアが開けられた。


「どおしたの?」
「ん。ちょっと話すことがあってね。」

言いながら真希の部屋へと入って行く


「・・・何してたの?」
「今?ぼーっとしてた」

「っぽいね。」

「なんか飲むもの持ってくるよ。やぐっつぁん座ってて。」
「ありがと。」
156 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月01日(土)17時29分15秒
5分ほどして真希がお茶を持って部屋に戻って来た。

「話すことってなあに?」
「うん。大事なこと。ちゃんと聞いてくれる?」

「・・・うん。」
「今日ね、よっすぃーに告白された。」



「・・・うん。」

「驚かないの?!」


「えっ?あっ、驚いたけど続き聞かせて。」



「・・・?・・・それで断った。」





「・・・良かった。」

「なに?」



「昨日よっすぃーがね、明日やぐっつぁんに告白するって言ってたの。

 それで・・・もしかしてやぐっつぁんがOKしたらどおしよおって思ってたから・・・」


「なっ、じゃあ知ってたの?今日会ったこと。」

「うん。」



「なんだよーすっごく言いにくかったのに・・・」



「隠さないでごとーに言ってくれて嬉しい。ありがとうやぐっつぁん。」



「・・・んだって・・・ごっつぁんに隠し事なんて矢口ヤだし・・・・・よっすぃーには

 悪いと思ったけど・・・言うしかないって思ったの。」



「うん。嬉しい。」





「でもね・・・」

「でも?」





「明日からまた普通に話せるよね?って聞いたんだけど何も答えてくれなかったの。」
157 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月01日(土)17時30分26秒
「・・・・・・仕方ないよ。」

「でも・・・よっすぃーと話せなくなるなんて・・・ヤだな、矢口は。」




「・・・分かるけどさ・・・ごとーだけで我慢してよ。」

「えっ?あっごめん、ごっつぁんにこんなこと言って。」



「よしことごとーは友達続けるよ。でもやぐっつぁんとよしこはそうは行かないんだよ。

 少なくともよしこは無理だよ。今はまだ・・・・・・そんなすぐに気持ちなんて変わらないよ。」



「・・・難しいね、恋愛って・・・梨華ちゃんも、どんな気持ちで矢口と話してたんだろ・・・

 すっごく辛かったと思うよね・・・?」



「でも・・・・よしこがやぐっつぁんのこと吹っ切れたら・・・そのときは・・・」
「早く、そうなって欲しい。」










「・・・今日泊まって良い?」


「へ?なんで?やぐっつぁんが泊まるのなんてかなり久しぶりっしょ?」




「なんか・・・甘えたい気分なの!!」

「や、やぐっつぁんが甘える?!」



「良いでしょ!!たまには矢口が甘えても!!」



有無を言わさないといった表情で真里は真希に訴えた。



「や、ごとーは大歓迎だけどお・・・」

「やったはあとはあと





自宅で食事とお風呂を済ましてパジャマで現れた真里

すぐに布団に入った
158 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月01日(土)17時31分40秒
振った側の真里だったが、可愛い後輩を失ったかと思うと胸が痛かった。

明るく振舞っていたが本当は泣きたかった。

真希に甘えることで気を紛らわせようとしていたのかもしれない。



出会った頃のひとみ、仲良くなった頃のひとみ、毎日のように会って話して遊んで・・・

ひとみの笑顔ばかりが浮かんできて・・・真里は切なくなった。



真希にくっつきながら寝ていたが気持ちはひとみのことでいっぱいだった。



(よしこ・・・今日だけだからね・・・やぐっつぁんの中に居ても良いのは・・・)


真希もそのことを感じ取っていたが何も言わずにただ、ぎゅっと真里を抱きしめていた。






一方こちらはひとみ


ひとみも帰ってからずっと真里のことが頭から消えないでいた。

考えないようにするのに、忘れようとするのに、どんなに頑張っても浮かぶのは真里の顔。


いつだって笑顔で優しくて・・・大好きだった。

出会ってからも何度も忘れようと努力してその度に失敗をしていた。

今回こそは!と、ひとみは最後に言われた言葉を何度も何度も繰り返し口に出して言った。








「・・・梨華ちゃんも・・・辛かったよね・・・?」

159 名前:名無しくん。 投稿日:2002年06月01日(土)17時35分42秒
>152 名無し読者さま
      振っちゃった・・・
      やっと物語が進みそうでさくしゃ的にはほっとしてます。すいません。

>153 名無しさんさん
      吉を救う手はずは済んでます(w←多分。
      やぐごまは、やっぱ甘い方が良いんですかねぇ?

>154 名無し読者さま
      吉くんにも梨華ちゃんにも幸せを用意してます・・・
      もうしばらく見守っていてやって下さいませ。

      少しの更新で申しわけないですm(__)m
160 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月01日(土)20時52分48秒
いや、何とも切ないです。
せめてごまとやぐの絆がより強くなることを、祈るばかりです。
161 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月03日(月)01時54分46秒
>やぐごまは、やっぱ甘い方が良いんですかねぇ?

なんつーか最近どのお話しでも結構我慢ばっかさせられて可哀想で…
162 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月08日(土)21時23分43秒
ひとみが真里に告白をしてから2週間が経ち、一度も4人は会うことはもちろん、
メールをすることも電話をすることもしなかった。
真里と真希は毎日のように会っていたが。




そして今日から2学期



いつものように真里と真希は手を繋いで登校をしていた。




それぞれの教室へと入り、始業式までの時間を潰す

真希と同じクラスのひとみの姿がまだどこにも見えなかった。



時刻は始業5分前。

いつも遅刻はとんでもない!!というひとみが遅いのはおかしい。

真希はそう思ったがメールや電話をすることが躊躇われ、どうすることも出来なかった。

そしてチャイムが鳴り、始業式が始まってもひとみは現れなかった。






(やぐっつぁん…よっすぃー来ないよー……?)


真希は後ろを振り返り真里のクラスを見たが、いつもいる場所、

最前列に真里は居なかった。



(あれーっ?)





そして真希は真里の姿も確認することが出来ないまま…始業式は終わった。
163 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月08日(土)21時25分25秒
教室に戻り…ドアを開けると…

そこには窓を開けて風を浴びながら外を見やるひとみの姿があった。


「あれーよっすぃー、サボリ?」
「珍しいよね、よっすぃーが遅刻とか。」


「そかな?なんとなくねー。」


クラスメイトの呼びかけに振り返ることなく返事だけを適当に返してずっと外を見ている。

真希はいつもならすぐに声をかけてちょっかいを出しに行くのだが、真里に告白すると言った

あの日から初めて会う真希は表情の見えないひとみに声をかけることが出来ずに居た。

ひとみのさらっとした髪の毛がなびいているのをただ眺めていた。


(きれいな髪だな・・・)


そんな意味の無いことを思っていると先生が教室に入ってきた。

「席つけよー。」




真希とひとみは前後の席。

真希の前に座ったひとみは急に振り返ると真希に微笑んだ。


「?!」


急に振り返ったひとみに思わず驚いてのけぞった真希。

くちをぱくぱくして言葉を発せられないでいるとひとみが先に口を開いた。



「おはよう、ごっちん。久しぶり。」


それだけ言ってひとみはまた前を向いた。


ひとみの笑顔は、それはもうとても爽やかで曇りのない笑顔だった。




しばらく何も返せないで居た真希だったが、数分して

「おはよ。」と返した。




「「・・・」」




「・・・ぷっ!お、遅いよごっちぃん!!」


「・・・あはっほんとだね。ごめんごめん。」

「相変わらずマイペースなんだから。」


「・・・あ、あのさ、後で――」

「ごっちんに話あるんだ。学校終わったら時間くれないかな?」

「あっ、うん!放課後ね。」
164 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月08日(土)21時27分35秒
放課後――
誰も居ない屋上に真希とひとみは居た。


「またガッコ始まっちゃったね。次は冬休み、遠いなぁ〜。」
「だね。でもさ、文化祭とか体育祭とか行事多いからぁあっというまなんじゃない?」
「ごっちんは寝てばっかだから余計そうだろうけど・・・」
「ひっどいよしこ!」
「あははっ。・・・えと、さ、それで話なんだけどね?」


どうでも良いようなことを話して空気を和ませていたところ、ひとみが本題を切り出した。




「報告します!知ってるだろーけど、矢口さんに振られました!きーっぱりと!

 昨日までまだ矢口さんとかごっちんに会うのつらいなぁって思ってて学校も

 ほんとはきたくないなぁって思ってたんだ。休もうとしてたんだけど・・・朝、

 矢口さんからメールもらったんだ。」


「へ?な、なんて?」


「ははっ そんな心配するような内容じゃないよ。『今日から新学期だね。また頑張ろう。』って

 入ってた。そしたらなんか急にすーっと考えがとんじゃって・・・気付いたら来てた。」


「やぐっつぁんメールなんか打ってたんだ・・」

「ん。それでね、始業式前に矢口さん捕まえて話してたんだ。」

「それで居なかったんだねふたりとも。」

「うん。とにかくね、やっと吹っ切れた気がする。ごっちんにこんなこというの

 ほんとに変だけど、もう大丈夫だと思うんだ。新しい恋をね、いつか出来そうな気がする。」
165 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月08日(土)21時28分39秒
「そか。・・・そんときは協力するし、応援するからね?」


「ありがとう。」


本当に真里のことを吹っ切ったかどうかは分からなかったが、笑顔で真里のことを

自分に話す姿を見ると、なんかもう、どうでも良く感じられた真希だった。




(梨華ちゃんや、よっすぃーのためにもごとーたちは頑張らなきゃね!)




カチャ

「おーっすやぐっつぁん!」

「あぁおかえり〜。今日迎えに行ったのに。」

「あっ言ってなかったっけ?ご、ごめん。」

「や、怒ってるわけじゃないから。・・・よっすぃーも居なかったし、・・・話、してた?」
「あ、そ、そう。良く分かるねぇさっすがやぐっつぁん!!」


「何話してたのか分からないけど矢口から報告。」

「うん?」



「今朝ね、始業式さぼってよっすぃーと会ってたの。それでね、ちょっと気まずいかなぁって

 思ってたんだけど普通に話せて・・・なんかもう大丈夫なのかなって感じだった。

 だからもうあんまり心配とかしないでね。」


「ん。よっすぃーからもそれ聞いた。よっすぃーや梨華ちゃんのためにもごとーたちは

 ずっと仲良くやってこうね?」



「おう!」

166 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月08日(土)21時29分36秒
こちらはひとみの家


「おかーさんコレ、どうしたの?」

「あら、おかえりひとみ。商店街の抽選で当たったの。あんた使いなさい。」

「良いの?!まじで嬉しいんだけど!!」

「インターネットってやつも出来るらしいよ。」

「(そりゃそうだろ。)ありがとう!おかあさん!!」


ひとみが家に帰ると、部屋に新しいパソコンが置かれていた。

毎日利用する商店街のくじ引きで金賞をとったということだった。

ひとみは早速開梱をして設置をして・・・楽しんでいた。







「おはようよしこ。」


「おはよー。」


机に突っ伏して返事だけを返すひとみ


「寝不足?珍しいね。」

「うん〜・・・パソコンおもしろくてさぁ〜。」

「パソコン?買ったの?」

「くじ引きで当たってさぁいんたーねっとってやつ見てたら朝になってて・・・」

「ハイテクじゃんかよしこ〜良いなぁごとーも今度やらせて。」

「うん。おいでよ。」

「でも朝までってそんなに長いこと何見てたの?」




「やー・・・ひみつはあとはあと。」

「けち。いいもん。」
167 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月08日(土)21時31分44秒
昨夜――

早速インターネットを繋いで嬉しかったひとみは、好きな芸能人のホームページや

いろんな書き込みや、まぁちょとえっちぃところなどを見て回っていた。



「は〜もう2時かぁ・・・そろそろ寝ないと起きれないね。・・・ん?ここなんだろ・・・?

 ・・・“チャット?”チャットってなに?・・・・・・・・・・・・・・なるほど。リアルタイムで

 おしゃべりかぁ・・・おもしろそうだね・・・・・・・・・なになに・・・・・・・ニックネーム?

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・これでよし!と。で?部屋?・・・あぁ入りたい部屋選ぶんだね。

 どれにしよ・・・」





『“振られちゃったけど恋はしたい”って人おいでー♪』




入室


ホスト   : こん

(こん?こんばんはかな?)

ゆでたまご : こん。
ホスト   : 初めまして
ゆでたまご : 初めまして。
ゆでたまご : 私の他に人は居ないんですか?
ホスト   : 平日だし時間も時間だから。いつもはもう少し居るかなぁ。
ゆでたまご : そうですか。
ホスト   : ゆでたまごさんはどんな振られ方したの?
ゆでたまご : え〜っと・・・ずぅっと好きだった人が居て、でもその人には恋人が居て、
        振られるって分かってたけど告白しました。で、振られました。
ホスト   : そっかぁ・・・頑張ったね。
ゆでたまご : なんか、思ったより吹っ切れてて、言って良かったって思ってます。
168 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月08日(土)21時34分15秒
ホスト    : 敬語じゃなくても良いよ。年いくつなの?
ゆでたまご : 15歳。じゃあ敬語やめる(^-^)
ゆでたまご : えっと、ホストさんは、やっぱり振られたの?答えにくかったら良いよ。
ホスト    : 夏休みにね、他に好きな人居るって振られちゃった(泣
ゆでたまご : お互い、頑張った!ということで・・・(笑)
ホスト    : だね。新学期も始まったし、新しい恋を探してるところでーす。
ゆでたまご : 新学期ってことは学生?
ホスト    : そうです。<学生
ゆでたまご : 意外と同じ学校だったりして。
ホスト    : 同じクラスだったらおもしろいね(w
ゆでたまご : うん。
ゆでたまご : ホストさんはいくつ?
ホスト    : 16歳。
ゆでたまご : 一個上かぁ。
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
ホスト    : もう5時だね、明日学校やば〜い(汗
ゆでたまご : ほんとだ!そろそろ寝る?
ホスト    : 寝ようか。楽しかったね。
ゆでたまご : うん。また来ても良い??
ホスト    : もちろんだよ。いっぱい来て!相手居なくて暇してるし(笑)
ゆでたまご : あはは。分かった、また来る。おやすみ
ホスト    : お(^o^) や(^O^) す(^^) みぃ(^-^)

退室




たまたま目についた“チャット”。初めて入ったその部屋で、話の合う人間に出会い、

盛り上がり、知らないうちに朝になっていたということだ。




(今日も・・・行ってみよ・・・)




授業が始まってもひとみはそのことばかり考えていた。
169 名前:名無しくん。 投稿日:2002年06月08日(土)21時38分56秒
>160 ごまべーぐるさま
     やぐごま登場率が減っていますがこれからもっと減りそうです(汗
     早く物語が進むように出来る限り頑張ります。

>161 名無し読者さま
     レス返しをさせてしまって申し訳ないですm(__)m
     どこのやぐごまも我慢ですか。個人的にはそんな感がなかったもので。
     取り合えず甘いラブラブやぐごまは2部ということで(w

     更新遅い&少なくてすいません。
170 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月08日(土)21時55分18秒
ゆでたまご…ヨスコ、そのまんまですね(^^;;
ネットにハマりすぎると体に悪いという罠。
では、続き楽しみにしてます。
171 名前:ぶらぅ 投稿日:2002年06月11日(火)00時43分39秒
どうもです。
たまご・・・たまご・・・ワラタ!!(w
自分もチャットからはまりました。最近してませんが(w
それ以来寝不足の日々・・・(w
続き楽しみです
172 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月15日(土)20時15分22秒
「ただいまぁ〜」


ブゥン


帰ってすぐにパソコンを立ち上げるひとみ。
着替えながらあがるのを待っている。


「よしっ早速行ってみよっ」


カチ カチ カチ



「・・・なんだぁ〜誰も居ないや。・・・ちぇ。」



ひとみはさっさと夕食を食べ、お風呂を済まし宿題をやってパソコンの前にずっと座っていた。





「・・・何回目だろう・・・更新ボタン押すの・・・・・今日は来ないのかなぁ」


――とあきらめかけたその時


『“振られちゃったけど恋はしたい”って人おいでー♪』


「あーー!!出た!!入らなきゃ!!」


入室    迷うことなく入ったひとみ


ゆでたまご : こんばんは。
ホスト    : こんばんは。
ホスト    : 部屋作ってすぐだったけど、もしかして待っててくれた?
ゆでたまご : うん(^-^)
ホスト    : そっかぁごめんね。お姉ちゃんと共同で使ってるからこんな時間しか使えなくて
ゆでたまご : ううん。気にしないでよ。どうせ暇だから。
ホスト    : 今日学校でね――




ひとみはゆでたまごとして顔の見えない相手と毎日毎日おしゃべりをした。

ふたりが入っているときは他に人も来なくて、常にふたりといった感じだった。

それでももっと親しくなりたいと思ったひとみは思い切って相手のメールアドレスを聞いた。

初めて話をしてから10日ほど経った頃だった。


そしてその日からはチャットで話した日も、必ず寝る前にメールをお互いにするようになった。


恋かどうかは分からないが毎日が楽しかった。
173 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月15日(土)20時16分35秒
「ごっちん、メル友って良いねぇ〜♪ほっほっほ♪」

「んあ?・・・・パソコンの話ね。なに、メル友出来たの?」

「うんはあとはあとすっごく話しやすくてね、明るい感じの子だよ。」

「ふ〜ん・・・意外とおっさんだったりして。」

「ないよそんなの!ぜ〜ったい可愛い子に決まってる!」

「どうでも良いけどね。」

「そういやごっちんはメル友とか知らない人と話すの嫌いだっけ?」

「うん。怖いもん、なんか。やぐっつぁんと話すだけで充分だもん。」


「・・・・今度の日曜日ね、実は会うんだ。」

「エーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


「ちょ、声おっきい!!」

「だ、だって急すぎるよ!まだ2週間ほどじゃないの?好きになったの?」


「違うよお〜!好きとかそんなんじゃなくって、ただ良い友達になれそうな子なの。

 絶対良い子だよ。だから大丈夫だって。」


「・・・ほんとに変なおっさんだったり男だったらどうすんの?」

「え〜?そんときは殴り飛ばすから大丈夫。」

「っそ。ごとー付いていかなくて大丈夫?」

「吉澤は強いっす!!」
174 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月15日(土)20時18分13秒
どんな子なんだろう?

ひとつ上だしあまりかわんないよね?

めっちゃ大人っぽかったら緊張するなぁ。

でも私の予想だと絶対可愛い女の子のはずなんだよね。

とにかく、楽しみ。



ひとみは今日着て行く服を選びながらこれから会う予定の彼女のことをああだこうだと

想像して楽しんでいた。

真希には恋じゃないと言いはしたがそれは100%ではなかった。

少なからずその相手に恋心を抱いている自分が居た。


梨華とのことがあって、今度は自分から人を好きになろうと決めていたひとみ。

毎日話をしていくなかで、確実に相手にはまっていった。




12:50 pm

待ち合わせ場所に予定より少し早めに着いたひとみ。

ひとみは青い帽子を被っていきますと相手に伝えていた。

顔は見えにくいが見たことのあるものはひとみだとすぐに分かる格好だった。




あーどきどきするなぁ〜早く会いたいけど会いたくないような〜

あ〜緊張するよお〜!!!



1:30 pm

ひとみは待ち合わせから30分経った今も、現れない相手を待っていた。



ん〜遅れてるなぁ・・・・

道込んでたっけな・・・

まぁ良いや。もちっと待とう。





2:00 pm


来ない・・・・・

なんでだろう・・・・

約束・・・今日だよね?

時間間違ったっけ?

175 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月15日(土)20時19分29秒
3:00 pm


やっぱり来ない・・・

事故とか・・・なんかあったのかな・・・





6:00 pm

まだひとみは待ち合わせ場所で待っていた。

普通ならそんなに長いこと待つ人は居ないと思うのだが、ひとみは違っていた。

というのも、今日会うことを相手もかなり楽しみにしてくれているようだったから。

早く会いたいね、どんな子か楽しみだよ、仲良くなれたら嬉しいな、そう言っていたから。

そして毎日時間通りにチャットの部屋をあけていたからだ。

時間に真面目な彼女が来ないのはおかしいと思った。




6時まで待っても来なかったのでひとみは家へと帰った。





きっと来れない用事が急に入ったんだよ。

そうに決まってる。

まさか――事故じゃないよね?

何か理由があるんだよね?




そう思ってひとみはなんらかのメールがあることを確認するためにパソコンを
立ち上げてメールを開いた。



『新着メッセージなし』




ないじゃん・・・・。





何度も何度も“送受信”ボタンを押しては見るけれど帰ってくるのは

『新着メッセージなし』





彼女からのメールは無かった。
176 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月15日(土)20時21分31秒
そうなるとやはり事故なのでは?と思ったひとみ。

ひとみからメールを送ることにした。



『チャーミーへ

  今日約束の日だったよね?

  間違ってたらあれだけど・・・。

  待ってたけど来なかったからさ、

  なんかあったのかと思ってメールしました。

  事故とかじゃないよね?

  また連絡欲しいな。

                 ゆでたまご』




その後もずっと返事を待ったが相手からのメールは来なかった。




次の日――

「おっすよしこ!昨日どうだった?」

何も知らない真希は笑顔でひとみに問いかけた。



「・・・来なかったんだ。」

「へっ?なんで?」

「わかんない・・・ずっと待ってたけど来なかった。なんかあったのかも。」

「そ、そうなの?そ、そか、残念だったね。でも、ほら、あれでしょ?
 また今度会えば良いじゃん、約束してさ!」



「メール打ったけど返事来ない。」



「そそれはっ!」

「もう、良いよ。今日も帰ったらメールしてみるし。気付かないうちに
 なんかしちゃったのかもしれないし・・・」


「げ、元気だしなよ!ねっ?」


なんて明るい顔で言う真希に曖昧な笑顔を返したひとみは一日元気がなかった。



「でねぇ、来なかったんだって。」

「よっすぃーかわいそう・・・・。なんで相手も来なかったんだろう。」

「ねぇ?ちょっとひどいよね。でもさ、もうなんて言って良いのかわからなくて困っちゃった。」

「ちょっとそっとしておいた方が良いかもね。」
177 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月15日(土)20時24分33秒

『新着メッセージなし』



・・・・一体なんだって言うの?

ほんとに事故かなにかかな・・・?



0:00 am

いつもチャットをする時間を過ぎても彼女は現れない。



『チャーミーへ

  メール届いてないかなぁ?

  事故とかじゃなくて無事ならメール下さい。

  心配だよ。
                 ゆでたまご』


そしてチャットをすることもメールが帰って来ることもなく1週間が経った。



どうして返事くれないんだろう?

いや、ほんとに事故とかで出来ないだけかもしれない。

でもそうだったとしても分からないもんね。

どうしたら良いんだろう?



『明日の13時に○○で待ってる。来れたら来て欲しいです。』



返事は来なかったがひとみはそうメールをし、そして時間通りに待っていた。



しかし相手は現れなかった。
178 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月15日(土)20時25分05秒
『チャーミーへ

  もしかしたら私に会うのがヤなのかな?

  なんかしたかな?もししてたなら気付かなくてゴメン。

  謝ります。私の事がヤならそれはそれでそう言ってくれたら良いから。

  事故とかじゃないってことだけでも連絡くれませんか?

  でも、ほんとにそうだったら返事返せないよね。

  チャーミーの無事が分かるまで待ってるから。

  来てくれなくても良いよ。メールで良いから。

  なんらかの言葉を下さい。

                    ゆでたまご』





知らず知らずのうちに相手のことを好きになっていたひとみ。

そんなメールが余計相手を(嫌われていたら)苛立たせることは分かっていたが

打たずにはおれなかった。

とにかく無事を知りたい。嫌われているならそれはそれで仕方ない、

せめて言葉が欲しい。そう思っていた。
179 名前:名無しくん。 投稿日:2002年06月15日(土)20時30分41秒
>170 ごまべーぐるさま
     ネットにはまると更新も止まるという罠(w
     なんてことは置いといて、チャットは駄目ですね。
     あっちゅうまに時間が経ってしまいます。やめよう(笑)
     チャットの相手はチャーミーさんでした。誰だろう

>171 ぶらぅさま
     チャットをしても人格の変わらない吉くん。
     寝不足は駄目ですよ!しっかり寝ないと!
     更新遅くて申し訳ないです。

     週一更新でしばらくは行くかと思います。
     たまに早いかもしれませんが。
     では、宜しくです。
180 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月16日(日)01時38分14秒
ヨスコ、純粋ですねぇ。
ネットの相手にかぁ。
続きが気になります。
マターリお待ちしております(^^)がんがってください!

181 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月22日(土)15時26分24秒
「よしこ〜今日やぐっつぁん居ないんだぁ〜帰りどっか寄って帰らない?」

「あっ、ごっちんごめん。ちょっと先約あるんだ。」
「そなの?じゃあ良いよ別に。ばいばい。」
「ごめんね!ばいばい。」



それから毎日ひとみは学校が終わるとダッシュで帰って行った。



「よしこが最近冷たいの〜ガッコ終わったらダッシュだよ?遊んでくれなくて。」


「・・・誰かに会ってるのかな?」

「あっ!例の子かな?でも、メール来ないって昨日も言ってたよ?」

「じゃあ別の子かなぁ?彼女が出来てたらびっくりだね。」

「できてたら怒るよー!!教えてくれないなんてひどいもん。」

「じゃ、じゃあ違うんだよきっと!あまり詮索しないでおこうよ。」



182 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月22日(土)15時28分07秒

「梨華ちゃん、最近元気ないね。」

梨華は遊びに来ていたクラスメイトのあゆみにそう言われた。


「そんなことないよ!元気だよ?」

「うそばっかり。じゃあなんでため息ばかりなの?」

「ため息なんて――」

「ついてるじゃん。・・・・あのさ、答えにくかった良いけど、もしかして
 まだ吉澤さんのこと引きずってる?気になるから、最近特にそうなの?」


「違うよ!ひきずってなんかないよ。・・・最近特にってなに?」

「えっ?あぁ・・・吉澤さんの噂だよ。」
「噂?」
「知らないの?え?じゃあほんとにそれが原因じゃないんだ・・・」

「どんな噂なの?教えてあゆみちゃん。」


「・・あのね。」


内容はこうだった。


吉澤は毎日ダッシュで学校から帰り、毎日どこかへ行っているとのこと。

恐らく彼女が出来て、毎日会っているんだろうということだった。


それなりに人気のあった吉澤の噂は大概のものが知っていた。
身内を除いて。


「なにそれ・・・そんなの知らない。・・・・・・・・・でも良いんじゃない?それはそれで。」

「だって、梨華ちゃん付き合ってたっしょ?だから・・・元気ないのかなって思ってた。」


「ううん。元気ないことないって。でもあれかな。パソコンしすぎて疲れ気味ではあるかな。」

「ぱそこん?」

「そう。」


ちらっと机の上のパソコンに目をやって


「そっかそうだったんだ。なんだぁ心配しちゃった。」

「ありがとね。心配してくれて。でも最近やってないからそろそろ大丈夫だと思うよ。」

「うんうん、適度にしないと体壊すからね?」
183 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月22日(土)15時29分42秒
あゆみが帰った後、パソコンを立ち上げた梨華

あゆみには最近やっていないと言ってはいたが実際は毎日やっていた。

帰ったらすぐにパソコンの電源を入れ、そしてメールのチェックをしていた。



受信メール(21)



毎日増え続ける未読メール。

いくつかのメールを敢えて開封せずに、置いていた。



メールの相手は『ゆでたまご』

そう表示されていた。



ひとみの相手はチャーミーこと梨華だった。

「どうしたら良いの・・・?」












そう言えば最近やってないな・・・

パソコン・・・久しぶりにやろうかな。



ひとみと付き合うようになってから少しの時間ではあったがパソコンから離れていた梨華。

実は梨華はパソコンを触るのが好きで、チャットなども以前から良くやっていた。




初めてだけど・・・ホストになってみよ。

えっと・・・どんな部屋にしようかな・・・

暇な人おいで?
楽しくおしゃべりしましょう?

う〜ん・・・なんかイマイチ。



・・・今の気分だったら・・・・・・これかなぁ・・・




『“振られちゃったけど恋はしたい”って人おいでー♪』

作成っ・・・と!



毎日毎日部屋を開けて。
毎日毎日知らない人と話をした。
色んな人が居て、それでも知り合いになって。
大体常連さんが出来た頃。

新規のお客さんが入って来た。
184 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月22日(土)15時31分39秒
名前は『ゆでたまご』

なんとなくだけど可愛い名前で、なんとなくだけど優しい印象を持った。

聞いたら同じ時期に好きな人に振られてて、同じような気持ちをしてて、

毎日毎日話をしているうちにどんどん仲良くなって、気が付いたら毎日帰って

部屋を開くのが楽しみになっていた。先に使ってるお姉ちゃんをせかしたり。


毎日毎日『ゆでたまご』は現れた。

そして話し始めてすぐだったけど会いたいって言われて・・・

良い人の気がしたから会うことにした。



ん〜・・・何着て行こうかなぁ・・・
最近服買ってないし・・・
お姉ちゃんに借りようかなぁ・・・




ネットで知り合った相手と会うのは危険

みんながそう言ったけどそんなの信じなかった

『ゆでたまご』は面白くて優しくてすごく感じの良い子だったから。

だから、あの日、会うのがすごく楽しみだった。




12:30 pm

会うのが楽しみで。
どんな子か知りたくて、早くに来て遠くから待ち合わせ場所を見ていた。



帽子かぶってるって言ったよね・・・あっ!!来た!!


どんな子??どんな―――!!





そんな・・・・




うそでしょ・・・・







まさか、相手が、『ゆでたまご』がひとみちゃんだったなんて・・・



ひとみちゃんがたまたまそこに来ただけで人違いかもしれない。

そう思って1時間ほど待ってみた。

待っても待ってもそこに帽子をかぶる人はひとみちゃん以外現れなかった。



ネットで知り合った相手と会うのは危険


確かにその通りだった。
185 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月22日(土)15時32分47秒


ごめんね、ひとみちゃん・・・



どうしても姿を見せることが出来なかった梨華は、そのまま帰って行った。




新着メール(1)件

『ゆでたまご』


どうしたら良いの?

メールを返したら・・・また会おうってなるかもしれない・・・
メールを返したら・・・騙すようなことになるかもしれない・・・
メール・・・返せないよ・・・ごめん・・・ひとみちゃん・・・



ひとみちゃんに新しい恋人。
落ち着いて考えても喜べることじゃない。
だって、やっぱり吹っ切れてないから・・・。

今もまだ、好きだから・・・。
186 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年06月22日(土)15時34分36秒
次の日――
お昼休みに屋上で昼食を取っているとき。

「あーっ梨華ちゃんじゃんか!」
「あ、ごっちん。久しぶりだね。」

偶然だけど同じようにお弁当を持って歩いてくるごっちんと矢口さんに会った。



「元気にしてた?」

矢口さんが聞く。なんか、すっごく久しぶりで嬉しい。


「はい。まだまだ暑いですけどね。」


そうだ、ひとみちゃんの事・・・ふたりなら知ってるかもしれない・・・聞いてみようかな・・



「あの、ちょっと聞きたいんですけど。」
「なに?」


「・・・ひとみちゃん、最近どうしてます?」

「ぅえ?!」

ごっちんと矢口さんは驚いた顔をして私を見返した。
ひとみちゃんという言葉が出たことに驚いたみたいだった。


「えと・・・元気は元気だけど・・まぁちこっとおかしいかな。」

「おかしい?矢口はあんまり会ってないからわかんないや。」

「ん〜とね、学校終わったら毎日ダッシュで帰るでしょ、いつも眠そうでしょ、
 なんか痩せたでしょ。」


「そうなんだ。」

「・・・」



「・・・気になる?梨華ちゃん。」


「・・・友達がね、彼女が出来たみたいって昨日言ってたから。」

「そ、そう。違うと思うけどな〜」

「あ、私もう教室戻るんで。教えてくれてありがとうごっちん!じゃあ!」




分からないよ・・・

ひとみちゃんが放課後何してるか気になる・・・

関係ないって分かっててもやっぱり気になる・・・


早く・・・吹っ切りたい・・・

187 名前:名無しくん。 投稿日:2002年06月22日(土)15時38分20秒
>180 ごまべーぐるさま
     ネットの相手と言って頂き、感謝です。
     チャットの相手に好意を寄せるって意外とアリですよね。(・・・)。
     相変わらず少ない更新ですいません。
     海板は書いたつもりでもアプすると少なくなる罠(w
188 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月23日(日)10時01分03秒
そんなにやつれるくらい…ふたりとも完全にのめり込んでますねー(^^;;
うーむ。知人としかやったことないのですが、そうなんですか。
海は書いても書いてもおっつかない、という罠(w
今後の展開に期待します。
189 名前:名無しくん。 投稿日:2002年06月30日(日)15時26分48秒
PCを修理に出すのでしばらく更新できません。
読んで下さっている方いらっしゃれば、ごめんなさいm(__)m
190 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年07月14日(日)12時41分38秒
マターリお待ちしてます(^^)
191 名前:ワンスク 投稿日:2002年07月18日(木)17時20分33秒
いつ再開するのかな〜♪
待ってま〜す!
192 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時21分23秒
帰り際、下足室に走って向かうひとみを梨華は見かけた。
かばんを片手に急いで靴を履き替えて誰よりも早く出て行ったんだと思う。
思わず呼び止めそうになってしまった。

(ひとみちゃん・・・ひとみちゃんからのメール、見ようかな。)
ブゥン
帰って誰も使って居ないのを確認してパソコンに電源を入れる。
いつもなら立ち上がるまでに紅茶を用意したりお菓子を用意したりとする梨華だったが
今日は違った。立ち上がるまでがとてももどかしく、ネットに接続する時間すらがとても長く感じられた。

メールソフトを開き、受信をする。

開けていない未読メールとは別に『1通の新着メッセージが届きました』
梨華は古いものから順番に開けて行った。

『チャーミーへ
今日約束の日だったよね?間違ってたらあれだけど・・・。
待ってたけど来なかったからさ、なんかあったのかと思ってメールしました。
事故とかじゃないよね?
また連絡欲しいな。

                   ゆでたまご』


『チャーミーへ
メール届いてないかなぁ?
事故とかじゃなくて無事ならメール下さい。
心配だよ。
                ゆでたまご』
193 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時22分40秒
『明日の13時に○○で待ってる。来れたら来て欲しいです。』


『チャーミーへ
もしかしたら私に会うのがヤなのかな?
なんかしたかな?もししてたなら気付かなくてゴメン。
謝ります。私の事がヤならそれはそれでそう言ってくれたら良いから。
事故とかじゃないってことだけでも連絡くれませんか?
でも、ほんとにそうだったら返事返せないよね。
チャーミーの無事が分かるまで待ってるから。
来てくれなくても良いよ。メールで良いから。
なんらかの言葉を下さい。
                ゆでたまご』


いくつもいくつも同じようなメールばかり。

最後の5通ほどは少し違っていた。

『今日、前に約束した所に居ます。これたら来て欲しいな。それかメール欲しいな。』

こんな内容だった。
ひとみは意外にもマメだったというか心配性だったというか悪く言えばしつこかったのかもしれない。

(これって・・ひとみちゃんが毎日どこかに行ってるって・・・これのこと??)

今日届いたばかりの新着メッセージを見るのは躊躇われ、迷っていると食事の時間になった。
梨華は一端パソコンを触る手をとめ、下へと降りていった。
194 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時23分38秒
そして順番にお風呂を済ましパソコンの前に戻って来たのは夜の23時。
今度は紅茶などを用意して向かった。

『一通の新着メッセージが届きました。』

先程見ようとしておいておいたメール。
梨華は覚悟を決めて開けた。

『何回もゴメン。
今日で最後にする。
今日、前に約束したところで待ってる。
来てくれなかったら縁が無かったんだと思ってあきらめる。
しつこくてほんとゴメン。
                 ゆでたまご。』

(えっ・・!今日で最後?!・・・今・・今何時??)
梨華は後ろにある時計を見てすぐに立ち上がった。

時刻は23時半を回ったころ。
大急ぎで私服に着替えて家を飛び出して行った。

「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
梨華が前に約束をした所にたどり着いたのはもう0時を越した時だった。

「いない・・・」
あたりを見回しても居るのは仕事帰りで疲れたサラリーマン。
騒がしい音楽に合わせて踊り狂う若者。
道端で眠る薄汚れたおじさん。
楽しそうにおしゃべりをする女の子たちだけだった。
ひとみはどこにもおらず、いくら待っても見つけることは出来なかった。
195 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時24分55秒
「こんな時間まで・・・居るわけないよね・・」
梨華は帰るしかなかったが、どうしても帰ることが出来ずに、すぐ傍にある公園に向かった。

「どうして避けたりしたんだろ・・・」
ベンチに座ってひとみのことを考えていた。
ゆでたまごがひとみだと分かる前、確かに自分はゆでたまごに恋心があった。
ひとみに未練を残しつつもゆでたまごに移ろうとしていた。
それなのにどうして姿を現さなかったのか・・・
自分と知られてもう一度振られるのが怖かったからかもしれない。
『なんだ、梨華ちゃんだったの』と、がっくりされるのが怖かったからかもしれない。

梨華がそんなことを考えているとどこかからか猫の鳴き声が聞こえた。

にゃぁ〜

「・・・?」
猫は梨華のすぐ足元まで擦り寄ってきた。
そして梨華に甘えるようにごろごろとくっ付いて来た。

「おまえもひとりぼっちなの・・・?」
「私はね・・・自分に正直じゃなくて好きな人を失ったの・・」
返事を返さない猫に向かって梨華はぽつりぽつりと思っていたことを言い出した。

「駄目だね、おまえみたいにそうやって甘えたかったな・・・」


「お〜い!」
(・・・?)
「チャーミーどこぉ?」
(!)
梨華が下を向いて猫と話をしていると誰かを呼ぶ声が聞こえた。
(ひとみちゃんだ・・・!!)
196 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時26分41秒
「あっいたいた。」
ひとみは梨華に少しずつ近付いてきた。

「あ、チャーミーの飼い主さんですか?」
ひとみは梨華に向かってそう言った。
梨華は声を出すことが出来ずにただ首を横に振って答えた。

「そうですか・・・」
そして少しの間、沈黙が訪れる。

「こんな時間にこんな暗い公園にひとりで居たら危ないですよ?・・・誰か・・・人待ちとか?」
そういうひとみにまたもや梨華は首を振って答えた。

「私もなんですよ。ずっと待ってるんだけどなかなか来てくれなくて・・・どこで嫌われたかなぁ
 ・・・まぁ、待ち続けるんですけどね。」

ひとみはひとりで自分のことを、黙って聞く梨華に話し続けた。
「だから・・・付き合ってた子を自分勝手に傷つけた罰かもしれない・・」
それを聞いて梨華はやっと顔をあげた。

「えっ・・梨華ちゃん??」
ひとみはずっと話していた相手が梨華だったことに驚きを隠せないでいる。
「そうだよ、梨華だよ。」
「え・・・?な・・にしてるの?家・・大丈夫なの??」
「“振られちゃったけど恋はしたいって人おいでー”って・・・知ってるよね?」
梨華はひとみの目を見て言っていた。

「ええっ?なんで梨華ちゃんがそこのこと・・・!!」
「あなたは“ゆでたまご”だよね?」

「・・・!梨華ちゃんがチャーミー???」
ひとみは信じられないと言った顔で、様子で梨華を見ていた。
「ごめん、ずっと隠してて・・」

「だったらなんで!!どうしてメールくれなかったの?!」
ひとみは急に怒ったように梨華の肩を掴んできつい口調で言った。
197 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時28分17秒
「ひとみちゃんっ??」
「事故だと思ったじゃん!何回送っても返事くれないで・・・心配したじゃんか!!」
「ごめんなさい・・・だって・・あの日・・ゆでたまごがひとみちゃんだと知った時、
 どうして良いか分からなかったの・・」
「どうして?!」
「だって・・・ひとみちゃんを諦めようとしてゆでたまごに会おうとした・・それでゆでたまごと
 仲良くなろうって思って・・・それなのに・・・・・ひとみちゃんを忘れようとしたのに
 相手がひとみちゃんだったなんて・・・!ひとみちゃんと知らないでひとみちゃんにまた恋をしてた・・・!
 でも、ひとみちゃんは私とのこれからを考えて居ない・・・そう思ったらいけなかった・・」

「・・・・私だってチャーミーに恋してた。顔も分からないのに、言葉だけで恋してた!
 ・・・矢口さんのことは・・すっかり忘れるくらいに恋してた!」
「ひとみちゃん・・でも私達は・・」
「梨華ちゃんとひとみは駄目になったかもしれないけどさ・・・“チャーミーとゆでたまご”は
 大丈夫だよ、やり直そう?すごく自分勝手なこと言ってるって分かってる、
 自分から梨華ちゃんを振っておいて今更って思う、でも私はチャーミーが好き。
 もう一度付き合って欲しい」

真剣な表情で言うひとみに梨華はすぐに返事が出来なかった。
198 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時29分19秒
「ゆでたまごが・・・私だと知ったのに今日来てくれたのは・・・どうして?」
梨華の顔を覗き込むような形で問いかけたひとみ。

梨華は困った表情をしながらぽつりと言った。
「・・・会いたかったから。」

それを聞いてひとみは表情を少し明るくした。
「だったらやり直そう?ちゃんと大事にする、傷つけないよ。もう絶対に。」

「ひとみちゃん・・ほんとに・・良い、の?」
「私がお願いしてるんだよ、梨華ちゃんこそ、私ともう一回付き合うこと、良い?」

「・・・うん、・・嬉しい・・」
梨華は急に力が抜けたように泣きだした。

慌ててひとみは梨華を抱きしめた。
「泣かないで、梨華ちゃん。」

そう言って優しく抱くだけだったが梨華はひとみの温もりに落ち着きを取り戻した。


「・・そろそろ帰る?」
泣きやんだ梨華に手を差し出してひとみは笑顔で言う。
「・・うん。」
梨華も涙のあとを残しながらも笑顔で答えた。

ふたりは既に長いこと付き合っていたように見えた。
199 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年07月21日(日)16時30分37秒
次の日――
「うっそ!じゃあヨリ戻したの??ていうか相手梨華ちゃんだったの??」

真希に報告をしたひとみ。
すごく嬉しそうに幸せそうに全てのことを真希に報告していた。
見ているこっちがにやけてしまうような顔でいた。

「なんだ・・良かったじゃんか!おめでとう、よしこ!やぐっつぁんにも言っとく!」
「うん、ありがとう。また4人で遊んだりもしようね。」
「ん、浮気は駄目だけどね?」
笑って言う真希にひとみは即答した。
「それはないです!」
「うん、分かってる。」

そして帰り道、真希は真里に全てを報告した。
「これからはごとーたちも遠慮しないでいちゃいちゃ出きるねはあとはあと
「う〜ん・・遠慮してよ。」
「しない!これからもよろしく〜」
真希は笑顔を見せて自分の家へと入っていく。


「ただいま。」
「おかえり。あ、真里に手紙来てたわよ。部屋にいれておいたから。」
「手紙?そう、ありがと。」


着替えながら机に置かれた手紙に手を伸ばす。
「誰からだろ・・・?」

封筒の後ろを見てみた。


『中澤 裕子』



懐かしい名前なのに、真里は胸騒ぎを感じた。
200 名前:名無しくん。 投稿日:2002年07月21日(日)16時37分22秒
>188・190 ごまべーぐるさま
     う〜ん、ワタクシの友人はすごくやつれてます(w
     海は一回の文字数も大きいので追いつかないですね。
     あまり書かないのも原因なんですが(汗
     ほんとマターリすぎて申し訳ないですm(__)m
     
>191 ワンスクさま
     待たせてしまってすいません。そして読んで下さってどうもです。
     PC直ってるくせに更新をしていなかったです(汗
     
     実は1部終了ということでして・・・1部だったのかって感じなんですが(w
     いしよしはすごく難しいです。
     次からやぐごまチックになるのでいしよし好きの人は〜・・・(汗
     って感じです。
     本当に遅くなって申し訳なかったです。
201 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月22日(月)12時14分39秒
更新おつかれです。
やぐごま、期待してます。
202 名前:ワンスク 投稿日:2002年07月23日(火)09時19分46秒
更新されてる!作者さんのペースでがんばってください♪
203 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月01日(木)17時44分17秒
今回はじめてよみました〜
これからも頑張ってください
204 名前:名無しくん。 投稿日:2002年08月06日(火)00時26分01秒
>>201 名無し読者さま
    は、ワタクシはやぐごま好きなので頑張りたいなと思ってます。
    
>>202 ワンスクさま
    更新遅くて本当にすいませんm(__)m
    そして今日もレスだけですいません。
    ちゃんと書きますので(汗  
    そう言って頂けて感謝です!

>>203 名無しさんさま
    初めまして?どうもありがとうです。
    頑張り・・ます。

    こんなときだからこそ更新しまくり!!と行きたいのですが
    ちょっと書けてなくてですね・・・(汗
    お盆休みに入るまで落ち着いて書けないので厳しいのです。
    かなりヤバイ文ですが読んでくださっている方、申し訳ございません。
205 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月07日(水)23時04分21秒
マターリ待つです!
がんがってください。
206 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年08月10日(土)17時48分01秒
うわっ!中澤姉さん登場っすか・・・

期待してます、がんがって下さい!


(0^〜^)<ごちーん、ピンチか!?

( ´ Д `)<・・・・zzzZZZ

(0;^〜^)<いや、寝てる場合じゃないから・・・
207 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時13分08秒
「ふぅ・・・。」
(どうしよっかなーごっつぁんに言わないとまずいよねー。)
「でも・・・。」

真里は先程からぶつくさとひとり言を繰り返していた。
手に持っているのは先程開けたばかりの白い封筒に便箋。
1枚しかない便箋を何度も何度も読み返している。
読んではため息。繰り返し。

届いた手紙は真里の感じた胸騒ぎを裏切らない内容だった。

『矢口へ

久しぶりやな、元気にしとるか?
裕ちゃんは元気やでー。
今度な、旦那とTDL(東京ディズニーランド)に行くことになってん。
でな、せっかくそっちに行くから矢口に会いたいなぁ思て。
旦那は仕事の都合で一緒には来れんけど、うちは暇じやから
少し前にそっち行こうかと思ってる。
だから2,3日ほど泊めてくれへんやろか。
矢口の近況も聞きたいしな。
じゃ、また詳しくは連絡するから。
よろしゅう。

                 ゆうちゃん』


そんな短い内容で、数日泊めてくれというだけの手紙。
そんな手紙に胸騒ぎを感じるのは真里だったから。
そして相手が中澤裕子だったから。
他の相手ならなんの問題も無かった。
中澤裕子というのがまずかった。
208 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時16分44秒
「ごっつぁん絶対覚えてるよね・・・。」

真里が初体験をした相手が中澤だったということを名前は言わなかったが
話自体を真希にしていたので、そのことについて突っ込まれるんじゃないか、
という不安があった。
中澤自身も悪ノリする性格だったことを覚えているので一層それも高まったのだ。

「ん〜・・・どうしよ。なるようになるのかな。」

コンコン
「入るよ〜」
「わぁっ!!」
真里がベッドにもたれて悩んでいると急にドアが開けられて、真希が顔を覗かせた。

「ご、ごっつぁん!急に入って来ないでよ。」
「あ、ごめぇん。居るの知ってたからついつい。」
(や〜ばいな〜・・・手紙隠す暇無かったじゃん。)

「まぁ掛けなよ。」
真希を座るように促せつつ自分は引き出しへと手紙を見えないようにして直す。
時間も急ぐと怪しまれるので平静を装っていつもと同じようなペースで動いた。
(よっし・・と!裕ちゃんのことはまた今度で良いや。いつくるかわかんないし。)
209 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時17分25秒
「なに?今の。」
「へ??」
「なんか隠したでしょ。なんだったの?」
「べべっべつに隠してなんかないよ?気のせいじゃないの?」
真里は真希から視線を外しながら汗をかいてゴマカシていた。

「・・・まぁ良いけどね。」
(あれ?引き下がった。ら、らっき〜。)

「そういやさーごとーの誕生日プレゼントってさーどうなってるの?」
(はっ!そういえばオメデトウしか言ってなかった!)
「や〜ちゃんと覚えてるよ。何か欲しいものある?」
「う〜ん・・・とりあえずパーティーしたいなー。」
「パーティー?」
「そっ!駄目?」
「駄目な訳ないじゃん!じゃあ行きたいとこ決めてしたいこと決めて楽しく行こうよ!」
「やったね!やぐっつぁん大好き!」

そして今週の日曜日ということで日にちを決めて、真希は帰って行った。
210 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時18分46秒
次の日、仲良く登校をする真里たちは偶然ひとみと梨華にあった。

「あーおっはよー梨華ちゃん!聞いたよ聞いたよ!」
真希は真里から離れて梨華の傍へと寄って行った。
「おはよーごっちん。」

「おはよ、よっすぃー。」
「おはよっす。ごっちんは朝から元気ですね。」
「だね。まぁそこが良いんだけどね。」
「ははっそうっすね。」
「それよりさ、聞いたよごっつぁんから。」
「あー・・・」
「良かったね、よっすぃー。」
「今すっごく幸せっす。」
「うんうん、矢口もよっすぃーが幸せだと嬉しいから、良かった!」
「今度は浮気しないようにします。」
「あっ、あはは、そうだね。」
真里とひとみはお互いに優しい表情で柔らかく微笑みあっていた。

「あーやぐっつぁんとよしこあやしー!見た??梨華ちゃん!微笑みあってたよ!!」
「なっ、怪しくなんかないよ!ばかごっつぁん!」
「だって〜」
「違うからね?梨華ちゃん。」
ひとみが自分を好きだったことで一度別れていることを真里は気にしていたので慌てて梨華にそう言った。

「分かってますよお。」
梨華はそんな真里の心配をよそに、笑顔で答えた。
真里もそれを見てほっと胸を撫で下ろし、また歩きだした。
211 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時20分21秒
「まー良いや。それより梨華ちゃん、よしこってすごく晩生だからねー」
「うん?」
「梨華ちゃんがさーいろいろとリードしてあげてよね。」
「いろいろ?」
「そーキスとかーえっちとかーいろいろ。」

朝っぱらからそんなことを言う真希に一気に顔を赤くした梨華は俯いてモゴモゴと答えていた。
「んー?」
「恥ずかしいこと言わないでよ〜。そんなの考えてないから。」
「えー?でも恋人だもんいつかはそうなるんだよ?」
「今はまだ良いの。」
「でもさー」
言い続ける真希を交わしつつ少し早歩きになる梨華は
(ごっちんたちはもうそんなことしちゃってるのかな。矢口さんと・・・してるのかな??
 私とひとみちゃんも?いつかは?・・・梨華ちゃんが欲しいとか言われてそれでキスとかして
 えっちとかして・・・きゃー駄目駄目恥ずかしすぎるっ私には無理だよーそれにひとみちゃんも
 晩生だってごっちん言ってるし・・・一生無さそう!無くて良いよ無くて良い!!)

と、妄想しつつ自己完結していた。


「・・・はぁ。」
少し前を楽しそうに歩く真希を見て真里は小さくため息をついた。
ひとみはひとみで梨華を見ていたのでそのことに気がつくことはなかったが。
212 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時21分09秒
校門が見えてきて別れようと真里がしたとき、
「あれ?」
ひとみは真里がおかしいことに気がついた。
今は梨華一筋と言ってもずっと、長い間真里を想っていたひとみだったので変化にすぐ気がついたのだった。

「んー?どうかした?よっすぃー。」
「あ、やー・・・なんかおかしくないスか?」
「なにが?」
「なんか、元気ないように見えるんですけど。」
「きっ気のせいじゃない?元気だよ〜矢口はいつだって〜!!」
バシッ ビシッ
「痛っ、痛いっす!」
真里はひとみに悩んでいることを気づかれないように思い切り叩いてごまかしていた。

「もー・・・ごっちんも矢口さんも暴力的なんだから。」
「なんだよ〜軽く叩いただけじゃん。」

ひとみはぶつくさと文句を言いながら梨華の元へと戻って行った。
(おっかしーなー絶対変なんだけどなー矢口さん。ごっちんに聞いてみるかな。)

「・・・なんでよっすぃーが気づくんだよ〜。」
真里の悩みはさらに増したようだった。
213 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時23分44秒
「じゃあやぐっつぁんまたあとでね〜」
真希はひとみと並んで校舎へと入っていった。

「矢口さん、行かないんですか?」
ぼーっと靴も履き替えずに突っ立っていたままの真里に梨華が問いかける。
「あっ、ごめんごめん。すぐ履くから。」
(駄目だ駄目だこんなぼーっとしてちゃあ!考えても仕方ないんだ、忘れちゃおっかなぁ〜・・・無理ぃ〜)

4限目 真希のクラスは体育の時間

「だるい〜暑い〜眠い〜疲れた〜おなかすいた〜やぐっつぁん不足〜」
「ごっちん・・・」
「よしこだって思うでしょ〜梨華ちゃん不足だ〜ってさ。」
「なんでー朝別れたばっかじゃん。」
「駄目だぁ〜よしこ分かってないよ〜いつだって会いたいのが恋人っしょー。」
「そういうもんなの?」
「なのっ!」

「こらっ後藤に吉澤うるさいぞ!」
準備体操をしながら話していた真希たちは先生に注意を受けた。
「だってよしこがばかなんだもん。」
「なんだよごっちんがばかんじゃん。」
「良いから黙れ!」
しつこく話しつづけたふたりは外周5周の罰が言い渡された。
214 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時24分42秒
「あーあ、よしこのせいで〜。」
「なんでだよ!」
「まー良いや。でもさ、梨華ちゃんも晩生っぽいから大変だね。」
「はー?大変って何が?」
「んーキスとかどっちからもしなさそうだなってこと。」
「ばっ・・、ばか!そんなのどうだって良いの!ごっちんに関係ないじゃん。」
「あ、よしこ冷たい。関係ないだって。」
「だって。」

それから会話が途切れてただ黙々と外周をこなすふたりはいつもの仲の良さからは
信じられないほど雰囲気が悪かった。
いつもならひとみが折れて終わるケンカも、梨華が絡むと違うらしい。
淋しそうに少し拗ねているようにも見える真希を横目でちらりと見ながらも
『恥ずかしいじゃんそういう話って』と思うひとみはどうしても口を開けないで居た。
215 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月17日(土)19時25分51秒
「あ、あ〜のさ〜・・・」
「・・・なに。」
「え、えっと、や、矢口さんさあ、なんか元気なくない?」
「えー?!やぐっつぁんがなんて?なに?」
ぶすっつらをしていた真希は“矢口”という単語に反応してすぐにひとみの方を向いた。

「いや、もしかしたら元気ないのかな?って思ったからさ。」
「・・・」
「それにさ、なんか明るすぎた気もしないでもないし・・・」
「・・・」
「でさ、あれ?なんで黙ってるの?」

「・・・よしこがそんなこと思うなんてなんか悔しい。」
「え?どうして?」
「だって、もしそうだとしたらごとー気づいてないのに・・・彼女失格じゃん。」
「ちっ違うよぉっ、そんな気がしただけだし、それにそうだったとしたら
 気づかれないようにごっちんに気を使ってるからだって」

「・・・あとで聞いてみる。」
「う、うん。そうしなよ。」
(しまった〜余計雰囲気悪くしちゃったよぉ)

それからあとの授業はずっと真希は拗ねた様子で、そしてひとみは
居場所がないような感じで少しオロオロとしていた。
216 名前:名無しくん。 投稿日:2002年08月17日(土)19時33分19秒
>>205 名無し読者さま
     すいません遅くなってしまいました(汗
     そして少しですがごめんなさい。

>>206 吉澤ひと休みさま
     そうなんです、ごちーんピンチなんです。
     というより(〜^◇^〜)ぴんち?
     从#~∀~#从がどんな人間かによって・・・(w

     で、本当にいつも更新が遅くてすいません。
217 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月19日(月)07時55分00秒
更新おつかれさまです。
やっぱやぐごまの波乱が楽しみです。
218 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月19日(月)16時00分01秒
なかざーさんが出てきてどうなることやら・・・
心配です。
でも、楽しみです
219 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月25日(日)19時52分35秒
昼休み
校庭で待つ真里のもとへ大急ぎで着替えた真希は走ってやってきた。

「良いのに、そんなに急がなくても。」
「だって早く会いたいから。」
「う〜れしいけどね。」

真希はいつも自分に正直で、思ったことを口にする。
真里は必要と感じたときにしか自分からは言わずに、少し照れや。

「やぐっつぁんさー元気ない?」
「へ?」
「違うなら良いの。ちょっと聞いてみただけ。」
「矢口は元気だよ〜心配してくれたんだ?」

「・・・ん。」
「ごっつぁんといたら元気になれるから。」
「ほんと?」
「うん。」
「じゃあ信じる。」

真里は真希を心配させないように勘ぐられないようにと相変わらずごまかしていた。
真希といたら元気になれるということに偽りはないだろうが。
220 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月25日(日)19時53分50秒
そして週末
真希の希望でふたりは遊園地へと来ていた。

「つぎあれー!!あれ乗りたい!!」
「ちょ、ちょっと待ってよごっつぁん!矢口ちょっと疲れた、休みたいよ!」

真希は、遊園地に着いてから休むことなく真里を引っ張っては乗り、
そこまで混んでいないのに走って乗り場まで行っていた。
真里も遊園地は好きだし絶叫は大得意だったがさすがにまいっていた。

「え〜??」
「お昼しようよ。」
「ん〜・・・仕方ないなー。」
両手を合わせてお願いをする真里に少し申し訳なく感じたのか、
真希はしぶしぶながらも了解をした。

「は〜やっと座れた。」
「そんなに疲れた?」
「あーごめんね、体力ないんだよー。」
「まぁ良いけどね。それよりさー今日帰ったら何するー?」
「何したい?」
「えっとねー、まずケーキ食べるでしょーそれからそれからーえっとー・・なんだろ、
やぐっつぁんとベタベタする?」

「あははっなんかいつも通りじゃん。」
「だね。いーの、一緒に居れたら。」

「・・・嬉しいこと言ってくれるよね、ごっつぁんは。」
「あはっ 本音だもん。」

真里たちは付き合いだしてからほとんどケンカなどはしたことがなく、
いつもこんな甘い感じだった。
暇さえあれば真希は遊びに来るし、休みの日はどこにも行かなくてもたいてい一緒に居た。
221 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月25日(日)19時55分12秒
「ごっつぁんそろそろ帰ろー。」
食事を終えてからまた休むことなく乗りまくって時刻はもう夕方の16時を過ぎたところだった。
夏休みでも冬休みでもないただの日曜日は、閉園時刻が早く、もうすぐなのだ。

「え〜?やだよーもっと乗ろうよ。」
「ダメだよ、ケーキとか買って帰るっしょ?遅くなっちゃうよ。」
「ん〜・・・分かった。それじゃあ最後は観覧車だね。」
「あっ、そういや乗ってなかったっけ。」

真希に手を引かれながら入り口から正面奥にえらそうに立っている観覧車へとふたりは向かった。
「これ乗らなきゃ来た意味ないよね。」
「まぁね。」

混んでいないとはいっても人気の観覧車。ふたりは30分程待ち、やっとで乗ることが出来た。
「やっとだね。」
「うん。」
幸せいっぱいの甘いふたりを乗せて観覧車は上空へと昇っていく。

「きれーだね〜夜景じゃないけどすっごくきれい!」
「うん、みんな豆粒みたい。」
「ね、やぐっつぁんそっち行っても良い?」

真里の返事を待たずに真希は真里の隣へと移動をしてきた。

「傾いてる傾いてる!」
「あはっだ〜いじょうぶだよ!ふたりでひとり分くらいの重さでしょ。」
「いやさすがにそれは・・」

などと他愛のない話をしているうちにふたりを乗せた箱はてっぺんに差し掛かった。

「・・・」
「・・・」

(なんかヤな予感・・・ごっつぁん・・・うわっうわっ)
真希はそっと真里の手を握りしめ、そして目を瞑った。

(えっと、そうなんだよね。やっぱ観覧車で恋人がふたりっていったらそうだよね。)
真里は躊躇いながらも真希の唇に自分の唇を寄せた。
222 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年08月25日(日)19時56分58秒
――と、その時、どこかからかけたたましい音が部屋中に響いた。

「んあっ?!」
「わぁっ」

目を瞑って今か今かと待っていた真希は音に驚いて目を開き、
今にも辿りつきそうだったところで真希の目が開いて思い切り目があってしまったことに
恥ずかしくなって焦る真里。

真里は音自体には反応をしていなかった。

「・・・やぐっつぁんの携帯じゃないの?」
「へ?」
言われて初めて自分のかばんから音が聞こえていることに気がつく。

「てゆーか、なに、その着メロ。なんで運命なの?」
「あー・・・知らない番号だからだよ。非通知と登録してないのは全部コレ。」
「出なくて良いの?」
「知らない番号だから。間違いだと思うよ。」

「そう。・・・あ〜あ!」
「?」

キスを邪魔されたことを腹立たしく感じ、真希はふて腐れている。
何を怒っているのか分からない真里は困惑顔をしている。

「お疲れさまでしたー。」
結局何もないままにふたりは地上へと戻って来た。

「そんじゃケーキ買って帰ろっか。」
「・・・」
手を差し伸べる真里の手を黙って取って真希は歩き出す。

「何?なんか怒ってる??」
「べっつにー。」
「ほんと?」
「うん。う〜ん、てゆーか携帯むかつくー。」

「・・・あっ・・・、ごめんね。」
「良いよ、いいよ、まだ時間あるもんね。」

真希はニカっと笑顔を見せると真里を引っ張って今度は元気良く歩きだした。
223 名前:名無しくん。 投稿日:2002年08月25日(日)20時00分34秒
>>217 名無し読者さま
     やぐごまの波乱は書いてて楽しいです(爆
     
>>218 名無し読者さま
     どうもです!
     名前しか出てない姐さんですが、いつ出るんでしょう(汗
     もう少しお待ち下さい。

いつもいつも更新遅くてすいませんm(__)m
たくさん書いたつもりでも海は短くなっちゃって焦ります(汗
読んで下さっている方、本当に申し訳ないです。
224 名前:名無し読者。 投稿日:2002年08月26日(月)08時05分03秒
やぐごま甘いの良いっすね!
225 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月11日(水)17時11分50秒
更新待ってます。
226 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月13日(金)05時50分25秒
やぐっつぁんピンチ!
227 名前:名無しくん。 投稿日:2002年09月27日(金)02時09分33秒
1ヵ月もあけてすいません。
放棄しないので次回の倉庫逝きは許して下さい(汗
本当にすいません!
自ら保全(汗
228 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月27日(金)02時22分01秒
待ってますた
229 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月26日(土)01時54分26秒
hozen
230 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月10日(日)02時21分02秒
まだまだ待つよ
231 名前:いしよし読者。 投稿日:2002年11月19日(火)23時34分10秒
まだかな〜〜
232 名前:名無しくん。 投稿日:2002年11月21日(木)23時10分06秒
保全をして下さっている皆様、申し訳ございません。
そしてありがとうございます。
今週の日曜日中には遅くても更新いたします。
233 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年11月24日(日)21時54分40秒
「何ケーキが良いの?」
ケーキ屋へと向かう間に真里は聞いた。
「なんでもいー。」
どうでも良さそうに真希は答える。
「なんでもいいってことないでしょ。」
あれが良いこれが良いそれも良い!と、いつもの真希なら答えるはずが
なんでもいーと言う。そんな真希を不思議に感じて真里は問い返した。

「ケーキなんておまけだもん。やぐっつぁんと居るのが嬉しいんだもん。」
と、恥ずかしげもなく真希は言う。

「・・・」
照れ屋な真里はすぐに返事を出来ないでいた。
「やぐっつぁんは違うの?」
黙ってしまった真里にそう聞いた真希だったが―

〜♪
と、またもや邪魔をする音が。
先ほどと同じで曲は運命。

「あっまただ。」
話を止めて携帯を取り出し、番号を確認する。
「誰?」
「さぁ。」
先ほどと同じように出ることはせずにかばんに直す。

「・・・どれでも良いから買ってさ、早くうち帰ろー。」
真希は真里の手を取って歩き出すと、宣言したとおりごく普通のいちごのケーキを買い、真里のうちへと帰って行った。
234 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年11月24日(日)21時55分41秒
「後でもって来てー」
真里のうちで夕食を終えたふたりは、母親にケーキを切り分けてもらうようお願いをして、
部屋へと入っていった。

「そういえばさ、今日どうするの?」
泊まっていくの?というような顔をして真里は聞く。
「とーぜん!ここで寝るよー。」
当たり前でしょというような顔をして真希は返す。
「だよね。」

コンコン
「はいはーい」
ドアを開けるとケーキと紅茶を持った母親が入ってくる。
「ありがと」
「ありがとうございまーす。」

適当にあしらって追い出してろうそくを一本立てる。

「16歳おめでとうだね。」
「ん、ありがとう。」

「・・・」
「・・・」
ぼーっと火を眺めている真希に真里は言う。
「・・歌う?」
「もち。」

「はっぴばーすでーとぅーゆー♪はっぴばーすでーとぅーゆー♪
はっぴばーすでーでぃあごっつぁん〜♪」

「やりなおし。」
あと少しで歌いきるところで真希は真里を止める。
何故止められたのか分からない真里は不思議な顔をして真希を見た。
235 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年11月24日(日)21時56分31秒
「こんなときくらい真希って言ってよ。」
ごっつぁんと言われたことが気にいらなかったらしい。
真里ははいはいというような顔をしながらも言われたように歌いなおしをした。

ふーっと消して電気をつける。
「そんじゃ食べようか。」
座ってフォークに手を伸ばす。
「待って、待って。」
それを真希は止めて言う。
「愛の告白聞いてないよ。」
真里はその言葉にはぁ?というような顔をして口を開けて驚いている。

「な、なに言って・・。」
「今日はなんでも聞いてくれる約束でしょ。」
「ぐっ・・・」

嫌とは言えない、もちろん嫌なわけはないのだが照れくさい真里は真っ赤な顔をして覚悟を決めた。

(何度も言ってるのにまた言うの?恥ずかしー)

「や、矢口はーごっつぁんのことがー」
と、話し出した真里。そしてそれをニコニコしながら聞く真希。
そんなふたりのことをまたもや邪魔する音が部屋に鳴り響いた。
236 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年11月24日(日)21時57分35秒
「・・・もういい加減出たら?」
何度も良い所で邪魔をされているせいか、かなり不機嫌な様子で真希はきつく言う。

「ごめん。留守電にしとくし。」
電話が切れてから簡易留守録を設定してベッドに投げる。

「それじゃ・・・」
「もういいよ。もう食べよう?」
完全に機嫌を損ねた真希はしかめっ面をしてケーキを食べ始めた。

「・・・ほんとにごめんね。」
真里はシュンとした様子でもそもそと食べ始めた。

その後もなんだか雰囲気の悪いふたりだったが、時間が経つにつれて少しずつではあったが元に戻っていった。

「布団とってくるね。」
お風呂も済まして後は眠るだけ。
下の客間から布団を出しに真里は降りていった。
もちろん一緒に寝るので必要は無いはずなのだが。

「ちょっと怒りすぎた・・・かな?」
真里が悪い訳でもないのに携帯相手に何度も機嫌を悪くした自分に少し反省をしてベッドに腰かける。

「でも、邪魔しすぎ!」
ベッドにドサッと身をまかせて大の字になったその時だった。
237 名前:ちゃんと愛してる 投稿日:2002年11月24日(日)21時59分03秒
〜♪ 〜♪
またもや鳴り出した真里の携帯。
ベッドに埋もれていた携帯を拾い上げて真希は番号を確認する。

090××○○△△□□

「まただ・・・」
何コールかすると留守電に変わり、電話を掛けてきたその人物は吹き込みだした。

『もしもし?裕ちゃんやでー番号変わってるから出んのかー?こないだ手紙送ったのもう届いてると思うけど、
そういうことやから近いうち行くし、泊めてな。積もる話もあるしなー。ほなまたかけるし、今度は出てな。』

プツッ ツーッ ツーッ

「・・・関西弁?誰?」
一体今のは誰だったのか、そんなことを考えていると、真里が布団を抱えて戻って来た。

「お待たせぃ。」
「裕ちゃんって誰?」
布団を置いてすぐの真里にすかさず問いかける。

「裕ちゃんって・・なんで知って・・」
「やぐっつぁんの何?」

何かを感じるのか真希は不安そうな顔をして聞いている。

「えと、え?なんで知ってるの?」
「今ごとーが聞いてるの。」
真里の質問には答えようとせずに真希は言う

「・・・中学校のときの家庭教師・・・だけど・・」
「やぐっつぁんと何かあるの?」

「え・・ない・・よ。」
「うそ!」

いきなりの真希の責めに真里は言葉を詰まらせていた。
238 名前:名無しくん。 投稿日:2002年11月24日(日)22時00分12秒
遅くなってすいません。

続く。
239 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月25日(月)02時22分06秒
待ってますた
240 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月12日(木)14時26分39秒
hozen
241 名前:a 投稿日:2002年12月19日(木)22時30分47秒
ほぜん
242 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月07日(火)22時59分44秒
243 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)23時02分20秒
保全
244 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月09日(日)15時58分35秒
保全
245 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月26日(土)03時22分12秒
246 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月16日(金)12時43分41秒
保全
247 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月16日(月)01時06分08秒
ほぜん
248 名前:名無し読者 投稿日:2003年07月16日(水)01時02分49秒
保全

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