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ののえもんとあい太

1 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月05日(火)23時09分07秒
初めて小説書きます♪
タイトルどおりド○えもんベースの、お笑い路線(?)で逝きます。

∋oノハヽo∈
 (´D`)<できるだけむすめ。のめんばーはたくさんだすのれす。
2 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月05日(火)23時10分28秒
Mission 1-1 出会い

わたしの名はののえもん。「あい太」というダメ小学生を
かしこい人間に直すために、わざわざ22世紀から20世紀の
TOKYOへ行くことになったのれす。


あい太「わ〜ッ!! なにすんねんっ!」
けいやん「いま俺はむしゃくしゃしてんだ!殴らせろっー!」
あい太「わあ〜〜〜!!!」



あい太「ただいまぁ…」
あい太はリンチされた末とぼとぼと家路についた。

あい太、小学5年生。 スポーツも勉強も、何をやってもだめ。
いじめっこのけいやんに会えばいつも無条件でボコられる。
3 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月05日(火)23時11分47秒
あい太は2階に上がり、自分の部屋の襖を開け、そのまま立ち止まった。

あい太「こんな生活もうやだよ… 欝だ氏のう」
あい太は飛び降り自殺をしようと、窓を開け足をかける。…とその時!
???「ちょっと待つのれす!!」
あい太「…誰?」

いつの間にかあい太の後ろには、変なきぐるみを着た、
ちょっと太った少女が立っていた。

???「太ったは余計なのれす!
    わたしはののえもん!あいちゃんを助けるべく、
    22世紀の未来からやってきたのれす!」
あい太「22世紀…? 助ける…?」

あい太「…なんのこっちゃ。 やっぱ氏ぬわ。」
のの(ムカッ!)「え〜い!こうなったら!」

ピコピコピコ〜ン♪
4 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月05日(火)23時14分03秒
「くうきほうぅ〜♥」

のの 「これであいちゃんの頭めがけて」 バコッ
あい太「死ぬっちゅうねん!」
のの 「やっぱだめれすか?テヘテヘ」
あい太「なにがテヘテヘや! 勝手に人ん家入ってきて、で殺そうとして、
    不法侵入で訴えるぞ!」
のの 「訴えてもらおうか… じゃなかった、
    ののはあいちゃんを助けにきたのれす。
    これを見てみるのれす。」

わたしはお腹のポケットから液晶つきハンディカメラを取り出し、テープを再生する。

あい太「画面ちっちゃいなぁ…
    あんた22世紀から来たんちゃうんか?
    もっとハイテクなもんないんか?」
のの 「今日、秋葉原行ったら安売りしてたのれす。」
あい太「…」
5 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月05日(火)23時15分06秒
しばらく画面をみつめる二人。

あい太「これ何の映画や?戦争モンみたいやけど…」
のの 「映画じゃないのれす。これが22世紀なのれす。」
あい太「これがっ?!」

画面には、廃墟となった街で多くの人間と戦闘ロボットが戦っている。

のの 「こうなったのはあいちゃんのせいなのれす。」
あい太「な、なんでやねん!これとウチがどう関係あんねん!」
のの 「あいちゃんの孫の孫の孫… だったかな。その子が戦争を引き起こしたのれす。
    ののは過去に戻り、あいちゃんを助けなければならないのれす。」
あい太「助けるって…」
のの 「もうすぐ刺客が来るのれす。」
あい太「…え?」

(あれ?この話、どこかで…     あっ!)
あい太「ターミ*ーターかよっ!」
のの 「気づくの遅いれす。」
あい太「ということは、刺客って、未来から来た殺人マシーンがウチを殺しに…?!」
のの 「違うのれす。刺客は人間なのれす。ののがターミ*ーターなのれす」
6 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月05日(火)23時15分53秒
あい太「逆かよっ!」
のの 「ツッコミだけはうまいれすね。でも早くここを出ないといけないのれす。
    刺客が来るのれす。」

ピ〜ンポ〜ン

のの 「来たのれす!!」

自宅のチャイムが鳴る… そして奴は来た…
7 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)00時43分01秒
Mission 1-2 刺客

母ゆうこ「お友達やでぇ〜 圭坊来てるでぇ〜」

のの 「あいちゃん、早く逃げるのれす!」
あい太「… おい、けいやんはウチの友達やで! 刺客やあらへんで!」
のの 「やつは『友達』になりすまし、油断したところを狙って来るのれす!」
あい太「それじゃぁ、けいやんは…」
のの 「刺客なのれす!」
あい太「…ええっ!?」
のの 「迷ってる暇はないのれす!」
あい太「でもどうやってここから逃げろゆうんや…?!」
のの 「これがあるのれす。」

ピコピコピコ〜ン♪

「タケノコブタ〜♥」

のの 「これで空を自由に飛べるのれす。はやく付けるのれす。」
あい太「お、おぅ…」
8 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)00時43分34秒
あい太はタケノコブターを頭に取り付けた。その瞬間、体が宙に浮く。

あい太「く、くるしぃ〜!! ど、どない、なってん… ねんっ ガッ…」
のの 「それは頭につけるものじゃないのれす。某アニメの見すぎなのれす。
    頭につけると頭がひっぱられるのは当然なのれす。」

ののはあい太のタケノコブターをはずした。 ドサッ

あい太「ハァ、ハァ… 首取れそうになったやんけ!
    頭じゃなければどこにつけるんや…」
のの 「ここれす。」

ののは自分の腰を指差した。

あい太「…おい、なんか間違ってへんか?」
のの 「別に問題はないのれす。これが一番楽なのれす。」
あい太「なんか2chのAAでこんなんあったような…」
のの 「気のせいなのれす。」

イメージ(w => http://www.hoops.livedoor.com/~i_karisuma/novel/image00.htm
9 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)00時45分07秒
Mission 1-3 逃亡

二人はけいやんから逃れ、近くの工場の一室に隠れていた。今日は日曜日だから人はいない。

あい太「ここにいれば安全やろ…」
のの 「いや、来るかもしれないのれす。」
あい太「なんでや?
    あのスピードに追いついてこれるわけが…」
のの 「いや、結構近くにいたりとか」

バタンッ

部屋の扉が開く。
逆光で顔はよく見えなかったが、それは明らかにけいやんの姿であった。

けいやん「なんで逃げるんじゃゴルァ〜!!」
あい&のの「「でたーーっ!!!」」
10 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)00時46分22秒
突然現れたけいやんに驚き、ののえもんの後ろに隠れるあい太。

のの 「ののが相手なのれす!」
けいやん「なにをっ〜〜っ?! このデブチンがっ!!」
のの 「太る太るって言うんじゃね〜よ〜!!」

ののえもんはとっさにポケットから空気砲を取り出し、けいやんに向かって放った。

ボンッ!!!

しかしけいやんは素手で空気砲をはじき返した。

あい太「ば、化け物ッ!」

ののえもんは舌打ちをすると、続けて空気砲を5発、6発と打ち込む。
しかしけいやんは無傷である。

けいやん「こんなもの俺にはきかんぞ〜っ! 覚悟しろ!あい太!」
のの 「くぅっ! もうあの武器を使うしかない!」
11 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)00時47分12秒
ピコピコピコ〜ン♪

「ぶりんこダイナマイト〜♥」

のの 「説明しよう! これを使用すると半径10km以内は灰と化し、
    以下10年は草木が生えない、まさに核」


バコッ

あい太「アホっ! ウチらも死ぬっちゅーねんっ! 何考えとんねん!」
のの 「絶対効くんれすけどなぁ…」
あい太「もっとマシなもんないんかっ!」
のの 「じゃあこれを使うのれす。」

ピコピコピコ〜ン♪
12 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)00時47分58秒
「逆砂時計〜♥」

のの 「これで時間を逆に進めることができるのれす!」

カタンッ ・・・・

するとビデオテープを巻き戻したかのようにけいやんは逆向きに去っていった。

あい太「やった! けいやんがおらんようなった!
    ありがとう!ののえもん!」
のの 「照れるのれす。」
あい太「ののえもんは命の恩人や!感謝するで」
のの 「油断は禁物なのれす。」
あい太「…へ?」
のの 「砂時計らから3分しか戻れないのれす。
    だからあと…30秒後にけいやんが来るのれす。」

バキっ!

さすがに何度もどついたせいか、ののえもんはぐったりして動かなくなった。

あい太「あ゛あ゛〜っ!!役たたず! このポンコツがぁ〜!!」
13 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)00時48分42秒
今夜はこのへんまでにしておきます。。。
どしどし感想待ってます(^^)v
14 名前:名無し男 投稿日:2002年03月06日(水)14時40分42秒
ののえもん弱っ(w
15 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)21時55分33秒
あい太はののえもんを担ぐともうひとつあった扉から逃げ出した。

グツグツグツ…

あい太「溶鉱炉か… 危ないなぁ…」

あい太のすぐ目の前には熱で溶かされた鉄がグツグツと煮えたぎっていた。

のの 「う、う〜ん…」
あい太「目ぇ覚ましたか。この役たたずが(w
    ウチを助けにきたんちゃうんか? これじゃ立場逆やないか。」

担がれていたののえもんは苦笑いをするとあい太から降りた。

あい太「ここ迷路みたいでどこがどこだかわからへん。
    けいやんもどっちから来るかもわからんから下手に動けへん。
    なんかいい道具ないんか?」
のの 「これがあるのれす。」
16 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)21時57分18秒
ピコピコピコ〜ン♪

「尋ねたい人ステッキ〜♥」

のの 「このステッキを立てて、倒すと、探している人の場所がわかるのれす。
    これでけいやんのいない方向に逃げればいいのれす。」
あい太「やっとまともな道具登場か…」

ののはけいやんを念じるとステッキを倒す。    カランカラン



ボチャッ

転がったステッキは足元の溶鉱炉へ落ちていった。

あい太「あ…」
のの 「・・・・」

しばらく沈黙する二人。溶鉱炉の煮えたぎる音だけが工場内に響いていた。
17 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)21時58分16秒
Mission 1-4 最終回

その沈黙を破ったのは…

けいやん「見つけたぞぉ〜っ!!」

あい太「もっとマシな道具ないんかっ!」
のの 「こうなったら実力行使(?)なのれす!
    うわぁぁぁぁ〜〜〜っ!!!」
あい太「ののえもんっ!!」

ののえもんはけいやんに真正面から突撃していった。

けいやんのばか力に勝てるはずがない… と思ったあい太は「敗北」という二文字が頭に浮かんだ。

しかし、あい太がそこで見た衝撃的な結末とは…?!
18 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)21時59分18秒
あのばか力のけいやんと、ののえもんが互角にもみあっている。

けいやん「…クッ! なかなか持ち上がらねェ…」
のの 「だてに飯くってないのれすっ!!!」

ののは最後の力を振り絞り、けいやんと共に真横に飛びあがった。
その先には溶鉱炉が見える。

その刹那、あい太には時間がゆっくりと動いているように見えた。

最後に見たののえもんは笑顔で、「あばよ…」と言ったような気がした。
19 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月06日(水)22時00分42秒


二人は煮えたぎる溶鉱炉の中へ鉄と一緒に消えていった。


あい太は何が起きたかわからず、しばらく呆然としていた。


あい太「ののえもん… けいやん…」



ののえもんは、あい太の命を守るために未来から来た。
ほんの短い間だったが、ののえもんとの思い出の一こま一こまが走馬灯のようによみがえる。


あい太「ののえもーーーーーーーーん!!!!!!!」

Mission 1 END
20 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時36分04秒
Misson 2-1 再び

事件から1週間後、あい太は友達の梨華ちゃんと一緒に墓地に来ていた。

梨華「ほらほら、そんなにポジティブにならないの!
   ハッピ〜♪ ほら、あい太さんもやるの、こうやって…」


友達だって思っていたけいやんは刺客だった。
さらに助けようとしたののえもんが命を落とした。
そのショックが頭から離れず、あれからあい太は、以前より欝だった。

梨華は事件の2日後にあい太からその話を聞いた。
それからは毎日のようにあい太を元気づけようとしているが、
あい太にとっては逆に事件のことを思い出す結果となり、苦しめられていた。

梨華「あい太さん…
   ののえもんさんは、あい太さんが落ち込むのを望んでいないと思うの。」
21 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時37分29秒
梨華「だって、あい太さんに幸せになってほしいから未来から来て、
   あい太さんの命を救ったんでしょ?
   きっと今ごろ、ののえもんさん天国で怒ってるよ。」
あい太「梨華ちゃん…」

梨華とあい太は線香と花を持ったまま見つめあった。

あい太「梨華ちゃん、くさいよ」

あい太はにわかに笑いながらそう答えた。事件後初めて見せた笑顔だった。

梨華「あははっ、ちょっとクサかったかな、今のセリフ」
あい太「違うよ」

あい太「梨華ちゃんトイレの匂いがする」


パンッ

梨華「なによっ! 人が元気づけようとしてるのに!
   あい太さんなんてもう知らない!」
あい太「痛… 梨華ちゃん!」
22 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時37分59秒
梨華は怒って帰っていった。

あい太「ほんまの事言うただけやのに…」

あい太は更に増して欝になった。



ののえもんの墓────
あい太は日本酒の入った一升瓶を手にとると、墓石の上からかけた。

あい太「ののえもんって酒飲むんかな?
    まぁええか…」


線香に火をつけ、墓の前に立てるとあい太は黙とうした。

あい太「ののえもん・・・」
23 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時38分40秒
ガタッ

とっさに目を開いたあい太はそばにある木の裏に
何者かが潜んでいることに気がついた。

あい太「…だれや…?」


そこから出てきたのは、いつもけいやんに金魚のフンのごとく付き添っている、
真里夫だった。

あい太「真里夫… なんでここにおんねん?」
真里夫「ヨウチェケラッチョ〜♪
    あい太を殺しにきたんだYO!」
あい太「…?! お前も刺客だったのか?!」
真里夫「今ごろ気づいても遅いYO!
    なぜならお前はここで氏ぬからだぁ〜っ!」
24 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時39分34秒
真里夫は足元にあった赤い斑点のついたキノコを拾い上げ、ためらいもなく丸のみにした。

あい太「…なんや…! どうなってんねん!」

真里夫の小さな145cmの体は、ムクムクムクっと膨れ上がり、
瞬時に倍の大きさ… 290cmの巨体に変身した。

あい太「キモッ!」
真里夫「キモイ言うな!」

真里夫はその巨体とは裏腹に、自分の身長の4,5倍の高さまで飛び上がった。

ズドーーーン
25 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時40分06秒
あい太は落下してきた真里夫の攻撃をとっさに避けた。

あい太「これじゃあ勝てへん… どないしたらえんや、ののえもん…」

真里夫は容赦なくジャンプ攻撃を繰り返す。
あまりに大きいためか、スピードはさほど速くないものの、
休みなく続く攻撃によりあい太の体力は限界に達していた。

あい太「ハァ、ハァ… もうあかん…」
真里夫「これでとどめだ!」

?? 「ちょっと待つのれすっ!!!!」
26 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時41分13秒
Mission 2-2 スーパーM

150cmに満たない小さな体。
おかしな青いきぐるみを着た格好。
可愛らしいツインテールの髪。
そしてちょっと太ったお腹。

彼女(?)はそこにいた。

あい太「ののえもんっ!!」

あい太は自分が疲れているのも忘れ、ののえもんに駆け寄った。

あい太「ののえもーん!」
のの 「あいちゃ〜ん!」

あい太は抱いてくれ〜と言わんばかりに手を広げ、走って近づくが、
ののえもんはなぜか構えをとっている。

のの 「あいちゃん!そこをどくのれす!」
27 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時42分51秒
サクッ

ののえもんが、あい太の真後ろにいる真里夫に向けて放ったブーメランは
見事にあい太の大きな額につき刺さる。

あい太「あいたっ!」

のの 「… ダジャレれすか?」
あい太「ちゃうわいっ! このノーコン野郎!」
のの 「今度は外さないのれす。」

そう言うとあい太の額に刺さったブーメランを何のためらいもなく抜くと
再び真里夫に向けて放った。

見事ブーメランは真里夫の体にヒットした。
しかも当たったのにかかわらずブーメランはののえもんの手元へ戻ってきた。

あい太が真里夫のいる方へ振り返ると、元の145cmの体に戻っていた。
しかし、先ほどとは違いなぜか点滅している。
28 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時43分29秒
あい太「さっきからどないなってんねん! 真里夫の体は…」

呆然と立ち尽くすあい太に向かって、
真里夫は小さな体のまま突撃してきた。点滅したままで。

あい太「これなら勝てる…!」

あい太は足元に落ちていた一升瓶を真里夫に投げつけた。
しかし一升瓶は真里夫の体をすり抜け、他人の家の墓石にぶつかり、割れた。

のの 「ダメれす!点滅中は無敵なのれす!
    無敵状態が解けるまで逃げるのれす!」
あい太「…?! わ、わかった!」
のの 「無敵状態がきれた直後を狙うのれす!」
あい太「おうっ!」

最後の力をふりしぼってあい太は真里夫のジャンプ攻撃をかわす。
29 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月07日(木)18時44分02秒
あい太「いつになったら無敵状態きれんねん!」
のの 「あと、7秒、5、4、3、2…」

のの 「今れす!」
あい太「ヤンバルクイナって、なんなんだぁ〜〜!!!!」

あい太のストレートパンチは見事に真里夫の顔面をとらえた。

真里夫は垂直に飛び上がるとそのままどこかへ消えていった。

のの 「あいちゃん、よくやったのれす!」

あい太は疲労でその場に倒れ、気を失った。
あい太は意識がもうろうとする中、心の中でつぶやいた。


「後で、投げた一升瓶が当たった家の墓に花でも備えとこ。 バチあたるで…」
30 名前:名無し男 投稿日:2002年03月08日(金)10時28分33秒
無縁仏の墓やったら
後ろから憑いてくる〜
31 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月08日(金)22時06分49秒
Mission 3-1 学校

ジリリリリリ……
目覚ましのベルが鳴る。
帰ってきた、平和な日常生活。
そんなひとときを壊す一人の居候。

のの 「ごるぁ〜〜っ!!あいちゃん、おきろぉ〜!!」
あい太「むにゃむにゃ… うるさいなぁ、のの…」
のの 「学校におくれるのれす!」

無理矢理起こされたあい太は渋々着替えを済ませる。

あい太「あのなぁ、もうこの一件終わったやろ。
    殺しに来るやつもおらへんねんから、
    ののは未来に帰ってもええんちゃうんか?」
のの 「ののは殺し屋から守ることらけが仕事れはないのれす。
    あいちゃんのぐうたらを叩きなおす仕事がのこっているれす。」
あい太「ぐうたらはお前のほうやろ!」
のの 「ほらほら、学校に遅れるよ。」
あい太「くぅ…」
32 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月08日(金)22時07分29秒
キーンコーンカーンコーン♪

あい太は学校の廊下を全速力でダッシュしていた。

あい太「はぁ、間に合わへん…!」

ガラガラガラ… 教室のドアを開けると、
先生はすでに教壇に立っていた。

あい太「万事休すか…」

しかし先生は立ったまま宙を向いていてピクリとも動かなかった。

あい太「やった! 飯田先生は交信中だ!」

「間に合ったね!」
「運いいな、あい太!」
33 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月08日(金)22時08分49秒
クラスメート全員ががあい太に拍手を送る。
あい太は照れながらも自分の席に座る。

そして授業が終わる。ただ…、
50分経った今でも先生は交信中で動かない。
それでも教師か!

放課後、あい太が帰る準備をしていると、
声をかけられた。

梨華 「あい太さん。」
あい太「梨華ちゃん!」
梨華 「今日私の家来ない?」
あい太「行く行く!」
梨華 「よっすぃ〜と三人で宿題しましょ♥」
あい太(ゲッ!)

よっすぃ〜こと、よすぃすぎ君。
成績優秀で定期テストではいつもトップだった。
34 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月08日(金)22時10分00秒
あい太「お、おぅ… じゃぁ帰ったらすぐ行くわ。
    (奴はちょっと苦手やな… まぁええわ、
    宿題教えてもらお…)」

自宅に帰り、梨華ちゃんの家へ行く準備をしてから
家を出ようとすると、そこには真里夫とけいやんが立っていた。

けいやん「今日、ママさんバレーの練習試合があるんだ。
     しかしメンバーが一人足りない。」
真里夫「ということだ、来てもらおうか。」
あい太「いやや! これから梨華ちゃん家に行くんや!」
けいやん「なんだと?! あい太の分際で!
     言うことを聞かないヤツはボコボコにしてやる!」
真里夫「大丈夫。殺しはしないYO!」
あい太(くそっ、どうしたらいいんだ…)
35 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月08日(金)22時10分53秒
あい太に迫り寄るけいやん。

あい太(そや!今朝護身用にもろたアイテムを使おう!)

新渡戸先生の出番だ。
あい太は走ってその場を去った。

あい太「ハァ、ハァ… 追いかけてこぉへんな。
    しかしこんな早よう使うことになるとは…
    物騒な世の中になったもんやなぁ…」

念のため警戒しながらも、梨華ちゃんの家にたどり着く。
36 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月08日(金)22時11分32秒
今夜はここまで。。。

>>30
大丈夫。なんにもついてこないから^^; でもあい太に不運はやってきます(w
37 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時37分32秒
Mission 3-2 宿題

あい太、梨華、よっすぃの三人は梨華ちゃんの部屋で宿題中。

あい太「なんやわけわからんなぁ…」
梨華 「ああ、愛しいあの人、お昼ご飯、何食べたんだろう?」
よっすぃ「べーぐる食べてまふ。もぐもぐ。」
あい太「あ゛〜 (今のこいつらなんかむしょうに腹がたつな…)」

今日の宿題:ポエム  テーマ「愛」

あい太「小5のウチらに愛について詩を書けだなんて…
    やっぱり変やわあの先生。」
梨華 「できたぁ〜♥」

「愛、それはあい太さん。」

あい太「どきっ!(えっ!?これって、もしかして梨華ちゃんウチのこと…)」
38 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時38分26秒
「あい太さんのお腹のように、とっても大きな存在♥」

あい太「殴るぞ#」
よっすぃ「できましたよぉ!」

「『恋』という字は、下に心と書く。『愛』という字は、中に心と書く。」

あい太「くッ!(くやしいけど、なんかすごい! これが優等生…)」

「つまり、心が中に浮いているわけだ。浮いた心=浮気の意である」

あい太「…わけわからんわ」

梨華 「すごぃ!よっすぃ〜! 哲学者みたい!
    浮気相手の事を『愛人』って言うもんね!」

あい太「バカップル…(ボソッ)」

あい太は無言で梨華の家を出た。
しかもそれに気づかない二人にも腹が立っていた。
39 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時39分13秒
あい太「あ〜ぁ。ポエムも浮かばへんかったし、
    結局ストレス溜まっただけやないか…」

あい太はとぼとぼと家路につく。

あい太「ただいまぁ…
    …のの、何やねん、それ?!」
のの 「未来の通販で買ってきたのれす。」

ののえもんは絵か何かを書いていた。頭の上に脳みそが乗っかった状態で…

あい太「なんで脳みそが通販で売っとんねん!」

ピコピコピコ〜ン♪

「ぶりんこぶれいん〜♥」

あい太「なんや、それ…」
のの 「これに手を触れるとね、
    最後に触った人の知識がこの脳にいんぷっとされるのれす。
    それをこうやって頭の上にのせると、その知識がののの頭に入ってくるの。」
40 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時39分52秒
あい太「それで、のの、何書いてんねん?」
のの 「漫画れす。
    売れっ子漫画家の知識をいたらいて、印税生活ウハウハなのれす。」
あい太「…(こいつの頭ん中どうなってるか知りたいわ…)」
のの 「たまったお金れアロエヨーグルトざんまい。」

あい太「…!(そや、これでよっすぃ〜の知識インプットして詩を書けば…)」

あい太は先程のよっすぃ〜の詩を思い出した。

あい太(あ、あかんわ… あいつ頭ええんか悪いんかわからへん…
    他のやつにしよ… クラスでよっすぃ〜の次に頭ええ奴は…)
41 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時41分18秒
あい太「紺野ちゃん!!」
のの 「こんにゃくがどうしたのれすか?」
あい太「これ借りるでっ!!」
のの 「あぁっ、アロエヨーグルトがぁ…」

あい太は脳みそを抱えてすぐさま家を飛び出していった。

あい太「紺野ちゃんの家は、ここを抜けたところにあったな…」

全速力で脳みそを大事そうに抱え、商店街を駆け抜ける。
…かなり不信人物である。

あい太「紺野ちゃんの家はここやったけ… えっ!」
42 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時42分04秒
Mission 3-3 紺野

紺野ちゃん宅の、ドア横のチャイムまであと2m。
しかし、そのすぐ隣には番犬がいる。あい太は犬が苦手だ。

あい太「宿題までの道のりは長いな…
    しゃあない、強行突破や!」



… ガブッ

あい太「…ッ!
    こら、はなさんかいっ! このバカ犬がっ!
    ほれっ!シッ!シッ!」

犬はそそくさと逃げていった。

あい太「ふぅ… あぁ…やってもた…
    脳みそかぢられてもうたやんけ… これ美味いんかな?」
43 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時42分53秒
ピンポ〜ン♪

家の主が来るまでの間、ふと目をやると、
先ほどの犬は泡をふいて気絶していた。

あい太「… 何入ってんねん、これ…」
紺野 「はぁぁい…」

ガチャッ

あい太「あ、紺野ちゃん、突然やけどこんにちわ。」
紺野 「… どぉしたのぉ?」
あい太「あのな、これ…」

ゲバッ

先ほどの犬が泡と一緒に血を吐いた。
その音に気づいた紺野は犬に目をやる。
44 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時43分28秒
紺野 「マロンっっ! どうしたの!」

紺野は犬(マロン)に駆け寄る。
目はすでに逝っている。

紺野 「どうしたのっ?! マロン!マロン!
    誰にやられたのっ?! え?後ろのガキ? わかった、敵は討つからね!」
あい太「ちょっと待てぇっ!
    それ無理矢理、ウチ犯人やと決め付けてるやろ!(犯人自分やけど)」

紺野はすでに構えをとっている。
紺野は空手で段をとっていると以前に学校で聞いたことがある。

あい太「か、堪忍や!」
紺野 「うるぁっ!!!」

紺野の中段蹴りはあい太の体めがけて放たれた。

バシュッ!!!
45 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時44分10秒
あい太「ぐわぁっ!!」

あい太「またやってもた! 脳みそ3分の1削れてもうた!」

脳みそを盾にしたおかげで(?)あい太には少しのダメージもない。
しかしそんな事を考える暇もなく紺野の2回目の攻撃が放たれた。

あい太「ひぃっっ!!」

あい太は間一髪の所で避け、そのまま逃げ出した。
46 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時44分45秒
あい太「ハァ、ハァ… ウチこんな役ばっかりやな…
    知識の回収には失敗するわ、脳みそはつぶれるわ、
    これじゃ宿題でけへんがな…」

あい太は歩きながら両手に持った脳みそを見つめる。
ふと何気なくののの言葉を思い出した。

『…触った本人の知識がこの脳にいんぷっとされるのれす。』

あい太「…! そうか!触れるだけでいいんだ!」

脳みそに向かって放たれた紺野の蹴り。
その際に脳みそには紺野の知識が入っているはず。あい太は運が良かった。

あい太「これで宿題ができるぞっ!!!」
47 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月09日(土)15時45分51秒
今日もたくさん更新。
このぐらいの量でいいかな…
48 名前:名無し男 投稿日:2002年03月10日(日)14時03分47秒
紺野つえー(w
49 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時33分31秒
Mission 3-4 欠けた脳みそ

部屋に戻ると、すぐさま机に向かう。

のの 「あいちゃん、なんれ脳みそ欠けてるのれすか?
    そのぐらいなら大丈夫れすけろ…」
あい太「宿題がこれほどおもろいもんやと思わんかったで」

あい太は持ち帰った(少し削れた)脳みそを頭に乗せる。
一気に脳に蓄積された知識が頭の中に入ってくる。

あい太「す、すげぇ! これが紺野の能力…!!」





あい太「わんっ!!」

のの 「… え?」
50 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時34分56秒
あい太「わおぉぉ〜ん?(あれ?)」

のの 「あいちゃん、誰に触らせたん?」
あい太「わ、わお、んわん、わ、わん、きゃん… くぅ…ん?
    (え、紺野、ちゃん、の、はず、やけど… 何故…や?)」
のの 「もしかして犬れすか???」

あい太はその犬の頭脳だけで一生懸命考えた。

紺野ちゃんの蹴りは確実に脳みそをとらえた。
当たっていなければ、ここまで削れるはずがない。

犬? 犬にはかぢられた。
しかし脳みそには一人分の知識しか入らないはずだ。
最後に触れたのは紺野の足、足… 紺野は靴をはいていた。

… まさか!
51 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時35分34秒
犬にかぢられる
  ↓
脳みそに犬の知識が入る
  ↓
紺野に靴ごしで蹴られる
  ↓
直接触れたわけではないので知識は上書きされない
  ↓
( ´Д`)マズー


あい太「わんわんわぁん、わん、わん、んわん、わぁん!
   (そういうことか、ほな、のの、脳みそ、外して!)」
のの 「なんか言ってるみたいなのれす。
   でも、わんちゃん言葉のあいちゃん、かわいいからこのままでいいのれす」
あい太「わんっ!わんわんわんわんんわっんわ!わぁんわんわわんわんわん!
   (うわっ!犬の本能が走れと要求しとる!体がウチの言うこときかん!)」
のの 「あははは!あいちゃんおもしろいのれす!あははは!」


その日のうちに宿題が終わることはなかった。

Mission 3 END
52 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時38分35秒
3-4はイマイチでしたね。。。
次は特大版です。「あい太が鍵だ!!」
53 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時40分17秒
Mission 4-1 序章

誰もが寝静まった、丑三つ時。
しかしののだけは誰もいない空き部屋で、誰かと会話していた。
通信機ごしに───

のの 「え? 石黒さん、それ、どういうことれすか…
    まさか、あいつがこの時代に…」

その時のののからはいつもの愛らしい表情は消え、
深刻そうに通信機を握り締めていた。

のの 「あい太には言わないでって…?
    この件はののが適当にごまかしておけと?

    …了解れす。」

ののは、月明かりだけが差し込む部屋でひとり、佇んでいた。

のの 「ごめんなさいなのれす…
    あいちゃんは無関係なのに…」
54 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時40分50秒
日は変わり、平和で、ポカポカと暖かくなり始めた春休み。

あい太「なあ、のの…」
のの 「なんれすか?」
あい太「22世紀の未来ってずっと戦争中やんな…?
    こないだの「ぶりんこぶれいん」やっけ? あれどうやって買ったんや?
    戦争中に通販ってありか?」
のの 「気にしないのれす。作者さんのミスなのれす。」
あい太「…ああ、そう…」

他愛もない話をしながら二人は読書(コミック)にふける。

あい太「あぁ〜あ…」
のの 「そっち読み終わった? 貸してなのれす。」
あい太「あ〜、暇やなぁ…
    面白い道具とかあらへんのか?」
のの 「これなんかろうれすか?」
あい太「なんやなんや?」
55 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時41分32秒
のの 「この上に乗っかって、こう…」
あい太「何する道具なんや?これ?」
のの 「すたいりぃ〜♪ すたいりぃ〜♪」
あい太「…おもろいんか?」
のの 「ののは楽しいのれす♪ ダイエットにもなるし♥」
あい太「おもろそうには見えんけどな…
    なんかないんかぁ??」
のの 「なにがいいれすかぁ?」
あい太「そうやな… 春休みやし、どっか行きたいなぁ。
    ののも、そう思わへんか?」
のの 「…」
あい太「のの?」
のの 「あ、そうれすね…
    ちょうろいいところがあるのれす。」

あい太「えっ?どこや?! 沖縄?ハワイ?もしかしてオーストラリア?!」
のの 「まだ秘密なのれす。
    のの準備するから、その間にあいちゃん、
    友達呼んできてほしいのれす。」
あい太「楽しみやな! よっしゃ! 呼んでくるわ!」
56 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時42分18秒
あい太が部屋を飛び出していったあと、ののは昨夜送られてきたFAXを見つめる。


【識別番号・510-723-xxxx 加護あい太 西暦1988年2月7日生まれ

 特殊部隊・加護隊長の先祖である、加護あい太のDNAには

 ───を封じるための鍵が含まれている───

 21XX年に製造された───は研究所を脱走し、19XX年───

 アンドロイドNo0231・ののえもんに───を命じる───

 zetima時空防衛センター  第8部隊隊長 石黒 彩】


あい太「のの!ただいまぁっ!! 連れてきたで!」
57 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時43分03秒
梨華 「あい太さん、どこ行くの?」
よっすぃ「わくわくするなぁ〜〜!」
真里夫「暇だったから来てやったぞ!」
けいやん「つまらねー所だったら承知しないぞ!」

のの 「さて、行くのれす。」

ののがポケットから何かを取り出そうとすると、後ろから誰かやってきた。

裕子 「ののちゃん、ウチも行ってええか?」
つんく「俺も暇やし」
あい太「おかんにおとんも行くんかいっ!」

飯田 「なんかあるのー?」
紺野 「…私も連れていったら、こないだの帳消しにするよぉ」
あい太「なんで先生来とんねん!
    しかも紺野まで!あン時のは事故や!信じてぇな〜!」

のの 「(これだけいれば十分れすね…)
    それれは、行くのれす〜♪」
58 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時43分53秒
Mission 4-2 雪山といえば遭難

ピコピコピコ〜ン♪

「どこだかドア〜♥」

ガチャッ

ドアを開けると…
そこは雪国だった。

あい太「さぶっ!」
けいやん「どこじゃ〜 ここは〜?!」
のの 「ののもよく知らないのれす。
    向こうに別荘があるから行くのれす。」
よっすぃ「うひょ〜〜☆」
真里夫「春なのに雪が… ここは北海道か?!」

のの達10人は雪の降る中、別荘へ向かった。
59 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月10日(日)17時44分26秒
あい太「べ、別荘まであとどれぐらいなんや…?」

のの 「あと100mぐらいなのれす。たぶん。」
真里夫「多分ってなんだよ!
    しかも吹雪でほとんど前見えねぇじゃねえか!」

来たときよりも雪が多くなり、冷たい北風があい太達を襲う。

のの 「のののカンではもうすぐ着くのれす。
    …あ、あそこれす!」

   ◇

あい太「…ふぅ… 着いた…」
ゆうこ「っていうかここ、誰の別荘なんや?ののちゃん?」
のの 「ののも知らないのれす。」
あい太「知らん…て、それ人ン家に勝手に入ってるってことか!」
ゆうこ「まぁ、ええやんけ、誰も使ってないみたいやし。」
つんく「そやな、勝手に使わせてもらおか。」
あい太「あんたらそれでも大人かぁ〜っ!!」
60 名前:名無し男 投稿日:2002年03月11日(月)09時53分06秒
どこだかドアって・・・
これまた随分適当な(w
61 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月12日(火)22時26分59秒
飯田 「あれ?人減ってない?」
真里夫「梨華ちゃんとよっすぃ〜がいない?!」
あい太「ええっ?!」
けいやん「俺達で探しに行ってこようか?!」
ゆうこ「あかん、外は吹雪や!危なすぎるで…」
つんく「やったら、俺が…」

紺野 「あのぉ…」
あい太「なんや?!ウチ、パニックやねん!あとにしてくれんか?!」

紺野 「梨華ちゃんがトイレへ行くって言ってたよぉ…」

「「「「「「「それ先言えやぁ〜!!!」」」」」」」

けいやん「梨華ちゃん、前に『しないよ』って言ってたじゃんか!
    今まで『しない派』を支持してきた俺って…」
あい太「????」
紺野 「…だってみんな聞いてくれないんだもん…(ボソッ)」
ゆうこ「えっ?!じゃあ、あの子ら吹雪の中を…?!」
あい太「のの、なんかええ道具ないんか?!」
のの 「う〜ん… 尋ねたい人ステッキは溶鉱炉に落としちゃったし…
    そうだ!あれがあったのれす!」
62 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月12日(火)22時28分24秒
ピコピコピコ〜ン♪

「新・超高精度チューナー付き・合成メタリックロングアンテナSタイプと、
 フォースフィードバック機能つきコードレスタイプ・コントローラ〜♪」

あい太「長っ!」
のの 「略してアンテナとコントローラーなのれす。
    これを使って遠隔操作で人を探せるのれす。」
あい太「なるほど! これなら吹雪の中でも安全に動ける!
    で、動いてくれるロボットとかでもあるんか?」

のの 「ちがうのれす。この中の誰かに動いてもらうのれす。」

バコッ

あい太「遠隔操作の意味あらへんがな!
    お前が行ってこいや!ロボットやから死なへんやろ!」
63 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月12日(火)22時29分01秒
のの 「…へい。(泣)
    ののはロボットじゃなくてあんどろいどなのれす。。。」
あい太「ウチら現代人にしてみればどっちでも一緒じゃ!はよ行け!」

   ◇

飯田 「だ、大丈夫なの?あの子…」
あい太「大丈夫やろ。溶鉱炉に落ちても平気やったし。」
飯田 「いや、そういう意味じゃなくて…
    ほら、道に迷うとか…」
あい太「道のない所で道には迷わへんやろ」
飯田 「…(コイツ頭大丈夫か…? あとで補修授業受けさせる必要ありね…)」
よっすぃ「迷う、迷わないって誰の事ですかー??」
梨華 「…あっ!大変!ののちゃんがいないわ!」
あい太「え?」

 :

 :
64 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月12日(火)22時29分49秒
「「「「「「あ゛〜〜〜!!!」」」」」」

あい太「あんたら今まで一体どこに?!」
よっすぃ「別荘横のトイレだよ…」
梨華 「なんでそんなに驚いてるの?みんな??」

紺野 「だからぁ、梨華ちゃんがトイレへ行くって言ったのは別荘に着いた直後だって…」

バキッ ボコッ ドバッ ガスッ ゴフッ ザスッ

あい太「それ先に言えっちゅーねん!」

空手で段を持っている紺野と言えども、全員の集中攻撃により紺野は撃沈した。

ゆうこ「みんなぁ〜 止めたりぃなぁ〜
    紺野ちゃんぐったりして動かへんやないのぉ〜」
あい太「(あんたも紺野殴っとったくせに…)」
65 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月12日(火)22時31分17秒
もうそろそろストックがなくなってきましたです…

>>60
でもだいたい目的地には着きます^^;
66 名前:名無し男 投稿日:2002年03月13日(水)10時23分40秒
さて、二人は無事なのか?
67 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月13日(水)17時07分17秒
Mission 4-3 雪山といえば遭遇

*あい太は梨華とよっすぃ〜に事情を話した。


梨華 「どうしましょう、私達のせいでののちゃん…(ネガティブモード)」
よっすぃ「ののえもんの死は無駄にしないよ…」
あい太「おい、あんたら勝手に殺すなっ!」
つんく「この吹雪の中探すのは危険や。
    吹雪が止むまで部屋で休もう…」
あい太「…そやな… すぐひょっこり帰ってくるやろ。」

   ◇

そのころ、梨華とよっすぃが遭難していると思い込んでいる
ののえもんは吹雪の中をさ迷っていた。

のの「梨華ちゃ〜ん! よっすぃ〜!」
68 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月13日(水)17時07分48秒
のの「全然見つからないれす… どこ向いても真っ白なのれす…」

のの「あ!あそこにだれかいるのれす!聞いてみよう!」

ののは10mほど先にいる、しゃがみこんでいる男に駆け寄った。

のの「おじさん、おじさん、
   この近くで小学生の男女みかけませんれした?」

しかし、男は何もしゃべらない。それどころか動きもしない。

のの「おじさーん?」

よく見ると、その男はしゃがみこんでいたのではなく、
足が存在していなかった。

のの「これが奇形児ってやつれすね。
   おまけにしゃべれないみたいなのれす。
   足がなくて動けないから助けるのれす。」
69 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月13日(水)17時08分42秒
ののは男の手を───

のの「あれ?片手もないれす。
   すごく担ぎにくいのれす。
   4次元ポケットの中に入れるのがベストなのれす。」

その男の下半身と肩から大量の血が出ていたが、
ののは気にすることもなく男をポケットにしまいこんだ。

しばらく歩いていると、今度は白い毛皮のコートを着た大男を発見した。

のの「おじさんおじさん、この近くで小学生───」

よく見ると、白いコートではなく、直に毛が生えているようであった。
口の周りだけ赤く染まっていた。
体長はののの身長の倍ほどあるが、熊にしては体は細い。

??「ガルルルルル…」
のの「この時代の雪山には変な人がいっぱいなのれす。
   そうら!あれを使うのれす!」
70 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月13日(水)17時09分12秒
のの「対動物用スキャナーなのれす。この人が何者か調べるのれす。」

ピピッ…

のの「えーと… 何か書いてあるけろ漢字が読めないのれす。ぐすん…
   あとは… UMAって書いてあるのれす。
   UMAってなんれしょうか?」

目の前にいる、毛の生えた大男(UMA)に問う…
しかし毛の生えた大男(UMA)はいつのまにかいなくなっていた。

のの「変な人れすね…?
   それより、早く二人を見つけ出して、みんなとご飯食べるのれす♪」

再び歩いていると、崖の上に立つ一軒の家を発見した。

のの 「誰かいるのれす!さっきの奇形児のおじさんを休ませるのれす!」
71 名前:名無し男 投稿日:2002年03月14日(木)14時15分48秒
(゚д゚)


72 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月15日(金)00時11分37秒
Mission 4-4 休息

コンコン

女性「こんな吹雪の日に誰かな…」

ガチャン

のの「ちょっといいれすか?」
女性「早くあがって。」
のの「おじゃまします。」

のの「この近くで小学生の二人… 梨華ちゃんと、よっすぃ〜っていうんれす。
   見かけませんれしたか?」
女性「いや、あなた以外、誰も…」
のの「そうれすか…。
   あ、それとこの人を休ませてほしいのれす。」

するとポケットから奇形児のおっさん(死体)を取り出した。
73 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月15日(金)00時13分18秒
女性「…!」
のの「?」
女性「キャーーーーーーーー!!!!!!」

女性は驚きのあまり、奇形児のおっさん(死体)をつかむと
ドアを蹴破り、外へ出ると崖へ向かって遠投した。

のの「よく飛びましたね。
   じゃなくて、なんれ投げるんれすか!」
女性「あれどう見ても死体じゃない!
   なんであんなもの持ってるの?! あんた一体何なの?!」
のの「わたしはののえもん。
   雪の中であのおじさんが動けなくなってたから…
   そんなに、そんなに、ヒック…、おこらなくても… ぐすん…」
女性「あ〜、ごめんね、ののちゃん〜」

ののが泣いてしまったために、パニックになる女性。

のの「ヒック、ヒック…」
女性「もう泣かないの〜(泣)
   ほら、奥で暖まろ♥」
74 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月15日(金)00時14分59秒
  ◇

女性 「もう泣き止んだ?」
のの 「…へい。」
女性 「(このコなんか可愛いな♥)
    あ、自己紹介まだだったね。
    私、市井紗耶香。紗耶香って呼んで。」
のの 「へい。」
紗耶香「ののちゃん、今日はここで泊まっていくといいよ。」
のの 「へい。」



紗耶香「(今日もあの人、来なかったな…)」
75 名前:名無し男 投稿日:2002年03月15日(金)15時32分30秒
チャム登場!!
76 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月15日(金)23時14分52秒
Mission 4-5 先住者

女性 「ふわぁ〜 よく寝た…
    うっ、寒っ…」

その女性はベッドから降りると、体を温めるためにコーヒーを注ぐ。

女性 「んあ… 砂糖きれてるじゃん…
    予備が1階にあったかな…」

ドアを開ける。すると1階から人の声が聞こえる。

女性 「もしかして、強盗?! やだよー…」

と言いつつ、部屋にあった金属バッドを握り締めると
相手に気づかれないよう、ゆっくり階段を降りた。

すると目の前に30過ぎの男が現れた。
その女性はそれを確認する前にバッドを振り下ろした。
77 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月15日(金)23時15分31秒
女性 「きゃあぁぁぁぁぁぁ〜!!!」

ガンッ

男は気絶した。
その女性は自分でもびっくりして、腰をぬかしてしまった。

ゆうこ「こんな所でなに寝とんの、つんくはん…
    わっ!」

その女性とゆうこは目が合った。

ゆうこ「ぎゃぁ〜〜!!!強盗〜!!」
女性 「それはこっちのセリフだよ! ここはあたしの別荘だよ!」
ゆうこ「え? あ、う… お、おじゃましてまぁ〜す…」
あい太「どないした、おかん?
    わっ!! 誰?こいつ?!」
けいやん「なんだなんだ?」
女性 「おいおい、何人いるんだよ〜」
78 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月15日(金)23時16分09秒
  ◇

ゆうこ「……というわけで、
    ここの別荘を勝手に使わせていただいてるんですぅ…
    そうとは知らず、ほんまにすみまへんなぁ…」
女性 「大丈夫、大丈夫、一人で寂しかったし、
    そこの人の、気絶させちゃった分のおわびも兼ねて、
    のの、っていうコが見つかるまで泊めてあげるよ〜。」
あい太「(なんかエラそうやな)
    ところで、あんさん…、名前聞いてなかったな。」
女性 「後藤真希です。真希って呼んでね〜。」
あい太「加護あい太や。よろしくな。
    こっちのオバはんは、おかんのゆうこ。
    倒れてるのは、おとんのつんくや。他云々。」
ゆうこ「オバはん言うな!」
けいやん「っていうか俺ら略すな!」
真希 「あはは… なんか面白いねー。
    そだ、夕食、みんなの分作るよ。
    誰か手伝ってくれるとありがたいんだけど…」
79 名前:名無し男 投稿日:2002年03月16日(土)17時19分06秒
バットで殴られても気絶するだけって
随分頑丈な(w
80 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月16日(土)17時42分49秒
Mission 4-6 真希

ゆうこ「ウチ手伝うよ。」
あい太「なぁ、ねえちゃん、ウチに料理教えてくれへんか?」
真希 「いいよ〜♥」
ゆうこ「なんや、料理やったら後でいくらでも…」
あい太「おかんはちょっと… あれやからなぁ…」
ゆうこ「あい太!あれって何や! なんや、言うてみい!」
真希 「(たしかにこんなババアに教えてもらうのはちょっと…)
    まぁまぁ、みんなもお腹空いてるだろうから早く作ろうよ。」

    ◇

のの 「おいしいのれすー!」
けいやん「以外に美味いじゃん!あい太の作った味噌汁!」
真里夫「でも、ステーキと味噌汁っていう組み合わせはどうかと思うけど…」
真希 「気にしない、気にしない。」
よっすぃ「でもこの巻き寿司ちょっと苦くない?
     食べる分には問題ないけど…」
あい太「あ、それ、洗剤とお酢間違ってもうたんや。
    でもあんまし変わらんやろ?
    遠慮せずにどんどん食えや。」
81 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月16日(土)17時43分24秒
真希 「ごちそうさま。
    先にみんなの分の寝室を用意しとくから待っててよ。」
あい太「りょうかーい」

真希はそう言うと食堂を出て行った。
あい太は真希の様子がさっきと違うような気がしたが、
食事が終わる頃には既に忘れていた。

みんなと話しているうちに
30分も経過していたことに気づいたのはあい太だった。

あい太「ねえちゃん遅いなぁ、どないしたんやろ?」
ゆうこ「掃除でもしてるんとちゃうんか?」
あい太「ちょっと様子見に行ってくる。」

あい太は階段を上がり、ひとつずつ部屋を調べる。
ガチャ
82 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月16日(土)17時44分03秒
あい太「おらんな…」

暗くてよく見えない。 とても不気味な部屋だ。
ここで寝るのかと思うと、すこし怖くなった。
あと2,3部屋回ったがどこも同じだった。
廊下に戻り、ふと奥に目をやると

あい太「…ん?ドアが開いとる…」

ドアの中から明かりが漏れていた。

あい太「おねえ…ちゃん?」

入ってみるが、真希はいない。
他の部屋にはなかった机がその部屋にはあった。
どうやら真希の部屋のようだ。
コーヒーだ… かなり冷たい。
入れたまま忘れたのだろうか?
83 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月16日(土)17時44分41秒
あい太「もったいないから飲んだれ」

ゴクッ…

あい太「う゛、まずい… 冷えたブラックかいな…
    ん?まてよ…」

あい太は何かに気づいた。

あい太「もしかして間接きっす?!いやん☆」

あい太は頬を両手で抑え、一人で照れている。
はたから見ればかなり怪しい。

あい太「いやいや、こんな事やってる場合ちゃうな…
    ねえちゃん探さんと…」

あい太は廊下に出るとさらに奥へとつき進む。
しかし───
84 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月16日(土)17時46分32秒
あい太「なんやなんや、わいの人生みたいに行き止まりやないけ…」

ん?

あい太「行き止まりっ?! 真希ねえちゃんは一体どこに…?!
    確かにねえちゃんは2階へ上がった。
    ほかに部屋も、上の階も存在せえへん…!」

あい太「たいへんやぁ〜〜〜!!!!」

あい太は慌てて食堂へ向かい、真希がいなくなったことを告げた。
85 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月16日(土)17時47分36秒
今日はここまで。。。
ファン暦浅い人間なので市井ちゃんの性格ってよく分からん(汗
他の小説の市井ちゃんの雰囲気で書いてみてるが…
86 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月17日(日)20時14分36秒
Mission 4-7 過去

のの 「紗耶香さんはなんれこんな所に住んでるのれすか?」
紗耶香「ある人を待ってるの。
     女の子。とってもかわいい女の子よ。」
のの 「こんな雪の中じゃ来るわけないのれす。」
紗耶香「そうだよね… 待ってても来るわけないよね…」

紗耶香はとても寂しそうな、それでいて何か懐かしむような表情をしていた。

紗耶香「昔々、あるところに幼い少女がいました。」
のの 「…?」
紗耶香「その子はいつも一人でした。
    幼い頃に両親に捨てられ、孤児院暮らしをしていたけれど、
    人が信じられなくなったその子には、全然友達ができませんでした。
    そんなある日、その子は、ある女の子に声をかけられました。」

   ◇
87 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月17日(日)20時16分20秒
「ねぇ、あなたどこの子?」
「…」
「そのリボンかわいいね」
「…」
「私、真希。後藤真希っていうの。
 いっしょに遊ぼ。」
「…」
「こっちに綺麗なお花畑があるんだ。
 行こ。」
「ちょ、ちょっと…」

真希ちゃんに連れて行かれたその子は
何故か嫌がりませんでした。

いつもならその子は話し掛けられても
何もしゃべらず逃げていくはずなのですが、
今日は、いや、真希ちゃんだけは特別でした。

「うわぁ… きれい…」
「でしょ?」
「こんな近くにお花畑があるなんて知らなかった!」

それからというもの、その子は真希ちゃんだけには心を開くようになりました。
88 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月17日(日)20時17分43秒
   ◇

紗耶香「…って、聞いてるの?」
のの 「もぐもぐ… え?
    お花畑れすよね? タンポポって食べれるの知ってた?」
紗耶香「…」

   ◇
89 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月17日(日)20時19分27秒
その子と真希ちゃんはいつも一緒でした。
一緒に買い物へ行ったり、
おままごとしたり、
お昼寝の時も、
家でマンガを読むときも、
あの思い出のお花畑へも行くときも真希ちゃんと一緒でした。

そして月日は流れ、その時はやってきました。
その子を捨てた母親が戻ってきてこう言いました。

「あなたを捨てたママを許してね。
 これから一緒に暮らそ。」
「いやだ!真希ちゃんと一緒にここに残る!」
「だめです。こんな小さな孤児院にあなたを置けない。
 これからあなたはお金持ちの娘になるの。
 こんなところにいるよりも幸せになれるはずよ。」
「いや、いやだよ! あ、真希ちゃん!」

その光景を真希ちゃんは悲しそうに見ていました。
90 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月17日(日)20時20分52秒
「その人の言うとおりだよ。
 お金持ちの家の娘になれるんだよ。羨ましいよ。」
「いや!真希ちゃんと離れたくない!」
「だいじょうぶ!離れていても心はいつも一緒だよ…」
「いやだ!!」

その子は泣きました。
真希ちゃんも泣いていました。
それでも無理矢理その子を連れ出す母親。

「だいじょうぶ!大きくなったら戻ってきてね!絶対だよ!」
「いやぁぁぁぁぁ!!!!」

それから10年。その子は孤児院のあった場所に戻ってきました。
でもすでにその孤児院は既に廃屋と化していました。

その子はあの思い出の花畑へ行きました。
でもすでにその地は荒れ果て、花どころか草木も生えていませんでした。
91 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月17日(日)20時21分32秒
その地に真希ちゃんはいませんでした。

その子は泣きました。とても泣きました。
真希ちゃんと分かれたあの日のように───

その子を癒すように、雪が降ってきました。

その日から雪が止むことはありませんでした。

   ◇
92 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月17日(日)20時22分45秒
紗耶香「なにやってんだろ…私。
    ね、ののちゃ…」
のの 「zzz…」
紗耶香「ぐっ…」

怒ってたたき起こそうとしたが、
その寝顔があまりに可愛らしかったので諦めた。

紗耶香「寝顔… そっくりだね。真希ちゃんと…」

ソファに座っているののに毛布をかけると、
紗耶香も寝ることにした。

紗耶香「おやすみ、ののちゃん。
    おやすみ、真希ちゃん…」
93 名前:名無し男 投稿日:2002年03月18日(月)10時18分15秒
島田紳助のご用意を
94 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月19日(火)21時42分02秒
まじ面白いです。思わずレスしちゃいます。
奇形児のおっさん、かなりダークネタやけど笑わせていただきました。
これからも頑張ってください。
95 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月20日(水)00時34分51秒
>>94
いえいえ、ありがとうございます〜。
後半はシリアス路線が多いです。ちなみに、4-11か12ぐらいで「ののえもん」は終わりになるかもしれません。「ののえもん」はまたネタがあれば、ここで書かせていただきます。。

今書いてる新作、出だしだけ(約600行程)しかできてないけど、「ののえもん」が終わったら書いてしまおうかな〜なんて思ってます。そのときは、またよろしくお願いしますねm(_ _)m

最近仕事が始まったので、更新が遅くなると思います。ご了承ください。(現在4-10執筆中)
96 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月20日(水)23時17分12秒
Mission 4-8 再会

ガチャ、ガチャ・・・
ののは何かの物音で目がさめた。

のの 「ふわぁ〜あ… よく寝たのれす… ん?
    何してるのれすか?紗耶香さん?」

紗耶香はリュックに食料や荷物をつめこんでいた。

紗耶香「昨日、真希の夢を見たの。
    真希と出会う夢。
    目が覚めたら… 今日は会えるような気がしたんだ。」
のの 「まだ吹雪は止んでないのれす! とっても危険れすよ!」
紗耶香「10日前から続く吹雪はまだ止みそうにもない。
    もう食料やストーブの燃料は残り少ない。
    このままここにいても死んじゃうよ。」
のの 「… そうら、あれを使うのれす。」

ピコピコピコ〜ン♪
97 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月20日(水)23時19分07秒
「新幹線えんとつ〜♥」

紗耶香「新幹線にえんとつって何よ?」
のの 「細かいことは気にしないのれす。
    これを頭にのせるとれすね、
    新幹線みたいに異常なパワーで勢いよく走れるのれす。
    これで吹雪もへっちゃられす!
    紗耶香もつけるのれす。」
紗耶香「(呼び捨てかよ…)
     こう?ののちゃん?」
のの 「準備はOKれすね?」

ののと紗耶香は荷物を持って外に出る。相変わらず外は吹雪である。

のの 「しゅっぱつ・しんこ〜!」

タタタ…
98 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月20日(水)23時20分26秒


紗耶香「なんにも変わらないけど?」
のの 「あれ?おかしいのれす?」
紗耶香「もしかして、新幹線、だから雪の中は動かないとか…?」
のの 「そうらったのれす!
    新幹線は大雪でストップするのれす… がっくし。」
紗耶香「除雪車… なんてないのかな?」
のの 「!! 紗耶香さん、頭いいのれす!」

ピコピコピコ〜ン♪

「オート操縦機能つき除雪車〜♥」

ドーン!

紗耶香「でかっ! どっから出してきたのよ?!」
のの 「気にしないのれす。
    さっそく除雪作業はじめるのれす!」

ガガガガガ・・・・
99 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月20日(水)23時22分22秒
除雪車はゆっくりではあるが、雪を除去していく。

のの 「雪がなくなっていくのれす!
    この後を新幹線えんとつを使って走るのれす!」
紗耶香「…あの、ちょっと聞いていい?」
のの 「なんれすか?」
紗耶香「除雪車に乗ったほうが良くない?」
のの 「・・・・・・そうれすね。」
100 名前:名無し男 投稿日:2002年03月20日(水)23時53分41秒
御丁寧なののえもん(w
101 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月23日(土)00時56分15秒
必死に捜索はしたものの、真希はいっこうに姿をあらわさず、
とうとう朝を迎えてしまった。
それでもまだ、吹雪は止む気配がない。

ゆうこ「徹夜で探しとんのになんで見つからんの〜」
あい太「おかんグウグウ寝とったくせに!」
ゆうこ「寝とらんっちゅーねん!
   それよりあいつ、つんく起こして!
   昨日殴られてからおきあがらへんのや!
   死んどるんとちゃうんか?」
あい太「自分のダンナ勝手に殺すなや!
    それより、真希ねえちゃんは…」

飯田 「やっぱり外しか考えられないよ。
    あの雪の中を…」
あい太「やっぱり、ねえちゃんは…」
けいやん「おらぁっ!しっかりせい!」
真里夫「いつものあい太らしくないぜ!」
あい太「けいやん、真里夫…」
102 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月23日(土)00時57分18秒
ガタン・・・
ゆうこ「今、玄関のほうで音せえへんかったか?」
あい太「もしかして、雪男?! いや〜ん!」
ゆうこ「あい太、見に行ってくれへん?
    もしかして真希ちゃんかもしれへんで!行ってき。」
あい太「まさか… 雪男だったらどないしてくれるんや?」
ゆうこ「雪男なんておるわけないやんか。」
あい太「おったらどうすんねん。
    念のためバット持っていったろ…」

ダンダンダン…
扉が何度も叩かれる。その扉の先は、

真希ねえちゃん or 雪男。

どっちかだ。
あい太はおそるおそる玄関の扉を開ける。

すると、そこにいたのは雪───
103 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月23日(土)00時58分36秒
あい太「うわぁぁぁぁ!!!」

ゴンッッ   バタッ

に、まみれた女性だった。

あい太「…あ゛…」

のの 「紗耶香さん、だいじょーぶれすか?!」

あい太は二度びっくりした。
ひとつは、倒れていたのは雪男ではなく女性だったこと。
もうひとつは、後ろにののえもんがいたこと。

あい太「のの… ののえもぉぉん!!」

あい太は嬉しさのあまり、ののに走り寄る。

のの 「あいちゃん!!」

ののえもんは、あい太の首をつかむと
104 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月23日(土)00時59分30秒
全力で投げた。

グシャッ

あい太は後ろの柱に後頭部からクリーンヒット。

のの 「紗耶香さんになんてことするのれすか!!!」

あい太は薄れていく意識の中、こうつぶやいた。

「前にもこんなシーンあったな… あン時は逆やったけど…」
105 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月26日(火)00時23分12秒
Mission 4-9 悪魔の住む山

紗耶香「う、う〜ん… あ痛…」
のの 「あ、紗耶香さんが目を覚ましたのれす」
紗耶香「あれ?なんで私こんな所にいるの?」
のの 「…? たぶん、殴られたショックで記憶が消えているのれす。」
紗耶香「…あなた、だれ?」
ドテッ
のの 「ののの事忘れたのれすか〜?! びぇ〜ん(泣」
紗耶香「冗談だよ〜 ののちゃん!」
のの 「ぐすん… 冗談きついれすよ〜っ。」
紗耶香「でも何で移動してるの?
    昨日、私ん家でベッドに入って…」
のの 「そこからかい!
    真希ちゃんを探しに今朝家を出たのれすよ!」
紗耶香「そうだっけ?」

そんなやりとりをしていると、
別のベッドで横になっていたあい太が目を覚ました。
106 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月26日(火)00時24分07秒
あい太「えっ?! 今何て…?!」
のの 「紗耶香さんは真希ちゃんを探しにここまで来たのれす。
    それよりバカは眠ってろ、なのれす。」
あい太「真希ちゃんて、後藤真希って名前やなかった?!」
紗耶香「なんで真希の名を?! 知ってるの?!」
あい太「知ってるも何も、昨夜までここにおったんやけど…」

   ◇

紗耶香「まさか、こんな近くに…
    やっぱり真希は帰ってきたんだ…」
あい太「それより、真希ねえちゃんを探さへんと!」
のの 「うるさいのれす!」
紗耶香「ののちゃん、きっと真希を見つけ出してね。」
のの 「あ〜い!」
あい太「(こ、こいつ…!)」
紗耶香「でも変ね… あの真希が突然いなくなるなんて…」
のの 「真希ちゃんはきっと探しらすのれす!!」
107 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月26日(火)00時24分38秒

   ◇

「もぬけの殻か…」

誰もいない紗耶香の家。
彼女は床にリボンが落ちているのに気づいた。
「紗耶香の趣味じゃないね… 誰か来ていたのか…?
 まあいい、早く紗耶香を見つけないと…」
彼女が家を出ようとした瞬間───

「うっ…! 頭がぁっ…!
 意識が戻ってきているのか… 急がねば…」

「あとはあそこだけか…」

   ◇
108 名前:名無し男@ベッカムカット失敗でハゲチャビンの旅(クリリン) 投稿日:2002年03月26日(火)01時49分24秒
あそことは?
109 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月30日(土)13時38分15秒
のの 「こっちでいいのれすか?」
紗耶香「なんか、あの地に行けば会えるような気がする!」
あい太「さむぅ〜! なんか防寒具ないんか〜?!」
のの 「バカに着せる服なんてないのれす!」
紗耶香「いいの?あの子…」
のの 「紗耶香さんを殴った罰なのれす!」
けいやん「なんで俺らまで来てるんだ?」
真里夫「さぁ?」

ののえもん、あい太、紗耶香、真里夫、けいやん、よっすぃ〜は真希を探しに出た。
念のため、別荘に飯田、紺野、石川、中澤とつんくを残して。


1時間程歩くと、先頭の紗耶香は急に立ち止まった。
そこには、廃校になった学校のような建物が見えた。
「真希!ここにいるんでしょ?!」
そう叫ぶと突然、正面玄関へ走っていった。
のの 「紗耶香さん!!」
あい太「真希ねえちゃん、ここにいるの?!」
のの 「とにかく追いかけるのれす!」
110 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月30日(土)13時39分01秒
2人が入り口に入ったときにはすでに、紗耶香の姿は見えなくなった。
のの 「(…この気配…まさか…)」
あい太「のの!手分けして探そ!」
のの 「…だめれす!
    あいちゃんも一緒じゃないとやばいのれす!」
あい太「何分け分からんこと言うてんねん!」
のの 「いいから!」
けいやん「じゃ、俺らは真里夫、よっすぃと手分けして探すな!」
あい太「わ、わかった!」


他のメンバーと分かれたあい太とののえもんは、
ひとつひとつ薄暗い教室の扉を開ける。
のの 「紗耶香さん!」
あい太「いない…」
いくつか教室を調べたが、人がいた形跡すらなかった。
111 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月30日(土)13時41分19秒
2人は地下へ続く階段を発見した。
あい太「こっちちゃうんか?!」
のの  「こんな所に人がいると思うれすか?」
あい太「ほら、見てみ!」
あい太が指差した先に見えたは、
外のわずかな明かりによって照らされた人の足跡だった。
2人は急いで下に下りた。

そこは地下室のような場所で、さらに奥には扉が見えた。
その扉を開いた所にあったのは、信じられないような光景だった。
112 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月31日(日)14時49分49秒
Mission 4-10 悪魔の住む山 2

のの 「紗耶香さん!」
あい太「真希ねえちゃん!」

暗くて、大きな部屋の真ん中にある
少し大きな机の上に寝かされている紗耶香と、
裸電球の明かりによって不気味に映し出された真希の姿であった。

のの 「!!!始まってしまったのれす!」
あい太「どうしたん!?のの、さっきから!」
のの 「止めるのれす!
    真希さん! いや、ナノマシンXR510!」
あい太「えっ?!なに?!」
真希 「ほぅ、お前、この時代の者じゃないな…
    zetimaのロボットか…?」
のの 「紗耶香さんを開放するのれす!」
真希 「やだね。
    感情のないロボットに何が分かる?」
113 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月31日(日)14時50分44秒
のの 「ののは… ののはロボットじゃないのれす!
    感情を持ったアンドロイドれす!!!」
真希 「そんな事どうでもいい。
    結局お前はzetimaの犬だ。紗耶香を救ったところでお前には何の得もない。」
のの 「そんなことないのれす!」
あい太「真希ねえちゃん、一体どうしたんや?!」
真希 「真希?ああ、たしか体の主がそんな名前だったな…」
のの 「真希さんはナノマシンに操られているのれす!」
真希 「操られてる? それは間違いだ。
    我は真希に眠るマイナスの感情を呼び起こしただけのこと。」
あい太「マイナスの… 感情?」
真希 「真希は一体、どれだけ紗耶香を待っていたと思ってるんだ?
    どんな気持ちで待ち続けたと思っているんだ?
    裏切られた者の気持ちが分かるか?」
のの 「紗耶香さんは裏切っていないのれす!
    ちゃんと… この地に戻ってきたじゃないれすか!
    あなたと別れてから、今まで、ずっと真希さんの事…」
真希 「しかし、もう遅い。この恨みを我の力で晴らすのだ。」
のの 「そうはさせないのれす!」
114 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月31日(日)14時51分58秒
真希 「まずは、邪魔者のロボットとガキを処理しないとな…
    いけ!我が僕(しもべ)ども!」

暗い部屋の奥から出てきたのは、けいやんと真里夫だった。
その二人の目はいつもと違う…!

あい太「けいやん!真里夫!」

けいやんと真里夫は、無表情のまま襲いかかってきた。

あい太「うわぁっ!」
けいやんが鉄パイプを振り下ろすが、あい太はなんとか避けた。
のの 「これでもくらえ!
    夏目の舞!」

ののの手から、数百人の夏目先生が舞った。
しかし、二人はそれに目もくれず、こちらに襲いかかってくる。

あい太「その手はもうきかん!
    こいつらを何とかせんと…!」
115 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月31日(日)14時52分34秒
あい太は足元に落ちていた角材を拾い上げると、真里夫に向かって走りだした。
あい太「(許せ…)うぉりゃっ!!!」

BOOOM!!
しかし、あい太の振り下ろした角材は真里夫に当たる前に灰と化した。

あい太「…なっ…?!」

ほのかに赤く染まっている真里夫の吐き出した炎は角材を燃えつくした。
攻撃手段のなくなったあい太は後ろへ下がる。
すると、横で散らばった夏目先生を回収しているののえもんの姿が目にはいった。

あい太「今はそんな事やってる場合ちゃうで!」
のの 「ののにとっては死活問題なのれす!」
あい太「いや、間違ってへんけど… う〜ん…」

そんなやりとりをしていると、真里夫は横に置いてあった箱を叩いた。

あい太「…?!」
116 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年03月31日(日)14時56分09秒
全部書き終えたので、更新は遅くなることはなくなりましたです。。
あとはラストまで一直線( ̄ー+ ̄)
117 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月02日(火)19時19分53秒
すると中から出てきたのは、よっすぃ〜だった。
よっすぃ〜もまた、操られているようだった。
しゃがんだよっすぃ〜に、真里夫がおんぶするような形で乗った。

あい太「真里夫によっすぃ〜… これは偶然か…」

真里夫はこっちに向かって走ってきた。
夏目先生の回収の終えたののがあい太の盾をするように前に出る。

のの 「ののが相手なのれす!」

真里夫(+よっすぃ)は、自分の何倍の高さまでジャンプした。

のの 「その手はきかないのれす!
    タケノコブター!!」
ののは、飛び上がった真里夫(+よっすぃ)と同じ高さまで飛ぶ。
これぞ空中戦!
118 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月02日(火)19時20分24秒
のの 「これでも食らうのれす!
    くうきほう〜!!」
ドンッ!!!

空気砲は当たった。しかし、ののの目に映ったのは、落ちていくよっすぃ〜だけだった。
よっすぃ「またやりやがったな、真里夫め…!」

のの 「?!?! どこれすか?!」
真里夫「上だよっ!」

なんと、空気砲に当たる直前に、真里夫はよっすぃ〜を踏み台にしてさらに高くに飛び上がったのだ。

真里夫「ファイヤーボール!」

ののの真上から真里夫の炎が放たれる!
これを食らえばアンドロイドの体でもひとたまりもない。

バシュッ…

しかし、いつまでたっても炎は当たらない。
119 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月02日(火)19時21分13秒
なんと、ののの装着したタケノコブターのプロペラに当たり、相殺されていた。

真里夫「そんな、ばなな〜」
真里夫はそのまま、よっすぃの横に落ちた。
よっすぃ「てめえ〜!やりやがったな!」
真里夫「あんた、何回でも復活できるじゃん!
    オイラなんて、回数制限あるんだぜ?!」
よっすぃ「真里夫だって、無限1UPとかやってるんだろ?!
    おあいこじゃん〜!」
真里夫「ぐぬぬぬ…!
    オイラがいないと1歩も歩けないくせに!」
よっすぃ「なにを〜!?」

よっすぃ〜と真里夫のよくわからん喧嘩がはじまる…

のの 「これでやっと一人片付いたのれす。
    ののの手にかかればこんなもんれす。」
あい太「あんた、ほとんど何もやってへんやろ。」
120 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月02日(火)19時22分04秒
けいやん「次は俺様の出番だな…」
あい太「こ、こいつに勝てるのか、のの?!」

BOM!!

気がつくと、けいやんは黒こげになっていた。
あい太「出番、短か…」
隣で喧嘩していた真里夫から放たれた炎(流れ弾)がけいやんに見事命中。
けいやんはその場に倒れた。

真希 「どいつもこいつも役たたずだな…
    まぁいい、我が相手になろう。計画はその後だ。」

あい太「真希ねえちゃん!やめて!」
のの 「許せない… 許せないのれす!!
    計画は何としても阻止するのれす!!」
あい太「そのナノマシンは何しようとしてんのや?!」
のの 「ナノマシンは元々、心の弱い人間を覚醒させるために作られたものなのれす。
    れも、思考能力を持ったナノマシンは自らの欲望の為に、
    対象の人間のマイナスの心を引き出し、それを使って悪さをするようになったのれす。
    れすから、ののにもナノマシンが何を考えてるのかは分からないれす。」
121 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月02日(火)19時23分13秒
真希 「何をするか教えてやろう。
    我々は、世界征服や虐殺などするつもりはない。」
のの 「…」
真希 「ナノマシンはウィルスのように、自ら増殖、人々に感染する。
    世界中の人間にナノマシンを寄生させるのだ。」
あい太「なんで、そんな事を…?!」
真希 「寄生した人間の心に眠る闇を100%引き出すことで、望みを叶えてやるのだ。
    そうすることで、人は皆自分に正直になる。
    葛藤などしてストレスをためる事もなくなる。自己嫌悪もなくなる。
    すばらしいじゃないか。それを阻止しようとするお前らのほうがよほど悪人だ。」
のの 「それは違うのれす!」
真希 「これから起こる革命をとくと見るがいい。
    これから紗耶香に媒体となってもらう。
    真希に心を開いた紗耶香はこの上ない媒体だ。」
のの 「それだけは止めるのれす!!」
真希 「お前らに何ができる?
    この時代に我を封印する術などあるわけがない。」
のの 「へへへ…」
122 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月02日(火)19時23分52秒
真希 「何がおかしい?!」
のの 「この顔に見覚えがないとは言わせないれす!」

そう言うと、ののはあい太を前に差し出した。
あい太はよく分からずオドオドしている。

真希 「…?!
    まさか… そんな偶然が… はっ!」
のの 「やっと気付いたようれすね。
    あいちゃんは、特殊部隊・加護隊長の先祖なのれす!!」
あい太「どういうことなんや?!」
のの 「ナノマシンを… 奴を作ったのは、あいちゃんの末裔の加護隊長なのれす!
    加護隊長に極めて近いDNAを持つあいちゃんしか、
    奴を封印することができないのれす!」
あい太「そうなのか?!」
真希 「アンドロイドに、隊長の末裔…
    これでは寄生させることはできん…!」
のの 「覚悟するのれす!」
真希 「…くっ! これでもくらえ!」
123 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月02日(火)19時24分31秒
するとどこからともなくと取り出した手製の爆弾のようなものを二人に向かって投げた。

のの 「あいちゃん、逃げるのれす!」

そう言った直後、ののえもんの目の前で爆弾が爆発した。

あい太「うわぁぁ!!!」
124 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月04日(木)20時03分25秒
Mission 4-11 停止

ものすごい爆音と同時に一帯は煙に包まれた。
あい太は奇跡的に擦り傷だけですんだ。

あい太「のの!のの! 大丈夫か!?」

煙が晴れるとそこには、傷だらけのののが倒れていた。
ののは自分を犠牲にして、あい太をかばったのだ。

あい太「のの!」
のの 「よ、溶鉱炉に落ちても丈夫なボディなのれす。
    このぐらいれは、の、ののはへこたれないのれす…」
あい太「どこがやねん!
    体じゅうボロボロやないけ!」

のの 「や、奴を、封印するのれす…」
あい太「おう!で、どうやんねん!」
125 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月04日(木)20時04分04秒
のの 「加護隊長に近い血縁の人間の声だけに、
    ナノマシンの解除キーが含まれているのれす。
    一定の言葉を唱えれば、ナノマシンを封印できるのれす。
    ののの言ったとおりに詠唱するのれす。」
あい太「わ、わかった!」
のの 「解除プログラム起動」
あい太「解除プログラム起動」
のの 「DNA識別番号510-723でログインを要求する」
あい太「DNA識別番号510-723でログインを要求する」
のの 「ナノマシンXR510の機能停止を命ずる」
あい太「ナノマシンXR510の…」
真希 「このまま続けていいのか?」
のの 「あいちゃん!続けて!」
真希 「ナノマシンは成長する機械だ。
    我の機能停止と同時に体の主も一緒に道連れにすることだって可能になった。」
のの 「そ、そんな聞いてないれすよ!」
あい太「卑怯な…!」
真希 「ふー。あぶなかった。
    さてと、これから紗耶香に媒体になってもらいましょうか。」
あい太「なんとかできんのか?!のの?!」
126 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月04日(木)20時04分36秒
のの 「だめれす! 解除プログラム以外で、
    ナノマシンを停止させるのは不可能れす!」

目の前にいた真希が、紗耶香の額に触れる。
紗耶香にナノマシンを感染させようとしている。

あい太「2人を… 助けられんのか…?」
のの 「(ないこともないれす。)」
あい太「…えっ?」

するとののえもんはゆっくり前へ進む。

真希 「我を… 真希と一緒に殺すのか?
    そこのガキが悲しむぞ?」

ののえもんは、あい太に背を向けたままゆっくり話し出した。

のの 「あいちゃん、約束守れなくてごめんね。」
あい太「…?!」
127 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月04日(木)20時05分11秒
のの 「今度殺し屋が来たら、自分で自分の身を守ってね。」
あい太「ののっ!?」

真希 「ほぅ、我を倒す術でもあるのか?
    無駄だ。真希も一緒に死ぬぞ?」

ののは無言でポケットの中からステッキのようなものを取り出し、
前方に向けた。

のの 「終わりなのれす。」

真希 「…?! それは?!
    マシンの破壊電波発生装置?!
    そんな事をすれば、貴様も…」

あい太には、何が起こっているのかがよく分からなかった。
真希の言葉がそれっきり止まり、そのまま倒れこんだ。
ののえもんがピクリとも動かなくなった。


部屋は恐ろしいほどの静寂に包まれた。
128 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時34分26秒
Mission 4-12 ののえもん

あい太「の… のの、どないした?」

しかし、ののはステッキを真希に向けたまま、全く動かない。

あい太「ど、どないした?! のの?!」

あい太はののえもんに駆け寄り、話し掛ける。
しかし、自ら破壊電波を浴び、機能が完全に停止した
ののえもんからは言葉が返ってくることはなかった。

あい太「いつものように、笑ってぇな!
    いつものように、『大丈夫れす』って言ってぇな!
    いつものように、あいちゃん、って呼んでぇな!」

あい太にはなんとなく分かっていた。
ののが二度と動くことはないというを。
129 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時35分13秒
あい太「のの…」

あい太はひざまずき、ののえもんに抱きつく。
その目からは大量の涙があふれる。




?? 「(あいちゃん…)」
あい太「ののっ?!」

どこからともなくと、ののえもんの声が聞こえる。
いや、頭に響いてくると言ったほうが正しいだろうか。

のの 「(またやっちゃったのれす。
    紗耶香さんと、真希さんを助けるには、この方法しかなかったのれす。
    真希さんの体は生きているけろ、ナノマシンはもう動かない。)」
あい太「嘘つき!
    殺し屋から守ってくれるって…
    ウチの根性叩きなおしてくれるって言うたやんか!」
130 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時35分55秒
のの 「(ほんとにごめんね。
    でも、あいちゃんはもう大丈夫だよ。)」
あい太「…」
のの 「(ののが初めてあいちゃんに会った時よりずっと、
    強くなったよ。)」
あい太「まだや!まだウチは駄目人間や!
    だから、だから、のの…」
のの 「(殺し屋はもういないと思うれす。
    あいちゃんも強くなったのれす。
    だから、ののはもう必要ないのれす。)」
あい太「ウチにはののがまだ必要や!
    だから、行かんでくれ!」
のの 「(ののは、生産型アンドロイドのうちの一体なのれす。
    あいちゃんがピンチになったら、きっと助けにきてくれるはずなのれす。)」
あい太「ののやないとあかんのや!」
のの 「(ばいばい、あいちゃん…)」
あい太「ののぉーーーー!!!!」
131 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時36分28秒
地下室の少し大きな部屋に声が響き渡る。

机の上で寝かされている紗耶香。
その横で倒れている真希。
いつの間にか終わった喧嘩で疲れて寝ているよっすぃ〜と真里夫。
黒こげになりつつも、寝ているけいやん。

そして、ステッキを向けたまま動かなくなったののえもん。


一体どれくらいあい太は泣き続けただろう?
いつしか、あい太はその冷たい床の上で寝てしまっていた。

  ◇
132 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時36分59秒
あい太は夢を見ていた。

ののに初めて会った日の事。
墓地で自分を助けにきてくれた事。
犬みたいになって笑われた事。

しばらくすると、
ののとあい太が遊園地で楽しく遊んでいる。
しかし、実際はののと一緒に行った覚えはない。
なぜこんな夢を見たのだろう…

とても楽しかった。
ののがいつもより可愛く見えた。

しかし、あい太がさっきの出来事を思い出した瞬間、
ののは霧のように消えてしまった。

でも、その時のあい太は何故だか悲しくなかった。
133 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時37分41秒
Mission 4 エピローグ

?? 「ののちゃんのお墓って、ここ?」
?? 「ちっちゃ〜い。かわいそうじゃない?」

真希と紗耶香は、あい太に導かれて
ののえもんの眠っている墓地へ来ていた。しかも、以前と同じ。
でも、以前のように、ののえもんは戻ってこない。

紗耶香「もう大丈夫なの?」
あい太「うん。」

3人はお墓にお線香を添えると、黙祷した。

真希 「でも、ちょっと悪いことしちゃったな。
    私を助ける為に、ののちゃんは命を…」
あい太「大丈夫やて。また会えるって言うとったし。
    悲しんどっても、ののは喜ばないと思う。」
134 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時38分13秒
紗耶香「私もそう思うよ。
    ののちゃんいい子だから、
    どこかであいちゃんの笑顔見て安心してるよ。」
真希 「私もののちゃんに会ってみたかったなぁ〜。」
あい太「真希ねえちゃんは、操られてる時しか
    会った事なかったからなぁ。
    そん時、記憶なかったんやろ?」
真希 「うん。」
紗耶香「私も、もうちょっと長く話しておけばよかったな。」
あい太「また会えるよ。どこかで」

?? 「あいちゃん、あぶな〜い!!!」
あい太「えっ?」

後ろから誰かがそう叫びながら走ってくる。
振り返る前に激突して、あい太はそのまま吹き飛んだ。

?? 「この2人、殺し屋の可能性があるのれす!
    あいちゃん、逃げるのれす!」
真希 「はぁ?」
紗耶香「えっ?!なんでここに?!」
135 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時38分52秒
あい太は体をおこすと、その目に飛び込んできたのは、

あい太「ののえもん!?」
のの 「なんでののの名前を知ってるのれすか?」
紗耶香「あいちゃん、この墓の中に、ののちゃんを埋めたって…?」

あい太は立ち上がるとそのままののえもんに抱きつく。

あい太「ののぉ〜!!」
のの 「あいちゃん、苦しいのれす!」
真希 「もしかして、2人目ってやつ?!」
のの 「?もしかして、前にもののと同じアンドロイドがいたのれすかね?」
あい太「2人目でも、会えてよかった〜!!」
のの 「うっとおしいから、いいかげん離すのれす!
    うりゃぁぁぁ!!」

ガンッ
136 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時39分40秒
ののえもん(2号)に投げ飛ばされたあい太は、
ののえもん(1号)の墓に頭をぶつけて気絶した。
でも、そのときのあい太の顔はとても嬉しそうだった。

のの 「覚悟するのれす!」
真希 「私達、殺し屋じゃないよ〜」
紗耶香「あいちゃんに聞いてよ、って、え?
    気絶してるし!」
真希 「やべぇ! 逃げよ!紗耶香!」
のの 「こら、逃げる気か?! 待つのれす〜!!」
137 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時40分17秒
別人でも、会えてよかった。
ウチはほんまに嬉しいで。
138 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時41分05秒
  ののえもんとあい太・完
139 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月06日(土)09時41分50秒
ワタクシの最初の作品ですが、いかがだったでしょうか??
後半は結構力入れたつもりです。。。

後で「ムスメ大戦。」なる、またパクリっぽい作品を、このスレで1話だけ書いてみます。。。
140 名前:名無し男 投稿日:2002年04月06日(土)12時18分24秒
完結おめ!
最後の展開ワラタ
141 名前:かりすま一般人o 投稿日:2002年04月07日(日)19時09分30秒
>>140
毎度の事ながら、最後まで読んで頂いてありがとうございます!

ムスメ大戦。ですが、長くなりそうなので、宣伝の意味も込めて(?)、M-Seekの別の板に書くことにします。。 探さなくてもいいよ(w

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