インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板

でこぼこ

1 名前:きてぃ 投稿日:2002年03月11日(月)15時02分29秒
はじめまして。
皆様の作品読ませていただきました。
私のはかなりの駄文ですが、よろしくお願いします。

かおののです。
2 名前:第1章 クリスマス 投稿日:2002年03月11日(月)15時06分31秒
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
3 名前:1.おちびさん 投稿日:2002年03月12日(火)17時32分10秒
あんな事が起こったのは、街中が笑顔のはずの、クリスマスの夜だった―――。


カオリはね、家に一人で居たんだ。
親友のなっちは彼氏とデートだし、両親は北海道。
上京してきたカオリに会いにきてくれた事はまだない。
それに、カオリには彼女いないしさ…。

すっかりネガティブになってて、飼い猫のアサコと質素なご飯を食べながら、ポケーっと交信モードに入ってたみたい。
電話が鳴ったから、カオリはこっちに戻ってきた。

「もしもし。」
「もしもし…カオリ?」
カオリの、歳の離れたお姉ちゃんからだった。
「あ、お姉ちゃん!?久しぶりー♪」
「…。」

カオリは元気のないお姉ちゃんに気付いたの。
4 名前:1.おちびさん 投稿日:2002年03月12日(火)17時39分14秒
「どしたの?なんかあった?」
「カオリ…ごめんなさい…。」
え?カオリ、お姉ちゃんの言葉がよく聞こえなくて訊いた。

「私…自分勝手だってわかってるの。
だけど、もう…自信がない…。」
「お姉ちゃん?」
「ごめんね、カオリ。最低なお姉ちゃんを許して。
それから、希美をよろしく…。」
「え?」

プツッ―――。電話…。切られた。

「ちょっとっお姉ちゃん?」
どうしたんだろう?やけに元気がなかった。
最近全然会ってなかったけど、何かあったのかな…?
それに…。

「希美って、お姉ちゃんの子供の名前じゃなかったっけ?」
一人で呟いてみた。
アサコが首をかしげる。
『よろしく』って、何?どういうこと?
なんだか、胸騒ぎがした。
5 名前:1.おちびさん 投稿日:2002年03月12日(火)17時46分43秒
電話の前で、3分くらい、ずーっと考えてて、
そしたらインターホンが鳴ったから、少し驚いちゃった。
「はーい?」
ドアを開けたら、…誰もいない。
「あっれぇ?何?こんな時間にピンポンダッシュ?ったく…。」

「あのぅ…。」

…?声が聞こえたような?
視線を少し下にずらすと、頭が見えた。
髪を二つに結んでいる。
そっか。カオリ背高いから見えなかったんだ。

そこには、小さな女の子が立っていた。
どちらさまですか?できるだけ優しくきいた。
小さなお客さんは、寒さで顔を真っ赤にしながら、
冬の風の音に負けそうなくらい、小さな小さな声で言った。

「いいらさん…れすか?」
6 名前:1.おちびさん 投稿日:2002年03月12日(火)17時53分40秒
…いいらさん…。飯田なのに、いいら…。
プッ、とふきだしてしまった。
「つじのぞみれす。いいらさんはママの妹なんれすか?」

つじのそみ…?
確か、お姉ちゃんの結婚相手の名前はつじで、
それからのぞみって、さっきお姉ちゃんが電話で言ってた…。

「なんか…、ママが…いいらさんの所に行きなさいって…。
のの、嫌らって言ったんれすけど、ママ…怒って…。」
希美ちゃんは泣き出してしまった。

どうやらこの子は、お姉ちゃんの子みたい。
だったら、いろいろ訊いてみなくちゃ。

カオリは希美ちゃんの頭を撫でて、今まで出したことのないくらい
優しい声で言った。
「おうち入って話そう…?」
希美ちゃんはこくっ、て頷いた。
二つに結んだ髪が、小さく揺れた。
7 名前:1.おちびさん 投稿日:2002年03月12日(火)18時06分40秒
カオリは希美ちゃんにあったかい紅茶を出した。
でも希美ちゃんはそれを飲まなかった。

希美ちゃんはずっと泣いていた。
いろいろ訊ける状態じゃない…。

「そうだ!希美ちゃん、ママに電話してみようか?」
希美ちゃんは伏せていた顔をあげた。
「…うん…。」

カオリはお姉ちゃんの家に電話をした。
さっきの電話、自宅からだったからまだ居るはず…。

プルルルル・・・プルルル・・・プルッ。
『ただいま、出かけております。発信音の後に、お名前とご用件をお話しください。』
ピー。

留守電だ…。
一応メッセージ入れとこう。

「お姉ちゃん?カオリだよ。希美ちゃんが家に来てるんだけど、
どういう事なの?これ聞いたらすぐ電話してね。じゃあね。」

カオリは電話を切った。
8 名前:1.おちびさん 投稿日:2002年03月12日(火)18時26分20秒
「希美ちゃん、ママ居なかったみたい。」
「え…?ママ、何処行ったのっ?ねぇ、ママ…は?」

希美ちゃんの目が再び潤む。

お姉ちゃんはこんな小さな子置いてどこ行ったのよ?
しかも子供にとっては特別な日なのに…。

今日はクリスマスなのに…。

クリスマスの日は、家族とみんなで御馳走食べて、ケーキ食べて、
プレゼント交換したり、ツリーを眺めたりさぁ。

そういう事、したいもんじゃないの?

「ママ、お仕事かな?」
「ふぇっ…ママァ…うわーん!!!」

ちょっとお姉ちゃん…。
カオリも困るよぉ。希美ちゃん可哀相じゃない…。

お姉ちゃん、何処行ったの?
9 名前:きてぃ 投稿日:2002年03月12日(火)18時50分38秒
( ´D`)いいらさん、普通パーティーはイブにするものれす。


10 名前:2.大きいお姉ちゃん 投稿日:2002年03月13日(水)11時25分35秒
ののはわくわくしながら飛び起きました。
今日はクリスマスれす。
サンタさんがプレゼントを持ってやってくる日れす。
亜依ちゃんはサンタなんかおらへんって言ってたけど、
ののはいると思うのれす。

だってほらぁ、枕のとこにプレゼントがありますよ。
去年より小さな箱ですけど、真っ赤な包装紙で可愛いれす。
ののはびりびりとやぶいていきました。
綺麗にはがせませんれした。

中には、マフラーと手袋が入っていました。
ののの好きなマイメロディーの可愛いのれした。
サンタさんはののの好きなものわかってるんれす。
サンタさんはすごいんれす。
11 名前:2.大きいお姉ちゃん 投稿日:2002年03月13日(水)13時30分55秒
ママにプレゼントをみしにいきました。
「ママ、見て!サンタさんからきたの!」
「あらあら、よかったね、希美。」
ママはにっこり笑いました。
でもママは少し元気がありませんれした。

ののにはわかるんれすよ。

今日から学校はお休みなのれ、亜依ちゃんのお家に行きました。
寒いのれ、マフラーと手袋をしていきました。
亜依ちゃんは可愛いって言ってくれました。
亜依ちゃんも可愛いもの好きなんれすよ。
でも亜依ちゃんにはサンタさんは来なかったんれすって。
なんでかな?

「亜依ちゃんが信じてないかられすよ。」

ののは言ってあげました。
12 名前:2.大きいお姉ちゃん 投稿日:2002年03月13日(水)13時45分33秒
亜依ちゃんの家で遊びました。
昨日の残り物だけど、と言われてケーキをもらいました。
ののは亜依ちゃんの半分の時間で食べちゃったので、
亜依ちゃんのママはびっくりしてました。

「ののはお菓子好きやねんな。」

亜依ちゃんは笑いながらいいました。

ののは幸せ者れす。
ママも、亜依ちゃんも、他のお友達もたくさんいるし。

パパれすか?
パパは、1ヶ月前くらい前にお家を出て行きました。
理由はののにはわかんないれす。
でもののはパパが好きじゃなかったからいいんれす。
だってパパは毎日ママをいじめてたんれす。

だから、パパがいないほうがママは幸せだし、
ののも幸せなんれす。



…なのにママ、どうしていつも泣いてるの…?
13 名前:2.大きいお姉ちゃん 投稿日:2002年03月13日(水)13時51分11秒
亜依ちゃんのお家を出て、ママの所に帰りました。
ののが門のところまできたとき、
ママは大きなダンボールの箱を持って、お家のドアを開けるところでした。

「ママ…?どこ行くの?」
「希美…寒いから、家に入ってなさい。」
「どこ行くの…?」
「コンビニ。すぐ戻ってくるから家に入ってなさい。」

ののは家に入りました。
ののの心臓はどきどきしていました。
なんれれしょう?
ののにもわからなかったんれす。

ママが、もう戻ってこないような気がしたんれす。
14 名前:2.大きいお姉さん 投稿日:2002年03月13日(水)14時02分38秒
ママは5分くらいでお家に帰ってきました。
ののは安心しました。
「ママ、おかえり!!!」
「ただいま。希美。」

もう外は真っ暗れした。
冬は暗くなるのが早いれすね。
5時れす。
でも、ママはソファに座ったまま、ご飯の支度をしません。
いつもだったら、このくらいからやり始めるのに。
疲れているんれしょうか?
のの、お手伝いした方がいいんれしょうか?

「ママ。今日のご飯はなぁに?」
「…。ごめんね。」
「?」

あの時、なんでママはののに謝ったんれすか……?
15 名前:2.大きいお姉ちゃん 投稿日:2002年03月13日(水)14時37分19秒
「希美に、お願いがあるの。」
「ほぇ?」
ママは何故か淋しそうににこっとしました。

「ママの妹のお家に行ってくれない?」
「お使い…れすか?」
「ううん。お泊りかな。ママ出掛けちゃうから。」
「…どれくらい?」
「………。」

ママはののに何も言わないで、ただ笑っているだけれした。

「希美、お願い。ゲームもマンガも、ぬいぐるみも、
好きなもの全部持っていっていいから。ここからも近いし。」

ののの一番好きなものは、
ゲームでも、マンガでも、ぬいぐるみれもないんれすよ。

ののは、ママが一番好きなのに。

ママはののが好きじゃないんれすか……?

「ののは行かない!!!」
16 名前:2.大きいお姉ちゃん 投稿日:2002年03月13日(水)15時34分58秒
「ののは行かない!ママといる!知らないお家にお泊りするなんて嫌ら!」
「希美…ママだって希美といたいの。
でも仕方がないのよ。ワガママ言わないで。ママのいう事きいて?」

いつもだったら、ののはすぐに行きます。
ママのいう事だってきけます。
だけど今日は、ママが遠くに感じました。
うまくいえないんれすけど、そんな感じがしました。

涙が流れてきちゃいました。

「ごめんね…希美…ママ、必ず戻ってくるから。」
「だけどののは嫌ら!ママといる!」

「希美!!!」

ママの顔は怖かったれす。
ののは泣きながら支度をしました。
水色のバックに、マイメロディのぬいぐるみと、マンガと、ゲーム、
大好きなモーニング娘。のCDを入れました。

あったかいコートを着て、一番大好きなオレンジのスニーカーを履きました。

「ママ、妹のマンションのとこまで行くからね。」
「…うん。」

ののとママはお家を出ました。
17 名前:2.大きいお姉ちゃん 投稿日:2002年03月13日(水)16時37分58秒
お家からは電車で3つで、すぐに着きました。
電車の中でも、ののは泣いていました。
向かいのおじさんに見られたくないので、下を向いて泣きました。
膝の上に涙が溜まりました。

「着いたよ希美。ほら、新しくて綺麗でしょ?」
「うん。」
暗くてよく見えなかったけど、新しそうな建物れした。

「3階の飯田さんだよ。ご飯のはんに、田んぼのた。」
「いいら?」
「うん。じゃあ、ママは帰るね。」
「………。」
ママは駅の方に歩き出しました。

ののは、ママの背中を眺めました。
大好きなママ。


ののは、ママを信じるれす。

「ママ!またね!」
ののは精一杯笑いました。
18 名前:2.大きいお姉さん 投稿日:2002年03月13日(水)16時59分09秒
ののは、マンションの前でずっと座っていました。
寒いれす。もうすぐ1月だから当たり前れすね。
 
ママの妹って、どんな人なんれしょう。
ママと似てるのかな?
綺麗かな、可愛いかな。
だけど、なんだか入りたくないれす。

やっぱり、ママがいないと淋しいれす。悲しいれす。
寒くて、もう我慢できません。

お家に入ろうかな…?
いいらさんの所に行こうかな…?

…ママは行きなさいって言いました。

ののは勇気を出しました。
19 名前:2.大きいお姉さん 投稿日:2002年03月13日(水)17時11分22秒
震える手で、ピンポンを押しました。
少しして、ドアが開きました。
「はーい?」

出てきたのは、大きいお姉さんでした。
髪が長いれす。美人れす。

「あっれぇ?何?こんな時間にピンポンダッシュ?ったく…。」
お姉さんはののより上の方を見ていて、
のののことが見えないみたいれした。

「あのぅ…。」
このままじゃいけないと思って、ののは言いました。

お姉さんはののの声に気付いたみたいで、下の方を見ました。

どちらさまですか?お姉さんは言いました。
寒くて、声が出なかったんれすけど、ののは言いました。
「いいらさん…れすか?」

お姉さんは何故かプッ。と笑いました。
まったく失礼なお姉さんれすね。

「つじのぞみれす。いいらさんは、ママの妹なんれすか?」
お姉さんはおっきい目をもっと大きくしました。

「なんか…、ママが…いいらさんの所に行きなさいって…。
のの、嫌らって言ったんれすけど、ママ…怒って…。」
涙が零れました。
なんれ?ののはもう泣かないって決めたのに…。

お姉さんはののの頭を撫でました。
おっきい手で撫でました。

「おうちに入って話そう…?」

ののはうんって言いました。
声には出なかったみたいれす。
20 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月13日(水)23時26分04秒
かおののの話を読むとなんかしみじみするのは俺だけか?
21 名前:とみこ 投稿日:2002年03月30日(土)09時29分16秒
>>20
いや、わたしもです。
かおののを見ると、ののがすごく小さく見えるのはわたしだけか?
22 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月04日(木)23時40分33秒
作者様、つづき待ってます。かおのの、ドキドキ
23 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年04月07日(日)20時28分44秒
かおのの好きな人って多いと思いますよ。自分もその一人だし。
とみこさんの言う通り、ただでさえちっこいののが、
いいらさんのとなりだとよりちっこく見えますよね(w
絶妙なタイトルだと思います。
作者さん、がんばってください!
24 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月29日(月)23時02分11秒
この組み合わせ、好きなんだけどな。
もう続かないのか…

Converted by dat2html.pl 1.0