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神様のプレゼント
- 1 名前:ごんた 投稿日:2002年03月12日(火)17時54分58秒
ごんたです。森板でも書かせて頂いてるんですが、見てもらいたいなぁ、
という作品ができましたので(全部じゃないですが)、新しく立てました。
よろしくお願いします。
- 2 名前:ごんた 投稿日:2002年03月12日(火)18時01分09秒
- ここは控え室。
「ごっち〜ん。」
「よっすぃー?」
ニコニコしている吉澤をみて、首をかしげている後藤。
「なに、よっすぃー。」
「ごっちん、好きだよぉ〜!」
「な、何いってんの、よっすぃ〜?!」
「赤くなってるごっちんかわいい〜!」
いきなり吉澤に抱き付かれて告白され、戸惑う後藤。
「ごっちんは、私の事好き?」
「好きだよ。」
「じゃ、おやつ食べよ。」
いつもの後藤のようなしゃべり方で話してくるので、後藤はかなり困っていた。
- 3 名前:ごんた 投稿日:2002年03月12日(火)18時16分33秒
「今日のよっすぃーおかしいよ?」
「おかしくないよ、全然。」
「(どうしたのかなぁ・・・なんか怖い・・・。)」
「ねえ、食べないの?」
誰がどう考えてもおかしかった。
「−−ってこれおつまみばっかじゃん。」
「そぉだよぉ?」
後藤は気が付いた。吉澤がお酒を飲んでいたらしいということに。
「お酒、のんだの?」
「ちょびっとぉねぇ〜。」
「ちょびっとって・・・。」
「ごっちぃ〜ん・・・!」
どうすればいいのかわからない。
- 4 名前:ごんた 投稿日:2002年03月12日(火)18時22分37秒
「っ・・・・!!」
「真っ赤、真っ赤、まっかっかぁ〜!」
「やぁっ・・・・。」
吉澤は後藤の胸をもみ始める。
「ちょ・・よっ・・・すぃ・・・!!」
完全にエロ親父となっている吉澤。
「おっきいねぇ〜・・・。」
「しっかりしてぇ・・・よっすぃ・・・ってば・・・。」
後藤は抵抗した。だが、力では勝てない。
「よっすぃ〜・・・・ヒック・・・ねぇ・・よっすぃ〜・・・。」
自分の好きな吉澤でなく、知らない吉澤。後藤にとって、しんらいしていた
吉澤がこんな風になってしまい、ショックだった。
- 5 名前:ごんた 投稿日:2002年03月12日(火)19時49分46秒
「おはようございまーすっ!!」
元気良く入ってきた辻は、吉澤を見て言った。
「・・・・!後藤さん、嫌がってるよ!」
「そんなことらいよね〜ごっちん。」
「やだよ・・・元に戻ってよ、よっすぃ〜!」
バシッと叩くと、その場に倒れてしまった。
「どうして・・・・?」
「よっすぃ〜は・・・お父さんと喧嘩したらしいのれす。」
「そうなの?!」
「だからきっと・・・・あんな風に・・・。」
吉澤は呟いた。
「・・・・お父さん・・・。」
かける言葉がなく、そのまま寝かす事にした。
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月12日(火)20時46分21秒
- なんかイイじゃねぇか!!
期待するぞオイ!
- 7 名前:ごんた 投稿日:2002年03月13日(水)18時25分14秒
>>6ありがとうございます。
ご期待に添えられるよう、頑張ります。
- 8 名前:ごんた 投稿日:2002年03月13日(水)20時51分23秒
「喧嘩って一体・・・。」
「成績が落ちたからだって・・・いってたのれす。」
父親という、存在_
後藤には、そんな存在はいなかった。
- 9 名前:ごんた 投稿日:2002年03月13日(水)20時56分30秒
「それだけで・・・・・喧嘩したの?」
「だれだってそうれすよ。」
信じられなかった。自分にとって、かけがえのない存在と、
いとも簡単に喧嘩するとは・・・・・・・・・。
「でも、なぐちゃったって言ってました。」
「そっか・・・・。」
羨ましいような、妬ましいような気持ちを抑える事が出来ず、
その場を出ていった。
「後藤さん?」
辻の声なんて、放心状態の後藤に届いていなかった。
- 10 名前:ごんた 投稿日:2002年03月13日(水)21時04分26秒
『お父さん、また行くのぉ〜?』
『そうよ、お父さん、忙しいんだから。』
『なんでぇー?真希も行くよぉっ!!』
『真希、お父さんが居なくなっちゃったって!神様にお祈りして!!』
『う、うん!』
『真希は、ずっといい子にしてました。これからも・・・これからもいい子に
してます・・・だから・・・だから・・・。』
けど、後藤の父親は―――――――――――
死体となって、発見された。
『神様なんて、もう信じないっ!』
それからだった。父親の存在を、いとおしく思えたのは・・・
居なくなって、初めて気付く、大切な気持ち・・・・
- 11 名前:ななし 投稿日:2002年03月13日(水)22時14分47秒
- 泣いちゃうよマジ
- 12 名前:ごんた 投稿日:2002年03月14日(木)17時20分07秒
ななしさん、ありがとうございます。
私の物語で泣いてくださるとは、感激です!!
これからもよろしくお願いします。
- 13 名前:ごんた 投稿日:2002年03月15日(金)18時25分49秒
よっすぃーには、お父さんと楽しい関係でいてほしい。
後藤には・・・叶わぬ夢だとしても・・・・
「ごっちん?」
誰かに呼ばれた気がして、振り向こうとした。だけど、泣いている所を見られたく
なくって、そのまま走って行った。
「お父さん・・・・。」
勢いで来た屋上の、なんと冷たい事か。
殺風景な屋上は、今の後藤にとって、麻薬のようなものだった。
「・・・どこ行ったの?」
フェンスに捕まり、泣き叫ぶ。
もう、真希の前には出てきてくれないの?
なんで?どうして?真希はいわれたとうりに夢を叶えたよ?
ソロデビューだって、したよ?それでも・・・駄目なの・・・・?
後藤は意識を失った。
- 14 名前:ごんた 投稿日:2002年03月15日(金)18時32分48秒
「ごっちん!」
私は屋上で倒れているごっちんを見つけた。
「ごっちん!ごっちん!」
「お父・・・さん・・・会いたい・・・よ・・。」
ゆっくり、ゆっくりと出てくる言葉に、とても深い意味があった。
子供のようなあどけなさが残るごっちんは、私にだけ垣間見せてはくれたけど、
今のごっちんは、とっても幼く見えた。
高鳴る、心臓。大好きな人が、こんなにもなにかに苦しんでる時に、
私は何も出来ない。それどころか、違う意味で緊張している。
悔しいけど、その誘惑に負けた。
そう、私は。
傷ついて倒れているごっちんに、セックスをしてしまったのだ。
- 15 名前:ごんた 投稿日:2002年03月16日(土)16時43分28秒
気付くと後藤は、控え室の畳の上に居た。
なんかとってもぐったりしてる。なんでだろ・・・・?
「ご、ごっちん起きたんだ?!」
何、後藤は起きちゃいけないわけ?あ、そーですか。
じゃぁ寝てますよ。
「zzz・・・・。」
「あれ?」
まったく、なんなんだよ、梨華ちゃんは。
あーあ、すっごくだるい。このままゆっくり寝よぉ〜っと。
- 16 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月16日(土)20時59分13秒
- やってしまったか吉澤…
しかしよしごまの二人を応援しる。
- 17 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月17日(日)00時36分36秒
- やってしまったのはよっすぃーなのだろうか?
気になる。更新楽しみに待っていますよ。
ごんたさん、頑張ってください。
- 18 名前:ごんた 投稿日:2002年03月17日(日)18時06分14秒
名無し読者さん:よしごま派ですか。実は私も前はそうだったんです。
果たして、後藤をやってしまったのは、よっすぃ〜でしょうか?
いしごま防衛軍さん:さぁ、誰でしょう?はい、頑張ります!
- 19 名前:ごんた 投稿日:2002年03月17日(日)18時13分04秒
今日は、あああああ!!
小川が相談に来てたんだぁっ!!それで、後藤が楽屋に携帯を
取りに行って、そしたらよっすぃーが入ってきて、そのまま忘れちゃった・・・あはっ
「梨華ちゃん、まこっちゃんは?」
「えっ?わかんないけど?」
やばい・・・。後藤は跳ね起きて・・・・・んんっ?!
「な・・・・なんで・・・?」
なんか、その・・・つまりアソコが、ジーンとしてるぅ?!!!
これってやっぱ・・・したってことだよね?まさか、夢精?!!
綾小路文麿とかやってるから、体も男になっちゃったのぉーーーーー!
今、気付いたんだけど・・・・・・・・
梨華ちゃんの顔、妙に赤い。
- 20 名前:ごんた 投稿日:2002年03月17日(日)18時16分18秒
え?え?後藤まさか梨華ちゃんを押し倒したの?!
だからよそよそしいわけ?
「ごっちん?」
どうしよう・・・・まずい、まずいぞぉ!!
「梨華ちゃん、ごめんっ!!」
「え?」
後藤はその場を飛び出して、トイレに駆け込んだ。
- 21 名前:ごんた 投稿日:2002年03月17日(日)18時23分32秒
どぉしよ〜!
「ごっちん、なんて顔してるべさ?一応アイドルだべ?」
「な・・・なっち・・・(一応って)」
「なんかあったの?」
「その、言いにくいんだけど、梨華ちゃんをね・・・。」
「泣かしたんだべかっ!」
「それならまだいいんだよ。犯しちゃったっていうか、押し倒しちゃった・・・・
みたいなんだよ・・・。」
なっちは呆然としている。
「なっちを・・・なっちを差し置いて?」
「ごめん!なっち、梨華ちゃん好きなんだ?ごめんね!」
「違うっ!なっちはごっちんが好きなんだべさっ!!」
そういうと、後藤をトイレの個室に押し込んだ。
まさか・・・・・・。
「なっちも、ごっちんとしたいさ。」
「はぁっ?」
「梨華ちゃんとしといて、なっちは駄目なの?!」
そうじゃなくてぇ・・・。よっすぃーの喧嘩の事とかもあるのにぃ・・・。
「ごっちん涙目だべさ。かっわいいー!」
「違うよぉ・・。」
誰か、助けてぇ・・・!!
- 22 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月18日(月)00時41分45秒
- うおーなっちも参戦ですか。さらにおもしろくなってきました。
でも、ごっちんを犯したやつが気になる。
梨華ちゃんは何か知っているのだろうか。
- 23 名前:ごんた 投稿日:2002年03月18日(月)18時13分00秒
いしごま防衛軍さん:なっちも加わって、どうするごっちん?!ですね。
犯したのは誰でしょう?そしてなぜ石川の態度が
よそよそしいのか?謎はすべて更新にかかってると思うと
プレッシャーが・・・・。
- 24 名前:ごんた 投稿日:2002年03月18日(月)18時24分51秒
「んっ・・・・!!」
強引なキス。けど、それだけで後藤は感じちゃう・・・。
なっちの手が、服の中に入ってきた。
「なっち・・・はぅぅ・・だめぇ・・・。」
「もう感じてるんだべか?厭らしいべ、ごっちん♪」
そういってブラジャーのホックをいとも簡単に外す。
なれてるの?
「ふぁ・・・・やっ・・・そこ・・・やめ・・て・・・。」
「ごっちん、とんがちゃってるベさ。フフフッ。」
もうなっちの行為が上手すぎて、どうやっても感じちゃう・・・・。
愛液の量もふえてるぅ・・・。抵抗できない・・・。
- 25 名前:ごんた 投稿日:2002年03月18日(月)19時10分43秒
- 「んはぁっぁ…だめ…っ…んぁああぁ……はぁぁぁっぁんんん」
なっちがいきなり後藤のアソコに指を投入した。
「はぁっぁ…だめ…っ…んぁ……はぁっぁん」
ついに、後藤は。なっちの胸の中でイッてしまった。
- 26 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月18日(月)21時44分36秒
- ごっちん犯されまくり(w
- 27 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月19日(火)00時40分48秒
- ごっちんがー。梨華ちゃんが気になる。
- 28 名前:ごんた 投稿日:2002年03月19日(火)15時35分14秒
名無しさん:そうなんです。犯す方が大いんですけど(小説の内容的に)
おかされてる方がいいかな、と思いまして。
いしごま防衛軍さん:毎回毎回本当にレスありがとうございます。
石川はこの後重要な役になっているはずですので、
もう少しお待ちください。
- 29 名前:ごんた 投稿日:2002年03月21日(木)19時54分29秒
顔を真っ赤にして後藤はトイレを出た。
「ごっちん、可愛かった!」
「そういう問題じゃないよぅ・・・。」
ぐったりしてなっちに寄り掛かっていると、梨華ちゃんが来た。
「ぁ・・・。」
上手く声が出せず、掠れた声になった。
「ごっちん、話があるの。」
「今?ちょっと、疲れたんだけど・・・。」
「二人でなんかしてたの?」
「いやっ!なにもっ!」
敏感に反応しちゃって、しかたなく梨華ちゃんにもたれて歩き、
ロビーに着いた。
- 30 名前:ごんた 投稿日:2002年03月21日(木)19時57分56秒
ごっちん、すごい疲れてるみたい。
肩にもたれかかってるごっちんの横顔は、とってもカッコ良かった。
改めて私はごっちんがすきなのだと分かった。
「ごめん・・・なんか・・・迷惑かけちゃって・・・。」
「いいよ!私が用あったんだし。」
「で、話って、なに?」
よし、言うぞ!
- 31 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月23日(土)00時04分09秒
- 何を言うんだぁああ(w
- 32 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月23日(土)01時36分16秒
- 梨華ちゃん頑張れ!!ありゃーなっちはどうなったんや。
ごっちんがどんな返事をするのか楽しみや。
ごんたさん、頑張ってください。
- 33 名前:ごんた 投稿日:2002年03月23日(土)09時39分53秒
名無し読者さん:ありがとうございます。今まで一番気にかかっていたで
あろう事を話すのです。
いしごま防衛軍さん:ありがとうございます。何を言うのかわかりましたか?
後藤はどんな返事を・・・
- 34 名前:ごんた 投稿日:2002年03月23日(土)09時47分32秒
「実はね・・・・その・・・。」
「うん?」
いっつもクールでカッコイイ存在が、私をまっすぐに見ている。
「ごっちん、屋上で・・・・。」
「屋上で?」
言えない!言えないよっ!だって、言ったら嫌われちゃうもん!!
嫌われたくない・・・
「あぁ、後藤が倒れてたの、運んでくれたのは梨華ちゃん?」
「え?!う、うん。」
「そっかぁ〜ごめんね?重かったでしょ。」
「そんなこと・・・。」
やっぱり言えない。
「そのこと?」
「うん、平気かなぁって。」
「もう平気だよ。」
- 35 名前:ごんた 投稿日:2002年03月23日(土)14時50分15秒
「でさ、後藤、梨華ちゃんの事押し倒しちゃったのかな・・・・?」
「え?」
「なんかね、言いずらいんだけど・・・しちゃった?」
「ううん、私の・・・方だから・・・。」
「えぇっ?!」
「私が、ごっちんを押し倒したの。ほんとに、ごめん!!」
「そう・・・だったんだ・・・・。」
ごっちんは真剣な顔をして、言った。
「後藤の事、どう思ってるの?好きだから?それとも、成り行き?」
「好き・・・だから・・・。」
「好きだからって、していい事といけない事があるでしょ?」
「ごめん・・・。」
「・・・後藤はさ、梨華ちゃんが好きなんだよ?けど、仕事とかあるから、
そういう関係はまずいかなって思って・・・なのに・・・。」
「ごっちん?」
「そんなことしたって言われたら・・・どうすればいいか・・・わかんないじゃん・・・。」
私に抱きつき、涙を流すごっちん。
- 36 名前:ごんた 投稿日:2002年03月23日(土)15時00分03秒
いっつも、どんな事にも応じないごっちんが、平気そうなごっちんが、
娘。のなかで一番強いごっちんが・・・・私の胸の中で、泣いている。
もしかしたら、心が一番不安定なのは、ごっちんなのかもしれない。
相談とか悩みとか、そっけないけど、ちゃんと聞いてくれるし、
新メンバーの面倒だって良く見てくれてる。
だから自然と、ごっちんは強いものだと決め付けていた。
- 37 名前:ごんた 投稿日:2002年03月23日(土)15時10分40秒
けど、そんなわけないんだ。だって、まだ16歳だよ?
悩みとかいろいろある年頃なのに。それに、子供にとっての大きな存在、
お父さんが亡くなってる。いろいろ周りに気を遣って、自分のことは、
あと回し。だから、カメラに移ってない時は、疲れたような顔してるんだよ。
それなのに、ごっちんは。私に対して、『好き』っていう感情をもっていても、
それでは私が仕事しにくいだろうって、押し殺してくれてる。なのに、私は。
そんなこと、ごっちんのことなんて何一つ考えずにいた。
今だって、泣いているごっちんを、こらえきれなくなって、誰かをたよりに
したいであろうごっちんに、何もできない。
・・・・・悔しい。こんな自分なんか、大嫌い・・・
ごっちんにばっか、辛いおもいさせて。
「ごめん、梨華ちゃん、困ったよね?もう、そんなこと言わないから。
本当にごめん。」
そういうと、涙を拭きながら走って行ってしまった。
追いかけようと思った。けど、追いついた所で、今の私に、何が出来る?
「私って、サイテーな女なんだな・・・。」
そのばで泣き崩れた。
- 38 名前:ごんた 投稿日:2002年03月23日(土)15時14分08秒
ごっちんと梨華ちゃんは両思いでした。
けれどごっちんは、気を遣う癖が出て、素直に言う事が出来ず、
結局梨華ちゃんまでもが深く悩む事に。
更新が不規則ですが、これからもよろしくお願いします。
- 39 名前:ごんた 投稿日:2002年03月24日(日)18時45分49秒
後藤は、控え室に戻った。
「ごっちん?」
「あ、よっすぃー。」
椅子に座って、音楽を聞く。
【あるがままの心で生きられぬ弱さを
誰かのせいにしてすごしてる
知らぬ間に築いていた自分らしさの檻の中で
もがいているなら
僕だってそうなんだ
】
「・・・・・。」
「ごっちん、泣いてるの?」
「・・・え?」
知らぬ間に、泣いていた。
【 愛情ってゆう形のないもの
伝えるのはいつも困難だね 】
まったく、だよ・・・・・。
- 40 名前:ごんた 投稿日:2002年03月24日(日)18時51分46秒
困難だから・・・・こんなにも傷つくんだよ・・・
後藤も梨華ちゃんも・・・とっても、大きな傷が・・・・
「なんかあったら、言ってよ。いつも相談してばっかだからさ。」
「・・・・ありがとぅ・・・よっすぃ・・・・。」
いま、後藤にとって頼れるのは。よっすいーだけなんだなぁ・・・・。
ね、市井ちゃん・・・・。
- 41 名前:悲しみの仮面 投稿日:2002年03月24日(日)18時59分17秒
――――――
「いいか、後藤。お前、今までいろんな人に迷惑かけてきた。
市井だってそう。けど、後藤はまだまだこれから。新メンバーや、
スタッフさんに、明るく元気に対応しろよ。」
「うん!」
「なっちだって、矢口だって裕ちゃんだって・・・みんな心配
してくれてんだから。これ以上、気を遣わすな!」
「わかった!」
そして、渡されたのが、カセットテープ。
「なぁに、これ?」
「ミスチルの曲。いいなって思った歌詞が入ってる曲ばっかだからさ。
大事にしろよ?」
「うん!じゃあね、市井ちゃん!!」
市井ちゃんと、笑顔で別れる事が出来た。
だっていつかまた会える・・・そう単純に考えていたから・・・・
- 42 名前:悲しみの仮面 投稿日:2002年03月24日(日)19時03分17秒
「後藤さん、後藤さん!」
「なに?」
「これ、見てください!!」
「ん〜?ゴキブリだねぇ・・・・。」
「驚かないんですか?」
「うん。それより、やぐっつぁんの背中に・・・。」
「はいっ!わかりましたっ!」
ゴキブリのおもちゃは、やぐっつぁんの背中に張りついている。
「いやぁー!!」
「あははっ。」
- 43 名前:ごんた 投稿日:2002年03月24日(日)21時58分23秒
ごんたです。サブタイトルを『悲しみの仮面』としました。
市井ちゃん、遠距離恋愛をテーマに!!
さっそく、使います!!明日から・・・・(w
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月25日(月)00時41分07秒
- >>43
いいタイトルですね。
そういえば昨日のMUSIXで久しぶりに
ごっちんがいちーちゃんて言っているのが見れてよかった。
- 45 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月25日(月)01時33分02秒
- ごっちんを犯したのは梨華ちゃんだったのか。
二人両思いなのになんか切ないですなあ。
- 46 名前:ごんた 投稿日:2002年03月25日(月)11時11分52秒
名無し読者さん:ありがとうございます!お気になんですよね、このタイトル。
市井ちゃんって響きはやっぱいいものですね。
いしごま防衛軍さん:梨華ちゃんだったんです。二人とも、すれ違いが
多いんですよね。
そして、ザッピイみましたか?!ごっちんと梨華ちゃんが並んでるんです!!
よっすぃーはちょっと離れてるし!もう最高ですよ。
- 47 名前:悲しみの仮面 投稿日:2002年03月25日(月)11時22分52秒
「辻、どうした?」
「後藤さぁん・・・いいらさんがいないんれすぅ・・・。」
「よしよし、じゃ、変わりに後藤が見ててあげるから。もう泣かないで。ね?」
「はいっ!!」
辻のダンスを見ていると、なんか入りたての頃を思い出す。
あの時は、ほんっと楽しかった・・・今だって楽しいけど、でも・・・。
「後藤さん、どうしたんですか!?」
「ん?」
知らぬ間に涙が出てきた。昔の事ばっか考えるのは、辞めるって決めたのに・・・・
「ごめんなさい、下手でしたか?」
「ううん、ちょっと思い出してね、いろいろと。」
「・・・?」
「ごめんごめん、心配しないで。さ、続けよう。」
寂しいよ、市井ちゃん。
- 48 名前:悲しみの仮面 投稿日:2002年03月25日(月)11時29分35秒
「ごっちん、ちょっといいかい?」
「あ、うん。」
帰り、後藤はなっちと食事に行く事になった。
「平気かい、なんか辛そうだけど。」
「大丈夫だよ、ありがと。」
「紗耶香がいなくなって、なんか大人になったよ。ごっちんは。」
「へへっ。そう?」
なっちが喜んでくれてる。市井ちゃん、後藤、大人になったよ!!
「けど、今のままでいくと、いつかごっちんは倒れちゃうべ。」
「なんで?」
「周りに気を遣いすぎなんだべさぁ。もうちっとおだやかに。
なんか、見てて痛々しいよ。」
今の後藤は、痛々しい姿なの・・・・・?
- 49 名前:悲しみの仮面 投稿日:2002年03月25日(月)11時39分44秒
「なんていうか・・・悲しさを押し殺してる姿が逆に辛そうで、悲しくて・・。」
頭の中が、真っ白になった。
「まわりに気を遣わせないようにしてるのは、すごく良く分かる。
新メンバーにもすっごく優しくして、成長したって思うよ。でもね、
後藤自身の本来の笑顔が、最近ずっと見れなくてかなしいべ、みんな。」
本来の、笑顔・・・・。
「辛かったら辛いっていっていいんだよ?ファンだって、みんなだって、
ごっちんの無邪気な笑顔を見たいって思ってるよ。だから、ね?
そんな悲しい仮面なんか脱いで、本当のごっちんに戻ろうよ。」
みんなに、余計心配させてたんだ・・・。後藤って、馬鹿だなぁ・・・・・。
- 50 名前:悲しみの仮面 投稿日:2002年03月25日(月)11時45分00秒
「みんな、待ってるよ。ごっちんの笑顔。」
そういうと、なっちは帰って行った。
悲しいから・・・・後藤は、仮面を被ってたんだ・・・・。
それを、市井ちゃんのせいにして。
「後藤はもう、疲れたよ。」
そうだ。これからは、本当の後藤を出していこう。
誰にも捕らわれずに、自分自身のために。後悔が、ないように・・・・。
だから、見守っててね。市井ちゃん。
- 51 名前:悲しみの仮面 投稿日:2002年03月25日(月)11時57分47秒
――――――――
またよっすぃーの悩みを聞こうと思う。けどね、なっちにいわれたその日から。
大切な友に、泣いて欲しくないから。相談に乗ってるんだ。
けどね、たとえどんなに傷つこうが、友達に話せば癒される事もある。
だから、このことは仮面の後藤なんかじゃないからね。
- 52 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)13時35分18秒
吉澤は後藤を抱きしめたまま、黙ってしまった。
「・・・・。」
無言のまま、抱きしめ合っていると、携帯がなった。
「ごめん。」
吉澤だった。携帯を取り、話している吉澤を見て、少しほっとする。
だが、つかの間の間だった。
「なんで、なんでそんなことしなくちゃいけない訳?!」
「よっすぃー?」
「私は、お父さんの召し使いじゃない!!自分の思った通りにしたいの!!」
そう言って携帯を切る。
「お父さんと・・・なんかあったの?」
「何も・・・。」
あえて言わなかった。後藤が父親の話を聞きたくないだろうと。
「けど・・・。」
「なんでもないのっ!!それより、ソロの仕事あるんじゃないのっ?!」
控え室を出て行き、部屋には後藤だけになった。
「一体、なんなの?よっすぃー・・・・。」
自分が変な事をいった訳でもない。ただ、吉澤を楽にしてあげたかった。
だがそれが今の吉澤には余計なお世話だったのだ。
- 53 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)13時39分44秒
「潰させはしない・・・・。」
怒りに燃える吉澤は、その様子を石川が見ていた事など、微塵も気が付かなかった。
潰す・・・これはモーニング娘にとって、最大の試練であった。
「一体何を潰そうとしているの?」
石川の胸に、過ぎる不安。
この場に後藤がいたら、どれだけ安心するのだろうか。だがもう、自分は
後藤に頼らないと決めたばかりだった。
- 54 名前:ごんた 投稿日:2002年03月25日(月)13時42分29秒
ごんたです。『砕け散る秘密』では、ちょいとよっすぃーメインです。
ですが、私の方針〇〇〇〇は永遠に変わりません!!(W
- 55 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)19時31分20秒
「絶対に・・・!!」
そういうと何処かへ消えてしまった。
「おかしいよ。絶対になんかある。」
石川は追跡を始めた。
「まず、飯田さんに話して・・・それでっと。」
ブツブツ言っている言葉を、できるだけ聞き取ろうと努力した。
「そういえば、よっすぃーって謎が多いんだよなぁ・・・。」
幸い自分の仕事はもう無いので、そのまま着いて行けた。
- 56 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)19時35分56秒
「あの、飯田さん、話があるんです。」
「なぁに?」
「明日から、3日間やすませてください!!」
「な、ちょっとどうしたの?!」
「理由は聞かないで下さい。お願いします。」
「う〜ん・・・。明日はオフだからいいけど・・・。そんなの無理だよ。」
「なら、飯田さんは娘が・・・!!」
「娘が?」
「なんでもないです、すみませんでした。そういう事ですので。」
「ちょっと?!」
走って去って行く吉澤は、つんくの元へ行こうとしているのだった。
- 57 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)19時47分27秒
つんくの部屋から出てきた吉澤は笑顔だった。
「よぉし、やってやる!!」
石川はもう我慢ならなかった。
「ごっちん!!大変だよっ!!」
「何が?」
「えっとその・・・。」
さっきの出来事が出来事だったために、上手く話せなかった。
「なんなの?急用でしょう?早く言って。」
「あ、うん。よっすぃーが3日間仕事休むみたいなの!!」
「なんで?」
「わかんないっ!けど、なんかいやな予感がするの。」
後藤は悩み始めた。
(よっすぃーのさっきの行動から見て、お父さんとまたトラブルがあったと言える。
休む、後藤に言わない、内緒にしようとする・・・。そうかっ!!)
「梨華ちゃん、全員いったん集合させて。後藤はソロの仕事行ってくるから、
夜の9:00にロビー集合。オッケー?」
「う、うん。」
ちょっとだけ、吉澤に焼き持ちを焼いた。だって、ちょっとのキーワードで
分かってしまうほどの仲なのだから。
- 58 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)19時58分37秒
「待ってっ!」
「え?」
「行かないで・・・。」
「ど、どうして?」
石川は泣き始めた。
「ちょ、梨華ちゃん・・・。」
「だって・・ごっちん・・・よっすぃーと・・ばっか一緒にいて・・・。」
「それは・・。」
「やっと二人きり・・なのに・・・。」
「あぁ、うん。」
戸惑っている後藤は、仕事の事をすっかり忘れてしまった。
「わかった、わかったよ。一緒にいるから。ね?」
「うん。」
- 59 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)20時11分41秒
後藤は、石川を抱きしめてやった。
「ごめん、ごめんね・・・?」
「ごっちぃん・・ひっく・・・だってぇ・・・。」
「ずっと傍にいるから。ね?だからもう泣かないで。」
頭をなでながら、後藤は自分にもそう言い聞かせていた。
(これからは、ずっと一緒に・・・ずっと、ずっとだよ?)
待ち遠しかった、二人だけの時間。
誰にも邪魔されたくなかった。なのに―――――
- 60 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)20時16分17秒
「ごとうさーん!時間でーす。」
「あ、はいっ。」
「いかないでよぉ。」
「だけど・・・。」
石川は後藤の胸に抱きつくような格好で、襟をグッと掴んだ。
「梨華ちゃん、仕事終わったらすぐ戻ってくるから。」
「・・・うん。」
「えっ?!」
石川は後藤の首に深く吸い取るようなキスをした。
「り・・かちゃぁん・・・。」
「約束だよ?」
「うん。」
- 61 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)20時26分10秒
「真希ちゃん、首に痕付いてるよ。」
「えっ?!」
「一体何してた訳?」
「そのぉ・・・。」
「いい?あなた、芸能人なのよ?!交際なんて、いいわけないでしょう!」
「いや、そうじゃなくて・・・。」
「仕事終わったら、真っ直ぐ帰る事。」
「そんなっ!!今日は予定が・・・!!」
「つべこべいわないっ!!」
その日の仕事は、とっても不機嫌な顔で終わった。
「坂口さん、連れて行ってあげて。」
「一人で帰れますっ!!」
結局坂口スタッフと一緒に控え室へ。
- 62 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月25日(月)20時37分51秒
「はぁ・・。」
後藤は石川の言葉を思い出していた。
『だって、ごっちんよっすぃーとばっか一緒にいるんだもん。』
『行かないで・・・。』
「真希ちゃん、早く帰るよ。」
「やだ・・・。」
「真希ちゃん!!」
「うるさいっ!!交際なんてしてない!!勘違いしないでよ!!」
「なっ。」
「だいたい、子供じゃないんだよ!!一人で出来る事はしたいのっ!!」
- 63 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月26日(火)11時01分13秒
- どーなってくんだーーー(w
気になります(w
- 64 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月26日(火)19時10分09秒
- ごっちんは梨華ちゃんとの約束を守りたいから怒ってんのかな?
この後が楽しみだ。よっすぃーも気になるなあ。
- 65 名前:ごんた 投稿日:2002年03月27日(水)16時20分44秒
名無し読者さん:どうなっていくんでしょうか?ごっちんの考えはよっすぃーの
考えとあっているのか?待っててください。
いしごま防衛軍さん:そうですね。頼りにされているとわかった今、それを裏切る
ことは出来ないでしょうから。楽しみにしてください。
よっすぃーの事情はなんなんでしょうか?
申し訳ありませんが、作者の体調が悪いため、更新はもうしばらく
お待ちください。m(_ _)m
- 66 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月28日(木)13時43分24秒
「自由をどれだけ奪えば気が済むのよ!!」
「芸能人だからあたりまえでしょ。」
「なにも・・・なにも知らないくせにっ!!」
「真希ちゃん!」
坂口に叩かれた。
「私だって・・・私だってホントは・・・!!」
「?」
「本当は、本当は・・・。」
なにかを言いかけて、その場を飛び出した。
「ちょっと!」
「後藤は・・・ほんとは・・・なのに・・・みんなちっとも・・・信じてくれない・・・。」
ロビーに行くと、みんな待っていた。
「ごっちん?」
恥ずかしかったけど、約束は守れた。後藤はその場にしゃがみこんだ。
- 67 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月28日(木)13時50分50秒
「よっすぃーのお父さん、多分娘を潰そうとしてる・・・。」
「「「よっすぃーを?!」」」
「違う、うちらだよ、モーニング娘。」
後藤は、息を整えていった。
「それくらい権力あるから・・・。」
「やばいじゃん、どうしよう?」
「成績落ちただけで・・娘殴って、潰すなんて・・・。」
「けど、よっすぃーも殴ったのれす。」
吉澤の、意外な秘密。
- 68 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月28日(木)13時56分52秒
「後藤は、食い止めに行く。」
「まじで?」
「たとえ、辞めさせられても、あっちが悪いんだ!」
「ごっちん、危険だよぉ。」
「けど・・・梨華ちゃん、負けたくないよ、大人なんかに。」
「ごっちん・・・。」
決心は固かった。
「人の事、聞かないで、噂にいろいろくっつけて・・・使いたい放題つかって
ぽいかよっ!」
後藤は走って消えていった。
- 69 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月28日(木)14時10分58秒
「よっすぃーにそんな事情があるなんて・・・。」
石川は後藤を追いかけた。
「!」
玄関を出た脇の、池の辺りで、誰かと喧嘩している。
「誰だろう・・・。」
よーく、耳を澄まして聞いてみる。
「だからっ!行く所あるのっ!放してっ!」
「どこ行くのよ!!」
「何処だっていいでしょ?!緊急なんだから!」
「どうせジュニアとあうんでしょ?」
「・・・・!!」
後藤の顔つきが変わった。
「ジュニアだぁ?ふざけんなよ!あんなお坊ちゃまと一緒にしないでよ!!
私は梨華ちゃんと付き合ってるの!!別れるつもりなんて、いっさいない
んだから!!それに・・・!!」
唾を飲み込み、思い切って言った。
「ピアスだって、後藤がしたくてしたんじゃないんだよ!!」
「じゃあ、なんでしたのよ。」
「それは・・・。」
言えなかった。言うのは簡単だが、今までしてきたことがパーになる。
それに、あの人だって・・・・。
- 70 名前:ごんた 投稿日:2002年03月28日(木)14時13分42秒
ほんのちょっと更新です。あぁ、頭がクラクラ・・・。
辛い・・・。でも、ごっちんも辛い・・・(意味不明。)
時間があれば、明日も頑張って更新します。
- 71 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月28日(木)18時32分28秒
- うおーごっちん最高です!!
ごっちんもつらいんですな。一生懸命すぎる。
もっと梨華たんに甘えてはどうだろうか。
娘。はどうなってしまうのか気になる。
ごんたさん、無理せず頑張ってくだされ。応援しておるぞ。
- 72 名前:ごんた 投稿日:2002年03月29日(金)13時34分19秒
いしごま防衛軍さん:最高ですか?嬉しいです!!ごっちんはカッコイイ感じ
と可愛い感じの二つもってるんで、書くの大変なんですよね。
ごっちんがぼろぼろになる前に、梨華ちゃんが救わなくては!
ご心配おかけしました。なんとか熱も下がってきたみたいです。
- 73 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月29日(金)13時56分59秒
「馬鹿馬鹿しい!だいたいそんな嘘とおると思ってるの?」
「っ・・・・!」
石川は感じた。後藤の殺気を。このままではまずい。
「ごっちん!待ってよ!」
「梨華ちゃん?!」
「こんな所で殴ったら駄目だよ!!」
「だけどっ・・・!」
「お願いだから・・・お願い・・・。」
「・・・・。」
坂口は、安心していった。
「石川が居なかったら、あなた脱退しなくてはいけなかったかもね。」
「・・・・・。」
「ちょうど良かったかもしれないけどね。人気下がってるし。」
「そんなことっ・・・!!」
「いいよ、梨華ちゃん・・・帰ろう。」
フラフラと立ち上がり、中へ入っていった。
「けど・・・!」
「いいんだよ。理解しようとしない者に、いくら言っても無駄なんだから。」
坂口は怒って、後藤に殴り掛かった。
- 74 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月29日(金)14時06分33秒
「なにやってるんです?!坂口スタッフ!」
飯田が見たものは、坂口が後藤を押し倒し、殴ろうとしている所であった。
「ごっちん!!ちょっと、なにするんですかっ?!」
「真希ちゃんがいけないのよ。」
「後藤は心が奇麗な子です!記者が見てるのは、仮面の後藤なの!!」
「え・・・?」
「昔は、その逆だったけど・・・今はわざと悪い後藤真希を見せてるの!」
「そんなわけないじゃない!」
後藤に視線が集まる。
「そうだよ。後藤は、いままで仮面を被ってきた。本当はそんなことしたく
なかったけどね・・・・。だから、辞めようと思ったんだ。自分のままで、
素でいたかった。そしたら、素になったとたんに色々変な事言われたんだよ!
だから・・・理解してくれるメンバーにしか、本当の後藤は出さなかった。」
俯いて喋る後藤を、悲しそうに見ていた石川だが、急に後藤に抱き付いた。
- 75 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月29日(金)14時15分47秒
「梨華ちゃん・・・?」
「辛かったんだね・・・ごめんね・・・気付いてあげられなくて・・・・。」
「いいんだよ、もう。終わった事気にしてどうすんのさ。」
そう笑いかけた後藤の笑顔は、今までにない、安心したような顔をしていた。
「けど、まずはよっすぃーからだよ。急ごう。」
「もう何も言わないわ。気をつけていってらっしゃい。」
坂口は去っていった。
「それにしてもずるいよ、石川。カオリだって後藤に抱き付きたい〜。」
「「えっ?!」」
「なぁに、二人して嫌そうな声だして!ひどい!こうなったら、キスしてやるぅ!」
「やめてぇ〜〜〜〜〜!!」
もがく後藤を押さえつけ、とうとう・・・・
「いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
石川は飯田を睨み付け、後藤から放した。
「私のごっちんを取らないでっ!」
後藤争奪戦によって、吉澤の事をすっかり忘れる二人。
「ねぇ〜、よっすぃーの事はどうするのぉ〜?」
「「ごっちんは黙ってて!!」」
「・・・はい。」
- 76 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月29日(金)16時16分04秒
吉澤について、もっと深く知るためにつんくの元へ行った。
「そんなわけないやろ。5期メンが入る時にいろいろ手を貸してくださったんやで?
いくらなんでも、「娘。」そのものを潰す事はないと思うんやがな。」
「え?」
「じゃぁ、よっすぃーは?」
「吉澤はそれを知らん。せやから3日の休みをとったんやと思う。」
「マジ?潰すって事は・・・。」
「多分・・・考えたくないけど後藤、お前が今一番危険や。」
「私が?」
「大人は子供が嘘ついたり悪いことするとどうする?」
「えっと・・・好きな番組見せてくれなかったり、遊ぶ事を禁止させたり、
食事抜きとか・・・。」
みんなが次々に答えていく。
- 77 名前:砕け散る秘密 投稿日:2002年03月29日(金)16時24分11秒
「せやろ。みんな、大切な物や。吉澤にとって、「娘。」自体と同じくらい
大切な物・・・それは後藤、お前なんや。」
「・・・・。」
「これからが大変や。まぁ、ある意味後藤で良かったというか・・・。」
「なんでですか?」
「喧嘩っ早いのはまずいけど、強いからまず変な事はされへんし、逆に相手が
参るかもしれへんもんな。」
「複雑・・・。」
石川は知っている。本当は、弱いという事を。
「喧嘩が強くても・・・。」
「大丈夫。梨華ちゃんが傍にいてくれれば。」
小声で言ったつもりが、後藤には聞こえていた。
先程、痛いくらい痛感した後藤の心理。
「私が、助けてあげなきゃ・・・・。」
石川は決心した。
- 78 名前:ごんた 投稿日:2002年03月29日(金)16時29分39秒
続いての副題は、『風にゆらぐ炎』です。
ここを紹介した友達が風板で書いている《大切な気持ち》にも
登場しますが、本人の了解を得ています。
- 79 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)16時35分57秒
次の日。
「ごっちぃ〜ん、早く!」
「起きるのはやいよぉ〜・・・。」
石川は後藤の家に来ていた。
「一人暮らしだって言うから来てみれば、ホンとになにもないじゃん!」
「ピンクの物がないだけでしょ!」
後藤は(新曲の時に安倍が着ているような物)に着替えてテーブルに向う。
「うわっ、タカが泡吹いてるよ!いったいなにあげたの?」
「え?石川特製スペシャルドックフードだよ。」
「・・・・これ、ソバメシチャーハンじゃんかよっ!!」
「似てるからいいかなって。」
「よかないっ。タカ、大丈夫?」
後藤は犬のタカを抱っこする。
- 80 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)16時40分42秒
「クウ〜ン・・・。」
「よしよし、もう大丈夫だからね。」
後藤はタカを撫でていた。
「いいなぁ〜・・・。」
「は?」
「タカが羨ましい。」
「なに、梨華ちゃん犬になりたかったの?」
「違うよ、愛されてていいなぁって。」
後藤の動きが止まった。
「・・・・(汗。」
「何が言いたいか、わかる?」
「な、なんとなく・・・。」
石川はニタ〜っと笑うと近づいてくる。
- 81 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)16時45分54秒
「ごっちん♪」
「朝から・・・?」
「そうだよぉ〜だって愛して欲しいんだもん。」
チュッ。
「はい、お終い。」
「違うよ、その先!」
「やっぱ・・・(汗。」
後藤は石川の事は大好きだが、どうしてもそういうのは苦手だった。
じりじりと迫られる石川に対し、それに比例して下がる後藤。
「やめよう、ね?」
「い・や・だ。」
ピルルルルル・・・・
- 82 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)16時52分04秒
「はい・・・(梨華ちゃん、睨まないでぇ〜)」
≪後藤?大変、公園に来て!≫
「どうしたの?」
≪誰かに追われてるの!!≫
「すぐ行く。篠原公園だね?」
後藤はコートを掴み・・・。
「梨華ちゃん、カオリが大変なんだ!行ってくる!」
「私も行くよ!」
「だめ、危ないから!」
「けど・・・。」
後藤は石川の唇に、自分の唇を重ねた。
「安心して。じゃ、行ってくる。なんかあったら、連絡するから。」
後藤は出ていった。
「ごっちん・・・。」
石川は置いていかれた事よりも、後藤の身の危険を感じ、震えていた。
「お願い・・・無事に戻ってきて・・・。」
- 83 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)17時00分27秒
「カオリ?!どこ?」
「いないよ。」
「え・・・?」
後ろから誰かに捕まえられた。
「罠・・・?」
「気付かなかったのか?追われてるのに、わざわざ公園なんかで待ちあわせ
しないだろうよ。それに、誰かってわかるはずだろ。」
「・・・放して・・・。」
「無理だね。ご主人様の命令ですから。」
「そんなの・・・。」
「お嬢様が一番大切な存在としているのはあなただ。よって、あなたを捕らえれば
お嬢様も諦めがつき、勉強に専念するでしょう。」
「そんなこと・・・させない・・。」
「おやおや、この状態でもそんな事を言うんですか?」
「あたりまえでしょっ!こんなの、人権問題だよ!!」
「黙れっ!」
後藤はお腹をけられた。
- 84 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)17時08分54秒
「うっ・・・。」
「小娘が!こうしてやる!!」
口を口でふさごうとする。
「いやっ!きたないっ!」
突き飛ばして、逃げていく。
「まてっ!」
足だけは負けなかった。塀などに上る事も平気だった。中学時代、よくやっていた
から。
「あ・・・れ・・・?」
目の前が、黄色くなっていく。それもそうだ。男の蹴りは、みぞおち状態だった。
「とりあえず・・・あそこに・・・。」
隠れようとしたのは、マンションの影だった。
「ごっちん・・・?」
「よ・・・すぃ・・逃げ・・・て・・・。」
「え?」
「いいから・・・はやく・・・!!」
「う、うん・・・。」
わけわからぬままはしっていく吉澤を見つけた男は、倒れている後藤の襟を掴み、
持ち上げた。
- 85 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)17時16分31秒
「貴様ぁ〜!」
意識の無い後藤は、反応しなかった。
「とりあえず拉致できたからいいものの・・・。」
男は車を呼んだ。
「あぁ!ごっちん!」
石川は後を追ってきた。しかし、後藤は意識が無い。
「ごっちんになにしたのよっ!!」
「なにもしてない。蹴っただけだ。それより、そこをどけ!!」
「いやだっ。」
「この野郎!」
男は麻酔銃を石川に向けて、発射した。いや、しようとした。
「だめ・・・。」
銃口が後ろを向き、後藤の肩に刺さった。
「梨華ちゃんを・・傷つけたら・・・殺す・・・・。」
担がれているごとうは、銃をそのまま取り上げ、男に向って撃った。
「ごっちん!!」
後藤は石川に抱き付き、そのまま眠っていった。
- 86 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月29日(金)17時24分32秒
「なんで・・・なんでそんなに自分を犠牲にするの・・・?」
眠っている後藤の顔は、どこか辛そうな顔をしていた。
「ごっちん・・・一人で抱え込まないで・・・。たまには・・・あまえてよ・・・。
頼っていいんだよ?ねぇ、ごっちん・・・。」
その場に座り込み、後藤を寝かせて膝枕をしてやった。
「今の私には・・・これぐらいしか・・・できないけど・・・。」
そう言って、後ろから抱きしめた。
「ごっちんは・・・まだ仮面を被ってるの・・・・?」
- 87 名前:ごんた 投稿日:2002年03月29日(金)17時27分44秒
ほほーう(w。更新終わりました。
ごっちんはどう考えてるんでしょうかね。
なーんもひとっつも考えてない訳はなかろうと思います。
- 88 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月30日(土)00時10分08秒
- ごっちんの考えていることはだいたいわかります。
しかしながら、よっすぃーのお父さんはいったい何者なんだ。
ごっちんと梨華ちゃんの運命やいかに!!
更新楽しみに待っています。
いしごま防衛軍北陸方面第1軍第1師団緊急出動準備!!
- 89 名前:ごんた 投稿日:2002年03月30日(土)18時46分44秒
いしごま防衛軍さん:この駄文から読み取れるとは、物凄い読解力ですね。
ちなみによっすぃーのお父さんは、モーニング娘。の事務所
のお偉いさんです。というか、深くは娘。と関係無いのですが
おお!なんかとてもすごい助っ人が出てきましたね。
娘。達が休みを取った3日間、ファンが応援に駆けつけるという設定があります。
そこで、提案なんですが、みなさんにもその軍の中に入って貰いたいと思ってます。
どうでしょうか?
- 90 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月30日(土)19時09分29秒
「後藤を救えるのは・・・当事者の吉澤やない。石川や。」
「なぜです?」
「いうなれば、炎と風やな。後藤が炎で石川が風や。」
「・・・・・。」
「炎は風によって、大きく変化する。人を暖める事もあれば・・・・火事を起こす
ことも・・・・な。」
「なるほど。けれど、石川にそんな大役は・・・。」
「いいや。石川じゃなきゃアカンねん。後藤の気持ちを理解してやるのは・・・。」
つんくは窓の外を見た。
「たのむで・・・・。」
- 91 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年03月30日(土)19時17分04秒
「それよりいいんですか?3日間も空けちゃって・・・・。」
「あぁ。心配あらへん。」
つんくは気が付いていた。石川と後藤が両思いである事に。
「まぁ、そんな芸能人もええやろ。」
気楽に考えるつんく。
「あいつらは団結力がすさまじいからな。」
-------だから。気が付かなかったのだ。炎は風によって良い面も悪い面も出る。
・・・・・・風によって炎は、いつしか燃え尽きる、ということを・・・・・
- 92 名前:ごんた 投稿日:2002年03月30日(土)19時21分46秒
都合により、ちょっとだけで更新終了です。(本当に少ない・・・・)
>>89でも書きました通り、みなさんにも参加して頂きたいんです。
感想と一緒に、HNと(↑の名前でよろしければ書かなくても良いです。)
誰ファンかを明記の上、レスしてください。
- 93 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月01日(月)02時03分43秒
- おおすばらしい。いいでしょう。すばらしい提案ですな。
快く部隊に迎え入れましょう。もちろん、いしごまファンですよ。
まさかごっちいいんが燃え尽きるということは・・・・まさかな。
ははは、そうなったら緊急出動した部隊の立場が・・・
ごっちん、梨華ちゃん頑張れ!!つんくはすごい!!
ごんたさん、頑張ってください。更新楽しみに待っていますよ。
- 94 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月01日(月)03時08分18秒
- 吉澤のおとんは、何者ですか?
- 95 名前:ごんた 投稿日:2002年04月01日(月)09時28分43秒
いしごま防衛軍さん:ご協力ありがとうございます。防衛軍の隊員ですが、一応
もう少し待ってみます。ごっちんが燃え尽きる・・・・普段のごっちん
からは考えられないですけどね。(いつも燃え尽きた感じが・・・)
はい、頑張ります!!
名無しさん:よっすぃーのお父さんは事務所のお偉いさんです。お父さんが、
つんくの計画に手を貸しているのです。
- 96 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月01日(月)09時37分15秒
後藤を抱き上げ、公園の陰に隠れた。
「本当はベンチが良いのにぃ〜。」
モーニング娘。のメンバーがこんな所に居るだなんて、ばれてしまってはまずい。
「梨華ちゃん・・・。」
「あ、安倍さん。待ってたんですよ。」
「機動力抜群のごっちんがこれじゃあ、大変だね。」
「はい・・・。」
「とりあえず、相手は怪我する武器は使わないみたいだね。」
「そうですね。」
後藤が起き上がろうとした。
「ごっちん?!」
麻酔の針を、抜き取って、どこかに投げた。
- 97 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月01日(月)09時41分57秒
「梨華ちゃん・・・ヘアピン貸して・・・。」
「?いいよ。」
後藤はヘアピンを持ち、肩に思いっきり刺した。
「ちょっ!?」
ヘアピンには血が付いていないが、肩からは出血していた。
「なにやってるの?!」
「眠気を・・・取るため・・・。」
「だめっ!!」
「え・・・?」
- 98 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月01日(月)10時39分37秒
「もう、ゆっくり寝てて!ごっちん、これ以上頑張ったら死んじゃうよ!」
「そんな簡単に死なないって。」
「だめっ!!」
石川は後藤を抱きしめる。
「だめだよぉ・・・!!」
「なんでよ?よっすぃーが・・・。」
「人の事より自分の事でしょっ?!」
石川は後藤の肩を掴み、しっかり目を合わせた。
「なんでそんなに自分を犠牲にしようとするの?」
「だって・・・よっすぃーに辞めて欲しくないから・・・。」
後藤は目をそらした。
- 99 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月01日(月)10時49分25秒
「けどね、このままじゃ絶対犠牲にしてごっちん死んじゃうもん!!」
「そんなことないよっ!」
ついに怒り始めた後藤を、安倍は叩いた。
「なっち???」
「馬鹿じゃないのっ?!梨華ちゃんはごっちんを心配してるのに、なんで怒るのさ!」
「だって!!変な事いうんだもん。後藤が死ぬなんて!!」
「今の状態じゃそうだよ、なりふりかまわず行動するごっちんは!!」
きょとん、とした後藤は二人の事を交互に見る。
- 100 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月01日(月)14時44分36秒
「え?」
「いい?ごっちんはいっつも冷静なくせに、こういう場面ではいっつも無茶
してるんだよ?命だって、限りなくある訳じゃないんだからねっ。」
石川も頷きながらこっちを見ている。
「よっすぃーを助けたいがためってのはよ〜くわかるよ。でも、ごっちんには今
親友のよっすぃーよりも大切な存在がいるでしょう?」
「・・・だから?」
「梨華ちゃんを大切にしろって事。」
----------『大切』
「大切だからこそ、失いたくないんじゃんか。」
「は?」
「よっすぃーのことをたいせつだって思ってるから、失いたくないんじゃん!」
「(意味が違うよ、ごっちん。このままじゃ、梨華ちゃんが可哀相だよ。)」
安倍からいわれた、『大切』。まだ後藤が小さかった頃、大好きな父親に
言われた言葉でもあった。
『いいか、真希。大切という字は、大きく切ると書くね?どうしてか、わかる?』
『わかんない。』
『ヒントをあげよう。お父さんは、真希の事を大切に思ってる。だから、真希が
危険な目に合ったら、命懸けで助ける事が出来るんだ。』
『???よけいわかんないよぉー。』
『ははは。大きく二つに切られる覚悟があるから、それを大切に出来る。いいか、
友達の事を、裏切っちゃいけないよ。大切にするんだ。人間、一人じゃ生きて
いけないからな。』
『は〜い。』
だから、吉澤の事をなんとしてでも助けなくては。
- 101 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月01日(月)14時53分53秒
「ごっちん、お願いだから、冷静になって。」
「梨華ちゃん・・・。もう後藤は十分冷静だよ?」
安倍はとりあえずその場から代えよう、と言い後藤の家に来ていた。
「なんか飲む?」
「いいよ、なんでも。」
「じゃあ、紅茶で良いか。」
石川は安倍に小声で話した。
「ごっちん、なんか気負ってません?」
「うん、そんな感じするべ、なっちも。」
紅茶を持ってきた後藤に、安倍は言った。
「レモンあるかい?」
「あ、忘れてた。ちょっと待って。」
「レモンのような香りはしない・・・か。」
「クスっ、安倍さん、それってミスムンの歌詞ですよ。」
「狙ったんだべ。ごっちん、梨華ちゃんとはぶちゅっとぶちゅっとしたの?」
後藤はこけた。
「だぁーもう!変な事言わないで!」
さっきまでの嫌な不陰気を、見事に消し去った。
- 102 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月01日(月)15時05分24秒
「んで、なんだっけ?」
「そうそう、ごっちんに付いてだよ。」
「あ〜、そうだったそうだった。」
石川は話したくなかった。やっと、後藤も笑顔を取り戻したというのに、また
あの話をすれば暗くなるだろう、と思ったからだ。
だが、自分がしっかり後藤を冷静にさせなければ、後藤本人が危険な目に会う。
「ごっちん、私の事、好き?」
「え?急になに言い出すの、梨華ちゃん。」
「いいから、答えて。」
「好きだよ、誰よりも。梨華ちゃんが一番だよ。」
「なら・・・。」
「でも、今回のよっすぃーの件に付いては確かに後藤達が出る幕じゃないって
思ってる。さっき言われたけど、無理しても良い事ないってわかってる。けどさ、
よっすぃーには今までいろんな事してもらってきてて・・・だから、このまま
見過ごす訳にはいかない。後藤ができる限りの事をしたい。またみんなで歌ったり
踊ったりしたいから。だからそれには誰一人欠けてちゃいけないの。」
「それはごっちんもだよ。」
「え?」
「いくらごっちんが頑張ってみんなが無事だったとしても、ごっちんが代わりに
いなくなったら、みんなだってやだよ!!みんなで分担していかなきゃ、一人に
押し付けるのはいやなの!!」
- 103 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月02日(火)19時42分57秒
- うむその通り。ごっちんは一人ではないのだからみんなで
力をあわせて立ち向かえばいいではないか。
更新楽しみに待ってますよ。
- 104 名前:ごんた 投稿日:2002年04月03日(水)13時45分40秒
いしごま防衛軍さん:なんかいつもネチネチしたストーリーですよね・・・。
ごめんなさい。ごっちんは梨華ちゃんに言われてやっと
気付きました。これからどうなるんでしょう?
- 105 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月03日(水)13時53分01秒
「梨華ちゃん・・・・?」
「どうしてそんなに抱え込むの?私じゃ頼りないの?みんなじゃいけないの?」
「んなこたないよ・・・。」
「じゃあどうしてよ?」
石川はずっと聞きたかった。後藤にとって石川は頼りない存在なのか。
石川は後藤の力にはなれないのか。
答えは、全部後藤が持っている。
- 106 名前:風に揺らぐ炎 投稿日:2002年04月03日(水)14時09分19秒
「お父さんに甘えてばっかいて、ずっとべったりしてた。それでね、後藤は
たんぽぽが好きだったんだ。地面からしっかりと根がはえていてしっかりして
るでしょ?後藤も自分の意志をしっかり持って、頼られる存在になるのが
夢だった。」
後藤は俯き、続きを話せなくなってしまった。
「嫌だったらもういいよ。理由がわかったんだし、ね?」
安倍に言われて後藤は頷く。
だが、顔をあげようとはしない。
「十分頼れる存在だよ、ごっちんは。だからもう力を抜いて。前にもなっち
いったよね?素になって周りからどんな事いわれようとも、『これが本当の
後藤真希なんだ。』って言えるようになろう?」
石川は悔やんでいた。自分の無力さに。この前も、そして今も、後藤に優しい
言葉をかける事ができない。何と言えばいいのかまったく考えられないからだ。
「ごめんねぇ・・・梨華ちゃん・・・なっちぃ・・・後藤はさぁ・・・ホンとに・・・
弱いよねぇ・・・。これからは・・・もう無理しないから・・・。」
石川が再び抱きしめてやると涙を流し始めた。
いままで言えなかった事を打ち明けた。その後に例え優しい言葉をかけて
くれなくったっていい。ただ、あなたに優しく抱きしめてもらえれば、それが
一番うれしいんだよ・・・・。
石川の心を見透かしたかのように、後藤は心の中でそっと呟いた・・・・
- 107 名前:ごんた 投稿日:2002年04月03日(水)14時17分52秒
はぅっ!!<<106の『それでね、後藤は〜』とありますが、訂正です。
『だからね、後藤は〜』でした。申し訳ありません。
次は『冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜』です。
な、長いっ!!タイトルが長いぞうっ。・・・とにかく頑張ります!!
- 108 名前:ごんた 投稿日:2002年04月03日(水)14時21分07秒
あぁ、もう!本当にゴメンナサイ!!>>106ですね。間違えました。
なんか寝不足で・・・・(←言い訳です。)ごめんなさい。
- 109 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月03日(水)21時32分17秒
「――と言う訳で後藤をみんなで守ろう。」
「そうだね。どうすればいいのかなぁ・・・・。」
全員後藤の家に集まる。
「ごっつぁん、どうされたい?」
「え、何が?」
「だから、どう守って欲しいかって。」
「いや、守られるよりは、攻める方がいいかなって・・・。」
「いやん♪ごっちん積極的!」
石川がそういいつつ赤くなる。
「あのぉ〜」
- 110 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月03日(水)21時38分01秒
「梨華ちゃん、妄想しないで。」
「だってごっちん積極的だから。」
「いや、違うよ。こっちが動かなきゃ、向こうも動かない。」
「なるほど、さっすが元不良!」
「怒。」
和やかなムードの中、小川が切り出した。
「後藤さんと石川さんって付き合ってるんですか?」
「「えっ?」」
- 111 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月04日(木)03時55分29秒
- おがーはなかなかいいところつきますなあ。
でも、ごっちんは梨華ちゃんと付き合っているといっていたから
付き合っているんでしょう。おがーさんはキャリアタイプだから
なんでも知らないとだめなんですね。
更新楽しみにしてますよ。頑張ってください。
いしごま防衛条約機構軍東京派遣軍現在群馬県高崎市通過。
- 112 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月05日(金)14時19分55秒
「あ、あぁうん。」
「そうなんだよ・・・ね。」
二人が遠慮がちに言うと、
「うっそぉ〜マジで??」
「なんでなんで??矢口はこの二人だけは似合わないと思ってたのに!」
「「どういう意味ですか?!」」
「うわ〜、息もぴったりだよ〜。まぁ、幸せになってね。」
「本当の気持ちはきっと伝わるんですね。なるほど。」
「高橋・・・そんな所で学習しないでよ・・・。」
「やっぱ、あなたを守ってあげたいって思う?」
「・・・ひ弱だしね。」
「ごっちんまで酷い・・・。」
小川は言った。
「私達にもチャンスはあったんだ。」
「私も、アタックすれば良かった・・・・。」
「努力!すれば前進!するんだぁ〜。なるほど。」
新メンバーは深く悩んでいる。
- 113 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月05日(金)14時46分22秒
「それより、よっすぃーだよ。何してるんだろうね。」
「わかんない。けど、とりあえず防衛軍作ろう。」
「オッケ。」
後藤は下を向いたまま真剣な顔をしている。
「・・・・。」
「どうしたの?」
「え?あぁ、うん、その、えっと・・・。」
石川は周囲に気付かれないようにそっと後藤を連れ出した。
「どうかしたの?」
「・・・・。」
視線をずらしたまま、何も言わない。
- 114 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月05日(金)14時56分17秒
「後藤さ、いいのかなって。新メンバーに好かれてても。」
「どうして?」
「前に、言ったよね。梨華ちゃんの事好きだけど、仕事の所為で〜って。」
「うん。」
「あれさ、嘘なんだよ。本当は、言えなかったんだよ。あなたが好きですって、
堂々と。だから梨華ちゃんに難癖付けて怒って。」
「そんな・・・・。」
「新メンバーが後藤の事を好きだって思ってる事も気付いてた。まこっちゃん
なんて、『ブチュッとブチュッと〜』で顔真っ赤だったし。なのに、鈍感な
振りして、逃げてた。勇気がないんだよ。自分を好かれるってことに。」
「・・・でもごっちんはっ。」
「新メンバーに申し訳ないよね、こんな先輩で。どうして好きになったのかは
わかんないけど。嫌ってわけじゃないよ?けど・・・自分を見失った後藤の事、
好きになって欲しくなかった。悲しくなるだけだろうから。」
石川が後藤を抱きしめた。―――――ようとした。
「え?」
振り払われた。後藤の手によって。
- 115 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月05日(金)15時04分56秒
「ごめん、梨華ちゃん。こうやっていつも慰めてもらって、抱きしめてくれて、
実際後藤は甘えてるんだよ。ずっと。仮面を付けたりはずしたりしてるうちに、
本当の自分を見失って。だから、無理なんかじゃなくって、後藤が強くなる
ために、梨華ちゃんに胸をはって好きだよっていえるようになるまで、抱きしめるのは
まってて欲しいんだ。ごめんね、身勝手で。」
後藤は最後に石川を抱きしめ、軽く口付けをして部屋に戻っていった。
「どうして・・・ごっちん・・・・。」
石川には理解できなかった。後藤の生き方は自分にとって憧れであり、目標だ。
なのに、なんで変わろうとしているのか・・・変って欲しくない。けど、自分一人の
後藤真希じゃない。無力。何度味わった事だろうか。ドアの外で、立ち尽くして
いた・・・・・。
- 116 名前:ごんた 投稿日:2002年04月05日(金)15時11分53秒
いしごま防衛軍さん:ごっちんははっきり付き合ってる、といったのですが、
自分の中で自分を見失っている事を自覚し、いったん距離を
離そうとしています。しかし、それでは・・・・です。梨華ちゃん
がこれに挫けず、ごっちんを支える事が出来るかどうかです。
防衛軍ですが、人数が少ないため、なかなか出る事が出来ません。
ご協力、お願いします。
- 117 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月06日(土)01時48分03秒
- うむむ。ということはまだ東京になだれ込むことはできないということですな。
ではゆっくり待機させていただきます。
梨華たん頑張ってんのにごっちんからの歩みよりがなかったら進展しないんや。
なんでやごっちん。更新楽しみに待っています。
- 118 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月06日(土)02時01分29秒
- 日本人として憲法第九条を守って防衛軍を作って下さい。
専守防衛あるのみです。
- 119 名前:ごんた 投稿日:2002年04月06日(土)15時02分57秒
いしごま防衛軍:梨華ちゃん、一生懸命なのにごっちんは気付いてない・・・・
のでしょうか?それとも・・・・。どいうなっていくのでしょうか。
名無しさん様:わかりました。しっかり守ります!
少しずつ・・・じわじわと・・・・。
- 120 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月06日(土)15時06分16秒
「ごっちん、トイレ何処?」
「そこの突き当たりを右。」
「はいよ、お借りしまぁ〜す!」
吉澤は部屋を出た。
「お腹空いたなぁ・・・。もうお昼じゃん。」
「(ごっちん・・・どうして・・・?)」
ぼっとしてる石川に声をかけた。
- 121 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月06日(土)15時08分16秒
>>120申し訳ないです。吉澤は〜じゃなくて矢口は〜です。
よっすぃーはいないんですよね。(T0T)
- 122 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月06日(土)15時12分54秒
「梨華ちゃん、どうしたの。」
「あのねぇ・・・ごっちんが・・・。」
泣き崩れる石川に矢口は、訳を聞いた。
「はは〜ん。」
「どうしてだと思います?」
「それはね、矢口にもわかんない。けど、なにか考えがあるんじゃない?」
石川をなだめて、部屋に戻らせた。
- 123 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月06日(土)15時19分17秒
「ここを本拠地にがんばろ!」
「まず明日よっすぃーのお父さんと話が出来るようにしてあるから、
行ってくる。」
「一人でぇ?」
「あ〜それは大丈夫。防衛軍がいるから、ね、梨華ちゃん。」
「う、うん。」
後藤はノートパソコンを開いた。
「この人たちだよ。」
「ファン?まさか。」
「そうだよ。ファンがいなけりゃもうからない。つまり・・・フフフ♪」
「ごっつぁん・・・頭いい・・・。」
後藤は一通り作戦を話し、料理の調達に出かけた。
- 124 名前:ごんた 投稿日:2002年04月06日(土)17時29分41秒
ほんのちょこっとで更新終了。これからは色々と忙しいので
今以上に不規則な更新ですが、お許しください。
- 125 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月06日(土)17時30分17秒
- 憲法第9条の専守防衛には異論が多々あるのですが、それはまた違う場所で議論する
としてここは純粋にごっちんに頑張ってほしいです。ファンがついてりゃ怖いもんな
しだ。梨華たんもネガティブにならずごっちんを包む勢いで頑張ってほしい。
ちいに防衛軍の出番ですな。更新楽しみに待っています。
- 126 名前:ごんた 投稿日:2002年04月09日(火)12時29分21秒
いしごま防衛軍さん:戦争にはなりませんが、前文にもあります通り、
武器を使って争う事は禁止されています。・・・・ので
ごっちんはファンと一緒に戦おうと決めたのです。
梨華ちゃんはごっちんを理解しきれないままよっすぃーの
お父さんとの対決です。
- 127 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月09日(火)12時35分26秒
「ねぇ、ごっちん。」
「なに?」
「私の事、嫌いになったの?」
「は?」
「どうして抱きしめたりしちゃいけないの?」
「それは・・・だから・・・。」
石川の涙に実は弱い後藤。
「えっとね・・・後藤もさ強くなんないと・・・だめじゃん?」
「そんな事ないもん!今のままでいてほしい!」
「けどぉ・・・。」
オロオロし始める後藤に、石川は抱き付く。
- 128 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月09日(火)12時45分06秒
「私は・・・今のごっちん全てが好きなのぉ・・・。何一つ変って欲しくない・・・。
失いたくない!いっつも訳の分からない事を言うごっちんだって好きなんだよ!
なのになんで変っちゃうの?!いつもいつも一人で解決しようとしてさ、
今朝言ったばっかじゃん!!無理しないでって。一人でか抱え込まないでって。」
後藤は始めて聞く石川の考えにただ驚くばかりだった。
「私ばっかりごっちんのこと好きでさ、ごっちんは私の事どう思ってるかなんて
言ってくれないし、すごく不安なんだよ?!なのに、ごっちんに抱き付く事も
抱き付いてもらう事だってしちゃいけないなんて、ひどいよっ!よっすぃーのこ
とばっか理由にして・・・!」
ただ呆然と抱きしめられている後藤は、返す言葉も動作もなく、ただ前を見据えて
悲しい、やるせない表情をするだけだった。
- 129 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月09日(火)12時50分23秒
ごっちんは・・・何一つわかってくれない・・・。両思いになれてから、一度も
気持ちが重なった事なんてない。いつもわたしが説得したり、頼んでばっか。
もう私の事嫌いになったの?それとも、邪魔になったの・・・?
・・・また、すれ違う。梨華ちゃんと気持ちが重ならない。後藤がいけないの?
大好きな人のために強くなりたい。それが・・・どうして・・・?
お互いがお互いの気持ちを理解できず、すれ違うばかり。
石川と後藤は同様を隠せないまま、買い物から帰っていった。
- 130 名前:ごんた 投稿日:2002年04月09日(火)12時52分58秒
申し訳ないです!>>129の最後、動揺を隠せないままとするつもりが同様に・・・!
気持ちがすれ違ってるのに同様なわけないんですよね・・・。すみません。
- 131 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月09日(火)21時13分19秒
- うむむなんともいえませんな。二人の気持ちはなんでつながんないんだろうか。
梨華たんのために強くなりたいごっちん、ごっちんに自分を頼ってほしい梨華たん
。よしこの親父なんかなんのそのの二人の切ない関係なんといえん。
- 132 名前:ごんた 投稿日:2002年04月11日(木)14時19分45秒
>>131ありがとうございます。二人の関係って微妙だと思うんですよね。
遠すぎず近すぎず・・・・そんな感じがします。そしていよいよ出ます!
この次の更新で!
- 133 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)14時26分42秒
「おかえり、どうしたの?御二人さん。」
「いやぁ〜ラブラブでさ〜。」
必死に誤魔化す後藤を見て、石川はちょっとムカッと来た。
「(どうしていつもいつも本当の事を言わないの?)」
後藤のYシャツをぐっと掴む。
「え・・・?」
驚いて見てみると石川が今にも泣きそうだ。
「ごっちん、泣かしちゃ駄目だよ、あ〜あ・・・。」
「え、後藤?!なんか言ったっけ?ごめん、梨華ちゃん!お願いだから
泣かないでよぉ〜・・・。苦手なんだからさ〜。」
矢口は後藤だけを呼び廊下に出ていった。
- 134 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)14時31分47秒
「あんた又なんか奇想天外な事いったわけ?!」
「そんなことないよ、ただ・・・。」
「ただ、なに?」
「後藤が強くなりたいから、しばらく抱き付いたりキスしたりするのは
止めようって言ったんだよ。そしたら・・・。」
バンッ!
「ばか?!なんで梨華ちゃんの気持ち考えてあげないのっ?!梨華ちゃんはね、
ごっちんの支えてる負担を軽くしようとしてるんだよ。もっと自分に
頼って欲しいの。」
後藤は急に黙るとそのまま出ていってしまった。
- 135 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)14時36分37秒
向った先は、Yosizawa事務所。
その名の通り、吉澤の父親の会社だ。
「・・・・・。」
後藤の表情は、何の感情も持たない、残酷な表情だった。
ビルに入ると、会社のガードマンが現れる。しかしそのガードマンを
手刀で倒し、社長室へ向う。その途中、どこかに電話をしたが、そのこえすら
感情がこもっていなかった。
- 136 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)14時43分36秒
「来たか。ずっと待ってたんだよ。君は人に内緒で物事をかたずけようとするから
ね。ひとみの件に付いては、はっきり言わせてもらう。」
「・・・・・・・。」
「君がいるから、ひとみは脱退できないんだ。私にとって君は邪魔であり、
ひとみの成長にとっても邪魔なんだよ。」
「・・・・・。」
座ったような目で睨み付ける後藤に、吉澤父は言った。
「君が消えてくれれば、今回の出来事も丸くおさまったし、君の好きな
モーニング娘。だってオフを取らなくても良かったんだ。今日、今の時点で
消える事を覚悟してくれれば、明日・明後日はオフにならなくてすむんだよ。」
「・・・・馬鹿じゃないの?」
後藤が顔をあげ、目を見開く。
- 137 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)14時49分54秒
「き・・・君・・・!!」
後藤の瞳は、燃えるように紅かった。
「言論の自由ってしらないの?あんたのような、自分勝手で向こう見ずの人間に
素直なよっすぃーを潰して欲しくないんだよ。何が消えてくれればだぁ?
ふざけんな馬鹿。あんたの手下のお蔭でなぁ、こっちは大切な人を二人も
失う所なんだよ!!」
後藤はどんどん口調が男っぽくなっていく。
- 138 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)14時54分45秒
「何人傷つけたら済むんだよ。お前自分の娘に何してるかわかってんの?
分かる訳ないか。そうだよねぇ、こーんなお馬鹿さんだもんねぇ。」
「貴様っ!!」
父親が合図をすると、部下が後藤を囲む。
「口でかなわなけりゃ暴力ってわけ?どこまで最低な人間に出来てるんだよ!!」
取り押さえられ、手錠をされた。しかし、後藤は怯まない。
- 139 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)15時00分53秒
「よっすぃーにはお父さんと仲良くして欲しい、そう思ってたのに実際に見て
良く分かった。こんな父親じゃ嫌だろうなって。けど、こんな父親、あんたに
だってよっすぃーを幸せにする事はできるんだよ?!親が見守ってやらないで
どうするんだよ。自分の考え押し付けるなよ!」
そこへ吉澤が入ってきた。
「お父さん!もう辞めてよ!ごっちんがかわいそうだってば!必死に家の事
考えてくれてるんだよ?親友だからって。そんないい人、世の中にそうは
いないよっ。そんな大切な人を潰す訳?!」
- 140 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)15時04分55秒
「ひとみは黙ってろ!!」
部下に取り押さえられて、後藤とは離れた位置にいる。
「こうしてやるっ!!」
パパパパパパパパパパパパパパンッ!!!!!!!!!!!
「ぐっ・・・・?!」
後藤は目の前がぐらぐらし、同時に物凄い耳鳴りがした。
「苦しい・・・苦しいよ・・・・何するんだよ・・・。」
壊れたように、ブツブツ言い始める。
- 141 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月11日(木)15時13分29秒
「何したんだよ・・・聞こえないよ・・・なんにも・・・。」
「ごっちん?!」
「何?誰か何か言ったの?ねぇ、なんていったの??」
さすがにまずいと思ったのか、父親は逃げ出し、その場は吉澤と後藤の
二人きりになった。
「ねぇ・・・なんていってるの・・・?聞こえないよ・・・。よっすぃー?」
吉澤は放心状態の後藤を思いっきり抱きしめてやった。
「なんで泣いてるの・・・?笑ってよ・・・よっすぃーは自由なんだよ・・・・・?
もう親の目盗んで仕事しなくてもいいんだよ・・・?」
吉澤は後藤を強く抱きしめたまま、大声で泣いた。
後藤は、石川の気持ちを悟り、一日も早くゆっくり話せるように会社を訪れ、
さっさと父親とけりを付けようとした。
「下の方でなんか・・騒いでる・・・どうしたんだろ・・・。」
意識のとんだ後藤をおんぶして窓を見る。
- 142 名前:ごんた 投稿日:2002年04月11日(木)15時15分43秒
ちょっと痛すぎたかな、と書き終わって思いました。
これが悪い癖なんですよね、怒ったシーンをながなが書いちゃう・・・。
いよいよ次の回で防衛軍登場です。
- 143 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月12日(金)16時17分21秒
- ごっちんがーーーー。よしこの父親に正義の鉄槌を!!
うおーやっと防衛軍登場だ!!
でも、よしこの父親の言ってることもわからんではない。
よしこのお父さんも娘が可愛くて仕方ないのだろう。
間違った方法ではあるがこれもある種の愛情表現ということで納得しておきます。
しかーし、ごっちんを潰そうとするやつは許せないべ。
これで自衛権は行使できるわけだから問題ない。
更新楽しみに待っています。
- 144 名前:ごんた 投稿日:2002年04月13日(土)16時28分43秒
>>143いしごま防衛軍さん:ありがとうございます。いよいよ登場です。
実際にこういうような父親がモデルとしているんです。
友達の親がそうでして、大変な想いをしているらしいです。
さぁ!いよいよ対決です!!
- 145 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)16時43分35秒
「な、なんなんだお前達!!」
「我々はモーニング娘。を守る組織の一つ、いしごま防衛軍だっ!!」
吉澤父は呆然としている。
「人に手を挙げ、傷つけてしまったら、その後の処分はおわかりですね?」
「な、なにをいっとるんだ!貴様らには関係ないだろう!!」
「いいや。あるんだ。一ファンとして、それくらいの権限がなければ、
芸能界という職業に、未来はありませんぞ!!」
名無しさんは続ける。
「貴方のような娘を愛する気持ちも分かりますが、度が過ぎています。
娘さんは今貴方に自由と、大切な人をを奪い取られてしまいそうなんです。
もう少しよく考えてください!!」
吉澤父は怒り狂ってナイフを出した。
- 146 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)16時47分03秒
「おっと。そのままナイフを使ってしまえば、あなたは刑務所行きですよ。」
「そんなことしるかっ!!」
しかし、なんとその下手糞な剣さ履き。あっさりと奪い取られ、捕まった。
「よっすぃーのお父さん?!」
石川が遅れて登場した。
- 147 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)16時51分03秒
「この方は、後藤さんに手を挙げ、耳を負傷させたんです。今一応捕らえて
いますが、殴ったりしますと今後の活動に・・・。」
「ごっちんになにするのよぉっ!!」
バコッ!!
「え・・・・?」
今だかつて見た事のない、怖い表情で顔を思いっきり殴った。
「どうしてくれるのよ!!ごっちんを傷つける権利、あんたになんかないでしょう!」
いしごま防衛軍たちは、石川を見て唖然としていた。
「梨華ちゃん!ストップ!」
吉澤が後藤を背負ったまま降りてきた。
- 148 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)16時54分56秒
「お父さん、警察行こう。ごっちんを傷つけた事に変りはないんだよ。
もう一度一からやり直そうよ。お母さんもそれがいいと思ってるよ。」
「ごっちん!!」
石川は後藤を抱きかかえた。
耳から血を流し、顔色も悪い。
「救急車!!早くっ!!」
後藤と石川は病院へ、吉澤親子は警察へ、防衛軍は別の車で病院へ向った。
- 149 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)21時36分35秒
「ごっちん、ごっちん、聞こえる?」
「・・・・・。」
鼓膜が破れ、その他の聴く機能が壊れてしまい、一応手術を受けた。
___だが、まだ声を聞く事は出来ない。
「私が傍にいるからね。」
石川は麻酔の覚めていない後藤の手を握り締めた。
- 150 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)21時45分16秒
「・・・・・・。」
目を開け、ただ呆然と天井を見ている。
「ごっちん!」
「ぅえ?」
石川の存在に気付き、声を出すが上手く言えない。
『ごっちん、しばらく耳は使えないって。』
「そぉかぁ・・・。」
『でも、安心して。私が傍に付いてるから。』
「うん、ありがとぉう。」
喋り方がおかしい事など石川には関係ない。ただ二人っきりでいれる事が
何よりの幸せだった。
- 151 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)21時50分02秒
次の日、後藤が退院し、家に戻ってくるとメンバーが待っていた。
「あぁれぇ?なぁんでぇいるぅのぉ?」
「ご・・・っちん・・・。」
声を大きく出そうとすると、余計上手く喋れない。
「ごめんね、無理させて。これからは役に立てるようがんばるよ。」
「????」
後藤はきょとんとして石川を見る。
- 152 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月13日(土)21時57分09秒
「耳が使えないんだって。」
「「「えぇっ?!」」」」
後藤は石川を見て「何を言ってるの?」と呟いた。
『ごっちんについて言ってるんだよ。』
ホワイトボードに書き込む。
「へぇ・・・。今ぁなぁん時ぃ?」
『お昼の2時だけど、どうしたの?』
「よっすぃーにぃ、あってぇくるぅ。」
『ど、どうして?』
「後藤ぉがぁ、よけぇなことぉしたからぁ・・・・。」
『わかった。一緒に行こう。』
メンバーとは一旦別れ、警察署へ向った。
「よっすぃー・・・。」
「あ!ごっちん!本当にごめん・・・。」
「いいよぉ・・よっすぃーはぁなぁにもわるくぅないよぉ。」
後藤がなだめる。
- 153 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月14日(日)13時52分31秒
「それでぇ・・・今まで本当にごめん・・・。」
『お父さん、一応警察行った。』
「そっかぁ。でもさぁ、後藤ぉ、かっとなっちゃったけどさぁ・・・その・・・
よっすぃーのぉおとーさんの気持ちも解るんだよぉ。」
後藤はゆっくり話し出す。
- 154 名前:冬空に舞う鳥〜なんだか寂しい冬の空〜 投稿日:2002年04月14日(日)14時00分32秒
- 「父親ってぇ・・・やっぱり我が子が1ばぁん好き
なんだよぉ。だからぁ・・・あんまり責めないでぇ
あげてほしぃんだけどなぁ・・・。」
『けどさぁ、ごっちんは耳が聞こえなくなっちゃったんだよ?』
「後藤ぉは勝手にぃ首をぉ突っ込んだだけだしぃ・・・。」
吉澤は泣きながら後藤に抱き付いた。
「ありがとう・・・ごっちん・・・本当に・・・。」
吉澤の涙が、後藤の耳にかかる。
「冷たいよぉ・・・へへぇ・・・♪」
無邪気な笑顔をする後藤に、石川は自分も
飛び切りの笑顔で返してやった。
ホワイトボードを使って何時間かたった。
後藤と石川はコートを着て吉澤と別れていった。
- 155 名前:君の手を ひいて歩こう 夜の海 投稿日:2002年04月14日(日)14時08分50秒
- 「あのさぁ、梨華ちゃん・・・。行きたい所がぁ
あるんだけぇどぉ・・・。」
『何処?別にいいよ。』
「じゃぁ〜タクスィーとってぇ。」
『わ・・・わかった。』
悪気はないのだが、タクスィーという言葉に笑う石川。
「〇〇〇町000まで。」
「????」
石川には行き先がまったくわからない。
後藤が何を考えているのかも。
「さぁ着いたぁ・・。あるこぉ。」
暗い、夜の海岸。ネオンが点いていて奇麗だ。
「うわぁ、奇麗・・・・。」
石川は感動してる。それを見て、にっこり笑う後藤。
- 156 名前:君の手を ひいて歩こう 夜の海 投稿日:2002年04月14日(日)14時20分38秒
- 「ねぇ、梨華ちゃん。」
「え?」
振り返った刹那、後藤が石川を抱きしめキスをした。
ぎゅっと抱き付く。まるで存在を確かめているかのように。
「後藤は、今までも、これからも。ずっと梨華ちゃんの事が
好き。だから、もう変な事は言わない。ずっと、梨華ちゃん
と一緒にいたい。ただのメンバーとしてじゃなく、恋人として。」
石川の耳元で囁く。
「だから・・・・。」
体を離し、肩を掴みまっすぐ目を見て言う。
「梨華ちゃんにも、後藤の事をもっと好きになって欲しい。
一緒にいると、こたつに入った気分になるくらいに。」
「こたつ・・・?」
「ふわ〜って暖かくなるような表現だよ!で、一番言いたかったのは、
これから同居したいんだけど・・・・・。」
「ごっちんと??」
「そう、後藤の家で。」
石川は答えの代わりに、後藤に思いっきり抱き付いた。
嬉しさのあまり、気付かなかった。後藤の耳が聞こえるようになったことに。
よっすぃーと梨華ちゃんがくれた、神様のプレゼントだよね・・・・。
- 157 名前:ごんた 投稿日:2002年04月14日(日)14時22分45秒
一応終わりました。いやぁ〜ゴナゴト使いましたよ!!
けれども約束した市井ちゃんの話はでませんでした。
すみません。
- 158 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月14日(日)18時14分33秒
- いやいや最後は感動しました。ごっちんと梨華たんにはこれから
幸せになってほしいです。いしごま防衛軍も梨華たんにおいしいとこ
もっていかれるようではダメですなあ。さらなる防衛費の増額が必要だ。
憲法第9条には反してませんよ。
梨華たんとごっちんが熱いところみたいです。市井ちゃんの話が少し気になる。
- 159 名前:ごんた 投稿日:2002年04月16日(火)17時52分42秒
いしごま防衛軍さんありがとうございます。
梨華ちゃん大奮闘ですね。これからはバカップル目指して
書こうと思っています。
- 160 名前:ごんた 投稿日:2002年04月16日(火)17時57分22秒
その日。なぜか後藤はずぶぬれで家に戻った。
「ご、ごっちんどうしたの?」
「梨華ちゃんが・・・・!!」
顔を真っ赤にする石川。
「い、言っちゃやだよう!」
悪戯好きの後藤が言わないわけがない。
「後藤の事押し倒して海の中へドッボーン!それで自分だけ助かってるの。」
皮肉を込めたいい方に落ち込む石川。しかし、後藤には訳があった。
なぜなら、こう言えば矢口や安倍には伝わると思ったからだ。
「はは〜ん、なるほどねぇ。」
予想通り、二人はすぐに気がついた。
- 161 名前:ごんた 投稿日:2002年04月16日(火)18時01分17秒
「梨華ちゃん、よかったじゃない。羨ましいな、本当。」
「そうだよ〜。サイコーじゃん!ねぇ、ごっちん。」
後藤も笑顔で頷いた。
「どぉしてぇー!」
「石川先輩、まだ解らないんですか?」
「私もう解りましたよ。」
後輩よりも後藤の言葉の意味を理解できない。余計落ち込む。
「あのさぁ〜本当にわかってないの?後藤ちょっと、いや真面目にショックだし。
連れてったいみないでしょ〜!」
???な石川に矢口が行った。
- 162 名前:ごんた 投稿日:2002年04月16日(火)18時06分35秒
「つまり、ごっちんはかーなーり梨華ちゃんが好きなの。彼氏と同じくらい。」
「ど、どうしてそんなことが解るんですか?!」
「っ〜〜〜〜。鈍いっ!鈍すぎるっ!!」
矢口はもどかしさに走り回る。
「ゴナゴトで書いてあったでしょう?夜の海を、大好きな人と歩きたいって!」
「ああぁぁぁ!!そういえば。」
後藤は呆れたようにいった。
「後藤の事なーんもしらないの?これじゃあ一から知ってもらうしかないじゃん。」
「ってことは師匠、アレもするんですか?」
「・・・加護、黙ってなさい。」
こうして見とめられた二人は、これからどんどんバカップル化していくのである。
- 163 名前:ごんた 投稿日:2002年04月17日(水)19時53分18秒
「り〜かちゃん♪」
「なに?」
「呼んだだけぇ〜へへへぇ〜♪」
いつもと打って変わってデレデレした後藤を見て、矢口が注意する。
「ちょっと!そこで見せつけないっ!」
「やだよ〜。大体みんな酷すぎるよ、後藤耳が聞こえるようになったのに。」
ぶうぶう言いながら石川に接近。
ちゅっ♪
「こらぁぁぁぁーーーーーー!!」
「でへでへ・・・。」
真っ赤になって俯く石川。
- 164 名前:ごんた 投稿日:2002年04月17日(水)19時57分41秒
「恥ずかしいよ・・・。」
「師匠!みんなの物なんだから!師匠は!」
「はあっ?!後藤はものじゃないやいっ!!」
低レベルな争いに、新メンバーですら呆れる。
「あっ!新垣!ため息ついたでしょ?!なんで??どうして??
50文字いないに簡潔に述べよ!!」
「えっとぉ・・・そのぉ・・・・。」
「ちょっと!いじめないの。あんただってそんな事できないでしょ?!」
いじける後藤を石川が宥める。
- 165 名前:ごんた 投稿日:2002年04月17日(水)20時01分47秒
「それにしても、ごっちんクールでカッコ良かったのにぃ・・・。」
「だってさぁ〜梨華ちゃんと結ばれて嬉しいんだもん。」
そういって耳につけているピアスを無意識に障る。
「ねぇ、それって・・・。」
「あ、これ?市井ちゃんにもらったの。そぅとぅイケてるんだよねぇ〜。」
- 166 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月19日(金)17時06分37秒
- 梨華たん嫉妬しそうですな。楽しみだ。
- 167 名前:ごんた 投稿日:2002年04月19日(金)19時19分02秒
いしごま防衛軍さんありがとうございます。
梨華ちゃん・・・・根に持ちそうですね・・・・。
ごっちんはさほど気にしてませんが。
- 168 名前:ごんた 投稿日:2002年04月19日(金)19時21分20秒
「市井さんに?」
「うん、卒業する時付けてたやつ。絶対又この世界であおうって、
片方ずつなんだ。」
「へぇ〜。」
石川の眉がピクピク動いているのに、後藤は気がつかない。
- 169 名前:ごんた 投稿日:2002年04月19日(金)19時32分06秒
- 「だからねぇ〜、すっごい大切なんだ。」
「私とどっちが大切?」
石川の質問に、後藤はようやく怒っているらしい、
とさとった。
「もちろん、梨華ちゃん。」
「じゃぁ、貸し手。」
「駄目。会うまでは外さないって決めたから。」
「でも、私の方が大切なんでしょ?」
「う”〜!!」
後藤は悩んだ。
「(このままほっとくと怖いからなぁ・・・・。けど、市井ちゃんとは
約束やぶりたくないし。)」
「はやく!」
「やっぱり駄目だよ。もうすぐ、ね。」
後藤は大きく伸びをして、トイレへ向った。
- 170 名前:ごんた 投稿日:2002年04月19日(金)19時38分53秒
- 「・・・・あ!」
「・・・・え?」
後藤は目線を先に伸ばした。
「市井・・・・ちゃん・・・?」
「後藤!やっと会えたぁ・・・・。」
市井は後藤に抱き付いた。
「大人になったねぇ・・・・・。」
「市井ちゃん・・・会いたかったよぅ・・・。」
後藤は泣き出した。
「約束、覚えてる?・・・よね、あのせいで
無期停学・・・だもんね。」
「そぉだよぉ?ま、自宅通信ってことで丸く
収まったからいいけどね。」
「いや・・・収まってないと思うぞ・・・・・。」
市井は作詞の話をした。
- 171 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月20日(土)01時55分49秒
- ななんと市井ちゃんと会うのがはやい。でもこの会ってるところ
梨華たんにみられたら大変なことになりそうだ。
- 172 名前:ごんた 投稿日:2002年04月20日(土)21時15分25秒
- 「遠距離恋愛がテーマなんだ。」
後藤はポカン、と口を開ける。
「実はさ。市井、ごとうが好きなんだ。」
「・・・・・・え?」
「そのまんまの意味。後藤が好きなの。」
「嘘でしょ?!だって・・・・!だって・・・・・!」
『二年前の恋は、実らなかったんだよ・・・・・?!』
言えなかった。どうして・・・・?なんで・・・・?
「市井ちゃんのばかぁっ!!」
後藤は泣きながらその場を離れた。
- 173 名前:ごんた 投稿日:2002年04月20日(土)21時25分47秒
- 「なんでよぉ・・・どうしてぇ・・・・・・?!
どうして2年前はそう言ってくれなかったの?!」
階段の踊り場にたたずみ、子供みたいに泣く後藤。
「遅いよ・・・もう・・・・だって・・・後藤には・・・
梨華ちゃんがいるのにぃ・・・。」
後藤は、抜けていた。
階段の、踊り場で。
大声を出して叫んでしまえば、どうなるか・・・・・・。
もちろん石川の耳にも届いていた。
「わたし・・・お荷物なの・・・・・・・?」
石川は後藤の一つ下の踊り場で、同じように泣き出した。
「嘘吐きぃ・・・・私がすきだって・・・言ってくれたじゃない!!」
「・・・え?!」
そのこえを聞き、上を見上げる。もちろん、階段しか見えない。
「梨華ちゃん?いるの?」
恐る恐る階段を上ると、さっきまでの自分のように、泣いていた。
「ごっちんは、私が邪魔なの?!市井さんの代わりでしかなかったの?!
埋め合わせに私を選んだのっ!?どうなのよっ!?」
「後藤は今でもずっと梨華ちゃんが好きだよ。今までだって・・・・!!」
「じゃあ、2年前ってなんなのっ?!」
「それは梨華ちゃんが加入する前でしょ?!」
泣きながら喧嘩する二人を、駆けつけてきたメンバーは呆気に取られて見ていた。
ついさっきの仲良し二人が。なぜか、こんな風になってしまったからだ。
- 174 名前:ごんた 投稿日:2002年04月20日(土)21時35分38秒
- 「本当に好きでもない相手に、どうして海に連れて行く
の?!後藤の大好きな海に、好きでもない人と
二人っきりで行くわけないでしょっ!!」
「じゃぁなんでピアスだって外してくれないのさ!!!
市井さんに未練があるからでしょうっ?!」
「っ・・・・!」
「未練がないのなら、私が本当に好きなら・・・・・!
市井さんの前で私にキスしてよっ!」
「そ・・それは・・・。」
「どうせできないんでしょっ?!結局いい人ぶってるけど
ただたんに自分をまもりたいだけでしょ?!好きな人を
片方でも失いたくないんでしょうっ!」
「それはちが・・・」
「過去に怯えてるだけでしょうっ!?弱虫っ!!
お父さんがどうとかって、いまのごっちんに関係ないじゃない!
そんなのにとらわれないでよ!」
「ごっちんなんて・・・・大っ嫌いっ!!」
- 175 名前:ごんた 投稿日:2002年04月20日(土)21時38分17秒
いしごま防衛軍さん、ありがとうございます。
展開早いですね。申し訳ないです。
梨華ちゃん、ごっちんを振ってしまいました。
ごっち〜〜ん!!(泣
- 176 名前:ごんた 投稿日:2002年04月21日(日)10時23分03秒
「梨華ちゃん・・・!」
メンバーが止めるのを無視して走り去る。
「ヨワムシ、ダイキライ・・・ミレンアル・・・オクビョウモノ・・・・。」
後藤の様子がおかしい。
「!みんな、梨華ちゃんの方へ非難して!」
吉澤がいう。
「リカチャンガジャマ・・・イチイチャンノカワリ・・・チガウ・・・。」
立て膝を突いたまま呟くごとうを吉澤が抱きしめる。
「落ち着いて・・・お願い・・・。」
「ヨッスィーハ・・・ドウシテココニノコッテルノ・・・・?ミンナトイッショニ
ニゲレバイイジャン・・・ドウセゴトウハギゼンシャダヨ・・・・。」
「そんな事ないからっ!お願い・・・。」
「モウツカレタヨ・・・イロイロシテキテケド・・・・・モウヤヤコシイノハイヤダ。
ダカラ・・・・。」
「ごめん、よっすぃー・・・。梨華ちゃんを幸せにしてあげて・・・・。」
後藤はそう言ってよろよろと何処かへ歩いていった。
「待って・・・・!」
「もう、止める事は出来ないから。好きな人をこれ以上傷付けない為に、
最後の仕事をしてくるよ・・・・。」
吉澤には訳が分からなかった。
- 177 名前:ごんた 投稿日:2002年04月21日(日)18時34分24秒
- 「・・・・いた。」
石川は屋上にいた。
「ひっく・・・ひっく・・・・。」
蹲って泣いていた。それを見て、なんだか
こっちが申し訳なく感じる。
「梨華ちゃん・・・?」
「!」
こちらを見るなり、怯えて後ず去る。
「落ち着いて聞いて欲しいんだ。」
思い切って話そうとする後藤を邪魔するかのように
風が強くなる。
「今まで本当にごめん。不安だったよね。」
俯き加減に話す。
「いつもいつもややこしくて、その度に考えさせて、
辛かったよね。だけどもう安心してよ。」
「まさか・・・・・。」
「永遠に、梨華ちゃんの前から消えてあげる。
偽善者みたいな後藤は嫌いでしょう?」
「消えるって・・・・?」
「簡単だよ。梨華ちゃんを殺せばいいんだから。」
「・・・・え?」
石川は後ずさりする。
- 178 名前:ごんた 投稿日:2002年04月21日(日)18時50分01秒
「それか後藤が消えてなくなるか・・・・・。
二つに一つだね。あはっ。」
「ごごご・・・ごっちん・・・何する気なの・・・?」
「最後に言わせてもらうけど。」
涙が落ちてこないように上を向く。
青空が、奇麗だなぁ・・・・。
「後藤は一度だって梨華ちゃんを市井ちゃんの代わりと
思った事なんてなかった。ピアスだって、最後の思い出
として付けてたんだよ?」
「だったら・・・・!」
「けどさぁ、自分を守る為にいい人ぶってるって言われて
びっくりしたよ。確かにそうだなって思う。お父さんが死んじゃって、
もう何一つ失いたくなかった。よっすぃーの件が例でしょ?」
「(違うよ・・・そんなことない・・・・。)」
目線を真っ直ぐ石川に戻し、近づく。
「だから・・・・・。」
震える石川を優しく抱きしめ、頭を撫でる。
そして、そっと触れるだけのキスをした。
「さよなら・・・・梨華ちゃん・・・・幸せになってね・・・・・・。」
そう言って体を放し、その場を去った。
後藤の歩いた後には、転々と涙の跡が残っていた。
- 179 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月21日(日)22時11分03秒
- なんでこうなるんだーーー。
いったいごっちんも梨華たんも何やってんだーー。
梨華たんが嫉妬するのはわかるが言いすぎはだめだべ。
ごっちんは何を考えているのかさっぱりわからん。
二人には幸せになって一緒に歩んで行ってほしい。
- 180 名前:ごんた 投稿日:2002年04月23日(火)15時28分39秒
「違うっ・・・!まって!!」
石川は慌てて追いかける。
「私は強がっただけなの・・・・!市井さんに嫉妬して・・・・だから、
あんな事いちゃっただけで、ごっちんのことが嫌いになったわけじゃないの!」
後藤の後ろ姿を見つけ、思いっきり抱き付く。
「だってごっちん・・・いっつも最後に優しくしてくれて・・・・・。
そんな優しい人、嫌いになるわけないじゃない!」
後藤は泣いていた。声を押し殺して。唇をかみ締め、目を閉じたまま
流れる涙を心に刻むかのように立っていた。
しっかり巻き付いている、石川の腕。
これをはがせば、自由になれる。
でも、本当にそれで言いの・・・・?
ゆっくりと、自分の腕を石川の腕に乗せる。
「ごっちん・・・・?」
恋人同士に良くある、ただの嫉妬じゃないか。
自分がはっきりしないからいけないんじゃないか。
自分勝手に行動するからいけないんじゃないか。
そんなこと、解っていた。ただたんに石川の前では『カッコイイ、クールな後藤真希』
でいたかった。だからなんでも解った振りして、こういう結果になる。
この腕をはがせば、大切な人を失う。だけど、もうこの胃の痛みも、
手足の震えも、立ち眩みにもなる事はない。
けど、本当にそれで言いの・・・・?
- 181 名前:ごんた 投稿日:2002年04月23日(火)15時38分05秒
「ごっちんは・・・どうしたいの・・・?」
「っ・・・!」
ビクッ、と身体を震わせる。
石川は、後藤の方にあごをのせ、後藤の一番弱い耳元で吐息をかけるように
はなす。
「後藤は・・・・。」
自分でもわからない。もし本当に神がいるのなら、その神に決めて欲しいくらいだ。
「後藤は・・・・梨華ちゃんと一緒に・・・いたい・・・けど・・・・。」
「けど?」
「もう、体が持たないよ・・・・。」
フラフラになりながらなんとか立っている後藤の様子に気付き、
抱きかかえる。
「どうしたの・・・!」
「言いたくないけど・・・ここ最近、調子悪いんだ・・・・ず・・・と・・・。」
貧血気味に倒れた後藤を背負い、火事場の馬鹿力で病院へ運んだ。
- 182 名前:ごんた 投稿日:2002年04月23日(火)15時44分47秒
ベットに寝かされている後藤の横で、石川は泣いていた。
「ごめんねぇ・・・ごっちん・・・・。」
後藤の寝顔は美しいもので、つい触れたくなる。
前髪を撫でて、呟く。
「頑張りやさんなんだね、ごっちんは。」
気持ち良さそうに寝ている後藤。
「・・・とうさん・・・。」
今までのしあわせそうな顔と打って変わって、泣きそうな顔になる。
「・・・お父さん・・・・。」
閉じている瞳から、涙が頬を伝い、シーツにポタポタたれる。
「ごっちん、一緒に幸せになろうね・・・。」
だらんと垂れている後藤の右手を取り、指を絡ませてぎゅっと掴む。
そして・・・・・
優しく、優しく、壊れ物を抱えるような感覚で、唇を重ねた。
- 183 名前:ごんた 投稿日:2002年04月23日(火)17時24分45秒
いしごま防衛軍さん、ありがとうございます。
嫉妬って、いきすぎちゃうとこういう展開になっちゃうんですよねぇ〜。
これからはキチンと、バカップルへ歩いて行くので、もう少しまってください。
- 184 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月24日(水)00時41分15秒
- いつまでも待ちますよ!!ごっちん頑張りすぎでなんでも自分で解決しよう
としすぎで感情を中に押し込みしぎですな。こういうときは少し乱暴でも
梨華たんを抱いたらごっちんも少し楽になるし梨華たんが不安になることも
少なくなるのではないだろうか。更新楽しみに待っています。
- 185 名前:ごんた 投稿日:2002年04月25日(木)18時27分52秒
- 神様がくれた夏
初夏。いつものように学校から帰ってきた
わたしは、友達の愛犬、チャッピーと雑木林
へ散歩に出かける。毎日、毎日。
けど、今日はいつもと違ったんだ。
「誰・・・・?」
車椅子に乗った少女が、寝ている。
「可愛い・・・・。」
私はそっと彼女に触れてみる。
「すぅ・・・・。」
おきそうにない。こんな所にいていいのかな?
起こそうと思って、ゆすってみる。すると・・・・。
「ピピピピピッ!!」
小鳥が彼女の肩にとまり、囁いている。
「と・・・鳥っ!!」
「う〜ん・・・・タカぁ?どうしたのさぁ・・・。」
眠そうに目を開け、彼女はゆっくりとこっちを見る。
「?誰ですか?」
「石川梨華っていうんです。高3何ですけど・・・・。」
「あ、そうですか。・・・・年上?」
「え?!年下?!」
彼女は大人っぽく、同い年か年上だと思ってた。
「後藤真希って言うんだ。そこの病院で入院してるの。
心臓病だから・・・・。」
「そう・・なんだ・・・。」
わたしはマズイかな、と思った。
「あぁ、気にしないで。それより、その犬なんていうの?」
「チャッピー。アメリカに行ってる子の愛犬。」
「へぇ・・・。」
私達の会話は弾んだ。
「それでねぇ・・・。」
「うわ、そうなのぉ?」
何時間立ったろうか?明日も来る事を告げ、別れた。
「可愛いな・・・ごっちん・・・。」
- 186 名前:ごんた 投稿日:2002年04月25日(木)18時28分30秒
- 次の日から夏休みに入った。
大学にはもう特待生として入るので、暇だった。
毎日毎日ごっちんに会いに行った。
チャッピーはタカとじゃれあってるし、私も・・・・。
実は、ずっと言えてなかったけど、好きなんだ。
恋愛の対象として。
けどそれを知ったら気味悪がって一緒にいてくれないと思う。
だから、内緒。
ある日。
「はい、コレ。」
「ネックレス?」
「そう。私の大好きなやつ。病院じゃ着けれないから。」
「ありがとう。」
「もうすぐ死んじゃうから、大好きな梨華ちゃんに付けてて
欲しいんだ。」
「そんなこと・・・。」
「いいんだよ。これが俗に言う運命ってやつなんだから。」
私より年下なのに、意見も大人っぽい。
かっこいいなぁ・・・・。
「しゃがんでくれる?」
「いいよ。」
ごっちんは私の首にかけてくれた。私の大好きな笑顔で・・・。
「大事にしてね。」
「うん!!」
- 187 名前:ごんた 投稿日:2002年04月25日(木)18時29分51秒
- 夏も終わりに近づき、なっちがアメリカから帰ってくる日が来た。
空港に行って、ずっと待ってたのに・・・・。
なっちは、帰ってこなかったんだ。
『ずっと、待ってるからね!』
『来年の秋には、一緒に学校行こうね!』
約束したのに・・・・。
なっちは・・・・・
流行り病にかかって、死んじゃったのだ。
それからずっと
ごっちんに会いに行かなくなった。
別れるのが辛いなら、いっそ忘れてしまえばいい。
そう考えたから
そう決心したんだ
ごっちんと会うのを止めてから、しばらくたった。
もう、息が白くなり雪も降る季節。
今日はクリスマスだった。
「梨華、な〜に暗い顔してんの?」
そうだった。今は、友達と私の家でパーティーをしている
んだ。もう会わないって、決めたんだから・・・・。
「あれ、可哀相なとり。」
「た、タカ!!」
他でもない、ごっちんのペットタカだった。
こころなしか、泣いているようにも見えた。
「どうしたの?」
「ピピピピピッ!!」
何かを訴えて、雪空へ飛んで行った。
まさか・・・・
プルルルル・・・・
まさか・・・・
- 188 名前:ごんた 投稿日:2002年04月25日(木)18時30分32秒
- 「はい?」
「梨華ちゃん・・・?私。」
「ごっちん!」
そうだよね、まさか、ね。
「最近来てくれないね。どうしたの?ってまぁいいか。
きっとなんか会ったんだろうけど・・・・。」
「なに?」
「今から会いたい。」
ドクン・・・
どうしよう?
「駄目・・・か・・・。」
「ごめんね、もう会わないって決めたから。」
それだけ言って切った。
これでいいんだ。
これで・・・・
- 189 名前:ごんた 投稿日:2002年04月25日(木)18時31分28秒
- 3分後。メールが届いた。
【ごめんね、今まで迷惑だったよね。
夏休み中、縛り付けちゃって・・・・。
私、梨華ちゃんの事好き。だから、
最後に会いたかったけど・・・・。
でも、思い返せば、神様は十分
私に幸せをくれた。神様がくれた、
最後の一夏は、とってもたのしかった・・・。】
コートを取って雑木林へ急ぐ。
そこには・・・
携帯を持って車椅子にもたれかかっているごっちんと、
ひっしに起こそうとしているタカがいた・・・・。
「ごっちん・・・・。」
反応はない。顔が色白い。
嘘だよね・・・・・?
「嘘でしょ・・・?」
反応はなく、ただ悲しそうに眠っている。
「寒いじゃんか、暖めてあげるよ。ね?」
後藤を優しく抱きしめる。
「お願い・・・・ねぇ・・・・。」
さっきよりは幸せそうにしている。
だが
もう息はない。
- 190 名前:ごんた 投稿日:2002年04月25日(木)18時35分21秒
- いしごま防衛軍さん、ありがとうございます。
番外編、神様シリーズかきました。
まだうまく内容がまとまらなくて。
終わり方が微妙ですが、もう少し続けますので、
お待ちください。・・・いろいろ待ってもらって済みません。
- 191 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月25日(木)21時37分20秒
- 楽しみに待っていますよ。
うーん、確かに微妙だ。頑張ってくださいよ。
- 192 名前:ごんた 投稿日:2002年04月27日(土)13時03分10秒
>>191ありがとうございます。5月9日発売ごっちんソロシングル第3弾
「手をにぎってあるきたい」聞きました?今までと違い、ちょっと変った
子供っぽいごっちんが想像できるような曲でしたね。
微妙でゴメンナサイ。がんばりますよ〜!
- 193 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月29日(月)01時02分02秒
- ごっちんの新曲まだきいていません。はやくききたい。
更新楽しみに待ってますよ。
- 194 名前:しーちゃん 投稿日:2002年04月30日(火)10時45分34秒
- コンサートでごっちんの新曲聞いたけど超最高にかわいかったですよ。
曲もイイ!
- 195 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月10日(金)16時25分42秒
- ごっちんの新曲ききました。いいですねー。最高でした。
ますますいしごま防衛条約機構は力をましましたよ。
更新マターリ待ってますね。
- 196 名前:ごんた 投稿日:2002年06月02日(日)19時54分28秒
>>193>>195更新遅れてすみません。最近なんだか先が思い付かなくて・・・。
書こう、書こうと思ってるんですが・・・。
>>194コンサートですか!羨ましいです。BSで見たコンサートでしょうか?
曲もほのぼのしていていいですよね。
ずっと放置していてすみません。
明日から少しずつかいていきたいと思います。
- 197 名前:ごんた 投稿日:2002年06月03日(月)17時37分53秒
「あなたが、石川さん?」
冷たくなってしまったごっちんを抱え、院内に入ると
看護婦さんに言われた。
「あ、はい。」
「この子ね、ずっとあなたの事を待っていたのよ。」
「わたしを?」
「今日は来てくれる、今日は来てくれる、って。」
信じられなかった。
わたしはごっちんを見捨てたのに。
ごっちんはずっと私を待っていてくれた。
- 198 名前:ごんた 投稿日:2002年06月03日(月)17時50分56秒
「さっき、最後に話がしたいから、外にださしてくれって。」
「今日、クリスマスでしょう?きっと彼女、あなたと話がしたかったのよ。
どうしても。私が以前、『どうして連絡とらないの?』ってきいたら、
『梨華ちゃんにもなんか事情が合ったんだよ。いつか後藤にも話してくれる。』
って。」
ごっちん・・・
あなたは優しすぎるよ・・・どうしてこんな私を信じていてくれるの?
わたしはあなたを裏切ったのに・・・・
「これ、プレゼントにって。」
渡されたのは十字架のネックレス。
でも、良く見てみると。
『G・I』
と彫られている。
「彼女の首をみてごらん。」
ごっちんの首には、『I・G』と。
私はその場で泣き崩れた。半年前に貰った物よりも、
優しくて、大切で、純粋で、だけどどこか悲しい気持ちのこもったプレゼント。
だけど、私は何もしてあげられなかった。
ごめん、ごっちん・・・・。
瞼を閉じると、ごっちんが私に向って微笑む。
『ごとーはこれからずっと梨華ちゃんと一緒にいるよ。』
悪戯っぽい、だけど普段ならくさい台詞だけど、
今の私には、とても幸せな一言だった。
- 199 名前:ごんた 投稿日:2002年06月03日(月)17時53分23秒
これで『神様がくれた夏』は終わりです。
気付いた方もいらっしゃると思いますが、この題は去年の夏、
ごっちんがテレビガイド(?)に出ていた時の見出しです。
- 200 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年06月03日(月)20時03分00秒
- うぐぐ。ああ切ない。うーん、テレビガイドはみていないので気づきません
でした。
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