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銀杏色に染められて

1 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年03月15日(金)09時54分23秒
 殻は固いし、中の実も渋い。
 でも、それが独特の味わいを醸し出して……。
 そんな銀杏色に染められた小品をここに。ショートショート集。
2 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年03月15日(金)09時55分39秒
 「流れ星」ってことで、直接、明日香を登場させずに、しかも明日香の存在感を
出せないかなってことで書いてみました。
 どうでしょう?
3 名前:流れ星 投稿日:2002年03月15日(金)09時56分35秒
 今日は何だかポッカリ空白。
 仕事は相変わらず忙しいし、五期メンバーもだいぶ慣れてきて、充実の毎日。
 そのはずなのに……。
 やっぱり今日はポッカリ空白。

「…もしもし?…私……」
 気がついたら電話をかけてた。
「うん…なっちは元気だよ…福ちゃんは?…うん…そっか。元気でなによりだ」
 忙しさで自分が擦り切れちゃったような日は、決まってあの娘。に電話しちゃう。
 明日香……。
4 名前:流れ星 投稿日:2002年03月15日(金)09時57分47秒
「今、なにしてるの?…え? 星空?…三十分も見てるの?」
 この寒空にと思ったけど、窓際まで歩いて、ブラインドを二、三本、指でカシャッ
と引き下げる。
 都会の夜空に弱々しく瞬く星。
 室蘭の夜空と同じはずなのに。
 都会の刺々しさは、星空まで擦り切らしちゃうのかな?
5 名前:流れ星 投稿日:2002年03月15日(金)09時58分26秒
「え? 流れ星?」
 電話の向こうから、珍しくはしゃいだ声が聞こえたと思ったら、私の目にもス〜ッ
て流れ落ちる星が飛び込んできた。
 綺麗……。
 都会のくすんだ夜空を切り裂くように走り去った流れ星。
「なっちにも見えたよ…え?…『何か良いことあるかもよ』って?…そうだねぇ……」
 明日香に言われると、本当にそうかもって気がしてくる。
 不思議だね。
 よ〜しっ! 明日からもガンバルゾ〜!
 (終)
6 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時08分31秒


 心の中でクルクル回る。
 私が回る。
 まるで独楽のように。
 ベッドで一人。
 あの子が傍にいなくて…切なかった。

 一目惚れ、だった。
 それもテレビを通して。
 あの子は工藤静香さんの「激情」を歌ってた。
「惚れた」
 つんくさんがテレビの中でそう呟いたとき、私の気持ちが見透かされたのかとドキ
ドキした。
7 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時09分14秒
 なっちもあの子も、オーディションを勝ち抜いて、最終選考に残った。
 会える。
 東京であの子に会える。
 何よりそのことが嬉しくて……。

「ねぇ見て見て! プリクラ。これがなっち、こっちは友だち」
「…はぁ…そうですか……」
 寺合宿に向かうバスの中で、一生懸命に話しかけるのに、あの子はずっとそんな調子。
 切なくて、でも絶対に諦めないって思った。
8 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時09分49秒
 ボイスレッスン、ダンス、食事の準備…全部が辛かったけど、あの子と一緒だったら
全然平気だった。
 なのに……平家のみっちゃんが優勝して、私たちはまた日常に戻ることになった。
 なっちは北海道。
 あの子は東京。
 すべてが終わった……。
 そう思ったとき、もう一度東京に呼び出された。
9 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時10分19秒
 インディーズデビュー。
 五万枚手売り。
 なにより五人のメンバーの中に、あの子がいた。
 運命だ。
 確信した。

 絶対にこのユニットを成功させるんだ!
 そしたら…そしたら、ずっとあの子と一緒にいられる。
 純粋にそう思って、必死で頑張った。
 一緒に活動して、ますます惹かれていった。

 五万枚完売。
 あのとき、あの子も泣いてたなぁ。
 …なっちも号泣したけどさ。
10 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時11分09秒
 モーニング娘。としてデビューして、なっちはもうあの子に夢中だった。
 同じステージに立ってあの子の声とダンスにウットリし、ラジオのトークも、はしゃ
ぎっぱなしだった。
 あの子も、だんだんと心を開いてくれて、いつしか、なっちのことも憎からず思って
くれるようになっていた。
 楽しかった…ホントに楽しかった。
 なのに別れは突然で……。
11 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時12分00秒
 私にとって、あの子は「唯一」だった。
 あの子にとって、私は……何だろう。

 今でも電話やメールのやり取りで二人はつながってる。
 でも…でも違う!
 私は、ホントはあの子を抱きしめたかった…口づけたかった…他の誰からも奪い去っ
て、事実の上で私の「唯一」にしたかった。
 なのに出来なかった……。
12 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時12分33秒
『なっち、元気してる? 今度のライブ行くからね。じゃ、またそのときに◆◆明日香◆◆』
 いつも通りのそっけないメール。
 愛しさの募るメール。
 そして……私の中の未練を掻き立てるメール。

 こんなメールが届いた夜は、私は独楽になる。
 あの子が傍にいなくて…切ないから。
 ベッドで一人……あの子に触ってほしかった肌に指を這わせて、自分を慰める。
 こんななっち、あの子が知ったら軽蔑するかな?

 いっそ止まって倒れてしまえば、ホントに楽になれるのに……。
 私は回る。
 孤独に偽りの楽園を巡る…あの子を想って……まるで独楽のように。
 心の中でクルクル回る。
 クルクル、クルクル……。
13 名前:独楽 投稿日:2002年03月15日(金)13時14分42秒
(終)

 って書くの忘れてた(藁
 ちょっとHっぽい、なっち独白でございます。
14 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月18日(月)03時41分29秒
なんか、ますます明日香にハマっちゃってる自分はどうしたらいいんでしょう(w
「あすりか」から追い掛けてきました。短編もまた違う雰囲気でいいですね。
15 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年03月18日(月)10時14分28秒
>>14
 どんどん明日香にハマっちゃってください。どこまでも…(藁
 短編なりの明日香達を描ければいいんですが……頑張りまっす!
16 名前:呟き 投稿日:2002年03月18日(月)10時15分30秒
「…ねぇ、梨華ちゃん……」
 返事がないのは分かってるんだ。
 でも、呼び掛けずにはいられない。

 私たち、付き合い始めて一年になるね。
 もう一年?
 まだ一年?

 女の子同士ってことで戸惑いもあったし、ケンカもしたし、キスもしたし、それか
ら……。
 とにかく、いろいろあったけど……私、梨華ちゃんに出会えて良かった。
 ホントだよ?
 心の底から、そう思えるんだ。
17 名前:呟き 投稿日:2002年03月18日(月)10時16分15秒
「あのさぁ、梨華ちゃん……」
 覚えてる?
 私が風邪ひいちゃったとき。
 梨華ちゃん、コンサートツアーから帰ってきて、すぐに駆けつけてくれたでしょ?
 嬉しかったぁ……。

 熱が出てて、頭がボ〜ッてしてたけど、本当に嬉しかったんだよ。
 でもさ、治ってから初めて会った時、
「梨華ちゃんに風邪が感染っちゃったらどうするつもりだったの? もっとプロとし
て自覚をもたなきゃ」
なんて、言っちゃって……。
 照れくさかったんだよ。
 だから、こんな小憎らしいこと言っちゃった。

 ごめんね?
 それから…ありがとう。
 あの時は言えなかくて、ずっとずっと胸の中につかえちゃってた言葉。
18 名前:呟き 投稿日:2002年03月18日(月)10時16分57秒
「…ねぇ、梨華ちゃん……」
 返事がないのは分かってるんだ。
 でも、呼び掛けずにはいられない。

 こんなに可愛い寝顔を見ちゃうとさ。
 隣にいる梨華ちゃんの寝顔を覗き込むと、幸せな気分になれるんだ。
 これからもよろしくね、梨華ちゃん。
 (終)
19 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年03月18日(月)10時18分13秒
 カップリングはあすりかですが、小説「あすりか」とは違う作品世界です。
 ……別に同じ世界でもいいんですけど(藁
 まぁ、読者の方が、お好みに合わせて考えていただければと思います。
20 名前:雨粒 投稿日:2002年03月20日(水)16時52分07秒
 久しぶりに、あの子と買い物に行けると思ったのに……。
『ごめんね。雨でロケが押しちゃって…今日、行けないかも……』
「……仕方ないよ。仕事だもん。風邪ひかないように気をつけてね」
 こんな時でも冷静を装う自分が恨めしい。
 たまには駄々をこねてみても良いのに。

 電話を切って、ベッドの上にダイブ。
 バフッて柔らかく受け止めてくれるけど、やっぱりちょっと衝撃を感じて痛い。
 その痛さが、私自身へのせめてもの駄々っ子の表現。
21 名前:雨粒 投稿日:2002年03月20日(水)16時52分47秒
 あ〜ぁ……。
 布団に頬を押しつけながら、窓ガラスを伝う雨粒を眺める。

 ポツポツ、ポツッ。
 窓に当たって、パッと弾ける。
 それがガラスを伝ううちに集まって、小さな小さな流れとなる。
 ずっとくっついてたいのに、重力に引かれて落ちていく。
22 名前:雨粒 投稿日:2002年03月20日(水)16時53分43秒
 まるで私みたい――。
 素っ気ないふりして、クールに対応して。
 パッと離れたかと思うと、何気ない様子で傍をウロウロ。
 ホントは一緒にいたいのに。
 タイムリミットで「はい、さようなら」
 後になっていつも悔やんで……。
23 名前:雨粒 投稿日:2002年03月20日(水)16時54分42秒
 窓ガラスを流れ落ちる雨粒を、ぼんやり眺めてたら、また電話。
『もうすぐ終わりそう。すぐ行くから』
「無理しないでも良いのに。疲れてるでしょ?」
 また心にもないことを言う私。
 そのくせ、電話が切れたらソワソワして。
 姿見に自分を映して、あっちの服の方が良かったかな?とか考えたり。

 相変わらず、雨粒は窓ガラスを伝って流れてる。
 その中に、フルフル震えてジッとしがみつくように引っ付いてるのが一つ。
 私と同じ。
 あの子と一緒にいる時間を大切にしたいから。
 流れ落ちないように必死にあがいて……。
 (終)
24 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年03月20日(水)17時02分44秒
 明日香視点です。
 が、この「あの子」には、誰を想定して読まれたでしょうか?
 わざと特定できないように書いてみたのですが……。
 お好きなカップリングで読んでください(藁
25 名前:名を呼ぶは…… 投稿日:2002年04月02日(火)14時59分54秒
「福ちゃん……」
 シーツにくるまったまま、そっと呼んでみる。
「ん〜? なっち、なぁにぃ〜?」
 眠たげな目をショボショボさせながら、ゴロンッとこちらを向く。
「……何でもない」

「何それぇ?」
 唇を尖らせて、眉もピクッと上げて、ベッドの上をズリズリと近寄ってくる。
「何でもないの」
 もう一度そう言う。
26 名前:名を呼ぶは…… 投稿日:2002年04月02日(火)15時00分32秒
「何だよぉ…ねぇ」
 寄り添う距離まで近づいてきて、私の肩を揺する。
「ホントに何でもないの」
 福ちゃんの温かさが直に伝わってきて、ドギマギしながらしらを切る。

「…うそ」
 断定。
「キス…したいんじゃないの?」
 もう……何でいつも私の気持ちを読んじゃうの?
 グッと寄せてきた顔がアップで迫ってくる。
 福ちゃんの瞳、キラキラしてた。

 なっちは何も返事をしてないよ?
 でもさ…なっちの目、動揺で潤んじゃってて……福ちゃんは、それを見て小さく
肯いて。
 それから……。
27 名前:名を呼ぶは…… 投稿日:2002年04月02日(火)15時01分24秒
 しばらくして、唇の距離が少し離れた。
「…お気に召した?」
 また、なっちは何も返事をしなかったけど、真っ赤になった顔を覗き込んで、福
ちゃんは満足そうに笑ってた。

 なっちが名前を呼んだだけで、福ちゃんはいつも、なっちがしてほしいことを見
抜く。
 不思議だね。
 ホント、不思議だよ。
 だからまた名前を呼んじゃうんだ。
 今度は、「また会いたい」って念じながら……。
(終)
28 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年04月02日(火)15時03分36秒
 シンプルに、なっち×明日香ものです。
 明日香の前だと、なっちの可愛さが二倍(当社比)になると思いませんか?
29 名前:Why? 投稿日:2002年04月04日(木)13時07分41秒
「ねぇ……何で怒ってるの?」
 ベッドの端に座って、うつむいて足をブラブラさせてる明日香ちゃん。
 さっきから、唇を尖らせたままで何も言ってくれないの。

「ねぇったらぁ」
 傍まで近づいて行って、肩に手を置く。
 イヤイヤをするように身体を揺する明日香ちゃんがまた可愛いの……そんな場合
じゃなかった。
 今度は下から覗き込む。
 プイッて顔をそらされる。
 ……人間って悲しいね…。
30 名前:Why? 投稿日:2002年04月04日(木)13時08分18秒
 明日香ちゃん、何で怒ってるの?
 ねぇ、ちゃんと言ってよ……。
 私にとっては、地球がひっくり返るくらいの重大事だよ。
 あれっ?
 本当に地球がひっくり返る……。

 ドシンッ!
「痛たたた……」
 明日香ちゃんを覗き込みすぎて、ベッドから落ちちゃった。
 でも、そんなことより。
「り…梨華ちゃん、大丈夫?」
 明日香ちゃんが声を掛けてくれたの!
 それもすごい心配そうな顔で!
 嬉しいよぉ……。
31 名前:Why? 投稿日:2002年04月04日(木)13時09分02秒
「梨華ちゃん、泣かないで。頭打ったの? 痛いのどこ?」
 違うの。
 嬉しくて涙が出てるの。
 そのことを明日香ちゃんに伝えたら、ホッとしたような、怒ったような、複雑な
表情で私の手を引いて起こしてくれた。

 改めて、ベッドに二人で並んで座る。
「あのね……」
 やっと明日香ちゃんが、怒ってる理由を話し始めてくれた。
 これでもう、問題は解決。
 少なくとも、私にとっては。
 だって、明日香ちゃんの言う通りにすれば間違いないもんね?
 (終)
32 名前:Why? 投稿日:2002年04月04日(木)13時09分55秒
 「あすりか」でケンカものです。
 ケンカの理由は……あなたのお気に召すままに。
33 名前:新たな強敵?! 投稿日:2002年04月10日(水)12時33分29秒
 ♪今日はあの子が来てくれるの 私の愛しい明日香ちゃん〜♪
「石川…何その歌…教育係だった私の立場が無いじゃないの」
 何だか保田さんが怒ってるけど、そんなことは置いといて。
「こら〜っ! 私のこと、無視すんじゃないわよ」
 もうね〜、歌っちゃうくらいに楽しみ。
「…最近、石川は私に対して冷たくない?」
 今日は仕事が終わったら、明日香ちゃんが迎えに来てくれて、そのまま二人でお
食事に行くの。
「あのぉ…もしも〜し…ちょっと石川さ〜ん?……クスン」
 ふっふっふ、夜のデート。
34 名前:新たな強敵?! 投稿日:2002年04月10日(水)12時34分03秒
「明日香とのこと、私なりに応援してるつもりなのに…こんな仕打ちって……」
「保田さ〜ん、いつもありがとうございま〜す」
「……あんた…本当に現金ねぇ」
 呆れられようが何だろうが、明日香ちゃん(と私)にプラスになるなら、保田さ
んだって使っちゃうんだから!
「あのねぇ…いくら私でも傷つくわよ……」
 あ…いじけちゃった。
35 名前:新たな強敵?! 投稿日:2002年04月10日(水)12時34分39秒
 コンコン。
「こんばんは。あのぉ、梨華ちゃんいますか?」
 明日香ちゃんだ〜!
 ドアから顔だけ覗き込んでる明日香ちゃんに駆け寄ろうとしたら……。
「明日香ぁ! ひさぶりじゃ〜ん!!」
 …矢口さんに先を越されちゃった。
「あ、矢口。ども」
「『ども』じゃないでしょ! 梨華ちゃんばっかりじゃなくて、たまには愛しの真
里ちゃんにも連絡してきなさいよ」
 何ですって〜!
 いくら矢口さんでも聞き捨てなりませんよ。
 私を差し置いて、「愛しの」真里ちゃんだなんて!
36 名前:新たな強敵?! 投稿日:2002年04月10日(水)12時35分22秒
「焼けぼっくりに火…かな?」
 突然、私の背後から怪しい声が。
「保田さん、何ですか突然」
 さっきまでいじけてた保田さんが、ニヤニヤしながら私を見てる。
 何だか私には、悪魔の微笑みに見える。
「現役時代、明日香は『恋人にするなら?』って質問に、いっつも『矢口』って答
えてたからねぇ」
 ギクッ…そう言えば、そんな記事を見たことあるような……。
「『腕組んで歩きたい』とか何とか…丁度、背も合うし、お似合いだよねぇ……」
 ギクギクッ!
37 名前:新たな強敵?! 投稿日:2002年04月10日(水)12時36分08秒
 明日香ちゃんと矢口さんの二人が、腕を組んでデートしてるのを想像する。
 矢口さんが、ちょっと見上げるくらいのところに、明日香ちゃんの顔があって…
…あれこれ楽しいことを見つけては、矢口さんがにぎやかに笑って、それを明日香
ちゃんがニコニコしながら見つめてて……。
 …悔しいけど…可愛い二人……。

 イヤ〜! そんなのダメ〜!!
「明日香ちゃ〜ん! 私を捨てないで〜」
 楽しそうにお話してる矢口さんを押しのけて、明日香ちゃんにヒシッと抱きつい
ちゃう。
「ど…どうしたの、梨華ちゃん?」
「私よりお似合いの人がいるなんてイヤだよ〜」
「…はぁ?」
 訳が分からない様子だけど、でも、私の頭をよしよしって撫でてくれるの。
38 名前:新たな強敵?! 投稿日:2002年04月10日(水)12時36分46秒
「圭ちゃん、梨華ちゃんを苛めないでよ」
 私に抱きつかれたままで、明日香ちゃん、苦笑いしてる。
「ごめんごめん。だってさぁ、最近、石川は『明日香ちゃん』『明日香ちゃん』ばっ
かりで、私のこと無視したりしてたから、ちょっと意地悪してみたくなっちゃった
んだよね」
「それにしても、ひさぶりで、梨華ちゃんのネガティブ妄想だったね」
 矢口さん、私のこと見てケラケラ笑ってる。
 恥ずかしいよ……。
39 名前:新たな強敵?! 投稿日:2002年04月10日(水)12時37分18秒
「し…失礼します!」
「あ! ちょ…ちょっと梨華ちゃん……」
 挨拶もそこそこに、明日香ちゃんの手を引いて、控え室を飛び出しちゃった。
 だって…何だか、明日香ちゃんと矢口さんが近くにいるのがイヤだったから。
 これからは、ちゃんと矢口さんもマークしておかないとね。
「…絶対に明日香ちゃんは渡さないんだから」
「え? 何? 梨華ちゃん、何か言った?」
 私の呟きに不思議そうな顔してる明日香ちゃんに笑顔を返して、しっかり腕を組
み直す。
 明日香ちゃんと腕を組んで良いのは私だけなんだからっ!
                                   (終)
40 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年04月10日(水)12時38分45秒
 今回は、ちょっとコミカルな「あすりか」です。
 実は、すねたり、その仕返しをしたりする圭ちゃんの方に力が入ってたりしま
す(藁
41 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月15日(月)02時20分36秒
やっぱいいっすねー!あすりか(^^)サイコー!!
明日香が、恋人にするなら矢口って答えてたとは知りませんでした。
なんか意外。まだまだ勉強足らんな、俺… 
42 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年04月18日(木)14時57分17秒
>>41
「恋人にするなら矢口」
っていうのは、初めてのオールナイトニッポンはじめ、何回か発言があるみたいで
すよ。
> やっぱいいっすねー!あすりか(^^)サイコー!!
 その応援に調子に乗っちゃって、またまた、あすりかのショートショートを書い
てみました。
 「あすりか」の続編も始めましたので、そちらもよろしくです。
43 名前:流れていきたい 投稿日:2002年04月18日(木)14時58分13秒
 二人で歩いてた。
 手をつないで、何もしゃべらずに、ただ歩いてた。

 土曜日の午後2時過ぎ、すごく中途半端な時間。
 何だか時間の流れも、早くもなく遅くもなく、中途半端に過ぎていく感じ。

 明日香ちゃんの家から散歩に出て、すぐ近くの川べりに沿って歩いてる。
「…小さい頃から、ここが好きでさぁ……」
 川面を眩しそうに見ながら、明日香ちゃんが呟く。
「特にムシャクシャした時とか、石を投げ入れたりして……ちょっと落ち着いたら、
川の流れをボ〜ッと何も考えずに眺めて……」
44 名前:流れていきたい 投稿日:2002年04月18日(木)14時59分32秒
 私も明日香ちゃんと同じように、川面に視線を移す。
 流れは、早くもなく遅くもなく、丁度良い感じ。
 この流れに乗って、どこまでも行けたら楽しいだろうな……。
「今みたいに陽が当たって、水面で反射して、飴色に光って…何て言うか…トロ〜ンッ
て感じがするんだよね…サラサラじゃなくって、何かタラ〜ッて柔らかいものが流れ
てる感じ……分かる?…分かんないよね……あぁ〜もうっ! 上手く表現できないよ!」
 もどかしさ百パーセントの明日香ちゃんが叫ぶ。
45 名前:流れていきたい 投稿日:2002年04月18日(木)15時00分11秒
 フフフ……明日香ちゃん、可愛い♪
 いつもはあんまり使わない擬音語がたくさんだね。
 この川のことって、明日香ちゃんの頭に「感覚」として刻まれてるんだね。
 それを言葉でなんて伝えられないよね。
 でも大丈夫だよ。
 明日香ちゃんの言いたいこと、私にはちゃ〜んと分かってるから。
46 名前:流れていきたい 投稿日:2002年04月18日(木)15時01分21秒
 明日香ちゃん、ホントに悔しいみたい。
 唇を尖らせて眉を寄せて、難しい顔して考え込んでた。
 つないだ手を、ちょっと引いてみる。
「ん?」
「つまり、明日香ちゃんはこの川のことがスキなんだよね?……私のことと同じくらい」
47 名前:流れていきたい 投稿日:2002年04月18日(木)15時02分22秒
 そしたらパ〜ッて笑顔になって、ウンウンッて大きく肯いて…ハッと思い返した
みたいにブンブン首を振った。
「違うよぉ! 梨華ちゃんの方が、ずっとず〜っと大好きだよ?」
「ホントに?」
って聞いたら、真っ赤な顔でムキになってた。
 そんな明日香ちゃんも可愛いね。
 でも、この川みたいに、明日香ちゃんと一緒に、二人で流れていけたらいいのにね。
                                  (終)
48 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月20日(土)04時51分00秒
「あすりか」の続編が始まっていたとは気づかんかった!!
っもう!早く言ってよ作者さん(^0^)
49 名前:チャーミー銀杏 投稿日:2002年04月23日(火)13時54分18秒
>>48
 ご報告が遅れてすいません。
 海板にて、【ままごとのような本当の愛〜小説「続あすりか」〜】として再開し
ました。
  http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=sea&thp=1018495953&ls=25
 今後ともよろしくお願いします。
 とか言いながら今回は、なっち視点の作品です(藁
50 名前:幸運の雨 投稿日:2002年04月23日(火)13時54分52秒
 窓の外を見ると、まだ雨が降り続いてる。
 なっちにとっての幸運の雨が。

 ザ〜ッ。
 雨の音。
 バスルームからのシャワーの音。
 両方が微かに心地よく鼓膜に響く。

 うちに来る途中で、雨に降られた福ちゃん。
 今日は二人で買い物に行く約束だったけど、この雨だもん。予定変更。
 なっちん家で、二人でマッタリしたいなぁ。
51 名前:幸運の雨 投稿日:2002年04月23日(火)13時56分35秒
 そっと洗面室に入る。
「なっちぃ?」
 ぼんやり肌色が動いてるバスルームのドアの向こうから、変な風にエコーが掛かっ
た声。
「…うん。濡れた服、洗濯してあげるよ。なっちの服、貸してあげるから」
「ありがとう」
 キチンと畳んであった服をゴッソリ抱いて、洗濯機へ向かう。
52 名前:幸運の雨 投稿日:2002年04月23日(火)13時57分40秒
 今日の福ちゃん、結構おめかしして来たんだね。
 …ブラもショーツも薄〜い桃色の可愛いやつ。
 それも一緒に洗濯しちゃう。

 もうお出かけしないって決めたから、今日は福ちゃんの下着は必要なし。
 シャワーが終わって出てきたら、この特大のバスタオルで、なっちが抱き留めて
あげる。
 それからは……服も下着も交えずに、ゆっくりおしゃべりしようね。
                                  (終)
53 名前:名無し読者。。。 投稿日:2002年04月25日(木)22時05分13秒
微妙なヤラシサがいい!

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