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迷路
- 1 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時37分58秒
─プロローグ─
- 2 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時38分39秒
- 保田圭は本読んでいた
何処かの外国の本だったもちろん翻訳されているやつだ
コンコンコン
ノックが聞こえ、本を置き立ち上がると
保田がドアを開く前に勝手にドアが開かれた
「保田さん!」
そう叫び中に入ってきたのは石川梨華だった
「あぁ、石川どうしたの?」
石川が保田の部屋に訪れるのはしょっちゅうで保田は驚きもしなかった
「今日、学校で家庭科の時間があったんです、それでクッキー焼いて来ました!」
石川は喜々としてそう伝えたが保田はあまりクッキーは得意じゃなかった
が、石川の顔を見ていると断わることもできず
「あ、ありがとう」
と受け取ることしか出来なかった
後で、なっちにでもあげるかな、そんなことを思った矢先
石川に「食べてください」と言われてしまい、つい頭を掻いた
それでもやっぱり石川の嬉しそうで少し自信を伺わせる顔を見ていると
断わることが出来ず石川が包んだのであろうピンクの包みを開けて
一つハート形のクッキーを手にしたその時だった
- 3 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時39分56秒
- 「圭ちゃん!」
そう勝手に保田の部屋に入ってきたのは後藤真希だった
「ちょっとノックくらいしなさいよ」
どうも、管理人という立場なのになめられている。
「あ、梨華ちゃんじゃん」
後藤はそういうと保田の手にしているクッキーを見て
ははんっと含み笑いをして
「梨華ちゃんさぁ、知ってた?圭ちゃんてクッキー苦手なんだよ
パサパサするのが嫌なんだって」と石川に言った
「そ、そうなんですかぁ〜?」石川は目をウルウルさせて保田を見る
「う、うん、あ、でも食べれるようになったんだ」
石川にはどうも弱い
すると後藤が拗ねたように「じゃあ圭ちゃん食べてよ」と迫ってきた
そんな後藤に「わかってるわよ!」と少し怒鳴ると
後藤はシュンとなって寂しそうな顔をする、後藤のこの顔にも保田は弱かった
なんで、あたしこんな目にあってんだろ。と保田は心の中で嘆いたその時
- 4 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時40分45秒
- 「キャー」と悲鳴が聞こえた
幸か不幸かこんな悲鳴が聞こえたら管理人として行かなければならない
この石川と後藤のクッキー攻めから逃れられそうだ
「ちょっと行ってくる」
そう言って部屋を出て右へ行こうとすると
「さっきの絶対左だよ」
と後藤がもう廊下にでて左側を指差して
その隣には「早く行きましょう!保田さん」と石川が意気込んでいた
「ちょっと!あんた達は部屋に居ておきなさい!」
そう怒鳴っても聞く訳ではなく
石川なんかもう少し走りだしていた
はぁ、こんなんでいいのかしら?と保田はまた自信を無くしかけるが
その時、また悲鳴が聞こえ、もう何も行ってられなかった
とりあえず悲鳴の聞こえた左側へ走っていく
何人もの生徒が外へ出ていた
「みんな!部屋に戻って!」
そう叫びながら走るがみんな興味津々って風にドアから顔を出していた
ったく!どこ?もう悲鳴が聞こえない
立ち止まって周りを見回す
- 5 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時42分59秒
- 「圭ちゃん!」と後藤の声が聞こえ近付くと
安倍なつみが倒れていて、それを心配そうに福田明日香が眺めていた
「なっち!ちょっとあんた何で見てるだけなのよ!」
そう言って安倍の身体を持ち上げようとしたとき福田がそれを止めた
「頭、打ってるみたいだから揺すらない方がいいよ今、救急車呼んでもらってる」
「…そう、ごめんなさい」
保田は熱くなってしまった自分に恥ずかしくなる
「うん、1回目の悲鳴はなっちみたいなんだけど…部屋の中に…」
福田はそう不安げに保田に言った
「そっか、まだ1人!」立ち上がって、途方にくれた
こんな大きな建物の中でどうやって見つけろと言うのか?
その時、また後藤が私の名前を呼んだ
「けーちゃん…。人が…死んでるっぽい」
そこはドアの前に安倍が倒れていて、そのドアの部屋の中からだった
あっ、そう言えば、さっき福田が言っていたじゃないか。
なんでこんなにテンパってるんだ、こういう時こそ管理人がしっかりしないと、と
- 6 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時43分36秒
- 「ちょっと!後藤!危険なことはしないで!」そう言ってから
保田もおそるおそる中に入る部屋の真中に人が倒れていて頭から血を流していた
「大丈夫みたいだよ、中、誰もっていうかこの人以外居ないから」
後藤はそういうと部屋を出ていく
「どこいくの?」もう、自分の思考がついていかない
「どこってケーサツに電話、あ、救急車かどっちだろう?」
すると今まで隠れていた石川がでてきて
「救急車呼びました、一応、警察も」と言った
どこにいってたのかと思えば、後藤や保田の前にもう福田に会っていたみたいだ
まったくあたしの立場がないじゃないか
「あのー、何かあったんですか?」
人ごみをかき分け1人の人物が出てくる
- 7 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時44分07秒
- 「あ、よっすぃー」と後藤が呼び掛けると
「どうしたの?」と吉澤ひとみは後藤に聞く
「んー、なんか人、死んでるっぽい」と後藤がいうと
吉澤は顔色を変えて、死体のある部屋へと入っていく
「彩っぺ!」そう言って死体に触ろうとする吉澤を後藤と福田が止める
「触っちゃダメ!」そう福田が叫ぶと
吉澤は力が抜けたように座り込んだ
「…殺されたの?」放心状態の吉澤に福田は落ち着いて説明する
「いや、可能性があるわけで、なっちも実際襲われたみたいだし」
石川と後藤が吉澤の肩を支えて立ち上がらせる
「とにかく、もうすぐ救急車と警察がくるからみんな落ち着いて」
落ち着いてるのか、あたしは?
よっぽど年下の彼女達の方が落ち着いている。そんなことを保田は思った
- 8 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時45分10秒
- そういうことで、プロローグでした。
黒はもうやめて普通の書くとかいいながら
次は推理小説っぽくいきます。
なるべく殺さないように心掛けます(w
出るメンバー(カップリング)は私がツボな人達です。
でも言っちゃうと犯人に差し支えがでちゃうので内緒で
文章ベタですがおつき合いしてもらえるとうれしいです。
- 9 名前:のり 投稿日:2002年03月16日(土)03時46分07秒
- あ、年齢は一切無視です。
- 10 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)04時23分21秒
- <1>
とある学園の寮での殺人事件だった
3年生の石黒彩という娘が殺された
内部の人間か、それとも外から侵入してきたのか。
外から侵入してきた形跡はなかったらしい
1階だったと言えども窓には鍵がかかっていた
だが、ドアには鍵はかかっておらず
通りがかったとされている(意識不明の為)生徒が襲われている
内部に犯人が居るとみなされて二人の刑事が派遣されてきた
その内、上司の中澤祐子そして今回が初の仕事となる市井紗耶香だった
市井は元々は違う仕事をしていたが
何を思ったかいきなり刑事になり、今回派遣されてきたのだ
- 11 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)04時24分28秒
- 女子寮ということもあり二人とも女性だ
昼間は男性も入り調べるが夜は二人だけだった
つまり学園からの申し出で警備員と言った所だろうか
中澤も今まで、たいした活躍をいままでしてきたことはない
二人とも上からは何も信頼されていない為
今日の夜から泊り込んでその寮に居て調べろと命令された
そして市井と中澤は学園から用意された寮の一室に居た
「どーしろと言うんでしょう、上は」と市井が不満をこぼす
「さぁな」そんな市井を中澤は軽く交わすと
市井はムッとしたように続ける
「実況見聞も事情聴取も終わったんでしょう?
何一つやらせてくれなかった!」
市井はそう言うとベットに腰掛ける
- 12 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)04時27分14秒
- 事実、市井には何も聞かされなかった。誰が容疑者なのかすら
これでは、本当にただの警備員だ中澤は悔しくないのだろうか
「んー、そうやなぁ、そういうもんやな、社会ってもんわ」
すっかり諦めたらしいコンビニで買ってきたらしいビールを取り出す中澤に
市井はいらつく。
「見返してやりましょう!」
「誰を〜?」
「上のやつらとか男どもを!折角、現場に寝泊まりできるんだ
よし!今から行きましょう、さぁ」
そう言って中澤の手をとり部屋を出ようとする
「ちょ、ちょ、ちょっと待ちぃな、どうするつもりなん?」
「今から個人的に事情聴取するんですよ、そして犯人を暴く!」
今にも手をグーにして掲げそうなほど張り切る市井が微笑ましく
中澤は付いていく事にした、昔の自分を見ているようだ
これでも昔は中澤もはりきっていたものだ
年を重ねていくうちにだんだんと諦めていったのだ
- 13 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)04時27分55秒
二人は管理人室の前に立っていた
まず、1番話が通りやすそうであり
発見者でもある管理人にまず話を聞きたかった
ドアをノックすると「嫌です!行かないでください!」
とアニメ声がドアの向こうから聞こえてきた
「何言ってんの」とドアが開きながら声が漏れてくる
「も〜絶対ごっちんだよぉ」
「はい?…あ、警察の方ですか」
管理人の保田、と奥のベットに腰掛けている女の子が居た
さっきのアニメ声はあの娘らしい
「あの、話し伺ってもよろしいでしょうか?」そう市井が聞くと
保田は気前良くうなずき部屋に通してくれた
「この娘もね、第二発見者なんですよ」
とさっきのアニメ声の娘を紹介してくれる
「石川梨華といいます」と言って立ち上がりペコっと頭を下げた
いかにも女の子って感じだな、と市井は思う
白いブラウスにピンクのカーディガンを羽織っていた
- 14 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)04時28分40秒
- 「石川さんが現場に駆け付けた時はどんな感じでした?」
市井はなるべく警戒心を持たせないように笑顔で語りかける
「えっと…、福田明日香って娘が安倍さんの横にいて
救急車と警察、呼んでって言われました、それに悲鳴もあったから
何かあったんだと思って急いで電話しに行きました」
「何か不審なものとかなかった?」
凶器はまだ発見されていない、と同僚から聞いた
「んーっと、わかんないです、ごめんなさい」
そういうと石川は目を伏せた
「1度目と2度目の叫び声の差ってどのくらいだった?」
次は保田が答える「多分1分くらいです」
「石川さんが駆け付けたのは何分後くらい?」
市井がそう聞くと、石川はしばらく考え込んだ後、言った
「2分…もなかったと思います」
1階にある管理人室から50メートルくらい行って曲がったすぐの部屋だ
その隣は階段になっていて逃げようと思えば逃げれる、か?
- 15 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)04時32分54秒
- 「その時、周りに人は居た?」
「遠巻きですけど見てる人は何人か居ました」
「その時、周りに居た生徒ってわかるかな?」
「ちょっと、わからないです、顔知らない人いっぱいいるから…」
保田が口を挟む
「私が駆け付けた時、居た生徒ならわかりますよ、一応、管理人ですし」
「教えていただけますか?」市井はメモ帳を取り出してメモする
「2年生の石川梨華、後藤真希は私と一緒に居ました。
他に2年の福田明日香、吉澤ひとみ、矢口真里
3年生の飯田圭織
1年生は多くて辻希美、加護亜依、紺野あさ美、新垣里沙、高橋愛、小川麻琴
ですね。多分、これだけ居たと思います」
「吉澤ひとみさんは石黒さんと同室だったんですよね?」そう聞くと
石川が答えた
「よっすぃーは…、吉澤さんはいつも遅くにお風呂に入るんです
だから、犯人はそこを狙って…」
もう石川はこの寮にいる誰かが石黒を殺したと思っている
- 16 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)04時35分47秒
- 「何か気付いたこと、ありますか?」
石川が少し考え込む変わりに
保田が言った
「飯田さんと、矢口さんの様子が少し変でした
真っ青になって二人でコソコソ話し合っていました」
市井が思うに、石黒に叫び声を上げられて殺して1分後、安倍なつみを殴り
そこで二度目の叫び声を上げられれば、1分後で駆け付けられる心配が大きい
1分もあるとなるとこれは第一発見者の福田明日香が怪しいと思う
それに飯田と矢口とも話を聞いておきたい。
いや、いっそうの事、全員と話してみるか…
市井は俄然とやる気が沸いてきた。
絶対犯人を見つけ出してやる
- 17 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)07時30分29秒
- 市井が熱く自分の考えを語ってくれたが
いまいちよくわからない。
「なんや、あんたが言うてる意味がわからんわ」
中澤がそういうと市井は「そんなぁ」って頭を抱える
「つまりやな、第一の悲鳴から第二の悲鳴まで1分
その後、石川さんが駆けつけたのが2分後」
うんうん、と市井は強く頷いている中澤が続きを言おうとすると
市井がさえぎり話し出す。
「そうです!犯人が逃げるにしては微妙なんですよ!
だから、私が思うに犯人はその場もしくは
その近くに潜んでいたんじゃないかと」
あかん、こいつめちゃくちゃ暑苦しい…
「ほんなら、一番今怪しいのはえーと誰やっけ…ふくい?」
「福田明日香!」
「そう…ほんなら、話聞きにいこか」
こいつもう多分全員の名前覚えてるんやろうな。
先の市井を思うと頭が痛くなってくる中澤だった
- 18 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)19時20分35秒
- <2>
まさか、殺されるなんて
彩っぺが殺されるなんて、犯人は…
あの人だろうか、そこまで、彼女の事を嫌っていたのだろうか
いや、でも彩っぺが殺されなかったら、あたしはどうなってたんだろう?
矢口真理はため息をついた
それでも持ち前の好奇心が彼女が犯人なのかと確かめたくてしかたがない。
それに、今は刑事がこの寮に泊まっているらしく
自首させるなら今だろうと思う
と、飯田の部屋の前まで来ていた
部屋をノックすると返事が聞こえなかった
ドアノブを回してみても鍵がかかっていた
いないのだろうか?諦めて部屋に戻ろうと後ろを振り返ると
ちょうど飯田が帰ってきた
- 19 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)19時21分42秒
- 「あ、カオリ!」そう矢口が声をかけると
飯田はビクッと体を震わせてこちらを見た
「あ、矢口」顔は引きつっていて目の下には濃いクマができていた
「ちょっとカオリ大丈夫?」
じっと目を見つめられる。なんだか居心地が悪い
「なんだよぉ〜」そうわざと明るくカオリをつついた
「矢口、大丈夫」
「何が?」
「誰にも言わないからね」
真剣な顔してまだ矢口をじっと見つめているカオリに
同じことを考えていたことに気づく
- 20 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)19時22分24秒
- 「え?ちょっと待って犯人はカオリじゃないの?」
「えー!カオリそんなことしないし、って矢口じゃないの?」
「そんなことするわけないじゃん!酷いよカオリ、疑うなんて」
さっきまで自分も飯田を疑っていたのだが。
「そうなの?」まだわからないという顔をしてカオリが矢口を見つめた
「うん、殺してないよ」と声を潜めた
ここは廊下で誰に話を聞かれてもおかしくない
「部屋入っていい?ちょっと話したいんだけど、誰もいないでしょ?」
「なっち、いないからね」そう笑ってカオリはドアを開け中に入っていった
矢口も続けて中に入った
- 21 名前:のり 投稿日:2002年03月17日(日)19時23分34秒
廊下にもう、2人が居ないことを確かめて中澤は隠れていた部屋の角から出てきた
不覚にも2人の話を聞いてしまった中澤はため息をつく
「はぁ、なんてとこ見てもうたんやろう…、
こりゃ、あの二人もなんかありそうやな」
ついつい中澤も市井の影響か、事件の犯人を見つけようしている
さっき市井にああ言ったものの中澤も一人で
動いてみるかなと、思ってきた
ついさっき、市井と福田明日香の部屋に尋ねたものの
「もう、話すことは昼間話したんでありません」と一言冷たくあしらわれ
市井は次は後藤真希と話をしようと全然、引く様子もなく
熱くなっていたので中澤はあきれて市井一人にまかし部屋へ戻ろうとしていた所だった
ちょっと、出てくるの待ってみるか。
見た感じ、カオリと呼ばれていた娘より
矢口と呼ばれた娘のほうが話しやすそうだった
金髪で、ギャルっぽい、そういうちょっとすれた娘のほうが
うちとも合うやろ、と中澤は部屋から少し離れた階段に座って矢口を待つことにした
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月28日(日)14時10分08秒
- 続き待ってます。
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