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Lover Girl。

1 名前:トミィ 投稿日:2002年03月16日(土)20時50分12秒
風板でやらせていただいているのですが、息抜きでここでも
やらせていただこうかと。立て逃げはしません(多分)。
リクなども受け付けたいと思います。
2 名前:トミィ 投稿日:2002年03月16日(土)20時51分15秒
まず最初はやぐちゅーをやりたいと思います。
甘めに初挑戦です・・・。
3 名前:トミィ 投稿日:2002年03月16日(土)20時54分36秒
―――彼女は、すごく浮気性。

なんかい泣かされたっけ。それでも矢口は裕ちゃんが好きだよ。

誰にも負けない。


裕ちゃんだけが、ずっとずっと大好きだから。


4 名前:トミィ 投稿日:2002年03月16日(土)20時59分42秒

『ごめん、今日仕事すごい遅くなりそうやねん。

そやから・・・家にはまた今度来てな』

「うん・・・わかった。じゃあね」

またおんなじ言い訳。矢口知ってるもん。

今日はなっちと会うんでしょう?

知ってるんだから・・・っ。

慣れてるはずなのに、また涙がとまんない。

「っく、裕ちゃ・・・会いたいよぉ・・・」

5 名前:トミィ 投稿日:2002年03月16日(土)21時09分03秒

翌日。

「おはよーやぐっちゃん!・・・目ぇ赤いよ?

どうしたの・・・?」

「ああ、おはよう後藤。なんでもないよ、寝不足なだけ。」

学校なんて来たくなかった。裕ちゃんに会えるから。

好きで好きでたまんない人に会うってキツイ。

矢口は、それが自分だけの一方通行な想いだから。

「おはよーございます矢口先輩」

「ああよっすぃー。おはよー」

よっすぃーは可愛い後輩。後藤は可愛いというより生意気な後輩だな。

「どうしたんですか!?目が真っ赤ですよ!」

「ちょっと寝不足なだけだよ。ありがとー心配してくれて」

力無く笑った。

6 名前:トミィ 投稿日:2002年03月16日(土)21時18分02秒

「矢口矢口!」

裕ちゃん・・・

「おはよう・・・。」

「なあ、ちょっと保健室行かへん?」

「なんで?」

「矢口と2人っきりになりたいからに決まってるやろ!アホ!」

可愛いんだから。悪びれない彼女に、矢口はいつもなんにも言えない。

きっと気づいてないんだろうな。矢口がここまで裕ちゃんのこと好きだなんて。

「えっ、だって保健室には常にみっちゃんがいるじゃん」

「甘いな!今日平家みちよはしゅっちょーや。後藤がものすご

寂しがっとったわ。あんな幸薄い女に後藤もよく入れ込むなぁ」

後藤は、みっちゃんが自分のことを愛してくれるからあんなに堂々と

愛情表現できるんだよ。バカ裕子。



7 名前:トミィ 投稿日:2002年03月16日(土)21時23分04秒

「行かないよっ」

矢口は、裕ちゃんの都合のいい女じゃない。

「なんでよぉ?」

もう、なんでそんな哀しそうな顔するの?

矢口なんてどうでもいい筈でしょ?

「・・・やっぱ行ってもいい」

「そんじゃ行こっ♪」

不良教師・・・。

8 名前:とみこ 投稿日:2002年03月17日(日)09時41分36秒
あ、おもしろい^^
9 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)14時35分07秒
>とみこさん
ありがとうござます。でも甘め難しい・・・。
これちっとも甘くないやん(一人つっこみ)!
10 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)14時40分07秒

「矢口・・・」

裕ちゃんの綺麗な唇がそっと近づいてくる。

「んっ・・・」

裕ちゃんのキスは・・・いつも思うけど、なんでこんなに上手いんだろう。

思わず声を出してしまう。

恥ずかしいんだけど、裕ちゃんは何もかも包んでくれるから。

甘えさせてくれるから。

「いつも、こんな風に他のコにもしてるの・・・?」

我慢できなくなって、聞いてしまった。

駄目だよ、矢口バカだ。こんなこと言って、関係が壊れるのを

ずっと怖がっていたくせに。

11 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)14時47分29秒

「・・・なに言うてんの。矢口だけやって好きなんは。

矢口は、あたしのことキライなんか!?」

「バカ!!好きに決まってるじゃん!だからいっつも苦しいんでしょお!?」

大きな声出しちゃいけない。もし見つかったら・・・

でも、もう出してしまった本音と涙はとめることなんかできない。

「なんで・・・裕子は矢口のことだけ見てくれないの!?」

もう裕ちゃんとこの部屋(保健室)に居たくなくて、裕ちゃんの顔も

見ずに飛び出した。



大好きだよぉ・・・裕ちゃん・・・






12 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)21時12分40秒

矢口は走った。走って走って、中庭にでた。

「ばっかやろぉ・・・」

涙はとまらない。胸が痛い。裕ちゃん裕ちゃん裕ちゃん・・・


「矢口先輩・・・?」

「!よっすぃー・・・」

やばい。こんな顔見せらんない。

「どうしたんですか!?」

すごく心配そうなよっすぃー。授業はどうしたんだよ授業は・・・。

「なんでもな・・・」

最後まで言えなかった。突然、よっすぃーに抱きしめられたから。

「よっすぃ・・・離して・・・」

「離しません。先輩・・・好きです。中澤先生より、私のほうが

先輩のこと好きです!」

まったく気づかなかった。よっすぃーが矢口のこと?

「痛いよよっすぃ」

―――突然のキス。

「んんっ・・・」

さっき、裕ちゃんにもらったキスを消したくない・・・。


13 名前:ルパン4th 投稿日:2002年03月17日(日)21時42分05秒
オォーやぐよしになるのか?
矢口の裕ちゃんに対する切ない想いがいいですね
作者さんがんばって!
14 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)23時36分30秒
>ルパン4thさん
がんばります。日曜日なんで暇です。
更新します。
15 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)23時41分19秒

よっすぃーのキスは、裕ちゃんの慣れたキスとは全然違った。

もっと熱がこもってて、ぎこちない。よっすぃーなら、矢口を大事に

してくれるかな。よっすぃーだったら、泣かなくっても済むかな。

でも。

「ごめん・・・離して」

よっすぃーはゆっくりと矢口から身体を離した。

「どうしても駄目ですか?」

「・・・ごめんね。矢口、裕子が好きなの。どれだけ泣かされても、

裕ちゃんだけが好き」



ごめんね、よっすぃー。

16 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)23時45分45秒

放課後、裕ちゃんからメールが入った。向こうからなんてめったにないから

すごくすごく嬉しかった。


『今日家来れる?昨日はごめんな。   裕子』


嬉しい。すっぽかされたって、裕ちゃんは2人のときはすごく優しいもん。

だけど、あんなことがあった後だしもし別れ話を切り出されたら

どうしよう。

そうだよ。裕ちゃんは矢口なんかいなくなっても他に相手はいっぱいいるもん。



『うんわかった。じゃあこれからマンションに向かうね。』


17 名前:トミィ 投稿日:2002年03月17日(日)23時55分07秒

「いらっしゃい。入り」

心臓がドキドキ言ってる。どうしよう。。。

とりあえずソファに座った。

矢口の隣に座った裕ちゃんは、少し怒ったように言った。

「なんで今日あんな怒ったん?」

「・・・今日だけじゃない、いっつも思ってるよ。」

身体が震えてきた。涙が出そう。このまま本音をいって、裕ちゃんに

捨てられるのが怖い。

だけど言わずにはいられなかった。


「知ってるもん、裕ちゃんは矢口なんか好きじゃないって。

昨日だって仕事なんかじゃなかったんでしょ?

だけど矢口は裕ちゃんが大大大大大好きだから、これまでなんにも

言わなかった。振られるのが怖いから。」

ぽろぽろと涙が頬をつたう。

「裕ちゃ・・・好きなんだよう・・・矢口だけを見てよ・・・!」



18 名前:トミィ 投稿日:2002年03月18日(月)00時04分13秒

手で涙を拭った。裕ちゃんは矢口の様子を静かに見ている。

かと思ったら、いきなり矢口を力いっぱい抱きしめてきた。

「!?」

「ごめん・・・矢口・・・嘘っぽく聞こえるかも知れんけど、

あたしはほんまに矢口だけが好きなんやって!」

「嘘・・・離し・・・」

「嘘ちゃう!ごめん。今までそんなに矢口傷つけてるやなんて

思わへんかった。勝手やんな・・・あたし、こわかってん。

矢口のこと好きって思えば思うほど、矢口のことめちゃめちゃにしたくなる。

このままどっか閉じ込めたいって思ってしまうねん・・・。

だから・・・どっかで気持ちをセーブしなあかんって。

これ以上気持ち膨らませられへんて思って、矢口のことないがしろに

してるみたいになってたかも知れへん。ごめんな矢口・・・。

誰よりも好きやで・・・・・・。」




19 名前:トミィ 投稿日:2002年03月18日(月)00時06分51秒

矢口は、その時本気で「死んでもいい」って思ったんだ。

「本当・・・?」

矢口に抱きついたまま黙って頷く裕ちゃん。

「へへ・・・嬉しいよぉ・・・」



20 名前:トミィ 投稿日:2002年03月18日(月)00時14分28秒

しばらくして、矢口はソファで裕ちゃんに抱っこされるように

裕ちゃんの膝の上に横向けになって座って、裕ちゃんの肩に腕を回す

格好になって話をした。


「今日ねぇ、あれからよっすぃーに告られたんだぁ・・・」

「なに!?そんでどうしたんや!」

「どしたって断ったに決まってるじゃん。矢口は、裕ちゃんの矢口だもん<FONT FACE="SYMBOL" COLOR="RED" >ゥ</FONT>」

「なんかされてへんか!?」

「・・・ちゅーされちゃった」

「えええええ!?あかん、吉澤あいつは英語1にしたる」

「ええ〜(笑)」

「矢口、あんたもタダじゃすまさへんで・・・ちゅーやちゅー!!」

「きゃーもうやめてよぉ〜」



21 名前:トミィ 投稿日:2002年03月18日(月)00時15分15秒
しっぱいしたぁ・・・カッコ悪ーい(w
まあいいか。。。
22 名前:トミィ 投稿日:2002年03月18日(月)00時21分40秒

「裕ちゃん・・・」

「なんや?」

「もう・・・矢口以外のコと浮気とかしないでね・・・?

矢口は、裕ちゃんに気持ちセーブなんかしてほしくないもん。

矢口は裕ちゃんにいっぱいいっぱい愛されたいから・・・」

「(めっちゃ可愛い・・・)わかってるよ。今までごめんな・・・」

もう、とろけそう。そんな顔して見られたら。

「ううん・・・。裕ちゃんは、矢口の裕ちゃんだよね?」

「当たり前やんか・・・」





大好きだよ、裕ちゃん。。。




‐‐‐fin‐‐‐



23 名前:トミィ 投稿日:2002年03月18日(月)00時23分48秒
やぐちゅー終わりましたー。
次は何を書こうかな。
24 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年03月18日(月)01時02分06秒
やぐちゅー。読ませていただきました。
すごく甘くてよかったです。やっぱりそれぞれの作者さん達は
書き方が上手で、おもわず脱帽モノです。
みっちゃんと松浦も楽しみにしてます。
25 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月18日(月)01時33分38秒
久しぶりに甘いやぐちゅー読んだ気が・・・(w
ヤキモチ矢口GOODでカワイイ!!

甘いゆうごま読みたいです。ムリでしょうか?
26 名前:トミィ 投稿日:2002年03月18日(月)16時46分50秒
>やぐちゅー中毒者セーラムさん
甘いの初めてなんで、誉めていただけてうれしいです。
どうしても私が書くと変に痛くなってしまって・・・。

>名無しさん
私の中でやぐちゅーは甘甘と決まっているのです(w。
ゆうごまいいですよ。書いてみますね。
上手くできるかわかりませんが、リクいただけて嬉しいです♪

27 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)13時44分55秒

この日、ハロープロジェクトのメンバー達は地方でのコンサートを終え、

地元のホテルに泊まっていた。

―――どうしよ・・・やめといた方がいいかなぁ・・・でも・・・

悩んでいるのは後藤真希。悩みの種は、中澤裕子だ。

―――裕ちゃんの部屋に行きたい・・・。でも迷惑かなぁ・・・?

疲れてるだろうし・・・



大体、裕ちゃんに会える機会なんてもう滅多にないんだもん。

2人っきりじゃないとやぐっちゃんとかいて甘えられないし・・・

よし、決めた!!
28 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)13時53分40秒

後藤は意を決して中澤の休む部屋に向かった。2人は付き合い始めてまだ

1ヶ月。まだ、一線を超えていない・・・のだ。

―――なんか緊張するぅ・・・

ガチャッ

―――えっ!!

「あれ?後藤やん、どうしたんや部屋の真ん前で。」

シャワーを終えて白いTシャツ姿の中澤が部屋から出てくる。

―――どうしただとぅ?会いに来たにきまってんじゃん!

「あぁそうか、ごめんごめん」

「へっ?今ごとー声に出した?」

目を丸くして後藤が訪ねる。おかしい、自分はただ頭の中で考えただけなのに。

「だって・・・後藤顔に全部出るんやもん」

意地悪く笑う中澤に、思わず後藤は情けない声を出す。

「もぉ、いじわる・・・」


「(笑)ごめんごめん。部屋入りぃや」

「へへ・・・うん♪」

29 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)14時01分24秒

「裕ちゃん・・・今日、一緒に寝てもいい?」

恥ずかしそうに上目使いで言う後藤を、中澤は愛しく思わずにいられなかった。

「ええで。一緒に寝よか」

―――あかん、後藤むっちゃ可愛い。理性持つやろか・・・(姐さん視点)

―――よっしゃぁぁぁぁ!!!(後藤視点)




30 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)14時05分57秒

時計はもう1時を回っている。

2人はセミダブルのベッドに向かい合うようにして寝る体勢に入った。

「裕ちゃん・・・」

「ん?なんや?」

半分眠りかけの後藤が中澤に話し掛ける。

「今日は、平家さんとお酒の約束とかなかったの・・・?」

「ああ、なんかさっきみっちゃんから電話あって、今日はなんやあかんねんて。

後ろで松浦の声聞こえた気ぃすんねんけど・・・なんかあんのちゃうか

あの2人?」

「怪しいねぇ・・・ふふっ」

31 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)14時10分50秒

「もっと・・・毎日裕ちゃんに会いたいなぁ・・・」

「そうやなぁ・・・明日のコンサートが終わったら、もう東京帰らな

あかんしなぁ・・・」

中澤は子供の相手をするように話す。

―――ほんま、毎日でも後藤と会ってたいわ・・・




「ん・・・祐ちゃん・・・大好きだよぉ・・・あはっ」

「!?・・・寝言かい」

―――ほんまに動揺してもうたわ。


32 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)14時15分59秒

「寝言じゃないもん・・・」

―――ウソばっかり。ほとんど意識ないくせに。

「まだ起きてたんか後藤。早く寝なあかんやろー?」

「ちゅーしてくれたら寝るー・・・」

「しゃーないなぁ〜」

ちゅっ


「あはっ・・・おやすみぃ〜」



―――だーい好きだよぉ、裕ちゃん・・・(後藤視点)

―――なんか、あたし振り回されてへんか?(中澤視点)




---fin---

33 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)14時21分06秒
>25名無しさん
ゆうごま書いてみました。ごめんなさい下手で。。。


34 名前:トミィ 投稿日:2002年03月19日(火)14時37分20秒
ageてしまった・・・
35 名前:トミィ 投稿日:2002年03月20日(水)19時58分52秒

この日、ハロープロジェクトのメンバー達は地方でのコンサートを終え、

地元のホテルに泊まっていた。

―――気づいてもらえるかなぁ?明日渡されたりして・・・

平家さんは優しいからきっと大丈夫だよね!

1人うなって考えているのは松浦亜弥。

―――もう11時だし・・・。無理かなぁ・・・。

亜弥は、この日自分の中である決断をしていた。

『平家さんに告白する。』

だがさすがに大勢のメンバーが居るところではなかなか2人きりに

なれないため、亜弥はコンサートが終わる前に平家の鞄に自分の

ケータイを忍ばせておいた。

今夜平家がそれに気づいて亜弥の部屋に来たら、思いを伝えよう。






36 名前:トミィ 投稿日:2002年03月20日(水)20時07分02秒

11時14分。

まだ、平家からなんの反応もない。

―――やっぱ無理かな・・・もっと確実な方法でやればよかった・・・

メールで呼び出すとか。あ〜あ私のバカ。



亜弥は、「美少女日記」に出演していたときから、平家が好きだった。

最初は綺麗なお姉さんという印象だったが、歌手としてのクオリティ高さは

もちろん、だんだんと平家の優しさ、(かなり)ぬけた人柄、

面倒見の良さのなかにある可愛らしさに惹かれていった。

―――見てるだけじゃ誰かにとられちゃう!告白しなきゃ!!

37 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月22日(金)15時18分32秒
松浦平家おもしろそう!!!
がんばってくだせ
38 名前:トミィ 投稿日:2002年03月22日(金)23時45分56秒
>37名無し読者さん
ありがとうございます。
ちょっと「みちごま」的かなこの2人は
と思って書いてみようとおもいました。
39 名前:トミィ 投稿日:2002年03月22日(金)23時53分33秒

11時32分。

コンコン。

―――えっ!!

「はいっ!」

―――きゃーやっぱり平家さん!!ホテルの浴衣着てる(私も着てるけど)!

やっぱり綺麗だなぁ・・・。

「・・・ちょっと、聞いてますー?」

「ぅえっ!?なんですか?」

―――しまった見とれすぎてちっとも聞いてなかった!

「何ボーっとしてんのよー。はい松浦の携帯。なんかあたしの鞄に

入ってたで?気ーつけやー。」

「ありがとうございます平家さん!あの・・・」

亜弥は平家から携帯を受け取って、そのまま平家の手を握った体勢に

なっていた。

―――頑張れ自分!!!

「よかったら・・・部屋入りませんか・・・?」


40 名前:トミィ 投稿日:2002年03月23日(土)00時04分28秒

心臓がドキドキなっているのが嫌というほどわかる。

―――変に思われちゃうかな・・・?

「あーごめんな。これからちょっと用があんねん。」

―――ガー――ン。

約束の相手って、もしかして・・・

「中澤さんですか・・・?」

「うんまあそう。」

―――違うといってよぉ〜〜〜!・・・なんか、すごいヤな気分。

うん、今日告白するって決めてたんだら、行かせない。

「行かないで・・・ください。」

「え?」



「好きなんです平家さん!!」


―――・・・言っちゃった・・・。

「・・・えぇ!?好き・・・って、松浦が!?」

「そうですよ?」

―――そう言ってるじゃん!


平家さんは、すごくビックリしてた。だけど、迷惑そうじゃなかったから、

私はもう、押して押して押しまくることにしちゃいますよ。


「平家さんは・・・松浦の事キライですか?」

きっと、ここで彼女は大慌てで否定する。

「そんなわけないやん!絶対キライなんちゃうよ」

やっぱりね。だって知ってるもん、平家さんがすごーく優しいってこと。

「じゃあ、どう思ってるんですか・・・」



41 名前:トミィ 投稿日:2002年03月23日(土)00時15分21秒

私がそういうと、平家さんは下を向いて私が握ったままの手を

私と自分の指に絡めながらつぶやいた。

「・・・好き、かな。」

―――ええええええええ!?ちょっと予想外・・・

平家さんも私のこと・・・?


「平家さん・・・」

私は嬉しくて、指を絡めた手を引き寄せて平家さんを抱きしめた。

「本当ですか・・・?」

「うん」

「どれくらい?」

「・・・」

「ねえ・・・」


ちょっと意地悪したくなって、部屋のドアを締めて、

平家さんの浴衣の帯をゆっくりほどいた。

「やっ・・・なにすんの・・・」

「平家さんってホントに細いですね。ウェスト何センチなんですか?」

手を平家さんの腰に滑らせて、だんだんと浴衣を脱がせていく。

自分がこんな獣ったなんて、知らなかった。




42 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月24日(日)02時21分41秒
行けっ。松浦、ケモノになり切っちゃえ!(笑)
何気にこの2人って面白い。
自分は、ねーさんと平家さんのコンビも大好きだけど(^^;
43 名前:トミィ 投稿日:2002年03月25日(月)18時06分58秒
>42名無し読者さん
はい、松浦にはケモノになってもらいます(w
ねーさんと平家さんは面白いので、小説ででてくる
エロは私にはちょいと(w。好きですけどね。
44 名前:トミィ 投稿日:2002年03月25日(月)18時19分37秒

「平家さん・・・」

私は目をそむける平家さんの首筋に口づける。

この人は、私のもの。誰にもあげない。強く強く、口づける。

「あっ・・・あかん・・・!衣装・・・が、見えて・・」

良く聞き取れない。多分この位置にキスマークをつけると、

衣装から見えてみんなにばれるから駄目って言いたかったんだろう。

彼女の腰に回していた手を浴衣の中にれて、優しく平家さんの胸に触った。

「平家さん・・・中澤さんに電話してください」

「んっ・・わかったから・・・ちょっと待って・・・」

これだけなのに。

平家さんて、感じやすいんだ。その官能的な表情に、私は自分を

コントロールできなくなってきた。

平家さんに携帯をわたす。でも、行為はやめてあげない。


「ちょっ・・はなし、て」

「いやです!」


離れたくないんだもん。


大人のあなたを、もっともっといじめたい。


なんて、私ってちょっとSかな?

45 名前:トミィ 投稿日:2002年03月25日(月)18時26分08秒

「もしもし、裕ちゃん?」

平家さんは必死に平静を装ってる。ちょっと複雑な気分。

平家さんは私のもの、って見せ付けたいんだけどこんな色っぽい

彼女の声を、他の誰にも聞かせたくない。


「うん、ごめん、ちょっと今日はあかんねん・・・」

また私は平家さんの首や胸に口づける。

「くすくす・・・」

『あかんって松浦!』

小声で怒られる。わざと中澤さんに聞こえるように笑ってみたり。


46 名前:トミィ 投稿日:2002年03月25日(月)18時27分15秒
少量更新。エロな内容のクセにageる自分が嫌(鬱
47 名前:トミィ 投稿日:2002年03月28日(木)00時43分50秒

「っもう!」

電話を切った平家さんが私をにらむ。その表情にも色気があって、

私はまた、こういうへたれな平家さんが好きなんだなって思う。

だけど、怒られるのはちょっと傷ついたりして。

「あたしは松浦が好きやって言ってるやろ?なんでこんな苛めるような

真似すんのよ?」

・・・だって。だって平家さんは私だけのものじゃないから。

「じゃあ、私だけのものになってください。もう他の誰も見ないで

ください。」


すごい子供っぽいってわかってる。あなたを困らせたいわけじゃない。

ただ、生まれたばかりのこの感情を、どう扱っていいのかわからなくて。

そんな顔しないで。お願い、私は平家さんを縛り付けたいわけじゃないの。



48 名前:トミィ 投稿日:2002年03月28日(木)00時50分58秒

「ごめんなさい・・・」

気が付けば、いつの間にか私の頬からはひとすじの涙が伝っていた。


私は浴衣がすっかりはだけた平家さんにしがみついて泣きながら言う。


「好きなんです・・・ずっと前から。ずっと、私だけのものになって

ほしくて・・・   好き・・・好きなんです・・・」


「好き」


それだけを何度言ったかわからない。平家さんは何を思っただろう。

子供の独占欲に乱された自分を悔いただろうか。

受け入れなければよかったと思っただろうか。

私に怒りを覚えただろうか。


恐かった。恐くて、顔を上げられない。



49 名前:かみー 投稿日:2002年03月28日(木)13時52分44秒
うぅ…なんかセツナイっすー。
50 名前:とみこ 投稿日:2002年03月29日(金)12時39分19秒
レスずっと遅れました。
松浦平家にハマりそう・・・。
51 名前:トミィ 投稿日:2002年03月30日(土)15時11分25秒
>>49かみーさん
切ないですかね。最初はこの2人でコメディを書きたかった
んですけど・・・なんでこう苦手なんだろう・・・。

>>50とみこさん
ハマってください(w。


レスくださるかた、ありがとうございます。
とても励みになります。

52 名前:トミィ 投稿日:2002年03月30日(土)15時27分58秒

重い沈黙が続く。もう駄目だ。






「あほやなぁ」


―――へっ?


思わず何も考えずに顔を上げた。平家さんの声は、怒りとか

そういうものは一切感じられなかった。

なんか、ちょっと呆れたような優しい声。

「泣かんでもええやん・・・可愛いんやからもう」

「平家さん・・・」

優しく、どっか意地悪に笑ってる平家さん。自分がなんか恥ずかしい

んだけど、目を離すには彼女はもったいないくらい綺麗で。

「そんな想ってくれてるなんか知らんかったわ。だって松浦普段

一生懸命なんがよくわからへんねんもん。いつでも笑ってるかんじで。

・・・怖いやん。そんなコに自分ばっかりはまるのなんか。」

私の髪をそっとなでる手。また私は、彼女への愛しさが増していくのがわかる。
53 名前:トミィ 投稿日:2002年03月30日(土)15時41分38秒

「好きですよぉ・・・何言ってるんですか!私の気持ちも知らないで・・・」

言葉とは裏腹な心のなか。

「平家さん・・・」

「ん?」

「今夜はずっと、このままでいたいんですけど」

この幸せがずっと続けばいいと思う。

「いいけど・・・」

「なんですか?」

「あんた・・・この体勢でずっといんの辛くないか?」

「うっ・・・辛い、けど」

幸せなんだからいいんだもん。

「じゃあ、ここに来なさい」

平家さんがベッドに腰掛けて、横をぽんと叩く。

「・・・そこ?」

「イヤ?」

平家さんの近くならどこでも嬉しいよ。でも・・・

「そこじゃ、抱きしめにくい・・・」

すねた子供みたいに上目使いに彼女を見る。平家さんは

「へ?」ってカオしてた。言わなきゃよかった・・・。

でも、次の瞬間平家さんは吹き出してお腹を抱えて笑いだす。

「えっ・・・なんですかぁ」

困惑して、震える平家さんにすり寄る。







54 名前:トミィ 投稿日:2002年03月30日(土)15時51分35秒

「だって…だって・・・」

「何でそんなに笑うんですかぁ」

情けない声しか私からは出ない。すっかり平家さんのペース。

やっぱり、平家さんはへたれだけど大人なんだな。


「松浦ってスケベやんなぁ」

「!そ・・んなこと、ない・・・」

突然好きな人にそんなこと言われるなんて、さすがのあややも・・・


「っひゃぁ!?」

ぶつぶつ言ってると、いきなりぐいっと腕を引っ張られた。

55 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月31日(日)17時54分19秒
松浦平家ってはじめて見たけど、いいね〜。
56 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月05日(金)01時36分03秒
あやや×みっちゃん最高!!!
萌え萌えです♪
続き待ってますね!
57 名前:トミィ 投稿日:2002年04月05日(金)11時42分06秒

ドサッ。

目を開けると、私は平家さんの膝に座っていた。私は平家さんの腕に

包まれていた。とっても華奢な彼女の腕は、すごくあったかい。

それがなんだか嬉しくて、また涙が出そうになる。

「平家さん・・・あの・・・」

「可愛いなぁほんまに・・・もう、なんでこんなに7歳も下のコドモ好き

なんやろあたし」

耳に、平家さんの息がかかって死ぬほどドキドキする。

しかも、私のこと好きって・・・。

ホントに泣いちゃいそうだよぉ・・・。





58 名前:トミィ 投稿日:2002年04月05日(金)11時54分20秒

「平家さん・・・!好きです!大好きです!」

「知ってるってそれはー。なんで泣く必要があんのよぉ。

どうしたいの松浦は?」

どうしたい・・・って。決まってるじゃない。何度も何度も言ってる。


「私だけを・・・好きって言ってください・・・」

さすがにこんなに何回も好き好きって言うと恥ずかしい。

それに、完璧今の私は真っ赤になってると思うし、下向いておこう・・・。


「もうー、そればっかやなぁ」

やっぱり呆れられてる・・・。だって、まだ平家さん、私「だけ」が好きって

言ってくれてない・・・。不安なんだもん。中澤さんとか、私なんかより

もっともっと平家さんを知ってる人がいて。

59 名前:トミィ 投稿日:2002年04月05日(金)12時06分30秒

「だって・・・」

パッと平家さんの顔を見ようと横向いた途端―――

キスされた。一瞬、何がおこったかわからなかったけど、それでも確かに

平家さんの温度が感じられて。長いキス。私にとって初めての。

・・・
・・



「…ごめん」

「なんで謝るんですか」

間近で見る平家さんに見とれながら聞いた。

「だって、初めてやったんやろ?」

平家さんらしい。真面目というか、気にしすぎというか。


60 名前:トミィ 投稿日:2002年04月05日(金)12時21分05秒

そのキスは、どんな言葉よりも平家さんの私への気持ちを物語ってて。

やっぱり、そういうとこも良いです。

すまなそうにこっちを見る平家さんがあんまり可愛くて、今度は私から

体重をかけて押し倒しながらキスをした。





「…明日もコンサートあるんやで?」

「夜は長いですから♪」

私、かなりわくわくしてる。。。

「生意気・・・」

苦笑いしながら私の下で言う平家さん。

ケモノになりますよ今夜は・・・。




---fin---

61 名前:トミィ 投稿日:2002年04月05日(金)12時29分55秒
>>55名無し読者さん
松浦と平家さんは前々から目をつけていたんですが、
いい感じに書けてましたかね?

>>56名無し読者さん
萌えていただけて光栄ですー。
ところで松浦×平家って何て言うんでしょう?


松浦×平家完結ですー。次は何を書きましょう?
62 名前:よっちゃん 投稿日:2002年04月05日(金)19時54分29秒
みちあや?新鮮で凄い良かったです〜。リクですがよしあやかよしなちおねがいしたいです。がんばってください〜
63 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月05日(金)22時38分04秒
すっげー萌えました!みっちー最高!!
次もみっちゃん絡みで、とお願いしたいとこですが
あえて違う、そしてあまり見ないカップリング
飯田×吉澤 をぜひ読んでみたいのですがどうでしょう?
64 名前:トミィ 投稿日:2002年04月08日(月)15時59分13秒
先に言っておきますと、申し訳ないんですが
リクを頂いたよしあやと飯田×吉澤はかけないです。ごめんなさい。
でも次はよっちゃんさんにリクいただいたよしなちを始めたいと
思います。

>>62よっちゃんさん
ありがとうございます!あるようでないんですね(あるようかは謎)
このカップリングって。もっと他の作者様も書いてくれないですかね。

>>63名無し読者さん
ごめんなさい、ひとまず次はよしなちを書きますね。
みっちゃんを誉めていただけて嬉しいです!
めちゃ力入れて(?)書いたので。

65 名前:好きな先輩 投稿日:2002年04月08日(月)19時43分33秒
午前7時38分。
学校のトラックを走る少女が3人。
朝比奈第二女子学園の生徒、安倍なつみ、矢口真里、吉澤ひとみはこの学校の
陸上部だ。部員はこの3人しかおらず、顧問もこの春着任したばかりの新任教師
平家みちよが全てまかされて(押し付けられて)いる。

「はぁ・・はぁ・・・つっかれたー!!」
1年生のひとみが走り終えて叫ぶ。
「でもよっすぃー最近タイムあがってきてるっしょ。
この調子で頑張べさはあとはあと
矢口とともにゴールしたなつみが言う。走り終えてのおしゃべりの時間が、
彼女たちにとって1番心地よい。

「今日もみんな元気に走ってんなー。感心感心♪」
スーツ姿のみちよが歩いてくる。真面目なのだが陸上部の朝練にはたいがい
遅れてくる。

66 名前:好きな先輩 投稿日:2002年04月08日(月)20時03分49秒

「みっちゃーん!顧問なんだから他人事みたいに言わないでよね〜!
大体ねぇ・・・」
「すみませんねぇ!みっちゃんだっていっぱいいっぱいなんですぅ」
矢口がみちよに突っかかり始めた。ああ見えて矢口はそうとう部活熱心な
生徒だ。みちよだってやる気はある。ただ、いまいち頼りないだけで。


「おっはよーございまぁ〜す!!」
向こうから大声を上げて走ってくるのは後藤真希。
後藤は陸上部のマネージャーだとかそういうのではない。
ただ、恋人のみちよのためにわざわざ早い時間に登校し、ここぞとばかりに
毎朝いちゃつくのだ。
そんな後藤の姿に、初めのうちは呆れていた3人だったが、今となっては
後藤もほとんど陸上部の仲間だ。

「ねぇ〜平家さんはあとはあと明日の休みさぁ、どっか遊びに行こっ!
平家さんの行きたいトコでいいよはあとはあと
後藤がみちよに後ろから抱きつきながら言う。

67 名前:好きな先輩 投稿日:2002年04月08日(月)20時10分20秒

後藤〜、人前でいちゃいちゃすんじゃねぇよ!」
耐え切れなくなった矢口が言った。どうも今日の矢口は機嫌が悪いらしい。
「いいじゃんちょっとくらい。やぐっつぁんのけちぃ!」
「どこが『ちょっと』だー!!このバカップルが!なっちもよっすぃーも
言ってやれよぉ!」
「えー、そんなこと言ってぇ・・・」
なつみが始めると、ひとみも続ける。
「先輩はー、今日中澤先生が出張だから気が立ってるんですよねぇー」
「るせっ!2人共一人もんのくせにー!」
矢口がひとみにケリを入れた。何故こんなに矢口は元気なのか・・・。


「でもぉ・・・」
みちよに頬を密着させた状態の後藤がひとみたちに向かって言う。
「ホントなんでなっちとかよっすぃーは恋人つくんないの?」
「そういやそうやな。吉澤もなっちももてんのにー」
「いっそのことさー、あんたらくっついちゃえば?キャハハッ」

矢口のその言葉を聞いた瞬間、ひとみは顔がひどく取り乱しそうになった。
ひとみは、なつみのことが好きなのだ。だが、今まで誰にも言わないできた。
「何言ってんのみんな!安倍さんが困るだろ〜!?」
内心はかなりなつみの反応が気になっている。

68 名前:好きな先輩 投稿日:2002年04月08日(月)20時26分14秒

こっそりなつみの方をみると、少し顔を赤くしている。
(これはどういう反応なんだろ?少なくとも、迷惑そう・・・ではないよな)
「んも〜、ほんとだべ!よっすぃーも困ってるっしょー?」
(相手が安倍さんだったら、全然困んないっす!)


午前8時11分。
朝練も終わり、ひとみら3人はすばやく着替える。
「よっすぃーよっすぃー・・・」
なつみがこっそりひとみに声をかける。矢口には聞かれたくないようだ。
「な、なんですか安倍さん?」
ひとみはかなりドキドキしている。
「矢口が着替え終わったら、ちょっと残っておいてほしいべ。」
「は、はい・・・」

(なんだろ・・・安倍さんに呼び出されるなんで初めてだ・・・
まさか告白・・・?あはは無い無い!!
自分でこんなに笑い飛ばすとちょっと虚しいものがある・・・)


69 名前:トミィ 投稿日:2002年04月08日(月)20時29分04秒
とりあえずここまでで。よっすぃーをコミカル?なキャラにするのって
なんか難しいっす。
今日から学校始まったんで、もしかしたらペースがおそーくなる
かもです・・・。
70 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年04月20日(土)01時41分58秒
>>61
今ごろこのスレに気づきました。松浦×平家で
「松平」でいかがでしょう?

作者さんがんがってくださいまし。
71 名前:トミィ 投稿日:2002年04月29日(月)16時11分56秒
>>61ギャンタンクさん
今風板でちょこっとみちごまやってるのでそちらもよろしく
お願いします(w
「松平」・・・渋いですね(謎
72 名前:好きな先輩 投稿日:2002年04月30日(火)20時18分23秒
「安倍さん?用ってなんですか?」
ひとみは後ろを向いたなつみに駆け寄りながら言う。
「あ・・・よっすぃー。えーっとね・・・なんだべ・・・」
なつみは顔を赤くして言いにくそうだ。そのなつみの態度でひとみには
なつみの言いたい事が解ったような気がした。

「ごめん!今はちょっと。・・・また放課後・・・いいべ?」

「いいですよもちろん!」




「えぇ〜っ!?」
昼休み。後藤の大声が屋上に響く。そこにはひとみ、後藤、平家、矢口しか
いない。ひとみは初めて皆になつみへの思いを明かしたところだった。
「それってさぁ、なっちもよっすぃーのこと好きとしか考えらんないんじゃん?」
「だよねぇ!そうじゃなかったらそんな態度とんないもん」
矢口が後藤に続いてオレンジジュースのストローをくわえながら言う。

73 名前:好きな先輩 投稿日:2002年04月30日(火)20時29分20秒
「そうかなぁ・・・?」
ひとみはまだ自信なさげだ。
「あったりまえじゃんー!」

「っていうかさ・・・」
ひとみが口を開いた。
「なんでみんな揃ってんのに安倍さんは来てないのぉーーーー!?」
かと思うと屋上に設置されているベンチに突っ伏して泣き出す。
「しゃぁないやんなっちはいっつも昼休みになったら一生懸命どっかでかけて
しまうんやから」
「だからぁ!安倍さんはどこにいるのぉーーーーー!!」

「あーうるさい・・・」
74 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月07日(火)21時59分38秒
(あーあ・・・安倍さん・・・)

ひとみは午後の授業も頭に入らない。いつものことと言う突っ込みは控えていただきたい。





75 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月07日(火)22時07分34秒

「よっすぃー♪もうちょっとだねぇ放課後まで!」

声を掛けてきたのは同じクラスの後藤だ。2人はさっぱりした性格なため
大親友とは行かないまでも、毎朝顔をあわせているし平家と後藤の関係を知るの
は陸上部のメンバーだけ、ひとみの気持ちをしるのも陸上部のメンバーだけ
なので、ひとみは友達が多いとはいえない後藤の相手をすることが多くあったのだ。

「ごっちん!声でかい!!」
「だぁってぇ〜、よしこたちもあたし達のようにラブラブになる日が近い
んだから、気分も盛り上がってくるでしょ〜?」
「あんたが盛り上がっても・・・」

76 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月07日(火)22時21分55秒

そして、待ちに待った放課後。

ひとみはチャイムがなると同時に担任の中澤が止めるのも聞かず
陸上部の俊足で(ちょっと違う)待ち合わせ場所へと走った。
後藤は一瞬唖然としたが、すぐににへーっといつもの笑みを浮かべた。


(安倍さんっ・・・!)

77 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月07日(火)22時29分14秒

「あよっすぃー。」
「安倍さんっ・・・」

息が切れるひとみ。
なつみは少し異常なひとみの様子を心配する。

「話って・・・なんですか?」

ひとみの心臓は息切れも手伝って、これ以上ないというほどドキドキしていた。

「ん・・・あのね実は・・・」

(ああもうすぐ安倍さんに告白を・・・!)





78 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月07日(火)22時37分36秒
「えっと・・・」

ドキドキドキドキドキドキドキドキ・・・・・・


「2年の石川さんっているっしょ?」

・・・へぇ?
いしかわさん???

「はい・・・」

「なっちね、実は・・・石川さんの事が、好きなんだべ・・・」

ガー―――ン。古典的だと解っていながらひとみは頭のなかでこの効果音を発した。



「梨華・・・先輩ですか?」

ひとみは2年生の石川梨華のことは知っていた。
一応ひとみは図書委員で、石川はとても真面目に委員の仕事をしている生徒だった。

「よっすぃー図書委員っしょ?だから・・・その、よっすぃーにだけ言うん
だけど・・・協力してくれないかなぁ?って・・・」

(そういう・・・ことだったのか(泣))

ひとみはかなりのショックを受けていたが、すぐにいつも「カッケーよっすぃー」
の顔に戻り言った。

「そうだったんですか。まかせてください!安倍さんのこと応援してますよ!」


(あーーーーーーあ・・・馬鹿?)


79 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月07日(火)22時45分04秒
安倍とわかれてから、ひとみは一人部室の裏でひざをかかえた。

(安倍さん、梨華先輩のことが・・・あはは・・・そっか・・・
安倍さん、昼休みに図書室通ってたんだな・・・梨華先輩いるもんなぁ・・・)


ひとみは期待の分だけ悲しくもなったが、なつみのあの恥ずかしそうな、
でも嬉しそうな顔を見ていたら泣く気になんてなれなかった。


80 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月19日(日)20時48分15秒
「はぁ〜っ!?振られちゃったのぉ!?」
「違う!振られたわけじゃないよ、だって告白してないもん!」
今日の放課後は陸上部の練習がない。隣で叫んだのは後藤だ。
「一緒じゃん・・・でもなっちが梨華先輩を好きだったとは・・・」
「でもねごっちん、あたしそんなショックじゃないんだ。
『応援します』って言った時の安倍さんの嬉しそうな顔、見れたからさ」
ひとみの言葉に嘘は無かった。
「それに!あたしまだ安倍さん諦めるなんて言ってないっしょ!?」
「ポジティブだね〜よしこぉ!」
「まぁね〜♪」

81 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月19日(日)21時02分00秒
「あっでもこのことは他言無用だからな!誰にも言わないでよ!」
「言わないよぉ!よっすぃーも頑張れよ!」
そう言って後藤は満面の笑みでひとみのわき腹にパンチを食らわせた。
「ぐはっ・・・ごっちんいいやつだね」
「え〜何々あたしのこと好きになっちゃった?」
「はぁ〜!?あんた好きになるなんて絶対ないない!」
ひとみは少しオーバーなリアクションで答える。
「むかっ、あたしだってねぇ、あんたなんか好きになんないよーっだ」
「せいぜい大好きな先生に愛想つかされないように汐らしくしてなよ〜」
「むかつくぅぅぅっ!」
「あははは〜♪」



―――その日は、今までより少しごっちんと仲良くなれた気がした。

82 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月19日(日)21時10分32秒
翌日。

今日も朝練があるので早く登校する。
人通りの少ない通学路で、ひとみは一人あくびをしながら登校している。

「よっすぃーぃ!!」
向こうから向かってくる小柄な少女はなつみだ。
「ぁ・・・おはようございます!」
「おはよう〜♪・・・昨日はありがとね。また相談乗ってほしいべ・・・」
「あたしでよければいつでも乗りますよ!」
また、なつみの照れた可愛い顔。ひとみはそれを見ているだけで幸せだった。
「そういえば今日朝ごはん何食べた〜?なっちはね、パンとごはんと目玉焼きと
りんごと・・・」
「普通に食べすぎですよ・・・」
「朝は栄養とらないと走れないっしょ!」

・・・・
・・・
・・

83 名前:好きな先輩 投稿日:2002年05月19日(日)21時12分28秒
「あっ!なっちよっすぃーおはよ〜っ!」
「今日は後藤のほうが早く来たよ〜♪」
矢口はすでにジャージに着替え、後藤はドリンクなどの用意をしていた。
「おはよ〜」
「おはようございまーす」

「もう〜、またみっちゃん遅い!!」
「先生はぁ、昨日あたしと頑張りすぎちゃったから仕方ないんですぅ!」
「こいつまた嘘ばっか言ってー!」
矢口が言うのと同時に笑い声が溢れ出す。



今日も一日、がんばろっと!




---fin---
84 名前:トミィ 投稿日:2002年05月19日(日)21時14分50秒
よしなち完結です。
すごい間をおいたわりに少量更新で終わってしまった・・・鬱。

次はなにかリクいただければ書きます。
なかったらまたみちあや書こうかな・・・。
85 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月19日(日)23時18分26秒
やぐちゅー、読んでみたいです〜。
がんばって下さい。
86 名前:読んでる人 投稿日:2002年05月20日(月)10時04分27秒
なちまりキボン♪
87 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月20日(月)15時49分20秒
みちあや!松平!
前の2人の話がよかった(というか松浦がかわいかった)んで、その続きができれば
みたいです。
88 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年05月23日(木)00時41分27秒
やぐちゅーをお願いします
89 名前:トミィ 投稿日:2002年05月25日(土)14時09分14秒
>>85>>88名無し読者さん、やぐちゅー中毒者セーラムさん
了解しました〜。

>>86読んでる人さん
書いたことないので上手くできるかわかりませんが、
書いてみますね。

>>87名無し読者さん
みちあやですね〜、書く気まんまんです(w


少し構想に時間がかかりそうなのと、テストのため(泣)
更新はもうちょっと先になりそうです。
あと、リクはこの辺でいったん締め切らせていただきますね。
予想以上に多かったのでびっくりしてるんですが(w
90 名前:夏の太陽 投稿日:2002年05月29日(水)19時54分50秒
ある片田舎の女子校。
聞こえるのは蝉の声。

「おはよぉっ!!」
この元気な声は矢口真里。2年生だ。
田舎町では珍しい明るい色の髪をした明るい少女。
友達の安倍なつみを後ろに乗せて自転車で登校している。

「そういや矢口ぃ、今日から新しい保健の先生来るって知ってる?」
後ろからなつみの声がする。
「えっ!?知らない!!どんな人?」
「なっちもよく知らないけど、女の人だって」
「へー・・・」


蝉の声がうるさくて、毎日嫌になる。



91 名前:夏の太陽 投稿日:2002年05月29日(水)20時02分40秒
朝礼で、新しく赴任してきた教師が紹介される。
生徒たちはその教師を見ると同時にざわざわと顔を見合わせて
目配せや内緒話を始めた。

「中澤裕子です、よろしく」

中澤裕子と名乗った教師は都会的な女性だった。
目はブルーグレイ、髪は金髪に近い茶色。すこし鼻にかかった声が艶っぽい。



「ねぇ、矢口」
背の順で並ぶと矢口が1番前、なつみが2番目。
「あの先生、なんかカッコいいね」
「そうかぁ?すかしてそうじゃん。髪だってあんな色だし、目だってカラコン入れてるし」
「もう、矢口も人のこと言えないっしょ!」

なつみの声を無視して矢口は前を向いた。


92 名前:夏の太陽 投稿日:2002年05月29日(水)20時19分12秒
―――なんか今日だるいな・・・一時間目さぼっちゃお


「先生ぇー頭痛いっす・・・」

こうして授業をさぼるのには慣れていた。
何事もそつなくこなす性格であったため、テストではいい点を取っていたが。

「はいじゃークラスと名前言って」
―――中澤・・・先生だ

「2年A組の矢口、真里です・・・」

「ふぅん矢口か・・・あたしがこの学校着てから保健室来た生徒第一号や」

「そうですか・・・」

とりあえずいつものようにベッドに寝る。
普段元気な矢口なのに、時々何もかもわずらわしくなることがある。
なんとなくいらいらしたときは、保健室に行って授業をさぼるのだ。



93 名前:夏の太陽 投稿日:2002年05月29日(水)20時27分25秒
「矢口ー?」

「・・・はい?」

「この学校て、向日葵キレイに咲いてるよなぁ」

意外だった。都会の雰囲気を匂わせていて、こういう田舎の町を
バカにしていそうだと矢口は感じていたのに。
中澤は目を細めて、窓の外に咲く向日葵を見つめている。

「一応・・・しんどくて寝てるんですけど・・・」



「ええやん、どうせ仮病なんやろ?」


「・・・」


―――わかっててどうして寝かせんだよ・・・!
   変な教師・・・


「矢口の髪って向日葵みたいやんなぁ」

「向日葵・・・ですか?」
「それか真夏の太陽みたいな、キレイな色やん」



不覚にも、嬉しいと感じてしまった。
そんな風に言われたのは初めてだったから。



94 名前:夏の太陽 投稿日:2002年05月29日(水)20時33分46秒
「あ、おかえり矢口ー」
「なっちただいまー♪」

2時間目が始まる前に矢口は教室に戻った。

「ん?なんか機嫌いい?」


「えー?別にぃ〜」


「・・・?」


95 名前:読んでる人 投稿日:2002年05月30日(木)11時55分45秒
学園物のやぐちゅう?
今後の展開がどうなるのか楽しみです♪
96 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月31日(金)01時10分03秒
あ、やぐちゅーだ。続き期待〜
97 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月01日(土)12時13分18秒
おっとーやぐちゅーきた(w
自分もやぐちゅー大好きです。
98 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月05日(水)15時24分50秒
中澤が赴任してきて2週間。
矢口はときどき保健室に顔を出して、中澤にかまってもらいに行く。
好きとか嫌いとか、そんなことまだわからない。
ただ、会いたいだけで。

「矢口ぃ・・・?」

学校の駐輪所。矢口となつみは同じ自転車でいつも一緒に帰る。

「何ー?」
「裕ちゃんが、好きなんでしょ?」



なつみはおおらかそうに見えて実は鋭い。

「そんなこと・・・まだわかんない」
「まだってことは、気になってるてこと?」
「・・・」


「矢口っ!?」
「・・・知らないよっ!!」



99 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月05日(水)15時34分00秒
自分でも、その大きな声に驚く。
まだ明るい、夏の放課後。聞こえるのは、部活動中の生徒の声と、虫の音。


「・・・まだわかんないよそんなの・・・」


「ごめんね・・・でも、まだ気持ちが浅いんなら裕ちゃんのことは
諦めたほうがいいよ」


諦めるも何も、好きってわけじゃない。ただ、先生として好きなだけ。
教師と生徒、しかも女同士。それを全部超えて彼女を好きだなんて、
今の矢口にはとても考えられなかった。

「別に、、、好きなんかじゃ、ないよ・・・」

「そっか・・・」

「うん・・・。帰ろっか」




100 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月05日(水)15時39分19秒

―――諦めろなんていうってことは・・・なっちは裕ちゃんが好きってこと?
   だからおいらが邪魔?いやでもなっちってそういうタイプじゃ・・・


考える事はたくさんあったけれど、
ただ黙って矢口の後ろに座っているなつみに、矢口は何も話し掛けなかった。


101 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月05日(水)15時45分47秒
「矢口ー?」

「あ・・・裕ちゃん、おはよう」

翌日の朝。矢口は学校に咲いている向日葵に水をやっていた。

「矢口って園芸部かなんかか?」
「違うよぉ、ただの当番。」
「ふーん・・・」


キレイに水を浴びる向日葵と、向日葵を見つめる中澤がとてもきれいで、
矢口は少し恥ずかしくなった。


「・・・・・・」



「中澤先生ー」

向こうから、教頭先生の声がして、はっと我にかえる。

―――何見とれてんだよおいらは・・・

102 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月05日(水)15時49分28秒

「ほなもう行くな」
「あっ、うん・・・」

「そうや、これ矢口にあげるわ」
そう言って中澤はポケットから何かを取り出そうとする。

「・・・?」

「あ、これこれっ」

差し出された手を見ると、黄色い包みが乗っている。

「飴?」

「そや。じゃあ、またな」

103 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月05日(水)15時54分01秒
なんだか、笑ってしまう。
彼女に、こんな飴玉似合わない。

「なんでこの歳になって飴なんだよ・・・」


気付けば、もう如雨露の中は空っぽ。



ふいに頬に手をあてると、夏のせいなのかなんなのか、熱い。

「きっと、顔赤いぞ・・・」





104 名前:トミィ 投稿日:2002年06月05日(水)15時59分21秒
ちょっとずつしか更新できてなくてすみません・・・。

>>95読んでる人さん
ちょっと古い学校に通ってると思ってください。
田舎なので制服はセーラー服です(w

>>96名無し読者さん
やぐちゅー2回目の挑戦です。
今回は甘くありませんあんまり・・・。

>>97
やぐちゅー人気高いですねやっぱり。
自分も好きです♪

105 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月07日(金)03時24分18秒
なっちが何で裕ちゃんの事諦めろっていったのか・・・妄想中。(w
やぐちゅーいいです。
106 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月07日(金)14時31分27秒
わぁぁぁい〜!!
やぐちゅーだ!!
待ってました。(w
107 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月09日(日)20時45分01秒


意識しちゃ、いけないんだよ。








なぜか、嫌な予感がする。









素直に彼女を求める事を躊躇して、なつみに釘を刺された理由を見つけようとする。








108 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月09日(日)20時51分02秒
「おはよぉ」

背中が、ぴくっと動いたのが自分でわかった。
「裕ちゃん・・・おはよう」
「今日は安倍さんと一緒じゃないん?」
顔が見られない。目を背けたくなる。

「うん・・・なっち、今日は遅刻だって。低血圧でしょうがないんだよ・・・」

「ふぅん・・・。矢口も元気ないんと違う?気分悪そうやで」

そっと、腕に触れられる。
離れたくても離れられない。むしろ、離れたくない気持ちがそうさせてるのかもしれない。



「・・・矢口・・・?」
自分の額に中澤の額が軽く押し付けられる。
香水の香りがほのかに漂って、頭がくらくらして。





恋は、おかしいほど突然にやってくるものだと、思い知らされた。







109 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月09日(日)20時55分16秒

「なっち・・・ごめん」



「何いきなり!?」
昼休みの中庭。

隣で本を読んでいるなつみに、矢口はあまりにも突然に話を切り出した。


「矢口・・・祐ちゃんのこと好きになっちゃった・・・」

なつみの目を見ずに言う。
きっと、何かしらの否定的な反応が返ってくるだろうと予想していたから。


110 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月09日(日)21時02分28秒
「・・・なっちは、裕ちゃんが好きなんだろうけど・・・矢口は
こういうことはちゃんと言っといたほうがいいと思うし・・・」

「え・・・ちょっと待ってよ。なっちが裕ちゃん好きだと思ってたの!?」



「・・・違うの?」

「違うよぉ!でもそっか・・・やっぱり・・・」

なつみは意味深に自分の中で納得している。
矢口には訳がわからない。

「じゃあ、なんでなっちは裕ちゃん諦めろって言ったの・・・?」



なつみから返事が返ってくる様子はない。


「ねぇ・・・!」






「裕ちゃん、結婚するから」


111 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月09日(日)21時12分02秒


あぁ、そうなんだ・・・。


よかった、傷が浅いうちに知って。







大丈夫だもん。別に。





112 名前:トミィ 投稿日:2002年06月09日(日)21時14分53秒
>>105名無し読者さん
>なっちが何で裕ちゃんの事諦めろっていったのか・・・妄想中。(w

こういうことでした。すみませんなんのひねりもなくて(氏

>>106名無し読者さん
こののやぐちゅーはちょっと痛めらしいです・・・。

113 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月09日(日)21時19分31秒
予想外の展開・・・ビックリ(w
PCの前でサッカー見ながら大笑いしちゃった・・・
114 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年06月10日(月)00時28分06秒
な、なんと!
この先どうなるか気になるであります
115 名前:トミィ 投稿日:2002年06月16日(日)18時31分34秒
>>113名無し読者さん
大笑い、ですか・・・。どうとればいいんでしょう(w

>>114やぐちゅー中毒者セーラムさん
この先・・・どうなるんでしょう(ヲイ
116 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月16日(日)18時37分04秒
「知ってるでしょ?町のはずれにあるおっきな家。あそこの
息子さんと結婚決まってるんだって。でも、今は大奥様の体調が良くない
からって、裕ちゃんも東京から息子さんについてきてるんだよ」


・・・聞きたくなかった。耳が痛いだけ。これ以上、言わないでなっち・・・。

「そ、ぅなんだ・・・」

「で、しばらくしたら東京帰るんだって。」
決定的。一瞬、なつみは自分を傷つけたいのかと思った。
どうしたらいいの、この気持ちを。


傷は、浅いはずだよ・・・なのに。
117 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月16日(日)18時44分08秒
「・・・大丈夫?矢口・・・」

もう、耳は何も聞こうとしていなかったことに気付いた。
こんなことになって、思っていたよりもっと中澤のことを想っていた
自分の姿を知る。


「大丈夫だよ・・・。好きっていってもさ、気になるって程度だったし」
親友にも本当の気持ちを隠すなんて。


「いやーでも、なっちが教えてくれてよかったよ。うん。
知らないで裕ちゃんにアタックいてたらさー余計悲しいもん」

「矢口・・・」
明るく言ったはずなのに、なつみは顔を歪める。
2人のこれまでの友人としての歴史は、いつの間にか誰も超えられない
絆になっていて。

―――なっちごめん、今だけは、何も気付かないふりしてて・・・



118 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月16日(日)18時55分41秒

「裕ちゃん・・・」

保健室で仕事をしている中澤に、矢口はなんとなく声をかける。

「なんやー?」

「結婚するんだって・・・?」

中澤のペンを持つ手が、ふと止まる。
「何処で聞いたん?それ」
「風の噂で・・・」
「そうかい」


こんなやりとりも、じきに出来なくなる。
矢口の胸が、なんとなくきゅっと傷んだ。


「その人のこと、好き?」

何で、こんな質問してるんだろう。

その白い肌が心なしか紅潮する。
「まぁな・・・」




「ふぅん・・・」


119 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月16日(日)18時58分05秒


もうすぐ夏休み。



夏が終われば、裕ちゃんとは離れ離れになる。


この想いさえ、なかったらよかったのに。


そうすれば、キレイな涙しか流さなくてすんだのに。



120 名前:トミィ 投稿日:2002年06月16日(日)18時58分44秒
少量更新。

なかなか進まない・・・反省。
121 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月16日(日)19時54分23秒
更新だ〜!!
どうなってゆくのか?
122 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月16日(日)20時24分50秒
結末が気になるな〜。

このまま結婚してしまうのも、矢口が奪っちゃうのも(「卒業」かよ)
どっちも俺的にはOKだなあ。
123 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月20日(木)14時34分22秒
「・・・てことで、明日から夏休みだが気を抜かないように!
問題起こしても先生は知らん!!以上!起立!」


とうとう、明日から夏休み。
なつみから、中澤が東京に帰るのは夏休みが明ける直前の8月27日だと聞いた。
終業式で中澤は「短い間でしたけど、楽しかったです。
生徒もいい子たちばっかりやったし、またこの学校に顔出したいなーと思います。
ありがとうございました」
と挨拶をした。

――― ねぇ裕ちゃん、矢口は、ちょっとでも裕ちゃんの記憶に残る生徒だった?

    
124 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月20日(木)14時39分40秒

「裕ちゃんっ・・・!」

なつみに駐輪所で待つように言って、向日葵の花壇の前に立つ中澤のもとへ走る。

「なんや矢口、帰ってなかったん?」
「うん・・・」

しばらく沈黙が続いた。でも気まずくなんかなかった。
2人で向日葵を見つめていたから。

「もう矢口とも会えんようになるんやなぁ・・」

・・・
・・



「裕ちゃん、・・・・・・花火、しよ?」

「花火?」

「最後の思い出に。裕ちゃんが帰る直前に。ねっ?」
無理に笑った。明るい自分など捨ててしまいたかった。
胸は、今にも張り裂けるほどに切ないのに。
この想いを、伝えたいのに。



「うん・・・ええよ・・・」




125 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月20日(木)14時42分57秒
「決まり!じゃあ、矢口電話するから!」
そういって携帯の電話番号を聞いた。

・・・・・

・・・
・・




「ん、じゃあね!また8月に!」

「気ぃつけて帰りやー」


駐輪所までは休みなく走った。
涙が自然にこぼれてきて、どうしようもない想いを抱え切れない。

「っく・・・やだよぅ・・・やだ・・・っ!」




126 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月20日(木)14時47分40秒
「あ〜矢口遅い!なっちお腹空い・・・」

なつみは、遠くから走ってくる矢口の様子がおかしい事にすぐ気付いた。

「矢口・・・?どうしたの・・・」
矢口はなつみの両腕をつかみ、前かがみになって涙を流した。
「なっ・・・ちぃ・・・ぇっ・・っく・・・」


「矢口・・・」
その日は、いつもとは逆になつみが矢口の自転車をこいで帰った。
普段より余計に小さく見える親友を後ろに乗せて。


127 名前:トミィ 投稿日:2002年06月20日(木)14時52分24秒
またまたちょこっとだけ更新(死

>>121名無し読者さん
もうすぐ終了です、多分。結末は・・・。あれ?(ヲイ

>>122名無し読者さん
その2通りのパターンのどちらかですね・・・。
どっちもOKと言ってくださって心強いです(w
128 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月23日(日)01時37分35秒
夏休みになっても、矢口は中澤に電話する気になれなかった。

毎日、携帯に入れた「裕ちゃん」の文字を見つめている。
かける気のない番号を、大事に入れて。

「ははっ・・」


ただの、保健医と生徒。

―――だけど、誰よりも裕ちゃんのこと好きになってた・・・


今頃気付いたところでもう遅いのに。
毎日が意味なく過ぎていく。


129 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月23日(日)01時42分07秒

8月の27日。

矢口はやはり電話をしないと決めていた。きっと、会ったら泣いてしまうと思うから。



最後まで、この気持ちは知られちゃいけない。
溢れそうな想いを支えるように、矢口は自分を抱きしめた。

もうすぐ、夜になる。最後の夜。

明後日にはもう、この町にあの人はいない。

130 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月23日(日)01時46分44秒
―――これでいい。これでもう、裕ちゃんとは会わない。
   
   ・・・じゃあなんで、会う約束なんてしたんだよ・・・!

   きっと、会いたかったから。最後の場所を、みんなと同じ学校にしたくなかった。
   特別でいたかった。会いたかった。


涙で顔がぐしゃぐしゃになる。部屋の中、声を押し殺して泣いた。



・・・・
・・・
・・


「真里ー?電話あんたの部屋に回すわよー」
母親の声だ。きっと、なつみが誰かだろう。中澤がかけてくるはずはない。
そこまですることは、きっとないだろうと思っていた。


131 名前:夏の太陽 投稿日:2002年06月23日(日)01時52分24秒
「はい・・・」

「どしたんや?元気ないやん」


一瞬、目の前が真っ白になった気がした。電話の向こうにいるだろうあの人を思って。

「え・・・裕ちゃ・・・?」
手がかすかに震える。まさか、まさか向こうからかかってくるとは思わなかった。


「そうやでー?あんた電話する言うてたやんか!ちょっとも掛かって
きいひんからわざわざ調べてまでかけたんやで!?」

「あっ、、ごめん・・・」

間抜けな返答しか出来ない。かろうじて立っていられるほどの胸の高鳴りが
何故か心地よかった。


「今から川原んとこ集合!花火もうあるから」



「・・・わかった!」


132 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月24日(月)20時20分06秒
どう出るのかわくわく。ドキドキ。ふ〜(w
133 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月04日(木)01時47分28秒
結果まってるのに(w
どっちなんだろう???
134 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時00分04秒
嬉しくて、どこか切なくて辺に胸が締め付けられる感覚を覚えながら
矢口は川原へ走った。

膝丈のワンピースが足にまとわりついて、赤いサンダルに土が入っても
気にならなかった。他に何も考えられず、ただあの人のことだけを想って。




―――橋の上。

下を覗くと、何人かの少女たちのはしゃぐ声が聞こえてくる。

「あ!矢口だー遅いよ!」
なつみが矢口の姿を見つけ、下から指さす。


その場には、学校の同級生の柴田あゆみ、後藤真希らもいた。


―――こんなとこじゃ、間違っても泣けないな・・・



135 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時14分42秒
「はい!やぐっつぁんの花火!」
「ありがと・・・裕ちゃんは?」
「あ、あっちにいるよー」


後藤が指差す方向を見ると、そこには今まで見たこともないくらい綺麗な、中澤の姿。
浴衣の色が青紫色をした空によく映えていて。



「ゅ、裕ちゃん!」
やっとの思いで声を掛ける。
「おー矢口来たな。ったくあんた自分で言うといて来ぉへんって
どういうことやねん!」

「・・・ごめん」


まともに顔が見られない。

「・・・?どうしたん、具合悪いん?」

―――また優しくする・・・


「なんでもないよほんと・・・・・・」

―――あなたは、気付かない。全部、あなたのせいで、矢口の全部が
   裕ちゃんを求めてるってこと。






136 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時21分15秒
しばらく、なんとなく花火を続けてみる。
なのに、全神経はいつも中澤のいる方向に向いているのがわかった。



8時を過ぎると、もうすっかり真っ暗。

―――もうすぐ、終わるな・・・

「矢ー口っ」

「!?


・・・裕ちゃん」

「何なんその間は」

苦笑いしながら中澤が線香花火を2本もって近づいてくる。

「コレやろうや」



137 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時29分23秒
それぞれに座り込んで、最後の線香花火に火をつける。
矢口は中澤のとなりに静かに腰を下ろす。


「線香花火って、この火が落ちるまえに何かしなきゃいけない気ぃするね」

「えー?そうか?あたしは終わる夏を惜しむ気持ちでしか線香花火
持ったことないけど」

「矢口にはそうなの!」

「・・・なんかしっかり者の矢口らしいな」





138 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時32分35秒
「・・・明日行っちゃうんだね」

「ん・・・」

「矢口のこと忘れない?」

「忘れへんよ」

「幸せになれよ」

「生意気やし・・・」

「・・・もう、落ちちゃう・・・」



139 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時39分13秒
線香花火。

『この火が落ちる前に、何かしなきゃ・・・』

何もしないときっと、夏が過ぎても、何年たっても後悔する。
こんな高校生のくだらなすぎて淡い想いを引きずりたくないから、何かしなきゃ。
なんて、無理に理由をつけては自分に言い訳してる。


―――ただあなたが好きなだけ。

その気持ちが恥ずかしくて、隠すように自分の想いをちっぽけに見せようとする。


だけど、いくらそんなこと思ってても意味が無い。

私はあなたが好きなだけ。それを、伝えなくちゃ。




140 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時44分11秒
もうすぐ、もうすぐ消える。この時間が終わっちゃう。

「裕ちゃんっ・・・」









時間が止まった気がした。
暗くてあんまり見えないあの人の肩をしっかりつかんで、柔かい唇の
感触を感じた。




141 名前:夏の太陽 投稿日:2002年07月07日(日)00時57分17秒

ほんの2秒間。

誰も知らない2人の関係は、始まってそして終わった。


確かにあのとき裕ちゃんは矢口の腕を強く握ったけど、


裕ちゃんがこの街に戻ってくることは2度となかった。







---fin---




142 名前:トミィ 投稿日:2002年07月07日(日)01時10分19秒
やっとこさやぐちゅー完結です。
なんか長ったらしい話になっちゃいましたね。。

時間あいちゃってすいません・・・風板かなり放置(氏)だし。。
ごめんなさいもうちょっとしてからちゃんと終わらせます。

あとどうしてもなちまりが無理っぽそうで・・・
自らリク受付とかしといてアフォかって話なんですが、、、ごめんなさい。
ほんとに申し訳ないです。



143 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月08日(月)01時23分18秒
やぐちゅー完結おめでとうございます。
そして、リクエストに答えてくださってありがとうございました。
これからも、応援させて頂きます
144 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月08日(月)18時39分20秒
さらっとした終わり方でしたが、ひと夏の思い出…みたいで素敵でした。
145 名前:読んでる人 投稿日:2002年07月09日(火)18時01分19秒
こーゆー終わり方もなかなか良いですね。

なちまりは無理ですか・・・う〜ん残念・・・。
146 名前:トミィ 投稿日:2002年07月13日(土)01時22分40秒
>>143やぐちゅー中毒者セーラムさん
ありがとうございます。予想以上に長くなっちゃいましたが(汗
やぐちゅーってやっぱ書くの楽しいですわ(w
セーラムさんも頑張ってくださいまし♪


>>144名無し読者さん
>ひと夏の思いで・・・
ぜひ一回こういうの書いて見たかったんですよ〜。
今回やっと小説らしいものが書けたかな?って思ってます(w


>>145読んでる人さん
ごめんなさい〜(>_<)
リク受け付けるとか言ってる割に断ることも多い・・・(氏
ほんと申し訳ないです。どうしてもなちまりで話が作れない・・・。
許してください。。


次はみちあやマターリ書いていきたいと思います。
147 名前:センセイ 投稿日:2002年07月13日(土)01時36分33秒
「平家先生♪」

また今日もあのコがあたしの心んなかに勝手に踏み込んでくる。

「松浦・・・」

「授業終わりましたよ〜ここにいていい?」
そんな可愛い顔して言われて、誰が「帰れ」なんて言える?

「じゃあ亜弥、私たち先に帰ってるね」
「うんわかったーバイバイ〜」

「平家先生さよならー」
「はいさようなら。気ぃつけて帰りや」

148 名前:センセイ 投稿日:2002年07月13日(土)01時45分04秒
友達が帰った後、松浦の顔つきが変わったことに気付く。

「先生ってひとり暮らしだっけ?」

「まぁな」
足をバタバタさせて訊ねてくる姿はまるで子供。


「せんせー・・」
ほら、いつものパターン。このコのこの顔みたら、従わずにいられなくなる。
「キスして?」

ここは学校で、誰かに見られてないとも限らへん。

そんなことも言えへんあたしって、情けないよなぁ。
少しかがんで、一見純真な唇に自分のそれを重ねる。

離そうとしても、名残惜しそうについてくるそのコは、どうしようもない
くらいに可愛い。



149 名前:センセイ 投稿日:2002年07月13日(土)01時57分13秒
気が付いたら、あたしからした筈のキスの主導権は松浦に握られてて。

「んっ・・・ぁ・・・」
無我夢中に自分を求める松浦。それに応えるしかできないあたし。
こんなんでええんやろうか。7歳も離れたコのキスに我慢できなくて声が漏れる。

「先生大好き・・・」

何時の間にか体勢を変えて自分が壁に押し付けられるようにされていた。
「大好き」ってあたしを抱きしめてくれる小さな肩が愛しくて。








150 名前:センセイ 投稿日:2002年07月13日(土)02時03分01秒

このまま誰のものにもならんと、あたしだけ見ててほしい。
あたしが松浦を愛してて、松浦もあたしを想ってくれてる自信がある。

でも、校医と教師なんかいつまでも続くわけない。
きっと松浦ももうちょっとしたら全然違う人のこと想ってるんやろうな・・・。


告白してくれたときすごい嬉しかった。でも怖かった。
「先生」への憧れだけでは何年も続きっこない。
それでも、今だけでも松浦に自分を見てほしかった。


もうちょっとだけ、好きでいて。
好きでいさせて。




151 名前:センセイ 投稿日:2002年07月13日(土)02時09分42秒
「・・・せんせー?」

「あ、なんでもあらへんよ、もう帰る?」

「・・・センセイん家行っちゃ駄目?」

「・・・いいよ。車出すから待っててくれる?」

「うんっ」



少しの間でも何でも、こんな毎日が続くんやったらなんでもいいかな・・・
なんて、だらしないことを考えた。



152 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)00時28分26秒
平家先生と付き合いだして、もうすぐ3ヶ月。
先生はまだあたしのことなんかコドモだと思ってるみたいだけど、
やっぱり付き合ってくれてるんだから、一応は好かれてるん・・・だよね?

今はまだ、私に「付き合ってくれてる」って感じかも知れないけど、
いつか本気で愛し合えるような関係になりたいな・・・。
待っててくださいね、松浦、すぐ大人になりますから。


153 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)00時32分51秒
最近よく先生の家に行くけど、先生は門限までに車で私の家に送ってくれる。


「泊まりたい」、なんて、恥ずかしくて言えないし。

今日も、先生の家に行ったけど何もなかった。ただ先生が私の話やさしく聞いて
くれて、お茶入れてくれて、って。

思い切って、電話してみようかな・・・。
番号は聞いてたけど、掛けたことは一度もなかった。

154 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)00時38分47秒

「もしもし?」

「あ、松浦、です・・・」
さっき別れたばかりなのに、声を聞くだけでこんなに嬉しい。

「どうしたん?珍しいやん」
優しい声。電話の向こうにいるあなたの姿が見たくて、切なくなる。


「・・・逢いたいんです」


思わず声に出しちゃった。・・・きっと迷惑だろうな。
反応が怖くて、電話を切りたかったり切りたくなったり。



155 名前:トミィ 投稿日:2002年07月14日(日)00時40分02秒
うわ間違えた(^^;

「切りたかったり切りたくなかったり」です↑。

微妙な間違いだ。。。

156 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)00時44分14秒

「あの・・・」

慌てて話題を変える。また、お願いなんだけど。


「2人のときは、『平家さん』って呼んでもいいですか?」

だって「先生」じゃなにも伝わらない気がする。
それに、なんだか先生と生徒ってことを強調してる気がして恥ずかしい。


「うん、ええよ。松浦の好きなように呼んで?」


また、逢いたい気持ちが増す。きっと、彼女は電話の向こうで
微笑んでるんだろう。きっと綺麗なその笑顔を、独占したくなった。



157 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)00時52分23秒

たくさん話をした。その大半は、「平家さん好きです」とか、
そんなバカみたいなことばっかり。どうして平家さんの前だと、
こんなにも素直に気持ちを言えるのかな。




話に一区切りついたところで、平家さんが言った。

「ちょっと窓、開けてみてくれへん?」


「・・・?はい・・・」



158 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)00時58分30秒

なんだろう・・・?
不思議に思いながらカーテンと窓を開けて、外を見てみる。

うちのマンションの下に、見覚えのあるカッコ良い車が止まっていた。


「平家さん・・・!」

電話越しに、でも顔をあわせて平家さんを呼ぶ。

「ごめん・・・来てしもた・・・」





159 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)01時04分04秒

「ちょっと待っててください!すぐ行きますから!!」

家族はもう寝たみたい。嬉しくて気持ちばかりが焦る。

早く平家さんのもとへ行きたい。早く抱きしめたい。

両親や妹達に気付かれないように、静かにマンションの部屋を出た。

繋がりっぱなしの携帯を持ったまま。



平家さんは、エントランスで待っていてくれた。



160 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月14日(日)01時06分13秒
うおっ松平だ!
この萌える組み合わせの更新に期待してます。
161 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)01時10分24秒

「平家さん・・・!」

「ごめんなこんな時間に・・・」

照れくさそうに鼻の頭に手をやる平家さん。

その姿が可愛くて、勢い良く平家さんに抱きついた。

「逢いたかったですよぉ・・・」

平家さんを抱きしめるときいつも、華奢なこの人が壊れちゃうんじゃ
ないかって心配してしまう。



162 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)01時17分00秒

平家さんの甘い匂いをまとって、気が付くと涙が流れたりなんかしてた。

「ん?どうしたん?なんで泣くん・・・?」


「だって・・・来てくれるなんて思ってなかったから・・・」

ほんとにほんとに嬉しくて。あながち私の一方通行な想いじゃないかも
知れないってことが。



腰に平家さんの腕が回ってる。私は平家さんの首に腕を回してて、
平家さんの顔がすぐそこにあると思うとすぐにでも唇を奪いに行きたくなる。


「ずっと、こうしてたいな・・・」



163 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)01時28分34秒


自分より少しだけ背の高い平家さんの顔をじっと見る。
やっぱり綺麗だな・・・。
良く考えたら、初めて会ったときに綺麗な人だなーと思って一目惚れ
したんだもんね。今は勿論中身も、なにもかも大好きだけど。


我慢できなくて、まずは平家さんの首にキスをする。

指を、最初に会ったときよりも大分長くなったきれいな髪に絡めて。

「好きです・・・」

耳たぶ、頬、鎖骨。もう、とまんないよ・・・。



164 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月14日(日)01時36分37秒

「ん・・・っ、松・・・」

私の背中に力がこもるのがわかった。

唇をゆっくり重ねる。


柔かくて、唇を離してまた口づけるときに見える
平家さんの表情が堪らなく艶っぽくて、頭がくらくらする。




165 名前:トミィ 投稿日:2002年07月14日(日)01時41分38秒
>>160名無し読者さん
この組合わせは楽しく書けるし好きなんですよ♪
自分も他の作者様が書いてくれたりしたらきっと萌え萌えだろうと思います(w
166 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月15日(月)23時02分31秒
持っていた携帯は、唇を重ねるうちに下に落ちて小さくツーツーと音を立てている。


「ん・・平家さ・・・・」

何度も何度も夢中でキスを繰り返す。誰かに見られるかもしれない。
だけどあんまり気にならなかった。それより今は、あの人を求めていたい・・・。

下を絡めあう音と、お互いを弄る衣類のこすれる音、そして切なげに相手を
呼ぶ声を、甘い時間が包む。

時間、もっとゆっくり経てばいいのに。
先生を、平家さんを連れてかないで・・・。


167 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月15日(月)23時12分43秒

だけど。


――カシャーンッ!


私の足が、携帯を蹴ってしまって一瞬の沈黙。

平家さんは大分時間が経っていることに気付いてか、続きを始めようとはしない。


「・・平家、さん・・・?」

わかってはいたけど、まだやめたくない。まだ触れていたい。
私の不安げな表情を見て、平家さんは小さく口の端で笑った。

「ん、もうそろそろ帰るわ」

「え・・・やだっ。まだ、もうちょっとだけ・・・」
明日またすぐに会えることはわかってる。でも、それは先生と生徒としてで、
平家さんは保健室の先生だから一日殆ど顔を見ない日もある。

こんなに長い時間キスを繰り返したのは久しぶりだった。


「駄々こねへんの。明日保健室来ぃや・・・な?」
優しく言わないで。余計に離れたくなくなる。平家さんを抱きしめて
胸元に顔をうずめながら黙って首を振った。

「困らせへんの」
頭に手をぽんぽんと置かれた。
「・・・好きです・・・」
「・・わかってるよ」

こんなにこんなに愛してる。わかってよ、お願いだから。一緒にいたいの。






168 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月15日(月)23時21分02秒
「・・・・・」

「・・・・」


「松浦、顔上げて?」

また、黙って首を振る。私、ほんとに16歳?
呆れられてるに違いない。

「・・・上げてよ・・」
これ以上誤魔化せないと思って、しぶしぶ顔を上げた。



顔を上げた瞬間に、キスをされる。



いきなりだったから、どうしていいかわからなかった。
ただ、凄く嬉しくて。


優しく平家さんが舌を私のに絡めてくる。すごい、上手い・・・。



「・・・んはぁ・・・・」

胸がいっぱいで、思わず変な息が出た。


「じゃあ、また明日な・・・」

「あ・・・また明日・・・」


キスの余韻で、頭がボーっとしてて、駄々こねてる暇はなかった。

やっぱり、好きだなぁ・・・。




平家さんの車が、遠くなっていく。




169 名前:センセイ -sideA- 投稿日:2002年07月15日(月)23時27分28秒
翌日。


昨日なかなか眠れなくて、かなりだるい。



「おはよー亜弥っ!」
「あ、おはよう」
クラスメイトの子と教室に向かう。


「あ平家先生おはようございます」
「おはようー」

バッと声の方向を見た。


そこには、昨日会いにきてくれた、愛しい人の姿。

「おはよう松浦」
爽やかな笑顔で挨拶してくれる平家さん。
「・・・おはようございます♪」
すごい自分の顔が緩むのがわかった。


あーもー!大好き。
これからもずっと、大好きでいたいよ先生・・・。







---fin---




170 名前:トミィ 投稿日:2002年07月15日(月)23時33分34秒
あっという間にみちあや終了(w
ただの甘甘自己満足小説になっちゃいました(ヲイ)。

大急ぎで更新を終えたのは、次に書きたい長めのネタがあるからで・・・。
ちょっと予告(w。えっと、平家さんいっぱい出します。
平家さん、後藤さん、石川さんがひとつ屋根の下で暮らしてるという設定。
で、色々と絡めようかなと・・・。

とにかく平家さんがモテる話、です(w。

171 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月16日(火)00時34分25秒
トミィさん素晴らしい。
松平もすんげぇすんげぇすんげぇイイ!
されど次回予告の設定は発狂ものでイイ!(w
どちらの設定でも更新楽しみにしております。
172 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月18日(木)12時22分55秒
松浦かわいかった。
次回作も楽しみに待ってます。
173 名前:トミィ 投稿日:2002年07月18日(木)23時43分19秒
>>171名無し読者さん
そんなに誉めていただけて光栄ですー。
発狂モノ、になるかなぁ・・・(w?重くならない三角関係
にしようと努力中です。


>>172
ありがとうございます!
松浦のキャラ誉めてもらえて嬉しいです♪


では新作始めまーす。


174 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月18日(木)23時51分02秒

朝7時半。そろそろ起きないと拙い・・・。まだ寝てたい。
一応意識はあるんだけど、瞼がものすごく重たい。
でももう起きないとあのコが・・・


「梨華ちゃーん!いつまで寝てんのー!?遅刻しちゃうよ!?」

・・・声でかいよごっちん。

「起きてますって・・・」


175 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月19日(金)00時03分17秒
―――ったく・・・梨華ちゃんてば昨日遅くまでビデオ見てたから!

   とか言っていつもはあたしが起こされてる立場なんだけどね。あはっ。


私後藤真希が住んでるのは、通ってる高校の近くにある結構大きな家。
さっき寝てた友達の梨華ちゃんもここに住んでいる。

寮に入るのが嫌だったんで、親に仕送りしてもらって住んでるんだよね・・・。
一応、お金持ち学校に入れてもらってるし。

それと・・・

「おはよーございまーす」
リビングに顔を出すと・・・。
「おはようごっちん」

教師の平家みちよさんと3人で共同生活をしている。


176 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月19日(金)00時09分03秒
もともとは平家さんが共同生活する相手を探してたところにたまたま
あたしと梨華ちゃんが決まったんだよね。それまで梨華ちゃんと学校であんまり
親しくなかったんで最初ちょっと不安だったけど、今は3人で仲良くやってます。

それから、、梨華ちゃんは平家さんのことが好きらしい。
もう告白済みなんだけどね実は。付き合ってはいないけどいい感じみたい。

でも最近・・・あたし平家さんのことが気になってる。

こんなこと誰にも言えないんだけど。


177 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月19日(金)00時16分59秒
その日の夕方。

梨華ちゃんは部活のテニスで遅くなる。あたしは部活やってないから
とっくに帰って家でテレビ観たりスイカ食べたり。


・・・・・・
・・・・
・・


ガチャッ

―――ドアの開く音!平家さんだ!


「ただいまーぁ」

「おかえりなさーい♪」

多分また、このときのあたしの顔誰かに見られてたら
ふにゃっとしてるとか言われるんだろうな・・・。


178 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月19日(金)00時21分37秒
平家さんは暑さと寒さに弱いらしく最近いつもぐったりしてる。
へたれっぽい・・・。

「あーもう外暑いわー!」
ちょっと怒ってるみたい。ソファに仰向けになって手をパタパタして
自分で仰いでる。

や、ちょっと色っぽいです・・・。ベタだけどさ。

「家は涼しいんだからいいじゃないですかー」

「んー夏休みはずっと何処にも行かんと家にいよっかな・・・」
またそんな弱気なこと言って。梨華ちゃんが平家さんをどっか誘おうと
してるのも知らないで。



179 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月19日(金)00時31分07秒

「・・・梨華ちゃんは平家さんと遊びに行きたいみたいだよ」

なんか、あたしの視線にも気付かずにボタン3つ開けてる平家さんとか、
あたしの気持ちも知らないでアプローチしまくってる梨華ちゃんとか
(言ってないから当たり前なんだけど)、色んなことになんだか腹が立って
つい変な言い方しちゃった。

平家さんの顔を見ると、明らかに何か感じ取ったような表情だ。

「・・・ごっちん?なんかあったん?」

―――なんでこうなんの・・・。




180 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月19日(金)00時37分01秒
「なんでもないですよ」

「ほんまになんもないの?」

平家さんて結構勘鋭いかも。
でも、こういうときはちょっと困る。追求するでもなく、
ただ話を聞こうとするだけ。教師だからかな、そういうのは。

っていうかまともに平家さんのほう見れません・・・。
「ボタン閉めといたほうがいいよ・・・」

それだけ言うのに精一杯だった。恥ずかしくて。

これじゃあ、好きみたいじゃん・・・。




181 名前:トミィ 投稿日:2002年07月19日(金)00時43分05秒
・・・石川さん全然出てきて、ナイ。

↑の方で後藤さんがいっかい「私」って言ってるのは間違いですごめんなさい。

なんか眠いからか変な書き方・・・。
結構登場人物別の視点から書くので、わかりにくくなってるかも知れない。。
最初石川さん視点から書いたけどすぐに後藤さん視点になったのは
失敗だったわ・・・。

とりあえず今回の更新は反省点だらけ・・・。
許してやってください(汗。

182 名前:トミィ 投稿日:2002年07月22日(月)23時08分19秒
ここから書き方変えます。ほんとに構想の練り方の甘さに
落ち込んでるとこです・・・。ころころ視点が変わるっていうのも解りにくいし。

反省点いっぱいだわ(沈

183 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月22日(月)23時16分19秒
後藤の顔が赤い。平家ははっきり言って歳のわりに鈍感だが、
明らかに後藤の様子がおかしいことくらいはわかった。

「ごっちん・・・?」

一応言われて七分袖のシャツのボタンを閉めながら後藤を心配する。

「あ・・・ごめんなさい、なんか変だねあたし。御飯の支度するよ・・」

平家から顔をそむけながら立ち上がる。基本的に食事は料理の得意な後藤
(3人の中でまともに料理を作れるのは後藤しかいない)が作っているのだ。



「ごっちん・・・!」
平家はとっさに後藤の腕を引っ張って自分の方に向かせた。

「へ・・・」

いくら平家が非力とはいえ、構えていなかった後藤は勢い良く平家の目の前に
座り込む形となった。


184 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月22日(月)23時27分32秒
「あいたた・・・」

「あ、ごめん・・・」

しばらくの沈黙。引き止めたものの、それが「気になったから」じゃ
理由にならない。


その沈黙を先に破ったのは後藤だった。

「・・・あたし、平家さん好きかも知れないんです」

子犬のような表情で上目使いに愛の告白を受けたら、誰だってぐらっとくる。
平家は目をそらしたくなった。でもできない、可愛すぎる(阿呆)。

「えっと・・・」
後頭部に手をやりながら返答に困る。

「梨華ちゃんが好きですか?ごとーのことなんか、ちっとも好きじゃない?」

その言葉に平家はハッとする。実際のところ、自分の気持ちがわからない。
石川から告白を受けて、付き合おうかとも思った。
でも、何かが平家のなかで引っかかっていた。その何かに、今気付く。

後藤真希という存在。



185 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月22日(月)23時37分21秒
―――あたし、アホやん・・・

平家は心の中で自分に毒づきながら口元を緩めた。

「へーけさん・・・?」

不安そうに平家の顔を見る後藤。
平家が返事を返そうとした、が。


「ごっちん、ほんとなの!?」

聞き覚えのあるアニメ声が広いリビングに響き渡る。

「りっ、梨華ちゃ・・・」

まずい。本当にまずい。冗談じゃなくまずい。

後藤の赤かった顔は一気に青くなった。

「お、おかえりー・・・帰ってたんや・・」

―――呑気に言ってる場合じゃないだろ平家さん!

186 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月22日(月)23時42分55秒

「ごっちん・・・本当なの?平家さんが好きって」
石川は眉間にしわを寄せている。しかし、こうなったら、と後藤は開き直った。

「うん、好きだよ!平家さんと梨華ちゃんが仮に付き合ってたとしても、
平家さんが梨華ちゃんを好きでも、あたしは平家さんが好き!」

あまりにも勢いよくまくし立てたので、後藤の息は荒くなった。

平家は2人の間でおろおろしている。へたれだ。

「じゃあ、あたしたちライバルなんだ・・・」

―――梨華ちゃん!決定的なこと言いよって!

「「平家さんはどうなの!?」」
同時に後藤と石川の視線が平家に向く。

「えーと・・・あの・・・」

段々と2人に追い詰められる格好になる平家。


「2人共、かな」




187 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月23日(火)15時02分19秒
なんとも頼りない平家の返事に、後藤と石川は正直呆れた。

「〜〜〜そんなのずるいよ平家さん!」

「結局2股掛けるってことですかぁ?」

「いやぁ・・・でも・・・決めろって言われても・・・」

平家はとうとう2人の気迫に押されてへたりこんでしまった。
後藤石川の鼻息が荒い。

「「「・・・・・・」」」




188 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月23日(火)15時07分13秒

「あ、でもさ・・・」

後藤が思いついたように言う。

「じゃあどっちにも可能性があるってことだよね?
2股掛けるってことは、あたしと平家さんがチューしても梨華ちゃんは何も
言えないわけだ。」

「なっ・・・」
「なんでそうなるのよー!?」
平家が慌てて口を挟もうとすると、それを石川がさえぎった。

「どうせ一緒に暮らしてるんだし、あたし平家さんになんにもしない自信ないよ」

「そ、それはあたしだって・・・」

―――り、梨華ちゃんまで!!

「ちょっと待ってぇな2人共!あたしの気持ちは・・・?」

「「だって、どっちも選べないんでしょ?」」

「う・・・」



189 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月23日(火)15時16分52秒
話が変な方向に向いている。石川もだんだん後藤の言った事に
納得している様子だ。

「じゃあ、そろそろ御飯にしようか」
後藤がキッチンに向かう。

「なぁ、梨華ちゃん・・・」
平家が小声で石川に耳打ちする。

「なんですかっ♪」

「本気なん・・・?こんなこと・・・」

「だって、あたしもごっちんも、平家さんが好きなことに変わりないですから」

「はぁ・・・」

平家は、なんだかとてつもなく悪いことをしているような気分になった。





190 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月23日(火)23時59分47秒
すんげえ面白いです。がんがってください。
みちごまもええけど、みちいしってのもありますなあ。
どっちもイイ!更新楽しみにしております。
191 名前:トミィ 投稿日:2002年07月26日(金)22時32分45秒
>>190名無し読者さん
ありがとうざいます!頑張りますー♪
みちいしってやっぱりみっちゃん攻めなのかしら・・・?


192 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月26日(金)22時37分27秒
その夜。

いつもなら3人はそれぞれの部屋に引き上げて眠りに付く時間。
今日もそうだった。

平家が自分の部屋のベッドに入り、眠りに付こうとしたとき。

コンコン

ドアをノックする音。
「・・・?はーい。ごっちん?梨華ちゃん?」

「石川・・・です」
心細そうなアニメ声。名乗らなくともすぐにわかる。

「どうしたん?入って来ぃや」




193 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月26日(金)22時42分27秒
ベッドに腰をおろしたまま、部屋に入ってきた石川に問い掛ける。

「どしたんや?」

「あのぉ・・・あたしの部屋、エアコン壊れちゃったみたいで・・・
今夜は平家さんの部屋で寝てもいいですかぁ?」

―――ガクッ。

あんまりおどおど言うから、てっきりもっと深刻なことかと思った。

「ええよ。一緒に寝よか」

もともと親切な性格の平家は、なんのためらいもなく
掛け布団をめくって石川をベッドに招き入れた。


194 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月26日(金)22時47分13秒

しばらくして、眠ったらしい石川に向き合って平家も目を閉じた。




「平家、さん・・・」

「ん・・・?寝てたんとちゃうんか?」
少しばかり重くなっていた瞼をこすりながら言う。

「だって・・・こんなに平家さんと近いから恥ずかしくって・・・」

暗闇でもうっすらわかる石川の赤くなった顔。
平家がその姿にときめいたのは平家だけの秘密だ。



195 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月26日(金)22時51分58秒
「平家さん・・・」

石川が平家のわき腹あたりに手を滑らせてくる。

―――え、ちょっ、梨華ちゃん???

「あの・・・」

だんだんと石川の顔が近づいてくる。平家は動揺を隠し切れない。

しばらく見つめあっていても、平家の腰まわりに回された石川の手は緩まない。

―――どうしよ・・・梨華ちゃんて結構積極的・・・?やばいわー。
   いや、あかんてこんなん!あかん、けど・・・もぉー!!

196 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月26日(金)22時56分40秒
ガッ!と石川の肩を掴む。

「え、平家さっ・・・!?」

石川はかなり驚いた表情。が、驚いている暇もなく平家のほうから石川に
唇を落とす。

長いキス。石川は、最初は驚いていたものの平家からのキスにすぐに応じる。
慣れていないなりに、一生懸命。


息苦しくなってきたところで唇を離す。






197 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月26日(金)23時01分51秒


「・・・ごめん・・・」


「なんで謝る・・・の?」

―――あたしもう、最低・・・!


石川から目をそらしたまま、平家はひたすら後悔した。

「ごめん、梨華ちゃん・・・ごめん・・・」

「いいんですよ・・・。平家さん謝らなくていいです。
わかってますから・・・」

平家は自分の情けなさに涙が出そうだった。

こんな17歳の少女に一時の感情だけで無理矢理キスをして。
しかも自分を好きな相手に。

198 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年07月26日(金)23時06分41秒

「・・・・・・・・・」


2人の間に気まずい空気が流れる。

「平家さぁーん!!って、あれ?なんで梨華ちゃんいんの??」

その空気を破ったのは後藤だった。

「いや別に・・・ごっちんこそなんで平家さんの部屋に??」

「夜這いに〜♪あはっ」

―――誰か助けて・・・(泣


結局、その夜は3人で眠る事となった。



199 名前:名無し姫(金色) 投稿日:2002年07月27日(土)15時20分33秒
ヘタレなみっちゃんサイコー!
モテモテみっちゃんのあたふたっぷりが目に浮かぶ^^
200 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年07月28日(日)11時08分24秒
イイ!
今後もがんばってください。
以上。
201 名前:トミィ 投稿日:2002年08月04日(日)18時55分52秒
>>199名無し姫(金色)さん
やっぱりみっちゃんはへたれでないと(w!
さらに優柔不断でたよりないキャラになっちゃうと思いますー。

>>200ギャンタンクさん
ありがとうございます!以上。

202 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月04日(日)19時10分46秒
「そんなことあったんか!あははははは」

平家の勤める高校の保健室。
呑気に爆笑しているのは保健医の中澤裕子。平家の親友であり同僚だ。
平家はそんな中澤を睨みつけながら言った。
「なんで笑うんよ!おかげで寝不足でしゃあないんやからな!?」

「だって〜・・・みっちゃんてすごい悪女やんな。」
「なっ・・・」
「その『ごっちん』と『梨華ちゃん』て子も大変やなこんな女とりあって」

中澤の言動はいくら親友といえどもあんまりだ。
だが、はっきりしないままうやむやにして、2人共にいい顔をしている自分に
浴びせられる言葉としてはまったく足りないと平家にはわかっていた。

「どうしたらええんやろ裕ちゃぁん・・・」

そういうと平家は中澤のデスクに突っ伏した。

203 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月04日(日)19時21分40秒
「んなもん知らんがな。ちゅうか一人分けてぇな」

「それはできん〜・・・」

やれやれと言った様子で中澤は自分で入れたアイスコーヒーの入った
私物のカップに手を伸ばした。

「へーいけせーんせぇー♪」

「来たでもう一人あんた目当てなんが」
「あほ、松浦はただの生徒やろ!」


平家はまだ机に突っ伏している。





204 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月04日(日)19時29分34秒
「松浦今日部活か?」

中澤が松浦の分のコーヒーを入れながら言う。
「はいそうですぅ。友達がバレー部でまだなんで待ってるんですよぉ」


松浦亜弥はこの学校1年生で平家が担任をしている。
入学してきて以来何故かかなり平家になついているのだ。
平家のほうも、可愛い松浦になつかれて満更でもないらしい。

205 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月04日(日)19時32分50秒
「ねー平家せんせぇ?今度先生ん家行っちゃ駄目ですかぁ?」
「あっ、あかん!」
「えーどうしてですかぁ!」
「いや、えーっとな・・・」
強気な松浦におされ気味な平家。その様子を中澤がニヤニヤしながら見ている。

「みっちゃーんいいやんか家広いんやし」

(くっ、この女!わざと意地悪いこと言うとる!)

「ねーどうしてですかぁ?いいでしょー行くくらい!」

「ん、うーーーん・・・(汗」


206 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月04日(日)19時42分42秒
「あやっぺおまたせー帰ろう」

同じく平家が受け持っている藤本美貴が保健室に入ってくる。

「おっ、藤本ええとこに来たわ!早よこのコ連れて帰ってーや!」
「そんな言い方ひどいですぅー!」

藤本はきょとんとした顔で2人を見ている。

「いいですか!絶対行きますよ!絶対!帰ろうみきすけ!」



そう言って松浦は藤本と帰ってしまった。

「はぁ・・・」

「これからが大変やな平家さん」



207 名前:トミィ 投稿日:2002年08月04日(日)19時46分22秒
松浦さんほど書きやすい子はいないわ。またまた出してしまったんですが。
この話自体が自分の趣味みたいなもんだからまあいいか(いいんか)。


昨日神戸行ってきました。間近で見る平家さんはすっごく綺麗でした。
これからしばらく見られないと思いますが、頑張ってほしいです。
ずっと応援していくつもりだし。

208 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月04日(日)20時39分50秒
やった!更新だ。
209 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月16日(金)22時40分46秒
(あ〜もう、松浦なんか家来たらまたややこしいことになりそうや!
ごっちんと梨華ちゃんの都合も聞いてへんし・・・どうしたらいいねん!)

「ねえ・・・平家さんどうしたのかな?」
後藤が完全に一人の世界に入っている平家を不振に見つめながら石川に小声で言う。

「さぁ・・・?」


(松浦は「絶対行きますからねぇ!(物真似)」って言ってたし、
とりあえずごっちんと梨華ちゃんに聞いてみるか・・・)



210 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月16日(金)22時48分33秒
「なあ、2人共・・・」

「んぁ?」
「なんですか平家さん?」

テーブルに向かい合って座っていた後藤石川は平家を見上げた。

「えっとぉ、今度あたしの受け持ってる生徒が遊びに来たいって言うんやけど
・・・かまわへんかな?」

平家の表情はなんだか申し訳なさそうだ。石川はすぐに
「もちろんですよぉ!平家さんの生徒さんならいつでも♪
で、なんて名前のコなんですか?」
と甲高い声を上げた。後藤は
「そのコ可愛いのー?」
とどうでもいいような質問をしてくる。

「うん、可愛いよ・・・名前は松浦。松浦亜弥っていうねん。
ごっちんと梨華ちゃんのいっこ下。」

211 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月16日(金)22時55分56秒
・・・
・・


「んでな、2人とも結構楽しみにしてんねん」

「ふーん、ならええやん」

平家の勤める高校の保健室。中澤裕子の城。

「まぁな・・・でもなんか疲れそうな気がしてしゃあないねん」

「1人で3人も背負い込むからやん・・・」

「好きでしょいこんだんちゃうわ!」



212 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月18日(日)23時57分39秒
―――数日後。

ピンポーン


「はぁ〜い・・・」
平家が重そうにドアを開ける。ドアの向こうには平家には見慣れない私服の
松浦がニコニコして立っている。
「来ましたよ〜先生はあとはあと御家学校から近いんですねー」
「うんまあな。入りぃや」

「待ってぇやみっちゃん。あたしもいるで」

松浦の背後から聞きなれた関西弁が聞こえる。

「えっ、、、裕ちゃん!?なんで!?」

「面白そうやし、いっかいみっちゃんの家にも遊びにきたいな思っててん。」

―――このヒトは・・・。まあええか。人数多いほうが楽しいかな。

213 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月19日(月)00時03分42秒
「お邪魔しまぁす」

「いらっしゃーい。亜弥ちゃんだよね?話は平家さんから聞いてるよー」
「あたし、石川梨華。よろしくね」

後藤石川が愛想よく松浦に挨拶をした。松浦は2人のことをわけがわからない
と言いたげに見つめている。

「はじめまして、松浦亜弥です・・・。お2人は、平家先生とどういう…?」

―――しまった!松浦にはなんも言ってへんかったー!

「アホ」
「うっさいわ・・・」
意地悪く中澤に耳元で囁かれたが、抵抗の言葉はいつもより小さかった。



214 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月19日(月)00時09分13秒
後藤石川中澤も挨拶を交わしたあと、みんなで分担して夕食を作ろうと
いうことになった。言い出しっぺは後藤だ。

「じゃあさ、くじ引きかなんかで買出しがかりと元からある食材で料理
する係り決めよっか。」

簡単な箱などでくじを作り、買出し3人と料理2人を決める。



「あー!あたしと平家さんは買い物行く係りだよ♪」
「そやな、じゃあ財布取ってこよ・・・」
「松浦も買出しでーす」

「あたしと、えーと・・・梨華ちゃんは残って料理やな」



215 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月19日(月)00時18分57秒

スーパーへ向かう道中、平家は隣で下を向いて歩いている松浦に声をかける。

「どしたん松浦?機嫌悪いん?」
「・・・あたし、平家先生1人暮らしだと思ってました。
でも違ったんですね。あんなキレイな人たちと住んでたなんて。」

そう言って松浦は頬を膨らませた。

「あ、はは・・・ごめん、驚かしたよなぁ」


松浦は無言のまま、平家の手を握る。

「・・・どしたんさ」
「手、繋いでください」
膨れっ面のままの松浦を見て、平家はフッと笑った。
「ええよ、手繋いでいこっか」


216 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年08月19日(月)00時22分22秒



―――・・・ちょっとちょっと!さっきからあたし存在無視されてない!?
手なんか繋いじゃってさ!これじゃあせっかく平家さんと一緒に買い物来てる
意味がないじゃんよう!!

なんか亜弥ちゃんはごとーたちのこと良く思ってないみたいだしさ・・・。

なんか寂しいよ・・・。



217 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年08月24日(土)01時39分20秒
すばらしきかな松平!
みちごまとのシーソーゲームが新しい感動!
今後も期待してます。
218 名前:トミィ 投稿日:2002年09月08日(日)01時00分37秒
>>217ギャンタンクさん
ありがとうございます。でももう松浦出すのは控えようかと思います。
みちいしごまの話なので一応w
219 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年09月08日(日)01時07分52秒
―――はぁー会ったばっかりの人といきなり2人きりなんてかなり緊張するなぁ・・・。
中澤さんって、なんだかちょっと怖そうだし、、、。綺麗なんだけど。

石川はぶつぶつ言いながら危なっかしい手つきで野菜を切っている。

―――あーあーあのコ今にも怪我しそうやなー。代わったろかなぁ・・・。

中澤が横目で様子を見ながらハラハラしている。

「梨華ちゃん?包丁大丈夫か?」
「え・・・」

ダンッ!

中澤が声を掛けるのを待たずに石川の持つ包丁は野菜に添えられたもう一方の
手に下ろされた。

220 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年09月08日(日)01時19分53秒
「痛ッ・・・」
「大丈夫か!?血出てるやん!救急箱どこ!?」
「あ・・あっちの棚の中に・・・」

石川は半は呆然としながらテキパキと救急箱を取り出して自分の人差し指を
消毒する中澤を見つめる。

中澤は石川をソファに座らせ、立て膝で石川の指にバンソウコウを貼る。

「ご・・・ごめんなさい!あたしぼうっとしてて・・・」

「ん、気付けてな。可愛いんやから、傷作ったら勿体無いで。」

「は、ぃ・・・」



221 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月09日(月)14時54分17秒
いつのまにか下がって進行してる。
松浦これからあんま出てこないんですか、寂しいな。
222 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年09月12日(木)00時01分19秒
「せんせー?こっちとこっち、どっちが美味しそうですかぁ?」

買い物中も松浦は平家の手を硬く握り締めて平家から離れようとしない。
いつもの困り顔ではない柔らかな表情の平家。2人の様子に、後藤は
疎外感を感じずに居られなかった。
しかも2人はさっさと次の品物を見に行こうとしているのに、自分は
重いカゴを持って後を追うだけ。
自分から持ったのだから文句は言えないし、平家も力持ちの後藤には
さほど負担は掛からないと思ったのだろう、何も言わなかった。


223 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年09月12日(木)00時07分39秒
―――もう〜〜〜(泣
   なんでこうなんの!平家さん完全に松浦しか見てないし!
   案外本命はあのコなのかもな・・・あ〜あ・・・

もはや呼び方は「亜弥ちゃん」でなく「松浦」。
自分から言い出したことなのに、貧乏くじを引くハメになるなんて。


224 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年09月12日(木)00時15分53秒
「あとはデザートに果物でも買って行こか。」
「果物は確かあっちにありましたよね〜」

平家の手を引いて、というか既に腕を組んだ状態になっている松浦は
ぐいぐい平家を引っ張りながら歩き出す。

「あ・・・ちょっと松浦だけ行って適当に持ってきてくれへん?
あたしほかに忘れてたもんあったわ」

「はぁいわかりました」

松浦はあんがいあっさりと平家から離れた。
見かけは大人っぽくはなくとも、わがままというわけでもない。


225 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年09月12日(木)00時20分38秒
―――チャーンス!もしかして平家さん、あたしのこと気にかけてくれて
    2人になろうとしてくれたんじゃ・・・

「平家さぁーんはあとはあと

「あ、ごっちんついてきてー。裕ちゃん用のお酒買うの忘れてたわ」

―――ってほんとに忘れてたもん買うだけかよ!



226 名前:トミィ 投稿日:2002年09月12日(木)00時24分37秒
>>221名無し読者さん
気分的に下げてやろうかなとw
松浦まで絡んできたら整理出来なくなっちゃいます(汗w


ほんとにちょっとずつの更新ですいません。
次回はみちごまっぽくなるはず。
227 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年09月27日(金)01時35分52秒
押忍!みちごまに大いに期待を寄せるものでありますw
228 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年10月07日(月)16時33分42秒

「なぁごっちん、どのワインがいいと思う?」

後藤の気も知らないでワインの便を手にもった平家がぼんやり話し掛ける。

「もーなんでもいいですよお酒なんてー」

「なんでもよくないやろー何か機嫌悪いんちゃうか今日?」

「別にぃ・・・」

後藤は唇を尖らせて拗ねた子どものように答えた。
平家はわけがわからないと言いたげに後藤を見つめている。

「もしかして今日・・・お客さんくんの嫌やった・・・?」

「さぁー?」

「ごっちんー・・・」

今度は平家が小さい子どものような目をして後藤の名を呼ぶ。

229 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年10月07日(月)16時38分32秒
「・・・平家さんあたしのこと好きって言ったよね?」

後藤が怒ったような表情で言う。

「え・・・何やいきなり・・・」

「あたしのこと少しでも好きならあたしにもキスしてよ!
梨華ちゃんにしたみたいにさ・・・」

「あっ・・あれ、見てたん・・・?」

後藤は少しずつ平家に詰め寄る。
平家はかなりうろたえているようだ。

230 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年10月07日(月)16時43分21秒
「ねえってば・・・!」

すぐ後ろは壁。平家にはもう行き場がない。

「待ってえやここお店・・・」

「あたしがそんなこと気にすると思う?」

確かに後藤の性格を考えると店だろうがどこだろうがいちいち
気にするとは思えない。

「ほらあのコが戻ってこない間にしてよ!」

231 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年10月07日(月)16時51分34秒
「・・・」
ここで平家が後藤にキスするだけなら簡単なのだが
時と場所を平家は気にせずにはいられない。

「・・・・・・いいよもう・・・」

平家が困った顔のまま動かない様子を見て、後藤は一瞬悲しそうな
表情を浮かべ立ち去ろうとする。

「あ待って・・!」

平家が慌てて後藤の手を引いた瞬間の隙をついて、
後藤は平家を壁に押し付け勢いよく、しかし深くくちづけた。

「・・・・・・」

「・・・へへ」

平家の驚いた表情を見て、後藤が幼く笑った。

232 名前:トミィ 投稿日:2002年10月07日(月)16時54分19秒
>>207 ギャンタンクさん
下手なみちごまでごめんなさい・・・。


233 名前:トミィ 投稿日:2002年10月07日(月)16時55分36秒
あう、207じゃなくて227でした
234 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月12日(土)19時03分03秒
サイコ−!! みっちゃん可愛い。
続き期待してます(^0^)
235 名前:トミィ 投稿日:2002年10月16日(水)00時18分34秒
>>234 名無し読者さん
みっちゃんは常にへたれでかわいく書くことを
目標にしてますw

236 名前:トミィ 投稿日:2002年10月16日(水)00時24分13秒
買い物から帰って、全員で料理を食べてるところだけど、
なんか変。場の空気、っていうのかな?
会話がない。というより、みんな自分の世界にいっちゃってるみたい。
理由はわからないけど・・・。

平家先生はボーっとしてるし、後藤さんは機嫌よさそう。ニコニコしてる。
石川さんも少し変。中澤先生は普通なのに。

・・・?



それにしても、このお料理後藤さんが作ったの以外美味しくないなぁ・・・


でも平家先生とお休みの日なのに一緒にいれてるんだからいっか♪


237 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年10月17日(木)00時15分02秒
トミィさんありがとう。
ひさびさにみちごまを味わうことができました。
238 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年10月23日(水)23時12分32秒
中澤達を家に招いた日以来、平家にはあまり笑顔がない。
あの、後藤の言葉が耳について離れないのだ。

「あたしのこと好きって言ったよね?」


確かに、後藤のことを好きだというようなことは言った。
だが、それは石川と同じように、という意味・・・。

後藤といると自分はしっかりしなくていいんだ、力を抜いてもいいんだと
いう気になれる。
だが、石川のことがどうしようもなく可愛い、守りたいとも強く思う。

どうして、どうして2人はこんなにも自分の近くにいるんだろう・・・
ただの同じ学校にいる生徒だったなら、こんなこと考えなかったのに。


239 名前:私とあのことあの人と 投稿日:2002年10月23日(水)23時17分37秒
バカなのは自分。
悪いのは、あのとき軽はずみに返事をしてしまったバカな自分。


「平家さぁん?どうしたの?最近いっつも難しい顔してるね。」

「ごっちん・・・」



きっと、いつか答えを出さなきゃならない。

きっと、最後に泣くのは自分。




「ううん、なんでもないねん・・・気にせんといてな」




240 名前:トミィ 投稿日:2002年10月23日(水)23時20分09秒
ななななんか痛くなりそうな雰囲気だ・・・
石川さん出番少ない・・・


>>237ギャンタンクさん
少しでも役に立てたなら嬉しいです。
それでももっとうまくかけないかなぁ・・・

241 名前:ギャンタンク 投稿日:2002年10月29日(火)00時07分50秒
今後に期待大!
痛めでもいいです。
更新頑張ってください。
242 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月24日(日)15時30分25秒
まだかなー。楽しみに待ってます。

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