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最高の片想い-0-

1 名前:最高の片想い 投稿日:2002年03月20日(水)19時11分12秒
-0-

「映画のチケット2枚あるんだけど、梨華ちゃん一緒に行かない?」
 そんな風に誘われたのは、数日前。
 石川は耳を疑った。
「アタシ?」
 よっすぃーの間違いじゃないの? と思わず言いそうになり、石川は思わず聞き返した。
「うん。梨華ちゃんと」

 後藤と仲が悪いわけではないけれど、だからと言って特に仲がよいわけでもない。
 それに後藤は吉澤の方がウマが合うみたいだから、プライベートでも2人で良く遊んでいる
ようだし。第一、今まで後藤と2人きりで何処か行った事なんて…数える程しかなかった。
 それも、この前はいつだったか…なんて思い出せないほど前だ。
2 名前:最高の片想い-0- 投稿日:2002年03月20日(水)19時12分29秒
 石川があまりに黙りこくっているから、後藤は不安げに口を開いた。
「やっぱり…ダメ?」
「…ダメじゃないけど。ちょっと驚いたから」
「よっすぃー誘おうかと思ったんだけど、この映画もう見たって言うからさぁ〜」
 そう言って後藤はチケットを石川の前でヒラヒラさせた。
「じゃぁ、アタシじゃなくて誰でも良かったんじゃ…」
 石川は無意識にそう言って口を押さえた。
 どうも余計な一言を言ってしまう癖が抜けないらしい。
 後藤は別に気にするでもなく笑った。
「あはっ。まぁそうだけど…たまには、いいじゃん。梨華ちゃんも、もう見たんなら
 違う人探すけど」
「あっ、まだ見てないよソレ。アタシも見たかったの」 
 石川は見てない事を強調した。
「よしっ! 決まりだネ!」
 後藤はニカッと笑うと石川の肩を抱いた。
3 名前:最高の片想い-0- 投稿日:2002年03月20日(水)19時13分22秒
――― 梨華ちゃん最初から見たい! って言えばいいのに。
 そんなところが梨華ちゃんらしいんだけど。

「アタシ、これからまだ仕事があるんだっ。スケジュール見て空いてる日あったら教えて。 
 楽しみにしてるね、じゃぁね、ごっちん。お疲れ様!」
 石川はそう言って手を振ると後藤より先に控え室から出て行った。
「お疲れぇ…」
 後藤は石川が出て行っても暫く手を振っていた。

――― 映画に誘うなんて、かなりベタだったかな。

 後藤は自分でそう思って笑った。
 事前に吉澤が既にこの映画を見たと言う話は耳にしていたから、わざと分かっていて先に
吉澤を誘った。もう一度見たいと言われたら、どうしようかと思ったが取り越し苦労に終わった。
 吉澤は自分より石川と仲が良いから、映画の話をされた時、そんな話は聞いていないと言われたら
嘘をついたのが石川にバレてしまう。後藤はそこまで根回しをしてまで石川を誘いたかった。

――― でも、梨華ちゃん。ホントはよっすぃーと見に行きたかったりして…なんてね。

 後藤らしからぬネガティブな考えに、後藤は自嘲気味に笑った。
4 名前:最高の片想い-1- 投稿日:2002年03月20日(水)19時14分07秒
-1-

 そして石川と映画を見る当日。早めに仕事が退けたので後藤はうきうき
しながら、石川を待っていた。出来れば丸一日石川と過ごせたら良かったのだが
仕事が立て込んでおり、暫くオフは望めそうになかった。
 だから今日のこれからの数時間は、本当に貴重な時間となる筈だった。
 それなのに…それなのに―――。

 どうして、どうしてアタシの隣りには、よっすぃーとやぐっつぁんがいるの?

 やっと石川と2人きりになれると思ったのに、映画館に着いて見れば
吉澤と矢口が居たのだった。そう、石川と2人きりになれたのは映画館まで
に行く数十分の道のりのみだったのだ。
 こんな事なら、もっと石川と喋っておけば良かったと後悔する後藤だった。
5 名前:最高の片想い-1- 投稿日:2002年03月20日(水)19時14分59秒
「お〜、ごっつぁんに石川ぁ?」
「どうしているのよ!」
 矢口から先に声をかけられて、明らかに不満な声を後藤は叫んだ。
「どうしてって? 矢口さんが、まだこの映画見たコトないからって言うから
 付き合いで来ただけだよ。なにごっちん怒ってんの?」
「怒ってなんかいないけどさぁ…」
 後藤は、まだ文句を言いたげだったが、石川がいる手前、これ以上言えば
却って怪しまれると思い口を閉じた。
「怪しいぞお、ごっつぁん? まさか、石川とお忍びで来たのかぁ?」
 矢口が面白そうに、多分冗談で突っ込みを入れたつもりなのだろうが
後藤には図星だった為、後藤はすぐには返事が出来なかった。
 ちらっと石川を見れば不思議そうな目で自分を見ている。
6 名前:最高の片想い-1- 投稿日:2002年03月20日(水)19時15分42秒
「…ヤダなぁ。そんな訳ないじゃん! あはっ」
(やぐっつぁんのバカやろうぉぉーーー!)
 わざと後藤は大きな声で言うと矢口の背中を思い切り叩いた。

―――バシッ!―――

「痛いよ、ごっつぁん!」
「別に誰とでも良かったんだもん」
 また後藤は余計な事を言ってしまう。石川の表情が微かに揺れたのが分かった。
 多分、吉澤と矢口は気付いていなかったと思うが、後藤はそれでチクリと胸が痛んだ。
(梨華ちゃん…。ゴメンね……。)
 後藤に合わすかのように石川も口を合わす。
「そ、そうだよね。アタシを誘った時もさぁ、なんか誰でも良さそうな
 口振りだったし」
「え? あ、まぁそうなんだけど…」
 自分から言ってしまった手前今更違うとも言えずに、後藤は返事をした。
「なぁんだ。だったら矢口を誘ってくれたら良かったのに…」
「一応、ごっちん吉澤には誘ってくれたよねぇ」
「…まぁね」
7 名前:最高の片想い-1- 投稿日:2002年03月20日(水)19時16分17秒
 こんな筈じゃなかった。肝心の石川との会話は、一言二言。
 吉澤と矢口とばっかり話している。いつもと変わらない光景。

 違う違う。アタシは、梨華ちゃんとお話したいの!!

 そんな後藤の声も虚しく自分の心の中だけで、こだましていた。
8 名前:最高の片想い-2- 投稿日:2002年03月20日(水)19時17分07秒
-2-

「やぁ、結構面白かったねぇ」
「吉澤2回目でしたけど2回目の方が楽しめましたよ」

 映画が終わって、矢口と吉澤は感想を言い合っていたが、
後藤は映画どころではなかった。

 本当に、このお邪魔虫め! で、肝心の梨華ちゃんは?

「梨華ちゃんどうだった?」

 後藤が話しかける前に気付けば、既に吉澤が石川に話しかけていた。

「うん。思ったより面白かったなぁ」

 ちょっと! そのセリフ、後藤が言うんだったんだよ!
 なんでよっすぃー出てくんのよ!!
9 名前:最高の片想い-2- 投稿日:2002年03月20日(水)19時17分44秒
「あれ? ごっちん、どうしたの? なんか凄い恐い顔してるけど」

 後藤の様子に気付き、吉澤が不思議そうに聞いてきた。

「んあー? ヤダ、なんでもないよ。あはっ。何よっすぃー言ってんの?」

 後藤は笑いながら誤魔化すと、さっきと同様矢口と同じように
力一杯吉澤の背中をひっぱたいた。
(ふざけんなっ!!)

―――バッシーン!―――

「いったぁ〜い。ごっちん力入れすぎだよおお。だから怪力って言われるんだよ」

 吉澤は涙目になりながら、しかし顔は笑って後藤に抗議をした。
10 名前:最高の片想い-2- 投稿日:2002年03月20日(水)19時18分15秒
「キャハハ。よっすぃーもごっつぁんの力には適わないのかぁ?」

 本当に気楽でいいよ、よっすぃーもやぐっつぁんも!
 後藤の心はブルーだよ。梨華ちゃぁぁん!

 しかし、こんな3人の輪には石川は入っていけずにいた。

 多分、これが吉澤と2人だけなら違う筈。
 後藤と2人だけでも、こんな風にはならない。

 あぁもどかしい。でも、どうする事も出来ない。

 後藤がそんな事を考えていると、既に吉澤と石川の姿が見えなくなっていた。
11 名前:最高の片想い-2- 投稿日:2002年03月20日(水)19時18分47秒
「あれ? 梨華ちゃんは?」
 キョロキョロと辺りを探す後藤に矢口は、呆れたように言った。

「何ごっつぁん寝ぼけたコト言ってんだよお。とっくにあの2人は帰ったよ」
「えぇー? 帰ったぁ?」

 よっすぃーに梨華ちゃんお持ち帰りされたよぉ!
 なんでこうなるんだよぉ! 僕には分からなぁい!

 唖然とし口をパクパクさせている後藤に矢口は、こう言った。
「ごっつぁん、お前紺野みたいな顔してるぞお。きゃはは」

「金魚かよっ!」
 
 後藤は虚しく負け犬の遠吠えの如く、矢口に突っ込み返したのだった。
12 名前:_ 投稿日:2002年03月20日(水)19時21分13秒
同名のドラマがありますが関係ありません。
アフォなもんで-0-なんて余計なモノまで付けてしまいました(恥)(鬱)。

内容もアフォテイストですけど。お付き合いいただければ嬉しいです。
13 名前:REDRUM 投稿日:2002年03月20日(水)21時49分11秒
新作おめっとさんです。
今回はいしごまですかぁ〜。頑張って下さい。
14 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月20日(水)21時49分29秒
いしごまですか?(w
好きなカップリングなので嬉しいです♪
頑張ってください(w
15 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月20日(水)23時00分09秒
うおーすごくおもしろそうですね。ごっちん頑張れ!!
ごっちんの片想いですか。最後は両想いになれることを願っています。
更新楽しみにしています。頑張ってください。
16 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月21日(木)00時03分41秒
リアルものですか(嬉
期待してまーす。
いしゴマもいいですねー
(個人的にはいしよしキボンヌですがスマソ)
17 名前:名無し男 投稿日:2002年03月21日(木)01時25分09秒
ゴチーン、スタート直後に顔面から転倒!!
しかしまだまだ先は長い!チャンスはいくらでもある!!
ガムバレゴチーン!!
18 名前:じじ 投稿日:2002年03月21日(木)05時58分18秒
いしごま始まりましたね(ニヤリ
今回は匿名ですか?
じゃー神様!とか言ったらダメですよね(w
超楽しみにしてます! チョットイシゴマニモヒカレテルワタシ…
19 名前:最高の片想い 投稿日:2002年03月21日(木)14時46分21秒
-3-

 翌日、石川に愚痴れない後藤は、吉澤に会うなり開口一番で楽屋の隅に吉澤を呼びつけた。

「もぅ、なんで昨日急に帰っちゃうんだよお!」
「急って、ちゃんとアタシ、矢口さんにもごっちんにも挨拶したよ?
 ごっちんが上の空だったんじゃんか」
「…そうなの?」
「そうなのって、しっかりしてよ〜。おかしいよ、ごっちん」
 そう言って吉澤は、ぬはーっと笑った。

 くそー、よっすぃーキミには言われたくないよ!(涙)

 そんな悔し涙を零しそうになる後藤の気持ちも知らずに、吉澤は更に続けて…

「おかげでさ、昨日は映画の話に盛り上がっちゃって、そのまま梨華ちゃんちに行って
 泊まっちゃったよ」

 な、なんですと―――!

 そう言えば、吉澤の服装が昨日と一緒なのに気付いた。
20 名前:最高の片想い-3- 投稿日:2002年03月21日(木)14時47分47秒
 なんかアタシ、梨華ちゃんとよっすぃーの仲を深めてるだけのような気が…。

 後藤は、石川と吉澤の仲を疑ってる訳ではないが、それでもやはり気になるのである。
 石川が気になる後藤は、こっそりとタンポポのラジオも聞いているから、よくラジオに
名前があがる吉澤に、少なからず嫉妬しているのは確かだった。

 梨華ちゃん、よっすぃーの事、一番信頼出来る人とか言ってたもんな。
 たまには、後藤の話も出して欲しいよ。
 
 この前のバレンタインだって、石川にだけ渡したかったが、それだとバレてしまうから
結局メンバー全員に、チョコバナナタルトを作って渡したのだった。概ね好評だったが
一番絶賛してくれたのは矢口だった。

 まぁやぐっつぁんが、わざわざラジオで言ってくれたのは嬉しかったけどね。
 アタシにとっては、梨華ちゃんが焼いたいびつなクッキーの方が数倍美味しかったけど。

 ホントに世の中うまくいかないものです。
21 名前:最高の片想い-3- 投稿日:2002年03月21日(木)14時48分38秒
 そんなアタシの今の唯一の喜びは、やっぱりハロモニ。のコント。
 これだけは譲れない! もう最高です! 梨華ちゃん大好きはあとはあと
 最近じゃ意識しすぎてアル中でもないのに、梨華ちゃんの肩に手を回すとき手が
震えちゃうんだよね。愛しい梨華ちゃん! 僕は此処にいるよ!

「ごっちん、どうしたの?」

 はっ! まだよっすぃーと話を続けてる最中だったのを忘れてた!
 ヨシコの目が…。

「あはっ。なんでもないよ。あれ? 梨華ちゃん? おっはー」
後藤は石川を見つけると、吉澤を無視して石川の元へと近寄っていった。
 
22 名前:_ 投稿日:2002年03月21日(木)14時57分36秒
いしごまとよしごまって、どっちがマイナーなんでしょう?(w
へなちょこゴマに愛の手を。
いしよしばっかりとか書かれちゃうから、今回も○○風を装います。

>13 REDRUMさん
どうもどうも。いしごま風であって、そうならない可能性大!
だって、石川の気持ちは…(謎)。なんて書くとサギっぽいけど。
私にもまだ、どうなるか読めてません。

>14 名無し読者さん
いしごまってマイナーみたいですけど、ちょいと初挑戦(嘘)。

>15 いしごま防衛軍さん
片想いは実るか、どうか? あの手この手で後藤さんがんがる予定。

>16 名無し読者さん
いしよしに、ならないでもないかも知れないですけど。
だって私は、い し よ し ヲ タ で す か ら 。

>17 名無し男さん
ごっちん滑りまくりですね。きっと、この後も。

>18 じじさん
バレバレのようなのでもういいです(泣)。
じじさんの描くいしごまも良かったですぅ。

23 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月21日(木)20時19分25秒
ハロモニコントの絡みはたしかにエロいですな(w
24 名前:案内板の114(汗 投稿日:2002年03月21日(木)22時03分10秒
へなごまイイっすね。

なちごまヲタとしてはなっつぁんのカラミが楽しみです、
とか言ってみたり。
25 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月22日(金)00時27分28秒
ハロモニのごっちんと梨華ちゃんは最高です。
いつも萌えますね。残念だが微妙にいしよしの方がメジャーかもしんないけど
最近のいしごまの追い上げはすごいです。勢いはナンバー1!!
いしごま万歳!!更新楽しみにしてますよ。ごっちん頑張れ!!
作者さん、頑張ってください。
26 名前:名無しの読者 投稿日:2002年03月22日(金)02時25分54秒
いしごま最高です!!
作者さん頑張ってください!!
27 名前:夜叉 投稿日:2002年03月22日(金)13時30分23秒
ハケーン(爆)。責任はとりますよ(謎。
滑りまくりのごっつぁんに惹かれている自分って思うツボ?
作者様、がんがってください。
28 名前:じじ 投稿日:2002年03月22日(金)16時15分46秒
いしごまの方がマイナーなのかな?
でも両方メジャーじゃないですか?
だ っ て い し ご ま も 好 き で す か ら 
ちょっと節操なしですがいしよしヲタですこんにちは。
29 名前:最高の片想い-4- 投稿日:2002年03月22日(金)17時55分25秒
-4-

「ごっちん、おはよ〜」
 石川の笑顔が後藤には眩しく映る。
 これだけで、昨日の事は許せてしまう単純な後藤。
「昨日はゴメンね。せっかく2人で映画見れると思ったのに」
 すまなさそうに言う後藤に石川の方は全く気にしていなかった。
「なんで謝るの? 2人より大勢で見た方が楽しいじゃない」
「…そうだよね。うん。梨華ちゃんが楽しければいいよ」
 石川の反応にガッカリしながら後藤は答えた。
「でも…昨日先に帰ってごめんね。ごっちんにも声かけたんだけど」

 うわっ梨華ちゃん優しい! やっぱりヨシコと違うよ。
 ちゃんと気にしてくれてたんだ。後藤感激!

「全然っ!」
 石川が気にしてくれた事に感動した後藤はそれだけでパッと明るくなる。
「よっすぃーが、いいからなんて言うから…」

 なにー! またヨシコが余計な事を?
 あとでお仕置きだよ、ヨシコ!
30 名前:最高の片想い-4- 投稿日:2002年03月22日(金)17時55分58秒
「う、うん。気にしないで。梨華ちゃんは全然悪くないよ。悪いのはヨシコだよ」 

 勢い余って言うが、石川に否定されてしまった。
「よっすぃーも悪くないよぉ?」

 なんでヨシコ庇うんだよ〜! なんか悔しい。
 でも、ここはグッと我慢。

「そうだよね、ヨシコは悪くないよね」
 石川の言う言葉にコロコロと態度を変える後藤を遠巻きで見ていた吉澤は
苦笑混じりに眺めていた。

 なぁんか、ごっちん怪しいなぁ…。なんかあるぞ、こりゃ。

 吉澤は顎に手をやると、ニヤリと笑った。
31 名前:最高の片想い-5- 投稿日:2002年03月22日(金)17時57分19秒
-5-

「ごっちーん」
 仕事が終わって後藤が振り返ると、吉澤がニヤけながら立っていた。
「んあー? なに?」
 今日はハロモニ。の収録で、石川と絡めた後藤は上機嫌だった。
 しかし、吉澤のニヤリ顔に、早くも嫌な気分にさせられた。
 なんか、嫌な予感がするのは気のせい?

「今日、一緒に帰らない?」
「いいけど…」
 後藤は荷物を整理しながら、軽く返事をした。
 石川は他の仕事がまだあるらしく、もう此処にはいないから
後藤にとっては、今日は既に終わったも同然だった。
32 名前:最高の片想い-5- 投稿日:2002年03月22日(金)17時58分15秒
「ごっちんさぁ、なんか隠してない?」
 急に吉澤に言われて、後藤は怪訝そうに吉澤を見た。
「隠すって?」
 まさかそれが石川の事を指しているとは後藤は気付いていなかった。
「ヤダなぁ。ばっくれちゃってぇ」
 吉澤は後藤に軽く身体をぶつけるとにやにやしながら更に続けた。
「ごっちんが言わないなら、ズバリ、この吉澤が言っちゃいましょうか?」
「えー? なんだよ、イヤな言い方だなぁ」
 どうせいつもの事だ、ロクな事を言わないのだろうと後藤はタカをくくっていた。 
 しかし、吉澤の口から出た言葉は―――

「ごっちん、梨華ちゃんのコトが好きなの?」

 のんびりした口調で吉澤の口から出た言葉は、更に後藤にはスローモーション
のように聞こえて来た。後藤の動きが一瞬止まる。

 吉澤には自分の気持ちを知られたくなかった後藤はすぐに笑って誤魔化した。

「あはっ! ヨシコ何言ってんの? んな訳ないじゃん!」
33 名前:最高の片想い-5- 投稿日:2002年03月22日(金)17時59分20秒
 吉澤の方も、予想通りの返事だったのか、笑って言い返した。

「だよね〜。だって、アタシ、梨華ちゃんと付き合ってるんだもん」

 はい? 今何て言った? ヨシコ? 今なんて言ったのー?

 再び後藤は固まると、マジな顔をして吉澤を見つめた。

「じょ、冗談だよ、ごっちん! なにマジになってんだよっ!」
「………」

 吉澤のセリフは全然後藤に取っては冗談には聞こえなかった。
 少なからず心配していた事。それを冗談だなんてキツすぎる。

 というより、ホントに冗談なの? かなりシャレにならないんですけど。

「間に受けられちゃったら、困っちゃうじゃんかぁ!」
 吉澤は笑いながら後藤に抱きついてくる。
「そ、そうだよね。ヨシコびっくりさせんなよ〜!」
 後藤も笑いながら返すが、顔がひきつっていた。
 幸い吉澤と抱き合っているから顔を見られずに済んでいるけれど。
34 名前:最高の片想い-5- 投稿日:2002年03月22日(金)18時01分50秒
『ホントに冗談なのかな?』

 吉澤と別れてから、後藤はそんなセリフをずっと頭の中で繰り返していた。

 吉澤は時々、冗談とも本気とも取れるような事を口にするから、その見極めが
微妙である。今回の件だって、本当に冗談かも知れない。しかし逆にそれは
自分を試す為のモノだったのかも知れないと、後藤は考えると、どっちなのか
分からなくなってしまう。コト、石川に関しては特にそうだ。
 この相手が保田や辻、加護あたりだったら笑い飛ばす事も出来たモノだが石川にとって、
一番近い存在の吉澤なだけに、後藤の心には言いしれぬ不安を感じていたのだった。

『梨華ちゃんに訊くのが一番手っ取り早いんだよね』

 それは分かっているのだが、本当に付き合っていたとしたら、ダメージは大きい。
 付き合っていなかったとしても、そんな事を言った時点で石川が吉澤に特別な意識を
持たれてしまっても困る。
 大体、後藤が石川を好きなのであって、吉澤と石川の仲を取り持つ役目ではないからである。
 そんな哀しい恋のキューピッド役なんか御免である。
 ましてや、告白する前に失恋なんて哀しすぎる。
35 名前:最高の片想い-5- 投稿日:2002年03月22日(金)18時02分55秒
 それより、梨華ちゃんの気持ちと、よっすぃーの気持ちだよ。
 って、なんでよっすぃーまで出てくんのよ!
 もう、ヨシコが余計なコト言うから!

 家に戻っても、後藤の頭の中は石川と吉澤の事で頭がいっぱいだった。

 吉澤の事は、本当に余計であるが、もしかしたら自分の恋敵になるのかも知れない。
 それも強力な。違っている事を祈りながら、後藤は何とか石川と2人きりになるチャンスを
また窺っていたのだった。
36 名前:最高の片想い-6- 投稿日:2002年03月22日(金)18時05分14秒
-6-

 後藤は眠い目を擦りながら翌日現場に向かった。

 よく考えたら吉澤には石川が好きな事を言っても良かったと後悔していた。
 咄嗟の事で冗談だと笑って答えてしまったが、後のことを考えれば
吉澤を味方に付けるのも悪くはないと判断した。
 それを言う事で昨日の吉澤のセリフが冗談なのか、どうかも分かると言うものだ。

 早めに来ている吉澤を見つけると、後藤は当然のように吉澤の隣りに
腰を降ろし荷物を置いた。
「よっすぃーおはよう」
「あぁごっちん、おはよ」
 控え室で雑誌をパラパラ見ている吉澤は顔をあげて返事をした。
 自分から昨日の話を蒸し返すのは気がひけたし、もう吉澤は気にしていないのかも知れない。
 しかし後藤は思い切って吉澤に話しかけた。

「あのさ、よっすぃー」
「ぅん…なに?」
 吉澤は今度は相づちを打つ感じで、顔をあげずに返事をする。

 まったく、人が真剣に話そうって言うのに! 何? その態度は!

 さすがにそこまでは後藤の気持ちは読めないであろう吉澤に期待する方が無理と言うものだ。
37 名前:最高の片想い-6- 投稿日:2002年03月22日(金)18時06分28秒
「ちゃんと聞いてよ、よっすぃー!」
 後藤は雑誌を取り上げると、少しムッとした口調で言った。
「聞いてるってば」

 吉澤は怒る風でもなく、のんびりと返した。
 しかし運の悪い事に、そんな光景を石川に見られてしまう。
 
 これは後藤の主観であるが、心なしか石川の目が険しく映って見えた。

「あぁ梨華ちゃんに誤解されちゃう」
 吉澤は意味深な言葉を吐くと、石川に気を取られている後藤から雑誌を取り返した。

 よっすぃー、それどういう意味?

「で、ごっちん何?」
 チラチラとこちらの様子を窺っている風な石川の視線が気になり、
後藤は言う気力を無くしてしまった。
「んあー、もういいや。大したコトじゃないんだ。ゴメンね、よっすぃー」
 何故謝るのか自分に腹立たしく思いながら、後藤は再び腰を降ろした。
38 名前:最高の片想い-6- 投稿日:2002年03月22日(金)18時07分58秒
 それより、吉澤の今の発言が引っかかる。
 例によって、なんともない事ならばいいのだけれど。

(やぁっぱり、ごっちん怪しいなぁ。マジで梨華ちゃんの事…?
 もうちょっとからかってみようかなぁ)
 後藤の心中を知らない吉澤は後藤の反応を見て楽しんでいた。

 石川は、吉澤と後藤を見て、仲良さそうな2人が気になっていた。
 吉澤と2人きりの時は、自分を素直に出す事が出来るのだが、どうしても後藤がいると、
構えてしまうところがある。見えない薄い壁があるようにも感じる。それは以前に比べたら
かなり無くなって来ているのだが、やはり後藤と2人きりの時は、会話も途絶えがちになり、
後藤に申し訳ない気持ちになるのだった。だから正直昨日は、吉澤と矢口の姿を見つけた時は
後藤には悪いのだがホッとしてしまった。

(まぁ、アタシじゃなくても良かったみたいだし。でも、なんで誘ったんだろ?
 あ、誰でも良かったんだから、意味なんてないのか。相変わらずバカだなぁ)
 後藤の気持ちを知らない石川は誘った本心を見つけだせずにぼんやりと後藤の背中を見つめていた。
39 名前:最高の片想い-6- 投稿日:2002年03月22日(金)18時10分50秒
 梨華ちゃん誤解してないだろうなぁ。

 後藤の心配はそこにもあった。
 それは石川が自分と吉澤の仲を疑ったりしていないか? と言う事だ。
 吉澤とは話が合うし良く遊んだりするのは事実だが、それだけである。
 その辺のところを石川に誤解なきよう理解してもらいたかった。
 って、何とも思ってなかったらそれはそれで悲しい。

 梨華ちゃんと話したいなぁ。
 梨華ちゃんは誰が好きなんだろう?
 まさか、もう誰かと付き合ってたりして?
 圭ちゃんと? まさか、それはないな。

 後藤は石川の事を考えている時間が幸せだった。
 あっと言う間に時間は過ぎていく。

 どうせ今日の収録は特に話さなくてもいいから楽だった。
 そういう考え方ではいけないとは思っているが、事実なのだから仕方がない。
 そして、隣りに石川がいるだけで後藤は幸せな気分になれるのだ。
 明らかに表情も違って来るから不思議である。

 後藤にやる気を出させてくれるのは、梨華ちゃんのおかげだよはあとはあと

 そう心の中で感謝しても実際伝える事は出来ないもどかしさ。
40 名前:最高の片想い-6- 投稿日:2002年03月22日(金)18時13分10秒
『最高の片想い』なんて皮肉過ぎるが、今の自分には合っていると思う。
 その片想いを両想いにするのが、今の自分の目標。

 松浦の『桃色片想い』を初めて聞いた時は、まさに自分の歌だと思った程だ。
 あの歌詞に出て来る女の子の気持ちが良く分かる後藤は一目聞いて即気に入ってしまった。
 カラオケの密かな定番である事は秘密だった。
 松浦から振り付けまでこっそり伝授してもらった程だった。
 
 梨華ちゃん大好きはあとはあと
41 名前:最高の片想い-6- 投稿日:2002年03月22日(金)18時13分44秒
 新規メンバーとして石川・吉澤・加護・辻が入ってきた時は特に感心もなかった。
 むしろ自分には同期のメンバーなんていないから、また孤立するんだろうか? 
とも思っていた。そこへプッチモニに吉澤が加入。市井が抜けたショックは後藤にはかなり
大きかったが、同い年で同じO型と言う事もあり、吉澤とは急速に打ち解けていった。
 石川に関しては特に接点もなかったのに、何故だろう?
 気付いたらいつの間にか彼女を目で追っていた。
 そして自然と心の中は石川が独占していた。

 好きに理由なんか要らない。

 後藤は今、幸せ。でもちょっぴり複雑なんだよ。梨華ちゃん気付いてる?

 後藤は収録中、喋っている石川を見て心の中で呟いていた。
42 名前:最高の片想い-7- 投稿日:2002年03月22日(金)18時15分42秒
-7-

 そんな後藤の気持ちを知ってか知らずか、吉澤は更に試すように
仕事が終わった後に、後藤を食事に誘った。
「今日これから梨華ちゃんと一緒に食事するんだけど、ごっちんもどう?」
 
(梨華ちゃんも来るの?)
 後藤は過敏に反応しそうになったが、何とか顔には出さずに平静を保とうとした。
 後藤の返事を待たずに吉澤は更に続ける。
「朝、ごっちん何か言いかけてたじゃん。それも気になるしさ」
「あぁ、朝のは別に大したコトじゃないんだよ…」
 と後藤が言いかけた時に、石川がやってきた。
 本当にどうしてこうタイミングが悪いのかと思う。
「えぇ? 気になるじゃん。ねぇ、梨華ちゃん?」
 話が見えない石川は急に吉澤から話を振られて何の事か分からず首を傾げた。
「なんのコト?」
「ごっちんがね、朝アタシに何か言おうとしてさぁ、梨華ちゃん見た途端に言うのやめたんだよ」

43 名前:最高の片想い-7- 投稿日:2002年03月22日(金)18時16分51秒
 ちょっとヨシコ、何言ってんのさ! 梨華ちゃんは余計だって!

 吉澤が思ってもいない事をわざと言うから、後藤は焦りまくっていた。
 心なしか吉澤の目元は笑っている。
「梨華ちゃんは関係ないっしょ。もうヨシコすぐヘンなコト言うんだからぁ」
 後藤は誤魔化し半分冷や汗も半分、吉澤を軽く睨んだ。

 一体、アタシに何の恨みがあるって言うんだよぉ! ヨシコのバカぁ!

 吉澤は、わざと後藤を煽るような言葉を浴びせながら、こと有る毎に
『梨華ちゃん』の言葉に敏感に反応する後藤に、吉澤は自分の疑いは確信であると断定した。

 ごっちんって案外分かりやすい性格かもね♪ カワイイじゃんはあとはあと
44 名前:最高の片想い-7- 投稿日:2002年03月22日(金)18時17分31秒
「大したコトないんなら、別にいいじゃん。言えるじゃん」
 更に切り返す吉澤に後藤はタジタジだった。そんな後藤に石川は助け船を出す。
「もうよっすぃーもさぁ、そんなにごっちん苛めなくてもいいんじゃない?」
 吉澤も言い過ぎたと思ったのか、石川の言葉に素直に従った。
「まぁ苛めてる訳じゃないんだけどね。あははっ。じゃぁ何食べに行こうか?」
 吉澤は笑うと、話をすぐに切り替えた。
 後藤の返事はもう聞かずとも行く事になっていた。 
 後藤は石川に感謝すると共に、石川の言葉に従順な吉澤の態度が気に入らなかった。

 完全にヨシコに遊ばれてるよ、アタシ(涙)。 

 後藤は悔しいけれど、吉澤付きであるが、石川と思いがけず一緒に食事が出来る事に感謝した。
45 名前:_ 投稿日:2002年03月22日(金)18時28分36秒
>>29-44 4-7話更新です。大量過ぎたかしら?(汗)
書いたら即出しします。まだ自分の中で殆ど決まってないんで
思いつくままダラダラ書いております。面白いのかどうか微妙ですが。

案外いしごまヲタが多い?のにビクーリ。(いしよしには負けますが)

>23 名無し読者さん
やっぱり、いしごまヲタには、たまらないんでしょうね。

>24 案内板の114(汗さん
別にこだわってる訳じゃないんですけど、いしごまって書いた事ないんで
自信ないんですよ。だから…。
なちごまヲタっすか。それなのに何故?(w 
安倍かわもちには萌えましたが、なっちの絡みは出るか? どうですかねぇ。
なっちは自分には書きにくいキャラなんですよね(言い訳)。
46 名前:_ 投稿日:2002年03月22日(金)18時29分24秒
>25 いしごま防衛軍さん
いしごまに萌えたのってFUNの裸エプロンでの2ショットだったかな自分(w.
なんか微妙に厭らしくて(爆)。なるべく期待に添えられるようにがんがります。

>26 名無しの読者さん
あ〜い。頑張ります。

>27 夜叉さん
責任取ってね(w.まぁこちらはアフォっぽく行きます。たぶん、きっと。

>28 じじさん
元は誰ヲタだったんですか? 
ほほほ、私も節操ないんでOKですよほ(いいのか?
47 名前:JAM 投稿日:2002年03月23日(土)00時31分37秒

大量更新ワショーイ!
それにしてもここのごまは可愛いですね〜。
これからチャーミーをどう振り向かせるのか期待してます。
がんばってください!!
48 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月23日(土)01時47分41秒
ごっちん頑張れ!!よっすぃーと梨華ちゃんの関係とは!?。
楽しみに待っていますよ。
49 名前:じじ 投稿日:2002年03月23日(土)15時05分33秒
ごっちんのバレバレな態度に萌えはあとはあと
よっすぃー邪魔をするな!!!
………あれ?
50 名前:天然カモンナ。 投稿日:2002年03月23日(土)22時19分02秒
ごっちんがすごく可愛いです!
あ〜今度はいしごま推しになったらどうしよう(w)
意地悪な吉の今後にも激しくキターイ!
更新がんがってくださいね。
51 名前:最高の片想い-8- 投稿日:2002年03月24日(日)16時51分02秒
-8-

 吉澤達に連れて来られたのは、少しこじゃれたイタリアレストラン。
 吉澤の隣りに石川、石川の前に後藤が座った。

「ここねぇ、よっすぃーとこの前見つけたんだよね。結構いいでしょ?」
「うん、そうだね」
 よっすぃーとと言うのが気になったが、後藤は頷いた。
 石川に笑いかけられればそれだけで満足の単純な後藤である。

 オーダーを頼むと、吉澤はちょっと…と言って席を外した。

 いきなり石川と2人きりにさせられて、後藤は緊張した。
 何か話さなくてはいけないとは思うが、うまく見つからない。

「よっすぃーとは、よくここに来るの?」
「ぅうん。この前初めて来て、案外良かったから、また来ようねって」
「そうか」
「うん」

 折角2人きりになれても会話がやはり続かずに後藤は困ってしまう。
 だからと言って吉澤に頼ってしまうのも、やはり悔しかった。

 これじゃぁ、告白なんて、夢のまた夢だな…。

 後藤は溜息をつく。何度も何度も。
52 名前:最高の片想い-8- 投稿日:2002年03月24日(日)16時53分31秒
 沈黙が暫く続くと、石川が困ったように口を開いた。

「ごっちん、アタシと居てもつまんない?」
「え?」
「そんな訳ないじゃん。どうして?」
「それならいいけど。なんか、つまんなそうな顔してたから」

 石川はまた余計な事を言ったと思う。つまらなくしてるのは自分の方かも知れないのに
まるで後藤のせいのように言ってしまう自分に、嫌気がさした。

 2人の光景を影から吉澤は見ていたが、なんだか辛気くさそうな空気に吉澤は苛々した。

 まったく、梨華ちゃんもごっちんもアタシと一緒の時みたいにすればいいのに!
 ごっちんも折角チャンスあげてんのに、なんだよ。

 吉澤はあまり長く席を外してるのも却って怪しまれると思い、席に戻った。
 吉澤が戻ってくると、石川も続いて席を外した。
53 名前:最高の片想い-8- 投稿日:2002年03月24日(日)16時54分25秒
 なんか避けられてるみたいで、イヤだなぁ…。
 
 石川の後ろ姿をぼんやりと見送りながら後藤は思っていたが、吉澤のキツイ声に振り返った。

「ごっちん、キミって言うヤツは!」
「んあ? な、なに? アタシ ヨシコに何かした?」
 身に覚えのない後藤は聞き返す。
「梨華ちゃんのコト、好きなんだろ?」
「……はぁ? なに言うんだよ、ヨシコォ」
「ったくまだシラ切るつもり? バレバレだっつーの!」
 吉澤はアホかと言う顔をして後藤の額を小突いた。

 ガァ――――ン! バレバレ?

「バレてる? 自分じゃぁそんなつもりないけど…。じゃぁ…梨華ちゃんにも…」
「それはない」
 心配する後藤に吉澤は否定する。
「なんで?」
「梨華ちゃんってさぁ、自分に感心のないモノには興味しめさないから気付いてないと思うし」
「そっかー…って、それの方が良くないじゃん!」

 それってかなり傷つくんですけど…。
 後藤にも、ちょっとは興味持って欲しい―――。
54 名前:最高の片想い-8- 投稿日:2002年03月24日(日)16時55分30秒
「もぅね、梨華ちゃんは仕方ないにしても。歯がゆいんだよ見てて!
 この後、カラオケ行くから、そこで急接近してみなよ」
「きゅ、きゅ、急接近? そんな急に言われても…。心の準備が出来ないよ」
「アタシ急に帰るコトにするからさ」
「ヤダァ、ヨシコもいてよ〜!」
 すがるような情けない声で後藤は言った。
「アタシがいたら、そんなコトしないくせに」
「そうだけどぉ」

 吉澤と後藤の楽しそうな? 空気に、石川は戻ろうとしながら、また気にしていた。

 アタシがいない方がやっぱり、ごっちん楽しそうだな―――。
 よっすぃーも楽しそうだし。

 そして石川が戻ると、吉澤を挟んで、他愛のない話が続く。
 吉澤がいないと、まともに会話も成立出来ないのかと、後藤は情けなくなった。
 石川を見ているだけでいいなんて、もう卒業したい後藤だった。
55 名前:_ 投稿日:2002年03月24日(日)17時02分17秒
ごっちんヘタレ過ぎかな(汗)。

>47 JAMさん
どもどもひさぶりです。ゴマ可愛いですか?
背中を押されて少しは進展すればいいんですが石川が(w。

>48 いしごま防衛軍さん
いしよしの関係は…。

>49 じじさん
バレバレですが石は鈍感なので気付いてません(w。

>50 天然カモンナ。さん
最初は、ごま→いし→よし→ごま まさにパーフェクト△に
しようかと思ったんですが、いしごまで進ませいと思ってます。
意地悪吉も、今後はへなゴマを応援する側に回る予定。
石川の気持ちは?
56 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年03月25日(月)02時04分10秒
ごっちん頑張れ!!梨華ちゃん、ごっちんに関心をもってくれー。
57 名前:じじ 投稿日:2002年03月25日(月)04時39分18秒
まだ2人の間には壁があるようですね。
カラオケで少しは縮まるのでしょうか。
吉澤さんは石川さんに興味はないのでしょうか?
58 名前:JAM 投稿日:2002年03月25日(月)12時39分41秒
カラオケ=暗闇で2人きり=・・・(゚Д゚)<ウマー

ごっちん!ここは正念場ッス!ガムバレ!
59 名前:夜叉 投稿日:2002年03月25日(月)15時10分56秒
なんだかごっつぁんを応援したくなっているんですが何か(笑)。
やはり(略。w
がんがってくださいね。
60 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年04月02日(火)02時51分17秒
_さま!こっちも待ってます!
カラオケが気になって眠れません(w
61 名前:名無しの読者 投稿日:2002年04月02日(火)07時45分13秒
作者さ〜ん、待ってま〜す。
62 名前:最高の片想い-9- 投稿日:2002年04月03日(水)18時36分48秒
-9-

 店から出て、良い気分になったところで、吉澤は思いついたように
わざと「カラオケに行こう!」と言って半強制的に石川と後藤を誘った。
「よっすぃーとごっちんが行くなら」と言う石川のコメントに主体性がないなと
後藤は思いながらも、まだ石川と一緒にいられる事が純粋に嬉しかった。
 しかも吉澤は途中から2人きりにしてくれると言う。

「ごっちんは?」
 ふいに聞かれて、後藤は慌てて言った。
「もっち、行きます!」
「ごっちん、ニヤニヤしてるー」
 石川に指摘されて後藤は思わず頬に手を当てた。
(ヤバッ。顔に出てた?)
「お酒飲んでもいないのにぃ〜〜」
 吉澤はわざと茶化すように言うから、後藤はニヤけた顔を元に戻しながらやり返した。
「うっさぁ〜い! カラオケはひさぶりなんだよ、それでだよ。
 深い意味は、ないってば!」
「あっやしいなぁ〜。このっこのっ!」
 吉澤に脇腹をつつかれながら、一体吉澤は味方なのか、単にからかって楽しんでる
だけなのか、よく分からなくなってくる。
63 名前:最高の片想い-9- 投稿日:2002年04月03日(水)18時37分38秒
「あやしいって何が?」
 ワンテンポ遅れて、一人分からない石川は吉澤に聞き返すが後藤はすかさず
吉澤の口を押さえつけた。
「あはっ。梨華ちゃんなんでもないよ。よしこの口にはガムテープでも貼らないとねっ」
「う゛ぐぐ…」
 そんな2人のやりとりを石川はただじっと見つめていた。
(よっすぃーもごっちんも何だか楽しそう)
「カラオケ屋さんの入り口で迷惑だよ。早く入ろうよ」
 見かねて石川が口を挟むと後藤は
「んぁ? そ、そうだね」
 と言ってパッと吉澤から離れて石川の隣りにつく。
「よしこ置いて先に行っちゃお」
 後藤は石川の肩に手を回そうとするが、やはり照れが先行してしまい
慌てて手を引っ込めてしまった。
64 名前:最高の片想い-9- 投稿日:2002年04月03日(水)18時39分03秒
 ハロモニ。のコントのようにさり気なく出来れば…。
 文麿みたく出来れば楽だが、石川の事が本気で好きだから、そんな事は
後藤には出来ない。
 そんな後藤を見て吉澤は躊躇わず2人の間に割り込むと石川の肩に手を回した。
「ごっちんなんか置いて行こうか? 梨華ちゃん」
「ぅ、うん」
 石川は吉澤に言われるまま頷くと、そのまま2人で入っていってしまった。

(よしこ、おいしいトコは、みんな持ってっちゃうんだからズルイよ。
 でも、よしこ羨ますぃー)

 この後、まだ吉澤のからかいがある事を知らない後藤は2人の後を
慌てて後ろからついていくのだった。
65 名前:_ 投稿日:2002年04月03日(水)18時44分37秒
少しですが更新しました。遅くなってすみません(汗)。

>56 いしごま防衛軍さん
関心持つのはまだ先かも? と言うより私にも分かりません。

>57 じじさん
>吉澤さんは石川さんに興味はないのでしょうか?
鋭いですな(w。まだどうしようか悩んでるところです。

>58 JAMさん
密室で何が起こるんでしょうね?( ̄ー ̄)ニヤリッ
※何も起こらない可能性もアリ。

>59 夜叉さん
ヘナゴマを応援したって下さい。ほんとにへなへななんです。

>60 某さくしゃさん
催促ありがとうございます(w。忙しくて。放置はしません!
>カラオケが気になって眠れません(w
嘘つき(爆)

>61 名無しの読者さん
はーい。待たせてすみませんです。少しづつでも更新出来るようにします。
66 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月04日(木)04時23分28秒
よっすぃーは本当においしいところを持っていきますなあ。
ごっちん頑張れ!!更新楽しみしてますよ。頑張ってください。
67 名前:某さくしゃ 投稿日:2002年04月05日(金)18時49分13秒
やっぱりおもろいっす!
密かに石川さんが妙に寂しそうなのもイイ!
部屋に入ってからが気になって(略
68 名前:名無しの読者 投稿日:2002年04月06日(土)09時46分23秒
ん〜、続きが気になる。
69 名前:名無し男 投稿日:2002年04月06日(土)12時59分13秒
吉澤、邪魔しちゃいかんよ
70 名前:夜叉 投稿日:2002年04月06日(土)19時21分50秒
ごとーさん、からかわれているという兆候が見えますな。しかも吉も楽しんでるし(笑)。
へなちょこごま、がんがれ!(爆)
71 名前:最高の片想い-10- 投稿日:2002年04月09日(火)18時00分31秒
-10-

 後藤が慌てて着いてきて石川の隣りに来た時は既に吉澤が「2時間」も
入れているところだった。
(2時間も!! よしこはいつ帰るのよ?)
 石川を挟んで後藤は吉澤に目で訴えようとするが吉澤は気付かぬ振りをしている。
「2時間あれば充分だよね」
「ちょっと長くない?」
 吉澤と石川の会話。後藤は無視ですか?
 石川を先頭に先に行かせると、吉澤は後藤の腕を掴んで耳打ちした。
「後は任せて!」
(任せてって…。よしこ?)
 不安そうな後藤をよそに、吉澤はニヤリとすると後藤から離れた。
72 名前:最高の片想い-10- 投稿日:2002年04月09日(火)18時02分06秒
「あ、梨華ちゃん、そこの部屋だよ」
 吉澤が指さした。

 部屋に入るなり石川がぼやく。
「3人にしては狭くない? 2人でも窮屈な感じがする」
 石川が言う通り荷物も置いたら、もう満員と言う感じだ。
「平気だって。今日はごっちんのオンステージだしさ」

(は? なに? 聞いてないんですけど?)

「あ、そうなんだ」

(梨華ちゃんも何を納得しているんですか? よしこぉ?)
 後藤は無視して吉澤は座ると慣れた操作で予約を次々に入れていく。
「じゃぁ適当に入れるね」
 適当な割に、後藤は見てしまう。吉澤が選んだ選曲を…。
73 名前:最高の片想い-10- 投稿日:2002年04月09日(火)18時07分04秒
 そして見計らったかのようにすぐに席を立つとこう言った。
「ちょっと電話してくるね」 
 これを逃したら拙いと思った後藤は、すかさず立つと「トイレ」と言って
吉澤の後に続いて出て行った。

 角を曲がったところで、後藤は吉澤に聞いた。
「よしこ、何企んでるの?」
「人聞き悪いなぁ。2時間も2人っきりにしてあげようとしてるのに」
「2時間? じゃぁ…」
「アタシは、もうこれで帰るから」
「帰るって…」
 後藤は急に情けない顔になる。
「2時間あれば、するコトだって出来るでしょ?」
 吉澤は意味ありげに笑う。
「するコトって…」
 後藤は口に出して見て真っ赤になる。固まっている後藤に吉澤は思いきり肩を叩いた。
74 名前:最高の片想い-10- 投稿日:2002年04月09日(火)18時08分26秒
「こ・く・は・くに決まってるでしょ? ごっちん今ヘンなコト想像してた!」
 そう言って笑う吉澤に後藤は更に赤くなると抗議する。
「ヘンな言い方しないで! それにまだ告白なんて…」
 うじうじしている後藤に吉澤は
「ごっちんが、あんまりのろのろしてるとアタシが梨華ちゃん取っちゃうからね。
 健闘を祈る! じゃ、おやすみ!」
 それだけ言うと手をあげて、吉澤は帰っていってしまった。
「取っちゃうって…。冗談でもシャレになんないよ…」
 後藤は、暫くその場所に佇んでいた。
75 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時14分49秒
-11-

 後藤が急いで戻ってみると石川も歌本をパラパラと捲っていた。

「梨華ちゃんお待たせ」
「あれ? よっすぃーは?」
 石川は顔をあげる。
「なんか用があるって、急に帰っちゃった。梨華ちゃんに宜しくってさ」
「そうなの?」
 後藤は石川の隣りに座ると、気を取り直したように言う。石川との沈黙が恐い。
「折角借りたんだし。歌おうよ。梨華ちゃんもどんどん入れてね」
後藤はマイクを持つと、一時停止を解除した。

 それにしてもよしこの選曲は…。ハロプロ関係ばっかり…。
 後藤1人で歌うより、梨華ちゃんと一緒に歌いたいなぁ。

 マイクを向けてもなかなか歌おうとしない石川に結局後藤は1人で何曲も既に歌っていた。

 しかし、よしこ短時間でよくもまぁ、これだけ入れたもんだよ。
76 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時17分40秒
 そして次のイントロが流れた時、後藤は硬直した。

「あ、亜弥ちゃんの『はあとはあと桃色片想いはあとはあと』だ♪」
 石川が嬉しそうな声をあげた。

 1,2,3! を言い忘れたなんて、どうでもいい事を後藤は思いながら手に汗を握っていた。

「アタシ、この曲大好きなんだ。ごっちんVerで聞けるなんてラッキー」
 石川にそんな事を言われて後藤は気をよくするが、後藤の気持ちからすれば複雑である。

 梨華ちゃんに片想い中です…。なんて言えない…。

 いつもなら完璧に歌いこなせるのに、石川を目の前に後藤は緊張しっぱなしで
ボロボロだった。緊張なんてしない筈なのに…。
77 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時19分12秒
 泣きそうな表情の後藤に石川は気付くと心配そうに後藤の顔を覗き込んだ。
「ごっちん平気? 具合悪いの?」
 至近距離で石川の顔が目の前にあり、後藤は慌てて石川から離れた。
「ぅわっ! へ、平気だよ。う、うん」
「それならいいけど…」
 石川の表情が少し暗くなったような気がした。

 もしかして…今避けたとか思われてる? 違うんだよ。ビックリしちゃったから。

 心の中で言えても口に出して言えないもどかしさ。
 後藤は自分に苦笑い。もう少し勇気があれば…。勇気を出して…。

「あ、あのさ梨華ちゃん!」
「な、なに? ごっちん?」
 同時に顔を見合わせる。なんだか、まだまだぎこちない。
 もう少し距離を縮めたい。
「…梨華ちゃんも歌って! タンポポがいいな。カントリーも」
「なんか恥ずかしいなぁ」
「そんなコトないよ。後藤聴きたい! 凄く聴きたい!」
「?」
「あ、だってさ、後藤もプッチとかさっきも一人で歌ったし…」
 力説しすぎたかと焦りながら後藤は付け加えた。
(握り拳まで作っちゃって…。おかしいかな…。)
 後藤はそのまま予約を入れ始めた。そして最後に三人祭りを…。
78 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時20分14秒
 後藤からしてみれば、とにかく石川を見れれば良いわけで。
 石川が気にしている歌の下手さなどは、全く関係なかった。

(後藤今、幸せかも。梨華ちゃんの生歌を後藤の為に歌ってくれているなんて。)

 いささか大げさに聞こえるかも知れないが、後藤にとっては、まさに
「ハッピー♪」な瞬間であった。

 チュッ夏パーティのイントロが流れた時は、梨華ちゃんは照れて、なかなか
歌ってくれなかったけど、後藤も加わったら後半から、それなりに盛り上がった二人祭り。
 でも、後藤は改めて思う。自分には、やはり三人祭りは似合わないと。
79 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時21分04秒
 気付けば時間は、もう1時間半を経過していた。
 タイムリミットまで、あと30分。

「なんか久しぶりに歌っちゃったなぁ」
 石川は楽しそうに言うとウーロン茶に口をつけた。
「梨華ちゃんが楽しければ後藤も嬉しいよ」
 石川の微笑みに後藤も気を良くして微笑み返す。
「ん?」
「あはっ。深い意味はないよ。梨華ちゃんと2人きりでカラオケって初めてだよね」
「そうだね。やっぱり、よしこともこんな風に盛り上がるの?」
「………。結構ね。梨華ちゃんも?」
 また吉澤か…と後藤は一瞬思ったが、それは仕方のない事だと後藤は納得した。
 後藤と石川の共通と言えば吉澤なのだから。保田も共通と言えば共通だが、吉澤
とは意味が少し違う。
「うん。この前、凄く盛り上がったんだよ」
 楽しそうに話す石川に、『やっぱり、よしこのコト』なんて後藤は気分が暗くなってしまう。
 石川の後半の話は全く耳に入っていなかった。
80 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時21分48秒
「…ごっちん聞いてる?」
「…んぁ? あ、聞いてるよ。聞いてる」
 慌てて後藤は、すっかり気の抜けたぬるいコーラを手にした。
(マズイ……)
 顔をしかめる後藤に石川は笑う。
「ごっちんって可愛いね」
 本当におかしそうに笑う石川に、何がおかしいのか? 可愛いのか? 
後藤には分からずキョトンとした。
「梨華ちゃんの方が可愛いよ! 梨華ちゃん…」
「え?」
 急に笑いを止めて石川は後藤を見つめた。
「…あ……。いや…梨華ちゃんは…カワイイなって思ってさ」
(急に見つめられたらビックリするじゃん…。)
 後藤は急にドキドキしてきた。どうしよう。ヘンだって思われてる? 
81 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時23分44秒
 そして2人の間に微妙な空気と沈黙が流れ始めようとしていたが
意外にも石川の方から話をしてきた。

「でも、ごっちんは可愛いと思うよ。さっき見てて思った。
 アタシが男だったら…結構……」
(ヤダ。アタシったら何言ってんだろ。)
 言葉を濁す石川に後藤はその後の言葉を待つ。
(結構なに? 別に男じゃなくても梨華ちゃんはいいのになぁ)
「後藤だって、男だったら梨華ちゃん、すっごいタイプだよ。彼女にしたい」
 続きを言ってくれなさそうな石川に後藤は思い切って言ってしまう。
(あぁ…何言ってんだ? 後藤酔ってもいないのに…。どさくさに紛れてって
 こういう事を言うのかな? だったらついでに言ってしまおう)
「彼女?」
 石川は、ちょっとびっくりした風に後藤を見た。
「お互いそう思ってたら、両想いだよね。なんて…。あはっ」
 後藤は茶化すように言って笑った。
 多分、こんな風に言っても石川は自分の気持ちには気付いてくれないだろう
なんて思いながら…。
82 名前:最高の片想い-11- 投稿日:2002年04月09日(火)18時24分42秒
「両想いかぁ…。で、どっちが男?」
 真顔で聞き返す石川に、後藤は「ほらね」なんて思う。
「やっぱり後藤? 僕には分かる」
 後藤は文麿役になると、気取って石川の肩に手を回して言った。
「文麿様はあとはあと
 石川も、便乗してなりきっている。
「梨華ちゃん大好きはあとはあと
 後藤もどさくさに紛れて告白。目を閉じる石川。
(目を閉じる? り、梨華ちゃん?)
 後藤は思わずゴクリと唾を飲み込んでしまった。
83 名前:_ 投稿日:2002年04月09日(火)18時28分50秒
>>71-82 10-11話更新しました。
ヘナゴマ逝っちゃいますか?

>66 いしごま防衛軍さん
ゴマにもチャンス到来。

>67 某さくしゃさん
いまいち石川の気持ちが…。吉澤も…。

>68 名無しの読者さん
話が進まずにすみません。

>69 名無し男さん
すぐ帰りましたよ。

>70 夜叉さん
後藤さん、どきどきなんです。どうなるのか分かりません。
84 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月09日(火)21時28分25秒
ごっちん頑張れーーーーーーーー!!
85 名前:じじ 投稿日:2002年04月10日(水)01時07分49秒
イケごっちん!
ボヤボヤしてるとよしこに取られちゃうぞ!!!

…もはや誰ヲタとかは忘れて読んでます(w
86 名前:夜叉 投稿日:2002年04月12日(金)17時42分35秒
かなりドキドキの展開なんですが(爆)。

自分を見失いそうですが何か(笑)。
87 名前:最高の片想い-12- 投稿日:2002年04月21日(日)20時52分34秒
-12-

(梨華ちゃんめちゃくちゃ可愛いんだけど。)
 後藤は、しばし石川の顔に見とれていた。

(このまま顔近づけたら、梨華ちゃんのくちびるにくっつくんだよね。)

 当たり前の事を心の中で呟きながら、後藤は石川の顔に近づけていく。
 そして石川のくちびるに触れた。一瞬、間をおいて後藤の目からは星が幾つも瞬いていた。

「ごっちんのバカッ!!」
 言葉より先に手をあげてしまった石川はカバンを掴んで立ち上がると、そのまま
逃げるように出て行ってしまった。
「…痛い」
 ワンテンポ以上遅れて後藤は頬を押さえた。
 今頃になって、頬が燃えるように熱くなってきていた。
「そんなに引っぱたかなくたって…」
 追いかける事も忘れて、後藤は放心状態のように一点を見つめていた。

 石川は駆け足で駅のホームを駆け上がっていった。
(ごっちん、どうしてあんな事。冗談でも…酷いよ。)
 石川は無意識に手をくちびるにやった。悔しさと恥ずかしさが入り混じり石川はくちびるを噛んだ。
88 名前:最高の片想い-12- 投稿日:2002年04月21日(日)20時53分23秒
 吉澤は家に着くと、カバンを放り投げてベッドに寝転がる。
(ごっちん今頃告ってっかなぁ〜。梨華ちゃんにはハッキリ言わないと分かんないもんな。
 まぁ、ごっちんの事だから、まだ告る訳ない…か)
 吉澤が呑気にそんな事を考えていると、携帯が鳴った。

「梨華ちゃん?」
 急いで電話に出ると、やけに沈んだ石川の声。
『よっすぃー?』
「どうしたの?」
 ただごとではないと察した吉澤はベッドから起きあがった。
『用事があって先に帰っちゃったのは、分かるけど、今から会えない?』
 そう言えば用があって先に帰ったんだと石川に言われて思い出した吉澤だったが
絶対後藤と何かあったに違いないと思った吉澤は、家に帰るように石川に指示すると
自分も再び外に飛び出してタクシーを拾う。
(ごっちんのバカヤロー! 何してんだよ、一体!)
 吉澤はタクシーのシートに凭れると、外の景色を眺めながら悪態をついていた。
89 名前:最高の片想い-12- 投稿日:2002年04月21日(日)20時54分16秒
 石川は電車に揺られながら、ようやく落ち着きを取り戻していた。
 が、同時に別の戸惑いも覚えていた。後藤にキスされた時、真っ先に浮かんだのが吉澤だった。
 そして吉澤に会いたいと電話までしてしまった。この気持ちは一体…。
(アタシが一番頼れるのが、よっすぃーだからだよ。)
 石川は無理に納得すると、窓から流れる外の風景に目を移した。
90 名前:最高の片想い-13- 投稿日:2002年04月21日(日)20時55分02秒
-13-

 石川が家に着くと、真っ先に洗面所に行き、まずくちびるをごしごし洗った。
「ごっちんのバカ…」
 思い出すだけでも涙が溢れてくる。石川は何度も何度もくちびるを洗った。

 そして、吉澤が暫くすると石川の玄関を叩いてやってきた。
「梨華ちゃん! 吉澤だけど…」
「よっすぃー!」
 吉澤の声に弾かれたように立ち上がると急いで鍵を外す。

「どうしたの?」
 心配そうに石川を見つめる吉澤に、石川は躊躇う事なく吉澤の胸に飛びこんだ。
(な、な…どうなってんの? 梨華ちゃん?)
 いきなり抱き付かれて吉澤も何がなんだか分からずに動揺する。
91 名前:最高の片想い-13- 投稿日:2002年04月21日(日)20時55分46秒
「…ごっちんと何かあった?」
 暫く吉澤と石川は抱き合っていたが、吉澤の方から口を開いた。
「……ごっちんがね…アタシに…」
 石川は言うのを躊躇っていたようだが、一息置いて言った。
「アタシに…キスしたの」
「キスぅ?」
 吉澤は大きい目を更に大きくして聞き返した。
(ごっちん、やるなぁ。見直したよ、うん。)
 吉澤は顔がニヤけそうになるのを何とか押さえようとした。
 あのヘナチョコな後藤が、随分と大胆な行動に出たものだと吉澤は感心する。
92 名前:最高の片想い-13- 投稿日:2002年04月21日(日)20時56分19秒
「梨華ちゃんは、どうしたの?」
 吉澤は想像するだけで、また頬が緩みそうになるが必死で堪えた。
「引っぱたいちゃった」
 思い出すだけでも忌々しいと言った顔で石川は言った。
「え? なんで?」
「いきなりキスするんだもん。冗談でも酷すぎるよ。大体アタシ、初めてだったのに…」
 石川は真剣に怒っているらしく、うっすらと目に涙を浮かべている。
 吉澤は”初めて”に反応しそうになったが、どうも話が見えてこない。
 後藤は告白もなしに、いきなりしちゃったんだろうか?
 吉澤は石川の肩に手を置きながら言った。
「最初から詳しく説明してくれない?」
93 名前:最高の片想い-13- 投稿日:2002年04月21日(日)20時57分04秒
 後藤も、暫くぼんやりとしていたが、駅に着くと携帯を取りだした。
 石川に電話したいが、何と言えばいいか、言葉が見つからない。
 メールもなんだか違うような期がするし、何よりも謝るつもりはなかった。
 謝ったらあのキスは冗談だったと思われてしまうから。どっちにしろ後藤の気持ちを知る由も
ない石川から見れば、冗談に取られてしまっているのだろうが。そう思うと後藤の胸は痛む。
(よしこ…。始まる前から終わっちゃったヨ…。でも、このままじゃ。)
 後藤は無意識に石川の住んでいる最寄り駅までの切符のボタンを押していた。
94 名前:_ 投稿日:2002年04月21日(日)21時01分36秒
キスさせようかさせまいか悩みましたがさせちゃいました。
石の部屋で鉢合わせ???
相変わらず遅い更新ですみません。

>84 いしごま防衛軍さん
冗談だと思われてしまう損な役回りです。

>85 じじさん
気持ちの方向が石と後はOneWayですね。よしこは?

>86 夜叉さん
見失うとは、いささかオーバーな気が(w。
いつもレスありがとうございます。新作教えてください!
95 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月21日(日)22時41分35秒
うがーごっちんが可哀想だ。梨華たん気づいてあげてくれ。
この後さらにごっちんが悲劇を目撃するような予感が、
ああごっちん、梨華たんと両思いになれることを願っている。
96 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年04月22日(月)00時45分26秒
ウワァァァン ゴチーンかわいそ〜。
97 名前:夜叉 投稿日:2002年04月23日(火)18時48分46秒
いやいや、自分の意に反して気持ちが浮きまくってます、ごとーさんに(笑)。
どうしたもんでしょうか…(^^;;、責任取ってくださひ(爆)。
98 名前:じじ 投稿日:2002年04月25日(木)23時14分41秒
んあー…
ゴシゴシって…
まるで脈無しじゃないですか…
…がんがれ!
99 名前:最高の片想い-14- 投稿日:2002年05月03日(金)15時29分29秒
-14-

 石川の話を聞き終わった吉澤は何と答えて良いやら返答に困ってしまう。
 石川は後藤が冗談でキスしたと思い込んでるし、後藤の気持ちを吉澤から
言う訳にもいかず吉澤も黙り込んだ。

「ねぇ、よっすぃーは、どう思う?」
「どうって言われても…」
「ごっちん、あんなコトするなんて」
 石川は遠目で呟いた。
「でもさ、梨華ちゃんも調子に乗るから、それに便乗しちゃったのかも?」
 これでは後藤が可哀相なので、吉澤はフォローを入れるが、石川がキッと睨み付けたので
吉澤は慌てて口を閉じた。
「普通はそんなコトしないでしょ? からかわないで!」
「ごめん」
(ひー、梨華ちゃんお冠じゃんか。ごっちん、どうしてくれんのさ!)
 石川のフォローが自分に回ってきて、吉澤は溜息をつく。
 石川の中では、後藤が自分に好意を寄せている事など、毛頭ないらしい。
100 名前:最高の片想い-14- 投稿日:2002年05月03日(金)15時30分52秒
「梨華ちゃんのキスを待つポーズが可愛かったから、もしかしたら…魔が差したのかもよ?」
 吉澤は適当に言葉を繕ったつもりだったが、石川の表情が変わった。
「え? それどういう意味?」
「アタシの前でも、再現してみてよ」
 吉澤は、悪戯っぽい目をして石川の目の前まで詰め寄った。
「よっすぃーの前で?」
「うん」
 吉澤は満面の笑みで頷くと、石川は自然と頬が染まっていくのを感じた。
「や、やだ。出来る訳ないじゃん。よっすぃーまでからかわないでよぅ!」
 吉澤に顔が真っ赤なのを指摘されるのが怖くて、石川はクルリと吉澤に背中を向けると
キッチンの方へ行ってしまった。
101 名前:最高の片想い-14- 投稿日:2002年05月03日(金)15時32分18秒
 一瞬でも、吉澤の前で目を閉じている自分を想像して、更に石川は頬がカーッと
熱くなるのが、自分でも分かった。
(もぅ…よっすぃーまでヘンな事言うから!)
 石川は胸に手をギュッと押さえると、気を落ち着かせようと深呼吸しようとした。
「梨華ちゃん?」
 ふいに吉澤に名前を呼ばれ、肩を抱かれる。
「ひゃぁ!」
 石川は物凄く驚いて、間抜けな声を出してしまった。
「大丈夫?」
 吉澤は心配そうに石川の顔を覗き込んでいた。
「ぅ、うん」
(大丈夫じゃないよ…)
「急に台所行っちゃうからさ。キスされた後に、冗談でもちょっと過ぎたかも知れないね。
 ゴメンね」
 吉澤も素直に謝る。
「い、いいよ。よっすぃーなら」
(ヤダ。アタシ何言ってんだろ。もう…。こうなったら!)
「ん?」
 石川は吉澤の目の前で、そっと目を閉じた。
102 名前:_ 投稿日:2002年05月03日(金)15時36分45秒
少しですが更新。引くに引けない状況に…。後藤急げ!!

>95 いしごま防衛軍さん
後藤と鉢合わせ? 

>96 梨華っちさいこ〜さん
石川の気持ちを後藤に向くようにしむけるのがなかなか難しいのです。

>97 夜叉さん
私的には、ここの後藤を応援します。

>98 じじさん
脈無しなので私も困ってるんです。おまけに、こんな展開でごめんなさい。
103 名前:名無し男 投稿日:2002年05月03日(金)15時56分33秒
のわー!!!!!!!!!!えいう5y089う904!!!!!!!!
このまんまではいかーーーーーーーん!!!!!!!
ゴチーン大ピンチ!!
横取り40万だけは避けなくては!!
104 名前:じじ 投稿日:2002年05月03日(金)16時00分43秒
後藤急げっ!
しかしこれはこれで萌えはあとはあと
どうなる?どうする?
105 名前:REDRUM 投稿日:2002年05月03日(金)16時32分45秒
うががががが!!!
激しく萌えまくり。
最近自分が萌えシーンかけてないので他人の作品で欲求解消ぎみ。
後藤さんゆっくりでいいよ(w
106 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月04日(土)04時34分32秒
い、いしよしなのか? いしよしマンセーでいいのか!?
いやだめだ、ここではいしごまなんだ!!
なのに…反応してしまう…ヤパーリいしごまにはなれないのか?
作者さん、こんなオイラをいしごまにしてください。
107 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月04日(土)08時09分55秒
ああごっちん。ごっちんは梨華たんを振向かせることができるのだろうか。
今のままではいしよしだ。ごっちんガンガレ!!
108 名前:最高の片想い-15- 投稿日:2002年05月04日(土)20時07分45秒
-15-

(こ、これは何? 梨華ちゃん?)
 吉澤はゴクリと唾を飲み込む。
 目の前には目を閉じてキスを待っている石川が。

 思わず吸い込まれるように、石川の顔に近づけた吉澤はハッとすると慌てて後ずさった。
(いかん! マジでキスしそうになった! でも…)
 石川にゾッコンの後藤の目の前で、こんな顔されたら、さすがの後藤もノックアウトだろう。
 キスをしてしまう気持ちが分かる気がした。
109 名前:最高の片想い-15- 投稿日:2002年05月04日(土)20時08分25秒
「梨華ちゃん!」
 吉澤の問いかけに石川は目を開ける。
「何となく、ごっちんの気持ち分かったよ」
「?」
「アタシだって、今キスしそうになったもん」
 その言葉に石川はまた頬を染める。
「でも、よっすぃーは、してくれなかったじゃない」
”してくれなかった”なんて、キスを期待するような物言いに、石川は苦笑いした。
「だってホントにしちゃったら、ごっちんの二の舞になるし。それはイヤだもん」
 しかし吉澤は、気に止めなかったようだ。更に続ける。
「そんだけ、梨華ちゃんは魅力的だってコトだよ」
 吉澤は我ながら、良い事を言ったと自画自賛した。が、石川の受け止め方は違っていた。
110 名前:最高の片想い-15- 投稿日:2002年05月04日(土)20時09分06秒
(魅力的って…。よっすぃー…アタシの事?)
 都合の良いように石川は解釈をして、もう後藤にキスされた事は記憶の彼方に
飛んでいきそうになる。
「よっすぃーから見ても、アタシって、どうなの?」
「ど、どうって?」
 急に石川が迫って来るから、吉澤はまた後ずさりをした。
「キスしたいとか思う?」
「ひぇ? な、なんで話が急に飛ぶの?」
 なんだかさっきから石川の様子がおかしいのに気付き、吉澤の額からは汗が滲み出ていた。
「いや、だって…その……」
 石川も言いにくそうに言う。
111 名前:最高の片想い-15- 投稿日:2002年05月04日(土)20時09分42秒
 そこへ吉澤の携帯が鳴った。
 これ幸いと、吉澤は石川から離れると、携帯に出る。
「はい。もしもし」
『よしこぉ…』
(げ! ごっちんからだ…)
 その声は偉く沈んでいた。
「どうしたのさ?」
 石川からなるべく遠く離れた場所へと移動する。と言っても狭いからたかが知れているのだが。
『ヤバイよ〜。梨華ちゃん怒って帰っちゃった』

 それは知ってるけど。こうして呼ばれてるし。なんて言えない吉澤は、初めて聞いたように
わざとビックリした声を出した。
「えぇ? マジで? どうしてよ」
 なんだかわざとらしい感じがして、棒読みになっていないかと吉澤は気にしたが
後藤はそれどこではないらしく、涙声で訴えてくる。
112 名前:最高の片想い-15- 投稿日:2002年05月04日(土)20時10分33秒
『取りあえず、会って謝るって言うか話したいから、梨華ちゃんちに向かってるんだけど』
「えぇ――? 梨華ちゃんちにぃ?」
 思わず吉澤は大声をあげてしまい、電話の主が後藤である事が石川にバレてしまう。
『なんで、そんなによしこが驚くのよ。やっぱり会わないとさダメだと思って』
「そ、そうなの?」
 吉澤は動揺を隠しきれなくて、部屋の中をぐるぐると回り出す。
『あ、もう梨華ちゃんちに着くから。じゃぁね、よしこ。また電話する』
「え? ごっちん? ちょっとぉぉぉ〜!」
 もう後藤の電話は切れていた。

(もう着くって…。え? えぇ?? マズイ。マズイじゃないか!)
113 名前:最高の片想い-15- 投稿日:2002年05月04日(土)20時11分22秒
「よっすぃー? 今の電話…」
「ん、んーと。あの…取りあえずアタシは、隠れるから…」
 しどろもどろで吉澤は言うと靴と荷物を掴んで、風呂場に隠れようとする。
「なんでよっすぃー隠れるの?」
「あ、あのさ。ここにアタシが来たコト、ごっちんには言わないで欲しいんだ」
 それだけ言うと、吉澤は風呂場へと向かった。
「よっすぃー?」
 そうこうしているうちに、石川の玄関のチャイムが鳴る。

(ごっちん、はえーよ!!)
 吉澤は風呂場に身を隠すと、ふーっと溜息をついた。
114 名前:_ 投稿日:2002年05月04日(土)20時15分51秒
後→石→吉な予感。いしごまなんでしょうか、一体。疑問が…。

>103 名無し男さん
さてさて、後藤の登場です。

>104 じじさん
( ^▽^)<しないよ
エロっぽくないんで、しませんでした。だってしちゃったら…。

>105 REDRUMさん
萌えますかね? ここの吉は石に気がないので、私的には萌えないんですが。

>106 梨華っちさいこ〜さん
「いしごま」になるのは、いつなのか私も知りたいです。
なかなか石川さんが思うように動いてくれなくて。

>107 いしごま防衛軍さん
振り向かせるように祈って下さい! 私もがんがります!
115 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月04日(土)21時06分36秒
祈っております。
116 名前:じじ 投稿日:2002年05月04日(土)23時14分58秒
すんばらしい展開です!
やっぱりこの話好き好き。

後→石→吉→夏な予感。。。
117 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月06日(月)01時07分35秒
単身で梨華ちゃんの部屋に乗り込む脱・ヘタレ宣言のゴチーン。
ヨシコ、風呂場でハラハラ。 一人何もわかっていない梨華ちゃん。
なんかこの三人かわいい。
118 名前:理科。 投稿日:2002年05月06日(月)19時40分54秒
一気に読ませていただきました!
引き込まれます!師匠!最高です!
ワクワクしながらPCの前でニヤニヤしていました(汗
よっすぃ〜はどうなるんでしょうかね。。。
119 名前:最高の片想い-16- 投稿日:2002年05月08日(水)20時24分06秒
-16-

「よっすぃー?」 
 石川が言うより先に、吉澤は逃げ込み閉めてしまう。
 石川は、何が何だか分からずに首を傾げていたが、チャイムが鳴ったので
吉澤を残して、ドアの近くに行った。

「はい…」
「梨華ちゃん? 良かったいて。後藤だけど」
 何とも情けない後藤の声がドア越しから聞こえてくる。
「ごっちん?」
 吉澤の言う通り、後藤だった。
『なんで?』と言いかけて、石川はキスされた事を思い出す。

「あ、あの…。こういうコトは、会ってちゃんと話した方が良いって言うか、
 メールとか電話だと気持ちがその…伝わらないって言うか…だから…梨華ちゃんちまで
 来ちゃったんだけど…」
 後藤の声には必死さが籠もっていて、石川は苦笑いしながら、ドアを開けた。
「梨華ちゃん! 良かった。開けてくれなかったら…どうしようかと思ったよ」 
 駅から余程走ってきたのか、後藤は、大粒の汗を掻いていた。
「ごっちん…」
 後藤は泣きそうになりながら、息を整える。
「別に…良かったのに…」
 石川は言う言葉が見つからず素っ気なく言ってしまう。
120 名前:最高の片想い-16- 投稿日:2002年05月08日(水)20時24分55秒
「ダメだよ! だって…梨華ちゃん、誤解してるもん」
「誤解?」
「だって…アタシは…梨華ちゃんが……」

 風呂場の扉に耳をへばりつけて聞いていた吉澤もゴクリと唾を飲み込む。
(ごっちん、告白か? 頑張れ!!)
 吉澤はエールを送った。

121 名前:最高の片想い-16- 投稿日:2002年05月08日(水)20時25分32秒
「なぁ〜に? ごっちん…」
「…んぁ…あの……」
 後藤の額に、また汗が噴き出してくる。
「ん?」
 暫く沈黙が続く。
 一気に言わなかった事に後藤は後悔すると共に、石川に見つめられるだけで
後藤の顔は、また熱くなっていく。

「こ、今度さ、また後藤んち遊びに来てよ!」

(ごっちん、そんな事言いに来たんじゃないだろ!!)
 風呂場の吉澤は肩すかしをくらったように、ガクッとなる。
122 名前:最高の片想い-16- 投稿日:2002年05月08日(水)20時26分28秒
「…は? …う、うん…」
 石川も拍子抜けしたのか、頷くだけだ。
 しかし、後藤は、それだけで満足したように、ニカッと笑った。
「良かった、良かったよ〜。これで安心して眠れるよ」 
 独り言のように呟くと後藤は、玄関のドアに手をかけた。
「そうだ。梨華ちゃん、コレ」
 帰ろうとする後藤は、もう一つ思い出したようにカバンからMDを取り出した。
「MD?」
「うん。後藤の新曲なんだ。梨華ちゃんにいち早くお届け〜♪」
(ついでに、後藤は梨華ちゃんと手を握って歩きたぁ〜い♪ 言えないけど(涙))
「いいの? アタシに…」
「もちろん! じゃーねっ。梨華ちゃん、おやすみ♪」
 後藤は、もう一度、石川に微笑むと帰っていった。
123 名前:最高の片想い-16- 投稿日:2002年05月08日(水)20時27分12秒
 吉澤は風呂場で一人ツッコミまくっていた。
(梨華ちゃんと手ぇ握って歩きたい♪ とか言ってたクセに!
 新曲のタイトルぐらい言えって! 散々アタシには耳にタコが出来るくらい言ったクセに!
 ごっちんの意気地なし!)

 後藤が帰っても暫くMDを見つめていた石川は、何か釈然としないものを感じていた。

―――で、ごっちん、結局、何しに来たの?
124 名前:_ 投稿日:2002年05月08日(水)20時31分28秒
ちょこっと更新。

>115 いしごま防衛軍さん
何とか、二人のシーンを作れるよう考え中です。
幾つか思い浮かんでは、いますが。

>116 じじさん
>後→石→吉→夏な予感。。。
夏先生?? ………

>117 梨華っちさいこ〜さん
やっぱり、ヘタレでした。かわいいですか? 良かったです。

>118 理科。さん
見つかってしまいましたか(笑)。
よっすぃ〜は、迷? 脇役です。(あんまり脇っぽくないけど)
125 名前:じじ 投稿日:2002年05月08日(水)22時09分23秒
>―――で、ごっちん、結局、何しに来たの?

うん。そう思うよ。。。
意気地梨!
126 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月09日(木)00時33分52秒
いいや、あれでもごっちんはよくやったよ。
少しずつ梨華たんを振向かせればいいのさ。焦ってはいかん。
それにこれで梨華たんがごっちんの家に遊びに行く予定ができたわけだ
今後のいしごまに期待しています。よしこ見つからんでよかったのう
見つかっていたら大変なことになっていた。
127 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月09日(木)01時26分05秒
コラーーーー!! ゴチーンなにしとんじゃぁぁぁぁぁ!!
このヘナチョコがぁぁぁぁ!! でもそんな君が大好きだぁぁぁぁぁぁぁ!!!
128 名前:夜叉 投稿日:2002年05月09日(木)20時46分12秒
ヘタレごま、 (・∀・)イイ!(爆)。
ほんと、何しにきたんだろう…(^^;;。風呂場の吉の気持ちもよく分かる(笑)。
129 名前:名無し男 投稿日:2002年05月12日(日)18時03分42秒
ゴチーンの気持ちが痛いほどわかる俺は逝ってよしですか?
130 名前:ぶらぅ 投稿日:2002年05月12日(日)23時00分41秒
何しにきたの?って思ったが・・・
何故かその気持ちが分かってしまうのは何故・・・?
131 名前:最高の片想い-17- 投稿日:2002年05月17日(金)18時08分41秒
-17-

 翌日、後藤は機嫌の良い顔で控え室に入ってきて
吉澤を見るなり嬉しそうに駆け寄ってきた。
「よしこ〜♪」
昨夜とは打って変わってすこぶる機嫌が良いらしい後藤は
吉澤にぴたっとくっついてくる。

逆に吉澤は反対で、寝不足と石川、後藤のフォローで少し疲れていた。
「元気良いね」

結局、後藤が帰ってから、石川に小一時間問い詰められ、何とか
バレないように説明をし、泊まればと言う石川の誘いを断り、また
タクシーで家に帰った吉澤だった。
132 名前:最高の片想い-17- 投稿日:2002年05月17日(金)18時09分42秒
「ちょっと明るい兆しが見えてきたかも♪」
本当に嬉しそうに言う後藤に、吉澤も思わず微笑む。
「ごっちん、カワイイねぇー」
「あはっ! よしこに言われてもなぁ〜」
吉澤の肩に凭れるようにして後藤は嬉しそうに言う。

その光景を石川は険しい表情で見詰めているが、二人は気づかない。

「石川ーーーっ! なにコワイ顔してんの?」
矢口の声で二人は振り返った。

石川の視線は吉澤とぶつかったが、石川からさり気なく外され
表情も、いつもの顔に戻っていた。

「コワくないですよ〜。矢口さん、石川のコト見てるってコトは…
実は好き…トカ?」
石川は話を逸らす。
「まっさかぁ〜。きしょっ。オイラが好きなのは松浦だもん」
否定しつつも、矢口は楽しそうで後藤は面白くない。
(やぐっつぁ〜ん…。『きしょっ』言うなぁ〜(怒))
冗談と分かっていても、後藤は石川の事になると、些細な事でも
いちいち反応する。周囲に気づかれるのも時間の問題かと思われた。
133 名前:最高の片想い-17- 投稿日:2002年05月17日(金)18時10分41秒
吉澤は後藤の耳元で囁く。
「ごっちんもコワイ顔になってるよ」
「んあ?」
吉澤に指摘され後藤はいつものポーカーフェイスに戻ろうとしたが…
ポツリと呟いた。
「やぐっつぁん……。羨ましい」

また始まった。吉澤はため息をつく。

そんな事よりも、自分達を見ていた石川の事を心配すべきでは? と
吉澤は思ったが、言ったら言ったで後藤の取る行動は目に見えているから
吉澤は敢えて言わないでおいた。
(勘違いしてないだろうなぁー、梨華ちゃん…)

後藤と石川の間に挟まれた吉澤は、また一つ大きなため息をつくと、
席を立った石川の後に続き、自分も控え室を出た。

後藤が、すぐにでも石川に告白すれば、このような気苦労も減るのにと
吉澤は思うが、この様子では、まだ後藤の告白は当分先にも思えるし、
石川も後藤の気持ちに到底気づくと思えなかった。
134 名前:最高の片想い-18- 投稿日:2002年05月17日(金)18時12分08秒
-18-

自販機の前に立つ、石川の横にさり気なく吉澤も立つと、先にお金を
入れて、アイスレモンティのボタンを押す。
紙コップが落ちてきて、カラカラと氷が出て、紅茶が注がれる。
注ぎ終わると吉澤は当然のようにソレを石川に渡した。
「梨華ちゃんも、アイスレモンティで良いんだよね?」
「え?」
いわれるまま受け取る石川。
「梨華ちゃん、迷ってる風でもなかったし、ソレ押すつもりだったでしょ?」
「そうだけど…」
吉澤も同じモノを押す。
「あ、お金…」
小銭を出そうとする石川に吉澤は言った。
「いいよ、そんくらい。今度飲む時、梨華ちゃんが奢ってくれればいいから」
吉澤は微笑んだ。
その笑顔に石川はドキリとする。
「よっすぃーは優しいね」
二人は自販機の前の小さなベンチに腰を下ろした。
135 名前:最高の片想い-18- 投稿日:2002年05月17日(金)18時12分43秒
そんな風に言われたら…仲良さそうなさっき見た光景に、何も言えなくなる。
そして、その優しさは自分だけのものでもないから、石川は一層切なくなる。

「優しくなんかないよ。当たり前なの」
一瞬吉澤は真顔で言って、そして笑った。
「なぁ〜んてね」
冗談で言ったつもりだったのに、石川の表情は固くて吉澤は慌てた。

後藤は能天気だが、考えてみればいきなりキスされたのだ。
まだ気にしていて当然だろう。吉澤は石川の浮かない顔は昨夜に原因があると思った。
「あぅ。り、梨華ちゃん。ショックなのは分かるけどさ。
あんまり気にしちゃダメだよ」
(気にするなって言う方が無理だよね)
「へ? なにが?」
石川は溶けていく紙コップの中の氷を見つめていたが
何を指しているのか分からず、吉澤に視線を移した。
「何って…。昨日の……」
戸惑い気味に吉澤は言う。
「あ、あぁ。あれね。そんなに気にしてないよ」
石川はそういう言うと、一気に飲み干した。
136 名前:最高の片想い-18- 投稿日:2002年05月17日(金)18時14分09秒
吉澤は言ってから後悔する。
(原因はキスじゃないの? じゃぁ何が?)
ますます分からなくなる。

「だから…。ごっちんに、そう言っておいて」
直接言えばいいのに。何故、この2人は、いちいち自分を通すの
だろうか? と思ったが、吉澤は肯くと立ち上がった。
「うん。分かった」
吉澤は後藤用にコーヒーを買っていくと、石川より先に控え室に戻っていった。
137 名前:最高の片想い-18- 投稿日:2002年05月17日(金)18時16分54秒
後藤にキスされた事を勿論忘れた訳ではない。
しかし、それより気になったのが、さっきの控え室での嬉しそうに吉澤と話す後藤。
 とっても楽しそうで…。無意識に恐い顔で二人を見つめていたのだろう。
 矢口に指摘された時は自分自身驚いたものだ。
何とか誤魔化したが、自分の中にある、このモヤモヤした感情は誤魔化しようがなかった。
そして後藤の態度も許せない。人にキスをしておきながら、神妙な面持ちで家まで来た
と思ったら、謝るでもなく、すぐに一人で納得して帰っていき、翌日来てみれば、キスした
事なんか忘れたように吉澤と楽しそうにピッタリくっついて話をしている。

「ごっちんのバカ…」
口に出して言ってみるものの、後藤が許せないのではなく、吉澤と人前でも仲良く
出来る事に、嫉妬している事に気づくのに、そう時間はかからなかった。


「石川さん。どうしたんですか?」
多少訛りの入ったその声に、石川は顔を上げた。
138 名前:_ 投稿日:2002年05月17日(金)18時24分52秒
CPにこだわるつもりはないので、好きに書かせていただきます。
すみませぬ。よって、また1人登場(w。私の趣味です。スイマセンスイマセン。

>125 じじさん
意気地梨です。でも、いいんです。

>126 いしごま防衛軍さん
モテモテ梨華たんなので、ライバルが多そうです。
ごっちんには、家に呼んだ時に、がんがって欲しいです。

>127 梨華っちさいこ〜さん
ヘナゴマは、ライバルが増えても変わらないと思われ。

>128 夜叉さん
ごま主役の筈が…。話の方向が…。

>129 名無し男さん
でも、後がダメですね。ゴチーン。石川さんは誤解してますし。

>130 ぶらぅさん
この後も、後藤さん、ヤキモキするらしい? な予感。
139 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月18日(土)12時42分15秒
ああ梨華たんの気持ちがよしこに!!これは非常にまずい。
140 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月18日(土)22時44分03秒
な、訛り!? ってことは…。 ヤバイ、動揺を隠せない。
今オイラの中でその組み合わせは第2位です。
第1位はもちろんいしよしです。 ここではいしごまですが…。
141 名前:最高の片想い-18- 投稿日:2002年05月20日(月)19時45分53秒
-18-

 控え室に戻った吉澤だったが、後藤の姿が見当たらない。
「あれ? ごっちんは?」
 近くにいた辻に聞いた。
「新曲の衣装替えに行ったのれす」
 そう答えながら、興味の対象は紙コップの中に視線が熱く注がれている。

「ブラックだよ。のの、飲めんの?」
 吉澤はわざと、そんな風に言って中を見せた。
「んー、ののは苦いのはキライなのれす」
 残念そうに言うと、もう興味がないのか、加護のいる方に行ってしまった。
「ホント、げんきんなんだから」

 石川が最近飲むらしい、ブラックコーヒーを後藤も真似て飲もうとしている所に
後藤の可愛さを感じるが、石川にブラックと言うイメージがかけ離れていて、想像でも
結びつかなかった。
(まぁ、梨華ちゃんは色は黒いけど…。)

 行き場所の無くなったコーヒーは、保田の元へと行った。
142 名前:最高の片想い-19- 投稿日:2002年05月20日(月)19時48分08秒
-19-

「アタシがピンクなんて…」
 後藤は、全身が映る鏡で今回のガールスカウト調のピンクの衣装を見つめながら呟いた。
(梨華ちゃんの方が似合うよねぇ〜。)
 プッチモニからピンクづいてる後藤だったが、やはり気恥ずかしかった。

「ごっつぁん、カワイ〜はあとはあと
 矢口がスタジオに入って来るなり、いきなり抱き付いてきた。
「…なんか、恥ずかしい…」
「そうか? ごっつぁん、結構似合ってんぞ。
 でも、まぁピンクだったら松浦が一番似合うけどな」
 矢口の最近のブームは松浦らしいから、頷きつつ後藤は曖昧に微笑んだ。
(梨華ちゃんが、一番似合うよ!!)
143 名前:最高の片想い-19- 投稿日:2002年05月20日(月)19時48分58秒
「まぁ圭ちゃんだって、ピンク着せられたんだから、ソレに比べたら全然似合ってるって!」
「それって、フォローになってんの?」
(圭ちゃんの立場って一体…)
 ここに、保田がいたら、激しく突っ込み返していただろう。
「気にすんなって。ごっつぁんガンバッてこ〜い!」
 矢口は後藤の背中を叩いた。

「んあーい…」
(梨華ちゃん、後藤見てどう思うかな…。『カワイーはあとはあと』って言ってくれる?
 でも、きっと梨華ちゃんの事だから『衣装がカワイー♪』って言うオチだったりして。
 んあー……。)
 後藤も石川に負けずに充分可愛いルックスであるが、石川に惚れている故に、自信がない。
 石川の事を想うだけで、嬉しくなる後藤だったが、高橋も石川を狙っている事に、
この時は、まだ知らなかった。
144 名前:最高の片想い-20- 投稿日:2002年05月20日(月)19時49分56秒
-20-

「高橋…」
「吉澤さん、カッコいいですねぇ」
 既にいない、吉澤の事を高橋は口にするから、石川は動揺した。
(高橋、いつから…。よっすぃーとの会話聞かれてた?)
 しかし、聞かれてマズイような事は特になかった筈だ。
 後藤とのキスも曖昧に言葉を濁していたし。

「アタシも、前にジュース奢ってもらいましたよ」

(ほら、やっぱり。よっすぃーは誰にでも優しいのよ。)

「あっ、別にアタシだけじゃなくて、まこっちゃんもいたんですけどね」
 何故か高橋は、わざと付け加えるように言った。
「よっすぃーは、優しいからね」
 優しいのはわかっているが、こうして他メンバーから言われると面白くない。
「それより、石川さん」
 高橋は急に話を変える。
「なに?」
「今日のハロプロニュース宜しくお願いしますっ」
 高橋は台本を大切そうに胸に抱えながら、ぴょこんとお辞儀をした。
145 名前:最高の片想い-20- 投稿日:2002年05月20日(月)19時50分50秒
「あ、こちらこそ」
 石川は慌てて立ち上がると、自分もお辞儀をする。

 まだ良く台本に目を通していないが、今日の収録は中澤以外に、高橋も加わるらしい。
 前回の収録の時は、小川と紺野だったので、高橋が起用されてもおかしくなかった。
 どこか緊張しているらしい高橋が、妙に初々しくて、石川は思わず微笑んだ。

「そんなに緊張しなくていいからね。リラックスリラックス」
 石川は高橋の肩に両手を置くと、励ますつもりで言った。
「ハ、ハイッ。石川さん、頑張りますっ!」
 高橋は少し頬を赤らめて答えた。
「アタシも支度しなくちゃ。じゃぁあとでね! 高橋!」
 石川は慌てて控え室に戻っていった。
146 名前:最高の片想い-20- 投稿日:2002年05月20日(月)19時51分35秒
「石川さん…」
 石川が行ってしまうと、高橋は石川が座っていた場所に腰をおろし、大きく溜息をついた。

 石川には気付かれなかったが、肩に手を置かれた時、高橋の心臓は飛び出しそうだった。
 憧れの石川と、あのハロプロニュースを一緒に出来ると知った時は、言葉では
言い表せなかった。中澤も出ているが、高橋の中では、完全消去だった。

「石川さん、良い香りしたなぁ〜…」
 高橋はしみじみ呟くと、順番は逆だが、中澤にも挨拶をしに、立ち上がったのだった。
147 名前:_ 投稿日:2002年05月20日(月)19時56分52秒
後藤さんにライバル登場? 
ハロモニネタを持っていきますので、まぁ分かりやすい展開ですかね?
前回のいしごまに軽く萌えながら、その話は、もう少し先かな。
日にちとか適当なんで、ゴマの新曲とハロプロニュース?とか疑問に
持たれても一切無視します(w。

>139 いしごま防衛軍さん
梨華たんも、モテモテなのです。

>140 梨華っちさいこ〜さん
石高、いいですよねぇ。実は、あのハロプロニュースで一気に萌えました(w。
私も、ここでは、石後を推します。(でも…)
148 名前:じじ 投稿日:2002年05月20日(月)23時13分29秒
いしごま・・・
でもいしよしヲタな私・・・
でもいしたかも萌え・・・

お 任 せ し ま す
149 名前:ぶらぅ 投稿日:2002年05月21日(火)00時00分04秒
最 高 で す (w
いしよしもいいですけど、いしごまも・・・
そして同じく、ハロプロニュース頃から、
いしたかにも萌えだした自分(w
こ の 先 ど う な る (w
150 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月21日(火)00時26分40秒
いしごま万歳ですが、いしたかもなかなかよかったりする。
ごっちん苦労しそうだ。
151 名前:ごーまるいち 投稿日:2002年05月21日(火)00時59分29秒
いしごまがんがれ!と応援するワタシはいしよしヲタ。
でも、いしたかも当然の如く大好きですがなにか?(w
先が読めなくて毎回楽しみです。がんがってください♪
152 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月25日(土)03時35分36秒
石高に期待!
更新、お待ちしています。
153 名前:理科。 投稿日:2002年05月25日(土)05時47分31秒
密かに高橋が可愛いのですが…と逝ってみる。
ここのゴチーンが好きですなぁ。。。
ですが

 よ す ぃ が 一 ( r
154 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月26日(日)20時17分48秒
お姉さん梨華ちゃん来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
いしたかにはいしよしとは一味違う魅力がありますね〜。
高橋がどう絡んでくるか楽しみです。
155 名前:最高の片想い-19- 投稿日:2002年05月29日(水)02時01分47秒
-19-

 後藤が歌の収録を終え、トイレに入っていると、話し声と共に扉が開く
音がして、思わず後藤は息を潜めた。
「愛ちゃん、超緊張してたねぇ」
「うん。そりゃぁそうでしょう」
 声の主は小川と紺野らしい。

(高橋? んぁー裕ちゃんと一緒だからか…。)
 後藤も高橋がハロプロニュースに出る事は知っているし軽く見ていたが。

「中澤さんいるし、そりゃ緊張するでしょう。私達ん時は居なかったけど」
 紺野が更に続ける。しかし…。
「何言ってんの? あさ美ちゃん。石川さんがいるからじゃん」
 小川の言葉に今まで呑気に聞いていた後藤は、目を大きく見開いた。

(ちょっと小川! それどういう意味?)
 石川の名前が出た途端、後藤は過剰反応をした。
156 名前:最高の片想い-21- 投稿日:2002年05月29日(水)02時02分36秒
「え?」
 紺野も初めて聞いたと言った声。後藤も頷く。
「あさ美ちゃん知らなかったっけ?」
「うん…」
(後藤も知らない。だから何なんだよ!)
 後藤は少々苛立ちながら小川の続きを待つ。

 しかし―――。
 また誰かが入ってきたようで、扉の開く音がした。
157 名前:最高の片想い-21- 投稿日:2002年05月29日(水)02時04分18秒
「「吉澤さん」」
「二人ともここに居たのかぁ」
(ぐはー! よりによって、よしこ!)
 この時ばかりは、後藤は吉澤を呪った。

「「お疲れさまです」」
 小川も紺野もハモるように言う。
 当然、今の会話は中断される訳で、小川と紺野は吉澤と少し雑談して
戻っていった。そして吉澤が個室へと入っていくと、突然後藤が凄い顔をして
トイレから出てきた。当然、中に居るとは気付かなかった吉澤は驚く。
「ぅわ! ごっちん…。いたの? しかも衣裳のまんまで」
 吉澤は、のんびりと言う。
「いたの? じゃないよ! なんでトイレに来るのよ!」
 後藤は悔しくて、たまらないと言った顔で抗議する。
「なんでってそんなの決まってんじゃん。何言ってんの? ヘンなごっちん。
 早く着替えた方がいいんじゃない?」
158 名前:最高の片想い-21- 投稿日:2002年05月29日(水)02時04分50秒
 吉澤は相手にするのもバカらしいのか、後藤を無視してそそくさとドアを閉めた。
「むかつくー!」
 後藤は吉澤の入ったドアを蹴飛ばすと、急ぎ足でトイレから出ていった。
(なんだよ、ごっちん。わかんないけど荒れてんなぁ…。)
 吉澤は訳が分からず首を傾げた。

 今は吉澤に文句を言うよりも、衣裳を着替えるよりも、収録中かも知れない? 
ハロプロニュースを見に行く方が、先決だった。
159 名前:_ 投稿日:2002年05月29日(水)02時05分58秒
>155は -21-です。スマソ。
レス等は、次回に回します。ごめんなさい。
160 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月29日(水)04時03分44秒
ごっちん頑張れよほ。更新楽しみに待っています。
161 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月29日(水)05時57分48秒
ゴチーン落ち着け(w
このあと例のシーンを見てしまうのでしょうか?
162 名前:最高の片想い-22- 投稿日:2002年05月30日(木)21時53分43秒
-22-

 息を切らしながら、スタジオに入る後藤。隅の方でそっと様子を窺う。
 収録は、まだ始まったばかりのようだ。丁度三人のやりとりが続いている。
 最近は、コントでも石川と絡むシーンがなくて淋しい思いをしている
後藤は、高橋がちょっと羨ましかった。
 この時、まだ先で石川と後藤扮する文麿の告白シーンがある事は、後藤はまだ知らない。

(はぁ。やっぱり梨華ちゃんは可愛いよ。チャーミーラブはあとはあと!)
 小川が気になる事を言っていた、高橋は緊張しているのか、こちらが見ても
分かるくらいに、顔が真っ赤になっている。
(緊張してるだけだよな、高橋。)
 自分に言い聞かせるように後藤は呟く。
163 名前:最高の片想い-22- 投稿日:2002年05月30日(木)21時54分37秒
 丁度収録が始まったばかりらしく、高橋が両手を交互に組みながら、お魚天国を歌っていた。
「さかな、さかな、さかなぁ〜♪ さかなぁを 食べるとぉ〜♪―――
 ハロプロニュース。高橋ラブリーです。…ラブリー……」
 チュッ♪のポーズで高橋が恥ずかしそうにポーズを取る。
「ラブリー」
 石川が繰り返す。
「ラブリーです」
 多少訛って答える高橋。

「さすがアタシの後輩ね。やるじゃないのあなた」
 肘でつつく石川。なんとなく嬉しそうである。後藤は面白くない。
「ありがとうございます。」
 お辞儀をする高橋。

(ち。全く、高橋美味しすぎる!!)
 後藤は、ただの素人に戻っていた。
164 名前:最高の片想い-22- 投稿日:2002年05月30日(木)21時56分11秒
「顔がポッポしてるけど…」
 石川に指摘され、両頬を押さえる高橋。
 そして事件(後藤に取っては大事件)はその後に起こる。

「そんなところが可愛い!」
 石川は笑顔で返すが、高橋は「恥ずかしい」と言いながら石川に抱き付いた。
(えぇー? ちょ、ちょっと…?)
 後藤は思わず声をあげそうになり、息を呑んだ。
 これは台本には、ない筈で、石川も素で一瞬驚いたような顔を見せたが、
すぐに石川もアドリブで高橋を抱き締め返す。
「ちょっとアタシまで恥ずかしくなるじゃないのよ、もう」
「可愛いアタシの後輩はあとはあと…」
(なにぃ〜〜?)
 あまりの展開に失神しそうになる後藤。思わず手は握り拳が出来ていた。

「石川さんはあとはあと…」
 高橋もうっとりとして石川の腕の中にいた。(ように後藤には見えた)

「さ、始めますか。軽い上下関係がなんか寒いよね」
 そんな二人の光景を中澤は苦笑いし軽く流している。
(高橋…。お前……。アタシの梨華ちゃんをぉ!)
 後藤はいたたまれなくなり、スタジオを飛び出して行った。
165 名前:最高の片想い-23- 投稿日:2002年05月30日(木)21時57分42秒
-23-

「ごっちん、どうしたの?」
「ごっつぁん?」
 他のメンバーが口々に声をかけたが、後藤は衣裳室に駆け込んでいった。
 あのくらいの事で動揺するなんて、自分でも馬鹿げていると思うけれど
後藤にとっては、大問題だった訳で…気がついたら駆け出していた。
(やばいな。これじゃぁみんなに気持ちバレちゃうかも…。)
 
 控え室に戻った吉澤は、着替えも済ませて台本を読んでいた。
 暫くして、後藤も着替えて戻ってくる。
 なるべく顔を出さないようにと心掛けているつもりだったが、吉澤には
隠しておいても仕方ないと思い、吉澤の肩を叩くと外に出るように目で合図をした。
 そんな様子を他のメンバーは黙って見ている。
166 名前:最高の片想い-23- 投稿日:2002年05月30日(木)21時58分17秒
 吉澤を人気のない場所に連れて行くと更に周囲を見回して後藤は溜息をついた。
「やられたよ…」
「は?」
 吉澤は後藤の言っている意味が良く分からない。
「高橋にやられた」
「だから何を? もうごっちんさっきから訳分かんないよ…」
 吉澤は少々困惑顔だ。
「高橋が梨華ちゃんに抱きつきやがった」
 後藤は思い出すのも悔しいのかくちびるを噛む。
「ふぅーん。高橋結構やるじゃん」
 吉澤は感心していた。
「感心してる場合じゃないでしょ〜!」
 後藤は思いきり抗議する。
「いつの話よ。ソレ…」
 吉澤は自販機の方に歩いていく。
「さっき! ハロプロニュースの収録ん時だよ!」
「わざわざ見に行ってたの?」 
 少し呆れた吉澤の声。
167 名前:最高の片想い-23- 投稿日:2002年05月30日(木)21時58分59秒
 元はと言えば…。そうトイレの事を思い出し、後藤は興奮気味に言った。
「そうだよ、よしこ! 折角小川が言いかけてたのに丁度よしこが
 トイレに入ってきてさぁー」
「言いかけてたって何が? 主語がないんだもん、訳わかんねぇー」
 吉澤はうんざりと言った顔で自販機に着くと、何を飲もうかと品定めをする。

「ちょっと待って、よしこ」
 後藤は吉澤の腕を掴む。
「何? ごっちんさっきさぁ、コーヒー…」
 吉澤が言いかけるよりも先に後藤が遮った。と言うよりも吉澤の話など聞いていない。
「小川にそれとなく高橋が梨華ちゃんのコト、どう思ってんのか聞いてくんない?」
「どうしてアタシが聞かなきゃいけないのさ?」
 さっきから黙って聞いていた吉澤だったが、さすがにそんな事を訊く義理はないと
言い返して来た。
168 名前:最高の片想い-23- 投稿日:2002年05月30日(木)21時59分43秒
 そこへタイミングが良いのか悪いのか、小川と紺野がやってくる所だった。
「あ゛。よしこ! 頼むね!」
 軽く肩を叩き、拝むポーズをすると後藤は二人とは逆の方へ行ってしまった。
「ちょっとコラ!」
(まったく、自分で聞けっつーの!」
 そうこうしているウチに、小川と紺野は来てしまった。

「あぁ吉澤さん」
「よく会いますねぇ」
 小川と紺野が先に話しかけてきた。
(仕方ない。二人に奢ってやるか。あとでごっちんに請求しよう。)
 正直、小川にしか用は無いのだが、小川だけに奢るのも変なので、吉澤は気前よく
コインを入れると、二人に希望の物を聞いてボタンを押す。

「「吉澤さん。ご馳走様です♪」」
 素直にお礼を言う二人が微笑ましい。吉澤も微笑む。
(よし。ジュース奢ったから話してもらおうか。)
「ちょっとさぁ、話しない?」
 いささか安い買収ではあるが、吉澤は腰を降ろした。
169 名前:_ 投稿日:2002年05月30日(木)22時00分33秒
石高動画を見返しながら書いてますた。

>148 じじさん
お任せされますた。でも、たぶん、いし●●になると思います。

>149 ぶらぅさん
いしたか(・∀・)ノ イイ!!ですよねぇ。まぁ単なる節操無しですが。

>150&160 いしごま防衛軍さん
ごっちん大パニックです。でも、吉澤に押しつけてるあたりが(w。

>151 ごーまるいちさん
いしたかって結構需要あるんでしょうか?
ごーまるいちさんも更新おながいします。

>152 名無し読者さん
正体バレてますか(w。カキコありがとうございます。

>153 理科。さん
結構高橋の方がうわてかも? とか逝ってみる。
後藤は、純粋に石川が好きだと逝ってみる。(別に高橋が不純な訳でもないですが)
吉澤は、ひたすら此処では良い子役です(と思う)。

>154&161 梨華っちさいこ〜さん
例のシーン見てしまいました。高橋が絡んで来るのは、これからっすね(多分)。
170 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年05月31日(金)00時25分09秒
おおぅ! 見所はこれからですか!! 楽しみです!!
さて、オイラも動画見ようかな、ラブリーカワエエなぁ…。
171 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月31日(金)10時26分53秒
いや、ごっちんはあれでいいでしょう。梨華たんの気を惹いてしまっている
よしこに罰が当たったんだー!!伏兵高橋なかなかやりますなあ。
でもハロモニであの場面みて萌えてしまいました。
ごっちん頑張れ!!
172 名前:ぶらぅ 投稿日:2002年06月01日(土)16時40分36秒
はいっ(w
最近凄く(゚∀゚)イイ!!っす<いしたか(w
いや〜読みながらハロプロニュース思い出しました。

周りの気持ちに気づいてない石川さんいいっすね〜。
あ〜どうなってくのやら(w
173 名前:最高の片想い-24- 投稿日:2002年06月07日(金)18時58分37秒
-24-

「たまにはラフに話そうよ」
 そう言って吉澤は笑顔で二人を見つめる。
「「はい」」
 早くも小川と紺野はかしこまっている。

「ぶっちゃけ、小川と紺野はさぁ…ウチらの中で誰が好き?」
「ウチらって、モーニングの中でですか?」
「うん」
(他に誰がいるってんだよ!)
 小川と紺野は顔を見合わせる。
 ちょっと、いやかなり唐突過ぎかなと思ったがまぁいいだろう。
「アタシは、まこっちゃん」
「えーっ。…じゃぁアタシはあさ美ちゃんで」
「わぁーい」
「……そういうの聞いてるんじゃなくて…」
(お前ら…。まぁこの二人はどうでもいいよ。)
「だってモーニングには違いないじゃないですか」
 尤もである。
174 名前:最高の片想い-24- 投稿日:2002年06月07日(金)18時59分16秒
「じゃぁアタシと梨華ちゃんと辻と加護の中だったら?」
 最初からそう聞けば良かった。
「吉澤さん…」 
 小川は気を遣ってか、横にいる吉澤の名を言った。
「アタシはぁー、加護さんかな」
 紺野は正直である。
「で、高橋とかは、どうなの?」
 吉澤は小川が自分の名を言った事に気を良くした。

「愛ちゃんですか?」
 小川は聞き返す。すぐには答えないところに慎重さがうかがわれた。
「やっぱり、そういう話ってするんでしょ?」
 吉澤は更に続ける。
「しないコトもないですけどー…」
 紺野のハッキリしない返答に吉澤は苛々した。

 遠巻きにコッソリ窺っている後藤はハラハラしながら吉澤を見守っていた。
175 名前:最高の片想い-24- 投稿日:2002年06月07日(金)18時59分57秒
「ごっつぁん何してんの?」
 ふいに肩を叩かれ、後藤は「ひゃぁ」と間抜けな声を出した。
 吉澤、小川、紺野に夢中で背後に矢口がいた事など、全く気付かなかった。

「え? あっいや…別に…」
「さっきもさぁー様子変だったし。何かあったの?」
 矢口が心配してくれてる事は大変有り難いのだが、早く会話の続きを聞きたい
今の後藤にとっては、迷惑この上なかった。しかも丁度聞きたい部分なのだ。
「あはっ。別に何もないんだけどさぁ〜」
(やぐっつぁん早くどっかいって!)
 しかし矢口が後藤の胸の内を知る由もなく、後藤は見ていた方向に目を移した。

「あれ、よっすぃーに小川に紺野じゃん…」
 げっ。マズイ! と思った時には時既に遅し。
「………」
「何? ごっつぁんも休憩すればいいじゃん」
「いや、今、持ち合わせなくてさ…」
 後藤は咄嗟に言い訳をする。
「なんだ、そんなのおいらが出してやるよ」
 矢口に腕を掴まれ後藤も渋々と自販機に向かった。
176 名前:最高の片想い-25- 投稿日:2002年06月07日(金)19時00分43秒
-25-

(やぐっつぁん、ありがた迷惑だよ!)
「ん? 何か言った?」
「別に…」

「よぉ〜、お三人さんお揃いで♪」
 矢口の声に三人は振り返り、吉澤は後藤を見て「あ」と言う顔をした。

「小川、さっきのは違うからな。くれぐれも勘違いしないように。紺野もなっ。
 じゃ、矢口さんお先に失礼します」
 吉澤は立ち上がると、矢口達と入れ替わるように足早に去っていった。
「よしこ?」
(ちょっと一体何があったのよー! 凄く気になるじゃん。もうジュースなんかどうでもいいよ)

 それでも矢口がカフェオーレを奢ってくれてそれを渡され後藤も腰を降ろす。
177 名前:最高の片想い-25- 投稿日:2002年06月07日(金)19時01分27秒
「小川、よっすぃーと何話してたの?」
(やぐっつぁん、今いい事言った。もっと聞け!)
 調子の良い後藤である。
「何って、まぁ…いろいろですよ」
「いろいろって具体的に教えろよ〜」
「(そうだそうだ!)」
 うんうんと人一倍頷く後藤。

「あ、そうだ一つ聞いていいですか?」
 紺野が口を挟む。
「なに?」
(話の流れ止めんなよ、紺野!)
 後藤は軽く紺野を睨むが当の紺野は後藤を見ていなかった。

「吉澤さんって…石川さんが好きなんですか?」

(はー? な、なんでそうなるの?)
178 名前:最高の片想い-25- 投稿日:2002年06月07日(金)19時01分59秒
「あ、違ってたらすみません。さっき話してたら、何だか吉澤さん、石川さんの名前
 出して欲しい風だったんで」
 それでどうして=好きになるのだろう?
「順序立てて話せよ。訳わかんねぇよ!」
 小川が話し出す。高橋の好きなメンバーの話になった時に、知らないと言ったら
吉澤が石川じゃないのか? としつこく聞いてきたらしい。
「吉澤さん、絶対石川さんが気になってると思うんですよ」
 自信に満ちて紺野が言うから、内情を知っている後藤は激しく反論したいのだが
あまりムキになると却って怪しまれるから後藤は苛々した。

「紺野。それは絶対ないよ!」
 後藤は”絶対”を特に強調して言った。
「「どうしてですか?」」「どうして?」
 一斉に三人に聞き返されて、後藤はたじろいだ。

「えっ…。いや…ぁの…よしこは…アタシが好きみたいだから…」

 咄嗟についたウソとはいえ、この言葉が自分の首を絞める事になるとは、
この時の後藤はまだ知らなかった。
179 名前:_ 投稿日:2002年06月07日(金)19時06分26秒
少し更新しますた。

>170 梨華っちさいこ〜さん
いしたかなにげに人気ありますね。マシューの高橋も可愛かった。

>171 いしごま防衛軍さん
ごっちん自分の首を絞めるの巻でした。(私の首も…(r

>172 ぶらぅさん
石川は何も気付いていないんですけど、鈍感過ぎでしょうか?
後藤はヘタレ過ぎて救いが…。
180 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年06月08日(土)08時39分00秒
ごっちんやってはいけないことを・・・・。
このミスはどっからどうみてもまずいですよ。
ああどんどんごっちんと梨華たんの関係が悪化していくような予感が。
更新楽しみに待っていますよほ。
181 名前:名無し男 投稿日:2002年06月09日(日)14時56分21秒
後藤はタージ・マハル級の墓穴を掘った(w
182 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年06月10日(月)20時32分16秒
あぁ、ごっちん…もう頑張れとしか…
183 名前:夜叉 投稿日:2002年06月10日(月)21時30分20秒
一人、深みにはまりすぎてるごっつぁん…、ツボすぎます(爆)。
そこから抜け出す日は近いのでしょうか?(^^;;
184 名前:最高の片想い-26- 投稿日:2002年06月11日(火)18時30分28秒
-26-

 一瞬その場がシーンとなる。
 
 あの…此処は、笑うところなんですけど…。
 そう思っていたところに、急に矢口の高笑いが響く。

「ごっつぁん、キャハハ。嘘がヘタだなぁ〜…」
 腹まで抱えて笑う矢口に、後藤は、やはり見え見えの嘘にしか
聞こえなかったかと、自分のバカさ加減に呆れた。
「なにがよ?」
 小川と紺野は目が点になっている。

「ごっつぁんが、よっすぃーのコト好きだってコトだろ?
 もう嘘つくのがヘタなんだからよ〜」

 嘘なのは合ってるけど…アタシ、別によしこの事好きじゃ…。
 いや、好きだけど、LikeであってLoveじゃないんだよ!
 どうせだったら、アタシが梨華ちゃん好きって言ってよ!
 やぐっつぁんのバカ!
185 名前:最高の片想い-26- 投稿日:2002年06月11日(火)18時31分09秒
「ちょっと待ってよ〜! そんな訳ないじゃん」
 後藤は思い切り矢口の腕を叩いた。
「ムキになるなんて、怪しいなぁ。別にいいじゃん。悪いコトじゃないんだし。
 まぁよっすぃーがごっつぁんじゃなくて、石川に気があるのは、そりゃ
 面白くないだろうけどさ」
 矢口の勘違いのおかげで、ますます話がずれていく。
「だからぁ、そんなんじゃないんだって!」

 そしてタイミングの悪い事に、中澤と石川と高橋が収録を終えてこちらに
やってくるところだった。

「おおお、矢口ぃ〜♪」
 中澤がいつもの調子で矢口を見つけると、抱きついて来る。
 はぁ…と後藤は溜息をつきながら、横目で羨ましげでそれを眺める。
(あぁ、梨華ちゃんも、同じようにしてくれたらなぁ…。)
 そして高橋に先を越された後藤は、高橋を睨んだ。
 …が、高橋は小川と紺野と話している。
186 名前:最高の片想い-26- 投稿日:2002年06月11日(火)18時32分16秒
「り、梨華ちゃんお疲れ〜♪」
「ごっちんこそ、お疲れ。新曲の収録うまくいった?」
 石川も笑顔で返す。

 やっぱり梨華ちゃんは最高だなぁ…。それだけで後藤はふにゃふにゃする。

「うん。もちろんです!」
 しかし、二人の些細な会話は矢口によって、ブチ切れられる。
187 名前:最高の片想い-26- 投稿日:2002年06月11日(火)18時32分51秒
「よぉ、石川聞いてくれよ!」
 なんか厭な予感。
「なんですか? 矢口さん」
 ニコニコして石川は聞き返す。
「さっきさぁ、ここによっすぃーがいたんだけど…」
「あぁぁぁああ! やぐっつぁん! あっち行こう! あっち」
 無理矢理矢口の口に手を押さえると、後藤は矢口を立たせた。
「どうしたの?」
 事情が分からない石川は不思議そうに聞き返す。
188 名前:最高の片想い-26- 投稿日:2002年06月11日(火)18時33分40秒
「後藤さん、吉澤さんが好きなんだそうです」
 今まで黙っていた筈の紺野が突然矢口に変わって言った。
「え?」
 石川の表情が微かに動く。それを見逃さない高橋。
「でも、吉澤さんは、石川さんが好きみたいで…」
 紺野に続いて言う小川。また石川の表情が微妙に揺れる。
「話を要約すると、そういう訳なんです。石川さん」

 矢口の口を塞いだ意味がなかった後藤は、そのまま矢口から手を離した。
(どうして、こうなるんだよ!!)
189 名前:最高の片想い-26- 投稿日:2002年06月11日(火)18時34分44秒
「つまり…三角関係ってヤツですね」
 高橋が多少訛りのある口調で続ける。他人事のように…。

「これで石川が後藤のコト、好きだったら完璧なパーフェクトトライアングルだよな」
 冗談のつもりで矢口は言ったが…。
「そんな訳ないじゃないですかぁ。矢口さん冗談キツいですよ」
軽く石川に否定され、更に後藤は落ち込む羽目になる。
(あぁ梨華ちゃん…。誤解なのに…。それなのに冗談だとか酷いなぁ)

 事の発端は、自ら招いた一言なのに更に後藤は泥沼にはまってしまったのだった。
190 名前:_ 投稿日:2002年06月11日(火)18時37分02秒
なんだか、ますます遠のいていく後藤さんと石川さん…。
ごっちん誤爆の巻ですた。

>180 いしごま防衛軍さん
悪化しちゃいました。修復は、どうやってするのでしょうね?

>181 名無し男さん
うまくいかないのが、恋と言うものです。とか言ってみたり。

>182 梨華っちさいこ〜さん
裏目に出るばかりですね。ヘタレすぎかな。

>183 夜叉さん
抜け出すどころか、ますますハマってしまいました。
恨むなら、自分を恨め(w。
191 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年06月13日(木)14時00分05秒
ごっちん、泥沼化どころかもう修復不可能。
そんなんわしが認めねー!!ごっちんは梨華たんとうまくいくんだ!!
風前の灯でしょうか?
192 名前:じじ 投稿日:2002年06月13日(木)23時33分40秒
良い感じに泥沼ですねはあとはあと
どうなっていくのか楽しみにしてまする。
>いし●●
いしかわ   スマソ
193 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月14日(金)16時08分14秒
こちらでは初レスです。エライ事になっててビクーリしました(^^;;
まあ、思い通りにいかないのが恋の醍醐味でもあり(w
ガンガレ、ゴチーン!
194 名前:りか大好き読者。 投稿日:2002年06月15日(土)21時15分47秒
やっと追いつきました。(ヲイ
泥沼楽しみ(w
続き楽しみにしております。がんがってください。
195 名前:最高の片想い-27- 投稿日:2002年06月18日(火)21時08分29秒
-27-

 意気消沈のまま、後藤は控え室に戻っていく。
 何も知らない吉澤は後藤を見つけると近づいて来た。

「ごっちん」
 嬉しそうに、しかも待っていたように話しかけられて、後藤はハァーッと
息を吐いた。吉座wない腕を取られ、隅に連れて行かれる。
 矢口や、小川、紺野の視線を感じる。そして石川も…。

(もう誤解なんだって!!)
 後藤は心の中で声を大にして叫んでいた。

「高橋が気になるメンバーって、やっぱり梨華ちゃんだったよ」
 殆ど吉澤が半強制的に言わせたようなものだと後藤は思ったが、後藤は
もうやけくそになり言ってしまう。
196 名前:最高の片想い-27- 投稿日:2002年06月18日(火)21時09分01秒
「よしこ聞いてよ。さっきさぁ、やぐっつぁんにヘンなコト言われちゃって…」
 他のメンバーにも聞こえるように大きな声でわざと言う。
「ヘンって何?」
「後藤が、よしこのコト好きだとか言うんだよ。酷いと思わない? 笑っちゃうよね」
 酷いまで言う事はないと吉澤は思ったが、吉澤も話を合わそうとした。
「ごっちんがアタシを? そんな訳ないじゃんねぇ。
 だって、ごっちんが好きなのは……」
 後藤は急に血相を変えて吉澤の口を塞いだ。
 何を言い出すんだ? と言わんばかりに目で訴える。

「なぁんだ。ごっつぁん別にいるんだ。誰だろ? まぁ、それは置いておいて」
 矢口があっさり信じたので、後藤は安心した。が―――
「じゃぁ、よっすぃーが好きなのは石川ってのは、合ってんの?」
「は? なんスか? 矢口さん」
「さっき、よっすぃーがいなくなってから話してたんだけどさー」
 そう言って矢口は話し始めた。後藤にとっては、これまた最悪である。
197 名前:最高の片想い-27- 投稿日:2002年06月18日(火)21時09分54秒
 一通り矢口の話を聞いて、吉澤は答えた。
「アタシが梨華ちゃん好きかって? そりゃぁ…」
 吉澤は石川をチラリと見る。石川は俯いている。

 ここで何とも思ってないなんて、言える筈がない。まして、みんなが見ている前で。

「そ、そりゃぁ好きに決まってるじゃないっすか。何言ってんですか?
 みんなだって梨華ちゃん好きでしょう?」
 メンバーとして好きなのを強調するために同意を求める吉澤だったが、
後半のコメントはなかったかのように、どよめいている。

 石川を見ると、心なしか、頬が赤い。
 後藤を見ると、心なしか、顔が青い。

 なんだか、吉澤は言ってはいけない事を言ったのかと、後悔の奈美が押し寄せて来た。
198 名前:最高の片想い-27- 投稿日:2002年06月18日(火)21時10分46秒
 そして、気付けば吉澤は矢口に連れられて、石川の隣りに並ばされている。

―――どうして、こうなるんですか?

 矢口は世話好きのオバサンのような振る舞いだ。

「前から、よっすぃーと石川って、怪しいと思ってたんだよなぁ〜。
 でも良かったよ、よっすぃーがキチンと言ってくれて。ごっつぁんも悪かったな」
「………」

―――あの〜、アタシ別に梨華ちゃんを、そういう目で見た事って一度もないんですが…。
大体、梨華ちゃんの気持ちをまだ聞いてない…よ? 梨華ちゃんも否定しなよっ。
 それとも、まさか…え? まさかだよね?

 吉澤は、必死で隣りにいる石川に電波を送ってみるものの、石川は終始俯いたままである。
199 名前:最高の片想い-27- 投稿日:2002年06月18日(火)21時11分34秒
-28-


「石川さんの気持ちは、どうなるんだすか?」
 今まで黙っていた、それも高橋が急に発言したものだから、矢口も注目した。
「さっきから黙って聞いていれば。吉澤さんは、それで良かったかも
 しんねぇですけど」

((全然よくねぇーよ!!))
 後藤と吉澤は同時に心で叫ぶ。

「石川さん、さっきから全然喋ってないだすよ? 
 石川さんの話も聞かせて下さい」
「そ、そうだよ。梨華ちゃん」
 吉澤は微かな期待をかける。
『石川が好きなのは、よっすぃーじゃない』って…。
 だからって、誰が好きなのかは、知らないけれど。

「ちょっと待ってよ。何で高橋がそこで出てくんの?」
 後藤もさすがに黙っちゃおれずに、口を挟んでくる。
 素はと言えば、後藤の発言から物事は大きくなっているのだが。
200 名前:最高の片想い-27- 投稿日:2002年06月18日(火)21時12分58秒
「何でって、石川さん迷惑かも知れないじゃないだすか!」
「石川さん石川さんとか言って、ホントは、よしこが好きなんでしょ?」

(な、なにごっちん言ってんの?)
 吉澤は、また「ハァ?」と言った顔になる。

「よしこが梨華ちゃん好きなの知ってて、気を引こうとして
 今日の収録で梨華ちゃんに抱きついたでしょ!」
 高橋の顔がカァ−ッと赤く染まる。吉澤は無言である。
(なんだか、さっぱり分かんないよ!)

 石川に抱きついたのは事実。ムカついた後藤は吉澤には悪いと思ったが、
このまま誤解を利用して、高橋に反逆に出た。
(高橋なんかに梨華ちゃん取られてたまるか!)
 石川を見れば『そうなの?』と言った顔で高橋を見つめている。
 その様子を見て後藤はほくそ笑んだ。
(いい気味! 公の前で抱きつくからだよ!)
201 名前:最高の片想い-27- 投稿日:2002年06月18日(火)21時13分35秒
 しかし―――

「後藤さん、何でソレ知ってんですか? 収録見に来てたってコトですよね?」
 高橋も負けずに言い返してくる。
「あ…」
 また墓穴を掘ってしまう後藤。
「アタシはぁ、石川さんも吉澤さんも好きですよ。そんな姑息な手使って
 気引こうなんて、思ってませんから」
 高橋はピシリと言うと楽屋から出ていく。
 そして、小川と紺野が、これはマズイと慌てて高橋の後を追って出て行った。

 一気に、また静まり返る控え室。

「なんかめでたいのになぁ。ごっつぁんも高橋も熱くなりすぎ。
 みんなの前じゃ石川も言いにくいかもしんないから、二人っきりにすっから、
 よっすぃーに甘えるなり、ゴメンなさいするなりしろよな! 石川!」
 矢口は気を利かせたつもりなのか? 石川と吉澤の肩を叩くと、そこに
残っていた他のメンバー全員を外に出して自分も出ていった。
202 名前:最高の片想い-29- 投稿日:2002年06月18日(火)21時14分48秒
-29-

 急に二人きりになり、吉澤は緊張する。
 一番迷惑なのは、吉澤だろう。何がなんだか訳が分からなかった。

「梨華ちゃん、気にしないで。あれはさ…」
 吉澤は早く誤解を解こうと自分から話を切り出すが…
「嬉しかった」
「え?」
「よっすぃーが好きってみんなの前で言ってくれて…。嬉しかった」
(…。はい? なに? 梨華ちゃん?)
 石川の目は潤んでいて…。何となく甘い雰囲気を漂わせている。
 いくら鈍感な吉澤でも、石川がすっかりその気になっている事ぐらい分かる。
203 名前:最高の片想い-29- 投稿日:2002年06月18日(火)21時15分18秒
「り、梨華ちゃん?」
 石川は吉澤と向き合うと吉澤を見つめる。
「アタシ…ごっちんにキスされて気付いたの…。あの時、目に浮かんだのは
 よっすぃー。一番会いたかったのもよっすぃー。気付いたら、よっすぃーに
 電話してた。来てくれて嬉しかった」
 そう言って吉澤の肩口に顔を寄せる石川。

 完全に言う機会を奪われた吉澤は、金縛りに合ったように動けずにいた。
 心臓の鼓動が激しく波打つ。石川に気付かれてしまいそうだ。

「よっすぃーもドキドキしてるんだ…。アタシもだよ」
 石川の腕が吉澤の背中に回される。
 この時点で、吉澤は完全に硬直状態である。
「よっすぃー好き。ずっと好きだった…」
 石川の回された腕が更に強くなった。
204 名前:_ 投稿日:2002年06月18日(火)21時16分59秒
間違いだらけですみません! >>197 奈美→波
>>199-201 は -28-です! m(_ _)m

勝手にキャラが動いてしまう(とか言い訳してみるテスト)。
拗れついでに、もっと泥沼させちゃえって感じで。
どうなるかは、私にも分かりません。

>191 いしごま防衛軍さん
ごっちんはヘタレだけど、可愛いヤツなんで、なんとか
するようには、したいんですが逆の方に行ってしまいます。

>192 じじさん
エロ快調ですね( ̄ー ̄)ニヤリッ 
そちらもがんがってください。

>193 ごまべーぐるさん
片想い合戦が始まります(とか。
やはり、ごっちんがんがれ!ですか?(^^;)

>194 りか大好き読者。さん
りかさんの大好きな、いしよしに?(w
どうなることやら。ヲタのしみに。
205 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月21日(金)00時53分36秒
仲人のオバチャンのようなやぐに萌え(w
川’ー’川の訛りって、字にするのは難しいですよね。 

>194さんはもしや…?
206 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年06月22日(土)18時25分12秒
ああごっちん(;−;)梨華たんは完全によしこの方にいってますね。
ごっちんはどうするのか?そしてよしこは!!ここでヘタレごっちんの汚名
を返上して一気に攻勢をかけねば梨華たんは手に入れられない。
頑張れごっちん!!この後がすごく気になります。
207 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年06月24日(月)15時48分12秒
なぜか、ここではごっつあんを応援したくなる私……(w
でも、よっすぃー好きな梨華ちゃんに萌え(w
208 名前:夜叉 投稿日:2002年06月26日(水)22時18分21秒
ごっつぁん、墓穴掘りすぎ…(苦笑)。
意外な場外乱闘が勃発してるのも見物です。楽しみがまた一つ…(笑)。
209 名前:最高の片想い-30- 投稿日:2002年07月09日(火)23時09分08秒
-30-

「愛ちゃんマズイってぇ〜」
 飛び出した高橋を追った小川と紺野はカリカリしている
高橋を宥めるように言った。
「いくら後藤さんでも許せないっ」
 まだ興奮気味の高橋は握り拳を作っている。
「でも謝った方がいいよ」
「後藤さんから言ってきたのに、何でアタシが謝んなきゃいけないの?」
 高橋は納得出来ないでいる。

「後藤さん、凄いムキになってたねぇー。なんか怪しいなぁ」
 小川は顎に手をやりながら、呟いた。
「アタシに恨みあるんかなぁー」
 少し時間が経つと高橋は弱気になってくる。
210 名前:最高の片想い-30- 投稿日:2002年07月09日(火)23時09分52秒
「後藤さん矛盾してるよ。後藤さんは、愛ちゃんが嫌いか、吉澤さんが好きか、
 石川さんが好きか…。単にむしゃくしゃして八つ当たりしたか…
 このどれかだと思うんだけど」
 紺野は自信タップリに言う。
「それだけ出せば、どれか1つは当たるかも」
 小川は面白そうに言った。
「いっちょ賭けてみる?」
 小川と紺野は顔を見合わせる。
「やめてよー!」
 高橋が二人の合間に入る。

 もし仮に嫌われていたら、やはり傷つく。
 石川が好きなら、ライバル。吉澤が好きなら、それはそれでいい。
 吉澤はカッコいいし。行動が面白いし。
 八つ当たりなら、向こうから謝ってくるだろう。

「後藤さんには、アタシは石川さん好きなコト言う!」
「「愛ちゃん?」」
 高橋は決心したように言った。
211 名前:最高の片想い-31- 投稿日:2002年07月09日(火)23時11分39秒
-31-

 つい高橋に当たってしまった事を後藤は後悔していた。
 そして、何故だか吉澤は石川が好きという話になっている。
 しかし、こうなった以上は、これを手に高橋から石川を離すチャンスだと思う。
(まぁ梨華ちゃんが高橋なんか、相手にする筈がないか…)
 後藤は呑気に考えていた。

「ごっつぁーん、どうしたんだよ? らしくないぞ」
 矢口が心配して話しかけてくる。
「やぐっつぁん、ゴメン。プチギレってヤツぅ?」
「珍しいよ。ごっつぁんがさぁー。何かあった?」
「んあー何もないよ。でも何で梨華ちゃんとよしこ二人にさせちゃう訳?」
 気にしてくれる矢口の気持ちは有り難いが、石川と吉澤を二人きりに
させた事には、少々恨んでいた。
212 名前:最高の片想い-31- 投稿日:2002年07月09日(火)23時12分19秒
「だって…石川見た? 凄い嬉しそうだったじゃん」
「…!?(なんですと?)」
「石川は何も言わなかったけどさ、前から気になってたんだよ。石川のコト。
 よっすぃーのコト気にしてる風だったしな。オイラの読みは正しかった!」
 後半の矢口の言葉は後藤の耳には殆ど入っていなかった。
「ダメ! そんなの!」
「ごっつぁん?」
 後藤がまた大声を出すから矢口は怪訝そうに後藤を見た。
「ダメって何が?」
「…え? …あぁ…いや…よしこは…多分梨華ちゃんのコト…」
 後藤は我に返り口ごもる。
213 名前:最高の片想い-31- 投稿日:2002年07月09日(火)23時12分57秒
「やっぱごっつぁんは、よっすぃーが好きなの? それとも石川?」
 真顔で聞き返されて後藤は心臓が飛び出る程驚いた。
「なっななっ何言ってんの? 後藤は、二人とも好きだよ…」
(やぐっつぁんいきなりすぎるっ。でも、やっぱって何よ?
 そう思われてる訳?)
 動揺しつつも突っ込んでいる後藤。
「ま、別にいいけどさ。高橋には謝まっとけよ。あれはごっつぁんが悪い」
「…うん」
 突っ込んで訊いてくれなかった事に半分ガッカリしながら後藤は頷いた。

214 名前:最高の片想い-32- 投稿日:2002年07月09日(火)23時14分43秒
「…(参ったな…)」
 吉澤は正直かなり困惑していた。
 突然の告白。そして自分も石川が好きと思われている。
 勿論、石川の事は好きだ。でも、それには恋愛感情は含まれていない。
 今更、『メンバーとして好きだよ』とも言えずに沈黙していた。

(どうすんだよ。ごっちん。アタシ、知らないからね!?)

 と心で叫んだところで、後藤に届く筈もなく、この場をどう逃れるかが先決だった。

「梨華ちゃん?」
 吉澤は緊張のあまり、声がひっくり返ってしまい、その声に自分自身
ビックリして、言葉が続かなくなった。
 そして、それは石川を感激させる要因になってしまう。
「よっすぃーも緊張してるんだね。嬉しい…」
「…(そうじゃなくて…)」
 何も言わない吉澤に、石川は顔を上げると、そっと目を閉じた。

(り、梨華ちゃん? それって…)
215 名前:最高の片想い-32- 投稿日:2002年07月09日(火)23時15分48秒
 キスを待つポーズ。確かに石川は可愛い。可愛いし、実際男だったら
キスしてしまうだろう。しかし、後藤の事を考えると、吉澤には出来なかった。
 後藤抜きで考えても吉澤にはする事が出来なかった。

 暫くそのままゆっくりと時間が流れる―――。

 いつまでも石川をこのまま待たせておくのも悪いので、
吉澤は決心して口を開いた。

「梨華ちゃん目を開けて?」
「…?」
 石川はゆっくりと目を開ける。
「アタシ、梨華ちゃんのコト好きだけど…キ、キスは出来ないよ」
「出来ない?」
 石川は不思議そうに吉澤を見つめる。
「うん…」
216 名前:最高の片想い-32- 投稿日:2002年07月09日(火)23時16分36秒
 しかし、その後石川はとんでもない事を言った。
「よっすぃーから出来ないなら、アタシからしてもいい?」
「へ?」
(そ、そういう意味じゃなくて…)

 石川の心は完全に吉澤も自分が好きと思いこんでいるらしく
決定的な事を言わなければ分からないようだった。

「よっすぃーって、案外照れ屋さんなんだ♪」
 石川は嬉しそうに言うと、吉澤の首に手を巻き付けた。
「梨華ちゃん?」
 積極的な石川に吉澤は戸惑う。
「よっすぃー目を閉じて。キスする時は目は閉じて欲しいの」
「………」
 完全に石川のペースに呑まれた吉澤はドキドキしながら、その気になって
きてしまう。

(もぅ、知らない! なるようになれよ!)

 吉澤は目を閉じる。
 次の瞬間、吉澤のくちびるに、吐息がかかったと思うと、柔らかいものが
ゆっくりと重なった。
217 名前:_ 投稿日:2002年07月09日(火)23時23分26秒
ひさぶりです。スマソスマソ。

>205 ごまべーぐるさん
分からないので、訛り取りました。ぉぃ

>206 いしごま防衛軍さん
完全にいきました。これから、どうするのか分かりません。
なんて無責任な。

>207 よすこ大好き読者。さん
ごっつぁんアフォですから。アフォにしすぎた私。

>208 夜叉さん
更に墓穴を…。(やりすぎ?)
218 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月10日(水)16時22分06秒
もうどうなることやら…(w
先が読めない
219 名前:最高の片想い-33- 投稿日:2002年07月11日(木)18時42分27秒
-33-

 そろそろ控え室に戻ろうと矢口と後藤が行きかけたところへ、高橋、小川、紺野と
バッタリ会ってしまった。矢口は後藤をチラッと見る。後藤は頷くと
「高橋、ちょっと話があるんだ」
「後藤さん、アタシもです」
 高橋は一歩前に出ると、強い眼差しで後藤を見上げた。
「愛ちゃん…」
 小川は高橋の袖を引っ張るが、高橋の決意は固いらしい。

「オイラ達は。いない方がいいかな」
 矢口は気を利かせて、小川、紺野を連れて、どこかへ行ってしまった。
220 名前:最高の片想い-33- 投稿日:2002年07月11日(木)18時43分11秒
 二人きりになった後藤と高橋。暫く沈黙が続く。
「高橋から言えよ」
 後藤は、呑気に構える。
「後藤さんからお願いします」
 高橋は後藤に譲った。いつまでも黙っていても仕方ないので、後藤は溜息を一つつくと
「あぁ…さっきはゴメン。急につっかかって」
 後藤は、取りあえず謝る。
「アタシの方こそ、申し訳ありませんでした」
 そう言って高橋は深々と頭を下げた。
 案外、物わかりが良いと後藤は、そんな高橋を見ていたが…。

「でもぉー、後藤さん、勘違いしてます」
「勘違い?」
「アタシ、さっきも言いましたけど、吉澤さんも好きですけど、本当に好きなのは…」
 高橋は、一呼吸おいて、ゆっくりと言った。
「石川さんですから!」
221 名前:最高の片想い-33- 投稿日:2002年07月11日(木)18時43分49秒
 後藤は暫く高橋を見つめていたが…。
「あぁ…そう。でも何でソレをわざわざアタシに言うわけ?」
 石川に自分も気持ちがある事を、高橋に見抜かれたのではないか? と後藤は動揺していた。
「なんでって…後藤さん、アタシが吉澤さん好きだと思ってるみたいな発言したから」
「あっぁぁ、そうだったっけ?」
 後藤は思い出したかのように言う。
 自分で適当に誤魔化しているから、そこまで頭が回らないのである。
「そうだっけって…」
 高橋は不信感を抱いたようだ。
 後藤は慌てて付け加える。
「でもさ、梨華ちゃんは、ほら、よしこが…好きみたいだし」
「そうなんですよね…」
「え?」
 高橋は納得したように話し出した。
「もう最近の石川さん、バレバレなんですよ。吉澤さんに送る視線が…」
222 名前:最高の片想い-33- 投稿日:2002年07月11日(木)18時44分38秒
―――え? そうなの?
「アタシは、石川さんを見てるから良く分かるんですけど、誰から見てもそうですよねぇ?」
 そこで同意を求められ、後藤は頷くが、内心ショックを隠しきれない。
「吉澤さん気付いてないっぽく見えたんですけど…。やっぱり好きだったんですね。
 石川さんのコト…。後藤さんは、どう思います?」
 急に話を振られ、聞き返す後藤。
「どうって?」
「さっきは、何かみんなの前だから、”言わされてる”って感じに見えたんです。
 そう見えませんでしたか?」
 ぐいっと高橋が近づいてくる。
223 名前:最高の片想い-33- 投稿日:2002年07月11日(木)18時45分22秒
 なかなか高橋は鋭い。しかし、ここは吉澤と石川をくっつけて、高橋から遠ざける方が
良いと想った後藤は、わざと否定した。

「いや、よしこはマジだよ」
 その言葉に、微かに高橋の表情が揺れた。
「前から相談受けてたんだ」
「ホントですか?」
 高橋は大きな瞳を更に大きく見開いた。
「嘘言ってどうすんの?」
(いや、嘘なんだけど)
「でも意外でした」
「何が?」
「後藤さん、石川さんか、吉澤さんのコト、好きなんだと思ってましたから…」
「(ドキッ)そう?」
「ハイ。じゃぁアタシも後藤さんに相談しても、いいですよね?
 アタシと石川さんが上手く行く方法…」
 高橋は、そう言って後藤を見つめた。
「…!?」
(どうして、そうなるの?)

 素直に石川が好きだと言えない故に、どんどんと後藤と石川の距離は離れて行く一方だった。
224 名前:最高の片想い-34- 投稿日:2002年07月11日(木)18時46分22秒
-34-

 石川の柔らかい感触に、自然と吉澤は石川の細い腰を引き寄せていた。
 暫く二人のくちびるは、重なったままだった。

「梨華ちゃん…」
 くちびるを離した時、吉澤はハッとする。
(アタシ、何マジになってんだよ!)
 石川を見ると、うっとりした瞳で吉澤を見つめていた。
「あ、あの…」
 吉澤は我に返り、石川から離れると目を反らした。
 これでは、受け入れたも同然の行為である。
 吉澤は落ち込みそうになると同時に、石川のくちびるの心地よさに、少し嬉しくなっていた。
(ごっちん。ゴメン)
 吉澤は心の中で謝る。
225 名前:最高の片想い-34- 投稿日:2002年07月11日(木)18時47分41秒
「よっすぃー?」
「ぅん?」
 石川に見つめられて、吉澤はドキドキする。
 今まで意識して見たことはなかった石川の瞳。後藤がキスしたくなるのも分かる気がした。
 気が付けば、吉澤の腰元に石川の両手が回っている。
「アタシのファーストキス…よっすぃーにあげちゃったはあとはあと
 石川はそう言って、吉澤の胸に顔を埋めた。
(いちいち可愛いんだけど…梨華ちゃん)
「梨華ちゃん…」
 吉澤も石川に腕を回そうとしたが、それは出来ずに両手は宙を泳いでいた。
(アタシまで、梨華ちゃん好きになって、どうするよ?)

 この時点で、かなり吉澤は石川に傾いている事は周知の事実であった。
226 名前:最高の片想い-34- 投稿日:2002年07月11日(木)18時48分28秒
「両想いになれて良かった…」
「梨華ちゃんっ。あのね、それは…」
 両想いではない。石川の片想いに過ぎない。
 しかし、ここまで来た以上、今さら吉澤も『違う』と言えなかった。
「なぁに? よっすぃー」
「…あ゛、何でもないよ。そろそろみんな呼ばないと。待たせてて悪いよね」
 いつまでも甘い雰囲気のまま、石川と二人きりで居る事は精神的にも好ましくなかった。
 そして、後藤には、何と説明すれば良いのだろう?
(もぅ…知らねーヨ!)
227 名前:最高の片想い-34- 投稿日:2002年07月11日(木)18時49分32秒
 吉澤がドアに行きかけた時、石川に袖口を掴まれた。
「なに? 梨華ちゃん」
「最後に…よっすぃーから…キスしてはあとはあと
「えぇ? そ、それは…」
 吉澤が躊躇っていると、石川が吉澤の肩に軽く手を置いて、頬にキスをした。
「よっすぃーは照れ屋さんだね。そんなところが好きだけど…」
 石川は特に怒った風でもなく、こうなる事を予想していたようだった。
 そして微笑むとドアを開け、みんなを呼びに行った。

「梨華ちゃん、そんなに積極的だったっけ?」
 吉澤は一人残され、ポツリと呟いた。
228 名前:_ 投稿日:2002年07月11日(木)18時51分32秒
じみ〜に更新。

>218 名無し読者さん
私も先が読めません。後藤さんと石川さんは果たして…。
229 名前:夜叉 投稿日:2002年07月11日(木)20時21分59秒
積極的ないしかーさん萌え。
深みにはまり込んでしまったごっつぁん、どーなるんですか?(笑)
230 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月12日(金)01時18分53秒
あっさり状況に流される吉澤がなんとも(w
231 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月12日(金)10時43分49秒
後藤とのファーストキスをすっかり無かった事にしてる切り替えの早い石川さん。
いいですねぇ、ほんっとリアルな感じで。
今後が楽しみでたまりません。
232 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年07月14日(日)15時23分48秒
積極的ないしかーさんに萌え。
ごちーん…(涙
233 名前:名無し男 投稿日:2002年07月14日(日)15時54分01秒
あーあーあー

 ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓
 ┃━┏┃ ┃━┏┫ ┃  ━┃ ┃    ┫ ┃    ┃ ┣    ┃ ┣┏  ┃ ┃━┏┃
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 ┗━━┛ ┗━━┛ ┗━━┛ ┗━━┛ ┗━━┛ ┗━━┛ ┗━━┛ ┗━━┛



  ┃  ┣━┓            ┏━━┓            ┃ ┃
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━╋━┃  ┣━━━━━━┫┣┫┣━━━━━━┫ ┃
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  ┃      ┃            ┗━━┛            ╋ ╋
234 名前:むぁまぁ 投稿日:2002年07月15日(月)12時22分58秒
面白いですね
後藤の恋の行方は如何に・・・
235 名前:最高の片想い-35- 投稿日:2002年07月16日(火)19時45分51秒
-35-

 後藤は、石川の顔を見たとき、ますます自分との距離が遠のいていくのを実感した。
 石川の幸せそうな顔。今まで後藤が見た中で最高の表情だ。
 吉澤を見ると、何故だか落ち着かない様子。一体、何があったのだろう?
 そして、横に居た高橋が呟く。
「後藤さんの言う通りですねぇ。石川さんの表情見たら分かりますよ」
「梨華ちゃん…」
 所在なげにしている吉澤の腕を掴むと、後藤は吉澤をトイレに連れ込んだ。

 高橋に石川との恋の相談役までさせられ、肝心の石川は吉澤といい雰囲気のようで
後藤は踏んだり蹴ったりである。尤も全て自分のせいでもあるのだが。
236 名前:最高の片想い-35- 投稿日:2002年07月16日(火)19時46分23秒
「中で何があったの?」
 一番奥の個室に入ると、後藤は息がかかるまで吉澤に詰め寄った。
「何って…あのーー…梨華ちゃんが…」
 吉澤は視線を外し、言葉を濁す。まさか"キスされた"なんて言えない。

「やっぱり…梨華ちゃんはよしこが好きなの?」
 後藤の寂しげな瞳。今にも泣き出しそうな顔。
 ずっと前から石川を想っていた後藤にとっては、ショックな出来事だったに違いない。
 しかし、そうなる要因を作ったのも他ならぬ後藤自身である。
237 名前:最高の片想い-35- 投稿日:2002年07月16日(火)19時47分18秒
「―――好きって言われた…」
 吉澤は下を向いたまま答えた。
「よしこは? よしこはなんて答えたの?」
「何も言ってないよ。でも、アタシも梨華ちゃん好きだと思ってるみたいだから…。
 何も言えなくて」
「嘘。梨華ちゃん凄い嬉しそうな顔してた。今まで見たコトないくらい…」
 後藤は溜息をつく。つきたいのは、こっちの方だと吉澤は思う。

「大体、何でアタシが梨華ちゃんが好きってコトになっちゃうわけ?
 そりゃ好きだけどさ…でも、そこに恋愛感情はなかったんだよ」
「なかった?」
「あ゛…」
 自分で言って吉澤も自分の気持ちに気付く。
 これでは、今はあるみたいな言い方だ。
「やっぱり、よしこも梨華ちゃんが好き?」
 後藤は真っ直ぐに吉澤を見つめた。
238 名前:最高の片想い-35- 投稿日:2002年07月16日(火)19時47分57秒
 暫く沈黙が続く―――。

「…好きに決まってんじゃん。でもね、メンバーとしてだよ。
 ごっちんが好きなの知ってるし…」
 自分に言い聞かせるように吉澤は言う。
 自分でも納得出来ない答えだと吉澤は思った。

「梨華ちゃんも片想い…か」
「え?」
「アタシ、もう少し梨華ちゃんに興味持ってもらわないと告白も出来ないよ。
 梨華ちゃんに先越されちゃった。その人に気持ちがないのってツラいね…」
 後藤はそう言って笑った。

「ごっちん…。アタシ…」
 吉澤は後藤を見つめる。
「なに?」
 吉澤が口を開きかけた所へ、ドアが開いて、あの声が響き渡る。
239 名前:最高の片想い-35- 投稿日:2002年07月16日(火)19時48分42秒
「よっすぃー?」
「「(梨華ちゃん!?)」」
 吉澤と後藤は顔を見合わせる。こちらに近づいて来る前に、吉澤は水を流すと
後藤を残して個室から慌てて出て行く。

「梨華ちゃん、どうしたの?」
 吉澤の姿を見た石川は、途端にホッとした表情になる。
「よっすぃー急に居なくなるんだもん」
「ゴ、ゴメン。急にお腹痛くなっちゃってさ…」
 吉澤は、わざとお腹に手を押さえて見せる。
「大丈夫? よっすぃー?」
 それを聞いて物凄く不安気な石川に吉澤は申し訳ない気持ちになった。
「ぅん。平気だから」
240 名前:最高の片想い-35- 投稿日:2002年07月16日(火)19時49分35秒
「折角、今日アタシの家で、よっすぃーにご飯食べてもらおうと思ったのに…」
「?」
 そんな話は今、初めて聞いたし、何とも気の早い事。それに行くとも言っていない。
「焼きそばは、ちょっと…」
 本当にお腹を壊しそうだ。
「もう別に焼きそばって言ってないじゃない。酷いよ、よっすぃー」
「ゴメン…」
「でも…来てくれる? 今夜…」
 石川が急に真面目なトーンで聞いてくる。
 後藤に、この会話が聞かれてると思うと、更に汗が噴き出してくる。
「んー、行けたら行くよ」
 曖昧に返事をする吉澤。
「よっすぃー何か…冷たい」
 石川が俯く。
241 名前:最高の片想い-35- 投稿日:2002年07月16日(火)19時50分17秒
(ちょっと梨華ちゃん! 何でそうなるのさ?)
「あ、いや。ちょっとお腹が…。梨華ちゃんのせいじゃないよ」
 吉澤は大袈裟に手を左右に振ってみせる。
「よっすぃー、そんなに痛いなら薬飲んだ方がいいよ?」
「大丈夫だって。放っときゃ治るよ」
 とにかく早くトイレから出たい吉澤は、もうドアを開けようと手をかけている。
「アタシが治してあげるはあとはあと
「?」
 また危険な雰囲気を察した吉澤は、逃げるようにトイレから出て行った。
(勘弁してよ、梨華ちゃん!)
「待ってよっすぃー!」
 続いて、石川も追いかけるように出て行き、トイレは静まりかえり、一人残される
傷心の後藤―――。

―――なんだよ、今の会話。よっすぃーよっすぃーって…。
 告白する前から、負け組じゃん! 梨華ちゃんのバカぁ!

 後藤もトイレから出てくるが、足取りは重かった。
242 名前:_ 投稿日:2002年07月16日(火)19時51分38秒
更新しました。
えぇと…いしよしテイストが強くなって参りました(汗)。
後藤さんも、がんがって欲しいところです(大汗)。
高橋も絡むと、ますます拗れて…。

>229 夜叉さん
一直線になってしまう石川さんですた。

>230 名無し読者さん
私が書くと、どうしても、流される吉澤になってしまいます。

>231 名無し読者さん
リアルなのか(w。石川さん、ガンガン吉澤に迫りますが果たして?

>232 ごまべーぐるさん
後藤が引っかかるので、素直に喜べない吉澤の姿が!

>233 名無し男さん
スイマセン、笑ってしまいました。

>234 むぁまぁさん
行方は…分かりません。成り行き次第と言う事で。
243 名前:じじ 投稿日:2002年07月16日(火)22時01分13秒
いしよし萌えはあとはあと
でも…でも…

 い し よ し 萌 え はあとはあと
244 名前:名無し娘。 投稿日:2002年07月16日(火)23時24分29秒
がんばれごっちん!だけど読者も諦めムードだぞ(^-^;

でも報われる気配も無いごっちんも好きだ(w
・・・なにかごっちんをぬか喜びさせるネタは無いものでしょうか?
245 名前:最高の片想い-36- 投稿日:2002年07月17日(水)19時45分45秒
-36-

 石川から逃げるように出たものの、すぐに石川に腕を取られてしまう。
「どうして逃げるの?」
「逃げてないよ」
 吉澤は、そう言って曖昧に笑いながら、石川に腕を掴まれたまま、足早に歩いていく。
「よっすぃー」
 石川が、また腕を引っ張ると、階段の隅まで連れて来られた。
「梨華ちゃん?」
「アタシ…。浮かれすぎ?」
 すがるような眼差しで見つめられて吉澤は困ってしまう。

 思い切り首を縦に振りたかったが、
「そんなコトないよ。でもね…今日はちょっと…ダメなんだ」
「そんなにお腹痛いの?」
 石川の心配そうな顔。
「それとは別だけど」
 吉澤は俯くと、石川の手がスッと吉澤の額に充てられた。
「熱は? 風邪かも知れない…」
「大丈夫だよ。梨華ちゃん心配しすぎだって」
 石川を意識すればするほど、吉澤は石川を正視出来なくなる。
 石川の手をやんわり降ろさせた。
(ホントに熱出てきちゃうよ!)
246 名前:最高の片想い-36- 投稿日:2002年07月17日(水)19時46分19秒
「よっすぃーは嬉しくないの? なんかさっきからアタシだけが浮かれてるみたい…」
 石川は少し寂しそうに言う。

 確かに両想いなのだから、最高に嬉しい時の筈である。
 吉澤だって石川に想われて嬉しいのだが、後藤の気持ちを考えると
何故だか後ろめたい気持ちになる。それに自分は、石川の事をそういう目では見ていなかった。

「えぇと…アタシは梨華ちゃんみたいに、素直に喜べないって言うか、
 まぁひねくれてるって言うか、ダメなんだよね、なんか」
 吉澤は石川に背を向けて髪を掻き上げながら答える。
「正直…まだ、戸惑ってる」
 これは吉澤の素直な感想だった。
「どういうコト? 嬉しくないの?」
 石川の瞳は雲行きが怪しくなり始める。
 このまま騙すよりは、いっそ正直に言ってしまった方がいいと吉澤は一気に話そうとした。
 しかし―――
247 名前:最高の片想い-36- 投稿日:2002年07月17日(水)19時46分51秒
「アタシが、ごっちんにキスされたコト許せない?」
「はぁ?」
 石川が急に的外れな事を言い出すから、吉澤は、思わず間抜けは声を出してしまう。
 大体、何故ここで、後藤の話になるのだろう? 石川の頭の中が理解出来ない。
「あれは事故だったの。だから、アタシのファーストキスは、よっすぃーなんだよ?」

 あれが事故なら、さっきのキスだって事故のようなものだ。

「事故って、ごっちんのコト、少しは考えたら? 梨華ちゃん」
 あまりに後藤をないがしろにする石川に、吉澤は少しカチンと来てつい言ってしまった。
 言われた石川は反論に出る。
「どうして、ごっちんのコト考えなきゃいけないの?
 それより、アタシとよっすぃーのこれからを考える方が先じゃないの?」
「これからって何? 大体、梨華ちゃんごっちんに対して冷たすぎるよ」
 別に後藤の肩を持つつもりもなかったのだが、吉澤は石川を非難する形になってしまった。
「よっすぃー酷い! そんなにごっちんが良ければそう言えばいいじゃない!」
「なんで、そうなるかなぁ…」
 吉澤は呆れてしまう。
248 名前:最高の片想い-36- 投稿日:2002年07月17日(水)19時47分38秒
「今までだって、ずっとよっすぃーは、ごっちんと一緒で。アタシ、かなり
 やきもきして見てたんだから!」
「そんなの知らないよ。勝手に梨華ちゃんがそう思ってるだけじゃん」
 吉澤も声をつい、荒げて石川に言い返すが、石川が今にも泣きだしそうなので
言うのを止めてしまった。
「ずっと不安だったんだから…」
 石川はそう言って吉澤に抱きついた。
「り、梨華ちゃん?」

 今後、石川に振り回されるのかと思うと吉澤は、気が重くなった。 
249 名前:最高の片想い-37- 投稿日:2002年07月17日(水)19時48分59秒
-37-

 仕事が終わり、石川が居ないのを見計らって吉澤は帰り支度をして
いる後藤の側に行くと、ひそひそと話す。
「今日、ごっちんちに行ってもいい?」
「でも、よしこ今夜は梨華ちゃんと…」
「断ったから。ごっちんと話がしたい…。今後のコトもあるし」
「いいけど…」
「じゃぁ、先に行ってるね」
 吉澤はそう言うと荷物を持って先に出ていった。

 数分して、後藤も荷物を持って出ようとしたところへ石川が戻ってくる。
「ごっちん…」
「梨華ちゃん…」
「…お疲れさま」
「お疲れ…さま」
 石川はスッと荷物のある方へと行く。
 一瞬、睨まれたような気がしたが、気のせいだろうか?
 後藤は、気を取り直すとそのまま出ていった。 
250 名前:最高の片想い-37- 投稿日:2002年07月17日(水)19時49分45秒
 一足先に、後藤の最寄り駅に着いた吉澤は駅前で待っていた。

 何より難しいのは、石川が後藤に眼中がないと言う事。
 そして吉澤が後藤の話をしようものなら、逆に変に勘ぐられる有様だ。
その前に、やはり石川にはハッキリと言わなくては。

「よしこ、おぉ待ぁたぁせぇ〜」
 少しろれつの回らない声が背後からして吉澤は振り返った。
 後藤の手には、既に缶チューハイが握られている。
「ちょっと、もう飲んでるの?」
 吉澤は後藤を支えるようにして隣りに回った。
「飲まずにいられるかってんだぁ〜!」
「ごっちん!」
251 名前:最高の片想い-37- 投稿日:2002年07月17日(水)19時50分26秒
 途中、コンビニで食料や飲物を買い込んで、後藤の家に行く。
 既に後藤は半分酔っぱらっていた。

「ごっちんもお酒弱いんだから、ダメだよ」
 吉澤に抱きかかえられるようにして崩れるように玄関の前に倒れ込む。
「弱くない! ゴトーが弱いのは、梨華ちゃんだけ!」 
「分かったよ…」
 ここまで想われてる石川。そして何とも想われていない後藤。不憫である。

 そして1時間後―――。
 吉澤は後藤の石川話を延々と聞かされ、自分の話は出来ない状況だった。
 と言うよりも、もう後藤は、かなり酔っぱらっていた。
 言ったところで、翌日には綺麗さっぱり忘れているだろう。
252 名前:最高の片想い-37- 投稿日:2002年07月17日(水)19時51分10秒
「よしこが、梨華ちゃんだったら良かったのに…」
 そう言って、後藤は吉澤の肩に頭を寄せる。
「え?」
「って言うか、よしこが好きだったら楽だったのに…」
「ごっちん…」
「よしこみたいに、なんでも話せてさ、一緒にいて楽なんだよねよしこと居ると。
 ホントは梨華ちゃんと、そういう関係になりたかった…」
「………」
 吉澤は、まだ残っている缶ジュースに口をつけた。
「梨華ちゃんは、やめた方がいい」
「んぁ? …何言ってんの? よしこぉ。よしこも酔ってるんだ」
 後藤はそう言って笑う。
「酔ってないけど」
 ここまで健気でバカな後藤が急に意地らしく思えてくる吉澤は、自分でも驚くような事
を言ってのけた。

「ごっちん、アタシと付き合わない?」
253 名前:_ 投稿日:2002年07月17日(水)20時00分25秒
もう、ぐちゃぐちゃですね。<ぉぃ

>243 じじさん
いしよしは、短命かも?
更 新 ま だ で す か ?

>244 名無し娘。さん
もしかして、あの方ですか? だとしたらめちゃ嬉しいカモ(^^;
いしよし新作を首を長くして待ってます!?
(違っていたら、ごめんなさい。)

ぬか喜びさせる…ぅぅん考え中です。
254 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月18日(木)06時05分13秒
よしごまかよっ!(w高橋の頑張りに期待してみるか<いしたか
255 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年07月18日(木)13時45分21秒
どえらい事になってまいりました!(w
256 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月18日(木)19時55分12秒
こうなったらチャミラブでおながいします
257 名前:最高の片想い-38- 投稿日:2002年07月18日(木)21時36分22秒
-38-

「え? 何言ってんの? よしこ。幾ら冗談でも…」
 後藤の動きが一瞬止まる。
「こんなに、ごっちんが想ってるのに、梨華ちゃんは冷たすぎるよ。
 アタシ、梨華ちゃんにはハッキリ言うから」
「それはダメだよ」
「なんでよ?」
 吉澤は怪訝そうに後藤を見る。

「折角、梨華ちゃんは”ハッピ−!”になったのにさぁ…」
 後藤は、例のチャーミーのジェスチャー付きで答える。
「梨華ちゃん身勝手過ぎる! ごっちんが”ハッピー!”になれる方法を考えないと!」
 吉澤も何故かジェスチャー付きである。
「まだまだ先だよぉ。と言うより、なんかダメっぽい感じぃ〜。
 それに、アタシがよしこと付き合ったら、ますます梨華ちゃん遠のいて
 いっちゃうじゃん! それでなくても…」
 高橋まで余計にくっついてきてると言うのに。
 まずは高橋を、どうにかする方が先かも知れない。
258 名前:最高の片想い-38- 投稿日:2002年07月18日(木)21時37分10秒
「アタシがこのままだと、梨華ちゃんに食われちゃうかもしんないのに?」
「な、なに? ソレ?」
 その言葉に異常反応を示し、後藤は吉澤の胸ぐらを掴んだ。
「苦しいよ!」
「狡いよ、よしこぉ〜! ゴトーも梨華ちゃんに食われたい!!」
 目はすわっているが、かなり真面目である。
「食いたいの間違いだろ…」
 吉澤はボソッと返した。と言うより、話がズレている。
「ゴトーはね、梨華ちゃんとは清いお付き合いをするんだよ!」
 また始まった。清いクセに、いきなりキスするか?
 吉澤は心の中で突っ込みながら、付き合う話は、うやむやにされた事に不満を持った。
259 名前:最高の片想い-38- 投稿日:2002年07月18日(木)21時38分22秒
「もう、いっそ…梨華ちゃんに告白しちゃえよ!」
「そんなのできっこないじゃん。フラれるの100%分かってるのに…。
 よしこ、かなり酷いコト言うね」
 後藤はもう1本飲もうと手を伸ばすが、吉澤に止められた。
「じゃぁ何とかしろよ。ロクに考えないで、こっちだって迷惑だよ!」
 吉澤もついに切れる。
「よしこ?」
 急に怒鳴るものだから、後藤も酔いが一気に醒めたらしい。
「ご、ごめん。アタシ、これから梨華ちゃんに会いに行く」
 スクッと立ち上がると吉澤は荷物を掴む。
「よしこ?」
 キョトンとして見上げる後藤。
「この先のコトは、また考えよう。じゃぁね!」
 そう言って、吉澤は後藤の家から出て行った。
260 名前:最高の片想い-38- 投稿日:2002年07月18日(木)21時39分03秒
 後藤の家を後にして、石川と後藤をくっつける方法を考えるが、
ふと、自分は何故こんなにムキになっているのだろう? と気付いた。
 石川の事は思わず好きになりそうになったが、あまりの石川の積極的な
態度に正直吉澤は引いていた。そして、そんな石川と後藤が果たして釣り合うのか
どうか疑問に思う。しかし、あれだけ石川を想う後藤だから、少しは石川にも
後藤に対して関心を持って欲しいとも思う。でも、仮に二人が付き合うとしたら…
何故か吉澤は面白くない事に気付く。

(まさか、アタシごっちんが好きってコトないよな…)
 石川のマンションに向かいながら、吉澤は自問自答を繰り返していた。
261 名前:最高の片想い-39- 投稿日:2002年07月18日(木)21時40分06秒
-39-

 ドアを開けると、石川の眩しい笑顔で迎えられた。
(確かに可愛いよ、梨華ちゃん。でもアタシは…)
 吉澤は決心していた。
「やっぱり来てくれた。嬉しいよ、よっすぃ−」
「梨華ちゃん、話があるんだ」
 吉澤の真剣な面もちに石川は不安になる。
「なに? さっきはゴメンね。言い過ぎちゃった。ごっちんのコト…」
「ごっちんのコトだけど…」
「よっすぃ−」
「ん?」
262 名前:最高の片想い-39- 投稿日:2002年07月18日(木)21時40分39秒
 吉澤が石川を見た時には、もうくちびるが塞がれていた。
 急ぐように石川の舌が吉澤の口の中に忍び込んでくる。
「……っ(梨華ちゃん?)」
 吉澤は訳が分からず、混乱する。

―――何故?

「梨華ちゃん!」
 たまらずに、吉澤から離すと、石川を見つめる。
「もぅ、ごっちんの話はしないで」
「梨華ちゃん…」
「別にごっちんのコト、もう怒ってないし…。いいの。
 だから…二人っきりの時は、話をしないで」
 禁止令が出ては、これ以上続けられなかった。
263 名前:最高の片想い-39- 投稿日:2002年07月18日(木)21時41分18秒
「あのね、昼間のコトだけど…」
 全部言ってしまおう。心の中の事を。
「みんなの前だったから、あぁ言っちゃったけど…ホントは梨華ちゃんの
 コト…友達としてしか…」
「言わないで!」
「………?」
「アタシ、少し冷静になって考えてみたの。よっすぃ−はアタシが好きかと
 思ってたけど、それは勘違いだったみたい」
「梨華ちゃん…」
「大体よっすぃーは今までそんな素振り見せなかったし、さっきだって
 よく考えたら、みんなの前で”好き”なんて言う筈ないもの」
 吉澤が話すより前に石川に言われてしまい、言葉を無くす。
264 名前:最高の片想い-39- 投稿日:2002年07月18日(木)21時42分44秒
「当たってるでしょ?」
「………」
「よっすぃ−がごっちんを見てるように、アタシだって、よっすぃ−の
 コト見てるんだから、分かるよ」
「ごっちん? ごっちんは関係ないじゃん」
 しかし吉澤は少なからず動揺を隠せなかった。
「当たってるでしょ? よっすぃー目が泳いでるもん」
 石川は吉澤を指摘すると自分の方に向かせた。
「アタシが? まさか…」
 自分でも、さっき気づいたと言うのに、もう石川に見透かされてるとは
認めるのが悔しかった。それに、気づいたと言っても本当か、どうか分からないのだ。

「ヤダからね。アタシ、よっすぃ−が振り向くまで頑張るもん。
 だから、このままよっすぃ−と付き合ってるコトにしてね」
「へ?」
 石川は、吉澤を見つめると、ふふっと笑った。
(アタシの気持ちはどうなるの?)
265 名前:最高の片想い-39- 投稿日:2002年07月18日(木)21時43分36秒
 石川の家を後にしながら、吉澤は、やっと後藤の気持ちが理解出来た。
(アタシもある意味、ごっちんと同じだよな。でも、きっとごっちん
 真に受けてないだろうけど…。アタシの気持ち……)
 大体勢いで言ってしまったのもあるし、後藤は酔っていたから、言われた
事自体覚えていない可能性が高い。
 だとしたら、まだチャンスは、ある…。いや、ない…。

 後藤は石川にゾッコンであり、吉澤の事は友達としか見ていない。
 吉澤は後藤に気持ちがあるのに気づいたものの、石川にもバレてしまい
しかも、その石川は吉澤の事を諦めないと言う。
 一番不利なのは、どう考えても吉澤。そして一番哀れなのは、後藤?
後藤の気持ちを考えれば、やはり自分の気持ちは隠して、石川との事を
応援したいのであるが、それも、また難しい事であった。

「完ぺきな片想いトリオになってるじゃん」
 吉澤は自嘲気味に笑った。
266 名前:_ 投稿日:2002年07月18日(木)21時50分11秒
やっと、タイトル通りの展開に。
って、最高か、どうか不明ですが。

>254 名無し読者さん
微妙に、どのCPになるのか、ならないのか、まだ
決めておりませぬ。ありきたりな展開には、したくないのですが…。

>255 よすこ大好き読者。さん
でも…しないよ! 吉澤の気持ちは後藤にあるので…。

>256 名無し読者さん
いしたかが、微妙に人気あるみたいですね。

明日も更新します。
267 名前:助けて 投稿日:2002年07月19日(金)01時04分21秒
>吉澤も何故かジェスチャー付きである。
笑い死ぬ!
268 名前:最高の片想い-40- 投稿日:2002年07月19日(金)20時58分27秒
-40-

 そして数日が経ち、三人+高橋の動きは、ほとんど変わらなかった。
 相変わらず、石川は普通に接してくるし、後藤は、やはり吉澤の告白等
聞いてなかったような素振り。吉澤は、石川に気持ちがバレたのを逆に逆手に
取り、後藤にいつも以上に接近していた。
 しかし、石川も負けないで、吉澤に大接近。
269 名前:最高の片想い-40- 投稿日:2002年07月19日(金)20時59分37秒
 そして、高橋も業を似やして後藤につい言ってしまった。
「後藤さん! もぅ何もしてないじゃないですかぁ」
「アタシ、高橋のコトまで面倒見れないよ。悪いけど、自分で頑張って」
「無責任です。あの時約束しましたよね」
「あの時はね。今は変わったの。せいぜい高橋は、ハロプロニュ−スで
 がんばれってこった」
 後藤は、もぅ、あっちにいけとばかりに片手を振った。
「な、後藤さんだって、石川さんと文麿で告白シ−ンあるじゃないですか!
 羨ましいですよ! いざとなったら、あんなコトやこんなコト…」
 高橋は妄想を始める。
「するわけないでしょ! 台本あるんだから。高橋みたいに台本に
 ないコトなんか出来ないわよ。もう、あっちいけってば」
後藤は高橋の背中を押した。

「あの二人、結構仲良いんだな、意外…」

 リ−ダ−である飯田は、楽屋の隅で、後藤と高橋が何やらコソコソ
話しているのを見て、そう受け取っていた。
270 名前:最高の片想い-40- 投稿日:2002年07月19日(金)21時00分11秒
「よっすぃ−」
 スタジオの隅で台本を読んでいた吉澤は石川に呼ばれる。
 今日は、石川と後藤が告白するシ−ンである。
 後藤は前日眠れないほどだったらしいが、石川は…。
「アタシの気持ちは、よっすぃ−にあるから。こんなシ−ンで凹まないでね」
「こんなシ−ンって…」
 しかし、石川は思いついたように言った。
「でも、ごっちんと仲良くしたら、少しは妬いてくれる?」
「なに言ってんの? 梨華ちゃん」
 大体、吉澤の気持ちは石川には、ないのに大した自信である。

 しかし、そこで収録が始まってしまい、話しは中断された。

 後藤は緊張気味。そして石川は余裕で臨んでいる。
 そんな様子を、吉澤は複雑な気持ちで見ていた。
271 名前:最高の片想い-40- 投稿日:2002年07月19日(金)21時01分17秒
 そして、収録は無事に終了する。

「お疲れ。ごっちん…」
「緊張しまくりぃ…。もぅ心臓バクバクだったよ」
 後藤は吉澤に抱きつくと、ふぅ−っとため息をついた。
「結構良かった…と思う」
「ホントに? 不自然じゃなかった? なんかマジっぽくなりそうで
 ヤバかったんだけど」
 相当緊張したのだろう、後藤はうっすらと汗まで掻いている。
「オンエアが楽しみだね」

 そんな二人の会話に、意中の石川が割り込んできた。

「ごっちん。お疲れ!」
「り、梨華ちゃん!?」
 ドキっとして振り返る後藤。そして吉澤。
 不適な笑みをたたえて後藤を見つめる石川に、さっき石川が言った言葉を思い出す吉澤だった。
272 名前:最高の片想い-40- 投稿日:2002年07月19日(金)21時02分08秒

「今日、ごっちんのお家に泊まりに行ってもいいかなぁ?」
 わざと甘えた風に言う石川に、吉澤は何か企んでいる事を確信する。
 しかし、後藤はそんな事には到底気づく筈もなく嬉しそうに返した。
「あ? マジで?」
「うん。ほら、前ごっちんが誘ってくれたじゃない?
 今まで忙しかったけど、今夜なら平気かなぁって思って。どうかな?」
「全然オッケ−だよぉ。ねぇ、よしこ?」
 急に後藤に話しを振られて、吉澤は戸惑った。
「なんでアタシ?」
「よしこも来るんでしょ?」
 当然セットで来るものと思われているらしい。石川もそう思っているのか
とチラリと見れば、
「別に、よっすぃ−は、どっちでもいいよぉ?」
 なんて、わざと意地悪な風に返してきた。
 そういう風に言われると、絶対行かなくては! と言う気持ちに
なってしまう単純な吉澤は一発返事で返した。
「行くに決まってるでしょ!」
「わ−! 嬉しい! よっすぃ−!」
 吉澤の腕に自分の腕を絡めて嬉しそうに言う石川に、すっかりハメられている事に
気づく吉澤だったが、もう遅かった。
273 名前:最高の片想い-41- 投稿日:2002年07月19日(金)21時03分29秒
-41-

 そして、仕事も終わり、三人は後藤の家へと向かう。

「楽しい夜に、なりそうだねぇ…」
 そう言って石川は吉澤の顔をのぞき込む。
「ぅ、ぅ…ん」
 そして、石川は後藤の前で普通に言ってのける。
「一つの布団でもいいよね? アタシ達…」
「へ?」
 驚いて石川を見つめる吉澤。
「イヤだったら、アタシごっちんと寝てもいいけど」
「ひゃ?」
 それに反応する後藤。
「あは。ごっちんマジになっちゃった?」
 おもしろそうに返す石川に、吉澤も何と言えば良いか困惑気味だった。
274 名前:最高の片想い-41- 投稿日:2002年07月19日(金)21時05分04秒
 吉澤としては、とても居心地が悪い。
 良く考えたら、自分は何もここに来なくても良かったのだと今更ながらに後悔していた。
 つい石川の口車に乗ってしまった自分を責めてしまう。
 今からでも遅くない。だめもとで、吉澤は言った。

「あの、やっぱりアタシ帰るよ。急用思い出したし」
「え−、困る!」 
 石川より先に後藤が言った。
「別に困らないじゃんよ」
「ごっちん、何が困るの?」
 何故か異様に顔を近づけて後藤に迫る石川に、後藤は早くも顔が真っ赤になり始めている。
「やっぱり二人より三人の方が楽しいしさぁ。それに初めてじゃん?三人で泊まるのって」

 三人で食事したりした事はあっても、泊まりとなると、そういえば、これが初めての事だった。
 楽しいと言うより、石川と二人だと会話が続かないのが正しい見解であろう。
275 名前:最高の片想い-41- 投稿日:2002年07月19日(金)21時07分26秒
「そういえば、そうだね。それに、よっすぃ−愛しい人を残して
 急用って、なんなのよ? どっちが大事なの?」
「………」
「そうだよ、よしこ。愛しい人残してダメじゃん!」
 その愛しい人が後藤である事に気づかない当の後藤は、石川と一緒になって責める。
 人の気も知らないで…と吉澤は思いながら、やはり無駄だったかと少し落ち込んだ。
 しかし、立ち直りの早い吉澤である、もう、どうにでもなれと提案する。
276 名前:最高の片想い-41- 投稿日:2002年07月19日(金)21時08分26秒
「じゃぁ三人で一つの布団って、どう?」
「布団ぐらい、ちゃんと人数分あるよ」
 後藤は真面目に答える。
(なんだよ、ごっちんを思って言ったのに!)
 そんな吉澤の気持ちを知ってか、石川はニヤリとした。
「よっすぃ−そんなにごっちんと寝たいの?」
「ち、違うよ! なに言うんだよ梨華ちゃん!」
 吉澤はあわてふためくが、後藤には気づかれてないようだ。
「アタシはよっすぃ−と寝られれば、なんでもいいよ。ごっちんはぁ?」
 吉澤の腕に手を巻き付け、胸をグリグリ押しつける石川。
(梨華ちゃん、ちょっとぉ−)
 吉澤は早くも変な汗が噴き出してくる。
277 名前:最高の片想い-41- 投稿日:2002年07月19日(金)21時09分47秒
 そんな二人をポカンとした様子で見ていた後藤だったが、我に返り
「アタシはベッドで寝るから…お構いなく…」
そう言ってうつむく。
「そんな寂しいコト言わないでよ。一緒に寝ようよ」
 石川の腕を無理矢理ほどき、後藤の腕を取る吉澤。
「………」
 後藤は、何故吉澤が固執するのか、よく分からず首を傾げていた。
278 名前:最高の片想い-42- 投稿日:2002年07月19日(金)21時10分59秒
-42-

 そしてお風呂の時間になる。
「よしこと梨華ちゃん、先に入っていいよ〜」
 後藤は、そう言うと、近くのコンビ二まで出かけて行き、吉澤と石川は二人きりになった。

「梨華ちゃん、先でいいよ」
 吉澤は雑誌をめくりながら石川に言う。しかし、石川は
「一緒に入ろうよ、よっすぃ−」
「はい?」
 めくっていた手を止めて吉澤は顔を上げて石川を見る。
「ごっちんちのお風呂広いんだって。だから一緒に入っても平気だよ」
「…えぇと…いいよ。アタシは後で」
 あくまでも断る吉澤。別に意識している訳ではない。
 今までだって石川と一緒にお風呂に入った事はある。
279 名前:最高の片想い-42- 投稿日:2002年07月19日(金)21時13分23秒
「じゃぁ、ごっちんと入ろうかな…」
 あっさり引き下がるが、それと引換に後藤を誘うつもりらしい。
「なんで、ごっちんなのさ」
 ムッとして吉澤は石川を睨んだ。
 途端に石川の顔は大きく歪んでくる。
「なんでって、よっすぃ−が冷たいからじゃない…」
「あ、いや、ゴメン。冷たくしてるつもりなんかないって」
 吉澤は起き上がり、石川の肩に手を置く。
(でも、なんでアタシが謝ってんの? 梨華ちゃんが悪いんじゃん)
 吉澤は、何か引っかかりながらも、完全に石川に冷たくする事は出来なかった。
280 名前:最高の片想い-42- 投稿日:2002年07月19日(金)21時14分34秒
「そんなに、アタシより、ごっちんが好き?」
 眉を八の字に下げて、潤んだ瞳で見つめる石川に、吉澤は心が揺れてしまう。
「好きって言うか、どうこうしたいって、までは気持ちないんだよ。
 自分でもよく分からないけど…。だから…あんまりからかわないで梨華ちゃん」
 石川の顔が明るくなる。
「じゃぁ、まだアタシにもチャンスあるよね?」
「チャンス?」
「アタシはすっごくよっすぃ−が好きなの。よっすぃ−に全部あげたいくらい!」
「梨華ちゃん…」
 吉澤は石川のパワ−に押されていた。
281 名前:最高の片想い-42- 投稿日:2002年07月19日(金)21時15分23秒

「アタシ、よっすぃ−に初めて会った時から運命感じてたんだ。
 よっすぃ−がいたから、頑張ってこれた」
「それは一緒だよ。アタシだって、梨華ちゃんが、いて加護と辻がいたから頑張れたもん」
「そういう絆以上に運命を感じないの?」
 いつのまにか石川の指が吉澤の指と絡み合っている。
「ん?」
「よっすぃ−…」
 目を閉じる石川。吉澤は、ドキドキして石川を見つめていた。
282 名前:最高の片想い-42- 投稿日:2002年07月19日(金)21時16分59秒
「ただいま−!」
 後藤が、コンビニの袋を持って、勢いよくドアを開けると、石川と吉澤は、パッと離れた。
「…あれ? まだお風呂入ってなかったの?」
 なんだか、まずい時に帰って来たかと後藤は思ったが、今更言っても仕方がない。
「これから入って来るよ」
 吉澤は、赤くなりながら部屋を出て行った。
283 名前:_ 投稿日:2002年07月19日(金)21時27分07秒
>267助けてさん
笑えますか。この後も、やりますよ(w

ちょっと多めに更新しました。明日も更新します。
284 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年07月19日(金)21時31分07秒
リアルタイムでした!!(w
大量更新乙彼さまです。
このあとどうなるのか?楽しみでしょうがありません。
ごっつあんがんばれ!と言いたくなりますね。


当方、いしよし推しですが。。。。。(w
285 名前:名無し娘。 投稿日:2002年07月19日(金)23時37分14秒
あぁ、ぬか喜びだ(笑)

諦めつつも、戸惑うごっちん・・・あぁ、早く夜になれっ!
286 名前:最高の片想い-43- 投稿日:2002年07月20日(土)12時20分42秒
-43-

「なんか…タイミング悪かったかな…」
 後藤は袋からお菓子類を出しながら、久しぶりに石川と二人になったと
嬉しく思いながら話しだした。
「うん。あと1分遅かったら、よっすぃ−とキスしてたかも知れないのに」
 あっさり肯定され、後藤は、やはりショックであった。
「り、梨華ちゃん、キ、キスはダメだよ…」
 後藤は動揺してしまう。

「えぇ? ごっちんだって、アタシにキスしたじゃん」
 石川が後藤の側に来る。
「あ、あれは…」
 また後藤は緊張してくる。
(ヤバイ。手まで震えて来そう)
 しかし、後藤は必死になってそれを悟られないようにした。
「どうしてキスしたの?」
「それは…」
287 名前:最高の片想い-43- 投稿日:2002年07月20日(土)12時21分45秒
 後藤の手が止まる。石川と二人きり。時計の針の音だけが響く程静まり返る。
 ここで、告白したら、石川はどう反応するだろう?
 いっそ、言って玉砕するのもいいかも。でも石川の迷惑になる。
 そんな事が頭の中を駆け巡り、うまく言葉が出て来ない。
 それでも、もうこんな思いをするのもイヤだから、あの時の事を素直に話そうと
後藤は心に決めた。

「梨華ちゃんが、可愛かったから。だから…キスしたんだ」
「…え?」
 予想に反して、真面目に後藤は答えるから、石川は言葉を失う。
288 名前:最高の片想い-43- 投稿日:2002年07月20日(土)12時22分22秒
「冗談でなんか、キスしないよ。でも、突然だったから、梨華ちゃん
 驚かせちゃったよね。ゴメン。気にしないでって言っても無理かも
 知れないけど、でも梨華ちゃんは、よしことうまく行って欲しい。
 よしこは、あんなだけど良いヤツだからさ」
 後藤は話しながら、自分でも驚いていた。
 完全な自己完結。石川に喋る隙を与えず、自分は「好き」とも言えず
 しかも吉澤とうまく行って欲しいだなんて。格好つけるのも良いとこだ。
289 名前:最高の片想い-43- 投稿日:2002年07月20日(土)12時22分59秒
「ごっちん。本当?」
 石川の顔から笑みが消えている。
「あはっ。アタシ、馬鹿だよね。フラれるの分かってるのにさ、
 梨華ちゃんが迷惑なの分かってるけど…ゴメン」
 後藤は石川に背を向けた。涙が溢れて来そうになる。
「ごっちん…ゴメンね」
「んあ、梨華ちゃんが謝るコトじゃないよ。アタシが勝手に好きになったんだから」
 後藤は必死に涙をこらえながら、わざと明るく振る舞った。
「でも、アタシも一緒なの」
「梨華ちゃん?」
「よっすぃ−も、アタシじゃなくて他に好きな人がいるって」
「そうなの? 知らなかった」
 後藤は思わず振り返って石川を見る。
 吉澤に好きな人がいるなんて聞いていない。
 それはいったい誰なんだろう? 
290 名前:最高の片想い-43- 投稿日:2002年07月20日(土)12時23分42秒
 しかし、すぐに石川は話しを変える。

「アタシ、浮かれちゃってた。でも、よっすぃ−を振り向かせてみせる。
 今はそのコトで頭がいっぱいなの」
「梨華ちゃんなら、大丈夫だよ。きっと。よしこ流されやすいから
 結構押していけば、案外簡単に堕ちるかもよ?」
 石川を応援しつつも、やはり後藤の心は複雑である。
 しかし、石川の幸せは、自分の幸せだと思う後藤は無理矢理納得させた。
291 名前:最高の片想い-43- 投稿日:2002年07月20日(土)12時24分20秒
「アタシが言うのもおかしいけど、ごっちんは、それでいいの?」
 吉澤の意中が後藤だと知っている石川もまた複雑な心境であった。
「梨華ちゃんの”ハッピ−”は、ゴト−の”ハッピ−”だもん」
 また後藤はジェスチャ−を交えて答えた。
「ごっちん…」
「ほら、梨華ちゃんも、やってよ。”ハッピ−”って」
 そう言って後藤は笑う。
「ここで? 恥ずかしいなぁ…」
 石川は改めて言われ、照れた。
「じゃぁ、今、何回もやってるアタシは、なんなんだよ!」
 後藤は自分で突っ込みながら、石川と一緒に笑った。

 結果は分かっていたが、自分の胸の内を告白して、後藤は気持ちが楽になったのは事実だった。
292 名前:最高の片想い-44- 投稿日:2002年07月20日(土)12時24分57秒
-44-

「梨華ちゃん、ごっちんお先に〜」
 吉澤は首にタオルをかけて、戻ってきた。

「じゃぁ、先に入るね。ごっちん。なんなら、一緒に入ろうか?」
「え? ヤダ、梨華ちゃん…」
「じゃぁ、お先〜」
 石川と後藤を見て、さっきとは明らかに空気が違うのを感じていた。

 石川が出て行くと、吉澤は後藤に駆けよっていく。
「どうしたの? 何かあった?」
「…ぅん」
 後藤はニヤけている。結果が分かっていた告白だったが、後藤の気持ちは
軽くなっていた。そして、少しだけ石川との距離が短くなった気がする。
「教えろ!」
 吉澤は後藤の首に腕を回し技をかけようとする。
293 名前:最高の片想い-44- 投稿日:2002年07月20日(土)12時25分37秒
 そして、吉澤は本当に後藤の事が好きなのか? とまた疑問に思うのだ。
 石川が吉澤に対するそれとは、明らかに違う想いである事は間違いない。
(同じ”好き”でも、きっと違うんだよなぁ…)
「痛いよ、よしこぉ〜」
「あぁ、ゴメンゴメン…」
 しかし、後藤を見れば、ふにゃぁ〜とした顔になって怒っている様子ではない。
294 名前:最高の片想い-44- 投稿日:2002年07月20日(土)12時26分20秒
「じゃぁ、ついに告白したの?」
 吉澤は、驚いた表情で後藤を見つめた。
 あのへなちょこと言われた後藤が、どういう経緯で告白したのか
知らないが、ついに告白したとは!
「ぅん。言っちゃった」
 当然振られたであろう割に、後藤は、むしろ嬉しそうな顔をしている。
295 名前:最高の片想い-44- 投稿日:2002年07月20日(土)12時27分05秒
「ごっちん?」
 吉澤は後藤の目の前で、手を左右に振った。
「ん、あぁ。もうなんかね、気持ち伝えたらスッキリしちゃったぁ!」
 満足そうに言って、後藤は両手を広げると、吉澤に抱きついた。
 吉澤は宙に浮いた手で後藤の背中に回す。
 後藤の石川とは、また違った甘い匂い。後藤の髪に吉澤はそっと顔を埋めた。
「そういえばさ…」
 後藤の声がくぐもって聞こえる。
「なに?」
「梨華ちゃんが言ってたけど、よっすぃ−好きな人いるんだって?」
 後藤の言葉に、吉澤は過敏に反応して、後藤に回した腕を解いた。
「もぅ、いるなら言ってくれればいいのに! ってか、アタシが梨華ちゃんの
 話しばっかりしてたから、それどころじゃなかったか」
 それが、まさか自分の事とは知らずに後藤は話し続ける。
296 名前:最高の片想い-44- 投稿日:2002年07月20日(土)12時28分09秒
「ゴト−の知ってる人?」
「…ぅん」
(知ってるもなにも…)
「でもゴメン。ゴト−は、応援出来ないな」
 後藤は顔の前で拝む仕草をした。
「?」
「だって、梨華ちゃんは、よしこが好きじゃん。
 だから、梨華ちゃんの幸せ考えたら、よしこも梨華ちゃんのコト
 好きになるのが、一番うまく行く方法だと思う」
「アタシとごっちんの気持ちはどうなるの?」
 吉澤は半ば責めるように、後藤に言う。
 どっちにしろ、誰かが犠牲にならなければ、この恋は実らないのだ。
297 名前:最高の片想い-44- 投稿日:2002年07月20日(土)12時28分53秒
「それは…。よしこは、やっぱりその好きな人のコト諦められないの?」
「…えぇと。分かんないよ、まだ」
 後藤に見つめられて吉澤は視線をはずした。
「よしこは梨華ちゃんが嫌い?」
「そんなコトないよ。好きだよ」
(でも、ごっちんの方がもっと…好きなんだよ)
「じゃぁ決まり! よしこも梨華ちゃん大好きってコトで。
 みんな”ハッピ−”」
 後藤は急にやりだす。
「ほら、よしこもやって!」
 吉澤も無理矢理、やらされる。
(なんか、訳わかんねぇ!)
298 名前:_ 投稿日:2002年07月20日(土)12時34分14秒
ついに告白しました。吉澤の気持ちは、どうなる?
そして、石川と吉澤は……(謎)。

>284 よすこ大好き読者。さん
この後、どうなるか実は、まだ決めてません。
この小説ぐらいは、エロー色を少なくしたいので(涙)。

>285 名無し娘。さん
そうでしたか。実は密かにファンだったりします(w.
ごっちんの気持ちはスッキリした模様です。
299 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年07月22日(月)00時22分50秒
(*^▽^)<ハッピー
ぢゃないきが。。。。。(汗
続き!続き!あんまり煽らないようしますです。
エ●でも、いいのですが・・・・・。(w
300 名前:最高の片想い-45- 投稿日:2002年07月22日(月)19時48分42秒
-45-

 そして石川が風呂から出て来て後藤が入り、再び石川と吉澤の二人になる。
 二人は、もう布団を並べて布団の中に入りながらピロ−ト−クに入っていた。

「梨華ちゃん、ごっちんに告白されたんだって?」
「うん。びっくりした。でも、よっすぃ−は、ずっと前から知ってたんだ」
 石川はうつ伏せになりながら、枕に顎を乗せて、吉澤の方を見ていた。
「前々から相談受けてたからね…」
「全然気づかなかった」
「梨華ちゃん、梨華ちゃんって、ホントにうるさかったんだから」
 吉澤は苦笑いしながら答えた。
「でも、アタシは、よっすぃ−しか見えないから…」
 石川は吉澤を熱く見つめる。吉澤は僅かに視線を逸らせた。
301 名前:最高の片想い-45- 投稿日:2002年07月22日(月)19時50分01秒
「アタシの好きは、ごっちんに対して、そうじゃないんだよね。
 きっと、友達の延長線上にあるもんだと思う」
「ごっちんと二人きりの時、なに話した?」
「頑張れって言われちゃった」
「よっすぃ−は、ごっちんに言ってないの?」
「言える訳ないじゃん。それに、梨華ちゃんと同じで全く気づいてないもん」
 吉澤は、苦笑いする。
「同じってなによ〜」
「だって、そうなんだもん。気づいてなかったでしょ?」
「好きな人のコトは気づいても、想われてるコトには気づかないよね」
(それって、やっぱりアタシにも同じ事が言えるんだろうね)

302 名前:最高の片想い-45- 投稿日:2002年07月22日(月)19時50分34秒
「ねぇ…」
「なに?」
 石川は身体を起こす。
「そっち行っていい?」
「…ぅん」
 吉澤は布団をめくった。
 嬉しそうに石川は吉澤の隣りに潜りこむと、そのまま布団に手をついて吉澤に
重さがかからないように上に被さって来た。
「梨華ちゃん?」
 思わず身体をひいてしまう吉澤に、石川は積極的に迫ってくる。

「アタシ達、お似合いのカップルだと思わない?」
「どうだろうねぇ…」
 吉澤ははぐらかし、石川と目を合わせないようにする。
「ごっちんは、アタシのコト応援してくれるって」
「ぁぁ…、う、うん」
 目前まで石川が顔を近づけ、吉澤はピンチである。
「よっすぃーもアタシのコト、もっと見てくれない?」
 更に息がかかる程までに、石川は顔を近づけてくる。
「み、見えすぎだよ梨華ちゃん。近すぎ…」
「そうじゃなくて…」
(ご、ごっちん。まだかなぁ…。早く来てよ!)
 吉澤は身体を硬直させながら目を瞑った。
303 名前:最高の片想い-45- 投稿日:2002年07月22日(月)19時51分04秒
 しかし、石川のくちびるは、待てども待てども吉澤には落ちて来ない。
(アレ?)
 恐る恐る目を開けて見ると、寂しそうな石川の瞳が目に飛びこんで来る。

「ぁのぅ…梨華ちゃん、その体勢辛くない?」
 吉澤は、適当な言葉が見つからずに話しを変える。
「ツラい…。もぅ、よっすぃー支えてよ」
 石川は、そう言うと、吉澤の上に身体を重ねた。
 石川の柔らかい感触が吉澤に、否応なく感じてしまう。

(あ、梨華ちゃんの…。胸が……。気持ち良いかも…って。
 なに言ってんだか!)

 しかし、吉澤の手は「気をつけ」をしたままである。

「よっすぃー…。好き」
 石川は囁くと、吉澤のくちびるにキスを落とした。
「(ゃぁぁっ!)…!?」
 吉澤は目を見開いたまま、2,3度目を瞬かせる。

(ぇぇと…アタシは、このまま梨華ちゃんに? 貞操の危機ってヤツ?)
 吉澤は石川の目を閉じた長い睫毛が揺れるのを見ながら、漠然と思っていた。
304 名前:最高の片想い-46- 投稿日:2002年07月22日(月)19時51分54秒
-46-

 そして、後藤は布団の二人が、そんな事になってるのも知らずに、のほほんと
髪を拭きながら、部屋に戻ってくる。

「梨華ちゃん、よしこ〜…」
 後藤は話しかけるが、二人が何も答えないので、もう寝てしまったのか
と布団の方に目を移した。

 妙に布団が膨らみ、良く見れば、石川が吉澤の上に乗っかっているではないか。

「ひゃぇ〜? 梨華ちゃぁん? よしこ?」
 後藤はマヌケな声をあげ、しかし、しっかり目は二人に釘付けである。

「ぁ、ごっちん…!」
 吉澤は、この時ほど、後藤が神様に見えた事はなかった。
305 名前:最高の片想い-47- 投稿日:2002年07月22日(月)19時52分46秒
-47-

「一応さぁ、ここゴト−んちなんだから、ぁの…そういうコトは…
 (コホン)自分の家で…ゃってよね…」
 後藤は視線を泳がせながら、顔を赤くさせている。
 その様子が可愛くて、吉澤はバツが悪くなりながらも、顔がニヤけてしまった。
 そんな吉澤を見て、石川はからかってやろうと思いつく。
「じゃぁ、アタシごっちんと寝ようかなぁ」
「「えぇぇぇ?」」
 後藤と吉澤は同時に叫ぶ。
「だって、よっすぃ−とは、この先一緒に寝る機会いっぱいあるけど」
(どうして、いっぱいあるんですか? 梨華ちゃん?)
 吉澤は引きつりながら、石川に訴えるが、石川は見て見ぬ振り。
「ごっちんとは、そうそうないもんねぇ…」
「ぁ、あの梨華ちゃん? ごっちんの気持ち…知ってて…」
 吉澤は後藤のフォロ−に回るが、後藤が口を挟む。
「ぃ、ぃぃんだよ、よしこ」
「なんで、いいんだよ! って、いいのか…」
(なんか、訳わかんねぇよ)
 あくまでも人の善い後藤に、吉澤は少々呆れるが、やはり後藤が好きな
吉澤は、あまり否定も出来なかった。
306 名前:最高の片想い-47- 投稿日:2002年07月22日(月)19時53分28秒
「よっすぃ−も、ごっちんと寝たいんだ。やっぱり…」
 からかうように、石川はわざと吉澤に言うから、吉澤も返答に困ってしまう。
「んあ? やっぱり…ってなに? 梨華ちゃん?」
 吉澤の気持ちを知らない後藤は素直に石川に聞くが、吉澤が慌てて石川の口を手で塞いだ。
(梨華ちゃん、余計な事を!!)
 しかし、鈍感な後藤が気づく訳もなく(涙)話しの主導権は石川に持っていかれる。
「よっすぃ−! お口で塞いでぇ!」
 酔ってる訳でもないのに、石川は吉澤に抱きつくと、唇を寄せてくる。
「梨華ちゃん、ちょっと!」

『助けてよ』の合図を目で後藤に送るも、後藤は見ているだけである。
(全く、梨華ちゃん好きじゃないのかよ! それで満足なのかよ!
 やっぱりヘタレのまんまかよ!)
 吉澤は、少々キレかかってしまった。
307 名前:最高の片想い-47- 投稿日:2002年07月22日(月)19時54分00秒
「三人で、やっぱり寝ようか…」
 後藤がポツリと言う。
「三人祭!」
 石川がト−ンをあげる。
「はぁ?」
「ごっちんが、亜弥ちゃんで、よっすぃ−があいぼんね」
(なんで、役割が?)
 吉澤は、何も言えずに石川を見つめている。
「おお、まっつ−!」
 後藤も訳の分からない受け答えをしていた。
「梨華ちゃん、それってナニ?」
「そういえば、ナニ?」
 後藤も続く。
「ごっちんも、分かってないんじゃん!」
308 名前:最高の片想い-48- 投稿日:2002年07月22日(月)19時54分31秒
-48-

 結局、寝る順番である事が判明し、一件落着…には、ならない。
 後藤・吉澤・石川の順では、結局、後藤だけがあぶれてしまう。

「えぇと、ごっちん真ん中でいいじゃない?」
 吉澤は提案する。そうすれば、自分は石川の隣でなくなる。
「そしたら、よっすぃ−の隣じゃなくなる!」
 あくまでも石川は吉澤の隣が良いらしい。
「んあ、梨華ちゃんが真ん中なら、良いんじゃない?」
(そしたら、アタシごっちんの隣じゃないじゃん…)
 しかし、それは言えないから吉澤は心の中で小さく呟く。
「あぁぁっと、そうだね…」
 吉澤は折れた。
309 名前:最高の片想い-48- 投稿日:2002年07月22日(月)19時55分07秒
(まぁ別にどうだっていいんだけどね。もう寝よう)
 電気を消して真っ暗になったところで、吉澤は石川に背を向け目を閉じた。
 そして、同じく石川の隣の後藤は、寝るどころではなかった。
(あぁ…隣に梨華ちゃん! しかも同じベッドの中に。幸せ)
 後藤の中では、もう吉澤は消去されている。
(梨華ちゃん…。良い匂い…)
 後藤からは背を向けられている石川の後ろ髪に顔を寄せながら
後藤は恍惚なため息を漏らした。しかし、後藤はそれだけで満足して
安心すると目をつむって、寝てしまった。
310 名前:最高の片想い-48- 投稿日:2002年07月22日(月)19時55分42秒
 後藤は自分から仕掛けて来る程、意気地がないのは分かっているし、
既に眠ってしまった感の後藤は放置して、石川は吉澤の耳元に顔を近づけた。
「よっすぃ−…」
 小声でささやかれ、吉澤は向きを変えようとしたが。
「(ひゃぇ?)」
 石川の腕が吉澤の脇をすり抜けてお腹に回される。
「眠れないの…」
 石川は吉澤に胸を押しつける形で迫ってきた。
「(そんなコトされたら、こっちだって眠れないよ!)」
 体制を変えずに、吉澤は身動きしない。
 しかし、石川の手は吉澤の腹から上にあがりかけている。

 それより、やはり一つのベッドに三人は狭すぎる。
 今にも落ちそうな吉澤は必死で耐えていたが、このままでは
石川に好き放題やられてしまいそうな危機感を覚え、吉澤は石川の手を掴み、起きあがった。
311 名前:最高の片想い-48- 投稿日:2002年07月22日(月)19時56分28秒
「梨華ちゃん!」
「はぃ!」
 なんだか石川は嬉しそうな顔。薄暗い中でも目が慣れてくれば
隣の石川の表情ぐらい見てとれる。しかし、なんでそんなに嬉しいのだろう?
 その疑問はすぐに解消される。
 良く見れば、吉澤は石川を組み敷くような体制になっていた。
「梨華ちゃん、変な期待してない?」
「してる…」
「ぁのね…」
 吉澤は後藤の方を、いちべつするが、後藤は既に眠っている様子。
どんな状況下に置いてもすぐに眠れてしまうのは、後藤の特技のようなものだろう。
 しかも一度寝たら、なかなか起きないのは吉澤も良く知っている。
 吉澤は別の意味で感心してしまった。
 しかし、吉澤にとっては、今はそんな特技が恨めしく思えた。
312 名前:最高の片想い-48- 投稿日:2002年07月22日(月)19時57分15秒
「だって、よっすぃ−の、もんもんメ−タ−上がってる筈だもん」
「なに? そのもんもんメ−タ−って?」
「言わなくても分かってる癖に…。言わせる気?」
 石川は流し目を送る。
「はぁ…」
 吉澤は、今の体制を、どう直そうか考え、緩めたところで、
石川は吉澤の首に腕を回して、ぐっと引き寄せた。
 そのまま吉澤は崩れるように石川の上に折り重なる。
「ぅ…ん…」
 柔らかい弾力。石川の甘い香り。
「梨華…ちゃん?」
 石川の目はすっかり、その気になっている。
(梨華ちゃんマジんなってる。)
 それを他に向ければいいのに…と吉澤は、こんな時でも思ってしまう。
(アタシじゃなくたって、いいじゃん!)
313 名前:最高の片想い-48- 投稿日:2002年07月22日(月)19時58分02秒
「ス−ッ…ス−ッ……」
 隣りからは、後藤の規則正しい寝息が聞こえ始める。
(いい気なもんだよ、ごっちん!)
「もぅ、ごっちんは夢の中だね…」
「梨華ちゃん、離して…」
「ヤダ。よっすぃ−逃げちゃうもん」
「逃げないから。だから…」
 石川は少し考えて、こう言った。
「じゃぁ、よっすぃ−からキスして」
「……」
「だって、いつもアタシからなんだもん」
(別に頼んだ覚えないんだけどな…。勝手に…)
「…じゃ、じゃぁ…キスしたら何もしない?」
 これでは脅迫だと、吉澤は泣きそうになりながら答えた。
「うん。しないよ。だから、キスして」
 満面の笑みで石川はお願いする。
「分かった。じゃぁ目を閉じて…」
 吉澤は堪忍したように静かに言った。
314 名前:最高の片想い-48- 投稿日:2002年07月22日(月)19時58分39秒
 ドキドキしながら石川は目を閉じる。
 初めてのキス。吉澤からのキス。それだけで石川の胸は躍る。

 なんか騙されている気がすると、思いながらも吉澤は石川の顔に
近づけていき、石川のくちびるに、そっと触れた。

 それは、ほんの一瞬だった。
 吉澤は、パッと離れ、石川に背を向ける。

 これだけの事でも吉澤にとっては、一大事であった。
 吉澤の方が石川よりも実はシャイなのである。

「よっすぃ−…」
 石川の声が背中越しに聞こえる。
「なに?」
「あれだけ?」
「え−?」
 これ以上どうしろと? 吉澤は振り返る。明らかに不満そうな石川。
「あんなのキスじゃない。もっと触れていたい」

 あれだけでも一大事なのに、そんな言い方をされ吉澤はショックである。

「あんなのって。アタシ結構大変だったのに。酷いよ、梨華ちゃん…」
 本気で吉澤は落ち込みそうだった。
315 名前:_ 投稿日:2002年07月22日(月)20時00分26秒
>299 よすこ。大好き読者さん

大量更新? しますた。これで勘弁して下さい。
( ^▽^)<しないよ!
316 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月22日(月)21時40分01秒
…萌えた…。めっちゃ萌えた…。
後藤には本当に申し訳ないが萌えまくりました。
作者さんありがとう。
317 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月22日(月)22時47分31秒
 萌 え つ き ま す た が 何 か ? 

興奮して寝れません!

( T▽T)<悲しいね。。。

318 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月22日(月)23時11分08秒
私のもんもんめーたーが急上昇しました♪
今寝ればいい夢見れそうなので急いで寝ます!

いしよしになってもやっぱりこの小説がいちばん好きはあとはあと
319 名前:名無し娘。 投稿日:2002年07月23日(火)01時41分10秒
ごっちん・・・アンタ小さい事で満足しすぎっ!

ぬか喜びどころか、マジで喜んでそうで・・・違うんだよね、ホントは
寂しいんだよねっ!!
・・・あぁ満足してそう(^-^;
320 名前:梨華っちさいこ〜 投稿日:2002年07月23日(火)12時37分23秒
やっぱりいしよしはいいなぁ…
321 名前:最高の片想い-49- 投稿日:2002年07月23日(火)20時07分57秒
-49-

 眉毛を下げて本当に困った顔の吉澤が可愛くて、石川は更に意地悪を言う。
「あれじゃぁダメ。もう一回してよ」
「もぅ一回?」
 吉澤は驚いて石川を見つめる。額には汗が滲んでいる。
「キスしてはあとはあと
 石川は再び目を閉じた。

(なんか梨華ちゃんだけ得してるような気が…)
 しかし、ここでキスを完璧にしないと石川は許してくれないだろう。
(完璧なキスって、どんな? 梨華ちゃんが喜ぶキス…)
 別に許してくれなくてもいいのだが、後々の事を考えると、やはり
今、何とかした方が良いと思えた。
(あ、でも梨華ちゃんのくちびるに触れるってコトは、ごっちんのくちびるも
 触れた訳だから、間接キスになるんだ。だったらまぁいいか)
 吉澤は訳の分からない事に妙に納得して、再び石川のくちびるに挑む。
 隣りで無防備に寝ている、後藤のくちびるを盗めば良い事に吉澤は気づかなかった。
322 名前:最高の片想い-49- 投稿日:2002年07月23日(火)20時09分26秒
 吉澤は目を閉じている石川を見つめる。
(確かに梨華ちゃん可愛いよ。ごっちんが惚れるの分かるもん。
 じゃぁアタシが変わりに、梨華ちゃんをいただきます! ってなんか違う)
 やはり、吉澤は、かなり疑問を抱きつつも、石川のくちびるに接近していった。

「よっすぃ−!」
 吉澤のくちびるが石川に触れそうになる直前に石川が目を見開き、
バッチリ目が合ってしまう。あまりに遅すぎるから、石川は痺れを切らして
目を開けてしまったらしい。なんと言うタイミングの良さ(悪さ?)。
323 名前:最高の片想い-49- 投稿日:2002年07月23日(火)20時10分09秒
「梨華ちゃん…。心の準備が…なかなか…出来てなかった」
 吉澤は石川から視線を外さずに答えた。
(だって、間違ってないもん)
「よっすぃ−可愛い! いつまでも待つよぉ」
 石川は嬉しそうに微笑むと、目を閉じた。

(やっぱ、緊張する。梨華ちゃんの望むキスって、どんなだろう)
 吉澤は色々考え、一番喜びそうなキスを考えた。
(アタシだって本気出せば、凄いんだから! 梨華ちゃん見てな!)
 この本気が、変な闘志が、実はますます石川を燃えさせる事に、
またもや吉澤は気づいていなかった。
324 名前:最高の片想い-49- 投稿日:2002年07月23日(火)20時10分54秒
 吉澤は石川の頬にそっと手を添える。微かに揺れる石川の頬。
 吉澤はゆっくりと顔を近づけ、石川のくちびるに触れた。
「………(よっすぃ−はあとはあと)」
 その後は、石川のくちびるをゆっくりと撫でるように、くちづけていく。
「梨華ちゃん…好きはあとはあと
 優しく髪を撫でながら、吉澤はささやく。
 そして深くくちづけながら、顔の角度を交互に変えていく…。

 キスには、あまり慣れていない石川は、一番好きな吉澤に優しいキスを繰り返され、
既に溶ろけるような感触を味わっていた。
 先にメ−タ−が上がってしまったのは、言わずとしれた石川の方だった。
325 名前:最高の片想い-49- 投稿日:2002年07月23日(火)20時11分56秒
(完璧じゃん? アタシ? 紺野に負けないぐらい!)
 吉澤は勝ち誇ったように、目を開け石川を見る。
「(あれ? 梨華ちゃん?)」
 石川は目を閉じ、陶酔したように、いや恍惚さえしてるような顔である。
「…ぁあん。よっすぃ−はあとはあと…」
「梨華ちゃん……」
 石川の様子に、吉澤は別の意味で身の危険を感じた。
326 名前:最高の片想い-50- 投稿日:2002年07月23日(火)20時13分40秒
-50-

「よっすぃ−…もっとぉ…はあとはあと
「はぃ?」
 一気に吉澤のテンションは石川とは逆に下がり始める。
 これで、やっと眠りに就けるかと思えば、石川には逆効果だったらしい。
「よっすぃ−、キス上手だね…」
 石川の溶けるような視線。
「そ、そんなコトない…よ」
 再び情けない吉澤に急降下する。
 あんな事で情熱を燃やした自分を悔いる吉澤だった。
327 名前:最高の片想い-50- 投稿日:2002年07月23日(火)20時14分35秒
「んぁ…梨華…ちゃ…ん…むにゃ…むにゃ」
 隣りの後藤は石川の夢でも見ているのか、寝顔まで、ふにゃふにゃしている。
(ごっちん! あぁ、アタシごっちんが好きなのに! なんてこと!)
 後藤の存在を忘れていた訳ではないのに、石川に乗せられて、
張り切ってキスをしてしまった自分に大後悔する吉澤。
(アタシも、かなり…馬鹿…かも知れない。ってかバカだよ、アタシ!)
 吉澤は心の中で自分に大突っ込みである。

328 名前:最高の片想い-50- 投稿日:2002年07月23日(火)20時15分31秒
「よっすぃ−…好きぃはあとはあと
 石川に抱きつかれ、後藤を見ていた吉澤の視線は石川にまた戻される。
「ぁの…もう寝ようよ」
「よっすぃ−のコト、ますます好きになっちゃったぁ」
 吉澤の言葉など、耳からすり抜けて行くらしい。
「おやすみ。梨華ちゃん。約束は果たしたから」
 一方的に吉澤は言って、強引に背中を向け、目を閉じた。

 爆睡中の後藤、一人盛り上がる石川、一人冷静で後悔している吉澤。
 三人の夜は、まだまだ長かった。
329 名前:最高の片想い-51- 投稿日:2002年07月23日(火)20時16分21秒
-51-

 翌日、一人スッキリした顔の後藤、幸せそうに吉澤に腕を絡める石川、
結局寝不足な吉澤、三人揃って楽屋に入ってきた。

「同伴出勤みたい、よっすぃ−」
「矢口、言い方古すぎ〜」
 保田がすかさず突っ込み返す。
 矢口に、冷やかされても、吉澤は何も言う気が起きなかった。

 その様子を隅で見ていた高橋と小川と紺野。
「昨日、後藤さんちに三人でお泊まりしたらしいよ」
「情報早いなぁ。まこっちゃんは」
 高橋は感心する。
「三人祭だね」
 紺野がワンテンポずれて答える。
「石川さん…凄い嬉しそう」
「後藤さん…良く寝ました! って顔だねぇ」
「吉澤さん…精気抜き取れたような顔してる」
 交互に三人が答える。
330 名前:最高の片想い-51- 投稿日:2002年07月23日(火)20時17分02秒
「なんか、もう入り込む余地ないって感じ。後藤さん任せもダメっぽいじゃん。
 やっぱり、愛ちゃん、ここは自力で石川さんに近づかないとダメじゃん?」
 小川が言う事に高橋も納得する。
 後藤が一体誰が好きなのか、ますます分からなくなる。
 しかも、後藤も心なしか機嫌良く見える。

「石川さんは、一目瞭然。吉澤さんと…きっと、あったんだよ」
 小川はニヤリとしながらキッパリ答える。
「まさに、いいことある記念の瞬間! って顔だよね」
「あさ美ちゃん、意味不明! そんなの…わかんないじゃん! わからんよ」
 高橋は面白くなさそうに言い返した。

 何かあったのは、高橋にも分かる。しかし、それは石川と吉澤だけではない。
 後藤も含めた三人の中でだ。明らかに昨日とは違った空気が流れている。
(何があったんですか? 後藤さん…)

「後藤さん、ちょっといいですか?」
「高橋? おお、おはよ〜」
 機嫌良く挨拶され、高橋は戸惑った。
331 名前:最高の片想い-52- 投稿日:2002年07月23日(火)20時18分09秒
-52-

 いつもの自販機の前の休憩場所で腰を降ろす。
 珍しく後藤がジュ−スを奢ってくれた。
「話しってなに?」
 後藤はカフェオ−レを飲みながら顔を高橋に向けた。
「なにって、石川さんのコトですけど…」

「あぁ梨華ちゃんか。高橋も頑張れ。応援するから」
 昨日とは一転して、後藤はまた励ます。それは決して嫌みではない。
「後藤さん、どうしたんですか?」
「どうって?」
「なんか昨日と全然違うから」
「そうかな? まぁ当たって砕けても人を好きになるのって素晴らしい
 ってコトだよ。高橋もいずれ分かる。僕には分かる」
 後藤はそう言って立ち上がると、そのまま行ってしまった。
 残された高橋はポカンと後藤を見つめていた。
332 名前:最高の片想い-53- 投稿日:2002年07月23日(火)20時19分36秒
-53-

「よしこさぁ、昨日梨華ちゃんと…したの?」
 言いにくそうに、しかし後藤はハッキリと聞いてきた。
 爆睡していた癖に、やはり気になるには、なるらしい。
 人の気も知らないで…と吉澤は思ったが、後藤には罪はない。
「したって言ったら、ごっちん、どっちに嫉妬する?」
「どっちって?」
「やっぱり…アタシ?」
「どうしたの? よしこ。すっごいマジになってる」
「あ。ゴメン」
 つい本気になってしまい、吉澤は素直に謝る。

 後藤が石川を凄く好きな事は分かったが、告白した後でも同じような
気持ちでいられる事が吉澤には理解出来なかった。
 石川のように積極的過ぎるのも、困り者だが、後藤のように消極的と
言うか、告白した事だけで満足すると言うのも吉澤には気に入らない。
 それが吉澤の勝手な言い分であるとしても。
333 名前:最高の片想い-53- 投稿日:2002年07月23日(火)20時20分31秒
「ごっちんはさぁ…梨華ちゃんとしたいとか、思わないの?」
「ヤダ。急に何言って…」
 吉澤の目が真剣だから、後藤は口をつぐんだ。
 それに、この手の話しは好きだが、実際の後藤は晩生である。
「だって、カラオケで二人の時、梨華ちゃんにキスしたじゃん」
「あれは…勢いって言うか…。自分でも驚いてんだけどね…。
 もう終わったコトじゃん」
 後藤としては、あまり思い出したくないのである。
 次の瞬間、石川に平手打ちされたのだから。
 それも今では良い思い出? になりつつあるのだが。
334 名前:最高の片想い-53- 投稿日:2002年07月23日(火)20時21分05秒
「逆だったら、どう? ごっちんを好きな人が、いきなりごっちんにキスするのは…」
 ずるい聞き方だと吉澤は自分で思う。
「何を急に。そんなの、されてみなきゃわかんないよ。それに、そんな人いないしさぁ」
 後藤は小さく笑った。
「してみる?」
 でも、言ってしまった。後藤に…。
335 名前:_ 投稿日:2002年07月23日(火)20時28分49秒
更新しますた。明日で完結です。
結局、コメディっぽく終わってしまう罠。

>316 名無し読者さん
萌えましたか? そう言っていただけると嬉しいです。
自分では、どうだろうなぁ? って疑問に思いながら書いてました。

>317 名無しさん
キスだけの方が実は萌えたり(って、それは私だけ?)。

>318 名無し読者さん
いい夢見れましたか? 私も、いしよしの夢見たいぽ。

>いしよしになってもやっぱりこの小説がいちばん好き
ありがとうございます。いしよしヲタなので…ごっちんごめんなさい。

>319 名無し娘。さん
ごっちん満足みたいです。お人好しすぎキャラにしすぎたかな。

>320 梨華っちさいこ〜さん
結局、いし○○に…な展開。あースイマセンスイマセン。
336 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年07月24日(水)11時27分35秒
え?いしよしでおわちゃうんですか?
ごっつあんを、応援してたのになァ・・・・・(w
今日で完結ですか?がんがってください。
337 名前:最高の片想い-54- 投稿日:2002年07月24日(水)18時56分33秒
-54-

 一瞬間が空く。吉澤は後藤に顔を近づける。
 しかし…

「そんな人いたら、よしこ連れて来てよ。見てみたいよ」
 後藤の言葉で、吉澤は後藤から離れた。
「…そうだよね。そんな人…でも、わかんないよ?」
 やはり、後藤は気づいていない。
 遠回しに言っても、通じる相手ではない事は、吉澤も一番良く知っているけれど。

「ゴト−、よしこと違って全然モテないもん。冗談はやめて〜」
「冗談か…」
 吉澤は、やはり少しは傷つく。そして、後藤には自分の気持ちを言うのは止める事に決めた。
 今のままでいられたら、それでいい。
(本当に好きな人に好きって言ってもらえなきゃダメなんだよ)
338 名前:最高の片想い-54- 投稿日:2002年07月24日(水)18時57分24秒
「あ、ここに居た」
 そこへ石川が吉澤を探しにやってきた。
「「梨華ちゃん」」
「何話してたの?」
『内緒』と言おうとする吉澤に、後藤は、そのまま喋り出す。
「よしこがさぁ、急に、ゴト−のコト好きな人が急にキスしてきたら、どうする?
 なんて聞くんだよ。そんな人いるわけないじゃんって言って冗談で終わったんだけど」
 吉澤の顔は引きつっている。
(ごっちん、言わなくても…(汗))
339 名前:最高の片想い-54- 投稿日:2002年07月24日(水)18時58分00秒
「ふぅん、そうなんだ」
 石川は、含みのある笑みを浮かべ吉澤に寄り添った。
(また、いや〜な予感が…)
吉澤は、また変な汗が噴き出して来る。
「まぁ冗談だしさ。例え話しだよ、うん」
「よっすぃ−が、昨日してくれたキスは冗談じゃないよね?」
 石川の腕が吉澤の腕に、しっかりと絡みついた。
「(ひぃ! 梨華ちゃん恐い!)………」
 あれは、ついムキになって…とは、口が裂けても言えずに、吉澤は頷いた。
「『好きはあとはあと』って囁いてくれたもんね」
 あれは、ム−ドを盛り上げる為…とは、やはり言えずに、吉澤は頷いた。
340 名前:最高の片想い-54- 投稿日:2002年07月24日(水)18時58分38秒
 後藤は交互に二人を見つめている。そして納得したように言った。
「なんだ、よしこも梨華ちゃんのコト…好きなんじゃん。
 もう、言ってくれれば良かったのに。梨華ちゃんには、気のない素振り見せちゃってさぁ」
(いや、気はなかったんだよ…ホントに)
 吉澤の声は虚しく心に響く。

「ほら、よっすぃ−照れ屋さんだから、ごっちんには、本当のコト言えなかったらしいの」
(えぇ…。梨華ちゃん、そりゃないぜ。セニョリ−タ!)
 絶望的に吉澤は心の中で叫ぶ。
「水臭いよ、よしこぉ!」
 なんの疑いも見せずに、石川の言葉を鵜呑みにする後藤に、吉澤はもう完敗だと悟った。

(さよなら…ごっちん(涙)梨華ちゃん、こんにちわ(涙))
341 名前:最高の片想い-55- 投稿日:2002年07月24日(水)18時59分16秒
-55-

 数日後、明日は泊まりに来いと、半強制的に石川に言われ、吉澤は
泣く泣く(?)着替えを持って、石川のマンションへと向かう。

「なんで、こうなったのかなぁ…」
 元はと言えば、後藤が石川の事が好きで受けた相談から、いつのまにか
自分が石川と付き合う事になってしまった。
 本当に人生とは、分からないものだ。この恋の勝利者は、石川?

 石川のマンションの入り口に誰かが立っているのが見えて吉澤は一瞬立ち止まった。
342 名前:最高の片想い-55- 投稿日:2002年07月24日(水)18時59分54秒
「吉澤さん…」
 その人物の影が揺れる。
「高橋? なんでここに?」
「私ぃ、石川さんとこに、殴り込みに来ましたぁ」
 例の訛り声で、高橋は言った。
「殴り込みって、高橋、それ意味が…。それより、どうしてここ知ってんの?」
「よくぞ聞いてくれました」
「はぁ…」
 高橋と話していると、何となくテンポがずれてしまう。
「後藤さんに聞きました。高橋も当たって砕けろと。アドバイス受けました」
 砕ける事も出来なかった吉澤。と言うか、後藤は砕けたのか?
343 名前:最高の片想い-55- 投稿日:2002年07月24日(水)19時00分34秒
「それで、なんでアタシがいる時に?」
 高橋がいつ告白しようが、吉澤の知った事ではない。
「だって、一人じゃダメですもん。吉澤さんはぁ、石川さんの彼氏ですし」
 羨ましそうな視線を送る高橋。身震いする吉澤。
「彼氏って…」
「告白する前に、吉澤さんの許可もいただかないと」
「なんでアタシの許可がいるんだよ」
「吉澤さん、かなりの焼きもちやきだって」
「(それは梨華ちゃん)」
 心の中で突っ込む。
「そういうの結構気にするって」
「(それも梨華ちゃんだっつ−の!)」
 更に突っ込む。
「だから、吉澤さんを通してからじゃないと…」
「それ誰が言ってた?」
「後藤さん」
「やっぱり!」
(余計な事言いやがって!)
344 名前:最高の片想い-55- 投稿日:2002年07月24日(水)19時01分06秒
「でもぉアタシぃ、宝塚ファンじゃないですかぁ」
 そういえば、そんな事言ってたっけ。
「まさに、石川さんと吉澤さんって、美男美女なんですよねぇ」
「そうかな」
 肯定するのも、なんだから相づちを打つ。
「だから、このまま砕けなくてもいいかなって…」
(高橋、お前もかよ! なんで、梨華ちゃん好きな奴は、どいつも
 こいつも、あっさり身を退くわけ?)
「今、砕けるって言ったじゃん」
「そうなんですけどね。今ここで話してたら、どうでも良くなっちゃいました」
「どうでもって、その程度の気持ちなのかよ! 高橋ぃぃ!!」
「高橋ラブリ−も、石川さんと吉澤さん、応援します!
 あ、まこっちゃんも応援するって言ってました! おがわっしょい!
 って言ってました」
「応援されても……」
 吉澤は途方に暮れる。
345 名前:最高の片想い-55- 投稿日:2002年07月24日(水)19時01分42秒
「スッキリしました。アタシ、眠くなりましたんで、もう帰ります」
 馬鹿丁寧に高橋はお辞儀をする。
「ちょ、ちょっと高橋! 梨華ちゃんに用があったんじゃないの?」
「二人の愛のお邪魔をしちゃイケマセン! 高橋は、素直に退散致します。
 おやすみなさい。ごゆっくり」
「おい!」
 厭らしい笑みを浮かべて、高橋は帰って行った。
346 名前:最高の片想い-56-最終話- 投稿日:2002年07月24日(水)19時02分16秒
-56-

「なんだかなぁ…」
 吉澤はぶつぶつ言いながら、石川のマンションに入っていく。

―――今夜アタシ、ついに梨華ちゃんに…(涙)。

 覚悟を決め、吉澤は石川の玄関のインタ−フォンを押した。

「よっすぃ−! 待ってたぁ!」
 待ちかまえていたように、石川が抱きついてくる。
「梨華ちゃん…く、くるしぃ…」
 
 これから起こる? 長い夜に、吉澤は、フゥ−ッと深くため息を落とした。


     
      ――――― THE END ―――――
347 名前:_ 投稿日:2002年07月24日(水)19時06分07秒
完結しました。
この後、吉澤がどうなったのかは私にも分かりません。

>336 よすこ大好き読者。さん
いしよし? だけど、吉澤の気持ちは……?

最初は、いしごまにする予定だったんですが。
キャラが勝手に動いてしまって(言い訳)スイマセン。
348 名前:名無し読者。。。 投稿日:2002年07月24日(水)20時49分05秒
あは!
そーきましたか(w
…ちょっといしかーさんが恐く感じてしまった
今日この頃。
乙〜ですた!
349 名前:オガマー 投稿日:2002年07月24日(水)21時52分45秒
作者さんが折りこむ小ネタに笑わせて頂きました!!
完結乙〜です!!
350 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月25日(木)02時52分00秒
お疲れ様です。
いしよしか‥(遠い目石川さん恐すぎ(w
吉の未来は どうなるのでしょう。
いしごまじゃなくて残念ですが おもろ萌えしました。
(#^▽^)<ハッピーエンド♪
(;^〜^)<‥‥。微妙な二人
351 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年07月25日(木)15時14分29秒
完結お疲れ様でした。
番外編を激しくキボーン!!(w
吉が結局ヘタレで、よかったです。(爆)
352 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年07月26日(金)17時16分04秒
完結おめでとうございます。
お疲れさまでした。
今までにない終わり方で、私的にはよかったです。
最後の高橋には笑わせてもらいました(w
353 名前:名無し娘。 投稿日:2002年08月10日(土)14時52分18秒
このお話で一番不幸だった人は?
1.恋のキューピッド役のつもりが気が付くと蟻地獄の中心に居た吉澤
2.自分の本当の気持ちに気付いたものの何の解決もできなかった吉澤
3.『最高の片思い』というタイトルが皮肉にしか聞こえない吉澤

・・・まぁなんにせよ楽しゅうございました。完結おめでとうございます(^-^;
354 名前:最高の片想い-∞- 投稿日:2002年10月04日(金)15時54分20秒
-∞-

キッチンからコーヒーの香しい香りが流れ込んでくる。
梨華ちゃんはサラダを作ると言って悪戦苦闘している。
(何を食べさせられるか、ちょっと不安だ!)

リビングのソファーに凭れながら、吉澤は石川の横顔を眺めていた。

女って一晩でこんなにも、変われるものなのか?
昨日までは、可愛いけど小悪魔みたいな少女が
今は、光り輝くような美しさを持った女性になっている。
あたしは、どうなんだろう?


昨日の夜は、とうとう......。

覚悟を決めたとはいえ、ぎりぎりのところで、ためらいはあった。
でも、最後は梨華ちゃんを受け入れる事にした。
あたしへの梨華ちゃんの気持ちを知りながら、ここへ来たのだ。
ここで拒絶したら、梨華ちゃんの心に一生消えない傷を付けてしまう。
まっすぐあたしに向かって来てくれる梨華ちゃんに、そんなことは出来ない。
最後に一瞬、ごっちんの事が脳裏に浮かんだが、直ぐに消し去った。
今からは、あたしを愛していてくれる人のために、生きて行こう。
「有り難う」と言ってくれた、貴女の為に生きて行こう、そう思った。
355 名前:最高の片想い-∞- 投稿日:2002年10月04日(金)15時55分04秒
とまぁ、ここまでは良いのだが、梨華ちゃんはっきり言って
アンタ、ちょっとやりすぎじゃ〜無〜い!
朦朧として、抜け殻みたいになってるあたしに
「私にもシテ♪」なんて普通〜は言うかな〜
あたしは、気を失いそうになったよ。
まぁ、気持ちも分かるから、がんばったさ。

でもね、梨華ちゃんここまでも良いとしよう
やっと寝れると思ったあたしに、なにしたの?
あんな事や、こんな事や、そんな事!
あ゛〜! 思い出すだけでもおかしくなりそう!
しかも朝までだよ、死ぬかと思った。

ねぇ、梨華ちゃん教えて、何でそんなに元気なの?
あたしなんか、リビングへ来るまでに
2回くらい倒れそうになったよ。
梨華ちゃん、あたしを愛してるのなら
お願いだから、手加減してね、死んじゃうよ、あたし。

これからの事を考えると、ちょっと不安。
でも、うれしいな〜と考えてる、あたしって?
356 名前:余計な事をする奴 投稿日:2002年10月04日(金)16時02分45秒
せっかく、良い雰囲気で終わっているのに
余計なことをするな! と言うお叱りの声が聞こえて来そうですが
2ヶ月経っているので、良いかなと思って書いてみました。

作者さまには、ご不快でしたら削除依頼をお願いします。
もし、お許し頂けるので有れば、短編で少し続けたいと思います。
357 名前:名無し娘。 投稿日:2002年10月06日(日)00時39分39秒
寝た子をムリヤリ起こすのは
 美味い寿司折り土産に持ってと言うのに決まってる。
358 名前:余計な事をする奴 投稿日:2002年10月06日(日)08時48分56秒
>>名無し娘。 さん

あ゛〜! いくら読んでも分からない! 読解力が有りませ〜ん!
支持されているのか、反対されてるのか、分からな〜い。
359 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月07日(月)10時52分36秒
名作の続きをかってに書くのならば
それ相応の名作でなければならない

…ってことかな?違ったらスマソ…
ただ、事前に作者さんの許可をとっとくべき。
書き始めちゃったら作者さんも( `.∀´)ダメよって言いづらいと思うし…
360 名前:余計な事をする奴 投稿日:2002年10月07日(月)16時03分47秒
う〜ん、そう言われればその様に読めるかも。
名作は無理ですけど、デザート代わりです。

そうですよね、書く前に了解を取るべきですよね。
作者さま、皆さま、失礼しました。
361 名前:_ 投稿日:2002年10月14日(月)19時44分52秒
レスだけ返させていただきます。

>348 名無し読者。。。さん
ここの、いしかーさんは、ちょっと怖かったですか?
好きになると一直線なんです。

>349 オガマーさん
ありがとうございます。オガマーさんの小説も面白いですね。
これからも、宜しくおながいします。

>350 名無し読者さん
吉の未来は、石に委ねられています(とか。
おもろ萌えですか。そう言っていただけると嬉しいです。

>351 よすこ大好き読者。さん
番外編は、皆さんの想像に…と思ってましたが、多分答えは1つですね(w。
こちらでは書きませんが、いずれ自分のサイトか、どこかで書きたいなと。
予定は未定で、分かりませんが。
362 名前:_ 投稿日:2002年10月14日(月)19時45分52秒

>352 ごまべーぐるさん
よかったと言っていただけるとホッとしますな。
ありがとうございます。

>353 名無し娘。さん
吉澤さんが、一番不幸だったんですかね?(w
面白いレスありがとうございました。

>354-356 余計な事をする奴さん
ヘタレなりにも一応私の小説なんで、勝手に書かれるのは、正直驚きました。

>作者さまには、ご不快でしたら削除依頼をお願いします。
ご自分で削除依頼して下さい。私が勝手に削除と言うのも何だか。

>359 名無し読者さん
>ただ、事前に作者さんの許可をとっとくべき。
そうですね。書いていいですか? って聞かれても困りますけど。

363 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月15日(火)21時18分48秒
現在、いしよし探検中で〜す。

今日、たどり着いて一気に読ませて頂きました
良いです、保存します、製本します!

何だか番外で変なのが、付いてますけど平気です。

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