ふたりのおはなし

1 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月22日(金)05時09分33秒



―――ふたりは、いつも一緒でした。




2 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月22日(金)05時12分17秒
ふたりはいつも一緒でした。

ふたりはとても愛し合っていました。

しかし、選ぶべきふたりの道は、別々のものでした。

ふたりは再会を誓い、別れました。

気持ちを隠したまま、ふたりは別の世界を生きました。

3 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月22日(金)05時15分20秒
ひとりは、いつしか辛さ故に自分の感情もださなくなりました。

もうひとりは、いつか会えるその人のことを思って懸命に努力しました。

そんなふたりが、再会を、果たします。

そんなふたりの、おはなしです―――。

4 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月22日(金)15時15分47秒
む?ふたりとは誰なのか(w
凄く気になります頑張ってください
5 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月24日(日)05時50分47秒
ものすごく続きが気になるんだが・・・
6 名前:後藤 真希 投稿日:2002年03月24日(日)23時16分06秒

“市井紗耶香、復活!!”

そのニュースを聞いて、何日立っただろうか。
テレビをつけると必ず“市井紗耶香”が映っていた日々も、もう終わった。

そう、4日前。
あたし達は、マネージャーさんからその話を聞いた。
テレビが“市井紗耶香”を報道する、前日に。
みんなすごく喜んでたなぁ。
やぐっつぁんなんか、涙流す勢いだったし。
圭ちゃんも、普通にしてたつもりだろうけど、
喜んでいるのがひしひしと伝わってきた。
辻加護や梨華ちゃん、それによっすぃー。
5期メンでさえ、喜んでいた。

だけど、あたしは?表面上は、笑ってたよ、もちろん。
でも、心の奥底は?
隠してる、本当の感情は?


7 名前:後藤 真希 投稿日:2002年03月24日(日)23時23分59秒

でも、そのうち考えることをやめた。
考えていくと、イヤな答えが出るような気がしたから。
自分の脳が、やめろって、考えるなって叫ぶから。
みんなに合わせて、笑って。
喜んでいるフリをしていた。
作り笑いも、“市井紗耶香”がいなかった1年半で、大分上手くなった。

窓に目を向ける。
そろそろ、夜が明けようとしていた。
今日も、一睡もできなかった。
近頃ずぅっとそうなんだ。
寝ていないのに、どうしても眠くならない。
以前のあたしからは、考えられないようなくらいに。
とりあえず、ベッドに入って横になってはみたけれど、眠れない。

まぁ、今日も一日頑張るしかないか。
ぐっと背伸びをして、ベッドから出る。

こんな朝早く。
することもないから、シャワーでも浴びようかな。



8 名前:後藤 真希 投稿日:2002年03月24日(日)23時38分12秒

そう、思ったとき。
プルルルルル!プルルルルル!
携帯が、けたたましく音を立てた。
面倒だから、特に着メロはない。
機械的な音が、頭と部屋中に鳴り響く。
ウィンドウに出た名前を見ると、「よっすぃー」と写し出されていた。
時間は、朝の4時半。
こんな時間、どうしたのだろう。

「もしもし?どうしたの?」
そう一言、言う。
「あ、ごっちん?おはよう。
別に用事はなかったんだけどさぁ。
早起きしちゃったから、ごっちんの声が聞きたくなっちゃって」

―――そう。
あたしとよっすぃーは、付き合ってるんだ。

メンバーみんな、このことを知っている。

「な〜んて、ね!」
よっすぃーの声が、渇いたあたしのココロに響く。
でも、潤すことは一度もない。

9 名前:後藤 真希 投稿日:2002年03月24日(日)23時49分51秒

「あはは、そんな恥ずかしいコト、言うなよぉ」

はたから見れば、ラブラブな、バカップルに見えるだろう。
自分でも、そう思う。
でも、本当は違っていて。
あたしの心は、よっすぃーにはなかった。
付き合っていることで、メンバーから孤立することもなかったし。
よっすぃーといると、“市井紗耶香”という存在を忘れることができた。
よっすぃーは、あたしの過去を知らないから。
だからそれなりに、よっすぃーには感謝しているつもりだ。

こんな冷たい、壊れたココロの女を、真剣に愛してくれているよっすぃー。
よっすぃーの愛が大きすぎて、罪悪感を感じることもあった。

そんなよっすぃーを愛しく思ったこともあった。
何度もよっすぃーに抱かれたし、あたしも抱いた。
でもそれは、自分の心を紛らわすだけで愛ではないということは分かっていて。
日々、自分への嫌悪感とよっすぃーへの罪悪感が積もっていった。


10 名前:後藤 真希 投稿日:2002年03月25日(月)00時03分36秒

「………ってコトだけど、聞いてる?ごっちん」

ふと、よっすぃーの話がまったく耳に入っていなかった事に気づく。

「…あ、ごめんごめん。ちょっと交信しちゃってたよ〜」
冗談を交えて。
自分の心を悟られないように、もう一度聞きなおす。
「も〜、やだなぁごっちん。飯田さんじゃないんだから」
そう、笑いながら話すよっすぃー。
「ごめんってばぁ」
あたしも、笑いながら返す。
「んで、明後日なんだけど。市井さんが、楽屋に遊びに来るらしいよ!
矢口さんから聞いてさ、ごっちんにも教えてあげて、って」

市井さん、かぁ。
よっすぃーはなにも知らないから、ね。
それにしてもやぐっつぁん。
“市井紗耶香”と仲良かった事もあって、全てを知っている一人で。
きっとあたしの事気遣って、よっすぃーに頼んだのだろう。


11 名前:後藤 真希 投稿日:2002年03月25日(月)00時16分52秒

「そうなんだー。楽しみだね、会うの久しぶりだし」

そんな、心にもない事を言って。
気遣ってくれたやぐっつぁんには悪いけれど。
もう関係ないんだ、“市井紗耶香”の事なんて。

やり直せるなんて、思ってないから、今更。
今取り戻したって、きっと微妙に違っているはずだから。

その後15分ほど、他愛もない話をよっすぃーとして。
シャワーを浴びるから、って言って電話を切る。

「はぁ…」
大きな、タメイキ。
タメイキをつくと幸せが逃げる、って話を聞くけれど。
こんなあたしに幸せなんてもの、残っているのだろうか。
持っていきたいなら持っていけばいいよ。
こんなあたしの幸せなんて、もしあったとしてもロクナモノじゃないから。

着替えを持って脱衣所に入る。
服を脱いで洗面台の鏡の前に立つと、3日ほど前によっすぃーがつけた、赤いシルシが目に入る。
そのシルシが、よっっすぃーの愛を証明しているようで、ちくりと痛む。
指で、その部分を軽く撫でる。

「あたしも、変わっちゃったね…」
知らぬ間に、そう呟いている自分がいた。

空がようやく白みかけて来ていた。


12 名前:名無しな作者 投稿日:2002年03月25日(月)00時23分05秒
>>4 名無し読者サン
レスありがとうございマス。
二人、分かっていただけましたでしょーか?

>>5 名無し読者サン
いきなり更新あいてスミマセン(汗
これからはがんばりますんで!

というわけで、二人というのは市井と後藤なわけでして。
市井復活モノです。
なんだか時期はずれみたいな感じですが…。
しかもなんだか暗い話になりそうですが…。

とりあえずがんばっていきたいと思いますノデ。
よろしくお願いします。
13 名前:名無し娘。 投稿日:2002年03月25日(月)01時49分05秒
こ、これは気になるネタ!
頑張って下さい、作者さん。
14 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月25日(月)03時29分09秒
おぉ、いちごまですか?
超楽しみです♪
15 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月25日(月)07時07分55秒
痛くなりそうだけど期待してます。
16 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年03月26日(火)00時34分13秒

モー娘。のみんなに、あたしが復活するって伝えてもらった日の夜。
あたしはなぜか眠れなかった。

みんながどんな反応をしたのか。
………違う。
みんなっていうのも、まぁアリだけど。
実際のところ、後藤がどんな反応したのかが気になって気になって。

あたしは、自分の‘ソロデビュー’って夢を叶える事で、後藤とまたいつかのように戻れるって思ってた。
そのためにこんなに努力して、一年半という短期間で芸能界に戻った、と言っても過言ではないだろう。
夢を叶えて後藤を守れるくらいしっかりしたら、必ず迎えに行こうと。
きっと後藤も喜んで迎えてくれるのだろうと。
そう、思っていた。

あの日、矢口から話を聞くまでは。


17 名前:後藤 真希 投稿日:2002年03月26日(火)00時46分02秒

あたしと矢口は、同期ということもあって昔から仲が良かった。
だから当然、あたしと後藤の事は全て知っていた。

けれどあたしがモー娘。を辞めてからは、どちらも忙しくて連絡もとれずに。
たまに、「がんばってるか〜?」なんてメールを交わすぐらい。

だからあれは本当に久々に矢口と電話で話した日。

矢口は、あたしのデビューの話を聞いた3日後に電話をかけてきてくれた。
圭ちゃんやなっち、圭織からめメールを貰ったりはしたけれど。
矢口は後藤から何の連絡もなくて、ちょっと寂しがっていた時だった。
だからすごい嬉しくて、くだらない話を長々とした。

しばらく、話をした後。
「ねぇ、後藤はどうしてるの?会いたいなぁ、久々に」
なんて、あたしが口に出して。
思えば、それが矢口から衝撃の告白を言わせるきっかけになったんだけど。
明るかった矢口が、急に静かに話し出した。

「後藤は、今よっすぃーと付き合ってるんだ………」

全てを知っていた矢口にとっても、相当辛い事だったに違いない。
けれどあたしの辛さとは、多分比にならない。

その言葉は胸に深く突き刺さり、大きなトゲとなった。

18 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年03月26日(火)01時02分31秒

「とりあえず、今度楽屋来てみてよ。後藤と話さなきゃならないことも、あるでしょ?」
そう、矢口が言ってくれて。
「うん、そうするよ」
って、返事はしたものの。
そんな事ほぼ頭に入っていなくて。
ただあたしは、後藤がもう別の人のものだって思うと、涙が溢れてきた。
それを矢口に悟られないように必死で普通にした。

けど、矢口が気づいていないはずもなく。
3日後楽屋に行くって事を決めたらあたしを気遣ってか、すぐに電話を切った。

あたしはその後何もする気が起きずに、一日を寝て過ごした。
まぁ、ほんとうに眠っていたわけじゃなく。
ただ、寝転がるだけ。

悲しみがあたしをベッドに縛り付ける。
動けない。
動きたくない。
後藤の事考える度、全身に電流が走ったように痛む。
涙は、もう出ない。

このまま死んでいってもおかしくないなぁ、なんて考えたりして。
お腹はすかないし、眠くもならない。
ただただ、規則正しく呼吸を繰り返すだけ。

あたしは何のために頑張ってきたのだろうか。

ゴロンと寝返りを打ったその時、玄関のチャイムが頭のどこかで聞こえた。



19 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年03月26日(火)01時17分23秒

インターホンのテレビで外を見る。
そこには、カメラにぎりぎり映るか映らないか位の、小さな矢口が立っていた。
周りの暗さから、今が夜だった事に気づく。
玄関へ、ふらふらしながら向かい、ドアを開けた。
「紗耶香…きちゃったよ…。大丈夫?」
矢口は今のあたしとおんなじような顔をしていた。

「や…ぐち…」
のどがカラカラで、掠れた声しか出てこない。
「ごめん、こんな遅くに。とりあえず、あがってもいい?」
時間の感覚がなかったあたしは、ポケットに入っている携帯を取り出し、ウィンドウを見る。
時刻は、午前1時をさしていた。

「いい…けど。やぐち、仕事…どうしたの?」
とりあえず矢口を家にあげて。
ものがほとんどおいてないあたしの部屋に通して、自分は紅茶を入れる。
矢口はソファに座り、しばらく来ていなかったあたしの部屋をグルリと見渡した。
「仕事終わってすぐ来ちゃった。紗耶香の事、心配になっちゃって…。ちゃんと、食べてる?大丈夫?」
あたしは手を動かしながら、黙って首を横にふる。
「なんで?具合とか、悪いの?」
矢口は心配そうにあたしの顔を覗きこむけど。
「お腹減らないし…眠くもならない。なんもする気にならないから…」

20 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年03月26日(火)01時28分26秒

本当に、魂が抜けたよう。
動いていないと、自分が存在していることも忘れてしまいそうになる。
用意した紅茶を矢口に手渡し、矢口の隣に腰を下ろす。

「そんなショックだった?後藤の事」
矢口は紅茶を一口啜り、さっきとはまったく違う強い目であたしを見た。
あたしはそんな矢口に無償に腹が立って。
気づけば、強い口調で矢口に向かって言葉を吐いていた。

「当たり前、だろ?あたしは今まで何のために頑張ったとおもってる?全部、後藤のため。前みたく戻るために頑張って、再デビューまでたどり着いた。それを後藤は簡単に裏切ったんだ。また会おうって約束すら、守らずに。ショック受けるに、決まってるだろ!?あたしの気持ちなんて、誰にもわかんないんだよ!」
枯れたはずの涙がまた溢れそうになる。
唇を強く噛み締めた。

でも矢口はもっともっと強く、熱い瞳をあたしに向けて。
ココロの中が読まれそうなほど、強い。

あたしはその目を見て少し怖くなった。
ぴりぴりと肌が震える感覚が痛い。


21 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年03月26日(火)01時42分00秒

>>13 名無し娘。サン
はい、がんばっていくつもりです!
自分の力が続く限り…。(汗

>>14 名無し読者サン
なんだかみょうに胸に突き刺さる、奇妙ないちごまになる予定です(w

>>15 名無し読者サン
ありがとうございます。
きっとほんとに痛いです。
もう、でろでろぐちゃぐちゃに痛いです。

というわけで、少量(?)更新。
今回は市井ちゃん視点でした。
22 名前:名無しだべ 投稿日:2002年03月29日(金)15時18分30秒
良い!痛いの大歓迎!とは言っても、
ハッピーエンドを期待してもよろしいのでしょうか・・・。
23 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月04日(木)00時02分34秒
さやまりも混ぜてぐちゃぐちやに!笑
24 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年04月04日(木)15時52分47秒

矢口はゆっくりと口を開いた。
「じゃあ、聞くけど。紗耶香が娘やめたのは、夢を叶えるためだったよね?」

短い沈黙。
矢口の少し荒い息遣いが聞こえる。

「そりゃ、そうだけど……。でも頑張ろうと思ったのは後藤のためで……」
視線を床に落として、呟くように言葉を吐く。
そんなあたしに、矢口はためらうことなく強い言葉を浴びせる。
「言っちゃ悪いけど…。そのために、最初に裏切ったのは紗耶香だよ?
紗耶香はそう思ってないかもしれないけど、紗耶香がやめた後の後藤、ボロボロで見てられなかったんだから。
よっすぃーと付き合うことで、後藤の顔、よくなって来てると思う。
よっすぃーと付き合って後藤はやっと安心できたのかもしれないよ?
それなのに、よっすぃーと付き合うことをとめる権利は、後藤を守る事を破棄した紗耶香には、ないよ!」


25 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年04月04日(木)16時00分11秒

………。
心の隅で抱えていたそのかすかな不安を、矢口にきっぱりと言い放たれてしまった。

“アタシニハ、ゴトウヲマモルシカクハモウナイ?”
ぐるぐると回る、たくさんの感情。

“オマエハギゼンシャダッタンダヨ”
………違う。
“オマエガヤッタコトニ、ナニヒトツイイコトナンテナカッタンダ”
…違う…違うんだ。
“オマエガイルコトデ、ミンナノシアワセヲカキミダシテイル”
違う!違うったら!

「あたしは…あたしはそんなんじゃない……。」
頭が割れそうに痛い。
感情が溢れかえって逆流してくるよう。

「……紗耶香………?」
矢口の顔が視界に広がる。
その顔さえ、あたしを嘲笑っているかのように見える。



26 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年04月04日(木)16時09分35秒

矢口の言葉が頭を駆け巡る。

“サヤカハ、ゴトウヲマモルコトヲハキシタ”
“イマノゴトウニハ、タイセツニマモッテクレルヨッスィーガイルンダカラ”
“サヤカニハゴトウヲマモルシカクハナイ”
頭が…爆発する……。
もう、いいよ!いいったら!

「うるさい!うるさいんだよぉ!」
もう叫び回ることしかできずに。
「紗耶香……?ちょっと………どうしたの…?」
矢口の声が耳に届くたび、あの言葉が思い出されて苛立ちが募る。
「かえれ!もういいよ!しゃべるなよぉぉ!かえれぇぇぇ!!」
矢口のおろおろしてる顔が、視界の隅に入るが、頭が反応しない。
ただ叫び、頭を振るだけ。

「分かった、分かったから。
もうこれ以上自分のこと苦しめないでよ…。
あたし、帰るから。
………明後日、来て…ね……?」
荷物をまとめて心配そうに部屋を出て行く矢口が、にごった視界にうっすらと見える。
27 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年04月04日(木)16時15分53秒

バタン、とドアがしまる音。

それを最後に、全ての音が消えた空間に変わった。
耳に入るのは、自分の心臓音と体がガタガタと震える音だけ。

朦朧とする意識の中、あたしは呟く。
「……違う………。あたしは……あたしはぁ……」
どくんどくんと大きく聞こえる自分の心臓音がやけに気に障る。
それが、自分を攻め立てるような感覚にとらわれる。

記憶が途切れて行く。
頭が真っ白になって、そのまま床に倒れた。
痛いと思うまもなく、ふっと意識が途切れた。

その真っ白な世界と現実世界の間に、後藤の後ろ姿が見えたような気が、した。


28 名前:名無しな作者 投稿日:2002年04月04日(木)16時23分46秒

>>22 名無しだべ サン
痛いの歓迎ですか!
ありがとうございます。
ハッピーエンドは…どうでしょう?(w
きっと痛いままでは終わらないと思います。………多分。

>>23 名無しさん サン
さやまりですか。
でるかもしれません。
どうでしょう。
私にもよく分かりません。(爆
自由気ままに書いてるものですから(w

というわけで、なんか久々な更新。
これからはもうちょっとペースもあがると思います。



29 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月20日(土)20時11分43秒
い・・・痛・・っ・・・
・・でも、こーゆー痛いの好きです。
作者さん、ガムバッテ!!

ちなみに自分も、さやまりも混ぜてグチャグチャ希望!(w
30 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月13日(月)02時09分59秒
うぉー!痛いですね・・・
けど痛いの好きです(w

自分もなにげにさやまりきぼん(w
けど、作者さんにお任せします。
ガムバレ!!!
31 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月02日(日)14時55分08秒


今日は“市井紗耶香”が遊びに来る、らしい。
気になるわけじゃないけど、元メンバーとして気にならないわけでもないから。
でも、いつもは遅刻気味のあたしが早く目がさめてしまって。
集合の40分前に、この集合場所のビルの前に立っているという事態。
自分でもなぜこんな風になってるのかわからないけど。
深追いするのはいつもの通り止めておいて。
とりあえず、ビルの中へと入っていった。

廊下はいつもと違って人が慌しく動く気配はなくて、
数人のディレクターさんとすれ違うだけ。
顔見知りの人なんかは、あたしがこんなに早く来ているのに驚いていたみたいだった。
32 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月02日(日)15時03分22秒


これから40分もの間、なにしてようか考えながら、楽屋のドアのノブを回す。

「おはようございまーす……」
「あ、ごっちん!おはよ。今日はめずらしく早いんだねー」
誰もいないと思ってた楽屋には、よっすぃーが一人、雑誌をめくりながら座っていた。
「う、ん。ちょっと早く目がさめちゃってさ。
いつもよっすぃー早いから、いるかなぁと思って早く来た」

また、嘘ついた。
笑顔も、ニセモノ。
ほんとうの答えは自分の心の奥にある感情の倉庫しか知ることができないものだけど。
今の言葉は、みんな嘘。

なのに、よっすぃーは嬉しそうにはにかんであたしを見つめるんだ。

33 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月02日(日)15時13分46秒


「へへっ。嬉しいな。
ごっちんがそんなこと言うの、すっごぉくめずらしいから。
ね、ちょっと、こっちきて?」

そう言って、まだドアの前に立ってるあたしに向かって手招きして。
椅子を引いて、あたしを呼ぶ。
あたしは不思議に思って、よっすぃーが引いてくれた椅子に座る。

「ここ、来て」

今度は、自分の肩を指差す。
どうやら、あたしを肩に抱きたいようで。
あまえんぼなよっすぃーにはよくある事だけれど。

「えー、いいよ。楽屋だしさ。誰か、来るかもしれないし」

否定の言葉をはくあたし。
誰か、って口にした時に、アノヒトの顔が一瞬浮かんですぐ消えた。

「いいから、きて。誰か来たっていーじゃん、別に」

あたしの腕を軽く、優しくひっぱって。
そのままぎゅーって、無理矢理抱きしめられた。

34 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月02日(日)15時20分00秒


「やっぱあったかい、ごっちん。赤ちゃんみたいだぁ。
ちょーイイにおい、するよ?
かわいすぎて、このまま連れ去ってどっかに隠しときたいくらいだぁ…」

恥ずかしそうにしながらも、とろけそうな笑顔をあたしに。
その笑顔は、反則だよ。
あたしの中に積もった罪悪感がまたギシギシと音を立て始める。
自分への嫌悪感が破裂しそう。

「ごっちん?どしたの?気分悪い?」

よっすぃーは、下を向いたあたしの顔を覗きこむようにしてる。
その、悩ましげな顔に、あたしの顔をかぶせて。
そっと唇を重ねた。
あたしの気持ちを隠すように。

35 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月02日(日)15時28分11秒


「ごっちん、だいすき」

とろんとした目であたしを見つめながら、柔らかい口調でそう言って。
またぎゅっと抱きしめられた。

だいすき、かぁ。

よっすぃーにそう言われて、あたしもだよって答えられない自分がムカツク。
そんな気持ちを掻き消すように、よっすぃーを強く抱きしめかえした。
あたしみたいにやな女を好きになっちゃうなんて、よっすぃー、ばかだなぁ。
ほんとの気持ちを出したら、きっとすぐに離れていくよ。
だから言わない、言えない。
よっすぃーは今、完全にあたしを信じきっているから。
ごめんねよっすぃー、ごめんね………。


36 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月02日(日)15時36分11秒


「おいおい、なにやってんの?ここは楽屋だよ?」

ふと誰かの声がした。
聞こえてきた方を見る。

「なぁんだ、圭ちゃんと矢口さんと梨華ちゃんじゃん。
びっくりさせないでよぉ」

よっすぃーは視線をドアのほうに向けて、誰が来たのか確認した。
けど、あたしを抱きしめる手はほどかずに。

「それにしてもごっつぁん、今日は早いんだね。どうしたの?」

やぐっつぁんは、いきなり不機嫌な戦闘モードな声であたしに話し掛ける。
あたしがなにをしたのか、わかんなくて思考を巡らせる。


37 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月02日(日)15時41分58秒


………あ、そうか。
“市井紗耶香”のことだ。
今日、楽屋に遊びに来るって事、やぐっつぁんが聞いてきたんだもんね。
あたしがめずらしく早く来たのは、“市井紗耶香”に会いたいからだと思ってるんですね?

でも、あいにくそんな答えは持ち合わせてません。
あたしは別にもう、“市井紗耶香”のことなんて関係ないんだから。

「たまたま早く目さめてさ。
いつもよっすぃー早いから、たまには後藤も早く来てみよっかなぁって。
だから二人でラブラブしてたんだよね、よっすぃー?」

そう言って笑う。
よっすぃーも、微笑み返す。

本当の自分はどれなのか、どこにいるのか。
自分でももうわからない。


38 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月02日(日)17時14分19秒
続き期待sage
39 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月02日(日)18時30分30秒
更新されてる━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
続き期待してますYO!
40 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月03日(月)21時55分49秒
ここ好きです!頑張ってください☆
41 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月06日(木)02時02分05秒
このCPが現実でどうなるのかって小説、待ってました。
頑張ってください。
42 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月08日(土)22時10分52秒


「ああそうかい。もう勝手にやってなさい、このバカップルが」
圭ちゃんはそう言い、見逃してくれたようで。
梨華ちゃんも何も言わずに笑っていた。

でも、やぐっつぁんだけはそうもいかないようで。
「そういえば、今日楽屋に紗耶香来るらしいよ。ね、よっすぃー。
ごっちんも、よっすぃーに聞いてた?」
ぴくっと反応する圭ちゃんの横顔。
「紗耶香が、くるの………?」
圭ちゃんとやぐっつぁんの視線を痛いほどに感じる。

「うん、聞いてたよ。楽しみだねって、二人で言ってたんだよ」
普通に、普通に。
よっすぃーは気付いてないのか、それとも気付かないフリをしてるのか。
なんだかそっぽむいて返事をする。
梨華ちゃんはこの空気の違いに気付いて不思議そうな顔していた。


43 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月08日(土)22時16分16秒


「へぇ、ごっちんでも気になってるんだ、紗耶香のこと。
今までずっとうちらが話してても興味なさそうだったのにね」

なぜ、そんなに喧嘩口調なのか。
まぁ、あたしもそれくらいで怒ったりするほどガキじゃないけれど。
よりかかっていたよっすぃーからすっと頭を上げる。
「だって、元メンバーだし、しかも教育係だったんだよぉ?
気になるに決まってんじゃん、もちろん」
少しだけ、言葉がきつくなったのが自分でもわかった。

「そう、だよね。いろんな意味で、後藤が一番深く関わった人だもんね。
それに、後藤は………」


44 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月08日(土)22時21分55秒


「矢口、もういい加減にしなよ」
圭ちゃんがやぐっつぁんを静止して。
やぐっつぁんは小さくゴメンと呟いて、部屋の隅の椅子に腰を下ろす。
梨華ちゃんがあたし達のそばの椅子に腰掛けると、
圭ちゃんがタメイキをつきながら、その横に座った。

よっすぃーは不思議そうな顔してあたしを見つめる。
「なんでも、ないよ?」
よっすぃーの柔らかな頬を撫でて、そう呟いて。
「ん………」
よっすぃーはくすぐったそうに声を漏らして、顎を少し持ち上げた。


45 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月08日(土)22時27分31秒


「ほら、もうほんとにやめなさいよ?
そんなとこ、5期メンに見せられないでしょ?」
しかめっ面であたし達を見る圭ちゃん。
「はいはい」
あたしは素直に言うこと聞いて、離れようとしていた。
けど、よっすぃーがそれを止める。

「いいの。ごっちん、今日なんか変だから。抱きしめてないと飛んでいきそう。
5期メンだって気付いてるっしょ、うちらのこと」
そう言って、もっと強くあたしを抱きしめた。

「もう勝手にして………」
圭ちゃんはあきれて様子で見て、雑誌に目を落としてしまった。
えへへっ、といたずらっぽく笑うよっすぃーはとてもカワイイ。
さすがに、よっすぃーは鋭かったんだなぁって思う。



46 名前:後藤 真希 投稿日:2002年06月08日(土)22時37分43秒


でももし今ここに“市井紗耶香”が来たら、どんな顔するんだろう。
そしてあたしはどうすればいいんだろう。
胸がドキドキと音を立て、不思議な感覚に包まれる。
あたしを助けてほしい。
だれかの手を求めてしまうんだ。
一人で生きていくってきめたのに。

あたしはなんて弱い人間なんだろう。

結局メンバー全員がそろってマネージャーさんが話を始めても、
“市井紗耶香”が現れることはなかった。

「じゃあ、次は移動ですんで、準備をしてください」
そうマネージャーが言ってみんなが動き始めたとき。
「後藤、帰り話あるから、終わったら残ってくんない?」
やぐっつぁんが、小声で話し掛けてきた。
やぐっつぁんがあたしのことを後藤ってよぶのは、そうとうのこと。
まぁ、話の内容なんてのは大体分かってはいるんだけどね。
「ワカッタ」
気のない返事をする。
やぐっつぁんはタメイキをついてあたしから離れていった。
あたしもふうって息を吐いて、天井をじっとみつめていた。


47 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月09日(日)01時27分30秒
この緊張感がたまらんぜ
48 名前:後藤真希 投稿日:2002年07月01日(月)14時04分11秒


午後4時を回った頃。
私達の仕事は予定より早く終わった。

「で?話って、何?」

もう人のいなくなった楽屋。
広いこの部屋に、あたしの声がやけに響いて聞こえる。

よっすぃーが『一緒に帰ろう』って誘ってきたけど、断った。
やぐっつぁんの話を聞くために。
―――大体、見当はついてるけど。

あたしが断ったときのよっすぃーの寂しそうな顔が頭に残る。
そんな顔してほしくないのに。





49 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)14時09分33秒


「ん。ま、分かってっかもしんないけど、紗耶香のこと。」

ほぉら、ね。
やっぱりそうだ。

「それが、なに?」
少し語尾が震えた。
やっぱりまだ、“紗耶香”って言葉に弱いらしい。
やぐっつぁんもそれに気付いてるだろうけど、何も言わない。

「面倒だから、単刀直入に言うわ。
紗耶香、どうにかして。これは、後藤にしかできない。」

はぁ?何だそれ。



50 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)14時17分44秒

「なにいってんの?意味わかんないけど。」
キツイ言葉。
自分でも無意識に、トゲのある口調。

少しずつ少しずつ。
押し殺していたあたしの気持ちが漏れてくる。

「すいぶんキツイんだね、後藤。どうしちゃったの?紗耶香の話だから?」
やぐっつぁんは明らかにあたしを挑発してる。

いつもよりかなり低い声。
後藤、って声の響き。
“紗耶香”って呼ぶやぐっつぁんの表情。

全部気に入らない。

「まぁ、それもあるかもね。でも今そんなこと関係なくない?
ちゃんとはっきり言ってくれないかな?」

ズキンズキン。
心が痛み出す。
これ以上こんな話聞きたくない。
でも、逃げ出すこともできない。
心が痛い。


51 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)14時27分56秒

「わかった。もうちゃんと言う。………紗耶香が、ヤバイ。」

ゆっくりと開かれるやぐっつぁんの口から放たれる言葉。
最初、言葉の意味が理解できずに。
返事もしないでやぐっつぁんの目を見つめてた。

「どういうこと…?」
掠れた声で、やっと出た言葉。
これ以上聞いたら自分を保てなくなるかもしれないけど。
聞くしかなかった。
逆に、聞きたかったのかもしれない。

「このまえ、さ。あたし紗耶香と電話で話したのね?
そん時、言っちゃったんだ。…後藤が…吉澤と付き合ってる、って。」

怒りが…怒りと呼んでいいのかすら分からない感情が生まれて。
誰へむけての感情かも分からない。

「…なんでそんなこと…勝手に言うかな………。
やぐっつぁんには…関係ないじゃん、そんなの。」

そう言った自分はどんな顔してんだろう。
きっとヤな顔してるに違いない。



52 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)14時36分14秒

「それは、悪かったと思ってる…。
でも!このまま紗耶香が知らないままなのもなんか…。なんかだし…。」

下向いて、なんか考えこんでる様子のやぐっつぁん。
そんなことよりあたしは、“市井紗耶香”によっすぃーと付き合ってることを知られたことのほうが重大で。
知られても別に構わないと思ってたのに、いざそうなってみるとなんだか恥ずかしさみたいな変な感情が浮かんできていたたまれないような感覚。

「…でね、言っちゃったんだけどさ、そしたら紗耶香…。
なんか、おかしくなっちゃったみたいで……。」

「はぁ?」
予想外の言葉がやぐっつぁんの口からあふれ出てくる。
おかしくなっちゃったってなんだ?
あたしとよっすぃーが付き合ってるからなに?
関係ないのに、やぐっつぁんにも“市井紗耶香”にも。



53 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)14時43分33秒

「…電話しても出ないし…。
そう、今日。今日だって来るって言ってたのに何回電話しても応答ないし…。」


ズキンズキン。


「そんなの知らないよ。最初にあたしから離れたのはあっちじゃん。
そんであたしが離れてったらダメですって?
そんなの、ムシがよすぎるんじゃん?
あたしには今更、なんの関係もないことでしょ?」


心が悲鳴をあげる。


「でも…紗耶香のこともさ…ちょっと考えてみてよ…。
1回、会って話してみてよ?このままほっておけないじゃん……。」

いつもの明るさからは想像もできない。
いまにも泣き出してしまうんじゃないかってほど深刻な顔して。

なんでそんなに人のために頑張れるの?


54 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)14時50分54秒

あたしは人のために涙を流せない。

人のために頑張ることなんてできない。

自分のことすら頑張れない。


昔のあたしは、もういないんだ。



「…やぐっつぁんさ、よく人のことでそんな真剣に悩めるよね。」

あたしにはそんなことできない。
昔のあたしなら、できたかもね。

「そういうの、ムカツク。偽善者ぶってるってゆーの?」

腹が立ってしかたない。
昔のあたしを見てるようで。

「それともやぐっつぁん、好きだったりするの?」

頑張って“市井紗耶香”を追いかけてた自分を見てるようで。



55 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)15時01分26秒

沈黙。
やぐっつぁんが小さく鼻を啜る音だけが響いた。

「あは、図星かな?黙っちゃうってことは。
ならアタックしてみなよ。弱いところに付け込めばすぐ靡くかもよ?
あたしには関係ないから。どうぞご勝手に。
………もういい?あたし、帰りたいんだけど。」

これ以上ここにいたくないから。
話も聞きたくない。
もう話すことなんてなにもない。

そう思ってくるりと向きを変えようとした時、ぐっと腕をつかまれた。

不思議に思ってやぐっつぁんの方を振り向いた瞬間に。
ぱんっていう鈍い音ととも左頬に衝撃が走った。



56 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)15時07分05秒

「いったぁ…なに…?あたしも一応やぐっつぁんと同じアイドルなんですけど。」

女の弱い力だし、そんな強く叩かなかったみたいで。
後は残らなそうだけど、ひりひりと痛んだ。

腹立って、やぐっつぁんを睨んだ。
かなり強く罵ってやろうと思って。

だけどやぐっつぁんは。
目にいっぱい涙ためて、あたしを見てた。

睨んでるわけでもない。
起こってる訳でもないのに。
妙に、やぐっつぁんが怖くて。
逃げ出したくなるくらい。


57 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)15時15分08秒

「矢口が救えるもんなら、とっくに救って矢口のもんにしてるよ。
でも、ダメなんだよ…。後藤じゃなきゃ、ダメなんだよぅ…。」

ぽたりと大粒の涙が床に落ちるのを目で追う。
一瞬蛍光灯の光に照らされて美しく輝いた。

「お願い後藤…。1回だけでいいんだ。ちゃんと紗耶香と話してよ…。
…信じてるから。…紗耶香のこと、頼んだよ…?」

そういったやぐっつぁんは、荷物を抱えて楽屋を飛び出していった。



58 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月01日(月)15時18分20秒
「はぁ……。」

おっきい溜息が、誰いない楽屋を支配する。

頭の中はやぐっつぁんの言葉でいっぱい。
頬も少し痛み出した。
立っていられなくて、壁に身体を預けてしゃがみ込んだ。


「なんでこんなに振り回されなきゃならないの…?」


答えの出ない質問を自分に問う。

封印したはずの涙が、ひりひりと痛む頬を伝って手の甲に落ちた。



59 名前:名無し 投稿日:2002年07月01日(月)23時11分09秒
続き期待しています!
超痛い派なんで(笑)
60 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月02日(火)12時50分46秒
矢口ええやつやな〜
61 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月02日(火)21時08分47秒
矢口ぃ…(号泣)
メッチャ泣けます。最高です。
62 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月10日(水)14時13分43秒

ふと目がさめるとあたりは明るくて。
矢口がうちに来た日から、丸1日半たっていることに気付いて驚いた。
気を失ってたのか寝てたのか分からないけど、よく死ななかったなぁって思った。

とりあえず、今日は楽屋に尋ねていく予定の日。

立とうとしたら、足に力が入らなくて転びそうになる。
その瞬間、体に鈍い痛みが走った。
どうやら倒れたときにいろんなところをぶつけてたらしくて。
足にはアオタンが出来てた。

「はぁ〜……。」
何にもする気が起きなくて大きな溜息が出る。

何で矢口にあんなこと言っちゃったんだろう。
怒ってるかなぁ、やっぱり。
今日行くのやめようかな…。



63 名前:後藤 真希 投稿日:2002年07月10日(水)14時19分09秒

とりあえず、シャワーを浴びに行く。
洗面所の鏡の前に立つとボロボロの肌と所々にある傷が目に入る。

「やべぇ…ボロボロじゃんあたし…」
ガラリと風呂場のドアを開け、シャワーの蛇口をひねる。
ぬるめのお湯が体中に降り注ぐ。
傷にひどくしみる。

「いっ…」

肩のあたりにある傷にお湯がかぶった。
特別痛みを感じて、小さく声を上げた。
流れる水の音は変わらず耳を通っていく。

わけのわからない苛立ちを感じていた。



64 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月10日(水)14時26分56秒

シャワーをゆっくり浴び終え、時計に目をやるともう9時を回っていた。
仕事はもう始まっているだろう。

なぜかほっとしている自分がいた。

こんなぼろぼろな姿をみんなに見せたくない。
後藤と吉澤が付き合ってる姿なんて見たくない。
矢口に合わせる顔がない。

いろんな考えが頭をめぐって、やっぱり行かなくてよかったと思う。

Gパンを履くとまたウエストが緩くなっている。
また痩せたようだ。
痩せられないなんて悩んでた頃が懐かしい。
お腹に入っていた線もいつのまにかきれいに消えていた。

「もぉやだ…疲れたよ…」

太陽の光がまぶしいくらいにカーテンの隙間から入って来る。
大好きだったその光が、今はやけに目にしみる。



65 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月10日(水)14時36分12秒

もう一枚、厚手のカーテンを引いた。

お腹は空かないし、動く気にもならない。
まるで死んじゃってるみたいだ、なんて。
くすりと笑う。

書き上げなければ行けない詩があったのを思い出して、
気持ちの整理がつかないまま机に向かってみた。



……………ムリだ。
こんな状態でかけるはずもない。

ボロボロなあたしが生み出す詩はボロボロなものばかり。

自信、喪失。
自滅。

自分が何のために生まれてきたのか、そこまで思い悩んじゃう。

「あたしの1年半、何だったんだろう…」

ポツリと呟きノートをやぶってぐしゃぐしゃにしたのをごみ箱に投げた。
丸めた紙はポトリと音を立てて床に落ちる。

ごみを拾わないまま、下唇を噛んでソファに荒々しく身を投げた。


66 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月10日(水)14時41分31秒

ぼーっと天上を見上げる。
何も考えないようにしてるのに。
思い出されるのは後藤のことばかり。

頭を振って何度もかき消そうとする。
それでも次から次へと後藤との記憶が頭を飛び交う。

いろんな表情の後藤。
頭をかき乱される。
感情をコントロールするのは得意なほうだったのに。
いつからこんなに弱くなったんだろう。

「やめてよもう…」

後藤はあたしのところにいないのに。
どうして頭から離れないの?
これ以上あたしを乱さないで…。

目を閉じて視界を遮り、耳を塞いで何も聞こえないようにする。
現実からの逃避。



67 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月10日(水)14時45分32秒


なのに。


脳裏に焼きついた後藤の顔。
頭に直接響く後藤の声。 
そして昨日の矢口の言葉。

決して消えることはない。

「イヤだ…イヤだよぅ…。もういい…いいから…」

混濁した意識。
ごっちゃになった思考。
そんな自分と戦っていると、いつのまにか意識が薄れていった。
最近こんなのばっかだなぁと、頭の片隅に残った意識で考えた。



68 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月11日(木)22時34分28秒
痛いいちごま、切ないいちごま、やはり最高です。
どこかで救いがあるのか、それとも……どちらにしろ、話の続きが気になって
仕方ありません。
69 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月12日(金)03時29分20秒
更新感謝続き期待sage
70 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月29日(月)20時25分05秒
続き気になります。
無理しすぎず、でもマターリしすぎずに(笑)頑張って下さい。
71 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月30日(火)17時31分55秒
続き楽しみ
72 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月30日(火)17時36分59秒

「…ね…ねぇ…お…て…起きてよ…」
「んっ…」

誰かの声に気付いて目を開ける。
目が乾いて視界が濁っている。
そんな中であたしを起こした声の主を探した。

「…おはよぅ…」

真後ろに小さな囁きを聞き、振り返った。

そこには思いもよらない人物が立っていた。



73 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月30日(火)17時37分53秒

「なんで…ご…とぉが…」

寝起きであることと、あまりに驚いたこととで声が掠れて上手く話せない。

「勝手にカギ開けたよ。返事、なかったから。
…カギの場所、変わってないんだもん。
止めたほうががいいよ。…ってゆーかやめて。」

よく喋る後藤。
落ち着きなくいろんな物に視線を移す後藤。
こんな後藤は久しく見ていない。

カギの場所は変えていなかった。

少しだけ。
ほんの少しだけ。

後藤が戻ってきてくれるんじゃないかという期待があったから。

「そーじゃなくて…何しに来たの、後藤は?」

久しぶりに見る後藤の顔。
すごく大人びた。
あの頃とは全然違う―――あたしがいた頃とは。


74 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月30日(火)17時38分33秒

「やぐっつぁんが、さ」

「やぐちが?」

予想もしていなかった言葉が後藤の口から出たので、そのまま繰り返してしまった。

そういえばいつから後藤は矢口を“やぐっつぁん”と呼ぶようになったんだろう。
とうに昔のことで、また今となってはあまりに普通のことで。
思い出すことはできそうになかった。

「…話、ちゃんとつけろって、言うから。
ていうか…今日、来るはずだったんでしょ、楽屋?
何でこなかったの?逃げたの?あたしから」



75 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月30日(火)17時39分52秒

ずきんと。
傷口に水がシミタような痛みを心に感じた。


逃げた?

あたしが?

後藤から?

…なぜ?


「違うよ、逃げてなんかない!」
「じゃ、なんで?どうして来なかったのさ?」

否定はしてみても弁解の言葉が見つからず、黙ることしか出来なかった。

鋭く、美しい後藤の瞳。
心まで奪われそう。
その瞳を見ていると。



76 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月30日(火)17時40分39秒

「理由。ないの?」

「あ…の…」

その目はずるいんだ。
あたしを弱くするから。
あたしを金縛りにするから。

「話もしない?そういうの逃げてるって言うんじゃないの?」

イタイイタイ。
心が悲鳴を。
身体が悲鳴を。

「だから、逃げてなんて、ないってば…」

逃げてなんか、ない。
あたしは、逃げてるんじゃない。



77 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月30日(火)17時42分01秒

後藤の溜息が、耳に響く。
「だから、なんなの?話す気ある?」

言葉を振り絞る。

カラカラな喉から。
ボロボロな心から。

「…認めたく、なかった…」

「はい?あたしの何を認めるの?ていうか認めてほしくないけど」

そう。
あたしにそんな権利がないのは分かってるんだ。
後藤を認める権利は、今のあたしにはない。

けど吉澤と付き合ってる後藤の姿を。
あたし以外の人の隣にいる後藤の姿を見たら。
本当に自分の居場所がなくなりそうで。

自分の過ごしてきた1年半がなんだったのかわからなくなりそうで。

そんなの認めたくなかった。
自分の弱さも認めたくなかった。



78 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年07月30日(火)17時49分30秒

「後藤は…後藤は吉澤と付き合ってるの…?」

自分の顔が強張っているのは分かっていた。
けどそれより、後藤の肩が大きくぴくっと動いたことの方が気になった。

「だったら、何だっていうの?」

怒りを押し殺した声。
表情からもそれが見て取れる。

「あたしにこんなこと言う権利がないのは、分かってる。
でも、これだけは聞かせて…。
後藤は今、吉澤と付き合ってるの?
………あたしとやり直す気はないの?」

一番聞きたかったこと。
吉澤と付き合ってるかなんて関係ない。
“あたしとやり直す気があるのか”ってことだけが全て。
それだけだった。

長い長い沈黙。

肯定ととればいいのか。
否定ととればいいのか。

「後藤お願い。それだけ、聞かせて…?」

懇願。
今のあたしのただひとつの願いだった。



79 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月30日(火)18時28分33秒
ごっちん素直になれ〜〜〜!
80 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月08日(木)18時21分33秒
続き、待ってます。
81 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年08月09日(金)13時33分03秒

長い沈黙は、あっさりと後藤の溜息に破られた。

「そんなの、ムリに決まってんじゃん。あたしとよっすぃーは付き合ってるし。
つーか、もう一度やり直せると思って別れたの?
おっきな夢があるから、後藤みたいなちっちゃいものはいらなくなったんでしょ!?
どっちもなんて甘すぎる。あたしは待てないよ!
大体いちーちゃ…っ…」

後藤は言葉を止めて眉間にしわを寄せている。

なぜ後藤が言葉を止めたのか。
あたしにはすぐに分かった。
ずっと疑問だったことでもあったから。

「なんで後藤、いちーちゃんって呼ばないの…?」

いちーちゃん。
後藤の口にずっと封印されているその言葉。



82 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年08月09日(金)13時33分35秒

「大体、あたし後藤のこと小さく考えてたわけじゃないよ?
夢と同じ位大きな物だったからすごく悩んだ。
だから夢が叶ったら…再デビューしたらすぐ後藤の事迎えに行こうと思ってた!
そう、約束したじゃん!約束破ったのは後藤のほうだよ!」

つい、感情的に怒鳴っている自分がいた。
悔しくて。
約束を守ってくれなかった後藤に対して腹が立って。
後藤はきっと持っててくれると思ってたから。

でもその後すぐ。
それはあたしの思い込みだったって。
後藤のこと、ちっともわかっていなかったんだって思い知らされた。

後藤の気持ちはもっともっと深かったんだ。



83 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年08月09日(金)13時34分14秒

「何も分かってないよ…」

「へ?」

「勝手すぎるよ、いちーちゃん…」

昔のような、弱々しい震えた後藤の声。
久しぶりに聞いた、いちーちゃんっていう響き。

なつかしさがあたしを包むけど、それはニセモノ。
本物は目の前にある、この後藤。

「置いて行かれたあたしの気持ち。どれだけつらいか分かる!?
死んじゃいそうだった。ほんとぉに死んじゃおうかと思ったよ?
いちーちゃんの夢が叶うまで待てるほどあたし大人じゃなかった…。
そんなあたし、分かってくれてると思ってたのに…!」

涙がでそうになった。
必死でこらえてる後藤を見て。
分からなかった後藤の本心を聞いて。



84 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年08月09日(金)13時34分57秒

「結局、あたしより夢のが大事だったから娘。やめたんでしょ!?
だったら今更勝手なこと言わないで夢に向かって走ればいいよ!
あたしのことなんて、忘れちゃえばいいんだよぉ!」

鞄をつかんで部屋を駆け出していく後藤が
涙でにじんだ視界に映る。

「ちょっ…待てよ後藤!」

すぐに後を追って玄関まで急いだ。
でも、すでにそこには誰もいなかった。
勢いよく閉めたであろうドアが跳ね返ってきて。
空しくパタンという音が響いた。

もう何もかも失ったように思えた。



85 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月10日(土)12時10分50秒
うをっ、せつねぇな〜
どうなるんですか〜!?ですか〜♪
86 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年08月10日(土)18時06分26秒
よしごま好きですが作者さんのいちごまも(・∀・)イイ!

(0^〜^)が少し可愛そうですが・・・がんがって下さい!
87 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月13日(火)10時08分11秒
後藤はどうするんだろ・・・
88 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月13日(火)17時44分38秒
続き、楽しみです。
頑張って下さいね〜
89 名前:後藤真希 投稿日:2002年08月16日(金)16時03分49秒

何やってんだろう、あたし。
素直じゃないよなぁ本当に。
ま、そんなの分かりきってたことだけど。

“市井紗耶香”がやり直す気はないのかって言ってくれて。
本当は涙が溢れそうになるくらい心が動いた。

でも、そんなこと出来ないって分かってる。

あたしにはよっすぃーがいる。
ずっと大事にしてくれたよっすぃー。
そう簡単に裏切ることなんて出来ないよ。

それに、もう本気で人を愛さないって決めたから。
人を愛することは恐ろしいって。
裏切られて辛い思いするって。
ちゃんと分かってる。
そんな思いするくらいならもう人を愛することなんかしないって誓った。

心からそう思う。



90 名前:後藤 真希 投稿日:2002年08月16日(金)16時06分30秒

なのに。

なのにさ。

「なんでこんなに涙が出るんだろぉ…」

あの人と話してるときは堪えられた涙なのに。
一人になったとたん涙が溢れて止まらないなんて。

なんて弱くなっちゃったんだろう、あたし。
昔の自分に逆戻りだ。

こんな自分だいっきらいだ。



91 名前:後藤 真希 投稿日:2002年08月16日(金)16時13分49秒

あたしは“市井紗耶香”と別れてから、“いちーちゃん”って言葉を封印した。
それに涙と、自分の本当の気持ちも心の奥に閉じ込めた。

全部、昔に戻りたくなかったから。

“いちーちゃん”って言葉。
あたしを弱くする。
聞くだけで涙が出そうになる。
昔を思い出してしまうから。
楽しかったあの頃を思い出してしまうから。

涙を流すと、昔のあたしになってしまう。
“いちーちゃん”に慰めてもらってた昔の自分に。

自分の本当の気持ちを出すと心が痛くなる。
理解してくれる大切な人がいなくなっちゃったから。
あたしをまるごと受け止めてくれた人が。



92 名前:後藤 真希 投稿日:2002年08月16日(金)16時19分33秒

それなのになんでこんなに振り回されてんだろう。
あたしは何を期待してんだろう。

答えを求めてもそれはやっぱり自分の思考によって遮られる。
あの人がいない間にすっかり習慣になってしまったこと。

ただいつもと違うのは。
この答えがすでに自分のなかにあるってこと。
分からないフリをしている自分がいるってことだけだ。

あたしはそれを知っていたから、頭を振って暗くなり始めた空を仰ぐ。
涼しい風が頬を撫でていく。
少し肌寒く感じた。



93 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月20日(火)11時33分20秒
どうなっちゃうんでしょう?
94 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月27日(火)11時45分00秒
待ってますよ。
95 名前:作者どす。 投稿日:2002年08月29日(木)00時00分15秒

>>29 名無し読者さん
ええどろどろです。
だんだんさやまりもまじってくるかもしれないかもしれません(爆

>>30 名無し読者さん
どろどろ希望多いですねー。
やっぱうちもどろどろが好きです。
弱い心が好きです。
そんな人間が好きです。(と、悟りをひらいてみたり。

>>38 名無し読者さん
毎回こうすぃん遅くてすみません…
頑張ります!

>>39 名無し読者さん
ありがとうございます。
頑張っていきます!

>>41 名無しさん
ありがとうございます。
更新遅くても見放さないで下さい…

>>42 名無し読者さん
うちもこのカップリングは好きです。
なんかどろどろそうで…(w


96 名前:作者どす。 投稿日:2002年08月29日(木)00時13分39秒

あ…上↑番号いっこずつずれてる…(鬱
すみません…逝ってきます…



もどってきました。
再びレス返しパート2です。

>>47 名無し読者さん
ありがとうございます。
緊張感張り詰めた空気を書くのがうちの目標なんで、
そういってもらえるとうれしいっす。

>>59 名無しさん
またまた痛い派登場です(w
ありがとうございます。
どろどろに拍車をかけたいと思ってるのでご心配なく。

>>60 名無し読者さん
矢口はいい奴です!(キパーリ
それがモットーです!!

>>61 名無し読者さん
ありがとうございます。
最高なんて言ってもらっちゃうとかなぁり照れます(ニガワラ

>>68 名無し読者さん
またまた最高なんて言ってもらっちゃうと…(w
頑張って書いてきます!

>>69 名無し読者さん
ありがとうございます。
続き頑張ります!

97 名前:作者どす。 投稿日:2002年08月29日(木)00時23分32秒

>>70 名無し読者さん
近頃まったりし過ぎですね…(汗
更新ペース、速くなるといいのですが…
夏休みも終わるし…(涙

>>71 名無し読者さん
ありがとございます。
一言でもカナリうれしい言葉です。
お客様は神様です…

>>79 名無し読者さん
ねぇ。素直になればいいのにねぇ、ごっちん。(て、他人事のように言ってる自分。

>>80 名無し読者さん
すいません、いつもいつも遅くなって。
頑張ってきますので…!

>>85 名無し読者さん
せつなさ大爆発です。
どーなるんでしょー!?(と、また他人事のように…

>>86 吉澤ひと休みさん
ほんとは吉澤さんが好きです。
てか甘いよしごまも好きなんです…(マジカヨ!?
でも今回は心を鬼にして!
暗さ爆発で行きますよぉ!!

>>87 名無し読者さん
ほんとにどーすんでしょうねー…(と、またまた他人事のように…


98 名前:作者どす。 投稿日:2002年08月29日(木)00時28分43秒

>>88 名無しさん
ありがとうございます〜。
頑張ります!

>>93 名無し読者さん
どうなるんでしょう…
とりあえず暗さ爆発なことに間違いはないです(w

>>94 名無し読者さん
ありがとございます。
待っててもらえてうれしいです。
遅くなってスミマセン。


てことでたくさんのレス感謝です。
ずっと返せなかった自分がさみしいです。
これからはもうちょっと更新ペースあがればいいなぁと思います。
みなさまこれからも見捨てないでください…(汗

作者でした。


99 名前:後藤 真希 投稿日:2002年08月29日(木)00時36分28秒

家の前について玄関を開けると、家族の誰のものでもない、しかしよく見なれた靴が目に入る。

「ただいま。お母さん、よっすぃー来てんの?」
お勝手で夕食の用意とお店の準備をしているお母さんに、手を洗いながら声をかける。

「ああ、真希が帰ってこないからあがっててもらったの。
一緒にくればよかったのに、真希はどこにいってたの?
部屋で吉澤さん待ってるわよ?」

「…ふーん」

“どこいってたの?”というお母さんの質問はムシし
顔を見ずに2階へあがった。
後ろからぶつぶつ呟く声が聞こえてきたけど、全部シカトした。



100 名前:後藤 真希 投稿日:2002年08月29日(木)00時46分59秒

部屋のドアを開けると、相変わらず汚い自分の部屋。
そして奥のベッドの上によっすぃーが古いアルバムを手に座っていた。

「よしこゴメン、帰りちょっと寄るとこできちゃって。
一緒帰れなくて。…うち来てくれたんだ」

「だいじ、アルバム見てた。昔のごっちんもなかなかセクシーだったよ」

茶化すような笑顔で、あたしの4歳くらいの時の水着写真を指差すよっすぃー。
そういわれると別になんでもないことまで恥ずかしくなってきて。

「やめろよー、見るの」
なんて言ってよっすぃーの手からアルバムを奪う。
それを赤い小さなテーブルの上に置いて、よっすぃーの隣に腰を下ろす。
ベッドが小さく軋んでよっすぃーが揺れた。






101 名前:後藤 真希 投稿日:2002年08月29日(木)00時57分28秒

ふうっとひと息ついてよっすぃーの方を見る。
よっすぃーもあたしの方を見てて、なんか恥ずかしくなって。
えへって笑った。

よっすぃーは一瞬やさしい顔をしたけど、すぐ心配そうな顔になって。

「どーしたの」
たずねると、あたしの頬に右手を寄せた。

「なんか…叩かれたみたいな、跡…?
いや叩かれたとかわかんないんだけどさ。
なんかそんな感じなの、あるよ?どーしたん?」

よしよし、とか言いながら頬を撫でるよっすぃー。
体温低いよっすぃーだけど、今日の手は思ったよりあったかかった。

102 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月11日(水)18時21分38秒
後藤、素直になれ〜!
103 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月17日(火)21時31分50秒
続き楽しみでしかたがないです
104 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月18日(水)15時22分14秒
>>103禿同!!
マターリお待ちしております
105 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月06日(日)00時38分07秒
お待ちしています
106 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月20日(日)07時42分03秒
保全
107 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月04日(月)09時27分26秒
ほぜむ
108 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月11日(月)17時08分26秒
      
         保                全
109 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月19日(火)17時40分02秒
保全ですよ
110 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月25日(月)21時45分44秒
保全します
111 名前:後藤 真希 投稿日:2002年11月28日(木)00時08分09秒

「あー…ちょっと、ぶつけただけ。壁にガンって。ぜんぜん痛くないし、平気だよ」
「…そう。まだちょっと、赤いから冷やしたほうがいいかも」

よっすぃーの手があたしの頬に触れる。
やぐっつぁんに殴られた、跡。

嘘をついた、よっすぃーに。

どれだけたくさんの嘘をつけばいいんだろう。
どれだけよっすぃーを傷つければいいんだろう。

112 名前:後藤 真希 投稿日:2002年11月28日(木)00時11分49秒

「ん、ありがと」

頬に置かれた手を握り締め。
精一杯の笑顔をよっすぃーに向けた。

「ごっちん…」

掠れて、今にも消えそうな声でよっすぃーは呟いた。
ん、と目線をよっすぃーに向けると、よっすぃーの唇があたしのソレに重なる。

ただ触れるだけの。
でもよっすぃーの存在をものすごく感じる。
いつもそうだった、よっすぃーのキスは。

113 名前:後藤 真希 投稿日:2002年11月28日(木)00時16分25秒

自分の存在を強く強く押し付けるような。
ソレはあたしにとって快感であり、苦痛だった。

「ごっちん」
「ん?」

じっと、よっすぃーがあたしを見つめる。
あたしも見つめ返す。
時が止まったようにあたしもよっすぃーも動かなかった。
正確には、あたしは動けなっかった。
もっと正確に言うと、よっすぃーが動けなくさせていたんだけど。


114 名前:後藤 真希 投稿日:2002年11月28日(木)00時22分17秒

「ごっちんね、ツメが甘いの」
「はい?」

いきなりにやっと笑うよっすぃー。
ただその笑いは今までに見たこともなくて。
辛い、とか、切ない、とか。
そんな言葉じゃ言い尽くせないくらい冷たい顔で笑っていた。

「ごっちんの嘘は天下一品だね。いつも誰も気づいてないよ?…あたし以外はね」
「意味、わかんない…。何?どうしたのよっすぃー?」

どきどきと打つ心臓の音が五月蝿い。
部屋中に響いてるんじゃないかと思うくらいに。

あたしは動けなかった。
いつもみたいに上手にごまかすこともできなかった。

よっすぃーが、怖くて。

115 名前:後藤 真希 投稿日:2002年11月28日(木)00時27分36秒

「涙の跡、消えてないよ?」

頬を撫でるよっすぃーの細くきれいな指。
さっき感じたものと別のものみたいだ。
触れられた頬を伝って心臓の音がばれるかな、なんて。
くだらないことを考えながらよっすぃーの言葉を聴いていた。

「あと、いつもいつも作り笑いしてる。
本当に笑ったことなんて、ないよね。市井さんが辞めてから」

よっすぃーの指が細かく震えているのに漸く気づく。
あぁ、涙をこらえてるんだ、よっすぃーも。
いつものよっすぃーの癖だ。
頭の隅で冷静に考えている自分が悲しい。


116 名前:後藤 真希 投稿日:2002年11月28日(木)00時32分24秒

よっすぃーの言葉を全部理解するのに時間がかかった。
よっすぃーはそれもわかっているようで、ゆっくりゆっくり言葉を進める。

「ごっちんが、ね?あたしに本心を話してないことなんてお見通しなんだよ。
こんなにごっちんだけを見つめてるあたしに嘘つけてると思ってた?」

早まる鼓動はあたしの頭も支配していく。
よっすぃーの言葉に同意の言葉も、反論の言葉も返せない。
頭が考えることを拒否しているみたいに。
何も考えられなかったから。

「ねえ、ごっちん」

呼ばれた、名前。
視線だけで返事をした。

117 名前:後藤 真希 投稿日:2002年11月28日(木)00時37分36秒

「抱いていい?」

睨むような、それでいてお怯えた子供に優しく話しかけるお母さんみたいな。
そんな目だった。
あたしを見つめるよっすぃーの目。

返事はしない。
沈黙が続く。
どれだけの時間が過ぎていくのかなんてわからない。

どうしてだろう。

涙が出た。

その瞬間にあたしの体はベッドに押し倒された。
よっすぃーの手が、腕が、体が。
全部があたしを包み込んで。
気づけばすべてをよっすぃーに委ねていた。

118 名前:作者 投稿日:2002年11月28日(木)00時47分13秒

長い間放置すみませんでした。
少し言い訳をさせていただくと…パソコンが雷にやられました。
そうこうしている間にごっちんはもう娘。にいません(w
が、パソコンも新品になったので、これからもがんばりたいと思います。


>>102 名無し読者さん
素直になれない、後藤さんです…

>>103 名無し読者さん
ありがとうございます。
長い間お待たせしてすみませんでした。

>>104 名無し読者さん
これからはペースをあげてがんばっていきますのでこれからもよろしくおねがいします。

>>105、106、107、108、109、110 名無し読者さん
保全ありがとうございます。
119 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月28日(木)18時14分21秒
復活感謝!
よっすぃーにはバレてたんですね…この先どうなるのでしょう?
120 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月28日(木)21時37分50秒
復活早々すごい展開だぁ・・・
待ちわびてましたよ、信じてて良かった〜
これからも楽しみにしています、作者さん、頑張ってください
121 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月28日(木)23時24分06秒
復活感謝!!
122 名前:とみこ 投稿日:2002年11月29日(金)10時19分27秒
よしごま・いちごまのからみはいいですね。
頑張ってください。
123 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時40分25秒

後藤が部屋を出て行った後。
どれくらいの時間が経ったのかはわからない。
時間の感覚なんてとうになくなっていたから。
でもその時の中で、あたしは気持ちの整理がついた。
いや、整理をつけた。

後藤はもうあたしのじゃない、ほかの人の後藤。
あたしの知っている後藤はもう、いない。

124 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時41分26秒

とりあえず冷たい床から立ち上がって、ここ最近何も食していなかったためぺこぺこのおなかと渇いた喉を癒すために冷蔵庫を開く。

「あーあ…」

案の定、食べられるようなものは何も残っていない。
からっぽと呼ぶに近いものだった。
しょうがないからミネラルウォーターだけを手に取り、冷蔵庫のドアを閉じる。
コップを食器棚に取りに行こうとしたとき。

ピンポーン…

遠くで玄関のチャイムの音がしたのを聞いた。
ボトルをテーブルの上に無造作において、玄関へ向かった。

125 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時42分26秒

「はいはーい?」

玄関を開くと、目に入るのは頭。
あたしいより小さい、矢口だった。

「やぐち。どうしたの?まぁ入りなよ」
「さ、やか…?」

小さな体全体でハテナマークを発している矢口。
なにがそんなにおかしいのかわからないけれど。
手招きして、部屋の中に呼んだ。

126 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時43分17秒

ソファに矢口を落ち着かせて、あたしは台所へと戻る。

「なんもないんだけど…紅茶くらいあるかな?今入れるから、待って」
「いいから。紗耶香、ここにきて」

有無を言わせぬ矢口の口調。
あたしだって喉乾いてるんだけど、と言おうとしたのをやめて矢口の隣に座った。
その反動でちいさな矢口が少しだけゆれる。

「紗耶香、今日…」
「さっき、真希が来たよ」

口を開いた矢口の言葉を遮って。
あたしは明るく言った。

127 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時44分01秒

「はっきりふられました。やり直すなんて無理に決まってるってさ。
おかしいかな、妙に楽になっちゃったよ。何も目標がないってこんなに楽なことだったんだね。
早く気づいとけばよかった、あたし」

うっとうしくまとわりつく髪の毛を掻き上げる。
矢口の顔は下を向いていて、表情をうかがい知ることはできなかった。

「それで、いいの?紗耶香は本当にいいの?」

穏やかに穏やかに。
ソレは作られた空気かもしれないけど。
ゆったり流れていく矢口の言葉。

128 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時45分49秒

「いいんじゃない、真希もそれでいいみたいだし。
これ以上あたしに深くかかわる権利はないでしょ。矢口もこの間そういったよね?
もういい?あたし喉渇いちゃってさ。ずっと何も食べてなかったから」

何も考えなくていいことがすごく楽だって知った。
これ以上何も考えたくない。
だから、これが一番いい選択。

立ち上がろうとしたあたしより一瞬早く、温かい矢口の手がつかんだ。

「なに?」

振り返った瞬間。
矢口に唇を奪われた。

初めてじゃなかった。
こうやって矢口と唇を重ねること。
でもそんな昔のことなんて比にならないくらい、たくさんのことを重ねてきたあたし達がいた。

129 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時46分43秒

「じゃあさ、矢口と紗耶香がこういうことになっても、何も問題はないんでしょ?」

唇を離した矢口は、まっすぐな目であたしを見つめる。
断る理由なんて何もない。

あいつはあいつ。
あたしはあたし。

過去の呪縛から逃れるためにも、いいことかもしれない。
そう思った。

「いいんじゃない?」

130 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年11月29日(金)17時47分25秒

にやりと笑い。
そう呟いて矢口をソファに押し倒す。
初めて見下ろす矢口の綺麗な顔に唇を寄せて。

「こーゆーことに、なっちゃおっか」

耳元で囁いた。

閉めっぱなしのブラインドからは、夕日の終わり色が差し込んでいた。

131 名前:作者 投稿日:2002年11月29日(金)17時52分35秒
>>119 名無し読者さん
はい、ばれてましたねー。
作者は頭のいい役のよっすぃーが大好きなんです。

>>120 名無し読者さん
ありがとうございます。
がんばってきますのでよろしくおねがいします。

>>121 名無し読者さん
ありがとうございます。
復活しました。
これからもよろしくです。

>>122 とみこさん
ありがとうございます。
頑張ります。
作者もよしごま・いちごま大好きです。


というわけで今日の更新を終了します。

132 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月30日(土)11時24分58秒
あららららー
本当にそれでいいんでしょうかねぇ、市井ちゃんは。
133 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月30日(土)22時10分42秒
あきらめちゃだめなのれす
134 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月01日(日)14時56分00秒

朝が来た。

眠らなくても朝はくるんだなぁと、久々に思い知る。
時刻は五時半。
ちゅんちゅんと、小鳥の朝を知らせる声が外で響いている。

一睡もできず明かした、夜。
眠ることもうまくなったはずなのに、どうしてだろう。
今日は目をつぶることさえ恐くてできなかった。

135 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月01日(日)14時57分14秒

昨日。

夕飯だと呼びに来る母親の声までも無視して、あたしたちは抱き合った。
求めて、求められた。
強く強く。
よっすぃーの存在を感じた。

隣に目をやると、あたしと同じように全裸のよっすぃーの姿。
よっすぃーもだいぶ寝付けなかったようだけど、あたしと違い三時くらいには眠りに着いたようだった。
そして今も、安らかな吐息を吐いて瞳をぴったり閉じている。

136 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月01日(日)14時58分13秒

今日も一日が始まる。
どんな一日だろう、今日は。

やぐっつぁんと会いたくないな。
クマができてたらどうしよう、みんな変に思うだろうな。
っていうかまずお母さんにも会いたくない。
絶対ばれてるだろうから、昨日のこと。
またカメラに向かって作り笑いするんだ。
つまらない話にもついていかなきゃならない。

眩暈がする。

137 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月01日(日)14時58分51秒

ずっとずっと夜が続けばいいのに。
何も言わず、何も聞かず。
よっすぃーと抱き合っていられる、夜が。

はっと、鼻で笑ってあたしは立ち上がった。
くだらない一日のためにシャワーを浴びなければならない。
頭を掻いて、自分の散らばった洋服に手を伸ばした。

138 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年12月01日(日)14時59分56秒

朝。

時刻は五時半。
隣で眠る矢口の、かけ布団から覗く白い肩。
矢口を起こすと悪いからゆっくりベッドから這い出る。
ベッドの下に落ちていた洋服に体を通し、大きく伸びをした。

139 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年12月01日(日)15時00分33秒

人を抱いたのは、後藤以外では初めてだった。
激しく求められて…こんなに自分を求められるのは初めてだったから、少しだけ困った。
その反面、こういうのもいいかもしれないと思った。
自分がずっと追いかけられる側って言うのも。
なかなか悪くない。

140 名前:市井 紗耶香 投稿日:2002年12月01日(日)15時01分15秒

矢口が起きる前にシャワーだけは浴びておこうと思い立って。
適当に着替えを持って脱衣所に入った。
差し込む光がまぶしくて。
でも嫌な気はしなかった。
これから新しい生活が始まる。
その新しい生活の助長のように、大きく明るい太陽が街を、人を、あたしを飲み込んでいくように輝く。

はぁっと大きく息を吸い込んだら、のどの奥がひりひりと痛んだ。

141 名前:作者です 投稿日:2002年12月01日(日)15時05分23秒
レスありがとうございます。
レスは心の栄養剤です。

>>132 名無し読者さん
いいんでしょうかねぇ、市井ちゃん?
ねぇ…(また他人事の癖が…

>>133 名無し読者さん
そうですあきらめちゃいけません!
人間あきらめなければ何でもできるのです!


ということで更新終わります。
あ、愛子さまお誕生日おめでとうございます。

142 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月01日(日)16時16分25秒
なんか……全てが上手くいって欲しいけどそうもいかないのが現実なんですよね。
とにかく幸せになってもらいたいです。後藤さんは誰を選ぶのか…
(若しくは誰もry)
143 名前:和尚 投稿日:2002年12月02日(月)01時47分40秒
初めまして空板で書いてる和尚と言います。
2人が非常に痛すぎて泣きそうになりました。
願わくば皆が幸せになってほしいのですが(ため息)
更新頑張ってください!
144 名前:とみこ 投稿日:2002年12月02日(月)08時17分10秒
初めまして、とみこと言います。
ずっと呼んでいたのですがレスできなくてごめんなさい^^;
こういう構成の話はすごく好きです。組み合わせ的にも(w
応援してます。頑張ってください。
145 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月04日(水)00時06分09秒


「後藤、よっすぃー!遅いよまったく!」
「まったく…まぁごっちんは珍しいことじゃないけどねぇ」
「ご、ごめんなさい…ちょっと寝坊して…」
「そーだよ、もとはといえばよっすぃーが悪いんだもん。ていうか全部!」

予定の集合時間から三十分もずれこんで到着したあたし達に圭織と圭ちゃんの雷が落ちる。
本気で怒っている圭織はものすごく恐い顔をしていて、おもわずたじろぐ。
けど、どうにかいつも通りにしようとお互いギスギスした空気を保っていたあたし達二人にとって、ちょうどいい反応で。
ようやく、冗談が上手く口からこぼれてくれた。
よっすぃーからの返事はなかったことは、気にしないでおこうと思う。

146 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月04日(水)00時06分48秒

「あらめっずらしー、よっすぃーが遅刻なんて。昨日はごっちんとなにやらかしてたんだぁ?」

にしし、と怪しげな笑いを向けるなっち。
まるでそこらの親父みたいな反応じゃないか、それは。
まぁ的を得ているので文句も言えないけれど。
けど、いつもそれに便乗してくる合いの手が今日はいつまで経っても入ってこない。
思わず辺りを見回すけれど――やっぱり、姿がない。

「そんなことより、やぐっつぁんだっていないじゃんか」

自然にいえただろうか、今の言葉は。
やぐっつぁん、っていう当たり前の言葉を一つ使うのも、今日はだいぶ勇気がいることだった。

147 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月04日(水)00時07分38秒

「そうなんだよ。矢口も遅刻みたいでさぁ。メールしたらちょっと遅れるからとは言ってたんだけどね。
矢口が遅くなるってのも珍しい話だよねぇ。今日はみんなどうしたんだい?」

なっちが携帯をカチカチいじりながら唇を尖らせる。
やぐっつぁんのメールを開いて、ほら、とあたしとよっすぃーに見せた。

「ふーん…。まぁ、やぐっつぁんも何かと忙しいんじゃないの?」

あたしはそう言い捨てて鏡に向かって座る。
走って来たせいか髪が少し乱れて顔もほんのり赤かった。

「そっかぁ…やぐちぃ。おーい…。やーぐーちー」

やぐっつぁんとじゃれあえないのがよっぽど寂しいんだろう、携帯に向かってぶつぶつ文句を言い始めた。

「あは、なっちそれヤバイって」

鏡越しになっちを見て笑いを投げかけると、そーかい?って言ってなっちも恥ずかしそうに笑った。


148 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月04日(水)00時08分49秒

視線を自分に戻して、考える。
あたしはやぐっつぁんが遅れて来る最大の理由を知っているだろう。
いや、ほぼ確信に近い。

市井紗耶香に、会いに行ってたから。
もしくは会いに来たから。

あたしの言ったとおり、弱みに付け込んで誘惑でもしたのだろうか。
それとも逆に、求められたのだろうか。
どっちにしてもあたしには関係ないこと。
そう思えば思うほど、鏡の中に映るあたしはすごく不機嫌な顔をし始めた。

149 名前:後藤 真希 投稿日:2002年12月04日(水)00時09分22秒

何に腹を立てているのか自分でも分からない。
ただどう見ても、あたしがあの二人のことを気にして気が滅入っているようにしか見えない。

情けなくて、弱くて。
自分を酷くキタナク感じる。

隣の椅子をガタン、と荒々しく引いて腰掛けるよっすぃーに、ちらりと視線を向ける。
その横顔は暗く無表情で。
端正で、それでいながら何も表情を映そうとしない顔はまるで作られた人形を見ているよう。
少しだけ恐くなって、視線をそれ以上送り続けることができなかった。

150 名前:作者 投稿日:2002年12月04日(水)00時14分11秒
>>142 名無し読者さん
後藤さんはだれを選ぶんですかね。
ねえ。
素直じゃないから、後藤さんは…(w

>>143 和尚さん
はじめまして。
ありがとうございます。
痛さ爆発で、これからもがんばってきます!

>>144 とみこさん
ありがとうございます。
レスいただけてうれしいです。
作者もこの四人の組み合わせが最強だと思ってる今日この頃です(w


少量でしたが、キリのいいとこで終わりたいんで。
今日の更新を終了します。

151 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月04日(水)17時20分02秒
このままでいいの?ごっちん。
152 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月04日(水)23時37分04秒
ちょっと勇気を出してちょっと素直になればいいのれすよ
153 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月14日(土)12時13分34秒
続きが楽しみです
頑張って下さい
154 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月20日(金)22時32分43秒
待ちますので
155 名前:イチイ 投稿日:2002年12月22日(日)17時01分16秒
続きが凄く楽しみです(w
更新期待!!
156 名前:作者desuga 投稿日:2002年12月23日(月)01時42分47秒
なんかちょっと行き詰まりです。。。
しかも最近妙に忙しい…。
もう少々お待ちください。
放置は絶対しませんので!

>>151
157 名前:作者 投稿日:2002年12月23日(月)01時46分50秒
とちゅうで投稿してしまいました。
すみません。

>>151 名無し読者さん
いいんでしょうか。
だめです。だめなんです………

>>152 名無し読者さん
そうですよ。
素直になれば言いのですよごっちん。

>>153 名無し読者さん
ありがとうございます。
続きはもう少々お待ちください。

>>154 名無し読者さん
すいません。
もう少しお待ちください。

>>155 イチイさん
ありがとうございます。
続きがんばります。


158 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月24日(火)08時56分55秒
はい、ちゃんと待ちますよ。
こうやって作者さんから連絡あると安心して待ってられます。
色々大変だと思いますが、頑張って下さいね。
159 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月10日(金)18時03分31秒
160 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月15日(水)17時14分45秒
保全
161 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月25日(土)12時07分24秒
マターリ待ってます
162 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月26日(日)15時04分19秒
禿同。
163 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月05日(水)17時05分44秒
保全
164 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)22時37分52秒
保全
165 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月23日(日)12時17分05秒
保田の
全て
166 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年03月03日(月)01時13分48秒

何時から仕事なのか分からなくて、でも取りあえず七時に起こしたら、
遅刻だよー、と大騒ぎして、シャワーを浴びて部屋を飛び出していった、矢口。

笑いながら送り出して一息ついてみて、何かおかしいと思った。
昨日の事が、泡のように消えてしまったような、矢口の態度。
それはワザとなのかもしれないし、慌てていて言うきっかけがなかったのかもしれない。
けど、何処か腑に落ちない。
なぜだろう、と理由を考えて嫌なモノにぶち当たる。


後藤と比べてるから。
あいつは意外なとこ恥ずかしがり屋で、初めて抱いた次の日は―――。

167 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年03月03日(月)01時14分25秒

頭を振る。
一瞬だけ浮かんだ答えを故意に頭の中から消して、天井を見上げる。
そのまま目線を下げてきて、部屋の隅。
埃の溜まったそこを見て、あぁ掃除しなきゃ、と考える。
それから、コーヒーも切れてたから買い物に行かなきゃ、と。
どうでもいい事で、全てを終わりにしたかった。
案外それは楽な作業で、数秒後には浮かんだ答えも埋まってしまった。

矢口の温もりを手に思い出して、今更ながらその温かみを思った。
実際の‘最中’にはそんな事思いもしなかった。
と言うか、記憶は殆どないと言ってもいいくらいだ。
ただ染み付いているのは、爽やかな香水の香りと矢口の喘ぐ声。

168 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年03月03日(月)01時15分04秒

笑って、テレビを点けた。
急に度忘れした、ナントカという有名な天気予報士がそこに映し出された。
‘東京’に表示された、嫌になるほど明るい太陽を指して、弾んだ声で説明する姿。
それから窓の方を見て、予報と同じ様に輝いているだろう太陽から発せられた、光の筋を見る。

―――今日は、全国的に快晴となるでしょう。

天気予報士の声が響いて。
あたしの心まで晴らしてくれるんだろうか、と思ってから、自己嫌悪でいっぱいになる。
今日は久々にお出かけでもしてみようか、そんなにも快晴だと言うのなら。
行動に移す気もない事を考えて、高く高く、背中を伸ばした。

169 名前:作者 投稿日:2003年03月03日(月)01時19分47秒
更新しました。
なんと二ヶ月ぶりに。

>>158-165さん、ずーっとお待たせしてしまってごめんなさい。

これからはなるべくなるべくなるべく、早いペースで更新していくつもりですので…。
170 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月03日(月)17時23分17秒
やった!信じてて良かった!!
復活おめでとうございます。更新感謝!
2人のすれちがいはどうなるのでしょうか?
続きが楽しみです^^
171 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月03日(月)20時04分53秒
待ってたよ〜。
ゆっくりでいいんで、頑張って下さい。
172 名前:和尚 投稿日:2003年03月04日(火)00時01分00秒
わーい!更新されてる♪
↑の名無し読者様と同じく、自分のペースで頑張ってください。
173 名前:後藤 真希 投稿日:2003年03月05日(水)17時03分26秒

やぐっつぁんは、あたし達より三十分遅れて、姿を見せた。
つまり、集合時間より一時間遅れて。
さすがのあたしでも一時間も遅れて来る事なんて今までになくて、
圭織と圭ちゃんに本気の説教をくらっているやぐっつぁんに、心の中で汚い言葉ばかりをを送った。

いちーさやかとの夜は、どうだった?
すごく優しかったでしょう?
あぁ見えて、すごく優しいもんね、アノ人。
きっと、蕩けるような甘い夜でも、過ごしたんだろうね。

一瞬目が合ったやぐっつぁんは、すごく綺麗な顔をしていた。

174 名前:後藤 真希 投稿日:2003年03月05日(水)17時04分04秒
         ◇         
175 名前:後藤 真希 投稿日:2003年03月05日(水)17時05分28秒

遅刻者がいたのにも関わらず仕事は案外早く終わって、その後特に仕事の入っていなかったあたしは、すぐに家に帰れる事となった。
やぐっつぁんもそれは同じで、あたしより少し遠いところで荷物をまとめている。
無意識に目がやぐっつぁんの方へと動いていく。
目が合うのは恐いから、顔は見られなかった。

「ごっちん」

突然声が降る。
振り返って見るとそこにはよっすぃーがいた。

「ん?」

普通に返事をしたけれど、よっすぃーと会話するのは今日一日で初めてだった。
少し緊張が走る。

176 名前:後藤 真希 投稿日:2003年03月05日(水)17時06分38秒

「もうあがりでしょ?この後、暇?」

すごく優しい声色と表情で、あたしを縛り付けるようだった。

「ん、あがり、だけど……」

今日だけは、よっすぃーといたくなかった。
ここで、いいよ、と返事をすれば間違いなく、よっすぃーはあたしを抱くだろう。
今朝はずっとそんな時間が続く事を願ったいたのが嘘みたいに、全身で拒否している。
自分の‘キモチ’なんて物は当の昔に捨てたけど、今日だけはそれを掻き集めてでも、一緒にいたくなかった。

177 名前:後藤 真希 投稿日:2003年03月05日(水)17時07分45秒

言葉を濁すあたしに、よっすぃーは少し眉を寄せる。

「なに?何か用事、とか?」

優しいようで、肯定の言葉を出させない強さがあった。
どうしようもなく逃げたくなる。
あたしの気持ちと同じに、よっすぃーは、今日だけはあたしと一緒にいたいみたいだった。
痛いほどそれが伝わって、辛かった。

178 名前:後藤 真希 投稿日:2003年03月05日(水)17時08分37秒

「お疲れでしたー」

ふいにやぐっつぁんの声が楽屋に響いて、目をやると、楽屋を出た後姿が少し、残像で残る。
心を掻き毟っていくように、悔しかった。
奥歯を噛み締めてソレを殺す。

「ね、いいの?だめなの?」

よっすぃーの声はふわふわしていて、風邪を引いた時みたいに頭の中で響いた。
もう何だか、さっきまでの気持ちがなんだったのか不思議なくらい、どうでもよくなった。

「あー、いいよ、別に」
「ん、じゃあ、荷物整理するからもうちょい待ってくれる?」
「うん、分かった」

頬に触れた手の温もりを感じて、やっぱり少し、後悔した。

179 名前:作者 投稿日:2003年03月05日(水)17時12分47秒
>>170 名無し読者さん
ありがとうございます。
今ほとんど白紙の状態なので、続きがんばって考えます。

>>171 名無し読者さん
ありがとうございます。
少量ずつですが、がんばりますので。

>>172 和尚さん
ありがとうございます。
ゆっくりですが、見守っててくださると嬉しいです。

180 名前:和尚 投稿日:2003年03月05日(水)21時13分55秒
更新お疲れ様です
後藤さん、なんか苦しそう・・・。
181 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月15日(土)22時36分29秒
頑張って下さい。
ごっちんも、市井ちゃんも、作者さんも…
182 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月12日(土)21時45分43秒
保全
183 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時35分54秒

「あれ、紗耶香?」
「おー、ヤグチ」

振り返って顔を確認、それから名前を呼んだら、やけに角ばって片言の日本語みたいになった。
矢口は屈託なく、笑う。

「帰りずいぶん早いんだね」
「うん。ヤグチはもう上がりだったから。てゆーか、紗耶香は何してるの?」

尤もな質問を受けて、頷く。
ここは、あたしの家から一番近いスーパーの入り口。

184 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時36分46秒

「買い物来たの。トイレットペーパー、切れてやがった」
「あはは、女の子がそんな言葉遣いしちゃ、だめっしょ」
「矢口は?なんでこんなとこ」

あたしも尤もな質問を返して、スーパーの籠を手に取った。
そして、続けて籠を取ろうとする矢口を止めて、一個でいいよ、と告げる。
きっと‘ありがとう’の代わりに、矢口は目を合わせた。

「可愛くて優しいヤグチさんは、おなかを空かせてるだろう市井さんに御飯でも作ってやろうと思って。
こーして、買出しに来たわけです。が、こんなところに市井さんがいた訳です」

真顔で、ワザとらしいナレーター気取りの口調を使うもんだから、耐え切れなくて噴き出した。
そしたら、矢口も一緒に笑った。

185 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時37分43秒

「紗耶香、何食べたい?」
「おー、なんか旦那と若妻の会話って感じじゃない?」
「ばーか!」

肘をぶんっと振り回して、それはあたしの鳩尾へ入る。
軽い力だったからたいして痛くはなかったけど、大げさに痛がってみる。
気に留める様子もなく先へと進む矢口の後姿に、なんだよ、とささやかに反抗して、後を追った。
すたこら歩いていく矢口の背中は、小さくて何だかすごく愛しい。

「豚肉の生姜焼きが食べたいです、ママ」

追いついた瞬間に耳元でそう呟く。
矢口は、マカセロ、と笑い、早速豚肉を手に取ってあたしの腕の中の籠に投げ入れた。

186 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時38分16秒

         ◇         
187 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時38分58秒

「紗耶香さぁ」

帰り道、たくさん買い込んで大きくなってしまった買い物袋は、全部あたしの腕に。
ジャンケンで負けたあたしは、文句も言えないけれど。
そんな、夕日が辺りを明るく染める中で、矢口は突然呟いた。

「ん?」

矢口の顔はやけに大人びて、一年半、テレビの枠の外から見続けてきた顔と、全く別物だった。
そして、流れた時の長さを思う。

「なにも言わないよね」
「へ?」
「昨日の、事とか」

188 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時39分36秒

歩行者用信号の青色が点滅して、あたし達は足を止める。
それをいい事に、矢口はあたしの顔を覗き込んだ。

「なんで言わないの?」
「……なんて言って欲しいの?」

心のドキドキを抑えて、大人ぶって、見下ろす。
少しずつ、矢口の顔が赤く染まっていった。
それはきっと、夕日の所為なんかじゃない。

「もーいい!」

ぷいっと顔を背ける。
少しだけ視界に入る耳は、やっぱり少し赤い。

189 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時40分07秒

「なんだよ、おかしな矢口さんだなぁ」
「きしょい」
「きしょいとはなんだ、コノヤロ」

空いていた方の手で、ぐりぐり頭を撫で回すと、ちょっと本気で手を払い除けられた。

「何、怒ってる?」

今度はあたしから顔を覗き込もうとしたら、都合悪く信号は青へと変わって、逃げ出すようにはらりとかわされた。
溜息をついて、また背中を追う。

「言ってよ、わかんないから。おばかないちーは」

190 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時41分25秒

東京の街の中なんかに比べると随分と短い横断歩道を二人が渡り終えて、矢口は立ち止まり、やっと口を開いた。

「いろいろ、あるじゃん!」
「いろいろ?て、なに?昨日のこと?」

頷く矢口。
考える、あたし。

「昨日の…感想とか?え、言って欲しいの?矢口としては」

今度は本気で、呆れている。
わざとらしいくらいに顔をしかめて、大きな溜息をついている。

「も、ほんといいや」

そう言って、再び足を動かし出す。
あたしもそれ以上詮索することなく、鼻歌を歌いながら後ろに着いて行った。

191 名前:市井 紗耶香 投稿日:2003年04月13日(日)15時42分05秒

本当は分かっている。
矢口が言いたいことや、話し合わなきゃいけないこと、微妙な二人の関係のこと。
それに、これからのこと。
でも、曖昧なままで残したかった。
言葉でなんか枠付けをしたくなくて、ただ薄っすらとしたものにしておきたかった。

もうこれ以上、現実に悩まされたくなんかなくて、曖昧な世界に身を置いておきたい。

「晴れても結構寒いよね、最近」
「そりゃ、もう冬近いし」
「だよね」
「うん」

当たり前の会話を、当たり前にできるこんな世界を、あたしはずっと欲していたんだから。

192 名前:作者 投稿日:2003年04月13日(日)15時44分50秒
>>180 和尚さん
ありがとうございます。ひさしぶりの更新です。

>>181 名無し読者さん
ありがとうございます。がんばります。

>>182 名無し読者さん
保全ありがとうございます。

次回更新は、いつになることやら。なるべく早くを目指します。
193 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月13日(日)16時37分19秒
更新ありがとう!
ますます続きが気になる
194 名前:和尚 投稿日:2003年04月17日(木)22時39分37秒
更新お疲れ様です。

193>>の名無し読者様と同様にますます続きが気になります。
でも、作者様のペースで頑張ってください。
195 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月16日(金)18時13分10秒
保全
196 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月01日(日)04時07分10秒
保全
197 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月11日(水)17時29分42秒
保全
198 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)22時44分26秒
保全…
199 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月01日(火)22時29分28秒
保全
200 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月25日(金)16時54分11秒
保全
201 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月13日(水)23時03分31秒
保全
202 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月07日(日)02時05分18秒
保全
203 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/10(金) 16:38
保全
204 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/10(金) 22:23
保全
205 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/15(土) 02:25
いちごまは永遠に不滅です
206 名前:作者 投稿日:2003/11/17(月) 00:29
市井ちゃんやめちゃったよ芸能界。
おいおいどうすんだよ。
話の流れどうしてくれんだよ。(とか市井ちゃんにあたってみる
やけにショックです。いろんな意味で。
ちょっとストーリーの練り直しとか考えてみます。
ので、交信はもう少しお待ち下さい。
といってもすでに七ヶ月も放置してるんですけど。(ごめんなさい
保全してくださった皆様、ありがとうございます。

久々にあらわれたと思ったらこんなんですみません。
とりあえず一度、近いうちに交信できればと思っています。
207 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/13(土) 20:09
hozen
208 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/15(木) 02:29
209 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/07(土) 10:48
ほぜん
210 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/10(月) 23:13
気長に待ってます
211 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/16(月) 06:42
待ってるよ〜。

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