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小さな恋のうた
- 1 名前:D-4 投稿日:2002年03月23日(土)00時23分38秒
- D-4と申します。
高橋メインの学園物にチャレンジしました。
高橋のキャラが実際とちょっと違うような・・・は
お許しください。
ちなみに同名の楽曲とは全く関係ありません。
- 2 名前:プロローグ 投稿日:2002年03月23日(土)00時25分26秒
- 「じゃ、帰ろっか」
そういって先輩は私の手を握って歩き出した。
先輩とこんなに接近したのは初めてかもしれない。
女の子同士で夜遅くに帰る、手をつなぐのなんて特別なことじゃない。
でも私にとっては大変な出来事。
手をつないだだけで顔は真っ赤。横にいる先輩の顔なんてまともにみれたもんじゃない。
「どうした?なんか黙っちゃって、顔赤いし?具合悪いか?」
先輩が私の顔をのぞき込んでくる。そしてなにを思ったのかおでこをくっつけてきた。
「うーん、熱はなさそうだな」
先輩のクチビルが、すぐそこに・・・。
- 3 名前:プロローグ 投稿日:2002年03月23日(土)00時27分20秒
- 今しかない。
「先輩、あの・・・」
先輩がおでこを離した。
「高橋のこと好きだよ」
思っても見なかった先輩の言葉に一瞬言葉を失う。
「私も・・・です」
先輩は私の頬に手をあてると、顔を近づけてきた。
「高橋、愛してる」
先輩のクチビルが、私のクチビルに触れ・・・。
- 4 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時29分49秒
- 「へっくしゅ!」
自分のくしゃみで目を覚ました。周りを見回してもいつもと変わらない自分の部屋。
「また夢か・・・」
もう何度同じ夢を見ただろう。先輩OKもらえてキスする夢。
この夢を見た日は最悪だ。朝からテンション下がるし、先輩をまともにみれないし・・・。
「どんな夢見たんだろうね」
下から声がしたのと同時に、手にティッシュで作った紙縒をもった女の子が顔を出した。
「まこっちゃん、なにやってんの?」
彼女は小川麻琴ちゃん。私の1つ下で中学3年生。
前は部屋が一緒だったから仲いいんだけど、ちょっとイタズラ好きなのが・・・。
「なにって、今日食事当番だから起こしてって言ってたじゃん」
そういえばそんなこと言ったっけ。
「じゃあもっと普通に起こしてよ」
まこっちゃんに頼むといつもこんなだ。今日はまだましなほう。
前なんかいきなり口の中にカラシ(納豆の)入れられたし。
「かわいかったよぉ、寝顔。『せんぱぁい』とか言ってさ」
「嘘!?そんなこと言ってたの?」
「言ってないよ」
またやられた。そういえばまこっちゃんは私をからかうのが趣味って言ってた。
- 5 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時45分15秒
- あまりいい目覚めじゃなかったけど、とりあえずベッドから降りようと梯子に足をかけた、が・・・。
「きゃ!!」
思いっきり踏み外し、すねを強打した上、顔から床に落っこちた。
「大丈夫?」
さすがのまこっちゃんもびっくりしたらしい、普通ならからかわれるところだろうけど。
「いったー、もう最悪」
どうやら今日はいい運勢ではないらしい。おとなしくしてよ。
「やっぱり上で寝るのやめた方がいいと思うよ」
私もそう思ったよ。
はっきり言って食事当番なんて気分じゃなかったけど、さぼると管理人のおばさんに
縛り首にされそうだから痛みをこらえて立ち上がる。
あ、いま誰がおばさんだよって天の声が聞こえた。
「ねぇ、私着替えるから先行ってて」
「へぇ、前は私の目で堂々と着替えてたのに、まいいや、じゃ先行くねぇ」
まこっちゃんは意味深な笑顔を浮かべて部屋を出ていった。
時計を見ると6時15分。そろそろいかないとまずい。
昨日脱ぎっぱなしだったジャージを適当に着込んで、部屋を出る。
食堂は一番端っこの私の部屋から結構遠い。廊下は走るなって言われてるけど、遅れて怒られるよりはまし。
- 6 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時46分15秒
- 自己紹介遅れました。高橋愛、15歳。朝日女子学園てところの高等部1年です。
ここの寮は保田さんていう人が管理人をつとめる学校の寮で、格安で食事付きです。
で、なぜ私は2段ベッドの上で寝ていたかというと、高等部にあがったことで部屋割りが変わるんですが、
たまたま人数の関係で二人部屋に一人になったんです。
本当はここは2年の後藤真希さんて人が使うはずだったんですけど、
「私はよっすぃーと同じがいい」って言って二人部屋になったから、私が格上げされたんです。
ちなみによっすぃーてのは吉澤ひとみ先輩。後藤先輩の彼女です。
以上、自己紹介とその他いろいろ、でした。
- 7 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時47分00秒
- 「おはよーございます」
食堂に駆け込むと、もう大分準備が終わっていた。
食堂は別の業者みたいなのが入ってるから、食事当番ってのはそのお手伝いをする。
N○K教育の「忍玉○太郎」の食堂みたいなもんだ。もっとかなりでかいけど。
「高橋、遅いよ」
いきなり言って来たのは管理人の保田さん。たしかまだ21か2だったと思う。
「まあ愛ちゃんはあの人のことで頭がいっぱいだもんねぇ」
私の好きな人を知ってるのはまこっちゃんと保田さん。
前の食事当番の時にまこっちゃんが保田さんに言ってしまったのだ。
そのうちにだんだんと生徒が起き出してきた。
食事の時間は6時30分からだけどみんな結構バラバラで、
そろっていただきますなんてありえない。
部活をやってる人は早いしやってない人は当然遅い。
格好もバラバラで、私のようにジャージに着替える人やもう制服を着ている人、
なかにはパジャマのままでやってくる人もいる。(後藤先輩がいい例だ)
- 8 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時48分23秒
- 7時を過ぎると、食事当番も朝食になる。
私とまこっちゃんもテキトーにテーブルについて、朝食のトーストセットを食べ始めた。
「愛ちゃんさー、そんなに好きなら告っちゃえば?部活の後とかさ」
最近まこっちゃんはこれしか言わない。
部活というのはその先輩が作った音楽同好会。
歌うのが好きな人が集まって、音楽室でひたすら歌って踊るだけの部活。
まあ私が入ったのは先輩がいるから、なんだけど。
「やだよぉ、断られたらショックだし・・・」
まこっちゃんに言われた返事は大体これ。
まこっちゃんはおもむろに携帯を取り出すと、誰かにかけた。
「・・・あ、先輩?今日愛ちゃんが話しあるって言うんで昼休み付き合ってください、はい、それじゃ」
その間わずか8秒。まこっちゃんの行動の素早さに止めに入る暇すらなかった。
「ちょ、まこっちゃん、なにやってんのぉ」
私からすればこれはかなり大変なことだ。
「逃げたら先輩に嫌われちゃうよぉ、がんばってねぇ」
まこっちゃんは微笑むと、皿の乗ったトレーを持ってテーブルを去っていった。
- 9 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時49分16秒
- 食事を終え部屋に戻る。
さっき言ったとおりもとは二人部屋だったから結構広い。
それに2段ベッドだし。まあ下の段は服とかが散乱してるから寝れないけど。
まだ学校に行く時間まではあったから、ベットに上がり寝転がる。
「はぁ、いいよなぁ、ああいうさばさばした性格」
まこっちゃんのこと。思い立ったら即行動って私にはとても真似できない。
・・・。朝早かったから疲れた。寝よ。
窓から差し込む朝日で目を覚ました。いつもの習性で時計を見る。
AM9:12。
授業が始まるのは高等部にあわせてあるので9時10分。完全遅刻だ。
あわてて飛び起きベッドから降りる。が・・・
「きゃ!!」
本日2度目の落下。またすねを強打し、顔面から落っこちた。
- 10 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時50分38秒
- 「もぉぉぉ、さぼってやる」
と思ったけど、たしか1時間目は担任で、音楽同好会の顧問でもある中澤先生の数学だ。
さぼったら張り付け獄門になりそうな気がする。行こ。
ジャージを脱いで制服に着替えて、バッグをつかんで部屋を出る。
多少バッグが軽いような気がするけどそんなこと言っている場合ではない。
吉澤先輩愛用の廊下移動用キックボード(当然禁止)をちょこっと拝借し、廊下を50メートル6.7秒くらいで突っ走る。
玄関にキックボードを乗り捨てて(すいません吉澤先輩)学校までの道のりを走り出した。
「えーと、じゃあ教科書の6ページの問題やっとってな」
教室では授業が中盤を迎えていた。入るに入れなくて戸をちょこっとだけ開けて中の様子を伺う。
どうせなら1時間目さぼって放課後怒られればよかったかなぁとちょこっと思う。
どーしよ。
とりあえず壁に寄りかかって落ち着いて考える。
なんか今日の先生はちょこっと機嫌が悪そうに見えた。いや、絶対悪かった。
今堂々と突入していく勇気、とても私にはない。
- 11 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時52分14秒
- と、突然戸が開いた。
「あんたさっきからなにやっとんねん。はよ入って来いや」
中澤先生に襟首を捕まれ、教室に引きずり込まれる。怖ぇよぉ。
「ほら、ぼーっとせんと、教科書出して問題やり」
あれ?怒られなかった。よかったよかった。
安心して席に着き、教科書を取り出そうとバッグを開ける。
やってしまいました高橋愛。バッグの中なにも入ってないよ。
そういえばやたら軽かったっけ。
「先生あの・・・」
「なんや?」
「その、教科書と筆箱を忘れたって言うかその・・・ハハハ」
もう笑ってごまかすしかないよ。
- 12 名前:1.夢オチ 投稿日:2002年03月23日(土)00時52分49秒
- 「放課後職員室おいで」
ははは、呼び出されちったよ。
とりあえず隣の人にシャープペンと教科書とノートを借りて、問題に取りかかる。
わっかんないんだなぁ・・・。もういいや、知らない。
そういえば今日の昼休みに告んなきゃいけないんだった。どうしよっかな。
でもあんだけ夢でOKもらえてれば、現実もうまくいくかも。
やっぱそろそろ決め時かな。
「よし!」
しーんと静まり返った教室内に私の声が響きわたる。
教室中の視線が一斉に私に集まった。中澤先生の目が怖い。
「高橋、次は廊下やからな、覚悟しとけよ」
結局問題に1問も手をつけないまま1時間目が終わった。
しかし教科書と筆箱を忘れたのは予想外だった。
まあ多少は置き勉だから何とかなるけど。
突然携帯がブルった。まこっちゃんからだった。
「もしもし?」
『あ、愛ちゃん?寝てたでしょ?遅刻しなかった?』
「うん、余裕で遅刻だった。放課後呼び出しくらっちゃったよ」
『そ、あのねぇ、先輩が、昼休みに屋上来てくれって』
クラスの人に呼ばれたような気がしてそっちをむくと・・・。
「高橋、ちょっといいかな」
- 13 名前:D-4 投稿日:2002年03月23日(土)00時55分16秒
- 夢オチ、終了です。この辺もまだプロローグだと考えてください。
この後もこんな感じで進めたいと思いますのでよろしくお願いします。
- 14 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月23日(土)03時13分19秒
- おもしろそうです(w
高橋好きですし♪
先輩が誰なのか気になりますねー(w
頑張ってください
- 15 名前:2.正夢 投稿日:2002年03月25日(月)00時51分38秒
- 教室の入り口に立っていたのは私の大好きな先輩。 矢口真里。 (呼び捨てかよっ)
「まこっちゃん、ごめん」 ぷちっ。
大慌てで教室を出る。
「ごめん、昼休み予定入っちゃってさ、今でいい?」
私は首をぶんぶん縦に振る。
「じゃ、行こっか」
そういって先輩は私の手を握って歩き出した。
夢では何度もしていることだけど、やっぱり現実は緊張する。
耳まで真っ赤になってるのが自分でわかる。
「どうした?なんか黙っちゃって、顔赤いし?具合悪いか?」
え?こんなようなこと前にどこかで・・・、今日の夢?じゃあまさか・・・
先輩が私の顔をのぞき込んでくる。そしてなにを思ったのかおでこをくっつけてきた。
「うーん、熱はなさそうだな」
言葉まで同じ。ってことは、正夢?じゃあ今告れば・・・。
- 16 名前:2.正夢 投稿日:2002年03月25日(月)00時52分14秒
- 「先輩・・・」
「矢口は高橋のこと好きだよ」
「へ?」
先輩が振り返りもせず、平然と言ったので思わず変な声を出してしまった。
「へじゃねーよ。おいらは高橋のことが好き。付き合ってほしい」
違う、現実がこんなにうまく進むわけがない。これはやっぱり調子のいい夢だ。
夢なら早くさめろ!って思いつつ、ほっぺを思いっきりつねる。
「いったぁい」
「なにやってんだよ・・・ごめん、やっぱり迷惑だったかな」
私は首を横に振った。涙が出てきそうなのを必死でこらえた。
「私も先輩が大好きです」
言い終わって、こらえきれなくなった涙があふれてきた。
「わっ、泣くなよ、これじゃ矢口が悪いことしたみたいじゃんか」
矢口先輩が頭をなでてくれた。でもそんなことされたって涙は止まらない。
矢口先輩は両手で私の頬を押さえると、ゆっくり近づいてきた。
「高橋、愛してる」
矢口先輩の唇が私の唇に触れ、すぐに離れる。
- 17 名前:2.正夢 投稿日:2002年03月25日(月)00時53分06秒
- 「こんなとこで、見られたら・・・」
「いいじゃん、見せてやれば」
矢口先輩はもう一度口付けた。今度はさっきよりずーっと長いキス。
なんか離れるのが惜しくてずーとしてた。
が、チャイムが鳴って、どっちともなく離れる。
「始まっちゃっいましたね」
矢口先輩はなにも言わず私の手をつかんで歩き出した。
「先輩?」
あいかわらずなにも言わず階段をどんどん上っていく。
しあらくして見えてきた鉄のドアを開けると、雲一つない青空が広がっていた。
「矢口はずっと高橋と一緒にいたい。授業なんかいいよ」
次は平家先生の化学か、じゃいいや。
2人で木箱みたいなのに座る。
先輩との5センチくらいの距離がなんだかとてももどかしかった。
思い切って矢口先輩に寄りかかってみた。
ちょっとびっくりしてたみたいだけど、優しく肩に手をまわしてくれた。
「なんかいいですね、こういうの」
先輩の手に頬摺りすると、小声でバーカってつぶやいた。
見えないけど、先輩の顔はたぶん真っ赤だと思う。
ずっと続けばいいなぁ。
- 18 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年03月25日(月)00時54分39秒
- でも続かないのが今日の私。携帯がブルってそれに反応し、先輩から離れてしまった。
ディスプレイには見たことのない番号。
「誰だろ?」
矢口先輩に見せると、ちょっと考えてたけどわかんないみたいだった。
「もしもし?」
『あんたなぁ、もしもしやないわ、よくゆーちゃんの授業さぼってんのに電話でれたな』
「え・・・?」
(中澤先生です) 矢口先輩に口パクで伝える。
(なんとかごまかして) 矢口先輩の返事。
『今どこにいるん?』
「えーと、トイレにいて・・・すぐ戻ろうと思ったんですけど・・・」
そのときだった。
「たらららら〜らら〜ら〜ら〜ららら〜らら (いつも何度でも着メロヴァージョン)」
大音量で流れる。矢口先輩の携帯だった。素早く切ったけど遅かった。
『なんやあんた、矢口と連れションかいな?』
「すぐ戻ります ぷちっ!」
せっかく矢口先輩とラブラブだったのに、先生のせいでかなり冷めた。
「ごめん、矢口が気づけばよかったんだけど」
「そんな、先輩のせいじゃないですよ。私一応教室戻ります」
「そっか、わかった、ごめんな」
「何回も謝らないでください」
矢口先輩を残して屋上を後にした。
- 19 名前:けい 投稿日:2002年03月31日(日)02時56分22秒
- いやぁ、高橋のキャラが面白いですね!
続きが読みたいです!!
- 20 名前:D-4 投稿日:2002年04月05日(金)00時34分49秒
- なぜか我が家のパソコンから書き込めなくなりましたが、なんとか復活しました。
本当はこの終わり方は途中です。
ちなみに突然1.なんたら、2.なんたらではなくなったのは考えるのが
めんどくさくなったからではありません。
>>14 名無し読者sama
レスありがとうございます。先輩はこの方でした。
>>19 けいsama
ありがとうございます。面白いですか?
実際と同じようで違うような・・・だったので。
更新は週末か週明けくらいにはしたいと思いますので
もう少し待ってください。
- 21 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月07日(日)15時28分42秒
- いつまでも待ちますよ。がんばってください。
- 22 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)16時38分59秒
- 階段を下りながら考えてみる。今日の2時間目は確かに化学のはずだ。
大体1時間目が中澤先生の授業だったんだから普通に考えてありえない話だ。
やっぱり今日は運勢が悪かったんだなぁ。矢口先輩に告られたのが不思議なくらいだ。
教室について、控えめにドアを開けて中に入る。
やっぱり一斉に視線が注がれる。まあ当然か。
中澤先生今度はにやけてるよ。違った意味で怖い。
「あ、高橋、ちょっと前来て」
先生に呼ばれて黒板の前に立たされる。
「この時間て化学じゃないんですか?」
なんか言われる前に一応聞いておく。
「ん?今日はみっちゃん用があるからHRと交換したって朝連絡したで」
いや、私いなかったんですけど。
「どこにいたん?」
いきなり話題が変わったよ。
- 23 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)16時40分12秒
- 「だからトイレにって・・・」
だんだん声が小さくなる自分がちょっとかわいそうに思えた。
「あんたと矢口が階段登ってくの見たんやけどなぁ」
これには教室内からため息やら歓声が上がる。
「それは・・・、その・・・」
もう反論することが無い。下手に反論して矢口先輩の耳に入ったらやだし、
というか下手なこというと先生が矢口先輩にちくりそうだし。
決めた。ただいまから黙秘に入ります。
「ま、放課後楽しみにしてるわ、ほら、席戻り」
あれ?せっかく黙秘に入ったのに。ま、いいか。
そのとき、ひときわ強い視線を感じた。そっちを見ても誰も見ていない。
気のせいだったのかな・・・。と思いつつ席に戻った。
- 24 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)16時41分08秒
- んじゃHRの時間を使って矢口先輩を紹介します。
矢口真里先輩、高等部3年。一昨年音楽同好会を作って部長になりました。
ちなみに音楽同好会は、矢口先輩と後藤先輩と吉澤先輩、それから石川先輩って人と
私と、中等部3年のまこっちゃんと加護ちゃんと辻ちゃん。
で、ぐだぐだとろくでもないような活動をやっています。
矢口先輩は身長が145センチくらいで私よりもちっちゃくて、茶髪でピアスでとにかくかわいいんですよぉ
でも、音楽同好会初の文化祭の発表であまりにもかっこよかった矢口先輩は急にファンが増えたとか・・・。
ちょっと複雑な心境です。
以上、矢口先輩の紹介でした。
時は過ぎて昼の時間。今日は急いで出てきたから財布を忘れちゃった。ははは・・・。
ということで昼ご飯は抜きです。午後体育あるんだけどな・・・。
みんながおいしそーに食べてるのをぼけーっと見つめる私。
- 25 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)16時42分26秒
- 「たかはしぃー」
この声は・・・。矢口先輩
手でおいでおいでって。
廊下に出るとなんかうれしくて思いっきり抱きついた。
「うわっ、なんだよ」
「だってぇ、先輩昼休み用事があるんじゃなかったんですか?」
「ああ、嘘だよ」
「へ?」
なんか早く言った方がいいかなーと思って、テキトーに言っただけ」
矢口先輩がいいこいいこってしてくれた。幸せ。
「高橋飯食べた?」
「それが・・・」
今日の朝からの出来事を全部話す。朝起きてからベットから落ちて、食事当番から帰って寝て遅刻したこと。
学校に来てみた教科書忘れて放課後呼び出されたこと。
「そっか、じゃ矢口の分わけてあげる、屋上行くぞ」
今度はさっきみたく引っ張られるんじゃなくて、ちゃんと二人で手つないで歩いてった。
- 26 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)16時43分07秒
- 2時間くらい前に来た屋上。空は相変わらず青かった。
さっきの木箱に座って矢口先輩がお弁当の包みを開ける。
「矢口の好みで味付けしてあるから、まずいかもしんないけど」
そんなこといってるけど、見た目はきれいだし、なんか矢口先輩って感じの弁当だった。
「ほら、あーん」
矢口先輩がぷーさんのスプーンでピラフを食べさせてくれる。うれしぃよぉ。
「おいしいです」
「そう?よかった、矢口よく味覚変とか言われるから、味付け変かなぁと思ってね」
じゃあ私も味覚変なのかも・・・。
「今度は矢口先輩食べさせてあげますよ、あーん」
矢口先輩が口を開ける。なんか鳥の雛みたいでかわいい。
- 27 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)17時00分30秒
- 結局半分以上私が食べた。矢口先輩は心配してたけどおいしかったし。
「ねえ高橋ぃ、さっき矢口からキスしたじゃん。だから今度は高橋からしてほしいなぁ」
私は思わず飲んでいたお茶を吐き出しそうになった。
「なに言ってるんですかぁ、やですよぉ」
といいつつも顔は真っ赤、だと思う。
「そっか、やっぱさっきのは矢口の一方的な思いだったんだね」
ううぅ、出た、矢口先輩のちょっといじけながらの上目使い。
そんなことされて断れるはずが無いじゃないですかぁ。
「わかりました、目つぶっててくださいよ」
矢口先輩が目を瞑ったのを見て、さっき矢口先輩がやったみたいに頬を手で押さえる。
実はですねぇ、自分からキスするってこと、生まれて初めてなんです。緊張するなぁ。
そのままゆっくり顔を近づけていく。やっぱり矢口先輩の顔って近くで見るときれいですねぇ。
唇が触れる、って思った瞬間、いきなり先輩が目を開けた。
- 28 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)17時01分04秒
- 「ちょっとぉ先輩、目ぇつぶっててって言ったじゃないですかぁ」
恥ずかしくて手を離してしまった。
「遅いんだよ、こういうのはさぁ、あれ?もしかして自分からするの初めてだったりする?」
真っ赤になってる私のことを見て、ちょっとからかうように言う。
「そうですよぉ、付き合うのだって初めてなんですから」
「やった、高橋の初だよ初。うれしーなぁー、早く、ちゅーしてよ」
なんとなーく悔しかったから、いきなりぶちゅってしてやった。さすがの矢口先輩でも驚いていたけど。
「高橋・・・」
私が唇を離すと、今度は矢口先輩が首筋にキスしてきた。
なんか吸われてるみたいで、くすぐったいような変な感じだった。
そのとき、昼休みの終わりを告げる、授業5分前のチャイムが鳴った。
「またチャイムに邪魔されたか・・・」
矢口先輩はホントに残念そうにつぶやいた。私も残念だけど・・・。
「戻ろっか」
頷いて立ち上がった。
- 29 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)17時02分24秒
- 「じゃ、また部活の時な」
矢口先輩に教室まで送ってもらって分かれた。
席に着くと、なんか視線を感じる。それもじーっと見るんじゃなくて、チラチラっと。
やっぱり矢口先輩と付き合ってるからみんな見るのかなぁ、
とかちょっと自慢げになった私だった。が、もっと違う理由だったことを初(うぶ)な私が知る由もなかった。
午後の授業は矢口先輩のことを考えてまったく聞いていませんでした。
ということで放課後・・・。
「失礼します」
職員室に出向く私。
「あ、高橋、ちょっと悪いんやけどちょっと生徒指導室行ってくれるか」
言われたとおりに生徒指導室に向かう。
- 30 名前:小さな恋のうた 投稿日:2002年04月15日(月)17時03分08秒
- 生徒指導室は名前の通り生徒を指導するところ、進路指導室もかねていて、そっち系の本もいっぱい置いてある。
その本を眺めていたら、戸が開いて、中澤先生が入ってきた。
「悪かったな、まあ座りや」
指さされたソファーに座る。
中澤先生はしばらく私のことをじぃーっと見つめていた。それだけで怖いのは私だけだろうか。
「で?どういうつもりなん?」
「はいぃ?」
「遅刻はしてくる、教科書は持ってこない、突然大声は上げる」
「はぁ」
「矢口のことしか考えられんのはわかるわ。でも高等部入れたからそれでいいってわけちゃうんやで」
はっきり言って私の学力では高等部あがるのは無理だったんだけど、先生がなんとかって言って、
大量の補習を条件にあがれたのだ。そんときに言ってしまった。上がったら絶対がんばると。
「あぁーあ、私は何のために春休みつぶしてまであんたをあがらせたんかな」
ずきんとくるお言葉。
「しっかりやれよ、で、話もう一個あるんやけどな」
- 31 名前:D-4 投稿日:2002年04月15日(月)17時06分03秒
- 更新終了です。
なんかお待たせしているわりにはたいした話じゃないな・・・。
もっと頑張らないと・・・。
- 32 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月16日(火)19時14分43秒
- 待ってました!!これからも楽しみにしてますので頑張ってください。
- 33 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月09日(木)23時46分42秒
- マータリお待ちしてます(w
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