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乙女、矢口にゾッコン―3―

1 名前:りょう 投稿日:2002年03月26日(火)01時25分02秒
銀板から移って来ました。
始めた当初は青板だけで終わる予定でしたが
ずるずる来ています。

どうかこれからも宜しくおねがいします。

前スレ http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=silver&thp=1014403319
2 名前:パム 投稿日:2002年03月26日(火)06時56分31秒
何気に2をゲット!!。
新スレおめでとうございます!。さっそくお気に入り追加で逝きます!。
このまえバイト先に入ってきた(中古本屋)石川写真集に激萌え中です。(w
ちょっと中毒になりそぅ・・・(ワラ
3 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月26日(火)16時35分11秒
長くなるんだったら…空か、海に立てたほうがよかったんじゃないの?
4 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時41分51秒
矢口の部屋へと向かった吉澤達。
コンコン

シーンとしている。

「いないのかな?」
「居るでしょ。呼んでみようか?」

「矢口さん!!吉澤です!居ないんですか??」
ドアをどんどんと叩きながら言う吉澤。



「やっぱ居ないね。」
「うん・・・・」

カチャ
「「あっ」」

矢口が顔を少しだけだして言う。
「入るなら早く入って。」

「「??」」
ふたりは言われた通りさっさと入った。

ふたりが入ってから外をちらっと気にする矢口。

「どうしたんすか?外気にして。」


矢口は何も言わずに二人のほうへと寄って行った。
「まぁかけなよ。」

「あ、はい。」
ふたりはソファーに腰掛けた。
5 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時43分11秒
「で、なんの用なわけ?」
「えっと――」
「私が言うね。」
石川は吉澤を制して話し出した。

「矢口先輩、早く真希ちゃんと元に戻って下さい。」
「なんだよいきなり。」
「早く戻らないから松浦さんが邪魔するんですよ?」

「・・・松浦か・・・まいってんだよほんとに・・・」
「だったら早く!!」

「・・・そうしたいのはやまやまだけど、後藤が許してくれるまで会わないって
 言ったから。矢口から会いにいくことは出来ないんだよな。」

「なに意地張ってるんですか??真希ちゃんは待ってますよ?矢口先輩が来るの待ってますよ?」

「・・・無理だってば。まずは松浦をなんとかしないと。」
「真希ちゃんと元に戻ったら自動的に終わりますよ!!」
6 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時44分01秒
「そんな簡単かなあいつ。毎日部屋まで来るんだよ。今日はまだ来てなかったから
 石川達来た時松浦かと思って出なかったんだ。」

「部屋までくるんすか??入れるんすか??」
「入れるわけないだろ!!」

「私のせいで先輩達をかき乱しちゃって・・・ほんとにごめんなさい。」
「それは良いってば。わからんちんの吉澤がわかったんだからそれはそれで矢口は
 良かったって思ってるんだよ?だからそれはもう良いってば。」
矢口は石川を優しい表情で言う。


「そうだった・・・矢口さん?」
「なに?」
「全部、梨華ちゃんから聞きましたよ。あの日のあれ、演技だったんすね?」

「言ったの??石川!?」

石川はコクンと頷く
「なんで言うんだよ!ばかじゃないのか??」
7 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時46分22秒
「梨華ちゃんに試されたってことはちょっと悲しかったけど、そこまでやらせた私が
 悪いんだし、それは良いんです。でもそのせいでごっちんに誤解させちゃって・・・
 すいません。あの時も、矢口さんに失礼なこと言っちゃって・・・。」

「・・・良いよそんなの。でも、じゃあ約束してよ。」
「約束??」
「そう。何があっても吉澤は石川を離さないって!」
「ええ??今言うんすか?」
「今言わないでいついうの??」

「わ、分かりましたよ。私は、り、梨華ちゃんのこと何があっても離さないです。
 矢口さんに誓います!」

「よく言った!!石川、良かったな、いい恋人で。」

石川は目をうるるるさせて吉澤を見ている。

それを見ていた矢口は・・・
(はぁ・・・他人の応援してどうすんだーっつうの!矢口も早くなんとかしなきゃな・・・ほんと。)

「じゃあそろそろ遅いし帰りなよ。」

「あ、はい。お邪魔しました。」


「あっ!結局どうなったんだっけ話!!」
「あっ!!!・・・・・途中だよね」


「「・・・」」
ふたりは肩を落としてそれぞれ部屋へと帰って行った。
8 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時47分34秒
次の日――

ピピピッ
『おはよう。今日の矢口はすごく眠そう。 なっち』

ピピピッ
『さっき矢口と会ったらね、今日は昼休みがないから嬉しいって!』

「なんでだろ・・・?」
『昼休みがなかったらどうして嬉しいんですか? 後藤』

ピピピッ
『松浦って子にご飯誘われる心配ないからだって』

「・・・」


朝からずっと携帯を離さない後藤を見て吉澤が声をかけた。

「誰とメールしてんの?朝からずっとじゃん。」

「あ、よしこ。なっち先輩だよ。」
「なっち先輩??さっそくしてんの?何話してるの??」
「聞きたい??」
「うん!」
9 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時48分32秒
「・・・やぐっつあんのこと色々教えてもらってんの。」

「なっち先輩に??」
「そうだよ。あっ――」
「なになに??」


『矢口、今日学校から帰ったら実家に帰るんだって。それで明日の門限ギリギリに
 帰って来るんだって。』

「なんでだろ・・・?」

「どうしてですか?」

『さっきも言ったけど、松浦さんから逃げるためらしいよ。』



「・・・やぐっつあん・・」
(気の毒に・・・矢口さん。)



「もうごっちん許してあげなよ。誤解なんだしさ。」

「・・・ごとーだって許してあげたいしやぐっつあんに会いたいけど・・・
 まだまだ困ってもらわなきゃ。」


「・・・」
(素直じゃないんだから・・・)
10 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時49分50秒
そして月曜日
『今日の矢口は機嫌最悪。お昼休みに教室まで入って来たから、松浦さん。』

火曜日
『矢口、かなりきてるべよ』

水曜日
『やぐっつあん、松浦さんと何か話したりしてるんですか?後藤』

『全然。完全に無視してるべよ。何を話しかけても無視、寝てるとこ起こされても無視、
 とにかく完全に無視してるべよ。』

木曜日
『やぐっつあん・・・ごとーのことなんか言ってますか?』

『「許してくれてなくても会いに行くべきなのかな」って言ってたべよ。』

(やぐっつあんも会いたいって思ってくれてるんだ?)

金曜日
『もう、許してあげるべよ?矢口、すごく反省してるべよ。』

(・・・)

『矢口は真希ちゃんなしじゃ駄目だべ。それになっち、あの松浦って子ちょっとやだべ。
 人の迷惑気にしないでずかずか入り込んで来て・・・好きくないべ。だから早く
 諦めさせるべ。真希ちゃんと矢口が早く元通りになってそうさせるべ。』
11 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時50分56秒
『やぐっつあんと会って話してみます。』

『ほんとだべか??』
『はい。やぐっつあん誰にも手ぇ出さないで大人しくしてるみたいだし。』

『なんちゅうこと言うかな真希ちゃんは。矢口はもうそんなことしないべ?』

『えへへ。分かってますよう冗談ですよ。ごとー、やぐっつあんに会いたくて
 会いたくて我慢出来ないから。』

『頑張るべよ!!』



後藤が矢口に会って話をしようと決意した頃(金曜日の1時間目、どのクラスも自習)

それを知ってか偶然か、矢口からメールが入った。



『今日の昼休み、いつもの所で待ってる。もし後藤が矢口のことを許しても良いって
 思ったら来て欲しい。』
12 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時52分05秒
「・・・」

「誰から?」


「・・・やぐっつあんから。」
「!!なんて?」

「うん・・・今日会いたいって」
「もちろん会うんでしょ?!良かったじゃんか!」

「う、うん・・そうなんだけど・・」
「嬉しくないの??」
「ううん。ごとーも今日会おうとしてたから・・・でも・・・なんか嫌な予感がするんだよね」

「もー!ずっと会ってなかったからそう思うだけだよ!緊張してるだけだって!
 応援しとくから頑張ってきてよ!」


「・・・そうだね。うん、頑張る。ありがとよしこ。あ、なっち先輩にも報告しとこ!」




携帯をひとり見つめる矢口

「・・・送ってしまった・・・・・」



「なにを送ったって??」

「あん?う、うるさいな、なんでもないよ!前向いてなよ!」
「はいはい・・・」

13 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時53分21秒

「・・・来てくれんのかな・・・」




「来てくんなかったら・・・はぁ」






「限界だぁ〜もう・・・」

「うるさいな!さっきからぼそぼそなんなのよ?!」
前の席の子が振り返って言う。

きょとんとした顔をした矢口だったが少しにやけると話し出した。

「あのさぁ〜今日後藤に会うかもしんない。」
「許してもらえたの??」


「ううん。全然。」
「なんだ、じゃあ駄目じゃん・・・」
再び前を向く生徒

それを無理やり自分の方へ向かせていう矢口。

「来てくれるかわかんないけどさ、会えるかもって思ったら矢口幸せなんだよ〜」
矢口は嬉しそうに言った。



「・・・後藤のことほんとに好きなんだね矢口。」

「いまさら何言ってんの?矢口は後藤、これ定説。」



「・・・あっそ。」
また前を向く生徒
14 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時54分47秒
「・・・でもさ、ほんとはすごく会うの怖い。会って、もういやだって言われたら

 立ち直れないかもしんない・・・矢口はいつからこんな弱い人間になっちゃったんだろ

 ・・・なんで後藤がいなきゃ淋しいんだろ・・・」



「・・・」

「・・・まずは来てもらえなきゃ駄目なんだけどね・・・。」

「後藤だって矢口しか居ないでしょ。自分ら、お似合いだよ。くじけてないで頑張んなよ。」




「・・・さんきゅ。」


少ししてまた振り向いた生徒
「ていうかさ!!よく聞いたら実際はのろけじゃん!矢口って恥ずかしげもなくそういうこと
 言うから麻痺しちゃったよ!」

「のろけてるつもりはないんだけどね・・・これでも矢口は照れ屋だぞ。」
「どこがぁっ!!」

「あはは」
「ふふふ」
矢口は久しぶりに声を出して笑った。
15 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時56分15秒
「や〜ぐち!」
安倍が自分の教室を抜けて矢口の教室へとやって来た。

「どうしたの?矢口に用事?」
「用事ってほどでもないべが・・・確認したいことあるべ。」
「なに?簡単なこと?」
「すっごく簡単だべ。」
「ふんふん。」

「矢口は真希ちゃんのこと好き?」

矢口は口を開けてまぬけな顔で安倍を見た

「なに言ってんの?決まってるじゃん。大好きだよ、愛してるよ!知ってるでしょ?」
「心から言ってるべか?」
「あたりまえでしょ?!なんなのいきなり・・・」
「良かったべ!真希ちゃんは今やなっちの妹みたいなもんだべ。矢口が良い加減な気持ちで
 真希ちゃんと居るっていううなら許さないべよ。」
「真剣だっつうの!」
「じゃあ今日の昼休み、頑張るべよ。」
安倍はにやっと笑うと出ていった。

「なんだよなっち・・・矢口言わされ損って感じじゃんか・・・あれ?なんで昼のこと
 知ってんの??・・・・わけわかんないよなっちってば・・・。」

矢口は机に突っ伏すると早く昼休みが来るように寝だした。
16 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月27日(水)01時57分32秒
そして昼休み

矢口はいつも2人で食事をとっていた場所へと急いで向かった。




(はぁぁぁぁぁ・・・どきどきすんなぁ〜・・・来てくれるかな・・・)




10分ほど待った矢口だったがなかなか後藤が現れないので不安になってきていた。

今にもなきそうになっている矢口の耳に足音とドアを開ける音が聞こえた。


カチャ

「後藤!!!??」

矢口は振り向き言ったが・・・・・そこに居たのは後藤ではなく・・・・



松浦だった。
17 名前:りょう 投稿日:2002年03月27日(水)02時06分02秒
>2 パムさま
     私は今のところ写真集は全部買っちゃいました(w
     やぐはもちろんだけど、ごまがやっぱ萌え(w
     やぐごま早く仲直りしてくれって思います。
     
>3 名無しさんさま
     ご指摘をどうもありがとうございます!
     ここに立てる前にそれも考えましたが、このスレで終わるだろう
     ということと、もし短くなったらもったいないなぁって思ったので
     ここにしました。頭の中でとりあえずの終わりが見えてますので
     多分大丈夫でしょう・・・・。
18 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年03月27日(水)02時40分59秒
新スレおめでとうございます!!
あやや〜〜〜〜!!邪魔しんといてYO(涙
早く二人が、ラブラブに戻ってほしいです。
じゃないと、いしよしが・・・・・・・(略

私は、吉と石の写真集持ってます。(^〜^O)
表紙の石に、萌え(笑
19 名前:キリスト教の信者 投稿日:2002年03月27日(水)05時37分03秒
神よ矢口を救い、松浦を地獄に落としたまえ。
 アーメン
20 名前:名無し君 投稿日:2002年03月27日(水)12時12分47秒
↑それはちょっと気の毒ですよ・・・

あややも頑張ってるんですから!!
やぐごまマンセーですが。
21 名前:   投稿日:2002年03月27日(水)13時20分36秒
あややが勝ったりなんかは・・・
あったらやだ!!
22 名前:ま。 投稿日:2002年03月27日(水)22時57分21秒
新スレおめ^^です!
1からずっと追いかけてます〜

ここのいしよしはウイウイしてて良いですな。
てゆーか、まつーらさん、最強。女の鏡だよ、君は(爆
23 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時33分54秒
「こんにちは。教室行ったのに居なかったから探しましたよお!」


「・・・なんなんだよ。松浦に用なんかないって。どっか言きなよ。」

「またまた・・・すぐそんな事言うんですから〜そんなことばかり言ってないで、
 ほら、ご飯食べましょう?」
松浦は矢口の言葉に耳を傾けずにひとりでご飯の用意を進めている。

矢口の言葉を無視してどんどんと食事の用意をする松浦に矢口は切れた。

「いいかげんにしろよ!!しつこいんだよ!矢口はお前なんか好きじゃないって言ってんだろ!!
 いいかげん付きまとうなよ!うっとーしいんだよ!!」

「先輩、素直じゃないですね。分かってますよ?きつく言うのは先輩なりの愛情表現
 ですよね?いつだってそうですよね?先輩は私の事好きですもんね?」

「違うっつってんだろ?!昔の話なんかさっさと忘れろよ!お前とは遊びだったんだから!
 あのときは誰でも良かったんだ!やらしてくれりゃぁ誰でも良かったんだよ!!
 ・・・・・・・・・こんなこと言わせるなよ・・・悪かったって思ってんだから
 ・・・攻撃させるなよ・・・」
24 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時35分49秒
「・・・時間なくなりますよ?」

「お前っ―――」

矢口と松浦が話をしている(会話になってないが)所へ後藤が現れた。



「松浦さんさあ・・・」
「後藤?!!」

矢口は後藤を見て固まっている。

後藤は矢口を見もせずに松浦に続けて話した。

「やぐっつあんなんかのどこが良いの?どこが好きなの?冷たいじゃんやぐっつあんなんか。

 傷つくようなひどいことばっか言うしさ・・・・・それなのにそんなやぐっつあんの

 どこが良いの?」

後藤は不思議そうに松浦を見ながら言った。



(・・・後藤・・・お前もそう思ってんだな・・・やっぱ・・・)

松浦は後藤の目を見て答えた。
「どこって、全部に決まってる!!先輩は初めて私の事可愛いって言ってくれた人なの!

 初めての人なの!!顔も性格も何もかも、全部が好きなの!!後藤さんなんかに

 分かるわけない!!」



「分かるわけないじゃん。ごとーは松浦さんじゃないもの。」
後藤は冷めた目で松浦に言う
25 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時37分21秒
「後藤さんは先輩のこと好きじゃないの?好きだったらそんなこと言えるはずないよね?

 ・・・それとも、後藤さんの先輩に対する気持ちってそんなに軽いものだったの?

 ・・・だったら邪魔しないでよ!!私と先輩の邪魔しないでよ!!!」



ふたりの会話を大人しく聞いていた矢口だったがたまらず参戦した。

「さっきから聞いてりゃ何勝手なことばっか言ってんの?何度も言ってるだろ?

 矢口が好きなのは後藤。泣かせてばっかで傷つけてばっかだけど離したくない。

 後藤が矢口を許してくれなくても、矢口に愛想尽かしても矢口は後藤が好きなんだ!」

松浦を見ながら言う。

松浦は一瞬悲しい顔をしたかと思うとまた強気の顔で話し出した。

「先輩?でも、後藤さんは先輩の良さをひとつも分かってないんですよ?どこが良いのか

 なんて聞くくらいですよ?先輩は騙されてるんですよ?どうして分からないんですか?

 先輩こそいいかげん分かって下さい!」
26 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時38分38秒
「うるさいな!矢口は騙されてるなんて思ったこと一度も無い!矢口がそれで良いって

 言ってんだからほっとけよ!!お前には関係ないんだよ!」


松浦は視線を後藤に移し、話し出した。

「後藤さんはどうなの?さっきから私にばかり話させて。自分の気持ち言わないで

 ・・・先輩のこと、好きじゃないんでしょ?大体けんかばかりじゃない。

 合ってないのよ、別れた方が良いのよ。」


後藤は下を向いたまま何も言おうとしない。


「後藤、なにも言わなくていいから。せっかく来てくれたけど・・・また今度――」

矢口が言い終える前に後藤が話し出した。



「やぐっつあんはいつもそうなんだよ・・・」

「なにが??」

松浦も取り敢えずは大人しく聞いている。
27 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時40分28秒
「・・・・やぐっつあんはごとーのこと泣かすし・・・・淋しい想いさせるし・・・・

 マイペースで・・・・ごとーばっかどきどきしてて・・・・・今まで何度も辛い思いしてきた

 ・・・・・何度も傷ついてきた・・・・だから・・・・・・・・・やぐっつあんなんか嫌い。

 ・・・ごとーを泣かせてばっかのやぐっつあんは大ッ嫌い!!!」


「だったら!!」
「・・・・」



「でも、・・・・・・・・・でも、それ以上にやぐっつあんはごとーに愛をくれた。

 大事にしてくれた。いつもごとーのワガママ聞いてくれて一緒に居てくれて・・・

 淋しかったこと忘れさせてくれるくらい愛してくれた。・・・・・だから・・・

 だからごとーはやぐっつあんのこと・・・好き。大好き!誰にも渡す気なんかない。

 相手が誰であれ譲る気なんかない。今までも、これからも、やぐっつあんとずっと

 一緒に居るのはごとーなの。」


「後藤・・・お前・・・」
28 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時42分14秒
後藤は顔を上げて矢口を見て言う

「だからやぐっつあん、ごとーのこと不安にさせないで。離さないで。

 愛してるって何回聞いても足りないよ。ごとーはやぐっつあんにもっと愛されたい。

 もっと抱きしめていて欲しい。」



「そんなのっ・・当たり前だろ!!矢口は後藤なしじゃ生きていけないんだからな!!

 これから何度でも言うからな!聞きたくないって言っても言ってやるからな!!」

後藤と矢口は2人の世界にいるかのように見つめ合った。


「っじゃあ、じゃあ私はどうなるの??ずっと先輩だけを見てきて、ずっと先輩が

 好きだったのに・・・・どうすれば良いの??・・・・・後藤さんのせいで!!!!!!」

松浦はドアのそばにいる後藤のところへ向かって行った。




「後藤さんさえいなけりゃ矢口先輩は私と!私と――」
「何言ってんのよ!!最初っからやぐっつあんは松浦さんなんか相手にしてないよっ。
 一人で舞い上がってただけじゃんか!笑わせないでよ!!」


後藤と松浦はお互いの腕を掴んで取っ組み合いを始めた。
29 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時44分09秒
しばらく驚いてただ見ていただけの矢口だったが後藤が松浦を殴りそうだったので

「やめろよ2人とも!!暴力はだめだっていつも言ってるだろ!後藤?!」

矢口は聞こうとしないふたりの間へ割って入り、後藤の腕を掴んで止めた。



「・・・落ち着けよ。」

と、その時だった―――


「危ないっやぐっつあん!!」

ドンッ!!!!


ドタバタドタバタドタバタドタバタドタ・・・ダァンッ!!



シーーーーーーン・・・・








「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・はぁ・・はぁ・はぁ・・・・・・?私・・・・今何したの?

 ・・・・どうしてこんなことっ・・?ど、どうして??!」



松浦は興奮のあまり我を忘れて二人を突き飛ばしてしまったのだ。

「せ、先輩!!・・後藤さん?!」

松浦は自分が突き飛ばした先を恐る恐る覗き込んだ。




運の悪い事に矢口たちが落ちた先は13段ある階段の一番下だった。
30 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時45分21秒
矢口と後藤はお互いの体を守るように抱き合いながら丸まっていた。

ピクリとも動かないふたりのもとへと駆け下りていった松浦。

体を揺すっても、いくら声をかけてもなんの反応も示さないふたり。


―――松浦は助けを呼ぶことすら考えつかず、ただただ自分のしたことの恐ろしさに
身を震わせていた。




 ブ ブ ブッ   ブ ブ ブッ   ブ ブ ブッ  ブ ブ ブッ



(・・・なんか・・・鳴ってる・・・・)

松浦は振動しているところへ近付いていき、それを手にとった。

後藤の携帯だった。

そして無意識のうちに通話にしていた。


「あっ!真希ちゃん?こんな時にかけてごめんねぇなっち心配になっちゃって!
 ・・・真希ちゃん?どうかしたべか?聞こえてるべか??」



「・・・・・・・・・・・」


「??真希ちゃん??どうかしたべか??」

ガチャン
松浦は握る意思がないのか携帯を床へと落とした。

携帯からはまだ安倍の声が聞こえていた。

「どうしたべ?真希ちゃん??真希ちゃん????」
31 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月28日(木)01時46分26秒
それから5分も経たないうちに安倍が松浦のもとへやってきた。

「なにしてるべ?!」

安倍はふたりがふざけて抱き合っているのかと思ったがそれも一瞬のことだった。

矢口のそばに後藤の上靴が、後藤のそばに矢口の携帯が落ちていた。

そして、赤いものが流れていた・・・・。


「あんた、松浦さんだべ?何があったんだべか?矢口と真希ちゃんどうしたんだべ??」



「・・・」

松浦は何も見えていない、聞こえていないかのようにぼーっと空を見つめている。


「救急車呼んだべか?!」

「・・・」

「ちょっと!!」


安倍は急いで教室へ戻るとすぐに先生に説明をし、救急車を呼んでもらった。

そして矢口達は落ちて意識を失って1時間後に治療室へと連れていかれた。
32 名前:りょう 投稿日:2002年03月28日(木)01時57分25秒
>18 よすこ大好き読者。さま
     やぐごまがラブラブになるまで話続かないで終わるかもです。
     ラストはハッピーなので(多分)ご安心を・・・(w

>19 キリスト教の信者さま
     こ、今回落ちたのはやぐごまでした(w ごめんなさい。

>20 名無し君さま
     あやや強いっすね。今のところ・・・(w

>21    さま
     ないです!!!!!!!!!!!

>22 ま。さま
     初めましてです!まつーらさんはもっと可愛いはずなのですが・・・
     気の毒なキャラになってしまいました(w
     番外では助けてあげなければ(書けたらの話ですが)
33 名前:パム 投稿日:2002年03月28日(木)02時04分56秒
おおっと、リアルだたことにちょっと幸福感じたっす。(w
まさか、両方落ちるとは・・・。
あやゃ、悲惨だ。番外編は救ってやってほすぃです。
ヤグゴマにも救いあるENDを激しく期待です!。
いしよしはなんだかもうイイ感じだし(w
次も期待してるっす!!。ガンガッテください!。
34 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時03分00秒
「・・・っつあん!!・・ぐっつあん!起きてよやぐっつあん!」


「んん・・・んあ・・」
「やっと起きた。」



「おはよ〜。」
矢口は後藤を優しい表情で見ながら言った。


「・・なに、なんで泣いてんの?そんなに起きなかった矢口?」

目を覚ましたら後藤が泣いていたので不安になって顔を覗きこんだ。

後藤はそのまま矢口にくっついた。

「ううん、ごめんね。・・・なんかひとりぼっちな気がして・・・・・淋しかった。」

後藤に頭を抱かれたまま顔を上げて言う

「ばかだなぁ!矢口が居るじゃんか!」



「でも・・・いつも何かに邪魔されるし・・・・今だって一緒に居るのにやぐっつあんが
 遠くに感じる。」

「どうして?こんなにそばに居るのに。」





「・・・わかんない。そう感じるんだもん。」

「じゃあずっとこうしてよう?こうやって抱きしめてたら矢口を感じるでしょ?
 矢口が後藤を抱きしめてるって感じるでしょ?」
35 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時03分59秒
「・・・うん。」

「今ここには矢口と後藤、ふたりだけしか居ないんだよ?誰にも邪魔されないで
 2人で居れるじゃん。」

「ほんとだね。いつまでもこうしてたいね。」

矢口と後藤はお互いを抱きしめながらくっついている。


しばらくして矢口が後藤に言った

「矢口がそばに居るって感じた?」
「うん。」

「ひとりぼっちじゃないだろ?」

「うん。ふたりぼっちだね。」


「・・違うよ?耳澄ましてよく聞いてみなよ。」

「え?」





『っちん!・・・ごっちん!  目ぇ覚ましてよ!!  ごっちん!!――』

「なんか聞こえるね。」

「なんかじゃないだろ?誰の声かわかんない?誰を呼んでるかわからない?」

「誰って・・・誰なの?」



『・・っちゃん!  真希ちゃん!!――』

「後藤を呼んでるの?」


36 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時04分59秒
矢口は優しい顔で後藤を見た。

「よく見てみなよ」
矢口は下のほうを指さしている。

後藤は言われたまま矢口がさす方を見た。

「あっ?!・・・よしこに・・・梨華ちゃん?・・・・ごとーを呼んでるの?」

「そうだよ。聞こえるでしょ。」

「どうしてごとーを呼ぶの?ごとーはここにいるのに。」

後藤は見えている吉澤達に向かって二人を呼び出した。
呼んでも呼んでもふたりは気付かない。

「・・・どうして返事しないんだろ?ねぇ、やぐっつあん。・・・・あれっ?あれ誰だろ・・・?」

後藤は吉澤達の影に隠れるようにして座っている少女を指差した。

「誰?」
矢口は後藤に聞いた。


「・・・・松浦さんだ。・・・よしこ、松浦さんになんか言ってる。なに言ってるんだろ?」


『あんたのせいで!!あんたが現れたせいでこんなことに!あんたがいなきゃ
 ごっちんたちは幸せだったんだ!あんたが悪いんだ!!!』

『ひとみちゃん!そんなことここで言っても始まらないでしょ?!』
『でもっ――』
37 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時06分10秒
『・・・私だってしたくてしたんじゃない・・・ただ・・・先輩のことが好きだっただけで

 ・・・・話がしたかったの・・・・でも先輩には後藤さんが居て・・・いつも一緒に居て

 ・・・・入る隙間なんて無かった・・・・何しても勝てないって分かってた・・・・・・

 でも・・・認めたくなかった・・・・でも認めるしかなくて・・・・・・気がついたら

 ふたりを突き飛ばしてた・・・・・』

『だからってなぁ!!』
吉澤はまだ何か言っている。




「可哀想だよ・・・」

「可哀想って誰が?」
矢口は驚いて言う。



「・・・松浦さん。」

「え?!」

「だって・・・ごとーと一緒でやぐっつあんのこと好きなのに・・・先に出会ったのが
 ごとーじゃなかったら立場は逆だったかもしれない。それなのに・・・・」
38 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時07分11秒
「矢口はたとえ逆だったとしても後藤を選ぶけどな。」


「・・・可哀想だよあんな風に責められて!どうしてごとーたちはあそこに居ないの?
 もう良いよって言ってあげなきゃ!!行こうよやぐっつあん!」

矢口に向かって言った後藤だったが



「先に行ってよ。」

矢口はそう答えた。

「え?なに言ってんの?一緒に居るっていったじゃんか!どこに行く時もふたりでしょ?
 うちらふたりで許してあげようよ!一緒に行こうよ!」

矢口の肩を掴み言う



「・・・そうしたいのはやまやまだけど、矢口はまだ行けないみたい。」
「なんでよ?」
「後でちゃんと行くから。」
「一緒に行こうってば!!」
「絶対行くってばよ!!」

ドンッ
「や、やぐ――」



「やぐっつあん!!!」
ガバっと起き上がった後藤。


「あ、いたた・・・あいたたたた・・・」
頭を抱えてまたベッドに沈む
39 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時08分27秒
「松浦さんあんたどうやって責任とる気?」

まだ松浦を攻め続けていた吉澤
その吉澤の腕を引っ張り石川が言った

「ひとみちゃん!真希ちゃん起きたよ?!今、一瞬起き上がったよ?!」

恐ろしい形相をしていた吉澤だったがすぐに友を心配する顔になり、
後藤の方へと駆け寄って行った。

「ごっちん!!?」



「あぁ〜・・よしこに梨華ちゃんおはよ〜。・・いたた・・ごとーどうなったの?
 ちょっと体痛いんだけど。」

「ごっちんは階段から落ちたんだよ。目ぇ覚まして良かった!!」

後藤に抱きつき言う吉澤。
それを微笑み、見守る石川。
後藤は吉澤を離すと話し出した。

「やぐっつあんはどこ?一緒の部屋じゃないの?」

それを聞いて吉澤と石川は一瞬だが重い表情になった。
ふたりは顔を見合わせると吉澤が答えた。
40 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時09分56秒
「矢口さんは手術中なの。」
「手術中?」
「そう。階段から落ちる時、矢口さんはごっちんの頭を手で包むようにして守ったみたいなの。
 だからごっちんは脳震盪と打撲で済んだけど・・・。」
そこまで言って沈黙になる



「・・・ごとーはやぐっつあんを守れなかったの?またごとーだけ守ってもらって、
 またごとーだけ無事なの?!」



「・・・矢口さんはごっちんが守ったから打撲とかは全然ないらしいの。
 でも落ちたときにガラスくずで頭を切ったみたいで・・・・出血してたらしいの。
 ・・・それで今手術してるの。」

「命に別状は無いんでしょ?」

「聞いた話だと、助かる確率は充分あるんだって。」

後藤はそれを聞いてほっと肩をなで下ろした

「やぐっつあんさ、後から行くって言ってたから。絶対に行くって言ってたから。信じて待ってる。」
41 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時11分14秒
後藤はあたりをきょろきょろと見回している。

「なに探してるの?」

「え?あぁ、松浦さん居ない?」
「え?!」

松浦は自分の名前が聞こえたので後藤の部屋へと入っていった。

松浦は俯いて後藤たちを見ようとしない。



「松浦さんさ・・・ごめんね?」

「「え??」」
吉澤と石川は後藤を見て驚いている。

松浦も思わず顔を上げて驚いた顔で後藤を見ている。

「どうして?!どうして後藤さんが謝るの???ケガさせたのは私じゃない!
 先輩だってまだ手術中だし・・・・後藤さんから先輩盗ろうとしたのにっ――」


「だってやぐっつあんが好きなんでしょ?ただ好きなんでしょ?なのに・・・好きな人に
 
 きついこと言われて邪魔者扱いされて・・・ごめんね。ごとー達がふらふらしてたのも
 
 原因だよね?・・・・・やぐっつあんはあげれないから・・・だから・・・ごめんね・・・・。」



松浦はその場にへたり込んで泣いた。
42 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時12分26秒
しばらく病室には松浦の泣く声だけが響いていたが
後藤がそれを破った。

「やぐっつあんとこ行く。どこで手術してんの?」

後藤はベッドから降りて部屋を出て行こうとしている。

「あ、うちらも行くって!」
吉澤達も後に着いていった。


後藤たちが看護婦さんに矢口の居場所を教えてもらい、部屋の前に着いて少ししたころ。
看護婦らしき人が手術室から慌てて飛び出してきた。


「A型かO型の方いらっしゃいませんか??」

「えっ??・・・何言ってるんすか?」
「血が足りないんですか?」


「・・はい。」
「なんでよ?血なんてたくさん保管してあるものじゃないの??」

「――今日は今朝から大きな手術が3回ありまして・・・申し訳ございませんが
 不足しているんです!ご協力頂けますか??」

「ごとーはO型だよ!足りないんだったら採れるだけとってよ!」
「私も!私もO型です!私のも!」
「私も!A型です!!」

看護婦がちらっと松浦に目をやった。



「私は・・・B型だから・・・」

看護婦はすぐに視線を外すと後藤達を採血するため連れていった。
43 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時13分54秒
ひとり残された松浦

「・・・血をあげることも出来ないなんて・・・・私のせいで・・・私のせいで
 こうなったのに・・・・」

松浦がまた泣き出したその時
先程後藤達を連れて行った看護婦が戻って来た。

「あなた、お友達にO型かA型のかたいらっしゃいますか?!」


「・・えっ?」
「まだ、まだまだ足りないんです。他から取り寄せているんですがなかなか来なくてっ!」
「A型かO型だったら誰でも良いんですか?」
「はい。思い当たる方が居たら呼んでください!!」

松浦はそれを聞くと走ってその場から姿を消した。
後藤たちは採血を終え、手術室の前に戻った
するとさっきの看護婦がまた出てきた。

「他にいらっしゃいませんか??」

「まだ足りないの???!!」
「ごとーからもっと採ってよ!!ごとーいっぱいあるから!!」
「出来ません!採って良い量が決まってるんです。あなたたちは目いっぱい採血しました。」
「でもっだったらどうすんのさ!血が足りなかったらやぐっつあんどうなんのよ?!」

後藤が看護婦に突っかかったその時―――
44 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時14分56秒
「真希ちゃーーん!!」
「後藤――――!!!!」

「えっ??」







「矢口は??うちらA型だからっ矢口にあげれる!」

「なっち先輩圭織先輩・・・」
「真希ちゃんはもう大丈夫なんだべか?」
「はい、脳震盪だけですんだから・・・」

「あなたたち、採血室行ってもらえます?」
「あ、はい。」



「あっありがとうございます!」

「ううん。みんな来るから!!」

「えっ?」



後藤が安倍の差した方を見ると学園の生徒達が大勢向かって来るのが見えた。

「な、なんなの??」
「ほんとに・・・どうして血が要るって知ったの?それにどうしてあんなにたくさん??」
45 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時16分03秒
「真希ちゃん!梨華ちゃんひとみちゃん!!」

そのなかのひとりが声をかけた。


「「「あゆみちゃん??」」」

「矢口先輩は?血が要るって聞いたよ?どこにいけば良いの??」

「え、ちょっと待ってよ。どうしてみんな知ってるの?みんなやぐっつあんに
 血をくれるために来てくれたの??」

「そうだよ!!!1年の松浦って子がね・・・・みんな、採血室に行って!私も後で行くから!!」

柴田に言われて走って行く生徒達
ざっと見ただけで生徒の半分以上はいるのが分かる。

「松浦さんがなに??」
「松浦さんがね、校内放送で教えてくれたの!矢口先輩がケガして、今血が足りない!って。
 それでみんなして来たの。」
46 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時17分07秒
「そうだったの・・・それで松浦さんは?」
「さぁ。放送聴いただけで姿は見てないから・・・」


「ありがとう。」
「ううん。じゃあ私も行ってくるね!!」
柴田も採血室へと走って行った。




「・・・すごいね。」
「うん。」


「やぐっつあん?見た?みんなやぐっつあんに起きて欲しいんだよ?
 みんなやぐっつあんのために集まってくれたんだよ?・・・だから・・・
 ちゃんと起きなきゃだめだよ?許さないよ?」

手術室へ向かって言う




そうこうしていると生徒達が戻って来た。

「あれ?早くないですか?」

「もう充分足りるんだって。大勢で居ても仕方ないし、帰って良いって言われたから。」

「あのっ、ほんとにありがとうございました!!」
後藤は深々と頭を下げた。

「後藤はまだ先輩が目を覚ますの見てなきゃ。頑張れよ!!」
「頑張れ!!」
生徒達は口々にそう言い、帰って行った。
47 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時18分33秒
それから2時間後

『手術中』のランプが消えた。

手術室から医師が出てきた。

「矢口さんのお友達ですね?手術は成功しました。」

「ほんと??」
後藤は立ち上がった。

「はい。不足していた血液もあなたたちのおかげで・・・ご協力ありがとうございました。」
「それで?意識は?意識はあるの??」
「今はまだ術後で体力が消耗していますので起きれません。しばらくは面会謝絶です。
 何しろ頭部ですので、少しずつ術後の経過を見ていかなくてはなりません。」



「少しも会えないの?」
後藤は医師ににじりより言う。

「申し訳ございませんが・・・」

「そっか・・・じゃあ今日は帰ります。何か変化があったら教えて下さい。」

「もちろんです。」
48 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時19分32秒
後藤は吉澤達と帰って行った。


石川も後藤の部屋に一緒に居る。
「ごっちん、良かったね。」


「・・・・・・また記憶なかったらどうしよう・・・」

「こ、怖い事言わないの!!大丈夫だってば!」


「・・・うん。大丈夫だと思うけど・・・・不安だよ。」
不安気な顔で言う。

「・・・松浦さんさ、どうしてるのかな?」
石川が思い出したように言った。

吉澤はきついことを言っていたのを思い出したのか少し暗い顔になる。
後藤は立ち上がると出て行こうとした。

「どこ行くの?」
「ん?松浦さんとこ。お礼言ってくる。」
「私も行く。」

吉澤も立ったが後藤が止めた。

「悪いけど、ごとーひとりで行く。ごとーが言わなきゃだめなの。よしこが松浦さんに
 用があるなら別にして。」

吉澤の目を見て言い、後藤は出て行った。
49 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時20分54秒
「ひとみちゃん・・・?」
吉澤は石川を見ると泣きそうな顔で言った。

「だってさ・・・私松浦さんにひどいこと言いまくったじゃんか!謝らなきゃ!
 ごめんって言わなきゃ!!・・・・泣いてたのに・・・」



「・・・仕方ないよ。あの状況じゃ仕方ないよ。ごめんって思うなら、後で会いに行こうよ、ね?」


「・・・うん。・・・・そうする。」



後藤は松浦を探した
松浦の部屋も薄暗くなった学校にも行ったが居なかった。
校内放送をしたという話を思い出した後藤は放送室へ向かった

(居たよ・・・)
カチャ

松浦は机に突っ伏していた

後藤は声をかけるのが躊躇われたが思い切って声をかけた

「松浦さん!」

「!!後藤さん?」
松浦はガバッっと起き上がると後藤の方を向いた。
50 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時22分35秒
「ありがとう。やぐっつあん助かったよ。松浦さんのおかげだよ、感謝してる。」

後藤が優しい表情でそう言うと、松浦は涙を流しながら言った

「・・・お礼なんて・・・言わないで・・・・・・私が・・・悪いんだから・・・・・

 私のせいなのに私・・・B型で・・・血を分けることも出来ないで・・・・・・

 みんなに頼む事しか出来なくて・・・」

「松浦さんが呼びかけてくれたから助かったんだよ?」





「私・・・・もう先輩のこと諦める・・・・。後藤さんの邪魔はもうしない・・・・。

 ほんとに・・・ほんとにごめんなさい・・・謝って・・・許してもらえることじゃないけどっ――」


「もう良いから!やぐっつあん無事だったんだし、もう良いから責めないでよ。」


「でもっ・・・・」
「良いから。」




「ごめんなさい・・・」

後藤は松浦の肩を叩きながら優しく言った。
51 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時24分19秒
そして5日後
後藤たちは矢口に会うことが許された。


後藤は病室に入ると矢口を見て立ち止まった。

矢口の頭は手術の際に剃られていて包帯がまかれていた。


すると矢口は首をかしげて、
「なんだよお〜『やぐっつあん!』って抱きついてくるかと思ったのによ〜」
と笑って言った。

と同時に後藤は矢口のベッドに駆け寄り、柔らかく抱きついた。


「なんだよ・・・」
そうしていると後藤の肩が小刻みに揺れているのが分かった。

矢口は後藤の頭をポンポンと叩き、撫でながら抱きしめた。


「心配したんだから。」

「・・・ごめん。」
「またごとーのこと覚えてなかったらって余計な心配までした・・・」

「ごめん、心配かけて。」
「ほんとだよ!!」


「後藤に怪我がなくてよかった。」
「やぐっつあんが守ってくれたからあ」

お互いに抱きながら話すふたりを見た吉澤達は入ることが出来ず、しばらく外で待った。
52 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時25分32秒
10分ほどすると後藤が病室から出てきた。

「よしこに梨華ちゃん来てくれたの?」
「うん。矢口さんは?もう良いの?」
「うん、ごめん。せっかく来てくれたのに、やぐっつあん寝ちゃったんだ。」
「そっか。じゃあまた明日にでも来ようか。」
「そうだね。」
三人は寮へと帰って行った。



そして次の日の放課後
後藤は、吉澤石川飯田安倍とともに矢口のところへやってきた。

「なんだぁ?今日は多いなぁ〜」
矢口が感激したように言う。

「みんな心配してたんだべよ。早く会いたかったべよ。」

「へへ、ごめん。矢口はこの通り元気。みんなのおかげでちゃんと生きてる。
 なっちたち、矢口に血を分けてくれたんだってね。ほんとにありがとう。」

吉澤達は首を横に振って笑った。
53 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時27分10秒
「さてと、じゃあ矢口が元気なの見れたし、もう帰るべよみんな。」

「えっ?今来たとこじゃんか!」
「そうですよ。まだ来たところじゃないですか。」
飯田と吉澤は安倍に向かって言った。

安倍は石川を見た。
石川は『あぁ!』という顔をして頷くと吉澤の腕を掴み、安倍は飯田を連れて出て行った。



「なんでよなっち!」
「そうだよ梨華ちゃん!どうして?」
吉澤と飯田がそれぞれに文句を言う。

「圭織〜今日なんの日かわかんないべか?」
「?」
「ひとみちゃんも分からないの?」
吉澤と飯田を顔を見合わせて首をかしげる。

「「なんの日なの??」」

安倍と石川はため息をついた。

「はぁ・・・今日はバレンタインデーだべよ。」
「「ああ!!そっか、でもだからってなんで・・・」」


「なんで分からないべか?!なっちたちは恋人達に気を使ったんじゃないべか〜」
安倍は呆れ顔で言った。

「あーそっかあ!さすがなっち!!気が利くなぁ!!」
「ふふん。まあね。」

安倍と石川はそれぞれわからんちんを連れて帰って行った。
54 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時28分39秒
その頃、病室内の矢口達は―――

「みんな気ぃ使ってくれたんだね。」
「そうだな。でも良いのにな、あんなに急いで帰らなくても。」
「うん。でもま・・・みんなもふたりの方が良いでしょ。」

「・・・吉澤と圭織は分かってなかったみたいだけどな。」
「あはっ」



ふと会話が途切れ、沈黙になった。



どちらからともなくふたりは顔を寄せ合い、唇を交わした。

何度も何度も角度を変えて、お互いを深く感じるようにする。

舌を入れたりなどせずに、優しく、お互いを労わるようなキス。




ふっと唇が離れた


矢口は後藤を抱きしめたまま
「このまま・・・押し倒したいよ・・・」と言った。

「もう!何言ってるのよ!」
「あはは。冗談だって。まだそういうことしちゃ駄目だって止められたし。」
「は?誰に?」
「え?医者に。」
「医者がわざわざそんなこと言うの?・・・迫ったの?」


さっきまでの甘い空気はどこへやら

「違うっ違う!しばらく体力使ったり激しい運動は駄目だって言われたんだよ。」
矢口はいやな汗をかいていた。
55 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時30分07秒
「なにさっ誤解するような言い方しないでよね。」
「ごめんごめん。」

そして矢口と後藤はもう一度軽くキスをした

『ちゅっ』

しばらくお互いに抱きしめていたが後藤が思い出したように矢口から離れた。

「そうだ、これ。」

後藤はかばんをゴソゴソと漁ると、可愛くラッピングした箱を取り出して矢口に渡した。

「なに?これ。」

「今日はバレンタインデーだよ。やぐっつあんの好きなチョコタルト、いっぱい焼いたの!
 ごとーの愛情がいっぱいだよはあとはあと

「マジ?やったマジで好きなんだよ後藤のタルト!!さんきゅう!!」

矢口はまた後藤にちゅっとキスをした。

「あっ、不意打ちじゃんか〜」
「えへへ。お礼♪」
「も〜」
声とは反対に嬉しそうな顔で後藤は言った。
56 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月29日(金)02時31分41秒
「そういや、やぐっつあんはいつ退院できるの?」

「あぁ〜何も異常がなかったら3月末には退院できるってさ。」

「そんなにかかるの??」
「みたい。なんか検査とか結構あるらしいから。」


「卒業式どうすんのさ。出れないの?」

「無理だろうな〜・・・でも仕方ないよこればっかは。」
矢口はひとごとの用に気にしないといった顔で言った。

「ごとーさ、毎日顔出すから、暇だしね。」
「ん、さんきゅな。でも。学年末テストあるんだし、勉強もしろよ〜」
57 名前:りょう 投稿日:2002年03月29日(金)02時40分32秒
>33 パムさま
    いつもありがとうございます。
    やぐごまのケガはまっつーを諦めさせるためだけに
    発生しました(w
    なのでさっさと起きてしまいました。
    多分、次回更新(と言っても結構量はありそう)で
    終わりです。
    ちと強引な感じですが、どうか、宜しくです。
58 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月29日(金)02時44分15秒
矢口は卒業に出席足りるのか?
と余計な心配をしてみるテスト
59 名前:七誌 投稿日:2002年03月29日(金)02時49分48秒
リアルタイムで見てました(w
次でラストですか〜
嬉しいような悲しいような・・・

新作の予定もあるようなので期待してます。
60 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年03月29日(金)05時33分13秒
大量交信お疲れ様です。
>わからんちん
にかなりワラタ!!つぼでした。
今回は、ドキドキしましたが、やぐが目覚めてよかったです。(^^;
あややが、嫌な子のままにならなくて・・・・。(ホッ
ラスト、がんがってくださ〜い!!」
61 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時12分37秒
2月21日(木)
明日の卒業式に準備をした後、いつものように矢口の病室へと足を運んだ後藤。

入ろうとしたが今日は先客がいたようだ。


(誰か来てるね・・・)



「マジですか?!」
「ああ、ほんまや。矢口が悪いんやないし気の毒やとは思うけどな、もう決まったことやねん。
 分かるやろ?」

「・・そりゃ進路も決まってなかったけど・・・マジですか?!」

「ほんまやって。・・・そういうわけやからまた明日な。」

(なんの話してんだろ・・・?)
ガラッ
「おっ、後藤やないか。矢口の見舞いか?」
「中澤せんせぇ・・・やぐっつあんに用があったんですか?」
「せや。明日の事でちょっと話あってな。」
「なんの?」
「せやなぁ・・・後藤にとったら嬉しいことかもしれんな。矢口は気の毒やけど。」
中澤はそれだけ言うと帰って行った。
62 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時14分00秒
ガラッ
「やっほーい!やぐっつあん!」

「お、おっす!」
「中澤センセと何話してたの?」

「ん?中澤と?あ〜・・・明日の卒業式、病院の許可もらったから出て来いって。」
「そうなの?!よかったじゃんか!!卒業式はやっぱ出なくちゃね!」

「・・・うん。」
「?・・・嬉しくないの?」
「う〜ん・・・」
「変なやぐっつあん。あれ?そういえばなんで中澤センセが言いに来たの?そんなこと。」
「あー中澤はうちのクラスの副担だから。担任は明日の準備で忙しいしな。」
「そっか。」
「矢口さ、ちっと疲れたみたい。もう寝ていいかな?」
「疲れたの?」
「うん、ごめん・・・。」
「ううん。分かった。明日朝迎えに来るからね、後藤。」
「あ、あのさ、矢口の部屋にある帽子さ、なんでもいいから持って来てよ。やっぱ恥ずかしいさ、このままじゃ。」
「分かった。それじゃあね。」
「ん。ばいばい。」
63 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時15分07秒
2月22日(金)

卒業式当日
朝早くに後藤は矢口の荷物を持って矢口の病室へと来ていた。

「準備良い?」
「このさ、かぶり方不自然かな?いける?」
「だーいじょうぶだよっ」


「くれぐれも無理は駄目ですよ」
看護婦にそう言われ学校へと向かった。

学校に着き、矢口と一度別れるというその時、

「ごとーさ、やぐっつあんが卒業するの淋しいけど泣かないから。笑って見送るから、
 やぐっつあんも泣いたら駄目だよ?笑っててよ?」



「・・・心配すんなって!」
「心配だよお〜?やぐっつあんが失敗しないように祈っとくね、ごとー。
 じゃあね、また後でね!ばいばい!!」

「おうっ!またあとで!」

矢口と後藤はそれぞれ教室へと向かった。
64 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時16分09秒
矢口の教室
「おはー!!」
「おっす。」
「矢口、今日出てきて良かったの?」
「うん。病院に許可もらってる。」
「そっか。早く退院できると良いね。」
「うん。ありがと。」


8時半になり、先生が入って来た。

「みんな集まってるかー?今日は卒業式、問題児ばっかだったけどセンセは淋しいぞー。」
「思ってないこと言わないでよ〜」
「そうだよ!」

教室内がざわざわとざわめいている。
しばらく雑談が続いたが先生が矢口を呼ぶとみんな静かになった。

「矢口、ちょっと前に出てきてくれ。」



「・・・はい。」

「なに?矢口なんかしたの?」


「矢口は―――」

先生の言葉を聞いて教室中が驚きの声をあげた。
65 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時16分57秒
「マジなの?!」
「じゃあもういっかい――」


「・・・ということなので、式の時に矢口が皆の前で言うから、それまで黙っておくように。
 それじゃあ――」
と、時計を見た。

「もうすぐ式が始まるから廊下に並んで。」

みんなまだ驚いているが言われたように廊下へ出た。矢口も言われたように並んだ。

「ねぇ、マジなの矢口?!」
「マジだよ。」
「良いの??」
「決まったことだしな・・・」

矢口達は先生について体育館へと向かった。
66 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時18分48秒
『在校生送辞 卒業生、在校生、起立!!』

『卒業生答辞 』

式が滞りなく予定通り過ぎていった。

(矢口さんが卒業したらごっちん泣くんじゃない?)
(・・・泣くだろうね。でも毎日会うもん!)
(毎日?!)
(うん。えへへ)

『それでは、次に、在校生代表から挨拶。 3年4組 矢口真里』

『はい!』

(え???)

会場が、今の言葉を聞いてざわざわとざわめく

『静かに!静かにしなさい!!』

「在校生って言ったよね?」
「言った言った。どういうこと?」
「どうして先輩が在校生代表なの?」
「え??どゆこと?」



「ご、ごっちん、どゆこと?」
「わかんない!!間違ってるのかな???」

会場中がざわめくなか、矢口は一番前へと出て行き、生徒達の方を向いた。
その瞬間全ての視線が矢口に集中し、場内は静まり返った。
67 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時22分00秒
矢口が話し出すのを皆息を呑んでまっていた。

「えっと・・・まずは皆さんにお礼を言わせて下さい。血を分けてくれてありがとう。

 みんなのおかげで私は今こうやってここに立っていられます。本当に感謝しています。

 ありがとう・・・・」

矢口は深々と頭を下げた。



「・・・・・・そして皆さんも知っての通り私は3年ですが、今日卒業しません。

 けして身長が低いからやり直しというわけではなく・・・・・もう一度春から

 3年生をやります。今まで一緒に過ごしてきたクラスメイトたち。みんなと一緒に

 卒業する予定だったけど無理でした。思えばあっと言う間の3年間で・・最後の1年は

 いろいろあってほんとに早かった。このまま卒業したらもったいないくらい早かったし、

 やり残しがいっぱいあります。だからちょうど良かったって思ってます。

 もう一度やり直すチャンスがもらえたと思って春からまたがんばります。

 春から同じ教室で勉強をする人も居ると思うけど、宜しくお願いします。」

矢口は礼をして自分の座席へと帰って行った。
68 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時22分36秒
場内はシーンと静まり返ったままだった。


少しすると誰かが小さな拍手をした。
するとそれはどんどんと広がって行き、どこかから『矢口コール』が始まり、
『頑張れよお〜!!』『身長も伸ばしなよ〜』などと矢口を励ます声がたくさん聞こえた。

矢口もそれに答えるように立って笑顔で答えた。


しばらくして司会が進行を開始した。




そして卒業式は終わった。
69 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時23分57秒
矢口は卒業しないので、在校生という立場で卒業していく友達と記念写真を撮っていた。

「やぐちぃ〜」
「おうなっちぃ!卒業おめでとう!」
「ありがとう。矢口は、また3年生するんだべな。」
「そうだね。」

「・・・どうしてだべ?」
「う〜ん・・・矢口さ、3ヶ月くらい入院してさ、学校休んでたでしょ?それに勉強だって
 追いついてなかったし・・・今回も入院しちゃったし・・・いろいろ重なってそうなったの。」

「そっか・・・」
「悲しい顔するなよ〜もっかい学生ってのも楽しくて良いなって思ってんだから。」

「・・・ほんとに思ってるべか?」
「もちろんだって!それに、後藤と離れるの矢口もまだやだったし!」

「あー!!そっかそっか、真希ちゃん居るもんね。なんだ心配して損したべ。充実した
 高校生活送れるじゃんか。」

「損ってことないだろー。でもま、心配してくれてありがと。矢口は大丈夫だから」
「良かった。あ、矢口写真撮るべよ。」
「おうっ!」

矢口と安倍はとびっきりの笑顔で写った。
70 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時25分22秒
そして後藤が矢口の前にやってきた。

「おう後藤!どうだった?矢口の挨拶!」

「びっくりしたよお!!!なんで黙ってたのよお!ごとー、やぐっつあんと離れると
 思って泣いたのにさぁ!!ごとーの涙を返してよ!!」

「えー??怒るなって!また矢口と一緒に高校生活送れるから嬉しいだろ?」

矢口は膨れっ面をしている後藤の顔を覗き込み言った。
後藤は矢口を捕まえると両方の頬をひっぱって

「嬉しいに決まってる!!!」といった。

「いててててっ!!素直に喜んでよ!!」


「ほんと、嬉しい。でも・・・留年になるんだよね?」
「まぁね。」
「良いの?」
「なにがぁ?」
「学歴に傷がつくでしょ?」
「ばっかだなあ〜矢口がそんなの気にするわけないじゃんか。それに中澤が校長たちに
 病気のためってことで通してくれたからそんな傷はつかないの!実際そうだしな。」
「そうなの?」
「おう!!」
「良かったよお〜」

後藤は矢口に抱きつきほのぼのしていた。
71 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時27分01秒
そこへ―――

「あの・・・・」
「ん?」

矢口が振り向くとそこには松浦が立っていた。


「あ、まっつー!!どうしたの?やぐっつあんに用事?」
「後藤さん・・・うん、そうなの。」
「そっか、じゃあごとー席外すし、まっつーやぐっつあん貸してあげるぅ〜」

後藤はそう言うと少し離れたところにいた安倍のもとへと走っていった。


「あ、後藤!!おいっ!」(まっつーってなんだよ・・・ふたり・・・和解したの?)

「あの・・・」
「お、おう。久しぶりだな。」



「「・・・」」



「「あのっ――」」

「松浦から言えよ。」

「いえ、先輩から・・・」



「「・・・」」


「あのさ、矢口を助けてくれてありがと。松浦がみんなに呼びかけてくれなかったら
ここに居なかったかもしんない。ほんと助かった。ありがとう。」

「いいえ!!当然のことをしただけです!!私のほうこそすいませんでした。
 迷惑だって言ってたのにしつこく付きまとって・・・後藤さんの邪魔して怪我させて・・・」

「もう良いって。この通りうちらは元気だからさ。それに、矢口もきついことばっか
 言ったよな。傷つけてごめんな。」
72 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時28分17秒
「・・・良いんです。私、もう邪魔しませんから。先輩の事はまだ好きだけど・・・
 もう邪魔しません。」

「松浦・・・ごめんな。気持ちに応えてやれなくて。」



「・・・でも諦めませんよう〜!!」
「えっ?」
「先輩と後藤さんがケンカしたらわかりませんよう〜♪」

「こ、怖い事言うなよ!矢口はもうケンカとかして後藤を傷つけたりしたくないから!」

「うふっ・・分かってますよう。私、分かったんです。先輩と後藤さんがケンカばかり
するのは合わないんじゃなくて、お互いの悪いところ指摘しあってもっと良い関係に
なろうとしてるんだって分かりました。」

「そんなこと考えてやってないけどな・・・矢口も・・・後藤も・・・。」
「でもそうなんですよ!だから、ケンカしてこそ先輩たちなんです。
 これからもこのまま仲良くやっていって下さい。」

「・・・さんきゅ。」
「それじゃあ・・」
「ん。春からまたヨロシクな!」
「はい!!!」

松浦は最高の笑顔で去っていった。
73 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時29分28秒
松浦が居なくなったのを見て後藤が戻って来た。

「やぐっつあ〜ん!!!!!」


「もう終わった?」

「うん。」

「そっか」

(追求しないの?)
「なに話してたか聞かないのか?」



「・・・良い。聞かない。ごとーの知らない事がひとつくらいあっても良いと思うよ。」


「大人になったな・・・。」

「まっつーに関してだけだよ!他の子は駄目だよ。」

「そうそう、まっつーってなんだよ。いつからそう呼んでるわけ?」



「んー・・・やぐっつあんが目ぇ覚ましてすぐくらいかなぁ?話してみたら意外と
 話合ってさぁ。仲良くなったの。」

「そっか・・・それは良かったよ。」
74 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時30分46秒
「やぐっつあん、また明日からも宜しくね?」

「おう!こちらこそ宜しく!矢口は後藤出会ってなかったらつまんない人生送ってたよ。
 出逢えて良かった。」

「ごとーも。ずっと一緒に居ようね。」

「あぁ」

矢口は後藤の頬に背伸びをしてキスをした。


ふたりは手を固く繋いで(病院へと)帰って行った。




ケンカばかり、問題ばかりが起こる波乱万丈な矢口と後藤のカップル。

いつでもお互いを必要とし、愛して合っている。

いつまでもこの関係が続く事をふたりは信じている。

ふたりの人生はまだまだ始まったばかりである。






終わり
75 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年03月30日(土)01時31分40秒
おまけ


「ほらっ、今しかないよ!ひとみちゃん!」
「あっ、だ、駄目だってば。イチャイチャしてるのに邪魔しちゃ悪いって〜」
「あっ!」
「松浦さんじゃんか・・・クソー先こされたあっ!!」
「だから言ったのに・・・次チャンスあったら矢口さんとこ行こうよ?」
「う、うん。」

吉澤と石川は矢口と話をしようとチャンスを伺っていたがことごとく失敗していた。



「ほらっ、松浦さん帰ったよ!」
「よ、よし!行こうか!」


「やぐっつあ〜ん!!!!!」

「わぁ!ごっちんが戻ってきちゃったよう」
「真希ちゃんなら大丈夫だよ〜もう行こうよ〜」

「「あっ!!」」

ふたりは何かを話したかと思うとキスをして手を繋いでさっさと帰っていった。


「・・・ううう」
「ひとみちゃんったら・・・早く行こうって言ったのに・・・」
「ご、ごめんよ梨華ちゃん。」
「仕方ないよね、あとで病室行こうよ。」
「うん・・」

石川に手を引かれて帰って行った吉澤。
ふたりの人生もまだまだ始まったばかりである・・・。


今度こそ終わり♪
76 名前:りょう 投稿日:2002年03月30日(土)01時38分40秒
>58 名無しさんさま
     わぁ!読まれてましたねやはり・・・足りなかったです(w

>59 七誌さま
     ちょっと強引に終わらせたような雰囲気で、申し訳ないです。
     続編が出来そうな終わらせ方になりました。
     終わらせるのは難しいですね・・・。

>60 よすこ大好き読者。さま
     やぐが留年なので続きアリなのですがちょっと休憩です。
     可哀想なやぐ・・・。

     長い間こんな駄文にお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。
     皆さんのレスのおかげで頑張れました。
     まだ容量ありまくりなので、番外でも書いていこうかな・・・と思ってます。
     以前に頂きましたリクをもとにいきます。
     何かあればどうぞ・・・。
77 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時43分48秒
無事完結おめでとうございます。
次回作期待してます!
プレッシャーになったらスマソ

番外編も期待してます!
78 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時43分54秒
無事完結おめでとうございます。
次回作期待してます!
プレッシャーになったらスマソ

番外編も期待してます!
79 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時43分59秒
無事完結おめでとうございます。
次回作期待してます!
プレッシャーになったらスマソ

番外編も期待してます!
80 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時45分49秒
無事完結おめでとうございます。
ラストもリアルタイムで感動(T_T)
次回作も期待してます。
81 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時46分37秒
無事完結おめでとうございます。
ラストもリアルタイムで感動(T_T)
82 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時46分42秒
無事完結おめでとうございます。
ラストもリアルタイムで感動(T_T)
83 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時46分51秒
無事完結おめでとうございます。
84 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時47分20秒
無事完結おめでとうございます。
85 名前:七誌 投稿日:2002年03月30日(土)01時49分27秒
はうわ( ̄□ ̄;)!!
重複レス!
申し訳ない…
逝って来ます…
86 名前:りょう 投稿日:2002年03月30日(土)01時53分45秒
リアルタイムですか?!
それは良かったですう♪

でも、いっぱいレスでおもしろい・・・(w
87 名前:りょう 投稿日:2002年03月30日(土)01時55分25秒
ありがとうございます。
88 名前:R&B(レッド&ブルー) 投稿日:2002年03月30日(土)11時25分55秒
完結おめでとう御座います

いや〜おもしろかったっす
波乱万丈の二人と甘々な二人
色んな面が見れて面白かったです

またいつでもいいですので まきまり書いてください
89 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月30日(土)16時34分14秒
りょうさんお疲れさまでした。
やぐごまホントよかったです。
りょうさんの更新の早さもあって、毎日ここを覗いて更新の
チェックするのが日課になってました。
是非是非、何時の日かまた、やぐごま書いて欲しいです。
90 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月30日(土)21時40分55秒
完結おめでとうございます。
でもやぐが留年したおかげで続編あるんですよね?
ばんざい!!ごめん、やぐ。
番外編はぜひやぐごま出会い、猛アタックの二人の馴れ初めをリクしてみたり・・・。
でもやぐいしの出会いも・・・。ごめんなさい、気にしないでください。
りょうさんのやぐごまは本当に最高です。お疲れ様でした。
91 名前:パム 投稿日:2002年03月31日(日)01時28分32秒
おぉ、無事完結おめでとうでっす!。ヤグが留年・・・・(ニヤソ
次回作に期待しちゃってよいのかなぁ?(w
>けして身長が低いからやり直しというわけではなく・・・・・
ワロタですよ!。(w
番外編も期待ですがなっ!。
なにはともあれお疲れ様でした!!。マジで面白かったっす!!。
92 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月31日(日)02時20分13秒
留年すか・・・。
93 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と石川― 投稿日:2002年03月31日(日)03時21分07秒
「なんだよ変な声!」

「気持ちわるーい!アニメ声でしゃべるなよ!」

「顔にあってないんだよっ!」


小学校のとき6年間、このアニメ声のせいでバカにされてずっといじめられてきた。
ついでにアゴも人より出ていたせいで「アゴン」などと変なあだ名まで付けられていた。
生まれた時からこの声なのに、このアゴなのに、みんなひどいよ。
それが嫌で中学は私立を受験した。
中学には私の声やアゴをバカにする子はひとりも居なかったけどトラウマっていうのかな、
小学校の時の記憶がふっと出てきて動けない。友達もなかなか出来なかった。
高校なんて行きたくないよ・・・。





それでも今日から高校生。

高校から入ってくる子もいるし、今度こそ友達作らなきゃ。






でも現実はそんなに甘くなく・・・知らない子ばかりのクラスでまた友達は出来なかった。
94 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と石川― 投稿日:2002年03月31日(日)03時22分42秒
そんな毎日が1週間ほど経った。悩みすぎて胃を悪くした石川は保健室で寝ていた。


(もおう、やだ。友達だって出来ないし、せっかく話かけてもらっても緊張して話せないし!
 痛いよ・・・助けてよママ・・・。)

石川がベッドで小さく泣いてると誰かが入って来た。

石川はカーテンを閉めているのでまさか入ってこないだろうと思い、特に気にしなかった。
ところが――

カーテンは勢いよく開けられた。


「あっ!!・・・ごめん。誰もいないかと思って!」

少女はすぐに閉めたが少ししてまた開けると石川に向かって言った。


「新入生?・・・泣いてるみたいだったけどなんかやなことあった?」


「・・・高1です。」
「あははっ!何その声!」

(あぁまたバカにされる・・・もうやだよ!)

「めっちゃ可愛いじゃん!アニメ声っての?いいじゃ〜ん可愛いじゃ〜ん」

(えっ??可愛い??うそ!)
「変じゃないですか??」

「え?どうしてぇ?全然良いと思うけど。可愛いし顔にあってるじゃん。」



「そんなこと言われたの初めてです。・・・みんなバカにしてたから・・・。」
95 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と石川― 投稿日:2002年03月31日(日)03時24分36秒

「・・・それが悩みだった?それで泣いてた?もしかして。」


「はい・・・。小学校のときこの声のせいでいじめられて友達作るの怖くて・・・
 今もなかなか作れなくて・・・友達ひとりもいなくて・・・。」


「名前なんての?」

「え?石川梨華です。」

「なんだ名前も可愛いじゃんか。石川さん、じゃあ矢口が友達第1号だね。よろしく。」

「え・・?友達?」
「そう、友達。矢口が友達じゃやだ?」
「いいえ、とんでもないです!良いんですか?」
「良いもなにも矢口が友達になりたいって言ってるんだから良いんじゃないの?」

「!ありがとうございます。」
「矢口は2年1組の矢口真里。大抵教室かここにいるからいつでも来てよ。
 今日は・・・さぼらないで教室もどるけど。」

そう言って矢口は去って行った。


(矢口先輩か・・・優しそうな人だな・・・それにちょっとかっこいい!!それに私の声
 変じゃないって・・・可愛いって言ってくれた!ウソじゃなさそうだったよね。
 自信持って良いのかな。)
96 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と石川― 投稿日:2002年03月31日(日)03時27分27秒
そして矢口は石川を見つけると気さくに話しかけた。そしてこうしたらもっと友達が出来るとか、
こうやった方が可愛いとか、いろいろとアドバイスしていた。

人気のある矢口が話しかけることでクラスメイトも石川を気にしだし、しゃべりかけるように
なっていった。中には石川に嫉妬して嫌がらせをするものも居たが矢口や、初めて出来た
友達(同い年で)がフォローしたため大きなことは何も起きなかった。

『梨華ちゃんすごいね。矢口先輩に話しかけてもらえて・・・。』
『そうだよ。羨ましい・・・。』
『えへへ。』
97 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と石川― 投稿日:2002年03月31日(日)03時29分32秒
或る日の放課後、授業が終わってすぐ――

(矢口先輩保健室いるかな??)
石川は自分に自信を持てたことと、友達がいっぱい出来たことの御礼をするために
矢口を探していた。

ガラッ
「矢口せんぱ〜い・・・居ませんかぁ〜・・・・?」

シャッ
「おう!石川どうした??」
「あ、先輩。私、先輩のおかげで友達いっぱい出来ました、先輩が言ってくれたおかげで
 自分に自信が持てるようになりました!だからこれ、お礼です。」

「なんだ、そんなの。もとから石川が頑張れる子だったからだよ。矢口は何もしてないよ。」
「そんなことないです!これ、作ったんで、食べて下さい。」
「良いのに・・・。さんきゅ。」

お世辞にも美味しいとは言えないクッキーを頂く矢口。

98 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と石川― 投稿日:2002年03月31日(日)03時30分03秒
しばらく雑談をしていたが、
石川は出会った時から気になっていたことの探りを入れた。

「矢口先輩みたいな人だったら、付き合う人は幸せですね。」


「・・・そうかな。そう思ってんのかなあいつ。」

(!!やっぱり居るんだ!ショック!どんな子なんだろ。)
「とにかく、ありがとうございました。私、友達と矢口先輩のファンクラブ作るんで、
 これからもよろしくお願いします。仲良くしてやって下さいね。」

「へっ?ファンクラブ??良いよやめなよそんなの。いらないぞ!」
「だめです。もう作りました。じゃあ!」

石川は去って行った。


「強引だな・・・ちょっと後藤みたい・・・。・・・後藤?・・・げっ!今日会う約束
してんだった!忘れてたぁ殺される〜急がなきゃ。」

矢口は石川の後を追うように部屋を出て行った。
99 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と石川― 投稿日:2002年03月31日(日)03時31分20秒
(先輩に彼女が居ても負けない!今までだって頑張ってこれたもん。
 先輩だって頑張って振り向かせて見せる!!)

そう誓った高校1年の石川だった。






おまけ

「ごめん!遅れた!」


「・・・忘れてたんでしょ、やぐっつあん。どーせごとーなんて!」
「ば、ばか忘れてないって!せんせーに呼ばれてたんだって。機嫌直せよっ
 どこでも連れてってやるから!な?」

「じゃあ遊園地!れっつごー!!!」
「今から??」
「文句あるの?」

「ご、ごーー!!(とほほ)」

後藤の尻に敷かれている、後藤に弱い矢口だった。
付き合い出したころの矢口はどこへやら。


おわり
100 名前:りょう 投稿日:2002年03月31日(日)03時37分29秒
>77 七誌さま
     ありがとうございます。次回作は娘。としてか
     娘。以外かで悩んでいるところです・・・。
     がんがります!

>88 R&B(レッド&ブルー)さま
     ありがとうございます。
     初だったんで試行錯誤しながら書いてました。
     もっと色んなやぐごまが書けるようにがんがります。

>89 名無しさんさま
     どうもありがとうです。
     やぐごま大好きなので、また書きたいです。
     機会があればまた読んでやって下さい。
101 名前:りょう 投稿日:2002年03月31日(日)03時46分16秒
>90 名無しさんさま
     どうもありがとうございます。
     どこが完結やねん(w って感じですがまたいつか書きたいなぁ
     と思ったので留年してもらいました。(ゴメソやぐ!)
     やぐごまの出会い編。書いたんですがあっさりすぎなので
     もっと猛アタックさせようと手直し中です。
     しばしお待ち下さいませ・・・・。

>91 パムさま
     いつもありがとうです(w
     急に終わらせてしまいましたがお許し下さい。
     あわあわしてたので・・・。

>92 名無しさんさま
     留年です。実際ありえないですかね・・・・?
     もうしちゃったので許して下さい。


     やぐいしの出会い編はあっちゅうまに終わってしまいました。
     短すぎですか?期待されていたものと違ったという方
     いらっしゃるかと思います。ごめんなさい。
     やぐごまは少し長めにしようかな・・・と。
102 名前:no-no- 投稿日:2002年03月31日(日)17時14分27秒
お初です。とうとう完結ですか。(泣)
@からずっと読んでました。(携帯で)
次回作&番外編楽しみにしてます。
103 名前:no-no- 投稿日:2002年03月31日(日)17時21分42秒
ageてしまった。
初カキコなのに、、、
逝ってきます(鬱)
104 名前:パム 投稿日:2002年04月01日(月)00時26分18秒
おっ!!。更新おつかれさまでっす!。
とりあえず更新チェックしないと眠れない今日この頃です(爆
梨華っち番外編いいっすね!。他メンの番外編もこっそり期待してます・・・。
プレッシャーかけてたら申し訳ないです。
いつまでもマタ〜リ待ってるっす!!。がんばってくだせぇえ!。
105 名前:乙女、矢口にゾッコン 番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時43分36秒
私は後藤真希。

家から出たくてむりやり受験した学校に通ってる。

寮生活でよしこって言う仲良い友達も出来たしそれなりに楽しい毎日を送ってる。


ただ、足りないもの。それはやっぱ恋人かな。

なかなか理想の人って居ない。

私は見た目派手だし、だるそうに見えるらしいから他所の学校の子にもよく絡まれる。

いつもはよしこといるから絡まれたりてあんまなかったけど今日はたまたまひとりだった。

ひとりのときは決まって絡まれる。

正直言って負ける気はしないし、暇だから相手してもいいかなって思ってる。



でも今日は風邪ひいてて高熱あったからちょっと勘弁って感じ。




でもそうは行かなかった。

106 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時44分56秒
「あんた、後藤?ちょっと顔かしてくれる?」

「なに?なんの用?今日はあんたらの相手してらんないんだけど。」

「生意気なんだよお前!中坊のくせにチャラチャラしやがってよ!」

絡んできた少女の張り手が飛ぶ。

いつもならよけられる、どころかカウンターをくらわす後藤だが今日はもろにくらってしまった。

「弱いなこいつ。やっちまえ!」
3人がかりで後藤をとっちめようとする。


(だめだぁ〜・・・今日は力入らないよ・・・今度会ったらこいつらマジ殺す・・・)

後藤は諦めていいようにされるところだった。


ひとりの少女が手をあげた瞬間だった。


「あんたら、何してんの?」


(だれ?・・・助けてくれるの・・・?あ、ちょっと好み・・・いやかなり好み・・・)




後藤は高熱のためすでに意識が薄かった。余計なことも考えていたが。
107 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時46分51秒
「あぁ?あんた誰だよ!あんたこいつと関係あんのかよ!こいつ生意気だからしめてるんだよ、
 あんたもしめんぞ!?」

そういって少女達は迫って行く。


「その子のことは知らないけど同じ学校だし。後輩がやられて黙ってられないね。」

「うぜぇなあ!誰だよあんた!チビのくせに生意気だな!やっちまうぞ」


「・・・何も知らないって幸せだな。言っとくけど私に手を出す事はうちの学園全員を
 敵に回すのと同じだよ。ま、そんなのなくてもあんたらには負ける気しないけど。」


「はぁ??学園全部??何言ってんの?こいつ」



「・・もしかして・・・あれじゃない?矢口とか言うやつ!後ろにいっぱい仲間がいるっいう・・。」

「マジで??こいつが??で、でも言われてみたら確かにそいつもチビって噂だったよな。」

「ど、どうする?」
「さすがに全員敵には出来ないんじゃん?」




「クソ!今日のところは勘弁してやる!次は許さないから!忘れるなよ!」

少女達は捨て台詞を残して去っていく。
108 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時48分05秒
「ほっ・・・。良かった良かった。ほんとはケンカなんてしたことないんだよな〜
 危ない危ない。」

少女はそう言って後藤に近づいてきた。

「大丈夫かな?起きれる?」


「・・はい・・。あの・・・助けてくれてどうもです。」

「ああそんなの良いって!たまたま通りかかったら同じ学校の子が絡まれてたからさ。
 
 あれ?なんか顔赤いけど・・・もしかして・・・げっ!すごい熱じゃんか!保健室行くよ!」




矢口が言い終わる前に後藤は気を失ってしまった。
109 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時49分18秒

「んあ・・・ん・・ここ。」

「あ、起きた?あなた高熱で気を失って倒れたのよ。運ばれて来てね。」



「・・・だれが運んで・・・」

「あぁ高等部1年の矢口さんね。彼女ちっさいのに頑張ってくれてね。」


(矢口さん・・・。ちらっとみただけだけど好みだった・・・)

ガラッ
「せんせーあの子起きたぁ?」
「あ、ほらあの子が矢口さん。」
「えっ」
「おーっす!大丈夫なの?かなり熱あるように見えたけど。」

「も、もう大丈夫です。そんなことよりさっき絡まれてるの助けてくれてありがとうございました。」
「あぁそんなの良いって!なに、しょっちゅうなの?」


「はい・・・。なんかよく絡まれるんです。」

「また変なやつに絡まれたら矢口の名前出しなよ。矢口こうみえても結構知られてるから
 役にたつとおもうよ。ね、センセ。」

「そうだね。矢口さん無敵だもんね。」
「ありがとうございます。」
「名前、なんての?何年生?」
「あっ、後藤真希です。中2です。」
「そか、また会う機会あったら声でもかけてよ。じゃあ。」

矢口は去って行った。
110 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時52分54秒
「今の人・・・(惚れた!!)」

「かっこいいでしょ?ま、センセは可愛いと思うけど年下からみたらかっこよく
 見えるんじゃない?」

「ほんと、すごく・・・イイです!!」




寮に帰って吉澤に報告する。

「すっごくカッコイイんだよぉ。背はかなり低いんだけど可愛いんじゃなくてカッコイイの!
 顔もごとーの好みだったよ。今まで何か足りないって思ってたのはこれだったんだよ、
 ごとーは矢口さんにアタックしまくるぞー!!」


「矢口さんってあれでしょ?一個上の人たちがいっつもしゃべってる人じゃん?」
「そうなの?なんて?」

「えー?知らないの?めっちゃ有名な話なのに・・・。」
111 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時53分29秒
「だってごとー学校生活にそこまで力入れてなかったもん。」


「矢口さんはさーやめといた方がいいよ。」
「どうしてさ!?」

「人気あるんだって。彼女だって絶対いるに決まってる!だから近寄って行ったら
 やられるよ。」


「・・・いいもんそんなの。やりかえすもん。だってもう無理だもん。
 好きになっちゃったんだもん。頑張るもん。・・・よしこが心配してくれるのは
 嬉しいけどさ、応援してよ。ね?」

「泣いてもしらないよ?」



「大丈夫だから。」
112 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時54分30秒
次の日

つまらない授業なので窓から外を眺めていた後藤の目に矢口の姿が映った。


「あーーーーーーーーーーー!!」

「なに?どしたのごっちん!」
「えっ・・?あ、あの、・・・すいませんセンセ。まだ熱っぽいので帰っても良いですか?」

「え?帰るの?ごっちん。」
「(窓の外に帰ってく矢口さん見えたの!チャンスだから!)」
「(そんなことで・・・)」


「昨日もお休みだったわね確か。分かりました。帰ってもよろしいですよ。
 そのかわり早く治しなさい。」

「はい。じゃあさよなら。」
後藤はすごい勢いで荷物を片付けると出て行った。
113 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時55分59秒
「矢口せんぱーい!!!」

前を歩く矢口を呼び止める後藤。


「ん?あぁ昨日の!後藤さんだっけ?」

「はい。覚えてくれてたんですね。嬉しい。」

「矢口は可愛い子は1回見たら忘れないから。」


「え?(照)あのっ、いきなりなんですけど、彼女とか居ますか?」



「・・・ほんといきなりだな。居ないけどなんで?」

「やった!あの、私矢口先輩が好きになりました!付き合って下さい!」




「・・・ごめん。悪いけどそれは無理。気持ちは嬉しいけど。」
「どうしてですか?」
「どうしても。」
「そんなんじゃ納得出来ません!」



「・・・じゃあ聞くけど矢口のどこが好き?」

「え?どこって・・・昨日助けてくれたし話しやすいしカッコイイし・・・全部です。」


「全部ね・・・。悪いけど矢口は後藤さんが思ってるような人間じゃないから。
 矢口のことは忘れた方が良いよ。じゃあね。」

矢口は去って行くが


「諦めませんよ!」
114 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時58分55秒
それからも後藤は矢口がひとりになるのを狙って話しかけに行っていた。

そして矢口と後藤が出会ってから大分経ち、中3になる手前の春休みになっていた。


「も〜・・・しつこいなぁ〜どうしてそんなにも矢口なの?」
「だって好きなんですもん。先輩がごとーのこと嫌いじゃないなら諦めないもん。」

「矢口と付き合ったらぜーったいいつか傷つくよ?」
「どうして?」
「どうしても!いっぱい泣くと思うし、すぐに別れちゃうかもしんない。
 それでも良いの?」

「付き合ってくれるんですか??」



「絶対泣くよ?矢口知らないよ?」

「泣かないもん!だから付き合って下さいよ!!」


「・・・うん。分かった。」

「マジですか?!」

「・・・・だって、しつこすぎ!」

「やったぁ!ごとー頑張った甲斐ありましたよ!ありがとうございます。
 すぐに別れたりなんてやですよ、頑張りますからごとー!」


「うん・・・。」

矢口から好きだとかは言われなかった後藤だが好きな人と付き合えたのでどうでも良かった。

115 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)00時59分54秒
「マジで??矢口さんオッケーだって?うそでしょ?」

「なんでよ、ほんとだってば。付き合ってくれるって言ったもん。」


「脅した?弱み握った?なにしたの?」
「もー!!怒るよ!」

「ご、ごめん。ほんとなんだ。すごいじゃんごっちん。絶対彼女いると思ったんだけどな。
 とにかくおめでとう。」

「えへへ。ありがとう。頑張ったもん。」




コンコン
「はい?」
「矢口だけど。ちょっと話あってさ。」

カチャ
「どうしたべ?久しぶりだべ矢口。」

「・・・うん。中学以来だもんね。・・・元気にしてた?してるよね、飯田さんいるし。」

「うん・・。中入るべよ。なっちしか居ないから。」
「うん。」
116 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)01時01分59秒
「矢口さ、なっちと別れてからずっと考えてた。」
「なにをだべ?」

「矢口のどこが悪かったのか。考えて考えて答えが出たような何も出てないような感じで
 ・・・今でもよく分からない。・・・矢口が悪かったのは分かるけどどこって言われたら
 はっきりと答えが出ないんだよ。」


「・・・矢口だけが悪いんじゃないべ。なっちも嫉妬深かったからだべ。矢口人気あるから
 なっち不安だったって言ったよね?そんな不安を吹き飛ばすくらいの愛が欲しかったけど。」


「・・・ごめんね。」
「急にどしたんだべ?」

「うん・・・・・急にこんなこと言ったのはさ・・・矢口彼女出来たんだよね。
4月から中3になる子でさ・・・矢口のことばっか追っかけて、明るくて良い子なんだ。
可愛いし。まだ好きって気持ちは全然ないんだけど・・・・。なっちを傷つけたみたいに
もう誰かを・・・傷つけたくないんだ。どうしたらいいんだろ。・・・こんなことなっちに
聞くなんて矢口おかしいよね、でもなっちだからこそ聞くんだよ。矢口を少しでも
好きでいてくれたなっちだから・・・矢口の悪いところ知ってると思うし・・・。」
117 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―矢口と後藤― 投稿日:2002年04月02日(火)01時03分30秒
「そんなに自分を下げるもんじゃないべ。なっちは矢口のこと、すっごく好きだった。
 矢口の人気はどうしようもないから矢口が変わらなきゃだめだべ。」
「矢口が変わる?」
「うん。その彼女にちゃんと態度で示すんだべ。好きなら好き、一緒に居たいなら居たいって
 言う。矢口みたいに好きとかあまり言わなかったら、態度で示さなきゃ伝わらないべよ。
 それでなくても言葉に出しても態度に出しても伝わらないことなんていっぱいあるんだべ」


「・・・そっか。・・・分かった。さんきゅ。」
「ううん。その子のことちゃんと愛してあげるんだべよ?」

「ん。努力するよ。なっちも飯田さんにちゃんと愛してもらいなよ?」
「圭織は晩生だからぁ・・・」

「?・・・またこうやって話したりとかたまにはいいかな?」
「もちろんだべ。」
「良かった。じゃあ。」



こうして矢口と後藤は付き合い始めて今に至るのである。

今のラブラブ状態からは想像も出来ないような始まりだった。

人生とは分からないものである。


おわり♪
118 名前:りょう 投稿日:2002年04月02日(火)01時13分13秒
>102 no-no-さま
     初めまして!
     携帯で見て頂いてたんですか?!
     ありがとうございます(泣)
     嬉しいです。age sage 気にしてないので大丈夫です!
     番外は難しいですね。新作もわけわからんです(w


>104 パムさま
     他メン・・・あと誰がいました?
     とりあえずまだ書いてませんけど、やぐごまもういっちょ
     いきたいなぁと考えてますが・・どうでしょ?
     がんがります。
119 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月02日(火)01時16分39秒
次回作にも期待しています。
今日はリアルで読めたんでついてるかも♪
120 名前:パム 投稿日:2002年04月02日(火)03時01分36秒
更新チェックっす!。お疲れ様でっす!。
他メン・・・・うおっ、あとはあやゃくらいしか・・・(滝汗
ヤグゴマもう一発ですか?。いいっすね!!。ガンガンいきましょう!!。
でも、絡まれて負ける気がせんゴマはなにげにオソロスィですな(w
そんなオソロスィ、ゴマのがんばりが見てみたいっす!。
がんがってでっす!!。
121 名前:M・O 投稿日:2002年04月03日(水)05時26分36秒
お初です。
一気に読んでしまいました。
ヤグ&ゴマサイコーです。
次回作もぜひヤグ&ゴマで!!
がんばってください。
122 名前:no-no- 投稿日:2002年04月03日(水)18時29分56秒
やぐごまの次回作期待してますよ。
りょうさんのやぐごまが一番好きなんでどんどんいっちゃてください。
でも、このまま続きも観たいかも。
携帯からだとレスできないんで、ネットカフェからです。
123 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時13分26秒
ちゅうがしたい。ちゅうがしたい。ちゅうがしたい・・・。

やぐっつあんとちゅうがしたい・・・。


そもそもごとーはキスなんてしたことない。付き合ったのだってやぐっつあんが初めてだし、

何もかもやぐっつあんが初なの。初めて好きになった人。初めて助けてくれた人。

とにかく何よりも誰よりもやぐっつあんが好きなの。

やぐっつあんだって・・・好きなはず。

好きだって言ってくれたことないけど・・・嫌いじゃないはず。ううん、好きでいて

くれてるはず・・・好き合ってる者同士がちゅうするのなんて普通のことだよね?

だからごとーは・・・やぐっつあんとちゅうがしたい。でもその前に好きって言って欲しい。
124 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時15分57秒
後藤が矢口と付き合いだしてから半年が過ぎてもう夏休みも終わりにさしかかっていた。
今の様に毎日一緒に居るというふたりでは無く、たまに遊ぶ約束をしたりして週に2,3回
会う程度だった。後藤は毎日会いたかったがわがままを言って別れられたら・・・と
思うと言えずにいた。

付き合いだしてから矢口は後藤に一度も自分の気持ちを言っていなかった。
そのためさすがの後藤も不安になってきて吉澤にいろいろと相談することが増えていた。


「やっぱりやぐっつあんごとーのこと好きじゃないのかなあ?」
「弱気にならないの!1年間追いかけて振り向いてもらえたでしょ?ごっちんはもっと
 頑張れるはずだよ?」


「でもさ〜・・・一度も好きとか言われてないんだよ?」

「えっ!・・・一度も?」
「そうだよ!好きなんて言われたことないよお」

「ごっちんだったら聞きそうなのに・・・」

「・・・そういえば聞いたことないや。明日会うから聞いてみようかな・・・」
「マジ?(好きじゃないって言われたらどうする気だよ・・・)」
125 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時17分03秒
「うん。怖いけど・・・気になって何も手につかないから。」
「が、頑張ってよ!」
「うん・・・それでさぁ〜・・」
「ん?」


後藤は吉澤の傍に寄って行きぼそっと耳元で囁いた。



「なんだよ急にぃ!!!あるわけないっしょ!」
「やっぱそうだよね・・・よしこ付き合ったことないもんね。」

「・・ふんだ。どうせそうですよ!」

「でもしてみたくない?どう?」


「・・・興味はあるけど・・・ごっちんとは・・」
「失礼だなー・・・ごとーだってやだよよしことなんか。雰囲気だけだよ。試しにやってみない?」
「え〜??? 」

「協力してよ!やぐっつあんがごとーのこと好きだって分かったらお願いするんだから!」
「ええ?マジで?!」
「マジだよ!だから協力して!」

後藤が吉澤の胸倉を掴んで言うので吉澤は断る事が出来なかった。


(トホホ・・・どうしてごっちんとキスの練習なんかしなきゃなんないのさっ・・・)

126 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時18分23秒
「じゃあ良い?よしこがやぐっつあん役ね。ごとーに顔を近付けてごとーが目ぇ瞑ったら
 座布団挟んでちゅうするんだよ?オッケ?」


「・・オッケ。」


「じゃあ〜すたあと!」

「後藤・・・」(とほほ・・・)

「やぐっつあんはあとはあと

後藤は入りきっていて吉澤の目をじっと見ながら待っていた。

(な、なんだよ〜可愛いじゃんかちょっとお〜・・・その気になってくるじゃんか)

吉澤が後藤の顔に自分の顔を近づけた。

(なんか・・・座布団なくても良いような気がしてきた・・・)

吉澤が乙女になりきっている後藤にノックアウトされかかっていた。

座布団をはさむのも忘れてあと少しでぶつかる!!といったところで後藤が急に笑いだした。


「・・・ぷっ!あはっあははっよしこおっかしー!!」
127 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時19分41秒
急に笑われてなんのことだか分からない吉澤はムッとして聞いた。

「なにがおかしいんだよ!協力してあげてるのにさ!」

「あは、・・・ごめん。でも、だって・・・ぷぷぷっ!」

「だからなんなのよ!」
「よしこ真剣なんだもん。座布団忘れてるし!なんか間近で見たら笑っちゃったはあとはあと

「腹立つなぁ・・・」

吉澤が自分のベッドに乗ったのをみた後藤はすぐさまフォローをした。


「ごめんごめん。ほんとはドキドキしたんだよ。ほんとにあたっちゃいそうで、
よしこ真面目だからほんとにするのかなって・・・だからだよ。協力してくれたのに、ごめん。」

「・・・ほんとだよ。・・・・でもまぁいいや。いつか私が困った時協力してもらうから。」
「うん、まかしてよ!!」

「・・・で、今のキス練習は役に立つの?」

「・・・わかんないや。やぐっつあんからすることなんてなさそうだし。
 まー頑張ってみるよ。」


「うんうん、ふぁいと!!」
128 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時20分38秒
次の日――

「今日は何するー?」
「今日?別にしたいことないなぁ・・・」

「(それって淋しい・・・)じゃあさ、公園でのんびりしない?天気良いし。」
「そうだな。」

矢口と後藤は少し歩いた所にある穴場的公園に行った。

穴場なので子供達もほとんど居なくてふたりきりに近い状態だった。

何をするわけでもなく言葉どおりにのんびりしていた矢口たち。



後藤は思いきって矢口に聞いた。


「ね、やぐっつあん聞きたいことあるんだけど。」
「なんだよ。」

「ごとーはさ、やぐっつあんのこと好きだよ、大好き。知ってるよね?」

「・・知ってる。それがどうした?」


「ごとーは好きなんだけどやぐっつあんはどうかな・・・って思って。」

「いきなり何言ってんだ?」

「答えてくれないの?」

後藤は悲しそうな顔で矢口の目を見て言った。
129 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時22分21秒
「・・なんで急にそんな・・」

「だって、もともとごとーのことが好きで付き合ったわけじゃないでしょ?

 付き合ってから大分たったけど・・・やぐっつあんからまだ一度も好きとか・・・
 
 そんな感じのこと聞いてないもん。言ってくれてないもん。」



「言わなくても分かるでしょ。」

「わかんない。」

「そんな恥ずかしいこと言えないっての!」


「後藤のこと好き?言ってくれないってことは嫌い?言ってくれないとね、不安になるんだよ?

 やぐっつあんのこと好きだけど何も言ってくれなかったら好きでいて良いのかなって

 不安になるよ・・・。」




「・・・嫌いだったら一緒に居ない。」

「・・じゃあ好き?」



「・・・」

矢口は何も言わずに頷いた。
130 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時24分18秒
「口に出してよ。」

「良いじゃんかもう。」



「・・・けち。」

「けちで良いからもう許してよ。」



「・・・ばか。」

「ばかで良いから。」




「・・・ちび。」

「ちびで・・なんだよっ!気にしてんのに言うなよっ!」

「もう良いよ!やぐっつあんなんて知らない!」

後藤は膨れて公園から出ていった。



「まいったな・・・」

頭をポリポリと掻きながら矢口は後藤を追いかけて行った。


「待ってよ後藤!・・・お〜い!!」



「・・・」

後藤は矢口の声を無視して歩き続けている。

一向に止まる気配のない後藤を見て矢口は



「・・・好きだぞ〜」

と、ボソっと言った。
131 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時25分38秒
その瞬間後藤は立ち止まり矢口の方へ振り返った。

「・・聞こえない。もっと大きな声で言ってよ。」

「・・・何も言ってないけど。」

「うそ!言ったじゃんか今好きだって!ちゃんと聞こえたもん!」

後藤は矢口に近付き言った。

「後藤ちょっとしゃがんでよ。」
「なんでよ!ちゃんと聞こえるように好きって言ってくれなきゃやだもん。」
「良いから!」
「なんなのよ〜」

後藤は矢口に言われたように渋々だが少しかがんだ。
かがんだ瞬間


『ちゅっ』と矢口は後藤にキスをした。

ほんの少し。1秒もしなかったかもしれない。

それでもそれは確かにキスだった。

後藤は驚いた顔で矢口を見ていた。



「・・ちゃんと矢口は後藤が好きだから。」



「・・・ほんとに?ごとーだけの片想いじゃない?」

「うん。矢口も後藤を好き。両想いだよ。」
132 名前:乙女、矢口にゾッコン―初めてのちゅう― 投稿日:2002年04月05日(金)00時28分11秒
「嬉しい!!」

後藤はさっきまでの機嫌の悪さとはうってかわって明るい声で言うと矢口に抱きついた。


「ちょっと何すんの!離れろよ〜」

「やだ〜離れないはあとはあとやぐっつあん大好きだからね、ずっと好きだからね。」

「・・・うん。矢口もだから。」

矢口と後藤は微笑み合った。




「ただいまあ〜♪」

「・・機嫌良いねえ・・・好きって言ってもらえたの?」
「そう!ま、ちょっと無理やり言わせたかもしんないけど・・でもね・・」
「でも?」

後藤がにやけた顔で言うので吉澤は聞いた。


「キスしてくれたはあとはあと
「うそおっ?!」
「ほんと♪しかもやぐっつあんから!幸せだよお〜」

後藤は鼻唄を歌いながらベッドへと潜り込んでゴロゴロしている。


「くそー!先越されたあ!私だって恋人が出来たらしまくってやるんだから!」

恋人が出来ても大してしないなんてまだ知らない吉澤だった。


終わり♪
133 名前:りょう 投稿日:2002年04月05日(金)00時36分19秒
>119 名無し読者さま
     新作。始まってしまいました(w
     どどどどうなることやら(^^;

>120 パムさま
     オソロスィごまはこのスレでは無理そうです。
     続きが書けた場合発揮してもらいましょう('〜`;)

>121 M・Oさま
     初めまして(^-^)
     やぐごま。少ないので頑張ります。
     いつかリアルものを書きたいなぁと思ってます。

>122 no-no-さま
     嬉しいお言葉、どうもありがとうございます。
     とてもやる気が沸いて来ます。
     ネットカフェ?!あり、ありがとうございます!!!(T-T)
     続き書いた場合今度は新メンも良いかな・・と(w
134 名前:パム 投稿日:2002年04月05日(金)01時46分55秒
おぉ、更新お疲れっす!。
むぁぁぁ、甘い!!。甘々ですな!!(w
かなりイイ!。激しく萌えたっすよ・・・(爆
オソロスィごまにも出番作ってやってくだせぇ(w
135 名前:七誌 投稿日:2002年04月05日(金)08時30分55秒
やっぱいいですねぇ〜(w
次回作も期待してます!
136 名前:名無しくん 投稿日:2002年04月05日(金)12時20分45秒
新作始まったようで、あっちもこっちもお疲れさまです。

見てますよお
137 名前:no-no- 投稿日:2002年04月06日(土)19時45分57秒
大量に更新されてるー。
照れてる知に萌えです。
これで番外編も終了なんかな?
新作でてるんですか?いまから探してみます。
138 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月06日(土)21時39分12秒
何?新作とな?
チョット留守している間に、番外3本ありがとうございました。
ごっつあんが初々しくてよかったっす。
新作探してきま〜す!(笑
139 名前:七誌 投稿日:2002年04月07日(日)03時45分01秒
新作どこにあるんすか?

140 名前:僕、名無し 投稿日:2002年04月07日(日)14時30分26秒
>139さん
   青板の『ちっちゃな〜』ってやつだと思われ・・・
141 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―誕生日― 投稿日:2002年04月07日(日)23時09分18秒
9月23日
今日は特別な日
矢口の彼女、後藤が生まれた日である。

「やぐっつあ〜ん!!」
「お〜おっすー!」
「待ったぁ?」
「ううん。さっき来たとこだから。じゃあいこっか。」
「うん!」

実家に帰っていた矢口は予約をしているレストランのそばの駅で後藤を待っていた。

後藤は矢口の腕に自分の腕を絡めるとレストランへと向かった。

そして案内された席につき、食事が出てくるのを待っていた。


「やぐっつあんってどうして腕組むのは良いのに手ぇ繋ぐのはやなの?」



「・・・ほんとは腕だってやなんだよ。」

「どうしてえ?ごとーのことヤ? 」

「ばかっ!んなことないよ!・・・分かるだろ!」

「わかんないよそんなんじゃー。ちゃんと言ってくんなきゃ。ごとーは手ぇ繋いで歩きたいんだよ?」


「だってさ・・・矢口と後藤は身長差が結構あるから手とか繋ぐと連れられて歩いてる
 子供みたいで・・・ヤなんだよ!!」


「・・・なっとく。」
「言わすなよこんなこと!」

「ごめんごめん。さささ、食べよっか。」

後藤は話題を変えるとちょうど運ばれてきた食事に手をつけた。
142 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―誕生日― 投稿日:2002年04月07日(日)23時11分05秒
運ばれてくる食事をきれいに平らげていく後藤。

矢口は感心したようにその姿を見ていた。

その視線に気付いた後藤は・・・


「なに?なんか変?」

「ううん。美味しそうに食べるなって思ってた。」

「だって美味しいんだもん。」
「良かったよ喜んでくれて。」

もともとついてくるデザートも食べ終わった後藤だったがまだ物足りないのか
メニューをみている。



(まだ、食べる気?・・・余分のお金あんま持ってないんだよなぁ今日。)

矢口がそんな心配をしていると後藤が上目遣いで矢口を見た。

「ね、ね、もいっこデザート食べて良い?」


(トホホ・・・やっぱり・・(泣))
「良いよ。好きなの頼みなよ。」


「やったあはあとはあと



そして一番高いデザートを注文した後藤はものの2分ほどでそれを平らげて満足そうにしていた。

充分満足した後藤は良い気分でレストランをあとにした
矢口の心の中とは正反対に。
143 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―誕生日― 投稿日:2002年04月07日(日)23時13分31秒
寮の近くまで来て別れ際


「ねぇやぐっつあん?」

「な、なに?(プ、プレゼントのことかな・・)」



「・・・何もくれないの?一応誕生日だし・・・」




「・・・矢口の愛がプレゼントってことで・・」

「だーめ!それは当然のことだもん!」

(むむむっ当然ってなんか腹立つなぁ)

「当然ってなんだよ。」

「だってやぐっつあんごとーのこと好きって言ってくれたもん。ごとーに愛を
 くれてるってことでしょ?ごとーだってそうだし。だから!」


「へいへい。・・・でもさ、無いんだよねプレゼント。」

「えー??そうなの?・・・どうして?」

「何が良いかわかんなかったから買えなかった。」(ほんとはお金が足りなかった。)

「そんなの聞いてくれたら良いのに。」


「・・・じゃあ・・・ちなみに何が欲しい?」

「ピアス!!真っ赤なやつ!」

「欲しいのあったんだ・・・」
「うん。」


「でも、駄目!ピアスは高校入ってから!高校入ったらそのときの誕生日に買ってあげる!」
144 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―誕生日― 投稿日:2002年04月07日(日)23時15分50秒
「なんでさ・・・ピアスなんて今だってつけてるのに・・・」

「駄目ったら駄目!ピアスなんてまだ早い!ちゃんと大人になってからつけて欲しい。」


「大人って・・・・どういうこと?」

「えっ・・・そ、それは・・」

特に深く考えていなかった矢口は返事に困り、しどろもどろしていた。



「・・・・・分かったあ!!えっちしたらってことだね?そっかそっか分かった。
 それならごとーも納得。うんうん。」

「ば、ばか。違うって!(ただ単にお金がないから無理やりこじつけてるだけだって!)」


「良いの良いのもう納得したから!来年の誕生日、楽しみにしとくはあとはあと



「・・違うってのに・・・(言ってもムダだな・・)」



「真っ赤なピアスだからね?忘れないでよ?」

「なんで赤が良いの?」

「なんでって・・・ハートだって赤だし、運命の糸だって赤でしょ?運命の色って
 感じがするから・・・赤が良いの!」

「分かった。ちゃんと覚えておくから。」

「絶対だよ?」

「分かったってば」
145 名前:乙女、矢口にゾッコン番外編―誕生日― 投稿日:2002年04月07日(日)23時18分13秒
「じゃあ・・・忘れたら往復ビンタだからね!」

「ええっ?!」

『ピーンポーン まもなく22時です。点呼の時間です。部屋に戻って下さい。』


「あっ、ごとーそろそろ帰らなきゃ。」

「中学生は点呼あるから大変だな。」

「ほんとだよ。」

「じゃあまた。」

矢口はそのまま見送ろうとしたが後藤は行かない。



「帰らないの?」

「もー!!おやすみのちゅうしてないでしょ!」


「あ、ああそうだった。」




『ちゅっ』




「えへへはあとはあとじゃあおやすみはあとはあと愛してるよおやぐっつあんはあとはあと





「・・や、矢口も・・(汗)」

後藤は投げキッスをして寮へ入って行った



その後ろ姿を見ながら――

「なんだかんだ言って・・・可愛いんだよなぁ・・・」

矢口もにへらっと笑うと寮へと帰って行った。



終わり♪
146 名前:りょう 投稿日:2002年04月07日(日)23時30分41秒
>134 パムさま
     恐ろしいごま。出番は無さそう・・・お許し下さい。
     やぐってばごまの尻に敷かれまくりですね。

>135 七誌さま
     ちゃんと甘く書けてるんですかね?
     いつも不安なのでそう言ってもらえると嬉しいです。

>136 名無しくんさま
     あっちも見て頂いてるんですか?うううっ感激です。
     あっちは甘くなさ過ぎて困ってるところです・・・(泣

>137 no-no-さま
     番外編は思いついたときに乗せてるって感じでして・・・
     まだまだネタが思いつけば乗せちゃいます。
     やぐごまばっかなのでそろそろ違うのも良いかなぁと、考えてます。

>138 よすこ大好き読者。さま
     出張お疲れさまです!そしてお久しぶりですね!
     いつのまにか終わらせてしまいました(w
     吉の出番が少なすぎて・・・すんません。

>139 七誌さま
     新作は・・・140さんのおっしゃる通りですが・・・
     恥ずかしいのでsageで行きたいなぁと思ってます・・
     なかなかさがりませんが(w
147 名前:ROM 投稿日:2002年04月07日(日)23時37分04秒
更新お疲れさまでーす。
「ちっちゃな〜」の方も読みました。
カップリングは同じだけど
これからどうなるのか楽しみです。

…ってこの作品に対してレスしてなかった。
148 名前:和也 投稿日:2002年04月08日(月)10時16分20秒
>>140
>>146
ありがとうございます!
早速見てきます。
149 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月09日(火)10時16分37秒
番外編多いですねぇ
嬉しいですが、続きも読みたいなぁ・・・なんて(w
150 名前:no-no- 投稿日:2002年04月09日(火)13時17分43秒
>>149さんに同意です。
まだまだ続きが見たいような感じです。
番外編マッタリお待ちしてますです。
151 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月09日(火)16時45分22秒
皆さんに激しく同意!!です。
まだまだ続き期待しちゃってもいいですか?
あっちのほうもがんがってください。
152 名前:七誌 投稿日:2002年04月10日(水)02時46分59秒
漏れも禿同です。
153 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月10日(水)12時36分28秒
私も続きを期待してますが
どうなるのかな・・・。
ピアスの件も残ってるし。
マターリ待ってるのでがんがって下さい。
154 名前:パム 投稿日:2002年04月11日(木)03時30分30秒
更新お疲れっす!!。
ヤグは尻にしかれっぱなですな(w
ううむ!!。甘くてヨロスィ!!。100点!!(w
しつこくオソロスィごまの(略
・・申し訳ないです(汗
関係ないですが最近ミュージックスが深夜になってしまいかなり鬱です。
モーたい。みたいにまた終わっちまうのか〜!?いやだぁぁぁ〜〜!。
155 名前:りょう 投稿日:2002年04月12日(金)12時53分17秒
>147 ROMさま
     こんちは!CPは同じですが内容は
     ・・・同じっぽいかな・・。

>148 和也さま
     はじめましてです。あっちはあまり知られたくなかったりします・・・。
     なのであまり言いませんでした。ごめんなさい。

>149 名無し読者さま
>150 no-no-さま
>151 よすこ大好き読者。さま
>152 七誌さま
>153 名無し読者さま
     え〜っと・・・続きですが・・・
     やはりあっちを書きたいがために終わらせたので・・・
     今少しずつ続き書いてます。
     8割がた出来あがったら・・・。でもまだ先になりそうです。
     嬉しいお言葉、皆さんありがとうございます!!
     期待に応えられるように頑張ります。

>154 パムさま
     恐ろしいゴマ。↑なのでお待ち下さい(w
156 名前:no-no- 投稿日:2002年04月12日(金)15時07分53秒
続きが読めるのならいつまでも待ってますよ.
157 名前:パム 投稿日:2002年04月13日(土)04時15分31秒
156さん同様いつまでも待ってるっす!。
楽しみでかなり逝きそうでっす!!。(ワラワラ
158 名前:145 投稿日:2002年04月21日(日)04時15分38秒
今日1日で一気にはじめから読みました〜!
めっちゃ面白かったです!
も〜やぐごま最高!!
今からもう一つの方を読みに行って来ますね〜
最後に気長に続き待ってます♪
159 名前:りょう 投稿日:2002年04月29日(月)18時36分24秒
>156 no-no-さま
>157 パムさま
>158 145さま
     続き、あまり書けてないけどあっち(黄板)の方が重くなってきたので
     甘く書きやすいこっちをのせることにしました。
     更新はこまめにする予定ですが、前ほど勢いはないです。
     それでも宜しければお付き合い下さい。
     えっと・・・今日中に1回更新します。
     
     
160 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月29日(月)20時40分53秒
楽しみにしています。がんがってください。
161 名前:ROM ◆ROMuFK/w 投稿日:2002年04月29日(月)21時02分33秒
更新だ更新だ更新だぁ〜!!
……って危うく暴走しかけてしまった。
楽しみにしてます。頑張って下さい。
162 名前:乙女、矢口にゾッコン?−留年矢口の物語- 投稿日:2002年04月29日(月)21時36分33秒
卒業式から1ヶ月と少しが経ち、今はもう春休みに入っていた。

入院をしていた矢口は検査の結果、特に異常がないということで予定通り退院をし、

髪の毛をウィッグでごまかし、定期的に入れるバイトを探していた。


もうすぐ新学期である。
163 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時38分57秒
4月5日(金)

矢口は今日までで10件の面接を受けていたが全て背が低いことを遠まわしに出され、

ことごとく落とされていた。後藤は矢口のバイトに反対をしていたので

『バイトするなってことだよ、ごとーと居た方が良いってことだよ。』と、

矢口が落ちていることを喜んでいた。

それでもバイトをしたい矢口はめげずに今日も面接に行っていた。

なんと矢口は驚いたことに『家庭教師』のバイトの面接を受けていた。

といってもそれは子供相手で、宿題及び遊び相手としてどうか?という話であった。

取り敢えず中学時代成績の良かった矢口は教える事も上手で学力には問題は無かった。

(高校のは怪しいが)ただ、子供相手に遊ぶということにどうも気が乗らなかった。

そのため、即答をせずに『考えさせて下さい』と言おうとしたが、親が矢口を

気にいってしまい、断る間もなく契約が決まってしまっていた。

勝手に話が決まっていく中で、矢口は何度も言おうとしたが、バイト料の良さと

夕食付きに惹かれてOKしてしまったのだ。
164 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時40分06秒
夕方になり、寮へと戻ってのんびりとしていた矢口だったが、

ドアを開ける音が聞こえた。



「やぐっつあん居る? 」

後藤が(いつものことだが)ノックをせずに入って来たのだった。


「おっす!」

「帰ってたんだね。どうだった?面接。」

後藤は『また落ちたよね?』と言いたげな、普通は応援するであろう

彼女らしからぬ顔で矢口を見て言った。



「・・・決まった!」

矢口は親指を立て、ニカッっと笑顔で答えた。


「うっそお?ほんとに?うそでしょ?」

「うそじゃないよ。来週の月曜日から週3回行くことになってる。」

「え?どこに行くの?え?なんのバイトだっけ?」
165 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時41分39秒
「あれ?言ってなかったっけ?」

「聞いてないよ何も。」

「そだっけ?えっと、子供に勉強を教えたり遊び相手になったりするバイトなんだ。

 まだどんな子か会ってないからわかんないけど月曜日会う。」

「家庭教師ってこと??」
「ま、カッコよく言えばなぁ。」

矢口は少し嬉しそうな表情で言っていた。


「じゃあ家まで行くのお?週3回も行くのお?」

「え?そりゃ家庭教師だしな。」

矢口は何も考えずに言った。


「じゃあ会う時間が減るじゃんか。やぐっつあんはそれで良いの?」

「減るってったって、ちょこっとじゃんか。夕方16時から21時だもんたった

 5時間じゃんか。すぐだろーそんなの。」
166 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時43分15秒
「すぐじゃないよ!!5時間が週3日だよ?淋しいよごとー!」

「んなこと言ったってもう決まったことだし。」


「断ってよ・・・バイトなんかしなくて良いじゃない・・・バイトなんてしなくても

 大人になったら働くんだからそのときで良いじゃない。」



「・・・困らせないでくれよ!ほんとだったら矢口はもう高校生じゃないんだぞ?

 大学行くか働くかしてるはずなんだぞ?遅れとってるのにバイトひとつもしないで、

 社会に出た時大変だろ。」



「・・・それはそうだけど・・・それでもつまんないよ。やぐっつあんは

 それで良いの?」


「・・・良くないけど・・・。でもだからこそ会える日は今まで以上にお互いを

 求め合えるようになるんじゃないかなって思ってる。毎日会っていつも

 一緒に居たら良いところも悪いところも分からなくなっちゃうかもしんないから。

 だから分かってよ。」
167 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時45分09秒

「・・・でも・・淋しいもん。」

言う事を聞こうとしない後藤に矢口は言った。

「後藤は矢口と居ることだけが人生じゃないだろ?矢口とばっか居たら

 世界狭いよ?もっと友達とかと遊ぶ時間も作った方が良い。」


「でもっやぐっつあんと居る方が良いもん。」



「・・・バイトの無い日はなるべく一緒に居られるようにするから!」

矢口は『頼むからOKして』と、訴えるような顔で言った。

今までなら後藤のお願いやわがままはある程度聞いていた矢口だったが今回の

バイトに関しては譲る気は無かった。

なぜなら、卒業と同時に仕送りがストップしたからだ。実際卒業はしていないが、

『18歳になったら自分のことは自分でする』という約束を親としていた。

それでも一応は学生なので、学校でかかるお金は最低限出してもらえることに

なった。お小遣いだけがストップした。

欲しい服はもちろん後藤とのデート代やプレゼント代などを買おうと思えば

自分で稼ぐしかなかった。その理由を何故か言いたくなかった矢口は

もっともらしい理由でごまかしていた。
168 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時46分16秒
いつも無理を聞いてくれる矢口がなかなか折れないので後藤は矢口の言う事を

渋々だが聞いた。


「絶対だよ?バイトの無い日は一緒だからね!」

「分かってるって!さんきゅ!」

矢口は後藤を自分の方へと引っ張ると少し背伸びをして『ちゅっ』と軽くキスをした。



「・・・どんな子かちゃんと教えてよ?」

「ん?なんで?」


「・・可愛い子だったらヤだし、やぐっつあん好みだったら辞めてもらうし・・・」

「あほっ!余計な心配するなっての!」

「するって!彼女としては気になるよやっぱり。」


「・・・後藤も何かバイトとかしたら良いんじゃないか?」

「バイトねえ・・・めんどくさいよ、疲れるし。」

「らしいな。」

「でしょ。」
169 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時47分23秒
夕食の時間になったため矢口と後藤は食堂へと顔を出した。

春休みなので実家へ帰っている生徒が多く、食堂はガランとしている。


「人少ないねぇ〜」

「そうだなぁ食べたい放題じゃん。」

「やぐっつあん何食べたい?ごとー取って来てあげるよ。」

「なんでも良いよ。後藤と一緒で良いけど・・・少なめに」

「おっけー」


後藤は急いで戻って来た。

「お待たせ。はい、あーんしてはあとはあと。」

「あーん」
170 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月29日(月)21時48分18秒

「やぐっつあん抵抗しなくなったねぇ。前は嫌がってたのに」

「ほう?(モゴモゴ)」

「そうだよ。ごとーは嬉しいから良いけどね。」


「ほれよりさ、明日どうしよっか。」

「明日?そっかーもう春休みも明日で終わりなんだね・・・あっと言う間だったよ。」

「どっか行く?」


「ん〜・・・あっはい、あ〜んはあとはあと

「あ〜ん」



「明日は出かけないでゆっくりしようよ。最後の休みだし。」

「ほうしよっか。」
171 名前:りょう 投稿日:2002年04月29日(月)21時55分38秒
>160 よすこ大好き読者。さま
     あっちもこっちもどうもです。
     久しぶりの『乙女、矢口にゾッコン』ですが、
     微妙に吉に活躍の場を与えてしまったので『?』有りで(w
     ・・・基本は相変わらずやぐごまですが(w
     
>161 ROM ◆ROMuFK/wさま
     更新しました。
     あっちより甘くなることを祈ってて下さい。

     久しぶりの更新でしたが、ここのやぐごま、
     思い出していただけましたか?
     今回は登場人物を増やす(新メン)予定ですので
     宜しくお願いします。
172 名前:ゼブラ 投稿日:2002年04月30日(火)00時48分48秒
家庭教師一日五時間付けられる生徒さんかわいそ。
一日五時間も勉強してられんぞ。
173 名前:ピーチ 投稿日:2002年04月30日(火)00時54分36秒
172さん

いいんでないですか?ご飯付きで遊び相手って書いてあったし。
それに僕の友達はまさにこんな感じで家庭教師つけられてるし・・・(w
174 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月30日(火)23時33分16秒
そして新学期
クラス替えが発表された。


「矢口はどこかなぁ〜っと・・・げげっ!」

「一緒ですねはあとはあと

「石川!・・・みたいだなぁ」

「なんなんですか嫌なんですか?」


「え?嫌じゃないけど同じクラスって・・・はぁ・・」

「あゆみちゃんも一緒ですよ。」

「柴田も?!げっほんとだ!はぁぁ・・」


「矢口先輩のファンの子が多いですね、うちのクラスは。」

「そうなの?!困るって!」

「まぁファンなだけで本気の子は居ないはずですから。」



「・・・嬉しいのか悲しいのか。」

「悲しいなんて言ってたら真希ちゃんに言いますよ?」

「あっうそ、やめてそれは!殴られる!」

「あははっ 分かってますよ〜これから1年間宜しくお願いしますね。」
「う、うん。こちらこそ」
175 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月30日(火)23時34分36秒
矢口達は教室へ入り、始業式までの時間をつぶしていた。

矢口は結局石川と柴田と一緒にいた。



一方こちらは後藤の教室

「また一緒だねぇよしこ。」

「そうだねごっちん。また宜しくね」

後藤と吉澤も同じクラスだった。


「梨華ちゃんと矢口さんも同じクラスらしいよ。さっきメール入ってた」

「そうなの?むむっ・・よしこ、梨華ちゃんをちゃんと掴まえといてよ?」

「分かってるって!ごっちんこそ矢口さん見張っときなよ?」

「やぐっつあんは大丈夫!・・・のはず。」


「なんだ・・・頼りないなぁ」

「だって・・・新入生にどんな子居るかわかんないっしょ?やぐっつあん好みの

 子が居てやぐっつあんのこと好きになっちゃったら焦るよお!それでなくても

 やぐっつあん今日からバイトで会えないのに」

「バイト決まったの?」


「うん。子供相手の家庭教師」

「あの矢口さんが家庭教師?!」

「そう。まぁ子供らしいからそっちは心配ないんだけど会えないのがね・・・」

「そっか・・・大変だね」
176 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月30日(火)23時35分48秒
そして始業式も終わり、教室へと戻った生徒達

ここは矢口のクラス


「このクラスの担任の中澤や。1年間よろしゅう」


(うへぇ中澤かよっ)
矢口は突っ伏してため息を着いていた。


「このクラスには留年した矢口もおるようやな。みんな仲良うしたってや」

(言うなよわざわざ!)

そして自己紹介が始まった。

「や」で一番最後になる矢口。


「えっと・・さっきもセンセが言ったように留年してしまった矢口です。

 趣味はプーさん集め(このプーさん集めのところで『かわいー』などの

 声が上がった)特技は口をはーとに出来ること、好きなものは後藤真希です。

(ここでは一瞬静まり返った)みんなより一個上だけど敬語とか良いんで、

 気軽に話しかけて下さい。」


矢口はしれっとした顔で言った。
177 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月30日(火)23時37分02秒
(矢口先輩すごい・・・なんかやっぱカッコイイなぁ)

石川は感動していた。


その他の生徒達も、皆の前でそんなことを言ってのける矢口に呆れることなく

感動していた。


席に戻った矢口は実はドキドキしていた。


(ふぅ・・・先に言ってたら誰も邪魔しないだろ・・・でも・・ちょっと恥ずかしいな・・)



一方こちらは後藤のクラス


「このクラスの担任の平家です。宜しく」

後藤たちのクラスも自己紹介をそれぞれにし、そして最後に明日の予定が言い渡された。


「今年から新入生歓迎会があるから、明日は2,3年は午前中準備で昼から歓迎会や。

 分かった?遅刻せんと来てやー」



ということで初日が終わった。
178 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年04月30日(火)23時38分08秒
授業が終わって矢口はすぐに教室を出た。

「真希ちゃんところですか?」

「う?うん。待ってると思うから。バイ」

「さよなら」


矢口が後藤の教室へ向かう途中で後藤と吉澤が歩いてくるのが見えた。


「あっやぐっつあん〜迎えに来てくれたんだ?」

「ああ。帰ろっか」

「うんはあとはあと


矢口達は手を繋いで仲良く帰って行った。



「良いなあ・・・相変わらず仲良くて・・」

吉澤もハッっとするとすぐに石川を迎えに行った。
179 名前:りょう 投稿日:2002年04月30日(火)23時44分01秒
>172 ゼブラさま
     初めまして。
     はうわ( ̄□ ̄;)!!
     おっしゃるとおりですね5時間もしたら気ぃ狂うかも。
     まぁ・・・ご飯食べて遊んでなので見逃して下さい。
     突っ込まれやすい箇所多すぎなので見つけ次第気になれば
     また宜しくです。
  
>173 ピーチさま
     初めましてですね。
     はうわ( ̄□ ̄;)!!
     実際に5時間もやってる人いるんですか??
     大変やなぁ〜・・・厳しい親ですなぁ(w
     そういう人も居るって聞いて少しほっとしました。
     情報どうもありがとうです。
180 名前:ななし読者 投稿日:2002年05月01日(水)13時05分22秒
のんびりと再開ですね。待ってました。
頑張ってください。
181 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時04分10秒
「ごめーん遅くなっちゃって!」

吉澤が石川のクラスに行くと何やら石川を囲んで生徒達が話をしていた。


(ちょっと!いじめてるんじゃないだろーね?!)

吉澤はむっとしながら中へずかずかと入って行った。




「梨華ちゃん、帰ろう?」

吉澤は石川の腕の掴んで言った。



「あっ旦那の登場だよ!梨華もあつあつで良いね!」


「ん?(いじめてるんじゃないの?)」

「ばかなこと言わないの!じゃあお先〜」


石川は吉澤の手を取ると荷物を持って出て行った。
182 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時05分08秒
「なになに?なんの話してたの?てっきりいじめられてるかと・・」

「いじめ?私が?!ないない!みんな仲良いから〜違うのよ、

 今日の自己紹介のときにね――」



「ええっ?!そんなこと言ったの?矢口さん」

「そうだよ!びっくりするでしょ?」

「びっくりっていうか・・・男だなぁって感じ」

「何それ」

「いや、羨ましいねぇごっちん」

「そうだよね。でね、羨ましいねぇってみんなで言ってたの。話してるうちに

 矢口先輩と真希ちゃんがいつもどんな感じなのかとか矢口先輩が真希ちゃんと

 いるときはどんななのかとか色々聞かれちゃって・・・」


「答えたの?!」

「ううん。だって知らないもの」



「・・・だよね。でもすっごーい・・・帰ったらごっちんに言ってやろ♪」

「喜ぶよ〜」
183 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時05分51秒
「じゃあ行ってくるから」

「頑張ってね」


矢口はバイトに行くところだった。

学校からは歩いて15分のとこにあり、そんなに遠くは無かった。



(どんな子なんだろ・・・大人しい子希望だなあ矢口は。それと可愛い子はパス)


矢口は後藤が嫉妬しないような子を望んでいた。

いくら後藤一筋だと言ってきかせてもすぐに嫉妬する後藤だったので

矢口は困っていた。




ピンポーン

(うううっやっぱ緊張すんなぁ〜)
184 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時06分37秒
「――はい。」

「あっ矢口です。」

「はいはい開けるから待ってね」
「はい・・」


カチャ
「どうぞ矢口さん。うちの子も部屋でもう待ってるからあがってちょうだい」

「はい・・どうも」


「お茶入れて持って行きますね」

「あっおかまいなく・・・あのっ」

居間へと入るおばさんを引き止めた矢口。何を聞くというのだ。



「あの・・・どんな子ですか?」

「うちの子?」

「はい・・ちょっと緊張しちゃって」


「うちの子は矢口さんと同じくらいちっちゃくて明るい子だよ。」


「そうですか・・」



矢口は覚悟を決めたのか階段を上って行った。
185 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時08分21秒
コンコン

「はーい」

「家庭教師の矢口です。入っていいかな?」


「どうぞー」

中から元気の良い声が聞こえた。

矢口はドキドキしながらドアを開けた。



ドアを開けて見ると、確かに矢口と同じくらいの身長の女の子が立っていた。



「亜依です。宜しくお願いします!」

「あ、こんにちは。矢口です。えと・・・いくつかな?小学生?」

「ひどいなぁ矢口さーん・・・これでも加護は中3ですよ?」

「うそ!!マジで中3?!」

「はい。すぐそこの公立中学校に通う中学3年生です。矢口さんは、

 桃色女子学園の3年生なんですよね?」

「うん。よく知ってるね。」

「お母さんに聞いたから」


「ああそっか。じゃあ・・・早速だけど勉強しよっか」

「もう?」

「そう。家庭教師だから。」
186 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時09分59秒
「今日は矢口さんのこと色々聞かせて下さいよ」

「私のこと?」

「はい。たとえば・・・・恋人はいるのかとか・・・」

「居るよ。」

矢口は即答した。


「良いなぁ加護も早く恋人が欲しいですぅ」


「亜依ちゃんは可愛いからすぐに出来るよ」

「亜依ちゃんって・・・なんか変な感じです。」

「そう?友達からはなんて呼ばれてるの?」

「みんなは『加護ちゃん』とか『あいぼん』とか呼んでます。」


「あいぼんはなんか私が恥ずかしいから加護ちゃんにするね。

 加護ちゃんも敬語じゃなくて良いから」

「はい。」



「で、どんな人なんですか?」

「なにが?」

「恋人ですよお」

「あぁ・・・すっごく可愛くて・・・良い子だよ。」



「・・・ほんとに好きなんですねぇすごい嬉しそう」

「まぁ色々あったしね。」

「加護にも出来るかなぁ?」
「出来るよ!」
187 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時11分25秒
今日は初日ということもあり、また、加護が遊ぼう遊ぼうと言って

聞かなかったため矢口達は勉強をせずにゲームばかりしていた。

矢口と加護は1日目にしてすぐに仲良くなっていた。



「じゃあ、ご馳走様でした。」

「矢口さん、次は水曜日だね。楽しみに待ってる」

「うん、加護ちゃんばいばい」


そして矢口はペコっとあいさつをして出て行った。



加護に引き止められて時間はもう23時過ぎ。

予定の21時を遥かに超してしまっていた。


汚い話だが、伸びた分はきちんとバイト代が出るのだ。


(なんか勉強教えるっちゅうか・・・遊び相手に雇われたみたい・・・?)


部屋に戻った矢口はお風呂を済ませると、後藤にメールも打たずに疲れて寝てしまった。
188 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時12分38秒
次の日の準備中

後藤は矢口をこそっと引っ張って体育館から出て行った。



後藤は人目につきにくい渡り廊下まで矢口を連れて行った。



「こんなところになんだよ」


「・・・(怒)」

「なんで怒ってるわけ?」

「昨日なんでメールもくれなかったの?ずっと待ってたのに(怒)」


「あっ・・・ごめん。すぐに寝ちゃって・・・」


「ごとーより睡眠なんだね・・(泣)」

「ごめんって!忘れてたわけじゃないんだよ!」


「どんな子だったかも聞いてないし・・・」

「ご、ごめん。今言うから」



「・・・ばか。」

「え?」

「先にキスしてくんなきゃ許さない。」




後藤は悲しそうな表情で矢口を見て言った。
189 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時13分41秒
矢口は後藤を少し屈ませると頬を挟むように持って深く口付けた。


「・・・ん・・・・んん」






「ぷはぁっ  長いよやぐっつあん」



「・・許してくれる?」

「うんはあとはあと昨日のこと話してくれる?」


「うん――」

矢口が話そうとしたら階段から女生徒が降りてきた。

ここは1年の校舎なので恐らく新入生だろう。

新入生は午前中校内の見学になっているので授業中だが居てもおかしくない。



「すいません・・(照)」

その女生徒は恥ずかしそうに顔を赤らめてそそくさと去って行った。



「・・・なんか赤くなってたね。」

「見られてたかな?」



それもあったが何よりもまだ抱き合ったままのふたりを見て赤くなっていた。
190 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時14分25秒
「ちょっと可愛い感じだったよね、やぐっつあんチェックした?」


「ばーっか!んなことするわけないだろ!」



「ほんとかなぁ・・・」


「それで続きだけど――」

(ちょっと可愛かったな・・・うん・・・いけてた。)



矢口もしっかりチェックはしていた。さすがもと女タラシ!ぬかりはなかった。
191 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時15分19秒
「じゃあ子供じゃないんじゃんか!顔は?顔はどんな感じ?」


「どんなって・・・説明しにくいなー・・・とにかく矢口好みでも

 なんでもなかったから」


「うううう・・・会わせてよ!今度ついてく!」

「あほっ!バイト先についてくるやつがあるか!もっと仲良くなったら

 分からないでもないけど・・・」


「やだ、仲良くなんてしないで!」

「あのなぁ・・・子供だぞ?4つも離れてるんだぞ?対象になるわけないだろ」



「・・・」


「信じて。」


「・・・分かった。」

「良かった。それじゃあ準備、何も言わずに抜けて来たからやばいよな。戻ろっか」



「うん。」


矢口達はまたこそっと体育館に戻り、さりげなく持ち場に戻っていた。
192 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時16分39秒
昼休み――
矢口達は珍しく4人で食事を取っていた。


「今日ってさぁ席とかってやっぱクラス順かなぁ?」

「なによしこ、そうに決まってるじゃん」


「かなぁやっぱ・・・」

「何か都合悪いの?」


「えー・・どうせだったら梨華ちゃんと居たいじゃんか」

「もうー照れるからこんな所でやめてよお」

「だって本音だもん」

吉澤と石川は矢口達が居る事を忘れているかのように話していた。




「・・・やぐっつあん、なんか腹立つね」

「ちっとな。」


自分達もいつもこうだとは知らない矢口達は、吉澤達から離れた所で食事を取った。
193 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時17分41秒
「ごとーもね、席が自由だったらやぐっつあんとこ行くね」

「うん。」


矢口と後藤は微笑みあいながら食事を取っていた。



そして歓迎会

初めのうちはクラス順だったが、時間が立つに連れて適当になっていった。


歓迎会といってもただ騒ぎたいだけの生徒たちだった。



「よしこ、やぐっつあん達のところいこっかあ」

「そうだね」

後藤たちは矢口たちのところへと向かった。



「やぐっつあ〜ん!」
「梨華ちゃ〜ん!」



矢口は女の子に囲まれて話をしていた。

後藤たちが来ているのに気付いた石川が席を立ってやってきた。


「あっ梨華ちゃん。あれって・・」

吉澤は矢口の方を指差して言った。
194 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時18分27秒

「・・・うん。矢口先輩。あっ真希ちゃん、誤解したら駄目だよ?

 先輩は相手にしてないんだけどあの子達がしつこくてね」


「そう。(怒)」

後藤はつかつかと矢口の傍へ近寄り、言った。


「やぐっつあん、ちょっと来て」

顔は笑顔だったが矢口には後藤が切れていることがすぐに分かった。


(もー!!だからやだったんだよ自由席なんて(泣))



矢口の腕を引っ張って後藤は空いている席へと腰掛けた。


その光景を見ていた吉澤は・・・

(ごっちんが彼女じゃなくて良かった・・・)

と思っていた。そして石川は・・・


(気の毒に・・・先輩)

と同情していた。
195 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時19分18秒
「やぐっつあん?」

「は、はい!!」



「・・・別に怒ってないからそんなにびくびくしないでよ。」

「え?怒ってないの?」

「だって何もやましいことしてないでしょ?」


「・・・確かに。誤解だもんだぁ」

「なら、良いよ。しょっちゅう怒ってたら疲れるし。」

「びっくりさせるなよ〜」


「ごめんごめん。それよりさ、せっかくだから楽しもっか」


そう言い、後藤は目の前にあるお菓子をお皿に取った。
196 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時20分02秒
「はい、あーんしてはあとはあと

「えっ!ちょちょっと待って。ここじゃさすがに出来ないって」


「どうして?」

「全校生徒が居るんだぞ?それにセンセだって・・・」


「誰も見てないってば!みんな盛り上がってるし、周り人少ないし」

「で、でもなぁ」

「良いから!あーん」


後藤はにこにこしながら半ば強引に矢口の口をあけさせて食べさせた。


(とほほ・・)

お菓子を口にして観念したのか矢口はその後は運ばれるまま食べた。
197 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時20分52秒
「見た?梨華ちゃん」

「見たよお〜こんな所でしなくても良いのにねぇ」



「・・・うん。でも無理やりって感じで矢口さんがちょっと気の毒」


「・・でも真希ちゃんの気持ちも分からないでもないよ」

「どゆこと?」


「恋人がもてるんだもん。仲良いところみんなに見せとかないと心配なんでしょ」

「そうかなぁ・・?」

「そうだよ多分。だって・・・」

「だって?」



「ひとみちゃんだってもてるんだよ?私だって不安な時あるもの」

「吉澤は梨華ちゃん一筋だって!」



「・・うん。ありがと。」


矢口達の甘い光景は、さっき矢口に群がっていた生徒達はもちろん、

新入生たちも他の生徒達もばっちり見ていた。

気付いてないのは当人達だけだった。
198 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月01日(水)23時21分41秒
初日からイチャイチャぶりを見せ付けた矢口と後藤。


新入生にもあっという間にふたりのことは広まった。


矢口と後藤はいつも一緒に居て、他の人が割り込める隙間など全く無かった。


石川と吉澤でさえも話しかけにくい時があった。


後藤が言ったワガママを優しく聞いてやる矢口、矢口に思いっきり甘える後藤。


ふたりは誰が見てもナイスカップルだった。


事実、矢口にちょっかいを出したりする生徒はファンを除いて他にはもう居なかった。




一方石川と吉澤は、一緒に居ることが多くてもあまりくっついたりして


ベタベタしていないのでそこまで知られていなかった。


だが、美男美女で、これまたお似合いなカップルであることは確かだった。
199 名前:りょう 投稿日:2002年05月01日(水)23時23分28秒
>180 ななし読者さま
     レス、ありがとうございます。
     頑張りますので宜しくお願いします。
     加護ちゃんは大して出ないかも。
200 名前:ROM ◆ROMuFK/w 投稿日:2002年05月02日(木)05時42分05秒
更新お疲れさまです。
加護ちゃんかぁ〜。
「カテキョ」のイメージからかずっと辻ちゃんだと思ってました。
しかし、小学生って…  (‘д‘)<…(人の事言えないくせに)
しかし、後藤はホント嫉妬深い…
関係ない(?)話になりましたが、
これからも頑張って下さい。
201 名前:名無し読者。 投稿日:2002年05月02日(木)13時55分21秒
加護ちゃんはどのくらいかかわってくるのかな。
それとやぐごまのイチャイチャを目撃した生徒
が誰なのか気になるっす。
がんがって下さい!!
202 名前:パム 投稿日:2002年05月03日(金)03時08分23秒
うがぁぁ!!。いっぱい更新してますねぇぇ!。
最近GWの影響(サービス業)で殺されかけてましたっすぁ、、、。
なんとか覗いてみれば大量に、、、。一気にいきやした!。
カテキョで加護が登場・・・。ってことは辻にも期待しちゃってよいのかな?(w
今日からまた地獄の連休・・・。逝ってきやす・・・。(w
りょうさんも更新がんがってくださいね!!。
203 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月03日(金)10時53分43秒
向こうに、いってからこっちくると、ホッとしますね。(笑
なんてったって、吉推しなんで…。(w
やぐごまが、幸せそうで……よかった。
気になるのは、新入生と、加護ちゃんですな。
204 名前:no-no- 投稿日:2002年05月05日(日)22時28分43秒
更新楽しみしてましたよ。
更新されてるのは気付いてたのですが、
左鎖骨を骨折してましたて、、、
やぐごまのイチャツキぶりがパワーアップしててサイコーです。
続き期待してます。


205 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時44分27秒
学年が上がり、頼りがいが出てきたのか吉澤は、1年生の間で人気があった。

『2年の吉澤先輩カッコイイんだよ』と、1年生の間で広まった。

そうなると石川は妬くわけで・・・

そしてそうなるととばっちりを受けるのは矢口と後藤(おもに矢口)だった。




「だからぁっひとみちゃん告白されて喜んでるんですよ〜ひどいと思いませんか?」

「いいじゃん。恋人がもてないよりはもてた方が石川だって嬉しいだろ〜?」

「そんなこと無いですよお!ひとみちゃんの良さは私だけが分かってたら良いんです。

 他の子に知ってもらいたくないです。」



「・・・吉澤にその気がなくても嫌なものなの?」

「あったりまえですよお!先輩だって真希ちゃんにいつも怒られてるでしょ?!」

「最近は減ったぞー前はしょっちゅうだったけど。」

「とにかく!ひとみちゃん浮かれててヤなんです。」

「まぁまぁ。吉澤は石川一筋だって!心配するなってぇ〜」

「でもぉ」
206 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時45分34秒
毎日毎日こんな風な愚痴ばかり聞かされていた。

寮に帰ったら帰ったらで後藤が毎日のように遊びに来て、嫌なわけはないのだが

正直休まる時が無かった。

バイトがある日はその日1日が楽しくて仕方が無かった。

バイト料も良いし生徒は話しやすいし、とバイトの方は問題なくいっていた。
207 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時47分10秒
或る日――

バイトに来た矢口は加護に友達を紹介された。



「矢口さん、この子ののって言うんです。学校でいっちばん仲良い子なんです。」

「ののれす。やぐちさんよろしくなのれす。」

「のの?名前なんて言うの?」

「辻希美だよ。ののもたまに来るからその時は一緒に遊んで下さいね〜」

「オッケー辻ちゃんね。よろしく」


辻は加護の通う中学校で加護と同じクラスの子だった。

たまに来ると言っていた辻は毎回毎回矢口が来ると座って待っていた。

いつも何かを口にしてちょっとつつくと泣いてしまう。そんな子だった。

加護と辻は本当に仲が良いのか、勉強をするときも遊ぶ時も同じところで

つまずき同じところで笑い、同じ頃に飽き、また好きなものも一緒で、

息ピッタリだった。
208 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時48分12秒
G/Wに入る前のよく晴れた日

今日は球技大会が行われていた。

バレーボールに参加した吉澤は下級生からの黄色い声援を受けながら

男並のパワーで、なおかつ爽やかにプレーしていた。

汚らしいイメージも暑苦しいイメージもなく、憧れの的だった。



矢口はというとケガを理由にサボっていた。

そして後藤は適当に大縄跳びに出たあと矢口と一緒にさぼっていた。

まぁさぼると言っても会場には居るわけで・・・参加はしていた。

黄色い声援を受ける吉澤をじっと見つめる石川のもとに矢口達は向かった。





石川の傍まで来て矢口はちょっとトイレと離れていった。
209 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時49分10秒
「梨華ちゃん〜おっす〜」

「あ〜真希ちゃん。どうしたの?」


「やぐっつあんとさぁ外で見学してたんだけど暑いからさぁ〜中に来たの。」

「そっかぁ〜今ね、ひとみちゃんバレーなの。真希ちゃんは?」

「ん?ごとーはもう終わったよ。梨華ちゃんは?」


「この後だよ。今は・・・監視中かな。」

「?」


後藤と石川が雑談をしていると吉澤の出ていた試合は終わり、石川の出番になった。

間に10分の入れ替えがあるため少し待つことになる。



吉澤は石川のもとへと戻ってくるほんの少しの距離でも1年生から

声をかけられていた。

自分の恋人がもてるのは嬉しい気もするがやはり見たくはないものだった。

石川が膨れていると後藤が元気づけるように声をかけた。
210 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時50分29秒
「梨華ちゃん、だーいじょうぶだよ!よしこは梨華ちゃん大好きだから!!

 1年なんて眼中にないって」



「・・・分かってるけどさぁ・・やっぱやだな。」

「よく分かるよその気持ち。」


後藤は学園一もてる生徒、矢口真里の彼女なので今もてている吉澤の彼女である

石川の気持ちが良く分かった。



「真希ちゃんもこんな気持ちだった?」

「ん?」

「ちゃんと自分を好きでいてくれてるって分かってても他の子と話してる姿見たら

 不安で悲しくて・・・・・・・・独占欲強すぎるのかな・・・」


「そんなことないよ!普通だってば!ごとーもね、やぐっつあん人気あるから

 不安だったよ?今だって正直、まだ安心できないもん。」


「今も?」
211 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時51分34秒
「そおだよ。いつまでたってもそんなもんだよ。」


「そっか・・・」

「まぁやぐっつあんの場合はごとーがかなり目を光らせてるから

 変なことはさせないけどね♪」


「そ、そう。」

「うん!梨華ちゃんもさ、何か悩みあったらごとーに言ってよ。

 これでも少しはそういう気持ち分かってるつもりだから。」


「ありがと。そうさせてもらうね。」

少し笑顔を取り戻した石川を見て後藤は吉澤を呼んだ。


「よしこ!!何やってんの?!可愛い彼女待たせて良いと思ってんの?」


「えっ?あ!そんなことあるわけないじゃんか!」

吉澤は囲まれていた輪から抜け出して石川のもとへと歩み寄った。
212 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時53分00秒
「どうだった?かっこよかった?」

ニカッと笑顔で言う吉澤を少し憎らしく思いながらも石川は負けた。


「すっごくカッコよかったはあとはあと次は私だから・・・見ててね。」

そして石川はコートへと入って行った。


矢口がまだ戻って来ていないのでふたりになった後藤と吉澤。

にこにこしながら石川を見ている吉澤を見ながら後藤はくぎを差した。


「よしこ、学年上がって後輩に人気あるみたいだけど、梨華ちゃんを

 不安にさせたら駄目だよ?」


「え?不安にさせる?そんなつもりないよ?それに人気なんてないって!」

「あるじゃん。今だって囲まれてたでしょ。」



「・・・う〜ん・・・よくわかんないけど。でもちゃんと梨華ちゃんだけを見てるよ?」

「それなら良いけど・・・梨華ちゃんって意外と嫉妬しぃだから気をつけてあげてよ。」
213 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時54分04秒
「・・・うん。まぁ嫉妬しぃ女王はごっちんだけどね」

「ごとーのは嫉妬じゃないもん」


「・・・そういうことにしといてあげる。ところで矢口さんは?見当たらないけど。」

「やぐっつあんはトイレ。もうすぐ帰って来るでしょ。」

「あぁあぁ一人でいかせたの?ばっかだなぁ〜」

「なにがばかなの?」



「だって矢口さんってうちらの学年にまだファンがいっぱいいるんだよ?

 それに3年だってそうだよ。新入生はわかんないけど・・・矢口さんの

 ことだから何があるかわかんないよ?!」

吉澤はにししっと笑いながら後藤を不安がらせる事をわざと言っていた。


「何があるかって何さ!やぐっつあんはごとー以外に手ぇ出したりしないよ!!」

「分かってるって!でも気付かないうちに矢口さんに惚れる子が出てきちゃうかも

 ってことだよ!」




「・・・ちょっと見てくる!!」
214 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時55分12秒
バタン

「やぐっつあ〜ん・・・居る〜?」



「やぐっつあ〜ん・・・居ないのお〜?」

後藤がトイレに着くと中には誰も居らず、ドアも全て開いていた。



「もー!!(怒)どこ行ったのさぁ!!」



後藤が怒りながらそして少し不安になりながら矢口を探していると

すぐに矢口は見つかった。トイレから出てすぐの踊り場で

矢口は後藤の知らない生徒と話をしていた。


「やぐっつあん(怒)ちょっと!!」

後藤は矢口に大声で呼びかけると矢口とその生徒の傍に寄って行った。



「あっそれじゃあ失礼しますね。」

「うん。」
215 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時56分21秒
「ごめんごめんちょっと寄り道してた。」

悪気無い顔で言う矢口だったので言葉が一瞬詰まったがちゃんと問いただした。



「ねぇ、今のって誰?何年生?やぐっつあんの友達?」

「あれ?覚えてない?こないだ踊り場で一緒に居た時階段降りて来た子じゃん」

「え?」



「あぁ!!あの時の!そういえばあんな顔だったかも。ん?でもなんで話してるの?

 やぐっつあんだって初対面でしょ?」


「あぁそれはそうだけどあっちは矢口のこと知ってたんだ。」

「どうして?」

「バイト先の子の家の向かいに住んでる子なんだ。矢口も今日知ったけど。

 それで・・矢口の生徒と仲良いらしくて知ってたみたい。」
216 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時57分37秒

「ふ〜ん・・・なんて子?」
「さぁ。聞いてないし。」


「可愛い子だったね。」
「そう?普通だと思うけど。」



「・・・」

「あのさ、なんか勘ぐってる感じするんだけど何もないから。

 それに変な心配しないでくれよ!さっきの子は吉澤のファンだから。」


「えっ?よしこの?!」

「そうだよ。自分で言ってた。」

「なぁんだ〜そっかぁ〜心配して損しちゃった。」

「矢口はなるべく目立たないようにひっそりと過ごしてるから大丈夫だってば。

 それに矢口はもう人気ないよ?(自分で言うのもやだけど)」




「・・・まぁいいや。向こう戻ろう?」

「ああ」
217 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月06日(月)00時59分39秒
石川の試合が終わって4人固まって雑談をしていると、学園で評判の

カップル2組なので視線が集まるわけで・・・矢口達は居づらくなり、

別れてそれぞれ休憩できる場所へと移った。



ずっと腕を組んで顔を寄せ合って話をしている矢口と後藤はどこに居ても目立つわけで

・・・気にしながら場所を移したり外ではやめようと矢口も言ったが後藤が許さず、

矢口も、もういいかと開き直っていた。

それとは反対に吉澤達は木陰でのんびりとまったりしていた。

体をくっつけてイチャイチャしているわけではないのだがすごく絵になるふたりだった。
218 名前:りょう 投稿日:2002年05月06日(月)01時11分13秒
>200 ROM ◆ROMuFK/wさま
     いやいやほんと、自分(やぐ)のがちっちゃいクセによく言えた!
     加護ちゃん辻ちゃんは後ほど絡んでもらうとして・・・・・・・
     誰と絡んでもらうかは・・・未定です。

>201 名無し読者。さま
     今年高校1年生になった彼女です。多分。
     個人的にはコンコンが好きなんですけど・・・

>202 パムさま
     お仕事お疲れ様です。やりすぎて死なないように(w
     サービス業は大変ですよね、私も前はそうでした。
     頑張って下さいねぇ!私も・・・頑張るので・・・。
219 名前:りょう 投稿日:2002年05月06日(月)01時11分57秒
>203 よすこ大好き読者。さま
     むっかーしに言ってたやつ(MUSIX!萌え所あったら短編書きたいってやつ)
     書くだけ書いて乗せるところが無いです(w いつか読んでやって下さいね。
     ん?全く関係ない話ですね。わはははは。

>204 no-no-さま
     左鎖骨骨折?!な、何をやったらそんなことに?!
     大丈夫ですか?気をつけて下さいねぇ〜ほんとに!!
     やぐもいちゃつくのに慣れたようです。
     やぐごまの波瀾よりはやぐ・ごま・いし・よし
     単品の動きが多くなる予感(w←あくまで予感ですが。

     更新遅くなってすいませんでした。
220 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月06日(月)12時44分13秒
短編……新スレ立ててしまおう!!おーーー!!
(みたいな・・・・・・^^;)

モテ吉くん。がフラフラしないことを祈るのみ・・・。
221 名前:145 投稿日:2002年05月06日(月)21時03分30秒
気づかぬうちにめちゃめちゃ続きが書かれてるし・・・
これからどうなるんだろう・・・
期待しながら待ってますね。
222 名前:パム 投稿日:2002年05月07日(火)04時27分27秒
おかえんなさいっす。更新おつかれでっす。
G/Wは死ねました。仕事から帰ってきて寝るだけの生活だった・・・。
やっとチェックにこれましたよ・・・。
辻登場ですなぁ。やっぱ加護と辻はセットでしょ!。
リアルの方も吉が最近えらい男前に見えるのは俺だけですか?(w
今から「ちっちゃい〜」に逝ってくるっす!。
どっちも更新がんがってくださいっす!!。
223 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時14分37秒
今日は日曜日


朝食をとる矢口と後藤。

今日はのんびりと公園で遊ぶ事にしているため早くに起きていた。

そこへ手を繋いで仲良く現れた石川と吉澤。

矢口達の向かいに席をとると、吉澤がふたり分の朝ごはんを取りに行った。

すでにほとんど食べ終えている矢口達は最後にお茶を――と、矢口がお茶を入れに

吉澤について行った。


テーブルに残った後藤と石川は、自分達の恋人が来るまで雑談をしていた。




吉澤達は久しぶりに映画を観に行くとのことだった

いつも、バイトをしていない吉澤と石川は部屋や公園でまったりとするしか

無かったがたまには!!と気合を入れていたのだ。
224 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時15分38秒
ふと髪をかきあげた石川の耳に、どこかで見たことのある赤いデザインの

ピアスを見つけた。


「梨華ちゃんちょっとそれ見せて!」

「え?なあに?」


「それ、耳につけてるピアスだよ!!」

後藤は石川の耳につけられていたピアスを見た。

それは後藤が誕生日に買ってもらったものと全く同じものだったことがわかった



「これってどうしたの?買ったの?持ってたっけこんなの。」



「あっこれ可愛いよねぇ〜はあとはあと前矢口先輩に買ってもらったんだはあとはあと


「いつ?!」



「えー?あーこれはほら、1日矢口先輩を貸してもらった日あったでしょ?

 そのときに買ってもらったの。」




「そうなんだ〜・・・・ふ〜ん・・・」
225 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時16分23秒
「?なんか変なこと言った?あれっ真希ちゃんも同じものつけてる?それ。」


「同じだね。ごとーは学校ではしちゃ駄目だってやぐっつあんに言われてるから

 普段はしてないけど。」



「そっかぁ〜私も外に出るときくらいしかしないけど。」






後藤が怒っていることに気がつかない石川はそのまま雑談を続けていた。





数分後、吉澤と一緒に戻って来た矢口を石川達から離れた席まで引っ張っていくと

すぐに問い詰めた
226 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時17分14秒
「なにすんの?あそこで飲んじゃまずいわけ?」

急に強引に連れて行かれた矢口は意味が分からずにキョトンとしていた。



「やぐっつあんさ、ごとーに内緒で何してんの?」

「え?なんのこと?内緒事なんてないはずだけど。」


「へぇ〜そんなこと言うんだ」

「だからなんのことだよっ」


「どの口がそんなこと言うの〜?!」

後藤は矢口の口を引っ張りながら恐ろしい顔で言っていた。


「梨華ちゃんとデートしたときにプレゼントしたでしょ?」


「は?デート?・・・・えっ?一緒に出かけた時のこと?」

「そう。プレゼント買ったよねぇ?」
227 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時18分39秒
「えっ?・・・あっあーあぁあぁあれはプレゼントじゃないって!

 お金ないって言ってたから出しただけだって。気の毒だったから!」



「なんでごとーのと一緒なの?」

「それはっ矢口は最後まで反対したんだけど聞かなくって・・・」


「じゃあお金払わなきゃ良いじゃんか。」



「ううっ・・ ごめん いろいろあってさ・・・気がついたら買ってたんだよ。」



「やぐっつあんってごとーの気持ち全然わかってないよ!!」

「で、でもさ、全然知らない奴じゃないんだし、石川じゃんか。」



「そういう問題じゃないよ!!」

バチンッ

「いてぇ!!」


(うわっ!)
「ケンカしてるじゃん矢口さんたち。どうしたの?」

後藤に連れられて行った矢口を見ていた石川に、戻って来た吉澤は

知らない間にケンカしだした(といっても後藤だけが怒っているのだが。)

ふたりに驚いていた。
228 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時19分38秒
そして石川は吉澤が居ない間に後藤と話した事を教えた。


「駄目じゃんそんなこと言ったら!」

「え?どうして?」

「ごっちんはね、あのピアス、ずっと欲しくて欲しくてやっと

 買ってもらえたやつだったんだよ?」



「えっ・・だって・・・知らなかったもの。」


頬を押さえてうずくまる矢口は立ちあがると自分たちの食器を片付けて後藤を追った


一部始終見ていた生徒たち

初めて二人のケンカシーンを見た一年生は驚いてざわざわとしていた
229 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時20分30秒
「今のすごくない?!思い切り叩いてたよ!」

「ほんとほんと!あんなの初めて見た」

「うん・・・矢口先輩なにかしたのかな?」

「そうなのかな・・・後藤先輩だけ怒ってた感じだったしね。」


「・・・でも・・大丈夫なのかな・・・」

「なにが大丈夫?」

「だってさ、私はあのふたりが一緒に居るのを見るのが好きなの。

 ケンカして別れたりしたら見れなくなっちゃうしなんか淋しいよ。」


声に出して言う一年生の横で矢口と同じクラスの生徒が1年生に向かって言った。



「あの人達は明日にはもう普通だから心配ないって」


「「「「「え?」」」」」


「そうそう!!ヤって仲直りするんだから心配ないよ。」

「ほんとに。人騒がせな人たちだからね。」


それを聞いてさらにざわざわとした食堂だった。

まったく余計なことを言ってくれるものだ。
230 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時21分38秒
矢口はそのあと後藤の部屋へ行ったが部屋にいれてもらうことも出来ずに、

それどころか何を言っても聞いてもらえなかった。


公園に行くという約束はどうするのかと誘ったが後藤は何も言わなかった。



「公園行っとくから。」

矢口は一人淋しく寮を出て公園で後藤が来るのを待っていた。




暗くなるまで待っていた矢口だったが、結局後藤は来なかった。

関係ないが公園で後藤を待つ間に矢口は学園の生徒達に声を掛けられまくって

イライラしていた。(矢口がなんだって言うんだ!もうそっとしといてよ!!)



と、思いながら後藤のことばかり考えていた。




いくら待っても後藤が来ないので、諦めて寮に戻った矢口は

もう一度後藤の部屋へと向かった。
231 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時22分30秒
コンコン



「・・・・はい。」


「矢口だけど。」




「・・・なに?」


「今朝のこと。もっかいちゃんと話したい。中に入れてくれないかな。」






カチャ

朝からずっと怒っていた後藤は怒りが冷めてきたのか、少ししてドアを開けた。



とりあえず部屋に入れてもらえた矢口だったが、座ってはいけないような気がして、

隅っこのほうに立って肩身狭そうにしていた。


そんな矢口を見て後藤は話し出した。
232 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時23分46秒
「やぐっつあんさ、ごとーがなんで怒ったか分かる?」

「え?・・・石川と同じもの買ったから?」


「それもそうだけど・・・それだけじゃないよ」


「・・・後藤以外の子に買ったから?」


「やぐっつあんが記憶失くすずっと前のことだから覚えてないのは仕方ないんだけど

 ・・・ごとーはね、やぐっつあんに言ったの。運命って感じがするから赤が良いって。

 やぐっつあんと結ばれてる色なんだからーって。それと、大人になったら

 買ってあげるって言われて・・・ずっと待ってて・・・やっと買ってもらえたの

 ・・・それなのに・・・」




(そうだったのか・・・)「ごめん。」




「ん。でもさ、普通は彼女に買ったものと同じ物は絶対買わないと思うよ?

 彼女に失礼だもん!やぐっつあんは優しいから断れなかったのかもしれないけど

 ・・・ごとーだけでいいじゃんか・・・もっと・・・ごとーだけを見てよ・・・」
233 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月08日(水)00時27分08秒
「ごめん。もう絶対にこんなことしないから。・・・ごめん。」







「・・ううん。ごとーも叩いてごめんね?痛かったでしょ。」


後藤は、叩いた矢口の赤くなった頬に触れながら申し訳なさそうに言った。


「大丈夫、このくらいどうってことないよ」




「でも・・・いつもいつも・・引っ叩いてごめんね。」


後藤と矢口は少し見つめあうと、何も言わずに顔を近付けていった。

後藤は、少しかがむと目を瞑って唇を矢口に差し出した。



「・・ん・・」








「・・・仲直りのキスだね」

「うん。」



ヤっては無いが仲直りをした矢口達だった。
234 名前:りょう 投稿日:2002年05月08日(水)00時32分01秒
>220 よすこ大好き読者。さま
     ここの吉くんは梨華ちゃん一筋ですよお〜(多分)
     それぞれ一筋のはずなんですが波瀾が起こってしまうのです(w
     短編は・・・ある意味スレ立てちゃいました。おほほほほ♪      

>221 145さま
     まだ序章って感じですね。
     続き考えてはいるのですが書いてないので焦ってます。

>222 パムさま
     お仕事お疲れ様です。
     吉はいくら言っても美少女ですよお〜(←私には)
     でも男役にしてしまう・・・というか女役の吉ってあまり無いですね。

     続き・・・さぼってるので書けたらのせます!ごめんなさいm(__)m
235 名前:パム 投稿日:2002年05月08日(水)00時40分28秒
更新おつかれっす!。ギリギリでリアルでしたっす!。
感情の波が豊かなゴマに萌えてます(w
ヤグも大変だぁなぁ・・。
たしかに女役の吉って全然見ませんね。
やっぱ「心が痛むと言うのかい?」なんていってるからかな?(w
次の更新をマタ〜リまってるっす。マイペースでがんがってください!。
236 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月11日(土)11時23分33秒
こっちの更新・・・
他は毎日だけど・・・かなちぃ。
忘れてないですよね?
がんばってくらさい!読んでますよほ!
237 名前:no-no- 投稿日:2002年05月20日(月)16時07分14秒
お久しぶりです。
鎖骨は原付でこけただけです。
手術なんかしちゃいました。(笑)
単品での波瀾ですか,続きが気になってしまいます。
マターリお待ちしてます。
238 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年05月20日(月)21時45分11秒
こっちもヒサブリです(w
やぐごまの喧嘩は最後なんですか?
ちょっとさみしいです・・・。
各所の更新お疲れ様です。
大変ですががんがってください。
239 名前:りょう 投稿日:2002年05月20日(月)23時14分47秒
>235 パムさま
     学年が上がったのでごまをもう少し大人にしようかと。
     卒業まで・・・長すぎるのでもうほんとにマターリ行きます、
     ごめんなさい。いつもありがとうございます。

>236 名無し読者さま
     忘れてませんよお!更新してなくてごめんなさい!
     ですが・・・

>237 no-no-さま
     手術するほどってケッコーひどくないです?(^_^;
     完治するのを祈ってます。

>238 ロ〜リ〜さま
     やぐごまの喧嘩ですか?ふふふ・・・どうでしょう(w
     喧嘩してナンボの物語になってますのでそれは実のところ・・・。
     えへはあとはあと

    
     皆さんにマターリと励まされ、それでも更新出来ない私を
     お許し下さい。ちょっと浮気しすぎてました。
     プラス、某板の更新を先に完結へと導くため、もう少し(?)
     更新できません。(書けてないのです。)
     どわぁぁーーーーっと話が降りて来たら一気に書いてなんとか
     更新致します。
     ほんとに、申し訳ございません。
240 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月21日(火)12時15分33秒
他板ですか。
それを探しつつ、マターリ待ってますはあとはあと
忘れられてなくて良かったです。
頑張ってください
241 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月26日(日)01時49分28秒
あれから数週間が経ち・・・

世間はすっかり梅雨に入っていた。

相変わらず矢口はバイトに行き、後藤は部屋でゴロゴロとしていた。

今年から一人部屋になった石川の部屋に入り浸るようになった吉澤。

後藤はいつもひとりぼっちで退屈だった。
242 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月26日(日)01時50分55秒
「加護ちゃん中間テストも良かったし成績も良いし・・・教えること無いねぇ。」


「・・・えへ♪実はかしこかったんだよー♪」

「いや、ほんとに。後藤と比べたら・・・まったく。」

「成績良いの分かったぁ?じゃあ遊ぼう!!」

「ちょ、ちょっと待って辻ちゃんは?」


「ののは成績良くないよねーのの?」



「・・・・・・良くないのれす。」



「矢口の教え方が良くないのかなぁ・・・」

「矢口さんは私の先生なんだからののは良いの!」


「うううあいぼん・・・」
「加護ちゃん・・・」



「・・・のの・・・ののが悪いんじゃんかーあれほど言ってるのに!!」


「違うもん。のの悪くないもん。あいぼんのばか!!」

辻は荷物を持つと走って帰って行った。
243 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月26日(日)01時52分08秒
「あっ辻ちゃん!!!」

矢口は立って呼び止めたが以外にも辻の足は速かった・・・

部屋のドアを開けた時、既に玄関から出たところだった



「・・・加護ちゃん・・・良いの?仲良いのに喧嘩なんかして。」

「だって・・・ののが悪いんだもん。」

「悪いって・・・さっきも言ってたけどなんのこと?」

「そっそれは私の口からは・・・」

「言えないの?」






「・・・・・・・・・ののは、矢口さんのこと好きなんだよ。」

「へ?」


「矢口さんに教えてもらってる間ずっと矢口さんばっか見てるもん。」


「そそそそうなの??全然気付かなかった。」

「だから・・・ののが悪いの。」



「・・・(なんて言って良いのやら)」


「もう良いじゃないですか、遊ぼうよ。」

「・・・う・・・ん。」

しばらく遊んでいると下から夕食だと呼ぶ声が聞こえた。
244 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月26日(日)01時53分42秒
「あっご飯だよ」
「うん。行こうか。」


タタンタンタン・・・・・・



「おかーさん、今日のご飯おいしいー♪矢口さんが来た時はいつも美味しいね。」

「こらっ亜依!!」

「いや、ほんとに美味しいです。母親の味って感じで・・・」


「ありがとう」




「あーそういえばお母さん、加護ちゃんものすごく成績良いですよ?

 私が教える必要全くないくらい。」


「あら・・・」

「いやーほんとに私は最初から必要なかったっぽいですよ?」



「亜依・・・言っちゃおうか」

「言っちゃおう!!」



「ん?」





「実はね、家庭教師が欲しかったんじゃないのよ。」

「へ?だ、だって勉強やってますよ?」



「ほんとはね・・・」


いつも遊んで遊んでと言う娘の相手をすることが出来ずにふてくされていたので

それなら遊び相手を探そうか!となったということだった。

家庭教師という募集ではあったが実は遊び相手募集だったのだ。
245 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月26日(日)01時54分43秒
「なっそれじゃ私は遊ぶためにここに来てたんですか・・・?」


「そういうことになるわね。いやかしら?」

「いやっ・・・そんなことは無いです。楽しんでやってますから。」


「そう、ならこれからも亜依のこと宜しくね。」

「宜しく、矢口さん♪」



「は、はい。」




「あっそうだ、変なこと聞くかもしれないけど・・・矢口さんのご両親は何をされてるの?」

「うちですか?うちは普通に会社勤めと主婦ですよ。」

「そう。矢口さんはしっかりしてるし・・・安心ね。まかせても」


「まかせる?何をです?」


「あっ言ってなかったわね。金曜日から日曜日の夕方まで私出かけるのよ。

 主人の所に行こうかと思って。」
246 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年05月26日(日)01時55分51秒
「はぁ・・・?」



加護の父親は北海道に単身赴任で働きに行っていた。

それで今度の土曜日が結婚記念日とかで会うとのことだった。





「え?え?私何するんです?」


「うちに来て、留守番を亜依として欲しいのよ。もちろんタダでとは言わないわ、

 ちゃんとお給料出すから。」




「えっと・・・泊まりですか?」


「金・土と二晩だけど・・・お願いできるかしら?」


「や、ちょっと待って下さい。私もいろいろと休日は予定あるんで――」


「えーー!!良いじゃない矢口さん、来てよお〜」



(んなこと言ったってなぁ!!こっちには恐ろしい彼女が居るんだよっ!!)




「亜依は目を離すとすぐ悪さするから・・・駄目かしら?」

「悪さなんてしないもん。」



「・・・ちょっと、考える時間下さい。」


「ええ、そうね。急だものね。良い返事待ってるわね。」
247 名前:りょう 投稿日:2002年05月26日(日)01時58分09秒
>240 名無し読者さま
     更新が遅くなり、申し訳ございません。
     少しずつ始めますので・・・宜しくお願いします。
248 名前:パム 投稿日:2002年05月26日(日)05時26分50秒
更新お疲れっす。
ほほぉ、、、お泊りですか?。
ちょっと波乱の香りがしてきましたな、、、。
このスレにくるといつもヤグゴママンセーと思わされますがな(w
次もマタ〜リまってるっす。がんがってください!。
249 名前:稜(りょう) 投稿日:2002年05月26日(日)23時23分47秒
>248 パムさま
     いつも見て頂いてほんと感謝してますm(__)m
     なんか、加護ちゃんとか出すぎでやぐごま色が強くないことに
     なってきましたが・・・良いのかな(w
     波乱の香りがします?(*^.^*)エヘッ 
     今回はかなりのんびり書いているのでいつ終わるのかさーっぱりです。

     突然ですがHNを漢字に変えます。
     稜です。よろしくです。
250 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年05月26日(日)23時56分43秒
更新お疲れ様です。
矢口の周りが荒れてきましたね(w
辻も絡んでくるだろうし後藤が許すとは思えないし・・・
矢口はどうするんだろう?
うーん続きが気になります。
251 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月30日(木)17時57分19秒
知の、話を聞いたときの、ごっつあんの反応がこ・怖い。。。。
252 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時41分19秒
カチャ


「・・・なんて言おうか・・・」



「なんて言おうってなんのこと?」


「わあっ!き、来てたの?!真っ暗じゃんか。」

「んー・・・よしこもずっと梨華ちゃんとこだし退屈なの。部屋にひとりで居ると

 泣きそうになるからせめてやぐっつぁんの部屋でやぐっつぁんを感じてたいなぁってはあとはあと



「(だからって電気くらい点けろよ〜)あー・・・・そうだよなぁごめんなぁひとりにして。」



「うーん・・・良いよ!その分土日は愛してもらうからはあとはあと


「(うっ!!)そ、そうだな。」

(言えねぇーっ!絶対言えねぇっ!!)





「取り合えず・・・今日は泊まっても良いでしょ?」


「う、うん。」



「やったあはあとはあと

後藤は矢口に抱きついて離そうとしない。





取り合えず今日のところは来週の土日のことを言わないことにした。
253 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時42分29秒
今日は土曜日。

昼で学校は終わって、久しぶりに矢口達は街へと遊びに行った。


矢口は後藤の好きな所へ連れて行き、好きなことをさせてやり、

甘えさせて機嫌の良いときに今度のことを切り出そうとしていた。



好き勝手させているので今日はずっと機嫌が良いのだが矢口はなかなか言い出せなかった。



「やぐっつぁんさぁ、高校卒業したらどうするの?就職?進学?」


「あー・・・まだなんとも。なんか先の気がするし。」

「やりたいことないの?」


「・・・出来たら良いなってのはあるけどわかんない。」



「・・・あまり遠くに行かないでよね。」

「・・・」


何故だか今日に限って後藤は「別れ」を連想させることばかりを言っていた。

なのでせっかく機嫌取りをいていた矢口も言う事が出来なかったのだった。
254 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時45分15秒
帰り道、後藤がいつもバイトに行ってる子の家を教えてよ。というので仕方なく

矢口は傍を通る形で帰ることにした。


「傍通るだけだからな。」
「分かってる分かってる。」
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
「ここだよ。」


「ここ?へー!ガッコから近いんだね。そっかここかぁ〜へぇ〜」


「もう良いだろー帰るよ!」


「あっ待ってやぐっつぁん〜」


矢口はいつまでもまじまじと見ている後藤を置いて歩き出していた


少し進んだところで待っていた矢口。


後藤が追いつきまた歩き出す――

歩き出したところで急に上の方から声がした。



「矢口さん?!おーい矢口さんでしょ〜?」
255 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時46分21秒

(げっ!!)


「?やぐっつぁん、呼ばれてるよ?」



「あ〜・・・生徒。」

「ほんと?!見たい見たい!!」

「だ、駄目!ちょっと行ってくるから待ってて。」

「えー?なんでよお?」

「なんでも!!待ってて。」


2階の窓から顔を出していた加護はすぐに玄関から顔を出した。


「やっぱり矢口さん!どうしたの?」


「いや、別に・・・遊びの帰りにたまたま通っただけだよ。」



「ふ〜ん。・・・あの人、誰?彼女さんですか?」


「あ〜・・・まぁそんな感じ。」

「感じ?彼女じゃないんですか?」



「・・・彼女だよ!じゃあ、待たせるとあれだから、おやすみ。」


矢口は加護にさよならを言って去ろうとしたが、去って行く矢口の後ろ姿を見て

加護は思い出したかのように声を掛けた。
256 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時47分17秒

「今度の休み、良い返事待ってますよお!!」


(げっ?!)

驚いて思わず後藤の方を見た矢口



「?」

聞こえていなかったようだった。



「じゃ!!」

矢口はこれ以上ここに居ないほうが良い、その直感に従って急いで

後藤を連れて帰って行った。




部屋に戻った矢口たち

いつもすぐにゲームをする矢口だったが今日はしなかった。




「やぐっつぁん今日はゲームしないの?なんだっけ・・・クロムハーツだっけ?」

「(キングダムだよっ!)あぁ〜・・・今日は良いや。」


「そっか。じゃあごとーテレビ見てもいー?」

「良いよ。」




さっきの聞こえてなかったみたいだな・・・

加護ちゃんってば焦らさないで欲しい。
257 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時48分24秒
機嫌よくテレビを見ている後藤を見て矢口はほっとしていた。


「・・・やぐっつぁんさぁ〜さっきの子さぁ〜・・・」

「っへ?へ?な、なに?」


ほっとしていた矢口だったが先程の話題が出たことで焦ってしまった。



「・・・なんでどもるの?」

「べ、べつにぃ」

「あやしー・・・」

「怪しくないって。」


「まぁ良いや。さっきの子可愛い子だったね。」



「・・・そうかな?(怒らないよな?)」

「でも、やぐっつぁんの好みじゃないね。」

「へ?」

「だから続けても良いよ。」



「・・・ど、どうも。」

(最後の話かとおもっ――)


「あとさぁ、」


(ひぃっ)
「ななに?」
258 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時51分23秒
「今度の休み良い返事待ってるってなんのこと?」


「あわわっそっそれはっ・・・」




「・・・・・・やっぱりね。さっきの子と遊ぶ約束してんだ?」

「してないよ!!」

「うそ。じゃあ今度の休みに何があるの?今度の休みはごとーと一緒じゃないの?」


「・・・一緒だよ。あったりまえじゃん。」

「・・・だったとして今度何があるの?」



あまりにもしつこい後藤に負けた矢口は正直に白状した。




「それで、泊まりに行くわけ?!」



「・・・信用されてるんだよな、矢口って。」

「信用されてるのは良いけど、女の子がひとりで居る家に行くわけ?!」


「や、友達も呼ぶって言ってたし(言ってなかったけど辻ちゃん来るだろーし、良いよな)

 ・・・ひとりじゃないって。あくまで矢口は保護者だから。」


「ふ〜ん・・・」



「あの、真希さん、どうでしょうか?」


矢口は恐る恐る後藤の顔を覗き込んで聞いた。
259 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月01日(土)00時52分29秒

「いーよ別に行っても。」

「へ?ま、まじ?」

「うん。そのかわりごとーも一緒ね。」

「はあ?!な、なにイッテンノ?」


「良いじゃない。親居ないしその子も友達呼ぶんでしょ?その子は友達と

 遊ぶだろーからやぐっつぁんひとりで淋しいでしょ。決まり。」


「ばか、勝手に決めるなよ!!」


「じゃあ行かせない。ごとーと一緒なら行っても良い。譲らないもん。」




「ぐぐぐ・・・っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。聞いてみる・・・」


肩を落とし項垂れる矢口。



「やったねはあとはあと



両手を挙げて勝ち誇る後藤。



勢いに負けた矢口だった。
260 名前: 投稿日:2002年06月01日(土)00時56分29秒
>250 ロ〜リ〜さま
     取り合えず、ごまはOKしました。
     何が起こるのかな・・・(w
     やぐの周りも荒れて来たし他のみんなも荒れてもらわないとね(^-^)

>251 よすこ大好き読者。さま
     おうっ、ごっつぁんはあっさり(?)許しちゃいました。
     条件つきだけど。
     いい加減ワガママ過ぎるごまにお仕置き・・・?

     更新スピードが遅くなりつつあって申し訳ないです。
     頑張りますのでどうか宜しくです。

     では!!(^ー^)ノ~~
261 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月01日(土)06時59分36秒
作者さんの名前を「セキ」と読んでしまうのは私だけでしょうか・・・
262 名前:パム 投稿日:2002年06月02日(日)01時01分08秒
ぐおお、大量更新おつかれっす!。
矢口、ゴマに完全に勢い負けしてますね(w
イイ展開だぁ、、、ハァハァ(w
にしても今回のシャッフルのセクシー8はマジでイイですな(w
263 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年06月02日(日)04時19分36秒
条件付だけどOKしましたね。
それにしても矢口は後藤に弱いですねー(w
密かに後藤VS辻を期待してみたり・・・(w
264 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月03日(月)23時39分58秒
月曜日


「・・・なんかさぁ〜毎回遊んでる記憶しかいないんだけど。」

「だって遊び相手だもん♪」




「(へんなバイト。けっこー疲れる・・・)・・・そういやさ、辻ちゃんは?今日は来ないの?」



「ののはー、後で来るって言ってましたよ。」


「ケンカ、・・・仲直りしたんだ?」

「あんなのしょっちゅうですよ〜!それよりこないだの話、考えてくれましたかー?」

「(げっ!き、来たぁ〜)・・あー・・・まぁ一応は。」

「もちろん来てくれますよね?」







「・・・居るだけで良いんだよね?」

「!!来てくれるんですかあ?やったぁ、おかあさ〜ん!!!」


「へっ?あ、ちょっと加護ちゃん?!」



すったかったったーっ

――と、矢口の言葉を聞かずに舞い上がって母親の居る居間へと下りていった。



「待てっつうの!!ゴルァ!!」




矢口も慌てて加護を追いかけて行った。
265 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月03日(月)23時41分30秒



「良かったねぇ亜依、矢口さんを困らせたら駄目だからね?」

「分かってるよお〜悪い事しないもん。」





居間に下りたとき、すでに話は決定していた。




「・・・あ、あのう(汗)」

「あっ矢口さん有難うねぇ、亜依をしっかり見張っててね。」



「いや、それがそのう・・・」

「?」







「ね、ね、ね、友達呼んでも良いよね?」

「呼んでも良いけど大勢呼んじゃ矢口さんが大変だから駄目よ?」

「うん!ののとーあとクラスの友達ふたりぐらいなら・・・良い?」

「矢口さん良いかしら?」


「いや、えっと。基本的に私は家に居れば良いんでした?」

「そうね。ご飯とかは出前とってもらっても良いし、まかせるわ。」




「だ、だったらひとつお願いがあるんですけど・・・。」


「「?」」
266 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月03日(月)23時42分56秒
「私も学校の友達呼んでも良いです・・・か?いや、あの、ちょうど遊ぶ約束してたんで
 
 ・・・だ、駄目ですかね?」



「こないだの人だね?」

「そ、そう。」

「別に構わないわよ。矢口さんも中学生ばかりで疲れると申し訳ないからね。」


「!ほんとですか?!助かります。いやほんっと助かった・・・(ほっ)」



「「?」」




一緒に泊まる事をOKされないとエライことになる予定の矢口はなんとか命拾いしたのだった・・・





そのあと、辻も遊びに来たがこの間聞いた『矢口のことが好き』ということは

全く感じられなかった。

相変わらずお菓子ばかりを食べて加護とくだらないことを言って楽しんでいた。





「じゃあ、またね。加護ちゃん辻ちゃん。」

「おやすみ♪」

「やぐちさん、こんどの休みたのしみれす。」



「あ、そ、そうだね。楽しみだね、おやすみ。」




今日見た限り加護が辻を誘っていた様子はなかったがどうやら初めから決まっていたらしい。
267 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月03日(月)23時46分28秒
「じゃあごとーも行って良いんだね、良かったねはあとはあと

「・・・(有無を言わせなかったクセに!ごっつぁん・・・)」


「加護ちゃんだっけ?加護ちゃんちおっきいからいっぱい泊まれるんじゃない?」

「あー・・・そうだね、部屋余ってるみたいだし。」

「だったらさ、だったらよしこたちも呼ぼうよ、絶対楽しいって。」

「はあ?!ばか言うなよっ!!勝手に呼べるわけないだろ?!」

「なんでよ、ごとーが良いんだったらあとふたり増えても問題ないっしょ?」


「あほっ!!」
「あいたっっ。」


矢口はわからんちんの後藤にデコピンを食らわして寝る準備を始めた。






「ぜーったい楽しいのにな・・・」

しつこく言う後藤だったが矢口はもう何も返さなかった。




しばらくし〜んと静まり返っていた矢口の部屋だったがその空気に

耐えかねた矢口が口を開いた。






「あんまりワガママ言ってたら罰あたるぞ。」
268 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月03日(月)23時48分23秒


「・・・どんな罰?」




「留年する。」

「ん?」




「髪なくなる。」
「んん?」





「縮んじゃう。」


「それ全部やぐっつぁんじゃんか。」

「まぁね♪」

「♪って・・・そんな罰ありえないもん。それに――」


「とにかくワガママ言うなってこと。」

「やぐっつぁん、ごとーのワガママなんでも聞いてくれるって言ったのに。」

「聞くよ。でも、それは矢口だけで済む場合。今度のは矢口と後藤だけのことじゃないだろー。」




「・・・反省するぅ。そうだね、急に泊まっちゃ駄目だよね・・・ごめんね。」


「いや謝らなくても良いけどさ、分かってくれて良かった。」



やけにあっさり理解したなぁ?と疑問を感じた矢口だったがそれも一瞬で、

そんなには気にならなかった。






(泊まるのが駄目なら・・・・)


矢口の見えないところで後藤はニヤリと不敵な笑みをもらしていた。








全ての波瀾はここから始まった―――

269 名前: 投稿日:2002年06月03日(月)23時58分32秒
>261 名無し読者さま
      そんな読み方もあるのですか?いや、実際の字とは違って
      ただ単に気に入っただけなので(w
      HNをもっとかぶらないようなものに変えようかなあ
      と思ってますがなかなか思いつかないです。変えたところですが。

>262 パムさま
      勢い負けしてますね(w
      甘くもなんでもない話になってしまっているので波乱を(w
      
>263 ロ〜リ〜さま
      しかし、ごっつぁんは相変わらずワガママです。
      後藤vs辻。・・・・(笑)
      ハロモニでごっつぁんのやつを投げたのを思い出しました(w

      最近他ばかり書いてたのでかなり更新遅くなってますが
      また頑張りたいと思ってます。ですがこっからあと文章に
      していないのでまずは書かないと(w
      読んでくださっている方、申し訳ないです。
      では。
270 名前:名無し読者。 投稿日:2002年06月04日(火)04時11分05秒
これからどうなって行くのか楽しみです。いしよしも泊まっちゃえ(w
271 名前:風板某よしごま作者 投稿日:2002年06月05日(水)14時46分12秒
おおおお、おもしろい!!

後藤は何をたくらんでるんだろう…

速く続き読みテぇー!!
272 名前:パム 投稿日:2002年06月07日(金)02時04分59秒
おぉ〜、黒ゴマこえぇ〜(w
なにたくらんでるやら・・。
>「髪なくなる。」
ワロタですよ(w
273 名前:稜−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時35分37秒
ピンポ〜ン♪

「なんか寮に居ないって新鮮だね。」



「・・ちゃんと挨拶しろよ〜。」

「分かってるってば。」



『ほーい♪』

「矢口だけど。開けてくれる?」


『ほーい♪』



玄関のドアが開けられ、顔がふたつ矢口たちの方を見ていた。


「おっす加護ちゃん辻ちゃん。」
「こんにちは。」

後藤も取り合えずニコっと矢口に続いて挨拶をした。



「どうぞどうぞ入って下さい。」





「へぇ〜中も広いんだね。」

「そうですか?取り合えず居間に行きます?」


「あっ、コレ。ケーキのお土産。」

「ケーキ?!」

「のの!反応しすぎ!!」


「ら、らって〜」



「ちゃんと人数分あるから、食べよっか。」
274 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時37分10秒
居間のソファーに腰掛ける矢口と後藤。

加護はお茶を入れにいこうとケーキを持って席を立った。




(ごっつぁん、入れてきなよ!!)

(え〜??お客さんじゃんかぁ)

(でもそんくらいやっても良いと思うぞー)


(・・・・・・・・はーい。)


矢口は一緒に腰を下ろした後藤のお尻をつねって無理やり立たせた。



「ごとーがやるよ、座ってて。」


台所へと向かう加護からケーキを奪い取って後藤は入って行った。


「お客さんだからっ――」

「良いの良いの。あのくらい。加護ちゃんも、座って待ってなよ。」



「・・はい。」




辻はまったく気にする様子もなくテレビを見ていた。



「よく気のつく彼女さんですね。」


「そ、そう?(汗)」



「どのくらいなんですか?」

「へ?」

「付き合ってどのくらいなのかなって。付き合ったきっかけとかーどっちからとかー」

「ないしょ。」



「・・・じゃあ彼女さんに聞くもん。」


「ごっつぁんに?!駄目だって。」




「ほ〜いお待たせ〜♪」

「あ、どうもありがとうございます。」

「足でドア開けるなよな〜言えば開けるっての。」

「良いじゃんそのくらい。」
275 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時38分47秒
「で、何が駄目なの?」

お茶とケーキを配って矢口の横に腰掛けた後藤はすぐに矢口に問いかけた。


「や、別になんも。それより自己紹介まだっっしょ?」



「・・・後藤真希。高2。やぐっつぁんの彼女。よろしく。」

「そんな棒読みするなよ・・・」


はぁ〜とため息を付く矢口をよそに加護は自分も言い出した。


「加護亜依です。中学3年生で、あそこに居るののと同じクラスで、矢口さんの生徒です。」

(加護ちゃんのがしっかりしてるよ、さすが賢いだけある・・・)


「辻希美。」


一言だけ言って辻はケーキに戻った。



「それで、さっきの続きだけど、なんの話だったの?」

「矢口さんと付き合いだしたきっかけとか、どのくらいながいのかとか〜

・・・矢口さん教えてくれなくて。」


「ふ〜ん・・・。あのね、やぐっつぁんと付き合い出したのはね〜」

「ごっつぁんやめろよ〜。」


「やぐっつぁんは辻ちゃんとテレビでも見てなよ。」


そう言って矢口をソファから落とした後藤。

それを見て矢口はもう諦めた。
276 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時40分42秒
(矢口ってばいつからこんなに弱くなっちゃったんだろ・・・・)

はぁ・・・
さらに深いため息を吐いて、矢口は辻の横へと移動をした。



「でね、やぐっつぁんが好きだから付き合ってって言ったのはあとはあと

「ほえ〜矢口さんからですかぁ・・・意外ですぅ。」

「やぐっつぁんはごとーのこと大好きだから。もちろんごとーもねはあとはあと


「・・・ほんとに仲も良さそうだし、両想いで良いですね。ずっと続いてるのもスゴイですよ。」

「ま〜いろいろあったけどね。」

「そうなんですか?」

「うん。やぐっつぁんってね、もてるんだよ〜・・・見えない?」

「矢口さんは優しいしなんかさっぱりしてるからもてそうな感じします。」

「でしょ?!で、やぐっつぁんファンを撃退するのに苦労するんだよ〜」
277 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時41分39秒
「辻ちゃん勉強進んでる?」

「ののはれすね〜やぐちさんにもっと教えてもらいたいれす。」


「うん。矢口が来るときは来たら良いよ。(お金は加護ちゃんちもちだけど!!)」


(ていうかごっつぁん話違うだろー!!いつ矢口から言ったよ!)



「やぐちさん優しいから好きなのれす。」


「(ん?)あ、そっか。ありがと。矢口はね、加護ちゃんと遊んでる辻ちゃんが好きだよ。」


「てへへ。」






「やぐっつぁんはね、ごとーの言う事なんでも聞いてくれるから〜なんかあったら

ごとーに言いなよ。」


「はい。そうします(笑)」







「それれれすね――」


「ごめん、辻ちゃんちょっと戻るね。」



矢口は辻と話しながらも後藤たちの会話にずっと耳を傾けていた。




「ちょっとごっつぁん!話が違うところあるんじゃないかな。」




後藤の横に腰掛けて言う。
278 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時42分51秒
「何が?あってるよ。」

「だからっ、矢口から言ったんじゃないじゃん。ごっつぁんがしつこく付きまとったんじゃんか!!」

「しつこいってなによ。」

「一年くらいつきまとったんじゃなかった?断っても断ってもさぁ!!吉澤から聞いたぞ。」


「しつこくなんかないもん!!普通だもん!!」



「・・でもごっつぁんからじゃんか言ったの!!」


「なんだよ!!ごとーのこと泣かせまくったクセに!!もう傷つけないって、

泣かせないって、大事にするって言ったクセに!!!」


「してるじゃんか!覚えてない昔の話することないだろ!!」


「ばか!!」

「なんでだよ!!」

「だってあのとき、もっかい付き合ってって言ったのやぐっつぁんじゃんか!」


「うっ・・・!・・・・そうだったな。・・・ごめん。でもうちらのこと加護ちゃんに

言わなくても良いだろー!!これでも先生やってんだ!!」


「遊んでるだけじゃん!!」




(・・・・消えよう。)



加護はいつの間にかケンカをし出したふたりに声をかけることが恐ろしく思われ、

辻を連れて居間から出ていった。
279 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時43分52秒
「・・怖かったなぁ、のの。」

「なんで出るの?」

「?!ふたりケンカしてたじゃんか。」

「ほえ?」

「まぁ良いや。先にお風呂とか入ってしまおうか。長引きそうだし。」

「うん。」
280 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時45分00秒
「だからっ、遊んでる分には良いけど遊ばれ出したらどうすんだ?!情けないじゃん。」




「・・・・・やぐっつぁんのばかあ!!」


後藤は言い負けたのか、俯いて泣き出してしまった。


(ちょっと!泣く事ないじゃんか!!)



「・・・泣かないでよ。・・・ちょっとキツイこと言ったかもしんないけど・・・」




「・・・・・ちょっとじゃないもん。」





「・・・ごめんって。泣き止んでよ。」

「・・・やぐっつぁんはね、ごとーがわがままばかり言うからもうやなんだ?

ごとーのこと見てくれないんだ?」


「なんでそうなるんだよ・・・もういい加減にしてよ。」



「だって・・・やぐっつぁんはね、・・・やぐっつぁんはもっと優しかったもん。

ごとーがばかなこと言っても何しても笑って甘えさせてくれたもん。

それなのに・・・・・最近は何かって言うと駄目だ無理だって我慢ばかりさせられて・・・・・・・。」



「矢口は・・・変わった覚えないけど・・」

「変わったもん。なんか・・・毎日会うの疲れるって顔してるもん。バイトだって

 喜んで行くし・・・帰って来ても会いに来てくれないし・・・・・・・・・」
281 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時46分17秒
「・・・矢口はごっつぁんのことが本当に好きなんだよ。好きだからこそ甘やかすだけじゃ

 駄目だって思ってる。ごっつぁんのしたいことなんでもさせてあげたいけどそれだけじゃ

 ごっつぁんがいつか困るときが来ると思うから、だから、・・・だからずうっと一緒に居たら

 駄目になるって思うから、・・・だからなんだよ。」





「・・・毎日会いたいって思うのはおかしいの?どんなときも一緒に居たいって、

 くっついて居たいって思うのは駄目なこと?」



「駄目じゃないけど、よく考えてみて。もし矢口がごっつぁんの前から消えたら

 どうするの?居なくなったら、もう二度と会えなくなったらどうするの?」

「ないもんそんなの!!」


「例えだって!矢口は・・・ごっつぁんが急に居なくなったらおかしくなると思う。

 何も手に付かなくなるだろーし楽しいことなんてないんじゃないかって感じると思う。」



「居なくなんてならないもん。」


「だから例―-」
「ないもん。」




「―-・・・矢口の言いたいことは分かってくれる?」






「・・・分かるけど・・・」
282 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時47分38秒
「会うと疲れるって顔に見えたことがあるならごめん。謝る。

 ごっつぁんと居るときはごっつぁんしか見ないから。」





「・・・グス・・・」




ごっつぁんはいつからこんなにわがままを言うようになった?

いつから矢口を困らせるようになった?

や、もとからかもしれないけどここまでじゃなかったよね。

付き合いだした頃なんて覚えてないけど最近ひどい気がする。

矢口が・・・さっき言われたみたいに我慢させてるから・・・なのかな・・・?

我慢ばっかさせてるから反動で・・・

そういえば昔はもっと甘えて来てたっけ・・・・・・?

矢口も無条件に甘えさせてあげてたっけ・・・?

やっぱり・・・・矢口が変わったのかな・・・?






ポロポロと涙を零す後藤を見てやりきれなくなった矢口は、自分の方が小さいクセに

後藤を腕の中に閉まって抱きしめてやっていた。






(そういや、ここ加護ちゃんちだっけ。)
283 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時48分41秒
いつまでも顔を上げない後藤だったが、少しすると口を開いた。



「“もし居なくなったら”なんて先の見えないことで無理するのヤダ。」




「・・・うん?」

「ごとー達が居るのは“今”。今を大事にしたら良いじゃんか・・・」




・・・そりゃそうだ。

矢口ばかだった。

ごっつぁんの前から消える勇気も離れることも出来ないクセに・・・ばかだ。

矢口からはなくてもごっつぁんからはあるかもしれない。

それが怖くて、自分のためにそうしてた・・・ごっつぁんのためだなんてウソだ。


最低だ、矢口。


先の見えないことでケンカするのもばからしい。

そんなことでごっつぁんを泣かすのも悔しい。

何を強がっていたのか。

何を遠慮していたのか・・・そんなことする必要なんてないのに。

矢口は一生ごっつぁんと居たい。

いつまでも居たい。



だったら矢口は・・・?矢口はどうしたい?どうするべき?
284 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時49分53秒
「ごとーはね?やぐっつぁんが絶対嫌だって言うんならもう言わない。

 怒られるようなことも言わない。やぐっつぁんはどこかでごとーのこと

 許してくれるって思ってたけど・・・違うなら・・・やぐっつぁんのこと大好きだから、

 嫌われたくないから、だからっ・・・」




ごめん、ごっつぁん。



「その必要はないよ。好きなだけ甘えてくれたら良い。」



「・・・?!」

「ごっつぁんが甘えてくれるの本当はすっごく嬉しいんだ。ごっつぁんのわがままも

 嬉しいし、やめないで欲しい。さっきと言ってること違うけど・・・」




「甘えても良い・・・の?」


「場所さえわきまえてくれたら大歓迎」





「・・・ほんと?」

「ん。」
285 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時51分05秒

「・・・グシ・・・無理してるんだね。」


「は、はあ?!なんでだよ。」



「だって・・・さっきまであんあにいい加減にしろって感じだったのに・・」



ちゃんと言わなきゃ分からない?
でも――





「・・んっ・・・・」






まだ何かを言おうとする後藤の唇を素早く奪って見つめる。





「ほんとは矢口だってずっとこうしてたいんだ。」



「・・やぐっつぁん・・・」

「ずっと後藤とこうしてたい。」






「・・グス・・・信じる。」





「・・・良かった。じゃあ・・ここ・・・加護ちゃんちだし・・」



いつのまにか矢口の首に腕を回して自分が下になるような形で抱き寄せる後藤にそう言った。




「・・・じゃあキスだけ。」



ま、大丈夫かな。

矢口は気を使って居なくなったであろう加護たちの心配をしつつも目を瞑る

後藤の唇にそっとキスを落とした。
286 名前:−留年矢口の物語− 投稿日:2002年06月09日(日)06時51分57秒
「良かった・・・なんとか仲直りしてくれて・・・」

「なんでキスするの?」

「え?何いってんの?矢口さんと後藤さんは恋人じゃんか。キスくらいするでしょー。」

「恋人?!矢口さんの?うそだぁ!!」


「うそじゃないよー矢口さんからも聞いてたし、さっきも言ってたもん。」



「・・・・」

「どした?のの。」




「・・・後藤さんかぁ・・・」


「・・・?」





辻の顔色が変わったことに加護は気が付かなかった。
287 名前:りょう 投稿日:2002年06月09日(日)06時55分54秒
>270 名無し読者。さま
     これからどうなっていくのか。
     ラストのみ決まっててなかなか進みません(T-T)
     頑張ります。

>271 風板某よしごま作者さま
     遅くなってすいませんm(__)m
     後藤のたくらみはもう許すしかないですね(w
     たくらみってほどでもないですが・・・

>272 パムさま
     や〜よく考えたらヅラなんだなぁと(w
     いしよしどこいったんでしょうかね(笑)
     久しぶりのちょとだけ多め(でもないのかな?)の更新。
     肩凝りました(w

     おやすみなさい。
288 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年06月09日(日)12時42分38秒
更新お疲れ様です。
辻が何か企んでますね・・・(ニヤ
何か予想どうりの辻VS後藤の展開になってきましたね(w
289 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月10日(月)15時23分55秒
こちらでは初レスです。
辻が何を考えてるのかがカナーリ気になります。
続き、楽しみにしてます。
290 名前:パム 投稿日:2002年06月10日(月)23時20分34秒
更新お疲れっす!。
ほほぉ、ここでののが絡んでくるっすか。
ナ〜イスな展開だ、、、ハァハァ(w
ゴマvsノノのバトルに超期待で待ってやす。
でもあやゃまで撃退したゴマに勝ち目な(略w
291 名前:うまい棒メンタイ味(風板某よしごま作者 改め)  投稿日:2002年06月15日(土)12時42分14秒
更新お疲れ様

辻VS後藤の構図がはっきりしてきましたね
そういえばつい先日のハロモニも辻VS後藤でしたね

向こうでは辻が勝ったけどこちらでは・・・・・・?!
292 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月15日(土)16時58分42秒
そして矢口と後藤は何事も無かったかのようにソファーに座ってテレビを見たりと、
他人の家ではあったが、かなりくつろいでいた。


カチャ

「お先でしたあ。矢口さんたちも順番にお風呂使ってください。」

「おっさんきゅー。後藤先使えば?矢口は加護ちゃんたちと明日の予定決めたりするし。」

「そうなの?じゃあお言葉に甘えていただこうかな。」

「タオル、新しいの置いてるんでどうぞ。」

「ありがと。持って来なくて良かったぁ。」


風呂場へと向かう後藤を見つめながら矢口は思った。


(後藤ってなにもしなさすぎ!加護ちゃんはえらいよ・・・)
293 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月15日(土)17時00分22秒
矢口がそんなどうでも良いことを考えていると辻が矢口の隣にぴとっと、腰をおろした。


「・・・ん?」

「やぐちさんの彼女さん可愛いれすね。お似合いれす。」


「・・・やめてよ恥ずかしいから。」

「のの知らなかったんですよー矢口さんと後藤さんが恋人同士なのー。」

「そうなの?なんだと思ってたわけ?」

「友達だと思ってたんだよねーののは。で、さっきふたりのキス見て――」

「へっ?!な、な、な・・見てたの?!」

「あっ・・・見てました〜」

「辻ちゃんも?」

「はい。ばっちし。」


(げぇ〜!!!!最悪じゃんかー見られてたなんて・・もうふたりっきりのとき以外
 ああいうのナシだな!決めた!!)



「・・・おばさんには内緒に・・」

「わかってますよお!」


なんか弱み握られたみたいでヤだな。悔しい。
294 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月15日(土)17時01分46秒
「後藤さんってどんな人れすか?」

「あ?後藤?どんなって・・・・見たまんまだけど・・・・・やる気なさそうで、いい加減で、
 自分勝手で・・・(あれ?いいとこナシ??いやいや)すぐ手が出て暴力的でそのくせ
 すぐ泣いて困らせて・・・(あれーっ?いいとこナシ??)・・・・・・・・・・・んな感じ。」


「ふぅん。」

「どした?のの。」


「ううん。いいとこナシじゃないれすか。」

「(きっついなー辻ちゃん。でも、)そうだね。」

「うわぁ矢口さん酷い・・・後藤さんが出てきたら言いつけてやろーっと。」

「だぁめだってそれは!!頼むからやめて!後藤はそんな感じだけど矢口には
 もったいないくらい良い子だから!!!(くそー恥ずかしい!!)」


「あははっ矢口さん必死ですね〜」


「大人をからかうなよ〜後藤はマジで怖いんだって怒ったら。加護ちゃんも辻ちゃんも
 気ぃつけてたほうが良いよ。」
295 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月15日(土)17時03分04秒
「そうだ、明日の夜、あとふたり友達来るんですけど良いですか?」

「そうなの?良いんじゃない。加護ちゃんちだし。泊まってくの?」

「はい。ふたりとも同じクラスの子なんです。矢口さんたちはどうします?」

「矢口たちはーここに居た方が良いんだよね?だったらここでテレビでも見て
 まったりしとくけど。」


「明日ご飯どうするの?」

「おかあさんからお金預かってる。食べに行くかー作って食べるかー・・・どうする?」

「ののはー矢口さんの料理が食べたいのれす。」

「矢口のぉ?!無理無理。作ったことないって。でも後藤なら上手だから言えば
 作ると思うけど?どうする?」


「後藤さんは料理上手なんですか?」

「矢口は美味しいと思うけど。」

「じゃーそうしましょう。作るの断られたら食べに行くってことで。」

「だね。」

「じゃあ、矢口さんたちのふとん加護の部屋の隣に置いてるから使って下さいね。」

「何から何までありがとね、加護ちゃん。」

「いいえー。ののっ部屋行くよ〜」

「待つのれす。」

たたたたたっ
296 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月15日(土)17時04分30秒
「・・・・疲れる。」


それでも通いなれた家、馴染んだ空気、矢口はソファーに寝転がって
テレビを見ているうちに眠りの世界へと落ちて行った。




「気持ち良かったよ〜・・・・・・・・・・寝てる。」


後藤がお風呂から上がると矢口は気持ち良さそうにすぅすぅと寝息を立てて寝ていた。

いつもなら無理やりにでも起こす後藤だったが今日はさっきのケンカもあり、

起きるまで寝かせておいてあげようと、そっとしておくことにした。



そしてそのままふたりとも朝まで眠ってしまった。


297 名前:りょう 投稿日:2002年06月15日(土)17時11分38秒
>288 ロ〜リ〜さま
     いつもどうもです。
     辻vs後藤はここでは見れないかもです。
     どうなることやら(汗

>289 ごまべーぐるさま
     初めまして(笑
     辻は以外にも黒くなったりして・・・(汗
     わかりませんが。

>290 パムさま
     そうなんですよね。あやや撃沈のごまに向かう敵は居るの?
     て感じで・・・・頑張れ、のの!

>291 うまい棒メンタイ味(風板某よしごま作者 改め)さま
     改めるんですか(笑)
     先日のハロモニのごまはほんの少し悔しそうだった。
     でも何よりも突き飛ばされた吉くんに大笑いしますた(w
     ここではどっちが勝つか、・・・・(^_^;

     えっと、頑張ると言いながら進まなくてすいません。
     多分今後もしばらくは週一更新になるかと思われます。
     宜しくです。
298 名前:パム 投稿日:2002年06月16日(日)22時21分30秒
このマタ〜リは嵐の前の静けさか・・・。
ののにはがんばって引っ掻き回してホスィ。(w
次回更新もマタ〜リと待ってやす!。
がんがってでっす!。
299 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月21日(金)01時07分29秒
やぐ、ゼンゼンほめてないぞ(爆
同じく辻の引っ掻き回しに期待。

300 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年06月21日(金)05時08分44秒
更新お疲れ様です。
マターリな展開ですね。
黒辻の動向にキターイ。
301 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月22日(土)15時52分54秒
お昼頃――

加護たちが遊びに行ってふたりきりの家で。

後藤が二人分のご飯を作っているとき――


「なに、じゃあごとーがみんなの分のご飯作るの?」

「強制じゃないけど、作ってくれるんならそれも良いかなって。」

「ふ〜ん。ごとーは別に良いけど、でも食べに行きたいなぁ今日は。」

「なんで?」

「べつにー理由なんて無いけどさー作るの多いと大変だしー。」

「多いと?そっか6人分だもんな。」



「・・・でしょ?だから食べに行こー。」



「・・・・・そうすっか。」

「まぁ、暇だしデザートくらいは作っても良いかな。」

「うん。じゃあ加護ちゃんにメールしとく。」

「へぇ知ってるんだ。」

「う、うん。」
302 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月22日(土)15時54分07秒
そして夕方――

加護が友達を連れて帰って来た。


「今日はねー先生とその彼女さんが居るんだ〜。」

「あいちゃんの先生?」

「あいぼんは家庭教師をしてもらってるんだよ〜。」

「そうなんだ。優しい?怖い?家庭教師なんて大変じゃない?」

「そうでもないよ〜優しい人だしちっちゃいから親近感わくよ〜。」

「ふ〜ん。どこの人?」

「えとねー桃色女子学園の矢口さんって人。」

「矢口さん??!!」

「知ってるの?」

「知ってるもなにも――」



カチャ

「ただいまー。」


話ながら加護は玄関のドアを開けた。

そこで話は途切れ、居間へと入っていった。


カチャ

「おっ!おかえり〜」

ソファーに座ってテレビを見ていた矢口がみんなに言った。
303 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月22日(土)15時56分12秒
「あ、友達も一緒だね。」

「はい。紹介すますね。まこっちゃんとあさみちゃん。」


そう言われてふたりは自己紹介を始めた。

「紺野あさ美です。加護さんと同じクラスです。」
「さん付けやめってって言ってるのにぃー。」


「おがっ小川っ真琴ですっ!!あああいちゃんとっ同じクラスでっででっ!」

「まこっちゃんどうしたの?あ、矢口さんのこと知ってるんだっけ?」

「へ?そうなの?会った事あったっけ?」

「いいいいええ!!私が知っているだけです!!」


(他所の学校の子にまで知られる覚えないんだけどな・・・)


「まこっちゃんなんで知ってるの?」

「あいちゃん知らないの?!矢口さんだよ?!学園一の人気者でかっこよくて
 優しくて憧れてる子いっぱいいるんだよ?!知らないの??」


「ちょ、ちょっと!そんなことないからやめて。」


「ほんとですよ!会えて嬉しいです!感激です!!!でも、矢口さんってことは――」
304 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月22日(土)15時57分51秒
「おがわちゃんやぐちさんのこと好きなんだ?」

「やっやだ辻ちゃんやめてよ!恥ずかしいじゃんか。」


「そっか・・・」



「矢口さんってスゴイ人だったんですね。加護知らなかったです。」

「や、あまり良いこともないから、知らなくて良いよ。小川さんも、
 そんな大した人間じゃないからあまり想ってくれなくても良いよ、
 気持ちは嬉しいけどさ。」


「無理ですよお!!」


「・・・ま、いっか。」




「・・・なんか賑やかだねぇ〜。」

台所でデザートを作っていた後藤が作り終えて戻って来た。



「やっぱり後藤さんだ!!!」

「んあ?ごとーのこと知ってるの?えと、・・?」

「小川です!矢口さんの彼女といえば後藤さん!知ってますよお!!」


「ごとーも結構有名??ね、やぐっつぁん♪」


「・・・良い噂だったら良いけどな。」



「まぁいいや、今日は食べに行こうかってなってるんだ。良いよね?」

「良いですよ。ねぇみんな?」

「「「うん」」」

「じゃー行くかぁ。」

「「「「はい」」」」
305 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年06月22日(土)15時59分10秒
「あ、待ってまだあとふたり来るから。」

「は?何言ってんの?もう揃ってるじゃん。・・・・・げっ!もしかして後藤――」

「うん、よっすぃーと梨華ちゃんも来るの。」



「「「「よっすぃーと梨華ちゃん?」」」」



「あ、えっと、その、なんだ?・・・マジで言ってんの??後藤。」

「マジだよ。17時頃来るってさ。」

「マジかよ!!ダメだっつったじゃん!」

「泊まるのはでしょ?遊びに来るだけじゃん。」


「・・・!(あー言えばこう言う・・・)」




「加護ちゃん、あとふたり友達が来るんだけど良いかな?」

「加護はー多い方が楽しいし全然良いですけど。」

「ほんと?!ありがとお!決まりだよやぐっつぁん。」




「・・・悪いね、加護ちゃん。」



そんなふたりのやりとりを見て小川は、ぷぷぷっと笑っていた。


「まこっちゃん何で笑ってるの?」

「だって、こんちゃん、あの噂のふたりのやりとりが見れたんだもん。
 噂どおりで笑っちゃった。」




(・・・どんな噂なんだ?こえーよ!)
306 名前:りょう(HN戻ってるし・・・(w) 投稿日:2002年06月22日(土)16時04分29秒
>298 パムさま
     どうも。マターリ過ぎて申し訳なさ過ぎるこの頃ですm(__)m
     波瀾、カモーナ!!って感じなのですが・・・。
     辻が頑張れるように祈ってあげて下さい(^_^;

>299 ごまべーぐるさま
     褒めようとすればするほど墓穴を掘る罠(w
     辻の引っ掻き回し。これで無かったら殺されるかな・・・( ̄ー ̄)

>300 ロ〜リ〜さま
     マターリです(^_^;
     黒辻。黒吉のほうが書きやすかったり・・・(w
     黒辻。頑張ります (。・_・。)ノ

     相変わらず少なくてすみません。
307 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月23日(日)10時24分03秒
やぐ、その一言が女心を惑わすんだよ…(^^;;

∬´▽`∬<…矢口さん

小川、可愛いなぁ(w
308 名前:パム 投稿日:2002年06月27日(木)11時47分48秒
むおっ、更新おつかれでっす。
黒辻カモーナ!!、ですね!。
さて、そろそろ役者がそろってきたとこで、、イヒッ(爆
309 名前: 投稿日:2002年06月30日(日)15時23分58秒
いつも使ってるデスクトップPCが起動しなくなりました。(今はノート)
夕方から修理に出すため、直るまで更新出来ません。
本当にごめんなさい。
310 名前:うまい棒メンタイ味 投稿日:2002年07月04日(木)18時18分14秒
パソコン壊れたんですか大変ですね
大丈夫ですマタ−リ待ちますので
がんばってください

今気になってることといえば
他の学校に流れてるやぐとごまのうわさぐらいですね
311 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年07月14日(日)12時53分36秒
( ´D`)<マターリまつのれす
312 名前:りょう 投稿日:2002年07月14日(日)16時50分43秒
(〜*^◇^)<うっほーい♪

ぱそこん直った〜♪
お昼に戻って来ました!
と、いうことで更新させて頂きます。
短編集、リレーで盛り上がっているうちにコソーリ更新です(w
あ、皆様お疲れ様でした。
313 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)16時52分21秒
ぴんぽ〜ん♪

「あっよしこたちだよきっと。」
後藤が言ったように客は吉澤と石川だった。
ふたりもそれぞれに挨拶をして6人に合流をした。

「なんで来るんだよ。」
「え〜?ごっちんに言って下さいよ〜こっちだってせっかく寮にふたりっきりだったのに。」
「・・・それもそうだな。吉澤達も被害者か。」

矢口と吉澤は自分勝手というかやりたい放題の後藤に何故だか頭が上がらないで断る事が出来ずに
今の状況があることを嘆いていた。

「まぁ、良いですよ。最近梨華ちゃんの部屋ばかり行っててごっちんひとりにしてたし。」
「矢口もなんだよな〜あまり構ってあげれてなかったし・・・。仕方ないか。」
「梨華ちゃんもたまには外も良いねって喜んでたし。」
「そっか。ほんとに悪かったなぁ。」
314 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)16時53分29秒
「梨華ちゃん、最近どう?ちゃんとしてる?」
「ん〜?何を?」
「もー分かってるクセに〜」

後藤はにやにやとしながらそう言うが石川にはなんのことだかさっぱり分からなかった。

「全然分からないんだけど?」
「え〜??ごとーが言うの?え〜?」

それでもにやにやとする後藤に石川は訳が分からなかったが取り合えず言った。

「・・・してるよ!ちゃんと毎日ね!」
「毎日?!うっそー!!よしこ意外とやることやってんだ〜すごいな〜へぇ〜」

石川の答えに後藤は感心したように言っていた。
(・・・デートのことじゃないの?)

「あとでよしこからかってやろーっと。」
「あの・・・毎日会ってるってことでしょ?」
「へ?・・・違うよお。・・・えっちのことに決まってるじゃん。」
「えっち?!」
「わわわっ梨華ちゃん声大きい!!」
「あっ」

後藤の言葉に反応して大きな声を出した石川。
後藤も思わず周りを見回した。
315 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)16時54分24秒
「こんちゃん今日は楽しくなりそうだね〜」
「そうだね〜でも宿題は終わらせてからだよ。」

「あいぼんっののいっぱい食べるから。」
「加護んちのお金だぞー!」

どうやら前を歩く中学生組は全く気がついていなかったようだ。
後ろを歩く矢口達に聞かれたかどうか確認した後藤と石川。

「・・・なに?ふたりしてこっちみて。」
「どうかした?」

「あっななんでもないよ!やぐっつぁん達仲良さそうだなって思ってね。ね、梨華ちゃん!」
「そうそう!ね、真希ちゃん。」

適当なことを言って再び前を向く後藤と石川。
316 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)16時55分26秒
(聞こえてなかったみたいだね)
(うん。)
(声大きすぎるよ梨華ちゃんってば)
(ごめん・・でも、真希ちゃんがあんなこと言うから。)
(なんとなく気になったからさ、ごめんごめん。で、結局のところはどうなの?)
(えっ・・・い、良いじゃないそんなことどうだって。)
(どうだって良いなら教えてよ〜ね〜)
(やだよ〜)
(良いじゃん、減るもんでもなし)
(じゃあ真希ちゃん達はどうなの?)
(言ったら教えてくれるの?)

(・・・そんなこと聞いてどうするの〜?)
(いや、よしこってああみえて晩生だから気になって。)
(・・・先に言って。)
(あっうそ、言ってくれるんだ?ごとーたちはね、やぐっつぁんがケガする前にしたっきりかな。)
(うそお!そんなにないの?)
(意外でしょ。ちょっと淋しいけどね。無理させられないし。)
(まだ・・そういうこと駄目なの?)
(ううん。大丈夫なんだけど、なんとなくね。それよりごとー言ったんだからさ、
 梨華ちゃんも教えてよ。)


(・・・・・・ひとみちゃんの誕生日に・・)
(したんだ?)

(・・・うん。)
(そっか、ちゃんとしてるんだね。よしこ見直したよ)
(も〜やめよ〜この話〜)
317 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)16時57分11秒
「なぁ。」
「はい?」
「さっきの、聞こえた?」

「・・・はあ。えっちがどうとかってやつッスかね。」
「ああ。」
「まいりますね。ごっちんすぐにそういう話にもっていくから〜梨華ちゃんに
変なこと吹き込んでないか不安ですよ。」
「ほんっと不安だろうな。・・ん?やってるの?吉澤達って。」
「ええっ?!何をですかっ。」
「アレだよアレ。」

「・・まぁ、たまには。」
「へぇ〜そうか〜へぇ〜ほ〜なるほどね〜」
「・・・もうっ!なんなんすか!い、今は関係ないじゃないスか!」
「だってよ〜あの石川だよ?去年までキスもしたことないようなやつだったのに・・・
吉澤の手によって変わっていったかと思うと矢口さんは悲しいよ。」
「ひとを悪者みたいに言わないでください!大体矢口さんの方はどうなんですか!
中学生のごっちんに手ぇ出したクセに!」
「後藤からだから良いんだよ、それは。それに手を出したのは高校に入ってからだろ?」
「そういう問題じゃないですよ!まったく!!」

ぷんぷんと怒る吉澤を他所に矢口はひとり穏やかだった。
318 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)16時58分00秒
「でもさ、もう大分そういうことしてないわ、うちら。」
「なにがッスか!!」

「・・・いい加減落ち着けって。」
「あ・・・」
「キスとかはするけどさ、ソレはなんでかしてない。」
「なんか・・訳あるんですか?」
「なにも。そろそろしたいかな。」
「矢口さんの部屋毎日行ってるのにしないんですか?」
「うん。矢口さがー遊び疲れて寝ちゃうからね。」
「可哀想ですよ、ごっちん。甘えたなのに。」
「だな。ちょっと考えないと。」


しっかり聞こえていたふたりだった。
319 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)16時59分26秒
「吉澤さんってあれですよね?ファンクラブあるんですよね?」

「あ、いや、よく知らないけど。」
「あるじゃん、1年にさ。」
「すごいですねぇ」

「矢口さんもあるんですよね?」
「う〜ん、それも知らない。」
「あるじゃん同学にさ。」
「すごいですねぇ」
「ののも入りたいなぁ」
「学校違うのに入れる訳ないじゃん。ののってば。」
「分かってるもん言ってみただけ。」

先程から小川が話の始まりとなって矢口や吉澤がいかに人気があるかを何故だか
加護や辻などに説明をしていた。

そんなの知らないとシラをきる吉澤と矢口に突っ込む後藤。

石川は黙ってひとり食事をとっていた。


「でも、大変ですよね〜後藤さんと石川さん。」
「んあ?」

「・・・どうして?」

「だって恋人がモテると敵が多かったり浮気の心配とかもあったり・・・しませんか?」

(余計なことを・・)
(ヤな話題だな・・・)

矢口と吉澤はなんとなく身の危険を感じてそう思った。
320 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時00分42秒
「もうしないよね?やぐっつぁん?」

矢口はやっぱり来たか!という顔を吉澤に向けて答えた。

「・・・しないです。」
「だって。だからごとーとこは大丈夫だね。」
「矢口さん浮気してたんですか?」

加護がすかさず聞いてくる

「・・・ほんっのちょこーっとだけね。」
「あららぁ悪い人だったんですね。」

「私は浮気なんてしたことないね。」
吉澤は胸を張ってそう答えた。

「一度も?」
「うん。梨華ちゃん一筋だから。」

「そんな・・・矢口がふらふらしてるみたいに言わなくても・・・」

しゅんと肩を落とす矢口を励ましたのは後藤。

「そんなこと思ってないよ、大好きだからね。」
「・・・さんきゅ。」

「・・・そうかな。」

ぼそっと石川は言った。
「え?なんて?」
「ううん。なんでも。みんなも早く食べないと冷えちゃうよ。」

(梨華ちゃん・・・?)

石川の一言で急に食べ始めた6人。
吉澤は進まなかった。
321 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時02分02秒
「やぐっつぁん、帰ったら何しよっか〜」
「そうだな〜人数多いし騒がしくなりそうだな。」
「中学生組はほっといても良さそうじゃない?」
「まぁ適当に遊ぶんだろな。」

「それよりさっ・・・」
「なんだよ。」

「ごとーはさ、やぐっつぁんがふらふらしてるとか本気で思ってないからね?
浮気しそうとか、・・・ね?だからあまり気にしないでよね。」


「・・・・良いやつだな〜後藤。」
「あはっ!でしょ。」

(いや、自分で言うなよ)


「梨華ちゃん、なんか静かだね。」
「・・・そうでもないよ。」

楽しそうな矢口達とは反対に吉澤達ふたりはどことなく暗かった。

「あのさぁ・・・私は本当に梨華ちゃんしか好きじゃないよ。」
「・・・分かってる」

(分かられてるのも少し悔しいけど)
「だったらどうして疑うの?」
「疑ってなんかないよ、勝手にいらいらしてるだけだから。」
「いらいらって・・なんで?」
「だって・・・ひとみちゃんがモテるのは嬉しいけどなんかヤなの。ごめんね、
ひとみちゃんが悪いわけじゃないんだけど。」


「・・・ううん。」
322 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時03分01秒
「ほ〜い、お待たせ〜」
後藤が夕方まで掛けて作っていたデザートを持って居間に現れた。

「いったらっきまーす」
辻は一番乗りに飛んで来てぱしっと奪うとテレビの前に戻った。

「こら、のの、行儀悪いよ!御礼も言ってないじゃんか。」
「ありがとです。」

「・・・ったく。」
「あははっ良いよ、別に。加護ちゃんもみんなも取ってね。いっぱいあるから。」
「はい。ありがとうございます。」
「よしこと梨華ちゃんは?」
「もらう」

「あれ?やぐっつぁんは?」
「あーあそこで辻ちゃんとテレビ見てるよ。」
323 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時04分19秒
「辻ちゃんはテレビ好きだなぁ」
「だって面白いれすもん。やぐちさんはあまり見ないんれすか?」
「ん?矢口にとってテレビとはゲームをするためにあるようなもんかな。」
「ゲームれすか。」
「そう。RPGが好きでね、ってやらないと分からないか。」
「ののも今度一緒にやりたいれす。」
「そうだね。まぁふたりでするようなもんでもないけど。今度しにきたら良いよ。」
「ほんとれすか?!」
「うん。暇なときね。」

「あ〜そうだあいぼん、マリ○カートやっても良い?」
「あるの?ゲーム!!」
「良いよぉ。」
「やぐちさん勝負れす。」
「負けないよ!!」

矢口と辻は姉妹のようにじゃれていた。
324 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時05分20秒
「あーっ!くっそ、やるな、辻ちゃん!!」
「はっしゃ〜」
「あっぁつ当たるっ当たるっ!!あーーーっ」
「ふふふ。」
「矢口ちょっと休憩。誰かやんない?」
「小川やります!」
「負けないよ、おがわちゃん。」
「こんちゃんも後でやろうね。」
「うん。」


「あーっまた負けた・・・こんちゃん交代。」


「・・・負けた。」
「みんな下手くそだよ〜加護がやる。ののには負けないよ!」

「うりゃ!それ!あっ・・あっあーーっ!!」

「ふふふ。」

「あっはっは、辻ちゃんほんと上手だな〜よっしゃ、後藤とやってみる?」
「後藤さんれすか?」
「うん、あいつ結構性格悪いぞ〜・・おっとと、上手いから。」
「いいれすよ。」
325 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時06分29秒
「なんか楽しそうだねあそこ。」
「矢口先輩が中学生に見えるね。」
「うわ梨華ちゃんひどいな、矢口さんが聞いたら怒られるよ」
「でも、違和感ないよねやぐっつぁん。」
「嫉妬しない?ごっちん。」
「んあ?なんで?」
「だって女の子に囲まれまくりじゃん。」
「中学生なんてやぐっつぁんが気になるわけないじゃん。それにみんなもそんな気ないって。」
「でもモテる人はどうなるか分からないから・・」
「梨華ちゃん・・・」
「やぐっつぁんは大丈夫!」

などと話していると矢口が後藤を手招きして呼んだ。

「なに?ごとー?」
「そう。こっち来て。」

「ごとーが辻ちゃんと勝負するの?」
「そう。誰も勝てないんだよ。後藤得意だったろ。」
「やぐっつぁんには勝てるけど・・・どうだろ。やらせてみて。」
「ぜったいに負けないのれす!」

「・・・辻ちゃんやる気だね。」
「なにがなんでも勝つのれす!」

「あっ、わっ、あっ滑るっ滑るっ」
「あっ逆行してるっあっ池にっ・・」

「・・・負けた。」
「ふふん。どうれすか?」
「やー辻ちゃん強いね。ごとーの負け。」
「よっし、じゃあまた矢口と勝負。」
326 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時07分42秒
後藤はあっけなく負けた。
そして吉澤達のもとへと戻ろうとしたが何やら空気が悪いと感じ、行けなかった。


「だからさっ、どうしてなの?」
「どうしてって言われてもわかんないよ。」
「もう、いい加減にしてよ。どうして分かってくれないわけ?」
「そんなの私が聞きたい!」

「あのぉ〜ど、どうしたの?」
後藤は果敢にも声を掛けた。

「ごっちんはあっち行ってて。」
「行かなくて良いよ、ここに居て。」
「梨華ちゃんっっ・・!!」
「ちょ、ちょっとなんだって言うの?ケンカ?らしくないよ?」

「ケンカじゃないから。」
そういう石川の顔は今にも泣き出しそうで、そしてそれを見る吉澤の顔は困り果てていた。

「・・・ちょっと、よしこ向こう言ってなよ。」
「はあ?ごっちん何言ってんの?」
「いいから。あっちでやぐっつぁん達と遊んでて。」
「なんだよっそれ!」

渋々ではあったが石川が自分の方を見ようとしないのでどうすることも出来ずに
吉澤はテーブルを離れた。後藤にほんの少しの期待を託して。
327 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時12分10秒
「梨華ちゃん、どうしたって言うの?よしこがなんか言ったの?」
「・・・ううん。ひとみちゃんは何も言ってない。私が勝手に嫉妬してるだけ。」
「嫉妬?」
「ひとみちゃんもてるんだもん、心配だよ。ひとみちゃんは私の事好きだって言って
くれるけど・・・可愛い子いっぱい居るし・・・なんか・・・ネガティブになっちゃって・・・だから、
ひとみちゃんは何も悪くないの。」

「・・・すっごく良く分かるよその気持ち。」
「え?」
「ほら、やぐっつぁんももてるでしょ?だから。」
「・・・真希ちゃんはもう妬いたりしない?」
「するよ!やぐっつぁんにその気が無いって分かっててもヤなもんはヤだから。」
「・・・慣れるものなの?」
「・・そうだね、ごとーはさ、よしこが梨華ちゃんのことずっと好きだったのを見てきてるから
浮気なんてまず有り得ないっていうか想像も出来ないし梨華ちゃん以外の子にいったりなんか
絶対無いって断言出来るよ。信じてみてよ。」
「・・・信じてない訳じゃないの。」
「どうしたいの?」
328 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時13分10秒
「・・結局は刺激が足りないのかもしれないな・・・」
「刺激ぃ?」

後藤の声にゲームをしていた矢口達は振り向いた。
吉澤は最初から聞き耳を立てていたが振り向きはしなかった。

「でっけー声だな後藤。なんの話?」
矢口はゲームを交替して後藤のもとへと寄ってきた。

「なんでもないよ〜あっち行っててよ。」

後藤は邪魔者を追い払うように矢口にしっしっと手で払った。

「・・・へいへい。あ、そうだ吉澤、ちょっと付き合わない?」

少し離れた所にあるソファーに座っていた吉澤に声を掛ける

「は?私ですか?」
「ああ。ちょっと買いたいものあるんだ。コンビニ付き合ってくれよ〜。」
「別に良いッスけど・・・」

なんとなく居づらかった吉澤は渋々という顔をしながらも心の中では喜んでいた。


「ちょっと吉澤と出てくるから。携帯持ってるしなんかあったら呼んで。」

そう言って矢口と吉澤は出て行った。
329 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時15分10秒
「最近大変みたいだな。」
コンビニへと向かう途中で矢口は吉澤に声を掛けた。

「えっ・・・?」
「石川。大変じゃない?教室でも良く愚痴ってるぞ。」
「あぁ・・・そうなんスよね。なんか信じてもらえないってつらいっすね。
梨華ちゃんしか好きじゃないのにな・・・どうしてだろ。」

「・・・まぁ、矢口も今まで似たような経験してきてるから吉澤の気持ちは良く分かるんだよな。」
「あ・・そっかごっちん・・」

「ああ。あいつもすごく疑り深くてやたらめったら甘えるしちょっとでも不安になると
すぐに泣くからさ・・・大変なんだよな。」

(矢口さんは実際浮気したからな・・・本人には言えないけど。)

「梨華ちゃんは何が不安なんですかね?好きってあれだけ言ってるのに・・」
「・・・“好き”って言葉だけじゃ伝わらないこと、あるんじゃないか?」
「言葉だけじゃ、足りない・・・?」

「ああ。なんていうのかな・・・・もっと、こう、体で表現っていうか〜もっとみんなの前で
いちゃいちゃしたら良いんだよ。」
330 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時17分33秒
「そんなことっ矢口さんたちじゃあるまいし出来ませんよ!恥ずかしい!!」
「恥ずかしいって言うなよ!やってみたら開き直れるもんだぞ。」

「・・・私にはそれは無理っす。」
「まぁ・・・無理にとは言わないけどよ、多分、ほら、さっき刺激がどうとか言ってたろ?
刺激が欲しいんじゃないかな。」
「刺激っすか?」
「そう、こう・・・キョーレツなやつ。矢口たちは刺激っていうより問題ばっかでなんとか
絆を深める事が出来たって感じ・・・なんか言ってて恥ずかしいけど・・だからいっそのこと
なんか問題でもありゃー良いのかもしれないな。」
「どんな問題です?」

「さぁ・・それこそ1回別れる位のことがあった方が良いかもな。」
「そんな!!なんて事言うんですか!絶対嫌です。」

「でも、愛を深めるために波瀾、これ一番てっとり早いんだぞ。」
「心配してくれてるのか面白そうにしてるのかわかんないスよ矢口さん!」

「おいおい、これでも矢口は吉澤の味方のつもりだ。多分矢口くらいだと思うけど?
後藤は石川の味方だろうし。」
331 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時18分53秒
「・・・でも、やっぱ先輩だし・・・色々相談乗ってもらうかもです。」
「おうっ!くだらないことでも何でも良いから矢口を頼れ〜。」
「・・・どもっす。」

コンビニに入り一直線に目的の場所へと行く矢口。
“栄養ドリンク”となっている。

「そんなの・・飲むんすか?」
「・・・後藤には内緒な!」
迷うことなくレジに向かう。
外に出てキュッっと一杯やる。
その手馴れた様子が何やらおかしかった。

「矢口さんって結構・・・」
「なんだよ。おっさんくさいとかだろ、どうせ。」
「いいいえ!まさかっ。何しても似合うなって思って。」
「・・・そう。」
おっさんくさいと思ったことは黙っておいた吉澤。

「あれっ?それだけのためにコンビニに来たんすか?」
「ち〜っがうよ!吉澤のこともちょっと気になったから。なんかちょっと前の自分を
見てるみたいでさ。」
「あっ・・すんません。」
「んや。矢口もまだまだだからお互い頑張るべ。」
「はい!」

そしてもう一度中へと戻り家に居るがきんちょたちのためにたくさんのお菓子を買って
矢口達は帰っていた。
332 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時20分39秒
「刺激が欲しいんだ?」
「・・・なんていうのかな・・・私は真希ちゃんが羨ましいの。」
「ごとーがぁっ?!どうしてさ。」
「だって・・矢口先輩だもん。」

「・・どゆこと?梨華ちゃんはよしこでしょ?もしかしてまだやぐっつぁんのこと・・・?」
「あっ・・・ううん、違う違う。紛らわしい言い方だったかな、ごめん。」
「なんだよ〜びっくりさせないでよ。ライバルかと思っちゃうじゃんか。」
「ごめんごめん。」
「やぐっつぁんだもんってどゆこと?」

「矢口先輩はさぁ・・みんなの前でも変わらず真希ちゃんに甘いじゃない。」
「うん。」

「真希ちゃんのこと大事にしてるじゃない。」
「うん。」

「真希ちゃんのこと大好きでしょ?」
「うん。それがどうかしたの?」

「・・・ひとみちゃんは違うもの。ふたりの時は思わないけど、みんなが居たら変わっちゃう。
口では好きだって言ってくれてもなんかちょっと距離が出来ちゃって、・・・淋しいんだ。」

「梨華ちゃん・・よしこがもっとやぐっつぁんみたいに積極的だったら良いなって思ってるの?」
333 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時22分10秒
「・・・私も、積極的じゃないからあまり言えないけど・・・そうかな。」

「そっか〜・・・う〜ん・・ごとーたちはさぁ、何度も別れたり別れそうになったり、
・・・ほら、色々あったでしょ?」

「・・うん。」
「だからさっ、余計に愛が深まったっていうか〜なんていうか〜別れた時とかすごく
淋しくて耐えられなかったから元に戻った訳で〜・・・梨華ちゃんたちはさ、
上手い事行きすぎなのかもね。1回やばい時はあったけどすぐに収まったし・・・
何かあった方が良いのかもね。」

「事件がってこと??」
「ん〜・・・まぁごとーたちは多すぎだけどね。」

「・・・どうしようかな・・・。」
「梨華ちゃんから一発よしこにガツンとダメージ与えないと!」
「でも、別れたくないな。好きなのに。」
「よしこ、にぶちんだから1回きついの食らわせないと気付かないよ。ごとーは梨華ちゃんのこと
応援する。よしこには悪いけど梨華ちゃんの気持ちよく分かるもん。」

「・・・うん、ありがと。」


などと話をしているとインターホンを鳴らす音が聞こえた。
334 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時23分25秒
「あれっ?誰だろー。」
加護がゲームをやめて玄関へと向かう。

「やぐっつぁん達でしょ。」
「わざわざ鳴らすかなあ?」
「それもそうだね。」

「入って。」
加護の声とともに中に少女が入ってきた。

「あ〜みんな居るんだ〜。」
少女は後藤たちに気付くとぺこっと挨拶をした。

「後藤さん、この人は桃色女子学園の一年生で、高橋愛ちゃんです。」
「こんにちは。後藤先輩には一度会ってます。覚えてらっしゃいますか?」

「・・・えっと?」
「矢口先輩と球技大会の日に話してた時に・・・」
「ああっ!よしこす――そうだったね、こんにちは。加護ちゃんの友達なんだっけ。」
(危ない危ない。よしこ好きって言いそうだった・・)

「はい。石川先輩も、初めましてです。」
「あ、こんにちは。あれ?どうして私の名前知ってるの?」
「知ってますよぉ。後藤先輩も石川先輩も私達1年の間じゃ有名ですから。」
「有名?」
「はい。あ、あいぼん、これおすそ分け。お母さんが今日あいぼんちおばちゃん居ないって
言ってたから。」
335 名前:乙女、矢口にゾッコン 投稿日:2002年07月14日(日)17時24分20秒
高橋は手作りのゼリーをタッパーに入れたまま加護に渡した。
そして「失礼します」と言って加護達の方へと行った。

「こんにちは高橋先輩。」
「みんな来てたんだ。」
「はい。今日は矢口さんも吉澤さんも来てて楽しいですよ。」
「それそれ。」
「?」
「後藤先輩と石川先輩が居るってことは矢口先輩と吉澤先輩も居るの?ほんとに?」
「はい。今ふたりとも出かけてますけど。」

「・・・(やった。)」

高橋は心の中でガッツポーズをしていた。
336 名前:りょう 投稿日:2002年07月14日(日)17時32分18秒
>307 ごまべーぐるさま
     やぐはここでは天然タラシなので(w
     最近おがわが不憫でなりません。

>308 パムさま
     黒辻出ませんねぇ・・・(汗
     代わりに高橋が黒そうですが・・・

>310 うまい棒メンタイ味さま
     修理に出して恐ろしいことは中身が見られること。
     メーカーに知り合い居ないから大丈夫かな(汗
     やぐごまの噂も出てきませんねぇ・・・(汗

>311 ごまべーぐるさま
     マターリ待って頂いてほんとに申し訳ないです。
     更新しました。
     そして申し訳ついでに↓
337 名前:りょう 投稿日:2002年07月14日(日)17時46分32秒
えっとですね、このスレッドもそろそろやばくなってきたわけです。
更新が遅い&不定期&なかなか進まない。
という理由からこの話に関して新規スレッドを立てることを控えさせて頂きます。
と、言っても放棄するわけではなくてですね、HPで続き上げていきます。
と、言ってもですね、まだ作りかけで完成していないHPなので先は見えませんがm(__)m
ここまで読んでくださった方にはなんて言ってお詫びをすれば良いのか分かりません。
とりあえず、「乙女、矢口にゾッコン」は飼育では下記内容で完結ということでお許し下さい。
338 名前:りょう 投稿日:2002年07月14日(日)17時47分48秒
「乙女、矢口にゾッコン1」青板倉庫 http://mseek.obi.ne.jp/kako/blue/1013521429.html
「乙女、矢口にゾッコン2」銀板倉庫 http://mseek.obi.ne.jp/kako/silver/1014403319.html
「乙女、矢口にゾッコン3」白板 >>4-75
「番外編―矢口と石川―」 >>93-99
「番外編―矢口と後藤―」 >>105-117
「番外編―初めてのちゅう」 >>123-132
「番外編―誕生日―」 >>141-145

なんとも中途半端な更新で終わってしまいました。
誠に勝手ですが、今までどうも有難うございましたです!
339 名前:名無し読者。 投稿日:2002年07月14日(日)22時49分49秒
確かにスレサイズやばいっスね。
でも新規で立てても良かったんじゃあないですか?分からないけど。
なんにしてもHPが完成した際には教えてくらさい。
追い掛けます(笑)更新お疲れ様でした。

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