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ちっちゃな矢口に愛がある

1 名前:りょう 投稿日:2002年04月03日(水)02時59分15秒
こんにちは。
文章がめちゃくちゃなのですがお許し下さい。
こうした方が良いとかあれば是非お願いします。

世間では不仲で通っている(?)(最近そうでもないですね)
やぐごまカップルを心から愛する人間です。

ですが・・・内容は・・・

主な登場人物は 矢口 後藤 石川 吉澤 です。今のところ。
宜しくお願いしまーす。
2 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時36分27秒
「ちょっと後藤!スマイルが無いわよ!しっかりなさいっ!!」

「んあーい。」

「何よその気の抜ける返事は・・・新入りとは思えないわっ」

「あはっ」



ここは巷で有名な『こなきじじい』というお洒落な(?)喫茶店。

店長は保田圭。お客さんからは『大明神』と呼ばれている。

気の抜けた返事をするアルバイトは、4月から高校2年生になる後藤真希。

3月に入ってからここでバイトをしている。

見た目は派手でちゃらちゃらしたイメージを持たれがちな彼女だが、実は正反対で、

恋には晩生な少女である。
3 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時38分00秒
ぴろぴょろりん♪

「いらっしゃいませ!!」


「・・・ませ〜」

「こら後藤!ちゃんと言いなさい!」

「はーい。いらっしゃいませぇ〜」



「・・・(変わってないわよっ)」



「おっ新しい子はいったんか?可愛いやんか」

「いやあそれが見た目だけで・・・愛想ないんですよ〜」

「まぁまぁ誰かて最初はそうやろ。な?」

女性は後藤に向かって言った。


「んあ?・・・ごちゅーもんは?」

「こらっ!ほんとすいませんねぇ〜」

保田は後藤を押しのけて奥へと追いやった。

「ええやんええやんウチ気に入ったわ。あの子呼んでや。」

「え・・?中澤様?」


「・・・なんや?アカンのか?客が呼べっちゅうてるのに断るんか?」

「い、いえ・・・ですが彼女はまだ16歳ですので・・・」
「あほかっ!ウチかて未成年に手ぇ出さんわ!ただ話するだけや。」

「・・・分かりました。」

保田はそう言うと奥に引っ込めた後藤を呼んだ。
4 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時39分42秒
「なんですか〜?」

後藤が気だるそうに(本人にそんな気はないのだが)出てくると中澤は後藤の腕を掴み、
自分の横に座らせた。

「んあ?」


「・・・大明神、そこにおらんとウチの注文作ってや。」

「・・はい。」
「ゆっくりでええで〜」

保田は何処か心配そうな顔で奥へと引っ込んで行った。


後藤はわけが分からず去って行った保田を見ていた。
すると中澤が後藤に話しかけた。

「あんた、なんて名前や?」
「えっ?後藤です。」
「後藤、なんや?下の名前は?」
「真希ですけど・・・。」
「ええやんええやん可愛いやん。ウチは中澤言うねん。向かいの美容室の美容師や。
 休憩でここに来てるんや。あんた可愛いからタダでやったるでぇ!いつでも来ぃ。」



中澤は後藤の髪を触りながらどこかやらしい目つきで見ながら話した。

(なんかやだなぁこの人・・・でもお客さんだし・・・)

意外にも客であることを覚えていた後藤だった。
5 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時41分12秒
そうしているとまた誰かが入って来た。


ぴろぴょろりん♪

「いらっしゃいませ!!」
「あっ、いらっしゃいませぇ〜」

後藤も保田に続いて言った。中澤から逃れるように立とうとした後藤だったが
中澤に腕を掴まれて阻止された。


(もーやだぁ!!店長助けてよ〜)

と思ったその時


「いたたたたたたっ!!痛いって!!誰やねんっ」

(なに??)
後藤が声のするほうを見ると、中澤が誰かに耳を引っ張られているのが目に入った。

(誰??)


「裕ちゃん・・・楽しそうだべな〜・・・(怒)」

「な、なっち!!な、何言うてんねや!楽しそうになんかしてへんで!なんや客か?
 よっしゃ戻ろか。」

「当たり前だべ!!」

「あ、あ、でもまだ注文したん来てへんから・・・」
「そんなのなっちが飲むべ!裕ちゃんは帰るべ!」

「わ、わっかりました〜」

中澤は小さくなって店から出て行った。
6 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時42分18秒

(助かったの?)

後藤が「?」な顔でその光景を見ていると女性が振り向き笑った。

「ごめんねぇ〜裕ちゃん可愛い子みたらすぐにナンパするからぁ」

「ナンパ??」

「そうだべ。あなた可愛いし、気に入ったんだべよ多分」

「私は女ですよ?」


「裕ちゃんは節操ないから・・・」

「はぁ・・・」
「迷惑かけたべな。」

そう言いながら中澤の座っていた席に腰掛けた。



するとそこに保田がやってきた。

「あら?なっちじゃないの。中澤さんは?」

「おっすー。裕ちゃんは帰らせたべ。すぅぐナンパするから〜」

「やっぱやってたのね・・・後藤、大丈夫だった?」


「・・・はあ。」
「ほんと悪かったべな。もうさせないから安心するべよ。」


「それにしても久しぶりじゃないの。今何してるの?」
「んー?今ね〜―――」

後藤は世間話になったその場から何も言わずに消えた。
7 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時43分37秒
しばらく経って保田が戻って来た。

「知り合いですかあ?あの人。」

「なっち?」

「はい。」

「あの子は去年ここでバイトしてた子なの。それでさっきの中澤さんに・・・まぁ・・・
 言い寄られて・・・今付き合ってるの。」


「女同士じゃないですか!?」

「後藤はそういうの駄目な方?」



「・・・駄目ってことないですけど・・・。」
「とにかく、中澤さんはうちの従業員に手を出すから困ってるのよ。後藤もまた来たら
 気をつけるのよ。」




「・・・んあ。」


後藤は『そんなの店長がやめさせてよ〜ばかー』と思ったが言えなかった。

そして少し気分が悪いまま仕事を続けていた。
8 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時45分40秒
店も閉店の時間が近付いたので後藤は片づけを始めていた。

後藤がゴミを出しに裏口のドアを思い切り開けたとき


「いったーい!!!」

「えっ?」


後藤は声のした方を見たが何も見えなかった。


「・・・なんだ気のせいか・・・」

後藤はゴミを捨てるとさっさと店へと戻って行った。

後藤が店へ戻ると、自分と同じ位の年に見える少女が来ていた。


「っらっしゃいませぇ〜」

後藤はちらっと見て注文を聞きに行った。

「何にしますかあ?」

「あ、後ひとり来るから来たらで良いです。」
「かしこまりましたあ」

後藤は言われた通りカウンターへと戻ろうとした。

とその時、またお客が入って来た。



ぴろぴょろりん♪

「んあ?(けっこー来るんだねぇこの店〜)らっしゃいませぇ」

後藤は座席を案内しようと寄って行った。


「あーーー!!!!さっきの!!!」

その客は後藤を指差すと大きな声でそう言った。

「さっきの?会いましたか?」
9 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時46分49秒

「さっきぶつけ――」


「なにぃまりっぺ。大きな声出して〜」

「あー梨華ちゃん。この子さっき矢口にドア思い切りぶつけたくせに謝らないで
 引っ込んだんだよ!!すっごく痛かったんだよ!!」


「・・・あっ!さっきの声って・・・」

「そうだよ!」

「ちっちゃくて分からなかったあ〜誰か居たんだ。」

「むっ!!失礼な子だな!」

少女はむすっとすると『梨華ちゃん』と呼ばれた子と同じテーブルに座った。


「まりっぺ〜そのくらいで怒らないの!」
「だって痛かったんだよほんとに・・・」

『梨華ちゃん』が『まりっぺ』の頭を撫でてイイコイイコしている。

後藤が謝罪しそびれたままそのやりとりを見ていると、保田がやってきた。

「おっす!」
「圭お姉ちゃん今日どんな感じ?予定通り終わりそう?」


「お姉ちゃん???」
後藤は思わず声に出して言った。
10 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時48分18秒
「なに、後藤。注文は聞いたの?」

「え、んあ。まだです。」
「じゃあさっさと聞きなさい。この子たちは適当で良いから。」


「はい・・・あの、どういった関係なんですか?」

後藤は気になったのですぐに聞いた。


保田は後藤にふたりを紹介した。

『梨華ちゃん』と呼ばれた少女は石川梨華。保田と従姉妹の関係にあり、梨華の親が
 海外赴任中ということで、保田が面倒を見ながら一緒に暮らしている。
 現在高校2年生で、もうすぐ3年になる。
  
『まりっぺ』と呼ばれた少女は矢口真里。保田とは高校で一番仲が良かった親友で、
 大学にはいかず定職にもつかず、現在フリーターである。卒業した今でも保田とは
 しょっちゅう遊び、その関係で梨華とも仲が良いということだった。



「へぇ〜・・」
後藤は何故か驚いた顔で言った。

「何がへぇなのよ。」
「んあ、だって店長に友達が居るなんて聞いたときなかったから〜」

「失礼なやつねあんた!早く注文聞いて作って来なさいっ」

「んあーい。」
11 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時49分22秒
「まりっぺなににする?」

「矢口は・・・ホットカフェオレはあとはあと

「またあ?いつもだよね。」
梨華は呆れ顔で言った。


「いいじゃんか、矢口甘いの大好っきだもん♪」

「じゃあそれと・・・ミルク。下さい。」

「なんだよ〜梨華ちゃんだっていつもの牛乳じゃんか!矢口のこと言えないよ〜」
「良いの!牛乳は体に良いんだからっ」

後藤はふたりのやりとりをぼーっと見ていたが、保田と目が合ったため繰り返した。


「じゃあ、コーヒー牛乳とただの牛乳ですね〜」

そう言って後藤は奥へと引っ込んでいった。

その後姿を見ていた3人――


「圭ちゃん・・・あの子雇ってていけるの?」
「やっぱりそうかしら・・・怠け者っぽいわよね?」
「なっちを引き止めた方が良かったんじゃない?」
「でもなっちは中澤さんと出来ちゃったからねぇ」
「あの子、私と同じくらいかなあ?」
「そうね、梨華よりひとつ下だったはずよ。今16歳って言ってたから。」
「ふ〜ん・・・最近の若い子は大人っぽいよね。」
「まりっぺ年寄りくさ〜い。」
「どこがよっ!圭ちゃんには負けるってぇ!」
「あんたも失礼ねぇ!」
12 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時51分26秒
保田達が雑談をしていると後藤が注文されたドリンクを持ってやってきた。

「お待たせしましたあ〜」

間の抜けた声でそう言いながらテーブルへ近付いた瞬間だった。



「ぅあっっちぃぃっっ!!」

「まりっぺ?!」

「後藤!!冷やしたタオルとって来なさい!!」


後藤はお約束のように何もないところで躓いて矢口めがけてホットカフェオレを
ぶちまけたのだった。右肩にもろに浴びた矢口は店内中を走り回って悶えている。


何事にも動じないように見えた後藤だったが、さすがに悪いと思ったのか猛ダッシュで
冷やしたタオルを持って戻って来た。

「ご、ごめんなさあい!これっ」

後藤は走り回る矢口にタオルを差し出した。
矢口はすぐに受けとり、急いで拭いた。



ようやく熱いのがおさまり、ほっと皆が一息ついた時・・・


「あらっ?・・・矢口、そのタオルちょっと見せて。」
「なに?」

矢口は言われたまま保田にタオルを渡した。保田を丸まったタオルを広げてみている。
その瞬間保田の顔が固まったので不思議に思った矢口はタオルを取り返し、見てみた。
13 名前:―出会い― 投稿日:2002年04月03日(水)03時52分50秒

「げっっ!!ちょっとあんた・・・これって・・・。」

矢口が目にしたものは・・・



『トイレ清掃用』と書かれた雑巾だった。

(タオルに見えたのは糸がほつれていたせいだった。)



「あんた矢口に恨みでもあんの?!最悪だよ〜!!矢口もう帰るっ!」

矢口は赤い顔をして怒ってそのまま店から出て行った。

「あ、まりっぺ〜!待ってよ〜」

追いかけるようにして梨華も出て行った。


後藤は何故出ていったのか分からずにぼーっとしていた。
すると保田が、

「後藤・・・矢口じゃなかったらあんたクビよっ」

と、こなきじじいよろしくどこかからかミノを出して来てそれを着て顔だけ振り向かせ言った。


「えっ?どうしてですかあ?」(こわーい店長!小道具持ち歩き?!)



保田は何も言わずに後藤に雑巾を渡した。

後藤は受け取りそれがなんだったのかを確認すると、
「なるほど」と言う顔をして頷き、直しに行ったのだった。
14 名前:りょう 投稿日:2002年04月03日(水)03時55分32秒
――と、こんな感じで始まってしまいました。
読んで下さった方、ありがとうございます。
これからがんがって書いていきます。
ファイトだ!自分!
15 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月03日(水)09時45分15秒
初めまして。
しょっぱなからツボです!
やっぱりボケた後藤はいいっすね〜。
かなり萌えっす!
お気にに入れたのでちょくちょく読ませていただきます。
りょうさんペースでがんがって下さい。 ファイト!!
16 名前:とみこ 投稿日:2002年04月03日(水)12時52分26秒
初めまして。ふにふにしたゴッツァンかわいい(ww
ヨッスィーの登場待ち遠しいですなぁ。
17 名前:no-no- 投稿日:2002年04月03日(水)18時44分21秒
初めまして。って白板にもレスしたばっかですけど。
やぐごまっすか、りょうさんのやぐごま大好物です。
知はどのようにしてごまに惹かれていくのだろう?
18 名前:―友情の始まり― 投稿日:2002年04月04日(木)01時16分19秒
次の日――

「・・はよ〜ございま〜す。」

後藤は朝からまたバイトに来ていた。

「・・・今日は失敗しないでよ。」

「んあーい。」

一見、反省してないように見えた後藤だったが、意外にも昨日のことを気にしていたのだった。
ほんの少しだが。

昨晩――

「ただいまあ〜」
「おかえり。ごはんは?」

「・・・んあー・・・・・・・いいやいらない。」

ダダダダダッ
「うそだろ?!」

後藤の母親が驚いて飛び出して来た。

「そんなに驚くこと?」
「だってあんた毎日5膳は食べるだろ?体の調子悪いんじゃないのかい?」
「そんなことないよお〜疲れただけだよ。お風呂入って寝るう〜」

後藤はそのまま自分の部屋へと入っていった。




「・・・やっちゃったあ〜!!」

カバンを置くとそう言いながらベッドへとダイブした。

「あの人怒ってたなぁ〜・・・店長の知り合いだから良かったけど・・・
 また来たらどうしよ・・・顔あわせにくいよお〜・・・」



「あっ!謝ってもないし・・・・まいったあ〜・・・・zzz・・・zzz・・」

そしてそのまま朝まで寝てしまったのだった。
19 名前:―友情の始まり― 投稿日:2002年04月04日(木)01時17分44秒

「はぁ・・・」

開店準備をしながらどうしても昨日のことを思い出してしまう後藤。


ため息ばかりをついている後藤に気付き保田がやってきた。

「後藤っ、さっきからため息ばかりついてどうしたのよ。」



「・・・てんちょお〜・・・」

後藤は手を止めてうるうるした目で保田を見た。

「な、なによ。」

「・・・昨日の人、まだ怒ってますかねぇ?」
「昨日の人って矢口のこと?」

「はい・・・熱いのかけちゃったじゃないですか・・・トイレ用だったし・・・」
「んー・・・矢口はすぐ怒るけど、すぐに許してくれる子だから大丈夫でしょ。
 なによ後藤、気にしてたの?」

「・・・そりゃあ・・気にしますよ。」

「へえ!意外だわね〜!! 矢口、今日も来るって言ってたから来たら謝りなさいよ。
 もう怒ってないと思うけど。」

「ほんとですかあ?・・・・許してくれるかなあ〜・・・。」

後藤はやはり肩を落としてため息を付きながら準備をし出した。

(だって、後藤だったら許さないよねぇ・・・トイレ用なんて嫌過ぎるっ)


「・・・・はぁ。」
20 名前:―友情の始まり― 投稿日:2002年04月04日(木)01時19分02秒
そして夕方――

ぴろぴょろりん♪

「らっしゃいませぇ〜・・・あっ!!」

「来たわね、矢口。いらっしゃい。」

「おっすー」
と言いながらカウンターに掛けた矢口。


後藤は声を掛けたかったが躊躇われた。

「ほら、後藤、注文聞きなさい。」

保田が後藤に声をかけた。

(ええっ?!ううう・・。)
「あ、あの・・・昨日は――」

話しかけた瞬間矢口とバチっと目が合ってしまい、
後藤は泣きそうな顔をしながら俯いて黙ってしまった。

「あははっなんで泣きそうなの?」


「・・・だ、だって・・・怒ってます・・よね?」

「怒ってないよもう。なんだ矢口が怒ってると思ってたのか。」


「・・・はい。あの、昨日はすいませんでした。」
「ううん。わざとじゃないんだしもう良いよ、気にしないで。えっと、カフェオレ
 もらおうかな。今日はアイスで!!」

矢口はにやりといたずらっ子のような顔で後藤に言った。

「は、はいっ!」

後藤も笑顔を返すと作りに戻った。
21 名前:―友情の始まり― 投稿日:2002年04月04日(木)01時20分38秒
後藤が作る横で保田は矢口に話しかけている。

「梨華は?一緒じゃないの?」
「あー梨華ちゃんは今日よっすぃーとデートだってはあとはあと
「吉澤と?!夕食どうするか聞いた?」
「それまでには帰って来るって言ってたよ。」
「ほんとかしら・・・。」

「だーいじょうぶだってば!圭ちゃんってばまだよっすぃーのこと認めてないのお?
 いい加減認めてあげなよ。」

「駄目よ年下なんて・・・。甲斐性ないんだからっ」

「そうかなあ?よっすぃーバイトだってして自分で稼いでるし性格だって良いのにさ。」
「とにかく、まだ梨華には恋愛なんて早いのよ。」


「・・・そんなだから圭ちゃんは居ないんだよ・・・」

矢口がボソっと言ったのを保田は聞き逃さなかった。

「うるさいわねえっ矢口だって居ないでしょ?!」
「矢口は良いの!しばらく要らないよお〜」
「そうなの?」


「うん。矢口ばっか好きなのはもう疲れたから。」
22 名前:―友情の始まり― 投稿日:2002年04月04日(木)01時21分58秒
ふたりの会話を邪魔するのもなぁ・・・・・とカフェオレを持って行くのが
初めは躊躇われた後藤だったが最後はうんうんと頷きながら聞いていた。

そんな後藤に気付いた矢口は後藤に声をかけた。

「なんか妙に納得って顔してるけど?」
「え?そんな顔してました?」
「うん。ね、圭ちゃん。」
「そうね。後藤でも恋愛のこと分かるの?」

「むっ!てんちょお・・・失礼ですねえ〜」

そう言いながらアイスカフェオレを矢口に出した。


「圭ちゃん、今日お客さんもう来ないんじゃない?」

「・・・雨だしね。」
「でしょ?だったら矢口にさーお客さん来るまでこの子貸しといてよ。」

(え?)
「良いわよ。他に誰も居ないし。」

そう言って保田は奥へと去っていった。

自分の意思とは関係のないところで話が決まってしまった後藤だったが、昨日の中澤と
違ってやらしい感じが矢口にはしなかったので遠慮なく自分もカウンターに腰掛けた。
23 名前:―友情の始まり― 投稿日:2002年04月04日(木)01時23分59秒

「――でさぁ〜後藤さんは恋人居るの?」

「ええっ?!い、居ませんよお〜・・・女子高だし。それにタイプの人ってなかなか居ないし。」
「女子高なの?」

「はい。出来っこないですよ女ばっかですから。」
「そっかあ〜・・・タイプってどんな感じなの?」


「う〜ん・・・明るくて優しくて甘えさせてくれる人かなぁ。わがままも聞いてくれて
 いろんなところ連れてってくれて・・・年上がいいです。
 年上だったら後藤よりはお金あるだろうし。」

「居ないってそんな揃った人。」
「どこかに居るって信じてるんですよ〜だからそれまでは要らないんです。」
「そっか。まぁ頑張ってよ。」

矢口と後藤は昨日のムードからは想像も出来ないほどに仲良く話をしていた。


矢口は毎日18:30頃になると「こなきじじい」へ顔を出していた。
なんでも夜から朝方までカラオケ屋でバイトをし、昼まで寝て今度は夕方18時過ぎまで
本屋でバイトをしていた。休日には休日のみのバイトをしているとのことだった。
最後の本屋から「こなきじじい」が近くに位置するため、毎日寄っているらしかった。
24 名前:―友情の始まり― 投稿日:2002年04月04日(木)01時25分55秒
或る日後藤は矢口に聞いた。

「やぐっつあんはどうしてそんなにバイトばっかしてんの? 」
「んー?」

矢口と後藤は出会ってから数日で話が合う事が分かり、今や親友のように、
姉妹のように親しくなっていた。

「どうしてって・・・お金要るからさ。」
「それは分かるけどさ、・・・毎日ちょっとしか寝てないんでしょ?体壊れるじゃんか。」
「こう見えても矢口は病気とかあんましないんだよ。心配してくれてるの?」
「まぁね」
「さんきゅう。でも大丈夫だよ〜」

後藤の問いにはっきりと答えなかった矢口を見て後藤はまた聞いた。

「でも、昼間働きなよ。遊びに行くことも出来ないじゃん。たまには遊び行こうよ。」

「まぁねぇ。でもあとちっとしたら減らせるからもうあとちっとの辛抱なんだよ〜」
「そうなの?なんか欲しいものあんの?」

「うん。矢口さ、今車欲しいんだよね。免許はあるんだけど車ないからさぁ・・・
 買おうかと思って。それであと少しで買えそうなの。」



「ふ〜ん。」
25 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時30分00秒
そして4月になり、学校が始まった後藤だが、毎日バイトをしていた。

「はよーございまーす。」
「おはよう。さっさと着替えて入ってちょうだい。」
「はーい。」

後藤が着替えて出てくると梨華が来ていた。

「いらっしゃーい。」
「こんにちは。もう慣れたみたいだね。」
「うん。店長ああ見えて親切だしーお客さん少ないし♪」
「ああ見えて?」
「あ、ごめん。従姉妹だっけか。」
「確かにああみえてだから良いよお。」

後藤と石川は笑顔で楽しく雑談を続けた。

そして「私もバイトだからー」と梨華が去ったあとは矢口が来るのを待った。



しかしいつも来るはずの時間に矢口は来なかった。

(今日はやぐっつあん来ないのかなぁ?毎日来てたのにさっ)

後藤は少しつまらなさそうにため息をついて仕事を続けた。
26 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時31分12秒
次の日もその次の日も矢口は来なかった。


「・・・つまんないなぁ・・・」

ある日後藤が洗い物をしながら呟いていると誰かが入って来た。

ぴろぴょろりん♪

「んあー・・らっしゃいませぇ・・」

後藤が目をやるとそれは矢口だった。

「やぐっつあん!!?」

後藤は洗い物を止めると、すごく嬉しそうな顔をして矢口に近寄って行った。

「おっすーごっつあん久しぶりだねえ。」

矢口がいつもと変わらない顔で言うので後藤は何故だかほっとした。

「ほんとに久しぶりだよー何してたの?」

後藤が話しかけたが矢口は一人ではなかった。
矢口の後ろに続いて後藤より少し大きめの人が立っていた。

「あっいらっしゃいませ・・」

その人は深く帽子をかぶっていて顔が良く見えなかったがカッコイイ男の子のように見えた。
矢口達を席に案内して注文を聞いた後藤は何故だかふたりが気になった。



(誰だろ・・・なんかかっこ良さげな男の子だったよねぇ?・・・彼氏が出来たのかな?)
27 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時32分23秒
後藤は注文されたものを持って行ったあと、奥に戻ってふたりの様子を見ていた。

ふたりはとても仲良さそうに笑顔で会話をしている。

時折見せる矢口の優しい笑みからは、その人に好意を持っていることがよく伝わってきた。

その人も優しい顔で矢口を見て、矢口の髪を触って遊んだりしていた。


しばらく見ていると、矢口が

「あっもうこんな時間じゃん。そろそろいこっか。」

と言って立ち上がった。

「ごっつあん会計してー。」

矢口がそう言いながらレジに向かったので後藤もすぐにレジへ入った。
一緒に居た人は先に外に出たようだった。

「1470円になります。」
「ほい。」

矢口が財布からお金を出す間に後藤は矢口に聞いた。


「・・・これからどっか行くの?さっきの人って彼氏??」
「へ?なに言ってんの!友達だよ〜!」
「ほんとお?」
「ほんとだってば。今から映画見に行くんだよ。」
「そっか。良いなあ後藤も遊びに行きたいよ・・・。」
「あはは!頑張ってねー。」
「あっ、うんありがとお」

矢口は店から出て行った。

後藤はそのあと理由は分からなかったが仕事に身が入らなかった。
28 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時33分55秒
自宅に帰った後藤。
ベッドに転がって考え事をしている。

(なんだろ・・・この気持ち・・・やぐっつあんに久しぶりに会えてすごく嬉しかったよね?

 それでやぐっつあんが彼氏っぽい人と入ってきて・・・なんかやだったよね?

 なんなんだろ・・・・)


次の日――
後藤がいつものようにバイトをしていると保田が話しかけてきた。

「ねぇ、昨日矢口来た?」
「あー・・・はい。」
「やっぱりねぇ。昨日行くってメールあったんだけどちょうど出てたから・・・
 ひとりだったかしら?」

「あー・・なんかかっこ良さそうな男の人と一緒でしたよ。仲良さそうにしてました。
 映画に行くって言ってましたけど?」

「男の人?誰かしら・・・恋人が出来たのかしら・・後で問い詰めてやろーっと。」

保田は嬉しそうに言うと自分の仕事に戻った。

(やっぱ彼氏かなぁ。)

後藤はため息を着くと自分も仕事に戻った。
29 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時35分24秒
そしてまたしばらく矢口は来なかった。


(彼氏と遊んでるのかなあ?)

後藤がそんな事を考えていると梨華が入って来た。

「圭お姉ちゃんいるかなあ?」
「あー梨華ちゃん。いらっしゃい。ちょっと呼んで来るから掛けて待っててよ。」
「ありがとー」


「あら、梨華。急にどうしたの?」
「あっお姉ちゃん。あのね、最近まりっぺが遊んでくれないの。」
「ほんと?」
「うん。遊びに連れて行ってって頼んでも忙しいって言うし。嫌われちゃったかなあ・・」

梨華が悲しそうに言うので保田は言った

「矢口がわけもなく嫌うわけないでしょ!恋人が出来たかもしれないわね。」
「えーー?ほんとにぃ?なんだそうだったら言ってくれたら良いのに・・・」

梨華がブーっと頬っぺたを膨らまして言う。


「矢口とばっか遊んでないであんたも学校の友達とか、もっと・・・大人の人と
 付き合いなさい。」
30 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時37分40秒
「もっと大人って・・・よっすぃーのこと言ってるのお?」

「・・他に誰がいるのよ。」
「よっすぃーのどこがいけないの?何も知らないくせに!」
「梨華には年上の方が良いと思うのよ。」
「もう良いよ、帰る!」



「良いんですか?」
「何がよ。」
「怒って帰っちゃったじゃないですか」
「良いのよ。」

(良くないと思うけどな・・・『よっすぃー』って梨華ちゃんの彼氏かなあ?
 反対されてるんだね。・・・でも良いなあみんな恋人居て・・・)

後藤は自分には居ないことを考えるとため息を付くしかなかった。




或る日の夕方。
後藤はバイトが無かったが、もしかすると矢口が来るかも・・・と思い、バイト先に来て
お客として座っていた。
31 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時38分32秒
「なによ、後藤。休みなの顔出して。」
「だって・・暇ですから。」

保田は気にしないといった顔で仕事を続けている。
今日は最近入ったバイトに教えながらやっている。
その子が後藤に注文を聞きに来た。

「いらっしゃいませ。何になさいますか?」
「あはっ。敬語じゃなくても良いよお。どう?もう慣れた?」
「まだ少し・・・でも、後藤さんや店長が優しいから頑張ります!」
「後藤なんかよりやる気いっぱいだね、まっつー。」
「そんなことないですよう〜」
「じゃー紅茶お願い。」
「かしこまりましたあ!」

『まっつー』と呼ばれた少女は高校1年生になったばかりで、入学してすぐにバイトを
 始めた。松浦亜弥という。


(・・良い子だなぁ)


後藤がぼーっと携帯を触っているとお客さんが入って来た。

ぴろぴょろりん♪

「いらっしゃいませー」
松浦が席に案内しようとする。

「あっお客じゃないから。圭ちゃん居る?」

(ん?その声はーーーー!!)
32 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時39分38秒
「やぐっつあん!」

振り向くとそこには矢口が居た。

「あーごっつあん。今日バイトは?」
「今日は休みー。でも暇だから来てんの。」
「そっか。矢口は今日圭ちゃんと遊ぶ約束してんの。」
「えー!良いなあ。」

松浦が呼び、保田が出てきた。

「おっす圭ちゃん。そろそろ行かない?」
「へ?何か約束してたかしら?」
「なにそれー?今日映画見に行くって先週約束したじゃん。だから矢口今日は何も
 予定いれないでいたのにさ!」

矢口は頬を膨らまして抗議している。


「ご、ごめーん。忘れてた・・・。」
「信じらんないよ!今日無理なの??」

「う、うーん・・・今日はこの子に教えなきゃなんないから・・・」

保田は申し訳なさそうにしながら矢口に手を合わせて必死に謝っている。

「ひとりで行くのお?もー!!今度なんかおごってよ?!」
「う、うん。悪いわね。」

矢口が仕方ないといった顔で出て行こうとしたが出る前に足を止めて後藤の方を見た。
33 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時42分07秒
「そうだ、ごっつあん今日暇だって言ってたよね?圭ちゃんが出すから
 今から矢口に付き合わない?」

(私が出すのね・・・)

「え?今から?オッケーオッケー暇だから!」

矢口の申し出を断る理由がないどころか、喜んで引き受けた後藤だった。

そしてちゃっかり映画代プラスお茶代を保田からもらい(二人分)ふたりは出て行った。



映画館についてすぐに座るふたり。

「どんな映画なの?」
「知らない?モンスターズ・イ○ク。」
「うん。後藤はあんまり映画とか見ないからー」
「あらぁ〜じゃあおもんないかもね。」

「でもやぐっつあんと話すの久しぶりだし、こうやって遊ぶの初めてで楽しいから。」
「嬉しいこと言ってくれんねー。矢口も楽しいよ。」

二人とも顔を見合わせて笑いあった。
34 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時43分23秒
映画が始まり・・・やはり興味がないのかすぐに眠くなってしまった後藤だった。

さすがに寝るのは悪いと思い、後藤なりに気を使って起きていたがやはり暇だった。

なので後藤は矢口を見ていた。

(やぐっつあんほんとちっちゃいんだな〜後藤の座高が高いってことないよね?
 可愛くて羨ましいな。)

後藤がこそこそ見ていると矢口の目がうるうるとし出し、仕舞いには涙を流してしまった。

(あれっ、泣いちゃってる??)

画面を見ていなかった後藤には何故泣いたのか分かるはずがなかったが回りを見ると
他の人も泣いていたのでどうやら泣けるシーンだったことが分かった。



(なんか・・・ドキドキするよ。・・・やぐっつあんの泣く顔見てたら・・・
 ドキドキしてきた・・・・なんでだろ。)


そしてしばらくすると映画は終わった。


(このあとどうするんだろ?22時か・・・もう遅いよね。)
35 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時44分30秒
「いやー良かったよ。ごっつあんどうだった?」

「えっ?よ、良かったよね。」
「見てたあ?ちゃんとー。」

疑いの眼差しで矢口は後藤を見ていた。


「見てたってば!それより今からどうする?」
「そうだなぁ・・・矢口は一人暮らしだから大丈夫だけどごっつあん遅くなったら
 まずいだろうし今日は帰ろっか。」

「えー!!!大丈夫だよ全然。うち放任だし。」

と言いながらも実は今日中に帰るという親に決められた門限があり、本当は少しも
大丈夫ではなかった。

「ほんとなの?じゃー・・・どっか・・・・・ううんやっぱ今日は帰ろうか。平日だしね。」

「ちぇっ・・・つまんないの。」
「なにさー矢口ともっと居たいのお?」

ほんとにつまらなさそうに言う後藤を見て矢口はにやにやと笑いながら言った。

「ち、違うよ!家帰ってもすることないからっ」
「そんな慌てなくても分かってるってー。変なごっつあん。」

(ほんとはもっと話したいんだよー!)

心の中で叫んだ後藤だった。
36 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時45分10秒
「ほんじゃ矢口送るし。一緒に帰ろっか。」

「え!送ってくれんの?」
「うん。だってもう遅いじゃん。危ないし。」

「家まで?」
「うん。バイト先からそんなに遠くないんでしょ?」
「うん。15分くらいかな。」
「だったら矢口のうちもそんな離れてないし、送るよ。」

(嬉すぃー!!!)
「ありがと。」

後藤は学校での出来事やバイトでの出来事など、世間話をしながら矢口と帰った。

「じゃあまたね。今日は付き合ってくれてありがと。ごっつあん気ぃ合うから楽しかったよ。」
「後藤も!」
「おやすみ。」

矢口は手を振って帰っていった。
37 名前:―恋の予感― 投稿日:2002年04月04日(木)01時46分58秒
家に入り自分の部屋へと入った後藤。



(楽しかったなぁ・・・後藤ってやぐっつあんが好きなのかな・・・・・?

 ・・・好きなんだろーな・・・一緒にいるとドキドキするもんね。

 ・・・・でもやぐっつあんノーマルだもんなぁ・・・

 後藤みたいに女の子が好きだったらアタックしようがあるんだけどな・・・)

「はぁーーーーー」

大きなため息を付いて後藤は枕に突っ伏して寝た。



後藤は女子高だから恋人ができっこないと言っていたが実は女の子が好きだった。

やる気がなさそうに見える後藤だが、ルックスが良いせいか実は人気があり、

学校では良く告白されていた。

しかし自分から好きになれる相手がおらず、誰とも付き合ったりしていなかったのだ。

38 名前:りょう 投稿日:2002年04月04日(木)01時57分26秒
>15 ロ〜リ〜さま
    初めまして!読んでくれてどうもです(^-^)
    今週の金土日は更新が厳しいので多く更新しました。
    ゆっくりと進めて行く予定なのですが・・・。

>16 とみこさま
    初めましてです(^-^)
    よっすぃーはどんな役どころなんでしょうか。
    (;0^〜^)早く出してよお
    
>17 no-no-さま
     どうも!白でのレスまだ返してなくてごめんなさいm(__)m
     好物ですか?!そう言って頂けるとめちゃくちゃやる気が
     沸いて来ます!がんがりますよお〜
39 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月04日(木)20時02分04秒
今回のやぐは姉貴肌っぽいですね。兄貴でも姉貴でもどちらも似合ってます。
ごっつぁんは気付いたっぽいけどやぐの気持ちはどうなんだろうか。

また楽しみが増えました。がんばってください。
40 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時43分25秒
そして数日後、矢口が梨華と店にやってきた。

「あら?矢口と一緒じゃないのお」
「えへへ。遊んでくれてるの。」

梨華は嬉しそうに保田に言った。

「梨華は矢口がほんとに好きだねえ。」

「やめてよ圭ちゃん、照れるじゃんか!梨華ちゃんだって困るでしょ。」

「私はまりっぺ大好きだよはあとはあと優しいしおもしろいし遊びに連れていってくれるしはあとはあと

「こらあ!照れるからやめてってばあ!」

「だってほんとだもんはあとはあと


「吉澤なんかやめて矢口になさいよ。」

保田がボソっと言った。

それを聞き逃さなかった梨華

「お姉ちゃんうるさいよ!もうあっち行ってよお!」
「はいはい。」
41 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時44分52秒
「梨華ちゃん、圭ちゃんは梨華ちゃんのこと心配して言ってるんだからね?
 よっすぃーのことただ嫌いだからじゃないからね?」

「でも・・・知りもしないのにひどいよ!」

「分かってもらえるように頑張ろ?矢口も応援するし。」

矢口は梨華を笑顔で励ました。

「うん・・ありがとまりっぺ。」


三人の会話を聞き耳立てて聞いていた後藤。

(・・・今の話、なんかおかしくない?『吉澤なんかやめて矢口になさい』?

 おかしいよねえ?やぐっつあん女なのにさ・・・吉澤って男でしょ?・・・・聞き間違い?)


そして少しして矢口と梨華は遊びに行くため出ようとした。

「ごちそうさま。」
「どうも。・・これから遊びに行くの?」
「う――」

矢口が答える前に梨華が矢口の腕に自分の腕を絡めて話しだした。

「今日はまりっぺの車でドライブするの♪」
「車買ったの??」
「うん。」

矢口は極上の笑みで答えた。

そしてじゃあねと出て行った。
42 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時46分35秒
出て行く際に矢口と腕を組んでいた梨華を腹立たしく思った後藤。

「・・・良いな。」
(ごとーだって遊びに連れていって欲しい!梨華ちゃんなんて彼氏居るんだから
 やぐっつあんの時間とらないでよ!!)

後藤はぷりぷりしながら仕事を続けた。

「・・・さん。・・・後藤さん。」

「・・・」

「後藤さん!」
「んあ??」
「さっきの人って良く来ますよねえ〜お友達ですか?」
「そうだよ。」

その後もなにやら後藤に話しかけていた松浦だったが後藤は上の空でほとんど聞いていなかった。



(友達か・・・後藤とやぐっつあんも『友達』・・・悲しいな・・・やっぱ好き・・・?)


後藤は矢口に似た背丈の子や声の子を見るたびに敏感に反応していた。


そしてG・Wに入る少し前の日。

いつものようにバイトをして片づけをして帰ろうとしたときだった。

「あ、ちょっと待って後藤。」

「んあ?なんですか?まっつーは?」
「松浦は良いの。お疲れ様。」

「あ、はーい。お先です。」


「んあ?(後藤だけ?なんだろ。)」
43 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時48分22秒
「あんた、G・W空いてる?」

「は?G・Wですか?どうしてですか?」

「G・Wは店やらないのは言ったわよね?」

「はい。なんか友達と旅行行くとかでしたよね?」

「そうそう。それでね、お願いがあるのよ。」

「なんですか?」

「梨華が吉澤と旅行に行くって言うのよ。」

「吉澤って、梨華ちゃんの彼氏?」




「彼氏っていうか・・・まぁそんな感じね。でね、見張ってて欲しいのよ。」

「えーーー???後藤がですか?やですよそんなの。吉澤って人知らないし、

 それに邪魔じゃないですか!いくら店長命令でも無理ですよお!」

「ひとりじゃないわよ。矢口も行くから。」

「やぐっつあんもお?!」

44 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時48分53秒
「そう。あんた矢口と仲良いし、それなら良いでしょ?お願い!心配なのよ!」

「やぐっつあんは後藤が行くの知ってるんですか?」

「後藤も行くって言ったら矢口も行ってくれるの!」


「・・・分かりました。(でも梨華ちゃんがなんて言うか・・・。)」

「助かるわ!じゃあ5月3日の朝8時にここまで来てちょうだい。」

「何泊するんですか?」

「5日の日曜日帰って来る予定ね。」


「分かりました。じゃあお疲れ様です・・・。」


帰り道。
後藤は嬉しさのあまりスキップをして帰っていった。



(でもあれだなー吉澤さんって子の何がそんなにヤなんだろ?)
45 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時49分51秒
そして5月3日

後藤は気合を入れて早起きをし、一番に店に着いた。

(楽しみだよ〜)

後藤がドキドキしていると車のクラクションが鳴った。


「んあ?」

そして車が後藤に近付いてきた。
車は後藤の前で止まり、運転席から矢口が降りてきた。

「おっす!」
「やぐっつあん?それやぐっつあんの車?」

「そうだよ。初めてだっけ?矢口サイズでちっちゃいけど許してよ。」

「ううん。可愛いくて良いじゃんか。」
「ありがと。じゃあ乗ってよ。梨華ちゃんたち迎えに行くから。」

「うん!・・・えっと」

後藤がどこに座ればいいのか迷っていると矢口が助手席のドアを開けた。


「ごっつあんは矢口のナビね。どうせふたりはイチャイチャするんだから。」

「う、うん。」

後藤が助手席に乗り込んで少し走ったところで矢口が話しだした。
46 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時51分15秒
「あのさー・・・」

「なに?」



「・・・梨華ちゃんたちのことなんだけど・・・」

「?」

「圭ちゃんから二人は恋人って聞いた?」

「うん。吉澤って人だっけ。梨華ちゃんも言ってたじゃんか。」

「そっか・・・あのさ〜・・・」

矢口は言いにくそうにする。

「なんなの?」



「ふたりは確かに付き合ってるんだけど・・・・・・その・・・女同士なんだよね。」

「えっ?!」

思ってもいなかった言葉に後藤は驚いた。


「やっぱ驚くよね・・・。やっぱ先に言って良かったかも。」

「そりゃ驚くって!吉澤って人女の子だったの?」


「うん。ごっつあん理解出来ない?」

「ううん。・・・うち女子高って言ったよね?そういう子結構いるし・・・」

「そっか女子高だったよね。」

矢口はほっとした顔で言う。

「大丈夫だよ。ちょっと驚いたけどね。」

そうこうしているうちに梨華たちの待つマンションに着いた。
47 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時52分14秒
「こんにちはー」

そう言いながら入ってきた梨華たち。梨華は後藤に吉澤を紹介した。

「初めまして・・・あっ!」

「なに?ごっちん知り合い?」

「え?前に見た気がして・・・気のせいかも。(この人って前にやぐっつあんと
 店に来てた人に似てない?帽子かぶってた・・・)」

「気のせいじゃないよーごっつあん。前に矢口と店行ったでしょ。」

「やっぱり?!男の子だと思ってたよ・・・あ、ごめんなさい。」


「よっすぃー覚えてないの?」

梨華が聞いた。

「ううん。覚えてる。」

吉澤は優しい表情で言った。


「・・・ま、出発しますかー!」
矢口の掛け声で車は出発した。


「で、今日はどこに行くの?」
何も知らされていない後藤は矢口に聞いた。
「あれ?何も聞いてないの?」
「うん。」
「ちょおっと年寄りくさいけど箱根に行くの。」
「箱根?!何しに。」
「温泉に入りに・・・。」
「ほんと、年寄りくさいね・・・。」
48 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時54分23秒
矢口はバックミラーを見ながら梨華たちに話しかけた。

「梨華ちゃんによっすぃーごめんねぇ。邪魔者がふたりも居て。」
「そうだった、ごめんね。」
後藤も続く。

「ううん。まりっぺには運転してもらってるし、ごっちんも話しやすいし気にしないで。」
「そうだよ。矢口さんにはお世話になってるんだから。ね、梨華ちゃん。」
「うん。」

梨華と吉澤はにこにこしながら二人の世界に入ってしまった。



「・・・(ラブラブなのね・・・)」



「・・ごっつあんさーごめんね。」
「んあ?なにが?」
「いや、だってせっかくの連休なのに付きあわせちゃってさぁ・・・つまんないでしょ。」

「ううん。どうせ家に居ても暇だったし。やぐっつあんこそ大変だね。」

「う〜ん・・・まぁ梨華ちゃんもよっすぃーも妹みたいなもんだしね。」

「優しいな、やぐっつあんは。」



「甘いだけなんだけどね。」
49 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時55分43秒
矢口と後藤もそれなりに楽しく会話をしながら車は進み、小田原に着いた時はもう14時過ぎだった。
お菓子を食べたりしていたがやはりちゃんと食事をと、矢口達は適当にレストランへ入った。

梨華と吉澤が隣り同士に座ったので矢口と後藤も必然的に隣り同士になる。


「はいっあ〜んしてはあとはあと
「ん〜」


「おいしい?」
「美味しい!」

「じゃあもう一回ね、はい、あ〜ん」
「あ〜ん。」

梨華は吉澤に食べさせてあげていた。



「・・・」

後藤は恥ずかしくなって目をそらした。
すると矢口と目が合い、もっと恥ずかしくなってしまった。

「いつもああなんだよね。」

「ほんとラブラブなんだね・・・羨ましいな。」

「そうなんだけど、どこでもああだからまいっちゃうよ。」

矢口はやれやれと言いながらも優しい表情で二人を見ていた。


(う〜ん・・・後藤もやぐっつあんともっと仲良くしたい!)

食事を終えて矢口達は箱根へと向かった。
50 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時57分24秒
小田原から1時間ほどで目的の旅館に着いた。

駐車場から入り口までに急な坂が続いたため4人とも疲れてロビーでぐったりとしていた。

少し休憩をすると矢口は「チェックインしてくるからここでちょっと休憩してなよ」と言い、

フロントへと向かった。


しばらくすると矢口が戻って来た。

「部屋いこっか。」

矢口の声に続いて3人は着いて行った。

部屋の前まで来ると矢口は立ち止まって梨華にカギを渡した。


「ほい。梨華ちゃんたちの部屋のカギ。」

「・・・?まりっぺ、4人部屋じゃないの?」

「な〜に言ってんの!邪魔は昼間だけで充分だっての!」

「でも・・」
「ごっつあんもそれで良いよね?」
「え?あ、うん。全然オッケーだよ。(大オッケーだっての!)」
51 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時58分36秒
「でも保田さんに知られたらやばいんじゃないですか?」

「圭ちゃんには4人部屋って言ってあるから大丈夫!ごはんとか観光とかは一緒に行くけどさ、
 寝るときまで邪魔しないよう!だからそっちは梨華ちゃんとよっすぃーね。
 隣は一応矢口たちだから・・・大きな声出さないでよ?」

矢口はにやっとやらしい目つきをしながら言った。


「何言ってんですか!」

吉澤が突っ込み、梨華は顔を赤くしていた。


「あははっじゃあまた後でね。ごはんはそっちに食べに行くから。」
「分かったあ。」

梨華は嬉しそうに部屋に入っていった。



吉澤は部屋に入ろうとする矢口を引き止めた。

「矢口さん、ちょっと良いですか?」

「ん?ちと待って、ごっつあんこれカギ。先に入ってて。」

「ほーい。」

後藤はカギを預かり部屋へと入った。
52 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)02時59分44秒
「で、なに?」


「・・・良いの?」

「なにが?」


「梨華ちゃんと・・・その・・・そういうことしても・・・」

「・・やなの?まだしてない?」

「そんなことないけど・・・なんかやっぱ大人だな矢口さんは。」
「なにがさ。」


「ちゃんと割り切れてて・・・すごいって思うよ。」


「・・・よっすぃーは割り切れてないの?まだ気にしてる?」

「・・正直言うとまだ・・・」

「矢口は全然気にしてないから。梨華ちゃん泣かしたら圭ちゃんに言うよ?
 しっかりしなよ?!梨華ちゃん好きでしょ?」


「・・・もちろん。」

「だったらつまんないこと考えてないでしっかりしろー!!」

バチンッ
矢口は吉澤の背中を思い切り叩いた。

「痛いよ!!もうっ!」
「よっすぃーもいつまでも気にしてちゃ駄目だからね!?」

「分かったよ。・・・じゃ、また後で。」
「うん。ばいばい。」

吉澤は部屋へと入っていった。
53 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)03時01分20秒
後藤は先に入ったが吉澤の様子が何故か気になったのでドアを少しだけ開けて盗み聞きしていた。


(なんだろ今の会話・・・・吉澤さんって梨華ちゃんより先にやぐっつあんと知り合いだったの?

 それに・・・タメ口だったよね?・・・・・・なんか怪しいな。)


後藤が入り口でもんもんと考えていると矢口が部屋に向かう足音が聞こえたので慌てて
後藤はドアを閉めると部屋の端っこまでダイブした。



(いたたた・・・)


「ごめんごめん遅くなって・・・ん?寝そべって何してんの?そんなに疲れた?」

後藤は起き上がり、

「ううん。大丈夫。なんとなく転がってただけだから。」


「・・・変なの。」
54 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月05日(金)03時01分58秒
「そ、それよりさー梨華ちゃんたちってほんとに仲良いんだね。」

「そうだね。年も近いしどっちもベタぼれしてるからね。」


「後藤もあんな風な恋がしたいよ。」

「ごっつあんは可愛いから高望みしなけりゃすぐに見つかるでしょ。」



「・・・無理なんだよね・・」

「どうして?」

「・・・どうしても!」

(言えるわけないっしょ、女の子が好きだなんて・・・いくら理解のあるやぐっつあんだって
 後藤が言ったら驚くに決まってる!)



「・・・ま、いいや。」

矢口たちが適当にくつろいでいると夕食の時間がやってきた。

内線で呼ばれ、矢口たちは梨華たちの部屋へと向かった。
55 名前:りょう 投稿日:2002年04月05日(金)03時05分53秒
>39 名無し読者さま
     レスどうもありがとうございます。
     今回のやぐは前回が男の子過ぎたので女の子にしたいなぁ
     という作者の願望が強いです。

     明日から研修旅行なのでしばらく更新できません。
     読んでくださっている方、ごめんなさい。
     しばらくさよならですm(__)m
56 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月05日(金)22時37分54秒
矢口とよっすぃーの会話・・・なんかありそうですね〜(ニヤ
シャイなゴマが矢口にどう告るか、とても楽しみです。

57 名前:no-no- 投稿日:2002年04月06日(土)21時41分23秒
白の方で新作があるっていうんで探してたら、一度顔出してるよ自分。(鬱)
いしよし出だしからあまあまですなー。
食事のシーンにノックアウトですよ。
やぐごまもこんな感じになっていくのだろうか、、、
続きお待ちしております。
58 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月07日(日)23時45分08秒
楽しく食事をした後、4人は温泉へと向かった。

脱衣所で服を脱ぎながらひとり思う後藤。

(後藤は女の子好きだけど裸とか見ても別にムラムラしないなー・・・あっ梨華ちゃん

 スタイル良いんだーおっぱいも大きいし良い勝負?・・・ちょっと黒いけどね。

 吉澤さんは・・・しろーい!梨華ちゃんと正反対だね。ホワイト&ビターで

 ムースポッキーだね♪おっぱいは・・・そんなに大きくないか・・・やぐっつあんは?)

後藤は矢口を見た瞬間なんとも言えない不思議な気持ちになった。



(・・・なんかえっちぃカラダだね・・・)

矢口は胸こそそんなに大きくはないが、ぷりっとしたお尻に何故だか割れている腹筋、
ぷにぷにとした腕、後藤にはそのどこを見ても色気を感じてしまっていた。

じーーっと見ていた後藤の視線に気付いたのか矢口は急にタオルで隠すと浴場へと入っていった。

矢口が行ったあと、ふと周りを見ると梨華たちもすでに行ったあとで後藤はひとり残されていた。

後藤も急いで脱ぐと中へ入っていった。
59 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月07日(日)23時47分24秒
浴場へ行くと三人が並んで頭を洗っていた。

後藤は矢口の隣が空いていたのでとりあえずそこへ座った。

後藤も頭を洗い出し、それぞれ同じくらいに洗い終えた。

「よっし!じゃあ矢口は露天風呂行ってくる〜」
「あっ待ってまりっぺ私も行く〜」

矢口に続いて梨華も露天風呂へと行った。


残された後藤と吉澤は―――

「後藤さんはどうする?」

「んー・・・吉澤さんこそどうする?」

「私は・・・そこで良いよ。」

そう言いながらすぐそばにあったお風呂に入った吉澤。



「・・・じゃあ後藤もそこでいいや。(ほんとはやぐっつあんと入りたいけど。)」

吉澤とふたり並んで入っていると吉澤が話しだした。



「・・・びっくりしたでしょ。」

「何が?」




「・・・梨華ちゃんの恋人が女だってこと。」


「・・・びっくりはしたけど気にしないよ。」



「え・・・?気持ち悪いとか思わないの?」

「そんなの思うわけないよ。ちゃんと二人は好きで付き合ってるんでしょ?」




「・・うん。」

60 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月07日(日)23時49分58秒
「だったらいいじゃんか。羨ましいよ。」



「・・・ありがとう。後藤さん良い人だね。」

吉澤が笑顔で言うので後藤も笑顔を返した。

そして梨華との出会いとか学校のこととか色んなことをお互いに話してすぐに仲良くなった。


しばらく話していると矢口達が戻ってきた。

「よっっすぃー達も露天風呂行ったら?気持ち良かったよー。」
「涼しかったしね、まりっぺ♪」

そして二人は体を一端流すと吉澤達の入っている風呂へと入ってきた。


4人で楽しく会話をしていたが後藤はのぼせてきて倒れそうになっていた。


(ううう。熱くなってきた・・・でもせっかくやぐっつあんと一緒だし・・・・・・はうっ)

後藤がのぼせているのに気付いたのか矢口が心配そうに声を掛けてきた。

「ごっつあんのぼせてるんじゃない?そろそろ出る?」


「ん・・・大丈夫だよ。」

とは言ったもののふらふらしている後藤は誰が見てものぼせているように見えた。

矢口が後藤を連れて出ようとしたときに矢口の生肌が後藤に触れ、後藤はドキドキと
してさらにふらふらになってしまった。
そして矢口に連れられるがままに外へと出て行った。
61 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月07日(日)23時51分35秒
外に出て矢口にうちわで扇いでもらって後藤は嬉しかった。

(やっぱ、優しいね。)



しばらく扇いでもらっていたがお互いまだ服を着ていなかったのを思い出したのか
後藤は立ち上がった。


「ありがと。もう大丈夫だから着替えよっか。」

「ほんとに大丈夫ぅ?後でポカリかなんか飲もうね。」

「うん。」



二人が着替え終えた頃梨華たちも出てきた。

「まりっぺ、明日どうする?」

着替えながら梨華が話す。


「明日?芦ノ湖まで行くんだよね?」

「うん。何時にする?」


「10時に出発で良いんじゃない?明日もまだ泊まるんだしゆっくりで良いでしょ。」

「そうだね。じゃあ明日10時ってことで・・・」

「オッケ!じゃあ矢口達は部屋帰るから。」


「うんばいばい。」

62 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月07日(日)23時54分14秒
部屋に戻って適当に話す矢口たち。

「吉澤さんって話しやすいね。いくつなの?」
「よっすぃーはごっつあんと同い年だよ。」
「そうなんだ?!じゃあ梨華ちゃんより年下なんだね。」
「そうだね。でも梨華ちゃん1月生まれでよっすぃー4月だからあまり変わんないよ。」

「そっか・・・あ、後藤は9月23日だから、覚えててねはあとはあと

「えー知らないそんなの。もう忘れた。」
「ひっどーい!」

「ま、その頃にまた言ってよ。」
「なんだよーばかーそのくらい覚えてよっ」


「明日起きれるかな・・・」

「ちょっと聞いてる??」

矢口を見た後藤だったが、矢口は机にうつ伏せになって寝てしまっていた。


「えー!!寝ちゃったのお?・・・・仕方ないか、ずっと運転だったもんね。
 ・・・・でもつまんないよーまだ22時なのにさっ」


後藤は淋しかったが言っても仕方がないので布団を敷いてやり、矢口をお姫様抱っこして
布団へと運んだ。


(うわっ!アップだよ・・・ん〜可愛いはあとはあと


後藤は矢口の寝顔を見てふにゃっとだらしなく笑った。

63 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月07日(日)23時56分20秒

(やぐっつあんがストレートじゃなかったらなんとかして気持ち伝えるのにな・・・)

後藤は自分の考えたことに可能性がないことを思い、シュンとしてしまった。



そしてひとりですることもないので少しテレビを見ると自分も布団へと入った。



しばらくして隣の部屋のベランダのドアが開く音がした。

(・・・・・誰だろ。)

しばらく様子を伺っていた後藤だったが、戻る気配がないので覗く事にした。

(誰?梨華ちゃん?)

後藤がそーっとドアを開けて見ると吉澤が夜空を見ながら立っていた。

(吉澤さんじゃん。何してんの?)

後藤は、自分も寝れなかったので外へ出た。

「吉澤さーん」


「・・・?」

あたりをキョロキョロと見回す吉澤。

「ココ!ココだよ。隣だよ後藤だよ!」

「・・・あっ後藤さん!どうしたの?」

「なかなか寝れなくて・・・吉澤さんは?」

「ん。一緒。・・・ね、ちょっと話さない?」
「良いよ。後藤そっち行くね」

「えっ?!」

吉澤の返事も待たずに後藤はベランダをよじ登って隣へと移動した。
64 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月07日(日)23時58分12秒
「お待たせ!」

「ここ・・・5階だよ?」
「えっ?大丈夫だよこう見えても運動神経良いんだから!」


「・・・(そういう問題かなぁ?)」



「吉澤さんさ、」
「よっすぃーで良いよ。呼びにくいでしょ。」
「あはっありがと。じゃあそうする。後藤のことも好きに呼んでよ。」
「うん。」

「でね、よっすぃーさ、梨華ちゃんほっといて良いの?」
「ほっといたら駄目だけどもう寝てるから良いんだ。」
「もう寝てるんだ?」

「うん。梨華ちゃん寝るの早いから・・・」

「じゃあ・・・・・・えっちしなかったの?」

「えっち?!」
「あ、ごめん。だってふたりはそういう関係なんでしょ?」


「そうだけど・・・なんか言葉にされると恥ずかしいな・・・。」
「そう?」

「うん。でも後藤さん、えと、ごっちん話しやすくて良いね。普通女同士で付き合って
 るんだもん。理解出来ない人多いし、それこそえっちなんて話題にもしないよ。」





「・・・後藤もそうだからかな。」
65 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月08日(月)00時00分16秒


「・・・・え?今、なんて?」



「後藤もね、女の子が好きなの。」


「・・・」

「こんなこと言ったのよっすぃーが初めてだよ。よっすぃー話しやすいし、

 なんか分かってくれそうだったから・・・・・・・・・言っちゃった。」



「・・・・」

「でもね、そういう経験は一度もないんだよ。」



「・・・・・ごっちんは女の子が好きなの?ほんとなの?」


「・・・うん。理由はわかんないけどさ、男の子見てもカッコイイとか好きとか思えないんだー。

 それより女の子といるほうが楽しいし、好きだなって思えるし・・・」

「そっか・・・。」

「よっすぃーは梨華ちゃんが初めてなの?初めて付き合った人?」



「・・・ううん。梨華ちゃんとは高校になってから付き合ってるから今で1年くらいかなぁ。

 その前は別の人と付き合ってた。」

「その人も女の人?」



「うん。・・・3歳年上でね・・・可愛い人だったよ。ちっちゃくて、いつも笑ってて・・・

 すっごく好きだったよ。」



「・・・どうして別れたか聞いても良い?」






「・・・・・・私が悪いんだ。」
66 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月08日(月)00時03分15秒
「3歳も離れてるとさ、やっぱ気になるんだよね。その人は3歳年上だから私よりずっと

 しっかりしててずっと大人で・・・自分も大人になろうと必死だった。でもどうしても

 なれなくて・・・その人が同い年の人と楽しそうに話しているのとか見てたら嫉妬しちゃうし

 自分は年下だから甘えさせてあげられないって思った。甘えてくれて良いよって、

 その人は無理して大人にならなくても良い、少しずつなってくれたら良いっていつも

 言ってて・・・年が離れてても好きだからねって言ってくれてた。・・・でも私には

 許せなかった。いつも優しく包んでもらって愛してもらって・・私がそうしたかった。

 でも出来なかった。だから・・・別れようって言った。」


「・・・うん。」

「別れるってときもその人は大人だった。自分のせいでつらくさせちゃったねって。

 私が別れようって言うほど悩んでたのに気づかなくてごめんねって・・・最後まで

 私は子供で、結局大人になれなかった。それで・・・高校行って梨華ちゃんに出会ったんだよ。」

67 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月08日(月)00時04分54秒
「そうだったんだ・・・今その人とは連絡とってるの?」

「うん。その人はほんとに大人でね。別れた後も変わらず友達で居てくれてるの。」


「良い人だね。」

話していると吉澤の部屋から物音が聞こえた。

「あっ梨華ちゃん起きたかも。ごめんねごっちん、部屋戻るね。」

「あ、うん。分かった。いろいろ話せて楽しかった。また明日ね。」

「うん。」

後藤は来たときの様にベランダを越えた。
その時、吉澤は後藤に声を掛けた。

「ちょっと待ってごっちん!」

「んあ?」

顔を出して返事をする後藤。

「さっきの話、梨華ちゃん知らないんだ。秘密にしといてくれる?」
「んあ。分かった。」

「ありがと。それと・・・さっき言った付き合ってた人・・・・・・・・・・・

 矢口さんだったりするんだ。・・・・て言ったらびっくりする?」

「えっ?!」



「・・・秘密ね!!」

吉澤はすっきりした顔をして引っ込んだ。
反対に後藤は余計眠れなくなってしまった。
68 名前:―恋に気付いたとき― 投稿日:2002年04月08日(月)00時06分45秒

(どどどどどういうこと?!よっすぃーが昔付き合ってたのがやぐっつあん?!

 だってやぐっつあんはストレートでしょ?違うの??え?だって・・・ええーー????)


部屋に戻った後藤は矢口を見ながら思っていた。



(でも、だったらよっすぃーとやぐっつあんの会話に説明がつくね・・・・・・

 なんか親しげだったしよっすぃータメ口だったし・・・・じゃ、じゃあほんとに

 やぐっつあんはそうなの?やぐっつあんも女の子が好きなの?・・・こんな傍に

 後藤と同じような人間がこんなにいるなんて・・・ほんとなの?だったら・・・

 後藤アタックしても良いの?やぐっつあん気持ち悪いとか言わない?

 ・・・・どうしたら良いんだろ・・・)

なかなか眠れなかった後藤だが、珍しくたくさんの物事を考えて疲れたのか、
知らない間に寝てしまった。
69 名前:りょう 投稿日:2002年04月08日(月)00時11分36秒
>56 ロ〜リ〜さま
    ごま、シャイですか?ううむ。
    このごまはやたら考え事が多いですねぇ(w
    ごまは頑張るのかな・・・

>57 no-no-さま
    やぐごまは・・・付き合ってすらいないのでどうなることやら(w
    何気に吉の言葉が怪しいし・・・
    とにかく頑張って続き書いてきます。
70 名前:りょう 投稿日:2002年04月08日(月)00時15分59秒
1月と4月はケッコー離れてますね。
はぁ・・・アフォです・・・鬱
71 名前:りょう 投稿日:2002年04月08日(月)00時19分45秒
離れてないですね・・・あああああああああ!もうっ!
アフォすぎる!!
逝って来ます。うわぁん!!!!
72 名前:ROM 投稿日:2002年04月08日(月)00時22分04秒
今読みました〜♪
今度はこっちで更新ですか。
向こうも読んでたんですけど、
こっちとは対照的に(?)矢口が尻に敷かれてますな〜
これからも頑張って下さい。

…ってまた向こうの感想書いちゃってるよ!
73 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月08日(月)06時41分30秒
やっぱりそうゆう事だったのかー!!
でもこれでゴマに希望の光が!!
ゴマがんがって!!

りょうさん研修お疲れ様でした。
今後も楽しみにしてます、がんがって下さい。
74 名前:和也 投稿日:2002年04月08日(月)10時46分42秒
やっと新作を見ることができました。
期待してるんでがんがってください!
75 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月09日(火)04時37分09秒
やっと追いつきましたぞ〜(謎
今回も、「やぐごま」に「いしよし」ありがとうごじゃります。(^^
しかも、吉の、昔の彼女が知だとは!!大好きな配役です。
続き期待しているんでがんがってください!!
76 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月09日(火)10時15分34秒
やぐよしになっていくのかな・・・
やぐごまでいくのかな・・・どうなるのだ?!
77 名前:no-no- 投稿日:2002年04月09日(火)13時37分09秒
ごまに希望の光が、、、
でも、くっ付くのはまだまだ先になりそうですね.
続きお待ちしてます
>>76さんageてます。
できるだけsageの方がよろしかいとおもいます。
78 名前:R&B(レッド&ブルー) 投稿日:2002年04月09日(火)15時37分39秒
読ましていただきましたよ
りょうさんのまきまりは凄い読みやすくて良いですね

りょうさんの「乙女、矢口にゾッコン」も読んでました
両方の続きに期待
79 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時33分47秒
そして次の日――

空は雲ひとつなく快晴だった。
強羅からケーブルカーに乗って頂上を目指す。

ロープウェーに乗り込んで頂上へくると快晴のため富士山をはっきりと見ることが出来た。


「きれいだねぇ」

吉澤が富士山の方へ目をやっていると何かに引っ張られる感がした。

ふと梨華に目をやると梨華は吉澤の服の袖をつかんで怖がっていた。

「怖い?」
「・・・ちょっと。」

吉澤は怖がる梨華を優しく抱いてやった。
すると梨華はぽーっとした顔になって・・・また二人の世界へと入っていった。


後藤が矢口を見るとそんなふたりはどうでも良いのか外を幸せそうな顔で見ていた。


(やぐっつあんと・・このよっすぃーが恋人同士だったねぇ・・・別れたのにこんな風に

 遊べる?よっすぃーに担がれてるのかな・・・)


後藤がじーっと見ていると矢口がその視線に気付いた。
80 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時35分31秒

「なに?じっと見て。ごっつあんも外見たら?良い眺めだよ。」

矢口が優しい表情で言ったので後藤はつられて外を見た。



そうこうしているうちに芦ノ湖へと着き、とりあえず4人は食事を取ることにした。

適当に外で食べられるものを購入した4人は広場の木の下に席をとった。


昨日と同じように人前でイチャイチャとするふたり。

後藤は呆れながらも心のどこかではやはり羨ましく思っていた。

矢口はまた気にしないといった様子でそんなふたりの光景を見ながら食事を続けていた。



(・・・やっぱ冗談だよ。ふたりが付き合ってたなんてありえないよ!よっすぃーってば

 ・・・ひどいよ。ぬか喜びだよ!)


後藤は決めつけるとため息をつきながら食事をした。

しばらくぼーっとしていた4人。

吉澤と梨華が手洗いに行き、残された矢口と後藤は特に何か話すわけでもなくほのぼのしていた。
81 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時37分39秒
すると矢口がふいに話し出した。

「ごっつあんさーさっきからため息ばっかついちゃって・・・やっぱつまんないよね。」

「・・えっ?!そんなことないよお!楽しんでるよ?」

「・・・気ぃ使わなくたって良いよ。あのふたりがイチャイチャするの見てるだけ
 だもんね。せっかくの休みだったのにほんと悪かったね。」

「だから楽しんでるってば!」

「だって・・・ため息ばっかじゃん。矢口は保護者みたいなもんだからあの子ら
 可愛いって思えるけどごっつあんは他人じゃんか。ほんとはやでしょ??」


「・・・そんなことないよ。」
「優しいね。ごっつあんは。まぁ後1日だもんね、この旅行が終わったらお礼に矢口が
 何かしてあげるよ。」

「ほんと?」

後藤は矢口に迫って言った。


「う?う、うん。な、なに?急に真剣な顔しちゃって・・・」

「約束だよ?よっしじゃあ後藤も元気よく行くよお〜!!!」

急に立つと後藤は吉澤達の荷物を持って手洗いへと向かった。


「なに〜?変なごっつあん・・・。」


そしてその後はため息をつくこともなく4人は楽しく観光をした。
82 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時39分52秒
旅館へ戻った時はもう夜の19時だった。

昨日と同じようにさっさとお風呂に入って吉澤達の部屋で夕食をとり、
今日は最後ということで4人でトランプをしていた。



「矢口王様〜!!」

「またあ??まりっぺ強すぎるよお〜」
「ふっふっふ。矢口こういうの強いんだ♪」

矢口達は何を思ったのか王様ゲームをやっていた。

といってもただ王様が命令を与えるのではなく、王様の権利は『誰と』『誰が』
『どこで』『なにをする』というよっつの内容にわけたくじをひくという権利だった。

王様を『うすのろばかまぬけ』で決め、矢口はずっと勝っていた。


今まで出た内容は、

『梨華ちゃん』と『ごっちん』が『ベランダ』で『漫才をやる』
『ごっちん』と『よっすぃー』が『トイレ』で『ジュースの一気飲みをする』
『梨華ちゃん』と『よっすぃー』が『その場』で『相撲をとる』

その他にも

『梨華ちゃん』と『まりっぺ』が『お風呂で』『ちゅうをする』

というような際どいものもいくつかあった。
83 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時41分33秒
矢口も梨華も恥ずかしくないのか普段からしているのか、何も気にせずに唇に

『ちゅっ』っと軽くだがした。吉澤も嫉妬するわけでもなく笑って見ていた。


後藤はというと・・・

(梨華ちゃん良いな・・・あれが後藤だったら・・・やってないか。良いな、

 あんなことする仲で・・・。)

はぁ・・・

ため息をついていた。


という内容だった。これだけをするのに大分時間がかかっていてもう時計は23時を回っていた。

「そろそろ帰ろうかごっつあん。」

「もう帰っちゃう?最後にもいっかいだけしようよ。」
「もっかいするのお?」
「まりっぺ勝ちすぎだもん!ね、よっすぃー!」
「そういやほとんど何もしてないんだね」

そう言いながら吉澤はトランプを繰り出した。
84 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時43分32秒
そして、その結果・・・
選ばれた二人は・・・


「じゃあよっすぃーとまりっぺね。私はガリガリ君ねはあとはあと

「ガリガリ君なんてコンビニじゃなきゃ売ってないじゃんか。」

「ま、いいじゃないですか矢口さん。」
「梨華ちゃんに甘いんだからよっすぃーは!」

そう言いながらふたりは部屋を出て行った。


出て行った後会話がなくなったので二人はテレビを見ていた。


(梨華ちゃんとよっすぃーってどっちからなんだろ?聞いちゃ悪いかな?)

「あのさ、ちょっと聞いて良い?」


テレビを見ている梨華に声を掛けた後藤。

「なにかな?」

85 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時47分01秒
「あのさ〜変なこと聞くけど、梨華ちゃんたちが付き合ったきっかけって何?」

「私達の付き合い出したきっかけ?・・・私の一目惚れが始まりかな。よっすぃーが
 高校に入ってからずっとファンだったの。猛アタックしておっかけて、それで告白っぽい
 ことしたら『いいよ』って・・・だから付き合ってるの。」

「そうなんだ・・・。(やっぱ聞いちゃ悪かったかな・・・)」


「なんか高校に入る前に誰かと付き合ってたらしいんだけどそのことは聞いて欲しく
 なさそうだから聞いてないんだー。」

梨華は少し悲しそうに言った。


(泣かないでよ?!)
「あっ、で、でもよっすぃーってすっごく梨華ちゃんのこと好きそうに見えるけど?
 後藤には!ナイスカップルだよ!」

後藤はわざと笑顔で言った。


「それは知ってるはあとはあと

「えええ??」

梨華がエヘっと笑いながら言うので後藤は苦笑いをしていた。


(なんなんだよー梨華ちゃんってわっかんないなぁ・・・)
86 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時48分52秒
そしてまた会話が途切れたのでふたりはテレビに視線を戻した。

(・・・てゆーかやっぱ知らないんだ、梨華ちゃん。そもそもほんとにやぐっつあんと
 だったのか怪しいんだけども)




そしてその頃の矢口と吉澤

アイスを買い終えて旅館に向かっているところだった。

世間話などをしながら楽しく会話をしていた。

矢口達が話していると大きな蛾が飛んできて、その蛾が矢口の肩に止まった。

矢口は全く気がつかなかったが、吉澤がすぐにそれに気がついた。


吉澤も虫は嫌いだがここで騒ぐと矢口が壊れると思い、そっと手で追いやろうとしていた。


「ん?なにしてんの?さっきから。」

「え?あ、いや・・・その・・」

「よっすぃーらしくないぞ!はっきり言いなよ!」

矢口が『気になるじゃんか』といった顔で吉澤を見たので吉澤は言った。


(矢口さんのためだったんだけどな・・・)
「落ち着いて聞いてよ?」
「なーに?」

「矢口さんの肩に・・・蛾が――」
「えっ?!」

矢口は吉澤に言われた自分の肩に目をやった。
87 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時50分46秒
「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

吉澤が言い終える前に矢口は大きな声をあげて吉澤に抱きついた。

矢口の声に驚いたのか、蛾はすぐに飛んで行った。



「・・・落ち着いてっていったのに。」

「だってえ!大き過ぎるよあんなの!こそっととってくれたら良かったのに・・・」

矢口は吉澤にしがみついたまま涙を浮かべながら言った。


(矢口さんはやっぱちっちゃいな・・・)

吉澤は自分の腕にすっぽりと納まってくっついている矢口をじーっと見ていた。

(・・・この人と付き合ってたんだよなぁ・・・まさか梨華ちゃんの知り合いだとは

 思わなかったよ・・・また出会うなんてさ・・・)


少しすると矢口も落ち着いて来たのか吉澤から離れようと動いた。

「もう大丈夫だよ〜ごめんねよっすぃー。」


「よっすぃー?もう離してくれて良いよ?」

吉澤がいつまでも矢口を包んでいるので矢口は不思議に思い吉澤の顔を見た。
88 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時52分07秒


「・・・離したくないな・・もうちょっと・・・このままで・・・。」

吉澤の言葉に一瞬驚いた表情を見せた矢口だったがすぐにいつもの顔に戻るとおどけてみせた。


「ばーか!何冗談言ってんの!相変わらず訳わかんないこと言うんだから。」


「・・・冗談て分かった?はは!梨華ちゃんが待ってるから早く帰ろー!!」

吉澤は矢口をパっと離すと落としてしまった買い物袋を拾って歩き出した。

それから吉澤はいつもどおりだったので矢口も気にすることなく後に着いていった。
だが吉澤は・・・・


(未練たらしいな・・・私。自分から別れといてさ・・・ちゃんとしなきゃ・・。)

などと、考えながら帰っていた。
89 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時53分44秒
旅館に戻り、後藤たちの待つ部屋に戻った。

ふたりは待ちくたびれたと言う顔でアイスに飛びつき、すごい勢いで食べた。


梨華は吉澤に甘えながらちょっと分けてもらっていた。

「梨華ちゃんアイス好きだよねぇ〜」
「うん大好き!!でもよっすぃーの方がもっと好きはあとはあと
「あはは。ありがとー。」

また二人だけの世界に入ってしまった。

後藤が羨ましそうに見ていると矢口は何を思ったのか


「ごっつあんも欲しいの?」

「んあ?何が?」
「アイス。すっごく欲しそうな顔だったよ。矢口のあげるよ、ほい。」

矢口は自分の食べていた棒のアイスを後藤に渡した。


(アイスが欲しいんじゃないよ〜(泣)・・・ん?でもこれって・・・間接キス?!)

後藤は少しにやけながらアイスを頬張った。


「美味しそうに食べるねぇ」

矢口が優しい表情をしながら後藤を見て言った。

「お、美味しいんだもん(間接キスはあとはあと)」

「ならあげて良かった。」
「ありがと。」
90 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時55分17秒
そして時計が0時過ぎを指したところでお開きとなった。

「じゃあ明日は朝ごはん食べたらちょっとゆっくりして出発だからね?」
「分かってるよお」
「よっすぃー、梨華ちゃん寝惚すけだから・・・」
「うるさーいまりっぺ!おやすみ!」

梨華は矢口達を外へと追いやるようにして出て行かせた。

「寝惚すけじゃないもん!」

梨華がドアの方を見ながらまだ文句を言っていた。

「・・・寝惚すけでも良いよ。寝顔見れるから嬉しいよ。」
「よっすぃーったら・・・」

梨華は吉澤の首に自分の腕を絡めるようにして抱きつくと目を閉じた。

吉澤は梨華の唇に自分の唇を近づけて行き、軽く口付けた。


唇を離した後、梨華がふとんの方をちらっと見た。
梨華の『えっちしよう』サインだった。


「・・・隣に聞こえないようにしなきゃね。」
「もおっ!大丈夫だよ〜」
「ほんとかなぁ?梨華ちゃん声高くなるし大きくなるから・・・」
「今日は大丈夫だもん!」
「分かったよ。」

吉澤は梨華を抱きかかえるとすぐにふとんへと入って行った。

ふたりの旅行はある意味やっと始まった。
91 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時56分47秒
その頃隣の部屋では・・・

後藤がトイレに入っている間に矢口は寝てしまっていた。

「・・・もう寝てる。ひっどーい!つまんないよごとー。」

矢口をつついたがピクリともしないで矢口は寝入っていた。

「ちぇっ」

後藤も仕方なしにとりあえずふとんに入ったが眠れなかった。


「・・・隣は寝たかな?」

後藤は昨日のこともあったので吉澤が起きているかもと思い、ベランダへ忍び込んだ。

「どっちか起きてたら良いんだけどな・・・さすがに邪魔は出来ないし。」

そう言いながらこそっと部屋の中を覗いた。

しかし部屋の中は真っ暗で、誰も起きていないように見える。

(なーんだ!もう寝ちゃってるよ・・・後藤も寝ろってことかな。ちぇっ)

肩を落として戻ろうとしたその時――

ドンッ

「ひっ!!」

何かが窓に当たった音が急に背後からしたので後藤は驚いてその音の方を見た。

(な、なんなのお?起きてるの?)

後藤がそーっと近付くと
92 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)00時58分33秒
トッ ススーー
今度は少しちっちゃめな、窓を撫でるような音が聞こえた。


(だからなんなのよ!)

後藤は窓の傍まで顔を近づけた・・・するとそこには・・・

少し濡れたような跡が窓ガラスに見えた。


(・・・手?)

後藤は目をこらしてカーテンの隙間から無理やり見える範囲まで顔を近づけた。


声こそ聞こえなかったが、誰がどう見ても『えっちしてる』と言えるふたりの姿がそこにあった。


「!!!(えっちしてるの?)」


後藤は初めて見る生えっちから目が離せずにじっと見ていた。


(梨華ちゃんとよっすぃーがしてるの?マジで?)



(えっ・・・あんなことするんだ?!・・・えっ?!女の子同士であんなことするんだ?!)

後藤は女の子が好きだったがキスすらしたことが無く、そういった方面は以外にも晩生なようだった。


しばらく見ていて、空しくなった後藤は大人しく部屋へと戻った。

(ばからしい・・・他人のエッチ見てどうすんだー。)
93 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)01時00分37秒
部屋に戻ると矢口が小さく寝息を立てながら寝ていた。


(やぐっつあん・・・なんかほっとする・・・。)

後藤は矢口の傍まで寄って行き、その場に座り込んだ。


「ぷにぷにだね・・・可愛いはあとはあと

後藤は矢口の頬を触って遊んでいた。



「・・・ねぇ、やぐっつあんもよっすぃーたちがやってたことした?」





「・・・よっすぃーとした?」







「・・・ばかだな後藤。してたって後藤には口出しできることじゃないよね。」



矢口を見ていたらふと唇に目が行った後藤。

瞬間、夜のゲームで矢口と梨華がキスをしていたのを思い出してしまった。



「・・・後藤もしたいな。」

「寝てるし・・・良いよね?」

後藤はドキドキしながら矢口の唇に自分の唇を近付けて行った。
あと少しでぶつかる――というところで矢口が動いた。

慌てて離れた後藤。
94 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)01時02分51秒

「・・んん・・ごっつあん・・?」

「えっ?!」

自分の名前を呼ばれて驚いた後藤。


(ば、ばれた???)

「・・また遊びにいこーね・・zzz」


「・・・」




「ごめん、やぐっつあん。後藤卑怯だったよね。寝てるやぐっつあんに・・・・ごめん!

 後藤もまた遊びたい。絶対遊んでよね!」

既に寝ている矢口に向かって後藤は言っていた。



そしてしばらく寝顔を見て、後藤も寝た。
95 名前:りょう 投稿日:2002年04月10日(水)01時20分35秒
>72 ROMさま
    初めまして。・・・あっちの感想かよっ!!
    と、取り敢えず突っ込ませて頂きました(w
    感想嬉しいです。ありがとうございます!

>73 ロ〜リ〜さま
    希望の光ですか・・・( ̄ー ̄)
    やぐがごまを好きになるかが・・・などと言ってみたり。

>74 和也さま
    どうも!新作という気がしないです実は。
    書き分けが出来ないので・・・(泣
    頑張ります。

>75 よすこ大好き読者。さま
    やぐよしでもありですか?
    後々絡んでもらう予定です!

>76 名無し読者さま
    どっちもありそうで・・・まだ分かりません!
    どっちの方がいいんでしょおか?
    あと、出来たらsageでお願いします。

>77 no-no-さま
    どうもです。あっちゅうまに旅行が終わってしまいました。
    しばらくやぐごまシーンになりそうです。

>78 R&B(レッド&ブルー)さま
    読みやすいですか?嬉しい!!
    あっちの方は・・・続き・・微妙です。
    書けたら乗せます。
    なので期待しないで待っててくらさい。
    
96 名前:ROM 投稿日:2002年04月10日(水)01時32分56秒
読ませていただきました。
(〜^◇^〜)がいつ(´ Д `)の気持ちに気付くのか
(0^〜^0)と(〜^◇^〜)はどうなっていくのか
(^▽^)は今後どのようにイジられるのか(w
とても楽しみです。
ところで、三村ツッコミってそんなに人気あるんですか?
97 名前:七誌 投稿日:2002年04月10日(水)03時02分35秒
やっと新作をみることができて、感動です!
98 名前:名無し読者。 投稿日:2002年04月10日(水)12時38分20秒
こっちはあっちに比べると
もどかしい感じですねぇ。
もちろんやぐごま希望ですが作者様におまかせします!
がんがってください。
99 名前:とみこ 投稿日:2002年04月10日(水)14時17分54秒
めちゃんこどっこいおもしろいです(?
やぐよし・ごまやぐ?が見たいです!!もちろん石吉も。
100 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)23時51分28秒
次の日の朝―― 
朝食をとる時間になっても梨華たちは来なかった。

「遅いね。」
「どーせ寝てないんだよ、いいよほっといて先に食べよごっつあん。」

「(知ってるんだ・・・)う、うん。」



矢口達が食べ終わった頃吉澤達が現れた。

「おはよーまりっぺにごっちん。」

「「おはよー」」

「遅くなっちゃって・・・」
「ふたり揃って寝惚すけなんだから!」


「・・・(照)」

後藤は昨日のことがあったので恥ずかしくてふたりの顔をちゃんと見ることが出来なかった。

「ごっちんどうかした?」

それに気付いた吉澤はすぐに問いかけた。

「えっ!ううん。どうもしないよ。」
「ほんと?」
「もー良いから早く食べて帰る用意しなよ?矢口達もう終わったから。10時に出発だからね?」
「分かったあ」

矢口と吉澤達は一度別れた。
101 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)23時54分08秒
そして矢口の車は出発し、それぞれの自宅へと送って行っていた。


最後に後藤の家に向かった矢口。

吉澤を降ろしてから30分くらいのところに後藤の家はある。

そのため30分はふたりっきりになってしまう。




「疲れたねぇ〜」

矢口は運転をしながらボソッと言った。


「でも楽しかったよ。連れて行ってくれてありがと」

「な〜に言ってんの!こっちこそ付き合ってくれてありがとね。助かったよ。」

矢口と後藤は梨華たちのバカップルぶりや学校のことバイトのことなど、
楽しく会話をしながら後藤宅へと向かっていた。



キキィッ

「ここだったよね?」


「・・うん。ありがと。」

矢口は家の前で車を止めたが後藤は一向に降りる気配がなかった。


「どうしたのごっつあん?降りないの?」
102 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)23時55分54秒
「(もっと一緒に居たいなあ・・・あっ!)やぐっつあん覚えてる?」

「え?何を?」
「帰ったら何かしてくれるって言ったこと!言ったよね?」

後藤は矢口に迫りながら言う。


「あ、ああ〜そうだったね。」
「何してくれるの?!」

「ちょ、ちょっと、近付き過ぎだよ!怖いってば!」


「(怖い・・・(泣))ひどーい!」

「別になんでも良いよ。ごっつあんがして欲しいことあったら言ってくれたら良いよ。」

「ほんとに?」

後藤は目を輝かせながら言った。


「(マジ怖いってー)う、うん。」
「じゃあ・・・・」


と後藤は10分ほどうなりながら考えていたが決まったようだ。

「じゃあドライブに連れてって♪」
「ドライブぅ?そんなんで良いの?」
「うん!ふたりで遊びに行こうよ。後藤お弁当とか作るしー。」

「・・・じゃあそうする?ごっつあんがそれで良いんならそれで良いから、
 また今度日にち決めよっか。」

「うん!・・・じゃあ今日はこれで・・・。」
「うん。またねーごっつあん。」

矢口は後藤が降りたのを確認すると車を走らせて帰って行った。



矢口の車が見えなくなるまで見送って家へと入った。
103 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月10日(水)23時57分32秒
「ただいまー」

「おかえり。楽しかったかい?」
「うん、温泉も気持ち良かったし富士山もきれいだったし。」
「そりゃあ良かったね。なんだっけ?バイトの店長が連れて行ってくれたんだっけ?」
「ううん。店長の知り合いだけどね。」

「楽しかったんなら良いけどあんたも女の子とばかり遊んでないで彼氏、居ないのかい?

 お母さんは彼氏くらいは作って欲しいんだよ。外泊は駄目だけどね!」


「良いの!まだ欲しくないから。いつか出来るよ。じゃあ疲れたからお風呂入ってもう寝るね。」

後藤はそそくさと部屋へと入っていった。





「・・・ふぅ」



「・・・彼氏なんか一生作らないよ・・・」

自分が同性を好きということをまさか親に言えるはずがない後藤は親に言われるたびに

悲しかった。よく、『あんたの子供は可愛いだろうねぇ早く孫の顔が見たいよ』と

言われ、そのたびに一生それは無いということを申し訳なく思っていた。
104 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月11日(木)00時00分14秒
G・Wがあけてバイトが始まった後藤

「おはよーございまーす。」

「おはよ。ありがとね、旅行。」
「いいえ〜楽しかったですよ。」

「で、梨華たちはどうだった?吉澤おかしなことしてなかった?」
「えっ?してないですよ!大体同じ部屋なのに出来るわけないじゃないですか!」
「それはそうだわね・・・。」

保田は納得という顔をした。

「・・・店長はどうしてよっすぃーのことそんなに嫌うんですか?」


「・・・」

「よっすぃー話し易くて良い感じの子でしたよ?」


「・・・あの子は・・」

「んあ?」

「自分のことしか考えてないから。他人を傷つける子だから。」

「誰を傷つけたんですか?」


「・・・昔付き合ってた子と友達でね。」

「・・・昔は店長の言うような子だったかもしれないけど今は違うかもしれないじゃないですか。」

「どっちでも良いのよ。私の友達を傷つけた子だから梨華も傷つけるんじゃないかって。」


「・・・」

会話がなくなり沈黙になり、保田は奥へと引っ込んで行った。

(わちゃー・・・怒ってるかな店長・・・でもよっすぃー良い子だったよね・・。

 誤解だと思うけどな後藤は・・・。)
105 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月11日(木)00時01分29秒
そして一週間後、矢口が店に顔を出した。

ぴろぴょろりん♪

「おっす!」
「いらっしゃあい!ここ、ここ座って。」
「ん?」

後藤は自分がいつも居るカウンターから一番目につく見やすい場所に矢口を案内した。

「何飲む?」
「あー今日はすぐ帰るし良いや。」

「えー帰るの?」

「今日はさ、ごっつあんとドライブする日にち決めに来ただけだから。」

「あっそれかあ!やったね!」

後藤はパァーっと明るい顔で言う

「矢口は今バイトの予定表出す前だからいつでもいけるんだ。ごっつあんにあわせるからさ」

「良いの?それじゃー・・・」

後藤はカレンダーを見ながら考えている。
106 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月11日(木)00時02分41秒

(早く遊びたいけど後藤ずっとバイトだなぁ・・・)


「バイトばっかだね。」

矢口がそれに気付いて言った。


「う、うん。どうしよっかな・・・」

「圭ちゃんに言ってあげるよ。休みくれーって。」
「え?良いのかなそんなの。」

「良い良い矢口が許す!じゃあ決まり!圭ちゃんに聞いて休めそうな日にいこっか。」

「うん!!」


「今日は圭ちゃん居ないの?」
「あー今買出し行ってる。」

「そっか、じゃあ圭ちゃんに聞いたら連絡するから。」

「分かった、待ってる。」

「じゃあ矢口帰るね、ばいばい。」

矢口はすっと席を立って出て行った。


(楽しみ♪)
107 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月11日(木)00時04分16秒
そして数日後、矢口からメールが来た。

『5月19日(日)休んで良いってさ。圭ちゃんずっと店に居るみたいだし。どう?』

『日曜日なのに良いのかな?』

『良いっていってたけど・・・大丈夫なんじゃない?』

『ならその日が良い!何時に待ち合わせる?』

『そうだなーごっつあん行きたいところとかある?それ決めてから時間も決めよっか。』

『じゃあ海行きたい!』

『海?!まだ泳げないでしょ。』

『そんなの分かってるよお!ただドライブしたいんだもん。海目指してドライブすんの!』

『分かったよ。じゃあそうしよ。朝9時頃に家まで迎えに行くわ。』

『ありがと!じゃあ楽しみにしとく!』

『おうっ矢口も(^-^)』


「やったあ!!!!」

後藤はメールを打ち終わると嬉しさのあまりベッドにダイブした。



(・・・やぐっつあんとふたりっきりだよ。誰にも邪魔されないで・・・ふたりっきりはあとはあと楽しみ♪)
108 名前:りょう 投稿日:2002年04月11日(木)00時13分15秒
>96 ROMさま
     石は・・・あまり考えてなかったです。
     こ、これから考えます。
     三村ツッコミは友達のマイブームらしいです。

>97 七誌さま
     感動するような話でもないですよお!
     だらだらやっちゃてます。
     でも、ありがとうです。嬉しいお言葉でした!

>98 名無し読者。さま
     こっちは見切り発車なので少し(^^;ってます。
     あっちはどうしようかなぁ・・・と。
     やぐごまに1票ですね(^-^)

>99 とみこさま
     どうも!おもろいと言われているうちに更新頑張ります!
     
     では、おやすみなさい。
109 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月11日(木)01時44分32秒
やはり、保田はよしやぐの過去を知っていたんですね。
でも、だとしたら吉澤はよく『こなきじじい』に顔を出せたなぁ〜?
保田がいたら塩ぶっかけられて、追い出されただろうに(w
110 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月11日(木)07時32分15秒
えっ・・・。
りょうさんマジっすか。
どーかゴマに幸せが訪れますよーに。(祈)
でもよしやぐの絡みからも目が離せない・・・。
ゴマ&りょうさんがんがって!!
111 名前:no-no- 投稿日:2002年04月11日(木)16時09分13秒
ドライブですか、どんな面白い事が待ってるのでしょう。
いしよし結局やっちゃいましたね、このままごたごたが
無ければいいのですが、、、
更新お待ちしてますです。
112 名前:とみこ 投稿日:2002年04月11日(木)17時37分33秒
無邪気なごっつぁんがメチャクチャかわいいです。
矢後、うまくいくといいな!
113 名前:名無し読者・・・。 投稿日:2002年04月11日(木)23時35分30秒
ここのごまは可愛いです!
早くごまの想いが届くことを心から祈ってます。
やぐも早く気づいて!!
マターリまってます。がんがってください。
114 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時10分11秒
そして5月19日(日)
約束の日が来た


家の前に着き、矢口が電話をしようと携帯に手をかけた時、後藤が窓をノックした。

矢口が気付いて窓を見ると後藤がふにゃっとした顔で矢口を見ていた。

カチャ
「おはよ〜」
「おはよ、ごっつあん。荷物後ろに置きなよね。」
「うん。」
「そんじゃー出発しますかあ!」

「れっつごー!!」

矢口達は日帰り出来る範囲の所にある海を目指して車を走らせた。


「やぐっつあんさー最近何してんの?」
「なにって何が?」
「バイト。」
「前と大してかわんないけど、本屋のバイトは辞めた。」
「どうしてぇ?」
「違うのやりたくなっちゃって。今はレンタルビデオ屋でバイトしてる。」
「だからかあ〜最近店に来なかったの。」
「そうだね。前は毎日行ってたもんね。働く時間帯も変わったしなかなか行けなくてね。」
「何時頃働いてるの?」
115 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時12分30秒
「それはそうだけど・・・そんなだったら遊べないじゃんか。バイトばっかじゃん。
 つまんないじゃんか。」

「ごっつあんだってバイトあるでしょ?梨華ちゃんだってよっすぃーだってバイトあるし。
 遊べる時に遊んだら良いじゃん。ごっつあんは矢口より梨華ちゃんとか、同い年の子と
 遊んだ方が話も合うし楽しいと思うよ?」

「そんなことないよ!やぐっつあんと居ると楽しいしあっという間に時間経つもん。
 梨華ちゃんとか同い年の子とも遊ぶけど、やぐっつあんとも遊びたいもん。
 これからも遊んでよ・・・。もう遊びたくないみたいな良い方しないでよ・・・」

後藤がどこか淋しそうに言ったので矢口は慌てて言った。

「そういう意味で言ったんじゃないよ!ごっつあんと居ると楽しいし矢口は遊ぶの
 オッケーなんだけどせっかくの休みに矢口と遊んでたら同い年の子と交流なくなるんじゃ
 ないかって気になっちゃってさ。」

「大丈夫だよそんなの。学校では遊んでるし。そんなの気にしないで。」
116 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時13分39秒
「・・うん、ごめん、変なこと言って。」


「・・・ううん。今日はいっぱい色んな話しようね。」
「うん」

2時間ほど車を走らせると大きな公園が見えたので矢口は車を止めた。

「そろそろお昼にしない?矢口おなかすいちゃったよ」
「後藤も!後藤いっぱい作って来たんだよお〜。」

「楽しみだよ。」
「えへへ」





「はい。」

後藤はかばんからお弁当を出して矢口に見せた。

「うわぁ〜!!めちゃ美味しそうじゃんか!なにこれ、全部ごっつあんが作ったの?」
「そうだよ。ぜーんぶ後藤が作った♪」

「ちょ、ちょっと食べて良い?」
「いくらでも食べてよ。」

後藤はにこにこしながらヤ矢口が摘むのを見ていた。

心の中ではドキドキしながら。

(まずいって言われたらどうしよお〜美味しいはずだけど・・・どうなのかな・・・)
117 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時14分54秒
口に入れてモゴモゴとする矢口。

口を動かすだけで何も言わない矢口を見て後藤は不安になった。



「・・・美味しくないかなあ?」

矢口は買ってきた緑茶をごくごくと飲み、心配そうに見ている後藤の方を向いた。

「ぷはぁーっ めちゃ美味しい!!ごっつあんやるねえ!ほんと美味しいよ。」

矢口はそう言いながらどんどんとおかずを食べていった。


美味しそうにパクパクとすごいスピードで食べる矢口を嬉しく思い、見とれていた。


「ん?ごっつあん食べないの?矢口食べちゃうよ?」

矢口がまだひとつも口にしていない後藤に気付いて言った。

「駄目駄目、後藤も食べる!上手く作れてよかったよ。」

「上出来だよ!矢口あんま料理とかしないからこういうの出来るごっつあんが羨ましいや。」


「えへへっ 後藤の愛情がい〜っぱい入ってるからね!」
118 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時16分45秒
「なるほどお〜ごっつあんの愛情いっぱいかー矢口幸せ♪ごっつあんの彼氏になる人はラッキーだね!」


「え・・・・・・そんなことないよ。」

後藤は矢口の言葉を聞いてガクっとなり、肩を落とした。



「あれ?矢口なんか変なこと言った?」

「・・ううん。それよりさ、後どのくらいで海見えるかなあ?」

「あと?そうだね・・・多分1時間も走れば見えると思うよ。」
「そっかあ・・・楽しみだね。」


(やぐっつあんって何気にひどいよね・・・やぐっつあんへの愛情なのに・・・・
 
 てか、彼氏って・・・彼女が欲しいんだよ後藤は〜〜〜!!!)


「ほんと美味しかったよ、ありがとね。」

「ううん。お菓子とかも作るの好きだし、また今度作るよ。」
「マジで?やったね♪」



そして矢口達は海を目指してまた車を走らせた。
119 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時19分09秒
「今日ってさー梨華ちゃん何やってんの?」
「梨華ちゃん?さぁ、バイトじゃないかな。」
「そっか。よっすぃーは?」
「よっすぃーはバイトって言ってた。せっかく日曜日なのに会えなくて可哀想だね。」
「ほんとだね。・・・あのさ〜」

「なに?」



「やぐっつあんってさー・・・」

「矢口がどうかした?」



「・・・よっすぃーと知り合ったきっかけって何?やっぱ梨華ちゃん?」

「そうだよ。梨華ちゃんから紹介されたんだ。」


「昔の知り合いとかってわけでもなく・・・?」

「?どしてそんなこと聞くの?」



「えー??やー・・・前に店に来たときさーすっごく仲良さそうだったから・・・もともと
 知り合いだったのかなってさ。」

120 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時20分22秒
「・・なるほどね。よっすぃーのことはさ、ずっと梨華ちゃんから聞いてたんだよ。
『今度入った新入生ですごくカッコイイ子が居るの』『性格も良さそうだし』
『話しやすいし』ってね。梨華ちゃんから毎日毎日聞いてたからずっと知り合い
 だった気がするのかな。梨華ちゃん積極的でさぁ〜出会って2週間くらいで
 告白したんだよ。早すぎると思わない?!」

「2週間?!早いねそれ!」

「でしょ?矢口もさすがにびっくりしたよお」



「・・・でもさ、女の子相手なのに振られるとか、そういうこと気にしなかったのかな?」



「・・・気にしてたよ、そりゃ。でも『好きになっちゃったからもうどうしようもない』
 って・・頑張って告ったんだよ。」


「すごいや・・・。」
「でしょ?それでよっすぃーが女の子オッケーだったから付き合いだしたんだよ。」


「・・・後さぁ・・・聞きたいんだけど――」

後藤が何かを言う前に矢口が叫んだ。
121 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時21分31秒
「あーーーーー!!ごっつあん海が見えて来たよ!海!!」
「えっ?!どこお?見えないよお?」
「あすこあすこ!」

矢口が指差した方向を見ると、山と山の隙間から確かに海らしいものが見えた。

「ほんとだあ!!海だあーーーーーー!!!やっと見えたね。嬉しいよお!」
「そうだね。あすこまで行ったら車止めて下降りようね。」
「うん!!!!」


(あれ?話終わっちゃったよお・・・)



キキッ
矢口は車を止めると後藤とふたりで下へと降りていった。

そこは遊泳地区ではなく、ビーチというビーチもなく、ただ、砂と海がある、そんな場所だった。


「・・・なんか人居ないし淋しいねえ。」

矢口がぼそっと言った。

「でも海じゃんか。」

「そうだけど・・・ごっつあんが行きたい海ってこんなじゃないでしょ?ごっつあんが
 行きたかった海まで行こうよ。」

矢口はそういうとさっさと上へ行こうとしたが後藤はとめた。

「ここで充分だよ!人居ない方が落ち着くし、のんびりできるじゃん。」
「でもさ〜」

「後藤はここが良いな。ちゃんと砂浜だってあるんだし。」


「・・・そう?」
「うん。」

後藤は矢口に微笑みかけた。
122 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時22分34秒
「・・・ほんじゃ・・・一応海ってことだし・・・・」
「うんうん」



「「はしゃぎますか!!!」」

矢口達は声をそろえて言うと二人揃って海へと向かって行った。



子供のように水をかけあってはしゃぐふたり。

貝殻を拾ったりゴミを集めたり・・・

5月の海はまだ冷たかったがそんなことも感じないくらいにふたりはじゃれあって遊んだ。



気がつくと空がうっすらと暗くなりだした。

「あーもうこんな時間かあ・・・」

時計は18時過ぎを指していた。

(まだ遊びたいよお〜)

「ごっつあん今日って何時までに帰らないと駄目なの?」
「今日中なら大丈夫。」

「じゃあ・・・もうちょっとしたら帰らないとね。」



「・・・うん。」

淋しそうに言う後藤に気付いたのか、


「・・矢口さ、良いもの持って来たんだよね。」

「良いもの?」
「そう!良いもの!ちょっとここで待ってて!」

矢口はそう言い残し車の方へと向かった。
123 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時24分07秒
「なんだろ・・・」

5分ほどして矢口が戻って来た。
戻って来た矢口が手にしていたものは・・・

「じゃーん!これなんだ?」

矢口は持っていたものを後藤に見せた。

「・・線香花火?」
「そう、線香花火。去年の残りだけど・・・やらない?」
「やる!!」

「ごめんね。線香花火しかなくてさ〜」
「ううん。線香花火大好きだよ。」
「なら良かった。」

あたりは薄暗くなっていたが花火をするにはまだ少し明るかった。
それでも遅くなるといけないのでふたりは火をつけて始めた。

どっちが長くもたせれるかなど競い合ったりくっつけてとりあったり、いろいろ
しながら楽しくやっていた。

そんな線香花火も残すところあと2本となった。

「最後だね。」
「うん。これやったら帰ろうか。」


「・・・うん。」

最後はお互い決めた訳でもないが静かにやった。
やり出して少しした頃、矢口が口を開いた。
124 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時25分23秒
「・・・こうやって見てるとさぁ・・・色んなこと思い出しちゃわない?」

「・・・たとえば?」

「ん〜・・たとえば・・・ごっつあんと最初に出あった時のこととか・・・」
「あー・・・ごめんね、あの時は。」
「あはは 良いんだけど・・線香花火ってさ、ちょっと切ない感じしない?」


「・・・するね。後藤もいろんなこと考えちゃう」
「だよねぇ・・。」

そして少し沈黙になった


後藤がふと顔を上げると、
火の光が矢口の顔を照らし、花火を優しい表情で見る矢口が見えた。

後藤はその矢口から目が離せないでいた。


(・・・結局やぐっつあんはストレートなのかそうじゃないのか・・・何も分からなかったな

 ・・・後藤は梨華ちゃんみたいにストレートって思ってて告れるほど強くないよ・・・)


「あっ」

考え事をしているうちに後藤の花火が終わった。


「矢口の勝ちだね♪」



「・・・あのさぁやぐっつあん・・・」

「なに?あとちょっとで終わるから待ってくれる?」
「うん。」

それから少しして矢口の花火も消えた。
125 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時26分34秒
「ごめん、ごっつあんなんだった?」

「あっ・・うん・・・えっと・・車で話すよ。帰りながら。」
「そう?」

矢口と後藤は荷物を持って車へと向かった。

ガチャ

「さて、帰りますか!!」
「うん。」

車を30分ほど走らせたが何の言葉も発しない後藤だった。



「ごっつあん話があるんじゃないの?」



「・・・うん。」

「悩み事?矢口頼りないけど聞くよお〜」



「・・・」


「・・・言いたくなったら言ってね。」


矢口は前を向いて言った。




10分ほどまた沈黙が続いたので矢口は持ってきていたCDをかけようとした。

そのとき後藤が話し出した。
126 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時27分39秒

「・・・あのさ〜・・・」


矢口は優しい声で返事をした。

「うん?」



後藤は、何かを言おうとして言えない、そんな感じに見えた。

「ごっつあん、言いたくないことだったら無理して言わなくても良いんだからね?」


矢口がそう言ってすぐ、後藤は深く頷くと顔を上げて話し出した。


「ん、まずはやぐっつあんに聞きたいことあるんだけど、聞いても良い?答えてくれる?」

「内容によるけど、可能な限り答えるよお〜。」

「ありがと。じゃあ聞くけど、・・・やぐっつあんって梨華ちゃんたちみたいな、

 女の子同士の恋愛になんで理解があるの?普通は理解出来ないこと多いよね?」

「なんでって・・・ごっつあんだってすぐ理解したじゃん。」

「そうだけどそれは後藤の周りにもそんな子が居たからで・・・やぐっつあんにも居たの?」



後藤の質問に矢口は一瞬言葉を詰まらせたように見えたがすぐに話し出した。
127 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時29分16秒
「それは・・・梨華ちゃんが矢口の妹みたいだったからだよ。梨華ちゃんの好きになった

 人が女の子だったから、受け入れた。」


「・・・・梨華ちゃんが可愛いから?」


「・・そういうことになるのかな。」

「じゃあ、そのへんの知らない子がそうだったら受け入れてなかった?」

「それは・・・・わかんないよ。」



「・・・やぐっつあんは、仲良くて可愛がってる梨華ちゃんのことだったから

 受け入れたんだよね?」

「・・・うん。」





「・・・じゃあ・・・・・・」

「じゃあ?」








「・・・・・後藤がそうだって言ったら?」

「え?何言って――」

「後藤も女の子が好きだって言ったらどうする?」




「・・・」

「答えてよ。」

後藤は運転をする矢口を見つめながら言った。
128 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時30分58秒
矢口は脇に車を止めると後藤を見て言った。

「本気で言ってるの?」




「・・・本気だよ。後藤は男の子じゃなくて女の子が好きなの。」

(言っちゃった・・・・い、言っちゃったよおおおおおおおお!キショイって言われたら・・

 もう会うのやめるって言われたら・・・嫌いになられたら・・・立ち直れないよ・・・)

堂々と話すのとは裏腹に心の中ではものすごく動揺しているのだった。

そのせいか後藤の表情が暗くなる。



「・・・ごっつあんは本当に女の子が好きなんだね?」



「・・・うん。」






「・・・嫌いになる?」

自分でそう言って思わず涙が出た後藤。


「ご、ごめん。」

後藤はすぐにハンカチで拭こうとしたが矢口が止めた。


「ごっつあんの言う事なら矢口は受け止められるよ。ごっつあんが勇気だして言った

 想いじゃんか、どうして嫌いになるのさ。矢口はそんなに器のちっちゃい人間じゃないよ?

 それに矢口だって――」
129 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時33分04秒
「やぐっつあんだって?」

「あっ?!――ううんっなんでもないよ。とにかくごっつあんは何も変わらないんだからね。

 嫌いになんかなるはずないよ。」


それを聞いてますます涙の止まらなくなった後藤。

矢口が手でそれを拭ってやっている。



「矢口はさ、ごっつあんのことも大事な妹だって、大事な友達だって思ってるんだからね?

 ひとりで悩んでないで相談してよ。」


(・・・妹・・・友達・・・そんなのやだよ・・)


「好きな人出来たら協力するから・・・もう泣かないでよ・・・」

「・・・ありがと。」


「ううん。ごっつあん可愛いから、頑張ったら大丈夫だよ!あっ、それかもしかして

 好きな人居る?」

「えっ・・好きな人?」


「そう。矢口の知ってる人だったら協力出来るもんね。」

矢口は笑顔で言った。



(きついな・・・やぐっつあんてば。)
130 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時34分59秒
「・・・居るよ。好きな人。」

「ほんとお?!どんな人なの?」


「・・・その人はね、後藤よりちっちゃくて可愛くて大人で優しくて話が合って、

 一緒に居ると楽しくなっちゃう、そんな人なんだ。」


「ふうん・・・矢口の知ってる人かな・・・?」


「・・・ごめんね。急に変なこと言って。もう遅いし今日は帰ろ?」

「そうだね。」


そしてその後は後藤も普通に話すようになり、矢口もひとまず安心して車を走らせた。


0時近くに後藤の家に着いた矢口達。

「ほんじゃお疲れ。楽しかったよ。」
「後藤も。今日は連れていってくれてありがとね。また、遊んでね。」
「うん。」
「じゃあバイバイ」
131 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時36分12秒
後藤が車を降りたところで矢口は窓を開けた。


「ごっつあん、ごっつあんは矢口でも可愛いって思えるほどだからね。最初の印象は

 悪かったかもしんないけどそれでも矢口とこんなに仲良くなっちゃうごっつあんだから、

 大丈夫だよ!頑張ろうね!!」

矢口は優しい表情で後藤を力付けるように笑顔で言った。


後藤はその言葉を聞くと少しの沈黙の後こう答えた。



「・・・後藤の好きな人はやぐっつあんだよ。」

そして切ない表情で後藤は矢口の返事を待たずに家へと入っていった。


矢口はしばらく口を開けてぼーっとしていたが、我に返ると取り敢えず車を走らせた。

自分の住むマンションまで帰って駐車をして部屋に入ったところでやっと口を開いた。



「えええーーーーーーーー???????」

矢口の叫ぶ声はマンション中に響いた。
132 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月13日(土)01時37分06秒
(矢口のことが好きって言った?)


(・・・本気で言ってんのかな?)

(そういう好きなのかな・・・矢口みたいに姉妹愛じゃなくて・・・)




(・・・どうしたら良いんだろ・・・)



(矢口以外の人だったら協力出来たけど・・・まさか矢口だなんて・・・・・本気????)

後藤に言われたことを真剣に考えたが答えの出なかった矢口だった。

「・・取り敢えず今度また会いにいこ・・・」




ここは後藤宅


(聞こえたよね?やぐっつあんにちゃんと聞こえたよね?本気にとってくれてるよね?

 ・・・・明日っからどうしよう・・もう店に来てくれなかったらどうしよう・・・

 どうやって接したら良いんだろ・・・言わない方が良かったのかな・・・

 つい言っちゃったから仕方ないけど・・・)


後藤も矢口と同じく長いこと考え込んだが答えは出なかった。
133 名前:りょう 投稿日:2002年04月13日(土)01時46分28秒
>109 名無し読者さま
     何故追い帰されなかったのか・・・などは
     のちのち分かるのです。メール欄、もらった(w なんちて

>110 ロ〜リ〜 さま
     えっ・・・。どうして驚くのですか?
     やぐごまですよお!やぐごま!
     ごまにはもっと頑張ってもらって、なおかつ吉にも・・・(w
     石は・・・放置?←ウソです。

>111 no-no-さま
     ドライブのシーンはいつものごとくあっちゅうまに
     終わってしまいました。でも、まぁ展開があったということで
     許して下さいな(w

>112 とみこさま
     とみこさんの、見てます!!
     レスもしたりしますがHNが違うので・・・。
     頑張ってくらさい!←ここで言うなって感じですね。

>113 名無し読者・・・。さま
     まだ・・・くっつかなさそうです。
     も、もう少しお待ち下さい。
     どうもです♪
134 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月13日(土)02時09分59秒
いぇーー!!
初リアル更新!!
いやー、とうとうゴマが告りましたね〜〜!!
ゴマよ!!勇気を出して押しまくれ!!!
りょうさん、頻繁な更新お疲れ様です。
これからも楽しみにしているので、頑張って下さい。
いつもありきたりなレスですいません。
135 名前:パム 投稿日:2002年04月13日(土)05時01分38秒
新作おめでてとうでっす。遅くなりましたが読ませてもらったです。
ハマッてます。やばいです。ゴマが・・・イイ!
「乙女〜」も激萌えですがこちらもカナ〜リ熱いです!!(w
これからのゴマの奮闘に期待しつつお気に入り決定!!
がんがってくださいっす!。
136 名前:109 投稿日:2002年04月13日(土)16時40分14秒
あんなんで良ければいくらでも貰って下さい。(メール欄)
>理由は後々……
そうですか、では大人しく待っときます。
137 名前:とみこ 投稿日:2002年04月13日(土)19時35分31秒
「言いたくなったら言ってね・・・」の矢口、優しいですね。感動です。
138 名前:no-no- 投稿日:2002年04月13日(土)20時31分12秒
ごま言っちゃいましたねー。
「また会いに行こう」って事は、脈ありですな。
続きが気になってしょうがなーい。
更新お待ちしてます。
139 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時35分08秒
そして次の日。

矢口は来なかった。


「・・・バイトだよバイト」


その次の日もそのまた次の日も矢口は顔を出さなかった。



「・・・もう会えないのかな・・」



矢口と最後に会ってから2週間が経ち、後藤も前向きに考えられなくなっていた時だった。


後藤はその日のバイトが終わって帰ろうと裏口から出た。



「やだな〜雨降ってるじゃん。カサ持ってきてないよお〜」

後藤は空を見上げながらため息をついた。


「・・・店長に借りれるか聞いてみよ・・」

後藤が店の中へ戻ろうとドアのノブに手をかけた時――


「送っていくよ。」

その後ろから声がした

「えっ?」

後藤が驚いて振り返るとそこには矢口がカサを差して立っていた。
140 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時36分22秒
「やぐっつあん?!」


「久しぶりだね。」

「う、うん。どおしたの?」


「え?・・・やー・・・さっきこの近くに住んでる子の家にお邪魔しててさ・・・
 帰り道だったから。ごっつあん終わる頃かなと思って寄ってみたの。」

「そうなんだ。でもほんとに久しぶりじゃない!元気だった??」

「うん。ごっつあんも元気そうで良かった。」

矢口はどこかほっとした顔をした。



「後藤のうちまで送ってくれるの?」

「え?あ、うん。カサ無いんでしょ?結構降ってるしごっつあんと会うのも久しぶりだし。」

「ありがとお〜」

後藤は遠慮なくカサに入れてもらい、歩き出した。
141 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時38分40秒
少し歩いたふたりだったが、後藤が急にピタっと立ち止まったので矢口も止まった。


「・・・後藤が持つね。」




「・・・その方が良いね。」

矢口が差していたが身長差があまりにもあるため後藤はかがんで入っていた。

矢口は申し訳なさそうにカサを渡すと並んでまた歩き出した。


(なんか、ごっつあん普通でよかった。気のせいだったのかな、この前聞いたことって。)



(やぐっつあん普通だね。やっぱ本気に取られてなかったんだな・・・気まずくなくて良いけど・・・。)


「やぐっつあんさー、最近店に来なかったじゃんか。バイト忙しかったの?」

「そうなんだよ〜なかなか休み取れなくて。」

本当だった。日曜日休んだために無理やりシフトを入れまくられていたのだった。

「バイトでよかった。」

後藤はほっとしたように言った。



「・・?」
142 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時42分04秒
「あっ、雨止んだね。」

歩き出して5分ほどした頃雨は止んだ。


(ちぇっ!せっかくくっついていられたのにさ)

後藤はつまらなさそうにカサを閉じると矢口を見た。


(どうしたら良いのかな・・・本気にしてなかったみたいだし・・ううんそれどころか

 もしかしたら聞こえてなかったのかもしれない・・・もし聞こえてなかったんだったと

 したら・・・・もっかい言う勇気はないよ後藤には・・・悲しいなぁ)



少し歩いて後藤は『はっ』とひらめいた顔をして矢口に言った。


「ねぇ真里お姉ちゃん、お願いがあるんだけど。」

「なっ、なに急にぃ〜名前で呼ばないでよ!!恥ずかしいじゃんか!
 それにお姉ちゃんってなにさ!」

「だって前に言ったじゃん。後藤のこと妹みたいに思ってるって・・・嘘だったの?」

「うそじゃないけど・・・・照れるからやめてよ・・」



「・・・分かったよお〜」

「悪いね。・・・で、お願いって?」
143 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時44分27秒


「・・家着くまで手ぇ繋いで帰りたいなぁ後藤。」

後藤はニコっと笑顔で爽やかに言った。

「手ぇ繋ぎたいの?」
「うん。駄目?」

「ううん。そのくらい簡単だよ。」

矢口は断る理由もなかったのでそのまま後藤に手を差し出した。


後藤はすぐに矢口の手を取ると今までみたことのないような、すごく幸せそうな顔で笑った。



「あったかいはあとはあと

その表情を見ながら矢口は思った。

(・・・なんか・・・今の表情って微妙だなぁ〜・・・手ぇ繋ぐのがそんなに嬉しい??

 なんか・・・可愛いなぁごっつあんてば。)



そして10分ほどすると家に着いた。
144 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時47分23秒
「ありがとね〜送ってくれて。」

「ううん。気にしないでよ。」

後藤はニコニコしながらずっと笑顔で矢口を見ていた。



(なんか・・・可愛い・・・)

「じゃあ入るね、後藤。」

「・・うん。・・・あっちょっと待って!」

後藤が玄関のドアの方へ向いたとき矢口が引きとめた。

「なに?」


「え・・?・・・あれ?矢口の声?今の。」

「あはっ!なに言ってんのお!ちょっと待ってって言ったでしょ?ここには後藤と
 やぐっつあんしか居ないよ。」



「・・・何言いたかったんだろ・・?」

「なにそれえ〜・・もーやぐっつあんてば・・」


後藤が呆れ顔でいると矢口は話し出した。


「あ・・あのさっ・・・今度また遊びにいかない??」

「えっ?」
145 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時49分05秒

「あ、あの・・・またごっつあんと遊びたいなーって思って・・」

「行く!!後藤も遊びたい!!いつにする??」



「良かった・・・」
「え?」

「あっううん。ごっつあんどこか行きたいとこない?」

「行きたいとこ?・・・久しぶりに遊園地とか・・・行きたいかも・・・」

「遊園地?絶叫いけるの?」
「大好きだよお!遊園地行きたいな、後藤。」
「遊園地かあ〜・・・良いね、そうしよっか。矢口も久しぶりだよ。」
「そうしよ!やったあ!」

後藤は目を輝かせて喜んでいた。

(めっちゃ喜んでるね・・・前のって気のせいじゃないのかな・・・・・・でも、

 そうだったら矢口返事しなきゃいけないよね?してないけど普通だし・・・気のせいかなぁ。)


「じゃあまた連絡するし。」
「うん。おやすみ。」

矢口はそう言い残し帰って行った。
146 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時50分45秒
数日後――
梨華はひとりで矢口の家へと遊びに来ていた。

「まりっぺさぁ最近遊んでくれないね。」
「バイトが忙しいんだよね。」
「バイトだけ?」
「え?そうだけど。」

「ほんとはごっちんと遊んでるでしょ?」

「ああ・・・前に海行ったかな。」

「今度また遊ぶんでしょ?」


「・・・なんで知ってるわけ?矢口言ったっけ?ごっつあんから聞いた?」
「ううん。圭お姉ちゃんから聞いたの。」

「なるほど・・・。」

「まりっぺ、ごっちんと仲良いよね。」
「そうだね。話合うし気ぃ使わなくて良いし一緒にいると楽しいよ。」



「・・・ごっちんってさぁ・・・まりっぺのこと好きなのかなぁ?」
「ハア??」

思わず矢口は大声で言ってしまった。


「急におっきな声出さないでよ。」

「だ、だってどうやったらそんなことが浮かぶのお?」


「だってごっちんのまりっぺ見る目って普通じゃないよ?好きな人見るような目で見てるよ?

 まりっぺ気付いてないのお?」


「気のせいだよ梨華ちゃんの。」
147 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時53分06秒
「気のせいかどうか見極めてあげる!」
「ハア??」

矢口は目を見開いて梨華を見た。


「み、見極めなくて良いよそんなの!大体そうだったとしても矢口の気持ちは・・・」


「・・・まだ好きなの?」

「ええ??な、なにがあっ?!」

「昔付き合ってた人。まりっぺ教えてくれたじゃない。」


「・・・なんて言ったっけ?」
「覚えてないの?」


「・・うん、全然。」

「仲良くなっていろんな話してたときにさ、教えてくれたじゃない。『すごく好きだったから

 他の人のことなんてしばらく考えられないよ』って・・・。」


「・・・言ったね、そういえば。」
「思い出した?」

「うん・・・でも、もう好きじゃないよ。その人は今は別の人と付き合ってるし、
 矢口は今ではその人と友達やってるから。」

「そうなの?・・・・ならどうして。」

「・・・わかんないけど・・・他人の口からそんなこと聞きたくないよ。」

矢口は梨華の目を見て言った。
148 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)00時55分16秒

「・・・分かった。じゃあこうしようよ。」
「なに?」

「今度まりっぺとごっちんが遊びに行く日、私とよっすぃーも行くよ。4人で遊ぼ!」

「ハァ??駄目だよそんなの!」

「どうして?多い方が楽しいでしょ?」

「ごっつあんとふたりで遊ぶ約束だし・・・ごっつあんに言いにくいじゃんか」

「私が言うから!それなら良い?」


「・・・・どうしても一緒に行きたいの?」
「うん!私も最近まりっぺと遊んでないもの。つまんないよ。」

「よっすぃーが居るじゃんか・・・」
「よっすぃーとは学校でも会えるし、休みの日会ってるから。」


「・・・分かったよお・・梨華ちゃんには勝てないよ・・でも、ごっつあんには矢口から言うから。」

「良いの?言いにくかったら言うよ?」
「ううん。大丈夫。」
「ありがと、まりっぺはあとはあと


(梨華ちゃんの頼みってどうも断れない・・・・ごっつあん・・・ごめん。)
149 名前:りょう 投稿日:2002年04月14日(日)01時05分28秒
>134 ロ〜リ〜さま
     ありきたりなレスなんてとんでもございません!
     すごく励みになってるんですから!リアルタイム良かったです。

>135 パムさま
     あっ、こちらでは初めましてですね。
     萌え〜な展開になる日が来るのか怪しい感じで・・・すんません(w

>136 109(名無し読者)さま
     まだもう少し先なのでお待ち下さい。
     なんか・・・預言者?超能力者?みたいです・・・私の頭の中を・・・。

>137 とみこさま
     多分やぐは心優しくごまを愛すのです・・・。

>138 no-no-さま
     ポロっと言っちゃいましたよおお!!
     でも・・・気のせいで終わった?

     この後の4人のシーンはまたまたあっちゅうまに終わっちゃうので
     中身に期待はしないでくらさい・・・(じゃあ書くなって感じなのですが)
     今、1部な訳ですが、もう少しで終わります。
150 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時00分03秒
そして6月2日(日)
梅雨の時期で天候が少し悪かったが雨は降っておらずなんとか遊園地まで4人は行った。

まずは後藤を迎えに来た矢口。

助手席に乗り込んだ後藤はどことなく機嫌が悪そうだった。


(やっぱ怒ってるのかな・・・)
「あ、あのさ〜」

「なに?」
(うっ!なんか口調キツイよごっつあん・・・)

「今日、ごめんね。ふたりで遊ぼうって言ってたのに梨華ちゃんたちも・・・」

「・・・ううん。やぐっつあんの可愛い妹たちでしょ?仕方ないよ。後藤は梨華ちゃんたち

 より後にやぐっつあんと知り合ったわけだし。」

後藤は悲しそうに言うと窓の外を向いてしまった。

「ごっつあん・・・ほんとごめんね。この埋め合わせは今度必ずするから!!」



「・・・そんなに気ぃ使わないでよ。また今度遊びに行こうよ。それに今日はいっぱい

 乗りまくるんだからちゃんと付き合ってよお〜!!」

後藤は矢口に笑顔で言った。

「う、うん。ありがと。」

そして残るふたりを乗せて矢口達は遊園地へと向かった。
151 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時01分47秒

全ての乗り物を制覇し、残すところお化け屋敷のみとなった。

時間はもう夕方17時。そろそろ閉園の時間が近付いてきた。


遊園地に着いてからも矢口は後藤が気になって仕方がなかった。

乗り物に乗っているときはとても楽しそうなのだが、降りると急に静かになり、
ため息ばかりついているからだ。


「・・・ごっつあん?」
「なに、やぐっつあん。」


「・・・・つまんない?」
「えっ?!」

「ため息多いから・・・」




「・・・羨ましいなぁって思ってたの。」

「羨ましい?何が?」

後藤は前を歩く梨華たちを指差して言った。

「梨華ちゃんたちのこと?」

「うん。好き合ってるって感じだし・・・仲良いから羨ましい。恋人が居るって

 良いなぁって思ってた。」

「バカップルだよあの子らは。」

「それでも羨ましい。手だって繋いでさ、羨ましいよ。」


後藤は悲しそうに、前を歩く梨華たちを見ながら言った。
152 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時04分00秒


「やぐっつあん???」

「これで、良い?」


「・・・ん。嬉しい。」
「なら良かった。」

矢口は何も言わずにそっと後藤の手を握ったのだ。


(うううう嬉しいよお!やぐっつあ〜んはあとはあと



(・・・照れるなぁ、なんか。・・・でも可哀想だもんね今日。)

矢口と後藤は手を繋ぎながら梨華たちの後ろを着いて行った。

お化け屋敷の前まで来て梨華たちが振り返った。

「最後に入って帰ろうよ。」

矢口は咄嗟に繋いでいた手を後ろに隠した。

「そ、そうだね。少し離れて入った方が良いでしょ?先に入りなよ。」

「うん、そうする。・・・まりっぺ入れる?」



「・・・無理。」

「矢口さん怖いの駄目だもんね。」
「そうそう!私も駄目だけどよっすぃーに守ってもらうからはあとはあとねっ!」
「うん」

梨華たちはお互いに微笑みあっている。

「だ〜いじょうぶだよっ!やぐっつあんは後藤が守るから!」
「ごっちんは怖くないの?」

「・・怖いけど・・これで全部回った事になるしせっかくだから頑張るよお」

「だって!まりっぺ頑張ってねはあとはあと

梨華は吉澤と中に入っていった。
153 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時04分53秒
5分ほどして・・・

「やぐっつあん、そろそろいこっか。」


「・・・・やだ。」

「??怖いから??」

「・・・うん。」
「だ〜いじょうぶだってば!!後藤が守ってあげるってば!」

「でも・・・怖いもんは怖いもん。矢口はここで待ってる。」


「・・・後藤ひとりでいけっての?ひどくない?それって。」

後藤は矢口をキッと見ながら言った。
しかし矢口は本当に入りたくないのか下を向いてしまっている。



「・・・一緒に入ってくれなかったら後藤泣くよ?」

「えっ?・・・なんで泣くのさ。」
「後藤と入りたくないってことだもん。」

「・・・そんなのずるいよ!!そんなんじゃないのにっ・・」

「じゃあ一緒に入ってよ。」


「・・・無理。どうしても怖いもん。」
154 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時05分56秒

「もお!!・・・分かったよお!!見逃してあげる!」

後藤は大きくため息を着きながら言った。

「ほんと??入りたいんじゃないの?」

「そうだけど・・・ひとりで入っても仕方ないし、やぐっつあんホントに怖いみたいだから

 ・・・今度埋め合わせいてもらうから♪」

「う、うん。」

そして数分後、梨華たちが出てきた。

矢口達は待っている間ずっと手を繋いでいた。

「あれぇ?入らなかったの?」

「う、うん。矢口やっぱ駄目だった・・・」


「怖がりなんだから、まりっぺは・・・」

「変わってないね・・・」
「え?何か言った?よっすぃー。」

「え?ううん。何も。」
「そう?」


「ま、ごっつあんには悪い事しちゃったけど許してくれたし・・・そろそろ帰ろっか。」

「そうだね。」

そして矢口達は帰って行った。
155 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時07分20秒
梨華を降ろした後、矢口の携帯にメールが入った。

『今日手ぇ繋いでたでしょ?まりっぺたち良い雰囲気だったよはあとはあと

「なっ!」

「誰から?」

「あ、梨華ちゃん。楽しかったって・・・ちょっとメール返すから車止めるね。」
「うん。」

『気付いてたの??よっすぃーも??』

『ううん。よっすぃー鈍感だし、全然気付いてないよ。ていうかほんとは付き合ってるでしょ?』

矢口はそのメールを確認した後携帯を直すと車をまた動かした。

そして数分後吉澤も降ろし、また後藤とふたりだけになった。



少し走ったところで雨がポツポツと降り出して大降りになった。

「・・・遊園地で降らなくて良かったね。」
「ほんとだね。」
「今日はほんとにごめんね。ごっつあん疲れさせちゃっただけかもね。」
「そんなことないよ!楽しかったから。それに・・・」

「それに?」


「・・・手も繋いで歩けたし・・・後藤はやぐっつあんと一緒だったらいつだって楽しいから。」

そういってすぐに視線を逸らす後藤。



矢口はなんともいえない気持ちになっていた。
156 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時08分18秒
「ごっつあんってさ・・・良い子だよね。」

「えー?なにい?急に。」
「だってさ・・・良い子だよ。」

「そんなことないよ。」

後藤は優しく微笑み、前を向いた。


(なんなんだろなこの気持ちって。むしょーにごっつあんのことが

 可愛くてしょーがないんだけど!!)



数分後、車は後藤の家の前についた。

「じゃあ、また遊びに行こうね。」
「うん、今度はふたりで行こうね。今日の埋め合わせちゃんとするから。」
「あはっ楽しみ。雨だから気をつけて帰ってよね。やぐっつあん事故ったらやだよお〜?」


そして後藤は『じゃあね』と車を降りようとした――が、矢口は咄嗟に手が出て

後藤を掴まえていた。
157 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時09分32秒
出ようとして引っ張られたのでまたイスのストンと座った後藤。訳が分からずに矢口の方を見た。


「・・・何?」

「え?・・・あ、ああ。」

矢口は後藤を掴んだ手を離すとなにやら混乱しているような表情で下を向いてしまった。

(なにしてんの?なんで引き止めたんだろ・・・?)


「どうしたの?」

「・・・(わかんないよ)」

矢口は顔を上げて後藤の目を見た。



「・・・用があったから引止めたんじゃないの?」



「・・・(咄嗟だったから・・)」


「忘れちゃった?」



「・・・・・」


「ねぇやぐっ――!!」




「・・・ん・・・」




矢口は後藤を引き寄せてキスをした。

唇と唇が触れ合うだけの軽いキス。

だが矢口はなかなか離そうとしなかった。
158 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時10分50秒

「・・・」

唇を離した矢口は驚いた目をしている後藤を何も言わずに真剣な表情で見た。

どこか不安気にも見える。

後藤は相変わらず驚いた顔で矢口を見ていた。



しばらく沈黙が続いたが、急に後藤の目から涙が零れた。

それを見た矢口は我に返ったのか、後藤の涙を拭いながら必死でになって謝りだした。



「ごめん!ごめんごっつあん!!急にこんなことして・・・ヤだったよね?ひどいね矢口。

 ごめんね!ごめんね!!でもっ――我慢出来なかったんだ・・・ごっつあんと別れるのが

 なんか淋しかったんだ。淋しいって思ったら引き止めてた・・・ごっつあんの顔見たら

 キスしたくなった・・・矢口はごっつあんのこと・・・好きになちゃった・・・

 今気付いたけど、矢口はごっつあんのこと好きに・・・・」



それを聞いて後藤はますます涙を溢れさせた。
159 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時12分46秒


「・・と・・は・・ないの?」

「え?な、なんて?」

後藤はスーっと息を吸うとまた言った。


「後藤と・・やぐっつあんは・・・友達・・じゃないの?」




「・・・そうだよね。」



「友達は・・・キスなんか・・しない・・よね?」



「・・うん。・・・ごめん。関係壊して・・・・・せっかく慕ってくれてたのに・・ごめん。」



「・・・」



「・・・お詫びはさ、する。殴ってくれても良い。・・・もう顔見たくないってんなら

 もう会わないし・・・・・ほんとごめん。」

矢口は泣いている後藤の目を見ながら言った。



「・・なん・・か・・勘違い・・して・ない?」

「え?」



「後藤は・・ヤだったから泣いてるんじゃないよ。」



「え・・・?」
160 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時15分42秒

「後藤は、やぐっつあんがずっと好きだったから・・・やぐっつあんは女の子なんて

 好きじゃないって思ってて・・・後藤のことなんてなんとも思ってないって・・

 でも後藤はやぐっつあんが好きだったから・・・やぐっつあんしか見えなかったから

 いつもいつもやぐっつあんばっか見てたから・・・やぐっつあんにキスしてもらえて

 嬉しかったの。嬉しくて泣いたの・・・」



「・・・ほんと?」

「・・・ほんとだよ。前に言ったでしょ?後藤の好きなのはやぐっつあんだって・・・」

「あれ、聞き間違いだと思ってたから・・・」

「聞き間違いじゃないよ・・・後藤はやぐっつあんが好きなの。」




「・・・じゃあ・・」



「・・・うん。」

「じゃあ、矢口と付き合ってくれる?・・・矢口の恋人になってくれる?」


「ううっ・・っく・・うう・・」

後藤はボロボロと涙を流している。


「っく・・うう・・嬉しい・・そんなの・・オッケーに決まってるよぉ・・」

「良かったあ・・」

矢口はほっと一息つくと後藤の涙をタオルで拭ってやった。
161 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月14日(日)18時17分42秒

「・・・もうそろそろ泣き止んでよ。ごっつあんが泣いてたら矢口も悲しくなっちゃうよ。」

「ううう・・ごめん。」
「泣かしたのは矢口だけど・・」

「・・ほんとだよ。」

矢口と後藤は微笑みあった。

引き止めてからたった数分の出来事だったが、何時間にも感じられた。



そして10分後、後藤は落ち着きを取り戻した。
後藤が降りようとするのをまた止めて矢口は言った。


「あの・・矢口、大事にするからね。ちゃんとごっつあんのこと大事するから・・・

 これから宜しくね。」


「・・・うん。後藤もやぐっつあんに愛想つかされないように頑張る。だからずっと

 一緒に居てね。」


「うん。」


「「・・・」」

「じゃあ、また。」
「うん。またね、おやすみ。」




こうして矢口と後藤は恋人となり、付き合いだした。

ふたりの物語はまだまだ始まったばかり。


                 第一部 終わり
162 名前:りょう 投稿日:2002年04月14日(日)18時20分39秒
    やっと付き合うことが出来ました。
    161も使ってなにやってんだって感じでした。
    第二部からはもちっと文章増やせたらな、と思ってます。
    そしてなおかついしよしにももちっと出てもらって、
    試練を乗り越えて行ってもらおうかな、と。
    ここまでお付き合い頂いた方、どうもありがとうございました。
    では、また。
163 名前:ROM 投稿日:2002年04月14日(日)20時50分33秒
更新お疲れさまです。
昨日も読んだんですけどレスつけてませんでした。
「誰かレス付けるんだろうな」と思ったら1個もついてなかったんで
「もしかして読者全員同じ事↑考えてたのか!?」と思いました。
小説を読んでるとなんだか心が落ち着きます。
第2部も楽しみにしています。
164 名前:no-no- 投稿日:2002年04月14日(日)22時14分33秒
第1部終了お疲れ様です。
やぐごまがくっ付いてめでたしってとこですね。
でも、問題がたくさん残ってるし、、、どうなるんだー。
もう、第二部を期待しまくりです。
165 名前:七誌 投稿日:2002年04月15日(月)04時26分57秒
第一部終了おめでとうございます。
そしてお疲れ様でした。
つづきも期待してるんでがんがって下さい!
166 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月15日(月)10時36分37秒
第一部終了お疲れ様でした。
そして、おめでとうごっつぁん!!
まだ吉の気持ちなど気になる所はありますが・・・。
第二部楽しみにしてます、がんがって下さい。
167 名前:とみこ 投稿日:2002年04月15日(月)17時38分32秒
おー!やっとラブラブですね!
ごっつぁん、やぐっつぁん、おめでとう!!
168 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時09分24秒
付き合いだしてから10日が経ち、久しぶりに休みのとれた矢口は「こなきじじい」へ顔をだした。

ぴろぴょろりん♪

「いらっしゃいませー」

「ちは。ごっつあん居る?」
「後藤さんですか?今ゴミ捨てに行ってます。」

「そっか。じゃあ圭ちゃんは?」
「店長は居ますよ。呼びますか?」

「うん。お願い。」
「かしこまりました。」


少しして保田が奥から出てきた。

「おっす圭ちゃん。久しぶりだね。」
「いらっしゃい矢口。最近忙しいみたいね。」
「え?なんで?」
「梨華が遊んでくれないってグチこぼしてた。」

「そうかな・・・でもそう言われたら前ほど遊ばなくなったかも。」


「・・・なんか矢口ソワソワしてない?」


「えっ!?そそそそんなことないと思うけど。」

そう言う矢口だが目を泳がせてどこか落ち着きがない。



「なんか怪しいわよ。どもってるし・・・何かあった?」
169 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時11分13秒
カチャ

「んあ〜・・・ゴミ捨てて来ましたあ」


(!!)

「あっごくろう様。今日多かったから大変だったでしょ。」

「はい。・・・んあ?」

後藤は保田が一人でないことを確認すると覗き込むように
相手を見た。

すると矢口がそっと顔を出した。

「・・おっす!・・久しぶりだね。」

「やぐっつあん!!」

後藤は矢口を見つけるとすっ飛んで近寄って行った。



「元気にしてた?矢口バイトずっと入ってたからなかなか会いに来れなくてさ。ごめんね。」

「ううん。今日会えたから嬉しい!後藤もね、ずっとバイトだった。」

後藤はニコニコしながら矢口に微笑みかけた。
矢口もつられて笑顔になる。


後藤は矢口の横の空いているイスに腰を掛けると矢口の方を向いて話し出した。
170 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時12分44秒

「やぐっつあんさ、こないだのこと・・・嘘じゃないよね?」

「こないだのことって?」


「後藤のこと・・・・・好きって言ってくれたこと・・・」

「う、うん。ほんとだよ。」


「良かったあ〜!あれから連絡とってなかったし、会えなかったから・・・後藤ひとりで

 勘違いして・・・ユメだったんじゃないかなってちょっと思ってた。」


「ばかだなぁ・・」
「だって・・・」

矢口と後藤は見詰め合って幸せそうに会話をしていた。


その光景を向かいの席で一部始終見ていた保田――



「・・・あんたたち・・・デキてんの?」



「――でもね、後藤ね、やぐっつあんのユメ見たんだよお〜」
「矢口のユメ?」

「そう。こうやってここで一緒にお茶飲んでるの。いつもどおりで、なんか幸せなユメだった。」
「幸せなユメで良かった。」
「うん!」



「・・・あの・・・付き合ってるの?って聞いてるんだけど・・・」
171 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時14分31秒

「今度さぁ〜いつ会えるの?」

「そうだね・・・まだわかんないけど、今日は終わるの待ってるし。一緒に帰ろうよ。」

「待っててくれるのお?」

「うん。終わるまで待ってる。」

「でもまだ5時間はあるよお?」

「そんなの大したことないよ!」

「えへへはあとはあと


「あんたら!!話を聞けーー!!」

保田は至近距離で話すふたりの間に手を入れて離した。


「ちょっとお!何するのお?圭ちゃん〜」
「ほんとですよ。どうしてここに居るんですか?」



「・・矢口、あんたさっきまで私と話してたわよね?」

「そうだっけ?」

「(怒)・・ま、まあ良いわ。それよりあんたたち・・」



「「?」」



「付き合ってるわけ?」

保田が言った言葉に矢口は少し顔を赤くしたが、後藤がすぐに答えた。
172 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時16分58秒

「そうです!後藤とやぐっつあんは恋人なんですぅ!あはぁっはあとはあと



「・・・マジなの?矢口。」




「・・うん。ごっつあんと付き合ってる。」

「ねはあとはあと

後藤は矢口を見てニコニコとする。

「そうなの・・。あっ、後藤!そろそろ仕事に戻りなさい!」

「えー??誰も居ないじゃないですかお客さん。まっつーだけで大丈夫ですってー」

「ばか言うんじゃないわよっ!矢口は奥で私と話あるから。」
「え?そうなの?」

矢口は「?」な顔をしている。

「話が終わって暇だったら早めにあげてあげるからしっかり働きなさい。」


「・・・ちぇ。」

後藤は名残惜しそうにめんどくさそうに席を立った。

「ごっつあん頑張って!!待ってるからね。」



後藤はちらっと矢口を見た。

「ほーーーい!!頑張るう〜!」

後藤は矢口の励ましを受けると腕まくりをしてカウンターへと戻っていった。

「・・単純なやつね後藤って。」

「・・・だね。」

「じゃあ奥に行くわよっ」
「オッケ!」


矢口は保田に連れられて奥の従業員室へと入って行った。
173 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時19分01秒
「後藤さん、今の人とどういった関係なんですか?」

「今の人?・・・友達だよ。」
「すっごく仲良さそうで、羨ましいです。」
「羨ましい?」
「はい。年上であんな風に仲良い人って居ないからあ私。」

「・・・後藤もね、やぐっつあんが初めて年上で仲良く出来た人なんだ。」
「いいなぁ・・」

(ほんとは恋人だけど・・・言えないよお〜)

後藤はそのあと適当に松浦と会話をして仕事を続けた。



従業員室

適当にお茶を入れてイスに腰を下ろした矢口と保田。

ドアがしっかりとしまっていることを確認すると保田が口を開いた。


「矢口、あんたしばらく恋人要らないって言ってたじゃない。急にどうしたの?」

「ついこないだまでは要らないって思ってたけど、ごっつあんのこと好きに

 なっちゃったんだ。そしたら我慢出来なくて」

あははと頭を掻きながら矢口は言った。
174 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時21分40秒
「あんたたちは本当に仲良さそうに見えるしお似合いだけど・・・良いの?」

「何がさ?」


「・・・吉澤のことよ。」
「ああ・・・そのことね。」


矢口が高2(吉澤は中2)の終わりから卒業するまでずっと付き合っていた吉澤の話だった。

学校が違ったふたりだったが、学年の中頃ひょんなことがきっかけで知り合い、すぐに

仲良くなって、付き合うまでに半年ほどかかったが、吉澤が告白したことから付き合いだした。

今ほど大っぴらにイチャイチャ出来るような世間ではなかったが矢口と吉澤は暇を見つけては

デートを重ね、旅行にもいったりしていた。そんなふたりには傷害も多い訳で・・・

付き合う前からいろいろと相談に乗っていたのが保田なのだ。保田は吉澤自身とは直接

話をしたことはなかったが矢口からどんな人間か聞いていたのでよく知っていた。
175 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時22分51秒
保田は矢口がどれだけ吉澤のことを好きだったのかよく知っていたため、矢口と別れて

すぐに梨華と付き合い出したことに腹を立てていた。もちろん梨華は可愛い妹(のようなもの)

なので傷つくようなことはわざわざ言わなかった。そして自分の親友がまだ吉澤の事を

好きでいるのが我慢出来なかったのだ。


「吉澤のことはもう良いの?」


「・・・昔の話じゃんか。もう1年になるんだよ?さすがにまだ好きだったら矢口、

 自分に感心するよお。梨華ちゃんとよっすぃーが仲良くしてるの見るの嫌じゃないし、

 ふたり幸せそうだもん。矢口はよっすぃーと友達みたいに戻れて良かったって思ってる。

 今の関係、居心地良いんだよ?」
176 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時24分27秒

「ほんとなの?私は矢口が良いっていっても一緒に店にいるのを見るのがつらかった。」

「ほんとだよ!何、圭ちゃん心配してくれてんの?」

矢口はうししっといたずらっ子のような笑みを浮かべて言った。

だが保田は真剣に答えた。

「当たり前でしょ?!梨華も大事だけど矢口だって大事な友達なんだから!だから・・・

 この間の旅行だって、矢口が付き合ってくれるって言ったから許したけどほんとは

 いかせたくなかったし、矢口もまだ好きなのに嫌だろうなって・・矢口に頼むべき

 ことじゃないって分かってるのに・・・私がしてることは矛盾してるなって思ってた。

 ・・・ごめん。」


「ううん。謝らないでよ。矢口は本当にもう吹っ切れてるんだから。・・ありがとね。

 大丈夫だよ、よっすぃーのことは。」


「・・・後藤のことはほんとに好きなの?」
「うん、好きだよ。」
「吉澤より?」
「もー!変なこと聞かないでよ!好きに決まってるでしょ?!」
「なら良かった。」
177 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時26分04秒
矢口は一気に残りのお茶を飲み干すと、おかわりを自分で入れて今度は保田に話しかけた。

「圭ちゃんさ、梨華ちゃん好きだよね?」
「なんなのいきなり。」
「いいから。好きだよね?」
「あたりまえでしょ。」
「だよね。じゃあ矢口のことは?」

「・・・あたりまえでしょ。」

「即答してよ!でも、だよねえ?!じゃあさ、じゃあさ、圭ちゃんの好きな矢口と

 梨華ちゃんからのお願い聞いてよ!」

「な、何よお願いって。」
「よっすぃーのことだよ。」
「吉澤のこと???」

矢口は話もしたことのない吉澤を嫌う保田に、吉澤と会って話をして梨華ちゃんの恋人として

認めてあげて。そして昔の矢口とのことも許してあげてということをお願いしたのだ。

保田は「嫌だよそんなの」と即答したが矢口も引かなかった。

そして矢口が粘り勝ち、というよりはお願いを聞かなければ梨華ちゃんが家出するということと

矢口が友達を辞めるってことをダシにして脅迫に近いもので頷かせたのだ。
178 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時27分27秒
「でもねえ〜」

「しつこいよ!圭ちゃん!よっすぃーは圭ちゃんが思ってるようなヒドイ子じゃ無いんだから!

 梨華ちゃんだってすごく好きなの分かるでしょ?いい加減文句言わないの!」


「・・・分かったわよ、会えば良いんでしょ、会いますよ。」

「そうそう、それで良いよ。」

矢口達はかなり話し込んでおり、従業員室に入ってから2時間が経とうとしていた。


後藤が気になる矢口はじゃあこのへんで・・・と店に戻ろうとしていた。


「いろいろ心配してくれてありがとね。圭ちゃんも、段取りするからちゃんと話しあうんだよ?」
「はいはい。」




「あっ矢口最後にひとつ。」

「なに?」

「矢口、あんた今幸せなの?」


「幸せすぎて困ってるはあとはあと

「安心したわ。じゃあ私もここ片したらそっち行くから。」
「うん。お先。」
179 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時28分55秒
部屋から出てカウンターの方を見ると、暇そうに鼻唄を歌っている後藤が目に入った。

矢口は分からないようにそーっと近付いて行き、驚かそうとしたがすぐに後藤は気付いて
矢口の方を見た。


「あっ、やぐっつあん!長かったねえ〜もう話終わったんだ?」

「(なんだ気付いちゃったよ。)うん。話っていうか世間話してたの。」

「そっかあ〜。あれからひとりもお客さん来てないんだよ。暇だよこの店。」

「たまたまでしょたまたま。忙しい時もあるでしょ?」


「・・・たまにね。後藤が思うに、店長のウインクが客足を止めているんだと思うのさ。」

「圭ちゃんのウインクか・・・分かる気がする・・・。」

「でしょ?ぜーったいそうだよ。とにかく暇なのーやぐっつあん何か話でもしようよ。」
「話?松浦さんは良いの?」
「うん。まっつーは座って雑誌読んでるから。」

「なんか良いのかそれで!って感じの店だね。」


「うん。もう帰りたい。後藤はやぐっつあんと遊びたい〜・・・はぁ」



「悪かったわね客足止めるウインクで!」

保田は矢口たちの方へとウインクをはあとはあと付きでした。
180 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時30分10秒
「「・・・(おえ)」」

「な、なによ反応しなさいよ、空しいでしょ。」

「ああ、圭ちゃん、今日はもう店閉めた方が良いんじゃないかな。」
「うんうん。後藤もそう思います。」

「なによあんたら!失礼ねえ!でも・・・そうかもしれないわね。今日は松浦と、

 残り2時間くらいだし、やるから後藤はもう帰りなさい!居ても暇だし。邪魔だし!」

保田は松浦を見ながら言った。松浦も頷いて同意しているようだった。


「えっ!良いんですか?」

後藤は矢口の顔を見て喜んでいる。

(邪魔って言われてるよ?ごっつあん・・)

「良いわよ。矢口、ちゃんと送ってあげてよ。」

「分かってるよお。」
(ま、いっか)

後藤は着替えるために従業員室へと引っ込んでいた。
矢口もそこに居ても仕方がないので一緒に着いて行った。
181 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時31分20秒
後藤が着替える間暇なので矢口は置いてあった雑誌に目をやっていた。
矢口は雑誌に目をやりながら後藤に話しかけた。


「ごっつあんさー今日これからどうしよっかー?早めにあげてもらったしどっか行く?」
「うん。行きたい。」
「どこいこっかあ?矢口も今日はバイトないからあ・・・んーっと・・・」

「取り敢えずおなかすいた。」

「んじゃごはんでも食べて帰ろっか。」

後藤が着替え終わると、矢口と後藤は裏口からすぐに出て行った。



駅前にあるファミレスに入り、適当に腰掛けた。

「お疲れさま。なんでも好きなの頼みなよ。今日はおごる!」
「えっ?良いよお。ご飯くらい自分で出せるからあ。」
「おごらせて!こないだのお弁当のお返しだよ。」

矢口は後藤の目を見て言う。


「・・良いのに。」

断りきれずに後藤は大人しくおごってもらうことにした。

先におごるといわれたらなんとなく頼みにくいはずなのだが、後藤は気にせずに
食べたいものを頼んだ。
182 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時33分16秒
食事をしながらふたりはこれからのことを話し合った。


「だからね、毎日は会えないの。」


「・・・やだよそんなの。」

「矢口のバイトとごっつあんのバイト時間帯が違うでしょ?毎日ってのは難しいと思うんだよね。

 でも会える日は出来る限り会いに行くし、ごっつんと遊びたい。分かってくれる?」



「・・・やぐっつあんはそれで良いわけ?後藤と会えなくても淋しくないわけ?」

「そんなこと言ってないじゃんか。毎日は厳しいって言ってるの。」

「でもさ・・・・・・。」

「ごっつあんのことがどうでも良いってことじゃないんだからね?ちゃんと・・・

 好き・・だからね?」



「・・・分かった。毎日は我慢する。後藤だってやぐっつあんが大好きなんだもん。

 こんなことでわがまま言って困らせないようにする・・・。」


納得したようには見えなかったが取り敢えず頷いた後藤。

「・・ごめんね。」

「ううん。そうだ、後藤からもひとつ、良い?」
「うん。もちろんだよ。」
183 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時34分47秒
「うちらの間で隠し事はやめよ?何かあったらすぐに話す。ひとりで悩まない考えない。

 なんでも話せる関係になりたいな。」


「そうだね。隠し事なんかヤだよね。矢口も自分のことちゃんとごっつあんに話す。

 それで行こう?」

「うん。そうしようね。」



「後さぁ・・・一個お願いがあるんだけど。」

「なに?無茶なのは駄目だよお〜」

「無茶じゃないから大丈夫だよ。」


食事を終えた矢口と後藤は、或るところへ向かっていた。



「ほんとに散らかってるからね?期待したら駄目だからね?」

「大丈夫大丈夫。後藤の部屋より汚い部屋なんてあるわけないから。」

「ごっつあんの部屋そんなに汚いの??」
「あっ・・・」

後藤はしまったと言う顔で笑った。


後藤が言ったお願いとは、「家に行きたい」というものだった。

「やぐっつあんは後藤の家知ってるのに後藤は知らないなんてずるいよお」と。

ただ単に家に行きたかっただけなのだが。


矢口の家は「こなきじじい」からは歩いて15分位のところにあり、後藤の家からは

30分位のところにあった。
184 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時35分50秒

「ねぇやぐっつあん、付き合ってるんだしさ、手ぇぐらい繋いで歩きたいな。」
「あっ、そうだね。気付かなくてごめん。」

矢口は以前付き合っていた吉澤との時は、吉澤が勝手に手を繋いでくれたり、吉澤が

デートに誘ってくれたりと、吉澤が引っ張ってくれていたのでどうしても『自分から』

ということに慣れていなかった。中身は吉澤より大人だったが。

そのため、甘えてくれる後藤を嬉しく思いながらも、なかなか行動できない矢口だった。


「ここだよ。」

矢口は8階建て位のマンションの前で足を止めると指差して言った。

「ここの5階に住んでるの。」


「なんだぁ〜後藤の家からそんなに離れてないんだね。」

後藤はキョロキョロとあたりを見回しながら嬉しそうに言う。


「・・ほんとに入る?」
「もちろんだよ!!ここまで来て入らないわけないでしょ!」


「・・・だよね。じゃ行こうかぁ」

エレベーターから離れた一番端っこの510号室に矢口の部屋はあった。
185 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時37分05秒
カチャ

「どうぞ。」

矢口は自分より先に後藤を入れた。



「うわあ〜・・・めっちゃ広いじゃんか!」

「そうかな・・。」
「そうだよ!後藤の部屋よりはるかに広いし、それにきれいだよ。」

「なら良かったけど。今お茶入れるからそのへん座っててよ。」
「あっうん、ありがとお。」

後藤は言われるままリビングのソファーに腰掛けた。


「でもさぁ・・広すぎるよ一人暮らしなのにさ。」

後藤はキョロキョロとしながらキッチンでお茶を入れる矢口に言った

「えー?何か言ったあ?」

「一人暮らしなのに広過ぎるって言ったの!!」

「あ〜」

お茶の用意が終わり出てきた矢口は後藤の横に座り、テレビを着けた。


「あまり散らかってなくてよかったよ。」
「うん、全然きれい。やぐっつあんの部屋ってどこ?」

部屋はあと居間の他にひとつしかないので分かりきったことなのだが。


「そこだけど、入っちゃだめ。」

すぐ後ろの部屋を指して言う。
186 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時38分22秒
「どうしてさぁ」

「そこは起きたまんまでほんとにやばいから!また今度ね。」


「・・・ちぇ。あっそれよりさ、一人なのにこんな広いのなんで?高いんじゃないの?」

「まぁそれなりに高いけど・・・汚いところはやだし、・・・ここ、うちの親が経営してるから

 ちょびっと安くしてくれてるんだ。」


「経営?!やぐっつあんの家って何やってるの?!」


「あんま言いたくないけど隠し事なしって決めたし・・・パチンコ屋とラブホテルの

 オーナーやってる。それでここはその稼いだお金で建てたマンション。」

「なんだ・・・じゃあやぐっつあんお金持ちなんだ。」

「そうでもないよ。ちょっとまけてもらってるだけで矢口自体は関係ないし。

 それに内容が内容だからあんまり人にも言いたくないしね。」


「やぐっつあんの知られざる一面って感じだね。店長とか梨華ちゃんは知ってるの?」
「ふたりは知ってるよ。あとよっすぃーも。」

「よっすぃーも知ってるんだ。」
「?うん。・・・がっくりした?矢口の親がそんなんで。」

「全然!やぐっつあんはやぐっつあんだし。気になんないよぉ」

「ありがと。」
187 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時39分37秒
「後藤さ、またここに遊びに来ても良い?」

「もちろんだよ。いつでも来てよ。」

「後藤の家にも今度遊びに来てね。」

「うん。そうさせてもらう。それじゃもう遅いし送っていくよ。」

「あっ良い良い!一人で帰れるから。」

「送っていくったら行くの!あまり会えないかもしれないんだから会える時は出来るだけ

 一緒に居るの!そうでしょ?」


「・・・うん。そうだったはあとはあとやぐっつあん大好きはあとはあと

後藤はだらしない顔で矢口にくっついて答えた。

「矢口はさ、イチャイチャ〜って出来ないって思ってたけどごっつあんとだったら

 出来そう。仲良くやってこうね。」

「うんはあとはあと
188 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月15日(月)23時40分41秒
矢口は後藤を家まで送っていった。もちろん手を繋いで。

家が近付くにつれて後藤の足が遅くなる。

矢口もそれに気付いたのか合わせてゆっくりと進む。



家の前まで来て後藤は名残惜しそうに手を離した。


「・・・次、いつ会える?」

「ごっつあんが休みの日は会いに行くよ。矢口が休みの日ももちろん会いに行く。

 お互い休みのときは一日中遊ぼ。明日は・・・・・・・会えないね。」

「・・・うん。」

「メールするし電話もするから。ごっつあんもいつでも良いからしてよ。」


矢口は淋しがる後藤を元気付けるかのように無理やり笑顔で言っていた。

矢口とて淋しくないわけはないのだ。出来るならずっと一緒に居たい。そう思っていた。

「ん。分かった。それじゃ送ってくれてありがと。また今度ね、おやすみ。」
「おやすみ・・・」

後藤は矢口に見送られながら家へと入っていった。
189 名前:りょう 投稿日:2002年04月15日(月)23時48分40秒
>163 ROMさま
    色々とお心遣い、ありがとうです。
    感謝してますです。

>164 no-no-さま
    そうですね。問題はまだまだ・・・ってこともないけど
    まだあるので、大荒れな感じになるかと思います(w

>165 七誌さま
    応援どうもです。二部も頑張りますよお〜
    ・・・でも、出来たらsageでお願いします(^^;

>166 ロ〜リ〜さま
    おめでとうごっつあん!!ほんとおめでとう!!
    さぁ〜こっからどうしよう?・・・(w

>167 とみこさま
    ううう。おめでたいんですけどラブラブかどうかは・・・
    怪しかったりして(^-^)
 
    ここまで読んでくれた方、レスくれた方、ほんと感謝です。
    良かったら最後までお付き合い下さいませ。
    どうもありがとうございます。
190 名前:ROM 投稿日:2002年04月16日(火)00時18分34秒
大量更新お疲れさまです。
やぐっつぁんの知られざる一面が出てきましたね。
今日、ブクマしてたスレが5個ぐらいdat落ちしました。
悪夢です。どうかここはそうならないで欲しいです。
暗い話になりましたが、これからも頑張って下さいです……
191 名前:七誌 投稿日:2002年04月16日(火)02時13分38秒
>>189
すみません。今度からはsageさせてもらいます。

メール欄のことですが、りょうさんの書くやぐごまは甘いし、
俺は大好きですよ。
192 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月16日(火)02時25分08秒
いや〜大量交信お疲れ様です。
仕事でばたばたしてる間に、1部は終わってるわ、やぐごまくっついてるわで、
たっぷり読み応えがありました!!(笑
私は、りょうさんのを読んでから「やぐごま」好きになりましたよ!
がんがってください!
193 名前:パム 投稿日:2002年04月16日(火)03時42分31秒
更新お疲れっす!。いつのまにか一部が終わってる(汗
にしても大量っすね!!。ヤグゴマも甘々に向かいつつあるし超超超超イイ(略
りょうさんの作品のヤグゴマ、マジで熱いですね。激萌えですよ・・・嗚呼(w
甘えゴママンセー!!!。続きもがんがってくださいっす!!。
194 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)21時49分07秒
次の日――
後藤がいつものようにバイトをしていると梨華がやってきた。
どことなく機嫌が悪いように見えた。

「いらっしゃい・・・?」

「・・・」

「注文は・・・?」
「取り敢えずミルクで。」

「あ、かしこまりましたぁ・・・?」


どうして機嫌が悪いのか分からない後藤は、首をかしげながら戻った。

(なんか機嫌悪そうだなぁ・・・店長とまた揉めたのかな?)

「おまたせ。」

梨華は後藤をじっと見ると、

「ちょっと座ってよ。」

と機嫌悪そうに言った。

「え?でも――」
「良いから、座って。」

有無を言わさないといった様子の梨華に後藤は押されて座った。

(なんなんだろ・・・後藤なんかしたっけぇ?)
195 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)21時50分21秒
後藤が座ったのを確認して梨華はすぐに話し出した。

「まりっぺのことなんだけど。」
「やぐっつあんのこと?店長とかよっすぃーのことじゃなくて?」
「そう。ごっちん、まりっぺのことどう思ってるの?」

「ど、どうって・・・なんて答えていいか・・」

「好きなの?」

梨華は真剣な眼差しで後藤を見つめ言う。

「う、うん。好きだょ・・・」

「まりっぺはね、私のものなの。私だって好きなの。」
「で、でも梨華ちゃんにはよっすぃーが居るじゃんか。」

「まりっぺはよっすぃーとは別の所に居て、また大切な人なの。」
「後藤はやぐっつあんだけだもん。」


「・・・付き合ってるんだって?」

「え・・・知ってるんだ?」

「圭姉ちゃんに聞いた。まりっぺのこと好きだったの?」



「・・・うん。ずっと好きだった。だから・・・梨華ちゃんがやぐっつあんと遊びに

 行ったり手ぇ繋いでたり仲良くしてるの見るのやだった。」
196 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)21時51分59秒

「・・・ごっちんはちゃんとまりっぺのこと愛してくれる?」

「ええ?!何言って――」
「まりっぺのことちゃんと考えて付き合ってくれる?」

「あたりまえだよそんなのっ!後藤は本気でやぐっつあんが好きなんだから!だから・・・

 梨華ちゃんには悪いけど、やぐっつあんはもらう。梨華ちゃんにはあげない。」

後藤は梨華の目を見て「負けてたまるか」というかのように言った。


「・・・なら良かった。」

梨華は急に笑顔になると後藤に笑いかけて言う。

「え?よ、良かったってなにが?」

さっきまでの重苦しい表情とうってかわって笑顔で言う梨華に後藤は困惑した。

「うん、私はごっちんがまりっぺと付き合うことを反対しているわけでも、ごっちんを

 認めてないってわけでもないの。むしろ喜んでるの。」

「喜ぶ?」

「まりっぺね、昔付き合ってた人が居たんだけど――あっ知ってるかな?」


「・・・なんとなく・・・居たってのは知ってる。」

「ごっちんがまりっぺと付き合っていくのに知ってて欲しいから、聞いてくれる?」
「うん。言ってよ。」
197 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)21時55分20秒
梨華が後藤に話した内容はこうだった。

矢口が前に付き合ってた人は矢口より年下で、自分が子供だから矢口を幸せに出来ない、

子供だから甘えさせてやることが出来ない、子供だから守ってやれないと言い、

自分勝手に矢口に別れを告げたとのこと。

「ごっちんはまりっぺより年下でしょ?だから、またそんなことになったらやなの。」


「後藤は・・・・子供かもしれないけど自分勝手に別れ告げたりなんかしない。

 絶対別れたくない。ずっとやぐっつあんと居たい。後藤は・・・甘えただけど

 ・・・愛することは出来るから・・・その人みたいなことにはしない。」

「信じて良い?」

「信じて!後藤はやぐっつあんを一生愛する自信あるから。」

「・・・分かった、信じる。ありがとう、ごっちん。」

「ううん。梨華ちゃんがどれだけやぐっつあんのこと考えてるか分かったし、

 梨華ちゃんのためにもやぐっつあんを幸せにするから。」

「ふふっほんとだよ?」
「まかせてってば!」
198 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)21時57分15秒
「でも、そうだね。ずっと恋人はもういらないって言ってたまりっぺがまた付き合い

 出したんだもん。ごっちんに感謝だよ。まりっぺには恋人とかいておかしくないもの。」

その後は適当に雑談をしていた。


「最初びびったよぉ梨華ちゃんなんか怖いんだもん。」
「ちょっとびっくりさせてやろーって思ったからはあとはあと
「びびったよ・・・」

「そうだ、まりっぺってごっちんと居る時ってどんななの?」
「え?どんなって・・・何も変わらないと思うけど。」
「そうなの?これから変わるのかなぁ?」

「さぁ・・・わかんないけど。よっすぃーはどうなの?」
「う〜ん・・・よっすぃーもそんなにかわんないかも。皆と居るときでもべたべたするし・・・
 学校に居る時のよっすぃーはもっとクールだけど・・・私と居る時はいつもどおりだし・・・
 結局変わるのは私かなあ?」

「どんな風に変わるの?」
「イチャイチャしたくなるはあとはあと

「分かる分かる!後藤もだよ!」
「ごっちんも?」
199 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)21時58分07秒
「うん。イチャイチャって言うか・・・甘えたくなる。かまって欲しくて子供になる。」

「へぇ〜・・・私達って乙女だよねはあとはあと
「ほんとはあとはあと

ふたりが楽しく雑談をしていると大明神が現れた。


「梨華、後藤は仕事中でしょ。邪魔しないの!後藤も仕事に戻りなさい。」

「あっすいません。」

後藤は言われたまま席を立ってカウンターへと戻って行った。

「いいじゃんかーケチ。」
「ケチじゃない!それより梨華、吉澤いつ連れてくるつもり?」
「あっそうだった。ほんとに会ってくれるんだね?」


「・・・仕方ないじゃない。矢口の頼みだし。」

「・・・私の頼みは聞いてくれなかったのに・・・まりっぺの言うことだったら聞くんだ?」

「しょうもないことで拗ねないの!矢口は、自分と梨華の頼みだって言ってたわよ。
 とにかく、会うから、日にち決めなさい。」
200 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)21時59分23秒
まだ少し膨れていた梨華だったが

「分かった。よっすぃーにも聞いて決める。お姉ちゃんはいつでもいいの?」
「良いわよ。」
「じゃあまた決まったら言うね。それよりさ・・ごっちん、ほんとにまりっぺが好きなんだね♪
 まりっぺを大事にしてくれそうで良かった♪」

「――そうね。あの子なら矢口を傷つけたりはしなさそうね。」
「だよね!」

そして数分後、梨華は帰って行った。



(なんか視線を感じる・・・ていうか店長・・・なんなのさ。)

後藤はあれからずっと保田の視線を受けながら仕事を続けていた。


「あの・・・何か・・・後藤に話でもありますか?」

後藤は視線に耐え切れず言った。

「あぁ・・そうね。」
「なんかずっと見られてる気がするから・・」

「あんた、矢口のこと大事に出来る?」

「え?またですか?」
「またって何よ。今始めて言ったんだけど。」

「あ、やー・・・梨華ちゃんにも同じこと言われたから。大丈夫ですよ、
 後藤はやぐっつあんが前に付き合ってた人みたいなことはしないから。」

「・・・頼むわね。」

保田はそのま従業員室へと下がって行った。
201 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)22時01分02秒
(やぐっつあん、どんな別れ方したわけ?相手が前聞いたみたいによっすぃーだったら、

 よっすぃーが店長や梨華ちゃんが言うようなことした人ってこと?聞きたいけど

 ・・・こればっかりはやぐっつあんが言ってくれるまで聞きにくいな。)

ふぅ・・・

ため息を着きながら今日のバイトを終えた。

着替え終わり帰り道。携帯をチェックする後藤。


『新着メールあり』の表示

(あっ誰だろ?)



『お疲れ様。矢口は今ご飯食べてる。ごっつあんが失敗してないか心配だよ〜(T-T)
                        
                           ごっつあん大好き矢口より』
                                    とあった。

(やぐっつあんだはあとはあと

後藤もメールを返すとスキップをして帰って行った。

(やぐっつあん、オヤスミ)
202 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)22時02分21秒
ここはカラオケ屋。

平日は暇なので常に休憩時間に近いものがある。

「――でさぁ聞いてくれる?うちの彼ったら〜私がすぐ交信するとか言うのー
そんなことないのにぃひどいと思わない?ねぇ矢口、そう思うでしょ?」

「あ、まぁ交信癖はありますよね。」
「どこがよ!圭織は交信なんかしないもん。それでさ――」


ブブブッ ブブブッ

「あっちょっとすいません、メールだ。」

矢口は会話を止めると少し横を向いてメールをチェックした。


『今終わった(^-^)。バイト中だよね?お疲れ様。体壊さない程度に頑張ってね。

                     やぐっつあん大好きはあとはあと後藤より。』


そのメールを見てにへらぁとした矢口。
203 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月16日(火)22時04分12秒
「なになに?誰?」

「えっ・・誰でもいいじゃないですかーそれより飯田さん、さっきの続き話して下さいよ。」

「駄目駄目。彼氏?彼氏できたの?なんかとろけそうな顔だったよ?」



「・・・えへぇはあとはあとまぁ・・恋人ですはあとはあと

「なんだ矢口―いつから?幸せそうな顔しちゃってー」

「い、良いじゃないですかいつでも。それよりお客さん来ちゃいましたね。」

「ん?あーほんとだ。」

「「いらっしゃいませー」」



(ごっつあん、オヤスミ。)
204 名前:りょう 投稿日:2002年04月16日(火)22時11分06秒
>190 ROMさま
    dat落ちって言うのは放置とかしたらなるんですか?
    もしそうだったらそんなことはしないので大丈夫ですよお!
    ここもブクマに入れてくれてるんですか?やったあ(w

>191 七誌さま
    っほ!なら良かったです。ここのやぐごまあまり一緒に
    居られないのでどうかなって思ってまして・・・。ありがとうです。

>192 よすこ大好き読者。さま
    ありがとうです!うちは新卒が入るような会社じゃないので・・・
    特に変化もなくやってますよお〜    雑談ですが(w

>193 パムさま
    甘くてよかったです。あっち(白)は痛いときとか切ない時が
    あったけどこっちはイマイチですね。
    これから・・・ふふふ・・・なんちて(w

    今日は(も)もっともっと更新予定だったのですが
    おかんにご飯と呼ばれました。行って来ます。
205 名前:ROM 投稿日:2002年04月16日(火)23時00分25秒
更新お疲れさまです。
5個もdat落ちしたのってよくみたら
丁度時期がぶつかっただけなんですよね。
スレサイズの事ですが、2chに移動するという手もありますよ。
下の方には氏にスレがごろごろ転がってますから(w
これからも頑張って下さい。
206 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月17日(水)00時49分50秒
来週の「MUSIX!」は、やぐごまですな。(笑)

あとは、吉がちゃんとヤッスーに認められるよう祈ってます。
余談ですが、「4th」を車で聞いているとき、つい
「♪ちっちゃいっちちゃいやぐちにあ〜る♪」と口ずさんでる私。
はまっちゃってますな。(爆)
207 名前:no-no- 投稿日:2002年04月17日(水)23時30分31秒
あっ、ちゅうまにあまあまになってる。
りょうさんのやぐごまはこうでなきゃって感じです。
あとは、よしこが認められれば問題も無くなりますな。
つづきたのしみにしてます。
208 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時43分07秒
次の日のお昼
いつものようにお昼をとるため、屋上で吉澤は待っていた。


(梨華ちゃん遅いなぁ・・・)

吉澤が先に居て待つことが多く、今日も例外ではなかった。

しばらく待っていると梨華が走ってやってくるのが見えた。


「よっすぃー!!」


「そんなに走らなくたって良いのに・・」

自分に会いたくて走ってくれてると思い、嬉しかった。


「ビッグニュースだよお〜」

(ん?ニュース?なんだ・・・それで走ってたの?)


ガクッとしながらも梨華を待った吉澤。
209 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時44分20秒
「はぁっ はぁっ ・・・おはよう。」

「おはよう。もうお昼だけどね。」

「今日初めてだから。」

「そうだね。で、ニュースってなに?」


「あっそうそう。びっくりするよお〜!聞きたい?聞きたいでしょ?」

「そんなに驚くこと?」

得意気に言う梨華を見て吉澤は聞いた。


「私はなんとなく気付いてたけど、よっすぃーは驚くと思うよ!」

「なんだろ?言ってよ梨華ちゃん。」


「うん。あのね・・・ごっちんとね、まりっぺが付き合いだしたの!!!」

梨華は『どうだ!』という顔で吉澤に言った。



「・・・・」

吉澤は「?」と言う顔をした。



「よっすぃー?驚かないの?」

梨華はなんの反応も示さない吉澤を不思議に思い、言った。



「・・・えっ?もっかい言って。」

「?もー!だからね、ごっちんとまりっぺが付き合ってるの!」
210 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時46分56秒

「・・・マジで?!」

「マジだよ!驚いたでしょ?ね?ね?」

「う、うん。マジで驚いた。なに、いつから?」


「遊園地行った帰りらしいよ。まりっぺが告ったんだってはあとはあと


「矢口さんから?!マジなの?」

吉澤はすごく驚いた表情で梨華に詰め寄り、聞いた。

「う、うん。なんなのよっすぃー、怖いよ?」

「え?あ、ごめん。なんかびっくりしちゃって。」


「あれ?そういえばまりっぺが女の子好きだったこと知ってたっけ?」

「えっ!!・・あっ・・う、うん。前に聞いたことあったかも。」

「そうなんだ?いつだろ。」


「しかし・・・矢口さんから言うなんて・・・ほんと驚いたよ吉澤はー」

「だよね。でもふたりはほんとに仲良いみたいだし、私は嬉しいな。」

「仲良いんだ?」
「そうだよ。だから応援してあげようね。」



「・・うん。」
211 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時48分08秒
「でね、今日あゆみちゃんがね?・・・聞いてる?」


「えっ?あっごめん。聞いてるよ。あゆみちゃんがどうしたの?」

「・・・だからあゆみちゃんがね――」


その後も梨華の言葉は続いたが吉澤は上の空だった。




(矢口さんがごっちんと・・・・矢口さんから・・・もう私とは関係ないのに・・・

 どうしていつまでも気になるんだろ・・・私はまだ・・・矢口さんのことを・・・

 でも私から別れたのに・・・・それに私には梨華ちゃんが居る・・・・・・

  梨華ちゃんのことはほんとに好き・・・・でも、じゃあ矢口さんは?

 ・・・関係ないのにどうしてこんなにもやもやするの?・・・・なんなんだよ・・)
212 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時49分16秒
それから数日、矢口と後藤はお互いに会うことが出来ず、メールのやりとりだけが続いた。


或る日学校が終わり、街を歩いていた時。

後藤は声を掛けられた。


「ごっちんじゃんか。」


「あーよっすぃー!珍しいねこんなところで会うなんて。」

「そうだね。ね、今暇?私この後梨華ちゃんと会うんだけどちょっと時間空いちゃって・・・
 お茶でも付き合ってくれない?」

「いーよ。後藤も今日はバイトまで時間あるし。」

「じゃあどっか入ろっか。」



――ということで近くにあった喫茶店に入った後藤たち。

学校の話題やテレビの話題、いろんな話をして会話を楽しんでいた。



吉澤は後藤に矢口のことを聞きたかったが後藤は一言も矢口の話題を出さなかった。


どうしても聞きたかった吉澤は自分から話を振った。
213 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時50分11秒


「・・・そういや、矢口さんと付き合いだしたんだって?」

後藤の表情が一瞬固くなったように感じられた。



「・・うん。梨華ちゃんに聞いた?」

「うん。それで、どうなの?」

「どうなのって何が?」


「ちゃんと遊んだりしてる?矢口さんバイトばっかでしょ?なかなか遊べないんじゃないの?」


「・・そうだね。」

「家とかは行った?」


「・・・うん。1回だけ。」

「そっか・・・矢口さんち広いよね。私も前に梨華ちゃんと行ったけど。」



「・・・そうだね。」

あまりちゃんとした返事を返さなかった後藤。


なんとなく空気が悪いなぁと思い、吉澤に梨華の話題を振った。
214 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時51分14秒
「それよりさ、よっすぃーはどうなの?」

「え?」
「梨華ちゃんとのこと、店長に認めてもらうんでしょ?」


「ああ・・・うん。今度の金曜日に学校が終わったら行くよ。」

「そうなの?金曜日後藤バイトだ。じゃあ後藤がお茶とか持っていくんだね・・・緊張するぅ」

「うん。私も緊張する。」

「でもさ、やっと認めてもらえそうなんでしょ?」

「うん。今までは会ってもくれなかったけどやっと会ってくれる。矢口さんが
 頼んでくれたおかげなんだよ。」

「らしいね。頑張ってよね!店長なんか誤解してるみたいだし、よっすぃーは
 良い子なんだから認めてもらわなきゃ。」

「ありがと。頑張って見る。」

「梨華ちゃんのこと好きなんでしょ?」
「うん。ちゃんと分かってもらえるようにする。」

そしてしばらく梨華の話題で盛り上がっていた。
215 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時52分30秒

――が、吉澤がまた話を矢口の話題に戻した。


「矢口さんの話題出したら嫌?」



「・・・嫌じゃないけど・・・ほら・・ね?」

「ね?って言われても・・・嫌じゃないけどなんなの?言ってよ。」


少し俯いた後藤だったが話し出した。


「・・・だってさ・・・よっすぃーとやぐっつあんって昔付き合ってたんでしょ?

 そう言ったよね?」


「・・・あぁ」



「・・・・昔の話かもしれないけど恋人だったわけだから・・・今の恋人からそんな話

 聞きたくないんじゃないかなって思うよ。後藤だったらやだもん。」


「なんだ・・・それでか・・・良いのに別に。気にしてないよ?ほんと昔の話だし、

 それに私には梨華ちゃんが居るもの。」



「・・・そう?」
「そうだよ!だから気にしないで話してよ。」

吉澤は笑顔で答えた。


「じゃあ・・・」
「うん。昔の恋人が今幸せなら嬉しいし。」

そして後藤は吉澤の質問にどんどん答えて行った。
216 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時53分50秒
「矢口さんのどこが好きなの?」

「えー?全部だけど・・・一番は性格かなぁ?なんか温かくてほっとする。
 甘えたくなっちゃう。」


「そっか・・・でさ、でさ、どこまでいってるの?」

吉澤はにやにやしながら後藤を見ている。


「なっなに言ってんの!言えるわけないっしょ!」

後藤は少し顔を赤くなりながら答えた。


「どうして?私にはえっちした?って聞いたくせにー」

「あっあれはよっすぃー達が長いって聞いてたし・・後藤たちはまだそんなに経ってないし。」

「じゃあなんもなしなんだ?」




「・・・キスだけ。」

後藤は俯いて赤くなっている。


「キスしたんだ。」

「う、うん。」


(キスだけか・・・)

吉澤はそれを聞いて何故かほっとしていた。
217 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時55分57秒
そして梨華との待ち合わせ時間が来たということで吉澤は慌てて先に出て行った。


(よっすぃーが未練なくて良かった♪)

後藤もそろそろバイトの時間が近付いたので席を立った。

――が、ふと向かいの吉澤が座っていた席を見ると、なにやら忘れ物を発見した。


「あららあ・・急いでたもんね。おっちょこちょいなんだからよっすぃーってば。」
(今日店に梨華ちゃん来なかったら明日も使うだろうし届けてあげるか・・・)



吉澤が忘れていたのは定期入れだった。


そしてバイトは終わったがやはり予想通り梨華は来なかった。

めんどくさかったが吉澤が気の毒だったのでかなり距離はあるが、家まで届けてあげることにした。



(住所乗ってるかな・・・)

後藤は申し訳ないと思いつつも住所を調べるために中を見た。

中をあけてすぐにあるものを発見した。



「あっ!梨華ちゃんだ!」
218 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時58分09秒
定期入れの中には吉澤が梨華と仲良さそうに一緒に写っている写真が入っていた。

「ラブラブだねぇ〜後藤も今度やぐっつあんと撮って、入れようっと」


後藤はそんな写真を微笑ましいと言った様子で見ていた。

何気なく写真に触ったら、写真は一枚ではなく下にもう一枚挟まっているのが見えた。


(えへへ・・見ちゃえはあとはあと

後藤はまた梨華とのイチャイチャぶりが収まっているのかと思い、軽い気持ちで見た。



「え?!・・・これって・・」



後藤が目にしたものは――




「やぐっつあん?」



吉澤が矢口に後ろから抱きつくようにして上から吉澤がシャッターを

押したであろう写真がそこにはあった。

『真里はあとはあとひとみ』とあり、とても仲良さそうに、別れるときが来るなんて

 思いもしていない頃の写真だろう。
219 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月17日(水)23時59分31秒


「・・・なんでここに入れてあるのさ。」




「なんとなく?」




「ただ単に気にいった写真?」




「まだ、未練・・・あるの?」



「好きなの?」



後藤はもやもやして吉澤に会いに行く気が無くなっていたが取り敢えず向かった。
220 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時00分38秒
ピンポーン


「はい。」
「後藤と申します。よっすぃー居ますか?」
「私だよ。すぐ出る!」

カチャ
「どうしたの?こんな時間に。」

「これ。」

後藤は吉澤に定期入れを渡した。

「あれっ落としてたんだ私。ありがとおわざわざ。」

「ううん。住所わかんなかったから中見ちゃったけど・・・梨華ちゃんと仲良さそうに
 写ってるね!羨ましいな。」

「見られちゃったか・・・恥ずかしいなぁ。あっ中入ってよ」

「ううん。もう遅いし親が心配するから。」

「そう?じゃあまた時間があるとき来てよ。」
「うん。そうする。じゃあおやすみ」


後藤はすぐに去った。

矢口との写真を見たことなど感じさせずに。


「ごっちんって親切なんだな。」

吉澤も見られたことなど少しも思わずに家へと戻って行った。
221 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時01分29秒
そして次の日(木)

矢口は休みだったので後藤の学校が終わってバイトまでの間会っていた。


「元気にしてた?」

「ううん。」

「へ?」


「やぐっつあんにずっと会えてなかったから。元気なかった。」


「・・・ごめんね。矢口も淋しかったよ。」

「でも今日は元気だよ。」

「今日さ、終わる頃にまた迎えに行くから。」


「嬉しいはあとはあと
222 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時02分34秒
そして夜
裏口から出た後藤はキョロキョロと辺りを見回したが矢口を見つけることが出来なかった。

「あれぇ?まだ来てないのかな?」


後藤がしばらくその場で待っているとクラクションが鳴った。


「やぐっつあん?!車なの?」
「ごめーん遅くなって。乗ってよ。」
「う、うん。どうして車なの?」

「え?ああ・・・ごっつあんって0時までにうちに帰ったら良いんだよね?」

「そうだけど。」

「だったらさ、今21時過ぎでしょ?少しドライブしないかなって思って。」

「ドライブ??」

「うん。っていってもそんな遠くには行けないけど、夜景くらいは見にいけるよ。」

「やったあ!嬉しい!!やぐっつあん大好き!」

後藤は隣に居る矢口に抱きついて言った。


「ご、ごっつあん離れてよっ出発するからあ!」


「ちぇ」

そして矢口たちは適当に出来合いのものを買い込んで夜景を見に行った。
223 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時03分42秒
山の上から遠くに見える高層ビルや住宅の光を見ながらふたりは並んでくっついていた。



「・・・きれいだね。」

「うん。吸い込まれそう・・・」



「やぐっつあんさ、今度やぐっつあんちに泊まりに行っても良い?」

「え?うちに?良いよ。」

「やったね!今度休み合わせてるじゃん?その日が良いな!」

「7月6日だっけ?金曜日に来る?土曜日?」

「やぐっつあん日曜日は何時からバイト?」

「日曜日は15時からだから昼までゆっくり出来るよ」

「じゃあ土曜日泊まりたい。後藤も日曜日は昼からだから。」


「分かった。じゃあきれいに掃除しとくね」


「うんはあとはあと

時間も22時半を過ぎ、ふたりは帰って行った。
224 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時05分00秒
その日の夜遅く。

矢口が帰ると家の前に梨華が立っていた。


「あれ・・?梨華ちゃん?どうしたの?」

「おそーいまりっぺ!待ちくたびれちゃったよ。入れてよ中。」


「あ、うん、ごめんね。」

中に入ってソファーに腰掛けた。

「ほい、紅茶しかないけど」

矢口は荷物を置いてすぐにお茶を入れてやった。

「ありがと。」

片付けをしながら矢口は梨華に聞いていた。

「で、どうしたの?こんな時間に来るなんて久しぶりじゃない?明日も学校でしょ?」


「・・・うん。ちょっと緊張しちゃって。」

「緊張?何で?」
「だって明日だもん。」


「明日?・・・あっよっすぃーと店に行く日だっけ?」

「うん。お姉ちゃんに会わせて、やっぱ認めないって言われたら・・・」

「だーいじょうぶだってば!矢口が保証する、絶対大丈夫だよ。」
225 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時06分00秒
「どうして言い切れるの?」

「んー・・・それは矢口にはなんでも分かるから♪」

「そんなの答えになってないよう」

「良いから良いから。梨華ちゃんはよっすぃーのことだけ考えてたら良いの!
よっすぃーが良い子だって知ってるでしょ?梨華ちゃんが信じてあげなきゃ」


「・・・そうだよね。うん、もし悪い結果に終わっても諦めないで頑張る」

「そうだよ!その意気その意気」

「まりっぺに話したら安心しちゃった。」

「そりゃ良かった。じゃあ遅いし送って行くから。帰ろっか」


「やだ。帰らない。」

「へ?何言ってんの?明日も学校でしょ?荷物に制服ないじゃんか」


「これ、なんだ?」

「あっ!・・・最初から泊まる気だったんだね。まぁ良いけど。」

「えへへ。」

「矢口今からお風呂だから先に寝てて良いよ。」

「うん。先にベッド行っとくね」

梨華は矢口の寝室へと入って行った。


(まりっぺの部屋久しぶり♪)
226 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時06分52秒
そして1時間後、矢口は寝室へとやってきた。


「あっまだ起きてたんだ」

「うん。まりっぺと話したいし」


矢口が近寄ると梨華は奥につめた。



「なんか久しぶりだね、一緒に寝るの。」

「まりっぺが忙しいからだよ。それにごっちんと付き合いだしたし。」

「やっぱそうかな。」


「今日もごっちんと会ってたの?」

「うん。さっきまで会ってた。」


「まりっぺ・・・幸せなんだね。私も嬉しいよ」
「えへへありがと。」
227 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時08分16秒
少しの沈黙のあと――

矢口に抱きつくようにくっついていった梨華が話しだした。



「まりっぺさぁ・・・」




「・・・ん?」





「久しぶりにさぁ・・」

「駄目!それは無し!」


「えーどうしてえ?久しぶりなのに。」

「駄目ったら駄目!」


「私のこと、嫌い?」

「嫌いなわけないけど・・駄目だよ。矢口にはごっつあんが居るから。梨華ちゃんに

 だってよっすぃー居るでしょ。」



「そうだけど・・・なんかまりっぺが恋しいんだもん。私のまりっぺが

 ごっちんのものになっちゃって・・・」


「梨華ちゃん、よっすぃーが他の子としてたら嫌でしょ?」



「・・うん。そうだね。ごめん、ばか言って」
228 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)00時09分42秒
「分かってくれたら良いけど・・・それにしてたのってかなり前だよね?
 お互いフリーの時でしょ?」

「そうだね。懐かしいね。」
「うん。」


「えっちしてるのに付き合ったりとかなかったね。」

「それはお互い家族みたいに思ってたからだよ。」


「・・・家族みたいに思ってたのはまりっぺだけだよ。少なくとも私はあの時まりっぺが
 一人の人として好きだったんだけどね」

「えっ?」


「でも、昔の話だよね。じゃあおやすみのキスだけ頂戴はあとはあと

「えーっ・・」

「そのくらい良いでしょ。こないだの旅行でもしたじゃない。」

「う、うん。」



『ちゅっ』


「おやすみ」
「おやすみはあとはあと

そしてその後すぐに梨華は寝息を立てて眠りに着いた。

矢口はむくっと起き上がり、ベランダに出て涼んでいた。



(はぁ・・・ごっつあんごめん。梨華ちゃんとキスしちゃった・・・。

 でも、そういうキスじゃないからっ・・・・・・キスはキスだよね・・・はぁ・・)


しばらく後藤に謝罪をして矢口も眠りに着いた。
229 名前:りょう 投稿日:2002年04月18日(木)00時16分17秒
>205 ROMさま
     2chですか・・・いやー2chは・・・なんとなく怖いので(w
     それに私は飼育が好きなのです!だから・・・もいっこもらうしか
     ないのかなぁ・・・?アドバイスどうもです。

>206 よすこ大好き読者。さま
     余談ですが、来週のMUSIX!かなり楽しみです。
     内容によっちゃぁ短編を書いてしまいそうな勢いです。
     あっちは容量残りまくりなので(w
     頼むよMUSIX!

>207 no-no-さま
     う〜ん・・・実はヤスに認められることよりも
     大変なことが起こったりして・・・。
     見守っていて下さい!!
230 名前:no-no- 投稿日:2002年04月18日(木)00時23分57秒
大量更新お疲れ様です。
リアルタイムでした。
やぐは一体何をしてるんだーー。
認められるよりたいへんなことって一体、、、
続きが気になります。

231 名前:ROM 投稿日:2002年04月18日(木)00時24分17秒
更新お疲れさまです。
やっぱり「怖い」というイメージがあるみたいですね。2chは。
下手すると個人情報抜かれたりしますし。
「fusianasan」と言う怖い罠もありますし。(確かこれで抜かれる)
関係ない話になりましたが、これからも頑張って下さい。
232 名前:パム 投稿日:2002年04月18日(木)05時03分08秒
更新おつかれっす!!。
にしてもヤグはもてますなぁ・・・。(w
今回のヨッスィはゴマのライバルっぽいですな。なにげに梨華っちも(w
ヤグゴマ押しの自分としてはゴマに心のなかでエールおくってます。
もっとゴマに幸せと波瀾を与えてあげてくだせぇぇぇ(爆
おっと逝きすぎた。(ワラ
次回も期待してるっす。がんがってくだせぇ!!。
233 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月18日(木)10時05分44秒
うゎーー!!
少し来なかったらすごい事になってる・・・。
まさか石までヤグと関係があるとは・・・。
神(りょう)様ゴマに幸せをお与え下せぇーまし(w
234 名前:R&B(レッド&ブルー) 投稿日:2002年04月18日(木)16時38分43秒
うおお!!
めっちゃ話進んでる!!
実は私ネットカフェから見てるんですよ
一週間に一回も来れないので見に来ると大量更新されてるわけです

それにしてもおもろい!!
いしとやぐ、もかんけいありですか…・…
これから楽しみにしてますよ…

PS:来週のMUSIX楽しみですよね!!
235 名前:R&B(レッド&ブルー) 投稿日:2002年04月18日(木)16時39分17秒
すいません…あげてしまいました
236 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年04月18日(木)20時37分06秒
なぬ?いしと知が!!(ガーン
複雑ですな。あとは、吉とごまが・・・・(ニヤリ
なーんてことが無い様に祈っております。はい。
237 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)23時54分30秒
そして金曜日。

梨華と吉澤は「こなきじじい」へと顔を出していた。

「おはよーございまーす・・・あっ」

後藤が従業員室に入ると梨華と吉澤が難しい顔をして座って居た。



「・・・いらっしゃい。」

「ちは。」

吉澤が軽く頭を下げてあいさつした。



「・・・店長は?」
「もう来るってさっき松浦さんが教えてくれた」

「そっか・・・頑張ってよね」

後藤も居づらいので早々に着替えると表に出て行った。
238 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)23時57分45秒
カチャ

保田が事務所に入って来た。

「あっ、こここんにちは!」

吉澤は焦って立って言った。

「そんなに緊張しなくても良いわよ座りなさいよ。」
「あ、はい。」

「お姉ちゃん、この人がよっすぃーだよ。私と付き合ってるの。」
「知ってるわよ。矢口からも聞いたし。」
「なら、よっすぃーがどんな人かも知ってるよね?」

「ええ。吉澤さん、あなた梨華を幸せに出来る?」

「えっ?あ、もちろんです!大事にします!」

「梨華のこと泣かしたりしたら許さないよ?梨華を傷つけたら許さないからね?」
「はい!」


「お姉ちゃん?」

梨華や吉澤が何も言わないのに保田が吉澤を認めているかのように話したので
梨華は不思議だった。
239 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月18日(木)23時58分55秒
「なによ。」

「よっすぃーとのこと良いの?よっすぃーを認めてくれるの?」


「・・・そうよ。それで良いんでしょ?梨華が吉澤さんを好きなのは変えられないし、

 吉澤さんが梨華を大事にしてくれるっていうならまかせるしかないもの。」


「ありがと・・。」

「あの、ありがとうございます。」

吉澤は深々と頭を下げた。


「良いのよ。それより梨華、吉澤さんとふたりにしてくれるかしら。もうちょっと話したいから」


「え・・?」

吉澤は不安気な顔で梨華を見た。

「何か酷いこと言ったりしない?」
「しないわよ!するわけないでしょ!もっと知りたいだけよ!」

「なら・・・あっち行っとく」

梨華は大人しく表へと出て行った。

残された吉澤はすごく不安そうな顔でいた。
240 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時00分54秒
「あの・・・ほんと、こんなにあっさり認めてもらって・・・良かったんですか?」

吉澤は恐る恐る聞いた。

「認めないって言えば良かった?」

「いえっ!そんなことないですけど・・・・・・話って・・?」


「・・梨華とは関係のないことなんだけど・・・」

「梨華ちゃんと関係ないこと??」

「矢口のことなのよね。」

「矢口さんの?!」


「吉澤さんと矢口が付き合ってた事、私は知ってるの。矢口とは高校からの付き合いだし。」

「そうですか・・・。」


「矢口と付き合ってるとき、あなたは本当に矢口が好きだった?」


「・・・はい。誰よりも何よりも好きで・・・矢口さんが居たら何もいらないって
 思ってました。」


「梨華のこともそんな風に愛せる?まだ矢口のことを好きで居たりしない?」

「愛せますよ!・・・矢口さんとのことは過去の話です。今は梨華ちゃんだけしか見てません。」


「・・・だったら良いんだけど。矢口と別れたときみたいなことがあったら許さないから」

「はい・・分かってます。」
241 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時01分57秒
カチャ
吉澤も話を終えて表へと出てきた。


「あっよっすぃー!お姉ちゃんにいじめられなかった?」

梨華が心配そうな顔をして駆け寄って来た。

「うん。大丈夫だよ。梨華ちゃんのこと宜しくねって言われた」
「ほんとに?!」

「うん。認めてもらえて良かった」

吉澤が後藤を見ると後藤は嬉しそうに笑っていた。

「良かったね、梨華ちゃんによっすぃー」
「うん。ありがとおごっちん!」

「じゃあこれは後藤からのサービスってことで・・」

後藤はミルクと紅茶を出して吉澤達に飲ませた。


「じゃあ、これから遊びに行くからあ」

そう言って梨華たちは出て行った。


(よしよし、店長が認めたとあればよっすぃーも梨華ちゃんだけを見るでしょ。・・・ていうか

よっすぃー嬉しそうだったし・・・あの写真は入れたままになってるだけかも?

・・・まぁなんにしてもまだ要注意だよね)
242 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時02分51秒
そしてまたしばらく矢口達はメールや電話だけで、なかなかあえなかった。


今日は7月6日

ふたりそろってフリーの日である。

週明けから期末テストが始まる後藤だったがどうでも良かった。

ふたりは久しぶりに映画を見たり買い物をしたりお茶をしたりと、今まで会えなかった分を

取り戻すかのように一生懸命遊んだ。


そして夕方になり、ふたりは矢口の家へと帰って来た。
243 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時04分14秒

「ほんとに作ってくれるの?」

「うん、まかしてよ。後藤は料理だけは得意だから♪」


「料理だけじゃないよ〜  じゃあ矢口は食器でも用意するね」

「(嬉しい事いってくれるなぁやぐっつあんはあとはあと)良いから座ってて」

「んなこといったって・・・やっぱ悪いじゃん。」


「そう?でも邪魔だし。・・・やぐっつあんはお風呂でも洗っててはあとはあと

「えー?!・・・分かりましたよ。」

矢口はしょぼんとただでさえ小さい体をさらに小さくして風呂場へと向かった。

さっさと洗い終えた矢口はリビングからキッチンで料理をする後藤を嬉しそうに見ていた。


鼻唄を歌いながら機嫌良さそうに幸せそうに次々と料理を作って行く後藤。

その姿を見ているだけで矢口はおなかいっぱいになりそうだった。


矢口がじっと見ていたことに気がついたのか、後藤は矢口に話しかけた。

「ねぇやぐっつあん、後藤の料理美味しかったらご褒美頂戴ねはあとはあと

「ご褒美?」
「うん。」
244 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時05分47秒

「・・うん・・・?あーそれよりさぁ今日の夜なんもおもしろいテレビやってないんだよー

 なんかビデオでも借りて来ようか?」


「ん〜・・・ううん。後で一緒に行こ!食べ終わったらお風呂の前の運動がてら」
「そうしよっか。」

などと話をしているうちに後藤の料理は完成した。


後藤が作った料理はどれもこれも最高の味だった。

美味しいとしか良いようがなかった。


「どうかな?」

「最高!!マジ美味しい!矢口幸せだよこんな彼女持ちで〜♪」

「あっ・・」


「あに?(モグモグ)」

「付き合う前に作ったときはね、後藤の彼氏になる人は幸せだねって言ったんだよ

 やぐっつあん。覚えてる?」


「・・・覚えてないや。でも、なんだ、矢口が幸せ者だね。」

後藤はニコニコニコニコしながら美味しそうに食べる矢口をじっと見ていた。
245 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時07分11秒
「あんま、見ないでよ。食べにくいじゃん」

恥ずかしくなったのか矢口は目を逸らした。


「ふふふ 美味しかったからご褒美ちょうだい。」

あまりにも後藤が笑顔なので矢口は瞬間寒気がした。



「な、なにが良いのかな・・・えっと・・・・何が良い?」

矢口は恐る恐る聞いた。



後藤は待ってましたとばかりに答えた。

「今日ね、今日、いっぱい・・キスしたいはあとはあと


(くわぁ!そんなこと面と向かって言われると・・・恥ずかしいじゃんかあ。)

矢口が照れていると後藤は続けて言った


「・・・駄目?・・・ヤかな?」

上目遣いで矢口に甘えるように後藤は言った。


矢口はゴクリと唾を飲み込むとすぐに返事をした。
246 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時08分21秒
「う、ううん!嫌じゃないよ!いきなりだったからちょっとびっくりしたけど。」

「いきなりかなあ?」

「面と向かって言わないよお普通は。」

「そかな。でもしたいんだもん。言っちゃったもんはしょうがないよねはあとはあと


「そうだね。・・・矢口照れ屋だから寝るときね。」

「えー?!寝るときだけ?」
「ちゃんとするからさ!」

「絶対だよ?」
「うんうん。」


「でもさ、・・・取り敢えず今したいはあとはあと

矢口の服の袖をキュっと掴んで物欲しそうな顔で後藤は言った。

その可愛さにクラっときた矢口は誰も居ないのに周りを見回すと軽くだったがした。

「よっし!じゃあ夜が楽しみ♪片づけしたらビデオ借りに行こっか」
「そ、そうだね」

片付けは矢口も手伝ってすぐに終わった。
247 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時09分43秒
そして夜。

なんてことはない恋愛ものを観ていたふたり。

寄り添って手を繋ぎながら見ていた。


クライマックスに近付いたとき、もぞもぞっと後藤が動いた。



(ん?・・トイレかな?)

矢口は繋いでいた手を離そうとしたが後藤は離さなかった。

(・・・?動いただけかな)


矢口が気にせずに画面を見ていると後藤が矢口のちいさな膝に頭を乗せて寝だした。

「ちょ、ちょっとごっつあん?寝るの?」


「・・・んー・・ちょっと眠い。」

「だったらベッド行きなよ。寝にくいでしょ?」


「・・・やだ。ここで良い。」

「ワガママ言わないの!ここで寝ても矢口は運べないよ?」


「ん・・・映画終わったら起きる。オヤスミ。」

後藤はスーっと眠りの世界へと入って行った。



「なんだ・・・まだ子供だねやっぱり。」
248 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時10分42秒
矢口は視線をまた画面に戻し、続きを見た。

しばらく見ていた矢口だが、ピクっと後藤が動いたので矢口もそれに反応して後藤を見た。

後藤は矢口の手を両手でにぎにぎしながら幸せそうに笑っていた。


「・・ぐっつ・・〜・・んはあとはあと



「・・・可愛いなぁごっつあんは・・」

矢口は優しい表情をしながら後藤を見つめていた。



「・・・愛してるよ、真希・・・・・・・・・とか言ってみる。」

矢口は自分で言ったことに吐きそうになったのかおえぇっと言う顔をして横を向いた。

矢口は後藤の髪を撫でながら映画を見続けた。

映画が終わって一応声をかけた矢口だったが、いくら呼んでも起こそうとしても

ピクリともしない後藤だった。

矢口は頑張って後藤をベッドまで連れて行くと、自分は次の映画を見出した。
249 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時12分01秒
しばらくして寝室から矢口を呼ぶ声が聞こえた


「・・ぐっつあ〜ん・・どこお?・・・あ〜ん・・行っちゃやだよお〜・・・・・

 やぐっつ・・ん・・どこお?」



「ごっつあん?」

自分を呼ぶ声に気がついた矢口は後藤が寝ている部屋へと行った。

カチャ


「・・・ごっつあん?」


「・・うう・・っく・・どこお?」

「ごっつあん、矢口ここだよ。ここに居るよ?」

矢口が後藤の傍に寄ると、後藤は涙を流して泣いていた。



「ごっつあんどうしたの?」

目を瞑っているので嫌な夢をみてうなされていることはすぐに分かった。

矢口は無理やり揺さぶって後藤を起こそうとした。
250 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時13分01秒
しばらく揺さぶっていると後藤は目を覚ました。

後藤は目の前に居る矢口を見てわぁぁと泣きながら抱きついた。

矢口は訳が分からなかったがとりあえず落ち着かせてやろうと頭を撫でてやった。



「・・・どうしたのさ?」


「・・・っく・・・やぐっつあんが・・・やぐっつあんが・・・ 」

「矢口がどうかしたの?そんなにヤな夢だったの?」


「うん・・。やぐっつあんが後藤じゃない誰かに奪われて居なくなっちゃう夢だった。

 やぐっつあんって呼んでも呼んでも振り返ってくれなくて・・・後藤が泣いてるのに

 来てくれなくて・・・・悲しかった」


後藤はまだグズグズ言いながら矢口に抱かれながら言った。



「矢口がごっつあん置いてどっか行くわけないでしょ?今だって矢口はこうやって

 ごっつあんの傍に居るでしょ?泣いてるにほっとくわけないよ。」
251 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時14分00秒

「・・・うん・・・でも・・・」
「でも?」



「・・・ううん。(よっすぃーっぽかったんだよ・・・)」


「こんな暗い部屋に一人だったからだよ。ごめんね一人で寝かせて。」

「ううん。先に寝ちゃった後藤が悪いよ。もう大丈夫。」

「もう怖くない?」

「うん。だからやぐっつあんといっぱいキスするはあとはあと

「おっ覚えてたの?!」
「あったりまえだよ!」


(ごっつあん・・・さっきまで泣いてたクセに・・でも、ま、いっか。)



「ほんじゃもう3時だし、寝ようかぁ」

「うん」

矢口も後藤の居るベッドに入って後藤と手を繋いで寝そべった。
252 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時15分19秒

「・・・・ごっつあんさ、キスって矢口が初めて?」

「うん。そおだよ。」


「そっか・・・ほんじゃ何もかも矢口が最初なんだね。」

「そうだね。後藤さ、知らないことだらけだから・・・いっぱい教えてよ。」


「・・・矢口もあんま知らないけど。」

「後藤よりは豊富でしょ。」


「まぁごっつあんよりはね・・」



そして向き合うとふたりはどちらからともなく唇を交わした。

角度を変えて2回3回としたところで後藤は寝てしまっていた。

キスの途中で、それも自分からお願いしたくせに寝てしまう後藤にため息を

つきながらも矢口は嬉しそうにその寝顔を見た。



「ずっとこうやって一緒に居ようね。」

眠ってしまった後藤の頬に軽く唇を落とすと矢口も寝に入った。



翌朝、自分がすぐ寝たくせにキスしてないよおと文句を言った後藤に

矢口は朝から襲われていた。そしてバイトで別れる時間がくるまで

何度も何度もせがまれた。
253 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時16分27秒
なかなか会えないという事がふたりを深く結びつけ、誰にも邪魔出来ない割り込めない

という状態がずっと続いた。梨華たちと4人で遊ぶ事も最近は少なくなり、ふたりの

時間を楽しんでいた。すごく幸せだった。




夏休みに入ってしばらく経った日の午後

吉澤が海の家でバイトをしていると矢口と後藤が遊びに来ていたのを発見した。

手を繋いで、ただでさえ暑いのにくっついて仲良さそうに歩いていた。

何度かナンパをされて居たようだが全く無視でふたりはやりすごしていた。
254 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時17分11秒
そんなふたりを見ていると矢口が気付き、吉澤の居る方へと向かって来た。

「よっすぃーじゃんか。」

「あー矢口さんにごっちん。デート?」

「そうだよ。よっすぃーは今日は?梨華ちゃんは?」

「7月いっぱいはここでバイトです。梨華ちゃんはこれ以上黒くなったら

 生きていけないっって言って家でのんびりしてますよ。」


「あははっ 可哀想〜じゃあよっすぃーひとりかぁ〜」

矢口が嬉しそうに言うので吉澤は拗ねていた。


「ふんだ。後2日で終わるし、そしたらひとりじゃないですぅ!」

「矢口たち、もう帰るけど、頑張ってよ。ばいばい」

「あっもう帰っちゃう?」


「うん。遅くなるとごっつあんやばいし。」

矢口と後藤は手を振って帰っていった。

「くそー・・羨ましい・・」
255 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時18分05秒
そして8月1日
保田に許されてから何度かお邪魔している梨華の家に吉澤は居た。

「お疲れ様だったね。」
「ほんとに・・・あっそうだ、おとつい矢口さんたち来たよ。」
「そうなの?デートしてたんだ?ふたり。」
「そうみたい。」
「まりっぺたちラブラブだもんね。最初からは想像できないくらいさぁ」
「らしいね。それ知らないけど。」

「でも私達も負けないよねはあとはあとラブラブだもんね?」

梨華は吉澤にくっついてキスを求めながら言った。



「・・・うん。」

吉澤は遅い返事の後軽く口付けた。



「・・・どうしたの?」
「え?なにが?」

「・・・なんか元気ないように見えるよ。」

「気のせいだよ。でも、もしかしたらバイトさ〜炎天下の中だったから疲れてるのかも。」

疲れているのとは違うような顔をしながら吉澤は言っていた。

梨華も何故だかつっこんで聞くことが出来ずに流していた。
256 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時19分12秒
そして10日後――
梨華は夜遅くにまた矢口が休みなのを狙ってやってきた。

「で、今日はどうしたの?」

「うん・・・よっすぃーのことなんだけど・・・相談があって。」

「相談?上手くいってないの?ケンカした?」

「ううんケンカなんてしてないよ・・・上手くいってるんだけど・・・」
「じゃあ、何?」

「変なの。」
「変?」
「最近気がついたらいつも上の空で・・・話しかけても空返事で・・・一緒に居ても

 目も合わないときがあるの・・・嫌われちゃったかなぁ?・・・何もしてないと

 思うんだけどな・・・どうしたら良いんだろまりっぺ・・・悲しいよ・・・」
257 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時20分10秒
「嫌うはずないよ!矢口にも梨華ちゃんのこと好きって言ってたし。
 何か悩みでもあるのかもよ?」

「悩み?」
「そう。恋人の梨華ちゃんには言いにくいような悩み。」


「そうなのかなぁ・・・」

悲しそうに俯きながら言う梨華に矢口は微笑み、元気よく言った。


「まかせて!矢口が話聞いてきてあげるから!」

「まりっぺが?!」

「うん。矢口の可愛い妹の梨華ちゃんが困ってるんだもん、ほっておけないよ」


「・・ありがとうまりっぺ。」
「ううん。このくらい簡単だよ!」

矢口はビッっと親指を立てて笑って言った。
258 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時21分39秒
と言ったものの中々休みの取れなかった矢口は10日後にやっと休みがとれ、

吉澤を呼び出した。矢口の休み=後藤とデートはあとはあとなので遊んだあとに

家に来てもらうことになっていた。


後藤をいつものように送って家に帰った矢口。

0時半に約束をしていたが後藤がいつものごとくなかなか離れずに少し過ぎてしまっていた。

矢口が慌てて部屋に向かうと思った通り吉澤は既に来ていて、部屋の前で待っていた。


「ごめんね〜よっすぃーちょっと過ぎちゃったはあとはあと今空けるから入って〜」

「あーはい・・。」

吉澤は言われるがまま部屋へと入っていった。


部屋に入って辺りを見回す吉澤。

(懐かしいなぁ〜・・この匂いこの空気・・・)



「ん?どしたの?座ってよ。」

矢口はお茶を出しながら立ったままでいた吉澤に声をかけた。

吉澤も矢口の横に腰掛けた。

しょっぱなから核心に触れるわけにもいかないので矢口は学校の話や最近の出来事など、

どうでもいいことから話した。そしてしばらく話したあと、言った。
259 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時23分20秒
「そういえばさぁ〜最近梨華ちゃんとはどうなの?」

「梨華ちゃんと?」

「そう。仲良くやってる?」


「・・うん。毎日会ってるし仲良いと思うけど。」

「そう。でもね・・・最近よっすぃーがおかしいって梨華ちゃん言ってたよ?

 一緒に居ても上の空で話しかけても返事くれないでって。駄目じゃんか

 余計な心配させたら〜梨華ちゃんとのこと圭ちゃんにやっと認めてもらったのにさぁ!

 一体どうしたの?なんか悩みでもあるわけ?」

矢口は一気に言った。


「・・別に。なんもないけど・・・」

「うっそだー!だったら梨華ちゃんがあんなこと言うはずないよ。

 梨華ちゃんのこと好きじゃないの?」


「・・・好き・・だよ。」

「(ほっ)だったら・・・悲しませるようなことしたら駄目だよ・・・

 心配かけたら駄目だよ・・・ほんとは何か悩みがあったからでしょ?

 なんもなかったらそんな風にならないよね?」



「・・・」
260 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時24分21秒
「矢口これでも年上なんだし、相談乗るよ?何があったの?」




「・・・せいだよ!」

「え?」



「矢口さんのせいだって言ったの!!」



「え?矢口のせい?なんで?何が?何が矢口のせいなの?」

矢口は訳が分からないと言った顔で吉澤を見た。



――とその瞬間矢口はぎゅっと吉澤に抱きしめられた。


「――っ!!」

矢口は訳が分からずに困惑している。



(また冗談?)

「ちょ、ちょっとよっすぃー?」

矢口が吉澤から逃れるようにしながら言ったが吉澤の手は緩まらず、抱きしめ続けた。
261 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時25分25秒
「ちょっと――冗談はやめよ?びっくりするから矢口!!」



「・・冗談なんかじゃない。」

「な、何言ってるの??こんなこと冗談じゃなかったら駄目だよ?!

 梨華ちゃんが悲しむよ?それにごっつあんだって――」



「聞きたくないっ!ふたりの話はしたくない!!」

吉澤は矢口を抱く腕を更に強くすると叫ぶように言った。



「なに言ってるの??!!よっす――」






矢口が抵抗して話していると不意に吉澤が矢口の唇を奪った。
262 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時26分48秒
矢口は焦って吉澤の腕からなんとかして逃れようともがいたが吉澤の力に

敵うはずもなく、動けなかった。唇を奪われながらも矢口は吉澤の背中を叩いて

抵抗を続けていたのだが聞こうとしない。それどころか吉澤はキスをさらに

深いものにしていく。


矢口の口の中に強引に舌を滑り込ませて行った。

そこで矢口はしめたとばかりに入って来た舌に噛み付いて反撃をした。


「いてっ」

さすがにちぎれるほどは噛まなかったがそれでもぺろりと唇を舐める吉澤の口から

少し血が出ていた。


噛まれてすぐに唇を離した吉澤だったが目の前に居た矢口を抱きかかえると

寝室へと向かった。



「ちょ、ちょっとよっすぃー降ろしてよ!何する気???駄目だよそんなの!

 やだよ!よっすぃー!お願いだからやめて! よっすぃー怖いよお!」




矢口の言葉に耳を傾ける事をせずに吉澤は矢口をベッドにぽそっと落とした。
263 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時28分10秒

矢口は一瞬吉澤と目があったがそれも束の間

またすぐに唇を奪われていた。

今度は舌も入れずにただ触れるだけのキスをしていた吉澤だったが、吉澤の手が

矢口の胸に触れ出した。


「んーー!!」

唇を塞がれながらも拒否を示した矢口だったが吉澤はやめなかった。


服の上からだったその行為もすぐに捲り上げて直に変わっていた。

矢口を押さえつけることは忘れずに胸に吸い付いて矢口を攻めた。



悔しいけどやはり感じてしまうのか矢口のふくらんだ胸の突起が固くなってきていた。

それに気付いて矢口は悔しくて悲しくて涙が止まらなかった。



矢口を片手で押さえながらもう片方の手は下へと伸びていく

押さえつけられて泣いていた矢口だったが口を開いた



「どうしてっ・・どうしてこんなことっ!!こんなっ・・・レイプみたいなことっ

 ・・・やだってばあ!!やめてよ・・・よっすぃー!!」
264 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時29分43秒
胸に舌を這わしていた吉澤は顔を上げると矢口を見つめて言った。


「どうして?ここでこうやって何度も愛し合ったのに・・何度も何度もしたのに・・・

 どうして嫌がるの?好きだって言ってくれたのに。仲良かったのに。

 いつも一緒に居たのに・・どうしてなの?」



「・・れを・・それを壊したのはよっすぃーじゃんか!!矢口の気持ちを無視して

 ひとりで決めたんじゃんか!!」



「・・確かに私が壊したかもしれないけど・・・でも好き。別れてからもずっと好きだった。

 ・・・矢口さんだって好きだったから1年間も誰とも付き合わなかったんでしょ?」

「違う!!」

「違わないよ!!!」

聞きたくない言葉を発する矢口の口を吉澤はまた唇で塞いだ。


そして手は矢口の股の方へと向かっていった。

ショーツの上からでも分かるくらいに矢口のソコは濡れていた。
265 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時30分49秒
「こんなに濡れてるのに・・・嫌なの?体は正直なんだよ?・・・矢口さんのここは

 こんなにも欲しがってる。」



そういって吉澤は一気に矢口のスカート中に入れていた手でショーツを剥ぎ取った。


「やだあっ!!!」

矢口は今までで一番大きな拒否を示した。

矢口の顔は涙でもうぐちゃぐちゃになっていて、何も見えなかった。


そんな矢口にキスをしながら手は割れ目にそって撫で始めていた。


確かに嫌なのに、したくてしてるんじゃないのに矢口は溢れ出る蜜を

とめることが出来なかった。

溢れ出てくるそれは、昔の吉澤を覚えているかのようにとめどなく出てきた。

泣いていた矢口だったが、吉澤の心無い行為に感じてしまっていた。
266 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時32分14秒
一瞬矢口の抵抗する力が弱まったのを見逃さなかった吉澤は顔を矢口のそこに埋めた。

感じるところをかつて愛した人に舐められて愛されて普通でいられるはずがなかった。


矢口も例外ではなかった。




吉澤の行為に嫌悪を感じながらも矢口はイってしまった。



行為が終わったあと吉澤は矢口の横に横たわっていた。


無理やり犯されて泣きまくって疲れ果てて力の出ない矢口だったが、

最後の力を振り絞って吉澤を突き飛ばした。



「もうっ・・っもう帰って!!・・・もう二度と来ないで!!」

矢口はまた勝手に出てくる涙をとめられずに泣きながら訴えた。


「どうして?!」


「分からないの?!・・・よっすぃーは大人になりたいって言ってたよね?

大人になるんじゃなかったの?変わってないよ・・・全然だよ!!・・・

ううんそれどころか前より子供だよ!!人が傷つくってこと・・なんとも

思ってないんだから!!」



「・・・」
267 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月19日(金)00時33分27秒

「・・・よっすぃーは梨華ちゃんをなんだと思ってるの?!矢口にごっつあんが

 居ることも忘れたの?!」



「私は矢口さんが好き。」



「・・・矢口は今日で嫌いになった。もう会いたくない。」


「だってどうしようもないんだよ!!」



「矢口はごっつあんが好きなの・・・気付くの遅いよ・・・・・帰って。」




しばらく沈黙が続いたが吉澤は荷物を持って出て行った。




吉澤が出て行ったあと、矢口は大声を出して一晩中泣いた。
268 名前:りょう 投稿日:2002年04月19日(金)00時42分47秒
>230 no-no-さま
     大変なこと。やっちゃいました・・・。
     吉のばかん作者のばかんって感じですか・・・(w

>231 ROMさま
     2chはROM専です(w 情報どうもです。

>232 パムさま
     やぐは常にモテキャラなのです私の中で。
     波瀾が・・・起こってしまいましたぁ!!ついに!!
     
>233 ロ〜リ〜さま
     正確には、石と知は過去に関係があったということで・・
     今は違うので大丈夫ですはあとはあと
     ごま、どうなるのかな・・・(w

>234 R&B(レッド&ブルー)さま
     ネットカフェ?!大変ですね・・私もよく待ち合わせの時間潰しでは
     入りますけど・・・。おもろいって言って頂けるとがんばれます
     ありがとうございます。

>236 よすこ大好き読者。さま
     よしごまは・・・・ないです!!(キパーリ
     やぐが絡まないと・・・一応主役ですので(w

     もうすぐ(といっても結構あるのかな)終わるはずなので(多分)
     読んで下さっている方、最後までお付き合い頂けたら幸いです。
269 名前:ROM 投稿日:2002年04月19日(金)06時18分58秒
更新お疲れさまです。
やぐが襲われてしまいましたね…
きっと後藤の事だから(略
これからも頑張って下さい。
270 名前:ロ〜リ〜 投稿日:2002年04月19日(金)11時17分42秒
吉が暴走し始めましたね・・・(ハァ
せっかくヤグもゴマといい感じになってたのに・・・
これがヤスに知れたらどーなるか・・・
大嵐の予感がします・・・
271 名前:とみこ 投稿日:2002年04月19日(金)19時37分26秒
吉暴走・・・・切ないやぐよしかな?と思ってましたが、
吉はもうおさえきれなかったのですね。うぅ、痛い・・・
272 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月20日(土)00時40分24秒
梨華たんはよっすぃーと別れた方がよいかと今はまだ傷が浅くてすむ。
ヤッスーのよっすぃーに対する制裁は当然でしょう。
暴走したよっすぃーに弁解の余地はありません。梨華たんのことを愛しているのでは
なかったのか!!
273 名前:no-no- 投稿日:2002年04月20日(土)16時22分25秒
吉大暴走。
この暴走を止めるのはやっぱりヤッスーなのかな。
はっ早く続きを,、,、、、、、、。
274 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月20日(土)21時53分21秒
なんだか大変な事になってきましたね。
よっすぃの暴走はとまるんでしょうか・・・
275 名前:パム 投稿日:2002年04月21日(日)01時33分35秒
更新おつかれでっす!。
つ・・ついにキター!!。波瀾が・・・。かなりヤバヤバな展開ですな。
暴走ヨッスィーは誰がとめるのか!?。
魔人ヤッスーの怒り狂う様が目に浮かぶっす・・・。
あ、余談ですが、最近ハロモニが曜日変更されて45分に戻ったでっす!。
30分じゃあまりにも切ない・・・。
276 名前:145 投稿日:2002年04月21日(日)05時21分05秒
乙女に続き読み切った〜!!
も〜なんか最高ッス!
めっちゃ続きが気になるっす!
続きの更新待ってますね!
277 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時10分29秒
数日後

「やぐっつあん今日バイト終わったら家行っても良い?」


「え?あ、ああ今日ね、今日はごめん。無理だよ。」

「えーそうなの?バイトだっけ?」


「う、うん。ごめんね。また今度来てよ。」

矢口は笑顔で後藤の方を向いて言っていた。




「・・・なんか変だよ?」

「えっ?なにが?」



「やぐっつあんが。」

「どういう意味さー失礼だなーごっつあんはー」



「だって変だもん。なんか・・・なんていうのかな・・・無理して笑ってる感じ。」

「まさかあ!無理して笑う必要ないじゃんか。」


「そうだけど・・・う〜ん・・・気のせいかなぁ?」
(どことなく申し訳なさそうな顔してるようにも見えるんだよね。)



矢口が全ての後藤は、矢口の変化にすぐに気がついていた。
278 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時12分04秒
「なんか悩んでるんだったら言ってよね。」

「ありがと。」

矢口はいつもならそんなのないよおと言うのだが今日はお礼を言った。

そのささいな違いに気付いた後藤。


「やっぱなんかあるんだ。後藤じゃ相談乗れないことなの?」

「えっ?」

「隠し事はなしって決めたよね?」

「ごめん。ほんとに大丈夫だから。心配かけてごめんね?」

矢口はまたすぐに無理していると後藤には分かるような顔で笑って言った。

後藤も頑なに言おうとしない矢口にそれ以上つっこむことが出来なかった。
279 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時14分01秒
そんな感じが数日続いた頃、後藤は梨華から相談を受けていた。
夏休み最後の日である。


「最近まりっぺと連絡取れないんだけどどうしてる?家に行っても出てくれないし。」

「・・んー・・元気だけど・・ちょっと変かも。」

「変?変と言えばよっすぃーもなの。」

「?!よっすぃーが?!」

「うん。一緒に居てもあまり口聞かないし・・・定期入ればっか見てため息ついてさ
 ・・・何見てるのかって聞いても教えてくれないんだ。」


「・・・やぐっつあんもね悩み事あるっぽいんだけど教えてくれなくて。明日バイトから
 帰ってきたらちょっと会って聞けたら聞いてくる。」


「私・・・まりっぺによっすぃーのこと相談しててね・・・それから連絡つかないから。」

「うん。それも聞いてみるから。」
「ありがとね、ごっちん。」
280 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時15分38秒
そして翌朝8時過ぎに後藤は制服姿で学校をさぼって矢口がバイトから帰って来るのを待った。

9時頃矢口が朝ごはんをコンビニで買って来たのか、袋を提げて帰って来た。

矢口を見つけて『ふにゃ』っといつものように笑いかけた後藤だったが矢口の反応は

心なしか薄かった。



部屋にあげてもらった後藤は悲しくなって矢口に抱きついた。


「やぐっつあんほんとにどうしたの?おかしいよ?」

「えー?何言ってるのさ。矢口はいつもどおりだよ〜おかしなとこなんてないよお〜」

後藤の目をはっきりと見て言わない矢口に後藤は問いかけた。



「後藤のこと飽きた?もう好きじゃないのかなあ?」

「好きだよ!飽きるわけないじゃんか!!」



「・・だったらどうして隠すの?後藤に言えないことあるって分かるよ?

 でもそういうの言っていこうって決めたよね?最初に決めたよね?」
281 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時16分34秒
「ごめん・・・」


「ごめんじゃわかんないよ!!ちゃんと分かるように言ってよ・・・そんなんじゃ

 ・・・嫌われたってとるもん!!」


「好きだってば!隠し事なんてしてないし。矢口はいつも通りなんだけどな・・・。」


誰がどうみても隠し事があるとしか言えない顔で矢口は言っていた。


「絶対なんかあるんだ!分かるもん後藤には。」

しつこく、絶対に引かないといった様子の後藤を見て矢口は観念したかのようにいった。



「・・・分かった、言うよ。」

「ほんと?!」


「うん。あのね、こないだ梨華ちゃんとちょぴっとちゅーした。」

「はぁ?!」
282 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時17分44秒
「急に泊まりに来て、おやすみちゅって感じで頬っぺただけど。
 それで悪いなぁって思ってたの。ごめん。」

矢口は申し訳なさそうに言った。


「それでおかしかったの?後藤に気ぃ使って?」


「うん。ごめんね。・・・許してくれる?」

上目遣いに後藤を見ながら矢口は言う。




「・・・頬っぺたじゃなかったら許さなかったけど頬っぺただから・・・許してあげる!」

「ほ〜よかった、ありがと。」

矢口は満面の笑みで後藤を見た。



「でも、なんだあ〜もっと大変なことかと思っちゃったよ」

「ううん。これだったの。」

後藤は矢口の言った事を少しも疑わずに信じ、すぐにいつも通りの後藤に戻った。



その後、学校に行けと言う矢口の言葉を聞かずにさぼった後藤は、矢口が睡眠を

取るのと一緒に自分も寝ることにした。

朝食を取り、お風呂を済ませた矢口は後藤が先に眠る自分のベッドへと向かった。
283 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時19分03秒
朝まで寝ていたはずの後藤はもう既に眠っており、すぅすぅと寝息を立てて寝ていた。

矢口もふとんに潜り込み、眠る体勢に入った。

すると不意に後藤が寝返りを打ち、矢口にくっつくような形になった。


矢口は視線だけを後藤に向けるとポツリと言った。




「・・・言えるわけ・・・ないよ・・・。」







そして14時

次のバイトへと向かう矢口は後藤を置いておくわけにはいかないので起こそうとした。


「ごっつあん、バイト行くから起きて。ここに居たら駄目だよ!ごっつあん!!」


「・・んあ〜・・」

思ったより早くに後藤は起き上がった。

「矢口もうすぐ出るけどごっつあんも一緒に出るよね?バイトだったよね今日。」


「・・・んあ。」

「じゃあ早く起きて準備してよ。置いていくよ。」



「・・・ここに居る。」

「は?何言ってんの?バイトでしょ?」
284 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時20分16秒
「今日休む。ここでやぐっつあんの帰り待ってる。」
「ばか言ってんじゃないの!休んだら圭ちゃん困るでしょ?!」
「大丈夫だよ後藤が居なくても。今日は暇なはず!」

「駄目だよ。」

「やだ!!ここに居る!!」

「駄目だってのに!!」

駄々をこねて布団から出ようとしない後藤を無理やり引っぺがそうとする矢口だったが

後藤の力は強く、ベッドに戻されてしまっていた。


「駄々こねてんじゃないの!」


「・・・ここで待ってちゃ駄目?居たら迷惑かなぁ?」

急に甘えた声で言う後藤に矢口は負けそうになった。

しかし学校をさぼった後藤にバイトまで休ませてはいけないと保護者的な

気持ちになっていた矢口はなんとかいいくるめた。


渋々ながらも帰る準備をする後藤は玄関で待つ矢口のところまで走っていくと
笑顔でおねだりした。


「ねぇねぇやぐっつあん、キスしていい??」


笑顔で可愛らしく言う後藤は矢口が返事をする前にしていた。
285 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時21分56秒
いつもなら『ちゅっ』と軽く唇を触れ合わせるだけのふたりだったが今日の後藤は違った。


矢口を包むように抱きしめ、そっと矢口の口内に舌を滑り込ませていった。


後藤の舌が矢口の中に入った瞬間矢口は後藤を突き飛ばしてしまっていた。



もともと力の弱い矢口なので突き飛ばしても大して離れはしないのだが明らかに

拒否の意を表した矢口に後藤は悲しくなった。


矢口はそんな後藤を見る事も無く、身を強張らせて少し震えていた。

よく見ると目にはうっすらと涙も溜まっていた。


それに気付いた後藤は矢口の手を握って話し出した。


「ごめん、急にこんなことして。後藤さ、したことなかったから・・・変なこと

 したんだよね?間違ってたんだよね?ごめんね。・・・やぐっつあんをもっと

 知りたくてやったんだけど・・・間違ってたのかな。」

とても申し訳なさそうに悲しそうに言う後藤を見て矢口は我に返ると返事をした。


「っううん!ごっつあんは間違ってない。おかしいのは・・・矢口なんだ・・・。」
286 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月21日(日)23時23分13秒
「え?」




「へへ・・ごめんね。矢口の可愛いごっつあんが急に大人だったからびっくりしちゃったの」


「・・・ほんとにそれだけ?ちょっと様子おかしかったけど。後藤間違っては無かったの?」

「うん。あっもう時間やばいから出ようかぁ」



「・・うん。」

矢口と後藤は手を繋いで一緒に出て行った。


その日の夜、後藤宅――

バイトを終えて家に帰ってきた後藤はベッドに寝そべって、ここ数日と今日会った
時の矢口の様子を思い出していた。


(絶対まだなんか隠してるんだよ・・・後藤には分かるんだよ・・・でも・・・

 聞けないなぁ〜・・・・)



(・・舌入れたの・・・やだったのかな?・・・良くわかんないクセにやるもんじゃないな)







(あぁ・・・よっすぃーのこと聞くの忘れてた。)
287 名前:りょう 投稿日:2002年04月21日(日)23時37分36秒
>269 ROMさま
     う〜ん・・・ごまが吉とのことを知ったときどうなるか・・・
     どうしましょ(w

>270 ロ〜リ〜さま
     やぐは・・・ごまが大好きです。
     もうちょっと待ってくらさい。

>271 とみこさま
     切ないやぐよし。今度書いてみようかなぁ(w
     痛いですか?!そんなはずは・・無かったんです!!

>272 いしごま防衛軍さま
     初めましてです!吉は、救いようがないくらいになってきました。
     でも石はそんな吉が結局は好きなのかもしれません・・・。
     石のために怒って頂いて感謝です(泣

>273 no-no-さま
     ヤッスーですか・・・出番無かったりして・・・
     遅くなりましたが更新しました。
     お待たせしてすいませんです\(__ )
288 名前:りょう 投稿日:2002年04月21日(日)23時39分10秒
>274 名無し読者さま
     はい。えらいことさせてしまいました。
     なんとか修復しないと!!

>275 パムさま
     やぐごまは波瀾が好きみたいです。
     あっちと違ってやぐがちょっと可哀想ですかね。
     余談ですがハロモニ劇場の制服やぐと文麿ごまいいなぁ・・(w

>276 145さま
     初めまして!!ですが、sageでお願いします(^∧^)
     乙女〜は続き・・・書いてないです最近・・・。
     と、取りあえずこっちゃで・・・。

     個人的にはもう少しで終わらせるハズだったのですが
     また伸びてしまいました。短く書くって難しいですね。
289 名前:ROM ◆ROMuFK/w 投稿日:2002年04月21日(日)23時50分30秒
更新お疲れさまです。
結局言えませんでしたね…
もし知ったら、きっとごま(略)
まあそんな事はおいといて、
これからも頑張って下さい。
290 名前:145 投稿日:2002年04月22日(月)01時22分02秒
すいません。sageのチェックがはずれてたみたいで。
ごっちんがなんかすっごく健気(?)でいい〜
真里っぺこれから大変だろうな〜と思いながら続きを待ってますね
これからも頑張って下さいね〜
291 名前:七誌 投稿日:2002年04月22日(月)01時47分18秒
今日、後輩にやぐのカードをもらいました。
表は、黄色いやぐでした。さて裏はどんなやぐかな〜
と思い、見てみるとなんとそこにはごまが!
やぐごまかよ! と突っ込みたい気持ちを抑え、
家に帰ってから一人で突っ込みました(w

しょぼいカードなんですが、後輩よ、ありがとう!(w
292 名前:よすこ大好き読者 投稿日:2002年04月22日(月)02時05分25秒
吉が・・・・・申し訳ないです(^^;
(ついHNがこれなもんで・・・・笑)
ばれるのも時間の問題かと思われ・・・・・。ウウゥ・・・・。
続き待ってます。
293 名前:とみこ 投稿日:2002年04月22日(月)17時45分37秒
毎回大量更新お疲れです^^
とっても読み応えがあって嬉しいです。
294 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月22日(月)19時37分06秒
矢口はなんで隠すんですかねー。
ごっちんにことを思ってだろうが逆効果のような気がする。
梨華たんがよっすぃーを許すかはわかりませんが、ことがばれたら
ヤッスーはよっすぃーに制裁をあたえざるをえないだろう。
ああ切ない。
295 名前:no-no- 投稿日:2002年04月22日(月)20時16分24秒
ごまがすっごく可哀想でやんす。
ヤッスーではないとしたらやっぱ梨花ちゃん?
早く救って欲しいです。
続きお待ちしてます。
296 名前:ROM ◆ROMuFK/w 投稿日:2002年04月22日(月)20時51分36秒
ちょっと早いけど
スレッド引っ越し警報!
次で最後かな…
297 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時48分58秒
次の日後藤は学校帰りに梨華と待ち合わせをして会っていた。

「やぐっつあんは取りあえず元気だった。それでね、ごめん!!よっすぃーの事
 聞くの忘れちゃった。」

「あっ、そうなの?忘れてたら仕方ないよ気にしないで。でもじゃあまりっぺは
 連絡取れるの?」

「うん。ずっとバイトが忙しかっただけみたいだよ。」

「そか。じゃあまた連絡してみるね。」

「うん、そうして。・・・それでさぁ一個許して欲しいことあるんだけど。」
「許して欲しいこと?」
「そう。」
「なにかな?」


「・・・よっすぃーにさ、梨華ちゃんの悩んでる事とかも含めてだけど後藤自身
 聞きたいことあるんだ。だからふたりで会っても良いかな?」

「ごっちんも何か聞きたいことあるの?」

「そう。まぁ服の趣味とぁ似てるからお薦めの店とか教えてもらおうかなーって思って。」

「そっか。いいよその位。よっすぃーの連絡先分かる?」

「あっ・・わかんないや。」

ということで連絡先を教えてもらった後藤は家に帰るとすぐにメールを打った。
298 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時50分07秒
数日後、吉澤の家で会うことにした後藤はバイト前に寄った。


「ごめんね〜急に。」

「ううん。珍しいよねごっちんが私に話あるなんて。」

「そうだね。ちょっと教えて欲しいことあってさ。」
「うん?」


「やぐっつあんって隠し事する方?」

「矢口さん?!・・さ、さあ・・どうだったかな・・・え?なんか隠し事されてそうなの?」


「・・・う・・ん。何も隠してないって言ってるけど怪しくてさぁ〜こんなこと
 よっすぃーにしか聞けなくって。恥ずかしいことだけどさ。」

後藤は苦笑いをしながら吉澤に言っていた。


「矢口さんはごっちんに隠し事なんかしないんじゃない?だって仲良いでしょ?」


「んー・・・そうだけど・・・あのさ・・聞いてくれる?」
「なに?」
299 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時51分32秒

「・・・こないださ、やぐっつあんにキスしたのさ。そしたらなんか
 おかしかったんだよ。」

顔を赤くしながらそう言う後藤に吉澤は答えた。


「おかしいってどんな風に?」


「ん・・ちょっと嫌がってたかも。」

今度は悲しそうに言った後藤。




「それは・・・・・・・・嫌われてるからじゃない?」

思いもしていなかった返事が吉澤から帰って来た後藤は一瞬耳を疑った。
そして聞きなおした。

「え?もっかい言ってくれる?」



吉澤は今度ははっきりと分かるように言った。

「ごっちんさ、矢口さんとは合わないんだよ。」

「え?急にどうしてそんなこと言うの?」

自分を応援してくれていると思っていた後藤はただただ困惑するばかりであった。
300 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時53分50秒
「前から思ってたよ。矢口さんにごっちんは合わない。ごっちん子供だもん。」

「どういうこと?!」

わけも分からずにけなされたようで後藤は腹が立った。


「言葉通りだよ。ごっちんは子供だから矢口さんに甘えてばっかでふにゃふにゃしててさ、

 それにえっちだってしてないでしょ。キスしたって嫌がられてるんじゃん。」


「甘えてないよ!それにえっちしてなくても子供じゃない!どうして急に

 そんなこと言うの?応援してくれてたんじゃないの?!」


「応援?とんでもない。ライバルだってのに応援なんてするわけないじゃん。」

当然と言った顔で話していく吉澤に後藤は不安になった。


「おかいしいよ?!よっすぃーさっきから何言ってんの?」

「矢口さんには私しか居ないんだよ。」


「はぁ???な、なに言ってんの?よっすぃーには梨華ちゃん居るじゃんか!!」



「私は矢口さんの方が好きなんだよ。それにこないだえっちしたし。」
301 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時55分33秒
「??っウソばっか言ってんじゃないよ!!」

「ウソだと思うんなら直接聞いてみたら?」

「信じないよ!」

「それならそれで良いんじゃない?」

開き直って話す吉澤を疑いの目で見ながらも、ここ数日どこかで感じていた

不安感はこれだったのかと納得してしまいそうになる後藤だった。


後藤は吉澤の家を飛び出して矢口の家へと向かった。




「ごっちんだけにはあげたくない・・・」





後藤は大急ぎで家へ向かったがもちろんバイト中の矢口の家に入れるわけもなく、

自分も仕方なくバイトへと向かった。

もやもやした心のまま仕事を続けた後藤は失敗ばかりを繰り返ししていまい、

保田に怒られて大掃除させられていた。

吉澤の家を飛び出してからなんとかして矢口と連絡を取ろうと電話やメールを

しまくった後藤だったが生憎電源が入ってないようで繋がらなかった。
302 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時57分21秒
翌日後藤は、矢口が戻ってくるのを以前のように待った。

帰って来た矢口を見て後藤は泣きそうな顔で駆け寄って行った。

いつも笑顔の後藤が泣きそうになっているのを見た矢口はなにがあったのか?

と心配そうに駆け寄り、家へと入れてやった。


「ごっつあん、今日はどうしたの?学校でしょ?またなんかあったの?」

いつも通りの変わらない顔で言う矢口だったので後藤はやはり吉澤に担がれているのかな

と思ったが、吉澤の顔が冗談を言っているようには見えなかったので聞くことにした。

――が、単刀直入に聞くことはしなかった。出来るならば聞く前に矢口の口から

聞きたかったのだ。


「やぐっつあんさ、やっぱりこないだの隠し事以外に後藤に隠してることあるよね?」

「え?なんのことかな。」


「後藤はさ、やぐっつあんの言葉が後藤にとって悪い事でも聞きたいんだよ。

 お願いだから教えて。」



何度も何度もそう言ったが矢口は決して口を割ろうとはしなかった。
303 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時58分25秒
無理やりにとは言え、他の子と寝た、それも元恋人ととなれば矢口としても

言えるはずはなかった。そもそも元恋人であることすら後藤は知らないと

矢口は思っていた。


このままじゃ埒が明かないと思った後藤は仕方なしに話し出した。


「じゃあ後藤が思ってること言うけど、よっすぃーとなんかあった?」

その言葉を聞いて身を強張らせた矢口。

それを見て吉澤が言っていたことは大袈裟かもしれないが、何かあったことは

本当だと確信した後藤はさらに矢口に問いただした。


「やっぱり!!何があったの?教えてよ。」

「なななにもないよ。」

俯いて矢口は言う。


「ウソ!おかしすぎるもん・・・・・やぐっつあんとさ、よっすぃーが

 昔付き合ってたこと・・・知ってるよ?」


「えっ?!」
304 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月22日(月)23時59分30秒
「よっすぃーはやぐっつあんの前の恋人でしょ?やぐっつあんが言ってくれるまで

 言わないでおこうと思ってたんだけど・・・無理。何かあったんなら、後藤にも

 言えないようなことがあったんなら・・・・・・・・・教えて・・やぐっつあんは

 よっすぃーが好きなの?よっすぃーとヨリ戻したいの?」

後藤は俯いている矢口の顔を覗き込むように悲しい表情で言った。


「よっすぃーと付き合ってたこと知ってたの?!」

「うん。前に箱根行った時聞いた」
「よっすぃーに?」
「うん。」

「そか・・でも過去のことだよそれは!!矢口はごっつあんだけだから !!」



「・・・無理してない?」

「してないよ!!・・・だけど・・・」

「だけど?後藤のこと嫌いじゃないならなんなの?」


「・・・」

305 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月23日(火)00時00分39秒
「やぐっつあんとよっすぃーの間に何かあったとしても後藤はやぐっつあんが

 好きだよ?やぐっつあんはいつだって後藤の大好きなやぐっつあんだよ?」




「・・・聞いたら軽蔑する。」

「しないよ!」




「失望するかもしれない・・・」

「そんなのしないから、心配しないで言って!!ねぇ!」


少し沈黙が訪れたが矢口がぼそっと言った。





「・・・キスした。」

「えっ?!!」



「こないだの休みのとき・・・ごっつあんと別れたあとよっすぃーと会ってた。

 ・・・それでキスされて・・・・・・・それで・・・・」



「それで?」






「・・・・・・えっちした。」
306 名前:ちっちゃな矢口に愛がある 投稿日:2002年04月23日(火)00時02分07秒

「・・・ほんとのことなの?」

後藤はいつのまにか吉澤の言っていたことが本当であるということを認めていた。


「ほんとだよ・・・・・無理やりだったけどっ・・・・・。」

「無理やり?!レイプされたってこと?!」




「言い方悪くするとね・・・。」

矢口はこないだのことを思い出したのか、大粒の涙を流しながらぼそぼそと話した。



「・・・でもっ・・・でも、レイプだったらやぐっつあんは悪くないじゃんか!!

 悪いのはよっすぃーじゃんか!!やぐっつあんは被害者だよ!!」



「でも・・・矢口も悪い」

「なんで――」
307 名前:りょう 投稿日:2002年04月23日(火)00時08分01秒
黄板に引越しました。
乙女スレを使おうかとも悩みましたが立てました。
宜しくお願いします。

次スレhttp://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=yellow&thp=1019487968

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